JP2018174449A - 電磁界バンドストップフィルタ - Google Patents

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豪 伊丹
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陽平 鳥海
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Abstract

【課題】 周波数特性を簡易に設計可能な電磁界バンドストップフィルタを、より縮小したサイズで提供すること。
【解決手段】 本発明の一態様によれば、電磁界バンドストップフィルタが提供される。この電磁界バンドストップフィルタは、既定の周波数の電磁波への反射特性を有する複数の単位セルを具備する。この単位セルの各々は、多角形の辺に沿って互いに非接触で配置される複数の導体部と、複数の導体部を導通させる導通部とを備える。そして、複数の単位セルの各々の導体部同士を上記周波数を反映する間隔で隣り合わせ、複数の単位セルを規則的に二次元配置するように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、無線通信機器などに利用可能な電磁界バンドストップフィルタに関する。
情報通信機器の小型化・高機能化が進み、スマートフォン、タブレット型端末あるいはノート型のパーソナルコンピュータなどのモバイル端末は、現代生活に欠かせないものになった。無線通信サービスの普及も著しく、パブリックスペースや店舗でも利用可能な無線LAN(Local Area Network)サービスは既に認知されている。サービス提供エリアは日本国内のあらゆる地域をカバーしつつあり、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)回線を用いるサービスも広まっている。
有線と違い、無線通信サービスの通信パスは目に見えない。このため「つながるはずなのにつながらない」ことや、「つながらないはずのところでつながる」ことが起こり得る。前者のケースでは通信可能エリアが実質的に狭くなってしまうので、基地局の少ない地域では問題である。後者のケースではWi−Fi(登録商標)の個人アカウントが他人に盗み取られたりするなどの虞があり、深刻である(非特許文献1)。
電磁的盗聴の脅威もある。電磁的盗聴とは、電子機器から放射される微弱な電磁波から情報を盗み取ることである。例えば、デスクトップPC(パーソナルコンピュータ)のモニタケーブルから漏れ出る電磁波を解析すれば、ディスプレイの表示を再現することができてしまう(非特許文献2)。漏えいする電磁波をストップさせ、情報を秘匿するためにも、電波環境を制御する技術は重要である。
モバイル端末においても、電磁漏えいによるセキュリティの脅威が懸念される(非特許文献3)。モバイル端末は、クラッカーの特定が困難なパブリックスペースで頻繁に利用されるし、他人との距離が至近な状態で利用される機会も多いからである。まして、近年ではモバイル端末で機密情報・個人情報を取り扱う機会が増えてきており、モバイル端末からの情報漏えいの危険度は大きくなってきている。このように、セキュリティ確保の面からも電磁漏えいを防止することが要求され、電波環境を効率的かつ最適に制御する技術が切実に求められている。
そこで、周波数選択板(FSS:Frequency Selective Surface)に注目が集まっている。FSSは、所望の電磁界に応答し共振する単位セル(共振器)を、二次元的に周期配列して形成した電磁制御材料である。単位セルは、導体と開口部分からなる構造を有する。単位セルの構造を変えることで、FSSに様々な周波数特性を持たせることができる(非特許文献4)。このような性質からFSSは、「電磁漏えいの防止」と「無線通信の保護」とを両立できる材料として期待されている。
FSSは、電磁界バンドフィルタ、あるいは電磁界バンドストップフィルタとして利用される。電磁界バンドフィルタは、特定の周波数の電磁波のみを反射・透過させるバンドフィルタ特性をもつフィルタである。電磁界バンドストップフィルタは、特定の周波数の電磁波のみを反射するバンドストップフィルタ特性をもつフィルタである。
FSSには、様々な周波数特性の共振器構造がある。例えば、特定の周波数のみを反射させるバンドストップフィルタ特性に着目すると、導体部を共振構造とする構造が主である。例えばリング型共振器、ダイポールアレイ共振器、トライポール型共振器、十字型共振器、パッチ型共振器などがある。
これらの共振器はいずれも、特定の周波数帯のみを反射する特性を示し、その構造の一部(リングやダイポール等)のサイズが特定の長さ(入射電界の波長程度)と一致するという特徴を持つ。この性質により、共振させる周波数によって構造の大きさがおおよそ限定されてしまう。また、共振器の配列の仕方によって共振周波数がシフトするなど、FSSの周波数設計には「作ってみないとわからない」要素が少なからず含まれる(非特許文献5)。
電子情報通信学会,通信ソサエティマガジン,No.19,[冬号],2011. NTT技術ジャーナル(2008.8月号)p11-15. 伊丹他,2016 信学全大,B-4-60,Mar. 2016. 牧野 滋,2015 信学技報,A・P 2015-5,Apl. 2015 BEN A. MUNK, Frequency Selective Surfaces Theory and Design, 2000
上記したように、今のところ、FSSの汎用的な設計手法は知られていない。つまり、FSSの設計段階で共振周波数を定量的に把握する手法が無い。これは、構造の電気的特性が分布定数的であるからで、共振周波数がどのような値になるかは、実物を電磁界解析等で調べなくては分からない。
電波漏えい、電磁漏えいの防止のため対策を要する周波数帯は、通信周波数を含めて略200MHz〜5GHzの範囲にあり、最低周波数200MHzの波長はおよそ150cmである。これをFSSのサイズに直せば、一辺長が10cmを超える単位セル内にスロット型共振器を作る必要がある。このようなサイズは実用上、大きすぎる。
例えば、誘電体被覆により共振周波数を低周波化して共振器を小型化しても、窓や壁に配列できる個数には限りがある。よって所望の周波数特性はバルク部分だけでしか得られず、端の方ではFSSの効果を十分に発揮できない。このため目的とする空間の電波環境・電磁環境を周波数的に制御することが難しく、解決策が望まれていた。
この発明は上記事情によりなされたもので、目的は、周波数特性を簡易に設計可能な電磁界バンドストップフィルタを、より縮小したサイズで提供することにある。
本発明の一態様によれば、電磁界バンドストップフィルタが提供される。この電磁界バンドストップフィルタは、既定の周波数の電磁波への反射特性を有する複数の単位セルを具備する。この単位セルの各々は、多角形の辺に沿って互いに非接触で配置される複数の導体部と、複数の導体部間を導通させる導通部とを備える。そして、複数の単位セルの各々の導体部同士を上記周波数を反映する間隔で隣り合わせ、複数の単位セルを規則的に二次元配置するように構成したものである。
このような構成であるから、反射すべき周波数を反映する間隔でそれぞれの導体部同士が隣り合うように、複数の単位セルが配置される。このような配置により導体部の間に生じるキャパシタンスにより、集中定数的な周波数特性を持たせることができる。従って周波数特性を簡易に設計することが可能になる。つまり、定量的に周波数設計された単位セルを作製することができる。
本発明の他の態様によれば、正三角形、正四角形または正六角形のいずれかの多角形様の電磁界バンドストップフィルタが提供される。このような形状とすることで、統一された形状の電磁界バンドストップフィルタで対象とする平面を埋め尽くすことができる。
本発明の他の態様によれば、隣り合う導体部同士の間隔を、多角形の垂心から各辺に引いた垂線の長さの0.8%相当の長さとした電磁界バンドストップフィルタが提供される。このようなサイズとすることで、全体としてのサイズの縮小を促せるとともに、単位セルの電気的特性を、集中定数的な周波数特性にさらに近づけることができる。
本発明の他の態様によれば、導通部は、多角形の垂心と複数の導体部とをそれぞれ結ぶ複数の線分に沿って形成される導電部材である。このような構成であるから、単位セルは、中心に対して点対称の形状となり、電気的にバランスのとれた構成とすることができる。
本発明の他の態様によれば、導通部は、当該導通部の実効長を延長する延長部を含む電磁界バンドストップフィルタが提供される。このような構成により、単位セルのインダクタンス成分を稼ぐことができ、より急峻な半値幅特性を得ることができる。
本発明の他の態様によれば、延長部に、ジグザグ状に繰り返し形成される屈折経路を含む電磁界バンドストップフィルタが提供される。このような構成により、単位セルのインダクタンス成分を簡易な構成で増加させることができる。
本発明の他の態様によれば、隣り合う導体部同士を各々接続する複数のコンデンサをさらに具備する、電磁界バンドストップフィルタが提供される。このような構成により、導体部同士の間に所望のキャパシタンスを生じさせることが容易になる。
本発明の他の態様によれば、隣り合う導体部の間に充填される誘電体をさらに具備する、電磁界バンドストップフィルタが提供される。このような構成によっても、導体部同士の間に所望のキャパシタンスを生じさせることが容易になる。
この発明によれば、周波数特性を簡易に設計可能な電磁界バンドストップフィルタを、より縮小したサイズで提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる電磁界バンドストップフィルタの第1の例を示す外観図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係わる電磁界バンドストップフィルタの第2の例を示す外観図である。 図3は、本発明の第1の実施形態に係わる電磁界バンドストップフィルタの第3の例を示す外観図である。 図4は、図2に示される正四角形状の単位セルの配置間隔の一例を示す図である。 図5は、単位セル間の距離に対し、共振周波数の理論値と解析値とを比較して示すグラフである。 図6は、第2の実施形態における電磁界バンドストップフィルタの一例を示す模式図である。 図7は、第3の実施形態における電磁界バンドストップフィルタの一例を示す模式図である。 図8は、比較のため誘電膜の無い単位セルの一例を示す図である。 図9は、図8に示される単位セルの周波数特性の一例を示すグラフである。 図10は、誘電膜を積層した単位セルの一例を示す図である。 図11は、図10に示される単位セルの周波数特性の一例を示すグラフである。 図12は、第4の実施形態における電磁界バンドストップフィルタの一例を示す模式図である。 図13は、図12に示される単位セルの周波数特性の一例を示すグラフである。 図14は、比較のため直線状の導通部20を持つ単位セルの一例を示す図である。 図15は、図14に示される単位セルの周波数特性の一例を示すグラフである。 図16は、第4の実施形態における電磁界バンドストップフィルタの他の例を示す模式図である。 図17は、図16に示される単位セルの共振周波数の半値幅特性を示すグラフである。 図18は、比較のため延長部を含まない単位セルの一例を示す図である。 図19は、図18に示される単位セルの共振周波数の半値幅特性を示すグラフである。 図20は、ジグザグ構造を有する単位セルを配列した電磁界バンドストップフィルタの一例を示す模式図である。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる電磁界バンドストップフィルタの第1の例を示す外観図である。この電磁界バンドストップフィルタは、単位セル(点線で囲まれた部分)を4個二次元平面に規則的に配置して構成される。それぞれの単位セルはパッチ型共振器であり、導電性の幾何学的パターンを誘電体からなる基板上に形成してなる。
図1に示される単位セルは、正三角形様のパターンを有する。すなわち各単位セルは、正三角形の各辺に沿って配置される3つの導体部10を備える。導体部10は、正三角形の頂点で交わることなく、互いに非接触で配置される。導体部10は、導通部20により電気的に接続される。
単位セルのパターンの形状およびサイズを適切に設定することで、所望の周波数の電磁波に対する応答特性を持たせることができる。実施形態では、単位セルに、既定の周波数としての200MHz帯域への反射特性を設定する。この帯域は、漏えいを防止すべき周波数帯域のうち最も低い帯域に該当する。もちろん、対象とする周波数は200MHz帯域に限定されるものではなく、環境などに応じて任意に決めることができる。
それぞれの単位セルの導体部10は、周囲の他の単位セルの導体部10と隣り合うように配置される。隣り合わせの間隔は、反射すべき周波数を反映する間隔に設定される。正三角形様の単位セルにおける導体部10の長手方向の長さは、例えば2.5cmである。
図2は、正四角形様の単位セルを配列した構造を示す。図2の構造では、各単位セルは4つの導体部10を有し、これらは正四角形の各辺に沿って非接触で配置される。導通部20が導体部10を導通させる。正四角形様の単位セルにおける導体部10の長手方向の長さは、例えば2.5cmである。
図3は、正六角形様の単位セルを配列した構造を示す。図3の構造では、各単位セルは、6つの導体部10を有し、これらは正六角形の各辺に沿って非接触で配置される。導通部20が導体部10を導通させる。正六角形様の単位セルにおける導体部10の長手方向の長さは、例えば2.5cmである。
このように、第1の実施形態の単位セルは、正多角形の辺に沿って互いに非接触で配置される複数の導体部10と、これらの導体部10を導通させる導通部20とを備える。導体部10、導通部20はいずれも導電部材であり、例えば銅などの材料で形成することができる。
第1の実施形態における単位セルの形状は、いずれも中心に対して点対称である。つまり各単位セルにおいて、導体部10の長さは同じで、導体部10の中央から内側に向かって延伸される線分が導通部20である。この線分は多角形の中央で交わる。すなわち各単位セルの導通部20は、単位セルの多角形の垂心と各導体部10とをそれぞれ結ぶ複数の線分に沿って形成される導電部材である。
図1〜図3に示されるように正三角形、正四角形または正六角形のいずれかであれば、同じ形状の単位セルで平面を埋めることができる。しかし単位セルの形状はこれに限定されるものではない。例えば正八角形と正四角形との組み合わせも考え得るし、あるいは長方形を縦横に並べて配列しても良い。
既存の技術では、単位セルに設定された特性と、それらを平面状に配列した構造の特性とが合わないことが多い。これは、単位セルのサイズと電磁波の波長とが近く、構造の電気的特性が分布定数的であるからである。以下ではこの困難を解決し、周波数特性を簡易に設計可能とする技術について開示する。
図4は、図2に示される正四角形状の単位セルの配置間隔の一例を示す図である。図1において、隣り合う単位セル間の導体部10の間隔をdとし、導通部20の中心からの長さをhとする。実施形態では、 d ≒0.8×h/100 とする。すなわち、隣り合う単位セルの導体部10同士の間隔(d)を、単位セルの多角形の垂心から各辺に引いた垂線の長さ(h)の0.8%相当の長さとした。
図5は、単位セル間の距離dに対し、共振周波数の理論値と解析値とを比較して示すグラフである。このグラフの導出に際して、図2の正方形状の単位セル構造を採用した。図2の理論値は、構造から計算できるインダクタンスLの値とキャパシタンスCから導出した共振周波数を表す。解析値は、共振周波数の実験値を示す。
長さdが原点に近づくほど、理論値と解析値との乖離が小さくなってゆくことが分かる。これは、セル間の間隔dを狭くしていくと、単位セルの共振周波数が「分布定数的」な状態から「集中定数的」な状態にシフトすることを意味する。すなわち、任意の周波数帯に対して単位セル間の間隔dを調節し、導体部10間に生じるキャパシタンスの値が十分に大きくなるようにすることで、電磁界バンドストップフィルタを定量的に周波数設計することが可能になる。
特に、第1の実施形態では、導体部10間の間隔dを、単位セルの多角形の中点と垂心を結ぶ線分の長さhの0.8%以下とするようにした。これは、図5のグラフにおいて解析値と理論値とが一致すると見做せる領域(例えば、左から3番目のデータまで)におけるdが、正方形型でのhの0.8%以下であることに基づいている。つまり左から3番目のデータでのdは、正方形型でのhの0.8%に相当する。
以上述べたように、第1の実施形態では、2次元平面を幾何学的に埋め尽くすことの可能な正多角形形状で単位セルを構成し、正多角形の各辺に沿う導体部10と、導体部10を導通させる導通部20とを単位セルに設ける。そして、単位セルを、導体部10を対向配置して二次元的に配列し、隣り合う導体部10間に発生するキャパシタンスCにより共振周波数を低周波化させる。さらに、単位セル(導体部10)間の間隔dを十分小さくすることで共振周波数がさらに低くなる。言い換えれば、同じサイズの単位セルを用いても、より低い周波数の電磁波を反射することができる。従って、反射すべき周波数が同じであれば、単位セルのスケールを、反射すべき帯域の電磁波の波長に比べて、従来よりも十分に短くすることができる。
加えて、図5のグラフに示されるように、単位セル間の間隔dを十分に小さくすることで構造の電気的特性を「分布定数的」ではなく、「集中定数的」に設計できるようになる。具体的には、単位セルのもつインダクタンスLの値と上記のキャパシタンスCの値だけに基づいて共振周波数を決定することが可能になる。従って、電磁界バンドストップフィルタの設計に際して不確定要素を取り除くことができ、ひいては、周波数特性を簡易に設計することが可能になる。
これらのことから第1の実施形態によれば、周波数特性を簡易に設計可能な電磁界バンドストップフィルタを、より縮小したサイズで提供することができる。よって、例えばモバイル端末などの小型の電子デバイスからの漏えい電磁波の放射抑制と、通信周波数での電磁波の送受信の保護を両立する、小型の電磁界バンドストップフィルタを実現できるなどの効果を得ることができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態において、単位セル間のキャパシタンスCを大きくするためには導体部10同士の間隔dを十分に狭くする必要がある。しかし、製造環境での事情などにより間隔dを十分に狭くするのが難しいことがある。しかし、必ずしも構造的にキャパシタンスを生成する必要はない。
図6は、第2の実施形態における電磁界バンドストップフィルタの一例を示す模式図である。図6に示されるように、単位セルの間に回路素子としてのコンデンサ30を設けるようにしても良い。これにより共振周波数の低周波化と、単位セル自体のインダクタンスLおよびキャパシタンスCによる集中定数的な周波数設計と、を実現することができる。図6に示すコンデンサ30はもちろん模式的に示すものであり、パターン焼き付けなどの手法により極小サイズのコンデンサを形成することができる。
なお、電磁界バンドストップフィルタを電磁波反射板として用いるには、反射特性の観点からコンデンサの配線部をなるべく短くし、反射した電磁波の指向性などに影響が出ないようにすると良い。
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態における電磁界バンドストップフィルタの一例を示す模式図である。図示するように、単位セルの導体部10間にセラミック材料などの誘電体40を充填することでも、導体部10間の間隔を狭くするのと同様の効果を得られる。これにより第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
このほか、単位セルを構成する導体を誘電膜を積層することでも同様の効果を得ることができる。
図8は、比較のため誘電膜の無い単位構造の一例を示す図であり、図9は、図8に示される単位構造の周波数特性の一例を示すグラフである。図10は、誘電膜を積層した単位構造の一例を示す図であり、図11は、図10に示される単位構造の周波数特性の一例を示すグラフである。
誘電膜の無い構造では共振周波数が0.35GHzであったのに対し(図9)、誘電膜を積層することで、共振周波数を0.20GHzにまで(図10)低周波化できることが分かる。
[第4の実施形態]
第1〜第3の実施形態では、単位セル間のキャパシタンスCの値を制御することで共振周波数の低周波化を実現している。これは、単位セル(共振器)のインピーダンスの低下をもたらすことがある。インピーダンスが低下すると、共振周波数付近のQ値(半値幅)が広がって対象周波数帯での周波数特性が全体的に鈍化する可能性がある。第4の実施形態ではこれを防止するための構成を開示する。
図12は、第4の実施形態における電磁界バンドストップフィルタの一例を示す模式図である。第4の実施形態では、単位セルの導体部10を導通させる導通部20をジグザグ状に形成した。ジグザグ状に繰り返し形成される屈折経路を形成することで、導通部20をの実効長を延長し、インダクタンスLの値を大きくすることができる。これにより単位セルの共振周波数を低周波化することができる。
図13は、図12に示される単位セルの周波数特性の一例を示すグラフである。図13によれば、0.30GHz付近に共振周波数が表れていることが分かる。
図14は、比較のため直線状の導通部20を持つ単位セルの一例を示し、図15はその周波数特性の一例を示すグラフである。この例での共振周波数は0.35GHzであることが示される。この結果から、導通部20の実効長を延長することで0.05GHzの低周波化を実現できていることが分かる。
また、導通部20の実効長を延長することで別の効果も生まれる。つまり、単位セルのインダクタンスLの値が大きくなることで単位セルのインピーダンスが大きくなり、Q値を小さくすることができる。
図16は、ジグザグ構造を有する単位セルの他の例を示し、図17はその共振周波数の半値幅特性を示すグラフである。図17のグラフによれば半値幅として2.6GHzの値を得られている。これに対しジグザグ構造を持たない、図18に示される単位セルの半値幅特性は、図19に示されるように3.3GHz程度にとどまる。
各グラフの比較から、導通部20の実効長を延長することで、対象周波数帯での周波数特性を全体的に鋭くすることができる。なお導通部20の実効長を延長するとインダクタンスLの値も変わるので、共振周波数がシフトするため、設計段階でインダクタンスLの値とキャパシタンスCの値とを予め考慮して設計する必要がある。
もちろん既に説明したように、図18に示される構造であっても、その配置間隔dを適切に設定することで、所望の電波反射特性を持たせることは可能である。
図20に示されるように、ジグザグ構造を有する単位セルを二次元状に配列し、その間隔を適切に設定することで、共振周波数の低周波化と、周波数特性の急峻化との双方を実現することが可能になる。
以上述べたように第1〜第4の実施形態によれば、電磁界バンドストップフィルタをより小型化することができる。よって、無線通信に用いられる周波数よりも低い周波数帯(700MHz以下)の電磁的情報漏えいに対応する電磁界バンドストップフィルタを、限られた空間内に十分な数で配列することが可能になり、所望の周波数特性を発揮できるようになる。
また、実施形態に係る電磁界バンドストップフィルタを用いることで、対象とする周波数(波長)に対して十分小さい構造とすることができる。よって、限られた空間内で配列数をより増やすことができるので、周波数特性の精度の向上が見込める。同様に、狭い空間においても所望の周波数特性をもつ電磁界バンドストップフィルタを十分な数で配列することができる。
また、電磁界バンドストップフィルタの共振周波数を集中定数的に設計することができるので、アンテナ設計技術に精通していない者でも、所望の特性を持つ電磁界バンドストップフィルタを容易に設計することが可能になる。これにより開発の障壁を下げることができる。
また、無線環境の整備が進み、基地局の数が増えることで一つあたりの基地局用のアンテナやその反射板の所要スペースの効率化が問題となっているが、なかでも反射板の占める所要スペースの割合が比較的大きい。このような環境に実施形態の電磁界バンドストップフィルタを適用することで、基地局で用いられる反射板(FSSの場合)を十分に小さくすることができ、これまで配置が困難であった場所にも基地局を配置できるようになる。
以上述べたように本発明によれば、周波数特性を簡易に設計可能な電磁界バンドストップフィルタを、より縮小したサイズで提供することが可能になる。よって、同じ周波数で比較した場合、既存の電磁界バンドストップフィルタよりも小さいサイズで、同等の効果を奏する電磁界バンドストップフィルタを実現することができる。
本発明に係わる電磁界バンドストップフィルタは、室内電磁波環境を守る材料として使用することもできる。例えば、通信周波数のみを反射するFSSを例えば窓の室内側に貼り、無線LAN(Local Area Network)等の電磁波が室外に漏れることを防ぐ技術が知られている。本発明によればFSSの単位セルの一つ一つを小型化することができるので、同じ面積に配列できる単位セルの数を増やすことができる。これにより、貼付エリア端でのFSSのフィルタ機能の低下を抑制できる。
また、無線環境の整備が進み基地局の数が増えることで、一つの基地局あたりのアンテナやその反射板の所要スペースの効率化が問題となっている。特に、反射板の占める所要スペースの割合が比較的大きい。本発明に係わる電磁界バンドストップフィルタを用いれば、この種の反射板(FSSの場合)のサイズを小型化できるので、これまで配置が困難であった場所にも基地局を配置できるようになる。
また、通信局舎やデータセンタ等においては、サーバからの電磁漏えいを防ぐためのシールドにより排熱機構が妨げられるという問題がある。本発明に係わる電磁界バンドストップフィルタを用いれば、比較的小さなスペースにもFSSを配置することが可能になる。そこで、例えば電磁漏えい周波数帯のみを反射しそれ以外の周波数を透過させるFSSを用いれば、穴あき構造(スロット)から熱を効果的に排除できる。これにより、電磁漏えい防止と排熱とを両立できるという効果も得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば第4の実施形態において、延長部の構成はジグザグ状に限らず、円弧状、迷路状など、所望の特性を得ることができれば任意の形状を採ることができる。
各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…導体部、20…導通部、30…コンデンサ、40…誘電体。

Claims (8)

  1. 既定の周波数の電磁波への反射特性を有する複数の単位セルを具備し、
    前記単位セルの各々は、
    多角形の辺に沿って互いに非接触で配置される複数の導体部と、
    前記複数の導体部間を導通させる導通部とを備え、
    前記複数の単位セルの各々の導体部同士を前記周波数を反映する間隔で隣り合わせ、前記複数の単位セルを規則的に二次元配置したことを特徴とする電磁界バンドストップフィルタ。
  2. 前記多角形は、正三角形、正四角形または正六角形のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の電磁界バンドストップフィルタ。
  3. 隣り合う前記導体部同士の間隔を、前記多角形の垂心から各辺に引いた垂線の長さの0.8%相当の長さとしたことを特徴とする、請求項2に記載の電磁界バンドストップフィルタ。
  4. 前記導通部は、前記多角形の垂心と前記複数の導体部とをそれぞれ結ぶ複数の線分に沿って形成される導電部材であることを特徴とする、請求項2に記載の電磁界バンドストップフィルタ。
  5. 前記導通部は、当該導通部の実効長を延長する延長部を含む、請求項4に記載の電磁界バンドストップフィルタ。
  6. 前記延長部は、ジグザグ状に繰り返し形成される屈折経路を含む、請求項5に記載の電磁界バンドストップフィルタ。
  7. 隣り合う前記導体部同士を各々接続する複数のコンデンサをさらに具備する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電磁界バンドストップフィルタ。
  8. 隣り合う前記導体部の間に充填される誘電体をさらに具備する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電磁界バンドストップフィルタ。
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