JP2018186878A - 内視鏡レンズ拭き取りクロス - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡に取り付けられた汚れたレンズ、曇ったレンズを素早く確実にきれいに拭き取ることのできる内視鏡レンズ拭き取りクロスを提供する。【解決手段】極細繊維が含有されたワイピングクロスからなり、該ワイピングクロスが滅菌処理されていることを特徴とする内視鏡レンズ拭き取りクロス。【選択図】図1
Description
本発明は、内視鏡に取り付けられた汚れたレンズを素早く確実にきれいに拭き取ることのできる内視鏡レンズ拭き取りクロスに関する。
内視鏡は、先端にレンズのついた管を患者の身体内へ挿入し、内部を直接接眼レンズで観察したり、モニタに画像を映し観察する。 この内視鏡は、気管支鏡、上部消化管内視鏡、大腸内視鏡、腹腔鏡、膀胱鏡、関節鏡など多くの種類 があり、検査や内視鏡下で行われる手術など、広く臨床で使用されている。
これらの診察、治療の際には、血液、体液、など又は患部切除時の脂肪分等との接触により汚れがレンズに付着し、内視鏡画面の視野が不鮮明となることで、診察、治療の遂行が困難となることがしばしばある。そのため、一度処置を中断し、内視鏡を生体外に引き抜き、レンズの汚れや曇りを拭き取った後に再び内視鏡を生体内に挿入して診察、治療を再開するより仕方がなく、医師及び患者への負担が非常に大きい状況にある。
すなわち、内視鏡の生体外への抜去、清拭は内視鏡手術において最も頻繁に認められる中断の原因である。
従来、内視鏡の拭き取り用具として、ガーゼなどを用いているが(非特許文献1参照)、ガーゼに曇り止めを併用する一般的な清拭方法では、手順の煩雑さや不十分な清拭効果により手術の遅延や中断につながる場合が少なくないという問題を有していた。
したがって、より優れた清拭方法が内視鏡手術時間の短縮やスムーズな進行につながる可能性がある。
https://www.asahi−kasei.co.jp/bemliese/usage/medical/haizegaze2.html(<ハイゼ>スコープワイパー)
そこで本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決することにあり、内視鏡に取り付けられた汚れたレンズ、曇ったレンズを素早く確実にきれいに拭き取ることのできる内視鏡レンズ拭き取りクロスを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、次の構成を採用する。すなわち、
(1)極細繊維が含有されたワイピングクロスからなり、該ワイピングクロスが滅菌処理されていることを特徴とする内視鏡レンズ拭き取りクロス。
(2)ワイピングクロスが包装袋内に収納されていることを特徴とする前記(1)に記載の内視鏡チャンネル内清浄度測定用具。
(3)ワイピングクロスが、繊度が0.01〜2.0デシテックスの極細繊維の合成繊維を含むものからなるものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の内視鏡レンズ拭き取りクロス。
(4)滅菌後のワイピングクロスに微生物等が存在する確率を示す指標である無菌性保証水準(Sterility Assurance level:SAL)」が、10−6以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の内視鏡レンズ拭き取りクロス。
(1)極細繊維が含有されたワイピングクロスからなり、該ワイピングクロスが滅菌処理されていることを特徴とする内視鏡レンズ拭き取りクロス。
(2)ワイピングクロスが包装袋内に収納されていることを特徴とする前記(1)に記載の内視鏡チャンネル内清浄度測定用具。
(3)ワイピングクロスが、繊度が0.01〜2.0デシテックスの極細繊維の合成繊維を含むものからなるものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の内視鏡レンズ拭き取りクロス。
(4)滅菌後のワイピングクロスに微生物等が存在する確率を示す指標である無菌性保証水準(Sterility Assurance level:SAL)」が、10−6以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の内視鏡レンズ拭き取りクロス。
本発明によれば、内視鏡に取り付けられた汚れたレンズ、曇ったレンズを素早く確実にきれいに拭き取ることができ、拭き跡残りの軽減や薬液の節約によるコストの削減が期待できるとう効果を奏する。
図1に示すように、本発明の内視鏡レンズ拭き取りクロス1は、極細繊維が含有され、かつ滅菌処理されているとともに、所定の大きさにカットされ、包装袋2内に収納されている。大きさは、たとえば、一片の長さが3〜10cm程度の正方形状、あるいは長方形状にカットされている。
以下、本発明についてさらに詳述する。
(A)ワイピングクロスについて
本発明で用いるワイピングクロス3は、例えば、特開2003−144368号公報に記載されているような、単繊維繊度が0.01〜2.0デシテックス、好ましくは0.01〜1.0デシテックス、さらに好ましくは0.01〜0.15デシテックスの極細合成繊維フィラメント(A)を含むものからなるものであることが好ましい。さらに、上記極細合成繊維フィラメント(A)に加えて単繊維繊度が0.1〜3デシテックスの合成繊維フィラメント(B)を含む編物、織物などの布帛からなるものであることが好ましい。
(A)ワイピングクロスについて
本発明で用いるワイピングクロス3は、例えば、特開2003−144368号公報に記載されているような、単繊維繊度が0.01〜2.0デシテックス、好ましくは0.01〜1.0デシテックス、さらに好ましくは0.01〜0.15デシテックスの極細合成繊維フィラメント(A)を含むものからなるものであることが好ましい。さらに、上記極細合成繊維フィラメント(A)に加えて単繊維繊度が0.1〜3デシテックスの合成繊維フィラメント(B)を含む編物、織物などの布帛からなるものであることが好ましい。
本発明のワイピングクロスは、後述する実施例に示される、疑似汚れ(オレイン酸100g、エオシンY染料1mg)除去までの拭き取り回数(n=10の平均)が4.0回以下となるものであることが好ましい。
また、疑似汚れ(オレイン酸100g、エオシンY染料1mg)除去までの所要時間(n=10の平均)が10秒以下となるものであることが好ましい。
また、疑似汚れ(オレイン酸100g、エオシンY染料1mg)除去後の表面温度(n=10の平均)が26℃以上となるものであることが好ましい。
前記極細合成繊維フィラメント(A)および合成繊維フィラメント(B)がポリエステル系繊維および/またはポリアミド系繊維からなるものであることが好ましい。
また、上記極細合成繊維フィラメント(A)は、極細化可能な合成繊維を用いる。極細化可能な繊維としては、例えば、海島型合成繊維または剥離型合成繊維などの複合繊維が挙げられる。
海島型合成繊維の場合は島成分としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維などの極細化可能な繊維を用いることができる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらの共重合体などからなるポリエステル系繊維や、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66およびこれらの共重合体などからなるポリアミド系繊維が好ましい。極細化は、海成分を例えばアルカリ溶液中で溶解することによって、容易に得ることができる。
また、剥離型合成繊維の場合は、2〜5成分の合成樹脂繊維を組み合わせて得ることができ、単一成分としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維などを挙げることができるが、なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらの共重合体などからなるポリエステル系繊維や、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66およびこれらの共重合体などからなるポリアミド系繊維、およびこれらの組み合わせのものが好ましい。
剥離型の場合は、例えば、アルカリ液中で処理することによって、剥離し、極細化することができる。
また、極細合成繊維フィラメント(A)と合成繊維フィラメント(B)は、生糸のまま使うことはできるが、予め、各々、別々に仮撚りなどの加工糸にして使うこともできるし、両者をエアー交絡、実撚りを施して使うこともできる。
極細合成繊維フィラメント(A)と合成繊維フィラメント(B)との布帛に含有される割合は、合成繊維フィラメント(B)が10〜90重量%を占めることが好ましく、20〜80重量%であることがさらに好ましく、30〜70重量%であることがより好ましい。
さらに、極細合成繊維フィラメント(A)として、ポリエステル系繊維を用い、合成繊維フィラメント(B)として、ポリアミド系繊維を用いることが好ましい。
(B)滅菌処理について
本発明で用いるワイピングクロスは、手術室に持ち込みされるため、もしくは内視鏡のレンズ拭き取りによりレンズに菌が付着しないようにするため、滅菌処理されていることが重要である。
本発明で用いるワイピングクロスは、手術室に持ち込みされるため、もしくは内視鏡のレンズ拭き取りによりレンズに菌が付着しないようにするため、滅菌処理されていることが重要である。
微生物を完全に殺滅・除去された状態を「無菌(状態)」というが、現実には完全な無菌を保証することは困難であるため、通常、「滅菌」とは微生物が生育できる可能性を限りなくゼロに近づける行為をさして使用される。
滅菌の基準を示す指標にISO(国際標準化機構)の「無菌性保証水準(Sterility Assurance level:SAL)」がある。現在ISOで採用されているSALは10−6以下である。
本発明のワイピングクロスにおいても、このSALは10−6以下であることが好ましい。
滅菌処理としては、種々の方法があるが、代表的な手段は以下のとおりである。
(1)酸化エチレンガス滅菌(EOG滅菌)
エチレンオキサイドを直接流通させることによって微生物を殺滅する方法である。
(2)放射線滅菌(ガンマ線滅菌)
放射性同位元素を含む線源からのガンマ線を照射することによって微生物を殺菌する方法である。
(3)高圧蒸気滅菌
適当な温度および圧力の飽和水蒸気中で加熱することによって微生物を殺滅する方法である。
(4)過酸化水素低温ガスプラズマ法
過酸化水素ガスに高真空下で高周波やマイクロ波のエネルギーを付与し、100%電離(イオン化)、すなわちプラズマ化したものを利用する滅菌法である。
(1)酸化エチレンガス滅菌(EOG滅菌)
エチレンオキサイドを直接流通させることによって微生物を殺滅する方法である。
(2)放射線滅菌(ガンマ線滅菌)
放射性同位元素を含む線源からのガンマ線を照射することによって微生物を殺菌する方法である。
(3)高圧蒸気滅菌
適当な温度および圧力の飽和水蒸気中で加熱することによって微生物を殺滅する方法である。
(4)過酸化水素低温ガスプラズマ法
過酸化水素ガスに高真空下で高周波やマイクロ波のエネルギーを付与し、100%電離(イオン化)、すなわちプラズマ化したものを利用する滅菌法である。
(C)ワイピングクロスの包装について
本発明のワイピングクロスは、図1に示すように、滅菌された状態で包装袋内に収納されて保管されていることが好ましい。
本発明のワイピングクロスは、図1に示すように、滅菌された状態で包装袋内に収納されて保管されていることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
(1)試料
実施例、比較例に用いたワイピングクロスは、EOG滅菌によりSALは10−6以下とされた5cm×5cmの大きさの正方形状にカットされたものである。
実施例、比較例に用いたワイピングクロスは、EOG滅菌によりSALは10−6以下とされた5cm×5cmの大きさの正方形状にカットされたものである。
実施例1
東レ(株)社製のマイクロファイバークロス(”トレシー for CE”東レ株式会社登録商標)(単糸繊度0.07dtexを含む編物)。
東レ(株)社製のマイクロファイバークロス(”トレシー for CE”東レ株式会社登録商標)(単糸繊度0.07dtexを含む編物)。
実施例2
単糸繊度0.26dtexのポリエステル繊維と、単糸繊度0.91dtexのポリアミド繊維を含む編物(”ピセーム”東レ株式会社登録商標、割繊糸)。
単糸繊度0.26dtexのポリエステル繊維と、単糸繊度0.91dtexのポリアミド繊維を含む編物(”ピセーム”東レ株式会社登録商標、割繊糸)。
比較例1
大学ガーゼ(綿100%の医療ガーゼ)白十字製
比較例2
単糸繊度2.42dtexを含む編物
(2)疑似汚れ
オレイン酸を100gに対して、エオシンY染料を1mg添加し、ヤマト(株)社製超音波洗浄器サンパW−113にて15分間超音波を発振させて均一な色付き疑似汚れ溶液を作成。
(3)拭き取り試験
室温23℃に設定した室内で以下の試験を実施した。
36℃に加温したオープンに1mm厚みのガラス板を30分間暖めた後、36℃で保温している疑似汚れ(オレイン酸100g、エオシンY染料1mg)をマイクロピペットにて10μL添加し、プラスチック製デイスポーザブルループにて30×30mmの範囲に伸展させた。この部分を5cm×5cmサイズ試料で拭き取り目視で見えなくなるまで繰り返し拭き取りを実施し、その拭き取り回数(表1)と拭き取りに要した所要時間(表2)を測定した。また、同時に拭き取り後のガラス表面温度(表3)をタスコジャパン株式会社製の放射温度計で測定した。上記の実験を10回繰り返し、平均値を求めた。なお、体温と室温との温度差が生じることは曇る要因の一つとなる。
大学ガーゼ(綿100%の医療ガーゼ)白十字製
比較例2
単糸繊度2.42dtexを含む編物
(2)疑似汚れ
オレイン酸を100gに対して、エオシンY染料を1mg添加し、ヤマト(株)社製超音波洗浄器サンパW−113にて15分間超音波を発振させて均一な色付き疑似汚れ溶液を作成。
(3)拭き取り試験
室温23℃に設定した室内で以下の試験を実施した。
36℃に加温したオープンに1mm厚みのガラス板を30分間暖めた後、36℃で保温している疑似汚れ(オレイン酸100g、エオシンY染料1mg)をマイクロピペットにて10μL添加し、プラスチック製デイスポーザブルループにて30×30mmの範囲に伸展させた。この部分を5cm×5cmサイズ試料で拭き取り目視で見えなくなるまで繰り返し拭き取りを実施し、その拭き取り回数(表1)と拭き取りに要した所要時間(表2)を測定した。また、同時に拭き取り後のガラス表面温度(表3)をタスコジャパン株式会社製の放射温度計で測定した。上記の実験を10回繰り返し、平均値を求めた。なお、体温と室温との温度差が生じることは曇る要因の一つとなる。
表1〜表3から明らかなように、本発明のワイピングクロスは、疑似汚れ(オレイン酸100g、エオシンY染料1mg)除去までの拭き取り回数(n=10の平均)が4.0回以下となり、比較例1,2と比べて拭き取り回数は極めて少なくて済む。
また、疑似汚れ(オレイン酸100g、エオシンY染料1mg)除去までの所要時間(n=10の平均)が10秒以下となり、比較例1,2と比べて極めて早く拭き取れる。
また、疑似汚れ(オレイン酸100g、エオシンY染料1mg)除去後の表面温度(n=10の平均)が26℃以上となり、比較例1,2と比べてガラス板の表面温度は高く維持できる。
1:内視鏡レンズ拭き取りクロス
2:包装袋
2:包装袋
Claims (4)
- 極細繊維が含有されたワイピングクロスからなり、該ワイピングクロスが滅菌処理されていることを特徴とする内視鏡レンズ拭き取りクロス。
- ワイピングクロスが包装袋内に収納されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡チャンネル内清浄度測定用具。
- ワイピングクロスが、繊度が0.01〜2.0デシテックスの極細繊維の合成繊維を含むものからなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡レンズ拭き取りクロス。
- 滅菌後のワイピングクロスに微生物等が存在する確率を示す指標である無菌性保証水準(Sterility Assurance level:SAL)」が、10−6以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡レンズ拭き取りクロス。
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- 2017-04-28 JP JP2017089310A patent/JP2018186878A/ja active Pending
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