JP2018141723A - 気体漏出検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可聴帯域幅以上の帯域幅をもつ超音波信号の場合、高音質、かつ、実時間で全帯域を聴取することは困難であった。【解決手段】可聴化処理部30は、超音波センサ10で取得された超音波周波数帯域の音を含む測定対象音の音響信号の周波数帯域を当該周波数帯域よりも低い周波数帯域である可聴帯域に帯域変換する(帯域変換処理)。また、可聴化処理部30は、可聴帯域に帯域変換された音響信号の周波数帯域を帯域圧縮して狭くする(帯域圧縮処理)。そして、可聴化処理部30は、周波数帯域が帯域圧縮された音響信号の時間長を時間長圧縮する(時間長圧縮処理)。このようにして、音響信号を可聴可能信号に変換することで、高音質、かつ、実時間で全帯域を聴取することを可能にすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、気体漏出検出装置に関する。
従来より、超音波周波数帯域の音波をリアルタイムで連続的に可聴周波数帯域の音波に周波数変換するように構成された超音波可聴装置が、例えば特許文献1で提案されている。
具体的には、超音波可聴装置は、集音手段により取り込まれた超音波周波数帯域の音波波形を一定周期でデジタルデータにAD変換し、そのデジタルデータをAD変換周期のN倍の周期でDA変換する周波数変換部を備えている。周波数変換部は、その音波波形の時間軸をN倍だけ伸縮した可聴周波数帯域の音波波形を聴音手段に出力する。
特公平7−72698号公報
しかしながら、上記従来の技術では、可聴帯域幅以上の帯域幅をもつ超音波信号の場合、高音質、かつ、実時間で全帯域を聴取することは困難である。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、集音部(10)で取得された超音波周波数帯域の音を含む測定対象音の音響信号の周波数帯域を当該周波数帯域よりも低い周波数帯域である可聴帯域に帯域変換する帯域変換処理と、可聴帯域に帯域変換された音響信号の周波数帯域を帯域圧縮して狭くする帯域圧縮処理と、周波数帯域が帯域圧縮された音響信号の時間長を時間長圧縮する時間長圧縮処理と、を行うことにより、音響信号を可聴可能に変換する可聴化処理部(30)を備えている。
これによると、可聴帯域及び帯域圧縮された音響信号の時間長を時間長圧縮しているので、高音質、かつ、実時間で全帯域を聴取することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る気体漏出検出装置の構成を示した図である。 可聴化処理部の変形例を示した図である。 可聴化処理部の変形例を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る気体漏出検出装置の構成を示した図である。 アナログ処理部の構成を示した図である。 信号調整部の構成を示した図である。 本発明の第3実施形態に係る気体漏出検出装置の構成を示した図である。 音源判別部の構成を示した図である。 (a)は気体漏出音、(b)はRF電源、(c)はポンプの各スペクトログラムを示した図である。 図9に示された各音源の平均スペクトルを示した図である。 本発明の第4実施形態に係る気体漏出検出装置の構成を示した図である。 本発明の第5実施形態に係る集音ユニットの透過斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る本体装置の斜視図である。 集音ユニットが工場内に配置された例を示した図である。 3個の超音波センサを配置した平面図である。 図15に示された各超音波センサが収容された集音ユニットの透過斜視図である。 集音ユニットが半球体部に固定された構成を示した透過斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る気体漏出検出装置は、例えば工場等に設置された配管等から気体が漏出する箇所を特定することができる装置である。
図1に示されるように、気体漏出検出装置は、超音波センサ10、中央処理部20、可聴化処理部30、情報表示部40、及びオーディオ部50を備えている。
超音波センサ10は、配管等から漏れる音を検出するための集音手段である。漏出音はヒトの耳には聞こえない超音波を含んだ音を発するため、超音波センサ10によって漏出音を検出する。超音波センサ10は、例えば、セラミックセンサ、広帯域マイクロホン、MEMSセンサ等である。帯域の広さとコストの面から超音波センサ10としてMEMSセンサが望ましい。
MEMSセンサは、例えば、音圧を振動膜で受圧することで音を検出するように構成されている。MEMSセンサは、パッケージ構造によって音の指向性を持つことができる。また、MEMSセンサは、30kHz〜60kHzの超音波を検出でき、超音波の検出ピーク波長が例えば40kHzである。MEMSセンサとしては、ブロードで測定できるものが望ましい。
超音波センサ10は、測定対象音の音響信号を中央処理部20に出力する。配管等から気体が漏出している場合、超音波センサ10は超音波周波数帯域の音を含む測定対象音の音響信号を中央処理部20に出力する。なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、超音波センサ10が特許請求の範囲の「集音部」に対応する。
中央処理部20は、可聴化処理部30に音響信号を出力すると共に、可聴化処理部30で可聴化された音響信号を入力する機能、可聴化処理された音響信号を情報表示部40やオーディオ部50に出力する機能等を有する信号処理装置である。
中央処理部20は、パーソナルコンピュータやタブレット端末機、あるいはDSPデバイス等であり、プログラムによって音響信号のデジタル処理を行うように構成されている。中央処理部20は、A/D変換、D/A変換デバイスが内蔵されたもの、あるいは外付けのオーディオインターフェースが接続された一般的な装置である。
可聴化処理部30は、中央処理部20によってA/D変換された音響信号に対して帯域変換処理、帯域圧縮処理、及び時間長圧縮処理を組み合わせて高品質、広帯域、実時間での超音波を可聴可能に変換する。これらの処理は、プログラムによって演算されるデジタル信号処理である。
具体的には、帯域変換処理は、音響信号の周波数帯域を当該周波数帯域よりも低い周波数帯域である可聴帯域に帯域変換する処理である。つまり、入力された音響信号に対し、聴取対象の高い周波数帯域を低い可聴帯域に変換する。帯域変換の方式としては、周波数分周式、時間伸長式、ヘテロダイン式、及び周波数成分シフト式が知られている。
周波数分周式では、入力信号の立ち上がりまたは立ち下がりの出現回数を2進カウンタで計測し、カウンタ出力各桁ビットのどれかをモニタする。1の位の桁は立ち上り2回に1つのパルスが出るので、原信号の半分の周波数でパルス音を聞くことができ、同様に、2の位の桁は4分の1、4の位の桁は8分の1の周波数で聞くことができる。したがって、例えば、4の位の桁をモニタすれば、0〜80kHzを0〜10kHzに変換できる。音はパルス音なので超音波の有無の確認にしか使えないが、広帯域を一度にモニタできる。
時間伸長式では、原信号のサンプリング周波数をD/A変換時に下げて再生するか、または、サンプリング周波数は変えずに、時間方向に伸ばした信号を生成してD/A変換する。これにより、例えば、サンプリング周波数を半分にすると、0〜60kHzの帯域が0〜30kHzに変換される。いずれも時間長が実時間よりも伸びるため、全データを聞くには録音する必要がある。
ヘテロダイン式では、周波数bの入力信号に周波数cの正弦波を掛け算(変調ともいう)すると、三角関数の加法定理により周波数b+cとb−cの信号が生成される。周波数c をbの近傍に設定すれば、b−cの信号周波数は低くなり、可聴化される。その場合、b+cの方ははるかに高い超音波領域となり、悪影響がなければ無視し、エリアシング等によって可聴領域にかかってくる場合はローパスフィルタでカットする。
周波数成分シフト式では、入力信号である音響信号を離散フーリエ変換(以下、DFTという)により周波数領域に変換し、周波数成分を周波数軸上で高い成分を低い方へシフトしてから離散フーリエ逆変換(IDFT)して波形に戻す。周波数領域での成分シフトは、時間領域での複素波形信号の乗算に対応するため、ヘテロダイン処理と等価であるが、実数FFT(FFTはDFTの高速処理算法)と呼ばれる処理方法を使えば、ヘテロダイン処理の際に聴取対象外の帯域が可聴帯域に回りこむことを防ぐためのローパスフィルタやバンドパスフィルタ等の付随処理が不要なため、演算量が少なく、有利である。そこで、本実施形態では、周波数成分シフト式によって帯域変換処理が行われる。なお、上記の各方式を採用しても構わない。
帯域圧縮処理は、可聴帯域に帯域変換された音響信号の周波数帯域を帯域圧縮して狭くする処理である。つまり、音響信号の情報を保ったまま信号帯域を圧縮する。帯域変換の時間伸長式では、帯域変換と同時に圧縮もされるので、これと同じ処理を使う。そのため、時間長が伸びる。例えば、サンプリング周波数を半分にすると、0〜60kHzの帯域が0〜30kHzの帯域に圧縮され、時間長が2倍になる。なお、サンプリング周波数は、中央処理部20において音響信号がA/D変換される際の単位時間当たりの標本化回数である。
時間長圧縮処理は、周波数帯域が帯域圧縮された音響信号の時間長を時間長圧縮する処理である。つまり、音響信号の音質を変えずに時間長を圧縮する。時間長圧縮処理の方法としては、時間領域の処理と周波数領域の処理がある。
時間領域の処理は、信号を短い間隔で捨て、捨てた区間の両側を接続する処理である。区間の接続による聴感上の違和感を抑えるため、信号の周期性を利用する。このような処理は、再生速度が変わっても音質を変えないようにするため、DJ用CD装置やビデオ等に搭載されている。また、クロスフェード処理と呼ばれる接続も行う。ランダム雑音の場合は、比較的容易に違和感なく圧縮可能である。気体の漏出音はランダム雑音に近いため、適用可能である。一方、周波数領域の処理として、フェーズボコーダと呼ばれる処理がある。この場合、音質の変化があることが多いので、適用対象を選ぶ。
情報表示部40は、超音波の検出結果を視覚的に表示する装置である。情報表示部40は、例えばディスプレイや7セグメントLED等の一般的な視覚情報表示部である。
オーディオ部50は、可聴化処理された音響信号を音として出力する装置である。オーディオ部50は、例えば、スピーカ、ヘッドホン、イヤホンなどの一般的な音響出力デバイスである。
次に、気体漏出検出装置の可聴化処理について説明する。まず、超音波センサ10によって検出された超音波周波数帯域の音を含む測定対象音の音響信号が中央処理部20に入力され、A/D変換される。A/D変換された音響信号は可聴化処理部30に入力される。
そして、可聴化処理部30は、可聴化に必要な帯域変換処理、帯域圧縮処理、及び時間長圧縮処理を、周波数領域において、一体的に行う。これにより、演算量と処理構造の簡単化を図ることができる。
この処理は、周波数領域処理によって行う。周波数領域処理では、音響信号に対してDFT点数長の区間であるフレーム毎に、DFTにより周波数スペクトルを求め、周波数成分毎の処理を行ってから逆DFTによって波形に戻す。フレーム処理は、時間軸上で一定周期でずらしながら行うが、このずらす点数をフレーム周期という。つまり、時間軸上であるフレームが前後のフレームの一部と重なっている。
フレーム長はDFT点数と等しいと置き、これをLとし、フレーム周期をPとする。1フレーム分の復元波形は、DFTの際の窓関数によって変形しているので、例えばP=L/2でDFTし、復元波形もP=L/2ずらしながら重複加算(オーバーラップ・アド)処理して自然な信号に復元する。フレーム周期PはL/2やL/3等が一般的であるが、ここではL/2を使う。
本処理の内部処理の手順を次の(1)〜(5)に示す。まず、音響信号として入力超音波信号をx(i)とする。
(1)x(i)のn番目のフレームにL点DFT→Y(k)
(フレーム:長さLの入力信号区間X={x(nP),...,x(nP+L−1)})
(k)=DFT[X]=Σi=nP,i≦nP+L−1 x(i)exp(−j2πki/L)
ここで、expの括弧内の「j」は虚数を示し、「i」はサンプル番号を示している。
(2)帯域変換:周波数成分の高域から低域へのm点シフト Y(k+m)→Y’(k)
mが偶数のときY’(k)=Y(k+m)(k=0〜L/2−m)
mが奇数のときY’(k)=−Y(k+m)(k=0〜L/2−m)
Y’(k)=0(k=L/2−m+1〜L/2)
(3)帯域圧縮:シフト成分Y’(k)に対するL’=(RL)点の逆DFT→z(i)
(i)=IFFT[Y’(k)]=Σk=0,k≦L’ Y’(k)exp(j2πki/L’)
(4)時間長圧縮:L’点のフレーム波形z(i)の重複加算
n番目の可聴化信号区間波形Z={z(0),...,z(L’−1)}を連続可聴化信号w(i)上の区間{w(nP),...,w(nP+L’−1)}の位置に加算
(5)可聴信号w(i):nを増加しながら上記(1)〜(4)を繰り返して可聴化連続信号を得る
上記の手順において、iは波形サンプルの番号、kは離散周波数の番号、mは周波数成分のシフト点数、Y(k)はL点のDFTスペクトル、Y’(k)はY(k)をm点下方シフトしたスペクトル、z(i)はnフレーム目の帯域圧縮化信号の波形、w(i)は連続可聴信号である。
(1)の手順で連続した入力超音波信号x(i)に対し、nPサンプル目x(nP)を始点とするL点の区間に対してL点DFTを行う。DFTは普通に行われるように、演算量の少ない高速フーリエ変換(以下、FFTという)を使う。
次に、(2)の手順において、(1)で求めたDFT成分Y(k)を予め定めておいた周波数分だけ低域にシフトする。シフトによって成分番号0より下にはみ出た分は消え、高域の方で足りなくなった分には0をおく。
続いて、これをL点で逆DFTすれば帯域が低域に変換された波形が得られるが、この逆FFTを省いて帯域圧縮を効率化するため、FFT長をL点のR倍、例えば2倍の2L点で逆FFTする。何倍にするかは、可聴化対象の帯域幅によって変えることができ、例えば、30kHz〜60kHzを可聴化したい場合、帯域幅の30kHzが0〜15kHzに変換されるようにR=2とすれば良い。一般式で表すと、可聴化対象帯域幅をB(kHz)、可聴化された信号の帯域幅をC(kHz)とすると、倍率Rは、B/C以上でB/Cに最も近い整数とすれば良い。これは天井関数とも言われ、C言語の場合R=ceil(B/C)である。ただし、基数2のFFTを使っている場合は、Rはceil(B/C)以上の2のべき乗にしておく。
次に、(4)の手順において、各フレームで得られた可聴信号を重複加算によって連続信号に合成する。各フレームの波形はL’=R・L点であり、これをフレーム周期P=L’/2R=RL/2R=L/2で行い、信号の時間長を実時間と同じになるように圧縮する。
(1)と(3)は通常のDFTであるが、(2)の成分シフトにおいては、シフト点数mが奇数の場合、逆FFTによる復元波形は極性が逆になるため、重複加算の際は1フレームおきに逆DFTした波形の極性を逆にする。あるいは等価だが、1フレームおきに周波数成分Y’(k)の極性を正負逆にしておく。mが偶数の場合はそのような処理は不要である。
上記の処理により、音響信号に対して帯域変換処理、帯域圧縮処理、及び時間長圧縮処理が一体的に完了する。
可聴化処理部30は、可聴化処理された音響信号を、随時、中央処理部20に出力する。中央処理部20は、音響信号を周波数スペクトルとして情報表示部40に表示したり、オーディオ部50から音として出力する。なお、周波数スペクトルのデータは、上記可聴化処理手順(1)の中で求めたY(k)を用いても良い。そして、ユーザは、情報表示部40やオーディオ部50の出力を確認することによって、配管等に発生している気体の漏出を認識することができる。
別の例として、時間長圧縮に時間領域処理を使う場合が挙げられる。この場合、図2に示されるように、可聴化処理部30は、帯域変換処理及び帯域圧縮処理を一体的に行う帯域変換・圧縮部31と、時間長圧縮処理を行う時間長圧縮部32と、を有する構成となる。
この構成では、まず、上記の(1)〜(3)の処理を行い、(4)及び(5)の代わりに下記の(6)及び(7)に示すような処理構成とすることも可能である。
(6)波形への変換:L’点のフレーム波形z(i)の重複加算
n番目の可聴化信号区間波形z={z(0),...,z(L’−1)} をw’(i)上の区間{w’(nP’),...,w’(nP’+L’−1)}の位置に加算(P’=RL/2)→R倍長の可聴信号w’(i)
(7)時間領域時間軸圧縮(R分の1の長さに圧縮)→可聴信号z(i)
上記処理(6)によって帯域が低い方へ変換され、かつ、時間長がR倍で帯域が1/Rとなった波形が得られる。この信号に対して、時間領域の時間長圧縮処理を適用し、実時間の時間長の信号が得られる。
この方式の場合、重複加算による歪みはない。時間領域時間長圧縮の処理手法としては、ピッチに基づく区間信号の削除が知られおり、ピッチは自己相関の最大値のタイムラグに相当する遅延時間とする方法が用いられる。
さらに、別の例として、図3に示されるように、可聴化処理部30は、帯域変換処理を行う帯域変換部33と、帯域圧縮処理を行う帯域圧縮部34と、時間長圧縮処理を行う時間長圧縮部32と、を有する構成でも良い。この構成では、各処理が個別に行われる。
以上説明したように、本実施形態では、可聴帯域及び帯域圧縮された音響信号の時間長を時間長圧縮しているので、高音質、かつ、実時間で全帯域を聴取することができる。特に、各処理を一括処理しているので処理効率が高く、音質を確保しつつリアルタイムでユーザに処理結果を報知することができる。また、サンプリング周波数は元のままで低サンプリングでD/A変換したときと同じ音になるような信号を生成することができる。これによって、簡便かつ低演算量で高音質広帯域の実時間可聴化を可能にすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、例えば192kHzサンプリングのA/D変換器を利用できず、96kHzのステレオA/D変換器の利用が可能である場合、96kHzのA/D変換器を利用して可聴化処理を行うことができるように、気体漏出検出装置が構成されている。
具体的には、図4に示されるように、気体漏出検出装置は、図1に示された構成に対してさらにアナログ処理部60及び信号調整部70を備えている。
アナログ処理部60は、音響信号をA/D変換する前にフィルタリングする機能を有する。図5に示されるように、アナログ処理部60は、ローパスフィルタ61及びハイパスフィルタ62を有しており、音響信号を各フィルタ61、62に通すことでLchとRchの2つのチャネルの信号に分割する。ローパスフィルタ61及びハイパスフィルタ62は、LCRによる受動回路で構成されていても良いし、オペアンプを用いたアクティブフィルタにより構成されていても良い。
中央処理部20は、アナログ処理部60によってフィルタリングされたアナログの2信号を例えば96kHzのサンプリング周波数でA/D変換する。なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、中央処理部20が特許請求の範囲の「A/D変換部」に対応する。
信号調整部70は、中央処理部20によってA/D変換された2信号のうち、ローパスフィルタ61を通った信号を可聴化処理部30に出力する処理と、ハイパスフィルタ62を通った信号の周波数の高低を逆転させて可聴化処理部30に出力する処理と、を行う。信号調整部70は、ハイパスフィルタ62側の信号の周波数の高低を逆転させるため、図6に示されるように、DFT部71及び周波数成分調整部72を有している。
具体的な作動について説明する。まず、アナログ処理部60は、超音波センサ10からの音響信号を2つに分岐させ、異なった特性のフィルタリングを行う。ローパスフィルタ61は、通常の96kHz入力のためのフィルタであり、これは48kHz以下を通過させる。ハイパスフィルタ62は、48kHz以上の信号を通過させるフィルタである。なお、48kHzの信号は各フィルタ61、62のいずれか一方を通るように構成されていても良いし、各フィルタ61、62を交互に通るように構成されていても良い。
中央処理部20は、アナログ処理部60から入力した2チャネルのアナログ信号をLRのステレオで96kHzでサンプリング、A/D変換する。
ハイパスフィルタ62を通過してA/D変換された音響信号は、96kHzサンプリングのA/D変換によって通常得られる0〜48kHzの帯域には成分がなく、それ以上の帯域の信号が折り返し歪としてA/D変換器に入力されている。このため、この信号を聴取に向いた信号に変換する必要がある。
そこで、信号調整部70は、A/D変換による折り返し歪みにより、周波数軸上で48kHzより高い周波数が48kHzを堺にしてその低域側へ対称に折り返す。これにより、周波数の高低が逆になる。周波数の高低を逆にするには、DFT部71において信号をDFTし、周波数成分調整部72において周波数成分の順番を入れ替える。
すなわち、下の対応のように、48kHzより高い周波数近傍の成分が48kHz以下の近傍の周波数へ、96kHzの成分が0Hzへと変換される。
47kHz→46kHz
48kHz→45kHz



95kHz→1kHz
96kHz→0Hz
したがって、A/D変換されたこのチャネルの信号の周波数の高低を逆にした方が、現実に近い信号となる。ただし、あくまで歪んだ信号であるため、高品質とはならないが、気体漏出音のような雑音様の信号に関しては、違和感なく可聴化できる。ただし、周波数の入れ替えによって、もしそのまま逆変換した場合は波形の時間方向が逆転する。これを防ぐため、周波数成分は複素共役をとっておく。
なお、本実施形態での可聴化処理では、DFTスペクトルを扱うため、この信号調整部70における逆DFT処理は不要であり、周波数逆転、かつ、複素共役をとった周波数成分を可聴化処理部30に出力すれば良い。この場合、0〜48kHzのチャネルの信号もDFT部71によってDFTしてその成分を可聴化処理部に渡す。
そして、ローパスフィルタ61側の信号とハイパスフィルタ62側の2信号を合わせて必要な帯域の音響信号となる。したがって、可聴化処理部30は、信号調整部70から入力した2信号をまとめて可聴可能信号に変換する。
以上説明したように、一方のチャネルは通常どおりに使うが、もう一方のチャネルにはナイキスト周波数以上を通過させる高域通過フィルタをかけた信号を入力し、エリアシングによる歪信号を利用している。これにより、安価で低サンプリング周波数のステレオオーディオデバイスを超音波可聴化処理に利用することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。図7に示されるように、気体漏出検出装置は、超音波センサ10、中央処理部20、音源判別部80、情報表示部40、及びオーディオ部50を備えている。
音源判別部80は、音響信号に対するパタン認識処理を行う機能を有している。パタン認識処理は、入力信号を分析してそのパワーやスペクトルの情報から音源の特徴を抽出し、予め既知の音源信号に関して学習しておいた認識辞書と照合し、どの音源からの信号であるかを判別する処理である。音源判別部80は、補助情報として、スペクトル形状、特徴ベクトル、特徴ベクトル計算時にも用いる超音波の音響レベルやスコアも中央処理部20に出力することがある。
図8に示されるように、音源判別部80は、スペクトル情報計算部81、特徴ベクトル抽出部82、及びパタン照合部83を有している。
スペクトル情報計算部81は、中央処理部20でA/D変換された音響信号の周波数スペクトルを計算する処理を行う。スペクトル情報計算部81は得られたスペクトル情報を特徴ベクトル抽出部82及び中央処理部20に出力する。
特徴ベクトル抽出部82は、スペクトル情報計算部81によって取得された周波数スペクトルから当該周波数スペクトルを特徴づける特徴ベクトルを抽出する処理を行う。特徴ベクトル抽出部82は、得られたパタンベクトル情報及び音響レベル情報をパタン照合部83及び中央処理部20に出力する。
パタン照合部83は、特徴ベクトル抽出部82で抽出された特徴ベクトルと認識辞書に予め登録された音源情報とを照合することにより音響信号の音の種類を判別する処理を行う。パタン照合部83は、パタン照合結果を中央処理部20に出力する。
パタン照合部83におけるパタン照合に必要なパタン認識辞書は次のように作成することができる。パタン認識辞書の作成方法は、用いるパタン認識手法によって異なるが、ここでは例として部分空間法について述べる。まず、同じ音源の信号データから、異なる区間のデータを多数切り出し、区間データに対して上記特徴ベクトル抽出部と同じ処理によって多数の特徴ベクトルを抽出する。
部分空間法の場合、音源毎にこれらのベクトルの平均を計算した後、自己相関行列を音源毎に求め、求めた自己相関行列を固有値展開して得られた固有ベクトルと固有値、及び、平均値ベクトルを音源毎に保持する。これが部分空間法の認識辞書として使われる。
なお、パタン認識辞書は例えば音源判別部80や中央処理部20に内蔵されたメモリに保持されている。パタン認識辞書は気体漏出検出装置に内蔵する必要はなく、当該装置は別の記憶媒体に記憶されていても良い。
次に、音源判別部80による音の判別処理について説明する。大まかに、音源判別部80は、中央処理部20のA/D変換器から音響信号を入力して周波数分析し、得られたスペクトルから特徴ベクトルを抽出し、特徴ベクトルをパタン照合して最もスコアの高い音源カテゴリを判別する。
具体的には、まず、スペクトル情報計算部81において、音響信号のスペクトル情報を計算する。スペクトル情報としてはDFTスペクトルの他、スペクトル概形を少ないパラメータで表すためのモデル化パラメータである線形予測係数(LPC係数)やLPCケプストラム等、音声認識の分野で用いられている量が利用可能である。主な検出対象である漏出音や機械からの音は、音声のような非定常変化の少ない場合が多いことから、時間平均化したDFTパワースペクトルを主に用いる。ただし、前述のような音声認識で用いられる情報を用いても構わない。
図9(a)〜図9(c)に示されるように、例えば気体漏出音、RF電源、ポンプからの発生音はそれぞれ異なっている。なお、図9の各スペクトログラムの横軸は時間、縦軸は周波数を示している。これらのデータは、65kHz以下に感度のある超音波センサ10を用いて観測したため、65kHz以上には信号成分が現れていない。
図9からわかるように、気体漏出音は30kHz以上にパワーをもつ平坦に近いスペクトル、RF電源の発生音は30kHz〜45kHzの帯域に強いパワーをもつ雑音、ポンプの発生音は断続的に50kHzあたりまでの広帯域信号を含む雑音である。
図10に示された各音源の平均スペクトルは、DFT点数を2048として計算されたパワースペクトルであり、1秒分のデータの加算平均値である。なお、図10の各図の横軸は周波数、縦軸は音のパワーである。
ポンプの音は時間変化が大きいが、周期的であるため音声のような時系列変化の扱いは不要と考えられ、その特徴抽出にはパワーの周期性を表す量として、例えば、パワー系列の自己相関関数のピーク値などをあてても良い。また、例えば工場内では、高レベルの可聴域の雑音があるため、入力音全体に占める超音波域のパワーの割合を判別処理や判別対象信号の有無の判定に使用することが可能である。
続いて、特徴ベクトル抽出部82は、スペクトル情報計算部81で得られたスペクトル情報を用いて、パタン照合に用いる特徴ベクトルを計算する。特徴ベクトルは、スペクトル情報計算分で求めたスペクトルを平滑化し、少ない次元のベクトルに変換して得る。
例えば、先の2048点のDFTパワースペクトルに対して、特徴を表す超音波帯域を20kHz〜60kHzとし、この帯域に対応する約440点分のパワースペクトルの値を20点毎に分割、平均化して22個の帯域パワー成分を求める。そして、これを特徴ベクトルを構成する主な成分とする。
他に、フレーム間の差分スペクトルをスペクトルの変動を表す成分として同様に22点求め、さらに、周期性の程度を表すために超音波帯域の合計パワー時系列の自己相関のピーク値、全入力音パワーに対する超音波帯域パワーの割合等をベクトル成分として加える。この場合、トータルで46次元の特徴ベクトルが得られることになる。
この後、パタン照合部83は、部分空間法の場合、i番目の音源に対する照合スコアSiをSi=X・Ei/|X|によって計算する。他のパタン認識手法の場合はそれに準じた方法で計算することになる。ここで、Xは判別対象の特徴ベクトル、λiとEiはi番目の音源に対応する辞書の固有値と固有ベクトルであり、「・」はベクトルの内積を表す。
すべての音源に関して上記スコアSiを計算し、最も高いスコアを示す音源が判別結果である。スコアの高い順に音源の種類とスコアの値を参考情報として出力するようにする。例えば、Siは0から1の範囲の数値として得られる。Si=0の場合は気体の漏出が無い場合のスコアであり、Siが1に近いほど気体の漏出があることを意味する。
そして、音源判別部80は、スペクトル情報、パタンベクトル情報、音響レベル情報、音源の判別結果を中央処理部20に出力する。中央処理部20は、音源判別部80で得られた各情報を情報表示部40に表示する等して気体の漏出をユーザに報知する。また、中央処理部20は、気体の漏出があるとの判別結果が得られた場合にはユーザに注意を促す音をオーディオ部50から出力するようにしても良い。
以上の構成によると、従来は視覚的な表示によって超音波レベル程度しか分からず、また、音による判断では経験が必要であったが、音源の自動判別処理を行っているので音源判別の利便性を高めることができる。特に、重要度の高い気体の漏出音や他の機械等の音源を自動判別でき、未経験者でも漏出音の発見を容易にすることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態と異なる部分について説明する。図11に示されるように、気体漏出検出装置は、可聴化処理部30及び音源判別部80の両方を備えている。この場合、信号調整部70で処理された音響信号が可聴化処理部30及び音源判別部80に入力され、各々で可聴化処理と音源判別処理が行われる。また、可聴化処理部30で得られたスペクトル情報が音源判別部80に入力され、利用されることもある。
以上のように、可聴化処理部30及び音源判別部80の両方で音響信号の処理を行うことにより、気体の漏出検出の精度を高めることができる。なお、アナログ処理部60及び信号調整部70は気体漏出検出装置に設けられていなくても良い。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態と異なる部分について説明する。図12及び図13に示されるように、気体漏出検出装置は集音ユニット100と本体装置200とを備えて構成されている。
図12に示された集音ユニット100は、プリント基板110に超音波センサ10及び無線ユニット120が実装され、これらが持ち運び可能なポータブルケース130に収容された構成になっている。プリント基板110はフレキシブル基板として構成されていても良い。無線ユニット120は例えば本体装置200との間で短距離無線通信が可能に構成されており、超音波センサ10で取得された音響信号を無線で本体装置200に送信する。
図13に示された本体装置200は、オーディオ部50としてスピーカ51や、漏出情報が表示される情報表示部40、さらにスピーカ51の音量や情報表示部40の表示内容等を操作可能な操作部210が本体ケース220に設けられた構成になっている。図示しないが、本体装置200には、集音ユニット100との通信が可能な通信ユニットや、上述の中央処理部20や可聴化処理部30等を実行可能なデバイスが内蔵されている。
また、本体装置200の本体ケース220には、集音ユニット100の装着が可能なユニット装着部230が設けられている。これにより、集音ユニット100は本体装置200から分離されて持ち運び可能になっている一方、本体装置200に磁石等で取り付けられることで一体型としても構成される。
集音ユニット100及び本体装置200は、それぞれ電池等の電源を内蔵しており、それぞれ単独での動作が可能になっていても良い。つまり、集音ユニット100及び本体装置200はそれぞれがポータブルタイプとして構成されていても良い。
使用例としては、例えば図14に示されるように、配管300が設置された工場310の内部において、天井320、配管300の近傍の床330、配管300から少し離れた場所に集音ユニット100をそれぞれ配置する。各集音ユニット100に識別番号を付与しておくことで、本体装置200は各集音ユニット100を識別することができる。本体装置200は、各集音ユニット100に対応して用意されていても良い。これにより、配管300の定点観測が可能になる。
集音ユニット100が自動方向追随機構(インテンシティの強い所を探索する機能)を有する場合は、その位置が特定された信号を3D図面にフィードバックして、どこの配管300等から気体が漏出しているかを特定しても良い。
変形例として、図15に示されるように、ブロードかつ指向性を持った3個の超音波センサ10が平面120°毎に異なる方向に向けて配置されている。また、図16に示されるように、各超音波センサ10の集合部分が外側部分よりも高く配置されている。これにより、集音ユニット100を中心として概ね360°の全範囲から気体の漏出音を検出することができる。そして、本体装置200がどの超音波センサ10からのインテンシティが強いかを判定して、気体漏出箇所の特定に役立てることができる。
別の変形例として、例えばタブレット端末やスマートフォンを本体装置200としても良い。この場合、マイク機能をソフトダウンロードして利用できるようにすれば良い。一方、タブレット端末やスマートフォンに可聴化処理部30や音源判別部80等の機能を有するソフトをダウンロードし、集音ユニット100を有線あるいは無線でタブレット端末等に接続して気体漏出検出装置として利用することもできる。つまり、集音ユニット100は外付けマイクとして構成されていれば良い。
別の変形例として、図17に示されるように、集音ユニット100が半球体部140に固定され、集音ユニット100が半球体部140の球面に沿って移動可能に構成されていても良い。集音ユニット100は、図示しない移動機構によって球面を自動的に移動する。これにより、三次元的に気体の漏出を検出することが可能になる。なお、集音ユニット100の姿勢を変更する機構は半球体部140に限られず、他の姿勢変更機構が採用されても構わない。
図17に示された例では、超音波センサ10として例えば指向性タイプを採用し、どの超音波センサ10からのインテンシティが強いかで気体漏出箇所を特定することもできる。例えば、集音ユニット100が自動方向追随機構(インテンシティの強い所を探索)を有する場合は、その位置特定された信号を3D図面にフィードバックして、どこの配管300より気体が漏出しているかを特定することができる。一例として、事前に9個あるいは3個の超音波センサ10で信号強度のマップを作成しておき、それと検出強度とを比較すれば良い。集音ユニット100の方向と信号との同期は例えば本体装置200の電源ON時に集音ユニット100の追随器が動作を始め、時間で位置を特定する。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された気体漏出検出装置の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、気体漏出検出装置は、工場310内の配管300の気体漏出検出だけでなく、気体漏出の可能性がある状況において適宜利用される。
10 超音波センサ
20 中央処理部
30 可聴化処理部
40 情報表示部
50 オーディオ部
60 アナログ処理部
70 信号調整部
80 音源判別部

Claims (6)

  1. 集音部(10)で取得された超音波周波数帯域の音を含む測定対象音の音響信号の周波数帯域を当該周波数帯域よりも低い周波数帯域である可聴帯域に帯域変換する帯域変換処理と、前記可聴帯域に帯域変換された前記音響信号の周波数帯域を帯域圧縮して狭くする帯域圧縮処理と、前記周波数帯域が帯域圧縮された前記音響信号の時間長を時間長圧縮する時間長圧縮処理と、を行うことにより、前記音響信号を可聴可能に変換する可聴化処理部(30)を備えている気体漏出検出装置。
  2. 前記可聴化処理部は、前記帯域変換処理、前記帯域圧縮処理、及び前記時間長圧縮処理を一体的に行う請求項1に記載の気体漏出検出装置。
  3. 前記可聴化処理部は、前記帯域変換処理及び前記帯域圧縮処理を一体的に行う帯域変換・圧縮部(31)と、前記時間長圧縮処理を行う時間長圧縮部(32)と、を有する請求項1に記載の気体漏出検出装置。
  4. 前記可聴化処理部は、前記帯域変換処理を行う帯域変換部(33)と、前記帯域圧縮処理を行う帯域圧縮部(34)と、前記時間長圧縮処理を行う時間長圧縮部(32)と、を有する請求項1に記載の気体漏出検出装置。
  5. 前記集音部で取得された前記音響信号をハイパスフィルタ(62)及びローパスフィルタ(61)に通すことで2つのチャネルの信号に分割するアナログ処理部(60)と、
    前記アナログ処理部によってフィルタリングされた2信号を所定のサンプリング周波数でA/D変換するA/D変換部(20)と、
    前記A/D変換部によってA/D変換された2信号のうち、前記ローパスフィルタを通った信号を前記可聴化処理部に出力する一方、前記ハイパスフィルタを通った信号の周波数の高低を逆転させて前記可聴化処理部に出力する信号調整部(70)と、
    を備え、
    前記可聴化処理部は、前記信号調整部から入力した2信号をまとめて可聴可能信号に変換する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の気体漏出検出装置。
  6. 前記集音部(10)で取得された超音波周波数帯域の音を含む測定対象音の前記音響信号の周波数スペクトルを計算するスペクトル情報計算部(81)と、前記スペクトル情報計算部によって取得された前記周波数スペクトルから当該周波数スペクトルを特徴づける特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽出部(82)と、前記特徴ベクトル抽出部で抽出された前記特徴ベクトルと認識辞書に予め登録された音源情報とを照合することにより前記音響信号の音の種類を判別するパタン照合部(83)と、有する音源判別部(80)を備えている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の気体漏出検出装置。
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