JP2018134502A - 遊技機 - Google Patents

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規晶 大池
Noriaki Oike
規晶 大池
澤田 盛弘
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盛弘 澤田
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Abstract

【課題】遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を特定装置へ報せることができる遊技機を提供すること。【解決手段】枠開放検出回路280には、積分回路281が設けられているので、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下り期間を一定期間(約2ms)にして、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧の立ち上がり期間を約10msに留めることができる。よって、内枠12または前面枠14の開放が行われた場合に、24時間動作し続けるホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。従って、パチンコ機への電源供給が遮断され、コンデンサCD1から直流電圧が供給されている場合でも、電荷の消費を抑制しつつ、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。【選択図】図20

Description

本発明は、パチンコ機、回胴式遊技機(例えばスロットマシン)、或いは遊技球を使用した回胴式遊技機等に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機では、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入球すると、その入球のタイミングで抽選が行われる。また、スロットマシンや遊技球を使用した回胴式遊技機では、スタートレバーを操作すると、その操作したタイミングで抽選が行われる。抽選の結果、例えば大当たりになると、大量の賞球やコインの払い出しが可能な状態となる。この抽選および大当たりを決定するための制御は、主制御装置によって行われるので、主制御装置が不正行為の対象になり易い。
具体的な不正行為としては、例えば、主制御装置を、大当たりが頻繁に発生する不正なものに取り替えたり、或いは、主制御装置に不正な基板(例えば「ぶら下げ基板」)を接続して、大当たりを不正に発生させるものなどがある。また、パチンコ機の場合、遊技盤面上に打ち込まれている釘を不正に曲げて、入賞口や図柄作動口へ球が入球し易くする不正行為もある。
パチンコ機の場合、主制御装置は遊技盤の裏面に装着されている。一方、遊技盤の前面には、ガラス枠が設けられ、このガラス枠は、遊技盤が装着される内枠体に対して、それぞれ個別に開閉可能にされている。よって、不正行為者が遊技盤面や主制御装置に対して不正行為を行う場合には、内枠またはガラス枠を開放しなければならないが、内枠またはガラス枠が開放された場合には、その開放がセンサによって検出され、遊技場を管理するホールコンピュータへ報されるので、どのパチンコ機に対して不正行為がなされたかは容易に把握することができる。
特開2001−198332号公報
しかしながら、遊技場の閉店後の例えば深夜に、不正行為者が侵入し、その侵入者が内枠またはガラス枠を開放して不正行為を行った場合、そのときにはパチンコ機の電源は断されており、パチンコ機は停止しているので、内枠またはガラス枠の開放を検知することができず、その開放をホールコンピュータに報せることができないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を特定装置へ報せることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うものである。なお、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側を示している。
請求項2記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止するものである。
請求項3記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段と、その出力期間制限手段に接続され、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記出力期間制限手段へ入力される信号を前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段と、前記出力期間制限手段と出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えている。
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技機において、前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されている。
請求項5記載の遊技機は、請求項3又は4に記載の遊技機において、前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えている。
請求項6記載の遊技機は、請求項5記載の遊技機において、前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されている。
請求項1記載の遊技機によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
更に、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
更に、特定装置へ検出結果を出力する出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
更に、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、請求項3記載の遊技機によれば、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、請求項3記載の遊技機によれば、入力期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項3記載の遊技機の奏する効果に加え、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができるという効果がある。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間を所定期間内で自由に調整することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項3又は4に記載の遊技機の奏する効果に加え、定電圧手段を設けているので、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にして、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めることができるという効果がある。
また、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成している場合には、積分回路に用いるコンデンサに電荷が蓄えられ、この電荷による電圧が、出力期間制限手段へ入力される信号と重畳されて、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加される虞がある。しかし、請求項5記載の遊技機によれば、定電圧手段により、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にしているので、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧は出力期間制限手段に印加されない。よって、出力期間制限手段の破壊を防止することができるという効果がある。
請求項6記載の遊技機によれば、請求項5記載の遊技機の奏する効果に加え、ツェナーダイオードにより定電圧手段を構成しているので、複雑な回路により構成される定電圧回路等と比較して、簡単な構成且つ安価に、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にすることができる。よって、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードを用いて、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めつつ、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加されることを防止することができるという効果がある。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態におけるパチンコ機の斜視図である。 スイッチの構造を示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 枠開放検出回路及び外部出力端子板の電気的構成を示したブロック図である。 内枠の状態、前面枠の状態、タイマのTRG端子電圧、タイマのOUT端子電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 メイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。 変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 タイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 NMI割込処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示したブロック図である。 内枠12の状態、前面枠14の状態、第2実施形態の枠開放検出回路のAの電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。 第3実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示したブロック図である。 内枠の状態、前面枠の状態、第3実施形態のタイマのTRG端子電圧、第3実施形態のタイマのOUT端子電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。更に、本実施の形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施の形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の内部構成について説明する。図4は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠11が設けられ、この外枠11に対して内枠12が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12は開閉可能に支持される。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース52を主体に構成されており、内枠ベース52の中央部には略円形状の中央窓52aが形成されている。内枠ベース52の裏面側には遊技盤13の取付部が設けられ、遊技盤13が着脱可能に装着される。
内枠ベース52の中央窓52aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bが形成されている。取付面52bには、球を遊技盤13の前面に発射するための発射ユニット140や、上皿17および下皿50に球を排出する通路を形成する通路形成部材53等が取り付けられる。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bとから構成される。また、スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
ここで、図5を参照して、スイッチSW1およびスイッチSW2の構造について説明する。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは同一の構造であるので、スイッチSW1についてその構造を説明し、スイッチSW2についてはその説明を省略する。
図5は、スイッチSW1の構造を示した図である。図5(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW1の状態(遮断状態)を示した図である。また、図5(b)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW1の状態(導通状態)を示した図である。
図5(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aには、導電部材である金属から構成される一対の端子対SW1cが内蔵されている。内枠12が閉鎖された状態においては、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aに、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが内挿される状態となり、端子対SW1c同士の接触が妨げられる。よって、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW1は導通が遮断された状態となる。
一方、図5(b)に示すように、内枠12が開放された状態においては、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aから、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが引き抜かれた状態となる。雌型スイッチSW1aに内蔵される端子対SW1cは、互いに対向する方向に付勢力が発生する構造であるため、雄型スイッチSW1bが雌型スイッチSW1aから引き抜かれた状態では、端子対SW1c同士が接触する。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW1は導通された状態となる。
このように、スイッチSW1は、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。ただし、スイッチSW1の構造は、図5に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW1が遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW1が導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW2の構造についても同様である。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図11参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
また、主制御装置110には、スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260が設けられている。枠開放検出回路260には、内枠12の開放を検出するスイッチSW1と、前面枠14の開放を検出するスイッチSW2と、ホールコンピュータ262と接続可能に構成された外部出力端子板261とが接続されている。なお、スイッチSW1およびスイッチSW2と枠開放検出回路260との接続、並びに枠開放検出回路260と外部出力端子板261との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205とは異なる入出力ポート、図示せず)を介して接続が行われている。枠開放検出回路260は、スイッチSW1が導通して内枠12の開放を検出すると、または、スイッチSW2が導通して前面枠14の開放を検出すると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、パルス幅10msのパルス信号を出力する。外部出力端子板261から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
なお、枠開放検出回路260は、主制御装置110のMPU201や入出力ポート205(MPU201の入出力ポート)と非接続に構成されている。よって、この枠開放検出回路260を、主制御装置110以外の他の装置(回路基板)に搭載するように構成しても良い。例えば、MPUやCPUなどの演算装置の搭載されない装置(回路基板)上に搭載しても良いし、枠開放検出回路260の専用基板を設けて、そこに搭載するようにしても良い。より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、枠開放検出回路260を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付しても良い。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータを記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図17参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図7を参照して、枠開放検出回路260および外部出力端子板261を説明する。図7は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7では、まず枠開放検出回路260を説明し、次に外部出力端子板261を説明する。
内枠12の開放または前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260は、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1と、ダイオードD1と、コンデンサCD1〜CD5と、抵抗R1〜R4と、C−MOSタイマであるタイマIC1(ナショナルセミコンダクタ社製LMC555)と、内部抵抗R5および内部抵抗R6が設けられたトランジスタTR1とを主に有している。
スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出するために、枠開放検出回路260は、上記の部品が図7に示すブロック図に従って接続される。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは並列接続された上で枠開放検出回路260に接続されているので、いずれか一方のスイッチが導通すれば、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
直流電源DC1は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ12ボルトの直流電圧を供給する電源である。直流電源DC1への電力(電源)は、電源装置115に設けられた電源部251から図示しない電源経路を通じて供給される。この直流電源DC1は、ダイオードD1のアノード端子と接続される。ダイオードD1のカソード端子には0.1F(ファラッド)のコンデンサCD1の一端が接続されている。そして、コンデンサCD1の他端はグランドされている。また、コンデンサCD1の一端は、スイッチSW1の一端と、スイッチSW2の一端と、タイマIC1のVDD端子およびRES端子と接続されている。
コンデンサCD1は、パチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する充電池の機能を発揮する部品である。
これは、コンデンサCD1は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD1の容量0.1F(ファラッド)とコンデンサCD1に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される12ボルトからダイオードD1での電圧降下約0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、コンデンサCD1は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD1に蓄えられた電荷に基づく直流電圧(約11.3ボルト)を枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ供給する。
よって、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、コンデンサCD1により供給される直流電圧によって動作して、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。なお、本実施形態においては、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する部品として、コンデンサCD1を使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD1を、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
また、コンデンサCD1の一端には、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD1から枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧(約11.3ボルト)が供給されている場合でも、その直流電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。
タイマIC1は、C−MOSタイマであり、100kΩの抵抗R1〜R2と、0.1μFのコンデンサCD3〜CD5との接続によって、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10msの間通電する回路として機能する。
このタイマIC1の動作電圧範囲は、主制御装置110に搭載されるMPU201、払出制御装置111に搭載されるMPU211、音声ランプ制御装置113に搭載されるMPU221および表示制御装置114に搭載されるMPU231の各動作電圧範囲よりも広範囲に設定されている。具体的には、タイマIC1の動作電圧範囲は、約1.5ボルトから約12.0ボルトであるのに対し、MPU201,211,221,231の各動作電圧範囲は、約4.5ボルトから約5.5ボルト(なお、本実施形態の各動作電圧は約5.0ボルト)である。よって、タイマIC1は、MPU201,211,221,231の各動作電圧よりも低い電圧で動作できる。従って、コンデンサCD1に蓄えられた電荷が少なくなり、コンデンサCD1により供給される電圧が約4.5ボルト未満に低下したとしても、タイマIC1は、十分に動作することができる。また、タイマIC1は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、コンデンサCD1により直流電圧が供給されている場合と、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合とで兼用している。よって、当然に、タイマIC1は、パチンコ機10への電源供給が行われている場合に枠開放検出回路260へ供給される直流電圧12ボルト以下で動作可能である。更に、タイマIC1は、C−MOS半導体で構成されるタイマであるので、動作時の消費電力を抑制し、長時間の動作が可能である。
このタイマIC1のVDD端子は、タイマIC1に供給された直流電圧を入力する端子であり、コンデンサCD1の一端と接続されている。また、タイマIC1のVDD端子は、0.1μFのコンデンサCD4の一端と接続され、このコンデンサCD4の他端は、グランドされたタイマIC1のGND端子と接続されている。このコンデンサCD4によって、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通または遮断された際に(内枠12および前面枠14が開放または閉鎖された際に)、タイマIC1のVDD端子に発生するノイズを低減している。
タイマIC1のRES端子は、RES端子にパルス信号が入力された場合に、OUT端子から出力されている電圧を強制的に出力停止状態(ゼロボルト)にするリセット機能を作動させるための端子である。ただし、本枠開放検出回路260では、このリセット機能を使用しないので、タイマIC1のRES端子をコンデンサCD1の一端に接続して、リセット機能が作動しないようにしている。なお、タイマIC1のVDD端子およびタイマIC1のRES端子は、上述の通り、コンデンサCD1の一端と接続されているので、タイマIC1のVDD端子およびRES端子には、約11.3ボルトの直流電圧が印加される。
タイマIC1のTRG端子は、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には(内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合には)、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を約10.6ボルトに設定し、一方、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態となった場合には(内枠12又は前面枠14のいずれか一方、または内枠12および前面枠14の両方が開放状態となった場合には)、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を約10ms後に約10.6ボルトからゼロボルトに設定するための端子である。タイマIC1のTRG端子は、抵抗R2の一端、コンデンサCD5の一端、スイッチSW1の他端、スイッチSW2の他端、抵抗R1の一端および外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。なお、抵抗R2の他端およびコンデンサCD5の他端は、グランドされている。
タイマIC1のTRG端子に接続される抵抗R2は、内枠12および前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態(図5(b)参照)となったときに、タイマIC1のTRG端子に直流電圧(約11.3ボルト)を印加するための抵抗である。また、このコンデンサCD5は、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通または遮断された際に(内枠12および前面枠14が開放または閉鎖された際に)、抵抗R2に発生するノイズを低減するためのコンデンサである。
上記の接続により、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態にあるときには(内枠12および前面枠14が閉鎖状態にあるときには)、抵抗R2およびコンデンサCD5に電圧が供給されないので、抵抗R2およびコンデンサCD5に印加される電圧は(タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は)、ゼロボルトとなる。このとき、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は約10.6ボルトとなる。
一方、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態にあるときには(内枠12又は前面枠14のいずれか一方、または内枠12および前面枠14の両方が開放状態にあるときには)、抵抗R2およびコンデンサCD5に電圧が供給されるので、抵抗R2およびコンデンサCD5に印加される電圧は(タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は)、コンデンサCD1の一端に印加される電圧と同じ約11.3ボルトとなる。このとき、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態となってから約10msの間は約10.6ボルトとなり、その後、ゼロボルトとなる。
このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧により、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を、約10.6ボルトかゼロボルトかのいずれか一方に設定することができる。なお、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され(内枠12または前面枠14が開放され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R2に印加される電圧)がゼロボルトから約11.3ボルトに変化すると、上述の通り、その電圧の立ち上がりから約10ms遅れて、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がる。そして、詳細は後述するが、このタイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R2に印加される電圧)の立ち上がりと、タイマIC1のOUT端子から出力されている電圧の立ち下がりとの時間差(約10ms)によって、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10msだけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が約10msの間だけ通電される。
タイマIC1のOUT端子は、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断され(内枠12および前面枠14が閉鎖され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトになると、約10.6ボルトの電圧を出力し、一方、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され(内枠12または前面枠14が開放され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が約11.3ボルトに立ち上がると、その立ち上がりから約10ms遅れて、出力している約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに設定する端子である。このOUT端子は、10kΩの抵抗R3の一端と接続される。この抵抗R3の他端は、コンデンサCD2の一端および10kΩの抵抗R4の一端と接続されており、コンデンサCD2の他端および抵抗R4の他端は、グランドされている。
抵抗R3および抵抗R4は、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を分圧するための分圧抵抗である。よって、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は、抵抗R3の抵抗値と抵抗R4の抵抗値との比に応じて、抵抗R3と抵抗R4とに分圧される。抵抗R3と抵抗R4とは共に10kΩであるので、タイマIC1のOUT端子から出力される約10.6ボルトの電圧は、抵抗R3と抵抗R4とにより、それぞれ最大値約5.3ボルトずつに分圧される。
抵抗R4に並列に接続される10μFのコンデンサCD2は、抵抗R4に印加される電圧を安定化させるためのコンデンサである。このコンデンサCD2の一端は、抵抗R4の一端と接続され、コンデンサCD2の他端は、抵抗R4の他端と接続されて、グランドされている。このコンデンサCD2により、抵抗R4に印加される電圧を安定化させることで、トランジスタTR1のベース端子bとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間に印加されるバイアス電圧を安定化させて、トランジスタTR1の動作を安定化させることができる。
トランジスタTR1は、抵抗R4に印加される電圧に基づいて、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間を、導通または遮断のいずれか一方に切り換えるスイッチング素子である。トランジスタTR1には、10kΩの内部抵抗R5が設けられている。この内部抵抗R5の一端には、抵抗R4の一端が接続され、内部抵抗R5の他端には、ベース端子bが接続されている。また、トランジスタTR1には、10kΩの内部抵抗R6が設けられている。この内部抵抗R6の一端には、内部抵抗R5の他端が接続され、内部抵抗R6の他端には、エミッタ端子eが接続されている。
よって、タイマIC1のOUT端子から約10.6ボルトの電圧が出力されている場合には(内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合、ならびに、内枠12または前面枠14が開放されてから約10ms内である場合には)、その電圧が抵抗R3と抵抗R4で分圧され、抵抗R4に印加された電圧(約5.3ボルト)が、トランジスタTR1の内部抵抗R5の一端とトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間に印加される。これにより、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通される。このとき、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態(内枠12または前面枠14が開放状態)であれば、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに切り換わるまで、即ち、内枠12または前面枠14が開放されてから約10msの間、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給される。抵抗R7の一端に電流が供給されれば、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10msの間、通電し、ホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。ただし、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには、コンデンサCD1の一端と外部出力端子板261に設けられた抵抗R7との接続が遮断される。よって、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電されず、ホールコンピュータ262へパルス信号は出力されない。
一方、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトの場合には(内枠12または前面枠14が開放されてから約10msが経過した場合)、抵抗R4に電圧が印加されないので、トランジスタTR1の内部抵抗R5の一端とトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間にも電圧が印加されない。これにより、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が遮断される。よって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態(内枠12または前面枠14が開放状態)であっても、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電されず、ホールコンピュータ262へパルス信号は出力されない。
このように、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ約10msの間だけ通電することができる。よって、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ約10msのパルス幅のパルス信号を出力することができる。
タイマIC1のTH端子は、TH端子に印加される電圧を計測する端子であり、抵抗R1の他端と、コンデンサCD3の一端と、タイマIC1のDCH端子とに接続されている。タイマIC1のDCH端子は、タイマIC1のTH端子に印加された電圧がタイマIC1のVDD端子に入力される直流電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧(約7.5ボルト)となった場合に、DCH端子のインピーダンスを無限大の状態からゼロの状態に切り換える端子である。DCH端子のインピーダンスがゼロの状態(グランド状態)となると、コンデンサCD3へ電圧が印加できない状態となる。一方、DCH端子のインピーダンスが無限大の状態となると、コンデンサCD3に電圧が印加可能な状態となる。
タイマIC1のTH端子およびタイマIC1のDCH端子に接続される抵抗R1およびコンデンサCD3は、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3との積である時定数に基づいて、内枠12または前面枠14が開放された場合に、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間を約10msに決定するための部品である。抵抗R1の一端は、スイッチSW1の他端、スイッチSW2の他端および外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。また、抵抗R1の他端は、タイマIC1のTH端子と、タイマIC1のDCH端子と、コンデンサCD3の一端と接続されている。また、コンデンサCD3の他端は、グランドされている。
ここで、抵抗R1およびコンデンサCD3について、タイマIC1のTRG端子、タイマIC1のTH端子、タイマIC1のDCH端子およびタイマIC1のOUT端子と共に説明する。
内枠12および前面枠14が閉鎖状態では(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態では)、抵抗R1に電圧が供給されないので、タイマIC1のTH端子に印加される電圧はゼロボルト(約7.5ボルト未満)となり、タイマIC1のDCH端子は、インピーダンスが無限大の状態に設定される。よって、コンデンサCD3に電圧が印加可能な状態となり、コンデンサCD3は、充電可能状態(電荷を蓄えることができる状態)となる。しかし、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには、コンデンサCD1の一端と抵抗R1との接続が遮断されているので、コンデンサCD3には電圧が印加されず、コンデンサCD3に印加される電圧がゼロボルトとなる。このように、コンデンサCD3は、充電可能状態となるものの、充電は行われない状態となる。なお、このとき、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通している。しかし、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態であるので、外部出力端子板261の抵抗R7の一端には、電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電も行われず、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へもパルス信号は出力されない。
次に、内枠12または前面枠14が開放状態となって(図5(b)参照)、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)は、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わる。このとき、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通している。よって、抵抗R7の一端への電流供給が開始され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電される。これにより、ホールコンピュータ262へ信号が出力開始される。
また、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)が、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わるのと同時に、コンデンサCD3に電圧が印加され、コンデンサCD3の充電が開始される。このとき、タイマIC1のTH端子に印加される電圧が上昇を開始する。
タイマIC1のOUT端子の電圧は、タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD3に印加される電圧)が、タイマIC1のVDD端子に入力される電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧、即ち、約7.5ボルトと等しくなるまで、約10.6ボルトを保ち続ける。タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2に印加される電圧)が上昇し、約7.5ボルトと等しくなると、タイマIC1のDCH端子のインピーダンスが無限大の状態からゼロの状態(グランドされた状態)に切り換わる。すると、コンデンサCD3に印加される電圧がゼロボルト状態となり、コンデンサCD3に蓄えられた電荷が放電される。これにより、タイマIC1のTH端子に印加される電圧は、約7.5ボルトからゼロボルトに切り換わる。このタイマIC1のTH端子に印加される電圧の切り換わりにより、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換わる。すると、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとの導通が遮断され、抵抗R7の一端への電流供給が停止される。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電が停止し、ホールコンピュータ262への信号の出力が停止される。
このように、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となった場合に(図5(b)参照)、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間、即ち、タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD3に印加される電圧)がゼロボルトから約7.5ボルトとなるまでの期間を、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3の容量との積である時定数に基づいて約10msに決定する。すると、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合に、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の抵抗R7の一端に電流の供給が開始される。そして、抵抗R7の一端への電流の供給開始から約10ms経過後に、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに切り換わり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとの導通が遮断されて、抵抗R7の一端への電流供給が停止される。これにより、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合に、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10msだけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10msの間だけ通電することができる。よって、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、約10msのパルス幅のパルス信号を出力することができる。
なお、内枠12および前面枠14が開放状態から閉鎖状態(スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態から遮断状態)となると、即ち、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると、タイマIC1のOUT端子の電圧は、ゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる。この状態においては、上述した通り、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通しているが、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態であるので、外部出力端子板261の抵抗R7の一端には、電流が供給されない。よって、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電も行われず、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へもパルス信号は出力されない。
上述の通り、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3との積である時定数に基づき、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10msだけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10msの間だけ通電することができる。これにより、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、約10msのパルス幅のパルス信号を出力することができる。
図7の説明に戻る。タイマIC1のCNT端子は、CNT端子に入力される信号により、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整する端子である。ただし、本枠開放検出回路260では、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整しないので(タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間は10msに固定)、タイマIC1のCNT端子は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261のいずれの部品にも接続されず、開放されている。
上述したように、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると(図5(b)参照)、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給を開始する。一方、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となってから約10ms経過すると、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間を導通状態から遮断状態へ切り換え、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給を停止する。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が約10msの間、通電され、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ約10msのパルス幅のパルス信号が出力される。
なお、扉開放検出回路260では、タイマIC1にLMC555を用いて、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、フォトカプラPR1を約10msの間通電する回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1に他の集積回路等を用いて、内枠12の1回の開放または前面枠14の1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてフォトカプラPR1を所定期間通電するものであれば良い。
次に、枠開放検出回路260に接続されると共に、ホールコンピュータ262に接続される外部出力端子板261について説明する。外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262に約10msのパルス幅のパルス信号を出力する機能を有し、1kΩの抵抗R7とフォトカプラPR1とから主に構成されている。
抵抗R7は、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗であり、抵抗R7の一端は、枠開放検出回路260の抵抗R1の一端、スイッチSW1の他端およびスイッチSW2の他端と接続され、抵抗R7の他端はフォトカプラPR1の一次側(発光ダイオードのアノード端子)と接続されている。フォトカプラPR1は、発光ダイオードとその発光ダイオードが発する光を受光する受光素子(フォトトランジスタ)とから構成される電流スイッチである。フォトカプラPR1の一次側である発光ダイオードは、上述した通り、アノード端子が抵抗R7の一端と接続されており、カソード端子が枠開放検出回路260のトランジスタTR1のコレクタ端子cと接続されている。また、フォトカプラPR1の二次側である受光素子(フォトトランジスタ)は、ホールコンピュータ262に接続されている。
よって、内枠12または前面枠14が開放状態(スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態)となってから約10msの間、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通されると、フォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7を介して電流が供給され、発光ダイオードは約10msの間、光を発する。すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、発せられた光を受光し、受光した約10msの光をパルス幅が約10msのパルス信号(電気信号)に変えて、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。ホールコンピュータ262は、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)から出力されたパルス信号を記憶することができる。よって、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。
一方、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、抵抗R7の一端に電圧が供給されないので、フォトカプラPR1の一次側である発光ダイオードに電流が供給されない。よって、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されることはない。
ここで、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する外部出力端子板261にフォトカプラPR1を用いる利点について説明する。フォトカプラPR1は、一次側の発光ダイオードに供給される電流を光に変換し、その光を二次側の受光素子(フォトトランジスタ)に受光させてパルス信号(電気信号)を出力する構成(発光ダイオードから受光素子へ一方向に信号を伝送する構成)である。よって、二次側の受光素子(フォトトランジスタ)から一次側の発光ダイオードへはパルス信号等の電気信号を伝えることができない。これにより、フォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに枠開放検出回路260が接続され、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)にホールコンピュータ262が接続されていても、ホールコンピュータ262からのパルス信号等の電気信号を、枠開放検出回路260や枠開放検出回路260が設けられた主制御装置110等へ伝送することができない。従って、フォトカプラPR1を用いることで、ホールコンピュータ262から枠開放検出回路260や主制御装置110等への不正なパルス信号等の電気信号の伝送を防止しつつ、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へはパルス信号を伝送できるという利点がある。
更には、フォトカプラPR1は、一次側の発光ダイオードと二次側の受光素子(フォトトランジスタ)とが電気的に絶縁されている。よって、例えば、フォトカプラPR1の発光ダイオードに供給される電流に電気ノイズが含まれていたとしても、その電気ノイズが2次側のフォトトランジスタに伝送されることがない。従って、フォトカプラPR1を用いることで、外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262へ、正確なパルス信号を出力することができるという利点がある。
上述した通り、枠開放検出回路260には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。そして、枠開放検出回路260により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。
ここで、一般に、遊技場は民間の警備会社と防犯契約を交わしており、遊技場への侵入者があった場合には、直ちに警備会社の警備員が遊技場へ駆けつける。しかし、不正行為は短時間で行われるので、警備員が駆けつけたときには、大抵の場合、既に侵入者は遊技場から逃げ出しており、一体、どのパチンコ機10に不正行為が行われたのか判別できないという問題点があった。不正行為がなされたパチンコ機10は、正常な状態に戻さなければならないが、どのパチンコ機10に不正行為がなされたか分からない場合には、すべてのパチンコ機10の内枠12および前面枠14を開放して、1台ずつ検査しなければならず、多数のパチンコ機10が設置されている遊技場でこの作業を行うことは相当な重労働であった。
しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、枠開放検出回路260により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力する。そして、その出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ、コンデンサCD1から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD1からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1の容量を1Fとする)、コンデンサCD1を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図8を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化するタイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)と、タイマIC1のOUT端子電圧と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図8は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)、タイマIC1のOUT端子電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。
図8(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t1時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t1時から約10ms経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t1時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t1時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t1時から約10ms経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t1時から10ms経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t2時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
次に、図8(a)に示すように、t3時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t3時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t3時から約10ms経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t3時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t3時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t3時から約10ms経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t3時から10ms経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t4時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図8(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図8(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t5時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t5時から約10ms経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t5時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t5時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t5時から約10ms経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t5時から10ms経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図8(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t8時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合でも、タイマIC1は、スイッチSW1の導通期間の長さ(内枠12の開放期間の長さ)およびスイッチSW2の導通期間の長さ(前面枠14の開放期間の長さ)に拘らず、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となったときから約10ms経過すると、OUT端子の電圧を約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10msとなる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へコンデンサCD1から約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10msに留めることができる。従って、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
ここで、コンデンサCD1は容量が0.1Fであり、コンデンサCD1に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1に蓄えられる電荷は、コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1の印加電圧との積から約1.13C(クーロン)となる。このコンデンサCD1に蓄えられる約1.13Cの電荷は、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の1回の供給期間が約10msである場合には、電流の供給回数で約500回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12の開放(スイッチSW1の導通)または前面枠14の開放(スイッチSW2の導通)が多数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路260は、内枠12の開放または前面枠14の開放(スイッチSW1の導通またはスイッチSW2の導通)を、約500回まで毎回確実に検出して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力することができる。このとき、内枠12の開放または前面枠14の開放が約500回付近となると、コンデンサCD1に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のパルス信号の検出感度を上げることにより(パルス信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にパルス信号を記憶させることができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されたが、これに限られるものではない。即ち、本枠開放検出回路260の各部品の接続を変更し、内枠12または前面枠14が開放され、その開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、フォトカプラPR1に約10msの間、電流を供給して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。
ただし、本実施形態の枠開放検出回路260では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しているので、内枠12または前面枠14の開放を素早く検出できる。よって、内枠12または前面枠14が開放されて主制御装置110または遊技盤13に不正行為が行われる前に、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。従って、パチンコ機10へ電源が供給されている場合に発生する不正行為が行われたことによる異常動作を防止することができる。
なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
また、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、タイマIC1のOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、枠開放検出回路260のトランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子e(図7参照)との端子間が導通状態となる。ただし、このときには、トランジスタTR1に流れる電流はベース電流だけである。そして、このベース電流の電流値を決定する抵抗R3および抵抗R5は共に抵抗値10kΩであり、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗R7の抵抗値(1kΩ)に比べて十分大きい。よって、ベース電流の電流値を約100μA程度に留めることができる(なお、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通されているときに、フォトカプラPR1に供給される電流値は、約11.3mA)。よって、トランジスタTR1の導通状態によるコンデンサCD1に蓄えられる電荷の消費をごく僅かに止めることができる。
また、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、タイマIC1のOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、タイマIC1のOUT端子とグランドとの間に直列に接続される抵抗R3および抵抗R4を介して、電流が消費される。しかし、抵抗R3および抵抗R4は共に抵抗値が10kΩであり、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗R7の抵抗値(1kΩ)に比べて十分大きい。よって、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときに、抵抗R3および抵抗R4を介してタイマIC1のOUT端子からグランドへ流れる電流値を、約530μA程度に留めることができる。従って、コンデンサCD1に蓄えられる電荷の抵抗R3および抵抗R4による消費をごく僅かに止めることができる。
なお、内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合に(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に)、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費を更に抑制したい場合には、抵抗R3、抵抗R4および抵抗R5の抵抗値を10kΩよりも更に大きくすれば良い。
更に、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費をゼロにしたい場合には、次の構成にすれば良い。スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1には、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせが、新たに1つ加えられる。スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせが新たに1つ加えられる。そして、枠開放検出回路260内のタイマIC1のOUT端子と抵抗R3の一端との接続を切断し、接続切断後のタイマIC1のOUT端子に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R3の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を接続する。同様に、接続切断後のタイマIC1のOUT端子に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R3の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を接続する。このように構成することで、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には、タイマIC1のOUT端子電圧である約10.6ボルトが抵抗R3、抵抗R4および抵抗R5に印加されることはなく、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費をゼロにすることができる。反対に、内枠12または前面枠14の一方、若しくは内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には(スイッチSW1またはスイッチSW2の一方、若しくはスイッチSW1とスイッチSW2との両方が導通されている場合には)、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6およびコンデンサCD2にタイマIC1のOUT端子電圧が分圧されて印加されることで、フォトカプラPR1への電流供給を抵抗R7を介して正常に行うことができる。
なお、タイマIC1のOUT端子との接続を切断して、端子対SW1cおよび端子対SW2cを接続する箇所は上記に限られるものではない。例えば、抵抗R3の他端と、抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端とを切断して、接続切断後の抵抗R3の他端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を接続する。同様に、接続切断後の抵抗R3の他端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を接続すれば良い。つまり、新たに加えられた雄型スイッチSW1bおよび雌型スイッチSW1aと、新たに加えられた雄型スイッチSW2bおよび雌型スイッチSW2aとにより、内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合には(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には)、タイマIC1のOUT端子とグランドとの導通を遮断する一方、内枠12または前面枠14の一方、若しくは内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には(スイッチSW1またはスイッチSW2の一方、若しくはスイッチSW1とスイッチSW2との両方が導通されている場合には)、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6およびコンデンサCD2にタイマIC1のOUT端子電圧が分圧されて印加されるように構成すれば良いのである。
また、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続すれば良い。具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1の一端、タイマIC1のVDD端子、コンデンサCD4の一端およびタイマIC1のRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD5の一端、抵抗R1の一端、および外部出力端子盤261の抵抗R7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。ここで、ホールコンピュータ262は、既存の外部出力端子板261(スイッチSW1の導通検出用(内枠12の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子と、新たに設けた外部出力端子板261(スイッチSW2の導通検出用(前面枠14の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子とをそれぞれ別にしておく。この構成により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)とスイッチSW2の導通(前面枠14の開放)とを区別してホールコンピュータ262に記憶させることができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
更に、パチンコ機10への電源供給が行われている場合に、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させると共に、内枠12と前面枠14とのどちらかが開放したときにパチンコ機10で報知を行いたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続する。次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを新たに1つずつ設ける。そして、新たに設けた雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを用いて、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通した場合に、MPU201に、信号が入力されるように構成すれば良い。
具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1の一端、タイマIC1のVDD端子、コンデンサCD4の一端およびタイマIC1のRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD5の一端、抵抗R1の一端、および外部出力端子盤261の抵抗R7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。
次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加える。また、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加える。そして、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を、既存の枠開放検出回路260の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を、抵抗により構成される分圧回路を介してMPU201の入出力ポート205に接続する。同様に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を、新たに設けられた枠開放検出回路260の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を、抵抗により構成される分圧回路を介してMPU201の入出力ポート205に、端子対SW1cの他端とは別のポートに接続する。更に、MPU201は、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通して、内枠12の開放を検出する5ボルトの電圧(分圧回路により、直流電源DC1から供給される12ボルトの電圧が5ボルトに降圧される)または内枠14の開放を検出する5ボルトの電圧(分圧回路により、直流電源DC1から供給される12ボルトの電圧が5ボルトに降圧される)が入出力ポート205に入力された場合に、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ、内枠12または前面枠14の開放が検出されたことを示すコマンドを送信する。このとき、MPU201から送信されるコマンドを、内枠12の開放が検出された場合のコマンド(以下、「内枠コマンド」と称す)と、前面枠14が開放された場合のコマンド(以下、「前面枠コマンド」と称す)とで別にする。そして、この各コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226から異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227の点灯の態様を異ならせる。また、この各コマンドを受信した表示制御装置114は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の表示を行う。例えば、表示制御装置114が内枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示したり、表示制御装置114が前面枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示するように構成すれば良い。
このように、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加え、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加えて、それらを用いて、スイッチSW1が導通した場合には(内枠12が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ内枠コマンドを送信するように構成する。また、スイッチSW2が導通した場合には(前面枠14が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ前面枠コマンドを送信するように構成する。このように構成することで、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで異なる態様の報知を、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114を用いて行うことができる。これにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを、パチンコ機10を用いて正確に検出することができる。
また、枠開放検出回路260および外部出力端子板261を新たに設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
なお、本実施形態においては、外部出力端子板261から出力されるパルス信号を、パチンコ機10とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機10毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機10の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
次に、図9を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図9は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図9(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図9(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図9(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図9(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施の形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図12参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図12参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図11から図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図16参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図16のフローチャートを参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図16は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図17は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図11を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS110へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS110へ移行する。なお、図12のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図12を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図12は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201)。具体的には、S501のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図13を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、上述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図17のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図13を参照して、変動処理(S204)について説明する。図13は、メイン処理(図12参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図14を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施の形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図14を参照して、変動開始処理について説明する。図14は、変動処理(図13参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
以上、説明したように、パチンコ機10によれば、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると(図5(b)参照)、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となってから約10ms経過するまで(約10msの間)、外部出力端子板261の抵抗R7の一端へ電流を供給する。すると、外部出力端子板261に設けられたフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7を介して電流が供給され、発光ダイオードは約10msの間、光を発する。そして、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)が発光ダイオードの光を受光すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、受光した約10msの光をパルス幅が約10msのパルス信号(電気信号)に変え、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。出力されたパルス信号は、ホールコンピュータ262に記憶される。よって、枠開放検出回路260と外部出力端子板261とを用いることで、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路260は、パルス信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
また、枠開放検出回路260には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断されている場合であっても、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。
次に、図18および図19を参照して、第2実施形態のパチンコ機を説明する。第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260を別の構成である枠開放検出回路270に変更したものである。第2実施形態の枠開放検出回路270は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、回路構成を簡略化している。具体的には、第2実施形態の枠開放検出回路270は、第1実施形態の枠開放検出回路260から、タイマIC1、抵抗R1〜R3、コンデンサCD3〜CD5を取り除き、コンデンサCD1を容量の異なるコンデンサCD6に変更し、各部品の接続を変更して、回路構成を簡略化したものである。
この第2実施形態の枠開放検出回路270によれば、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号をホールコンピュータ262へ出力することができるので、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。
図18は、第2実施形態の枠開放検出回路270の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7で上述した第1実施形態の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
コンデンサCD6は、第1実施形態の枠開放検出回路260に用いられたコンデンサCD1の容量を0.1F(ファラッド)から1F(ファラッド)に変更したものである。コンデンサCD6は、第1実施形態の枠開放検出回路260のコンデンサCD1と同じく充電池として機能する部品であり、コンデンサCD6の一端はダイオードD1のカソードと接続され、コンデンサCD6の他端はグランドされている。
このコンデンサCD6は、上述したコンデンサCD1(図7参照)と同様、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD6の容量1Fと、コンデンサCD6に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される12ボルトからダイオードD1での電圧降下0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD6は、コンデンサCD6に蓄えられた電荷に基づく直流電圧(約11.3ボルト)を枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ供給する。
具体的には、コンデンサCD6は容量が1F(ファラッド)であり、コンデンサCD6に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD6に蓄えられる電荷は、コンデンサCD6の容量とコンデンサCD6の印加電圧の積から約11.3C(クーロン)となる。このコンデンサCD6に蓄えられる約11.3Cの電荷は、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるハイ信号の出力期間にすると、約10分間の量となる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、外部出力端子板261から出力されるハイ信号の総出力期間が約10分間となるまでは、枠開放検出回路270は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。また、枠開放検出回路270は、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。なお、内枠12の開放または前面枠14の開放の総出力期間が約10分間に近くなると、コンデンサCD6に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD6からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のハイ信号の検出感度を上げることにより(ハイ信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にハイ信号を記憶させることができる。
このように、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、枠開放検出回路270は、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。なお、コンデンサCD6の一端には、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD6から枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電圧(約11.3ボルト)が供給されている場合でも、その直流電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。なお、本実施形態においては、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する部品として、コンデンサCD6を使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD6を、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
コンデンサCD6の一端は、スイッチSW1およびスイッチSW2の一端と接続されると共に、外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。スイッチSW1およびスイッチSW2の他端には、抵抗R9の一端が接続されている。そして、抵抗R9の他端には、コンデンサCD2の一端、抵抗R4の一端およびトランジスタTR1の内部抵抗R5の一端が接続されている。
この接続により、スイッチSW1若しくはスイッチSW2の一方(内枠12若しくは前面枠14の一方)、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態である(内枠12および前面枠14の両方が開放状態である)期間中、抵抗R4に直流電圧が供給されるので、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通する。すると、この期間中、外部出力端子板261の抵抗R7を介してフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードへ電流が供給される。これにより、スイッチSW1若しくはスイッチSW2の一方(内枠12若しくは前面枠14の一方)、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態である(内枠12および前面枠14の両方が開放状態である)期間中、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)からホールコンピュータ262へ、ハイ信号が出力される。従って、第2実施形態の枠開放検出回路270によれば、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号を、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路270は、ハイ信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのハイ信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へコンデンサCD6から約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD6からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14が開放された期間に留めることができる。よって、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ、コンデンサCD6から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD6からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD6の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD6の容量を10Fとする)、コンデンサCD6を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図19を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化する枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図19は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、枠開放検出回路270のAの電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。なお、図19に記載されたt1時〜t8時の各時は、図8に示す第1実施形態の枠開放検出回路260のタイミングチャートに記載されたt1時〜t8時の各時と同一である。
図19(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、これに追従して、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる(t1時)。すると、図19(d)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t1時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、約11.3ボルトからゼロボルトへ切り換わる(t2時)。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t2時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t1時からt2時の間、出力される。つまり、パルス幅がt1からt2時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
次に、図19(a)に示すように、t3時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、これに追従して、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる(t3時)。すると、図19(d)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t3時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t4時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、約11.3ボルトからゼロボルトへ切り換わる(t4時)。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t4時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t3時からt4時の間、出力される。つまり、パルス幅がt3からt4時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図19(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図19(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、t5時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t5時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図19(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、t8時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t8時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t5時からt8時の間、出力される。つまり、パルス幅がt5からt8時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
このように、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態(内枠12および前面枠14が開放状態)であるときには、枠開放検出回路270は、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となったときから、スイッチSW1とスイッチSW2との両方が遮断状態(内枠12と前面枠14との両方が閉鎖状態)となるまで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、ハイ信号を出力することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態となったときから、内枠12と前面枠14との両方が閉鎖状態となるまでの開放期間を検出することができる。
上述した通り、第2実施形態のパチンコ機によれば、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、枠開放検出回路270により、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号をホールコンピュータ262に出力することができる。そして、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からハイ信号が出力されたことと共に、その出力されたハイ信号の出力期間を記憶させることで、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。また、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたハイ信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたハイ信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からハイ信号が出力されたことと共に、その出力されたハイ信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻も検出することができる。
次に、図20および図21を参照して、第3実施形態のパチンコ機を説明する。第3実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260を別の構成である枠開放検出回路280に変更したものである。第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、回路構成を簡略化している。具体的には、第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260から、抵抗R2、コンデンサCD4およびCD5を取り除き、抵抗R1、コンデンサCD3、抵抗R7、スイッチSW1およびスイッチSW2の各接続を変更し、タイマIC1を単安定マルチバイブレータとして機能させ、そのタイマIC1のTRG端子の前段に抵抗10とコンデンサCD7とから構成される積分回路281を接続して、回路構成を簡略化したものである。そして、第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の態様およびタイマIC1のOUT端子から出力される電圧の態様を変更したものである。
この第3実施形態の枠開放検出回路280によれば、積分回路281により、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2ms)とすることによって、タイマIC1のOUT端子から約9.6ボルトの電圧が出力される期間(約10ms)よりも、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を短く調整することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10msに留めることができる。従って、枠開放検出回路280は、枠開放検出回路260と比較して回路構成を簡略化できると共に、タイマIC1のOUT端子から約9.6ボルトの電圧が出力される期間を約10msに留めることで、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を枠開放検出回路260よりも更に小さく抑えることができる。
図20は、第3実施形態の枠開放検出回路280の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7で上述した第1実施形態の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
パチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ直流電圧を供給するコンデンサCD1の一端は、100kΩの抵抗R10の一端と接続されると共に、タイマIC1のVDD端子、100KΩの抵抗R1aの一端、タイマIC1のRES端子および1KΩの抵抗R7aの一端と接続されている。
抵抗R1aの他端は、0.1μFのコンデンサCD3aの一端と接続されると共に、タイマIC1のDCH端子およびタイマIC1のTH端子と接続されている。そして、コンデンサCD3aの他端は、グランドされている。このコンデンサCD3aと抵抗R1aとの接続により、タイマIC1は、内枠12または前面枠14が開放されることで、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されて、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約10msの間、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。なお、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる期間である約10msは、抵抗R1aの抵抗値(100kΩ)とコンデンサCD3aの容量値(0.1μF)との積である時定数により決定されている。
抵抗R10は、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を安定化させる抵抗であると共に、コンデンサCD7とで積分回路281を構成する抵抗である。この抵抗R10の他端は、ダイオードD2のアノード端子と接続され、このダイオードD2のカソード端子は、タイマIC1のTRG端子に接続されると共に、制限電圧(ツェナー電圧)が約10.5ボルトのツェナーダイオードD3のカソード端子、並列接続されたスイッチSW1およびスイッチSW2のそれぞれの一端に接続されている。よって、内枠12および前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている状態では、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は、コンデンサCD1から供給される約11.3ボルトの電圧から、抵抗R10での電圧降下の約0.3ボルトと、ダイオードD2での電圧降下の約0.7ボルトとを差し引いた約10.3ボルトとなる。
0.02μFのコンデンサCD7は、抵抗R10とで積分回路281を構成して、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を制御するコンデンサである。コンデンサCD7の一端には、スイッチSW1およびスイッチSW2のそれぞれの他端が接続され、コンデンサCD7の他端は、グランドされている。このコンデンサCD7と抵抗R10とにより構成される積分回路281は、内枠12または前面枠14が開放状態となることにより、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子に印加されている約10.3ボルトの電圧をゼロボルトに立ち下げ、その立ち下げから約2ms後に再び、タイマIC1のTRG端子電圧を約10.3ボルトに戻す回路である。
具体的には、内枠12または前面枠14が開放され、その開放に応じて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されると、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧がコンデンサCD7に印加開始されて、コンデンサCD7の充電が開始される。この充電開始時に、コンデンサCD7に印加される電圧が瞬間的にゼロボルトとなることで、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が瞬間的にゼロボルトになるのである。そして、コンデンサCD7の充電に伴い、コンデンサCD7は、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を上昇させ、最終的に、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を約10.3ボルトに制御するのである。
なお、コンデンサCD7が充電完了するまでの期間、即ち、タイマIC1のTRG端子に印加されている約10.3ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がり、その立ち下がりから、タイマIC1のTRG端子の電圧が再び、約10.3ボルトに戻るまでの期間である約2msは、抵抗R10の抵抗値(100kΩ)とコンデンサCD7の容量値(0.02μF)の積である時定数により決定されている。
このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が立ち下がり、その立ち下がりから再び、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトに戻るまでの期間(約2ms)は、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間(約10ms)よりも短い期間に調整されている。なお、抵抗R10の抵抗値とコンデンサCD7の容量値とを変更することにより、タイマIC1のTRG端子に印加されている電圧が立ち下がってから、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトに再び戻るまでの期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がるまでの期間である約10ms以内で自由に変更することができる。
ここで、単安定マルチバイブレータは、出力端子から出力される信号の出力期間よりも、入力端子へ入力される信号の入力期間が短くなければ、出力端子から正常に信号が出力されない(出力端子から信号が出力され続ける)。このため、積分回路281を使用せずに、単安定マルチバイブレータとしてタイマIC1を機能させた場合には、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも、タイマIC1のTRG端子電圧がゼロボルトから再び、約10.3ボルトに戻るまでの期間が、即ち、内枠12および前面枠14の開放期間(スイッチSW1およびスイッチSW2の導通期間)が短くなくてはならない。しかし、内枠12および前面枠14の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも、内枠12および前面枠14の開放期間が常に短くなるようにするには、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を、十分に余裕を持った期間に設定する必要がある。例えば、内枠12および前面枠14の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この設定した期間中、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へコンデンサCD1から直流電圧の供給が行われ続けるので、コンデンサCD1の消耗が著しくなってしまう。よって、積分回路281を使用せずに、単安定マルチバイブレータとしてタイマIC1を機能させた上で、更に、コンデンサCD1に蓄えられた電荷の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。
しかし、タイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放期間(スイッチSW1およびスイッチSW2の導通期間)に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから再び、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下り期間を一定期間(約2ms)とすることで、タイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10msに留めることができる。
そして、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに約10msの間、立ち上がると、トランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが約10msの間、導通し、抵抗R7aを介して、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に約10msの間、電流が供給される。これにより、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、内枠12または前面枠14の一回の開放につき、約10msのパルス幅のパルス信号が出力される。このように、タイマIC1を単安定マルチバイブレータとして機能させたとしても、タイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることで、コンデンサCD1に蓄えられた電荷の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10msに留めることができる。
なお、タイマIC1のTRG端子には、制限電圧(ツェナー電圧)が約10.5ボルトのツェナーダイオードD3のカソード端子が接続され、グランドには、ツェナーダイオードD3のアノード端子が接続されている。このツェナーダイオードD3は、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通された場合に、コンデンサCD7に蓄えられた電荷とコンデンサCD1から供給される電圧とが重畳されることにより発生し得る、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されるのを防止する素子である。具体的には、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され、コンデンサCD7に蓄えられた電荷は、比較的短期間の内に再び、内枠12または前面枠14の次の開放が行われ、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通が行われると、スイッチSW1またはスイッチSW2の他端側から一端側へ放電される。このコンデンサCD7から放電された約10.3ボルトの電圧とコンデンサCD1から供給された約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子とグランドとの間には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。このように、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードD3を用いて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることを防止し、タイマIC1の損傷を防止することができる。
なお、上述の通り、ツェナーダイオードD3の制限減圧(ツェナー電圧)は、約10.5ボルトであるので、内枠12および前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断された状態にあっては、コンデンサCD1から供給される電流がツェナーダイオードD3を介してグランドに流れることはなく、コンデンサCD1の電荷が消耗することはない。また、スイッチSW1およびスイッチSW2の一端には、ダイオードD2のカソード端子が接続されており、このダイオードD2が電流の逆流防止機能を発揮するので、コンデンサCD7から放電された約10.3ボルトの電圧が、コンデンサCD1やタイマIC1のVDD端子に印加されて、これらが損傷することはない。
上述した通り、枠開放検出回路280のタイマIC1は、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、この立ち下がりから約10msの間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。そして、このタイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2ms)とすることで、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10msに留めることができる。これにより、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に電流が供給される期間を約10msに留めることができ、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10msに留めることができる。
また、枠開放検出回路280には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路280は、パチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。そして、枠開放検出回路280により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、その1回の検出につき、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
なお、扉開放検出回路280では、タイマIC1にLMC555を用いて、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、フォトカプラPR1を約10msの間通電する回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1に他の集積回路等を用いて、内枠12の1回の開放または前面枠14の1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてフォトカプラPR1を所定期間通電するものであれば良い。
また、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ、コンデンサCD1から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD1からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1の容量を1Fとする)、コンデンサCD1を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図21を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化するタイマIC1のTRG端子電圧と、タイマIC1のOUT端子電圧と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図21は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、タイマIC1のTRG端子電圧、タイマIC1のOUT端子電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。なお、図21に記載されたt1時〜t8時の各時は、図8に示す第1実施形態の枠開放検出回路260のタイミングチャートに記載されたt1時〜t8時の各時と同一である。
図21(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t1時)。すると、これに追従して、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t1時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t1時)。そして、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t1時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
次に、図21(c)に示すように、t1時から約2ms経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t1時から)、約10msが経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t1時から約10ms経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t1時から約10ms経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図21(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
次に、図21(b)に示すように、t3時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t3時)。すると、これに追従して、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t3時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t3時)。そして、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t3時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
なお、t1時からt2時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t3時に、ツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了する。このコンデンサCD7の放電期間は、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトからゼロボルトとなり、再び約10.3ボルトとなる約2msよりも非常に微小な期間であるので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t1時からt2時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t3時に、タイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、コンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子の前段には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図21(c)に示すように、t3時から約2ms経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t3時から)、約10msが経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t3時から約10ms経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t3時から約10ms経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図21(b)に示すように、t4時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図21(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図21(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、t5時に、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t5時)。すると、これに追従し、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t5時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t5時)。すると、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t5時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
なお、t3時からt4時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t5時に、ツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了するので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t3時からt4時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t5時に、タイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、コンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、ツェナーダイオードD3により、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなるので、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図21(c)に示すように、t5時から約2ms経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t5時から)、約10msが経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t5時から約10ms経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t5時から約10ms経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図21(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図21(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合でも、タイマIC1は、スイッチSW1の導通期間(内枠12の開放期間)およびスイッチSW2の導通期間(前面枠14の開放期間)に拘らず、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となり、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がってから約10ms経過すると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10msとなる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へコンデンサCD1から約10.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10msに留めることができる。従って、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
ここで、コンデンサCD1は容量が0.1Fであり、コンデンサCD1に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1に蓄えられる電荷は、コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1の印加電圧との積から約1.13C(クーロン)となる。このコンデンサCD1に蓄えられる約1.13Cの電荷は、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の1回の供給期間が約10msである場合には、電流の供給回数で約500回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12の開放(スイッチSW1の導通)または前面枠14の開放(スイッチSW2の導通)が多数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路280は、内枠12の開放または前面枠14の開放(スイッチSW1の導通またはスイッチSW2の導通)を、約500回まで毎回確実に検出して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力することができる。このとき、内枠12の開放または前面枠14の開放が約500回付近となると、コンデンサCD1に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のパルス信号の検出感度を上げることにより(パルス信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にパルス信号を記憶させることができる。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機によれば、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、積分回路281により、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2ms)とする。すると、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1は正常に動作を行い、タイマIC1のTRG端子電圧がゼロボルトへ立ち下がってから約10ms経過するまでの間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトへ立ち上げる。これにより、外部出力端子板261に設けられたフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7aを介して電流が供給され、発光ダイオードは約10msの間、光を発する。そして、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)が発光ダイオードの光を受光すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、受光した約10msの光をパルス幅が約10msのパルス信号(電気信号)に変え、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。出力されたパルス信号は、ホールコンピュータ262に記憶される。よって、積分回路281を設けた枠開放検出回路280と外部出力端子板261とを用いることで、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路280は、パルス信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
また、枠開放検出回路280には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路280は、パチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断されている場合であっても、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されたが、これに限られるものではない。即ち、本枠開放検出回路280の各部品の接続を変更し、内枠12または前面枠14が開放され、その開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、フォトカプラPR1に約10msの間、電流を供給して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。
ただし、本実施形態の枠開放検出回路280では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しているので、内枠12または前面枠14の開放を素早く検出できる。よって、内枠12または前面枠14が開放されて主制御装置110または遊技盤13に不正行為が行われる前に、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。従って、パチンコ機へ電源が供給されている場合に発生する不正行為が行われたことによる異常動作を防止することができる。
また、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路280と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路280に接続すれば良い。具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路280のダイオードD2のカソード端子、ダイオードD3のカソード端子およびタイマIC1のTRG端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路280のコンデンサCD7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路280および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路280に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路280には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。ここで、ホールコンピュータ262は、既存の外部出力端子板261(スイッチSW1の導通検出用(内枠12の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子と、新たに設けた外部出力端子板261(スイッチSW2の導通検出用(前面枠14の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子とをそれぞれ別にしておく。この構成により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)とスイッチSW2の導通(前面枠14の開放)とを区別してホールコンピュータ262に記憶させることができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
更に、パチンコ機への電源供給が行われている場合に、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させると共に、内枠12と前面枠14とのどちらかが開放したときにパチンコ機で報知を行いたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路280と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路280に接続する。次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを新たに1つずつ設ける。そして、新たに設けた雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを用いて、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通した場合に、MPU201に、信号が入力されるように構成すれば良い。
具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路280のダイオードD2のカソード端子、ダイオードD3のカソード端子およびタイマIC1のTRG端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路280のコンデンサCD7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路280および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路280に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路280には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。
次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加える。また、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加える。そして、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を、既存の枠開放検出回路280の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端をMPU201の入出力ポート205に接続する。同様に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を、新たに設けられた枠開放検出回路280の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端をMPU201の入出力ポート205に、端子対SW1cの他端とは別のポートに接続する。更に、MPU201は、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通して、内枠12の開放を検出する12ボルトの電圧(信号)または内枠14の開放を検出する12ボルトの電圧(信号)が入出力ポート205に入力された場合に、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ、内枠12または前面枠14の開放が検出されたことを示すコマンドを送信する。このとき、MPU201から送信されるコマンドを、内枠12の開放が検出された場合のコマンド(以下、「内枠コマンド」と称す)と、前面枠14が開放された場合のコマンド(以下、「前面枠コマンド」と称す)とで別にする。そして、この各コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226から異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227の点灯の態様を異ならせる。また、この各コマンドを受信した表示制御装置114は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の表示を行う。例えば、表示制御装置114が内枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示したり、表示制御装置114が前面枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示するように構成すれば良い。
このように、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加え、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加えて、それらを用いて、スイッチSW1が導通した場合には(内枠12が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ内枠コマンドを送信するように構成する。また、スイッチSW2が導通した場合には(前面枠14が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ前面枠コマンドを送信するように構成する。このように構成することで、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで異なる態様の報知を、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114を用いて行うことができる。これにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを、パチンコ機を用いて正確に検出することができる。
また、枠開放検出回路280および外部出力端子板261を新たに設け、その新たに設けた枠開放検出回路280に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路280には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
なお、本実施形態においては、外部出力端子板261から出力されるパルス信号を、パチンコ機とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記実施の形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施の形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段とを備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段が停止している場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、遊技機の電源がオフされ制御手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
なお、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側を示している。また、複数の遊技機毎に設けられた出力手段から出力される検出結果を1の特定装置で受信しても良いし、遊技機毎に特定装置を設け、その特定装置を各遊技機に配設しても良い。特定装置を各遊技機に配設する場合には、ボックスベースと、そのボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを互いに連結させて、そのボックスカバーとボックスベースとにより形成される空間内に特定装置を収納する。そして、ボックスカバーとボックスベースとを封印ユニットにより開封不能に連結する。更に、ボックスカバーとボックスベースとの連結部には、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シールを貼着する。その上で、扉体の背面または背面側に特定装置を配設すれば良い。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、特定装置へ検出結果を出力する出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段と、その出力期間制限手段に接続され、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記出力期間制限手段へ入力される信号を前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段と、前記出力期間制限手段と出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、遊技機5によれば、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、遊技機5によれば、入力期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができる。
遊技機5において、前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間を所定期間内で自由に調整することができる。
遊技機5又は6において、前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、定電圧手段を設けているので、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にして、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めることができる。
また、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成している場合には、積分回路に用いるコンデンサに電荷が蓄えられ、この電荷による電圧が、出力期間制限手段へ入力される信号と重畳されて、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加される虞がある。しかし、遊技機7によれば、定電圧手段により、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にしているので、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧は出力期間制限手段に印加されない。よって、出力期間制限手段の破壊を防止することができる。
遊技機7において、前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されていることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、ツェナーダイオードにより定電圧手段を構成しているので、複雑な回路により構成される定電圧回路等と比較して、簡単な構成且つ安価に、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にすることができる。よって、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードを用いて、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めつつ、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加されることを防止することができる。
遊技機1から8において、前記扉体は、前記本体に対して開閉される内枠と、その内枠に対して開閉される透明板支持扉とを有して構成され、前記扉開放検出手段は、その内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられると共に、前記出力手段に並列接続されており、前記出力手段は、前記扉開放検出手段により前記内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合に、その検出結果を前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、扉開放検出手段は、内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられると共に、出力手段に並列接続されているので、扉開放検出手段により内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合には、出力手段によって、その検出結果が特定装置へ出力される。よって、扉体を構成する内枠または透明板支持扉のいずれか一方の開放であっても、1の出力手段によって、その開放を特定装置へ報せることができる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記扉開放検出手段は、前記扉体が開放されている場合には導通される一方、前記扉体が閉鎖されている場合には遮断されるように構成されていることを特徴とする遊技機10。遊技機10によれば、扉開放検出手段は、扉体が開放されている場合には導通され、一方、扉体が閉鎖されている場合には遮断されるので、不正行為の実行時である扉体の開放中にのみ出力手段を動作させて、電力消費を小さく抑えることができる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機の電源オン中に充電されるオフ中動作手段を備えており、前記出力手段は、そのオフ中動作手段に充電された電荷または電力によって動作することを特徴とする遊技機11。遊技機11によれば、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により出力手段(および出力期間制限手段)を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができる。
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記制御手段は、遊技の主な制御を行う主制御手段を備え、前記出力手段は、その主制御手段に搭載されていることを特徴とする遊技機12。
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記制御手段とは別の基板に搭載されていることを特徴とする遊技機13。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記出力手段は、フォトカプラを備えており、前記扉開放検出手段による検出結果を、そのフォトカプラの出力により前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機14。
遊技機2から14のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記出力手段とは、前記制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機15。遊技機15によれば、出力期間制限手段と出力手段とは、制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されているので、オフ中動作手段の充電量が減少して、オフ中動作手段の出力電圧が制御手段の動作電圧より低くなっても、出力期間制限手段および出力手段を動作させて、扉体の開放を特定装置へ報せることができる。即ち、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機2から15のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記出力手段とは、その動作可能範囲電圧が前記制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されていることを特徴とする遊技機16。遊技機16によれば、出力期間制限手段と出力手段とは、その動作可能範囲電圧が制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されている。よって、遊技機の電源オフ時において、オフ中動作手段によって出力期間制限手段と出力手段とを長時間動作させることができるので、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機2から16のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されていることを特徴とする遊技機17。遊技機17によれば、出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されている。ここで、C−MOS半導体は、一般的に動作時の消費電力が小さい。よって、遊技機17によれば、オフ中動作手段の消耗を小さくして、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機1から17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機18。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から17のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機19。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機20。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
11 外枠(本体)
12 内枠(扉体の一部)
14 前面枠(透明板支持扉,扉体の一部)
110 主制御装置(制御手段の一部,主制御手段)
260,270,280 枠開放検出回路(出力手段の一部)
261 外部出力端子板(出力手段の一部)
281 積分回路(入力期間調整手段)
CD1,CD6 コンデンサ(オフ中動作手段)
D3 ツェナーダイオード(定電圧手段)
IC1 タイマ(出力期間制限手段)
PR1 フォトカプラ(出力手段の一部)
SW1,SW2 スイッチ(扉開放検出手段)
本発明は、パチンコ機、回胴式遊技機(例えばスロットマシン)、或いは遊技球を使用した回胴式遊技機等に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機では、例えば、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入球すると、その入球のタイミングで抽選が行われる。また、スロットマシンや遊技球を使用した回胴式遊技機では、スタートレバーを操作すると、その操作したタイミングで抽選が行われる。抽選の結果、例えば当たりになると、賞球やコインの払い出しが可能な状態となる。この抽選および当たりを決定するための制御は、主制御装置によって行われるので、主制御装置が不正行為の対象になり易い。
具体的な不正行為としては、例えば、主制御装置を、当たりが頻繁に発生する不正なものに取り替えたり、或いは、主制御装置に不正な基板(例えば「ぶら下げ基板」)を接続して、当たりを不正に発生させるものなどがある。また、パチンコ機の場合、遊技盤面上に打ち込まれている釘を不正に曲げて、入賞口や図柄作動口へ球が入球し易くする不正行為などもある。
パチンコ機の場合、主制御装置は遊技盤の裏面に装着されている。一方、遊技盤の前面には、ガラス枠が設けられ、このガラス枠は、遊技盤が装着される内枠体に対して、開閉可能にされている。よって、不正行為者が遊技盤面や主制御装置に対して不正行為を行う場合には、内枠またはガラス枠を開放しなければならないが、内枠またはガラス枠が開放された場合には、その開放がセンサによって検出され、遊技場を管理するホールコンピュータへ報される等の各種報知が行われ、どのパチンコ機に対して不正行為がなされたかは容易に把握することができる。
特開2001−198332号公報
しかしながら、遊技場の閉店後の例えば深夜に、不正行為者が侵入し、その侵入者が内枠またはガラス枠を開放して不正行為を行った場合、そのときにはパチンコ機の電源は断されており、パチンコ機は停止しているので、内枠またはガラス枠の開放を検知することができないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の電源がオフされている場合にも不正防止を図ることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、本体と、その本体に対して開閉可能な扉体と、技の制御を行う制御手段とを備えており、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による出力を前記扉体が開放されてから閉鎖される1回の開閉動作について1回とし、且つ、その1回の出力期間を、所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とに前記制御手段を動作させる電圧よりも高い電圧を供給し、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オン中に動作させるオン中動作手段と、そのオン中動作手段から供給される電圧を使って、前記出力手段に複数回の出力をさせるのに必要な電荷が充電され、その充電された電荷を放電して前記出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えている。
本発明の遊技機によれば、本体と、その本体に対して開閉可能な扉体と、遊技の制御を行う制御手段とを備えており、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による出力を前記扉体が開放されてから閉鎖される1回の開閉動作について1回とし、且つ、その1回の出力期間を、所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とに前記制御手段を動作させる電圧よりも高い電圧を供給し、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オン中に動作させるオン中動作手段と、そのオン中動作手段から供給される電圧を使って、前記出力手段に複数回の出力をさせるのに必要な電荷が充電され、その充電された電荷を放電して前記出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えている。よって、遊技機の電源がオフされている場合にも不正防止を図ることができるという効果がある。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態におけるパチンコ機の斜視図である。 スイッチの構造を示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 枠開放検出回路及び外部出力端子板の電気的構成を示したブロック図である。 内枠の状態、前面枠の状態、タイマのTRG端子電圧、タイマのOUT端子電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 メイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。 変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 タイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 NMI割込処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示したブロック図である。 内枠12の状態、前面枠14の状態、第2実施形態の枠開放検出回路のAの電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。 第3実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示したブロック図である。 内枠の状態、前面枠の状態、第3実施形態のタイマのTRG端子電圧、第3実施形態のタイマのOUT端子電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。更に、本実施の形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施の形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の内部構成について説明する。図4は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠11が設けられ、この外枠11に対して内枠12が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12は開閉可能に支持される。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース52を主体に構成されており、内枠ベース52の中央部には略円形状の中央窓52aが形成されている。内枠ベース52の裏面側には遊技盤13の取付部が設けられ、遊技盤13が着脱可能に装着される。
内枠ベース52の中央窓52aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bが形成されている。取付面52bには、球を遊技盤13の前面に発射するための発射ユニット140や、上皿17および下皿50に球を排出する通路を形成する通路形成部材53等が取り付けられる。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bとから構成される。また、スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
ここで、図5を参照して、スイッチSW1およびスイッチSW2の構造について説明する。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは同一の構造であるので、スイッチSW1についてその構造を説明し、スイッチSW2についてはその説明を省略する。
図5は、スイッチSW1の構造を示した図である。図5(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW1の状態(遮断状態)を示した図である。また、図5(b)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW1の状態(導通状態)を示した図である。
図5(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aには、導電部材である金属から構成される一対の端子対SW1cが内蔵されている。内枠12が閉鎖された状態においては、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aに、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが内挿される状態となり、端子対SW1c同士の接触が妨げられる。よって、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW1は導通が遮断された状態となる。
一方、図5(b)に示すように、内枠12が開放された状態においては、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aから、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが引き抜かれた状態となる。雌型スイッチSW1aに内蔵される端子対SW1cは、互いに対向する方向に付勢力が発生する構造であるため、雄型スイッチSW1bが雌型スイッチSW1aから引き抜かれた状態では、端子対SW1c同士が接触する。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW1は導通された状態となる。
このように、スイッチSW1は、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。ただし、スイッチSW1の構造は、図5に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW1が遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW1が導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW2の構造についても同様である。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図11参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
また、主制御装置110には、スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260が設けられている。枠開放検出回路260には、内枠12の開放を検出するスイッチSW1と、前面枠14の開放を検出するスイッチSW2と、ホールコンピュータ262と接続可能に構成された外部出力端子板261とが接続されている。なお、スイッチSW1およびスイッチSW2と枠開放検出回路260との接続、並びに枠開放検出回路260と外部出力端子板261との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205とは異なる入出力ポート、図示せず)を介して接続が行われている。枠開放検出回路260は、スイッチSW1が導通して内枠12の開放を検出すると、または、スイッチSW2が導通して前面枠14の開放を検出すると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、パルス幅10msのパルス信号を出力する。外部出力端子板261から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
なお、枠開放検出回路260は、主制御装置110のMPU201や入出力ポート205(MPU201の入出力ポート)と非接続に構成されている。よって、この枠開放検出回路260を、主制御装置110以外の他の装置(回路基板)に搭載するように構成しても良い。例えば、MPUやCPUなどの演算装置の搭載されない装置(回路基板)上に搭載しても良いし、枠開放検出回路260の専用基板を設けて、そこに搭載するようにしても良い。より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、枠開放検出回路260を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付しても良い。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータを記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図17参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図7を参照して、枠開放検出回路260および外部出力端子板261を説明する。図7は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7では、まず枠開放検出回路260を説明し、次に外部出力端子板261を説明する。
内枠12の開放または前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260は、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1と、ダイオードD1と、コンデンサCD1〜CD5と、抵抗R1〜R4と、C−MOSタイマであるタイマIC1(ナショナルセミコンダクタ社製LMC555)と、内部抵抗R5および内部抵抗R6が設けられたトランジスタTR1とを主に有している。
スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出するために、枠開放検出回路260は、上記の部品が図7に示すブロック図に従って接続される。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは並列接続された上で枠開放検出回路260に接続されているので、いずれか一方のスイッチが導通すれば、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
直流電源DC1は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ12ボルトの直流電圧を供給する電源である。直流電源DC1への電力(電源)は、電源装置115に設けられた電源部251から図示しない電源経路を通じて供給される。この直流電源DC1は、ダイオードD1のアノード端子と接続される。ダイオードD1のカソード端子には0.1F(ファラッド)のコンデンサCD1の一端が接続されている。そして、コンデンサCD1の他端はグランドされている。また、コンデンサCD1の一端は、スイッチSW1の一端と、スイッチSW2の一端と、タイマIC1のVDD端子およびRES端子と接続されている。
コンデンサCD1は、パチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する充電池の機能を発揮する部品である。
これは、コンデンサCD1は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD1の容量0.1F(ファラッド)とコンデンサCD1に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される12ボルトからダイオードD1での電圧降下約0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、コンデンサCD1は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD1に蓄えられた電荷に基づく直流電圧(約11.3ボルト)を枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ供給する。
よって、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、コンデンサCD1により供給される直流電圧によって動作して、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。なお、本実施形態においては、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する部品として、コンデンサCD1を使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD1を、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
また、コンデンサCD1の一端には、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD1から枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧(約11.3ボルト)が供給されている場合でも、その直流電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。
タイマIC1は、C−MOSタイマであり、100kΩの抵抗R1〜R2と、0.1μFのコンデンサCD3〜CD5との接続によって、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10msの間通電する回路として機能する。
このタイマIC1の動作電圧範囲は、主制御装置110に搭載されるMPU201、払出制御装置111に搭載されるMPU211、音声ランプ制御装置113に搭載されるMPU221および表示制御装置114に搭載されるMPU231の各動作電圧範囲よりも広範囲に設定されている。具体的には、タイマIC1の動作電圧範囲は、約1.5ボルトから約12.0ボルトであるのに対し、MPU201,211,221,231の各動作電圧範囲は、約4.5ボルトから約5.5ボルト(なお、本実施形態の各動作電圧は約5.0ボルト)である。よって、タイマIC1は、MPU201,211,221,231の各動作電圧よりも低い電圧で動作できる。従って、コンデンサCD1に蓄えられた電荷が少なくなり、コンデンサCD1により供給される電圧が約4.5ボルト未満に低下したとしても、タイマIC1は、十分に動作することができる。また、タイマIC1は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、コンデンサCD1により直流電圧が供給されている場合と、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合とで兼用している。よって、当然に、タイマIC1は、パチンコ機10への電源供給が行われている場合に枠開放検出回路260へ供給される直流電圧12ボルト以下で動作可能である。更に、タイマIC1は、C−MOS半導体で構成されるタイマであるので、動作時の消費電力を抑制し、長時間の動作が可能である。
このタイマIC1のVDD端子は、タイマIC1に供給された直流電圧を入力する端子であり、コンデンサCD1の一端と接続されている。また、タイマIC1のVDD端子は、0.1μFのコンデンサCD4の一端と接続され、このコンデンサCD4の他端は、グランドされたタイマIC1のGND端子と接続されている。このコンデンサCD4によって、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通または遮断された際に(内枠12および前面枠14が開放または閉鎖された際に)、タイマIC1のVDD端子に発生するノイズを低減している。
タイマIC1のRES端子は、RES端子にパルス信号が入力された場合に、OUT端子から出力されている電圧を強制的に出力停止状態(ゼロボルト)にするリセット機能を作動させるための端子である。ただし、本枠開放検出回路260では、このリセット機能を使用しないので、タイマIC1のRES端子をコンデンサCD1の一端に接続して、リセット機能が作動しないようにしている。なお、タイマIC1のVDD端子およびタイマIC1のRES端子は、上述の通り、コンデンサCD1の一端と接続されているので、タイマIC1のVDD端子およびRES端子には、約11.3ボルトの直流電圧が印加される。
タイマIC1のTRG端子は、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には(内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合には)、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を約10.6ボルトに設定し、一方、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態となった場合には(内枠12又は前面枠14のいずれか一方、または内枠12および前面枠14の両方が開放状態となった場合には)、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を約10ms後に約10.6ボルトからゼロボルトに設定するための端子である。タイマIC1のTRG端子は、抵抗R2の一端、コンデンサCD5の一端、スイッチSW1の他端、スイッチSW2の他端、抵抗R1の一端および外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。なお、抵抗R2の他端およびコンデンサCD5の他端は、グランドされている。
タイマIC1のTRG端子に接続される抵抗R2は、内枠12および前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態(図5(b)参照)となったときに、タイマIC1のTRG端子に直流電圧(約11.3ボルト)を印加するための抵抗である。また、このコンデンサCD5は、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通または遮断された際に(内枠12および前面枠14が開放または閉鎖された際に)、抵抗R2に発生するノイズを低減するためのコンデンサである。
上記の接続により、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態にあるときには(内枠12および前面枠14が閉鎖状態にあるときには)、抵抗R2およびコンデンサCD5に電圧が供給されないので、抵抗R2およびコンデンサCD5に印加される電圧は(タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は)、ゼロボルトとなる。このとき、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は約10.6ボルトとなる。
一方、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態にあるときには(内枠12又は前面枠14のいずれか一方、または内枠12および前面枠14の両方が開放状態にあるときには)、抵抗R2およびコンデンサCD5に電圧が供給されるので、抵抗R2およびコンデンサCD5に印加される電圧は(タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は)、コンデンサCD1の一端に印加される電圧と同じ約11.3ボルトとなる。このとき、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態となってから約10msの間は約10.6ボルトとなり、その後、ゼロボルトとなる。
このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧により、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を、約10.6ボルトかゼロボルトかのいずれか一方に設定することができる。なお、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され(内枠12または前面枠14が開放され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R2に印加される電圧)がゼロボルトから約11.3ボルトに変化すると、上述の通り、その電圧の立ち上がりから約10ms遅れて、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がる。そして、詳細は後述するが、このタイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R2に印加される電圧)の立ち上がりと、タイマIC1のOUT端子から出力されている電圧の立ち下がりとの時間差(約10ms)によって、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10msだけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が約10msの間だけ通電される。
タイマIC1のOUT端子は、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断され(内枠12および前面枠14が閉鎖され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトになると、約10.6ボルトの電圧を出力し、一方、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され(内枠12または前面枠14が開放され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が約11.3ボルトに立ち上がると、その立ち上がりから約10ms遅れて、出力している約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに設定する端子である。このOUT端子は、10kΩの抵抗R3の一端と接続される。この抵抗R3の他端は、コンデンサCD2の一端および10kΩの抵抗R4の一端と接続されており、コンデンサCD2の他端および抵抗R4の他端は、グランドされている。
抵抗R3および抵抗R4は、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を分圧するための分圧抵抗である。よって、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は、抵抗R3の抵抗値と抵抗R4の抵抗値との比に応じて、抵抗R3と抵抗R4とに分圧される。抵抗R3と抵抗R4とは共に10kΩであるので、タイマIC1のOUT端子から出力される約10.6ボルトの電圧は、抵抗R3と抵抗R4とにより、それぞれ最大値約5.3ボルトずつに分圧される。
抵抗R4に並列に接続される10μFのコンデンサCD2は、抵抗R4に印加される電圧を安定化させるためのコンデンサである。このコンデンサCD2の一端は、抵抗R4の一端と接続され、コンデンサCD2の他端は、抵抗R4の他端と接続されて、グランドされている。このコンデンサCD2により、抵抗R4に印加される電圧を安定化させることで、トランジスタTR1のベース端子bとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間に印加されるバイアス電圧を安定化させて、トランジスタTR1の動作を安定化させることができる。
トランジスタTR1は、抵抗R4に印加される電圧に基づいて、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間を、導通または遮断のいずれか一方に切り換えるスイッチング素子である。トランジスタTR1には、10kΩの内部抵抗R5が設けられている。この内部抵抗R5の一端には、抵抗R4の一端が接続され、内部抵抗R5の他端には、ベース端子bが接続されている。また、トランジスタTR1には、10kΩの内部抵抗R6が設けられている。この内部抵抗R6の一端には、内部抵抗R5の他端が接続され、内部抵抗R6の他端には、エミッタ端子eが接続されている。
よって、タイマIC1のOUT端子から約10.6ボルトの電圧が出力されている場合には(内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合、ならびに、内枠12または前面枠14が開放されてから約10ms内である場合には)、その電圧が抵抗R3と抵抗R4で分圧され、抵抗R4に印加された電圧(約5.3ボルト)が、トランジスタTR1の内部抵抗R5の一端とトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間に印加される。これにより、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通される。このとき、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態(内枠12または前面枠14が開放状態)であれば、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに切り換わるまで、即ち、内枠12または前面枠14が開放されてから約10msの間、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給される。抵抗R7の一端に電流が供給されれば、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10msの間、通電し、ホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。ただし、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには、コンデンサCD1の一端と外部出力端子板261に設けられた抵抗R7との接続が遮断される。よって、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電されず、ホールコンピュータ262へパルス信号は出力されない。
一方、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトの場合には(内枠12または前面枠14が開放されてから約10msが経過した場合)、抵抗R4に電圧が印加されないので、トランジスタTR1の内部抵抗R5の一端とトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間にも電圧が印加されない。これにより、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が遮断される。よって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態(内枠12または前面枠14が開放状態)であっても、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電されず、ホールコンピュータ262へパルス信号は出力されない。
このように、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ約10msの間だけ通電することができる。よって、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ約10msのパルス幅のパルス信号を出力することができる。
タイマIC1のTH端子は、TH端子に印加される電圧を計測する端子であり、抵抗R1の他端と、コンデンサCD3の一端と、タイマIC1のDCH端子とに接続されている。タイマIC1のDCH端子は、タイマIC1のTH端子に印加された電圧がタイマIC1のVDD端子に入力される直流電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧(約7.5ボルト)となった場合に、DCH端子のインピーダンスを無限大の状態からゼロの状態に切り換える端子である。DCH端子のインピーダンスがゼロの状態(グランド状態)となると、コンデンサCD3へ電圧が印加できない状態となる。一方、DCH端子のインピーダンスが無限大の状態となると、コンデンサCD3に電圧が印加可能な状態となる。
タイマIC1のTH端子およびタイマIC1のDCH端子に接続される抵抗R1およびコンデンサCD3は、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3との積である時定数に基づいて、内枠12または前面枠14が開放された場合に、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間を約10msに決定するための部品である。抵抗R1の一端は、スイッチSW1の他端、スイッチSW2の他端および外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。また、抵抗R1の他端は、タイマIC1のTH端子と、タイマIC1のDCH端子と、コンデンサCD3の一端と接続されている。また、コンデンサCD3の他端は、グランドされている。
ここで、抵抗R1およびコンデンサCD3について、タイマIC1のTRG端子、タイマIC1のTH端子、タイマIC1のDCH端子およびタイマIC1のOUT端子と共に説明する。
内枠12および前面枠14が閉鎖状態では(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態では)、抵抗R1に電圧が供給されないので、タイマIC1のTH端子に印加される電圧はゼロボルト(約7.5ボルト未満)となり、タイマIC1のDCH端子は、インピーダンスが無限大の状態に設定される。よって、コンデンサCD3に電圧が印加可能な状態となり、コンデンサCD3は、充電可能状態(電荷を蓄えることができる状態)となる。しかし、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには、コンデンサCD1の一端と抵抗R1との接続が遮断されているので、コンデンサCD3には電圧が印加されず、コンデンサCD3に印加される電圧がゼロボルトとなる。このように、コンデンサCD3は、充電可能状態となるものの、充電は行われない状態となる。なお、このとき、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通している。しかし、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態であるので、外部出力端子板261の抵抗R7の一端には、電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電も行われず、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へもパルス信号は出力されない。
次に、内枠12または前面枠14が開放状態となって(図5(b)参照)、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)は、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わる。このとき、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通している。よって、抵抗R7の一端への電流供給が開始され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電される。これにより、ホールコンピュータ262へ信号が出力開始される。
また、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)が、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わるのと同時に、コンデンサCD3に電圧が印加され、コンデンサCD3の充電が開始される。このとき、タイマIC1のTH端子に印加される電圧が上昇を開始する。
タイマIC1のOUT端子の電圧は、タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD3に印加される電圧)が、タイマIC1のVDD端子に入力される電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧、即ち、約7.5ボルトと等しくなるまで、約10.6ボルトを保ち続ける。タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2に印加される電圧)が上昇し、約7.5ボルトと等しくなると、タイマIC1のDCH端子のインピーダンスが無限大の状態からゼロの状態(グランドされた状態)に切り換わる。すると、コンデンサCD3に印加される電圧がゼロボルト状態となり、コンデンサCD3に蓄えられた電荷が放電される。これにより、タイマIC1のTH端子に印加される電圧は、約7.5ボルトからゼロボルトに切り換わる。このタイマIC1のTH端子に印加される電圧の切り換わりにより、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換わる。すると、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとの導通が遮断され、抵抗R7の一端への電流供給が停止される。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電が停止し、ホールコンピュータ262への信号の出力が停止される。
このように、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となった場合に(図5(b)参照)、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間、即ち、タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD3に印加される電圧)がゼロボルトから約7.5ボルトとなるまでの期間を、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3の容量との積である時定数に基づいて約10msに決定する。すると、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合に、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の抵抗R7の一端に電流の供給が開始される。そして、抵抗R7の一端への電流の供給開始から約10ms経過後に、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに切り換わり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとの導通が遮断されて、抵抗R7の一端への電流供給が停止される。これにより、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合に、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10msだけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10msの間だけ通電することができる。よって、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、約10msのパルス幅のパルス信号を出力することができる。
なお、内枠12および前面枠14が開放状態から閉鎖状態(スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態から遮断状態)となると、即ち、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると、タイマIC1のOUT端子の電圧は、ゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる。この状態においては、上述した通り、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通しているが、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態であるので、外部出力端子板261の抵抗R7の一端には、電流が供給されない。よって、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電も行われず、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へもパルス信号は出力されない。
上述の通り、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3との積である時定数に基づき、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10msだけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10msの間だけ通電することができる。これにより、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、約10msのパルス幅のパルス信号を出力することができる。
図7の説明に戻る。タイマIC1のCNT端子は、CNT端子に入力される信号により、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整する端子である。ただし、本枠開放検出回路260では、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整しないので(タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間は10msに固定)、タイマIC1のCNT端子は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261のいずれの部品にも接続されず、開放されている。
上述したように、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると(図5(b)参照)、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給を開始する。一方、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となってから約10ms経過すると、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間を導通状態から遮断状態へ切り換え、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給を停止する。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が約10msの間、通電され、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ約10msのパルス幅のパルス信号が出力される。
なお、扉開放検出回路260では、タイマIC1にLMC555を用いて、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、フォトカプラPR1を約10msの間通電する回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1に他の集積回路等を用いて、内枠12の1回の開放または前面枠14の1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてフォトカプラPR1を所定期間通電するものであれば良い。
次に、枠開放検出回路260に接続されると共に、ホールコンピュータ262に接続される外部出力端子板261について説明する。外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262に約10msのパルス幅のパルス信号を出力する機能を有し、1kΩの抵抗R7とフォトカプラPR1とから主に構成されている。
抵抗R7は、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗であり、抵抗R7の一端は、枠開放検出回路260の抵抗R1の一端、スイッチSW1の他端およびスイッチSW2の他端と接続され、抵抗R7の他端はフォトカプラPR1の一次側(発光ダイオードのアノード端子)と接続されている。フォトカプラPR1は、発光ダイオードとその発光ダイオードが発する光を受光する受光素子(フォトトランジスタ)とから構成される電流スイッチである。フォトカプラPR1の一次側である発光ダイオードは、上述した通り、アノード端子が抵抗R7の一端と接続されており、カソード端子が枠開放検出回路260のトランジスタTR1のコレクタ端子cと接続されている。また、フォトカプラPR1の二次側である受光素子(フォトトランジスタ)は、ホールコンピュータ262に接続されている。
よって、内枠12または前面枠14が開放状態(スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態)となってから約10msの間、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通されると、フォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7を介して電流が供給され、発光ダイオードは約10msの間、光を発する。すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、発せられた光を受光し、受光した約10msの光をパルス幅が約10msのパルス信号(電気信号)に変えて、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。ホールコンピュータ262は、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)から出力されたパルス信号を記憶することができる。よって、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。
一方、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、抵抗R7の一端に電圧が供給されないので、フォトカプラPR1の一次側である発光ダイオードに電流が供給されない。よって、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されることはない。
ここで、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する外部出力端子板261にフォトカプラPR1を用いる利点について説明する。フォトカプラPR1は、一次側の発光ダイオードに供給される電流を光に変換し、その光を二次側の受光素子(フォトトランジスタ)に受光させてパルス信号(電気信号)を出力する構成(発光ダイオードから受光素子へ一方向に信号を伝送する構成)である。よって、二次側の受光素子(フォトトランジスタ)から一次側の発光ダイオードへはパルス信号等の電気信号を伝えることができない。これにより、フォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに枠開放検出回路260が接続され、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)にホールコンピュータ262が接続されていても、ホールコンピュータ262からのパルス信号等の電気信号を、枠開放検出回路260や枠開放検出回路260が設けられた主制御装置110等へ伝送することができない。従って、フォトカプラPR1を用いることで、ホールコンピュータ262から枠開放検出回路260や主制御装置110等への不正なパルス信号等の電気信号の伝送を防止しつつ、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へはパルス信号を伝送できるという利点がある。
更には、フォトカプラPR1は、一次側の発光ダイオードと二次側の受光素子(フォトトランジスタ)とが電気的に絶縁されている。よって、例えば、フォトカプラPR1の発光ダイオードに供給される電流に電気ノイズが含まれていたとしても、その電気ノイズが2次側のフォトトランジスタに伝送されることがない。従って、フォトカプラPR1を用いることで、外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262へ、正確なパルス信号を出力することができるという利点がある。
上述した通り、枠開放検出回路260には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。そして、枠開放検出回路260により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。
ここで、一般に、遊技場は民間の警備会社と防犯契約を交わしており、遊技場への侵入者があった場合には、直ちに警備会社の警備員が遊技場へ駆けつける。しかし、不正行為は短時間で行われるので、警備員が駆けつけたときには、大抵の場合、既に侵入者は遊技場から逃げ出しており、一体、どのパチンコ機10に不正行為が行われたのか判別できないという問題点があった。不正行為がなされたパチンコ機10は、正常な状態に戻さなければならないが、どのパチンコ機10に不正行為がなされたか分からない場合には、すべてのパチンコ機10の内枠12および前面枠14を開放して、1台ずつ検査しなければならず、多数のパチンコ機10が設置されている遊技場でこの作業を行うことは相当な重労働であった。
しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、枠開放検出回路260により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力する。そして、その出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ、コンデンサCD1から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD1からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1の容量を1Fとする)、コンデンサCD1を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図8を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化するタイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)と、タイマIC1のOUT端子電圧と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図8は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)、タイマIC1のOUT端子電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。
図8(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t1時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t1時から約10ms経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t1時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t1時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t1時から約10ms経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t1時から10ms経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t2時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
次に、図8(a)に示すように、t3時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t3時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t3時から約10ms経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t3時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t3時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t3時から約10ms経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t3時から10ms経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t4時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図8(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図8(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t5時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t5時から約10ms経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t5時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t5時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t5時から約10ms経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t5時から10ms経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図8(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t8時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合でも、タイマIC1は、スイッチSW1の導通期間の長さ(内枠12の開放期間の長さ)およびスイッチSW2の導通期間の長さ(前面枠14の開放期間の長さ)に拘らず、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となったときから約10ms経過すると、OUT端子の電圧を約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10msとなる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へコンデンサCD1から約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10msに留めることができる。従って、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
ここで、コンデンサCD1は容量が0.1Fであり、コンデンサCD1に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1に蓄えられる電荷は、コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1の印加電圧との積から約1.13C(クーロン)となる。このコンデンサCD1に蓄えられる約1.13Cの電荷は、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の1回の供給期間が約10msである場合には、電流の供給回数で約500回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12の開放(スイッチSW1の導通)または前面枠14の開放(スイッチSW2の導通)が多数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路260は、内枠12の開放または前面枠14の開放(スイッチSW1の導通またはスイッチSW2の導通)を、約500回まで毎回確実に検出して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力することができる。このとき、内枠12の開放または前面枠14の開放が約500回付近となると、コンデンサCD1に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のパルス信号の検出感度を上げることにより(パルス信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にパルス信号を記憶させることができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されたが、これに限られるものではない。即ち、本枠開放検出回路260の各部品の接続を変更し、内枠12または前面枠14が開放され、その開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、フォトカプラPR1に約10msの間、電流を供給して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。
ただし、本実施形態の枠開放検出回路260では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しているので、内枠12または前面枠14の開放を素早く検出できる。よって、内枠12または前面枠14が開放されて主制御装置110または遊技盤13に不正行為が行われる前に、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。従って、パチンコ機10へ電源が供給されている場合に発生する不正行為が行われたことによる異常動作を防止することができる。
なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
また、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、タイマIC1のOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、枠開放検出回路260のトランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子e(図7参照)との端子間が導通状態となる。ただし、このときには、トランジスタTR1に流れる電流はベース電流だけである。そして、このベース電流の電流値を決定する抵抗R3および抵抗R5は共に抵抗値10kΩであり、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗R7の抵抗値(1kΩ)に比べて十分大きい。よって、ベース電流の電流値を約100μA程度に留めることができる(なお、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通されているときに、フォトカプラPR1に供給される電流値は、約11.3mA)。よって、トランジスタTR1の導通状態によるコンデンサCD1に蓄えられる電荷の消費をごく僅かに止めることができる。
また、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、タイマIC1のOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、タイマIC1のOUT端子とグランドとの間に直列に接続される抵抗R3および抵抗R4を介して、電流が消費される。しかし、抵抗R3および抵抗R4は共に抵抗値が10kΩであり、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗R7の抵抗値(1kΩ)に比べて十分大きい。よって、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときに、抵抗R3および抵抗R4を介してタイマIC1のOUT端子からグランドへ流れる電流値を、約530μA程度に留めることができる。従って、コンデンサCD1に蓄えられる電荷の抵抗R3および抵抗R4による消費をごく僅かに止めることができる。
なお、内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合に(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に)、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費を更に抑制したい場合には、抵抗R3、抵抗R4および抵抗R5の抵抗値を10kΩよりも更に大きくすれば良い。
更に、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費をゼロにしたい場合には、次の構成にすれば良い。スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1には、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせが、新たに1つ加えられる。スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせが新たに1つ加えられる。そして、枠開放検出回路260内のタイマIC1のOUT端子と抵抗R3の一端との接続を切断し、接続切断後のタイマIC1のOUT端子に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R3の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を接続する。同様に、接続切断後のタイマIC1のOUT端子に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R3の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を接続する。このように構成することで、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には、タイマIC1のOUT端子電圧である約10.6ボルトが抵抗R3、抵抗R4および抵抗R5に印加されることはなく、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費をゼロにすることができる。反対に、内枠12または前面枠14の一方、若しくは内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には(スイッチSW1またはスイッチSW2の一方、若しくはスイッチSW1とスイッチSW2との両方が導通されている場合には)、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6およびコンデンサCD2にタイマIC1のOUT端子電圧が分圧されて印加されることで、フォトカプラPR1への電流供給を抵抗R7を介して正常に行うことができる。
なお、タイマIC1のOUT端子との接続を切断して、端子対SW1cおよび端子対SW2cを接続する箇所は上記に限られるものではない。例えば、抵抗R3の他端と、抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端とを切断して、接続切断後の抵抗R3の他端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を接続する。同様に、接続切断後の抵抗R3の他端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を接続すれば良い。つまり、新たに加えられた雄型スイッチSW1bおよび雌型スイッチSW1aと、新たに加えられた雄型スイッチSW2bおよび雌型スイッチSW2aとにより、内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合には(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には)、タイマIC1のOUT端子とグランドとの導通を遮断する一方、内枠12または前面枠14の一方、若しくは内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には(スイッチSW1またはスイッチSW2の一方、若しくはスイッチSW1とスイッチSW2との両方が導通されている場合には)、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6およびコンデンサCD2にタイマIC1のOUT端子電圧が分圧されて印加されるように構成すれば良いのである。
また、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続すれば良い。具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1の一端、タイマIC1のVDD端子、コンデンサCD4の一端およびタイマIC1のRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD5の一端、抵抗R1の一端、および外部出力端子盤261の抵抗R7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。ここで、ホールコンピュータ262は、既存の外部出力端子板261(スイッチSW1の導通検出用(内枠12の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子と、新たに設けた外部出力端子板261(スイッチSW2の導通検出用(前面枠14の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子とをそれぞれ別にしておく。この構成により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)とスイッチSW2の導通(前面枠14の開放)とを区別してホールコンピュータ262に記憶させることができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
更に、パチンコ機10への電源供給が行われている場合に、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させると共に、内枠12と前面枠14とのどちらかが開放したときにパチンコ機10で報知を行いたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続する。次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを新たに1つずつ設ける。そして、新たに設けた雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを用いて、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通した場合に、MPU201に、信号が入力されるように構成すれば良い。
具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1の一端、タイマIC1のVDD端子、コンデンサCD4の一端およびタイマIC1のRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD5の一端、抵抗R1の一端、および外部出力端子盤261の抵抗R7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。
次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加える。また、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加える。そして、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を、既存の枠開放検出回路260の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を、抵抗により構成される分圧回路を介してMPU201の入出力ポート205に接続する。同様に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を、新たに設けられた枠開放検出回路260の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を、抵抗により構成される分圧回路を介してMPU201の入出力ポート205に、端子対SW1cの他端とは別のポートに接続する。更に、MPU201は、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通して、内枠12の開放を検出する5ボルトの電圧(分圧回路により、直流電源DC1から供給される12ボルトの電圧が5ボルトに降圧される)または内枠14の開放を検出する5ボルトの電圧(分圧回路により、直流電源DC1から供給される12ボルトの電圧が5ボルトに降圧される)が入出力ポート205に入力された場合に、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ、内枠12または前面枠14の開放が検出されたことを示すコマンドを送信する。このとき、MPU201から送信されるコマンドを、内枠12の開放が検出された場合のコマンド(以下、「内枠コマンド」と称す)と、前面枠14が開放された場合のコマンド(以下、「前面枠コマンド」と称す)とで別にする。そして、この各コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226から異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227の点灯の態様を異ならせる。また、この各コマンドを受信した表示制御装置114は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の表示を行う。例えば、表示制御装置114が内枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示したり、表示制御装置114が前面枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示するように構成すれば良い。
このように、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加え、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加えて、それらを用いて、スイッチSW1が導通した場合には(内枠12が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ内枠コマンドを送信するように構成する。また、スイッチSW2が導通した場合には(前面枠14が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ前面枠コマンドを送信するように構成する。このように構成することで、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで異なる態様の報知を、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114を用いて行うことができる。これにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを、パチンコ機10を用いて正確に検出することができる。
また、枠開放検出回路260および外部出力端子板261を新たに設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
なお、本実施形態においては、外部出力端子板261から出力されるパルス信号を、パチンコ機10とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機10毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機10の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
次に、図9を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図9は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図9(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図9(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図9(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図9(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施の形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図12参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図12参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図11から図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図16参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図16のフローチャートを参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図16は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図17は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図11を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS110へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS110へ移行する。なお、図12のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図12を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図12は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201)。具体的には、S501のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図13を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、上述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図17のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図13を参照して、変動処理(S204)について説明する。図13は、メイン処理(図12参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図14を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施の形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図14を参照して、変動開始処理について説明する。図14は、変動処理(図13参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
以上、説明したように、パチンコ機10によれば、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると(図5(b)参照)、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となってから約10ms経過するまで(約10msの間)、外部出力端子板261の抵抗R7の一端へ電流を供給する。すると、外部出力端子板261に設けられたフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7を介して電流が供給され、発光ダイオードは約10msの間、光を発する。そして、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)が発光ダイオードの光を受光すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、受光した約10msの光をパルス幅が約10msのパルス信号(電気信号)に変え、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。出力されたパルス信号は、ホールコンピュータ262に記憶される。よって、枠開放検出回路260と外部出力端子板261とを用いることで、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路260は、パルス信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
また、枠開放検出回路260には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断されている場合であっても、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。
次に、図18および図19を参照して、第2実施形態のパチンコ機を説明する。第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260を別の構成である枠開放検出回路270に変更したものである。第2実施形態の枠開放検出回路270は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、回路構成を簡略化している。具体的には、第2実施形態の枠開放検出回路270は、第1実施形態の枠開放検出回路260から、タイマIC1、抵抗R1〜R3、コンデンサCD3〜CD5を取り除き、コンデンサCD1を容量の異なるコンデンサCD6に変更し、各部品の接続を変更して、回路構成を簡略化したものである。
この第2実施形態の枠開放検出回路270によれば、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号をホールコンピュータ262へ出力することができるので、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。
図18は、第2実施形態の枠開放検出回路270の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7で上述した第1実施形態の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
コンデンサCD6は、第1実施形態の枠開放検出回路260に用いられたコンデンサCD1の容量を0.1F(ファラッド)から1F(ファラッド)に変更したものである。コンデンサCD6は、第1実施形態の枠開放検出回路260のコンデンサCD1と同じく充電池として機能する部品であり、コンデンサCD6の一端はダイオードD1のカソードと接続され、コンデンサCD6の他端はグランドされている。
このコンデンサCD6は、上述したコンデンサCD1(図7参照)と同様、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD6の容量1Fと、コンデンサCD6に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される12ボルトからダイオードD1での電圧降下0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD6は、コンデンサCD6に蓄えられた電荷に基づく直流電圧(約11.3ボルト)を枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ供給する。
具体的には、コンデンサCD6は容量が1F(ファラッド)であり、コンデンサCD6に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD6に蓄えられる電荷は、コンデンサCD6の容量とコンデンサCD6の印加電圧の積から約11.3C(クーロン)となる。このコンデンサCD6に蓄えられる約11.3Cの電荷は、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるハイ信号の出力期間にすると、約10分間の量となる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、外部出力端子板261から出力されるハイ信号の総出力期間が約10分間となるまでは、枠開放検出回路270は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。また、枠開放検出回路270は、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。なお、内枠12の開放または前面枠14の開放の総出力期間が約10分間に近くなると、コンデンサCD6に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD6からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のハイ信号の検出感度を上げることにより(ハイ信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にハイ信号を記憶させることができる。
このように、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、枠開放検出回路270は、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。なお、コンデンサCD6の一端には、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD6から枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電圧(約11.3ボルト)が供給されている場合でも、その直流電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。なお、本実施形態においては、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する部品として、コンデンサCD6を使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD6を、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
コンデンサCD6の一端は、スイッチSW1およびスイッチSW2の一端と接続されると共に、外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。スイッチSW1およびスイッチSW2の他端には、抵抗R9の一端が接続されている。そして、抵抗R9の他端には、コンデンサCD2の一端、抵抗R4の一端およびトランジスタTR1の内部抵抗R5の一端が接続されている。
この接続により、スイッチSW1若しくはスイッチSW2の一方(内枠12若しくは前面枠14の一方)、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態である(内枠12および前面枠14の両方が開放状態である)期間中、抵抗R4に直流電圧が供給されるので、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通する。すると、この期間中、外部出力端子板261の抵抗R7を介してフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードへ電流が供給される。これにより、スイッチSW1若しくはスイッチSW2の一方(内枠12若しくは前面枠14の一方)、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態である(内枠12および前面枠14の両方が開放状態である)期間中、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)からホールコンピュータ262へ、ハイ信号が出力される。従って、第2実施形態の枠開放検出回路270によれば、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号を、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路270は、ハイ信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのハイ信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へコンデンサCD6から約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD6からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14が開放された期間に留めることができる。よって、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ、コンデンサCD6から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD6からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD6の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD6の容量を10Fとする)、コンデンサCD6を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図19を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化する枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図19は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、枠開放検出回路270のAの電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。なお、図19に記載されたt1時〜t8時の各時は、図8に示す第1実施形態の枠開放検出回路260のタイミングチャートに記載されたt1時〜t8時の各時と同一である。
図19(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、これに追従して、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる(t1時)。すると、図19(d)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t1時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、約11.3ボルトからゼロボルトへ切り換わる(t2時)。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t2時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t1時からt2時の間、出力される。つまり、パルス幅がt1からt2時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
次に、図19(a)に示すように、t3時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、これに追従して、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる(t3時)。すると、図19(d)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t3時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t4時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、約11.3ボルトからゼロボルトへ切り換わる(t4時)。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t4時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t3時からt4時の間、出力される。つまり、パルス幅がt3からt4時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図19(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図19(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、t5時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t5時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図19(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、t8時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t8時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t5時からt8時の間、出力される。つまり、パルス幅がt5からt8時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
このように、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態(内枠12および前面枠14が開放状態)であるときには、枠開放検出回路270は、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となったときから、スイッチSW1とスイッチSW2との両方が遮断状態(内枠12と前面枠14との両方が閉鎖状態)となるまで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、ハイ信号を出力することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態となったときから、内枠12と前面枠14との両方が閉鎖状態となるまでの開放期間を検出することができる。
上述した通り、第2実施形態のパチンコ機によれば、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、枠開放検出回路270により、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号をホールコンピュータ262に出力することができる。そして、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からハイ信号が出力されたことと共に、その出力されたハイ信号の出力期間を記憶させることで、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。また、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたハイ信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたハイ信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からハイ信号が出力されたことと共に、その出力されたハイ信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻も検出することができる。
次に、図20および図21を参照して、第3実施形態のパチンコ機を説明する。第3実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260を別の構成である枠開放検出回路280に変更したものである。第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、回路構成を簡略化している。具体的には、第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260から、抵抗R2、コンデンサCD4およびCD5を取り除き、抵抗R1、コンデンサCD3、抵抗R7、スイッチSW1およびスイッチSW2の各接続を変更し、タイマIC1を単安定マルチバイブレータとして機能させ、そのタイマIC1のTRG端子の前段に抵抗10とコンデンサCD7とから構成される積分回路281を接続して、回路構成を簡略化したものである。そして、第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の態様およびタイマIC1のOUT端子から出力される電圧の態様を変更したものである。
この第3実施形態の枠開放検出回路280によれば、積分回路281により、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2ms)とすることによって、タイマIC1のOUT端子から約9.6ボルトの電圧が出力される期間(約10ms)よりも、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を短く調整することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10msに留めることができる。従って、枠開放検出回路280は、枠開放検出回路260と比較して回路構成を簡略化できると共に、タイマIC1のOUT端子から約9.6ボルトの電圧が出力される期間を約10msに留めることで、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を枠開放検出回路260よりも更に小さく抑えることができる。
図20は、第3実施形態の枠開放検出回路280の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7で上述した第1実施形態の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
パチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ直流電圧を供給するコンデンサCD1の一端は、100kΩの抵抗R10の一端と接続されると共に、タイマIC1のVDD端子、100KΩの抵抗R1aの一端、タイマIC1のRES端子および1KΩの抵抗R7aの一端と接続されている。
抵抗R1aの他端は、0.1μFのコンデンサCD3aの一端と接続されると共に、タイマIC1のDCH端子およびタイマIC1のTH端子と接続されている。そして、コンデンサCD3aの他端は、グランドされている。このコンデンサCD3aと抵抗R1aとの接続により、タイマIC1は、内枠12または前面枠14が開放されることで、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されて、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約10msの間、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。なお、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる期間である約10msは、抵抗R1aの抵抗値(100kΩ)とコンデンサCD3aの容量値(0.1μF)との積である時定数により決定されている。
抵抗R10は、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を安定化させる抵抗であると共に、コンデンサCD7とで積分回路281を構成する抵抗である。この抵抗R10の他端は、ダイオードD2のアノード端子と接続され、このダイオードD2のカソード端子は、タイマIC1のTRG端子に接続されると共に、制限電圧(ツェナー電圧)が約10.5ボルトのツェナーダイオードD3のカソード端子、並列接続されたスイッチSW1およびスイッチSW2のそれぞれの一端に接続されている。よって、内枠12および前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている状態では、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は、コンデンサCD1から供給される約11.3ボルトの電圧から、抵抗R10での電圧降下の約0.3ボルトと、ダイオードD2での電圧降下の約0.7ボルトとを差し引いた約10.3ボルトとなる。
0.02μFのコンデンサCD7は、抵抗R10とで積分回路281を構成して、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を制御するコンデンサである。コンデンサCD7の一端には、スイッチSW1およびスイッチSW2のそれぞれの他端が接続され、コンデンサCD7の他端は、グランドされている。このコンデンサCD7と抵抗R10とにより構成される積分回路281は、内枠12または前面枠14が開放状態となることにより、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子に印加されている約10.3ボルトの電圧をゼロボルトに立ち下げ、その立ち下げから約2ms後に再び、タイマIC1のTRG端子電圧を約10.3ボルトに戻す回路である。
具体的には、内枠12または前面枠14が開放され、その開放に応じて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されると、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧がコンデンサCD7に印加開始されて、コンデンサCD7の充電が開始される。この充電開始時に、コンデンサCD7に印加される電圧が瞬間的にゼロボルトとなることで、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が瞬間的にゼロボルトになるのである。そして、コンデンサCD7の充電に伴い、コンデンサCD7は、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を上昇させ、最終的に、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を約10.3ボルトに制御するのである。
なお、コンデンサCD7が充電完了するまでの期間、即ち、タイマIC1のTRG端子に印加されている約10.3ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がり、その立ち下がりから、タイマIC1のTRG端子の電圧が再び、約10.3ボルトに戻るまでの期間である約2msは、抵抗R10の抵抗値(100kΩ)とコンデンサCD7の容量値(0.02μF)の積である時定数により決定されている。
このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が立ち下がり、その立ち下がりから再び、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトに戻るまでの期間(約2ms)は、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間(約10ms)よりも短い期間に調整されている。なお、抵抗R10の抵抗値とコンデンサCD7の容量値とを変更することにより、タイマIC1のTRG端子に印加されている電圧が立ち下がってから、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトに再び戻るまでの期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がるまでの期間である約10ms以内で自由に変更することができる。
ここで、単安定マルチバイブレータは、出力端子から出力される信号の出力期間よりも、入力端子へ入力される信号の入力期間が短くなければ、出力端子から正常に信号が出力されない(出力端子から信号が出力され続ける)。このため、積分回路281を使用せずに、単安定マルチバイブレータとしてタイマIC1を機能させた場合には、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも、タイマIC1のTRG端子電圧がゼロボルトから再び、約10.3ボルトに戻るまでの期間が、即ち、内枠12および前面枠14の開放期間(スイッチSW1およびスイッチSW2の導通期間)が短くなくてはならない。しかし、内枠12および前面枠14の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも、内枠12および前面枠14の開放期間が常に短くなるようにするには、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を、十分に余裕を持った期間に設定する必要がある。例えば、内枠12および前面枠14の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この設定した期間中、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へコンデンサCD1から直流電圧の供給が行われ続けるので、コンデンサCD1の消耗が著しくなってしまう。よって、積分回路281を使用せずに、単安定マルチバイブレータとしてタイマIC1を機能させた上で、更に、コンデンサCD1に蓄えられた電荷の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。
しかし、タイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放期間(スイッチSW1およびスイッチSW2の導通期間)に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから再び、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下り期間を一定期間(約2ms)とすることで、タイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10msに留めることができる。
そして、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに約10msの間、立ち上がると、トランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが約10msの間、導通し、抵抗R7aを介して、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に約10msの間、電流が供給される。これにより、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、内枠12または前面枠14の一回の開放につき、約10msのパルス幅のパルス信号が出力される。このように、タイマIC1を単安定マルチバイブレータとして機能させたとしても、タイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることで、コンデンサCD1に蓄えられた電荷の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10msに留めることができる。
なお、タイマIC1のTRG端子には、制限電圧(ツェナー電圧)が約10.5ボルトのツェナーダイオードD3のカソード端子が接続され、グランドには、ツェナーダイオードD3のアノード端子が接続されている。このツェナーダイオードD3は、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通された場合に、コンデンサCD7に蓄えられた電荷とコンデンサCD1から供給される電圧とが重畳されることにより発生し得る、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されるのを防止する素子である。具体的には、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され、コンデンサCD7に蓄えられた電荷は、比較的短期間の内に再び、内枠12または前面枠14の次の開放が行われ、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通が行われると、スイッチSW1またはスイッチSW2の他端側から一端側へ放電される。このコンデンサCD7から放電された約10.3ボルトの電圧とコンデンサCD1から供給された約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子とグランドとの間には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。このように、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードD3を用いて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることを防止し、タイマIC1の損傷を防止することができる。
なお、上述の通り、ツェナーダイオードD3の制限減圧(ツェナー電圧)は、約10.5ボルトであるので、内枠12および前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断された状態にあっては、コンデンサCD1から供給される電流がツェナーダイオードD3を介してグランドに流れることはなく、コンデンサCD1の電荷が消耗することはない。また、スイッチSW1およびスイッチSW2の一端には、ダイオードD2のカソード端子が接続されており、このダイオードD2が電流の逆流防止機能を発揮するので、コンデンサCD7から放電された約10.3ボルトの電圧が、コンデンサCD1やタイマIC1のVDD端子に印加されて、これらが損傷することはない。
上述した通り、枠開放検出回路280のタイマIC1は、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、この立ち下がりから約10msの間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。そして、このタイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2ms)とすることで、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10msに留めることができる。これにより、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に電流が供給される期間を約10msに留めることができ、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10msに留めることができる。
また、枠開放検出回路280には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路280は、パチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。そして、枠開放検出回路280により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、その1回の検出につき、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
なお、扉開放検出回路280では、タイマIC1にLMC555を用いて、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、フォトカプラPR1を約10msの間通電する回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1に他の集積回路等を用いて、内枠12の1回の開放または前面枠14の1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてフォトカプラPR1を所定期間通電するものであれば良い。
また、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ、コンデンサCD1から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD1からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1の容量を1Fとする)、コンデンサCD1を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図21を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化するタイマIC1のTRG端子電圧と、タイマIC1のOUT端子電圧と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図21は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、タイマIC1のTRG端子電圧、タイマIC1のOUT端子電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。なお、図21に記載されたt1時〜t8時の各時は、図8に示す第1実施形態の枠開放検出回路260のタイミングチャートに記載されたt1時〜t8時の各時と同一である。
図21(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t1時)。すると、これに追従して、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t1時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t1時)。そして、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t1時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
次に、図21(c)に示すように、t1時から約2ms経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t1時から)、約10msが経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t1時から約10ms経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t1時から約10ms経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図21(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
次に、図21(b)に示すように、t3時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t3時)。すると、これに追従して、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t3時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t3時)。そして、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t3時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
なお、t1時からt2時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t3時に、ツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了する。このコンデンサCD7の放電期間は、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトからゼロボルトとなり、再び約10.3ボルトとなる約2msよりも非常に微小な期間であるので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t1時からt2時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t3時に、タイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、コンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子の前段には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図21(c)に示すように、t3時から約2ms経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t3時から)、約10msが経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t3時から約10ms経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t3時から約10ms経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図21(b)に示すように、t4時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図21(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図21(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、t5時に、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t5時)。すると、これに追従し、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t5時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t5時)。すると、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t5時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
なお、t3時からt4時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t5時に、ツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了するので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t3時からt4時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t5時に、タイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、コンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、ツェナーダイオードD3により、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなるので、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図21(c)に示すように、t5時から約2ms経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t5時から)、約10msが経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t5時から約10ms経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t5時から約10ms経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10msに留めることができる。
なお、図21(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図21(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合でも、タイマIC1は、スイッチSW1の導通期間(内枠12の開放期間)およびスイッチSW2の導通期間(前面枠14の開放期間)に拘らず、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となり、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がってから約10ms経過すると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10msとなる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へコンデンサCD1から約10.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10msに留めることができる。従って、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
ここで、コンデンサCD1は容量が0.1Fであり、コンデンサCD1に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1に蓄えられる電荷は、コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1の印加電圧との積から約1.13C(クーロン)となる。このコンデンサCD1に蓄えられる約1.13Cの電荷は、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の1回の供給期間が約10msである場合には、電流の供給回数で約500回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12の開放(スイッチSW1の導通)または前面枠14の開放(スイッチSW2の導通)が多数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路280は、内枠12の開放または前面枠14の開放(スイッチSW1の導通またはスイッチSW2の導通)を、約500回まで毎回確実に検出して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力することができる。このとき、内枠12の開放または前面枠14の開放が約500回付近となると、コンデンサCD1に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のパルス信号の検出感度を上げることにより(パルス信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にパルス信号を記憶させることができる。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機によれば、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、積分回路281により、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2ms)とする。すると、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1は正常に動作を行い、タイマIC1のTRG端子電圧がゼロボルトへ立ち下がってから約10ms経過するまでの間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトへ立ち上げる。これにより、外部出力端子板261に設けられたフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7aを介して電流が供給され、発光ダイオードは約10msの間、光を発する。そして、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)が発光ダイオードの光を受光すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、受光した約10msの光をパルス幅が約10msのパルス信号(電気信号)に変え、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。出力されたパルス信号は、ホールコンピュータ262に記憶される。よって、積分回路281を設けた枠開放検出回路280と外部出力端子板261とを用いることで、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路280は、パルス信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
また、枠開放検出回路280には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路280は、パチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断されている場合であっても、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10msのパルス信号を出力することができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されたが、これに限られるものではない。即ち、本枠開放検出回路280の各部品の接続を変更し、内枠12または前面枠14が開放され、その開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、フォトカプラPR1に約10msの間、電流を供給して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。
ただし、本実施形態の枠開放検出回路280では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しているので、内枠12または前面枠14の開放を素早く検出できる。よって、内枠12または前面枠14が開放されて主制御装置110または遊技盤13に不正行為が行われる前に、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。従って、パチンコ機へ電源が供給されている場合に発生する不正行為が行われたことによる異常動作を防止することができる。
また、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路280と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路280に接続すれば良い。具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路280のダイオードD2のカソード端子、ダイオードD3のカソード端子およびタイマIC1のTRG端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路280のコンデンサCD7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路280および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路280に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路280には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。ここで、ホールコンピュータ262は、既存の外部出力端子板261(スイッチSW1の導通検出用(内枠12の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子と、新たに設けた外部出力端子板261(スイッチSW2の導通検出用(前面枠14の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子とをそれぞれ別にしておく。この構成により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)とスイッチSW2の導通(前面枠14の開放)とを区別してホールコンピュータ262に記憶させることができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
更に、パチンコ機への電源供給が行われている場合に、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させると共に、内枠12と前面枠14とのどちらかが開放したときにパチンコ機で報知を行いたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路280と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路280に接続する。次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを新たに1つずつ設ける。そして、新たに設けた雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを用いて、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通した場合に、MPU201に、信号が入力されるように構成すれば良い。
具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路280のダイオードD2のカソード端子、ダイオードD3のカソード端子およびタイマIC1のTRG端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路280のコンデンサCD7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路280および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路280に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路280には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。
次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加える。また、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加える。そして、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を、既存の枠開放検出回路280の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端をMPU201の入出力ポート205に接続する。同様に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を、新たに設けられた枠開放検出回路280の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端をMPU201の入出力ポート205に、端子対SW1cの他端とは別のポートに接続する。更に、MPU201は、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通して、内枠12の開放を検出する12ボルトの電圧(信号)または内枠14の開放を検出する12ボルトの電圧(信号)が入出力ポート205に入力された場合に、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ、内枠12または前面枠14の開放が検出されたことを示すコマンドを送信する。このとき、MPU201から送信されるコマンドを、内枠12の開放が検出された場合のコマンド(以下、「内枠コマンド」と称す)と、前面枠14が開放された場合のコマンド(以下、「前面枠コマンド」と称す)とで別にする。そして、この各コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226から異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227の点灯の態様を異ならせる。また、この各コマンドを受信した表示制御装置114は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の表示を行う。例えば、表示制御装置114が内枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示したり、表示制御装置114が前面枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示するように構成すれば良い。
このように、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加え、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加えて、それらを用いて、スイッチSW1が導通した場合には(内枠12が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ内枠コマンドを送信するように構成する。また、スイッチSW2が導通した場合には(前面枠14が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ前面枠コマンドを送信するように構成する。このように構成することで、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで異なる態様の報知を、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114を用いて行うことができる。これにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを、パチンコ機を用いて正確に検出することができる。
また、枠開放検出回路280および外部出力端子板261を新たに設け、その新たに設けた枠開放検出回路280に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路280には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
なお、本実施形態においては、外部出力端子板261から出力されるパルス信号を、パチンコ機とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記実施の形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施の形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段とを備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段が停止している場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、遊技機の電源がオフされ制御手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
なお、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側を示している。また、複数の遊技機毎に設けられた出力手段から出力される検出結果を1の特定装置で受信しても良いし、遊技機毎に特定装置を設け、その特定装置を各遊技機に配設しても良い。特定装置を各遊技機に配設する場合には、ボックスベースと、そのボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを互いに連結させて、そのボックスカバーとボックスベースとにより形成される空間内に特定装置を収納する。そして、ボックスカバーとボックスベースとを封印ユニットにより開封不能に連結する。更に、ボックスカバーとボックスベースとの連結部には、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シールを貼着する。その上で、扉体の背面または背面側に特定装置を配設すれば良い。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、特定装置へ検出結果を出力する出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段と、その出力期間制限手段に接続され、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記出力期間制限手段へ入力される信号を前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段と、前記出力期間制限手段と出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、遊技機5によれば、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、遊技機5によれば、入力期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができる。
遊技機5において、前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間を所定期間内で自由に調整することができる。
遊技機5又は6において、前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、定電圧手段を設けているので、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にして、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めることができる。
また、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成している場合には、積分回路に用いるコンデンサに電荷が蓄えられ、この電荷による電圧が、出力期間制限手段へ入力される信号と重畳されて、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加される虞がある。しかし、遊技機7によれば、定電圧手段により、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にしているので、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧は出力期間制限手段に印加されない。よって、出力期間制限手段の破壊を防止することができる。
遊技機7において、前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されていることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、ツェナーダイオードにより定電圧手段を構成しているので、複雑な回路により構成される定電圧回路等と比較して、簡単な構成且つ安価に、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にすることができる。よって、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードを用いて、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めつつ、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加されることを防止することができる。
遊技機1から8において、前記扉体は、前記本体に対して開閉される内枠と、その内枠に対して開閉される透明板支持扉とを有して構成され、前記扉開放検出手段は、その内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられると共に、前記出力手段に並列接続されており、前記出力手段は、前記扉開放検出手段により前記内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合に、その検出結果を前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、扉開放検出手段は、内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられると共に、出力手段に並列接続されているので、扉開放検出手段により内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合には、出力手段によって、その検出結果が特定装置へ出力される。よって、扉体を構成する内枠または透明板支持扉のいずれか一方の開放であっても、1の出力手段によって、その開放を特定装置へ報せることができる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記扉開放検出手段は、前記扉体が開放されている場合には導通される一方、前記扉体が閉鎖されている場合には遮断されるように構成されていることを特徴とする遊技機10。遊技機10によれば、扉開放検出手段は、扉体が開放されている場合には導通され、一方、扉体が閉鎖されている場合には遮断されるので、不正行為の実行時である扉体の開放中にのみ出力手段を動作させて、電力消費を小さく抑えることができる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機の電源オン中に充電されるオフ中動作手段を備えており、前記出力手段は、そのオフ中動作手段に充電された電荷または電力によって動作することを特徴とする遊技機11。遊技機11によれば、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により出力手段(および出力期間制限手段)を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができる。
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記制御手段は、遊技の主な制御を行う主制御手段を備え、前記出力手段は、その主制御手段に搭載されていることを特徴とする遊技機12。
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記制御手段とは別の基板に搭載されていることを特徴とする遊技機13。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記出力手段は、フォトカプラを備えており、前記扉開放検出手段による検出結果を、そのフォトカプラの出力により前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機14。
遊技機2から14のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記出力手段とは、前記制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機15。遊技機15によれば、出力期間制限手段と出力手段とは、制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されているので、オフ中動作手段の充電量が減少して、オフ中動作手段の出力電圧が制御手段の動作電圧より低くなっても、出力期間制限手段および出力手段を動作させて、扉体の開放を特定装置へ報せることができる。即ち、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機2から15のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記出力手段とは、その動作可能範囲電圧が前記制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されていることを特徴とする遊技機16。遊技機16によれば、出力期間制限手段と出力手段とは、その動作可能範囲電圧が制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されている。よって、遊技機の電源オフ時において、オフ中動作手段によって出力期間制限手段と出力手段とを長時間動作させることができるので、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機2から16のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されていることを特徴とする遊技機17。遊技機17によれば、出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されている。ここで、C−MOS半導体は、一般的に動作時の消費電力が小さい。よって、遊技機17によれば、オフ中動作手段の消耗を小さくして、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機1から17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機18。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から17のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機19。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機20。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来、パチンコ機では、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入球すると、その入球のタイミングで抽選が行われる。また、スロットマシンや遊技球を使用した回胴式遊技機では、スタートレバーを操作すると、その操作したタイミングで抽選が行われる。抽選の結果、例えば大当たりになると、大量の賞球やコインの払い出しが可能な状態となる。この抽選および大当たりを決定するための制御は、主制御装置によって行われるので、主制御装置が不正行為の対象になり易い。
具体的な不正行為としては、例えば、主制御装置を、大当たりが頻繁に発生する不正なものに取り替えたり、或いは、主制御装置に不正な基板(例えば「ぶら下げ基板」)を接続して、大当たりを不正に発生させるものなどがある。また、パチンコ機の場合、遊技盤面上に打ち込まれている釘を不正に曲げて、入賞口や図柄作動口へ球が入球し易くする不正行為もある。
パチンコ機の場合、主制御装置は遊技盤の裏面に装着されている。一方、遊技盤の前面には、ガラス枠が設けられ、このガラス枠は、遊技盤が装着される内枠体に対して、それぞれ個別に開閉可能にされている。よって、不正行為者が遊技盤面や主制御装置に対して不正行為を行う場合には、内枠またはガラス枠を開放しなければならないが、内枠またはガラス枠が開放された場合には、その開放がセンサによって検出され、遊技場を管理するホールコンピュータへ報されるので、どのパチンコ機に対して不正行為がなされたかは容易に把握することができる(例えば、特許文献1:特開2001−198332号公報)。
しかしながら、遊技場の閉店後の例えば深夜に、不正行為者が侵入し、その侵入者が内枠またはガラス枠を開放して不正行為を行った場合、そのときにはパチンコ機の電源は断されており、パチンコ機は停止しているので、内枠またはガラス枠の開放を検知することができず、その開放をホールコンピュータに報せることができないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を特定装置へ報せることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うものである。なお、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側を示している。
技術的思想2記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止するものである。
技術的思3記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段と、その出力期間制限手段に接続され、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記出力期間制限手段へ入力される信号を前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段と、前記出力期間制限手段と出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えている。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されている。
技術的思想5記載の遊技機は、技術的思想3又は4に記載の遊技機において、前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えている。
技術的思想6記載の遊技機は、技術的思想5記載の遊技機において、前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されている。
<効果>
技術的思想請求項1記載の遊技機によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
更に、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
更に、特定装置へ検出結果を出力する出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
更に、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、請求項3記載の遊技機によれば、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、請求項3記載の遊技機によれば、入力期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができるという効果がある。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間を所定期間内で自由に調整することができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想3又は4に記載の遊技機の奏する効果に加え、定電圧手段を設けているので、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にして、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めることができるという効果がある。
また、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成している場合には、積分回路に用いるコンデンサに電荷が蓄えられ、この電荷による電圧が、出力期間制限手段へ入力される信号と重畳されて、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加される虞がある。しかし、請求項5記載の遊技機によれば、定電圧手段により、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にしているので、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧は出力期間制限手段に印加されない。よって、出力期間制限手段の破壊を防止することができるという効果がある。
技術的思想6記載の遊技機によれば、技術的思想5記載の遊技機の奏する効果に加え、ツェナーダイオードにより定電圧手段を構成しているので、複雑な回路により構成される定電圧回路等と比較して、簡単な構成且つ安価に、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にすることができる。よって、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードを用いて、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めつつ、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加されることを防止することができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
11 外枠(本体)
12 内枠(扉体の一部)
14 前面枠(透明板支持扉,扉体の一部)
110 主制御装置(制御手段の一部,主制御手段)
260,270,280 枠開放検出回路(出力手段の一部)
261 外部出力端子板(出力手段の一部)
281 積分回路(入力期間調整手段)
CD1,CD6 コンデンサ(オフ中動作手段)
D3 ツェナーダイオード(定電圧手段)
IC1 タイマ(出力期間制限手段)
PR1 フォトカプラ(出力手段の一部)
SW1,SW2 スイッチ(扉開放検出手段)

Claims (6)

  1. 本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、
    前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、
    その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、
    その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、
    その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、
    前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、
    前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機。
  2. 本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、
    前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、
    その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、
    その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、
    その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、
    前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、
    前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機。
  3. 本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、
    前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、
    その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、
    その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段と、
    その出力期間制限手段に接続され、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記出力期間制限手段へ入力される信号を前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段と、
    前記出力期間制限手段と出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
  4. 前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
  5. 前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えていることを特徴とする請求項3又は4記載の遊技機。
  6. 前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されていることを特徴とする請求項5記載の遊技機。
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