以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図111を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠11には、内枠4を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入賞口64,第2入賞口640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート66を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された第1電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の第1電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート66の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64,第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
さらに、第1入賞口64の正面視左側には、球が入賞し得る第3入賞口82が配設されている。第3入賞口82は、球が入賞すると送球ユニット600を介して後述する振分けユニット500の第1開口521へ入賞した球を送球することができる。即ち、第3入賞口82は後述する第1開口521と連通した状態で配置されている。
第3入賞口82には第3電動役物82aが付随されている。この第3電動役物82aは、遊技盤13に対して回転変位して開閉可能に構成されており、通常は第3電動役物82aが閉鎖状態(縮小状態)となって球が第3入賞口82へ入賞し難い状態となっている。一方、第1入賞口64又は第2入賞口640の入賞を契機とする大当たりの判定があった場合、その大当たり前、後、又は大当たり中に、第3電動役物82aが所定時間開放(拡大状態)となり、球が第3入賞口82へ入賞しやすい状態となる。また、第3入賞口82の下流側には、通過した球を検出するセンサ装置SE1が搭載される。
なお、第3電動役物82aの開放のタイミングは、第1入賞口64及び第2入賞口5640の入賞を契機にして行われるものでなくても良く、第1スルーゲート66寝の球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、開放されるものであっても良い。
第2入賞口640には第1電動役物640aが付随されている。この第1電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような第1電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第1スルーゲート66に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第1スルーゲート66を通過させて第1電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64,第2入賞口640のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータKM1,KM2,KM3が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図10を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、パチンコ機10の分解斜視正面図であり、図6は、動作ユニット200及び遊技盤13の分解斜視正面図である。また、図7から図10は、動作ユニット200の正面図である。
なお、図7では、上変位部材940が上方に退避されると共に、下変位部材440が下方に退避された状態が、図8では、図7に示す状態から、上変位部材940が下方に回転変位された状態が、図9では、図7に示す状態から、下変位部材440が後述する第1張出位置に張り出された状態が、図10では、下変位部材440が、最大の張り出し位置である第2張出位置に変位された状態が、それぞれ図示される。
図5及び図6に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース300を備え、その背面ケース300の内部空間に、上変位ユニット900、下変位ユニット400、回転ユニット700及び遊技盤13の背面に取着される振分けユニット5あ00と送球ユニット600とが収容される。
背面ケース300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
上変位ユニット900は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの上側部分に配設される正面視矩形横長のベース部材910と、そのベース部材910に摺動可能に配設される上変位部材940とを備え、背面ケース300の開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側で、上変位部材940を摺動させつつ回転変位させる演出を実行可能に形成される。なお、上変位ユニット900の詳しい説明は後述する。
下変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの下側部分に配設される正面視矩形横長のベース部材410と、そのベース部材410に摺動可能に配設される下変位部材440とを備え、背面ケースの開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側で、下変位部材440を摺動させつつ回転変位させる演出を実行可能に形成される。なお、下変位ユニット400の詳しい説明は後述する。
回転ユニット700は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの下側部分の正面視右側(矢印)に配設される正面視略矩形の背面ベース720と、その背面ベース720の前方に配設される回転体800とを備え、遊技盤13の正面視右側下方に形成される透明の板部を介して回転体800を回転変位させる演出を遊技者に視認可能とされる。なお、回転ユニット700の詳細な説明については後述する。
送球ユニット600は、遊技盤13の背面側に取着され、遊技盤13の第3入賞口82から遊技盤13の背面側に送球される遊技球を後述する振分けユニット500の第1開口511に送球する経路が形成される。
振分けユニット500は、遊技盤13の背面側に取着される経路形成部材510と、経路形成部材510との対向に所定の隙間を形成した状態で配設されるベース板520と、そのベース板520に取着され経路形成部材510とベース板520との対向間を流下する遊技球を各送球経路(第2送球経路KR2又は第3送球経路KR3)に振り分ける振分け部材540とを備える。この振分け部材540に振り分けられた遊技球が下変位ユニット400に送球される。なお、振分けユニット500の詳しい説明は後述する。
<第1の装飾体と第2の装飾体が前後方向に隣り合う位置に配置される>
次いで、図11から図16を参照して、遊技盤13に配設される一般入賞口ユニット150について説明する。
初めに、図11及び図12を参照して、一般入賞口ユニット150について説明する。図11は、遊技盤13の分解斜視正面図であり、図12(a)は、一般入賞口ユニット150の正面図であり、図12(b)は、図12(a)のXIIb−XIIb線における一般入賞口ユニット150の断面図である。
図11及び図12に示すように、遊技盤13は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86及び一般入賞口ユニット150と、を備える。
ベース板60は、正面視において中央部分に開口される第1開口部60aと、レール部材76,77により形成される遊技領域の重力方向下側に開口される第2開口部60bと、を備える。第1開口部60aには、センターフレーム86が配設され、第2開口部60bには、一般入賞口ユニット150が配設される。また、ベース板60には、正面側(矢印F方向側)に装飾(模様や図柄等)が形成されたシールが貼付されて、遊技者にその装飾を視認させることができる。なお、ベース板60の正面側の装飾は、シールに限られるものではなく、ベース板60の正面に装飾が印刷(塗装)されるものであっても良い。
一般入賞口ユニット150は、遊技盤13の遊技領域(ベース板60の正面)に配設され、遊技領域を流下する遊技球の経路を変更可能とされる。また、一般入賞口ユニット150は、内レール76及び外レール77により囲われて形成される遊技領域に対して、正面視(矢印B方向視)における重力方向下側(矢印D方向側)の端部に沿う位置に配置される。なお、図13〜図16では、ベース板60に配設されるシールが装飾部材60cの符号を付して図示される。また、本実施形態では、装飾部材60cにキャラクター(人)が描かれる。
一般入賞口ユニット150は、正面視において三日月状に形成される本体部151と、その本体部151の端部から正面側(矢印F方向側)に立設される第1立設部152と、その第1立設部152の重力方向上側(矢印U方向側)の端部から遊技領域の中央側に向かって延設される第2立設部153と、本体部151の背面側に配設される装飾部材154と、本体部151の正面側に形成される複数(本実施形態では3個)の一般入賞口63と、を主に備える。
本体部151は、ベース板60の板厚方向に開口される第2開口部60bの開口形状よりも若干大きい外形に設定され、第2開口部60bの開口に覆設された状態でベース板60の正面側に配設される。また、第2開口部60bにより、本体部151に配設される一般入賞口63に流入する遊技球を遊技盤13(ベース板60)の背面側に送球できる。さらに、本体部151は、正面視において内側部分から外側の端部に向かうほどベース板60側に傾斜する傾斜面151aと、ベース板60側(矢印B方向側)の背面に凹設される凹部151bと、その凹部151bを除いた本体部151の背面を形成する背面151dと、を主に備えて形成される。
傾斜面151aは、ベース板60の正面に対して略30度ほど傾斜して形成される。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を、傾斜面151aに当接させて傾斜面151aの傾斜に沿って流下させて、本体部151の正面側に移動させることができる。
ここで、本体部151の端部に傾斜面151aが形成されず、本体部151の側面が、ベース板60の正面に対して垂直に形成される場合には、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球が、本体部151の側面に対して直交する方向から当接(衝突)して、その当接した遊技球が流下方向と反対方向に跳ね返る恐れがある。
これに対し、本実施形態では、傾斜面151aにより、本体部151の側面に当接する遊技球を本体部の正面側に移動させることができるので、遊技領域を流下する遊技球の流下が一時的に停滞することを抑制できる。その結果、ベース板60の正面側から一般入賞口ユニット150の本体部151の正面に遊技球をスムーズに流下させることができる。
背面151dは、上述したように本体部151の背面であり、背面視における凹部151bの周囲に一定の幅で形成される。また、背面151dは、一般入賞口ユニット150がベース板60に配設された状態において、ベース板60(装飾部材60c)の正面に当接して配設される。
凹部151bは、正面側(矢印F方向側)に向かって凹設される。また、凹部151bは、凹設方向の底面となる凹設底面151b2と、その凹設底面151b2の外縁から背面側(矢印B方向側)に向かって立設される内側面151b3と、を有する。
凹設底面151b2は、後述する装飾部材154の接着面であり、本体部151の正面と平行な平面として形成される。これにより、本体部151を介して装飾部材154の装飾を視認した場合に、装飾部材154の装飾を一様に視認させることができる。
内側面151b3は、正面視における前後方向(矢印F−B方向)に延設される。また、内側面151b3の正面視における形状は、後述する装飾部材154の外形と略同一に形成される。これにより、凹部151bに装飾部材154を配設した場合に、装飾部材154が凹部151bの外側に突出することを抑制できる。従って、一般入賞口ユニット150が、ベース板60に配設された際に、背面151dとベース板60との間に装飾部材154が挟まることで本体部151の背面151dとベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、本体部151がベース板60に対して、通常の配設位置よりも正面側に張り出すことを抑制できる。その結果、ベース板60の正面側から一般入賞口ユニット150の本体部151の正面に遊技球をスムーズに流下させることができる。
凹部151bは、その凹設空間に後述する装飾部材154を収容する凹みであり、凹設深さ(正面側(矢印F方向側)への凹設距離)が、装飾部材154の厚み寸法よりも大きく設定される。また、凹部151bは、正面視における本体部151の端部から本体部151の内側に一定の距離を隔てた位置で本体部151の端部の形状に沿って凹設される。
よって、凹部151bの内側に装飾部材154を配設した場合に、装飾部材154の背面が、本体部151よりも背面側に張り出すことを抑制できる。従って、一般入賞口ユニット150がベース板60に配設された際に、凹設底面151b2とベース板60との間に装飾部材154が挟まることで本体部151の背面151dとベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、本体部151がベース板60に対して通常の配設位置よりも正面側に張り出すことを抑制できる。その結果、本体部151の重力方向上方(矢印U方向)から一般入賞口ユニット150の本体部151の正面に遊技球をスムーズに流下させることができる。
第1立設部152は、遊技領域の端部側(内レール76側)における本体部151の端部から正面側(矢印F方向側)に立設される。第1立設部152は、その立設寸法がベース板60(装飾部材60c)の正面に植立される内レール76の植立方向の幅寸法と略同一に設定される。また、第1立設部152は、遊技盤13の正面側を覆う前扉5のガラスユニット16との対向間の間隔が遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、本体部151の正面側を流下する遊技球を、遊技領域の重力方向下側の端部で第1立設部152に衝突させることができる。その結果、本体部151の正面側を流下する遊技球が内レール76に衝突することを抑制でき、内レール76が遊技球と衝突して曲げられることを抑制できる。
ここで、内レール76と外レール77との対向間は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された遊技球を遊技盤13の上部へ案内するための空間であり、内レール76と外レール77との対向間に補強等を配設するスペースが限られる。そのため、内レール76が曲がることを防止する目的で補強を配設することが困難であり、遊技領域を流下する遊技球が内レール76に衝突して、内レール76が曲がる恐れがあった。
これに対して、本実施形態では、遊技領域内に配設される一般入賞口ユニット150(第1立設部152)により遊技領域を流下する遊技球が内レール76に衝突しにくくすることができる。従って、内レール76が曲ることで、内レール76及び外レール77の対向間の距離が変更されることを抑制できる。その結果、遊技球を安定して遊技領域に打ち出すことができる。
第2立設部153は、正面視において第1立設部152の重力方向上側(矢印U方向側)の端部から遊技領域の中央(第1入賞口64)に向かって下降傾斜して延設される(図2参照)。これにより、内レール76とセンターフレーム83との対向間(図2参照)を流下する遊技球が、第2立設部153の下降傾斜する延設部分の上面(矢印U方向側の面)に送球されると、その遊技球を第2立設部153の下降傾斜に沿って転動させて、遊技領域の中央に向けて送球することができる。これにより、内レール76と外レール77との対向間側(矢印L方向側)の遊技領域を流下する遊技球を、遊技領域の中央に配設される第1入賞口64に入賞(流入)させやすくできる。
装飾部材154は、板状に形成されると共に、本体部151の背面側に接着される。また、装飾部材154は、本体部151側の正面にベース板60の装飾部材60cに形成される装飾と正面視において連なる装飾が形成される。これにより、ベース板60に形成される装飾を装飾部材154の装飾と合わせて1の装飾に視認させることができる。なお、本実施形態では、装飾部材154にキャラクター(人)の一部が描かれており、装飾部材60cのキャラクターと装飾部材154のキャラクターとを合わせて1人のキャラクターとして視認させることができる。
また、装飾部材154は、光透過性材料から形成される。これにより、ベース板60の背面側(矢印B方向側)から第2開口部60bを通した光を装飾部材154の背面から入射させて、装飾部材154の正面側(矢印F方向側)から出射させることができる。よって、装飾部材154の正面に形成される装飾を明るくして、遊技者に視認させることができ、遊技者に装飾部材154の装飾を視認させやすくできる。
次いで、図13を参照して、ベース板60と一般入賞口ユニット150とについて説明する。図13は、図2のXIII−XIII線における遊技盤13の断面図である。
図13に示すように、装飾部材154は、ベース板60の第2開口部60bの正面視における開口形状よりも外形が大きく形成される。これにより、一般入賞口ユニット150がベース板60に配設されると、装飾部材154の端部は、本体部151の凹部151bの凹設底面151b2とベース板60(装飾部材60c)との間に配置される。よって、本体部151と装飾部材154との接着が経年劣化等により剥がれた場合に、装飾部材154が遊技盤13から脱落することを抑制できる。
また、装飾部材154は、ベース板60と前後方向(矢印F−B方向)において重なる幅寸法が、後述する本体部151の背面から突設される突起155が挿入されるベース板60の円形状の開口60g(図11参照)の直径よりも大きく設定される。これにより、装飾部材154の本体部151に対する配置の位置ずれ、又は、装飾部材60cを形成した位置のずれにより、正面視における装飾部材154及び装飾部材60cの装飾の間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾とを1の装飾として遊技者に認識させやすくできる。
また、本体部151に配設される3個の一般入賞口63は、遊技盤13の背面側に配設される振り分けユニット500(図71参照)の開口514〜516に接続されており、一般入賞口63に入賞した遊技球は、振り分けユニット500の第4送球経路KR4に送球される。なお、振り分けユニット500についての詳しい説明は後述する。
さらに、振り分けユニット500には、正面側に光を照射可能な光源を備える基板(図示しない)がベース板520(図71参照)に配設されており、その基板から照射される光がベース板60の第2開口部60bを挿通して一般入賞口ユニット150の背面に照射される。
よって、第2開口部60bは、一般入賞口ユニット150の一般入賞口63から入賞する遊技球の経路および一般入賞口ユニット150の背面に光を照射する空間として利用される。これにより、遊技球を送球するための開口と、光を通過させるための開口と、2箇所の開口を分けて形成する必要がなくなるので、一般入賞口ユニット150の背面の全域に光を照射しやすくすることができると共に、一般入賞口ユニット150の本体部151の全域に一般入賞口63を配置することができる。その結果、一般入賞口ユニット150の設計の自由度を向上することができると共に、一般入賞口ユニット150の全域から光を出射して一般入賞口ユニット150の装飾(装飾部材154)を遊技者に視認させやすくできる。
また、本実施形態によれば、図13に示すように、遊技盤13のベース板60の装飾部材60cと連なる装飾の装飾部材154は、ベース板60の正面に沿って配設される本体部151の背面に配置されるので、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾とを前後方向(矢印F−B方向)に隣合う(近づいた)位置に配置することができる。これにより、装飾部材60c及び装飾部材154の正面視に対して傾斜した角度(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から装飾部材60c及び装飾部材154を視認した際に、一般入賞口ユニットの装飾が一般入賞口ユニットの正面に配設される場合に比べて、装飾部材60c及び装飾部材154の装飾がずれて視認されることを抑制できる。その結果、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾との連結部分を遊技者の視点に関わらず同様の位置関係で遊技者に視認させることができ、遊技盤13の意匠性を向上できる。
次いで、図14を参照して、装飾部材154及びベース板60の装飾部材60cの連結について詳しく説明する。図14は、図13の範囲XIVにおける遊技盤13の部分拡大断面図である。なお、図14では、遊技者に視認される光の経路が2点鎖線で図示される。
上述したように、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾とは、合わせて1の装飾として遊技者に視認される。従って、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾とを1の装飾(模様)として遊技者に視認させるために、両者の装飾の位置ずれを抑える必要がある。しかしながら、ベース板60に装飾を形成する際、又は、本体部151に装飾部材154を配設する際に、その装飾を正確な位置(毎回同じ位置)に配置することが困難である。従って、ベース板60に一般入賞口ユニット150を配設した場合に、ベース板60の装飾部材60cに対する装飾部材154の装飾の位置がずれて配設されることで、装飾部材60cと装飾部材154との装飾を合わせて1の装飾として遊技者に視認させにくくなるという問題点があった。
これに対して、本実施形態によれば、装飾部材154は、その端部が傾斜面151aの背面側に配置される。これにより、装飾部材154の装飾とベース板60の装飾部材60cの装飾との連結部分が、遊技者から正確に認識されにくくする(連結部分をぼやかして遊技者に視認させる)ことができる。よって、装飾部材60cと装飾部材154とを1の装飾として遊技者に認識させることができる。
詳しく説明すると、図14に示すように、装飾部材154の装飾と装飾部材60cの装飾との連結部(以下、「境界P1」(図14参照)と称す)は、本体部151の傾斜面151aの背面側に位置される。よって、境界P1から遊技者の視点に向かって出射される光と、本体部151の正面と傾斜面151aとの連結部(以下、「境界P2」(図14参照)と称す)から遊技者の視点に向かって出射される光とを、装飾部材60c又は装飾部材154の異なる位置で反射した光にすることができる(即ち、境界P1から遊技者の視点に向かって出射される光の経路上に、境界P2が形成されることを抑制できる)。
従って、境界P1では、装飾部材154に対する装飾部材60cの配置のずれが装飾の位置ずれとして遊技者に認識されやすく、又、境界P2では、光の屈折方向の違いによる装飾の位置ずれが遊技者に認識されやすいところ、境界P1及び境界P2のそれぞれの位置から遊技者が視認する装飾を異なる位置の装飾にすることができるので、境界P1及び境界P2における装飾の位置ずれが、同一の位置で遊技者に視認されることを抑制できる。従って、境界P1における装飾の位置ずれと、境界P2における装飾の位置ずれとが合わさり、装飾の位置ずれ量が大きくなって遊技者に認識されることを抑制できる。その結果、装飾部材60cと装飾部材154との装飾を遊技者に1の装飾として認識させやすくでき、遊技盤13の意匠性を向上できる。
さらに、境界P1を傾斜面151aの背面側に配置することで、遊技者の視点において、装飾部材60c及び本体部151の連結部(以下、「境界P3」(図14参照)と称す)と、境界P2との間に境界P1を配置することができる。よって、本体部151から光が出射する際に光が屈折することによる装飾の位置ずれ位置(境界P2,P3)の間に、境界P1を配置することができる。従って、装飾の位置がずれて認識される領域が間延びすることを抑制できる。即ち、装飾の位置がずれて視認される領域を遊技盤13の正面に対して限定的にすることができる。その結果、装飾の位置ずれ領域を遊技盤13の遊技領域に対して、少なくすることができるので、装飾部材60c及び装飾部材154の装飾を遊技者に1の装飾として認識させやすくできる。
なお、本実施例では、ベース板60の装飾部材60cにキャラクターの顔が装飾され、一般入賞口ユニット150の装飾部材154に装飾部材60cに装飾されたキャラクターの体が装飾される。即ち、装飾部材60cと装飾部材154との装飾の連結部分には、その装飾の輪郭が位置される。よって、装飾部材60cと装飾部材154との連結部分の位置ずれを装飾の輪郭線であると遊技者に認識させることができる。その結果、装飾部材60c及び装飾部材154の装飾を遊技者に1の装飾として認識させやすくできる。
さらに、本実施例では、ベース板60の装飾部材60cにキャラクターの顔の首元までが装飾され、一般入賞口ユニット150の装飾部材154に装飾部材60cに装飾されたキャラクターの体が着用する服が装飾され、キャラクターの顔(首)と服との色合いが異なるもの(本実施例では、顔が肌色で服が黒色)で装飾される。これにより、装飾部材60cと装飾部材154との連結部分の位置ずれを色合いの異なる部分とすることで、装飾部材60cと装飾部材154とが分割されていることを遊技者に認識させにくくすることができる。その結果、装飾部材60c及び装飾部材154の装飾を遊技者に1の装飾として認識させやすくできる。
本体部151には、上述したように背面側に凹部151bが凹設され、その内側に装飾部材154が配設される。また、凹部151bの内側の側面(内側面151b3)の形状は、正面視における装飾部材154の外形と略同一に設定される。これにより、装飾部材154を本体部151に配設する際には、凹部151bの内側面151b3をガイド(位置決め)として利用することができる。その結果、装飾部材154を本体部151に貼付する際に、装飾部材154の配置が本体部151に対して位置ずれすることを抑制できる。
さらに、本体部151の背面側には円柱状に突出する突起155(図15参照)が複数個所(本実施形態では、3箇所(図15参照))に形成される。突起155は、一般入賞口ユニット150をベース板60に配設する場合にベース板60との位置決めをする位置決め突起であり、ベース板60に凹設される凹部60dに挿入される。また、突起155は、少なくとも1箇所(本実施形態では1箇所)が、凹部151bの凹設底面151b2から突設され、装飾部材154に形成される開口に挿入される。従って、突起155を本体部151に装飾部材154を配設する場合の位置決めとして利用することができる。
よって、突起155により、一般入賞口ユニット150をベース板60に配設する際の位置決めをすることができると共に、装飾部材154を本体部151に配設する際の位置決めをすることができる。従って、装飾部材60cの正面側に装飾部材154を配置する際の位置決めとなる部分を同一の部分とすることができるので、装飾部材60cの装飾と装飾部材154の装飾とが位置ずれすることを抑制できる。その結果、装飾部材60cの装飾と装飾部材154の装飾とを合わせて1の装飾として遊技者に認識させやすくできる。
さらに、凹設底面151b2から突設される突起155は、後述する範囲E1(図15参照)の領域(接着テープ154aの貼付領域)に形成される。これにより、本体部151に装飾部材154を配設する際に、装飾部材154の開口に突起155を挿入した状態で、装飾部材154の縁部の一箇所を凹部151bの内側面151b3に位置を合わせて配設することで、本体部151に対して装飾部材154の2箇所を位置決めすることができる。従って、装飾部材154の縁部を凹部151bの内側面151b3の2箇所で位置をあわせて、装飾部材154を本体部151に配設する必要がなくなる。その結果、装飾部材154の本体部151への配設作業を簡易にできる。
次いで、図15及び図16を参照して、本体部151と装飾部材154との接着について説明する。図15は、一般入賞口ユニット150の背面図であり、図16は、図13の範囲XIVにおける遊技盤13の部分拡大断面図である。なお、図15では、装飾部材154に貼付される接着テープ154aの範囲が、E1の符号を付して2点鎖線で図示される。また、図14では、遊技者に視認される光の経路が2点鎖線で図示される。なお、本実施形態では、接着テープ154aが、光透過性の両面のテープから形成されて、範囲E1に貼付される。
図15及び図16に示すように、装飾部材154と本体部151とを接着する接着テープ154aは、装飾部材154の端部に沿って一定の幅で貼付される。これにより、接着テープ154aが貼付されていない領域(範囲E1以外の部分)では、接着テープ154aの厚みの分、本体部151(凹設底面151b2)と装飾部材154(装飾部材の正面)との間に所定の幅の隙間(空間)が形成される。
また、接着テープ154aは、装飾部材154の端部から境界P3を通過して傾斜面151aと直交する仮想線PK1(図14参照)を超える領域に接着される。これにより、本体部151を通過して傾斜面151aから出射される光が、装飾部材154の装飾の影響を受ける部分(波長が変化される部分)を接着テープ154aを貼付した範囲E1(装飾部材154の端部)とすることができる。その結果、遊技者が所定以上の角度から一般入賞口ユニット150を視認した場合にも、装飾部材60cと装飾部材154の装飾とを1の装飾として遊技者に視認させやすくすることができる。
ここで、遊技者が、通常よりも高い位置(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から遊技盤13を視認する場合には、図16に示すように、傾斜面151aから遊技者の目線に向かって抜け出る光Lが、本体部151の正面および背面を繰り返し反射して、本体部151の内部を通過する。この場合、装飾部材154の正面の全域が接着テープ154aを介して本体部151と当接するものであると、装飾部材154側で反射される度に装飾部材154の装飾により光の波長が変更される。従って、本体部151の内部を通過して傾斜面151aから出射される光は、装飾部材154の端部の装飾による波長の変化のみで反射することができない。よって、傾斜面151aから遊技者に認識される装飾が本体部151の正面から遊技者に視認される装飾の波長と異なるために、本体部151と傾斜面151aとで、装飾が連ならなくなるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、装飾部材154の本体部151への接着部分を範囲E1のみとすることで、本体部151の内部を反射して通過する光Lが、装飾部材154の装飾の影響を受けないよう(光の波長が変更されないよう)にすることができる。その結果、図16に示すように、本体部151を通過して傾斜面151aから出射される光が、装飾部材154の装飾の影響を受ける部分(波長が変化される部分)を接着テープ154aを貼付した範囲E1(装飾部材154の端部)とすることができ、遊技者に視認される傾斜面151aの装飾と隣合う装飾と連なるものとして遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技盤13の意匠性を向上できる。
次いで、図17から図36を参照して、特別入賞装置550について説明する。初めに、図17を参照して、特別入賞装置550の配設方法について説明する。図17は、センターフレーム86の分解斜視正面図である。
図17に示すように、センターフレーム86は、ベース板60の中央の開口を取り囲む略円形の枠状に形成されるベース枠86aと、そのベース枠86aの径方向外側に突出される突設部86bと、を備えて構成される。
ベース枠86aは、ベース板60の中央の開口に沿う形状とされ、その中央の開口の内側にベース枠86aの一部が挿入されると共に、ベース枠86aの一部を除く部分がベース板60の正面側に張り出した状態でベース板60に配設される。
突設部86bは、遊技盤13の遊技領域に対して、正面視右側(矢印R方向側)に突設される。これにより、突設部86bに配設される特別入賞装置550を遊技領域に対して正面視右側(矢印R方向側)に配設することができ、特別遊技状態となった際の右打ち時の遊技球の送球経路の一部を特別入賞装置550により構成することができる。
また、突設部86bは、前後方向(矢印F−B方向)に開口する開口部86b1と、その開口部86b1の上方(矢印U方向)に位置し背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される凹部86b2と、を主に備える。
開口部86b1は、後述する特別入賞装置550の第1ユニット551の一部が挿入される。これにより、第1ユニット551を、突設部86bの背面側に配設される特別入賞装置550の第2ユニット552と開口部86b1を介して連結することができる。
凹部86b2は、後述する特別入賞装置550の第1ユニット551の一部を内側に収容可能とされる。また、凹部86b2には、遊技球の通過を検知可能な検出装置86b3が配設される。これにより、第1ユニット551の凹部86b2の内側に収容される部分を通過する遊技球を検出することができる。
特別入賞装置550は、センターフレーム86の突設部86bの正面側(矢印F方向側)に配設される第1ユニット551と、突設部86bの背面側(矢印B方向側)に配設される第2ユニット552と、を主に備えて構成される。
第1ユニット551は、その内部を遊技球が流下可能な空間(経路)を備え、一部が遊技盤13の遊技領域に配設される。また、第1ユニット551は、第2ユニット552を挿通されたネジによりセンターフレーム86に配設される。なお、第1ユニット551及び第2ユニット552の配設方法についての詳しい説明は後述する。
次いで、図18から図20を参照して、特別入賞装置550の第1ユニット551の構成について説明する。図18(a)は、第1ユニット551の正面図であり、図18(b)は、第1ユニット551の側面図であり、図18(c)は、第1ユニット551の背面図である。図19は、第1ユニット551の分解斜視正面図であり、図20は、第1ユニット551の分解斜視背面図である。
図18から図20に示すように、第1ユニット551は、正面側に配設される第1経路部材560と、その第1経路部材560の背面側に配設される第2経路部材570と、その第2経路部材570の背面に配設される第3経路部材580と、を主に備えて形成される。
第1経路部材560は、遊技盤13の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板564と、上方側(矢印U方向側)が開放する断面略U字状に形成され、正面板564の上方側端部から背面側に突設される第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563と、その第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563の下側(矢印D方向側)に連なって形成されると共に、正面板564の一部の端部に沿って延設される第1壁部565と、その第1壁部565の下方に形成され、所定の間隔を隔てた2箇所から突設される2組の第2壁部566及び第3壁部567と、を主に備える。
正面板564は、後述する第2経路部材570又は第3経路部材580との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、光透過部材から形成される。これにより、遊技者は、第1ユニット551の内部を流下する遊技球を正面板564を介して(通して)視認することができる。
また、正面板564は、第2経路部材570側(背面側(矢印B方向側)に突設される案内部564aを備える。
案内部564aは、第1ユニット551の内側を流下する遊技球により、正面板564の壁面の全域が汚れることを抑制する壁部であり、後述する第2経路部材570又は第3経路部材580との対向間を流下する遊技球の流下経路に沿って延設される。また、案内部564aは、第1ユニット551を流下する遊技球の転動面から遊技球の半径分離れた位置に突設される。言い換えると、案内部564aは、第1経路部材560を流下する遊技球の中心位置と、略同一の位置に突設される。これにより、正面板564と遊技球とが当接する部分を案内部564aの突設先端部に限定することができる。従って、正面板564の全域に遊技球と当接することにより傷が生じることや遊技球に付着した汚れが移着することを抑制できる。その結果、正面板564を介して第1経路部材560の内部を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。
第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563は、第1ユニット551の上方(矢印U方向)の遊技領域から流下する遊技球を第1ユニット551の内部に受け入れる部分であり、上方側の開口が遊技球の直径よりも大きい寸法に設定される。また、第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563は、正面板564の上方側(矢印U方向側)の端部に左右方向(矢印L−R方向)に並設される。
第1受入部561は、第2受入部562及び第3受入部563よりも遊技球の受け入れ幅(左右方向(矢印L−R方向)の幅寸法)が大きく設定される。これにより、特別入賞装置550に流入する遊技球は、第2受入部562又は第3受入部563よりも第1受入部561に流入しやすくされる。
また、第1受入部561は、第1ユニット551の内側に形成される流下経路に連通される。これにより、第1受入部561に受け入れられた遊技球は、第1ユニット551の内側を流下される。なお、第1ユニット551の遊技球の流下経路については後述する。
第2受入部562及び第3受入部563は、後述する第2ユニット552の内側に形成される流下経路に連通される。これにより、第2受入部562及び第3受入部563に受け入れられた遊技球が第2ユニット552の内側を流下される。なお、第2ユニット552の流下経路については後述する。
第1壁部565は、後述する第2経路部材570に形成される第4壁部573との対向間に遊技球を送球する空間を形成する内壁である。第1壁部565は、一端が上述した第1受入部561の下方側に連結され、他端側が第2受入部562及び第3受入部563の下側に亘って左右方向(矢印L−R方向)に延設される上方側壁部565aと、背面視略C字状に湾曲して形成され上方側壁部565aに連結する湾曲壁部565bと、から主に構成される。
上方側壁部565aは、後述する第4壁部573の上面(矢印U方向側の面)を遊技球が転動する際に、その転動面の上方を覆う内壁であり、第4壁部573の上面と直交する方向に遊技球の直径よりも上方側(矢印U方向側)に離間する位置に形成される。
湾曲壁部565bは、後述する第4壁部573の上面を転動する遊技球の転動方向を変更する内壁であり、第4壁部573の転動側端部と対向する位置に形成される。また、湾曲壁部565bは、第4壁部573の転動側端部を中心とする半円弧状に形成される。これにより、第4壁部573の上面を転動する遊技球を、湾曲壁部565bの内壁に沿って流下させることで、第4壁部573の下面側に案内することができると共に、その転動方向を第4壁部573の上面の転動方向と反対にすることができる。
第2壁部566は、第1ユニット551の内部を流下する遊技球の主の流下経路から分岐する経路の空間を形成する内壁であり、正面板564の背面から突設される一対の壁部の対向間が、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に設定される。これにより、第1ユニット551を流下する経路を増やすことができる。
第3壁部567は、第1ユニット551の内部を流下する遊技球の主の送球経路(主経路SK3)から分岐する経路の内面を形成する壁部であり、正面板564の背面から突設される一対の壁部の対向間が、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に設定される。これにより、第1ユニット551を流下する遊技球の経路を増やすことができる。
また、第2壁部566と第3壁部567とは、それぞれ下流側の端部が第1ユニット551の左右方向(矢印L−R方向)の反対側に配置される。これにより、後述する分岐通路から第1ユニット551の左右方向の両側に遊技球を送球することができる。
第2経路部材570は、第1経路部材560の正面板564と対向する板状のベース板571と、そのベース板571の正面から第1経路部材560側に突設される第4壁部573と、その第4壁部573から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第5壁部574と、その第5壁部574から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第6壁部575と、を主に備えて形成される。
ベース板571は、第1経路部材560の正面板564と遊技球の直径よりも若干大きい距離を隔てる位置に配設される。これにより、正面板564とベース板571との間に遊技球を流下させることができる。また、ベース板571は、第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563のそれぞれに対応する位置に開口する第1開口部571a、第2開口部571b及び第3開口部571cと、第1開口部571aの下方に開口する第4開口部571dと、第5壁部574及び第6壁部575のそれぞれの上方に開口する第5開口部571e及び第6開口部571fと、第5壁部574および第6壁部575の間に位置し背面側に凹設される凹設部571gと、を備える。
第1開口部571a、第2開口部571b及び第3開口部571cは、上述した第1経路部材560の第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563に流入する遊技球をベース板571の背面側に通過させる開口である。
また、ベース板571は、第1開口部571a、第2開口部571b及び第3開口部571cの下側端部から背面側に突出する第1転動部576、第2転動部577及び第3転動部578を備える。これにより、第1開口部571aを通過する遊技球は、後述する第3経路部材580に、第2開口部571b又は第3開口部571cを通過する遊技球は、後述する第2ユニット552に、それぞれ送球される。
第1開口部571a及び第4開口部571dは、背面側に後述する第3経路部材580の一部が覆設される。これにより、第1開口部571aを通過する遊技球は、第4開口部571dからベース板571の正面側(矢印F方向側)に送球される。
第4壁部573は、第4開口部571dの下側端部に沿ってベース板571から突設されると共に、左右方向(矢印L−R方向)に延設される。また、第4壁部573は、ベース板571の正面視左側に開口される第4開口部571d側から正面視右側(矢印R方向側)に向かう程、上面が下方に傾斜して形成される。これにより、第4開口部571dを通過してベース板571の正面側に送球される遊技球を、第4壁部573の上面に乗せると共に、第4壁部573の上面の傾斜によりベース板571の右側(矢印R方向側)に送球できる。
第5壁部574は、上述した第1壁部565の湾曲壁部565bから送球される遊技球の転動面となる部分であり、第4壁部573の下面と直交する方向に遊技球の直径よりも下方側に離間する位置に突設されると共に、ベース板571の左右方向(矢印L−R方向)に延設される。また、第5壁部は、湾曲壁部565b側(矢印R方向側)から後述する凹設部574g側(矢印L方向側)に向かう程、上面(矢印U方向側の面)が下方に傾斜して形成される。これにより、湾曲壁部565bから第5壁部574の上面に送球される遊技球を、凹設部574g側に転動させることができる。さらに、第5壁部574は、遊技球の転動面に下方側に向かって凹む第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bを備える。
第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bは、第5壁部574の延設方向に並設される。また、第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bは、凹設幅および凹設深さが、遊技球の直径よりも大きい寸法に設定される。さらに、第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bの内側には、ベース板571に開口する第5開口部571eが形成される。これにより、第1受入凹部574a又は第2受入凹部574bに流入する遊技球は、第5開口部571eを通過してベース板571の背面側に送球される。
凹設部574gは、第5壁部574の下流側端部(矢印L方向側の端部)の上方に形成されており、第5壁部574の上面を転動する遊技球を凹設部574gの内側に流入させると共に凹設部574gの下方(矢印D方向)に形成される第6壁部575の上部に送球することができる。
第6壁部575は、第5壁部574を転動して凹設部574gに送球される遊技球の転動面となる部分であり、第5壁部574の下面から下方側に遊技球の直径よりも離間する位置でベース板571から突設され、ベース板571の左右方向(矢印L−R)方向に延設される。また、第6壁部575は、凹設部574g側(矢印L方向側)から上述した第3壁部567側に向かって上面が下方に傾斜して形成される。これにより、凹設部574gから第6壁部575の上面に送球される遊技球を、第3壁部567により形成される送球経路側に転動させることができる。また、第6壁部575は、遊技球の転動面に下方側に向かって凹む第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bを備える。
第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bは、第6壁部575の延設方向に並設される。また、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bは、凹設幅および凹設深さが、遊技球の直径よりも大きい寸法に設定される。さらに、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bの内側には、ベース板571に開口する第6開口部571fが形成される。これにより、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bに流入した遊技球は、第6開口部571fを通過してベース板571の背面側に送球される。
第3経路部材580は、第2経路部材570の重力方向上方側(矢印U方向側)の背面に配設される第1覆設部材581と、第2経路部材570の重力方向下方側(矢印D方向側)の背面に配設される第2覆設部材582と、第1覆設部材581及び第2覆設部材582の間に配設される第1駆動ユニット583と、第2覆設部材582の背面に配設される第2駆動ユニット584とを主に備えて構成される。
第1覆設部材581は、上述した第1開口部571a及び第4開口部571dの背面側に配設される湾曲部581aと、その湾曲部581aの下方側に連なる板状の取付部581bと、を主に備える。
湾曲部581aは、第1開口部571a及び第4開口部571d(第2経路部材570)側が開放される断面U字状に湾曲して形成され、その内側に第1転動部576が配設される(図24(a)参照)。また、湾曲部581aの湾曲内側の壁面と第1転動部576の突設先端部との離間距離は、遊技球の直径よりも大きく設定される。これにより、第1転動部576を転動する遊技球を湾曲部581aの内壁に沿って流下させて、第1転動部576の下方側に送球することができる。よって、背面側に湾曲する湾曲部581aに遊技球を送球することで、遊技球の転動時間を長くすることができる。その結果、遊技盤13の遊技領域と平行な平面上に遊技球の転動面を確保できない場合でも、遊技球の転動速度を遅くすることができる。
さらに、湾曲部581aは、下方側の端部が、第4開口部571dの下側内縁よりも若干高い位置に配置される。これにより、第1転動部576から湾曲部581aの内壁に沿って流下されて第4開口部571dに送球された遊技球が逆流して、湾曲部581aの内側に流入することを抑制できる。
取付部581bは、第1覆設部材581を第2経路部材570の背面に締結するためのネジを挿通する貫通孔581b1が2箇所に貫通形成される。また、取付部581bは、背面側に向かって円柱状に突設される柱状体551aを備える。柱状体551aは、後述する第2ユニット552を第1ユニット551に締結するためのネジ穴が先端に穿設される。これにより、第2ユニット552の背面側から挿通されるネジを柱状体551aに螺合させて第1ユニット551と第2ユニット552とを締結することができる。
第2覆設部材582は、第6開口部571fの背面側に配設される第2湾曲部582aと、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bの背面側に配設される背面側壁部582bと、を主に備える。
第2湾曲部582aは、第6開口部571f(第2経路部材570)側が開放される断面U字状に湾曲して形成される(図24(c)参照)。また、第2湾曲部582aは、正面側から背面側に向かって立設される立設壁582a1をU字の内側に備える。立設壁582a1により、第2湾曲部582aの内部空間が、正面視左側(矢印L方向側)の第1空間582a2と、立設壁582a1を間に挟んで第1空間582a2の隣に形成される第2空間582a3とに分けられる。
第1空間582a2及び第2空間582a3は、遊技球の直径よりも大きい空間であり、正面側から背面側に向かって形成される。また、第1空間582a2及び第2空間582a3は、背面側で連結される。また、第1空間582a2の内面は、背面側に向かう程、下方に傾斜して形成され、第2空間582a3の内面は正面側に向かう程、下方に傾斜して形成される。これにより、凹設部571gから第2湾曲部582aに送球される遊技球は、第1空間582a2の傾斜により、背面側に転動されると共に背面側の端部で第2湾曲部582aの湾曲により第2空間582a3に送球され、第2空間582a3の傾斜により正面側に転動され、第6開口部571fの開口を通過して、ベース板571の正面側に送球される。
背面側壁部582bは、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bに送球されて、第5開口部571e及び第6開口部571fを通過する遊技球を特別入賞装置550の下方に案内する送球経路の背面側の壁部である。これにより、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bに送球される遊技球を回収することができる。従って、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bに送球されて、後述する検出装置SE3〜SE6を通過して遊技価値を遊技者に付与した遊技球が再度遊技領域を流下して、遊技価値が再度遊技者に付与されることを防止できる。
第1駆動ユニット583は、電力により前後方向に変位する軸を備える第1ソレノイド583aと、その第1ソレノイド583aの軸に連結される第1可変板583bと、第1ソレノイド583a及び第1可変板583bの周囲を囲む第1保護部材583cと、を主に備える。
第1可変板583bは、左右方向(矢印L−R方向)に長い矩形状の板部材であり、第1ソレノイド583aの軸の変位に合わせて前後方向(矢印F−B方向)に変位される。また、第1可変板583bが正面側に張り出された状態では、その第1可変板583bの先端が上述した第5開口部571eに挿入されると共に、第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bの上側に配置される。これにより、第1可変板583bが正面側に張り出された状態では、その第1可変板583bにより第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bへの遊技球の流入を防止することができる。
第1保護部材583cは、第2経路部材570側が開放する箱状に形成され、その内部に第1ソレノイド583aの軸と第1可変板583bとを連結する機構が配設される。また、第1保護部材583cは、前後方向に貫通する貫通孔583c1を複数備える。
貫通孔583c1は、第1駆動ユニット583を第2経路部材570に締結するためのネジを挿通する部分である。貫通孔583c1を挿通されたネジは、第1覆設部材581の貫通孔581b1、又は、第2覆設部材582の貫通孔582b1を挿通されて、第2経路部材570に穿設される孔に螺合される。よって、第1駆動ユニット583を第2経路部材570に配設することで、第1覆設部材581及び第2覆設部材582を第2経路部材570に配設することができる。これにより、第1覆設部材581及び第2覆設部材582のネジの締結部分を少なくすることができ、製造コストを削減できる。
また、第1覆設部材581又は第2覆設部材582を第2経路部材570と第1駆動ユニット583との間に挟んだ状態とすることができるので、第1駆動ユニット583が、特別入賞装置550から無理に外された場合に、第1覆設部材581又は第2覆設部材582と第2経路部材570との締結を不完全として、遊技球が第1覆設部材581又は第2覆設部材582を通過できない状態としやすい。その結果、不正がされた状態で、遊技が継続されることを抑制できる。
第2駆動ユニット584は、第1駆動ユニット583と同様に、電力により前後方向に変位する軸を備える第2ソレノイド584aと、その第2ソレノイド584aの軸に連結される第2可変板584bと、第2ソレノイド584a及び第2可変板584bの周囲を覆う第2保護部材584cと、を主に備える。
第2可変板584bは、左右方向(矢印L−R方向)に長い板状体から形成されると共に、正面視においてクランク状に屈曲して形成される。また、第2可変板584bが正面側に張り出された状態では、その第2可変板584bの先端が、上述した第6開口部571fに挿入されると共に、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bの上側に配置される。これにより、第2可変板584bが正面側に張り出された状態では、その第2可変板584bにより第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bへの遊技球の流入を防止することができる。
第2保護部材584cは、第2経路部材570側が開放する箱状に形成され、その内部に第2ソレノイド584aの軸と第2可変板584bとを連結する機構が配設される。また、第2保護部材584cは、第1経路部材560の第2壁部566により形成される送球経路の背面側を覆う背面側壁部584c1を備える。これにより、背面側壁部584c1と第2壁部566とで送球経路を形成できるだけでなく、背面側壁部584c1と第2壁部566とで、第2経路部材570を覆うことができる。その結果、第1ユニット551の側面から不正部材が挿入されて、第2経路部材570に配設される検出装置SE3〜SE6に不正が行われることを抑制しやすくできる。
次いで、図21から図24を参照して第1受入部561から第1ユニット551の内部に流入する遊技球の送球経路について説明する。図21は、図18(b)のXXI−XXI線における第1ユニット551の断面図である。図22は、図21に示す第1ユニット551の模式断面図である。図23は、図18(b)のXXIII−XXIII線における第1ユニット551の断面図である。図24(a)は、図21のXXIVa−XXIVa線における第1ユニット551の断面図であり、図24(b)は、図21のXXIVb−XXIVb線における第1ユニット551の断面図であり、図24(c)は、図21のXXIVc−XXIVc線における第1ユニット551の断面図である。
なお、第1ユニット内部に流入する遊技球は、遊技球の主経路SK1〜SK6を主経路SK1、主経路SK2、主経路SK3、主経路SK4、主経路SK5、主経路SK6の順に流下する。又は、主経路SK1〜SK6を流下する途中の主経路SK3から主経路SK3に連通する副経路HK1に流入されて副経路HK1を流下する。もしくは、主経路SK1〜主経路SK6を流下する途中の主経路SK5から主経路SK5に連通する副経路HK2又は副経路HK3のどちらかに流入されて副経路HK2又は副経路HK3のどちらかを流下する。
また、副経路HK1〜HK3には、遊技球の通過を検知する検出装置SE3〜SE6が配設されており、その検出装置SE3〜SE6の遊技球の検出により、遊技者に所定の遊技価値が付与される。本実施形態では、所定の球数の賞球により、遊技者に遊技価値が付与される。
図21から図24に示すように、主経路SK1は、第1覆設部材581の湾曲部581a及び第2経路部材570の第1転動部576(図24(a)参照)により形成される空間であり、第1開口部571aと第4開口部571dとを連通する。上述したように、湾曲部581aは、第1開口部571a及び第4開口部571d(第2経路部材570)側が開放される断面U字状に湾曲して形成され、主経路SK1を通過する遊技球を背面側に迂回させることができる。これにより、正面視における領域が限られる空間(第1開口部571a又は第4開口部571dの内側を遊技球が通過する際に、遊技球の左右方向における移動量を少なくすることができるので、主経路SK1を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。これにより、第1ユニット551を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくして、遊技者の興趣を高めることができる。
また、後述するように、主経路SK1に流入する遊技球は、遊技者に所定の遊技価値が付与されるので、遊技者に遊技価値が付与される可能性がある遊技球の転動を遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技者に興趣を与えやすくすることができる。なお、主経路SK1は、後述する主経路SK2と連通されており、主経路SK1を通過する遊技球を主経路SK2に流入させることができる。
また、主経路SK1の湾曲部581aは、上述したセンターフレーム86の凹部86b2(図17参照)に収容されて配設される。これにより、主経路SK1に遊技球が詰まった(流れが遅い)場合に、その不具合を検出装置86b3(図17参照)により検出して、エラーを報知することができる。
さらに、主経路SK1の通路幅は、遊技球の直径よりも若干大きく設定されると共に、検出装置SE3〜SE7(図23参照)の遊技球が通過する開口よりも小さく設定される。これにより、基準の遊技球の直径(11ミリメートル)よりも直径の大きい遊技球(不正な遊技球)が製造されて、その球で不正(遊技)が行われた場合に、その球を主経路SK1の内側に留めることができる。よって、不正な遊技球が、主経路SK1の下流側に配設される検出装置SE3〜SE7に流下して不正が行われることを抑制できる。また、不正な遊技球を主経路SK1に留めることで、検出装置86b3(図17参照)により検出して、エラー(不正)を報知することができる。なお、この場合の不正とは、検出装置SE3〜SE7のいずれかの開口に不正な遊技球を嵌めて、検出装置SE3〜SE7に検出を継続させて、不正な遊技球の払い出し(遊技価値)を得ることである。
主経路SK2は、第1経路部材560の第1壁部565と、第2経路部材570の第4壁部573との間に形成される空間である。主経路SK2に流入される遊技球は、第4壁部573の上面を転動して流下される。上述したように、第4壁部573は、左右方向(矢印L−R方向)に延設され第4開口部571dから離間するにつれて下降傾斜して形成される。
従って、上述した湾曲部581a(背面側への湾曲経路)は、遊技球の送球方向の切り替え部分(主経路SK1と主経路SK2との連結部分)に形成されるので、遊技者が、主経路SK1を流下する遊技球を見失うことを抑制できる。即ち、左右方向に延びる直線状の送球経路(例えば、主経路SK2)の途中に背面側に湾曲する経路が形成される場合には、その湾曲する経路で一定の加速度で転動する遊技球の加速度が変化される(小さくなる)ので、遊技球を追っていた目線が遊技球よりも先行してしまうことで、遊技者が遊技球を見失う恐れがある。
これに対し、遊技球の転動方向が切り替えられて本来遊技球の転動速度が遅くされる部分に背面側への湾曲経路を形成するので、遊技者の目線が遊技球よりも先行することを抑制して、遊技者が遊技球を見失うことを抑制できる。
また、主経路SK1の内壁である湾曲部581aは、遊技盤13の左右方向中央部に対して若干右方(矢印R方向)に配設される第1ユニット551の正面視左側(矢印L方向側の端部)に形成される。よって、遊技盤13の正面に位置する遊技者から第1ユニット551を視認しやすい側に、背面側への湾曲経路(主経路SK1)が形成されるので、遊技者が主経路SK1から主経路SK2を通過する遊技球を見失うことを抑制しやすくできる。
また、主経路SK2は、湾曲経路WK1に連通されており、湾曲経路WK1を介して、後述する主経路SK3と連通される。これにより、主経路SK2を通過する遊技球は、湾曲経路WK1を介して、主経路SK3に流入される。なお、湾曲経路WK1についての詳しい説明は後述する。
主経路SK3は、第2経路部材570の第4壁部573と、第5壁部574との間に形成される空間である。主経路SK3に流入される遊技球は、第5壁部574の上面を転動して流下される。また、主経路SK3には、上述した第1駆動ユニット583の第1可変板583bが張出時に主経路SK3上に突出される。この主経路SK3上に第1可変板583bが突出した状態では、第5壁部574の上部を転動する遊技球が、第1可変板583bの上面を転動して主経路SK4に送球される。
一方、主経路SK3上から第1可変板583bが退避した状態では、第5壁部574に形成される第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bの内部に形成される空間の副経路HK1に遊技球が流入される。副経路HK1は、第5開口部571eを介して背面側壁部582bにより形成される回収経路に送球される。
この様に、第1ユニット551は、遊技球の送球経路上に張り出し、又は、送球経路上から退避する第1可変板583bを備え、第1可変板583bの変位により、第1ユニット551の主経路SK3を流下する遊技球が副経路HK1に案内される場合と、主経路SK4に案内される場合と、に変更することができるので、第1ユニット551を流下する遊技球の流下方向に変化を与えることができる。
この場合、副経路HK1に流入する遊技球は、遊技者に所定の遊技価値が付与されるので、遊技者に、遊技球が副経路HK1に流入したかどうかを注視させることができる。また、第1可変板583bは、第1ユニット551に形成される送球経路の途中に配置され、遊技者の視認方向(矢印F−B方向)に変位されるので、遊技者から第1可変板583bの変位を視認させにくくすることができる。その結果、第1ユニット551の流下する遊技球に注視させることができ、遊技者に遊技球の流下による興趣を与えやすくできる。
また、副経路HK1は、正面視において遊技球を右側(矢印R方向側)から左側(矢印L方向側)に送球する主経路SK3と、その主経路SK3の下方に位置し遊技球を左側から右側に送球する主経路SK6との間を形成する第5壁部574に形成される。従って、副経路HK1は、遊技球を左右に送球させる間の空間を利用して形成されるので、第1ユニット551の外形が上下方向に大きくなることを抑制できる。その結果、第1ユニット551の外形を小さくすることで、遊技者が遊技球を目で追う範囲を狭めることができ、遊技者に第1ユニット551を流下する遊技球を視認させやすくすることができる。
主経路SK4は、凹設部571gと第1経路部材560の突起568とにより形成される空間である。主経路SK4に流入する遊技球は、突起568に当接して凹設部571gの内側(背面側)に送球された後に、凹設部の内面に沿って突起568の周囲を転動して凹設部の外側(正面側)に送球される。即ち、遊技球は、突起568を迂回するように転動される。また、主経路SK4は、主経路SK5に連通されており、主経路SK4を通過する遊技球を主経路SK5に流入させることができる。
主経路SK5は、上述した第3経路部材580の第2覆設部材582の第1空間582a2及び第2空間582a3により形成される空間である。主経路SK5に流入される遊技球は、上述したように第1空間582a2の内部を背面側に転動した後に、第2空間582a3の内部を正面側に転動される。また、主経路SK5には、上述した第2駆動ユニット584の第2可変板584bが張出時に主経路SK5上に突出する。この主経路SK5上に第2可変板584bが突出した状態では、第2湾曲部582aの内部を転動する遊技球が、主経路SK6に送球される。
一方、主経路SK5上から第2可変板584bが退避した状態では、第6壁部575に形成される第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bの内部に形成される空間の副経路HK2に遊技球が流下される。副経路HK2は、第6開口部571fを介して背面側壁部582bにより形成される回収経路に送球される。
また、主経路SK5を構成する第2湾曲部582aは、上述したように背面側に湾曲して形成されており、主経路SK5を通過する遊技球を背面側に迂回させることができる。これにより、正面視における領域が所定の限られた空間に設定される場合でも、遊技球が転動可能な距離を長くすることができる。
さらに、第2可変板584bは、主経路SK5の上流側の一部と、主経路SK5の下流側の一部とで張出し、又は、退避の変位がされるように構成され、それら主経路SK5の上流側と主経路SK5の下流側との間に背面側への湾曲経路が形成されるので、主経路SK5を通過する遊技球により遊技者に遊技価値が付与される可能性がある時間を長くできる。その結果、遊技者に興趣を与える時間を長くすることができる。
主経路SK4と主経路SK5との連通部分には、副経路HK3が連通される。副経路HK3は、第1経路部材560の第2壁部566と、第3経路部材580の背面側壁部584c1との対向間に形成される空間である。
副経路HK3は、主経路SK4から主経路SK5に遊技球が流入した際の遊技球の流下方向(正面視右方向(矢印R方向)と異なる方向(正面視左方向(矢印L方向))に開口される。また、副経路HK3は、その流入口の下側内縁が第2可変板584bよりも下方(矢印D方向)に設定される。
ここで、遊技球が主経路SK4から主経路SK5に正常に(重力以外の外力が作用しない状態で)流下する場合には、主経路SK4から主経路SK5又は副経路HK2に遊技球が流入される。一方、遊技球が主経路SK4から副経路HK2に流入するタイミングで第2可変板584bが張出されて第2可変板584bの先端面と遊技球が当接して、遊技球に重力以外の外力が作用した場合には、第2可変板584bにより副経路HK3の流入口に遊技球が押し出されて副経路HK3に流入される。
よって、第1ユニット551は、遊技球の送球経路上に張り出し、又は、送球経路上から退避する第2可変板584bを備え、第2可変板584bの変位により、第1ユニット551の主経路SK4又は主経路SK5を流下する遊技球が主経路SK5、副経路HK2又は副経路HK3のいずれかに案内されるので、第1ユニット551を流下する遊技球の流下方向に変化を与えることができる。
この場合、副経路HK2又は副経路HK3に流入する遊技球により遊技者に所定の遊技価値が付与されるので、遊技者に、遊技球が副経路HK2又は副経路HK3に流入したかどうかを注視させることができる。また、第2可変板584bは、第1ユニット551に形成される送球経路の途中に配置されるので、遊技者から板部材584b2の変位を視認させにくくすることができる。その結果、第1ユニット551を流下する遊技球に注視させることができ、遊技者に遊技球の流下による興趣を与えやすくできる。
また、上述したように、主経路SK4を挟んで上流側では、第1可変板583bにより、遊技球の流下する経路が切り替えられる。よって、上流側の副経路HK1に流入せず遊技者に遊技価値が付与されていない遊技球をさらに下流に流下させて副経路HK2又はHK3に流入させることができる。従って、遊技者に遊技価値が一度付与される可能性があった遊技球を流下経路の切り替え部分を通過させることで、遊技球が副経路HK2及びHK3に流入する願望を遊技者に再度持たせることができる。
さらに、遊技球の流下する経路が切り替えられる主経路SK3と主経路SK5との間には、背面側に湾曲する主経路SK4が配設される。従って、正面視における所定の範囲内で遊技球を転動させることができ、遊技者に遊技球の位置を認識させやすくできる。即ち、主経路SK3を流下した後に、主経路SK4を通して遊技球の位置を遊技者に認識させることで、主経路SK4の下流に連結される主経路SK5を転動する遊技球を遊技者に注視させやすくできる。その結果、遊技球が副経路HK2及びHK3に流入する遊技球を遊技者に視認させやすくでき、遊技者の興趣を向上できる。
また、第2可変いた584bの正面側の左右の両端部には、左右方向の端部に向かう程、背面側に傾斜する傾斜面584b1(図24(c)参照)が形成される。これにより、遊技球が主経路SK4から副経路HK2に流入するタイミングで第2可変板584bが張出されて第2可変板584bの先端面と遊技球とが当接した際に、傾斜面584b1により遊技球を副経路HK3の流入口側に押し出すことができる。従って、傾斜面584b1及び副経路HK2により第2可変板584bと第1経路部材560との間に遊技球が挟まることを防止することができると共に、遊技球が流下されるタイミングの違いにより流下方向が切り替えられる経路を複数(本実施形態では3経路)形成することができる。
主経路SK6は、第1経路部材560の第3壁部567で囲われる空間である。主経路SK6を流下する遊技球は、遊技盤13の遊技領域に送球される。従って、第1受入部561に流入した遊技球が、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bに流入されない場合には、遊技者に遊技価値が付与されず、主経路SK6から遊技盤13の遊技領域に送球されて、遊技盤13に形成されるアウト口71から回収される。
<遊技球を前後方向に変位させる案内手段>
次いで、図25から図28を参照して、主経路SK2から主経路SK3への遊技球の流下について説明する。図25(a)及び図26(a)は、図21の範囲XXVaにおける第1ユニット551の部分拡大図であり、図25(b)及び図26(b)は、図25(a)のXXVb−XXVb線における第1ユニット551の断面図である。図27(a)は、図25(a)のXXVIIa−XXVIIa線における第1ユニット551の模式断面図であり、図27(b)は、図25(a)のXXVIIb−XXVIIb線における第1ユニット551の模式断面図であり、図27(c)は、図25(a)のXXVIIc−XXVIIc線における第1ユニット551の模式断面図である。図28(a)は、図25(a)のXXVb−XXVb線における第1ユニット551の模式断面図であり、図28(b)は、図25(a)のXXVIIIb−XXVIIIb線における第1ユニット551の模式断面図である。なお、図26では、湾曲経路WK1を流下する遊技球が図示される。
図25から図28に示すように、主経路SK2、主経路SK3及び湾曲経路WK1は、第2経路部材570のベース板571に、背面側に向かって断面円弧状に凹設される第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jと、主経路SK2上の内壁から正面側に階段状に突出する第1段部571kと、主経路SK3上の内壁から階段状に突出する第2段部571mと、を備える。
第1経路部材560の正面板564は、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jと対向する位置に、それぞれ第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dが突設される。
第2凹部571Iと第2凸部564cとの対向間寸法L11(図28(a)参照)は、遊技球の直径よりも大きい値に設定されると共に、正面板564及びベース板571の対向間の距離寸法L12(図28(a)参照)よりも小さい値に設定される。これにより、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jと、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dとの対向間に送球される遊技球を第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jと、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dに当接させて、遊技球の転動(流下)速度を遅くすることができる。
また、第1凹部571h及び第1凸部564bの対向間寸法と、第3凹部571j及び第3凸部564dの対向間寸法とは、第2凹部571Iと第2凸部564cとの対向間寸法L11と略同一の距離に設定される。
さらに、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dの突設先端面と、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jを除くベース板571の正面との対向間の距離寸法L13(図28(a)参照)は、遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jと、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dとの対向間に送球される遊技球を第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dに衝突させることができる。その結果、遊技球の転動(流下)速度を遅くすることができる。
また、この場合、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dに当接した遊技球は、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jの内側を流下される。従って、流下する遊技球を第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jの凹設方向に案内することができる。
段部571kは、主経路SK2の背面側の内壁から正面側に突出される。また、段部571kは、主経路SK2の経路内における下流側に形成される。段部571kは、主経路SK2の上流側の端部が、ベース板571の正面から正面側に突出した位置に設定されると共に、下流側の端部が彎曲経路WK1の背面と同一の位置に設定される。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を、段部571kに当接させて、正面側に移動させることができる。
また、段部571kは、上流側の端部が上流側から下流側に向かって正面側に突出する傾斜面として形成される。これにより、主経路SK2を流下して段部571kの上流側の端部に当接する遊技球を正面側に案内しつつ下流側に流下させることができる。
さらに、段部571kは、上流側の端部が、正面板564に形成される第1凸部564bよりも主経路SK2の上流側に形成される。これにより、段部571kに当接して正面側に案内される遊技球を第1凸部564bに当接させやすくすることができる。
第1凹部571hは、主経路SK2を構成するベース板571に凹設されており、正面視において、水平方向(矢印L−R方向)に長い楕円形状に形成される。また、第1凹部571hは、段部571kにより正面側に突出された位置におけるベース板571に形成される。第1凹部571hの上下方向の中心における背面側への凹設深さは、段部571kの正面側への高さ寸法L22(図27(b)参照)と、略同一に設定される。これにより、暴れずに主経路SK2を送球される遊技球を、第1凹部571hの凹設方向(背面側(矢印B方向側)に変位させなくても、第1凹部571hの内側に流入させることができる。
一方、暴れた状態で主経路SK2を送球される遊技球は、段部571kの上流側の端部に当接させて、主経路SK2の正面側に案内して、正面板564の第1凸部564bに当接させる。これにより、遊技球の暴れを抑制しつつ、遊技球を第1凹部571hの内側に送球することができる。
さらに、第1凹部571hは、主経路SK2の上流側における遊技球の転動面(第4壁部573の矢印U方向側の面)から直交する方向の凹設底面までの高さ寸法Y8(図25(a)参照)が遊技球の半径分に設定され、主経路SK2の下流側における遊技球の転動面(第4壁部573の矢印U方向側の面)から直交する方向の凹設底面までの高さ寸法Y9(図25(a)参照)が遊技球の半径分よりも高く設定される。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を第1凹部571hに沿って送球する際に、重力方向上側(矢印U方向側)に持ち上がる方向の抵抗を遊技球に作用させて、遊技球の転動速度を小さくすることができる。その結果、湾曲経路WK1に流入する遊技球の転動速度を十分に小さくすることができ、遊技球をスムーズに流下させやすくすることができる。
第1凹部571hの断面における半径X11(図27(b)参照)は、遊技球の半径よりも大きい値に設定されており、第1凹部571hの内側に遊技球が送球された際に、その内壁に遊技球を当接可能とされる。これにより、第1凹部571hと当接する遊技球の当接部分が2箇所になることを抑制して、当接部分が増えることによる遊技球の転動に対する抵抗が大きくなることを抑制できる。その結果、遊技球が主経路SK2で停止することを抑制できる。
第1凹部571hと対向する位置に形成される第1凸部564bは、第1凹部571hの上流側の端部から主経路SK2の遊技球の送球方向(図27(b)の矢印R方向)に離間する位置に形成され、その離間する値が遊技球の半径よりも小さい寸法に設定される。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を第1凸部564bに当接させて第1凹部571hの内側に送球しやすくできる。
第2凹部571Iは、湾曲経路WK1のベース板571に凹設されており、正面視における外形が重力方向(矢印U−D方向)に長い楕円形状に形成される。また、第2凹部571Iは、正面視における上下方向(矢印U−D方向)中央位置が、湾曲経路WK1の経路の中間位置に設定される。さらに、第2凹部571Iは、正面視における左右方向(矢印L−R方向)中央位置が湾曲経路WK1の送球方向に対して直交する方向の中央位置に形成される。
なお、主経路SK1、湾曲経路WK1及び主経路SK2は、正面視において遊技球の送球方向に対して直交する幅寸法L18(図25(a)参照)がすべて同一の寸法に設定されており、その幅寸法L18が、遊技球の直径の略1.1倍に設定される。
また、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jは、正面視における短手方向の最大の幅寸法が、上述した幅寸法L18の略1/2に設定される。これにより、各経路(主経路SK1、湾曲経路WK1及び主経路SK2)を通過する遊技球の中心を第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jの正面側を通過させることができるので、遊技球を第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jの内側に送球しやすくできる。
段部571mは、主経路SK3の背面側の内壁から正面側に突出される。また、段部571mは、主経路SK3の経路内における上流側に形成される。段部571mは、主経路SK3の下流側の端部が、ベース板571の正面側に突出した位置に設定されると共に、上流側の端部が彎曲経路WK1の背面と同一の位置に設定される。これにより、主経路SK3を流下する遊技球が、段部571mよりも下流側に送球された後に、段部571mを超えて上流側に逆流(跳ね返る)することを抑制できる。
第3凹部571jは、主経路SK3の内壁を構成するベース板571に形成されており、正面視において、水平方向(矢印L−R方向)に長い楕円形状に形成される。また、第3凹部571jは、段部571mにより正面側に突出された位置におけるベース板571に形成される。第3凹部571jの上下方向の中心における背面側への凹設深さは、段部571mの正面側への高さ寸法L23(図27(c)参照)と、略同一に設定される。これにより、主経路KR3を送球される遊技球を、第3凹部571jの内側から外側に流出させやすくできる。
さらに、主経路SK3の下流側における第3凹部571jの端部は、後述する副経路HK1に流下する経路を切り替える第1可変板583bの主経路SK3の上流側における端部(矢印R方向側の端部)の重力方向上方(矢印U方向)に配置される。これにより、第1可変板583bの停止位置がその変位により重力方向上方にずれた場合(第1可変板583bが、湾曲壁部565bの下流側端部よりも上方に配置された場合)に、主経路SK3を通過する遊技球を第3凹部571jの内面に沿って送球することで、第1可変板583bに引っ掛かることなく送球できる。その結果、第1壁部565と第1可変板583bとが隣合う部分において、第1可変板583bを下方に配置する必要がなくなり、第1ユニット551の上下方向寸法が大きくなることを抑制できる。
また、この場合、第3凹部571jは、正面視における長手方向が、水平方向(矢印L−R方向)に形成されており、主経路SK3を流下する遊技球に対して上方に離間されるので、第1壁部565から第1可変板583bに送球される遊技球に対して、上方側に持ち上がる方向の抵抗を作用させることができる。その結果、第1壁部565から第1可変板583bに送球される遊技球が、第1可変板583bに引っ掛かることを抑制できる。
さらに、第1ユニット551は、正面視における遊技盤13に対して水平方向の一側(矢印R方向側)に遊技球を送球する主経路SK2と、その主経路SK2から送球された遊技球を主経路SK2の案内方向と反対方向の水平方向の他側に送球する主経路SK3と、主経路SK2および主経路SK3の一側同士を連結する湾曲経路WK1と、を備え、湾曲経路WK1は、遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方に遊技球を送球する案内手段(第2凸部564c及び第2凹部571I)を遊技盤に対して正面側および背面側の内壁に備えるので、湾曲経路WK1を通過する遊技球を正面側または背面側(正面視における遊技盤13の前後方向)に移動させることができる。
従って、湾曲経路WK1を通過する遊技球の送球経路が正面視における前後方向に同一の平面に形成される場合よりも、主経路SK2(第1経路)を転動して加速した遊技球の流下速度を遅くすることができる。よって、遊技球の流下速度を遅くできる分、湾曲経路WK1の内壁に衝突した遊技球が主経路SK2に戻る、又は、湾曲経路WK1の内側で主経路SK2の送球方向(正面視における水平方向(矢印L−R方向))に揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できる。これにより、湾曲経路WK1を通過する遊技球を遊技者の視線が一定方向に追うことができる。その結果、湾曲経路WK1に送球された遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
また、正面視における遊技盤13に対して遊技球が水平方向(正面視左右方向)に揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できるので、その分、主経路SK2および主経路SK3を連結する湾曲経路WK1の経路を長くして遊技球が揺れ動くことを抑制する必要がなくなり、湾曲経路WK1の経路を短くすることができる。その結果、第1ユニット551を遊技盤13に対して所定の領域内に収めることができ、遊技盤13に対する第1ユニット551の配設スペースを確保できる。
さらに、第1凹部571hは、主経路SK2の上流側に向かって、その主経路SK2の流下方向と直交する方向(矢印U−D方向)に凹設幅が大きくされる。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を第1凹部571hに受け入れやすくできる。また、第1凹部571hは、主経路SK2の下流側に向かって、凹設幅が小さく設定されるので、第1凹部571hに受け入れられた遊技球を同じ位置から抜け出させやすい。即ち、第1凹部571hは、主経路SK2の上流側で遊技球を受け入れやすく、主経路SK2の下流側で同じ位置から遊技球を抜け出させやすくできる。その結果、主経路SK2の下流に連通される湾曲経路WK1の第2凹部571Iに遊技球を送球しやすくできる。
この場合、第1凹部571hの主経路SK2の流下方向(矢印R方向)における凹設端部は、主経路SK2を送球される遊技球の転動方向において主経路SK2の転動面(第4壁部573の上面)を超える位置に形成される。従って、第1凹部571hを抜け出る遊技球に、主経路SK2の転動面の影響を受けにくくすることができる。その結果、第1凹部571hから抜け出た遊技球を湾曲経路WK1の第2凹部571Iに送球しやすくできる。
また、主経路SK2は、第4開口部571d側から湾曲壁部565b側(即ち、正面視左側(矢印L方向側)から正面視右側(矢印R方向側))に向かって、その経路の内部空間が正面板564側(正面側(矢印F方向側))に傾斜して形成される。また、主経路SK2は、その転動面(第4壁部573の重力方向上側の面)が正面側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を正面板564側を転動させやすくすることができ、その遊技球を正面板564に形成される第1凸部564bに当接させやすくできる。その結果、第1凸部564bで遊技球の転動速度を遅くさせやすくでき、主経路SK2を流下する遊技球が湾曲壁部565bと衝突した反力で主経路SK2を逆流することを抑制できる。その結果、遊技球の送球方向の変更箇所で遊技球を安定して流下させることができる。
第2凹部571Iは、その上方端部(矢印U方向側端部)が、主経路SK2(第4壁部573)を転動する遊技球の中心の転動軌跡に沿って直線状に描かれる仮想線IL3(図25(a)参照)と接する位置に形成される。これにより、主経路SK2を比較的速い速度で送球されて湾曲経路WK1に流入する遊技球を第2凹部571Iに受け入れやすくすることができる。
遊技球の送球方向の変更箇所(湾曲経路WK1)には、第2凹部571I及び第2凸部564cが形成される。上述したように、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dの突設先端面と、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jを除くベース板571の正面との対向間の距離寸法L13(図28(a)参照)は、遊技球の直径よりも小さく設定されるので、第2凹部571I及び第2凸部564cの間を流下する遊技球を第2凸部564cに当接させて第2凹部571Iの内側に押し入れることができる。よって、主経路SK3に流入する(第2凹部571I及び第2凸部564cの間から抜け出る)遊技球を、第2凹部571Iの内面の円弧に沿って流下させることができる。
ここで、主経路SK2から湾曲経路WK1に送球された遊技球は、主経路SK2の遊技球の転動方向に寄った位置を流下しやすくなる。従って、第2凹部571Iの内側を流下する遊技球は、第2凹部571Iの正面視右側(矢印R方向側)の領域の内面に当接して流下される。よって、主経路SK3に流入する遊技球の送球方向を主経路SK3の流下方向(湾曲壁部565b側から凹設部571g(図21参照)側)に向けやすくできる。その結果、遊技球の送球方向の変更箇所で、遊技球が湾曲壁部565bと衝突して流下が一時的に停止することを抑制できる(図28参照)。
さらに、湾曲経路WK1から主経路SK3に送球される遊技球の送球方向を主経路SK3の流下方向に向かう方向に向けることができるので、遊技球が湾曲壁部565bに衝突する力を小さくすることができる。その結果、湾曲壁部565bに遊技球が繰り返し衝突することによる湾曲壁部565bの破損を抑制できる。
また、第1凸部564bは、正面側に配設される第1経路部材560に形成され、第1凹部571hは、背面側に配設される第2経路部材570に形成される。
ここで、第1経路部材560に正面側に向かって凹設される凹部(第2経路部材570の第1凹部571hに対応する凹部)を形成すると、凹部を凹設する分第1経路部材560の板厚を厚くする必要がある。よって、第1経路部材560の板厚が増す分、第1経路部材560の透過性が悪くなり、第1ユニット551を通過する遊技球を遊技者が視認しにくくなる。
また、第1経路部材560の正面に部分的に膨出する膨出部分の背面に凹設部分を形成すると、第1経路部材560の正面側に膨出部分が膨出する分、遊技盤13の正面側に配設されるガラスユニット16(図1参照)との間の隙間を大きくする必要がある。よって、第1経路部材560がガラスユニット16から離れる分、第1経路部材560の内部を通過する遊技球を遊技者が視認しにくくなる。
これに対し、第1凸部564bは、正面側に配設される第1経路部材560に形成され、第1凹部571hは、背面側に配設される第2経路部材570に形成されるので、正面側に配設される第1経路部材560の厚みを薄くすることができる。また、第1経路部材560の正面側に部分的に突出する部分が形成されないので、第1経路部材560をガラスユニット16に近づけて配設することができる。その結果、第1経路部材560の内部を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。
第2凸部564cは、主経路SK2(第4壁部573の上面)よりも重力方向下方(矢印D方向)に位置すると共に、正面視における主経路SK2の転動方向と略同一方向に下降傾斜して形成される。これにより、第2凸部564cと第2凹部571Iとの対向間を流下する遊技球を、第2凸部564cの傾斜により第2凹部571Iの正面視右側(矢印R方向側)の領域に案内することができる。上述したように、第2凹部571Iは、凹設面が湾曲して形成されるので、第2凹部571Iの正面視右側(矢印R方向側)の領域の内側に当接して流下する遊技球を主経路SK3の流下方向(湾曲壁部565b側から凹設部571g(図21参照)側)に向けて送球することができる。その結果、湾曲経路WK1から主経路SK3への遊技球の流入をスムーズにさせることができる。
また、第2凹部571Iは、正面視における下方側(矢印D方向側)の端部が主経路SK3を転動する遊技球の中心の転動軌跡に沿って直線状に描かれる仮想線IL4(図25(a)参照)に接する位置に形成される。これにより、第2凹部571Iの下流側端部から排出される遊技球の中心の高さを仮想線IL4上に設定することができる。上述したように、本実施形態では、第2凹部571Iから排出される遊技球を主経路SK3の流下方向(湾曲壁部565b側から凹設部571g(図21参照)側)に向けて送球することができるので、第2凹部571Iから排出される遊技球が、主経路SK3又は湾曲経路WK1の内面と当接して主経路SK3に送球される遊技球が、湾曲経路WK1の内壁と衝突してそれらの経路の内側で停滞することを抑制できる。
よって、主経路SK3に流入する遊技球の流下方向を、主経路SK3の転動面に近い位置で、主経路SK3の送球方向に向けることができる。これにより、湾曲経路WK1から主経路SK3に流入する遊技球が、湾曲経路WK1の遊技球の送球方向に対して直交する方向に送球されることを抑制できる。その結果、主経路SK3に送球される遊技球が、湾曲経路WK1の内壁と衝突して停滞することを抑制できる。
<高い遊技価値が付与される第1部材を正面側に配設する>
次いで、図29から図31を参照して第2ユニット552の構成について説明する。図29(a)は、第2ユニット552の正面図であり、図29(b)は、第2ユニット552の背面図である。図30は、第2ユニット552の分解斜視正面図であり、図31は、第2ユニット552の分解斜視背面図である。
図29から図31に示すように、第2ユニット552は、第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に配設される第4経路部材610と、その第4経路部材610の背面側(矢印B方向側)に配設される第5経路部材620と、その第5経路部材620の背面側に配設され第5経路部材620との対向間に遊技球の送球経路を形成する第6経路部材630と、第2ユニット552の側面に配設される装飾部材650と、を主に備える。
第4経路部材610は、上述したセンターフレーム86を介して、第1ユニット551の背面側(矢印B方向側)に取付される。また、第4経路部材610は、正面視縦長矩形の板状に形成される取付板611と、その取付板611の端部から第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に立設される側壁部612と、第1ユニット551の第2転動部577及び第3転動部578に内部空間が連通される第1連通路615及び第2連通路616と、を備える。
取付板611は、第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に円形状に凹設されると共にその凹設底面に貫通孔が形成される挿通部617と、第5経路部材620側(背面側(矢印B方向側))に円形状に突設されると共に突設先端面にネジが螺合する孔が穿設される経路側締結部618及び装飾側締結部619と、取付板611の中央に開口される開口部613と、その開口部613の外側に開口される第2挿通部614と、を備える。
挿通部617は、第1ユニット551と第2ユニット552とを締結するためのネジの先端を挿通する部分であり、取付板611の複数個所(本実施形態では、3箇所)に形成される。
経路側締結部618は、後述する第6経路部材630の挿通孔632に挿通されるネジが螺合される部分であり、挿通孔632と対向する位置に形成される。これにより、第6経路部材630を第4経路部材610に締結できる。
装飾側締結部619は、後述する装飾部材650に形成される締結孔652に挿通されるネジが螺合される部分であり、締結孔652と対向する位置に形成される。これにより、装飾部材650を第4経路部材610に締結できる。
開口部613は、第1ユニット551に配設される第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aと対向する位置に形成される。これにより、第1ユニット551の背面に第4経路部材610を配設した際に、開口部613の内側に第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aを配設した状態とできる。従って、第1ユニット551の背面に第4経路部材610を配設した際に、第4経路部材610が前後方向に大きくなることを抑制できると共に、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの周囲を第4経路部材610で囲むことができる。
第1連通路615及び第2連通路616は、正面視において上方側(矢印U方向側)が開放するU字状に形成されると共に、前後方向(矢印F−B方向)に延設される。また、第1連通路615及び第2連通路616は、正面側の端部が第1ユニット551の第2転動部577及び第3転動部578の背面側に当接されると共に、背面側の端部が後述する第5経路部材620の第1流入口625及び第2流入口626の端部の正面側に当接される。さらに、第1連通路615及び第2連通路616は、第1ユニット551側から第5経路部材620に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1ユニット551の第2転動部577及び第3転動部578から第1連通路615及び第2連通路616に送球される遊技球を、その第1連通路615及び第2連通路616を転動させて、第5経路部材620の第1流入口625及び第2流入口626に流入させることができる。
第2挿通部614は、第4経路部材610をセンターフレーム86の突設部86bに締結する際に、突設部86bのネジ孔86b4に螺合するネジを挿通する穴であり、突設部86bに形成されるネジ孔86b4(図35参照)と対応する位置に形成される。これにより、センターフレーム86の突設部86bの背面に第4経路部材610を配設できる。
側壁部612は、第1ユニット551及び第2ユニット552とが締結された際に、第1ユニット551の背面側(矢印B方向側)に配置される第1ソレノイド583aの側面及び第2ソレノイド584aの側面を覆う板部材であり、取付板611の端部全域から第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に立設される。なお、側壁部612の正面側(第1ユニット551側)への立設寸法は、センターフレーム86の突設部86bと当接する長さに設定される。これにより、第1ユニット551及び第2ユニット552との間に側壁部612が配置されるので、第1ユニット551及び第2ユニット552との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、第1ユニット551及び第2ユニット552との間に不正物が挿入されることを抑制できる。
第5経路部材620は、正面視略矩形の板から形成される板部材621と、その板部材621に開口される第1流入口625及び第2流入口626と、第2流入口626の周囲から第2流入口626の下方に亘って第6経路部材630側(背面側(矢印B方向側))に立設される第2立設壁623と、第1流入口625の周囲から第1流入口625の下方に亘って第6経路部材630側に立設される第1立設壁624と、板部材621から第6経路部材630側に突設される被締結部627と、を主に備える。
板部材621は、第4経路部材610の正面視における外形よりも小さい外形に形成されると共に、第4経路部材610の背面側(矢印B方向側)に配設される。また、板部材621は、正面視における中央部に開口される中央開口部622を備える。この中央開口部622は、背面視における第2ソレノイド584aの外形よりも大きく形成されると共に、第2ソレノイド584aと対応する位置に形成される。これにより、板部材621(第5経路部材620)を第4経路部材610の背面側に配設した際に、第4経路部材610の開口部613の内側を挿通される第2ソレノイド584aを中央開口部622の内側に配置できる。
第1流入口625及び第2流入口626は、上述したように第4経路部材610の第1連通路615及び第2連通路616を連動する遊技球を第5経路部材620及び第6経路部材630の対向間に受け入れる部分(流入させる開口)である。
被締結部627は、後述する第6経路部材630に形成される締結孔633を挿通されたネジの先端を螺合させる部分であり、締結孔633と対応する位置に形成される。これにより、第5経路部材620と第6経路部材630とが締結される。また、被締結部627の第6経路部材630側への突出寸法は、遊技球の直径よりも大きく設定される。これにより、第5経路部材620と第6経路部材630との間に遊技球を流下可能な隙間が形成される。
第1立設壁624は、第1流入口625から第5経路部材620及び第6経路部材630の対向間に流入される遊技球を案内する壁であり、下方側に延設されると共に第2立設壁623と連結される。第2立設壁623は、第2流入口から第5経路部材620に流入された遊技球を案内する壁であり、板部材621の上下方向に亘って延設される。なお、第1立設壁624及び第2立設壁623により形成される送球経路についての説明は後述する。
第6経路部材630は、正面視略矩形の板から形成されるベース板631と、第5経路部材620の中央開口部622と対向する位置のベース板631に開口される第2中央開口部634と、ベース板631の第2中央開口部634の周囲に貫通形成される挿通孔632及び締結孔633と、を備える。
第2中央開口部634は、正面視において第5経路部材620の中央開口部622と略同一の大きさに形成され、第5経路部材620と第6経路部材630とが組み合わされた際に、第5経路部材620の中央開口部622と連通される。これにより、第2ユニット552が第1ユニット551の背面側に配設された際に、第1ユニット551の第1ソレノイド583aを第2中央開口部634の内側に配置できる。
次いで、図32を参照して、第5経路部材620により形成される送球経路について説明する。図32は、図29のXXXII−XXXII線における第2ユニット552の断面図である。
図32に示すように、第2ユニット552は、第5経路部材620の第1立設壁624に囲われて形成される副経路HK4と、第2立設壁623に囲われて形成される副経路HK5とを備える。
副経路HK4は、第1流入口625から下方に延設された後、後述する副経路HK5側に屈曲されて、副経路HK5に連通される。また、副経路HK4には、下方への延設部分に遊技球の通過を検出する検出装置SE7が配設される。これにより、副経路HK4を遊技球が通過したことを検出できる。また、検出装置SE7が遊技球の通過を検出すると、遊技者に所定の遊技価値が付与される(本実施形態では、遊技球の賞球)。
なお、本実施形態では、検出装置SE7を遊技球が通過することに伴って遊技者に賞球される遊技球の数(例えば3個)が、第1ユニット551に配設される検出装置SE3〜SE6を遊技球が通過することに伴って遊技者に賞球される遊技球の数(例えば15個)よりも少なくされる。即ち、検出装置SE7を通過することに伴って遊技者に付与される遊技価値は、第1ユニット551に配設される検出装置SE3〜SE6を遊技球が通過することに伴って遊技者に付与される遊技価値よりも高く設定される。これにより、第1ユニット551を通過する遊技球に注目させやすくできる。その結果、遊技者に興趣を与えやすくすることができる。
副経路HK5は、第2流入口626から下方に延設されると共に、第2ユニット552の下方でパチンコ機10の回収経路に連通される。従って、副経路HK5を流下する遊技球は、遊技者に遊技価値が付与されることなく回収される。また、副経路HK4を流下して検出装置SE7に検出された遊技球は、副経路HK5に送球されて、パチンコ機10に回収される。
また、特別入賞装置550は、光を透過可能な材料から形成されて遊技領域の正面側に配設される第1ユニット551と、その第1ユニット551の背面側に配設される第2ユニット552と、を備え、第1ユニット551は、遊技球を入球可能な第1受入部561を備え、第2ユニット552は、遊技球を入球可能な第2受入部562及び第3受入部563を備え、第1受入部561に入球する遊技球の方が、第2受入部562及び第3受入部563に入球する遊技球よりも遊技者に高い遊技価値(遊技球の払い出し)が付与される。
従って、第1ユニット551及び第2ユニット552の遊技球の送球経路の取り回しが複雑に形成される(例えば、第1ユニット551の送球経路と第2ユニット552の送球経路とが正面視における前後方向に交差する)場合に比べて、第1ユニット551および第2ユニット552に同じタイミングで遊技球が流下された場合に第1ユニット551を流下する遊技球を遊技者に注視させやすくできる。よって、遊技価値の高い第1受入部561を備える第1ユニット551を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。その結果、遊技者に高い遊技価値が付与される経路を通過する遊技球を遊技者に視認させることができるので、遊技者の興趣を向上させやすくできる。
また、第1ユニット551へ遊技球を送球する送球経路の流入口(第1受入部561)と、第2ユニット552へ遊技球を送球する送球経路の流入口(第2受入部562及び第3受入部563)は、隣り合う位置に形成されるので、高い遊技価値が付与される第1ユニット551に流入するか、低い遊技価値が付与される第2ユニット552に流入するか、遊技球が流入するまで遊技者に判断させにくくすることできる。その結果、遊技球が特別入賞装置550に流入する直前まで遊技者に興趣を与えやすくできる。
次いで、図33から図37を参照して、センターフレーム86への特別入賞装置550の配設状態について説明する。図33(a)は、センターフレーム86の正面図であり、図33(b)は、センターフレーム86の側面図である。図34(a)は、センターフレーム86の斜視正面図であり、図34(b)は、センターフレーム86の斜視背面図である。図35は、センターフレーム86の分解斜視背面図である。図36は、図33のXXXVI−XXXVI線におけるセンターフレーム86の断面図である。図37(a)は、遊技盤13の模式断面図であり、図37(b)は、遊技盤13の模式分解断面図である。なお、図37(a)及び図37(b)は、図36の断面に対応する。
<第1部材をベース部材側に付勢する固定手段>
図33から図37に示すように、特別入賞装置550は、センターフレーム86を間に挟んで、そのセンターフレーム86の正面側に取り外し可能な第1ユニット551と、センターフレーム86の背面側に取り外し可能な第2ユニットと、から構成される。
第1ユニット551は、その第1ユニット551の背面側に配設される第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aがセンターフレーム86の開口部86b1に挿入された状態で、突設部86bの正面側に配設される。また、第1ユニット551は、第2ユニット552側に円柱状に突出する柱状体551aを備える。
柱状体551aは、第2ユニット552の第4経路部材610に形成される挿通部617と対向する位置に形成されると共に、挿通部617を挿通したネジが螺合する孔を先端に備える。
第1ユニット551のセンターフレーム86への固定は、第2ユニット552の第4経路部材610に形成される挿通部617及び第2挿通部614に挿通されるネジにより固定される。詳しく説明すると、第1ユニット551は、背面側(矢印B方向側)に配設される第4経路部材610との間にセンターフレーム86の突設部86bを介した状態で配設される。また、第1ユニット551は、第4経路部材610の挿通部617から挿通されるネジが柱状体551aに螺合されることで、第2ユニット552と締結される。
さらに、第1ユニット551と第2ユニット552とを締結した状態で、第2ユニット552に形成される第2挿通部614に挿通されたネジを突設部86bに凹設されるネジ孔86b4(図35参照)に螺合させることで、突設部86bと第4経路部材610とを締結できる。上述したように、第4経路部材610と第1ユニット551とは、締結固定されるので、第4経路部材610が突設部86bに締結されることで第1ユニット551が突設部86bに対して締結される。
また、図37に示すように、ベース板60の第1開口部60aの上下方向における開口寸法Y1(図37(b)参照)は、第1ユニット551(第2経路部材570)の上下方向寸法Y2(図37(b)参照)よりも若干小さく設定される。また、第1ユニット551のベース板60の正面との当接面から、第2ユニット552のベース板60への当接面までの距離寸法Y4(図37(b)参照)は、第1ユニット551と第2ユニット552とが締結された際に、ベース板60の厚み寸法Y3(図37(b)参照)よりも若干小さく設定される。
これにより、第1ユニット551と第2ユニットと552とを締結した場合に、第1ユニット551をベース板60側(背面側)に付勢することができる。よって、ベース板60の正面と第1ユニット551との間に隙間が形成されることを抑制できる。従って、第1ユニット551をベース板60の正面側からネジで締結する必要がなくなり、その分、ネジの締結代を第1ユニット551の正面に必要としてないので、その分、第1ユニット551の正面側の領域を遊技球の送球空間として利用することができる。その結果、第1ユニット551に形成される遊技球の送球空間を確保することができる。
また、第1ユニット551と第2ユニット552との締結部分(柱状体551a)は、第1ユニット551の背面側に突出形成されるので、締結部分がベース板60の正面側に形成される場合に比べて、第1ユニット551に形成される遊技球の送球空間を確保することができる。
また、第2ユニット552をベース板60(正面側)に付勢することができるので、第2ユニット552とベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。従って、第2ユニット552とベース板60との対向間から針金やピアノ線等の不正物が挿入されて、第1ユニット551の第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aに不正がされることを抑制できる。
さらに、第1ユニット551は、ベース板60の背面側から挿通されるネジによりベース板60に配設されるので、第1ユニット551の正面側にベース板60との締結代(ネジが挿通される開口が形成される延設部分)を形成する必要がなくなる。その結果、正面視における第1ユニット551の外形に対して、全域を送球経路として利用でき、第1ユニット551の送球経路を大きくすることができる。
また、ベース板60と第1ユニット551との締結部分がベース板60の背面側であるので、遊技盤13の正面側からされる不正によりベース板60と第1ユニット551との締結部分が外されることを抑制できる。その結果、第1ユニット551への不正を抑制できる。さらに、ベース板60と第1ユニット551との締結部分がベース板60の背面側であるので、遊技者からネジの頭部を認識させにくくすることができる。その結果、第1ユニット551をベース板60に固定するための構成が遊技者に認識されることにより、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
また、第1ユニット551は、ベース板60の背面側から締結される固定手段(ネジ)により、ベース板60に対し背面側に付勢された状態でベース板60に配設されるので、第1ユニット551に作用する背面側への付勢力により、第1ユニット551とベース板60とを密着した状態で配設することができる。
さらに、第1ユニット551と第2ユニット552とは、それぞれに遊技球を送球可能な送球経路が形成された状態でセンターフレーム86に配設されるので、第1ユニット551の送球経路および第2ユニット552の送球経路が、第1ユニット551と第2ユニット552との組立時にずれることを抑制できる。その結果、第1ユニット551及び第2ユニット552の内部を流下する遊技球が、第1ユニット551及び第2ユニット552の送球経路で停止することを抑制できる。
また、第1ユニット551は、第1ユニット551に送球された遊技球を第2ユニット552に流入させるための転動面(第2転動部577及び第3転動部578)を備える。従って、第1ユニット551及び第2ユニット552のそれぞれが、センターフレーム86の突設部86bに締結されるものであると、センターフレーム86に対する第1ユニット551の組付け誤差が生じて、第1ユニット551から第2ユニット552への遊技球の送球がスムーズに行われなくなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、上述したように第1ユニット551は、第2ユニット552に締結されるので、第1ユニット551及び第2ユニット552の締結時の誤差を最小(締結した際に誤差ができる箇所を最小)とすることができる。その結果、第1ユニット551から第2ユニット552への遊技球の送球をスムーズに行うことができる。
第4経路部材610に締結される第5及び第6経路部材620,630は、背面視において第4経路部材610の挿通部617及び第2挿通部614の少なくとも一部と重なる位置に配置される。これにより、第1ユニット551は、第4経路部材610に締結される第5及び第6経路部材620,630を取り外した後でのみセンターフレーム86から取り外し可能とされる。これにより、主経路SK1〜SK6を形成する第1ユニット551がセンターフレーム86から取り外されて主経路SK1〜SK6に不正が行われることを抑制できる。
さらに、突設部86bは、端部に第2ユニット552側に立設する(折り返される)立設部86b5を備える(図33(b)参照)。これにより、第1ユニット551と第2ユニット552とが、センターフレーム86の突設部86bを間に介してセンターフレーム86に配設された状態では、立設部86b5が、第1ユニット551の背面側に配設される第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aを取り囲んだ状態とされる。
よって、第1ユニット551及び第2ユニット552がセンターフレーム86に配設された状態で、第1ユニット551及び第2ユニット552の対向間から針金やピアノ線などの不正物が挿入されることを抑制できる。その結果、第1ユニット551及び第2ユニット552がセンターフレーム86に配設された状態で第1ユニット551の第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aに不正が行われることを抑制できる。
また、第1ユニット551と第2ユニット552との間には、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの正面側の一部が配設されると共に、立設部86b5が介設される。よって、立設部86b5が配設される空間を利用して、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの正面側の一部を配設することができる。従って、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの正面側の一部が、第1ユニット551と第2ユニット552との間に収容される分、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aが背面側に突出することを抑制できる。その結果、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの背面側の周囲を第2ユニット552により取り囲みやすくすることができ、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aに背面側から不正がされることを第2ユニット552により抑制することができる。
さらに、第1ユニット551と第2ユニット552との間には、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの正面側の一部が配設されるので、第2ユニット552を流下する遊技球を第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aで隠して遊技者側から視認しにくくすることができる。これにより、第1ユニット551を流下する遊技球の動線と第2ユニット552を流下する遊技球の動線とが正面視において重なる場合であっても、第1ユニット551を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。その結果、第2ユニット552を流下する遊技球により遊技者に付与される遊技価値よりも高い遊技価値が遊技者に付与される第1ユニット551を流下する遊技球を遊技者に視認させることができるので、遊技者に興趣を与えやすくできる。
また、第1ユニット551及び第2ユニット552がセンターフレーム86に配設された状態では、装飾部材650が、センターフレーム86のベース枠86aの内側の側面を覆う状態で配設される。これにより、センターフレーム86のベース枠86aの開口を介して(挿通して)特別入賞装置550に針金やピアノ線などの不正物が挿入されることを抑制できる。
図36及び図37に示すように、第1ユニット551に配設される第1ソレノイド583aは、背面側が第2ユニット552の第4経路部材610及び第5経路部材620に形成される中央開口部622及び第2中央開口部634の内側に挿入される。これにより、第2ユニット552が背面側(矢印B方向側)に膨出することを抑制できると共に、第1ソレノイド583aに針金やピアノ線等の不正物がアクセスされることを抑制できる。
また、第1ソレノイド583aの荷重を第2ユニット552により支持することができるので、第1ソレノイド583aが配設される第1ユニット551の第2経路部材570が撓むことを抑制できる。その結果、第1ユニット551の遊技球の通過を安定させることができる。
さらに、上述したように、センターフレーム86に形成される突設部86bの開口部86b1に第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aが囲われて配設されるので、比較的荷重の大きい(重い)第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aを開口部86b1(突設部86b)により支持することができる。その結果、突設部86bが、特別入賞装置550の荷重により撓むことを抑制できる。
よって、ベース板60に配設されるセンターフレーム86が曲る(撓む)ことを抑制できるので、センターフレーム86に配設される第1ユニット551の配置がベース板60に対して位置ずれすることを抑制できる。その結果、遊技盤13の遊技領域から第1ユニット551(特別入賞装置550)に遊技球をスムーズに流入させることができる。
また、第1ユニット551から第2ユニット552へ遊技球を送球する第2転動部577及び第3転動部578は、突設部86bの開口部86b1の外側に形成される。これにより、開口部86b1の内側に配置される第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの駆動により発生する電磁力により、第1ユニット551から第2ユニット552に送球される遊技球の転動が阻害されることを抑制できる。言い換えると、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの駆動により発生する電磁力が突設部86bの外側に作用することを突設部86bにより抑制できる。その結果、第1ユニット551から第2ユニット552への遊技球の送球を安定させることができる。
上述したように、第1ソレノイド583aは、背面側が第2ユニット552の中央開口部622及び第2中央開口部634に挿入されて配設される。これにより、第1ユニット551の検出装置SE3〜6及び第1ソレノイド583aの配線を中央開口部622及び第2中央開口部634を挿通させて配設することができる。また、それらの配線を第1ソレノイド583aに沿って配設することができるので、配線が絡まることを抑制できる。
さらに、第1ソレノイド583aの荷重を、第2ユニット552の中央開口部622及び第2中央開口部634により支えることができるので、第1ユニット551が配設される突設部86bが撓むことを抑制できる。よって、ベース板60に配設されるセンターフレーム86が曲る(撓む)ことを抑制できるので、センターフレーム86に配設される第1ユニット551の配置がベース板60に対してずれることを抑制できる。その結果、遊技盤13の遊技領域から第1ユニット551(特別入賞装置550)に遊技球をスムーズに流入させることができる。
<基板ユニットの固定部材を背面部材に配設する変位部材>
次いで、図38から図42を参照して、背面ケース300及び基板ボックス100の連結構造についての詳しい説明する。まず、図38及び図39を参照して、背面ケース300の構造について説明する。
図38(a)は、背面ケース300の正面図であり、図38(b)は、背面ケース300の背面図である。図39(a)は、背面ケース300の分解斜視正面図であり、図39(b)は、背面ケース300の分解斜視背面図である。
図38及び図39に示すように、背面ケース300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材310と、背面ケース300の背面側(矢印B方向側)に配設され、上述した基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320と、を主に備える。
また、背面ケース300は、底壁部301に正面側の2箇所から突設される突設部301bと、固定部材320と対向する位置に開口する第1開口部301cと、係合部材310と対向する位置に開口する第2開口部301dと、を備える。
突設部301bは、係合部材310をスライド可能な状態で保持するための軸であり、後述する係合部材310に開口する摺動溝314の内側に挿通される。また、突設部301bは、円環状に突設されており、その円環状の内側にネジを螺合できる。よって、突設部301bを摺動溝314の内側に挿通した後に、摺動溝314の溝幅よりも直径の大きい頭部を有するネジを突設部301bに螺合することで、係合部材310を背面ケース300に配設できる。
第1開口部301cは、後述する固定部材320の一部(係合部材310との係合部分)を挿通するための開口であり、固定部材320の係合部分(後述する被係合部332)を挿通可能な形状に形成される。これにより、背面ケース300(底壁部301)の背面側に配設される固定部材320を、背面ケース300(底壁部301)の正面側に配設される係合部材310で係合させることができる。
また、第1開口部301cは、固定部材320と係合部材310との係合側(矢印L方向側)の反対側(矢印R方向側)となる端部に背面側に突出する突壁301c1を備える。突壁301c1は、背面側の突設先端が略90度屈曲する鉤状に形成され、その屈曲方向が、第1開口部301cから離間する方向(矢印R方向)に設定される。
突壁301c1は、先端が後述する固定部材320の係止部331に挿入される。これにより、固定部材320と係合部材310との係合部分の反対側(矢印R方向側)を係止させることができる。その結果、背面ケース300に配設される固定部材320を左右(矢印L−R方向)の両端で支持する(係合させる)ことができ、固定部材320と係合部材310との係合部分に力が集中することを抑制して固定部材320及び係合部材310が破損することを抑制できる。なお、第1開口部301cへの固定部材320の配設についての詳しい説明は後述する。
第2開口部301dは、後述する係合部材310の一部(操作子315)を背面ケース300の背面側に挿通するための開口であり、これにより、係合部材310を背面ケースの背面側から操作することができる。よって、上述したように、固定部材320を背面ケース300の背面に配置した後に、背面ケース300の背面側から係合部材310を操作して、固定部材320と係合部材とを背面ケース300(底壁部301)の正面側で係合させることができる。
係合部材310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片311及び第2片312と、その第1片311及び第2片312の端部同士を第1片311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。
上述した2の摺動溝314は、第1片311及び第2片第312にそれぞれ1箇所づつ形成され、第1片311及び第2片312の延設方向(矢印L−R方向)に長い長穴状に開口される。これにより、係合部材310は、第1片311及び第2片312の延設方向(矢印L−R方向)に摺動可能とされる。
第1片311は、第3片313が連結される他側(矢印L方向側)と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、後述する固定部材320との係合部分として形成されており、第1片311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部317と、背面ケース300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出する操作子315と、を備える。
係合部316は、正面視における外形が略三角形状に形成され、一側(矢印R方向側)の外面が、一側の端部から他側(矢印L方向側)に向かう程、第1片311の外側に突出する傾斜面として形成される一方、他側の外面が、第1片311の延設方向(矢印L−R方向)に対して略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)延設される。
凹部317は、第1片311の厚み方向に切り欠いて形成されると共に、第1片311の一側(矢印R方向側)端部から他側(矢印L方向側)に向かって凹設される。よって、第1片311の一側が二股に分割される。これにより、第1片311の一側の剛性を他側に比べて低くすることができる。その結果、第1片311の一側を弾性変形させやすくして、係合部材310を固定部材320と係合させやすくできる。なお、係合部材310と固定部材320との係合についての詳しい説明は後述する。
操作子315は、係合部材310を操作する操作部分であり、第1片311の他側の端部に形成され、その突出寸法が、背面ケース300の底壁部301の板厚よりも大きい値に設定され、少なくとも作業者が指で掴める程度の寸法分、背面ケース300の背面側に突出される。これにより、操作子315を底壁部301の第2開口部301dから突出させることができると共に、その突出部分(操作子315の先端)を掴ませて操作させることができる。
第2片312は、正面側に円形に凹設される締結孔318を備える。締結孔318は、後述する回転ユニット700の背面ベース720に貫通される孔(図89参照)に挿通されるネジを螺合させる部分である。これにより、背面ケース300の内側(底壁部301の正面側)に回転ユニット700を配設した後、回転ユニット700の背面側に配設される係合部材310を操作して、係合部材310を規定位置(後述する固定部材320との係合位置)に操作することができると共に、締結孔318にネジを螺合して係合部材310と回転ユニット700(背面ベース720)とを締結することができる。従って、規定位置に配置される係合部材310を背面ケース300の背面側から突出する操作子315の操作のみでは、操作不能にすることができる。その結果、パチンコ機10が組み上げられた状態で、操作子315が不正に操作されて、固定部材320と基板ボックス100(主制御装置110)とが、不正な基板ボックスに簡易に交換されることを抑制できる。
なお、この場合、回転ユニット700の背面ベース720の孔を挿通して締結孔318に締結されるネジは、遊技盤13に配設される第1入賞口64を取り外した孔から操作可能としてもよい。この場合、遊技盤13と背面ケース300との締結を解除する必要がなくなるので、正常な基板ボックス100への交換作業が複雑化することを抑制できる。その結果、正常な基板ボックス100の交換作業を簡易にすることができる。
固定部材320は、背面ケース300と別部材から構成される。これにより、背面ケース300に比べて外形の小さい固定部材320に基板ボックス100をカシメ固定させることができるので、固定部材320が背面ケース300と一体に形成される場合に比べて、基板ボックス100を配設しやすくできる。その結果、基板ボックス100が固定部材320から取り外されにくい状態で基板ボックス100を背面ケース300に配設しやすくできる。
また、背面ケース300は、それぞれのパチンコ機の型式で同一形状の部品として流用することができるところ、基板ボックス100は、それぞれのパチンコ機10の型式で形状や大きさが異なるので、基板ボックス100が配設される固定部材320を別のパチンコ機との流用品とすることができない。従って、固定部材320が背面ケース300と一体に形成される場合に比べて、背面ケース300の成形時の金型を別のパチンコ機と同一の金型とすることができる。その結果、背面ケース300に比べて外形の小さい固定部材320の金型を形成するだけですむので、製造コストを削減できる。
固定部材320は、上述した係合部材310と係合する介設部材330と、その介設部材330に締結される軸支部材340とから構成される。これにより、軸支部材340を別の遊技機の固定部材と同一の形状の流用品として使用することができる。
介設部材330は、正面側(矢印F方向側)が開放する箱状に形成され、他側(矢印L方向側)の側面に突設される係止部331と、他側(矢印L方向側)の側面から背面ケース300側(正面側)に突出して枠状に形成される被係合部332と、箱状の底面に円形状に開口する挿通孔333と、背面から軸支部材340側に突出する突部334と、を主に備える。
また、介設部材330には、被係合部332の重力方向(矢印U−D方向)の両外側から正面側(矢印F方向側)に向かって円柱状に突出する突起が形成される。また、背面ケース300の底壁部301には、被係合部332の重力方向の両外側から突出する突起と対応する位置に凹設される円形状の開口形成される。よって、開口に突起が挿入されることで、正面視における垂直方向への介設部材330(固定部材320)の移動が規制される。
係止部331は、固定部材320の他側(矢印L方向側)を底壁部301に係合させるための開口を備え、その開口に上述した第1開口部301cの周囲から断面L字状に突設される突壁301c1が挿通されることで底壁部301に係合される。これにより、介設部材330(固定部材320)を背面ケース300に配設する際に、介設部材330の係止部331に突壁301c1を挿通させて介設部材330の一側(矢印R方向側)を背面ケース300に対して係止することができる。
被係合部332は、係合部材310と係合する部分であり、背面ケース300側(矢印F方向側)への突出寸法が、背面ケース300に配設される係合部材310を超える寸法に設定され、囲われる空間の正面側(矢印F方向側)の内面から底壁部301の正面までの距離寸法が、係合部材310の正面から底壁部301の正面までの距離よりも大きく設定される。これにより、被係合部332により囲われる空間と係合部材310とが、前後方向(矢印F−B方向)において重なる位置に配置される。
挿通孔333は、介設部材330を後述する軸支部材340と締結するネジを挿通する貫通孔であり、軸支部材340の締結孔343と同軸上に設定される。
突部334は、断面略L字状に形成され、その屈曲側の先端部と介設部材330の底面との間の距離が後述する軸支部材340の挿入部344の板厚よりも大きく設定される。これにより、突部334の屈曲側の先端部と介設部材330の底面との対向間に挿入部344を挿入して配設できる。
軸支部材340は、背面ケース300側(矢印F方向側)が開放する箱状に形成される本体部341と、その本体部341の背面側(矢印B方向側)から断面略U字状に膨出する支持部342と、を主に備えて形成される。
本体部341は、上方側(矢印U方向側)の側面から上方に向かって突出する挿入部344と、箱状に形成される本体部341の底面側(矢印D方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される締結孔343とを主に備える。
挿入部344は、上述したように突部334の屈曲側の先端部と介設部材330の底面との対向間に挿入される板部材である。これにより、軸支部材340の上方側が背面ケース300の背面側に傾倒することを抑制できる。
締結孔343は、挿入部344と反対側の端部に偏る下方側(矢印D方向側)に配置される。また、上述したように、締結孔343は、介設部材330の挿通孔333(図39(b)参照)を挿通するネジを締結する孔である。従って、軸支部材340は、上方側(矢印U方向側)の挿入部344が介設部材330の突部334に挿入されると共に、下方側が介設部材330と締結固定される。よって、軸支部材340は、下方側のネジの締結のみで介設部材330に固定されるので、締結部分を少なくすることができ、製造工程の簡易化をすることができる。
支持部342は、上述した基板ボックス100(主制御装置110)の軸受部117とかしめ締結される部分であり、内部にかしめ金具を配設可能な中空状に形成される。なお、基板ボックス100は、かしめ金具による締結により、軸支部材340に対して回転可能な状態で保持される。
次いで、図40(a)から図41(b)を参照して、係合部材310と固定部材320との係合について説明する。図40(a)は、係合部材310及び固定部材320の係合前の状態における背面ケース300の正面図であり、図40(b)は、係合部材310及び固定部材320の係合前の状態における背面ケース300の背面図である。図41(a)は、係合部材310及び固定部材320の係合後の状態における背面ケース300の正面図であり、図41(b)は、係合部材310及び固定部材320の係合後の状態における背面ケース300の背面図である。なお、図40(b)及び図41(b)では、背面ケース300と重なる係合部材310の外形の一部が鎖線で図示される。
図40(a)及び図40(b)に示すように、係合部材310及び固定部材320の係合前に、介設部材330及び軸支部材340が介設部材330側(正面側(矢印F方向側))から挿入されるネジにより締結されて組み合わされる。これにより、介設部材330及び軸支部材340が背面ケース300の背面側から不正に分解される(締結されたネジが取り外される)ことを抑制できる。その結果、軸支部材340にかしめ固定される基板ボックス100が不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
締結された状態の介設部材330及び軸支部材340(固定部材320)は、上述したように介設部材330の係止部331の内側に第1開口部301cに形成される突壁301c1が挿入される。この場合、締結された状態の介設部材330及び軸支部材340(固定部材320)は、突壁301c1の屈曲側(矢印R方向側)から第1開口部301cに配設される。
背面ケース300に固定部材320が配置されると、被係合部332により囲われる空間が、係合部材310の一側(係合部316側)端部と対向する位置に配置される。これにより、係合部材310をスライド変位させることで、係合部材310の一側(矢印R方向側)端部を被係合部332に囲われる空間に挿入できる。
ここで、係合部材310の2箇所の係合部316の上下方向(矢印U−D方向)における外側寸法は、上述した固定部材320の被係合部332により囲われる空間の上下方向における開口寸法よりも大きく設定される。そのために、被係合部332により囲われる空間に係合部材310を配設できないという問題点がある。
これに対して、係合部材310は、上述したように第1片311の一側(矢印R方向側)に凹設される凹部317により、第1片311を弾性変形しやすくできると共に、係合部316の三角形状により、係合部材310がスライド変位されて被係合部332の内縁と当接した際の力を係合部材310の凹部317側に作用させることができる。その結果、二股に形成される第1片311を弾性変形させて被係合部332に囲われる空間に挿入できる。
図41(a)及び図41(b)に示すように、係合部材310及び固定部材320は、係合部材310がスライド変位されて、係合部材310の第1片311が、介設部材330の被係合部332により囲われる空間に挿通されると、弾性変形された第1片311が変形前の形状に戻される。上述したように、係合部316は、他側の側面が第1片311の延設方向と略直交する方向に延設される。従って、係合部材310を反対方向にスライド変位させる力のみでは、第1片311を凹部317側に弾性変形させる力が作用されない。即ち、係合部316の傾斜面および凹部317により第1片311を被係合部332により囲われる空間に挿入しやすくできると共に、係合部316の他側(矢印L方向側)の側面により被係合部332により囲われる空間に挿入された第1片311を抜けにくくすることができる。その結果、遊技者の不正行為により、背面ケース300の背面側から固定部材320が取り外されることを抑制でき、固定部材320にかしめ締結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
また、背面ケース300は、ベース板60及び背面ケース300の間に配設され、ベース板60の背面側(矢印B方向側)であって、ベース板60および背面ケース300(底壁部301)の対向間の外側から操作可能な係合部材310を備え、固定部材320は、背面ケース300の正面側(矢印F方向側)に突出する被係合部332を備え、その被係合部332と係合部材310とが係合して、背面ケース300に配設されるので、ベース板60及び背面ケース300の間に役物装置(本実例では、回転ユニット700)を配設した状態で、ベース板60及び背面ケース300の間の外側から係合部材310を操作して、係合部材310と固定部材320とを係合させることができる。
従って、係合部材310をベース板60及び背面ケース300の対向間に配設される役物装置に邪魔されることなく、固定部材320を背面ケース300に配設することができる。その結果、固定部材320を背面ケース300に簡易に配設することができる。
また、背面ケース300の正面側(矢印F方向側)に配設される被係合部332に係合部材310を係合させるので、背面ケース300と固定部材320との係合部分をベース板60及び背面ケース300の対向間に配置することができる。これにより、ベース板60の背面側(矢印B方向側)から係合部材310と固定部材320との係合部分へのアクセスが困難とされる。その結果、ベース板60の背面側から係合部材310と固定部材320との係合が解除されて、固定部材320に不正がされる(例えば、不正な固定部材に交換される)ことを抑制できる。
また、背面ケース300は、固定部材320が配設される部分に開口される第1開口部301cと、係合部材310が配設される部分に開口される第2開口部301dとを備え、係合部材310は、背面ケース300の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に第2開口部301dを介して(挿通して)背面ケース300の背面側(矢印B方向側)から操作可能とされ、固定部材320は、第1開口部301cを通過した被係合部332が背面ケース300の正面側に配置されるので、係合部材310と固定部材320の被係合部332との係合部分に背面ケース300の背面側からアクセスし難くできる。その結果、背面ケース300に配設される役物装置の大きさに関係なく、固定部材320を背面ケース300に固定することができると共に、遊技盤13の背面側から操作されて不正な基板ボックスに交換されることを防止することができる。
さらに、係合部材310は、第2開口部301dを挿通して背面ケース300の背面側(矢印B方向側)に突出する操作子315を備えるので、背面ケース300の正面側(矢印F方向側)に係合部材310を配設した状態で係合部材310を操作しやすくできる。その結果、係合部材310と固定部材320の被係合部332との係合操作をさせやすくできる。
また、係合部材310は、背面ケース300(底壁部301)の正面側と平行な平面上をスライド変位可能とされるので、係合部材310が、背面ケース300に対して前後方向(矢印F−B方向)に変位されない分、係合部材310の正面側(矢印F方向側)を背面ケース300に配設される役物装置の配設スペースとして利用しやすくできる。その結果、背面ケース300(底壁部301)の正面側の領域を役物装置の配設スペースとして利用しやすくできる。
次いで、図41に示す状態から、背面ケース300から固定部材320を取り外す場合の操作について説明する。
図41に示すように、第1開口部301cは、正面視略L字状に開口されており、固定部材320の被係合部332と係合状態における係合部材310の凹部317が、第1開口部301cを介して背面ケース300の背面側(矢印B方向側)から操作可能とされる。
よって、係合部材310の凹部317の外側部分を、専用の工具等で凹部317の凹設側に弾性変形させることで、係合部材310の係合部316と被係合部332との係合が解除される。この係合を解除した状態で、係合部材310を被係合部332により係合される内部空間から引き出す方向(矢印L方向)に変位させた後、係合部材310の変形を戻すことで、係合部材310と被係合部332との係合を解除することができる。
なお、係合部材310の凹部317の外側部分と第1開口部301cとの隙間は、なるべく小さく形成されることが好ましい。これによれば、背面ケース300から固定部材320を取り外す人の指を挿入不可能にできると共に、専用の工具の挿入は可能とされる。その結果、専用の工具を有する作業者のみに基板ボックス100(主制御装置110)を交換可能とさせることができ、不正な基板ボックス100に交換されることを抑制できる。
次いで、図42(a)及び図42(b)を参照して、軸支部材340にかしめ締結される基板ボックス100(主制御装置110)について説明する。図42(a)は、背面ケース300及び基板ボックス100(主制御装置110)の斜視背面図であり、図42(b)は、背面ケース300及び基板ボックス100(主制御装置110)の背面図である。なお、図42(b)では、基板ボックス100と重なる係合部材310の外形が鎖線で図示される。
図42(a)及び図42(b)に示すように、基板ボックス100は、一端側(矢印R方向側)の端部から突出する軸受部117を備える。軸受部117は、上下方向(矢印U−D方向)に所定の間隔を隔てて一対配設される。一対の軸受部117は、上述したように軸支部材340の支持部342とかしめ締結される部分であり、支持部342の上下方向(矢印U−D方向)の寸法と対向間の間隔が略同一に設定される。これにより、基板ボックス100は、一対の軸受部117の対向間に支持部342を配設すると共に、軸受部117の上方からかしめピンを挿入してかしめ固定することで、軸支部材340に締結される。
以上のように構成される基板ボックス100によれば、基板ボックス100は、軸支部材340に対して回転可能に保持されると共に、係合部材310の背面側に配設されるので、上述したように、操作子315を操作して係合部材310を固定部材320に係合させる場合には、基板ボックス100を回転させることで、操作子315を操作させやすくできる。また、係合部材310を固定部材320に係合させた後には、基板ボックス100を係合部材310の背面側に配置することで、操作子315を背面ケース300の背面側から操作しにくくできる。その結果、パチンコ機10が組み立てられた後に、操作子315が操作されて、不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
なお、基板ボックス100の他端側(矢印L方向側)は、背面ケース300の底壁部301に向かって、基板ボックス100の背面側(矢印B方向側)から挿入されて背面ケース300に締結されるネジにより固定される。これにより、基板ボックス100は、背面ケース300の背面側に回転(動作)不能な状態で配設される。
次いで、図43から図69を参照して、下変位ユニット400の詳細な構成を説明する。まず、図43から図46を参照して、下変位部材440を変位させる構造について説明する。
図43は、下変位ユニット400の正面図であり、図44は、下変位ユニット400の背面図である。図45は、下変位ユニット400の分解斜視正面図であり、図46は、下変位ユニット400の分解斜視背面図である。なお、図43から図14では、下変位部材440が退避位置(ベース部材410に対して一番下方に配置された位置)に配置された状態が図示される。
図43から図46に示すように、下変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に配設されるベース部材410と、そのベース部材410に配設される伝達部材420と、ベース部材410に連結されると共に伝達部材420の変位に伴って変位されるリンク部材430と、一端がベース部材410に摺動可能に連結されると共に他端がリンク部材430に連結されてリンク部材430から駆動力を伝達されることで変位する下変位部材440とを主に備えて形成される。
ベース部材410は、正面視矩形横長の板部材を前後方向に2枚組み合わせて形成され、正面側に配置される正面ベース411と、背面側に配置される背面ベース412とを備える。正面ベース411と背面ベース412との対向間には、伝達部材420及びリンク部材430とが配置される。
正面ベース411は、前後方向(図43紙面奥行方向)に貫通した2つの摺動溝411a,411bと、背面側に突出する円柱状の2本の軸支ピン411c,411dと、軸支ピン411dを軸とした円弧状に突出する湾曲壁部411eとを主に備えて形成される。
摺動溝411a,411bは、下変位部材440の背面側から突出する2本の突起472,473がそれぞれ挿通される孔である。摺動溝411a,411bは、それぞれ左右方向に長く伸びて形成される。よって、摺動溝411a,411bに挿通された突起472,473を摺動溝411a,411bに沿って変位させることで、下変位部材440を左右方向に摺動させることができる。
また、摺動溝411a,411bは、それぞれ円弧状に湾曲して形成されており、正面ベース411の左側(図43左側)端部から右側(図43右側)端部にかけて上方(図43上方向)に開口される。さらに、摺動溝411a,411bは、それぞれの円弧の軸が異なる位置に配置され、上下方向(図43上下方向)における対向間の隙間が左端部から右端部にかけて狭くされる。
後述する下変位部材440のベース部材470の突起472,473は、その間の距離が変わらないので、下変位部材440を摺動溝に沿って摺動させた場合には、下変位部材440を回転させつつ変位させることができる。即ち、2つの摺動溝411a,411bの間の距離を変更することで、下変位部材440に回転の駆動力を与えることなく下変位部材440を摺動に伴って回転させることができる。なお、下変位部材440の詳しい変位の態様は後述する。
軸支ピン411cは、後述する伝達部材420のカム部材422の軸部422aに挿入される突起であり、軸部422aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411cは、金属製の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、カム部材422にその外周面から軸方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411cが折れる(破損する)ことを抑制できる。
軸支ピン411dは、後述する第1リンク部材431の一端に形成される貫通孔431aに挿入される突起であり、貫通孔431aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411dは、金属性の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、第1リンク部材431に貫通孔431aの方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411dが折れる(破損する)ことを抑制できる。
湾曲壁部411eは、正面ベース411の背面側から突出すると共に、軸支ピン411dの軸を中心に湾曲して形成される。湾曲壁部411eの突出距離は、後述する第1リンク部材431の板状突起431bの突出先端面に当接する距離に設定される。よって、第1リンク部材431が前方側に位置ずれすることが抑制される。また、湾曲壁部411eは、軸支ピン411dの軸を中心に湾曲して形成されるので、第1リンク部材431が軸支ピン411dの軸周りに回転された場合でも、第1リンク部材431の板状突起431bを湾曲壁部411eの突出先端面と当接させることができる。
回収口411fは、後述する下変位部材440の球受部467の移動により、出射開口471から出された球を、回収口411fに流入させて回収するための開口である。回収口411fの下流側は、球の回収経路に連結される。回収口411fは、正面ベース411の右側端部に突出して形成される孔であり、その開口面が、退避状態における下変位部材440と対向した面および第1張出状態における下変位部材440の出射開口471の重力方向下側に位置する面とされる。
また、退避状態における下変位部材440の出射開口471は、回収口411fの上方に配置される。よって、出射開口471から出射された球を回収口411fに受け入れて速やかに回収することができる。
背面ベース412は、正面側(図44紙面手前側)から背面側に向かって凹設される溝部412a,412bと、溝部412bの近傍に正面側に向かって突出形成される係止部412cとを主に備えて形成される。
溝部412aは、上述した正面ベース411の軸支ピン411cの先端側を挿入する孔であり、軸支ピン411cの外径よりも大きい内径の円形に形成されると共に、軸支ピン411cと対向する位置に凹設される。よって、カム部材422は、軸部422aに軸支ピン411cを挿通した後に、正面ベース411と背面ベース412とが組み合されることで、ベース部材410から脱落不能に保持される。また、背面ベース412が、軸支ピン411cの先端部を保持することができるので、カム部材422にその外周面から軸方向に力が作用した際に、軸支ピン411cが正面ベース411との連結部から曲がって折れることを抑制できる。
溝部412bは、上述した正面ベース411の軸支ピン411dの先端側を挿入する孔であり、軸支ピン411dの外径よりも大きい内径の円形に形成されると共に、軸支ピン411dと対向する位置に凹設される。よって、第1リンク部材431は、貫通孔431aに軸支ピン411dを挿通した後に、正面ベース411と背面ベース412とが組み合わされることで、ベース部材410から脱落不能に保持される。また、背面ベース412が、軸支ピン411dの先端部を保持することができるので、第1リンク部材431に貫通孔431aの方向に力が作用した際に、軸支ピン411dが正面ベース411との連結部から曲がって折れることを抑制できる。
係止部412cは、後述する付勢ばねSP1の一端側を係止する板であり、付勢ばねSP1の外側に形成される。これにより、付勢ばねSP1の一端側を係止することができる。なお、付勢ばねSP1の詳しい説明は後述する。
伝達部材420は、正面ベース411の正面側に取着される駆動モータKM1の軸に連結される伝達ギヤ421と、その伝達ギヤ421と歯合され伝達ギヤ421の駆動に伴って回転されるカム部材422とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ421は、外周面全域に歯合面を有するギヤであり、駆動モータKM1の軸部に外嵌される。よって、駆動モータKM1に電力が付与されて軸部が回転されると、伝達ギヤ421も同様に回転される。
カム部材422は、正面視における外形が大きさの異なる2つの半円の一端同士を組み合わせた形状に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状体から形成される。カム部材422の外形の小さい半円部には、外周面に伝達ギヤ421と歯合する歯面422bが刻設されると共に、半円の中心に軸部422aが貫通形成される。カム部材422の外形の大きい半円部には、後述するリンク部材430と対向する背面側に凹設される摺動溝422cが形成される。
軸部422aは、上述したように軸支ピン411cを挿通する孔であり、軸支ピン411cに軸部422aが回転可能に軸支されることで、カム部材422が軸支ピン411cの軸を中心に回転可能に保持される。
カム部材422は、歯面422bが伝達ギヤ421と歯合した状態でベース部材410に配設されるので、伝達ギヤ421が回転されると、カム部材422が軸部422aの軸を中心に回転できる。
摺動溝422cは、カム部材422の半径の大きい半円部の外周部に沿って凹設される。従って、一端側から他端側に向かうにつれて軸部422aとの距離が大きくされる。また、摺動溝422cは、下変位部材440が後述する退避状態に位置する際に第1リンク部材431の摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c1と、下変位部材440が後述する第2張出状態に位置する際に摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c3と、下変位部材440が退避状態と第2張出状態との中間状態の第1張出状態に位置する際に摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c2とを備える。
リンク部材430は、第1リンク部材431と第2リンク部材432との2つのリンク部材から形成される。また、リンク部材430は、第1リンク部材431と第2リンク部材432とのそれぞれの端部が回転可能に連結して形成される。
第1リンク部材431は、正面視略くの字形状に屈曲して形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状に形成される。第1リンク部材431は、カム部材422の変位に伴って変位するリンクであり、一端側に前後方向に貫通する貫通孔431aと、他端側に背面側に突出する円柱状の連結突起431cと、上述した湾曲壁部411eと対向する位置に突出する板状突起431bと、屈曲部分の正面側に突出する円柱状の摺動突起431dとを主に備えて形成される。
貫通孔431aは、上述したように軸支ピン411dが挿入される貫通孔である。第1リンク部材431は、貫通孔431aに軸支ピン411dが挿入された状態で正面ベース411と背面ベース412とが組み合わされることで、ベース部材410に対して回転可能に保持される。
板状突起431bは、第1リンク部材431が前後方向に位置ずれすることを抑制して、第1リンク部材431が前方に配置されるカム部材422と衝突することを抑制する突起であり、貫通孔431aを軸とした湾曲状に突出する板状体に形成されると共に、その突出長さが、カム部材422の前後方向の厚みよりも大きく設定される。これによりカム部材422の背面と第1リンク部材431の正面とが衝突することを抑制できる。
また、板状突起9431bの突設寸法は、カム部材422の厚み(矢印F−B方向寸法)寸法よりも大きく設定される。さらに、板状突起431bの突設先端面と対向するベース部材410(湾曲壁部411e)とは、若干の隙間(距離X14(図55(a)参照))を隔てて配置される。
カム部材422は、板状突起431bを除く第1リンク部材9431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間における領域を変位可能な状態で配置される。また、カム部材422及び第1リンク部材431との対向間の隙間と、カム部材422及びベース部材410の対向間の隙間と、を合わせた2箇所の隙間の寸法は、上述した距離X14よりも大きく設定される。
これにより、上述した距離X14が小さくなる方向(矢印F方向)に第1リンク部材9431が、撓んだ際に板状突起431bの突設先端面を対向するベース部材410(湾曲壁部411e)に当接させることができる。よって、板状突起9431bを除く第1リンク部材9431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間にカム部材422が挟まれて変位が規制されることを抑制できる。
連結突起431cは、後述する第2リンク部材432と連結される軸部であり、第2リンク部材432の貫通孔432aに挿入されると共に、背面側から頭部の外径が貫通孔432aよりも大きいネジ等が締結される。これにより、第1リンク部材431と第2リンク部材432とが回転可能に連結される。
貫通孔431aの縁部には、背面側に突出する壁部431fが形成される。壁部431fは、後述する付勢ばねSP1をその外周面にはめ込んで保持するための壁面である。
リンク側係合部431eは、壁部431fにはめ込んだ付勢ばねSP1の他端側を係止する突起であり、第1リンク部材431の一端側の背面側に鉤状に突出して形成される。よって、付勢ばねSP1は、一端側が背面ベース412の係止部412cに係合された状態とされ、他端側が第1リンク部材431のリンク側係合部431eに係合された状態とされる。従って、付勢ばねSP1の付勢力を、第1リンク部材431の他端側をベース部材410に対して上方に回転させる方向に作用させることができる。その結果、下変位部材440を回転変位させる際に、付勢ばねSP1の付勢力が作用するので、駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
摺動突起431dは、貫通孔431aからカム部材422の軸部422aとの離間距離と略同一距離貫通孔431aから離間した位置に形成される。また、摺動突起431dは、その先端部分が摺動溝422cの内側に挿入される。即ち、摺動突起431dは、その外径の大きさが、摺動溝422cの対向間における幅寸法よりも小さく形成される。
摺動突起431dは、摺動溝422cの内側に配置されることで、カム部材422の回転変位に伴って、摺動溝422cの内側を摺動して変位される。即ち、カム部材422が変位されることで、第1リンク部材431が、貫通孔431aの軸を中心に回転変位される。なお、第1リンク部材431の変位についての詳しい説明は後述する。
また、摺動突起431dと板状突起431bとは、近接する位置に形成されるので、板状突起431bにより第1リンク部材431の前方への変位が抑制される。よって、摺動突起431dがカム部材422を前方に押し出すことを抑制できる。その結果、カム部材422に凹設される摺動溝422cの凹設深さを深くする必要がなくなり、カム部材422の前後方向の厚さを厚くすることなくその剛性を確保できる。
第2リンク部材432は、一方が長い正面視矩形に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを備えた板状に形成される。第2リンク部材432は、一端側に前後方向に貫通形成される貫通孔432aと、他端側に前後方向に貫通形成される貫通孔432bとを主に備えて形成される。
貫通孔432aは、上述したように第1リンク部材431と連結されるための孔であり、内部に連結突起431cが挿入される。これにより、第2リンク部材432は、第1リンク部材431に対して回転可能に連結される。
貫通孔432bは、後述する下変位部材440と連結されリンク部材430の変位を下変位部材440に伝達できる。貫通孔432bは、後述する背面ケース482の突起482aが挿入される孔であり、その内径が突起482aの外径よりも大きく形成される。よって、貫通孔432bに突起482aを挿入すると共に、突起482aの先端部に貫通孔432bの内径よりも大きい頭部を有するネジ等を締結することで、下変位部材440が、第2リンク部材432に対して回転可能に保持される。よって、下変位部材440の駆動は、カム部材422が回転変位された際に、その変位がリンク部材430を介して伝達される。
次いで、図47から図52を参照して、下変位部材440の変位動作について説明する。図47は、退避状態における下変位ユニット400の正面図であり、図48は、第1張出状態における下変位ユニット400の正面図であり、図49は、第2張出状態における下変位ユニット400の正面図である。図50は、退避状態における下変位ユニット400の背面図であり、図51は、第1張出状態における下変位ユニット400の背面図であり、図52は、第2張出状態における下変位ユニット400の背面図である。なお、図50から図52では、背面ベース412が透明視された状態が図示される。また、図50から図52では、第1リンク部材431の板状突起431b及び湾曲壁部411eの一部が鎖線で図示される。
また、退避状態とは、摺動溝422cの内側に配置される摺動突起431dが、段部442c1の対向間に配置され、下変位部材440が下側に配置された状態である。第2張出状態とは、摺動突起431dが段部442c3の対向間に配置され、下変位部材440の先端側が一番上方に配置された状態である。第1張出状態とは、摺動突起431dが段部442c2の対向間に配置され、下変位部材440が、退避状態と第2張出状態との中間状態に配置された状態である。
図47及び図50に示すように、退避状態における下変位ユニット400は、第1位置のカム部材422が、伝達ギヤ421に回転されて摺動溝422cの他端側(段部422c3側)を軸部422aの背面視右側(図50右側)へ位置させた状態とされる。この場合、第1リンク部材431の摺動突起431dは、摺動溝422cの内壁に沿って案内されて、段部422c1に位置した状態とされる。よって、第1リンク部材431は、他端側(連結突起431c側)が、一端側の貫通孔431aの背面視右側(図50右側)に位置した状態(貫通孔431aを軸に回転して他端側を回転可能な範囲の下端に位置させた状態(第1従動位置))とされる。
第2リンク部材432は、第1リンク部材431に連結されるので、第1リンク部材431に連結される一端側(貫通孔432a側)が、背面視右側(図50右側)へ位置される。これにより、第2リンク部材432に連結される下変位部材440は、正面ベース411と連結される突起472,473が、摺動溝411a,411bの背面視右側(図50右側)に位置された状態とされる。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側の方が左側よりも大きくされるので、下変位部材440は、長手方向を左右方向と略平行にした状態で配置される。即ち、正面ベース411の前方に配置された状態とされる。
図47及び図50に示す退避状態から図46及び図51に示す第1張出状態への変位は、カム部材422が変位されることで行われる。
第1張出状態では、駆動モータKM1の駆動力により伝達ギヤ421が回転され、カム部材422が、退避状態の位置から略90度回転されて第3位置に変位される。これにより、カム部材422の他端側(段部422c3側)を軸部422aの上方に位置した状態とされる。この回転変位により、摺動溝422cの内壁に案内される第1リンク部材431の摺動突起431dが摺動溝422cの変位に伴って変位されて、第3従動位置に配置される。なお、第1張出状態では、摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に案内される。
よって、第1リンク部材431は、摺動突起431dの変位により貫通孔431aを中心に略30度回転され、他端側(連結突起431c側)が退避状態の位置から、背面視左上(図51左上)に変位される。
第1リンク部材431の回転変位により、第1リンク部材431に連結される第2リンク部材432が変位され、第2リンク部材432に連結される下変位部材440が変位される。この場合、下変位部材440は、突起472,473が、正面ベース411の摺動溝411a,411bに摺動可能に連結されるので、摺動溝411a,411bの形状に沿って変位される。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側から左側に行くに従って狭くされるので、下変位部材440は、正面視右側(図48右側)にスライド変位されつつ、先端側が上方に回転変位される。
また、第1張出状態では、先端側の重力方向下側に回収口411fが位置された状態とされる。即ち、下変位部材440を退避状態から第1張出状態への遷移の際に、スライド変位させつつ回転変位させることで、下変位部材440の先端側をベース部材410の正面視右側に張り出させることなく変位させることができる。その結果、他の変位役物の可変領域と異なる変位領域を形成しやすくできる。他の変位役物と衝突することを抑制できる。
また、回収口411fが下変位部材440の一端側(正面ベース411に連結される突起472、473側と反対側)の下方に位置されるので、後述する下変位部材440の球受部467が発射動作して、球が出射開口471からそのまま下方に落下した場合に、球を回収口411fに送球させることができる。
図48及び図51に示す第1張出状態から図49及び図52に示す第2張出状態への変位は、第1張出状態から更にカム部材422が変位されることで行われる。
第2張出状態では、第1張出状態から、駆動モータKM1の駆動力により伝達ギヤ421が回転され、カム部材422が、第1張出状態の位置(第3位置)から略90度回転された第2位置に配置される。よって、カム部材422の他端側(段部422c3側が軸部422aの上方に位置した状態とされる。また、この回転変位により摺動溝422cの内壁に案内される第1リンク部材431の摺動突起431dが摺動溝422cの変位に伴って変位されて、第2従動位置に配置される。なお、第2張出状態では、摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c1の内壁の対向間に案内される。
よって、第1リンク部材431は、摺動突起431dの変位により貫通孔431aを中心に略30度回転され、他端側(連結突起431c側)が第1張出状態の位置から、背面視略左上(図52左上)に変位される。
第1リンク部材431の回転変位により、第1リンク部材431に連結される第2リンク部材432が変位され、第2リンク部材432に連結される下変位部材440が変位される。この場合、下変位部材440は、突起472,473が、正面ベース411の摺動溝411a,411bに摺動可能に連結されるので、摺動溝411a,411bの形状に沿って変位される。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側から左側に行くに従って狭くされるので、下変位部材440は、正面視右側(図49右側)にスライド変位されつつ、先端側が上方に回転変位される。
また、第1張出状態と同様に、第2張出状態では、先端側の重力方向下側に回収口411fが位置された状態とされる。即ち、下変位部材440を退避状態から第2張出状態への遷移の際に、スライド変位させつつ回転変位させることで、下変位部材440の先端側をベース部材410の正面視右側に張り出させることなく変位させることができる。その結果、他の変位役物の可変領域と異なる変位領域を形成しやすくでき、他の変位役物と衝突することを抑制できる。
次いで、図53を参照して、各状態における第1リンク部材431とカム部材422との位置関係を説明する。図53(a)は退避状態における、図53(b)は第1張出状態における、図53(c)は第2張出状態における、第1リンク部材431とカム部材422との背面図である。なお、図53(a)から図53(c)では、カム部材422の第1リンク部材431と重なる部分が鎖線で図示される。
図53(a)に示すように、退避状態では、第1リンク部材431の摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c1の内壁の対向間に配置される。また、上述したように、摺動突起431dは、貫通孔431aからカム部材422の軸部422aとの離間距離と略同一距離、貫通孔431aから離間した位置に形成される。よって、退避状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431aの軸を中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることできる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、退避状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されること抑制できる。
図53(b)に示すように、第1張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431d、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置される。よって、退避状態と同様に、第1張出状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431aを中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることができる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、第1張出状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されることを抑制できる。
ここで、第1張出位置では、下変位部材440の変位の中間位置となるために停止した状態を維持させるためには、駆動モータKM1を停止状態で維持させる必要がある。そのため、第1張出位置(変位の中間位置)で下変位部材440を停止させていると消費エネルギーが嵩むという問題があった。
これに対し、本実施形態では、第1張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置されるので、上述したように、下変位部材440が変位されることを抑制できる。よって、下変位部材440を変位の途中の位置で停止させた際に、駆動モータKM1の電力を停止させたとしても、下変位部材440が変位することを抑制できる。その結果、下変位部材440を変位途中で停止した際に駆動モータKM1の消費エネルギーが嵩むことを抑制できる。
図53(c)に示すように、第2張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431d、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置される。よって、退避状態および第1張出状態と同様に、第2張出状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431aの軸を中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることができる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、第2張出状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されることを抑制できる。
また、各段部422c1,422c2,422c3は、摺動突起431dと貫通孔431aとを結ぶ方向に延設されるので、第1リンク部材431の摺動突起431dが変位する方向の摺動溝422cの幅寸法を小さくできる。よって、退避位置、第1張出位置および第2張出位置での、第1リンク部材431が貫通孔431aの軸を中心に回転変位できる摺動溝422cと摺動突起431dとの隙間を小さくできる。従って、各状態における第1リンク部材431が、貫通孔431aの軸を中心に回転変位可能な隙間を小さくできる。その結果、各状態における下変位部材440が振動や変位停止時の慣性力で揺れ動く幅を小さくでき、遊技者に停止した状態を視認させやすくできる。
よって、下変位部材440を駆動する伝達部材420及びリンク部材430(駆動機構)は、球受部467から遊技球が出射される際の反作用の方向に下変位部材440が変位されることを規制することができるので、反作用に伴って下変位部材440がベース部材410に対して変位されることを抑制できる。その結果、下変位部材440のがたつきを抑制できる。
次いで、図54を参照して、リンク部材430及びカム部材422との前後方向の関係を説明する。図54(a)は、図50のLIVa−LIVa線における下変位ユニット400の断面模式図であり、図54(b)は、図51のLIVb−LIVb線における下変位ユニット400の断面模式図である。なお、図51及び図52では、背面ベース412を透明視して図示したが、図54(a)及び(b)では、透明視していない状態の下変位ユニット400の断面図が図示される。
図54(a)に示すように、退避状態における下変位ユニット400のリンク部材430は、背面ベース412とカム部材422との間に配置される。よって、下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。即ち、第1リンク部材431の他端側は、第2リンク部材432を介して複数の備品を組み合わせて構成される下変位部材440に連結されるので、下変位部材440の荷重により前後方向に撓む恐れがあるところ、カム部材422が前方に配置されるので、第1リンク部材431が前方に撓むことを抑制できる。その結果、第1リンク部材431が前方に動くことを抑制できるので、下変位部材440が前後方向へ揺れ動くことを抑制できる。
図54(b)に示すように、第1張出状態における下変位ユニット400のリンク部材430は、退避状態の場合と同様に、背面ベース412とカム部材422との間に配置される。よって、下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。
また、退避状態および第1張出状態では、カム部材422がリンク部材430の第1リンク部材431と第2リンク部材432との連結部分の前方側に配置される。よって、リンク部材430は、2の部材から形成されるとその連結部分を回転可能にする必要があるためその隙間の分、他の部分より剛性が弱くなり屈曲しやすくなるところ、前方側にカム部材422が配置されるので、リンク部材430の連結部分が屈曲することを抑制できる。その結果、下変位部材440が前後方向にゆれ動くことを抑制できる。
<従動部材の変位を規制する規制手段により変位部材の変位を規制する>
次いで、図55及び図56を参照して、カム部材422と湾曲壁部411eとの関係について説明する。図55(a)は、図50のLVa−LVa線における下変位ユニット400の断面図であり、図55(b)は、図51のLVb−LVb線における下変位ユニット400の断面図であり、図55(c)は、図52のLVc−LVc線における下変位ユニット400の断面図である。
図55(a)に示すように、下変位ユニット400が退避状態(第1位置)とされる場合には、カム部材422と湾曲壁部411eとが、前後方向(矢印F−B方向)において異なる位置に配置される。従って、下変位ユニット400を退避状態(第1位置)から第1張出状態(第3位置)へ変位させる際に、カム部材422に作用する抵抗が大きくなることを抑制できる。その結果、下変位部材440の変位開始を安定させることができる。
図55(b)及び図55(c)に示すように、下変位ユニット400が第1張出状態(第3位置)とされる場合には、カム部材422の一部が、湾曲壁部411eの正面側(矢印F方向側)に所定の隙間を隔てる位置に配置される。これにより、カム部材422が正面方向に変位する場合に、カム部材422の軸方向の側面を湾曲壁部411eに当接させて、カム部材422が正面側に変位することを抑制できる。
なお、カム部材422の正面ベース411側(矢印F方向側)の面は、正面ベース411の背面と平行な平坦面に形成される(図45参照)。これにより、カム部材422が湾曲壁部411e側に変位した場合に、カム部材422の平坦面を湾曲壁部411eに当接させることができる。よって、カム部材422が湾曲壁部411eに部分的に当接することを抑制して、一部に力が集中することを抑制できる。その結果、カム部材422が破損することを抑制できる。
ここで、上述したように、下変位部材440は、退避状態(第1位置)から第1張出状態(第3位置)に変位される場合に先端側(正面ベース411に連結される突起473と長手方向反対側)が上方(矢印U方向)に回転変位される。よって、下変位部材440の長手方向の方向成分が重力方向に近づく分、下変位部材440が前後方向に傾倒する力成分が大きくされる。従って、第1張出状態(第3位置)とされる場合には、退避状態(第1位置)とされる場合よりも、下変位部材440を支えるリンク部材430に作用する前後方向の力が大きくされる。その結果、リンク部材430に連結されるカム部材422が、前後方向に変位されやすくなる。
これに対し、本実施形態では、下変位ユニット400が退避状態(第1位置)から第1張出状態(第3位置)を超えて変位される場合に、カム部材422の一部が湾曲壁部411eの正面側に配設されるので、正面側へのカム部材422の変位を規制することができる。その結果、第1張出状態(第3位置)から第2張出状態(第2位置)の間で下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制でき、下変位部材440の変位を遊技者に視認させやすくできる。
なお、リンク部材430の背面側への変位は、上述したようにリンク部材430を背面ベース412及びカム部材422との間に配設することで規制できる。即ち、リンク部材430が背面側に揺れ動く場合には、リンク部材430を背面ベース412に当接させて、リンク部材430の変位を規制することができる。その結果、下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。
また、正面ベース411は、リンク部材430の従動方向以外の方向の揺動を規制する規制手段(湾曲壁部411e)を備え、カム部材422は、第1位置と第2位置との間で変位され、第1位置から第1位置および第2位置の中間位置の第3位置を変位する第1変位領域と、第3位置から第2位置を変位する第2変位領域とを変位可能とされ、リンク部材430は、カム部材422が第1位置から第2位置に変位されることで、第1従動位置から第2従動位置に従動され、第1従動位置から第1従動位置および第2従動位置との中間位置の第3従動位置を変位する第1従動領域と、第3従動位置から第2従動位置を変位する第2従動領域とを変位可能とされ、第2変位領域と第1従動領域との一部が同一の領域に設定され、カム部材422が第2変位領域を変位される際に、規制手段(湾曲壁部411e)によりカム部材422の変位方向以外の方向の揺動が規制されるので、規制手段(湾曲壁部411e)の同一の部分を利用してリンク部材430およびカム部材422の揺動を規制することができる。
従って、規制手段(湾曲壁部411e)を1箇所に形成すれば良いので、カム部材422とリンク部材430とのそれぞれに変位を規制する規制手段が形成される場合に比べて、規制手段の形状を簡易にでき、製造コストを抑えることができる。
また、リンク部材430およびカム部材422の揺動を規制手段(湾曲壁部411e)の同一の部分を利用して規制することができるので、1の規制手段(湾曲壁部411e)にリンク部材430とカム部材422と規制部分をそれぞれ形成する必要がないので、その分、規制手段(湾曲壁部411e)を小さくすることができる。
また、下変位ユニット400が、退避状態から第2張出状態に変位される場合には、正面ベース411に形成される摺動溝411a,411bに挿入される下変位部材440の突起472,473(突起472,473に配設されるカラーC(図14参照))がカム部材422の変位に伴って、カム部材422の他端側(段部422c3側)の正面側(矢印F方向側)に移動される(図50から図52参照)。これにより、カム部材422の他端側(段部422c3側)が、突起472,473(突起472,473に配設されるカラーC)により背面側に押し出されると、カム部材422が、軸部422aを中心に前後方向に回転変位されてリンク部材430と当接する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、上述したように、正面側へのカム部材422の変位を湾曲壁部411eに当接させて規制することができるので、カム部材422が軸部422aを中心に前後方向に回転変位することを抑制できる。その結果、リンク部材430とカム部材422とが当接することを抑制できる。
また、本実施形態では、カム部材422が、第1張出状態(第3位置)を超えて変位される場合に湾曲壁部411eにより変位が規制されるので、カム部材422が初期動作時に湾曲壁部411eと当接して摩擦抵抗が大きくなることを抑制できる。その結果、カム部材422の初期動作を安定させることができる。
次いで、図56を参照して、下変位ユニット400が第2変位状態とされる場合の、カム部材422と第1リンク部材431とについて説明する。図56(a)は、図52のLVIa−LVIa線における下変位ユニット400の断面図であり、図56(b)は、第2張出状態(第2位置)における下変位ユニット400の第1リンク部材431及びカム部材422の正面図である。なお、図56(b)では、ベース部材410の外形が鎖線で図示される。
図56に示すように、下変位ユニット400が、第2変位状態とされる場合には、カム部材422の端部が、第1リンク部材431の板状突起431bと当接する。これにより、下変位ユニット400を退避状態(第1位置)から第2変位状態に変位する方向へのカム部材422の回転変位を規制することができる。その結果、カム部材422の回転変位を停止する動作を、伝達ギヤ421及び歯面422bの歯合部分と、カム部材422及び第1リンク部材431の当接部分とに分散することができ、伝達ギヤ421及び歯面422bの歯面が破損することを抑制できる。
また、下変位ユニット400が第2変位状態とされる場合には、第1リンク部材431の板状突起431bとカム部材422との当接面が、カム部材422の軸部422aとその当接部分とを通る仮想線KS1と直交する方向に設定される。これにより、第1リンク部材431の軸周りに、第2変位状態から退避状態(第1位置)の方向に変位する力が作用する際に、その力が、カム部材422の軸部422aの軸周りに回転する方向に作用することを抑制できる。その結果、第1リンク部材431に作用する力でカム部材422が回転することを抑制できる。
ここで、上述したように、下変位部材440が先端側(正面ベース411に連結される突起473と長手方向反対側)が上方(矢印U方向)に回転変位される。従って、下変位部材440の長手方向の方向成分が重力方向に近づく分、下変位部材440を支える第1リンク部材431の貫通孔431aの軸周りに作用する回転方向の力が最大となるところ、第1リンク部材431からカム部材422への力の伝達が抑制されるので、下変位部材440を第2変位状態の位置で維持しやすくできる。
さらに、カム部材422が第2変位状態の位置に配置される際には、下変位部材440の荷重により第1リンク部材431の貫通孔431aの軸周りに回転する力が作用される。この場合、カム部材422の端部が板状突起431bに押し出されてカム部材422が軸部422aの軸周りに回転する方向の力PW1(図56(b)参照)と、カム部材422の摺動溝422cの内壁が摺動突起431dより押し出されてカム部材422が軸部422aの軸周りに回転する方向の力PW2(図56(b)参照)と、が打ち消し合う方向に作用する。その結果、カム部材422が第1リンク部材431から作用される力で回転することを抑制できる。
次いで、図57から図60を参照して、下変位部材440の構成について詳細な説明をする。図57(a)は、下変位部材440の正面図であり、図57(b)は、下変位部材440の背面図である。図58は、下変位部材440の分解斜視正面図であり、図59は、下変位部材440の分解斜視背面図である。図60(a)及び(b)は、下変位部材440の正面図である。
なお、図60(a)では、下変位部材440の装飾部材450が透明視された状態が図示され、図60(b)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図57から図60に示すように、下変位部材440は、正面ベース411に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材470との間に変位可能に配設される伝達機構460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面側に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、左右方向(図57左右方向)中央部の上端から正面側に上下反対のU字状に突出する突設壁477と、ベース部材470の上端に突設壁477の端部から一端側に刻設されるラックギヤ476と、正面側に突出する軸部474,475と、ベース部材470の一端側の背面に取着される長方形状の配線係止部478と、ベース部材470の上下方向中央部に一端側から他端側に延びて凹設される開口479とを主に備えて形成される。
突起472,473は、上述したように正面ベース411の摺動溝411a,411bに挿入されて、下変位部材440と正面ベース411とを連結する連結部分である。よって、摺動溝411a,411bの内壁の対向間の寸法よりも小さい外径の円柱状に形成される。
立設壁471aは、後述する正面ケース481が、ベース部材470に取着された際に、正面ケース481とベース部材470との対向間に隙間を形成するための壁部であり、球の直径よりも大きい立設寸法に設定される。
軸部474,475は、後述する伝達機構460の伝達ギヤ462,463の軸に挿入され伝達ギヤ462,463を回転可能に保持する突起であり、伝達ギヤ462,463の軸孔の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。
ラックギヤ476は、後述する伝達ギヤ465と歯合する歯面が刻設される。これにより、後述する可動ラック464が、ベース部材470に対してスライド変位することで、伝達ギヤ465を回転させることができる。
突設壁477は、後述する送球ユニット600から送球される球を、装飾部材450の開口451aを介してベース部材470の前方に受け入れた際に、球が下変位部材440の外側に落下することを抑制するための壁面であり、略U字に形成された対向する壁部の間は、球の直径よりも大きく形成される。
配線係止部478は、ベース部材470の背面側に配設される制御基板へのフレキシブル配線(図示せず)を係止するための部材であり、ベース部材470との間にフレキシブル配線の一端を介した状態でベース部材470の背面側に取着される。これにより、下変位部材440がベース部材410に対して変位可能に配設されるものであっても、フレキシブル配線が絡むことを抑制できる。
また、配線係止部478は、背面側に、円柱状に突出する突起478aを備える。突起478aの突出距離は、背面側に連結されるリンク部材430よりも背面側に突出する距離に設定されると共に、背面ベース412の正面と当接可能な距離に設定される。これにより、下変位部材440が後方側に揺れ動くことを抑制できると共に、リンク部材430が背面ベース412と衝突することを抑制できる。
開口469は、正面側に配設される可動ラック464のスライド変位方向を規定する開口であり、後述する可動ラック464の案内板464dが内部に挿入される。
伝達機構460は、ベース部材470の前方に配置される部材であり、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の前方にスライド変位可能に配設される可動ラック464と、その可動ラック464に回転可能に配置されると共に、ラックギヤ476に歯合した状態とされる伝達ギヤ465と、その伝達ギヤ465に歯合される歯面を有し可動ラック464の前方をスライド変位可能に配設されるラック466と、そのラック466の一端側に回転可能に配設される球受部467とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ461は、駆動モータKM2の軸部分が軸孔に内嵌されるギヤであり、駆動モータKM2に連結された状態で駆動モータKM2がベース部材470に取着されることで、ベース部材470に配設される。
伝達ギヤ462,463は、上述したように、軸孔にベース部材470の軸部474,475が挿入されてベース部材に回転可能に保持される。また、伝達ギヤ461から463はそれぞれ歯合されたギヤ列であり、伝達ギヤ461が駆動モータKM2により回転されることで、終端の伝達ギヤ463が回転される。
可動ラック464は、正面視矩形横長の板状に形成され、下端面に刻設されるラックギヤ464aと、正面側から円柱状に突出する軸部464bと、上端面の一端側から上方に突出する当接板464cと、上下方向略中央位置に一端から他端にかけて突出される案内板464dと、その案内板464dと反対の正面側に突出するラック案内部464eと、下方の他端に突出する衝突部464fとを主に備えて形成される。
ラックギヤ464aは、伝達ギヤ463と歯合する歯面である。よって、ベース部材470にラックギヤ464aと伝達ギヤ463を歯合した状態で配置することで、可動ラック464を駆動モータKM2の駆動で変位可能とできる。
軸部464bは、伝達ギヤ465が回転可能に保持される軸部分であり、伝達ギヤ465の軸孔よりも小さい外径の円柱状に形成される。
当接板464cは、後述する振分けユニット500の振分け部材540に当接して振分け部材540を変位させる当接部である。即ち、可動ラック464の変位によって、振分け部材540を変位可能とされる。なお、当接板464cと振分け部材540との当接態様については後述する。
案内板464dは、上述したように、ベース部材470の開口479の内部に挿入される板状体であり、駆動モータKM2の駆動により変位される可動ラック464の変位方向を規定することができる。即ち、駆動モータKM2の駆動により変位される可動ラック464を開口479の延設方向に沿って変位させることができる。なお、本実施形態では、開口479は、左右方向に延設されるので、可動ラック464をベース部材470に対して左右方向にスライド変位させることができる。
ラック案内部464eは、後述するラック466の変位方向を規制するための突壁であり、左右方向に一端から他端に亘って突設される。
衝突部464fは、後述する変位部材492の突起492bと当接して変位部材492を変位させる壁部であり、可動ラック464の下端に突出して形成される。また、衝突部464fは、他端側が傾斜した状態に形成される。これにより、変位部材492の突起492bをその傾斜面に沿って摺動させて変位させることができる。
ラック466は、正面視矩形横長の棒状体から形成され、上端面に刻設されるラックギヤ466aと、他端側の端部から背面側に円柱状に突出する軸部466bと、正面側に突出する2つの摺動板466cと、背面側に一端から他端に亘って凹設される凹設部466dとを主に備えて形成される。
ラックギヤ466aは、可動ラック464に取着される伝達ギヤ465に歯合される。これにより、ラック466が可動ラック464の前方に配置された状態では、可動ラック464がスライド変位することで、そのスライド変位に伴って伝達ギヤ465が回転され、ラック466に駆動力が伝達される。従って、ラック466は、可動ラック464に対して変位できる。
軸部466bは、後述する球受部467の軸孔467bに挿入される突起であり、軸孔467bの内径よりも大きい外径の円柱状に形成される。これにより、球受部467を回転可能に保持できる。
摺動板466cは、後述する正面ケース481の開口481aに挿入される突起であり、所定の厚みを有する板状体から形成される。これにより、ラック466に伝達ギヤ465から駆動力が伝達され、ラック466が可動ラック464に対して変位された場合に、ラック466の変位方向を開口481aの延設される方向に規定することができる。
凹設部466dは、ラック466が可動ラック464の前方に配設された際に、内側にラック案内部464eを配置した状態とされる。これにより、ラック466に伝達ギヤ465から駆動力が伝達され、ラック466が可動ラック464に対して変位された場合に、ラック466の変位方向をラック案内部464eの延設方向に規定することができる。
ここで、ラック466の変位方向を規制するためには、凹設部466d及びラック案内部464eを形成すれば、ラック466の変位方向をラック案内部464eの延設方向に規定することができる。しかしながら、下変位部材440は、左右方向にスライド変位しつつ回転変位するものであるので、下変位部材440の変位状態によっては、自重により伝達ギヤ465及びラック466の歯合の状態が変わり、伝達ギヤ465からラック466へ駆動力がうまく伝達されなくなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、ラック466の変位方向を規定する箇所が、摺動板466c及び開口481aと凹設部466d及びラック案内部464eとの2箇所形成されるので、下変位部材440の変位状態が変化された際に、伝達ギヤ465及びラック466の歯合状態が変化することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ465からラック466への駆動の伝達が阻害されることを抑制できる。
また、摺動板466cは、ラック466の左右方向(図57(a)左右方向)の2箇所から突出形成されており、他端側(軸部466bの反対側)の摺動板466cが、ラックの変位終端位置(ラック466が可動ラック464に対して一番張り出された位置)において、伝達ギヤ465の下方(図57下側)に配置される。
ここで、変位終端位置では、後述するようにラック466の軸部466bに配設される球受部467が発射動作(回転変位)をするので、ラック466の一端側に配設される球受部467の変位による慣性力で、ラックの他端側が変位しやすい。そのため、伝達ギヤ465及びラック466の歯合面に負荷がかかり易く、伝達ギヤ465及びラック466が破損する恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、他端側(軸部466bの反対側)の摺動板466cが、ラックの変位終端位置(ラック466が可動ラック464に対して一番張り出された位置)において、伝達ギヤ465の下方(図57下側)に配置されるので、球受部467が発射動作(回転動作)をした際に、伝達ギヤ465及びラック466との歯合する位置のラック466が変位することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ465及びラック466が破損することを抑制できる。
球受部467は、遊技球を保持する部分であり、正面視略U字に形成され、U字の内側部分に球を受け入れることが可能に形成される。即ち、球受部467のU字の内側は、球の外形よりもやや大きく形成される。これにより、球受部467の内側部分に1球可能とされる。また、球受部467は、U字の下端位置に前後方向に貫通する軸孔467bと、下方の外周面から、下側に突出する脚部467aとを主に備えて形成される。
軸孔467bは、上述したように、ラック466に球受部467を回転可能な状態で保持するための軸孔であり、ラック466の軸部466bの外径よりも大きい内径に形成される。よって、球受部467は、ラック466の軸部466bを軸孔467bに挿入することで回転可能に保持できる。また、軸部466bを軸孔467bに挿入した後に、付勢ばねSP2が軸部466bの軸周囲に配設され、軸部466bに軸孔467bの内径よりも頭部の大きいネジ等が締結される。これにより、球受部467は、正面視右周りに付勢された状態でラック466に配設される。なお、球受部467の態様について詳しい説明は後述する。
脚部467aは、球受部467が付勢ばねSP2により回転されることを付勢する突起であり、球受部467のU字の開放部分を上方に向けた状態で、先端が後述する正面ケース481の底壁部481bに当接する位置に設定される。これにより、球受部467が回転されることを規制できる。
ケース部材480は、ベース部材470の前後を覆設する部材であり、ベース部材470の正面側に配設される正面ケース481と、背面側に配設される背面ケース482とを主に備える。
正面ケース481は、正面視矩形横長の板状に形成され、重力方向略中間位置に左右方向に広がる開口481aと、背面側の下端面に突出形成される底壁部481bと、下方縁部に前後方向に貫通する軸孔481cとを主に備えて形成される。
開口481aは、前後方向に貫通形成されており、上述したように、ベース部材470に正面ケース481が配設されると内部にラックの摺動板466cが挿入された状態とされる。
底壁部481bは、正面ケース481の下端部から背面側に突出形成されると共に、左右方向に延設される。また、底壁部481bは、正面ケース481がベース部材470に配設された状態では、その上面に球受部467の脚部467aが当接した状態とされる。
背面ケース482は、ベース部材470の背面側に制御基板491を配設するための板部材であり、正面視における外形が、ベース部材470の外形よりも小さい矩形横長に形成される。また、背面ケース482は、背面側に突出する突起482aを備える。
突起482aは、上述したように、第2リンク部材432の貫通孔432bと連結される連結部であり、貫通孔432bの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。よって、突起482aを貫通孔432bに挿入した後に、突起482aの先端に貫通孔432bの内径よりも頭部の大きいネジ等を締結することで、背面ケース482と第2リンク部材432とを回転可能な状態で連結できる。
装飾部材450は、模様やキャラクターを模した外形形状に形成され、表面にその模様やキャラクターの絵が描かれる。装飾部材450は、正面ケース481の正面側に配設される正面側装飾部451と、背面ケース482の背面側に配設される背面側装飾部452とを主に備えて形成される。なお、本実施形態では、装飾部材450にサメの模様(キャラクター)が描かれる。
正面側装飾部451は、正面視において正面ケース481の外形よりも大きい外径に形成され、正面ケース481に取着される。これにより、正面側装飾部の背面側に配設される部材(ケース部材480、ベース部材470等)を遊技者から視認不可能とすることができる。
背面側装飾部452は、正面側装飾部451の上端後方に配設される。これにより、背面側装飾部452の上方から正面側装飾部451の背面側に配置される部材を遊技者から視認不能とすることができる。
また、正面側装飾部451と前後方向同一平面上に変位部材492が配設される。変位部材492は、背面側に突出する軸部492aと、突起492bとを主に備えて形成される。
軸部492aは、正面ケース481の軸孔481cの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。よって、軸部492aを軸孔481cに挿入することで、変位部材492を回転可能な状態で正面ケースに連結できる。また、軸孔481cを挿入された軸部492aの先端側には、付勢ばねSP3が配設される。これにより、変位部材492を付勢した状態で配設することができる。なお、変位部材492の変位の詳しい説明は後述する。
軸部492aは、上述した可動ラック464の衝突部464fに衝突されることで、変位部材492に軸部492aの軸を中心に回転する駆動力を伝達できる。即ち、可動ラック464は、その変位に伴って変位部材492を回転変位させることができる。
よって、下変位部材440は、下変位部材440(基部材)に変位可能に配設される変位部材492(配設部材)を備え、球受部467(変位部材)は、遊技球を保持可能かつ射出可能に形成され、変位部材492は、球受部467から遊技球が出射される際に変位可能とされるので、下変位部材440のがたつきの発生を抑制することができる。
即ち、球受部467から遊技球が発射されると、遊技球の重さの分、下変位部材440の重心位置が変化されるところ、例えば、遊技球の発射に伴う重心位置の変化を相殺する方向へ変位部材492を変位させる構成を採用した場合には、重心位置の変化に伴う下変位部材440のがたつきの発生を抑制できる。また、球受部467から遊技球が発射されると、その遊技球の発射に伴い下変位部材440が反作用を受けるところ、例えば、遊技球の発射に伴う反作用を相殺する方向へ変位部材492を変位させる構成を採用した場合には、反作用に伴う下変位部材440のがたつきの発生を抑制できる。
また、上述したように、カム部材422が第2変位状態の位置に配置される際には、カム部材422が軸部422aの軸周りに回転する方向の力PW1(図56(b)参照)と、カム部材422が軸部422aの軸周りに回転する方向の力PW2(図56(b)参照)とが打ち消し合う方向に作用して、カム部材422が第1リンク部材431から作用される力で回転することを抑制できる。従って、第2変位状態では、カム部材422とリンク部材430とを安定した状態で配置することができる。よって、第2変位状態の位置で、下変位部材440の球受部467から遊技球が発射された際に、その遊技球の発射による慣性力で第1リンク部材431またはカム部材422が揺れ動くことを抑制できる。
さらに、変位部材492の変位は、球受部467の変位により衝突部464fが、軸部492aに衝突されることで行われるので、変位部材492を変位させるための駆動手段を別途設ける必要がない。即ち、球受部467を変位させるための駆動モータKM2を、変位部材492を変位させるための駆動手段として、兼用することができる。よって、その分、下変位部材440を軽量化して、そのがたつきを抑制しやすくできる。
また、球受部467の変位に機械的に同期させて変位部材492を変位させることができるので、例えば、球受部467の位置をセンサ装置で検出し、その検出結果に応じて変位部材492を駆動手段で駆動する制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、球受部467に対する変位部材492の変位動作の信頼性を確保できる。
次いで、図61から図64を参照して、伝達機構460の遷移について説明する。図61は、第1位置における下変位部材440の正面図であり、図62は、第2位置における下変位部材440の正面図であり、図63は、第3位置における下変位部材440の正面図である。図64(a)から(c)は、下変位部材440の部分拡大図である。
なお、第1位置は、球受部467がベース部材470に対して左右方向(図61左右方向)略中央位置に配置された位置である。第2位置は、球受部467が、突設壁477の重力方向下側(図62下側)に配置された位置である。第3位置は、球受部467が、ベース部材470の左右方向右端に配置された位置である。
また、図61から図64では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。さらに、図64(a)及び(b)では、第3位置に変位する直前の遷移状態が順に図示され、図64(c)では、第3位置における下変位部材440が図示される。
図61に示すように、第1位置における下変位部材440は、可動ラック464が、ベース部材470に対して左右方向左端に位置した状態とされる。また、第1位置では、ラック466が可動ラック464の前方に配置され、ラック466と可動ラック464とが前後方向に重なった状態とされる。即ち、ラック466も可動ラック464と同様に、ベース部材470に対して左右方向左端に位置される。よって、ラック466に連結される球受部467はベース部材470に対して左右方向略中央位置に配置される。
第1位置では、上述したように、可動ラック464、ラック466がベース部材470の左右方向左端に集められた状態とされる。ここで、下変位部材440は、スライド変位しつつ回転変位する(退避状態から第1及び第2張出状態に変位する)ので、下変位部材440の重心位置が、回転する軸の近傍に配置された状態とすることが望ましい。
本実施形態によれば、球受部467を変位させる伝達機構460が可動ラック464及びラック466を前後に重畳した状態(2段ラック)とされるので、その重心位置を正面ベース411の摺動溝411a,411b側(下変位部材440の回転軸側)に近づけることができる。
従って、上述したように下変位部材440を退避状態の位置から第1及び第2張出状態の位置に変位させる際には、下変位部材440を第1位置とすることで、下変位部材440を回転変位させる際の駆動力を小さくできる。よって、下変位部材440を変位させる駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
図61に示す第1位置から図62に示す第2位置への変位は、駆動モータKM2を駆動させることで行われる。
第1位置から駆動モータKM2が駆動されると、駆動モータKM2の軸に連結される伝達ギヤ461が回転される。これにより、伝達ギヤ462及び伝達ギヤ463が回転される。伝達ギヤ463が回転されると、伝達ギヤ463と歯合するラックギヤ464aから、可動ラック464に駆動力が伝達されて可動ラック464がベース部材470に対して右方向にスライド変位される。
可動ラック464がスライド変位されると、そのスライド変位に伴って可動ラック464に配設される伝達ギヤ465がベース部材470のラックギヤ476により回転される。これにより、伝達ギヤ465に歯合されるラックギヤ466aによりラック466へ駆動力が伝達される。その結果、ラック466が可動ラック464に対して左右方向右側へスライド変位されて、球受部467が第2位置へ変位される。
図62に示す第2位置から図63に示す第3位置への変位は、第1位置から第2位置までの変位と同様に、駆動モータKM2の駆動により行われる。なお、駆動モータKM2からラック466までの駆動の伝達については第1位置から第2位置までの変位と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図63及び図64に示すように、第3位置に球受部467が変位されると、球受部467は、脚部467aと正面ケース481の底壁部481bとの当接状態が解除され、軸部466bに配置した付勢ばねSP2の付勢力により軸孔467bの軸を中心に回転変位される。
詳しく説明すると、第1及び第2位置(第3位置における球受部467よりも正面視左側に球受部467が配置されている状態)では、球受部467の脚部467aの先端が正面ケース481の底壁部481bの上面に当接した状態とされ、付勢ばねSP2の付勢力による軸孔467bを中心に正面視時計回りへの回転が規制される。
一方、球受部467の脚部467aの先端部は、第3位置へ変位されると、底壁部481bの端部よりも正面視右側に配置され、底壁部481bとベース部材470の立設壁471aとの対向間に形成される凹部481b1の内側に配置される。よって、球受部467は付勢ばねSP2の付勢力により軸孔467bの軸を中心に回転される。第3位置で球受部467が回転されると、脚部467aの先端が底壁部481bの端面と当接して、球受部467の軸孔467bを中心とする回転が規制される。これにより、球受部467は、軸孔467bを中心に略40度回転された位置で停止される。なお、以下では、第3位置における球受部467の回転変位を発射動作と称して説明する。
また、球受部467が第1位置から第3位置方向(第1方向)へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部481b1を備え、球受部467は、第1方向へ変位する際に、凹部481b1に係合される脚部467aを備えると共に、脚部467aが凹部481b1に係合されることで姿勢が変化可能に形成されるので、球受部467の姿勢を変化させるための構造を簡素化できる。
さらに、球受部467が第2位置から第3位置へ変位されると、衝突部464fが可動ラック464の変位により正面視右側にスライド変位され、変位部材492の突起492bと衝突する。これにより、変位部材492が軸部492aの軸を中心に回転変位される。
即ち、球受部467が、第3位置に変位されると、球受部467が回転変位されると共に、変位部材492が回転変位される。よって、球受部467が、発射動作をして球受部467の内側から球が排出されて、下変位部材440が軽くなることで下変位部材440が揺れ動く力と、変位部材492が回転変位する慣性力とを反対方向に作用させることができる。その結果、下変位部材440の内部から球が排出された際に下変位部材440が揺れ動くことを抑制できる。
次いで、図65を参照して、球受部467への球の受入動作について説明する。図65(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。なお、図65(a)から(c)では、球受部467へ球を受け入れる受入動作する遷移状態が順に図示される。
また、図65(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。
更に、図65(a)から(c)では、下変位部材440が退避状態における水平方向が仮想線H1の符号を付して2点鎖線で図示されると共に、下変位部材440が第1張出状態における水平方向が仮想線H2の符号を付して図示される。また、下変位部材440が退避状態の位置から第1張出状態の位置まで回転された角度を角度θの符号を付して図示される。なお、仮想線H1,仮想線H2及び角度θは図65以降の図にも図示される。
図65(a)に示すように、退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と平行にした状態)の下変位ユニット400において、下変位部材440の球受部467を第1位置に変位させることで、後述する振分けユニット500から遊技球T1が下変位部材440の正面側装飾部451に形成される開口451aに送球される。開口451aに送球される遊技球T1は突設壁477の内側に送球されて、下変位部材440の内部に送球される。
図65(b)に示すように、開口451aに遊技球T1が送球されると下変位部材440が第2位置へ変位される。よって、上述したように第2位置では、球受部467が突設壁477の下方に配置されるので、突設壁477の内側に送球された遊技球T1を、球受部467の内側に送球できる。球受部467に遊技球T1が受け入れられることで、球受部467の動作に伴って遊技球T1を変位させることができる。
図65(c)に示すように、球受部に遊技球T1が送球されると、下変位部材440は、第1位置へ変位される。これにより、球受部467に遊技球T1を配置した状態で第1位置に球受部467を配置した状態とできる。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機が知られている。この遊技機によれば、基部材を遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能にされる張出位置と、遊技領域から後退される退避位置との間で変位される演出に加え、基部材を張出位置に配置した状態において変位部材を変位させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、ベース部材に基部材の一側が変位可能に配設されるため、変位部材が変位されると、一側を死点として、ベース部材に対する基部材のがたつきが発生しやすいという問題点があった。特に、変位部材を停止状態から変位させる際には、加速度の変化が最大となるため、慣性力の影響により、基部材のがたつきが発生しやすい。
これに対し、本実施形態では、球受部467は、第2位置から変位を開始する態様と、第1位置よりも下変位部材440(基部材)の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも下変位部材440がベース部材410に対して所定位置に配置された状態(例えば、下変位部材440が遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる第1張出状態)では、第1位置から変位を開始するので、基部材の下変位部材440のがたつきを抑制することができる。即ち、第1位置は、第2位置よりも、下変位部材の一側に近い位置とされるので、かかる第1位置を球受部467の変位開始位置とすることで、球受部467の重さを、下変位部材440がベース部材410に対してがたつく際の死点に近づけておくことができ、その分、球受部467を停止状態から変位される際の慣性力の影響を下変位部材440に作用させ難くできる。その結果、下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
また、下変位部材440は、上述したように、スライド変位しつつ回転変位(退避状態から第1及び第2張出状態に変位)される。そのため、遊技球T1を回転軸の遠方に配置した状態で下変位部材440が回転変位されると、遊技球T1に遠心力が発生しやすくなり、遊技球T1が動いて球受部467の内壁と遊技球T1との衝突による衝突音が発生、又は球受部467が破損するという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、遊技球T1を球受部467に受け入れた後に、下変位部材440を第1位置に変位させることができるので、遊技球T1を下変位部材440の回転軸の近傍に配置する(近づける)ことができる。従って、下変位部材440に遊技球T1を受け入れた状態で下変位部材440を、回転変位(退避状態から第1及び第2張出状態に変位)させた際に、遊技球T1に遠心力が発生することを抑制できる。その結果、遊技球T1と球受部467とが衝突した際に衝突音が発生する、又は球受部467が破損することを抑制できる。
さらに、本実施形態では、下変位部材440は、球受部467を動作させる伝達機構460が可動ラック464、伝達ギヤ465(ピニオンギヤ)及びラック466(ラック部材)で形成され、ラック466に球受部467が配設されるので、球受部467の変位を第1位置から開始する際には、ラック466の重さだけでなく可動ラック464、ラック466の重さも下変位部材440の一側(下変位部材440がベース部材410に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができる。その結果、球受部467を停止状態から変位される際の下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
また、球受部467に遊技球T1を受け入れた状態では、遊技球T1の荷重分、下変位部材440の荷重が重くされる。そのため、上述したように、下変位部材440を第1位置にした状態とすることで、下変位部材440の重心位置を正面ベース411の摺動溝411a,411b側(下変位部材440の回転軸側)に移動させ易くできる。従って、下変位部材440を退避状態の位置から第1及び第2張出状態の位置に変位させる際には、下変位部材440を第1位置とすることで、下変位部材440を回転変位させる際の駆動力を小さくできる。よって、下変位部材440を変位させる駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
次いで、図66を参照して、球の払出動作について説明する。図66(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。なお、図66(a)から(c)では、球の払出動作における下変位部材440の遷移状態が順に図示される。また、図66(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。さらに、球の払出動作とは、下変位部材440の球受部467に受け入れた遊技球T1を出射開口471から下変位部材440の外方に払い出す動作である。
図66(a)から(c)に示すように、下変位部材440の球受部467に受け入れた球を払い出す払出動作は、下変位部材440を第1位置から順に第3位置まで変位させることで行われる。
即ち、受入動作で球受部467の内側に遊技球T1を受け入れて、第1位置に配置された下変位部材440を、第3位置に変位させることで、遊技球T1が球受部467の変位に伴って、出射開口471側に運搬される。出射開口471側に移動された遊技球T1は、球受部467のスライド変位と第3位置における球受部467の発射動作とにより、出射開口471側への慣性力が付与されて、球受部467の内側から飛び出される。これにより下変位部材440の内部から球を払い出すことができる。
ここで、球受部467(変位部材)が第1位置から変位を開始する際の変位方向は、下変位部材440の位置側から離間する方向であるので、球受部467が第1位置に配置された状態では、ラック466(ラック部材)をより下変位部材440の一側からベース部材410へ近づけることができる。即ち、下変位部材440の一側から、離間する方向へ球受部467(ラック466)が変位するためには、ラック466は、球受部467の変位が開始された後に、伝達ギヤ465(ピニオンギヤ)が歯合されるラックギヤ466a側の部分を下変位部材440の一側に向けることとなる。よって、ラック466の重さをより下変位部材440の一側(下変位部材440が、ベース部材410に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができ、その結果、球受部467を停止状態から変位される際の下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
球受部467は、第3位置方向(第1方向)へ変位され、第3位置に達すると姿勢が変化可能に形成されるので、第3位置までは、1球の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しやすくして、球受部467からの遊技球T1の脱落を抑制できる一方、第2位置に達した際には、球受部467の姿勢の変化を利用して、遊技球T1を球受部467の内側から払出しやすくできる。
なお、下変位部材440を退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と水平に配置した状態)の位置で図66(a)から図66(c)に示す球受部467の払出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回収口411fの内部に送球される。
一方、下変位部材440が第1張出状態(下変位部材440の長手方向が仮想線H1から角度θ回転された状態)の位置で球受部467の払出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回転ユニット700の球受台710の上部に送球される。
次いで、図67及び図68参照して、下変位部材440の内部に2球以上の球が送球された際の排出動作について説明する。図67(a)から(c)及び図68(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。
なお、図43(a)から(c)及び図44(a)から(c)では、排出動作の遷移状態が順に図示される。また、図43(a)から(c)及び図44(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が2点鎖線で図示される。
図67(a)から(c)に示すように、後述する振分けユニット500から2球以上の球が連続して送球された場合には、下変位部材440を受入動作させることで、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に落下させることができる。
即ち、球受部467を第1位置から第2位置へ変位させて1球目の遊技球T1を球受部467の内側に送球することができ、2球目の遊技球T2を1球目の遊技球T1に当接させて、突設壁477の内側に留めて置くことができる(図67(b)参照)。第2位置で1球目の遊技球T1を受け入れた後に球受部467を第1位置に変位させることで、球受部467に1球目の遊技球T1を受け入れた状態で、球受部467を第1位置に変位させて、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に落下させることができる。
ここで、第2位置で球受部467に受け入れる球を球受部467の変位により、第3位置へ変位させる遊技機では、後述する振分けユニット500の振分け部材540の変位に動作不良が生じると規定数以上の遊技球が球受部467の軌道領域に送球される恐れがあり、この場合、規定数を超えた分の遊技球により不具合を生じる恐れがあるという問題点があった。例えば、規定数を超えた分の遊技球が、球受部467を駆動させる伝達機構460に入り込み、可動部分に噛み込まれることで、破損を招く恐れがあった。或いは、規定数を超えた分の遊技球が遊技領域外(例えば、遊技盤13の背面側または背面ケース300の内側)へ流出する恐れがあった。
これに対し、本実施形態によれば、球受部467が、第2位置から球の送球方向と反対方向となる第1位置に変位可能に形成されるので、その分、球受部467の軌道領域を拡大できる。よって、例えば、振分け部材540に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、球受部467の軌道領域が拡大されている分、規定数を超えた分の遊技球を軌道領域に受け入れることができる。その結果、規定数を超えた分の遊技球を、球受部467の第3位置への変位に伴って移動させることができる。よって、規定数を超えた分の遊技球が、球受部467を駆動させる伝達機構460に入り込むことや、遊技領域外へ流出することを抑制でき、その結果、規定数を超えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
また、球受部467は、第2位置において後述する振分けユニット500から送球された1球の遊技球T1を受け取って保持可能とされると共に、第2位置から第1位置の方向(第2方向)へ少なくとも、遊技球の直径を超える距離だけ変位可能に形成されるので、第2位置において1球の遊技球を受け取った後、球受部467を第2位置から第3方向(第1方向)へ変位させることで、規定数を超える分の遊技球を球受部467の軌道領域(球受部の467よりも第1方向の領域)に送球させることができる。よって、2球目以降の遊技球T2を、球受部467の第3位置方向(第1方向)への変位に伴って移動させることができる。
この場合、1球目の遊技球T1を球受部467が保持し、2球目以降の遊技球T2を球受部467の軌道領域に送球できるので、1球目の遊技球T1と、2球目以降の遊技球T2とを分離することができる。よって、例えば、球受部467を第3位置方向(第1方向)へ変位させることで、1球目の遊技球T1を球受部材が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを軌道領域から排出する動作が可能となる。
また、球受部467を第2位置に変位させて1球目の球を受け入れた後に、第3位置に変位させて球受部467の内側から遊技球T1を排出するものでは、2球目の遊技球T2がラック466の上部に落下して、2球目の遊技球T2が球受部467と伝達ギヤ465との間に送球されて、2球目の遊技球T2を下変位部材440の外方に排出不能となる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、球受部467に球を受け入れる受入動作を、第2位置で球受部467の内側に遊技球T1を受け入れた後、出射開口471とは反対の第1位置へ変位させることができるので、2球目の遊技球T2が下変位部材440の外方に排出不能となることを抑制できる。
言い変えると、役物内に送球された遊技球を排出する排出動作をする役物を備える遊技機では、球を排出する部材(本実施形態では球受部467)の動作を球を受け入れる位置(第2位置)と球を排出する位置(第3位置)に変位させるのみであると、2球以上の遊技球が役物内に送球された場合に、球を排出する部材に対して排出口(出射開口471)と反対側に2球目の遊技球T2を排出する恐れがあるところ、本実施形態では、1球目の遊技球T1を受け入れた後に、球受部467を出射開口471と反対側の第1位置に変位させることで、2球目の遊技球T2を球受部467と出射開口471との間に送球することができる。
図68(a)から(c)に示すように、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に送球した後に、球受部467を発射動作する前の第3位置まで変位させることで、2球目の遊技球T2を球受部467に当接させた状態で出射開口471側に転動させることができる。その結果、2球目の遊技球T2を出射開口471から排出することができる。
この場合、球受部467は、そのU字部分の下端面が球受部467の変位経路上に送球される2球目の遊技球T2の中心位置よりも上方(図68(a)上方)に配置される。また、脚部467aが底壁部481bの上面と当接した状態において、底壁部481bとの当接面に対して略45度傾倒した状態で配置される。さらに、球受部467のU字の右側(図68(a)右側)の側面が脚部467aの右側の端部と上下方向に同一となる位置に配置されるので、2球目の遊技球T2の外面を脚部467aに当接させることができる。
また、脚部467aは、底壁部481bの上面に対して略45度傾倒した状態とされるので、2球目の遊技球T2の下半球(底壁部481b側の下半球)の外面と当接される。これにより、2球目の遊技球T2を出射開口471側に転動させる際に、脚部467aの傾斜面で2球目の遊技球T2を上方に持ち上げる力を発生させることができる。よって、2球目の遊技球T2が底壁部481bの上面を転動する際の2球目の遊技球T2と底壁部481bとの摩擦力を小さくできる。その結果、2球目の遊技球T2を出射開口471側に転動する際に、球受部467が停止されることを抑制できる。
言い変えると、脚部467aは、球受部467から第1位置から第3位置に向かう方向(第1方向)へ向けて突設されると共に、その突設先端が、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)の下半面に当接可能に形成されるので、球受部467が第1位置から第3位置方向(第1方向)へ変位される際には、遊技球をその下半面を脚部467aで押しつつ移動させることができる。その結果、2球目以降の遊技球T2を球受部467の軌道領域から排出しやすくできる。
また、球受部467に保持される1球目の遊技球T1と、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(2球目以降の遊技球T2)との間に脚部467aが介在することで、かかる脚部467aの突設長さの分、1球目の遊技球T1と2球目以降の遊技球T2との間隔を確保できる。よって、1球目の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを軌道領域から排出しやすくできる。
さらに、凹部481b1との係合により、球受部467の姿勢を変化させる役割と、遊技球をその下半面を押しつつ移動させる役割とを脚部467aに兼用させるので、その分、部品点数を削減して製品コストの削減を図ることができる。
また、凹部481b1は、第1位置から第3位置方向(第1方向)における大きさが遊技球の直径よりも小さくされるので、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)が、球受部467の第1方向への変位に伴って移動される際に、凹部481b1を通過しやすくできる。その結果、2球目以降の遊技球T2を軌道領域から排出しやすくできる。
上述したように、下変位ユニット400が退避状態に配置されると、下変位部材440の出射開口471の下方に回収口411fが配置された状態とされる。よって、退避状態において排出動作された遊技球T2は、回収口411fに送球される。
一方、下変位ユニット400が第1張出状態に配置されると、回収口411fは、出射開口471の下方に位置した状態とされる。また、回収口411fの開口は、上方側が開口される。よって、排出動作された遊技球T2は、回収口411fに送球される。
即ち、回収口411fは、ベース部材470における第1方向側(立設壁471a側)の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上に開口を有するので、球受部467の第3位置方向(第1方向)への移動に伴って移動され、球受部467の軌道領域から排出される遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)を回収口411fの開口から受け入れて回収することができる。
また、回収口411fの開口は、少なくとも退避状態、第1張出状態および第2張出状態のそれぞれの位置において、ベース部材470における第1方向側(立設壁471a側)の端部の鉛直方向下方に配設される。これにより、下変位ユニット400が、退避位置、第1張出状態および第2張出状態のいずれに変位された場合でも球受部467の軌道領域から排出される遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
なお、下変位部材440を退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と水平に配置した状態)の位置で図67(a)から(c)及び図68(a)から(c)に示す球受部467の排出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回収口411fの内部に送球される。また、下変位部材440が第1張出状態(下変位部材440の長手方向が仮想線H1から角度θ回転された状態)の位置で球受部467の排出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、上述したように回収口411fに送球される。
次に図69を参照して、2球目の遊技球T2が出射開口471から排出される際の構成について説明する。図69(a)は、図68(b)の範囲LXIXaにおける下変位部材440の部分拡大図であり、図69(b)は、図68(a)の範囲LXIXbにおける下変位部材440の部分拡大図である。
図69に示すように、球受部467が発射動作の直前の第3位置まで変位されると、遊技球T2を立設壁471a側の球受部467の側面に当接させて、出射開口471から下変位部材440の外方に押し出すことができる。
この場合、球受部467の脚部467aが底壁部481bと立設壁471aとの間に挿入されて球受部467が回転動作する際に遊技球T2と球受部467とを当接させることで、球受部467の回転の力を遊技球T2に伝達させることができる。その結果、遊技球T2を出射開口471から排出させやすくできる。また、球受部467が遊技球T2に当接された際の反発力を利用して球受部467を回転動作する前の状態に戻すことができる。よって、球受部467の軌道領域に送球された遊技球T2を排出する際に、球受部467に保持した1球目の遊技球T1が脱落することを抑制できる。
さらに、下変位部材440は、球受部467が第2位置から第3位置方向(第1方向)へ変位する際の軌道領域に遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に凹部481b1よりも第1方向側に位置する立設壁471aを備え、球受部467の軌道領域へ送球された2球目以降の遊技球が球受部467の第1方向への変位に伴って移動されると、その遊技球T2が立設壁471aと球受部467とに当接されて、球受部467の姿勢変化が規制可能に形成されるので、1球目の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目の以降の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
即ち、立設壁471aは、底壁部481bの上面から立設先端までの高さが遊技球の半径よりも低い高さで立設されるので、球受部467の第1方向への変位に伴って脚部に押されて遊技球T2が移動されると、遊技球T2の下半面を立設壁471aに当接させて、かかる立設壁471aを遊技球が乗り越え易くできる。この場合、球受部467に遊技球T2が当接され(即ち、球受部467と立設壁471aとの間に遊技球T2が介在され)、遊技球T2から球受部467へ反力を作用させることができるので、球受部の姿勢変化を規制でき、球受部467が保持している1球目の遊技球が脱落することを抑制できる。その結果、1球目の遊技球を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを遊技領域から排出しやすくできる。
一方、球受部467の軌道領域に2球目以降の遊技球T2が送球されていない場合には、立設壁471aと球受部467との間に遊技球が介在されていないので、脚部467aが凹部に481b1に係合されることで、球受部467の姿勢を変化させることができる。その結果、球受部467の姿勢の変化を利用して1球目の遊技球T1(即ち、球受部467に保持されている遊技球)を球受部467から排出しやすくできる。
次いで、図70から図72を参照して、振分けユニット500について詳細な説明をする。図70(a)は、振分けユニット500の上面図であり、図70(b)は、振分けユニット500の背面図である。図71は、振分けユニット500の分解正面斜視図であり、図72は、振分けユニット500の分解背面斜視図である。
図70から図72に示すように、振分けユニット500は、正面視略矩形の板状体に形成されるベース板520と、そのベース板520の正面側に取着されベース板520との対向間に球が流下可能な複数の流下経路を形成する経路形成部材510と、ベース板520の背面側に回転可能に取着される振分け部材540と、ベース板520の端面に取着されベース板520と経路形成部材510との対向間に形成される球の流下経路を延長する延長経路部材530とを主に備えて形成される。
ベース板520は、背面側に突出する円柱状の軸部523と、その軸部523の軸を中心とする円弧形状に貫通形成される第1開口521と、その第1開口521よりも半径の大きい円弧形状に貫通形成される第2開口522と、上端の側面に上端側が開放する断面U字状形成されると共に左右方向に延設される転動部525と、背面側に鉤状に突出する係止部524とを主に備えて形成される。
軸部523は、後述する振分け部材540の軸孔545に挿入されて、振分け部材540を回転可能な状態でベース部材に取着する軸であり、軸孔545の内径よりも小さい外径に形成される。
第1開口521及び第2開口522は、後述する振分け部材540の規制板541及び貯留板542が挿通される開口であり、規制板541及び貯留板542の板の厚みよりも大きい幅の開口に形成される。また、振分け部材540は、回転可能な状態でベース板520に取着されるので、第1開口521及び第2開口522は、規制板541及び貯留板542の正面視における周方向の寸法よりも円弧の長さが大きく形成される。
係止部524は、振分け部材540に形成される係止部544とで付勢ばねSP4を係止する係合部であり、付勢ばねSP4の一端が係止される。
転動部525は、球が転動する底面であり、背面視左側(図70(b)左側)の一端に向かって下側に傾斜して形成されると共にU字に形成される湾曲形状が球の外形よりも大きく形成される。よって、転動部525を転動する球が転動部で停止することを抑制して、一端側に球を転動させることができる。
また転動部525は、前後の側面からU字の内側に向かって突出する複数の突起525bと、一端側の端部に背面側に開口する開口525aとを備える。
突起525bは、前後の側面に一定の間隔を隔てて形成されると共に、前方側に形成される突起525bと背面側に形成される突起525bとが正面視において互い違いとなる位置に形成される。よって、転動部525を転動する球を、突起525bに衝突させることができるので、転動部525を転動する球の転動速度を遅くすることができる。
ここで、上述したように、下変位ユニット400の球受部467への球の送球は、球受部467を第1位置へ配置した状態で行われる(図65(a)及び図65(b)参照)。そのため、第3送球経路KR3の転動部525を転動する遊技球の送球速度が速くされると、球受部467を第2位置へ移動する前に遊技球が下変位部材440の内部に送球される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、第3送球経路KR3の転動部525の内面に突設される複数の突起525bが形成され、第3送球経路KR3の転動部525を通過する遊技球に抵抗を付与することができるので、第3送球経路KR3を通過する遊技球の速度を遅くすることができる。よって、その分、切り替え位置(第1位置)から受け取り位置(第2位置)まで球受部467が変位する際に、必要とされる時間を長くできるので、球受部467に遊技球を確実に受け取らせることができる。また、球受部467に必要とされる変位速度を遅くできる分、駆動モータKM2の変位速度の出力を小さくして、製品コストの削減を図ることができる。
開口525aは、転動部525の一端の背面側に開放して形成されており、その背面視における外形は球の大きさよりも大きく形成される。よって、転動部525を一端側に転動する球は、開口525aから排出される。
経路形成部材510は、ベース板520よりも左右方向の横幅が小さい矩形縦長の板状に形成されると共に、背面側に遊技球の外径よりも大きい複数の壁が形成され、その複数の壁の対向間を球の外径よりも大きく形成することで、その内部に複数の球の流下経路が形成される。
経路形成部材510は、上端面に開口する第1開口511と、第1開口511の側壁の対向間に形成される第1送球経路KR1と、第1送球経路KR1に連結される第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3と、第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3の端部において経路形成部材510の側面に開口する第2開口512及び第3開口513と、前後方向に貫通形成される複数の開口514,515,516と、開口514,515,516の背面側の壁で形成される第4送球経路KR4と、その第4送球経路KR4の端部において経路形成部材510の側面に開口する第4開口517とを主に備えて形成される。
第1開口511は、後述する送球ユニット600から送球される球を振分けユニットの内部に流入させるための開口であり、経路形成部材510の上端の側面に形成されると共に、その外形が球よりも大きく形成される。また、第1開口511は、送球ユニット600と連結されており送球ユニット600から送球される球を流入可能とされる。
第1送球経路KR1は、第1開口511から流入した球をベース板520及び経路形成部材510との対向間を流下させる経路であり、下方向に延設して形成される。また、第4送球経路KR4は、経路形成部材510の上下方向略3分の1程度に延設して形成されており下流の端部が、第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3に連結される。即ち、第1送球経路KR1を流下する球が、第2送球経路KR2又は第3送球経路KR3に流下可能に形成される。
第2送球経路KR2は、上述したように、第1送球経路KR1に連結されて形成される経路であり、下流側の端部が第2開口512に連結される。即ち、第1開口511から流下して第1送球経路KR1を流下する球が第2送球経路KR2へ流下すると、第2開口512から振分けユニット500の外方へ排出される。
第2開口512は、球を回収する回収経路(図示せず)に連結される。よって、第2開口から排出される球は、回収経路により回収される。また、第2開口512の内側(第2送球経路KR2の下流端)には、遊技球の通過を検出するセンサ装置SE2が配置される。よって、第3入賞口82を通過する遊技球の球数をセンサ装置SE1で検出すると共に、第2送球経路KR2を通過する遊技球の球数をセンサ装置SE2で検出することで、第3送球経路KR3を通過する遊技球の個数を検知することができる。
即ち、後述する規制板541の上流に所定の球数(1球)の遊技球が貯留されたか否かをセンサ装置SE1及びセンサ装置SE1の差で検知することができる。例えば、第3電動役物82aの一回の開放時に、第3入賞口82(センサ装置SE1)を通過する球数が8個であり、第2送球経路KR2(センサ装置SE2)を通過する球数が7個の場合は、第3送球経路KR3に1球分の遊技球を流下(貯留)した状態であることを検出できる。
第3送球経路KR3は、上述したように、第1送球経路KR1に連結されて形成される経路であり、下流側の端部が第3開口513に連結される。即ち、第1開口511から流下して第1送球経路KR1を流下する球が第3送球経路KR3へ流下すると、第3開口513から排出される。
第3開口513は、ベース板520の転動部525の他端側(開口525aの反対の端部側)の上方に形成される。よって、第3開口513から排出される球は、転動部525の内側に送球される。即ち、第3送球経路KR3に送球される球は、第3開口513を介して転動部525に送球される。
開口514から516は、それぞれ遊技盤13に形成される第3入賞口82の背面側に形成されており、第3入賞口82に入賞した球が送球される。即ち、遊技盤13の正面側の遊技領域を流下する球が第3入賞口82に入賞すると、球は開口514から516に振分けユニット500の内部に送球される。
第4送球経路KR4は、開口514から516に連結して形成されており、下流側で1つの経路に連結されて、経路形成部材510の下端面に形成される第4開口に連結される。第4開口は、球を回収する回収経路(図示せず)に連結される。よって、遊技盤13の第3入賞口82に入賞した球は、振分けユニット500の第4送球経路KR4に送球された後に、第4開口517から排出されて回収される。
延長経路部材530は、下側が開放する断面U字に形成されると共に、左右方向に延設される。また、延長経路部材530は、そのU字の内径が球の外径よりも大きく形成される。よって、ベース板520の転動部525の上部に配設されることで、転動部525の上部に送球される球を、転動部525及び延長経路部材530の内側を送球可能にできると共に、転動部を転動する球が、転動部525から落下することを抑制できる。
さらに、延長経路部材530は、転動部525に形成される突起525bと左右方向同じ位置に一定の間隔で形成される突起531が形成される。これにより、突起525bと同様に転動部525を転動する球の転動速度を遅くすることができる。
振分け部材540は、一方が長く形成される正面視矩形に形成され、前後方向に所定の厚みを備えて形成される。振分け部材540は、正面側に板状体で突出する規制板541及び貯留板542と、上方の一端側に貫通形成される軸孔545と、背面側に鉤状に形成される係止部544とを主に備えて形成される。
軸孔545は、上述したように、ベース板520の軸部523が挿入される貫通孔であり、前後方向に貫通して形成される。振分け部材540は、ベース板520の軸部523を軸孔545に挿通すると共に、背面側から軸孔よりも頭部の大きいネジ等を軸部523に締結することにより、ベース板520に回転可能な状態で取着される。
規制板541は、第1開口521を介して第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に配置されて第1送球経路KR1を流下する球が第2送球経路KR2へ流入することを規制する板部材であり、軸孔545の正面側の端面よりも正面側に突出して形成されると共に、ベース板520から正面側への突出距離が球の半径よりも大きく設定される。
また、規制板541は、軸孔545の軸を中心とする円弧状に湾曲して形成される。これにより、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転変位された際に、規制板541の変位領域を最小にすることができる。
貯留板542は、第2開口522を介して第2送球経路KR2上に配置され、第2送球経路KR2を流下する球を貯留板542の上流側に貯留する板部材であり、軸孔545の正面側の端面よりも正面側に突出して形成されると共に、ベース板520から正面側への突出距離が、球の半径よりも大きく設定される。
また、貯留板542は、軸孔545の軸を中心とする円弧状に湾曲して形成されると共に、その円弧の半径が規制板541の湾曲部分の半径よりも大きく形成される。よって、貯留板542は、軸孔545から規制板541よりも離間した位置に形成される。これにより、規制板541を第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に突出させることができると共に、貯留板542を第2送球経路KR2上に配置することができる。さらに、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転変位された際の変位領域を最小にすることができる。
突起部543は、上述した下変位部材440の当接板464cに衝突されることで、振分け部材540に回転の駆動力を作用させる駆動伝達部材であり、振分け部材540の他端側に突出して形成される。即ち、振分け部材540の回転軸となる軸孔545が形成される一端側と反対側に、駆動力が伝達される突起部543が形成される。これにより、下変位部材440の当接板464cの衝突する力を小さくすることができる。
従って、当接板464cを変位させる駆動モータKM3の駆動力を小さくすることができるので、駆動モータKM3の消費エネルギーを小さくすることができる。また、駆動の際に、当接板464cが突起部543と衝突する際のエネルギーを小さくできるので、当接板464cと突起部543とが衝突した際に衝突音を小さくすることができる。なお、当接板464cと突起部543との衝突の際の詳しい態様については後述する。
さらに、突起部543の突出先端の当接板464cとの当接箇所は、円形状に膨出する膨出部543aが形成される。膨出部543aに当接板464cを当接させることで、当接板と振分け部材540との接地面積を小さくすることができる。従って、振分け部材540を回転変位させる際に、突起部543(膨出部543a)と当接板464cと摩擦抵抗を小さくすることができる。その結果、駆動モータKM3の消費エネルギーが大きくなることを抑制できる。
係止部544は、上述したようにベース板520の係止部524との間で付勢ばねSP4を係止する部分である。よって、振分け部材540の他端側が常に係止部524側に回転する力を付与することができるので、振分け部材540がパチンコ機10の振動等でゆれ動くことを抑制できる。
次いで、図73を参照して、振分けユニット500の球の流下経路について詳しく説明する。図73は、図70(a)のLXXIII−LXXIII線における振分けユニット500の断面図である。なお、図73では、振分け部材540が、鎖線で図示される。また、図73では、振分け部材540が貯留位置に配置された状態が図示される。
ここで、振分け部材540が貯留位置に配置された状態とは、振分け部材540が付勢ばねSP4の付勢力により回転され、第2送球経路KR2上に貯留板542を配置した状態のことである。
図73に示すように、第1送球経路KR1は、その流下経路の下端側が、ベース板520の左右方向(図73左右方向)の中央部分に向かって傾倒されると共に、その傾倒部分が緩やかなS字状に湾曲して形成される。また、S字状に湾曲した先端部分が第3送球経路KR3に連結され、第2送球経路KR2が、第1送球経路KR1の端部に第1送球経路KR1の傾倒する方向と反対方向に傾倒した状態で連結される。
これにより、第1送球経路KR1を流下する球を傾倒部分の下面に衝突させることで、球の流下方向を重力方向から第1送球経路KR1の傾倒する方向に向けることができる。よって、球を第3送球経路KR3の入り口(第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分)に向かって流下させることができる。従って、振分け部材540が配置されていない状態では、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に送球することができる。
ここで、遊技球が流下する流下経路と、その流下経路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける遊技機が知られている。
しかしながら、従来の遊技機では、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路と第2分岐通路とへ1球ずつ交互に振り分ける構造であるため、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路と第2分岐通路とに均等に(即ち、半数ずつ)振分けられる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できないという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、変位可能に形成されると共に第3送球経路KR3から遊技球を受け取る球受部467を備え、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540に当接して変位されることで、振分け部材540が変位されるので、球受部467の変位に応じて、第3送球経路KR3または第2送球経路へ振り分ける遊技球の数を変更できる。即ち、第3送球経路KR3へ振り分ける遊技球の数を変更できる。
なお、振分け部材540の変位は、球受部467の変位を利用して、振分け部材540を変位させることができるので、かかる振分け部材540を変位させるための駆動手段や伝達機構を別途設けることを不要とできる。よって、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
また、例えば、センサ装置による位置検出や駆動手段による駆動を利用して振分け部材540の変位を制御する構造では、検出不良や制御不良による誤作動によって、振分け部材の振分け動作の信頼性の低下を招くところ、本実施形態によれば、振分け部材540による振分け先を、球受部467の変位に機械的に同期させて切り換えることができるので、振分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
特に、球受部467は、第3送球経路KR3の転動部525から遊技球を受けとる部材であるので、かかる球受部467の変位に同期させて振分け部材540の振分け先を第3送球経路に切り替えることで、第3送球経路KR3に振分けられた遊技球を変位部材に確実に受け取らせることができる。
さらに、従来の遊技機では、流下経路を流下する遊技球が、第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分けられるのみであるため、遊技者に興趣を与えることが不十分であった。
これに対し、本実施形態によれば、規制板541(振分手段)による振り分け先が第3送球経路KR3(第1分岐通路)とされた状態では、第3における遊技球の流下を規制し、振分け部材540による振り分け先が、第2送球経路KR2(第2分岐通路)とされた状態では第3送球経路KR3における遊技球の流下を許容する貯留板542(流下状態変更手段)を備えるので、遊技者に興趣を与えることができる。
即ち、規制板541による振り分け先が第3送球経路とされると、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制して第3送球経路KR3に遊技球を貯留すると共に、規制板541による振り分け先が第2送球経路KR2とされると、第3送球経路KR3における遊技球の流下を許容し、第3送球経路KR3に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。これにより、第1送球経路KR1(流下経路)を流下する遊技球を第3送球経路KR3又は、第2送球経路KR2の一方へ振り分ける動作に加え、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球を流下させる(開放する)動作を形成できる。更に、これら貯留および開放の動作を、振分け動作に連動して、交互に形成できる。その結果、遊技者に興趣を与えることができる。
また、規制板541(振分手段)と貯留板542(流下状態変更手段)とが一体に形成される振分け部材540(一体部材)を備えるので、それら規制板541と貯留板542とを動作させる構造の簡素化と動作の信頼性の向上とを図ることができる、即ち、規制板541と貯留板542とが別体に形成される場合には、2部品となるため、それら2部品を動作させる構造が複雑化すると共に動作の信頼性の低下を招く。
これに対し、本実施形態によれば、規制板541と貯留板542とを一部品として形成できるので、その分、構造を簡素化でき、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
さらに、振分け部材540は、貯留位置(第1状態位置)と規制位置(第2状態位置)とに変位可能に形成され、振分け部材540が貯留位置に変位された状態では、規制板541が第3送球経路KR3(第1分岐通路)を振分け先とする位置に配置され且つ貯留板542が第3送球経路KR3における遊技球の流下を規制する位置に配置され、振分け部材540が規制位置に変位された状態では、規制板541が第2送球経路KR2を振分け先とする位置に配置され且つ貯留板542が第3送球径路における遊技球の流下を許容する位置に配置されるので、振分け部材540を2位置(貯留位置および規制位置)で変位させることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第3送球経路KR3又は第2送球経路の一方へ振り分ける動作に加え、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できると共に、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。即ち、構造を簡素化して、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
振分け部材540(一体部材)は、回転可能に形成され、貯留板542(流下状態変更手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成され、第3送球経路KR3へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、振分け部材540の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されるので、規制板541の出没の為に第3送球経路KR3の内壁に開口される孔(凹部519)の面積を小さくすることができる。
貯留板542(流下状態変更手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されるので、第3送球経路KR3への貯留板542が突出し始めた初期の状態(即ち、通路内へ流下状態変更手段の先端側のみが突出されている状態)において、貯留板542の先端側の形状を遊技球の流下を規制しやすい向きで配置でき、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を規制しやすくできる。
また、貯留板542が、第3送球経路へ最大に突出され遊技球の流下を規制する状態では、貯留板542の凹により遊技球を安定して保持できるので、遊技球の暴れを抑制できる。
振分けユニット500は、振分け部材540(一体部材)に付勢力を付与して、規制板541が第3送球経路(第1分岐通路)へ突出する方向へ付勢する付勢ばねSP4(付勢手段)を備え、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離が、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離よりも大きくされるので、付勢ばねSP4の付勢力を利用して、振分け部材540を貯留板542が第3応急経路へ突出する姿勢(即ち、貯留位置)に維持しやすくできる。
この場合、貯留板542から振分け部材540の回転軸までの距離が、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離よりも大きくされるので、流下する遊技球が衝突されると、回転軸からの距離が大きい分、同じ衝撃力が作用した場合でも、貯留板542が没入しやすいところ、付勢ばねSP4の付勢方向が、貯留板542が第3送球経路KR3へ突出する方向とされることで、その付勢力の分、貯留板542が凹部519へ没入されることを抑制できる。
また、振分け部材540(一体部材)は、その自重により貯留板542(流下状態変更手段)が第3送球経路(第1分岐通路)へ突出する方向へ回転されるので、かかる自重を利用して振分け部材540を、貯留板542が第3送球経路KR3へ突出する姿勢(即ち、貯留位置)に維持しやすくできる。よって、遊技球が衝突した場合には、その自重の分、貯留板542が凹部519へ没入されることを抑制できる。
また、付勢ばねSP4(付勢手段)が脱落した場合でも、振分け部材540を、その自重により、規制板541が第3送球経路KR3へ突出した姿勢に維持して、第3送球経路へ遊技球が流下することを抑制できる。
さらに、振分け部材540に付勢力を付与して、振分け部材540による振分け先を第3送球経路KR3又は第2送球経路KR2の一方に維持させる付勢ばねSP4を備え、球受部467が振分け部材540を付勢ばねSP4の方向に抗する方向へ変位させることで、振分け部材540による振分け先が第3送球経路KR3または第2送球経路KR2の他方に切替えられると共に、付勢ばねの付勢力によって、振分け部材540による振分け先が第3送球経路KR3または第2送球経路KR2の一方に復帰される。
従って、振分け部材540による振り分け先が不用意に切り換えられることを抑制できる。この場合、球受部467の変位に伴って振分け部材540が変位され、その振り分け先が切り替えられた後、切り替え前の振り分け先への復帰は、付勢ばねSP4の付勢力により行うことができるので、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540と当接されていることを不要とできる。即ち、球受部467に連動する当接板464cを振分け部材540から離間させることができる。よって、球受部467の可動範囲の設計の自由度を高めることができる。
次いで、図74を参照して、振分け部材540の変位について説明する。図74(a)及び(b)は、図73の範囲LXXIVにおける振分けユニット500の部分拡大図である。なお、図74(a)は、振分け部材540が貯留位置に位置する状態が、図74(b)は、振分け部材540が規制位置に位置する状態がそれぞれ図示される。また、振分け部材540が規制位置に配置された状態とは、振分け部材540の突起部543に下変位部材440の当接板464cが衝突して、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転されて、第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に規制板541を配置した状態のことである。
図74(a)に示すように、振分け部材540が貯留位置に配置された状態では、貯留板542が第3送球経路KR3上に配置されると共に、規制板541が経路形成部材510の背面側の壁に形成される凹部518の内側に配置される。
この場合、貯留板542の第3送球経路KR3の内側に突出した先端の端部とその先端と対向する第3送球経路KR3の内壁との距離寸法L1は、球の直径よりも小さくされる。よって、第3送球経路KR3の上流(第1送球経路KR1)から送球される球は、貯留板542の上流側に停止される。
また、貯留板542の湾曲した部分の内側から第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分までの距離寸法L2は、球の半径よりも大きく設定されると共に、球の直径よりも小さく設定される。これにより、貯留板542の上流側に停止される球の数を1球とすることができる。なお、以下では、貯留板542の上流側に球を1球停止させた振分けユニット500の状態を貯留状態と称す。
一方、図74(b)に示すように、振分け部材540が、規制位置に配置された状態では、規制板541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置されると共に、貯留板542が、経路形成部材510の背面側の壁部に形成される凹部519の内側に配置される。
この場合、規制板541の第1送球経路KR1内側に突出した先端の端部と第3送球経路KR3の入り口の内壁までの距離寸法L3は、球の直径よりも小さくされる。よって、第1送球経路KR1を流下する球は、規制板541に衝突して、第2送球経路KR2に送球される。
即ち、振分け部材540を規制位置と貯留位置とで切り換えることで、第1送球経路KR1を送球される球を第3送球経路KR3に送球して、第3送球経路KR3上に停止させる状態と、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に流入不能として、第2送球経路KR2に送球される状態とを形成することができる。
よって、1つの振分け部材540を変位させることで、1の流下する経路から2の流下する経路に分かれる場合に、球の流下経路をどちらかに確実に切り替えることができる。
また、付勢ばねSP4は、振分け部材540に付勢力を付与して、振分け部材540による振り分け先を第2送球経路KR2に維持させるので、球受部467が遊技球を受け取り不能な状態において、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路に切り替えられることを抑制できる。
さらに、規制板541(振分手段)は、第1送球経路KR1(流下通路)または第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、第1送球経路KR1の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされるので、第1送球経路KR1の下端側から流下する遊技球に近い位置で、規制板541を突出させることができる。よって、規制板541を流下通路または第3送球経路KR3(第1分岐通路)へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板541による振り分け先の切り替えを確実に行うことができる。
また、規制板541(振分手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に突出されることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路(第2分岐通路)へ振り分けるものであり、規制板541の突出方向が、第2送球経路KR2の上流端を指向する方向に設定されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が突出動作の途中の規制板に当接した場合には、かかる遊技球を規制板の突出動作に伴って、第2送球経路KRへ押し込むことができる。その結果、第2送球経路KR2への振り分けをより確実に行うことができる。
なお、本実施形態では、振分け部材540の規制板541が、貯留板542よりも軸孔545と近接した位置に配置されるが、規制板541が規制板541よりも軸孔545と離間した位置に配置されてもよい。即ち、振分け部材540の軸孔545を図74(a)及び図74(b)に示す第3送球経路KR3の下流側の背面のポイントPの位置に振分け部材540の軸を配置してもよい。この場合、振分け部材540に形成される規制板541及び貯留板542の配置位置は、本実施形態と同一の位置に形成される。
軸孔545をポイントPに配置した状態では、振分け部材540を回転変位させた際の規制板541の変位速度を貯留板542よりも早くできる。そのため、後述するように振分け部材540を貯留位置から規制位置に変位させた際には、規制板541を早く流下経路上に突出させることができる。その結果、規制位置から貯留位置に振分け部材540を切り替えたタイミングで、第1送球経路KR1を流下する遊技球が第3送球経路KR3に流入することを抑制することができる。
また、この場合、規制板541及び貯留板542の正面視における形状は、ポイントPを中心とする円弧状に形成される。これにより、振分け部材540が規制位置から貯留位置(又は反対)に変位される際に規制板541及び貯留板542の変位領域を最小とすることができる。さらに、規制板541及び貯留板542を第3送球経路KR3の外側に受け入れる凹部518,519は、規制板541及び規制板541の変位軌跡に沿った凹設形状とされる。
次いで、図75及び図76を参照して、振分け部材540が貯留位置に配置される際に、送球経路から2球以上の球が送球された場合の説明をする。図75(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。図76(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図78(a)及び(b)は、図74(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図75(a)から図76(b)までは、球が流入された際の球の遷移状態が順に図示される。さらに、図75(a)から図76(b)は、振分け部材540が貯留位置に配置された状態とされる。
図75(a)及び(b)に示すように、振分け部材540が貯留位置に配置された状態で、1球目の遊技球T1が第1送球経路KR1に送球されると、上述したように、遊技球T1は、第3送球経路KR3に送球されて、貯留板542の上方に停止される。
この場合、貯留板542は、第3送球経路KR3の上端から球の半径から直径の間の距離下流側に配置された位置とされるので、貯留板542の上部に停止された球の一部が、第1送球経路KR1側に突出された状態とされる(図75参照)。
よって、第3送球経路KR3(第1分岐通路)は、上述したように、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共に、その重力方向側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、貯留板542(流下状態変更手段)は、重力方向下側の内壁から第3送球経路KR3内へ出没可能に形成されるので、貯留板542を第3送球経路KR3内へ突出させ始めてから遊技球の流下を規制できる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板541の振り分け先が第2送球経路KR2(第2分岐通路)から第3送球経路KR3に切り替えられ、第3送球経路KR3に遊技球が振分けられた際に、その遊技球の流下の規制に貯留板542の突出を間に合わせ易くできる。
また、規制板541は、第3送球経路KR3に対して出没可能に形成され、第3送球経路KR3に最大に突出した状態では、突出する方向の力成分が遊技球から貯留板542へ作用されるので、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制する際に、その遊技球が衝突した際の衝撃で貯留板542が凹部519に没入することを抑制できる。よって、遊技球の流下を規制しやすくできる。
次に、図76(a)及び(b)に示すように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に2球目の遊技球T2が送球されると、遊技球T2は、第1送球経路KR1から第3送球経路KR3の上端に方向に送球される。第3送球経路KR3の上端部には遊技球T1が停止された状態とされるので、遊技球T2は、遊技球T1に衝突して第2送球経路KR2に送球される。
この場合、上述したように、遊技球T1は、第1送球経路KR1側に突出した状態とされるので、遊技球T2を第3送球経路KR3の内側に送球することなく第2送球経路KR2に案内することができるので、遊技球T2を第3送球経路KR3の内部に留まることなく第2送球経路KR2に送球することができる。よって、第1送球経路KR1及び第2送球経路KR2の送球を安定させることができる。
即ち、第1送球経路KR1(流下通路)における第2送球経路KR2(第2分岐通路)を望む側の内壁は、第1送球経路KR1を流下する遊技球を、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に貯留された規定数(1球)の遊技球のうちの末尾の遊技球を第3送球経路KR3の側面へ案内可能に形成されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球を、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突させた後、第2送球経路KR2へ流下させやすくできる。
なお、規定数の遊技球のうち、末尾の遊技球とは、上流側(規制板541と反対側)に位置する遊技球を意味する。また、本実施形態では、規定数は1球に設定される。この場合、末尾の遊技球は、第3送球経路KR3に貯留されている遊技球そのものを意味する。
また、上述したように、第1送球経路KR1(流下通路)は、その流下経路の下端側が、ベース板520の左右方向(図73左右方向)の中央部分に向かって傾倒されると共に、その傾倒部分が緩やかなS字状に湾曲して形成される。即ち、第1送球経路KR1(流下通路)の下流端の流下方向は、第3送球経路KR3の上流端の流下方向に形成されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が、第3送球経路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突した際に、末尾の遊技球に作用される反発力の方向を第3送球経路KR3の上流端の流下方向と異ならせることができる。その結果、衝突の際の反発力で、末尾の遊技球が第3送球経路KR3の上流端から飛び出して、第2送球経路KR2へ流入されることを抑制できる。
さらに、第3送球経路KR3の上端部は、第1送球経路KR1の下端部の傾斜方向に傾斜して形成されるので、遊技球T2が遊技球T1と衝突する位置を遊技球T1の上半球にすると共に、第2送球経路KR2側とすることができる。よって、遊技球T1に衝突した遊技球T2の跳ね返り方向を第2送球経路KR2の入り口(上端)側とすることができる。従って、遊技球T1に衝突する遊技球T2を第2送球経路KR2に送球しやすくできる。その結果、第1送球経路KR1及び第2送球経路KR2に球が停滞することを抑制できる。
また、規制板541による振り分け先が、第3送球経路KR3(第1分岐通路)とされると共に第3送球経路KR3における遊技球の流下が貯留板542(流下状態変更手段)により規制され、第3送球経路KR3に規定数(1球)の遊技球が貯留された状態では、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球が第2送球経路KR2(第2分岐通路)へ流下可能に形成されるので、規定数以上の遊技球が流下通路を流下する場合に、規定数を超える分の遊技球(2球目以降の遊技球T2)が第1送球経路KR1に滞ることを抑制できる。よって、規制板541の変位(振り分け先を第2送球経路KR2とする動作)が、第1送球経路KR1に滞った遊技球によって阻害されることを抑制できる。
次いで、図77を参照して、振分け部材540が規制位置に配置される際に、送球経路に球が送球された場合の説明をする。図77(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図77(a)及び(b)は、図74(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図77(a)及び(b)は、球が流入された際の球の遷移状態がそれぞれ図示される。さらに、図77(a)及び(b)は、振分け部材540が規制位置に配置された状態とされる。
図77(a)及び(b)に示すように、振分け部材540が規制位置に配置された状態で第1送球経路KR1に球が送球されると、送球された遊技球T1は、第1送球経路KR1の下端で規制板541に衝突する。これにより、遊技球T1は、第2送球経路KR2に案内されて、第2送球経路KR2を流下する。
次いで、図78を参照して、第3送球経路KR3の下流側に球を流下させる際の動作について説明する。図78(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図78(a)及び(b)は、図74(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図78(a)及び(b)は、球が流入された際の球の遷移状態がそれぞれ図示される。さらに、図78(a)は振分け部材540が貯留位置に配置された状態が、図78(b)は振分け部材540が規制位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図78(a)及び(b)に示すように、振分けユニット500が貯留状態(図78(a)に示す状態)とされた際に、振分け部材540が変位されて規制位置に配置されると、貯留板542の上方に停滞された遊技球T1が第3送球経路KR3の下流側に流下される。
即ち、第3送球経路KR3への球の流下は、貯留板542の上方に停滞された球のみとされる。また、上述したように貯留板542の上方に停滞する球は、1とされるので第3送球経路KR3への球の流下を1球ずつ行うことができる。よって、第3送球経路KR3の下流側に流下される球の数を安定させることができるので、第3送球経路KR3に意図しない球数の球が流下されることを抑制できる。
よって、振分け部材540(振分手段)は、その振分け部材540の変位に伴って第3送球経路(第1分岐通路)に対して出没可能に形成される規制板541(第1出没部)及び貯留板(第2出没部)を備え、規制板541は、第3送球経路へ突出することで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路KR2(第2分岐通路)へ振り分け可能に形成され、貯留板542は、規制板541よりも第3送球経路KR3の下流側に位置すると共に、第3送球経路KR3に突出することで、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら規制板541及び貯留板542は、一方が第3送球経路KR3の通路内へ突出した状態では他方が第3送球経路KR3の通路外(凹部518,519の内側)に退避されるので、球受部467(変位部材)の変位に伴って振分け部材540を変位させることで、規定数(1球)の遊技球のみを第3送球経路KR3へ振り分けて球受部467に受け取らせることができる。
即ち、規制板541が突出することで、第1送球経路KR1を流下する遊技球を第2送球経路へ振り分ける第1の状態と、規制板541は退避することで、第1送球経路KR1を流下する遊技球を第3送球経路へ振り分ける第2の状態と、第2出没部が突出することで、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制(遊技球を貯留)する第3の状態と、第2出没部が退避することで、第3送球経路に貯留されていた遊技球を流下させて球受部へ受け取らせる第4の状態とを形成することができ、これら各状態を組み合わせることで、規定数(1球)の遊技球のみを第3送球経路KR3へ振り分けて球受部467に受け取らせることができる。
また、振分け部材540が、規制板541及び542を備える、即ち、1の部品として形成されるので、振分け部材540の構造(規制板541及び貯留板542を動作させ、それらの機能を発揮させるための構造)を簡略かできる。更に、規制板541及び貯留板542は、一方が第3送球経路KR3の通路内へ突出した状態では、他方が第3送球経路KR3の通路外へ退避されるので、球受部467の2つの位置(第1位置および第2位置)に応じて、振分け部材540も2つの位置に変位可能に形成されれば足りる。即ち、振分け部材540を2つの位置で変位させることで、上述した第1から第4の状態を形成できる。よって、振分け部材540の構造および球受部467の変位に伴い振分け部材540を変位させる構造を簡素化でき、その分、遊技球の振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
次いで、図79から図80を参照して、振分けユニット500及び下変位ユニット400について説明する。図79は、振分けユニット500及び下変位ユニット400の正面図である。図80は、振分けユニット500及び下変位ユニット400の上面図である。なお、下変位ユニット400は、退避位置に配置された状態が図示される。
図79及び図80に示すように、振分けユニット500は、下変位ユニット400の正面側(図80下側)に配置される。この場合、振分けユニット500の転動部525に形成される開口525aと、下変位部材440の装飾部材450に形成される開口451aとが前後方向に重なる位置に配置される。よって、転動部525を転動される球は、開口525a及び開口451aを介して下変位部材440の内部に送球される。
言い変えると、下変位部材440への球の送球は、遊技盤13の前方の遊技領域を流下する球を遊技盤13に形成される第3入賞口82から送球ユニット600及び振分けユニット500を介して行われる。
よって、振分けユニット500は、球受部467の軌道領域に連通される転動部525を備え、振分け部材540は、転動部525における遊技球の通過を規制するので、例えば、振分け部材540に動作不良が生じ、2球目以降の遊技球T2が送球された場合でも、2球目以降の遊技球T2を、転動部525を介して、振分け部材540の軌道領域へ確実に送球させることができる。その結果、2球目以降の遊技球T2による不具合を生じ難くできる。
次いで、図81から図86を参照して、振分け部材540と下変位部材440との関係について説明する。図81、図83及び図85は、下変位ユニット400の正面図であり、図82、図84及び図86は、振分けユニット500の断面図である。なお、図81、図83及び図85では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面側に配設される振分けユニット500の振分け部材540のみが図示される。また、図82、図84及び図86では、振分け部材540が鎖線で図示されると共に、背面側に配設される下変位部材440の当接板464cが鎖線で図示される。
さらに、図81及び図82では、下変位部材440の球受部467が第1位置に、振分け部材540が規制位置にそれぞれ配置された状態が図示されると共に、下変位部材440が退避状態に位置する状態が図示される。図83及び図84では、下変位部材440の球受部467が第2位置に、振分け部材540が貯留位置にそれぞれ配置された様態が図示されると共に、下変位部材440が退避状態に位置する状態が図示される。図85及び図86では、下変位部材440の球受部467が第1位置に、振分け部材540が貯留位置にそれぞれ配置された状態が図示されると共に、下変位部材440が第1張出状態に位置する状態が図示される。
図81及び図82に示すように、下変位部材440が退避状態に配置された状態および下変位部材440の球受部467が第1位置に配置された状態では、上述したように球受部467を駆動するラック466が下変位部材440の他端側(下変位部材440の正面視左側)に配置されると共に、背面側に可動ラック464が前後方向に重なった状態に配置される。
即ち、可動ラック464は、ラック466と同様に、下変位部材440の他端側(下変位部材440の正面視左側)に配置された状態とされる。よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材440の他端側に位置される。この場合、当接板464cの他端側の側面(正面視左側の面)が、振分け部材540の突起部543に当接した状態とされる。これにより、振分け部材540は、軸孔545の軸を中心に回転の駆動力が作用されて、規制板541を第1送球経路KR1に突出させた位置(規制位置)に変位される。
従って、下変位部材440が退避状態にされると共に、球受部467が第1位置に配置された状態では、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球は、第3送球経路KR3に流下されず、第2送球経路KR2に送球される。また、上述したように、貯留板542の上方に球を貯留した貯留状態から振分け部材540を規制位置へ変位させることで、第3送球経路KR3の下流側(貯留板542の下流側)に遊技球を送球できる。この際に、球受部467を球受動作させることで球受部467の内側に遊技球を送球することができる。
なお、遊技球を振分けユニット500に貯留した状態とするための第3電動役物82aの開放動作は、球受部467が第1位置に変位する前に行われ、球受部467が第1位置に変位される際には、第3電動役物82aが閉鎖した状態とされる。これにより、振分け部材540を貯留位置から規制位置に変位させた際に、第1送球経路KR1を通過する遊技球が規制板541及び貯留板542により流下が規制されず、意図しない遊技球が第3送球経路KR3の下流側に送球されることを抑制できる。
また、振分け部材540は、球受部467の変位に連動して動作可能に形成されるので、球受部467の変位に応じて、球受部467の軌道領域への遊技球の送球を規制または、許容できる。即ち、遊技球の送球の規制または許容を、球受部467の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、例えば、振分け部材540の位置を検出するセンサの検出結果に応じて振分け部材540を駆動する、駆動手段、或いは、それら各手段の制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。
さらに、振分け部材540は、球受部467が第2位置から第1位置方向(第2方向)へ変位されることに連動して、球受部467の軌道領域へ遊技球T2を送球することを許容するので、球受部467の軌道領域であって、球受部467よりも第1方向側の領域に遊技球を確実に送球させることができる。
また、球受部467は、振分け部材540を切り替える切り替え位置とその切り替え位置(第1位置)とは異なる位置に設定される受け取り位置(第2位置)とに、変位可能に形成され、球受部467が切り替え位置に変位された状態では、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路KR3に切り替えられ、球受部467が受け取り位置に変位された状態では、第3送球経路から球受部467が遊技球を受け取り可能とされると共に、振分け部材540による振り分け先が第2送球経路KR2に切り替えられるので、球受部467が球を受け取り可能な規定数(本実施形態では1球)を超えた遊技球が第3送球経路KR3に振り分けられることを抑制できる。
即ち、切り替え位置と受け取り位置とを同一の位置に設定した場合には、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路へ切り替えられた状態のままで、球受部467が遊技球を受け取るため、球受部467が受け取り可能な規定数を超えて遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられる恐れがある。第3送球経路KR3への遊技球の流入を規制する手段を別途設けた場合には、構造が複雑化して信頼性が低下すると共に、製品コストの増加を招く。
これに対し、実施形態では、球受部467が切り替え位置へ変位され、規定数(本実施形態では1球)の遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられた後に、振分け部材540が受け取り位置へ変位されると、振り分け先が第2送球経路KR2へ切り替えられた状態とされるので、第3送球経路へ1球を超えた遊技球が流下しないようにできる。よって、球受部467が、受け取り可能な規定数(1球)を超えた遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられることを抑制できる。また、上述した手段(第3送球経路KR3への遊技球の流入を規制する手段)を別途設ける必要がないので、信頼性の向上と製品コストの低減とを図ることができる。
また、パチンコ機10は、電源を入れた(オンした)際に、各動作ユニットが電源を切った(オフした)位置から始動する。さらに、パチンコ機10の電源を切った場合にその制御のみがリセットされる可能性がある。その場合、振分け部材540が駆動手段を備えるものであると、電源入れた際に、貯留状態の振分けユニット500が初期動作の際に動作して第3送球経路KR3に遊技球を流下させて、第3位置に配置された球受部467の退避側(第1位置側)に遊技球が送球される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、振分け部材540の変位と球受部467の変位とが同期されるので、パチンコ機10が所定の基準位置に位置しない状態で電源が切られたとしても、パチンコ機10の電源を投入した際に意図しない遊技球が球受部467の軌道領域に送球されることを抑制できる。その結果、下変位部材440の内部に遊技球が詰まることを抑制できる。
さらに、下変位部材440の軌道領域に遊技球を残した状態で、電源がオフされた場合には、球受部467に上述した排出動作させることで、球受部467の軌道領域に残された遊技球を下変位部材440の外方に排出して、回収口411fから回収することができる。
次いで、図83及び図84を参照して説明する。図83及び図84に示すように、下変位部材440が退避状態に配置された状態および下変位部材440の球受部467が第2位置または第3位置(第1位置以外の位置)に配置された状態では、上述したように、球受部467を駆動するラック466が下変位部材440の左右方向(図83左右方向)略中央位置に配置されると共に、可動ラック464が下変位部材440の他端側(図83左右方向左側)の端部から、一端側に可動した位置に配置される。
よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材4440の他端側の端部から一端側に離間した位置に配置される。この場合、当接板464cの他端側の面(正面視左側の面)が、振分け部材540の突起部543と離間した状態とされる。これにより、振分け部材540は、振分け部材540とベース板520との間に介設される付勢ばねSP4の付勢力により軸孔545の軸を中心に回転されて、貯留板542を第3送球経路KR3に突出させた位置(貯留位置)に変位される。
従って、下変位部材440が、退避状態にされると共に、球受部467が第2位置または第3位置(第1位置以外の位置)に配置された状態では、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球が、貯留板542の上方に停止した状態とされる。また、上述したように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に送球される球は、貯留板542の上方に停止した球と衝突して第2送球経路KR2に送球される。
次いで、図85及び図86を参照して説明する。図85及び図86に示すように、下変位部材440が第1張出状態または第2張出状態に配置された状態では、上述したように下変位部材440が、正面ベース411に対してスライド変位されると共に回転変位される。よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材440の変位に伴って変位され、振分け部材540の突起部543と離間した状態とされる。これにより、振分け部材540は、振分け部材540とベース板520との間に介設される付勢ばねSP4の付勢力により軸孔545の軸を中心に回転されて、貯留板542を第3送球経路KR3に突出させた位置(貯留位置)に変位される。
従って、下変位部材440が、第1張出状態または第2張出状態とされると、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球が、貯留板542の上方に停止した状態とされる。また、上述したように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に送球される球は、貯留板542の上方に停止した球と衝突して第2送球経路KR2に送球される。
即ち、下変位部材440が、第1張出状態および第2張出状態(退避状態以外の状態)とされる場合には、下変位部材440の変位に伴って、装飾部材450の開口451aの位置が変位するために、開口451aと振分けユニット500の開口525aとの球の連通状態が解除される。そのため、第3送球経路KR3に球を流下すると、開口451aから球が背面ケース300の内部に排出される恐れがあるところ、本実施形態では、振分け部材540を貯留位置とすることで第3送球経路KR3の下流側に球が流下することを抑制することができる。その結果、背面ケース300の球が内部に球が排出されることを抑制できる。
言い変えると、下変位ユニット400の下変位部材440は、退避状態、第1張出状態および第2張出状態とで変位可能に形成され、退避状態に下変位部材440が位置する際に、下変位部材440に球受部467が配設されるので、下変位部材440を退避状態に配置した状態で球受部467を変位させる態様と、第1又は第2張出状態に配置した状態で球受部467を変位させる態様とを形成することができる。よって、その分、演出効果を高めることができる。
この場合、下変位部材440が第1又は第2張出状態に配置された状態では、球受部467が第3送球経路KR3の転動部525から遊技球を受け取り不能(第3送球経路KR3の転動部525と下変位部材440の開口451aとが非連通の状態)とされるところかかる状態では、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540に当接不能とされるので、球受部467は遊技球を受け取り不能な状態(下変位部材440が第1張出状態または第2張出状態に配置された状態)において、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路KR3に切り替えられることを抑制できる。
また、振分け部材540は、下変位部材440のベース部材470と別部材として形成される振分けユニット500のベース板520に配設されるので、その分、下変位部材440のベース部材470の大型化を抑制することができる。
ここで、下変位部材440の第1張出状態から退避状態への変位は左右方向への回転変位だけでなく回転変位もされるため、傾倒状態の当接板464cその回転変位をした際に、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できない恐れがある。
これに対し、本実施形態では、下変位ユニット400が、図85に示す第1張出位置に変位した状態から、退避状態に変位する場合には、球受部467を第1位置以外の箇所(第2位置または第3位置)に変位させた状態とされる。これにより、退避状態に変位した下変位部材440の当接板464cが、突起部543と衝突することを抑制できる。その結果、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できなくなることを抑制できる。
また、振分け部材540は、上述したように膨出部543aが形成されるので、制御不良等により、下変位ユニット400を第1張出状態から退避状態に変位させる際に、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接した場合にも、振分け部材540を回転変位させることができる。
即ち、膨出部543aにより当接板464cとの接地面積を小さくできるので、当接板464cが当接した際に膨出部543aをその面に沿って摺動させやすくできる。よって、振分け部材540を回転変位させやすくできる。その結果、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できなくなることを抑制できる。
次いで、図87から図90を参照して、回転ユニット700の駆動伝達部分の構成について説明する。図87は、回転ユニット700の正面図であり、図88は、回転ユニット700の背面図であり、図89は、回転ユニット700の分解斜視正面図であり、図90は、回転ユニット700の分解背面斜視図である。
図87から図90に示すように、回転ユニット700は、複数の変位部材で構成される装飾ユニット750と、その装飾ユニット750の重力方向上側に配置される球受台710と、その球受台710及び装飾ユニット750の背面側に配置される背面ベース720と、装飾ユニット750の正面視左側に配設される左側伝達部材730と、装飾ユニット750の正面視右側に配設される右側伝達部材740と、を主に備えて形成される。
球受台710は、上述した下変位ユニット400の下変位部材440の一側の出射開口471から出射される遊技球を落下させる部材である。これにより、下変位部材440の内側に送球された球を回転ユニット700に送球させることができる。なお、球受台710の詳細な構成については、後述する。
装飾ユニット750は、側面視において上方に湾曲部分を配置した略D字状のブロック体であり、正面側にキャラクターや模様の装飾が施される。また、装飾ユニット750は、複数の部材から構成されており、後述する駆動の伝達により変位可能に構成される。なお、装飾ユニット750の構成についての説明は後述する。
背面ベース720は、球受台710の背面側および装飾ユニット750の背面側を連結する板部材であり、正面視略矩形に形成される。上述したように装飾ユニット750は、複数の可動部材で構成されるために、その締結部分が限定されるところ、遊技者から視認不能とされる位置の背面側で装飾ユニット750と球受台710とを連結することで、装飾ユニット750の可動域を確保しつつ、装飾ユニット750と球受台710とを1つのユニットとして組み付けることができる。
左側伝達部材730は、装飾ユニット750の左側側面(図87左側)に配設される駆動モータKM4と、その駆動モータKM4の駆動力を伝達する伝達部材730と、駆動モータKM4が取着されるモータベース732と、伝達部材730を覆設するギヤカバー733と、そのギヤカバー733に取着されると共にギヤカバー733との対向間に所定の隙間を形成する送球経路カバー734とを主に備えて形成される。
駆動モータKM4は、後述する装飾ユニット750の各部材を可動させるための駆動源である。駆動モータKM4の駆動は、後述する伝達部材730により伝達される。
伝達部材730は、駆動モータKM4の軸に取着される伝達ギヤ731aと、その伝達ギヤ731aに歯合する伝達ギヤ731bと、その伝達ギヤ731bに歯合する伝達ギヤ731cと、その伝達ギヤ731cと隣り合って配置されると共に軸735により同軸に配設される伝達ギヤ731dと、伝達ギヤ731dと歯合される負荷ギヤ731eとを主に備えて形成される。
伝達ギヤ731aは、上述したように駆動モータKM4に取着されており、駆動モータKM4が回転駆動されることで回転する。
伝達ギヤ731bは、内部にワンウェイクラッチOW1が配設されると共に、そのワンウェイクラッチOW1の内輪が回転の駆動力を装飾ユニット750を右側の右側伝達部材740に伝達する軸部JB1に連結される。
なお、ワンウェイクラッチOW1は、内側に配置されると共に外周面にカム面が形成される内輪と、その内輪の外側に配設される外輪と、内輪および外輪との間に複数のスプリング及びローラーと、を備え、内輪に対して外輪が一方向に回転しようとするとカム面とローラーとの接触面圧が高くなり、抵抗となって内輪への動力を伝達し、内輪に対して外輪が他方向に回転すると、カム面とローラーとの接触面圧が低くなり、滑って動力伝達を切断するカム式のクラッチである。
よって、伝達ギヤ731bは、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸部JB1に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されると、内輪に対して外輪が滑って軸部JB1への駆動力の伝達が遮断される。
伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731bと同様に内部にワンウェイクラッチOW1が配設される。また、伝達ギヤ731cのワンウェイクラッチOW1の内側には、軸735が配設されている。
よって、伝達ギヤ731cは、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸735に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されると、内輪に対して外輪が滑って軸735への駆動力の伝達が遮断される。また、伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731bと歯合されており、互いの回転方向は反対方向とされる。そのため、伝達ギヤ731bが一方向の回転とされる際には、伝達ギヤ731cが他方向の回転とされる。一方、伝達ギヤ731bが他方向の回転とされる際には、伝達ギヤ731bが一方向の回転とされる。即ち、駆動モータKM4の回転方向が切り換えられることにより、軸部JB1が回転する態様または軸735が回転する態様に切り換えられる。
伝達ギヤ731dは、軸735に取着される。上述したように軸735は、伝達ギヤ731cが一方向に回転された場合にのみ回転される。よって、伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731cが一方向に回転された場合のみ一方向に回転し、他方向への回転は非回転とされる。
負荷ギヤ731eは、軸孔が箱部材760に取着される抵抗部材791の軸部791aに連結される。抵抗部材791は、箱部材760に締結されるベース部分に対して回転可能な軸部791aを備えて形成される。抵抗部材791は、軸部791aがベース部分に対して回転する際に所定量の抵抗が作用するように形成される。即ち、軸部791aを回転させるには、所定量の力が必要とされるので、軸部791aに連結される負荷ギヤ731eを回転させる力も同様に所定量以上の力が必要とされる。
これにより、伝達ギヤ731dに歯合される回転体800が伝達ギヤ731dの回転により、回転されて停止した際にその、慣性力によって回転することを抑制できる。即ち、軸部791aがベース部分に対して回転する際の抵抗は、回転体800の回転が停止した際に回転体800の軸周りに作用する慣性力よりも大きく設定される。
また、負荷ギヤ731eは、伝達ギヤ731cと同軸に配設される伝達ギヤ731dに連結される。よって、駆動モータKM4にかかる負荷ギヤ731eの抵抗を、伝達ギヤ731dを回転させる一方向の回転のみとすることができる。即ち、伝達ギヤ731cが、他方向に回転される際には、伝達ギヤ731cと伝達ギヤ731dとの駆動の伝達が遮断されるので、負荷ギヤ731eの抵抗が作用することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ731bを一方向に回転かせる際には、負荷ギヤ731eの抵抗が作用することを抑制できる。
モータベース732は、装飾ユニット750側が開放する箱状体に形成され、箱の底部分の外側(図87左側)に駆動モータKM4が軸を箱の内側に挿通した状態で配設される。これにより、駆動モータKM4の軸に連結される伝達ギヤ731aをモータベース732の内側に配設できる。即ち、モータベース732の箱の深さ寸法は、伝達ギヤ731aの幅寸法よりも大きく設定される。その結果、モータベース732に駆動モータKM4及び伝達ギヤ731aを取着した状態で装飾ユニット750に配置することができると共に、伝達ギヤ731aが装飾ユニット750に衝突することを抑制できる。
ギヤカバー733は、背面視縦長矩形に形成されると共に、間に左側伝達部材730を配置した状態で装飾ユニット750に締結される。また、装飾ユニット750には、後述する回転体800の軸孔と対向する位置に貫通孔733aが貫通形成される。これにより、回転体800の内部を転動する球を貫通孔733aを介して外方に排出することができる。なお、回転体800に送球される球についての説明は後述する。
送球経路カバー734は、ギヤカバー733の外側(図87左側)に配置される部材であり、板状体から形成されると共に、その縁部からギヤカバー733側に突出する壁部が立設される。これにより、ギヤカバー733と送球経路カバー734との対向間に隙間を形成することができ、ギヤカバー733の貫通孔733aを挿通された球をその隙間を挿通させて回転ユニット700の外側に排出することができる。ギヤカバー733と送球経路カバーとの対向間の隙間から排出された球は図示しない回収経路に送球されて回収される。
右側伝達部材740は、上述した軸部JB1の他端側に連結される回転部材741と、その回転部材741に一端が連結されるアーム部材742と、回転部材741及びアーム部材742とを覆設した状態で装飾ユニット750に配設されるクランクカバー743とを主に備えて形成される。
回転部材741は、円盤状の板状に形成される本体部741bと、その本体部741bの軸にはめ込まれるワンウェイクラッチOW1と、装飾ユニット750の反対側(図87右側)に突出する円柱状の突起741aとを主に備えて形成される。
回転部材741に取着されるワンウェイクラッチOW1は、内輪の軸孔が軸部JBの他端側に挿入される。また、ワンウェイクラッチOW1は、軸部JB1の回転方向と反対の回転が内輪に入力されると内輪と外輪とが非伝達とされるように配置される。
これにより、回転部材741に軸部JB1から伝達される回転速度よりも速い回転速度の駆動力をワンウェイクラッチOW1の外輪に入力した場合に、外輪のみを回転させて回転部材741を駆動モータKM4の駆動以外の駆動力で回転させることができる。その結果、回転部材741に速度の異なる2つ以上の回転をさせることができる。
アーム部材742は、側面視C字とI字とを組み合わせた形状であり、C字の一端にI字の他端が連結されて形成される。また、アーム部材742は、C字部分とI字部分との連結部分に貫通形成される軸孔742aと、I字部分の一端に貫通形成される楕円状の第1摺動溝742bと、C字部分の他端に貫通形成される楕円状の第2摺動溝742cとを主に備えて形成される。
軸孔742aは、後述する箱部材760の右側側面板764に形成される軸部764aが挿入される孔であり、軸部764aの外径よりも大きい内径に形成される。よって、アーム部材742は、軸孔742aに軸部764aが挿入されて、装飾ユニット750に配設されるので、装飾ユニット750に対して回転可能とされる。
第1摺動溝742bは、回転部材741の突起741aが挿入される孔であり、楕円に形成された短手方向の幅寸法が、突起741aの外径よりも大きく設定される。よって、第1摺動溝742bの内側に突起741aを挿入できると共に、回転部材741の回転により、アーム部材742を回転変位させることができる。
また、回転部材741は、外径がアーム部材742のI字部分の長手方向寸法よりも小さく形成されると共に、軸がアーム部材742の軸孔742aからI字部分の長手方向寸法の半分の距離よりも離間した位置に配置される。これにより、回転部材741を回転させることでアーム部材742に軸孔742aの軸を中心とした回転の往復運動をさせることができる。
第2摺動溝742cは、後述する右側蓋部773の突起773aが挿入される孔であり、楕円に形成された短手方向の幅寸法が、突起773aの外径よりも大きく設定される。よって、第2摺動溝742cの内側に突起773aを挿入できる。また、右側蓋部773は、箱部材760に対して回転変位可能に形成されている。よって、上述したように回転部材741が回転されて、アーム部材742が回転の往復運動をすることで、アーム部材742の他端に連結される右側蓋部773を箱部材760に対して回転させることができる。
クランクカバー743は、背面視楕円に形成される楕円部分743aと、その楕円部分743aの背面側に連なって形成される球送球部743bとを主に備えて形成される。
楕円部分743aは、アーム部材742を覆設するカバーであり、側面視における外形がアーム部材742及びアーム部材742の変位領域よりも大きく形成されると共に、縁部から装飾ユニット750側にアーム部材742の厚みよりも大きく突出する壁部が形成される。これにより、クランクカバー743を装飾ユニット750に配設した際に、クランクカバー743と装飾ユニット750との対向間にアーム部材742を配設できる。
球送球部743bは、遊技盤13の前方の流下領域を流下する球が所定の回収口より回収された際に、その球を回収経路に送球するための経路部材であり、内部に所定の大きさの空間を備える棒状に形成される。また、球送球部743bは、上端側が、開口され遊技盤13の回収口に連結されると共に、下端側が、装飾ユニット750に形成される開口に連結される。これにより、遊技盤13に回収された球を、球送球部743bを介して装飾ユニット750の内部に通して図示しない回収経路に案内することができる。
次いで、図91から図95を参照して装飾ユニット750について説明する。図91は、装飾ユニット750の正面図である。図92(a)は、図91の矢印XCIIa方向視における装飾ユニット750の側面図であり、図92(b)は、図91の矢印XCIIb方向視における装飾ユニット750の側面図である。図93は、装飾ユニット750の分解斜視正面図であり、図94は、装飾ユニット750の分解斜視背面図である。なお、図91(b)及び図91(c)では、箱部材760の右側側面板764及び左側側面板765と透明視された状態が図示される。
図91から図94に示すように、装飾ユニット750は、装飾ユニット750の外側の装飾部分となる箱部材760及び箱部材760の重力方向上側(図91(a)上側)に配設される蓋部材770と、箱部材760及び蓋部材770の内部に配設される回転体800とを主に備えて形成される。
箱部材760は、回転体800の下方に配設されるベース部材762と、そのベース部材762の前方に配設される前面板761と、ベース部材762の底面に配置される下面板763と、ベース部材762の正面視右側に配設される右側側面板764と、ベース部材762の正面視左側に配設される左側側面板765とを主に備えて形成される。
ベース部材762は、上面視において回転体800よりも大きい矩形横長に形成されると共に、重力方向に球の外径よりも大きい厚みを備えて形成される。ベース部材762は、上面が回転体800の軸と同軸の曲面に形成される。これにより、ベース部材762を回転体800の近傍に配置した際にベース部材762と回転体800の衝突を抑制できる。
ベース部材762は、上面に左右方向に亘って下側に凹設される凹部762aと、底面に略L字に凹設される球送球部762bとを主に備えて形成される。
凹部762aは、内側に上述した軸部JB1が配設される溝であり、装飾ユニット750の側面に配設される伝達ギヤ731bの軸上に凹設される。これにより、軸部JB1を介して駆動モータKM4の駆動力を伝達することができる。
球送球部762bは、底面にL字に屈曲して凹設されており、一端側が、右側側面板764の開口764bに連結されると共に、他端側が、前面板761の入賞口761aの背面側に連結される。また、球送球部762bの凹設幅は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、下側に下面板763が配設されることで箱部材760の内部に球を送球可能とできる。
前面板761は、正面視矩形横長に形成されると共に、背面側に所定の厚みを備えて形成される。また、前面板761は、正面側に球が挿入可能な大きさの入賞口761aが形成される。入賞口761aは、上述したように背面側に配設されるベース部材762の球送球部762bに連結される。よって、入賞口761aの内部に送球された球は、ベース部材762の球送球部762bに送球される。
右側側面板764は、側面視における外形が上方が湾曲するD字状に形成される。また、右側側面板764は、装飾ユニット750の外側に突出する軸部764aと、その軸部764aの下方に貫通形成される軸受部764cと、回転体800の回転軸と同一の軸の湾曲状に開口形成される湾曲開口764dと、クランクカバー743の球送球部762bの下端と対向する位置に開口する開口764bと、回転体800の回転軸の軸上に側面視半円形に貫通形成される係合部764eとを主に備えて形成される。
開口764bは、クランクカバー743の球送球部から送球される球をベース部材762へ送球可能にするための孔であり、球の外径よりも大きく形成される。これにより、クランクカバー743に送球された球を、ベース部材762に送球できる。
軸受部764cは、上述した軸部JB1が挿入される孔であり、軸部JB1の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、上述した右側伝達部材740に駆動力を伝達することができる。
湾曲開口764dは、右側蓋部773突出する突起773aが内部に挿通される開口である。また、湾曲開口764dは、蓋部材770が回転変位されるために、蓋部材770の回転軸と同軸の円弧形状に形成される。これにより、蓋部材770が回転変位された際に、突起773aと湾曲開口764dとが衝突することを抑制できる。
係合部764eは、回転体800の内部に配設されるベース板810の正面視右側の端部と係合してベース板810を回転不能に保持する部材である。即ち、ベース板810の右端部811の先端部811aが係合部764eに挿入されて配置される。これにより、ベース板810が回転不能とされる。
左側側面板765は、側面視における外形が右側側面板764と略同一に形成される。また、左側側面板765は、回転体800の軸上に貫通形成される貫通孔765aと、回転体800側に向かって突出する軸部765bと、抵抗部材791の軸部791aが挿入される貫通孔765cとを主に備えて形成される。
貫通孔765aは、回転体800の正面視左側における開口から排出される球を、上述したモータベース732の貫通孔733aに挿通するための開口である。即ち、貫通孔765aは、回転体800の軸上に形成されると共に、その内径の大きさが回転体800の正面視左における開口の内径と同一の大きさに設定される。
軸部765bは、後述する回転規制部材780に形成される軸孔781に挿入されて、回転規制部材780を回転可能な状態で保持できる。なお、回転規制部材780の変位については後述する。
貫通孔765cは、上述したように抵抗部材791の軸部791aを挿通する孔であり、上述した負荷ギヤ731eの側面と対向する位置に形成される。
下面板763は、ベース部材762の下面に配設されることで、ベース部材762の球送球部762bと下面板763とで、球が通過可能な送球経路を形成する板部材である。また、下面板763には、上下方向に貫通する開口763aが形成される。開口763aは、球送球部762bの内側を送球された球を、図示しない回収経路に送球するための開口である。よって、前面板761の入賞口761aに入賞した球および遊技領域から右側伝達部材740の球送球部743bに送球され球を装飾ユニット750の内部から排出できる。
蓋部材770は、回転体800の軸と同軸の湾曲状に形成される湾曲蓋部771と、その湾曲蓋部771の正面視右側の側面に締結される右側蓋部773と、湾曲蓋部771の正面視左側の側面に締結される左側蓋部772とを主に備えて形成される。
湾曲蓋部771は、上述したように側面視における外形が、回転体800の軸と同軸の湾曲形状に形成されると共に、回転体800のよりも大きい半径で形成される。湾曲蓋部771は、正面側の一部に透明板から形成される透明部771aを備える。
透明部771aは、遊技者から回転体800の外周面に描かれた模様やキャラクターなどを遊技者に視認可能にさせる板である。即ち、遊技者は、回転体800が蓋部材770に上端側が覆設された態様であっても、透明部771aを介して回転体800の表示を視認可能とされる。
右側蓋部773は、側面視円環状に形成され、円環外側の半径が湾曲蓋部771の半径と略同一に設定される。また、右側蓋部773の内径は、回転体800の右端部811の側面視における外形の大きさよりも大きく形成される。これにより、右側蓋部773は、円環状の内側部分に回転体800の右端部811を挿通した状態で配設される。
さらに、右側蓋部773は、装飾ユニット750の外側(正面視右側)に突出する突起773aと、外周縁部に径方向内側に向かって凹設される凹部773bとを主に備えて形成される。突起773aは、上述したように、アーム部材742の第2摺動溝742cに挿入される突起である。
凹部773bは、後述する開閉部材870の突起871が挿入されることで、開閉部材870を回転させることができる。よって、凹部773bは、凹設幅が、突起871の外形よりも大きく設定される。また、凹部773bは、湾曲蓋部771が配設される右側蓋部773の縁部と略反対の位置に形成される。
左側蓋部772は、側面視円環状に形成され、円環外側の半径が湾曲蓋部771の半径と略同一に設定される。また、左側蓋部772の内径は、後述する左回転部880の歯面881aの外径よりも大きく形成される。これにより、左側蓋部772は、円環状の内側部分に回転体800の左回転部880を挿通した状態で配設される。
また、左側蓋部772は、装飾ユニット750の外側(正面視左側)に突出する板状体のセンサ板772aが形成される。センサ板772aは、図示しない二股状のセンサの対向間に配置されることで、左側蓋部772の位置を検出できる。
ここで、回転体800に対する蓋部材770について説明する。回転体800を組み上げた状態での蓋部材770の配設は、組み上げ前(別部材)の右側蓋部773及び左側蓋部772の内側に回転体800の左右の端部をそれぞれ挿入した状態とする。それから、右側蓋部773及び左側蓋部772と湾曲蓋部771を組み上げることで回転体800と蓋部材770とが連結される。よって、蓋部材770は、回転体800の軸を中心に、回転体に対して回転可能とされる。
回転規制部材780は、側面視略L字状に屈曲して形成される。回転規制部材780は、屈曲部分に貫通した軸孔781と、一端側に屈曲方向に突出する突起782と、他端側の先端に平坦に形成される当接面783とを主に備えて形成される。
軸孔781には、上述したように左側側面板765の軸部765bが挿入される。これにより、回転規制部材780は、左側側面板765に対して回転可能に保持される。また、軸部には、付勢ばねSP5が挿入される。その結果、回転規制部材780には、1方向の回転力が作用される。
突起782は、後述する左回転部880の係合突起882と係合することで、回転体800の回転変位を規制できる。当接面783は、上述した蓋部材770の背面側の端部が当接する面であり、蓋部材770が当接されることで、回転規制部材780を回転させることができる。なお、回転規制部材780と回転体800との規制態様については後述する。
次いで、図95から図96を参照して、駆動モータKM4が回転された場合の駆動力の伝達経路を説明する。図95(a)及び図96(a)は、図89の矢印XCVa方向視における回転ユニット700であり、図95(b)及び図96(b)は、図89の矢印XCVbにおける回転ユニット700である。
なお、図95では、駆動モータKM4の軸が正方向(時計回り)に回転された際の各部材の変位方向が2点鎖線で図示される。図96では、駆動モータKM4の軸が負方向(反時計回り)に回転された際に各部材の変位方向が2点鎖線で図示される。
図95(a)及び図95(b)に示すように、駆動モータKM4が正方向に駆動されると、伝達ギヤ731aが正方向に回転される。伝達ギヤ731aが正方向に回転されると、伝達ギヤ731bが負方向に回転されると共に、伝達ギヤ731cが正方向に回転される。
この場合、伝達ギヤ731bに配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に非伝達とされ、軸部JB1が非回転とされる。よって、軸部JB1に連結される回転部材741に駆動力が非伝達とされ、アーム部材742は停止状態とされる。
一方、伝達ギヤ731に配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に伝達する状態とされ、軸735が回転される。よって、軸735に連結される伝達ギヤ731dが回転される。これにより、伝達ギヤ731dに歯合される負荷ギヤ731eおよび回転体800の歯面881aが回転される。即ち、駆動モータKM4が正回転をすると、蓋部材770への駆動力は非伝達とされると共に、回転体800への駆動力は伝達状態とされる。
図96(a)及び図96(b)に示すように、駆動モータKM4が負方向に駆動されると、伝達ギヤ731aが負方向に回転される。伝達ギヤ731aが負方向に回転されると、伝達ギヤ731bが正方向に回転されると共に、伝達ギヤ731cが負方向に回転される。
この場合、伝達ギヤ731bに配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に伝達する状態とされ、軸部JB1が回転される。よって、軸部JB1に連結される回転部材741に駆動力が伝達され、回転部材741が回転される。これにより、アーム部材742が軸孔742aの軸を中心とする回転往復運動をして、蓋部材770が変位される。
一方、伝達ギヤ731に配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に非伝達とされ、軸735が非回転とされる。よって、軸735に連結される伝達ギヤ731dに駆動力が非伝達とされ、回転体800及び負荷ギヤ731eは非回転状態とされる。即ち、駆動モータKM4が負回転をすると、蓋部材770への駆動力は伝達状態とされると共に、回転体800への駆動力は非伝達とされる。
よって、駆動モータKM4からの駆動力を、回転体800へ伝達する伝達ギヤ731c(回転側駆動手段)と蓋部材770を介して後述する開閉部材870へ伝達する伝達ギヤ731b(変位側伝達手段)とに、ワンウェイクラッチOW1を配設することで、駆動モータKM4の回転方向に応じて、その回転力を伝達ギヤ731cまたは伝達ギヤ731bの一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断することができる。その結果、駆動モータKM4の回転方向を切り替えるのみで、その回転駆動力により駆動する駆動対象を切り替えることができる、即ち、駆動モータKM4の回転方向に応じて、回転体800の回転およびその回転の停止と、開閉部材870の変位およびその停止とを切り替えることができ、複数の態様を形成可能としつつ、構造を簡素化できる。
ここで、ワンウェイクラッチOW1を利用して駆動手段の回転方向に応じて、その駆動対象(回転体800または開閉部材870(蓋部材770)を切り替える構造では、駆動モータKM4からの駆動力の伝達が遮断されると、駆動力により駆動されていた方向への回転または変位が自在な状態となる。そのため、例えば、駆動手段の駆動対象が回転体800から開閉部材870(蓋部材770)に切り替えられ、駆動力の伝達が遮断されると、回転体800は、回転自在な状態となり慣性力により回転が継続(自転)される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、伝達ギヤ731cにより駆動される伝達ギヤ731dに歯合される負荷ギヤ731e(負荷用歯車)を備えるので、駆動モータKM4からの回転の駆動力の伝達が遮断されても、負荷ギヤ731eを回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、回転体800の回転が継続されることを抑制できる。
次いで、図97及び図98を参照して、蓋部材770の変位について説明する。図97(a)及び図98(c)は閉鎖状態の、図97(b)及び図98(b)は中間状態の、図97(c)及び図98(a)は開放状態の、それぞれにおける装飾ユニット750及び右側伝達部材740の側面図である。
なお、図97(a)から図97(c)及び図98(a)から図98(c)では、右側伝達部材740のクランクカバー743が取り外された状態が図示される。また、装飾ユニット750の閉鎖状態とは、蓋部材770が回転体800の上方(図97(a)上方)半面を覆う状態に配置された状態であり、開放状態とは、蓋部材770が回転変位され、回転体800の背面側(図97(c)右側)に配置された状態である。中間状態とは、蓋部材770が、閉鎖状態と開放状態との間の位置に配置された状態である。
さらに、図97(a)から図97(c)では、閉鎖状態から開放状態へ変位される状態が順に図示され、図98(a)から図98(c)では、開放状態から閉鎖状態へ変位される状態が順に図示される。
まず、図97を参照して、閉鎖状態から開放状態へ変位される際の蓋部材770の変位について説明する。アーム部材742への駆動力の伝達は、上述したように駆動モータKM4を負方向に回転させることで行われる。
閉鎖状態では、回転部材741の突起741aは、アーム部材742の軸孔742aよりも背面側(図97(a)右側)に配置された状態とされる。よって、アーム部材742は、突起741aが挿入される第1摺動溝742bが軸孔742aよりも背面側に配置される。
アーム部材742の軸孔742aと第1摺動溝742bと第2摺動溝742cとは略同一直線上に形成される。従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが軸孔742aよりも正面側(図97(a)左側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の右側面に突出する突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の上方に配置した状態とされる。
次に、図97(b)に示すように、回転部材741を略90度回転させて、突起741aを回転部材741の軸の下方に位置させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが、突起741aの変位に伴って軸孔742aの重力方向下側(図97(b)下側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aの重力方向上側(図97(b)上側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に回転変位させた位置に配置した状態とされる。
この場合、蓋部材770の重心位置が、蓋部材770の回転軸(円柱状に形成される回転体800の中心位置)よりも背面側に配置される。よって、蓋部材770の荷重により、蓋部材770を閉鎖状態から開放状態へ変位させる方向に回転力が作用される。上述したように、回転部材741は、ワンウェイクラッチOW1が配設されており、外輪が内輪に対して先行して回転可能に構成されるので、蓋部材770の荷重により駆動モータKM4の駆動を停止して蓋部材770を継続して回転させることができる。
図97(c)に示すように、蓋部材770は、回転体の背面側まで変位されると、回転部材741の突起741aが中間状態の位置から略90度回転された位置に停止される。即ち、突起741aの変位領域の一番左側(図97左側)端部とされる。よって、アーム部材742の回転が規制され、蓋部材770の回転が停止される。
即ち、閉鎖状態から開放状態への蓋部材770の変位は、駆動モータKM4を駆動して中間状態に変位させる動作と、蓋部材770の荷重り落下する動作とで行われる。
その結果、蓋部材770を閉鎖状態から開放状態へ変位させる際には、駆動モータKM4を駆動させる区間を全区間の半分とすることができるので、駆動モータKM4の消費エネルギーを小さくできる。
さらに、閉鎖状態から中間状態への変位速度は、駆動モータKM4の回転速度に従う態様に、中間状態から開放状態までの変位速度は、蓋部材770の荷重に従う態様に、それぞれすることができるので、閉鎖状態から開放状態までの変位速度を2段階に変化させることができる。従って、駆動モータKM4の変位速度を変更することなく蓋部材770の変位速度を変更させることができるので、制御を複雑化する必要がない。その結果、制御を簡易にでき、制御不良が発生することを抑制できる。
なお、蓋部材770が駆動モータKM4の回転速度に従う変位区間を第1区間と称し、蓋部材770が蓋部材770の荷重に従う変位区間を第2区間と称し、第1区間には、DK1の符号を、第2区間には、DK2の符号を付して説明する。
次に、図98を参照して、開放状態から閉鎖状態へ変位される際の蓋部材770の変位について説明する。
上述したように、開放状態では、回転部材741の突起741aは、アーム部材742の軸孔742aよりも正面側(図98(a)左側)配置された状態とされて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に配置した状態とされる。
次に、図98(b)に示すように、回転部材741を略90度回転させて、突起741aを回転部材741の軸の上方に位置させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが突起741aの変位に伴って軸孔742aの重力方向下側(図98(b)下側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aの重力方向上側(図98(b)上側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に位置させた状態から略45度上方に回転変位させた位置に配置した状態とされる。
また、閉鎖状態の位置(図97(a)の位置)に変位させた蓋部材770は、遊技領域(遊技盤13の正面側)に配置されており、開放状態の位置(図97(c)の位置)に変位させた蓋部材770は、遊技領域の領域外(遊技盤13の背面側)に配置される。よって、遊技領域を流下する遊技球が回転体800に衝突して、かかる回転体800が回転されることを抑制できる。特に、本実施形態では後述するように回転体800には、遊技領側へ向かって変位する開閉部材870が配設されるので、遊技領域を流下する遊技機が開閉部材870に衝突して、かかる開閉部材870が開放される(張り出される)ことを抑制できる。
また、蓋部材770は、開放状態の位置では、遊技領域の領域外に配置されるので、蓋部材770の開放状態の位置への変位により、開閉部材870が遊技領域へ張り出すためのスペースを確保することができる。よって、その分、回転体800の外面を遊技領域側へ近づけることができ、遊技者に開閉部材870を視認させやすくできる。
さらに、蓋部材770は、回転体800の回転軸と略平行な軸まわりに回転可能に形成されると共に、回転体800の外面に沿って、湾曲する板状に形成されるので、閉鎖状態の位置(覆設位置)及び開放状態の位置(退避位置)の間で変位する際に必要なスペースを抑制できる、よって、その分、他の部材を配設するためのスペースを確保できる。また、このように蓋部材770が湾曲して形成されることで、遊技領域を流下する遊技球が、閉鎖状態の位置に配置された蓋部材770上に停留されることを抑制して、スムーズに流下させることができる。
次に、図98(c)に示すように、回転部材741を更に略90度回転させて、突起71aを回転部材741の軸の右側に変位させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが突起741aの変位に伴って軸孔742aよりも背面側(図98(c)右側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aよりも正面側(図98(c)左側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の上方に配置した状態とされる。
この場合、蓋部材770の変位に伴って、蓋部材770の重心位置が、蓋部材770の回転軸よりも正面側に変位される。よって、中間状態から閉鎖状態の途中で、蓋部材770の荷重により、蓋部材770を開放状態から閉鎖状態へ変位させる方向に回転力が作用される。よって、駆動モータKM4の駆動を停止した状態でも、蓋部材770の荷重により蓋部材770を継続して回転させることができる。
よって、蓋部材770の荷重により蓋部材770を閉鎖状態とすることができるので、蓋部材770を確実に閉鎖状態とできる。
ここで、蓋部材770の回転変位が駆動モータKM4のみにより変位するものであると、駆動モータKM4の駆動停止動作がずれた場合に、蓋部材770を正常な位置で停止できなくなる恐れがある。また、本実施形態のように、回転部材741の回転方向が1つの場合、駆動モータKM4の停止動作が遅れた場合に、正常な位置へ戻すには1回転分の回転が必要となる。
これに対し、本実施形態では、蓋部材770を停止させる位置を蓋部材770の荷重を利用して機械的に停止させることができるので、蓋部材770の停止位置がずれることを抑制することができる。
ここで、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材への駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機が知られている。しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から変位部材への伝達手段による駆動力の伝達状態が常に一定であるため、駆動手段が一定の駆動速度で駆動されると、変位部材も一定の速度で変位され、かかる変位部材の変位態様に変化を付与することができない。そのため、変位部材の変位に伴う演出の演出効果が不十分であるという問題点があった。
なお、駆動手段の駆動速度を増減させれば、変位部材の変位速度を変化させることはできるが、変位部材の変位区間のうちの所定の区間における変位速度を他の区間における変位速度と異なる変位速度とするためには、変位部材の位置を検出するセンサ装置を配置し、そのセンサ装置の検出結果に応じて、駆動手段の出力を増減させる制御が必要となり、製品コストや制御コストの増加を招く。また、構造および制御が複雑となり、その信頼性の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、伝達手段(回転部材741及びアーム部材742)は、ワンウェイクラッチOW1を備え、ワンウェイクラッチOW1の内輪(第1部材)がワンウェイクラッチOW1の外輪(第2部材)に対して、一方向に変位される場合には、内輪および外輪にローラーが係合して、駆動力が伝達されると共に、内輪が外輪に対して他方向へ変位される場合には、内輪および外輪へのローラーの係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断され、蓋部材770(変位部材)の変位区間のうちの第2区間DK2(所定の区間)では、外輪が内輪に対して一方向へ向けて変位されるので、回転部材741の駆動状態にかかわらず、第2区間DK2における蓋部材770の変位速度を、他の区間における蓋部材770の変位速度よりも速くすることができる。よって、蓋部材770に変化を付与して、その蓋部材770の変位に伴う演出効果を高めることができる。
また、駆動モータKM4の駆動状態に関わらず、外輪を内輪に対して一方向に先行させることができるので、例えば、蓋部材770の変位区間における全区間において、駆動モータKM4を一定の駆動速度で駆動でき、蓋部材770の変位区間の途中で(即ち第1区間DK1か第2区間DK2かに応じて)、駆動モータKM4の駆動速度を増減させる必要がない。その結果、制御を簡略化して、制御コストを削減できると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。或いは、第2区間DK2では、駆動手段の動作を停止させることができ、この場合には、消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、内輪を外輪に対して他方向へ変位させる方向の駆動状態では、ローラーの係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断されるので、変位部材を停止状態(被駆動状態)とすることができ、かかる駆動状態における駆動手段(駆動モータKM4)の駆動力を回転体800を駆動するための駆動力として利用することができる。即ち、駆動手段(駆動モータKM4)の駆動方向を切り替えることで蓋部材770と回転体800との2部材をそれぞれ変位させることができる。
また、蓋部材770は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心された位置に配置され、第2区間DK2では、蓋部材770の重さが外輪を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる蓋部材770の重さを利用して、外輪を内輪に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、第2区間DK2における蓋部材770の変位速度を、第1区間DK1の区間における蓋部材770の変位速度よりも速くすることができる。その結果、蓋部材770の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出効果を高めることができる。
さらに、駆動力の伝達は、ワンウェイクラッチOW1の外輪が取着される本体部741b及びその本体部741bから突出すると共に、その本体部741cの回転中心から変位して位置する突起741a(ピン部)を有する回転部材741(クランク部材)と、アーム部材742とで行われるので、外輪によって回転部材741を回転させ、突起741aを第1摺動溝742bに沿って摺動させることで、回転部材741の他端側(第2摺動溝742c側)を往復運動させることができる。この場合、アーム部材742の他端側が蓋部材770の往復運動に伴って、蓋部材770を開放状態の位置と閉鎖状態の位置との間で往復動作させることができる。即ち、駆動モータKM4の駆動方向を切り替えることなく、蓋部材770の変位方向を切り替えることができる。
またこの場合、第2区間DKの区間を往復動作の両方に形成することができるので、蓋部材770が往復動作される際には、いずれの方向へ変位させる際にも、その変位の途中から蓋部材770の変位速度を早くすることができる、その結果、蓋部材770の変位態様に変化を付与して、その蓋部材の変位に伴う演出効果を高めることができる。
次いで、図99を参照して、回転規制部材780の変位について説明する。図99(a)は閉鎖状態における装飾ユニット750の側面図であり、図99(b)は開放状態における装飾ユニット750の側面図である。なお、図99(a)及び図99(b)では、箱部材760の左側側面板765が透明視された状態が図示される。
図99(a)に示すように、蓋部材770が閉鎖状態とされる場合には、回転規制部材780は、付勢ばねSP5の付勢力により、突起782側が下方に押し下げられた状態(図99(a)において軸孔781の軸を中心に時計回りに回転された状態)とされる。
よって、回転体800の回転軸から係合突起882の外側までの距離寸法L4は、回転体800の回転軸から回転規制部材780の突起782の先端までの距離寸法L5よりも小さくされる(L4<L5)。
従って、回転体800と回転規制部材780とは係合されず、回転体800は回転可能とされる。
一方、図99(b)に示すように、蓋部材770が開放状態とされる場合には、回転規制部材780は、当接面783が回転体800の背面側に変位される蓋部材770と当接して、当接面783が下方に押し下げられた状態(図99(b)において軸孔781の軸を中心に反時計回りに回転された状態)とされる。
よって、回転体800の回転軸から係合突起882の外側までの距離寸法L4は、回転体800の回転軸から回転規制部材780の突起782の先端までの距離寸法L6よりも大きくされる(L6<L4)。
その結果、左回転部880の係合突起882を重力方向一番下方に配置した状態の回転体800において、係合突起882の内側に回転規制部材780の突起782を挿入することができる。即ち、回転体800と回転規制部材780とが係合されるので、回転体800が回転不能とされる。なお、本実施形態では、回転体800の回転を不能とする位置(係合突起882の内側に突起782が挿入される位置)が後述する回転体800の開閉部材870が開放状態とされる位置に設定される。
即ち、回転体800の回転を規制する回転規制部材780(回転規制手段)は、開閉部材870(変位部材)が、開放位置(第2位置)へ変位され、変位部材の他側が遊技領域に張り出された場合に回転体800の回転を規制するので、開閉部材870が張り出された状態で回転体800が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に開閉部材870が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回転体800が回転されることを抑制できる。
ここで、変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、第1部材が、第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機が知られている。この遊技機によれば、第1部材を覆設位置に配置し、第2部材を遊技者から視認不能とした状態から、第1部材を退避位置に変位させることで、第2部材を露出させて遊技者に視認させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2部材が変位可能に形成されているため、第2部材が露出された際に、かかる第2部材が変位される恐れがある。そのため、遊技者に第2部材を適正な状態で視認させることができず、演出効果が低下するという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、蓋部材770(第1部材)は、開放状態の位置(退避位置)に変位された状態において、回転体800(第2部材)の変位を規制可能に形成されるので、かかる回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。即ち、蓋部材770を開放状態の位置へ変位させ、回転体800を露出させるという演出を行う際に、その演出のために行わざる得ない蓋部材770の開放状態の位置への変位を、回転体800の変位を規制する手段として利用する。よって、回転体800の変位を規制するための機構を別途設けることや制御を行う必要がなく、その分、構造を簡素化できる。
また、回転体800は、後述するように外周面の形状が回転中心から非対称に形成される(図101参照)。よって、回転体800は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されるので、かかる回転体800の設計の自由度を高めることができる。即ち、回転体800をその重心位置が、回転中心に位置する形状とする必要がなく、回転軸に対して非対称の形状を採用できるので、かかる回転体800による演出効果を高めることができる。一方で、このように、回転体800の重心位置が偏心されていると、回転体800がその重力で、回転中心まわりに回転(自転される恐れがある)よって、閉鎖状態の位置に変位された蓋部材770が、回転体800の変位を規制可能に形成される構成が特に有効となり、これにより、回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
なお、回転体800は、軸を中心に対称に形成されていてもよい。この場合、回転体800を比重の異なる2つ以上の部材から形成することでその重心位置を回転軸と異なる位置に配置することができる。例えば、半面を金属材料から形成して、残りの半面を可撓性材料から形成することで、一般的に可撓性材料よりも比重の大きい金属材料側に重心を位置させることができる。
次いで、図100から図102を参照して回転体800の構成について説明する。図100(a)は、回転体800の正面図であり、図100(b)は、図100(a)の矢印Cb方向視における回転体800の側面図であり、図100(c)は、図100(a)の矢印Cc方向視における回転体800の側面図である。図101は、回転体800の分解斜視正面図であり、図102は、回転体800の分解斜視背面図である。
図100から図102に示すように、回転体800は、複数の部材を組み合わせることで円柱状に形成される。回転体800は、軸部分に配置されるベース板810と、そのベース板810を取り囲んで配置され円環状に組み合わせられる第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860と、軸方向の一端に配設される右回転部89と、軸方向の他端に配設される左回転部880と、第1表示部830の内側に配設される開閉部材870とを主に備えて形成される。
ベース板810は、軸方向視における断面が断面略L字に形成されると共に、軸方向に延設した形状に形成される。ベース板810は、左右の両端部から外側に突出する右端部811及び左端部812を備えて形成される。
右端部811は、ベース板810の正面視右側(図100(a)右側)から円環状に突出して形成される。右端部811は、その右端部811の突出先端に部分的に突出する先端部811aと、円環状の内側部分の連通孔811bとを主に備えて形成される。
先端部811aは、右端部811の先端部分から、軸方向にさらに突出されると共に、右側側面視(図100(c)の方向視)における突出領域が右側側面板764の係合部764eの内側の領域よりも小さく設定される。先端部811aは、上述したように右側側面板764の係合部764eの内側に挿入される。これにより、ベース板810と右側側面板764(蓋部材770)とが係合された状態とされる。その結果、ベース板810を後述する各表示面(第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860)の回転変位に対して停止した状態にできる。
連通孔811bは、後述するLED基盤820に連結される配線(図示せず)を挿通する開口であり、ベース板810の正面視右側の側面に貫通形成される。これにより、配線を挿通することができる。
左端部812は、ベース板810の正面視左側(図100(a)左側)から円環状に突出して形成される。左端部812は、その左端部812の下側半円から突出する先端部812aと、円環状の内側部分の連通孔812bとを主に備えて形成される。
先端部812aは、左端部812の先端部分から、軸方向にさらに突出されると共に、左側側面視(図100(b)の方向視)における突出形状が円環状の下半円とされる。
連通孔812bは、後述する開閉部材870により回転体800の内部に送球された球を回転体800の外側に排出するための経路である。連通孔812bは、その内径が、球よりも大きく設定されると共に、ギヤカバー733に形成された貫通孔733aと略同一に設定される。
また、連通孔812bは、ギヤカバー733の貫通孔733aに連結される開口であり、左端部812の突出距離が貫通孔733aと当接する距離に設定される。さらに、貫通孔733aの端面の上半球には、突起733bが形成される。突起733bの突出距離は、先端部812aの突出距離と略同一に設定される。これにより、ベース板810とギヤカバー733(左側伝達部材730)とが係合された状態とされる。その結果、ベース板810を後述する各表示面(第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860)の回転変位に対して停止した状態にできる。
ベース板810の底面には、逆回転防止部材813が回転可能状態で配設される。逆回転防止部材813は、上面視略円形に形成されると共に、一端側に傾斜した突起813aが形成される。また、逆回転防止部材813は、ベース板810との間に付勢ばねSP6が配設されており、これにより、突起813aを常に正面視左側(図100(a)左側)に付勢した状態とされる。
右回転部890は、所定の厚みの板状に形成されると共に、側面視円環状に形成される。右回転部890は、円環の内側の内径がベース板810の右端部811の大きさよりも大きく形成される。これにより、右回転部890の内側にベース板810の右端部811を挿入できる。また、右回転部890は、左右方向に貫通する軸孔891と、その軸孔891を中心に湾曲して開口される摺動溝892とを主に備えて形成される。
軸孔891は、後述する開閉部材870の軸部872が挿入される孔であり、軸部872の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、開閉部材870の軸部872が第1表示部830に対して変位することを抑制できる。
摺動溝892は、軸孔891を中心とした湾曲形状に形成され、その半径は、開閉部材870の突起871及び軸部872までの離間距離と同一に設定される。これにより、摺動溝892の内部に開閉部材870の突起871が挿入されることで、開閉部材870の変位の際に突起871を摺動溝892の内部を摺動させることができる。
左回転部880は、所定の厚みの板状に形成されると共に、側面視円環状に形成される。左回転部880は、円環の内側の内径がベース板810の左端部812の大きさよりも大きく形成される。これにより、左回転部880の内側に、ベース板810の左端部812を挿入できる。また、左回転部880は、内縁部分から円環状に突出する壁部881と、側壁から突出する係合突起882と、内縁部に傾斜面を連続して並べた係止部883とを主に備えて形成される。
壁部881は、回転体800の正面視左側に突出して形成される。壁部881は、突出先端の外周面にギヤの歯面881aが刻設されると共に、内側に開口する連通孔881bを備える。歯面881aは、上述したように伝達ギヤ881dに歯合される。これにより、駆動モータKM4の駆動力を回転体800に伝達させることができる。
連通孔881bは、回転体800の内部空間と外部空間とを連通する開口であり、後述する開閉部材870の開放により回転体800の内部に送球された球を排出できる。
係合突起882は、上述したように、回転規制部材780が係合される突起である。係合突起882は、左回転部880の正面視左側の側面から突出して形成される。また、係合突起882は、所定の距離離間した位置に2つ形成されており、その間に回転規制部材780の突起782が挿入可能に形成される。
係止部883は、その断面が鋸歯状に形成される。左回転部880は、ベース板810に配設されると、係止部883に上述した逆回転防止部材813の突起813aの先端が当接された状態とされる。これにより、左回転部880を一方向へ回転させる回転力が作用する際には、係止部883の傾斜面に沿って突起813aを摺動させて左回転部880を回転させることができるが、左回転部880を他方向へ回転させる回転力が作用する際には、係止部883の面が突起813aに引っ掛り回転が抑制される。
これにより、回転体800が駆動モータKM4の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ回転されることを規制することができるので、例えば、回転体800の重心位置の偏りや遊技球の衝突などに起因して回転体が逆回転されることを抑制できる。
第1表示部830から第4表示部860は、それぞれが同一の湾曲形状に形成されており、互いの端面が連結されることで、一つの円環状にできる。また、1つの円環にされた第1表示部830から第4表示部860の内径は、左右の回転部880,890の外径と略同一に設定される。これにより、各表示部830〜860を左右の回転部880,890に配設することで第1表示部830から第4表示部860を1つの円柱状に形成することができる。
また、第1表示部830から第4表示部860は、それぞれにキャラクターや模様が描かれており、上述したように左回転部880から駆動力が伝達されることで回転して、それぞれのキャラクターや模様を遊技者に視認させることができる。
第1表示部830は、その湾曲面に開口した開口831と、軸側に開放すると共にU字状に突出形成される軸受部832とを主に備えて形成される。
開口831は、内部に後述する開閉部材870を配置する開口であり、開閉部材870の外形と略同一の内径の開口に形成される。軸受部832は、開放したU字部分に開閉部材870の軸部872を挿入可能な大きさに形成される。よって、開閉部材870を開口831に挿入すると共に、開閉部材870の軸部872を軸受部832に挿入することで、開閉部材870を第1表示部830に対して回転変位させることができる。なお、開閉部材870の変位態様についての説明は後述する。
LED基盤820は、電力が供給されることで、LED基盤820に搭載されたLEDライトを発光させることができる。またLED基盤820は、ベース板810の背面側に取着される。
次いで、図103を参照して、開閉部材870の開閉について説明する。図103(a)は、開閉部材870が閉鎖状態における回転体800の側面図である。図103(b)は、開閉部材870が開放状態における回転体800の側面図である。なお、図103では、開閉部材870が他の部材と重なる際に、その外径が鎖線で図示される。
また、開閉部材870の閉鎖状態とは、開閉部材870の外周面が、第1表示部830の外周面と略平行に配置された状態である。一方、開閉部材870の開放状態とは、開閉部材870の外周面が第1表示部830の外周面と交差する状態に配置された状態である。
図103(a)に示すように、開閉部材870が閉鎖状態における回転体800は、開閉部材870の突起871が、右回転部890の摺動溝892の一端側(図103(a)では軸部872の下方側)に位置される。
一方、図103(b)に示すように、開閉部材870が開放状態における回転体800は、開閉部材870の突起871が、右回転部890の摺動溝892の他端側に位置される。即ち、開閉部材870の変位は、突起871が右回転部890の摺動溝892の内部を摺動することで行われる。
次いで、図104を参照して、突起871の変位について説明する。図104(a)及び(b)は、装飾ユニット750の側面図である。なお、図104(a)及び図104(b)では、箱部材760の右側側面板764が透明視された状態で図示される。
また、図104(a)では、装飾ユニット750が閉鎖状態とされ、開閉部材870が閉鎖状態とされた状態が図示される。図104(b)では、装飾ユニット750が開放状態とされ、開閉部材870が開放状態とされた状態が図示される。
図104(a)に示すように、装飾ユニット750が閉鎖状態とされると、右側蓋部773の外縁部が突起871と当接した状態とされる。装飾ユニット750が閉鎖状態において、右側蓋部773の下半面における回転軸からの外径L7は、右回転部890の軸から摺動溝892の一端側までの距離L8よりも小さくされる(L7<L8)。
また、L7とL8との寸法の差は、突起871の外径と略同一に設定される。よって、右側蓋部773の外縁部が突起871と当接した状態では、突起871が摺動溝892の一端側に変位される。その結果、開閉部材870が閉鎖状態とされる。即ち、装飾ユニット750が閉鎖状態とされる際に、開閉部材870が開放状態に変位することを抑制できる。
図104(b)に示すように、装飾ユニット750が開放状態とされると、右側蓋部773の変位に伴って外縁部に形成される凹部773bが変位する。この場合、凹部773bの内側に突起871が挿入される。これにより、突起871は、摺動溝892を他側に変位可能とされる。その結果、軸部872と第1表示部830との間に配設される付勢ばねSP7の付勢力により、開閉部材870が開放状態とされる。
上述したように、開閉部材870の開放状態への変位は、蓋部材770の変位に従って行うことができる。よって、開閉部材870を駆動させる駆動源を回転体800に配設する必要がないため、回転体800を小さく形成できる。
また、開閉部材870を変位させるための駆動モータKM4を蓋部材770を変位させるための駆動手段として兼用できる。この場合、開閉部材870と蓋部材770とを別々の駆動手段の駆動力により変位させる場合には、制御不良が生じると開閉部材870と蓋部材770とが干渉するおそれがあるところ、開閉部材870と蓋部材770とを機械的に連結してそれらの変位を同期させることができるので、開閉部材870と蓋部材770とが干渉することを抑制できる。
図104(b)に示すように、開閉部材870を開放すると、回転の先端側は、箱部材760の入賞口761aの上方に配置される。これにより、後述する球受台710の送球部711cから送球される球を開閉部材870の上面に落下させることができる。
この場合、開閉部材870は、回転先端側が、軸部872よりも上方に配置される。よって、上面に落下する球を回転体800の内部側へ転動させることができる。回転体800の内部へ転動される遊技球は、回転体800の内部に配設されるベース板810の上面に転動される。更に、ベース板810は、左端部812側に向かって下方に傾斜した状態とされるので、ベース板810の上面に転動される球を左端部812側に転動させて、その内側から回転体800の外方に排出することができる。即ち、回転体800の内部を球の送球経路として利用することができる。
また、回転体800には、上述したように、回転体800の回転を規制する回転規制部材780が配設されるので、蓋部材770を開放状態の位置に変位させ、回転体800を露出させる演出を行う際には、更に、開閉部材870を変位させることで、その演出効果を高めることができる。一方で、回転体800が回転(自転)される恐れがある。よって開放状態の位置に変位された蓋部材770が、回転体800の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
ここで、回転可能に形成され、その回転軸まわりの外面が、遊技者に視認可能に配設される回転部材を備えた遊技機が知られている。この遊技機によれば、回転部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を回転部材を回転させつつ、又は、回転部材を停止させて遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に視認させるための表示をその外面に保持するための部材のとして利用されるのみで、回転部材の活用が不十分であるという問題点があった。即ち、回転部材は、遊技者が視認可能な程度の表示を保持する必要があるため、比較的大型に形成される。そのため、その占有空間が嵩む一方、その外面以外の部分は活用されていない。
これに対し、本実施形態によれば、回転体800(回転部材)は、その内部に形成される内部空間を外部に連通させると共に、遊技球が通過可能に形成される開口831及び連通孔881b(連通口)を備えるので、遊技領域を流下する遊技球を、開口831及び連通孔881bを介して内部空間へ流入または内部空間から流出させることができる。よって、デッドスペースとされる回転体800の内部空間を遊技球の貯留空間または送球通路として機能させることができ、その分、回転体800を活用できる。
また、上述した従来の遊技機では、回転部材を停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様を形成できるのみであるため、演出態様の変化が乏しく、演出効果が不十分であるいう問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、回転体800(回転部材)の外面に変位可能に配設される開閉部材870(変位部材)を備えるので、回転体800の回転または停止に伴って外面の表示を遊技者に視認させる演出態様に加え、開閉部材870を変位させる演出態様を形成できるので、その分、演出態様に変化を付与して、演出効果を高めることができる。
蓋部材770(変位部材)は、閉鎖位置(第1位置)に変位されると、回転体800(回転部材)の外面の一部が開閉部材870により形成されるので、回転体800の外形を小さくでき、その分、回転体800が回転するのに要するスペースを小さくできる。一方、開閉部材870が、開放位置(第2位置)へ変位されると、回転体800の径方向外方へ開閉部材870が突出されるので、開閉部材870の変位を遊技者に視認させやすくでき、演出効果を高めることができる。また、開閉部材870を閉鎖位置に配置した状態で回転体800を回転させると共に、その回転を停止した際に開閉部材870を開放位置に配置する(変位させる)ことで、回転体800の外面として視認していた部分(開閉部材870)が、回転体800の径方向外方へ突出される態様を形成でき、興趣を高めることができる。
また、回転体800の内部空間にベース板810に光を発光するLED基盤820が配設される。よって、開閉部材870が開放位置にされることで、回転体800の外面が開放され内部空間が外部に連通され、LED基盤820からの発光を外部に出射させることができる。一方、開閉部材870が閉鎖位置にされることで、回転体800の外面が閉鎖され、LED基盤820からの発光が外部へ出射されること遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
ここで、回転体800を回転可能にすると共に、その回転体800に開閉部材870を変位可能に配設するためには、回転体800及び開閉部材870のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、開閉部材870を変位させるための駆動手段を回転体800に搭載すると、回転体800の重量が増加するため、回転体800の回転の開始または、停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、本実施形態によれば、開閉部材870は、蓋部材770の変位に伴って変位され、蓋部材770及び回転体800は同一の駆動モータKM4により変位されるので、1の駆動モータKM4を兼用して、回転体800の回転と、開閉部材870の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、開閉部材を変位させるための駆動手段を回転体800に搭載する必要がないので、回転体800の重量を軽量化でき、回転体800の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
また、開口831(第1連通口)及び連通孔881b(第二連通口)は、異なる位置に形成されるので、開口831を外部から内部空間に遊技球を流入させる流入口とし、連通孔881bを内部空間から外部へ遊技球を流出させる流出口とすることができる。即ち、回転体800(回転部材)を回転させなくても(停止状態に維持したままで)、回転体800を遊技球の送球通路として活用できる。
さらに、開口831は、回転体800の外周面に形成され、連通孔881bは、回転体800の軸方向の端面に形成されるので、回転体800(回転部材)の内部空間への遊技球の流入を遊技者に視認しやすくできると共に、回転体800を停止状態に維持したままで、遊技球を排出することができる。
即ち、回転体800は、外面が遊技者から視認可能に配設されるところ、その外面に、開口831(流入口)が形成されるので、遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできる。一方、回転体800の外面に連通孔881bが形成されると、かかる連通孔881bが上方となる回転位置に回転体800が配置されると、内部空間から遊技球を流出させることができないところ、連通孔881b(流出口)は、回転体800の回転軸方向の端面に形成されるので、回転体800の回転位置に関わらず、内部空間から遊技球を流出可能な状態を形成できる。
また、開口831(第1連通口)の内側には、変位可能な開閉部材870(変位部材)が配設され、開閉部材870が閉鎖位置(第1位置)へ変位されると、開口831が開閉部材870によって遮蔽され、開閉部材870が開放位置(第2位置)へ変位されると、開口831が開放されるので、開口831を介した遊技球の流入を遮蔽状態と許容状態とに切り替えることができる。
さらに、開閉部材870(変位部材)は、一側が回転体800(回転部材)に回転可能に軸支され、開閉部材870が開放位置(第2位置)に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870の上面に受け止めさせることができる。よって、開口831が、流入口として形成されると、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870を利用して、回転体800の内部空間へ流入させやすくできる。
また、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870の上面に止め易くさせることができる。よって、例えば、回転体800に遊技球の流入口が形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、開閉部材870を利用して、流入口に流入させやすくすることができる。この場合、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870に受け止めさせると、その際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回転体800が回転される恐れがある。よって、開放状態の位置に変位された蓋部材770が、回転規制部材780を変位させて回転体800の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、開閉部材870を遊技領域の所定の位置に張り出せた状態を維持しやすくできる。
開閉部材870の軸部872は、回転体800の回転方向側に配置される。言い変えると、開閉部材870(変位部材)は、その一側が他側よりも回転体800(回転部材)の回転方向前方側に位置される。よって、回転体800が回転される際に、その回転部材の周りに配設される部材に開閉部材870が干渉したとしても、かかる干渉により発生する力を開閉部材870を閉じる(閉鎖位置へ変位させる)方向へ作用させることができる。即ち、回転体800の回転時に開閉部材870が他の部材に干渉して張り出される(第2位置)へ変位されることを抑制できる。また、開閉部材870が他の部材に係合して回転体800の回転が阻害されることを抑制できる。
また、回転体800の内部空間に配設されるベース板810(固定部材)は、回転体800が回転可能に配設される箱部材760(ベース部材)に対して非回転とされるので、開口831から回転体800の内部空間に流入された遊技球をベース板810の上面を連通孔881bへ向けて転動させることで、回転体800の回転に伴って、遊技球が内部空間で暴れる又は、遊技球の転動が阻害され内部空間に留まることを抑制できる。
上述したように、開閉部材870の開閉動作は、蓋部材770の変位によって規制されるので、開放状態(第2位置)へ変位された開閉部材870が回転体800の周囲の部材に干渉することを抑制できる。
上述したように、回転体800には、ベース板810の背面側に取着されるLED基盤820への配線を挿通させる連通孔811bが、連通孔881bが形成された回転体800の端面と反対の端面に形成される。よって、連通孔881bおよび連通孔811bのそれぞれに使用できるスペースを確保しやすくできる。
即ち、回転体800の内部に配設するLED基盤に電気的な配線をする場合、回転体800の外周面から配線を挿通すると回転体800の回転により配線が絡まるため、回転体の軸方向端面から配線することが好ましいところ、回転体800の軸方向両端面に遊技球が流入する開口および遊技球が流出する開口を形成するものであると、配線を挿通させるスペースが確保し難くなる。
これに対し、本実施形態では、回転体800の遊技球の流入口をその外周面とできるので、回転体800の軸方向端面の一方を遊技球の流出口とすると共に、他方を配線の挿入口とすることができるので、配線を挿通させるスペースを確保しやすくできる。
その結果、連通孔881bを介して遊技球の排出をスムーズに行わせることができると共に、電気的接続線(LED基盤820への配線)の開口への配線作業を行いやすくできる。また、連通孔881bと連通孔811bとを最大限離間させることができるので、回転体800の内部空間を連通孔881bへ転動する遊技球と電気的接続線との干渉を抑制しやすくできる。
次いで、図105及び図106を参照して、下変位ユニット400及び回転ユニット700について説明する。図105は、下変位ユニット400及び回転ユニット700の正面図であり、図106は、図105の矢印CVI方向視における下変位ユニット400の上面図である。なお、図105及び図106では、退避状態における下変位ユニット400が図示される。
図105及び図106に示すように、下変位ユニット400及び回転ユニット700は、左右方向に隣合う位置に配置される。また、前後方向(図106上下方向)における下変位ユニット400及び回転ユニット700は、球受台710の前後方向略中央位置に下変位部材440の出射開口471が配置される。
次いで、図107を参照して、下変位ユニット400から回転ユニット700への球の送球を態様を説明する。図107は、下変位ユニット400及び回転ユニット700の正面図である。なお、図107では、下変位ユニット400が第1張出状態に配置された状態が図示される。
図107に示すように、下変位ユニット400が、第1張出状態とされ、下変位部材440の内部に配設された球受部467が内側に球を受け入れた状態(球受動作をした状態)で発射動作をすると、上述したように、下変位部材440の出射開口471から球受部467の内部に配置された球が下変位部材440の外方に排出される。
下変位部材440の出射開口471から排出された球は、自由落下をして、正面視右側に配設される回転ユニット700の球受台710に落下する。その結果、下変位ユニット400から回転体800へ球を送球することができる。
次いで、図108及び図109を参照して、球受台710の構成について説明する。図108(a)は、球受台710の上面図であり、図108(b)は、球受台710の正面図であり、図108(c)は、図108(a)のCVIIIc−CVIIIc線における球受台710の断面図である。図109は、球受台710の分解斜視図である。
図108及び図109に示すように、球受台710は、箱状に形成される皿受部711と、その皿受部711の内側に配設されるソレノイド712と、そのソレノイド712に連結される変位部材713と、ソレノイド712を覆設するカバー部材714とを主に備えて形成される。
皿受部711は、底面を形成する底板711aと、その底板711aの縁部に立設される立設部711bと、底板711aの外縁の一部から突出する送球部711cと、その送球部711cの縁部に立設される立設部711bに貫通形成される軸孔711dとを主に備えて形成される。
底板711aは、後述する送球部711c側に向かって下方に撓んだ形状に形成される。これにより、底板711aの上部に送球された球をその撓み(傾斜)で送球部711c側に転動させることができる。
また、底板711aは、可撓性材料で形成されると共に、底板711aの下面(図108(c)下面)には、シボ加工が施され、表面に細かい凹凸が形成される。これにより、底板711aを成形した際に、熱収縮する比率を上面と底面とで異ならせて、底面側に撓み易くできる。即ち、シボ加工が施される底面は、凹凸により熱収縮した際に底板側を凸に湾曲させる方向へ力が作用し難くなる。一方、上面側は、平坦面に形成されるので熱収縮した際に水平方向に引張る力が作用して端部が上方に変化し易くなる(上面側が凹の湾曲を形成しやすい)。従って、熱収縮した際に球が転動しやすくなる方向に撓み易くできる。その結果、底板711aを成形した際に不良品となることを抑制できる。
立設部711bは、送球部711cの外縁部から重力方向上側(図108(c)上側)に立設される壁部である。立設部711bの立設距離は、球の外径よりも大きく設定される。これにより、底板711aの上部に送球される球がその縁部から下方に落下することを抑制できる。なお、本実施形態では、立設部711bの立設寸法が球の直径の略1.5倍に設定される。
また、立設部711bは、底板711aの領域を2つに分断する中央立設部711b1が立設部711bに連結して形成される。中央立設部711b1により、一方を球が送球される領域に、他方を後述するソレノイド712が配設される領域に、底板711aの上部の領域が分けられる。
送球部711cは、底板711aの正面側に形成される。また、左右方向(図108(a)左右方向)の位置が底板711aの略中央位置よりも右側(図108右側)に配置される。さらに、送球部711cは、底板から突出される従って下方に湾曲される。これにより、底板711aから送球される球を送球部711cを介して下方に落下させることができる。なお、送球部711cの下側には、蓋部材770の入賞口761aが配設されており(図106参照)、送球部711cから落下する球を入賞口761aの内部に送球できる。
軸孔711dは、後述する変位部材713の軸部713aが挿入される。これにより、変位部材713を軸孔711dの軸を中心に回転変位させることができる。
ソレノイド712は、電力が付与されることで、ソレノイド712の内部に挿入した軸をピストン変位させることができる。ソレノイド712の軸には、伝達部材712aが取着される。伝達部材712aは、ソレノイド712の駆動力を後述する変位部材713に伝達する部材であり、先端に連通孔712a1が貫通形成される。
変位部材713は、断面C字状に形成され、その一端にC字の外側に突出する突起713bと、両端にC字の内側に突出する軸部713aとを主に備えて形成される。
突起713bは、ソレノイド712の連通孔712a1に挿入される突起であり、連通孔712a1の内径よりも大きい外径の円柱状に形成される。これにより、ソレノイド712の変位が伝達部材712aを介して変位部材713に伝達される。
軸部713aは、軸孔711dに挿入される軸である。軸部713aが軸孔711dに挿入されることで、変位部材713は、軸部713aの軸を中心に回転できる。即ち、ソレノイド712の変位により、変位部材713が駆動される。
カバー部材714は、ソレノイド712の外形よりも大きい外形に形成されており、底板711aの上部に配置されたソレノイド712の上方に配置されると共に、皿受部711に締結固定される。これにより、ソレノイド712を固定することができる。
次いで、図110を参照して球受台710に落下する球について説明する。図110(a)及び図110(b)は、球受台710の断面図である。なお、図110(a)及び図110(b)は、図108(c)の球受台710の断面と対応する。
図110に示すように、下変位ユニット400の下変位部材440から送球される球は、重力方向に自由落下すると共に、球受部467の発射動作により回転ユニット700側(図110(a)右側)へ変位する。即ち、球受台710の底板711aに対して正面視右下方向に落下される。
この場合、上述したように、底板711aは、送球部711c側に向かって下方に撓んで形成され、送球部711cは底板711aに対して右側に形成されるので、球が落下する底板711aの上面を右側に向かって下方に傾斜する傾斜面にできる。よって、球の変位方向と球が落下する底板711aの傾斜方向とを平行に近づけることができる。
これにより、図110(b)に示すように、底板711aに落下した球が上方向(図110(b)上方向)にバウンドすることを抑制できる。従って、下変位ユニット400の下変位部材440から回転ユニット700の球受台710に送球される球が、球受台710から落下することを抑制できる。
さらに、底板711aに落下した球を、その落下の勢いで送球部711c側に転動させることができる。よって、送球部711cまでの球の転動時間を短くすることができる。その結果、下変位部材440から球受台710へ送球される球をスムーズに送球することができる。
次いで、図111を参照して、球受台710の発光について説明する。図111(a)及び(b)は、図87のCXI−CXI線における回転ユニット700の断面模式図である。なお、図111(a)は、装飾ユニット750が閉鎖状態に、図111(b)では、装飾ユニット750が開放状態に、それぞれ配置された状態が図示される。
図111(a)に示すように、装飾ユニット750が閉鎖状態に配置された状態での球受台710への光の発光は、背面ベース720の背面側に配置されるLED基盤721により行われる。
詳しく説明すると、LED基盤721のLED721aから発光する光を、蓋部材770の背面側に反射させることで、球受台710の底板711aへ入射させる。また、上述したように、底板711aの底面には、シボ加工が施されるので、シボ加工の凹凸により入射された光を乱反射させることができる。これにより、球受台710の底面全体を発光させることができる。
一方、図111(b)に示すように、装飾ユニット750が開放状態に配置された状態では、上述したように、蓋部材770に透明部771aが形成されるので、LED基盤721のLED721aは、蓋部材770に反射されず透過される。蓋部材770の内側には回転体800が形成されるので、回転体800の外周面で反射させて球受台710へ入射させることができる。
またこの場合、回転体800の第3表示部850を球受台710側(図111(b)上側)に回転させることで、ベース板810の背面側に配置されるLED基盤820のLED821から発光する光を、回転体800の内壁に反射させて第3表示部850から出射させることができる。
上述したように、第3表示部850の内壁には、シボ加工が施されており、表面に複数の凹凸が形成される。よって、他の表示部よりも第3表示部850は、回転体800の外側に光を出射させやすくできる。そのため、第3表示部850を球受台710側に配置することが好ましい。
次いで、図112から図118を参照して、上変位ユニット900の詳細な構成を説明する。まず、図112から図114を参照して、上変位部材940を変位させる構造について説明する。
図112は、上変位ユニット900の正面図である。図113は、上変位ユニット900の分解斜視正面図である。図114は、上変位ユニット900の分解背面斜視である。なお、図112から図114では、上変位部材940が退避位置(ベース部材910に対して一番上方に配置された位置)に配置された状態が図示される。
図112から図114に示すように、上変位ユニット900は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に配設されるベース部材910と、そのベース部材910の内部に配設される伝達部材920と、ベース部材910に回転可能に連結されると共に伝達部材920の変位に伴って変位される回転部材930と、一端がベース部材410に摺動変位可能に連結されると共に回転部材930に連結されて回転部材930から駆動力を伝達されることで変位する上変位部材940とを主に備えて形成される。
ベース部材910は、正面視矩形横長の板部材を前後方向に2枚組み合わされて形成され、正面側に配設される正面ベース911と、背面側に配設される背面ベース912とを備える。正面ベース911及び背面ベース912との対向間には、伝達部材920及び回転部材930とが配設される。
正面ベース911は、前後方向(図112紙面奥行方向)に貫通した3つの摺動溝911c,911d,911eと、周方向中央位置の背面側に突出する軸支ピン911bと、正面ベースの一端側(正面視左側)の正面に突出する軸部911fと、一端側の前後方向に貫通する開口911aとを主に備えて形成される。
開口911aは、正面ベース911に配設される駆動モータKM5の軸を背面側に挿通させるための開口である。これにより、正面ベース911の正面側に配設される駆動モータKM5の軸を正面ベース911の背面側に挿通することができる。
軸支ピン911g,911bは、後述する伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923の軸孔に挿通され、伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923を回転可能に保持できる。即ち、軸支ピン911g,911bは、伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923の軸孔の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。
摺動溝911cは、軸支ピン911bの軸を中心とする円弧状に貫通形成される。摺動溝911cは、後述する伝達ギヤ923の軸支ピン923aが挿通される開口であり、その円弧の半径が、後述する伝達ギヤ923の軸孔から軸支ピン923aまでの距離と略同一に設定される。これにより、軸支ピン923aを摺動溝911cの内部に挿通した状態で伝達ギヤ923を回転させた際に、軸支ピンと、摺動溝911cの内壁とが衝突することを抑制できる。
摺動溝911d,911eは、後述する上変位部材940の軸支ピン951,952が挿入される溝であり、その短手方向の幅寸法が軸支ピン951,952の外径よりも大きく設定される。
摺動溝911eは、正面ベース911の長手方向(正面視左右方向)に直線状に形成される。一方、摺動溝911dは、正面ベース911の下方を中心とした円弧状に形成される。即ち、摺動溝911eおよび摺動溝911dは、非平行に形成される。よって、左右方向に異なる位置では、2つの摺動溝911e,911dの上下方向の対向間の距離寸法が異なる状態に形成される。これにより、摺動溝911e,911dの内部を軸支ピン951,952を摺動させた場合に、その上下方向の対向間の距離寸法の差によって、上変位部材940が回転しつつ摺動される。
軸部911fは、正面側に円柱状に突出して形成される。軸部911fは、後述する回転部材930の一端に形成される貫通孔931に挿通して、回転部材930を回転可能な状態で保持することができる。即ち、軸部911fは、回転部材930の貫通孔931の内径よりも小さい外径に形成される。
背面ベース912は、正面ベース911の背面側に所定の間隔を隔てて取着される板部材である。背面ベース912は、金属材料から形成される。これにより、ベース部材910の全体の剛性を向上することができる。その結果、横長矩形に形成されるベース部材910に比較的重量の重い上変位部材940が配設された際に、ベース部材910がねじれることを抑制できる。
伝達部材920は、正面ベース911と背面ベース912との対向間に配設される。伝達部材920は、駆動モータKM5の軸に連結される伝達ギヤ921と、その伝達ギヤ921に歯合される伝達ギヤ922と、その伝達ギヤ922に歯合される伝達ギヤ923とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ921は、上述したように軸孔に正面ベース911の正面側に配設された駆動モータKM5の軸が挿入されて駆動モータKM5と連結される。これにより、伝達ギヤ921は、駆動モータKM5の駆動力により回転変位することができる。
伝達ギヤ922は、上述したように伝達ギヤ921及び伝達ギヤ923と歯合される。これにより、伝達ギヤ921の回転の駆動力を伝達ギヤ923に伝達することができる。
伝達ギヤ923は、その外周縁部に正面側に突出する軸支ピン923aを備えて形成される。よって、伝達ギヤ923が回転されると、軸支ピン923aは、伝達ギヤ923の軸周りに回転変位される。
回転部材930は、一方側が長い棒状に形成され、一端側の端部に前後方向に貫通形成される貫通孔931と、長手方向略中央位置に長手方向に延設された開口932とを主に備えて形成される。
貫通孔931は、上述したように、正面ベース911の軸部911fが挿入される開口であり、軸部911fが挿入されることで、回転部材930を正面ベース911に対して回転可能な状態で保持することができる。また、軸部911fの先端には、付勢ばねSP8が配設される。これにより、回転部材930は、正面ベース911に対して他端側を上方に持ち上げる方向に付勢される。
開口932は、伝達ギヤ923の軸支ピン923aが挿入される溝であり、内部を軸支ピン923aが摺動可能に形成される。上述したように、伝達ギヤ923が回転変位されて軸支ピン923aの配置が変位する際に、開口932の内側を軸支ピン923aが変位する。よって、回転部材930は、一端が回転可能に軸支された状態で配置されるので、軸支ピン923aの変位により一端を軸に回転される。
また、回転部材930の他端側には、正面視円環状に形成されると共に、背面側に所定の厚みを備えた板状に形成される円環部材933が配設される。
円環部材933の正面側には、その外周縁に沿って対称の位置に凹設される2つの摺動溝933aを備えて形成される。円環部材933は、後述する上変位部材940との連結される部分であり、内側に上変位部材940の軸部953が挿入される。また、円環部材933と上変位部材940とは回転可能に連結されており、回転部材930が回転変位するに共に伴って上変位部材940が変位可能とされる。
摺動溝933aには、内側に上変位部材940の突起961が挿入されており、上変位部材940が回転部材に対して回転変位することで、突起961が摺動溝933aの内部を摺動できる。
また、摺動溝933aの円弧軸は、回転部材930に対する上変位部材940の回転軸とは、異なる位置に配置される。これにより、上変位部材940が回転部材930に対して回転変位した際に、第1開放部960を変位できる。なお、第1開放部960の詳しい説明は後述する。
なお、回転部材930の一端側(回転軸側)には、前方に板状体から形成される軸部カバー913及び変形規制カバー914が配設される。軸部カバー913は、回転部材930の回転軸部分の前方に配設されており、回転部材930が前後方向にがたつくことが抑制される。変形規制カバー914は、回転軸から所定距離離間した位置に配設されており、回転部材930が他端側に配設される上変位部材940の重みで前後方向に変形することを抑制できる。
上変位部材940は、正面ベース911及び回転部材930に連結されるベース体950と、そのベース体950の背面側に回転可能に配設される2つの第1開放部960と、ベース体950の正面側に回転可能に配設される2つの第2開放部970と、一端側に配設される可変部980とを主に備えて形成される。
ベース体950は、一端側の背面に突出形成される2つの軸支ピン951,952と、他端側の背面に突出形成される軸部953とを主に備えて形成される。
軸支ピン951,952は、上述したように正面ベース911の摺動溝911e,911dに挿入される突起である。よって、上変位部材940が、回転部材930により駆動された際に、軸支ピン951,952が摺動溝911e,911dに沿って摺動することで、上変位部材940を左右方向にスライド変位させると共に、他端側を下方に回転変位させることができる。
軸部953は、上述したように、円環部材933に挿入されて回転部材930と連結される突起であり、円環部材933の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。これにより、上変位部材940を回転部材930に回転可能に連結できる。よって、回転部材930が駆動モータKM5の駆動力により、一端を軸に回転変位されると、円環部材933の変位により、上変位部材940に駆動力が伝達される。その結果、上変位部材940が、摺動溝911e,911dに沿って変位することができる。
第1開放部960は、前後方向に所定の厚みを備えた板部材であり、ベース体950の背面側に2枚配設される。第1開放部960は、ベース体950の他端側に回転可能に軸支されて配設される。また、第1開放部960は、背面側に突出すると共に、円環部材933の摺動溝933aの内側に配設される突起961を備える。これにより、上変位部材940が回転部材930の変位により回転部材930に対して回転変位した際に、突起961を摺動溝933aの内側を摺動させることができる。
この場合、上述したように摺動溝933aの湾曲軸は、回転部材930に対する上変位部材940の回転軸と異なる位置に配置されるので、突起961が摺動溝933aの内側を摺動するに伴って、ベース体950に軸支された第1開放部960を回転変位することができる。
第2開放部970は、前後方向に所定の厚みを備えた板部材であり、ベース体950の正面側に2枚配置される。第2開放部970は、ベース体950の他端側に回転可能に軸支されて配設される。また。第2開放部970は、第1開放部960が所定の変位をされた際に係合する係合突起(図示せず)を備えて形成される。これにより、上述したように第1開放部960が、上変位部材940が所定の回転変位をされた際に、軸支部分を軸に回転変位されると、第2開放部970と係合して第2開放部970を回転変位させることができる。
次いで、図115から図117を参照して、上変位部材940の変位について説明する。図115は、上変位部材940が退避位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。図116は、上変位部材940が中間位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。図117は、上変位部材940が張出位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。
なお、上変位部材940の退避位置とは、軸支ピン951,952が、正面ベース911の摺動溝911d,911eの他端側(正面ベース911の正面視右側)に配置された状態の位置である。また、張出位置とは、軸支ピン951,952が、正面ベース911の摺動溝911d,911eの一端側(正面ベース911の正面視左側)に配置され状態の位置である。更に、中間位置とは、上変位部材940が退避位置と張出位置との中間の位置に変位された状態の位置である。
図115から図117に示すように、上変位部材940が正面ベース911に対して変位されると、上変位部材940は、その長手方向を略水平方向(図115左右方向)から略鉛直方向(図117上下方向)に回転変位される。
また、その回転変位に伴って、上変位部材940の一端側の位置が、正面ベース911の正面視右側端部の位置から正面視略中央位置に変位される。即ち、上変位部材940は、上述したように駆動モータKM5の駆動力により回転部材930が回転されると、スライド変位しつつ回転変位される。
また、図116に示す中間位置から、図117に示す張出位置までの変位時に、上変位部材940に配設される第1開放部960がベース体950に対して回転変位される、よって、第1開放部960の回転変位に係合して変位する第2開放部970も同様にベース体950に対して回転変位される。よって、張出位置では、上変位部材940の長手方向を鉛直方向に向けると共に、第1開放部960及び第2開放部970が変位した状態とされる。
なお、本実施形態では、上変位部材940は、人間の腕(手も含む)形を模した形状に形成されている。よって、第1位置から第3位置に変位して、第1開放部960及び第2開放部970が変位されることで、人間の腕が太くなるような変位を遊技者に視認させることができる。
次いで、図118を参照して、可変部980の詳細な説明をする。図118(a)は、可変部980の正面図であり、図118(b)は、可変部980の背面図である。
図118(a)及び図118(b)に示すように、可変部980は、人間の手を模した形状に形成されており、手の後部分を形成する本体部981と、本体部981に連結されて手の指部分を形成する指部982〜986とを主に備えて形成される。
本体部981の内部には、駆動モータ(図示しない)が配設されており、内部に配設される可変板(図示しない)を前後方向(図118(a)上下方向)にピストン変位可能とされる。
指部982は、親指に相当する部分であり、基部側が本体部981の可変板に連結される。これにより、可変板がピストン運動をされることで指部982を変位させることができる。
指部983〜986は、その内側に基部側に配設される第1リンクRB1と、先端側に配設される第2リンクRB2とを主に備えて形成される。
第1リンクRB1は、先端側が第2リンクRB2に回転可能な状態で連結されると共に基部側が本体部981の可変板に連結される。従って、本体部981の可変板がピストン運動をされることで、第1リンクRB1および第1リンクRB1を介して第2リンクRB2を変位させることができる。これにより、指部983〜986を変位させることができる。なお、本実施形態では、指部982〜986を変位させることで、手の指を開閉する動作を遊技者に視認させることができる。
正面ベース411は、前後方向(図43紙面奥行方向)に貫通した2つの摺動溝411a,411bと、背面側に突出する円柱状の2本の軸支ピン411c,411dと、軸支ピン411dを軸とした円弧状に突出する湾曲壁部411eとを主に備えて形成される。
摺動溝411a,411bは、下変位部材440の背面側から突出する2本の突起472,473がそれぞれ挿通される孔である。摺動溝411a,411bは、それぞれ左右方向に長く伸びて形成される。よって、摺動溝411a,411bに挿通された突起472,473を摺動溝411a,411bに沿って変位させることで、下変位部材440を左右方向に摺動させることができる。
また、摺動溝411a,411bは、それぞれ円弧状に湾曲して形成されており、正面ベース411の左側(図43左側)端部から右側(図43右側)端部にかけて上方(図43上方向)に開口される。さらに、摺動溝411a,411bは、それぞれの円弧の軸が異なる位置に配置され、上下方向(図43上下方向)における対向間の隙間が左端部から右端部にかけて狭くされる。
下変位部材440のベース部材470の突起472,473は、その間の距離が変わらないので、下変位部材440を摺動溝に沿って摺動させた場合には、下変位部材440を回転させつつ変位させることができる。即ち、2つの摺動溝411a,411bの間の距離を変更することで、下変位部材440に回転の駆動力を与えることなく下変位部材440を摺動に伴って回転させることができる。
軸支ピン411cは、後述する伝達部材420のカム部材422の軸部422aに挿入される突起であり、軸部422aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411cは、金属製の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、カム部材422にその外周面から軸方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411cが折れる(破損する)ことを抑制できる。
次いで、図119から図121を参照して、第2実施形態における下変位部材2440について説明する。第1実施形態では、可動ラック464及びラック466が、駆動モータKM2の駆動力により同方向に変位する場合を説明したが、第2実施形態における下変位部材2440は、可動ラック2464及びラック466が駆動モータKM2の駆動力により反対方向に変位される。なお、上記第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は、省略する。
まず、第2実施形態における下変位部材2440の全体構成について、図119及び図120を参照して説明する。図119は、第2実施形態における下変位部材2440の分解斜視正面図である。図120は、下変位部材2440の正面図である。なお、図120では、下変位部材2440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図119及び図120に示すように、第2実施形態における下変位部材2440は、正面ベース411に連結されるベース部材2470と、そのベース部材2470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材2470との間に変位可能に配設される伝達機構2460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材2470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、左右方向(図120左右方向)中央部の上端から正面側に上下方向反対のU字状に突出する突設壁477と、正面側に突設する軸部474,475と、その軸部474,475よりも上方に突設する軸部2470a,2470bとを主に備えて形成される。
軸部2470aは、後述する伝達ギヤ2468aが回転可能に軸支される軸部材であり、伝達ギヤ2468aの軸孔よりも小さく形成される。
軸部2470bは、後述する伝達ギヤ2468bが回転可能に軸支される軸部材であり、伝達ギヤ2468bの軸孔よりも小さく形成される。後述するように、伝達ギヤ2468a及び軸部2470aとは、その外周面に刻設されるギヤ歯面が歯合された状態で配設される。即ち、軸部2470a及び軸部2470bの正面視における間隔は、伝達ギヤ2468a及び伝達ギヤ2468bの半径分の距離に設定される。
伝達機構2460は、ベース部材470の前方に配置されており、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の前方にスライド変位可能に配設される可動ラック2464と、その可動ラック2464に歯合する伝達ギヤ2468aと、その伝達ギヤ2468aに歯合する伝達ギヤ2468bと、その伝達ギヤ2468bに歯合するラック46と、そのラック466の一端側に回転可能に配設される球受部467とを主に備えて形成される。
可動ラック2464は、正面視矩形横長の板状体に形成され、下端面に刻設されるラックギヤ464aと、上端面に刻設されるラックギヤ2464gと、下方の端部に突出する衝突部464fとを主に備えて形成される。
ラックギヤ2464gは、後述する伝達ギヤ2468aに歯合される。これにより、駆動モータKM4から駆動が伝達されてラック466が変位されると、その変位に伴って伝達ギヤ2468aを回転させることができる。
伝達ギヤ2468a,2468bは、上述したように互いに歯合した状態でベース部材2470の軸部2470a,2470bにそれぞれ軸支される。これにより、伝達ギヤ2468aが回転されると、伝達ギヤ2468bが回転される。また、伝達ギヤ2468bは、ラック466のラックギヤ466aに歯合されており伝達ギヤ2468bが回転されると、ラック466に駆動力が伝達されてラック466が変位される。
即ち、駆動モータKM4の駆動力によりラック466を駆動させることができる。なお、伝達ギヤ2468a,2468bは、一部前後方向にずれた位置に配置されており、伝達ギヤ2468aはラック466に、伝達ギヤ2468bは可動ラック2464にそれぞれ衝突することが抑制される。
次いで、図121を参照して、下変位部材2440の変位について説明する。図121は、下変位部材2440の正面図である。なお、図121では、図120と同様に、下変位部材2440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態で図示される。
図121に示すように、駆動モータKM2に電力が付与されて、上述した伝達機構2460により、球受部467が発射位置に変位されると、可動ラック464及びラック466が互いに異なる方向に変位される。
詳しく説明すると、駆動モータKM4が回転されることで、可動ラック464は、下変位部材440の他端側(図121左側)に変位される。この変位に伴って、伝達ギヤ2468a,2468bが回転されて、ラック466が一端側(図3右側)に変位される。これにより、球受部467を第3位置に変位させることができる。
よって、球受部467が、第1位置から変位されると、その球受部467の変位方向と逆方向となる変位成分を形成することができるので、球受部467の変位に伴い、下変位部材2440の重心位置が変化されることを可動ラック464の変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する下変位部材2440のがたつきを抑制できる。
次いで、図122から図127を参照して、第3実施形態における下変位部材3440について説明する。第1実施形態では、ラックピニオン機構により球受部467をスライド変位させる場合を説明したが、第3実施形態における下変位部材3440は、リンク機構により球受部467がスライド変位される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第3実施形態における下変位部材3440の全体構成について、図122から図125を参照して説明する。図122(a)は、第3実施形態における下変位部材3440の正面図であり、図122(b)は、下変位部材3440の背面図である。図123は、下変位部材3440の分解斜視正面図であり、図124は、下変位部材3440の分解斜視背面図である。図125(a)及び91(b)は、下変位部材3440の正面図である。
なお、図125(a)では、下変位部材3440の装飾部材450が透明視された状態が図示され、図125(b)では、下変位部材3440の装飾部材450及び正面ケース3481が透明視された状態が図示される。
図122から図125に示すように、第3実施形態における下変位部材3440は、正面ベース411に連結されるベース部材3470とそのベース部材3470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材3470との間に変位可能に配設される伝達機構3460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材3470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、その立設壁471aの基端側から連なって形成されると共にベース部材3470の下方の縁部に立設される摺動壁3470cと、左右方向(図122(a)左右方向)中央部の上端から正面側に上下方向反対のU字状に突出する突設壁477と、ベース部材470の上下方向中央部に一端側から他端側に延びつつ凹設される開口479とを主に備えて形成される。
摺動壁3470cは、球受部467の脚部467aと当接して、その球受部467の位置(態様)を規制するための壁部である。即ち、球受部467の下方の位置まで突出形成される。これにより、球受部467をそのU字部分の開口を上方に向けた状態で保持することができる。
また、摺動壁3470cは、立設壁471a側の端部の下方に凹設される凹部3470c1が形成される。凹部3470c1は、球受部467の脚部467aの先端をその内部に受け入れる溝である。これにより、球受部467が後述する伝達機構3460により立設部側に摺動された際に、球受部467を凹部に受け入れて球受部467を回転させることができる。その結果、球受部467に発射動作(U字の内部に保持された球を下変位部材3440の外方に排出する動作)をさせることができる。
伝達機構3460は、後述する正面ケース3480に取着される駆動モータKM2と、駆動モータKM2の軸に連結されて回転可能に配設される第1リンク部材3468と、その第1リンク部材3468に回転可能な状態で連結される第2リンク部材3469と、その第2リンク部材3469の一端側に連結される球受部467とを主に備えて形成される。
第1リンク部材3468は、矩形横長の板状体から形成され、一端側に貫通形成される軸孔3468bと、駆動モータKM2の軸に連結される連結孔3468aと、他端側に膨出して形成される荷重部3468cとを主に備えて形成される。
軸孔3468bは、後述する第2リンク部材3469の回転軸3469aが挿通される貫通孔であり、回転軸3469aの外径よりも大きい内径で前後方向に貫通形成される。
連結孔3468aは、上述したように駆動モータKM2の軸に締結される孔であり、駆動モータKM2の軸の外径と略同一の内径に形成される。連結孔3468aに駆動モータKM2の軸が内嵌されて締結されることで、第1リンク部材3468が、駆動モータKM2の駆動力で回転可能とされる。
荷重部3468cは、連結孔3468aよりも他端側に膨出して形成される。荷重部346cは、第1リンク部材3468の重心を連結孔3468aよりも他端側に位置させるための荷重を与えるための部材であり、一端側よりも外側に膨出して形成される。
第2リンク部材3469は、矩形横長の状態に形成されると共に、第1リンク部材3468の背面側に配設される。第2リンク部材3469は、他端側から正面に向かって円柱状に突出する回転軸3469aと、一端側に前後方向に貫通形成される貫通孔3469bとを主に備えて形成される。
回転軸3469aは、上述したように、第1リンク部材3468の軸孔3468bに挿入される。これにより、第1リンク部材3468と第2リンク部材3469とを回転可能な状態で連結することができる。
貫通孔3469bは、球受部467を第2リンク部材3469に連結するための開口である。また、貫通孔3469bは球受部467の軸孔467bの内径より小さく形成される。よって、球受部467の軸孔467bと貫通孔3469bとを同軸上に配置すると共に、開口469の短手方向の幅よりも頭の大きいネジをベース部材3470背面側から開口479及び軸孔467bを挿通させて貫通孔3469bに締結させることで、球受部467が回転可能な状態で第2リンク部材に連結される。
ケース部材480は、ベース部材470の前後を覆設する部材であり、ベース部材470の正面側に配設される正面ケース3481と、背面側に配設される背面ケース482とを主に備える。
正面ケース3481は、正面視矩形横長の板状に形成され、駆動モータKM2と対向する位置に貫通される開口3481dと、背面側の下端面に突出形成される底壁部481bと、下方縁部に前後方向に貫通する軸孔481cとを主に備えて形成される。
開口3481dは、正面ケース3481の正面側に配設される駆動モータKM2の軸を背面側に挿通させるための孔であり、駆動モータKM2の軸よりも大きい外径に形成される。これにより、正面ケース3481の正面側に配設される駆動モータKM2の駆動力を背面側に配置される第1リンク部材3468に伝達できる。
次いで、図126及び図127を参照して、下変位部材3440の変位について説明する。図126(a)は、第1位置における下変位部材440の正面図であり、図126(b)は、第2位置における下変位部材440の正面図である。図127(a)は、第3位置における下変位部材440の正面図であり、図127(b)は、第2位置における下変位部材440の正面図である。
なお、図126(a)から図127(b)までは、下変位部材440の遷移状態が順に図示される。また、図126(a)及び図126(b)または図127(a)及び図127(b)は、下変位部材3440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図126及び図127に示すように、第1位置における下変位部材440は、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469がその長手方向(図126(a)左右方向)をベース部材3470の長手方向(図126(a)左右方向)と略平行な状態とされると共に、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469が前後方向に重なる態様で配置される。
即ち、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469との連結部分をベース部材3470の一端側(図126(a)左側)に配置した状態とされる。これにより、第2リンク部材3469が一端側に配置される。その結果、球受部467が第1位置に配置される。
次いで、図126(b)に示すように、第1位置の状態から、駆動モータKM2が回転されて、第1リンク部材3468が回転変位されると、第1リンク部材3468の一端側がベース部材3470に対して変位される。これにより、第1リンク部材3468の一端側に連結される第2リンク部材3469が変位される。この場合、第2リンク部材3469の一端側は、球受部467に連結されると共にベース部材3470の開口479に沿って摺動可能とされるので、第2リンク部材3469の一端側がベース部材3470の他端側に押し出される。その結果、第2リンク部材3469の他端側に連結される球受部467を第2位置に変位させることができる。
次に、図127(a)に示すように、第2位置の状態から、駆動モータKM2がさらに回転変位されて、第1リンク部材3468が、第1位置の状態から略180度回転されると、第1リンク部材3468と第2リンク部材3469との連結部分がその回転軸に対してベース部材3470の他端側に配置された状態とされる。よって、第2リンク部材3469の一端側が更にベース部材3470の他端側に押し出されて、球受部467が第3位置に配置される。
この場合、球受部467の脚部467aの先端が、凹部3470c1の内側に配置されることで、球受部467が付勢ばねSP2により回転されて発射動作される。
さらに、第1リンク部材3468の荷重部3468cが、ベース部材3470の一端側に変位される。これにより、球受部467がベース部材に対して変位した際に下変位部材3440の重心位置が変化されることを抑制できる。その結果、下変位部材3440のがたつきを抑制できる。
即ち、球受部467が、第1位置から変位されると、その球受部467の変位方向と逆方向となる変位成分を形成することができるので、球受部467の変位に伴い、下変位部材3440の重心位置が変化されることを荷重部3468cの変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する下変位部材440のがたつきを抑制できる。
また、第3実施形態では、図127(b)に示すように、第1リンク部材3468の回転を継続させることで、球受部467を第2位置および第1位置に退避させることができる。よって、駆動モータKM2の制御を切り替える必要がなく、第2位置または第1位置への変位を早く行うことができる。
従って、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、下変位部材440の重心位置が変化するので、下変位部材3440ががたつき易くなるところ、球受部467を素早く退避させて、その重心位置を下変位部材440の回転軸に素早く近づけることで下変位部材3440のがたつきを抑制することができる。
更に、球受部467の変位を直ちに行うことで、球受部467の内側から遊技球を排出した際の排出動作の反作用による下変位部材3440のぐらつきを抑えることができる。
即ち、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、排出された遊技球の分、下変位部材440の荷重が軽くなり、反作用で下変位部材3440が上方に変位しやすいところ、球受部467を直ちに変位させることで、球受部467の回転変位による反作用でベース部材470を下方に変位させる力を作用させて、下変位部材3440から球が排出された際の反作用を打ち消すことができる。
次いで、図128から図130を参照して、第4実施形態における下変位ユニット4400について説明する。第1実施形態では、退避状態に配置された下変位部材440が発射動作可能に形成される場合を説明したが、第4実施形態における下変位ユニット4400は、退避状態に配置された下変位部材440の発射動作が規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号と付してその説明は省略する。
まず、第4実施形態における下変位ユニット4400の全体構成について図128を参照して説明する。図128は、第4実施形態における下変位ユニット4400の正面図である。なお、図128では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示されると共に、正面ケース481の底壁部481bが、鎖線で図示される。また、図128では、下変位部材440が退避状態であって、球受部467が第1位置に配置された状態が図示される。
図128に示すように、第4実施形態における下変位ユニット4400は、下変位部材440のベース部材470に、立設壁471aと正面ケース481の底壁部481bとの対向間に開口される開口4471bが形成される。
開口4471bは、内部に後述する係合壁4411gの先端部分4411g1が挿入される。即ち、開口4471bは、先端部分4411g1よりも大きく開口される。
正面ベース411には、回収口411fの底面に連続する略L字状に形成された係合壁4411gが形成される。
係合壁4411gは、略L字に屈曲した先端部分4411g1が開口4471bに挿入されることで、球受部467が第3位置で回転されること(発射動作すること)を規制することができる。即ち、先端部分4411g1の先端位置が、退避状態に位置する下変位部材440の底壁部481bの上面の高さと略同一に設定される。
次いで、図129及び図130を参照して、下変位ユニット4400の各部材が変位された状態について説明する。図129及び図130は、下変位ユニット4400の正面図である。なお、図129及び図130では、図128と同様に下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示されると共に、正面ケース481の底壁部481bが、鎖線で図示される。
また、図129では、下変位部材440が退避状態であって、球受部467が第3位置に配置された状態が図示される。また、図130では、下変位部材440が第1張出状態であって、球受部467が第1位置に配置された状態が図示される。
図129に示すように、球受部467が第3位置に変位されると、球受部467の脚部467aの先端が係合壁4411gの先端部分4411g1の上面に当接して凹部481b1又は開口4471bへの侵入が規制される。これにより、球受部467が回転されることが規制される。
よって、球受部467の軌道領域上に送球された球を、下変位部材440の外方に排出するために球受部467に払出動作をさせた際に、第3位置で球受部467が回転して、球受部467の内側に保持した遊技球が排出されることを抑制できる。
即ち、球受部467の第3位置への変位に伴って、規定数(1球)を超える遊技球を球受部467の軌道領域から排出する際に、球受部467の姿勢が変化されることを規制できる。よって、規定数を超える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
一方、図130に示すように、下変位部材440が第1張出状態の位置(退避状態の位置ではない位置)に変位されると、ベース部材470に対して、下変位部材440が変位されるので、下変位部材440の開口4471bと係合壁4411gとが離間される。よって、第1張出状態では、球受部467を第3位置に変位させて発射動作をすることができる。
即ち、球受部467の第3位置への変位に伴って、規定数(1球)を超える分の遊技球を球受部467の軌道領域から排出する際に、球受部467の姿勢が変化されることを抑制して、規定数の遊技球を球受部467が保持した状態を維持しやすくできる一方、下変位部材440が第1及び第2張出位置に変位されると係合壁4411gが開口4471bの内部空間から離間されるので、球受部467の第3位置への変位に伴って脚部467aが開口4471bに係合されることで、球受部467の姿勢を変化させ、規定数の遊技球を球受部467から排出しやすくできる。
次いで、図131から図135を参照して、第5実施形態における振分けユニット5500について説明する。第1実施形態では、振分け部材540が回転して貯留状態と規制状態とを形成する場合を説明したが、第5実施形態における振分け部材540は、スライド変位して貯留状態と規制状態とを形成する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第5実施形態における振分けユニット5500の全体構成について図131から図134を参照して説明する。図131(a)は、第5実施形態における振分けユニット5500の上面図であり、図131(b)は、振分けユニット5500の背面図である。図132は、振分けユニット5500の分解斜視正面図であり、図133は、振分けユニット5500の分解斜視背面図である。図134は、図131(a)のCXXXIV−CXXXIV線における振分けユニット5500の断面図である。なお、図134では、振分け部材540の外形が鎖線で図示される。
図131から図133に示すように、第5実施形態における振分けユニット5500は、正面視略矩形に形成されるベース板5520と、そのベース板5520の正面側に取着されベース板5520との対向間に球が流下可能な複数の流下経路を形成する経路形成部材510と、ベース板5520の背面側にスライド可能に取着される振分け部材5540と、ベース板5520の端面に取着されベース板5520と経路形成部材510との対向間に形成される球の流下経路を延長する延長経路部材530とを主に備えて形成される。
ベース板5520は、背面側に突出する円柱状の2本の軸部5526と、長方形状に貫通形成される第1開口5521及び第2開口5522と、上端の側面に上端側が開放する断面U字状形成されると共に左右方向に延設される転動部525と、背面側に鉤状に突出する係止部524とを主に備えて形成される。
軸部5526は、背面側に2本突出して形成されており、それぞれ後述する2つの摺動溝5546の内部に挿入される。
第1開口5521及び第2開口5522は、後述する振分け部材5540の規制板541及び貯留板5542が挿通される開口であり、規制板5541及び貯留板5542の板の厚みよりも大きい幅の開口に形成される。また、振分け部材5540は、スライド可能な状態でベース板5520に取着されるので、第1開口5521及び第2開口5522は、規制板5541及び貯留板5542よりも振分け部材5540のスライド方向に大きい開口に形成される。
振分け部材5540は、一方が長く形成される正面視矩形に形成され、前後方向に所定の厚みを備えて形成される。振分け部材5540は、正面側に板状に突出する規制板5541及び貯留板5542と、その規制板5541及び貯留板5542の延設方向と略同一方向に長い長穴に形成される摺動溝5546と、背面側に鉤状に形成される係止部544とを主に備えて形成される。
規制板5541は、第1開口5521を介して、第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に配設されて、第1送球経路KR1を流下する遊技球が第2送球経路KR2へ流入することを規制する板部材であり、第1開口5521から突出される距離が遊技球の半径よりも大きい距離に設定される。
また、規制板5541は、正面視直線状に形成され、その延設される方向が、振分け部材540のスライド方向と略同一に設定される。これにより、振分け部材5540がスライド変位された際に、規制板5541の変位領域を最小にすることができる。その結果、第1開口5521の開口領域を最小にすることができ、ベース板5520の剛性を確保することができる。
貯留板5542は、第2開口5522を介して、第2送球経路KR2上に配置され、第2送球経路KR2を流下する遊技球を貯留板5542の上流側に流下する板部材であり、第2開口5522から突出される距離が遊技球の半径よりも大きい距離に設定される。
また、貯留板5542は、正面視直線状に形成され、その延設される方向が、振分け部材540のスライド方向と略同一に設定される。これにより、振分け部材5540がスライド変位された際に、貯留板5542の変位領域を最小にすることができる。その結果、第2開口5522の開口領域を最小にすることができ、ベース板5520の剛性を確保することができる。
摺動溝5546は、前後方向に貫通形成される長穴である。摺動溝5546は、その内部にベース板5520の軸部5526が挿入される。よって、軸部5526を摺動溝5546に挿入する共に、背面側からネジ等を軸部5526の先端に締結することで、振分け部材5540をベース板5520に対してスライド変位可能な状態で保持することができる。
摺動溝5546は、2箇所に形成されそれぞれの長手方向が平行に形成される。これにより、振分け部材5540が回転変位することを抑制しつつ、振分け部材5540をスライド変位させることができる。
次いで、図135を参照して、振分け部材5540の変位について説明する。図135(a)及び図135(b)は、図134の範囲CXXXVにおける振分けユニット5500の部分拡大図である。なお、図135(a)では、振分け部材5540が貯留位置に配置された状態が、図135(b)では、振分け部材5540が規制位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図135(a)に示すように、振分け部材5540が規制位置配置された状態では、貯留板5542が第3送球経路KR3状に配置される共に、規制板5541が経路形成部材510の背面側の壁に形成される凹部518の内側に配置される。
この場合、貯留板5542の第3送球経路KR3の内側に突出した先端とその先端と対向する第3送球経路の内壁との距離寸法L9は、遊技球の直径よりも小さくされる。よって、第3送球経路KR3の上流(第1送球経路KR1)から送球される球は、貯留板5542の上流側に停止される。
一方、図135(b)に示すように、振分け部材5540が、規制位置に配置された状態では、規制板5541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置されると共に、規制板5541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置され、貯留板5542が、経路形成部材510の背面側の壁部に形成される凹部519の内側に配置される。
この場合、規制板5541の第1送球経路KR1の内側に突出した先端の端部と第3送球経路KR3の入り口の内壁までの距離寸法L10は、遊技球の直径よりも小さくされる。よって、第1送球経路KR1を流下する球は、規制板5541に衝突して第2送球経路KR2に送球される。
即ち、振分け部材5540を規制位置と貯留位置とで切り換えることで、第1送球経路KR1を送球される球を第3送球経路KR3に送球して、第3送球経路KR3上に停止させる状態と、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に流入不能として、第2送球経路KR2に送球される状態とを形成することができる。
よって、1つの振分け部材5540をスライド変位させることで、1の流下する経路から2の流下する経路に分かれる場合に、球の流下経路をどちらかに確実に切り替えることができる。
また、規制板5541(振分手段)は、第1送球経路KR1(流下通路)または第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、第1送球経路KR1の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされる。よって、第1送球経路KR1の下端側から流下する遊技球に近い位置で、規制板5541を突出させることができる。よって、規制板5541を流下通路または第3送球経路KR3(第1分岐通路)へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板5541による振り分け先の切り替えを確実に行うことができる。
また、規制板5541(振分手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に突出されることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路(第2分岐通路)へ振り分けるものであり、規制板5541の突出方向が、第2送球経路KR2の上流端を指向する方向に設定されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が突出動作の途中の規制板に当接した場合には、かかる遊技球を規制板の突出動作に伴って、第2送球経路KRへ押し込むことができる。その結果、第2送球経路KR2への振り分けをより確実に行うことができる。
次いで、図136から図140を参照して、第6実施形態における回転ユニット6700について説明する。第1実施形態では、回転体800の駆動に負荷ギヤ731eが連結され、回転体800が慣性力で動作することが規制される場合を説明したが、第6実施形態における回転体800は、負荷ギヤ731eが取り外される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第6実施形態における回転ユニット6700の全体構成について図136から図138を参照して説明する。図136は、第6実施形態における回転ユニット6700の正面図であり、図137は、回転ユニット6700の分解斜視正面図である。図138は、振分けユニット6500の分解斜視背面図である。
図136から図138に示すように、回転ユニット6700は、回転変位する回転体800を備える装飾ユニット6750と、その装飾ユニット6750の重力方向上側に配置される球受台710と、その球受台710及び装飾ユニット6750の背面側に配置される背面ベース720と、装飾ユニット6750の正面視左側に配設される左側伝達部材730と、装飾ユニット6750の正面視右側に配設されるクランクカバー743と、を主に備えて形成される。
装飾ユニット6750は、重力方向上側が開放される箱形状に形成される箱部材760と、その箱部材の内側に回転可能に配設される回転体800とを主に備えて形成される。即ち、第1実施形態では、装飾ユニット750は、箱部材760と蓋部材770との内側に回転体800が配置されたが、第6実施形態では、蓋部材770が取り外された状態で形成される。
左側伝達部材730は、装飾ユニット750の左側側面(図136左側)に配設される駆動モータKM4と、その駆動モータKM4の駆動力を伝達する伝達部材6731と、駆動モータKM4が取着されるモータベース732と、伝達部材6731を覆設するギヤカバー733と、そのギヤカバー733に取着されると共にギヤカバー733との対向間に所定の隙間を有して形成される送球経路カバー734とを主に備えて形成される。
伝達部材6731は、駆動モータKM4の軸に取着される伝達ギヤ731aと、その伝達ギヤ731aに歯合する伝達ギヤ6731bと、その伝達ギヤ6731bに歯合する伝達ギヤ731cと、その伝達ギヤ731cと隣り合って配置されると共に軸735により同軸に配設される伝達ギヤ731dとを主に備えて形成される。
伝達ギヤ6731bは、伝達ギヤ731cに駆動力を伝達するギヤである。なお、第1実施形態では、伝達ギヤ731bの内部にワンウェイクラッチOW1が取着されたが、第6実施形態の伝達ギヤ6731bには、ワンウェイクラッチOW1が取り外される。また、伝達ギヤ731c及び伝達ギヤ731dについては、第1実施形態と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
よって、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸735に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されるとワンウェイクラッチOW1の内輪に対して外輪が滑って(空転して)軸735への駆動力の伝達が遮断される。
次いで、図139及び図140を参照して、回転体800の回転について説明する。図139(a)から図139(c)は、図138の矢印CXXXIX方向視における装飾ユニット6750の側面図であり、図140(a)から図140(c)は、図138の矢印CXXXIX方向視における装飾ユニット6750の側面図である。
なお、図139及び図140では、箱部材760の左側側面板765が透明視された状態が図示される。また、図139(a)から図139(c)では、回転体800の重心Gが第2区間DK2を変位する態様が順に図示され、図140(a)から図140(c)では、回転体800の重心Gが第1区間DK1を変位する態様が順に図示される。
図139に示すように、回転体800は、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると左方向視(図139方向視)右回り(時計回り)に回転変位される。
回転体800は、上述したように回転軸を中心を非対称に形成され、回転軸と異なる位置に重心Gが配置される。そのため、回転体800が図140(a)に示す重心Gを回転軸の上側に配置した状態から回転されて、図140(b)に示めす重心Gを回転軸と略水平の位置に変位し始めると、その荷重により回転方向に回転する力が作用される。
そのため、伝達ギヤ731cに配置されたワンウェイクラッチOW1の外輪と内輪との間に介設されるローラーの係合が解除され、外輪(回転体800側)が内輪(駆動モータ側)に対して先行して駆動する状態とされる。即ち、第2区間では、回転体800の回転速度を駆動モータKM4の回転速度よりも速くして回転させることができる。
なお、第2区間DK2をその荷重で回転する回転体800は、その荷重により、図139(c)に示す重心Gを回転軸の下側に位置する位置まで回転される。
一方、図140に示すように、第1区間DK1を回転体800の重心Gが変位する場合には、回転体800の荷重がその回転する方向と反対方向に作用する。そのため、回転体800は、駆動モータKM4の回転速度に従って回転される。
よって、第6実施形態では、第2区間DK2における回転体800の変位速度を第1区間DK1における回転体800の変位速度よりも早くすることができる。その結果、回転体800の変位態様に変化を付与して、その回転体800の変位に従う演出効果を高めることができる。
次いで、図141から図144を参照して、第7実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、蓋部材770がその自重により、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して先行させる(即ち、蓋部材770の変位速度を速くする)場合を説明したが、第7実施形態における変位部材7710は、遊技球の重さを利用して、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して先行させる(即ち、変位部材7710の変位速度を速くする)。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図141及び図142は、第7実施形態における変位ユニット7700の側面模式図である。なお、図141では、変位部材7710が上昇位置に配置された状態が、図142では、変位部材7710が下降位置に配置された状態が、それぞれ模式的に図示される。
図141及び図142に示すように、変位ユニット7700は、スライド変位可能に形成される変位部材7710と、その変位部材7710へ駆動手段(図示せず、例えば、電動モータ)の回転駆動力を伝達する伝達部材7720と、変位部材7710のスライド変位に伴って回転される負荷ギヤ7730とを主に備える。
変位部材7710は、図示しない支持機構によって仮想線L1に沿って直線変位可能に支持される部材であり、その変位部材7710の側面から突設される被駆動ピン7711と、変位部材7710の下面に仮想線L1に沿って刻設されるラックギヤ7712と、変位部材7710の先端に回転可能に軸支される球受け部材7713とを主に備える。
なお、仮想線L1は、図141に示す上昇位置から図142に示す下降位置へ向かうに従って下降傾斜する直線として設定される。即ち、上昇位置では、下降位置よりも、変位部材7710が重力方向上方に位置される。
被駆動ピン7711は、伝達部材7720のアーム部材7723における駆動溝7723bに摺動可能に挿通される部材であり、駆動溝7723bの溝幅よりも若干小さな外形の円柱状体として形成される。ラックギヤ7712には、負荷ギヤ7730が歯合されており、かかる負荷ギヤ7730が変位部材7710のスライド変位に伴って回転される。
球受け部材7713は、変位部材7710の上面に遊技球を保持するための部材であり、回転軸7713aを中心に回転されることで、図141に示す起立状態と図142に示す傾倒状態とを形成可能とされる。起立状態では、一端側が変位部材7710の上面よりも突出されることで、遊技球を保持可能とされる(図143参照)。一方、傾倒状態では、一端側が変位部材7710の上面よりも下方に位置されることで、変位部材7710の上面から遊技球を排出可能とされる(図144参照)。
なお、球受け部材7713は、図示しない付勢ばね(例えば、ねじりばね)から作用する付勢力により起立状態に維持される。変位部材7710(球受け部材7713)の軌道上には、係合ピン7740が固定されており、変位部材7710が下降位置へスライド変位されると、球受け部材7713の他端側に係合ピン7740が係合されることで、球受け部材7713が回転されて、傾倒状態とされる。一方、変位部材7710が上昇位置へスライド変位されると、球受け部材7713が付勢ばねの弾性回復力により回転されて、傾倒状態に復帰される。
伝達部材7720は、上述した図示しない駆動手段により回転駆動される円板状の回転部材7721と、その回転部材7721の軸方向端面から突設されると共に回転部材7721の回転中心から偏心して位置する円柱状の駆動ピン7722と、その駆動ピン7722が一端側に摺動可能に挿通される被駆動溝7723aが開口形成されるアーム部材7723とを主に備える。
回転部材7721と駆動手段との間には、ワンウェイクラッチOW1が介設される。詳細には、ワンウェイクラッチOW1は、内輪が駆動手段に連結されると共に、外輪が回転部材7721に連結され、内輪が駆動手段により矢印A方向(図141の時計周り)に回転駆動されると、その回転駆動力を外輪に伝達する(即ち、回転部材7721を矢印A方向へ回転させる)一方、内輪が駆動手段により矢印A方向と反対方向(図141の反時計周り)に回転駆動されると、外輪(回転部材7721)への動力伝達を切断する。
アーム部材7723は、被駆動溝7723aが開口形成される一端側とは反対側となる他端側に、変位部材の7710の被駆動ピン7711が摺動可能に挿通される駆動溝7723bが開口形成されると共に、それら被駆動溝7723a及び駆動溝7723bの間(中間部分)が回転軸7723cにより回転可能に軸支される。
なお、駆動ピン7722は、被駆動溝7723aの溝幅よりも若干小さな外形の円柱状体として形成される。また、被駆動溝7723a及び駆動溝7723bは、アーム部材7723の長手方向に沿った直線状の溝として形成される。
以上のように形成された変位ユニット7700によれば、変位部材7710が図141に示す上昇位置に配置された状態から、回転部材7721が矢印A方向(図141の時計回り)に回転されると、駆動ピン7722が被駆動溝7723aの内壁面に作用して、アーム部材7723が回転軸7723cを中心として図141時計回りに回転される。このアーム部材7723の時計回りの回転に伴って、駆動溝7723bの内壁面が被駆動ピン7711を押し下げる方向へ作用することで、変位部材7710が、仮想線L1に沿ってスライド変位され、図142に示す下降位置に配置される。
一方、変位部材7710が図142に示す下降位置に配置された状態から、回転部材7721が矢印A方向(図141の時計回り)に更に回転されると、駆動ピン7722が被駆動溝7723aの内壁面に作用して、アーム部材7723が回転軸7723cを中心として図141反時計回りに回転される。このアーム部材7723の反時計周りの回転に伴って、駆動溝7723bの内壁面が被駆動ピン7711を押し上げる方向に作用することで、変位部材7710が、仮想線L1に沿ってスライド変位され、図141に示す上昇位置に配置される。
ここで、負荷ギヤ7730は、第1実施形態における負荷ギヤ731eと同様に、回転する際に所定量の抵抗が発生するように形成される。これにより、変位部材7710の重さ(自重)がアーム部材7723に作用して、回転部材7721を矢印A方向(図141の時計周り)に回転させることで、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行することを抑制できる。即ち、遊技球を保持していない状態では、上昇位置から下降位置へ向かう際の変位部材7710の変位速度が速くされることを抑制できる。
即ち、駆動手段の回転駆動力により回転部材7721が矢印A方向(図141及び図142の時計回り)に回転されている間、その回転駆動手段の回転駆動の速度に応じたスライド速度で、変位部材7710が上昇位置と下降位置との間を往復変位(スライド変位)される。
図143及び図144は、変位部材7710に遊技球が保持された場合における変位ユニット7700の側面模式図である。なお、図143では、変位部材7710が上昇位置に配置された状態が、図144では、変位部材7710が下降位置に配置された状態が、それぞれ模式的に図示される。
図143及び図144に示すように、変位部材7710は、その上面に遊技球を保持可能に形成される。即ち、本実施形態では、変位ユニット7700が遊技領域において遊技球が流下される領域に配置され、その流下する遊技球を変位部材7710がその上面で受け止め可能に形成される。なお、図143では、符号Tで示す4球の遊技球が変位部材7710の上面に保持された状態が例示される。
この場合、変位部材7710が遊技球を保持した状態では、その遊技球の重さの分、変位部材7710全体としての重さを大きく(重く)して、負荷ギヤ7730の回転に伴う抵抗を越えさせることができる。即ち、変位部材7710全体の重さ(遊技球を含む重さ)をアーム部材7723に作用させ、回転部材7721を矢印A方向(図143の時計周り)に回転させることで、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行させることができる。その結果、上昇位置から下降位置へ向かう際の変位部材7710の変位速度を、遊技球を保持していない場合(図141参照)の変位速度よりも、速くすることができる。
また、保持されている遊技球の数に応じて、変位部材7710全体としての重さを異ならせることができる。これにより、変位部材7710に遊技球が保持されているか否かだけでなく、保持している遊技球の数に応じても、変位部材7710の変位速度を異ならせる(変化させる)ことができる。その結果、変位部材7710の変位速度のバリエーションを増やすことができ、その分、変位部材7710の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
上述したように、変位部材7710には、その先端(下方傾斜側の端部)に球受け部材7713が配設される。よって、遊技領域を流下される遊技球を変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた際には、その遊技球から変位部材7710に作用される力を、下降位置へ向けてスライド変位させる力として作用させることができる。即ち、かかる力を、アーム部材7723及び回転部材7721を介して、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行させる方向へ作用させることができる。
これにより、流下する遊技球を、変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた際に、その遊技球の運動エネルギーを利用して、変位部材7710の下降位置へ向かう方向へのスライド変位の変位速度をより速くすることができる。
この場合、流下する遊技球は、その流下方向や流下速度がそれぞれ異なる。そのため、受け止める遊技球の流下状態(流下方向や流下速度)の差に応じて、変位部材7710に作用される力(運動エネルギーの大きさ)を異ならせることができる。これにより、変位部材7710に遊技球が保持されているか否かや保持されている遊技球の数だけでなく、遊技球の流下状態に応じても、変位部材7710の変位速度を異ならせる(変化させる)ことができる。その結果、変位部材7710の変位速度のバリエーションを増やすことができ、その分、変位部材7710の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
また、第7実施形態では、回転部材7721の回転方向が一方向とされるので、駆動手段の駆動方向を切り替える必要がない。言い変えると、回転手段を一方向に連続して回転させることで、変位部材7710を往復変位させることができる。よって、駆動手段の駆動方向を切り替える時間をなくすことができる。その結果、駆動手段の切り替えを必要としない分、変位部材7710を直ちに変位させることができる。
この場合、変位部材7710の変位を直ちに行うことで、球受け部材7713が回転変位して変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた遊技球を落下させる動作をした際の反作用による変位部材7710のがたつきを抑制することができる。
即ち、変位部材7710(球受け部材7713)から遊技球を落下させた際には、落下された遊技球の分、変位部材7710の荷重が軽くなり、反作用で変位部材7710が上方に変位しやすいところ、変位部材7710を直ちに変位させることで、球受け部材7713の変位による反作用で、変位部材7710を下方に変位させる力を作用させて、変位部材7710から球が落下された際の反作用を打ち消すことができる。
なお、遊技領域を流下する遊技球とは、遊技盤13の前面(正面)を重力方向に沿って移動する遊技球に限定されず、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球も含まれる。重力方向と異なる方向へ移動する遊技球としては、例えば、釘やチューリップ、役物などに衝突して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球や、ステージを転動した後、そのステージから飛び出して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球が例示される。
ここで、本実施形態では、負荷ギヤ7730を設けることで、変位部材7710が遊技球を保持していない状態では(図141参照)、変位部材7710が下降位置へ向けてスライド変位される際に、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行しない(即ち、変位部材7710の変位速度が速くならない)ように構成した。
これに対し、負荷ギヤ7730を省略する又はその負荷ギヤ7730の抵抗を小さい値に設定して、変位部材7710が下降位置へ向けてスライド変位される際に、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行する(即ち、変位部材7710の変位速度が速くなる)ように構成しても良い。即ち、変位部材7710の重さ(自重)のみを、アーム部材7723に作用させ、回転部材7721を矢印A方向(図141の時計周り)に回転させた場合でも、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して先行するようにしても良い。
次いで、図145から図148を参照して、第8実施形態における上皿8017について説明する。第8実施形態における上皿8017には、正面視した左右方向略中央位置に回転操作ユニット8650が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、第8実施形態における回転操作ユニット8650の全体構成について、図145から図147を参照して説明する。図145は、第8実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。図146は、回転操作ユニット8650の分解斜視正面図である。図147は、図145のCXLVII−CXLVII線におけるパチンコ機10の断面模式図である。
図145から図147に示すように、回転操作ユニット8650は、パチンコ機10の上皿8017の内部空間に配置されると共に、後述する回転操作部8654の外周面が上皿8017の外方に突出した状態で配設される。
回転操作ユニット8650は、駆動モータKM6と、その駆動モータKM6の軸部に連結される伝達ギヤ8651と、その伝達ギヤ8651の外周面に歯合される伝達ギヤ8652と、その伝達ギヤ8652の軸孔に内嵌される軸部8653と、その軸部8653に内輪が外嵌するワンウェイクラッチOW1と、そのワンウェイクラッチOW1の外輪が内嵌される回転操作部8654とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ8651は、駆動モータKM6の軸に連結される。よって、駆動モータKM6に回転の駆動力が付与されることで、伝達ギヤ8651を回転できる。上述したように、伝達ギヤ8651には、伝達ギヤ8652が歯合された状態で配置される。従って、駆動モータKM6に回転の駆動力が付与されると、伝達ギヤ8651を介して伝達ギヤ8652を回転できる。
軸部8653は、円柱状に形成された棒部材であり、その軸方向長さは回転操作部8654の左右方向の幅寸法よりも長く形成される。軸部8653は、上述したように、一方が伝達ギヤ8652の軸孔に内嵌されると共に、他方がワンウェイクラッチOW1の内輪に挿入される。これにより、伝達ギヤ8652が回転された際の駆動力をワンウェイクラッチOW1に伝達することができる。
ワンウェイクラッチOW1は、上述したように内輪と外輪とその間に係合されるローラーとから形成されており、内輪が一方向に回転されると内輪の回転を外輪に伝達できると共に内輪が他方向に回転されると内輪の回転を外輪に非伝達にできる。
回転操作部8654は、円環状に形成されており、その外周面の一部が上皿8017から突出した状態で配設される。また、回転操作部8654の内円部には、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内嵌される。即ち、回転操作部8654の内傾は、ワンウェイクラッチOW1の外径と略同一に形成される。よって、回転操作部8654は、ワンウェイクラッチOW1の外輪が回転されることで、回転が伝達される。
その結果、駆動モータKM6が駆動されて、一方向に回転されると、その回転が伝達ギヤ8651,8652及びワンウェイクラッチOW1の内輪を介してワンウェイクラッチOW1の外輪に伝達されて、回転操作部8654が回転される。一方、駆動モータKM6が駆動されて、他方向に回転されると、ワンウェイクラッチOW1の内輪と外輪とが非伝達とされ回転操作部8654への回転駆動の伝達が遮断される。
次に、図148を参照して、遊技者が回転操作部8654を操作する場合の説明をする。図148は、パチンコ機10の断面模式図である。なお、図148の断面は、図147と対応する。
上述したように、回転操作部8654は、駆動モータKM6が回転されることで、回転操作部8654が回転する態様と、駆動モータKM6の回転を非回転とすることで、回転操作部8654の回転変位が停止された態様を形成することができる。
さらに、図148に示すように、駆動モータKM6が一方向へ回転され、回転操作部8654がA方向に回転される際に、遊技者が回転操作部8654の外周面を操作して回転操作部8654に回転A方向と同一方向に回転力を発生させると、ワンウェイクラッチOW1の外周面および回転操作部8654が先行して回転される。即ち、回転操作部8654は、遊技者の操作により駆動モータKM6の回転速度よりも速い速度の回転で操作することができる。
また、回転操作部8654が非回転(駆動モータKM6が非回転)とされる際に、遊技者が回転A方向に回転操作部8654に駆動力を付与することで回転操作部8654を回転変位させることができる。
よって、第8実施形態では、回転操作部8654が、駆動モータKM6の駆動により非回転または回転状態の態様を形成するだけでなく、回転操作部8654が遊技者の操作により停止状態から回転する態様および回転操作部8654が遊技者の操作により回転状態から更に早い速度で回転される態様を形成することができる。
その結果、回転操作部8654の変位態様を遊技者に視認させる態様を複数形成することができるので、遊技者に興趣を与えることができる。また、回転操作部8654の回転態様を複数形成することで、パチンコ機10の演出態様を複数形成することができるので、その演出を増加できる分、遊技者に興趣を与えることができる。
なお、回転操作部8654の側面には、その回転回数を計測するセンサ装置等が配置されており、回転操作部8654の回転数や回転速度に基づいて変化される演出を行うことができる。
次いで、図149を参照して、第9実施形態における第1リンク部材9431について説明する。第9実施形態における第1リンク部材9431の板状突起9431bは、カム部材422との当接面が傾斜して形成される傾斜面9431b1を備える。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図149(a)は、第9実施形態における第1リンク部材9431の斜視正面図であり、図149(b)は、下変位ユニット400の断面模式図である。なお、図149(b)は、図56(a)の断面模式図と対応する。
なお、第9実施形態における下変位ユニット400は、第1実施形態における下変位ユニット400と同様に、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に配設されるベース部材410と、そのベース部材410に配設される伝達部材420と、その伝達部材420から駆動力が伝達されることで変位する下変位部材440(図45参照)と、を備える。また、第9実施形態における下変位ユニット400は、ベース部材410及び下変位部材440に連結されると共に伝達部材420の駆動に伴って変位されるリンク部材9430を備え、そのリンク部材9430の変位により下変位部材440が変位される。
図149に示すように、第9実施形態における第1リンク部材9431は、正面視略くの字形状に屈曲して形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状に形成される。第1リンク部材9431は、一端側(図149(a)矢印D方向側)の前後方向に貫通する貫通孔431aと、他端側(図149(a)矢印U方向側)の背面側に突出する円柱状の連結突起431c(図46参照)と、ベース部材410の湾曲壁部411eと対向する位置に突出する板状突起9431bと、屈曲部分の正面側に突出する円柱状の摺動突起431dと、備える。
板状突起9431bは、貫通孔431aの軸を中心に湾曲状に延設されると共に、正面側(正面ベース411側(矢印F方向側))に向かって突設される。また、板状突起9431bの突設寸法は、カム部材422の厚み(矢印F−B方向寸法)寸法よりも大きく設定される。さらに、板状突起9431bの突設先端面と対向するベース部材410(湾曲壁部411e)とは、若干の隙間(距離X14(図149(b)参照))を隔てて配置される。
カム部材422は、板状突起9431bを除く第1リンク部材9431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間における領域を変位可能な状態で配置される。また、カム部材422及び第1リンク部材9431との対向間の隙間と、カム部材422及びベース部材410の対向間の隙間と、を合わせた2箇所の隙間の寸法は、上述した距離X14よりも大きく設定される。
これにより、上述した距離X14が小さくなる方向(矢印F方向)に第1リンク部材9431が、撓んだ際に板状突起9431bの突設先端面を対向するベース部材410(湾曲壁部411e)に当接させることができる。よって、板状突起9431bを除く第1リンク部材9431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間にカム部材422が挟まれて変位が規制されることを抑制できる。
また、板状突起9431bは、カム部材422側(図149(b)矢印L方向側)の周方向の側面に、カム部材422に向かうに従って正面側に突出する傾斜面9431b1を備える。傾斜面9431b1は、図149(b)に示すように、突出側(矢印F方向側)に向かって略45度傾斜して形成される。
これにより、下変位ユニット400が第2変位状態とされてカム部材422の端部が板状突起9431bに当接した際に、カム部材422を第1リンク部材9431の背面(矢印F方向側の面)に押し付ける(変位させる)ことができると共に、第1リンク部材9431の板状突起9431bの突設先端面(矢印F方向側の面)を湾曲壁部411eに押し付けることができる。その結果、カム部材422及び第1リンク部材9431が前後方向(矢印F−B方向)に揺れ動くことを抑制でき、下変位部材440を第2変位状態の位置で維持しやすくできる。
なお、この場合、カム部材422の端部には、傾斜面9431b1との当接部分に傾斜面9431b1と平行な平面が形成されることが好ましい。これにより、カム部材422と傾斜面9431b1とが当接した際に、カム部材422を背面側(矢印B方向側)に変位させやすくできる。
次いで、図150を参照して、第10実施形態における一般入賞口ユニット10150について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150は、接着テープ154aが、装飾部材154の端部に貼付される場合について説明したが、第10実施形態では、接着テープ10154aが装飾部材10154の端部から所定の幅を隔てる内側に貼付される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図150は、第10実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図150は、図16の断面図に対応する。また、第10実施形態における一般入賞口ユニット10150は、第1実施形態における一般入賞口ユニット150と同様に、遊技盤13の遊技領域(ベース板60の正面)に配設され、遊技領域を流下する遊技球の経路を変更可能とされる。また、一般入賞口ユニット10150は、内レール76及び外レール77により囲われて形成される遊技領域に対して、正面視(矢印B方向視)における重力方向下側(矢印D方向側)の端部に沿う位置に配置される。
さらに、一般入賞口ユニット10150は、正面視において三日月状に形成される本体部151と、その本体部151の端部から正面側(矢印F方向側)に立設される第1立設部152(図12参照)と、その第1立設部152の重力方向上側(矢印U方向側)の端部から遊技領域の中央側に向かって延設される第2立設部153(図12(a)参照)と、本体部151の正面側に形成される複数(本実施形態では3個)の一般入賞口63(図12(a)参照)と、備える。
図150に示すように、第10実施形態における一般入賞口ユニット10150は、本体部10151の背面に配設される装飾部材10154を備える。装飾部材10154は、本体部151と接着される接着テープ10154aが、装飾部材10154の端部から所定の幅を隔てる内側に貼付される。これにより、接着テープ10154aの厚みの分、本体部151と装飾部材10154との間に所定の隙間(空間)が装飾部材10154の端部に形成される。その結果、遊技者が所定以上の角度(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から一般入賞口ユニット10150を視認した場合に、装飾部材60cと装飾部材10154の装飾との境界を遊技者に視認させにくくすることができる。
詳しく説明すると、装飾部材10154の端部に本体部151との間の空気層を形成することで、本体部151の内部を反射して本体部151の端部(傾斜面151a)から遊技者側に出射する光Lが、装飾部材10154の端部での装飾の影響を受けないようにする(光Lの波長が変更されにくくする)ことができる。また、接着テープ10154aの内部を通過して、装飾部材10154の装飾の影響の受ける光は、本体部151の内部を繰り返し反射されることで本体部151の外側に出射されるので、遊技者の視点に向かって反射される際に、装飾部材10154の装飾の影響を少なくすることができる。
よって、遊技者に出射される光Lの波長の変化を少なくすることができ、遊技者が所定以上の角度から一般入賞口ユニット10150を視認した場合に、装飾部材60cと装飾部材10154の装飾との境界を認識させにくくすることができる。その結果、通常の角度(例えば、遊技盤13の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から装飾部材60cと装飾部材10154の装飾を遊技者が視認する場合には、ベース板の装飾部材60cと装飾部材10154の装飾とを1の装飾として遊技者に視認させやすくできると共に、所定の角度(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から視認する場合には、境界部分の装飾を見にくくして、装飾が分割されていることを遊技者に分かりにくくすることができる。
次いで、図151から図153を参照して、第11実施形態における下変位部材11440について説明する。上記第1実施形態では、下変位部材440の背面側に配設される制御基板491により装飾部材450に光を照射する場合について説明したが、第11実施形態の下変位部材11440は、制御基板491から照射される光により内部の遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図151及び図152を参照して、第11実施形態における下変位部材11440の全体構成について説明する。図151は、第11実施形態における下変位部材11440の分解斜視正面図である。図152(a)及び図152(b)は、下変位部材11440の正面図である。なお、図152(a)では、制御基板491に配設される発光体11491aの外形が鎖線で図示され、図152(b)では、装飾部材11450が取り外された状態が図示される。
図152(a)及び図152(b)に示すように、第11実施形態における下変位部材11440は、正面ベース411(図45参照)に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480及びベース部材470の間に変位可能に配設される伝達機構11460と、ケース部材480の前後(矢印F−B方向)を覆う態様で形成される装飾部材11450と、を主に備えて形成される。
装飾部材11450は、模様やキャラクターを模した外形に形成され、表面にその模様やキャラクターの絵が描かれる。装飾部材11450は、正面ケース481の正面側(矢印F方向側)に配設される正面側装飾部11451と、背面ケース482の背面側(矢印B方向側)に配設される背面側装飾部452とを主に備えて形成される。なお、本実施形態では、装飾部材11450にサメの模様(キャラクター)が描かれる。
正面側装飾部11451は、正面視において正面ケース481の外形よりも大きい外形に形成され、正面ケース481に取着される。これにより、正面側装飾部11451の背面側に配設される部材(ケース部材480、ベース部材470等)を遊技者から視認不可能とすることができる。また、正面側装飾部11451は、正面視における内側に光透過性材料から形成される透過部11451bを備える。
透過部11451bは、後述する制御基板491に配設される複数の発光体11491aと対向する位置の全域に形成されており、複数の発光体11491aから照射される光を遊技者側に導光可能とされる。また、透過部11451bは、正面側(矢印F方向側)が、上下方向(矢印U−D方向)の外側端部に向かって背面側(矢印B方向側)に湾曲して形成される。これにより、透過部11451bの背面側から入射される光が透過部11451bの内部を通過して正面側から出射される際に、拡散しやすくされる。
伝達機構11460は、ベース部材470の正面側(矢印F方向側)に配置される部材であり、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の正面側をスライド変位可能に配設される可動ラック464と、その可動ラック464に回転可能に配置される伝達ギヤ465と、ベース部材470に形成され、伝達ギヤ465が歯合される歯面のラックギヤ476と、伝達ギヤ465に歯合される歯面を有し可動ラック464の正面側をスライド変位可能に配設されるラック11466と、そのラック11466の一端側に回転可能に配設される球受部467と、を主に備える。
ラック11466は、正面視矩形横長の棒状体から形成され、上端面に刻設されるラックギヤ466aと、長手方向の他端側(矢印L方向側)の端部から背面側(矢印B方向側)に円柱状に突出する軸部466bと、正面側(矢印F方向側)に突出する2つの摺動板466cと、長手方向の一端(矢印R方向側)から他端に亘って背面に凹設される凹設部466d(図59参照)と、ラックギヤ466aの正面側から上方(矢印U方向)に突設される遮蔽板11466eと、を備える。
遮蔽板11466eは、非光透過性の材料から形成されており、発光体11491aから出射される光を遮断可能とされる。また、遮蔽板11466eは、上方への突設高さ(矢印U方向高さ)が、背面側に配設される発光体11491aよりも高い位置(矢印U方向側の位置)とされる。これにより、ラック11466の変位に伴って、遮蔽板11466eを前後方向(矢印F−B方向)に変位させて、発光体11491aから照射される光を遮断できる。
制御基板491は、ベース部材470の背面側(矢印B方向側)に配設されており、正面側に光を照射できる発光体11491aを複数個備える。複数の発光体11491aは、下変位部材11440の長手方向(矢印L−R方向)に並設されると共に、ベース部材470を介して正面側(矢印F方向側)に配設される球受部467よりも上方(矢印U方向)に配設される。これにより、球受部467により、発光体11491aから出射された光が遮られることを抑制できる。
次いで、図153を参照して、遊技球が球受部467の内側に送球された状態について説明する。図153(a)は、下変位部材11440の正面図であり、図153(b)は、図153(a)のCLIIIb−CLIIIb線における下変位部材11440の断面模式図であり、図153(c)は、図153(a)のCLIIIc−CLIIIc線における下変位部材11440の断面模式図である。
図153に示すように、球受部467に遊技球が受け入れられると、受け入れられた遊技球が、発光体11491aの正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配置される。これにより、球受部467により受け入れられた遊技球で、発光体11491aから遊技者側に照射される光を遮断することができる。その結果、下変位部材11440の内側に送球された遊技球の位置を光が遮断されてできる影により遊技者に認識させることができる。
また、第11実施形態では、装飾部材11450の背面側に配設され、球受部467の変位領域に向けて光を出射可能な制御基板491を備え、制御基板491は、球受部467の背面側に配設され、球受部467または球受部467に受け入れられた遊技球により、制御基板491から出射される光を遮断して、装飾部材11450から出射される光の光量を部分的に異ならせるので、球受部467または球受部467に受け入れられた遊技球の正面側に位置する装飾部材11450から出射される光の光量と、その他の位置の装飾部材11450から出射される光の光量と、を異ならせる(暗くして影を形成する)ことで、その光量の異なる部分の背面側に球受部467または球受部467に受け入れられた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
詳しく説明すると、球受部467の背面側に制御基板491が配設される場合には、制御基板491から出射される光を球受部467または球受部467に受け入れた遊技球により遮断することで、球受部467または球受部467に受け入れた遊技球の正面側の装飾部材11450から出射される光の光量を装飾部材11450の他の部分よりも暗くすることができる。その結果、装飾部材11450から出射される光量の少ない(暗い)部分の背面側に球受部467または球受部467に受け入れた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
また、球受部467は、遊技球の下半球を受け入れる形状に形成され、発光体11491aは、球受部467に受け入れられる遊技球の中心よりも高い位置に配置されるので、発光体11491aから照射される光が球受部467に照射されにくくすることができる。従って、発光体11491aから照射される光により、遊技球を受け入れる球受部467及び球受部467をスライド変位させるラック11466の外形が影となって、透過部11451bに影が形成されることを抑制できる。その結果、球受部467に受け入れられた遊技球でのみ、透過部11451bに影を形成することができるので、遊技球が球受部467に受け入れられていない状態で球受部467が変位する場合に、遊技者の視線が球受部467に注目されることを抑制できる。
次いで、図154及び図155を参照して、第12実施形態における球受部12467について説明する。上記第11実施形態では、球受部467に受け入れた遊技球により発光体11491aから照射される光を遮断する場合について説明したが、第12実施形態では、球受部12467に配設される第3片12467eにより発光体11491aから照射される光を遮蔽する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図154を参照して、第12実施形態における球受部12467の構成について説明する。図154(a)は、第12実施形態における球受部12467の分解斜視正面図であり、図154(b)は、球受部12467の正面図である。なお、図154(a)では、球受部12467の一部が鎖線で図示される。
なお、第12実施形態における下変位部材12440は、上記第11実施形態における下変位部材11440と同様に、正面ベース411(図45参照)に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480の前後(矢印F−B方向)を覆う態様で形成される装飾部材11450と、を主に備えて形成される。また、第12実施形態における下変位部材12440は、ケース部材480及びベース部材470の間に変位可能に配設され、遊技球を受け入れることで変形可能な球受部12467cを有する伝達機構12460を備える。
図154に示すように、第12実施形態における球受部12467は、正面視略L字に屈曲して形成される第1片12467cと、その第1片12467cに連結される第2片12467dと、その第2片12467dに連結されると共に第1片12467c及び第2片12467dの背面側に配設される第3片12467eと、を備える。
第1片12467c及び第2片12467dは、開口451a(図57参照)から下変位部材12440の内側に送球された遊技球を保持する部分であり、第1片12467c及び第2片12467dの対向間に遊技球が送球されると、第1片12467cに対して第2片12467dが離間する方向に変位され、第1片12467cの一部と第2片12467dとが正面視においてU字状に配置され、そのU字の内側部分に遊技球を保持することができる。
第1片12467cは、正面視においてL字に形成される一方の延設側を形成する受入片12467c4と、他方の延設側を形成する脚部467aと、受入片12467c4及び脚部467aとの連結部分(屈曲部分)に前後方向(矢印F−B方向)に貫通する軸孔467bが形成される円環状の屈曲部12467c5と、屈曲部12467c5を間に挟んで反対側に突出する連結部12467c1と、を備える。
受入片12467c4は、第1片12467c及び第2片12467dにより正面視U字状に形成される他方側(矢印R方向側)の側面を形成する部分であり、正面において三日月状に形成されると共に、第2片12467dから離間する方向に凹となる湾曲形状に形成される。
連結部12467c1は、屈曲部12467c5の軸方向(矢印F−B方向)に所定の間隔を隔てて2箇所から突設される。また、連結部12467c1は、後述する第2片12467d及び第3片12467eを連結する部分であり、軸孔467bの軸方向に沿って延設されると共に断面円形状に開口される連結孔12467c2を備える。
連結孔12467c2は、後述する第3片12467eに突設される軸部12467e3が挿入される開口である。連結孔12467c2は、後述する第2片12467dに形成される挿通孔12467d3に挿通した軸部12467e3が背面側(矢印B方向側)から挿入される。また、軸部12467e3は、連結孔12467c2の挿入側と反対側(正面側(矢印F方向側))から挿入されるネジにより締結される。これにより、第1片12467cに第2片12467d及び第3片12467eを締結することができる。
また、第1片12467cは、連結部12467c1の突設基端側に重力方向下側(矢印D方向側)に凹む凹部12467c3を備える。凹部12467c3の凹設底面は、第1片12467c及び第2片12467dにより遊技球が保持される底面の中で一番低い位置(最下部)に形成される。これにより、第1片12467c及び第2片12467dに保持される遊技球は、凹部12467c3の内側に転動される。
第2片12467dは、第1片12467cの受入片12467c4及び第2片12467dにより正面視U字状に形成される他方側(矢印L方向側)の側面を形成する部分であり、正面視において三日月状に形成されると共に、受入片12467c4から離間する方向に凹となる湾曲形状に形成される。また、第1片12467c、第2片12467dの連結部分に前後方向(矢印F−B方向)に円形状に開口する挿通孔12467d3と、背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向かって断面円形状に凹設される凹設部12467d2と、を主に備える。
第2片12467dは、挿通孔12467d3に、第3片12467eの軸部12467e3が挿入され、凹設部12467d2に、第3片12467eの連結軸12467e4が挿入される。従って、第2片12567dが変位されると、第3片12467eも同様に変位される。よって、第2片12567dが第1片12467cに対して回転変位されると、第3片12567eも同様に第1片12467cに対して回転変位される。
さらに、第2片12467dは、第1片12467cの2箇所に突設される連結部12467c1の対向間に配設されて、第1片12467cに連結される。これにより、第2片12467dが挿通孔12467d3の軸方向にねじれた場合に、連結部12467c1の対向側の側面に第2片12467dを当接させて軸部12467e3が折れることを抑制できる。
凹設部12467d2は、後述する第3片12467eの連結軸12467e4を挿入する孔であり、連結軸12467e4と略同一の形状に凹設される。
第3片12467eは、正面視略半円形の板状に形成される遮蔽板12467e1と、その遮蔽板12467e1から正面側(矢印F方向側)に向かって突設される軸部12467e3及び連結軸12467e4と、を備える。
遮蔽板12467e1は、非光透過性の材料から形成されており、発光体11491aの正面側に配置される場合に、発光体11491aから照射される光を遮蔽することができる。なお、遮蔽板12467e1による発光体11491aの光の遮蔽については後述する。
軸部12467e3は、上述したように第1片12467cの連結孔12467c2及び第2片12467dの挿通孔12467d3に挿入される円柱体である。また、軸部12467e3の突設先端面には、軸部12467e3の挿入側と反対側から連結孔12467c2に挿入されるネジを螺合可能な孔が形成される。よって、軸部12467e3を連結孔12467c2及び挿通孔12467d3に挿入した状態で、軸部12467e3の挿入先端面にネジを締結することで、第1片12467c、第2片12467d及び第3片12467eを連結することができると共に、第3片12467eを第1片12467cに対して回転可能な状態にできる。
連結軸12467e4は、上述したように、第2片12467dの凹設部12467d2に挿入される。これにより、第2片12467dが第1片12467cに対して軸部12467e3を中心に回転変位した際に、連結軸12467e4を第2片12467dの変位に伴って変位させることができる。従って、第3片12467eを第2片12467dの変位に伴って変位させることができる。
次いで、図155を参照して、第12実施形態における球受部12467の変位について詳しく説明する。図155(a)及び図155(b)は、下変位部材12440の正面図であり、図155(c)は、図155(b)のCLVc−CLVc線における下変位部材12440の断面模式図である。なお、図155(a)及び図155(b)では、下変位部材12440の一部および発光体11491aが鎖線で図示される。また、図155(a)では、遊技球が球受部12467に受け入れられる前(保持される前)の状態が図示され、図155(b)では、遊技球が球受部12467に受け入られた(保持された)状態が図示される。
図155に示すように、球受部12467は、遊技球が第1片12467c及び第2片12467dの対向間に受け入れられる前の状態では、第3片12467eの荷重により第2片12467dが第1片12467c側に近づいた状態とされ、第3片12467eが、球受部12467の背面側に配設される発光体11491aよりも下方に位置される。従って、球受部12467に遊技球が受け入れられる前では、発光体11491aから照射される光を遊技者側に出射することができる。
一方、第1片12467c及び第2片12467dの対向間に遊技球が受け入れられると、受け入れられた遊技球は、第1片12467c及び第2片12467dの受入面(正面視U字に形成される内側の側面)を転動して、その受入面の最下端に位置する凹部12467c3に案内される。これにより、遊技球の外面で第2片12467dを軸部12467e3を中心に第1片12467cから離間する方向に回転させることができる。その結果、第2片12467dの変位に伴って移動する第3片12467eを球受部12467の背面側に配設される発光体11491aの正面側(矢印F方向側)に配置することができる。
従って、発光体11491aから出射される光を第3片12467eの遮蔽板12467e1により遮蔽することができる。その結果、球受部12467に遊技球が受け入れられた場合にのみ、発光体11491aから出射される光を遮蔽しやすくできるので、下変位部材12440に受け入れられた遊技球の位置を発光体11491aの光を遮蔽する影の位置で遊技者に認識させることができる。
また、第2片12467dは、凹設部12467d2に連結軸12467e4が挿入されて、第3片12467eの荷重が常に作用される。第3片12467eの重心G(図154(b)参照)は、第2片12567d及び第3片12567eとの連結部分から、軸部12467e3を挟んで反対側に設定される。これにより、第2片12467dおよび第3片12467deに重力以外の力が作用していない状態では、第3片12467eの荷重により、第2片12467dを第1片12467c側に、回転させることができる。
従って、球受部12467から遊技球が排出される(取り出される)と、第3片12467eの荷重により第2片12467dを第1片12467cの受入片12467c4側に変位させることができる。
さらに、球受部12467は、第1実施形態における球受部467と同様に、下変位部材12440の内部をスライド変位させる動作により、軸穴12467bを中心に回転されて、下変位部材12440の出射開口471(図66参照)から受け入れた遊技球が外側に排出される。
ここで、球受部12467に受け入れられた遊技球を排出する構造として、球受部12467のスライド移動に伴って、軸孔467bを中心に球受部12467の回転させる構造では、球受部12467のスライド速度により、軸孔467bを中心とする球受部12467の回転速度が変更される。従って、球受部12467のスライド速度のみに回転速度が依存するので、球受部12467からの遊技球の排出速度が安定しないという問題点があった。
これに対し、第12実施形態では、第3片12467eの荷重により第2片12467dが回転する方向と、遊技球を出射する際の軸孔467bを軸とする球受部12467の回転方向とが略同一の方向に設定されるので、出射開口471から出射される遊技球に第2片12467dが変位する際の駆動力を付与することができる。従って、球受部12467を変位させて出射開口471から遊技球を排出する際の球受部12467から遊技球に作用させる力を小さくしても、出射される遊技球の速度を維持することができる。その結果、球受部12467から出射される遊技球の排出速度を安定させることができる。
次いで、図156から図158を参照して、第13実施形態における特別入賞装置13550について説明する。上記第1実施形態では、特別入賞装置550の第1ユニット551の内部に流入した遊技球の送球経路を第3経路部材580の第1及び第2駆動ユニット583,584により切り替える場合を説明したが、第13実施形態では、特別入賞装置13550の送球経路の対向間隔を変更することで、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球の流下経路を調整する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図156及び図157を参照して、第13実施形態における特別入賞装置13550の全体構成について説明する。図156(a)は、第13実施形態における特別入賞装置13550の正面図であり、図156(b)は、特別入賞装置13550の斜視正面図であり、図156(c)は、図156(a)のCLVIc−CLVIc線における特別入賞装置13550の断面図である。図157は、特別入賞装置13550の分解斜視正面図である。
図156及び図157に示すように、第13実施形態における特別入賞装置13550は、正面側に配設される第1経路部材13560と、その第1経路部材13560の背面側に配設される第2経路部材13570と、を備える。
第1経路部材13560は、遊技盤13の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板13564と、その正面板13564の左右の端部から背面側(ベース板60側)に突設される第1壁部13565と、を主に備える。
正面板13564は、後述する第2経路部材13570との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、光透過部材から形成される。これにより、遊技者は、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球を正面板13564を介して視認することができる。また、正面板13564は、第2経路部材13570側に突出する第1凸部13564b、第2凸部13564cと、その第1凸部13564b、第2凸部13564cの下方に位置し第2経路部材13570側に突設される第3凸部13564dと、を備える。
第1凸部13564b及び第2凸部13564cは、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球を案内するための突起であり、正面板13564の左右方向外側(矢印L−R方向外側)から正面板13564の左右方向中央側に向かって下降傾斜して形成される。
第3凸部13564dは、正面板13564の左右方向(矢印L−R方向)中央に位置し重力方向(矢印U−D方向)に延設される。なお、第13実施形態では、遊技盤13の遊技領域において、特別入賞装置13550の左右方向(矢印L−R方向)略中央位置の左右で特別入賞装置13550から流下する遊技球の送球経路が異なり、特別入賞装置13550の正面視左側から流下する遊技球は、第1入賞口64(図2参照)に送球され、送球された遊技球により、遊技者に特定の遊技価値が付与される(所定数の遊技球が払い出される)。一方、特別入賞装置13550の正面視右側から流下する遊技球は、遊技盤13のアウト口71に送球され、パチンコ機10に回収される。
なお、第13実施形態では、特別入賞装置13550の左側(矢印L方向側)の下方(矢印D方向側に第1入賞口64が配置される。これにより、特別入賞装置13550の正面視左側から流下する遊技球を第1入賞口64に流入させることができる。
第1壁部13565は、遊技盤13のベース板60と特別入賞装置13550とを連結する部分であり、突設先端部に左右外側に突出する連結板13565aを左右の第1壁部13565にそれぞれ2箇所ずつ備える。
連結板13565aは、特別入賞装置13550を遊技盤13のベース板60に締結するためのネジを挿入するための貫通孔13565a1が貫通形成される。この貫通穴13565a1に挿通したネジにより、特別入賞装置13550をベース板60に締結することができる。
第2経路部材13570は、第1経路部材13560の正面板13564と対向する板状のベース板13571と、そのベース板13571の左右(矢印L−R方向)の端部から第1経路部材13560の正面板13564側に突設される第4壁部13573と、を備える。
ベース板13571は、第1経路部材13560の正面板13564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面視における外形が正面板13564の外形よりも小さく形成される。これにより、ベース板13571の正面側を正面板13564で覆うことができるので、遊技者側からベース板13571を視認しにくくすることができる。
また、ベース板13571は、第1経路部材13560側に突出する第4凸部13571b、第5凸部13571cと、それら第4凸部13571b及び第5凸部13571cの下方に位置し正面板13564側に突設される第6凸部13571dと、を主に備える。
第4凸部13571b及び第5凸部13571cは、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球を案内するための突起であり、ベース板13571の左右方向外側(矢印(L−R方向外側)からベース板13571の中央側に向かって下降傾斜して形成される。
第6凸部13571dは、上述した第3凸部13564dと対向する位置に形成されており、第3凸部13564dの先端と所定の隙間を有する長さに形成される。なお、第3凸部13564dと、第6凸部13571dとの対向間の隙間は、遊技球の直径よりも小さい寸法に設定される。
第4壁部13573は、第1経路部材13560を挿通したネジを締結するための締結孔13573aが左右の第4壁部13573のそれぞれに2箇所ずつ穿設される。これにより、第1経路部材13560と第2経路部材13570とが締結固定される。
また、第4壁部13573の締結孔13573aの周囲には、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間の隙間を調整するシム部材SIが配設される。
シム部材SIは、薄い板状の透明材料から形成されており、遊技者側から視認されにくくされる。また、本実施形態では、シム部材SIは、正面視左側の端部に配設され、正面視左側の正面板13564とベース板13571の対向間の間隔が大きくされる。
次いで、図158を参照して、第13実施形態における特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球について説明する。図158(a)は、特別入賞装置13550の上面図であり、図158(b)は、図158(a)のCLVIIIb−CLVIIIb線における特別入賞装置13550の断面図である。
図158に示すように、特別入賞装置13550は、正面視左側の端部にシム部材SIが配設され、正面視左側における正面板13564とベース板13571との対向間の間隔L14(図158(a)参照)が、正面視右側における正面板13564とベース板13571との対向間の間隔L15(図158(a)参照)よりも大きく設定される(L14>L15)。
なお、間隔L14は、正面板13564とベース板13571とが対向する位置における左側(矢印L方向側)端部の間隔である。また、間隔L15は、正面板13564とベース板13571とが対向する位置における右側(矢印R方向側)端部の間隔である。さらに、間隔L15は、遊技球の直径よりも大きく設定されており、特別入賞装置13550の上方から流下する遊技球を左右方向のどの位置からでも特別入賞装置13550の内部に流入させることができる(L14>L15>遊技球の直径)。
また、特別入賞装置13550は、第3凸部13564d及び第6凸部13571dにより下流側が左右に区画される。これにより、特別入賞装置13550の上流側の主経路SK1(図158(b)参照)を流下する遊技球は、特別入賞装置13550の正面視左側に形成される主経路SK2と、正面視右側に形成される副経路HK1とのどちらか一方に流入される。なお、上述したように、特別入賞装置13550の下流側の遊技領域は、特別入賞装置13550の左右方向の略中央位置で送球経路が異なって形成されている。従って、主経路SK2から遊技領域に送球される遊技球は、特定の入賞口に送球され、副経路HK1から遊技領域に送球される遊技球は、遊技盤13のアウト口71に送球される。
さらに、上述した正面板13564の第1凸部13564b及び第2凸部13564cと、ベース板13571の第4凸部13571b及び第5凸部13571cとの突出寸法は、略同一に設定される。即ち、正面板13564から背面側に向かって突出する第1凸部13565bと第2凸部13564cとは、その突出寸法が同一に設定される。また、ベース板13571から正面側に向かって突出する第4凸部13571bと第5凸部13571cとは、その突出寸法が同一に設定される。さらに、第1凸部13565bと第4凸部13571bとの突出寸法が同一に設定される。
また、第1凸部13564b及び第2凸部13564cと第4凸部13571b及び第5凸部13571cとは、上下方向の高さが異なる位置に配置される。即ち、正面板13564から背面側に向かって突出する第1凸部13565bと第2凸部13564cとは、同一の高さから突出される。また、ベース板13571から正面側に向かって突出する第4凸部13571bと第5凸部13571cとは、同一の高さから突出される。さらに、第1凸部13565bと第4凸部13571bとは、異なる高さに配置され、第4凸部13571bが、第1凸部13565bよりも下方に配置される。また、重力方向2箇所から突設される第4凸部13571bの中間位置に、重力方向の2箇所から突設される第1凸部13565bの下方側が配置される。
これにより、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球を第1凸部13564b及び第4凸部13571b又は第2凸部13564c及び第5凸部13571cに順に衝突させつつ流下させることができる。その結果、遊技球を第1凸部13564b及び第2凸部13564cと第4凸部13571b及び第5凸部13571cの延設方向に沿って流下させることができる。
特別入賞装置13550の正面視左側における正面板13564及び第4凸部13571b又は、ベース板13571及び第1凸部13564bの対向間の距離寸法L16(図158(a)参照)は、シム部材SIにより遊技球の直径よりも大きく設定されると共に、特別入賞装置13550の正面視右側における正面板13564及び第5凸部13571c又は、ベース板13571及び第2凸部13564cの対向間の距離寸法L17は、遊技球の直径よりも小さく設定される。
なお、間隔L16は、第4凸部13571b及び第1凸部13564bの第5凸部13571c及び第2凸部13564c側(矢印R方向側)の端部における正面板13564又はベース板13571との対向間の距離寸法である。また、間隔L17は、第5凸部13571c及び第2凸部13564cの第4凸部13571b及び第1凸部13564b側(矢印L方向側)の端部における正面板13564又はベース板13571との対向間の距離寸法である。
さらに、第13実施形態では、特別入賞装置13550の左側(矢印L方向側)の下方(矢印D方向側に第1入賞口64が配置される。これにより、特別入賞装置13550の正面視左側から流下する遊技球を第1入賞口64に流入させることができる。
よって、特別入賞装置13550の正面視右側(矢印R方向側)から特別入賞装置13550の主経路SK1に流入される遊技球は、第2凸部13564c及び第5凸部13571cに当接しやすくされ、第2凸部13564c及び第5凸部13571cの延設方向に沿って流下させて副経路HK1側に案内されやすくなる。一方、特別入賞装置13550の正面視左側(矢印L方向側)から特別入賞装置13550の主経路SK1に流入される遊技球は、第1凸部13564b及び第4凸部13571bに衝突し難くされ、そのまま副経路HK1に送球されやすくなる。その結果、特別入賞装置13550の内部に流入した遊技球の流下方向を変更することができる。
なお、本実施形態では、第1凸部13564b、第2凸部13564c、第4凸部13571b及び第5凸部13571cが、第6凸部13571d及び第3凸部13564d(主経路HK1と副経路SK6との遊技球の流入口)よりも上方(矢印U方向)に形成される。よって、主経路SK1を流下する遊技球の大半を副経路HK1に流下させることができると共に、副経路HK1よりも相対的に少ない個数の遊技球を主経路SK6に流下させることができる。
また、第13実施形態では、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間をシム部材SIにより調整すると共に非平行として、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間を流下する遊技球の位置(遊技球の流下する方向)を調整することができる。
従って、ベース板60の正面に打ち付けられた釘のベース板60の正面に対する角度を変更して遊技球が流下されやすい方向を調整する場合に比べて、特別入賞装置13550の内側を流下されやすい方向を遊技者に認識させにくくすることができる。その結果、遊技者が遊技機で遊技をする前に遊技が不利であると認識することを抑制でき、遊技機の稼動率を向上できる。
また、第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向方向の2方向(前後方向(矢印F−B方向))を変更することのみで、特別入賞装置13550の内側を流下する遊技球の流下方向を変更できるので、遊技盤13(ベース板60)の正面に対して全方向に調整可能な釘よりも、その調整を簡易にできる。その結果、調整者の意図する方向に遊技球を流下させやすくできる。
なお、調整者の意図する方向とは、例えば、副経路HK1側(矢印L方向側)の第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向間を主経路SK6側(矢印R方向側)の第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向間よりも大きくして、特別入賞装置13550の内側を流下する遊技球が副経路HK1に流下する、又は、主経路SK6側(矢印R方向側)の第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向間を副経路HK1側(矢印L方向側)の第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向間よりも大きくして、特別入賞装置13550の内側を流下する遊技球が主経路SK6に流下することである。
さらに、正面側に配設される第1経路部材13560に対して、シム部材SIを挟むことにより背面側に配設される第2経路部材13570を前後方向(矢印F−B方向)に移動させることができるので、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間の距離を遊技者に認識させにくくすることができる。即ち、遊技者から遠方側に配設される第2経路部材13570が前後方向に移動されるので、遊技者から近い第1経路部材13560が変位される場合に比べて、第1経路部材13560と第2経路部材13570の対向間の距離を遊技者に把握されにくくすることができる。その結果、遊技機の稼動率を向上することができる。
次いで、図159を参照して、第14実施形態における係合部材14310について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310の操作子315が、背面ケース300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出して形成される場合について説明したが、第14実施形態における操作子14315は、突出先端面が基端側に向かって傾斜して形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図159(a)は、第14実施形態における背面ケース300の背面図であり、図159(b)は、図159(a)のCLIXb−CLIXb線における背面ケース300の模式断面図である。
なお、第14実施形態における背面ケース14300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第14実施形態における背面ケース14300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材14310と、背面ケース14300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320と、を主に備える。
図159に示すように、第14実施形態における係合部材14310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片14311及び第2片312と、その第1片14311及び第2片312の端部同士を第1片14311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。
第1片14311は、第3片313が連結される他側と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、固定部材320の被係合部332(図41(a)参照)との係合部分として形成されており、第1片14311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片14311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部317と、背面ケース300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出する操作子14315と、を備える。
操作子14315は、第1片14311の他側(矢印L方向側)の端部に形成され、その突出寸法が、背面ケース300の底壁部301の板厚よりも大きい値に設定され、少なくとも作業者が指で掴める程度の寸法分、背面ケース14300(底壁部301)の背面側に突出される。これにより、操作子14315を底壁部301の第2開口部301dから突出させることができると共に、その突出部分(操作子14315の先端)を掴ませて操作させることができる。
また、操作子14315の突出先端面は、係合部316側(第1片14311の他側(矢印L方向側)に向かうほど操作子14315の基端側に近づく傾斜面14315aとして形成される。これにより、係合部材14310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に作業者が操作子14315を操作する際に、係合部材14310と固定部材320との係合を解除する方向に作用する力を小さくすることができる。
即ち、傾斜面14315aにより作業者が操作子14315を操作した力を分散することができる。これにより、背面ケース300の背面側から操作子14315を操作して係合部材14310と固定部材320との係合を解除し難くすることができる。その結果、不正に固定部材320に配設される基板ボックス100を交換しようとする作業者が、背面ケース300の背面側から操作子14315を操作して、固定部材320を背面ケース300から取り外すことを抑制できる。
また、傾斜面14315aの係合部316側の端部は、背面ケース300の底壁部301の背面よりも正面側(矢印F方向側)に配置される。これにより、係合部材14310と固定部材320との係合を解除する目的で操作子14315を操作する作業者の手を傾斜面14315aに当接させることができる。その結果、操作子14315を操作し難くして、固定部材320に配設される基板ボックス100を不正に交換しようとする作業者が、背面ケース300の背面側から操作子14315を操作して、固定部材320を背面ケース300から取り外すことを抑制できる。
次いで、図160(a)を参照して、第15実施形態における係合部材15310について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310の操作子315は、背面ケース300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出して形成される場合について説明したが、第15実施形態における操作子15315は、係合部材15310の第1片15311に軸支される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図160(a)は、第15実施形態における背面ケース300の模式断面図である。なお、図160(a)の断面は、図159(b)の断面と対応する。
なお、第15実施形態における背面ケース15300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301a(図5参照)が開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第15実施形態における背面ケース15300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材15310と、背面ケース15300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320(図41参照)と、を主に備える。
図160(a)に示すように、第15実施形態における係合部材15310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片15311及び第2片312(図41参照)と、その第1片14311及び第2片312の端部同士を第1片15311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313(図41参照)とから構成される。
第1片15311は、第3片313が連結される他側(矢印L方向側)と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、固定部材320の被係合部332(図41(a)参照)との係合部分として形成されており、第1片15311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316(図41参照)と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片15311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部317(図41参照)と、背面ケース300の第2開口部301dに挿通される操作子15315と、その操作子15315が軸支される軸受部15319と、を主に備える。
軸受部15319は、第1片15311の第3片313が連結される他側(矢印L方向側)に第1片15311から突設される。また、軸受部15319は、後述する操作子15315を重力方向(矢印U−D方向)に挿通した円柱状の軸部材15315cが挿入される凹部が形成される。
操作子15315は、棒状に形成されると共に、第1片15311側の端部に重力方向に貫通する貫通孔15315bと、その貫通孔15315bに挿入される軸部材15315cと、を備える。
よって、操作子15315は、貫通孔15315bに挿入された軸部材15315cが、軸受部15319の凹部に挿入されることで、第1片15311に対して回転変位可能な状態で保持される。また、操作子15315の回転軸(軸部材15315c)は、第1片15311よりも正面側に配置される。これにより、図160(a)に示す状態の操作子15315の上方視における右方向(時計回り)の回転を第1片15311の他側の端部に当接させて規制することができると共に、左方向(反時計回り)の回転を許容することができる。
よって、係合部材15310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に作業者が操作子15315を操作する際(図160(a)に示す状態の操作子15315を反時計周りに回転させる際)に、係合部材15310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向)に作用する力を小さくすることができる。これにより、背面ケース300の背面側から操作子15315を操作して係合部材15310と固定部材320との係合を解除しにくくすることができる。その結果、固定部材320に配設される基板ボックス100を不正に交換しようとする遊技者が、背面ケース300の背面側から操作子15315を操作して、固定部材320を背面ケース300から取り外すことを抑制できる。
次いで、図160(b)を参照して、第16実施形態における係合部材15310について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310のスライド操作を操作子315により行われる場合について説明したが、第16実施形態では、係合部材16310の第1片16311の端部が操作されることで行われる。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図160(b)は、第16実施形態における背面ケース300の模式断面図である。なお、図160(b)の断面は、図160(a)の断面と対応する。また、第16実施形態における背面ケース16300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301a(図5参照)が開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
さらに、第16実施形態における背面ケース16300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材16310と、背面ケース16300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320(図41参照)と、を主に備える。
図160(b)に示すように、第16実施形態における係合部材16310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片16311及び第2片312(図41参照)と、その第1片16311及び第2片312の端部同士を第1片16311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313(図41参照)とから構成される。また、第16実施形態における係合部材16310は、背面ケース300に形成される第2開口部301dに背面側から挿通させた指によりスライド変位可能とされる。
第1片16311は、第3片313が連結される他側(矢印L方向側)と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、固定部材320の被係合部332(図41参照)との係合部分として形成されており、第1片311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316(図41参照)と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片16311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部317(図41参照)と、を主に備える。
図160(b)に示すように、係合部材16310の係合部316と固定部材320の被係合部332とが係合した状態では、第1片16311の他側(矢印L方向側)の端部が第2開口部301dの開口に対して水平方向外側に配置される。従って、係合部材16310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に作業者が係合部材16310を操作する際には、背面ケース300の第2開口部301dから挿入する指で、係合部材16310と固定部材320との係合を解除する方向に係合部材16310を変位させにくくすることができる。その結果、固定部材320に配設される基板ボックス100を交換しようとしてする作業者が、背面ケース300の背面側から係合部材16310を不正に操作して、固定部材320を背面ケース300から取り外すことを抑制できる。
次いで、図161を参照して、第17実施形態における背面ケース17300について説明する。上記第1実施形態では、背面ケース300の第2開口部301dから、係合部材310の操作子315が突出する場合について説明したが、第17実施形態では、背面ケース17300の第2開口部301dから突出する操作子315が、所定の位置で背面ケースの一部に覆われる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図161(a)は、第17実施形態における背面ケース17300の背面図であり、図161(b)は、図161(a)のCLXIb−CLXIb線における背面ケース17300の断面図である。
図161に示すように、第17実施形態における背面ケース17300は、正面視略矩形の底壁部17301と、その底壁部17301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部17301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部17301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部17301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、背面ケース17300は、底壁部17301に正面側の2箇所から突設される突設部301bと、固定部材320と対向する位置に開口する第1開口部301cと、係合部材310と対向する位置に開口する第2開口部301dと、その第2開口部301dの第1開口部301c側(矢印R方向側)の背面を覆設する覆設部17301eと、を備える。
覆設部17301eは、第2開口部301dの第1開口部301c側(矢印R方向側)の端部から背面側(矢印B方向側)に向かって立設される。また、覆設部17301eは立設先端部が背面視における第2開口部301dの開口の内側に向かって屈曲する屈曲部17301e1を備える。これにより、覆設部17301eは、第1開口部301c側(矢印R方向側)と反対側(矢印L方向側)が開口する箱形状に形成される。
また、覆設部17301eの立設距離(底壁部17301cの背面から屈曲部17301e1の正面との間の距離)は、底壁部17301cから突出する操作子315の突出寸法よりも大きく設定される。さらに、覆設部17301eは、背面視における屈曲部17301e1の左右方向(矢印L−R方向)の寸法が、背面視における操作子315の左右方向の寸法よりも大きく設定される。
これにより、係合部材310の係合部316と固定部材320の被係合部332とが係合した状態では、図161(b)に示すように、操作子315が覆設部17301eの内側に配置される。従って、係合部材310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に係合部材310を作業者が操作する際に、背面ケース17300の背面側から操作子315を掴みにくくすることができる。これにより、係合部材310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に係合部材310が変位されることを抑制できる。その結果、固定部材320に配設される基板ボックス100を不正に交換しようとしてする作業者(遊技者)が、背面ケース17300の背面側から係合部材310を操作して、固定部材320を背面ケース17300から取り外すことを抑制できる。
次いで、図162から図164を参照して、第18実施形態における背面ケース18300について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310が、直線方向(矢印L−R方向)にスライド変位される場合について説明したが、第18実施形態における係合部材18310は、背面ケース18300に対して回転変位される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図162及び図163を参照して、第18実施形態における背面ケース18300の構成および係合部材18310の操作について説明する。図162(a)及び図163(a)は、第18実施形態における背面ケース18300の正面図であり、図162(b)及び図163(b)は、背面ケース18300の背面図である。なお、図162(a)及び図162(b)では、係合部材18310と固定部材18320とが係合した状態が図示され、図163(a)及び図163(b)では、係合部材18310と固定部材18320との係合が解除された状態が図示される。
図162及び図163に示すように、第18実施形態における背面ケース18300は、正面視略矩形の底壁部18301と、その底壁部18301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部18302とを備え、それら各壁部18301,18302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース18300は、底壁部18301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材18310と、背面ケース18300の背面側に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材18320と、を備える。
底壁部18301は、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部18301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部18301は、固定部材18320と対向する位置に開口する第1開口部18301cと、その第1開口部18301cの下方(矢印D方向)に位置し、正面側に突出する突設部18301bと、を備える。
第1開口部18301cは、後述する固定部材18320の被係合部18332を挿通するための開口であり、正面視において被係合部18332よりも大きい形状に形成される。これにより、背面ケース18300の内側に役物装置(回転ユニット700)を配設した後で、背面ケース18300の背面側から固定部材18320の係合部分を背面ケース18300の正面側に配置することができる。
突設部18301bは、後述する係合部材18310を軸支する部材であり、の底壁部18301の正面から円柱状に突設される。また、突設部18301bの突設先端面には、ネジを螺合する孔が凹設される。これにより、係合部材18310を背面ケース18300に配設した状態で、突設部18301bにネジを螺合することで、係合部材18310が突設部18301bから抜け出ることを規制できる。
外壁部18302は、正面視において右側(矢印R方向側)の側面に左右方向(矢印L−R方向)に開口する開口部18302aを備える。開口部18302aは、後述する係合部材18310の回転軌跡上に形成される。これにより、係合部材18310を背面ケース18300の内側に配設した後に、係合部材18310を回転させることで係合部材18310を背面ケース18300の外側に突出させることができる。
固定部材18320は、後述する係合部材18310と係合する介設部材18330と、その介設部材18330に締結される軸支部材340と、から構成される。
介設部材18330は、正面側が開放する箱状に形成され、他側(矢印L方向側)の側面に突設される係止部18331と、一側(矢印R方向側)の側面から背面ケース300側に突出して枠状に形成される被係合部18332と、箱状の底面(矢印B方向側の側面)に円形状に開口する挿通孔333(図39(b)参照)と、背面から突出する突部334と、を主に備える。
係止部18331は、固定部材320の他側(矢印L方向側)を底壁部18301に係合させるための開口を備え、その開口に上述した第1開口部18301cの周囲から断面L字状に突設される突壁18301c1が挿通されることで底壁部18301に係合される。
これにより、介設部材18330(固定部材18320)を背面ケース18300に配設する際に、介設部材18330の係止部18331に突壁18301c1を挿通させて介設部材18330の他側(矢印L方向側)を背面ケース18300に対して係止することができる。
被係合部18332は、係合部材18310と係合する部分であり、背面ケース18300側(矢印F方向側)への突出寸法が、背面ケース18300に配設される係合部材18310を超える寸法に設定され、囲われる空間の正面側(矢印F方向側)の内面から底壁部18301の正面までの距離寸法が、係合部材18310の正面から底壁部18301の正面までの距離よりも大きく設定される。これにより、被係合部18332により囲われる空間と係合部材18310とが、前後方向(矢印F−B方向)において重なる位置に配置される。
係合部材18310は、正面視略L字状に形成されており、背面ケース18300の突設部18301bに軸支される第2片18312と、その第2片18312の一方の端部から屈曲して形成される第1片18311と、から構成される。
第2片18312は、第1片18311が形成される側と反対側の端部に前後方向(矢印F−B方向)に円形状に開口される軸支孔18312aを備える。軸支孔18312aは、上述した背面ケース18300の突設部18301bが挿入される孔であり、これにより、係合部材18310を背面ケース18300の内側に軸支した状態で配設できる。
第1片18311は、上述した軸支孔18312aの軸を中心として円弧状に延設される。これにより、係合部材18310を軸支孔18312aの軸を中心として回転させた際に第1片18311の変位領域を最小とすることができる。また、第1片18311は、第2片18312との連結側と反対側の端部に、軸支孔18312aから径方向の両側に突出する係合部18316と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片18311の延設方向に凹設される凹部18317と、を備える。
2箇所の係合部18316は、正面視における外形が略三角形状に形成される。また、2箇所の係合部18316の一方の係合部18316は、第2片18312との連結部と反対側の端部から第2片18312との連結部側に向かう程、第1片18311の径方向外側に突出する外形に形成される。2箇所の係合部18316の他方の係合部18316は、第2片18312との連結部と反対側の端部から第2片18312との連結部側に向かう程、第1片18311の径方向内側に突出する外形に形成される。
凹部18317は、第1片18311の厚み方向に切り欠いて形成されると共に、第1片18311の第2片18312との連結側と反対側の端部から、第1片18311の延設方向に沿って第2片18312との連結側に向かって凹設される。よって、第1片18311の端部が二股に分割される。これにより、第1片18311の第2片18312との連結側と反対側の端部を、第2片18312との連結側よりも弾性変形させやすくして、係合部材18310を固定部材18320と係合させやすくできる。
次いで、係合部材18310と固定部材18320との係合について説明する。図163に示すように、介設部材18330及び軸支部材340は、係合部材18310との係合前に介設部材18330側から挿入されるネジにより締結されて組み合わされる。
また、係合部材18310は、上述したように背面ケース18300の突設部18301bに軸支された状態で配設され、第1片18311と第2片18312との連結部が、背面ケース18300の開口部18302aから突出された状態で配設される。
なお、背面ケース18300に軸支された係合部材18310は、重心が背面ケース18300の突設部18301bよりも開口部18302a側に位置しており、外部の力が作用していない状態では、重力により第1片18311と第2片18312との連結部が背面ケース18300の開口部18302aから突出する方向に回転される力が、係合部材18310に作用される。これにより、係合部材18310と固定部材18320との係合が不完全であった場合に、係合部材18310を背面ケース18300の外側に突出させて、係合部材18310と固定部材18320との係合の忘れを防止することができる。
締結された状態の介設部材18330及び軸支部材340(固定部材18320)は、介設部材18330の係止部18331に第1開口部18301cの周囲から突設される突壁18301c1が挿入されて、固定部材18320の正面視左側(矢印L方向側)が背面ケース18300に係止される。この場合、固定部材18320の被係合部18332が、第1開口部18301cの内側に挿入され、その被係合部18332に囲われた空間が係合部材18310の第1片18311の先端と対向する位置に配設される。
次に、係合部材18310を固定部材18320に係合させる作業者は、背面ケース18300の開口部18302aから突出した係合部材18310(第1片18311と第2片18312との連結部)を背面ケース18300の内側(矢印R1方向側)に押し込む(図163参照)ことで、係合部材18310を突設部18301bを中心に回転させる。
これにより、図162に示すように、係合部材18310の先端を、被係合部18332の内部空間に挿入できる。この場合、2箇所の係合部18316の外側端部同士の離間寸法は、被係合部18332の内部空間の上下方向の開口寸法よりも大きく設定されるが、係合部材18310の凹部18317により、第1片18311が弾性変形させやすくされるので、第1片18311の端部を凹部18317の内側に弾性変形させて、2箇所の係合部18316の外側端部同士の離間寸法を、被係合部18332の内部空間の上下方向の開口寸法よりも小さくして第1片18311の端部を被係合部18332の内側に挿入できる。
また、係合部材18310の第1片18311と第2片18312との連結部分は、背面ケース18300の開口部18302aの内側に挿入されるので、係合部材18310が、係合された状態で係合部材18310が背面ケース18300の外側から操作されることを抑制できる。その結果、係合部材18310が不正に操作されて、固定部材18320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次に、第18実施形態における係合部材18310と固定部材18320との係合の解除は、について説明する。図163(a)に示すように、第1開口部18301cは、正面視略L字状に開口されており、固定部材18320の被係合部18332と係合状態における係合部材18310の凹部18317が、第1開口部18301cを介して背面ケース1300の背面側(矢印B方向側)から操作可能とされる。
よって、係合部材18310の凹部18317の外側部分を、専用の工具等で凹部18317の凹設側に弾性変形させることで、係合部材18310の係合部18316と被係合部18332との係合が解除される。この係合を解除した状態で、係合部材18310を被係合部18332により係合される内部空間から引き出す方向(矢印L方向)に変位させた後、係合部材310の変形を戻すことで、係合部材18310と被係合部18332との係合を解除することができる。
なお、係合部材18310の凹部18317の外側部分と第1開口部18301cとの隙間は、なるべく小さく形成されることが好ましい。これによれば、背面ケース300から固定部材18320を取り外す人の指を挿入不可能にできると共に、専用の工具の挿入は可能とされる。その結果、専用の工具を有する作業者のみに基板ボックス100(主制御装置110)を交換可能とさせることができ、不正な基板ボックス100に交換されることを抑制できる。
次いで、図164を参照して、係合部材18310を固定部材18320に係合し忘れた場合についての説明をする。図164(a)は、遊技盤13の模式上面図であり、図164(b)は、パチンコ機10の模式上面図である。なお、図164(a)及び図164(b)では、係合部材18310を被係合部18332に係合し忘れた状態が図示される。また、図164(a)及び図164(b)では、正面視において枠状に形成される外枠11の上方側の一片を取り外した状態が図示される。
上述したように、係合部材18310と被係合部18332との係合が不完全であった場合に、重力により係合部材18310を背面ケース18300の外側に突出させることができる。この場合、遊技盤13の左右方向(矢印L−R方向)における係合部材18310の端部から背面ケース18300の右側(矢印R方向側)の端部までの距離寸法LR1(図164(a)参照)が、遊技盤13が配設される外枠11の左右方向における内側の左右方向寸法LR2(図164(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、係合部材18310と固定部材18320とが非係合の場合に、遊技盤13を外枠11の内側に挿入しようとすると、係合部材18310の背面側を外枠11の正面に当接させることができる。その結果、係合部材18310と固定部材18320とが非係合の場合に、遊技盤13が外枠11に配設されることを抑制して、係合部材18310と固定部材18320との係合の忘れを抑制することができる。
次いで、図165及び図166を参照して、第19実施形態における係合部材19310について説明する。上記第18実施形態では、外枠11の内側に係合部材18310を配置して係合部材18310が不正に操作されることを抑制したが、第19実施形態では、係合部材19310の解除方向への回転を規制して、係合部材18310が不正に操作されることを抑制する。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図165は、第19実施形態における係合部材19310の分解斜視正面図である。図166(a)は、背面ケース18300の正面図であり、図166(b)は、図165のCLXVIb−CLXVIb線におけるワンウェイ19350の断面図である。
図165に示すように、第19実施形態における係合部材19310は、正面視略L字状に形成されており、背面ケース19300に対して回転軸を有する第2片19312と、その第2片19312の一方の端部から屈曲して形成される第1片18311と、から構成される。
第2片19312は、第1片18311が形成される側と反対側の端部に前後方向(矢印F−B方向)に円形状に開口する嵌合孔19312bを備える。嵌合孔19312bは、後述するワンウェイ19350が嵌合される孔であり、ワンウェイ19350の外輪19351と略同一の内径に形成される。
ワンウェイ19350は、外周面にカム面が形成される内輪19352と、その内輪19352との外側を囲む円環状に形成される外輪19351と、それら外輪19351及び内輪19352の間に配設される複数のスプリング19353及びローラ19354と、を備え(図166(b)参照)、外輪19351に対して内輪19352が一方向に回転しようとするとカム面とローラ19354との接触面圧が高くなり、抵抗となって外輪への動力を伝達し、外輪19351に対して内輪が他方向に回転すると、カム面とローラ10354との接触面圧が低くなり滑って動力伝達を切断するカム式のクラッチである。なお、ワンウェイ19350の詳しい説明は後述する。
また、ワンウェイ19350の内輪19352には、中心に操作子19360が挿入される。操作子19360は、背面ケース19300の背面側(矢印B方向側)に配置される操作部19361と、その操作部19361の正面側(矢印F方向側)に突設される挿入部19362と、を主に備える。
操作部19361は、背面ケース19300の背面側から操作子19360を作業者が操作する部分であり、円形状に形成され、その外形が後述する挿入部19362が挿通される開口よりも大きく形成される。これにより、操作子19360を背面ケース19300の背面側から配設した場合に、操作部19361が背面ケース19300の正面側(矢印F方向側)に抜け出ることを抑制できる。
挿入部19362は、操作部19361の軸と同軸上の円柱状に形成され、正面側(矢印F方向側)に突設される。また、挿入部19362は、その外周面に径方向に突設される突壁19362aを備える。
突壁19362aは、挿入部19362に対してワンウェイ19350の内輪19352が空転することを防止する係合部分であり、内輪19352に形成される凹部19352aに挿入される。これにより、操作子19360に作用する回転力が内輪19352に非伝達とされることを防止できる。
さらに、挿入部19362の突設先端面には、正面視円形状に凹設される凹部が形成されており、その凹部に正面側から背面側に向かってネジを螺合させることで、ワンウェイ19350に対して操作子19360を連結できる。
次いで、図166を参照して背面ケース19300と係合部材19310との配設状態について説明する。背面ケース19300は、正面視略矩形状の底壁部19301と、その底壁部19301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部19301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース19300は、底壁部19301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材19310と、背面ケース19300の背面側に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材18320と、を備える。
底壁部19301は、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部19301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部19301には、固定部材18320と対向する位置に開口する第1開口部18301cと、その第1開口部18301cの下方(矢印D方向)に位置し、前後方向に開口して内側に上述した操作子19360の挿入部19362が挿入される開口(図示しない)と、を備える。
上述した係合部材19310は、嵌合孔19312bの内側にワンウェイ19350を内観した状態の係合部材19310を底壁部10301の正面側に配設した後に、背面ケース19300の背面側から操作子19360の挿入部19362を背面ケース19300の開口を介してワンウェイ19350の内輪19352の内側に挿入することで底壁部19301に配設される。
次いで、ワンウェイ19350の動作について説明する。上述したようにワンウェイ19350は、内輪19352の一方向と他方向との回転方向で外輪19351への動力の伝達が許容される場合と遮断される場合とに切り替えられる。
初めに、内輪19352の動力が外輪に伝達される場合について説明する。図166(b)に示すように、内輪19352が一方向(矢印LK方向(図166(b)参照))に回転されると、内輪19352のカム面と外輪19351の内周面との間にローラ19354が挟まり、ローラ19354の接触が抵抗となって、内輪19352の動力が外輪19351に伝達される。この場合、一方向の回転方向が、係合部材19310を固定部材18320に係合させる方向に設定される。
次いで、内輪19352の動力が遮断される場合について説明する。内輪19352が他方向(矢印RK方向(図166(b)参照))に回転されると、ローラ19354が外輪19351の内周面と接触する抵抗により、内輪19352の径方向内側に変位される。これにより、外輪19351の内周面とローラ19354との接触面圧が低くなり、ローラ19354が外輪19351に対して滑って動力伝達を遮断する。この場合、他方向の回転方向が、係合部材19310を固定部材18320との係合を解除する方向に設定される。
これにより、係合部材19310を背面ケース19300に配設した状態で、操作子19360を回転させて係合部材19310を固定部材18320に係合させることができる。さらに、係合部材19310と固定部材18320とが係合した状態から操作子19360を回転させて係合部材19310と固定部材18320との係合を解除することが規制される。その結果、係合部材19310(操作子19360)が不正に操作されて、固定部材18320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次いで、図167から図169を参照して、第20実施形態における係合部材20310について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310の移動が回転ユニット700の背面ベース720に挿通されるネジにより規制される場合について説明したが、第20実施形態では、係合部材20310が固定部材320に係合された際に、係合部材20310の移動が回転ユニット20700の背面ベース20720に形成される係合部20724aに係合されることで規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図167及び図168を参照して、第20実施形態における係合部材20310及び回転ユニット20700について説明する。図167は、第20実施形態における背面ケース20300及び回転ユニット20700の分解斜視図である。図168(a)は、係合部材20310の正面図であり、図168(b)は、回転ユニット20700及び係合部材20310の背面図である。
なお、第20実施形態における背面ケース20300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301a(図5参照)が開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第20実施形態における背面ケース20300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材20310と、背面ケース20300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320と、を主に備える。さらに、第20実施形態における背面ケース20300には、底壁部301の正面に回転ユニット20700が配設される。
図167及び図168に示すように、第20実施形態における背面ケース20300の底壁部301の正面側(矢印F方向側)に配設される係合部材20310は、正面視における形状がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片311及び第2片20312と、その第1片311及び第2片20312の端部同士を第1片311及び第2片20312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。
第1片311及び第2片20312には、その延設方向に長い長穴の摺動溝314がそれぞれ形成されており、これにより、係合部材20310は、第1片311及び第2片20312の延設方向(矢印L−R方向)に摺動可能とされる。
また、第2片20312は、係合部材20310の摺動方向と平行な側面に凹設される凹部20312cを備える。凹部20312cは、後述する回転ユニット20700の背面ベース20720の係合部20724aの先端が挿入される凹みであり、係合部20724aの外形と略同一の形状に形成される。
詳しく説明すると、凹部20312cは、第2片20312の第3片313との連結側と反対側(矢印L方向側)の端部までの寸法SH1(図168(a)参照)が、係合部材20310の摺動溝314の内部を突設部301bが摺動可能な寸法SH2(図168(b)参照)と略同一に設定される。また、凹部20312cは、正面視における角度が直角の三角形に凹設されると共に、その直角の部分が第2片20312の第3片313との連結側(矢印R方向側)に設定される。
回転ユニット20700は、背面ケース20300の底壁部301のうちの開口301aの下側部分の右側(矢印R方向側に配設される正面視矩形状の背面ベース20720と、その背面ベース20720の正面側(矢印F方向側)に配設される回転体800(図93参照)とを備え、遊技盤13に配設される光透過性のセンターフレーム86を介して回転体800を回転変位させる演出を遊技者に視認させることができる。
背面ベース20720は、球受台710の背面および装飾ユニット750の背面側(矢印B方向側)を連結する板部材であり、球受台710及び装飾ユニット750の背面側に配設される。また、背面ベース20720は、背面から立設される立設壁20724を備える。
立設壁20724は、背面ケース20300に配設される係合部材20310の外縁を取り囲む形状に延設される。また、立設壁20724は、係合部材20310の凹部20312cと対向する位置に形成され、凹部20312cの内側に先端が挿入される係合部20724aを備える。
係合部20724aは、係合部材20310を固定部材320に係合させる方向(矢印R方向)に立設壁20724から突設され、係合部材20310の摺動方向と直交する方向において、立設壁20724と所定の隙間を隔てて形成される。これにより、係合部20724aの剛性を低くして、係合部20724aを弾性変形させやすくできる。また、立設壁20724と係合部20724aとの隙間の分、係合部20724aが弾性変形可能な領域を確保することができる。
また、係合部20724aは、突設先端部に係合部材20310側に屈曲する屈曲部20724a1を備え、その屈曲部20724a1の正面視形状が、上述した凹部20312cと略同一形状の三角形状に形成される。これにより、係合部材20310は、固定部材320との係合前において、係合部材20310の凹部20312cの内側に屈曲部20724a1が配置される。よって、係合部材20310を、その変位方向(矢印L−R方向)に摺動させにくくすることができる(図168(b)参照)。
従って、係合部材20310が背面ケース20300に対して振動や揺れ等の力により振動して、固定部材320との係合方向(矢印R方向)に移動することを抑制できる。よって、背面ケース20300に固定部材320が配設される前に、係合部材20310の位置が変位して、固定部材320を背面ケース20300に配設した際に、固定部材320の被係合部332が係合部材20310と当接することを抑制できる。言い換えると、背面ケース20300に固定部材320を配設する際に、固定部材320の被係合部332(図167参照)を配設する際の変位領域内に、係合部材20310が位置することを抑制できる。その結果、係合部材20310を固定部材320との係合を解除する方向に操作する必要がなくなるので、係合部材20310と固定部材320とを係合させる際の作業性を向上することができる。
次いで、図169を参照して、係合部材20310と固定部材320とが係合された状態における係合部材20310及び回転ユニット20700について説明する。図169(a)は、回転ユニット20700及び係合部材20310の背面図であり、図169(b)は、背面ケース20300の背面図である。なお、図169(a)及び図169(b)では、係合部材20310と固定部材20320とが係合した状態が図示される。また、図169(b)では、係合部材20310の一部および立設壁20724の外形が鎖線で図示される。
図169に示すように、背面ケース20300の背面側(矢印B方向側)から操作子315が操作されて係合部材20310が、背面ケース20300の底壁部301に対して正面視左側(矢印L方向側)に配置された状態から、背面ケース20300の底壁部301に対して正面視右側(矢印R方向側)に変位されると、係合部材20310の凹部20312cの内側に配設された屈曲部20724a1が、その凹部20312cの傾斜面により凹部20312cに押し出される。
ここで、上述したように、凹部20312cは、第2片20312の第3片313との連結側と反対側(矢印L方向側)の端部までの距離寸法SH1(図168(a)参照)が、係合部材20310の摺動溝314の内部を突設部301bが摺動可能な寸法SH2(図168(b)参照)と略同一に設定されるので、係合部材20310が固定部材320と係合する位置まで変位されると、係合部材20310の第2片20312の第3片313との連結側と反対側(矢印L方向側)の端部が、屈曲部20724a1と係合部材20310の変位方向(矢印L−R方向)に隣合う位置に配置される。これにより、係合部材20310が、固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向)に不正に変位されることを抑制できる。
なお、上記第1実施形態と同様に、係合部材20310は、係合部316が固定部材320の被係合部332に引っ掛かる(係合する)ことで、係合部材20310の固定部材320との係合を解除する方向への変位が規制される。しかしながら、固定部材320の被係合部332を背面ケース300の第1開口部301cを挿通させるので、被係合部332と係合部316との係合は、第1開口部301cを介して不正に解除される恐れがあった。
これに対して、第20実施形態では、係合部材20310の固定部材320との係合を解除する方向への変位を、固定部材320と係合する係合部材20310の係合部316と反対側の端部を屈曲部20724a1に当接させて規制することができるので、第1開口部301cから不正物が挿入されて、係合部材20310の端部と屈曲部20724a1との係合が解除されることを抑制できる。その結果、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
なお、固定部材320と係合部材20310とは、背面ケース20300の内側(底壁部301)に配設される回転ユニット20700を背面ケース20300から取り外して、係合部材20310の端部と屈曲部20724a1との係合を解除した後に、係合部材20310の第1片311の端部を弾性変形させて、係合部材20310の端部を被係合部332の内部空間から引き出すことで両者の係合を解除できる。
従って、背面ケース20300から、固定部材320を取り外す場合には、背面ケース20300の正面側から回転ユニット20700を取り外す必要があるので、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
さらに、係合部材20310は、上述したように正面視における形状がクランク状に屈曲して形成されるので、第1片311側から挿入される針金やワイヤー等の不正物が直線状に第2片20312の端部まで送られることを規制できる。従って、第1片311側から挿入される不正物が正確に第2片20312と屈曲部20724a1との係合部分に送れることを抑制できる。その結果、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次いで、図170から図173を参照して、第21実施形態における回転ユニット21700について説明する。上記第1実施形態では、回転ユニット700の背面ベース720に挿通されるネジにより係合部材310の移動が規制される場合について説明したが、第21実施形態では、回転ユニット21700の背面ベース21720に形成される挿入部21724bに第1片311が挿入されることで、係合部材310の移動が規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図170及び図171を参照して、第21実施形態における係合部材310及び回転ユニット21700の全体構成について説明する。図170は、第21実施形態における背面ケース300及び回転ユニット21700の分解斜視図である。図171(a)は、回転ユニット21700及び係合部材310の背面図であり、図171(b)は、図171(a)のCLXXIb−CLXXIb線における回転ユニット21700の模式断面図である。
なお、第21実施形態における背面ケース21300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第21実施形態における背面ケース21300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材310と、背面ケース21300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320と、を主に備える。さらに、第21実施形態における背面ケース21300には、底壁部301の正面に回転ユニット21700が配設される。
図170及び図171に示すように、第21実施形態における回転ユニット21700は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの下側(矢印D方向側)部分の右側(矢印R方向側)に配設される正面視矩形状の背面ベース21720と、その背面ベース21720の正面側に配設される回転体800(図93参照)と、を備え、遊技盤13に配設される光透過性のセンターフレーム86を介して回転体800を回転変位させる演出を遊技者に視認させることができる。
背面ベース21720は、球受台710の背面および装飾ユニット750の背面側を連結する板部材であり、球受台710及び装飾ユニット750の背面側に配設される。また、背面ベース21720は、その背面に立設される立設壁21724を備える。
立設壁21724は、背面ケース300に配設された状態の係合部材310の外縁を取り囲む形状に延設される。また、立設壁21724は、係合部材310が背面ケース300に対して左側(矢印L方向側)端部に位置する状態(係合部材310と固定部材320との係合が解除された状態)において、係合部材310の凹部317に向かって(矢印L方向に向かって)突設される挿入部21724bを備える。
挿入部21724bは、立設壁21724から係合部材310の変位方向(矢印L−R方向)と平行な方向に延設されると共に、固定部材320と係合された状態における係合部材310と重力方向(矢印U−B方向)に重なる寸法に設定される。また、挿入部21724bの先端部には、背面側(係合部材310側)に屈曲する屈曲部21724b1が形成され、その屈曲部21742b1の屈曲先端部が、パチンコ機10の前後方向(矢印F−B方向)において、係合部材310と重なる長さに設定される。
さらに、挿入部21742bの上下方向(矢印U−D方向)における幅寸法は、係合部材310の凹部317の上下方向における幅寸法よりも小さい寸法に設定される。従って、挿入部21724bは、係合部材310が固定部材320と係合された状態において、屈曲部21724b1が凹部317の内側に挿入された状態とされる。これにより、係合部材310及び固定部材320が係合された状態から係合部材310の第1片311が凹部317の凹設内側に弾性変形されることを抑制できる。その結果、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次いで、図171から図173を参照して、係合部材310を固定部材320に係合させる場合の挿入部21724bの動作について説明する。図172(a)及び図173(a)は、回転ユニット21700及び係合部材310の背面図である。図172(b)及び図173(b)は、背面ケース300及び回転ユニット21700の模式断面図である。なお、図172(a)及び図172(b)では、係合部材310と固定部材320との係合が解除された状態が図示され、図173(a)及び図173(b)では、係合部材310が、固定部材320へ係合される途中の状態が図示される。
図172及び図173に示すように、係合部材310は、固定部材320との係合が解除された状態から、係合部材310の第1片311の端部が固定部材320の被係合部332の内部空間に挿入される際に、第1片311の端部が凹部317の内側に向かって弾性変形される。これにより、凹部317は、その上下方向(矢印U−D方向)における幅寸法が、挿入部21724bの上下方向の幅寸法よりも小さくされる。
また、係合部316が、被係合部332の内部空間に位置する場合(図173(a)に示す位置の場合)、第1片311の端部が挿入部21724bの突設先端部を超える位置に配置される。言い換えると、係合部316の左右方向における長さ寸法が、挿入部21724bの突設先端部から固定部材320の被係合部332の端部までの対向間寸法よりも大きく設定される。
よって、係合部316が、被係合部332の内部空間から押し出される際に、係合部材310の第1片311側の端部を挿入部21724bの屈曲部21724b1に当接させることができる。この場合、挿入部21724bは、屈曲部21724b1の傾斜面に沿って先端が正面側(矢印F方向側)に押し出される。これにより、係合部材310を固定部材320と係合する位置まで変位させることができる。
なお、図171に示すように、係合部316が、被係合部332の内部空間から抜け出された場合には、上述したように、第1片311の上下方向における凹部317の幅寸法よりも、挿入部21724bの上下方向における幅寸法が大きくされるため、凹部317の内側に屈曲部21724b1が挿入される。
従って、上述したように、係合部材310の第1片311が凹部317の凹設内側に弾性変形されることを抑制できる。その結果、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
なお、係合部材310と固定部材320とは、背面ケース300の内側(底壁部301)に配設される回転ユニット21700を背面ケース21300から取り外して、係合部材310の端部と背面ケース20300との係合を解除した後に、係合部材310の第1片311の端部を弾性変形させて、係合部材310の端部を被係合部332の内部空間から引き出すことで両者の係合を解除することができる。
従って、背面ケース21300から、固定部材320を取り外す場合には、背面ケース21300の正面側から回転ユニット21700を取り外す必要があるので、係合部材310と固定部材320との係合が背面ケース21300の背面側から不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次いで、図174から図176を参照して、第22実施形態における係合部材22310及び固定部材22320について説明する。上記第1実施形態では、固定部材320の被係合部332に係合部材310の係合部316が係合される場合について説明したが、第22実施形態では、係合部材22310に凹設される凹部22311aに固定部材22320に形成される屈曲部22332a1が係合される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図174から図176(a)を参照して、第22実施形態における係合部材22310及び固定部材22320の構成について説明する。図174は、係合部材22310及び固定部材22320の斜視正面図である。図175(a)及び図175(b)は、背面ケース22300の正面図である。図176(a)は、図175(b)のCLXXVIa−CLXXVIa線における背面ケース22300の模式断面図である。なお、図175(a)では、係合部材22310と固定部材22320とが係合前の状態が図示され、図175(b)では、係合部材22310と固定部材22320とが係合された状態が図示される。
図174から図176(a)に示すように、第22実施形態における背面ケース22300は、正面視略矩形状の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により、一面側が開放される箱状に形成される。また、背面ケース22300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材22310と、底壁部301の背面側に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材22320とを備える。
係合部材22310は、正面視における外形がクランク形状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片22311及び第2片312と、その第1片22311及び第2片312の端部同士を第1片22311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。
また、第1片22311及び第2片312には、その延設方向に長い長穴の摺動溝314がそれぞれ形成されており、これにより、係合部材22310は、第1片22311及び第2片312の延設方向(矢印L−R方向)に摺動可能とされる。
第1片22311は、第3片313が連結される側と反対側の端部の正面側(矢印F方向側)に背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される凹部22311aを備える。
凹部22311aは、後述する固定部材22320に形成される屈曲部22332a1が挿入されて、係合部材22310と固定部材22320とを係合させる部分であり、後述するように、係合部材22310の第1片22311の一側(矢印R方向側)の端部を固定部材22320の被係合部22332の内部空間に収容した場合に、固定部材22320の22332aと対向する位置に形成される。
また、凹部22311aの内部形状は、断面が略直角三角形状に形成されており、直角部分が、第1片22311の端部側(矢印R方向側)に設定されると共に、凹設底面が第1片22311の端部側に向かって背面側(矢印B方向)に深くなる傾斜面として形成される。
固定部材22320は、上述した係合部材22310に係合する介設部材22330と、その介設部材22330の背面側に締結される軸支部材340とから構成される。
介設部材22330は、正面側(矢印F方向側)が開放する箱状に形成され、一側(矢印R方向側)の側面に突出する係止部331と、他側(矢印L方向側)の側面から背面ケース22300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に突出して枠状に形成される被係合部22332と、箱状の底面(矢印B方向側の側面)に円形状に開口する挿通孔333(図39(b)参照)と、背面から突出する突部334と、を主に備える。
被係合部22332は、その囲われた内部空間に係合部材22310の第1片22311の一側(矢印R方向側)の端部が挿入される部分であり、その内縁形状が、第1片22311の外形よりも若干大きく設定される。また、被係合部22332は、枠状に形成されるうちの正面側(矢印F方向側)の1辺から係合部材22310の被係合部22332への挿入方向(矢印R方向側)に突出する突部22332aを備える。
突部22332aは、先端の端部に正面側(矢印F方向側)に屈曲する屈曲部22332a1を備え、その屈曲部22332a1が、上述した係合部材22310の凹部22311aに挿入されることで、係合部材22310と固定部材22320とを係合させることができる。即ち、屈曲部22332a1は、係合部材22310が被係合部22332へ挿入された状態における凹部22311aと対向する位置に形成される。
この場合、図176(a)に示すように、係合部材22310と固定部材22320との係合部分が、背面ケース22300の底壁部301に対して係合部材22310を挟んで正面側に形成される。従って、底壁部301に形成される第1開口部301cから係合部材22310と固定部材22320との係合部分を離間させることができるので、第1開口部301cから針金やワイヤなどの不正部材が挿入されて、係合部材22310と固定部材22320との係合が不正に解除されることを抑制できる。
さらに、底壁部301と係合部材22310及び固定部材22320の係合部分との間に、係合部材22310の第1片22311を配置することができるので、底壁部301に形成される第1開口部301c等の開口部から不正に挿入された針金やワイヤ等が、直線的に係合部材22310及び固定部材22320の係合部分に到達することを抑制できる。その結果、底壁部301の開口から不正部材(針金やワイヤ等)が挿入されて、係合部材22310と固定部材22320との係合が不正に解除されることを抑制できる。
また、本実施形態では、突部22332aが、被係合部22332の内部空間への係合部材22310の挿入方向に突設される。従って、係合部材22310と固定部材22320との係合部分が、固定部材22320の正面側に設定される。これにより、底壁部301の第1開口部301cから針金やワイヤ等の不正部材が挿入された場合に、係合部材22310と固定部材22320との係合部分に到達する不正部材の挿入方向を底壁部301の正面に対して斜めに傾かせることができる。これにより、不正部材の先端から係合部材22310と固定部材22320との係合部分の係合を解除する方向の力が伝達されにくくすることができる。その結果、底壁部301の第1開口部301cから不正部材が挿入されて、係合部材22310と固定部材22320との係合が不正に解除されることを抑制できる。
次いで、図176(b)を参照して、第23実施形態における係合部材23310及び固定部材23320について説明する。上記第22実施形態では、係合部材22310の被係合部22332への挿入方向に係合部材22310を係合させる突部22332aが突設される場合を説明したが、第23実施形態では、係合部材23310の被係合部23332の挿入方向と反対方向に突部23332aが突設される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図176(b)は、第23実施形態における背面ケース23300の断面図である。なお、図176(b)の断面図は、図176(a)の断面図と対応する。また、第23実施形態は、上述したように、第22実施形態における係合部材22310と固定部材22320と、係合位置が異なるのみであるので、係合部材23310と固定部材23320との係合部分以外は、第22実施形態と同一であるのでその説明は省略する。
なお、第23実施形態における背面ケース22300は、正面視略矩形の底壁部23301と、その底壁部23301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部23301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301a(図5参照)が開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第23実施形態における背面ケース23300は、底壁部23301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材23310と、背面ケース23300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材23320と、を主に備える。
図176(b)に示すように、第23実施形態では、上述したように被係合部23332から突出される突部23332aの突出方向が、第22実施形態の突部22332a(図176(a)参照)と反対方向(矢印L方向)に設定され、その突部23332aの突出先端に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する屈曲部23332a1が形成される。
係合部材23310は、屈曲部23332a1と対向する位置に屈曲部23332a1の外形よりも大きい矩形状の開口23310bが形成される。これにより、係合部材23310が、固定部材23320の被係合部23332の内部空間に挿入されると、開口23310bの内側に屈曲部23332a1が挿入されて、係合部材23310と固定部材23320とが係合される。
また、第23実施形態における背面ケース23300の底壁部23301には、固定部材23320と対向する位置に、第3開口部23301eが形成される。この第3開口部23301eにより、作業者は底壁部23301の背面側から係合部材23310と固定部材23320との係合部分を解除することができる。その結果、背面ケース23300から固定部材23320の取り外しの作業を簡易にすることができる。
次いで、図177及び図178を参照して、第24実施形態における背面ケース24300について説明する。上記第18実施形態では、固定部材18320を底壁部18301から取り外す場合に、固定部材18320と係合部材18310との係合を解除する場合について説明したが、第24実施形態では、固定部材24320を底壁部24301から取り外す場合に、係合部材24310の固定部材24320への挿入部分を切断する。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図177(a)は、第24実施形態における背面ケース24300の正面図であり、図177(b)は、図177(a)のCLXXVIIb−CLXXVIIb線における背面ケース24300の断面図である。図178は、図177(b)のCLXXVIII−CLXXVIII線における背面ケース24300の断面図である。
図177及び図178に示すうように、第24実施形態における背面ケース24300は、正面視略矩形状の底壁部24301と、その底壁部24301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部24301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース24300は、底壁部24301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材24310と、底壁部24301の背面側に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材24320と、を備える。
底壁部24301は、その中央に正面視矩形状の開口301aが開口形成され、その開口301aを通して、底壁部24301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部24301には、固定部材24320と対向する位置に開口する第1開口部24301cと、その第1開口部24301cの左側(矢印L方向側)に位置し、前後方向(矢印F−B方向)に開口して内側に後述する操作子24360の挿入部24362が挿入される開口(図示しない)と、を備える。
係合部材24310は、正面視T字状に形成される第2片24312と、その第2片24312の端部から屈曲して円弧状に延設される第1片24311と、を主に備える。第2片24312は、直交する2本の延設部分の連結部分に前後方向に貫通する貫通孔24312dを備え、その貫通孔24312dから第2片24312の延設部分の外側までの距離が、それぞれ略同一に設定される。
貫通孔24312dは、後述する操作子24360の挿入部24362が挿入される部分であり、挿入部24362の外形と略同一の円形状に形成される。これにより、操作子24360が回転操作されることで、貫通孔24312dを中心に係合部材24310が回転変位される。
第1片24311は、貫通孔24312dを中心とする円弧形状に形成され、第2片24312のそれぞれの端部から一方向の回転(正面視左回転)方向に突設される。また、各第1片24311は、突設先端部に貫通孔24312dの軸を中心とする径方向の両側に突出する係合部24316と、突設先端面から第2片24312との連結側に向かって凹設される凹部24317と、を備える。
係合部24316は、後述する固定部材24320と係合させる部分であり、凹部24317により第1片24311の突設先端部(係合部24316が形成される部分)を弾性変形して固定部材24320に形成される被係合部24332に係合させることができる。なお、係合部24316と凹部24317との形状についての詳しい説明は後述する。
操作子24360は、底壁部24301の背面側(矢印B方向側)からの操作を底壁部24301の正面側(矢印F方向側)に配設される係合部材24310に伝達する操作部材であり、円柱状に形成される操作部24361と、その操作部24361と同軸上に突出される挿入部24362と、を備える。操作部24361は、底壁部24301に形成され、挿入部24362を挿通する開口よりも大きい寸法に外径が設定される。これにより、操作子24360の全体が底壁部24301の正面側に変位されることを抑制できる。
挿入部24362は、上述したように係合部材24310の貫通孔24312dに挿入される部分であり、これにより、操作部24361から入力された回転力を係合部材24310に伝達できる。
固定部材24320は、上述した係合部材24310と係合する介設部材24330と、その介設部材24330の背面側に配設される軸支部材340と、から構成される。
介設部材24330は、正面側(矢印F方向側)が開放する箱状に形成される。また、介設部材24330は、正面から突設されると共に、下方側(矢印D方向側)が開放された箱状に形成される収容部24335を備える。収容部24335は、内部に係合部材24310の係合部分(第1片24311の先端部分)を挿入する部分であり、下方側の開放部分が上述した係合部材24310の第1片24311の変位軌跡上に配置される。これにより、係合部材24310を回転させて、係合部材24310の第1片24311の端部を収容部24335の内部空間に収容することができる。
また、収容部24335は、その内部空間が1箇所の係合部材24310の係合部分よりも大きく形成される。これにより、後述するように係合部材24310が切断された場合に、収容部24335の内部空間に係合部材24310の切断部分を収容することができる。なお、本実施形態では、収容部24335の内部空間の大きさが、係合部材24310の係合部分(第1片24311の先端部分)の略3倍に設定されており、収容部24335の内部空間に少なくとも3個以上の係合部材24310が収容可能とされる。
収容部24335は、図178に示すように、下方側が開口されると共に、開口部分に段部24335aが階段状に突出され、その段部24335aに収容部24335の内側に収容される係合部材24310の係合部24316が係合される。これにより、係合部材24310を回転した場合に、第1片24311の先端部を収容部24335の内側に挿入すると共に、係合部材24310と固定部材24320と係合させることができる。
また、この場合、凹部24317の凹設深さSH3(図178参照)は、収容部24335に収容され係合された状態の第1片24311の端部から収容部24335の下方側端までの距離寸法SH4よりも小さく設定される。従って、係合された第1片24311に形成される凹部24317が、収容部24335の内側に収容された状態とされる。これにより、第1片24311の端部が弾性変形されて係合部材24310と固定部材24320との係合が解除されることを抑制できる。
従って、第24実施形態では、収容部24335の内側に挿入される第1片24311の収容部24335から突出する第1片24311を切断することで、底壁部24301から固定部材24320を取り外すことができる。
この場合、収容部24335の上部内縁から第1片24311の先端部までの距離寸法SH5(図178参照)が、上述した距離寸法SH4よりも大きく設定される。これにより、第1片24311の切断した部分を収容部24335の上方に移動させることができ、収容部24335の開放側(矢印F方向側)から他の第1片24311を挿入して段部24335aに係合させることができる。
よって、固定部材24320が底壁部24301から取り外された回数を係合部材24310の残りの第1片24311の個数または収容部24335に収容される切断された第1片24311の個数により、判断させることができる。その結果、固定部材24320が底壁部24301から不正に取り外されて、その固定部材24320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換された場合に、係合部材24310の残りの第1片24311の個数または収容部24335に収容される切断された第1片24311の個数によ、不正に固定部材24320が取り外されたことを作業者に認識させることができる。
また、係合部材24310は上述したように第2片24312が、正面視T字状に形成され、第1片24311が形成されていない側(T字の上方側)の領域を利用して、係合部材24310を回転させて第1片24311を固定部材24320に挿入することができる。また、第1片24311が切断されるとその第1片24311の切断された領域を利用して、係合部材24310を回転可能とされ、次(他)の第1片24311を固定部材24320に挿入することができる。これにより、第1片24311の収容部24335に収容される順番を決定することができる。よって、作業者は、切断されていない第1片24311がどの位置にあるのかを視認して、固定部材24320が不正に解除されていないのかを判断することができるので、第1片24311の個数を作業者が数える場合よりも、不正がされた痕跡を作業者が見落とすことを抑制できる。
次いで、図179を参照して、第25実施形態における遊技盤25013について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の装飾部材154が、本体部151に接着される場合について説明したが、第25実施形態では、装飾部材154が、ベース板60の正面側に接着される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図179(a)及び図179(b)は、第25実施形態における遊技盤25013の断面図である。なお、図179(a)及び図179(b)は、図14の断面図と対応する。また、図179(b)では、ベース板60から一般入賞口ユニット25150が分解された状態が図示される。
なお、第25実施形態における遊技盤25013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤25013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86を備える。また、遊技盤25013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第25実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット25150が配設される。
図179に示すように、第25実施形態における遊技盤25013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット25150は、ベース板60の正面に沿って配設される本体部151と、その本体部151の端部に立設される第1立設部152と、本体部151の正面から立設されると共に、一端が第1立設部152に連結される第2立設部153と、本体部151の背面側に配設される装飾部材25154と、本体部151に形成される複数(本実施形態では3個)の一般入賞口63と、を主に備える。
装飾部材25154は、光透過性材料から板状に形成されると共に、ベース板60の正面側に配設される装飾部材60cと連なる模様や文字(絵柄)の装飾が施される。また、装飾部材25154は、その外縁の形状が、本体部151に形成される凹部151bの内縁の形状よりも若干小さく形成される。
また、装飾部材25154は、ベース板60(装飾部材60c)の正面に接着させる接着テープ25154aを装飾部材25154の背面の端部に備える。これにより、装飾部材25154をベース板60に接着して配設することができる。従って、作業者は、装飾部材25154をベース板60へ配置する際に、ベース板60の装飾部材60cの装飾を視認しつつ装飾部材25154をベース板60の正面に貼付することができる。よって、装飾部材25154とベース板60の装飾部材60cとの装飾の位置を合わせやすくすることができる。その結果、装飾部材25154とベース板60の装飾部材60cとの装飾の位置がずれることを抑制して、遊技者に装飾部材25154とベース板60の装飾部材60cとを1の装飾として遊技者に視認させやすくできる。
さらに、装飾部材25154がベース板60(装飾部材60c)の正面に直接貼付されるので、本体部151の正面側に装飾が施される場合よりも、装飾部材25154と装飾部材60cとの前後方向(矢印F−B方向)における配置を近づけることができる。その結果、遊技者が装飾部材25154を斜めから視認した場合の各装飾部材25154,60cの装飾の位置ずれが大きくなることを抑制できる。その結果、遊技者に装飾部材25154とベース板60の装飾部材60cとを1の装飾として遊技者に視認させやすくできる。
また、第25実施形態では、本体部151の凹部151bの凹設寸法X1が、装飾部材25154及び接着テープ25154aとを合わせた前後方向(矢印F―B方向)における幅寸法X2よりも、小さく設定される。これにより、装飾部材25154の正面側(矢印F方向側)から、本体部151を配設した場合に、装飾部材25154を凹部151bの凹設底面151b2に装飾部材25154の正面が当接することを抑制できる。
従って、凹部151bを除いた本体部151の背面を形成する背面部151dをベース板60の正面に当接させることができ、背面部151dとベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、背面部151dとベース板60との間にゴミ等が入ってベース板60の装飾部材60cの装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
次いで、図180を参照して第26実施形態における遊技盤26013について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の本体部151の端部に直線状の傾斜面151aが形成される場合について説明したが、第26実施形態では、本体部26151の端部に形成される傾斜面26151aが外側に膨出する断面円弧状に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図180(a)及び図180(b)は、第26実施形態における遊技盤26013の断面図である。なお、図180(a)及び図180(b)は、図14の断面図に対応する。また、図180(a)では、遊技者が遊技盤26013を通常の遊技状態よりも高い位置(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの(起立した状態の)視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示され、図180(b)では、遊技者が遊技盤26013を通常の遊技状態の位置(例えば、遊技盤26013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
なお、第26実施形態における遊技盤26013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤26013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤26013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
さらに、第26実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット26150が配設される。従って、一般入賞口ユニット26150は、遊技盤26013の重力方向略中間位置よりも下方に配設される。よって、通常の遊技状態における遊技者が一般入賞口ユニット26150を視認する際の視線は、遊技盤26013に対して下降する方向とされる。
図180に示すように、第26実施形態における遊技盤26013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット26150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部26151と、その本体部26151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部26151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部26151は、正面視における端部が背面側に向かって傾斜すると共に、断面円弧状に膨出する傾斜面26151aと、本体部26151の背面から正面側に向かって凹設される凹部151bと、を主に備えて形成される。
傾斜面26151aは、本体部26151の正面側の平面との連結点と、背面側の端部と、を連結する仮想線IL1(図180参照)のベース板60の正面に対する傾斜角度θ1が、45度よりも小さく設定される。これにより、傾斜角度θ1が、45度よりも大きく設定される場合よりも、本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が大きくされる。よって、本体部26151の外側に光が出射させた際に、その光の進行方向を上方側に屈曲させやすくできる。従って、遊技者が、遊技盤26013に対して通常の遊技状態の位置よりも高い位置(起立した位置)から一般入賞口ユニット26150を視認した場合に、装飾部材154,60cの連結部分を正面側から視認させやすくできる。その結果、装飾部材154,60cの連結部分の前後方向の位置の違いを遊技者に認識されにくくすることができるので、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。なお、本実施形態では、角度θ1が40度に設定される。
また、上述したように傾斜面26151aは、外側に膨出する断面円弧状に形成され、その円弧の軸が仮想線IL1(本体部26151の正面側の平面との連結点と、背面側の端部と、を連結する線(図180参照))よりも背面側(ベース板60側)に設定される。よって、本体部26151の中央側(図180(a)下側)に向かうほど、本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が大きくされる。従って、本体部26151の中央側(図180(a)下側)に向かうほど、本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が大きくされる。
よって、遊技者が傾斜面26151aを介して、本体部26151の正面側の平面との連結点と背面側の端部との中間位置を通過する水平線HR1(図180(a)参照)よりも下方側の装飾を視認した場合に、本体部26151内を通過する遊技者の視線の角度をベース板60の正面に対して直交する方向(水平方向)に近づけやすくできる。
さらに、凹部151bの内側に配設される装飾部材154は、その端部の位置が、本体部26151の正面側の平面との連結点と背面側の端部との中間位置を通過する水平線HR1(図180(a)参照)よりも下方に設定されると共に、傾斜面26151aの背面側に設定される。上述したように、水平線HR1(図180(a)参照)よりも下方側の装飾を、遊技者が傾斜面26151aを介して視認した場合に、本体部26151内を通過する遊技者の視線の角度をベース板60の正面に対して直交する方向(水平方向)に近づけやすくできる。
従って、図180(a)に示すように、遊技者が遊技盤26013を通常の遊技状態よりも高い位置(起立した位置)から一般入賞口ユニット26150及びベース板60を視認した場合にも、傾斜面26151aを介してベース板60の装飾部材60cの装飾と、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154の装飾とを合わせて遊技者に視認させやすくできる。その結果、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。
一方、図180(b)に示すように、遊技者が遊技盤26013を通常の遊技状態の高さから一般入賞口ユニット26150及びベース板60を視認した場合には、傾斜面26151aの膨出形状により、本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が直角に近似するので、本体部26151の外側に出射される光を屈折しにくくできる。よって、傾斜面26151aを介した際に遊技者の視線の方向が屈曲することを抑制して、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cと、の前後方向(矢印F―B方向)の位置ずれを遊技者に認識されにくくすることができる。その結果、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。
次いで、図181を参照して、第27実施形態における遊技盤27013について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の本体部151の端部に直線状の傾斜面151aが形成される場合について説明したが、第27実施形態では、本体部26151の端部形成される傾斜面27151aが、本体部27151の内側に凹む断面円弧状に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図181(a)及び図181(b)は、第27実施形態における遊技盤27013の断面図である。なお、図181(a)及び図181(b)は、図14の断面図に対応する。また、図181(a)では、遊技者が遊技盤27013を通常の遊技状態よりも高い位置(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの(起立した状態の)視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示され、図181(b)では、遊技者が遊技盤27013を通常の遊技状態の位置(例えば、遊技盤27013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
なお、第27実施形態における遊技盤27013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤27013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤27013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
さらに、第27実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット27150が配設される。従って、一般入賞口ユニット26150は、遊技盤26013の重力方向略中間位置よりも下方に配設される。よって、通常の遊技状態における遊技者が一般入賞口ユニット26150を視認する際の視線は、遊技盤26013に対して下降する方向とされる。
図181に示すように、第27実施形態における遊技盤27013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット27150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部27151と、その本体部27151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部27151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部27151は、正面視における端部が背面側に向かって傾斜し、本体部27151の内側に向かって凹設される断面円弧状の傾斜面27151aと、本体部27151の背面から正面側に向かって凹設される凹部151bと、を主に備えて形成される。
傾斜面27151aは、本体部27151の正面側の平面との連結点と、背面側の端部と、を連結する仮想線IL2(図181参照)のベース板60の正面に対する傾斜角度θ2が、45度よりも大きく設定される。これにより、傾斜面27151aの外側への突出距離を小さくすることができ、本体部27151の外形が大きくなることを抑制できる。
また、上述したように、傾斜面27151aは、本体部27151の内側に凹設される断面円弧状に形成され、その円弧の軸が仮想線IL2(本体部26151の正面側の平面との連結点と、背面側の端部と、を連結する線(図181参照))よりも正面側(遊技者側(矢印F方向側)に設定される。よって、遊技者が傾斜面27151aを介して、各装飾部材60c,154を視認する場合に、その凹設形状により傾斜面27151aを介して各装飾部材60c,154の装飾を視認可能な領域を広げることができる。即ち、本体部27151の内側に向かって凹設される断面円弧状により、各装飾部材60c,154から傾斜面27151aに入射される光を屈折させて、遊技者の視点に向かって集光することができる。その結果、傾斜面27151a介して視認される模様や文字(絵柄)を小さくして、各装飾部材60c,154の連結を遊技者に分かりにくくすることができる。その結果、各装飾部材60c,154の位置ずれを遊技者に認識されにくくさせることができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
さらに、凹部151bの内側に配設される装飾部材154は、その端部の位置が、本体部27151の正面側の平面との連結点と背面側の端部との中間位置を通過する水平線HR2よりも上方に設定されると共に、傾斜面27151aの背面側に設定される。
これにより、図181(a)に示すように、遊技者が遊技盤26013を通常の遊技状態よりも高い位置(起立した位置)から一般入賞口ユニット27150及びベース板60を視認した場合には、装飾部材60cと装飾部材154との連結部分の正面側の本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が大きくされる。従って、装飾部材154との連結部分の正面側の本体部27151を水平方向に進む光は、遊技者の視点側に屈折されやすくなるので、遊技者が、遊技盤27013に対して通常の遊技状態の位置よりも高い位置(起立した位置)から一般入賞口ユニット27150を視認した場合に、装飾部材154,60cの連結部分を正面側から視認させやすくできる。その結果、装飾部材154,60cの連結部分の前後方向の位置の違いを遊技者に認識されにくくすることができるので、一般入賞口ユニット27150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。
一方、図181(b)に示すように、遊技者が遊技盤27013を通常の遊技状態の高さから一般入賞口ユニット27150及びベース板60を視認した場合には、傾斜面27151aの凹設形状により、装飾部材154との連結部分の正面側の本体部27151を水平方向に進む光が傾斜面27151aから本体部27151の外側に入射する際の入射角が直角に近似するので、本体部27151の外側に出射される光を屈折しにくくできる。よって、傾斜面27151aを介した際に遊技者の視線の方向が屈曲することを抑制して、一般入賞口ユニット27150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cと、の前後方向位置ずれを遊技者に認識させにくくすることができる。その結果、一般入賞口ユニット27150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。
次いで、図182(a)を参照して、第28実施形態における遊技盤28013について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の本体部151に凹設される凹部151bの端部の内面は、本体部151の板厚方向と平行とされる場合について説明したが、第28実施形態における凹部28151bの端部の内面は、凹設底面151b2側に向かって内側に傾斜される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図182(a)は、第28実施形態における遊技盤28013の断面図である。なお、図182(a)は、図14の断面図に対応する。また、図182(a)では、遊技者が遊技盤28013を通常の遊技状態の位置(例えば、遊技盤28013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
なお、第28実施形態における遊技盤28013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤28013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤28013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第28実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット28150が配設される。
図182(a)に示すように、第28実施形態における遊技盤28013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット28150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部28151と、その本体部28151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部28151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部28151は、端部が背面側に向かって傾斜される傾斜面151aと、本体部28151の背面から正面側に向かって凹設される凹部28151bとを主に備える。
凹部28151bの内側面28151b3は、上述したように、凹設底面151b2側から凹設開口側に向かって(矢印F方向側から矢印B方向側に向かって)外側に本体部28151の端部側に向かって傾斜して形成される。この場合、その凹部28151bの断面における内側面28151b3のベース板60の正面に対する傾斜角度θ3(図182(a)参照)が、本体部151の傾斜面151aのベース板60に対する傾斜角度θ4(図182(a)参照)よりも小さく設定される。
これにより、図182(a)示すように、遊技者が本体部28151の傾斜面28151aを介して装飾部材60cを視認する場合に、本体部28151を通過することで屈曲して遊技者に視認される虚像の装飾位置と、本体部28151を介さずに装飾部材60cを視認した際の実像の装飾位置とを近づけることができる。即ち、本体部28151の傾斜面28151a及び凹部の内側面28151b3で屈折されて視認される装飾部材60cの位置を遊技者の視線の延長線上に位置させることができる。その結果、遊技者に本体部28151を介して装飾部材60cを視認させた際に、光の屈折により生じる装飾の位置ずれを抑制して、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
次いで、図182(b)を参照して、第29実施形態における遊技盤29013について説明する。上記第28実施形態では、凹部29151bの断面における内側面29151b3のベース板60の正面に対する傾斜角度θ3が、傾斜面151aのベース板60に対する傾斜角度θ4よりも小さく設定される場合について説明したが、第29実施形態では、凹部29151bの断面における内側面29151b3のベース板60の正面に対する傾斜角度θ5が、傾斜面151aのベース板60に対する傾斜角度θ6よりも大きく設定される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図182(b)は、第29実施形態における遊技盤29013の断面図である。なお、図182(b)は、図14の断面図に対応する。また、図182(b)では、遊技者が遊技盤29013を通常の遊技状態の位置(例えば、遊技盤29013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
なお、第29実施形態における遊技盤29013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤29013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤29013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第29実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット29150が配設される。
図182(b)に示すように、第29実施形態における遊技盤29013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット29150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部29151と、その本体部29151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部29151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部29151は、端部が背面側に向かって傾斜される傾斜面151aと、本体部29151の背面から正面側に向かって凹設される凹部29151bとを主に備える。
凹部29151bの内側面29151b3は、上述したように、凹設底面151b2側から凹設開口側に向かって(矢印F方向側から矢印B方向側に向かって)外側に本体部29151の端部側に向かって傾斜して形成される。この場合、その凹部29151bの断面における内側面29151b3のベース板60の正面に対する傾斜角度θ5(図182(b)参照)が、本体部151の傾斜面151aのベース板60に対する傾斜角度θ6(図182(b)参照)よりも大きく設定される。
これにより、図182(b)示すように、遊技者が本体部29151の傾斜面151aを介して装飾部材60cを視認する場合に、装飾部材60c及び装飾部材154から傾斜面151aを介して遊技者の視点に照射される光を、凹部29151bの内側面29151b3の傾斜に対して、略直交する方向に照射される光とすることができる。従って、装飾部材60c及び装飾部材154から凹部29151bの内側面29151b3に光が入射する際に、光が屈折すること抑制できる。その結果、凹部29151bの内側面29151b3に光が入射する際に、光が屈折することで、装飾部材60c及び装飾部材154の連結部分が重力方向上側から視認されることを抑制でき、装飾部材60c及び装飾部材154を1の装飾として遊技者に視認させやすくできる。
また、凹部29151bの内側面29151b3と装飾部材154の端部との間に所定の隙間を備えるので、その隙間により装飾部材154が形成される際に生じる寸法誤差を吸収することができる。
次いで、図183(a)を参照して、第30実施形態における一般入賞口ユニット30150について説明する。上記第28実施形態では、凹部28151bの内側面28151b3が傾斜して形成される場合について説明したが、第30実施形態では、凹部30151bの内側面30151b3が凹部28151bの内側に膨出すると共に断面円弧状に湾曲して形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
なお、第30実施形態における遊技盤30013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤30013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤30013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第30実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット30150が配設される。
図183(a)は、第30実施形態における一般入賞口ユニット30150の断面図である。なお、図183(a)は、図14の断面図に対応する。また、図183(a)では、遊技者が、遊技盤30013を通常の遊技状態の位置(例えば、遊技盤30013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
図183(a)に示すように、第30実施形態における遊技盤30013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット30150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部30151と、その本体部30151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部30151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部30151は、端部が背面側に向かって傾斜される傾斜面151aと、本体部30151の背面から正面側に向かって凹設される凹部30151bとを主に備える。
凹部30151bの内側面30151b3は、凹設底面151b2側から凹設開口側に向かって(矢印F方向側から矢印B方向側に向かって)外側に本体部30151の端部側に傾斜して形成される共に、凹部30151bの内側に向かって断面円弧状に膨出する。これにより、凹部30151bを介して装飾部材60cを視認する遊技者の視線を装飾部材60cの装飾面と直交する方向(水平方向)に向けやすくできる。その結果、凹部30151bを介して遊技盤30013の装飾を視認した場合に、装飾部材154の端部が視認されることを抑制して、装飾部材60c及び装飾部材154を1の装飾として遊技者に視認させやすくできる。
次いで、図183(b)を参照して第31実施形態における一般入賞口ユニット31150について説明する。上記第1実施形態では、傾斜面151aは、断面が直線状の面として形成される場合について説明したが、第31実施形態における傾斜面31151aは、複数の凹設部31151a1を備える。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図183(b)は、第31実施形態における一般入賞口ユニット31150の断面図である。なお、図183(b)は、図14の断面図に対応する。また、第31実施形態における遊技盤31013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤31013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤31013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第31実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット31150が配設される。
図183(b)に示すように、第31実施形態における遊技盤31013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット31150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部31151と、その本体部31151の背面側に配設される装飾部材154とを備える。
本体部31151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部31151は、端部が背面側に向かって傾斜される傾斜面31151aと、本体部31151の背面から正面側に向かって凹設される凹部151bとを主に備える。
傾斜面31151aは、その傾斜方向と直行する方向に凹設される複数の凹設部31151a1を備える。複数の凹設部31151a1は、傾斜面31151aの傾斜方向に複数個並設されると共に、正面視における本体部31151の端部に沿って延設される。これにより、本体部31151の内部に入射されて本体部31151の端部(傾斜面31151a)から出射される光を乱反射させることができる。従って、傾斜面31151aを介して視認される装飾をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。
ここで、本体部31151に配設される装飾部材154の端部は、第1実施形態と同様に傾斜面31151aの背面側に配設されるので、装飾部材154の装飾と装飾部材60cの装飾の連結部分をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。その結果、遊技者に各装飾部材60c,154の連結を認識させにくくすることができ、装飾部材60cの装飾と装飾部材154の装飾とを1の装飾として遊技者に認識させやすくできる。
<対向間の間隔を調整して流下方向を変更する調整手段>
次いで、図184から図186を参照して、第32実施形態における特別入賞装置32550について説明する。上記第13実施形態では、第1経路部材13560と第2経路部材13570との間にシム部材SIを挟むことで、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間隔を調整する場合について説明したが、第32実施形態では、第1経路部材32560と第2経路部材32570との対向間隔をネジの締結位置により調整する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図184及び図185を参照して、第32実施形態における特別入賞装置32550の構成について説明する。図184は、第32実施形態における特別入賞装置32550の分解斜視正面図である。図185(a)は、特別入賞装置32550の正面図であり、図185(b)は、特別入賞装置32550の上面図であり、図185(c)は、図185(a)のCLXXXVc−CLXXXVc線における特別入賞装置32550の断面図である。
図184及び図185に示すように、第32実施形態における特別入賞装置32550は、正面側に配設される第1経路部材32560と、その第1経路部材32560の背面側に配設される第2経路部材32570と、を備える。
第1経路部材32560は、非光透過の材料から形成される。また、第1経路部材32560は、板状に形成され遊技領域の正面側に配設される正面板32564と、その正面板32564の左右の端部から背面側(ベース板60側)に突設される第1壁部32565と、を備える。
正面板32564は、後述する第2経路部材32570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、非光透過の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置33550の内部を流下する遊技球を視認不能にできる。その結果、遊技者が特別入賞装置33550の内部の遊技球の流下方向を把握することを抑制して、遊技者が遊技をやめることを抑制できる。
第1壁部32565は、第2経路部材32570と連結(締結)される部分であり、左右方向(板厚方向)に円形状に貫通する貫通孔32565cと、2の第1壁部32565の対向面に複数個並設されると共に断面三角形状に突設される一側突部32565dと、第1壁部32565の上下の両端から2の第2壁部32566の対向面側に立設される立設部32565eとを主に備える。
貫通孔32565cは、第1経路部材32560を第2経路部材32570に締結させるためのネジを挿通する貫通穴であり、各第1壁部32565に1箇所ずつ形成される。
一側突部32565dは、後述する第2経路部材32570の他側凹部32573cに挿入されて、第1経路部材32560を第2経路部材32570に対して位置決めをする部分であり、前後方向(矢印F−B方向)に並設されると共に、上下方向(矢印U−D)方向に延設される。
立設部32565eは、一側突部32565dを覆設して、遊技者から一側突部32565dを不可視にする部分であり、一側突部32565dの突設距離より大きく設定される。これにより、一側突部32565dが他側凹部32573cに挿入された位置を視認されることを抑制して、第2経路部材32570に対する第1経路部材32560の位置が遊技者に認識されることを抑制できる。その結果、遊技者が不利と判断してパチンコ機10を遊技しなくなることを抑制できる。
第2経路部材32570は、第1経路部材32560の正面板32564と対向する板状のベース板32571と、そのベース板32571の左右(矢印L−R方向)の端部から第1経路部材32560の正面板32564側に突設される第4壁部32573と、を備える。
ベース板32571は、第1経路部材32560の正面板32564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面視におけるベース板32571の上下方向(矢印U−D方向)の大きさが正面板32564よりも小さくされる。これにより、遊技者側からベース板32571が視認されることを抑制できる。その結果、遊技者が、ベース板32571と正面板32564との対向間隔を視認して遊技が有利または不利であると判断することを防止できる。
また、ベース板32571は、第1経路部材32560側に突出する第4凸部32571b及び第5凸部32571cと、それら第4凸部32571b及び第5凸部32571cの下方に位置し、正面板32564側に突設される第6凸部32571dと、を備える。
第4凸部32571b及び第5凸部32571cは、特別入賞装置32550の内部を流下する遊技球を案内するための突起であり、ベース板32571の左右方向外側(矢印L−R方向外側)からベース板32571の中央側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、ベース板32571と正面板32564との対向間を流下して、第4凸部32571b又は第5凸部32571cに衝突する遊技球を、それら第4凸部32571b又は第5凸部32571cの傾斜方向に流下させやすくすることができる。
第6凸部32571dは、上述した第4凸部32571b及び第5凸部32571cの下方側に形成されると共に、ベース板32571の左右方向略中央位置に形成される。また第6凸部32571dは、重力方向に延設される。これにより、ベース板32571と正面板32564との対向間を流下して、第4凸部32571b又は第5凸部32571cに案内される遊技球を第6凸部32571dの左右のどちらかに振り分けられる。
対向する2箇所の第4壁部32573は、対向方向外側の側面に対向方向の内側に向かって凹設される複数の他側凹部32573cと、対向方向に貫通される調整孔32573bと、2箇所の第4壁部32573の対向方向内側に形成されると共に調整孔32573bを取り囲む収容部32573dと、を主に備える。
他側凹部32573cは、第4壁部32573の前後方向(矢印F−B方向)に複数個並設されると共に、重力方向に延設される。また、他側凹部32573cは、断面略三角形状に凹設して形成され、その断面形状が、一側突部32565dと略同一に設定される。これにより、一側突部32565dを他側凹部32573cに挿入して第1経路部材32560を位置決めすることができる。
調整孔32573bは、上述した第1経路部材32560の貫通孔32565cを挿通したネジの先端を収容部32573d側に挿通させる部分である。また、調整孔32573bは、前後方向(矢印F−B方向)に長い長穴に形成されており、これにより、第2経路部材32570に対する第1経路部材32560の移動が許容される。
収容部32573dは、正面視において断面コ字状に形成されると共に、その両端部が第4壁部32573に連結される。また、収容部32573dは、ベース板32571の正面から第4壁部32573の正面側の端部に亘って延設される。これにより、収容部32573dにより囲われた空間内に、貫通孔32565c及び調整孔32573bを挿通したネジを螺合する螺合板32590を収容できる。
螺合板32590は、収容部32573dにより形成される空間に挿入可能な寸法に設定されると共に、前後方向(矢印F−B方向)における幅寸法が収容部32573dにより形成される空間の前後方向寸法(第4壁部32573の正面側への突設寸法)よりも小さく設定される。これにより、螺合板32590を収容部32573dの内側に挿入できると共に、前後方向に移動可能とされる。
また、螺合板32590は、貫通孔32565c及び調整孔32573bを挿通したネジを螺合する螺合孔32591と、その螺合孔32591の前後方向(矢印F−B方向)の両端から2箇所の第4壁部32573の対向面に向かって突設される案内突部32592とを備える。
螺合孔32591は、2箇所形成されており、上下方向に並んで形成される。また、2箇所の螺合孔32591は、上端から一方の螺合孔32591の距離寸法と下端から他方の螺合孔32591の距離寸法とが同一となる位置に形成される。これにより、どちらか一方の螺合孔32591のネジ溝が潰れた場合に、螺合板32590を上下反転させることで他方の螺合孔32591を利用してネジを締結することができる。
案内突部32592は、前後の両端部分から左右方向の両外側に所定量突設されると共に、螺合孔32591側に向かって傾斜する傾斜面を備える。これにより、貫通孔32565c及び調整孔32573bを挿通したネジの先端を螺合孔32591に案内することができる。特に本実施形態では、螺合孔32591が破損した場合に、上下を反転させることで新しい螺合孔32591を使用できる。この場合、ネジの先端に対する螺合孔32591の位置が合わなくなりやすいので、本実施形態のように、ネジの先端を螺合孔32591に案内する構成が特に有効となる。
以上のように構成される特別入賞装置32550の第2経路部材32570に対する第1経路部材32560の調整方法は、初めに、第1経路部材32560の貫通孔32565cに挿通されると共に螺合板32590に螺合されるネジを緩める。これにより、第2経路部材32570に対し第1経路部材32560の移動が許容された状態とされる。
次に、第1壁部32565を正面板32564に対して左右方向外側に弾性変形させることで、第2経路部材32570の他側凹部32573cに挿入された第1経路部材32560の一側突部32565dを他側凹部32573cから引き出した後に、前後方向の位置を調整して調整後の位置で、第1壁部32655の弾性変形を戻して再度一側突部32565dを他側凹部32573cに挿入させる。これにより、第2経路部材32570に対して第1経路部材32560を仮止め(位置決め)することができる。
最後に、第1経路部材32560の貫通孔32565cに挿通されると共に螺合板32590に螺合されるネジを再度締めなおすことで、第2経路部材32570に対する第1経路部材32560の調整が完了される。
これによれば、上述したように、一側突部32565dと他側凹部32573cとが対応する形状に形成されるので、仮止めした後にネジを締結することで、一側突部32565dを他側凹部32573cに押し込むことができる。よって、一側突部32565dを他側凹部32573cに挿入可能なそれぞれの位置で、常に同じ位置となるように調整させることができる。その結果、調整を行う作業者によって、遊技球の流れにばらつきが発生することを抑制でき、調整を簡易にすることができる。
次いで、図186を参照して、第1経路部材32560の第2経路部材32570の位置調整について説明する。図186(a)は、特別入賞装置32550の断面図であり、図186(b)は、図186(a)のCLXXXVIb−CLXXXVIb線における特別入賞装置32550の断面図である。
図186に示すように、左側(矢印L方向側)の第1経路部材32560が第2経路部材32570に対して正面側(矢印F方向側)に引き出された場合には、図185に示すように、左側の正面板32564及びベース板32571との対向間の距離が右側に比べて広くされる。この場合、正面板32564及びベース板32571の対向間を流下する遊技球は、左側の第4凸部32571bに衝突し難くなるので、その分、遊技球を、左側の対向間を流下しやすくできる。これにより、正面板32564及びベース板32571の対向間を流下する遊技球を左側の下方から排出させやすくできる。
次いで、図187を参照して第33実施形態における特別入賞装置33550について説明する。上記第32実施形態では、第1経路部材32560の第1壁部32565を弾性変形させた状態で第2経路部材32570に対する第2経路部材32570の位置を調整する場合について説明したが、第33実施形態では、第1壁部33565を正面板32564に対して可変可能に連結される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図187(a)は、第33実施形態における第1経路部材33560の分解斜視正面図であり、図187(b)は、特別入賞装置33550の断面図である。なお、図187(b)は、図186(c)の断面図と対応する。
図187に示すように、第33実施形態における特別入賞装置33550は、正面側に配設される第1経路部材33560と、その第1経路部材33560の背面側に配設される第2経路部材32570と、を備える。
第1経路部材33560は、板状に形成され遊技領域の正面側に配設される正面板33564と、その正面板33564の左右の端部に軸支される第1壁部33565と、を備える。
正面板32564は、後述する第2経路部材32570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、非光透過の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置33550の内部を流下する遊技球を視認不能にできる。その結果、特別入賞装置33550の内部の遊技球の流下方向を遊技者が把握することを抑制して、遊技者が遊技をやめることを抑制できる。
保持部33564eは、後述する第1壁部33565を軸支するロッドRDを保持する部材であり、円環状に形成された内側部分にロッドRDを挿入可能な大きさに設定される。また、保持部33564eは、上下方向に所定の距離を隔てる2箇所に形成されており、それら保持部33564eの円環部分の軸が上下方向に同軸とされる。また、2箇所の保持部33564eのうち下方側に形成される保持部33564eは、正面板33564の下側端部に形成されると共に、下端側が塞がれる。これにより、ロッドRDを保持部33564eの上方側から保持部33564eの内側に挿入した場合に、ロッドRDが保持部33564eの下端から脱落する(抜け出る)ことを抑制できる。
第1壁部33565は、第2経路部材32570と連結(締結)される部分であり、左右方向(板厚方向)に円形状に貫通する貫通孔32565cと、2箇所の第1壁部32565の対向面に複数個並設されると共に断面三角形状に突設される一側突部32565dと、第1壁部32565の上下(矢印U−D方向)の両端から2の第2壁部32566の対向面側に立設される立設部32565eと、正面板33564側に断面円環形状に突出する被軸支部33565fと、を主に備える。
被軸支部33565fは、上述した正面板33564の保持部33564eに挿入されるロッドRDが挿入される部分であり、円環状に形成された内側部分がロッドRDを挿入可能な大きさに設定される。また、被軸支部33565fは、上下方向に所定の距離を隔てる2箇所に形成されており、それら被軸支部33565fの円環部分の軸が上下方向に同軸とされる。また、2箇所の被軸支部33565fは、その間に上述した保持部33564eのうち上方に形成される保持部33564eが配設される。
これにより、正面板33564及び第1壁部33565との連結は、保持部33564eと被軸支部33565fとを同軸上に配置すると共に、それら保持部33564eと被軸支部33565fとの内側に上方側からロッドRDを挿入することで、正面板33564に第1壁部33565が回転可能な状態で配設される。
これにより、図187(b)に示すように、第2経路部材32570のベース板32571に対して、第1経路部材33560の正面板33564が非平行に配設される場合に、正面板33564に対して第1壁部33565の角度を変更して配設できる。
即ち、上記第32実施形態では、第2経路部材32570のベース板32571に対して第1経路部材32560の正面板32564を非平行に配設した場合に、正面板32564に対して第1壁部33565を弾性変形させた状態で保持する必要がある。また、第2経路部材32570に対して第1経路部材32560の位置を調整する際に、第1壁部32565を正面板32564に対して左右方向外側に弾性変形させて、第2経路部材32570の他側凹部32573cに挿入された第1経路部材32560の一側突部32565dを他側凹部32573cから引き出す必要がある。そのために、正面板32564と第1壁部32565との連結部分が破損する可能性があった。
これに対し、第33実施形態では、正面板33564に対して、第1壁部33565を回転させることができるので、第1経路部材33560を弾性変形させる必要がなくなり、正面板33564と第1壁部33565との連結部分が破損することを抑制できる。
以上のように構成される特別入賞装置33550の第2経路部材32570に対する第1経路部材33560の調整方法は、初めに、第1経路部材33560の貫通孔32565cに挿通されると共に螺合板32590に螺合されるネジを緩める。これにより、第2経路部材32570に対し第1経路部材33560の移動が許容された状態とされる。
次に、第1壁部33565を正面板33564に対して左右方向外側に回転させることで、第2経路部材32570の他側凹部32573cに挿入された第1経路部材33560の一側突部32565dを他側凹部32573cから引き出した後に、前後方向の位置を調整して調整後の位置で、第1壁部33565の回転を戻して再度一側突部32565dを他側凹部32573cに挿入させる。これにより、第2経路部材32570に対して第1経路部材32560を仮止めすることができる。
最後に、第1経路部材33560の貫通孔32565cに挿通されると共に螺合板32590に螺合されるネジを再度締めなおすことで、第2経路部材32570に対する第1経路部材33560の調整が完了される。
次いで、図188から図190を参照して第34実施形態における特別入賞装置34550について説明する。上記第13実施形態では、特別入賞装置13550の前後の板の対向間隔を調整することで、遊技球の流下する方向を調整する場合について説明したが、第34実施形態では、流下経路の内側に向かって突設される突起の位置を変更することで、遊技球の流下する方向を調整できる。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図188及び図189を参照して、特別入賞装置34550の全体構成について説明する。図188(a)は、第34実施形態における遊技盤34013の正面図であり、図188(b)は、図188(a)のCLXXXVIIIb−CLXXXVIIIb線における遊技盤34013の断面図である。図189は、遊技盤34013の分解斜視正面図である。
図188及び図189に示すように、第34実施形態における特別入賞装置34550は、遊技盤34013に配設される第1入賞口64の上方に配設される。また、特別入賞装置34550は、正面側に配設される第1経路部材34560の左右方向における中心線が第1入賞口64の左右方向における中心線と正面視において同一直線上に配設される。
さらに、特別入賞装置34550と第1入賞口64とは、重力方向(矢印U−D方向)に遊技球の直径分離れた位置に配設される。これにより、特別入賞装置34550から排出される遊技球を遊技者に視認させることができる。
特別入賞装置34550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材34560と、その第1経路部材34560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材34570と、その第2経路部材34570の背面側に螺合される固定具34553と、を備える。
第1経路部材34560は、後述する第2経路部材34570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、非光透過の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置34550の内部を流下する遊技球を視認不能にできる。その結果、特別入賞装置34550の内部の遊技球の流下方向を遊技者が把握することを抑制して、遊技者が遊技をやめることを抑制できる。
また、第1経路部材34560は、板状に形成され、遊技領域の正面側(矢印F方向側)に配設される正面板34564と、その正面板34564の左右の端部から背面側(矢印B方向側)に立設される第1壁部34565と、を備える。
正面板34564は、後述する第2経路部材32570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、後述する第2経路部材34570のベース板34571よりも正面視における外形が大きく形成される。これにより、第1経路部材34560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材34570を正面板34564で視認しにくくすることができる。従って、遊技者側から第2経路部材34570が視認されることを抑制できる。よって、第2経路部材34570の位置を変更した場合に、その変更が遊技者に認識されることを抑制できる。
第1壁部34565は、遊技盤13のベース板34060に締結される部分であり、断面略L字形状に形成される。第1壁部34565の背面側への立設寸法は、正面板34564と後述するベース板34571の第4凸部34571bとの対向間寸法X3(図188(b)参照)が、遊技球の直径よりも若干大きい値に設定される。
また、第1壁部34565は、立設先端部からベース板34060の正面と平行な方向に屈曲される屈曲部34565gを有し、その屈曲部34565gに前後方向に貫通する貫通孔34565g1が形成される。貫通孔34565g1は、ネジが挿通される孔であり、貫通孔34565g1に挿通したネジをベース板34060に螺合することで、第1経路部材34560をベース板34060に締結できる。
第2経路部材34570は、第1経路部材34560の正面板34564と対向する板状のベース板34571と、そのベース板34571の背面側から円柱状に突設される支持部34579と、を備える。
ベース板34571は、第1経路部材34560の正面板34564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面板34564と所定量離間する位置に形成される。また、ベース板34571は、正面板34564側に突出する第4凸部34571bを備える。これにより、ベース板34571及び正面板34564の対向間を流下する遊技球を第4凸部34571bに衝突させて流下する方向を変更することができる。
支持部34579は、第2経路部材34570を軸支する部分であり、円柱状の軸が、ベース板34571の軸と同軸上となる位置(ベース板34571の中心)に形成される。また、遊技盤34013のベース板34060には、支持部34579と対応する位置に円形状の貫通穴34060dが開口され、その貫通穴34060dの内側に支持部34579が挿入される。これにより、第2経路部材34570が、ベース板34060に軸支される。
支持部34579は、その突設先端に締結孔34579aが凹設される。締結孔34579aは、支持部34579の軸と同軸上に凹設されると共に、内周面に雌ネジ加工がされる。これにより、ベース板34060の背面側から貫通孔34060dに挿通される固定具34553のネジ部34553bを締結孔34579aに螺合させることができる。
固定具34553は、上述した第2経路部材34570を遊技盤34013のベース板34060に締結するための締結部材であり、円柱状に形成される操作部34553aと、その操作部34553aの正面側に突設されるネジ部34553bと、を備える。
操作部34553aは、第2経路部材34570をベース板34060に配設する作業者が把持する部分であり、ベース板34060に形成される貫通孔34060dよりも大きい外形に形成される。また、操作部34553aは、ベース板34060の貫通穴34060dの内径よりも大きい外径に設定される。
これにより、固定具34553のネジ部34553bを締結孔34579aに螺合させて、第2経路部材34570をベース板34060に配設した場合に、固定具34553が貫通穴34060dを介してベース板34060の正面側に抜け出ることを抑制できる。
ネジ部34553bは、操作部34553aの軸と同軸の円柱状に形成されると共に、その外周面に雄ネジ加工がされる。ネジ部34553bは、上述したように、第2経路部材34570の締結孔34579aに螺合される部分であり、ベース板34060の貫通孔34060dよりも小さい外径に設定され、貫通孔34060dを挿通して第2経路部材34570の締結孔34579aに螺合される。
以上のように構成される特別入賞装置34550によれば、特別入賞装置34550から排出される遊技球の排出位置を変更する場合に、作業者は、遊技盤13のベース板34060に形成される第1開口部60a(センターフレーム86)を介して遊技盤13の正面側(矢印F方向側)から手(腕)をベース板34060の背面側(矢印B方向側)に挿通させて、固定具34553の操作部34553aにアクセスさせる。
次に、操作部34553aを回転させて、第2経路部材34570の締結孔34579aに螺合されるネジ部34553bを緩める。これにより、第2経路部材34570を支持部34579を中心に回転変位可能な状態にして、第2経路部材34570を回転させて、第2経路部材34570の第4凸部34571bの位置を変更する。第4凸部34571bの位置が変更されると、特別入賞装置34550の内部を流下する遊技球が第4凸部34571bと衝突する位置が変更されるので、特別入賞装置34550から排出される遊技球の排出位置を変更することができる。
この場合、上述したように、第2経路部材34570のベース板34571は、正面視円形状に形成され、その軸と同軸上に支持部34579が形成されるので、第2経路部材34570を回転させた場合に、正面視におけるベース板34060に対する第2経路部材34570の配置が変化することを抑制できる。よって、第2経路部材34570の回転されたことを遊技者が認識することを抑制できる。その結果、遊技者が不利と判断して遊技をしなくなることを抑制できる。
次に、図190を参照して、第4凸部34571b(第2経路部材34570)の位置を変化させた場合の遊技球の排出位置の変化について説明する。図190(a)から図190(d)は、図188のCXC−CXC線におけるパチンコ機34010の断面図である。
図190に示すように、第4凸部34571bは、正面視における突出形状が、略V字状に形成される。従って、図190(a)に示すように、V字の屈曲側を下方側に配置した場合には、特別入賞装置34550の上方から流入する遊技球をV字の傾斜に沿って中央部分に送球しやすくできる。その結果、特別入賞装置34550の下方に配設される入賞口64に遊技球を流入させやすくすることができる。
一方、図190(b)に示すように、V字の屈曲側を上方側に配置した場合には、特別入賞装置34550の上方から流入する遊技球をV字の傾斜に沿って左右の両端に送球しやすくできる。その結果、特別入賞装置34550の下方に配設される入賞口64に遊技球を流入させにくくすることができる。
また、図190(c)及び図190(b)に示すように、V字の屈曲側を左右のどちらかの端部に配置した場合には、特別入賞装置34550の上方から流入する遊技球をV字の上方側の傾斜に沿って送球しやすくできると共に、V字の上方側に衝突されずV字の下方側に送球される遊技球をV字の下方側の傾斜に沿って送球することができる。従って、V字の上方側とV字の下方側とで遊技球を衝突させる領域の違いで、遊技球が送球される方向を変更することができる。
なお、詳しい説明は省略するが、図190(a)から図190(d)に示す位置以外の位置に、第4凸部34571bの屈曲部分を配置することも可能である。例えば、図190(a)に示す位置から第2経路部材34570を正面視右方向に10度回転させた場合には、特別入賞装置34550の上方から流入する遊技球を、V字の傾斜に沿って流下させて、特別入賞装置34550の下方に配設される入賞口64の上方側から若干左側(矢印L方向側)にずれた位置から遊技球を排出しやすくできる。
次いで、図191から図193を参照して第35実施形態における特別入賞装置35550について説明する。上記第34実施形態では、第2経路部材34570を回転させて第4凸部34571bの位置を変更する場合について説明したが、第35実施形態では、第2経路部材35570をスライドさせて第4凸部35571bの位置を変更する。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図191及び図192を参照して、第35実施形態における特別入賞装置35550について説明する。図191(a)は、第35実施形態における遊技盤35013の正面図であり、図191(b)は、図191(a)のCXCIb−CXCIb線における遊技盤35013の断面図である。図192は、特別入賞装置35550の分解斜視図である。
図191及び図192に示すように、第35実施形態における特別入賞装置35550は、遊技盤35013に配設される第1入賞口64の上方側(矢印U方向側)に配設される。また、特別入賞装置35550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材35560の左右方向における中心線が第1入賞口64の左右方向における中心線と正面視において同一直線状に配設される。
さらに、特別入賞装置35550と第1入賞口64とは、重力方向(矢印U−D方向)に遊技球の直径分離れた位置に配設される。これにより、特別入賞装置35550から排出される遊技球を遊技者に視認させることができる。
特別入賞装置34550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材35560と、その第1経路部材35560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材35570と、その第2経路部材35570の背面側に螺合される固定具34553と、を備える。
第1経路部材35560は、後述する第2経路部材35570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、非光透過の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置35550の内部の遊技球の流下方向を視認不能にできる。その結果、遊技者が、特別入賞装置35550の内部の遊技球の流下方向を把握することを抑制して、遊技者が遊技をやめることを抑制できる。
また、第1経路部材35560は、板状に形成され、遊技領域の正面側に配設される正面板34564と、その正面板34564の左右の端部から背面側(矢印B方向側)に立設される第1壁部35565と、を備える。
正面板35564は、後述する第2経路部材35570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、後述する第2経路部材35570のベース板35571よりも正面視における外形が大きく形成される。これにより、第1経路部材35560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材35570を正面板35564で視認しにくくすることができる。従って、遊技者側から第2経路部材35570が視認されることを抑制できる。よって、第2経路部材35570の位置を変更した場合に、その変更が遊技者に認識されることを抑制できる。
第1壁部35565は、遊技盤35013のベース板60に締結される部分であり、断面略L字形状に形成される第1壁部34565の背面側への立設寸法は、正面板35564と後述するベース板35571の第4凸部35571bとの対向間寸法X4(図191(b)参照)が、遊技球の直径よりも若干大きい値に設定される。
また、第1壁部35565は、立設先端部からベース板60の正面と平行な方向に屈曲される屈曲部35565gを有し、その屈曲部35565gに前後方向(矢印F−B方向)に貫通する貫通孔35565g1と、屈曲部35565gの背面から正面側(矢印F方向側)に向かって凹設される凹設部35565g2とが形成される。
貫通孔35565g1は、ネジが挿通される孔であり、貫通孔35565g1に挿通したネジをベース板60に螺合することで、第1経路部材35560をベース板60に締結できる。
凹設部35565g2は、後述する第2経路部材35570のベース板35571の左右(矢印L−R方向側)の両端を内側に収容する部分であり、屈曲部35565gの基端から凹設されると共に、屈曲部35565gの上下方向中央部に凹設される。これにより、ベース板35571の左右の両端を凹設部35565g2の内側に収容した際に、ベース板35571の左右の両端を屈曲部35365gにより隠すことができる。よって、遊技者にベース板35571の位置が認識されることを抑制できる。その結果、遊技者が不利と判断して遊技をしなくなることを抑制できる。
また、凹設部35565g2の凹設寸法は、ベース板35571の板厚よりも大きい深さ寸法に設定されると共に、屈曲部35565gの左右の両端の離間距離X5(図191(b)参照)が、ベース板35571の左右方向の幅寸法X6(図191(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、ベース板35571(第2経路部材35570)を左右方向に変位させることができる。なお、ベース板35571(第2経路部材35570)の変位方法については後述する。
第2経路部材35570は、第1経路部材35560の正面板35564と対向する板状のベース板35571と、そのベース板35571の背面側(矢印B方向側)から背面視矩形状に突設される支持部35579と、を備える。
ベース板35571は、第1経路部材35560の正面板35564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面板35564と所定量離間する位置に形成される。また、ベース板35571は、正面板35564側(矢印F方向側)に突出する第4凸部35571bを備える。これにより、ベース板35571及び正面板35564の対向間を流下する遊技球を第4凸部35571bに衝突させて流下する方向を変更することができる。
支持部35579は、第2経路部材35570を軸支する部分であり、ベース板34571の軸と同軸上となる位置(ベース板34571の中心)に円柱状の軸が形成される。また、遊技盤34013のベース板60には、支持部35579と対応する位置に左右方向に長い長穴形状の摺動孔35060eが開口され、その摺動孔35060eの内側に支持部35579が挿入される。これにより、第2経路部材35570がベース板60に支持される。
摺動孔35060eは、支持部35579の上下方向(矢印U−D方向)寸法と略同一の寸法に短手方向(矢印U−D方向)の幅寸法が設定されると共に、支持部35579の左右方向(矢印L−R方向)寸法よりも長手方向(矢印L−R方向)の幅寸法が大きく設定される。これにより、摺動孔35060eの内側に挿入される支持部35579を摺動孔35060eの長手方向に摺動可能にできる。
また、支持部35579は、その突設先端に締結孔35579aが凹設される。締結孔35579aは、内周面に雌ネジ可能がされ、固定具34553のネジ部34553bを締結孔35579aに螺合させることができる。なお、支持部34579の突設寸法は、ベース板60の厚み寸法よりも小さく設定されており、締結孔35579aに固定具34553のネジ部34553bを螺合させることで、第2経路部材35570をベース板60に固定することができる。
以上のように構成される特別入賞装置35550によれば、特別入賞装置35550から排出される遊技球の排出位置を変更する場合に、作業者は、遊技盤35013のベース板60に形成される第1開口部60a(センターフレーム86)を介して遊技盤35013の正面側(矢印F方向側)から手(腕)をベース板60の背面側(矢印B方向側)に挿通させて、固定具34553の操作部34553aにアクセスさせる。
次に、操作部34553aを回転させて、第2経路部材35570の締結孔35579aに螺合されるネジ部34553bを緩める。これにより、第2経路部材35570を左右方向にスライド変位可能な状態にして、第2経路部材35570をスライド変位させて、第2経路部材35570の第4凸部35571bの位置を変更する。第4凸部35571bの位置が変更されると、特別入賞装置35550の内部を流下する遊技球が第4凸部35571bと衝突する位置が変更されるので、特別入賞装置35550から排出される遊技球の排出位置を変更することができる。
次に、図193を参照して、第4凸部35571b(第2経路部材35570)の位置を変化させた場合の遊技球の排出位置の変化について説明する。図193(a)から図193(c)は、図191(b)のCXCIII−CXCIII線における遊技盤35013の断面図である。なお、図193(a)から図193(c)では、図193(b)における第2経路部材35570の位置を基準位置として、図193(a)では、第2経路部材35570が基準位置から正面視左側に変位された状態が図示され、図193(c)では、第2経路部材35570が基準位置から正面視右側(矢印R方向側)に変位された状態が図示される。
図193に示すように、第4凸部35571bは、正面視における突出形状が、略V字状に形成され、特別入賞装置35550の上方から流入する遊技球が、V字の傾斜に沿って中央部分(V字の屈曲部分)に案内される。
よって、図193(b)に示すように、第4凸部35571bのV字の屈曲部分が、第1入賞口64の上方に配設される場合には、特別入賞装置35550の下方から排出される遊技球を第1入賞口64に流入させやすくできる。
一方、図193(a)及び図193(c)に示すように、第2経路部材35570を基準位置(図193(b)に示す位置)から移動した場合には、第4凸部35571bのV字の屈曲部分が第1入賞口64の上部から左右のどちらかにずれた位置に配置されるので、第2経路部材35570が基準位置に配置される場合に比べて、特別入賞装置35550の下方から排出される遊技球が、第1入賞口64に流入しにくくされる。
次いで、図194を参照して、第36実施形態における特別入賞装置36550について説明する。上記第1実施形態では、ベース板60の正面側に配設される第1ユニット551が、ベース板60の背面側に配設される第2ユニット552に締結されて、ベース板60の背面側に向かって付勢された状態で保持される場合について説明したが、第36実施形態では、第1ユニット36551に形成される締結部36551bの弾性回復力により第1ユニット36551がベース板60の背面側に向かって付勢される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図194(a)は、第36実施形態における遊技盤36013を模式的に示した分解斜視正面図であり、図194(b)は、遊技盤36013の断面模式図である。なお、図194は、図36の断面図と対応する。
図194に示すように、第36実施形態における特別入賞装置36550は、センターフレーム86が配設される第1開口部60aの内側からスライド変位されて、ベース板60に配設される第1ユニット36551から形成される。
第1ユニット36551は、その内部に遊技球を送球可能な空間を備え、その空間がベース板60の正面側(矢印F方向側)に配設される。これにより、ベース板60の正面を流下する遊技球を第1ユニット36551の内部に流入させることができる。また、第1ユニット36551は、ベース板60正面と隣合う側面(背面)から背面側(矢印B方向側)に向かって突設される締結部36551bを備える。
締結部36551bは、第1ユニット36551をベース板60に締結するネジが挿通される部分であり、背面側(矢印B方向側)に向かって突設されると共に、ベース板60の背面と平行な方向に突設先端が屈曲される。
また、締結部36551bは、その屈曲側の側面に正面側(矢印F方向側)に膨出する膨出部36551b2と、その膨出部36551b2よりも屈曲先端側に板厚方向(矢印F−B方向)に貫通する貫通孔36551b1と、を備える。
また、締結部36551bは、第1ユニット36551がベース板60に装着されていない状態における基端(第1ユニット36551の背面)から屈曲部分の正面までの距離寸法X7(図194(b)参照)が、ベース板60の厚み寸法よりも大きく設定される。また、締結部36551bは、第1ユニット36551がベース板60に装着されていない状態における基端(第1ユニット36551の背面)から膨出部36551b2の膨出先端位置までの距離寸法X8(図194(b)参照)が、ベース板60の厚み寸法と同一または、若干小さく設定される。
膨出部36551b2は、貫通孔36551b1にネジが締結された場合に、ネジが締結される力を第1ユニット36551をベース板60の背面側(矢印F方向側)に押し付ける(付勢する)力に変換する部分であり、締結部36551bの屈曲部分の基端と貫通孔36551b1との間に形成される。
これにより、締結部36551bを挿通したネジをベース板60の背面に締結させた場合に、膨出部36551b2がベース板60の背面と当接することで、屈曲部分とベース板60との隙間の分、ネジにより屈曲先端側をベース板60側に押し込む力を屈曲部分の基端側を背面側(矢印B方向側)に引き抜く力に変換することができる。これにより、第1ユニット36551の背面と、ベース板60の正面との間に隙間が形成されることを抑制できる。
その結果、正面側から第1ユニット36551を挿通させたネジをベース板60に締結する必要がなくなり、その締結代の分、第1ユニット36551を大きく形成しやすくできる。また、第36実施形態では、第1ユニット36551は、センターフレーム86が締結される第1開口部60aを利用してベース板60に取付られるので、第1ユニット36551をスライド変位させてベース板60の第1開口部60aに装着しやすくできる。
次いで、図195を参照して、第37実施形態における特別入賞装置37550について説明する。上記第1実施形態では、ベース板60の正面側に配設される第1ユニット551が、ベース板60の背面側に配設される第2ユニット552に締結されて、ベース板60の背面側に向かって付勢された状態で保持される場合について説明したが、第37実施形態では、第1ユニット37551がベース板60の背面側から挿通されるネジにより締結されて、ベース板60の背面側に向かって付勢された状態で保持される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図195(a)は、第37実施形態における遊技盤37013を模式的に示した分解斜視正面図であり、図195(b)は、遊技盤37013の断面模式図である。なお、図195は、(b)は、図36の断面図と対応する。
図195に示すように、第37実施形態における特別入賞装置37550は、ベース板60の正面に配設される第1ユニット37551から形成される。
第1ユニット37551は、その内部に遊技球を送球可能な空間を備え、その空間がベース板60の正面側(矢印F方向側)に配設される。これにより、ベース板60の正面を流下する遊技球を第1ユニット37551の内部に流入させることができる。また、第1ユニット37551は、背面側(矢印B方向側)に円環状に突設される複数の円環凸部37551bを備える。
円環凸部37551bは、ベース板60の背面側から挿通されるネジを螺合する部分であり、内周面に雌ネジ加工がされる。なお、本実施形態では、円環凸部37551bが第1ユニット37551の背面に4箇所形成される。
また、円環凸部37551bと対向する位置のベース板60には、円形状に凹設される凹部37060dが形成される。凹部37060dは、円環凸部37551bを内側に挿入する部分であり、円環凸部37551bの外径と略同一の内径に形成される。また、凹部37060dの凹設深さは、円環凸部37551bの突設寸法よりも大きく設定される。
また、凹部37060dの凹設底面には、凹部37060の同軸上の円形状に貫通形成される貫通孔37060d1が形成される。貫通孔37060d1は、円環凸部37551bに螺合されるネジの先端が挿通される孔であり、凹部37060dの内径よりも小さい内径の開口に形成される。これにより、ベース板60の背面側(矢印B方向側)からベース板60の正面側(矢印F方向側)に配設される第1ユニット37551にネジを締結できる。
この場合、上述したように、凹部37060dの凹設深さは、円環凸部37551bの突設寸法よりも大きく設定されるので、ネジを円環凸部37551bに螺合させることで、円環凸部37551b(第1ユニット37551)を背面側(矢印B方向側)に付勢した状態で、第1ユニット37551をベース板60に配設できる。これにより、第1ユニット37551の背面と、ベース板60の正面との間に隙間が形成されることを抑制できる。
その結果、正面側から第1ユニット37551を挿通させたネジをベース板60に締結する必要がなくなり、その締結代の分、第1ユニット37551を大きく形成しやすくできる。また、第37実施形態では、第1ユニット37551の締結部分をベース板60の凹部37060dの内側に収容することができるので、その分、第1ユニット37551に形成される遊技球を送球する空間を大きくすることができる。
<正面側に出射される光の光量を遊技球により変更する>
次いで、図196及び図197を参照して、第38実施形態における下変位部材38440について説明する。上記第11実施形態では、制御基板491から照射される光により下変位部材11440に収容された遊技球の位置に影を形成して、その影の位置で遊技球の位置を認識させる場合について説明したが、第38実施形態における下変位部材11440は、制御基板491から照射される光を遊技球の外面で反射させて、その光量が多くされる位置で遊技球の位置を認識させる。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図196は、第38実施形態における下変位部材38440の分解斜視正面図である。図197(a)は、下変位部材38440の正面図であり、図197(b)は、図197(a)のCXCVIIb−CXCVIIb線における下変位部材38440の断面図であり、図197(c)は、図197(a)のCXCVIIc−CXCVIIc線における下変位部材38440の断面図である。なお、図197(a)では、正面側装飾部材38451及び正面ケース38481が取り外された状態が図示されると共に、正面ケース38481に配設されるLED38483bが2点鎖線で図示される。また、図197(b)及び図197(c)では、正面側装飾部451が取付られた状態が図示される。
図196及び図197に示すように、第38実施形態における下変位部材38440は、正面ベース411(図46参照)に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後方向(矢印F−B方向)両側を覆うケース部材38480と、そのケース部材38480とベース部材470との間に変位可能に配設される伝達機構460と、ケース部材38480の前後を覆う態様で形成される装飾部材11450とを主に備えて形成される。
ケース部材38480は、ベース部材470の前後方向(矢印F−B方向)両側を覆設する部材であり、ベース部材470の正面側(矢印F方向側)に配設される正面ケース38481と、背面側(矢印B方向側)に配設される背面ケース482とを主に備える。
正面ケース38481は、正面視矩形横長の板状に形成される。また、正面ケース38481は、上下方向(矢印U−D方向)略中間位置に左右方向(矢印L−R方向)に広がる開口481aと、背面側(矢印B方向側)の下端面に突出形成される底壁部481bと、下方の端部に前後方向に貫通する軸孔481cと、背面側に配設されるLED基板38483と、を主に備える。
LED基板38483は、下変位部材38440(正面ケース38481)の内部を発光させる部材であり、板状に形成される本体部38483aと、その本体部38483aに配設されると共に光を照射する複数のLED38483bと、を備える。
本体部38483aは、複数のLED38483bに電気を通す配線が敷設される基盤であり、球受部467の変位方向(矢印L−R方向)に延設される。複数のLED38483bは、本体部38483aの延設方向(矢印L−R方向)に所定の間隔で配設される。
また、各LED38483bは、各LED38483bの背面側(矢印B方向側)を遊技球が通過する際の遊技球の中心に向かう方向に設定される。これにより、各LED38483bの背面側に遊技球が位置する場合に、LEDの光を遊技球の外面に反射させて正面側装飾部11451に照射させることができる。従って、上述したように、正面側装飾部11451は、光を透過可能な透過部11451bを備えるので、遊技球の外面に反射されて正面側装飾部11451に照射された光を、透過部11451bを介して遊技者側(矢印F方向側)に出射させることができる。よって、透過部11451bを介して遊技者側から視認される光を、遊技球により反射された部分を他の部分よりも光量を多くすることができる。その結果、光の光量を多く(変更)することで、下変位部材38440の内部に送球された遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、複数のLED38483bが配設される間隔が遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、球受部467に受け入れられた遊技球が変位された場合でも、遊技球の少なくとも一部にLED38483bから出射される光を照射することができる。よって、LED38483bから出射される光を、球受部467に受け入れられた遊技球に常時照射させることができる。
また、第38実施形態によれば、LED38483bよりも背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材470、伝達機構460及び背面ケース482は、光の吸収率が高い部材が好ましい。例えば、各部材の外面が黒い配色を構成する。これによれば、LED38483bから出射された光が、ケース部材38480(下変位部材38440)の内部を反射して正面側装飾部11451の透過部11451bから出射されることを抑制できる。その結果、遊技球が配置される正面と、それ以外の正面とで光の出射量の違いを大きくすることができ、遊技者に下変位部材39440の内側に受け入れられた遊技球の位置を認識させやすくすることができる。
次いで、図198及び図199を参照して第39実施形態における下変位部材39440について説明する。上記第38実施形態では、遊技球で光を反射させて遊技球が配設される位置を遊技者に認識させる場合について説明したが、第39実施形態では、球受部39467に配設される反射部材により光を反射させて遊技球の位置を認識させる。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図198は、第39実施形態における下変位部材39440の分解斜視背面図である。図199(a)は、下変位部材39440の正面図であり、図199(b)及び図199(c)は、下変位部材39440の断面図である。なお、図199(b)及び図199(c)は、図198(c)の断面と対応する。
図198及び図199に示すように、第39実施形態における下変位部材39440は、正面ベース411(図46参照)に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材38480と、ケース部材38480とベース部材470との間に変位可能に配設される伝達機構39460と、ケース部材38480の前後を覆う態様で配設される装飾部材11450と、を備える。
伝達機構39460は、ベース部材470の正面側に配置される部材であり、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の正面側をスライド変位可能に配設される可動ラック464と、その可動ラック464に回転可能に配置されると共に、ラックギヤ476に歯合した状態とされる伝達ギヤ465と、その伝達ギヤ465に歯合される歯面を有し可動ラック464の正面側をスライド変位可能に配設されるラック39466と、そのラック39466の一端側に回転可能に配設される球受部39467とを主に備えて形成される。
ラック39466は、正面視矩形横長の棒状体から形成され、上端面に刻設されるラックギヤ466aと、他端側の端部から正面側に円柱状に突出する軸部39466bと、正面側に突出する2つの摺動板466cと、背面側に一端から他端に亘って凹設される凹設部466dとを主に備えて形成される。
軸部39466bは、後述する球受部39467の軸孔467bに挿入される突起であり、軸孔467bの内径よりも大きい外径の円柱状に形成される。これにより、球受部467を回転可能に保持できる。
球受部39467は、正面視略L字に屈曲して形成される第1片39467cと、その第1片39467cに連結される第2片39467dと、その第2片39467dに連結されると共に第1片39467c及び第2片39467dの正面側(矢印F方向側)に配設される第3片39467eと、を備える。
第1片39467c及び第2片39467dは、開口451a(図57参照)から下変位部材39440の内側に送球された遊技球を保持する部分であり、第1片39467c及び第2片39467dの対向間に遊技球が送球されると、第1片39467cに対して第2片39467dが離間する方向に変位され、第1片39467cの一部と第2片39467dとが正面視においてU字状に配置され、そのU字の内側部分に遊技球を保持することができる。
第1片39467cは、正面視においてL字に形成される一方の延設側を形成する受入片39467c4と、他方の延設側を形成する脚部467aと、受入片39467c4及び脚部467aとの連結部分(屈曲部分)に前後方向(矢印F−B方向)に貫通する軸孔467bが形成される円環状の屈曲部39467c5と、屈曲部39467c5を間に挟んで反対側に突出する連結部39467c1と、を備える。
受入片39467c4は、第1片39467c及び第2片39467dにより正面視U字状に形成される他方側(矢印R方向側)の側面を形成する部分であり、正面において三日月状に形成されると共に、第2片39467dから離間する方向に凹となる湾曲形状に形成される。
連結部39467c1は、屈曲部39467c5の軸方向(矢印F−B方向)に所定の間隔を隔てて2箇所から突設される。また、連結部39467c1は、後述する第2片39467d及び第3片39467eを連結する部分であり、軸孔467bの軸方向に沿って延設されると共に断面円形状に開口される連結孔39467c2を備える。
連結孔39467c2は、後述する第3片39467eに突設される軸部39467e3が挿入される開口である。連結孔39467c2は、後述する第2片39467dに形成される挿通孔39467d3に挿通した軸部39467e3が正面側(矢印F方向側)から挿入される。また、軸部39467e3は、連結孔39467c2の挿入側と反対側(矢印B方向側)から挿入されるネジにより締結される。これにより、第1片39467cに第2片39467d及び第3片39467eを締結することができる。
また、第1片39467cは、連結部39467c1の突設基端側に重力方向下側(矢印D方向側)に凹む凹部39467c3を備える。凹部39467c3の凹設底面は、第1片39467c及び第2片39467dにより遊技球が保持される側面のうち一番低い位置(最下部)に形成される。これにより、第1片39467c及び第2片39467dに保持される遊技球は、凹部39467c3の内側に転動される。その結果、遊技球の荷重により第2片39467dを第1片39467cに対して変位させやすくできる。
第2片39467dは、第1片39467cの受入片39467c4及び第2片39467dにより正面視U字状に形成される他方側(矢印L方向側)の側面を形成する部分であり、正面視において三日月状に形成されると共に、第1片39467cから離間する方向に凹となる湾曲形状に形成される。また、第2片39467dは、第1片39467cの連結部分に前後方向に円形状に開口する挿通孔39467d3と、正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって円形状に凹設される凹設部39467d2とを主に備える。
第2片39467dは、挿通孔39467d3に、第3片39467eの軸部39467e3が挿入され、凹設部39467d2に、第3片39467eの連結軸39467e4が挿入される。従って、第2片39567dが変位されると、第3片39467eも同様に変位される。よって、第2片39567dが第1片39467cに対して回転変位されると、第3片39567eも同様に第1片39467cに対して回転変位される。
さらに、第2片39467dは、第1片39467cの2箇所に突設される連結部39467c1の対向間に配設されて、第1片39467cに連結される。これにより、第2片39467dが挿通孔39467d3の軸方向にねじれた場合に、連結部39467c1の対向側の側面に第2片39467dを当接させて軸部39467e3が折れることを抑制できる。
凹設部39467d2は、後述する第3片39467eの連結軸39467e4を挿入する孔であり、連結軸39467e4と略同一の形状に凹設される。
第3片39467eは、正面視略半円形の板状に形成される反射板39467e1と、その反射板39467e1から背面側(矢印B方向側)に向かって突設される軸部39467e3及び連結軸39467e4と、を備える。
反射板39467e1は、樹脂材料から形成されると共に外面にメッキの塗装が施される。これにより、反射板39467e1にLED38483bから出射される光が照射された場合に、その外面で光を反射させることができる。また、反射板39467e1は、全体が正面側(矢印F方向側)に向かって円弧状に湾曲して形成される。これにより、正面側から照射される光を反射した場合に、その光を所定の部分に集光させることができる。なお、反射板39467e1による発光体11491aの光の遮蔽については後述する。
軸部39467e3は、上述したように第1片39467cの連結孔39467c2及び第2片39467dの挿通孔39467d3に挿入される円柱体である。また、軸部39467e3の突設先端面には、軸部39467e3の挿入側と反対側から連結孔39467c2に挿入されるネジを螺合可能な孔が形成される。よって、軸部39467e3を連結孔39467c2及び挿通孔39467d3に挿入した状態で、軸部39467e3の挿入先端面にネジを締結することで、第1片39467c、第2片39467d及び第3片39467eを連結することができると共に、第3片39467eを第1片39467cに対して回転可能な状態にできる。
連結軸39467e4は、上述したように、第2片39467dの凹設部39467d2に挿入される。これにより、第2片39467dが第1片39467cに対して軸部39467e3を中心に回転変位した際に、連結軸39467e4を第2片39467dの変位に伴って変位させることができる。従って、第3片39467eを第2片39467dの変位に伴って変位させることができる。
よって、図199に示すように、球受部39467は、第1片39467c及び第2片39467dの対向間に遊技球が受け入れられると、受け入れられた遊技球が、第1片39467c及び第2片39467dの受入面(正面視U字に形成される内側の側面)を転動して、その受入面の最下端に位置する凹部39467c3に案内される。これにより、遊技球の外面で第2片39467dを軸部39467e3を中心に第1片39467cから離間する方向に回転させることができる。その結果、第2片39467dの変位に伴って移動する第3片39467eを上方に変位させてLED38483bの光の照射上に配置できる。
従って、LED38483bから出射される光を、第3片39467eの反射板39467e1により下変位部材39440の正面側(矢印F方向側)に反射させて、透過部11451bから出射させることができる。これにより、透過部11451bから出射される光量を部分的に多くして、遊技者に下変位部材39440の内部に送球された遊技球の位置を認識させることができる。
また、第2片39467dは、凹設部39467d2に連結軸39467e4が挿入されて、第3片39467eの荷重が常に作用される。第3片39467eの重心Gは、第2片39567d及び第3片39567eとの連結部分から、軸部394673eを挟んで反対側に設定される。これにより、第2片39467dおよび第3片39467eに重力以外の力が作用していない状態では、第3片39467eの荷重により、第2片39467dを第1片39467c側に、回転させることができる。
従って、球受部39467から遊技球が排出される(取り出される)と、第3片39467eの荷重により第2片39467dを第1片39467cの受入片39467c4側に変位させることができる。よって、球受部39467に遊技球が受け入れられた場合にのみ、反射板39467e1により反射されて透過部11451bから出射される光量を部分的に大きくすることができる。その結果、球受部39467の位置出し動作等により、反射板39467e1で光が反射されることを抑制できる。
さらに、球受部39467は、第1実施形態における球受部467と同様に、下変位部材39440の内部をスライド変位させる動作により、軸穴39467bを中心に回転されて、下変位部材39440の出射開口471(図66参照)から受け入れた遊技球が外側に排出される。
ここで、球受部39467に受け入れられた遊技球を排出する構造として、球受部39467のスライド移動に伴って、軸孔467bを中心に球受部39467の回転させる構造では、球受部39467のスライド速度により、軸孔467bを中心とする球受部39467の回転速度が変更される。従って、球受部39467のスライド速度のみに回転速度が依存するので、球受部39467からの遊技球の排出速度が安定しないという問題点があった。
これに対し、第39実施形態では、第3片39467eの荷重により第2片39467dが回転する方向と、遊技球を出射する際の軸孔467bを軸とする球受部39467の回転方向とが略同一の方向に設定されるので、出射開口471から出射される遊技球に第2片39467dが変位する際の駆動力を付与することができる。従って、球受部39467を変位させて出射開口471から遊技球を排出する際の球受部39467から遊技球に作用させる力を小さくしても、出射される遊技球の速度を維持することができる。その結果、球受部39467から出射される遊技球の排出速度を安定させることができる。
次いで、図200を参照して、第40実施形態における第1ユニット40551について説明する。上記第1実施形態では、主経路SK1の湾曲部581aに遊技球が詰まった場合にその不具合を報知する場合について説明したが、第40実施形態では、規定の大きさ以外の遊技球が主経路SK1を通過する場合に不正を報知できる。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図200(a)は、第40実施形態における第1ユニット40551の模式断面図であり、図200(b)は、図200(a)のCCb−CCb線における第1ユニット40551の模式断面図である。なお、図200(a)の断面図は、図25の断面図と対応する。
図200に示すように、第40実施形態における第1ユニット40551は、正面側(矢印F向側)に配設される第1経路部材560と、その第1経路部材560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材570と、その第2経路部材570の背面に配設される第3経路部材40580と、を主に備えて形成される。
第3経路部材40580は、第2経路部材570の上方側(矢印U方向側)の背面に配設される第1覆設部材40581と、第2経路部材570の下方側(矢印D方向側)の背面に配設される第2覆設部材582(図19参照)と、第1覆設部材40581及び第2覆設部材582の間に配設される第1駆動ユニット583(図19参照)と、第2覆設部材582の背面に配設される第2駆動ユニット584(図19参照)と、を主に備えて構成される。
第1覆設部材40581は、背面側(矢印B方向側)に略U字状に湾曲する遊技球の送球経路を形成する部材であり、第1開口部571a及び第4開口部571dの背面側を連結する湾曲部40581aと、その湾曲部40581aの下方側に連なる板状の取付部40581bと、を主に備える。
湾曲部40581aは、第1開口部571a及び第4開口部571d(第2経路部材570)側が開放される断面U字状に湾曲して形成され、その内側に第1転動部576が配設される。また、湾曲部40581aは、左右方向(矢印L−R方向)における幅寸法が、背面側(矢印B方向側)に向かって小さく形成されており、断面U字の湾曲部分における左右方向の幅寸法X10(図200(a)参照)が遊技球の直径に対して1.1倍以下の大きさに形成される。これにより、規定の遊技球よりも直径が1.1倍以上の遊技球が送球された場合に、その遊技球を湾曲部40581a(主経路SK1)の内部で停止させることができる。
また、湾曲部40581aは、第1実施形態における湾曲部581aと同様に、センターフレーム86の凹部86b2(図17参照)の内側に配設される。よって、湾曲部40581aの内部に停止した遊技球を検出装置86b3(図17参照)により検出してパチンコ機10にエラー(不正)を報知させることができる。
さらに、湾曲部40581aは、断面U字の湾曲部分に開口する開口40581a1と、その開口40481a1の背面側の端部から上方が開放する箱状に突設される収容部40581a2とを備える。
開口40581a1は、規定の遊技球の直径よりも小さい直径の球を主経路SK1から排出する開口であり、左右方向(矢印L−R方向)における開口寸法X15(図200(a)参照)が、遊技球の直径の0.9倍よりも大きい寸法に形成される。なお、開口40581a1は、第1転動部576を転動する遊技球の転動方向となる湾曲部40581aの背面側に形成されており、主経路SK1を通過する遊技球を開口40581a1に送球することができる。これにより、規定の遊技球よりも直径が0.9割以上小さい遊技球が送球された場合に、その遊技球を開口40581a1から主経路SK1の外側に排出することができる。
収容部40581a2は、開口40581a1から排出される遊技球を収容する箱であり、内側の空間が遊技球の直径よりも大きい大きさに形成される。これにより、開口40581a1から排出された遊技球を収容部40581a2に収容することができ、その収容された遊技球を検出装置86b3により検出してパチンコ機10にエラー(不正)を報知させることができる。
なお、第40実施形態では、幅寸法X10及び開口寸法X11が、規定の直径(11ミリメートル)の遊技球に対して0.1倍の異なる大きさで形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遊技球に対する大きさの倍率を変更しても良い。
次いで、図201及び図202を参照して第41実施形態における第1ユニット41551について説明する。上記第1実施形態では、主経路SK2、湾曲経路WK1及び主経路SK3に形成される第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jが、湾曲経路WK1の湾曲部分を中心に上下(矢印U−D方向)で略対象に形成される場合について説明したが、第41実施形態における第1凹部41571h、第2凹部41571I及び第3凹部41571jは、それぞれ異形に形成されるなお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図201(a)は、第41実施形態における第1ユニット41551の模式断面図であり、図201(b)は、図201(a)のCCIb−CCIb線における第1ユニット41551の模式断面図である。図202(a)は、図201(a)のCCIIa−CCIIa線における第1ユニット41551の模式断面図であり、図202(b)は、図201(a)のCCIIb−CCIIb線における第1ユニット41551の模式断面図である。
図201及び図202に示すように、第41実施形態における第1ユニット41551は、正面側に配設される第1経路部材41560と、その第1経路部材41560の背面側に配設される第2経路部材41570と、その第2経路部材41570の背面に配設される第3経路部材580(図19参照)と、を主に備えて形成される。
第1経路部材41560は、遊技盤13(図2参照)の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板41564と、上方側(矢印U方向側)が開放する断面略U字状に形成され、正面板41564の上方側(矢印U方向側)端部から背面側(矢印B方向側)に突設される第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563と(図21参照)、その第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563の下側(矢印D方向側)に連なって突設されると共に、正面板41564の一部の端部に沿って延設される第1壁部41565と、その第1壁部565の下方に形成され、所定の間隔を隔てた2箇所から突設される2組の第2壁部566及び第3壁部567(図21参照)と、を主に備える。
正面板41564は、後述する第2経路部材41570及び第3経路部材580の対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、光透過部材から形成される。これにより、遊技者は、第1ユニット551の内部を流下する遊技球を正面板41564を介して(通して)視認することができる。
また、正面板564は、後述する第1凹部41571h、第2凹部41571I及び第3凹部41571jと対向する位置に、それぞれ第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dが突設される。
第2経路部材41570は、第1経路部材41560の正面板41564と対向する板状のベース板41571と、そのベース板41571の正面(矢印F方向側)から第1経路部材41560側に突設される第4壁部573(図21参照)と、その第4壁部573から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第5壁部574(図21参照)と、その第5壁部574から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第6壁部575(図21参照)と、を主に備えて形成される。
ベース板41571は、正面板41564との対向間で形成される遊技球の送球経路(主経路SK2、湾曲経路WK1及び主経路SK3)に凹設される第1凹部41571h、第2凹部41571I及び第3凹部41571jを備える。
第1凹部41571h、第2凹部41571I及び第3凹部41571jは、背面側に向かって湾曲形状に凹設されて形成される。また、第1凹部41571h及び第1凸部41564bの対向間寸法と、第2凹部41571I及び第2凸部41564cの対向間寸法と、第3凹部41571j及び第3凸部41564dの対向間寸法は、それぞれ同一の対向間寸法L19(図201(b)参照)に設定される。
また、対向間寸法L19は、遊技球の直径よりも大きい値に設定されると共に、正面板41564の背面およびベース板571の正面の対向間寸法L20(図201(b)参照)よりも小さい値に設定される。これにより、第1凹部41571h、第2凹部41571I及び第3凹部41571jと、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dとの対向間に送球される遊技球を第1凹部41571h、第2凹部41571I及び第3凹部41571jと、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dに当接させて、遊技球の転動(流下)速度を遅くすることができる。
さらに、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dのベース板41571側への突出寸法は同一に設定される。また、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dの突設先端面と、第1凹部41571h、第2凹部41571I及び第3凹部41571jを除くベース板41571の正面との対向間の距離寸法L21(図201(b)参照)は、遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、第1凹部41571h、第2凹部41571I及び第3凹部41571jと、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dとの対向間に送球される遊技球を第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dに衝突させることができる。その結果、遊技球の転動(流下)速度を遅くすることができる。
第1凹部41571hは、主経路SK2のベース板41571に形成されており、主経路SK2の遊技球の送球方向に沿って長く凹設される。これにより、第1凹部41571hの内側に送球された遊技球が第1凹部41571hの内部を送球された際に、第1凹部41571hとの摩擦抵抗が増加することを抑制できる。その結果、主経路SK2を流下する遊技球が第1凹部41571hとの当接により停止することを抑制できる。
第1凹部41571hとの対向面に突設される第1凸部41564bは、第1凹部41571hの延設方向と直交する方向に延設される。これにより、主経路SK2を送球される遊技球を第1凸部41564bに当接させた際に、その遊技球を第1凹部41571hの内側に送球しやすくできる。
第2凹部41571Iは、湾曲経路WK1のベース板41571に形成されており、重力方向(矢印U−D方向)に沿って長く凹設される。また、第2凹部41571Iは、正面視における形状が上下方向に長い楕円に形成され、その楕円の左右方向における中間位置が、上下方向に延びる湾曲経路WK1の左右方向中間位置に設定される。また、第2凹部41571Iの楕円の上方側(主経路SK2側)の湾曲中心が、主経路SK2を送球される遊技球の中心の送球軌跡上に配置される。従って、第2凹部41571Iは、主経路SK2から送球される遊技球の送球軌跡よりも上方側に凹設されるので、主経路SK2を遊技球が比較的速い速度で送球された場合でも、その遊技球の中心を第2凹部41571Iの正面側を通過させることができる。その結果、主経路SK2を通過する遊技球を第2凹部41571Iの内側に送球して遊技球の速度を遅くしやすくでき、湾曲経路WK1で遊技球が暴れることを抑制できる。
第2凹部41571Iとの対向面に突設される第2凸部41564cは、正面視において略L字状に屈曲して形成される。また、第2凸部41564cは、屈曲部分が正面視における第2凹部41571Iの楕円の上方側の湾曲中心の正面側に設定される。また、第2凸部41564cの一方側の屈曲部分が、湾曲経路WK1の遊技球の送球方向と直交する方向に延設されると共に、他方側の屈曲部分が、主経路SK2の遊技球の送球方向と直交する方向に延設される。これにより、主経路SK2から湾曲経路WK1に送球される遊技球を他方側の第2凸部41564cに当接させて第2凹部41571Iの内側に送球すると共に、一方側の第2凸部41564cに当接させて湾曲経路WK11を送球される遊技球の送球速度を低下しやすくできる。その結果、湾曲経路WK1に送球された遊技球が暴れることを抑制して、遊技球をスムーズに送球することができる。
第3凹部41571jは、主経路SK3のベース板41571に形成されており、主経路SK3の遊技球の送球方向に長い楕円形状に凹設される。これにより、第3凹部41571jの内側に送球された遊技球が第3凹部41571jの内側を送球された際に、第3凹部41571jとの摩擦抵抗が増加することを抑制できる。その結果、主経路SK3を流下する遊技球が第3凹部41571jとの当接により停止することを抑制できる。
また、第3凹部41571jは、遊技球の送球経路の上流側の端部の湾曲中心が第2凹部41571Iの左右方向中央位置の下方側に設定される。これにより、湾曲経路WK1の第2凹部41571Iの内側を流下した遊技球を第2凹部41571Iに受け入れやすくすることができ、湾曲経路WK1から主経路SK3へ遊技球を送球しやすくできる。
第3凹部415671jとの対向面に突設される第3凸部41564dは、正面視において略L字状に屈曲して形成される。また、第3凸部41564dは、屈曲部分が正面視における第3凹部41571jの上流側端部の湾曲中心の正面側に設定される。第3凸部41564dの一方側の屈曲部分が、主経路SK3の遊技球の送球方向と直交する方向に延設され、他方側の屈曲部分が、湾曲経路WK1の遊技球の送球方向と直交する方向に延設される。これにより、湾曲経路WK1から主経路SK3に送球される遊技球を他方側の第3凸部41564dに当接させて第3凹部41571jの内側に送球すると共に、一方側の第3凸部41564dに当接させて主経路SK3を送球する遊技球の送球速度を低下させることができる。その結果、湾曲経路WK1から主経路SK1に送球された遊技球が暴れることを抑制して、遊技球をスムーズに送球することができる。
次いで、図203から図206を参照して、第42実施形態における遊技盤42013について説明する。上記第1実施形態では、背面ケース300に配設される基板ボックス100(主制御装置110)の他端側が、基板ボックス100の背面側から挿通されるネジにより背面ケース300に固定される場合について説明したが、第42実施形態では、背面ケース42300に配設される第2係合部材42370が基板ボックス42100に係合される場合について説明する。
初めに、図203及び図204を参照して、第42実施形態における背面ケース42300の全体構成について説明する。図203は、第42実施形態における背面ケース42300の分解斜視正面図である。図204(a)は、背面ケース42300の正面図であり、図204(b)は、図204(a)のCCIVb−CCIVb線における背面ケース42300の模式断面図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図203及び図204に示すように、第42実施形態における背面ケース42300は、正面視略矩形の底壁部42301と、その底壁部42301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部42302とを備え、それら各壁部42301,42302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。
また、背面ケース42300は、底壁部42301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材310と、背面ケース42300の背面側に配設され、基板ボックス42100の一端側を固定する固定部材320と、底壁部42301の正面側に配設され、基板ボックス42100の他端側を固定する第2係合部材42370と、を備える。
底壁部42301は、その中央に正面視矩形の開口301aが、開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部42301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部42301には、正面側に円柱状に突設され、係合部材310の摺動溝314に挿入される突設部301bと、固定部材320と対抗する位置に開口する第1開口部301cと、係合部材310と対向する位置に開口する第2開口部301dと、底壁部42301の正面側(矢印F方向側)に円柱状に突設され、後述する第2係合部材42370の摺動溝42372に挿入される第2突設部42301fと、その第2突設部42301fの上方(矢印U方向)に板厚方向(矢印F−B方向)に貫通形成される第3開口部42301gと、を備える。
第2突設部42301fは、第2係合部材42370の変位方向を規定する突起であり、重力方向の2箇所に並んで形成される。また、第2突設部42301fの外径は、後述する第2係合部材42370の摺動溝42372の短手方向の溝幅よりも若干小さい寸法に設定される。さらに、2箇所の第2突設部42301fは、互いの中心の離間距離が摺動溝42372の長手方向の溝幅よりも小さい寸法に設定される。これにより、摺動溝42372の内側に2箇所の第2突設部42301fを挿入して配設できる。
第3開口部42301gは、内側に後述する基板ボックス42100の突設部42118が挿入される開口であり、正面視における突設部42118の外形よりも大きい寸法で開口される。また、第3開口部42301gは、係合部材310と固定部材320とが係合された状態(図204(a)に示す状態)において、係合部材310を固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向)に隣合う位置に形成される。これにより、第3開口部42301gに突設部42118が挿入された状態において、係合部材310を固定部材320との係合を解除することを不能とできる。なお、突設部42118と係合部材310との位置関係についての詳しい説明は後述する。
外壁部42302は、正面視において下方側(矢印D方向側)の側面に上下方向(矢印U−D方向)に開口する第2開口部42302bを備える。第2開口部42302bは、後述する第2係合部材42370の下方側(矢印D方向側)の端部を挿通させる開口であり、第2係合部材42370の変位領域に開口形成される。これにより、第2係合部材42370を変位させることができる。
基板ボックス42100は、正面視における外形が、横長矩形の長方形に形成されると共に、内側に主制御装置110が配設される。また、基板ボックス42100は、一端側(矢印R方向側)の端部から突出する軸受部117(図206(a)参照)と、基板ボックス42100の正面側の一面から突設される突設部42118と、を備える。
突設部42118は、上述したように、背面ケース42300の第3開口部42301gに挿入される部分であり、基板ボックス42100の正面と背面ケース42300の背面とが平行となる状態において、背面ケース42300の底壁部42301の正面側に後述する開口部42118aが配置される長さに設定される。また、突設部42118は、重力方向に開口する開口部42118aを備えており、その開口部42118aの内側に後述する第2係合部材42370が挿通した状態で配設される。これにより、基板ボックス42100が固定部材320を中心に回転することを抑制して、基板ボックス42100を背面ケース42300の背面側(矢印B方向側)に変位不能な状態で配設できる。
また、突設部42118が挿入される第3開口部42301gは、上述したように係合部材310と固定部材320とが係合された状態(図204(a)に示す状態)において、係合部材310を固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向)に隣合う位置に形成されるので、突設部42118が係合部材310と隣り合う位置に配設される。また、突設部42118の第3開口部42301gへの挿入寸法Y6(図204(b)参照)は、係合部材310の正面と底壁部42301の正面との離間距離Y7(図204(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、図204(b)に示すように、係合部材310と突設部42118とが前後方向(矢印F−B方向)位置において重なる位置に配設される。
従って、突設部42118の開口部42118aに第2係合部材42370が挿入された状態において、係合部材310が固定部材320との係合を解除する方向(突設部42118が配設された方向)への変位が規制される。その結果、開口部42118aに第2係合部材42370が挿入された状態で、係合部材310が固定部材320との係合が不正に解除されることを抑制でき、基板ボックス42100(主制御装置110)が不正な基盤に交換されることを抑制できる。
また、突設部42118の開口部42118aは、重力方向に開口されており、その開口部42118aに挿入される第2係合部材42370が重力方向に変位されて挿入される。従って、第2係合部材42370の変位方向(重力方向)と、係合部材310の変位方向(水平方向)と、直行する方向に設定されるので、係合部材310が遊技者の不正により無理に操作された場合の力を、開口部42118aに挿入される第2係合部材42370で受け止めやすくすることができる。その結果、係合部材310が遊技者の不正により無理に操作された場合に、固定部材320との係合が解除されることを抑制できる。
第2係合部材42370は、正面視縦長矩矩形の板状に形成される板部材42371と、その板部材42371の上方側(矢印U方向側)の端部から下方(矢印D方向)に向かって凹設される凹設部42374と、板部材42371の上方側(矢印U方向側)端部の水平方向外側(矢印L−R方向)に突設される第2係合部42373と、凹設部42374の下方に位置に前後方向(矢印F−B方向)に開口される摺動溝42372と、を主に備える。
摺動溝42372は、上述したように、第2係合部材42370を変位可能に配設するための開口であり、重力方向(矢印U−D方向)に長く開口される。また、摺動溝42372は、短手方向(矢印L−R方向)の幅寸法が、摺動溝42372の内側に配設される第2突設部42301fの直径と略同一に設定される。よって、上述したように摺動溝42372に第2突設部42301fが挿入されると、第2係合部材42370の摺動方向が摺動溝42372の開口の長手方向に規定される。
凹設部42374は、板部材42371の上方側の端部を弾性変形やすくするための開口であり、下方に向かって凹設されると共に、前後方向に切り欠かれる。これにより、板部材42371の上方側の端部の剛性を低くして、弾性変形やすくできる。
第2係合部42373は、上述した突設部42118の開口部42118aの端部と係合する部分であり、凹設部42374の切り欠き方向と直行する方向の両側面から突設され、その両側の突設先の端部の離間距離X12(図204(a)参照)が、開口部42118aの左右方向の開口寸法X13(図204(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、第2係合部材42370が開口部42118aに挿入された場合に、第2係合部42373が開口部42118aの端部と係合することで、第2係合部42373が開口部42118aから抜け出ることを抑制できる。
なお、第2係合部42373は、板部材42371の上方側から下方側に向かって水平方向外側に突設する形状に形成される。これにより、第2係合部材42370が開口部42118aに挿入される際に、第2係合部42373を開口部42118aの内側に当接させて、板部材42371の上方側を弾性変形させやすくすることができる。
また、第2係合部材42370は、開口部42118aに挿入された状態(係合部42373が突設部42118と係合した状態)において、下方側の端部が、外壁部42302の第2開口部42302bの内側に配置される。これにより、第2係合部材42370が背面ケース42300の外側から操作されることを抑制できる。その結果、第2係合部42373と突設部42118との係合が不正に解除されて、基板ボックス42100(主制御装置110)が不正な基盤に交換されることを抑制できる。
次いで、図204及び図205を参照して、背面ケース42300への基板ボックス42100の配設方法について説明する。図205(a)は、背面ケース42300の正面図であり、図205(b)は、図205(a)のCCVb−CCVb線における背面ケース42300の模式断面図である。なお、図204(a)及び図204(b)では、背面ケース42300に基板ボックス42100が配設された後の状態が図示され、図205(a)及び図205(b)では、背面ケース42300に基板ボックス42100が配設される前の状態が図示される。
第42実施形態における基板ボックス42100は、上述した第1実施形態と同様に、初めに、固定部材320が係合部材310と係合されて、一側が背面ケース42300の背面側に配設される。
なお、図205(a)及び図205(b)に示すように、係合部材310が固定部材320に係合前(変位前)の状態では、係合部材310の第2片312の先端が、第3開口部42301gの正面側に配設される。これにより、係合部材310と固定部材320とが係合される前に、基板ボックス42100の突設部42118が第3開口部42301gの内側に挿通されることを抑制できる。その結果、基板ボックス42100が、突設部42118及び第2係合部材42370の係合のみで、背面ケース42300に配設されることを抑制できる。
次に、基板ボックス42100は、他側が一側の固定部材と320との連結部分を軸に回転され、突設部42118が背面ケース42300の第3開口部42301gの内側に挿通される。これにより、突設部42118が第2係合部材42370と係合可能な位置配置される。
なお、第2係合部材42370は、第3開口部42301gの内側に挿通前の状態において、下方側が第2開口部42302bに挿通されて背面ケース42300の外側に配置される(図205(a)参照)。これにより、基板ボックス42100を背面ケース42300に配設する作業者は、背面ケース42300の外側から第2係合部材42370を操作して、第2係合部材42370は、第3開口部42301gの内側に挿通させることができる。
また、第2係合部材42370は、その変位方向が重力方向に設定されるので、第3開口部42301gの内側に挿通前の状態において、重力の作用により下方側の端部に配設される。これにより、突設部42118が背面ケース42300の第3開口部42301gの内側に挿通される際に、第2係合部材42370と衝突することを抑制できる。その結果、作業者の作業効率を向上できる。
また、第2係合部材42370を突設部42118に係合し忘れた場合に、第2係合部材42370を背面ケース42300の外側に配置することができるので、作業者に正常な状態でないことを認識やすくすることができる。その結果、第2係合部材42370と突設部42118との係合し忘れを防止できる。
次に、図206を参照して、背面ケース42300とベース板42060とについて説明する。図206(a)は、遊技盤13の背面図であり、図206(b)は、図206(a)のCCVIb−CCVIb線における遊技盤13の断面図である。
図206に示すように、第42実施形態におけるベース板42060の背面には、立設部材42060fが配設される。立設部材42060fは、ベース板42060の背面側(矢印B方向側)に向かって立設されており、その立設先端位置が、背面ケース42300の底壁部42301の同一平面状に設定される。また、立設部材42060fは、第2係合部材42370の下方側に配置されると共に、背面ケース42300の外側に配設される。これにより、第2係合部材42370と突設部42118とを係合し忘れた状態で、背面ケース42300を遊技盤42013に配設した場合に、立設部材42060fを第2係合部材42370の下方側に衝突させることができる。その結果、第2係合部材42370と突設部42118とを係合し忘れた状態、又は、背面ケース42300に基板ボックス42100を配設し忘れた状態で、背面ケース42300がベース板42060に配設されることを抑制できる。
なお、本実施形態では、立設部材42060fに、背面ケース42300の内側を照射する発光基板が配設される。これにより、立設部材42060fを光を照射する部分と、異常な状態で背面ケース42300とベース板42060とが係合されることを抑制する部分と、兼用させることができる。その結果、ベース板42060の外形が大きくなることを抑制できる。
次いで、図207から図211を参照して、第43実施形態における背面ケース43300について説明する。上記第1実施形態では、被係合部332が、固定部材320に形成される場合について説明したが、第43実施形態における被係合部43101は、固定部材43320に軸支される基板ボックス43100に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図207から図211を参照して、第43実施形態における背面ケース43300の構成について説明する。図207は、第43実施形態における背面ケース43300の分解斜視正面図である。図208(a)は、背面ケース43300の正面図であり、図208(b)は、背面ケース43300の背面図である。図209(a)は、図208(b)のCCIXa−CCIXa線における背面ケース43300の断面図であり、図209(b)は、図209(a)におけるCCIXb−CCIXb線における背面ケース43300の断面図である。なお、図208および図209では、係合部材18310と基板ボックス43100(被係合部43101)とが係合された状態が図示される。
図207から図209に示すように、第43実施形態における背面ケース43300は、正面視略矩形の底壁部43301と、その底壁部43301の4片の外縁から正面へ向けて立設される外壁部18302とを備え、それら各壁部43301,18302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース43300は、底壁部43301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材18310と、背面ケース43300の背面側に配設され、基板ボックス43100(主制御装置110)を固定(軸支)する固定部材43320と、を備える。
底壁部43301は、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部43301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部43301は、固定部材43320と対向する位置に開口する第1開口部43301cと、その第1開口部43301cの下方(矢印D方向)に位置し、正面側に突出する突設部18301bと、を備える。
突設部18301bは、上記第18実施形態と同様に、係合部材18310を軸支する突起であり、底壁部43301の正面から円柱状に突設される。また、突設部18301bの突設先端面には、ネジを螺合する孔が凹設される。これにより、係合部材18310を背面ケース18300に配設した状態で、突設部18301bにネジを螺合することで係合部材18310が突設部18301bから抜け出ることを規制できる。
なお、背面ケース43300に軸支された係合部材18310は、重心が背面ケース43300の突設部18301bよりも外壁部18302の開口部18302a側に位置する。これにより、外部の力が作用していない状態では、重力により第1片18311と第2片18312との連結部が背面ケース43300の開口部18302aから突出する方向に回転する力が係合部材18310に作用される。従って、係合部材18310と固定部材43320との係合が不完全であった場合に、係合部材18310を背面ケース43300の外側に突出させて係合部材18310と固定部材43320との係合の忘れを防止することができる。
第1開口部43301cは、後述する基板ボックス43100の被係合部43101を挿通するための開口であり、正面視において被係合部43101よりも大きい形状に形成される。これにより、背面ケース43300の内側に役物装置(回転ユニット700を配設した後で基板ボックス43100の被係合部43101を背面ケース43300の背面側から背面ケース43300の正面側に配置することができる。
また、第1開口部43301cの縁部には、後述する固定部材43320の一側(矢印R方向側)に形成される係止部331を係合させるための突壁43301c1(図209(a)参照)と、後述する固定部材43320の他側(矢印L方向側)に形成される第2係止部43336を係合させるための第2突壁43301c2(図209(a)参照)と、が突設される。
突壁43301c1及び第2突壁43301c2とは、背面側(矢印B方向側)の突設先端部分が互いに反対方向に屈曲される。これにより、突壁43301c1及び第2突壁43301c2に後述する固定部材43320が係合された状態で、固定部材43320が揺れ動かされて固定部材43320との係合が解除されることを抑制できる。
突設部18301bは、上記第18実施形態で説明したように、係合部材18310を軸支する部材であり、底壁部43301の正面から円柱状に突設される。従って、係合部材18310は、突設部18310bの中心を軸として回転可能な状態で背面ケース43300に配設される。
固定部材43320は、背面ケース43300の底壁部43301と係合する介設部材43330と、その介設部材43330に締結される軸支部材340とから構成される。
介設部材43330は、正面側が開放する箱状に形成され、一側(矢印R方向側)の側面に突設される係止部331と、箱状の底面(矢印B方向側の側面)に円柱状に開口する挿通孔333(図39(b)参照)と、背面側から突出する突部334(図39(b)参照)と、他側(矢印L方向側)の内面から一側に向かって突出する第2係止部43336と、を主に備える。
係止部331は、固定部材43320の一側(矢印R方向側)を底壁部43301に係合させるための開口を備え、その開口に上述した第1開口部43301cの周囲から断面L字状に突設される突壁43301c1が挿通される。これにより、介設部材43330(固定部材43320)を背面ケース43300に配設する際に、介設部材43330の係止部331に突壁43301c1を挿通させて介設部材43330の一側(矢印R方向側)を背面ケース43300に対して係止することができる。
第2係止部43336は、上述したように固定部材43320の他側(矢印L方向側)を底壁部43301の背面に形成される第2突壁43301c2に係合させるための突起であり、正面視において、第2突壁43301c2の先端の屈曲部分と重なる位置に形成される。また、第2係止部43336は、第2突壁43301c2と係合された状態(図209(a)に示す状態)の際に、第2突壁43301c2の先端の屈曲部分よりも正面側に位置される。これにより、固定部材43320の他側が背面側に移動することを抑制できる。
さらに、第2係止部43336は、突出基端側(固定部材43320の他側)から突出先端側(固定部材の43320の一側)に向かうにつれて、正面が背面側に傾斜される。これにより、第2係止部43336を第2突壁43301c2と係合させる際に、第2突壁43301c2の突出先端を第2係止部43301c2の正面に沿って摺動させやすくできる。よって、固定部材43320を背面ケース43300(底壁部43301)の背面側に係合させることができる。
なお、固定部材43320は、一側の係止部331の開口の内側に底壁部43301の突壁43301c1を挿入した後に、他側の第2係止部43336を底壁部43301側(正面側)に押し込んで、固定部材43320の他側を弾性変形させつつ第2係止部43336を底壁部43301の第2突壁43301c2の屈曲先端よりも正面側に移動させることで、背面ケース43300(底壁部43301)に配設される。
基板ボックス43100は、正面視における外形が横長矩形の長方形に形成されると共に、内側に主制御装置110が配設される。また、基板ボックス43100は、一端側(矢印R方向側)の端部から突出する軸受部117と、基板ボックス43100の正面から突設される被係合部43101と、を備える。
被係合部43101は、上述したように係合部材18310と係合する部分であり、基板ボックス43100が背面ケース44300の背面側に配設された状態(図208(a)及び図208(b)に示す位置)において背面ケース43300側(矢印F方向側)への突出寸法が、背面ケース43300に配設される係合部材18310の正面を超える寸法に設定される。また、被係合部43101は、背面ケース43300の底壁部43301よりも正面側に正面視における左右方向(矢印L−R方向)に開口する開口部43101aを備える。
また、被係合部43101は、基板ボックス43100が背面ケース43300の背面側に配設された状態(基板ボックス43100が係合部材18310と係合された状態(図209(a)に示す状態))において、固定部材43320の他側と水平方向に隣合う位置に形成される。これにより、遊技者の不正により固定部材43320が背面側に強引に引っ張られた場合に、固定部材43320の他側が第2係止部43336と第2突壁43301c2との係合を解除する方向に弾性変形することを抑制できる。一方で、基板ボックス43100が背面ケース43300の背面側に配設されていない状態(基板ボックス43100が係合部材18310と係合されていない状態(図210(a)に示す状態))では、被係合部43101を固定部材43320の他側と離れた位置に配置することができるので、固定部材43320を被係合部43101に簡易に係合させる(又は固定b図愛43320を被係合部43101から取り外す)ことができる。
開口部43101aは、係合部18316を除いた係合部材18310の変位領域と対応する位置に開口して形成される。これにより、開口部43101aの内側に係合部材18310を挿入して被係合部43101と係合部材18310とを係合させることができる。
次いで、図210を参照して、係合部材18310と基板ボックス43100との係合について説明する。図210(a)及び図210(b)は、背面ケース43300の断面図である。なお、図210(a)及び図210(b)は、図209(a)の断面図と対応すると共に、図210(a)、図210(b)及び図209(a)の順で、係合部材18310を基板ボックス43100に係合させる際の遷移状態が図示される。
図210(a)に示すように、係合部材18310と基板ボックス43100とを係合させる際は、初めに、上述したように介設部材43330と軸支部材340とを締結(一体に)した状態の固定部材43320(図207に示す状態の固定部材43320)を背面ケース43300(底壁部43301)の背面側に係合させる。
次に、図210(b)に示すように、基板ボックス43100の軸受部117が形成される一側と反対側の他側を背面ケース43300の背面側に向かって押圧して、基板ボックス43100と軸支部材340とを連結するかしめ金具(図示しない)を軸として、基板ボックス43100を軸支部材340(固定部材43320)に対して回転させる。これにより、基板ボックス43100の正面を背面ケース43300の背面と略平行な位置に配置して、被係合部43101の開口部43101aを背面ケース43300の第1開口部43301cを介して底壁部43301の正面側に配置すると共に、開口部43101aを係合部材18310の変位領域に配置する。
よって、図209(a)に示すように、係合部材18310の第1片18311を開口部43101aに向かって、係合部材18310を回転変位させることで、係合部材18310の一側(係合部181316側)の端部を弾性変形させつつ開口部43101aの内側に挿入して被係合部43101を介した位置に配置できる。
最後に、基板ボックス43100の軸受部117が形成される一側と反対側の他側の端部を、背面ケース43300の底壁部43301に向かって、基板ボックス43100の背面側(矢印B方向側)から挿入して背面ケース43300に締結されるネジにより固定する。これにより、基板ボックス43100は、背面ケース43300の背面側に回転(動作)不能な状態で配設される。なお、基板ボックス43100の他側をネジにより背面ケース43300の背面側に締結する作業は、被係合部43101に係合部材18310を係合させる前に行ってもよい。
以上のように組み立てられる背面ケース43300によれば、係合部材18300が係合する被係合部43101が基板ボックス43100に形成されるので、軸支部材340(固定部材43320)に基板ボックス43100が軸支されていない(基板ボックス43100を配設し忘れた)場合に、係合部材18300が係合できなくなる。
また、上述したように係合部材18300は、外部の力が作用していない状態では、重力により第1片18311と第2片18312との連結部が背面ケース18300の開口部18302aから突出する方向に回転する力が係合部材18310に作用される。従って、基板ボックス43100を配設し忘れた場合には、係合部材18310を背面ケース43300の外側に位置させることで、背面ケース43300の底壁部43301に固定部材43320及び基板ボックス43310を配設する作業者に異常(基板ボックス43100を配設し忘れている)ことを気が付かせることができる。従って、パチンコ機10を制御をする基板ボックス43100(主制御装置110)を付け忘れを防止することができるので、組み立て工程の後工程(例えば、動作チェック時)に基板ボックス43100が配設されていないことを発見しやすくできる。その結果、パチンコ機10が不良(部品を付け忘れた状態)で店舗(例えば、パチンコ店)に導入されることを抑制できる。
さらに、上記第18実施形態と同様に、係合部材18310と被係合部43101との係合が不完全であった場合には、係合部材18310を背面ケース18300の外側に突出させることで、遊技盤13の左右方向(矢印L−R方)における係合部材18310の端部から背面ケース43300の右側(矢印R方向側)の端部までの距離寸法LR1(図164(a)参照)が、遊技盤13が配設される外枠11の左右方向における内側の左右方向寸法LR2(図164(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、係合部材18310と固定部材18320とが非係合の場合に、遊技盤13が外枠11に配設されることを抑制できる。その結果、パチンコ機10が組み立てられて、動作チェックされる前に基板ボックス43100の配設を忘れていることを気が付かせることができるので、基板ボックス43100の配設を忘れた状態でパチンコ機10に電気が通されることを抑制できる。その結果、基板ボックス43100の配設忘れにより、他の基板や電装品が故障することを抑制できる。
次いで、図211を参照して、係合部材18310が回転軸となる突設部18301bとの当接による抵抗等の要因で被係合部43101との係合が非係合の状態時に、係合部材18310が被係合部43101との係合位置で停止した場合について説明する。図211(a)及び図211(b)は、背面ケース43300の断面図である。なお、図211(a)及び図211(b)は、図209(a)の断面図と対応する。また、図211(a)及び図211(b)は、係合部材18310と基板ボックス43100の被係合部43101とが係合される前の状態が図示され、図211(a)、図211(b)の順に基板ボックス43100が変位された状態が図示される。
図211(a)に示すように、係合部材18310が回転軸となる突設部18301bとの当接による抵抗等の要因で被係合部43101との係合が非係合の状態時に係合部材18310が被係合部43101との係合位置で停止されると、係合部材18310の第1片18311の先端(図211(a)矢印L方向側端部)が、被係合部43109の軸受部117側の側面の突出先端部の変位軌跡(図211(a)及び図211(b)に示す仮想線A)上に配設される。
これにより、図211(b)に示すように、基板ボックス43100が固定部材43320に対して回転された場合に、被係合部43109の軸受部117側の側面を係合部材18310の第1片18311の先端端面に当接させることができる。
この場合、被係合部43109の変位方向と、係合部材18310が非係合とされる場合の変位方向とが略同一に設定される。これにより、基板ボックス43100を背面ケース43300の底壁部43301側に回転される力を、被係合部43101を介して係合部材18310を押し戻す力に利用することができる。
ここで、係合部材18310と係合する被係合部43101が基板ボックス43100(高価な部品)に形成される為に、被係合部43101が破損した場合に基板ボックス43100を取り替える必要があり、製造コストが増加する恐れがあった。
また、係合部材18310が回転軸となる突設部18301bとの当接による抵抗等の要因で被係合部43101との係合が非係合の状態時に、係合部材18310が被係合部43101との係合位置で停止されると、係合部材18300が背面ケース43300の底壁部43301の背面側から底壁部43302の正面側に変位される被係合部43101の変位領域に配設される。そのため、基板ボックス43100を変位させた際に、被係合部43101が係合部材18310と衝突して被係合部43101が破損する恐れがあった。
これに対して、第43実施形態では、背面ケース43300の底壁部43301に固定部材43320を配設する際に、係合部材18300の配置が所定の位置(係合部材18310の一部が背面ケース43300の開口部18302aから突出する位置)に配置されていない場合に、基板ボックス43100を背面ケース43300の底壁部43301の背面側に移動させる力を利用して、係合部材18300を所定の位置に変位させることができる。その結果、基板ボックス43100の被係合部43101が破損することを抑制できる。
次いで、図212から図214を参照して、第44実施形態における背面ケース44300について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310の移動が回転ユニット700の背面ベース720に挿通されるネジにより規制される場合について説明したが、第44実施形態では、係合部材44310が固定部材320に係合された際に、係合部材44310の移動が基板ボックス44100に突設される突設部44102に係合されることで規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図212及び図213を参照して、第44実施形態における背面ケース44300の構成について説明する。図212は、第44実施形態における背面ケース44300の分解斜視正面図である。図213(a)は、背面ケース44300の正面図であり、図213(b)は、図213(a)のCCXIIIb−CCXIIIb線における背面ケース44300の断面図である。図213(a)及び図213(b)では、係合部材44310と基板ボックス44100(突設部44102)とが係合された状態が図示される。
図212及び図213に示すように、第44実施形態における背面ケース44300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4片の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース44300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材44310と、背面ケース44300(底壁部301)の背面側に配設され、基板ボックス44100(主制御装置110)を固定(軸支)する固定部材44320と、を備える。
係合部材44310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片44311及び第2片312と、その第1片44311及び第2片312の端部同士を第1片44311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。また、第1片44311と第2片312とのそれぞれに摺動溝314が形成される。
第1片44311は、第3片313が連結される他側(矢印L方向側)と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、後述する固定部材44320との係合部分として形成されており、第1片44311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部44317と、背面ケース44300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出する操作子315と、を備える。
凹部44317は、第1片44311の厚み方向(矢印F−B方向)に切り欠いて形成されると共に、第1片44311の一側(矢印R方向側)端部から他側(矢印L方向側)に向かって凹設される。よって、第1片44311の一側が二股に分割される。これにより、第1片44311の一側の剛性を他側に比べて低くすることができる。その結果、第1片44311の一側を弾性変形させやすくして、係合部材44310を固定部材44320と係合させやすくできる。なお、係合部材44310と固定部材44320との係合方法については、上記第1実施形態における係合部材310と固定部材320との係合方法と同様であるので、その詳しい説明については省略する。
また、凹部44317は、他側(矢印L方向側)に向かって凹設された凹設底面に、底壁部301側(矢印B方向側)に向かって第3片313側(矢印L方向側)に傾斜する傾斜面44317aを備える。
傾斜面44317aは、後述する基板ボックス44100の突設部44102の突設先端が当接した際に突設部44102をスライド移動させるための面であり、基板ボックス44100が底壁部301の背面側に配置される際の突設部の44102の移動方向(矢印F−B方向)に対して係合部材44310が固定部材44320に係合される際のスライド方向と反対方向に45度以下の角度(鋭角)で傾斜して形成される。これにより、基板ボックス44100の突設部44102の先端が当接した際に、突設部44102を傾斜面44317aに沿ってスライド変位させやすくできる。
固定部材44320は、背面ケース44300と別部材から構成される。これにより、背面ケース44300に比べて外形の小さい固定部材44320に基板ボックス44100をカシメ固定させることができるので、固定部材44320が背面ケース44300と一体に形成される場合に比べて、基板ボックス44100を配設しやすくできる。その結果、基板ボックス44100が固定部材44320から取り外されにくい状態で基板ボックス44100を背面ケース44300に配設しやすくできる。
固定部材320は、上述した係合部材44310と係合する介設部材330と、その介設部材330に締結される軸支部材340とから構成される。これにより、軸支部材340を別の遊技機の固定部材と同一の形状の流用品として使用することができる。また、軸支部材340は、後述する基板ボックス44100(主制御装置110)の軸受部117とかしめ締結される。なお、基板ボックス44100は、かしめ金具による締結により、軸支部材340に対して回転可能な状態で保持される。
基板ボックス44100は、正面視における外形が、横長矩形の長方形に形成されると共に、内側に主制御装置110が配設される。また、基板ボックス44100は、一端側(矢印R方向側)の端部から突出する軸受部117と、基板ボックス44100の正面から突設される突設部44102と、を備える。なお、基板ボックス44100の突設部44102は、弾性変形可能な樹脂材料から形成されており、後述するように係合部材44310と当接された際に弾性変形することができる。
突設部44102は、上述したように係合部材44310と係合する部分であり、基板ボックス44100が背面ケース44300の背面側に配設された状態(図213(a)及び図213(b)に示す位置)において背面ケース44300側(矢印F方向側)への突出寸法が、背面ケース44300に配設される係合部材44310の正面側(矢印F方向側)に超える寸法に設定され、係合部材44310の正面側に超えた先端部分に係合部材44310の第3片313側(矢印L方向側)に屈曲する屈曲部44012aを備える。
また、突設部44102は、基板ボックス44100が背面ケース44300の背面側に配設された状態であって係合部材44310が固定部材320と係合した状態において、屈曲部44102aを除く基端側が係合部材44310の凹部44317の内側に配置されると共に、凹部44317の凹設底面(傾斜面44317a)と隣合う位置に配置される。従って、正面視において屈曲部44102aを係合部材44310と重なる位置に配置できる。
これにより、係合部材44310と固定部材44320とが係合した状態で基板ボックス44100がかしめ金具(支持部342に軸支される部分)を中心に回転されて、基板ボックス44100(主制御装置110)が不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
さらに、突設部44102の上下方向寸法(矢印U−D方向)における幅寸法は、係合部材44310の凹部44317の上下方向における幅寸法と略同一に設定される。これにより、係合部材44310及び固定部材44320が係合された状態から係合部材44310の第1片44311が凹部44317の内側に弾性変形されることを抑制できる。その結果、係合部材44310と固定部材44320との係合が不正に解除されて、固定部材44320に連結される基板ボックス44100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
なお、第44実施形態では、基板ボックス44100を背面ケース44300の背面側(図213(b)に示す位置)に配設した後で、背面ケース44300と基板ボックス44100との間から操作子315を操作して係合部材44310と固定部材44320との係合が行われる。これにより、基板ボックス44100の突設部44102と係合部材44310とが当接することなく、屈曲部44102aを係合部材44310の正面側に配置できる。
次いで、図214を参照して、基板ボックス44100が背面ケース44300の背面側に配設される前に、係合部材44310と固定部材44320とを係合した場合について説明する。
図214(a)から図214(c)は、背面ケース44300の断面図である。なお、図214(a)から図214(c)は、図213(b)における背面ケース44300の断面図と対応する。また、図214(a)から図214(c)は、係合部材44310と固定部材44320とが係合された状態で、基板ボックス44100を背面ケース44300の背面側に配設する際の遷移状態が順に図示される。
図214(a)に示すように、係合部材44310と固定部材44320とが係合前の状態(係合部材44310が矢印L方向側に配置された状態)では、係合部材44310が基板ボックス44100の突設部44102の変位領域の外側に位置される。従って、係合部材44310と固定部材44320とが係合されていない状態では、係合部材44310と当接することなく基板ボックス44100をかしめ金具(支持部342に軸支される部分)を中心に回転して背面ケース44300の背面側に配設できる。
一方、図214(b)に示すように、係合部材44310と固定部材44320とが係合された状態(係合部材44310が矢印R方向側に配置された状態)では、係合部材44310が基板ボックス44100の突設部44102の変位領域と重なる位置に設定される。
ここで、基板ボックス44100は、主制御装置110等を備える部品であり、他の部品(例えば、固定部材44320)に比べて高価である。そのため、係合部材44310と固定部材44320とが係合された状態で基板ボックス44100がかしめ金具(支持部342に軸支される部分)を中心に回転して背面ケース44300の背面側に配設された際に、突設部44102が係合部材44310と当接して基板ボックス44100が破損する恐れがあった。
これに対して、第44実施形態では、係合部材44310が凹部44317に傾斜面44317aを備えるので、図214(c)に示すように、突設部44102の先端部分を傾斜面44317aに当接させることができる。これにより、基板ボックス44100が正面側(矢印F側方向側)に押し込まれる力を利用して、突設部44102を傾斜面44317aの正面側に向かって傾斜する方向(矢印R方向側)に弾性変形させることができる。よって、突設部44102を弾性変形させつつ突設部44102の先端を傾斜面44317aに沿って正面側に変位させることができる。その結果、突設部44102が係合部材44310と当接して基板ボックス44100が破損することを抑制できる。
また、突設部44102が傾斜面44317aに沿って摺動される際の突設部44102の弾性回復力の一部は、係合部材44310に対して固定部材44320と係合を解除する方向(矢印L方向)に作用される。従って、係合部材44310と固定部材44320との係合が不完全であった場合に、係合部材44310と固定部材44320との係合を解除することができる。これにより、係合部材44310と固定部材44320との係合が不完全の状態でパチンコ機10(図1参照)が組み上げられることを抑制できる。
なお、突設部44102は、屈曲部44102aが係合部材44310の正面側に超える位置に変位されると、その弾性変形を戻して図213(a)及び図213(b)に示す位置に配置される。
次いで、図215から図217を参照して、第45実施形態における背面ケース45300について説明する。上記第18実施形態または上記第43実施形態では、係合部材18310が固定部材18320または基板ボックス43100のどちらか一方に係合される場合について説明したが、第45実施形態における背面ケース45300は、係合部材18310が固定部材320及び基板ボックス45100の両方に係合される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図215及び図216を参照して第45実施形態における背面ケース45300の構成について説明する。図215は、第45実施形態における背面ケース45300の分解斜視正面図である。図216(a)は、背面ケース45300の正面図であり、図216(b)は、背面ケース45300の背面図である。図217(a)は、背面ケース45300の正面図であり、図216(b)は、背面ケース45300の背面図である。なお、図216(a)及び図216(b)では係合部材18300が固定部材320と基板ボックス45100とに係合された状態が図示され、図217(a)及び図217(b)では係合部材18300が固定部材320のみに係合された(基板ボックス45100とは非係合とされた)状態が図示される。
図215から図217に示すように、第45実施形態における背面ケース45300は、正面視略矩形の底壁部45301と、その底壁部45301の4片の外縁から正面へ向けて立設される外壁部18302とを備え、それら各壁部45301,18302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース45300は、底壁部45301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F側方向側))に配設される係合部材18310と、背面ケース45300(底壁部45301)の背面側に配設され、基板ボックス45100(主制御装置110)を固定(軸支)する固定部材320と、を備える。
底壁部45301は、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて底壁部45301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部45301は、固定部材45320と対向する位置に開口する第1開口部45301cと、その第1開口部45301cの下方(矢印D方向)に位置し、正面側に突出する突設部18301bと、を備える。
突設部18301bは、上記第18実施形態と同様に、係合部材18310を軸支する突起であり、底壁部45301の正面から円柱状に突設される。また、突設部18301bの突設先端面には、ネジを螺合する孔が凹設される。これにより、係合部材18310を背面ケース18300に配設した状態で、突設部18301bにネジを螺合することで係合部材18310が突設部18301bから抜け出ることを規制できる。
なお、背面ケース45300に軸支された係合部材18310は、重心が背面ケース45300の突設部18301bよりも外壁部18302の開口部18302a側に位置する。これにより、外部の力が作用していない状態では、重力により第1片18311と第2片18312との連結部が背面ケース45300の開口部18302aから突出する方向に回転する力が係合部材18310に作用される。従って、係合部材18310と固定部材45320との係合が不完全であった場合に、係合部材18310を背面ケース45300の外側に突出させて、係合部材18310と固定部材45320との係合の忘れを防止することができる。
第1開口部45301cは、固定部材320の被係合部332及び後述する基板ボックス45100の被係合部45101を挿通するための開口であり、2箇所の被係合部332,45101と対応する位置に水平方向に長く開口される。これにより、背面ケース45300の内側に役物装置(回転ユニット700を配設した後で基板ボックス45100の被係合部45101を背面ケース45300の背面側から背面ケース45300の正面側に配置することができる。
また、第1開口部45301cの縁部には、固定部材45320の一側(矢印R方向側)に形成される係止部331を係合させるための突壁45301c1が突設される。突壁45301c1は、後述する係合部材18310を被係合部45101に係合させる際の変位方向(矢印L方向)と反対方向(矢印R方向)に先端が屈曲される。これにより、係合部材18310を被係合部45101に係合させる場合に、係合部材18310に被係合部45101が押圧されることで固定部材45320が係合部材18310の変位方向に動いて、係止部331の開口から突壁45301c1が抜け出ることを抑制できる。その結果、固定部材45320の一側(矢印R方向側)と背面ケース45300との係合が解除されることを抑制できる。
突設部18301bは、上記第18実施形態で説明したように、係合部材18310を軸支する部材であり、底壁部45301の正面から円柱状に突設される。従って、係合部材18310は、突設部18310bの中心を軸として回転可能な状態で背面ケース45300に配設される。
基板ボックス45100は、正面視における外形が、横長矩形の長方形に形成されると共に、内側に主制御装置110が配設される。また、基板ボックス45100は、一端側(矢印Rに方向側)の端部から突出する軸受部117と、基板ボックス45100の正面から突設される被係合部45101と、を備える。
被係合部45101は、一側の先端が固定部材320の被係合部332の内側に挿入された状態における係合部材18310と係合する部分であり、基板ボックス45100が背面ケース45300(底壁部45301)の背面側に配設された状態(図216(a)に示す位置)において、背面ケース45300側(矢印F方向側)への突出寸法が背面ケース45300に配設される係合部材18310の正面を超える寸法に設定される。また、被係合部45101は、背面ケース45300の底壁部45301よりも正面側に正面視における左右方向(矢印L−R方向)に開口する開口部45101aを備える。
開口部45101aは、係合部材18310の第1片18311を内側に挿入する開口であり、係合部材18316を除いた係合部材18310の第1片18311の変位領域と対応する位置に開口して形成される。これにより、開口部45101aの内側に係合部材18310を挿入して被係合部45101と係合部45310とを係合させることができる。
また、被係合部45101は、固定部材320の被係合部332と所定の間隔を隔てて係合部材18310を被係合部332に係合させる際の変位方向に異なる位置に配置される。これにより、係合部材18310が固定部材320に係合された後に被係合部45101の被係合部332と係合部材18310とを係合させることができる。
なお、被係合部45101と固定部材320の被係合部332との離間する距離は、係合部材18310の変位方向における係合部18316の長さ寸法以上に設定される。これにより、係合部材18310の係合部18316を正面視における2箇所の被係合部332,45101の間に配置することができる(図217(a)参照)。その結果、係合部材18310を固定部材320に係合させると共に、基板ボックス45100と非係合とする状態を維持することができる。
これにより、固定部材320と係合部材18310とを係合して、固定部材320を背面ケース45300の背面側に配設した状態で、基板ボックス45100を固定部材320に対して回転変位させることができる。
以上のように構成される背面ケース45300によれば、固定部材320及び基板ボックス45100を背面ケース45300(底壁部45301)に配設する際には、初めに図217に示すように、基板ボックス45100をかしめ金具で連結した状態の固定部材320を背面ケース45300(底壁部45301)の背面に配置した状態で係合部材18310を回転して係合部材18310の第1片18311を固定部材320の被係合部332に係合させる。これにより、基板ボックス45100を係合部材18310とを非係合の状態で固定部材320に支持させることができる。
従って、基板ボックス45100を背面ケース45300(底壁部4531)の背面側の位置でかしめ金具(支持部342に軸支される部分)を中心に回転させることができる。よって、基板ボックス45100(主制御装置110)への配線の連結を行いやすくさせることができる。
次に、図217に示すように、基板ボックス45100を背面ケース45300側に回転させて、基板ボックス45100の正面を背面ケース45300(底壁部45301)の背面と平行となる位置に配置した後で、係合部材18100を基板ボックス45100の被係合部45101側(矢印L方向側)に回転させる。これにより、係合部材18100の第1片18311の先端を被係合部45101の開口部45101aの内側に挿入することができる。その結果、基板ボックス45100を背面ケース45300の背面側に固定することができる。
従って、第45実施形態では、係合部材18300に固定部材320と基板ボックス45100との2部材を背面ケース45300の背面側に固定する役割を持たせることができる。その結果、基板ボックス45100の軸受部117側の一側と反対側の他側(矢印L方向側)を背面ケース45300の背面側に固定しなくても、基板ボックス45100を背面ケース45300の背面側に固定することができ、製造コストを削減できる。
また、この場合、背面ケース45300の他側(矢印L方向側)を背面ケース45300に固定するための係合部分(係合部材18310と被係合部45101との係合部分)を背面ケース45300の底壁部45301とベース板60(図2参照)との対向間に配置することができる。その結果、背面ケース45300とベース板60の外側から基板ボックス45100の係合部分へのアクセスを困難とすることができる。その結果、基板ボックス45100の係合が不正に解除されて、基板ボックス45100(主制御装置110)が不正な主制御装置に交換されることを抑制できる。
なお、第45実施形態における基板ボックス45100の背面ケース45300からの取り外しは、一体に組み付けられた状態の遊技盤13(図2参照)からベース板60(図2参照)と背面ケース45300とを分解した後に、背面ケース45300の内側(底壁部45301の正面側)に配設される各役物装置(例えば、回転ユニット700)を取り外す。これにより、係合部材18310と基板ボックス45100との係合部分にアクセス可能とでき、係合部材18310の第1片18311を弾性変形させて基板ボックス45100及び固定部材320と係合部材18310との係合を解除することができる。
次いで、図218を参照して、第46実施形態における一般入賞口ユニット46150について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の背面の背面部151d及び凹設底面151b2が平坦面に形成される場合について説明したが、第46実施形態における一般入賞口ユニット46150では、本体部46151の外縁に沿って形成される凹凸が背面46151d及び凹設底面46151b2に複数個並設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図218は、第46実施形態における遊技盤46013の断面図である。なお、図218は、図14の遊技盤13の断面図に対応する。また、第46実施形態における遊技盤46013は、第1実施形態と同様に、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。また、第46実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット46150が配設される。
図218に示すように、第46実施形態における遊技盤46013のベース板60の正面側(矢印F方向側)に配設される一般入賞口ユニット46150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部46151と、その本体部46151の背面側(矢印B方向側)に配設される装飾部材154と、を備える。なお、装飾部材154は、第1実施形態と同様に接着テープ154aが外縁部に沿って貼付され、その接着テープ154aの反対面が本体部46151の背面側に貼付されることで本体部46151に配設される。
本体部46151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側(矢印B方向側)に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側(正面側)から視認可能とされる。また、本体部46151は、正面視における本体部46151の外縁部分に正面視における本体部46151の外側に向かって背面側に傾斜する傾斜面151aと、本体部46151の背面から正面側に向かって凹設される凹部46151bと、その凹部46151bを除いた本体部46151の背面を形成する背面46151dと、を主に備える。
凹部46151bは、背面視における本体部46151の外縁から本体部46151の内側に一定の幅を隔てる位置で本体部46151の外縁に沿う形状に凹設される。また、凹部46151bは、本体部46151の背面側に配設される装飾部材154を収容する空間を形成する凹みであり、背面視における形状が装飾部材154の背面視形状よりも大きく形成される。よって、凹部46151bの内側に装飾部材154が配設された場合には、装飾部材154の外縁と凹部46151bの外縁との間に所定の隙間が形成される。
凹部46151bは、凹設方向(矢印F方向)の底面となる凹設底面46151b2と、その凹設底面46151b2の外縁から背面側(矢印B方向側)に向かって立設される内側面151b3と、を備える。
凹設底面46151b2は、装飾部材154の接着面であり、背面視における凹設底面46151b2の外縁から所定の距離内側に隔てる領域(後述する溝状部46151b4及び突状部46151b5を除いた領域)が、本体部46151の正面と平行な平面として形成される。これにより、正面視における本体部46151の外縁から所定の距離内側に向かって離間した内側の領域を介して装飾部材154の装飾を視認した場合に、装飾部材154の装飾を一様に視認させることができる。
また、凹設底面46151b2は、背面視における凹設底面46151b2の外縁から所定の距離内側に隔てる領域に正面側に向かって溝状に凹設される複数の溝状部46151b4と、背面側に向かって突設される複数の突状部46151b5と、を備える。
溝状部46151b4は、背面視における凹設底面46151b2の外縁から内側に向かって一定の間隔で複数個形成されると共に、凹設底面46151b2の外縁に沿う溝状に形成される。また、複数の溝状部46151b4の隣り合う溝状部46151b4の間には、突状部46151b5が背面側に向かって突設される。
突状部46151b5は、一定の間隔で複数個形成される溝状部46151b4の間に形成されると共に、溝状部46151b4と同様に凹設底面48151b2の外縁に沿って形成される。即ち、突状部46151b5と溝状部46151b4とは、凹設底面46151b2の内側部分から外側部分に向かって交互に形成される。
また、溝状部46151b4は、凹設底面46151b2の平面に対して正面側に位置され、突状部46151b5は、凹設底面46151b2の平面に対して背面側に位置される。即ち、溝状部46151b4と突状部46151b5とは、凹設底面46151b2の平面を境界として本体部46151の正面側と背面側とのそれぞれに形成される。
これにより、後述するように、突状部46151b5により押し出される接着テープ154aを溝状部46151b4の内側に押し出して溝状部46151b4に収容することができる。
また、装飾部材154は、外縁部に接着テープ154aが貼付される。従って、接着テープ154aは、装飾部材154側に貼付された面と反対側の面が背面視における凹設底面46151b2の外縁から所定の距離内側に隔てる領域に貼付される。よって、接着テープ154aの一部が、凹設底面46151b2の溝状部46151b4及び突状部46151b5に貼付される。
従って、本体部46151に装飾部材154が貼付される際に、突状部46151b5に接着テープ154aが押圧されることで、接着テープ154aが弾性変形して各突状部46151b5の間(溝状部46151b4)に押し込まれる。これにより、凹設底面46151b2に突状部46151b5が形成されず凹設底面46151b2が平坦面に形成される場合に比べて、接着テープ154aと本体部46151との接触面積を増加させることができる。
即ち、接着テープ154aと本体部46151との接着面積を増加させることができる。従って、本体部46151に対する装飾部材154の接着が剥がれて装飾部材154が本体部46151から剥がれ落ちることを抑制できる。その結果、本体部46151から装飾部材154が剥がれて、ベース板60の装飾部材60cに対する装飾部材154の位置がずれることを抑制できる。
また、凹設底面46151b2から背面側に向かって突設される突状部46151b5の体積は、凹設底面46151b2に正面側に向かって凹設される溝状部46151b4により凹設された空間の体積よりも小さく設定される。これにより、突状部46151b5により押圧されて、弾性変形する接着テープ154aが溝状部46151b4の内側に侵入する接着テープ154aの体積を溝状部46151b4により凹設された空間の体積よりも小さくすることができる。
従って、溝状部46151b4の内側に侵入する接着テープ154aと、溝状部46151b4と、の間に空間を形成することができる。よって、装飾部材154とベース板60の装飾部材60cとが前後方向(矢印F−B方向)に重なる端部の周囲から正面側に反射する光が、接着テープ154aを透過して本体部46151に入射する場合と、接着テープ154aを透過した後で、空気層(溝状部46151b4と接着テープ154aとの間の空間)を介して本体部46151に入射する場合と、の2の経路を通過して遊技者側に出射される。
これにより、光の入射および出射による屈折を利用して、2の経路のそれぞれを通過した光により視認される領域を非連続とすることができる。その結果、装飾部材154とベース板60の装飾部材60cとが前後方向(矢印F−B方向)に重なる端部の周囲をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。
さらに、突状部46151b5及び溝状部46151b4により、背面視における凹設底面46151b2の外縁に沿う外側の領域から入射する光を乱反射させることができる。その結果、装飾部材154とベース板60の装飾部材60cとが前後方向(矢印F−B方向)に重なる端部の周囲をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。
背面46151dは、凹部46151bを除いた本体部46151の背面であり、背面視における本体部46151の外縁に沿う内側部分に一定の幅で形成される。また、背面46151dは、背面視における背面46151dの内縁に沿う所定の領域に背面側(矢印B方向側)に突出する複数の背面部突状部46151d2と、正面側に向かって溝状に凹設される複数の背面部溝状部46151d1と、を備える。
背面部溝状部46151d1は、背面視における背面46151dの内縁から外側に向かって一定の間隔で形成されると共に、背面46151dの内縁に沿う溝状に形成される。また、複数の背面部溝状部46151d1の隣り合う背面部溝状部46151d1の間には、背面部突状部46151d2が背面側に向かって突設される。
背面部突状部46151d2は、一定の間隔で複数個形成される背面部溝状部46151d1の間に形成されると共に、背面部溝状部46151d1と同様に、背面46151dの内縁に沿って形成される。即ち、背面部突状部46151d2と背面部溝状部46151d1とは、背面46151dの内縁側から外縁側に向かって交互に形成される。
また、背面部溝状部46151d1は、背面46151dの平面に対して正面側に位置され、背面部突状部46151d2は、背面46151dの平面に対して背面側に位置される。即ち、背面部溝状部46151d1と背面部突状部46151d2とは、背面46151dの平面を境界として本体部46151の正面側と背面側とのそれぞれに形成される。
これら背面部溝状部46151d1及び背面部突状部46151d2により、背面部突状部46151d2をベース板60の装飾部材60cに食い込ませて、装飾部材60cの装飾面側を弾性変形させて装飾部材60cの装飾面を背面部突状部46151d2の突設間隔で波形状に曲げることができる。これにより、背面部溝状部46151d1及び背面部突状部46151d2の背面側に配置された(装飾面が波形状に曲げられた)装飾部材60cの装飾を遊技者にぼやかした状態で視認させることができる。
ここで、上述したように、背面部溝状部46151d1及び背面部突状部46151d2は、背面視における本体部46151(背面46151d)の凹部46151b側の端部に形成され、装飾部材154が凹部46151bの背面視における外形と略同一に設定されるので、装飾部材60cと装飾部材154とが重なる端部(境界P1)の外側の装飾を遊技者にぼやかした状態で視認させることができる。
従って、正面視における装飾部材60cに装飾部材154が前後方向(矢印F−B方向)に重なる部分の外側周囲の装飾をぼやかすことができ、装飾部材60cと装飾部材154との配置の位置ずれを遊技者に認識されにくくすることができる。その結果、装飾部材60cと装飾部材154との装飾を遊技者に1の装飾として視認させやすくすることができる。
また、背面46151dの背面視における内縁(凹部46151b側の縁部)には、背面部突状部46151d2が形成される。これにより、背面部突状部46151d2により、装飾部材60cを弾性変形させつつ一般入賞口ユニット46150をベース板60に配設する際に、背面視における凹部46151b側の端部側の突起に押し出される装飾部材60cを凹部46151bの内側に押し出すことができる。
従って、本体部46151の背面46151dと対向しない凹部46151bの内側部分に装飾部材60cを押し出すことができるので、背面46151dの背面視における凹部46151b側の端部に背面部溝状部46151d1が形成される場合に比べて、装飾部材60cを弾性変形させる面積を増加させることができる。
この場合、凹部46151bの内側に装飾部材60cが押し出されるので、背面視における凹部46151bの外縁と装飾部材154の外縁との間の隙間に押し出された分の装飾部材60cを収容することができる。
よって、装飾部材154と装飾部材60cとが重なる端部(境界P1)に装飾部材60cの弾性変形した領域を近づけることができる。その結果、装飾部材154と装飾部材60cとで形成される1の装飾が分割された2の装飾(装飾部材154及び装飾部材60cで形成される装飾)から形成されていることを遊技者に認識されにくくできる。
また、背面46151dから背面側に向かって突設される背面部突状部46151d2の体積は、背面46151dに正面側に向かって凹設される背面部溝状部46151d1に凹設された空間の体積よりも小さく設定される。これにより、背面部突状部46151d2により押圧されて弾性変形する装飾部材60cが背面部溝状部46151d1の内側に侵入する装飾部材60cの体積を背面部溝状部46151d1により凹設された空間の体積よりも小さくすることができる。
従って、背面部溝状部46151d1の内側に侵入する装飾部材60cと、背面部溝状部46151d1と、の間に空間を形成することができる。よって、装飾部材154とベース板60の装飾部材60cとが前後方向(矢印F−B方向)に重なる端部の周囲から正面側に反射する光が、本体部46151に直接入射する場合と、空気層(背面部溝状部46151d1と装飾部材60cとの間の空間)を介して本体部46151に入射する場合と、の2の経路を通過して遊技者側に出射される。
これにより、光の入射および出射による屈折を利用して、2の経路のそれぞれを通過した光により視認される領域を非連続とすることができる。その結果、装飾部材154とベース板60の装飾部材60cとが前後方向(矢印F−B方向)に重なる端部の周囲をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。
さらに、背面部突状部46151d2及び背面部溝状部46151d1により、背面視における背面46151dの内縁に沿う内側の領域から本体部46151に入射する光を乱反射させることができる。その結果、装飾部材154とベース板60の装飾部材60cとが前後方向(矢印F−B方向)に重なる端部の周囲をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。
次いで、図219を参照して、第47実施形態における一般入賞口ユニット47150について説明する。上記第31実施形態では、凹設部31151a1の下方側の内面が背面側に向かって下降傾斜して形成される場合について説明したが、第47実施形態における凹設部47151a1は、下方側の内面が背面側に向かって上昇傾斜して形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図219(a)は、第47実施形態における遊技盤47013の部分拡大正面図であり、図219(b)は、図219(a)のCCXIXb―CCXIXb線における遊技盤47013の模式断面図である。なお、第47実施形態における遊技盤47013は、第1実施形態と同様に、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第47実施形態では、ベース板60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット47150が配設される。
図219に示すように、第47実施形態におけるベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット47150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部47151と、その本体部47151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部47151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側(正面側)から視認可能とされる。また、本体部47151は、正面視における端部が背面側に向かって傾斜する傾斜面47151aと、その本体部47151の背面から正面側に向かって凹設される凹部151bとを主に備える。
傾斜面47151aは、その傾斜面47151aの平坦面に対して面直に凹設される複数の凹設部47151a1を備える。複数の凹設部47151a1は、第1入賞口64の下方に位置する一般入賞口63(図219(a)参照)に向かって溝状に形成される。また、複数の凹設部47151a1は、正面視において凹設部47151a1の溝状に形成される長手方向に対して直交する方向に複数個並設される。
複数の凹設部47151a1は、断面略三角形状に凹設して形成される。また、凹設部47151a1は、断面三角形状に凹設された先端部分の凹設先端部P4(図220(b)参照)が正面視において一般入賞口63に向かって延設される。さらに、複数の凹設部47151a1は、正面視における本体部47151の外縁側に位置する一側の内面と、正面視における本体部47151の内側(外縁側と反対側)に位置する他側の内面とを有する。
これにより、ベース板60の装飾部材60cと一般入賞口ユニット47150の装飾部材154との装飾の連結部(境界P1)の周囲から正面側に反射されて傾斜面47151aから出射される光を乱反射させることができる。その結果、傾斜面47151aを介して視認される装飾をぼやかすことができ、遊技者に装飾部材60cと装飾部材154とで形成される装飾とが分割されていることを遊技者に認識されにくくすることができる。
また、凹設部47151a1は、正面視における本体部47151の外縁側に位置する一側の内面が、その凹設部47151a1の凹設先端部P4に対して、正面視における本体部47151の外縁に向かうほど背面側に傾斜して形成される。これにより、凹設部47151a1の外縁側に位置する一側の内面が正面視における本体部47151の外縁に向かうほど正面側に傾斜して形成される場合に比べて、凹設先端部P4から本体部47151の背面までの距離(板厚)を確保することができる。従って、本体部47151の剛性を確保することができる。
その結果、遊技盤47013の遊技領域を流下する遊技球が一般入賞口ユニット47150(本体部47151)の正面側に流下する際に傾斜面47151aに衝突して一般入賞口ユニット47150(本体部47151)が破損することを抑制できる。
なお、凹設先端部P4は、本体部47151の正面に対する前後方向位置が常に一定とされる。また、凹設部47151a1の外縁側に位置する一側の内面および内側(外縁側と反対側)に位置する他側の内面のベース板60の正面に対する傾斜角度が常に一定とされる。これにより、凹設部47151a1が形成された部分の剛性が部分的に低くなることを抑制して、一般入賞口ユニット47150(本体部47151)が破損することを抑制できる。
一方、凹設部47151a1は、正面視における本体部47151の内側(外縁側と反対側)に位置する他側の内面が、その凹設部47151a1の凹設先端部P4に対して、本体部47151の内側(外縁側と反対側)に向かうほど下方側に傾斜して(正面側に向かうほど下側傾斜して)形成される。これにより、凹設部47151a1の内側に埃やゴミが侵入した際に、それら埃やゴミを正面視における本体部47151の内側(外縁側と反対側)に位置する他側の内面に沿って正面側(矢印F側方向側)に移動させて凹設部47151a1の内側から排出することができる。
その結果、傾斜面47151aを介して装飾部材154又は装飾部材60c(図219(b)参照)を視認する際に、凹設部47151a1の内側に貯まる埃やゴミでその視認性が阻害されることを抑制できる。
さらに、凹設部47151a1は、上述したように、第1入賞口64の下方に位置する一般入賞口63(図219(a)参照)に向かって溝状に形成されるので、遊技盤47013の遊技領域を流下して凹設部47151a1に衝突する遊技球を、凹設部47151a1の溝方向(正面視における凹設先端部P4の延設方向)に沿って案内することができる。
詳しく説明すると、凹設部47151a1は、凹設先端部が正面視において、一般入賞口63の上方側に開口する開口部分に向かって延設される。これにより、正面視における遊技盤13の左側(矢印L方向側(一般入賞口ユニット47150が配設される側))を流下する遊技球が凹設部47151a1に当接した場合に、その遊技球を一般入賞口63の開口部分に向けて流下しやすくできる。その結果、遊技領域を流下する遊技球を開口(球を回収する孔)に流入させやすくでき、遊技球が遊技領域内に停滞することを抑制して、遊技の進行をスムーズに行うことができる。
なお、図219(b)に示すように、本実施形態では、第1入賞口64の下方に位置する一般入賞口63の両隣に第1アウト口71が形成される。従って、凹設部47151a1に当接して一般入賞口63の開口部分に向けて流下する遊技球が一般入賞口63に流入しなかった場合に、その遊技球を一般入賞口63の両隣に形成される第1アウト口71に流入させることができる。よって、凹設部47151a1に沿って流下された遊技球を第1アウト口71もしくは一般入賞口63の少なくともどこかの開口(第1アウト口71又は一般入賞口63)に送球しやすくできる。
次いで、図220及び図221を参照して第48実施形態における遊技盤48013について説明する。上記第34実施形態では、特別入賞装置34550の正面側に配設される第1経路部材34560が光非透過性の材料から形成され、第1経路部材34560の背面側に配設される第2経路部材34570が遊技者から視認不能とされる場合について説明したが、第48実施形態における第1経路部材48560は光透過性の樹脂材料から形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図220(a)は、第48実施形態における遊技盤48013の正面図であり、図220(b)は、図220(a)のCCXXb−CCXXb線における遊技盤48013の断面図である。図221(a)は、第2経路部材48570の斜視正面図であり、図221(b)は、図220(b)のCCXXIb−CCXXIb線における特別入賞装置48550の断面図である。
図220及び図221に示すように、第48実施形態における遊技盤48013は、正面視略矩形状に切削加工したベース板34060に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80、一般入賞口ユニット150等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側(背面側)に取り付けられる。また、第48実施形態では、第1入賞口64の上方(矢印U方向)に特別入賞装置48550が配設される。
特別入賞装置48550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材48560と、その第1経路部材48560の背面側(矢印B方向)側に配設される第2経路部材48570と、その第2経路部材48570の背面側に螺合される固定具34553と、を備える。
また、特別入賞装置48550は、正面側に配設される第1経路部材48560(又は背面側に配設される第2経路部材48570)の左右方向(矢印L−R方向)における中心線が第1入賞口64の左右方向における中心線と正面視において同一直線上に配設される。さらに、特別入賞装置48550と第1入賞口64とは、重力方向(矢印U−D方向)に遊技球の直径分離れた位置に配設される。これにより、特別入賞装置48550から排出されて、第1入賞口64に流入する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。
第1経路部材48560は、後述する第2経路部材48570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、光透過性の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置48550の内部を流下する遊技球を視認させて、遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。
また、第1経路部材48560は、遊技領域の正面側(矢印F方向側)に配設される板状の正面板48564と、その正面板48564の左右(矢印L−R方向)の端部から背面側(矢印B方向側)に立設される第1壁部34565と、を備える。
正面板48564は、後述する第2経路部材48570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、後述する第2経路部材48570のベース板48571と遊技球の直径よりも離間する位置に設定される。
また、正面板48564は、正面(矢印F方向側の面)に複数の凹凸からなる化粧面48564f(図220(b)参照)を備える。これにより、化粧面48564f(正面板48564)を介して遊技者側に出射される光をその凹凸により乱反射させることができる。従って、化粧面48564f(正面板48564)を介して遊技者が遊技盤48013を視認する領域をぼやかすことができる。
さらに、正面板48654は、その正面板48654の背面側に配設される第2経路部材48570よりも正面視における外形が大きく形成されると共に、正面視において第2経路部材48570を覆設する位置に配設される。これにより、正面板48564を介した(透過した)状態で第2経路部材48570を遊技者に視認させることができる。従って、上述したように、正面板48564を介して視認される領域を化粧面48564fの凹凸によりぼやかすことができるので、第2経路部材48570をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。
第1壁部34565は、遊技盤48013のベース板34060に締結される部分であり、水平方向における断面が略L字形状に形成される。また、第1壁部34565の背面側への立設寸法は、正面板48564と後述するベース板48571の第4凸部48571bとの最小の対向間寸法X9(図220(b)参照)が、遊技球の直径よりも大きい値に設定される。よって、遊技球は、正面板48564とベース板48571の第4凸部48571bとの間を流下することができる。
第2経路部材48570は、第1経路部材48560の正面板48564と対向する板状のベース板48571と、そのベース板48571の背面側から円柱状に突設される支持部34579と、を備える。
ベース板48571は、第1経路部材48560の正面板48564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面板48564と遊技球の直径よりも離間する位置に設定される。また、ベース板48571は、正面視円形状に形成され、その円の中心線と支持部34579の中心線が同軸上に設定される。これにより、第2経路部材48570を支持部34579の中心線を軸として回転させた前後で、正面視におけるベース板48571の外形を同一にすることができる。
ベース板48571は、正面板48564側に突出する第4凸部48571bを備える。これにより、ベース板48571及び正面板48564の対向間を流下する遊技球を第4凸部48571bに衝突させて流下する方向を変更することができる。
第4凸部48571bは、正面視円環状に形成され、その中心線がベース板48571の中心線と同軸上に設定される。また、第4凸部48571bは、正面側(矢印F方向側)への突出寸法が不均一に設定される。
詳しく説明すると、図221(a)及び図221(b)に示すベース板48571の上方側(矢印U方向側)の半円弧部分を形成する領域の低凸部48571b2では所定の突出寸法(本実施形態では、1.5ミリ)に設定され、図221(a)及び図221(b)に示すベース板48571の下方側(矢印D方向側)の半円弧部分を形成する領域の高凸部48571b1では、低凸部48571b2の突出寸法よりも大きい突出寸法(本実施形態では、3ミリ)に設定される。
これにより、第2経路部材48570を支持部34579の中心を軸に回転変位させた前後で、第1経路部材48560を介して(透過して)遊技盤48013の正面視で視認される第4凸部48571bの形状を同一にすることができる。
また、上述したように、第1経路部材48560の正面板48564を介して認識される領域は、正面板48564の化粧面48564fの凹凸形状によりぼやかした状態で認識されるので、第2経路部材48570の正面側に突出する第4凸部48571bの突出寸法の違いを遊技者に認識させにくくすることができる。
これにより、遊技者が第4凸部48571bの高さの違いを認識することで、そのパチンコ機10(図1参照)の遊技状態が不利な状態と判断して、遊技者が遊技を行わなくなることを抑制できる。その結果、遊技をする前に遊技者が遊技しなくなることを抑制できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
支持部34579は、第2経路部材48570を軸支する部分であり、ベース板34060に円柱状に開口する貫通穴34060dに挿入される。また、支持部34579の外径と貫通穴34060dの内径とは、略同一の寸法に形成される。これにより、第2経路部材48570を支持部34579の中心を軸に回転(変位)させた前後で、ベース板34060に対する第2経路部材48570の位置がずれることが抑制される。これにより、第2経路部材48570の位置が変更されたことを第2経路部材48570の位置ずれで遊技者が認識することを抑制できる。その結果、遊技をする前に遊技者が遊技しなくなることを抑制できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
支持部34579は、上記第34実施形態と同様に、突設先端(矢印B方向側)の端面に正面側(矢印F方向側)に向かって凹設される締結孔34579a(図220(b)参照)を備える。締結孔34579aは、支持部34579の軸と同軸上に凹設されると共に、その内周面に雌ねじ加工がされる。これにより、ベース板34060の背面側(矢印B方向側)から貫通穴34060dに挿通される固定具34553のネジ部34553bを締結孔34579aに螺合させることができる。
以上のように構成される特別入賞装置48550によれば、特別入賞装置48550の下方から排出される遊技球の排出位置を変更する場合に、作業者は、遊技盤48013のベース板34060に形成される第1開口部60a(センターフレーム86)を介して遊技盤48013の正面側(矢印F方向側)から手(腕)をベース板34060の背面側(矢印B方向側)に挿通させて、固定具34553の操作部34553aにアクセスする。
次に、操作部34553aを回転させて、第2経路部材48570の締結孔34579aに螺合されるネジ部34553bを緩める。これにより、第2経路部材48570を支持部34579の軸を中心に回転変位可能な状態にして、第2経路部材48570を回転させて、第2経路部材48570の第4凸部48571bの位置を変更する。第4凸部48571bの位置が変更されると、特別入賞装置48550の内部を流下する遊技球が第4凸部48571bと衝突しやすい位置が変更されるので、特別入賞装置48550から排出される遊技球の排出位置を変更することができる。
この場合、上述したように、第2経路部材48570のベース板48571は、正面視円形状に形成され、その軸と同軸上に支持部48579が形成されるので、第2経路部材48570を回転させた場合に、正面視におけるベース板34060に対する第2経路部材48570の配置が変化することを抑制できる。よって、第2経路部材48570が回転されたことを遊技者が認識することを抑制できる。その結果、遊技者が不利と判断して遊技をしなくなることを抑制できる。
なお、図221(a)及び図221(b)に示すように、第4凸部48571bの高凸部48571b1が、低凸部48571b2に対して下方側(矢印D方向側)に配置される場合には、高凸部48571b1の正面視形状が上方(矢印U方向)が開口する半円弧形状に配置される。
よって、上方側(矢印U方向側)に高凸部48571b1の内周面側が位置する状態とされる。従って、正面板48564及びベース板48571の対向間に流入する遊技球は、高凸部48571b1の内周面側に当接しやすくなり、その内周面に沿って流下することで、ベース板48571の中心と左右方向略同一の位置に集められやすくされる。
上述したように、特別入賞装置48550は、背面側に配設される第2経路部材48570の左右方向における中心線が第1入賞口64の左右方向における中心線と正面視において同一直線上に配設されるので、ベース板48571の中心と左右方向略同一の位置から流下する遊技球は第1入賞口64に流入されやすくされる。即ち、遊技者にとって有利な遊技状態とされる。
一方、第2経路部材48570が図221(b)に示す位置から支持部34579の中心を軸に180度回転されて、第4凸部48571bの高凸部48571b1が、低凸部48571b2に対して上方側(矢印U方向側)に配置される場合には、高凸部48571b1の正面視形状が下方(矢印D方向)が開口する半円弧形状に配置される。
よって、上方側(矢印U方向側)に高凸部48571b1の外周面側が位置する状態とされる。従って、正面板48564及びベース板48571の対向間に流入する遊技球は、高凸部48571b1の外周面側に当接しやすくなり、その外周面に沿って流下することで、ベース板48571の左右両方向(矢印L−R方向)のどちらかを流下しやすくされる。
これにより、第4凸部48571bの高凸部48571b1が、低凸部48571b2に対して上方側(矢印U方向側)に配置される場合には、高凸部48571b1が、低凸部48571b2に対して下方側(矢印D方向側)に配置される場合に比べて、正面板48564及びベース板48571の対向間を流下する遊技球が第1入賞口64に流入しにくくされる。即ち、遊技者にとって不利な遊技状態とされる。
また、第2経路部材48570が図221(b)に示す位置から支持部34579の中心を軸に正面視に対して右回りに90度回転されて、第4凸部48571bの高凸部48571b1が低凸部48571b2に対して正面視左側(矢印L方向側)に配置される場合には、高凸部48571b1の正面視形状が正面視右側が開口された半円弧形状に配置される。
よって、正面視左側の上方側に高凸部48571b1の外周面側が位置する状態とされる。また、第1経路部材48560の正面板48564及び第2経路部材48570のベース板48571の対向間における遊技球の流下経路は、高凸部48571b1が配置される正面視左側の対向間の間隔が低凸部48571b2が配置される正面視右側の対向間の間隔よりも狭く設定される。
従って、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視左側から流入する遊技球は、高凸部48571b1の外周面側に当接しやすくなり、その外周面に沿って流下することで、ベース板48571の正面視左側(矢印L方向側)を流下しやすくされる。
一方、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視右側から流入する遊技球は、正面視左側から流入する遊技球に比べて第4凸部48571bに当接しにくくされる。これにより、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視右側から流入する遊技球は、左右方向(矢印L−R方向)の中間位置から正面視右側の領域を流下しやすくされる。その結果、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視右側から流入する遊技球は、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視左側から流入する遊技球に比べて、第1入賞口64に流入しやすくされる。
また、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視右側から流入して正面視左側の領域に向かって流下する遊技球は、高凸部48571b1の内周面側に当接しやすくされる。これにより、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視右側から流入して正面視左側の領域に向かって流下する遊技球は、高凸部48571b1の内周面に沿って流下することで、ベース板48571の左右方向(矢印L−R方向)の中央側を流下しやすくされる。その結果、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視右側から流入する遊技球は、正面板48564及びベース板48571の対向間の正面視左側から流入する遊技球に比べて、第1入賞口64に流入しやすくされる。
なお、第2経路部材48570が図221(b)に示す位置から支持部34579の中心を軸に正面視に対して左回りに90度回転されて、第4凸部48571bの高凸部48571b1が低凸部48571b2に対して正面視右側(矢印R方向側)に配置される場合には、第2経路部材48570が図221(b)に示す位置から支持部34579の中心を軸に正面視に対して右回りに90度回転される場合と左右で反対の向きとなるだけであるので、その詳しい説明は省略する。
以上のように、第48実施形態では、第1経路部材48560に対する第2経路部材48570の配置を変更して、正面板48564及びベース板48571の対向間が狭くされる位置を変更することができる。この正面板48564及びベース板48571の位置の変更により、上述したように正面板48564及びベース板48571の対向間(特別入賞装置48550)に流入する遊技球の流下しやすい方向を変更することができる。これにより、正面板48564及びベース板48571の対向間(特別入賞装置48550)に流入する遊技球を、第1入賞口64に流入させやすく、又は、第1入賞口64に流入させにくくして、遊技者に有利、又は、不利な状態を変更することができる。
この場合、上述したように、第2経路部材48570のベース板48571は、ベース板34060に対する配置、及び、正面板48564の化粧面48564fの凹凸形状により、遊技者に第2経路部材48570の配置を認識させにくくすることができる。従って、遊技者がパチンコ機10(図1参照)を遊技する前に、遊技状態が不利であると判断して遊技を行わなくなることを抑制できる。その結果、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、第49実施形態では、第2経路部材48570に、第4凸部48571bを形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第4凸部48571bを第1経路部材48560の背面側に形成して、第1経路部材48560を回転変位させてもよい。また、第4凸部48571bが正面視円環形状に形成される場合について説明したが、第4凸部48571bの形状は、第2経路部材48570が回転変位された前後の正面視における形状が同一の形状となる形状であれば良く、例えば、三角形状や四角形状の多角形に形成してもよい。
次いで、図222から図224を参照して第49実施形態における特別入賞装置49550について説明する。上記第35実施形態では、特別入賞装置35550の正面側に配設される第1経路部材35560が非光透過性の材料から形成され、第1経路部材35560の背面側に配設される第2経路部材35570が遊技者から視認不能とされる場合について説明したが、第49実施形態における第1経路部材49560は、その一部が光透過性の樹脂材料から形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図222及び図223を参照して第49実施形態における特別入賞装置49550について説明する。図222(a)は、第49実施形態における遊技盤49013の正面図であり、図222(b)は、図222(a)のCCXXIIb−CCXXIIb線における遊技盤49013の断面図である。図223は、特別入賞装置49550の分解斜視図である。
図222及び図223に示すように、第49実施形態における特別入賞装置49550は、遊技盤49013に配設される第1入賞口64の上方側(矢印U方向側)に配設される。また、特別入賞装置49550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材49560の左右方向における中心線が第1入賞口64の左右方向における中心線と正面視において同一直線上に配設される。
さらに、特別入賞装置49550と第1入賞口64とは、重力方向(矢印U−D方向)に遊技球の直径分離れた位置に配設される。これにより、特別入賞装置49550から排出される遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
特別入賞装置49550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材49560と、その第1経路部材49560の背面側(矢印F方向側)に配設される第2経路部材49570と、その第2経路部材49570の背面側に螺合される固定具34553と、を備える。
第1経路部材49560は、後述する第2経路部材49570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる部材であり、その一部(後述する正面板49564)が光透過性の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置49550の内部を流下する遊技球を視認させて、遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。
また、第1経路部材49560は、遊技領域の正面側(矢印F方向側)に配設される板状の正面板49564と、その正面板49564の左右の端部から背面側(矢印B方向側)に立設される第1壁部49565と、を備える。なお、第1経路部材49560は、正面板49564が光透過性の材料から形成され、第1壁部49565が非光透過性の材料から形成される。これにより、正面板49564を透過して背面側の第2経路部材49570を遊技者側から視認可能としつつ、第1壁部49565の光非透過部分を利用して第2経路部材49570を遊技者側から視認不能とすることができる。
正面板49564は、後述する第2経路部材49570との対向間で形成される遊技球の流下方向の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、後述する第2経路部材49570のベース板49571と遊技球の直径よりも離間する位置に設定される。
また、正面板49564は、正面(矢印F方向側の面)に複数の凹凸からなる化粧面49564f(図222(b)参照)を備える。これにより、化粧面49564f(正面板49564)を介して遊技者側に出射される光をそれら凹凸により乱反射させることができる。従って、化粧面49564f(正面板49564)を介して遊技者が遊技盤49013を視認する領域をぼやかすことができる。
さらに、正面板49564は、正面視における重力方向(矢印U−D方向)の幅寸法が、第2経路部材49570の重力方向における幅寸法よりも大きく設定され、重力方向において第2経路部材49570の正面側を覆設する位置に配置される。これにより、正面板49564を介した(透過した)状態で第2経路部材49570を遊技者に視認させることができる。従って、上述したように、正面板49564を介して視認させる領域を化粧面49564fの凹凸によりぼやかすことができるので、第2経路部材49570をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。
第1壁部49565は、遊技盤49013のベース板35060に締結される部分であり、水平方向における断面が略L字状に形成される第1壁部49565の背面側(矢印B方向側)への立設寸法は、正面板49564と後述するベース板49571の第4凸部49571bとの対向間寸法X4(図222(b)参照)が遊技球の直径よりも若干大きい値に設定される。
また、第1壁部49565は、立設先端部からベース板35060の正面と平行な方向に屈曲される屈曲部49565gを有し、その屈曲部49565gに前後方向(矢印F−B方向)に貫通する貫通孔49565g1と、屈曲部49565gの背面から正面側(矢印F方向側)に向かって凹設される凹設部49565g2と、その凹設部49565g2の正面側であって屈曲部49565gの正面側(矢印F方向側)に向かって膨出する膨出部49565g3と、が形成される。
貫通孔49565g1は、ネジが挿通される孔であり、貫通孔49565g1に挿通したネジをベース板35060に螺合することで、第1経路部材49560をベース板35060に締結できる。
凹設部49565g2は、後述する第2経路部材49570のベース板49571の左右(矢印L−R方向)の両端を内側に収容する部分であり、屈曲部49565gの基端から凹設されると共に、屈曲部49565gの上下方向(矢印U−D方向)中央部に凹設される。
また、凹設部49565g2の上下方向(矢印U−D方向)における幅寸法は、第1経路部材49560の背面側に配設される第2経路部材49570の上下方向における幅寸法よりも大きく形成される。さらに、凹設部49565g2の正面側への凹設寸法は、後述する第2経路部材49570のベース板49571の板厚よりも大きく設定される。また、左右方向(矢印L−R方向)の両側に形成される2箇所の屈曲部49565gのそれぞれに凹設される2箇所の凹設部49565g2の左右方向における幅寸法は、第2経路部材49570の左右方向における幅寸法よりも十分に大きく設定される。
これにより、第1経路部材49560の背面側に第2経路部材49570を配設する場合に、第2経路部材49570を凹設部49565g2により形成される凹設空間に収容することで、第1経路部材49560とベース板35060との対向間に第2経路部材49570が挟持されることを抑制できる。
膨出部49565g3は、後述する第2経路部材49570の第4凸部49571bを収容する部分であり、凹設部49565g2の凹設底面の一部を正面側に膨出して形成され、その膨出した内部空間に第4凸部49571bを収容できる。即ち、膨出部49565g3は、正面側への膨出寸法が、第4凸部49571bの正面側への突出寸法よりも大きく設定される。
また、膨出部49565g3は、屈曲部49565gの基端側から左右方向(矢印L−R方向)の外側に延設され、左右両側の膨出部49565g3の重力方向における位置が同一高さに設定される。さらに、その2箇所の膨出部49565g3の内部空間における左右方向の幅寸法X16(図222(b)参照)は、第4凸部49571bの左右方向における寸法X17(図222(b)参照)よりも大きく設定される。
第2経路部材49570は、第1経路部材49560の正面板49564と対向する板状のベース板49571と、そのベース板49571の背面側(矢印B方向側)から背面視矩形状に突設される支持部35579と、を備える。
ベース板49571は、第1経路部材49560の正面板49564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面板49564と所定量離間する位置に形成される。また、ベース板49571は、正面板49564側(矢印F方向側)に突出する第4凸部49571bを備える。これにより、ベース板49571及び正面板49564の対向間を流下する遊技球を第4凸部49571bに衝突させて流下する方向を変更することができる。
また、第2経路部材49570は、第35実施形態における第2経路部材34570と同様に、支持部35579に螺合される固定具34553を緩めることで、支持部35579をベース板35060に形成される摺動孔35060e(図222(b)参照)の内側に沿って摺動させることができる。これにより、ベース板35060に対する第4凸部49571bの配置を変更して、ベース板49571及び正面板49564の対向間を流下する遊技球の流下方向を変更(調整)することができる。
第4凸部49571bは、正面視において左右方向(矢印L−R方向)に延設して形成される。また、第4凸部49571bは、正面側(矢印F方向側)への突出寸法が不均一に設定される。
詳しく説明すると、第4凸部49571bは、左右方向における中間部分を形成する低凸部49571b2では、所定の突出寸法(本実施形態では1.5ミリ)に設定され、高凸部49571b1の左右の両側部分を形成する高凸部49571b1では、低凸部49571b2の突出寸法よりも大きい突出寸法(本実施形態では、3ミリ)に設定される。
なお、低凸部49571b2と高凸部49571b1との連結部分は、図222(b)に示すように低凸部49571b2の突設先端部分から高凸部49571b1の突設先端部分に向かって傾斜して形成される。これにより、ベース板49571及び正面板49564の対向間を流下する遊技球が低凸部49571b2と高凸部49571b1との連結部分に当接する場合に、その遊技球を第4凸部49571bに沿って流下させることができる。その結果、ベース板49571及び正面板49564の対向間を流下する遊技球を低凸部49571b2の正面側に集めやすくすることができる。
また、第4凸部49571bの低凸部49571b2の左右方向における延設寸法X18(図222(b)参照)は、第4凸部49571bが左右方向における略中間位置に配置される場合の左右方向への最大の変位可能な移動可能量X19(図222(b)参照)よりも小さく設定される。
これにより、第2経路部材49570の配置を移動させて、第2経路部材49570の左右方向における中央位置を第1入賞口64の左右方向における中央位置に対して異なる位置に移動させた場合に、第1入賞口64の上方に低凸部49571b2及び高凸部49571b1の連結部分(傾斜部分)を配置させやすくできる。これにより、第1入賞口64の重力方向上方からベース板49571及び正面板49564の対向間に流入する遊技球を低凸部49571b2及び高凸部49571b1の連結部分に当接させて、第1入賞口に流入させにくくすることができる。
さらに、延設寸法X18は、特別入賞装置49550の下方に配設される第1入賞口64の左右方向(矢印L−R方向)における開口幅よりも小さく設定される。これにより、低凸部49571b2が第1入賞口64の上方に配置される場合には、低凸部49571b2の正面側に集められた遊技球を第1入賞口64に流入させやすくすることができる。
以上のように構成される特別入賞装置49550によれば、特別入賞装置49550の下方から排出される遊技球の排出位置を変更する場合に、作業者は、遊技盤49013のベース板49060に形成される第1開口部60a(センターフレーム86)を介して遊技盤49013の正面側(矢印F方向側)から手(腕)をベース板35060の背面側(矢印B方向側)に挿通させて、固定具34553の操作部34553aにアクセスする。
次に、操作部34553aを回転させて、第2経路部材49570の締結孔34579aに螺合されるネジ部34553bを緩める。これにより、第2経路部材49570の支持部35579を貫通穴34060dの内周面に沿って移動させることができる。第2経路部材49570を所定の位置に移動させると、第4凸部49571bの位置も同様に変更される。よって、上述したように、第1入賞口64の上方であって、ベース板49571及び正面板49564の対向間から流入する遊技球を低凸部49571b2及び高凸部49571b1の連結部分に当接させる又は、当接させにくくすることで、その遊技球を第1入賞口64に流入させやすい又は、流入させにくい状態とすることができる。
次いで、図224を参照して、第49実施形態における特別入賞装置49550の第4凸部49571b(第2経路部材49570)の位置を変化させた場合の遊技球の排出位置の変化について説明する。図224(a)から図224(c)は、図222(b)のCCXXIV−CCXXIV線における遊技盤49013の断面図である。なお、図224(a)から図224(c)では、図224(b)における第2経路部材49570の位置を基準位置として、図224(a)では、第2経路部材49570が基準位置から正面視左側に変位された状態が図示され、図224(c)では、第2経路部材49570が基準位置から正面視右側(矢印R方向側)に変位された状態が図示される。
初めに、図224(b)に示すように、第4凸部49571bの低凸部49571b2の左右方向(矢印L−R方向)における略中央部分が第1入賞口64の上方に配置される場合には、低凸部49571b2及び高凸部49571b1の連結部分が第1入賞口64の左右方向両外側に配置される。
従って、第1入賞口64の重力方向上側からベース板49571及び正面板49564の対向間に流入する遊技球は、低凸部49571b2及び正面板49564の対向間を通過して第1入賞口64に流入しやすくされる。即ち、遊技者にとって有利な遊技状態とされる。
一方、第1入賞口64の左右方向の両外側の重力方向上側からベース板49571及び正面板49564の対向間に流入する遊技球は、低凸部49571b2及び高凸部49571b1の連結部分に当接して、第1入賞口64の重力方向上側に案内されやすくされる。よって、第1入賞口64の左右方向の両外側の重力方向上側からベース板49571及び正面板49564の対向間に流入する遊技球は、第1入賞口64に流入しやすくされる。
従って、第4凸部49571bの低凸部49571b2の左右方向(矢印L−R方向)における略中央部分が第1入賞口64の重力方向上側に配置される場合には、ベース板49571及び正面板49564の対向間に流入する遊技球を、第1入賞口64の重力方向上側から排出しやすくして、第1入賞口64に流入しやすくできる。
次に、図224(a)に示すように、第4凸部49571bの低凸部49571b2の左右方向(矢印L−R方向)における略中央部分が第1入賞口64に対して正面視左側に移動された場合には、低凸部49571b2の正面視右側における高凸部49571b1との連結部分が、第1入賞口64の重力方向上側に配置される。
従って、第1入賞口64の重力方向上側(矢印U方向側)からベース板49571及び正面板49564の対向間に流入する遊技球は、低凸部49571b2及び高凸部49571b1の正面視右側の連結部分に当接して、第1入賞口64の左側を流下しやすくされる。
また、低凸部49571b2の重力方向上側からベース板49571及び正面板49564の対向間に流入する遊技球は、低凸部49571b2及び正面板49564の対向間を通過して第1入賞口64の左側を流下する。
従って、第4凸部49571bの低凸部49571b2の左右方向(矢印L−R)方向における略中央部分が第1入賞口64の左側に配置される場合には、低凸部49571b2の略中央部分が第1入賞口64の重力方向上側に配置される場合に比べて、ベース板49571及び正面板49564の対向間から排出される遊技球を第1入賞口64に流入しにくくすることができる。即ち、遊技者にとって不利な遊技状態とすることができる。
なお、図224(c)に示すように、第4凸部49571bの低凸部49571b2の左右方向(矢印L−R方向)における略中央部分が第1入賞口64に対して正面視右側に移動された場合は、第4凸部49571bの低凸部49571b2の左右方向(矢印L−R方向)における略中央部分が第1入賞口64に対して正面視左側に移動された場合と球の移動方向が正面視において左右で反対となるのみであるので、その詳しい説明は省略する。
以上のように、第49実施形態では、第1経路部材49560に対する第2経路部材49570の配置を変更して、正面板49564及びベース板49571の対向間の間隔が狭くされる位置を変更することができる。この正面板49564及びベース板49571の位置の変更により、上述したように正面板49564及びベース板49571の対向間(特別入賞装置49550)に流入する遊技球の流下しやすい方向を変更することができる。これにより、正面板49564及びベース板49571の対向間(特別入賞装置49550)に流入する遊技球を、第1入賞口64に流入させやすく、又は、第1入賞口64に流入させにくくして、遊技者に有利、又は、不利な状態を形成することができる。
この場合、上述したように、第2経路部材49570のベース板49571は、正面板49564を介して視認される領域、及び、正面板49564の化粧面49564fの凹凸により、遊技者に第2経路部材49570の配置を認識させにくくすることができる。従って、遊技者がパチンコ機10(図1参照)を遊技する前に、遊技状態が不利であると判断して遊技を行わなくなることを抑制できる。その結果、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次いで、図225及び図226を参照して、第50実施形態における特別入賞装置50550について説明する。上記第13実施形態では、特別入賞装置13550の正面側に配設される第1経路部材13560が光透過部材から形成され、第1経路部材13560の背面側を流下する遊技球を正面側から視認可能とする場合について説明したが、第50実施形態では、第1経路部材50560の正面板50564に開口部50564gが形成され、その開口部50564gを介して背面側を流下する遊技球が視認可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図225及び図226を参照して第50実施形態における特別入賞装置50550について説明する。図225(a)は、第50実施形態における特別入賞装置50550の正面図であり、図225(b)は、図225(a)のCCXXVb−CCXXVb線における特別入賞装置50550の断面図である。図226(a)は、特別入賞装置50550の分解斜視正面図であり、図226(b)は、特別入賞装置50550の分解斜視背面図である。
なお、図226(b)では、後述する正面板50564の開口部50564gを通じて特別入賞装置50550の内側を視認する際の、最上部からの視線に視線SS1の符号を付して2点鎖線で図示され、最下部から視線に視線SS2の符号を付して2点鎖線で図示される。
図225及び図226に示すように、第50実施形態における特別入賞装置50550は、正面側に配設される第1経路部材50560と、その第1経路部材50560の背面側に配設される第2経路部材50570と、を備える。
なお、第50実施形態は、第13実施形態における特別入賞装置13550と同様に、特別入賞装置50550の正面視左側(矢印L方向側)の下方(矢印D方向)に第1入賞口64(図2参照)が配設される。従って、特別入賞装置50550の正面視左側から排出される遊技球の数が、正面視右側(矢印R方向側)に比べて多い程、遊技者にとっての遊技状態が有利に設定される。
第1経路部材50560は、遊技盤13(図2参照)の遊技領域の正面側に沿った板状に形成される正面板50564と、その正面板50564の左右の端部から背面側(ベース板60側(図11参照))に向かって突設される第1壁部13565と、を主に備える。
正面板50564は、後述する第2経路部材50570との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、非光透過部材から形成される。これにより、正面板50564を介して背面側を流下する遊技球を視認不能とすることができる。また、正面板50564は、正面側から第2経路部材50570側に向かって開口する複数の開口部50564gと、正面板50564の左右方向(矢印L−R方向)略中間位置から第2経路部材50570側に向かって突設される第3凸部13564dと、を備える。
複数の開口部50564gは、正面視における第1経路部材50560の左右方向(矢印L−R方向)に亘って開口形成されると共に、重力方向に隣り合う開口部50564gと所定の間隔を隔てて複数個(本実施形態では、7個)重力方向に並設される。
また、開口部50564gは、重力方向に隣り合う開口部50564gとの間の距離寸法Y10(図225(a)参照)は遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、第1経路部材50560の正面板50564及び第2経路部材50570のベース板50571の対向間を流下する遊技球を、正面視において常に少なくとも1箇所の開口部50564gから視認可能にすることができる。
ここで、上述したように、特別入賞装置50550は、第1入賞口64の上方に配設されるので、重力方向(矢印U−D方向)において第1入賞口64(図2参照)とセンターフレーム86(図2参照)との間に配置される。従って、特別入賞装置50550は、遊技盤13の重力方向(矢印U−D方向)の中間位置(センターフレーム86)よりも下方に配置される。
上述したように、通常の遊技状態における遊技者の視点は、遊技盤13の重力方向略中間位置に設定される。従って、遊技盤13の重力方向略中間位置よりも下方に配設される特別入賞装置50550は、正面側から見下ろした状態で遊技者に視認される。
これに対し、第50実施形態における開口部50564gによれば、隣り合う開口部50564gの寸法Y10が、特別入賞装置50550を上方から視認した場合にも、少なくとも1箇所の開口部50564gから、特別入賞装置50550の内側を流下する遊技球を視認可能な寸法に設定される。
詳しく説明すると、正面板50564の板厚T3(図226(b)参照)に対して、重力方向(矢印U−D方向)における開口幅Y11(図226(b)参照)が設定される。また、開口部50564gの正面側における上方端部から背面側の下方端部を視認する際の傾斜角度を角度θ7(図226(b)参照)とすると、各寸法との間で(Y10×Y11)/(T3×sInθ7)<(遊技球の直径)が設定される。これにより、開口部50564gを介して特別入賞装置50550を視認した場合にどの位置からでも遊技球を視認することができる。
第2経路部材50570は、第1経路部材50560の正面板50564と対向する板状のベース板50571と、そのベース板50571の左右(矢印L−R方向)の端部から第1経路部材50560の正面板50564側に突設される第4壁部13573と、を備える。
ベース板50571は、第1経路部材50560の正面板50564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面視における外形が正面板50564の外形よりも小さく形成される。これにより、ベース板50571の正面側を正面板50564で覆うことができるので、遊技者側からベース板50571を視認しにくくすることができる。
また、ベース板50571は、第1経路部材50560側(矢印F方向側)に突出する複数(本実施形態では2箇所)の第4凸部50571bと、それら第4凸部50571bの下方に位置し正面板50564側に突設される第6凸部13571dと、を主に備える。
複数の第4凸部50571bは、特別入賞装置50550の内側を流下する遊技球を案内するための突起であり、ベース板50571の左右方向(矢印L−R方向)に亘って延設される。従って、正面板50564とベース板50571との間にシム部材SI(図2226(a)及び図226(b)参照)が挟まれて、正面板50564の背面に対してベース板50571の正面が傾斜された場合に、第4凸部50571bに当接する遊技球を正面板50564とベース板50571との前後方向(矢印F−B方向)における対向間が大きくされる側に案内することができる。
また、第4凸部50571bは、重力方向(矢印U−D方向)において、その重力方向に所定の間隔を隔てて並設され、隣り合う開口部50564gの間に形成される。これにより、正面板50564の正面に対して面直の方向から特別入賞装置50550を視認する場合に、開口部50564gを介して第4凸部50571bが視認されることを抑制できる。従って、遊技者が第4凸部50571bと正面板50564との対向間の間隔を認識して、パチンコ機10(図1参照)で遊技を行う前に、遊技状態が不利であると認識して遊技を行わなくなることを抑制できる。その結果、パチンコ機10の稼働率を向上できる。
さらに、第4凸部50571bは、隣り合う2箇所の開口部50564gのうちの重力方向上側に形成される開口部50564gの最上部からの視線SS1よりも下方であって、隣り合う2箇所の開口部50564gのうちの重力方向下側に形成される開口部50564gの最下部からの視線SS2よりも上方に形成される。これにより、正面側から開口部50564gを介して特別入賞装置50550の内側を視認する際に、第2経路部材50570に形成される第4凸部50571bを視認しにくくすることができる。従って、遊技者が第4凸部50571bと正面板50564との対向間の間隔を認識して、パチンコ機10(図1参照)で遊技を行う前に、遊技状態が不利であると認識して遊技を行わなくなることを抑制できる。その結果、パチンコ機10の稼働率を向上できる。
また、第4凸部50571bと同様に、ベース板50571の重力方向上端部は、隣り合う2箇所の開口部50564gのうちの重力方向上側に形成される開口部50564gの最上部からの視線SS1よりも下方であって、隣り合う2箇所の開口部50564gのうちの重力方向下側に形成される開口部50564gの最下部からの視線SS2よりも上方に形成される。これにより、正面側から開口部50564gを介して特別入賞装置50550の内側を視認する際に、ベース板50571の重力方向上端部を視認しにくくすることができる。従って、遊技者がベース板50571と正面板50564との対向間の間隔を認識して、パチンコ機10(図1参照)で遊技を行う前に、遊技状態が不利であると認識して遊技を行わなくなることを抑制できる。その結果、パチンコ機10の稼働率を向上できる。
なお、第50実施形態における第1経路部材50560の正面板50564及び第2経路部材50570のベース板50571の対向間の間隔の調整(移動)は、第13実施形態と同様に、シム部材SIを正面板50564とベース板50571との対向間に挟み込む位置で調整でき、その調整方法は、第13実施形態と同様であるので詳しい説明は省略する。
次いで、図227を参照して、第51実施形態における特別入賞装置51550について説明する。上記第50実施形態では、正面板50564に形成される開口部50564gが左右方向(矢印L−R方向)に形成される場合について説明したが、第51実施形態では、正面板51564に形成される開口部51564gが、重力方向(矢印U−D方向)に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図227を参照して第51実施形態における特別入賞装置51550について説明する。図227(a)は、第51実施形態における特別入賞装置51550の正面図であり、図227(b)は、図227(a)のCCXXVIIb−CCXXVIIb線における特別入賞装置51550の断面図である。
なお、図227(a)では、ベース板51571に形成される第4凸部51571bが鎖線で図示される。また、図227(b)では、正面板51564の開口部51564gを介して特別入賞装置51550の内側を視認する際の、正面視における左側端部からの視線に視線SS3の符号を付して2点差線で図示され、正面視における右側端部からの視線に視線SS4の符号を付して2点鎖線で図示される。
図227に示すように、第51実施形態における特別入賞装置51550は、正面側に配設される第1経路部材51560と、その第1経路部材51560の背面側に配設される第2経路部材51570と、を備える。
なお、第51実施形態は、第50実施形態における特別入賞装置50550と同様に、特別入賞装置51550の正面視左側(矢印L方向側)の下方(矢印D方向)に第1入賞口64(図2)が配設される。従って、特別入賞装置51550の正面視左側から排出される遊技球の数が、正面視右側(矢印R方向側)に比べて多い程、遊技者にとっての遊技状態が有利に設定される。
第1経路部材51560は、遊技盤13(図2参照)の遊技領域の正面側に沿った板状に形成される正面板51564と、その正面板51564の左右の端部から背面側(ベース板60側(図11参照)に向かって突設される第1壁部13565と、を主に備える。
正面板51564は、後述する第2経路部材51537との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、非光透過部材から形成される。これにより、正面板51564を介して背面側を流下する遊技球を視認不能とすることができる。また、正面板51564は、正面側から第2経路部材51570側に向かって開口する複数の開口部51564gと、正面板51564の左右方向(矢印L−R方向)略中間位置から第2経路部材51570側に向かって突設される第3凸部13564dとを備える。
複数の開口部51564gは、正面視における第1経路部材51560の重力方向(矢印U−D方向)に長い長孔形状に開口されると共に、隣り合う開口部51564gと所定の間隔を隔てて複数個(本実施形態では、6個)左右方向(矢印L−R方向)に並設される。
また、開口部51564gは、左右方向(矢印L−R方向)に隣り合う開口部51564gとの間の距離寸法X20は遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、第1経路部材51560の正面板51564及び第2経路部材51570のベース板51571の対向間を流下する遊技球を、正面視において少なくとも1箇所の開口部51564gから視認可能にすることができる。
なお、開口部51564gは、重力方向(矢印U−D方向)の端部から正面板51564の重力方向の端部までの距離Y12(図227(a)参照)が、遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、特別入賞装置51550に流入した遊技球が正面板51564により視認できなくなることを抑制できる。その結果、遊技者が特別入賞装置51550に流入した遊技球を見失うことを抑制できる。
ここで、上述したように、特別入賞装置51550は、第1入賞口64(図2参照)の上方に配設されるので、正面視における遊技盤13(図2参照)の左右方向(矢印L−R方向)略中央位置に配設される。また、遊技者は、遊技盤13に対して正面側の左右方向のどちらからでも視認可能である。従って、単に隣り合う開口部51564gとの距離を遊技球の直径よりも小さく設定するのみでは、遊技者が正面板51564の正面に対して左右のずれた位置から開口部51564gを視認した場合に、特別入賞装置51550の内側を流下する遊技球を遊技者に認識させることができなくなる恐れがある。
これに対し、第51実施形態における開口部51564gによれば、隣り合う開口部51564gの寸法X20が、特別入賞装置51550を左右にずれた位置から視認した場合にも、少なくとも1箇所の開口部51564gから特別入賞装置51550の内側を流下する遊技球を視認可能な寸法に設定される。
詳しく説明すると、正面板51564の板厚T4(図227(b)参照)に対して、水平方向(矢印L−R方向)における開口幅X21(図227(b)参照)が設定される。また、開口部51564gの正面側における左右のうちの一方の端部から背面側における左右の内の他方の端部を視認する際の傾斜角度をθ8(図22708(b)参照)とすると、各寸法との間で、(X20×X21)/(T4×sInθ8)<(遊技球の直径)が設定される。これにより、開口部51564gを介して特別入賞装置51550を視認した場合にどの位置からでも1の遊技球を視認することができる。
第2経路部材51570は。第1経路部材51560の正面板51564と対向する板状のベース板51571と、そのベース板51571の左右(矢印L−R方向)の端部から第1経路部材51560の正面板51564側に突設される第4壁部13573と、を備える。
ベース板51571は、第1経路部材51560の正面板51564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面視における外形が正面板51564の外形よりも小さく形成される。これにより、ベース板51571の正面側を正面板51564で覆うことができるので、遊技者側からベース板51571を視認しにくくすることができる。
なお、ベース板51571は、開口部51564gの重力方向(矢印U−D方向)上端部から正面板51564の重力方向上端部の間の背面側に重力方向(矢印U−D方向)の上端部が設定される。これにより、ベース板51571の重力方向上端部を正面板51564で遊技者から視認しにくくすることができる。その結果、遊技者が正面板51564及びベース板51571の対向間の間隔を認識して、パチンコ機10(図1参照)を遊技する前に遊技状態が有利な状態か不利な状態かを認識することを抑制できる。
また、ベース板51571は、第1経路部材51560側(矢印F方向側)に突出する複数(本実施形態では9箇所)の第4凸部51571bと、その第4凸部45171bよりも下方側の正面から第1経路部材51560側に突出する第6凸部13571dと、を備える。
複数の第4凸部51571bは、特別入賞装置51550の内側を流下する遊技球を案内するための突起であり、ベース板51571の正面視における水平方向(矢印L−R方向)に亘って分割して形成される。従って、正面板51564とベース板51571との間にシム部材SI(図157(a)参照)が挟まれて、正面板51564の背面に対してベース板51571の正面が傾斜された場合に、第4凸部51571bに当接する遊技球を正面板51564とベース板51571との前後方向(矢印F−B方向)における対向間が大きくされる側に案内することができる。
また、左右方向(矢印L−R方向)に分割された第4凸部51571bは、左右方向の一方の端部から他方の端部に向かって突設位置が重力方向下方に設定される。これにより、一方側から他方側に遊技球が案内される場合に、一方側の第4凸部51571bから他方側の第4凸部の上端部に遊技球を案内しやすくできる。その結果、第4凸部51571bにより遊技球を案内しやすくできる。なお、第4凸部51571bは、正面視において、略X字状に分割して形成されており、一方側から他方側に下方傾斜する複数の第4凸部51571bと、他方側から一方側に下方傾斜する複数の第4凸部51571bと、で左右方向の両方向のどちらにも遊技球を案内しやすくできる。
第4凸部51571bは、正面視における水平方向(矢印L−R)方向において、その重力方向に所定の間隔を隔てて並設され、隣り合う開口部51564gの間に形成される。これにより、正面板51564の正面に対して面直の方向から特別入賞装置51550を視認する場合に、開口部51564gを介して第4凸部51571bが視認されることを抑制できる。その結果、パチンコ機10の稼働率を向上できる。
さらに、第4凸部51571bは、隣り合う2箇所の開口部51564gのうちの左右方向(矢印L−R方向)左側に形成される開口部51564gの左側端部からの視線SS3よりも右側(矢印R方向側)であって、隣り合う2箇所の開口部51564gのうちの左右方向右側に形成される開口部51564gの右側端部からの視線SS3よりも左側(矢印L方向側)に形成される。
これにより、特別入賞装置51550の正面側から開口部51564gを介して特別入賞装置51550の内側を視認する際に、第2経路部材51570形成される第4凸部51571bを視認しにくくすることができる。従って、遊技者が第4凸部51571bと正面板51564との対向間の間隔を認識して、パチンコ機10(図1参照)で遊技を行う前に遊技状態が不利であると認識して遊技を行わなくなることを抑制できる。その結果、パチンコ機10の稼働率を向上できる。
なお、第51実施形態における第1経路部材51560の正面板51564及び第2経路部材51570のベース板51571の対向間の間隔の調整(移動)は、第13実施形態と同様に、シム部材SIを正面板51564とベース板51571との対向間に挟み込む位置で調整でき、その調整方法は、第13実施形態と同様であるのでその詳しい説明は省略する。
次いで、図228及び図229を参照して、第52実施形態における特別入賞装置52550の第1ユニット52551について説明する。上記第1実施形態では、第1ユニット551の湾曲経路WK1に第2凹部571I及び第2凸部564cが形成される場合について説明したが、第52実施形態における第1ユニット52551の湾曲経路WK1には、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cが形成される。
初めに、図228及び図229を参照して、第52実施形態における第1ユニット52551の構成について説明する。図228は、第52実施形態における第1ユニット52551の断面図である。図229(a)は、図228のCCXXIXa−CCXXIXa線における第1ユニット52551の断面図であり、図229(b)は、図228のCCXXIXb−CCXXIXb線における第1ユニット52551の断面図である。なお、図228は、図25(a)における第1ユニット551の断面図に対応する。
図228及び図229に示すように、第52実施形態における第1ユニット52551は、上記第1実施形態における第1ユニット551と同様に、その内部を遊技球が流下可能な空間(経路)を備え、センターフレーム86(図2参照)に配設される。
また、第1ユニット52551は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材52560と、その第1経路部材52560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材52570と、その第2経路部材52570の背面に配設される第3経路部材580(図19参照)と、を主に備えて形成される。
第1経路部材52560は、遊技盤13(図2参照)の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板52564と、上方側(矢印U方向側)が開放する断面略U字状に形成され、正面板52564の上方端部から背面側に突設される第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563(図21参照)と、その第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563の下側(矢印D方向側)に連なって形成されると共に、正面板564の一部の端部に沿って延設される第1壁部565と、その第1壁部565の下方に形成され、所定の間隔を隔てた2箇所から突設される2組の第2壁部566及び第3壁部567(図21参照)と、を主に備える。
正面板52564は、後述する第2経路部材52570又は第3経路部材580(図19参照)との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、光透過部材から形成される。これにより、遊技者は、第1ユニット52551の内部を流下する遊技球を正面板52564を介して(通して)視認することができる。
また、正面板52564は、第2経路部材52570側(矢印B方向側)に突設される案内部564a(図20参照)を備え、その案内部564aにより正面板52564の背面に遊技球の当接により傷が形成されることや遊技球の汚れが付着することを抑制して、第1ユニット52551の内部を流下する遊技球を遊技者に視認させやすい状態を維持できる。
第2経路部材52570は、第1経路部材52560の正面板52564と対向する板状のベース板52571と、そのベース板52571の正面から第1経路部材52560側に突設される第4壁部573と、その第4壁部573から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第5壁部574(図21参照)と、その第5壁部574から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第6壁部575(図21参照)と、を主に備えて形成される。
ベース板52571は、第1経路部材52560の正面板52564と遊技球の直径よりも離間する位置に配設される。これにより、正面板52564とベース板52571との間に遊技球を流下させることができる。
第1経路部材52560及び第2経路部材52570の対向間により形成される遊技球の流下経路は、上記第1実施形態と同様に、主経路SK1から主経路SK6と湾曲経路WK1と副経路HK1から副経路HK3とを主に備える。それら流下経路を遊技球は、主経路SK1、主経路SK2、湾曲経路WK1、主経路SK3、主経路SK4、主経路SK5、主経路SK6の順に流下する。又は、主経路SK1〜SK6を流下する途中の主経路SK3から主経路SK3に連通する副経路HK1に流入されて副経路HK1を流下する。もしくは、主経路SK1〜主経路SK6を流下する途中の主経路SK5から主経路SK5に連通する副経路HK2又は副経路HK3のどちらかに流入されて副経路HK2又は副経路HK3のどちらかを流下する。
第52実施形態における主経路SK2,主経路SK3及び湾曲経路WK1には、第2経路部材52570のベース板52571に、正面側(矢印F方向側)に向かって突設される背面側第1凸部52571n及び背面側第2凸部52571pと、背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される第3凹部571jと、を備え、第1経路部材52560の正面板52564hに、背面側に向かって突設される第2凸部52564c及び第3凸部564dを備える。
なお、背面側第1凸部52571nは主経路SK2に、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは湾曲経路WK1に、第3凹部571j及び第3凸部564dは主経路SK3に形成される。
背面側第1凸部52571nは、主経路SK2の遊技球の転動方向において第1段部571kよりも下流側に形成されると共に、主経路SK2の遊技球の転動方向における下流側の第1段部571kの端部に上流側の端部が連続して形成される。
また、背面側第1凸部52571nは、主経路SK2の上流側のベース板52571の正面に対する傾斜角度が、第1段部571kのベース板52571の正面に対する傾斜角度と略同一に形成される。よって、主経路SK2を流下する遊技球が、第1段部571kに沿って流下した後に、その遊技球を背面側第1凸部52571nに沿って流下させることができる。これにより、正面板52564及びベース板52571の対向間の主経路SK2を流下する遊技球を正面板52564側(正面側)に案内することができる。
なお、背面側第1凸部52571nから正面板52564の対向間の隙間L24(図229(b)参照)は、遊技球の直径よりも大きい値に設定され、その対向間を遊技球が通過可能とされる。また、背面側第1凸部52571nの突設先端から主経路SK2の流下方向における転動終端までの距離寸法L25(図229(b)参照)は、遊技球の半径よりも小さい値に設定される。
これにより、主経路SK2の内側を背面側第1凸部52571nの突出側(正面板52564側(正面側))に案内される遊技球が背面側第1凸部52571nの基端側(ベース板52571側(背面側))に折り返す前に湾曲経路WK1に遊技球を送球できる。従って、湾曲経路WK1に流入する遊技球を正面板52564側に偏る位置にすることができる。
背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは、前後方向(矢印F−B方向)において対向する位置に形成される。また、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは、それら両者の対向位置における突設寸法が、略同一に設定される。これにより、湾曲経路WK1から主経路SK3に流入する遊技球を主経路SK3の前後方向における略中央位置に送球できる。
また、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは、正面視において湾曲経路WK1の送球方向に対して交差する方向に長い矩形状に形成され、正面視において主経路SK2との連通側から離間するにつれて重力方向上側(矢印U方向側)に傾斜する方向に長手方向が設定される。
詳しく説明すると、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは、正面視において主経路SK2(第4壁部573)を転動する遊技球の中心の転動軌跡に沿って直線状に描かれる仮想線IL3(図228参照)に対して、主経路SK2との連通側が仮想線IL3よりも重力方向下側(矢印D方向側)に形成されると共に、主経路SK2との連通側から離間する側が仮想線IL3よりも重力方向上側(矢印U方向側)に形成される。
さらに、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは、対向する方向(矢印F−B方向)への突設距離が、主経路SK2側との連通側から離間するにつれて大きく設定される。即ち、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cの対向間の間隔は、主経路SK2側に近い程大きく設定される。
これにより、主経路SK2から湾曲経路WK1に流入する遊技球の転動速度が比較的速い場合に、その遊技球を背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cの突出先端面に当接しやすくして遊技球が湾曲経路WK1内部であばれることを抑制できる。
また、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは、突出先端面にそれぞれ平坦な面に形成される背面側先端面52571p1及び正面側平坦面52564c1を備え、それら背面側先端面52571p1及び正面側平坦面52564c1が湾曲経路WK1の下流側に向かうにつれて突出基端側に向かって傾斜して形成される(図229(a)参照)。
これにより、背面側先端面52571p1及び正面側平坦面52564c1に衝突する遊技球の送球方向を湾曲経路WK1の流下方向に変更しやすくして、遊技球が湾曲経路WK1であばれる(揺れ動く)ことを抑制できる。その結果、主経路SK2から主経路SK3に遊技球をスムーズに流下させることができる。
また、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは、主経路SK2と湾曲経路WK1との連通側における両者の対向方向への突出寸法が背面側第1凸部52571nの突出寸法よりも小さく設定されると共に、それらの対向間の距離寸法が背面側第1凸部52571nから正面板52564の対向間の隙間L24よりも大きく設定される。
これにより、背面側第1凸部52571nにより正面板52564側(矢印F方向側)に案内された遊技球を第2凸部52564cに当接しやすくできる。よって、主経路SK2から湾曲経路WK1に送球される遊技球を第2凸部52564cの突出先端に沿って移動させやすくすることができるので、湾曲経路WK1では、主経路SK2の遊技球の送球方向に遊技球を流下させつつ、第2凸部52564cの突設先端に沿って遊技球を移動させることで、その遊技球を背面側先端面52571p1に当接させやすくできる。その結果、遊技球は、背面側先端面52571p1に沿って流下することで、湾曲経路WK1を通過する遊技球を主経路SK3と湾曲経路WK1との連通側に移動されやすくなり、湾曲経路WK1を遊技球が通過しやすくなる。
さらに、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cは、主経路SK2側(矢印L方向側の一部が、主経路SK2の転動面と同一の高さに設定される。これにより、背面側第2凸部52571p及び第2凸部52564cに当接して送球速度が低下する遊技球の一部を主経路SK2の送球方向の延長線上に位置させることができる。
従って、特別入賞装置52550の内部に遊技球が連続して入球して遊技球が連続して通過する場合には、先行する遊技球を背面側先端面52571p1及び正面側平坦面52564c1に当接させることで、先行する遊技球の流下速度を遅くして後行する遊技球を先行する遊技球に衝突(当接)させることができる。
これにより、後行する遊技球が衝突する力で先行する遊技球を背面側先端面52571p1及び正面側平坦面52564c1に沿って押し出しやすくでき、先行する遊技球を湾曲経路WK1の遊技球の流下方向(矢印D方向側)に流下しやすくできる。その結果、特別入賞装置52550を遊技球が連続した(連なった)状態で流下することを抑制でき、特別入賞装置52550を流下する遊技球を1球ずつ遊技者に視認させることができる。
また、上述したように、湾曲経路WK1の下流側に連通される主経路SK3には、副経路HK1が連通され、その副経路HK1と主経路SK3との連通部分に張出または退避する第1可変板583bにより、主経路SK3から副経路HK1に遊技球が流入可能か不能かが切り替えられる。第1可変板583bは、所定の遊技状態(例えば、大当たり後の確変状態)とされる場合に一定のタイミングで張出位置と退避位置とで変位される。
従って、特別入賞装置52550を流下する遊技球が連球しやすい場合には、その連球する遊技球が第1可変板583bの張出動作のタイミングで2球とも主経路SK3を流下する可能性が高くなる。よって、遊技者に遊技球が副経路HK1に流入しにくい印象を与えてしまい、遊技者の興趣を損なう恐れがある。
これに対し、特別入賞装置52550では、湾曲経路WK1に形成される第2凸部52564c及び背面側第2凸部52571pにより、連球する遊技球の連なりを解除して1球ずつ流下させることができるので、第1可変板583bの張出状態時にその第1可変板583b上を連続して遊技球が通過することを抑制できる。その結果、遊技者に遊技球が副経路HK1に入りにくい印象を与えにくくなり、遊技者の興趣を損なうことを抑制できる。
次いで、図230及び図231を参照して、第53実施形態における特別入賞装置53550の第1ユニット53551について説明する。上記第1実施形態では、第1ユニット551の主経路SK2の正面板564に第1凸部564bが形成され、ベース板571に第1凹部571hが形成される場合について説明したが、第53実施形態における第1ユニット53551の主経路SK2には、正面板53564に正面側第1凹部53564hが形成され、ベース板53571に背面側第1凸部53571nが形成される。
初めに、図230及び図231を参照して、第53実施形態における第1ユニット53551の構成について説明する。図230は、第53実施形態における第1ユニット53551の断面図である。図231(a)は、図230のCCXXXIa−CCXXXIa線における第1ユニット53551の断面模式図であり、図231(b)は、図230のCCXXXIb−CCXXXIb線における第1ユニット53551の断面模式図であり、図231(c)は、図230のCCXXXIc−CCXXXIc線における第1ユニットの断面模式図である。
なお、図230は、図25(a)における第1ユニット551の断面図に対応する。また、図231(a)及び図231(b)では、第1ユニット53551を流下する遊技球の流下方向が矢印で図示される。
図228及び図229に示すように、第53実施形態における第1ユニット53551は、上記第1実施形態における第1ユニット551と同様に、その内部を遊技球が流下可能な空間(経路)を備え、センターフレーム86(図2参照)に配設される。
また、第1ユニット53551は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材53560と、その第1経路部材53560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材53570と、その第2経路部材53570の背面に配設される第3経路部材580(図19参照)と、を主に備えて形成される。
第1経路部材53560は、遊技盤13(図2参照)の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板53564と、上方側(矢印U方向側)が開放する断面略U字状に形成され、正面板53564の上方端部から背面側に突設される第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563(図21参照)と、その第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563の下方側(矢印D方向側)に連なって形成されると共に、正面板53564の一部の端部に沿って延設される第1壁部565と、その第1壁部565の下方に形成され、所定の間隔を隔てた2箇所から突設される2組の第2壁部566及び第3壁部567(図21参照)と、を主に備える。
正面板53564は、後述する第2経路部材53570又は第3経路部材580(図19参照)との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、光透過部材から形成される。よって、遊技者は、第1ユニット53551の内部を流下する遊技球を正面板53564を介して(通じて)視認することができる。
また、正面板53564は、第2経路部材53570側(矢印B方向側)に突設される案内部564a(図20参照)を備え、その案内部564aにより正面板53564aの背面に遊技球の当接により傷が形成されることや、遊技球の汚れが付着することを抑制して、第1ユニット53551の内部を流下する遊技球を遊技者に視認させやすい状態を維持できる。
第2経路部材53570は、第1経路部材53560の正面板53564と対抗する板状のベース板53571と、そのベース板53571の正面から第1経路部材53560側に突設される第4壁部573と、その第4壁部573から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第5壁部574(図21参照)と、その第5壁部574から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第6壁部575(図21参照)と、を主に備えて形成される。
ベース板53571は、第1経路部材53560の正面板53564と遊技球の直径よりも離間する位置に配設される。これにより、正面板53564とベース板53571との間に遊技球を流下させることができる。
第1経路部材53560及び第2経路部材53570の対向間に形成される遊技球の流下経路は、上記第1実施形態と同様に、主経路SK1から主経路SK6と湾曲経路WK1と副経路HK1から副経路HK3とを主に備える。それら流下経路を遊技球は、主経路SK1、主経路SK2、湾曲経路WK1、主経路SK3、主経路SK4、主経路SK5、主経路SK6の順に流下する。又は、主経路SK1〜SK6を流下する途中の主経路SK3から主経路SK3に連通する副経路HK1に流入されて副経路HK1を流下する。もしくは、主経路SK1〜主経路SK6を流下する途中の主経路SK5から主経路SK5に連通する副経路HK2又は副経路HK3のどちらかに流入されて副経路HK2又は副経路HK3のどちらかを流下する。
第53実施形態における主経路SK2,主経路SK3及び湾曲経路WK1には、第2経路部材53570のベース板53571に、正面側(矢印F方向側)に向かって突設される背面側第1凸部53571nと、背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される第2凹部53571I及び第3凹部571jと、を備える。また、主経路SK2,主経路SK3及び湾曲経路WK1には、第1経路部材53560の正面板53564に、背面側に向かって突設される第2凸部564cと、正面側に向かって凹設される正面側第1凹部53564hと、を備える。
なお、背面側第1凸部53571n及び正面側第1凹部53564hは主経路SK2に、第2凹部53571I及び第2凸部564cは湾曲経路WK1に、第3凹部571jは主経路SK3に、それぞれ形成される。
背面側第1凸部53571nは、主経路SK2の遊技球の転動方向において第1段部571kよりも下流側に形成されると共に、主経路SK2の遊技球の転動方向における上流側の端部が主経路SK2の遊技球の転動方向における第1段部571kの下流側の端部に連続して形成される。
また、背面側第1凸部53571nは、ベース板53571の正面に対する主経路SK2の上流側における突出面の傾斜角度が、第1段部571kのベース板53571の正面に対する傾斜角度と略同一に形成される。よって、主経路SK2を流下する遊技球が第1段部571kに沿って流下した後に、その遊技球を背面側第1凸部53571nに沿って流下させることができる。これにより、正面板53564及びベース板53571の対向間の主経路SK2を流下する遊技球を正面板53564側(正面側)に案内することができる。
正面側第1凹部53564hは、背面側第1凸部53571nと前後方向(矢印F−B方向)に対向する位置に形成されると共に、正面側(矢印F方向側)に向かって略円弧状に凹設して形成される。また、正面側第1凹部は、正面視において水平方向に長い楕円形状に形成され、主経路SK2の上流側における遊技球の転動面(第4壁部573)から直交する方向の凹設底面までの高さ寸法Y8(図230参照)が遊技球の半径分に設定され、主経路SK2の下流側における遊技球の転動面から直交する方向の凹設底面までの高さ寸法Y9(図230参照)が遊技球の半径分よりも高く設定される。
これにより、主経路SK2を流下する遊技球を正面側第1凹部53564hに沿って送球する際に、重力方向上側(矢印U方向に)持ち上がる力を遊技球に作用させて、遊技球の転動速度を小さくすることができる。その結果、湾曲経路WK1に流入する遊技球の転動速度を十分に小さくすることができ、遊技球をスムーズに流下させやすくできる。
また、正面側第1凹部53564hは、主経路SK2の下流側における端部(矢印B方向側の端部が、主経路SK2の転動面(第4壁部573の上面)を超える寸法に設定される。これにより、正面側第1凹部53564hの凹設底面に沿って案内される遊技球を主経路SK2の転動面よりも高い位置から湾曲経路WK1に流入させることができる。
従って、正面側第1凹部53564hにより、上述したように遊技球の転動速度を遅くすることができると共に、重力方向に高い位置から遊技球を湾曲経路WK1に流入させることができるので、湾曲経路WK1に流入する遊技球の流下方向を湾曲経路WK1の送球方向(矢印U−D方向)に変更しやすくできる。その結果、主経路SK2から湾曲経路WK1への遊技球の流入を安定させやすくできる。
さらに、正面側第1凹部53564hは、主経路SK2の下流側における端部(矢印R方向側の端部)が、後述する第2凹部53571Iの少なくとも一部と重力方向(矢印U−D方向)に重なる位置に形成される。これにより、正面側第1凹部53564hの凹設底面に沿って案内される遊技球を主経路SK2の下流側に連通される湾曲経路WK1に形成される第2凹部53571Iに送球しやすくできる。
また、第2凹部53571Iの少なくとも一部と重力方向に重なる位置に形成されるので、主経路SK2(正面側第1凹部53564h)から湾曲経路WK1に送球される遊技球の送球方向を湾曲経路WK1の流下方向に近づけることができる。
従って、特別入賞装置53550の内部に遊技球が連続して通過する場合には、湾曲経路WK1の第2凹部53571I及び第2凸部564cにより先行する遊技球の流下速度を遅くして、先行する遊技球の送球方向に向けて後行する遊技球を衝突(当接)させることができる。これにより、先行する遊技球を後行する遊技球で押し出すことができ、先行する遊技球を、湾曲経路WK1の流下方向(矢印D方向)に流下しやすくできる。その結果、特別入賞装置53550を遊技球が連続して(連なった)状態で流下することを抑制でき、特別入賞装置53550を流下する遊技球を1球ずつ遊技者に視認させることができる。
また、上述したように、湾曲経路WK1の下流側に連通される主経路SK3には、副経路HK1が連通され、その副経路HK1と主経路SK3との連通部分に張出または退避する第1可変板583bにより、主経路SK3から副経路HK1に遊技球が流入可能か不能かが切り替えられる。第1可変板583bは、所定の遊技状態(例えば、大当たり後の確変状態)とされる場合に一定のタイミングで張出位置と退避位置とで変位される。
従って、特別入賞装置53550を流下する遊技球が連球しやすい場合には、その連球する遊技球が第1可変板583bの張出動作のタイミングで2球とも主経路SK3を流下する可能性が高くなる。よって、遊技者に遊技球が副経路HK1に流入しにくい印象を与えてしまい、遊技者の興趣を損なう恐れがある。
これに対し、特別入賞装置53550では、主経路SK2および湾曲経路に形成される背面側第1凸部53571n、正面側第1凹部53564h、第2凹部53571I及び第2凸部564cにより、連球する遊技球の連なりを解除して1球ずつ流下させることができるので、第1可変板583bの張出状態時にその第1可変板583b上を連続して遊技球が通過することを抑制できる。その結果、遊技者に遊技球が副経路HK1に入りにくい印象を与えにくくなり、遊技者の興趣を損なうことを抑制できる。
第2凹部53571Iは、湾曲経路WK1のベース板53571に背面側に向かって凹設される凹部として形成される。また、第2凹部53571Iは、正面視において楕円形状に形成され、その楕円の長手方向における上端が主経路SK2と湾曲経路WK1との連通側に配置されると共に、長手方向における下端が主経路SK3と湾曲経路WK1との連通側に配置される。これにより、主経路SK2から湾曲経路WK1に流入する遊技球を、第2凹部53571Iの内側に沿って流下させてスムーズに主経路SK3に案内しやすくできる。
また、第2凹部53571Iは、正面視における上方側端部が下方側端部よりも湾曲経路WK1と主経路SK2又は主経路SK3との接続側から水平方向(矢印L−R方向)に離間する位置に設定される。即ち、第2凹部53571Iは、その正面視における長手方向が重力方向に対して傾斜する状態で形成される。
さらに、第2凹部53571Iは、正面視における楕円の中心が、左右方向(矢印L−R方向)における第4壁部573の湾曲壁部545b側の端部から水平方向における湾曲壁部545bまで対向間の略中間位置に設定される。上述したように、第2凹部53571Iは、正面視における長手方向が重力方向に対して傾斜されるので、左右方向(矢印L−R方向)における第4壁部573の湾曲壁部545b側の端部から水平方向における湾曲壁部545bまで対向間の略中間位置の重力方向下側に、第2凹部53571Iの長手方向を重力方向に配置した際の右下部分を配置することができる。
これにより、湾曲経路WK1を通過する遊技球は、左右方向(矢印L−R方向)における第4壁部573の湾曲壁部545b側の端部から水平方向における湾曲壁部545bまで対向間の略中間位置を通過しやすいところ、その遊技球を第2凹部53571Iの右下部分に集中させることができる。
従って、湾曲経路WK1を通過する遊技球を湾曲経路の右下部分の凹設面に沿って遊技球を案内しやすくなり、湾曲経路WK1から抜け出る遊技球を主経路SK3の流下方向に送球することができる。その結果、湾曲経路WK1から主経路SK3に遊技球を安定して送球することができる。
また、第2凹部53571Iは、正面側第1凹部53564hと前後方向(矢印F−B方向)において、対向する内面にそれぞれ形成される(図231(a)参照)。上述したように、正面側第1凹部53564hは、正面側に向かって円弧状に凹設して形成されるので、遊技球が正面側第1凹部53564hから抜け出る場合には、遊技球が正面側第1凹部53564hの内面に沿って送球されることで、その遊技球を主経路SK2の送球方向に転動させると共に第2凹部53571I側に向かって送球することができる。これにより、主経路SK2から湾曲経路WK1に送球される遊技球を正面側第1凹部53564hの内側に受け入れやすくすることができる。
さらに、上述したように、第2凹部53571Iは、その正面視における長手方向が重力方向に対して傾斜して形成され、正面視における上端が主経路SK2の下流側端部から離間する位置に形成される。従って、主経路SK2の正面側第1凹部53564hから湾曲経路WK1までの正面視における遊技球の流下方向の離間距離が長くされる。
これにより、主経路SK2を所定以上の速度で流下することで、正面側第1凹部53564hの内側に送球されず主経路SK2の正面側を流下する遊技球を湾曲経路WK1の正面側に形成される第2凸部564cに当接させて背面側(ベース板53571側)に流下させることで、湾曲経路WK1の第2凹部53571Iの内側に遊技球を送球しやすくすることができる。
一方、主経路SK2を所定以下の速度で遊技球が転動する場合には、背面側第1凸部53571nにより遊技球が正面側(正面板53564側)に案内されて正面側第1凹部53564hの内側を流下する。これにより、正面側第1凹部53564hの内壁に沿って流下する遊技球は、湾曲経路WK1の第2凹部53571Iに向かって転動して第2凹部53571Iの内側を送球される。
従って、主経路SK2の流下速度に関わらず(正面側第1凹部53564hの内側を通過したかに関わらず)湾曲経路WK1を流下する遊技球を第2凹部53571Iの内側を通過させることができる。その結果、湾曲経路WK1から主経路SK3に送球される遊技球を第2凹部53571Iの内側に沿って流下させて、湾曲経路WK1から主経路SK3への遊技球の送球を安定させることができる。
第3凹部571jは、主経路SK3の内壁を構成するベース板53571に凹設して形成される凹部であり、正面視において水平方向(矢印L−R方向)に長い楕円形状に形成される。また、第3凹部571jは、段部571mにより正面側に突出された位置におけるベース板53571に形成される。
第3凹部571jの上下方向の中心における背面側(矢印B方向側)への凹設深さは、段部571mの正面側への高さ寸法L23(図231(b)参照)と、略同一に設定される。また、第3凹部571jは、主経路SK3の下流側における端部が段部571mの端部と略同一位置に設定される。これにより、第3凹部571jの内側を通過する遊技球が、第3凹部571jから抜け出る場合に、送球方向側の第3凹部571jの内面に遊技球が引っかかることを抑制できる。
なお、段部571mは、主経路SK3の背面側の内壁(ベース板53571の正面)から正面側(矢印F方向側)に突出され、主経路SK3の経路内における上流側に形成される。また、段部571mの突出面は、湾曲経路WK1の背面側と略同一の前後方向(矢印F−B方向)位置に設定される。従って、湾曲経路WK1から主経路SK3に遊技球を送球した際に、その遊技球を段部571mに引っかかることなく主経路SK3の下流側に流下させることができる。
一方、遊技球が主経路SK3を逆流する場合には、段部571mの突設部分に遊技球を当接させることができる。これにより、遊技球が主経路SK3を逆流することを抑制できる。
また、主経路SK3には、副経路HK1が連通され、その副経路HK1と主経路SK3との連通部分に張出し又は退避する第1可変板583bにより、主経路SK3から副経路HK1に遊技球が流入可能か不能かが切り替えられる。第1可変板583bは、所定の遊技状態(例えば、大当たり後の確変状態)とされる場合に一定のタイミングで張出位置と退避位置とで変位される。
従って、パチンコ機10(図1参照)が所定の遊技状態(例えば、大当たり中)とされ、第1可変板583bが退避位置から張出位置に変位されるタイミングで遊技球が副経路HK1に流入する場合に、その遊技球が第1可変板583bにより押し出されて主経路SK3を逆流する恐れがあるところ、主経路SK3に形成される段部571mが、第1可変板583bよりも主経路SK3の上流側に形成されるので、第1可変板583bの変位に伴う遊技球の逆流を抑制できる。
なお、第53実施形態では、主経路SK3の第3凹部571jと対向する内面(正面板53564の背面)が平坦面とされる。これにより、湾曲経路WK1から主経路SK3に送球される遊技球の送球が阻害されることを抑制しつつ、主経路SK3を通過する際に暴れる遊技球は第3凹部571jの内側に受け入れることで、その暴れを抑制することができる。
よって、主経路SK3を通過する遊技球が停滞して、遊技球が主経路SK3で連なることを抑制できる。その結果、パチンコ機10(図1参照)が所定の遊技状態とされ、第1可変板583bが所定のタイミングで張出位置と退避位置とで変位する場合に、張出位置とされる際に連続する遊技球が第1可変板583bの状部を通過することで遊技者に副経路HK1に遊技球が入りにくい印象を遊技者に与えることを抑制できる。
次いで、図232から図235を参照して第54実施形態における特別入賞装置54550の第1ユニット54551について説明する。上記第1実施形態では、第1ユニット551の主経路SK1に主経路SK2のみが連通される場合について説明したが、第54実施形態では、第1ユニット54551の主経路SK1に主経路SK2及び副経路HK6が連通される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図232及び図233を参照して、第54実施形態における第1ユニット54551の構成について説明する。図232は、第54実施形態における第1ユニット54551の分解斜視正面図である。図233は、第1ユニット54551の断面模式図である。なお、図233は、図22における第1ユニット551の断面模式図に対応する。
図232及び図233に示すように、第54実施形態における第1ユニット54551は、上記第1実施形態における第1ユニット551と同様に、その内部を遊技球が流下可能な空間(経路)を備え、センターフレーム86(図2参照)に配設される。
また、第1ユニット54551は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材54560と、その第1経路部材54560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材54570と、その第2経路部材54570の背面側に配設される第3経路部材54580と、を主に備えて形成される。
第1経路部材54560は、遊技盤13(図2参照)の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板54564と、上方側(矢印U方向側)が開放する断面略U字状に形成され、正面板54564の上方端部から背面側に突設される第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563と、その第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563の下側(矢印D方向側)に連なって形成されると共に、正面板564の一部の端部に沿って延設される第1壁部565と、その第1壁部565の下方に形成され、所定の間隔を隔てた2箇所から突設される2組の第2壁部566及び第3壁部567と、を主に備える。
正面板54564は、後述する第2経路部材54570又は第3経路部材54580との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、正面視における第2経路部材54570及び第3経路部材54580の外形と略同一の形状に形成されると共に、全体が光透過部材から形成される。これにより、遊技者は、第1ユニット54551の内部を流下する遊技球を正面板54564を介して(通して)視認することができる。
また、正面板54564は、第2経路部材54570側(矢印B方向側)に突設される案内部564a(図20参照)を備え、その案内部564aにより正面板54564aの背面に遊技球の当接により傷が形成されることや遊技球の汚れが付着することを抑制して、第1ユニット54551の内部を流下する遊技球を遊技者に視認させやすい状態を維持できる。
第2経路部材54570は、第1経路部材54560の正面板54564と対向する板状のベース板54571と、そのベース板54571の正面から第1経路部材54560側に突設される第4壁部573と、その第4壁部573から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第5壁部54574と、その第5壁部54574から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第6壁部54575と、を主に備えて形成される。
ベース板54571は、第1経路部材54560の正面板54564と遊技球の直径よりも離間する位置に配設される。これにより、正面板54564とベース板54571との間に遊技球を流下させることができる。
また、ベース板54571は、第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563のそれぞれに対応する位置に開口する第1開口部571a、第2開口部571b及び第3開口部571cと、第1開口部571aの下方に開口する第4開口部571dと、第5壁部54574及び第6壁部54575のそれぞれの上方に開口する第5開口部571e及び第6開口部54571fと、第5壁部54574及び第6壁部54575の間に位置し背面側に凹設される凹設部571gと、ベース板54571の左側端部から突出して形成されると共に背面側に向かって凹設される連通路54572aを有する突設部54572と、を主に備える。
突設部54572は、第4開口部571dから第6開口部54571fにかけてベース板54571の正面視左側に突設される。また、突設部54572は、背面側に向かって凹設して形成される溝状の連通路54572aを備える。
連通路54572aは、正面視略U字状に形成され、そのU字の両端部をベース板54571側に向けた状態で形成される。また、連通路54572aは、正面視略U字の上方側の一端が第4開口部571dの正面側に連通されると共に、正面視略U字の下方側の他端が第6開口部54571fの正面側に連通される。
なお、連通路54572aは、その凹設幅および凹設深さが共に遊技球の直径よりも大きく設定されており、その内部を遊技球が通過可能とされる。また、連通路54572a(突設部54572)の正面側は、第1経路部材54560の正面板54564により覆設されており、連通路54572aを通過する遊技球が第1ユニット54551の外側に排出されることが抑制される。従って、主経路SK1と主経路SK5とを連通する副経路HK6が、連通路54572aの内部空間により形成される。
また、連通路54572aは、その上方側の一端が正面視における第4開口部571dの左隣り(矢印L方向側)に連通されると共に、第4開口部571dから離間するのに伴って下方に傾斜して形成される。さらに、第4開口部571dの下側端部から突設される第4壁部573は、第4開口部571d側から正面視右側(矢印R方向側)に向かう程、上面が下方に傾斜して形成される。
従って、第1ユニット54551の第1受入部561から流入し、主経路SK1を通過して第4開口部571dから流出される遊技球は、第4壁部573の上面の傾斜方向に沿って転動するため、正面視における連通路54572aの上方側の一端から離間する方向(矢印R方向)に転動する。即ち、第1ユニット54551から流入する遊技球は、通常時には連通路54572a(副経路HK6)に流入されず、第4壁部573の上面(主経路SK2)を転動する。
第5壁部54574は、上述した第1壁部565の湾曲壁部565bから送球される遊技球の転動面となる部分であり、第4壁部573の下面と直交する方向に遊技球の直径よりも下方側に離間する位置に突設されると共に、ベース板54571の左右方向(矢印L−R方向)に延設される。また、第5壁部54574は、湾曲壁部565b側(矢印R方向側)から後述する凹設部571g側(矢印L方向側)に向かう程、上面(矢印U方向側の面)が下方に傾斜して形成される。これにより、湾曲壁部565bから第5壁部54574の上面に送球される遊技球を、凹設部571g側に転動させることができる。さらに、第5壁部54574は、遊技球の転動面に下方側に向かって凹む第1受入凹部574a、第2受入凹部574b及び第5受入凹部54574cを備える。
第5受入凹部54574cは、第5壁部54574の第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bよりも凹設部571g側(矢印L方向側)の端部に形成される。また、第5受入凹部54574cは、正面視において左右反対の略L字状に形成され、そのL字の両辺の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。さらに、第5受入凹部54574cの内側には、ベース板54571に開口する第6開口部54571fが形成される。これにより、第5受入凹部54574cの内側に送球される遊技球を第6開口部54571fを通してベース板54571の背面側に送球できる。
なお、第6開口部54571fは、第2経路部材54570の背面側に配設される第3経路部材54580により、複数(本実施形態では、4箇所)の開口にそれぞれ分割される。その4箇所の開口のうちの後述する第2可変板54584bの下方であって、正面視における第3受入凹部575a及び第5受入凹部54574cの内側に形成される2箇所の開口は、第2経路部材54570の背面側に遊技球を回収する回収経路に連通される。一方、第2可変板54584bの上方に形成される開口と、第3壁部567の上方に形成される開口とは、第2経路部材54570の背面側に配設される第3経路部材54580の第2覆設部材582により第2経路部材54570の背面側で連通される。
また、第5受入凹部54574cの上方には、パチンコ機10(図1参照)が通常の遊技状態(例えば、非大当たり状態)とされる場合に、後述する第2駆動ユニット54584の第2可変板54584bの一部(第1板部材54584b1)が上方側(第4壁部573側)の開口を覆設する。これにより、通常の遊技状態とされる場合に、第5受入凹部54574cの上方から第5受入凹部54574cの内側に遊技球が流入することが規制される。
さらに、第5受入凹部54574cの内側に形成される第6開口部54571fの手前には、検出装置SE6(図示しない)が配設される。これにより、第5受入凹部54574cに流入する遊技球を検出することに伴って、遊技者に所定の遊技価値が付与される。なお、本実施形態では、所定の球数の賞球により、遊技者に遊技価値が付与される。
第6壁部54575は、第5壁部54574を転動して凹設部571gに送球される遊技球の転動面となる部分であり、第5壁部54574の下面から下方側(矢印D方向側)に遊技球の直径よりも離間する位置でベース板54571から突設され、ベース板54571の左右方向(矢印L−R)方向に延設される。また、第6壁部54575は、凹設部571g側(矢印L方向側)から第3壁部567側に向かって上面が下方に傾斜して形成される。これにより、凹設部571gから第6壁部54575の上面に送球される遊技球を、第3壁部567により形成される送球経路側に転動させることができる。また、第6壁部54575は、遊技球の転動面に下方側に向かって凹む第3受入凹部575aを備える。
第3経路部材54580は、第2経路部材54570の重力方向上方側(矢印U方向側)の背面に配設される第1覆設部材581と、第2経路部材570の重力方向下方側(矢印D方向側)の背面に配設される第2覆設部材582と、第1覆設部材581及び第2覆設部材582の間に配設される第1駆動ユニット583と、第2覆設部材582の背面に配設される第2駆動ユニット54584とを主に備えて構成される。
第2駆動ユニット54584は、電力により前後方向に変位する軸を備える第2ソレノイド584aと、その第2ソレノイド584aの軸に連結される第2可変板54584bと、第2ソレノイド584a及び第2可変板54584bの周囲を覆う第2保護部材54584cと、を主に備える。
第2可変板54584bは、左右方向(矢印L−R方向)に長い2枚の第1板部材54584b1及び第2板部材54584b2と、それら第1板部材54584b1及び第2板部材54584b2を重力方向(矢印U−D方向)に連結する連結部材54584b3と、を主に備える。
第1板部材54584b1及び第2板部材54584b2は、上面が第1ユニット54551の内部を流下する遊技球の転動面となる板部材であり、第1経路部材54581及び第2経路部材54582の対向間に形成される空間に配置される。また、第2可変板54584aは、背面側(矢印B方向側)に第2ソレノイド584aの軸が連結されており、第2ソレノイド584aの駆動により、第1板部材54584b1及び第2板部材54584b2を第1経路部材54560及び第2経路部材54570の対向間に張り出した状態とその対向間から退避した状態(第2経路部材54570の背面側に移動した状態)とに切り替えられる。
また、第1板部材54584b1と第2板部材54584b2とは、正面視における水平方向(矢印L−R方向)に並ぶ位置に形成される。さらに、第1板部材54584b1と第2板部材54584b2とは、それらの対向間の隙間が遊技球の直径よりも大きく設定され、第1板部材54584b1が第2板部材54584b2よりも上方に形成される。
第1板部材54584b1は、正面視において第5受入凹部54574cの上方側に配設されると共に、凹設部571gの下方側に配設される。また、第1板部材54584b1は、その上面が第5壁部54574の上面と略同一の高さに設定されると共に、上面が凹設部571gの凹設方向(矢印B方向)に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2可変板54584bが第1ユニット54551の送球経路の内側に配置された状態(第1経路部材54560と第2経路部材54570との対向間に張り出した状態)では、第5壁部54574の上面から転動される遊技球の転動方向を変更して、その遊技球を凹設部571gの内側に向かって転動させることができる。
一方、第2可変板54584bが第1ユニット54551の送球経路の内側から退避された状態(第2可変板54584bが第2経路部材54570の背面側に移動した状態)では、第5壁部54574の上面(主経路SK3)を転動する遊技球を第5受入凹部54574cの内側に受け入れて、その遊技球を第6開口部54571fに流入させることができる。
第2板部材54584b2は、正面視において第4受入凹部575bの上方側に配設される。また、第2板部材54584b2は、正面視において第5受入凹部54574cの水平方向(矢印L−R方向)に開放される左側(矢印L方向側)に配設されると共に、その上面が第5受入凹部54574cの上面よりも高い位置に設定される。これにより、第2可変板54584bが第1ユニット54551の送球経路の内側に配置された状態時(第1経路部材54560と第2経路部材54570との対向間に張り出した状態時)に、第5受入凹部54574cの内側に送球された遊技球が第5受入凹部54574cの内側から飛び出ることを抑制できる。
また、第2板部材54584b2は、その上面が第6開口部54571f側(背面側)に向かって傾斜して形成される。これにより、第2可変板54584bが第1ユニット54551の送球経路の内側に配置された状態では、凹設部571g(主経路SK4)から第2板部材54584b2の上面に送球される遊技球を第6開口部54571fの内側に向かって転動させることができる。
一方、第2可変板54584bが第1ユニット54551の送球経路の内側から退避された状態(第2可変板54584bが第2経路部材54570の背面側に移動した状態)では、凹設部571g(主経路SK4)から送球される遊技球を第3受入凹部575aに受け入れて第6開口部54571fに流入させることができる。
また、第2可変板54584bが正面側に張り出された状態では、その第2可変板54584bの先端が、上述した第6開口部54571fに挿入されると共に、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bの上側に配置される。これにより、第2可変板54584bが正面側に張り出された状態では、その第2可変板54584bにより第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bへの遊技球の流入を防止することができる。
連結部材54584b3は、第1板部材54584b1と第2板部材54584b2とを連結する部材であり、正面視における第1板部材54584b1の第2板部材54584b2側の端部と、第2板部材54584b2の第1板部材54584b1側の端部とを重力方向(矢印U−D方向)に連結する。
また、連結部材54584b3は、第1板部材54584b1及び第2板部材54584b2の背面側(矢印B方向側)の端部に形成されており、連結部材54584b3の正面側における第1板部材54584b1と第2板部材54584b2との隙間を介して遊技球を第5受入凹部54574cの内側に送球することができる。
第2保護部材584cは、第2経路部材54570側が開放する箱状に形成され、その内部に第2ソレノイド584aの軸と第2可変板54584bとを連結する機構が配設される。また、第2保護部材584cは、第1経路部材54560の第2壁部566により形成される送球経路の背面側を覆う背面側壁部584c1を備える。これにより、背面側壁部584c1と第2壁部566とで送球経路を形成できるだけでなく、背面側壁部584c1と第2壁部566とで、第2経路部材54570を覆うことができる。その結果、第1ユニット54551の側面から不正部材が挿入されて、第2経路部材54570に配設される検出装置SE3〜SE6に不正が行われることを抑制できる。
以上のように形成される第1ユニット54551によれば、図233に示すように、第1ユニット54551は、主経路SK1〜SK6と、副経路HK1,HK2,HK6と、湾曲経路WK1とを備える。
副経路HK6は、主経路SK1及び主経路SK2の連通部分と、主経路SK4及び主経路SK5の連通部分に両端が連通される。従って、第54実施形態における主経路SK1から送球される遊技球を主経路SK2だけでなく副経路HK6にも流入させることができる。
また、副経路HK6は、主経路SK4及び主経路SK5が連通する部分と連通する下端側の経路が、第2可変板54584bの第1板部材54584b1及び第2板部材54584b2との重力方向の隙間部分に向かって延設される。従って、副経路HK6を通過する遊技球を主経路SK4及び主経路SK5の連通部分を介して副経路HK2に流入させることができる。
また、第54実施形態では、副経路HK2が、主経路SK3及び主経路SK4の連通部分の下方と、主経路SK4及び主経路SK5の連通部分の下方と、の2箇所に形成される。
従って、第54実施形態では、主経路SK1から流入する遊技球は、主経路SK1から主経路SK6を順に流下する。又は、主経路SK1〜SK6を流下する途中の主経路SK3から主経路SK3に連通する副経路HK1に流入されて副経路HK1を流下する。又は、主経路SK1〜主経路SK6を流下する途中の主経路SK4又は主経路SK5から主経路SK4及び主経路SK5に連通する副経路HK2又は副経路HK3のどちらかに流入して副経路HK2又はHK3のどちらかを流下する。又は、主経路SK1から副経路HK6に流入して主経路SK5を介して副経路HK2に流入される。
次いで、図234を参照して、副経路HK6に流入する遊技球について説明する。図234(a)から図234(c)は、第1ユニット54551の部分拡大断面模式図である。なお、図234(a)から図234(c)では、第1受入部561に流入する3球の遊技球が1から3の番号を付して図示され、その遷移状態が図234(a)から図234(c)の順に図示される。
図234(a)から図234(c)に示すように、第1受入部561は、同時に少なくとも2球以上の遊技球を受入可能な左右方向(矢印L−R方向)寸法に設定される。また、第1受入部561の遊技球を下方に送球する第1覆設部材581の湾曲部581aも同様に、同時に2球の遊技球を流下可能な左右方向寸法に設定される。
一方、湾曲部581aから送球される第4壁部573の遊技球の転動面(主経路SK2)は、1球分の遊技球を送球する前後方向(矢印F−B方向)幅及び上下方向(矢印U−D方向)幅に設定される。
従って、第1ユニット54551の第1受入部561に3球以上の遊技球が流入して、その遊技球が主経路SK1から主経路SK2に流入する場合には、図234(b)に示すように、1球目の遊技球と2球目の遊技球との両方が互いに主経路SK2に流入しようとすることで、1球目の遊技球と2球目の遊技球とが主経路SK1と主経路SK2との連結部分で遊技球が停滞する。これにより、3球目の遊技球を1球目の遊技球または2球目の遊技球に衝突させて、2球目または3球目の遊技球を連通路54572a側に跳ねさせることができる。
その結果、図234(c)に示すように、後行する遊技球(2球目または3球目の遊技球)を連通路54572aに送球することができる。これにより、後から送球された遊技球がさらに主経路SK1と主経路SK2との連結部分で詰まることを抑制できる。その結果、主経路SK1と主経路SK2との連結部分で遊技球が詰まることで、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図235を参照して、副経路HK6を通過する遊技球について説明する。図235(a)及び図235(b)は、第1ユニット54551の部分拡大断面模式図である。なお、図235(a)及び図235(b)では、副経路HK6を通過する遊技球が順に図示される。
図235(a)及び図235(b)に示すように、副経路HK6は、下端が第2可変板54584bの第2板部材54584b2の上方で主経路SK4と主経路SK5との連結部分に連通されると共に、第5受入凹部54574cの内側に形成される第6開口部545571fに向かって延設される。
よって、副経路HK6から流出する遊技球は、第5受入凹部54574cの内側の副経路HK2に送球される。また、副経路HK6から流出する遊技球の転動速度が遅い場合には、第2板部材54584b2の上面を転動して第5受入凹部54574cの内側の副経路HK2に送球される。
さらに、副経路HK6の遊技球の送球距離は、主経路SK2の遊技球の送球距離よりも短く設定される。これにより、主経路SK2を通過する先行する遊技球と副経路HK6を通過する後行する遊技球とが衝突することを抑制できる。また、主経路SK1及び主経路SK2の連通部分に停滞する先行する遊技球よりも先に主経路SK2を流下する遊技球と、副経路HK6とを通過する後行する遊技球とが衝突する場合には、副経路HK6から流出される遊技球の送球方向により、どちらか1球を第5受入凹部54574cに押し出すことができる。
また、副経路HK2が連通する第5受入凹部54574cの内側の第6開口部54571fには、検出装置SE6(図示しない)が配設されるので、その検出装置SE6の遊技球の検出により、遊技者に所定の遊技価値が付与される。従って、副経路HK6は、遊技者に所定の遊技価値が付与される経路とされる。
従って、第1ユニット54551は、主経路SK1及び主経路SK2の連通部分に停滞する先行する遊技球に後行する遊技球が衝突した際に後行する遊技球を副経路HK6に流入させることで、その副経路HK6に流入される遊技球により所定の遊技価値を遊技者に付与することができる。従って、第1ユニット54551は、主経路SK1及び主経路SK2に遊技球が停滞する場合を遊技者にとって有利な状態とすることができる。その結果、主経路SK1及び主経路SK2に遊技球が停滞することで遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図236を参照して第55実施形態における第1ユニット55551について説明する。上記第54実施形態における第1ユニット54551では、副経路HK6から送球される遊技球が副経路HK2に送球される場合について説明したが、第55実施形態では、副経路HK6から送球される遊技球が、第1ユニット55551に形成される一般入賞口55571rに送球される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図236を参照して、第55実施形態における第1ユニット55551の構成について説明する。図236は、第55実施形態における第1ユニット55551の断面模式図である。なお、図236の第1ユニット55551は、図22における第1ユニット551の断面に対応する。
図236に示すように、第55実施形態における第1ユニット55551は、上記第1実施形態における第1ユニット551と同様に、その内部を遊技球が流下可能な空間(経路)を備え、センターフレーム86(図2参照)に配設される。
また、第1ユニット55551は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材54560と、その第1経路部材54560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材55570と、その第2経路部材54570の背面側に配設される第3経路部材580(図19参照)と、を主に備えて形成される。
第2経路部材55570は、第1経路部材54560の正面板54564と対向する板状のベース板55571と、そのベース板55571の正面から第1経路部材54560側に突設される第4壁部573と、その第4壁部573から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第6壁部575と、を主に備えて形成される。
ベース板55571は、第1経路部材54560の正面板54564と遊技球の直径よりも離間する位置に配設される。これにより、正面板54564とベース板54571との間に遊技球を流下させることができる。
また、ベース板55571は、第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563のそれぞれに対応する位置に開口する第1開口部571a、第2開口部571b及び第3開口部571cと、第1開口部571aの下方に開口する第4開口部571dと、第5壁部55574及び第6壁部575のそれぞれの上方に開口する第5開口部571e及び第6開口部571fと、その第6開口部571fの周囲に開口される一般入賞口55571rと、第5壁部55574及び第6壁部575の間に位置し背面側に凹設される凹設部571gと、ベース板54571の左側(矢印L方向側)端部から突出して形成されると共に背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される連通路54572aを有する突設部54572と、を主に備える。
一般入賞口55571rは、遊技球を通過させるための開口であり、遊技球の直径よりも大きい開口に設定される。また、一般入賞口55571rは、上述した遊技盤13(図2参照)のベース板60に配設される一般入賞口63と同様に、遊技球が入賞(入球)されることにより、所定の数(本実施形態では、5個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される開口である。即ち、一般入賞口55571rは、遊技球が入賞することで遊技価値が遊技者に付与される開口である。
第5壁部55574は、上述した第1壁部565の湾曲壁部565bから送球される遊技球の転動面となる部分であり、第4壁部573の下面と直交する方向に遊技球の直径よりも下方側に離間する位置から正面側に向かって突設されると共に、ベース板55571の左右方向(矢印L−R方向)に延設される。
また、第5壁部55574は、湾曲壁部565b側(矢印R方向側)から後述する凹設部571g側(矢印L方向側)に向かう程、上面(矢印U方向側の面)が下方に傾斜して形成される。これにより、湾曲壁部565bから第5壁部55574の上面に送球される遊技球を、凹設部571g側に転動させることができる。
さらに、第5壁部55574は、凹設部571g側(矢印L方向側)の端部から湾曲壁部565b側(矢印R方向側)に向かって凹設される第5受入凹部55574cを備える。
第5受入凹部55574cは、重力方向(矢印U−B方向)において凹設部571gと第2可変板54584bとの間(主経路SK4と主経路SK6との間)に形成され、主経路SK5の上流側の開口部分と連通される。これにより、主経路SK5の上流側の開口部分に右方向の変位成分を有した状態で送球される遊技球を第5受入凹部55574cの内側に送球することができる。
また、第5受入凹部55574cの内側には、上述した一般入賞口55571rが形成される。従って、第5受入凹部55574cの内側に送球される遊技球は、一般入賞口55571rに入賞される。これにより、一般入賞口55571rの内側に送球される遊技球の入賞に伴って遊技者に所定の遊技価値が付与される。
以上のように構成される第1ユニット55551によれば、上記第54実施形態における副経路HK6と同様に、主経路SK1から送球される遊技球を主経路SK2だけでなく副経路HK6にも流入させることができる。
また、副経路HK6は、主経路SK4及び主経路SK5が連通する部分と連通する下端側の経路が、第5受入凹部55574cの開口部分に向かって延設される。従って、副経路HK6を通過する遊技球を主経路SK4及び主経路SK5の連通部分を介して第5受入凹部55574cに流入させて一般入賞口55571rに入賞させることができる。
よって、第55実施形態では、主経路SK1から流入する遊技球は、主経路SK1から主経路SK6を順に流下する。又は、主経路SK1〜SK6を流下する途中の主経路SK3から主経路SK3に連通する副経路HK1に流入する。又は、主経路SK1〜主経路SK6を流下する途中の主経路SK4又は主経路SK5から主経路SK4及び主経路SK5に連通する副経路HK2又は副経路HK3のどちらかに流入して副経路HK2又はHK3のどちらかを流下する。又は、主経路SK1から副経路HK6に流入して主経路SK5を介して一般入賞口55571rに流入する。
また、上記第54実施形態で説明したように、主経路SK1から副経路HK6への遊技球の流入は、第1受入部561から同時に3球以上の遊技球を受け入れる際に、先行する遊技球が停滞する場合に、後行する遊技球を副経路HK6側に跳ねさせることで行われる(図234(c)参照)。
従って、本実施形態では、副経路HK6に流入する遊技球を一般入賞口55571rに流入させて遊技者に所定の遊技価値を付与することができるので、主経路SK1と主経路SK2との連通部分で遊技球が停滞することで、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
また、本実施形態では、(第54実施形態における副経路HK6から送球される遊技球が入賞する)副経路HK2に比べて、付与される遊技価値が比較的小さく(払い出される球数が少なく)設定される一般入賞口55571rに遊技球を送球することができるので、パチンコ機10(図1参照)の個体差で、副経路HK6に流入する遊技球にばらつきが生じる際に、遊技者に付与される遊技価値の差を小さくすることができる。
次いで、図237及び図238を参照して、第56実施形態における特別入賞装置56550について説明する。上記第1実施形態では、第1ユニット551及び第2ユニット552をネジの締結力のみで保持する場合について説明したが、第56実施形態では、第2ユニット56552の一部の弾性回復力およびネジの締結力により第1ユニット56551及び第2ユニット56552が締結される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図237を参照して、第56実施形態における特別入賞装置56550の全体構成について説明する。図237は、第56実施形態における特別入賞装置56550の断面模式図である。なお、図237では、特別入賞装置56550が分解された状態で図示される。
図237に示すように、第56実施形態における特別入賞装置56550は、センターフレーム86(突設部86b)を挟んで、そのセンターフレーム86の正面側(矢印F方向側)に取り外し可能な第1ユニット551と、センターフレーム86の背面側に取り外し可能な第2ユニット56552と、から構成される。また、特別入賞装置56550は、正面視矩形のベース板56060に配設される。
ベース板56060は、正面視において中央部分に開口される第1開口部60aと、レール部材76,77により形成される遊技領域の重力方向下側に開口される第2開口部60bと、を備える。第1開口部60aには、センターフレーム86が配設され、第2開口部60b(図11参照)には、一般入賞口ユニット150(図11参照)が配設される。
また、ベース板56060は、背面に正面側に向かって凹設される凹設溝56060hを備える。凹設溝56060hは、後述する第2ユニット56552の突設部56612aが挿入される溝であり、突設部56612aと対向する位置に形成される。
第2ユニット56552は、第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に配設される第4経路部材56610と、その第4経路部材56610の背面側(矢印B方向側)に配設される第5経路部材56620と、その第5経路部材56620の背面側に配設され第5経路部材56620との対向間に遊技球の送球経路を形成する第6経路部材56630と、第2ユニット56552の側面に配設される装飾部材650(図31参照)と、を主に備える。
第4経路部材56610は、センターフレーム86を介して、第1ユニット551の背面側(矢印B方向側)に取付される。また、第4経路部材56610は、正面視縦長矩形の板状に形成される取付板56611と、その取付板56611の端部から第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に立設される側壁部56612と、を備える。
取付板56611は、第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に円形状に凹設されると共にその凹設底面に貫通孔が形成される挿通部617と、第5経路部材56620側(背面側(矢印B方向側))に円形状に突設されると共に突設先端面にネジが螺合する孔が穿設される経路側締結部56618と、取付板56611の中央に開口される開口部613と、その開口部613の外側に開口される第2挿通部614と、を備える。
挿通部617は、第1ユニット551と第2ユニット552とを締結するためのネジの先端を挿通する部分であり、第1ユニット551(第3経路部材580(図20参照))の背面に形成される柱状体551aと対向する位置に形成される。
また、第56実施形態では、第1ユニット551から背面側に向かって突設される柱状体551aの突設寸法Y10(図237参照)と、挿通部617の柱状体551aとの対向面から側壁部56612の当接面56612bまで距離Y11(図237参照)と、を合わせた寸法がベース板56060の板厚Y3(図237参照)よりも小さく設定される。これにより、第1ユニット56551に第2ユニット56552が締結される前の状態では、柱状体551aと挿通部617との間に隙間が形成される(図238(a)参照)。
経路側締結部56618は、後述する第6経路部材56630の挿通孔56632に挿通されるネジが螺合される部分であり、挿通孔56632と対向する位置に形成される。これにより、第6経路部材56630を第4経路部材56610に締結できる。
第2挿通部614は、第4経路部材56610をセンターフレーム86の突設部86bに締結する際に、突設部86bのネジ孔86b4に螺合するネジを挿通する穴であり、突設部86bに形成されるネジ孔86b4(図35参照)と対応する位置に形成される。これにより、センターフレーム86の突設部86bの背面に第4経路部材56610を配設できる。
側壁部56612は、第4経路部材56610がベース板56060に配設される際に、ベース板56060に対する第4経路部材56610の位置決めをする部分であり、ベース板56060の背面と対向する位置に設定される。
また、側壁部56612は、その立設先端面からベース板56060側(矢印F方向側)に向かって部分的に突設される突設部56612aと、突設部56612aが非形成とされる先端面にベース板56060の背面に当接する当接面56612bと、が形成される。
突設部56612aは、ベース板56060の背面に凹設される凹設溝56060hに挿入される部分であり、その厚みが側壁部56612の本体部分と略同一に設定されると共に、凹設溝56060hの凹設幅と略同一に設定される。これにより、第4経路部材56610を配設する際には、突設部56612aを凹設溝56060hに挿入して配設することで、第4経路部材56610をベース板56060に対して位置決めして配設することができる。
また、突設部56612aの突設寸法は、凹設溝56060hの凹設深さよりも小さく設定される。従って、ベース板56060の凹設部56060dに突設部56612aを挿入して、第4経路部材56610をベース板56060の背面に配設すると、第4経路部材56610の当接面56612bをベース板56060の背面に当接させることができ、突設部56612aの突設先端と凹設溝56060hの凹設面との対向間に隙間を形成することができる。
さらに、側壁部56612は、正面視における端部の4片のそれぞれから独立して立設され、4片から立設されるそれぞれの側壁部56612が非連結とされる。これにより、側壁部56612のそれぞれが連結される場合に比べて第4経路部材56610(側壁部56612)の剛性を低くすることができる。
また、側壁部56612と取付板56611との連結(屈曲)部分は、断面円弧状に形成される。これにより、側壁部56612と取付板56611とが直交して形成される場合に比べて、第4経路部材56610(側壁部56612)の剛性を低くすることができる。
第5経路部材56620は、正面視略矩形に形成される板状の板部材621と、その板部材621の正面視における中央部に開口される中央開口部622と、板部材621から第6経路部材630側(背面側)に突設される被締結部56627と、を主に備える。
被締結部56627は、後述する第6経路部材56630に形成される締結孔56633を挿通されたネジの先端を螺合させる部分であり、締結孔56633と対応する位置に形成される。これにより、第5経路部材56620と第6経路部材56630とが締結される。また、被締結部56627の第6経路部材56630側への突出寸法は、遊技球の直径よりも大きく設定される。これにより、第5経路部材56620と第6経路部材56630との間に遊技球を流下可能な隙間が形成される。
第6経路部材56630は、正面視略矩形に形成される板状のベース板631と、第5経路部材56620の中央開口部622と対向する位置のベース板631に開口される第2中央開口部634と、ベース板631の第2中央開口部634の周囲に貫通形成される挿通孔56632及び締結孔56633と、を備える。
挿通孔56632は、第4経路部材56610と第6経路部材56630とを締結するネジを挿通する孔であり、第4経路部材56610の経路側締結部56618に穿設される孔と同軸上に形成される。これにより、挿通孔56632に挿通するネジを経路側締結部56618に螺合して第4経路部材56610と第6経路部材56630とを締結することができる。
締結孔56633は、上述したように、第5経路部材56620と第6経路部材56630を締結するネジを挿通する孔であり、第5経路部材56620の被締結部56627と同軸上に形成される。これにより、締結孔56633に挿通するネジを被締結部56627に螺合して第5経路部材56620と第6経路部材56630とを締結することができる。
次いで、図238を参照して、特別入賞装置56550の締結について説明する。図238(a)から図238(c)は、特別入賞装置56550の断面模式図である。なお、図238(a)では、第1ユニット56551の背面側に第4経路部材56610が配置された状態が図示され、図238(b)では、第1ユニット56551と第4経路部材56610とが締結された状態が図示され、図238(c)では、特別入賞装置56550が組み上げられた状態が図示される。
図238(a)に示すように、第56実施形態における特別入賞装置56550のベース板56060への取り付けは、初めに、組み上がった状態の第1ユニット551をベース板56060の正面に配置すると共に、ベース板56060の背面側に第2ユニット56552の第4経路部材56610を配置する。また、第4経路部材56610の背面側から第2挿通部614を挿通するネジをセンターフレーム86のネジ孔86b4に螺合する。
これにより、第4経路部材56610とセンターフレーム86とが締結される。この場合、上述したように、柱状体551aと挿通部617との対向間に隙間が形成され、第1ユニット56551と第4経路部材56610とが離れた状態とされる。
次に、図238(b)に示すように、第4経路部材56610の背面側から、第4経路部材56610の挿通部617を挿通させて、そのネジを柱状体551aに螺合させる。このネジの螺合により、第1ユニット56551と第4経路部材56610との間に互いが互いに近づく方向の力が作用する。
上述したように、第4経路部材56610は、側壁部56612により、その全体の剛性が低く設定される。これにより、第1ユニット56551と第4経路部材56610との間に互いが近づく方向の力が作用する場合には、第4経路部材56610のみを弾性変形させやすくできる。
従って、第1ユニット56551に背面側(矢印B方向側)に引き込む力が作用する場合に、第1ユニット56551が変形することを防止できる。その結果、第1ユニット56551が変形して第1ユニット56551の内部空間に形成される遊技球の流下経路が歪んで、第1ユニット56551の内部を遊技球が通過しにくくなることを抑制できる。
また、第4経路部材56610の取付板56611は、正面視における外形が第1ユニット56551の外形よりも大きく設定されるので、第1ユニット56511と第4経路部材56610との連結部分から、第1ユニット56551とベース板56060と当接部分までの距離Y12(図238(c)参照)よりも、第1ユニット56511と第4経路部材56610との連結部分から、第4経路部材56610とベース板56060との当接部分までの距離Y13のほうが大きく設定される。
これにより、第1ユニット56551と第4経路部材56610との間に互いが近づく方向の力が作用する場合に、第1ユニット56551よりも第4経路部材56610にその力を集中しやすくできる。その結果、第4経路部材56610のみを弾性変形させやすくできる。
なお、第4経路部材56610のみを弾性変形させるために、第4経路部材56610の全体の板厚を第1ユニット56551の背面を形成する第3経路部材580の板厚よりも小さく設定してもよい。
最後に、図238(c)に示すように、第4経路部材56610の背面側に組み上げた状態の第5経路部材56620及び第6経路部材56630を第4経路部材56610の背面側に配置して、第6経路部材56630の背面側から挿通孔56632を通過させたネジを経路側締結部56618に螺合することで、第1ユニット56551と第2ユニット56552とを一体に組み上げると共に、それら第1ユニット56551と第2ユニット56552とをベース板56060に配設することができる。
また、図238(c)に示すように、第1ユニット56551、第2ユニット56552及びセンターフレーム86の各締結部分は、特別入賞装置56550の正面視における上下方向(矢印U−D方向)及び左右方向(矢印L−R方向)の中央位置(図238(c)では上下方向の中央)から外側に向かって、第1に第4経路部材56610と(第5経路部材56620と一体にされた)第6経路部材56630との締結部分が形成され、第2に第4経路部材56610とセンターフレーム86との締結部分が形成され、最後に第1ユニット56551と第4経路部材56610との締結部分が形成される。
従って、第1ユニット56551と第4経路部材56610との締結部分と、第4経路部材56610と第6経路部材56630との締結部分と、の間に、第4経路部材56610とセンターフレーム86との締結部分が形成される。
これにより、第1ユニット56551と第4経路部材56610とが締結された際の、第4経路部材56610の弾性変形が、第4経路部材56610とセンターフレーム86との締結部分により、第4経路部材56610と第6経路部材56630との締結部分に発生しにくくすることができる。その結果、第4経路部材56610が弾性変形されることにより、第4経路部材56610と第6経路部材56630との締結部分が破損することを抑制できる。
次いで、図239から図242を参照して、第57実施形態における下変位ユニット57400について説明する。上記第1実施形態では、下変位ユニット400が第2張出状態とされる場合に、板状突起431bにカム部材422を当接させる場合について説明したが、第57実施形態では、下変位ユニット57400が退避状態および第1張出状態とされる場合にも板状突起57431bにカム部材57422を当接させる。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図239を参照して、第57実施形態における下変位ユニット57400の全体構成について説明する。図239(a)から図239(c)は、第57実施形態における下変位ユニット57400の正面模式図である。なお、図239(a)から図239(c)では、下変位ユニット57400のベース部材410の外形が2点鎖線で図示されると共に、下変位部材440の内側に変位可能な状態で配設される球受部467の外形が鎖線で図示される。
図239に示すように、第57実施形態における下変位ユニット57400は、上記第1実施形態における下変位ユニット400と同様に、背面ケース300の底壁部301(図0参照)に配設されるベース部材410と、そのベース部材410に配設される伝達部材57420と、ベース部材410に連結されると共に伝達部材57420の変位に伴って変位されるリンク部材57430と、一端がベース部材410に摺動可能に連結されると共に他端がリンク部材57430に連結されてリンク部材57430から駆動力を伝達されることで変位する下変位部材440と、を主に備えて形成される。
伝達部材57420は、正面ベース411(図45参照)の正面側に取着される駆動モータKM1(図45参照)の軸に連結される伝達ギヤ421(図45参照)と、その伝達ギヤ421と歯合され伝達ギヤ421の駆動に伴って回転されるカム部材57422と、を主に備えて形成される。
リンク部材57430は、第1リンク部材57431と第2リンク部材432との2個のリンクから形成される。また、リンク部材57430は、第1リンク部材57431と第2リンク部材432とのそれぞれの端部が回転可能な状態で連結される。
第1リンク部材57431は、正面視略く字形状に屈曲して形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状に形成される。また、第1リンク部材57431は、カム部材57422の変位に伴って変位される。第1リンク部材57431は、その第1リンク部材57431の一旦側に前後方向に貫通する貫通穴431aと、第1リンク部材57431の他端側に背面側(矢印B方向側)に向かって円柱状に突出する連結突起431cと、ベース部材410の湾曲壁部411eと対向する位置に突出する板状突起57431bと、屈曲部分から正面側に向かって円柱状に突出する摺動突起431dと、を備えて形成される。なお、板状突起57431bについての詳しい説明は後述する。
カム部材57422は、正面視における外径が大きさの異なる2つの半円の一端同士を組み合わせた形状に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状態から形成される。また、カム部材57422は、外径の小さい半円部の外周面に刻設される歯面422bと、外径の小さい半円部の中心に貫通形成される軸部422aと、後述すリンク部材57430と対向する面(背面)の外周縁に沿って凹設される摺動溝422cと、外周面の複数箇所(本実施形態では3箇所)から突設される当接部57422dと、を備える。なお、当接部57422dの詳しい説明については後述する。
また、カム部材57422は、第1リンク部材57431の板状突起57431bを除く第1リンク部材57431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間における領域を変位可能な状態で配設される。
以上のように構成される下変位ユニット57400によれば、上記第1実施形態における下変位ユニット400と同様に、駆動モータKM1(図45参照)を駆動させて、カム部材57422を第1位置(図239(a)に示す位置)と第2位置(図239(c)に示す位置)との間で変位させることで、下変位部材440を図239(a)に示す退避状態と図239(c)に示す第2張出状態との間で変位させることができる。
また、下変位部材440は、上記第1実施形態と同様に、その下変位部材440の内側に変位可能な状態で配設される球受部467を備えており、図239(a)から図239(c)に示す、退避状態,第1張出状態,第2張出状態の位置で球受部467をスライド変位させて、球受部467に受け入れた遊技球を下変位部材440の外側に排出することができる。
次いで、図240から図242を参照して、第1リンク部材57431及びカム部材57422について詳しく説明する。図240(a)から図240(c)は、第1リンク部材57431及びカム部材57422の背面図である。図241(a)から図241(c)は、第1リンク部材57431及びカム部材57422の正面図である。図242(a)は、第1リンク部材57431の斜視正面図であり、図242(b)は、カム部材57422の斜視背面図であり、図242(c)は、図240(b)のCCXLIIc−CCXLIIc線における下変位ユニット57400の断面図である。
なお、図240(a)から図240(c)では、ベース部材410の湾曲壁部411fが図示されると共に、第1リンク部材57431の正面側に重なるカム部材57422の外形および摺動溝422c3と、第1リンク部材57431の板状突起57431bとが破線で図示される。また、図240(a)から図240(c)では、ベース部材410の湾曲壁部411fの外形が鎖線で図示されると共に、カム部材57422の背面側に重なる第1リンク部材57431が鎖線で図示される。
さらに、図240(a)及び図241(a)では、下変位ユニット57400の退避状態が図示され、図240(b)及び図241(b)では、下変位ユニット57400の第1張出状態が図示され、図240(c)及び図241(c)では、下変位ユニット57400の第2張出状態が図示される。
図240から図242に示すように、カム部材57422の外周面には、部分的に外側に向かって突設される複数(本実施形態では3箇所)の当接部57422dを備える。当接部57422dは、第1リンク部材57431の板状突起57431bの側面と当接する部分であり、その当接により第1リンク部材57431とカム部材とが揺れ動くことが抑制される。
また、複数の当接部57422dは、それぞれ下変位ユニット57400が退避状態,第1張出状態,第2張出状態とされる場合に、第1リンク部材57431と当接するように形成される。上述したように、退避位置,第1張出位置,第2張出位置では、下変位部材440(図239参照)の内側に配設される球受部467を変位させて、その球受部467の内側に受け入れられた遊技球を下変位ユニット57400の外側に排出することができる。
従って、退避状態,第1張出状態,第2張出状態では、球受部467の変位に伴って下変位部材440の重心位置が変化されるので、球受部467を変位した際に下変位部材440から第1リンク部材57431に作用する力が変更される。そのため、第1リンク部材57431がベース部材410に対して揺れ動きやすい。
これに対し、本実施形態では、退避状態,第1張出状態,第2張出状態で当接部57422dを第1リンク部材57431の板状突起57431bに当接させて、第1リンク部材57431が揺れ動くことを抑制できるので、球受部467に受け入れられた遊技球を下変位部材440の外側に排出する際に下変位部材440が揺れ動いて、球受部467から排出される遊技球の排出位置が不安定になることを抑制できる。
また、複数の当接部57422dは、カム部材57422の軸部422aから径方向外側における突設先端面が径方向外側に向かって軸部422aの軸方向(矢印F−B方向)における幅が小さくされ、その断面が三角形状に形成される。
一方、第1リンク部材57431の板状突起57431bは、カム部材57422と当接する側面に凹設される収容部57431b1を備える。収容部57431b1は、当接部57422dの突出先端面と対応する断面三角形状に凹設されており、下変位ユニット57400が退避状態,第1張出状態,第2張出状態とされる場合に、当接部57422dを収容部57431b1の内側に収容することができる。
これにより、下変位ユニット57400が退避状態,第1張出状態,第2張出状態とされ、球受部467を変位させて遊技球を発射(排出)動作した場合に、第1リンク部材57431が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。その結果、球受部467に受け入れられた遊技球を下変位部材440の外側に排出する際に下変位部材440が揺れ動いて、球受部467から排出される遊技球の排出位置が不安定になることを抑制できる。
また、下変位ユニット57400が退避状態,第1張出状態,第2張出状態以外の状態とされる場合には、板状突起57431bから当接部57422dを離間させることができる。従って、下変位部材440を変位させる場合に、第1リンク部材57431と板状突起57431bとが当接して、下変位部材440を変位させる際の摺動抵抗が増加することを抑制できる。その結果、下変位部材440を変位させる際の電力が増加することを抑制できる。
次いで、図243及び図244を参照して、第58実施形態における下変位ユニット58400について説明する。上記第57実施形態では、下変位ユニット400が退避状態,第1張出状態,第2張出状態とされる場合に、板状突起57431bにカム部材57422を当接させる場合について説明したが、第58実施形態では、常に板状突起57431bにカム部材58422を当接させる。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
また、第58実施形態における下変位ユニット58400は、第57実施形態における下変位ユニット400と同様に、下変位部材440がカム部材58422の回転により変位する構成は同一であるので、その詳しい説明は省略する。
初めに、図243及び図244を参照して、第58実施形態におけるカム部材57422について説明する。図243(a)から図243(c)は、第58実施形態における第1リンク部材57431及びカム部材58422の背面図である。図244(a)から図244(c)は、第1リンク部材57431及びカム部材58422の正面図である。
なお、図243(a)から図243(c)では、ベース部材410の湾曲壁部411fが図示されると共に、第1リンク部材57431の正面側に重なるカム部材58422の外形および摺動溝422c3と、第1リンク部材57431の板状突起57431bとが破線で図示される。また、図243(a)から図243(c)では、ベース部材410の湾曲壁部411fの外形が鎖線で図示されると共に、カム部材57422の背面側に重なる第1リンク部材57431が鎖線で図示される。
図243及び図244に示すように、第58実施形態におけるカム部材58422は、正面視における外径が大きさの異なる2つの半円の一端同士を組み合わせた形状に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状態から形成される。また、カム部材58422は、外径の小さい半円部の外周面に刻設される歯面422bと、外径の小さい半円部の中心に貫通形成される軸部422aと、後述すリンク部材57430と対向する面(背面)の外周縁に沿って凹設される摺動溝422cと、外周面から突設される当接部58422dと、を備える。
当接部58422dは、第1リンク部材57431の板状突起57431bの変位軌跡に沿う形状に形成され、カム部材58422が軸部422aを中心に回転されるに伴って当接部58422dの突設面が板状突起57431bの側面に当接される。
また、当接部58422dの突設先端面は、第57実施形態における当接部57422dと同様に、カム部材58422の軸部422aから径方向外側における突設先端面が径方向外側に向かって軸部422aの軸方向(矢印F−B方向)における幅が小さくされ、その断面が三角形状に形成される。
以上のように構成される下変位ユニット58400によれば、下変位ユニット58400の変位状態(退避状態,第1張出状態,第2張出状態)に関わらず、常に当接部58422dを第1リンク部材57431の板状突起57431bに当接させて、第1リンク部材57431が揺れ動くことを抑制できるので、下変位部材440を変位させた際に、下変位部材440が揺れ動くことを抑制できる。
これにより、下変位部材440の球受部467を変位させて遊技球を発射(排出)動作した場合に、第1リンク部材57431が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。その結果、球受部467に受け入れられた遊技球を下変位部材440の外側に排出する際に下変位部材440が揺れ動いて、球受部467から排出される遊技球の排出位置が不安定になることを抑制できる。
また、下変位部材440に遊技球が受け入れられた場合や、受け入れた遊技球の受け入れ位置で下変位部材440の重心位置が変化する場合であっても、下変位部材440が変位中に揺れ動きやすくなることを抑制できる。その結果、下変位部材440を変位動作を安定させることができるので、遊技者に下変位部材440の変位動作を見せやすくすることができる。
次いで、図245及び図246を参照して、第59実施形態における球受部59467について説明する。上記第12実施形態では、遊技球が球受部12467に送球されることで、第3片12467eが発光体11491aから照射される光を遮蔽する位置に配置される場合について説明したが、第59実施形態における球受部59467では、遊技球が送球されていない場合に第3片59467eにより、発光体11491aから照射される光を遮蔽する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図245及び図246を参照して、第59実施形態における球受部59467の構成について説明する。図245は、第59実施形態における下変位部材59440の正面図である。図246(a)は、球受部59467の分解斜視正面図であり、図246(b)は、球受部59467の正面図である。なお、図245では、下変位部材59440の正面側に配設される装飾部材450(図58参照)及び正面ケース481(図58参照)を取り外した状態が図示される。
図245及び図246に示すように、第59実施形態における下変位部材59440は、上記第11実施形態における下変位部材11440と同様に、正面ベース411(図151参照)に連結されるベース部材470(図151参照)と、ケース部材480とベース部材470との間に変位可能に配設される伝達機構59460と、ベース部材470の前後を覆うケース部材480(図151参照)と、ケース部材480の前後(矢印F−B方向)を覆う態様で形成される装飾部材11450(図151参照)と、を主に備えて形成される。
伝達機構59460は、ベース部材470の前方に配置される部材であり、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の前方にスライド変位可能に配設される可動ラック59464と、その可動ラック59464に回転可能に配置されると共に、ラックギヤ476に歯合した状態とされる伝達ギヤ465と、その伝達ギヤ465に歯合される歯面を有し可動ラック59464の前方をスライド変位可能に配設されるラック466と、そのラック466の一端側に回転可能に配設される球受部467とを主に備えて形成される。
可動ラック59464は、正面視矩形横長の板状に本体部が形成される。可動ラック59464は、本体部の下端(矢印D方向側の端部)面に刻設されるラックギヤ464aと、正面側(矢印F方向側)から円柱状に突出する軸部464bと、本体部の上端(矢印U方向側の端部)から上方に突出する板状の当接板464cと、後述する球受部59467の遊技球の発射(排出)動作時の変位方向側(矢印R方向側)の本体部の端部から板状に突出する当接部59464gと、本体部の背面側における上下方向略中央位置に水平方向(矢印L−R方向)に亘って突出される案内板464d(図59参照)と、その案内板464dと反対の正面側に突出するラック案内部464e(図58参照)と、本体部の下端から突出する板状の衝突部464fと、を主に備えて形成される。
当接部59464gは、後述する球受部59467が第1位置に配置される場合に、球受部59467の第3片59467eに当接する突起であり、第3片59467eの変位軌跡上に配設される。これにより、球受部59467が第1位置とされる場合に球受部59467を押し込んで第3片59467eを変位させることができる。
球受部59467は、正面視略U字に形成される本体部59467fと、その本体部59467fのU字状の湾曲部分からその湾曲の径方向外側に向かって突出する脚部467aと、本体部59467fの背面側に回転可能な状態で連結される第3片59467eと、その第3片59467eを係止する係止部材59467gと、を主に備える。
本体部59467fは、U字の下端位置に前後方向に貫通する軸孔467bと、U字の湾曲部分の内面に球状に凹設される凹設部59467f1と、本体部59467fの背面側に左右方向(矢印L−R方向)に貫通する貫通孔59467f2と、を主に備えて形成される。
凹設部59467f1は、後述する第3片59467eの一部を収容する凹みであり、第3片59467eの変位領域に配設されると共に、第3片59467eの外形に対応する形状に凹設される。また、凹設部5946f1は、下方に湾曲する凹みとして形成されると共に、その湾曲の中心が前後方向(矢印F−B方向)において本体部59467fの正面側(矢印F方向側)に偏る位置に設定される。
従って、凹設部59467f1の内側から外側に第3片59467eが張り出した場合に、正面(遊技者側)から凹設部59467f1の背面側(矢印B方向側)の端部を視認可能とされる。これにより、後述する第3片59467eに遊技球を受け入れた場合の第3片59467eと遊技球との境界線の高さ(重力方向位置)と、本体部59467fの背面側の端部の高さを略同一の位置に設定することができる。
その結果、遮蔽板59467e1が本体部59467fの内側に張り出された場合における第3片59467eと本体部59467fの背面側の端部との境界線の高さと、第3片59467eに遊技球を受け入れた場合における第3片59467eと遊技球との境界線の高さとの違いで、本体部59467fの内側に遊技球が受け入れられているかどうかを遊技者に認識されることを抑制できる。
貫通孔59467f2は、後述する第3片59467eを軸支するための軸が挿入される部分であり、第3片59467eに挿入される軸の外径よりも大きく設定される。
第3片59467eは、お椀型に形成される遮蔽板59467e1と、その遮蔽板59467e1の外周面から突設される軸支部59467e5と、その軸支部59467e5に左右方向に貫通する貫通孔59467e6と、軸支部59467e5の突設先端部に装着される錘部材59467e7と、を主に備えて形成される。
遮蔽板59467e1は、非光透過性の材料から形成されており、発光体11491aの正面側に配置される場合に、発光体11491aから照射される光を遮蔽することができる。なお、遮蔽板59467e1による発光体11491aの光の遮蔽については後述する。
また、遮蔽板59467e1は、一定の厚みから形成され、お椀型に湾曲して形成された内径が遊技球の直径よりも大きく設定される。これにより、球受部59467に送球される遊技球を遮蔽板59467e1の湾曲内面により保持することができる。
軸支部59467e5は、本体部59467fの背面に位置すると共に、本体部59467fに貫通する一対の貫通孔59467f2の間に配置される。軸支部59467e5は、一対の貫通孔59467f2の間に配置された状態で貫通孔59467f2と、貫通孔59467e6と、が同軸上に配置され、貫通孔59467f2に挿通した円柱状の軸が貫通孔59467e6に挿通される。これにより、第3片59467eは、本体部59467fに対して回転可能な状態で保持される。
なお、第3片59467eは、遮蔽板59467e1が貫通孔59467e6に対して正面側に向かって回転して、遮蔽板59467e1の外面が本体部59467fの凹設部59467f1に当接して、遮蔽板59467e1の少なくとも一部が本体部59467fの凹設部59467f1の内側に収容された状態(図247(b)に示す状態)から遮蔽板59467e1が貫通孔59467e6に対して上方側に向かって起立して、遮蔽板59467e1が本体部59467fのU字の内側部分に張り出した状態(図247(a)に示す状態)との間で回転される。
また、第3片59467eは、球受部59467に送球される遊技球を遮蔽板59467e1の内側に受け入れることで、本体部59467fの内側に張り出した状態から、凹設部59467f1の内側に収容された状態に変位することができる。また、この場合、球受部59467に送球される遊技球を遮蔽板59467e1の内側部分に保持することができる。
錘部材59467e7は、遮蔽板59467e1が遊技球を保持していない場合に、遮蔽板59467e1を重力方向上側(本体部59467fに対して張り出した位置)に押し上げるための錘であり、金属材料から形成されると共に、貫通孔59467e6を間に挟んで遮蔽板59467e1の反対側に配設される。
係止部材59467gは、正面視において左右が反対のL字状に形成され、貫通穴5967fが形成される突設部分の背面側に軸支される。また、球受部59467がその球受部59467に受け入れた遊技球を排出する動作時の回転方向側(正面視右側(矢印R方向側))に配設される。これにより、球受部59467に受け入れた遊技球を排出動作する際に、係止部材59467gを球受部59467の回転方向に回転させやすくすることができる。
また、係止部材59467gは、重力方向に延設される一側の上端に前後方向(矢印F−B方向)に開口する開口部59467g1と、一側の下端から第3片59467eの軸支部59467e5側(正面視左側(矢印L方向側)に突設される他側の係止部59467g2と、を主に備える。
係止部59467g2は、第3片59467eの軸支部59467e5に係合する部位であり、第3片59467eの軸支部59467e5の変位領域に配設される。また、係止部59467g2は、係止部材59467gの一側から突設された他側の突設先端面が開口部59467g1側から離間するに従って基端側に向かう傾斜面として形成されており、第3片59467eが変位してその一部が傾斜面に当接される場合に、第3片59467eの当接力が係止部材59467gの回転方向に作用される。これにより第3片59467eの変位に伴って、係止部材59467gを開口部59467g1を中心に回転変位しやすくできる。
次いで、図247を参照して、下変位部材59440が退避状態に配設される場合の第3片59467eの動作について説明する。図247(a)から図247(c)は、下変位ユニット59400の拡大正面図である。なお、図247(a)から図247(c)では、球受部59467の一部および当接部59464gが破線で図示されると共に、図247(a)では、球受部59467が第1位置に変位される途中の状態が図示され、図247(b)では、球受部59467が第1位置に変位された状態が図示され、図247(c)では、球受部59467が第3位置に変位された状態が図示される。
図247(a)に示すように、球受部59467が第1位置に配置される前の状態では、本体部59467fの内側に第3片59467eの遮蔽板59467e1が張り出した(上方に配置された)状態とされる。これにより、球受部59467の背面側から出射される光を遮蔽板59467e1で遮蔽することができる。
一方、図247(b)に示すように、球受部59467が、第1位置に配置される場合には、球受部59467の背面側に可動ラック59464の当接部59464gが配置される。よって、第3片59467eの錘部材59467e7が当接部59464gに当接して、第3片59467eが貫通孔59467e6を中心に回転される。これにより、球受部59467の遮蔽板59467e1が凹設部59467f1の内側に収容される。即ち、遮蔽板59467e1が起立した状態から遮蔽板59467e1が傾倒した状態にされる。
この場合、第3片59467eの錘部材59467e7が配設される部分に、係止部材59467gの係止部59467g2が係合することで、第3片59467eが保持される。これにより、本体部59467fの内側部分に張り出した遮蔽板59467e1を退避させた状態で、球受部59467を第1位置から第3位置の手前まで変位させることができる。
従って、第59実施形態では、本体部59467fの内側に遮蔽板59467e1を張り出した状態で球受部59467を変位させる場合と、本体部59467fの内側から退避した状態で球受部59467を変位させる場合と、を形成することができる。
これにより、遮蔽板59467e1により遊技球に似た影を正面側装飾部11451(図151参照)の透過部11451b(図151参照)に形成して、遊技者に球受部59467に遊技球があると認識させる場合と、球受部59467に遊技球がないと認識させる場合と、を形成することができる。その結果、下変位部材59440による演出のバリエーションを増やすことができる。
なお、図247(c)に示すように、第3片59467eと係合する係止部材59467gとの係合の解除は、球受部59467を第3位置に変位させることで行われる。即ち、球受部59467を第3位置に変位させて球受部59467に遊技球の発射(排出)動作をさせ、球受部59467の回転を停止させた際の慣性力を利用して係止部材59467gを係止部59467g2と軸支部59467f5との係合を解除する方向に回転させる。これにより、第3片59467eと係止部材59467gとの係合が解除される。
次いで、図248及び図249を参照して、球受部59467の変位について説明する。図248(a)及び図248(b)は、下変位部材59440の正面図であり、図249(a)は、図248(a)のCCXLIXa−CCXLIXa線における下変位部材59440の断面図であり、図249(b)は、図248(b)のCCXLIXb−CCXLIXb線における下変位部材59440の断面図である。
なお、図248(a)では、遊技球が球受部59467に受け入れられる前(保持される前)の状態が図示され、図248(b)では、遊技球が球受部59467に受け入られた(保持された)状態が図示される。
図248及び図249に示すように、球受部59467に遊技球が受け入れられる前の状態では、第3片59467eの遮蔽板59467e1が本体部59467fのU字の内側部分に張り出した(遮蔽板59467e1が起立した)状態とされる。これにより、球受部59467の背面側に配設され球受部59467側(矢印F方向側)に出射される光を遮蔽板59467e1により遮蔽することができる。その結果、遮蔽板59467e1により遮蔽されて形成される影を遊技球により形成される影として遊技者に視認させることができる。
また、球受部59467は、遊技球が受け入れられると、その遊技球がお椀型に形成される遮蔽板59467e1の内面側に案内される。これにより、遮蔽板59467e1が遊技球の荷重により軸支部分を中心に回転されて、本体部59467fの凹設部59467f1の内側に収容される。その結果、球受部59467の背面側から球受部59467側(矢印F方向側)に出射される発光体11491aの光を遊技球により遮蔽して、球受部59467に送球された遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。
さらに、遊技球は、お椀型に形成される遮蔽板59467e1の内面側に収容されるので、球受部59467に受け入れられた遊技球が球受部59467の変位に伴って揺れ動くことを抑制できる。その結果、遊技球により形成される影を遊技者に認識させやすくできる。
次いで、図250から図257を参照し、第60実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図250は、第60実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図251はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図252はパチンコ機10の背面図である。
図250に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図250参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図251参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図253参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図250参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図250参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図253参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図251参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図250参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図251参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、正面方向に付勢されており、その付勢に抗して背面方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー54bの操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図251に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図250参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図250参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図251を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図250参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図253参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図251の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図251の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図251の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図253参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図253参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図253参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図253参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図253参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(引込み状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第1入賞口64の左上には第2可変入賞装置82aが配設され、その近傍に第2特定入賞口82が設けられている。通常は第2可変入賞装置82aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2特定入賞口82へと入賞できないようになっている。一方、特定の大当たり(例えば、15R確変大当たり)の際に第2可変入賞装置が開放する(拡大状態となる)ことで、球が第2特定入賞口82に入賞しやすい特別遊技状態とすることができる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図250参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図252に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図253参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図253参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図253を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図253は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図252参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図252参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図254から図257を参照して、第1入賞口64が形成される入賞口ユニット300について詳しく説明する。
初めに、図254から図257を参照して、入賞口ユニット300の構成について説明する。図254は、遊技盤13の分解斜視正面図である。図255(a)は、入賞口ユニット300の正面図であり、図255(b)は、入賞口ユニット300の背面図である。図256(a)は、入賞口ユニット300の側面図であり、図256(b)は、図255(a)のCCLVIb−CCLVIb線における入賞口ユニット300の断面図である。図257(a)は、入賞口ユニット300の斜視正面図であり、図257(b)は、入賞口ユニット300の斜視背面図である。なお、図254では、遊技盤13からセンターフレーム86及び入賞口ユニット300を取り外した状態が図示される。また、図255(b)及び図256(a)には、断面略D字に形成される通路形成部材330の上方端部の屈曲部分の延設方向に沿って仮想線S1が図示される。
図254に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられる中央開口のやや下側(図251下側)に厚み方向に貫通する貫通孔60aがルータ加工によって形成される。入賞口ユニット300は、後述する通路形成部材330が貫通孔60aに挿入されると共に、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定される。
次いで、図255から図257に示すように、入賞口ユニット300は、板状体に形成されるベース部材310と、そのベース部材310の正面側(図255(a)紙面手前側)に突出する球入賞部320と、ベース板60の背面側に突出する通路形成部材330と主に備え、これらベース部材310,球入賞部320及び通路形成部材330が一体に樹脂材料から形成される。
ベース部材310は、貫通孔60aよりも大きい板状に形成されると共に、ベース板60と平行に配設される(図254参照)。また、ベース部材310は、前面側(図256(a)右側)から背面側(図256(a)左側)に貫通形成される開口部311と、その開口部311の上方(図251上方)に位置し、前面側から背面側に向かって凹設される2つの凹設部312(図256(b)参照)と、ベース部材310の周縁部に貫通形成される複数の貫通孔313と、円柱状に形成されると共に背面側に突出形成される突起314とを主に備えて形成される。
開口部311は、後述する球入賞部320(第1入賞口64)の内部に送球された遊技球を背面側に送球可能にする孔であり、遊技球の直径よりも大きい寸法に形成される。
凹設部312は、後述する遊技釘YKをベース板60に打ち込むための下孔であり、遊技釘YKを打ち込む延長線上に凹設される。また、凹設部312は、遊技釘YKを打ち込む方向視において、円形状に形成されており、その内径が遊技釘の外形よりもやや小さく形成される。これにより、遊技釘YKを凹設部312に打ち込む場合に、遊技釘YKと凹設部312との接触抵抗を減らすと共に、遊技釘YKを凹設部312の内面で保持することができる。
なお、遊技釘YKは、上方(図256(a)上方)に5度傾斜して、ベース部材310(入賞口ユニット300)に打ち込まれる。従って、凹設部312は、前面側から背面側に向かって5度下方に傾斜して凹設される。
遊技釘YKは、ベース部材310に2本配設されると共に、釘の頭側が遊技領域に飛び出した状態とされる。2本の遊技釘YKは、後述する球入賞部320の側壁321の上方端部の上方にそれぞれ配設されると共に、2本が同一の高さに設定される。これにより、2本の遊技釘YKの間隔を調整して、遊技領域を流下する遊技球の球数に対して、第1入賞口64に流入する球数を調整できる。
貫通孔313は、入賞口ユニット300をベース板60に締結固定するためのネジを挿通する貫通孔であり、ベース部材310の周縁部に4つ貫通形成される。また、貫通孔313は、前面側が拡径して形成される。これにより、皿ネジの先端側(ネジ部分側)を貫通孔313の前面側から挿通してベース板60に螺合させると、皿ネジの頭部が前面側に突出することを抑制できる。よって、遊技球が遊技領域を流下する場合に、遊技球の流下が皿ビスに阻害されることを抑制できる。その結果、遊技領域を流下する遊技球の流下を安定させることができる。
突起314は、ベース板60と入賞口ユニット300の位置決めをする突起であり、開口部311を挟んで左右に2つ形成される。また、突起314と対向する位置のベース板60には、凹部60b(図254参照)が凹設して形成される。凹部60bは、突起314の外形と略同一の内径の円形状に凹設して形成される。これにより、ベース板60に締結前の入賞口ユニット300を、ベース板60に配置した際に、突起314が凹部60bの内側に挿入されることで、ベース板60に対して入賞口ユニット300を位置決めすることができる。
球入賞部320は、開口部311の周囲から前面側(図256(a)右側)に突出する側壁321と、その側壁321の突出先端側を連結する前壁322とから形成され、側壁321と前壁322とで囲われる領域に第1入賞口64が形成される。
側壁321は、上方が開放した断面U字状に形成され、対向する内壁の対向間の距離寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。前壁322は、側壁321の突出先端を塞ぐ態様に形成される。従って、第1入賞口64は、上方が開放する態様に形成される。
側壁321は、底面(図256(b)下側の面)に、上方に向かって立設される転動部323が形成される。転動部323は、後述する通路形成部材330の背面側(図256(b)左側)端部から前壁322に亘って一定の板厚で形成される。
また、転動部323は、前面側(前壁322側)に向かって上方傾斜して形成されると共に、側壁321の対向間の中間位置に形成される。これにより、第1入賞口64に流入した遊技球は、転動部323の上面に送球されると共に転動部323の傾斜により転動して、背面側に送球される。
通路形成部材330は、ベース部材310の開口部311の周囲から背面側に突出して形成される。通路形成部材330は、背面視において下方側が湾曲する略D字状に形成されており、内側に遊技球を挿通可能な大きさの空間が形成される。これにより、第1入賞口64に流入した遊技球を通路形成部材330の背面側に送球すると共に、通路形成部材330の背面側に連通される通路部材(図示しない)に送球することができる。
また、通路形成部材330は、背面視における上方(図255上方)に位置する2箇所の屈曲部分(仮想線S1で示す部分(図255(b)及び図256(a)参照))が、凹設部312の凹設基端側の中心位置の背面側に位置される。さらに、通路形成部材330の2箇所の屈曲部分には、仮想線S1を軸にして径方向外側に膨出する膨出部331が形成される。これにより、凹設部312の周囲の剛性を高めることができる。その結果、凹設部312に遊技釘YKが打ち込まれた際の衝撃により、入賞口ユニット300が破損することを抑制できる。
また、上述したように、遊技釘YKは、ベース部材310の平面に対して直交する方向と非平行(ベース部材310に打ち込まれた先端側に向かって下方に傾斜する方向)に配設されるので、先端部分が仮想線S1よりも下方に位置される。これにより、遊技釘YKの先端側の上部に位置する膨出部331の厚みが大きくされる。従って、遊技釘YKの先端側を上方に変位し難くすることができる。
ここで、入賞口ユニット300は、上方から遊技球が流下する途中に配設されるので、遊技領域側に突出する遊技釘YKの上方側に流下する遊技球が衝突しやすくなる。そのため、遊技球が遊技釘YKの上部に衝突する衝撃で、遊技釘YKの先端部分に、上方に変位する力が作用し易い。従って、遊技釘YKを植設する入賞口ユニット300の背面側を厚く形成する必要があり、入賞口ユニット300の製造コストが増加するという問題があった。
これに対し、本実施形態では、仮想線S1(通路形成部材330の上端の屈曲部分)を遊技釘YKが打ち込まれる位置の背面側に配置すると共に、その仮想線S1の軸を中心に膨出部331が形成されるので、必要以上に膨出部331を大きくする必要がない。その結果、入賞口ユニット300の製造コストが増加することを抑制できる。
また、通路形成部材330は、下方(図255下方)(背面視D字の湾曲部分)に位置し、第1入賞口64に入賞した遊技球の転動を案内する案内部333を備え、その案内部333と膨出部331とが第1連結部334により連結される。
これにより、膨出部331の上下方向の剛性を高くすることができる。従って、遊技領域側に突出する遊技釘YKの上部に遊技領域を流下する遊技球が衝突した場合に、遊技釘YKが上下方向に変位することを抑制できる。
さらに、通路形成部材330は、2箇所の膨出部331の間を連結する第2連結部335を備えて形成される。これにより、2箇所の膨出部331を連結する方向(図255(b)左右方向)の膨出部331の剛性を高くすることができる。
入賞口ユニット300は、上述したように、センターフレーム86が取付られるベース板60の中央開口の下方に配設される。そのため、センターフレーム86の周りを流下する遊技球が第1入賞口64に流入する場合には、ベース板60(遊技盤13)の左右(図251左右)両側から遊技球が送球される。従って、遊技球が遊技釘YKに衝突した場合に遊技釘YKを左右に変位させる力が作用しやすい。
また、遊技釘YKは、第1入賞口64に流入する遊技球の量を調整する場合に、2本の間の隙間を変更する必要があり、その際に、左右方向に折り曲げられる。従って、この点からも、遊技釘YKには左右方向への力が作用しやすい。
本実施形態では、2箇所の膨出部331の間が第2連結部335により連結されるので、遊技領域に突出する遊技釘にベース板60の左右両側から流下される遊技球が衝突した場合および2本の遊技釘YKの間の間隔を調整する場合に、その衝撃で遊技釘YKが左右方向(図255(b)左右方向)に変位することを抑制できる。
以上のように構成される入賞口ユニット300は、上述したように、第1入賞口64の上方に配設される遊技釘YKがベース部材310に打ち込まれて配設される。よって、遊技釘YKが折れた状態または、遊技釘YKがベース部材310から抜け出た状態となり、正常な遊技が不能とされる場合には、ベース部材310の貫通孔313に挿通した皿ビスを取り外して、入賞口ユニット300をベース板60から取り外し、正常な状態の入賞口ユニット300をベース板60に取り付けることで、正常な遊技を可能とすることができる。
即ち、第1入賞口64の上部に位置し、第1入賞口64へ流入する遊技球の球数を調整する遊技釘YKは、その調整により、折れる又は、抜け落ちる可能性が高い。この場合、遊技釘YKのみを交換すると、新しい遊技釘YKを同じ下孔(凹設部312)に打ち込むため、遊技釘YKを保持する力が足りず、新しい遊技釘YKがすぐに抜け落ちてしまう恐れがある。
これに対し、本実施形態では、遊技釘YKが、折れる又は、抜け落ちた場合に、下孔(凹設部312)が形成されるベース部材310を交換することができるので、交換した遊技釘YKがすぐに抜け落ちることを抑制できる。
次いで、図258から図264を参照して、第61実施形態について説明する。第60実施形態では、入賞口ユニット300が1部材から形成される場合を説明したが、第61実施形態では、入賞口ユニット2300が2部材から形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図258及び図259を参照して、第61実施形態における入賞口ユニット2300の配設位置について説明する。図258は、第61実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。図259は、パチンコ機10の分解斜視正面図である。なお、図258及び図259ではベース板60に配設される遊技釘の一部が図示される。また、図259では、ベース板60からセンターフレーム86及び入賞口ユニット2300を取り外した状態が図示される。
図258及び図259に示すように、第61実施形態におけるベース板60には、センターフレーム86が取付られるベース板60の中央開口の下側(図258側)に連続する凹設部2060cが貫通形成される。入賞口ユニット2300は、その一部が凹設部2060cの内側に挿入されると共に、ベース板60の前面側(図258紙面手前側)からタッピングネジ等により固定される。
凹設部2060cの中央開口側の周囲には、ベース板60の前面側から背面側に向かって凹設される窪み部2360dが形成される。窪み部2360dは、正面視における外形が後述する第2入賞部材2500の外形と略同一に形成される。これにより、第2入賞部材2500を窪み部2360dの内側に配設できる。
また、凹設部2360dには、円環形状に形成されると共に、正面側に突出する円環突起2060d1が複数個形成される。円環突起2060d1は、その内縁部分に第2入賞部材2500を挿通したネジを締結可能に形成される。なお、本実施形態では、円環突起2060d1は、凹設部2360dに4箇所形成される。
次いで、図260から図262を参照して、入賞口ユニット2300の構成について説明する。図260(a)は、入賞口ユニット2300の正面図であり、図260(b)は、図260(a)のCCLXb−CCLXb線における入賞口ユニット2300の断面図であり、図260(c)は、図260(a)のCCLXc−CCLXc線における入賞口ユニット2300の断面図である。図261は、入賞口ユニット2300の分解斜視正面図であり、図262は、入賞口ユニット2300の分解斜視背面図である。なお、図260(c)では、第2入賞部材2500の図示が省略される。
図260から図262に示すように、入賞口ユニット2300は、ベース板60の前面側に配設されると共に遊技釘YKが打ち込まれる第1入賞部材2400と、その第1入賞部材2400の前面側に配設されると共に第1入賞口64を有する第2入賞部材2500とを主に備えて形成される。
第1入賞部材2400は、正面視略矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側から膨出する膨出部2420とから形成される。また、第1入賞部材2400には、正面側から遊技釘YKが打ち込まれる。
本体部2410は、正面視において水平方向(図260(a)左右方向)両端部から内側に向かって凹設される第1凹部2411と、正面視において重力方向両端部から内側に向かって凹設される第2凹部2412と、4方の角部に板厚方向に貫通される貫通孔2413とを主に備えて形成される。また、本体部2410の板厚方向の距離寸法は、ベース板60の窪み部2060dの背面側への凹み寸法と略同一または凹み寸法よりも小さく形成される。これにより、第1入賞部材2400をベース板60に配設した場合に、本体部2410の前面側が、遊技領域側に突出することを抑制できる。その結果、遊技球の流下が、第1入賞部材2400により阻害されることを抑制できる。
第1凹部2411は、本体部2410の重力方向(図260(a)上下方向)中間位置に形成される。これにより、第1入賞部材2400をベース板60の窪み部2460dに嵌め込んだ場合に第1入賞部材2400とベース板60の接地面を大きくできる。従って、第1入賞部材2400がベース板60に対して重力方向に位置ずれすることを抑制できる。
第2凹部2412は、本体部2410の水平方向(図260(a)左右方向)中間位置に形成される。これにより、センターフレーム86と第1入賞口64とが離間する距離を小さくできる。その結果、センターフレーム86の上部から流下する遊技球を第1入賞口64に流入しやすくできる。
貫通孔2413は、第1入賞部材2400をベース板60に締結する場合に、ネジの先端側を挿入する孔である。また、貫通孔2413は、正面側(図260(b)右側)に向かって拡径される。これにより、貫通孔2413に第1入賞部材2400の正面側から皿ネジを挿入した場合に、ネジの頭を貫通孔2413の内部に挿入することができる。
さらに、貫通孔2413は、板厚方向中間位置よりも背面側部分に拡径された拡径部2413aを備える。拡径部2413aは、上述した円環突起2060d1の外径よりも大きい内径に形成されると共に、板厚方向の凹み寸法(本体部2410の背面から拡径部2413aの凹設底面までの距離)が円環突起2060d1の突出寸法よりも小さく形成される。
これにより、第1入賞部材2400を窪み部2360dの内側に配設する場合に、拡径部2413aの内側に円環突起2060d1を挿入できると共に、拡径部2413aの凹設底面と円環突起2360の突出先端面とを当接できる。その結果、ネジの締結位置を円環突起2060d1の突設距離分、正面側に位置させることができ、ネジの先端側の長さを短くすることができる。また、拡径部2413aの凹設底面と円環突起2360の突設先端面とが当接されるので、その分、螺合の長さを増やすことができ、ネジを締結した際の締結力を確保できる。
膨出部2420は、ベース板60の凹設部2060cと前後方向(図260(b)左右方向)に重なる位置に形成される。また、膨出部2420と前後方向に重なる位置に遊技釘YKが打ち込まれる。これにより、遊技釘YKが打ち込まれる位置の第1入賞部材2400の剛性を高くすることができる。その結果、遊技釘YKを第1入賞部材2400に打ち込んだ場合、又は、流下領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突した場合に、第1入賞部材2400が破損することを抑制できる。
第2入賞部材2500は、正面視菱形の板状体から形成されるベース部2510と、そのベース部2510の正面側(図260(b)右側)に突出形成される球入賞部320とを主に備え、これらベース部2510及び球入賞部320が一体に樹脂材料から形成される。
ベース部2510は、上述した凹設部2060cよりも正面視において水平方向(図260(a)左右方向)寸法が大きく設定される。これにより、ベース部2510を凹設部2060cの前面側(図260(b)右側)に配置すると共に、ベース部2510の水平方向両端部をベース板60の前面(正面)に当接させることができる。
ベース部2510は、その上端部(図260(a)上端部)から下方に向かって凹設される開口部311と、水平方向(図260(b)紙面垂直方向)両端部に板厚方向(図260(b)左右方向))に貫通する貫通孔313とを主に備えて形成される。なお、第61実施形態における開口部311は、ベース部2510の外縁部に連なって形成される。また、貫通孔313は、2箇所に形成される。
次いで、図263及び図264を参照して、ベース板60への入賞口ユニット2300の組み付けについて説明する。図263(a)及び図264(a)は、遊技盤13の正面図である。図263(b)は、図263(a)のCCLXIIIb−CCLXIIIb線における遊技盤13の断面図であり、図264(b)は、図264(a)のCCLXIVb−CCLXIVb線における遊技盤13の断面図である。図263(c)は、図263(a)のCCLXIIIc−CCLXIIIc線における遊技盤13の断面図であり、図264(c)は、図264(a)のCCLXIVc−CCLXIVc線における遊技盤13の断面図である。
なお、図263(a)から図263(c)では、ベース板60に第1入賞部材2400が配設された状態(第1入賞部材2400が配設される前の状態)が図示され、図264(a)から図264(c)では、入賞口ユニット2300がベース板60に組み付けられた状態が図示される。
図263に示すように、ベース板60への入賞口ユニット2300の組み付けは、第1に遊技釘YKを打ち込み前の第1入賞部材2400をベース板60に取り付ける。この場合、ベース板60の窪み部2060dに沿って第1入賞部材2400を挿入することで、上述したように、貫通孔2413に形成される拡径部2413aの内側にベース板60の円環突起2060d1が挿入される。
拡径部2413aの内側に円環突起2060d1が挿入された状態で、前面側から皿ビスの先端を貫通孔2413の内側に挿入すると共に、その皿ビスの先端部分を円環突起2060d1の内周面に螺合させる。これにより、遊技釘YKを打ち込み前の第1入賞部材2400がベース板60に取付られる。なお、第1入賞部材2400は、その前面がベース板60の前面と略同一(面一)の位置に設定される。
遊技釘YKは、第1入賞部材2400をベース板60に締結固定した状態で前面側から第1入賞部材2400に打ち込まれる。これにより、比較的小型に形成される第1入賞部材2400に遊技釘YKを打ち込みやすい。また、ベース板60に打ち込まれる釘との相対位置を合わせることができる。
次いで、図264に示すように、前面側に第2入賞部材2500が取付られる。これにより、第1入賞口64と遊技釘の間隔を狭めることができる。即ち、遊技釘YKが打ち込まれる第1入賞部材2400に第1入賞口64(球入賞部320)が形成された状態では、遊技釘を打ち込む際に遊技釘YKを打ち込む機械と第1入賞口64との干渉を避けるために、遊技釘YKを第1入賞口64から所定距離離間させる必要があるところ、第1入賞口64は、遊技釘YKが打ち込まれる第1入賞部材2400とは異なると共に、第1入賞部材2400よりも後工程で取付られる第2入賞部材2500に形成されるので、遊技釘YKを第1入賞部材2400に打ち込んだ後に、第1入賞口64を遊技釘YKに近づけて配設することができる。
次いで、図265から図267を参照して、第62実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400を新しい部材に交換した場合に締結するネジを交換前と交換後とで同一のネジ穴(円環突起2060d1に形成されるめねじ)に螺合する場合を説明したが、第62実施形態では、第1入賞部材3400を交換した場合に、第1入賞部材3400を締結するネジが交換前と交換後とで異なるネジ孔(異なる円環突起2060d1に形成されるめねじ)に螺合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図265(a)は、第62実施形態における遊技盤13の正面図であり、図265(b)は、図265(a)のCCLXVb−CCLXVb線における遊技盤13の断面図である。図266は、遊技盤13の斜視正面図であり、図267は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図267では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図265から図266では、入賞口ユニット3300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図265から図267に示すように、第62実施形態における入賞口ユニット3300は、その一部(第1入賞部材3400)が凹設部2060cの内側に挿入されると共に、ベース板60の前面側(図265(a)紙面手前側)からタッピングネジ等により固定される。
凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲には、ベース板60の前面側(図265(a)紙面手前側)から背面側(図265(a)紙面奥側)に向かって凹設される窪み部3060dが形成される。窪み部3060dは、正面視における外形が後述する第1入賞部材3400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材3400を窪み部3060dの内側に配設できる。
また、窪み部3060dには、円環形状に形成されると共に、正面側に突出する円環突起2060d1と、前面側の左右の縁部に面取部3060d6と、円環突起2060d1が形成される平面の下方(図265(b)下方)から上方(図265(b)上方)に向かって背面側(図265(b)左側)に傾斜する傾斜面3060d2とを備えて形成される。なお、傾斜面3060d2は、下方から上方に向かって背面側に5度傾斜して形成される。
円環突起2060d1は、水平方向(図265(a)左右方向)同一の高さに間に凹設部2060cを挟む態様で2箇所に形成される2組が、上下方向(図265(b)上下方向)に位置の2箇所に形成される(即ち、2組合計4箇所にネジ穴(雌ねじ)が形成される)。
面取部3060d6は、第1入賞部材3400が配設される左右両側(図265(a)左右両側)の前面側(図265紙面手前側)縁部を切り欠いて形成される。面取部3060d1は、左右方向中央側に向かって背面側に傾斜して形成されると共に、切り欠き面積が下方(図265(a)下方)から上方(図265(a)上方)に向かって大きくされる。また、面取部3060d6は、左右方向内側端部が、ベース板60の前面に対して背面側上方に向かって5度傾斜して形成される。即ち、傾斜面3060d2と略同一の角度で切欠き形成される。
入賞口ユニット3300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材3400と、その第1入賞部材3400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材3500とから形成される。
第1入賞部材3400は、正面視横長略矩形の板状体から形成される本体部3410と、その本体部3410の背面側から膨出する膨出部と2420と、正面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。また、第1入賞部材は3400は、後述する本体部3410の短手方向が、上述した傾斜面3060d2の傾斜方向と平行な状態で配設される。よって、第1入賞部材3400は、ベース板60に配設される場合、ベース板60の平面に対して背面側に傾斜した状態で配設される。
本体部3410は、板厚方向に断面円形状に貫通する2つの貫通孔3413と、背面側(図265(b)左側)から正面側(図265(b)右側)に断面円形状に凹設される2つの凹部3414とを備えて形成される。凹部3414は、後述する貫通孔3413の拡径部3413aと同一の形状(凹設寸法および内径が略同一)に設定される。また、遊技釘YKは、本体部3410の短手方向における位置が貫通孔3413の軸と凹部3514の軸との中間位置に打ち込まれる。即ち、貫通孔3413の軸から遊技釘YKの軸までの距離寸法L1(図265(b)参照)と、凹部3414の軸から遊技釘YKの軸までの距離寸法L2(図265(b)参照)とが同一の距離に設定される。
貫通孔3413は、第1入賞部材3400をベース板60に締結する場合に、ネジの先端側を挿入する孔である。貫通孔3413は、正面側(図265(b)右側)に向かって拡径される。これにより、貫通孔3413はに第1入賞部材3410の正面側から皿ネジを挿入した場合にネジの頭を貫通孔2413の内側に挿入できる。
さらに、貫通孔3413は、板厚方向略中間位置よりも背面側(図265(b)左側)に拡径された拡径部3413aを備える。拡径部3413aは、円環突起2060d1の外径よりも大きい内径に形成されると共に、板厚方向の凹み寸法が円環突起2060d1の突出寸法よりも小さく形成される。
貫通孔3413は、第1入賞部材3400がベース板60に配設された状態において、上述した4箇所の円環突起2060d1のうち上方(図265(b)上方)に形成される2箇所の円環突起2060d1と対向する位置に形成される。一方、4箇所の円環突起2060d1のうち下方(図265(b)下方)に形成される2箇所の円環突起2060d1と対向する位置には、凹部3414が形成される。
よって、第1入賞部材3400を窪み部2360dの内側に配設する場合に、拡径部3413aの内側に、4箇所の円環突起2060d1のうち上方に配設される2箇所の円環突起2060d1を挿入できると共に、拡径部3413aの内側に円環突起2060d1を当接できる。
これにより、4箇所の円環突起2060d1のうち上方に形成される2箇所の円環突起2060d1と、第1入賞部材3400に形成される貫通孔とを皿ネジで締結して固定することができる。
また、第1入賞部材3400を窪み部2360dの内側に配設する場合に、凹部3414の内側に4箇所の円環突起2060d1のうち下方に配設される2箇所の円環突起2060d1を挿入できると共に、凹部3414の凹設底面に円環突起2060d1の突設先端面を当接できる。
上述したように、貫通孔3413と凹部3414とは、第1入賞部材3400の短手方向における位置が、遊技釘YKを挟んで同一距離離れた位置に形成される。従って、第1入賞部材3400をベース板60から取り外した場合には、第1入賞部材3400の上下を反転させることで、下方の円環突起2060d1を貫通孔3413の拡径部3413aの内側に挿入できると共に、上方の円環突起2060d1を凹部3414の内側に挿入できる。即ち、第1入賞部材3400を上下反転させることで、ベース板60に第1入賞部材3400を取り付け可能とすることができる。このように、本実施形態では、第1入賞部材3400を2通りの姿勢でベース板60に取り付けることができる。
よって、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400は、第1姿勢と、その第1姿勢から上下を反転させた第2姿勢とで同じ位置に遊技釘YKが植設されるので、第1入賞部材3400の姿勢を変更しても、ベース板60に対する遊技釘YKの位置を所定位置に維持することができる。
また、上述したように、ベース板60には、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400の前面縁部に向かって切り欠かれる面取部3060d6が形成されるので、ベース板60の正面と第1入賞部材3400の前面とを滑らかに連ねることができる。即ち、ベース板60に傾斜面3060d2が形成されることで、ベース板60の前面と第1入賞部材3400の前面との間に段差が形成されることを抑制できる。よって、かかる段差を抑制するために、ベース板60の正面または第1入賞部材3300の正面に他の部材(例えば、第2入賞部材2500の一部)を配設する事を不要とできる。
第2入賞口3500は、正面視横長矩形の板状体から形成されるベース部3510と、そのベース部3510の正面側(図265(b)右側)に突出形成される球入賞部320と、を主に備えて形成される。
ベース部3510は、正面視において凹設部2060cよりも長手方向(図265(a)左右方向)の幅寸法が大きく形成される。これにより、ベース部3510を凹設部2060cの正面側に配設できると共に、ベース部3510の長手方向両端部をベース板60の前面に当接できる。
ベース部3510は、球入賞部320の背面側に貫通形成される開口部311と、長手方向(図268(a)左右方向)両端部に貫通する貫通孔313と、を主に備える。
以上のように構成される入賞口ユニット3300によれば、第1入賞部材3400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材3400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材3500をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材3400を取り外して、新しい(正常な)第1入賞部材3400を取り付けることで修理することができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている。第2遊技盤部材には挿通孔(貫通孔2413)が、第1遊技盤部材にはめねじ(円環突起2060d1の内縁部分)が、それぞれ形成され、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材(皿ネジN2)が、第1遊技盤部材のめねじに螺合されることで、第2遊技盤部材が第2遊技盤部材に対して締結固定される。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。即ち、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材を交換する毎に、めねじとねじ部材との螺合が繰り返され、めねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じるため、交換回数が嵩むと、締結固定の信頼性が低下するという問題点があった。
これに対し、第62実施形態によれば、ベース板60に入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400を締結固定する複数(本実施形態では4個)の円環突起2060d1を備え、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400は、皿ネジN2が挿通可能な複数(本実施形態では2個)の貫通孔2413が形成され、円環突起2060d1の数よりも少ない数(本実施形態では2個)の皿ネジN2により第1入賞部材3400がベース板60に締結固定されているので、1の雌ねじのネジ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、他の円環突起2060d1の内縁部分(めねじ)を使用できる。よって、第1入賞部材3300の交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
また、第62実施形態では、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400が、ベース板60に対する姿勢が第1姿勢または、その第1姿勢から上下を反転させた第2姿勢を少なくとも選択可能に形成され、第1姿勢と第2姿勢とでは、貫通孔2413に連なる円環突起2060d1の内縁が異なる円環突起2060d1の内縁とされるので、1の円環突起2060d1の内縁のねじ山にへたりが生じた場合には、第1入賞部材3400の姿勢を変更することで、他の円環突起2060d1の雌ねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも締結固定の信頼性を確保することができる。
例えば、第1入賞部材3400を図265から図267に示すように、貫通孔2413を第1入賞部材3400の上方に位置させた状態でベース板60に配設した場合には、第1入賞部材3400をベース板60に締結する皿ネジN2が、ベース板60の上方に形成される2箇所の円環突起2060d1に螺合される。第1入賞部材3400に不良が発生して交換する場合には、交換後の第1入賞部材3400の貫通孔2413を第1入賞部材3400の下方に位置した状態でベース板60に配設する。これより、第1入賞部材3400をベース板60に締結する皿ネジN2が、ベース板60の下方に形成される2箇所の円環突起2060d1の内側に螺合される。
さらに、第1入賞部材3400は、貫通孔2413の数が円環突起2060d1の数よりも少なくされるので、第1入賞部材3400がベース板60の正面に視認可能に配設可能に配設される場合に、皿ネジN2が挿通されていない状態で遊技者に視認される貫通孔3400の数を低減できる。よって、貫通孔3400を被覆するための他の部材(例えば、第2入賞部材3500)の面積を抑制できる。なお、貫通孔3400の数と同数の皿ネジN2により第1入賞部材3300がベース板60により第1入賞部材3400がベース板60に締結固定されることが好ましい。この場合には、皿ネジN2が挿通されていない状態で遊技者に視認される貫通孔2413を無くすことができる。よって、他の部材による貫通孔3400の被覆を不要とすることができる。
また、貫通孔2413の数を減らせることで、その分、第1入賞部材3400の強度を確保できる。ここで、第1入賞部材3400は比較的小型となるため、その強度の確保が困難である。一方、遊技釘YKが植設されるものとして、第1入賞部材3400が形成される場合は、遊技釘YKを植設する際の打ち込み荷重に対し、或いは、遊技中に遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃に対し、強度を確保する必要がある。よって、遊技釘YKが植設される第1入賞部材3400では、貫通孔2412の数を減らせることが強度確保の観点から特に有効となる。
また、ベース板60には、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400を支持する傾斜面3060d2に所定の傾斜角度(本実施形態では5度)が付与され、第1入賞部材3400には、傾斜面3060d2に支持される本体部3410に対して垂直に釘が植設されるので、第1入賞部材3400の姿勢(第1姿勢又は第2姿勢)を変更しても、ベース板60に対する釘の傾斜角度を一定に維持することができる。
次いで、図268及び図269を参照して、第63実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400を交換した場合に締結するネジを交換前と交換後とで同一の雌ねじ部分(円環突起2060d1)に螺合する場合を説明したが、第63実施形態では、第1入賞部材3400を交換した場合に、第1入賞部材3400を締結するネジが交換前と交換後とで異なる雌ねじ部分(円環突起2061d1)に螺合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図268(a)は、第63実施形態における遊技盤13の正面図であり、図268(b)は、図268(a)のCCLXVIIIb−CCLXVIIIb線における遊技盤13の断面図である。図269は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図269では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図268及び図269では、入賞口ユニット4300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図268及び図269に示すように、第63実施形態における入賞口ユニット4300は、その一部(第1入賞部材4400)が凹設部2060cの内側に挿入されると共にベース板60の前面側(図268(a)紙面手前側)からタッピングネジ等により固定される。
凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲には、ベース板60の前面側(図268(a)紙面手前側)から背面側(図268(b)紙面奥側)に向かって凹設される窪み部4060dが形成される。
窪み部4060dには、円環形状に形成されると共に、正面側に突出する円環突起2060d1が形成される。なお、本実施形態における円環突起2060d1は、窪み部4060dに上下方向(図269上下方向)に3個並んで形成されると共に、凹設部2060cを挟んで合計6個形成される。
入賞口ユニット4300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材4400と、その第1入賞部材4400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材3500とから形成される。
第1入賞部材4400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部4410と、その本体部4410の背面側から膨出する膨出部2420と、正面側から打ち込まれる遊技釘YKとから形成される。
本体部4410は、板厚方向に断面円形状に貫通する貫通孔2413を備えて形成される。貫通孔2413は、第1入賞部材4400がベース板60に配設された状態において、ベース板60に形成される6個の円環突起2060d1の前面側(図268(b)右側)にそれぞれ形成される。即ち、貫通孔2413は、本体部4410に6箇所形成される。
よって、第1入賞部材4400を窪み部4360dの内側に配設する場合に、拡径部2413aの内側にそれぞれ円環突起2060d1を挿入できる。なお、第63実施形態では、第1入賞部材4400とベース板60とを締結する皿ネジN2が2本とされ、6個の円環突起2060d1のうちの2箇所に皿ネジN2が螺合される。
なお、皿ネジN2を螺合する円環突起2060d1は、凹設部2060cを挟んで左右方向両側に形成される2箇所の窪み部4060dからそれぞれ1箇所ずつとすることが好ましい。これによれば、第1入賞部材4400の長手方向両端で皿ネジN2を締結することができる。よって、第1入賞部材4400が遊技球の衝突や衝撃によりベース板60に対して揺れ動くことを抑制できる。
第2入賞口4500は、正面視横長矩形の板状体から形成されるベース部4510と、そのベース部4510の正面側に(図268(b)右側)に突出形成される球入賞部320とを主に備えて形成される。
ベース部4510は、正面視において凹設部2060cよりも長手方向(図268(a)左右方向)の幅寸法が大きく形成される。これにより、ベース部4510を凹設部2060cの正面側に配設できると共に、ベース部4510の長手方向両端部をベース板60の前面に当接できる。
ベース部4510は、球入賞部320の背面側に貫通形成される開口部311と、長手方向(図268(a)左右方向)両端部に貫通する貫通孔313と、長手方向(図268(a)左右方向)両側から、上方(図268(a)上方)に延設される覆設部材4511とを備える。
覆設部4511は、第2入賞部材4500がベース板60に配設された状態において、ベース板60の円環突起2060d1の正面側に位置して形成される。これにより、第1入賞部材4400を締結する皿ネジN2の正面側に覆設部材4511が配設され、第1入賞部材を締結するネジを遊技者から視認し難くできる。また、第1入賞部材3400を第2入賞部材3500をベース板60から取り外した後で、第1入賞部材3400の取り外しが可能となるので、不正操作により遊技者が遊技盤13の正面に配設される前面枠14を開放して、第1入賞口3400のみを取り外して不正を働くことを抑制できる。同時に皿ネジN2が締結されていない貫通孔2413を覆設して遊技者から視認し難くできる。
以上のように構成される入賞口ユニット4300によれば、第1入賞部材4400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材4400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材3500をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材4400を取り外して、新しい(正常な)第1入賞部材4400を取り付けることで修理することができる。
上述したように、入賞口ユニット4300の第1入賞部材3300には、複数の円環突起2060d1の雌ねじに対応する位置に貫通孔2413がそれぞれ貫通形成されるので、1の雌ねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、他の雌ねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
また、第63実施形態では、第1入賞部材4400をベース板60に取り付ける場合に、6個の円環突起2061d1に対して2個の皿ネジN2で締結されるので、他の雌ねじを使用する場合に、第1入賞部材4400の姿勢を変更する必要がない。即ち、第1入賞部材4400が選択可能な姿勢の数に雌ねじの数が限定されない。よって、雌ねじの数をより多く確保することができる。その結果、第1入賞部材4400の交換可能な回数をより多く確保できる。
さらに、第2入賞部材4500には、覆設部4511が形成され、その覆設部4511が、第1入賞部材4400の前面側に位置して配設されるので、皿ネジN2が挿通されていない貫通孔2413を被覆して、遊技者から隠すことができる。よって、外観の向上を図ることができる。また、第1入賞部材4400の下側(図268(a)下側)のみが皿ネジN2により遊技盤13に締結固定されている場合に、第1入賞部材4400の前面に第2入賞部材4500の覆設部4511が張り出されていることで、第1入賞部材4400の上側(図268(a)上側)の浮き上がりを抑制できる。
次いで、図270及び図271を参照して、第64実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400を締結する皿ネジN2の螺合対象(円環突起2061d1の雌ねじ)をベース板60に形成する場合を説明したが、第64実施形態では、皿ネジN2の螺合対象(雌ねじ)が別部材に形成される。なお。上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図270(a)は、第64実施形態における遊技盤13の正面図であり、図270(b)は、図270(a)のCCLXXb−CCLXXb線における遊技盤13の断面図である。図271は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図271では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図270及び図271では、入賞口ユニット5300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図270及び図271に示すように、第64実施形態における入賞口ユニット5300は、その一部(第1入賞部材2400)が凹設部2060cの内側に挿入されると共に、ベース板60の前面側(図270(a)紙面手前側)からタッピングネジ等により固定される。
凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲には、ベース板60の前面側(図270(a)紙面手前側)から背面側(図270(a)紙面奥側)に向かって凹設される窪み部5060dが形成される。
窪み部5060dは、正面視における外形が第1入賞部材2400の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部5060dの内側に第1入賞部材2400を挿入して配設できる。また、窪み部5060dには、前面側から背面側に貫通する挿通孔5060d3が形成される。
挿通孔5060d3は、正面視円形状に形成されており、ベース板60に第1入賞部材5400を配設した状態において、第1入賞部材5400の貫通孔2413の軸と同軸上に形成される。
また、遊技盤13には、ベース板60の背面側に正面視円形状の板からなる回転部材5600が配設される。また、回転部材5600の背面側には、円柱状に形成され、回転部材5600の中心に挿入される回転軸部5650が配設される。
回転部材5600は、その中心に円形に貫通する軸孔5610と、回転部材5600の中心からそれぞれ同一距離離間する位置に貫通形成される複数の締結孔5620とを備える。軸孔5610は、後述する回転軸部5650が内側に配設される孔であり、その内径が回転軸部5650(支持部5660)の外径よりも小さく形成される。
締結孔5620は、回転部材5600の中心を軸とする周方向にそれぞれ隣合う締結孔5620と所定の角度分離間して形成される。本実施形態では、締結孔5620が回転部材5600に8箇所形成され、それぞれ隣合う締結孔5620が回転部材5600の軸を中心に略45度離間する位置に形成される。また、締結孔5620は、第1入賞部材2400を締結するための皿ネジN2が螺合される部分であり、タッピング加工により内側に雌ねじが形成される。
回転軸部5650は、回転部材5600を回転可能に支持する支持部であり、円柱状に形成される支持部5660と、その支持部5660の背面側に位置し径方向外側に膨出する係合部5670とを主に備えて形成される。
支持部5660は、その外径が回転部材5600の軸孔5610の内径よりも小さく形成される。これにより、支持部5660を軸孔5610の内側に挿入して、軸孔5610を回転可能に支持できる。また、支持部5660には、前面側から背面側に貫通する貫通孔5661が2箇所に形成される。背面側から貫通孔5661にネジを挿通すると共に、ベース板60の背面側に螺合することで、回転軸部5650がベース板60から脱落不能に保持される。
係合部5670は、外形が回転部材5600の軸孔5610の内径よりも大きく形成される。これにより、回転部材5600の軸孔5610の内側に回転軸部5650の支持部5660を挿入した場合に回転部材5600が背面側に抜け落ちることを抑制できる。
回転部材5600は、その中心がセンターフレーム86が配設されるベース板60の中央開口よりも下方に位置して配設されると共に、その一部がベース板60の凹設部2060cの背面側に位置される。また、複数の締結孔5620は、そのうちの2箇所がベース板60の窪み部5060dの挿通孔5060d3の同軸上に配置される。これにより、後述する第1入賞部材5400を皿ネジN2で締結固定できる。
上述したように、回転部材5600は、ベース板60に対して回転可能に配設され、締結孔5620が回転部材5600の中心を軸とする周方向に一定間隔で形成されるので、回転部材5600を回転した場合に、2箇所の挿通孔5060d3と2箇所の締結孔5620との軸位置を合わせることができる。
入賞口ユニット5300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材5400が形成される。第1入賞部材5400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部5410と、その本体部5410の背面側から膨出する膨出部2420と、前面側から打ち込まれる遊技釘YKとから形成される。
本体部5410は、板厚方向に円形状に貫通する貫通孔2413が形成される。貫通孔2413は、第1入賞部材5400がベース板60に配設された状態において、ベース板60に形成される2箇所の挿通孔5060d3と同軸上に形成される。よって、第1入賞部材5400の前面側から皿ネジN2を貫通孔2413に挿入させることで、皿ネジN2先端をベース板60の挿通孔5060d3に挿通させることができる。上述したように、挿通孔5060d3の背面側には、回転部材5600の締結孔5620が位置されるので、皿ネジN2を締結孔5620に締結固定できる。
以上のように、構成される入賞口ユニット5300及び回転部材5600によれば、第1入賞部材5400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材5400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材2500をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材5400を取り外し、新しい(正常な)第1入賞部材5400を取り付けることで修理することができる。
また、ベース板60の背面に変位可能に支持されると共に複数の雌ねじが形成される円盤部材5600を備えるので、1の雌ねじのネジ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、円盤部材5600を変位させることで、他の雌ねじを使用できる。よって、入賞口ユニット5300の第1入賞部材5400の交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
即ち、第64実施形態では、回転部材5600が、ベース板60に対して回転可能に配設されると共に、皿ネジN2を螺合できる締結孔5620が周方向に一定の間隔で複数箇所(8箇所)に形成される。よって、第1入賞部材5400を交換する場合には、回転部材5600を回転させると共に、皿ネジN2の螺合が一度もされていない締結孔5620とベース板60の挿通孔5060d3とを位置わせした後に、交換後の第1入賞部材5400に皿ネジN2を挿通して、締結孔5620に螺合させる。これにより、皿ネジN2を締結するための雌ねじを第1入賞部材5400の交換前と交換後とで異ならせることができる。
よって、皿ネジN2が螺合される雌ねじ部分(締結孔5620)を第1入賞部材5400の交換に伴って変更できるので、雌ねじ部分がへたることを抑制できる。その結果、第1入賞部材5400の締結固定の信頼性を確保することができる。
特に、第64実施形態では、円盤部材5600がベース板60の背面に支持されているので、第1入賞部材5400を取り外した際に、円盤部材5600が脱落しないように、又は、第1入賞部材5400を取り付ける際に、皿ネジN2を円盤部材5600の雌ねじに螺合させるために、ベース板60の背面から作業者が手で円盤部材5600を保持しておく必要がない。よって、第1入賞部材5400を交換する際に、遊技盤13を開放させる必要がなく、遊技盤13を閉じた状態のままで、前面から第1入賞部材5400の交換作業を行うことができる。よって、第1入賞部材5400を交換する作業の作業性を向上できる。
また、円盤部材5600が、正面視円形に形成されると共にその円形の中心を回転軸としてベース板60に回転可能に軸支されるので、皿ネジN2を螺合させる雌ねじを変更する為に、円盤部材5600を回転させても、遊技者から視認される円盤部材5600の外観を一定に維持できる。特に、ベース板60が光透過性の材料から形成され、円盤部材5600がベース板60を介して透視される場合には、正面視円形の形状が外観の維持に対して特に有効となる。
さらに、ベース板60は、第1入賞部材5400が配設される領域に開口形成されると共に、円板部材5600に連通される凹設部2060cを備えるので、かかる凹設部2060cを介して、ベース板60の正面から円盤部材5600を作業者が操作することを可能とできる。即ち、第1入賞部材5400を取り付ける際に、円盤部材5600を回転させて雌ねじを位置を調整しておく必要があるところ、かかる調整を、遊技盤13を閉じた状態のままで行うことができる。また、第1入賞部材5400により被覆して凹設部2060cを遊技者から隠すことができる。よって、外観の向上を図ることができる。
次いで、図272及び図273を参照して、第65実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400を締結する皿ネジN2が遊技盤13の前面側から挿入される場合について説明したが、第65実施形態では、皿ネジN2が上方側から挿入される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図272(a)は、第65実施形態における遊技盤13の正面図であり、図272(b)は、図272(a)のCCLXXIIb−CCLXXIIb線における遊技盤13の断面図である。図273は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図272(a)及び図272(b)では、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示され、図273では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図272及び図273では、入賞口ユニット6300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図272及び図273に示すように、第65実施形態におけるベース板60は、凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲に前面側(図272(a)紙面手前側)から背面側に向かって凹設される窪み部6060dが形成される。
窪み部6060dは、正面視における外形が第1入賞部材2400の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部6060dの内側に第1入賞部材6400を挿入して配設できる。また、窪み部6060dが形成された下面には、下方に凹設される締結孔6060d4が複数個形成される。
締結孔6060d4は、上面視円形状に形成されており、ベース板60に第1入賞部材6400を配設した状態において、第1入賞部材6400の貫通孔6413の軸と同軸上に形成される。
入賞口ユニット6300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材6400と、その第1入賞部材6400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500とから形成される。
第1入賞部材6400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部6410と、その本体部6410の背面側から膨出する膨出部2420と、前面側から打ち込まれる遊技釘YKとから形成される。
本体部6410及び膨出部2420には、上下方向(図272(a)上下方向)に貫通する貫通孔6413が複数個形成される。貫通孔6413は、第1入賞部材5400を締結するためのネジN4を挿入する孔であり、ネジN4の先端の外径よりも大きく形成される。また、貫通孔6413は、上端側がネジN4の頭部を挿入可能な大きさに拡径される。これにより、第1入賞部材5400を締結した場合に、ネジN4の頭部が上方(センターフレーム86)側に突出することを抑制できる。
貫通孔6413は、第1入賞部材6400の長手方向(図272(a)左右方向)の両端に3箇所ずつ形成される(合計6箇所形成される)。上述したように、第1入賞部材6400の貫通孔6413は、ベース板60の締結孔6060d4と同軸上に形成される。よって、第1入賞部材6400は、ネジN4を貫通孔6413に挿通すると共に、締結孔6060d4に螺合することで、ベース板60に締結固定される。
以上のように構成される入賞口ユニット6300によれば、第1入賞部材6400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材6400から抜け落ちた場合に、センターフレーム86をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材540を取り外し、新しい(正常な)第1入賞部材6400を取り付けることで修理することができる。
上述したように、貫通孔6413は、第1入賞部材6400に複数箇所(6箇所)形成される。よって、第1入賞部材6400を交換する場合には、交換後の第1入賞部材6400をベース板60に配置したあとに、ネジN4の螺合が一度もされていない締結孔6060d4と同軸上に位置する貫通孔6413にネジN4を挿通すると共に、ネジN4を締結孔6060d4に螺合させる。これにより、ネジN4を締結するための雌ねじを第1入賞部材6400の交換前と交換後とで異ならせることができる。
従って、ネジN4が螺合される雌ねじ(締結孔6060d4)を第1入賞部材6400の交換に伴って変更できるので、雌ねじがへたることを抑制できる。その結果、ベース板60へ螺合するネジN4が衝撃等で取り外れることを抑制できる。
また、貫通孔6413及び締結孔6060d4がベース板60の前面に略平行に延設されるので、貫通孔6413又はネジN4の頭が遊技盤13の前面(遊技面)に露出されないようにできる。よって、ネジN4が挿通されていない貫通孔6413を遊技者に視認させ難くできるので、貫通孔6413を被覆するための他の部材の面積を抑制または不要とすることができる。また、ネジN4の頭が遊技球の転動面(遊技面)に露出されないので、ネジN4を皿ネジとすることや、ネジN4の頭を収容する座繰り(凹部)を設けることを不要とでき、構造を簡素化できる。
次いで、図274及び図275を参照して、第66実施形態について説明する。第61実施形態では、ベース板60に形成される円環突起2060d1に皿ネジN2を螺合する場合を説明したが、第66実施形態では、皿ネジN2が螺合される螺合部分(円環突起2060d1)が第1入賞部材7400に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図274(a)は、第66実施形態における遊技盤13の正面図であり、図274(b)は、図274(a)のCCLXXIVb−CCLXXIVb線における遊技盤13の断面図である。図275は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図275では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図274及び図275では、入賞口ユニット7300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。さらに、図274(a)及び図274(b)では、入賞口ユニット7300の第1入賞部材2400が透明視されると共に、その外形が鎖線で図示される。
図274及び図275に示すように、第66実施形態におけるベース板60は、凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲に背面側(図274(a)紙面奥側)から前面側(図274(a)紙面手前側)に凹設される窪み部7060dが形成され、その窪み部7060dの前面側の非凹設部分に遊技盤張出部7060kが形成される。
窪み部7060dは、背面視における外形が第1入賞部材7400の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部7060dの内側に第1入賞部材7400を挿入して配設できる。また、窪み部7060dには、前面側に貫通する貫通孔7060eが複数個形成される。
貫通孔7060eは、正面視円形状に形成されており、ベース板60に第1入賞部材7400を配設した状態において、第1入賞部材7400の円環突起7414の軸と同軸上に形成される。また、貫通孔7060eは、前面側が皿ビスN2の頭部を収容できるように拡径して形成されると共に、背面側が円環突起7414を収容できるように拡径して形成される。即ち、拡径部7060eは、背面側に拡径部7060e1を備える。
拡径部7060e1は、後述する円環突起7414の外径よりも大きく形成されると共に、前面側への凹設寸法が後述する円環突起7414の突設寸法よりも小さく形成される。これにより、第1入賞部材7400をベース板60に配設した状態において、円環突起7414を拡径部7060e1の内側に挿入できると共に、円環突起7414の突設先端面を拡径部7060e1の凹設底面に当接させることができる。
即ち、第1入賞部材7400がベース板60に対して締結固定された状態では、第1入賞部材7400の背面とベース板60の前面との間に隙間が形成された状態を形成できる。よって、円環突起7414の弾性変形を利用して、第1入賞部材7400をベース板60に対して相対変位させやすくできる。その結果、例えば、第1入賞部材7400に遊技釘YKが植設される場合には、遊技中に遊技球が遊技釘YKに衝突する際の振動を吸収して、遊技釘YKの破損(折損)を抑制できる。
なお、この場合には、円環突起7414は、拡径部7060e1の内側寸法よりも小さい寸法に設定されることが好ましい。また、円環突起7414の突設先端と拡径部7060e1の凹設底面とを除き、他の部分では、第1入賞部材7400とベース板60とが当接しないことが好ましい。これらにより、円環突起7414をより弾性変形しやすくすることができる。
入賞口ユニット7300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材7400と、その第1入賞部材7400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500とから形成される。
第1入賞部材7400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部7410と、その本体部7410の前面側から膨出する膨出部7420と、その膨出部7420側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部7420は、本体部7410の長手方向(図274(a)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部7410の長手方向において本体部7410よりも短く形成される。これにより、本体部7410の長手方向外側には、膨出部7420よりも外側に張り出した本体側張出部7437が形成される。本体部7410の本体側膨出部7437には、前面側のベース板60側に円環状に突出する円環突起7414が形成される。
円環突起7414は、本体部7410の長手方向両端部にそれぞれ2個ずつ形成される(合計4個形成される)。また、円環突起7414は、皿ネジN2が螺合される部分であり、円環状の内周部分に雌ねじが形成される。
第1入賞部材7400を締結する4本の皿ネジN2は、ベース板60の貫通孔7060eを挿通されると共に、第1入賞部材7400の円環突起7414に螺合される。これにより、第1入賞部材7400をベース板60に締結固定できる。
以上にように構成される入賞ユニット7300によれば、第1入賞部材7400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材7400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材7500をベース板70から取り外した後に、不良の第1入賞部材7400を取外して、新しい(正常な)第1入賞部材7400を取り付けることで修理することができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(入賞口ユニット3300)とを備えた遊技機が知られている。第2遊技盤部材には挿通孔(貫通孔2413)が、第1遊技盤部材にはめねじ(円環突起2060d1の内縁部分)が、それぞれ形成され、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材(皿ネジN2)が、第1遊技盤部材のめねじに螺合されることで、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定される。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。即ち、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材を交換する毎に、めねじとねじ部材との螺合が繰り返され、めねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じるため、交換回数が嵩むと、締結固定の信頼性が低下するという問題点があった。
これに対し、第66実施形態によれば、皿ネジN2が挿通される貫通孔7060eがベース板60に形成されると共に、ベース板60の貫通孔7060eに挿通された皿ネジN2が螺合される雌ねじ(円環突起7414)が第1入賞部材7400に形成されるので、第1入賞部材7400を交換する際には、その交換に伴って、新しい雌ねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
また、第1入賞部材7400の前面から突設される円環突起7414と、その円環突起7414を受け入れ可能にベース板60の背面に凹設される拡径部7060e1とを備え、雌ねじが第1入賞部材7400の円環突起7414に形成されると共に、貫通孔7060eがベース板60の拡径部7060e1に連通して形成されるので、雌ねじのネジ部(軸部)の長さを確保できる。よって、その分、皿ネジN2の軸力を高めることができ、第1入賞部材7400をベース板60に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第1部材7400は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、円環突起7141に雌ねじを形成して、ネジ部の長さを確保することで、皿ネジN2に所定の軸力を付与可能としつつ、第1入賞部材7400の負担を分散させることができいる。即ち、円環突起7141に雌ねじを設ける構成が、強固な締結固定と構成部材の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
また、第1入賞部材7400は、窪み部7060dが背面側から前面側に向かって凹設されるので、遊技釘YKを打ち込んだ場合に、ベース板60が破損することを抑制できる。
即ち、上述した第61実施形態では、窪み部2060dが前面側から背面側に向かって凹設されるので、遊技釘YKを第1入賞部材2400に打ち込んだ際の衝撃が、第1入賞部材2400から窪み部2060dの背面側部分(窪み部2060dにより薄肉化された部分)のベース板60に伝達される。従って、薄肉化された部分のベース板60には、窪み部2060dから離れる方向(背面方向)に力が作用する。その結果、窪み部2060dの角部分に力が集中して、ベース板60が破損する恐れがあった。
これに対し、第66実施形態では、遊技釘YKを打ち込んだ際の衝撃が、皿ネジN2から窪み部7060dの正面側部分(窪み部2060dにより薄肉化された部分)のベース板60に伝達される。従って、薄肉化された部分のベース板60には、窪み部7060d側に近づく方向に力が作用する。その結果、窪み部7060dの角部に力が集中することを抑制でき、ベース板60が破損することを抑制できる。
さらに、ベース板60には、第3図柄表示装置81を視認可能とするための中央開口(窓部)と、第1入賞部材7400を配設するための凹設部2060cとが開口形成され、それら中央開口と凹設部2060cとが連通されているので、第1入賞部材7400を交換する際に、ベース板60の中央開口を利用して作業者に第1入賞部材7400を握持(把持)させることができる。よって、第1入賞部材7400の交換作業の作業性の向上を図ることができる。例えば、第1入賞部材7400に遊技釘YKが植設される場合には、遊技釘YKを握持しなくても交換作業ができるので、新たに取り付ける第1入賞部材7400の遊技釘YKが握持されることを抑制して遊技釘が屈曲したり遊技釘YK同士の間隔が変更されることを抑制できる。
また、第1入賞部材7400には2本の遊技釘YKが植設され、それら2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線の延長線上には雌ねじが非形成とされるので、第1入賞部材7400の割れを抑制できる。即ち、2本の遊技釘YKの植設に伴うひずみ(第1入賞部材7400の弾性変形)が2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線の方向で重なるため、仮想線の延長線上の領域では、第1入賞部材7400の割れが発生しやすいところ、かかる領域には、雌ねじが非形成とされることで、遊技釘YKの植設に伴うひずみに、皿ネジN2の螺合に伴う負荷が更に重なることを抑制できる。その結果、第1入賞部材7400の割れを抑制できる。
なお、仮想線の延長線と雌ねじとの離間距離は、第1入賞部材7400の割れを抑制する観点より、皿ネジN2の外径の基準寸法(ネジの呼び径)以上に設定されることが好ましく、皿ネジN2の外径の基準寸法の2倍以上に設定されることがより好ましい。
次いで、図276(a)を参照して第67実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に対して正面側から取り外し可能に形成される場合を説明したが、第67実施形態では、第1入賞部材8400がベース板60に対して上方側から取り外し可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図276(a)は、第67実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図276(a)は、図274(b)の断面図と対応する。また、図276(a)では、入賞口ユニット8300及び及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。さらに、図276(a)では、入賞口ユニット8300の第2入賞部材2500が透明視されると共に、その外形が破線で図示される。
図276(a)に示すように、第67実施形態におけるベース板60は、ベース板60の背面に前面側へ向けて凹設される窪み部7060dと、その窪み部7060dの反対側に形成される(ベース板60の前面に背面側へ向けて凹設される)第2窪み部8060fと、窪み部7060d及び第2窪み部8060fの間に形成される突出部8060gと、窪み部7060dからベース板60の前面に貫通形成される貫通孔7060eとを主に備えて形成される。
第2窪み部8060fは、凹設部2060cに連なって形成されると共に、左右方向(図276(a)左右方向)の距離寸法が窪み部7060dの左右方向寸法よりも小さく形成される。貫通孔7060eは、窪み部7060dが形成される前面側に形成されると共に、第2凹設部8060fの左右方向外側に位置される。
突出部8060gは、後述する第1入賞部材8400の溝部8414の内側に挿入される板であり、窪み部7060dの上下方向(図276(a)紙面手前側から紙面奥側の方向)寸法と略同一の上下方向寸法に形成される。
入賞口ユニット7300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材8400と、その第1入賞部材8400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材3500とから形成される。
第1入賞部材8400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部8410と、その本体部8410の前面側から膨出する膨出部8420と、その膨出部8420側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部8420は、本体部8410の長手方向(図276(a)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部8410の長手方向において本体部8410よりも短く形成される。また、膨出部8420には、本体部8410との連結部分側の左右方向(図276(a)左右方向)の側面から中央側に向かって溝部8421が形成(凹設)される。
本体部8410には、膨出部8420よりも長手方向外側に皿ネジN2を螺合できる雌ねじ(締結孔8415)が形成される。また、締結孔8415は、第1入賞部材8400をベース板60に配設した状態において、ベース板60の貫通孔7060eと同軸上に形成される。よって、第1入賞部材8400は、皿ネジN2を貫通孔7060eに挿入した後に締結孔8415に螺合することでベース板60に締結固定される。
溝部8421は、本体部8410の短手方向(図276(a)紙面手前側と紙面奥側とを結ぶ方向)に全域に形成される。また、溝部8421は、その前後方向(図276(a)上下方向)の対向間寸法が上述した突出部8060gの前後方向寸法よりも大きく形成されると共に、左右方向の凹設寸法が突出部8060gの突出寸法よりも大きく形成される。
これにより、第1入賞部材8400は、凹設部2060cの上方(図276(a)紙面手前側)から下方(図276(a)紙面奥側)に変位させると共に、溝部8421の内側に突出部8060gを挿入してベース板60に配設できる。即ち、突出部8060gと溝部8421とが係合した状態とされる。
以上のように構成される入賞口ユニット8300によれば、第1入賞部材8400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材8400から抜け落ちた場合に、センターフレーム86をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材8400を取り外して、新しい(正常な)第1入賞部材8400を取り付けることで修理することができる。
上述したように、第1入賞部材8400をベース板60に締結するための締結孔8415は、第1入賞部材8400に形成される。よって、第1入賞部材8400を交換した場合には、第1入賞部材8400を締結するための締結孔8415も交換されるので、第1入賞部材8400を交換する度に雌ねじ部分が摩耗してへたることを抑制できる。その結果、第1入賞部材8400の締結孔8415に締結する皿ネジN2が衝撃等で取れる(緩む)ことを抑制できる。
また、第67実施形態では、上述したようにベース板60の凹設部2060cの内側面から突出される突出部8060gと、その突出部8060gを受け入れ可能に第1入賞部材8400の外側面に凹設されると共にベース板60の前面(遊技面)に平行な方向に沿って連続して延設され中央開口(窓部)に連なる溝部8421とを備えるので、第1入賞部材8400をベース板60の中央開口側へ抜き取ることを可能としつつ、遊技に伴う振動により或いは不正な手段により皿ネジN2がゆるんだり取り外された場合でも、ベース板60から第1入賞部材8400が脱落することを抑制できる。
即ち、突出部8060gと溝部8421とが係合した状態とされるので、仮に皿ネジN2が衝撃等で締結孔8415から抜け出た場合に、突出部8060gと溝部8421との係合により、第1入賞部材8400がベース板60に対して前後方向に動くことを抑制できる。
さらに、ベース板60の凹設部2060cの内側面から張り出し挿通孔7060eが形成される遊技盤張出部7060kと、第1入賞部材8400の外側面から張り出し雌ねじが形成される本体部側張出部7437とを備え、ベース板60の遊技盤張出部7060kから突出部8060gが突出されると共に、第1入賞部材8400の本体側張出部7437の非形成部分(膨出部8420の外側面)に溝部8421が凹設されるので、雌ねじのねじ部(完全ネジ部)の長さを確保できる。よって、その分、皿ネジN2の軸力を高めることができ、第1入賞部材8400をベース板60に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第1入賞部材8400は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、ベース板60の遊技盤張出部7060kから突出部8060gが突出して、ネジ部の長さを確保することで、皿ネジN2に所定の軸力を付与可能としつつ、第1入賞部材8400の負担を分散させることができる。即ち、ベース板60の遊技盤張出部7060gから突出部8060gを突出する構成が、強固な締結固定と第1入賞部材8400の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
次いで、図276(b)を参照して、第68実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に対して正面側から取り外し可能に形成される場合を説明したが、第68実施形態では第1入賞部材9400がベース板60に対して上方側から取り外し可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図276(b)は、第68実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図276(b)は、図274(b)の断面図と対応する。また、図276(b)では、入賞口ユニット8300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。さらに、図276(b)では、入賞口ユニット8300の第2入賞部材2500が透明視されて図示されると共に、その外形が破線で図示される。
図276(b)に示すように、第68実施形態におけるベース板60は、背面側(図276(b)上方側)から前面側(図276(b)下方側)に凹設される窪み部9060dを備えて形成される。窪み部9060dには、ベース板60の背面側の端部における内壁から内側に向かってする突出部9060gが突出して形成される。
突出部9060gは、窪み部9060dの背面と突出部9060gとの対向面を形成するための壁部であり、窪み部9060dの背面と所定の間隔を隔てて形成される。これにより、後述する第1入賞部材9400の係合部9417を窪み部9060dの背面と突出部9060gとの対向間に挿入できる。
また、突出部9060gは、ベース板60の幅方向(図276(b)左右方向)の突出先端位置が、貫通孔7060eよりもベース板60の幅方向方向外側に設定される。これにより、皿ネジN2と第1入賞部材8400との螺合距離を確保することができる。
入賞口ユニット9300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材9400と、その第1入賞部材9400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500とから形成される。
第1入賞部材9400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部9410と、その本体部9410の前面側から膨出する膨出部9420と、その膨出部9420側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部9420は、本体部9410の長手方向(図276(b)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部9410の長手方向において本体部9410よりも短く形成される。また、本体部9410には、長手方向外側に皿ネジN2を螺合できる雌ねじ(締結孔8415)が形成される。また、締結孔8415は、第1入賞部材9400をベース板60に配設した状態において、ベース板60の貫通孔7060eと同軸上に形成される。よって、第1入賞部材9400は、皿ネジN2を貫通孔7060eに挿入した後に締結孔8415に螺合することでベース板60に締結固定される。
本体部9410には、背面側(図276(b)上方側)の長手方向(図276(b)左右方向)両端部から内側に凹設される凹設部9416が形成されることで、凹設部9146の前面側に左右方向外側に部分的に突出する係合部9417が形成される。
凹設部9416は、左右方向外側の端部に形成されると共に、上下方向全域に形成される。また、凹設部9416は、左右方向の凹設寸法が、ベース板60の突出部9060gの左右方向の突出寸法よりも大きく設定されると共に、前後方向の凹設寸法が、ベース板60の突出部9060gの前後方向寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞部材9400は、凹設部2060cの上方側(図276(a)紙面手前側)から下方に変位させると共に、突出部9060gと窪み部9060dとの対向間に係合部9417を挿入して配設できる。その結果、突出部9060gと窪み部9060dとの対向間および係合部9417を係合した状態とできる。
以上の様に構成される入賞口ユニット9300によれば、第1入賞部材9400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材9400から抜け落ちた場合に、センターフレーム86をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材9400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材9400を取り付けることで修理することができる。
上述したように、第1入賞部材9400をベース板60に締結するための締結孔8415は、第1入賞部材9400に形成される。よって、第1入賞部材9400を交換した場合には、第1入賞部材9400を締結するための締結孔8415も交換されるので、第1入賞部材9400を交換する度に雌ねじ部分が摩耗してへたることを抑制できる。その結果、第1入賞部材9400の締結孔9415に締結する皿ネジN2が衝撃等で取れる(緩む)ことを抑制できる。
また、第68実施形態では、上述したように第1入賞部材9400の外側面から突出される係合部9417と、その係合部9417を受け入れ可能にベース板60の凹設部2060cに内周面に凹設されると共にベース板60の前面(遊技面)に平行な方向に沿って連続して延設され中央開口に連なる窪み部9060dとを備えるので、第1入賞部材9400をベース板60の中央開口側へ抜き取ることを可能としつつ、遊技に伴う振動により或いは不正な手段により皿ネジN2がゆるんだり取り外された場合でも、ベース板60から第1入賞部材9400が脱落することを抑制できる。
即ち、突出部9060gと窪み部9060dとが係合した状態とされるので、仮に皿ネジN2が衝撃等で締結孔8415から抜け出た場合に、第1入賞部材8400がベース板60に対して前後方向に動くことを抑制できる。
ベース板60の凹設部2060cの内側面から張り出し貫通孔7060eが形成される遊技盤張出部7060kと、第1入賞部材9400の外側面から張り出し雌ねじが形成される本体側張出部7437とを備え、第1入賞部材9400の本体側張出部7437から係合部9417が突出されると共に、ベース板60の遊技盤張出部7060kの非形成部分に窪み部9060gが凹設されるので、雌ねじのネジ部(完全ネジ部)の長さを確保できる。よって、その分、皿ネジN2の軸力を高めることができ、第1入賞部材9400をベース板60に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第1入賞部材9400は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、第1入賞部材9400の本体側張出部7437から係合部9417を突出して、ネジ部の長さを確保することで、皿ネジN2に所定の軸力を付与可能としつつ、第1入賞部材9400の負担を分散させることができる。即ち、第1入賞部材9400の本体側張出部7437から係合部9417を突出する構成が、強固な締結固定と第1入賞部材9400の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
次いで、図277及び図278を参照して第69実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400の膨出部2420の左右の両面が上下方向に連続して延設される(即ち、本体部2410の背面側に突出されない)場合を説明したが、第69実施形態の第1入賞部材10400における膨出部10420には左右方向外側に突出する突設部10422が形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図277(a)は、第69実施形態における第1入賞部材10400の背面斜視図であり、図277(b)は、第1入賞部材10400及びベース板60の分解斜視正面図である。図278(a)は、遊技盤13の正面図であり、図278(b)は、図278のCCLXXVIIIb−CCLXXVIIIb線における遊技盤13の断面図である。なお、図277(a)及び図277(b)では、第1入賞部材10400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。また、図278(a)及び図278(b)では、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図277に示すように、第69実施形態におけるベース板60は、ベース板60の中央開口下側から下方に凹設される凹設部2060cと、その凹設部2060cに連結して凹設形成される窪み部2060dと、窪み部2060dの一部から背面側に切り欠き形成(開口形成)される切欠き部10060hとを主に備えて形成される。
切欠き部10060hは、後述する第1入賞部材10400に形成される突設部10422を受け入れる開口である。切欠き部10060hは、凹設部2060cに連通する開口として左右方向(図278(a)左右方向)外側へ向けてベース板60における窪み部2060dの形成部分の残部に切り欠き形成される。
入賞口ユニット10300は、ベース板60の凹部2060cの内側に配設される第1入賞部材10400と、その第1入賞部材10400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500(図261参照)とから形成される。
第1入賞部材10400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側から膨出する膨出部2420と、その膨出部2420から本体部2410の長手方向外側(図278(a)左右方向)に突出する突設部10422と、本体部2410の前面から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
突設部10422は、本体部2410の短手方向(図278(a)上下方向)に膨出部2420を3等分した中間部分から本体部2410の長手方向(図278(a)左右方向)に突設される。また、突設部10422は、突設先端(左右の端部)外側が本体部2410の長手方向両端面(外周面)と略面一なる平坦面として形成され、設定され、本体部2410側から植設される2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線の延長線上に沿って形成される。
さらに、膨出部10400は、2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線に直交する方向(上下方向(図278(b)上下方向)における寸法が、突設部10422の寸法よりも大きくされるので、2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線に直交する方向における第1入賞部材10400の剛性を高めることができる。その結果、第1入賞部材10400の破損を抑制できる。
また、本体部2410に形成される貫通孔2413は、正面視において本体部2410の上下左右の端部に形成され、上下の2箇所が突設部10422を挟んだ位置に形成される。これにより、第1入賞部材10400の剛性を高めるための領域と、ベース板60に第1入賞部材10400を締結固定するための領域との両者を効率的に確保できる。その結果、第1入賞部材10400の破損の抑制と第1入賞部材10400の小型化との両立を図ることができる。
上述した切欠き部10060hは、正面視において突設部10422の外形と略同一の形状に形成され、第1入賞部材10400がベース板60に配設された状態において、突設部10422が切欠き部10060hに圧入される。これにより、ベース板60に突設部10422を保持させることができる。即ち、突設部10422の少なくとも一部が保持される分、ベース板60の剛性を利用して、第1入賞部材10400の構成を高めることができる。その結果、第1入賞部材10400の破損を抑制できる。
また、遊技釘YKは、本体部2410の短手方向中間位置に打ち込まれる。よって、突設部10422は、本体部2410側に植設される2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線の延長線上に沿って形成されるので、第1入賞部材10400の破損を抑制できる。即ち、2本の遊技釘YKの植生に伴うひずみ(第1入賞部材10400の弾性変形)が2本の遊技釘を結ぶ仮想線の方向で重なるため、仮想線の延長線上の領域では、第1入賞部材10400の割れが発生しやすいところ、かかる領域に突設部10422が形成されることで、その分、遊技釘YKの植設に伴うひずみを緩和することができる。よって、遊技釘YKの植設に伴うひずみに、遊技釘YKへの遊技球の衝突にともなう負荷が更に重なることを抑制できる。
以上のように構成される入賞口ユニット10300によれば、第1入賞部材10400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材10400から抜け落ちた場合に、第1入賞部材2400をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材10400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材10400を取り付けることで修理することができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(第1入賞部材2400)とを備え、第2遊技盤部材の遊技面に釘(遊技釘YK)が植設された遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材の釘に折損が生じた場合には、第2遊技盤部材のみの交換により、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材が比較的小型に形成されるため、その第2遊技盤部材の剛性を確保することが困難である。そのため、遊技球の衝突により釘に外力が作用されると、第2遊技盤部材が破損しやすいという問題点があった。
これに対し、第69実施形態では、遊技釘YKへの外力の作用に伴う第1入賞部材10400の破損を抑制可能に形成されるので、遊技球の衝突により遊技釘YKに外力が作用された場合に、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
即ち、第1入賞部材10400は、遊技釘YKが植設される膨出部2420と、その膨出部よりも厚み寸法が小さくされると共にベース板60に当接されて締結固定される本体側張出部2437とを備え、本体側張出部2437が、ベース板60との当接面から突設されると共に、膨出部2420に連なる突設部10422を備えるので、その分、膨出部2420の剛性を高めることができる。よって、遊技球の衝突により遊技釘YKに外力が作用された場合に、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
また、上述したように、切欠き部10060hは、正面視において突設部10422の外形と略同一の形状に形成されるので、第1入賞部材10400をベース板60に配設した状態において、突設部10422の上下の面を切欠き部10060hと当接させることができる。これにより、遊技釘YKに遊技球が当接した場合に、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
即ち、遊技釘YKに遊技球が上方から衝突した場合に、その衝突の衝撃により、遊技釘YKと第1入賞部材2400との連結部分を中心に、遊技釘YKの頭部側を下方に押し下げる回転力が作用する。第69実施形態では、遊技釘YKが打ち込まれる背面側部分で、突設部10422の上下の面を切欠き部10060hと当接させることができる。よって、遊技釘YKと第1入賞部材2400との連結部分を中心に、遊技釘YKの頭部側を下方に押し下げる回転力に対して、面同士で当接させすくできる。従って、遊技球が当接した衝撃を面同士で当接して力を分散することができる。その結果、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
次いで、図279を参照して、第70実施形態について説明をする。第61実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に直接固定される場合を説明したが、第70実施形態の第1入賞部材10400は、ゴムカラーGCを間に介在させて、ベース板60に間接的に取り付けられる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図279(a)は、第70実施形態における第1入賞部材11400及びベース板60の分解斜視正面図であり、図279(b)は、第1入賞部材11400及びベース板60の断面図である。なお、図279(b)の断面図は、図274(b)の断面図と対応する。また、図279(a)及び図279(b)では、第1入賞部材11400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図279に示すように、第70実施形態におけるベース板60は、ベース板60の中央開口下側から下方に凹設される凹設部2060cと、その凹設部2060cに連結されつつベース板60の前面に凹設形成される窪み部2060dとを主に備えて形成される。
また、正面視における窪み部2060dの外周面(隙間形成面11060d5)は、正面側に向かって外側に傾斜した傾斜面として形成される。これにより、第1入賞部材11400と窪み部2060dとの対向間に隙間を形成できる。窪み部2060dには、前後方向に貫通されると共に、内面に雌ねじが形成される締結孔6060d4が形成される。これにより、第1入賞部材11400をベース板60に締結できる。
入賞口ユニット11300は、ベース板60の凹部2060cの内側に配設される第1入賞部材11310と、その第1入賞部材10400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500(図261参照)とから形成される。
第1入賞部材11400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部11410と、その本体部11410の背面側から膨出する膨出部2420と、本体部11410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部11410は、正面視横長矩形の板状体から形成され、ベース板60の締結孔6060d4と同軸上に貫通形成される挿通孔11418を備える。挿通孔11418は、第1入賞部材11400を締結するネジN3を挿通させる孔である。挿通孔11418は、正面側が拡径されて形成され、その内側に後述するゴムカラーGCの大径側の頭部を挿入できる。また、挿通孔11418の内径は、ゴムカラーGCの小径側の胴部の外径よりも大きく形成される。これにより、ゴムカラーGCの小径側を挿通孔11418の内側に挿入できる。
ゴムカラーGCは、円環状に形成されると共に、胴部の軸方向の一方側に外側に拡径する大径部を備える。ゴムカラーGCは、ゴム状の弾性体から形成されており、外力が作用することで弾性変形することができる。また、ゴムカラーGCは、第1入賞部材11400の挿通孔11418の前面側と背面側と1個ずつ配設されており、挿通孔11418の内側に小径側(胴部)が挿入される。
第1入賞部材11400は、挿通孔11418の内側にゴムカラーGCを配設した状態で、正面側からネジN3を挿通してベース板60の締結孔6060d4に螺合することで、ベース板60に取り付けられる。よって、第1入賞部材11400とベース板60との間に弾性部材(ゴムカラーGC)が介設された状態にできる。
上述したように、ベース板60には、隙間形成面11060d5が形成され、窪み部2060dと第1入賞部材11400との対向間に隙間が形成されるので、弾性部材(カラー部材GC)の弾性変位に伴って、第1入賞部材11400がベース板60に対して相対変位した場合の両者の衝突を抑制することができる。
以上のように構成される入賞口ユニット11300によれば、第1入賞部材11400を第1入賞部材11400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材11400から抜け落ちた場合に、第1入賞部材2400をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材11400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材11400を取り付けることで修理することができる。
また、上述したように、ベース板60及び第1入賞部材11400よりも弾性係数が小さい材料からなるゴムカラーGCを備え、ベース板60に第1入賞部材11400がゴムカラーGCを介して配設されるので、ゴムカラーGCの弾性変形を利用して、第1入賞部材をベース板60に対して相対変位させやすくできる。即ち、その相対変位(弾性変形)により、遊技球の遊技釘YKへの衝突に伴う外力を吸収して、第1入賞部材11400の破損を抑制できる。
さらに、隙間形成面11060d5は、上述したように、正面側に向かって外側に傾斜して形成されるので、第1入賞部材11400の下側の隙間形成面11060d5を外側(前面)へ向けて下降傾斜する面とできる。よって、第1入賞部材11400とベース板60との間のゴミ等を、隙間形成面11060d5の下降傾斜を利用して前面側へ落とすことができる。従って、第1入賞部材11400とベース板60との間にゴミ等が詰まり第1入賞部材11400の動きが阻害されることを抑制できる。
また、ネジN3の頭部をゴムカラーGCに密着させることができる。よって、ネジN3を回転し難くできるので、遊技球が遊技釘YKに衝突した衝撃等でネジN3が回転して緩むことを抑制できる。
さらに、ゴムカラーGCが略筒状に形成され、貫通孔とネジN3の軸との間に介設されるので、ベース板60に対して第1入賞部材11400が相対変位する際の変位方向の自由度を高めることができる。即ち、ネジN3の軸に直交する方向だけでなく、ネジN3の軸に傾斜する方向(こじり方向)にも相対変位させやすくできる。その結果、遊技球の遊技釘YKへの衝突に伴う外力を吸収して、第1入賞部材11400の破損を抑制できる。
また、第1入賞部材11400の背面側に配設されるゴムカラーGCは、大径部がベース板60と第1入賞部材11400との間に介設されるので、ベース板60と第1入賞部材11400とをゴムカラーGCのみで連結できる(即ち、第1入賞部材11400からベース板60への振動伝達経路の少なくとも一部にゴムカラーGCのみからなる部分を形成できる)。よって、ベース板60に対して、第1入賞部材11400を相対変位させやすくして、遊技球の遊技釘YKへの衝突にともなう外力を吸収しやすくできる。
また、ネジN3の軸方向にも相対変位させることができ、ベース板60に対する第1入賞部材11400の相対変位方向の自由度を高めることができる。よって、この点からも、遊技球の遊技釘YKへの衝突にともなる外力を吸収しやすくできる。
さらに、ゴムカラーGCの外径部がベース板60と第1入賞部材11400との間に介設されることで、ベース板60に対して第1入賞部材11400が自重で傾倒することを抑制できる。特に、経時に伴うゴムカラーGCの劣化時(へたり時)に特に有効となる。
次いで、図280及び図281を参照して、第71実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400の前面の全体が平坦面として形成される場合を説明したが、第71実施形態における第1入賞部材12400の前面は、その一部がベース板60の前面側に突出される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図280(a)は、第71実施形態における第1入賞部材12400の分解斜視正面図であり、図280(b)は、図280(a)の第1入賞部材12400の分解上面図である。図281(a)は、第1入賞部材12400の上面図であり、図281(b)は、図281(a)の範囲CCLXXXIbにおける第1入賞部材12400の部分拡大上面図である。
図280及び図281に示すように、第71実施形態における第1入賞部材12400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部12410と、その本体部12410の背面側から膨出する膨出部2420と、本体部12410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部12410は、正面視横長矩形の板状体から形成され、皿ネジN2を挿通する貫通孔2413と、遊技釘YKが打ち込まれる孔の周囲から前面側に突出する円環部12419とを主に備えて形成される。
よって、遊技釘YKへの外力の作用に伴う第1入賞部材11400の破損を抑制可能に形成されるので、遊技球の衝突により遊技釘YKに外力が作用された場合に、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
即ち、第1入賞部材12400は、遊技釘YKが植設される本体部12420から突出されると共に遊技釘YKの根本を囲う円環部12419を備えるので、遊技釘YKを保持する部分の剛性を円環部12419により高めることができる。よって、遊技球の衝突により遊技釘に外力が作用された場合に、第1入賞部材が破損することを抑制できる。
円環部12419は、その内径が遊技釘YKの先端部分の外径と略同一又は若干小さな寸法に設定される。また、円環部12419の内縁から外縁までの幅寸法L4(図281(b)参照)と、円環部12419の前面側への突出寸法L5(図281(b)参照)とは、円環部12419の外面が、遊技球Tが第1入賞部材12400の前面と遊技釘YKとに当接された状態における内側の空間N(図281(b)参照)に位置する大きさに設定される。なお、本実施形態では、内縁から外縁までの幅寸法L4と、円環部12419の前面側への突出寸法L5とが略同一に設定される(L4=L5)。
これにより、円環部12419に遊技球Tが衝突することを抑制できる。その結果、遊技領域を流下する遊技球が円環部12419に衝突して円環部12419が破損することを抑制できる。また、円環部12419が前面側に突出する分、遊技釘YKを支持する領域を大きくできる。その結果、遊技領域を流下する遊技球Tが遊技釘YKに衝突して第1入賞部材12400が破損することを抑制できる。
即ち、遊技釘YKと植設面12419とに当接された遊技球の外面よりも、第1入賞部材12400側に円環部12419が位置されるので、遊技球Tが円環部12419に衝突することを回避して、円環部12419が破損することを抑制できる。
また、円環部12419の突出先端部の内縁には、前面側に向かって拡径する傾斜部12419aが形成される。これにより、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際に、遊技釘YKの先端を円環部12419の内側に案内することができる。
ここで、第1入賞部材12400は、ベース板60と異なる部材から形成され、遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材12400から抜け落ちた場合に、新しい(正常な)第1入賞部材12400に取り換え可能とされる。そのため、第1入賞部材12400の交換部品を形成する場合には、第1入賞部材12400のみに遊技釘YKを打ち込む作業が行われる。
第1入賞部材12400は、ベース板60に比べて小さい部品であるため、遊技釘YKを打ち込む際の第1入賞部材12400の位置決めを確実に行う必要がある。従って、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際の治具が複雑化する恐れがあった。
これに対し、第71実施形態では、傾斜部12419aが形成されるので、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際の位置ずれを吸収することができる。その結果、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際の治具を簡易化することができる。
また、傾斜部12419aの前後方向(図281(b)の前後方向)寸法は、円環部12419の突出寸法よりも小さく設定される。よって、円環部12419の形成により、第1入賞部材12419の破損を防止できると共に、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際の治具を簡易化することができる。
さらに、円環部12419は、本体部12410側に向かって、本体部12410側に向かって断面積が大きくされるので、遊技球が円環部12419に衝突することを回避しつつ、遊技釘YKを保持する部分の剛性をより高めることができる。即ち、遊技釘YKが円環部12419に直接衝突することによる円環部12419の破損と、遊技球Tが遊技釘YKに衝突することによる第1入賞部材12410の破損との両者を効果的に抑制できる。
なお、円環部12419の断面積とは、遊技釘YKの植設方向に直交する平面で円環部12419を切断した断面を意味する。この場合、円環部の断面形状は任意であり、例えば、円形、楕円形、多角形これらの組み合わせが例示される。但し、円環部12419の断面形状は、円形に形成されることが好ましい。遊技球との衝突を回避しつつ、円環部12419の体積を最大として、その剛性をより高めることができるからである。
次いで、図282及び図283を参照して、第72実施形態について説明する。第61実施形態では、第2入賞部材2400がベース板60の前面側から取り付けられる場合を説明したが、第72実施形態では、第2入賞部材13400がベース板60の背面側から取り付けれる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図282(a)は、第72実施形態における遊技盤13の断面図であり、図282(b)は、図282(a)のCCLXXXIIb−CCLXXXIIb線における遊技盤13の断面図である。図283は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図282及び図283では、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。また、図282及び図283では、第1入賞部材13400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図282及び図283に示すように、第72実施形態におけるベース板60は、背面側(図282(b)上方側)から前面側(図282(b)下方側)に凹設される窪み部13060dを備えて形成される。窪み部13060dは、背面側に向かって階段状に左右方向方向に大きく形成されており、前面側に位置する第1収容部13060d7と、その第1収容部13060d7の背面側に位置しベース板60の背面と連結される第2収容部13060d8とを主に備えて形成される。
第1収容部13060d7は、後述する第1入賞部材13400の本体部13410を内側に収容する窪みであり、本体部13410の正面視における外形よりもやや大きい外形に形成される。また、第1収容部13600d7の前後方向(図282(b)上下方向)の深さ寸法は、本体部13410の前後方向の厚み寸法と略同一または、少し大きく形成される。これにより、第1入賞部材13400を凹設部2060cの内側に配設した場合に、第2収容部13060d8側に本体部13410が突出することを抑制できる。
第2収容部13060d8は、後述する背面部材13700を内側に収容する窪みであり、背面部材13700の正面視における外形よりもやや大きい外形に形成される。また第2収容部13060d8の前後方向(図282(b)上下方向)の深さ寸法は、背面部材13700の前後方向の厚み寸法と略同一または、やや大きく形成される。
背面部材13700は、正面視横長矩形に形成され、センターフレーム86と一体に形成される。背面部材13700の長手方向寸法は、第1入賞部材13400の本体部13410の長手方向寸法よりも大きく形成される。
第1入賞部材13400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部13410と、その本体部13410の前面側から膨出する膨出部7420と、その膨出部7420側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部13410は、左右の両端部に第1入賞部材13400をベース板60に締結するねじを螺合するための締結孔8415が形成される。これにより、皿ネジN2をベース板60の貫通孔7060eの内側に挿通させると共に締結孔8415に螺合させることで、第1入賞部材13400とベース板60を締結固定できる。
この場合、第1入賞部材13400は、センターフレーム86がベース板60に取り付けられる前に、ベース板60に取り付けられる。即ち、ベース板60に第1入賞装置13400を締結固定(配設)した後、センターフレーム86がベース板60に取り付けられる。これにより、ベース板60の第1収容部13060d7の前面と背面部材13700の正面との対向間に第1入賞部材13400が配設(挟持)される。また、第1入賞部材13060d7の上端面には、センターフレーム86の底面が対面される。
以上のように構成される遊技盤13によれば、第1入賞部材13400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材13400から抜け落ちた場合にセンターフレーム86をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材13400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材13400を取り付けることで修理できる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(第1入賞部材13400)とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を遊技盤に対して着脱できる。よって、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、遊技に伴う振動に起因して、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除される(緩む)恐れがあり、その場合には、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、第72実施形態では、ベース板60からの第1入賞部材13400の取り外しを規制できるので、例えば、ベース板60への第1入賞部材13400の締結固定が解除された(緩んだ)場合でも、第1入賞部材13400から第1入賞部材13400が脱落することを抑制できる。
即ち、ベース板60にセンターフレーム86が配設されると、そのセンターフレーム86の底面および背面部材13700が第1入賞部材13400の取り外し方向(上方および背面側)への移動を規制可能な位置に配設される。これにより、ベース板60への第1入賞部材13400の締結固定が解除された場合でも、センターフレーム86(背面部材13700)を利用して、ベース板60から第1入賞部材13400が脱落することを抑制できる。
ベース板60には、中央開口の下縁側の内側面に背面部材13700が配設されるので、ベース板60に対する背面部材13700の保持(例えば、締結固定)が解除されたとしても、背面部材をその自重を利用して、中央開口の下縁側の内側面に載置された状態に維持することができる。即ち、第1入賞部材13400の取り外し方向への移動を規制可能な位置に背面部材13700が配設された状態を維持することができる。その結果、ベース板60から第1入賞部材13400が脱落することを防止できる。
次いで、図284及び図285を参照して第73実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400の正面側に第2入賞部材2500が配設される場合を説明したが、第73実施形態の第1入賞部材14400は、正面側に第2入賞部材2500が配設されることに加え、通路形成部材13800が係合状態で配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図280は、第73実施形態における遊技盤13及び通路形成部材13800の分解斜視正面図である。図281(a)及び図281(b)は、遊技盤13及び通路形成部材13800の断面図である。なお、図281(a)及び図281(b)は、図264(b)の断面図と対応する。また、図281(a)では、通路形成部材13800が遊技盤13に取付前の状態が、図281(b)では、通路形成部材13800が遊技盤13に取付後の状態が、それぞれ図示される。図280では、第2入賞部材13500の図示が省略されると共に、外形が鎖線で図示される。
図284及び図285に示すように、第73実施形態における第1入賞部材14400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図285(a)左側)から膨出する膨出部2420と、本体部2410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部2420は、凹設部14423aを備える。凹設部14423aは、膨出部2420の基部側(図285(a)右側)の下面(図285(a)下側の面)に上方(図285(a)上方)に向かって凹設される。
凹設部14423aは、内側に後述する通路部材14800の突設部14812が挿入される凹部であり、内側形状が突設部14812の外部形状と略同一に設定される。また、凹設部14423aの凹設寸法は、突設部14812の突設寸法よりも大きく設定される。従って、凹設部14423aの内側に突設部14812を挿入可能とされる。
通路部材14800は、外形が上下方向に長い長方体に形成されると共に、その内側に内部空間を備えて形成される。通路部材14800は、正面側(第1入賞部材14400側)の上端部に内部空間と外部とを連通できる開口14811と、上端面から上方に突出する突設部14812とを主に備えて形成される。
開口14811は、通路部材14800が遊技盤13に配設された状態において、第1入賞口64の背面側(図285(b)左側)に形成される。これにより、第1入賞口64から背面側に送球された遊技球を、開口14811を通して通路部材14800の内側に送球することができる。
突設部14812は、開口14811側(図285(b)右側)の端部から上方(図285(b)上方)に突出して形成される。突設部14812の凹設部14423aへの挿入は、第1入賞部材14400をベース板60に配設した状態において、通路部材14800をベース板60の背面側に位置させると共に、上方に変位させることで行われる。
なお、通路部材14800は、背面側からネジ(図示しない)を挿通させると共に、そのネジをベース板60の背面側に螺合させることでベース板60に取り付けられる。
以上のように構成される遊技盤13によれば、第1入賞部材14400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材14400から抜け落ちた場合に、通路部材14800を取り外した後に、不良の第1入賞部材13400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材14400を取り付けることで修理できる。
ここで、第1入賞部材14400を前面側からのみの作業により取り外し可能とすると、遊技者の不正行為により前面枠14が開放された際に、遊技者が持ち込んだ第1入賞部材14400等に交換されやすくなる。
これに対して、第1入賞部材14400に突設部14812が形成されると共に、その突設部14812を受け入れ可能な凹設部14423aが通路部材14800に凹設され、突設部14812が凹設部14423aに係合されることで、第1入賞部材14400の取り外し方向への移動が規制されるので、突設部14812を凹設部14423aにより外部から遮蔽することができる。よって、突設部14812と凹設部14423aとの係合が不正に解除されることを抑制できる。
さらに、上述したように、通路部材14800は、遊技盤13の背面側からネジ(図示しない)によりベース板60の背面に取り付けられるので、第1入賞部材14400を取り外す不正を防止することができる。
即ち、第1入賞部材14400の突設部14812と通路部材14423の凹設部14423aとが凹設部2060cを介して係合されるので、ベース板60を利用して、正面から通路部材14423へアクセスし難くできる。よって、突設部14812と凹設部14423aとの係合が不正に解除されることを抑制できる。
さらに、第1入賞部材14400が通路部材14800と係合する状態とすることができるので、第1入賞部材14400をベース板60へ締結固定する皿ネジN2が衝撃等で外れた場合に、第1入賞部材14400が、ベース板60の前面側または背面側に移動して、ベース板60から脱落することを防止できる。
次いで、図286を参照して第74実施形態における第1入賞部材15400について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に締結固定されるのみの場合を説明したが、第74実施形態では、第1入賞部材15400の鈎部15431がベース板60と係合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図286(a)は、第74実施形態における第1入賞部材15400の斜視正面図であり、図286(b)は、遊技盤13の断面図である。なお、図286(b)は、図263(c)の断面図に対応すると共に、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図286に示すように、第74実施形態における第1入賞部材15400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図286(b)上側)から膨出する膨出部2420と、本体部2410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部2420は、本体部2410の長手方向(図286(b)左右方向)における両端部の背面側(図286(b)上方)に突出すると共にその突出先端が本体部2410の長手方向(図286(b)左右方向)外側に屈曲形成される形状の鉤状部15431を備える。
鉤状部15431は、第1入賞部材15400をベース板60に配設した状態において、先端がベース板60の背面側(図286(b)の上方)に重なる位置に配置される。よって、第1入賞部材15400をベース板60に係合した状態にできる。従って、第1入賞部材15400をベース板60に締結する皿ネジN2が衝撃等により外れた場合に、第1入賞部材15400が、ベース板60の前面側(図286(b)下側)に落下することを防止できる。その結果、遊技者の遊技中に皿ネジN2が外れた場合に、遊技者が遊技を継続することができる。
鉤状部15431は、本体部2410に4個形成される貫通孔2413のうちの上方に形成される貫通孔2413と略同一の高さ位置に形成され、突出先端の屈曲形成された部分の背面(図286(b)下側の面)が、貫通孔2413の軸と重なる位置に形成される。即ち、鉤状部15431の屈曲部分の背面が、ベース板60に開口する貫通孔2413を塞ぐ。
また、鉤状部15431は、突出先端の外側面(本体部2410の長手方向外側の面)に傾斜面15431aが形成される。傾斜面15431aは、突出先端ほど細幅となるように傾斜して形成される。
これにより、第1入賞部材15400をベース板60に配設する場合に、ベース板60の前面側から挿入して配設可能とできる。即ち、鉤状部15431は、上述したように本体部2410の長手方向(図286(b)左右方向)に屈曲する分、本体部2410の長手方向における膨出部2420の幅寸法がベース板60の凹設部2060cの対向間の距離寸法よりも大きくされるので、第1入賞部材15400を配設する際に、鉤状部15431が凹設部2060cの対向間を挿通できなくなるところ、鉤状部15431には、傾斜面15431が形成されるので、傾斜面15431aを凹設部2060cの壁面に当接させることで、鉤状部15431を内側に弾性変形させることができ、第1入賞部材15400をベース板60の前面側から挿入して配設可能とできる。
従って、ベース板60への第1入賞部材15400の取り付けに伴い鉤状部15431aを介してベース板60と第1入賞部材15400とが直接係合され、第1入賞部材15400の取り外し方向への移動が規制されるので、第1入賞部材15400の脱落を防止するための工程を別途行う必要がない。よって、第1入賞部材15400の交換作業を簡素化できると共に、第1入賞部材15400の脱落を防止するための工程を実施し忘れることを抑制できる。
また、第1入賞部材15400に鉤状部15431が形成されるので、第1入賞部材15400を交換する際には、その交換に伴って、新しい鉤状部15431を使用できる。即ち、鉤状部16541がベース板60に配設され、爪部が第1入賞部材15400に係合される構成では、交換回数が嵩むと鉤状部16541の弾性変形が繰り返され、弾性力が低下するため、係合が解除されやすくなる。これに対し、第74実施形態によれば、交換回数が嵩んだ場合でも、交換毎に新しい鉤状部15431を使用できるので、係合の信頼性を確保することができる。
一方、第1入賞部材15400をベース板60から取り外す場合には、上述したように鉤状部15431の屈曲先端側の端部が、鉤状部15431と同一の高さ位置に形成される貫通孔2413の軸と重なる位置に形成されるので、第1入賞部材15400とベース板60とを締結する皿ネジN2を取り外した後に、第1入賞部材15400の貫通孔2413に、貫通孔2413よりも外形の小さい円柱状の治具を挿入することで、鉤状部15431を弾性変形させて取り外すことができる。
即ち、例えば、遊技盤13を開放して、その背面側から鉤状部15431の係合を解除する作業を行う必要がなく、遊技盤13を閉じたままで、鉤状部15431の係合を解除できる。よって、遊技盤13から第1入賞部材15400を取り外す作業の作業性を向上できる、即ち、鉤状部15431の係合を解除するために、遊技盤13を開放する必要がなく。遊技盤13を閉じたままの状態で、正面から第1入賞部材15400の交換を完了することができる。
また、通常の遊技状態時には、鉤状部15431aの係合を解除する孔の内部を遊技者から隠すことができるので、遊技盤13の意匠性を確保することができる。
次いで、図287を参照して、第75実施形態における第1入賞部材16400について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400の膨出部2420の背面側がベース板60の背面と略同一の平面上に配置される場合を説明したが、第75実施形態では、第1入賞部材16400の膨出部16420がベース板60の背面側に突出される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図287(a)及び図287(b)は、第75実施形態における遊技盤13及び前面枠14の断面図である。なお、図287(a)及び図287(b)では、第2入賞部材2500の図示が省略される。また、図287(a)及び図287(b)は、図263(c)の断面図に対応する。さらに、図287(a)では、第1入賞部材16400がベース板60に取り付けられた状態が図示され、図287(b)では、第1入賞部材16400がベース板60から取り外された状態が図示される。
図287(a)に示すように、第75実施形態では、第1入賞部材16400が、正面視横長矩形状の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図287(a)上側)から膨出する膨出部16420と、本体部2410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部16420は、本体部2410の背面側に膨出して形成されており、前後方向(図287(a)上下方向)における幅寸法L7(図287(a)参照)が、ベース板60に第1入賞部材16400を配設した状態における遊技釘YKの頭部から前面枠14のガラスユニット16までの距離寸法L8(図287(a)参照)よりも大きく設定される(L7>L8)。
従って、図287(b)に示すように、第1入賞部材16400及び第2入賞部材2500をベース板60に締結する皿ネジN1,N2が外れて、第1入賞部材16400が前面側(図287(b)下側)に変位した場合に、第1入賞部材16400がベース板60から抜け出て落下することを抑制できる。
詳しく説明すると、膨出部の幅寸法L7が、遊技釘YKの頭部からガラスユニット13までの距離寸法L8よりも大きく設定されるので、遊技釘YKの頭部とガラスユニット13とが当接する最大距離分、第1入賞部材16400が変位した場合に、膨出部16420の少なくとも一部を凹設部2060cの対向間に位置させることができる。その結果、ベース板60への第1入賞部材16400の締結固定が解除された場合でも、ガラスユニット13を利用して、ベース板60から第1入賞部材16400が脱落することを抑制できる。
また、この場合、第1入賞部材16400の遊技釘YKの先端がガラスユニット13に当接されることで、ベース板60から第1入賞部材16400が脱落することを抑制できる。即ち、遊技釘YKの長さを利用できる分、第1入賞部材16400の厚み寸法(取り外し方向における寸法)を小さくできる。
次いで、図288及び図289を参照して、第76実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に締結固定されるのみの場合を説明したが、第76実施形態では、第1入賞部材17400のボールプランジャ17450が、センターフレーム86に係合する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図288は、第76実施形態における遊技盤13の分解斜視正面図である。図289(a)は、遊技盤13の正面図であり、図289(b)は、図289(a)のCCLXXXIXb−CCLXXXIXb線における遊技盤13の断面図である。なお、図288では、センターフレーム86の図示が省略される。また、図288、図289(a)及び図289(b)では、第2入賞部材2500の図示が省略される。
図288及び図289に示すように、第76実施形態における第1入賞部材17400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図289(b)左側)から膨出する膨出部2420と、本体部2410及び膨出部2420の上面側(図289(b)上側面)に配設されるボールプランジャ17450と、本体部2410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
ボールプランジャ17450は、筒状に形成されると共に一方側(図289(b)下側)が塞がれる保持部17451と、その保持部17451の内側に配設される球状の球体17452と、その球体17452と保持部17451の一方との間に配設される弾性体のバネ部材17453とを主に備えて形成される。
保持部17451は、円筒状に形成されると共に、開放側の他方側(図289(b)上側)の内径が、内部に配設される球体17452よりも小さくされる。よって、球体17452が保持部17451内側から抜け出ることを抑制できる。
バネ部材17453は、螺旋状に巻かれて形成されるバネであり、球体17452と保持部17451の底面との間に予圧縮をされた状態で配設される。これにより、球体17452の一部を保持部17451の外側に突出させた状態で保持できる。
ボールプランジャ17450は、保持部17451の上端面(開放側の面)(図289(b)上端の面)が、第1入賞部材17400の本体部2410及び膨出部2420の上面と同一平面上に位置される。また、ボールプランジャ17450は、本体部17410の長手方向(図289(a)左右方向)略中間位置に配設されると共に、第1入賞部材2400の前後方向(図289(b)左右方向略中間位置に配設される。
センターフレーム86は、その下端部(図289(b)下側端部)に、背面側に屈曲形成された屈曲部17086aを備える。屈曲部17086の下面は、背面側に向かって上方に傾斜する傾斜面17086a1が形成される。
また、傾斜面17086a1の前後方向(図289(b)左右方向)略中央位置から対向するベース板60の端面までの対向間寸法L9は、第1入賞部材17400が、ベース板60に配設されていない状態における、第1入賞部材17400の上下方向(図289(b)上下方向)寸法よりも小さく形成される。よって、第1入賞部材17400をベース板60に配設した場合に、球体17452を保持部17451の内側に挿入した状態にできる。
この場合、上述したように傾斜面17086a1は、背面側に向かって上方に傾斜するので、球体17452がバネ部材17453に押し上げられる力により、第1入賞部材17400全体を背面側(図289(b)左側)に付勢することができる。
従って、第1入賞部材17400をベース板60に締結固定する皿ネジN2が衝撃等で取れた場合に、第1入賞部材17400が、ベース板60の前面側(図289(b)右側)に落下することを抑制できる。その結果、遊技者が遊技中に皿ビスN2が外れた場合に、遊技者に遊技を継続させることができる。
また、ボールプランジャ17450は、球体17452がバネ部材17453により弾性支持された状態とされるので、遊技釘YKに遊技球が衝突される際の入力に対して、球体17452を質量体として作用させることができる。即ち、ボールプランジャ17450をダイナミックダンパとして機能させることができる。その結果、遊技球の遊技釘YKへの衝突に伴う振動を抑制して、遊技釘YK及び第1入賞部材17400の破損を抑制できる。特に、バネ部材17453の伸縮方向(球体17452の弾性支持の方向)が上下方向とされ、遊技球の落下方向(即ち、遊技釘YKへの衝突方向)に一致されるので、上述した遊技球の衝突に対するダイナミックダンパとしての機能(破損防止)を効果的に発揮させることができる。
次いで、図290から図292を参照して、第77実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400をベース板60から取り外す際に、第2入賞部材2500を取り外す作業が必要となる場合を説明したが、第77実施形態では、第1入賞部材18400をベース板60から取り外す際に、第2入賞部材2500を取り外す作業が不必要とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図290及び図291を参照して、第77実施形態における遊技盤13の全体構成について説明する。図290(a)は、第77実施形態における遊技盤13の正面図であり、図290(b)は、図290(a)のCCXCb−CCXCb線における遊技盤13の断面図である。図291は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図291では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図290及び図291では、第1入賞部材18400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図290及び図291に示すように、第77実施形態におけるベース板60は、センターフレーム86が取り付けられる中央開口側から下方(図290(a)下方)に凹設される凹設部18060cと、その凹設部18060cの左右方向(図290(a)左右方向)両端に連なると共に、前面側(図290(b)右側)から背面側(図290(b)左側)に凹設される窪み部18060dと、凹設部18060cの左右方向中央部に連なって下方に凹設される第2凹設部18060jとを備える。
凹設部18060cは、正面視横長矩形状に中央開口側から凹設して形成され、正面視における形状が、後述する第1入賞部材18400の膨出部18420の背面視における形状と略同一に設定される。
窪み部18060dは、凹設部18060cの左右方向両端部に連なって形成されており、ベース板60の前面側から背面側に向かって板厚方向の略中央位置まで凹設される。また、窪み部18060dは、後述する第1入賞部材18400の本体部18410の一部(膨出部18420から下方に突出する部分)を収容する部分であり、正面視において膨出部18420から下方に突出する本体部18410の突出量と略同一の凹設寸法で下方に凹設される。
窪み部18060dには、前面側から背面側に貫通する締結孔1860d4が形成される。締結孔18060d4は、その内側に、第1入賞部材18400をベース板60に締結固定する皿ネジN2を螺合させる雌ねじが形成される。
第2凹設部18060jは、第2入賞部材2500の第1入賞口64に流入した遊技球をベース板60の背面側に流通可能にする開口であり、第2入賞部材2500の第1入賞口64よりも下側に凹設される。
入賞口ユニット18300は、ベース板60の凹設部18060cの内側に配設される第1入賞部材18400と、その第1入賞部材18400及びベース板60の前面側(図290(b)右側)に配設される第2入賞部材2500とから形成される。
第1入賞部材18400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部18410と、その本体部18410の背面側(図290(b)左側)から膨出する膨出部18420と、本体部18410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部18410は、下側(図290(a)下側)の端部の長手方向(図290(a)左右方向)の両端部に前後方向に貫通して形成される貫通孔18413が形成される。貫通孔18413は、窪み部18060dに形成される締結孔1860d4と同軸上に形成される。これにより、貫通孔18413に挿通した皿ネジN2を、締結孔1860d4に螺合させて、第1入賞部材18400をベース板60に締結固定できる。
また、貫通孔18413は、皿ネジN2が挿入される前面側に向かって拡径して形成される。これにより、皿ネジN2の頭部を貫通孔18413の内側に挿入できる。これにより、第1入賞部材18413をベース板60に締結した場合に、遊技釘YKの先端が遊技領域に突出することを抑制できる。
膨出部18420の上端は、本体部18410の上端と面一に形成されると共に、膨出部18420の下端よりも本体部18400の下端が下方へ突出して形成される。また、膨出部18420は、本体部18400の左右方向全域に亘って形成される。
ベース板60の中央開口に配設されるセンターフレーム86は、ベース板60に第1入賞部材18400が配設された状態において、その一部が第1入賞部材18400の上端部(図290(b)上方端部)と前後方向(図290(b)左右方向)に重なる部分(正面張出部)を有して形成される。よって、第1入賞部材18400を引き抜く方向への移動をセンターフレーム86により規制できるので、ベース板60の形状を簡素化して、その形成を容易とできる。なお、第2入賞部材2500とセンターフレーム86とは、第1入賞部材18400を挟んで重力方向の両側に配設されることがこのましい。ベース板60の形状を簡素化できるからである。
また、センターフレーム86は、ベース板60に第1入賞部材18400が配設された状態において、第1入賞部材18400の上端面と所定の距離を隔てた位置に、正面張出部から背面側に突出する突出部18086bが形成される。
なお、ベース板60に第1入賞部材18400が配設された状態において、突出部18086bと第1入賞部材18400との対向間の距離寸法L10(図290(b)参照)は、第1入賞部材18400と第2入賞部材2500とが前後方向に重なる領域の上下方向寸法L11(図290(b)参照)よりも大きく設定される。
次いで、図292を参照して、第1入賞部材18400をベース板60から取り外す手順について説明する。図292(a)から図292(c)は、遊技盤13の断面図である。なお、図292(a)から図292(c)は、図290(b)の断面図と対応する。また、図292(a)から図292(c)は、第1入賞部材18400を取り外す場合の遷移状態が順に図示される。
初めに、図292(a)に示すように、第1入賞部材18400を取り外す場合には、第1入賞部材18400をベース板60に締結固定している皿ネジN2を取り外す。
第2に、図292(b)に示すように、第1入賞部材18400をベース板60に対して上方に持ち上げる。上述したように、突出部18086bと第1入賞部材18400との対向間の距離寸法L10は、第1入賞部材18400と第2入賞部材2500とが前後方向に重なる領域の上下方向寸法L11よりも大きくされるので、第1入賞部材18400を上方に持ち上げることで、第1入賞部材18400の下方(図292(b)下方)の端部を第2入賞部材2500よりも上方に位置させることができる。
従って、図292(b)に示す状態から、第1入賞部材18400の下方の端部を前方に回転させることで、図292(c)に示すように、第1入賞部材18400の下方の端部をベース板60の正面より前方に位置させることができる。最後に、第1入賞部材18400の下方の端部を本体部18410の短手方向に引き抜くことで、第1入賞部材18400の上方の端部をベース板60から引き出すことができる。なお、第1入賞部材18400を取り付ける場合には、反対の手順を行うことで第1入賞部材18400をベース板60に取り付けることができる。
よって、第1入賞部材18400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材18400から抜け落ちた場合に不良の第1入賞部材18400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材18400を取り付けることで修理できる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(第1入賞部材18400)とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材にねじ部材(皿ネジN2)により締結固定されているため、ねじ部材が不正に取り外されたり遊技中の振動により不用意に緩んだりした場合には、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落するおそれがある。これに対し、本願出願人は、第2遊技盤部材の一部と重畳された状態で第1遊技盤部材に第2部材を配設することで、かかる重畳された部分による両者の係合を利用して、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から脱落することを抑制する技術に想到した(本願出願時において未公知)。
しかしながら、上述した技術では、第2遊技盤部材の交換作業を行う場合には、第2遊技盤部材だけでなく、第2部材も遊技盤から取り外す必要があるため、その分、工数が嵩み、第2遊技盤部材の交換作業が煩雑になるという問題点があることが分った。
これに対し、第77実施形態によれば、第2入賞部材2500がベース板60に保持された状態で第1入賞部材18400が取り外し可能に形成されるので、その分、工数を抑制して、第1入賞部材18400の交換作業を簡素化できる。即ち、第2入賞部材2500をベース板60から取り外す必要がないので、かかる第2入賞部材2500を取り付け直す工程における工数を抑制するだけでなく、作業者が、第2入賞部材2500を紛失することや、第2入賞部材2500の取り付け方を間違えることを抑制できる。
即ち、第2入賞部材2500は、第1入賞部材18400を引き抜く方向への移動を規制可能な位置に配設され、第1入賞部材18400は、引き抜く方向と異なる上方向へ移動させることで、引き抜く方向への移動が許容されるので、第2入賞部材2500をベース板60から取り外すことなく、第1入賞部材18400を取り外すことできる。また、第2入賞部材をベース板60に配設した状態のままで、第1入賞部材18400を取り付けることができる。よって、その分、工数を抑制して、第1入賞部材18400の交換作業を簡素化できる。
また、第1入賞部材18400の引き抜く方向への移動を許容する際の移動方向が、重力方向と平行とされるので、第1入賞部材18400の引き抜き方向への移動を第2入賞部材2500が規制可能な位置に第1入賞部材18400が配置された状態を、第1入賞部材18400の自重(重力の作用)により維持させることができる。即ち、第1入賞部材18400をベース板60に固定する皿ネジN2が不正に取外されたり、遊技中の振動により不要に緩んだりした場合でも、第1入賞部材18400がその一部を第2入賞部材2500と重畳された位置(引き抜き方向への移動が規制される位置)に維持されるので、重畳された部分による両者の係合により、第1入賞部材18400がベース板60から脱落することを抑制できる。
さらに、第1入賞部材18400は、本体部18410の下端部分が、第2入賞部材2500のベース部2510の背面と、窪み部18060dの前面との対向間に配設されるので、第1入賞部材18400を締結固定する皿ネジN2が衝撃等で取れた場合に、第1入賞部材18400がベース板60の前面側(図290(b)右側)に落下することを抑制できる。その結果、遊技者が遊技中に皿ネジN2が外れた場合にも、遊技者に遊技を継続させることができる。
次いで、図294及び図295を参照して、第78実施形態について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400をベース板60から取り外す際に、第2入賞部材2500を取り外す作業が必要となる場合を説明したが、第78実施形態では、第1入賞部材19400をベース板60から取り外す際に、第2入賞部材19500を取り外す作業が不必要とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図293及び図294を参照して、第78実施形態における遊技盤13の全体構成について説明する。図293は、第78実施形態における遊技盤13の分解斜視正面図である。図294(a)は、遊技盤13の正面図であり、図294(b)は、図294(a)のCCXCIVb−CCXCIVb線における遊技盤13の断面図である。なお、図293では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図293及び図295では、第1入賞部材18400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図293及び図294に示すように、第78実施形態における入賞口ユニット19300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材2400と、その第1入賞部材2400及びベース板60の前面側(図294(b)右側)に配設される第2入賞部材19500とから形成される。
第2入賞部材19500は、正面視菱形の板状体から形成されるベース部19510と、そのベース部19510の正面側(図294(b)右側)に突出形成される球入賞部320と、ベース部19510を挟んで、球入賞部320の反対側に位置する通路形成部材19330とを主に備えて形成される。
ベース部19510は、ベース板60の凹設部2060cよりも正面視において左右方向(図294(a)左右方向)寸法が大きく設定される。これにより、ベース部19510を凹設部2060cの前面側(図294(b)右側)に配置すると共に、ベース部2510の左右方向両端部をベース板60の前面に当接させることができる。
ベース部19510は、正面視において略中央位置に板厚方向(図294(b)左右方向)に開口される開口部311と、左右方向両端部に板厚方向に貫通する摺動溝19512とを主に備えて形成される。
摺動溝19512は、上下方向(図294(a)上下方向)に延設して形成されると共に、前面側から背面側(図294(a)紙面奥側)に向かってその内面が内側に傾斜して形成される。摺動溝19512は、第2入賞部材19500をベース板60に締結固定するための皿ネジN1を挿通する開口であり、内面の幅寸法が皿ネジN1の先端部(軸部)の外形よりも大きく形成される。
また、摺動溝19512は、下端部(図294(a)下側端部)に皿ネジN2の頭部よりも大きい外形の傾斜面に形成される収容部19512aが形成される。さらに、収容部19512aは、第2入賞部材19500が、ベース板60の配設位置(図294に示す位置)に配設された場合に、皿ネジN2の軸と同一軸上に設定される。これにより、第2入賞部材19500の取り付けする位置を位置決めすることができる。また、摺動溝は19512は、上下方向に延設されるので、皿ネジN1の締結を弱めることで、図294に示す位置から第2入賞部材19500を下方に移動させることができる。
通路形成部材19330は、ベース部材19310の開口部311の周囲から背面側に突出して形成される。通路形成部材19330は、背面視において下方側が湾曲する略U字状に形成されており、内側に遊技球を挿通可能な大きさの空間が形成される。これにより、第1入賞口64に流入した遊技球を、通路形成部材19330の背面側に送球すると共に通路形成部材19330の背面側に連通される通路部材19800に送球できる。
また、通路形成部材19330は、その左右両側(図294(a)左右両側)の壁面の後端から後述する通路部材19800の内部に突出される延設部19340を備える。延設部19340は、通路形成部材330の左右両側の壁面の両端から背面側(図294(b)左側)に突出する棒状の一対の突出部19341と、それら一対の突出部19341の突出先端部を左右方向に連結する連結部19342と、その連結部19342と連結され下方に延設される金属体19343とを主に備えて形成される。
突出部19341は、通路形成部材19330の上端部から背面側へ突出され、その突出先端側が、後述する通路部材19800の開口19811の内側に挿入される。また、突出部19341は、その突出先端が通路部材19800の内側に形成される空間の前後方向略中間に位置される。
連結部19342は、棒状体から形成され、両端部が一対の突出部19341の突出先端にそれぞれ連結される。また、連結部19342の下面には、後述する金属体19343が圧入して接続される溝が形成される。なお、連結部19342と金属体19343との連結は、圧入に限られるものではなく、接着やネジ締結等で連結しても良い。
金属体19343は、金属材料(本実施形態では、鉄)から形成される板部材であり、左右方向(図294(a)左右方向)における幅寸法が、後述する通路部材19800の内部空間の幅寸法よりも小さく設定される。また、金属体19343は、連結部19342に接続された状態において、下方(図294(b)下側)に向かうに従って背面側(図294(b)左側)に傾斜する状態で配設される。
金属体19343は、第2入賞部材19500が、ベース板60に締結固定された状態において、通路形成部材19330の下端面より上方に位置されると共に、通路部材19800の開口19811の下面までの最短の距離寸法L11(図294(b)参照)が遊技球の外径よりも大きく設定される。これにより、第2入賞部材19500の第1入賞口64に流入した遊技球が、通路形成部材19330を転動して通路部材19800の内側に送球された場合に、遊技球を通路形成部材330の前面側に衝突させることができる。
従って、通路部材19800の内壁に遊技球を衝突させて遊技球の送球方向を変更する必要がなくなるので、通路部材19800が破損することを抑制できる。また、金属体19343は、鉄から形成され、通路部材19800を形成する樹脂よりも剛性が高いので、通路部材19800が破損することを抑制できる。さらに、金属体19343が破損した場合には、第2入賞部材19500をベース板60に締結する皿ネジN1を取り外すことで、金属体19343を交換できる。よって、金属体19343の修理を簡易にすることができる。
なお、金属体19343は、鉄に限られるものではなく。後述するセンサ装置SEに検知される材質であれば他の部材を採用してもよい。例えば、アルミやステンレス等で形成しても良い。
通路部材19800は、外形が上下方向に長い長方体形状に形成されると共に、その内側に内部空間を備えて形成される。通路部材19800は、正面側(図294(b)右側)の上端部に開口され内部空間と外部とを連通させる開口19811と、上下方向に延びる通路部材19800の内部空間の上端側に配設されるセンサ装置SEとを主に備えて形成される。
開口19811は、通路部材19800が遊技盤13に配設された状態において、第1入賞口64の背面側(図294(b)左側)に形成される。これにより、第1入賞部材64から背面側に送球された遊技球を、開口19811を通して通路部材19800の内側(内部空間)に送球できる。
センサ装置SEは、通路部材19800の内側を通過する遊技球の球数を検出する部材であり、遊技球の外径よりも大きい内径を有して上下方向に貫通する開口を備える。
なお、通路部材19800は、背面側からネジ(図示しない)を挿通させると共に、そのネジをベース板60の背面側に螺合させることでベース板60に取り付けられる。
次いで、図295を参照して、第2入賞部材19500の変位について説明する。図295(a)は、遊技盤13の正面図であり、図295(b)は、図295(a)のCCXCVb−CCXCVb線における遊技盤13の断面図である。なお、図295(a)及び図295(b)では、第2入賞部材19500をベース板60に締結する皿ネジN1が緩められた状態が図示される。
図295に示すように、第2入賞部材19500を締結する皿ネジN1が緩められると、皿ネジN1の頭部が第2入賞部材19500の前面から少し離れることで、皿ネジN1の先端側(軸部)が摺動溝19512の内部を摺動可能となり、第2入賞部材19500を下側に変位させることができる。
これにより、第1入賞部材2400と第2入賞部材19500とを前後方向に重ならない位置に配設することができる。従って、第1入賞部材2400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材2400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材19500をベース板60から取り外すことなく、不良の第1入賞部材2400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材2400を取り付けることで修理できる。
即ち、第2入賞部材19500は、第1入賞部材2400の取り外しを規制する規制位置と第1入賞部材2400の取り外しを許容する許容位置との間で変位可能にベース板60に配設されるので、第2入賞部材19500を遊技盤13から取り外すことなく、第1入賞部材2400を取り外すことができる。また、第2入賞部材19500をベース部材に配設した状態のままで、第1入賞部材2400を取り付けることができる。よって、その分、工数を抑制して、第1入賞部材2400の交換作業を簡素化できる。さらに、第2入賞部材19500をベース板60から取り外さないので、第1入賞部材2400を交換した場合に、第2入賞部材19500を取り付け忘れることを防止できる。
さらに、第1入賞部材2400の取り外しを許容する第2入賞部材19500の許容位置が規制位置よりも、重力方向下方に設定されるので、第2入賞部材19500をその自重により、許容位置に維持させることができる。即ち、第1入賞部材2400を交換する際に、第2入賞部材19500を作業者が許容位置に保持しておく必要がない。よって、工数を抑制して、第1入賞部材2400の交換作業を簡素化できる。
また、第2入賞部材19500が、下方に変位された状態では、金属体19343の前面と通路部材19800の開口19811の下面との間の最短の距離寸法L12(図295(b)参照)が、遊技球の外径よりも小さくされる。これにより、第1入賞部材2400を交換した後に、第2入賞部材19500を正常な位置に戻し忘れた場合に、遊技球が通路部材19800を通過することを防止できる。その結果、遊技者が有利となる状態で、遊技可能な状態となることを防止できる。
なお、遊技者が有利となる状態としては、第2入賞部材19500が下方に位置し、第1入賞部材2400に打ち込まれた遊技釘YKと離間された状態とれ、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに阻害されず第1入賞口64に入賞する状態が例示される。
さらに、第2入賞部材19500が、下方に変位された状態では、第2入賞部材19500に連結される延設部19340の金属体19343が下方に移動されて、センサ装置SEの開口内部に配置される。金属体19343は、センサ装置SEにより検出可能な材料から形成されるので、第1入賞部材2400を交換した後に、第2入賞部材19500を正常な位置(図294に示す位置)に戻し忘れた場合には、センサ装置SEが金属体19343を検知可能な状態を形成できる。よって、パチンコ機10は、センサ装置SEの検知状態を監視して、所定時間以上の検知が継続されていれば、第2入賞部材19500を所定位置に戻し忘れた状態を検知することができる。これにより、パチンコ機10は、異常状態であることを店員に報知(例えば、異常音や特殊発光等)することができる。
よって、第2入賞部材19500が許容位置に配置されると、金属体19343がセンサ装置SEに検出可能な位置に配置されるので、センサ装置SEによる検出状態(例えば、波形)を監視することで、第2入賞部材19500が許容位置に配置されたままの状態である(即ち、規制位置へ戻し忘れている)ことを検出できる。即ち、球が通過する際にセンサ装置SEがオン(又はオフ)される時間は比較的短いものとされる一方、第2入賞部材19500が許容位置に配置されたままとされた状態ではセンサ装置SEがオン(又はオフ)される時間が継続されるため、センサ装置SEが所定時間(閾値)を越えてオン(又はオフ)された場合には、第2入賞部材19500が許容位置に配置されたままの状態と判断できる。
これにより、第1入賞部材2400を交換した後に第2入賞部材19500を正常な位置に戻し忘れることを防止できる。また、遊技者が遊技中に皿ネジN1が緩んで、第2入賞部材19500が下方に変位した場合にも、店員に報知することができるので、異常な状態になったことに遊技者が気が付かなかったとしても店員に知らせることができる。従って、皿ネジN1が緩んで、第2入賞部材19500が異常な位置となった場合に、遊技者が遊技を継続することで遊技者に不利な状態となることを防止できる。
また、検出部が金属材料から形成され、第2入賞部材19500が規制位置に配置された状態では、遊技球の通過する通路の内壁の一部が金属体19343により形成されるので、通路の耐久性の向上を図ることができる。
なお、第1の通路とその第1の通路の下流側に屈曲して連設される第2の通路における第2の通路の一部(第1の通路から流下される遊技球が衝突される部位)が金属体193943により形成されることが好ましい。破損が生じやすい部位を補強して、耐久性の向上を効果的に図ることができるからである。
次いで、図296及び図297を参照して、第79実施形態における第2入賞部材20500について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400と第2入賞部材2500とが別々に取り外される場合を説明したが、第79実施形態では、第1入賞部材20400と第2入賞部材20500とが同時に取り外される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図296(a)は、第79実施形態における遊技盤13の正面図であり、図296(b)は、図296(a)のCCXCVIb−CCXCVIb線における遊技盤13の断面図である。図297は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図297では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。
図296及び図297に示すように、第79実施形態における入賞口ユニット20300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材20400と、その第1入賞部材20400及びベース板60の前面側(図296(b)下側)に配設される第2入賞部材20500とから形成される。
第1入賞部材20400は、正面視矩形の板状体から形成される本体部20410と、その本体部20410の背面側(図296(b)上側)から膨出する膨出部2420と、本体部20410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部20410及び膨出部2420は、左右方向(図296(b)左右方向)略中央位置に下方から上方に向かって凹部20432が凹設され、本体部20410の左右方向両端部には、第1入賞部材20400をベース板60に締結する皿ネジN2が挿通される貫通孔2413が形成される。
凹部20432は、後述する第2入賞部材20500の通路形成部材330の左右方向(図296(b)左右方向)寸法よりも大きく形成されると共に第1入賞部材20400の前面側から背面側に亘って連続して形成される。これにより、第2入賞部材20500を第1入賞部材20400の前方に配設した際に、通路形成部材330を凹部20432の内側に挿通して配設できる。
また、凹部20432は、下方が開放して形成されるので、かかる開放部分を通過せることで、ベース板60から一体(即ち、凹部20432と後述する係合部20513とが係合された状態)で取り外された第1入賞部材20400及び第2入賞部材20500を分解する作業を容易に行うことができる。
第2入賞部材20500は、正面視菱形の板状体から形成されるベース部20510と、そのベース部2510の正面側(図296(b)下側)に突出形成される球入賞部320と、ベース部2510を挟んで、球入賞部320の反対側に位置する通路形成部材330とを主に備えて形成される。
ベース部2510には、開口部311の上端側の左右の縁部から背面側に突出する係合部20513が形成される。係合部20513は、通路形成部材330の左右方向(図296(b)左右方向)両端部の上方に形成される。また、係合部20513は、ベース部2510の背面から背面側(図296(b)上方側)に向かって突出形成されると共に、その突出先端が左右方向外側に向かって屈曲される。
また、係合部20513の背面側への突出寸法L13(図296(b)参照)は、第1入賞部材20500の前後方向(図296(b)上下方向)の厚み寸法と略同一に設定される。また、係合部20513は、基端側(第2入賞部材20500のベース部20510側)の左右方向の距離寸法L14(図296(b)参照)が、上述した第1入賞部材20400の凹部20432の左右方向における対向間寸法と略同一に設定されると共に、屈曲先端側の左右方向における距離寸法L15(図296(b)参照)が、凹部20432の左右方向における対向間寸法よりも大きく形成される。これにより、第1入賞部材20400に第2入賞部材20500を係合させることができる。
さらに、係合部20513には、弾性変形可能に形成される弾性片20513bと、その弾性片から突出される爪部20513cと、屈曲側の先端向かって背面側から前面側に傾斜する傾斜面20513aとが形成される。これにより、係合部20513の傾斜面20513aを凹部20432の内壁に当接させることで、第2入賞部材20500を第1入賞部材20400の前面側から配設(挿入)可能とできると共に、背面に到達することで、係合部20513を第1入賞部材20400に係合させることができる。
以上のように構成される入賞口ユニット20300によれば、第1入賞部材20300の遊技釘YKが2本とも折れて第1入賞部材20400を交換する場合に、第2入賞部材20500をベース板60から取り外すことで、第1入賞部材20400をベース板60から取り外すことができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できるので、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から取り外し難いという問題点があった。例えば、釘が植設された第2遊技盤部材では、作業者は、釘を把持することで、第2遊技盤部材を遊技盤から取り外すことができるところ、釘が折れている場合には、第2遊技盤部材に把持する部位がなくなるため、取り外しが困難となる。第2遊技盤部材と第1遊技盤部材との遊技面どうしが面一となる態様で、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に埋め込まれている場合には、かかる問題点が特に顕著となる。
これに対し、第79実施形態では、少なくとも皿ネジN2が取り外されると、作業者が第1入賞部材20400を直接または間接に把持可能に形成されるので、ベース板60から第1入賞部材20400を取り外しやすくすることができる。
即ち、第79実施形態では、第1入賞部材20400と第2入賞部材20500とが係合部20513により係合した状態で配設されるので、第1入賞部材20400の遊技釘YKが2本とも折れた場合には、皿ネジN1,N2を取り外してベース板60から前面側に位置して配設される第2入賞部材20500を指で保持して前面側に引き抜くことで、第1入賞部材20400を同時にベース板60から取り外すことができる。その結果、第1入賞部材20400の取り換えを簡易にできる。
さらに、係合部20513は、弾性変形可能に形成される弾性片205013bと、その弾性片から突出される爪部20513cとを備えると共に、その爪部20513cが凹部20432に係合可能に形成されるので、第1入賞部材20400と、第2入賞部材20500とを別々に取り付けた場合でも、弾性片20513bの弾性変形を利用して、係合部20513と凹部20432とを係合させることができる。よって、第1入賞部材20400又は第2入賞部材20500を一体化した状態で、ベース板60に取り付ける必要がないので、第1入賞部材20400及び第2入賞部材20500をベース板60に取り付ける際の作業性の向上を図ることができる。
また、第1入賞部材20400を取り外す必要がある場合に、第1入賞部材20400を指で保持しなくても第2入賞部材20500を保持して引き抜くことで第1入賞部材20400をベース板60から取り外すことができるので、第1入賞部材20400の遊技釘YKが作業者に保持されることを抑制できる。上述したように、遊技釘YKは、その2本の間に遊技球が挿通可能な大きさに調整される箇所であるため、第1入賞部材20400を取り外す場合に遊技釘YKを指で保持しては、その調整が狂う(遊技釘YKが曲がる)恐れがある。
これに対し、入賞口ユニット20300は、第2入賞部材20500と第1入賞部材20400とが同時に取り外し可能とされるので、遊技釘YKを保持しなくても第1入賞部材20400をベース板60から取り外すことができる。従って、第1入賞部材20400を取り外した場合に、遊技釘YKの調整が狂う(遊技釘YKが曲がる)ことを抑制できる。
次いで、図298及び図299を参照して、第80実施形態におけるベース板60について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に直接配設される場合を説明したが、第80実施形態の第1入賞部材2400は、ベース板60との間に弾性部材21510が介在される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図298(a)は、第80実施形態における遊技盤13の正面図であり、図298(b)は、図298(a)のCCXCVIIIb−CCXCVIIIb線における遊技盤13の断面図である。図299(a)及び図299(b)は、図298(a)のCCXCIXa−CCXCIXa線における遊技盤13の断面図である。なお、図298及び図299では、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図298及び図299に示すように、第80実施形態におけるベース板60は、凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲に前面側(図298(a)紙面手前側)から背面側に向かって凹設される窪み部21060dが形成される。
窪み部21060dは、正面視における外形が第1入賞部材2400の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部21060dの内側に第1入賞部材2400を挿入して配設できる。また、窪み部21060dは、正面に突出する円環突起2060d1と、正面から背面に向かって半円形に凹設される湾曲部21060d9とを主に備える。
湾曲部21060d9は、後述する弾性部材21510を内側に挿入する凹部であり、左右方向(図299(a)左右方向)に湾曲して形成される。また、湾曲部21060d9は、背面側への凹設最大距離が後述する弾性部材21510の半径よりも大きく設定される。さらに、湾曲部21060d9は、上下(図298(a)上下)の端部(内壁)が水平方向に平行な平面に形成される。
弾性部材21510は、ゴム材料から円柱状に形成される。また、弾性部材21510は、軸方向寸法が、湾曲部21060d9の上下方向寸法よりも小さく形成される。よって、弾性部材21510を湾曲部21060d9の内部に縦姿勢で配設することができる。
また、上述したように、弾性部材21510は、その半径が湾曲部21060d9の背面側への凹設最大距離よりも小さく形成される。よって、湾曲部21060d9の内側に弾性部材21510を配設する場合に、弾性部材21510を湾曲部21060d9の下面(下側の壁面)に乗せることで配設できる。従って、弾性部材21510を簡易に配設できると共に、本体部2410を配設するまでの間、弾性部材21510を自立させておける。
さらに、弾性部材21510は、その直径が湾曲部21060d9の背面側への凹設最大距離よりも大きく形成される。これにより、弾性部材21510を湾曲部21060d9の内側に配設した場合に、弾性部材21510の一部を窪み部2060dの前方に突出させることができる。
第1入賞部材2400は、ベース板60に弾性部材21510が配設された状態で前面側から凹設部2060cの内側に配設される。これにより、弾性部材21510を弾性的に圧縮変形させつつ、第1入賞部材2400をベース板60に配設できる。
以上のように構成される遊技盤13によれば、第1入賞部材2400をベース板60に配設して皿ネジN2締結固定した状態では、第1入賞部材2400の本体部2410により弾性部材21510を押圧して弾性変形させた状態とすることができる。よって、第1入賞部材2400を交換する場合に、第1入賞部材2400を締結する皿ネジN2を取り外すと、第1入賞部材2400の本体部2410が弾性部材21510の弾性回復力により前面側に押し出される。従って、ベース板60から第1入賞部材2400を突出させ、両者の間に段差を形成することができる。よって、作業者が段差を直接または間接に把持できることで、ベース板60から第1入賞部材2400を取り外しやすくすることができる。
また、第1入賞部材2400の遊技釘YKが2本とも折れて第1入賞部材2400をベース板60から取り外す場合には、皿ネジN2を取り外すことで、第1入賞部材2400が前面側に押し出されることで、第1入賞部材2400を指で掴む部分を形成できる。その結果、第1入賞部材2400をベース板60から取り外し易くできる。
さらに、第1入賞部材2400を取り外す場合に、遊技釘YK以外の箇所を掴むことができるので、第1入賞部材2400を取り外す場合に、遊技釘YKが曲がることを抑制できる。
次いで、図300及び図301を参照して、第81実施形態における入賞口ユニット22300について説明する。第61実施形態では、本体部2410の前面がベース板60の前面と同一平面上に配設される場合を説明したが、第82実施形態では、本体部2410に前面側に突出する突出部22433が形成される。
図300(a)は、第81実施形態における入賞口ユニット22300の分解斜視図であり、図300(b)は、遊技盤13の正面図である。図301(a)は、図300(b)のCCCIa−CCCIa線における遊技盤13の断面図であり、図301(b)は、図301(a)のCCCIb−CCCIb線における遊技盤13の断面図である。なお、図300(b)、図301(a)及び図301(b)では、第2入賞部材22300が透明視されると共に、外形が鎖線で図示される。
図300及び図301に示すように、第81実施形態における入賞口ユニット22300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材22400と、その第1入賞部材22400及びベース板60の前面側(図296(a)右側)に配設される第2入賞部材22500とから形成される。
第1入賞部材22400は、正面視矩形の板状体から形成される本体部22410と、その本体部22410の背面側(図301(a)左側)から膨出する膨出部2420と、本体部22410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
第1入賞部材22400は、遊技釘YKの下方に位置し前後方向に遊技球の外径よりも大きい形状に開口する開口部22434と、その開口部22434の内縁の下端側から前面側に突出する突設部22433と、本体部22410の左右方向両端部に形成され第1入賞部材22400をベース板60に締結する皿ネジN2を挿通する貫通孔2413とを主に備える。
開口部22434は、後述する第2入賞部材22500の開口311の背面側に位置して形成されており、第1入賞口64に流入した遊技球を開口部22434を挿通させてベース板60の背面側に送球できる。
突出部22433は、開口部22434から前面側に突出して形成されており、その上面が背面側に向かって下降傾斜して形成される。また、突出部22433は、その突出寸法が、球入賞部320の前壁322の背面側に当接する寸法に設定される。
第2入賞部材22500は、正面視菱形の板状体から形成されるベース部2510と、そのベース部2510の正面側(図301(a)右側)に突出形成される球入賞部320とを主に備えて形成される。
球入賞部320の側壁321の内面の下端部に下方には、突出部22433が内嵌される溝部22322aが形成(凹設)される。即ち、溝部22322aは、上述した突出部22433の前面側に形成されており、正面視における外形が、突出部22433の外形と略同一に設定される。これにより、第2入賞部材22500を第1入賞部材22400の前面側に配設する場合に、突出部22433と溝部22321aとで第1入賞部材22400に対して第2入賞部材22500を位置決めできる。
よって、遊技状態では突出部22433を第2入賞部材22500により遊技者から隠して、外観の向上を図りつつ、第2入賞部材22500を取り外した状態では、作業者が突出部22433を把持可能として、遊技盤から構成部材を取り外しやすくすることができる。
また、上述したように突出部22433は、背面側に向かってその上面面が下降傾斜して形成されるので、第1入賞口64に流入した遊技球をその上面に乗せて背面側に転動させることができる。よって、溝部22321aおよび突出部22433を別途設ける必要がなく、通路を形成するための部位として兼用することができるので、その分、製品コストを低減することができる。
以上のように形成される球入賞ユニット22300によれば、第1入賞部材22400の遊技釘YKが2本とも折れて第1入賞部材22400を交換する場合に、第1入賞部材22400ベース板60から取り外し易くできる。
詳しく説明すると、第1入賞部材22400は、ベース板60と前面が同一平面上に配設されるので、遊技釘YKが2本とも取れた場合に、第1入賞部材22400を指で保持する箇所がなくなる。そのため、遊技釘YKが2本とも折れた場合に、第1入賞部材22400をベース板60から取り外し難くなる。
これに対し、第81実施形態では、第1入賞部材22400には、前面側に突出する突出部22433が形成されるので、第1入賞部材22400の遊技釘YKが2本とも折れた場合には、第2入賞部材22500を取り外すことで、突出部22433をベース板60の前面に突出させることができる。従って、突出部22433を指で保持して第1入賞部材22400をベース板60から取り外すことができる。その結果、第1入賞部材22400の取り換えを簡易にできる。
さらに、第1入賞部材22400を取り外す場合に、遊技釘YK以外の箇所を掴むことができるので、第1入賞部材22400を取り外す場合に、遊技釘YKが曲がることを抑制できる。
また、上述したように突出部22433は、溝部22321aに嵌る(内嵌される)ことで、第2入賞部材22400の位置決めをすることができると共に、第1入賞口64に流入した遊技球を背面側に転動させる転動面として利用できる。従って、第2入賞部材22400を位置決めする部分及び遊技球を転動させる部分を新たに形成する必要がなくなるので、入賞口ユニット22300の製造コストを削減できる。
ここで、本実施形態では、第1入賞部材22400に植設される遊技釘YKと突出部22433との相対位置が一定であるため、安定した遊技を遊技者へ提供できる。即ち、突出部22433が入賞口ユニット22300に一体に形成される従来品では、各部品の寸法公差や取り付け作業時の作業公差に起因して、第1入賞部材22400に対する入賞口ユニット22300の取付位置にばらつきが発生するため、突出部22433と遊技釘YKとの相対位置が一定ではない。そのため、それらの位置関係によっては、第1入賞部材22400の一対の遊技釘YKの間を通過して、第1入賞口64に入球したとしても、突出部22433への衝突位置によっては、跳ね返って、第1入賞口64の外へ飛び出してしまうことがあった。
これに対し、本実施形態では、第1入賞部材22400に突出部22433が配設(一体に形成)されるので、第1入賞部材22400に植設される遊技釘YKと突出部22433との相対位置を一定とできる。よって、上述した跳ね返りを抑制でき、安定した遊技を遊技者へ提供できる。
次いで、図302及び図303を参照して、第82実施形態における第1入賞部材23400について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材2400を取り外す際に保持する部材が取り付けられなかったが、第82実施形態における第1入賞部材23400は、第1入賞部材23400に第1入賞部材を取り外す際に保持する保持部材23450が配設される。
図302(a)は、第82実施形態における第1入賞部材23400の斜視正面図であり、図302(b)は、遊技盤13の正面図である。図303(a)及び図303(b)は、図302(a)のCCCIIIa−CCCIIIa線における遊技盤13の断面図である。なお、図302(b)では、第2入賞部材2500が透明視されると共に、外形が鎖線で図示される。また、図303(b)は、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図302及び図303に示すように、第82実施形態における第1入賞部材23400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部23410と、その本体部23410の背面側から膨出する膨出部2420と、その本体部23410から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部23410は、遊技釘YKの下方に位置し前後方向に貫通する第2貫通孔23435と、その第2貫通孔23400に挿入される保持部材23450と、左右方向両端部に第1入賞部材23400をベース板60に締結する皿ネジN2を挿通する貫通孔2413とを主に備えて形成される。
第2貫通孔23435は、円形状に形成されると共に、前後方向(図303(a)左右方向)に貫通して形成される。また、第2貫通孔23435は、前面側に形成される大径部23435aと背面側(図303(a)左側)に前面側(図303(a)右側)よりも小さい内径に形成される小径部23435bとを備えて形成される。また、第2貫通孔23435は、その軸が第2入賞部材2500と前後方向に重なる位置に形成される。
大径部23435aは、後述する保持部材23450の頭部23451を挿入する貫通孔であり、頭部23451の外径よりも大きい内径に形成される。小径部23435bは、後述する保持部材23450の軸部23452が挿通される貫通孔であり、軸部23452の外径予知も大きい内径に形成される。
保持部材23450は、円柱状に形成される頭部23451と、その頭部23451と同軸上に配設されると共に、頭部23451の外径よりも小さい外径の円柱状に形成される軸部234542と、その軸部23452の背面側に凹設される溝部23453とを備えて形成される。
頭部23451は、軸方向(図303(a)左右方向長さ)が大径部23435aの軸方向長さよりも小さく形成される。また、軸部23452の周囲に配設されるコイルスプリングSPよりもその外径が大きく形成される。これにより、頭部23451を第2貫通孔23435の内部に挿入した場合にコイルスプリングSPが前面側に抜け出ることを抑制できる。
軸部23452は、上述したように、第2貫通孔23435に挿入され小径部23435bの内側を前後方向に摺動する部材であり、第2貫通孔23435の軸方向長さよりも軸方向に長く形成される。
溝部23453は、Eリング23454を装着する溝であり、Eリング23454の板厚よりも少し大きい幅で軸部23452の周方向に亘って形成される。また、溝部23453は、軸部23452の背面側に形成されており、溝部23453を第2貫通孔23453の背面側(図303(a)左側)から突出させた状態でEリング23454が取り付けられる。
Eリング23454は、第2貫通孔23453の小径部23435bよりも外径が大きく形成される。これにより、保持部材23450を第2貫通孔23435の内側に配設した状態を維持できる。また、軸部23452の周囲にはコイルスプリングSPが配設される。よって、頭部23451は、コイルスプリングSPの弾性回復力により前面側(図303右側)に付勢された状態で保持される。
よって、第1入賞部材23400は、第2貫通孔23435の軸が第2入賞部材2500と前後方向に重なる位置に形成されるので、第2入賞部材2500をベース板60に締結固定した状態では、第2入賞部材2500のベース部2510により、保持部材23450の頭部23451が背面側に押圧される。これにより、コイルスプリングSPが収縮されて、保持部材23450の頭部23451が、大径部23435aの内側に配置された状態とされる。
一方、図303(b)に示すように、第2入賞部材2500がベース板60から取り外されると、コイルスプリングSPの弾性回復力により、保持部材23450の頭部23451が前面側に押し出される。これにより、保持部材23450を前面側に変位させることができる。
従って、第1入賞部材23400の遊技釘YKが2本とも折れて第1入賞部材23400を交換する場合に、第1入賞部材23400ベース板60から取り外し易くできる。
詳しく説明すると、第1入賞部材23400は、ベース板60と前面が同一平面上に配設されるので、遊技釘YKが2本とも取れた場合に、第1入賞部材23400を指で保持する箇所がなくなる。そのため、遊技釘YKが2本とも折れた場合に、第1入賞部材23400をベース板60から取り外し難くなる。
これに対し、第82実施形態では、第1入賞部材23400に出没可能に配設される保持部材23450と、その保持部材23450を突出方向へ付勢するコイルスプリングSPと、ベース板60に配設される第2入賞部材2500とを備え、第2入賞部材2500が第1入賞部材23400の保持部材23450を没入させる位置に配設されるので、遊技状態では保持部材23450を第2入賞部材2500により遊技者から隠して、外観の向上を図りつつ、第2入賞部材2500を取り外した状態では、作業者が保持部材23450を把持可能として、ベース板60から第1入賞部材23400を取り外しやすくすることができる。
また、第2入賞部材2500の遊技盤への締結方向が、保持部材23450の出没方向と平行な方向に設定されるので、第2入賞部材2500を遊技盤へ締結固定しつつ保持部材23450を没入させることができる。即ち、保持部材23450を没入させる作業工程と、第2入賞部材2500を遊技盤へ締結固定する作業工程とを別々に行う必要がないので、工数を削減でき、その分、第1入賞部材23400および第2入賞部材2500を遊技盤へ取り付ける作業の作業性の向上を図ることができる。
さらに、第1入賞部材23400を取り外す場合に、遊技釘YK以外の箇所を掴むことができるので、第1入賞部材23400を取り外す場合に、遊技釘YKが曲がることを抑制できる。
また、保持部材23450は、頭部23451が軸部23452よりも外径が大きく形成されるので、指に頭部23451を引っ掛け易くできる。よって、その分、第1入賞部材23400をベース板60から取り出し易くできる。
次いで、図304を参照して、第83実施形態における第1入賞部材24400について説明する。第61実施形態では、第1入賞部材24400を取り外す場合に、その第1入賞部材24400の背面に指を係止可能とされる場合を説明したが、第83実施形態の第1入賞部材24400は、開口部24434の内壁に指を係止可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図304(a)は、第83実施形態における遊技盤13の正面図であり、図304(b)は、図304(a)のCCCIVb−CCCIVb線における遊技盤13の断面図である。なお、図304(a)及び図304(b)では、第2入賞部材2500が透明視されると共に外形が破線で図示される。
図304に示すように、第83実施形態における第1入賞部材24400は、正面視矩形の板状体から形成される本体部24410と、その本体部24410の背面側(図304(b)左側)から膨出する膨出部2420と、本体部24410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主にそなえて形成される。
本体部24410は、遊技釘YKの下方に位置し前後方向(図304左右方向)に遊技球の外径よりも大きい形状に開口する開口部24434と、その開口部24434の内縁の上端から下方に突出する突壁24434aと、左右方向両端部に形成され第1入賞部材24400をベース板60に締結する皿ネジN2を挿通する貫通孔2413とを主に備える。
開口部24434は、第2入賞部材2500の開口部311の背面側に位置して形成されており、第1入賞口64に流入した遊技球を開口部24434を挿通させてベース板60の背面側に送球できる。
突壁24434aは、開口部24434の内縁上端の前面側から下方に突出して形成される壁部である。開口部24334の内壁にベース板60の背面側に段差面を向けた突壁24434aが形成されるので、段差面を利用して、第1入賞部材24400をベース板60から引き抜くことができる。即ち、第1入賞部材24400の背面に到達するまで指を通路内へ挿通させて、第1入賞部材24400の背面で指を係止させる必要がなく、比較的浅い位置の段差面で指を係止させることができるので、第1入賞部材24400をベース板60から取り外しやすくできる。
また、第1入賞部材24400は、その下端部分の背面側に第1入賞部材24400の幅方向(図304(a)左右方向)全域にわたって切り欠き形成される切欠き部24436を備える。切欠き部24436は、背面側に向かって上方に傾斜して形成される。これにより、突壁24434aに指を引っ掛けて第1入賞部材24400をベース板60から取り外す場合に、切欠き部24436を利用して、第1入賞部材24400をベース板60から引き抜く際に、開口部24434の段差面が形成される内壁側に位置する第1入賞部材24400の外側面(図304(b)上側の面)を支点として、第1入賞部材24400を回転させる態様を形成できる。よって、ベース板60から第1入賞部材24400を取り外し(引き抜き)やすくすることができる。
次いで、図305及び図306を参照して、第84実施形態における第1入賞部材25400のベース板60への締結方向について説明する。第61実施形態では、ベース板60に形成される円環突起2060d1に皿ネジN2を螺合させる場合を説明したが、第84実施形態では、皿ネジN2が第1入賞部材25400の背面側に配設される締結部材25470に螺合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図305は、第84実施形態における遊技盤13の分解斜視正面図である。図306(a)は、遊技盤13の正面図であり、図306(b)及び図306(c)は、図306(a)のCCCVI−CCCVI線における遊技盤13の断面図である。なお、図306(b)では、遊技釘YKが膨出部25420に打ち込まれる前の状態が図示され、図306(c)では、遊技釘YKが膨出部25420に打ち込まれた後の状態が図示される。また、図305及び図306では、遊技盤13から第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図305及び図306に示すように、第84実施形態におけるベース板60は、凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲に背面側(図305(b)上方側)から前面側(図305(b)下方側)に凹設される窪み部25060dとを主に備えて形成される。
窪み部25060は、背面視における外形が第1入賞部材25060の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部25060dの内側に第1入賞部材25400を配設できる。また、窪み部25060dには、前後方向に貫通する挿通孔25060d3が形成される。
挿通孔25060d3は、正面視円形状に形成されており、ベース板60に後述する第1入賞部材25400を配設した状態において、第1入賞部材25400の挿通孔25418と同軸上に形成される。また、挿通孔25418は、前面側が皿ビスN2の頭部を収容できる大きさに拡径して形成される。
第1入賞部材25400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部25410と、その本体部25410の前面側から膨出する膨出部25420と、その膨出部25420側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部25420は、本体部25410の長手方向(図306(b)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部25410の長手方向において本体部257410よりも短い外形寸法に形成される。本体部25410は、長手方向両端部に前後方向(図306(b)上下方向)に貫通形成される挿通孔25410が形成される。
挿通孔25418は、第1入賞部材25400を締結固定する皿ネジN2の先端を挿通する孔であり、皿ネジN2の先端側(軸部)の外径よりも内径が大きく形成される。また、挿通孔25418は、その軸が、ベース板60に形成される挿通孔25060d3の軸と同軸上に形成される。これにより、皿ネジN2を、ベース板60の挿通孔25060d3を挿通させた後に、挿通孔25418に挿通させることができる。
締結部材25470は、鉄材から形成されると共に、正面視横長矩形の板状体に形成される。締結部材25470は、その長手方向寸法L16(図306(b)参照)が第1入賞部材25400の長手方向寸法L17(図306(b)参照)よりも大きく設定されると共に、長手方向中央位置が本体部25400の長手方向中央位置と前後方向(図306)において同一位置に配設される。
また、締結部材25470は、その短手方向(図306(a)上下方向)における中間位置が遊技釘YKと第1入賞部材25400との連結部分の背面側に設定されると共に、左右の両端に前後方向に貫通形成される締結孔25471を備える。遊技釘YKと第1入賞部材25400との連結部分の背面側に配設される。即ち、遊技釘YKの植設方向の延長線上に締結部材25470を位置させることができる。よって、締結部材25470の面積を抑制しつつ、第1入賞部材25400の支持剛性を効果的に高めることができるので、製品コストを抑制しつつ、第1入賞部材25400の前面に遊技釘YKを植設する際に第1入賞部材25400に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
締結孔25471は、内部に皿ネジN2を螺合できる雌ねじが形成される。締結孔25471は、その軸が上述した第1入賞部材25400の挿通孔25418及びベース板60を挿通孔254060d3と同軸上に形成される。これにより、挿通孔25400d3,25418を挿通した皿ネジN2を、締結部材25470の締結孔25471に螺合させることができる。
よって、ベース板60に第1入賞部材25400を配設した状態で、ベース板60の前面側から皿ネジN2を挿通孔25060d3及び挿通孔25418を挿通させて締結孔25471に螺合させることで、第1入賞部材25400をベース板60に締結固定することができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、その第2遊技盤部材に釘(遊技釘YK)が植設された遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を遊技盤に対して着脱できるので、例えば、第2遊技盤部材の釘が折れた場合には、第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、釘を植設する作業性が悪いという問題点があった。即ち、第1遊技盤部材に釘を植設する工程とは別に第2遊技盤部材に釘を植設する工程が必要となるため、その分、工数が嵩む。更に、第2遊技盤部材が比較的小さいため、かかる第2遊技盤部材に所定の公差内で釘を植設するためには、第2遊技盤部材の保持精度を高めると共に植設動作の速度を低くすることが必要となり、その分、比較的大きな遊技盤への釘の植設の場合と比較して、工数が嵩む。
これに対し、第84実施形態によれば、ベース板60の前面側から押圧された第1入賞部材25400を支持可能に形成されるので、ベース板60に第1入賞部材25400を配設した状態で、かかる第1入賞部材25400に遊技釘YKを植設できる。よって、第1入賞部材25400に遊技釘YKを植設する作業性の向上を図ることができる。
即ち、一対の皿ネジN2と、それら一対の皿ネジN2がそれぞれ螺合される締結孔25471が形成されると共にベース板60及び第1入賞部材25400よりも剛性が高い材料からなる締結部材25470とを備え、ベース板60の貫通孔2560d3を挿通して第1入賞部材25400の背面側に突出された皿ネジN2が締結部材25470の雌ねじに螺合されるので、ベース板60に第1入賞部材25400が配設された状態において、第1入賞部材25400を背面側から締結部材25400によって支持することができる。よって、第1入賞部材25400の遊技面に遊技釘を植設する際に、第1入賞部材25400にわれ等の損傷が生じることを抑制できる。
この場合、上述したように、締結部材25470は、その長手方向寸法L16が本体部25410の長手方向寸法L17よりも小さく形成されると共に、第1入賞部材25400の左右方向中央位置に配設されるので、締結部材25470が、ベース板60の背面側に乗り上げることを抑制できる。よって、締結部材25470を第1入賞部材25400の背面に密着させやすくして、締結部材25470による第1入賞部材25400の支持剛性を高めることができる。その結果、第1入賞部材25400の遊技面に遊技釘YKを植設する際に、第1入賞部材25400に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
次いで、図307及び図308を参照して、第85実施形態における第1入賞部材26400について説明する。第61実施形態では、膨出部2420の左右方向両端における側面が前後方向(図264(c)上下方向)に平行に形成される場合を説明したが、第85実施形態では、膨出部26420の左右方向両端部における側面が背面側に向かって左右方向中央側に傾斜される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図307は、第85実施形態における遊技盤13の分解斜視正面図であり、図308(a)及び図308(b)は、遊技盤13の断面図である。なお、図308(a)及び図308(b)は、図306(a)の断面図に対応する。また、図308(a)では、遊技釘YKが、本体部2410に打ち込まれる前の状態が図示される。さらに、図307及び図308では、遊技盤13から第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図307及び図308に示すように、第85実施形態におけるベース板60は、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口の下側に連続して凹設部26060cが凹設される。第1入賞部材26400は、その一部が凹設部26060cの内側に挿入されると共に、ベース板60の前面側から皿ネジN2により固定される。
凹設部26060cには、内側端面が背面側に向かって左右方向中央側に傾斜する傾斜面26060c1が形成される。傾斜面26060c1は、上下方向に延設して形成される。傾斜面26060c1は、その前後方向長さが、後述する第1入賞部材26400の膨出部26420の前後方向長さよりも小さく設定される。
第1入賞部材25400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図308(上方))から膨出する膨出部26420と、本体部2410側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部2410には、左右の両端部に前後方向に貫通する貫通孔26413が形成される。貫通孔26413は、ベース板60に形成される締結孔26060d4と同軸上に形成されており、第1入賞部材26400をベース板60に配置した状態で、皿ネジN2を前面側から貫通孔26413を挿通させると共に、締結孔26060d4に螺合することで、第1入賞部材26400をベース板60に締結固定できる。
膨出部26420は、本体部2410の長手方向(図308(b)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部2410の長手方向において、本体部2410よりも短い寸法に形成される。
また、膨出部26420は、その膨出部26420の左右方向(図308(a)左右方向)両端に位置し背面側に向かって左右方向内側に傾斜して形成される当接面26424を備える。当接面26424は、その傾斜角度が上述した傾斜面と略同一の傾斜角度に形成される。さらに、本体部2410側(前面側)の膨出部26420の左右方向(図308(a)左右方向)寸法は、ベース板60の傾斜面26060c1の前面側(窪み部2060dとの境界)における左右方向寸法よりも大きな寸法に設定される。これにより、第1入賞部材26400をベース板60に配設した場合に、当接面26424と傾斜面26060c1とを当接させ、本体部2410の背面と窪み部2060dの正面との間に隙間を設けることができる。
また、第1入賞部材26400をベース板60に前面側から配設する場合に、第1入賞部材26400の当接面26424を傾斜面26060c1に当接させつつ背面側に変位させることで、当接面26424を傾斜面266060c1に案内される。従って、第1入賞部材26400のベース板60への位置決めを簡易にできる。
さらに、第1入賞部材26400が、ベース板60に配設された状態では、当接面26424と傾斜面26060c1とを当接させた状態とできるので、前面側から押圧された第1入賞部材26400がベース板60へ作用せる力を、ベース板60の板厚に直交する方向へ分散可能に形成される。よって、第1入賞部材26400に遊技釘YKを植設する作業性の向上を図ることができる。
詳しく説明すると、第1入賞部材26400とベース板60とが当接する当接面26424は、遊技釘YKの打ち込み方向に対して傾斜する傾斜面26060c1として形成されるので、第1入賞部材26400に遊技釘YKが植設される際の押圧力を、当接面26424および傾斜面26060c1の傾斜(テーパー角)を利用して、ベース板60の板厚方向(図308(a)上下方向)と板厚に直交する方向(図308(a)左右方向)とに分散させることができる。その結果、ベース板60の負担を軽減して、ベース板60に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
次いで、図309から図317を参照して、第86実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図309及び図310を参照して、第86実施形態における入賞口ユニット27300の配設位置について説明する。図309は、第86実施形態における遊技盤13の正面図である。図310は、遊技盤13の分解正面斜視図である。なお、図309及び図310ではベース板60に配設される遊技釘の一部が図示される。
図309及び図310に示すように、第86実施形態におけるベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図309下側)に、ベース板60の正面から背面側(図309紙面奥側)に向かって凹設される窪み部27060dが形成される。
入賞口ユニット27300は、第1入賞部材27400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部27060dは、正面視における外形が第1入賞部材27400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材27400を窪み部27060dの内側に配設できる。
第2入賞部材3500は、ベース板60及び第1入賞部材27400の正面(図309紙面手前側の面)に、後述する第2入賞部材3500の開口部311(図316参照)の中心と、後述するベース板60の貫通孔27060a(図315参照)の中心とが、幅方向(図309左右方向)及び上下方向(図309上下方向)において、一致する位置に配設される。また、第2入賞部材3500は、正面視において、第1入賞部材27400の下側(図309下側)に配設されると共に、第1入賞部材27400の遊技釘YKよりも下側(図309下側)の一部を覆う位置に配設される。
次いで、図311から図313を参照して、第1入賞部材27400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図311は、ベース板60及び入賞口ユニット27300の正面斜視図である。図312は、ベース板60及び入賞口ユニット27300の分解正面斜視図である。図313(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット27300の正面図であり、図313(b)は、図313(a)のCCCXIIIb−CCCXIIIb線におけるベース板60及び入賞口ユニット27300の断面図である。なお、図312では、センターフレーム86の図示が省略され、図313(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図311から図313に示すように、第1入賞部材27400は、上述したように、ベース板60の窪み部27060dの内側に配設される。ここで、図314を参照して、本実施形態における第1入賞部材27400について説明する。
図314(a)は、第1入賞部材27400の正面斜視図であり、図314(b)は、第1入賞部材27400の正面図であり、図314(c)は、第1入賞部材27400の側面図である。
図314(a)から図314(c)に示すように、第1入賞部材27400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部27410と遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部27410は、遊技釘YKが打ち込まれる部材であり、板厚方向に貫通する正面視円形の貫通孔3413を備える。また、上述したように、本体部27410の外形は、ベース板60に形成される窪み部27060dの外形と略同一に形成される(図315参照)。
本体部27410の厚さ方向(図314(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図313(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部27410の正面及び背面は、下面に対して鉛直な面に形成される。
貫通孔3413は、皿ネジN5(図312参照)の先端(軸部)を挿入するための孔であり、正面側(図314(b)紙面手前側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備える。貫通孔3413の内径は、皿ネジN5の軸部の外径と同等又はやや大きく形成される。また、貫通孔3413は、本体部27410の四隅に配設される。
ネジ頭収容部3413bは、本体部27410の背面側(図314(c)左側)から正面側(図314(c)右側)に進むに従って拡径され、本体部27410の正面に平行な面で切断した断面が円形に形成される。また、ネジ頭収容部3413bの本体部27410の正面における内径は、皿ネジN5の頭部の外径よりも大きく形成される。
本体部27410に配設される遊技釘YKは、遊技領域を流下する遊技球の球数に対して、後述する第1入賞口64(図316参照)に流入する球数を調整するためのものであり、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部27410の正面に2本配設される。
なお、頭部とは、遊技釘YKの軸部の打ち込み方向後端に位置し、遊技釘YKの軸部の中心線に対して垂直であり、且つ遊技釘YKの軸部よりも大径に形成される部分を示す。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図314(b)上下方向)については本体部27410の短手方向中心に配設され、左右方向(図314(b)左右方向)については本体部27410の長手方向中心を中心として、長手方向(図314(b)左右方向)に後述する球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)だけ離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図314(c)上方向)に5度傾斜して配設される。
上述したように、本体部27410の厚さ方向(図314(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図313(b)参照)よりも小さく形成される。そのため、本体部27410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図313(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図314(c)右側)より本体部27410の正面に打ち込むと、本体部27410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部27410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部27410の背面から突出する。
また、上述したように、貫通孔3413を本体部27410の四隅に配設するのに対し、遊技釘YKは、上下方向(図314(b)上下方向)については本体部27410の短手方向中心に、左右方向(図314(b)左右方向)については本体部27410の長手方向中心を中心として、長手方向(図314(b)左右方向)に後述する球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)だけ離れた位置に、それぞれ打ち込まれるため、貫通孔3413は、本体部27410において遊技釘YKから離れた位置に配設される。そのため、本体部27410の遊技釘YKが打ち込まれる周辺の強度を確保することが可能となる。よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重により、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃により、本体部27410が損傷することを抑制できる。
図311から図313に戻って説明する。第1入賞部材27400は、窪み部27060dの内側に、第1入賞部材27400の本体部27410の背面(図313(b)左側の面)と窪み部27060dの正面(図313(b)右側の面)とが当接して配設される。
第1入賞部材27400の窪み部27060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN5を本体部27410の正面側(図313(a)紙面手前側)より貫通孔3413へ挿入し、皿ネジN5の軸部に形成された雄ねじを後述する窪み部27060dの締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔3413の正面側(図313(a)紙面手前側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN5の頭部が配設されることで、皿ネジN5の頭部が第1入賞部材27400の正面より正面側(図313(a)紙面手前側)に飛び出すことを抑制できる。
ここで、図315を参照して、本実施形態における窪み部27060d及び貫通孔27060aについて説明する。
図315(a)は、窪み部27060d及び貫通孔27060aの正面斜視図であり、図315(b)は、窪み部27060d及び貫通孔27060aの正面図であり、図315(c)は、図315(b)のCCCXVc−CCCXVc線における窪み部27060d及び貫通孔27060aの断面図である。
図315(a)から図315(c)に示すように、窪み部27060dは、上述したように、ベース板60の正面から背面側(図315(c)左側)に向かって凹設され、貫通孔27060aは、厚さ方向(図315(c)左右方向)にベース板60を貫通して配設される。この窪み部27060dの凹設により、ベース板60には対面部27060lが形成される。
窪み部27060dは、第1入賞部材27400をベース板60の内側に配設する(図312参照)ための部位であり、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図315(b)下側)に配設される。また、正面視における外形が第1入賞部材27400の外形と略同一に形成される。また、窪み部27060dの厚さ方向(図315(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材27400の本体部27410の厚さ方向の幅(図314(c)参照)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部27060dの正面からベース板60の背面までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部27060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさ)形成される。
また、窪み部27060dは、窪み部27060dの正面に対して鉛直方向に、窪み部27060dの正面からベース板60の背面側(図315(c)左側)に向かって凹設される正面視円形の4か所の締結穴27060d4及び2か所の凹部27060d10を備える。
締結穴27060d4は、正面視において窪み部27060dの内側に配設される第1入賞部材27400の本体部27410の貫通孔3413の軸(図314参照)と同軸上に配設される。また、締結穴27060d4の内径は、皿ネジN5の軸部の外径と略同一の寸法に形成され、上述したように、締結穴27060d4には雌ねじが形成される。
2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図315(b)左右方向)における位置は、正面視において窪み部27060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図315(b)左右方向)に後述する球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図315(b)上下方向)における位置は、窪み部27060dの下面から上方(図315(b)上方向)へ、第1入賞部材27400の本体部27410の下面から第1入賞部材27400の本体部27410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図314(c)参照)離れた位置に配設される。
また、凹部27060d10の底面(図315(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図315(c)二点鎖線)の先端より背面側(図315(c)左側)に配設される。また、凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
なお、軸部とは、断面円形であり、打ち込み方向先端からから頭部までの範囲の部分(軸状に形成される部分)を示す。
また、凹部27060d10には、正面視において、凹部27060d10と略同形状の弾性部材G1が挿入され、弾性部材G1の厚さ方向(図315(c)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部27060dの正面から凹部27060d10の正面までの距離よりも小さく形成される。即ち、弾性部材G1は、凹部27060d10の内径と略同一の外径を有する円柱として形成され、その円柱の軸方向の長さは、凹部27060d10の深さ寸法よりも小さくされる。なお、弾性部材G1は、ゴム状弾性体から形成される。
貫通孔27060aは、後述する第2入賞部材3500に備えられた球入賞部320(図316参照)の内部に送球された遊技球を、ベース板60の背面側(図315(c)左側)に送球するための部位であり、窪み部27060dの下側(図315(b)下側)に左右方向(図315(b)左右方向)に対して窪み部27060dの中央に配設される。
また、上述したように、貫通孔27060aは、厚さ方向(図315(c)左右方向)にベース板60を貫通し、正面視における穴の大きさは、所定サイズ(例えば直径11mm)の遊技球の直径よりも大きい寸法に形成される。
また、窪み部27060dの下面よりも下側(図315(b)下側)、且つ貫通孔27060aよりも左右方向(図315(b)左右方向)外側に、2か所の締結穴60Iが配設される。
対面部27060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部27060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図311から図313に戻って説明する。上述したように、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図315(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部27060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図313(a)左右方向)に後述する球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図313(a)上下方向)における位置は、窪み部27060dの下面から上方(図313(a)上方向)へ、第1入賞部材27400の本体部27410の下から第1入賞部材27400の本体部27410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図314(c)参照)離れた位置に配設されるため、本体部27410の背面から突出した遊技釘YKの突出部は、凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれる。
一方、凹部27060d10の底面(図313(b)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YKの先端(図313(b)二点鎖線)よりベース板60の背面側(図313(b)左側)に配設されるため、本体部27410の背面から突出した遊技釘YKの突出部は、窪み部27060d(ベース板60)には打ち込まれない。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に脱着自在に配設され、第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(第1入賞部材27400)とを備え、第2遊技盤部材の盤面に釘(遊技釘YK)が打ち込まれた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、遊技領域を流下する遊技球の衝突により、第2遊技盤部材の釘が折れることや、曲がることが発生した場合、第2遊技盤部材のみの交換により、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。また、釘が抜け落ちた場合にも、第2遊技盤部材を交換することにより、抜け落ちた釘が打ち込まれたことにより形成された穴に再び釘を打ち込む必要が無く、第2遊技盤部材による釘の保持力の低下を抑制できる。
しかしながら、上述した遊技機では、第2遊技盤部材は比較的小型に形成され、特に板厚は小さく形成される。そのため、第1遊技盤部材に打ち込まれる釘と同じ長さの釘を、遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで第2遊技盤部材に打ち込むと、釘は第2遊技盤部材を貫通し、第1遊技盤部材にも打ち込まれる。
釘が第2遊技盤部材を貫通し、第1遊技盤部材にも打ち込まれると、釘が折れたり、曲がったりした状態で第2遊技盤部材の交換を行う場合、第2遊技盤部材の取り外しが困難になるという問題点があった。また、交換回数が嵩むと、繰り返し第1遊技盤部材に釘が打ち込まれ、第1遊技盤部材が損傷するという問題点や、釘が打ち込まれたことにより形成された穴に再び釘を打ち込むことになり、釘の保持力が低下するという問題点があった。
これに対し、第2遊技盤部材に打ち込む釘を、第1遊技盤部材に打ち込まれる釘よりも短い釘とすることで、遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで釘を打ち込んだ場合に、釘が第2遊技盤部材を貫通すること、及び第1遊技盤部材にも打ち込まれることを抑制できる。
しかしながら、長さの異なる複数の釘を用いると、その製造コストが増加するという問題点が発生する。さらに、短い長さの釘を用いると、釘の打ち込み深さが少なくなるため、第2遊技盤部材による釘の保持力が低下し、釘が抜けやすくなるという問題点も発生する。また、複数の長さの釘を用いるため、釘の打ち間違えが発生する可能性がある。
また、第2遊技盤部材の釘が打ち込まれる部分を背面側へ張り出させて、厚さを大きくすることで、遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで釘を打ち込んだ場合に、釘が第2遊技盤部材を貫通すること、及び第1遊技盤部材にも打ち込まれることを抑制できる。
しかしながら、第2遊技盤部材の釘が打ち込まれる部分を背面側へ張り出させると、その第2遊技盤部材の張り出し部分を受け入れる部分の第1遊技盤部材の厚さが薄くなる。即ち、第1遊技盤部材が切欠き構造(図267参照)となり、強度が低下する。そのため、強度不足により、釘を打ち込む際に第1遊技盤部材が損傷する問題点が発生する。
これに対し、第86実施形態によれば、上述したように、第1入賞部材27400の本体部27410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図313(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図313(b)右側)より本体部27410に遊技釘YKを打ち込み、遊技釘YKの先端が本体部27410の背面から突出された状態においても、遊技釘YKの先端を凹部27060d10内に受け入れて、窪み部27060d(ベース板60、対面部27060l)の損傷を抑制できる。
即ち、上述したように、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図313(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部27060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図313(a)左右方向)に後述する球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図313(a)上下方向)における位置は、窪み部27060dの下面から上方へ、第1入賞部材27400の本体部27410の下面から第1入賞部材27400の本体部27410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図314(c)参照)離れた位置に配設されるため、本体部27410の背面から突出された遊技釘YKの先端は、窪み部27060d(ベース板60、対面部27060l)には打ち込まれず、凹部27060d10内に受け入れられる。その結果、窪み部27060d(ベース板60、対面部27060l)の損傷を抑制できる。
凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
これにより、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、遊技釘YKの先端を凹部27060d10に確実に受け入れることができる。その結果、窪み部27060d(ベース板60、対面部27060l)に遊技釘YKが打ち込まれることを抑制して、窪み部27060d(ベース板60、対面部27060l)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、遊技釘YKの先端を凹部27060d10に確実に受け入れることができる。その結果、窪み部27060d(ベース板60、対面部27060l)に遊技釘YKが打ち込まれることを抑制して、窪み部27060d(ベース板60、対面部27060l)の損傷を抑制できる。
一方で、凹部27060d10の内径が遊技釘YKの外径の2倍程度の大きさに設定されることで、窪み部27060d(ベース板60、対面部27060l)の強度の低下を抑制できると共に、凹部27060d10の加工コストを抑制できる。
上述したように、第1入賞部材27400の本体部27410に打ち込まれる遊技釘YKは、その先端が本体部27410の背面から突出したとしても、凹部27060d10に受け入れられることで、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図313(b)二点鎖線)と同じ長さのものを使用できる。これにより、第1入賞部材27400による遊技釘YKの保持力を確保できる。
即ち、凹部27060d10が凹設されていない場合には、寸法公差や打ち込み時のばらつきがあったとしても、本体部27410の背面から突出することがないように、本体部27410の厚み寸法よりも短い長さしか遊技釘YKを本体部27410に打ち込めない。そのため、遊技釘YKと本体部27410との接触面積が小さくなり、本体部27410による遊技釘YKの保持力が低下する。
これに対し、凹部27060d10が凹設されていれば、本体部27410の背面から先端が突出するまで遊技釘YKを本体部27410に打ち込むことができるので、寸法公差や打ち込み時のばらつきがあったとしても、本体部27410への遊技釘YKの打ち込み量を、本体部27410の厚み寸法と同じ長さとすることができる。これにより、遊技釘YKと本体部27410との接触面積を大きして、第1入賞部材27400(本体部47410)による遊技釘YKの保持力を確保できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材27400を交換する場合においては、遊技釘YKの先端は、本体部27410(対面部27060l)には直接打ち込まれておらず、窪み部27060dの凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれているため、第1入賞部材27400の取り外しを容易に行うことができる。
また、第1入賞部材27400の本体部27410に打ち込まれた遊技釘YKは、その先端が窪み部27060dの凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれている、即ち、先端が弾性部材G1に保持されている。そのため、皿ネジN5の締結が緩んだ場合でも、弾性部材G1の粘弾性力により遊技釘YKを保持させることができ、これにより、第1入賞部材27400のがたつきを抑制できる。
また、このように、遊技釘YKの先端が弾性部材G1に保持されていることで、皿ネジN5の締結が緩んだ場合でも、第1入賞部材27400(本体部27410)が正面側(図313(b)右側)に移動し、ベース板60の正面と第1入賞部材27400(本体部27410)の正面との間に段差が形成されることを抑制できる。
弾性部材G1の厚さ方向(図313(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部27060dの正面から凹部27060d10の正面(底面)までの距離(即ち、凹部27060d10の深さ)よりも小さく形成されるため、弾性部材G1に打ち込まれた遊技釘YKの体積の分、弾性部材G1の形状が変化(非圧縮性を有し、体積を一定に維持しようとするため、径方向に拡径、或いは、軸方向に伸長)しても、弾性部材G1が、凹部27060d10から飛び出し、その飛び出した弾性部材G1が第1入賞部材27400(本体部27410)の背面を押圧して、正面側へ押し出すすことを抑制できる。或いは、遊技釘YKの打ち込み時に、弾性部材G1を受け入れる空間が無くなり、遊技釘YKを所定位置まで打ち込めなくなるこを回避できる。
遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突すると、その衝突による衝撃で、第1入賞部材27400が振動し、皿ネジN5の締結が緩みやすくなるところ、遊技釘YKの先端が弾性部材G1に保持(当接)されていることで、第1入賞部材27400の振動を弾性部材G1の粘弾性特性により抑制できる。その結果、皿ネジN5の締結が緩むことを抑制できる。また、振動により、第1入賞部材27400やベース板60が損傷や摩耗することを抑制できる。
なお、上述したように、窪み部27060dの厚さ方向(図313(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材27400の本体部27410の厚さ方向(図313(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成され、第1入賞部材27400の本体部27410の正面は、下面に対して鉛直な面に形成されるため、ベース板60の正面と第1入賞部材27400の本体部27410の正面とは略同一(面一)の位置に配設することができる。よって、ベース板60の正面と第1入賞部材27400の本体部27410の正面とが段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
ここで、図316を参照して、本実施形態における第2入賞部材3500について説明する。
図316(a)は、第2入賞部材3500の正面斜視図であり、図316(b)は、第2入賞部材3500の正面図であり、図316(c)は、第2入賞部材3500の上面図である。
図316(a)から図316(c)に示すように、第2入賞部材3500は、ベース部3510と、そのベース部3510の正面側(図316(c)下側)に突出形成される球入賞部320とを主に備えて形成される。
ベース部3510は、球入賞部320をベース板60に固定させるためのものであり、正面視、横長矩形から、球入賞部320よりも長手方向(図316(b)左右方向)外側の上面が、下方(図316(b)下方向)に傾斜した板状体から形成される。また、ベース部3510の長手方向(図316(b)左右方向)の幅寸法は、窪み部27060dの左右方向の幅寸法(図315(b)参照)よりも大きく形成され、上下方向(図316(b)上下方向)の幅寸法は、後述する球入賞部320の上下方向(図316(b)上下方向)の幅寸法よりも大きく形成される。
ベース部3510は、球入賞部320の背面(図316(c)上側の面)に、板厚方向に貫通する開口部311と、板厚方向に貫通する正面視円形の貫通孔313とを備える。
開口部311は、正面視において、所定サイズ(例えば直径11mm)の遊技球の直径よりも大きく形成される。
窪み部27060dの左右両側面(図315(b)参照)よりも長手方向(図316(b)左右方向)外側の両端部に、正面視円形であり、板厚方向に貫通する貫通孔313とを備える。
貫通孔313は、正面側(図316(b)紙面手前側)に向かって拡径されるネジ頭収容部313aを備えており、貫通孔313の内径は、皿ネジN1の軸部と同等又はやや大きく形成され、窪み部27060dの下面よりも下側、且つ貫通孔27060aよりも左右方向(図315参照)外側に配設される。
ネジ頭収容部313aは、ベース部3510の背面側(図316(c)上側)から正面側(図316(c)下側)に進むに従って拡径され、ベース部3510の正面に平行な面で切断した断面が円形に形成される。また、ネジ頭収容部313aのベース部3510の正面における内径は、皿ネジN1の頭部の外径よりも大きく形成される。
球入賞部320は、開口部311の左右両側(図316(b)左右両側)及び下側(図316(b)下側)を取り囲んで正面側(図316(c)下側)に突出する側壁321と、その側壁321の突出先端に配設された前壁322とから形成され、側壁321と前壁322とで囲われる領域に第1入賞口64が形成される。
側壁321は、上方(図316(b)上方向)が開放したベース部3510に平行な面で切断した断面がU字状に形成され、左右両側(図316(b)左右両側)の対向する内壁の対向間の距離寸法が所定サイズ(例えば直径11mm)の遊技球の直径よりも大きく形成される。また、側壁321は、左右方向(図316(c)左右方向)中心の底面(図316(c)紙面奥側)に、上方(図316(c)紙面手前方向)に向かって立設される転動部323を備える。
前壁322は、側壁321の突出先端に、ベース部3510に平行に形成される。従って、前壁322は、側壁321の突出先端を塞ぐ様態に形成され、第1入賞口64は、上方(図316(b)上方向)が開放する様態に形成される。
転動部323は、開口部311の端部から前壁322に亘って一定の板厚で形成されると共に、正面側(図316(c)下側)に向かって上方傾斜して形成される。よって、第1入賞口64に流入した遊技球は、転動部323の上面に送球されると共に、転動部323の傾斜により、転動部323の上面(図316(c)紙面手前側の面)を転動して開口部311へ向かって送球される。
図311から図313に戻って説明する。第2入賞部材3500は、上述したように、開口部311の中心とベース板60の貫通孔27060aの中心とが一致する位置に配設され、2本の遊技釘YKは、球入賞部320の側壁321の上方端部の上側(図313(a)上側)にそれぞれ配設される。これにより、第1入賞口64に流入した遊技球は、開口部311及び貫通孔27060aを通り、ベース板60の背面に送球されると共に、2本の遊技釘YKは、遊技領域を流下する遊技球の球数に対して、第1入賞口64に流入する遊技球の球数を調整することができる。
第2入賞部材3500のベース板60への固定は、皿ネジN1をベース部3510の貫通孔313へ挿入し、ベース部3510の背面から突出した皿ネジN1の軸部に形成された雄ねじを、ベース板60の締結穴60Iに形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、上述したように、貫通孔313は、窪み部27060dの下面よりも下側(図313(a)下側)、且つ貫通孔27060aよりも左右方向(図313(a)左右方向)外側に配設されるため、第2入賞部材3500は、ベース板60に固定されることができる。
また、貫通孔313の正面側(図313(a)紙面手前側)に配設されたネジ頭収容部313aの内側に皿ネジN1の頭部が配設されることで、皿ネジN1の頭部が第2入賞部材3500の正面より正面側(図313(a)紙面手前側)に飛び出すことを抑制できる。
また、第2入賞部材3500は、ベース板60及び第1入賞部材27400の正面(図313(a)紙面手前側の面)に配設されると共に、第1入賞部材27400の遊技釘YKよりも下側(図313(a)下側)の一部を覆う位置に配設される。よって、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃により、窪み部27060d(ベース板60)と第1入賞部材27400との締結固定が緩み、第1入賞部材27400が正面側(図313(b)右側)に移動し、ベース板60と第1入賞部材27400との間に背面から正面方向(図313(b)左右方向)への段差が発生することを抑制できる。
また、上述したように、第2入賞部材3500のベース部3510は、正面視、横長矩形から、球入賞部320よりも長手方向(図313(a)左右方向)外側の上面が、下方(図313(a)下方向)に傾斜した板状体から形成されるため、皿ネジN5が第2入賞部材3500のベース部3510の背面(図313(a)紙面奥側の面)に配設されることが抑制できる。よって、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材27400を交換する場合においても、皿ネジN1及び皿ネジN5を同一行程において取り外すことができ、作業工数が削減できる。
次いで、図317を参照して、遊技盤13の製造方法について説明する。図317(a)は、窪み部27060d(ベース板60)に第1入賞部材27400が取り付けられた状態の正面図であり、図317(b)は、図317(a)のCCCXVIIb−CCCXVIIb線におけるベース板60及び第1入賞部材27400の断面図である。
なお、図317は、窪み部27060d(ベース板60)に第1入賞部材27400を取り付けた後であって、第2入賞部材3500がベース板60に取り付けられる前の状態(第1入賞部材27400取付工程)を示している。また、この状態において、第1入賞部材27400に遊技釘YKは打ち込まれていない。
図317(a)及び図317(b)に示すように、遊技釘YKが打ち込まれる前の第1入賞部材27400の本体部27410には、遊技釘YKが打ち込まれる位置(図314参照)に貫通孔27410aが形成される。
貫通孔27410aは、遊技釘YKを打ち込む方向視において円形であり、厚さ方向(図317(b)左右方向)に対して5度傾斜する向き(即ち、上方に5度傾斜して配設される遊技釘YKの配設位置に沿って)で第1入賞部材27400の本体部27410を貫通して配設される。また、貫通孔27410aの内径は遊技釘YKの外径と同等又はやや小さく形成される。これにより、遊技釘YKを貫通孔27410a(本体部27410)に打ち込む場合に、遊技釘YKと貫通孔27410a(本体部27410)との接触抵抗を減らすと共に、遊技釘YKを貫通孔27410a(本体部27410)の内面で保持することができる。
第1入賞部材27400取付工程の次に、遊技釘YKが第1入賞部材27400の本体部27410及び弾性部材G1にベース板60の正面側(図317(b)右側)より打ち込まれる(遊技釘YK打ち込み工程)。
ここで、遊技釘YK打ち込み工程において、第1入賞部材27400が窪み部27060d(ベース板60)に取り付けられているため、比較的小型に形成される第1入賞部材27400の本体部27410に遊技釘YKを打ち込むことが容易となる。
また、遊技釘YK打ち込み工程において、ベース板60にも遊技釘YKが打ち込まれるため、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YKと、第1入賞部材27400の本体部27410に打ち込まれる遊技釘YKとの相対位置を合わせることができると共に、ベース板60と本体部27410との段替え作業が不要となり、作業時間の短縮を図ることができる。
凹部27060d(対面部27060l)には、凹部27060d10が凹設されているので、本体部27410の背面から突出される遊技釘YKの先端を凹部27060d10内に受け入れることができる。これにより、遊技釘YKを打ち込む際の荷重により対面部27060lが破損(割れる)ことを抑制できる。
また、遊技釘YK打ち込み工程において、球入賞部320(第2入賞部材3500)はベース板60に取り付けられていないため、遊技釘YKを第1入賞部材27400の本体部27410の任意の位置に打ち込むことができる。
例えば、球入賞部320が第1入賞部材27400又はベース板60に形成される場合、遊技釘YK打ち込み工程において、ベース板60の正面側(図317(a)紙面手前側)に突出している球入賞部320により、遊技釘YKを打ち込む機械を配置できない場所ができる。そのため、遊技釘YKを第1入賞部材27400の本体部27410に打ち込むことができない位置が発生する。
一方、本実施形態では、遊技釘YK打ち込み工程後に球入賞部320(第2入賞部材3500)をベース板60に取り付けるため、遊技釘YK打ち込み工程において、第1入賞部材27400の本体部27410の周囲には遊技釘YKを打ち込む機械の配置を妨げる形状が無く、上述したように、遊技釘YKを第1入賞部材27400の本体部27410の任意の位置に打ち込むことができる。
次いで、第1入賞部材27400及びベース板60の正面(図317(b)右側の面)に第2入賞部材3500が取り付けられる(第2入賞部材3500取付工程)(図311参照)。これにより、球入賞部320と遊技釘YKの間隔を狭めて配置することができる。
次いで、図318から図322を参照して、第87実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図318から図320を参照して、第87実施形態における第1入賞部材28400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図318は、第87実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット28300の正面斜視図である。図319は、ベース板60及び入賞口ユニット28300の分解正面斜視図である。図320(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット28300の正面図であり、図320(b)は、図320(a)のCCCXXb−CCCXXb線におけるベース板60及び入賞口ユニット28300の断面図である。なお、図319では、センターフレーム86の図示が省略され、図320(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図318から図320に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図320(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図320(b)左側)に向かって凹設される窪み部28060dが形成される。
入賞口ユニット28300は、第1入賞部材28400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部28060dは、正面視における外形が第1入賞部材28400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材28400を窪み部28060dの内側に配設できる。
ここで、図321を参照して、本実施形態における第1入賞部材28400について説明する。
図321(a)は、第1入賞部材28400の正面斜視図であり、図321(b)は、第1入賞部材28400の正面図であり、図321(c)は、第1入賞部材28400の上面図であり、図321(d)は、第1入賞部材28400の側面図である。
図321(a)から図321(d)に示すように、第1入賞部材28400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部28410と、本体部28410の背面の下側に、背面方向(図321(d)左方向)に向けて張り出した背面視横長矩形の直方体から形成される固定部28420と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部28410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、上述したように、本体部28410の外形は、ベース板60に形成される窪み部28060dの外形と略同一に形成される(図322参照)と共に、本体部28410の厚さ方向(図321(d)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図320(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部28410の正面及び背面は、下面に対して鉛直な面に形成される。
固定部28420は、固定部28420の下面と本体部28410の下面とが、同一の面を形成して配設され、固定部28420の上面は、後述する遊技釘YKが打ち込まれる位置よりも上下方向(図321(d)上下方向)において、下方(図321(d)下方向)に配設される。また、第1入賞部材28400の固定部28420の張り出し方向(図321(d)左右方向)の幅(寸法)は、後述する第2凹部28060d11の厚さ方向(図322(d)参照)の幅(寸法)と同等又はやや小さく形成される。
また、固定部28420は、固定部28420の上面に対して鉛直方向に、固定部28420の上面から下方(図321(d)下方向)に向かって凹設される上面視円形の2か所の締結穴28420aを備える。
締結穴28420aは、第1入賞部材28400が窪み部28060dの内側に配設された状態において、上面視、後述する窪み部28060dに配設された貫通孔28060d12の軸(図322参照)と同軸上に配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部28410の正面に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図321(b)上下方向)については本体部28410の短手方向中心に配設され、左右方向(図321(b)左右方向)については本体部28410の長手方向中心を中心として、長手方向(図321(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図321(b)上方向)に5度傾斜して配設される。
本体部28410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図320(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図321(d)右側)より本体部28410の正面に打ち込むと、本体部28410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部28410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部28410の背面から突出する。
次に、図322を参照して、本実施形態における窪み部28060dについて説明する。
図322(a)は、窪み部28060dの正面斜視図であり、図322(b)は、窪み部28060dの正面図であり、図322(c)は、図322(b)のCCCXXIIc−CCCXXIIc線における窪み部28060dの断面図である。
図322(a)から図322(c)に示すように、窪み部28060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図322(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図322(c)左側)に向かって凹設され配設される。この窪み部28060dの凹設により、ベース板60には対面部28060lが形成される。
また、正面視における窪み部28060dの外形は、第1入賞部材28400の外形と略同一(図321参照)に形成される。また、窪み部28060dの厚さ方向(図322(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材28400の本体部28410の厚さ方向(図321(d)参照)の幅(寸法)と同等又はやや大きく形成される。
窪み部28060dは、中央開口601の下側(図322(b)下側)に、下方(図322(b)下方向)に向かって、窪み部28060dの正面が開口されて凹設される第1凹部28060d10と、第1凹部28060d10の下側(図322(b)下側)に、窪み部28060dの正面からベース板60の背面側(図322(c)左側)に向かって凹設される第2凹部28060d11とを備える。
第1凹部28060d10は、上面視、ベース板60の背面側(図322(c)左側)に配置される半円と、半円の両端部から窪み部28060dの正面へ向かって、窪み部28060dの正面に対して鉛直な直線とから構成された形状に形成される。
また、第1凹部28060d10の下面は、窪み部28060dの内側に配設される第1入賞部材28400の本体部28410の背面から突出した遊技釘YKの先端(図320参照)よりも下方(図322(b)下方向)に配設され、第1凹部28060d10の左右方向(図322(b)左右方向)における上面視半円形の中心は、第1入賞部材28400の本体部28410に打ち込まれた遊技釘YKの左右方向(図322(b)左右方向)における位置と同じ位置に配設される。
また、第1凹部28060d10の中心付近における側面は、窪み部28060dの内側に配設される第1入賞部材28400の本体部28410の背面から突出した遊技釘YKの先端よりもベース板60の背面側(図322(c)左側)に配設され、第1凹部28060d10の内径は遊技釘YKの軸部の外径よりも大きく、且つ後述するネジ頭収容部28060d12aの内径よりも大きく配設される。
また、第1凹部28060d10は、第1凹部28060d10の下面から、第2凹部28060d11に向かって貫通する貫通孔28060d12を備える。
貫通孔28060d12は、上面視、円形に形成され、貫通孔28060d12の中心は、第1凹部28060d10の半円形部の中心と一致する。
また、貫通孔28060d12の内径は、皿ネジN6の軸部の外径よりもやや大きく形成される。
また、貫通孔28060d12は、上方(図322(c)上方向)に向かって拡径されるネジ頭収容部28060d12aを備える。
ネジ頭収容部28060d12aは、上述したように、貫通孔28060d12の下方(図322(c)下方向)から上方(図322(c)上方向)に進むに従って拡径され、ネジ頭収容部28060d12aの第1凹部28060d10の下面における内径は、皿ネジN6の頭部の外径よりも大きく形成される。
第2凹部28060d11は、上述したように、第1凹部28060d10の下側(図322(b)下側)に配設され、正面視における外形が第1入賞部材28400の固定部28420(図321参照)の外形とほぼ同等又はやや大きく形成される。
また、第2凹部28060d11の下面、窪み部28060dの下面とが、同一の面を形成して配設され、上述したように、第2凹部28060d11の厚さ方向(図322(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材28400の固定部28420の張り出し方向の幅(図321(d)参照)と同等又はやや大きく形成される。
対面部28060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部28060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図318から図320に戻って説明する。第1入賞部材28400は、窪み部28060dの内側に、第1入賞部材28400の本体部28410の正面とベース板60の正面とが略同一(面一)となる位置に配設される。
よって、ベース板60の正面と第1入賞部材28400の本体部28410の正面とが、背面から正面方向(図320(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、第1入賞部材28400の窪み部28060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN6を第1凹部28060d10の上方(図320(b)上方向)より貫通孔28060d12へ挿入し、皿ネジN6の軸部に形成された雄ねじを第1入賞部材28400の固定部28420の締結穴28420aに形成された雌ねじに螺合することで行われる。
これにより、第1入賞部材28400の本体部28410にネジを挿入するための貫通孔を配設する必要が無く、本体部28410の強度を高くすることができる。
また、上述したように、窪み部28060dの第2凹部28060d11の下面と窪み部28060dの下面とが、同一の面を形成して配設され、第1入賞部材28400の固定部28420の下面と第1入賞部材28400の本体部28410の下面とが、同一の面を形成して配設されるため、第1入賞部材28400を窪み部28060dの内側に配設する際、ベース板60の正面側(図320(b)右側)から容易に配設することができる。
また、第1入賞部材28400の本体部28410の正面とベース板60の正面とが略同一(面一)となる位置に配設され、第1入賞部材28400が窪み部28060d(ベース板60)に固定された状態においては、上述したように、第1入賞部材28400の本体部28410の厚さ方向(図320(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部28060dの厚さ方向(図320(b)左右方向)の幅(寸法)と同等又はやや小さく形成されるため、第1入賞部材28400の本体部28410の背面と窪み部28060dの正面とが当接しない。また、上述したように、第2凹部28060d11の厚さ方向(図320(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材28400の固定部28420の張り出し方向(図320(b)左右方向)の幅(寸法)と同等又はやや大きく形成されるため、第1入賞部材28400の固定部28420の背面と第2凹部28060d11の正面とが当接しない。
ここで、窪み部28060dの正面、及び第2凹部28060d11の正面からベース板60の背面までの距離は小さく、強度が小さい。
よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃が、強度の小さい窪み部28060dの正面、或いは、第2凹部28060d11の正面に伝わらず、窪み部28060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、上述したように、第1凹部28060d10の下面は、窪み部28060dの内側に配設される第1入賞部材28400の本体部28410の背面から突出した遊技釘YKの先端よりも下方(図320(b)下方向)に配設され、第1凹部28060d10の中心付近における側面は、窪み部28060dの内側に配設される第1入賞部材28400の本体部28410の背面から突出した遊技釘YKの先端よりもベース板60の背面側(図320(b)左側)に配設されるため、本体部28410の背面から突出した遊技釘YKの突出部は、第1凹部28060d10で囲まれた空間に配設される。
よって、窪み部28060d(ベース板60)に遊技釘YKは打ち込まれず、窪み部28060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、貫通孔28060d12の上方(図320(b)上方向)に配設されたネジ頭収容部28060d12aの内側に皿ネジN6の頭部が配設されるため、皿ネジN6の頭部が第1凹部28060d10の下面よりも上方(図320(b)上方向)に飛び出すことを抑制できる。よって、本体部28410の背面から突出した遊技釘YKの先端が、皿ネジN6に接触することを抑制できる。
また、上述したように、第1凹部28060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径よりも大きく、且つネジ頭収容部28060d12aの内径よりも大きく配設されるため、遊技釘YKの軸部の外径よりも十分に大きく、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部28060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部28060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部28060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部28060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図320(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、第1入賞部材28400の本体部28410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、第1入賞部材28400の本体部28410の背面から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材28400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材28400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材28400を交換する場合においても、遊技釘YKの先端は、窪み部28060d(ベース板60)には打ち込まれていないため、第1入賞部材28400の取り外しが容易である。
次いで、図323から図327を参照して、第88実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図323から図325を参照して、第88実施形態における第1入賞部材29400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図323は、第88実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット29300の正面斜視図である。図324は、ベース板60及び入賞口ユニット29300の分解正面斜視図である。図325(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット29300の正面図であり、図325(b)は、図325(a)のCCCXXVb−CCCXXVb線におけるベース板60及び入賞口ユニット29300の断面図である。なお、図324では、センターフレーム86の図示が省略され、図325(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図323から図325に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図325(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図325(b)左側)に向かって凹設される窪み部29060dが形成される。
入賞口ユニット29300は、第1入賞部材29400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部29060dは、遊技釘YKを打ち込む方向視における外形が第1入賞部材29400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材29400を窪み部29060dの内側に配設できる。
ここで、図326を参照して、本実施形態における第1入賞部材29400について説明する。
図326(a)は、第1入賞部材29400の正面斜視図であり、図326(b)は、第1入賞部材29400の正面図であり、図326(c)は、第1入賞部材29400の側面図である。
図326(a)から図326(c)に示すように、第1入賞部材29400は、正面視横長略矩形の四角柱から形成される本体部29410と遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部29410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、遊技釘YKを打ち込む方向視に貫通する貫通孔3413を備える。また、上述したように、本体部29410の外形は、ベース板60に形成される窪み部29060dの外形と略同一に形成される(図327参照)。
また、本体部29410の厚さ方向(図326(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図325(b)参照)よりも小さく形成される。
本体部29410の正面は、ベース板60の正面に対して平行な面に形成される一方、本体部29410の背面は、本体部29410の正面に打ち込まれる遊技釘YKに対して鉛直な面に形成される。また、本体部29410の上面及び下面は、本体部29410の背面に対して鉛直な面に形成される。
貫通孔3413は、正面側(図326(b)紙面手前側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備えると共に、本体部29410の四隅に配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部29410の正面に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図326(b)上下方向)については本体部29410の正面の短手方向中心に配設され、左右方向(図326(b)左右方向)については本体部29410の長手方向中心を中心として長手方向(図326(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図326(b)上方向)に5度傾斜して配設される。
上述したように、本体部29410の背面は、本体部29410の正面に打ち込まれる遊技釘YKに対して鉛直な面に形成されるため、本体部29410の正面と平行な面に対して、本体部29410の背面は、下側(図326(c)下側)が正面側(図326(c)右側)に5度傾いた面に形成され、本体部29410の上面及び下面は、本体部29410の正面と鉛直な面に対して、背面側(図326(c)左側)が下側(図326(c)下側)に5度傾いた面に形成される。
上述したように、本体部29410の厚さ方向(図326(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図325(b)参照)よりも小さく形成されるため、本体部29410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図325(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図326(c)右側)より本体部29410の正面に打ち込むと、本体部29410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部29410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部29410の背面から突出する。
また、上述したように、貫通孔3413を本体部29410の四隅に配設するのに対し、遊技釘YKは、上下方向(図326(b)上下方向)については本体部29410の短手方向中心に、左右方向(図326(b)左右方向)については本体部29410の長手方向中心を中心として、長手方向(図325(b)左右方向)に、後述する球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に打ち込まれるため、貫通孔3413は、本体部29410において遊技釘YKから離れた位置に配設される。そのため、本体部29410の遊技釘YKが打ち込まれる周辺の強度を確保することが可能となる。よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重により、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃により、本体部29410が損傷することを抑制できる。
図323から図325に戻って説明する。第1入賞部材29400は、窪み部29060dの内側に、第1入賞部材29400の本体部29410の背面(図325(b)左側)と窪み部29060dの正面(図325(b)右側)とが当接して配設される。
第1入賞部材29400の窪み部29060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN5を本体部29410の正面側(図325(a)紙面手前側)より貫通孔3413へ挿入し、皿ネジN5の軸部に形成された雄ねじを後述する窪み部29060dの締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔3413の正面側(図325(a)紙面手前側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN5の頭部が配設されることで、皿ネジN5の頭部が第1入賞部材29400の正面より正面側(図325(a)紙面手前側)に飛び出すことを抑制できる。
ここで、図327を参照して、本実施形態における窪み部29060dについて説明する。
図327(a)は、窪み部29060dの正面斜視図であり、図327(b)は、窪み部29060dの正面図であり、図327(c)は、図327(b)のCCCXXVIIc−CCCXXVIIc線における窪み部29060dの断面図である。
図327(a)から図327(c)に示すように、窪み部29060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図327(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図327(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部29060dの凹設により、ベース板60には対面部29060lが形成される。
また、遊技釘YKを打ち込む方向視における窪み部29060dの外形は、第1入賞部材29400の外形と略同一(図326参照)に形成される。
よって、窪み部29060dの正面は、ベース板60の正面と平行な面に対して、下側(図327(c)下側)がベース板60の正面側(図327(c)右側)に5度傾いた面に形成され、窪み部29060dの上面及び下面は、ベース板60の正面と鉛直な面に対して、ベース板60の背面側(図327(c)左側)が下側(図327(c)下側)に5度傾いた面に形成される。
また、窪み部29060dの厚さ方向(図327(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材29400の本体部29410の厚さ方向(図326(c)参照)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部29060dの正面からベース板60の背面までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部29060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさ)形成される。
また、窪み部29060dは、窪み部29060dの正面に対して鉛直方向に、ベース板60の正面側(図327(c)右側)から背面側(図327(c)左側)に向かって凹設される正面視円形の4か所の締結穴27060d4、及びベース板60の正面側(図327(c)右側)から背面側(図327(c)左側)に向かって凹設される、遊技釘YKを打ち込む方向視において円形の2か所の凹部29060d10を備える。
締結穴27060d4は、遊技釘YKを打ち込む方向視において窪み部29060dの内側に配設される第1入賞部材29400の本体部29410の貫通孔3413の軸(図326参照)と同軸上に配設される。
凹部29060d10は、遊技釘YKを打ち込む方向視において、窪み部29060dの内側に配設される第1入賞部材29400の本体部29410に打ち込まれた遊技釘YK(図326参照)と同軸上に配設される。また、凹部29060d10の底面(図327(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図327(c)二点鎖線)の先端よりベース板60の背面側(図327(c)左側)に配設される。また、遊技釘YKを打ち込む方向視における凹部29060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
また、凹部29060d10には、凹部29060d10と略同形状の弾性部材G1が挿入される。
対面部29060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部29060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図323から図325に戻って説明する。上述したように、第1入賞部材29400は、窪み部29060dの内側に、第1入賞部材29400の本体部29410の背面と窪み部29060dの正面とが当接して配設される。また、上述したように、第1入賞部材29400の本体部29410の背面は、第1入賞部材29400の本体部29410の正面に打ち込まれる遊技釘YKに対して鉛直な面に形成される。よって、遊技釘YKを打ち込む際に第1入賞部材29400に発生する力の方向と、窪み部29060dから第1入賞部材29400に発生する反発力の方向が一致する。言い換えると、遊技釘YKを打ち込む際、第1入賞部材29400には、遊技釘YKを打ち込む方向以外に力が働かないため、遊技釘YKを打ち込む際の窪み部29060dの内側における第1入賞部材29400の位置ずれを抑制できる。
凹部29060d10は、遊技釘YKを打ち込む方向視において、窪み部29060dの内側に配設される第1入賞部材29400の本体部29410に打ち込まれた遊技釘YKと同軸上に配設され、凹部29060d10の底面(図325(b)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図325(b)二点鎖線)の先端よりベース板60の背面側(図325(b)左側)に配設され、遊技釘YKを打ち込む方向視における凹部29060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、本体部29410の背面から突出した遊技釘YKの突出部は、凹部29060d10に挿入された弾性部材G1には打ち込まれる。
一方、凹部29060d10の底面(図325(b)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YKの先端(図325(b)二点鎖線)よりベース板60の背面側(図325(b)左側)に配設されるため、本体部29410の背面から突出した遊技釘YKの突出部は、窪み部29060d(ベース板60)には打ち込まれず、窪み部29060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、凹部29060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部29060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部29060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部29060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部29060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図325(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、本体部29410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、本体部29410の背面(図325(b)左側の面)から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材29400の本体部29410との接触面積が大きくなり、第1入賞部材29400の本体部29410による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、上述したように、窪み部29060dの厚さ方向(図325(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材29400の本体部29410の厚さ方向(図325(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成され、第1入賞部材29400の本体部29410の正面は、ベース板60の正面と平行な面に形成されるため、ベース板60の正面と第1入賞部材29400の本体部29410の正面とは略同一(面一)の位置に配設することができる。よって、ベース板60の正面と第1入賞部材29400の本体部29410の正面とが、背面から正面方向(図325(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
次いで、図328から図332を参照して、第89実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図328から図330を参照して、第89実施形態における第1入賞部材30400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図328は、第89実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット30300の正面斜視図である。図329は、ベース板60及び入賞口ユニット30300の分解正面斜視図である。図330(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット30300の正面図であり、図330(b)は、図330(a)のCCCXXXb−CCCXXXb線におけるベース板60及び入賞口ユニット30300の断面図である。なお、図329では、センターフレーム86の図示が省略され、図330(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図328から図330に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図330(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図330(b)左側)に向かって凹設される窪み部30060dが形成される。
入賞口ユニット30300は、第1入賞部材30400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部30060dは、正面視における外形が第1入賞部材30400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材30400を窪み部30060dの内側に配設できる。
ここで、図331を参照して、本実施形態における第1入賞部材30400について説明する。
図331(a)は、第1入賞部材30400の正面斜視図であり、図331(b)は、第1入賞部材30400の正面図であり、図331(c)は、第1入賞部材30400の側面図である。
図331(a)から図331(c)に示すように、第1入賞部材30400は、正面視横長略矩形の四角柱から形成される本体部30410と遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部30410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、板厚方向に貫通する貫通孔3413を備える。また、上述したように、本体部30410の外形は、ベース板60に形成される窪み部30060dの外形と略同一に形成される(図332参照)。
本体部30410の厚さ方向(図331(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図330(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部30410の正面及び背面は、側面に対して鉛直な面に形成される。
一方、本体部30410の上面30410a及び下面30410bは、本体部30410の正面に対しテーパ形状に形成され、本体部30410の上面30410aは、背面側(図331(c)左側)が下側(図331(c)下側)に傾いた面に形成され、本体部30410の下面30410bは、背面側(図331(c)左側)が上側(図331(c)上側)に傾いた面に形成される。
貫通孔3413は、正面側(図331(b)紙面手前側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備える。また、貫通孔3413は、本体部30410に2か所配設され、上下方向(図331(b)上下方向)については本体部30410の短手方向中心に、左右方向(図331(b)左右方向)については本体部30410の長手方向両端部にそれぞれ1か所ずつ配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部30410の正面に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図331(b)上下方向)については本体部30410の短手方向中心に配設され、左右方向(図331(b)左右方向)については本体部3041d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図331(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図331(b)上方向)に5度傾斜して配設される。
上述したように、本体部30410の厚さ方向(図331(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図330(b)参照)よりも小さく形成されるため、本体部30410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図330(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図331(c)右側)より本体部30410の正面に打ち込むと、本体部30410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部30410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部30410の背面から突出する。
また、上述したように、貫通孔3413を、上下方向(図331(b)上下方向)については本体部30410の短手方向中心に、左右方向(図331(b)左右方向)については本体部30410の長手方向両端部にそれぞれ1か所ずつ配設するのに対し、遊技釘YKは、上下方向(図331(b)上下方向)については本体部30410の短手方向中心に、左右方向(図331(b)左右方向)については本体部3041d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図331(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に打ち込まれるため、貫通孔3413は、本体部30410において遊技釘YKから離れた位置に配設される。そのため、本体部30410の遊技釘YKが打ち込まれる周辺の強度を確保することが可能となる。よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重により、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃により、本体部30410が損傷することを抑制できる。
次に、図332を参照して、本実施形態における窪み部30060dについて説明する。
図332(a)は、窪み部30060dの正面斜視図であり、図332(b)は、窪み部30060dの正面図であり、図332(c)は、図332(b)のCCCXXXIIc−CCCXXXIIc線における窪み部30060dの断面図である。
図332(a)から図332(c)に示すように、窪み部30060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図332(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図332(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部30060dの凹設により、ベース板60には対面部30060lが形成される。
また、正面視における窪み部30060dの外形は、第1入賞部材30400の外形と略同一(図331参照)に形成される。また、窪み部30060dの厚さ方向(図332(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材30400の本体部30410の厚さ方向(図331(c)参照)の幅(寸法)と同等又はやや大きく形成されると共に、窪み部30060dの正面からベース板60の背面までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部30060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさ)形成される。
窪み部30060dの上面30060d13、及び下面30060d14は、テーパ形状に形成され、窪み部30060dの上面30060d13は、ベース板60の背面側(図332(c)左側)が下側(図332(c)下側)に傾いた面に形成され、窪み部30060dの正面における位置は、後述する凹部27060d10の配設位置よりも上方向(図332(c)上方向)に形成される。窪み部30060dの下面30060d14は、ベース板60の背面側(図332(c)左側)が上側(図332(c)上側)に傾いた面に形成され、窪み部30060dの正面における位置は、後述する凹部27060d10の配設位置よりも下方向(図332(c)下方向)に形成される。
また、窪み部30060dは、窪み部30060dの正面に対して鉛直方向に、窪み部30060dの正面からベース板60の背面側(図332(c)左側)に向かって凹設される2か所の締結穴27060d4及び2か所の凹部27060d10を備える。
締結穴27060d4は、正面視において窪み部30060dの内側に配設される第1入賞部材30400の本体部30410の貫通孔3413の軸(図331参照)と同軸上に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図332(b)左右方向)における位置は、正面視において窪み部30060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図332(b)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図332(b)上下方向)における位置は、窪み部30060dの下から上方(図332(b)上方向)へ、第1入賞部材30400の本体部30410の下面から第1入賞部材30400の本体部30410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D5(図331(c)参照)離れた位置に配設される。
また、凹部27060d10の底面(図332(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図332(c)二点鎖線)の先端より背面側(図332(c)左側)に配設される。また、正面視円形の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
また、凹部27060d10には、弾性部材G1が挿入される。
対面部30060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部30060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図328から図330に戻って説明する。第1入賞部材30400は、窪み部30060dの内側に、第1入賞部材30400の本体部30410の正面とベース板60の正面とが略同一(面一)となる位置に配設される。
よって、ベース板60の正面と第1入賞部材30400の本体部30410の正面とが、背面から正面方向(図330(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
第1入賞部材30400の窪み部30060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN5を本体部30410の正面側(図330(a)紙面手前側)より貫通孔3413へ挿入し、皿ネジN5の軸部に形成された雄ねじを窪み部30060dの締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔3413の正面側(図330(a)紙面手前側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN5の頭部が配設されることで、皿ネジN5の頭部が第1入賞部材30400の正面より正面側(図330(a)紙面手前側)に飛び出すことを抑制できる。
また、第1入賞部材30400が窪み部30060d(ベース板60)に固定された状態においては、窪み部30060dの上面30060d13と第1入賞部材30400の本体部30410の上面30410aとが当接し、窪み部30060dの下面30060d14と第1入賞部材30400の本体部30410の下面30410bとが当接する。
よって、第1入賞部材30400の本体部30410の正面とベース板60の正面とが略同一(面一)となる位置に配設された状態においては、上述したように、第1入賞部材30400の本体部30410の厚さ方向(図330(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部30060dの厚さ方向(図330(b)左右方向)の幅(寸法)と同等又はやや小さく形成されるため、第1入賞部材30400の本体部30410背面と窪み部30060dの正面とが当接しない。
ここで、窪み部30060dの正面からベース板60の背面までの距離は小さく、強度が小さい。
よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃が、強度の小さい窪み部30060dの正面に伝わらず、ベース板60の損傷を抑制できる。
また、テーパ形状に形成された窪み部30060dの上面30060d13及び下面30060d14と、テーパ形状に形成された第1入賞部材30400の本体部30410の上面30060d13及び下面30060d14とがそれぞれ当接するため、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃が、正面から背面方向(図330(b)左右方向)及び上下方向(図330(b)上下方向)の二方向へ分散されるので、ベース板60の損傷を抑制できる。また、遊技釘YKを打ち込む際の第1入賞部材30400の上下方向(図330(b)上下方向)の位置ずれを抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材30400の本体部30410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図330(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図330(b)右側)より本体部30410に遊技釘YKを打ち込み、遊技釘YKの先端が本体部30410の背面から突出する状態においても、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図330(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部30060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図330(a)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図330(a)上下方向)における位置は、窪み部30060dの下から上方(図330(a)上方向)へ、第1入賞部材30400の本体部30410の下面から第1入賞部材30400の本体部30410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D5(図331(c)参照)離れた位置に配設されるため、窪み部30060d(ベース板60)に遊技釘YKは打ち込まれず、窪み部30060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部30060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部30060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部30060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部30060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、窪み部30060d(ベース板60)の強度の低下を抑制できると共に、凹部27060d10の加工コストを抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図330(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、本体部30410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、本体部30410の背面から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材30400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材30400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材30400を交換する場合においても、遊技釘YKの先端は、窪み部30060dの凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれているため、第1入賞部材30400の取り外しが容易である。
次いで、図333から図337を参照して、第90実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図333から図335を参照して、第90実施形態における第1入賞部材31400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図333は、第90実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット31300の正面斜視図である。図334は、ベース板60及び入賞口ユニット31300の分解正面斜視図である。図335(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット31300の正面図であり、図335(b)は、図335(a)のCCCXXXVb−CCCXXXVb線におけるベース板60及び入賞口ユニット31300の断面図である。なお、図334では、センターフレーム86の図示が省略され、図335(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図333から図335に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図335(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図335(b)左側)に向かって凹設される窪み部31060dが形成される。
入賞口ユニット31300は、第1入賞部材31400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部31060dは、正面視における外形が第1入賞部材31400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材31400を窪み部31060dの内側に配設できる。
ここで、図336を参照して、本実施形態における第1入賞部材31400について説明する。
図336(a)は、第1入賞部材31400の正面斜視図であり、図336(b)は、第1入賞部材31400の正面図であり、図336(c)は、第1入賞部材31400の側面図であり、図336(d)は、図336(c)のCCCXXXVId−CCCXXXVId線における第1入賞部材31400の断面図である。
図336(a)から図336(d)に示すように、第1入賞部材31400は、正面視において、横長略矩形の下面の左右両端部がテーパ形状に形成された六角柱から形成される本体部31410と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部31410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、本体部31410の外形は、上述したように、ベース板60に形成される窪み部31060dの外形と略同一に形成される(図337参照)。
本体部31410の厚さ方向(図336(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図335(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部31410の正面及び背面は、下面に対して鉛直な面に形成される。
本体部31410にテーパ形状に形成されたテーパー面31410aは、本体部31410の下面の左右両端部に配設され、長手方向(図336(b)左右方向)の外側に向かうに従い、上方(図336(b)上方向)に傾斜した面に形成される。
また、本体部31410は、本体部31410のテーパー面31410aに対する鉛直方向視おいて円形であり、テーパー面31410aに鉛直方向に、テーパー面31410aから後述する座繰り穴31413aに貫通する貫通孔31413、及び貫通孔31413から本体部31410の上面に貫通する座繰り穴31413aを備える。
本体部31410のテーパー面31410aに対する鉛直方向視において、貫通孔31413は、後述する座繰り穴31413aの軸と同軸上に配設される。
また、貫通孔31413は、本体部31410のテーパー面31410aに対する鉛直方向視において、本体部31410の上面側(図336(b)上側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備え、貫通孔31413の内径は、皿ネジN5の軸部の外径と同等又はやや大きく形成される。
座繰り穴31413aは、本体部31410の板厚方向(図336(c)左右方向)中心の位置に配設される。また、座繰り穴31413aは、正面視、後述する遊技釘YKの配設位置よりも長手方向(図336(b)左右方向)外側、又は上側(図336(b)上側)に配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部31410の正面に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図336(b)上下方向)については本体部31410の短手方向中心に配設され、左右方向(図336(b)左右方向)については本体部31410の長手方向中心を中心として長手方向(図336(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図336(b)上方向)に5度傾斜して配設される。
上述したように、本体部31410の厚さ方向(図336(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図335(b)参照)よりも小さく形成されるため、本体部31410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図335(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図336(c)右側)より本体部31410の正面に打ち込むと、本体部31410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部31410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部31410の背面から突出する。
次に、図337を参照して、本実施形態における窪み部31060dについて説明する。
図337(a)は、窪み部31060dの正面斜視図であり、図337(b)は、窪み部31060dの正面図であり、図337(c)は、図337(b)のCCCXXXVIIc−CCCXXXVIIc線における窪み部31060dの断面図である。
図337(a)から図337(c)に示すように、窪み部31060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図337(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図337(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部31060dの凹設により、ベース板60には対面部31060lが形成される。
また、正面視における窪み部31060dの外形は、第1入賞部材31400の外形と略同一(図336参照)に形成される。
よって、窪み部31060dの下面は、テーパ形状に形成され、窪み部31060dの下面に形成されたテーパー面31060d13は、左右方向(図337(b)左右方向)の外側に向かうに従い、上方(図337(b)上方向)に傾斜した面に形成される。
また、窪み部31060dの厚さ方向(図337(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材31400の本体部31410の厚さ方向(図336(c)参照)の幅と同等又はやや大きく形成されると共に、窪み部31060dの正面からベース板60の背面までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部31060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさ)形成される。
また、窪み部31060dは、窪み部31060dの正面に対して鉛直方向に、2か所の凹部27060d10を備え、テーパー面31060d13は、テーパー面31060d13に対する鉛直方向視おいて円形であり、テーパー面31060d13に鉛直方向に凹設される2か所の締結穴27060d4を備える。
2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図337(b)左右方向)における位置は、正面視において窪み部31060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図337(b)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図337(b)上下方向)における位置は、窪み部31060dの下面から上方(図337(b)上方向)へ、第1入賞部材31400の本体部31410の下面から第1入賞部材31400の本体部31410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図336(c)参照)離れた位置に配設される。
また、凹部27060d10の底面(図337(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図337(c)二点鎖線)の先端より背面側(図337(c)左側)に配設される。
また、凹部27060d10には、弾性部材G1が挿入される。
締結穴27060d4は、窪み部31060dの内側に配設される第1入賞部材31400の本体部31410の貫通孔31413の軸(図336参照)と同軸上に配設される。
対面部31060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部31060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図333から図335に戻って説明する。第1入賞部材31400は、窪み部31060dの内側に、第1入賞部材31400の本体部31410の正面とベース板60の正面とが略同一(面一)となる位置に配設される。
よって、ベース板60の正面と第1入賞部材31400の本体部31410の正面とが、背面から正面方向(図335(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、第1入賞部材31400の窪み部31060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN5を第1入賞部材31400の本体部31410の上方(図335(a)上方向)より貫通孔31413へ挿入し、皿ネジN5の軸部に形成された雄ねじを窪み部31060dのテーパー面31060d13に締結穴27060d4に形成された雌ねじ螺合することで行われる。
これにより、第1入賞部材31400の本体部31410にネジを挿入するための貫通孔を配設する必要が無く、本体部31410の強度を高くすることができる。
なお、本体部31410のテーパー面31410aに対する鉛直方向視において、貫通孔31413の上側(図335(b)上側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN5の頭部が配設されることで、皿ネジN5の頭部が第1入賞部材31400の上面より上側(図335(c)上側)に飛び出すことが抑制できる。
また、第1入賞部材31400の本体部31410の正面とベース板60の正面とが略同一(面一)となる位置に配設され、第1入賞部材31400が窪み部31060d(ベース板60)に固定された状態においては、上述したように、本体部31410の厚さ方向(図335(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部31060dの厚さ方向(図335(b)左右方向)の幅(寸法)と同等又はやや小さく形成されるため、第1入賞部材31400の本体部31410の背面と窪み部31060dの正面とが当接しない。
ここで、窪み部31060dの正面からベース板60の背面までの距離は小さく、強度が小さい。
よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃が、強度の小さい窪み部31060dの正面に伝わらず、ベース板60の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKに代わって、遊技釘YKの軸部の先端側に螺旋形状の溝が形成された遊技釘(図示せず)が用いられる場合がある。螺旋形状の溝が形成された遊技釘を打ち込む場合、螺旋形状の溝が形成された遊技釘は、螺旋形状の溝が形成された遊技釘を打ち込む方向視において、螺旋形状の溝が形成された遊技釘の軸部を回転軸として回転を伴いながら第1入賞部材31400の本体部31410に打ち込まれる。そのため、螺旋形状の溝が形成された遊技釘の軸部を回転軸とした回転力が、本体部31410に発生するが、本体部31410のテーパー面31410aと窪み部31060dのテーパー面31060d13とが当接するため、本体部31410の回転が抑制される。よって、窪み部31060d(ベース板60)に対する第1入賞部材31400の位置ずれを抑制できる。
上述したように、第1入賞部材31400の本体部31410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図335(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図335(b)右側)より本体部31410に遊技釘YKを打ち込み、遊技釘YKの先端が本体部31410の背面から突出する状態においても、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図335(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部31060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図335(a)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図335(a)上下方向)における位置は、窪み部31060dの下面から上方(図335(a)上方向)へ、第1入賞部材31400の本体部31410の下面から第1入賞部材31400の本体部31410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図336(c)参照)離れた位置に配設されるため、窪み部31060d(ベース板60)に遊技釘YKは打ち込まれず、窪み部31060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部31060d(ベース板60)に遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部31060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部31060d(ベース板60)に遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部31060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、窪み部31060d(ベース板60)の強度の低下を抑制できると共に、凹部27060d10の加工コストを抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図313(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、本体部31410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、本体部31410の背面から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材31400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材31400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材31400を交換する場合においても、遊技釘YKの先端は、窪み部31060dの凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれているため、第1入賞部材31400の取り外しが容易である。
また、上述したように、座繰り穴31413aは、正面視、遊技釘YKの配設位置よりも長手方向(図335(a)左右方向)外側、又は上側(図335(a)上側)に配設されるため、遊技釘YKが座繰り穴31413aを通過して打ち込まれることを抑制できる。
よって、第1入賞部材31400の本体部31410に遊技釘YKが打ち込まれた状態において、皿ネジN5を取り外すことができ、窪み部31060dから第1入賞部材31400を取り外すことができる。また、遊技釘YKと第1入賞部材31400との接触面積が小さくなることを抑制し、第1入賞部材31400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
次いで、図338から図342を参照して、第91実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図338から図340を参照して、第91実施形態における第1入賞部材32400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図338は、第91実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット32300の正面斜視図である。図339は、ベース板60及び入賞口ユニット32300の分解正面斜視図である。図340(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット32300の正面図であり、図340(b)は、図340(a)のCCCXLb−CCCXLb線におけるベース板60及び入賞口ユニット32300の断面図である。なお、図339では、センターフレーム86の図示が省略され、図340(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図338から図340に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図340(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図340(b)左側)に向かって凹設される窪み部32060dが形成される。
入賞口ユニット32300は、第1入賞部材32400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部32060dは、正面視における外形が第1入賞部材32400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材32400を窪み部32060dの内側に配設できる。
ここで、図341を参照して、本実施形態における第1入賞部材32400について説明する。
図341(a)は、第1入賞部材32400の正面斜視図であり、図341(b)は、第1入賞部材32400の正面図であり、図341(c)は、第1入賞部材32400の上面図である。
図341(a)から図341(c)に示すように、第1入賞部材32400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部32410と、本体部32410の側面(図341(b)左右側の面)に、長手方向(図341(b)左右方向)の外側へ向かって張り出した正面視半円形の円柱から形成される張出部32420と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部32410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、本体部32410の厚さ方向(図341(c)上下方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図340(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部32410の正面及び背面は、下面に対して鉛直な面に形成される。
張出部32420は、上述したように、本体部32410の側面(図341(b)左右側の面)の中央に、長手方向(図341(b)左右方向)の外側へ向かって張り出すと共に、正面視半円形の中心は、後述する貫通孔3413の中心と一致する位置に配設される。また、張出部32420の正面(図341(c)下側の面)及び背面(図341(c)上側の面)は、本体部32410の正面(図341(c)下側の面)及び背面(図341(c)上側の面)と、それぞれ同一の面を形成して配設される。
また、正面視半円形の大きさは本体部32410の正面における皿頭収容部3413bよりも大きく形成される。
貫通孔3413は、正面側(図341(b)紙面手前側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備え、貫通孔3413の中心は、上下方向(図341(b)上下方向)については本体部32410の短手方向中心に、左右方向(図341(b)左右方向)については本体部3241d0の長手方向両端部に配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部32410の正面に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図341(b)上下方向)については本体部32410の短手方向中心に配設され、左右方向(図341(b)左右方向)については本体部3241d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図341(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図341(b)上方向)に5度傾斜して配設される。
上述したように、本体部32410の厚さ方向(図341(c)上下方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図340(b)参照)よりも小さく形成されるため、本体部32410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図340(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図341(c)下側)より本体部32410の正面に打ち込むと、本体部32410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部32410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部32410の背面から突出する。
図338から図340に戻って説明する。第1入賞部材32400は、窪み部32060dの内側に、第1入賞部材32400の本体部32410の背面と窪み部32060dの正面とが当接して配設される。
第1入賞部材32400の窪み部32060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN5を本体部32410の正面側(図340(a)紙面手前側)より本体部32410及び張出部32420に形成された貫通孔3413へ挿入し、皿ネジN5の軸部に形成された雄ねじを後述する窪み部32060dの締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔3413の正面側(図340(a)紙面手前側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN5の頭部が配設されることで、皿ネジN5の頭部が第1入賞部材32400の正面より正面側(図340(a)紙面手前側)に飛び出すことが抑制できる。
ここで、図342を参照して、本実施形態における窪み部32060dについて説明する。
図342(a)は、窪み部32060dの正面斜視図であり、図342(b)は、窪み部32060dの正面図であり、図342(c)は、図342(b)のCCCXLIIc−CCCXLIIc線における窪み部32060dの断面図である。
図342(a)から図342(c)に示すように、窪み部32060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図342(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図342(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部32060dの凹設により、ベース板60には対面部32060lが形成される。
また、正面視における窪み部32060dの外形は、第1入賞部材32400の外形と略同一(図341参照)に形成される。よって、窪み部32060dは、窪み部32060dの側面に、左右方向(図342(b)左右方向)外側に向かって正面視半円形に凹設された受入部32060d13を備えて形成される。
受入部32060d13は、上述したように、窪み部32060dの側面に、左右方向(図342(b)左右方向)外側へ向かって凹設され、正面視半円形の中心は、窪み部32060dの側面の中央に配設される。
また、窪み部32060dの厚さ方向(図342(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材32400の本体部32410の厚さ方向の幅(図341(c)参照)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部32060dの正面からベース板60の背面までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部32060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさ)形成される。
また、窪み部32060dは、窪み部32060dの正面に対して鉛直方向に、窪み部32060dの正面からベース板60の背面側(図342(c)左側)に向かって凹設される正面視円形の4か所の締結穴27060d4及び2か所の凹部27060d10を備える。
締結穴27060d4は、正面視において窪み部32060dの内側に配設される第1入賞部材32400の本体部32410の貫通孔3413の軸(図341参照)と同軸上に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図342(b)左右方向)における位置は、正面視において窪み部32060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図342(b)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図342(b)上下方向)における位置は、窪み部32060dの下面から上方(図342(b)上方向)へ、第1入賞部材32400の本体部32410の下面から、第1入賞部材32400の本体部32410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図341(c)参照)離れた位置に配設される。
また、凹部27060d10の底面(図342(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図342(c)二点鎖線)の先端より背面側(図342(c)左側)に配設される。また、正面視円形の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
また、凹部27060d10には、弾性部材G1が挿入される。
対面部32060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部32060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図338から図340に戻って説明する。上述したように、第1入賞部材32400の本体部32410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図340(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図340(b)右側)より本体部32410に遊技釘YKを打ち込み、遊技釘YKの先端が本体部32410の背面から突出する状態においても、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図340(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部32060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図340(a)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図340(a)上下方向)における位置は、窪み部32060dの下面から上方(図340(a)上方向)へ、第1入賞部材32400の本体部32410の下面から第1入賞部材32400の本体部32410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図341(c)参照)離れた位置に配設されるため、窪み部32060d(ベース板60)に遊技釘YKは打ち込まれず、窪み部32060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部32060d(ベース板60)に遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部32060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部32060d(ベース板60)に遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部32060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、窪み部32060d(ベース板60)の強度の低下を抑制できると共に、凹部27060d10の加工コストを抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図340(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、本体部32410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、本体部32410の背面から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材32400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材32400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材32400を交換する場合においても、遊技釘YKの先端は、窪み部32060dの凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれているため、第1入賞部材32400の取り外しが容易である。
また、上述したように、窪み部32060dの厚さ方向(図340(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材32400の本体部32410の厚さ方向(図340(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成され、第1入賞部材32400の本体部32410の正面は、下面に対して鉛直な面に形成されるため、ベース板60の正面と第1入賞部材32400の本体部32410の正面とは略同一(面一)の位置に配設することができる。よって、ベース板60の正面と第1入賞部材32400の本体部32410の正面とが、背面から正面方向(図340(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、遊技釘YKに代わって、遊技釘YKの軸部の先端側に螺旋形状の溝が形成された遊技釘(図示せず)が用いられる場合がある。螺旋形状の溝が形成された遊技釘を打ち込む場合、螺旋形状の溝が形成された遊技釘は、螺旋形状の溝が形成された遊技釘を打ち込む方向視において、螺旋形状の溝が形成された遊技釘の軸部を回転軸として回転を伴いながら第1入賞部材32400の本体部32410に打ち込まれる。そのため、螺旋形状の溝が形成された遊技釘の軸部を回転軸とした回転力が本体部32410に発生するが、第1入賞部材32400の張出部32420は、窪み部32060dの受入部32060d13に嵌合されているため、第1入賞部材32400の回転が抑制される。よって、窪み部32060d(ベース板60)に対する第1入賞部材32400の位置ずれを抑制できる。
ここで、上述したように、窪み部32060dは、正面視における外形が第1入賞部材32400の外形と略同一に形成されるが、第1入賞部材32400を内側に配設しなければならない。そのため、寸法公差を考慮すると、窪み部32060dは、第1入賞部材32400と同等又は僅かに大きく形成される。
また、第1入賞部材32400は、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突が繰り返されることにより、窪み部32060dの内側において第1入賞部材32400の位置ずれが発生する。
これに対し、第1入賞部材32400の張出部32420は、第1入賞部材32400の位置ずれ量を少なくすることができる。
例えば、第1入賞部材32400が、設計上の位置に対して、窪み部32060dの下側(図340(a)下側)に配設された場合、第1入賞部材32400の本体部32410の下面と、窪み部32060dの下面、及び第1入賞部材32400の張出部32420の下側(図340(a)下側)半分の円形部と、窪み部32060dの受入部32060d13の下側(図340(a)下側)半分の円形部との間の距離が設計位置よりも小さく配設される。
よって、第1入賞部材32400の張出部32420と、窪み部32060dの受入部32060d13とは、正面視半円形の下側(図340(a)下側)だけでなく、左右両側(図340(a)左右両側)に当接するまでの距離が設計位置よりも小さい。
よって、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突し、第1入賞部材32400が下方向(図340(a)下方向)及び左右方向(図340(a)左右方向)に変位する場合においても、第1入賞部材32400の下方向(図340(a)下方向)への位置ずれ量だけでなく、左右方向(図340(a)左右方向)への位置ずれ量も少なくすることができる。
また、例えば、第1入賞部材32400を窪み部32060dへ固定する際の皿ネジN5の回転力が第1入賞部材32400へ伝達され、第1入賞部材32400が窪み部32060dに対して、正面視時計回りに回転して配設された場合、第1入賞部材32400の右側(図340(a)右側)の張出部32420の下側(図340(a)下側)と、窪み部32060dの右側(図340(a)右側)の受入部32060d13の下側(図340(a)下側)、及び第1入賞部材32400の左側(図340(a)左側)の張出部32420の上側(図340(a)上側)と、窪み部32060dの左側(図340(a)左側)の受入部32060d13の上側(図340(a)上側)との間の距離がそれぞれ設計位置よりも小さくなる。
この状態において、遊技領域を流下する遊技球が、遊技釘YKに正面視左斜め上方向から衝突すると、第1入賞部材32400は、右斜め下方向に変位するが、設計上の位置に配設された場合に比べて、第1入賞部材32400の右側(図340(a)右側)の張出部32420の右斜め下側の円形部が、窪み部32060dの右側(図340(a)右側)の受入部32060d13の右斜め下側の円形部に当接するまでの距離が設計位置よりも小さい。
よって、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに正面視左斜め上方向から衝突し、第1入賞部材32400が、右斜め下方向に変位する場合においても、右斜め下方向への位置ずれ量を少なくすることができる。
同様に、第1入賞部材32400が、設計上の位置に対して、正面視反時計回りに回転して配設された状態において、遊技領域を流下する遊技球が、遊技釘YKに正面視右斜め上方向から衝突する場合、第1入賞部材32400の左斜め下方向への位置ずれ量を少なくすることができる。
次いで、図343から図347を参照して、第92実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図343から図345を参照して、第92実施形態における第1入賞部材33400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図343は、第92実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット33300の正面斜視図である。図344は、ベース板60及び入賞口ユニット33300の分解正面斜視図である。図345(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット33300の正面図であり、図345(b)は、図345(a)のCCCXLVb−CCCXLVb線におけるベース板60及び入賞口ユニット33300の断面図である。なお、図344では、センターフレーム86の図示が省略され、図345(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図343から図345に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図345(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図345(b)左側)に向かって凹設される窪み部33060dが形成される。
入賞口ユニット33300は、第1入賞部材33400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部33060dは、正面視における外形が第1入賞部材33400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材33400を窪み部33060dの内側に配設できる。
ここで、図346を参照して、本実施形態における第1入賞部材33400について説明する。
図346(a)は、第1入賞部材33400の正面斜視図であり、図346(b)は、第1入賞部材33400の正面図であり、図346(c)は、第1入賞部材33400の上面図である。
図346(a)から図346(c)に示すように、第1入賞部材33400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部33410と、本体部33410の四隅の頂点を中心として、本体部33410の四隅から外側へ向かって張り出した張出部33420と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部33410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、本体部33410の厚さ方向(図346(c)上下方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図345(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部33410の正面及び背面は、下面に対して鉛直な面に形成される。
張出部33420は、上述したように、本体部33410の四隅の頂点を中心として、本体部33410の四隅から外側へ向かって張り出すため、正面視における形状は、本体部33410の側面から上面又は下面へ、円弧を描いた形状に形成される。また、張出部33420の正面及び背面は、本体部33410の正面及び背面と、それぞれ同一の面を形成して配設される。
貫通孔3413は、正面側(図346(b)紙面手前側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備え、貫通孔3413の中心は、張出部33420の中心と一致する位置に配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部33410の正面に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図346(b)上下方向)については本体部33410の短手方向中心に配設され、左右方向(図346(b)左右方向)については本体部3341d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図346(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図341(b)上方向)に5度傾斜して配設される。
上述したように、本体部33410の厚さ方向(図346(c)上下方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図345(b)参照)よりも小さく形成されるため、本体部33410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図345(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図346(c)下側)より本体部33410の正面に打ち込むと、本体部33410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部33410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部33410の背面から突出する。
図343から図345に戻って説明する。第1入賞部材33400は、窪み部33060dの内側に、第1入賞部材33400の本体部33410の背面と窪み部33060dの正面とが当接して配設される。
第1入賞部材33400の窪み部33060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN5を本体部33410の正面側(図345(a)紙面手前側)より本体部33410及び張出部33420に形成された貫通孔3413へ挿入し、皿ネジN5の軸部に形成された雄ねじを後述する窪み部33060dの締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔3413の正面側(図345(a)紙面手前側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN5の頭部が配設されることで、皿ネジN5の頭部が第1入賞部材33400の正面より正面側(図345(a)紙面手前側)に飛び出すことが抑制できる。
ここで、図347を参照して、本実施形態における窪み部33060dについて説明する。
図347(a)は、窪み部33060dの正面斜視図であり、図347(b)は、窪み部33060dの正面図であり、図347(c)は、図347(b)のCCCXLVIIc−CCCXLVIIc線における窪み部33060dの断面図である。
図347(a)から図347(c)に示すように、窪み部33060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図347(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図347(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部33060dの凹設により、ベース板60には対面部33060lが形成される。
また、正面視における窪み部33060dの外形は、第1入賞部材33400の外形と略同一(図346参照)に形成される。よって、窪み部33060dは、窪み部33060dの四隅の頂点から外側へ、窪み部33060dの側面から上面又は下面へ、円弧を描いて凹設された受入部33060d13を備えて形成される。
また、窪み部33060dの厚さ方向(図347(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材33400の本体部33410の厚さ方向の幅(図346(c)参照)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部33060dの正面からベース板60の背面までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部33060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさ)形成される。
また、窪み部33060dは、窪み部33060dの正面に対して鉛直方向に、窪み部33060dの正面からベース板60の背面側(図347(c)左側)に向かって凹設される正面視円形の4か所の締結穴27060d4及び2か所の凹部27060d10を備える。
締結穴27060d4は、正面視において窪み部33060dの内側に配設される第1入賞部材33400の本体部33410の貫通孔3413の軸(図346参照)と同軸上に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図347(b)左右方向)における位置は、正面視において窪み部35060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図347(b)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図347(b)上下方向)における位置は、窪み部33060dの下面から上方(図347(b)上方向)へ、第1入賞部材33400の本体部33410の下面から、第1入賞部材33400の本体部33410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図346(c)参照)離れた位置に配設される。
また、凹部27060d10の底面(図347(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図347(c)二点鎖線)の先端より背面側(図347(c)左側)に配設される。また、正面視円形の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
また、凹部27060d10には、弾性部材G1が挿入される。
対面部33060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部33060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図343から図345に戻って説明する。上述したように、第1入賞部材33400の本体部33410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図345(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図345(b)右側)より本体部33410に遊技釘YKを打ち込み、遊技釘YKの先端が本体部33410の背面から突出する状態においても、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図345(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部33060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図345(a)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図345(a)上下方向)における位置は、窪み部33060dの下面から上方(図345(a)上方向)へ、第1入賞部材33400の本体部33410の下面から第1入賞部材33400の本体部33410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図346(c)参照)離れた位置に配設されるため、窪み部33060d(ベース板60)に遊技釘YKは打ち込まれず、窪み部33060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部33060d(ベース板60)に遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部33060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部33060d(ベース板60)に遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部33060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、窪み部33060d(ベース板60)の強度の低下を抑制できると共に、凹部27060d10の加工の増加を抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図345(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、本体部33410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、本体部33410の背面から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材33400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材33400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材33400を交換する場合においても、遊技釘YKの先端は、窪み部33060dの凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれているため、第1入賞部材33400の取り外しが容易である。
また、上述したように、窪み部33060dの厚さ方向(図345(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材33400の本体部33410の厚さ方向(図345(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成され、第1入賞部材33400の本体部33410の正面は、下面に対して鉛直な面に形成されるため、ベース板60の正面と第1入賞部材33400の本体部33410の正面とは略同一(面一)の位置に配設することができる。よって、ベース板60の正面と第1入賞部材33400の本体部33410の正面とが、背面から正面方向(図345(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、遊技釘YKに代わって、遊技釘YKの軸部の先端側に螺旋形状の溝が形成された遊技釘(図示せず)が用いられる場合がある。螺旋形状の溝が形成された遊技釘を打ち込む場合、螺旋形状の溝が形成された遊技釘は、螺旋形状の溝が形成された遊技釘を打ち込む方向視において、螺旋形状の溝が形成された遊技釘の軸部を回転軸として回転を伴いながら第1入賞部材33400の本体部33410に打ち込まれる。そのため、螺旋形状の溝が形成された遊技釘の軸部を回転軸とした回転力が本体部33410に発生するが、第1入賞部材33400の張出部33420は、窪み部33060dの受入部33060d13に嵌合されているため、第1入賞部材33400の回転が抑制される。よって、窪み部33060d(ベース板60)に対する第1入賞部材33400の位置ずれを抑制できる。
ここで、上述したように、窪み部33060dは、正面視における外形が第1入賞部材33400の外形と略同一に形成されるが、第1入賞部材33400を内側に配設しなければならない。そのため、寸法公差を考慮すると、窪み部33060dは、第1入賞部材33400と同等又は僅かに大きく形成される。
また、第1入賞部材33400は、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突が繰り返されることにより、窪み部33060dの内側において第1入賞部材33400の位置ずれが発生する。
これに対し、第1入賞部材33400の張出部33420は、第1入賞部材33400の位置ずれ量を少なくすることができる。
例えば、第1入賞部材33400が、設計上の位置に対して、窪み部33060dの下側(図345(a)下側)に配設された場合、第1入賞部材33400の本体部33410の下面と、窪み部33060dの下面、及び第1入賞部材33400の張出部33420の下側(図345(a)下側)の円弧部と、窪み部33060dの受入部33060d13の下側(図345(a)下側)の円弧部との間の距離が設計位置よりも小さく配設される。
よって、第1入賞部材33400の張出部33420と、窪み部33060dの受入部33060d13とは、正面視円形の下側(図345(a)下側)だけでなく、左右両側(図345(a)左右両側)に当接するまでの距離が設計位置よりも小さい。
よって、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突し、第1入賞部材33400が下方向(図345(a)下方向)及び左右方向(図345(a)左右方向)に変位する場合においても、第1入賞部材33400の下方向(図345(a)下方向)への位置ずれ量だけでなく、左右方向(図345(a)左右方向)への位置ずれ量も少なくすることができる。
また、例えば、第1入賞部材33400を窪み部33060dへ固定する際の皿ネジN5の回転力が第1入賞部材33400へ伝達され、第1入賞部材33400が窪み部33060dに対して、正面視時計回りに回転して配設された場合、第1入賞部材33400の右側(図345(a)右側)の張出部33420の下側(図345(a)下側)と、窪み部33060dの右側(図345(a)右側)の受入部33060d13の下側(図345(a)下側)、及び第1入賞部材33400の左側(図345(a)左側)の張出部33420の上側(図345(a)上側)と、窪み部33060dの左側(図345(a)左側)の受入部313060d13の上側(図345(a)上側)との間の距離がそれぞれ設計位置よりも小さくなる。
この状態において、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに、正面視左斜め上方向から衝突すると、第1入賞部材33400が右斜め下方向に変位するが、設計上の位置に配設された場合に比べて、第1入賞部材33400の右上に配設された張出部33420の右斜め下側の円形部が、窪み部33060dの右上に配設された受入部33060d13の右斜め下側の円形部に当接するまでの距離が設計位置よりも小さい。
また、この状態において、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに、正面視右斜め上方向から衝突すると、第1入賞部材33400が左斜め下方向に変位するが、設計上の位置に配設された場合に比べて、第1入賞部材33400の右下に配設された張出部33420の左斜め下側の円形部が、窪み部33060dの右下に配設された受入部33060d13の左斜め下側の円形部に当接するまでの距離が設計位置よりも小さい。
よって、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに正面視左斜め上方向又は右斜め上方向から衝突し、第1入賞部材33400が、右斜め下方向又は左斜め下方向に変位する場合においても、右斜め下方向又は左斜め下方向への位置ずれ量を少なくすることができる。
同様に、第1入賞部材33400が、設計上の位置に対して、正面視反時計回りに回転して配設された状態において、遊技領域を流下する遊技球が、遊技釘YKに正面視右斜め上方向又は左斜め上方向から衝突する場合、第1入賞部材33400の左斜め下方向又は右斜め下方向への位置ずれ量を少なくすることができる。
次いで、図348から図352を参照して、第93実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図348から図350を参照して、第93実施形態における第1入賞部材34400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図348は、第93実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット34300の正面斜視図である。図349は、ベース板60及び入賞口ユニット34300の分解正面斜視図である。図350(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット34300の正面図であり、図350(b)は、図350(a)のCCCLb−CCCLb線におけるベース板60及び入賞口ユニット34300の断面図である。なお、図349では、センターフレーム86の図示が省略され、図350(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図348から図350に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図350(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図350(b)左側)に向かって凹設される窪み部34060dが形成される。
入賞口ユニット34300は、第1入賞部材34400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部34060dは、正面視における外形が第1入賞部材34400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材34400を窪み部34060dの内側に配設できる。
ここで、図351を参照して、本実施形態における第1入賞部材34400について説明する。
図351(a)は、第1入賞部材34400の正面斜視図であり、図351(b)は、第1入賞部材34400の正面図であり、図351(c)は、第1入賞部材34400の上面図である。
図351(a)から図351(c)に示すように、第1入賞部材34400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部34410と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部34410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、切欠き部34410aと、貫通孔3413とを備える。また、上述したように、本体部34410の外形は、ベース板60に形成される窪み部34060dの外形と略同一に形成される(図352参照)。
本体部34410の厚さ方向(図351(c)上下方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図350(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部34410の正面及び背面は、下面に対して鉛直な面に形成される。
貫通孔3413は、正面側(図351(b)紙面手前側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備えると共に、本体部34410の四隅に配設される。
切欠き部34410aは、本体部34410の背面の両側に、後述する遊技釘YKの配設位置よりも長手方向(図351(c)左右方向)外側、且つネジ頭収容部3413bの配設位置よりも内側に配設される。また、切欠き部34410aの厚さ方向(図351(c)上下方向)の幅(寸法)は、後述する窪み部34060dに配設された張出部34060d11の厚さ方向(図352(c)参照)の幅(寸法)と同等又はやや小さく形成される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部34410の正面側(図351(b)紙面手前側)に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図351(b)上下方向)については本体部34410の短手方向中心に配設され、左右方向(図351(b)左右方向)については本体部34410の長手方向中心を中心として長手方向(図351(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図351(c)上方向)に5度傾斜して配設される。
上述したように、本体部34410の厚さ方向(図351(c)上下方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図350(b)参照)よりも小さく形成されるため、本体部34410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図350(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図351(c)下側)より本体部34410の正面に打ち込むと、本体部34410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部34410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部34410の背面から突出する。
また、上述したように、貫通孔3413を本体部27410の四隅に配設するのに対し、遊技釘YKは、上下方向(図351(b)上下方向)については本体部34410の短手方向中心に、左右方向(図351(b)左右方向)については本体部34410の長手方向中心を中心として、長手方向(図351(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に打ち込まれるため、貫通孔3413は、本体部34410において遊技釘YKから離れた位置に配設される。そのため、本体部34410の遊技釘YKが打ち込まれる周辺の強度を確保することが可能となる。よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重により、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃により、本体部34410が損傷することを抑制できる。
次に、図352を参照して、本実施形態における窪み部34060dについて説明する。
図352(a)は、窪み部34060dの正面斜視図であり、図352(b)は、窪み部34060dの正面図であり、図352(c)は、図352(b)のCCCLIIc−CCCLIIc線における窪み部34060dの断面図である。
図352(a)から図352(c)に示すように、窪み部34060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図352(b)下側)に、窪み部34060dの正面からベース板60の背面側(図352(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部34060dの凹設により、ベース板60には対面部34060lが形成される。
また、正面視における窪み部34060dの外形は、第1入賞部材34400の外形と略同一(図351参照)に形成される。また、窪み部34060dの厚さ方向(図352(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材34400の本体部34410の厚さ方向(図351(d)参照)の幅(寸法)と同等又はやや大きく形成されると共に、窪み部34060dの正面からベース板60の背面までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部34060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさ)形成される。
窪み部34060dは、窪み部34060dの正面の左右両側に、ベース板60の背面側(図352(c)左側)から正面側(図352(c)右側)に向かって張り出した張出部34060d11と、窪み部34060dの正面に対して鉛直方向に、窪み部34060dの正面からベース板60の背面側(図352(c)左側)に向かって凹設される正面視円形の4か所の締結穴27060d4及び2か所の凹部27060d10とを備えて形成される。
張出部34060d11は、正面視における外形が、第1入賞部材34400の本体部34410に形成された切欠き部34410aの背面視における外形と略同一(図351参照)に形成され、張出部34060d11からベース板60の正面までの距離は、第1入賞部材34400の本体部34410の正面から第1入賞部材34400の本体部34410に形成された切欠き部34410aまでの距離(図351(c)参照)と略同一に形成される。
締結穴27060d4は、正面視において窪み部34060dの内側に配設される第1入賞部材34400の本体部34410の貫通孔3413の軸(図351参照)と同軸上に配設される。また、締結穴27060d4の内径は、皿ネジN5の軸部の外径と略同一の寸法に形成され、上述したように、締結穴27060d4には雌ねじが形成される。
2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図352(b)左右方向)における位置は、正面視において窪み部34060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図352(b)左右方向)に後述する球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図352(b)上下方向)における位置は、窪み部34060dの下面から上方(図352(b)上方向)へ、第1入賞部材34400の本体部34410の下面から第1入賞部材34400の本体部34410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離離れた位置に配設される。
また、凹部27060d10の底面(図352(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図352(c)二点鎖線)の先端より背面側(図352(c)左側)に配設される。また、正面視円形の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
また、凹部27060d10には、弾性部材G1が挿入される。
対面部34060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部34060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図348から図350に戻って説明する。第1入賞部材34400は、窪み部34060dの内側に、第1入賞部材34400の本体部34410に形成された切欠き部34410aと、窪み部34060dに形成された張出部34060d11とが当接して配設さる。
上述したように、張出部34060d11からベース板60の正面までの距離は、第1入賞部材34400の本体部34410の正面から第1入賞部材34400の本体部34410に形成された切欠き部34410aまでの距離(図351(c)参照)と略同一に形成されるため、第1入賞部材34400の本体部34410の正面とベース板60の正面とが略同一(面一)となる位置に配設される。
よって、ベース板60の正面と第1入賞部材34400の本体部34410の正面とが、背面から正面方向(図350(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、第1入賞部材34400の窪み部34060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN8を本体部34410の正面側(図350(a)紙面手前側)より貫通孔3413へ挿入し、皿ネジN8の軸部に形成された雄ねじを窪み部34060dの締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔3413の正面側(図350(a)紙面手前側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN8の頭部が配設されることで、皿ネジN8の頭部が第1入賞部材34400の正面より正面側(図350(a)紙面手前側)に飛び出すことを抑制できる。
また、上述したように、切欠き部34410aの厚さ方向(図350(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部34060dに配設された張出部34060d11の厚さ方向(図350(b)左右方向)の幅(寸法)と同等又はやや小さく形成されるため、第1入賞部材34400の背面と窪み部34060dの正面とが当接しない。
よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃が、強度の小さい窪み部34060dの正面に伝わらず、ベース板60の損傷を抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材34400の本体部34410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図350(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図350(b)右側)より本体部34410に遊技釘YKを打ち込み、遊技釘YKの先端が本体部34410の背面から突出する状態においても、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図350(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部34060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図350(a)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図350(a)上下方向)における位置は、窪み部34060dの下面から上方(図350(a)上方向)へ、第1入賞部材34400の本体部34410の下面から第1入賞部材34400の本体部34410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離離れた位置に配設されるため、窪み部34060d(ベース板60)に遊技釘YKは打ち込まれず、窪み部34060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部34060d(ベース板60)に遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部34060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部34060d(ベース板60)に遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部34060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、窪み部34060d(ベース板60)の強度の低下を抑制できると共に、凹部27060d10の加工コストを抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図350(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、本体部34410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、本体部34410の背面から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材34400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材34400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材34400を交換する場合においても、遊技釘YKの先端は、窪み部34060dの凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれているため、第1入賞部材34400の取り外しが容易である。
次いで、図353から図357を参照して、第94実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図353から図355を参照して、第94実施形態における第1入賞部材35400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図353は、第94実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット35300の正面斜視図である。図354は、ベース板60及び入賞口ユニット35300の分解正面斜視図である。図355(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット35300の正面図であり、図355(b)は、図355(a)のCCCLVb−CCCLVb線におけるベース板60及び入賞口ユニット35300の断面図であり、図355(c)は、図355(a)のCCCLVc−CCCLVc線におけるベース板60及び入賞口ユニット35300の断面図である。なお、図354では、センターフレーム86の図示が省略され、図355(b)及び図355(c)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図353から図355に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図355(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図355(b)左側)に向かって凹設される窪み部35060dが形成される。
入賞口ユニット35300は、第1入賞部材35400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部35060dは、正面視における外形が第1入賞部材35400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材35400を窪み部35060dの内側に配設できる。
ここで、図356を参照して、本実施形態における第1入賞部材35400について説明する。
図356(a)は、第1入賞部材35400の正面斜視図であり、図356(b)は、第1入賞部材35400の正面図であり、図356(c)は、図356(b)のCCCLVIc−CCCLVIc線における第1入賞部材35400の断面図である。
図356(a)から図356(c)に示すように、第1入賞部材35400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部35410と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部35410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、板厚方向に貫通する貫通孔3413を備える。また、上述したように、本体部35410の外形は、ベース板60に形成される窪み部35060dの外形と略同一に形成される(図357参照)。
本体部35410の厚さ方向(図356(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図355(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部35410の正面及び背面は、下面に対して鉛直な面に形成される。
また、本体部35410は、本体部35410の下面に、下面視円形であり、本体部35410の下面に鉛直方向に、本体部35410の下面から後述する座繰り穴35413aに貫通する貫通孔35413と、貫通孔35413から本体部35410の上面に貫通する座繰り穴35413aとを備える。
下面視における貫通孔35413の中心は、後述する座繰り穴35413aの中心と一致する位置に配設される。また、貫通孔35413の直径は、皿ネジN5の軸部と同等又はやや大きく形成される。
座繰り穴35413aの中心は、本体部35410の板厚方向(図356(c)左右方向)中心に配設される。また、座繰り穴35413aは、後述する遊技釘YKの配設位置よりも長手方向(図356(b)左右方向)外側に配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部35410の正面に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図356(b)上下方向)については本体部35410の短手方向中心に配設され、左右方向(図356(b)左右方向)については本体部3541d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図356(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図356(b)上方向)に5度傾斜して配設される。
上述したように、本体部35410の厚さ方向(図356(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図355(b)参照)よりも小さく形成されるため、本体部35410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図355(b)参照)と等しくなる位置まで、遊技釘YKをベース板60の正面側(図356(c)右側)より本体部35410の正面に打ち込むと、本体部35410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部35410を貫通し、遊技釘YKの先端が、本体部35410の背面から突出する。
次に、図357を参照して、本実施形態における窪み部35060dについて説明する。
図357(a)は、窪み部35060dの正面斜視図であり、図357(b)は、窪み部35060dの正面図であり、図357(c)は、図357(b)のCCCLVIIc−CCCLVIIc線における窪み部35060dの断面図である。
図357(a)から図357(c)に示すように、窪み部35060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図357(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図357(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部35060dの凹設により、ベース板60には対面部35060lが形成される。
また、正面視における窪み部35060dの外形は、第1入賞部材35400の外形と略同一(図356参照)に形成される。また、窪み部35060dの厚さ方向(図357(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材35400の本体部35410の厚さ方向(図356(c)参照)の幅(寸法)と同等又はやや大きく形成されると共に、窪み部35060dの正面からベース板60の背面までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部35060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさ)形成される。
また、窪み部35060dは、窪み部35060dの下面に対して鉛直方向に、窪み部35060dの下面からベース板60の下面側(図357(c)下側)に向かって凹設される2か所の締結穴27060d4、及び窪み部35060dの正面に対して鉛直方向に、窪み部35060dの正面からベース板60の背面側(図357(c)左側)に向かって凹設される2か所の凹部27060d10を備える。
締結穴27060d4は、上面視において窪み部35060dの内側に配設される第1入賞部材35400の本体部35410の貫通孔35413の軸(図356参照)と同軸上に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図357(b)左右方向)における位置は、正面視において窪み部35060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図357(b)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図357(b)上下方向)における位置は、窪み部35060dの下から上方(図357(b)上方向)へ、第1入賞部材35400の本体部35410の下面から第1入賞部材35400の本体部35410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D5(図356(c)参照)離れた位置に配設される。
また、凹部27060d10の底面(図357(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図357(c)二点鎖線)の先端より背面側(図357(c)左側)に配設される。また、正面視円形の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
また、凹部27060d10には、弾性部材G1が挿入される。
対面部35060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部35060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図353から図355に戻って説明する。第1入賞部材35400は、窪み部35060dの内側に、第1入賞部材35400の本体部35410の正面とベース板60の正面とが略同一(面一)となる位置に配設される。
よって、ベース板60の正面と本体部35410の正面とが、正面から背面方向(図355(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、第1入賞部材35400の窪み部35060d(ベース板60)への固定は、皿ネジN5を本体部35410の上面側(図355(a)上側)より貫通孔35413へ挿入し、皿ネジN5の軸部に形成された雄ねじを窪み部35060dの締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔35413の上側(図355(c)上側)に配設された座繰り穴35413aの内側に皿ネジN5の頭部が配設されることで、皿ネジN5の頭部が第1入賞部材35400の上面より上側(図355(c)上側)に飛び出すことを抑制できる。
また、上述したように、本体部35410の厚さ方向(図355(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部35060dの厚さ方向(図355(b)左右方向)の幅(寸法)と同等又はやや小さく形成されるため、第1入賞部材35400の背面と窪み部35060dの正面とが当接しない。
よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃が、強度の小さい窪み部35060dの正面に伝わらず、ベース板60の損傷を抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材35400の本体部35410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図355(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図355(b)右側)より本体部35410に遊技釘YKを打ち込み、遊技釘YKの先端が本体部35410の背面から突出する状態においても、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図355(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部35060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図355(a)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図355(a)上下方向)における位置は、窪み部35060dの下から上方(図355(a)上方向)へ、第1入賞部材35400の本体部35410の下面から第1入賞部材35400の本体部35410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図356(c)参照)離れた位置に配設されるため、窪み部35060d(ベース板60)に遊技釘YKは打ち込まれず、窪み部35060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部35060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部35060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部35060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部35060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、窪み部35060d(ベース板60)の強度の低下を抑制できると共に、凹部27060d10の加工コスト抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図355(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、本体部35410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、本体部35410の背面から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材35400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材35400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材35400を交換する場合においても、遊技釘YKの先端は、窪み部35060dの凹部27060d10に挿入された弾性部材G1に打ち込まれているため、第1入賞部材35400の取り外しが容易である。
次いで、図358から図363を参照して、第95実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図358から図361を参照して、第95実施形態における第1入賞部材36400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図358は、第95実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット36300の正面斜視図である。図359は、ベース板60及び入賞口ユニット36300の分解正面斜視図である。図360は、ベース板60及び入賞口ユニット36300の分解背面斜視図である。図361(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット36300の正面図であり、図361(b)は、図361(a)のCCCLXIb−CCCLXIb線におけるベース板60及び入賞口ユニット36300の断面図である。なお、図359では、センターフレーム86の図示が省略され、図360及び図361(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図358から図361に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図361(b)下側)に、ベース板60の背面から正面側(図361(b)右側)に向かって凹設される窪み部36060dが形成される。
入賞口ユニット36300は、第1入賞部材36400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部36060dは、背面視における外形が第1入賞部材36400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材36400を窪み部36060dの内側に配設できる。
ここで、図362を参照して、本実施形態における第1入賞部材36400について説明する。
図362(a)は、第1入賞部材36400の正面斜視図であり、図362(b)は、第1入賞部材36400の正面図であり、図362(c)は、第1入賞部材36400の側面図である。
図362(a)から図362(c)に示すように、第1入賞部材36400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部36410と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部36410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、本体部36410の正面に対して鉛直方向に、本体部36410の正面から背面側(図362(c)左側)に向かって凹設される正面視円形の4か所の締結穴27060d4を備える。
また、上述したように、本体部36410の外形は、ベース板60に形成される窪み部36060dの外形と略同一に形成される(図363参照)と共に、本体部36410の厚さ方向(図362(c)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部36060dの厚さ方向の幅(図363(c)参照)と略同一の寸法に形成される。
締結穴27060d4は、第1入賞部材36400が窪み部36060dの内側に配設された状態において、正面視、後述する窪み部36060dに配設された貫通孔3413の軸(図364参照)と同軸上に配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部36410の正面側(図362(b)紙面手前側)に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図362(b)上下方向)については本体部36410の短手方向中心に配設され、左右方向(図362(b)左右方向)については本体部3641d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図362(b)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図362(b)上方向)に5度傾斜して配設される。
次に、図363を参照して、本実施形態における窪み部36060dについて説明する。
図363(a)は、ベース板60の正面斜視図であり、図363(b)は、ベース板60の背面斜視図であり、図363(c)は、ベース板60の背面図であり、図363(d)は、図363(c)のCCCLXIIId−CCCLXIIId線におけるベース板60の断面図である。
図363(a)から図363(d)に示すように、窪み部36060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図363(c)下側)に、ベース板60の背面から正面側(図363(d)右側)に向かって凹設される。この窪み部36060dの凹設により、ベース板60には被取付部36060lが形成される。
背面視における窪み部36060dの外形は、第1入賞部材36400の外形と略同一(図362参照)に形成され、窪み部36060dの厚さ方向(図363(d)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材36400の本体部36410の厚さ方向の幅(図362(c)参照)と略同一の寸法に形成される。
よって、第1入賞部材36400の背面とベース板60の背面とは略同一(面一)の位置に配設される。
また、ベース板60は、板厚方向に貫通する正面視円形の貫通孔3413及び、板厚方向に貫通する遊技釘YKを打ち込む方向視において円形の遊技釘通し孔36060d20を備える。
貫通孔3413の内径は、皿ネジN9の軸部の外径と同等又はやや大きく形成されると共に、ベース板60の正面側(図363(c)紙面奥側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備える。また、貫通孔3413は、背面視において、窪み部36060dの内側の四隅に配設される。
遊技釘通し孔36060d20は、遊技釘YKを打ち込む方向視において、窪み部34060dの内側に配設される第1入賞部材36400の本体部36410に打ち込まれた遊技釘YK(図362参照)を中心として配設される。
また、遊技釘YKを打ち込む方向視において遊技釘通し孔36060d20の内径(半径)は、遊技釘YKの頭部の外径(半径)よりも大きく形成されると共に、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YK及びベース板60の正面に当接した位置における、遊技球とベース板60の正面との当接点から遊技釘通し孔36060d20の中心までの距離L3(図363(d)参照)よりも小さく配設される。即ち、遊技釘通し孔36060d20の外縁は、遊技球に当接しない位置に配置される。
被取付部36060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部36060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図358から図361に戻って説明する。第1入賞部材36400の窪み部36060d(ベース板60)への固定は、第1入賞部材36400の本体部36410の正面と窪み部36060dの底面(図361(b)右側の面)とが当接した状態において、皿ネジN9をベース板60の正面側(図361(a)紙面手前側)より貫通孔3413へ挿入し、皿ネジN9の軸部に形成された雄ねじを第1入賞部材36400の締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔3413の正面側(図361(a)紙面手前側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN9の頭部が配設されることで、皿ネジN9の頭部がベース板60の正面より正面側(図361(a)紙面手前側)に飛び出すことを抑制することができる。
また、ベース板60の正面に第1入賞部材36400を取り付けることが不要となるため、遊技領域に段差が発生することを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、上述したように、遊技釘YKを打ち込む方向視において、遊技釘通し孔36060d20の半径は、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YK及びベース板60の正面に当接した位置における、遊技球とベース板60の正面との当接点から遊技釘通し孔36060d20の中心までの距離L3(図363(d)参照)よりも小さく配設されるため、遊技球が遊技釘通し孔36060d20の内側へ入り込み、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、ベース板60と第1入賞部材36400の締結固定が緩み、第1入賞部材36400が移動可能になった状態においても、第1入賞部材36400はベース板60の背面側(図361(b)左側)に移動するため、遊技領域に段差が発生することを抑制できる。
また、第1入賞部材36400の本体部36410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図361(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、第1入賞部材36400の本体部36410に遊技釘YKを打ち込んでも、上述したように、第1入賞部材36400の背面とベース板60の背面とは略同一(面一)の位置に配設されるため、遊技釘YKは本体部36410を貫通しない。よって、遊技釘YKと第1入賞部材36400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材36400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、第1入賞部材36400が矢印R1(図361(b)参照)方向に回転することを、皿ネジN9と締結穴27060d4の締結だけでなく、第1入賞部材36400の本体部36410の正面と窪み部36060dの底面(図361(b)右側の面)との当接面においても抑制することができるため、第1入賞部材36400の本体部36410に形成された締結穴27060d4の損傷を抑制できる。
また、第1入賞部材36400の本体部36410に打ち込まれた遊技釘YKの突出長さ(第1入賞部材36400の本体部36410の正面から遊技球が衝突する位置までの最短の長さである距離L1(図361(b)参照))は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図361(b)二点鎖線)の突出長さ(ベース板60の正面から遊技球が衝突する位置までの最短の長さである距離L2(図361(b)参照))よりも大きい。よって、第1入賞部材36400(本体部36410)に打ち込まれている遊技釘YKの弾性変形量を大きくする(遊技球の衝突荷重を自身の弾性変形により逃がす)ことができ、遊技球の衝突に伴い損傷(折損や折曲)することを抑制できる。第1入賞部材36400(本体部36410)に打ち込まれた遊技釘YKは、第1入賞口64への入球を狙う遊技球との衝突の頻度が高いため、上述した構成により弾性変形量を確保できることが特に有効となる。
ここで、遊技盤13の製造方法について説明する。第1入賞部材36400は、遊技釘YKが打ち込まれる前に、窪み部36060d(ベース板60)に本体部36410が皿ネジN9により締結固定される。
次いで、第1入賞部材36400の本体部36410へ、本体部36410の正面側(図361(b)右側)より遊技釘YKが打ち込まれる。
ここで、上述したように、遊技釘通し孔36060d20は、遊技釘YKを打ち込む方向視において、窪み部34060dの内側に配設される第1入賞部材36400の本体部36410に打ち込まれた遊技釘YKを中心として配設されると共に、遊技釘通し孔36060d20は、遊技釘YKの頭部よりも大きく配設されるため、第1入賞部材36400の本体部36410に打ち込まれる遊技釘YKは、遊技釘通し孔36060d20を通り、窪み部36060d(ベース板60)には打ち込まれない。よって、窪み部36060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部36060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部36060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部36060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部36060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、上述したように、窪み部36060dに配設された貫通孔3413は、背面視において、窪み部36060dの内側(底面)の四隅に配設され、遊技釘通し孔36060d20(第1入賞部材36400(本体部36410)に打ち込まれる遊技釘YK)は、四隅に配設され貫通孔3413を中心として配設される。
即ち、遊技釘通し孔36060d20(遊技釘YK)が貫通孔3413から最も離間した位置に配置されると共に、貫通孔3413がベース板60の厚さ寸法の大きい部分(ベース板60の窪み部36060dが非形成の部分)に近接され、且つ、遊技釘通し孔36060d20(遊技釘YK)から貫通孔3413までの距離よりも、貫通孔3413からベース板60の厚さ寸法の大きい部分までの距離の方が、短くされる。
これにより、遊技釘YKの打ち込み荷重が貫通孔3413に作用し難くできると共に、貫通孔3413周辺の強度を確保することができる。その結果、ベース板60に皿ネジN9により本体部36410を締結固定し、その本体部36410に対して遊技釘YKを打ち込む際に、締結穴27060d4(被取付部36060l)が損傷することを抑制できる。
次いで、図364から図369を参照して、第96実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図364から図367を参照して、第96実施形態における第1入賞部材37400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図364は、第96実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット37300の正面斜視図である。図365は、ベース板60及び入賞口ユニット37300の分解正面斜視図である。図366は、ベース板60及び入賞口ユニット37300の分解背面斜視図である。図367(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット37300の正面図であり、図367(b)は、図367(a)のCCCLXVIIb−CCCLXVIIb線におけるベース板60及び入賞口ユニット37300の断面図であり、図367(c)は、図367(a)のCCCLXVIIc−CCCLXVIIc線におけるベース板60及び入賞口ユニット37300の断面図である。なお、図365では、センターフレーム86の図示が省略され、図366、図367(b)及び図367(c)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図364から図367に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図367(b)下側)に、ベース板60の背面から正面側(図367(b)右側)に向かって凹設される窪み部37060dが形成される。
入賞口ユニット37300は、第1入賞部材37400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部37060dは、外形が第1入賞部材37400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材37400を窪み部37060dの内側に配設できる。
ここで、図368を参照して、本実施形態における第1入賞部材37400について説明する。
図368(a)は、第1入賞部材37400の正面斜視図であり、図368(b)は、第1入賞部材37400の背面斜視図であり、図368(c)は、第1入賞部材37400の背面図であり、図368(d)は、第1入賞部材37400の側面図である。
図368(a)から図368(d)に示すように、第1入賞部材37400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部37410と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部37410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、上述したように、本体部37410の外形は、ベース板60に形成される窪み部37060dの外形と略同一に形成される(図369参照)と共に、本体部37410の厚さ方向(図368(d)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部37060dの厚さ方向の幅(図369(e)参照)と略同一の寸法に形成される。
また、本体部37410の下面37410aはテーパ形状に形成され、本体部37410の下面37410aは、背面側(図368(d)左側)が上側(図368(d)上側)に傾いた面に形成される。
また、本体部37410の下面37410aは、本体部37410の下面37410a対して鉛直方向に、凹設される正面視円形の2か所の締結穴27060d4を備える。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部37410の正面側(図368(c)紙面奥側)に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図368(b)上下方向)については本体部37410の短手方向中心に配設され、左右方向(図368(c)左右方向)については本体部3741d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図368(c)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図368(c)上方向)に5度傾斜して配設される。
次に、図369を参照して、本実施形態における窪み部37060dについて説明する。
図369(a)は、ベース板60の正面斜視図であり、図369(b)は、ベース板60の背面斜視図であり、図369(c)は、ベース板60の背面図であり、図369(d)は、図369(c)のCCCLXIXd−CCCLXIXd線におけるベース板60の断面図であり、図369(e)は、図369(c)のCCCLXIXe−CCCLXIXe線におけるベース板60の断面図である。
図369(a)から図369(e)に示すように、窪み部37060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図369(c)下側)に、ベース板60の背面から正面側(図369(d)右側)に向かって凹設される配設される。この窪み部37060dの凹設により、ベース板60には被取付部37060lが形成される。
また、窪み部37060dの外形は、第1入賞部材37400の外形と略同一(図368参照)に形成される。よって、窪み部37060dの下面37060d13は、テーパ形状に形成され、窪み部37060dの下面37060d13は、ベース板60の背面側(図369(d)左側)が上側(図369(d)上側)に傾いた面に形成される。
また、ベース板60は、窪み部37060dの下面37060d13の鉛直方向視において円形であり、下面37060d13の鉛直方向に、下面37060d13から後述する座繰り穴37060d12に貫通する貫通孔37060d11、及び貫通孔37060d11からベース板60の背面に貫通する座繰り穴37060d12を備える。
貫通孔37060d11の中心は、窪み部37060dの下面37060d13の鉛直方向視において、後述する座繰り穴37060d12の中心と一致する位置に配設される。また、貫通孔37060d11の内径は、皿ネジN10の軸部の外径と同等又はやや大きく形成されると共に、背面側(図369(e)左側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備える。
座繰り穴37060d12の中心は、背面視、後述する遊技釘通し孔36060d20よりも左右方向(図369(c)左右方向)外側、且つ窪み部37060dの側面よりも左右方向(図369(c)左右方向)内側に配設され、貫通孔27060aよりも上下方向(図369(c)上下方向)上側、且つベース板60の背面における窪み部37060dの下面37060d13よりも上下方向(図369(c)上下方向)下側に配設される。また、座繰り穴37060d12の内径は、皿ネジN10の頭部の外径よりも大きく形成される。
また、上述したように、窪み部37060dの厚さ方向(図369(d)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材37400の本体部37410の厚さ方向の幅(図368(d)参照)と略同一の寸法に形成されるため、第1入賞部材37400の背面とベース板60の背面とは略同一(面一)の位置に配設される。
また、ベース板60は、板厚方向に貫通する遊技釘通し孔36060d20を備える。
被取付部37060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部37060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図364から図367に戻って説明する。第1入賞部材37400の窪み部37060d(ベース板60)への固定は、第1入賞部材37400の本体部37410の正面と窪み部37060dの底面(図367(b)右側の面)とが当接し、且つ本体部37410の下面37410aと窪み部37060dの下面37060d13とが当接した状態において、皿ネジN10をベース板60の背面側(図367(a)紙面奥側)より貫通孔37060d11へ挿入し、皿ネジN10の軸部に形成された雄ねじを第1入賞部材37400の本体部37410の締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔37060d11の背面側(図368(a)紙面奥側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN10の頭部が配設されることで、皿ネジN10の頭部がベース板60の背面より背面側(図368(a)紙面奥側)に飛び出すことを抑制することができる。
また、ベース板60の正面に第1入賞部材37400を取り付けることが不要となるため、遊技領域に段差が発生することを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、ベース板60と第1入賞部材37400の締結固定が緩み、第1入賞部材37400が移動可能になった状態においても、第1入賞部材37400は、窪み部37060dの底面(図368(b)右側の面)と、窪み部37060dの下面37060d13との間に挟持されるため、第1入賞部材37400が移動することを抑制できる。
また、第1入賞部材36400の本体部36410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図361(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、第1入賞部材36400の本体部36410に遊技釘YKを打ち込んでも、上述したように、第1入賞部材36400の背面とベース板60の背面とは略同一(面一)の位置に配設されるため、遊技釘YKは本体部36410を貫通しない。よって、遊技釘YKと第1入賞部材36400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材36400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、第1入賞部材37400の本体部37410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図367(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、第1入賞部材37400の本体部37410に遊技釘YKを打ち込んでも、上述したように、第1入賞部材37400の背面とベース板60の背面とは略同一(面一)の位置に配設されるため、遊技釘YKは本体部37410を貫通しない。よって、遊技釘YKと第1入賞部材37400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材37400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、第1入賞部材37400が矢印R1方向に回転することを、皿ネジN10と締結穴27060d4の締結だけでなく、第1入賞部材37400の本体部37410の正面と窪み部37060dの底面(図367(b)右側の面)との当接面においても抑制することができるため、第1入賞部材37400の本体部37410の皿ネジN10の締結部における損傷を抑制できる。
また、第1入賞部材37400の本体部37410に打ち込まれた遊技釘YKと遊技領域を流下する遊技球とが衝突する点から、第1入賞部材37400の本体部37410の正面までの距離L4(図367(b)参照)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図367(b)二点鎖線)と遊技領域を流下する遊技球とが衝突する点から、ベース板60の正面までの距離L5(図367(b)参照)よりも大きい。よって、遊技釘YKの弾性変形量を大きくすることができ、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突することで発生する力により、第1入賞部材37400が損傷することを抑制できる。また、遊技釘YKの弾性変形量を大きくすることができるため、遊技釘YKの塑性変形を抑制できる。
また、上述したように、本体部37410の下面37410aと窪み部37060dの下面37060d13とが当接しているため、第1入賞部材37400の本体部37410の皿ネジN10と締結穴27060d4の締結だけでなく、窪み部37060dの下面37060d13においても遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重を受け止めることができる。そのため、第1入賞部材37400の本体部37410に形成された締結穴27060d4の損傷を抑制できる。
次いで、図370から図375を参照して、第97実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図370から図373を参照して、第97実施形態における第1入賞部材38400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図370は、第97実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット38300の正面斜視図である。図371は、ベース板60及び入賞口ユニット38300の分解正面斜視図である。図372は、ベース板60及び入賞口ユニット38300の分解背面斜視図である。図373(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット38300の正面図であり、図373(b)は、図373(a)のCCCLXXIIIb−CCCLXXIIIb線におけるベース板60及び入賞口ユニット38300の断面図であり、図373(c)は、図373(a)のCCCLXXIIIc−CCCLXXIIIc線におけるベース板60及び入賞口ユニット38300の断面図である。なお、図371では、センターフレーム86の図示が省略され、図372、図373(b)及び図373(c)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図370から図373に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図373(b)下側)に、ベース板60の背面から正面側(図373(b)右側)に向かって凹設される窪み部38060dが形成される。
入賞口ユニット38300は、第1入賞部材38400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部38060dは、外形が第1入賞部材38400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材38400を窪み部38060dの内側に配設できる。
ここで、図374を参照して、本実施形態における第1入賞部材38400について説明する。
図374(a)は、第1入賞部材38400の正面斜視図であり、図374(b)は、第1入賞部材38400の背面斜視図であり、図374(c)は、第1入賞部材38400の背面図であり、図374(d)は、第1入賞部材38400の側面図である。
図374(a)から図374(d)に示すように、第1入賞部材38400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部38410と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部38410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、上述したように、本体部38410の外形は、ベース板60に形成される窪み部38060dの外形と略同一に形成される(図375参照)と共に、本体部38410の厚さ方向(図374(d)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部38060dの厚さ方向の幅(図375(e)参照)と略同一の寸法に形成される。
また、本体部38410の下面の背面側(図374(d)左側)には切欠き部38420が形成される。切欠き部38420の上面(図374(d)上側の面)は、後述する遊技釘YKの配設位置よりも下方(図374(d)下方向)に形成される。また、切欠き部38420の厚さ方向(図374(d)左右方向)の幅(寸法)は、後述する窪み部38060dに配設された張出部38060d13の厚さ方向の幅(図375(e)参照)と同等又はやや大きく形成される。
また、切欠き部38420の背面38420aには、本体部38410の背面から正面側(図374(d)右側)に向かって凹設される正面視円形の2か所の締結穴27060d4が形成される。
締結穴27060d4は、第1入賞部材38400が窪み部38060dの内側に配設された状態において、背面視、後述する窪み部38060dに配設された貫通孔38060d11の軸(図375参照)と同軸上に配設される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部38410の正面側(図374(c)紙面奥側)に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図374(c)上下方向)については本体部36410の短手方向中心に配設され、左右方向(図374(c)左右方向)については本体部3641d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図374(c)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図374(c)上方向)に5度傾斜して配設される。
次に、図375を参照して、本実施形態における窪み部38060dについて説明する。
図375(a)は、ベース板60の正面斜視図であり、図375(b)は、ベース板60の背面斜視図であり、図375(c)は、ベース板60の背面図であり、図375(d)は、図375(c)のCCCLXXVd−CCCLXXVd線におけるベース板60の断面図であり、図375(e)は、図375(c)のCCCLXXVe−CCCLXXVe線におけるベース板60の断面図である。
図375(a)から図375(e)に示すように、窪み部38060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図375(c)下側)に、ベース板60の背面から正面側(図375(d)右側)に向かって凹設される。この窪み部38060dの凹設により、ベース板60には被取付部38060lが形成される。
また、窪み部38060dの外形は、第1入賞部材38400の外形と略同一(図374参照)に形成される。
また、窪み部38060dの下面のベース板60の背面側(図375(e)左側)には、上方(図375(e)上方向)に向かって張り出した張出部38060d13が配設される。
張出部38060d13は、背面視における外形が第1入賞部材38400の本体部38410に形成された切欠き部38420の外形と略同一(図374参照)に形成され、張出部38060d13の厚さ方向(図375(e)左右方向)の幅(寸法)は、上述したように、第1入賞部材38400の本体部38410に形成された切欠き部38420の厚さ方向の幅(図374(d)参照)と同等又はやや小さく形成される。
また、張出部38060d13は、背面視円形の張出部38060d13の正面38060d14から後述する座繰り穴38060d12に貫通する貫通孔38060d11、及び貫通孔38060d11から張出部38060d13(ベース板60)の背面に貫通する座繰り穴38060d12を備える。
貫通孔38060d11の中心は、背面視、後述する座繰り穴38060d12の中心と一致する位置に配設される。また、貫通孔38060d11の内径は、皿ネジN11の軸部の外径と同等又はやや大きく形成されると共に、背面側(図375(e)左側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備える。
座繰り穴38060d12は、背面視、遊技釘通し孔36060d20よりも左右方向(図375(c)左右方向)外側、且つ窪み部38060dの側面よりも左右方向(図375(c)左右方向)内側に配設され、貫通孔27060aよりも上方(図375(c)上方向)、且つ張出部38060d13の上面よりも下方(図375(c)下方向)に配設される。また、座繰り穴38060d12の内径は、皿ネジN11の頭部の外径よりも大きく形成される。
また、ベース板60は、板厚方向に貫通する遊技釘通し孔36060d20を備える。
被取付部38060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部38060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図370から図373に戻って説明する。第1入賞部材38400の窪み部38060d(ベース板60)への固定は、第1入賞部材38400の本体部38410に形成された切欠き部38420の背面38420aと、窪み部38060dに形成された張出部38060d13の正面38060d14とが当接した状態において、皿ネジN11をベース板60の背面側(図373(a)紙面奥側)より貫通孔38060d11へ挿入し、皿ネジN11の軸部に形成された雄ねじを第1入賞部材38400の本体部38410に形成された切欠き部38420の締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔38060d11の背面側(図373(a)紙面奥側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN11の頭部が配設されることで、皿ネジN11の頭部がベース板60の背面より背面側(図373(a)紙面奥側)に飛び出すことを抑制することができる。
また、ベース板60の正面に第1入賞部材38400を取り付けることが不要となるため、遊技領域に段差が発生することを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、ベース板60と第1入賞部材38400の締結固定が緩み、第1入賞部材38400が移動可能になった状態においても、第1入賞部材38400は、窪み部38060dの底面(図373(b)左側の面)と、窪み部38060dに形成された張出部38060d13の正面38060d14との間に挟持されるため、第1入賞部材38400が移動することを抑制できる。
また、第1入賞部材38400の本体部38410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図373(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、第1入賞部材38400の本体部38410に遊技釘YKを打ち込んでも、上述したように、第1入賞部材38400の背面とベース板60の背面とは略同一(面一)の位置に配設されるため、遊技釘YKは本体部38410を貫通しない。よって、遊技釘YKと第1入賞部材38400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材38400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、第1入賞部材38400が矢印R1方向に回転することを、皿ネジN11と締結穴27060d4の締結だけでなく、第1入賞部材38400の本体部38410の正面と窪み部38060dの底面(図373(b)左側の面)との当接面においても抑制することができるため、第1入賞部材38400の本体部38410の切欠き部38420に形成された締結穴27060d4の損傷を抑制できる。
また、第1入賞部材38400の本体部38410に打ち込まれた遊技釘YKと遊技領域を流下する遊技球とが衝突する点から、第1入賞部材38400の本体部38410の正面までの距離L6(図373(b)参照)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図373(b)二点鎖線)と遊技領域を流下する遊技球とが衝突する点から、ベース板60の正面までの距離L7(図373(b)参照)よりも大きい。よって、遊技釘YKの弾性変形量を大きくすることができ、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突することで発生する力により、第1入賞部材38400が損傷することを抑制できる。また、遊技釘YKの弾性変形量を大きくすることができるため、遊技釘YKの塑性変形を抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材38400の本体部38410に形成された切欠き部38420の背面38420aと、窪み部38060dに形成された張出部38060d13の正面38060d14とが当接しているため、第1入賞部材38400の本体部38410の皿ネジN11と締結穴27060d4の締結だけでなく、窪み部38060dに形成された張出部38060d13の正面38060d14においても遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重を受け止めることができる。そのため、第1入賞部材38400の本体部38410の切欠き部38420に形成された締結穴27060d4の損傷を抑制できる。
次いで、図376から図381を参照して、第98実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図376から図379を参照して、第98実施形態における第1入賞部材39400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図376は、第98実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット39300の正面斜視図である。図377は、ベース板60及び入賞口ユニット39300の分解正面斜視図である。図378は、ベース板60及び入賞口ユニット39300の分解背面斜視図である。図379(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット39300の正面図であり、図379(b)は、図379(a)のCCCLXXIXb−CCCLXXIXb線におけるベース板60及び入賞口ユニット39300の断面図であり、図379(c)は、図379(a)のCCCLXXIXc−CCCLXXIXc線におけるベース板60及び入賞口ユニット39300の断面図である。なお、図377では、センターフレーム86の図示が省略され、図378、図379(b)及び図379(c)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図376から図379に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図379(b)下側)に、ベース板60の上側(図379(b)上側)から下方(図379(b)下方向)に向かって凹設される窪み部39060dが形成される。
入賞口ユニット39300は、第1入賞部材39400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部39060dは、上面視における外形が、第1入賞部材39400の本体部39410の外形と略同一に形成される。また、窪み部39060dの厚さ方向(図379(c)上下方向)の幅(寸法)は、後述する第1入賞部材39400の本体部39410の厚さ方向(図379(c)上下方向)の幅(寸法)と同等又はやや大きく形成される。これにより、第1入賞部材39400を窪み部39060dの内側に配設できる。
ここで、図380を参照して、本実施形態における第1入賞部材39400について説明する。
図380(a)は、第1入賞部材39400の正面斜視図であり、図380(b)は、第1入賞部材39400の背面斜視図であり、図380(c)は、第1入賞部材39400の背面図であり、図380(d)は、第1入賞部材39400の上面図である。
図380(a)から図380(d)に示すように、第1入賞部材39400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部39410と、背面視、半円形の円柱から形成される張出部39420と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部39410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、上述したように、上面視における本体部39410の外形は、ベース板60に形成される窪み部39060dの外形と略同一に形成される(図381参照)と共に、本体部39410の厚さ方向(図380(d)上下方向)の幅(寸法)は、窪み部39060dの厚さ方向の幅(図381(d)参照)と同等又はやや小さく形成される。
また、本体部39410の側面39410aはテーパ形状に形成される。
本体部39410の側面39410aは、上述したように、背面側(図380(d)下側)が長手方向(図380(d)左右方向)内側に傾いたテーパ形状に形成され、本体部39410の背面における位置は、後述する遊技釘YKの配設位置よりも長手方向(図380(c)左右方向)外側に形成される。
また、本体部39410の側面39410aには、本体部39410の側面39410aに対して鉛直方向に、本体部39410の側面39410aから背面側(図380(d)上側)に向かって凹設される、本体部39410の側面39410aに鉛直方向視において円形の4か所の締結穴27060d4を備える。
締結穴27060d4は、第1入賞部材39400が窪み部39060dの内側に配設された状態において、本体部39410の側面39410aに鉛直方向視、後述する窪み部39060dに配設された貫通孔39060d11の軸(図381参照)と同軸上に配設される。
張出部39420は、上述したように、背面視、半円形の円柱から形成され、本体部39410の背面から背面側(図380(d)下側)へ張り出して形成される。また、張出部39420は、左右方向(図380(c)左右方向)については本体部39410dの長手方向中心に、上下方向(図380(c)上下方向)については後述する遊技釘YKの配設位置の上方(図380(c)上方向)に配設される。
また、第1入賞部材39400の張出部39420の厚さ方向(図380(d)上下方向)の幅(寸法)は、後述するベース板60の中央開口601に配設された切欠き部601aの厚さ方向の幅(図381参照)よりも大きく形成される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部39410の正面側(図380(c)紙面奥側)に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図380(c)上下方向)については本体部39410の短手方向中心に配設され、左右方向(図380(c)左右方向)については本体部3941d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図380(c)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図380(c)上方向)に5度傾斜して配設される。
次に、図381を参照して、本実施形態における窪み部39060dについて説明する。
図381(a)は、ベース板60の正面斜視図であり、図381(b)は、ベース板60の背面斜視図であり、図381(c)は、ベース板60の正面図であり、図381(d)は、図381(c)のCCCLXXXId−CCCLXXXId線におけるベース板60の断面図であり、図381(e)は、図381(c)のCCCLXXXIe−CCCLXXXIe線におけるベース板60の断面図である。
図381(a)から図381(e)に示すように、窪み部39060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図381(c)下側)に、ベース板60の上側(図381(d)上側)から下方(図381(d)下方向)に向かって凹設される。この窪み部39060dの凹設により、ベース板60には被取付部39060lが形成される。
また、上述したように、窪み部39060dは、上面視における外形が、第1入賞部材39400の本体部39410の外形(図379参照)と略同一に形成される。
よって、窪み部39060dの側面39060d13は、背面39060d14側(図381(e)上側)が長手方向(図381(e)左右方向)内側に傾いた面に形成され、窪み部39060dの背面39060d14における位置は、後述する凹部27060d10の配設位置よりも長手方向(図381(e)左右方向)外側に形成される。
また、窪み部39060dは、窪み部39060dの側面39060d13に対する鉛直方向視において円形であり、側面39060d13に鉛直方向に、側面39060d13から後述する座繰り穴39060d12に貫通する貫通孔39060d11、及び貫通孔39060d11からベース板60の背面に貫通する座繰り穴39060d12を備える。
窪み部39060dの厚さ方向(図381(e)上下方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材39400の本体部39410の厚さ方向の幅(図379参照)と同等又はやや大きく形成される。
また、ベース板60の正面から窪み部39060dの背面39060d14までの距離は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1よりも小さく形成される。
貫通孔39060d11の中心は、窪み部39060dの側面39060d13に対する鉛直方向視において、後述する座繰り穴39060d12の中心と一致する位置に配設される。また、貫通孔39060d11の内径は、皿ネジN12の軸部の外径と同等又はやや大きく形成されると共に、ベース板60の背面側(図381(e)上側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備える。
座繰り穴39060d12は、窪み部39060dの側面39060d13に対する鉛直方向視において、側面39060d13の幅方向中心に、側面39060d13の上下方向の中心から上下方向に等しい距離だけ離れた位置に配設される。また、座繰り穴39060d12の内径は、皿ネジN12の頭部の外径よりも大きく形成される。
また、ベース板60は、板厚方向に貫通する遊技釘通し孔36060d20を備えると共に、窪み部39060dの背面39060d14は、2か所の凹部27060d10を備える。
2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図381(c)左右方向)における位置は、正面視において窪み部39060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図381(c)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図381(c)上下方向)における位置は、窪み部39060dの下面から上方(図381(c)上方向)へ、第1入賞部材39400の本体部39410の下面から、第1入賞部材39400の本体部39410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離(図380(c)参照)離れた位置に配設される。
また、凹部27060d10の底面(図381(d)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図381(d)二点鎖線)の先端よりベース板60の背面側(図381(d)左側)に配設される。また、正面視円形の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設される。
また、凹部27060d10には、弾性部材G1が挿入される。
また、ベース板60の中央開口601の下側(図381(c)下側)には、窪み部39060dの背面39060d14(図381(e)上側の面)の中央に、窪み部39060dの背面39060d14からベース板60の背面に亘って、背面視、半円形に凹設された切欠き部601aが配設される。また、切欠き部601aの外形は、第1入賞部材39400の張出部39420の外形と略同一に形成される。
被取付部39060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部39060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図376から図379に戻って説明する。第1入賞部材39400の窪み部39060d(ベース板60)への固定は、第1入賞部材39400の本体部36410の側面39410aと窪み部39060dの側面39060d13とが当接した状態において、皿ネジN12をベース板60の背面側(図379(a)紙面奥側)より貫通孔39060d11へ挿入し、皿ネジN12の軸部に形成された雄ねじを第1入賞部材39400の締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔39060d11のベース板60の背面側(図379(a)紙面奥側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN12の頭部が配設されることで、皿ネジN12の頭部がベース板60の背面より背面側(図379(a)紙面奥側)に飛び出すことを抑制することができる。
また、ベース板60の正面に第1入賞部材39400を取り付けることが不要となるため、遊技領域に段差が発生することを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、ベース板60と第1入賞部材39400の締結固定が緩み、第1入賞部材39400が移動可能になった状態においても、第1入賞部材39400は、窪み部39060dの底面(図379(c)下側の面)と、側面39060d13との間に挟持されるため、第1入賞部材39400が移動することを抑制できる。
また、上述したように、本体部39410の厚さ方向(図379(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部39060dの厚さ方向(図379(b)左右方向)の幅(寸法)と同等又はやや小さく形成されるため、第1入賞部材39400の背面と窪み部39060dの背面39060d14とが当接しない。
ここで、窪み部39060dの背面39060d14からベース板60の背面までの距離は小さく、強度が小さい。
よって、遊技釘YKを打ち込む際の打ち込み荷重、或いは、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃が、強度の小さい窪み部39060dの正面に伝わらず、ベース板60の損傷を抑制できる。
また、第1入賞部材39400の本体部39410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図379(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図379(b)右側)より本体部39410に遊技釘YKを打ち込むと、上述したように、ベース板60の正面から窪み部39060dの背面39060d14までの距離は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1よりも小さく形成されるため、第1入賞部材39400の本体部39410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が本体部39410の背面から突出する。
第1入賞部材39400の本体部39410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が本体部39410の背面から突出した状態においても、2か所の凹部27060d10の中心の左右方向(図379(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部39060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図379(a)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図379(a)上下方向)における位置は、窪み部39060dの下面から上方(図379(a)上方向)へ、第1入賞部材39400の本体部39410の下面から第1入賞部材39400の本体部39410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離離れた位置に配設されるため、窪み部39060d(ベース板60)に遊技釘YKは打ち込まれず、窪み部39060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、凹部27060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径の2倍程度の大きさに配設されるため、組付け公差による位置ずれや、遊技釘YKの打ち込み位置のばらつきが発生しても、窪み部39060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部39060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、遊技釘YKの打ち込み角度を変更する場合においても、窪み部39060d(ベース板60)には遊技釘YKが打ち込まれず、窪み部39060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、窪み部39060d(ベース板60)の強度の低下を抑制できると共に、凹部27060d10の加工コストを抑制できる。
また、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図379(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さが等しくなる位置まで遊技釘を打ち込んでも、本体部39410に打ち込まれた遊技釘YKの先端が、本体部39410の背面から突出しない長さの遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKと第1入賞部材39400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材39400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、第1入賞部材39400が矢印R1方向に回転することを、皿ネジN12と締結穴27060d4の締結だけでなく、第1入賞部材39400の本体部39410の正面と窪み部39060dの底面(図379(b)右側の面)との当接面においても抑制することができるため、本体部39410の側面39410aに形成された締結穴27060d4の損傷を抑制できる。
また、第1入賞部材39400の本体部39410に打ち込まれた遊技釘YKと遊技領域を流下する遊技球とが衝突する点から、第1入賞部材39400の本体部39410の正面までの距離L8(図379(b)参照)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図379(b)二点鎖線)と遊技領域を流下する遊技球とが衝突する点から、ベース板60の正面までの距離L9(図379(b)参照)よりも大きい。よって、遊技釘YKの弾性変形量を大きくすることができ、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突することで発生する力により、第1入賞部材39400が損傷することを抑制できる。また、遊技釘YKの弾性変形量を大きくすることができるため、遊技釘YKの塑性変形を抑制できる。
また、上述したように、背面視、切欠き部601aの外形は、第1入賞部材39400の張出部39420の外形と略同一に形成されるため、第1入賞部材39400の張出部39420を切欠き部601aの内側に配設できる。これにより、ベース板60の中央開口601から第1入賞部材39400が上方(図379(b)上側)に飛び出して配設されることを抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材39400の張出部39420の厚さ方向(図379(b)左右方向)の幅(寸法)は、切欠き部601aの厚さ方向(図379(b)左右方向)の幅(寸法)よりも大きく形成されるため、ベース板60の背面よりも背面側(図379(b)左側)に張り出す。よって、第1入賞部材39400を窪み部39060dから取り外す場合は、第1入賞部材39400の張出部39420を持ち手として、窪み部39060dから第1入賞部材39400取り外すことができる。
次いで、図382から図387を参照して、第99実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図382から図385を参照して、第99実施形態における第1入賞部材40400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図382は、第99実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット40300の正面斜視図である。図383は、ベース板60及び入賞口ユニット40300の分解正面斜視図である。図384は、ベース板60及び入賞口ユニット40300の分解背面斜視図である。図385(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット40300の正面図であり、図385(b)は、図385(a)のCCCLXXXVb−CCCLXXXVb線におけるベース板60及び入賞口ユニット40300の断面図であり、図385(c)は、図385(a)のCCCLXXXVc−CCCLXXXVc線におけるベース板60及び入賞口ユニット40300の断面図である。なお、図383では、センターフレーム86の図示が省略され、図384、図385(b)及び図385(c)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図382から図385に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図385(b)下側)にベース板60の背面から正面側(図385(b)右側)に向かって凹設される窪み部40060dが形成される。
入賞口ユニット40300は、第1入賞部材40400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部40060dは、外形が第1入賞部材40400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材40400を窪み部40060dの内側に配設できる。
ここで、図386を参照して、本実施形態における第1入賞部材40400について説明する。
図386(a)は、第1入賞部材40400の正面斜視図であり、図386(b)は、第1入賞部材40400の背面斜視図であり、図386(c)は、第1入賞部材40400の背面図であり、図386(d)は、第1入賞部材40400の側面図である。
図386(a)から図386(d)に示すように、第1入賞部材40400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部40410と、遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部40410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、上述したように、本体部40410の外形は、ベース板60に形成される窪み部40060dの外形と略同一に形成される(図387参照)と共に、本体部40410の厚さ方向(図386(d)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部40060dの厚さ方向の幅(図387(d)参照)と同等又はやや小さく形成される。また、本体部40410の上面40410a及び下面40410bはテーパ形状に形成される。
本体部40410の上面40410aは、正面側(図386(d)右側)が下側(図386(d)下側)に傾いた面に形成され、本体部40410の正面における位置は、後述する遊技釘YKの配設位置よりも上方(図386(d)上方向)に形成される。また、本体部40410の下面40410bは、正面側(図386(d)右側)が上側(図386(d)上側)に傾いた面に形成され、本体部40410の正面における位置は、後述する遊技釘YKの配設位置よりも下方(図386(d)下方向)に形成される。
また、本体部40410は、本体部40410の下面40410bに対する鉛直方向視おいて円形であり、下面40410bに鉛直方向に、下面40410bから後述する座繰り穴40413aに貫通する貫通孔40413、及び貫通孔40413から本体部40410の背面に貫通する座繰り穴40413aを備える。
貫通孔40413の中心は、本体部40410の下面40410bに対する鉛直方向視において、後述する座繰り穴40413aの中心と一致する位置に配設される。また、貫通孔40413の内径は、皿ネジN13の軸部の外径と同等又はやや大きく形成されると共に、ベース板60背面側(図386(d)左側)に向かって拡径されるネジ頭収容部3413bを備える。
座繰り穴40413aは、本体部40410の下面40410bに対する鉛直方向視において、後述する遊技釘YKの配設位置よりも長手方向(図386(c)左右方向)外側に配設される。また、座繰り穴40413aの内径は、皿ネジN13の頭部の外径よりも大きく形成される。
遊技釘YKは、遊技釘YKの頭部が遊技領域に飛び出した状態で本体部40410の正面側(図386(c)紙面奥側)に2本配設される。
また、2本の遊技釘YKは、上下方向(図386(c)上下方向)については本体部40410の短手方向中心に配設され、左右方向(図386(c)左右方向)については本体部4041d0の長手方向中心を中心として、長手方向(図386(c)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図386(c)上方向)に5度傾斜して配設される。
次に、図387を参照して、本実施形態における窪み部40060dについて説明する。
図387(a)は、ベース板60の正面斜視図であり、図387(b)は、ベース板60の背面斜視図であり、図387(c)は、ベース板60の背面図であり、図387(d)は、図387(c)のCCCLXXXVIId−CCCLXXXVIId線におけるベース板60の断面図である。
図387(a)から図387(d)に示すように、窪み部40060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図387(c)下側)に、ベース板60の背面から正面側(図387(d)右側)に向かって凹設される。この窪み部40060dの凹設により、ベース板60には被取付部40060lが形成される。
また、上述したように、窪み部40060dは、背面視における外形が、第1入賞部材40400の本体部40410の外形(図386参照)と略同一に形成される。
よって、窪み部40060dの上面40060d13及び下面40060d14は、テーパ形状に形成され、窪み部40060dの上面40060d13は、底面側(図387(d)右側)が下側(図387(d)下側)に傾いた面に形成され、窪み部40060dの底面における位置は、後述する遊技釘通し孔36060d20の配設位置よりも上方(図387(d)上方向)に形成される。窪み部40060dの下面40060d14は、底面側(図387(d)右側)が上側(図387(d)上側)に傾いた面に形成され、窪み部40060dの底面における位置は、後述する遊技釘通し孔36060d20の配設位置よりも下方(図387(d)下方向)に形成される。
また、窪み部40060dの下面40060d14は、下面40060d14に対する鉛直方向視おいて円形であり、下面40060d14に鉛直方向に凹設される2か所の締結穴27060d4を備える。
また、窪み部40060dの厚さ方向(図387(d)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材40400の本体部40410の厚さ方向の幅(図386参照)と同等又はやや大きく形成される。
よって、第1入賞部材40400の背面とベース板60の背面とは略同一(面一)の位置に配設される。
また、ベース板60は、板厚方向に貫通する遊技釘通し孔36060d20を備える。
締結穴27060d4は、窪み部40060dの内側に配設される第1入賞部材40400の本体部40410の貫通孔40413の軸(図386参照)と同軸上に配設される。
被取付部40060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部40060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図382から図385に戻って説明する。第1入賞部材40400の窪み部40060d(ベース板60)への固定は、第1入賞部材40400の本体部40410の上面40410aと、窪み部40060dの上面40060d13とが当接、及び第1入賞部材40400の本体部40410の下面40410bと、窪み部40060dの下面40060d14とが当接した状態において、第1入賞部材40400の背面側(図385(a)紙面奥側)より貫通孔40413へ挿入し、皿ネジN13の軸部に形成された雄ねじを窪み部40060dの下面40060d14の締結穴27060d4に形成された雌ねじに螺合することで行われる。なお、貫通孔40413の背面側(図385(a)紙面桶側)に配設されたネジ頭収容部3413bの内側に皿ネジN13の頭部が配設されることで、皿ネジN13の頭部がベース板60の背面より背面側(図386(a)紙面奥側)に飛び出すことを抑制することができる。
また、ベース板60の正面に第1入賞部材40400を取り付けることが不要となるため、遊技領域に段差が発生することを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、ベース板60と第1入賞部材40400の締結固定が緩み、第1入賞部材40400が移動可能になった状態においても、第1入賞部材40400は、ベース板60の背面側(図385(b)左側)に移動するため、遊技領域に段差が発生することを抑制できる。
また、第1入賞部材40400の本体部40410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図385(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、第1入賞部材40400の本体部40410に遊技釘YKを打ち込んでも、上述したように、第1入賞部材40400の背面とベース板60の背面とは略同一(面一)の位置に配設されるため、遊技釘YKは本体部40410を貫通しない。よって、遊技釘YKと第1入賞部材40400との接触面積が大きくなり、第1入賞部材40400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、第1入賞部材40400が矢印R1方向に回転することを、皿ネジN13の締結部だけでなく、第1入賞部材40400の本体部40410の上面40410aと窪み部40060dの上面40060d13との当接面においても抑制することができるため、窪み部40060dの下面40060d14に形成された締結穴27060d4の損傷を抑制できる。
また、第1入賞部材40400の本体部40410に打ち込まれた遊技釘YKと遊技領域を流下する遊技球とが衝突する点から、第1入賞部材40400の本体部40410の正面までの距離L10(図385(b)参照)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図385(b)二点鎖線)と遊技領域を流下する遊技球とが衝突する点から、ベース板60の正面までの距離L11(図385(b)参照)よりも大きい。よって、遊技釘YKの弾性変形量を大きくすることができ、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突することで発生する力により、第1入賞部材40400が損傷することを抑制できる。また、遊技釘YKの弾性変形量を大きくすることができるため、遊技釘YKの塑性変形を抑制できる。
次いで、図388から図391を参照して、第100実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図388から図390を参照して、第100実施形態における第1入賞部材27400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図388は、第100実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット27300の正面斜視図である。図389は、ベース板60及び入賞口ユニット27300の分解正面斜視図である。図390(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット27300の正面図であり、図390(b)は、図390(a)のCCCXCb−CCCXCb線におけるベース板60及び入賞口ユニット27300の断面図である。なお、図389では、センターフレーム86の図示が省略され、図390(b)では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図388から図390に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図390(b)下側)にベース板60の正面から背面側(図390(b)左側)に向かって凹設される窪み部41060dが形成される。
入賞口ユニット27300は、第1入賞部材27400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部27060dは、外形が第1入賞部材27400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材27400を窪み部41060dの内側に配設できる。
ここで、図391を参照して、本実施形態における窪み部41060dついて説明する。
図391(a)は、窪み部41060dの正面斜視図であり、図391(b)は、窪み部41060dの正面図であり、図391(c)は、図391(b)のCCCXCIc−CCCXCIc線における窪み部41060dの断面図である。
図391(a)から図391(c)に示すように、窪み部41060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図391(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図391(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部41060dの凹設により、ベース板60には対面部41060lが形成される。
窪み部41060dは、第1入賞部材27400をベース板60の内側に配設する(図390参照)ための部位であり、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図391(b)下側)に配設される。また、窪み部41060dの正面視における外形は、第1入賞部材27400の外形と略同一に形成される。また、窪み部41060dの厚さ方向(図391(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材27400の本体部27410の厚さ方向の幅(図314(c)参照)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部41060dの正面(底面)からベース板60の背面までの距離(即ち、対面部41060lの厚さ方向(図391(c)左右方向)の幅(寸法))よりも十分に大きく(例えば、窪み部41060dの正面からベース板60の背面までの距離の2.5倍の大きさで)形成される。
また、窪み部41060dは、窪み部41060dの正面(底面)に対して鉛直方向に、窪み部41060dの正面側(図391(c)右側)からベース板60の背面側(図391(c)左側)に向かって凹設される正面視円形の4か所の締結穴27060d4及び2か所の凹部41060d10を備える。
締結穴27060d4は、正面視において窪み部41060dの内側に配設される第1入賞部材27400の本体部27410の貫通孔3413の軸(図314参照)と同軸上に配設される。
2か所の凹部41060d10の中心の左右方向(図391(b)左右方向)における位置は、正面視において窪み部41060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図391(b)左右方向)に後述する球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
2か所の凹部27060d10の中心の上下方向(図391(b)上下方向)における位置は、窪み部41060dの下面から上方(図391(b)上方向)へ、第1入賞部材27400の本体部27410の下面から第1入賞部材27400の本体部27410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図314(c)参照)離れた位置に配設される。
また、凹部41060d10の底面(図391(c)左側の面)は、ベース板60に打ち込まれる遊技釘YK(図391(c)二点鎖線)の先端より背面側(図391(c)左側)に配設される。また、凹部41060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径と略同一の大きさ又は軸部の外形よりも若干小径の大きさに形成される。
対面部41060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部41060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図388から図390に戻って説明する。上述したように、第1入賞部材27400の本体部27410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図390(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、正面側(図390(b)右側)より本体部27410に遊技釘YKを打ち込み、遊技釘YKの先端が本体部27410の背面から突出する状態においても、2か所の凹部41060d10の中心の左右方向(図390(a)左右方向)における位置は、正面視において窪み部41060dの左右方向中心を中心として、左右方向(図390(a)左右方向)に球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、2か所の凹部41060d10の中心の上下方向(図390(a)上下方向)における位置は、窪み部41060dの下面から上方(図390(a)上方向)へ、第1入賞部材27400の本体部27410の下面から第1入賞部材27400の本体部27410の背面に突出した遊技釘YKの突出部の重心までの距離D4(図314(c)参照)離れた位置に配設される。
即ち、ベース板60に本体部27410が皿ネジN5により締結固定された状態では、本体部27410の貫通孔27410aの軸心の延長線上に、凹部41060d10の軸心が位置される。これにより、窪み部41060d(ベース板60)の凹部41060d10に遊技釘YKが打ち込まれ、窪み部41060d(ベース板60)の損傷を抑制できる。
また、本本体部27410の背面から突出しない程度の短い遊技釘を用いた場合と比較して、遊技釘YKの先端が凹部41060d10に保持される分、遊技釘YKと第1入賞部材27400との接触面積を大きくできる。よって、第1入賞部材27400に打ち込まれている遊技釘YKの保持力を確保できる。
また、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材27400を交換する場合においても、遊技釘YKの先端は、窪み部41060dの凹部41060d10に挿入されているため、第1入賞部材27400の取り外しが容易である。
また、上述したように、窪み部41060dの厚さ方向(図390(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材27400の本体部27410の厚さ方向(図390(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成され、第1入賞部材27400の本体部27410の正面は、下面に対して鉛直な面に形成されるため、ベース板60の正面と本体部27410の正面とは略同一(面一)の位置に配設することができる。よって、ベース板60の正面と第1入賞部材27400の本体部27410の正面とが段差を有して配設されることを抑制できる。よって、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
ここで、本実施形態における遊技盤13の製造方法について説明する。
本実施形態においては、まず、窪み部41060dの内側に第1入賞部材27400が配設されるよりも前の工程において、窪み部41060dに凹部41060d10を形成すると共に、ベース板60に遊技釘YKを打ち込む。また、このベース板60への遊技釘YKの打ち込みとは別の工程において、本体部27410に遊技釘YKを打ち込む。
なお、上述したように、本体部27410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さD2(図390(b))と等しくなる位置まで、遊技釘YKを本体部27410の正面から打ち込むと、本体部27410に打ち込まれた遊技釘YKは、本体部27410を貫通し、その先端が本体部27410の背面から突出する。
次いで、窪み部41060dの内側に第1入賞部材27400を配設し、皿ネジN5により締結固定する。この場合、第1入賞部材27400の本体部27410の背面から突出した遊技釘YKの先端(突出部)を、窪み部41060dの凹部41060d10に内包(挿入)させつつ、窪み部41060dの内側に第1入賞部材27400を配設する。
上述したように、凹部41060d10の内径は、遊技釘YKの軸部の外径と略同一の大きさ(又は若干小径)に形成されるため、第1入賞部材27400本体部27410の背面から突出した遊技釘YKの先端(突出部)が、窪み部41060dの凹部41060d10に内包(挿入)されることにより、両者が連結される。これにより、凹部41060d10による遊技釘YKの保持力を介して、第1入賞部材27400がベース板60に保持される。
これにより、皿ネジN5の締結が緩んだ場合でも、第1入賞部材27400をがたつき難くして、ベース板60の正面と第1入賞部材27400の正面との間に段差が形成されることを抑制できる。
また、窪み部41060dの内側に第1入賞部材27400を配設する際には、窪み部41060dの凹部41060d10に遊技釘YKの先端が内包(挿入)されることで、ベース板60(窪み部41060d)に対する第1入賞部材27400(本体部27410)の位置を位置決めすることができる。これにより、窪み部41060dへの第1入賞部材27400の配設作業の作業性の向上を図ることができる。また、ベース板60(窪み部41060d)に対する第1入賞部材27400(本体部27410)の位置精度の向上を図ることができる。
次いで、図392から図396を参照して、第101実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図392から図394を参照して、第101実施形態における第1入賞部材42400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図392は、第101実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット42300の正面斜視図である。図393は、ベース板60及び入賞口ユニット42300の分解正面斜視図である。図394(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット42300の正面図であり、図394(b)は、図394(a)のCCCXCIVb−CCCXCIVb線におけるベース板60及び入賞口ユニット42300の断面図である。なお、図393及び図394(b)では、センターフレーム86の図示が省略される。
図392から図394に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図394(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図394(b)左側)に向かって凹設される窪み部42060dが形成される。
入賞口ユニット42300は、第1入賞部材42400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部42060dは、正面視における外形が第1入賞部材42400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材42400を窪み部42060dの内側に配設できる。
ここで、図395を参照して、本実施形態における第1入賞部材42400について説明する。
図395(a)は、第1入賞部材42400の正面斜視図であり、図395(b)は、第1入賞部材42400の背面斜視図であり、図395(c)は、第1入賞部材42400の背面図であり、図395(d)は、図395(c)のCCCXCVd−CCCXCVd線における第1入賞部材42400の断面図である。
図395(a)から図395(d)に示すように、第1入賞部材42400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部42410を主に備えて形成される。
本体部42410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、本体部42410の背面(図395(d)左側の面)に、本体部42410の上面(図395(c)上側の面)から下方(図395(c)下方向)に向かって、背面側(図395(d)左側)が開口されて凹設される2か所の凹設部42410aを備える。
上述したように、本体部42410の外形は、ベース板60に形成される窪み部42060dの外形と略同一に形成される(図396参照)。
本体部42410の厚さ方向(図395(d)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図313(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部42410の正面(図395(d)右側の面)及び背面(図395(d)左側の面)は、底面(図395(d)下側の面)に対して鉛直な面に形成される。
凹設部42410aは、ベース板60から第1入賞部材42400を取り外す際に、後述する工具(例えば、マイナスドライバーの先端)が挿入される部位であり、本体部42410の背面(図395(d)左側の面)に、後述する遊技釘YKの配設位置の上方に配設される。凹設部42410aは、背面視正方形に形成され、正方形の一辺の長さは5mm程度に形成される。また、凹設部42410aの厚さ方向(図395(d)左右方向)の幅(寸法)は2mm程度に形成される。
次に、図396を参照して、本実施形態における窪み部42060dについて説明する。
図396(a)は、窪み部42060dの正面斜視図であり、図396(b)は、窪み部42060dの正面図であり、図396(c)は、図396(b)のCCCXCVIc−CCCXCVIc線における窪み部42060dの断面図である。
図396(a)から図396(c)に示すように、窪み部42060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図396(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図396(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部42060dの凹設により、ベース板60には対面部42060lが形成される。
また、正面視における窪み部42060dの外形は、第1入賞部材42400の外形と略同一(図395参照)に形成される。
また、窪み部42060dの厚さ方向(図396(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材42400の本体部42410の厚さ方向(図395(d)参照)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部42060dの正面からベース板60の背面(図396(c)左側の面)までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部42060dの正面からベース板60の背面(図396(c)左側の面)までの距離の略2.5倍の大きさ)形成される。
対面部42060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部42060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図392から図394に戻って説明する。2本の遊技釘YKは、上下方向(図394(a)上下方向)については第1入賞部材42400の本体部42410の短手方向中心に配設され、左右方向(図394(a)左右方向)については第1入賞部材42400の本体部42410の長手方向中心を中心として長手方向(図394(a)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図394(a)上方向)に5度傾斜して配設される。
ここで、上述したように、窪み部42060dの厚さ方向(図394(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材42400の本体部42410の厚さ方向(図394(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部42060dの正面からベース板60の背面(図394(b)左側の面)までの距離よりも十分に大きく形成されるため、第1入賞部材42400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKは、ベース板60よりも第1入賞部材42400との接触面積が十分に大きい。
よって、ベース板60よりも第1入賞部材42400による遊技釘YKの保持力が十分に大きく、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることで遊技釘YKを打ち込むことが繰り返し行われる状況においても、第1入賞部材42400を交換することで遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
次いで、第1入賞部材42400のベース板60への固定方法について説明する。
まず、第1入賞部材42400の本体部42410を、窪み部42060dの内側に配設する。この場合、第1入賞部材42400の本体部42410の背面(図394(b)左側の面)と窪み部42060dの正面とを当接させると共に、第1入賞部材42400の本体部42410の下面42410bと窪み部42060dの下面42060d11とを当接させる。
上述したように、本体部42410の厚さ方向(図394(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部42060dの厚さ方向(図394(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成される。よって、ベース板60の正面と第1入賞部材42400の本体部42410の正面とが段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
次いで、ベース板60(窪み部42060d)に配設された第1入賞部材42400(本体部42410)に対して、その本体部42410の正面から遊技釘YKを打ち込む。上述したように、第1入賞部材42400の本体部42410の厚さ方向(図394(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60の正面(図394(b)右側の面)からベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図394(b)二点鎖線)の先端までの距離D1よりも小さく形成されるため、第1入賞部材42400の本体部42410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図394(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、遊技釘YKを正面側(図394(b)右側)より第1入賞部材42400の本体部42410に打ち込むと、第1入賞部材42400の本体部42410に打ち込まれた遊技釘YKは、第1入賞部材42400の本体部42410を貫通し、その遊技釘YKの先端が、第1入賞部材42400の本体部42410の背面(図394(b)左側の面)から突出する。
よって、第1入賞部材42400の本体部42410の背面(図394(b)左側の面)から突出した遊技釘YKの先端がベース板60の窪み部42060d(対面部42060l)に打ち込まれ(即ち、遊技釘YKの先端がベース板60(対面部42060l)に連結され、かかる連結により、第1入賞部材42400がベース板60(窪み部42060d)に固定される。
これにより、第1入賞部材42400をベース板60へ固定するためのネジ止め作業が不要となり、作業工数が削減できると共に、製品コストを抑制できる。
また、第1入賞部材42400の本体部42410にネジを挿入するための貫通孔を配設する必要が無いので、その分、作業工数を削減できると共に、本体部42410の強度の低下を抑制できる。
なお、ベース板60には、センターフレーム86(図示せず)が取り付けられる。第1入賞部材42400の本体部42410は、その上面(図394(b)上側の面)がセンターフレーム86の外周面(下面)に当接して配設される。
このように、第1入賞部材42400(本体部42410)の上面とセンターフレーム86の外周面(下面)とが当接して配設され、且つ、上述したように、第1入賞部材42400の本体部42410の下面42410bと窪み部42060dの下面42060d11とが当接して配設されるので、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、第1入賞部材42400が下方(図394(b)下方向)へ移動すること、又は矢印R1方向に回転することを効果的に抑制できる。
また、上述したように、凹設部42410aの背面視正方形の一辺の長さは5mm程度に形成されるため、凹設部42410aと遊技釘YKとの間の距離を確保することが可能となる。よって、凹設部42410aの近傍に遊技釘YKが打ち込まれ、又は、凹設部42410aに遊技釘YKが打ち込まれ、本体部42410(凹設部42410a近傍)が破損する(欠けたり亀裂が生じる)ことを抑制できる。
次いで、第1入賞部材42400のベース板60からの取り外し方法について説明する。
上述したように、第1入賞部材42400及びベース板60に遊技釘YKが打ち込まれることにより、第1入賞部材42400はベース板60に固定されるため、第1入賞部材42400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKをベース板60から引き抜くことにより、第1入賞部材42400をベース板60から取り外すことが可能となる。
具体的には、センターフレーム86がベース板60から取り外された状態において、先端が薄型且つ断面形状が矩形の工具(例えば、マイナスドライバー、図示せず)の先端を、第1入賞部材42400の本体部42410の背面(図394(b)左側の面)に配設された凹設部42410aに挿入し、工具を操作する。即ち、窪み部42060dの正面上端を支点としたてこの原理により、第1入賞部材42400をベース板60の正面側(図394(b)右側)に変位させる。これにより、ベース板60(対面部42060l)から遊技釘YKの先端を引き抜くことができ、その結果、ベース板60から第1入賞部材42400(本体部42410)を取り外すことができる。
なお、上述したように、第1入賞部材42400(本体部42410)に打ち込まれた遊技釘YKは、ベース板60との接触面積よりも第1入賞部材42400との接触面積が十分に大きいため、第1入賞部材42400の変位に伴って、遊技釘YKの先端を確実にベース板60(対面部42060l)から抜き取ることができる。
また、上述したように、凹設部42410aの背面視正方形の一辺の長さは5mm程度に形成され、且つ厚さ方向(図394(b)左右方向)の幅(寸法)は2mm程度に形成されるため、例えば、マイナスドライバーのような先端が薄型且つ断面形状が矩形の工具の先端を凹設部42410aに挿入することを可能としつつ、本体部42410の剛性が低下することを抑制できる。
また、上述したように、凹設部42410aは、遊技釘YKの配設位置の上方(図394(b)上方向)に配設される。即ち、遊技釘YKが上昇傾斜される側に位置される。そのため、凹設部42410aに挿入された工具を、その先端で本体部42410の背面を押圧する方向(本体部42410がベース板60の正面側へ突出される方向)へ操作することで、遊技釘YKの先端が曲がることを抑制しつつ(即ち、遊技釘YKの先端が打ち込まれている対面部42060lの孔(凹部)が拡径されることを抑制しつつ)、小さな力によりベース板60から第1入賞部材42400を取り外すことができる。
次いで、図397から図401を参照して、第102実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図397から図399を参照して、第102実施形態における第1入賞部材43400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図397は、第102実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット43300の正面斜視図である。図398は、ベース板60及び入賞口ユニット43300の分解正面斜視図である。図399(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット43300の正面図であり、図399(b)は、図399(a)のCCCXCIXb−CCCXCIXb線におけるベース板60及び入賞口ユニット43300の断面図である。なお、図398及び図399(b)では、センターフレーム86の図示が省略される。
図397から図399に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図399(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図399(b)左側)に向かって凹設される窪み部43060dが形成される。
入賞口ユニット43300は、第1入賞部材43400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部43060dは、正面視における外形が第1入賞部材43400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材43400を窪み部43060dの内側に配設できる。
ここで、図400を参照して、本実施形態における第1入賞部材43400について説明する。
図400(a)は、第1入賞部材43400の正面斜視図であり、図400(b)は、第1入賞部材43400の背面斜視図であり、図400(c)は、第1入賞部材43400の背面図であり、図400(d)は、第1入賞部材43400の側面図である。
図400(a)から図400(d)に示すように、第1入賞部材43400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部43410を主に備えて形成される。
本体部43410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、本体部43410の背面(図400(d)左側の面)に、本体部43410の背面側(図400(d)左側)へ張り出した張出部43420を備える。
上述したように、本体部43410の外形は、ベース板60に形成される窪み部43060dの外形と略同一に形成される(図401参照)。
本体部43410の厚さ方向(図400(d)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図313(b)参照)よりも小さく形成される。また、本体部43410の正面(図400(d)右側の面)及び背面(図400(d)左側の面)は、底面に対して鉛直な面に形成される。
張出部43420は、第1入賞部材43400が窪み部43060dの内側に配設された状態において、第1入賞部材43400の変位を規制するための部位であり、後述する窪み部43060dに形成された切欠き部43060d11と略同一の形状に形成される。
張出部43420は、本体部43410の長手方向(図400(c)左右方向)中心に配設され、また、第1入賞部材43400の下側(図400(c)下側)に、張出部43420の下面と本体部43410の下面とが、同一の面を形成して配設される。
また、張出部43420の厚さ方向(図400(d)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部43060dの正面からベース板60の背面(図400(b)左側の面)までの距離と略同一の寸法に形成される。
次に、図401を参照して、本実施形態における窪み部43060dについて説明する。
図401(a)は、窪み部43060dの正面斜視図であり、図401(b)は、窪み部43060dの正面図であり、図401(c)は、図401(b)のCDIc−CDIc線における窪み部43060dの断面図である。
図401(a)から図401(c)に示すように、窪み部43060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図401(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図401(c)左側)に向かって凹設されて形成される。この窪み部43060dの凹設により、ベース板60には対面部43060lが形成される。
また、正面視における窪み部43060dの外形は、第1入賞部材43400の外形と略同一(図400参照)に形成される。
また、窪み部43060dの厚さ方向(図401(c)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材43400の本体部43410の厚さ方向(図400(d)参照)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部43060dの正面からベース板60の背面(図401(c)左側の面)までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部43060dの正面からベース板60の背面(図401(c)左側の面)までの距離の略2.5倍の大きさ)形成される。
また、窪み部43060dの中央の下側(図401(b)下側)には、板厚方向に貫通する切欠き部43060d11が形成される。
切欠き部43060d11は、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420(図400参照)を内包するための部位であり、背面視円弧状に形成され、円弧の両端の幅(図401(b)左右方向)は、貫通孔27060aの幅(図401(b)左右方向)と略同一に形成される。
また、切欠き部43060d11は、窪み部43060dの下面において両端の幅(図401(b)左右方向)が最も大きく、上方(図401(b)上方向)へ行くに従い、両端の幅(図401(b)左右方向)が狭い上方(図401(b)上方向)に凸形状の円弧状に形成される。
また、切欠き部43060d11の上端は、後述する遊技釘YKの打ち込み位置(図399参照)よりも下方(図401(b)下方向)に形成される。
対面部43060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部43060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図397から図399に戻って説明する。2本の遊技釘YKは、上下方向(図399(a)上下方向)については第1入賞部材43400の本体部43410の短手方向中心に配設され、左右方向(図399(a)左右方向)については第1入賞部材43400の本体部43410の長手方向中心を中心として長手方向(図399(a)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図399(a)上方向)に5度傾斜して配設される。
ここで、上述したように、窪み部43060dの厚さ方向(図399(b)左右方向)の幅(寸法)(寸法)は、第1入賞部材43400の本体部43410の厚さ方向(図399(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部43060dの正面からベース板60の背面(図399(b)左側の面)までの距離よりも十分に大きく形成されるため、第1入賞部材43400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKは、ベース板60よりも第1入賞部材43400との接触面積が十分に大きい。
よって、ベース板60よりも第1入賞部材43400による遊技釘YKの保持力が十分に大きく、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることで遊技釘YKを打ち込むことが繰り返し行われる状況においても、第1入賞部材43400を交換することで遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
次いで、第1入賞部材43400のベース板60への固定方法について説明する。
第1入賞部材43400は、窪み部43060dの内側に、第1入賞部材43400の本体部43410の背面(図399(b)左側の面)と窪み部43060dの正面とが当接して配設され、第1入賞部材43400の本体部43410の下面43410bと窪み部43060dの下面43060d12とが当接して配設される。
第1入賞部材43400を窪み部43060d(ベース板60)に配設した後に、センターフレーム86(図示せず)が、ベース板60に取り付けられる。ここで、第1入賞部材43400の本体部43410の上面(図399(b)上側の面)とセンターフレーム86の外周面とが当接して配設される。
上述したように、本体部43410の厚さ方向(図399(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部43060dの厚さ方向(図399(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成される。
また、上述したように、第1入賞部材43400が窪み部43060dの内側に配設された状態において、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420は、本体部43410の長手方向(図399(a)左右方向)中心に配設され、窪み部43060dに形成された切欠き部43060d11は、窪み部43060dの中央の下側(図399(a)下側)に配設されるため、窪み部43060dに形成された切欠き部43060d11は、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420を内包することができる。
よって、ベース板60の正面と第1入賞部材43400の本体部43410の正面とが、背面から正面方向(図399(b)左右方向)へ、段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420と、窪み部43060dに形成された切欠き部43060d11とは略同一の形状に形成されるため、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420と、窪み部43060dに形成された切欠き部43060d11とは当接し、第1入賞部材43400の左右方向(図399(a)左右方向)及び上下方向(図399(a)上下方向)への変位を抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420の厚さ方向(図399(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部43060dの正面からベース板60の背面(図399(b)左側の面)までの距離と略同一の寸法に形成されるため、ベース板60の背面(図399(b)左側の面)から第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420が突出することが抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材43400の本体部43410の厚さ方向(図399(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60の正面(図399(b)右側の面)からベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図399(b)二点鎖線)の先端までの距離D1よりも小さく形成されるため、第1入賞部材43400の本体部43410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図399(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、遊技釘YKを正面側(図399(b)右側)より第1入賞部材43400の本体部43410に打ち込むと、第1入賞部材43400の本体部43410に打ち込まれた遊技釘YKは、第1入賞部材43400の本体部43410を貫通し、遊技釘YKの先端が、第1入賞部材43400の本体部43410の背面(図399(b)左側の面)から突出する。
上述したように、第1入賞部材43400の本体部43410の背面(図399(b)左側の面)と窪み部43060dの正面とが当接して配設されるため、第1入賞部材43400の本体部43410の背面(図399(b)左側の面)から突出した遊技釘YKの先端はベース板60に打ち込まれ、第1入賞部材43400はベース板60に固定される。
よって、第1入賞部材43400をベース板60へ固定するためのネジ止め作業が不要となり、作業工数が削減できると共に、製品コストを抑制できる。
また、第1入賞部材43400の本体部43410にネジを挿入するための貫通孔を配設する必要が無く、本体部43410の強度の低下を抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材43400の本体部43410の下面43410bと窪み部43060dの下面43060d12とが当接して配設され、且つ第1入賞部材43400の本体部43410の上面(図399(b)上側の面)とセンターフレーム86の外周面とが当接して配設されるため、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、第1入賞部材43400が下方(図399(b)下方向)へ移動すること、又は矢印R1方向に回転することを抑制できる。
また、上述したように、切欠き部43060d11の上端は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKよりも下方(図399(b)下方向)に形成されるため、切欠き部43060d11と遊技釘YKとの間の距離を確保することが可能となり、ベース板60に遊技釘YKを打ち込むことができる。
次いで、第1入賞部材43400のベース板60からの取り外し方法について説明する。
上述したように、第1入賞部材43400及びベース板60に遊技釘YKが打ち込まれることにより、第1入賞部材43400はベース板60に固定されるため、第1入賞部材43400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKをベース板60から引き抜くことにより、第1入賞部材43400をベース板60から取り外すことが可能となる。
上述したように、窪み部43060dに形成された切欠き部43060d11は、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420を内包して形成されると共に、板厚方向に貫通して形成されるため、ベース板60の背面(図399(b)左側の面)から第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420を押進させることで、第1入賞部材43400をベース板60の正面側(図399(b)右側)へ変位させることができる。
これにより、第1入賞部材43400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKをベース板60から引き抜くことができる。
ここで、上述したように、第1入賞部材43400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKは、ベース板60よりも第1入賞部材43400との接触面積が十分に大きいため、第1入賞部材43400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKは、第1入賞部材43400の動作に追従する。
また、上述したように、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420は、遊技釘YKの配設位置の下方(図399(b)下方向)に配設されるため、第1入賞部材43400の本体部43410の背面に形成された張出部43420と遊技釘YKとの距離を小さくすることができ、小さな力によりベース板60から第1入賞部材43400を取り外すことができる。
次いで、図402から図405を参照して、第103実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図402から図404を参照して、第103実施形態における第1入賞部材44400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図402は、第103実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット44300の正面斜視図である。図403は、ベース板60及び入賞口ユニット44300の分解正面斜視図である。図404(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット44300の正面図であり、図404(b)は、図404(a)のCDIVb−CDIVb線におけるベース板60及び入賞口ユニット44300の断面図である。なお、図403及び図404(b)では、センターフレーム86の図示が省略される。
図402から図404に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図404(b)下側)に、ベース板60の正面から背面側(図404(b)左側)に向かって凹設される窪み部42060dが形成される。
入賞口ユニット44300は、第1入賞部材44400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部42060dは、正面視における外形が第1入賞部材44400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材44400を窪み部42060dの内側に配設できる。
ここで、図405を参照して、本実施形態における第1入賞部材44400について説明する。
図405(a)は、第1入賞部材44400の正面斜視図であり、図405(b)は、第1入賞部材44400の背面斜視図であり、図405(c)は、第1入賞部材44400の背面図であり、図405(d)は、図405(c)のCDVd−CDVd線における第1入賞部材44400の断面図である。
図405(a)から図405(d)に示すように、第1入賞部材44400は、正面視横長略矩形の直方体から形成される本体部44410を主に備えて形成される。
本体部44410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、本体部44410の背面(図405(d)左側の面)に、本体部44410の上面から下方(図405(c)下方向)に向かって、背面側(図405(d)左側)が開口されて凹設される2か所の凹設部42410aを備える。
上述したように、本体部44410の外形は、ベース板60に形成される窪み部42060dの外形と略同一に形成される(図396参照)。
本体部44410の厚さ方向(図405(d)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YKのベース板60の正面から遊技釘YKの先端までの距離D1(図313(b)参照)よりも小さく形成されると共に、窪み部42060dの厚さ方向(図396参照)の幅(寸法)よりも、後述する弾性部材G2の厚さ方向の幅(図404参照)の寸法と同等又はやや小さい分だけ小さく形成される。また、本体部44410の正面(図405(d)右側の面)及び背面(図405(d)左側の面)は、底面に対して鉛直な面に形成される。
凹設部42410aは、ベース板60から第1入賞部材44400を取り外す際に、後述する工具が挿入される部位であり、本体部44410の背面(図405(d)左側の面)に、後述する遊技釘YKの配設位置の上方に配設される。
図402から図404に戻って説明する。2本の遊技釘YKは、上下方向(図404(a)上下方向)については第1入賞部材44400の本体部44410の短手方向中心に配設され、左右方向(図404(a)左右方向)については第1入賞部材44400の本体部44410の長手方向中心を中心として長手方向(図404(a)左右方向)に、球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れて配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図404(a)上方向)に5度傾斜して配設される。
ここで、上述したように、窪み部42060dの厚さ方向(図404(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材44400の本体部44410の厚さ方向(図394(b)左右方向)の幅(寸法)よりも、弾性部材G2の厚さ方向の幅(図404(b)左右方向)の寸法と同等又はやや大きい分だけ大きく形成されると共に、窪み部42060dの正面からベース板60の背面(図404(b)左側の面)までの距離よりも十分に大きく形成されるため、第1入賞部材44400、弾性部材G2及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKは、ベース板60よりも、第1入賞部材44400との接触面積が十分に大きい。
よって、ベース板60よりも第1入賞部材44400による遊技釘YKの保持力が十分に大きく、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることで遊技釘YKを打ち込むことが繰り返し行われる状況においても、第1入賞部材44400を交換することで遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
次いで、第1入賞部材44400のベース板60への固定方法について説明する。
第1入賞部材44400は、窪み部42060dの内側に、第1入賞部材44400の本体部44410の背面(図404(b)左側の面)と窪み部42060dの正面との間に弾性部材G2が挿入して配設され、第1入賞部材44400の本体部44410の下面44410bと窪み部42060dの下面42060d11とが当接して配設される。
第1入賞部材44400を窪み部42060d(ベース板60)に配設した後に、センターフレーム86(図示せず)が、ベース板60に取り付けられる。ここで、第1入賞部材44400の本体部44410の上面(図404(b)上側の面)とセンターフレーム86の外周面とが当接して配設される。
弾性部材G2は、第1入賞部材44400の本体部44410よりも小さく形成され、厚さ方向(図404(b)左右方向)の幅(寸法)は、2mm程度に形成される。また、弾性部材G2は、ゴム状弾性体から形成される。
上述したように、本体部44410の厚さ方向(図404(b)左右方向)の幅(寸法)は、窪み部42060dの厚さ方向(図404(b)左右方向)の幅(寸法)よりも弾性部材G2の厚さ方向の幅(図404(b)左右方向)の寸法と同等又はやや小さい分だけ小さく形成されるため、第1入賞部材44400の本体部44410の正面(図404(b)右側の面)は、ベース板60の正面(図404(b)右側の面)に対して、背面から正面方向(図404(b)左右方向)へ段差を有して配設される。
第2入賞部材3500のベース部3510の背面(図404(b)左側の面)とベース板60の正面(図404(b)右側の面)とが当接して第2入賞部材3500がベース板60に固定されると、弾性部材G2は変形し、厚さ方向の幅(図404(b)左右方向)の寸法は小さくなる。
よって、第2入賞部材3500のベース部3510の背面(図404(b)左側の面)とベース板60の正面(図404(b)右側の面)とが当接し、ベース板60の正面と第1入賞部材44400の本体部44410の正面とが、背面から正面方向(図404(b)左右方向)へ段差を有して配設されることを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材44400の本体部44410の厚さ方向(図404(c)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60の正面(図404(b)右側の面)からベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図404(b)二点鎖線)の先端までの距離D1よりも小さく形成されるため、第1入賞部材44400の本体部44410に打ち込まれた遊技釘YKの遊技領域に飛び出した長さが、ベース板60に打ち込まれた遊技釘YK(図404(b)二点鎖線)の遊技領域に飛び出した長さD2と等しくなる位置まで、遊技釘YKを正面側(図404(b)右側)より第1入賞部材44400の本体部44410に打ち込むと、第1入賞部材44400の本体部44410に打ち込まれた遊技釘YKは、第1入賞部材44400の本体部44410を貫通し、遊技釘YKの先端が、第1入賞部材44400の本体部44410の背面(図404(b)左側の面)から突出する。
上述したように、第1入賞部材44400の本体部44410の背面(図404(b)左側の面)と窪み部42060dの正面との間に弾性部材G2が挿入して配設されるため、第1入賞部材44400の本体部44410の背面(図404(b)左側の面)から突出した遊技釘YKは、弾性部材G2を貫通し、遊技釘YKの先端が、弾性部材G2の背面(図404(b)左側の面)から突出する。
弾性部材G2の背面から(図404(b)左側の面)突出した遊技釘YKの先端はベース板60に打ち込まれ、第1入賞部材44400はベース板60に固定される。
よって、第1入賞部材44400をベース板60へ固定するためのネジ止め作業が不要となり、作業工数が削減できると共に、製品コストを抑制できる。
また、第1入賞部材44400の本体部44410にネジを挿入するための貫通孔を配設する必要が無く、本体部44410の強度の低下を抑制できる。
また、弾性部材G2の厚さ方向(図404(b)左右方向)の幅(寸法)は、2mm程度に形成されるため、第1入賞部材44400の本体部44410の厚さ方向(図404(b)左右方向)の幅(寸法)を大きい寸法に形成することができ、第1入賞部材44400による遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、遊技釘YKは、弾性部材G2に打ち込まれているため、弾性部材G2の粘弾性力により遊技釘YKの保持力が増加し、遊技釘YKが第1入賞部材44400及びベース板60から抜けることを抑制できる。
また、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突し、遊技釘YKが変位することを弾性部材G2の反発力により抑制し、弾性部材G2、第1入賞部材44400及びベース板60が損傷することを抑制できる。
また、上述したように、第1入賞部材44400の本体部44410の下面44410bと窪み部42060dの下面42060d11とが当接して配設され、且つ第1入賞部材44400の本体部44410の上面(図404(b)上側の面)とセンターフレーム86の外周面とが当接して配設されるため、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、第1入賞部材44400が下方(図404(b)下方向)へ移動すること、又は矢印R1方向に回転することを抑制できる。
次いで、第1入賞部材44400のベース板60からの取り外し方法について説明する。
上述したように、第1入賞部材44400、弾性部材G2及びベース板60に遊技釘YKが打ち込まれることにより、第1入賞部材44400はベース板60に固定されるため、第1入賞部材44400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKをベース板60から引き抜くことにより、第1入賞部材44400をベース板60から取り外すことが可能となる。
センターフレーム86がベース板60から取り外された状態において、先端が薄型且つ断面形状が矩形の工具(図示せず)の一端を、第1入賞部材44400の本体部44410の背面(図404(b)左側の面)に配設された凹設部42410aに挿入し、窪み部42060dの正面上端を支点としたてこの原理により、第1入賞部材44400はベース板60の正面側(図404(b)右側)に変位し、第1入賞部材44400、弾性部材G2及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKをベース板60から引き抜くことができる。
ここで、上述したように、第1入賞部材44400、弾性部材G2及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKは、ベース板60よりも第1入賞部材42400との接触面積が十分に大きいため、第1入賞部材44400、弾性部材G2及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKは、第1入賞部材42400の動作に追従する。
また、上述したように、凹設部42410aの背面視正方形の一辺の長さは5mm程度に形成され、且つ厚さ方向(図404(b)左右方向)の幅(寸法)は2mm程度に形成されるため、例えば、マイナスドライバーのような先端が薄型且つ断面形状が矩形の工具の先端を凹設部42410aに挿入することができる。
また、上述したように、凹設部42410aは、遊技釘YKの配設位置の上方(図404(b)上方向)に配設されるため、てこの原理により発生する力と遊技釘YKとの距離を小さくすることができ、小さな力によりベース板60から第1入賞部材44400を取り外すことができる。
また、上述したように、弾性部材G2は変形し、厚さ方向の幅(図404(b)左右方向)の寸法は小さい状態で第1入賞部材44400の本体部44410の背面(図404(b)左側の面)と窪み部42060dの正面との間に挿入されているため、弾性部材G2の復元力により、小さな力でベース板60から第1入賞部材44400を取り外すことができる。
次いで、図406から図411を参照して、第104実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図406から図409を参照して、第104実施形態における第1入賞部材45400に打ち込まれた遊技釘YKの配設位置について説明する。図406は、第104実施形態におけるベース板60及び入賞口ユニット45300の正面斜視図である。図407は、ベース板60及び入賞口ユニット45300の分解正面斜視図である。図408は、ベース板60及び入賞口ユニット45300の分解背面斜視図である。図409(a)は、ベース板60及び入賞口ユニット45300の正面図であり、図409(b)は、図409(a)のCDIXb−CDIXb線におけるベース板60及び入賞口ユニット45300の断面図である。なお、図407、及び図409(b)では、センターフレーム86の図示が省略され、図408では、センターフレーム86及び第2入賞部材3500の図示が省略される。
図406から図409に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口601の下側(図409(b)下側)に、ベース板60の背面から正面側(図409(b)右側)に向かって凹設される窪み部45060dが形成される。
入賞口ユニット45300は、第1入賞部材45400及び第2入賞部材3500から構成され、窪み部45060dは、正面視における外形が第1入賞部材45400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材45400を窪み部45060dの内側に配設できる。
ここで、図410を参照して、本実施形態における第1入賞部材45400について説明する。
図410(a)は、第1入賞部材45400の正面斜視図であり、図410(b)は、第1入賞部材45400の背面斜視図であり、図410(c)は、第1入賞部材45400の背面図であり、図410(d)は、図410(c)の側面図である。
図410(a)から図410(d)に示すように、第1入賞部材45400は、正面視円形の円筒形から形成される本体部45410を主に備えて形成される。
本体部45410は、遊技釘YKが打ち込まれるための部位であり、本体部45410の側面には雄ねじが形成され、本体部45410の背面(図410(d)左側の面)には背面視横長略矩形の直方体から形成される突設部45420が配設される。
上述したように、本体部45410の外形は、ベース板60に形成される窪み部45060dの外形と略同一に形成され(図411参照)、本体部45410の厚さ方向(図410(d)左右方向)の幅(寸法)は、ベース板60に形成される窪み部45060dの幅(寸法)と略同一の寸法に形成される(図411参照)。
突設部45420は、ベース板60から第1入賞部材45400を取り外す際に、第1入賞部材45400を回転させるための部位であり、正面視における突設部45420の中心と本体部45410の中心とが一致した位置に配設される。
突設部45420の左右方向(図410(c)左右方向)の幅(寸法)は、本体部45410の直径よりも小さく形成され、上下方向(図410(c)上下方向)の幅(寸法)は、左右方向(図410(c)左右方向)の幅(寸法)よりも小さく形成される。
また、本体部45410からの突設部45420の突設量は、突設部45420の上下方向(図410(c)上下方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成される。
次に、図411を参照して、本実施形態における窪み部45060dについて説明する。
図411(a)は、窪み部45060dの正面斜視図であり、図411(b)は、窪み部45060dの背面斜視図であり、図411(c)は、窪み部45060dの背面図であり、図411(d)は、図411(c)のCDXId−CDXId線における窪み部45060dの断面図である。
図411(a)から図411(d)に示すように、窪み部45060dは、上述したように、ベース板60の中央開口601の下側(図411(c)下側)且つ貫通孔27060aの上側(図411(c)上側)に、ベース板60の背面から正面側(図411(d)右側)に向かって2か所凹設されて形成される。この窪み部45060dの凹設により、ベース板60には被取付部45060lが形成される。
また、2か所の窪み部45060dは、同一の高さに配設されると共に、背面視における外形が第1入賞部材45400の外形と略同一(図410参照)の円形に形成される。
また、窪み部45060dは、ベース板60の中心を中心として、左右方向(図411(c)左右方向)に、第2入賞部材3500に形成された球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設される。
窪み部45060dの直径は、貫通孔27060aの左右方向(図411(c)左右方向)の寸法の略半分の大きさに形成される。
また、窪み部45060dの厚さ方向(図411(d)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材45400の本体部45410の厚さ方向(図410(d)参照)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部45060dの底面45060d11からベース板60の正面(図411(d)右側の面)までの距離よりも十分に大きく(例えば、窪み部45060dの正面からベース板60の正面(図411(d)右側の面)までの距離の略3.5倍の大きさ)形成される。
また、窪み部45060dの内側には、雌ねじが形成される。
被取付部45060lは、ベース板60の剛性の低下を抑制するための部位であり、ベース板60における窪み部45060dの周縁(開口縁)同士を連結(架設)する板状体として形成される。
図406から図409に戻って説明する。2本の遊技釘YKは、窪み部45060dの内側に配設された第1入賞部材42400の本体部42410の中心に配設される。また、2本の遊技釘YKは、同一の高さに配設されると共に、上方(図409(a)上方向)に5度傾斜して配設される。
ここで、上述したように、窪み部45060dの厚さ方向(図409(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材45400の本体部45410の厚さ方向(図409(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成されると共に、窪み部45060dの底面45060d11からベース板60の正面(図409(b)右側の面)までの距離よりも十分に大きく形成されるため、第1入賞部材45400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKは、ベース板60よりも第1入賞部材45400との接触面積が十分に大きい。
よって、ベース板60よりも第1入賞部材45400による遊技釘YKの保持力が十分に大きく、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることで遊技釘YKを打ち込むことが繰り返し行われる状況においても、第1入賞部材45400を交換することで遊技釘YKの保持力の低下を抑制できる。
また、上述したように、窪み部45060dは、ベース板60の中心を中心として、左右方向(図409(b)左右方向)に、第2入賞部材3500に形成された球入賞部320の側壁321の左右両側の壁の内側対向間距離D3(図316参照)離れた位置に配設され、且つ窪み部45060dの直径は、貫通孔27060aの左右方向(図409(b)左右方向)の寸法の略半分の大きさに形成されるため、2か所の窪み部45060dが離れてベース板60に形成され、ベース板60の強度を大きくすることができる。
次いで、第1入賞部材45400のベース板60への固定方法について説明する。
第1入賞部材45400の側面に形成された雄ねじと、窪み部45060dの内側に形成された雌ねじとが螺合することにより、第1入賞部材45400は、窪み部45060dの内側に配設される。
よって、ベース板60からの第1入賞部材45400の脱落を抑制できる。また、ベース板60の正面(図409(b)右側の面)に第1入賞部材45400を取り付けることが不要となるため、遊技領域に段差が発生することを抑制でき、遊技領域を流下する遊技球が段差にあたり、遊技者が不利(又は有利)な方向へ遊技球が移動することを抑制できる。
また、上述したように、窪み部45060dの厚さ方向(図409(b)左右方向)の幅(寸法)は、第1入賞部材45400の本体部45410の厚さ方向(図409(b)左右方向)の幅(寸法)と略同一の寸法に形成されるため、第1入賞部材45400の本体部45410がベース板60の背面側(図409(b)左側)に突出することが抑制でき、ベース板60の厚さ方向(図409(b)左右方向)の幅(寸法)を小さくすることができる。
また、第1入賞部材45400をベース板60へ固定するための皿ネジが不要となり、製品コストを抑制できる。
また、第1入賞部材45400の本体部45410にネジを挿入するための貫通孔を配設する必要が無く、本体部45410の強度の低下を抑制できると共に、第1入賞部材45400の本体部45410を小さく配設することができる。
また、第1入賞部材45400の本体部45410の背面(図409(b)左側の面)に配設された突設部45420を回転させることで、第1入賞部材45400の側面に形成された雄ねじと窪み部45060dの内側に形成された雌ねじとの螺合が行え、作業工数が削減できる。
第1入賞部材45400のベース板60からの取り外しは、第1入賞部材42400及びベース板60に打ち込まれた遊技釘YKを、第1入賞部材45400のベース板60から取り外した状態において、第1入賞部材45400とベース板60との螺合を解除することで行われる。
ここで、第1入賞部材45400の本体部45410の背面(図409(b)左側の面)に配設された突設部45420を、固定する際とは反対方向に回転させることで、第1入賞部材45400の側面に形成された雄ねじと窪み部45060dの内側に形成された雌ねじとの螺合が解除され、作業工数が削減できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記第1実施形態では、球受部467を第3位置から第2位置または第1位置に退避させるには、駆動モータKM2の駆動に従う形態とされたが、第3位置から第2位置または第1位置に退避させる駆動を付勢ばねにより駆動させても良い。例えば、ラック466又は可動ラック464とベース部材470との間に付勢ばねを配設して、ラック466又は可動ラック464の変位に伴って弾性力が付与される形態とする。
この場合、球受部467が、第3位置まで変位され払出動作をした際に、駆動モータKM3の駆動をオフすることで、付勢ばねの付勢力により球受部467を第2位置または第1位置側へ変位させることができる。
よって、駆動モータKM2の駆動力を第3位置で切り換えるまでの間の時間を利用し、球受部467を変位させることができるので、球受部467の内側から遊技球を排出した際の排出動作の反作用による下変位部材440のぐらつきを抑えることができる。
即ち、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、排出された遊技球の分、下変位部材440の荷重が軽くなり、反作用で下変位部材440が上方に変位しやすいところ、球受部467を直ちに変位させることで、球受部467の回転変位による反作用でベース部材470を下方に変位させる力を作用させて、下変位部材440から球が排出された際の反作用を打ち消すことができる。
上記第1実施形態では、回転体800の回転を規制する係合突起882が回転体800の側面に所定の間隔を隔てて2つ形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転体800の側壁に所定の間隔を隔てて複数個連設してもよい。この場合、回転体800の回転の規制をどの位置においても可能とすることができ、蓋部材770が開放状態とされた際に回転体800が外力で回転することを規制することができる。
上記第1実施形態では、開口831が、回転体800の外周面に形成されて、遊技球が開口831から送球される場合を説明したが、開口831が回転体800の連通孔881bと反対側の側面に形成されてもよい。即ち、回転体800の軸方向の両側の側面に開口が形成され、一方を球の流入口とし、他方を球の排出口としてもよい。この場合、回転体800の内部に球の送球経路を形成できるので、特に遊技盤13の背面側に配置スペースがない場合に、役物(回転体800)を送球経路として利用することができるので、遊技盤13を大型化することなく送球経路を確保することができる。
上記第1実施形態では、回転体800は、外形が円柱状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、多角形状、楕円形状またはそれらを組み合わせて形状としてもよい。この場合、回転体800の形状を複雑化することができるので、回転体800の回転変位により演出が切り替わったことを遊技者に視認させやすくできる。
上記第8実施形態では、回転操作部8654の外周面が遊技者により操作可能に形成される場合を説明したが、回転操作部8654の外周面に押込み式のボタンを配設してもよい。この場合、遊技者は、回転操作部8654に回転力を付与する操作だけでなく、押しボタンを押す操作、又は、回転操作部8654の回転操作と押す操作とを組み合わせた操作をすることができる。その結果、回転操作部8654の操作形態を複数形成することができるので、遊技者に興趣を与えることができる。
上記第8実施形態では、伝達ギヤ8651と伝達ギヤ8652とが歯合した状態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達ギヤ8651と、伝達ギヤ8652との間に、過負荷がかかると駆動力の伝達を遮るトルクリミッタ等を介設してもよい。
この場合、遊技者が回転状態の回転操作部8654の回転を停止させた際に、駆動モータKM6からの回転の駆動力の伝達を遮り、回転操作部8654の回転が継続されることを抑制できる。その結果、回転操作部8654にA方向の回転と反対方向の回転が遊技者から入力された際に、回転操作ユニット8650が壊れることを抑制できる。
さらに、遊技者が回転操作部8654を操作した際に、遊技者の指や衣服が回転操作部8654の回転方向側の上皿8017との間に挟み込んだ際に、その回転を停止させて、遊技者の指や衣服が更に挟み込まれることを抑制できる。よって、遊技者が回転操作部8654と上皿8017との間に挟まれて怪我をすることを抑制できる。
上記第8実施形態では、回転操作部8654の回転方向をA方向としたが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転操作部8654の回転方向をパチンコ機10に対して左右方向としてもよい。この場合、その遊技機の演出に伴った動作を遊技者にさせることができ、演出効果を向上させることができる。例えば、左手で回転操作部8654を右方向に回転するように叩いて操作させることで、第3図柄表示装置81上に表示したキャラクター等を叩く(ビンタする)ような演出をすることができる。
上記第1実施形態では、固定部材320に基板ボックス100が配設されて、固定部材320を係合部材310と係合させることで、基板ボックス100が不正な基板に交換されることを抑制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、固定部材320に配設されることで、不正に取り外されることを抑制できる効果を奏するものであれば他の部材(例えば、第3図柄表示装置81や不正な電波または振動等の不正な入力を検出できる検出装置)であっても良い。
上記第1実施形態では、第1ユニット551に形成される第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jと、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dは、互いに対向する位置に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dを、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jに対して上流側に配置して、流下する遊技球を第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dに当接させた後に第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jに受け入れられるように形成してもよい。
上記第1実施形態では、装飾部材154は、その厚み寸法が本体部151の凹部151bの凹設深さよりも小さくされる場合について説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、装飾部材154を弾性変形可能な材料から形成すると共に、本体部151の凹部151bの凹設深さよりも厚く形成してもよい。この場合、一般入賞口ユニット150をベース板60に配設する際に圧縮して弾性変形させることで、本体部151をベース板60に当接した状態で配設することができる。
上記第1実施形態では、カム部材422が第2変位状態の位置に配置される際には、第1リンク部材431からカム部材422に作用される力PW1及びPW2が互いに打ち消し合う方向に作用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、カム部材422の端部と板状突起431bとが当接する点からカム部材422に入力される力の方向が、その当接点から軸部422aの軸心に向かう方向に設定しても良い。これによれば、軸部422aを軸に回転する方向の力がカム部材422に作用することを抑制できる。
上記第1実施形態では、基板ボックス100の他端側が、ネジにより背面ケース300の背面側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基板ボックス100の他端側が背面ケース300に係合されると取り外し不能とされる封印具により固定されていても良い。詳しく説明すると、背面ケース300の背面側の複数箇所に凹設される挿入部に、背面ケース300の他端側の複数箇所に形成される開口を挿通した円柱状の封印具を挿入して、挿入部と封印具とを係合させることで、基板ボックス100を背面ケース300の背面側に回転(動作)不能な状態で配設する。
なお、基板ボックス100を取り外す場合には、挿入部と封印具との係合部分を切断することで、背面ケース300から基板ボックス100の他端側を取り外すことができる。また、再度、基板ボックス100の他端側を背面ケース300に配設する場合には、新しい封印具を、基板ボックス100の未使用の開口に挿通させて、背面ケース300の未使用の挿入部に係合させることで基板ボックス100の他端側を背面ケース300に配設することができる。
上記第1実施形態では、正面視における装飾部材154の外形が、第2開口部60bの開口形状よりも大きく形成され、装飾部材154の端部がベース板60の装飾部材60cと前後方向に重なる状態で配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視における装飾部材154の外形が、第2開口部60bの開口形状と略同一に設定されてもよい。
この場合、一般入賞口ユニット150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを同一の材料から形成することで、装飾部材154と装飾部材60cとを一枚からなるシートで形成し、そのシートから装飾部材154を切断することで、装飾部材154と装飾部材60cとを形成することができる。従って、装飾部材154を別工程で形成する必要がなくなるので、装飾部材154を形成する際の歩留まりを向上できる。
なお、正面視における装飾部材154の外形を第2開口部60bの開口形状と略同一に形成する場合には、装飾部材154を第2開口部60bの内側に配設して、装飾部材154と装飾部材60cとの正面を同一の平面上に配置することが好ましい。この場合、装飾部材154と装飾部材60cとの装飾面が正面視における前後方向に一致するので、装飾部材154と装飾部材60cとの装飾を1の装飾として遊技者に認識させることができる。
上記第1実施形態では、第1ユニット551の遊技球の送球経路の正面側(矢印F方向側)の内面に背面側(矢印B側方向側)に向かって突設される第1凹部571h、第2凸部571I、第3凸部571kが形成され、第1ユニット511の遊技球の送球経路の背面側の内面に背面側に向かって凹設される第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jを備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第1凹部571h、第2凹部571I及び第3凹部571jと第1凹部571h、第2凸部571I及び第3凸部571kとを正面視における前後方向で反対側の内面に形成にしても良い。
また、第2凹部571Iと対向する位置の正面側の内面に正面画に向かって凹設される凹部が形成されても良い。この場合、湾曲経路WK1の送球空間に凹部が凹設される分、送球空間を大きくすることができる。従って、湾曲経路WK1で遊技球の流下が遅くなりすぎることを抑制できる。その結果、湾曲経路WK1で遊技球が留まることを抑制できる。
上記第9実施形態では、傾斜面9431b1が、カム部材422に向かうに従って正面側に突出する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜面9431b1が、カム部材422に向かうに従って正面側への突出量が小さくされる傾斜として形成されていても良い。
この場合、下変位ユニット400が第2変位状態とされてカム部材422の端部が板状突起9531aに当接した際に、カム部材422を正面ベース411の湾曲壁部411eに押し付けることができる。その結果、カム部材422が前後方向に揺れ動くことを抑制でき、下変位部材440を第2変位状態の位置で維持しやすくできる。
上記第11実施形態では、発光体11491aが、球受部467に受け入れられる遊技球の中心よりも高い(矢印U方向)位置に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、球受部467に受け入れられる遊技球の中心と略同一の高さに発光体11491aが配設されていても良い。この場合、透過部11451bの高さ位置が、球受部467に受け入れられる遊技球の中心から中心よりも上方側に亘って形成されることが好ましい。
これによれば、発光体11491aから出射された光の一部を遊技球により遮断した場合に、透過部11451bに形成される遊技球の影を、遊技球の上方側半球により半円形状に形成できる。これより、透過部11451bに形成される影に遊技球の丸みを形成できるので、遊技者に球受部467に受入られた遊技球の位置を認識させやすくすることができる。
上記第12,第39実施形態では、第3片12467e,39467eの変位を遊技球の荷重により行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球受部12467,39467に遊技球を送球する送球経路に遊技球が通過したことを検知するセンサを取り付けて、そのセンサにより遊技球が検出されたことに起因して第3片12467e,39467eを単独で変位させても良い。これによれば、第2片12467d,39467dを遊技球の荷重により変位させる必要がなくなるので球受部12467,39467の変位の信頼性を向上できる。なお、この場合、第3片12467e,39467eを単独で変位させる駆動装置が球受部12467,39467に配設される。
上記第12,第39実施形態では、第3片12467e,39467eが回転変位する際の回転軸を第1片12467c,39467cに形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3片12467e,39467eの軸部12467e3,39467e3をラック466に形成される開口に挿入して、第3片12467e,39467eをラック466に対して回転変位させても良い。この場合、回転軸と第2片12467d,39467dとの連結部分との距離を大きくしやすくできるので、第2片12467d,39467dの変位量に対する第3片12467e,39467eの変位量を大きくしやすくできる。その結果、第3片12467eの遮蔽板12467e1を発光体11491aの正面側に配置しやすくできる。なお、この場合、ラック466に形成される開口は、軸部12467e3,39467e3が摺動可能な長穴に形成される。
上記第13実施形態では、第2経路部材13570を第1経路部材13560に対して前後方向に移動させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第1経路部材13560を第2経路部材13570に対して、前後方向に移動させても良い。この場合、第2経路部材13570とベース板60(遊技盤13)の正面との相対的な位置関係により第1部材と第2部材との対向間の間隔が遊技者に把握されることを抑制できる。その結果、遊技機の稼動率を向上させることができる。
上記第1、第10、第25実施形態では、装飾部材154,10154,25154が、接着テープ154a,10154a,25154aにより貼付される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、液状体からなる接着剤を用いても良い。
上記第13、第32、第33、第34、第35実施形態では、正面側に配設される第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560が非光透過性材料から形成されて第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間が遊技者から認識されにくくされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560に遊技球の直径よりも小さい幅のスリット状に開口される開口部を形成して第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間を流下する遊技球を開口部を介して遊技者に視認させてもよい。なお、この場合、スリット状に形成される複数の開口部は、隣の開口部までの距離が遊技球の直径よりも小さく設定される。
これにより、第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間を流下する遊技球を開口部を介して遊技者に認識させることができる。
また、第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560に遊技球の直径よりも小さい円形に開口される開口部を形成して第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間を流下する遊技球を開口部を介して遊技者に視認させてもよい。この場合、複数の開口部同士の隣り合う幅寸法が遊技球の直径よりも小さく形成される。従って、開口部がスリット状に形成される場合に比べて開口部の開口を小さくすることができるので、開口部を介して第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間の間隔が遊技者に認識されることを抑制できる。
上記第18実施形態では、係合部材18310が係合される部分(被係合部18332)を固定部材18320に形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係合部材18310が係合される被係合部18332を、固定部材18320にカシメ固定される基板ボックス100に形成してもよい。
この場合、基板ボックス100が背面ケース18300に配設されていない状態では、係合部材18310を背面ケース18300の内側に配置することができず、係合部材18310を自重により背面ケース18300の外側に突出した状態とすることができる。
その結果、基板ボックス100が背面ケース18300に取り付け忘れた場合には、遊技盤18013が外枠11に配設される際に、係合部材18310を外枠11に引っ掛ける(図164(b)参照)ことで、作業者に基板ボックス100の取り付け忘れを気付かせることができる。
上記第21実施形態では、背面ケース300の底壁部301の正面側(矢印F方向側)に配設される回転ユニット21700の挿入部21724bが係合部材310の凹部317の内側に挿入されて係合部材310と固定部材320との係合が不正に解除されることを防止する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係合部材310の凹部317の内側に挿入される挿入部21724bを固定部材320に配設される基板ボックス100に形成してもよい。
なお、この場合、挿入部21724bは、固定部材320に穿設される開口を介して底壁部301の正面側に配設される。さらに、挿入部21724bは、固定部材320にカシメ固定する軸が挿入される部分に形成される。これにより、基板ボックス100の軸受部117が切断されて背面ケース21300から不正に取り外された場合に、挿入部21724bを係合部材310の凹部317の内側に取り残すことができる。その結果、背面ケース21300から固定部材320を取り外すことを困難とすることができる。
従って、固定部材320を交換する場合には、基板ボックス100と固定部材320とのかしめ部分を正しく(かしめ部分を切断する)必要がある。これにより、固定部材320を背面ケース21300から不正に取り外すことを困難とすることができるので、固定部材320が取り外されて不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
上記第42実施形態では、立設部材42060fに、光を照射する発光基板を配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ベース板42060に配設される駆動部材を制御する制御基板や、遊技球を送球する通路として形成しても良い。
上記第43実施形態では、係合部材18310が係合する被係合部43101を基板ボックス43100の軸受部117側に形成して、軸受部117側と反対側の他側をネジにより背面ケースに配設する場合について説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係合部材18310を基板ボックス43100の他側の正面側(第43実施形態と左右方向(矢印L−R方向において反対側)に配置すると共に、被係合部43101を基板ボックス43100の軸受部117側と反対側の他側に形成して。ネジによる背面ケース43300と基板ボックス43100との締結をなくしてもよい。
これによれば、基板ボックス43100の軸受部117側の一側を背面ケース43300の突壁43301c1と固定部材43320の係止部331とで係合することができると共に、基板ボックス43100の軸受部117側と反対側の他側を係合部材18310と基板ボックス43100とで係合させることができる。従って、基板ボックス43100の軸受部117側の一側と反対側の他側を締結する必要がなくなるので、その分、作業工程を少なくできる。
上記第45実施形態では、係合部材18310を固定部材320と基板ボックス45100との両者に係合させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。たとえば、係合部材18310を背面ケース45300の底壁部45301の正面の2箇所に配設して、それぞれの係合部材18310を固定部材320と基板ボックス45100とに係合させてもよい。
上記第45実施形態では、係合部材18310の第1片18311を固定部材320及び基板ボックス45100の被係合部332,45101に形成される開口に挿入する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係合部材に18310に被係合部332の開口に挿入される部分と、被係合部45101の開口に挿入される部分とを別々に形成してもよい。
これによれば、固定部材320及び基板ボックス45100に係合する係合部材18310を1部材から形成できると共に、固定部材320と基板ボックス45100との係合位置に自由度を持たせることができる。即ち、固定部材320の被係合部332と基板ボックス45100の被係合部45101との配置を近づける必要がなくなり、固定部材320と基板ボックス45100との設計の自由度を向上することができる。
上記各実施形態では、ベース板60に着脱自在に配設される対象が入賞口ユニット300等である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部材や装置であっても良い。他の部材や装置としては、例えば、可動役物、アタッカー、センターフレームなどが例示される。同様に、第1入賞部材2400等には、遊技釘YKが植設される場合や遊技球が通過可能な通路が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。遊技釘YKまたは通路の一方または両方が省略されていても良く、他の部材や装置が配設されていても良い。他の部材や装置としては、風車やセンサ装置などが例示される。
上記各実施形態では、ベース板60(第1遊技盤構成部材)が光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、塗装やシールの貼着により、ベース板60を光を透過しない形態に形成しても良い。また、別の材料からベース板60を形成しても良い。別の材料としては、木材(例えば、ベニヤ板に代表される合板)が例示される。なお、ベース板60が木材からなる場合には、締結強度の確保が困難であり、特に、複数回の締結には不向きである。そのため、上記各実施形態における構成が特に有効となる。第1入賞部材2400等(第2遊技盤構成部材)の材料についも同様である。
上記第62実施形態では、第1入賞部材3400を締結する皿ネジN2の頭部が遊技者側から視認可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上記第63実施形態の第2入賞部材4500の覆設部4511を本体部3510に形成して、皿ネジN2の頭部が遊技者から視認し難くされていても良い。
上記第65実施形態では、ベース板60の前面側(凹設部2060cの周囲)に窪み部6060dが凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、窪み部6060dの凹設を省略しても良い。即ち、凹設部2060cの下面に締結孔6060d4を形成する面が形成されていれば良い。これにより、窪み部6060dの形成を省略できる分、ベース板60の加工コストを低減でき、製品コストの削減を図ることができる。同時に、第1入賞部材6400の外形も単純化できるので(第65実施形態では本体部6410と膨出部2420の正面視における外形が同一となる直方体形状)、この点からも製品コストの削減を図ることができる。
上記第66実施形態では、貫通孔7060eの断面形状を円形に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円形、楕円形、多角形、これらを組み合わせたものでもよい。また、貫通孔7060eは、少なくとも皿ネジN2が挿通可能に形成されれば足り、周面の一部が開放されていても良い。開放部分は、皿ネジN2の挿通方向に沿って連続していても良く、挿通方向の一部のみであってもよい。
上記第66実施形態では、拡径部7060e1は、その凹設寸法が円環突起7414の突設寸法よりも小さく形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、拡径部7060e1の凹設寸法が円環突起7414の突設寸法よりも大きく形成されても良い。この場合、第1入賞部材7400が、ベース板60に対して締結固定された状態では、第1入賞部材7400の前面とベース板60の背面とが当接された状態を形成できる。即ち、円環突起7414の突設先端と拡径部7060e1の凹設底面との間に隙間が形成された状態を形成できる。よって、当接面積を確保して、第1入賞部材7400をベース板60に対して強固に固定することができる。
上記第66実施形態では、ベース板60の中央開口(窓部)にセンターフレーム86が配設される場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86の取り付けを省略して遊技盤13を構成してもよい。この場合、第1入賞部材7400は、皿ネジN2を取り外した状態では、ベース板60の前面(遊技面)に平行な方向に沿ってスライド変位されることで、ベース板60の中央開口側へ抜き取り可能に形成されるので、第1入賞部材7400の背面側に他の部材や装置が配設されている場合でも、他の部材や装置(例えば、遊技球を送球する通路を形成する部材)を取り外すことなく、第1入賞部材7400を交換することができる。よって、交換作業の作業性を向上できる。
言い変えると、交換作業のためのスペースを第1入賞部材7400の背面側に確保することを不要とでき、その分、かかる第1入賞部材7400の背面側のスペースを、他の部材や装置(例えば、遊技球を送球する通路を形成する部材)を配設するためのスペースとして利用することができる。
上記第70実施形態では、ネジN3が挿通される挿通孔11418が第1入賞部材11400に形成されると共に、ネジN3が螺合される締結孔6060d4がベース板60に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ネジN3が挿通される挿通孔がベース板60に形成されると共に、ネジN3が螺合される締結孔が第1入賞部材11400に形成されていてもよい。
上記第72実施形態では、背面部材13700は、ベース板60の背面側に配設される場合を説明したが、背面部材13700は、ベース板60に弾性的に係合されてもよい。背面部材13700をベース板60の中央開口の下縁側の内側面に載置された状態に維持しやすくできるからである。なお、弾性的に係合された状態とは、例えば、ベース板60または背面部材13700の一方に弾性変形可能に形成される弾性爪が他方に係合される形態、一方に弾性変形可能に対向配置される一対の対向辺の間に他方が挟持される形態などが例示される。
上記第73実施形態では、通路部材14800の突設部14812と第1入賞部材14400の凹設部14423aとが係合するのみの場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部14812に第1入賞部材14400をベース板60に締結固定する雌ねじを形成しても良い。
この場合、皿ネジN2が螺合される雌ねじが通路部材14800に形成されるので、通路部材14800が配設されていることを、第1入賞部材14400をベース板60に締結固定するための要件とすることができる。よって、第1入賞部材14400を交換する際に、作業者が通路部材14800を付け忘れることを抑制できる。
なお、通路部材14800が突設部14812を備える場合には、かかる突設部14812に雌ねじを形成する形態が好ましい。突設部14812が不正に除去または使用により破損されている場合に、第1入賞部材14400をベース板60に締結固定することを不能とできるので、不正を抑制できると共に、破損を認識させることができるからである。
上記第73実施形態では、通路部材14800の突設部14812を第1入賞部材14400の凹設部14423aに挿入して係合する場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞部材14400の凹設部14423aに弾性変形可能に構成される鉤状部を形成して、ベース板60への第1入賞部材14400の取り付けに伴い、鉤状部を介してベース板と第1入賞部材14400とが間接に係合され、第1入賞部材14400の取り外し方向への移動が規制されるので、第1入賞部材14400の脱落を防止するための工程を別途行う必要がないので、第1入賞部材14400の交換作業を簡素化できると共に、第1入賞部材14400の脱落を防止するための工程を実施し忘れることを抑制できる。
上記第78実施形態では、第1入賞部材2400の取り外しを許容する第2入賞部材19500の許容位置が規制位置よりも、重力方向下側に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第1入賞部材2400の取り外しを許容する第2入賞部材19500の許容位置が規制位置よりも、重力方向上方に設定されても良い。
この場合、第2入賞部材19500をその自重により規制位置に配置させることができる。即ち、第1入賞部材2400の交換が完了した際には、第2入賞部材19500を作業者が規制位置へ変位させる必要がない。よって、第2入賞部材19500が許容位置に配置されたままの状態とされる(即ち、規制位置へ戻し忘れる)ことを抑制できる。
上記第80実施形態では、弾性部材21510を第1入賞部材2400の左右方向中心位置に対して対称に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、弾性部材21510が第1入賞部材2400の一側に偏倚して配設されていてもよい。
この場合、弾性部材21510の弾性回復力を利用して、ベース板60から第1入賞b部材2400を突出される際には、第1入賞部材2400をその他側を支点として回転させる態様とできる。よって、両者の間の段差(第1入賞部材2400の一側の突出量)をより大きくすることができる。その結果、作業者が段差を直接または間接に握持しやすくでき、ベース板60から第1入賞部材2400を取り外しやすくすることができる。
上記第84実施形態では、締結部材25470は、直線状に形成される場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、締結部材25470の第1入賞部材25400の背面に対面される側の面であって、2箇所の締結孔25471の間の領域における面が、第1入賞部材25400の背面に向けて凸の円弧状に湾曲されてもよい。
この場合、2箇所の締結孔25471への皿ネジN2の螺合に伴って、締結部材25470が第1入賞部材25400へ押し付けられ、かかる締結部材25470を第1入賞部材25400の配面に密着させやすくできる。よって、締結部材25470による第1入賞部材25400の支持剛性を高めることができる。その結果、第1入賞部材25400の前面に遊技釘YKを植設する際に、第1入賞部材25400にわれ等の損傷が生じることを抑制できる。
上記第85実施形態では、皿ネジN2が挿通される貫通孔26413が、当接面26414以外の箇所に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、皿ネジN2が挿通される貫通孔26413が、第1入賞部材26413の当接面に形成されると共に、第1入賞部材26400の貫通孔26413に挿通された皿ネジN2が螺合される締結孔26060d4が、ベース板60の傾斜面26060c1に形成されても良い。
この場合、第1入賞部材26400とベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、皿ネジN2の軸力を確保できるので、ベース板60への第1入賞部材26400を強固に締結固定できる。
上記第85実施形態では、遊技釘YKの植設方向の延長線上と異なる位置に当接面26060c1が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技釘YKの植設方向の延長線上に当接面26060c1及び傾斜面26060c1が形成されていてもよい。
この場合、遊技釘YKの植設に伴う押圧力を当接面26060c1及び傾斜面26060c1へ直接作用させることができる。これにより、第1入賞部材26400の曲げ変形を抑制して、割れなどの破損が生じることを抑制できる。
上記第86実施形態、第88実施形態から第94実施形態及び第98実施形態では、凹部27060d10は、窪み部27060d等に、正面視において円形に凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視において、円形、楕円形、多角形、これらを組み合わせた形状でも良い。また、遊技釘YKを打ち込む方向視において円形、楕円形、多角形、これらを組み合わせた形状でも良い。これにより、凹部27060d10の形状の自由度を確保することができる。
上記第86実施形態、第88実施形態から第94実施形態及び第98実施形態では、凹部27060d10には、凹部27060d10と略同形状の弾性部材G1が挿入される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、弾性部材G1の形状(外径)よりも凹部27060d10の形状(内径)が大きくても良い。
この場合、非圧縮性部材である弾性部材G1の形状(外径)は、打ち込まれた遊技釘YKの直径の分、凹部27060d10内において形状が大きく(拡径)されることで、弾性部材G1の外周面を凹部27060d10の内周面に密着させる寸法であることが好ましい。弾性部材G1の粘弾性特性をより有効に活用できるからである。
上記第86実施形態、第88実施形態から第94実施形態及び第98実施形態では、凹部27060d10の底面(図315(c)左側の面)は、一様な面に形成される必要はない。よって、例えば、凹部27060d10をドリル加工により形成し、凹部27060d10の底面をドリルの先端形状のままにしておいても良い。これにより、製造コストを抑制できる。
上記第86実施形態、第88実施形態から第94実施形態及び第98実施形態では、凹部27060d10には弾性部材G1が挿入される場合を示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹部27060d10の内部に別部材が挿入されなくてもよく、製造コストを抑制できる。この場合においても、ベース板60に遊技釘YKは打ち込まれず、ベース板60の損傷を抑制できる。
上記第86実施形態、第88実施形態から第94実施形態及び第98実施形態では、凹部27060d10の直径は、遊技釘YKの直径の2倍程度の大きさに配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。凹部27060d10の直径は、遊技釘YKの直径の1.5倍以上かつ4倍以下の範囲に設定されることが好ましく、2倍以上かつ3倍以下の範囲に設定されることが更に好ましい。凹部27060d10の直径を所定値以下とすることで、ベース板60の剛性を確保しつつ、凹部27060d10の直径を所定値以上とすることで、遊技釘YKの打ち込み角度がずれた場合や、打ち込み位置の位置ずれが発生した場合において、ベース板60に遊技釘YKが打ち込まれることを抑制できる。
上記第86実施形態では、窪み部27060d(ベース板60)に第1入賞部材27400を取り付けた後であって、第2入賞部材3500がベース板60に取り付けられる前の状態において第1入賞部材27400に遊技釘YKが打ち込まれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、窪み部27060d(ベース板60)に第1入賞部材27400を取り付けるよりも前の工程において、第1入賞部材27400の本体部27410に遊技釘YKを打ち込んでも良い。この場合、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材27400を交換する事態において、交換に要する作業時間を短縮できる。詳しく説明すると、あらかじめ正常な遊技釘YKが打ち込まれた第1入賞部材27400を用意しておくことで、交換の際、第1入賞部材27400に遊技釘YKを打ち込む作業を不要とすることができる。
また、上記第86実施形態では、遊技釘YKが打ち込まれる前の第1入賞部材27400の本体部27410には、遊技釘YKが打ち込まれる位置(図314参照)に貫通孔27410aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞部材27400の本体部27410に貫通孔27410aが形成されなくても良い。この場合、製造コストを抑制できる。
上記第87実施形態から第100実施形態では、遊技釘YKが打ち込まれている第1入賞部材28400〜40400について説明したが、遊技釘YKが打ち込まれる前の第1入賞部材28400〜40400の本体部28410〜40410は、遊技釘YKが打ち込まれる位置に、遊技釘YKの軸部の外径と同等又はやや小さく形成される貫通孔(下孔)を配設しても良い。この場合、遊技釘YKと貫通孔の接触抵抗を減らすと共に、遊技釘YKを打ち込む際の衝撃により、第1入賞部材28400〜40400の本体部28410〜40410が破損することを抑制できる。また、遊技釘YKの打ち込み位置の目印とすることができ、作業時間の短縮を図ることができる。
上記第87実施形態から第94実施形態及び第100実施形態では、遊技盤13の製造方法についての説明を省略したが、第86実施形態における遊技盤13の製造方法と同様、遊技釘YKが打ち込まれる前の第1入賞部材28400〜35400が窪み部28060d(ベース板60)に取り付けられた後、第1入賞部材28400〜45400の本体部28410〜45410に遊技釘YKが打ち込まれる。その後、第2入賞部材3500がベース板60に取り付けられる。この場合、第86実施形態における遊技盤13の製造方法と同様の効果が得られる。
但し、上記第87実施形態から第94実施形態及び第100実施形態では、窪み部28060d〜41060d(ベース板60)に第1入賞部材28400〜35400を取り付けるよりも前の工程において、第1入賞部材28400〜35400の本体部28410〜45410に遊技釘YKを打ち込んでおいても良い。この場合、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材28400等を交換する事態において、交換に要する作業時間を短縮できる。詳しく説明すると、あらかじめ正常な遊技釘YKが打ち込まれた第1入賞部材28400〜35400を用意しておくことで、交換の際、第1入賞部材28400〜35400に遊技釘YKを打ち込む作業を不要とすることができる。
上記第87実施形態では、窪み部28060dに形成された第1凹部28060d10の上面視における形状の一部が半円形に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円形、楕円形、多角形、これらを組み合わせた形状でも良い。これにより、第1凹部28060d10の形状の自由度を確保することができる。
上記第88実施形態では、凹部29060d10は、窪み部29060dに、遊技釘YKを打ち込む方向視(窪み部29060dの底面(凹部29060d10が凹設される面)の正面視)において円形に凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技釘YKを打ち込む方向視において円形、楕円形、多角形、これらを組み合わせた形状でも良い。また、正面視円形、楕円形、多角形、これらを組み合わせた形状でも良い。これにより、凹部29060d10の形状の自由度を確保することができる。
上記第89実施形態では、窪み部30060dの上面30060d13の底面(図332(c)左側の面)における位置は、凹部27060d10の配設位置よりも上下方向(図332(c)上下方向)上側に形成され、窪み部30060dの下面30060d14の底面(図332(c)左側の面)における位置は、凹部27060d10の配設位置よりも上下方向(図332(c)上下方向)下側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。窪み部30060dの上面30060d13、及び下面30060d14に遊技釘YKが打ち込まれなければ良く、その限りにおいては、窪み部30060dの上面30060d13の底面(図332(c)左側の面)における位置は、正面視、凹部27060d10の中心よりも上下方向(図332(c)上下方向)上側に形成され、窪み部30060dの下面30060d14の底面(図332(c)左側の面)における位置は、正面視、凹部27060d10の中心よりも上下方向(図332(c)上下方向)下側に形成されても良い。
また、窪み部30060dの上面30060d13、及び下面30060d14は、同一の傾斜角に形成される必要はなく、上面30060d13、及び下面30060d14がそれぞれ異なった傾斜角に形成されても良い。これにより、窪み部30060d、及び第1入賞部材30400の本体部30410の形状の自由度を確保することができる。
上記第90実施形態では、貫通孔31413は、本体部31410のテーパー面31410aに対して鉛直方向に形成された場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部31410の上面に対して鉛直方向に形成しても良い。これにより、第1入賞部材31400の組み付け作業性が向上する。
上記第91実施形態では、第1入賞部材32400の張出部32420は、本体部32410の側面(図341(b)左右側の面)の上下方向(図341(b)上下方向)中央に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部32410の側面(図341(b)左右側の面)の中央よりも上側(図341(b)上側)、又は本体部32410の側面(図341(b)左右側の面)の中央よりも下側(図341(b)下側)に配設されても良く、また、左右の張出部32420が、上下方向(図341(b)上下方向)においてそれぞれ異なった位置に配設されても良い。
また、貫通孔3413の中心は、張出部32420の中心と一致する位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貫通孔3413を本体部32410に配設しても良い。この場合には、窪み部32060d、及び第1入賞部材32400の形状の自由度を確保することができると共に、張出部32420の凹欠を抑制して、その剛性を確保できる。
上記第92実施形態では、貫通孔3413の中心は、第1入賞部材33400の張出部32420の中心と一致する位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貫通孔3413を本体部32410に配設しても良い。この場合には、窪み部33060d、及び第1入賞部材33400の形状の自由度を確保することができると共に、張出部32420の凹欠を抑制して、その剛性を確保できる。
上記第95実施形態では、遊技釘YKを打ち込む方向視における遊技釘通し孔36060d20の内径が、遊技釘YKの頭部の外径よりも大きく配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技釘YKを打ち込む方向視において遊技釘通し孔36060d20の内径は、遊技釘YKが打ち込まれる前の状態において、遊技釘YKの軸部の外径と同等又はやや小さく形成されても良い。なお、この形態は、まず、ベース板60に本体部36410を皿ネジN9により締結固定し、次いで、遊技釘通し孔36060d20を挿通させつつ遊技釘YKを本体部36410に打ち込むことで製造される。
この形態によれば、遊技領域を流下する遊技球の遊技釘YKへの衝突により、ベース板60と第1入賞部材36400の締結固定が緩み、第1入賞部材36400が移動可能になった状態においても、遊技釘YKの軸部の外周面が、遊技釘通し孔36060d20の内周面と当接している(又は当接可能な状態とされている)ため、第1入賞部材36400が背面側へ移動することを抑制できる。また、遊技球の遊技釘YKへの衝突(遊技釘YKの振動)に伴い、遊技釘通し孔36060d20の内径が拡径したとしても、その拡径後の内径が遊技釘YKの頭部の外径を越えない範囲であれば、遊技釘YKの頭部が遊技釘通し孔36060d20を通過できないことを利用して、第1入賞部材36400の背面側への脱落を回避できる。
上記第96実施形態から第99実施形態では、遊技盤13の製造方法についての説明を省略したが、第95実施形態における遊技盤13の製造方法と同様、遊技釘YKが打ち込まれる前の第1入賞部材37400〜40400が窪み部37060d(ベース板60)に取り付けられた後、第1入賞部材37400〜40400の本体部37410〜40410に遊技釘YKが打ち込まれる。その後、第2入賞部材3500がベース板60に取り付けられる。この場合、第95実施形態における遊技盤13の製造方法と同様の効果が得られる。
但し、上記第96実施形態、第97実施形態及び第99実施形態において、窪み部37060d〜40060d(ベース板60)に第1入賞部材37400〜40400を取り付けるよりも前の工程において、第1入賞部材37400〜40400の本体部37410〜40410に遊技釘YKを打ち込んでおいても良い。この場合、遊技釘YKが折れたり、曲がったりすることにより第1入賞部材37400等を交換する事態において、交換に要する作業時間を短縮できる。詳しく説明すると、あらかじめ正常な遊技釘YKが打ち込まれた第1入賞部材37400等を用意しておくことで、交換の際、第1入賞部材37400等に遊技釘YKを打ち込む作業を不要とすることができる。
上記第101実施形態から第104実施形態では、第1入賞部材42400〜45400の本体部42410〜45410の遊技釘YKが打ち込まれる位置に、遊技釘YKの軸部の外径と同等又はやや小さく形成される貫通孔(下孔)を配設しても良い。同様に、窪み部42060d〜43060d、弾性部材G2又はベース板60の遊技釘YKが打ち込まれる位置に、遊技釘YKの軸部の外径と同等又はやや小さく形成される貫通孔(下孔)を配設しても良い。また、第1入賞部材42400〜45400の本体部42410〜45410と窪み部42060d〜43060d、弾性部材G2又はベース板60との両部材に遊技釘YKの軸部の外径と同等又はやや小さく形成される貫通孔(下孔)を配設しても良い。
第1入賞部材42400〜45400の本体部42410〜45410の遊技釘YKが打ち込まれる位置に、遊技釘YKの軸部の外径と同等又はやや小さい貫通孔(下孔)が配設される場合、遊技釘YKと貫通孔の接触抵抗を減らすと共に、遊技釘YKを打ち込む際の衝撃により、第1入賞部材42400の本体部42410等が破損することを抑制できる。また、第1入賞部材42400〜44400については、本体部42410〜44410の貫通孔(下孔)を、遊技釘YKの打ち込み位置の目印とすることができ、作業時間の短縮を図ることができる。
窪み部42060d〜43060d、弾性部材G2又はベース板60の遊技釘YKが打ち込まれる位置に、遊技釘YKの軸部の外径と同等又はやや小さい貫通孔(下孔)が配設される場合、遊技釘YKと貫通孔の接触抵抗を減らすと共に、遊技釘YKを打ち込む際の衝撃により、厚さ方向の幅(寸法)が小さい部分(ベース板60の窪み部42060d等が形成される部分、例えば、対面部42060l)が破損することを抑制できる。また、第1入賞部材42400〜44400の本体部42410〜44410に打ち込まれた遊技釘YKが、窪み部42060d〜43060dに到達して打ち込まれる際、打ち込み抵抗が変化(減少)する。よって、この打ち込み抵抗の変化により作業者(又は遊技釘YKの打ち込み機)に窪み部42060d等に遊技釘YKが打ち込まれたことを認識させることができる。これにより、厚さ方向の幅(寸法)が小さい窪み部42060d等への遊技釘YKの打ち込み量が多くなり、遊技釘YKの先端がベース板60の背面から突出することが抑制できる。
第1入賞部材42400〜45400の本体部42410〜45410と窪み部42060d〜43060d、弾性部材G2又はベース板60との両部材に、遊技釘YKの軸部の外径と同等又はやや小さい貫通孔(下孔)が配設される場合、遊技釘YKと貫通孔の接触抵抗を減らすと共に、遊技釘YKを打ち込む際の衝撃により、第1入賞部材42400の本体部42410等又は厚さ方向の幅(寸法)が小さい窪み部42060d等が破損することを抑制できる。また、遊技釘YKの打ち込み位置の目印とすることができ、作業時間の短縮を図ることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
基準位置から第1方向へ変位可能に形成され前記第1方向への変位に伴って遊技球を移動可能に形成される変位部材と、その変位部材の軌道領域外から変位部材の軌道領域へ遊技球が送球されることを規制する規制手段とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記第1方向と反対方向となる第2方向へ前記基準位置から変位可能に形成されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、基準位置から第1方向へ変位可能に形成され第1方向への変位に伴って遊技球を移動可能に形成される変位部材と、その変位部材の軌道領域外から変位部材の軌道領域へ遊技球が送球されることを規制する規制手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2010−166997号)。この遊技機によれば、規制手段の規制により、規定数以上の遊技球が変位部材の軌道領域へ送球されることを抑制できる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、固着や摩耗などに起因して、規制手段に動作不良が生じると、規定数以上の遊技球が変位部材の軌道領域へ向けて送球される恐れがあり、この場合、規定数を越えた分の遊技球により不具合を生じる恐れがあるという問題点があった。即ち、例えば、規定数を越えた分の遊技球が、変位部材の駆動機構に入り込み、可動部分に噛み込まれることで、破損を招く恐れがあった。或いは、規定数を越えた分の遊技球が遊技領域外(例えば、遊技盤の背面側)へ流出する恐れがあった。
これに対し、遊技機A1によれば、変位部材が、第1方向と反対方向となる第2方向へ基準位置から変位可能に形成されるので、その分、変位部材の軌道領域を拡大できる。よって、例えば、規制手段に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、変位部材の軌道領域が拡大されている分、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域に受け入れることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を、変位部材の第1方向への変位に伴って移動させることができる。よって、規定数を越えた分の遊技球が、変位部材の駆動機構部分に入り込むことや、遊技領域外へ流出することを抑制でき、その結果、規定数を越えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
遊技機A1において、遊技球が通過可能な通路として形成され下流が前記変位部材の軌道領域に連通される通路部材を備え、前記規制手段は、前記通路部材における遊技球の通過を規制することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通路として形成され下流が変位部材の軌道領域に連通される通路部材を備え、規制手段は、通路部材における遊技球の通過を規制するので、例えば、規制手段に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、規定数を超える分の遊技球を、通路部材を介して、変位部材の軌道領域へ確実に送球させることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
遊技機A2において、前記変位部材は、前記基準位置において前記通路部材から送球された規定数の遊技球を受け取って保持可能に形成されると共に、前記基準位置から第2方向へ少なくとも遊技球の直径を越える距離だけ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、変位部材は、基準位置において通路部材から送球された規定数の遊技球を受け取って保持可能に形成されると共に、基準位置から第2方向へ少なくとも遊技球の直径を越える距離だけ変位可能に形成されるので、基準位置において規定数の遊技球を受け取った後、変位部材を基準位置から第2方向へ変位させることで、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域(変位部材よりも第1方向側の領域)に送球させることができる。よって、規定数を越えた分の遊技球を、変位部材の第1方向への変位に伴って移動させることができる。
この場合、規定数の遊技球を変位部材が保持し、規定数を越える分の遊技球を軌道領域に送球できるので、これら規定数の遊技球と、規定数を越える分の遊技球とを分離することができる。よって、例えば、変位部材を第1方向へ変位させることで、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出する動作が可能となる。
遊技機A3において、前記変位部材は、前記第1方向へ変位され所定位置に達すると姿勢が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、変位部材は、第1方向へ変位され所定位置に達すると姿勢が変化可能に形成されるので、所定位置までは、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しやすくして、変位部材からの遊技球の脱落を抑制できる一方、所定位置に達した際には、変位部材の姿勢の変化を利用して、遊技球を変位部材から排出しやすくできる。
遊技機A4において、前記変位部材が前記基準位置から前記第1方向へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部を備え、前記変位部材は、前記第1方向へ変位する際に前記凹部に係合される突部を備えると共に前記突部が前記凹部に係合されることで姿勢が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、変位部材が基準位置から第1方向へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部を備え、変位部材は、第1方向へ変位する際に凹部に係合される突部を備えると共に突部が凹部に係合されることで姿勢が変化可能に形成されるので、変位部材の姿勢を変化させるための構造を簡素化できる。
遊技機A5において、前記突部は、前記変位部材から前記第1方向へ向けて突設されると共に、その突設先端が、前記変位部材の軌道領域へ送球された遊技球の下半面に当接されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、突部は、変位部材から第1方向へ向けて突設され、その突設先端が、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)の下半面に当接可能に形成されるので、変位部材が第1方向へ変位される際には、遊技球を、その下半面を突部で押しつつ移動させることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域から排出しやすくできる。
また、変位部材に保持される規定数の遊技球と、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(規定数を越える分の遊技球)との間に突部が介在することで、かかる突部の突設長さの分、規定数の遊技球と規定数を越える分の遊技球との間隔を確保できる。よって、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
更に、凹部との係合により変位部材の姿勢を変化させる役割と、遊技球をその下半面を押しつつ移動させる役割とを突部に兼用させるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機A5又はA6において、前記凹部は、前記第1方向における大きさが遊技球の直径よりも小さくされることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、凹部は、第1方向における大きさが遊技球の直径よりも小さくされるので、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)が変位部材の第1方向への変位に伴って移動される際に凹部を通過しやすくできる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域から排出しやすくできる。
遊技機A5からA7のいずれかにおいて、前記変位部材が前記基準位置から前記第1方向へ変位する際の軌道領域に前記遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に前記凹部よりも前記第1方向側に位置する壁部を備え、前記変位部材の軌道領域へ送球された遊技球が前記変位部材の第1方向への変位に伴って移動されると、前記遊技球が前記壁部と前記変位部材とに当接されて、前記変位部材の姿勢変化が規制されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A5からA7のいずれかにおいて、変位部材が基準位置から第1方向へ変位する際の軌道領域に遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に凹部よりも第1方向側に位置する壁部を備え、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球が変位部材の第1方向への変位に伴って移動されると、その遊技球が壁部と変位部材とに当接されて、変位部材の姿勢変化が規制可能に形成されるので、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
即ち、壁部は、遊技球の半径よりも低い高さで立設されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って突部に押されて遊技球が移動されると、遊技球の下半面を壁部に当接させて、かかる壁部を遊技球が乗り越えさせやすくできる。この場合、変位部材に遊技球が当接され(即ち、変位部材と壁部との間に遊技球が介在され)、遊技球から変位部材へ反力を作用させることができるので、変位部材の姿勢変化を規制でき、変位部材が保持している規定数の遊技球が脱落することを抑制できる。その結果、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
一方、変位部材の軌道領域に遊技球(即ち、規定数を越える遊技球)が送球されていない場合には、壁部と変位部材との間に遊技球が介在されないので、突部が凹部に係合されることで、変位部材の姿勢を変化させることができる。その結果、変位部材の姿勢の変化を利用して、規定数の遊技球(即ち、変位部材に保持されている遊技球)を変位部材から排出しやすくできる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記規制手段は、前記変位部材の変位に連動して動作可能に形成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、規制手段は、変位部材の変位に連動して動作可能に形成されるので、変位部材の変位に応じて、変位部材の軌道領域への遊技球の送球を規制または許容できる。即ち、遊技球の送球の規制または許容を、変位部材の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、例えば、規制手段の位置を検出するセンサ装置やそのセンサ装置の検出結果に応じて規制手段を駆動する駆動手段、或いは、それら各手段の制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。
遊技機A9において、前記規制手段は、前記変位部材が前記基準位置から前記第2方向へ変位されることに連動して、前記変位部材の軌道領域へ遊技球を送球することを許容することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、規制手段は、前記変位部材の前記基準位置から前記第2方向への変位に連動して、前記変位部材の軌道領域への遊技球の送球を許容するので、変位部材の軌道領域であって、変位部材よりも第1方向側の領域に遊技球を確実に送球させることができる。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記変位部材が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材における前記第1方向側の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上方に開口を有する回収部材とを備えることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、変位部材が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材における第1方向側の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上方に開口を有する回収部材とを備えるので、変位部材の第1方向への移動に伴って移動され、変位部材の軌道領域から排出される遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
遊技機A11において、前記ベース部材は、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成され、前記回収部材の開口は、少なくとも前記退避位置または変位位置に変位された前記ベース部材における前記第1方向側の端部の鉛直方向下方に位置する大きさで形成されることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A11の奏する効果に加え、ベース部材は、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成され、回収部材の開口は、少なくとも退避位置または変位位置に変位されたベース部材における第1方向側の端部の鉛直方向下方に位置する大きさで形成されるので、ベース部材が退避位置または変位位置のいずれに変位された場合でも、変位部材の軌道領域から排出される遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
遊技機A5からA8のいずれかにおいて、前記凹部の凹設空間内に挿入されることで、前記凹部に前記突部が係合することを規制する挿入部材を備えることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A5からA8のいずれかにおいて、凹部の凹設空間内に挿入されることで、凹部に突部が係合することを規制する挿入部材を備えるので、変位部材の第1方向への変位に伴って、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域から排出する際に、変位部材の姿勢が変化されることを抑制できる。よって、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
遊技機A13において、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成されると共に前記変位部材が変位可能に配設されるベース部材を備え、前記挿入部材は、前記ベース部材が退避位置に変位されると前記凹部の凹設空間内に挿入されると共に、前記ベース部材が変位位置に変位されると前記凹部の凹設空間内から離間されることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、ベース部材が退避位置に変位されると挿入部材が凹部の凹設空間内に挿入されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域から排出する際に、変位部材の姿勢が変化されることを抑制して、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しやすくできる一方、ベース部材が変位位置に変位されると挿入部材が凹部の凹設空間内から離間されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って突部が凹部に係合されることで、変位部材の姿勢を変化させ、規定数の遊技球を変位部材から排出しやすくできる。
<振分けユニット500を一例とする発明の概念について>
遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、前記流下通路を流下する遊技球を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機において、変位可能に形成されると共に前記第1分岐通路から遊技球を受け取る変位部材を備え、前記変位部材が前記振分手段に当接して変位されることで、前記振分手段が変位され、振り分け先が切り替えられることを特徴とする遊技機B1。
ここで、遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2014−223176号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、流下通路を流下した遊技球を、第1分岐通路と第2分岐通路とへ1球ずつ交互に振り分ける構造であるため、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路と第2分岐通路とに均等に(即ち、半数ずつ)振り分けられる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できないという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、変位可能に形成されると共に第1分岐通路から遊技球を受け取る変位部材を備え、変位部材が振分手段に当接して変位されることで、振分手段が変位され、振り分け先が切り替えられるので、変位部材の変位に応じて、第1分岐通路または第2分岐通路へ振り分けられる遊技球の数を変更できる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できる。
なお、遊技機B1によれば、変位部材の変位を利用して、振分手段を変位させることができるので、かかる振分手段を変位させるための駆動手段や伝達機構を別途設けることを不要とできる。よって、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
また、例えば、センサ装置による位置検出や駆動手段による駆動を利用して振分手段の変位を制御する構造では、検出不良や制御不良による誤作動によって、振分手段の振り分け動作の信頼性の低下を招くところ、遊技機B1によれば、振分手段による振り分け先を、変位部材の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
特に、変位部材は、第1分岐通路から遊技球を受け取る部材であるので、かかる変位部材の変位に同期させて振分手段の振り分け先を第1分岐通路に切り替えることができることで、第1分岐通路に振り分けられた遊技球を変位部材に確実に受け取らせることができる。
遊技機B1において、前記振分手段に付勢力を付与して、前記振分手段による振り分け先を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に維持させる付勢手段を備え、前記変位部材が前記振分手段を前記付勢力の方向に抗する方向へ変位させることで、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の他方に切り替えられると共に、前記付勢手段の付勢力によって、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に復帰されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、振分手段に付勢力を付与して、振分手段による振り分け先を第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に維持させる付勢手段を備えるので、振分手段による振り分け先が不用意に切り替えられることを抑制できる。この場合、変位部材の変位に伴って振分手段が変位され、その振り分け先が切り替えられた後、切り替え前の振り分け先への復帰は、付勢手段の付勢力により行うことができるので、変位部材が振分手段と当接されていることを不要とできる。即ち、変位部材を振分手段から離間させることができる。よって、変位部材の可動範囲の設計の自由度を高めることができる。
遊技機B2において、前記付勢手段は、前記振分手段に付勢力を付与して、前記振分手段による振り分け先を前記第2分岐通路に維持させることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、付勢手段は、振分手段に付勢力を付与して、振分手段による振り分け先を第2分岐通路に維持させるので、変位部材が遊技球を受け取り不能な状態において、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられることを抑制できる。
遊技機B3において、第1位置と第2位置との間で変位可能に形成されると共に前記変位部材が配設されるベース部材を備え、前記ベース部材が前記第1位置に配置された状態では、前記変位部材が、前記第1分岐通路から遊技球を受け取り可能とされると共に、前記振分手段に当接可能とされ、前記ベース部材が前記第2位置に配置された状態では、前記変位部材が、前記第1分岐通路から遊技球を受け取り不能とされると共に、前記振分手段に当接不能とされることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、第1位置と第2位置との間で変位可能に形成されるベース部材を備え、そのベース部材に変位部材が配設されるので、ベース部材を第1位置に配置した状態で変位部材を変位させる態様と、ベース部材を第2位置に配置した状態で変位部材を変位させる態様とを形成することができる。よって、その分、演出効果を高めることができる。
この場合、ベース部材が第2位置に配置された状態では、変位部材が第1分岐通路から遊技球を受け取り不能とされるところ、かかる状態では変位部材が振分手段に当接不能とされるので、変位部材が遊技球を受け取り不能な状態(ベース部材が第2位置に配置された状態)において、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられることを抑制できる。
遊技機B4において、前記ベース部材とは別部材として形成される第2ベース部材を備え、その第2ベース部材に前記振分手段が配設されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、ベース部材とは別部材として形成される第2ベース部材を備え、その第2ベース部材に振分手段が配設されるので、その分、ベース部材の大型化を抑制することができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記変位部材は、切り替え位置とその切り替え位置とは異なる位置に設定される受け取り位置とに少なくとも変位可能に形成され、前記変位部材が前記切り替え位置に変位された状態では、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路に切り替えられ、前記変位部材が前記受け取り位置に変位された状態では、前記第1分岐通路から前記変位部材が遊技球を受け取り可能とされる共に、前記振分手段による振り分け先が前記第2分岐通路に切り替えられることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、切り替え位置とその切り替え位置とは異なる位置に設定される受け取り位置とに少なくとも変位可能に形成され、変位部材が切り替え位置に変位された状態では、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられ、変位部材が受け取り位置に変位された状態では、第1分岐通路から変位部材が遊技球を受け取り可能とされる共に、振分手段による振り分け先が第2分岐通路に切り替えられるので、変位部材が受け取り可能な規定数を越えた遊技球が第1分岐通路へ振り分けられることを抑制できる。
即ち、切り替え位置と受け取り位置とを同一の位置に設定した場合には、振分手段による振り分け先が第1分岐通路へ切り替えられた状態のままで、変位部材が遊技球を受け取るため、変位部材が受け取り可能な規定数を越えて遊技球が第1分岐通路へ振り分けられる恐れがある。第1分岐通路への遊技球の流入を規制する手段を別途設けた場合には、構造が複雑化して信頼性が低下すると共に、製品コストの増加を招く。
これに対し、遊技機B6によれば、変位部材が切り替え位置へ変位され、規定数(又は、規定数以下)の遊技球が第1分岐通路へ振り分けられた後に、変位部材が受け取り位置へ変位されると、振り分け先が第2分岐通路へ切り替えられた状態とされるので、第1分岐通路へ規定数を越えた遊技球が流下しないようにできる。よって、変位部材が受け取り可能な規定数を越えた遊技球が第1分岐通路へ振り分けられることを抑制できる。また、上述した手段を別途設ける必要がないので、信頼性の向上と製品コストの低減とを図ることができる。
遊技機B6において、前記第1分岐通路は、その内壁面に突設または凹設される一又は複数の突起または凹部として形成され、前記第1分岐通路を通過する遊技球に抵抗を付与する抵抗手段を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、第1分岐通路は、その内壁面に突設または凹設される一又は複数の突起または凹部として形成され、第1分岐通路を通過する遊技球に抵抗を付与する抵抗手段を備えるので、第1分岐通路を通過する遊技球の速度を遅くすることができる。よって、その分、切り替え位置から受け取り位置まで変位部材が変位する際に必要とされる時間を長くできるので、変位部材に遊技球を確実に受け取らせることができる。また、変位部材に必要とされる変位速度を遅くできる分、駆動手段の出力を小さくして、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機B6又はB7において、前記振分手段は、その振分手段の変位に伴って前記第1分岐通路に対して出没可能に形成される第1出没部および第2出没部を備え、前記第1出没部は、前記第1分岐通路へ突出することで、前記流下通路を流下する遊技球を前記第2分岐通路へ振り分け可能に形成され、前記第2出没部は、前記第1出没部よりも前記第1分岐通路の下流側に位置すると共に、前記第1分岐通路へ突出することで、前記第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら第1出没部および第2出没部は、一方が前記第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が前記第1分岐通路の通路外へ退避されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B6又はB7の奏する効果に加え、振分手段は、その振分手段の変位に伴って第1分岐通路に対して出没可能に形成される第1出没部および第2出没部を備え、第1出没部は、第1分岐通路へ突出することで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分け可能に形成され、第2出没部は、第1出没部よりも第1分岐通路の下流側に位置すると共に、第1分岐通路へ突出することで、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら第1出没部および第2出没部は、一方が第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が第1分岐通路の通路外へ退避されるので、変位部材の変位に伴って振分手段を変位させることで、規定数の遊技球のみを第1分岐通路へ振り分けて変位部材に受け取らせることができる。
即ち、第1出没部が突出することで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分ける第1の状態と、第1出没部が退避することで、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路へ振り分ける第2の状態と、第2出没部が突出することで、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制(遊技球を貯留)する第3の状態と、第2出没部が退避することで、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させて変位部材へ受け取らせる第4の状態とを形成することができ、これら各状態を組み合わせることで、規定数の遊技球のみを第1分岐通路へ振り分けて変位部材に受け取らせることができる。
また、遊技機B8によれば、振分手段が第1出没部および第2出没部を備える。即ち、一部品として形成されるので、振分手段の構造(第1出没部および第2出没部を動作させそれらの機能を発揮させるための構造)を簡素化できる。更に、第1出没部および第2出没部は、一方が第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が第1分岐通路の通路外へ退避されるので、変位部材の2位置(切り替え位置および受け取り位置)に応じて、振分手段も2位置に変位可能に形成されれば足りる。即ち、振分手段を2位置で変位させることで、上述した第1から第4の状態を形成できる。よって、振分手段の構造および変位部材の変位に伴い振分手段を変位させる構造を簡素化でき、その分、遊技球の振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
<振分けユニット500を一例とする発明の概念について>
遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、前記流下通路を流下する遊技球を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機において、前記振分手段よりも下流側に位置し、前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制または許容する流下状態変更手段を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2014−223176号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分けられるのみであるため、遊技者に興趣を与えることが不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、前記振分手段よりも下流側に位置し、前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制または許容する流下状態変更手段を備えるので、遊技者に興趣を与えることができる。
即ち、流下状態変更手段の動作により、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制して第1分岐通路に遊技球を貯留すると共に、第1分岐通路における遊技球の流下を許容し、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。これにより、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できる。その結果、遊技者に興趣を与えることができる。
遊技機C1において、前記振分手段と前記流下状態変更手段とが一体に形成される一体部材を備え、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路とされた状態では前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により規制され、前記振分手段による振り分け先が前記第2分岐通路とされた状態では前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により許容されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、振分手段と流下状態変更手段とが一体に形成される一体部材を備えるので、それら振分手段と流下状態変更手段とを動作させる構造の簡素化と動作の信頼性の向上とを図ることができる。即ち、振分手段と流下状態変更手段とが別体に形成される場合には、2部品となるため、それら2部品を動作させる構造が複雑化すると共に動作の信頼性の低下を招く。これに対し、遊技機C2によれば、振分手段と流下状態変更手段とを一部品として形成できるので、その分、構造を簡素化でき、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
また、この場合、一体部材の動作により、振分手段による振り分け先が第1分岐通路とされると、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を流下状態変更手段により規制して第1分岐通路に遊技球を貯留すると共に、振分手段による振り分け先が第2分岐通路とされると、第1分岐通路における遊技球の流下を流下状態変更手段により許容し、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。即ち、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できるだけでなく、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。
遊技機C2において、前記一体部材は、第1状態位置と第2状態位置とに変位可能に形成され、前記一体部材が前記第1状態位置に変位された状態では、前記振分手段が前記第1分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制する位置に配置され、前記一体部材が前記第2状態位置に変位された状態では、前記振分手段が前記第2分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路における遊技球の流下を許容する位置に配置されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、一体部材は、第1状態位置と第2状態位置とに変位可能に形成され、一体部材が第1状態位置に変位された状態では、振分手段が第1分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ流下状態変更手段が第1分岐通路における遊技球の流下を規制する位置に配置され、一体部材が第2状態位置に変位された状態では、振分手段が前記第2分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ流下状態変更手段が第1分岐通路における遊技球の流下を許容する位置に配置されるので、一体部材を2位置(第1状態位置および第2状態位置)で変位させることで、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できると共に、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。即ち、構造を簡素化して、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機C3において、前記一体部材は、回転可能に形成され、少なくとも前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路に対して出没可能に形成され、前記第1分岐通路へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、前記一体部材の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、一体部材は、回転可能に形成され、少なくとも流下状態変更手段は、第1分岐通路に対して出没可能に形成され、第1分岐通路へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、一体部材の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されるので、流下状態変更手段の出没のために第1分岐通路の内壁に開口される孔の面積を小さくすることができる。
遊技機C4において、前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、流下状態変更手段は、第1分岐通路の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されるので、第1分岐通路へ流下状態変更手段が突出し始めた初期の状態(即ち、通路内へ流下状態変更手段の先端側のみが突出されている状態)において、流下状態変更手段の先端側の形状を、遊技球の流下を規制しやすい向きに配置でき、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制しやすくできる。
また、流下状態変更手段が第1分岐通路へ最大に突出され遊技球の流下を規制する状態では、流下状態変更手段の凹により遊技球を安定して保持できるので、遊技球の暴れを抑制できる。
遊技機C4又はC5において、前記一体部材に付勢力を付与して、前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出する方向へ付勢する付勢手段を備え、前記流下状態変更手段から前記一体部材の回転軸までの距離が、前記振分手段から前記一体部材の回転軸までの距離よりも大きくされることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4又はC5の奏する効果に加え、一体部材に付勢力を付与して、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向へ付勢する付勢手段を備えるので、かかる付勢力を利用して、一体部材を、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する姿勢(即ち、第1状態位置)に維持しやすくできる。
この場合、遊技機C6では、流下状態変更手段から一体部材の回転軸までの距離が、振分手段から一体部材の回転軸までの距離よりも大きくされるので、流下する遊技球が衝突されると、回転軸からの距離が大きい分、同じ衝撃力が作用した場合でも、流下状態変更手段が没入しやすいところ、付勢手段の付勢方向が、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向とされることで、その付勢力の分、流下状態変更手段が没入されることを抑制できる。
遊技機C6において、前記一体部材は、その自重により前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出する方向へ回転されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、一体部材は、その自重により流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向へ回転されるので、かかる自重を利用して、一体部材を、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する姿勢(即ち、第1状態位置)に維持しやすくできる。よって、遊技球が衝突した場合には、その自重の分、流下状態変更手段が没入されることを更に抑制できる。
また、付勢手段が脱落した場合でも、一体部品を、その自重により、流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出した姿勢に維持して、第1分岐通路へ遊技球が流下することを抑制できる。
遊技機C2からC7のいずれかにおいて、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路とされると共に前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により規制され、前記第1分岐通路に規定数の遊技球が貯留された状態では、前記流下通路を流下する遊技球が前記第2分岐通路へ流下可能に形成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C2からC7のいずれかの奏する効果に加え、振分手段による振り分け先が第1分岐通路とされると共に第1分岐通路における遊技球の流下が流下状態変更手段により規制され、第1分岐通路に規定数の遊技球が貯留された状態では、流下通路を流下する遊技球が第2分岐通路へ流下可能に形成されるので、規定数以上の遊技球が流下通路を流下する場合に、規定数を越える分の遊技球が流下通路に滞ることを抑制できる。よって、振分手段の変位(振り分け先を第2分岐通路とする動作)が、流下通路に滞った遊技球によって阻害されることを抑制できる。
遊技機C8において、前記流下通路における前記第2分岐通路を臨む側の内壁は、前記流下通路を流下する遊技球を、前記第1分岐通路に貯留された前記規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球における前記第2分岐通路側の側面へ案内可能に形成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、流下通路における第2分岐通路を臨む側の内壁は、流下通路を流下する遊技球を、第1分岐通路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球における第2分岐通路側の側面へ案内可能に形成されるので、流下通路を流下する遊技球を、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突させた後、第2分岐通路へ流下させやすくできる。
なお、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球とは、上流側(流下状態変更手段と反対側)に位置する遊技球を意味する。また、規定数が1の場合には、末尾の遊技球は、第1分岐通路に貯留されている遊技球そのものを意味する。
遊技機C8又はC9において、前記流下通路の下流端の流下方向は、前記第1分岐通路の上流端の流下方向と異なる方向に形成されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、流下通路の下流端の流下方向は、第1分岐通路の上流端の流下方向と異なる方向に形成されるので、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突した際に、末尾の遊技球に作用される反発力の方向を第1分岐通路の上流端の流下方向と異ならせることができる。その結果、衝突の際の反発力で末尾の遊技球が第1分岐通路の上流端から飛び出して、第2分岐通路へ流入されることを抑制できる。
遊技機C2からC10のいずれかにおいて、前記振分手段は、前記流下通路または前記第1分岐通路に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、前記流下通路の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C2からC10のいずれかの奏する効果に加え、振分手段は、流下通路または第1分岐通路に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、流下通路の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされるので、流下通路の下流端から流下する遊技球に近い位置で振分手段を突出させることができる。よって、振分手段を流下通路または第1分岐通路へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、振分手段による振り分け先の切り替えをより確実に行うことができる。
遊技機C11において、前記振分手段は、前記流下通路または前記第1分岐通路に突出されることで、前記流下通路を流下する遊技球を前記第2分岐通路へ振り分けるものであり、その振分手段の突出方向が前記第2分岐通路の上流端を指向方向に設定されること特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、振分手段は、流下通路または第1分岐通路に突出されることで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分けるものであり、その振分手段の突出方向が第2分岐通路の上流端を指向する方向に設定されるので、流下通路を流下する遊技球が突出動作の途中の振分手段に当接した場合には、かかる遊技球を振分手段の突出動作に伴って第2分岐通路へ押し込むことができる。その結果、第2分岐通路への振り分けをより確実に行うことができる。
遊技機C1からC12のいずれかにおいて、前記第1分岐通路は、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共にその重力方向下方側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、前記流下状態変更手段は、前記重力方向下方側の内壁から前記第1分岐通路内へ出没可能に形成されることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C1からC12のいずれかの奏する効果に加え、第1分岐通路は、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共にその重力方向下方側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、流下状態変更手段は、重力方向下方側の内壁から第1分岐通路内へ出没可能に形成されるので、流下状態変更手段を第1分岐通路内へ突出させ始めてから遊技球の流下を規制できる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、振分手段の振り分け先が第2分岐通路から第1分岐通路に切り替えられ、第1分岐通路に遊技球が振り分けられた際に、その遊技球の流下の規制に流下状態変更手段の突出を間に合わせやすくできる。
遊技機C1からC13のいずれかにおいて、前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路に対して出没可能に形成され、少なくとも前記第1分岐通路へ最大に突出した状態では、突出する方向への力成分が遊技球から前記流下状態変更手段へ作用されることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、遊技機C1からC13のいずれかにおいて、流下状態変更手段は、第1分岐通路に対して出没可能に形成され、少なくとも第1分岐通路へ最大に突出した状態では、突出する方向への力成分が遊技球から前記流下状態変更手段へ作用されるので、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制する際に、その遊技球が衝突した際の衝撃で流下状態変更手段が没入することを抑制できる。よって、遊技球の流下を規制しやすくできる。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材の変位に伴う基部材の反作用を抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849)。この遊技機によれば、基部材を、遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる張出位置と、遊技領域から後退される退避位置との間で変位させる演出に加え、基部材を張出位置に配置した状態において、変位部材を変位させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、ベース部材に基部材の一側が変位可能に配設されるため、変位部材が変位されると、一側を支点として、ベース部材に対する基部材のがたつきが発生しやすいという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、変位部材の変位に伴う基部材の反作用を抑制する抑制手段を備えるので、変位部材が変位される際のベース部材に対する基部材のがたつきの発生を抑制することができる。
なお、変位部材の変位に伴う反力としては、例えば、変位部材の変位に伴う重心の変化により発生するもの、変位部材の変位速度の増減(加速度の変化)に伴う慣性力の作用により発生するもの、変位部材が変位して遊技球を出射する際の反力に伴い発生するものなどが例示される。
遊技機D1において、前記抑制手段は、前記基部材に変位可能に配設される配設部材を備え、前記変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、前記配設部材は、前記変位部材から遊技球が出射される際に変位可能に形成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、抑制手段は、基部材に変位可能に配設される配設部材を備え、変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、配設部材は、変位部材から遊技球が出射される際に変位可能に形成されるので、ベース部材に対する基部材のがたつきの発生を抑制することができる。即ち、変位部材から遊技球が発射されると、遊技球の重さの分、基部材の重心位置が変化されるところ、例えば、遊技球の発射に伴う重心位置の変化を相殺する方向へ配設部材を変位させる構成を採用した場合には、重心位置の変化に伴う基部材のがたつきの発生を抑制できる。また、変位部材から遊技球が発射されると、その遊技球の発射に伴い基部材が反作用を受けるところ、例えば、遊技球の発射に伴う反作用を相殺する方向へ配設部材を変位させる構成を採用した場合には、反作用に伴う基部材のがたつきの発生を抑制できる。
遊技機D1又はD2において、前記変位部材が変位されると、その変位部材の変位方向と逆方向となる変位成分を少なくとも有して変位される逆部材を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、変位部材が変位されると、その変位部材の変位方向と逆方向となる変位成分を少なくとも有して変位される逆部材を備えるので、変位部材の変位に伴い基部材の重心位置が変化することを、逆部材の変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する基部材のがたつきを抑制できる。
なお、変位部材の変位が開始される際に、逆部材の変位が開始される構成であれば、両者の慣性力の少なくとも一部を打ち消し合わせることができる。その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D2又はD3において、前記変位部材の変位を前記配設部材または(及び)前記逆部材へ伝達して前記配設部材または(及び)前記逆部材を変位させる伝達機構を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2又はD3の奏する効果に加え、変位部材の変位を配設部材または(及び)逆部材に伝達して配設部材または(及び)逆部材を変位させる伝達機構を備えるので、配設部材または(及び)逆部材を変位させるための駆動手段を別途設ける必要がない。即ち、変位部材を変位させるための駆動手段を、配設部材または(及び)逆部材を変位させるための駆動手段として兼用することができる。よって、その分、基部材を軽量化して、そのがたつきを抑制しやすくできる。
また、変位部材の変位に機械的に同期させて配設または(及び)逆部材を変位させることができるので、例えば、変位部材の位置をセンサ装置で検出し、その検出結果に応じて配設部材または(及び)逆部材を駆動手段で駆動する制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、変位部材に対する変位部材または(及び)逆部材の変位動作の信頼性を確保できる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記変位部材は、第2位置から変位を開始する態様と、前記第2位置よりも前記基部材の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも前記基部材がベース部材に対して所定位置に配置された状態では、前記第1位置から変位を開始することを特徴とする遊技機D5。
ここで、変位部材を停止状態から変位させる際には、加速度の変化が最大となるため、慣性力の影響により、基部材のがたつきが発生しやすい。
これに対し、遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2位置から変位を開始する態様と、第2位置よりも基部材の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも基部材がベース部材に対して所定位置に配置された状態(例えば、基部材が、遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる張出位置)では、第1位置から変位を開始するので、基部材のがたつきを抑制することができる。即ち、第1位置は、第2位置よりも基部材の一側に近い位置とされるので、かかる第1位置を変位部材の変位の開始位置とすることで、変位部材の重さを、基部材がベース部材に対してがたつく際の支点に近づけておくことができ、その分、変位部材を停止状態から変位される際の慣性力の影響を基部材に作用させ難くできる。その結果、基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D5において、前記基部材に配設されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤに歯合されるラックギヤを有するラック部材とを備え、前記ラック部材に前記変位部材が配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、基部材に配設されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤに歯合されるラックギヤが形成されるラック部材とを備え、そのラック部材に変位部材が配設されるので、変位部材の変位を第1位置から開始する際には、ラック部材の重さだけでなく、ラック部材の重さも基部材の一側(基部材がベース部材に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができる。その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D6において、前記変位部材が前記第1位置から変位を開始する際の変位方向は、前記基部材の一側から離間する方向であることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、変位部材が第1位置から変位を開始する際の変位方向は、基部材の一側から離間する方向なので、変位部材が第1位置に配置された状態では、ラック部材をより基部材の一側へ近づけることができる。即ち、基部材の一側から離間する方向へ変位部材(ラック部材)が変位するためには、ラック部材は、変位部材の変位が開始された後にピニオンギヤが歯合されるラックギヤ側の部分を基部材の一側へ向けることとなる。よって、ラック部材の重さをより基部材の一側(基部材がベース部材に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができ、その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記ベース部材に前記基部材の一側を変位可能に支持する支持構造と、その支持構造に支持される前記基部材を駆動する駆動機構とを備え、前記変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、前記駆動機構は、前記変位部材から遊技球が出射される際の反作用の方向に前記基部材が変位されることを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に基部材の一側を変位可能に支持する支持構造と、その支持構造に支持される基部材を駆動する駆動機構とを備え、変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、駆動機構は、変位部材から遊技球が出射される際の反作用の方向に基部材が変位されることを規制する規制手段を備えるので、反作用に伴って基部材がベース部材に対して変位されることを抑制できる。その結果、基部材のがたつきの発生を抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機において、前記回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2009−119140号)。この遊技機では、回胴部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を、回胴部材を回転させつつ、又は、回胴部材を停止させて、遊技者に視認させる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、回胴部材の回転または停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様を形成できるのみであるため、演出態様の変化が乏しく、演出効果が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備えるので、回胴部材の回転または停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様に加え、変位部材を変位させる演出態様を形成できるので、その分、演出態様に変化を付与して、演出効果を高めることができる。
なお、回胴部材は、その回転軸に垂直な平面で切断した断面形状が円形である必要はなく、多角形状、楕円形状、それらを組み合わせた形状であっても良い。よって、回胴部材の外周面は、周面でなくても良く、平坦面や湾曲面、これらの組み合せであっても良い。
遊技機E1において、前記変位部材は、少なくとも第1位置および第2位置の間で変位可能に形成され、前記第1位置では、前記回胴部材の外周面の一部が前記変位部材により形成され、前記第2位置では、前記回胴部材の径方向外方へ前記変位部材の少なくとも一部が突出されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、変位部材が第1位置に変位されると、回胴部材の外周面の一部が変位部材により形成されるので、回胴部材の外形を小さくでき、その分、回胴部材が回転するのに要するスペースを小さくできる。一方、変位部材が第2位置へ変位されると、回胴部材の径方向外方へ変位部材の少なくとも一部が突出されるので、変位部材の変位を遊技者に視認させやすくでき、演出効果を高めることができる。また、例えば、変位部材を第一位置に配置した状態で回胴部材を回転させると共に、その回胴部材の回転を停止した際に変位部材を第2位置に配置する(変位させる)ことで、回胴部材の外周面と視認していた部分(変位部材)が、回胴部材の径方向外方へ突出される態様を形成でき、興趣を高めることができる。
遊技機E2において、光を発光する発光手段を備え、前記回胴部材は、内部空間を有して形成されると共に、その内部空間に前記発光手段が配設され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記回胴部材の外周面が開放され、前記内部空間が外部に連通されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、光を発光する発光手段を備え、回胴部材は、内部空間を有して形成されると共に、その内部空間に発光手段が配設され、変位部材が第2位置に変位されると、回胴部材の外周面が開放され、内部空間が外部に連通されるので、発光手段による発光を外部に出射させることができると共に、変位部材が第1位置に変位されることで、その外部への出射を遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記回胴部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする遊技機E4。
ここで、回胴部材を回転可能に形成すると共に、その回胴部材に変位部材を変位可能に配設するためには、回胴部材および変位部材のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、変位部材を変位させるための駆動手段を回胴部材に搭載すると、回胴部材の重量が増加するため、回胴部材の回転の開始または停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記回胴部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えるので、1の駆動手段を兼用して、回胴部材の回転と変位部材の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、変位部材を変位させるための駆動手段を回胴部材に搭載する必要がないので、回胴部材の重量を軽量化でき、回胴部材の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
遊技機E4において、前記駆動手段は、回転駆動力を発生可能に形成され、前記伝達手段は、前記駆動手段の回転駆動力を前記回胴部材へ伝達する回転側伝達手段と、前記駆動手段の回転駆動力を前記変位部材へ伝達する変位側伝達手段と、前記駆動手段の回転駆動力の回転方向に応じて前記回転駆動力を前記回転側伝達手段または変位側伝達手段の一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構とを備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、駆動手段は、回転駆動力を発生可能に形成され、伝達手段は、駆動手段の回転駆動力を回胴部材へ伝達する回転側伝達手段と、駆動手段の回転駆動力を変位部材へ伝達する変位側伝達手段と、駆動手段の回転駆動力の回転方向に応じて回転駆動力を回転側伝達手段または変位側伝達手段の一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構とを備えるので、駆動手段の回転方向を切り替えるのみで、その回転駆動力により駆動する駆動対象(回胴部材または変位部材)を切り替えることができる。即ち、駆動手段の回転方向に応じて、回胴部材の回転およびその回転の停止と、変位部材の変位およびその変位の停止とを切り替えることができ、複数の態様を形成可能としつつ、構造を簡素化できる。
遊技機E5において、前記回転側伝達手段は、前記駆動手段の回転駆動力を前記回胴部材へ伝達する伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えることを特徴とする遊技機E6。
ここで、ワンウェイクラッチ機構を利用して、駆動手段の回転方向に応じて、その駆動対象(回胴部材または変位部材)を切り替える構造では、駆動手段からの駆動力の伝達が遮断されると、駆動力により駆動されていた方向への回転または変位が自在な状態となる。そのため、例えば、駆動手段の駆動対象が回胴部材から変位部材に切り替えられ、駆動力の伝達が遮断されると、回胴部材は、回転自在な状態となり、慣性力により回転が継続(自転)されるおそれがある。
これに対し、遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、回転側伝達手段は、駆動手段の回転駆動力を回胴部材へ伝達する伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えるので、駆動手段からの回転駆動力の伝達が遮断されても、負荷用歯車を回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、回胴部材の回転が継続されることを抑制できる。
遊技機E5又はE6において、前記駆動手段の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ前記回胴部材が回転されることを規制する逆回転規制手段を備えることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、駆動手段の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ回胴部材が回転されることを規制する逆回転規制手段を備えるので、例えば、回胴部材の重心位置の偏りや遊技球の衝突などに起因して、回胴部材が逆回転されることを抑制できる。
遊技機E2又はE3において、前記回胴部材は、内部空間を有して形成され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記回胴部材の外周面が開放され、前記内部空間が遊技領域に連通されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E2又はE3の奏する効果に加え、回胴部材は、内部空間を有して形成され、変位部材が第2位置に変位されると、回胴部材の外周面が開放され、内部空間が遊技領域に連通されるので、遊技領域を流下する遊技球を回胴部材の内部空間へ流入させる、或いは、回胴部材の内部空間にある遊技球を遊技領域へ流出させることができる。また、変位部材が第1位置に変位されると、回胴部材の外周面が閉鎖されることで、内部空間と遊技領域との間の遊技球の流出入を遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機E8において、前記変位部材は、一側が前記回胴部材に回転可能に軸支され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記一側と反対側となる他側が前記遊技領域へ張り出されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、変位部材は、一側が回胴部材に回転可能に軸支され、変位部材が第2位置に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機E9において、前記変位部材は、第2位置に変位された状態では、その上面が前記他側から前記一側へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、変位部材は、第2位置に変位された状態では、その上面が他側から一側へ向けて下降傾斜されるので、遊技領域を流下された遊技球を変位部材の上面で受け止めた後、その受け止めた遊技球を変位部材の上面の下降傾斜に沿って回胴部材の内部空間へ案内する(転動させる)ことができる。よって、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機E9又はE10において、前記回胴部材の回転位置に応じて前記変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E9又はE10の奏する効果に加え、回胴部材の回転位置に応じて変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えるので、張り出された変位部材が回胴部材の周囲の他の部材に干渉することを抑制できる。
遊技機E9からE11のいずれかにおいて、前記回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、前記変位部材が前記第2位置へ変位され、前記変位部材の他側が前記遊技領域へ張り出された場合に、前記回胴部材の回転を規制することを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E9からE11のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、変位部材が第2位置へ変位され、変位部材の他側が遊技領域へ張り出された場合に、回胴部材の回転を規制するので、変位部材が張り出された状態で回胴部材が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に変位部材が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回胴部材が回転されることを抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機において、前記回胴部材は、その内部に形成される内部空間と、その内部空間を外部に連通させると共に遊技球が通過可能に形成される連通口とを備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2009−119140号)。この遊技機によれば、回胴部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を、回胴部材を回転させつつ、又は、回胴部材を停止させて、遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に視認させるための表示をその外周面に保持するための部材として利用されるのみで、回胴部材の活用が不十分であるという問題点があった。即ち、回胴部材は遊技者が視認可能な程度の表示を保持する必要があるため、比較的大型に形成される。そのため、回胴部材による占有空間が嵩む一方、その外周面以外の部分は活用されていない。
これに対し、遊技機F1によれば、回胴部材は、その内部に形成される内部空間と、その内部空間を外部に連通させると共に遊技球が通過可能に形成される連通口とを備えるので、遊技領域を流下する遊技球を、連通口を介して内部空間へ流入または内部空間から流出させることができる。よって、デッドスペースとされる回胴部材の内部空間を遊技球の貯留空間または送球通路として機能させることができ、その分、回胴部材を活用できる。
なお、連通口は、回胴部材の1カ所のみに形成されるものであっても良く、2カ所以上に形成されるものであっても良い。1カ所のみに連通口が形成される場合は、回胴部材の外周面に連通口が形成される。これにより、回胴部材の回転位置に応じて連通口の位置を上下させることができるので、かかる連通口を介して遊技球を内部空間へ流入または内部空間から流出させる(連通口が上方を向く際に遊技球を内部空間へ流入させると共に、連通口が下方を向く際に内部空間の遊技球を流出させる)ことができる。
また、回胴部材は、その回転軸に垂直な平面で切断した断面形状が円形である必要はなく、多角形状、楕円形状、それらを組み合わせた形状であっても良い。よって、回胴部材の外周面は、周面でなくても良く、平坦面や湾曲面、これらの組み合せであっても良い。
遊技機F1において、前記連通口は、第1連通口と、その第1連通口とは異なる位置に形成される第2連通口とを備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、連通口は、第1連通口と、その第1連通口とは異なる位置に形成される第2連通口とを備えるので、第1連通口または第2連通口の一方を、外部から内部空間へ遊技球を流入させる流入口とし、第1連通口または第2連通口の他方を、内部空間から外部へ遊技球を流出させる流出口とすることができる。即ち、回胴部材を回転させなくても(停止状態に維持したままで)、回胴部材を遊技球の送球通路として活用できる。なお、回胴部材を回転させている状態において、かかる回胴部材を送球通路として活用しても良い。
遊技機F2において、前記第1連通口は、前記回胴部材の前記外周面に形成され、遊技領域を流下する遊技球を前記内部空間へ流入させる流入口として形成され、前記第2連通口は、前記回胴部材の回転軸方向の端面に形成され、前記内部空間から遊技領域へ遊技球を流出させる流出口として形成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、第1連通口は、回胴部材の外周面に形成され、遊技領域を流下する遊技球を内部空間へ流入させる流入口として形成され、第2連通口は、回胴部材の回転軸方向の端面に形成され、内部空間から遊技領域へ遊技球を流出させる流出口として形成されるので、回胴部材の内部空間への遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできると共に、回胴部材を停止状態に維持したままで、遊技球を排出することができる。
即ち、回胴部材は、外周面が遊技者から視認可能に配設されるところ、その外周面に、第1連通口(流入口)が形成されるので、遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできる。一方、回胴部材の外周面に第2連通口が形成されると、かかる連通口が上方となる回転位置に回胴部材が変位されると、内部空間から遊技球を流出させることができないところ、第2連通口(流出口)は、回胴部材の回転軸方向の端面に形成されるので、回胴部材の回転位置に関わらず、内部空間から遊技球を流出可能な状態を形成できる。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記回胴部材の前記外周面に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材が第1位置へ変位されると、前記連通口が前記変位部材によって遮蔽され、前記変位部材が第2位置へ変位されると、前記連通口が開放されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材が第1位置へ変位されると、連通口が変位部材によって遮蔽され、変位部材が第2位置へ変位されると、連通口が開放されるので、連通口を介した遊技球の流出入を遮断状態と許容状態とに切り替えることができる。
遊技機F4において、前記連通口は、前記回胴部材の前記外周面に形成され、前記変位部材は、一側が前記回胴部材に回転可能に軸支され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、変位部材は、一側が回胴部材に回転可能に軸支され、変位部材が第2位置に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、例えば、連通口が流入口として形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機F5において、前記変位部材は、その一側が他側よりも前記回胴部材の回転方向前方側に位置されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、変位部材は、その一側が他側よりも回胴部材の回転方向前方側に位置されるので、回胴部材が回転される際にその回胴部材の周りに配設される部材に変位部材が干渉したとしても、かかる干渉により発生する力を変位部材を閉じる(第1位置へ変位させる)方向へ作用させることができる。即ち、回胴部材の回転時に変位部材が他の部材に干渉して張り出される(第2位置へ変位される)ことを抑制できる。また、変位部材が他の部材に係合して、回胴部材の回転が阻害されることを抑制できる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記回胴部材が回転可能に配設されるベース部材と、そのベース部材に支持されると共に前記回胴部材の内部空間に配設され前記回胴部材に対して非回転とされる固定部材とを備えることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材が回転可能に配設されるベース部材と、そのベース部材に支持されると共に回胴部材の内部空間に配設され回胴部材に対して非回転とされる固定部材とを備えるので、内部空間に流入された遊技球を固定部材に保持または固定部材上を流出口へ向けて転動させることで、回胴部材の回転に伴って、遊技球が内部空間内で暴れる又は遊技球の転動が阻害され内部空間に留まることを抑制できる。
遊技機F4からF6のいずれかにおいて、前記回胴部材の回転位置に応じて前記変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F4からF6のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の回転位置に応じて変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えるので、第2位置へ変位された変位部材が回胴部材の周囲の他の部材に干渉することを抑制できる。
遊技機F5又はF6において、前記回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、前記変位部材が前記第2位置へ変位され、前記変位部材の他側が前記遊技領域へ張り出された場合に、前記回胴部材の回転を規制することを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F5又はF6の奏する効果に加え、回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、変位部材が第2位置へ変位され、変位部材の他側が遊技領域へ張り出された場合に、回胴部材の回転を規制するので、変位部材が張り出された状態で回胴部材が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に変位部材が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回胴部材が回転されることを抑制できる。
遊技機F3において、光を発光可能に形成されると共に前記回胴部材の内部空間に配設される発光手段と、前記回胴部材の回転軸方向の端面であって前記第2連通口が形成される端面と反対側の端面に開口形成される開口とを備え、その開口を介して前記発光手段の電気的接続線が配線されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、回胴部材の回転軸方向の端面であって第2連通口が形成される端面と反対側の端面に開口が開口形成され、その開口を介して発光手段の電気的接続線が配線されるので、第2連通口および開口それぞれに使用できるスペースを確保しやすくできる。その結果、第2連通口を介して遊技球の流出をスムーズに行わせることができると共に、電気的接続線の開口への配線作業を行いやすくできる。また、第2連通口と開口とを最大限離間させることができるので、内部空間を第2連通口へ転動する遊技球と電気的接続線との干渉を抑制しやすくできる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、前記第1部材が、前記第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも前記第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機において、前記第1部材は、前記退避位置に変位された状態において、前記第2部材の変位を規制可能に形成されることを特徴とする遊技機G1。
ここで、変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、第1部材が、第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849号)。この遊技機によれば、第1部材を覆設位置に配置し、第2部材を遊技者から視認不能とした状態から、第1部材を退避位置に変位させることで、第2部材を露出させて遊技者に視認させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2部材が変位可能に形成されているため、第1部材が退避位置に変位され、第2部材が露出された際に、かかる第2部材が変位されるおそれがある。そのため、遊技者に第2部材を適正な状態で視認させることができず、演出効果が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、第1部材は、退避位置に変位された状態において、第2部材の変位を規制可能に形成されるので、かかる第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。即ち、第1部材を退避位置へ変位させ、第2部材を露出させるという演出を行う際に、その演出のために行わざるを得ない第1部材の退避位置への変位を、第2部材の変位を規制する手段として利用する。よって、第2部材の変位を規制するための機構を別途設けることや制御を行う必要がなく、その分、構造を簡素化できる。
遊技機G1において、前記第2部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第2部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されるので、かかる第2部材の設計の自由度を高めることができる。即ち、第2部材を、その重心位置が回転中心に位置する形状とする必要がなく、例えば、回転軸に対して非対称の形状を採用できるので、かかる第2部材による演出効果を高めることができる。一方で、このように、第2部材の重心位置が偏心されていると、第2部材がその自重で回転中心まわりに回転(自転)されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
遊技機G1又はG2において、前記第2部材に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材は、少なくとも前記第1部材が前記退避位置へ変位された状態で変位可能に形成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、第2部材に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材は、少なくとも第1部材が退避位置へ変位された状態で変位可能に形成されるので、第1部材を退避位置へ変位させ、第2部材を露出させるという演出を行う際には、更に、変位部材を変位させることで、その演出効果を高めることができる。一方で、第2部材が露出された際に変位部材を変位させると、その変位に伴って重心位置が移動して、第2部材が回転(自転)されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
遊技機G3において、前記第2部材は、その外周面が遊技者に視認可能に配設され、前記変位部材は、一側が前記第2部材の外周面に回転可能に軸支され、前記一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出し可能に形成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、第2部材は、その外周面が遊技者に視認可能に配設され、変位部材は、一側が第2部材の外周面に回転可能に軸支され、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出し可能に形成されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、例えば、第2部材に遊技球の流入口が形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、遊技球を流入口へ流入させやすくすることができる。この場合、遊技領域を流下する遊技球を変位部材に受け止めさせると、その際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより第2部材が回転されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、変位部材を遊技領域の所定の位置に張り出させた状態を維持しやすくできる。
遊技機G4において、前記第1部材は、前記覆設位置では、前記第2部材の前記外周面に対面しつつ前記遊技領域に配置されると共に、前記退避位置では、前記遊技領域の領域外に配置されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、第1部材は、覆設位置では、第2部材の外周面に対面しつつ遊技領域に配置されるので、遊技領域を流下する遊技球が第2部材に衝突して、かかる第2部材が回転されることを抑制できる。特に、第2部材の回転位置が、変位部材を遊技領域側へ向ける回転位置である場合には、遊技領域を流下する遊技球が変位部材に衝突して、かかる変位部材が開放される(張り出される)ことを抑制できる。
また、第1部材は、退避位置では、遊技領域の領域外に配置されるので、第1部材の退避位置への変位により、変位部材が遊技領域へ張り出すためのスペースを確保することができる。よって、その分、第2部材の外周面を遊技領域側(遊技者側)へ近づけることができ、遊技者に変位部材を視認させやすくできる。
遊技機G5において、前記第1部材は、前記第2部材の回転軸と略平行な回転軸まわりに回転可能に形成されると共に、前記第2部材の外周面に沿って湾曲する板状に形成されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、第1部材は、第2部材の回転軸と略平行な回転軸まわりに回転可能に形成されると共に、前記第2部材の外周面に沿って湾曲する板状に形成されるので、覆設位置および退避位置の間で変位する際に必要なスペースを抑制できる。よって、その分、他の部材を配設するためのスペースを確保できる。また、このように第1部材が湾曲して形成されることで、遊技領域を流下する遊技球が、覆設位置に配置された第1部材上に停留されることを抑制して、スムーズに流下させることができる。
遊技機G3からG6のいずれかにおいて、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第2部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする遊技機G7。
ここで、第2部材を回転可能に形成すると共に、その第2部材に変位部材を変位可能に配設するためには、第2部材および変位部材のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、変位部材を変位させるための駆動手段を第2部材に搭載すると、第2部材の重量が増加するため、第2部材の回転の開始または停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、遊技機G7によれば、遊技機G3からG6のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第2部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えるので、1の駆動手段を兼用して、第2部材の回転と変位部材の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、変位部材を変位させるための駆動手段を第2部材に搭載する必要がないので、第2部材の重量を軽量化でき、第2部材の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
遊技機G7において、前記第1部材と前記変位部材とを連結し、前記変位部材の変位に前記第1部材の変位を連動させる連結手段を備えることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、第1部材と変位部材とを連結し、変位部材の変位に第1部材の変位を連動させる連結手段を備えるので、変位部材を変位させるための駆動手段を、第1変位部材を変位させるための駆動手段として兼用できる。この場合、変位部材と第1部材とを別々の駆動手段の駆動力により変位させる場合には、制御不良が生じると、変位部材と第1部材とが干渉するおそれがあるところ、変位部材と第1部材とを機械的に連結してそれらの変位を同期させることができるので、変位部材と第1部材とが干渉することを確実に抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材へ前記駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機において、前記伝達手段は、第1部材と、その第1部材よりも前記駆動力の伝達経路において前記変位部材側に位置する第2部材と、それら第1部材および第2部材の間に配設される係合部材とを備え、前記第1部材が前記第2部材に対して一方向へ変位される場合には、前記第1部材および第2部材に前記係合部材が係合して、前記駆動力が伝達されると共に、前記変位部材の変位区間のうちの所定の区間では、前記第2部材が前記第1部材に対して前記一方向へ先行して変位されることを特徴とする遊技機H1。
ここで、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材へ駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から変位部材への伝達手段による駆動力の伝達状態が常に一定であるため、駆動手段が一定の駆動速度で駆動されると、変位部材も一定の変位速度で変位され、かかる変位部材の変位態様に変化を付与することができない。そのため、変位部材の変位に伴う演出の演出効果が不十分であるという問題点があった。
なお、駆動手段の駆動速度を増減させれば、変位部材の変位速度を変化させることはできるが、変位部材の変位区間のうちの所定の区間における変位速度を他の区間における変位速度と異なる変位速度とするためには、変位部材の位置を検出するセンサ装置を配置し、そのセンサ装置の検出結果に応じて駆動手段の出力を増減させる制御が必要となり、製品コストや制御コストの増加を招く。また、構造および制御が複雑となり、その信頼性の低下を招く。
これに対し、遊技機H1によれば、伝達手段は、第1部材と、その第1部材よりも駆動力の伝達経路において変位部材側に位置する第2部材と、それら第1部材および第2部材の間に配設される係合部材とを備え、第1部材が第2部材に対して一方向へ変位される場合には、第1部材および第2部材に係合部材が係合して、駆動力が伝達されると共に、駆動力の伝達が遮断され、変位部材の変位区間のうちの所定の区間では、第2部材が第1部材に対して一方向へ向けて先行して変位されるので、駆動手段の駆動状態に関わらず、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。よって、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
また、遊技機H1によれば、駆動手段の駆動状態に関わらず、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行させることができるので、例えば、変位部材の変位区間における全区間において、駆動手段を一定の駆動速度で駆動でき、変位部材の変位区間の途中で(即ち、所定の区間か他の区間かに応じて)、駆動手段の駆動速度を増減させる必要がない。その結果、制御を簡素化して、制御コストを削減できると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。或いは、所定の区間では、駆動手段の駆動を停止させることができ、この場合には、消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、遊技機H1によれば、第1部材を2部材に対して他方向へ変位させる方向の駆動状態では、係合部材の係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断されるので、変位部材を停止状態(非駆動状態)とすることができ、かかる駆動状態における駆動手段の駆動力を、他の部材を駆動するための駆動力として利用することができる。即ち、駆動手段の駆動方向を切り替えることで、変位部材と他の部材との2部材をそれぞれ変位させることができる。
なお、伝達手段は、前記第1部材が前記2部材に対して他方向へ変位される場合に、前記係合部材の係合が解除されて、前記駆動力の伝達が遮断されるように形成されるものであっても良い。
遊技機H1において、前記変位部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心され、前記所定の区間では、前記変位部材の重さが前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心され、所定の区間では、変位部材の重さが第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる変位部材の重さを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
例えば、変位部材がその回転軸を回転中心とする360度の回転を繰り返し可能に形成される場合には、所定の区間における変位部材の変位速度(回転速度)が、他の区間における変位部材の変位速度(回転速度)よりも速くされた態様、即ち、1回転の間にその回転速度が増減される回転態様を、繰り返し行うことができる。
遊技機H2において、前記伝達手段は、前記第2部材により回転駆動される本体部およびその本体部から突設されると共に前記本体部の回転中心から偏心して位置するピン部を有するクランク部材と、そのクランク部材のピン部が摺動可能に挿通される摺動溝が一端側に形成されると共に中間部分が回転可能に軸支されるアーム部材とを備え、前記アーム部材の他端側が前記変位部材に連結されることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、伝達手段は、第2部材により回転駆動される本体部およびその本体部から突設されると共に本体部の回転中心から偏心して位置するピン部を有するクランク部材と、そのクランク部材のピン部が摺動可能に挿通される摺動溝が一端側に形成されると共に中間部分が回転可能に軸支されるアーム部材とを備えるので、第2部材によってクランク部材を回転駆動させ、ピン部材を摺動溝に沿って摺動させることで、アーム部材の他端側を往復動作させることができる。この場合、アーム部材の他端側が変位部材に連結されるので、かかるアーム部材の他端側の往復動作に伴って、変位部材を第1位置および第2位置の間で往復動作させることができる。即ち、駆動手段の駆動方向を切り替えることなく、変位部材の変位方向を切り替えることができる。
遊技機H3において、前記変位部材は、前記アーム部材の他端側の往復動作に伴って、第1位置および第2位置の間で往復動作され、前記第1位置から前記第2位置まで変位される間、及び、前記第2位置から前記第1位置まで変位される間のそれぞれの途中において、前記変位部材の重さが前記第2部材に作用される方向が、前記第2部材を前記他方向へ変位させる方向から前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ転換されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、変位部材は、アーム部材の他端側の往復動作に伴って、第1位置および第2位置の間で往復動作され、第1位置から第2位置まで変位される間、及び、第2位置から第1位置まで変位される間のそれぞれの途中において、変位部材の重さが第2部材に作用される方向が、第2部材を他方向へ変位させる方向から第2部材を一方向へ変位させる方向へ転換されるので、変位部材が往復動作される際には、いずれの方向へ変位される際にも、その変位の途中から変位部材の変位速度を速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
例えば、変位部材を、遊技者から視認可能に張り出した位置である張出位置(第1位置)と、その張出位置かれ退避された位置である退避位置(第2位置)との間で往復動作させる場合、退避位置から張出位置へ変位部材を張り出させる際には、途中までは一定の変位速度で変位させつつ、途中から変位部材の変位速度を速くして、変位部材を勢い良く張出位置に張り出させることができると共に、張出位置から張出位置へ変位部材を退避させる際には、途中までは一定の変位速度で変位させつつ、途中から変位部材の変位速度を速くして、変位部材を即座に退避位置に退避させることができる。
遊技機H1において、前記変位部材は、スライド変位可能に形成され、前記所定の区間では、前記スライド変位の方向へ向けて下降傾斜されることで、前記変位部材の重さが前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、変位部材は、スライド変位可能に形成され、所定の区間では、スライド変位の方向へ向けて下降傾斜されることで、変位部材の重さが第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる変位部材の重さを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
遊技機H2からH5のいずれかにおいて、前記変位部材は、少なくとも前記所定の区間において、遊技球を保持可能に形成されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H2からH5のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、少なくとも所定の区間において、遊技球を保持可能に形成されるので、変位部材が遊技球を保持した状態では、その遊技球の重さの分、変位部材全体としての重さを大きくして、所定の区間における変位部材の変位速度をより速くすることができる。また、変位部材に遊技球が保持されている場合と、遊技球が保持されていない場合とで、或いは、保持されている遊技球の数に応じて、変位部材全体としての重さを異ならせることができる。これにより、それぞれの場合において、変位部材の変位速度を変化させることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
遊技機H2からH6のいずれかにおいて、前記変位部材は、遊技領域を流下する遊技球を受け止める受け止め部を備え、少なくとも前記所定の区間では、前記受け止め部が遊技球を受け止めた際にその遊技球から前記変位部材に作用される力が、前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H2からH6のいずれかにおいて、変位部材は、遊技領域を流下する遊技球を受け止める受け止め部を備え、少なくとも所定の区間では、受け止め部が遊技球を受け止めた際にその遊技球から変位部材に作用される力が、第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、受け止め部が遊技球を受け止めた際に、その遊技球の運動エネルギーを利用して、所定の区間における変位部材の変位速度をより速くすることができる。また、受け止め部が遊技球を受け止めている場合と、受け止めていない場合、或いは、受け止める際の遊技球の流下速度(運動エネルギーの大きさ)に応じて、変位部材に作用される力を異ならせることができる。これにより、それぞれの場合において、変位部材の変位速度を変化させることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
なお、遊技領域を流下する遊技球とは、遊技盤の前面を重力方向に沿って移動する遊技球に限定されず、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球も含まれる。重力方向と異なる方向へ移動する遊技球としては、例えば、釘やチューリップ、役物などに衝突して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球や、ステージを転動した後、そのステージから飛び出して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球が例示される。
遊技機H6又はH7において、前記伝達手段は、前記駆動力の伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H6又はH7の奏する効果に加え、伝達手段は、駆動力の伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えるので、所定の区間において、変位部材に遊技球が保持されている又は受け止め部により遊技球が受け止めれた際には、遊技球の重さ又は運動エネルギーを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させる(即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くする)一方、変位部材に遊技球が保持されてない又は受け止め部に遊技球が受け止められていなければ、負荷用歯車を回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、第2部材が第1部材に対して一方向へ先行して変位される(即ち、所定の区間における変位部材の変位速度が速くされる)ことを抑制できる。
即ち、遊技球が変位部材に保持されていない又は受け止め部が遊技球を受け止めていない場合には、所定の区間における変位部材の変位速度が、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くなることを抑制し、遊技球が変位部材に保持されている又は受け止め部が遊技球を受け止めた場合にのみ、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くするという態様を形成しやすくできる。
<背面ケース300を一例とする発明の概念について>
遊技盤(ベース板60)と、その遊技盤の背面側に配設される背面部材(背面ケース300)と、その背面部材の背面側に配設される固定部材(固定部材320)と、を備える遊技機において、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間に配設され、前記遊技盤の背面側であって、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間の外側から操作可能な変位部材(係合部材310)を備え、前記固定部材は、その少なくとも一部が前記背面部材の正面側に配設され、前記変位部材と係合する突出部(被係合部322)を備え、その突出部と前記変位部材とが係合して、前記固定部材が前記背面部材に配設されることを特徴とする遊技機I1。
従来より、遊技盤と、その遊技盤の背面側に配設される背面部材と、その背面部材の背面側に配設される固定部材と、を備える遊技機が知られている(例えば、特開2004−33603号公報)。この遊技機によれば、背面部材の正面側から挿通されるネジにより固定部材が背面部材に締結される。これにより、遊技盤の背面側から固定部材が取り外されることを抑制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、固定部材を背面部材に配置する工程と固定部材を背面部材に締結する工程とが、背面部材の背面側からの作業と背面部材の正面側からの作業とで反対方向からの作業となる。従って、固定部材を背面部材に配設する際に、背面部材の背面側に固定部材を配置した後に背面部材の正面側に回り込んで、又は、背面部材を反転させて、背面部材の正面側からネジを締結する必要がある。よって、固定部材を背面部材に配設する作業工程が多くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機I1では、遊技盤から背面部材までの対向間に配設され、遊技盤の背面側であって、遊技盤から背面部材までの対向間の外側から操作可能な変位部材を備え、固定部材は、その少なくとも一部が背面部材の正面側に配設され、変位部材と係合する突出部を備え、その突出部と変位部材とが係合して、固定部材が背面部材に配設されるので、背面部材の背面側からの1方向の作業で固定部材を背面部材に配設することができる。従って、背面側から作業した後に正面側に回り込む、又は、背面部材を反転させる工程をなくすことができる。その結果、固定部材を背面部材に配設する作業工程を少なくできる。
また、突出部と固定部材との係合部分が背面部材の正面側に位置されるので、遊技盤と背面部材との対向間の外側から突出部と固定部材との係合部分にアクセスされることを抑制できる。その結果、突出部と固定部材との係合が不正に解除されることを抑制できる。
遊技機I1において、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間に配設される第1部材(回転ユニット700)を備え、その第1部材の背面側に前記変位部材が配設されることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間に配設される第1部材を備え、その第1部材の背面側に前記変位部材が配設されるので、変位部材と固定部材との係合部分を背面部材から第1部材までの対向間に配置することができる。よって、変位部材と固定部材との係合部分に不正にアクセスされることを抑制できる。その結果、変位部材と固定部材との係合が不正に解除されて、固定部材に不正がされる(例えば、不正な固定部材に交換される)ことを抑制できる。
また、近年の遊技機では、遊技盤から背面部材までの対向間に配設される第1部材(役物装置等)が大型化される傾向がある。そのために、固定部材を背面部材の正面側からネジで締結する従来の遊技機では、大型化された第1部材が固定部材の正面、又は、固定部材と近接する位置に配設されると、固定部材を背面部材の正面側からネジで締結する際に第1部材が邪魔になる。よって、固定部材を背面部材の正面側から挿通するネジで締結して、背面部材に固定部材を配設することが困難となっていた。
これに対し、遊技機I2によれば、変位部材は第1部材の背面側に配設されるので、遊技盤から背面部材までの対向間に第1部材を配設した状態で、遊技盤から背面部材までの対向間の外側から変位部材を操作して、変位部材と固定部材とを係合させることができる。従って、変位部材を遊技盤から背面部材までの対向間に配設される第1部材に邪魔されることなく、固定部材を背面部材に配設することができる。
遊技機I1又はI2において、前記変位部材は、前記背面部材と前記遊技盤との対向面と平行な平面上をスライド変位されることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、変位部材は、背面部材と遊技盤との対向面と平行な平面上をスライド変位されるので、変位部材が変位した際に、背面部材と遊技盤との対向方向への変位量を0とすることができる。これにより、変位部材と遊技盤との対向間の空間を確保することができる。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、前記背面部材は、前記遊技盤と対向する底壁部(底壁部302)と、その底壁部の縁部から前記遊技盤側に立設される側壁部(外壁部301)と、を備える箱状に形成され、前記底壁部または側壁部のどちらか一方には開口部(第2開口部301d)が開口形成され、前記変位部材は、前記開口部に挿通され前記背面部材の内部から外部に突出される操作子(操作子315)を備えることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I1からI3のいずれかの奏する効果に加え、背面部材は、遊技盤と対向する底壁部と、その底壁部の縁部から遊技盤側に立設される側壁部と、を備える箱状に形成され、底壁部または側壁部のどちらか一方には開口部が開口形成され、変位部材は、開口部に挿通され背面部材の内部から外部に突出される操作子を備えるので、背面部材の外部(遊技盤から背面部材までの対向間の外側)から操作子を操作して、変位部材を変位させることができる。これにより、遊技盤から背面部材までの対向間の外側から遊技盤から背面部材までの対向間に配置される変位部材を変位させやすくすることができる。その結果、固定部材に変位部材を係合させる作業の効率を向上することができる。
遊技機I4において、前記変位部材と前記固定部材との係合が解除された状態において、前記固定部材との係合を解除する方向に前記変位部材を付勢する付勢手段を備えることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、変位部材と固定部材との係合が解除された状態において、固定部材との係合を解除する方向に変位部材を付勢する付勢手段を備えるので、変位部材と固定部材とを係合し忘れた場合、又は、変位部材と固定部材との係合が不完全であった場合に、変位部材を固定部材との係合を解除する方向に変位させることができる。よって、作業者は、変位部材と固定部材との係合が正しくされているかを、背面部材の外側に突出する操作子が配置される位置で判断することができる。その結果、変位部材と固定部材との係合が忘れられることを抑制できる。
なお、付勢手段は、変位部材と背面部材との間に、スプリングやゴムなどを配設して変位部材を固定部材との係合を解除する方向に付勢する形態や、変位部材の自重を変位部材を固定部材との係合を解除する方向に作用させる形態等が例示される。
遊技機I1からI5において、前記固定部材は、前記背面部材の背面に配設される支持部材(軸支部材340)と、その支持部材に連結され、前記遊技機の制御を行う基板部材(基盤ボックス100)とを備え、前記基板部材に前記突出部が形成されることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I1からI5の奏する効果に加え、前記固定部材は、前記背面部材の背面に配設される支持部材と、その支持部材に連結され、遊技者に所定の遊技価値を付与する抽選を行う基板部材とを備え、前記基板部材に前記突出部が形成されるので、支持部材に基板部材が連結されていない場合に、変位部材を固定部材に傾動させることができなくなる。従って、背面部材と基板部材とを連結するための支持部材に比べて遊技機に必要とされる制御を行う基板部材の配設を忘れた場合に、変位部材が変位されて係合することを抑制できる。これにより、基板部材を配設する作業者が、基板部材の配設を忘れた場合にその取り付け忘れを作業者に気が付かせることができる。その結果、基板部材が取り付け忘れられた状態で遊技機の組み付け工程の後工程に送られることを抑制できる。
遊技機I6において、前記基板部材は、前記支持部材に回転可能な状態で前記支持部材に連結され、前記突出部は、前記基板部材の回転軸から径方向に異なる位置に配設され、前記基板部材が前記支持部材に対して回転されることで、前記背面部材の正面側に配置される第1位置と、前記背面部材の背面側に配置される第2位置との間で変位可能とされ、前記変位部材は、前記突出部が前記I第1位置に配置される場合に、前記基板部材の回転軸から前記突出部に向かう方向にスライド変位可能に設定されることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、基板部材は、支持部材に回転可能な状態で支持部材に連結され、突出部は、基板部材の回転軸から径方向に異なる位置に配設され、基板部材が支持部材に対して回転されることで、背面部材の正面側に配置される第1位置と、背面部材の背面側に配置される第2位置との間で変位可能とされ、変位部材は、突出部が第1位置に配置される場合に、基板部材の回転軸から突出部に向かう方向にスライド変位可能に設定されるので、基板部材が支持部材に対して回転変位されて突出部が第1位置に配設されるより前に、変位部材が突出部と係合する位置に変位される場合に、突出部を第2位置側から第1位置に変位させることで、突出部を変位部材に当接させることができる。
この場合に、変位部材は、基板部材の回転軸から突出部に向かう方向にスライド変位可能に設定されるので、突出部が当接された力を変位部材と突出部との係合を解除する方向に変位部材に作用させることができる。従って、変位部材に突設部が当接された場合に、突設部が当接される力で変位部材を固定部材との係合を解除する方向に変位させることができる。よって、変位部材を突設部との係合を解除する方向に変位させることができる。その結果、背面部材に固定部材を配設する作業者に変位部材と固定部材とが被係合であることを認識させやすくでき、変位部材と固定部材とが非係合とされることを抑制できる。
さらに、変位部材に突設部が当接した場合に、変位部材を固定部材との係合を解除する方向に逃がすことで、変位部材に突設部が当接した場合に、変位部材または固定部材が破損することを抑制できる。
遊技機I4からI7のいずれかにおいて、前記遊技盤および背面部材を収容可能な枠状に形成される外枠(外枠11)を備え、前記外枠の内形は、前記遊技盤および背面部材の正面視における外側の外形と略同一に形成され、前記変位部材と前記固定部材とが非係合の状態では、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間の外側に前記操作子が配置されることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I4からI7のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤および背面部材を収容可能な枠状に形成される外枠を備え、外枠の内形は、遊技盤および背面部材の正面視における外側の外形と略同一に形成され、変位部材と固定部材とが非係合の状態では、遊技盤から背面部材までの対向間の外側に操作子が配置されるので、変位部材と固定部材とが非係合とされる場合に、遊技盤および背面部材を外枠に収容すると、外枠に操作子を当接させることができる。これにより、遊技盤および背面部材が外枠に収容されることを抑制できる。よって、背面部材に固定部材を配設し忘れた場合、又は、変位部材と固定部材との係合を忘れた場合に、その忘れ(異常)を作業者に気が付かせることができる。その結果、背面部材に固定部材を配設し忘れた、又は、変位部材と固定部材との係合を忘れた状態で、遊技盤が外枠に収容されることを抑制できる。
遊技機I4からI8のいずれかにおいて、前記変位部材と前記固定部材との係合を解除する方向に、前記操作子が操作されることを抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I4からI8のいずれかの奏する効果に加え、変位部材と固定部材との係合を解除する方向に、操作子が操作されることを抑制する抑制手段を備えるので、操作子が操作されて、変位部材が固定部材との係合を解除する方向へ変位されることを抑制できる。その結果、操作子を利用して、変位部材と固定部材との係合が解除されることを抑制できる。
なお、変位部材と固定部材との係合を解除する方向に、操作子が操作されることを抑制する抑制手段としては、操作子が係合を解除する方向に空転可能に軸支される形態、変位部材と固定部材との係合を解除する方向に向かって操作子の突出先端が突出する傾斜面に形成される形態、変位部材と固定部材との間に操作子が配設される形態等が例示される。
遊技機I1からI9のいずれかにおいて、前記変位部材は、弾性変形可能な弾性片と、その弾性片に突設される第1突部と、を備え、前記固定部材は、前記変位部材の変位領域に開口して、前記変位部材の変位方向に凹設される収容部を備え、前記収容部は、前記第1突部の変位領域に突設される第2突部を備え、前記第2突部は、前記変位部材が一方向に変位されることで、前記第1突部と当接して前記弾性片を変位可能とされ、前記変位部材が他方向に変位されることで、前記第1部材と当接して前記変位部材と前記固定部材とを係合可能とさせることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I1からI9のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、弾性変形可能な弾性片と、その弾性片に突設される第1突部と、を備え、固定部材は、変位部材の変位領域に開口して、変位部材の変位方向に凹設される収容部を備え、収容部は、第1突部の変位領域に突設される第2突部を備え、第2突部は、変位部材が一方向に変位されることで、第1突部と当接して弾性片を変位可能とされ、変位部材が他方向に変位されることで、第1部材と当接して変位部材と固定部材とを係合可能とさせるので、第2突部により、変位部材の一方向の変位を許容することができると共に、変位部材の他方向の変位を規制できる。これにより、固定部材との係合方向および脱落方向の両方向への変位部材の変位を規制することができる。
遊技機I10において、前記収容部は、前記弾性片を収容可能な大きさに設定され、前記第1突部と前記第2突部とが係合される際に、前記収容部に前記弾性片が収容されることを特徴とする遊技機I11。
遊技機I11によれば、遊技機I10の奏する効果に加え、収容部は、弾性片を収容可能な大きさに設定され、第1突部と第2突部とが係合される際に、収容部に弾性片が収容されるので、変位部材と固定部材が係合された状態では、収容部の外側から弾性片を操作しにくくすることができる。従って、弾性片が収容部の外側から操作されて、弾性変形されることを抑制できる。その結果、変位部材と固定部材との係合が不正に解除されることを抑制できる。なお、この場合、収容部の外側に位置する変位部材(被収容部の基端部分)を切断することで固定部材を背面部材から取り外すことが可能とされる。
遊技機I11において、前記変位部材は、前記収容部に収容可能な前記弾性片を複数備え、前記収容部は、前記弾性片を複数個収容可能な大きさに設定されることを特徴とする遊技機I12。
遊技機I12によれば、遊技機I11の奏する効果に加え、変位部材は、収容部に収容可能な弾性片を複数備え、収容部は、弾性片を複数個収容可能な大きさの空間に設定されるので、収容部の外側に位置する変位部材(弾性片の基端部分)を切断して固定部材を背面部材から取り外した場合に、その切断した変位部材(弾性片)を収容部の内側に残した状態とすることができると共に、その状態で切断されていない変位部材(弾性片)を収容部の内側に収容することができる。従って、収容部の内側に切断した変位部材(弾性片)を収容して残すことができるので、収容部に収容された変位部材の数と、変位部材の弾性片の切断数と、を比べることで、固定部材が不正に取り外されて、不正な固定部材に変更された場合に、その数が異なることで、遊技機に不正がされたことを作業者に察知させることができる。
遊技機I1からI12のいずれかにおいて、前記第1部材は、前記変位部材が前記固定部材と係合した際に、前記固定部材との係合を解除する方向への前記変位部材の変位を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機I13。
遊技機I13によれば、遊技機I1からI12の奏する効果に加え、変位部材が固定部材と係合した際に、固定部材との係合を解除する方向への変位部材の変位を規制する規制手段を備えるので、不正により変位部材と固定部材との係合を解除する方向に力が作用する場合に、変位部材が変位することを規制できる。よって、不正により変位部材が固定部材との係合を解除する方向に力が作用する場合に、変位部材と固定部材との係合部分に力が集中することを抑制することができるので、不正により入力される力により、変位部材または固定部材が破損することを抑制できる。
また、第1部材が規制手段を備えるので、固定部材を背面部材から取り外す場合には、第1部材を背面部材から取り外すことで、規制手段による変位部材の変位の規制を解除することができる。この場合、第1部材を取り外すことで、変位部材と固定部材との係合部分にアクセス可能とされるので、固定部材を背面部材から取り外す際の作業効率を向上できる。
なお、変位部材の変位を規制する規制手段は、係合凹部の内側に突起を配置して変位部材の弾性変形を規制する形態や、突起を変位部材と係合させる形態等が例示される。
<一般入賞口ユニット150を一例とする発明の概念について>
正面側に遊技領域を有するベース部材(ベース板60)と、そのベース部材の正面に装飾を形成する第1装飾手段(装飾部材60c)と、正面視における前記第1装飾手段の装飾と連続する装飾を形成する第2装飾手段(装飾部材154)と、を備える遊技機において、前記第1装飾手段および前記第2装飾手段が、正面視における前後方向に隣合う位置に配設されることを特徴とする遊技機J1。
従来より、正面側に遊技領域を有するベース部材と、そのベース部材の正面に配設され、正面に装飾が形成される第1装飾手段と、その第1装飾手段の正面に配設される第1部材と、その第1部材の正面に配設され、正面視において第1装飾手段の装飾と連続する装飾が形成される第2装飾手段と、を備える遊技機が知られている(例えば、特開2007−000195号公報)。この遊技機によれば、第1装飾手段および第2装飾手段の装飾を合わせて1の装飾として遊技者に視認させることで、ベース部材の意匠性を確保できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2装飾手段が、第1装飾手段が第1部材の正面に配設されるので、第1部材の厚み分、第2装飾手段が第1装飾手段から離れた位置に配置される。そのために、遊技者が、ベース部材を視認する位置(目線の方向)により、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とが、第1部材の厚みの分、ずれて視認され、ベース部材の意匠性が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機J1によれば、前記第1装飾手段および第2装飾手段が、正面視における前後方向に隣合う位置に配設されるので、第1装飾手段と第2装飾手段との前後の離間距離を小さくできる。これにより、第1装飾手段または第2装飾手段の正面視に対して傾斜した角度から第1装飾手段および第2装飾手段を視認した際に、第1装飾手段の装飾および第2装飾手段の装飾がずれて視認されることを抑制できる。従って、遊技者に第1装飾手段の装飾および第2装飾手段の装飾を合わせて1の装飾として視認させやすくすることができ、ベース部材の意匠性を向上できる。
また、第1装飾手段は、装飾が形成されるものであればよく、例えば、板状の部材に装飾を印刷したシール部材をベース部材の正面に貼り付けるもの、又は、ベース部材の正面に装飾を印刷するものである。
なお、第2装飾手段が第1装飾手段の正面に貼付(接着)される場合には、作業者が第1装飾手段の装飾を視認しつつ、第2装飾手段を貼付(接着)することができる。よって、作業者は、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とを連続する位置で第2装飾手段を第1装飾手段に貼付させやすい。従って、第2装飾手段を第1装飾手段に貼付する作業者の作業性を向上させることができる。
遊技機J1において、光透過性材料から形成され、前記第2装飾手段の正面視における外形よりも大きい外形に形成され、前記第2装飾手段の正面に配設される正面部材を備え、前記正面部材は、前記第2装飾手段との対向面に前記第2装飾手段の外形と同一または前記第2装飾手段の外形よりも大きい形状に凹設される凹部を備え、前記凹部の凹設寸法が、前記第2装飾手段の厚み寸法と同一または前記第2装飾手段の厚み寸法よりも大きい値に設定されることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、光透過性材料から形成され、第2装飾手段の正面視における外形よりも大きい外形に形成され、第2装飾手段の正面に配設される正面部材を備え、正面部材は、第2装飾手段との対向面に第2装飾手段の外形と同一または第2装飾手段の外形よりも大きい形状に凹設される凹部を備え、凹部の凹設寸法が、第2装飾手段の厚み寸法と同一または第2装飾手段の厚み寸法よりも大きい値に設定されるので、第2装飾手段を凹部に収容した状態で正面部材をベース部材に配設することができる。これにより、第2装飾手段が、ベース部材と正面部材との間から脱落することを抑制できる。
また、凹部の凹設寸法が、第2装飾手段の厚み寸法と同一または第2装飾手段の厚み寸法よりも大きい値に設定されるので、正面部材と第1装飾手段との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、正面部材と第1装飾手段との間に埃やゴミが挟まって第1装飾手段の装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
遊技機J2において、前記正面部材は、正面視における外縁に向かうに従って前記第1装飾手段側に傾斜する傾斜部を備え、前記傾斜部の背面側に前記第2装飾手段の縁部が配設されることを特徴とする遊技機J3。
ここで、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾との両者の装飾を遊技者に1の装飾として視認させやすくするためには、両者の装飾の位置ずれを抑える必要がある。しかしながら、第1装飾手段と第2装飾手段とを前後方向に重ね合わせると、第2装飾手段の厚みの分、両者の装飾の位置が前後方向に位置ずれするために、第1装飾手段または第2装飾手段の正面視に対して傾斜した角度から第1装飾手段と第2装飾手段とを視認した際に、前後の位置ずれが認識されるという問題点があった。
これに対し、遊技機J3によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、正面部材は、正面視における外縁に向かうに従って第1装飾手段側に傾斜する傾斜部を備え、傾斜部の背面側に第2装飾手段の縁部が配設されるので、第2装飾手段と第1装飾手段との前後方向の配置が異なることによる装飾の位置ずれを、正面部材の傾斜部による光の屈折で遊技者に認識させにくくすることができる。
詳しく説明すると、第1装飾手段または第2装飾手段の装飾に反射されて正面部材の内部を遊技者側に通過して傾斜部から出射される光の方向を、光の屈折により第1装飾手段または第2装飾手段の正面に対して傾斜した角度に設定することができる。従って、第1装飾手段と第2装飾手段とを重ね合わせた端部をベース部材の正面に対して傾斜した角度から遊技者が視認した場合に、第1装飾手段と第2装飾手段とを前後方向に重ね合わせた端部を遊技者に第1装飾手段と第2装飾手段との重なり方向から視認させることができる。その結果、遊技者が第1装飾手段と第2装飾手段とを視認した際に、前後の位置ずれを遊技者に認識されにくくすることができる。
遊技機J3において、前記傾斜部は、正面視における前記正面部材の外縁の延設方向と直交する方向の断面の外縁が前記正面部材の外縁に向かって凸状に湾曲する円弧形状に形成され、その傾斜部の端部同士を連結する直線の略中間位置よりも、正面視における前記正面部材の中央側に前記第2装飾手段の端部が配設されることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、傾斜部は、正面視における正面部材の外縁の延設方向と直交する方向の断面の外縁が正面部材の外縁に向かって凸状に湾曲する円弧形状に形成され、その傾斜部の端部同士を連結する直線の略中間位置よりも、正面視における正面部材の中央側に第2装飾手段の端部が配設されるので、第1装飾手段または第2装飾手段の正面視に対して傾斜した角度から第1装飾手段と第2装飾手段とを視認した際に、傾斜部の湾曲による光の屈折で、正面部材の中央側を通過する光の方向を、第1装飾手段と第2装飾手段とが重なる方向に近づけることができる。
また、傾斜部の端部同士を連結する直線の略中間位置よりも前記正面部材の中央側に前記第2装飾手段の端部が配設されるので、第1装飾手段と第2装飾手段との前後方向における位置ずれが、遊技者に認識されることを抑制できる。その結果、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とを遊技者に1の装飾として視認させやすくすることができる。
遊技機J3において、前記傾斜部は、正面視における前記正面部材の外縁の延設方向と直交する方向の断面の外縁が正面部材の内側に向かって凹状に湾曲する円弧形状に形成されることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J3において、傾斜部は、正面視における正面部材の外縁の延設方向と直交する方向の断面の外縁が正面部材の内側に向かって凹状に湾曲する円弧形状に形成されるので、傾斜部を介して視認される領域を縮小した状態で視認させることができる。従って、傾斜部を介して視認される第1装飾部材と第2装飾部材との連結部分を縮小した状態で視認させることができる。その結果、第1装飾手段と第2装飾手段とを1の装飾として遊技者に視認させることができる。
遊技機J5において、前記傾斜部は、正面視における正面部材の外縁の延設方向と直交する方向の断面の端部同士を連結する直線が前記第2装飾手段の装飾面に対して45度以上傾斜されることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J5のいずれかの奏する効果に加え、傾斜部は、正面視における正面部材の外縁の延設方向と直交する方向の断面の端部同士を連結する直線が第2装飾手段の装飾面に対して45度以上傾斜されるので、縮小して視認される領域が拡大することを抑制できる。従って、傾斜部により縮小して視認される領域を一部として、部分的に第1装飾手段と第2装飾手段との連結部分をぼやかすことができ、それら第1装飾手段と第2装飾手段との位置ずれを遊技者に認識されにくくすることができる。その結果、第1装飾手段と第2装飾手段とを1の装飾として遊技者に視認させやすくすることができる。
遊技機J2からJ6のいずれかにおいて、前記凹部の内側面は、前記第1装飾手段側に向かって正面視における外側に傾斜する第2傾斜部が形成され、その第2傾斜部は、前記ベース部材の正面に対する傾斜角度が、前記ベース部材の正面に対する前記傾斜部の傾斜角度より小さく設定されることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J2からJ6の奏する効果に加え、凹部の内側面は、第1装飾手段側に向かって正面視における外側に傾斜する第2傾斜部が形成され、その第2傾斜部は、ベース部材の正面に対する傾斜角度が、ベース部材の正面に対する傾斜部の傾斜角度より小さく設定されるので、傾斜部および第2傾斜部を介して視認される第1装飾手段の装飾(虚像)の位置を、傾斜部および第2傾斜部を介さずに視認される第1装飾手段の装飾(実像)の位置に近づけることができる。その結果、正面部材を介して第1装飾手段を視認した際に、正面部材を介すことによる光の屈折で、第1装飾手段の装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
遊技機J2からJ7のいずれかにおいて、前記傾斜部は、その傾斜部を介して正面側に出射される光を乱反射させる乱反射手段を備えることを特徴する遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J2から遊技機J7のいずれかの奏する効果に加え、傾斜部は、その傾斜部を通過して正面側に出射される光を乱反射させる乱反射手段を備えるので、傾斜部を介して視認される領域をぼやけさせることができる。従って、第1装飾手段と第2装飾手段との連結部分をぼやかすことができ、それら第1装飾手段と第2装飾手段との位置ずれを遊技者に認識されにくくすることができる。その結果、第1装飾手段と第2装飾手段とを1の装飾として遊技者に視認させやすくすることができる。
なお、乱反射手段は、傾斜部のどこに形成されていてもよく。例えば、傾斜部の背面側に形成される場合には、乱反射手段により第1装飾手段および第2装飾手段の装飾面を撓ませることができるので、傾斜部を介して視認される第1装飾手段と第2装飾手段との連結部分をぼやけさせやすくできる。
遊技機J3からJ8のいずれかにおいて、前記第2装飾手段は、前記正面部材に接着される接着面と、前記正面部材に非接着の非接着面と、を備え、前記傾斜部と前記第2装飾手段とが少なくとも対向する位置に前記非接着面を備えることを特徴とする遊技機J9。
ここで、遊技者が傾斜部の傾斜と直交する方向から、第1装飾手段と第2装飾手段との装飾の連結部分を視認した場合には、第1装飾手段と第2装飾手段との前後方向の装飾の位置ずれが遊技者に認識される恐れがある。
これに対し、遊技機J9によれば、遊技機J3からJ8のいずれかの奏する効果に加え、第2装飾手段は、正面部材に接着される接着面と、正面部材に非接着の非接着面と、を備え、傾斜部と第2装飾手段とが少なくとも対向する位置に非接着面を備えるので、非接着面における第2装飾手段と正面部材(傾斜部)との対向間に隙間を形成して、正面部材の非接着面を通過する光を全反射させることができる。これにより、傾斜部の傾斜と直交する方向から傾斜部を介して遊技者が第2装飾手段を視認した際に、遊技者に第2装飾手段の端部の装飾を視認させなくすることができる。その結果、傾斜部の傾斜と直交する方向から傾斜部を介して遊技者が第1装飾手段と第2装飾手段とを視認した場合には、第2装飾手段の装飾を視認し難くすることで、第1装飾手段と第2装飾手段の前後方向の装飾の位置ずれが遊技者に認識されることを抑制できる。
遊技機J2からJ9のいずれかにおいて、前記凹部は、内側面が前記第2装飾手段の外形に沿って形成され、前記第2装飾手段は、前記凹部の凹設底面に接着して配設されることを特徴とする遊技機J10。
遊技機J10によれば、遊技機J2からJ9のいずれかの奏する効果に加え、凹部は、内側面が第2装飾手段の外形に沿って形成され、第2装飾手段は、凹部の凹設底面に接着して配設されるので、正面部材の凹部に沿って第2装飾手段を配設することで、第2装飾手段を正面部材に対して位置決めして配設できる。これにより、正面部材を第1装飾手段の正面に配設した際に、正面部材の縁部と第1装飾手段の対向間に第2装飾手段が挟まることを抑制できる。その結果、第1装飾手段と正面部材との間に隙間が形成されることを抑制でき、正面部材と第1装飾手段との間に埃やゴミが挟まって第1装飾手段の装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
遊技機J2からJ10のいずれかにおいて、前記ベース部材との対向面から前記ベース部材側に突出する突起を備え、前記ベース部材は、前記突起と対応する位置に開口する開口部を備え、前記突起が前記開口部に挿入されることで、前記正面部材が前記ベース部材に対して位置決めされることを特徴とする遊技機J11。
遊技機J11によれば、遊技機J2kらJ10のいずれかの奏する効果に加え、正面部材は、ベース部材との対向面からベース部材側に突出する突起を備え、ベース部材は、突起と対応する位置に開口する開口部を備え、突起が開口部に挿入されることで、正面部材がベース部材に対して位置決めされるので、第1装飾手段に対する正面部材の位置がずれることを抑制できる。また、第2装飾手段は、正面部材の凹部により正面部材に対して位置決めされる。よって、第1装飾手段に対する正面部材の位置決めをすることで、第1装飾手段と第2装飾手段との配置がずれることを抑制できる。その結果、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とを遊技者に1の装飾として視認させやすくすることができる。
遊技機J11において、前記突起は、前記凹部の凹設底面に形成され、前記第2装飾手段には、前記突起と対応する位置に貫通する貫通孔が形成され、前記貫通孔に前記突起が挿入されることを特徴とする遊技機J12。
遊技機J12によれば、遊技機J11の奏する効果に加え、突起は、凹部の凹設底面に形成され、第2装飾手段には、突起と対応する位置に貫通する貫通孔が形成され、貫通孔に突起が挿入されるので、正面部材に対する第2装飾手段の配置を簡易にすることができる。即ち、正面部材の凹部の内側に第2装飾手段を配設するだけでは、第2装飾手段の縁部を凹部に沿わせて配設する必要があるのに対し、第2装飾手段に突起が挿通される貫通孔を形成することで、突起を貫通孔に挿通させるのみで、正面部材に対する第2装飾手段の配置を決めることができる。その結果、正面部材に対する第2装飾手段の配置を簡易にすることができる。
また、第1装飾手段に対して、正面部材の位置決めをする突起が第2装飾手段の貫通孔に挿通されるので、第2装飾手段と第1装飾手段とを同一の部分(突起)で位置決めすることができるので、装飾部材と第1装飾手段との位置決めの精度を向上させることができる。その結果、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とを遊技者に1の装飾として視認させやすくすることができる。
<特別入賞装置550を一例とする発明の概念について>
正面側に遊技領域を有する遊技盤(ベース板60)と、その遊技盤に配設され、前記遊技領域を流下する遊技球を送球する経路を有する経路ユニット(特別入賞装置550)と、を備える遊技機において、前記経路ユニットは、正面視における前記遊技盤に対して水平方向の一側に遊技球を送球する第1経路(主経路SK2)と、その第1経路から送球された遊技球を前記遊技盤に対して水平方向の他側に送球する第2経路(主経路SK3)と、前記遊技盤に対して水平方向の前記一側で前記第1経路および前記第2経路を連結する第3経路(湾曲経路WK1)と、を備え、前記第3経路は、前記遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方に遊技球を案内する第1案内手段を前記遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方の内壁に備えることを特徴とする遊技機K1。
従来より、正面側に遊技領域を有する遊技盤と、その遊技盤に配設され、遊技領域を流下する遊技球の送球を案内する経路を有する経路ユニットと、を備える遊技機が知られている(例えば、特開2015−131046号公報)。この遊技機によれば、経路ユニットに形成される案内経路に流入した遊技球を、その案内経路の経路に沿って案内する(転動させる)ことで、遊技球の転動(流下)に興趣を持たせることができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、正面視における前記遊技盤に対して水平方向の一側に遊技球を送球する第1経路と、その第1経路から送球された遊技球を前記遊技盤に対して水平方向の他側に送球する第2経路と、前記遊技盤に対して水平方向の前記一側で前記第1経路および前記第2経路を連結する第3経路と、を形成すると、第1経路から送球される遊技球の速度が第3経路との連通部分(第1経路の下流側端部)で最大とされるために、第1経路の送球方向の延長線上に位置し、第1経路から送球された遊技球が当接する第3経路の内壁に遊技球が衝突してその遊技球が第1経路の上流側に向かって跳ね返りやすくなる。よって、第3経路の内壁に衝突した遊技球が第1経路に戻る、又は、第3経路の内部で第1経路の送球方向(正面視における水平方向)に揺れ動く(ぶれる)恐れがあった。従って、第1経路から第3経路に送球された遊技球が第3経路で揺れ動くために、第3経路に送球された遊技球を遊技者が一定方向に目で追うことができなくなり、第3経路に送球された遊技球を遊技者が視認しにくいという問題点があった。
なお、この場合、第3経路の経路を長くすることで、第1経路から送球される遊技球の送球方向を第2経路の転動方向にスムーズに切り替えて、第3経路を通過する遊技球が揺れ動くことを防止できるが、第3経路が長く形成されるので、その分、経路ユニット全体の大きさが大きくなり、遊技盤に経路ユニットを配設するスペースが確保できなくなる。
これに対し、遊技機K1によれば、経路ユニットは、正面視における遊技盤に対して水平方向の一側に遊技球を送球する第1経路と、その第1経路から送球された遊技球を遊技盤に対して水平方向の他側に送球する第2経路と、遊技盤に対して水平方向の一側で第1経路および第2経路を連結する第3経路と、を備え、第3経路は、遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方に遊技球を案内する第1案内手段を遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方の内壁に備えるので、第3経路を通過する遊技球を正面側または背面側(正面視における遊技盤の前後方向)に移動させることができる。この正面側または背面側の遊技球の移動により第1経路を転動して加速した遊技球を第3経路で遅くすることができ、その分、第3経路の内壁に衝突した遊技球が第1経路に戻る、又は、第3経路で第1経路の送球方向(正面視における水平方向)に揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できる。これにより、第3経路から送球される遊技球を遊技者の視線が一定方向に追うことができる。その結果、第3経路に送球された遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
また、正面視における遊技盤に対して遊技球が水平方向(正面視左右方向)に揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できるので、その分、第1経路および第2経路を連結する第3経路分の経路を長くして遊技球が揺れ動くことを抑制する必要がなくなり、第3経路の経路を短くすることができる。その結果、経路ユニットを遊技盤に対して所定の領域内に収めることができ、遊技盤に対する経路ユニットの配設スペースを確保できる。
なお、遊技球を案内する第1案内手段としては、凹凸による遊技球の転動方向の切り替えや、経路の切り替え部分に変位部材を配設してその変位部材の変位により遊技球を第2経路に案内する方法が例示される。
遊技機K1において、前記第1経路は、前記第3経路との連結部分に第2案内手段を備え、その第2案内手段により、前記第1経路から送球される遊技球が前記第1案内手段に案内されることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、第1経路は、第3経路との連結部分に第2案内手段を備え、その第2案内手段により、第1経路から送球される遊技球が第1案内手段に案内されるので、第1経路から第3経路に送球される遊技球を第3経路の第1案内手段に送球しやすくできる。これにより、第1経路から第3経路への遊技球の送球をスムーズにすることができる。よって、第1経路から送球される遊技球を第1案内手段に送球しやすくできる分、第3経路から第2経路への遊技球の流入をスムーズにすることができる。その結果、経路ユニット全体の遊技球の送球を安定させることができる。
遊技機K1又はK2において、前記第1案内手段は、前記第3経路の正面側または背面側の少なくとも一方の内壁から突設される凸部として形成され、前記凸部は、その少なくとも一部が前記第1経路の下流側の端部における遊技球の転動面と同一の高さに設定されることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1又はK2の奏する効果に加え、第1案内手段は、第3経路の正面側または背面側の少なくとも一方の内壁から突設される凸部として形成されるので、第1経路から送球される遊技球を第1案内手段の凸部に当接させて、遊技球の送球速度を低下させることができる。この場合、凸部は、その少なくとも一部が第1経路の下流側の端部における遊技球の転動面と同一の高さに設定されるので、凸部により送球速度を遅くした遊技球の一部を第1経路の送球空間の延長線上に位置させることができる。
これにより、第1経路を遊技球が2球連なった状態で送球される場合に、第1経路を先行して送球される遊技球を凸部に当接させてその転動速度を遅くすると共に、その先行する遊技球に後行する遊技球を衝突させることができる。従って、後行する遊技球が第1経路を流下する力(送球速度)を利用して、先行する遊技球を第2経路側に押し出すことができる。
よって、2球連なった状態の遊技球を第1案内手段の凸部により先行する遊技球と後行する遊技球とで分割することができる。その結果、第3経路を通過する遊技球を遊技者に1球毎に視認させやすくでき、遊技者の興趣を高めやすくできる。
遊技機K3において、前記第2経路には、遊技球が流入することで所定の遊技価値が付与される分岐経路が前記第2経路から分岐され、前記経路ユニットは、前記分岐経路の流入口を塞ぐ位置と開放する位置とで変位可能な可変板と、その可変板を駆動して、前記可変板の位置を所定の時間で切り替える駆動手段と、を備えることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、第2経路には、遊技球が流入することで所定の遊技価値が付与される分岐経路が第2経路から分岐され、経路ユニットは、分岐経路の流入口を塞ぐ位置と開放する位置とで変位可能な可変板と、その可変板を駆動して、前記可変板の位置を所定の時間で切り替える駆動手段と、を備えるので、遊技球が連続して分岐経路に流入不能とされることを抑制できる。即ち、第1案内手段により第2経路を通過する遊技球を1球ずつ離れた状態で流下させることで、可変板が分岐経路の流入口を塞いだタイミングで遊技球が連続して第2経路を通過することを抑制できる。その結果、遊技者に略一定の間隔で遊技価値を付与することができ、遊技中に遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
遊技機K1からK4のいずれかにおいて、前記第1案内手段は、正面側および背面側の内壁に凹設される凹部または突設される凸部とから構成され、正面側の前記凸部または前記凹部と背面側の前記凸部または前記凹部とが対向する位置に形成されることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K1からK4のいずれかの奏する効果に加え、第1案内手段は、正面側および背面側の内壁に凹設される凹部または突設される凸部とから構成され、正面側の凸部または凹部と背面側の凸部または凹部とが対向する位置に形成されるので、第3経路の途中で部分的に遊技球を変位させて、遊技球の送球速度を遅くすることができる。よって、第3経路の経路を短くすることができる。その結果、経路ユニットを遊技盤に対して所定の領域内に収めやすくすることができ、遊技盤に対する経路ユニットの配設スペースを確保できる。
遊技機K5において、前記凸部の突設先端から前記第3経路の一方の内壁までの水平方向の離間寸法が、遊技球の直径よりも小さく設定されることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、凸部の突設先端から第3経路の一方の内壁までの水平方向の離間寸法が、遊技球の直径よりも小さく設定されるので、第3経路を流下して第1案内手段に送球される遊技球を、第1案内手段の凸部に当接させやすくすることができる。これにより、第1経路を流下して第3経路に送球される遊技球を、凸部に当接させて、その転動速度を遅くしやすくできる。よって、第3経路の内壁に衝突した遊技球が第1経路に戻る、又は、第3経路で第3経路の送球方向と異なる方向に揺れ動くことを抑制できる。その結果、第3経路を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
遊技機K5又はK6において、前記凸部が、前記遊技盤に対して正面側の内壁に形成され、前記凹部が、前記遊技盤に対して背面側の内壁に形成されることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K5又はK6の奏する効果に加え、凸部が、遊技盤に対して正面側の内壁に形成され、凹部が、遊技盤に対して背面側の内壁に形成されるので、経路ユニットの正面側の板厚を薄くすることができる。よって、経路ユニットの正面を介して経路ユニットの内部を遊技者に視認させやすくすることができ、経路ユニットの内部を送球される遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。また、経路ユニットの正面側の内壁に凹部が形成されることにより、経路ユニットの正面に第1案内手段が突出することを抑制できるので、その分、経路ユニットを遊技者側に配設して、経路ユニットを通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
詳しく説明すると、凹部が正面側の内面に形成される場合には、経路ユニットの正面側の板厚を凹部の凹設深さよりも大きい板厚にする必要がある。従って、経路ユニットの正面側の板厚が大きくなる分、その背面側を送球される遊技球が遊技者に視認されにくくなる。また、凹部が正面側の内面に形成される場合に凹部の形状に沿って経路ユニットの正面側の板を湾曲させることも考えられるが、この場合には、正面側に湾曲される分、遊技領域の前面を形成するガラス板との間隔が必要となり、遊技盤全体を背面側に配置する必要がある。従って、遊技者から背面側に離れる分、経路ユニットを送球される遊技球が遊技者から視認しにくくなる。
さらに、凹部が正面側の内面に形成される場合に凹部が形成される部分を開口することも考えられるが、この場合には、開口が形成される分、経路ユニットの剛性が低くなり、経路ユニットが破損しやすくなる。また、経路ユニットの正面に開口が形成されると、その開口を通過させて不正がされる恐れがある。
これに対し、遊技機K7では、凹部を経路ユニットの背面側に形成し、凸部を経路ユニットの正面側に形成するので、経路ユニットの正面側全体の板厚が厚くなることを抑制して経路ユニットの内部を通過する遊技球を視認しやすくできると共に、経路ユニットの正面側に部分的に突出することを抑制して経路ユニットを遊技機の正面側に配設することで経路ユニットの内部を通過する遊技球を視認しやすくできる。
遊技機K5又はK6において、前記凸部および凹部は、正面視において重力方向の断面が円弧状に形成され、その円弧の軸が同軸上に設定されることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K5又はK6において、凸部および凹部は、重力方向における断面が円弧状に形成され、その円弧の軸が同軸上に設定されるので、凸部と凹部との離間距離を一定にすることができる。これにより、凸部と凹部との離間距離が部分的に遊技球の直径よりも小さくなることを抑制でき、経路ユニット内部を通過する遊技球が、凸部と内壁との間に挟まることを抑制できる。
遊技機K8において、前記凹部の上端は、正面視において前記第1経路を転動する遊技球の中心の転動軌跡の延長線に沿う位置に形成されることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K8の奏する効果に加え、凹部の上端は、正面視において第1経路を転動する遊技球の中心の転動軌跡の延長線に沿う位置に形成されるので、第1経路を転動する遊技球の転動速度が速い場合であっても、第1経路から第3経路に送球された遊技球の中心が凹部の上端よりも上方に送球されることを抑制できる。その結果、第1経路から第3経路に送球される遊技球を凹部の内側に送球することができる。
遊技機K5からK9のいずれかにおいて、前記凹部は、正面視における前記第3経路の水平方向の両側面から遊技球の半径寸法よりも離間する位置に形成されることを特徴とする遊技機K10。
遊技機K10によれば、遊技機K5からK9のいずれかの奏する効果に加え、凹部は、第3経路の正面視における水平方向の両側面から遊技球の半径寸法よりも離間する位置に形成されるので、凹部の内壁に沿って流下する遊技球が、経路ユニットの正面視における水平方向の両側面に衝突して凹部の内側で揺れることを抑制できる。その結果、凹部の内側に沿って送球される遊技球をスムーズに第2経路に送球することができる。
遊技機K5からK10のいずれかにおいて、前記凹部は、正面視における前記第1経路の送球方向における断面が、前記第3経路の水平方向における中央部を中心とする断面円弧状に凹設され、前記凸部は、正面視における前記第1経路の送球方向における断面が、矩形状に突設されることを特徴とする遊技K11。
遊技機K11によれば、遊技機K5からK10のいずれかの奏する効果に加え、凹部は、正面視における第1経路の送球方向における断面が、断面円弧状に凹設され、凸部は、正面視における第1経路の送球方向における断面が、矩形状に突設されるので、第1案内手段は、第1経路の送球方向の両端ほど、凹部と凸部との対向間の距離が狭くされる。従って、凹部の内側に送球された遊技球が、第1経路の送球方向に揺れ動きにくくすることができる。その結果、第3経路に送球された遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
遊技機K11において、前記凸部は、正面視において前記第2経路の遊技球の送球方向と反対方向の一方側に下降傾斜して延設されることを特徴とする遊技機K12。
遊技機K12によれば、遊技機K11の奏する効果に加え、凸部は、正面視において第2経路の遊技球の送球方向と反対方向の一方側に下降傾斜して延設されるので、第3経路を流下する際に凸部に当接する遊技球を、凸部の傾斜方向に案内できる。これにより、凸部に当接した遊技球を第2経路から離間する側の凹部の内壁に沿って案内することができる。その結果、第3経路から第2経路に流入する遊技球を第2経路の遊技球の送球方向に転動させることができ、第3経路から第2経路に遊技球をスムーズに流入させることができる。
遊技機K12において、前記第2案内手段は、前記第1経路の正面側または背面側の一方に突設される第2凸部と、その第2凸部と対向する位置に凹設される第2凹部とから構成され、前記第2凹部は、正面視において前記第1経路の上流側に向かって遊技球の流下方向と直交する方向の幅寸法が大きく設定されることを特徴とする遊技機K13。
遊技機K13によれば、遊技機K12の奏する効果に加え、第2案内手段は、第1経路の正面側または背面側の一方に突設される第2凸部と、その第2凸部と対向する位置に凹設される第2凹部とから構成され、第2凹部は、正面視において第1経路の上流側に向かって遊技球の流下方向と直交する方向の幅寸法が大きく設定されるので、第1経路を送球される遊技球を第2凹部に受け入れやすくすることができる。これにより、第1経路から第3経路への遊技球の送球をスムーズにすることができる。よって、第1経路から送球される遊技球を第1案内手段に送球しやすくできる分、第3経路から第2経路への遊技球の流入をスムーズにすることができる。その結果、経路ユニット全体の遊技球の送球を安定させることができる。
遊技機K12又はK13において、前記第2凹部は、前記第1経路の下流方向の端部が、前記第1経路の遊技球の転動面よりも下流に位置することを特徴とする遊技機K14。
遊技機K14によれば、遊技機K12またはK13の奏する効果に加え、第2凹部は、第1経路の下流方向の端部が、第1経路の遊技球の転動面よりも下流に位置するので、第2凹部の内壁に沿って第1経路から第3経路に流入する遊技球を、第1経路から遠方側で第3経路に流入させることができる。その結果、第1経路から第3経路に流入する遊技球を凹部の内側に送球しやすくでき、第3経路から第2経路への遊技球の流入をスムーズにしやすくできる。
<特別入賞装置550を一例とする発明の概念について>
正面側に遊技領域を有する遊技盤(ベース板60)と、その遊技盤の正面に配設され遊技領域を流下する遊技球の流下方向を変更する流下方向変更手段(特別入賞装置32550)と、を備える遊技機において、前記流下方向変更手段は、前記遊技盤の正面に配設される第1部材(正面板32564)と、その第1部材の正面側に所定の間隔を隔てて配設される第2部材(ベース板32571)と、前記第1部材または第2部材の少なくとも一方を変位させる調整手段(シム部材SI)と、を備えることを特徴とする遊技機L1。
従来より、正面側に遊技領域を有する遊技盤と、その遊技盤の正面に打ち付けられる釘と、を備える遊技機が知られている(例えば、特開平11−197311号公報)。この遊技機によれば、遊技盤に打ち付けられる釘の角度を調整して(釘を曲げて)遊技領域を流下する遊技球の流下方向を調整することができる。しかしながら、釘の角度を変更して、遊技球の流下方向を変更するものでは、遊技者から釘の角度が視認されてしまい、遊技者が不利(有利になる流路に遊技球が流下されにくい釘の角度)であると認識した場合に、遊技者がその不利と判断した遊技機で遊技しなくなり、遊技機の稼動率が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機L1によれば、流下方向変更手段は、遊技盤の正面に配設される第1部材と、その第1部材の正面側に所定の間隔を隔てて配設される第2部材と、第1部材または第2部材の少なくとも一方を変位させる調整手段と、を備えるので、その調整手段により第1部材に対する第2部材の位置または第2部材に対する第1部材の位置を変更して、遊技球の流下方向を変更(調整)することができる。従って、遊技盤の正面視に対して水平方向に変位させることで、遊技球の流下方向を変更する釘よりも遊技者が第1部材と第2部材との位置関係を認識して、遊技機の遊技状態が有利または不利と判断することを抑制できる。その結果、遊技機の稼働率を向上することができる。
なお、第1部材または第2部材を変位させる方法としては、第1部材または第2部材の少なくとも一方をそれら第1部材および第2部材の対向方向に変位させる形態や、第1部材または第2部材の少なくとも一方をそれら第1部材および第2部材の対向方向に伸びる軸を中心に回転させる形態等が例示される。
遊技機L1において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、対向する前記第2部材または前記第1部材側に突出する突起を備え、前記調整手段により前記突起の位置が変更されることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、第1部材または第2部材の少なくとも一方は、対向する第2部材または第1部材側に突出する突起を備え、調整手段により突起の位置が変更されるので、第1部材または第2部材に比べて外形の小さい突起の突出位置を変更して、第1部材および第2部材の対向間を流下する遊技球の流下方向を変更することができる。従って、遊技者が第1部材と第2部材との配置を視認して、遊技機の状態が不利または有利と判断することを抑制できる。その結果、遊技機の稼働率を向上できる。
なお、突起の突出位置を変更する形態としては、突起のみを第1部材または第2部材に対して変位させる場合や、第1部材または第2部材の配置を変更して突起の突出位置を変更する場合が例示される。
遊技機L2において、前記突起は、部分的に突出距離が大きく設定される高凸部を備え、正面視における外形が線対称または点対称に形成され、その突起が形成される前記第1部材または前記第2部材が前記調整手段により遊技盤の正面に平行な平面上を変位されることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、突起は、部分的に突出距離が大きく設定される高凸部を備え、正面視における外形が線対称または点対称に形成され、その突起が形成される第1部材または第2部材が調整手段により遊技盤の正面に平行な平面上を変位されるので、調整手段により第1部材または第2部材の位置を変更した場合に、正面視において高凸部の位置を認識しにくくすることができる。これにより、高凸部の位置から遊技球の流下し易い方向を判断して、遊技機の状態が不利または有利であると遊技者が判断することを抑制できる。その結果、遊技機の稼働率を向上できる。
遊技機L2において、前記第2部材は、非光透過部材から形成され、前記第1部材側に向かって開口する複数の開口部を備え、その複数の開口部の間の対向面に前記突起が形成されることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、第2部材は、非光透過部材から形成され、第1部材側に向かって開口する複数の開口部を備え、その複数の開口部の間の対向面に突起が形成されるので、開口部を介して第1部材と第2部材との対向間を遊技者に視認させることができる一方で、開口部を介して突起を視認させにくくすることができる。よって、第1部材と第2部材との対向間の間隔を遊技者が認識することを抑制でき、遊技機の状態が不利または有利であると遊技者が判断することを抑制できる。その結果、遊技機の稼働率を向上できる。
遊技機L1からL4のいずれかにおいて、前記第2部材は、非光透過性の材料から形成され、正面視における外形が前記第1部材よりも大きく形成されて前記遊技盤に固定され、前記調整手段により、前記第1部材が変位されることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、第2部材は、非光透過性の材料から形成され、正面視における外形が前記第1部材よりも大きく形成されて遊技盤に固定され、調整手段により、第1部材が変位されるので、正面側に配設される第2部材により背面側に配設される第1部材を隠して、第1部材を遊技者から視認しにくくすることができる。従って、第1部材の位置が変位された場合に、遊技者にその位置の変位を認識されにくくすることができる。よって、第1部材および第2部材の対向間の間隔が遊技者に把握されることを抑制できる。その結果、遊技者が、第1部材および第2部材の対向間の間隔から不利と判断して、その遊技機で遊技を行わなくなることを抑制できるので、遊技機の稼働率を向上できる。
遊技機L5において、前記遊技盤は、前記第1部材に対応する位置に開口する第2開口部を備え、前記遊技盤の背面側から前記第2開口部を挿通する締結部材を前記第1部材に締結することで、前記第1部材が前記遊技盤に配設されることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L5の奏する効果に加え、遊技盤は、第1部材に対応する位置に開口する第2開口部を備え、遊技盤の背面側から第2開口部を挿通する締結部材を第1部材に締結することで、第1部材が遊技盤に配設されるので、第1部材を締結する締結部分を遊技盤の正面側に形成する必要がなくなり、その分、正面視における第1部材の外形を小さくすることができる。よって、遊技盤の正面に他の部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
また、締結部材は、遊技盤の背面側から締結されるので、流下方向変更手段および遊技盤が組み上げられた状態において、遊技盤の正面側から締結部材へのアクセスを困難にすることができる。その結果、締結部材が不正に操作されて、第1部材の位置が不正に変更されることを抑制できる。
遊技機L6において、前記第1部材は、前記遊技盤側に突出して、前記第2開口部に挿入される突出部を備え、前記突出部の先端に前記締結部材が締結されることで、前記第1部材が前記遊技盤に配設されることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L6の奏する効果に加え、第1部材は、遊技盤側に突出して、第2開口部に挿入される突出部を備え、突出部の先端に締結部材が締結されることで、第1部材が遊技盤に配設されるので、締結部材の締結部分を第2開口部の内側に収容することができる。よって、第1部材の正面側に締結部材との締結部分が張り出すことを抑制できるので、第1部材と第2部材との対向間の空間を確保することができる。
遊技機L7において、前記第1部材は、前記調整手段により、前記遊技盤の正面と平行な平面上をスライド変位可能とされ、前記第2開口部は、前記突出部の変位領域と同一の大きさに開口されることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7の奏する効果に加え、第2開口部は、突出部の変位領域と同一に大きさに開口されるので、第1部材の位置を変位させる際に、突出部を第2開口部に沿って変位させることができる。よって、第1部材の位置を変位させる際に、第1部材が、変位方向(調整手段により変位される方向)以外の方向に変位されることを抑制できる。その結果、作業者が第1部材の位置を調整する際の作業を簡易にできる。
遊技機L6からL8のいずれかにおいて、前記遊技盤は、前記第2開口部と異なる位置に開口する第3開口部を備えることを特徴とする遊技機L9。
遊技機L9によれば、遊技機L3からL8のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤は、第2開口部と異なる位置に開口する第3開口部を備えるので、第3開口部を介して遊技盤の背面側に締結された締結部材を操作することができる。その結果、作業者が調整手段を操作する際の作業工程を簡易にすることができる。
即ち、遊技盤の背面側には、役物装置やその役物装置を収容するケース部材が配設されるため、締結部材を遊技盤の背面側から操作する場合には、役物装置やその役物装置を収容するケース部材を遊技盤から取り外す必要があるところ、かかる第3開口部により、遊技盤の正面側から締結部材を操作することができるので、作業者が遊技盤の背面側に配設される役物装置やその役物装置を収容するケース部材を取り外す必要がなくなるので、作業者の作業工程を簡易にすることができる。
遊技機L1からL12のいずれかにおいて、前記調整手段は、前記第1部材または第2部材の一方に対して、前記第1部材および第2部材の対向間の間隔を段階的に調整可能な段階調整手段を備えることを特徴とする遊技機L13。
遊技機L13によれば、遊技機L1からL12のいずれかの奏する効果に加え、調整手段は、第1部材または第2部材の一方に対して、第1部材および第2部材の対向間の間隔を段階的に調整可能な段階調整手段を備えるので、第1部材または第2部材の位置を変更する作業者は、その位置の変更を段階的に調整することができる。その結果、第1部材または第2部材の調整位置に誤差が生じることを抑制できる。よって、第1部材または第2部材の位置調整を簡易にすることができる。
なお、第1部材および第2部材の位置を段階的に調整する手段としては、第1部材または第2部材の一方に凹設される複数の溝に対して、第1部材または第2部材に突設される凸部の挿入位置を変更することで、第1部材または第2部材の位置を変更する形態や、第1部材または遊技盤の一方に凹設される複数の溝に、第1部材または遊技盤の他方に突設される凸部の挿入位置を変更することで、第1部材の位置を変更する形態が例示される。
<特別入賞装置550を一例とする発明の概念について>
遊技球が流下される遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球の送球を案内する案内経路を複数有し、前記遊技領域に配設される経路ユニット(特別入賞装置550)と、を備える遊技機において、前記経路ユニットは、光を透過可能な材料から形成されて前記遊技領域の正面側に配設される第1の案内経路(第1ユニット551)と、その第1の案内経路の背面側に配設される第2の案内経路(第2ユニット552)と、を備え、前記第1の案内経路は、遊技球を入球可能な第1の入賞口(第1受入口561)を備え、前記第2の案内経路は、遊技球を入球可能な第2の入賞口(第2受入口562,第3受入口563)を備え、前記第1の入賞口に入球する遊技球に、前記第2の入賞口に入球する遊技球よりも高い遊技価値が付与されることを特徴とする遊技機M1。
従来より、遊技球を流下させる複数の案内経路を備える経路ユニットを遊技領域に配設して、そのユニット内部を流下する遊技球を遊技者に視認させて遊技者の興趣を向上させる遊技機がある(例えば、特開2015−131046号公報)。
しかしながら、従来の遊技機では、案内経路を流下する遊技球を遊技者に視認させて遊技者の興趣を向上するため、それぞれの案内経路の取り回しが複雑に形成される傾向があった。その為、それぞれの案内経路のうちのどの経路を遊技球が流下しているのか遊技者に判断させにくくなる。よって、案内経路を流下する遊技球の遊技価値が異なる場合に、有利(高い遊技価値が付与される)または不利(低い遊技価値が付与される)な経路を通過しているか、を遊技者が判断しにくくなり、経路ユニットを流下する遊技球により遊技者の興趣を十分に向上することができないという問題点があった。
これに対し、遊技機M1によれば、経路ユニットは、光を透過可能な材料から形成されて遊技領域の正面側に配設される第1の案内経路と、その第1の案内経路の背面側に配設される第2の案内経路と、を備え、第1の案内経路は、遊技球を入球可能な第1の入賞口を備え、第2の案内経路は、遊技球を入球可能な第2の入賞口を備え、第1の入賞口に入球する遊技球に、第2の入賞口に入球する遊技球よりも高い遊技価値が付与されるので、第1の案内経路を流下する遊技球を遊技者に注視させやすくすることができる。また、第1および第2の案内経路に同じタイミングで遊技球が流下された場合には、遊技価値の低い第2の入賞口を備える第2の案内経路が第1の案内経路の背面側に形成されるので、遊技価値の高い第1の入賞口を備える第1の案内経路を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。その結果、高い遊技価値が付与される遊技球を遊技者に視認させることができるので、遊技者の興趣を向上させやすくできる。
なお、所定の遊技価値とは、例えば、遊技球が第1又は第2の入賞口に入球されることで、その特典として遊技者に払い出される遊技球を意味する。
遊技機M1において、前記第1の案内経路は、2球分の遊技球の直径よりも大きく開口され、2球以上の遊技球を同時に入球可能な受入口と、前記受入口よりも下側に形成され、遊技球を正面視における水平方向に1球ずつ転動させる第1経路と、それら受入口の開口と第1経路とを重力方向に連通する第2経路とを備え、その第2経路は、前記受入口の開口よりも大きい断面が連続する空間を備え、前記第1経路の背面側から連通されることを特徴とする遊技機M2。
ここで、2球以上の遊技球を同時に受け入れ可能な受入口に遊技球を1球ずつ送球可能な送球経路を連通させると、遊技球が受入口から2球以上同時に流入する場合に、送球経路の流入口に遊技球が2球同時に送球されるので、送球経路の流入口で遊技球が詰まり(停滞)しやすいという問題点があった。
これに対し、遊技機M2よれば、遊技機M1の奏する効果に加え、第1の案内経路は、2球分の遊技球の直径よりも大きく開口され、2球以上の遊技球を同時に入球可能な受入口と、受入口よりも下側に形成され、遊技球を正面視における水平方向に1球ずつ転動させる第1経路と、それら受入口の開口と第1経路とを重力方向に連通する第2経路とを備え、その第2経路は、受入口の開口よりも大きい断面が連続する空間を備え、第1経路の背面側から連通されるので、受入口から2球以上の遊技球が同時に送球される場合に、それら2球以上の遊技球を第1経路の送球方向に並んだ状態で第1経路の流入口に送球することができる。
これにより、第1経路に2球以上の遊技球が同時に送球される場合に、第1経路の流入口で遊技球が停滞することを抑制できる。その結果、高い遊技価値が付与される第1の案内経路を通過する遊技球の送球をスムーズにすることができ、第1の案内経路内で遊技球が停滞することにより遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
遊技機M2において、前記第2経路は、前記受入口と前記第1経路との背面側に形成され、前記第1経路は、前記第2経路との連通部分が前記受入口と重力方向に重なる位置に形成されることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、第2経路は、受入口と第1経路との背面側に形成され、第1経路は、第2経路との連通部分が受入口と重力方向に重なる位置に形成されるので、第2経路を第1の案内経路と第2の案内経路との対向間を利用して配置することができる。従って、第2経路を形成するためのスペースを正面視における第1の案内経路の背面側に配置することができるので、正面視において限られた範囲に受入口および第1経路を配置することができる。その結果、正面視における第1の案内経路の配設スペースを確保しやすくできる。
遊技機M2又はM3において、前記第1経路と前記第2経路との連通部分から分岐して形成される分岐経路を備え、その分岐経路は、正面視における前記第1経路の遊技球の送球方向と反対側の水平方向に遊技球を送球可能に設定されることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M2又はM3の奏する効果に加え、第1経路と第2経路との連通部分から分岐して形成される分岐経路を備え、その分岐経路は、正面視における第1経路の遊技球の送球方向と反対側の水平方向に遊技球を送球可能に設定されるので、第1経路の流入口に遊技球が停滞する場合に、後から第1経路の流入口に送球される遊技球を分岐経路に流入させることができる。
即ち、受入口に所定数以上(開口された範囲を超える球数の遊技球)が送球されると、第2経路を先行して流下する遊技球とその先行する遊技球の後から第2経路を流下する後行する遊技球とが形成される。この場合、先行する遊技球が第1経路の流入口に停滞すると後行する遊技球が先行する遊技球に衝突して、第1経路の流入口であばれて(揺れて)第1経路を遊技球がスムーズに流下しなくなる恐れがある。
これに対し、後行する遊技球が第1経路の流入口であばれる(揺れる)場合に、その遊技球またはそのあばれる遊技球と衝突する遊技球を分岐経路に流入させることができるので、あばれる遊技球により第1経路を遊技球がスムーズに流下しなくなることを抑制できる。その結果、第1経路を通過する遊技球の流下を安定させることができる。
遊技機M4において、前記分岐通路を流下する遊技球は、特定の遊技価値が付与されることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、分岐通路を流下する遊技球は、特定の遊技価値が付与されるので、分岐通路に遊技球が流入することにより遊技者の興趣が低下することを抑制できる。また、分岐通路に流入させることで、特定の遊技価値を付与することができるので、遊技者は分岐通路を流下する遊技球を最後まで注視する必要がなくなる。その結果、遊技者に第1経路を通過する遊技球を注視させることができ、分岐通路を遊技球が通過することで遊技者に興趣を与えにくくなることを抑制できる。
遊技機M2からM5のいずれかにおいて、前記経路ユニットは、正面視において前記遊技領域の水平方向の他側に配設され、前記受入口は、正面視において前記経路ユニットの水平方向の一側に形成されることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M2からM5のいずれかの奏する効果に加え、経路ユニットは、正面視において遊技領域の水平方向の他側に配設され、受入口は、正面視において経路ユニットの水平方向の一側に形成されるので、遊技盤の正面に位置する遊技者に近い位置に受入口および第1経路を連結する第2経路を配設することができる。よって、第2経路を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。その結果、第2経路を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
また、受入口が正面視における水平方向の一側に偏る位置に形成されるので、遊技盤の遊技領域を流下する遊技球が第1の案内経路または第2の案内経路のどちらに流入するのかを流入する直前まで遊技者に把握されにくくすることができる。その結果、遊技領域を流下して経路ユニットに送球される遊技球を遊技者に注視させやすくできる。その結果、遊技者に興趣を与えやすくできる。
遊技機M2から遊技機M6のいずれかにおいて、前記第1経路は、前記第1の入賞口を閉鎖又は開放する位置に変位可能な変位部材と、その変位部材と駆動する駆動手段と、を備え、その駆動手段が、前記第1の案内経路と第2の案内経路との間に配設されることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M2から遊技機M6の奏する効果に加え、第1経路は、第1の入賞口を閉鎖又は開放する位置に変位可能な変位部材と、その変位部材と駆動する駆動手段と、を備え、その駆動手段が、第1の案内経路と第2の案内経路との間に配設されるので、駆動手段により第2の案内経路を流下する遊技球を正面側から視認しにくくすることができる。その結果、第1の案内経路を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができ、遊技者に興趣を与えやすくすることができる。
遊技機M2からM7のいずれかにおいて、前記第1経路の外側に、遊技球の通過を検出する検出手段が配設されることを特徴とする遊技機M8。
遊技機M8によれば、遊技機M2から遊技機M7のいずれかの奏する効果に加え、第1経路に、遊技球の通過を検出する検出手段が配設されるので、遊技球が第1経路で詰まった場合に、検出手段の検出が継続されることで、遊技機にエラーを検知させることができる。また、検出手段は、第1経路の外側に配設されるので、第1経路内に、検出手段が配設される場合に比べて、検出手段に遊技球が引っかかることを抑制でき、その分、遊技球が第1経路で詰まることを抑制できる。
さらに、第1の案内経路の背面側を回り込むことで遊技球の転動が遅くされる第1経路の外側に検出手段が配設されるので、第1経路を通過する遊技球の数を正確に検出しやすくできる。従って、検出手段により検出される球数が第1の入賞口または第3の入賞口に入賞する球数よりも多い場合に、不正が行われていることを遊技機に認識させることができる。その結果、不正が行われていることを警告音や異常点灯等により報知することで、不正が継続されることを抑制できる。
遊技機M8において、前記検出手段は、前記第1の案内経路と前記第2の案内経路との間に配設されることを特徴とする遊技機M9。
遊技機M9によれば、遊技機M8の奏する効果に加え、検出手段は、第1の案内経路と第2の案内経路との間に配設されるので、検出手段を第1の案内経路と第2の案内経路とのデッドスペースに配設することができるので、検出手段を配設することにより経路ユニットが大型化することを抑制できる。
遊技機M8又はM9において、前記第1経路は、正面視における内壁の対向間寸法が、遊技球の直径よりも大きく設定され、遊技球の送球方向に対して直交する方向の前記受入口の内壁の対向間寸法よりも小さく設定されることを特徴とする遊技機M10。
遊技機M10によれば、遊技機M8又はM9の奏する効果に加え、第1経路は、正面視における内壁の対向間寸法が、遊技球の直径よりも大きく設定され、遊技球の送球方向に対して直交する方向の受入口の内壁の対向間寸法よりも小さく設定されるので、所定の寸法以上の直径(規定よりも大きい直径)の遊技球が送球される場合に、その遊技球を第1経路に留まらせる(詰まらせる)ことができる。その結果、規定よりも大きい直径の遊技球が経路ユニットを流下することを抑制できる。
また、第1経路に、遊技球の通過を検出する検出手段が配設されるので、規定よりも大きい直径の遊技球が、第1経路に留まった(詰まった)場合に、検出手段により、遊技機にエラーを検知させることができる。
<特別入賞装置550を一例とする発明の概念について>
正面側に遊技領域を有するベース部材(ベース板60)と、そのベース部材の正面側に配設され、前記遊技領域を流下する遊技球を送球可能な空間として形成される送球経路を有する第1部材(第1ユニット551)と、を備える遊技機において、前記第1部材は、前記ベース部材の背面側から前記第1部材に締結される固定手段により、前記ベース部材に対し背面側に付勢された状態で前記ベース部材に配設されることを特徴とする遊技機N1。
従来より、正面側に遊技領域を有するベース部材と、そのベース部材の正面側に配設され、遊技領域を流下する遊技球を送球可能な空間として形成される送球経路を有する第1部材と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015−131046号公報)。この遊技機によれば、第1部材は、ベース部材の正面と平行な平面上に延設される延設部をベース部材側の側面(ベース部材と当接部分)に備え、その延設部に穿設される開口に挿通されたネジをベース部材に螺合することで、ベース部材の正面に密着した状態で配設される。
しかしながら、従来の遊技機では、ベース部材の正面に密着した状態で第1部材を配設するために、第1部材の正面側から挿通したネジをベース部材に締結させることが必須であり、ネジを挿通するための開口を第1部材に形成する必要がある。ここで、開口を遊技球の送球の邪魔にならない位置に形成するには、遊技球の送球空間の外側に開口を形成する必要があり、開口が形成される延設部を送球空間の外側に形成する必要がある。そのため、第1部材の外縁に延設部が形成される分、第1部材の外形に対して、送球経路として利用できる領域が小さくなり、第1部材の送球経路を十分に大きくすることができないという問題点があった。
これに対し、遊技機N1によれば、第1部材は、ベース部材の背面側から第1部材に締結される固定手段により、ベース部材に対し背面側に付勢された状態でベース部材に配設されるので、第1部材に作用する背面側への付勢力により、第1部材とベース部材とを密着した状態で配設することができる。また、第1部材は、ベース部材の背面側から挿通される固定手段によりベース部材に配設されるので、第1部材の正面側にベース部材との締結代(固定手段が挿通される開口が形成される延設部)を形成する必要がなくなる。よって、正面視における第1部材の外形に対して、全域を送球経路として利用できる。その結果、第1部材の送球経路を大きくすることができる。
また、ベース部材と第1部材との締結部分が、正面側に露出されないので、不正によりベース部材と第1部材との締結部分が外されることを抑制できると共に、締結部分が遊技者に視認されることで遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
遊技機N1において、前記ベース部材を介して前記第1部材の背面側に配設される第2部材を備え、前記第2部材は、その第2部材の背面側から前記第1部材側に挿通されて前記第1部材に締結される前記固定手段により前記第1部材との対向間に所定の隙間を隔てた状態で前記第1部材に固定され、前記固定手段は、前記第1部材と前記第2部材との対向間の前記所定の隙間を介して配設されることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、ベース部材を介して第1部材の背面側に配設される第2部材を備え、第2部材は、その第2部材の背面側から第1部材側に挿通されて第1部材に締結される固定手段により第1部材との対向間に所定の隙間を隔てた状態で第1部材に固定され、固定手段は、第1部材と第2部材との対向間の所定の隙間を介して配設されるので、第1部材と第2部材とを締結する際に、その所定の隙間の分、背面側に付勢される力を第1部材に作用させることができる。また、第2部材には、正面側に付勢される力を作用させることができるので、ベース部材を第1部材と第2部材とで挟持することができる。従って、第1部材と第2部材との挟持する力により、第1部材と第2部材とがベース部材から位置ずれしにくくなるので、第1部材または第2部材をベース部材に締結する必要がなくなり、その分、第2部材の締結を簡易にできる。
なお、第1部材と第2部材との所定の隙間は、0よりも大きい値であって、正面視におけるベース部材の前後方向の幅寸法よりも小さい値に設定される。これにより、第1部材と第2部材とを締結した場合に、その隙間により第1部材と第2部材との両者に互いに引き合う力を作用させることができる。
遊技機N2において、前記第2部材は、前記第1部材よりも剛性が低く設定される介設部材を備え、前記第1部材は、前記固定手段により前記介設部材に固定されることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、第1部材よりも剛性が低く設定される介設部材を備え、前第1部材は、固定手段により介設部材に固定されるので、第1部材と第2部材とが固定手段により固定される際に介設部材を変形させることができる。これにより、固定部材により固定された際の付勢力で第1部材が変形することを抑制できる。その結果、第1部材が変形して第1部材を遊技球が通過しにくくなることを抑制できる。
遊技機N3において、前記介設部材と前記第1部材との固定位置から前記第1部材とベース部材の当接位置までの距離よりも、前記介設部材とベース部材の当接位置までの距離の方が離間する位置に設定されることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N3の奏する効果に加え、介設部材と第1部材との固定位置から第1部材とベース部材の当接位置までの距離よりも、介設部材とベース部材の当接位置までの距離の方が離間する位置に設定されるので、介設部材と第1部材とを固定した際に、介設部材を変形させやすくできる。これにより、第1部材が固定された際の付勢力で第1部材が変形することを抑制できる。その結果、第1部材が変形して第1部材を遊技球が通過しにくくなることを抑制できる。
遊技機N1からN4のいずれかにおいて、前記ベース部材は、前記第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、前記第1部材は、前記第1開口部の内側に突出する突出部を備え、その突出部の先端に前記固定手段が締結されることで、前記第1部材が前記ベース部材に配設されることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N1からN4のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材は、第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、第1部材は、第1開口部の内側に突出する突出部を備え、その突出部の先端に固定手段が締結されることで、第1部材がベース部材に配設されるので、固定手段の締結部分を第1開口部の内側に配置できる。これにより、固定手段の締結部分が、ベース部材の正面側に配置されることを抑制でき、固定手段の締結部分が第1部材の送球空間に形成されることを抑制できる。その結果、第1部材の送球空間の大きさを確保することができる。
また、突出部により固定手段の締結代(挿入深さ)を確保することができるので、固定手段の締結が第1部材から外れることを抑制できる。その結果、第1部材に作用する背面側への付勢力を大きくしやすくできる。
遊技機N1からN5のいずれかにおいて、前記ベース部材を介して前記第1部材の背面側に配設される第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との対向間に配設される第3部材と、を備え、前記ベース部材は、前記第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、前記第3部材は、正面視における前後方向の寸法が前記ベース部材の正面視における前後方向の寸法よりも小さく設定され、前記第1開口部の内側に配設され、前記第1部材は、前記第3部材の正面側に密着した状態で配設され、前記第2部材は、前記ベース部材の背面側から挿通される前記固定手段により前記第3部材と所定の隙間を有した状態で前記第3部材の背面側に締結されることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N1からN5のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材を介して第1部材の背面側に配設される第2部材と、第1部材と第2部材との対向間に配設される第3部材と、を備え、ベース部材は、第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、第3部材は、正面視における前後方向の寸法がベース部材の正面視における前後方向の寸法よりも小さく設定され、第1開口部の内側に配設され、第1部材は、第3部材の正面側に密着した状態で配設され、第2部材は、ベース部材の背面側から挿通される固定手段により第3部材と所定の隙間を有した状態で第3部材の背面側に締結されるので、第1部材に第3部材を介して背面側への付勢力を作用させることができる。よって、第2部材と第3部材とを固定手段で締結する際に作用する背面側への付勢力を、第3部材にも作用させることができる。その結果、第1部材のベース部材との当接部分に作用する付勢力を小さくすることができ、第1部材が破損することを抑制できる。
また、第1部材の背面側に第3部材が密着することで、第1部材全体の剛性を高めることができる。よって、第1部材に作用する背面側への付勢力により、第1部材の全体が弾性変形して、第1部材に形成される遊技球の送球経路が変形することを抑制できる。その結果、第1部材の遊技球を送球を安定できる。
遊技機N6において、前記第3部材は、前記ベース部材に開口形成される前記第2開口部に沿って前記ベース部材の正面側に配設される枠状部材の一部であることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N6の奏する効果に加え、第3部材は、ベース部材に開口される第2開口部に沿ってベース部材の正面側に配設される枠状部材の一部であるので、第3部材に作用する付勢力を枠状部材を背面側に付勢する力として利用できる。従って、枠状部材をベース部材に密着した状態で配設しやすくできる。
また、第2部材と第3部材とを固定手段で締結する際に作用する背面側への付勢力を、枠状部材とベース部材との当接面に作用させることができるので、第1部材のベース部材との当接部分に作用する力を小さくすることができ、第1部材が破損することを抑制できる。
遊技機N6またはN7において、前記第1部材は、その第1部材の遊技球の送球空間を変位可能な変位部材と、前記第1部材の背面側に配設され、前記変位部材を駆動する駆動手段と、を備え、前記第3部材は、前記駆動手段を挿入可能な大きさに開口される第3開口部を備え、その第3開口部の内側に前記駆動手段を挿入した状態で前記第1部材の背面側に配設されることを特徴とする遊技機。
遊技機N8によれば、遊技機N6またはN7の奏する効果に加え、第1部材は、その第1部材の遊技球の送球空間を変位可能な変位部材と、第1部材の背面側に配設され、変位部材を駆動する駆動手段と、を備え、第3部材は、駆動手段を挿入可能な大きさに開口される第3開口部を備え、その第3開口部の内側に駆動手段を挿入した状態で第1部材の背面側に配設されるので、駆動手段を第3部材で覆うことができる。これにより、遊技機の外側から挿入される針金やピアノ線等の不正物が駆動手段にアクセスされることを抑制できる。その結果、駆動手段に不正がされることを抑制できる。
遊技機N8において、前記第2部材は、前記第1部材側に突出され、前記第1部材の送球空間と連通して前記第1部材の送球空間に送球された遊技球を前記第2部材に送球可能な連通部を備え、前記連通部は、前記第3開口部の外側に配設されることを特徴とする遊技機N9。
遊技機N9によれば、遊技機N8の奏する効果に加え、第2部材は、第1部材側に突出され、第1部材の送球空間と連通して第1部材の送球空間に送球された遊技球を第2部材に送球可能な連通部を備え、連通部は、第3開口部の外側に配設されることので、連通部と駆動手段との間に第3部材を配設することができる。よって、駆動手段の駆動により発生する磁力が連通部に作用しにくくすることができる。その結果、連通部に送球された遊技球が、駆動手段の磁力の影響を受けて連通部を通過する速度が遅くなる、又は、連通部で停止することを抑制でき、第1部材から第2部材への遊技球の送球を安定させることができる。
遊技機N1において、前記ベース部材は、前記第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、前記第1部材は、その第1部材の背面側の少なくとも2箇所から突出する突出部を備え、前記突出部は、前記第1部材の背面から突出して前記第1開口部を挿通する第1片と、その第1片の端部で屈曲して前記第1開口部の外側に向かって延設される第2片と、正面視において前記ベース部材と重なる前記第2片の正面側に隆起する隆起部と、を備え、前記第1片は、前記ベース部材の正面視における前後方向の幅寸法よりも大きい値の突出寸法に設定され、前記隆起部は、前記第1部材の背面との対向間における寸法が、前記ベース部材の正面視における前後方向の幅寸法と同一または小さく設定され、前記第2片の屈曲先端が、前記固定手段により前記ベース部材に締結されることで、前記第1部材が前記ベース部材に対して背面側に付勢された状態で配設されることを特徴とする遊技機N10。
遊技機N10によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、ベース部材は、第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、第1部材は、その第1部材の背面側の少なくとも2箇所から突出する突出部を備え、突出部は、第1部材の背面から突出して第1開口部を挿通する第1片と、その第1片の端部で屈曲して第1開口部の外側に向かって延設される第2片と、正面視においてベース部材と重なる第2片の正面側に隆起する隆起部と、を備え、第1片は、ベース部材の正面視における前後方向の幅寸法よりも大きい値の突出寸法に設定され、隆起部は、第1部材の背面との対向間における寸法が、ベース部材の正面視における前後方向の幅寸法と同一または小さく設定され、第2片の屈曲先端が、固定手段によりベース部材に締結されることで、第1部材がベース部材に対して背面側に付勢された状態で配設されるので、第1部材の背面側に固定手段(例えばネジ)を締結する部分を備える必要がなくなり、第1部材に形成される遊技球の送球空間を確保することができる。その結果、送球空間を大きくすることができるので、第1部材に送球される遊技球の送球方向に変化をつけて、その送球に興趣をもたせやすくできる。
また、固定手段の螺合部分をベース部材にできるので、その固定手段の螺合部分に付勢力が作用することで、第1部材の送球空間が弾性変形することを抑制できる。その結果、第1部材が弾性変形して、第1部材の送球経路から送球される遊技球の速度が遅くなることを抑制できる。
遊技機N10において、前記ベース部材は、正面視において前後方向に開口形成される第2開口部と、その第2開口部に沿って前記ベース部材の正面側に配設される枠状部材とを備え、前記第1開口部と前記第2開口部とが連通することを特徴とする遊技機N11。
遊技機N11によれば、遊技機N10の奏する効果に加え、ベース部材は、正面視において前後方向に開口形成される第2開口部と、その第2開口部に沿ってベース部材の正面側に配設される枠状部材とを備え、第1開口部と第2開口部とが連通するので、前記突設部を前記第2開口部の開口を利用して第1開口部の内側に配設することができる。よって、第1ユニットのベース部材への配設作業を簡易にすることができるので、製造コストを削減できる。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
ベース部材(ベース部材410)と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材(カム部材422)と、その変位部材に連結され、前記変位部材の変位に従動する従動部材(第1リンク部材431)と、を備える遊技機において、前記変位部材は、前記従動部材と当接して前記従動部材の変位を規制する規制手段を備え、前記従動部材は、その変位領域の少なくとも一部が前記変位部材の変位領域と重なる領域に設定され、その変位部材の変位領域と重なる領域で前記規制手段が前記従動部材に当接することを特徴とする遊技機O1。
従来より、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に連結され、前記変位部材の変位に従動する従動部材と、を備える遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849号公報)。しかしながら、従来の遊技機では、変位部材および従動部材の変位を規制するために、変位部材および従動部材の両者の変位を規制する規制手段を形成すると、規制手段を2箇所に形成する必要があり、その分、形状が複雑となり、製造コストが増加するという問題点があった。
これに対し、遊技機O1では、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に連結され、変位部材の変位に従動する従動部材と、を備える遊技機において、変位部材は、従動部材と当接して従動部材の変位を規制する規制手段を備え、従動部材は、その変位領域の少なくとも一部が変位部材の変位領域と重なる領域に設定され、その変位部材の変位領域と重なる領域で規制手段が従動部材に当接するので、従動部材が変位部材側に変位することを規制できる。よって、従動部材の変位を規制するための規制手段を別部材に形成する必要がなくなる。その結果、製造コストが増加することを抑えることができる。
また、変位部材の規制手段を従動部材に当接させるので、変位部材が従動部材側に変位することを規制することができる。従って、従動部材および変位部材の変位を規制手段の同一の部分を利用して規制することができる。よって、従動部材と変位部材とのそれぞれの変位を規制する手段を形成する必要がなくなり、その分、製造コストが増加することを抑えることができる。
遊技機O1において、前記従動部材は、変位可能に配設される第2変位部材を備え、前記規制手段は、前記従動部材が所定の位置に配置される場合に前記従動部材に当接され、前記第2変位部材は、前記従動部材が所定の位置に配置されて前記規制手段と当接する場合に変位されることを特徴とする遊技機O2。
ここで、変位可能な第2変位部材を従動部材が備える場合には、第2変位部材の変位による慣性力で従動部材が第2変位部材の変位に伴って変位する恐れがあった。
これに対し、遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、従動部材は、その変位可能に配設される第2変位部材を備え、規制手段は、従動部材が所定の位置に配置される場合に従動部材に当接され、第2変位部材は、従動部材が所定の位置に配置されて規制手段と当接する場合に変位されるので、従動部材の変位を規制手段により規制した状態で第2変位部材を変位させることができる。従って、従動部材が第2変位部材の変位による慣性力で変位することを抑制できる。その結果、第2変位部材の変位による演出を遊技者に視認させやすくすることができ、第2変位部材の変位による演出で遊技者の興趣を向上させやすくできる。
遊技機O2において、前記変位部材は、第1位置と第2位置との間で変位され、前記第1位置から前記第1位置および前記第2位置の中間位置を変位する第1変位領域と、前記中間位置から前記第2位置を変位する第2変位領域と、を有し、前記従動部材は、前記変位部材が前記第1位置から前記第2位置に変位されることで、第1従動位置から第2従動位置に従動され、前記第1従動位置から前記第1従動位置および前記第2従動位置との中間位置の第3従動位置を変位する第1従動領域と、前記第3従動位置から前記第2従動位置を変位する第2従動領域と、を有し、前記第2変位部材は、前記第1から第3従動位置で変位可能とされ、前記規制手段は、前記従動部材が前記第1から第3従動位置のそれぞれに配置された際に前記従動部材と当接することを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、変位部材は、第1位置と第2位置との間で変位され、第1位置から第1位置および第2位置の中間位置を変位する第1変位領域と、中間位置から第2位置を変位する第2変位領域と、を有し、従動部材は、変位部材が第1位置から第2位置に変位されることで、第1従動位置から第2従動位置に従動され、第1従動位置から第1従動位置および第2従動位置との中間位置の第3従動位置を変位する第1従動領域と、第3従動位置から第2従動位置を変位する第2従動領域と、を有し、第2変位部材は、第1から第3従動位置で変位可能とされ、規制手段は、従動部材が第1から第3従動位置のそれぞれに配置された際に従動部材と当接するので、従動部材が第1従動領域と第2従動領域を変位する際には規制手段と従動部材との当接を解除することができる。従って、従動部材が従動する場合に規制手段と従動部材とが当接することによる抵抗をなくして、従動部材を従動させやすくすることができる。その結果、変位部材および従動部材の変位を安定させることができる。
遊技機O3において、前記規制手段は、前記ベース部材から前記従動部材側に突設される壁部として構成され、前記従動部材は、正面視において前記ベース部材の少なくとも一部と重なる位置で前記ベース部材と平行な平面上をスライド変位可能とされ、前記第1従動位置から前記第2従動位置への従動に伴って、正面視において前記ベース部材と重なる領域が次第に小さくされることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O3の奏する効果に加え、前記規制手段は、ベース部材から従動部材側に突設される壁部として構成され、従動部材は、正面視においてベース部材の少なくとも一部と重なる位置でベース部材と平行な平面上をスライド変位可能とされ、第1従動位置から第2従動位置への従動に伴って、正面視においてベース部材と重なる領域が次第に小さくされるので、第2従動位置では、正面視において従動部材がベース部材の外側に張り出す領域が第1従動位置に比べて大きくされる。よって、従動部材は、ベース部材の外側に張り出す分、ベース部材に配設される規制手段で揺動を規制することが困難とされる。従って、従動部材は、第1従動位置から第2従動位置に従動されるほどベース部材側に揺動しやすくなるところ、従動部材に連結する変位部材の揺動を規制することで、規制手段による規制箇所を増加して、従動部材が揺動しにくくすることができる。その結果、従動部材が第2従動領域に配置される場合に揺動することを抑制できる。
遊技機O4において、前記従動部材は、正面視において一辺が長い矩形状に形成され、長手方向の一側に回転可能な回転軸を有し、前記ベース部材に回転可能に配設され、前記第1従動位置では、前記従動部材の長手方向が水平方向と略平行とされ、前記第1従動位置から前記第2従動位置に従動されると、前記従動部材が前記回転軸を中心に回転して、前記従動部材の他側が前記回転軸よりも重力方向上側に配置されることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、従動部材は、正面視において一辺が長い矩形状に形成され、長手方向の一側に回転可能な回転軸を有し、ベース部材に回転可能に配設され、第1従動位置では、従動部材の長手方向が水平方向と略平行とされ、第1従動位置から第2従動位置に従動されると、従動部材が回転軸を中心に回転して、従動部材の他側が回転軸よりも重力方向上側に配置されるので、従動部材は、第1従動位置から第2従動位置に従動すると回転して長手側が起立する。従って、従動部材が起立する分、従動部材の荷重が回転軸に向かって作用しやすくなり、従動部材が荷重が従動部材の揺動方向に作用して、従動部材が揺動しやすくなる。
これに対して、本実施形態では、従動部材に連結する変位部材の揺動を規制することで、規制手段による規制箇所を増加して、従動部材が揺動しにくくすることができる。その結果、従動部材が第2従動領域に配置される場合に揺動することを抑制できる。
また、従動部材の他端側を持ち上げる力が必要になる第1従動領域を従動部材が従動する場合には、変位部材の規制が解除される第1位置から第3位置(第1変位領域)を変位させる必要があるところ、かかる変位部材は、第1変位領域では規制手段により規制が解除されるので、変位部材の動作が規制手段により遅くされることを抑制できる。従って、従動部材の変位力が必要な場合に、従動部材の変位力を確保することができる。
遊技機O4又はO5において、前記従動部材は、前記壁部に対向する位置に突設される突設部を備え、その突設部の先端が前記壁部に当接されて前記従動部材の変位が規制され、前記変位部材は、前記第2変位領域において前記従動部材と前記壁部との対向間の空間を変位可能に設定され、前記従動部材と前記壁部との対向方向において前記変位部材の少なくとも一部が前記従動部材と重なることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O4又はO5の奏する効果に加え、従動部材は、壁部に対向する位置に突設される突設部を備え、その突設部の先端が壁部に当接されて従動部材の変位が規制され、変位部材は、終端の変位領域において従動部材と壁部との対向間の空間を変位可能に設定され、従動部材と壁部との対向方向において変位部材の少なくとも一部が従動部材と重なるので、変位部材が、壁部と反対側に傾倒することを抑制できる。その結果、従動部材および壁部とで、変位部材の軸両方向の変位を規制することができ、変位部材が変位する場合に、揺動することを抑制できる。
遊技機O6において、前記第2従動位置において前記変位部材の側面が、前記従動部材の前記突設部と当接されることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O6の奏する効果に加え、第2従動位置において変位部材の側面が従動部材の突設部に当接されるので、変位部材を第1従動位置から第2従動位置に変位させた際に、外縁を変位部材の突設部に当接させて停止させることができる。よって、突設部に壁部に当接して従動部材の変位を規制する役割と、変位部材の停止動作を補助する役割とを兼用させることができる。従って、変位部材および従動部材の変位可能なスペースを確保することができる。
遊技機O7において、前記従動部材は、前記ベース部材に一端が軸支され、前記変位部材が前記第2従動位置に配置される場合に、前記従動部材の前記変位部材との連結部分の変位方向が、前記変位部材の軸心に向かう方向に設定されることを特徴とする遊技機O8。
遊技機O8によれば、遊技機O7の奏する効果に加え、従動部材はベース部材に一端が軸支され、変位部材が第2従動位置に配置される場合に、従動部材の変位部材との連結部分の変位方向が、変位部材の軸心に向かう方向に設定されるので、従動部材の荷重が変位部材に作用した場合に、変位部材が従動部材の荷重により変位することを抑制できる。即ち、変位部材が第2従動位置に配置される場合には、従動部材と変位部材との関係を死点の関係にすることができるので、変位部材が変位することを抑制できる。その結果、第2従動位置において変位部材が駆動手段以外の外力で変位することを抑制できる。
遊技機O7において、前記従動部材は、前記ベース部に一端が軸支され、前記変位部材が第2従動位置に配置される場合に、前記従動部材の前記変位部材との連結部分の変位方向と、前記突設部および変位部材の当接による反力の作用する方向と、を合成した方向が、前記変位部材の軸心に向かう方向に設定されることを特徴とする遊技機O9。
遊技機O9によれば、遊技機O7の奏する効果に加え、従動部材は、ベース部材に一端が軸支され、変位部材が第2従動位置に配置される場合に、従動部材の変位部材との連結部分の変位方向と、突設部および変位部材の当接による反力の作用する方向と、を合成した方向が、変位部材の軸心に向かう方向に設定されるので、従動部材の荷重が変位部材に作用した場合に、変位部材が従動部材の荷重により変位することを抑制できる。即ち、変位部材が第2従動位置に配置される場合に、従動部材から変位部材に作用する力の方向を変位部材の軸心に向けることで、変位部材に軸支部分を中心に回転する方向の力が発生することを抑制できる。その結果、第2従動位置において変位部材が駆動手段以外の外力で変位することを抑制できる。
遊技機O1からO9において、前記突設部は、前記壁部と所定の隙間を備えて配設され、前記変位部材が当接することで、前記壁部に当接されることを特徴とする遊技機O10。
ここで、従動部材の突設部と壁部とが常時当接すると、駆動手段により変位部材を変位させる際に抵抗となり、変位部材を安定して変位させることが困難となる恐れがあった。
遊技機O10によれば、突設部は、壁部と所定の隙間を備えて配設され、変位部材が当接することで、壁部に当接されるので、変位部材が第2従動位置に変位された場合に、変位部材が揺れ動くことを防止することができると共に、変位途中で突起と膨出部とが抵抗となることを抑制できる。
<下変位部材440を一例とする発明の概念について>
正面視において少なくとも一部が背面側の光を透過可能な光透過性材料から形成される装飾部材(装飾部材450)と、その装飾部材の背面側に正面と平行な平面上を変位可能な状態で配設され、遊技球を受け入れて保持可能な受入部(球受部467)と、を備える遊技機において、前記装飾部材の背面側に配設され、前記受入部の変位領域に向けて光を出射可能な発光手段を備え、前記発光手段は、前記受入部の背面側、又は、前記装飾部材と前記受入部との間に配設され、前記受入部または前記受入部に受け入れられた遊技球により、前記発光手段から出射される光を遮断または反射して、前記装飾部材から出射される光の光量を部分的に異ならせることを特徴とする遊技機P1。
従来より、正面視において少なくとも一部が背面側の光を透過可能な光透過性材料から形成される装飾部材と、その装飾部材の背面側に変位可能な状態で配設され、遊技球を受け入れて保持可能な受入部と、を備える遊技機が知られている(例えば、特開2011−104276号公報)。この遊技機によれば、受入部に遊技球を受け入れて保持した後に、受入部を移動させることで、受入部の移動に伴って遊技球を移動させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、受入部が、装飾部材の背面側に配設されるので、その分、受入部および受入部に受け入れた遊技球の位置を遊技者が認識し難くなる。そのため、受入部に遊技球が受け入れられた(保持された)後、受入部が移動すると、受入部および受入部に受け入れられた(保持された)遊技球がどの方向に移動したのかを遊技者が把握しにくくなり、受入部に受け入れられた遊技球の位置を遊技者が把握しにくいという問題点があった。
これに対し、遊技機P1では、装飾部材の背面側に配設され、受入部の変位領域に向けて光を出射可能な発光手段を備え、発光手段は、受入部の背面側、又は、装飾部材と受入部との間に配設され、受入部または受入部に受け入れられた遊技球により、発光手段から出射される光を遮断または反射して、装飾部材から出射される光の光量を部分的に異ならせるので、受入部または受入部に受け入れられた遊技球の正面側に位置する装飾部材から出射される光の光量と、その他の位置の装飾部材から出射される光の光量と、を異ならせることで、その光量の異なる部分の背面側に受入部または受入部に受け入れられた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
詳しく説明すると、受入部の背面側に発光手段が配設される場合には、発光手段から出射される光を受入部または受入部に受け入れた遊技球により遮断することで、受入部または受入部に受け入れた遊技球の正面側の装飾部材から出射される光の光量を装飾部材の他の部分よりも暗くすることができる。その結果、装飾部材から出射される光量の少ない(暗い)部分の背面側に受入部または受入部に受け入れた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
一方、装飾部材と受入部との間に発光手段が配設される場合には、発光手段から出射される光を受入部または受入部に受け入れられた遊技球により反射することで、受入部または受入部に受け入れた遊技球の正面側の装飾部材から出射される光の光量を装飾部材の他の部分よりも明るくすることができる。その結果、装飾部材から出射される光量の多い(明るい)部分の背面側に受入部または受入部に受け入れた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
遊技機P1において、前記発光手段は、前記受入部の背面側に配設され、前記受入部は、前記装飾部材と前記発光手段との対向間を第1位置と第2位置との間で変位可能な遮蔽部材を備え、その遮蔽部材は、非光透過性材料から形成され、前記第1位置に配置される場合に、前記発光手段から出射される光を遮断する面積が前記第2位置に配置される場合よりも大きくされることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、発光手段は、受入部の背面側に配設され、受入部は、装飾部材と発光手段との対向間を第1位置と第2位置との間で変位可能な遮蔽部材を備え、その遮蔽部材は、非光透過性材料から形成され、第1位置に配置される場合に、発光手段から出射される光を遮断する面積が第2位置に配置される場合よりも大きくされるので、遮蔽部材が、第1位置に配置される場合に、装飾部材から出射される光の光量を部分的に異ならせやすくすることができる。これにより、遊技球が受入部に受け入れられて(保持されて)いない場合に、遮蔽部材を第1位置に配置して装飾部材から出射される光の光量を部分的に異ならせて遊技球が受入部に受け入れられていると遊技者に認識させることができる。その結果、受入部に遊技球が受け入れられていない場合にも、受入部の変位による演出で遊技者に興趣を与えることができる。
遊技機P2において、前記遮蔽部材は、前記受入部の変位に連動されることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P2の奏する効果に加え、遮蔽部材は、受入部の変位に連動されるので、受入部の遊技球の保持部分に張り出し又は退避させる駆動装置を受入部に配設する必要がなくなる。これにより、受入部の重量が駆動装置で重くなることを抑制できる。よって、その分、受入部の変位を安定させることができる。その結果、受入部の変位による演出で遊技者に興趣を与えやすくすることができる。
遊技機P2又はP3において、前記遮蔽部材は、お椀型に形成され、退避位置に配置される際に、その内側に遊技球を受入可能とされることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P2またはP3の奏する効果に加え、前記遮蔽部材は、お椀型に形成され、退避位置に配置される際に、その内側に遊技球を受入可能とされるので、遊技球を受入部の内側に送球した場合に、その遊技球を遮蔽部材で受け止めることで、遊技球が受入部の内側であばれることを抑制できる。その結果、受入部に遊技球を保持しやすくすることができ、受入部に遊技球を受け入れた状態での受入部の変位による演出を遊技者に視認させやすくすることができる。その結果、受入部の変位による演出で遊技者に興趣を与やすくすることができる。
遊技機P1からP4のいずれかにおいて、前記受入部は、その受入部に保持される遊技球の中心よりも重力方向下側に形成され、前記発光手段は、前記受入部に保持される遊技球の中心と略同一の高さに光の出射部分が配置され、前記装飾部材の光透過部分が、前記発光手段の光の出射部分よりも高い位置に形成されることを特徴とする遊技機P5。
ここで、発光手段から照射された光を装飾部材を透過させて、受入部または受入部に受け入れられる遊技球により光を反射または光を遮断する構造では、発光手段から出射される光が遊技球だけでなく、受入部にも照射されることで、受入部により光が反射または遮断されやすくなる。従って、装飾部材から出射される光の光量の違いにより形成される光の明暗が受入部の影響を受けることで、その明暗の形状が遊技球の外形と異なる形状となり、遊技者に光の光量の異なる部分の背面側に遊技球が配置されていることを認識させにくくなる恐れがあった。
これに対し、遊技機P5では、遊技機P1からP4のいずれかの奏する効果に加え、受入部は、その受入部に保持される遊技球の中心よりも重力方向下側に形成され、発光手段は、受入部に保持される遊技球の中心と略同一の高さに光の出射部分が配置され、装飾部材の光透過部分が、発光手段の光の出射部分よりも高い位置に形成されるので、発光手段から出射されて受入部に遮断または反射されることで形成される光の明暗が、装飾部材の光透過部分を透過して装飾部材の正面側に形成されることを抑制できる。これにより、装飾部材の光透過部分を透過して形成される光の明暗の形状を遊技球の外形(円形状)に近づけることができる。その結果、遊技者に光の光量の異なる部分に遊技球が配置されていることを認識させやすくできる。
遊技機P1からP5のいずれかにおいて、前記受入部は、光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機P6。
遊技機P6によれば、遊技機P1からP5のいずれかの奏する効果に加え、受入部は、光透過性材料から形成されるので、発光手段から照射される光が受入部により反射または遮断されることを抑制できる。これにより、受入部に遊技球が受け入れられていない場合に、装飾部材の光透過部分に光の光量の異なる部分が形成されることを抑制できる。従って、遊技球が受入部に受け入れられていない場合に、受入部の位置出し動作や復帰動作を遊技者に気づかれずに行うことができる。その結果、遊技者が受入部の位置出し動作や復帰動作で装飾部材を注視することを抑制して、注視させたい場合の受入部の変位動作にのみ遊技者を注視させることができる。
遊技機P5又はP6において、非光透過性の材料から形成されて前記受入部の変位方向の一方側に連結される連結部材を備え、前記発光手段は、前記受入部の変位領域の背面側に配設され、前記連結部材は、前記受入部の変位距離よりも前記受入部の変位方向における寸法が大きく設定され、前記装飾部材の光透過部分の背面側に配置され、前記受入部の変位に伴って、前記発光手段と前記装飾部材との対向間に張り出し、又は、退避されることを特徴とする遊技機P7。
遊技機P7によれば、遊技機P5又はP6の奏する効果に加え、非光透過性の材料から形成されて受入部の変位方向の一方側に連結される連結部材を備え、発光手段は、受入部の変位領域の背面側に配設され、連結部材は、受入部の変位距離よりも受入部の変位方向における寸法が大きく設定され、装飾部材の光透過部分の背面側に配置され、受入部の変位に伴って、発光手段と装飾部材との対向間に張り出し、又は、退避されるので、受入部の変位に伴なって、装飾部材からの光の出射面積を変更することができる。即ち、連結部材により発光手段から装飾部材に照射される光を遮断することができると共に、その光を遮る面積を受入部の変位に伴って変更することができる。その結果、受入部、連結部材が、発光手段と装飾部材との対向間に張り出し変位されることで、装飾部材から出射される光の出射面積を小さくすることができる。その結果、装飾部材の光の出射面が小さくされるので、受入部または受入部に受け入れられる遊技球により装飾部材から出射される光量の少ない部分を遊技者に認識させやすくできる。
遊技機P7において、前記連結部材は、前記受入部を駆動する駆動手段の一部であることを特徴とする遊技機P8。
遊技機P8によれば、遊技機P7の奏する効果に加え、連結部材は、受入部を駆動する駆動手段の一部であるので、駆動手段の駆動力を受入部に伝達する役割と、発光手段から出射される光を遮断する役割と、を連結部材に兼用させることができる。その結果、受入部を駆動する駆動手段の配設スペースを確保できる。
遊技機P1からP8のいずれかおいて、前記発光手段は、前記受入部の変位領域の背面側に配設され、前記受入部は、その受入部に受け入れられる遊技球より変位可能な変位部材を備え、前記変位部材は、非光透過性材料から形成されると共に、前記発光手段と前記装飾部材との対向間に突出または退避する位置で変位可能とされ、前記受入部に遊技球が受け入れられることで、前記発光手段と前記装飾部材との対向間に突出することを特徴とする遊技機P9。
遊技機P9によれば、遊技機P1からP8のいずれかの奏する効果に加え、発光手段は、受入部の変位領域の背面側に配設され、受入部は、その受入部に受け入れられる遊技球より変位可能な変位部材を備え、変位部材は、非光透過性材料から形成されると共に、発光手段と装飾部材との対向間に突出または退避する位置で変位可能とされ、受入部に遊技球が受け入れられることで、発光手段と装飾部材との対向間に突出するので、受入部に遊技球が保持された場合にのみ、変位部材および遊技球により、発光手段から出射される光を遮断して、装飾部材に形成される影(暗い部分)で遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。よって、遊技球が受入部に受け入れられていない場合に、受入部の位置出し動作や復帰動作を遊技者に気づかれずに行うことができる。その結果、遊技者が間違ったタイミングで装飾部材を注視することを抑制して、遊技者が集中して遊技を行うことができる。
遊技機P1からP8のいずれかにおいて、前記発光手段は、前記受入部の変位領域の正面側に配設され、前記受入部は、その受入部に受け入れられる遊技球より変位可能な変位部材を備え、前記変位部材は、非光透過性材料から形成されると共に、前記発光手段と前記装飾部材との対向間に突出または退避する位置で変位可能とされ、前記受入部に遊技球が受け入れられることで、前記発光手段と遊技球との対向間に突出することを特徴とする遊技機P10。
遊技機P10によれば、遊技機P1からP8のいずれかの奏する効果に加え、発光手段は、受入部の変位領域の正面側に配設され、受入部は、その受入部に受け入れられる遊技球より変位可能な変位部材を備え、変位部材は、非光透過性材料から形成されると共に、発光手段と装飾部材との対向間に突出または退避する位置で変位可能とされ、受入部に遊技球が受け入れられることで、発光手段と遊技球との対向間に突出するので、受入部に遊技球が保持された場合にのみ、変位部材および遊技球により、発光手段から出射される光を反射して、装飾部材に形成される明るい部分(他よりも光量が大き部分)で遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。よって、遊技球が受入部に受け入れられていない場合に、受入部の位置出し動作や復帰動作を遊技者に気づかれずに行うことができる。その結果、遊技者が間違ったタイミングで装飾部材を注視することを抑制して、遊技者が集中して遊技を行うことができる。
なお、この場合、変位部材は、一般的に光の反射率が樹脂材料よりも高い金属材料で形成される、又は、外面に金属の塗装がされることが好ましい。これにより、変位部材に照射される光を反射しやすくでき、装飾部材から出射される光の光量を違いを明確にして、遊技者に遊技球の位置を認識させやすくできる。
遊技機P10において、前記変位部材は、背面側に凹む凹状の湾曲形状に形成されることを特徴とする遊技機P11。
遊技機P11によれば、遊技機P10の奏する効果に加え、変位部材は、背面側に凹む凹状の湾曲形状に形成されるので、発光手段から変位部材に照射された光を装飾部材側に反射した際に、その反射した光が拡散しにくく(光を集光しやすく)することができる。従って、変位部材に反射されて装飾部材から出射される光を集めることで、光の光量を違いを明確にして、遊技者に遊技球の位置を認識させやすくできる。
遊技機P1からP11のいずれかにおいて、前記装飾部材は、前記発光手段の照射方向に凸状に膨出して形成されることを特徴とする遊技機P12。
遊技機P12によれば、遊技機P1からP11のいずれかの奏する効果に加え、装飾部材は、発光手段の照射方向に凸状に膨出して形成されるので、装飾部材から透過される発光手段の光を拡散しやすくできる。その結果、受入部に受け入れられる遊技球により形成される光の光量が異なる部分を拡大して遊技者に認識させることができるので、受入部に受け入れられた遊技球の位置を遊技者に認識させやすくできる。
遊技機P1からP12のいずれかにおいて、前記発光手段は、少なくとも2色以上の色を発光可能とされることを特徴とする遊技機P13。
遊技機P13によれば、遊技機P1からP12のいずれかの奏する効果に加え、発光手段は、少なくとも2色以上の色を発光可能とされるので、発光色により、受入部が配置される位置で期待度を変化させることができる。
例えば、第1の発光色の第1の領域と、第2の発光色の第2の領域とで発光を分けると共に、第1の領域に受入部が配置された方が、大当たりの期待度を高くする。その結果、受入部に保持される遊技球の位置を遊技者に注視させやすくできる。
なお、この場合、第1の領域の範囲と第2の領域の範囲は、発光色を変更するのみで変化させることができるので、発光する範囲を変更することで、演出の形態を複数形成することができ、遊技者に興趣を与えやすくできる。
<入賞口ユニット300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定する1又は複数のねじ部材を備え、前記第1遊技盤部材側には、前記ねじ部材が螺合可能な複数のめねじが形成され、前記第2遊技盤部材には、前記ねじ部材が挿通可能な1又は複数の挿通孔が形成され、前記めねじの数よりも少ない数の前記ねじ部材により前記第2遊技盤部材が前記第1遊技盤部材に締結固定されていることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。第2遊技盤部材には挿通孔が、第1遊技盤部材にはめねじが、それぞれ形成され、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材が、第1遊技盤部材のめねじに螺合されることで、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定される。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。即ち、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材を交換する毎に、めねじとねじ部材との螺合が繰り返され、めねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じるため、交換回数が嵩むと、締結固定の信頼性が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機Q1によれば、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を締結固定する1又は複数のねじ部材を備え、第1遊技盤部材側には、ねじ部材が螺合可能な複数のめねじが形成され、第2遊技盤部材には、ねじ部材が挿通可能な1又は複数の挿通孔が形成され、めねじの数よりも少ない数のねじ部材により第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に締結固定されているので、1のめねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、他のめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
なお、挿通孔の断面形状は任意であり、例えば、円形、楕円形、多角形、これらの組み合せが例示される。また、挿通孔は、少なくともねじ部材が挿通可能に形成されれば足り、周面の一部が開放されていても良い。開放部分は、ねじ部材の挿通方向に沿って連続していても良く、挿通方向の一部のみであっても良い。
遊技機Q1において、前記挿通孔の数が前記めねじの数よりも少なくされると共に、前記第2遊技盤部材の前記第1遊技盤部材に対する姿勢が第1姿勢または第2姿勢を少なくとも選択可能に形成され、前記第1姿勢と前記第2姿勢とでは、前記挿通孔に連なるめねじが異なるめねじとされることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の第1遊技盤部材に対する姿勢が第1姿勢または第2姿勢を少なくとも選択可能に形成され、第1姿勢と第2姿勢とでは、挿通孔に連なるめねじが異なるめねじとされるので、1のめねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、第2遊技盤部材の姿勢を変更することで、他のめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
特に、遊技機Q2によれば、挿通孔の数がめねじの数よりも少なくされるので、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材の正面に視認可能に配設される場合に、ねじ部材が挿通されていない状態で遊技者に視認される挿通孔の数を低減できる。よって、挿通孔を被覆するための他の部材の面積を抑制できる。なお、挿通孔の数と同数のねじ部材により第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に締結固定されることが好ましい。この場合には、ねじ部材が挿通されていない状態で遊技者に視認される挿通孔を無くすことができる。よって、他の部材による挿通孔の被覆を不要とすることができる。
また、挿通孔の数が減らせることで、その分、第2遊技盤部材の強度を確保できる。ここで、第2遊技盤部材は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難である。一方、釘が植設されるものとして第2遊技盤部材が形成される場合は、釘を植設する際の打ち込み荷重に対し、或いは、遊技中に遊技球が釘に衝突する際の衝撃に対し、強度を確保する必要がある。よって、釘が植設される第2遊技盤部材では、挿通孔の数を減らせることが強度確保の観点から特に有効となる。
遊技機Q2において、前記第1遊技盤部材には、前記第2遊技盤部材を支持する座面に所定の傾斜角度が付与され、前記第2遊技盤部材には、前記座面に支持される被支持面に対して垂直に釘が植設されることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q2の奏する効果に加え、第1遊技盤部材には、第2遊技盤部材を支持する座面に所定の傾斜角度が付与され、第2遊技盤部材には座面に支持される被支持面に対して垂直に釘が植設されるので、第2遊技盤部材の姿勢(第1姿勢または第2姿勢)を変更しても、第1遊技盤部材(遊技面)に対する釘の傾斜角度を一定に維持することができる。
遊技機Q3において、前記第1姿勢と前記第2姿勢とで同じ位置に配置されるように前記釘が前記第2遊技盤部材に植設されることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q3の奏する効果に加え、第1姿勢と第2姿勢とで同じ位置に配置されるように釘が第2遊技盤部材に植設されるので、第2遊技盤部材の姿勢(第1姿勢または第2姿勢)を変更しても、第1遊技盤部材(遊技面)に対する釘の位置を所定位置に維持することができる。
遊技機Q3又はQ4において、前記座面の傾斜方向に沿って延びる前記第2遊技盤部材の正面縁部またはその第2遊技盤部材の正面縁部に並設される前記第1遊技盤部材の正面縁部の一方には、他方へ向けて下降傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q3又はQ4の奏する効果に加え、座面の傾斜方向に沿って延びる第2遊技盤部材の正面縁部またはその第2遊技盤部材の縁部に並設される第1遊技盤部材の正面縁部の一方には、他方へ向けて下降傾斜する傾斜面が形成されるので、両者の正面どうしを滑らかに連ねることができる。即ち、第1遊技盤部材の座面が傾斜されることで、第1遊技盤部材の正面と第2遊技盤部材の正面との間に段差が形成されることを抑制できる。よって、かかる段差を抑制するために、第1遊技盤部材の正面または第2遊技盤部材の正面に他の部材を配設することを不要とできる。
遊技機Q1において、前記第2遊技盤部材には、前記複数のめねじに対応する位置に前記挿通孔がそれぞれ貫通形成されることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材には、複数のめねじに対応する位置に挿通孔がそれぞれ貫通形成されるので、1のめねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、他のめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
この場合、遊技機Q6によれば、他のめねじを使用する場合に、第2遊技盤部材の第1遊技盤部材に対する姿勢を変更する必要がない。即ち、第2遊技盤部材が選択可能な姿勢の数にめねじの数が限定されない。よって、めねじの数をより多く確保することができる。その結果、第2遊技盤部材の交換可能な回数をより多く確保できる。
遊技機Q6において、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、前記挿通孔が前記第2遊技盤部材の正面に開口されると共に、前記第2部材が前記第2遊技盤部材の挿通孔の正面に張り出す張出部を備えることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q6の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、挿通孔が第2遊技盤部材の正面に開口されると共に、第2部材が第2遊技盤部材の挿通孔の正面に張り出す張出部を備えるので、ねじ部材が挿通されていない挿通孔を被覆して、遊技者から隠すことができる。よって、外観の向上を図ることができる。また、第2遊技盤部材の一側のみがねじ部材により第1遊技盤部材に締結固定されている場合に、第2遊技盤部材の正面に第2部材の張出部が張り出されていることで、第2遊技盤部材の他側の浮き上がりを抑制できる。
遊技機Q6において、前記めねじ及び挿通孔が前記第1遊技盤部材の正面に略平行に延設されることを特徴とする遊技機Q8。
遊技機Q8によれば、遊技機Q6の奏する効果に加え、めねじ及び挿通孔が第1遊技盤部材の正面に略平行に延設されるので、挿通孔またはねじ部材の頭が第1遊技盤部材の正面(遊技面)に露出されないようにできる。よって、ねじ部材が挿通されていない挿通孔を遊技者に視認させ難くできるので、挿通孔を被覆するための他の部材の面積を抑制または不要とすることができる。また、ねじ部材の頭が遊技球の転動面(遊技面)に露出されないので、皿ねじとすることや頭を収容する座繰り(凹部)を設けることを不要とでき、構造を簡素化できる。
遊技機Q1において、前記第1遊技盤部材の背面に変位可能に支持されると共に前記複数のめねじが形成される被締結部材を備えることを特徴とする遊技機Q9。
遊技機Q9によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の背面に変位可能に支持されると共に複数のめねじが形成される被締結部材を備えるので、1のめねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、被締結部材を変位させることで、他のめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
特に、遊技機Q9によれば、被締結部材が第1遊技盤部材の背面に支持されているので、第2遊技盤部材を取り外した際に、被締結部材が脱落しないように、又は、第2遊技盤部材を取り付ける際に、ねじ部材を被締結部材のめねじに螺合させるために、第1遊技盤部材の背面から作業者が手で被締結部材を保持しておく必要がない。よって、第2遊技盤部材を交換する際に、第1遊技盤部材(遊技盤)を開放させる必要がなく、第1遊技盤部材(遊技盤)を閉じた状態のままで、正面から第2遊技盤部材の交換作業を行うことができる。よって、第2遊技盤部材を交換する作業の作業性を向上できる。
遊技機Q9において、前記被締結部材は、正面視円形に形成されると共に前記円形の中心を回転軸として前記第1遊技盤部材に回転可能に軸支されることを特徴とする遊技機Q10。
遊技機Q10によれば、遊技機Q9の奏する効果に加え、被締結部材が、正面視円形に形成されると共にその円形の中心を回転軸として第1遊技盤部材に回転可能に軸支されるので、ねじ部材を螺合させるめねじを変更するために、被締結部材を回転させても、遊技者から視認される被締結部材の外観を一定に維持できる。特に、第1遊技盤部材が光透過性の材料から形成され被締結部材が第1遊技盤部材を介して透視される場合には、正面視円形の形状が外観の維持に対して有効となる。
遊技機Q9又はQ10において、前記第1遊技盤部材は、前記第2遊技盤部材が配設される領域に開口形成されると共に前記被締結部材に連通される開口を備えることを特徴とする遊技機Q11。
遊技機Q11によれば、遊技機Q9又はQ10の奏する効果に加え、第1遊技盤部材は、第2遊技盤部材が配設される領域に開口形成されると共に被締結部材に連通される開口を備えるので、かかる開口を介して第1遊技盤部材の正面から被締結部材を作業者が操作することを可能とできる。即ち、第2遊技盤部材を取り付ける際に、被締結部材を変位(又は回転)させてめねじの位置を調整しておく必要があるところ、かかる調整を、第1遊技盤部材を閉じた状態のままで行うことができる。よって、第2遊技盤部材を交換する作業の作業性を向上できる。
また、かかる開口は、第2遊技盤部材が配設される領域に開口形成されるので、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を取り付けた状態では、第2遊技盤部材により被覆して開口を遊技者から隠すことができる。よって、外観の向上を図ることができる。
<入賞口ユニット7300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、前記ねじ部材が挿通される挿通孔が、前記第1遊技盤部材側に形成されると共に、前記第1遊技盤部材側の挿通孔に挿通された前記ねじ部材が螺合されるめねじが、前記第2遊技盤部材に形成されることを特徴とする遊技機R1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。第2遊技盤部材には挿通孔が、第1遊技盤部材にはめねじが、それぞれ形成され、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材が、第1遊技盤部材のめねじに螺合されることで、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定される。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。即ち、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材を交換する毎に、めねじとねじ部材との螺合が繰り返され、めねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じるため、交換回数が嵩むと、締結固定の信頼性が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機R1によれば、ねじ部材が挿通される挿通孔が、第1遊技盤部材側に形成されると共に、第1遊技盤部材側の挿通孔に挿通されたねじ部材が螺合されるめねじが、第2遊技盤部材に形成されるので、第2遊技盤部材を交換する際には、その交換に伴って、新しいめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
なお、挿通孔の断面形状は任意であり、例えば、円形、楕円形、多角形、これらの組み合せが例示される。また、挿通孔は、少なくともねじ部材が挿通可能に形成されれば足り、周面の一部が開放されていても良い。開放部分は、ねじ部材の挿通方向に沿って連続していても良く、挿通方向の一部のみであっても良い。
遊技機R1において、前記第2遊技盤部材の第1面から突設される突部と、その突部を受け入れ可能に前記第1遊技盤部材の第2面に凹設される凹部とを備え、前記めねじが前記第2遊技盤部材の突部に形成されると共に、前記挿通孔が前記第1遊技盤部材の凹部に連通して形成されることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の第1面から突設される突部と、その突部を受け入れ可能に第1遊技盤部材の第2面に凹設される凹部とを備え、めねじが第2遊技盤部材の突部に形成されると共に、挿通孔が第1遊技盤部材の凹部に連通して形成されるので、めねじのねじ部(完全ねじ部)の長さを確保できる。よって、その分、ねじ部材の軸力を高めることができ、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第2遊技盤部材は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、遊技機R2のように、突部にめねじを形成して、ねじ部の長さを確保することで、ねじ部材に所定の軸力を付与可能としつつ、第2遊技盤部材の負担を分散させることができる。即ち、突部にめねじを設ける構成が、強固な締結固定と第2遊技盤部材の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
遊技機R2において、前記突部の突設寸法が前記凹部の凹設寸法よりも大きな寸法に設定されることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R2の奏する効果に加え、突部の突設寸法が凹部の凹設寸法よりも大きな寸法に設定されるので、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定された状態では、突部の突設先端と凹部の凹設底面とが当接された状態を形成できる。即ち、第2遊技盤部材の第1面と第1遊技盤部材の第2面との間に隙間が形成された状態を形成できる。よって、突部の弾性変形を利用して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して相対変位させやすくできる。その結果、例えば、第2遊技盤部材に釘が植設される場合には、遊技中に遊技球が釘に衝突する際の振動を吸収して、釘の破損(折損)を抑制できる。
なお、この場合には、凹部の内径寸法が突部の外径寸法よりも小さい寸法に設定されることが好ましい。また、突部の突設先端と凹部の凹設底面とを除き、他の部分では第2遊技盤部材と第1遊技盤部材とが当接しないことが好ましい。これらにより、突部をより弾性変形しやすくすることができるからである。
遊技機R2において、前記突部の突設寸法が前記凹部の凹設寸法よりも小さな寸法に設定されることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R2の奏する効果に加え、突部の突設寸法が凹部の凹設寸法よりも小さな寸法に設定されるので、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定された状態では、第2遊技盤部材の第1面と第1遊技盤部材の第2面とが当接された状態を形成できる。即ち、突部の突設先端と凹部の凹設底面との間に隙間が形成された状態を形成できる。よって、当接面積を確保して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して強固に固定することができる。
遊技機R1からR4のいずれかにおいて、前記第1遊技盤部材には、液晶表示装置を視認可能とするための窓部と、前記第2遊技盤部材を配設するための開口とが開口形成され、それら窓部と開口とが連通されていることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R1からR4のいずれかにおいて、第1遊技盤部材には、液晶表示装置を視認可能とするための窓部と、第2遊技盤部材を配設するための開口とが開口形成され、それら窓部と開口とが連通されているので、構造部材を交換する際に、第1遊技盤部材の窓部を利用して、作業者に構造部材を把持させることができる。よって、交換作業の作業性の向上を図ることができる。例えば、第2遊技盤部材に釘が植設される場合には、釘を把持しなくても交換作業ができるので、新たに取り付ける第2遊技盤部材の釘が把持されることを抑制して、釘が屈曲したり釘どうしの間隔が変更されることを抑制できる。
遊技機R5において、前記第2遊技盤部材は、非締結状態では、遊技面に平行な方向に沿ってスライド変位されることで、前記第1遊技盤部材の窓部側へ抜き取り可能に形成されることを特徴とする遊技機R6。
遊技機R6によれば、遊技機R5の奏する効果に加え、第2遊技盤部材は、非締結状態では、遊技面(第1遊技盤部材の正面)に平行な方向に沿ってスライド変位されることで、第1遊技盤部材の窓部側へ抜き取り可能に形成されるので、第2遊技盤部材の背面側に他の部材や装置が配設されている場合でも、他の部材や装置を取り外すことなく、第2遊技盤部材を交換することができる。よって、交換作業の作業性を向上できる。言い換えると、交換作業のためのスペースを第2遊技盤部材の背面側に確保することを不要とでき、その分、かかる第2遊技盤部材の背面側のスペースを、他の部材や装置を配設するためのスペースとして利用することができる。
遊技機R6において、前記第1遊技盤部材の開口の内側面または前記第2遊技盤部材の外側面の一方から突出される突片と、その突片を受け入れ可能に前記第1遊技盤部材の開口の内側面または前記第2遊技盤部材の外側面の他方に凹設されると共に遊技面に平行な方向に沿って連続して延設され前記窓部に連なる凹溝とを備えることを特徴とする遊技機R7。
遊技機R7によれば、遊技機R6の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の開口の内側面または第2遊技盤部材の外側面の一方から突出される突片と、その突片を受け入れ可能に第1遊技盤部材の開口の内側面または第2遊技盤部材の外側面の他方に凹設されると共に遊技面(第1遊技盤部材の正面)に平行な方向に沿って連続して延設され窓部に連なる凹溝とを備えるので、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材の窓部側へ抜き取ることを可能としつつ、遊技に伴う振動により或いは不正な手段によりねじ部材が緩んだり取り外された場合でも、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
遊技機R7において、前記第1遊技盤部材の開口の内側面から張り出し前記挿通孔が形成される遊技盤張出部と、前記第2遊技盤部材の外側面から張り出し前記めねじが形成される構成部材張出部とを備え、前記第2遊技盤部材の前記構成部材張出部から前記突片が突出されると共に、前記第1遊技盤部材の前記遊技盤張出部の非形成部分に前記凹溝が凹設されることを特徴とする遊技機R8。
遊技機R8によれば、遊技機R7の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の開口の内側面から張り出し挿通孔が形成される遊技盤張出部と、第2遊技盤部材の外側面から張り出しめねじが形成される構成部材張出部とを備え、第2遊技盤部材の構成部材張出部から突片が突出されると共に、第1遊技盤部材の遊技盤張出部の非形成部分に凹溝が凹設されるので、めねじのねじ部(完全ねじ部)の長さを確保できる。よって、その分、ねじ部材の軸力を高めることができ、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第2遊技盤部材は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、遊技機R8のように、第2遊技盤部材の構成部材張出部から突片を突出して、ねじ部の長さを確保することで、ねじ部材に所定の軸力を付与可能としつつ、第2遊技盤部材の負担を分散させることができる。即ち、第2遊技盤部材の構成部材張出部から突片を突出する構成が、強固な締結固定と第2遊技盤部材の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
遊技機R7において、前記第1遊技盤部材の開口の内側面から張り出し前記挿通孔が形成される遊技盤張出部と、前記第2遊技盤部材の外側面から張り出し前記めねじが形成される構成部材張出部とを備え、前記第1遊技盤部材の前記遊技盤張出部から前記突片が突出されると共に、前記第2遊技盤部材の前記構成部材張出部の非形成部分に前記凹溝が凹設されることを特徴とする遊技機R9。
遊技機R8によれば、遊技機R7の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の開口の内側面から張り出し挿通孔が形成される遊技盤張出部と、第2遊技盤部材の外側面から張り出しめねじが形成される構成部材張出部とを備え、第1遊技盤部材の遊技盤張出部から突片が突出されると共に、第2遊技盤部材の構成部材張出部の非形成部分に凹溝が凹設されるので、めねじのねじ部(完全ねじ部)の長さを確保できる。よって、その分、ねじ部材の軸力を高めることができ、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第2遊技盤部材は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、遊技機R9のように、第1遊技盤部材の遊技盤張出部から突片を突出して、ねじ部の長さを確保することで、ねじ部材に所定の軸力を付与可能としつつ、第2遊技盤部材の負担を分散させることができる。即ち、第1遊技盤部材の遊技盤張出部から突片を突出する構成が、強固な締結固定と第2遊技盤部材の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
遊技機R1からR9のいずれかにおいて、前記第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線上には前記めねじが非形成とされることを特徴とする遊技機R10。
遊技機R10によれば、遊技機R1からR9のいずれかにおいて、第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線上にはめねじが非形成とされるので、第2遊技盤部材の割れを抑制できる。即ち、2本の釘の植設に伴うひずみ(第2遊技盤部材の弾性変形)が2本の釘を結ぶ仮想線の方向で重なるため、仮想線の延長線上の領域では、第2遊技盤部材の割れが発生しやすいところ、かかる領域には、めねじが非形成とされることで、釘の植設に伴うひずみに、ねじ部材の螺合に伴う負荷が更に重なることを抑制できる。その結果、第2遊技盤部材の割れを抑制できる。
なお、仮想線の延長線とめねじとの離間距離は、第2遊技盤部材の割れを抑制する観点より、ねじ部材の外径の基準寸法(ねじの呼び径)以上に設定されることが好ましく、ねじ部材の外径の基準寸法の2倍以上に設定されることがより好ましい。
<入賞口ユニット10300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、前記第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機において、前記釘への外力の作用に伴う前記第2遊技盤部材の破損を抑制可能に形成されることを特徴とする遊技機S1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材の釘に折損が生じた場合には、第2遊技盤部材のみの交換により、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材が比較的小型に形成されるため、その第2遊技盤部材の剛性を確保することが困難である。そのため、遊技球の衝突により釘に外力が作用されると、第2遊技盤部材が破損しやすいという問題点があった。
これに対し、遊技機S1によれば、釘への外力の作用に伴う前記第2遊技盤部材の破損を抑制可能に形成されるので、遊技球の衝突により釘に外力が作用された場合に、第2遊技盤部材が破損することを抑制できる。
遊技機S1において、前記第2遊技盤部材は、前記釘が植設される植設部と、その植設部よりも厚み寸法が小さくされると共に前記第1遊技盤部材に当接されて締結固定される当接部とを備え、前記当接部が、前記第1遊技盤部材との当接面から突設されると共に前記植設部に連なる厚肉部を備えることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材は、釘が植設される植設部と、その植設部よりも厚み寸法が小さくされると共に第1遊技盤部材に当接されて締結固定される当接部とを備え、当接部が、第1遊技盤部材との当接面から突設されると共に植設部に連なる厚肉部を備えるので、その分、植設部の剛性を高めることができる。よって、遊技球の衝突により釘に外力が作用された場合に、第2遊技盤部材(植設部)が破損することを抑制できる。
遊技機S2において、前記第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線に沿って前記厚肉部が形成されることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S2の奏する効果に加え、第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線に沿って厚肉部が形成されるので、第2遊技盤部材(植設部)の破損を抑制できる。即ち、2本の釘の植設に伴うひずみ(第2遊技盤部材の弾性変形)が2本の釘を結ぶ仮想線の方向で重なるため、仮想線の延長線上の領域では、第2遊技盤部材の割れが発生しやすいところ、かかる領域に厚肉部が形成されることで、その分、釘の植設に伴うひずみを緩和することができる。よって、釘の植設に伴うひずみに、釘への遊技球の衝突に伴う負荷が更に重なることを抑制できる。その結果、第2遊技盤部材の割れを抑制できる。
遊技機S3において、前記2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における前記植設部の寸法が、前記2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における前記厚肉部の寸法よりも大きくされることを特徴とする遊技機S4。
遊技機S4によれば、遊技機S3の奏する効果に加え、2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における植設部の寸法が、2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における厚肉部の寸法よりも大きくされるので、2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における第2遊技盤部材(植設部)の剛性を高めることができる。その結果、第2遊技盤部材(植設部)の破損を抑制できる。
遊技機S4において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、前記第2遊技盤部材の当接部には、前記ねじ部材が挿通される挿通孔または前記ねじ部材が螺合されるめねじが、前記厚肉部を挟んだ位置に形成されることを特徴とする遊技機S5。
遊技機S5によれば、遊技機S4の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の当接部には、ねじ部材が挿通される挿通孔またはねじ部材が螺合されるめねじが、厚肉部を挟んだ位置に形成されるので、第2遊技盤部材の剛性を高めるための領域と、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を締結固定するための領域との両者を効率的に確保できる。その結果、第2遊技盤部材の破損の抑制と第2遊技盤部材の小型化との両立を図ることができる。
遊技機S2からS5のいずれかにおいて、前記第1遊技盤部材が、前記第2遊技盤部材の当接部との当接面に凹設され前記厚肉部を受け入れる受入部を備えると共に、その受入部に前記第2遊技盤部材の厚肉部の少なくとも一部が内嵌されることを特徴とする遊技機S6。
遊技機S6によれば、遊技機S2からS5のいずれかの奏する効果に加え、第1遊技盤部材が、第2遊技盤部材の当接部との当接面に凹設され厚肉部を受け入れる受入部を備えると共に、その受入部に第2遊技盤部材の厚肉部の少なくとも一部が内嵌されるので、第1遊技盤部材に厚肉部の少なくとも一部を保持させることができる。即ち、厚肉部の少なくとも一部が保持される分、第1遊技盤部材の剛性を利用して、第2遊技盤部材の剛性を高めることができる。その結果、第2遊技盤部材の破損を抑制できる。
なお、厚肉部の少なくとも一部が受入部に内嵌されるとは、厚肉部の少なくとも一部の外側面が、受入部の内側面に当接されることを意味する。よって、厚肉部の少なくとも一部が弾性的に圧縮変形された状態で受入部の内側面に圧入された状態であっても良い。圧入された状態であれば、厚肉部の少なくとも一部をより強固に保持できるので、第1遊技盤部材の剛性による第2遊技盤部材の剛性の向上効果を高めることができる。
遊技機S1において、前記第1遊技盤部材および第2遊技盤部材よりも弾性係数が小さい材料からなる弾性部材を備え、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材が前記弾性部材を介して配設されることを特徴とする遊技機S7。
遊技機S7によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材および第2遊技盤部材よりも弾性係数が小さい材料からなる弾性部材を備え、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材が弾性部材を介して配設されるので、弾性部材の弾性変形を利用して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して相対変位させやすくできる。即ち、その相対変位(弾性変形)により、遊技球の釘への衝突に伴う外力を吸収して、第2遊技盤部材の破損を抑制できる。
遊技機S7において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、前記ねじ部材が挿通される挿通孔が前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に形成されると共に、前記挿通孔に挿通された前記ねじ部材が螺合されるめねじが前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の他方に形成され、前記弾性部材が略筒状に形成され前記挿通孔と前記ねじ部材の軸との間に介設されることを特徴とする遊技機S8。
遊技機S8によれば、遊技機S7の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、ねじ部材が挿通される挿通孔が第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に形成されると共に、挿通孔に挿通されたねじ部材が螺合されるめねじが第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の他方に形成され、弾性部材が略筒状に形成され挿通孔とねじ部材の軸との間に介設されるので、第1遊技盤部材に対して第2遊技盤部材が相対変位する際の変位方向の自由度を高めることができる。即ち、ねじ部材の軸に直交する方向だけでなく、ねじ部材の軸に傾斜する方向(こじり方向)にも相対変位させやすくできる。その結果、遊技球の釘への衝突に伴う外力を吸収して、第2遊技盤部材の破損を抑制しやすくできる。
また、弾性部材の弾性を利用して、ねじ部材の緩みを抑制できると共に、ねじ部材が緩んだとしても、ねじ部材の脱落を抑制できる。
遊技機S8において、前記弾性部材は、前記挿通孔と前記ねじ部材の軸との間に介設される略筒状の筒部と、その筒部の両側の軸方向端部において径方向外方へフランジ状に張り出す一対のフランジ部とを備え、一方のフランジ部が前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材との間に介設される共に他方のフランジ部がねじ部材の頭部と第1遊技盤部材または第2遊技盤部材との間に介設されることを特徴とする遊技機S9。
遊技機S9によれば、遊技機S8の奏する効果に加え、弾性部材は、前記挿通孔と前記ねじ部材の軸との間に介設される略筒状の筒部と、その筒部の両側の軸方向端部において径方向外方へフランジ状に張り出す一対のフランジ部とを備え、一方のフランジ部が前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材との間に介設される共に他方のフランジ部がねじ部材の頭部と第1遊技盤部材または第2遊技盤部材との間に介設されるので、第1遊技盤部材と第2遊技盤部材とを弾性部材のみで連結できる(即ち、第2遊技盤部材から第1遊技盤部材への振動伝達経路の少なくとも一部に弾性部材のみからなる部分を形成できる)。よって、第1遊技盤部材に対して第2遊技盤部材を相対変位させやすくして、遊技球の釘への衝突に伴う外力を吸収しやすくできる。
また、ねじ部材の軸方向にも相対変位させることができ、第1遊技盤部材に対する第2遊技盤部材の相対変位方向の自由度を高めることができる。よって、この点からも、遊技球の釘への衝突に伴う外力を吸収しやすくできる。
更に、一方のフランジ部が前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材との間に介設されるので、第1遊技盤部材に対して第2遊技盤部材が自重で傾倒することを抑制できる。特に、経時に伴う弾性部材の劣化時(へたり時)に有効となる。
遊技機S1からS9のいずれかにおいて、前記第2遊技盤部材は、前記釘が植設される植設面から突出されると共に前記釘の根本を囲む胴部を備えることを特徴とする遊技機S10。
遊技機S10によれば、遊技機S1からS9のいずれかの奏する効果に加え、第2遊技盤部材は、釘が植設される植設面から突出されると共に釘の根本を囲む胴部を備えるので、釘を保持する部分の剛性を胴部により高めることができる。よって、遊技球の衝突により釘に外力が作用された場合に、第2遊技盤部材が破損することを抑制できる。
遊技機S10において、前記釘と前記植設面とに当接された遊技球の外面よりも前記第2遊技盤部材側に前記胴部が位置されることを特徴とする遊技機S11。
遊技機S11によれば、遊技機S10の奏する効果に加え、釘と植設面とに当接された遊技球の外面よりも第2遊技盤部材側に胴部が位置されるので、遊技球が胴部に衝突することを回避して、胴部が破損することを抑制できる。
遊技機S10又はS11において、前記植設面に近接するに従って前記胴部の断面積が大きくされることを特徴とする遊技機S12。
遊技機S12によれば、遊技機S10又はS11の奏する効果に加え、植設面に近接するに従って胴部の断面積が大きくされるので、遊技球が胴部に衝突することを回避しつつ、釘を保持する部分の剛性をより高めることができる。即ち、遊技球が胴部に直接衝突することによる胴部の破損と、遊技球が釘に衝突することによる第2遊技盤部材の破損との両者を効果的に抑制できる。
なお、胴部の断面積とは、釘の植設方向に直交する平面で胴部を切断した断面における面積を意味する。この場合、胴部の断面形状は任意であり、例えば、円形、楕円形、多角形、これらの組み合せが例示される。但し、胴部の断面形状は、円形に形成されることが好ましい。遊技球との衝突を回避しつつ、胴部の体積を最大として、その剛性をより高めることができるからである。
<入賞口ユニット13300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記締結固定が解除された状態で、前記第1遊技盤部材からの前記第2遊技盤部材の取り外しが規制されていることを特徴とする遊技機T1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。よって、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、遊技に伴う振動に起因して、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除される(緩む)恐れがあり、その場合には、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機T1によれば、締結固定が解除された状態で、第1遊技盤部材からの第2遊技盤部材の取り外しが規制されているので、例えば、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除された(緩んだ)場合でも、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
遊技機T1において、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、その第2部材が前記第2遊技盤部材の取り外し方向への移動を規制可能な位置に配設されることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、その第2部材が第2遊技盤部材の取り外し方向への移動を規制可能な位置に配設されるので、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除された場合でも、第2部材を利用して、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
遊技機T2において、前記第1遊技盤部材には、液晶表示装置を視認可能とするための窓部が開口形成され、前記窓部の下縁側の内側面に前記第2部材が配設されることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T2の奏する効果に加え、第1遊技盤部材には、液晶表示装置を視認可能とするための窓部が開口形成され、その窓部の下縁側の内側面に第2部材が配設されるので、第1遊技盤部材に対する第2部材の保持(例えば、締結固定)が解除されたとしても、第2部材をその自重を利用して窓部の下縁側の内側面に載置された状態に維持することができる。即ち、第2遊技盤部材の取り外し方向への移動を規制可能な位置に第2部材が配設された状態を維持することができる。その結果、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
この場合、第2部材は、第1遊技盤部材に弾性的に係合可能に形成されることが好ましい。第2部材を窓部の下縁側の内側面に載置された状態に維持しやすくできるからである。なお、弾性的に係合された状態とは、例えば、第1遊技盤部材または第2部材の一方に弾性変形可能に形成される弾性爪が他方に係合される形態、一方に弾性変形可能に対向配置される一対の対向片の間に他方が挟持される形態などが例示される。
遊技機T2において、前記第2遊技盤部材または第2部材の一方に係合部が形成されると共に、その係合部を受け入れ可能な係合凹部が前記第2遊技盤部材または第2部材の他方に凹設され、前記係合部が前記係合凹部に係合されることで、前記第2遊技盤部材の取り外し方向への移動が規制されることを特徴とする遊技機T4。
遊技機T4によれば、遊技機T2において、第2遊技盤部材または第2部材の一方に係合部が形成されると共に、その係合部を受け入れ可能な係合凹部が第2遊技盤部材または第2部材の他方に凹設され、係合部が係合凹部に係合されることで、第2遊技盤部材の取り外し方向への移動が規制されるので、係合部を係合凹部により外部から遮蔽することができる。よって、係合部と係合凹部との係合が不正に解除されることを抑制できる。
遊技機T4において、前記第1遊技盤部材には、前記第2遊技盤部材を配設するための開口が開口形成され、前記第2遊技盤部材が前記第1遊技盤部材の正面に配設されると共に前記第2部材が前記第1遊技盤部材の背面に配設され、前記開口を介して前記係合部が前記係合凹部に係合されることを特徴とする遊技機T5。
遊技機T5によれば、遊技機T4の奏する効果に加え、第1遊技盤部材には、第2遊技盤部材を配設するための開口が開口形成され、第2遊技盤部材が前記第1遊技盤部材の正面に配設されると共に第2部材が第1遊技盤部材の背面に配設され、開口を介して係合部が係合凹部に係合されるので、第1遊技盤部材を利用して、正面から第2部材へアクセスし難くできる。よって、係合部と係合凹部との係合が不正に解除されることを抑制できる。
遊技機T2からT5のいずれかにおいて、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、前記ねじ部材が挿通される挿通孔が前記第1遊技盤部材および第2遊技盤部材に形成されると共に、前記ねじ部材が螺合されるめねじが前記第2部材に形成されることを特徴とする遊技機T6。
遊技機T6によれば、遊技機T2からT5のいずれかの奏する効果に加え、ねじ部材が挿通される挿通孔が第1遊技盤部材および第2遊技盤部材に形成されると共に、ねじ部材が螺合されるめねじが第2部材に形成されるので、第2部材が配設されていることを、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に締結固定するための要件とすることができる。よって、第2遊技盤部材を交換する際に作業者が第2部材を付け忘れることを抑制できる。
なお、第2部材が係合部を備える場合には、かかる係合部にめねじを形成する形態が好ましい。係合部が不正に除去または使用により破損されている場合に、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に締結固定することを不能とできるので、不正を抑制できると共に、破損を認識させることができるからである。
遊技機T1において、前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に配設され弾性変形可能に形成される弾性手段を備え、前記第1遊技盤部材への前記第2遊技盤部材の取り付けに伴い、前記弾性手段を介して前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材とが直接または間接に係合され、前記第2遊技盤部材の取り外し方向への移動が規制されることを特徴とする遊技機T7。
遊技機T7によれば、第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に配設され弾性変形可能に形成される弾性手段を備え、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の取り付けに伴い、弾性手段を介して第1遊技盤部材と第2遊技盤部材とが直接または間接に係合され、第2遊技盤部材の取り外し方向への移動が規制されるので、第2遊技盤部材の脱落を防止するための工程を別途行う必要がないので、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できると共に、第2遊技盤部材の脱落を防止するための工程を実施し忘れることを抑制できる。
遊技機T7において、前記弾性手段は、弾性変形可能に形成される弾性片と、その弾性片から突出される爪部とを備え、前記弾性片が前記第2遊技盤部材に配設されると共に、前記爪部が前記第1遊技盤部材に係合可能に形成されることを特徴とする遊技機T8。
遊技機T8によれば、遊技機T7の奏する効果に加え、弾性手段は、弾性変形可能に形成される弾性片と、その弾性片から突出される爪部とを備え、弾性片が第2遊技盤部材に配設されると共に、爪部が第1遊技盤部材に係合可能に形成されるので、第2遊技盤部材を交換する際には、その交換に伴って、新しい弾性手段を使用できる。即ち、弾性片が第1遊技盤部材に配設され、爪部が第2遊技盤部材に係合される構成では、交換回数が嵩むと、弾性手段の弾性変形が繰り返され、弾性力が低下するため、係合が解除されやすくなる。これに対し、遊技機T8によれば、交換回数が嵩んだ場合でも、交換毎に新しい弾性手段を使用できるので、係合の信頼性を確保することができる。
遊技機T8において、前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に形成される挿通孔に挿通されると共に前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の他方に形成されるめねじに螺合されるねじ部材を備え、そのねじ部材が取り外された状態では、前記挿通孔およびめねじにより形成される空間の一端が前記第2遊技盤部材に開口されると共に他端が前記第1遊技盤部材に開口され、前記他端の開口に対面される位置において前記爪部が前記第1遊技盤部材に係合されることを特徴とする遊技機T9。
遊技機T9によれば、遊技機T8の奏する効果に加え、ねじ部材が取り外された状態では、挿通孔およびめねじにより形成される空間の一端が構成第2遊技盤部材に開口されると共に他端が第1遊技盤部材に開口され、他端の開口に対面される位置において爪部が第1遊技盤部材に係合されるので、ねじ部材を取り外した後、挿通孔およびめねじの一端から治具を挿入することで、他端から突出された治具により爪部を押し出して係合を解除することができる。即ち、例えば、第1遊技盤部材を開放して、その背面側から爪部の係合を解除する作業を行う必要がなく、第1遊技盤部材を閉じたままで、爪部の係合を解除できる。よって、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外す作業の作業性を向上できる。即ち、爪部の係合を解除するために、第1遊技盤部材を開放する必要がなく、第1遊技盤部材を閉じたままの状態で、正面から第2遊技盤部材の交換を完了することができる。
遊技機T1からT9のいずれかにおいて、前記第1遊技盤部材の正面に配設されるガラス板を備え、前記第2遊技盤部材の前記第1遊技盤部材からの取り外し方向が前記第1遊技盤部材の正面側へ向けた方向とされると共に、前記第1遊技盤部材から前記第2遊技盤部材を取り外すために必要とされる前記取り外し方向への距離が、前記第2遊技盤部材と前記ガラス板との間の対向間隔よりも大きくされることを特徴とする遊技機T10。
遊技機T10によれば、遊技機T1からT9のいずれかの奏する効果に加え、第1遊技盤部材の正面に配設されるガラス板を備え、第2遊技盤部材の第1遊技盤部材からの取り外し方向が第1遊技盤部材の正面側へ向けた方向とされると共に、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外すために必要とされる取り外し方向への距離が、第2遊技盤部材とガラス板との間の対向間隔よりも大きくされるので、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除された場合でも、ガラス板を利用して、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
遊技機T10において、前記第2遊技盤部材には釘が植設され、前記第1遊技盤部材から前記第2遊技盤部材を取り外すために必要とされる前記取り外し方向への距離が、前記第2遊技盤部材の釘の先端と前記ガラス板との間の対向間隔よりも大きくされることを特徴とする遊技機T11。
遊技機T11によれば、遊技機T10の奏する効果に加え、第2遊技盤部材には釘が植設され、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外すために必要とされる取り外し方向への距離が、第2遊技盤部材の釘の先端とガラス板との間の対向間隔よりも大きくされるので、第2遊技盤部材の釘の先端がガラス板に当接されることで、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。即ち、釘の長さを利用できる分、第2遊技盤部材の厚み寸法(取り外し方向における寸法)を小さくできる。
<入賞口ユニット18300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記第2遊技盤部材の一部に重畳された状態で前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、前記第2部材が少なくとも前記第1遊技盤部材に保持された状態で前記第2遊技盤部材が取り外し可能に形成されることを特徴とする遊技機U1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材にねじ部材により締結固定されているため、ねじ部材が不正に取り外されたり遊技中の振動により不用意に緩んだりした場合には、第1遊技盤部材(遊技盤)から第2遊技盤部材が脱落するおそれがある。これに対し、本願出願人は、第2遊技盤部材の一部と重畳された状態で第1遊技盤部材に第2部材を配設することで、かかる重畳された部分による両者の係合を利用して、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から脱落することを抑制する技術に想到した(本願出願時において未公知)。
しかしながら、上述した技術では、第2遊技盤部材の交換作業を行う場合には、第2遊技盤部材だけでなく、第2部材も第1遊技盤部材から取り外す必要があるため、その分、工数が嵩み、第2遊技盤部材の交換作業が煩雑になるという問題点があることが分った。
これに対し、遊技機U1によれば、第2部材が少なくとも第1遊技盤部材に保持された状態で第2遊技盤部材が取り外し可能に形成されるので、その分、工数を抑制して、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できる。即ち、第2部材を第1遊技盤部材から取り外す必要がないので、かかる第2部材を取り付け直す工程における工数を抑制できるだけなく、作業者が、第2部材を紛失することや、第2部材の取り付け方を間違えることを抑制できる。
遊技機U1において、前記第2部材は、前記第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能に形成され、前記第1遊技盤部材は、前記第2遊技盤部材の前記第1方向とは異なる第2方向への移動であって、前記第2部材による前記第2遊技盤部材の前記第1方向への移動が規制不能となる位置までの移動を許容可能に形成されることを特徴とする遊技機U2。
遊技機U2によれば、遊技機U1の奏する効果に加え、第2部材は、第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能に形成され、第1遊技盤部材は、第2遊技盤部材の第1方向とは異なる第2方向への移動であって、第2部材による第2遊技盤部材の第1方向への移動が規制不能となる位置までの移動を許容可能に形成されるので、第2部材を第1遊技盤部材から取り外すことなく、第2遊技盤部材を取り外すことができる。また、第2部材を遊技盤に配設した状態のままで、第2遊技盤部材を取り付けることができる。よって、その分、工数を抑制して、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できる。
遊技機U2において、前記第2方向が少なくとも重力方向上方成分を含む方向であることを特徴とする遊技機U3。
遊技機U3によれば、遊技機U2の奏する効果に加え、第2方向が少なくとも重力方向上方成分を含む方向であるので、第2遊技盤部材の第1方向への移動を第2部材が規制可能な位置に第2遊技盤部材が配置された状態を、第2遊技盤部材の自重(重力の作用)により維持させることができる。即ち、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に固定する手段(例えば、ねじ部材)が不正に取り外されたり遊技中の振動により不用意に緩んだりした場合でも、第2遊技盤部材がその一部を第2部材と重畳された位置(第1方向への移動が規制される位置)に維持されるので、重畳された部分による両者の係合(第1方向への移動の規制)により、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から脱落することを抑制できる。
なお、第2方向は、鉛直方向に沿って重力方向上方を向く方向であることが好ましい。第2遊技盤部材の自重(重力の作用)を最大限に利用できるからである。
遊技機U2又はU3によれば、前記第2遊技盤部材の一部に重畳された状態で前記第1遊技盤部材に配設されると共に前記第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能に形成され第3部材を備えることを特徴とする遊技機U4。
ここで、遊技機U2のように、第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能とし且つ第1方向への移動の規制を解除可能な位置まで第2遊技盤部材の第2方向への移動を許容可能とする構造を第1遊技盤部材と第2部材とのみで形成するためには、第1遊技盤部材の形状が複雑となり、その成形が煩雑となる(工数が嵩む)。
これに対し、遊技機U4によれば、第2遊技盤部材の一部に重畳された状態で第1遊技盤部材に配設されると共に第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能に形成され第3部材を備えるので、遊技機U2又はU3の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の形状を簡素化して、その成形を容易とできる。
なお、第2部材と第3部材とは、第2遊技盤部材を挟んで第2方向一側および第2方向他側に配設されることが好ましい。上述したように、第1遊技盤部材の形状を簡素化できるからである。この形態としては、例えば、第2遊技盤部材に釘が植設され、第2部材が、球が入球可能な開口と通路とを有する入球装置として、第3部材が、第1遊技盤部材の窓部に装着されるセンターフレームとして、それぞれ形成されるものが例示される。
遊技機U1において、前記第2部材は、前記第2遊技盤部材の取り外しを規制する規制位置と前記第2遊技盤部材の取り外しを許容する許容位置との間で変位可能に前記第1遊技盤部材に配設されることを特徴とする遊技機U5。
遊技機U5によれば、遊技機U1の奏する効果に加え、第2部材は、第2遊技盤部材の取り外しを規制する規制位置と第2遊技盤部材の取り外しを許容する許容位置との間で変位可能に第1遊技盤部材に配設されるので、第2部材を第1遊技盤部材から取り外すことなく、第2遊技盤部材を取り外すことができる。また、第2部材を第1遊技盤部材に配設した状態のままで、第2遊技盤部材を取り付けることができる。よって、その分、工数を抑制して、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できる。
遊技機U5において、前記許容位置が前記規制位置よりも重力方向下方に設定されることを特徴とする遊技機U6。
遊技機U6によれば、遊技機U5の奏する効果に加え、許容位置が前記規制位置よりも重力方向下方に設定されるので、第2部材をその自重(重力の作用)により許容位置に維持させることができる。即ち、第2遊技盤部材を交換(取り外し及び取り付け)する際に、第2部材を作業者が許容位置に保持しておく必要がない。よって、工数を抑制して、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できる。
遊技機U5において、前記規制位置が前記許容位置よりも重力方向下方に設定されることを特徴とする遊技機U7。
遊技機U7によれば、遊技機U5の奏する効果に加え、規制位置が許容位置よりも重力方向下方に設定されるので、第2部材をその自重(重力の作用)により規制位置に配置させることができる。即ち、第2遊技盤部材の交換(取り付け)が完了した際には、第2部材を作業者が規制位置へ変位させる必要がない。よって、第2部材が許容位置に配置されたままの状態とされる(即ち、規制位置へ戻し忘れる)ことを抑制できる。
遊技機U5又はU6において、遊技球の通過を検出する検出センサを備えると共に、前記第2部材が前記検出センサに検出可能に形成される被検出部を備え、前記第2部材が前記許容位置に配置されると前記被検出部が前記検出センサに検出可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機U8。
遊技機U8によれば、遊技機U5,6の奏する効果に加え、第2部材が許容位置に配置されると被検出部が検出センサに検出可能な位置に配置されるので、検出センサによる検出状態(例えば、波形)を監視することで、第2部材が許容位置に配置されたままの状態である(即ち、規制位置へ戻し忘れている)ことを検出できる。即ち、球が通過する際に検出センサがオン(又はオフ)される時間は比較的短いものとされる一方、第2部材が許容位置に配置されたままとされた状態では検出センサがオン(又はオフ)される時間が継続されるため、検出センサが所定時間(閾値)を越えてオン(又はオフ)された場合には、第2部材が許容位置に配置されたままの状態と判断できる。
遊技機U8において、前記第2部材が前記許容位置に配置された状態では、遊技球の通過が前記第2部材の被検出部により規制されることを特徴とする遊技機U9。
遊技機U9によれば、遊技機U8の奏する効果に加え、第2部材が許容位置に配置された状態では、遊技球の通過が第2部材の被検出部により規制されるので、不適切な状態で遊技が行われることを抑制できる。例えば、不適切な状態とは、第2部材に入球口が形成されると共に、その入球口への遊技球の入球に影響を与える釘が第2遊技盤部材に植設され、第2部材が許容位置に配置されると、規制位置に配置されている場合よりも、第2部材の入球口が第2遊技盤部材の釘から離間され、その分、入球口へ遊技球が入球しやすくされる状態が例示される。よって、不正な手段により第2部材を許容位置に配置して、入球口へ遊技球を入球しやすくする不正が行われることを防止できる。
遊技機U8又はU9において、前記被検出部が金属材料から形成され、前記第2部材が前記規制位置に配置された状態では、前記遊技球の通過する通路の内壁の一部が前記被検出部により形成されることを特徴とする遊技機U10。
遊技機U10によれば、遊技機U8,9の奏する効果に加え、被検出部が金属材料から形成され、第2部材が規制位置に配置された状態では、遊技球の通過する通路の内壁の一部が被検出部により形成されるので、通路の耐久性の向上を図ることができる。
なお、第1の通路とその第1の通路の下流側に屈曲して連設される第2の通路における第2の通路の一部(第1の通路から流下される遊技球が衝突される部位)が被検出部により形成されることが好ましい。破損が生じやすい部位を補強して、耐久性の向上を効果的に図ることができるからである。
<入賞口ユニット20300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、少なくとも前記ねじ部材が取り外されると、前記第2遊技盤部材を直接または間接に把持可能に形成されることを特徴とする遊技機V1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できるので、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から取り外し難いという問題点があった。例えば、釘が植設された第2遊技盤部材では、作業者は、釘を把持することで、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材から取り外すことができるところ、釘が折れている場合には、第2遊技盤部材に把持する部位がなくなるため、取り外しが困難となる。第2遊技盤部材と第1遊技盤部材との遊技面(正面)どうしが面一となる態様で、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に埋め込まれている場合には、かかる問題点が特に顕著となる。
これに対し、遊技機V1によれば、少なくともねじ部材が取り外されると、第2遊技盤部材を直接または間接に把持可能に形成されるので、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機V1において、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、その第2部材に係合部が形成されると共にその第2部材の係合部が係合される被係合部が前記第2遊技盤部材に形成されることを特徴とする遊技機V2。
遊技機V2によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、その第2部材に係合部が形成されると共にその第2部材の係合部が係合される被係合部が第2遊技盤部材に形成されるので、第2遊技盤部材を作業者が把持できない場合であっても(例えば、把持すべき部位が形成されていない又はその部位が破損されている場合など)、第2部材を取り外す際に、係合部と被係合部との係合を利用して、第2遊技盤部材も併せて取り外すことができる。
なお、第2部材は、第2遊技盤部材の取り外し方向への移動を規制可能な位置に配設されることが好ましい。例えば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に締結固定するねじ部材が不正に取り外されり遊技中の振動により緩んだ場合でも、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から脱落することを抑制できるからである。
遊技機V2において、前記係合部または被係合部の一方は、弾性変形可能に形成される弾性片と、その弾性片から突出される爪部とを備えると共に、その爪部が前記係合部または被係合部の他方に係合可能に形成されることを特徴とする遊技機V3。
遊技機V3によれば、遊技機V2の奏する効果に加え、係合部または被係合部の一方は、弾性変形可能に形成される弾性片と、その弾性片から突出される爪部とを備えると共に、その爪部が係合部または被係合部の他方に係合可能に形成されるので、第2遊技盤部材と第2部材とを第1遊技盤部材に別々に取り付けた場合でも、弾性片の弾性変形を利用して、係合部と被係合部とを係合させることができる。よって、第2遊技盤部材または第2部材を一体化した状態(即ち、係合部に被係合部を係合させた状態)で第1遊技盤部材に取り付ける必要がないので、第2遊技盤部材および第2部材を第1遊技盤部材に取り付ける際の作業性の向上を図ることができる。
遊技機V3において、前記係合部または被係合部の他方は、前記弾性片が挿通される挿通部分の一部が開放して形成され、その開放して形成される部分を、前記挿通部分に挿通された前記弾性片が通過可能に形成されることを特徴とする遊技機V4。
遊技機V4によれば、遊技機V3の奏する効果に加え、係合部または被係合部の他方は、弾性片が挿通される挿通部分の一部が開放して形成され、その開放して形成される部分を、挿通部分に挿通された弾性片が通過可能に形成されるので、第1遊技盤部材から一体(即ち、係合部と被係合部が係合された状態)で取り外された第2遊技盤部材および第2部材を分解する作業を容易に行うことができる。
遊技機V1において、弾性変形可能に形成され前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材との間に弾性変形された状態で介設される弾性部材を備えることを特徴とする遊技機V5。
遊技機V5によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、弾性変形可能に形成され第1遊技盤部材と第2遊技盤部材との間に弾性変形された状態で介設される弾性部材を備えるので、弾性部材の弾性回復力を利用して、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を突出させ、両者の間に段差を形成することができる。よって、作業者が段差を直接または間接に把持できることで、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機V5において、前記弾性部材が前記第2遊技盤部材の一側に偏倚して配設されることを特徴とする遊技機V6。
遊技機V6によれば、遊技機V5の奏する効果に加え、弾性部材が第2遊技盤部材の一側に偏倚して配設されるので、弾性部材の弾性回復力を利用して、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を突出させる際には、第2遊技盤部材をその他側を支点として回転させる態様とできる。よって、両者の間の段差(第2遊技盤部材の一側の突出量)をより大きくすることができる。その結果、作業者が段差を直接または間接に把持しやすくでき、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機V1において、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備えると共に、前記第2遊技盤部材から前記第2部材へ向けて突出部が形成されると共に、その突出部を受け入れる受入部が前記第2部材に凹設されることを特徴とする遊技機V7。
遊技機V7によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に配設される第2部材を備えると共に、第2遊技盤部材から第2部材へ向けて突出部が形成されると共に、その突出部を受け入れる受入部が第2部材に凹設されるので、遊技状態では突出部を第2部材により遊技者から隠して、外観の向上を図りつつ、第2部材を取り外した状態では、作業者が突出部を把持可能として、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機V7において、遊技球が通過可能な通路が前記第2遊技盤部材および第2部材に形成され、前記受入部が前記通路により形成されると共に、前記通路における転動面が前記突出部により形成されることを特徴とする遊技機V8。
遊技機V8によれば、遊技機V7の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通路が第2遊技盤部材および第2部材に形成され、受入部が通路により形成されると共に、通路における転動面が突出部により形成されるので、受入部および突出部を別途設ける必要がなく、通路を形成するための部位として兼用することができるので、その分、製品コストを低減することができる。
遊技機V1において、前記第2遊技盤部材に出没可能に配設される出没部材と、その出没部材を突出方向へ付勢する付勢手段と、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材とを備え、前記第2部材が前記第2遊技盤部材の出没部材を没入させる位置に配設されることを特徴とする遊技機V9。
遊技機V9によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材に出没可能に配設される出没部材と、その出没部材を突出方向へ付勢する付勢手段と、第1遊技盤部材に配設される第2部材とを備え、第2部材が第2遊技盤部材の出没部材を没入させる位置に配設されるので、遊技状態では出没部材を第2部材により遊技者から隠して、外観の向上を図りつつ、第2部材を取り外した状態では、作業者が出没部材を把持可能として、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機V9において、前記第2部材は前記第1遊技盤部材に締結固定されるものであり、前記第2部材の前記第1遊技盤部材への締結方向が、前記出没部材の出没方向と平行な方向に設定されることを特徴とする遊技機V10。
遊技機V10によれば、遊技機V9の奏する効果に加え、第2部材の第1遊技盤部材への締結方向が、出没部材の出没方向と平行な方向に設定されるので、第2部材を第1遊技盤部材へ締結固定しつつ出没部材を没入させることができる。即ち、出没部材を没入させる作業工程と、第2部材を第1遊技盤部材へ締結固定する作業工程とを別々に行う必要がないので、工数を削減でき、その分、第2遊技盤部材および第2部材を第1遊技盤部材へ取り付ける作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機V1において、前記第2遊技盤部材には、遊技球が通過可能に形成される通路が形成されると共に、その通路の内壁に前記第1遊技盤部材の背面側に段差面を向けた段差が形成されることを特徴とする遊技機V11。
遊技機V11によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材には、遊技球が通過可能に形成される通路が形成されると共に、その通路の内壁に第1遊技盤部材の背面側に段差面を向けた段差が形成されるので、段差面を利用して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材から引き抜くことができる。即ち、第2遊技盤部材の背面に到達するまで指を通路内へ挿通させて、第2遊技盤部材の背面で指を係止させる必要がなく、比較的浅い位置の段差面で指を係止させることができるので、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材から取り外しやすくできる。
遊技機V11において、前記通路の前記段差面が形成される内壁と反対側に位置する前記第2遊技盤部材の外側面が、前記第2遊技盤部材の背面へ向かうに従って前記第2遊技盤部材の外形を小さくする方向へ傾斜されることを特徴とする遊技機V12。
遊技機V12によれば、遊技機V11の奏する効果に加え、通路の前記段差面が形成される内壁と反対側に位置する第2遊技盤部材の外側面が、第2遊技盤部材の背面へ向かうに従って第2遊技盤部材の外形を小さくする方向へ傾斜されるので、段差面を利用して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材から引き抜く際に、通路の段差面が形成される内壁側に位置する第2遊技盤部材の外側面を支点として、第2遊技盤部材を回転させる態様を形成できる。よって、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外し(引き抜き)やすくすることができる。
<入賞口ユニット25300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、前記第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機において、前記植設の方向から押圧された前記第2遊技盤部材を支持可能または前記植設の方向から押圧された力を前記第1遊技盤部材の板厚に直交する方向へ分散可能に形成されることを特徴とする遊技機W1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できるので、例えば、第2遊技盤部材の釘が折れた場合には、第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、釘を植設する作業性が悪いという問題点があった。即ち、第1遊技盤部材に釘を植設する工程とは別に第2遊技盤部材に釘を植設する工程が必要となるため、その分、工数が嵩む。更に、第2遊技盤部材が比較的小さいため、かかる第2遊技盤部材に所定の公差内で釘を植設するためには、第2遊技盤部材の保持精度を高めると共に植設動作の速度を低く(遅く)することが必要となり、その分、比較的大きな遊技盤への釘の植設の場合と比較して、工数が嵩む。
これに対し、遊技機W1によれば、植設の方向(釘を植設する方向)から押圧された第2遊技盤部材を支持可能または植設の方向(釘を植設する方向)から押圧された力を第1遊技盤部材の板厚に直交する方向へ分散可能に形成されるので、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を配設した状態で、かかる第2遊技盤部材に釘を植設できる。よって、第2遊技盤部材に釘を植設する作業性の向上を図ることができる。
遊技機W1において、少なくとも一対のねじ部材と、それら一対のねじ部材がそれぞれ螺合されるめねじが少なくとも2カ所に形成されると共に前記第1遊技盤部材および第2遊技盤部材よりも剛性が高い材料からなる被締結部材とを備え、前記第1遊技盤部材の挿通孔に前記植設の方向から挿通され前記第2遊技盤部材の挿通孔を通過して前記第2遊技盤部材の背面側に突出された前記ねじ部材が前記被締結部材のめねじに螺合される、又は、前記第2遊技盤部材の挿通孔に前記植設の方向から挿通され前記第1遊技盤部材の挿通孔を通過して前記第1遊技盤部材の背面側に突出された前記ねじ部材が前記被締結部材のめねじに螺合されることを特徴とする遊技機W2。
遊技機W2によれば、遊技機W1の奏する効果に加え、少なくとも一対のねじ部材と、それら一対のねじ部材がそれぞれ螺合されるめねじが少なくとも2カ所に形成されると共に第1遊技盤部材および第2遊技盤部材よりも剛性が高い材料からなる被締結部材とを備え、第1遊技盤部材の挿通孔に植設の方向(釘を植設する方向)から挿通され第2遊技盤部材の挿通孔を通過して第2遊技盤部材の背面側に突出されたねじ部材が被締結部材のめねじに螺合される、又は、第2遊技盤部材の挿通孔に植設の方向(釘を植設する方向)から挿通され第1遊技盤部材の挿通孔を通過して第1遊技盤部材の背面側に突出されたねじ部材が被締結部材のめねじに螺合されるので、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材が配設(締結固定)された状態において、第2遊技盤部材を背面側から被締結部材によって支持することができる。第2遊技盤部材のに釘を植設する際に、第2遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
なお、被締結部材は、金属材料からなることが好ましい。また、第2遊技盤部材への釘の植設位置は、前記一対のねじ部材の間の領域とされることが好ましい。これらにより、被締結部材の剛性を高めると共に、その被締結部材による第2遊技盤部材の支持効率を高めることができ、第2遊技盤部材の割れなどの損傷を抑制しやすくなるからである。
遊技機W2において、前記第1遊技盤部材の挿通孔に前記植設の方向から挿通され前記第2遊技盤部材の挿通孔を通過して前記第2遊技盤部材の背面側に突出された前記ねじ部材が前記被締結部材のめねじに螺合される場合には、前記被締結部材の大きさが、前記第2遊技盤部材の背面のみに当接され、前記第1遊技盤部材の背面には非当接となる大きさに設定されることを特徴とする遊技機W3。
遊技機W3によれば、遊技機W2の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の挿通孔に植設の方向(釘を植設する方向)から挿通され第2遊技盤部材の挿通孔を通過して第2遊技盤部材の背面側に突出されたねじ部材が被締結部材のめねじに螺合される場合には、被締結部材の大きさが、第2遊技盤部材の背面のみに当接され、第1遊技盤部材の背面には非当接となる大きさに設定されるので、被締結部材が第1遊技盤部材の背面に乗り上げることを抑制できる。よって、被締結部材を第2遊技盤部材の背面に密着させやすくして、被締結部材による第2遊技盤部材の支持剛性を高めることができる。その結果、第2遊技盤部材に釘を植設する際に、第2遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
遊技機W2又はW3において、前記被締結部材は、前記2カ所のめねじの間を直線状に連結する形状に形成され、前記第2遊技盤部材には2本の釘が植設されると共に、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線上には前記挿通孔が形成とされることを特徴とする遊技機W4。
遊技機W4によれば、遊技機W2又はW3の奏する効果に加え、被締結部材は、2カ所のめねじの間を直線状に連結する形状に形成され、第2遊技盤部材には2本の釘が植設されると共に、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線上には挿通孔が形成とされるので、釘の植設方向の延長線上に被締結部材を位置させることができる。よって、被締結部材の面積を抑制しつつ、第2遊技盤部材の支持剛性を効果的に高めることができるので、製品コストを抑制しつつ、第2遊技盤部材に釘を植設する際に第2遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
遊技機W2からW4のいずれかにおいて、前記被締結部材の前記第2遊技盤部材または第1遊技盤部材の背面に対面される側の面であって、前記2カ所のめねじの間の領域における面が、前記第2遊技盤部材または第1遊技盤部材の背面へ向けて凸の円弧状に湾曲されることを特徴とする遊技機W5。
遊技機W5によれば、遊技機W2からW4のいずれかの奏する効果に加え、被締結部材の第2遊技盤部材または第1遊技盤部材の背面に対面される側の面であって、2カ所のめねじの間の領域における面が、第2遊技盤部材または第1遊技盤部材の背面へ向けて凸の円弧状に湾曲されるので、2カ所のめねじへのねじ部材の螺合に伴って被締結部材が第2遊技盤部材または第1遊技盤部材へ押し付けられることで、かかる被締結部材を第2遊技盤部材の背面に密着させやすくできる。よって、被締結部材による第2遊技盤部材の支持剛性を高めることができる。その結果、第2遊技盤部材に釘を植設する際に、第2遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
遊技機W1において、前記第2遊技盤部材の前記釘が植設される面と反対側に形成される被支持面を前記第1遊技盤部材の座面が支持するように形成され、前記第1遊技盤部材の座面が前記第2遊技盤部材から離間するに従って面間隔が狭くなるテーパー面または前記面間隔が広くなる逆テーパー面として形成されると共に、前記第2遊技盤部材の被支持面が前記第1遊技盤部材の座面に対応して形成されることを特徴とする遊技機W6。
遊技機W6によれば、遊技機W1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の釘が植設される面と反対側に形成される被支持面を第1遊技盤部材の座面が支持するように形成され、第1遊技盤部材の座面が第2遊技盤部材から離間するに従って面間隔が狭くなるテーパー面または面間隔が広くなる逆テーパー面として形成されると共に、第2遊技盤部材の被支持面が第1遊技盤部材の座面に対応して形成されるので、第2遊技盤部材に釘が植設される際の押圧力を、支持面および座面の傾斜(テーパー角)を利用して、第1遊技盤部材の板厚方向と板厚に直交する方向とに分散させることができる。その結果、第1遊技盤部材の負担を軽減して、第1遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
遊技機W6において、ねじ部材を備え、そのねじ部材が挿通される挿通孔が前記第2遊技盤部材の被支持面に形成されると共に、前記第2遊技盤部材の挿通孔に挿通された前記ねじ部材が螺合されるめねじが前記第1遊技盤部材の座面に形成されることを特徴とする遊技機W7。
遊技機W7によれば、遊技機W6の奏する効果に加え、ねじ部材が挿通される挿通孔が第2遊技盤部材の被支持面に形成されると共に、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材が螺合されるめねじが第1遊技盤部材の座面に形成されるので、第2遊技盤部材と第1遊技盤部材との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、ねじ部材の軸力を確保できるので、第1遊技盤部材へ第2遊技盤部材を強固に締結固定できる。
遊技機W6又はW7において、前記釘の植設方向の延長線上に前記座面および被支持面が位置されることを特徴とする遊技機W8。
遊技機W8によれば、遊技機W6又はW7の奏する効果に加え、釘の植設方向の延長線上に座面および被支持面が位置されるので、釘の植設に伴う押圧力を座面および被支持面へ直接作用させることができる。これにより、第2遊技盤部材の曲げ変形を抑制して、割れなどの破損が生じることを抑制できる。
<入賞口ユニット27300を一例とする発明の概念について>
前面側に遊技領域が形成される第1部材と、その第1部材に着脱可能に配設される第2部材と、その第2部材に配設され少なくとも一部に遊技球が当接可能とされる被当接部材とを備えた遊技機において、前記第1部材は、その第1部材に配設された前記第2部材の背面に対面される対面部を備えることを特徴とする遊技機X1。
ここで、遊技盤(第1部材)と、その遊技盤に締結固定される基部材(第2部材)と、その基部材に植設される釘(被当接部材)とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、基部材を遊技盤に対して着脱できる。即ち、遊技球の当接に伴い、基部材に植設されている釘(被当接部材)に損傷(例えば、折損)が生じた場合には、基部材を交換することで、遊技盤全体の交換を不要とすることができる。
しかしながら、上述した遊技機では、基部材(第2部材)の外形に対応する開口が遊技盤(第1部材)に貫通形成され、その開口に収容される形で基部材が遊技盤に配設されるため、開口が貫通形成される分、遊技盤の剛性が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機X1によれば、第2部材の背面に対面される対面部を第1部材が備えるので、開口が貫通形成される場合と比較して、対面部により開口が塞がれる分、第1部材の剛性の向上を図ることができる。
遊技機X1において、前記第1部材の対面部には、凹部が凹設され、前記被当接部材は、前記遊技球が当接される側と反対側であって前記第2部材の背面から突出する部分が前記対面部の凹部に配設されることを特徴とする遊技機X2。
ここで、第1部材が対面部を備える場合、その対面部の厚み寸法の分、第2部材の厚み寸法が小さく(薄く)される。そのため、第1部材に配設される被当接部材と同じ長さ寸法の被当接部材を第2部材に配設すると、第2部材の背面から突出する部分(被当接部材の先端)が第1部材の対面部に干渉して、第1部材に第2部材を配設できなくなる。よって、第2部材に配設される被当接部材には、第1部材に配設される被当接部材よりも長さ寸法が小さい(短い)ものを使用することが必要となる。従って、長さ寸法の異なる2種類の被当接部材が必要となる分、部品点数が増加して、製品コストが嵩む。
これに対し、遊技機X2によれば、遊技機X1の奏する効果に加え、第1部材の対面部には、凹部が凹設され、被当接部材は、遊技球が当接される側と反対側であって第2部材の背面から突出する部分が遊技盤の凹部に配設されるので、第1部材に配設される被当接部材と同じ長さ寸法の被当接部材を第2部材に配設することができる。これにより、第1部材と第2部材との両者に対して共通の被当接部材を使用することができ、長さ寸法の異なる2種類の被当接部材を準備することを不要とできるので、その分、部品点数を減少でき、製品コストを削減することができる。
また、ここで、第1部材の対面部に凹部が凹設されていない場合には、上述したように、第2部材の背面から被当接部材が突出されていると、その突出する部分(被当接部材の先端)が第1部材の対面部に干渉して、第1部材に第2部材を配設できなくなる。そのため、この場合には、被当接部材を第2部材に打ち込んで配設する際の打ち込み長さの公差を考慮して(即ち、打ち込み長さが目標値よりも大きくなった場合に、被当接部材の先端が第2部材の背面から突出しないように)、被当接部材の打ち込み寸法は、第2部材の厚み寸法よりも小さい(短い)寸法に設定される。よって、その分、第2部材と被当接部材との接触長さが小さく(短く)なり、第2部材による被当接部材の保持力が減少する。
これに対し、遊技機X2によれば、上述したように、凹部を利用することで、被当接部材の遊技球が当接される側と反対側(被当接部材の先端)を第2部材の背面から突出させる位置まで被当接部材を第2部材に打ち込めるので、第2部材と被当接部材との接触長さを最大として、第2部材による被当接部材の保持力を最大限に確保できる。
遊技機X2において、前記被当接部材は、前記遊技球が当接される側と反対側であって前記第2部材の背面から突出する部分が前記対面部の凹部に直接または間接的に当接されていることを特徴とする遊技機X3。
遊技機X3によれば、遊技機X2の奏する効果に加え、被当接部材は、遊技球が当接される側と反対側であって第2部材の背面から突出する部分が対面部の凹部に直接または間接的に当接されるので、第2部材が第1部材から脱落することを抑制できる。
例えば、第1部材への第2部材の配設がねじ部材の締結固定により行われる場合に、ねじ部材の緩みにより締結力が確保できなくなったとしても、被当接部材(第2部材の背面から突出する部分)が凹部に直接または間接的に当接されていることで、被当接部材の凹部への当接を利用して、第2部材が第1部材から脱落することを抑制できる。
遊技機X3において、弾性材料から形成され前記対面部の凹部に配設される弾性部材を備え、前記被当接部材は、前記遊技球が当接される側と反対側であって前記第2部材の背面から突出する部分が、前記弾性部材に当接されていることを特徴とする遊技機X4。
遊技機X4によれば、遊技機X3の奏する効果に加え、弾性材料から形成され凹部に配設される弾性部材を備え、被当接部材は、遊技球が当接される側と反対側であって第2部材の背面から突出する部分が、弾性部材に当接されているので、第1部材に第2部材を配設する際に被当接部材の先端(第2部材の背面から突出する部分)を対面部の凹部に配設する作業を容易としつつ、第1部材に対する第2部材の姿勢によらず被当接部材の先端が弾性部材に当接されている状態(弾性部材を介して凹部に間接的に当接されている状態)を維持しやすくできるので、例えば、第1部材に第2部材を締結固定するねじ部材が緩んだ場合でも、第2部材が第1部材から脱落することを抑制できる。
遊技機X4において、前記弾性部材が、前記対面部の凹部と前記被当接部材との間で弾性的に圧縮変形されていることを特徴とする遊技機X5。
遊技機X5によれば、遊技機X4の奏する効果に加え、弾性部材が、対面部の凹部と被当接部材との間で弾性的に圧縮変形されているので、弾性部材の弾性回復力を利用して、被当接部材を第1部材(対面部の凹部)に保持させることができる。よって、例えば、第1部材に第2部材を締結固定するねじ部材が緩んだ場合でも、第2部材が第1部材から脱落することを抑制できる。
また、弾性部材が、対面部の凹部と被当接部材との間で弾性的に圧縮変形されていることで、被当接部材に遊技球が当接された場合に、その被当接部材に作用される衝撃を弾性部材により緩衝させることができる。これにより、被当接部材の破損を抑制できる。その結果、第2部材の交換頻度を抑制することができる。
遊技機X2からX5のいずれかにおいて、前記第2部材は、前記第1部材にねじ部材により締結固定され、前記第1部材は、前記ねじ部材の頭部と外部とを連通させる空間として前記対面部に形成される座ぐり部を備え、前記被当接部材は、前記遊技球が当接される側と反対側であって前記第2部材の背面から突出する部分が前記座ぐり部に配設されることを特徴とする遊技機X6。
遊技機X6によれば、遊技機X2からX5のいずれかの奏する効果に加え、第2部材は、第1部材にねじ部材により締結固定され、第1部材は、ねじ部材の頭部と外部とを連通させる空間として対面部に形成される座ぐり部を備えるので、第1部材に第2部材をねじ部材により締結固定する、又は、ねじ部材を緩めて第1部材から第2部材を取り外す際には、座ぐり部に挿通した工具を利用して、ねじ部材の頭部を操作することができる。また、座ぐり部の分、ねじ部材を奥まった位置に配置することが可能となるので、ねじ部材が不正に操作されることを抑制しやすくできる。
この場合、被当接部材は、遊技球が当接される側と反対側であって第2部材の背面から突出する部分が座ぐり部に配設されるので、かかる座ぐり部に凹部を兼用させることができる。即ち、座ぐり部とは別に凹部を設ける必要がなく、その分、製造工程を簡素化できるので、製品コストを低減できる。
<入賞口ユニット36300を一例とする発明の概念について>
前面側に遊技領域が形成される第1部材と、その第1部材に着脱可能に配設される第2部材と、その第2部材に配設され少なくとも一部に遊技球が当接可能とされる被当接部材とを備えた遊技機において、前記第1部材の前面側に段差が形成されない位置に前記第2部材が配設されることを特徴とする遊技機Y1。
ここで、遊技盤(第1部材)と、その遊技盤に締結固定される基部材(第2部材)と、その基部材に植設される釘(被当接部材)とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、基部材を遊技盤に対して着脱できる。即ち、遊技球の当接に伴い、基部材に植設されている釘(被当接部材)に損傷(例えば、折損)が生じた場合には、基部材を交換することで、遊技盤全体の交換を不要とすることができる。
しかしながら、上述した遊技機では、第1部材および第2部材の寸法公差や第1部材に対する第2部材の組み付け公差、或いは、第1部材に第2部材を締結固定するねじ部材のゆるみ等に起因して、第1部材の前面と第2部材の前面とを面一に位置させることが困難であり、第1部材の前面であって第1部材と第2部材との境界部分に段差が形成されるという問題点があった。かかる段差は、遊技領域における遊技球の流下に影響を与え、公平な遊技を阻害する(段差の状態に応じて、遊技者に有利となる場合も、不利となる場合も生じる)ため、好ましくない。
これに対し、遊技機Y1によれば、第1部材の前面側に段差が形成されない位置に第2部材が配設されるので、第1部材と第2部材との境界部分に段差が形成されることを抑制できる。その結果、段差によって公平な遊技が阻害されることを回避できる。
遊技機Y1において、前記第1部材には、その第1部材の前面側と背面側とを連通させる連通孔が形成され、前記第2部材は、前記被当接部材が前記連通孔に配設された状態で前記第1部材の背面側に配設されることを特徴とする遊技機Y2。
遊技機Y2によれば、遊技機Y1の奏する効果に加え、第1部材には、その第1部材の前面側と背面側とを連通させる連通孔が形成され、第2部材は、被当接部材が連通孔に配設された状態で第1部材の背面側に配設されるので、第1部材の前面側に段差を形成することなく、被当接部材を第1部材の前面側(遊技領域)に位置させることができる。即ち、第1部材および第2部材の寸法公差や第1部材に対する第2部材の組み付け公差、或いは、第1部材に第2部材を締結固定するねじ部材のゆるみが生じたとしても、第1部材と第2部材との境界が第1部材に形成されないので、第1部材の前面に段差が形成されることを回避できる。これにより、段差によって公平な遊技が阻害されることを回避できる。
遊技機Y2において、前記連通孔の内面が前記被当接部材の外面に当接されていることを特徴とする遊技機Y3。
遊技機Y3によれば、遊技機Y2の奏する効果に加え、連通孔の内面が被当接部材の外面に当接されているので、被当接部材を第1部材に保持させることができる。これにより、例えば、第1部材に第2部材を締結固定するねじ部材が緩んだ場合でも、第1部材による被当接部材の保持を利用して、第1部材から第2部材が脱落することを抑制できる。
遊技機Y2において、前記被当接部材は、軸部と、その軸部よりも大径の頭部とを備え、前記連通孔は、前記被当接部材の頭部が挿通可能な大きさであって、且つ、前記第1部材の前面と前記被当接部材の軸部の外面とに当接された遊技球に開口縁が非当接とされる大きさに形成されることを特徴とする遊技機Y4。
遊技機Y4によれば、遊技機Y2の奏する効果に加え、被当接部材は、軸部と、その軸部よりも大径の頭部とを備え、連通孔は、被当接部材の頭部が挿通可能な大きさであって、且つ、第1部材の前面と被当接部材の軸部の外面とに当接された遊技球に開口縁が非当接とされる大きさに形成されるので、製造時や保守作業の作業性を確保しつつ、連通孔が遊技球の流下へ影響することを抑制できる。
即ち、被当接部材の頭部が挿通可能な大きさに連通孔が形成されるので、第1部材に第2部材を配設(例えば、ねじ部材による締結固定)してから、挿通孔を介して、第2部材に被当接部材を配設(打ち込んで植設)する製造方法だけでなく、被当接部材が予め配設された第2部材を第1部材に配設する製造方法も採用することができる。また、被当接部材が破損(例えば、折損)していない場合であっても、第1部材から第2部材を取り外す(更には、その後、配設し直す)ことができる。
一方で、このように、連通孔が開口されていると、その連通孔の開口縁により第1部材の前面に段差が形成される。かかる段差は、遊技領域における遊技球の流下に影響を与え、公平な遊技を阻害するため、好ましくない。これに対し、遊技機Y4によれば、連通孔は、第1部材の前面と被当接部材の軸部の外面とに当接された遊技球に開口縁が非当接とされる大きさに形成されるので、遊技領域における遊技球の流下に連通孔の開口縁が影響を与えることを回避できる。即ち、連通孔(開口縁)によって公平な遊技が阻害されることを回避できる。
遊技機Y1からY4において、前記第1部材は、基部と、その基部よりも厚み寸法が小さくされる被取付部とを備え、前記連通孔は、前記被取付部に形成され、前記第2部材は、前記被取付部の背面側に配設されることを特徴とする遊技機Y5。
ここで、第1部材に配設される被当接部材と、第2部材に配設される被当接部材とは、第1部材の前面から突出する突出寸法が互いに同じ寸法であることが必要とされる。この場合、本発明のように第1部材の背面に第2部材が配設される構成では、第1部材の厚み寸法の分、第2部材に配設される被当接部材の長さ寸法を、第1部材に配設される被当接部材の長さ寸法よりも大きく(長く)する必要がある。そのため、長さ寸法の異なる2種類の被当接部材が必要となる分、部品点数が増加して、製品コストが嵩む。
これに対し、遊技機Y5によれば、遊技機Y1からY4のいずれかの奏する効果に加え、第1部材は、基部と、その基部よりも厚み寸法が小さくされる被取付部とを備え、連通孔は、被取付部に形成され、第2部材は、被取付部の背面側に配設されるので、第1部材に配設される被当接部材と同じ長さ寸法の被当接部材を第2部材に配設することができる。これにより、第1部材と第2部材との両者に対して共通の被当接部材を使用することができ、長さ寸法の異なる2種類の被当接部材を準備することを不要とできるので、その分、部品点数を減少でき、製品コストを削減することができる。
遊技機Y1からY5のいずれかにおいて、前記第1部材は、前記第2部材の背面を支持する支持面を備えることを特徴とする遊技機Y6。
遊技機Y6によれば、遊技機Y1からY5のいずれかの奏する効果に加え、第1部材は、第2部材の背面を支持する支持面を備えるので、その支持面による第2部材の支持を利用して、第1部材に配設された第2部材に対して被当接部材を配設する(打ち込む)ことができる。即ち、第1部材に被当接部材を打ち込む工程と、第2部材に被当接部材を打ち込む工程とを別工程として行う必要がなく、これらを1工程で行うことができるので、その分、製造コストを削減できる。
また、被当接部材が配設された状態の第2部材を第1部材に配設する構成では、第1部材に第2部材を配設する際に被当接部材の第1部材への干渉を考慮する必要があり、設計の自由度が制限されるところ、第1部材に配設された第2部材に被当接部材を配設する(打ち込む)ことができることで、干渉を考慮せずに設計することができるので、設計の自由度を高めることができる。
遊技機Y6において、前記支持面は、前記被当接部材の軸方向に対して非垂直の面として形成され、前記支持面に前記第2部材がねじ部材により締結固定され、前記ねじ部材の軸方向が前記被当接部材の軸方向に対して非平行とされることを特徴とする遊技機Y7。
遊技機Y7によれば、遊技機Y6の奏する効果に加え、支持面は、被当接部材の軸方向に対して非垂直の面として形成され、支持面に第2部材がねじ部材により締結固定され、ねじ部材の軸方向が被当接部材の軸方向に対して非平行とされるので、第1部材に配設された第2部材に対して被当接部材を配設する(打ち込む)際の荷重を、ねじ部材にその軸部をせん断させる方向の力としても作用させることができる。即ち、軸方向の力成分を減少させることができる分、ねじ部材のねじ山が破損することを抑制できる。
<入賞口ユニット41300を一例とする発明の概念について>
前面側に遊技領域が形成される第1部材と、その第1部材に着脱可能に配設される第2部材と、その第2部材に配設され少なくとも一部に遊技球が当接可能とされる被当接部材とを備えた遊技機において、前記第1部材から前記第2部材が脱落することを前記被当接部材により抑制可能に形成されることを特徴とする遊技機Z1。
遊技盤(第1部材)と、その遊技盤に締結固定される基部材(第2部材)と、その基部材に植設される釘(被当接部材)とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、基部材を遊技盤に対して着脱できる。即ち、遊技球の当接に伴い、基部材に植設されている釘(被当接部材)に損傷(例えば、折損)が生じた場合には、基部材を交換することで、遊技盤全体の交換を不要とすることができる。
しかしながら、上述した遊技機では、第1部材に第2部材を複数のねじ部材により配設する構成のため、その分、部品点数が増加して、製品コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、遊技機Z1では、第1部材から第2部材が脱落することを被当接部材により抑制可能に形成されるので、その分、第1部材に第2部材を締結固定するねじ部材の個数を少なくできる。その結果、部品点数を少なくして、製品コストを抑制できる。
遊技機Z1において、前記第2部材は、前記第1部材の前面に配設され、前記被当接部材は、前記遊技球が当接される側とは反対側であって前記第2部材の背面から突出する部分が前記第1部材に連結されていることを特徴とする遊技機Z2。
遊技機Z2によれば、遊技機Z1の奏する効果に加え、第2部材は、第1部材の前面に配設され、被当接部材は、遊技球が当接される側とは反対側であって第2部材の背面から突出する部分が第1部材に連結されているので、この連結を利用して、第1部材に第2部材を配設する(保持させる)ことができる。即ち、第1部材に第2部材を締結固定するねじ部材を不要とすることができる。その結果、部品点数を少なくして、製品コストを抑制できる。
遊技機Z2において、前記第1部材の正面と前記第2部材の背面との間の少なくとも一部に隙間が形成されることを特徴とする遊技機Z3。
遊技機Z3によれば、遊技機Z2の奏する効果に加え、第1部材の正面と第2部材の背面との間の少なくとも一部に隙間が形成されるので、第1部材から第2部材を取り外す作業の作業性を向上させることができる。
即ち、被当接部材の先端(第2部材の背面から突出する部分)が第1部材に連結されることで、第1部材に第2部材が配設(保持)される構成では、第1部材から第2部材を取り外す際、被当接部材の先端を第1部材から引き抜く必要がある。しかし、第1部材から第2部材を取り外す作業は、通常、被当接部材が折損した際であり、被当接部材が折損されていると、保持する部位がなく、第2部材を引っ張ることができない。この場合に、上述した隙間が形成されていることで、その隙間に工具を差し込み、差し込んだ工具を傾動させて、てこの原理で隙間を押し広げることができ、これにより、第1部材から第2部材を容易に取り外すことができる。
遊技機Z2において、前記第1部材には、その第1部材の前面側と背面側とを連通させる連通孔が形成され、前記連通孔を介して前記第2部材の背面が露出されていることを特徴とする遊技機Z4。
遊技機Z4によれば、遊技機Z2の奏する効果に加え、第1部材には、その第1部材の前面側と背面側とを連通させる連通孔が形成され、連通孔を介して第2部材の背面が露出されているので、第1部材から第2部材を取り外す作業の作業性を向上させることができる。
即ち、被当接部材の先端(第2部材の背面から突出する部分)が第1部材に連結されることで、第1部材に第2部材が配設(保持)される構成では、第1部材から第2部材を取り外す際、被当接部材の先端を第1部材から引き抜く必要がある。しかし、第1部材から第2部材を取り外す作業は、通常、被当接部材が折損した際であり、被当接部材が折損されていると、保持する部位がなく、第2部材を引っ張ることができない。この場合に、連通孔を介して第2部材の背面が露出されていることで、その露出された部分を利用して、第2部材を正面側へ押し出すことができ、これにより、第1部材から第2部材を容易に取り外すことができる。
遊技機Z2からZ4のいずれかにおいて、前記第1部材または前記第2部材の一方に形成される係合部と、その係合部に係合可能に前記第1部材または前記第2部材の他方に形成される被係合部とを備え、前記係合部と前記被係合部とは、少なくとも前記被当接部材の軸方向に直交する方向で係合可能とされることを特徴とする遊技機Z5。
遊技機Z5によれば、遊技機Z2からZ4のいずれかの奏する効果に加え、第1部材または第2部材の一方に形成される係合部と、その係合部に係合可能に第1部材または第2部材の他方に形成される被係合部とを備え、係合部と被係合部は、少なくとも被当接部材の軸方向に直交する方向で係合可能とされるので、第1部材から第2部材が脱落することを抑制できる。
即ち、被当接部材に遊技球が衝突すると、その衝撃により被当接部材の先端(第2部材の背面から突出する部分)が連結されている第1部材の孔が拡大されて、連結強度(第1部材による被当接部材の先端の保持強度)が弱まり、連結が解除される恐れがあるところ、係合部と被係合部とが少なくとも被当接部材の軸方向に直交する方向で係合可能とされていることで、かかる係合により、第1部材に対する第2部材の相対変位を規制して、被当接部材の先端が連結されている第1部材の孔が拡大されることを抑制できる。これにより、被当接部材の先端と第1部材との連結強度(第1部材による被当接部材の先端の保持強度)を確保できる。その結果、第1部材から第2部材が脱落することを抑制できる。
遊技機Z2からZ5のいずれかにおいて、前記第1部材の前面に配設される前面部材を備え、その前面部材の少なくとも一部が正面視において前記第2部材に重なる位置に配置されていることを特徴とする遊技機Z6。
遊技機Z6によれば、遊技機Z2からZ5のいずれかの奏する効果に加え、第1部材の前面に配設される前面部材を備え、その前面部材の少なくとも一部が正面視において第2部材に重なる位置に配置されているので、第1部材から第2部材が脱落することを抑制できる。
即ち、被当接部材に遊技球が衝突すると、その衝撃により被当接部材の先端(第2部材の背面から突出する部分)が連結されている第1部材の孔が拡大されて、連結強度(第1部材による被当接部材の先端の保持強度)が弱まり、連結が解除され、第2部材が第1部材の前面側へ脱落する恐れがあるところ、前面部材の少なくとも一部が正面視において第2部材に重なる位置に配置されていることで、かかる前面部材(重なり部分)により、第2部材の前面側への変位を規制できる。その結果、第1部材から第2部材が脱落することを抑制できる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14,D1からD8,E1からE12,F1からF10,G1からG8,H1からH8,I1からI13,J1からJ12,K1からK14,L1からL13,M1からM10,N1からN11,O1からO10,P1からP13,Q1からQ11,R1からR10,S1からS12,T1からT11,U1からU10,V1からV12,W1からW8,X1からX6,Y1からY7及びZ1からZ6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14,D1からD8,E1からE12,F1からF10,G1からG8,H1からH8,I1からI13,J1からJ12,K1からK14,L1からL13,M1からM10,N1からN11,O1からO10,P1からP13,Q1からQ11,R1からR10,S1からS12,T1からT11,U1からU10,V1からV12,W1からW8,X1からX6,Y1からY7及びZ1からZ6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14,D1からD8,E1からE12,F1からF10,G1からG8,H1からH8,I1からI13,J1からJ12,K1からK14,L1からL13,M1からM10,N1からN11,O1からO10,P1からP13,Q1からQ11,R1からR10,S1からS12,T1からT11,U1からU10,V1からV12,W1からW8,X1からX6,Y1からY7及びZ1からZ6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。