JP2018153314A - 非接触式筋電位センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】非侵襲的に筋電位信号を検出する非接触式筋電位センサの検出精度を向上可能な非接触式筋電位センサを提供する。【解決手段】人体の皮膚の表面から離間して配置されて非侵襲的に筋電位信号を検出する非接触式筋電位センサは、表裏をなす第1の面及び第2の面を有する基板と、第1の面に形成された少なくとも3つ以上の複数の検出電極と、それぞれの検出電極の周囲を囲んで第1の面に形成された複数の枠状シールド電極と、それぞれの検出電極と基板との間に形成された複数の面状シールド電極と、それぞれの検出電極とそれぞれの面状シールド電極との間に形成された複数の絶縁膜と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、非接触式筋電位センサに関する。
筋電図検査法は、運動神経単位(運動神経の束)を介して伝達される生体電位信号を記録するための技術として知られている。生体電位信号を検出するには検出電極が必要である。これまで、要求される非侵襲性のレベルに応じて種々の検出電極が提案されている。
例えば筋肉内に挿入される侵襲性の針状電極からなる筋肉内電極がある。筋肉内電極は、的確に挿入されることによって、個々の運動神経単位の振る舞いを学習することができる。ただし、筋肉内電極は侵襲性のため、医療の現場や専門のスタッフを伴う用途での使用に限られる。
また、被検者の皮膚の表面に直接貼付されて配置される非侵襲性の接触式表面電極がある。接触式表面電極の使用には、粘着剤の塗布や体毛の除去、洗浄液による皮膚の洗浄等、あらかじめ皮膚に対して前処理を行うことが必要になる。このため、接触式表面電極は、通常、医療用途や学術用途で用いられている。接触式表面電極は、複数の運動神経単位の信号の組み合わせによる表面筋電位(sEMG)信号を検出することができる。
また、被検者の皮膚上に離間してあるいは被検者の衣服に配置され得る非侵襲性の非接触式電極がある。非接触式電極によっても表面筋電位信号を検出することができる。非接触式電極の使用には皮膚に対する前処理が不要であり、電極の配置についての医学的な知見も不要であることから、非接触式電極はエンドユーザ向けの筋電位検出システムへの適用の可能性を拡大できると考えられる。例えば特許文献1には、人体に接触して人体との間で発生する電位を検出する抵抗性結合センサと、人体に非接触で人体との間で発生する電位を検出する複数の容量性結合センサを備えた心電位検出装置が開示されている。
特開2012−50585号公報
しかしながら、非接触式電極を用いて筋電位信号を高精度に検出することは容易ではない。例えば、非接触式電極が用いられる多くの場合には、人体の皮膚と電極との間に衣服等の絶縁体が存在するため、電気抵抗が大きくなって筋電位信号が検出されにくい。また、非接触式電極が用いられる場合、検出信号に周囲からのノイズが含まれやすい。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、非侵襲的に筋電位信号を検出する非接触式筋電位センサの検出精度を向上可能な非接触式筋電位センサを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、人体の皮膚の表面から離間して配置されて非侵襲的に筋電位信号を検出する非接触式筋電位センサであって、表裏をなす第1の面及び第2の面を有する基板と、第1の面に形成された少なくとも3つ以上の複数の検出電極と、それぞれの検出電極の周囲を囲んで第1の面に形成された複数の枠状シールド電極と、それぞれの検出電極と基板との間に形成された複数の面状シールド電極と、それぞれの検出電極とそれぞれの面状シールド電極との間に形成された複数の絶縁膜と、を備えた、非接触式筋電位センサが提供される。
以上説明したように本発明によれば、非侵襲的に筋電位信号を検出する非接触式筋電位センサの検出精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る動作補助装置の構成例を示す模式図である。 同実施形態に係る動作補助装置の構成例を示す側面図である。 同実施形態に係る非接触式筋電位センサの電極アレイ基板の構成例を示す底面図である。 同実施形態に係る非接触式筋電位センサの電極アレイ基板の構成例を示す上面図である。 同実施形態に係る非接触式筋電位センサの電極アレイ基板の構成例を示す断面図である。 同実施形態に係る非接触式筋電位センサの作用を示す説明図である。 同実施形態に係る非接触式筋電位センサの検出回路の構成例を示す回路図である。 同実施形態に係る非接触式筋電位センサの検出回路の構成例を示す回路図である。 同実施形態に係る非接触式筋電位センサの検出信号のノイズ除去処理を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.動作補助装置の構成例>
まず、図1〜図2を参照して、本実施形態に係る非接触式筋電位センサを適用可能な動作補助装置1の構成例について説明する。図1は、動作補助装置1を装着したユーザ(装着者)Hを正面から見た図であり、図2は、動作補助装置1を装着したユーザHを側方から見た図である。
本実施形態に係る動作補助装置1は、人体の股関節の左右の側方に配置された関節部(能動関節部)20を有し、左右の下肢の前後運動の補助力を付与することで歩行動作又は階段昇降動作等を補助する装置として構成されている。動作補助装置1は、いわゆる外骨格ロボットとも呼ばれる。動作補助装置1は、装着具10と、アクチュエータ21と、非接触式筋電位センサ31,33と、制御ユニット25とを備える。本実施形態に係る動作補助装置1において、装着具10は、腰部装着部13と、腰部固定ベルト11a,11bと、アーム部23と、大腿部固定ベルト15とを備える。
装着具10のうち、腰部装着部13及びアーム部23は、例えばアルミニウム等の軽金属又は樹脂材料により形成され、所定程度の剛性を有する。したがって、腰部装着部13及びアーム部23は、変形しにくくなっている。一方、腰部固定ベルト11a,11b及び大腿部固定ベルト15は、ユーザHの体格によって締め付け具合が変えられるように、織物、編物又は可撓性樹脂等により形成されて変形可能になっていてもよい。
腰部装着部13は、ユーザHの人体の腰部に配置され、腰部固定ベルト11a,11bにより固定される。腰部固定ベルト11a,11bの少なくとも一部は、人体の大腿部の前面に配置される。本実施形態に係る動作補助装置1では、腰部固定ベルト11a,11bは、腰回りに配置される第1の部分11aと、大腿部の上部に配置される第2の部分11bとを含む。腰部固定ベルト11a,11bは、例えばバックル又は面ファスナー等の連結具を有し、連結具を連結することにより腰部固定ベルト11a,11bが巻き付けられて腰部装着部13が腰部に固定される。
腰部装着部13のうち、人体の側部に位置する部分には関節部20が設けられている。関節部20は、ユーザHの人体の股関節の側方に位置するように配置される。関節部20は、アーム部23の上端と腰部装着部13の下端とを相対回転可能に連結する。アーム部23は、関節部20から大腿部に沿って下方に延びる。アーム部23の下方側には、大腿部固定ベルト15が接続されている。大腿部固定ベルト15は、バックル又は面ファスナー等の連結具を有し、連結具を連結することにより大腿部固定ベルト15が巻き付けられてアーム部23が大腿部に固定される。
本実施形態に係る動作補助装置1において、関節部20の内部にアクチュエータ21が備えられている。アクチュエータ21としては、例えばステッピングモータ又はブラシレスモータからなるロータリーモータが用いられる。アクチュエータ21は、アクチュエータ21が出力する回転を減速する減速機を有していてもよい。アクチュエータ21は、回転式のロータリーモータに限られず、リニアモータと回転機構とを組み合わせたアクチュエータであってもよい。かかるアクチュエータ21を駆動させることにより、関節部20を中心にアーム部23が回動する。これにより、アーム部23が固定されたユーザHの大腿部の前後方向の動きが補助される。アクチュエータ21は、関節部20から離れた位置に配置されていてもよい。この場合、アクチュエータ21の回転トルクは、プーリ及び可撓性ケーブル等を含む動力伝達機構を介して関節部20に伝達されて、関節部20が回動する。
非接触式筋電位センサ31,33は、非侵襲的にユーザHの筋電位信号を検出する。非接触式筋電位センサ31は、人体の大腿部の上部に配置された腰部固定ベルト11bに取り付けられている。また、非接触式筋電位センサ33は、人体の大腿部の下部に配置された大腿部固定ベルト15に取り付けられている。これらの非接触式筋電位センサ31,33は、個別にユーザHの人体に直接取り付けられるものではなく、動作補助装置1の装着と同時に人体の皮膚上に配置されるものとなっている。
これらの非接触式筋電位センサ31,33は、動作補助装置1が補助する筋力に対応する運動単位(筋肉)に応じてあらかじめ位置が決定されて、装着具10に取り付けられている。本実施形態に係る動作補助装置1は、ユーザHの下肢の前後運動を補助する装置であり、これらの非接触式筋電位センサ31,33の表面電極(検出電極)は、例えば装着時においてユーザHの大腿四頭筋の筋電位を検出可能な位置に配置される。非接触式筋電位センサ31,33は、左右の大腿部それぞれに対応して設けられている。なお、非接触式筋電位センサ31,33の具体的な構成例については後述する。
腰部固定ベルト11b及び大腿部固定ベルト15が例えば織物又は編物である場合、非接触式筋電位センサ31,33は、腰部固定ベルト11b及び大腿部固定ベルト15に縫い付けられて固定されてもよい。また、腰部固定ベルト11b及び大腿部固定ベルト15が例えば可撓性樹脂を用いて構成されている場合、非接触式筋電位センサ31,33は腰部固定ベルト11b及び大腿部固定ベルト15に埋設されていてもよい。さらに、非接触式筋電位センサ31,33は、接着剤により腰部固定ベルト11b及び大腿部固定ベルト15に固定されてもよい。いずれの場合においても、非接触式筋電位センサ31,33を構成する電極アレイ基板及びICチップが腰部固定ベルト11b及び大腿部固定ベルト15に固定されていてもよい。
腰部装着部13の背中側にはケース26が備えられる。ケース26内には制御ユニット25及び図示しないバッテリユニットが収容されている。制御ユニット25は、非接触式筋電位センサ31,33により検出される筋電位信号の情報を取得して演算処理を行い、バッテリユニットからアクチュエータ21に供給する電流を制御する。制御ユニット25は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ及び記憶素子等の電子部品を備えて構成され、非接触式筋電位センサ31,33及びアクチュエータ21に対して電気的に接続される。制御ユニット25と、非接触式筋電位センサ31,33又はアクチュエータ21とは、無線の通信手段によって接続されてもよい。
かかる動作補助装置1では、ユーザHの動作意思に伴って生成される筋電位信号の情報が非接触式筋電位センサ31,33により検出され、制御ユニット25が当該筋電位信号の情報に基づき関節部20あるいはアクチュエータ21の要求トルクを算出する。また、制御ユニット25は、算出した要求トルクに基づいてアクチュエータ21の制御量(例えば供給電流)を決定し、アクチュエータ21を制御する。これにより、アクチュエータ21が回転駆動し、アーム部23が回転することによって、ユーザHの下肢の前後動作に対する補助力が生成される。
<2.非接触式筋電位センサの構成例>
次に、非接触式筋電位センサ31,33の具体的な構成例を説明する。本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33は、静電容量型のセンサとして構成される。静電容量型の筋電位センサでは、筋電位に応じて静電容量が変化し、当該静電容量の変化が電気信号に変換されて出力される。静電容量型の筋電位センサであれば、皮膚の表面に直接貼付させることなく、所望の筋肉の筋電位を検出することができる。したがって、非接触式筋電位センサ31,33が固定ベルト11b,15に設けられていても、筋電位信号を検出することができる。非接触式筋電位センサ31,33が静電容量型の筋電位センサである場合、非接触式筋電位センサ31,33は、例えば電極及び電気回路を備える。
図3〜図5は、本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33の電極アレイ基板50の構成例を示す説明図である。図3は、検出電極63a,63b,63c,63d,63eが形成された第1の面側から電極アレイ基板50を見た底面図である。図4は、第1の面と表裏の面を成す第2の面側から電極アレイ基板50を見た上面図である。図5は、図3及び図4のI−I断面を矢印方向に見た模式図である。
電極アレイ基板50は、基板51と、5つの検出電極63a,63b,63c,63d,63e(以下、特に区別する必要がある場合を除き検出電極63と総称する。)と、5つの枠状シールド電極65a,65b,65c,65d,65e(以下、特に区別する必要がある場合を除き枠状シールド電極65と総称する。)と、5つの面状シールド電極61a,61b,61c,61d,61e(以下、特に区別する必要がある場合を除き面状シールド電極61と総称する。)と、5つの絶縁膜67a,67b,67c,67d,67e(以下、特に区別する必要がある場合を除き絶縁膜67と総称する。)と、5つの接地シールド電極69a,69b,69c,69d,69e(以下、特に区別する必要がある場合を除き接地シールド電極69と総称する。)を備える。
基板51は、表裏の面をなす第1の面及び第2の面を有する。基板51は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料により形成された電気絶縁性のフレキシブル基板である。基板51がフレキシブル基板であれば、電極アレイ基板50全体として可撓性を持たせることができ、人体の皮膚表面上への設置や、使用時に受ける応力への耐性に対して有利となる。
基板51の第1の面には5つの検出電極63、5つの絶縁膜67、5つの枠状シールド電極65及び5つの面状シールド電極61が形成されている。また、基板51の第1の面の外周部には、5つの検出電極63、5つの絶縁膜67、5つの枠状シールド電極65及び5つの面状シールド電極61を囲むように接地電極73が形成されている。基板51の第2の面には5つの接地シールド電極69が形成されている。また、第2の面の外周部には、第1の面に形成された接地電極73の形成領域に対応させて接地電極71が形成されている。検出電極63、枠状シールド電極65、面状シールド電極61、接地シールド電極69及び接地電極71,73は、それぞれ公知の導電性材料を用いて、成膜工程、露光工程及びエッチング処理等により形成される電極パターンであってよい。絶縁膜67は、公知の絶縁材料を用いて形成されたものであってよい。
図示した電極アレイ基板50において、第1の面に形成された5つの検出電極63はそれぞれ矩形状を有し、矩形の短辺の延在方向に沿って直列に配置されている。それぞれの検出電極63は、絶縁膜67を介して面状シールド電極61上に形成されている。また、それぞれの検出電極63の周囲には、検出電極63を囲むように形成された枠状シールド電極65が配置されている。5つの面状シールド電極61はそれぞれ矩形状を有し、枠状シールド電極65は面状シールド電極61の外周部上に電気的に接続されて形成されている。枠状シールド電極65及び面状シールド電極61は図示しない駆動回路により駆動される駆動シールド電極となっている。枠状シールド電極65と面状シールド電極61とは一体となったシールド電極であってもよい。
また、第2の面に形成された5つの接地シールド電極69はそれぞれ矩形状を有する。それぞれの接地シールド電極69は、第1の面に形成された面状シールド電極61の形成領域に対応させて形成されている。接地シールド電極69は、枠状シールド電極65及び面状シールド電極61とは異なり駆動回路による駆動が行われないシールド電極である。
検出電極63と枠状シールド電極65とは互いに接触しないように、かつ、近接して配置されて第1の面に形成されている。また、検出電極63と面状シールド電極61とは絶縁膜67により電気的に絶縁されている。それぞれの検出電極63a,63b,63c,63d,63eと枠状シールド電極65a,65b,65c,65d,65e及び面状シールド電極61a,61b,61c,61d,61eとは、互いの寄生容量が、検出回路のゲインや周波数特性に影響を及ぼし得る程度に離間して形成されている。各検出電極63と、その周囲に形成された枠状シールド電極65及び絶縁膜67を介して背面側に形成された面状シールド電極61とが近接して配置されることにより、検出電極63と枠状シールド電極65及び面状シールド電極61との対接地間容量を減らすことができる。
さらに、第1の面に形成された5つの検出電極63のそれぞれの形成領域の背面側の第2の面上に設置シールド電極69が形成されている。このため、検出電極63は二重にシールドされ、周囲からのノイズをより低減することができる。
本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33は、電極アレイ基板50が衣服等を介して人体の皮膚上に配置されることにより、容量性結合センサを形成する。図6は、検出電極63が衣服41等を介して人体43上に配置された様子を示している。このように検出電極63が人体43上に配置されることで、人体43−衣服41−検出電極63の構成が、導体−絶縁物−導体の結合によるコンデンサを形成する。電極アレイ基板50は、運動神経単位(筋肉)45が生成する筋電位信号に応じて変化するコンデンサの静電容量に基づいて筋電位信号を取り出す。
本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33の電極アレイ基板50は、例えば5つの検出電極63の配列方向が筋電位の検出対象である運動神経単位の長さ方向に沿うようにして、人体の皮膚の表面上に配置される。本実施形態の例では、人体の大腿四頭筋の長さ方向に沿って5つの検出電極63が配列するように、電極アレイ基板50が腰部固定ベルト11b及び大腿部固定ベルト15のそれぞれに取り付けられる。したがって、大腿四頭筋に筋電位信号が発生する際に、5つの検出電極63a,63b,63c,63d,63eと面状シールド電極61a,61b,61c,61d,61e及び面状シールド電極61a,61b,61c,61d,61eとの間の静電容量が順次に変化する。
非接触式筋電位センサ31,33の検出回路は、5つの検出電極63a,63b,63c,63d,63eと面状シールド電極61a,61b,61c,61d,61e及び面状シールド電極61a,61b,61c,61d,61eとの間の静電容量をそれぞれ検出することで、筋電位信号の流れを検出することができ、筋電位信号の検出精度を向上させることができる。
本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33においては、5つの検出電極63が用いられているが、検出電極63は、少なくとも3つ以上設けられればよい。3つ以上の検出電極63を用いることにより、各検出電極63の検出信号を比較することによって筋電位信号の検出精度を高めることができる。また、検出電極63のうちの少なくとも一部が、筋電位の検出対象である運動神経単位(筋肉)の配置方向に沿って配列される場合には、隣り合う2つの検出電極63により検出される筋電位信号を比較することによって筋電位信号が検出される時刻の差が現れ、筋電位信号の検出精度をより高めることができる。
なお、複数の検出電極63の配置は、一定の方向に直列に配置される例に限られず、マトリクス状に二次元に配置されてもよい。複数の検出電極63がマトリクス状に配置されることにより、皮膚表面に対向するように配置される非接触式筋電位センサ31,33の方向(平面上での回転方向)にかかわらず、複数の電極が筋電位信号の検出対象である運動神経単位の配置方向に沿って配列される。したがって、筋電位信号が検出される時刻の差に基づく筋電位信号の検出精度の向上効果を得ることができる。
また、本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33においては、少なくとも検出電極63、枠状シールド電極65及び面状シールド電極61が設けられていればよく、接地電極71,73及び接地シールド電極69のうちの一部及び全部が設けられていなくてもよい。ただし、接地電極71,73及び接地シールド電極69が設けられていることにより、周囲からのノイズが低減されやすくなる。
図7及び図8は、非接触式筋電位センサ31,33の電極アレイ基板50の検出回路の構成例を示す。図7は、それぞれの検出電極63a,63b,63c,63d,63eにより検出される電流信号を電圧信号に変換する電流検出回路の構成例を示す。図8は、それぞれの枠状シールド電極65a,65b,65c,65d,65e及び面状シールド電極61a,61b,61c,61d,61e(以下、まとめて「シールド電極」ともいう。)の駆動回路の構成例を示す。
図7に示す電流検出回路は、検出電極63から出力される電流信号Iinを電圧信号Voutに変換する。電流検出回路は、信号経路83、オペアンプ81及びインピーダンス回路85を備える。信号経路83は、電流信号(筋電位信号)Iinが伝播する経路であり、一端が検出電極63に電気的に接続され、他端がオペアンプ81の入力端子(+)に電気的に接続されている。オペアンプ81は、非反転アンプとして構成され、入力端子(+)の電位を非反転増幅して電圧信号Voutを出力する。オペアンプ81の入力端子(+)は信号経路83と接続されている。
オペアンプ81が検出電極63により検出された電流信号Iinにバイアスを掛けるためには、信号経路83に接続された直流電流経路が必要になる。このため、比較的抵抗値が大きい抵抗R1が入力側に接続されており、当該抵抗R1により適切な直流バイアス電流が生成される。検出電極63と皮膚とにより形成される疑似キャパシタと抵抗R1とにより、オペアンプ81に入力される電流信号Iinをフィルタリング処理する一次ハイパスフィルタとしての機能が実現される。このハイパスフィルタのカットオフ周波数fcは、下記式(1)により示される。
c=1/(2×π×R1×Ccoupling) … (1)
1:抵抗R1の抵抗値
coupling:疑似キャパシタの電位
1:抵抗値
疑似キャパシタの電位Ccouplingは、疑似キャパシタの誘電体、例えば検出電極63と皮膚との間に存在する衣服等の素材や厚さに依存する。この疑似キャパシタの電位Ccouplingの値が小さいほどハイパスフィルタのフィルタ効果が大きくなるため、適切な疑似キャパシタの電位Ccouplingの値の下限は重要である。つまり、疑似キャパシタの電位Ccouplingの値が小さすぎると、筋電位信号の減衰度合いが大きくなってしまい、検出精度が低下するおそれがある。例えば疑似キャパシタの電位Ccouplingの値が1GΩ以上であれば、カットオフ周波数fcが約15Hz以下となって、オペアンプ81の入力側に掛けられるバイアスが適切な範囲に保証される。
オペアンプ81は、ローパスアクティブフィルタとして構成されている。オペアンプ81の反転入力端子(−)には、インピーダンス回路85を介してオペアンプ81の出力信号がフィードバックされる。具体的には、オペアンプ81の反転入力端子(−)には、抵抗R2,R3により分圧された出力信号がフィードバックされる。オペアンプ81のゲインは、(R2+R3)/R2である。信号の比較前にノイズが大きく増幅されないように、オペアンプ81のゲインは低い値であることが好ましい。ローパスアクティブフィルタとして機能するオペアンプ81のフィルタリング効果により、高周波ノイズが低減され、アンチエイリアシング効果を得ることができる。
図8に示すシールド電極の駆動回路は、オペアンプ91を備える。オペアンプ91は、低ノイズかつ低電圧型のオペアンプであることが好ましい。オペアンプ91は、シールド電極を駆動する機能を有する。検出電極63による低電流の筋電位信号を処理する場合、例えば周囲からのノイズが混じると筋電位信号の検出精度が低下するため、電気的シールドの機能が重要になる。そこで、オペアンプ91は、電流検出回路のオペアンプ81の反転入力端子(−)の電位V−を受け、シールド電極の電位Vgをオペアンプ81の反転入力端子(−)の電位V−に安定化する。
つまり、本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33では、検出電極63の周囲に配置された枠状シールド電極65及び絶縁膜67を介して検出電極63の背面側に配置された面状シールド電極61を用いて検出電極63により検出される筋電位信号(電流信号)のコピーを生成することで電気的シールドが形成される。これにより、検出電極63とシールド電極との間の電位差はゼロに近くなって、放電する電流を大幅に低減することができる。
それぞれの検出電極63及びシールド電極の組ごとに図7及び図8に示した検出回路が構成され、それぞれの検出電極63a,63b,63c,63d,63eにより検出された筋電位信号が出力される。動作補助装置1の制御ユニット25は、非接触式筋電位センサ31,33からの出力信号を受け取り、各検出電極63の検出信号を比較することで筋電位信号を検出する。例えば制御ユニット25は、隣り合う検出電極63ごとの検出信号を比較してノイズを除去するとともに、フィルタリング処理や平均化処理等の公知の種々の信号処理を行って筋電位信号を検出する。
図9は、隣り合う検出電極63a,63bの検出信号を比較することで、検出信号からノイズを除去する処理を示す模式図である。図9の上段には検出電極63aの検出信号に基づき出力された電圧信号Vout_1が示され、中段には検出電極63bの検出信号に基づき出力された電圧信号Vout_2が示されている。また、図9の下段には電圧信号Vout_1から電圧信号Vout_2を引いた値が示されている。
図9に示す例では、脳から運動神経単位(筋肉)に送られた筋電位信号の伝送経路において、検出電極63aが検出電極63bよりも上流側に設置されており、検出電極63bの検出信号に基づき出力された電圧信号Vout_2よりも先に検出電極63aの検出信号に基づき出力された電圧信号Vout_1に筋電位信号の波形が現れている。また、検出電極63aが筋電位信号を検出する時刻よりも前に、検出電極63a,63bの周囲でノイズが生じている。このような場合において、電圧信号Vout_1から電圧信号Vout_2を引くことによりノイズが相殺され、信号雑音比(SNR:Signal-Noise Ratio)を低減することができる。
制御ユニット25は、かかるノイズ除去処理を隣り合う検出電極63b,63c(63c,63d/63d,63e)ごとに行い、ノイズが低減された電圧信号を生成した後、それぞれのノイズ除去処理後の電圧信号の信号処理を行うことで、筋電位信号を検出する。このとき、5つの検出電極63a,63b,63c,63d,63eが直列に配置されている場合、検出電極63a,63bの検出信号を比較して得られた電圧信号、検出電極63b,63cの検出信号を比較して得られた電圧信号、検出電極63c,63dの検出信号を比較して得られた電圧信号、及び検出電極63d,63eの検出信号を比較して得られた電圧信号において、筋電位信号が現れる時刻には時間差が生じる。このため、かかる時間差を考慮して筋電位信号を検出することにより、検出精度を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33は、少なくとも3つ以上の検出電極63を備えるとともに、各検出電極63の周囲を囲むように形成された枠状シールド電極65と絶縁膜67を介して検出電極63の背面側に形成された面状シールド電極61とを備える。各枠状シールド電極65及び面状シールド電極61は、各検出電極63との電位差がほぼゼロになるように動作し、検出電極63からの放電を抑制する。したがって、検出電極63による筋電位信号の検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33は、複数の検出電極63の少なくとも一部が、筋電位信号の検出対象の運動神経単位の配置方向に沿って直列に配置される。このため、隣り合う検出電極63の検出信号を比較することにより、筋電位信号の検出時刻の時間差も考慮に入れて筋電位信号を検出することができ、筋電位信号の検出精度を向上させることができる。また、本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33は、基板51上に複数の検出電極63が配置される構成であるため、検出電極63同士が重なることなく、容易に設置することができる。
また、本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33は、基板51としてフレキシブル基板を備えるため、電極アレイ基板50全体として可撓性を持たせることができ、人体の皮膚表面上への設置や、使用時に受ける応力への耐性に対して有利となる。
また、本実施形態に係る非接触式筋電位センサ31,33は、ユーザHに装着される装着具10に設けられている。このため、ユーザHが装着具10を身に着けることによって、同時に非接触式筋電位センサ31,33も所望の位置に配置される。したがって、非接触式筋電位センサ31,33の取付け及び取外しに要する時間を削減することができる。また、非接触式筋電位センサ31,33を皮膚上に固定する粘着剤を用いることもないため、皮膚の炎症やアレルギ症状等が引き起こされることもない。また、非接触式筋電位センサ31,33は、補助対象の動作に対応する運動神経単位(筋肉)に応じて、装着具10の所定の位置にあらかじめ取り付けられるために、装着具10を身に着けるごとに、専門スタッフによる作業に拠らずとも非接触式筋電位センサ31,33の配置位置が大きくずれることがない。したがって、動作補助装置1によって、ユーザHの意図に沿った適切な補助が実現される。
また、本実施形態に係る動作補助装置1では、非接触式筋電位センサ31,33が、腰部装着部13又はアーム部23を固定するための固定ベルト11b,15に設けられている。固定ベルト11b,15は、装着具10の装着時に人体に対して締め付けられることから、非接触式筋電位センサ31,33が人体に対して確実に近接して配置される。また、非接触式筋電位センサ31,33の位置ズレも生じにくい。したがって、非接触式筋電位センサ31,33の配置位置をより安定させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、非接触式筋電位センサ31,33が固定ベルト11b,15に設けられていたが、本発明はかかる例に限られない。例えば、腰部装着部13又はアーム部23の形状を適宜の形状に変形し、腰部装着部13又はアーム部23に非接触式筋電位センサ31,33が設けられてもよい。
また、上記実施形態では、非接触式筋電位センサ31,33が、大腿の前面の上部及び下部に配置されるように、固定ベルト11b,15にそれぞれ2個設けられていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、非接触式筋電位センサ31,33は、大腿の裏側に配置されるように装着具10に設けられてもよい。
また、上記実施形態では、動作補助装置1が、ユーザHの両脚の前後運動を補助する装置として構成されていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、動作補助装置は、ユーザHの片脚の前後運動を補助する装置であってもよい。この場合、関節部20及びアーム部23は、左右のいずれか一方にのみ設けられる。また、動作補助装置1は、大腿部の前後運動を補助する装置に限られず、ひざ関節を中心としたふくらはぎの動作を補助する装置であってもよいし、上肢の動作を補助する装置であってもよい。
1 動作補助装置
10 装着具
11b 腰部固定ベルト(第2の部分)
15 大腿部固定ベルト
20 関節部
21 アクチュエータ
31,33 非接触式筋電位センサ
50 電極アレイ基板
51 基板
61 面状シールド電極
63 検出電極
65 枠状シールド電極
67 絶縁膜
69 接地シールド電極
71・73 接地電極

Claims (7)

  1. 人体の皮膚の表面から離間して配置されて非侵襲的に筋電位信号を検出する非接触式筋電位センサであって、
    表裏をなす第1の面及び第2の面を有する基板と、
    前記第1の面に形成された少なくとも3つ以上の複数の検出電極と、
    それぞれの前記検出電極の周囲を囲んで前記第1の面に形成された複数の枠状シールド電極と、
    それぞれの前記検出電極と前記基板との間に形成された複数の面状シールド電極と、
    それぞれの前記検出電極とそれぞれの前記面状シールド電極との間に形成された複数の絶縁膜と、
    を備えた、非接触式筋電位センサ。
  2. 前記複数の検出電極が直列に配置される、請求項1に記載の非接触式筋電位センサ。
  3. 前記複数の検出電極がマトリクス状に配置される、請求項1に記載の非接触式筋電位センサ。
  4. 前記第1の面及び前記第2の面のうちの少なくとも一方の面に接地電極を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非接触式筋電位センサ。
  5. 前記基板は可撓性基板である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非接触式筋電位センサ。
  6. 前記非接触式筋電位センサは、前記人体に装着される装着物に取り付けられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非接触式筋電位センサ。
  7. 前記装着物が、前記非接触式筋電位センサが検出した筋電位信号に基づいて駆動される人体装着型ロボット装置である、請求項6に記載の非接触式筋電位センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020246172A1 (ja) * 2019-06-07 2020-12-10 株式会社今仙電機製作所 歩行支援機

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