JP2018189133A - パイプ状部材の支持固定構造およびこの支持固定構造を備えた組立て家具 - Google Patents

パイプ状部材の支持固定構造およびこの支持固定構造を備えた組立て家具 Download PDF

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高岡 伸夫
Nobuo Takaoka
伸夫 高岡
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Abstract

【課題】パイプ状部材が支持部材の嵌合凹部に何度も抜き差しされても、パイプ状部材を、がたつきのない状態で安定して支持部材に支持固定することができるパイプ状部材の支持固定構造およびこの支持固定構造を備えた組立て家具を提供する。
【解決手段】テーブルの天板部材1の嵌合凹部11の底に、受部本体12、ナット14およびナット固定キャップ13からなるねじ受部16を設けるとともに、受部本体12に一端が連設され、他端が嵌合凹部11の内壁面との間に脚本体21の壁の一部が嵌り込む隙間を形成するリブ15aを設け、蝶ねじ3の雄ねじ部32をワッシャ4が切欠11aの周囲の嵌合凹部11の外壁面に圧接されるまで、雌ねじ孔14aにねじ込んでリブ15a,15aを撓みによって嵌合凹部11の内壁面側に引き寄せて、リブ15aと、嵌合凹部11の内壁面との間で脚本体21の周壁を挟み着けるような支持固定構造とした。
【選択図】図10

Description

本発明は、たとえば、椅子やテーブルの脚、あるいはハンガーラック等のバーなどのパイプ状部材の支持部材への支持固定構造、および、この支持固定構造を備え、組立て、分解を容易にできる組立て家具に関する。
不使用時や搬送時に嵩張らず、使用時に容易に組み立てられる組立て家具として、図12に示すような、パイプ状部材からなる脚120が着脱可能になったテーブル100が提案されている(特許文献1)。
すなわち、このテーブル100は、図12および図13に示すように、天板部材110のコーナー部(図12、図13では1つのコーナー部しかあらわれていない)の下面に設けられた嵌合凹部112に脚120の上端を挿し込み、天板部材110の上方から脚120の上端に設けられたねじ孔に固定ねじ130をねじ込むことによって、脚120を天板部材110に固定することによって組立てることができる。また、固定ねじ130を解除すれば、図13に示すように脚120を取り外すことができる。
特開2008-163963号公報
しかし、上記のテーブル100の場合、脚120が、金属製の脚本体121と、脚本体121の上端に嵌合された樹脂製の圧入部122からなり、何度も脚120の着脱を繰り返すと、圧入部122が変形して、圧入部122と嵌合凹部112との間に隙間が生じ、脚120がガタつく場合が出てくる。
本発明は、上記事情に鑑みて、パイプ状部材が支持部材の嵌合凹部に何度も抜き差しされても、パイプ状部材を、ガタつきのない状態で安定して支持部材に支持固定することができるパイプ状部材の支持固定構造およびこの支持固定構造を備えた組立て家具を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかるパイプ状部材の支持固定構造(以下、「本発明の支持固定構造」と記す)は、パイプ状部材の端部が、樹脂材料からなる支持部材の筒状をした嵌合凹部に、抜き差し可能に支持固定されるパイプ状部材の支持固定構造であって、前記支持部材は、前記パイプ状部材の固定ねじの雄ねじ部が挿通されるねじ挿通部が前記嵌合凹部の壁面に穿設されているとともに、前記嵌合凹部の底に、ねじ軸が前記ねじ挿通部を臨むように設けられた雌ねじを有するねじ受部が一体に設けられ、かつ、前記ねじ受部に一端が連設され、他端が前記脚嵌合凹部の筒内壁面との間に前記筒状嵌合部の壁の一部が嵌り込む隙間を形成するリブが、前記ねじ挿通部側に延びるように設けられていて、前記パイプ状部材は、その壁面に前記雄ねじ部が挿通されるねじ通孔が穿設され、前記ねじ通孔を、前記ねじ挿通部および雌ねじのねじ孔に一致させるとともに、その周壁の一部が前記隙間に嵌り込んだ状態で、前記嵌合凹部に嵌合され、前記固定ねじは、その頭部あるいは前記雄ねじ部に装着されたワッシャまたはナットが前記ねじ挿通部の周囲に圧接された状態になるように、前記雄ねじ部が前記ねじ挿通部およびねじ挿通孔を介して前記雌ねじに螺合されていることを特徴としている。
本発明の支持固定構造において、ねじ受部は、特に限定されないが、たとえば、雌ねじとなるナットと、嵌合凹部の底に一体成形され、前記ナットの一部が嵌り込むナット位置決め凹部を有する受部本体と、この受部本体に固定され、前記ナットを前記ナット位置決め凹部に嵌り込んだ状態に保持するナット固定キャップを備えている構成とすることが好ましい。
すなわち、ナットをインサート成形することによってねじ受部を成形することが可能であるが、金型が複雑となり、金型コストがかかるが、上記構成のようにすれば、支持部材の金型コストを低減することができる。
本発明の支持固定構造において、リブは、1本でも構わないが、雌ねじのねじ軸を挟んで両側に平行に設けられている構成とすれば、脚をよりしっかりと固定することができる。
本発明にかかる組立て家具(以下、「本発明の組立て家具」と記す)は、上記本発明の支持固定構造を備えていることを特徴としている。
本発明の組立て家具としては、特に限定されないが、たとえば,テーブル、椅子、ワゴン台、ハンガーラックなどが挙げられる。
本発明の組立て家具において、パイプ状部材は、特に限定されないが、たとえば、脚、水平バー、支柱などとして用いられる。
本発明の支持固定構造は、上記のように、パイプ状部材の端部が、樹脂材料からなる支持部材の筒状をした嵌合凹部に、抜き差し可能に支持固定されるパイプ状部材の支持固定構造であって、前記支持部材は、前記パイプ状部材の固定ねじの雄ねじ部が挿通されるねじ挿通部が前記嵌合凹部の壁面に穿設されているとともに、前記嵌合凹部の底に、ねじ軸が前記ねじ挿通部を臨むように設けられた雌ねじを有するねじ受部が一体に設けられ、かつ、前記ねじ受部に一端が連設され、他端が前記脚嵌合凹部の筒内壁面との間に前記筒状嵌合部の壁の一部が嵌り込む隙間を形成するリブが、前記ねじ挿通部側に延びるように設けられていて、前記パイプ状部材は、その壁面に前記雄ねじ部が挿通されるねじ通孔が穿設され、前記ねじ通孔を、前記ねじ挿通部および雌ねじのねじ孔に一致させるとともに、その周壁の一部が前記隙間に嵌り込んだ状態で、前記嵌合凹部に嵌合され、前記固定ねじは、その頭部あるいは前記雄ねじ部に装着されたワッシャまたはナットが前記ねじ挿通部の周囲に圧接された状態になるように、前記雄ねじ部が前記ねじ挿通部およびねじ挿通孔を介して前記雌ねじに螺合されている。
したがって、この支持固定構造によれば、パイプ状部材の端部をパイプ状部材のねじ挿通孔が、嵌合凹部のねじ挿通部に一致するように、嵌合凹部にはめ込み、固定ねじの頭部あるいは固定ねじの雄ねじ部に装着したワッシャが、嵌合凹部の外壁面に圧接されるまで固定ねじをその雄ねじ部が固定ねじ挿通孔および固定ねじ挿通部を介して、雌ねじにねじ込むようにすることによって、パイプ状部材「を嵌合凹部に抜け止め状態に支持できる。
そして、固定ねじを取り除けば、脚を本体部材から容易に取り外すことができる。
また、固定ねじの締め込みによって、ねじ受部に固定ねじの頭部側に向かう引っ張り力が加わる。そして、この引っ張り力によって、ねじ受部に連設されたリブの端面がパイプ状部材の内壁面側に引き付けられて、パイプ状部材の周壁が確実に嵌合凹部の内壁面に圧接状態になるので、パイプ状部材を何度も抜き差しすることによって、嵌合凹部の内壁面が磨耗したり、変形をしたりしても、ガタつきのない、パイプ状部材の安定した支持固定状態が得られる。
本発明の支持固定構造を備えた組立て家具の1つの実施の形態であるテーブルを上方から見た斜視図である。 図1のテーブルを下方から見た斜視図である。 図1のテーブルの脚固定部の拡大斜視図である。 図3のテーブルの脚固定ねじを取り外した状態の斜視図である 図1のテーブルの天板部材の底面図である。 図5の天板部材の脚嵌合凹部部分の拡大底面図である。 図1のテーブルの脚部分の拡大断面図である。 図1のテーブルのナットキャップをあわわし、同図(a)がその平面図、同図(b)が同図(a)のA−A線断面図である。 図1の脚本体の正面図である。 図1のテーブルの脚部固定部部分の縦断面図である。 図10の固定ねじを取り外した状態の縦断面図である。 従来のテーブルの脚固定部分の断面図である。 図12のテーブルの脚を取り外した状態の断面図である。
以下に、本発明を、その実施の形態を参照して詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の支持固定構造を備えた組立て家具の1つの実施の形態であるテーブルをあらわしている。
図1および図2に示すように、このテーブルAは、支持部材としての天板部材1と、パイプ状部材としての4本の脚2を備えている。
天板部材1は、平面視略正方形をしていて、4つのコーナー部の下面側にそれぞれ嵌合凹部11を備えている。
各嵌合凹部11は、ねじ挿通部としての1つの切欠11aを備えている。
脚2は、脚本体21と、脚キャップ22を備えている。
脚本体21は、ステンレス鋼管や亜鉛メッキ鋼管などの金属管で形成されていて、図4、図9〜図11に示すように、上端側に後述する固定ねじとしての蝶ねじ3の雄ねじ部32が挿通可能なねじ挿通孔21aが穿設されている。
脚キャップ22は、ABS樹脂、メラミン樹脂、PP樹脂、PE樹脂等の合成樹脂や合成樹脂エラストマー、これらの合成樹脂に木粉、炭酸カルシウムなどの充填材や、紫外線吸収剤、顔料、難燃剤、抗菌剤などの公知の添加剤を必要に応じて添加した樹脂組成物で形成されていて、脚本体21の下端に嵌合されている。
天板部材1は、図6、図7、図10、図11に示すように、本体部材10と、ナット14と、ナット固定キャップ13を備えている。
本体部材10は、ABS樹脂、メラミン樹脂、PP樹脂、PE樹脂等の合成樹脂や合成樹脂エラストマー、これらの合成樹脂に木粉、炭酸カルシウムなどの充填材や、紫外線吸収剤、顔料、難燃剤、抗菌剤などの公知の添加剤を必要に応じて添加した樹脂組成物を成形されたベースと、化粧板を張り合わせることによって形成され、平面視略正方形をしていて、図5に示すように、4つのコーナー部の下面側に嵌合凹部11を備えている。
嵌合凹部11は、有底の円筒状をしていて、図2〜図4、図6、図7、図10、図11に示すように、正方形の対角線に直交するようにねじ挿通部となる切欠11aが正方形の中心に向かう位置に設けられている。
嵌合凹部11の底には、ねじ受部16と、6本のリブ15a,15a,15b,15b,15c,15cが設けられている。
ねじ受部16は、受部本体12と、ナット14と、ナット固定キャップ13を備えている。
受部本体12は、本体部材10の嵌合凹部11の底中央に一体成形されていて、ナット14の一部が嵌り込むナット受部12aを備えている。
ナット14は、ナット受部12aに嵌り込んで、雌ねじ孔14aのねじ軸が切欠11aに一致するように配置されている。
ナット固定キャップ13は、図8に示すように、位置決め凹部13aを備え、ナット14の一部が位置決め凹部13aに嵌り込んだ状態で受部本体12に接着あるいは融着によって固着されている。
6本のリブ15a,15a,15b,15b,15c,15cは、ねじ受部16の受部本体12と同様に本体部材10の嵌合凹部11の底にリブの15a,15a,15b,15b,15c,15cの一端が受部本体12に連設され、他端と嵌合凹部11の内壁面との間に脚本体21の肉厚とほぼ同じ隙間Sが形成された状態に一体成形されている。
また、6本のリブ15a,15a,15b,15b,15c,15cのうち、2本のリブ15a,15aは、受部本体12から雌ねじ孔14aのねじ軸を挟んでねじ軸に平行に切欠11a側に向かうように設けられているとともに、底からの高さが、他の4本のリブ15b,15b,15c,15cより高くなっている。
このテーブルAは、上記のようになっており、ねじ挿通孔21aが雌ねじ孔14aのねじ軸および切欠11aに一致するように、脚2の上端を嵌合凹部11に嵌合させたのち、蝶ねじ3の雄ねじ部32にワッシャ4を嵌め込んだ状態で、ワッシャ4が切欠11aの周縁に圧接されるまで、雄ねじ部32を切欠11aとねじ挿通孔21aを介して雌ねじ孔14aにねじ込むことによって脚2が本体部材10に固定される。
このとき、ねじ受部16には、蝶ねじ3側からの引っ張り力が作用するため、蝶ねじ3のねじ頭部31側に撓もうとする。
そして、ねじ受部16の撓みにともなって、2本のリブ15a,15aが、蝶ねじ3の頭部31側に引き寄せられたようになるため、リブ15a,15aと、脚本体21の内壁面との隙間Sが狭まり、リブ15a,15aと嵌合凹部11の内壁面との間で、脚本体21がしっかりと挟み込まれた状態になる。
すなわち、テーブルAの分解、組立てを頻繁に行って、嵌合凹部11やリブ15a,15a,15b,15b,15c,15cに歪みや磨耗が生じても、蝶ねじ3を余分に締め込むようにすれば、ねじ受部16とリブ15a,15aの撓みを大きくすることができ、脚本体21の周壁がリブ15a,15aと嵌合凹部11の内壁面でしっかりと挟着され、安定して脚2のガタツキを防止することができる。
また、リブ15a,15aは、その高さが、他のリブ15b,15b,15c,15cに比べ高くなっているので、リブ15a,15aの上方部分が撓みやすい。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。上記の実施の形態では、脚本体が、円形パイプであったが、角パイプでも構わない。
上記の実施の形態では、天板部材が折り畳みできないようになっているが、2つ折りに畳めるようにしてもかまわない。
上記の実施の形態では、天板部材が平面視正方形であったが、長方形でも構わないし、円形でも、多角形形状でも構わない。
上記の実施の形態では、脚が4本であったが、5本以上でも構わないし、3本でも構わない。
上記の実施の形態では、脚本体が、1本のパイプで形成されていたが、2本以上のパイプを連結するようにしても構わない。
また、上記の実施の形態では、脚本体の下端に脚キャップが装着されていたが、キャスターでも構わない。
上記の実施の形態では、ねじ挿通部が切欠であったが、長孔でも構わないし、丸孔でも構わない。
上記の実施の形態では、リブが6つ設けられていたが、切欠側に延びるリブのみでも構わない。
上記の実施の形態では、固定ねじが、蝶ねじになっていたが、六角ボルト、丸頭ねじ、皿ねじなどでも構わない。
A テーブル
1 天板部材(支持部材)
11 嵌合凹部
11a 切欠(ねじ挿通部)
12 受部本体
12a ナット受部
13 ナット固定キャップ
13a 位置決め凹部
14 ナット
14a 雌ねじ孔
15a,15a,15b,15b,15c,15c リブ
16 ねじ受部
2 脚(パイプ状部材)
21 脚本体
22 脚キャップ
3 蝶ねじ(固定ねじ)
31 ねじ頭部
32 雄ねじ部
4 ワッシャ
S 隙間

Claims (6)

  1. パイプ状部材の端部が、樹脂材料からなる支持部材の筒状をした嵌合凹部に、抜き差し可能に支持固定されるパイプ状部材の支持固定構造であって、
    前記支持部材は、前記パイプ状部材の固定ねじの雄ねじ部が挿通されるねじ挿通部が前記嵌合凹部の壁面に穿設されているとともに、
    前記嵌合凹部の底に、ねじ軸が前記ねじ挿通部を臨むように設けられた雌ねじを有するねじ受部が一体に設けられ、かつ、前記ねじ受部に一端が連設され、他端が前記脚嵌合凹部の筒内壁面との間に前記筒状嵌合部の壁の一部が嵌り込む隙間を形成するリブが、前記ねじ挿通部側に延びるように設けられていて、
    前記パイプ状部材は、その壁面に前記雄ねじ部が挿通されるねじ通孔が穿設され、前記ねじ通孔を、前記ねじ挿通部および雌ねじのねじ孔に一致させるとともに、その周壁の一部が前記隙間に嵌り込んだ状態で、前記嵌合凹部に嵌合され、
    前記固定ねじは、その頭部あるいは前記雄ねじ部に装着されたワッシャまたはナットが前記ねじ挿通部の周囲に圧接された状態になるように、前記雄ねじ部が前記ねじ挿通部およびねじ挿通孔を介して前記雌ねじに螺合されていることを特徴とするパイプ状部材の支持固定構造。
  2. ねじ受部が、雌ねじとなるナットと、嵌合凹部の底に一体成形され、前記ナットの一部が嵌り込むナット位置決め凹部を有する受部本体と、
    この受部本体に固定され、前記ナットを前記ナット位置決め凹部に嵌り込んだ状態に保持するナット固定キャップを備えている請求項1に記載のパイプ状部材の支持固定構造。
  3. 上記リブが、雌ねじのねじ軸を挟んで両側に平行に設けられている請求項1または請求項2に記載のパイプ状部材の支持固定構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のパイプ状部材の支持固定構造を備えた組立て家具。
  5. 組立て家具が、テーブル、椅子、ワゴン台、ハンガーラックからなる群より選ばれたいずれか1種である請求項4に記載の組立て家具。
  6. パイプ状部材が、脚、水平バー、支柱の少なくともいずれかである請求項4または請求項5に記載の組立て家具。
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