JP2018170925A - デマンドレスポンスシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 需要家に対してデマンドレスポンスの実行を簡易に要請することができるとともに、デマンドレスポンスを実行する需要家に対する適切な報酬額を算出したり需要家によって調整される電力量を予定通りの大きさにしたりすることが可能なデマンドレスポンスシステムを提供する。【解決手段】 デマンドレスポンスシステム1は、デマンドレスポンスの実行を需要家に要請する信号であるDR信号をブロードキャストする信号送信部11と、複数の需要家のそれぞれに対してデマンドレスポンスの対価である報酬額を算出する演算部12と、系統供給電力量(指標電力量)のデータを記録するデータベース13とを備える。演算部12は、需要家がデマンドレスポンスを実行したことで削減(または増大)した系統供給電力量である削減電力量(調整電力量)が大きい需要家ほど高額になるように報酬額を算出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、デマンドレスポンスの実行を需要家に要請するデマンドレスポンスシステムに関する。
近年、商用電力系統の需給逼迫を抑制するために、デマンドレスポンスの活用が検討されている。デマンドレスポンスとは、商用電力系統から電力の供給を受ける需要家が、要請に応じて商用電力系統から供給される電力量を削減することである。
一般的に、電気事業者やアグリゲータは、商用電力系統の需給逼迫が予測される時間帯が到来する前に、契約を締結している需要家に対してデマンドレスポンスを要請し、その要請を受諾した需要家との間で削減する電力量を決定する。そして、当該時間帯において需要家が事前に決定した電力量を削減すると、電気事業者やアグリゲータは、当該需要家に対してデマンドレスポンスの対価である報酬を支払う。
特許文献1(特に、明細書の段落[0003]〜[0005]、請求項1、図7参照)では、商用電力系統から供給される電力量を制限された需要家において、当該需要家の生活環境を維持しながら、当該需要家が備える電力消費要素の消費電力を自律的に制御する電力制御システムが提案されている。
特許文献1で提案されている電力制御システムでは、同報送信要素が、配電盤を介して需要家が有する電力消費要素の全体で消費される総消費電力の現在値を測定し、当該現在値と基準値との差分を、当該需要家が有する電力消費要素のそれぞれに対して送信する。電力消費要素は、受信した差分と事前に記憶している優先度及び演算式とに基づいて、自らが消費するべき電力を算出して自律的に制御する。そして、同報送信要素が、電力消費要素のそれぞれに対して上記差分を繰り返し送信することによって、配電盤を介して測定される総消費電力の現在値を基準値に近づける。
特開2016−33817号公報
ところで、特許文献1の課題である総消費電力が制限された個別の需要家の内部における消費電力の「やりくり」も重要な問題であるが、電気事業者やアグリゲータにおける需要家の管理も重要な問題である。
特に、電気事業者やアグリゲータは、デマンドレスポンスの契約を締結する需要家が増えてくると、個々の需要家との間でデマンドレスポンスの諾否及び調整する電力量を決定するための通信が煩雑になる。その一方で、電気事業者やアグリゲータは、デマンドレスポンスの契約を締結する需要家を確保するために需要家の貢献に見合った適切な報酬額を算出する必要や、需要家によって調整される電力量を予定通りの大きさにする必要があるが、そのためには個々の需要家との間でデマンドレスポンスの諾否及び調整する電力量を決定しておくことが好ましい。
このように、需要家にデマンドレスポンスの実行を要請する電気事業者やアグリゲータには、個々の需要家との通信を簡易化したい反面、適切な報酬額を算出するためや需要家によって調整される電力量を予定通りの大きさにするためには個々の需要家との通信を簡易化できない(特に、デマンドレスポンスの諾否及び削減する電力量を決定するために双方向通信が必要)という、相反する問題があった。
そこで、本発明は、需要家と双方向通信することなく、需要家に対してデマンドレスポンスの実行を簡易に要請するとともに、需要家に対する適切な報酬額を算出したり需要家によって調整される電力量を予定通りの大きさにしたりすることが可能なデマンドレスポンスシステムを提供する。
上記目的を達成するため、本発明は、商用電力系統から需要家に供給される電力量である系統供給電力量を削減または増大するデマンドレスポンスの実行を前記需要家に要請する信号であるDR信号を、ブロードキャストする信号送信部と、前記DR信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した前記DR信号に基づいて所定の電気機器を制御することで前記デマンドレスポンスを実行する電気機器制御部とを有する複数の前記需要家のそれぞれに対して、前記デマンドレスポンスの対価である報酬額を算出する演算部と、前記需要家のそれぞれにおける指標電力量を所定の単位時間毎に測定して得られたデータを随時記録するデータベースと、を備え、前記指標電力量は、前記需要家が前記デマンドレスポンスを実行した場合と実行しなかった場合とで大きさが異なる電力量であり、前記演算部は、前記データベースに記録されている前記需要家のそれぞれの前記指標電力量のデータに基づいて、前記需要家のそれぞれが前記デマンドレスポンスを実行したことで削減または増大した前記系統供給電力量である調整電力量を算出することを第1の特徴とするデマンドレスポンスシステムを提供する。
このデマンドレスポンスシステムによれば、DR信号をブロードキャストするという簡易な方法で需要家にデマンドレスポンスの実行を要請しつつ、需要家の調整電力量に応じた適切な報酬額を算出することができる。
なお、上記の第1の特徴を有するデマンドレスポンスシステムにおいて、前記指標電力量が、前記系統供給電力量、前記需要家が有する発電装置が発電する電力量、及び、前記需要家が有する蓄電池が放電または充電する電力量の少なくとも1つであってもよい。
また、上記の第1の特徴を有するデマンドレスポンスシステムにおいて、前記演算部は、前記デマンドレスポンスの実行が要請されていた時間帯である対象時間帯における前記需要家のそれぞれの前記調整電力量を算出する際に、前記対象時間帯に近似する時間帯であって前記デマンドレスポンスの実行が要請されていなかった時間帯である比較時間帯における前記需要家のそれぞれの前記指標電力量に基づいて、前記需要家のそれぞれの基準電力量を算出し、前記対象時間帯における前記需要家のそれぞれの前記指標電力量から前記基準電力量を減算することで、前記需要家のそれぞれの前記調整電力量を算出してもよい。
このデマンドレスポンスシステムによれば、それぞれの需要家の実績に見合った調整電力量を算出することができる。
また、上記の第1の特徴を有するデマンドレスポンスシステムにおいて、前記演算部は、報酬総額を、前記調整電力量の大きさに応じて配分することで、前記需要家のそれぞれの前記報酬額を算出してもよい。
このデマンドレスポンスシステムによれば、需要家間における調整電力量の大小関係を反映させた報酬額を算出することができる。
また、上記の第1の特徴を有するデマンドレスポンスシステムにおいて、前記DR信号に、前記デマンドレスポンスの実行を要請する対象の電気機器の種類が含まれていてもよい。
このデマンドレスポンスシステムによれば、電気機器の特性(例えば、削減または増大可能な系統供給電力量の大小、デマンドレスポンスの即時実行の可否、デマンドレスポンスを実行することで需要家が受ける弊害の大小など)に応じて、より適切なデマンドレスポンスを需要家に実行させることができる。
また、上記の第1の特徴を有するデマンドレスポンスシステムにおいて、前記需要家に対して前記デマンドレスポンスの実行が要請されている時間帯において、前記演算部は、前記データベースに記録されている少なくとも1人の前記需要家における当該時間帯よりも前の前記指標電力量のデータと、当該需要家における当該時間帯における前記指標電力量のデータとに基づいて、当該時間帯における前記需要家の前記調整電力量の合計値を推定し、当該合計値が所定の目標値から所定の程度以上乖離していることを検出してもよい。
このデマンドレスポンスシステムによれば、デマンドレスポンスの効果が過少または過剰であることを検出することができるため、修正用のDR信号をさらにブロードキャストするなどの対処を行うことが可能になる。
また、上記の第1の特徴を有するデマンドレスポンスシステムにおいて、前記データベースが、少なくとも1人の前記需要家のそれぞれが前記デマンドレスポンスを実行したことで削減または増大する前記系統供給電力量の期待値である調整電力量期待値のデータを記録しており、前記演算部が、前記データベースに前記調整電力量期待値のデータが記録されている前記需要家の前記調整電力量を、当該需要家の当該調整電力量期待値のデータに基づいて算出してもよい。
このデマンドレスポンスシステムによれば、演算部による調整電力量を算出するための演算を簡略化することができる。また、調整電力量期待値を算出した需要家の系統供給電力量のデータの収集及びデータベースへの記録を省略することができる。
また、本発明は、商用電力系統から需要家に供給される電力量である系統供給電力量を削減または増大するデマンドレスポンスの実行を前記需要家に要請する信号であるDR信号を、ブロードキャストする信号送信部と、
前記DR信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した前記DR信号に基づいて所定の電気機器を制御することで前記デマンドレスポンスを実行する電気機器制御部とを有する複数の前記需要家のそれぞれに対して、前記デマンドレスポンスの対価である報酬額を算出する演算部と、前記需要家のそれぞれが前記デマンドレスポンスを実行したことで削減または増大する前記系統供給電力量の期待値である調整電力量期待値のデータを記録するデータベースと、を備え、前記演算部は、前記データベースに記録されている前記需要家の前記調整電力量期待値のデータに基づいて、前記需要家が前記デマンドレスポンスを実行したことで削減または増大した前記系統供給電力量である調整電力量を算出し、当該調整電力量が大きい前記需要家ほど高額になるように前記報酬額を算出することを第2の特徴とするデマンドレスポンスシステムを提供する。
このデマンドレスポンスシステムによれば、DR信号をブロードキャストするという簡易な方法で需要家にデマンドレスポンスの実行を要請しつつ、需要家の調整電力量に応じた適切な報酬額を算出することができる。さらに、演算部による調整電力量を算出するための演算を簡略化することができるとともに、調整電力量を算出するためのデータの収集及びデータベースへの記録を簡略化することができる。
また、上記の第1及び第2の特徴を有するデマンドレスポンスシステムにおいて、前記データベースが、少なくとも1人の前記需要家である代表需要家のそれぞれにおける指標電力量を所定の単位時間毎に測定して得られたデータを随時記録しており、前記指標電力量は、前記需要家が前記デマンドレスポンスを実行した場合と実行しなかった場合とで大きさが異なる電力量であり、前記演算部は、前記デマンドレスポンスの実行が要請されていた時間帯である対象時間帯における前記需要家のそれぞれの前記調整電力量を算出する際に、前記対象時間帯における前記代表需要家の前記指標電力量のデータに基づいて、前記代表需要家以外の少なくとも1人の前記需要家の前記調整電力量期待値の妥当性を判定し、妥当であると判定した前記需要家の前記調整電力量期待値を、当該時間帯における当該需要家の前記調整電力量として算出してもよい。
このデマンドレスポンスシステムによれば、演算部による調整電力量を算出するための演算を簡略化するだけでなく、その正確性を担保することができる。
また、本発明は、商用電力系統から需要家に供給される電力量である系統供給電力量を削減または増大するデマンドレスポンスの実行を前記需要家に要請する信号であるDR信号を、ブロードキャストする信号送信部と、前記DR信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した前記DR信号に基づいて所定の電気機器を制御することで前記デマンドレスポンスを実行する電気機器制御部とを有する複数の前記需要家による前記デマンドレスポンスの効果を推定する演算部と、前記需要家のそれぞれにおける指標電力量を所定の単位時間毎に測定して得られたデータを随時記録するデータベースと、を備え、前記指標電力量は、前記需要家が前記デマンドレスポンスを実行した場合と実行しなかった場合とで大きさが異なる電力量であり、前記需要家に対して前記デマンドレスポンスの実行が要請されている時間帯において、前記演算部は、前記データベースに記録されている少なくとも一部の前記需要家における当該時間帯よりも前の前記指標電力量のデータと、当該需要家における当該時間帯における前記指標電力量のデータとに基づいて、当該時間帯における前記需要家の前記調整電力量の合計値を推定し、当該合計値が所定の目標値から所定の程度以上乖離していることを検出することを第3の特徴とするデマンドレスポンスシステムを提供する。
このデマンドレスポンスシステムによれば、DR信号をブロードキャストするという簡易な方法で需要家にデマンドレスポンスの実行を要請しつつ、デマンドレスポンスの効果が過少または過剰であることを検出して追加のDR信号をさらにブロードキャストするなどの対処を行うことが可能になる。
上記の第1〜第3の特徴のデマンドレスポンスシステムによれば、需要家と双方向通信することなく、需要家に対してデマンドレスポンスの実行を簡易に要請するとともに、需要家に対する適切な報酬額を算出したり、需要家によって調整される電力量を予定通りの大きさにしたりすることができる。
本発明の実施形態に係るデマンドレスポンスシステムの構成の一例について示すブロック図。 本発明の実施形態に係るデマンドレスポンスシステムの構成の一例について示すブロック図。 DR信号に含まれる情報の一例について示す模式図。
<デマンドレスポンスシステムの構成例>
最初に、本発明の実施形態に係るデマンドレスポンスシステムの構成の一例について、図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態に係るデマンドレスポンスシステムの構成の一例について示すブロック図である。なお、図1及び図2は、デマンドレスポンスシステム1と需要家D1〜D3との間でやり取りする信号を表現する都合上、2つの図面に分けて図示したものであり、図1及び図2のそれぞれにおいて図示しているデマンドレスポンスシステム1及び需要家D1〜D3の構成は同じである。
図1及び図2に示すように、デマンドレスポンスシステム1は、信号送信部11と、データベース12と、演算部13とを備えている。なお、デマンドレスポンスシステム1は、需要家D1〜D3に対して、商用電力系統から需要家D1〜D3に供給される電力量である系統供給電力量を削減するデマンドレスポンスの実行を要請するものである。また、需要家D1〜D3は、デマンドレスポンスシステム1によってデマンドレスポンスの実行を要請され得る需要家の一部を代表させて例示したものである。
信号送信部11は、例えば、衛星通信やインターネットなどの所定の通信方法により信号を送信する送信装置で構成される。特に、信号送信部11は、デマンドレスポンスの実行を需要家D1〜D3に要請する信号であるDR信号を、ブロードキャストする(送信相手を特定せず、信号を受信可能な不特定多数の相手に対して同一の信号を送信する)。
演算部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置及び半導体メモリなどの記憶装置で構成される。演算部12は、信号送信部11がブロードキャストするDR信号の作成や、デマンドレスポンスを実行した需要家D1〜D3に支払うべき報酬額を算出する。
データベース13は、例えば、ハードディスクなどの大容量のデータを記録可能な記録装置で構成される。データベース13は、演算部12による演算に必要なデータを記録している。特に、図2に示すように、データベース13は、需要家D1〜D3から送信される系統供給電力量データを随時受信して記録する。
需要家D1は、信号受信部21と、電力消費機器制御部31と、電力消費機器41と、電力量測定部51とを備える。需要家D2は、信号受信部22と、発電装置制御部32と、発電装置42と、電力量測定部52とを備える。需要家D3は、信号受信部23と、蓄電池制御部33と、蓄電池43と、電力量測定部53とを備える。
信号受信部21〜23は、例えば、衛星通信やインターネットなどの所定の通信方法により送信される信号を受信する受信装置で構成される。特に、信号受信部21〜23は、信号送信部11がブロードキャストするDR信号を受信する。
電力消費機器制御部31、発電装置制御部32及び蓄電池制御部33は、例えば、CPUなどの演算装置及び半導体メモリなどの記憶装置で構成される。また、電力消費機器41は、例えば、エアコンや冷蔵庫などの電力を消費する電気機器で構成される。また、発電装置42は、燃料電池やエンジン発電機などの発電を行う電気機器(特に、発電する電力量を制御可能な電気機器)で構成される。また、蓄電池43は、リチウムイオン電池などの充電及び放電を行う電気機器で構成される。
電力消費機器制御部31は、電力消費機器41が消費する電力量を制御する。特に、電力消費機器制御部31は、信号受信部21が受信するDR信号に基づいて、電力消費機器制御部31が消費する電力量を制限する制御(電力消費機器31を停止させる制御も含まれる)を行うことで、デマンドレスポンスを実行する。
発電装置制御部32は、発電装置42が発電する電力量を制御する。特に、発電装置制御部32は、信号受信部22が受信するDR信号に基づいて、発電装置42が発電する電力量を増大させる制御(発電装置42の発電を開始させる制御も含まれる)を行うことで、デマンドレスポンスを実行する。
蓄電池制御部33は、蓄電池43が放電する電力量を制御する。特に、蓄電池制御部33は、信号受信部23が受信するDR信号に基づいて、蓄電池43が放電する電力量を増大させる制御(蓄電池43の放電を開始させる制御も含まれる)を行うことで、デマンドレスポンスを実行する。なお、蓄電池制御部33が、デマンドレスポンスを実行する時間帯において蓄電池43を放電させて十分な電力量を供給できるようにするために、当該時間帯が到来する前に、蓄電池43を充電させるように制御してもよい。
電力量測定部51〜53は、例えば、スマートメータなどの単位時間毎(例えば、30分毎)の電力量を測定可能な機器で構成される。電力量測定部51〜53は、需要家D1〜D3の系統供給電力量を測定することで系統供給電力量データを作成し、当該系統供給電力量データをデータベース13に対して送信する。
なお、図2では、電力量測定部51〜53からデータベース13に対して直接的に系統供給電力量データが送信されるかのように図示しているが、系統供給電力量データが最終的にデータベース13に入力されて記録されるのであれば、系統供給電力量データの通信経路はどのようなものであってもよい。例えば、電力量測定部51〜53が一般送配電事業者によって設置及び管理されているものである等の関係で、電力量測定部51〜53の測定によって得られた系統供給電力量データが一般送配電事業者のデータベースに送信されて記録されることになっている場合、一般送配電事業者のデータベースからデータベース13に対して系統供給電力量データが自動的に(または、送信要求に応じて)送信されて記録されてもよい。
また、信号受信部21及び電力消費機器制御部31は、電力消費機器41に対して設けられる当該電力消費機器41の専用の装置であってもよいが、需要家D1が有する複数の電気機器の全体を制御する装置であってもよい。例えば、信号受信部21及び電力消費機器制御部31が、HEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building Energy Management System)の一部であってもよい。信号受信部22及び発電装置制御部32、信号送信部23及び蓄電池制御部33も同様である。
また、図1及び図2では、デマンドレスポンスシステム1が、信号送信部11、演算部12及びデータベース13で構成される場合について例示しているが、需要家D1〜D3に設けられている信号受信部21〜23、電力消費機器制御部31、発電装置制御部32及び蓄電池制御部33の一部または全部を、デマンドレスポンスシステム1の一部として解釈してもよい。また、電力量測定部51〜53を、デマンドレスポンスシステム1の一部として解釈してもよい。
<デマンドレスポンスシステムの動作例>
次に、本発明の実施形態に係るデマンドレスポンスシステム1の動作の一例について説明する。まず、データベース13に、実行すべきデマンドレスポンスの内容を指定する計画データが記録される。この計画データは、例えば、デマンドレスポンスを実行すべき日時、地域、削減すべき電力量(以下、「予定総削減電力量」とする)などを指定したデータであり、デマンドレスポンスシステム1の利用者(例えば、電気事業者やアグリゲータ)等が作成したデータであってもよいし、デマンドレスポンスシステム1の外部(例えば、電気事業者や一般送配電事業者)から送信されてくるデータであってもよい。
演算部12は、計画データが指定する内容のデマンドレスポンスを実行するために必要なDR信号を作成する。ここで、演算部12が作成するDR信号に含まれる情報の一例について、図面を参照して説明する。図3は、DR信号に含まれる情報の一例について示す模式図である。
図3に示すように、DR信号には、デマンドレスポンスを開始するタイミングである「開始日時」と、デマンドレスポンスを実行する時間である「継続時間」と、デマンドレスポンスを実行する地域である「対象地域」と、デマンドレスポンスの実行によって系統供給電力量を削減する程度である「強度」と、デマンドレスポンスを実行する電気機器の種類である「対象機種」とが含まれる。「強度」は、例えばA〜Eなどの段階(レベル)で表現される。また、「対象機種」は、例えば、デマンドレスポンスを実行する際の制御内容の違いや、デマンドレスポンスを実行することで削減される電力量の大きさ、デマンドレスポンスを実行することの容易さなどに基づいた分類の中から少なくとも1つを指定するものである。この分類として、例えば、『電力消費機器/電力供給機器』や、『電力消費機器/発電装置/蓄電池』、『空調機器/その他電力消費機器/発電装置/蓄電池』などが想定される。
例えば、「開始日時」、「継続時間」及び「対象地域」は計画データによって指定され、「強度」及び「対象機種」は演算部12が決定する。この場合、データベース13が、過去に演算部12が作成して信号送信部11が送信したDR信号の履歴のデータを記録しており、演算部12が、データベース13に記録されている電力データ(即ち、過去の需要家毎の系統供給電力量)と過去に送信したDR信号の履歴のデータとに基づいて、計画データで指定される予定総削減電力量を達成するための「強度」及び「対象機種」を決定する。
具体的に例えば、演算部12は、計画データによって指定された「開始日時」、「継続時間」及び「対象地域」と同一または近似しているDR信号を送信した過去の時間帯における系統供給電力量データと、過去のDR信号における「強度」及び「対象機種」とに基づいて、デマンドレスポンスの実行によって削減された系統供給電力量である削減電力量(「調整電力量」に相当)の全需要家の合計と、過去のDR信号における「強度」及び「対象機種」との関係を推定した上で、計画データで指定される予定総削減電力量を達成するために必要な「強度」及び「対象機種」を決定する。なお、演算部12が、全需要家の削減電力量の合計と、過去のDR信号における「強度」及び「対象機種」との関係を表すデータを生成した後、表示装置等を用いて当該データをデマンドレスポンスシステム1のオペレータに提示して、これから送信するDR信号に含める「強度」及び「対象機種」の決定を当該オペレータに委ねてもよい。
このとき、例えば、演算部12は、デマンドレスポンスの実行が要請されていた時間帯(以下、「対象時間帯」とする)における需要家のそれぞれの削減電力量を算出する際に、対象時間帯に近似する時間帯であってデマンドレスポンスの実行が要請されていなかった時間帯(以下、「比較時間帯」とする)における需要家のそれぞれの系統供給電力量に基づいて、需要家のそれぞれの基準電力量を算出する。さらに、演算部12は、対象時間帯における需要家のそれぞれの系統供給電力量から基準電力量を減算することで、需要家のそれぞれの削減電力量を算出する。
具体的に例えば、演算部12は、対象時間帯と比較して時間の他に季節や日付、曜日等が同一または近似する時間帯や、対象時間帯の直前及び直後の時間帯の少なくとも一方を比較時間帯として、需要家のそれぞれの比較時間帯における系統供給電力量を平均化するなどして、需要家のそれぞれの基準電力量を算出する。なお、演算部12は、上記のように需要家毎に基準電力量及び削減電力量を算出してから当該削減電力量を合算することで需要家の削減電力量の合計を算出してもよいが、全需要家の系統供給電力量を予め合算しておき、その合算結果に基づいて上記と同様の方法によって全需要家の基準電力量の合計を算出し、全需要家の系統供給電力量の合計から全需要家の基準電力量の合計を減算することで、全需要家の削減電力量の合計を算出してもよい。
そして、信号送信部11が、演算部12が作成したDR信号を、需要家D1〜D3に対して送信する。このとき、信号送信部11が、同一のDR信号を複数回送信すると、通信不良等でDR信号を受信できない需要家の数を減らすことができるため、好ましい。
信号受信部21〜23がDR信号を受信すると、電力消費機器制御部31、発電装置制御部32及び蓄電池制御部33が、DR信号に基づいて電力消費機器41、発電装置42及び蓄電池43を制御することで、デマンドレスポンスを実行する。例えば、電力消費機器制御部31、発電装置制御部32及び蓄電池制御部33は、DR信号における「対象地域」に需要家D1〜D3が該当し、かつ、制御対象の電気機器(電力消費機器41、発電装置42及び蓄電池43)が「対象機種」に該当していれば、「開始日時」から「継続時間」が経過するまで、「強度」に応じた削減量で系統供給電力量が削減されるように、電力消費機器41、発電装置42及び蓄電池43を制御する。
また、演算部12は、需要家D1〜D3のそれぞれについて、削減電力量を算出する。このとき、演算部12は、上述と同様の削減電力量の算出方法により、需要家毎の削減電力量を算出する。即ち、演算部12は、需要家のそれぞれの対象時間帯における系統供給電力量から、需要家のそれぞれの基準電力量を減算することで、削減電力量を算出する。これにより、それぞれの需要家の実績に見合った削減電力量を算出することができる。
そして、演算部12は、削減電力量が大きい需要家ほど高額になるように報酬額を算出する。例えば、演算部12は、電気事業者やアグリゲータによって設定された報酬総額を、需要家のそれぞれの削減電力量の大きさに応じて配分することで、需要家のそれぞれの報酬額を算出する。具体的に例えば、削減電力量の大きさに応じて比例配分(按分)してもよいし、10kwh以上や20kwh以上などの削減電力量のランクを設定するとともに当該ランクに応じて配分してもよい。この場合、需要家間における削減電力量の大小関係を反映させた報酬額を算出することができる。
以上のように、本発明の実施形態に係るデマンドレスポンスシステム1では、需要家と双方向通信することなく、DR信号をブロードキャストするという簡易な方法で需要家に対してデマンドレスポンスの実行を要請するとともに、需要家の削減電力量に応じた適切な報酬額を算出することができる。
<変形等>
[1] 上述の実施形態では、演算部12が、データベース13に記録された系統供給電力量データに基づいて需要家の削減電力量を算出しているが、少なくとも1人の需要家の削減電力量を簡易な方法で算出してもよい。例えば、少なくとも1人の需要家の削減電力量の期待値(以下、「削減電力量期待値」とする)のデータを予めデータベース13に記録しておき、演算部12が、データベース13に削減電力量期待値のデータが記録されている需要家については、削減電力量期待値に基づいて削減電力量を算出してもよい。典型的には、削減電力量期待値をそのまま削減電力量として算出してもよい。
この場合、例えば、電気事業者やアグリゲータが、需要家とデマンドレスポンスの契約を締結する際(具体的には、信号受信部21〜23並びに電力消費機器制御部31、発電装置制御部32及び蓄電池制御部43を設置する際や、デマンドレスポンスを実行することができるようにこれらを設定する際)に、デマンドレスポンスを試行して削減される電力量を確認し、この電力量に基づいて削減電力量期待値を算出してもよい。
また例えば、電気事業者やアグリゲータが、需要家とデマンドレスポンスの契約を締結した後、データベース13に蓄積された数ヶ月や数年などの所定の期間における系統供給電力量データに基づいて上述の実施形態と同様の方法で算出される削減電力量を平均化するなどの方法によって、削減電力量期待値を算出してもよい。また、この場合、季節毎、月毎、曜日毎などの所定の単位毎の削減電力量を平均化して、所定の単位毎の削減電力量期待値を算出してもよい。
このように、削減電力量期待値に基づいて削減電力量を算出すると、演算部12による削減電力量を算出するための演算を簡略化することができる。また、削減電力量期待値を算出した需要家の系統供給電力量データの収集及びデータベース13への記録を、省略することができる。
なお、データベース13が全ての需要家の削減電力量期待値を記録しており、演算部12が、全ての需要家の削減電力量を、削減電力量期待値に基づいて算出してもよい。このように構成したデマンドレスポンスシステムであっても、上述の実施形態と同様に、需要家と双方向通信することなく、DR信号をブロードキャストするという簡易な方法で需要家に対してデマンドレスポンスの実行を要請するとともに、需要家の削減電力量に応じた適切な報酬額を算出することができる。
また、演算部12が、上記のように削減電力量期待値に基づいて削減電力量を算出する場合、デマンドレスポンスの実行が要請されていた時間帯における、少なくとも1人の需要家(例えば、事業者や一般家庭のような需要家の種別や系統供給電力量の大きさなどに基づいて分けられたグループのそれぞれから抽出された代表的な需要家。以下、「代表需要家」とする。)の系統供給電力量データに基づいて、代表需要家以外の少なくとも1人の需要家(例えば、代表需要家以外の全ての需要家や、上記のグループにおける代表需要家以外の需要家。以下、「その他需要家」とする。)の削減電力量期待値の妥当性を判定し、妥当であると判定したその他需要家の削減電力量期待値を、当該時間帯における当該その他需要家の削減電力量として算出してもよい。
この場合、例えば、データベース13に、代表需要家がデマンドレスポンスを実行した場合に予期される系統供給電力量(または、削減電力量)の範囲を記録しておく。そして、演算部12が、デマンドレスポンスの実行を要請した期間における実際の代表需要家の系統供給電力量(または、削減電力量)が、予期される系統供給電力量(または、削減電力量)の範囲内であれば、その他需要家の削減電力量期待値を妥当であると判定する。また、演算部12が、複数の代表需要家の系統供給電力量(または、削減電力量)に基づいて、その他需要家の削減電力量期待値の妥当性を判定する場合、例えば、演算部12が、デマンドレスポンスの実行を要請した期間における実際の代表需要家の系統供給電力量(または、削減電力量)が、予期される系統供給電力量(または、削減電力量)の範囲内になる代表需要家が所定の割合以上(過半数や3分の2以上など)であれば、その他需要家の削減電力量期待値を妥当であると判定する。
またこの場合、例えば、演算部12が、その他需要家の削減電力量期待値を妥当ではないと判定する場合、上述の実施形態と同様の方法でその他需要家の削減電力量を算出してもよいし、実際の代表需要家の系統供給電力量(または、削減電力量)と予期される系統供給電力量(または、削減電力量)との乖離がその他需要家にも生じていると仮定して当該その他需要家の削減電力量を推定してもよい。
このように、代表需要家の系統供給電力量データに基づいて、その他需要家の削減電力量期待値の妥当性を判定し、妥当であればその他需要家の削減電力量とすることで、演算部12による削減電力量を算出するための演算を簡略化するだけでなく、その正確性を担保することができる。
[2] 上述の実施形態では、需要家D1〜D3のそれぞれが、1つの電気機器を制御してデマンドレスポンスを実行する場合について例示したが、少なくとも1人の需要家が、複数の同種または異種の電気機器を制御してデマンドレスポンスを実行してもよい。例えば、少なくとも1人の需要家が、複数の電力消費機器41を制御してデマンドレスポンスを実行してもよいし、電力消費機器41及び発電装置42を制御してデマンドレスポンスを実行してもよい。
また、上述の実施形態では、需要家D1〜D3のそれぞれが、異なる種類の電気機器を制御してデマンドレスポンスを実行する場合について例示したが、需要家の全員が1種類の電気機器(例えば、電力消費機器、発電装置及び蓄電池のいずれか1種類)を制御してデマンドレスポンスを実行してもよい。この場合、図3で示したDR信号において、「対象機種」を不要にすることができる。
ただし、DR信号に「対象機種」を含めて、デマンドレスポンスが実行される機種を選択的に制御可能にすると、電気機器の特性(例えば、削減可能な系統供給電力量の大小、デマンドレスポンスの即時実行の可否、デマンドレスポンスを実行することで需要家が受ける弊害の大小など)に応じて、より適切なデマンドレスポンスを需要家に実行させることができるため、好ましい。
[3] 上述の実施形態では、データベース13が系統供給電力量データを随時記録するとともに、演算部12が系統供給電力量(「指標電力量」に相当)に基づいて削減電力量などを算出する場合について例示したが、系統供給電力量以外の電力量(例えば、発電装置42が発電する電力量や蓄電池43が放電または充電する電力量。「指標電力量」に相当)であっても削減電力量を算出することが可能である。
そこで、例えば、発電装置42を備えている需要家D2が、発電装置42が発電する電力量の制御によってデマンドレスポンスを実行する場合、発電装置42が発電する電力量を電力量測定部52が測定してもよい。また例えば、蓄電池43を備えている需要家D3が、蓄電池43が充電または放電する電力量の制御によってデマンドレスポンスを実行する場合、蓄電池43が放電または充電する電力量を電力量測定部53が測定してもよい。
[4] 需要家に対してDR信号をブロードキャストする場合、電気事業者やアグリゲータにおいて需要家におけるデマンドレスポンスの実行の有無や程度を把握することができないため、予定した通りの削減電力量が得られないことが懸念される。そこで、演算部12が、データベース13に記録されている系統供給電力量データに基づいて、需要家によるデマンドレスポンスの効果を推定するとともに、予定した通りの削減電力量が得られているか否かを検出してもよい。
例えば、演算部12は、需要家に対してデマンドレスポンスの実行が要請されている時間帯よりも前の系統供給電力量データと、当該時間帯における系統供給電力量データとに基づいて、当該時間帯における需要家の削減電力量の合計値を推定する。具体的に例えば、演算部12は、当該時間帯に近似する過去の時間帯(例えば、時間の他に季節や日付、曜日等が同一または近似する時間帯であって、好ましくはデマンドレスポンスの実行が要請されていた時間帯)における系統供給電力量に基づいて系統供給電力量の変動パターンを推定し、この変動パターンに現在の系統供給電力量を適用することで、このデマンドレスポンスの実行が要請されている時間帯における系統供給電力量を推定し、上述の実施形態と同様の算出方法で削減電力量を推定する。なお、演算部12が、系統供給電力量の変動パターンの代わりに削減電力量の変動パターンを推定し、この変動パターンに現在の削減電力量を適用することで、このデマンドレスポンスの実行が要請されている時間帯における削減電力量を推定してもよい。
そして、例えば、演算部12は、推定した削減電力量の合計値が、所定の目標値(例えば、予定総削減電力量)から所定の程度以上乖離している(過少及び過剰の少なくとも一方である)ことを検出する。このとき、演算部12が、検出した乖離を縮小させるための追加のDR信号を生成して信号送信部11に与えてもよい(即ち、自律的に削減電力量を調整してもよい)し、表示装置等を用いて当該乖離を示すデータをデマンドレスポンスシステム1のオペレータに提示して、追加のDR信号の内容や送信の要否の判断を当該オペレータに委ねてもよい。
このように、演算部12が、需要家の削減電力量の合計値を推定して目標値から所定の程度以上乖離しているか否かを検出すると、デマンドレスポンスの効果が過少または過剰であることを検出して追加のDR信号をさらにブロードキャストするなどの対処を行うことが可能になる。したがって、需要家によって削減される電力量を予定通りの大きさにすることが可能になる。
なお、上記[1]と同様に、代表需要家の系統供給電力量データのみに基づいて当該代表需要家の削減電力量を推定し、その推定結果に基づいてその他需要家の削減電力量を推定してもよい。
また、演算部12が、上述の実施形態で説明した報酬額の算出を行うことなく、ここで説明したような予定した通りの削減電力量が得られているか否かの検出を行うようにしてもよい。
[5] これまで、商用電力系統の需給逼迫時において需要家が系統供給電力量を削減するデマンドレスポンスシステムを実行する場合について説明してきたが、上述の実施形態に係るデマンドレスポンスシステム1は、商用電力系統の供給過剰時(例えば、多数の需要家が発電した電力を逆潮流する場合など)において需要家が系統供給電力量を増大するデマンドレスポンスシステムを実行する(例えば、熱源装置である電力消費機器41を起動するまたは消費する電力量を増大させる、発電装置42が発電する電力量を低減するまたは停止する、蓄電池43の充電を開始するまたは充電する電力量を増大させるなど)場合にも適用可能である。
デマンドレスポンスシステム1において系統供給電力量を増大するデマンドレスポンスシステムを実行する場合、削減電力量などを算出する代わりに、増大電力量(「調整電力量」に相当)などを算出することになるが、上述の実施形態において説明した演算の正負が異なり得るだけである。
また、例えば、デマンドレスポンスシステムを実行した需要家が、増大電力量に対して通常時と同じ電力料金を支払い、後で報酬を受け取る場合、当該報酬の額が上述の実施形態における報酬額に相当する。また例えば、デマンドレスポンスシステムを実行した需要家が、増大電力量に対して通常時よりも安い電力料金を支払う場合、通常の電力料金との差額を上述の実施形態における報酬額としてもよい。
[6] 上述の実施形態及び変形例[1]〜[5]は、矛盾なき限り組み合わせて実施することが可能である。
本発明は、需要家にデマンドレスポンスの実行を要請するデマンドレスポンスシステムに利用することができる。
1 : デマンドレスポンスシステム
11 : 信号送信部
12 : 演算部
13 : データベース
21〜23 : 信号送信部
31 : 電力消費機器制御部
32 : 発電装置制御部
33 : 蓄電池制御部
41 : 電力消費機器
42 : 発電装置
43 : 蓄電池
51〜53 : 電力量測定部
16 : 制御部
D1〜D3 : 需要家

Claims (10)

  1. 商用電力系統から需要家に供給される電力量である系統供給電力量を削減または増大するデマンドレスポンスの実行を前記需要家に要請する信号であるDR信号を、ブロードキャストする信号送信部と、
    前記DR信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した前記DR信号に基づいて所定の電気機器を制御することで前記デマンドレスポンスを実行する電気機器制御部とを有する複数の前記需要家のそれぞれに対して、前記デマンドレスポンスの対価である報酬額を算出する演算部と、
    前記需要家のそれぞれにおける指標電力量を所定の単位時間毎に測定して得られたデータを随時記録するデータベースと、を備え、
    前記指標電力量は、前記需要家が前記デマンドレスポンスを実行した場合と実行しなかった場合とで大きさが異なる電力量であり、
    前記演算部は、前記データベースに記録されている前記需要家のそれぞれの前記指標電力量のデータに基づいて、前記需要家のそれぞれが前記デマンドレスポンスを実行したことで削減または増大した前記系統供給電力量である調整電力量を算出し、当該調整電力量が大きい前記需要家ほど高額になるように前記報酬額を算出することを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
  2. 前記指標電力量が、前記系統供給電力量、前記需要家が有する発電装置が発電する電力量、及び、前記需要家が有する蓄電池が放電または充電する電力量の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のデマンドレスポンスシステム。
  3. 前記演算部は、前記デマンドレスポンスの実行が要請されていた時間帯である対象時間帯における前記需要家のそれぞれの前記調整電力量を算出する際に、前記対象時間帯に近似する時間帯であって前記デマンドレスポンスの実行が要請されていなかった時間帯である比較時間帯における前記需要家のそれぞれの前記指標電力量に基づいて、前記需要家のそれぞれの基準電力量を算出し、前記対象時間帯における前記需要家のそれぞれの前記指標電力量から前記基準電力量を減算することで、前記需要家のそれぞれの前記調整電力量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のデマンドレスポンスシステム。
  4. 前記演算部は、報酬総額を、前記調整電力量の大きさに応じて配分することで、前記需要家のそれぞれの前記報酬額を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
  5. 前記DR信号に、前記デマンドレスポンスの実行を要請する対象の電気機器の種類が含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
  6. 前記需要家に対して前記デマンドレスポンスの実行が要請されている時間帯において、前記演算部は、前記データベースに記録されている少なくとも1人の前記需要家における当該時間帯よりも前の前記指標電力量のデータと、当該需要家における当該時間帯における前記指標電力量のデータとに基づいて、当該時間帯における前記需要家の前記調整電力量の合計値を推定し、当該合計値が所定の目標値から所定の程度以上乖離していることを検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
  7. 前記データベースが、少なくとも1人の前記需要家のそれぞれが前記デマンドレスポンスを実行したことで削減または増大する前記系統供給電力量の期待値である調整電力量期待値のデータを記録しており、
    前記演算部が、前記データベースに前記調整電力量期待値のデータが記録されている前記需要家の前記調整電力量を、当該需要家の当該調整電力量期待値のデータに基づいて算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
  8. 商用電力系統から需要家に供給される電力量である系統供給電力量を削減または増大するデマンドレスポンスの実行を前記需要家に要請する信号であるDR信号を、ブロードキャストする信号送信部と、
    前記DR信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した前記DR信号に基づいて所定の電気機器を制御することで前記デマンドレスポンスを実行する電気機器制御部とを有する複数の前記需要家のそれぞれに対して、前記デマンドレスポンスの対価である報酬額を算出する演算部と、
    前記需要家のそれぞれが前記デマンドレスポンスを実行したことで削減または増大する前記系統供給電力量の期待値である調整電力量期待値のデータを記録するデータベースと、を備え、
    前記演算部は、前記データベースに記録されている前記需要家の前記調整電力量期待値のデータに基づいて、前記需要家が前記デマンドレスポンスを実行したことで削減または増大した前記系統供給電力量である調整電力量を算出し、当該調整電力量が大きい前記需要家ほど高額になるように前記報酬額を算出することを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
  9. 前記データベースが、少なくとも1人の前記需要家である代表需要家のそれぞれにおける指標電力量を所定の単位時間毎に測定して得られたデータを随時記録しており、
    前記指標電力量は、前記需要家が前記デマンドレスポンスを実行した場合と実行しなかった場合とで大きさが異なる電力量であり、
    前記演算部は、前記デマンドレスポンスの実行が要請されていた時間帯である対象時間帯における前記需要家のそれぞれの前記調整電力量を算出する際に、前記対象時間帯における前記代表需要家の前記指標電力量のデータに基づいて、前記代表需要家以外の少なくとも1人の前記需要家の前記調整電力量期待値の妥当性を判定し、妥当であると判定した前記需要家の前記調整電力量期待値を、当該時間帯における当該需要家の前記調整電力量として算出することを特徴とする請求項7または8に記載のデマンドレスポンスシステム。
  10. 商用電力系統から需要家に供給される電力量である系統供給電力量を削減または増大するデマンドレスポンスの実行を前記需要家に要請する信号であるDR信号を、ブロードキャストする信号送信部と、
    前記DR信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した前記DR信号に基づいて所定の電気機器を制御することで前記デマンドレスポンスを実行する電気機器制御部とを有する複数の前記需要家による前記デマンドレスポンスの効果を推定する演算部と、
    前記需要家のそれぞれにおける指標電力量を所定の単位時間毎に測定して得られたデータを随時記録するデータベースと、を備え、
    前記指標電力量は、前記需要家が前記デマンドレスポンスを実行した場合と実行しなかった場合とで大きさが異なる電力量であり、
    前記需要家に対して前記デマンドレスポンスの実行が要請されている時間帯において、前記演算部は、前記データベースに記録されている少なくとも一部の前記需要家における当該時間帯よりも前の前記指標電力量のデータと、当該需要家における当該時間帯における前記指標電力量のデータとに基づいて、当該時間帯における前記需要家の前記調整電力量の合計値を推定し、当該合計値が所定の目標値から所定の程度以上乖離していることを検出することを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
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