JP2018138909A - 翼振動監視装置および翼振動監視方法 - Google Patents

翼振動監視装置および翼振動監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軸受の振動計測を通して作成するキャンベル線図を用いた翼振動の監視を精度良く行うことが可能な翼振動監視装置を提供する。【解決手段】翼振動監視装置は、回転翼を有する回転機械の翼振動を、回転翼の回転軸を支持する軸受を介して、回転翼の回転数毎に計測した静止座標系の振動データを取得する振動データ取得部と、静止座標系の振動データを回転座標系の振動データに座標変換する座標系変換部と、回転座標系の振動データの周波数特性を算出する周波数特性算出部と、振動データの周波数特性に基づいて、グラフ上にプロットされた複数の振動点を有するキャンベル線図の線図データを生成するキャンベル線図データ生成部と、複数の振動点に対してクラスタ分析を実行することにより、複数の振動点の各々を対応する振動モードに分類する振動モード分類部と、振動モード毎に振動点の回帰線を決定する回帰線決定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、回転翼を有する回転機械の翼振動を監視する翼振動監視装置に関し、特に、キャンベル線図の作成を通した翼振動の監視に関する。
蒸気タービン、ガスタービンなどの回転機械の翼振動は、翼部、ディスク部、連結部材などの損傷など回転機械の破壊や故障につながることから、従来から、計測した翼振動をキャンベル線図の作成を通して監視(評価)する手法が知られている。例えば、特許文献1には、回転翼に設置した歪ゲージにより翼振動(圧力変動)を直接計測し、オンラインでキャンベル線図を表示させるシステムが開示されている。また、特許文献2には、回転翼の近傍に設置した振動センサ(非接触変位計)で翼振動を直接計測して、キャンベル線図を作図するシステムが開示さている。特許文献3には、回転翼を取り囲むケーシングを貫通して設置した振動センサにより非接触で翼振動を直接計測するのに際し、ノイズ成分に妨げられずに計測振動成分を正確に認識可能な計測信号処理方法が開示されている。これら特許文献1〜3に開示される手法は、いずれも翼振動を直接計測するものであり、計測信号(データ)に含まれる翼振動の成分をノイズ成分から適切に分離することが可能である。よって、回転翼の回転数に応じて変化する固有振動数の特性を振動モード毎にキャンベル線図上に明瞭に引くことができるので、キャンベル線図に基づく翼振動の監視を精度良く行うことが可能である。その反面、回転機械の稼働率への影響を抑制しつつ直接計測するために、回転翼のケーシングに穴を開けるなどしてセンサを回転翼の近傍に設置する必要や、車室内の雰囲気に耐え得るセンサ(センサヘッド)を用いる必要があるため、計測に要するコストが課題となる。
他方、回転機械の翼振動を直接計測するのではなく、回転機械の回転軸を支持する軸受の振動(加速度)を計測し、この中から翼振動の成分を分離して監視する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、翼振動が、回転軸、軸受油膜などを介して軸受に伝達されることを利用して、翼振動を軸受で間接的に計測する。この方法によれば、回転する回転翼に対して静止している軸受に加速度センサ(振動センサ)を設置して翼振動を計測するため、比較的容易に翼振動を計測できるという利点を有する。
特開平1−274019号公報 特開2013−83568号公報 特開平11−14446号公報
しかしながら、軸受の振動を計測することにより翼振動を間接的に計測する手法では、翼振動を軸受で間接的に計測するため、計測信号には翼振動以外の様々な成分がより多く含まれやすく、また、翼振動は振動センサに到達するまでに減衰していくため、計測信号に含まれる翼振動の成分をノイズ成分から十分に分離するのが難しい。このため、上述した固有振動数の特性を振動モード毎にキャンベル線図上に明瞭に引くことが必ずしも容易でない。固有振動数の特性を振動モード毎にキャンベル線図上に明瞭に引けない場合には、キャンベル線図に基づいた振動モード毎の翼振動の監視を適切な精度で行うことができない恐れが生じる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、軸受での振動計測を通して作成するキャンベル線図を用いた翼振動の監視を精度良く行うことが可能な翼振動監視装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る翼振動監視装置は、
回転翼を有する回転機械の翼振動を監視する翼振動監視装置であって、
前記回転翼の回転軸を支持する軸受を介して前記回転翼の回転数毎に、前記翼振動を計測した計測データである静止座標系の振動データを取得する振動データ取得部と、
前記静止座標系の振動データを回転座標系の振動データに座標変換する座標系変換部と、
前記回転座標系の振動データの周波数特性を算出する周波数特性算出部と、
前記振動データの周波数特性に基づいて、一軸が周波数、他軸が前記回転翼の回転数からなるグラフ上にプロットされた複数の振動点を有するキャンベル線図の線図データを生成するキャンベル線図データ生成部と、
前記複数の振動点に対してクラスタ分析を実行することにより、前記複数の振動点の各々を対応する振動モードに分類する振動モード分類部と、
前記振動モード毎に前記振動点の回帰線を決定する回帰線決定部と、を備える。
上記(1)の構成によれば、軸受を介して所定の回転数毎に計測した静止座標系の振動データを用いてキャンベル線図を作成する際に、振動モード毎に翼振動を監視するために、静止座標系の振動データを回転座標系の振動データに変換してキャンベル線図を作成するための線図データを生成すると共に、クラスタ分析により、キャンベル線図上の振動点の各々を対応している振動モードに分類(ラベリング)する。ここで、軸受の振動計測により翼振動を計測する手法は、比較的容易に翼振動の計測が可能である反面、振動データ(計測値)に含まれる翼振動をノイズ成分から十分に分離する(ノイズ成分を除去する)のが必ずしも容易ではない。例えば、キャンベル線図において、同一の振動モードにおける比較的大きな振動点が同一の回転数で2以上存在するような場合が生じる(後述する図6参照)。このような場合であっても、クラスタ分析を用いることにより、上述した振動点の各々を適切な振動モードに分類することができる。よって、振動モード毎に振動点の回帰線(固有振動数の特性)を精度良く決定することができる。これによって、キャンベル線図を用いた翼振動監視の適正な運用を図ることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記振動モード分類部は、前記翼振動を数値解析して前記振動モード毎に得られる、前記回転数と前記周波数との関係を示す振動モード解析関数との類似性に基づいて前記クラスタ分析を実行する。
上記(2)の構成によれば、FEMなどの数値解析結果を用いることにより、上述したクラスタ分析による振動点の分類精度の向上を図ることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記振動モード分類部は、k平均法を用いて前記クラスタ分析を実行する。
上記(3)の構成によれば、k平均法を用いることにより、キャンベル線図上に描かれる振動点の各々を対応する振動モードへ精度良く分類することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)〜(3)の構成において、
前記回帰線決定部は、前記振動モード解析関数をF(x)と表した場合に、前記回帰線が、パラメータaおよびパラメータbを用いてa×F(x)+bの関係を有するものと仮定した回帰分析を実行することにより前記回帰線を決定する。
上記(4)の構成によれば、数値解析により得た振動モード解析関数を、パラメータaを用いて拡大あるいは縮小し、また、パラメータbを用いて平行移動することにより、振動モード毎の回帰線を適切に決定することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の構成において、
前記回帰線決定部は、遺伝的アルゴリズムにより前記回帰線を決定する。
上記(5)の構成によれば、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いることにより、少ない計算量で、振動モード毎の回帰線を適切に決定することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記周波数特性からノイズ成分を除去するノイズ成分除去部を、さらに備え、
前記ノイズ成分除去部は、
前記ノイズ成分であるか否かを判定するためのノイズ判定閾値を、最尤推定法により前記周波数特性に基づいて決定するノイズ判定閾値決定部と、
前記周波数特性の強度が前記ノイズ判定閾値以下を前記ノイズ成分として除去するノイズ除去実行部と、を有する。
上記(6)の構成によれば、最尤推定法により自動でノイズ判定閾値を決定することができると共に、周波数特性に基づいて決定したノイズ判定閾値を用いてノイズ成分を判別することで、周波数特性からノイズ成分を適切に自動で除去することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記最尤推定法は、EM法である。
上記(7)の構成によれば、EM法(期待値−最大化法:expectation−maximization algorithm)によってノイズ判定閾値を合理的かつ適切に決定することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の構成において、
前記線図データおよび前記回帰線を表示装置に出力する表示出力部を、さらに備える。
上記(8)の構成によれば、キャンベル線図を視覚的に表示することが可能なディスプレイなどの表示装置にキャンベル線図を表示することができ、回転機械の翼振動の監視に用いる情報(キャンベル線図および回帰線)を監視者に提供することができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る翼振動監視方法は、
回転翼を有する回転機械の翼振動を監視する翼振動監視方法であって、
前記回転翼の回転軸を支持する軸受を介して前記回転翼の回転数毎に、前記翼振動を計測した計測データである静止座標系の振動データを取得する振動データ取得ステップと、
前記静止座標系の振動データを回転座標系の振動データに座標変換する座標系変換ステップと、
前記回転座標系の振動データの周波数特性を算出する周波数特性算出ステップと、
前記振動データの周波数特性に基づいて、一軸が周波数、他軸が前記回転翼の回転数からなるグラフ上にプロットされた複数の振動点を有するキャンベル線図の線図データを生成するキャンベル線図データ生成ステップと、
前記複数の振動点に対してクラスタ分析を実行することにより、前記複数の振動点の各々を対応する振動モードに分類する振動モード分類ステップと、
前記振動モード毎に前記振動点の回帰線を決定する回帰線決定ステップと、を備える。
上記(9)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記振動モード分類ステップは、前記翼振動を数値解析して前記振動モード毎に得られる、前記回転数と前記周波数との関係を示す振動モード解析関数との類似性に基づいて前記クラスタ分析を実行する。
上記(10)の構成によれば、上記(2)と同様の効果を奏することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記振動モード分類ステップは、k平均法を用いて前記クラスタ分析を実行する。
上記(11)の構成によれば、上記(3)と同様の効果を奏することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(10)〜(11)の構成において、
前記回帰線決定ステップは、前記振動モード解析関数をF(x)と表した場合に、前記回帰線が、パラメータaおよびパラメータbを用いてa×F(x)+bの関係を有するものと仮定した回帰分析を実行する。
上記(12)の構成によれば、上記(4)と同様の効果を奏することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(9)〜(11)の構成において、
前記回帰線決定ステップは、遺伝的アルゴリズムにより前記回帰線を決定する。
上記(13)の構成によれば、上記(5)と同様の効果を奏することができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(9)〜(13)の構成において、
前記周波数特性からノイズ成分を除去するノイズ成分除去ステップを、さらに備え、
前記ノイズ成分除去ステップは、
前記ノイズ成分であるか否かを判定するためのノイズ判定閾値を、最尤推定法により前記周波数特性に基づいて決定するノイズ判定閾値決定ステップと、
前記周波数特性の強度が前記ノイズ判定閾値以下を前記ノイズ成分として除去するノイズ除去実行ステップと、を有する。
上記(14)の構成によれば、上記(6)と同様の効果を奏することができる。
(15)幾つかの実施形態では、上記(14)の構成において、
前記最尤推定法は、EM法である。
上記(15)の構成によれば、上記(7)と同様の効果を奏することができる。
(16)幾つかの実施形態では、上記(9)〜(15)の構成において、
前記線図データおよび前記回帰線を表示装置に出力する表示出力ステップを、さらに備える。
上記(16)の構成によれば、上記(8)と同様の効果を奏することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、軸受の振動計測を通して作成するキャンベル線図を用いた翼振動の監視を精度良く行うことが可能な翼振動監視装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る回転機械の翼振動を翼振動監視装置により監視する監視システムを概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る翼振動監視装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る静止座標系の振動データを例示する図である。 本発明の一実施形態に係る振動の周波数特性を例示する図である。 本発明の一実施形態に係るキャンベル線図を例示する図である。 図5のキャンベル線図上の各振動点を振動モードに分類した結果を説明するための図である。 図6に示されるような振動モードの分類結果に基づいて、図5のキャンベル線図上に振動モード毎の回帰線を付加した図である。 本発明の一実施形態に係る遺伝的アルゴリズムによる回帰線の決定方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る遺伝的アルゴリズムにおける評価関数の結果を例示する図である。 本発明の一実施形態に係るEM法を用いたノイズ判定閾値の決定方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る翼振動監視方法を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る回転機械4の翼振動を翼振動監視装置1により監視する監視システムを概略的に示す図である。図1に示される回転機械4は蒸気タービンである。蒸気タービンは、図1に示されるように、ケーシング41と、ケーシング41内に回転自在に支持された回転軸42、および回転軸42の外周部に周方向に所定間隔をあけて固定される複数の動翼(回転翼43)と、ケーシング41に固定される複数の静翼45と、回転軸42を回転自在に支持する軸受46(スラスト軸受)と、を有している。図1に示される実施形態では、回転機械4の上記の軸受46は、コンクリート等からなる基礎台48の上に設置された軸受台47に支持されており、この軸受台47には振動センサ6が設置されている。
上記の振動センサ6は、回転機械4の回転翼43(動翼)の振動(翼振動)を計測するために設置されている。上述したように動翼が回転軸42に固定され、回転軸42は軸受46で支持されることにより、翼振動が伝達される振動伝達経路Pvが形成されている。そして、振動センサ6は、振動伝達経路Pvを伝達される翼振動を、回転翼43の所定の回転数毎にそれぞれ計測する。図1に示される実施形態では、振動センサ6は、接触型の加速度センサであり、軸受46に直接接触する軸受台47に設置されることで、軸受46からさらに軸受台47に伝達された振動を計測する。ただし、本実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、振動センサ6は軸受46に直接接触するように設置しても良いし、軸受46の振動が伝達される他の部材に設置されても良い。また、振動センサ6は、速度検出など他の物理量を計測する接触型のセンサであっても良いし、非接触型の振動センサであっても良い。そして、振動センサ6での計測値(計測信号)は振動データとしてデータ化されることで、次に説明する翼振動監視装置1で処理される。
以下、翼振動監視装置1について、図2〜図7を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る翼振動監視装置1の機能ブロック図である。図3は、本発明の一実施形態に係る静止座標系の振動データDmを例示する図である。図4は、本発明の一実施形態に係る振動の周波数特性Fを例示する図である。図5は、本発明の一実施形態に係るキャンベル線図Cを例示する図である。図6は、図5のキャンベル線図上の各振動点Vを振動モードに分類した結果を説明するための図である。また、図7は、図6に示されるような振動モードの分類結果に基づいて、図5のキャンベル線図C上に振動モード毎の回帰線Lrを付加した図である。
翼振動監視装置1は、回転翼43を有する回転機械4の翼振動を監視する装置である。図2に示されるように、翼振動監視装置1は、振動データ取得部11と、座標系変換部12と、周波数特性算出部13と、ノイズ成分除去部14と、キャンベル線図データ生成部15と、振動モード分類部16と、回帰線決定部17と、表示出力部18と、を備える。これらの機能部は上記で列挙された順番で直列に接続されており、各々の機能部の処理結果が次の機能部に入力されるようになっている。なお、翼振動監視装置1はコンピュータで構成されており、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリや補助記憶装置(記憶装置)、外部通信インタフェースを備えている。そして、主記憶装置にロードされたプログラム(振動監視プログラム)の命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、上記の各機能部を実現する。
以下、翼振動監視装置1が備える上述した機能部の各々について、それぞれ説明する。
振動データ取得部11は、回転機械4の翼振動を、回転翼43の回転軸42を支持する軸受46を介して回転翼43の回転数毎に計測した計測データである振動データ(静止座標系の振動データDm)を取得する(図1〜図2参照)。つまり、振動データ取得部11は、振動センサ6が複数の回転翼43の回転数(以下、単に、回転数という。)でそれぞれ計測した計測データを振動データとして装置(プログラム)内部に取り込む。振動データは、図3に示されるような、回転数毎に計測された振動(図3では加速度)の時間的な推移を示す情報であり、回転数情報、時系列情報、振動情報(振動のベクトル情報)などの各情報を、それぞれ対応する情報フィールドに格納したレコードの所定期間分の集合である。なお、時系列情報は、レコード間での並び順を規定するものであり、例えば計測時刻等となる。図1に示される実施形態では、通信ケーブル62によって、回転機械4に設置された振動センサ6に翼振動監視装置1が直接接続されることで、翼振動のリアルタイムでの監視を可能としている。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、翼振動監視装置1は、不図示の通信ネットワークを介して振動センサ6に接続されても良いし、あるいは、持ち運び可能なUSBメモリなどのメモリ媒体から振動データを取得しても良い。
座標系変換部12は、振動データ取得部11が取得した静止座標系の振動データDmを回転座標系の振動データDrに座標変換する。回転座標系の振動データDrは、振動センサ6によってそれぞれ振動計測がなされた複数の回転数の各々の静止座標系の振動データDmからそれぞれ算出される。より詳細には、振動センサ6で計測した振動データDmは、例えば回転軸42の軸方向をx軸、水平方向であってx軸に直交するy軸、鉛直方向をz軸とした静止座標系において振動を計測したものである。回転座標系の振動データDrは、このような静止座標系の振動データDmを、例えば回転軸42の軸方向をx軸、半径方向をz軸、半径方向の接線方向をy軸とした回転座標系における振動に変換したものとなる。具体的には、周知なように、静止座標系の座標を(X、Y、Z)とし、Ωを角速度とすると、回転座標系の座標は(x、y、z)=(X、Y×cosΩt+Z×sinΩt、−Y×sinΩt+Z×cosΩt)となる。こうして座標変換された回転座標系の振動データDrも、同様に、回転数情報、時系列情報、振動情報の各情報を格納した上述したレコードの計測期間分の集合となる。この座標変換により、キャンベル線図を用いて振動モード毎の振動監視を適切に行うことが可能となる。
周波数特性算出部13は、座標系変換部12が生成した回転座標系の振動データDrの周波数特性Fを算出する。周波数特性Fは、振動計測がなされた複数の回転数の各々の回転座標系の振動データDrに対してそれぞれ算出されるので、これら複数の回転数の各々に対応した複数の周波数特性Fがそれぞれ生成される。周波数特性Fの算出は、例えば高速フーリエ変換(FFT)を用いて行う。これによって、図4に示されるような回転数毎の周波数特性Fが得られる。
ノイズ成分除去部14は、周波数特性Fからノイズ成分を除去する。換言すれば、周波数特性Fの翼振動成分をノイズ成分(バックグランドノイズ)から分離(抽出)する。図2に示される実施形態では、後述する最尤推定法(例えばEM法)を用いて周波数特性Fからノイズ成分を除去しており、このように構成するため、ノイズ成分除去部14は、周波数特性算出部13から入力された周波数特性Fにおけるノイズ成分を除去するように構成されている。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、周波数特性Fを算出する前に、回転座標系の振動データDrに含まれるノイズ成分(ノイズデータ)を除去し、その後、周波数特性Fを算出しても良い。
キャンベル線図データ生成部15は、周波数特性算出部13が算出した振動データの周波数特性Fに基づいて、一軸が周波数、他軸が回転翼43の回転数からなるグラフ上にプロットされた複数の振動点Vを有するキャンベル線図Cの線図データDcを生成する。つまり、線図データDcは、周波数軸、回転数軸、斜軸を有するグラフ上に振動点Vをその大きさと共に表示するキャンベル線図Cを作成(表示)するためのデータであり、複数の周波数特性Fの各々の情報(周波数と、強度あるいは振幅の大きさ(振動レベル)との関係)と、その周波数特性Fの基となる振動データの計測時の回転数の情報を含む。
具体的には、幾つかの実施形態では、線図データDcは、回転数情報、周波数情報、振動レベル情報などの各情報を、それぞれ対応する情報フィールドに格納したレコードの複数で構成されており、各々のレコードが、キャンベル線図C上に表示される複数の振動点V(回転数情報と周波数情報とで特定されるプロット点)の各々に対応する。したがって、線図データDcの回転数情報および周波数情報の各情報を用いることにより、図5に示されるような、回転数に対応した横軸xと、周波数に対応した縦軸yと、さらに回転次数に対応した斜軸zを有したグラフ上に、回転数毎の周波数特性Fの各々における振動の周波数成分をプロットすることが可能となる。また、各振動点Vをプロットする際に、線図データDcに含まれる振動レベルの情報を用いて、各振動点Vにおける振動レベルを、例えば円の大きさなど(図5〜図7参照)で表しながらプロットすることにより、キャンベル線図Cを作成することが可能となる。
振動モード分類部16は、複数の振動点Vに対してクラスタ分析を実行することにより、図6に示されるように、複数の振動点Vの各々を対応する振動モードに分類する。つまり、線図データDcに含まれる振動点Vの各々を対応する適切な振動モードに関連付ける(ラベリングする)。例えば、線図データDcの上述したレコードが振動モード情報を格納するための情報フィールドを有しており、クラスタ分析による分析結果を格納することにより、上記の分類を行っても良い。図6に示される実施形態では、後述するように、有限要素法(FEM)といった数値解析の結果を利用しながら、k平均法を用いたクラスタ分析により、複数の振動点Vが、それぞれ1次〜5次までの振動モードに分類されている。
回帰線決定部17は、図7において実線で示されるように、振動モード毎に振動点Vの回帰線Lrを決定する。換言すれば、振動モード毎に、振動モードの各々に含まれる振動点Vの集合の近似曲線を決定する。回帰線Lr(近似曲線)は振動モード毎の固有振動数の特性に相当する。この回帰線Lrの決定方法については後述するが(図8A〜図8B参照)、図7における実線が回帰線Lrとなる。また、決定した回帰線Lrを線図データDcと共に保持することにより、固有振動数の特性を振動モード毎にキャンベル線図C上に表すことが可能となる。
表示出力部18は、図2に示されるように、線図データDcおよび回帰線Lrを表示装置7に出力する。表示装置7は、キャンベル線図を視覚的に表示することが可能なディスプレイなどである。表示装置7にキャンベル線図Cを表示することにより、回転機械4の翼振動の監視に用いる情報(キャンベル線図Cおよび回帰線Lr)を監視者に提供することが可能となる。
このような構成を有する翼振動監視装置1は、取得した静止座標系の振動データDmを上述したように処理することで、線図データDcおよび回帰線Lrのデータを生成するが、回帰線Lrは図7の実線となる。ここで、図7に示される破線は、数値解析により得られた振動モード毎の固有振動数の特性(振動モード解析関数)である(図6の破線も同様)。そして、図7における実線(回帰線Lr)と破線(数値解析)とを比較すると、両者にはずれが生じている。具体的には、1次振動モードでは、高回転数側での一致度は比較的良好であるのに対し、低回転数側での一致度は悪化している。また、2次、3次、5次の振動モードでは、回転数に対する傾向は両者で類似するものの、一方が他方に比べて周波数の値が高い(低い)など、数値的に違いが生じている。4次振動モードでは、回転数に対する両者の傾向が逆となっており、他の振動モードに比べて両者の違いが顕著となっている。
この点、回転翼43の近傍に設置した振動センサにより翼振動を直接計測した際の振動モード毎の固有振動数の特性(基準値)と比較すると、図7における実線(回帰線Lr)の方が、破線(数値解析)のものよりも一致度が良いとの結果が得られている。具体的には、同一回転数における周波数の値の差を誤差と定義すると、図7の破線(数値解析)と基準値との誤差は最大で数%〜十数%であったのに対し、図7の実線と基準値との誤差は最大でも数%未満であった。したがって、上述したように回帰線Lrを決定することで、振動モード毎の固有振動数の特性を精度良く決定することができる。
上記の構成によれば、軸受を46介して計測した静止座標系の振動データDmを用いてキャンベル線図Cを作成する際に、振動モード毎に翼振動を監視するために、静止座標系の振動データDmを回転座標系の振動データDrに変換してキャンベル線図Cを作成するための線図データDcを生成すると共に、クラスタ分析により、キャンベル線図C上の振動点Vの各々を対応している振動モードに分類する。ここで、軸受46の振動計測により翼振動を計測する手法は、比較的容易に翼振動の計測が可能である反面、振動データ(計測値)に含まれる翼振動をノイズ成分から十分に分離する(ノイズ成分を除去する)のが必ずしも容易ではない。例えば、キャンベル線図Cにおいて、同一の振動モードにおける比較的大きな振動点が同一の回転数で2以上存在するような場合が生じる。このような場合であっても、クラスタ分析を用いることにより、上述した振動点Vの各々を対応する振動モードに分類することができる。よって、振動モード毎に振動点Vの回帰線Lr(固有振動数の特性)を精度良く決定することが可能となり、キャンベル線図Cを用いた振動監視の適正な運用を図ることができる。
次に、上述したクラスタ分析についての幾つかの実施形態について説明する。
幾つかの実施形態では、振動モード分類部16は、上述した翼振動を数値解析して振動モード毎に得られる、回転数と周波数との関係を示す振動モード解析関数との類似性に基づいてクラスタ分析を実行しても良い。これによって、上述したクラスタ分析による振動点Vの分類精度の向上を図ることが可能となる。図2〜図7に示される実施形態では、振動モード分類部16は、k平均法を用いてクラスタ分析を実行している。つまり、線図データDcに含まれる複数の振動点Vの各々を、所定数nの振動モード(1次〜n次)にそれぞれ対応する所定数nのクラスタのいずれかに分類する。
ここで、k平均法ではクラスタの数を事前に設定する必要があるが、例えば、線図データDcに含まれる振動モードの次数の上限(n)を経験等から判断して事前に設定する。そして、所定数nのクラスタの各々の中心(クラスタ中心)を、FEMなどの数値解析の結果となる振動モード解析関数に基づいて決め、各々の振動点Vを最も近いクラスタ中心を有するクラスタに所属させる。
例えば、各クラスタのクラスタ中心は、振動モード毎の振動モード解析関数の平均値(周波数値の平均値)としても良い。より具体的には、yを周波数、xを回転数とし、k次(k=1、2、3、・・・n)の振動モードの振動モード解析関数をy=F(x)とすると、k番目のクラスタのクラスタ中心は、F(x)で算出されるyの平均値となる。なお、上記の周波数値の平均は、上述した線図データDcにおける回転数と周波数とで定まる振動点Vが存在する回転数の範囲で算出しても良い。そして、各振動点V(回転数、周波数)について、その各々の周波数値を各クラスタのクラスタ中心と比較し、最も近いクラスタ中心を有するクラスタに関連づける。
こうして複数の振動点Vがそれぞれ関連付けられたクラスタ毎に、再度、周波数値の平均値を算出してクラスタ中心を算出し、各振動点Vの周波数値を各クラスタのクラスタ中心と比較し、最も近いクラスタ中心を有するクラスタに関連付け直す。これをクラスタリングの所定の終了条件が満たされるまで繰り返すことで、複数の振動点Vの各々をいずれかのクラスタに分類する。所定の終了条件としては、クラスタ中心が変わらなくなった場合、二乗歪みが所定値以下となった場合などとなる。
上記の構成によれば、k平均法を用いることにより、キャンベル線図C上に描かれる振動点Vの各々を対応する振動モードへ精度良く分類することができる。
次に、回帰線Lrの決定手法についての幾つかの実施形態について、図8〜図9を用いて説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る遺伝的アルゴリズムによる回帰線Lrの決定方法を説明するための図である。また、図9は、本発明の一実施形態に係る遺伝的アルゴリズムにおける評価関数の結果を例示する図である。なお、以下で説明する実施形態では、回帰線Lrを2次関数と仮定して決定しているが、3次関数、4次関数など、より高次の関数と仮定しても良い。
幾つかの実施形態では、上述したいずれかの実施形態において、回帰線決定部17は、上述したのと同様に、xを線図データDcにおける回転数として、回転数と周波数との関係を示す振動モード解析関数をF(x)と表した場合に、回帰線Lrが、パラメータaおよびパラメータbを用いてa×F(x)+bの関係を有するものと仮定した回帰分析を実行することにより回帰線Lrを決定しても良い。つまり、上記のパラメータaおよびパラメータbを回帰分析により決定することにより、振動モード(クラスタ。以下、同様)毎に回帰線Lr(固有振動数の特性)を決定する。より具体的には、上述したのと同様に、k次の振動モードの回帰線Lrをy1=a×F(x)+bとし、k次の振動モードに含まれる振動点Vの各々の周波数をy2(x)とすると、k次の振動モードに含まれる振動点V毎に算出されるy1(x)と、各振動点Vにおけるy2(x)との二乗誤差に、その時の回転数(x)における振動レベルで重みづけをした和(Σ√[{y2(x)−y1(x)}^2×振動レベル])が最小となるように、パラメータaおよびパラメータbを決定しても良い(最小二乗法)。これを全ての振動モードについて行うことにより、振動モード毎の回帰線Lrがそれぞれ決定される。
上記の構成によれば、数値解析により得た振動モード解析関数を、パラメータaを用いて拡大あるいは縮小し、また、パラメータbを用いて平行移動することにより、振動モード毎の回帰線Lrを適切に決定することができる。
他の幾つかの実施形態では、図8〜図9に示されるように、回帰線決定部17は、遺伝的アルゴリズム(GA)により回帰線Lrを決定する。各振動モードには、図6の2次振動モードのように、回転数が同一となる複数の振動点Vが存在する場合がある。ここで、線図データDcに含まれる振動点Vの各々は、実際には翼振動によるものでないなど翼振動に対応していない可能性があり、このような回転数が重複する同一クラスタ内の複数の振動点Vは回帰線Lrの決定に与える影響が大きい。そこで、このような同一クラスタ内で回転数が相互に同一となる振動点Vの数をm個とした場合、このようなm個の振動点Vを回帰線Lrの決定に際して考慮するか否か観点からすると、2(2のm乗)の組み合わせが存在する。例えば、m=2の場合には、図8に示されるように、回帰線Lrの決定にあたって、両方とも用いる場合となる組合せ1(図8(a))、いずれか一方を用いる場合となる組合せ2(図8(b))および組合せ3(図8(c))、両方とも無視する場合となる組合せ4(図8(d))の4通り組み合わせが存在する。そして、図8に示されるようにその各々の組合せの下でそれぞれ決定した回帰線Lrは、それぞれ異なった形状となる。
そこで、図9に示されるように、これらの複数の組合せの各々に対応した回帰線Lrを、複数の組合せのいずれが最良かを評価するための評価関数Jでそれぞれ評価し、その評価結果を比較することにより、いずれの組合せを採用するかを決める。例えば、評価関数Jは、重みパラメータをw(0≦w≦1)として、複数のサブ評価関数の評価結果を演算した物であっても良い。例えば、評価関数Jは、第1サブ評価関数J1の各組合せの評価結果と、第2サブ評価関数J2による各組合せの評価結果とを重みづけした上で同一の組合せ毎に加算したものとしても良い(組合せ毎にJ=w×J1+{1−w}×J2を計算)。このように、複数の評価関数(J1、J2)の評価結果を加算するなどして考慮した結果を最終的な評価結果とすることにより、単に無視する振動点Vを多くすることで回帰線Lrへの一致度が高いケースが良い評価を得ることを防止する効果を有する。
例えば、図9に示される実施形態では、まず、図8に示される組合せ毎の回帰線Lrを、上述したように、回帰線Lrが、パラメータaおよびパラメータbを用いてa×F(x)+bの関係を有するものと仮定した回帰分析を実行することにより決定している。この際、Σ√[{y2(x)−y1(x)}^2×振動レベル]が最小となるように、パラメータaおよびパラメータbを決定している。また、第1サブ評価関数J1は、各回帰線Lrと、その回帰線Lrの算出に使用した振動点Vの相関係数Rの2乗としている(J1=R^2)。他方、第2サブ評価関数J2は、各回帰線Lrの算出に使用した振動点V(図8では各組合せに応じて5〜7)の振動レベルの合計を、全ての振動点Vの振動レベルの和(図8では7個)で除算したものとしている。そして、各組合せ毎(図8〜図9では4通り)に算出したJ1+J2の値を評価関数Jの値としている。また、図9に示される実施形態では、評価関数Jは、算出値が小さいほど良いものとなっているため、最も評価値が小さい場合となる、両方とも無視する場合(図8(d))が採用されている。
ただし、本実施形態に本発明は限定されず、評価関数Jは、1つの評価関数からなっていても良い。例えば、他の幾つかの実施形態では、評価関数Jは、各回帰線Lrと振動点Vとの同一の回転数における周波数の二乗誤差に、振動レベルで重みづけをした和(最小二乗法における誤差関数)であっても良く、誤差関数の算出値が小さいものほど良いとされても良い。
上記の構成によれば、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いることにより、少ない計算量で、振動モード毎の回帰線Lrを適切に決定することができる。
次に、ノイズ成分の除去方法について、図10を用いて説明する。図10は、本発明の一実施形態に係るEM法(期待値−最大化法:expectation−maximization algorithm)を用いたノイズ判定閾値Tnの決定方法を説明するための図である。
幾つかの実施形態では、回転座標系の振動データDrからノイズ成分を除去するノイズ成分除去部14を、さらに備える。このノイズ成分除去部14は、ノイズ成分であるか否かを判定するためのノイズ判定閾値Tnを、最尤推定法により周波数特性Fに基づいて決定するノイズ判定閾値決定部14aと、周波数特性Fの強度がノイズ判定閾値Tn以下をノイズ成分として除去するノイズ除去実行部14bと、を有する。より具体的には、ノイズ除去実行部14bは、周波数特性Fの強度(図3の縦軸の値)がノイズ判定閾値Tn以下となる周波数の強度を0として扱っても良いし、全ての周波数の強度からノイズ判定閾値Tnを減算するなどしても良い。最尤推定法を用いることによって、自動でノイズ判定閾値Tnを決定することができると共に、周波数特性Fに基づいて決定したノイズ判定閾値Tnを用いてノイズ成分を判別することで、人が介在することなく、周波数特性からノイズ成分を適切に自動で除去することができる。
また、例えば、幾つかの実施形態では、上述した最尤推定法は、EM法であっても良い。EM法を用いたノイズ判定閾値Tnの決定方法について説明する。本方法では、まず、振動レベルを横軸とし、その振動レベルを有する周波数の度数(数)を縦軸としたヒストグラムを作成する。これによって、図10における横軸が0よりも大きい正の領域のグラフが得られる。上述したように、複数の回転数毎にそれぞれ周波数特性Fが生成されており、これらの全ての周波数特性Fを用いて上記のヒストグラムを作成しても良いし、周波数特性F毎にヒストグラムを作成しても良い。
そして、作成したヒストグラムの頂点部分を結んでできる形状が複数の正規分布の一次結合で表すことができるものとして、この一次結合を構成する1以上の正規分布を求める。この際、図10に示される実施形態では、振動レベル(横軸)が0を通る線で正の領域のグラフと線対称のグラフを負の領域に作ることでグラフ全体を生成し、その上で、グラフ全体を表すことが可能な正規分布の一次結合を求めている。その結果、図10の例示では、このグラフ全体が第1〜第5の5つの正規分布(図5のN1〜N5)の1次結合で形成されることが求められている。
この際、図10に示される実施形態では、振動レベルが0付近の形状に対応する部分は、データ数が多く、ノイズである可能性が高いものとして、第3正規分布N3を無視している。例えば、第3正規分布N3のσや2σ(σ:標準偏差)以下をノイズとして無視しても良い。これによって、ノイズ判定閾値Tnの値の候補を絞っている。また、固有振動数に対応する振動レベルはある程度大きいことから、図10に示される実施形態では第4正規分布N4と第5正規分布N5との交点の振動レベル(横軸)をノイズ判定閾値Tnとして設定している。このように、EM法(最尤推定法)によってノイズ判定閾値Tnを合理的かつ適切に決定すること可能となる。
以下、上述した翼振動監視装置1が行う監視内容に対応する翼振動監視方法について、図11を用いて説明する。図11は、本発明の一実施形態に係る翼振動監視方法を示す図である。翼振動監視方法は、回転翼43を有する回転機械4の翼振動を監視するための方法であり、図11に示されるように、振動データ取得ステップ(S1)と、座標系変換ステップ(S2)と、周波数特性算出ステップ(S3)と、ノイズ成分除去ステップ(S4)と、キャンベル線図データ生成ステップ(S5)と、振動モード分類ステップ(S6)と、回帰線決定ステップ(S7)と、表示出力ステップ(S8)と、を備える。そして、本診断方法を実行することによって作成したキャンベル線図C(振動モード毎の固有振動数の特性を含む)を用いて翼振動を監視することにより、キャンベル線図Cを用いた振動監視の適正な運用を図ることが可能となる。本翼振動監視方法は、上述した翼振動監視装置1や翼振動監視プログラムが実行しても良く、これによって、振動モード毎の固有振動数の特性が一緒に示されたキャンベル線図Cを自動で作成することができる。また、本翼振動監視方法は、翼振動の監視者が、コンピュータを用いるなどしながら人手で行っても良い。
以下、翼振動監視方法について、図11のステップの順に説明する。なお、図11の各ステップは、上述した同様の名称の機能部に対応するため、詳細な説明は省略する。
図11のステップS1において振動データ取得ステップを実行し、上述した静止座標系の振動データDmを取得する。ステップS2において座標系変換ステップを実行し、上述した静止座標系の振動データDmを回転座標系の振動データDrに座標変換する。このステップS2は、振動データ取得ステップ(S1)の実行によりある時間の静止座標系の振動データDmを取り込む度に、時間毎の振動データの単位で実行しても良い。そして、ステップS3において周波数特性算出ステップを実行し、回転座標系の振動データDrの周波数特性Fを算出する。
図11に示される実施形態では、次のステップS4において、ノイズ成分除去ステップを実行し、周波数特性Fからノイズ成分を除去している。より具体的には、最尤推定法の一種であるEM法を用いており、ステップS4aにおいて、ノイズ判定閾値決定ステップを実行し、ノイズ判定閾値Tnを、最尤推定法により前記周波数特性に基づいて決定した後、ステップS4bにおいてノイズ除去実行ステップを実行し、周波数特性Fの強度がノイズ判定閾値Tn以下をノイズ成分として除去している。
次のステップS5において、キャンベル線図データ生成ステップを実行し、キャンベル線図C上の複数のプロット点(振動点V)の各々に対応した情報をすべて含んだデータとなる上述した線図データDcを生成する(図5〜図7参照)。ステップS6において、振動モード分類ステップを実行し、複数の振動点Vに対してクラスタ分析(例えばk平均法など)を実行することにより、複数の振動点Vの各々を対応する振動モードに分類する(図6参照)。そして、ステップS7において、回帰線決定ステップを実行し、振動モード毎に振動点Vの回帰線Lrを決定し、振動モード毎の固有振動数の特性とする(図7参照)。その後、図11に示される実施形態ではステップS8において表示出力ステップを実行し、線図データDcおよび回帰線Lr(固有振動数の特性)を表示装置7に出力し、表示装置7上でキャンベル線図Cおよび回帰線Lrを描画している。こうして表示装置7に表示されたキャンベル線図Cを見て、監視者は翼振動の監視を行う。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 翼振動監視装置
11 振動データ取得部
12 座標系変換部
13 周波数特性算出部
14 ノイズ成分除去部
14a ノイズ判定閾値決定部
14b ノイズ除去実行部
15 キャンベル線図データ生成部
16 振動モード分類部
17 回帰線決定部
18 表示出力部
4 回転機械
41 ケーシング
42 回転軸
43 回転翼(動翼)
45 静翼
46 軸受
47 軸受台
48 基礎台
6 振動センサ
62 通信ケーブル
7 表示装置

Pv 振動伝達経路
Dm 静止座標系の振動データ
Dr 回転座標系の振動データ
F 周波数特性(回転座標系の振動データで生成)
C キャンベル線図
x 横軸
y 縦軸
z 斜軸
Dc 線図データ
V 振動点
Lr 回帰線
a、b 回帰線のパラメータ
J 評価関数
J1 第1サブ評価関数
J2 第2サブ評価関数
N1 第1正規分布
N2 第2正規分布
N3 第3正規分布
N4 第4正規分布
N5 第5正規分布
Tn ノイズ判定閾値

Claims (16)

  1. 回転翼を有する回転機械の翼振動を監視する翼振動監視装置であって、
    前記回転翼の回転軸を支持する軸受を介して前記回転翼の回転数毎に、前記翼振動を計測した計測データである静止座標系の振動データを取得する振動データ取得部と、
    前記静止座標系の振動データを回転座標系の振動データに座標変換する座標系変換部と、
    前記回転座標系の振動データの周波数特性を算出する周波数特性算出部と、
    前記振動データの周波数特性に基づいて、一軸が周波数、他軸が前記回転翼の回転数からなるグラフ上にプロットされた複数の振動点を有するキャンベル線図の線図データを生成するキャンベル線図データ生成部と、
    前記複数の振動点に対してクラスタ分析を実行することにより、前記複数の振動点の各々を対応する振動モードに分類する振動モード分類部と、
    前記振動モード毎に前記振動点の回帰線を決定する回帰線決定部と、を備えることを特徴とする翼振動監視装置。
  2. 前記振動モード分類部は、前記翼振動を数値解析して前記振動モード毎に得られる、前記回転数と前記周波数との関係を示す振動モード解析関数との類似性に基づいて前記クラスタ分析を実行することを特徴とする請求項1に記載の翼振動監視装置。
  3. 前記振動モード分類部は、k平均法を用いて前記クラスタ分析を実行することを特徴とする請求項2に記載の翼振動監視装置。
  4. 前記回帰線決定部は、前記振動モード解析関数をF(x)と表した場合に、前記回帰線が、パラメータaおよびパラメータbを用いてa×F(x)+bの関係を有するものと仮定した回帰分析を実行することにより前記回帰線を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の翼振動監視装置。
  5. 前記回帰線決定部は、遺伝的アルゴリズムにより前記回帰線を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の翼振動監視装置。
  6. 前記周波数特性からノイズ成分を除去するノイズ成分除去部を、さらに備え、
    前記ノイズ成分除去部は、
    前記ノイズ成分であるか否かを判定するためのノイズ判定閾値を、最尤推定法により前記周波数特性に基づいて決定するノイズ判定閾値決定部と、
    前記周波数特性の強度が前記ノイズ判定閾値以下を前記ノイズ成分として除去するノイズ除去実行部と、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の翼振動監視装置。
  7. 前記最尤推定法は、EM法であることを特徴とする請求項6に記載の翼振動監視装置。
  8. 前記線図データおよび前記回帰線を表示装置に出力する表示出力部を、さらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の翼振動監視装置。
  9. 回転翼を有する回転機械の翼振動を監視する翼振動監視方法であって、
    前記回転翼の回転軸を支持する軸受を介して前記回転翼の回転数毎に、前記翼振動を計測した計測データである静止座標系の振動データを取得する振動データ取得ステップと、
    前記静止座標系の振動データを回転座標系の振動データに座標変換する座標系変換ステップと、
    前記回転座標系の振動データの周波数特性を算出する周波数特性算出ステップと、
    前記振動データの周波数特性に基づいて、一軸が周波数、他軸が前記回転翼の回転数からなるグラフ上にプロットされた複数の振動点を有するキャンベル線図の線図データを生成するキャンベル線図データ生成ステップと、
    前記複数の振動点に対してクラスタ分析を実行することにより、前記複数の振動点の各々を対応する振動モードに分類する振動モード分類ステップと、
    前記振動モード毎に前記振動点の回帰線を決定する回帰線決定ステップと、を備えることを特徴とする翼振動監視方法。
  10. 前記振動モード分類ステップは、前記翼振動を数値解析して前記振動モード毎に得られる、前記回転数と前記周波数との関係を示す振動モード解析関数との類似性に基づいて前記クラスタ分析を実行することを特徴とする請求項9に記載の翼振動監視方法。
  11. 前記振動モード分類ステップは、k平均法を用いて前記クラスタ分析を実行することを特徴とする請求項10に記載の翼振動監視方法。
  12. 前記回帰線決定ステップは、前記振動モード解析関数をF(x)と表した場合に、前記回帰線が、パラメータaおよびパラメータbを用いてa×F(x)+bの関係を有するものと仮定した回帰分析を実行することを特徴とする請求項10または11に記載の翼振動監視方法。
  13. 前記回帰線決定ステップは、遺伝的アルゴリズムにより前記回帰線を決定することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の翼振動監視方法。
  14. 前記周波数特性からノイズ成分を除去するノイズ成分除去ステップを、さらに備え、
    前記ノイズ成分除去ステップは、
    前記ノイズ成分であるか否かを判定するためのノイズ判定閾値を、最尤推定法により前記周波数特性に基づいて決定するノイズ判定閾値決定ステップと、
    前記周波数特性の強度が前記ノイズ判定閾値以下を前記ノイズ成分として除去するノイズ除去実行ステップと、を有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の翼振動監視方法。
  15. 前記最尤推定法は、EM法であることを特徴とする請求項14に記載の翼振動監視方法。
  16. 前記線図データおよび前記回帰線を表示装置に出力する表示出力ステップを、さらに備えることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の翼振動監視方法。




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