JP2018138170A - 疾病予測装置、及びプログラム - Google Patents
疾病予測装置、及びプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018138170A JP2018138170A JP2018070517A JP2018070517A JP2018138170A JP 2018138170 A JP2018138170 A JP 2018138170A JP 2018070517 A JP2018070517 A JP 2018070517A JP 2018070517 A JP2018070517 A JP 2018070517A JP 2018138170 A JP2018138170 A JP 2018138170A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- parameter
- subject
- disease
- slope
- linear expression
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
- Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)
- Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
- Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)
Abstract
【課題】複数のパラメータが関連するような疾病を事前に予測することが出来る疾病予測装置、疾病予測方法、及びプログラムを提供すること。【解決手段】第1パラメータ取得部11は、被験者の生体状態を示す第1パラメータとして心拍数(HR)を取得する。第2パラメータ取得部12は、被験者の生体状態を示す第2パラメータとして呼吸数(RR)を取得する。統計値算出部13は、第1パラメータである心拍数(HR)と第2パラメータである呼吸数(RR)との関係を示す近似1次式(RR/HR)を算出する。記憶部14は、近似1次式(RR/HR)の傾きから疾病の予兆を定義した定義情報を記憶する。解析部15は、近似1次式(RR/HR)の傾きが増加した場合に被験者に過呼吸の恐れがあると解析し、近似1次式(RR/HR)の傾きが減少した場合に被験者に不整脈の恐れがあると解析する。【選択図】図1
Description
本発明は疾病予測装置、及びプログラムに関する。
近年、世界的に高齢化社会の問題が深刻になってきている。特に日本は、世界の中でも高齢化の問題が深刻である。日本の社会保障については、生産年齢人口3〜4人で高齢者1人を支える騎馬戦型から、生産年齢人口1人で高齢者1人を支えるおんぶ型にシフトするといわれている。このような社会構造の中で以下の事項を特に考慮する必要がある。
第1に、高齢者割合の増加に伴い、医療費の増大が顕著に進む可能性がある。そのため、疾病患者をすぐに治療して病院から早く出す(退院させる)ことが重要となる。第2に、高齢者の活用の観点から、病院に入れない(病気にならない)ということも重要となる。この2点への対応として、疾病が悪化する前に疾病の危険性を即座に把握することが重要となる。
ところで最近では、コンピュータの処理能力の向上に伴い、大量(Volume)のデータを高速(Velocity)に、様々な形式(Variety)で扱うことが可能となってきている。このような背景から様々な解析手法や機械学習、データマイニングといった技術が様々な分野で活用されてきており、医療の分野においても疾病の予測等にこれらの技術を用いることが検討されてきている。
そこで、統計解析等を用いた疾病の危険性を予測する先行技術について説明する。特許文献1には、被験者から取得した唾液データと予め記憶していた相関データを比較することにより生活習慣病の判定を行う装置が開示されている。特許文献2には、被験者の体重と健診データ(総コレステロール等)との相関を解析し、当該解析結果から健康状態を推定する手法が開示されている。
上述の特許文献1に記載の装置は、唾液データと相関データの比較を行うことにより、唾液の取得時における生活習慣病の危険度を判定している。また特許文献2に記載の手法は、体重を基に検診時の健康状態の判定を行うものである。すなわち特許文献1及び2の技術は、複数の生体パラメータの関係性(相関)を基に、ある時点での疾病や健康状態のリスクを分析するものである。換言すると特許文献1及び2の技術は、将来的な疾病の危険性等を事前に予測することができない。なお一般的な生体情報モニタは、各生体パラメータの変動状況から将来の予測を行う(例えば心拍数が急激に減少している場合に心臓異常を素早く察知する)ことはできるが、複数のパラメータが関連する疾病に関する予測を行うことはできない。
そのため、複数のパラメータが関連する疾病の発生予測を行うことが出来る技術の確立が望まれている。ここでパラメータとは生体パラメータ(血圧、呼吸数、体温、脈波、心拍数等)のみならず、環境因子(温度、湿度、照度、騒音等)、被験者の属性(性別、年齢、居住地等)等を含む概念である。
本発明は上記した課題を鑑みてなされたものであり、複数のパラメータが関連するような疾病を事前に予測することが出来る疾病予測装置、疾病予測方法、及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
本発明にかかる疾病予測装置の一態様は、
被験者の生体状態を示す第1パラメータとして心拍数(HR)を取得する第1パラメータ取得部と、
前記被験者の生体状態を示す第2パラメータとして呼吸数(RR)を取得する第2パラメータ取得部と、
前記第1パラメータである心拍数(HR)と前記第2パラメータである呼吸数(RR)との関係を示す近似1次式(RR/HR)を算出する統計値算出部と、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きから疾病の予兆を定義した定義情報を記憶する記憶部と、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きが増加した場合に前記被験者に過呼吸の恐れがあると解析し、前記近似1次式(RR/HR)の傾きが減少した場合に前記被験者に不整脈の恐れがあると解析する解析部と、を備えるものである。
被験者の生体状態を示す第1パラメータとして心拍数(HR)を取得する第1パラメータ取得部と、
前記被験者の生体状態を示す第2パラメータとして呼吸数(RR)を取得する第2パラメータ取得部と、
前記第1パラメータである心拍数(HR)と前記第2パラメータである呼吸数(RR)との関係を示す近似1次式(RR/HR)を算出する統計値算出部と、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きから疾病の予兆を定義した定義情報を記憶する記憶部と、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きが増加した場合に前記被験者に過呼吸の恐れがあると解析し、前記近似1次式(RR/HR)の傾きが減少した場合に前記被験者に不整脈の恐れがあると解析する解析部と、を備えるものである。
また本発明にかかるプログラムの一態様は、
コンピュータに、
被験者の生体状態を示す第1パラメータとして心拍数(HR)の値と、前記被験者の生体状態を示す第2パラメータとして呼吸数(RR)の値と、の関係を示す近似1次式(RR/HR)を算出する統計算出ステップと、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きが増加した場合に前記被験者に過呼吸の恐れがあると解析し、前記近似1次式(RR/HR)の傾きが減少した場合に前記被験者に不整脈の恐れがあると解析する解析ステップと、
を実行させる、ものである。
コンピュータに、
被験者の生体状態を示す第1パラメータとして心拍数(HR)の値と、前記被験者の生体状態を示す第2パラメータとして呼吸数(RR)の値と、の関係を示す近似1次式(RR/HR)を算出する統計算出ステップと、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きが増加した場合に前記被験者に過呼吸の恐れがあると解析し、前記近似1次式(RR/HR)の傾きが減少した場合に前記被験者に不整脈の恐れがあると解析する解析ステップと、
を実行させる、ものである。
定義情報は、各生体パラメータ間の関係から疾病の予兆を定義している。解析部は、第1パラメータと第2パラメータから算出した統計値の変化を用いて解析を行う。当該統計値の変化は、被験者の身体の変化を示す有効な指標である。解析部は、この統計値の変化を定義情報と比較することにより、被験者の将来的な疾病発生の可能性を予測することが出来る。特に第1パラメータとして心拍数(HR)を扱い、第2パラメータとして呼吸数(RR)を扱う場合、被験者の過呼吸や不整脈の可能性を予測することが出来る。
本発明は、複数のパラメータが関連するような疾病を事前に予測することが出来る疾病予測装置、及びプログラムを提供することができる。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる疾病予測装置の構成を示すブロック図である。疾病予測装置1は、好適には複数の生体パラメータを取得する医療機器であり、例えば生体情報モニタである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる疾病予測装置の構成を示すブロック図である。疾病予測装置1は、好適には複数の生体パラメータを取得する医療機器であり、例えば生体情報モニタである。
疾病予測装置1は、第1パラメータ取得部11、第2パラメータ取得部12、統計値算出部13、記憶部14、解析部15、及び出力部16を備える。
第1パラメータ取得部11は、被験者の生体から各種の生体パラメータを取得する。第1パラメータ取得部11は、例えば被験者の生体に取り付けられる電極(図示せず)等と接続し、当該電極から生体信号を検出することにより生体パラメータを取得する。第1パラメータ取得部11は、取得値を統計値算出部13に供給する。ここで第1パラメータ取得部11が取得する生体パラメータは、例えば呼吸数(RR:Respiration Rate)、心電図(ECG)、脈拍数(PR:Pulse Rate)、心拍数(HR:Heart Rate)などである。
第2パラメータ取得部12は、第1パラメータ取得部11と同様に被験者の生体から各種の生体パラメータを取得する。ここで第2パラメータ取得部12は、第1パラメータ取得部11とは異なる生体パラメータを取得して、統計値算出部13に取得値を供給する。
なお以下の説明では、第1パラメータ取得部11が取得した生体パラメータを第1パラメータと呼称し、第2パラメータ取得部12が取得した生体パラメータを第2パラメータと呼称する。
統計値算出部13は、第1パラメータ取得部11の取得値と、第2パラメータ取得部12の取得値と、を基に統計値を算出する。ここで統計値とは、例えば相関係数、標準偏差(SD:Standard Deviation)、両パラメータの取得値を座標配置した際の近似式の傾き等である。図2を参照して、統計値の意味について詳細に説明する。図2において第1パラメータが心拍数(HR)であり、第2パラメータが脈拍数(PR)であるものとする。
図2に示すように各時点における心拍数(HR)と脈拍数(PR)の値を組とした座標系を定義する。例えば図2の(ア)は、ある時点での心拍数(HR)が60であり、脈拍数(PR)が76であることを意味している。そして、統計値算出部13は、定期的に相関係数、標準偏差、近似式(HR/PR)の傾きを算出する。ここで統計値算出部13は、解析部15の解析内容に応じて算出する統計値の種別を切り替える。例えば統計値算出部13は、標準偏差が基準を越えればノイズと判定して処理を終了し(図3(A)(ウ)を用いて後述する。)、そうでなければ近似式(HR/PR)の傾きも算出する。統計値算出部13は、算出した統計値を解析部15に供給する。
記憶部14は、第1パラメータと第2パラメータの関係から疾病の予兆を定義した定義情報を記憶する。記憶部14は、好適には疾病予測装置1内の2次記憶装置(例えばハードディスク等)である。なお記憶部14は、疾病予測装置1に着脱可能な単体装置(例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)であってもよい。
記憶部14が記憶する定義情報は、例えば第1パラメータと第2パラメータから算出された統計値の経時的変化の傾向と疾病発生のリスクを定義したものである。具体例は解析部15の処理と共に後述する。
解析部15は、記憶部14に記憶された定義情報と、統計値算出部13が算出した統計値(相関係数、標準偏差、近似式の傾き)と、に基づいて被験者の疾病の予兆を解析する。換言すると解析部15は、表面的には異常値ではないものの、将来的に疾病(例えば心疾患)の危険性があることを予測するものである。当該解析処理の詳細は、具体的なデータ例を用いて後述する。
出力部16は、音または表示により使用者(医師、看護師、被験者等)に疾病の予兆があることを通知する。出力部16は、一般的な生体情報モニタの液晶モニタやスピーカ及びその周辺回路等である。なお出力部16は、疾病予測装置1内の通信機能と連携して疾病の予兆を検出したことを他の端末(例えば担当看護師の携帯端末)に送信するような出力を行ってもよい。
続いて解析部15による解析処理の具体例を説明する。
(解析部15の解析例(心疾患の予測))
はじめに記憶部14に記憶された定義情報の例を図3(A)及び図3(B)を参照して説明する。図3(A)は、第1パラメータが心拍数(HR)であり、第2パラメータが脈拍数(PR)である場合の両パラメータの関係性を定める定義情報である。心拍数(HR)は、心電図(ECG)のQRS波を基に算出した心臓の拍動数(1分間の拍動回数)である。また脈拍数(PR)は、動脈の拍動の変化を末梢部位(例えば指先)に取り付けたプローブでカウントした1分間の数値である。両パラメータは心臓の拍動に起因する数値であるため、同一被験者から算出した心拍数(HR)と脈拍数(PR)は原理的には同数となる。しかし、様々な理由から両者が一致しない場合がある。
はじめに記憶部14に記憶された定義情報の例を図3(A)及び図3(B)を参照して説明する。図3(A)は、第1パラメータが心拍数(HR)であり、第2パラメータが脈拍数(PR)である場合の両パラメータの関係性を定める定義情報である。心拍数(HR)は、心電図(ECG)のQRS波を基に算出した心臓の拍動数(1分間の拍動回数)である。また脈拍数(PR)は、動脈の拍動の変化を末梢部位(例えば指先)に取り付けたプローブでカウントした1分間の数値である。両パラメータは心臓の拍動に起因する数値であるため、同一被験者から算出した心拍数(HR)と脈拍数(PR)は原理的には同数となる。しかし、様々な理由から両者が一致しない場合がある。
換言すると、理想的には心拍数(HR)と脈拍数(PR)から算出した相関係数は1に限りなく近い。また理想的には、心拍数(HR)と脈拍数(PR)から算出した標準偏差は、ばらつきが小さいために限りなく小さい値となる。ここで相関係数も減少し、脈拍数(PR)の平均値(以下、PRaveとも記載する。)に0.1(10%)を乗じた値よりも脈拍数(PR)の標準偏差(SD)が大きくなっている場合(|SD|>=0.1*PRave)、指先から測定することが多い脈拍数(PR)の値が体動ノイズによって変動していることが想定される(図3(A)(ウ))。そのため、この場合には疾病発生の予兆とは判断しないことが定義されている。なお図3(A)のケースでは体動ノイズに関する定義のみが記載されているが、必ずしもこれに限られず、SpO2プローブの接触不良や外来光等に起因するノイズを考慮した定義が行われても勿論良い。以下、ノイズ以外のケース(図3(A)(ア)(イ))について検討する。
相関係数の値が減少している場合、何らかの要因により両パラメータの値の差が大きくなってきたことが想定される。この場合において、両パラメータの最新データ及び最新データから遡った所定数のデータを用いて求めた近似式の傾き(例えば最小二乗法で算出した1次式の傾きである。以下の例では、「近似1次式(HR/PR)の傾き」と表現する。)が大きくなってきた場合、1つの脈拍がカウントされる間に、心臓が異常に速く駆動して複数回の心拍がカウントされたことが想定される。すなわち、頻拍等の心臓異常の危険が想定される(図3(A)(ア))。また、一つの心拍に対して脈拍が非常に遅いとも捉えることができ、このような観点からも心肺機能の循環不全等の心臓異常が疑われる(図3(A)(ア))。
一方、心拍数(HR)と脈拍数(PR)の相関係数の値が減少している場合において、近似1次式(HR/PR)の傾きが大きくなってきた場合を検討する。この場合、1つの脈拍に対して、心拍数としてカウントされない拍動があることが想定される。そのため、不整脈の疑いがあることを意味している(図3(A)(イ))。
定義情報(図3(A))は、このように第1パラメータと第2パラメータの関係から、統計値がどのように変化した場合に、どのような疾病の危険性があるかを定義したものである。換言すると第1パラメータと第2パラメータから算出された統計値(相関係数、標準偏差、近似1次式(HR/PR)の傾き)の経時的変化と疾病の予兆の関係を定めるものである。
図4は、心拍数(HR)と脈拍数(PR)から求めた近似1次式(HR/PR)の傾きの変化と疾病予兆の関係を示した概念図である。ノイズ等の影響を受けておらず、かつ身体の状態に異常がない場合には、心拍数(HR)と脈拍数(PR)はほぼ同じ値となる。これに対して近似1次式(HR/PR)の傾きが増加した場合、上述のように心臓異常の予兆と捉えることが出来る。一方、近似1次式(HR/PR)の傾きが減少した場合、上述のように不整脈等の予兆と捉えることが出来る。
解析部15は、この定義情報(図3(A))を基に疾病の予兆の予測を行う。前提として統計値算出部13は、心拍数(HR)と脈拍数(PR)の相関係数、標準偏差、及び近似1次式(HR/PR)の傾きを逐次算出する。解析部15は、心拍数(HR)と脈拍数(PR)のデータを蓄積していき、蓄積データを用いて解析を行う。
統計値算出部13による統計値の算出処理の詳細について説明する。統計値算出部13は、一般的な相関係数算出式を用いて心拍数(HR)と脈拍数(PR)の相関係数を算出する。
また統計値算出部13は、一般的な標準偏差算出式に従って脈拍数(PR)の標準偏差を算出する。
更に統計値算出部13は、最小二乗法等を用いて心拍数(HR)と脈拍数(PR)を1次関数で表した場合の傾きを算出する。例えば統計値算出部13は、図2において最新のデータから10個のデータを取り出し、当該10個のデータを用いて最小二乗法を行って近似1次式(HR/PR)の傾きを算出する。
統計値算出部13は、このように最新のデータから遡って所定数以上のデータを用いて統計値(相関係数、標準偏差、近似1次式(HR/PR)の傾き)を算出することが好ましい。例えば最新のデータと1つ前のデータのみを用いて近似1次式(HR/PR)の傾き等を求めた場合、体動の影響等を強く受けてしまい、誤った値を算出してしまう恐れがある。しかし所定数以上のデータを用いることにより、統計値算出部13はこのような外れ値の影響を小さくすることができ、精度の良い統計値を算出することが出来る。
解析部15は、定義情報(図3(A))を参照し、統計値算出部13が算出した統計値の経時的変化と定義情報(図3(A))を比較して疾病予兆の解析を行う。例えば相関係数が減少し、かつ脈拍数(PR)の標準偏差が平均脈拍数(PR)の10%未満であり、近似1次式(HR/PR)の傾きが増加している場合、解析部15は心臓異常の恐れがあると解析する。
なお解析部15は、定義情報に合致した状態となった場合に即座に疾病の予兆があると判定するのではなく、一定時間を超えて定義情報に合致した状態となった場合に被験者に疾病の予兆があると判定してもよい。これにより解析部15は、ノイズ等の影響によって一時的に測定値が変化したような場合を適切にキャンセルできるになり、より精度の高い疾病予兆の解析を実現できる。
上述の処理では、統計値として(相関係数、標準偏差、近似1次式(HR/PR)の傾き)を全て用いたが、必ずしもこれに限らない。例えば解析部15は、相関係数と標準偏差のみを求めて近似式を使用せずに解析処理を行ってもよい。
心拍数(HR)と脈拍数(PR)は同じ値になることが一般的であるため、近似1次式(HR/PR)の傾きが変化することにより、何らかの異常があることがわかる。また解析部15は、近似1次式(HR/PR)の傾きの変化の方向により、どのような異常が生じているかを判断することが出来る。何らかの身体的な異常が生じてきた場合には心拍数(HR)と脈拍数(PR)の値にバラつきが生じ始めるため、相関係数の値が下がることが想定される。このため解析部15は、標準偏差や相関係数の値も考慮したうえで判断することにより更に精度良く疾病(主に心疾患)の予測を行うことが出来る。なお、近似1次式(HR/PR)の傾きを用いることなく、相関係数や標準偏差のみを用いて解析を行うことも可能である。上述のように心拍数(HR)と脈拍数(PR)は同じ値になることが理想であるため、両パラメータのバラツキが大きくなってきた場合、原因は明らかではないものの、何らかの異常が生じたと解析することが出来るためである。
(解析部15の解析例(心拍数と呼吸を用いた予測))
図3(A)では心拍数(HR)と脈拍数(PR)の関係から疾病予測を行う定義情報を用いたが、その他の生体パラメータを用いて同様の解析を行うこともできる。図3(B)は、心拍数(HR)と呼吸数(RR)と疾病の発生の関係を定義した定義情報である。図5は、ある被験者の心拍数(HR)と呼吸数(RR)の関係をプロットした図である。図5に示すように一般的に心拍数(HR)と呼吸数(RR)の相関は小さい。換言すると両パラメータの関連は小さい。
図3(A)では心拍数(HR)と脈拍数(PR)の関係から疾病予測を行う定義情報を用いたが、その他の生体パラメータを用いて同様の解析を行うこともできる。図3(B)は、心拍数(HR)と呼吸数(RR)と疾病の発生の関係を定義した定義情報である。図5は、ある被験者の心拍数(HR)と呼吸数(RR)の関係をプロットした図である。図5に示すように一般的に心拍数(HR)と呼吸数(RR)の相関は小さい。換言すると両パラメータの関連は小さい。
しかしながら、相関係数が増加し(相関のある方向に値が変化し)、近似1次式(RR/HR)の傾きが増加している場合、一つの心拍数が測定される間に呼吸数が異常に多く検出されていることを意味している。すなわちこのケースでは過呼吸等の恐れがある(図3(B)(ア))。そのため、リハビリテーションの実行時にこの様な状況を検出した場合、運動過多の恐れがあり、運動停止命令を音出力することやリハビリプログラムを見直す等の対応を取るべきである。
一方、相関係数が増加し(相関のある方向に値が変化し)、近似1次式(RR/HR)の傾きが減少している場合、一つの呼吸が測定される間に心拍が異常に多く検出されていることを意味している。この場合には、心拍数のダブルカウント等の恐れ、すなわち運動性の脚ブロック等の不整脈の恐れがある。そのため、例えばリハビリテーションの実行中等にこのような状況を検出した場合、不整脈の予兆があるため、運動停止命令を音出力することやリハビリプログラムを見直す等の対応を取るべきである。
解析部15は、この定義情報(図3(B))と統計値算出部13が算出した統計値を比較して疾病予兆の解析を行う。例えば相関係数が増加し、近似1次式(RR/HR)の傾きが増加している場合、解析部15は運動過多の恐れがあると解析する。なお本例においても解析部15は、近似1次式(RR/HR)の傾きのみを用いて簡易的に疾病の予兆の解析を行うことも可能である。
以上が解析部15による解析処理の具体例である。なお定義情報は図3に示すものに限られず、他の生体パラメータを用いて定義することも勿論可能である。また疾病予測装置1の使用開始後に、ユーザが図示しない入力装置(マウス、キーボード等)を用いて新たな定義情報を定義することも可能である。
続いて本実施の形態にかかる疾病予測装置1の効果について説明する。定義情報は、各生体パラメータ間の関係から疾病の予兆を定義している。解析部15は、第1パラメータと第2パラメータから算出した統計値の変化を用いて解析を行う。当該統計値の変化は、被験者の身体の変化を示す有効な指標である。解析部15は、この統計値の変化を定義情報と比較することにより、被験者の将来的な疾病発生の可能性を予測することが出来る。疾病発生の可能性を事前に予測できることにより、各生体パラメータが異常値(例えば心電図がVF状態)となる前であってもアラームによる通知等をすることが出来る。
より詳細には、解析部15は第1パラメータと第2パラメータの近似式の傾きの変化に応じて疾病の予兆を解析している(図3(A)等)。当該近似式の傾きの算出は計算量の少ない処理であり、疾病予測装置1が生体情報モニタ等の装置である場合にも容易に組み込むことが出来る処理である。
更に解析部15は、第1パラメータと第2パラメータの相関係数や標準偏差の変化も考慮して疾病の予兆を解析している。相関係数は両パラメータの相関関係を示し、標準偏差はデータのバラツキを定義する。解析部15は、相関係数の変化や標準偏差の変化を扱うことにより、身体状態が変化してきたことを客観的に検出できるようになる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
例えば上述の例では第1パラメータ及び第2パラメータが被験者の生体から取得する生体パラメータであるものとして説明したが、必ずしもこれに限られない。すなわち第1パラメータ及び第2パラメータの一方が環境因子(気温、湿度、照度、騒音)や属性情報(性別、年齢、居住地)等であってもよい。この場合であっても、第1パラメータと第2パラメータの関係を医学的な見地から定義情報として定義することにより、疾病予兆の解析を行うことが出来る。
上記の統計値算出部13及び解析部15の各処理は、疾病予測装置1内で動作するコンピュータプログラムとして実現することができる。すなわち疾病予測装置1は、一般的なコンピュータが備えるCPU(Central Processing Unit)、ハードディスクドライブ、キャッシュメモリ等も備えているものとする。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1 疾病予測装置
11 第1パラメータ取得部
12 第2パラメータ取得部
13 統計値算出部
14 記憶部
15 解析部
16 出力部
11 第1パラメータ取得部
12 第2パラメータ取得部
13 統計値算出部
14 記憶部
15 解析部
16 出力部
Claims (5)
- 被験者の生体状態を示す第1パラメータとして心拍数(HR)を取得する第1パラメータ取得部と、
前記被験者の生体状態を示す第2パラメータとして呼吸数(RR)を取得する第2パラメータ取得部と、
前記第1パラメータである心拍数(HR)と前記第2パラメータである呼吸数(RR)との関係を示す近似1次式(RR/HR)を算出する統計値算出部と、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きから疾病の予兆を定義した定義情報を記憶する記憶部と、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きが増加した場合に前記被験者に過呼吸の恐れがあると解析し、前記近似1次式(RR/HR)の傾きが減少した場合に前記被験者に不整脈の恐れがあると解析する解析部と、を備える疾病予測装置。 - 前記統計値算出部は、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの最新データから順に所定数以上のデータを抽出し、抽出したデータを用いて前記近似1次式(RR/HR)を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の疾病予測装置。
- 前記解析部は、前記近似1次式(RR/HR)の変化が前記定義情報に定義する状態となってから一定時間経過した場合に、前記被験者に疾病の予兆があると判断する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の疾病予測装置。
- 被験者の生体状態を示す第1パラメータとして心拍数(HR)を取得する第1パラメータ取得部と、
前記被験者の生体状態を示す第2パラメータとして呼吸数(RR)を取得する第2パラメータ取得部と、
前記第1パラメータである心拍数(HR)と前記第2パラメータである呼吸数(RR)との関係を示す近似1次式(RR/HR)を算出する統計値算出部と、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きから疾病の予兆を定義した定義情報を記憶する記憶部と、
前記心拍数(HR)と前記呼吸数(RR)の相関係数が増加して前記近似1次式(RR/HR)の傾きが増加した場合に前記被験者に過呼吸の恐れがあると解析し、前記心拍数(HR)と前記呼吸数(RR)の相関係数が増加して前記近似1次式(RR/HR)の傾きが減少した場合に前記被験者に不整脈の恐れがあると解析する解析部と、を備える疾病予測装置。 - コンピュータに、
被験者の生体状態を示す第1パラメータとして心拍数(HR)の値と、前記被験者の生体状態を示す第2パラメータとして呼吸数(RR)の値と、の関係を示す近似1次式(RR/HR)を算出する統計算出ステップと、
前記近似1次式(RR/HR)の傾きが増加した場合に前記被験者に過呼吸の恐れがあると解析し、前記近似1次式(RR/HR)の傾きが減少した場合に前記被験者に不整脈の恐れがあると解析する解析ステップと、
を実行させる、プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018070517A JP2018138170A (ja) | 2018-04-02 | 2018-04-02 | 疾病予測装置、及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018070517A JP2018138170A (ja) | 2018-04-02 | 2018-04-02 | 疾病予測装置、及びプログラム |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014164703A Division JP6318047B2 (ja) | 2014-08-13 | 2014-08-13 | 疾病予測装置、及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018138170A true JP2018138170A (ja) | 2018-09-06 |
Family
ID=63450866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018070517A Pending JP2018138170A (ja) | 2018-04-02 | 2018-04-02 | 疾病予測装置、及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018138170A (ja) |
-
2018
- 2018-04-02 JP JP2018070517A patent/JP2018138170A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11445983B2 (en) | Non-invasive determination of disease states | |
US20230404412A1 (en) | Rapid detection of bleeding before, during, and after fluid resuscitation | |
JP6857612B2 (ja) | 心血管劣化の警告スコア | |
JP5584413B2 (ja) | 患者監視システム及び監視する方法 | |
JP6370209B2 (ja) | 生体情報予測装置、生体情報予測方法、及びプログラム | |
US11395634B2 (en) | Estimating physiological states based on changes in CRI | |
CN106415695B (zh) | 用于显示生理数据集中的趋势和变化性的方法和设备 | |
CN104838382B (zh) | 用于优化数据收集频率的方法、系统、介质及监测站 | |
US20160038043A1 (en) | Assessing Effectiveness of CPR | |
US10531838B2 (en) | Apparatus, system, method and computer program for assessing the risk of an exacerbation and/or hospitalization | |
US11445975B2 (en) | Methods and systems for improved prediction of fluid responsiveness | |
WO2017218431A1 (en) | Rapid detection of bleeding following injury | |
JP7010698B2 (ja) | 急性呼吸促迫症候群(ards)のリスクスコアによって導かれる換気治療推薦のためのツール | |
WO2016061542A1 (en) | Rapid detection of bleeding before, during, and after fluid resuscitation | |
US20170281020A1 (en) | Rapid Detection of Bleeding Following Injury | |
CA3036417A1 (en) | Estimating physiological states based on changes in cri | |
JP6318047B2 (ja) | 疾病予測装置、及びプログラム | |
EP3203900A1 (en) | Weaning readiness indicator, sleeping status recording device, and air providing system applying nonlinear time-frequency analysis | |
US20160287092A1 (en) | Blood vessel mechanical signal analysis | |
KR102467212B1 (ko) | 웨어러블 심전도 패치를 이용한 재택 심장 재활 시스템 | |
US20240057925A1 (en) | Health Monitoring and Management System Using Ectopic Beats as Early Cardiac Health Marker | |
JP2018138170A (ja) | 疾病予測装置、及びプログラム | |
JP7466548B2 (ja) | 呼吸警報を発生させるための装置及びシステム | |
EP4295782A1 (en) | Evaluation device, evaluation system, evaluation method, evaluation program, and recording medium | |
WO2022240812A1 (en) | Non-invasive detection and differentiation of sepsis |