JP2018176835A - 偏心作用を利用した推進装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型且つ軽量であり、安価で、消費電力が少なく、使い勝手の良い推進装置を提供する。
【解決手段】推進装置1は、ハウジング2と、ハウジング2に設けられ、中心軸3aから半径方向に離間された重り4を前記中心軸3aを中心に円運動させる駆動部材3(回転モータ)と、ハウジング2を接地する複数の接地部材5(繊毛状の複数の脚5a,5b)とを備える。複数の接地部材5は各々、ハウジング2と接面9との距離を変化させるバネ性を有しており、重り4を円運動させることによって生じさせた偏心作用と複数の接地部材5のバネ性とを利用して、進行方向(前後、左右)に応じて大小関係を有する推進力を複数の接地部材5に発生させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、推進装置、更に言えば、偏心作用を利用して所望の方向に推進させることができる推進装置に関する。
例えば、配管などの狭隘空間や不整地を探査するための推進用のロボットでは、一般に、ロボットの推進力を車輪を通じて得るものとなっている。
しかしながら、車輪を利用することによって装置は大型化且つ重量化し、配管等の狭隘空間に装置を進入させることが困難或いは不可能になることも多かった。また、車輪を用いた装置は方向転換が容易ではなく、しかも、車輪を駆動するため又は方向転換を行うために比較的大きな電力を要し、更に、このような大きな電力を送るために装置にケーブルを接続しなければならない等、使い勝手がよいものではなかった。更にまた、このような装置は一般に高価であり、配管等への挿入後に回収が不可能となる状況、例えば、放射能汚染が深刻な場所等では、コストの問題から使用がためらわれていたという事情もあった。
本願発明は、このような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、小型且つ軽量であり、安価で、消費電力が少なく、使い勝手の良い推進装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様による推進装置は、ハウジングと、前記ハウジングに設けられ、中心軸から半径方向に離間された重りを前記中心軸を中心に円運動させる駆動部材と、前記ハウジングを接地する複数の接地部材と、を備え、前記複数の接地部材は各々、前記ハウジングと接面との距離を変化させるバネ性を有しており、前記重りを円運動させることによって生じさせた偏心作用と前記複数の接地部材のバネ性とを利用して、進行方向に応じて大小関係を有する推進力を前記複数の接地部材に発生させることを特徴として有する。
この態様の推進装置によれば、進行方向に応じて大小関係を有する推進力を複数の接地部材に発生させることにより、例えば、推進力に指向性を与えるように複数の接地部材を規則性をもって配列することにより、推進装置を所望の進行方向に推進させることができる。
上記態様の推進装置において、前記重りは、前記中心軸に沿う方向において前記進行方向に寄った側に配置されていてもよい。
この構成によれば、重りに近い側に配置された接地部材は、それ以外の接地部材に比べて偏心作用を受けやすくなり、前者の接地部材については、後者の接地部材よりも、ハウジングと接面との距離をより大きく変化させることができる。この結果、前者の接地部材は、後者の接地部材よりも大きな反作用を接面から受け、これらの接地部材の相互作用によって、推進装置を中心軸に沿う前後方向に沿って進行方向に向って推進させることができる。
また、上記態様の推進装置において、前記重りを円運動させる速度、及び/又は、前記重りを円運動させる周期、及び/又は、前記重りの円運動の大きさ、及び/又は、前記重りが前記中心軸から半径方向に離間される距離を調整することができるのが好ましい。
このように、装置の推進力を調整するために偏心作用を制御してもよい。
更に、上記態様の推進装置において、前記複数の接地部材のうち、前記進行方向に寄った側に配置された接地部材のバネ定数は、それ以外の接地部材のバネ定数よりも小さく設定されてもよい。
このように装置の推進力を調整するためにバネ定数を調整してもよい。
また、上記態様の推進装置において、前記複数の接地部材のうちの少なくとも一部において、該少なくとも一部の接地部材のそれぞれにおいて前記接面の近傍に位置する少なくとも一部に、前記進行方向に寄った側に突出する曲がりが形成されていてもよい。
進行方向に寄った側に突出する曲がりが形成された接地部材は、曲げ側に向って偏心作用を受けやすくなり、これに応答して推進力も変わるため、推進装置を所望とする進行方向に、また、所望の力で推進させることができる。
また、上記態様の推進装置において、前記駆動部材は、前記重りを回転させる回転モータであってもよい。
回転モータを使用することにより、装置構成を簡易化し、また、安価にすることができる。
上記態様の推進装置において、前記駆動部材は、前記重りを時計周り又は反時計周りに回転させることができるのが好ましい。
重りの回転方向を変更することにより、偏心作用を制御して、推進装置を所望の進行方向に、また、所望の力で推進させることができる。
また、上記態様の推進装置において、前記複数の接地部材のうちの少なくとも一部は、前記中心軸を通る垂直面と交差する方向に沿って配列されていてもよい。
本構成によれば、中心軸に沿う前後方向のみならず、中心軸を通る垂直面に対して交差する方向、即ち、左右方向にも運動成分を与えることができ、推進装置を前後方向のみならず左右方向にも推進させることができる。
更に、上記態様の推進装置において、複数の前記推進装置を前記中心軸に沿う方向において互いに独立して推進可能な状態で連結し、連結された前記複数の推進装置のうちの少なくとも1つの推進装置における前記複数の接地部材のうちの少なくとも一部を、前記垂直面と鋭角を成すように配列し、且つ、連結された前記複数の推進装置のうちの他の少なくとも1つの推進装置における前記複数の接地部材のうちの少なくとも一部を、前記垂直面と鈍角を成すように配列してもよい。
この構成によれば、中心軸を通る垂直面と鋭角を成すように設定した推進装置と、中心軸を通る垂直面に対して鈍角を成すように設定した推進装置のそれぞれに、左右いずれか一方の運動成分が与えられ、連結された複数の推進装置を全体として、所望の方向に推進させることができる。
上記態様の推進装置において、前記推進装置を探査ロボットに適用することもできる。
本願発明によれば、小型且つ軽量であり、安価で、消費電力が少なく、使い勝手の良い推進装置が提供される。
装置の側面側の概略図であって、装置を前後方向に沿って推進させる基本原理を概念的に示したものである。 装置の背面側の概略図であって、装置を左右方向に沿って推進させる原理を概念的に示したものである。 装置の背面概略図であって、装置を左右方向に沿って推進させるための原理を概念的に示したものである。 本発明の一実施形態による装置の上側斜視図である。 図4の装置の正面図である。 図4の装置の底面図である。 図4の装置の左側側面図である。 図4の装置の底側斜視図である。 本発明の装置の変形例であって、該装置の上側斜視図である。 図9の装置の正面図である。 図9の装置の平面図である。 図9の装置の底面図である。 図9の装置の左側側面図である。 図9の装置の底側斜視図である
添付図面を参照しつつ、本発明の好適な一つの実施形態について説明する。ここでは、好適な実施形態のみを説明するが、勿論、これによって本発明を限定しようとするものではない。
図1乃至図3を参照して、本発明の推進装置1を推進させるための基本原理を説明する。図1は、装置1の側面側の概略図、図2、図3は、装置1の背面側の概略図であって、図1は、装置1を、前後方向「γ」に沿って、進行方向「ア」に向って推進させるための基本原理を概念的に示したもの、また、図2は、装置1を、左右方向「β」に沿って、進行方向「イ」に向って推進させるための原理を概念的に示したもの、一方、図3は、装置1を、左右方向「β」に沿って、進行方向「イ」とは逆の進行方向「イ’」に向って推進させるための基本原理を概念的に示したものである。
これらの図から明らかなように、装置1は、主に、ハウジング2と、ハウジング2に例えば内蔵された駆動部材、例えば、回転モータ3と、ハウジング2の例えば外周面に設けた複数の接地部材、例えば、繊毛状の複数の脚5を含む。
回転モータ3は、従来の駆動装置に設けられていた、車輪を駆動するためのモータに比べて小型のものであって、例えば、おもちゃのプラモデル模型に使用されるような市販の小型モータ等であってもよい。回転モータ3を駆動するための電力は、ハウジング2の内部に設けた釦電池(図示されていない)から得ることもできる。この場合、装置1に電力供給用のケーブル等を接続する必要もない。
複数の脚5は各々、ハウジング2と接面9との距離を変化させるバネ性を有しており、これらの複数の脚5によって、ハウジング2は接面9に接地される。以下の説明から明らかなように、接地部材は、偏心作用を受けたときに所定の推進力を発生させるバネ性を有するものであればよく、図示のような、繊毛状の脚5に限定されるものではない。特に図示しないが、例えば、ハウジング2の周囲に巻回されたゴム製のものであってもよい。
回転モータ3の中心軸3aには、中心軸3aから半径方向「エ」(図2、図3参照)において所定距離「e」だけ離間された位置に重り4が設けられている。重り4は、回転モータ3によって、中心軸3aを中心に所定の角度範囲で円運動、例えば、回転運動を行うようになっている。この結果、ハウジング2に偏心作用が生じることになり、この偏心作用を通じて、ハウジング2には、少なくとも上下方向「α」及び左右方向「β」に運動成分が生ず得る。
上下方向「α」における運動成分に応答して、バネ性を有する複数の脚5a、5bは、図1に一点鎖線で示したi)の状態、即ち、実質的に曲がりを有しない状態から、同図1に二点鎖線で示したii)の状態、即ち、曲がりを有する状態に変化する。この結果、これら複数の脚5a、5bは、図示矢印「ウ」の方向において、接面9から所定の反作用を受ける。例えば、脚5aについてみると、ハウジング2と接面9との距離は、i)の状態における「f」から、ii)の状態における「f’」に変化し、この結果、脚5aには、所定の力、即ち、バネ定数×(f−f’)に相当する推進力が働くことになる。
本装置1において、重り4は、中心軸3aに沿う前後方向「γ」において、進行方向「ア」に寄った側に配置されている。このため、重り4に近い側に配置された脚5bは、それ以外の脚、例えば、重り4から遠い側に配置された脚5aに比べて、偏心作用を受けやすく、前者の脚5bは、後者の脚5aよりも、接面9との距離をより大きく変化させ、より大きな反作用を接面9から受けることになる。この結果、ハウジング2は、二点鎖線で示したii)の状態から、実践で示したiii)の状態、言い換えれば、上下方向「α」においては、i)の状態と実質的に同じ位置であるが、これに対し、前後方向「γ」においては、i)の状態よりも進行方向「ア」に向って進んだ位置へ移動することになる。脚5a及び5bのこのような相互作用によって、装置1を、中心軸3aに沿う前後方向「γ」に沿って、進行方向「ア」に向って推進させることができる。
同様の原理により、左右方向「β」における運動成分に応答して、装置1を、左右方向「β」に沿って、進行方向「イ」又は「イ’」に向って推進させることができる。図2に示すように、重り4が反時計周りに回転したとき、重り4が接近する側に配置された脚5cは、それ以外の脚、例えば、重り4が遠ざかる側に配置された脚5dに比べて、接面9へ接近する側へと大きく変化し、一方、重り4が遠ざかる側に配置された脚5dは、それ以外の脚、例えば、重り4が接近する側に配置された脚5cに比べて、接面9から遠ざかる側へと大きく変化する。この場合、前者の脚5cは、後者の脚5dよりも、より大きな反作用を接面9から受けることになり、この結果、これらの脚5c及び5dの相互作用によって、装置1を、進行方向「イ」に推進させることができる。逆に、重り4が時計周りに回転したときは、図3に示すように、同様の原理によって、装置1を、進行方向「イ’」に推進させることができる。
次いで、図4乃至図8を参照して、本実施形態による装置10の一例を説明する。図4は、装置10の上側斜視図、図5は、その正面図、図6は、その底面図、図7は、その左側側面図、図8は、その底側斜視図である。
装置10は、互いに連結された装置10A及び装置10Bの2種類を含む。但し、装置10を構成する装置10A、10Bは、互いに連結させずに、個々に用いることもできる。装置10Aと装置10Bの実質的な相違は、ハウジング10A、10Bに対する、それらの脚50A、50Bの配列方向だけである。配列方向の相違によって、装置10Aの進行方向は、図4、図6に示すように、前後方向「γ」に沿う進行方向「サ」と、左右方向「β」に沿う進行方向「シ」と、を合成した方向「ス」となり、装置10Bの進行方向は、進行方向「サ」と進行方向「シ’」とを合成した方向「ス’」となる。装置10A、10Bにおけるこれらの進行方向は、それぞれ、例えば、脚50A、50Bの配列方向によって制御することができる。
各装置10A、10Bは、略円筒状のハウジング20A、20Bと、ハウジング20A、20Bの前側に取り付けた円形状の前板部21A、21B、及び、後板部23A、23Bを含む。また、各装置10A及び10Bには、それぞれ、図1乃至図3に示した装置1と同様の方法で、ハウジング20A、20Bの内部に回転モータ30(図5参照)と重りが設けられている。更に詳細には、装置10A及び装置10Bのそれぞれにおいて、重りは、モータ30の中心軸に沿う前後方向「γ」において進行方向「サ」に寄った側、且つ、半径方向に所定距離だけ離間された位置に配置されている。
以下に詳細に説明するように、装置10Aにおける複数の脚50Aは、進行方向「ス」、更に詳細には、進行方向「サ」と進行方向「シ」の合成方向に応じて、一方、装置10Bにおける複数の脚50Bは、進行方向「ス’」、更に詳細には、進行方向「サ」と進行方向「シ’」の合成方向に応じて、大小関係を有する推進力を発生させるように、例えば、推進力に指向性を与えるように規則性をもって配列されている。
装置10Aの脚50Aは、互いに相隣り合う脚で構成された3つのグループ50aA、50bA、50cAにグループ分けすることができる。各グループ50aA、50bA、50cAの脚は、それぞれ、ハウジング20Aの底側に設けた斜円弧部22aA、22bA、22cAに取り付けられることによって互いに平行に配列されており、また、ハウジング20Aの中心軸(21a)を通る垂直面「g」(図4、図5、図6参照)と交差する方向「カ」(図6参照)に沿って、更に詳細には、垂直面「g」と鋭角「θ」を成すように配列されている。脚50Aをこのように規則性をもって配列することにより、中心軸(21a)に沿う前後方向「γ」のみならず、垂直面「g」に対して交差する方向「カ」(図6参照)、つまり、左右方向「β」にも運動成分を生じさせることができる。この場合、装置10Aについては、進行方向「サ」のみならず、進行方向「シ」にも推進力が与えられることになるから、この結果、装置10Aは、これらの進行方向の合成方向である進行方向「ス」に推進することになる。尚、装置10Aにおいて、重りを、モータの中心軸に沿う前後方向「γ」において、進行方向「サ」とは逆方向に寄った側に配置した場合には、進行方向「サ」とは逆方向と、進行方向「シ」との合成方向に、装置10Aを推進させることができる。このように、モータの位置を調整することにより、装置10Aを、容易に前後いずれの側へも推進させることができる。
同様に、装置10Bの脚50Bは、互いに相隣り合う脚で構成された3つのグループ50aB、50bB、50cBにグループ分けすることができる。各グループ50aB、50bB、50cBの脚は、それぞれ、ハウジング20Bの底側に設けた斜円弧部22aB、22bB、22cBに取り付けられることによって互いに平行に配列されており、また、ハウジング20Bの中心軸(21a)を通る垂直面「g」(図4、図5、図6参照)と交差する方向「キ」(図6参照)に沿って、更に詳細には、垂直面「g」と鈍角「θ’」を成すように配列されている。脚50Bをこのように規則性をもって配列することにより、中心軸(21a)に沿う前後方向「γ」のみならず、垂直面「g」に対して交差する方向「キ」、つまり、左右方向「β」にも運動成分を生じさせることができる。この場合、装置10Bについては、進行方向「サ」のみならず、進行方向「シ’」にも推進力が与えられることになるから、この結果、装置10Bは、これらの進行方向の合成方向である進行方向「ス’」に推進することになる。尚、装置10Bにおいて、重りを、モータの中心軸に沿う前後方向「γ」において、進行方向「サ」とは逆方向に寄った側に配置した場合には、進行方向「サ」と逆の方向と、進行方向「シ’」との合成方向に、装置10Bを推進させることができる。このように、モータの位置を調整することにより、装置10Bを、容易に前後いずれの側へも推進させることができる。従って、装置10Bは、前後いずれの側へも推進することができる。
ハウジング20Aや20Bの上側表面に、底面と同様の斜円弧部24A、24Bを設ける等して、これらの部分に底面と同様の方法で脚を配列してもよい。この場合、装置10を、上下反対に接地しても、同様の方法で装置を推進させることができる。ハウジング20Aや20Bの側面に設けた場合も同様である。更に、ハウジング20A、20Bの全周面に、同様に脚を配列することにより、装置のいずれの周面においても接地することを可能として、同様の方法で装置を推進させることもできる。尚、必ずしも、脚を設けるために斜円弧部を設ける必要がないことは勿論である。
装置10A、10Bは、それぞれ単独で使用することもできるが、図4等に示すように、これらを組とした装置10として使用することもできる。装置10A、10Bのハウジング20A、20Bを構成する前板部21A、21B及び後板部23A、23Bには、それぞれ、装置10Aと装置10B同士、又は、装置10A同士、又は、装置10B同士を連結するための連結部21aが、モータの中心軸に沿う方向に延びている。これらの連結部21aに、連結具40aや連結具40bをそれぞれ固定し、これらの連結具40aと連結具40bとを、互いに回転可能な状態で連結することにより、装置10A、10B同士を、中心軸に沿う前後方向「γ」において、互いに独立して推進可能な状態で連結することができる。このように装置10Aと装置10Bを、また、これらの装置を更に複数連結した場合には、それらの装置間の推進力の力関係に応じて、連結された全体としての装置10の進行方向を決定することができる。
例えば、装置10Aと装置10Bが1つずつ連結され、進行方向「サ」と進行方向「シ」を合成した方向「ス」に推進される装置10Aと、進行方向「サ」と進行方向「シ’」を合成した方向「ス’」に推進される装置10Bとが、同じ推進力を同時に発生する場合には、全体としての装置10は、進行方向「サ」にのみ推進されることになる。また、装置10Aと装置10Bが1つずつ連結され、装置10Aだけを動作状態とし、装置10Bを休止状態とした場合、全体としての装置10は、装置10Aの推進力のみを得て、進行方向「ス」に推進されることになり、逆に、装置10Bだけを動作状態とし、装置10Aを休止状態とした場合、全体としての装置10は、装置10Bの推進力のみを得て、進行方向「ス’」に推進されることになる。更に、装置10Aと装置10Bが1つずつ連結され、装置10Aに装置10Bよりも大きな推進力を発生させるように調整した場合には、全体としての装置10は、進行方向「ス」に進みつつ、且つ、進行方向「ス’」にも若干進むような推進力を得ることになる。
このように、複数の装置10A、10Bを様々な組み合わせで連結することにより、また、これら連結された装置の推進力を調整することにより、全体としての装置10を、前後及び左右のいずれの方向をも含む、所望の方向に推進させることができる。また、脚をハウジングの周面に設ける等した場合には、前後左右方向のみならず、上下方向にも推進させることも可能となる。
装置の推進力は、例えば、脚の形状を調整することによっても制御することができる。この点について、図9等を参照して以下に説明する。
図9は、装置10の変形例である装置11の上側斜視図、図10は、その正面図、図11は、その平面図、図12は、その底面図、図13は、その左側側面図、図14は、その底側斜視図である。
これらの図に示した装置11と、図4等に示した装置10との実質的な相違は、脚51の形状だけである。その他の相異は本質的なものではなく、従って、特に説明しない点については、装置10に関する説明が、そのまま妥当するか、または、同様に適用できるものと考えてよい。
装置11は、装置11A及び装置11Bの2種類を含む。これらの装置11Aと装置11Bの実質的な相違は、図4等に示した装置10と同様に、ハウジング11A、11Bに対する、それらの脚51A、51の配列方向だけである。この相違によって、装置11Aの進行方向は、図9、11、12に示すように、前後方向「γ」に沿う進行方向「サ」と、左右方向「β」に沿う進行方向「シ」と、を合成した方向「ス」となり、装置11Bの進行方向は、進行方向「サ」と進行方向「シ’」とを合成した方向「ス’」となる。装置11A、11Bにおけるこれらの進行方向は、それぞれ、例えば、脚51A、51Bの配列方向によって制御することができる。
装置10Aと同様に、装置11Aにおいて、複数の脚51Aは、進行方向「ス」、更に詳細には、進行方向「サ」と進行方向「シ」との合成方向に応じて、また、装置11Bにおける複数の脚51Bは、進行方向「ス’」、更に詳細には、進行方向「サ」と進行方向「シ’」との合成方向に応じて、大小関係を有する推進力を発生させるように、例えば、推進力に指向性を与えるように規則性をもって配列されている。
装置11Aの脚51Aは、互いに相隣り合う脚で構成された4つのグループ51aA、51bA、51cA、51dAに分類することができる。尚、ここではより大きな推進力を得るため、図4等に示した実施形態よりも脚の数を増やしているが、勿論、図4等に示した実施形態と同様に、3つの脚グループだけを設けてもよい。各グループ51aA、51bA、51cA、51dAの脚は、それぞれ、ハウジング27Aの底側において互いに平行に配列されており、且つ、ハウジング27Aの中心軸(28a)を通る垂直面「g」(図9、図10、図12参照)と交差する方向「カ」(図12参照)に沿って、更に詳細には、垂直面「g」と鋭角「θ」(図12参照)を成すように配列されている。脚51Aをこのように規則性をもって配列することにより、中心軸(28a)に沿う前後方向「γ」のみならず、垂直面「g」に対して交差する方向「カ」(図12参照)、つまり、左右方向「β」にも運動成分を生じさせることができる。この場合、装置11Aについては、進行方向「サ」のみならず、進行方向「シ」にも推進力が与えられることになるから、この結果、装置11Aは、これらの進行方向の合成方向である進行方向「ス」に推進することになる。
同様に、装置11Bの脚51Bは、互いに相隣り合う脚で構成された4つのグループ51aB、51bB、51cB、51dBに分類することができる。尚、装置11Bの脚の数を、3つの脚グループだけとすることにより、装置11Aの推進力と装置11Bの推進力との間に差を設けることもできる。各グループ51aB、51bB、51cB、51dBの脚は、それぞれ、各グループに対応してハウジング27Bの底側において互いに平行に配列されており、且つ、中心軸(28a)を通る垂直面「g」(図9、図10、図12参照)と交差する方向「キ」(図12参照)に沿って、更に詳細には、垂直面「g」と鈍角「θ’」(図12参照)を成すように配列されている。脚51Bをこのように規則性をもって配列することにより、中心軸(28a)に沿う前後方向「γ」のみならず、垂直面「g」に対して交差する方向「キ」(図12参照)、つまり、左右方向「β」にも運動成分を生じさせることができる。この場合、装置11Bについては、進行方向「サ」のみならず、進行方向「シ’」にも推進力が与えられることになるから、この結果、装置11Bは、これらの進行方向の合成方向である進行方向「ス’」に推進することになる。
装置11Aの脚51Aの少なくとも一部について、更に言えば、これら少なくとも一部の脚51Aにおける、接面9の近傍に位置する少なくとも一部において、進行方向「サ」及び「シ」に寄った側に突出する曲がりが形成されていてもよい。同様に、装置11Bの脚51Bの少なくとも一部について、更に言えば、これら少なくとも一部の脚51Bにおける、接面9の近傍に位置する少なくとも一部において、進行方向「サ」及び「シ’」に寄った側に突出する曲がりが形成されていてもよい。これらの曲がりを設けたことにより、脚51A、51Bは、曲げ側に向って偏心作用を受けやすくなり、この結果、推進装置を、所望とする進行方向に、又、所望の力で推進させることができる。
偏心作用は、脚のバネ定数を調整することによっても調整することができる。例えば、進行方向に寄った側に配置された脚のバネ定数を、それ以外の脚のバネ定数より小さく設定した場合、進行方向に寄った側に配置された脚は、それ以外の脚よりも、偏心作用を受けやすくなり、前者の脚は、後者の脚よりも、ハウジングと接面との距離をより大きく変化させることになる。この結果、装置を、所望とする進行方向に、また、所望の力で推進させることができる。
尚、装置の推進力は、例えば、偏心作用を制御することによっても容易に調整することができる。例えば、回転モータ3によって重り4を円運動させる速度、回転モータ3によって重り4を円運動させる周期、重り4の円運動の大きさ、重りが中心軸3aから半径方向「エ」に離間される距離「e」を変更する等することによって、偏心作用を制御してもよい。
また、モータにおける重りの回転方向を変更することによって、偏心作用を制御することもできる。例えば、図9等に示した変形例において、ハウジング27Aの内部に設けたモータを、装置11Aにおける脚51Aの曲がり方向に沿う方向、即ち、半時計周り「オ」(図9参照)に回転させた場合、脚51Aは、時計周り「オ’」(図9参照)に回転させた場合に比べて、より大きな力を受けることになり、この結果、推進力を増すことになる。その一方、装置11Bにおいて、同様に、ハウジング27Bに設けたモータを、半時計周り「オ」に回転させた場合、脚51Bは、時計周り「オ’」に回転させた場合に比べて、より小さな力を受けることになり、この結果、推進力を減らすことになる。このように、モータの回転方向を制御することによっても、偏心作用を制御して、装置を、所望とする進行方向に、また、所望の力で推進させることができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、上に説明した実施形態では、装置10A、10B、又は、装置11A、11Bのそれぞれにおいて、各装置に設けた全ての脚に同じ指向性、例えば、中心軸を通る垂直面に対する交差角度「θ」や曲がり等を与えていたが、必ずしも全ての脚に同じ指向性を与える必要はなく、所望の推進力が得られるように、脚同士の間で、指向性を変更してもよい。また、交差角度を、それぞれ変更して、進行方向を調整することもできる。更に、装置10A、10Bや、装置11A、11Bの組み合わせは限定されるものではなく、それらの数を変更してもよいし、連結する装置の種類を変更してもよい。装置の使用状況に応じて、様々な組み合わせが可能であることは言うまでもない。また、重りは必ずしも回転させる必要はなく、例えば、振り子運動等をさせてもよい。偏心作用を生じさせる運動を行うものであれば十分である。
尚、本装置の適用範囲は広く、様々な推進装置に適用することができる。例えば、本装置を、探査装置に適用することができる。この場合、探査装置のいずれかの部分に、検査用のカメラやビデオ等を取り付けてもよい。また、各種玩具に応用することもできる。
1 推進装置
2 ハウジング
3 回転モータ(駆動部材)
3a 中心軸
4 重り
5 脚(接地部材)
9 接面
10 推進装置
11 推進装置
20 ハウジング
27 ハウジング
30 回転モータ(駆動部材)
50 脚(接地部材)
51 曲がりを有する脚

Claims (10)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに設けられ、中心軸から半径方向に離間された重りを前記中心軸を中心に円運動させる駆動部材と、
    前記ハウジングを接地する複数の接地部材と、
    を備え、
    前記複数の接地部材は各々、前記ハウジングと接面との距離を変化させるバネ性を有しており、
    前記重りを円運動させることによって生じさせた偏心作用と前記複数の接地部材のバネ性とを利用して、進行方向に応じて大小関係を有する推進力を前記複数の接地部材に発生させることを特徴とする推進装置。
  2. 前記重りは、前記中心軸に沿う方向において前記進行方向に寄った側に配置されている、請求項1に記載の推進装置。
  3. 前記重りを円運動させる速度、及び/又は、前記重りを円運動させる周期、及び/又は、前記重りの円運動の大きさ、及び/又は、前記重りが前記中心軸から半径方向に離間される距離を調整することができる、請求項1又は2に記載の推進装置。
  4. 前記複数の接地部材のうち、前記進行方向に寄った側に配置された接地部材のバネ定数は、それ以外の接地部材のバネ定数よりも小さく設定されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の推進装置。
  5. 前記複数の接地部材のうちの少なくとも一部において、該少なくとも一部の接地部材のそれぞれにおいて前記接面の近傍に位置する少なくとも一部に、前記進行方向に寄った側に突出する曲がりが形成されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の推進装置。
  6. 前記駆動部材は、前記重りを回転させる回転モータである、請求項1乃至5のいずれかに記載の推進装置。
  7. 前記駆動部材は、前記重りを時計周り又は反時計周りに回転させることができる、請求項6に記載の推進装置。
  8. 前記複数の接地部材のうちの少なくとも一部は、前記中心軸を通る垂直面と交差する方向に沿って配列されている、請求項1乃至7のいずれかに記載の推進装置。
  9. 複数の前記推進装置を前記中心軸に沿う方向において互いに独立して推進可能な状態で連結し、
    連結された前記複数の推進装置のうちの少なくとも1つの推進装置における前記複数の接地部材のうちの少なくとも一部を、前記垂直面と鋭角を成すように配列し、且つ、連結された前記複数の推進装置のうちの他の少なくとも1つの推進装置における前記複数の接地部材のうちの少なくとも一部を、前記垂直面と鈍角を成すように配列する、請求項8に記載の推進装置。
  10. 前記推進装置を探査ロボットに適用した、請求項1乃至9のいずれかに記載の推進装置。
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