(第1実施形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
<パチンコ機10の概要>
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。なお、本明細書において「前」は「遊技機を基準として遊技者に近接する方向」を指し、「後」は「遊技機を基準として遊技者から離間する方向」を指すものとする。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17(図1参照)に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
<遊技機本体12の前面側の構成>
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図5に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。また、後述するセンターフレーム42の左の部分(以下、左打ち領域Lという。)と、センターフレーム42の右の部分(以下、右打ち領域Rという。)にはそれぞれスルーゲート35が設けられている。
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33,下作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33,下作動口34への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。更に、上作動口33、下作動口34、一般入賞口31は何れも上向きに開放されている
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aの詳細について図6を用いて説明する。図6(a)は電動役物34aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、図6(b)は電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。
上作動口33を構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出しており、作動口ケース33aの下辺長(すなわち上作動口33の下部の左右幅)は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、作動口33の作動口ケース33aが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
さらにまた、上記のとおり上作動口33と下作動口34とが並設されている。より具体的には上下に並設されているため、電動役物34aが開放状態となった場合には、作動口装置の上方に向けて流下してきた遊技球は、上作動口33及び下作動口34のいずれにも入賞し得る。換言すれば、電動役物34aが開放状態である場合には、後述する発射ハンドル8A(図1を参照)の操作態様によって、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とを狙い分けることが難しい構成となっている。なお、上作動口33の作動口ケース33aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケース33aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース33aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
ここで、下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードが低頻度サポートモード(後述する)である場合には、高頻度サポートモード(後述する)に比べて、電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に低くなる。このため、低頻度サポートモードでは下作動口34に遊技球を入賞させたり、下作動口34への入賞に基づき当否判定を行ったりすることは困難である。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。なお、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSは識別情報変化手段の具体例を構成する。また、第1結果表示部AS若しくは第2結果表示部BSで実行される変動表示(例えば、7セグメントLEDにおいて行われる数字の変動表示、LEDによって表示される点滅表示)が、識別情報の変化表示の具体例を構成し、この変化表示(変動表示)の停止結果によって、識別情報の最終停止態様が構成され、後述するように、この最終停止態様によって遊技の結果(開閉モードに移行するか否か等)が表示される。更に、上作動口33(第1作動口)への入賞に基づいて第1結果表示部ASで変動表示と停止表示される図柄を「第1特別図柄」と称し、下作動口33(第2作動口)への入賞に基づいて第2結果表示部BSで変動表示と停止表示される図柄を「第2特別図柄」と称することがある。また、第1実施形態では、第1作動口と第2作動口とを上下に配置する態様を例示するが、第1作動口と第2作動口との上下位置が逆であっても、第1作動口と第2作動口とが左右に配置されてもよい。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、遊技上の電飾等を行う表示ランプ部63(後述する)と、遊技上の効果音の発声等を行うスピーカ部64(後述する)とともに、遊技上の演出を行う演出装置の具体例を構成し、予告演出等を行う。この図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
図1に示すように、遊技機本体12(前扉枠14)の前面右側下部には発射ハンドル8Aが回動操作可能な状態に配置されている。この発射ハンドル8Aは、遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ87と、遊技球の発射を停止させるために操作されるストップスイッチ89を備える。また、発射ハンドル8Aは、当該発射ハンドル8Aに加えられる回動操作量を検知するための可変抵抗器88を内蔵している(図16参照)。
図5を用いて更に説明すると、遊技盤24には、内レール部5Aと外レール部5Bとが取り付けられており、これら内レール部5Aと外レール部5Bとが略平行に並ぶ部分により、誘導レール部5Eが構成され、遊技球発射機構7A(図2を参照)から発射された遊技球が遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。なお、誘導レール部5Eは、遊技盤24の下部中央寄りから、遊技盤24の左端側上部寄りに向かい、略円弧状の経路に設けられている。
この遊技球発射機構7Aは、図7に示すように、樹脂ベース21における遊技盤24の取着部位の下方に取り付けられている。そして、前扉枠14に設けられた発射ハンドル8Aが操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。次に、遊技球発射機構7Aについて詳細に説明する。
<遊技球発射機構7A>
遊技球発射機構7Aは、図7及び図8を用いて示すように、遊技球の発射方向を規定する発射レール74と、所定の発射位置74W(発射レール74の下端部近傍)の遊技球を発射する発射装置75と、発射位置74Wに遊技球を供給する球送り装置76と、球送り装置76から供給された遊技球を発射位置74Wに支持する支持部材77と、を備える。そして、これの構成部品(発射レール74、発射装置75、球送り装置76、支持部材77等)は金属製のベース部材78を介して樹脂ベース21(内枠13)の下方側の部位に装着されている。つまり、構成部品が装着されたベース部材78が、内枠13において遊技盤24の取着部位の下方に固定されることで、当該構成部品が内枠13に一体化されている。
ベース部材78は、図7及び図8に示すように、正面視が略三角形状(上端が水平、下端が左上がり、右側端部が上下に延びる略三角形状)に形成されたアルミ製の部材である。そして、ベース部材78の周縁側をネジ止めすることで、樹脂ベース21(内枠13)に固定されている。また、図9及び図11に示すように、ベース部材78において支持部材77が装着される部位には、右斜め上がり傾斜状の長孔78aが、ベース部材78の表裏を貫通する状態に設けられている。なお、樹脂ベース21において、長孔78aと前後に位置合わせされる部位にも、長孔21aが設けられている。
図7に示すように、発射レール74は内枠13の前面部であって、遊技盤24の取着部位の下方において、右から左に斜め上がり傾斜状に配置されている。また、図8に示すように、発射レール74には断面略V字状の溝部74Mが形成されており、その溝部74Mに遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている{図10(a)を参照}。また、発射レール74の傾斜角(溝部74Mの傾斜角、発射経路が水平に対してなす角度)は、約25〜35度とされている。ここで、発射レール74は、発射経路構成手段の具体例を構成し、この発射経路構成手段は遊技球の発射方向を規制する。
また、図9に示すように、発射レール74の途中(例えば、発射位置74Wから遊技球3個〜5個分の距離)には、遊技球の通過を検知するための通過検知センサ74bが装着されている。この通過検知センサ74bとしては、例えば、貫通型の近接スイッチを用いることができる。この近接スイッチは、図10(b)に示すように、略矩形板状の外形を備え、当該近接スイッチは板厚方向に貫通する検知孔74cを備える。この検知孔74cは遊技球が通過可能なサイズを備え、検知孔74cの軸心が発射レール74の発射経路と略平行とされている。そして、検知孔74cは略六角形状を備え、1つの頂部74dが発射レール74の溝部74Mの底部74eと位置合わせされる。そして、発射レール74の略V字状の溝部74Mが、「検知孔74cにおいて頂部74dを形作る内壁部74g、74h」と略面一されている。このため、発射レール74を通過する遊技球は、検知孔74cを通過可能とされている。
この通過検知センサ74bとしては、磁気検知タイプの近接センサを用いることができ、通過検知センサ74bでは検知孔(貫通孔)74cを遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して、主制御基板201に出力する。この場合、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。そして、MPU202は、HIレベルの通過検知信号の入力間隔(第1実施形態)や、HIレベルの通過検知信号の入力時間(図113の変形例11を参照)を計測することに基づいて、戻り球の有無を判定できる。但し、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよい。また、遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。更に、通過検知センサ74bは近接センサに限定されることはなく、光学式センサ(後述する変形例18を参照)等の他の形式のセンサを用いてもよい。また、発射レール74において遊技球の通過方向に沿って2個の通過検知センサを設け、当該2個の通過検知センサのうち何れが先に遊技球を検知するかによって、戻り球の有無を判定することもできる(図114の変形例12、図115の変形例13等を参照)。
図9に示すように、支持部材77は、ベース部材78において、発射レール74の下端部の上方の位置に、右斜め上がり傾斜方向に動作可能な状態に装着されている。つまり、図11(a)及び(b)に示すように、ベース部材78の背後であって、発射レール74の下端部の斜め上方の部位には、所定のブラケット(図示を省略)を用いてソレノイド77aが取着されている。このソレノイド77aからは、下方に向けてプランジャ77bの一部が突出し、このプランジャ77bの突端のジョイント77cには、伝達部材77d(例えば、略棒状)の後端部が連結されている。そして、ソレノイド77a(内蔵されたコイル)を励磁すると、プランジャ77bの突出量が少なくなり、ソレノイド77a(内蔵されたコイル)の励磁を停止すると、プランジャ77bの突出量が多くなる。
伝達部材77dは、その後端部を樹脂ベース21に配置した状態で、樹脂ベース21の長孔21aと、ベース部材78の長孔78aに挿通されている。そして、伝達部材77dの前端部が支持部材77の背面に一体化されている。このため、プランジャ77bと、支持部材77とは伝達部材77dを介して、一体で動作可能となっている。なお、このソレノイド77aは、駆動制御手段としての主制御装置81に接続されている。また、第1実施形態では、支持部材77を駆動する駆動手段としてソレノイドを例示するが、駆動手段の態様はソレノイドに限定されない。例えば、モータ等のその他のアクチュエータを用いることもできる。
正常時(遊技球を発射位置74Wに支持するとき)には、図11(a)に示すように、ソレノイド77a(内蔵されたコイル)の励磁が停止され、プランジャ77bの突出量が多くされる。このとき、図10(c)に示すように、支持部材77の下端側が、発射位置に配置された遊技球Fの後方上部に位置するため、当該遊技球が発射位置に支持される。一方、発射レール74を逆走する遊技球(以下、戻り球という。)の発生時には、図11(b)に示すように、ソレノイド77aを励磁し、プランジャ77bの突出量が少なくされる。このため、図9の仮想線に示すように、支持部材77が上昇し、発射位置74Wに配置された遊技球Fの後方より支持部材77が待避する。そして、発射レール74上の遊技球Fは、発射レール74の下端部から排出され、図示しない連絡通路を通過して、下皿72に誘導される。
また、図7に示すように、発射レール74の上端部と、誘導レール部5Eの下端との間には間隔部7Dが設けられているが、「発射レール74の傾斜角」と、「外レール部5Bのうちで、誘導レール部5Eの下端部側を構成する部分BDの傾斜角」は略等しくされている。つまり、発射装置75によって発射され、発射レール74をその上端まで通過し、間隔部7Dを飛び越えて、部分BDに到達した遊技球Fは、遠心力で外レール部5Bの内側面BEに押しつけられつつ、外レール部5Bを転動し、外レール部5Bを上昇することで(誘導レール部5Eに誘導されることで)、遊技領域PEに到達可能となっている。そして、発射装置75によって発射されたが間隔部7Dを飛び越えることができなかった遊技球や、間隔部7Dを飛び越えて誘導レール部5Eに誘導されるが、遊技領域PEに到達することなく誘導レール部5Eを逆戻りした遊技球はファール球として間隔部7Dに落下する。そして、間隔部7Dを通じて落下したファール球は、ファール球通路を通じて下皿72に排出される。なお、ファール球通路は、前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73(図2を参照)に一体成形されている。なお、第1実施形態において間隔部7Dの幅は約45mm〜55mmとされている。
ここで、本明細書において「戻り球」とは、発射位置74Wの遊技球を発射装置75によって発射方向(発射装置75の側から視て誘導レール部5Eの方向)に発射したが、発射レール74を完走できず、発射レール74を逆走し、発射位置74Wの方向に戻る遊技球を指す。特に、特開平2007−130160号公報等に示すように、発射レール74が急傾斜に設置されていると(例えば、50〜80度であると)、発射装置75が遊技球に与える発射強度が弱い場合には「戻り球」を生ずる可能性が高い。また、発射レール74上の「戻り球」が発射位置74Wに戻るまでの間に後続する遊技球が発射されると、戻り球と後続する遊技球が衝突し、戻り球が発射方向に弾かれることがある。なお、間隔部7Dが狭い場合等には、発射レール74を完走し、誘導レール部5Eに進入したが、誘導レール部5Eを逆走し、間隔部7Dを飛び越え、発射レール74に到達し、発射レール74を逆走し、「戻り球」となることもある。そして、この「戻り球」を生じた場合においても、発射ハンドル8Aの操作が継続されていると、発射レール74に球送り装置76から継続する遊技球が順次送られ、発射レール74上に複数個(2個、3個、4個、5個等)の遊技球が溜まる可能性がある。なお、発射レール74に複数個の遊技球が溜まることを以下、「球溜まり」或いは「球詰まり」ということがある。
かかる「球溜まり」を自力で解決しようとする遊技者は、上皿71内に貯留された遊技球を手で押さえ、当該遊技球が球送り装置76から発射レール74に供給されることを防止しつつ、発射レール74に溜まった遊技球を、弱目の発射強度(間隔部7Dに到達できる程度の発射強度)で発射することを数回繰り返す。これにより、発射レール74上の多数の遊技球を順次、間隔部7Dに到達させ、この間隔部7Dから落下させ、ファール球通路を通じて下皿72に排出することが考えられる。
しかし、このような方策を採ると、遊技が中断し、円滑な遊技を実行することができないばかりか、遊技者は本来の遊技とは異なること(発射強度を微妙に調整し、発射レール74上の遊技球を回収すること)を行うことを強いられ、煩わしい。特に、特開平2007−130160号公報等に示すように、発射レール74が急傾斜に設置されていると、発射ハンドル8Aに通常の回動操作(目一杯回動操作するのではなく、遊技を行うために通常行う回動操作)を施しても、球溜まりを生じている遊技球に隙間部7Dに到達できる発射強度を与えることは困難である。しかも、このように発射レール74が急傾斜に設置された場合において、発射レール74上に溜まる遊技球の個数が多数になると、当該多数の遊技球を間隔部7Dまで到達させることが実質的に不可能であり、遊技者は当該「球詰まり」を自力で解決することができない。なお、当該「自力で解決することができない」事態を「制限時間に所定の部位に遊技球を入球させると、所定の利益が獲得できるケース(所謂、後述するV獲得ラウンドが到来したケース)」に生ずると、本来取得できるはずの「利益獲得の機会」が奪われることになり、遊技者にとって酷である。
更に、発射レール74が急傾斜に設置されていても、発射レール74に溜まった遊技球の数が比較的少ない場合には、発射ハンドル8Aを目一杯回動操作し、発射装置75から特に大きな発射強度を与えることも考えられる。この場合、発射される遊技球は右打ち領域Rの奥(最深部)まで打ち込まれてしまい(入賞口に入賞できない強度で打ち込まれてしまい)、当該遊技球は遊技者に何ら利益(入賞等)をもたらさない、所謂「無駄球」となる可能性がある。このように、「無駄球」を生じさせることは遊技者にとって大きな損失であるため、「無駄球」とすることなく、回収することが望ましい。
そして、「球溜まり」の頻度が高かったり、「球溜まり」を自力で解決することが困難であったりする場合等には、パチンコホールの店員に「球溜まり」を解決してもらうことが必要となる。この場合、パチンコホールの店員が一旦、シリンダ錠17(図1参照)に解錠操作を施し、前扉枠14を内枠13に対して開放し、発射レール74から戻り球を取り除くことが必要である。この場合、遊技者は、暫くの間(戻り球の除去作業が済み、前扉枠14を内枠13に対して閉鎖し、シリンダ錠17に施錠操作を施すまでの間)、遊技を停止することが必要となる。これに対して、第1実施形態の遊技機10では、排出手段を備え、発射レール74の設置角度に拘わらず、球溜まりの発生を抑制できるため、遊技を円滑に進行することができる。
図8に示すように、発射装置75は、ベース部材78において、支持部材77の装着部位よりも更に下方側に配置されている。この発射装置75はソレノイド式の発射装置であり、後述する電源・発射制御装置98に対して電気的に接続されている。また、図9に示すように、発射レール74の経路と略平行な軸心を備えるプランジャ75aと、プランジャ75aの上端(左端)に装着された打撃部75bとを備える。そして、電源・発射制御装置98からの電気的な信号の出力に基づいて、一定時間毎に励磁・非励磁を繰り返すことが可能であり、「プランジャ75aの上端(左端)が誘導レール部5E(図7参照)の方向に前進(突出)すること」と、「誘導レール部5Eから遠ざかる方向に後退すること」を繰り返す(発射レール74の経路と略平行な方向に往復動する)ことができる。
また、発射ハンドル8Aの操作量に基づき、プランジャ75aの突出速度が調整され、発射装置75が遊技球に負荷する打撃力(発射球の発射速度、飛翔量)が調整されるようになっている。つまり、発射ハンドル8Aの回動操作量は、可変抵抗器88を通じて検知されているため、この検知される回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射される。なお、発射装置75はソレノイド式の発射装置ではなく、例えば、モータ及び発射槌を用いた発射装置を用いてもよい。
なお、図9に示すように、正常時(遊技球を発射位置74Wに支持するとき)において、支持部材77の下方には空きスペース77uが設けられており、遊技球Fの後方中心部が空きスペース77uを通じて後方(発射装置75の方向)に開放されている。そして、発射装置(ソレノイド)が励磁されると、打撃部75bは空きスペース77uに進入し、遊技球Fの後方中心部を押打することで、遊技球Fは発射される。
次に、球送り装置76について説明する。この球送り装置76は、上皿71に貯留された遊技球を、発射位置74W(発射レール74の下端寄り)に1個ずつ供給する装置である。この球送り装置76は、図8に示すように、球送りケース部材76aと、球送りソレノイド76bと、球送りレバー76cとを備えている。また、球送り装置76(球送りケース部材76a)は、球送り支持部材79aを用いて、ベース部材78に支持されている。ここで、球送り支持部材79aは左右に長尺な脂製の部材であり、ベース部材78の前面部であってその上縁寄りに装着されている。
球送りケース部材76aは、図8及び図12に示すように、後方に開放された略箱形状(例えば、樹脂製)を備え、上皿71に貯留された遊技球を発射レール74側に流下させる通路形成部材として機能する。また、球送りケース部材76aの内部には、球送りレバー76cと、球送りソレノイド76bとが組み込まれている(図13及び図14参照)。更に、球送りケース部材76aの左端側には、上皿71に貯留された遊技球を、球送りケース部材76aの内部に受け入れ可能な受入口76dが設けられている。そして、球皿部71から案内されてくる遊技球Fは、受入口76dから球送りケース部材76a内に導入される。
図12に示すように、受入口76dから入った遊技球Fは、球送りケース部材76aの内部であって、受入口76dの右下角部の後方に位置する部位(以下、待機位置という)76eに誘導される。つまり、受入口76dの下縁部後方と、左下角部後方には受入口76dに受け入れた遊技球の誘導方向を規制する床部76f、76gが設けられている。このうち、左下角部後方の床部76gは右方向に下り傾斜とされているため、床部76gに到達した遊技球を待機位置76eに誘導する。また、受入口76dの下縁部後方の床部76fは、後方に下り傾斜とされているため、床部76fに到達した遊技球を後方に誘導する。そして、受入口76dに受け入れた遊技球は、受入口76dに受け入れられた後、床部76fによって後方に誘導された後、床部76g及び後述する進路変更突出部79gによって右方に誘導され、待機位置76eに到達する。すなわち、受入口76dが遊技球Fを1個ずつ進入可能なサイズとされ、床部76f、76g、進路変更突出部79gが受入口76dから進入した遊技球を待機位置76eに誘導する構成とされている。
球送り支持部材79aの右端部には、図8に示すように、前側にU字状に突出し、上下に貫通する取付穴を形成する取付部79bが上下方向に間隔を隔てて2カ所に設けられている。また、球送りケース部材76aの右端部には、取付部79bに係合可能な被取付部76iが、上下方向に厚みを有する支持面から下方に突出する軸状に形成されている。そして、球送りケース部材76aの右端部は、被取付部76iの支持面が取付部79bの上面に支持され、被取付部76iの軸部分が取付部79b内に挿通されることにより、球送りケース部材76aがその右端部を回動支点に回動可能に支持される。
球送り支持部材79aの左端部には、図8及び図12に示すように、係合受け部79eが設けられている。また、球送りケース部材76aの背面左端部からは係合爪部76jが後方に突出し、球送り支持部材79aの左端部と球送りケース部材76aの左端部が重なるように、球送り支持部材79aに対して球送りケース部材76aを押し込み操作すると、係合爪部76jが係合受け部79eに弾性的に係合する。これにより、球送りケース部材76aが球送り支持部材79aに対して固定される。
球送り支持部材79aの前壁部79fには、図8及び図12に示すように、左側が前側に大きく突出し、右側に行くに従って次第に突出量が少なく設定された進路変更突出部79gと、進路変更突出部79gの右側部分に連続し、周辺よりも一段前側に高く形成された球受け後側壁部79hとが設けられている。このうち、進路変更突出部79gは床部76gの上方であって、床部76gを転動する遊技球が摺動可能な位置に設けられている。そして、前述のように床部76gによって後方に誘導された遊技球の進行方向を右側に変更し、待機位置76eに誘導する。また、球受け後側壁部79hは、待機位置76eの背後に位置し、待機位置76eに誘導された遊技球を、床部76gの下端縁側と、球送りレバー76cの上縁部76wと共に3方から支持する。
球送りレバー76cは、図8に示すように、レバー本体76kと、レバー本体76kの右端部に設けられた軸支持部76mと、レバー本体76kの左端部に設けられた球受け部76nと、レバー本体76kの上面に装着された金属板76pと、を備える。また、金属板76pはレバー本体76kの上面において軸支持部76mと球受け部76nとの間の部位に設けられている。なお、球受け部76nは、正面視で略コの状に構成され、内部に1球の遊技球のみを受け入れ可能な空間を形成している(図13を参照)。
レバー本体76kは、軸支持部76nに挿入された支持ピン76rを用いて球送りケース部材76aに揺動可能に支持されている。また、球受け部76nは正面視で、左側にコの字状に開口すると共に前後に開放されており、1球の遊技球を受け入れ可能である。また、球受け部76nの底部76sの上面は後方に向かう(発射レール74の方向に向かう)下り傾斜を有している。
図13に示すように、球送りソレノイド76bは、球送りレバー76cの金属板76pに対面するようにして取り付けられている。そして、図13(a)に示すように、球送りソレノイド76bが非通電の状態において、球送りレバー76cはその自重により支持ピン76rを中心として、球送りレバー76cの左側部分が下降するように回転する。但し、球送りレバー76cの左側部分が下降するように回転すると、球送りケース部材76aに設けられた規制突起76tが、球送りレバー76cを下側から支持する。つまり、球送りケース部材76aを構成する前壁部76uの背面には規制突起76tが突出し、球送りレバー76cの移動範囲を制限する。なお、球送りレバー76cの左端部が規制突起76tに支持されているときの球送りレバー76cの位置を、以下、「下降位置」という。
球送りレバー76cの左端部が規制突起76tで支持されているとき、球送りソレノイド76bを通電状態とし、磁力を発生させると、図13(b)に示すように、球送りレバー76cは、支持ピン76rを中心として金属板76pが球送りソレノイド76bに近づく方向側に回転する。これにより、球送りレバー76cの左端側が上昇するが、このときの球送りレバー76cの位置を、以下「上昇位置」という。このように、球送りソレノイド76bを通電状態としたり、非通電状態としたりすることで、球送りレバー76cは支持ピン76rを基準に揺動可能である。
また、図13(b)に示すように、球受け後側壁部79hは、球送りレバー76cが上昇位置にあるとき、球受け部76nの後側に位置し、球受け部76nと球受け後側壁部79hとの間には遊技球が進入することができない。また、図13(c)に示すように、球受け後側壁部79hの下側は、球送り支持部材79aが存在せず、発射レール74(ベース部材78に装着された発射レール74)の方向に開放されている。
次に図13及び図14を用いて球送り装置76が行う球送り動作について説明する。ここで、図13(a)〜(c)は、受入口76dから球送りケース部材76a内に入った遊技球F1が球送りレバー76cにより1球ずつ球受け部76nに取り込まれ、発射位置に供給される様子を説明するために、球送りケース部材76aをベース部材78に平行な平面(図12の4−4断面)で切断した状態を示す縦断面図であり、図13(a)及び(c)は球送りソレノイド76bが非通電状態である場合、図13(b)は球送りソレノイド76bが通電状態とされた場合を示す。また、図14(a)〜(c)も、受入口76dから球送りケース部材76a内に入った遊技球F1が球送りレバー76cにより1球ずつ球受け部76nに取り込まれ、発射位置に供給される様子を説明するために、遊技機の後方から視た背面図であって、発射レール74と、球送りレバー76cと、球送りケース部材76aとの関係を示すものである。また、図14(a)及び(c)は球送りソレノイド76bが非通電状態である場合、図14(b)は球送りソレノイド76bが通電状態とされた場合を示す。また、図14(a)〜(c)において、受入口76dの手前(図中の手間)に表示した仮想線は、進路変更突出部79gと、球受け後側壁部79hを示している。
前述のように、待機位置76eに誘導された遊技球F1は、床部76gの下端縁と、下降位置にある球送りレバー76cの球受け部76nの上縁部76wと、球受け後側壁部79hとで3方から支持された状態(3方から支持され、下降しない状態)となる。ここで、図13(a)に示すように、球送りレバー76cの球受け部76nは左側方に開口する開口部76vを備えるが、この開口部76vは前述の床部76gの方向に向けられている。但し、図13(a)及び図14(a)に示すように、球送りレバー76cが下降状態にある場合には、球受け部76nの上縁部76wと、床部76gの下端部との距離が遊技球の直径を下回るため、待機位置76eに止められる。
この状態から、球送りソレノイド76bが通電状態となり、球送りレバー76cが上昇状態となると、図13(b)及び図14(b)に示すように、球受け部76nの上縁部76wが上昇し、当該上縁部76wと、床部76gの下端部との距離が遊技球の直径を僅かに超えるため、床部76gで先頭に位置していた遊技球F1(待機位置76eの遊技球)が球受け部76n内に進入する。但し、前述のように、球受け部76nが、遊技球を1球だけ入り込み可能な空間を形成するため、当該遊技球F1に後続する遊技球F2は、床部76gの下端部(待機位置76e)に止められる。
図13(b)及び図14(b)に示すように、球送りソレノイド76bが通電状態のとき、球受け部76nに収容された遊技球F1の後方には球受け後側壁部79hが配置されるため、球受け部76nの底部76s(図8を参照)が後方(発射レール74の方向)に傾斜する上面を有しているにも係わらず、当該遊技球F1が球受け部76nよりも下方(発射レール74側)への流下することが規制される。この状態で球送りソレノイド76bが非通電状態とすると、図13(c)及び図14(c)に示すように、球送りレバー76cが下降位置に回動する。このとき、球受け部76nが後側壁部79hの下方に移動し、球受け部76nの後方が開放されるため、球受け部76nに収容されていた遊技球F1は底部76sの上面に沿って移動し、発射レール74の下端部側(発射位置74W)に移動する。
なお、図13(c)及び図14(c)に示すように、球送りソレノイド76bが非通電状態とされた場合には、球受け部76nの上縁部76wによって次の遊技球F2の球受け部76nへの流下が規制されている。従って、球送りソレノイド76bのオン・オフ動作が繰り返し実行されることで、遊技球F(F1、F2、F3等)が1球ずつ待機位置76eに一時的に保持された後に、発射位置74Wへと案内されることとなる。なお、球送りソレノイド76bのオン・オフと発射装置75(ソレノイド)の励磁・非励磁とは同期させられるよう構成されている。つまり、発射ハンドル8Aが操作されることに基づき、かつ、後述する遊技球F2を発射すべき条件が成立したことを契機として、まず、球送り装置76により1個の遊技球F2が発射レール74上に供給され、位置決め部材77により発射位置74Wに保持される。その後、発射装置75が駆動制御されて遊技球F2は遊技領域PEに向けて発射される。
<前扉枠14の構成>
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、上部が円弧状に丸みを帯びた略多角形状、略楕円形状若しくは略真円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。また、窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構7A側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構7Aによって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図2参照)に到達せず、隙間部74Dから排出された遊技球(所謂ファール球)や、発射レール74を逆戻りした遊技球(戻り球)を貯留する受け皿としての機能を有する。更に、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
<遊技機本体12の背面側の構成>
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図4に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル8Aの操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構7Aを構成する発射装置75(発射装置75を構成するソレノイド)と、球送り装置76(球送りソレノイド76b)の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置98には電源スイッチが設けられている。電源スイッチを操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。更に、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図15のブロック図に基づいて説明する。なお、保留予告に係わる電気的構成の詳細については、図50を用いて後述する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211g、74bなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211g、74bの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、ソレノイド77a(支持部材77の駆動源)、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98等の詳細を図16のブロック図を用いて説明する。電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、電源及び発射制御装置98を構成する電源・発射制御基板98aには、図16に示すように、電源回路98bが設けられ、この電源回路98bによって、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御基板98aには、電源回路98bの他に、遊技球の発射制御を担う発射制御回路98cが設けられている。そして、遊技球発射機構7Aは、以下に示す「所定の発射条件」が整っている場合に駆動される。
また、電源・発射制御基板98aの入出力ポートの入力側には発射ハンドル8Aが接続されている。具体的には、発射ハンドル8Aが遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ87と、発射ハンドル8Aの回動操作量を検知するための可変抵抗器88と、発射ハンドル8Aが遊技者により操作されている状況であっても遊技球の発射を停止させるべく操作されるストップスイッチ89とが接続されている。また、入出力ポートの出力側には発射装置75(発射装置75を構成するソレノイド)と、球送り装置76(球送りソレノイド76b)が接続されており、これら発射装置75と球送り装置76が電源・発射制御装置98(発射制御回路98c)によって駆動制御される。
また、電源・発射制御基板98aの入出力ポートには、主制御装置81が接続されている。上記タッチセンサ87及びストップスイッチ89からの検知信号は電源・発射制御装置98を経由して主制御装置81に入力される。詳細については後述するが、主制御装置81においてはこれらの信号に基づいて発射の可否を設定し、その旨を示す信号を電源・発射制御装置98に入力する構成となっている。つまり、電源・発射制御装置98(発射制御回路98c)では、主制御装置81及び発射ハンドル8Aからの情報に基づいて遊技球発射機構7Aの駆動制御を行う。
前述の発射制御回路98cには、条件成立の送信回路98dと、発射許可の受信回路98eと、発射用IC98fと、が設けられている。このうち、条件成立の送信回路98dは、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合において主制御装置81のMPU202に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。また、発射許可の受信回路98eは、「条件成立の送信回路98dから主制御装置81のMPU202に対してHIレベルの条件成立信号が送信されていることを一の条件」として、「MPU202から送信されるHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)」を受信する。また、発射許可の受信回路98eは、当該発射許可信号を受信している場合にそれに対応した信号を発射用IC98fに継続して供給する機能を有している。
なお、MPU202は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始するとともにHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。ここで、「タッチセンサ87から発射ハンドル8Aが遊技者により触れられていることを示す信号を受信する」とともに、「ストップスイッチ89から遊技者により手動操作されていないことを示す信号を受信していない」とき、条件成立の送信回路98dは、主制御装置81のMPU202に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。
発射用IC98fは、発射許可の受信回路98eからHIレベルの発射許可信号又はそれに対応した信号を受信している場合に、遊技球発射機構7Aの発射装置75と、球送り装置76のそれぞれに対して定期的に駆動信号を出力する機能を有している。この場合、発射用IC98fは、パルス信号として各駆動信号を出力するとともに、その出力周期は0.6secとなっている。また、発射レール74の発射位置に1個の遊技球が供給された後に、当該遊技球が発射されるように、駆動信号の出力タイミングは球送り装置76の方が発射装置75よりも早く設定されている(図43を参照)。
なお、発射ハンドル8Aはその回動操作量が多いほど発射装置75による遊技球の発射強度が強くなる。この場合、発射ハンドル8Aにはハンドル部の操作量を検知するための操作量検知手段として可変抵抗器88が設けられており、発射用IC98fでは当該可変抵抗器88から入力する電圧を通じて発射装置75に供給する駆動信号の電圧を調整して発射強度を調整する。
図15を用いて更に説明すると、音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図17に基づいて説明する。図17は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図17(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図17(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
更に、表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。このうち、第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。当該第1保留表示領域Gaにおける表示内容は、後に詳細に説明する。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。当該第2保留表示領域Gbにおける表示内容は、後に詳細に説明する。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図19を用いて説明する。図9に示すように、当否テーブルとしては、図19(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図19(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図19(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図19(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。また、本実施形態では、低確率モードにおいて上記当選となる乱数の数と、高確率モードにおいて上記当選となる乱数の数とで共通情報を設けることとしているが、低確率モードにおいて上記当選となる乱数の数と高確率モードにおいて上記当選となる乱数の数とで共通情報を設けないこととしてもよい。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル8Aが遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構7aが駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図20を用いて説明する。図20に示すように、振分テーブルとしては、図20(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図20(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図20(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
図20(a)に示すように、第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードではそれまでのモードが維持される非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードがそれまでのモードに維持される。つまり、通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果となった場合には、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードに維持される。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図20(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードはそれまでのモードが維持されるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、上作動口33と下作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図17の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動表示時間(変動パターン)の決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
より具体的には、変動種別カウンタCSは、識別情報の変化時間(識別情報の変動時間)の決定に用いるためのループカウンタであり、MPU201は、変動開始時に、保留球格納エリア232の実行エリアに格納された変動種別カウンタCSと、ROM203に格納された変動表示時間テーブルとを参照し、変動表示時間を決定する。即ち、主制御装置81は、上作動口33の入賞に基づいて変動を行う場合は第1結果表示部ASにおける変動表示時間を決定し、下作動口34の入賞に基づいて変動を行う場合は第2結果表示部BSにおける変動表示時間を決定する。また、音声ランプ制御装置82および表示制御装置212は、主制御装置81で決定された変動表示時間に基づいて、その変動表示時間で変動表示が可能な変動態様の中から、図柄表示装置41で表示させる図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置82は図柄表示装置41に図柄を変動表示させるとともに、その変動表示に合わせてスピーカ(音声出力装置)から音声を出力させ、更には、ランプ部45〜47、63を点灯・点滅表示させる。
ここで、本実施形態では変動表示時間を決定するときに参照する変動表示時間テーブルとして、当否抽選において大当たり結果のときに参照する大当たり用変動表示時間テーブル{図20(c)}と、当否抽選において外れ結果のときに参照する外れ用変動表示時間テーブル{図20(d)}とが用意されている。なお、第1実施形態では、大当たり用変動表示時間テーブル及び外れ用変動表示時間テーブルとして、当否抽選モード(高確率モードである場合と、低確率モードである場合)に係わらず、共通のテーブルを使用するケースを例示するが、大当たり用変動表示時間テーブル及び外れ用変動表示時間テーブルの少なくとも一方の表示時間テーブルとして、当否抽選モード毎に異なる変動表示時間テーブルを用いてもよい。この場合、例えば、高確率モード用の変動表示時間テーブルを用いて決定される変動時間は、低確率モード用の変動表示時間テーブルを用いて決定される変動時間よりも、短くなる傾向にあってもよい。
また、第1実施形態では、大当たり用変動表示時間テーブル及び外れ用変動表示時間テーブルとして、サポートモード(高頻度サポートモードである場合と、低頻度サポートモードである場合)に係わらず、共通のテーブルを使用するケースを例示するが、大当たり用変動表示時間テーブル及び外れ用変動表示時間テーブルの少なくとも一方の表示時間テーブルとして、サポートモード毎に異なる変動表示時間テーブルを用いてもよい。この場合、例えば、高頻度サポートモード用の変動表示時間テーブルを用いて決定される変動時間は、低頻度サポートモード用の変動表示時間テーブルを用いて決定される変動時間よりも、短くなる傾向にあってもよい。
次に、図20の(c)、(d)を用いて変動表示時間テーブルの具体例を例示する。まず、図20(c)は、ROM203に記憶される大当たり用変動表示時間テーブルの一例を模式的に示した図である。この大当たり用変動パターンテーブルは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、大当たり種別が15R確変大当たり若しくは15R通常大当たりである場合(15R確変大当たり結果若しくは通常大当たり結果である場合)に参照される15R大当たり用グループ(群)と、2R確変大当たりの場合(明示2R確変大当たり結果若しくは非明示2R確変大当たり結果の場合)に参照される2R確変大当たり用グループ(群)とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCSの値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCSの値に対応する変動表示時間が決定される。ここで、15R大当たり用グループ(群)を参照すると、変動表示時間が第1時間(30秒)、若しくは、第1時間よりも長い第2時間(60秒)に設定される。そして、変動種別カウンタCSの値と変動表示時間との対応付けは、変動種別カウンタCSのカウント値が0〜39の何れかの場合に変動表示時間が第1時間(30秒)とされ、カウント値が40〜198の何れかの場合に変動表示時間が第2時間(60秒)とされる。更に、変動表示時間が第1時間(30秒)とされると、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の制御により、ノーマルリーチの態様で変動演出が行われる。また、変動表示時間が第2時間(60秒)とされると、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の制御により、スーパーリーチの態様で変動演出が行われる。
ノーマルリーチは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に「中段の図柄列Z2における図柄」が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンである。また、スーパーリーチは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に「中段の図柄列Z2における図柄」が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンである。15R大当たり結果用の変動表示時間テーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり結果(15R確変大当たり)若しくは通常大当たり結果(15R通常大当たり)の場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、ノーマルリーチよりもスーパーリーチが選択され易くなっている。このため、スーパーリーチは、ノーマルリーチよりも大当たり結果を得る期待感が高いリーチである。但し、本実施形態では、15R確変大当たり結果(15R確変大当たり)若しくは通常大当たり結果(15R通常大当たり)の場合をえた場合にも、ノーマルリーチも選択されるように構成しているため、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できるようになっている。
なお、音声ランプ制御装置82や表示制御装置212により実行されるノーマルリーチやスーパーリーチは、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、有効ラインL1上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ状態となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタや文字情報を1回又は複数回表示して、予告演出を行うリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。尚、ノーマルリーチ及びスーパーリーチの少なくとも一方として、変動表示時間が異なるものが複数設定され、そのうちの1つが変動種別カウンタCSの値に応じて選択されてもよい。
また、2R確変大当たり結果の場合(明示2R確変大当たり結果若しくは非明示2R確変大当たり結果の場合)には、2R確変大当たり用グループ(群)を用いて変動表示時間が決定される。但し、2R確変大当たり結果の場合、変動種別カウンタCSの値が0〜198の何れであっても変動表示時間は第3時間(31秒)に決定される。なお、大当たり種別が2R確変大当たり結果である場合にも、複数の2R変動パターンの中から変動種別カウンタCSの値に対応するものが選択されてもよい。
2R確変大当たり結果に基づく変動では、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動演出が行われる。2R確変大当たり結果用の変動態様としては、例えば、所定のキャラクタと共に、最終的なリーチを経て「中段の図柄列Z2における図柄」が揃う変動態様などを例示できる。
図20(d)は、当否抽選において外れ結果のときに参照する外れ用変動表示時間テーブルである。この変動表示時間テーブルは、リーチが発生しない場合に参照される非リーチ用のグループ(群)と、リーチが発生する場合に参照されるリーチ用のグループ(群)とに区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCSの値が対応付けされている。具体的には、変動開始時において、実行エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない(外れとなる値であった)とされ、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチが発生しないとされる場合には、非リーチ用のグループ(群)に用いて、変動表示時間が第4時間(例えば、7秒)、若しくは、第4時間よりも長い第5時間(例えば、10秒)とのうちの何れかに決定される。なお変動種別カウンタCSの値が0〜149の場合、第4時間(変動表示時間;7秒)に設定され、変動種別カウンタCSの値が150〜198の場合、第5時間(変動表示時間;10秒)に設定される。
また、変動開始時において、実行エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない(外れとなる値であった)とされ、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチが発生するとされる場合には、リーチ用のグループ(群)に用いて、変動表示時間が第1時間(30秒)、若しくは、第2時間(60秒)に設定される。但し、変動種別カウンタCSの値が0〜195の場合、第1時間(変動表示時間;30秒)に設定され、変動種別カウンタCSの値が196〜198の場合、第2時間(変動表示時間;60秒)に設定される。
なお、前述のように、図20(d)の変動表示時間テーブルは、当否抽選において外れ結果のとき、確率モードを問わずに使用する変動表示時間テーブルであるが、図20(d)の変動表示時間テーブルを確率モードが低確率モードである場合に限定して使用する変動表示時間テーブルとする応用例を例示できる。この応用例では、図20(d)の変動表示時間テーブルとは別に、当否抽選において外れ結果のとき、高確率モードにおいて使用する変動表示時間テーブルを備える。この高確率モードにおいて使用する変動表示時間テーブルとしては、例えば、図20(e)に示す変動表示時間テーブルを例示できる。
図20(e)に示す変動表示時間テーブルも、リーチが発生しない場合に参照される非リーチ用のグループ(群)と、リーチが発生する場合に参照されるリーチ用のグループ(群)とに区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCSの値が対応付けされている。つまり、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチが発生しないとされる場合、非リーチ用のグループ(群)に用いて、変動表示時間が第4時間(例えば、7秒)、若しくは、第4時間よりも長い第5時間(例えば、10秒)とのうちの何れかに決定される。但し、変動種別カウンタCSの値が0〜190の場合、第4時間(変動表示時間;7秒)に設定され、変動種別カウンタCSの値が191〜198の場合、第5時間(変動表示時間;10秒)に設定される。つまり、リーチを発生せずに、外れ結果を表示する変動では、当否抽選モードが高確率モードである場合、当否抽選モードが低確率モードである場合に比べて短い変動表示時間(第4時間)が設定される可能性が高くなっている。
図20(e)に示す変動表示時間テーブルにおいて、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチが発生するとされる場合には、リーチ用のグループ(群)に用いて、変動表示時間が第1時間(30秒)、若しくは、第2時間(60秒)に設定される。但し、変動種別カウンタCSの値が0〜197の場合、第1時間(変動表示時間;30秒)に設定され、変動種別カウンタCSの値が198の場合、第2時間(変動表示時間;60秒)に設定される。つまり、リーチを発生し、外れ結果を表示する変動では、当否抽選モードが高確率モードである場合、当否抽選モードが低確率モードである場合に比べて短い変動表示時間(第5時間)が設定される可能性が高くなっている。
更に、変動開始時において、実行エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない(外れとなる値であった)とされ、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチが発生するとされる場合には、当否抽選モードが低確率モードおよび高確率モードの何れであっても、変動表示時間が第1時間(30秒)とされると、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の制御により、ノーマルリーチの態様で変動演出が行われる。また、変動表示時間が第2時間(60秒)とされると、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の制御により、スーパーリーチの態様で変動演出が行われる。
更に、本実施形態では、大当たり用の変動表示時間テーブル、外れ用の変動表示時間テーブルを参照すると、1種のノーマルリーチ又は1種のスーパーリーチが選択される態様を例示したが、複数種類のノーマルリーチから1のノーマルリーチが選択されてもよいし、複数種類のスーパーリーチから1のスーパーリーチが選択されてもよい。この場合、複数種類のノーマルリーチ(ノーマルリーチA、ノーマルリーチB)を「出現時の大当たり結果となる期待度(遊技結果が大当たり結果となる期待度)」によって区別したり、複数種類のスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を「出現時の大当たり結果となる期待度」によって区別したりしてもよい。例えば、図柄表示装置41における絵柄(図柄)の変動中にスーパーリーチBが出現したときには、スーパーリーチAが出現する場合よりも、当該変動の表示結果として大当たり結果が表示される期待度を高くしてもよい。
また、大当たり用の変動表示時間テーブル及び外れ用の変動表示時間テーブルの少なくとも一方においては、保留数の数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定してもよい。特に、非リーチ用のグループ(群)においては、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定してもよい。具体的には、共通保留数CRNが「1」の場合の変動表示時間は「21sec」とし、「2」又は「3」の場合の変動表示時間は「9sec」とし、「4」以上の場合の変動表示時間は「3sec」としてもよい。この場合、保留球格納エリア232に保留情報が多数記憶されている場合には変動表示時間が短くなり、保留消化(当否抽選や変動表示の対象とすること)を効率に行うことができ、遊技の進行がスムーズになる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<保留球格納エリア232の構成>
次に、保留球格納エリア232の構成を、図21を用いてより詳細に説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1結果表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たりカウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
また、保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
図18に示す実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各結果表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104における作動口用の入賞処理及びステップS105におけるスルー用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について図23のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。
ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。
ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S501にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図24のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに、後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。これらの処理については、後に詳細に説明する。その後、本情報取得処理を終了する。
なお、ステップS305及びステップS306の処理により設定された保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、上作動口33への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。第1保留ランプ部45は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第1始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、第1始動保留記憶数RaNが4であれば全ての第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。また、下作動口34への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。第2保留ランプ部46は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第2始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、第2始動保留記憶数RbNが4であれば全ての第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について図25のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には、ステップS402に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
ステップS401でスルーゲート35に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS402にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート35に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS403に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS404では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、第3保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。第3保留ランプ部47は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば全ての第3保留ランプ部47が点灯されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図26のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S509の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS511,S512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS504では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS505では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS506では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
その後、ステップS507では、発射レール74上に「戻り球」が存在するか否かを判定する処理を行う。続いて、ステップS508では「戻り球」を生じた場合に、この「戻り球」を解消する処理を行う。更に、ステップS509では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板98aの「条件成立の送信回路98d」から条件成立を示す条件成立信号を受信している条件に、「電源及び発射制御基板98aの発射許可の受信回路98e」に、発射許可信号(発射許可に対応した信号)を送信する処理を行う。
続くステップS510では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS511,S512)。つまり、ステップS511では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS512では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS501〜S509の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS504の遊技回制御処理を図27〜図31のフローチャートを参照して説明する。
図27に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS802にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図19(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS803にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図19(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS802又はステップS803の処理の後は、ステップS804にて、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS805〜ステップS811において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS805では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS806にて第1結果表示部用の振分テーブル(図20(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS807にて第2結果表示部用の振分テーブル(図20(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS806又はステップS807の処理の後は、ステップS808にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS809にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
確変大当たり用の停止結果設定処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS901にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。ここで、既に説明したように、第1結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果の複数種類の遊技結果が設定されているが、第2結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、15R確変大当たり結果の1種類のみが設定されている。したがって、今回の遊技回が上作動口33への遊技球の入賞に基づくものであり、第1結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて否定判定をする場合もあれば、肯定判定をする場合もある。一方、今回の遊技回が下作動口34への遊技球の入賞に基づくものであり、第2結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて必ず肯定判定をする。
ステップS901にて、否定判定をした場合には、ステップS902にて、上記振り分けた遊技結果が明示2R確変大当たり結果であるか否かを判定する。明示2R確変大当たり結果である場合には、ステップS903にて、停止結果テーブル記憶エリア224における明示2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS904にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS905にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における明示2R確変フラグ格納エリア(明示高確率対応情報記憶手段)に明示2R確変フラグ(明示高確率対応情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS906にて、停止結果テーブル記憶エリア224における非明示2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS907にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS908にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における非明示2R確変フラグ格納エリア(非明示高確率対応情報記憶手段)に非明示2R確変フラグ(非明示高確率対応情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS909にて、停止結果テーブル記憶エリア224における15R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS910にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS911にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における15R確変フラグ格納エリア(高確率対応特別情報記憶手段)に15R確変フラグ(高確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
変動開始処理(図29)の説明に戻り、ステップS809の処理を実行した後は、ステップS813に進む。一方、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS808にて否定判定をし、ステップS810に進む。ステップS810では、停止結果テーブル記憶エリア224における通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS811にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における通常大当たりフラグ格納エリア(低確率対応特別情報記憶手段)に通常大当たりフラグ(低確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS813に進む。
また、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS804にて否定判定をし、ステップS812に進む。ステップS812では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。当該外れ時用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア224における外れ時用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS813に進む。
ステップS813では、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS1001にて、RAM204の抽選カウンタ用バッファ231における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶する。
続くステップS1002では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、いずれかの確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1004にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS1003にて参照するリーチ発生用変動表示時間テーブルは、図20(c)で例示する大当たり用変動時間テーブルか、図20(d)で例示する外れ用変動時間テーブルのうちのリーチ用グループであるが、リーチ発生用変動表示時間テーブルの態様はこれに限定されない。
一方、ステップS1002にて否定判定をした場合には、ステップS1005にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS1006にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS1005にて参照するリーチ非発生用変動表示時間テーブルは、図20(d)で例示する外れ用変動時間テーブルのうちの非リーチ用グループであるが、非リーチ発生用変動表示時間テーブルの態様はこれに限定されない。
また、前述のように、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定してもよい。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が長くなる又は各保留記憶数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図29)の説明に戻り、ステップS813の後は、ステップS814にて、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS815にて、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS816にて、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。
ステップS815又はステップS816の処理を実行した後は、ステップS817にて種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報などが含まれる。
ステップS815〜ステップS817にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声ランプ制御装置82では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS818にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図27)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図31)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図22)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、図29のステップS809,ステップS810又はステップS812のいずれかの処理にてRAM204に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS505の遊技状態移行処理を図32及び図33のフローチャートを参照して説明する。
図32に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS1101にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1102に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1103にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1104にて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS1105では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1106にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS1107にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
ステップS1106又はステップS1107の処理を実行した後は、ステップS1108にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。ステップS1108の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1101にて肯定判定をし、ステップS1109にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。なお、開放限度時間及び開放限度個数は、既に説明したように、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとで異なっている。
続くステップS1110では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS1111にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。
その後、ステップS1112では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図33のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1201にて、RAM204に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1202にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1203にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1204にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
続くステップS1205では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ステップS1201にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS1206にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS1207にて、高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定し、高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、ステップS1208〜ステップS1210の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、ステップS1208では、上記フラグ消去処理を実行する。また、ステップS1209では、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、高確率モードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
また、ステップS1210では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
一方、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS1207にて肯定判定をし、ステップS1202〜ステップS1205の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、サポートモードが高頻度サポートモードとなるとともに、当該高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
ステップS1206にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS1211〜ステップS1214の処理を実行する。つまり、ステップS1211にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1212にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1213にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
続くステップS1214では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ちなみに、ステップS1205又はステップS1214にて設定された高頻度サポートコマンド及びステップS1210にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、高頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが高頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。また、表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これらについては、後に詳細に説明する。
遊技状態移行処理(図32)の説明に戻り、ステップS1112の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1113にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。
その後、ステップS1114にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS506の電役サポート用処理を図34〜図36のフローチャートを参照して説明する。
図34及び図35に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1301にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口34Bの電動役物34aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1302に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1303に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1304にて、役物用表示部44における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1305にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1306にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。
役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1307にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1308にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1309にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2役物タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1310では、ステップS1309の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1311の処理を実行することなくステップS1312に進み、サポート当選である場合には、ステップS1311にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1312に進む。
ステップS1312では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1312にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1312にて肯定判定をした場合には、ステップS1313にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1314にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1315では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1315にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1316にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1317では、ステップS1316の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1318にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1302にて肯定判定をし、ステップS1319に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、役物用表示部44における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1320にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1321では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1322に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図36のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1401にて電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物34aが開放されている場合にはステップS1402に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合にはステップS1403に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS1404では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1405にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、サポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物34aが開放中でない場合にはステップS1401にて否定判定をし、ステップS1407に進む。ステップS1407では、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、ステップS1408にて、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1409にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1410にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1411にて第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1412にて第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
<戻り球検知処理>
次に、図37のフローチャートを参照して、通常処理のステップS507における戻り球検知処理について説明する。
ここで、この戻り球検知処理は、発射レール74の通過検知センサ74bが遊技球の通過を検知する周期の長短(遊技球が通過検知センサ74bの検知範囲を通過する周期の長短)に基づいて、戻り球の発生の有無を検知するものである。つまり、図38(a)の設例1に示すように、通常の状態(戻り球が発射レール74上に存在しない状態)で、発射位置74Wから発射装置75によって次々に発射される遊技球G1は、発射周期(0.6秒周期)で発射される。このため、遊技球G1が連続して発射される場合には、通過検知センサ74bが遊技球G1を検知する周期は当該所定周期(0.6秒周期)となる。これに対して、図38(b)の設例2のように、発射位置74Wから発射され、通過検知センサ74bの検知範囲を通過した遊技球G1が発射レール74を完全に通過することができず、発射レール74を逆走して戻り球(遊技球G1)となったとする。このとき、逆走を開始した戻り球(遊技球G1)と通過検知センサ74bとの距離が、発射位置74Wと通過検知センサ74bとの距離よりも短い。
このため、後続する遊技球G2が通過検知センサ74bの検知範囲を通過する予定時間よりも、戻り球(遊技球G1)が通過検知センサ74bを通過する時間が早く到来する。そして、後続する遊技球G2が通過検知センサ74bの検知範囲を通過する予定時間は、発射位置74wから発射された遊技球G1が、通過検知センサ74bの検知範囲を通過していた時間(戻り球となる前に通過検知センサ74bの検知範囲を通過していた時間である)から1発射周期(0.6秒周期)だけ経過した時間である。このため、設例2の場合は、発射位置74wから発射された遊技球G1が通過検知センサ74bの検知範囲を通過していた時間から1発射周期が経過する前に戻り球(遊技球G1)が通過検知センサ74bの検知範囲を通過することになる。
また、図39(a)の設例3に示すように、戻り球(遊技球G1)が発射レール74上に存在する状態で、戻り球(遊技球G1)と共に後続する遊技球G2を発射装置75によって発射する場合には、発射位置74Wの遊技球G2から通過検知センサ74bまでの距離よりも、戻り球(遊技球G1)から通過検知センサ74bまでの距離の方が短い(遊技球1個分短い)。このため、後続する遊技球G2とともに発射される戻り球(遊技球G1)が通過検知センサ74bの検知範囲を通過する時間は、後続する遊技球G2が単独で発射される場合に通過検知センサ74bの検知範囲を通過する予定時間よりも早く到来する。
更に、図39(b)の設例4のように、戻り球(遊技球G1)が発射レール74を逆走しているときに、後続する遊技球G2を発射装置75によって発射した場合には、戻り球(遊技球G1)が遊技球G2に弾かれる(発射方向に弾かれる)。このため、弾かれた戻り球(遊技球G1)が通過検知センサ74bの検知範囲を通過する時間は、後続する遊技球G2が単独で発射される場合に通過検知センサ74bの検知範囲を通過する予定時間よりも早く到来する。また、遊技球が発射レール74の所定位置まで移動し、発射位置74Wの方向に逆走する間にも、図39(c)の設例5のように、球送り装置76から後続する遊技球が発射位置74Wに順次補充されるため、発射レール74上の遊技球が2個、3個…と増えていく可能性がある。この場合、先頭に位置する戻り球と、通過検知センサ74bとの距離が更に短くなるため、発射レール74上の複数の遊技球に発射装置75の打撃力を負荷すると、先頭に位置する戻り球が、通過検知センサ74bの検知範囲を通過する時間は、発射位置の遊技球が単独で発射される場合に通過検知センサ74bの検知範囲を通過する予定時間よりも更に早く到来する。
以上のように、戻り球を生ずると、通過検知センサ74b(検知手段)が遊技球を検知する間隔が、遊技球の発射周期(発射装置75が遊技球を発射する周期であり、0.6秒周期)より短くなるのが一般的である。但し、戻り球を生じても、発射レールの状況(発射レール上に他の戻り球の存在等)によっては通過検知センサ74b(検知手段)が遊技球を検知する間隔が、遊技球の発射周期よりも長くなったり、同一となったりする可能性を排除できない。但し、通過検知センサ74b(検知手段)が検知する間隔が発射周期よりも短くなる遊技が1つでも発生すると、少なくとも1個の戻り球が発射レール74に存在すると判定することができる。
図37に示す戻り球検知処理では、ステップS1501にて、「発射許可信号の出力状態」をHIレベルに設定しているか否かを判定する。つまり、後述する電源・発射制御装置98から入力されている条件成立信号がHIレベルであり、しかも、後述する解消操作実行フラグが解除されている場合には、主制御装置81は「発射許可信号の出力状態」をHIレベルに設定する。ここで、条件成立信号がHIレベルである場合とは、「遊技者が発射ハンドル8Aに触れており、しかも、発射停止操作が行われていない場合」である。なお、「発射許可信号の出力状態」や、「条件成立信号」については後述する。
ステップS1501にて「発射許可信号の出力状態」をHIレベルに設定していると判定されると、ステップS1504にて通過検知センサ74bが遊技球を検知しているか否かを判定する。そして、ステップS1504にて否定判定をした場合、ステップS1505に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた検知間隔用カウンタTC2を「1」加算し、一旦、戻り球検知処理を終了する。ここで、戻り球検知処理は、通常処理(図26)の一部であり、4msec周期で実行される。このため、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない場合には、検知間隔用カウンタTC2においてセットされたカウント値は、所定周期(4msec周期)で1インクリメントされる。つまり、この検知間隔用カウンタTC2は、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない時間(非検知を継続する期間)を定めるカウンタである。
ステップS1504にて肯定判定をした場合、ステップS1506に進み、検知間隔用カウンタTC2の値が「150」未満であるか否かを判定する。ここで、検知間隔用カウンタTC2の値が「150」である場合とは、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない期間が「0.6秒」であることを示し、「150」未満である場合とは、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない期間が「0.6秒」未満であることを示す。ここで、前述のように、「0.6秒」は遊技球の発射周期に相当する期間である。そして、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない期間が「0.6秒」未満であると(検知間隔が「0.6秒」未満であると)、戻り球が発生したと判定され、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない期間が「0.6秒」であると(検知間隔が「0.6秒」であると)、戻り球が発生していないと判定される。
ステップS1506で肯定判定をした場合には、戻り球を発生しているため、戻り球フラグの設定を行うと、ステップS1508の処理を実行し、戻り球検知処理を終了する。また、ステップS1506で否定判定をした場合には、戻り球を発生していないため、ステップS1508の処理を実行した後、戻り球検知処理を終了する。ここで、ステップS1508の処理では、検知間隔用カウンタTC2の値を「0」とする処理を行う。
ステップS1501にて「発射許可信号の出力状態」をLOWレベルに設定していると判定されると、ステップS1502にて検知間隔用カウンタTC2が「0」であるか否かを判定する。そして、ステップS1502で肯定判定されると、そのまま戻り球検知処理を終了する。一方、ステップS1502で否定判定されると、ステップS1503の処理に進み、検知間隔用カウンタTC2の値を「0」とする処理を行ってから戻り球検知処理を終了する。
なお、図37のステップ1506において「TC2=150」であるか否かを判定する変形例1を例示することもできる。この変形例1では「TC2=150」である場合、そのままステップS1508に進み、「TC2=150」でない場合、ステップS1507に移行し、戻り球フラグを設定した後、ステップS1508に進む。つまり、この変形例1では、ステップ1506において、通過検知センサ74bが遊技球を検知していない期間(以下、非検知期間という。)が発射周期と一致するか否かを判定し、一致しない場合に戻り球フラグを設定することとしている。
更に、図37のステップ1506において「TC2=125〜175」であるか否かを判定する変形例2を例示することもできる。この変形例2では「TC2=125〜175」である場合、そのままステップS1508に進む。つまり、非検知期間が「0.5秒〜0.7秒」であれば、そのままステップS1508に進む。一方、「TC2=125〜175」でない場合、ステップS1507に移行し、戻り球フラグを設定した後、ステップS1508に進む。つまり、非検知期間が「0.5秒未満」であるか、「0.7秒を超える」場合には、戻り球フラグを設定した後、ステップS1508に進む。
この変形例2では、非検知期間と発射周期との間に誤差を生じていても、当該誤差が許容範囲内であれば戻り球が発生していないと判定し、許容範囲外であれば戻り球が発生したと判定している。例えば、戻り球が発生していない状態で遊技を継続しても、個々のパチンコ機10で発射周期に不可避的なバラツキを発生したり、対象となるパチンコ機10の使用期間が長くなり、発射装置75にガタツキを生じたりすること等がある。このため、非検知期間と発射周期との間に誤差を生ずることもあるが、当該誤差が許容範囲内(吸収できる範囲内、つまり、円滑な遊技を妨げない範囲内)であれば戻り球が発生していないと判定することとしている。なお、変形例2では「戻り球が発生していないと判定される範囲」を、「発射周期(0.6秒)のプラスマイナス0.1秒の範囲」とするが、当該範囲を変形例2と異なるものとしてもよい。例えば、当該範囲の下限値を「発射周期(0.6秒)のマイナス1.5秒」とし、当該範囲の上限値を「発射周期(0.6秒)のプラス1.0秒」としてもよいし、当該範囲の下限値を「発射周期(0.6秒)のマイナス1.0秒」とし、当該範囲の上限値を「発射周期(0.6秒)のプラス1.5秒」としてもよい。
<戻り球解消処理>
次に、図40(a)のフローチャートを参照して、通常処理のステップS508における戻り球解消処理について説明する。
戻り球解消処理では、ステップS1601にて解消動作実行フラグが設定されているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における解消動作実行フラグが格納されているか否かを判定することによってステップS1601の処理を行うことができる。ここで、解消動作実行フラグとは、戻り球を解消するための動作(以下、解消動作という。)を実行中であることを示すフラグであり、戻り球フラグが設定された状態で戻り球解消処理を起動すると設定される。
解消動作は、戻り球を解消するための動作であり、正常時(遊技球を発射位置74Wに支持するとき)に比べて、支持部材77を斜め上方に移動させる動作である。具体的に説明すると、ソレノイド77aを励磁し、正常時よりもプランジャ77bの突出量を少なくする(図11参照)。これにより、図40(b)に示すように、支持部材77を上昇させ、遊技球の後方より支持部材77が待避する。そして、発射レール74上の戻り球G1や、球送り装置76から発射レール74上に新たに供給された遊技球G2は、発射レール74の下端部から排出され、図示しない連絡通路を通過して下皿72に誘導される。
図40(a)のステップS1601にて解消動作実行フラグが設定されていないと判定すると、ステップS1602において、戻り球フラグが設定されているか否かを判定する。そして、ステップS1602にて否定判定されると、そのまま戻り球解消処理を終了する。これに対して、ステップS1602にて肯定判定されると、ステップS1603において、解消動作実行フラグを設定する処理と、解消動作を開始する処理と、戻り球フラグを消去する処理と、解消動作終了タイマteに「450(1.8秒)」を設定する処理を実行し、戻り球解消処理を終了する。ここで、解消動作終了タイマteは解消動作が開始されたとき(解消動作実行フラグが設定されたとき)、解消動作を終了する時期を定めるタイマである。
ステップS1601にて解消実行フラグを設定されていると判定する場合には、ステップS1604にて、解消動作終了タイマteの値を1ディクリメントする。つまり、戻り球解消処理は通常処理の一部であり、4msec周期で実行されるため、解消動作終了タイマteにセットされたカウント値は、所定周期(4msec周期)で1ディクリメントされる。
ステップS1604を行うと、ステップS1605に進む。ステップS1605では、解消動作終了タイマteの値が「0」であるか否かを判定する。そして、解消動作終了タイマteの値が「0」でない場合には、そのまま戻り球解消処理を終了する。これに対して、解消動作終了タイマteの値が「0」である場合には、ステップS1606にて、解消動作を終了する処理と、解消動作実行フラグを消去する処理を行った後、戻り球解消処理を終了する。
なお、解消動作終了タイマteの値が「0」になると、解消動作を終了する処理(ソレノイド77aの励磁を停止し、支持部材77を下降させ、発射位置74Wの遊技球を支持可能する処理)を行うはずであるが、この解消動作を終了する処理が行われていない場合は、警告音を発生させたり、警告用のランプ表示を行ったりしてもよい。例えば、支持部材77の位置が発射位置74Wの遊技球を支持する位置にあるか否かを判定するセンサを設ける。そして、解消動作終了タイマteの値が「0」になっても、当該センサが「発射位置74Wの遊技球を支持する位置にある支持部材77」を一定時間(例えば、2秒間)検知しない場合、所定の警告手段(音によって警告を行う手段、光によって警告を行う手段、振動によって警告を行う手段、警告画像を表示する手段(図柄表示装置41等)等によって警告を行ってもよい。
また、後述する図41の遊技球発射制御用処理において、支持部材77の位置が発射位置74Wの遊技球を支持する位置にない場合、主制御装置81は発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定しないこととしてもよい。この点については後述する。
<遊技球発射制御処理>
次に、図41(a)のフローチャートを参照して、通常処理のステップS509における遊技球発射制御用処理について説明する。
遊技球発射制御用処理では、ステップS1701にて条件成立信号はHIレベルであるか否かを判定する。具体的には、電源・発射制御装置98から入力されている条件成立信号に基づいてステップS1701の判定を行う。
遊技者が発射ハンドル8Aに触れている場合にはタッチセンサ87から電源・発射制御装置98にHIレベル信号が入力され、発射停止操作が行われていない場合にはストップスイッチ89から電源・発射制御装置98にLOWレベル信号が入力される構成となっている。そして、電源・発射制御装置98ではタッチセンサ87からHIレベル信号が入力され且つストップスイッチ89からLOWレベル信号が入力されていることを条件として、主制御装置81に条件成立信号としてHIレベル信号が出力される構成となっている。つまり、電源・発射制御装置98の条件成立の送信回路98d(図16参照)が、主制御装置81に条件成立信号としてHIレベル信号を出力する。
また、電源・発射制御装置98ではタッチセンサ87からHIレベル信号が入力され且つストップスイッチ89からLOWレベル信号が入力されてない場合には、主制御装置81に条件成立信号としてLOWレベル信号が出力される構成となっている。つまり、電源・発射制御装置98の条件成立の送信回路98d(図16参照)が、主制御装置81に条件成立信号としてLOWレベル信号を出力する。そして、主制御装置81のMPU202では、この条件成立信号に基づいてステップS1701において否定判定を行う。
ステップS1701にて肯定判定をした場合にはステップS1702に進み、解消動作実行フラグが設定されているか否かを判定する。そして、ステップS1702にて否定判定をした場合にはステップS1703に進み、既に発射許可状態になっているか否かを判定する。ステップS1703にて肯定判定をした場合にはそのまま本遊技球発射制御用処理を終了する。一方、ステップS1703にて否定判定をした場合には続くステップS1704にて発射許可状態の設定を行う。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に発射許可フラグを格納する。
その後、ステップS1705にて発射許可フラグが格納されていることに基づいて発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定し、本遊技球発射制御用処理を終了する。第1実施形態に示す主制御装置81は電源・発射制御装置98と接続されており、発射許可信号が電源・発射制御装置98(図16に示す発射許可の受信回路98e)に入力される構成となっている。電源・発射制御装置98では、発射許可信号がHIレベルとなっていることに基づいて遊技球の発射を実行する。
ステップS1701の説明に戻り、当該ステップS1701にて否定判定をした場合、すなわち条件成立信号がLOWレベルである場合には、ステップS1706に進む。ステップS1706では発射許可状態の解除を行う。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に発射許可フラグが格納されている場合にはこれを消去し、当該発射許可フラグが格納されていない場合にはそのままの状態に維持する。ステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707に進む。
ステップS1707では発射許可フラグが格納されていないことに基づいて発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定し、遊技球発射制御用処理を終了する。電源・発射制御装置98では、発射許可信号がLOWレベルとなっていることに基づいて遊技球の発射を回避する。
ステップS1702にて肯定判定をした場合、すなわち条件成立信号がHIレベルであるが、RAM204の各種フラグ格納エリア235に解消処理実行フラグが格納されている場合には、ステップS1706の処理、ステップS1707の処理の順に実行し、遊技球発射制御用処理を終了する。つまり、主制御装置81に条件成立信号としてHIレベル信号を受信しても、発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。このため、電源・発射制御装置98では、発射許可信号がLOWレベルとなっていることに基づいて遊技球の発射を回避する。
なお、ソレノイド77aの駆動状態(励磁を停止した状態)やセンサによって、支持部材77の位置が発射位置74Wの遊技球を支持する位置(以下、基本位置という)にあるか否かを判定可能な場合、図41(b)に示すように、ステップS1702の処理と、ステップS1703の処理の間にステップS1702Aの処理を設けてもよい。つまり、ステップS1702の処理で否定判定されると、ステップS1702Aの処理に移行し、支持部材77が「基本位置」にあるか否か(支持部材77は基本位置に戻ったか否か)を判定する。そして、ステップS1702Aで肯定判定される場合にはステップS1703の処理に移行する。一方、ステップS1702Aで否定判定される場合にはステップS1706の処理、ステップS1707の処理に移行し、発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定してもよい。この場合、前述のように「所定の警告」を行うことが望ましい。
次に、図42のフローチャートを参照して、電源・発射制御装置98にて定期的(詳しくは主制御装置81のMPU202における通常処理と同じ周期:4msec周期)で実行される発射制御処理について説明する。
先ず、ステップS5001では、主制御装置81が電源・発射制御装置98(発射許可の受信回路98e)に出力されている発射許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。発射許可信号がHIレベルである場合には、ステップS5002にて、電源・発射制御装置98に設けられた発射周期カウンタ(図示を省略)の値を1加算し、発射許可信号がLOWレベルである場合には、ステップS5003にて、発射周期カウンタの値を「0」クリアする。ここで、発射周期カウンタは、発射ハンドル8Aの操作に基づいて、球送り装置76及び発射装置75を利用して遊技球を発射すべき状況において、当該遊技球の発射周期を所定のものとするために利用されるカウンタである。
ステップS5002の処理若しくはステップS5003の処理を実行した場合には、ステップS5004にて、球送り済み状態であるか否かを判定する。球送り済み状態とは、発射ハンドル8Aの操作に基づいて、遊技球を発射すべき状況において、球送り装置76による発射レール74上への1個の遊技球の供給が既に完了している状態である。
なお、電源・発射制御装置98(発射許可の受信回路98e)は、S5007の球送用の駆動信号を出力すること(球送りソレノイド76bがオン・オフ動作を行うこと)で、球送り済み状態とすることができ、球送り済み状態と認識可能である。なお、発射位置74Wの遊技球の存在を検知する検知センサを設ける場合、この検知センサが遊技球を検知したとき、球送り済み状態と認識してもよい。
球送り済み状態ではない場合には、ステップS5005にて、発射周期カウンタの値が「150」となっているか否かを判定する。発射周期カウンタは発射許可信号がHIレベルの状態において4msec周期(通常処理と同じ周期)で1加算される。よって、発射周期カウンタの値が「150」となっている場合とは、発射許可信号がHIレベルとなってから当該HIレベルの出力状態が継続している状態において、又は1個の遊技球が発射されてからHIレベルの発射許可信号の出力状態が継続している状態において、0.6secが経過したことを意味する。
発射周期カウンタの値が「150」となっていない場合には、一旦、発射制御処理を終了する。これに対して、発射周期カウンタの値が「150」となっている場合ステップS5006〜ステップS5008に進む。ステップS5006では、発射周期カウンタの値を「0」クリアし、ステップS5007では、球送り装置76に向けて球送用の駆動信号を出力し、ステップS5008では、球送り済み状態に設定する。つまり、球送用の駆動信号が出力されることにより、球送り装置76は1個の遊技球を発射レール74の発射位置に移行する。そして、一旦、発射制御処理を終了する。
一方、ステップS5004にて肯定判定をした場合には、ステップS5009にて、電源・発射制御装置98に設けられた球送後カウンタの値を1加算する。球送後カウンタは、発射ハンドル8Aの操作に基づいて、球送り装置76により1個の遊技球が発射レール74の発射位置に供給された後に、発射装置75を駆動制御して、当該遊技球を発射するタイミングを特定するためのカウンタである。
続くステップS5010では、球送り後カウンタの値が「50」となっているか否かを判定する。球送後カウンタは、球送り済み状態において4msec周期(通常処理と同じ周期)で1加算される。このため、球送後カウンタの値が「50」となっている場合とは、発射レール74の発射位置に遊技球が供給された後に0.2secが経過したことを意味する。
球送後カウンタの値が「50」となっていない場合には、一旦、発射制御処理を終了する。これに対して、球送後カウンタの値が「50」となっている場合には、ステップS5011〜ステップS5013に進む。ステップS5011では、電源・発射制御装置98が発射ハンドル8Aの可変抵抗器88から受信している信号に基づき、発射ハンドル8Aの回動操作量に応じた発射強度を把握する。ステップS5012では、ステップS5011にて把握した発射強度に応じた発射用の駆動信号を発射装置75に向けて出力する。これにより、発射レール74の発射位置に供給されている遊技球が、発射ハンドル8Aの回動操作量に応じた発射強度で発射される。その後、ステップS5013にて、球送り済み状態を解除し、発射制御処理を終了する。つまり、電源・発射制御装置98は、発射用の駆動信号を発射装置75に向けて出力することで、球送り済み状態を解除されたことを認識できる。なお、前述のように、発射位置74Wの遊技球の存在を検知する検知センサを設ける場合には、この検知センサが遊技球を検知しなくなることで、球送り済み状態を解除されたことを認識できる。
次に図43〜図45のタイミングチャートを用いて、解消動作実行フラグと、発射許可信号と、球送り装置76が行う球送り動作と、発射装置75が行う発射動作との関係を示す。
図43は、t1のタイミングで、発射ハンドル8Aを操作し(遊技者の手が発射ハンドル8Aに触れており)且つストップスイッチ89からLOWレベル信号が出力された状態(電源・発射制御装置98から主制御装置81に入力された条件成立信号がHIレベルである状態)を示している。このとき、解消動作実行フラグが解除されていれば、主制御装置81が発射許可信号の出力状態をHIレベルとする。この場合、t1のタイミングから0.6secが経過したt2のタイミングにて、球送り装置76が球送り動作を行い、発射レール74上に1個の遊技球を供給する。そして、t2から0.2秒経過したt3のタイミングにて、発射位置75Wの遊技球が発射装置75により発射する発射動作が実行される。その後、t2のタイミングから0.6secが経過したt4のタイミングで球送り動作を行い、t3のタイミングから0.6secが経過したt5のタイミングで発射動作が実行される。その後、条件成立信号がHIレベルであり、解消動作実行フラグが解除されている場合は、「球送操作と、その0.2後に発射動作を行うここと」を0.6secの周期に繰り返すことができる。
なお、tx1のタイミングにて球送り装置76により発射レール74上に1個の遊技球が供給された後、tx2のタイミングにて、発射許可信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられるものとする。この場合、tx3のタイミングにて発射レール74上の遊技球が発射装置75により発射される。これ以降は、tx2タイミングにて発射許可信号の出力状態がLOWレベルとなっているため、発射レール75上に遊技球が新たに供給されることはなく、遊技球の発射が停止される。
図44は、発射ハンドル8Aを操作し(遊技者の手が発射ハンドル8Aに触れており)且つストップスイッチ89からLOWレベル信号が出力され(電源・発射制御装置98から主制御装置81に入力された条件成立信号がHIレベルである状態)、しかも、解消動作実行フラグが解除されている状態である場合(主制御装置81が発射許可信号の出力状態をHIレベルとしている場合)において、ty1のタイミングにて解消動作実行フラグが設定された場合を示している。但し、ty1のタイミングでは、球送り済み解除状態であるものとする。
この場合、ty1のタイミングで、発射許可信号がHIレベルからLOWレベルとなり、しかも、球送り済み解除状態であるため、解消動作実行フラグが設定されている間は、球送り動作と、発射動作が行われることがない。そして、発射ハンドル8Aを操作し(遊技者の手が発射ハンドル8Aに触れており)且つストップスイッチ89からLOWレベル信号が出力された状態のまま(電源・発射制御装置98から主制御装置81に入力された条件成立信号がHIレベルである状態のまま)、tz1のタイミングで、解消動作実行フラグが解除されたとする。この場合、発射許信号がLOWレベルからHIレベルとなるため、tz1のタイミングから0.6secが経過したtz2のタイミングにて、球送り装置76が球送り動作を行い、発射レール74上に1個の遊技球を供給する。そして、tz2から0.2秒経過したtz3のタイミングにて、発射位置75Wの遊技球が発射装置75により発射する発射動作が実行される。
ここで、図45(a)に示すように、ty3よりも前のタイミングtv1にて球送り装置76により発射レール74上に1個の遊技球が供給された後、解消動作実行フラグが設定されたとする。この場合、ty3のタイミングにて発射許可信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられるが、tv1から0.2秒経過したtv2のタイミング(tv2のタイミングと、ty3のタイミングの先後を問わない)にて発射装置75により発射動作が実行される。このとき、発射レール74上の遊技球が発射レール74の下端からの排出が既に完了していれば、発射装置75による発射動作は「空打ち(発射位置74Wに遊技球が存在しない状態で発射動作を行うこと)」になる。これに対して、当該排出が完了していなければ、発射レール74上に残存する遊技球に発射装置75の発射動作が施される可能性がある(発射レール74上に残存する遊技球を打撃部75bで打撃する可能性がある)。なお、後者の事態(残存する遊技球を打撃部75bで打撃する事態)を防止するために、解消動作の実行時間を長くしたり(例えば、3.6秒、つまり、発射周期の6倍の時間としたり)、後述する変形例15に示すように、tv2のタイミングで発射装置75を行うことを禁止してもよい。或いは、発射レール74上に遊技球が存在することを検知するセンサ(例えば、発射位置74Wに遊技球が存在していることを検知するセンサ等)を備える場合、このセンサが遊技球を検知しなくなり、その後、所定時間(例えば、2秒)を経過してから解消動作を終了してもよい(後述する)。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232の第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。
以下、保留予告の概要を簡単に説明した後、当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成等について説明する。
<保留予告の概要について>
先ず、図46〜図48を用いて、本パチンコ機10で行われる予告演出の概要を説明する。
前述のように、遊技領域PEを流下する遊技球が、いずれかの作動口33,34に入賞することに基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果(大当たり結果若しくは外れ結果)を表示し、上記変動表示が停止される。この結果表示部AS,BSにおいて、「変動表示を開始してから、この変動表示が停止するまで」が遊技回の1回に相当する。そして、本パチンコ機10においては、この結果表示部AS,BSにおける変動表示に合わせて、種々の演出装置、つまり、演出表示装置(図柄表示装置41)、電飾用の発光手段(窓部61の周囲の各種ランプ部、窓部61の上方の表示ランプ部63)、効果音等を発生する音声手段(スピーカ部64)が、遊技演出を実行する。
以下の説明では、「保留予告(示唆演出)」として、通常の実行条件に基づいて実行される通常タイプの保留予告(以下、「第1予告演出」という。)の他に、特殊な実行条件に基づいて実行される特殊タイプの保留予告(以下、「第2予告演出」という。)について説明する。なお、「第1予告演出」は「第1示唆演出」の一具体例を示し、「第2予告演出」は「第2示唆演出」の一具体例を示す。以下、保留予告(第1予告演出、第2予告演出)の制御処理等に先立ち、図46〜図49を用いて保留予告(第1予告演出、第2予告演出)の概要(アウトライン)を簡単に説明する。
図46は、「第1予告演出」の概要を説明するための説明図である。ここで、以下の説明において、上作動口33若しくは下作動口34に遊技球が入賞すること(何れかの作動口33、34への入賞を検知センサが検知すること)を「作動入賞」と称し、上作動口33若しくは下作動口34に遊技球が入賞すると、「特別情報」の取得条件が成立する。更に、対応する始動保留記憶数(前述の上作動口33への入賞にはRaNが対応、下作動口34への入賞にはRbNが対応)が上限値未満である場合に生じた作動入賞(取得情報を記憶可能な作動入賞)を「有効な作動入賞」と称し、始動保留記憶数が上限値以上の場合に生じた作動入賞(取得情報を記憶不可能な作動入賞)と区別する場合がある。
「第1予告演出」では、図46に示すように、有効な作動入賞を生ずると(u1)、当該作動入賞に基づき取得した特別情報に係る第1予告演出を実行するか否かの抽選(以下、「第1予告抽選」といい、図中「第1抽選」と表示する。)を行う(u2)。つまり、「当該作動入賞に基づき取得した特別情報について、付与対応結果と判定される可能性を示す保留予告(第1予告演出)」を実行するか否かの抽選(第1予告抽選)を行う。ここで、後述するように、第1予告抽選の当選確率は、特別情報の種類(大当たり情報、リーチ情報、非リーチ情報等)によって異なっており、遊技者にとって好ましい遊技結果、遊技演出を招くもの(例えば、大当たり情報)ほど、当選確率が高くなっている。
また、以下の説明において、付与判定の結果が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となる特別情報(高頻度入賞モードを生じさせる大当たり結果となる特別情報)を「大当たり情報」と称し、後述するように表示制御装置212は「確変対応コマンド又は通常対応コマンド」を受信することで、「大当たり情報」の発生を知ることができる(後述する図51〜図55を参照)。更に、「大当たり情報」以外の特別情報のうち、付与判定の結果を示す際の変動表示(遊技演出)においてリーチを行うこととなるものを「リーチ情報」と称し、後述するように表示制御装置212は「リーチ対応コマンド」を受信することで、「リーチ情報」の発生を知ることができる(図51〜図55を参照)。更に、「大当たり情報」以外の特別情報のうち、付与判定の結果を示す際の変動表示(遊技演出)においてリーチを行わないこととなるものを「非リーチ情報」と称し、後述するように表示制御装置212は「非リーチ対応コマンド」を受信することで、「非リーチ情報」の発生を知ることができる(図51〜図55を参照)。
更に、本実施形態では、保留予告(第1予告演出、第2予告演出)として、「付与対応結果と判定される可能性」を直接的に示すものと、間接的に示すものとを備えているが、前者(直接的な保留予告)と、後者(間接的な保留予告)とのうち一方のみを備えてもよい。例えば、前者の保留予告としては、「大当たり結果の発生の予告的な表示」を行ったり、「大当たり結果の発生確率の予告的な表示」を行ったり、「大当たり結果の発生の予告的な音声報知」を行ったり、「特定のキャラクタ(大当たり結果を生じさせる場合や大当たり結果を生じさせる可能性が高い場合に出現するキャラクタ)」を出現させたりする場合等を例示できる(大当たり予告)。また、後者の保留予告としては、特定演出(大当たり結果を報知する変動表示において出現する演出、例えば、リーチ等)が発生する可能性を示唆すること等を例示できる(例えば、リーチ予告)。
図46に示すように、「第1予告抽選」に当選すると、予告条件成立フラグ(後述する)がセットされ、予告条件成立フラグ(後述する)が解除されるまで、新たな保留予告(第1予告演出)に関する処理の設定に禁則がかけられる(u3)。ここで、予告条件成立フラグ(後述する)をセットするとは、後述する予告条件成立フラグ格納エリアに予告条件成立フラグを格納することを指し、予告条件成立フラグを解除するとは、予告条件成立フラグ格納エリアから予告条件成立フラグを消去することを指す。なお、本実施形態では、後述するように、「第1予告抽選」に当選し、予告条件成立フラグがセットされ、しかも、発生抽選に当選すると、第1予告演出が発生するものとしているが、発生抽選を省略し、「第1予告抽選」に当選すると保留予告(第1予告演出)が発生するものとしてもよい。
そして、第1予告抽選に当選すると(u2)、第1予告抽選の対象となった特別情報の取得時よりも前に取得した特別情報であって、対応する結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に格納されているものに基づく変動表示に伴い、保留予告(第1予告演出)を行う。ここで、第1予告抽選の対象となった特別情報を「対象保留情報」と称し、第1予告抽選の対象となった特別情報(対象保留情報)の取得時よりも前に取得した特別情報であって、対応する結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に格納されているものを「前保留情報」と称する。なお、上作動口33への有効な作動入賞に基づき取得・記憶された保留情報に関しては、第1結果表示部用保留エリアRaが対応する結果表示部用保留エリアであり、下作動口34への有効な作動入賞に基づき取得・記憶された保留情報に関しては、第2結果表示部用保留エリアRbが対応する結果表示部用保留エリアである。
「前保留情報」が第1エリアから実行エリアREに移動(シフト)すると、変動表示(以下、「前変動表示」という。)が実行され(u4)、所定タイミングで保留予告(第1予告演出)が実行される。ここで、第1実施形態では「前変動表示」において保留予告(第1予告演出)を行い、「対象保留情報に基づく変動表示(以下、「対象変動表示」という。)において保留予告(第1予告演出)を行わないため(符号Aを参照)、1個以上の「前保留情報」が対応する結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に格納された状態で「対象保留情報」を記憶した場合に限り、第1予告抽選を実行し、第1予告演出を実行可能としてもよい。この場合、「前保留情報」の数が多くなるほど、第1予告演出の当選確率を高くしてもよい。なお、保留予告(第1予告演出)を「前変動表示」のみならず「対象変動表示」においても実行してもよく(符号Bを参照)、「前保留情報」の存否とは無関係で第1予告抽選を実行し、第1予告演出を実行可能としてもよい。かかる場合、前保留情報に基づく変動表示(所謂「事前変動」)と、対象保留情報に基づく変動表示(所謂「当該変動」)とで、連続した保留予告を実行することができる。
また、上述のように、「第1予告抽選」に当選し、予告条件成立フラグ(図59〜図61を用いて後述する)がセットされると、対象保留情報が実行エリアREにシフトするまで(後述する図67のS3807の処理若しくは後述する図6のS3857の処理で肯定判定されるまで)で、新たな保留予告(第1予告演出)の設定・実行に禁則がかけられる(後述する図55のS3105、S3112の処理を参照)。これにより、複数の保留予告(つまり、対象保留情報に基づく保留予告と、当該対象保留情報よりも後生じた保留情報に基づく他の保留予告演出)が併存し、保留予告(第1予告演出)に関する演出内容や、制御処理等が複雑化することが回避される。
ここで、以下の説明において、「特別情報を消化する」とは、当該特別情報が結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)の第1エリアから実行エリアREに移動(シフト)すること指す(図28を参照)。このように第1エリアに格納されていた「特別情報(データ)」が実行エリアREに移動することで、当該特別情報(データ)に基づく変動表示が開始される。
前保留情報に基づく変動表示(前変動表示)が終了すると、対応する結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)の第1エリアに記憶されていた対象保留情報が実行エリアREに移動(シフト)し、「対象変動表示」が開始される(u5)。このとき、予告条件成立フラグは解除される。そして、「対象変動表示」の変動時間が経過すると、「対象保留情報」に基づく付与判定の結果が報知される。そして、「対象保留情報」よりも後に取得された保留情報が、「対象保留情報」が実行エリアにシフトする前において、結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に記憶されているとする。この場合、後に取得された保留情報(後述する既得情報等)に基づく変動表示が開始されるが、後に取得された保留情報の取得時には「予告条件成立フラグ」がセットされ、保留予告(第1予告演出)に関する設定・実行に禁則がかけられているため、後に取得された保留情報を対象とする保留予告(第1予告)が実行されることはない(u6)。
つまり、通常タイプの保留予告(第1予告演出)において、予告条件成立フラグが解除されていることを条件として、所定の特別情報に基づく第1予告抽選を当該特別情報を取得したとき(結果表示部用保留エリアに記憶するとき)に実行する。換言すると、結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に既に記憶された状態の特別情報(つまり、対象保留情報の取得時よりも後に結果表示部用保留エリアに記憶された状態の特別情報)を対象保留情報として第1予告抽選を実行することはない。
このように、通常タイプの保留予告(第1予告演出)では、「対象保留情報」の取得時よりも後に取得され、当該「対象保留情報」が実行エリアREにシフトするよりも前に結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に記憶済みとされた特別情報(以下、「既得情報」という。)については第1予告抽選の対象とすることはない。よって、仮に、既得情報の中に第1予告抽選の当選確率が高い特別情報や、演出効果が高い演出の実行契機となる特別情報が含まれていたとしても、当該既得情報(当該保留情報)を対象保留情報として第1予告演出を実行することはできない。つまり、保留予告として第1予告演出のみを実行する遊技機では、例えば、対象変動表示の結果が遊技者の希望する内容でなく(例えば、対象変動表示で外れ結果となる場合においても)、「既得情報」に基づき予告演出を実行することはできない。このため、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、「既得情報」に基づく予告演出を実行可能性を生じさせることで、遊技興趣を高めることが重要であるとの知見を得た。
本実施形態では、保留予告(予告演出)のパターンとして、第1予告演出(通常タイプの保留予告)の他に第2予告演出(特殊なタイプの保留予告)を設け、「既得情報」に基づいて予告演出が実行される可能性を生じさせている。つまり、結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に記憶済みの保留情報(既得情報)についても、予告抽選(第2予告抽選)を行う処理を創設し、保留予告を実行する可能性を生じさせている。
図47(a)は、「第2予告演出」の概要を説明するための説明図である。具体的には、第1予告演出(前変動表示)を実行しているときに、有効な作動入賞を生じ、所定数の既得情報を獲得したとする(v1)。そして、「対象保留情報」を消化し(第1エリアから実行エリアREに移動し、対象変動表示を開始するとき)、予告条件成立フラグを解除する処理と、「既得情報」の中から第2予告抽選(第2予告演出を実行するか否かの抽選の意味で用いる)の当選確率が高いものを優先的に選択する処理と、当該「既得情報」に関する第2予告抽選に関する処理とを行い、当該第2予告抽選の結果が当選であったとする(v2)。
ここで、当選確率が高いものを優先的に選択する処理は、以下のように行われる。本実施形態では、当選確率が最も高い大当たり情報を優先して選択する。そして、既得情報に大当たり情報が含まれているが、有効な大当たり情報(後述する)でない場合には、その時点で以降の選択を終了する。この場合、第2予告抽選を実行しないが、この有効性の判断を行わず、第2予告抽選を実行することとしてもよい。また、本実施形態において、既得情報として複数の大当たり情報を記憶している場合には、先に記憶された大当たり情報を選択し、後に記憶された大当たり情報を「第2予告抽選」の対象外とする。
また、既得情報として大当たり情報を記憶していない場合には、結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に記憶されている全ての既得情報について、記憶順に有効性(後述する)の判断を行い、有効なものについて「第2予告抽選」を行う。そして、所定の既得情報について「第2予告抽選」を行い、落選である場合、当該既得情報よりも後に記憶された既得情報が存在すれば、当該既得情報に関する有効性を判断し、有効なものについて「第2予告抽選」を行う。そして、何れかの既得情報に基づく「第2予告抽選」の結果が当選となるか、全ての既得情報を検索(有効性の判定、第2予告抽選)を行うと、既得情報に関する検索(有効性の判定、第2予告抽選)を終了する。
本実施形態では、所定の既得情報について「第2予告抽選」を行い、当選である場合、当該既得情報よりも後に記憶された既得情報が存在しても、後に記憶された既得情報に関しては「第2予告抽選」の対象外となる。また、大当たり情報に基づく「第2予告抽選」が落選となった場合において、当該大当たり情報よりも先に記憶された既得情報(大当たり情報以外)が存在する場合には、当該先に記憶された既得情報について記憶順に有効性を判定し、有効と判定された既得情報について「第2予告抽選」を行うこととしているが、当該先に記憶された既得情報については、有効性を判定と第2予告抽選の対象外としてもよい。なお、本実施形態では、「大当たり情報以外の既得情報」に関して、記憶順に有効性(後述する)を判定するが、この有効性の判定を行わず、記憶順に「第2予告抽選」の対象としてもよい。
なお、本実施形態では、大当たり情報以外の既得情報についても、第2予告演出の「当選確率が高い種類の既得情報」を優先して第2予告抽選の対象としてもよい。例えば、既得情報がリーチ情報(スーパーリーチ情報、ノーマルリーチ情報)である場合には、非リーチ情報よりも優先して予告抽選の対象としてもよい。更に、リーチ情報(スーパーリーチ情報、ノーマルリーチ情報)を非リーチ情報よりも優先する場合、付与判定の結果を示す際の変動表示(遊技演出)においてスーパーリーチを行うこととなる「スーパーリーチ情報」は、付与判定の結果を示す際の変動表示(遊技演出)においてノーマルリーチを行うこととなる「ノーマルリーチ情報」に優先して予告抽選の対象としてもよい。ここで、後述するように、第1予告抽選及び第2予告抽選の当選確率は、大当たり情報はリーチ情報よりも高く、リーチ情報は非リーチ情報よりも高く、スーパーリーチ情報はノーマルリーチ情報よりも高くされている。
図47(a)を用いて更に説明すると、第2予告抽選の結果が当選であった場合には(v2)、予告条件成立フラグがセットされる(v3)。ここで、対象保留情報がシフトした際に結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に記憶された既得情報のうち、第2予告抽選の結果が当選となったものを「対象既得情報」といい、「対象既得情報」よりも先に取得(記憶)されたものを「前対象既得情報」という。また、本実施形態では、対象保留情報がシフトした際に結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に最後に記憶された既得情報が、第2予告抽選の対象となるとは限らない。例えば、図47(b)に示すように、既得情報の記憶数が「3」であって、3番目(取得順)に取得された既得情報について予告条件成立抽選に当選した場合には当該3番目に取得された既得情報が対象既得情報なり、既得情報の取得数が「3」であっても、2番目(取得順)に取得された既得情報について予告条件成立抽選に当選した場合には、当該2番目に取得された既得情報が対象既得情報となる。
上述の「前対象既得情報」の数は、全既得情報のうち、対象既得情報の発生順位を示す数値から「1」を減じた数値となる。例えば、全既得情報の数が「3」であり、対象既得情報の全既得情報中の3番目のである場合、「前対象既得情報」の数は「2」となり、対象既得情報が2番目のである場合、「前対象既得情報」の数は「1」となる。以下、全既得情報のうちの対象既得情報の発生順位を示す数値、つまり、「前対象既得情報」の数に対象既得情報の数の「1」を足し合わせた数値を「対象既得情報数」といい、第2予告演出の実行を伴う変動表示(前対象既得情報変動表示)を開始してから、当選した第2予告抽選の対象となった変動表示(対象既得情報変動表示)までの変動表示の累積回数に相当している。
上述のように、第2予告抽選の結果が当選である場合、対象変動表示(第1予告抽選の対象保留情報に基づく変動表示)を終了すると、「前対象既得情報」に基づく変動表示(以下、「前対象既得情報変動表示」という。)を実行する(v4)。このとき、「前対象既得情報」数が「2」の場合、2回の「前対象既得情報変動表示」が実行され、「前対象既得情報」数が「1」の場合、1回の「前対象既得情報変動表示」が実行される。そして、「前対象既得情報変動表示」に伴い、第2予告演出が実行される。
この後、「対象既得情報」に基づく変動表示を実行し、付与判定の結果が表示される(v5)。なお、本実施形態では、後述するように、「第2予告抽選」に当選し、予告条件成立フラグがセットされ、しかも、発生抽選に当選すると、第2予告予告演出が発生することとしているが、発生抽選を省略し、「第2予告抽選」に当選すると保留予告(第2予告演出)が発生するものとしてもよい。また、第1実施形態では、第2予告演出を「前対象既得情報変動表示」及び「対象既得情報変動表示」のうち、「前対象既得情報変動表示」で実行可能とする態様を例示するが、「前対象既得情報変動表示」及び「対象既得情報変動表示」の双方で実行可能としてもよい。つまり、前対象既得情報に基づく変動表示(所謂「事前変動」)と、対象既得情報に基づく変動表示(所謂「当該変動」)とで、連続した保留予告(第2予告演出)を実行することもできる。
なお、本実施形態では、第2予告抽選で当選とされた特別情報(対象既得情報)が実行エリアREに移動(シフト)される際に、第2予告抽選の実行条件が成立している場合に、再度の第2予告抽選が実行されることがある。ここで、第2予告演出の回数を計数し、所定回数(例えば、2回、3回)となったら第2予告演出を行わないこととしてもよいし、第2予告演出を1回限りとしてもよい。
以上述べたように、保留予告(第1予告演出、第2予告演出)は、例えば、種々の演出装置(図柄表示装置41、各種ランプ部、表示ランプ部63、スピーカ部64)を用いて行うことができる。以下、図48及び図49を用いて演出表示装置(図柄表示装置41)で実行される保留予告(第1予告演出及び第2予告演出)の「流れ」を述べる。ここで、図48〜図49は、図柄表示装置41の表示画面Gを模式的に示すものである。なお、本パチンコ機10においては、保留予告(第1予告演出、第2予告演出)を全ての演出装置(演出表示装置、発光手段及び音声手段)を用いて実行するが、全ての演出装置(演出表示装置、発光手段及び音声手段)から選択される1種の演出装置若しくは2種の演出装置を用いて実行してもよい。
図48の「A1」は、上作動口33の入賞に基づいて取得した保留情報(以下、「第1保留情報」という。)の記憶個数が「3個」で、下作動口34の入賞に基づいて取得した保留情報(以下、「第2保留情報」という。)の記憶個数が「0個」である状況で、図柄表示装置41において、第1保留情報に基づく変動表示を実行中である場合を示している。このとき、第1保留表示領域Gaには第1保留情報の記憶個数が「3個」であることを示す表示がされ、第2保留表示領域Gbには第2保留情報の記憶個数が「0個」であることを示す表示がされている。
この「A1」の状況で、上作動口33への入賞を発生し、新たな第1保留情報を取得し、記憶されたものとする(「A2」)。しかも、この入賞に基づいて、保留予告を実行することが決定(以下、予告決定という。)されたものとする。つまり、当該作動入賞に基づいて取得した保留情報に基づき、条件成立抽選(第1予告抽選)を行い、条件成立抽選に当選した場合には保留予告(第1予告演出)を発生されるか否かの発生抽選を行う。そして、発生抽選に当選すると保留予告(第1予告演出)を発生させることが決定される。但し、前述のように、第1予告抽選に当選すると、発生抽選を行うこと無く、保留予告(第1予告演出)を発生させてもよい。この点に関しては後述する第2予告抽選においても同様である。
第1予告抽選に当選した保留情報は前述の「対象保留情報」となるが、この「対象保留情報」よりも前に取得し、結果表示部用保留エリアRaに記憶されていた第1保留情報の個数が3個であるとする(「A2」)。この場合、「A1」及び「A2」で図示する変動表示を終了した後に開始される3回の変動表示(当該3個の第1保留情報の各々に基づく変動表示)を用いて第1予告演出が実行されるものとする。つまり、「対象保留情報が付与対応結果となる可能性を示す保留予告(第1予告演出)」が実行されるものとする。ここで、本実施形態では第1保留情報の取得後に、第1保留情報の記憶個数が「4個」になり、第1保留表示領域Gaには第1保留情報の記憶個数が「4個」であることが表示される。また、第1保留表示領域Gaにおいて、対象保留情報を「二重丸印」で表示し、その他の保留情報(前保留情報)を「丸で囲んだハッチング印」で表示している。
図48の「A3」は、「A1」及び「A2」で図示する変動表示が、外れ結果を表示して終了した場合を示している。そして、外れ結果の表示時間(例えば、0.6秒)を経過すると、図柄表示装置41の表示画面Gにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaにおける記憶順が最も古い第1保留情報に基づく変動表示(以下、第1変動表示という。)を開始する。このとき、第1保留表示領域Gaが示す第1保留情報の記憶個数が「3個」に減少する。そして、第1変動表示を開始し、所定のタイミングが到来すると、「予告演出用のキャラクタ絵柄」が出現する(「A4」)。
この後、第1変動表示を終了し、外れ結果の表示時間を経過すると、第1結果表示部用保留エリアRaにおける記憶順が次に古い第1保留情報に基づく変動表示(以下、第2変動表示という。)を開始する(図示を省略)。このとき、第1保留表示領域Gaが示す第1保留情報の記憶個数が「2」に減少する。そして、第2変動表示を開始し、所定のタイミングが到来すると、「予告演出用のキャラクタ絵柄」が出現する(「A5」)。そして、第2変動表示中に、上作動口33への入賞を2回発生し、新たな第1保留情報を2個取得し、記憶されたものとする(「A6」)。このため、第1保留表示領域Gaが示す第1保留情報の記憶個数が「4個」に増加する。
なお、図48〜図49の第1保留表示領域Gaにおいて、対象保留情報よりも後に取得され、対象保留情報に基づく変動表示(対象変動表示)を開始する際に既に取得されていた保留情報が、前述の既得情報であるが、図中「既得情報」を「丸で囲んだバツ印」で表示している。ここで、本実施形態では、「対象保留情報の取得時よりも後であって、対象変動表示の開始前に取得されていた保留情報」を「既得情報」とするが、後述する変形例5(図81を参照)に示すように、「対象保留情報の取得時よりも後であって、対象変動表示の終了前に取得されていた保留情報」を「既得情報」とすることもできる。
第2変動表示を終了し、外れ結果の表示時間を経過すると、第1結果表示部用保留エリアRaにおいて記憶順がその次に古い第1保留情報に基づく変動表示(以下、第3変動表示という。)を開始する(図示を省略)。このとき、第1保留表示領域Gaが示す第1保留情報の記憶個数が「3個」に減少する。そして、第3変動表示を開始し、所定のタイミングが到来すると、「予告演出用のキャラクタ絵柄」が出現する(「A7」)。更に、第3変動表示中には、上作動口33への作動入賞を発生し、新たな第1保留情報を1個取得し、記憶されたものとする(「A8」)。このため、第1保留表示領域Gaが示す第1保留情報の記憶個数が「4個」に増加する。
続いて、第3変動表示を終了し、外れ結果を表示する(図49の「A9」)。そして、予告演出の対象となる第1保留情報(対象保留情報)が第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアから実行エリアREに移動し(消化され)、対象変動表示を開始されることになるが、対象変動表示の結果が「外れ結果」となる予定であれば、「既得情報」に基づいて保留予告(第2予告演出)を実行する可能性がある(A10)。つまり、既得情報についてその記憶順に大当たり情報(後述する確変対応保留コマンド若しくは通常対応保留コマンド)が存在するか否かを検索し、大当たり情報を発見した場合には、当該大当たり情報が有効な大当たり情報であれば、第2予告演出を実行するか否かの条件成立抽選(第2予告抽選)を行う。また、既得情報に大当たり情報が含まれていない場合には、大当たり情報以外の既得情報に関し、記憶順に有効性(後述する)を判定し、有効な場合には条件成立抽選(第2予告抽選)を行う。なお、前述のように、所定の既得情報について、条件成立抽選(第2予告抽選)に当選した場合には、保留予告(第2予告演出)の発生抽選を行い(図示を省略)、発生抽選に当選した場合のみ、実際に保留予告(第2予告演出)を発生させるが、この発生抽選を省略し、条件成立抽選(第2予告抽選)に当選したら保留予告(第2予告演出)を発生させてもよい。また、前述のように、有効性の判断を行わないこととしてもよい。
対象変動表示を所定時間行ってから「外れ結果」が表示される(「A12」)。次いで、対象既得情報よりも前に記憶された既得情報(前対象既得情報)に基づく変動表示(前対象既得情報変動表示)を順次行う(「A13」、「A14」)。更に、対象既得情報に基づく変動表示(対象既得情報変動表示)を開始する(「A15」)。この変動表示を終了すると、その変動表示の結果(大当たり結果若しくは外れ結果)が表示される(「A16」)。ここで、図49の「A12」は、対象変動表示を終了したときに、既得情報が3個記憶され、第1保留表示領域Gaには3個の既得情報(第1保留情報)が表示されているが、2番目に処理される既得情報(第1保留情報)が対象既得情報であり、1番に処理される既得情報(第1保留情報)が前対象既得情報である場合を示している。つまり、既得情報を複数備える場合、最後に記憶された既得情報(対象保留情報を実行エリアに移行する前に最後に記憶された既得情報)が、対象既得情報になるとは限らない。
<保留予告に係る電気的構成について>
次に、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図50のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242は、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンド、高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドといった遊技状態用コマンド(遊技状態用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドのうち、シフト時コマンドを除いた各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。上記固定値データの一部は、プログラムROM253の各エリア311〜315に予め記憶されている。これらのエリア311〜315の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリア321〜329に記憶される。これらのエリア321〜329の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<主制御装置81にて実行される保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告に係る処理について説明する。主制御装置81のMPU202における保留予告に係る処理として、上作動口に係る保留予告用の確認処理と、下作動口に係る保留予告用の確認処理と、保留コマンドの設定処理とが設定されている。なお、前述のように、本実施形態では、保留予告として第1予告演出と第2予告演出とを備えるが、以下に示す制御処理を原則的に第1予告演出及び第2予告演出に適用できる。但し、第2予告演出に特有な制御処理(第1予告演出に適用できない制御処理、例えば、第2予告演出実行判定処理)に関しては「第2予告演出〜」という語句を付して明記する。
<上作動口に係る保留予告用の確認処理>
先ず、上作動口に係る保留予告用の確認処理について説明する。上作動口に係る保留予告用の確認処理は、タイマ割込み処理(図22)の一部の処理として設定された情報取得処理(図24)のステップS305において実行される。この場合に、情報取得処理は上作動口33への入賞が発生した場合に実行されるとともに、下作動口34への入賞が発生した場合にも実行される。上作動口に係る保留予告用の確認処理は、上作動口33への入賞が発生した場合の情報取得処理におけるステップS305において実行される。
図51は、上作動口に係る保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。先ずステップS1801では、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の個数の情報を読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。続くステップS1802では、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1803では、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1804にて、図19(a)に示す低確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1802にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合には、ステップS1805にて、図19(b)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1802にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1804又はステップS1805の後は、ステップS1806にて、ステップS1802にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1507にて、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1808では、図20(a)に示す第1結果表示部用の振分テーブルを参照して、ステップS1807にて把握した大当たり種別判定用の情報が通常大当たり結果として設定された情報又は15R確変大当たり結果として設定された情報のいずれかに含まれているかを特定する。
その後、ステップS1809では、ステップS1807にて把握した大当たり種別用の情報が15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定するとともに、ステップS1810では、ステップS1807にて把握した大当たり種別用の情報が通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。
その結果、15R確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS1811にてMPU202のレジスタに確変大当たり情報を記憶する。また、通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS1812にてMPU202のレジスタに通常大当たり情報を記憶する。また、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれでもない場合、すなわち非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果のいずれかである場合には、ステップS1813にてMPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶する。なお、このリーチ発生情報には、リーチの種別(ノーマルリーチの発生を示すリーチ発生情報であるか、スーパーリーチの発生を示すリーチ発生情報であるかに関する情報)が含まれる。なお、リーチ種別(ノーマルリーチの発生を示すリーチ発生情報、スーパーリーチの発生を示すリーチ発生情報)を、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち変動種別の判定用の情報、すなわち変動種別カウンタCSによって更新された情報から取得した情報に基づいて把握することができるが(図20(c)を参照)、ステップS1813にて記憶されるリーチの種別は1種に限られる。
ステップS1811、ステップS1812又はステップS1813の処理を実行した後は、ステップS1814に進む。ステップS1814では、ステップS1802にて把握した大当たり判定用の情報が、低確率モード及び高確率モードの両方において大当たり当選となる情報である共通当選情報であるか否かを判定する。ここで、既に説明したように、本パチンコ機10では、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。したがって、上記共通当選情報は、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群と一致し、具体的には、図19(a)に示すように、「7」又は「307」である。
ステップS1814の処理について詳細には、ステップS1802にて把握した大当たり判定用の情報が「7」であるか否かを先ず判定し、「7」である場合にはステップS1814にて肯定判定をする。また、「7」でない場合には、次に「307」であるか否かを判定する。そして、「307」である場合にはステップS1814にて肯定判定をし、「307」でない場合にはステップS1814にて否定判定をする。
ステップS1814にて否定判定をした場合には、そのまま本確認処理を終了する。ステップS1814にて肯定判定をした場合には、ステップS1815にてMPU202のレジスタに共通情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。
一方、ステップS1806にて、ステップS1802において把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していないと判定した場合には、ステップS1816に進む。ステップS1816では、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1817では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、ステップS1816にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS1818において、ステップS1816にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1819にてMPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。このリーチ発生情報にも、リーチの種別(ノーマルリーチの発生を示すリーチ発生情報であるか、スーパーリーチの発生を示すリーチ発生情報であるかに関する情報)が含まれる。この場合においても、リーチ種別(ノーマルリーチの発生を示すリーチ発生情報、スーパーリーチの発生を示すリーチ発生情報)を、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち変動種別の判定用の情報、すなわち変動種別カウンタCSによって更新された情報から取得した情報に基づいて把握することができる(図20(d)の下欄を参照)。また、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<下作動口に係る保留予告用の確認処理>
次に、下作動口に係る保留予告用の確認処理について説明する。下作動口に係る保留予告用の確認処理は、下作動口34への入賞が発生した場合の情報取得処理(図24)におけるステップS305において実行される。
図52は、下作動口に係る保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。先ずステップS1901では、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の個数の情報を読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。続くステップS1902では、下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1903では、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1904にて、図19(a)に示す低確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1902にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合には、ステップS1905にて、図19(b)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1902にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1904又はステップS1905の後は、ステップS1906にて、ステップS1902にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1907にて、下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1908では、図20(b)に示す第2結果表示部用の振分テーブルを参照して、ステップS1907にて把握した大当たり種別判定用の情報が通常大当たり結果として設定された情報又は15R確変大当たり結果として設定された情報のいずれに含まれているかを特定する。その後、ステップS1909では、ステップS1907にて把握した大当たり種別用の情報が通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS1910にてMPU202のレジスタに通常大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了し、確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS1911にてMPU202のレジスタに確変大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。
一方、ステップS1906にて否定判定をした場合には、ステップS1912に進む。ステップS1912では、下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1913では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、ステップS1912にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS1914において、ステップS1912にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1915にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。このリーチ発生情報にも、リーチの種別(ノーマルリーチの発生を示すリーチ発生情報であるか、スーパーリーチの発生を示すリーチ発生情報であるかに関する情報)が含まれる。また、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。なお、リーチ種別(ノーマルリーチの発生を示すリーチ発生情報、スーパーリーチの発生を示すリーチ発生情報)を、下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち変動種別の判定用の情報、すなわち変動種別カウンタCSによって更新された情報から取得した情報に基づいて把握することができる(図20(d)の下欄を参照)。
<保留コマンドの設定処理>
次に、保留コマンドの設定処理について説明する。保留コマンドの設定処理は、タイマ割込み処理(図22)の一部の処理として設定された情報取得処理(図24)のステップS306において実行される。この場合に、情報取得処理は上作動口33への入賞が発生した場合に実行されるとともに、下作動口34への入賞が発生した場合にも実行されるが、いずれの場合における情報取得処理であっても保留コマンドの設定処理は実行される。
図53は、保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。先ずステップS2001では、MPU202のレジスタに通常大当たり情報又は確変大当たり情報のいずれかが記憶されているか否かを判定する。通常大当たり情報又は確変大当たり情報のいずれかが記憶されている場合には、ステップS2002にて、それが確変大当たり情報であるか否かを判定する。確変大当たり情報である場合には、ステップS2003にて、RAM204に設けられた保留コマンド設定エリアに、確変対応保留コマンドを設定し、通常大当たり情報である場合には、ステップS2004にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、通常対応保留コマンドを設定する。
一方、ステップS2001にて、通常大当たり情報及び確変大当たり情報の両方が記憶されていないと判定した場合には、ステップS2005に進み、MPU202のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS2006にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、リーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS2007にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、非リーチ対応保留コマンドを設定する。
ステップS2003、ステップS2004、ステップS2006又はステップS2007のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2008にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS2008では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図51又は図52)におけるステップS1801又はステップS1901にてMPU202のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して、上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS2003、ステップS2004、ステップS2006又はステップS2007のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれる。
その後、ステップS2009では、今回が上作動口33への入賞に係る処理回であるか否かを判定し、上作動口33への入賞に係る処理回である場合には、ステップS2010にて、上作動口の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、既に説明したように、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、上作動口33への入賞に係るものであることを示す情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS2010では、既に設定されている保留コマンドにおける入賞対象の情報用のビットに対して、上作動口の情報、すなわち「1」を格納する。なお、当該ビットには初期値として「0」が格納されており、この場合、そのコマンドは下作動口34への入賞に係るものであることを意味する。ステップS2010の処理が実行されることにより、ステップS2003、ステップS2004、ステップS2006又はステップS2007のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドが上作動口33への入賞に係るものであることを特定するための情報が含まれる。以下の説明(特に、後述する第2予告演出実行判定処理等)において、確変対応保留コマンド及び通常対応保留コマンドを大当たり保留情報、リーチ対応保留コマンドをリーチ保留情報、非リーチ対応保留コマンドを非リーチ保留情報と称することがある。また、「大当たり保留情報」、「リーチ保留情報」、「非リーチ保留情報」について、フローチャートにおいて図示するときには、単に大当たり情報」、「リーチ情報」、「非リーチ情報」と記載することがある。
続くステップS2011では、MPU202のレジスタに共通情報が記憶されているか否かを判定する。共通情報が記憶されていない場合には、そのまま本設定処理を終了する。共通情報が記憶されている場合には、ステップS2012にて、共通情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、既に説明したように、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、共通情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS2012では、既に設定されている保留コマンドにおける共通情報用のビットに対して「1」を格納する。なお、当該ビットには初期値として「0」が格納されており、この場合、そのコマンドは共通情報を含まないものであることを意味する。ステップS2012の処理が実行されることにより、ステップS2003、ステップS2004、ステップS2006又はステップS2007のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、共通情報が含まれる。その後、本設定処理を終了する。
一方、今回が上作動口33への入賞に係る処理回でない場合には、ステップS2009にて否定判定をし、そのまま本設定処理を終了する。この場合、ステップS2003、ステップS2004、ステップS2006又はステップS2007のいずれかの処理にて設定された保留コマンドには、その保留コマンドが下作動口34への入賞に係るものであることを特定するための情報が含まれる。また、共通情報は含まれない。
保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは、次回の通常処理(図26)におけるステップS501の外部出力処理により、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。当該処理については後に詳細に説明する。
なお、保留コマンドの設定処理の終了に際して、MPU202のレジスタに記憶されている確変大当たり情報、通常大当たり情報及びリーチ発生情報は消去される。
ちなみに、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置212において保留コマンドによって、上作動口33への入賞に係るものであるか否か、所定の大当たり結果に対応しているか否か、リーチ発生の有無、上作動口33への入賞に係るものであって所定の大当たり結果に対応している場合にはそれが共通当選情報に対応しているか否か、などを特定することができるのであれば任意である。
例えば、確変対応保留コマンド、通常対応保留コマンド、リーチ対応保留コマンド及び非リーチ対応保留コマンドの組み合わせが、上作動口33及び下作動口34のそれぞれ対して個別に設定されているとともに、各保留個数に対応させて個別に設定されており、さらには上作動口33に対応しているものについては共通当選情報を含むものと含まないものとが個別に設定されている構成とする。そして、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理(図51又は図52)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成としてもよい。
<表示制御装置212にて実行されるコマンド対応処理>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行されるコマンド対応処理を、図54のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信したコマンドは、コマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によりワークRAM254のコマンド格納エリア321に格納される。コマンド対応処理は、MPU252において定期的に(例えば、2msec周期)起動され、コマンド格納エリア321に格納されているコマンドに対応した各種制御を実行するための処理である。なお、コマンド格納エリア321は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
コマンド対応処理では、先ずステップS3001にて、コマンド格納エリア321に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドがオープニングコマンドであるか否かを判定する。オープニングコマンドである場合にはステップS3002〜ステップS3004の処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
ステップS3002では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた開閉実行フラグ格納エリア(開閉特定用情報記憶手段)に開閉実行フラグ(開閉特定用情報)を格納する。当該開閉実行フラグは、開閉実行モード中であることを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報であり、開閉実行モードの開始に際してオープニングコマンドの受信を契機として格納され、開閉実行モードの終了に際してエンディングコマンドの受信を契機として消去される。MPU252では、開閉実行フラグが格納されている場合、図柄表示装置41における表示内容を開閉実行モードに対応したものとするとともに、後述するように保留予告の設定や実行を開閉実行モードに対応したものとする。
続くステップS3003では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第1予告条件成立フラグ格納エリア(第1報知条件成立情報記憶手段)に第1予告条件成立フラグ(第1報知条件成立情報)が格納されている場合には、それを消去する。当該第1予告条件成立フラグは、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を行うように設定されている状況であるか否かをMPU252にて特定するための情報であり、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される情報である。
ちなみに、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322には、第1予告条件成立フラグ格納エリアの他に、第2予告条件成立フラグ(第2報知条件成立情報)を格納するための第2予告条件成立フラグ格納エリア(第2報知条件成立情報記憶手段)が設けられている。当該第2予告条件成立フラグは、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を行うように設定されている状況であるか否かをMPU252にて特定するための情報であり、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される情報である。
続くステップS3004では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322から、保留予告の演出内容を決定するために記憶されているフラグを消去する。かかるフラグの詳細については後に説明する。
上記のとおりオープニングコマンドを受信した場合には、格納されている第1予告条件成立フラグを消去するようにしたことにより、上作動口33への入賞に係る保留情報について保留予告を行うように設定されている状況は、開閉実行モードへの移行に際して解消される。これにより、上作動口33への入賞に基づき格納された保留情報についての保留予告が開閉実行モードを跨いで実行されなくなる。
その一方、オープニングコマンドを受信したとしても、第2予告条件成立フラグは消去されない。したがって、下作動口34への入賞に係る保留情報について保留予告を行うように設定されている状況は、開閉実行モードへの移行に際して解消されない。これにより、下作動口34への入賞に基づき格納された保留情報についての保留予告は開閉実行モードを跨いで実行され得る。
今回の読み出し対象のコマンドがオープニングコマンドでない場合には、ステップS3005にて、今回の読み出し対象のコマンドがエンディングコマンドであるか否かを判定する。エンディングコマンドである場合には、ステップS3006にて、ワークRAM254から開閉実行フラグを消去した後に、本コマンド対応処理を終了する。
今回の読み出し対象のコマンドがエンディングコマンドでない場合には、ステップS3007にて、今回の読み出し対象のコマンドが高頻度サポートコマンドであるか否かを判定する。高頻度サポートコマンドである場合には、ステップS3008にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられたサポートフラグ格納エリア(サポート特定用情報記憶手段)にサポートフラグ(サポート特定用情報)を格納した後に、本コマンド対応処理を終了する。
サポートフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであることを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報であり、高頻度サポートモードへの移行に際して高頻度サポートコマンドの受信を契機として格納され、低頻度サポートモードへの移行に際して低頻度サポートコマンドの受信を契機として消去される。MPU252では、サポートフラグが格納されている場合、後述するように保留予告の設定や実行を高頻度サポートモードに対応したものとする。
今回の読み出し対象のコマンドが高頻度サポートコマンドでない場合には、ステップS3009にて、今回の読み出し対象のコマンドが低頻度サポートコマンドであるか否かを判定する。低頻度サポートコマンドである場合には、ステップS3010にて、ワークRAM254からサポートフラグを消去した後に、本コマンド対応処理を終了する。
今回の読み出し対象のコマンドが低頻度サポートコマンドでない場合には、ステップS3011にて、今回の読み出し対象のコマンドが保留コマンドであるか否かを判定する。保留コマンドである場合には、ステップS3012にて保留コマンド対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了し、保留コマンドでない場合には、ステップS3013にて変動表示制御処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
以下、ステップS3012の保留コマンド対応処理及びステップS3013の変動表示制御処理について、詳細に説明する。
<保留コマンド対応処理>
先ず、ステップS3012の保留コマンド対応処理について、図55のフローチャートを参照して説明する。
保留コマンド対応処理では、先ずステップS3101にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドのいずれかであるかを判定する。
確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドのいずれかである場合には、ステップS3102にて、今回受信したコマンドに含まれる保留個数の情報を特定するとともに今回受信したコマンドが上作動口33又は下作動口34のいずれの入賞に係るものであるかを特定する。そして、ワークRAM254に設けられた消去用カウンタエリア323における上作動口33に対応した第1消去用カウンタエリア及び下作動口34に対応した第2消去用カウンタエリアのうち今回受信したコマンドに対応した消去用カウンタエリアに対して、上記特定した保留個数の情報を設定する。
続くステップS3103では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における第1大当たり保留フラグ格納エリア(第1大当たり保留情報記憶手段)に第1大当たり保留フラグ(第1大当たり保留情報)が格納されているか否かを判定するとともに、各種フラグ格納エリア322における第2大当たり保留フラグ格納エリア(第2大当たり保留情報記憶手段)に第2大当たり保留フラグ(第2大当たり保留情報)が記憶されているか否かを判定する。
ここで、第1大当たり保留フラグとは、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となる保留情報が含まれている場合に、それを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報である。また、第2大当たり保留フラグとは、主制御装置81の第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている保留情報の中に、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となる保留情報が含まれている場合に、それを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報である。
また、消去用カウンタエリア323における第1消去用カウンタエリアは、第1大当たり保留フラグを格納した場合にその第1大当たり保留フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第1消去用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報(すなわち、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報)について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第1消去用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、第1大当たり保留フラグの消去処理が実行される。
また、消去用カウンタエリア323における第2消去用カウンタエリアは、第2大当たり保留フラグを格納した場合にその第2大当たり保留フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第2消去用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報(すなわち、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報)について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第2消去用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、第2大当たり保留フラグの消去処理が実行される。
第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS3103にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。一方、第1大当たり保留フラグ及び第2大当たり保留フラグのいずれもが格納されていない場合には、ステップS3104に進む。ステップS3104では、今回受信した保留コマンドが上作動口33又は下作動口34のいずれの入賞に係るものであるかを特定し、上作動口33への入賞に係るものである場合には第1大当たり保留フラグを格納し、下作動口34への入賞に係るものである場合には第2大当たり保留フラグを格納する。
上記のように第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグが格納されている場合には、確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしてもステップS3103にて肯定判定をし、保留予告を行う上での各種設定を行う大当たり対応設定処理(ステップS3110)を実行しないようにした。これにより、既に主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている状況において、上作動口33又は下作動口34への新たな入賞に基づき取得した保留情報が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応していたとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。
ステップS3104にて第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグを格納した後は、ステップS3105にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかの予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3105にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。つまり、既に上作動口33への入賞に係る保留情報又は下作動口34への入賞に係る保留情報のいずれかについて保留予告を行うように既に設定されている状況においては、新たに確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での新たな設定は行われない。
このため、前述のように、「既得情報」、つまり、保留予告の実行契機となった「対象保留情報」よりも後に取得され、「対象保留情報」が実行エリアにシフトする前に結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に記憶された保留情報の「取得時」には、予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれかが格納されているため、保留予告(第1予告演出)に関する新たな設定は行われない。そして、この「既得情報」に関しては、格納されていた第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグが消去された後、一定条件の下、保留予告(第2予告演出)に関する設定を行う。この点に関しては後述する。
第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグのいずれもが格納されていない場合には、ステップS3106にて、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドが、上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3107にて、ワークRAM254に開閉実行フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS1908にて、ワークRAM254にサポートフラグが格納されているか否かを判定し、さらにステップS3109にて、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドに共通情報が含まれているか否かを判定する。
その結果、開閉実行フラグが格納されている場合には、ステップS3107にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。また、開閉実行フラグが格納されていない場合であってもサポートフラグが格納されている場合には、ステップS3107にて否定判定をするとともにステップS3108にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。また、開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合であっても共通情報が含まれていない場合には、ステップS3107及びステップS3108の両方にて否定判定をするとともにステップS3109にて否定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。つまり、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードである場合には、上作動口33及び下作動口34のうち上作動口33への入賞に基づく確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。さらには、上作動口33への入賞に基づく確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、その保留コマンドの送信に係る保留情報が、低確率モード及び高確率モードの両方において大当たり当選となる共通当選情報に対応していない場合には、保留予告を行う上での各種設定は行われない。
一方、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドが、下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3110にて大当たり対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。また、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドが、上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ワークRAM254に開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合であって、係る保留コマンドに共通情報が含まれている場合に、ステップS3110にて大当たり対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、大当たり対応設定処理について、図56(a)及び図59のフローチャート等を参照しながら説明する。
大当たり対応設定処理では、図56(a)に示すように、先ずステップS3201にて、予告条件成立抽選処理を実行する。予告条件成立抽選処理では、ワークRAM254の成立抽選用カウンタエリア324から予告条件成立抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。ここで、成立抽選用カウンタエリア324は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図54)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、予告条件成立抽選処理では、プログラムROM253の成立抽選用テーブル記憶エリア(成立抽選用情報群記憶手段)311に記憶されている成立抽選用テーブル(成立抽選用情報群)を参照して、上記読み出した予告条件成立抽選用のカウンタ値が予告条件成立当選に対応しているか否かを判定する。予告条件成立当選となる確率は、任意であるが、図58(a)に示すように、本パチンコ機10では、大当たり対応設定処理の場合に7/10の確率で予告条件成立当選となるように成立抽選用テーブルが設定されている。但し、図55のステップS3101で受信した保留コマンドが、確変対応保留コマンドである場合と、通常対応保留コマンドである場合とで予告条件成立抽選処理で当選となる確率が異なってもよい。例えば、図57(b)に示すように、確変対応保留コマンドである場合には、9/10の確率で予告条件成立抽選で当選となり、通常対応保留コマンドである場合には、6/10の確率で予告条件成立抽選で当選となってもよい。つまり、図55のステップS3101で受信した保留コマンドが、確変対応保留コマンドである場合には、通常対応保留コマンドである場合に比べて予告条件成立抽選処理で当選となる確率が高くされ(例えば、1.5倍)、予告演出や後述する第2予告演出の実行確率が高くされてもよい。
続くステップS3202では、上記ステップS3201における抽選処理の結果が、予告条件成立当選か否かを判定する。予告条件成立当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。予告条件成立当選である場合には、ステップS3203の大当たり用成立当選処理を行ってから、大当たり対応設定処理を終了する。
大当たり用成立当選処理では、図59に示すように、先ず、ステップS3211において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが通常対応保留コマンドであるか否かを判定する。通常対応保留コマンドである場合には、ステップS3212にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常大当たり予告フラグ格納エリア(通常大当たり予告情報記憶手段)に通常大当たり予告フラグ(通常大当たり予告情報)を格納し、確変対応保留コマンドである場合には、ステップS3213にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変大当たり予告フラグ格納エリア(確変大当たり予告情報記憶手段)に確変大当たり予告フラグ(確変大当たり予告情報)を格納する。
通常大当たり予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において(すなわち、保留予告の実行が許可された状態である場合において)、当該条件成立の契機となった保留情報が通常大当たり結果に対応していることをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、通常大当たり結果に対応した保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
また、確変大当たり予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において(すなわち、保留予告の実行が許可された状態である場合において)、当該条件成立の契機となった保留情報が15R確変大当たり結果に対応していることをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、15R確変大当たり結果に対応した保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
ステップS3212又はステップS3213の処理を実行した後は、ステップS3214にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3215にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3216では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を、ワークRAM254に設けられた保留予告用カウンタエリア325における上作動口33に対応した第1保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。
第1保留予告用カウンタエリアは、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報を保留予告の実行の契機として設定した場合に、その設定に係る保留情報がいずれの遊技回における保留情報に対応しているかをMPU252にて特定するための計測手段である。当該第1保留予告用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第1保留予告用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、第1予告条件成立フラグが消去されて、保留予告を行うように設定した状態が解除される。なお、ステップS3216において括弧を付して表記するように、第2保留予告においては第1保留予告用カウンタエリアに保留個数の情報ではなく、「対象既得情報数の情報(以下、「対象既得情報数」と称する)」が設定されるが、「対象既得情報数」の詳細に関しては後述する。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3217にて、ワークRAM254に第2予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3218では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を、ワークRAM254の保留予告用カウンタエリア325における下作動口34に対応した第2保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。
第2保留予告用カウンタエリアは、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報を保留予告の実行の契機として設定した場合に、その設定に係る保留情報がいずれの遊技回における保留情報に対応しているかをMPU252にて特定するための計測手段である。当該第2保留予告用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第2保留予告用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、第2予告条件成立フラグが消去されて、保留予告を行うように設定した状態が解除される。なお、ステップS3218においも括弧を付して表記するように、第2保留予告においては第2保留予告用カウンタエリアに保留個数の情報ではなく、「対象既得情報数」が設定される(後述する)。
保留コマンド対応処理(図55)の説明に戻り、今回の読み出し対象となった保留コマンドが確変対応保留コマンド及び通常対応保留コマンドのいずれでもないと判定した場合(つまり、リーチ対応保留コマンド若しくは非リーチ対応保留コマンドであると判定した場合)、ステップS3111にて、ワークRAM254に第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。そして、いずれかの大当たり保留フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、リーチ対応保留コマンド若しくは非リーチ対応保留コマンドを受信した場合であっても第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了するようにした。つまり、本パチンコ機10では、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が既に記憶されている状況においては、保留予告を行うように設定されている状況であるか否かに関係なく、上作動口33又は下作動口34への新たな入賞が発生したとしても保留予告を行う上での各種設定は行われない。
このため、ステップS3112においても、ステップS3105と同様、前述の「既得情報」の取得時には、予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれかが格納されているため、保留予告(第1予告演出)に関する新たな設定は行われない。そして、「既得情報」は、格納されていた第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグが消去された後、一定条件の下、保留予告(第2予告演出)に設定を行う(後述する)。
ステップS3111にて、第1大当たり保留フラグ及び第2大当たり保留フラグのいずれもが格納されていないと判定した場合には、ステップS3112にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかの予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3112にて肯定判定をし、そのまま保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、既に説明したように、リーチ対応保留コマンド若しくは非リーチ対応保留コマンドを受信した場合であっても第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了するようにした。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞に係る保留情報又は下作動口34への入賞に係る保留情報のいずれかについて保留予告を行うための設定がなされている状況においては、上作動口33又は下作動口34への新たな入賞が発生したとしても保留予告を行う上での各種設定は行われない。
第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグのいずれもが格納されていない場合には、ステップS3113にて、今回の読み出し対象となったリーチ対応保留コマンドが、上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3114にて、ワークRAM254に開閉実行フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS3115にて、ワークRAM254にサポートフラグが格納されているか否かを判定する。
その結果、開閉実行フラグが格納されている場合には、ステップS3114にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。また、開閉実行フラグが格納されていない場合であってもサポートフラグが格納されている場合には、ステップS3114にて否定判定をするとともにステップS3115にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、既に説明したように、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードである場合には、上作動口33及び下作動口34のうち上作動口33への入賞に基づく確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。つまり、本パチンコ機10では、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードである場合には、上作動口33及び下作動口34のうち上作動口33への新たな入賞が発生したとしても保留予告を行う上での各種設定は行われない。
一方、今回の読み出し対象となったリーチ対応保留コマンド若しくは非リーチ対応保留コマンドが、下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合ステップS3116の処理に移行する。また、今回の読み出し対象となったリーチ対応保留コマンド若しくは非リーチ対応保留コマンドが、上作動口33への入賞に基づき送信されたものであり、ワークRAM254に開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合にも、ステップS3116の処理に移行する。
このステップS3116の処理では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが、リーチ対応保留コマンドであるか否かを判定する。そして、リーチ対応保留コマンドである場合には、ステップS3117にてリーチ対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。また、リーチ対応保留コマンドでない場合(非リーチ対応保留コマンドである場合)には、ステップS3118にて非リーチ対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、リーチ対応設定処理について、図56(b)及び図60のフローチャートを参照しながら説明し、非リーチ対応設定処理について、図57(a)及び図61のフローチャートを参照しながら説明する。
リーチ対応設定処理では、図56(b)に示すように、先ずステップS3301にて、予告条件成立抽選処理を実行する。予告条件成立抽選処理の処理内容は、ステップS3201にて説明した処理内容と同様である。但し、成立抽選用テーブル記憶エリア311に記憶されている成立抽選用テーブルは、予告条件成立当選となる確率が、リーチ対応設定処理の場合の方が大当たり対応設定処理(図56(a)の場合よりも低くなるように設定されている。また、予告条件成立当選となる確率は、リーチ保留情報(リーチ対応保留コマンド)が特定するリーチの種別によって異なっている。そして、リーチ対応設定処理の場合における予告条件成立当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、図58(a)に示すように、リーチの種別がスーパーリーチの場合、2/10の確率で予告条件成立当選とされ、ノーマルリーチの場合、1/10の確率で予告条件成立当選とされるように成立抽選用テーブルが設定されている。なお、図58(c)の変形例3に示すように、スーパーリーチの態様を2種以上備えるパチンコ機10では、スーパーリーチの種類によって予告条件成立当選となる確率が異なっていてもよい。例えば、短い変動表示時間の変動表示に伴い実行されるスーパーリーチ(スーパーリーチ1)と、長い変動表示時間の変動表示に伴い実行されるスーパーリーチ(スーパーリーチ2)とを備える態様では、スーパーリーチ(スーパーリーチ2)が選択される場合にスーパーリーチ(スーパーリーチ1)が選択される場合よりも、予告条件成立当選となる確率が高くされてもよい。
続くステップS3302では、上記ステップS3301における抽選処理の結果が、予告条件成立当選か否かを判定する。予告条件成立当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。予告条件成立当選である場合には、ステップS3303のリーチ用成立当選処理を行ってから、リーチ対応設定処理を終了する。
リーチ用成立当選処理では、図60に示すように、先ず、ステップS3311において、今回の設定に係る保留予告を実際に行う場合における態様を、予め定められている複数種類の態様のうち、いずれの態様とするかを振り分けるための振分抽選処理を実行する。当該態様としては、通常大当たり結果に対応した保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に選択され得る通常大当たり推測態様と、15R確変大当たり結果に対応した保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に選択され得る確変大当たり推測態様と、リーチ予告態様と、が設定されている。
振分抽選処理の内容について詳細には、先ずワークRAM254の振分抽選用カウンタエリア326から振分抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。当該振分抽選用カウンタエリア326は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図54)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、振分抽選処理では、プログラムROM253の振分抽選用テーブル記憶エリア(振分抽選用情報群記憶手段)312に記憶されている振分抽選用テーブル(振分抽選用情報群)を参照して、上記読み出した振分抽選用のカウンタ値が上記通常大当たり推測態様、上記確変大当たり推測態様及びリーチ予告態様のうちいずれに対応しているかを判定する。通常大当たり推測態様となる確率、確変大当たり推測態様、若しくは、リーチ予告態様となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、図58(b)に示すように、上記通常大当たり推測態様となる確率が「1/4」、上記確変大当たり推測態様となる確率が「1/4」、リーチ予告態様となる確率が「1/2」となるように振り分けられるように振分抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS3312では、上記ステップS3311における抽選処理の結果が、リーチ予告態様であるか否かを判定する。リーチ予告態様である場合には、ステップS3316にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322におけるリーチ予告フラグ格納エリア(リーチ予告情報記憶手段)にリーチ予告フラグ(リーチ予告情報)を格納する。
リーチ予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において、保留予告を実際に行う場合における態様をリーチ態様とすべきことをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、リーチ予告態様に係る保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる条件の成立の契機となった保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
また、ステップS3312で否定判定される場合には、ステップS3313の処理に移行する。このステップS3313では、上記ステップS3311における抽選処理の結果が、通常大当たり推測態様であるか否かを判定する。通常大当たり推測態様である場合には、ステップS3314にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常大当たり推測予告フラグ格納エリア(通常大当たり推測予告情報記憶手段)に通常大当たり推測予告フラグ(通常推測予告情報)を格納する。また、通常大当たり推測態様でない場合には、ステップS3315にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変大当たり推測予告フラグ格納エリア(確変推測予告情報記憶手段)に確変大当たり推測予告フラグ(確変大当たり推測予告情報)を格納する。
通常大当たり推測予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において、保留予告を実際に行う場合における態様を通常大当たり推測態様とすべきことをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、通常大当たり推測態様に係る保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる条件の成立の契機となった保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
また、確変大当たり推測予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において、保留予告を実際に行う場合における態様を確変大当たり推測態様とすべきことをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、確変大当たり推測態様に係る保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる条件の契機となった保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
ステップS3314、ステップS3315若しくはステップS3316の処理を実行した後は、ステップS3317にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3318にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3119では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を保留予告用カウンタエリア325における第1保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。なお、ステップS3319においも括弧を付して表記するように、第2保留予告においては第1保留予告用カウンタエリアに保留個数の情報ではなく、「対象既得情報数」が設定される(後述する)。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3320にて、ワークRAM254に第2予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3321では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を保留予告用カウンタエリア325における第2保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。なお、ステップS3321においも括弧を付して表記するように、第2保留予告においては第2保留予告用カウンタエリアに保留個数の情報ではなく、「対象既得情報数」が設定される(後述する)。
次に、図57(a)及び図61を用いて、非リーチ対応設定処理について説明する。この非リーチ対応設定処理では、図57(a)に示すように、先ずステップS3401にて、予告条件成立抽選処理を実行する。予告条件成立抽選処理の処理内容は、ステップS3201にて説明した処理内容と同様である。但し、成立抽選用テーブル記憶エリア311に記憶されている成立抽選用テーブルは、予告条件成立当選となる確率が、非リーチ対応設定処理の場合の方がリーチ対応設定(図56(b))の場合よりも低くなるように設定されている。そして、非リーチ対応設定処理において、予告条件成立当選となる確率は、図58(a)に示すように、1/30の確率とされるように成立抽選用テーブルが設定されている。このステップS3401にて予告条件成立抽選処理を行うと、ステップS3402に進み、上記ステップS3401における抽選処理の結果が、予告条件成立当選か否かを判定する。予告条件成立当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。これに対して、予告条件成立当選である場合には、ステップS3403の非リーチ用成立当選処理を行ってから、非リーチ対応設定処理を終了する。
非リーチ用成立当選処理では、図61に示すように、先ず、ステップS3411において、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322におけるリーチ推測予告フラグ格納エリア(リーチ推測予告情報記憶手段)にリーチ推測予告フラグ(非リーチ推測予告情報)を格納する。
リーチ推測予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において、保留予告を実際に行う場合における態様をリーチ推測態様とすべきことをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、リーチ推測態様に係る保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる条件の成立の契機となった保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
ステップS3411の処理を実行した後は、ステップS3412にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3413にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3414では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を保留予告用カウンタエリア325における第1保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。なお、ステップS3414においも括弧を付して表記するように、第2保留予告においては第1保留予告用カウンタエリアに保留個数の情報ではなく、「対象既得情報数」が設定される(後述する)。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3415にて、ワークRAM254に第2予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3416では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を保留予告用カウンタエリア325における第2保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。なお、ステップS3416においも括弧を付して表記するように、第2保留予告においては第2保留予告用カウンタエリアに保留個数の情報ではなく、「対象既得情報数」が設定される(後述する)。
ここで、上記のように保留コマンド対応処理が実行されることにより、保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る条件が、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで異なっている。つまり、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されるためには、その保留情報が、開閉実行モード中ではなく且つ高頻度サポートモードでない状況において取得された保留情報である必要があるのに対して、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についてはこのような条件は設定されていない。さらには、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応している場合には、それが低確率モード及び高確率モードのいずれにおいても大当たり当選となる共通当選情報に対応している場合にのみ、保留予告の実行の契機として設定されるのに対して、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についてはこのような条件は設定されていない。以上の構成により、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定される状況と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定される状況とを異ならせることができる。
<変動表示制御処理>
次に、ステップS3013の変動表示制御処理について以下に説明する。変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。また、変動表示制御処理では、保留予告を行うための設定が行われたことに伴って、図柄の変動表示中に保留予告用の画像を表示させる処理を実行する。
図62のフローチャートに示すように、ステップS3501にて、図柄表示装置41にて1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の図柄の変動表示が行われていない場合にはステップS3502にて、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS3503にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
一方、1遊技回分の図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS3504にて、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS3505にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS3506にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
以下、ステップS3503の変動開始用処理及びステップS3505の変動中用処理について、詳細に説明する。なお、ステップS3506の変動終了用処理では、VDP255に対して最終停止表示コマンドを出力することで、今回の遊技回における停止結果の図柄を最終停止表示させる。
<変動開始用処理>
先ずステップS3503の変動開始用処理について説明する。変動開始用処理は、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、図柄表示装置41における図柄の変動表示を開始させるための処理である。
図63のフローチャートに示すように、ステップS3601にて、今回の読み出し対象となった変動用コマンドから、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合に種別コマンドも送信する。そこでステップS3601では、今回の読み出し対象となった変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS3601では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU252のレジスタに記憶する。
続くステップS3602では、変動表示パターンの設定処理を実行する。当該変動表示パターンの設定処理では、プログラムROM253における変動表示パターンテーブル記憶エリア(変動表示パターン情報群記憶手段)313に記憶された変動表示パターンテーブル(変動表示パターン情報群)から、ステップS3601にて把握した情報に対応した変動表示パターンを選択し、その選択した変動表示パターンのアドレス情報を、ワークRAM254に設けられたパターン情報アドレスの記憶エリア327に記憶させる。
かかるパターン情報アドレスの記憶エリア327に変動表示パターンのアドレス情報が記憶されることにより、MPU252では当該変動開始用処理とは異なる図示しない内部コマンドの出力処理にて、VDP255に対して内部コマンドを生成し、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われるように、図柄表示装置41を駆動させる。この場合、内部コマンドの出力処理は所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動されるものであり、当該内部コマンドの出力処理では、設定された変動表示パターンの情報に応じた内部コマンドを図柄の変動表示の開始からの経過時間に応じて生成し、その生成した内部コマンドをVDP255に出力する。VDP255では、その内部コマンドに応じて画像データをキャラクタROM256から読み出し、その読み出した画像データをビデオRAM257に書き込む。これにより、図柄表示装置41において、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われる。
なお、変動表示パターンテーブルに記憶されている変動表示パターンの情報には、図柄の変動表示の内容だけでなく、その図柄の変動表示とともに表示される背景画像の情報やリーチ演出が行われる場合におけるリーチ演出の画像の情報も含まれている。したがって、設定されている変動表示パターンに対応した内部コマンドがVDP255に対して出力されることにより、図柄の変動表示とともに背景画像が表示され、さらにはリーチ演出といった各種演出が行われる場合には当該演出画像が表示される。
ステップS3602にて変動表示パターンの設定処理を実行した後は、ステップS3603にて予告演出の設定処理を実行する。ここで、予告演出の設定処理について、図64及び図65に示すフローチャートを参照しながら説明する。
予告演出の設定処理では、先ずステップS3701にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグの両方(何れも)が格納されていない場合には、そのまま本設定処理を終了する。
第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3702にて、ワークRAM254に通常大当たり予告フラグ又は確変大当たり予告フラグが格納されているか否かを判定する。通常大当たり予告フラグ又は確変大当たり予告フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS3703にて大当たり対応発生抽選処理を実行し、ステップS3706に移行する。
ステップS3702にて、ワークRAM254に通常大当たり予告フラグ及び確変大当たり予告フラグの何れも格納されていないと判定される場合には、ステップS3704の処理に移行する。このステップS3704の処理では、ワークRAM254に大当たり推測予告フラグ(通常大当たり推測予告フラグ若しくは確変大当たり推測予告フラグ)が格納されているか否かを判定する。通常大当たり推測予告フラグ又は確変大当たり推測予告フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS3705にて外れ対応発生抽選処理を実行し、ステップS3706の処理に移行する。
ここで、大当たり対応発生抽選処理及び外れ対応発生抽選処理では、ワークRAM254の発生抽選用カウンタエリア328から発生抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。ここで、発生抽選用カウンタエリア328は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図54)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、各発生抽選処理では、プログラムROM253の発生抽選用テーブル記憶エリア(発生抽選用情報群記憶手段)314に記憶されている発生抽選用テーブル(発生抽選用情報群)を参照して、上記読み出した発生抽選用のカウンタ値が発生当選に対応しているか否かを判定する。
この場合に、発生抽選用テーブルとして、大当たり対応発生抽選処理にて参照されるテーブルと、外れ対応発生抽選処理にて参照されるテーブルとが設定されている。大当たり対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルは、図66(a)に示すように、発生当選となるカウンタ値が「0〜89」に設定されているとともに、外れ結果となるカウンタ値が「90〜99」に設定されている。つまり、9/10の確率で発生当選となるように設定されている。また、発生当選となるカウンタ値のうち「0〜44」は確定当選に対応しており、「45〜89」は非確定当選に対応している。詳細は後に説明するが、確定当選となった場合と非確定当選となった場合とで、保留予告の演出内容が異なっている。
一方、外れ対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルは、図66(b)に示すように、発生当選となるカウンタ値が「0〜49」に設定されているとともに、外れ結果となるカウンタ値が「50〜99」に設定されている。つまり、1/2の確率で発生当選となるように設定されている。また、大当たり対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルでは、発生当選として、確定当選と非確定当選との2パターンが設定されていたが、外れ対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルでは、発生当選として、非確定当選の1パターンのみが設定されている。
ステップS3703又はステップS3705の処理を実行した後は、ステップS3706にて、上記発生抽選処理の結果が発生当選であるか否かを判定する。発生当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。発生当選である場合には、ステップS3707にて、その発生当選が、確定当選及び非確定当選のうち確定当選であるか否かを判定する。確定当選である場合には、ステップS3708〜ステップS3710の「大当たり予告の確定当選対応の演出設定処理」を実行し、非確定当選である場合には、ステップS3711〜ステップS3713の「大当たり予告の非確定当選対応」の演出設定処理を実行する。
「大当たり予告の確定当選対応の演出設定処理」では、先ずステップS3708にて、ワークRAM254に確変大当たり予告フラグ及び通常大当たり予告フラグのうち、確変大当たり予告フラグが格納されているか否かを判定する。確変大当たり予告フラグが格納されている場合には、ステップS3709にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変大当たり確定演出フラグ格納エリア(確変大当たり確定演出情報記憶手段)に確変大当たり確定演出フラグ(確変大当たり確定演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。また、確変大当たり予告フラグが格納されていない場合、すなわち通常大当たり予告フラグが格納されている場合には、ステップS3710にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常確定演出フラグ格納エリア(通常確定演出情報記憶手段)に通常大当たり確定演出フラグ(通常大当たり確定演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。
確変大当たり確定演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて確変大当たり確定演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。確変大当たり確定演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、15R確変大当たり結果が確実に発生することを遊技者に報知するための演出である。当該確変大当たり確定演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
また、通常大当たり確定演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて通常大当たり確定演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。通常大当たり確定演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、通常大当たり結果が確実に発生することを遊技者に報知するための演出である。当該通常大当たり確定演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
一方、非確定当選対応の演出設定処理では、先ずステップS3711にて、ワークRAM254に確変大当たり予告フラグ、通常大当たり予告フラグ、確変大当たり推測予告フラグ及び通常大当たり推測予告フラグのうち、確変大当たり予告フラグ又は確変大当たり推測予告フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。
確変大当たり予告フラグ又は確変大当たり推測予告フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS3712にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変大当たり推測演出フラグ格納エリア(確変大当たり推測演出情報記憶手段)に確変大当たり推測演出フラグ(確変大当たり推測演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。また、確変大当たり予告フラグ及び確変大当たり推測予告フラグのいずれもが格納されていない場合、すなわち通常大当たり予告フラグ又は通常大当たり推測予告フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS2413にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常大当たり推測演出フラグ格納エリア(通常大当たり推測演出情報記憶手段)に通常大当たり推測演出フラグ(通常大当たり推測演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。
確変大当たり推測演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて確変大当たり推測演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。確変大当たり推測演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、15R確変大当たり結果が発生する可能性があることを遊技者に報知するための演出である。当該確変大当たり推測演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
また、通常大当たり推測演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて通常大当たり推測演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。通常大当たり推測演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、通常大当たり結果が発生する可能性があることを遊技者に報知するための演出である。当該通常大当たり推測演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
また、ワークRAM254に大当たり推測予告フラグ(通常大当たり推測予告フラグ若しくは確変大当たり推測予告フラグ)が格納されていない場合には、ステップS3714の処理(図65を参照)に移行する。このステップS3714の処理では、ワークRAM254にリーチ予告フラグが格納されているか否かを判定する。そして、リーチ予告フラグが格納されている判定する場合には、ステップS3715にてリーチ予告対応発生抽選処理を実行し、ステップS3717に移行する。
ステップS3714の処理で、ワークRAM254にリーチ予告フラグが格納されていないと判定する場合(リーチ推測予告フラグが格納されている場合)には、ステップS3716にてガセリーチ対応発生抽選処理を実行し、ステップS3717の処理に移行する。
ここで、リーチ対応発生抽選処理及びガセリーチ対応発生抽選処理においても、ワークRAM254の発生抽選用カウンタエリア328から発生抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。ここで、発生抽選用カウンタエリア328は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図54)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、各発生抽選処理では、プログラムROM253の発生抽選用テーブル記憶エリア(発生抽選用情報群記憶手段)314に記憶されている発生抽選用テーブル(発生抽選用情報群)を参照して、上記読み出した発生抽選用のカウンタ値が発生当選に対応しているか否かを判定する。
この場合に、発生抽選用テーブルとして、リーチ対応発生抽選処理にて参照されるテーブルと、ガセリーチ対応発生抽選処理にて参照されるテーブルとが設定されている。リーチ確定対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルは、図66(c)に示すように、発生当選となるカウンタ値が「0〜49」に設定されているとともに、外れ結果となるカウンタ値が「50〜99」に設定されている。つまり、1/2の確率で発生当選となるように設定されている。また、発生当選となるカウンタ値のうち「0〜24」は確定当選に対応しており、「25〜49」は非確定当選に対応している。そして、詳細は後に説明するが、確定当選となった場合と非確定当選となった場合とで、保留予告の演出内容が異なっている。
一方、ガセリーチ対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルは、図66(d)に示すように、発生当選となるカウンタ値が「0〜1」に設定されているとともに、外れ結果となるカウンタ値が「2〜99」に設定されている。つまり、1/50の確率で発生当選となるように設定されている。そして、発生当選の場合、一律に非確定当選となる。
ステップS3715又はステップS3716の処理を実行した後は、ステップS3717にて、上記発生抽選処理の結果が発生当選であるか否かを判定する。発生当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。発生当選である場合には、ステップS3718にて確定当選であるか否かを判定し、確定当選である場合には、ステップS3719にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322におけるリーチ確定演出フラグ格納エリア(リーチ確定演出情報記憶手段)にリーチ確定演出フラグ(リーチ確定演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。また、確定当選でない場合には、ステップS3720にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322におけるリーチ推測演出フラグ格納エリア(リーチ推測演出情報記憶手段)にリーチ推測演出フラグ(ガセリーチ演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。
リーチ確定演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて確変確定演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。リーチ確定演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、リーチが確実に発生することを遊技者に報知するための演出である。当該リーチ確定演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
また、リーチ推測演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて通常確定演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。ガセリーチ演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、リーチ演出が発生する可能性があることを遊技者に報知するための演出である。当該リーチ推測演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
変動開始用処理(図63)の説明に戻り、ステップS3603にて予告演出の設定処理を実行した後は、ステップS3604にて、今回の読み出し対象となった変動用コマンドが、第1変動用コマンド及び第2変動用コマンドのうち第1変動用コマンドであるか否かを判定する。
つまり、今回の読み出し対象となった変動用コマンドが、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbのうち、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が遊技回の開始対象となり、すなわち上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が遊技回の開始対象となり、送信されたものか否かを判定する。
第1変動用コマンドである場合には、ステップS3605にて第1フラグ消去処理を実行した後に、本変動開始用処理を終了し、第2変動用コマンドである場合には、ステップS3606にて第2フラグ消去処理を実行した後に、本変動開始用処理を終了する。
ここで、第1フラグ消去処理について、図67のフローチャートを参照しながら説明する。
第1フラグ消去処理では、先ずステップS3801にて、ワークRAM254に第1大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。第1大当たり保留フラグが格納されていない場合には、ステップS3802〜ステップS3804の処理を実行することなくステップS3805に進む。第1大当たり保留フラグが格納されている場合には、ステップS3802にて、消去用カウンタエリア323における第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1ディクリメントされるように、当該第1消去用カウンタエリアの情報を更新する。
その後、ステップS3803にて第1消去用カウンタエリアの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS3804にて第1大当たり保留フラグを消去した後に、ステップS2505に進み、「0」となっていない場合には、ステップS3804の処理を実行することなくステップS3505に進む。
第1大当たり保留フラグとは、既に説明したように、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が含まれている場合に格納されるフラグであり、第1消去用カウンタエリアには第1結果表示部用保留エリアRaに大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合にその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。さらにまた、保留コマンド対応処理(図55)ではステップS3103の処理が実行される前のタイミングでステップS3102の処理を実行するようにしたことにより、第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が複数含まれている場合には、開始対象が後の順番となる大当たり当選に対応した保留情報の順番の情報が第1消去用カウンタエリアに記憶されることとなる。よって、第1消去用カウンタエリアの情報が初期値としての「0」となる場合とは、第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていないことを意味し、この場合には第1大当たり保留フラグが消去される。
第1フラグ消去処理において、ステップS3805では、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。第1予告条件成立フラグが格納されていない場合には、そのまま本消去処理を終了する。第1予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3806にて、保留予告用カウンタエリア325における第1保留予告用カウンタエリアに記憶されている値が1ディクリメントされるように、当該第1保留予告用カウンタエリアの情報を更新する。
その後、ステップS3807にて第1保留予告用カウンタエリアの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS3808にて第1予告条件成立フラグを消去するとともに、ステップS3809にて予告初期化処理を実行する。予告初期化処理では、ワークRAM254に通常大当たり予告フラグ、確変大当たり予告フラグ、通常推測予告フラグ、確変推測予告フラグ又はリーチ予告フラグのいずれかが格納されている場合に、その格納されているフラグを消去する処理である。
ここで、第1予告条件成立フラグとは、既に説明したように、第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に格納されるフラグであり、第1保留予告用カウンタエリアには第1結果表示部用保留エリアRaに保留予告の実行の契機として設定された保留情報が記憶されている場合にその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。よって、第1保留予告用カウンタエリアの情報が初期値としての「0」となる場合とは、第1結果表示部用保留エリアRaにおいて保留予告の実行の契機として設定された保留情報が既に遊技回の開始対象となったことを意味し、この場合には第1予告条件成立フラグが消去される。
ステップS3809の処理を実行すると、ステップS3810の処理に移行し、第1保留予告用カウンタエリアの値を「0」として開始される遊技回が大当たり保留情報に基づく遊技回(確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドに基づき実行される遊技回)であるか否かを判定する。つまり、ステップS3810では、予告演出の対象となった遊技回(遊技結果や遊技演出が予告演出の対象となった遊技回)が、大当たり保留情報(15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果を遊技結果として表示することになる保留情報)に基づいて開始される遊技回であるか否かを判定する。
そして、ステップS3810の処理で肯定的に判定される場合には、第1フラグ去処理を終了する。これに対して、ステップS3810の処理で否定的に判定される場合には、ステップS3811の処理に移行する。つまり、予告演出の対象となった遊技回が大当たり保留情報に基づき開始されるものでない場合、ステップS3811に移行し、既得情報が存在するか否かを判定する。すなわち、所定の保留情報を対象に予告演出を行う場合において、当該予告演出の対象となった遊技回を開始する時点において、当該所定の保留情報の後に取得された保留情報が既に記憶されているか否かを判定する。
ステップS3811の処理で肯定的に判定される場合には、ステップS3812に進み、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2予告演出実行判定フラグ格納エリア(第2予告演出実行判定情報記憶手段)に第2予告演出実行判定フラグ(第2予告演出実行判定情報)を格納する。そして、第1フラグ消去処理を終了する。ここで、当該第2予告演出実行判定フラグは、後述するように、既得情報の中から第2予告演出の対象となる保留情報(対象既得情報)を、検索する状況であることをMPU252にて特定するための情報である。そして、第2予告演出実行判定フラグは、既得情報のうちの何れかの既得情報に基づいて第2予告演出を実行可能であると決定するか、既得情報に基づいて第2予告演出を実行可能でないと決定すると消去される情報である。
ステップS3810の処理で肯定的に判定される場合と、ステップS3811の処理で否定的に判定される場合には、第1フラグ消去処理を終了する。また、ステップS3807の処理で、第1保留予告用カウンタエリアの値が「0」となっていないと判定される場合には、ステップS3810を実行することなく第1フラグ消去処理を終了する。
また、変動開始用処理(図63)のステップS3606における第2フラグ消去処理では、第1フラグ消去処理と同様の処理を実行する。すなわち、図68に示すように、ステップS3851の処理(前述のステップS3801に対応した処理)では、第2大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定し、ステップS3852の処理(前述のステップS3802に対応する処理)では、消去用カウンタエリア323における第2消去用カウンタエリアを更新する処理を実行し、ステップS3853の処理(前述のステップS3803に対応した処理)では、第2消去用カウンタエリアが「0」であるか否かを判定する。また、ステップS3854の処理(前述のステップS2804に対応した処理)では、第2大当たり保留フラグを消去する処理を実行する。
更に、ステップS3855の処理(前述のステップS3805に対応した処理)では、第2予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定し、ステップS3856の処理(前述のステップS3806に対応した処理)では、保留予告用カウンタエリア325における第2保留予告用カウンタエリアを更新する処理を実行し、ステップS3857の処理(前述のステップS3807に対応した処理)では、第2保留予告用カウンタエリアが「0」であるか否かを判定する。また、ステップS3858の処理(前述のステップS3508に対応した処理)では、第2予告条件成立フラグを消去する処理を実行し、ステップS3859の処理(前述のステップS3509に対応した処理)では、予告初期化処理と同様の処理を実行する。
そして、ステップS3859の処理を実行すると、ステップS3860の処理に移行し、第2保留予告用カウンタエリアの値を「0」として開始される遊技回が大当たり保留情報に基づく遊技回(処理回)であるか否かを判定する。つまり、ステップS3860では、予告演出の対象となった遊技回(処理回)が、大当たり保留情報であるか否かを判定する。そして、ステップS3860の処理で肯定的に判定される場合には、第2フラグ消去処理を終了する。これに対して、ステップS3860の処理で否定的に判定される場合には、ステップS3861の処理に移行し、既得情報が存在するか否かを判定する。
ステップS3861の処理で肯定的に判定される場合には、ステップS3862に進み、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2予告演出実行判定フラグ格納エリア(第2予告演出実行判定情報記憶手段)に第2予告演出実行判定フラグ(第2予告演出実行判定情報)を格納する。そして、第2フラグ消去処理を終了する。また、ステップS3860の処理で肯定的に判定される場合と、ステップS3861の処理で否定的に判定される場合には、第2フラグ消去処理を終了する。また、ステップS3857の処理で、第2保留予告用カウンタエリアの値が「0」となっていないと判定される場合には、ステップS3860を実行することなく第2フラグ消去処理を終了する。
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される第2予告演出実行判定処理について、図69〜図71を用いて説明する。なお、図69及び図70の第2予告演出実行判定処理は、MPU252において繰り返し実行される複数処理のうちの一部であり、所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
第2予告演出実行判定処理が起動すると、ステップS3901においてワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2予告演出実行判定フラグ格納エリア(第2予告演出実行判定情報記憶手段)に第2予告演出実行判定フラグ(第2予告演出実行判定情報)が格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3901で第2予告演出実行判定フラグが格納されていないと判定すると第2予告演出実行判定処理をそのまま終了する。
一方、第2予告演出実行判定フラグが格納されている場合には、ステップS3902に進み、第2検索フラグが、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2検索フラグ格納エリア(第2検索情報記憶手段)に格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3902で肯定判定されると、ステップS3920の処理に移行し、ステップS3902で否定判定されると、ステップS3903の処理に移行する。このステップS3903の処理では、第1検索フラグが、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第1検索フラグ格納エリア(第1検索情報記憶手段)に格納されているか否かを判定する。
ここで、第1検索フラグは、既得情報の中に大当たり保留情報を存在するか否かを検索する状況にあることをMPU252にて特定するための情報である。そして、既得情報の中に大当たり保留情報が存在することを発見するか、大当たり保留情報が存在しなかったことを確認すると消去される。
また、第2検索フラグは、後述するように、大当たり保留情報以外の既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)に基づいて、その記憶順に予告条件成立抽選を行う状況であることをMPU252にて特定するための情報である。この第2検索フラグは、何れかの既得情報に基づく予告条件成立抽選の結果が当選となるか、対象となる既得情報について予告条件成立抽選の結果が全て落選である場合に消去される。
ステップS3903において、第1検索フラグが第1検索フラグ格納エリアに格納されていないと判定すると、ステップS3904に進み、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第1検索カウンタ(Ci)の上限値(Cmax)として既得情報の個数を設定する処理とを行う。そして、ステップS3904の処理を行うとステップS3905に進む。また、ステップS3903において、第1検索フラグが第1検索フラグ格納エリアに格納されていると判定すると、ステップS3904を経ることなくステップS3905に進む。
ここで、第1検索カウンタは、検索カウンタエリア329における第1検索カウンタエリアに設けられており、第1検索フラグを格納した場合にその第1検索フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第1検索カウンタには、既得情報の個数が上限値(Cmax)に設定され、この第1検索カウンタのカウント値は、既得情報をその記憶順に検索する毎に1インクリメントされるように更新される。そして、更新後において第1検索カウンタエリアに記憶されている情報が、上限値(Cmax)、つまり、既得情報の個数となると第1検索フラグが消去される。
ステップS3905の処理では、既得情報の中に大当たり保留情報が存在するか否かを検索する処理を行う。このステップS3905は、第1検索カウンタのカウント値に基づいて行われる。つまり、既得情報のうち、最も先に取得された既得情報(但し、既得情報数が1個の場合、当該既得情報)が大当たり保留情報であるか否かを判定する。ここで、最も先に取得された既得情報を「既得情報1」といい、既得情報数が2個以上の場合、次に記憶された既得情報を「既得情報2」といい、既得情報数が3個以上の場合、更に次に記憶された既得情報を「既得情報3」といい、既得情報数が4個の場合、更にその次に記憶された既得情報を「既得情報4」という。
ここで、本実施形態では、既得情報の中に大当たり保留情報が存在するか否かの検索(第1検索)を第1検索カウンタのカウント値に基づいて検索し、大当たり保留情報を発見すると、ステップS3906において当該大当たり保留情報を有効な大当たり保留情報(後述する)であるか否かを判定し、有効であれば有効大当たり保留情報フラグ(後述する)を有効大当たり保留情報フラグ格納エリアに有効情報フラグを格納し、無効であれば無効大当たり保留情報フラグを無効情報フラグ格納エリアに格納する(後述する)。そして、ステップS3907において有効な情報フラグが格納されていると判定されると、ステップS3908において有効大当たり保留情報フラグ(後述する)を消去した後、ステップS3910に進み、無効な大当たり保留情報フラグが格納されていると判定すると、ステップS3909において無効大当たり保留情報フラグ(後述する)を消去した後、ステップS3913に進む。
ここで、ステップS3906の有効大当たり保留情報判定処理とは、前述の図55のステップS3106〜S3109と同様な処理により、「再保留予告を行う上での各種設定」を行うか否かを判定する処理である。つまり、図71(a)に示すように、先ず、ステップS3941にて、大当たり保留情報(確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンド)が、上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3942にて、ワークRAM254に開閉実行フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS3943にて、ワークRAM254にサポートフラグが格納されているか否かを判定し、さらにステップS3944にて、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドに共通情報が含まれているか否かを判定する。
その結果、開閉実行フラグが格納されている場合には、ステップS3942にて肯定判定をし、ステップS3946に移行する。そして、ステップS3946で大当たり用無効情報フラグ格納エリアに大当たり用無効情報フラグを格納する処理を行う。また、開閉実行フラグが格納されていない場合であってもサポートフラグが格納されている場合には、ステップS3942にて否定判定をするとともにステップS3943にて肯定判定をし、そのままステップS3946に移行する。また、開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合であっても共通情報が含まれていない場合には、ステップS3942及びステップS3943の両方にて否定判定をするとともにステップS3944にて否定判定をし、ステップS3946に移行し、無効大当たり保留情報フラグ格納エリアに無効大当たり保留情報フラグを格納する処理を行い、有効大当たり保留情報判定処理を終了する。
一方、大当たり保留情報(確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンド)が、下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3945に移行する。また、大当たり保留情報が、上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ワークRAM254に開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合であって、係る保留コマンドに共通情報が含まれている場合には、ステップS3945に移行し、有効大当たり保留情報フラグ格納エリアに有効大当たり保留情報フラグを格納する処理を行い、有効大当たり保留情報判定処理を終了する。
ステップS3908の処理を実行すると、ステップS3910に進み、大当たり用の予告条件成立抽選を行う。この予告条件成立抽選は、図56(a)のS3201と同様な処理である。そして、ステップS3910の処理を実行すると、ステップS3911において大当たり用の予告条件成立抽選が当選であるか否かを判定する。そして、当選であると判定されると、ステップS3912において大当たり用成立当選処理を実行する。この大当たり用成立当選処理は、前述の図59と同様な処理である。但し、ステップS3912において実行する「大当たり用成立当選処理」のステップS3216においては、図59の括弧書に示すように、予告条件成立抽選に当選した既得情報の発生順位を示す数(以下、「対象既得情報数」という。)が、第1保留予告カウンタに設定される。同様に、ステップS3218においても、図59の括弧書に示すように、予告条件成立抽選に当選した既得情報の発生順位を示す数(対象既得情報数)が設定される。具体的には、予告条件成立抽選に当選した既得情報(大当たり保留情報)が、既得情報3である場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「3」が設定される。例えば、既得情報の取得数が「3」であっても、2番目(取得順)に取得された既得情報(大当たり保留情報)について予告条件成立抽選に当選した場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「2」が設定される。なお、前述のように、ステップS3910の大当たり用の予告条件成立抽選は、図57(b)に基づいて行われてもよい。つまり、大当たり保留情報が確変対応保留コマンドである場合と通常対応保留コマンドである場合とで当選となる確率が異なってもよい。例えば、大当たり保留情報が確変対応保留コマンドである場合には、通常対応保留コマンドである場合よりも予告条件成立抽選処理で当選となる確率が高くされ(例えば、1.5倍)、第2予告演出の実行確率が高くされてもよい。この点に関しては、後述する「図79のステップS3906aの予告条件成立抽選(変形例4)」、後述する「図89のステップS3908bの予告条件成立抽選(第2実施形態)」、後述する「図110のステップS3906cの予告条件成立抽選(第3実施形態)」等においても同様である。
ステップS3912の大当たり用成立当選処理を実行すると、ステップS3914に進み、第2予告演出実行判定フラグと、第1検索フラグを消去する処理を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。なお、第1実施形態では、既得情報において大当たり保留情報を優先の予告条件成立処理の対象とするため、第2予告演出を通常の予告演出よりも高確率で実行することができる。
また、ステップS3911において大当たり用の予告条件成立抽選が落選である場合にはステップS3913に進む。また、S3907の処理において無効大当たり保留情報が格納されていない(S3906の処理の対象となっ大当たり保留情報が、有効な大当たり保留情報でない)場合にもステップS3913に進む。このステップS3913の処理では既存情報の個数が「1」であるか否かを判定する。つまり、既得情報の数が1個であり、当該既得情報が大当たり保留情報である場合において、当該大当たり保留情報が有効な保留情報(保留予告の対象とならない保留情報)であるか、当該大当たり保留情報の予告条件成立抽選が落選である場合には、第2予告演出実行判定処理を終了する趣旨である。このため、既存情報の個数が「1」である場合にはステップS3914に進み、第2予告演出実行判定フラグと、第1検索フラグを消去する処理を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。
ステップS3913の処理で、既得情報の数が1個よりも大きいと判定される場合(ステップS3913で否定判定される場合)には、ステップS3915に進み、「Ci≧2」であるか否かを判定する。つまり、第1検索カウンタの数値に対応する大当たり保留情報(S3907で無効と判定された大当たり保留情報、予告条件成立抽選で落選となった大当たり保留情報)が、取得順位が2番目以降であるか否か(今回S3906の処理等の対象となった大当たり保留情報よりも前に取得される取得情報が存在するか否か)を判定する。そして、ステップS3915で肯定判定される場合、ステップS3916に進む。このステップS3916では、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアから消去する処理と、第2検索フラグを第2検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として「Ci−1」を設定する処理と、を行った後、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)には、今回S3906の処理等の対象となった大当たり保留情報よりも前に取得された取得情報の数が設定される。例えば、既得情報3が今回S3906の処理等の対象となった大当たり保留情報であれば、既得情報1〜2が第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)に設定される。そして、ステップS3915の処理を終了し、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了した後、再度、第2予告演出実行判定処理を起動すると、ステップS3901、S3902の肯定判定を経て、図70のステップS3920に移行する。なお、ステップS3915において否定判定されると(取得情報1の大当たり保留情報が無効か、第2予告抽選で落選である場合)には、ステップS3914に進み、第2予告演出実行判定処理を終了する。
また、ステップS3905の処理で否定判定される場合には、ステップS3917の処理に移行し、第1検索カウンタのカウント値が上限値(Cmax)であるか否かを判定する。つまり、既得情報の個数分だけ、ステップS3905の処理を繰り返しても大当たり保留情報を発見できない場合は、ステップS3917で第1検索カウンタのカウント値が上限値であるか否かを判定する。より具体的には、既得情報の数が「3」の場合、既得情報1(Ci=1)と、既得情報2(Ci=2)と、既得情報3(Ci=3)について、その記憶順にステップS3905の処理を施しても、大当たり保留情報を発見できない場合は、ステップS3917で肯定的に判定され、未だ、既得情報3(Ci=3)についてステップS3905の処理が施されていない場合には、ステップS3917で否定的に判定される。また、既得情報の数が「1」の場合、既得情報1(Ci=1)について、ステップS3905の処理で否定判定されると、その時点で、ステップS3917で肯定的に判定される。
ステップS3917で上限値(Cmax)でないと判定されると、ステップS3918に進み、第1検索カウンタ(Ci)のカウント値を1インクリメントし、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901の肯定判定と、ステップS3902の否定判定と、ステップS3903の肯定判定を経てステップS3905に移行する。この場合、先にS3905の処理の対象とした既得情報(大当たり保留情報か否かの判定対象となった既得情報)に続いて取得された既得情報が、S3905の処理の対象となる。
一方、ステップS3917で第1検索カウンタのカウント値が上限値(Cmax)であると判定すると、ステップS3919の処理に移行し、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアから消去する処理と、第2検索フラグを第2検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として既得情報の個数を設定する処理と、を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。
この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901の肯定判定と、ステップS3902の肯定判定を経て、図70のステップS3920に移行する。
図70のステップS3920以降の処理では、大当たり保留情報以外の既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)について、有効な既得情報であるか否の判定と予告条件成立抽選とを、当該既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)の記憶順に行う。具体的には、ステップS3920においては第2検索カウンタのカウント値が示す既得情報(例えば、Di=1、つまり、既得情報1)が有効な既得情報であるか否かを判定する。ここで、第2検索カウンタとは検索カウンタエリア329における第2検索カウンタエリアに設けられており、第2検索フラグを格納した場合にその第2検索フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第2検索カウンタには、ステップS3919若しくはステップS3916において上限値が設定され、この第2検索カウンタのカウント値は、既得情報をその記憶順に検索する毎に1インクリメントされるように更新される。そして、更新後において第2検索カウンタエリアに記憶されている情報が、上限値(Dmax)、つまり、既得情報の個数となると第2検索フラグが消去される。
前述のように、ステップS3920の処理は第2検索カウンタのカウント値に基づいて行われる。そして、ステップS3920の有効既得情報判定処理は、前述の図55のステップS3113〜S3115と同様な処理により、「保留予告を行う上での各種設定」を行うか否かを判定する処理である。つまり、図71(b)に示すように、先ず、ステップS3951で、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS3952にて、ワークRAM254に開閉実行フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS3953にて、ワークRAM254にサポートフラグが格納されているか否かを判定する。
その結果、開閉実行フラグが格納されている場合には、ステップS3952にて肯定判定をし、S3955に進み、無効情報フラグ格納エリアに無効情報フラグを格納する処理を行い、有効情報判定処理を終了する。また、開閉実行フラグが格納されていない場合であってもサポートフラグが格納されている場合には、ステップS3953にて肯定判定をし、ステップS3955に移行し、無効情報フラグ格納エリアに無効情報フラグを格納する処理を行い、有効情報判定処理を終了する。
一方、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が、下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合、ステップS3954の処理に移行する。また、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が、上作動口33への入賞に基づき送信されたものであり、ワークRAM254に開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合にも、ステップS3954の処理に移行する。そして、ステップS3954では、有効情報フラグ格納エリアに有効情報フラグを格納する処理を行い、有効情報判定処理を終了する。
ステップS3920の有効情報判定処理を行うと、ステップS3921に進む
。ステップS3921では有効情報フラグ格納エリアに有効情報フラグを格納されているか否かを判定する。そして、有効情報フラグが格納されている場合、つまり、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が有効な取得情報である場合には、ステップS3922に進み、有効情報フラグを消去し、ステップS3923に移行する。このステップS3923では、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報について、予告条件成立抽選を行う。この予告条件成立抽選は、前述の図56(b)のS3301の処理若しくは図57(a)のS3401の処理と同様な処理である。このため、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が「リーチ保留情報」であるか、「非リーチ保留情報」であるかによって、ステップS3923で予告条件成立抽選が当選となる確率が異なっている。
ステップS3923の予告条件成立抽選を行うと、ステップS3924に進み、予告条件成立抽選の結果が当選であるか否かを判定する。そして、当選であると判定されると、ステップS3925において予告条件成立処理を実行する。具体的には、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が「リーチ保留情報」である場合には、前述の図60と同様な「リーチ用成立当選処理」を実行し、当該取得情報が「非リーチ保留情報」である場合には、前述の図61と同様な「非リーチ用成立当選処理」を実行する。但し、ステップS3925において実行する「リーチ用成立当選処理」のステップS3319においては、当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第1保留予告カウンタに設定され、ステップS3321においては、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第2保留予告カウンタに設定される。また、ステップS3925において実行する「非リーチ用成立当選処理」のステップS3414においても、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第1保留予告カウンタに設定され、ステップS3416においても、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第2保留予告カウンタに設定される。具体的には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の数が「2」である場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「2」が設定される。例えば、既得情報の取得数が「4」であっても、2番目(取得順)に取得された既得情報について予告条件成立抽選に当選した場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「2」が設定される。
ステップS3925において成立当選処理を実行すると、ステップS3926に進み、第2予告演出実行判定フラグと、第2検索フラグとを消去した後、第2予告演出実行判定処理を終了する。
ステップS3921では、第2検索カウンタのカウント値が示す既得情報(例えば、Di=1、つまり、既得情報1)が有効な保留情報でない場合(有効情報フラグ格納エリアに有効情報フラグを格納されていないと判定される場合)、つまり、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が有効な取得情報でない場合には、ステップS3927に進み、無効情報フラグを消去し、ステップS3928に移行する。また、ステップS3924において、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報についての予告条件成立抽選の結果が落選であると判定される場合もステップS3928に移行する。
ステップS3928では第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)であるか否かを判定する。ここで、ステップS3928の処理は、S3916若しくはS3919の処理で設定した上限回数(Dmax)だけ、ステップS3920移行の処理を繰り返しても、有効な保留情報を発見できなっかたり、予告条件成立抽選に当選できなかったりした場合には、第2予告演出実行判定処理を終了させる処理である。具体的には、既得情報の数が「3」の場合、既得情報1(Di=1)と、既得情報2(Di=2)と、既得情報3(Di=3)について、その記憶順にステップS3920以降を施しても、ステップS3924の処理で肯定判定がなされない場合には、ステップS3928の処理で第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)である判定される。また、未だ、既得情報3(Di=3)についてステップS3920以降の処理が施されていない場合には、ステップS3928で否定的に判定される。
そして、上限値(Dmax)に達していなければ、ステップS3929に移行し、第2検索カウンタ(Di)のカウント値を1インクリメントした後、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901の肯定判定と、ステップS3902の肯定判定を経てステップS3920以降の処理に移行する。
一方、ステップS3928で第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達したと判定すると、ステップS3926の処理に移行し、第2予告演出実行判定フラグと、第2検索フラグとを消去した後、予告演出実行判定処理を終了する。なお、S3920以降の処理をリーチ保留情報と、非リーチ保留情報とで別個に行ってもよい。つまり、第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達するまで、リーチ保留情報についての予告条件成立抽選を行い、全て落選であった場合に、第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達するまで、非リーチ保留情報についての予告条件成立抽選を行ってもよい。
ここで、図63に示す変動開始用処理では、既に説明したように、予告演出の設定処理が実行された後に第1フラグ消去処理又は第2フラグ消去処理が実行される。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合には、当該実行の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に開始対象となった遊技回で保留予告が行われ得るだけでなく、当該実行の契機となった保留情報に係る遊技回においても上記保留予告と連続性を有する演出が実行され得る。この場合、実行の契機となった保留情報に係る遊技回における上記演出は、その遊技回における遊技結果を予測させる遊技回対応予告に相当する。つまり、本パチンコ機10では、保留予告を実行するための構成を利用して、遊技回対応予告を実行することができるとともに、かかる遊技回対応予告を保留予告に対して連続性を有するものとすることができる。
また、第1実施形態では、図67のステップS3809(図68のステップS3859)の予告初期化処理を行った場合においても、既得情報(終了した予告演出の実行を決定した後に取得した保留情報)に基づき、図69のステップS3912の処理若しくは図70のステップS3925の処理が行われ、再び、第1予告条件成立フラグ(第2予告条件成立フラグ)が、ワークRAM254に格納されることがある。この場合、図67の第1フラグ消去処理(図68の第2フラグ消去処理)において、S3805(S3855)の処理で肯定判定を得て、S3806(S3856)以降の処理に進む。このとき、対象となる既得情報数(予告条件成立抽選に当選した既得情報と、当該既得情報よりも前に記憶された既得情報の数の合計個数)が、第1予告用カウンタ(第2予告用カウンタ)に設定されているため、S3806(S3856)、S3807(S3857)等の処理がなされ、後述する図72及び図73等に基づき、第2予告演出が実行される。なお、第1実施形態では、第2予告演出を終了する際に、S3811(S3861)の処理で肯定判定されると、再び、第2予告演出が実行される可能性がある。
<変動中用処理>
次に、変動表示制御処理(図62)におけるステップS3505の変動中用処理について図72〜図75を参照して説明する。変動中用処理は、図柄の変動表示中に保留予告用の画像を表示させるための処理である。なお、図72及び図73は変動中用処理を示すフローチャートであり、図74及び74は予告演出の内容を説明するための説明図である。
図72のフローチャートに示すように、ステップS4001にて、予告演出の実行タイミングであるか否かを判定する。MPU252では、ワークRAM254に設けられた経過時間計測手段(又は経過期間計測手段)としての経過時間カウンタエリア329を用いて図柄表示装置41における図柄の変動表示の開始からの時間を計測している。詳細には、変動表示が開始された場合に、所定の周期(例えば、2msec)で経過時間カウンタエリア329の加算処理が実行される。なお、遊技回の終了に際して、経過時間カウンタエリア329の情報は初期値としての「0」に初期化される。また、プログラムROM253に設けられた経過時間テーブル記憶エリア315の経過時間テーブルには、予告演出の実行タイミングに対応したカウンタ値が設定されている。なお、当該カウンタ値は、遊技回の途中のタイミングとして設定されている。ステップS4001では、現状の経過時間カウンタエリア329に記憶されている値が、経過時間カウンタエリア329に記憶されている値が、経過時間テーブル記憶エリア315に記憶された値を超えているか否かを判定する。
ステップS4001にて、予告演出の実行タイミングでないと判定した場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。一方、予告演出の実行タイミングであると判定した場合には、ステップS4002以降の処理を実行する。
このステップS4002では、ワークRAM254に大当たり予告フラグが格納されているか否かを判定し、格納されている場合にはステップS4003以降の処理に移行し、格納されていない場合にはステップS4010以降の処理(図73)に移行する。
ステップS4003では確変大当たり確定演出フラグが格納されているか否かを判定し、確変大当たり確定演出フラグが格納されている場合には、ステップS4004にて、確変大当たり確定キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ステップS4004にて確変大当たり確定キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にて確変確定キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図74(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、確変確定キャラクタとして、「確!!」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS4004の実行に際して、確変確定演出フラグの消去処理が実行される。
確変大当たり確定演出フラグが格納されていない場合には、ステップS4005にて、ワークRAM254に通常大当たり確定演出フラグが格納されているか否かを判定し、通常大当たり確定演出フラグが格納されている場合には、ステップ4006にて、通常大当たり確定キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ステップS4006にて通常大当たり確定キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にて通常大当たり確定キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図74(b)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、通常確定キャラクタとして、「通!!」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS4006の実行に際して、通常大当たり確定演出フラグの消去処理が実行される。
通常大当たり確定演出フラグが格納されていない場合には、ステップS4007にて、ワークRAM254に確変大当たり推測演出フラグが格納されているか否かを判定し、確変大当たり推測演出フラグが格納されている場合には、ステップS4008にて、確変大当たり推測キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ステップS4008にて確変大当たり推測キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にて確変大当たり推測キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図74(c)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、確変大当たり推測キャラクタとして、「確?」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS4008の実行に際して、確変大当たり推測演出フラグの消去処理が実行される。
ステップS4007で確変大当たり推測演出フラグが格納されていないと判定されると、通常大当たり推測演出フラグが格納されているため、ステップS4009にて、通常大当たり推測キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ここで、ステップS4009にて通常大当たり推測キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にて通常大当たり推測キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図74(d)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、通常大当たり推測キャラクタとして、「通?」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS4009の実行に際して、通常大当たり推測演出フラグの消去処理が実行される。
ステップS4002で、ワークRAM254に大当たり予告フラグが格納されていないと判定すると、ステップS4010(図73)に移行し、ワークRAM254にリーチ予告フラグが格納されているか否かを判定する。そして、リーチ予告フラグが格納されている場合には、ステップS4011にて、リーチ確定キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ステップS4011にてリーチ確定キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にてリーチ確定キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図75(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、リーチ確定キャラクタとして、「リーチ確」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS4010の実行に際して、リーチ予告フラグの消去処理が実行される。
リーチ予告フラグが格納されていない場合には、ステップS4012にて、ワークRAM254にリーチ推測演出フラグが格納されているか否かを判定し、リーチ推測演出フラグが格納されている場合には、ステップS4013にて、リーチ推測演出フラグを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ステップS4013にてリーチ推測演出フラグが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にてリーチ推測キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図75(b)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、リーチ推測キャラクタとして、「リーチ?」の文字が付されたキャラクタが表示される。この場合、予告演出の対象となる保留情報に基づく変動表示中にリーチ表示が出現する場合と、出現しない場合がある。なお、ステップS4012の実行に際して、リーチ推測演出フラグの消去処理が実行される。
ステップS4012にて、ワークRAM254にリーチ推測演出フラグが格納されていないと判定される場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。
ここで、図76を用いて第1実施形態のパチンコ機10の特徴を説明する。図76(a)は、保留情報の内容と、そのランクとの関係を示している。また、ランクとは、遊技者にとっての有利度の順を示しており、ランクが高い保留情報ほど(ランクを示す数値が少ない保留情報ほど)、当該有利度が高く、しかも、「予告演出をすると決定される確率(つまり、予告条件成立抽選)」が高くなっている。具体的には、15R確変大当たりを示す保留情報は「第1ランク」、通常大当たりを示す保留情報は「第2ランク」、スーパーリーチを経て外れ結果を表示する保留情報と、ノーマルリーチを経て外れ結果を表示する保留情報と、リーチを経ることなく外れ結果を表示する保留情報は「第3ランク」とされている。
第1実施形態のパチンコ機10では、保留情報に対してランク付けを行い、第2予告演出実行判定処理を行う。つまり、第2予告演出実行判定処理において、既得情報の中に大当たり保留情報が存在するか否か(開閉モードの実行に結び付く既得情報、つまり、第1ランク若しくは第2ランクの既得情報が存在するか否か)をその記憶順に検索する。そして、発見した場合には大当たり保留情報の存否の検索をその時点で完了し、当該発見した大当たり保留情報について、大当たり用の予告条件成立抽選(大当たり対応設定処理と同様な成立抽選)を行い、当選であれば第2予告演出実行判定処理を完了する。また、大当たり用の予告条件成立抽選に落選の場合、当該大当たり保留情報(当該既得情報)よりも前に取得された既得情報について、その記憶順にリーチ用若しくは非リーチ用の予告条件成立抽選(大当たり対応設定処理と同様な成立抽選)を行う。すなわち、第2予告演出実行判定処理において、特定の保留情報(大当たり保留情報)の存否を検索し、特定の保留情報が存在した場合には、その保留情報に対して1番初めに第2予告演出実行判定を行う。そして、大当たり用の予告条件成立抽選に当選であった場合には第2予告演出実行判定処理を完了し、落選であった場合には当該特定の保留情報の手前の保留情報まで(特定の保留情報の1つ前に取得された保留情報まで)、第2予告演出実行判定処理を行う。
この場合、第1ランク若しくは第2ランクの保留情報に基づいて行う予告条件成立抽選の当選確率は、その他のランクの保留情報に基づいて行う予告条件成立抽選の当選確率よりも高い。このため、保留予告の対象となった保留情報に基づく遊技回の結果が外れとなったとき、既得情報が存在する場合において、先読みゾーン突入の可能性(予告条件成立抽選が当選となる可能性)を上げることができるだけでなく、特定の先読みゾーンに当選させやすくさせるなど、遊技におけるゲーム性を高めることができる。つまり、第2予告演出実行判定処理の予告条件成立抽選において、特定の保留情報(第1ランク若しくは第2ランクの保留情報)を優先して抽選することを可能とすることで、優先した保留情報に対しての先読みゾーン突入の可能性を上げることができる。また、保留情報にランク付けを行うことで、特定の先読みゾーンに当選させ易くさせるなど、遊技におけるゲーム性を高めることができる。
第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置81から音声ランプ制御装置82(表示制御装置212)に送られる保留情報(先読み情報)に基づいて保留予告を行う際(先読み演出を行う際)、複雑な制御によって不具合を防止する為に、先ず、予告条件成立抽選(先読みゾーンに関する抽選)を行う。そして、予告条件成立抽選(先読みゾーンに関する抽選)に当選している場合には、その後取得された保留情報に関しては、予告条件成立抽選を行わないようという処理を実行している。つまり、予告条件成立抽選に当選した状態では(先読みゾーン中には)、保留情報を取得しても(前述の既得情報が発生しても)、予告条件成立抽選を行わない。このため、既得情報の取得個数の分だけ、予告条件成立抽選に関する無抽選期間ができてしまう可能性がある。
これに対して、第1実施形態では、保留予告の対象となった保留情報に基づく遊技回の結果が外れとなったとき、既得情報が存在する場合において、予告条件成立抽選に関する無抽選期間が生ずる可能性を低くできる。そして、先読みゾーン突入の可能性(予告条件成立抽選が当選となる可能性)を上げることができるだけでなく、特定の先読みゾーンに当選させやすくさせるなど、遊技におけるゲーム性を高めることができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、発射レール74の発射位置74Wから発射された遊技球が、発射レール74を逆走する戻り球を生じても、発射レール74の下端部から戻り球を排出することができる。つまり、通過検知センサ74bが戻り球を検知することに基づいて、ソレノイド77a(内蔵されたコイル)を励磁することで、支持部材77を発射レール74上の遊技球の背後から待避させることができる。これにより、発射レール74上に存在する遊技球(戻り球を含む発射レール74上に存在する全ての遊技球)を発射レール74の下端部から発射レール74外に排出できる。ここで、発射レール74から戻り球を排出する排出手段を備えない従来の遊技機では、戻り球を生じたり、多数の戻り球を生じたりすると、遊技の進行に支障を来す場合がある。若しくは、パチンコホールの店員等が一旦、シリンダ錠17(図1参照)に解錠操作を施し、前扉枠14を内枠13に対して開放し、発射レール74から戻り球を取り除くことが必要である。この場合、遊技者は、暫くの間、遊技を停止することが必要である。
これに対して、第1実施形態では、排出手段(通過検知センサ74bの検知結果に基づいて、主制御装置81が行うステップS1702の処理、支持部材77を上昇移動されるソレノイド77a等)によって、自動的に戻り球を解消する動作を行うため、遊技の円滑な進行を妨げることはない。つまり、シリンダ錠17(図1参照)に施錠操作がされ、前扉枠14を内枠13に対して閉鎖したままの状態で、戻り球を解消する動作が自動的に実行される。しかも、遊技者が発射ハンドル8Aに回動操作を加えたままの状態で戻り球を解消されるため、遊技の円滑な進行を確保できる。例えば、遊技者が発射ハンドル8Aに回動操作を施し、しかも、ストップスイッチ89を操作しない状態でいても、遊技者が気づかないうちに、自動的に戻り球が排出されるため、第1実施形態によると、戻り球の処理により遊技の進行を損なうことはない。
また、第1実施形態では、図77に示すように、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が、上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報よりも優先して当否抽選が行われる(以下、「第2特別図柄の優先変動機能」という。)。これにより、遊技の状況などに応じて上作動口33への入球を期待して発射操作を行ったり、下作動口34への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。但し、第1実施形態と異なり、「第2特別図柄の優先変動機能」を備えず、例えば、上作動口33に基づく当否抽選と、下作動口34に基づく当否抽選とが、保留情報の取得順に行われてもよい。例えば、この場合、上作動口33への入賞に基づいて取得した保留情報と、下作動口34に入賞に基づいて取得した保留情報を、交互に処理すること(当否抽選や変動表示の対象とすること)もできる(後述する第3実施形態を参照)。
また、第1実施形態によると、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されているとともに当否判定の対象となっていない保留情報又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているとともに当否判定の対象となっていない保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回において実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、上作動口33及び下作動口34への入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を当該保留情報に係る遊技回において確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について、当否判定の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
更に、第1実施形態によると、保留予告の対象となった保留情報に基づいて実行された遊技回の結果が外れ結果となり、遊技者が一度落胆したところ、第2予告演出を開始し、遊技者の意表を付くことができる。このため、遊技者の一度消えた注目を、再度、本パチンコ機10に向けることができる。特に、第1実施形態では、予告条件成立抽選を上位ランクの保留情報(第1ランク、第2ランク)から優先して行うため、第2予告演出の実行変動が高められ、遊技興趣を更に高めることができる。しかも、第2予告演出が開始されると、第2予告演出の対象となる遊技回が大当たり結果となる可能性があるため、この点からも、遊技興趣を高めることができる。
さらにまた、図77に示すように、下作動口34への入賞が発生し易くなる高頻度サポートモードである場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されない。当否抽選に際して優先される側である下作動口34への入賞が発生し易い状況において第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われる構成を想定すると、以下の問題1及び問題2の発生が懸念される。
(問題1)第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が行われたにも関わらず、当該保留情報が当否抽選の対象となるよりも前のタイミングで下作動口34への入賞が継続し、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象となるタイミングが保留予告の実行タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、保留予告がどの保留情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、その一方、それを明確にする上では保留予告の態様に制約が生じ得る。さらには、下作動口34への入賞が所定回数に亘って継続した場合には、保留予告を一旦中止し、その後に下作動口34への入賞が所定期間に亘って発生しなかった場合には再開させる構成や、下作動口34への入賞が所定回数に亘って継続した場合には、保留予告の態様を変更する構成も考えられるが、この場合、下作動口34への入賞頻度などを監視し、それに応じて保留予告の態様を変更する必要が生じ、処理負荷の増大化が懸念される。
(問題2)高頻度サポートモードにおいて、第1結果表示用保留エリアRaに記憶されている保留情報が15R確変大当たり結果に対応している旨の保留予告が行われた場合、遊技者にとっては、発射ハンドル8Aの操作を停止して下作動口34への入賞が発生しないようにすることで、その15R確変大当たり結果を即座に発生させた方が有利である。その一方、高頻度サポートモードであって高確率モードにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が通常大当たり結果に対応している旨の保留予告が行われた場合、遊技者にとっては、下作動口34への入賞が繰り返されて、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象とならないようにしながら、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報により15R確変大当たり結果を発生させる方が有利である。つまり、高頻度サポートモードにおいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われると、遊技者にとって有利な結果となるように発射ハンドル8Aの操作態様を変更することが可能となる。しかしながら、高頻度サポートモードにおける下作動口34への入賞の発生のし易さは、遊技領域における釘38の調整次第で変化させることができ、そうすると、遊技ホール毎に上記発射ハンドル8Aの操作態様を変更することの効果が異なるものとなり好ましくない。
これに対して、高頻度サポートモードである場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにしたことで、上記問題1及び問題2の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
図77に示すように、高頻度サポートモードであっても、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報について保留予告が実行されるようにした。これにより、高頻度サポートモードであっても保留予告が実行され得るようにすることができ、上記問題1及び問題2の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を高頻度サポートモード中であっても図ることができる。
図77に示すように、高確率モードであって高頻度サポートモードである場合には第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにしたのに対して、高確率モードであって低頻度サポートモードである場合には第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されるようにした。これにより、上記問題1及び問題2の発生を抑えつつ、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行される機会を高めることができる。
図77に示すように、開閉実行モードである場合に、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定されないようにした。これにより、例えば開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに変更された場合に、その際にワークRAM254に記憶されている第1予告条件成立フラグの消去処理を実行しなくても、開閉実行モードにおいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報についての保留予告が高頻度サポートモード中に実行されないようにすることができる。
図77に示すように、開閉実行モードである場合に、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得るようにした。これにより、例えば開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに変更された場合に、その際にワークRAM254に第2予告条件成立フラグが格納されていれば、開閉実行モードにおいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報についての保留予告を高頻度サポートモードの開始直後から行うことが可能となる。
開閉実行モードに移行する場合、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグが記憶されている場合にはそれを消去するようにした。これにより、低頻度サポートモードにおいてワークRAM254に第1予告条件成立フラグが格納されており、その状態で下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否抽選の対象となり、15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果が発生した場合には、上記第1予告条件成立フラグが消去され、開閉実行モードの終了後における高頻度サポートモードにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにすることができる。
第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合には、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告(すなわち、確変確定キャラクタ又は通常確定キャラクタを用いた保留予告)が実行されないようにするとともに、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が共通当選情報に対応している場合には上記制限が行われない。これにより、例えば、高確率モードであって低頻度サポートモードである状況において、保留予告として、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が15R確変大当たり結果に対応している旨の内容を報知した後に、下作動口34への入賞により取得された保留情報により通常大当たり結果が発生したとしても、上記保留予告に係る保留情報は共通当選情報に対応しているため、その後に、上記保留予告に係る保留情報が当否抽選の対象となることで15R確変大当たり結果が発生することとなる。よって、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が行われた場合に、その保留予告の内容がその後の遊技結果と矛盾するという不都合の発生が抑制される。
特に、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否抽選に際して優先される構成においては、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告を行った後に下作動口34への入賞が発生すると、上記保留予告に係る保留情報よりも先に下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否抽選の対象となる。そうすると、保留予告が行われた後であって当該保留予告に係る保留情報が当否抽選の対象となる前の段階において、当否抽選モードが切り換わってしまうことが起こり易い。これに対して、上記のとおり、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が共通当選情報に対応している場合にのみ、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告が実行されるため、保留予告の内容がその後の遊技結果と矛盾するという不都合の発生が抑制される。
高確率モードにおいて大当たり当選となる複数種類の当選情報に、低確率モードにおいて大当たり当選となる複数種類の当選情報の全てが含まれており、当該低確率モードに係る当選情報の全てが共通当選情報に対応している。これにより、上記効果を奏するようにしながら、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行される機会を高めることができる。
第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報については、それが共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合であっても、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告(すなわち、確変確定キャラクタ又は通常確定キャラクタを用いた保留予告)が実行され得るようにした。これにより、上記効果を奏するようにしながら、保留予告が実行される機会を高めることができる。
特に、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否抽選に際して優先される構成においては、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告を行った後に新たに取得された保留情報が、上記保留予告に係る保留情報よりも先に当否抽選の対象となることはない。したがって、保留予告が行われた後であって当該保留予告に係る保留情報が当否抽選の対象となる前の段階において、当否抽選モードが切り換わってしまうことが起こりにくい。このような事情において、上記のとおり第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合であっても、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告が実行され得るようにしたことにより、保留予告が実行される機会を好適に高めることができる。
当選情報に対応した保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている状況では下作動口34への入賞に基づき新たに保留情報が取得されたとしても、当該保留情報について保留予告を行うように設定されることはない。かかる状況であっても新たに保留予告を行うように設定され得る構成を想定すると、例えば高確率モードにおいて保留予告として第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が当選情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該保留情報よりも先に当否抽選の対象となった保留情報の遊技結果に基づき低確率モードに切り換わり、上記保留予告に係る保留情報が当選情報に対応しなくなってしまうおそれがある。これに対して、当選情報に対応した保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている状況では下作動口34への入賞に基づき新たに保留情報が取得されたとしても、当該保留情報について保留予告を行うように設定されることはないため、上記のような事態が発生してしまうことが抑えられる。
主制御装置81から音声ランプ制御装置82に送信される保留コマンドに、大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報が含まれている構成においては、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線(具体的には、複数の信号線の両端に共通のコネクタが設けられたコネクタユニット)を不正に外し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。また、かかる不正行為以外にも、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線に対して不正な基板を接続し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。このように、大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値が取得されてしまうと、大当たり当選や15R確変大当たり結果となるタイミングで不正に始動入賞させる不正行為又は始動入賞が発生したと誤検知させる不正行為が行われてしまい、遊技ホールに多大な不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値をそのまま送信するのではなく、主制御装置81において特定した結果の情報を送信する構成とすることで、上記不正行為の発生を阻止することが可能となる。
この場合に、保留情報が共通当選情報に対応しているか否かの判定が、主制御装置81において行われる。例えば、当該判定を表示制御装置212にて行う構成においては、当否抽選を行う機能を有さない表示制御装置212にて共通当選情報を予め記憶しておく必要が生じる。これに対して、上記のように主制御装置81において保留情報が共通当選情報に対応しているか否かの判定を行うことで、表示制御装置212にて共通当選情報を予め記憶しておく必要が生じない。よって、主制御装置81と表示制御装置212との協働により保留予告を行うようにした構成において、表示制御装置212において予め記憶しておく情報量の削減が図られる。
<他の実施の形態>
なお、上述した第1実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)第1実施形態では、「第1ランク(大当たり保留情報が確変対応保留コマンドである場合)」と「第2ランク(大当たり保留情報が通常対応保留コマンドである場合)」とで「予告演出をすると決定される確率」を等しくし、「第1ランク」の保留情報と「第2ランク」の保留情報が既得情報として記憶されている場合には、「第1ランク」の保留情報と「第2ランク」の保留情報のうちの先に取得された保留情報を、選択手段が選択することとしている。但し、前述の図58(b)に基づいて、大当たり用の予告条件成立抽選を行う場合には、「第1ランク」の保留情報に基づいて予告条件成立抽選を行う場合の当選確率を行った方が、「第2ランク」の保留情報に基づいて予告条件成立抽選を行う場合の当選確率よりも高くなり、第2予告演出が実行される可能性が高くなる。
(2)第1実施形態では、保留情報が有効な情報である場合に予告演出を実行可否の抽選を行う態様を例示したが、保留情報が有効な情報であるか否かの判断基準は本実施形態に示すものに限定されない。また、本実施形態では、保留情報が上作動口33への入賞に基づいて取得されたものであるか、下作動口34への入賞に基づいて取得されたものであるであるかによって有効な情報であるか否かの基準が異なっているが、何れの作動口33、34への入賞に基づいて取得されたものであっても、この基準に差異を設けないこととしてもよい。つまり、上作動口33への入賞に基づいて取得された保留情報であっても、下作動口34への入賞に基づいて取得された保留情報であっても、同一条件で予告演出の実行の可否を決定してもよい(後述する変形例4及び第3実施形態を参照)。
(3)第1実施形態では、第2予告演出実行判定処理において、既得情報の中に大当たり保留情報が存在するか否かをその記憶順に検索し、発見した場合には大当たり保留情報の存否の検索をその時点で完了する。そして、当該発見した大当たり保留情報について、大当たり用の予告条件成立抽選(大当たり対応設定処理と同様な成立抽選)を行い、当選であれば第2予告演出実行判定処理を完了し、落選の場合、当該大当たり保留情報(当該既得情報)よりも前に取得された既得情報について、その記憶順にリーチ用若しくは非リーチ用の予告条件成立抽選(大当たり対応設定処理と同様な成立抽選)を行う態様を例示したが、第2予告演出実行判定処理として図78及び図79に示す変形例4を例示することもできる。
ここで、図78(a)は、保留情報の内容と、そのランクとの関係を示している。そして、第1実施形態と同様に、変形例4においてもランクとは、遊技者にとっての有利度の順を示しており、ランクが高い保留情報ほど(ランクを示す数値が小さい保留情報ほど)、当該有利度が高く(遊技結果が大当たり結果となる可能性が高く)、しかも、予告演出をすると決定される確率(つまり、予告条件成立抽選)が当選となる確率が高くなっている。但し、変形例4において、15R確変大当たりを示す保留情報は「第1ランク」、通常大当たりを示す保留情報を「第2ランク」、スーパーリーチを経て外れ結果を表示する保留情報は「第3ランク」、ノーマルリーチを経て外れ結果を表示する保留情報を「第4ランク」、リーチを経ることなく外れ結果を表示する保留情報を「第5ランク」としている。そして、「第1ランク」、「第2ランク」及び「第3ランク」が「特定ランク」とされ、「第4ランク」及び「第5ランク」が「非特定ランク」とされている。
変形例4では、図79に示す第2予告演出実行判定処理において、既得情報の中に「特定ランクの保留情報」が存在するか否かをその記憶順に検索し、発見した場合には「特定ランクの保留情報」の存否の検索をその時点で完了する。そして、当該発見した「特定ランクの保留情報」について、予告条件成立抽選(特定ランクの保留情報が大当たり保留情報である場合は大当たり用の予告条件成立抽選、特定ランクの保留情報がスーパーリーチ保留情報である場合はスーパーリーチ用の予告条件成立抽選)を行い、当選であれば、S3908a、S3909aの処理を経て第2予告演出実行判定処理を完了する。また、落選の場合、当該特定ランクの保留情報よりも前に取得した既得情報が存在する場合には、当該特定ランクの保留情報よりも前に取得された既得情報(非特定ランクの保留情報)について、その記憶順に予告条件成立抽選(非特定ランクの保留情報がノーマルリーチ保留情報の場合にはノーマルリーチ用予告条件成立抽選、非特定ランクの保留情報が非リーチ保留情報の場合には非リーチ用予告条件成立抽選)を行うこととしている。
変形例4の第2予告演出実行判定処理においても、ステップS3901〜S3904の処理の内容は第1実施形態と同様である。但し、変形例4の第1検索フラグは、既得情報の中に「特定ランクの保留情報(特定ランク情報)」が存在するか否かを検索する状況にあることをMPU252にて特定するための情報である。そして、既得情報の中に特定ランクの保留情報を発見するか、既得情報の中に特定ランクの保留情報が存在しなかったことを確認すると消去される。また、第2検索フラグは、後述するように、「非特定ランクの保留情報(非特定情報)」について、その記憶順に予告条件成立抽選を行う状況であることをMPU252にて特定するための情報である。この第2検索フラグは、「特定保留情報についての予告条件成立抽選結果が落選であったが、当該特定ランクの保留情報に先行して記憶された既得情報が存在する場合」と、「既得情報の中に特定ランクの保留情報が存在しなかったことを確認した場合」に、第2検索フラグ格納エリアに格納される。また、非特定情報に基づく予告条件成立抽選の結果が当選であるか、全ての非特定保留情報に基づく予告条件成立抽選が落選である場合に消去される。
ステップS3903で肯定判定されるか、ステップS3904の処理を実行すると、ステップS3905aに進む。このステップS3905aの処理では、既得情報の中に特定ランクの保留情報が存在するか否かを検索する処理を行う。このステップS3905aは、第1検索カウンタのカウント値に基づいて行われる。つまり、既得情報のうち、最も先に取得された既得情報(但し、既得情報数が1個の場合、当該既得情報)が特定ランクの保留情報であるか否かを判定する。そして、変形例4においても、既得情報の中に特定ランクの保留情報が存在するか否かの検索(第1検索)を第1検索カウンタのカウント値に基づいて検索し、特定ランクの保留情報を発見するとステップS3906aに進む。
ステップS3906aでは、予告条件成立抽選を行い、ステップS3907aに進む。ここで、ステップS3906aの予告条件成立抽選は、特定ランクの保留情報が大当たり保留情報である場合は図56(a)のS3201と同様な処理であり、特定ランクの保留情報がスーパーリーチ保留情報である場合は図56(b)のS3301と同様な処理である。そして、ステップS3907aにおいて予告条件成立抽選が当選であると判定されると、ステップS3908aにおいて成立当選処理を実行する。ここで、ステップS3908aの成立当選処理は、特定ランクの保留情報が大当たり保留情報である場合は図59と同様な処理であり、特定ランクの保留情報がスーパーリーチを特定するリーチ保留情報である場合は図60のリーチ用成立当選処理である。なお、変形例4においても、ステップS3906aの成立抽選処理に先立ち、有効情報判定処理を行ってもよい。この場合、特定ランクの保留情報が大当たり保留情報である場合、図71(a)に示す有効大当たり保留情報判定処理を行い、特定ランク情報がスーパーリーチ保留情報である場合、図71(b)に示す有効情報判定処理を行ってもよい。なお、変形例4においては、図55の保留コマンド対応処理より、ステップS3106〜S3109を至る処理と、ステップS3104〜S3105を至る処理を排除している。つまり、ステップS3105で否定判定されるとステップS3110に進み、ステップS3112で否定判定されるとステップS3116に進むこととしているが、第1実施形態と同様に、ステップS3106〜S3109を至る処理と、ステップS3104〜S3105を至る処理を行うこととしてもよい。
ステップS3908aの予告条件当選処理を実行すると、ステップS3909aに進み、第2予告演出実行判定フラグと、第1検索フラグを消去する処理を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。但し、特定ランクの保留情報が大当たり保留情報であり、ステップS3908aの処理として図59のS3216と同様な処理を行う場合には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第1保留予告カウンタに設定され、ステップS3908aの処理として図59のS3218と同様な処理を行う場合には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第2保留予告カウンタに設定される。また、特定ランクの保留情報がスーパーリーチを特定するリーチ保留情報であり、ステップS3908aの処理として図60のS3319と同様な処理を行う場合には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第1保留予告カウンタに設定され、ステップS3908aの処理として図60のS3321と同様な処理を行う場合には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第2保留予告カウンタに設定される。具体的には、予告条件成立抽選に当選した既得情報が2番目に取得した既得情報である場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「2」が設定される。つまり、既得情報の取得数が「3」であっても、2番目(取得順)に取得された既得情報について予告条件成立抽選に当選した場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「2」が設定される。
また、ステップS3907aにおいて予告条件成立抽選が落選であると判定されるとステップS3910aに進む。このステップS3910aの処理では既存情報の個数が「1」であるか否かを判定し、既存情報の個数が「1」である場合にはステップS3909aに進み、第2予告演出実行判定フラグと、第1検索フラグを消去する処理を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。
これに対して、ステップS3910aの処理で、既得情報の数が1個よりも大きいと判定される場合(ステップS3910aで否定判定される場合)には、ステップS3911aに進み、「Ci≧2」であるか否かを判定する。つまり、予告条件成立抽選で落選となった特定ランクの取得情報の取得順位が、2番目以降であるか否か(今回S3906aの処理等の対象となった大当たり保留情報よりも前に取得される取得情報が存在するか否か)を判定する。そして、ステップS3911aで肯定判定される場合、ステップS3912aに進む。このステップS3912aでは、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアから消去する処理と、第2検索フラグを第2検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として「Ci−1」を設定する処理と、を行った後、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)には、今回S3906aの処理等の対象となった特定保留情報よりも前に取得された取得情報の数が設定される。例えば、既得情報3が今回S3906aの処理等の対象となった特定保留情報であれば、既得情報1〜3が第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)に設定される。そして、ステップS3912aの処理を終了し、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了した後、再度、第2予告演出実行判定処理を起動すると、ステップS3901、S3902の肯定判定を経て、図80(a)のS3916aに移行する。なお、ステップS3911aにおいて否定判定されると(取得情報1の大当たり保留情報が無効である場合)には、ステップS3909eに進み、第2予告演出実行判定処理を終了する。
また、ステップS3905aの処理で否定判定される場合には、ステップS3913aの処理に移行し、第1検索カウンタのカウント値が上限値(Cmax)であるか否かを判定する。つまり、既得情報の個数分だけ、ステップS3905aの処理を繰り返しても特定保留情報を発見できない場合は、ステップS3913aで第1検索カウンタのカウント値が上限値であるか否かを判定する。より具体的には、既得情報の数が「3」の場合、既得情報1(Ci=1)と、既得情報2(Ci=2)と、既得情報3(Ci=3)について、その記憶順にステップS3905の処理を施しても、特定ランクの保留情報を発見できない場合は、ステップS3913aで肯定的に判定され、未だ、既得情報3(Ci=3)についてステップS3905の処理が施されていない場合には、ステップS3913aで否定的に判定される。また、既得情報の数が「1」の場合、既得情報1(Ci=1)について、ステップS3905aの処理で否定判定されると、その時点で、ステップS3913aで肯定的に判定される。
ステップS3913aで上限値(Cmax)でないと判定されると、ステップS3914aに進み、第1検索カウンタ(Ci)のカウント値を1インクリメントし、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901の肯定判定と、ステップS3902の否定判定と、ステップS3903の肯定判定を経てステップS3905aに移行する。この場合、先にS3905aの処理の対象とした既得情報(特定保留情報か否かの判定対象となった既得情報)に続いて取得された既得情報が、S3905aの処理の対象となる。
一方、ステップS3913aで第1検索カウンタのカウント値が上限値(Cmax)であると判定すると、ステップS3915aの処理に移行し、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアから消去する処理と、第2検索フラグを第2検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として既得情報の個数を設定する処理とを行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901の肯定判定と、ステップS3902の肯定判定を経て、図80(a)のステップS3916aに移行する。
また、ステップS3913aの処理で否定判定される場合には、ステップS3914aの処理に移行し、第1検索カウンタ(Ci)のカウント値を1インクリメントする。この後、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901の肯定判定と、ステップS3902の否定判定と、ステップS3903の肯定判定を経てステップS3904に移行する。
一方、ステップS3913aで第1検索カウンタのカウント値が上限値(Cmax)に達したと判定すると、ステップS3915aの処理に移行し、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアから消去する処理と、第2検索フラグを第2検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として既得情報の個数を設定する処理とを行った後、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901の肯定判定と、ステップS3902の肯定判定を経て、図80(a)のステップS3916aに移行する。
図80(a)のステップS3916a以降の処理では、既得情報(非特定の保留情報)としてのノーマルリーチを特定するリーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報について、予告条件成立抽選を当該既得情報の記憶順に行う。具体的には、ステップS3916aにおいては第2検索カウンタのカウント値が示す既得情報(例えば、Di=1、つまり、既得情報1)について予告条件成立抽選を行う。ここで、第2検索カウンタとは検索カウンタエリア329における第2検索カウンタエリアに設けられており、第2検索フラグを格納した場合にその第2検索フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第2検索カウンタには、ステップS3912a若しくはステップS3915aにおいて上限値が設定され、この第2検索カウンタのカウント値は、既得情報をその記憶順に検索する毎に1インクリメントされるように更新される。そして、更新後において第2検索カウンタエリアに記憶されている情報が、上限値(Dmax)、つまり、既得情報の個数となると第2検索フラグが消去される。
前述のように、ステップS3916aの処理は第2検索カウンタのカウント値に基づいて行われる。そして、ステップS3916aの予告条件成立抽選は、前述の図56(b)S3301の処理若しくは図57(a)のS3401の処理と同様な処理である。このため、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が「ノーマルリーチを特定するリーチ保留情報」であるか、「非リーチ保留情報」であるかによって、ステップS3916aで予告条件成立抽選が当選となる確率が異なっている。
ステップS3916aの予告条件成立抽選を行うと、ステップS3917aに進み、予告条件成立抽選の結果が当選であるか否かを判定する。そして、当選であると判定されると、ステップS3918aにおいて成立当選処理を実行する。具体的には、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が「ノーマルリーチを特定するリーチ保留情報」である場合には、前述の図60と同様な「リーチ用成立当選処理」を実行し、当該取得情報が「非リーチ保留情報」である場合には、前述の図61と同様な「非リーチ用成立当選処理」を実行する。但し、何れの場合においても、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数が、第1保留予告カウンタ若しくは第2保留予告カウンタに設定される。つまり、非特定ランクの保留情報がノーマルリーチを特定するリーチ保留情報であり、図60のS3319と同様な処理を行う場合には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第1保留予告カウンタに設定され、図60のS3321と同様な処理を行う場合には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第2保留予告カウンタに設定される。また、非特定ランクの保留情報が非リーチ保留情報であり、図61のS3414と同様な処理を行う場合には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第1保留予告カウンタに設定され、図61のS3416と同様な処理を行う場合には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(対象既得情報数)が、第2保留予告カウンタに設定される。具体的には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の数が「2」である場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「2」が設定される。例えば、既得情報の取得数が「3」であっても、2番目(取得順)に取得された既得情報について予告条件成立抽選に当選した場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「2」が設定される。
ステップS3918aにおいて予告条件成立処理を実行すると、ステップS3921aに進み、第2予告演出実行判定フラグと、第2検索フラグとを消去した後、予告演出実行判定処理を終了する。
ステップS3917aにおいて、予告条件成立抽選の結果が落選であると判定される場合、ステップS3919aに進む。このステップS3919aでは、第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)であるか否かを判定する。ここで、ステップS3919aの処理は、ステップS3912a若しくはステップS3915aの処理で設定した上限回数(Dmax)だけ、ステップS3916aの処理等を繰り返しても、予告条件成立抽選に当選できなかったりした場合には、第2予告演出実行判定処理を終了させる処理である。具体的には、既得情報の数が「3」の場合、既得情報1(Di=1)と、既得情報2(Di=2)と、既得情報3(Di=3)について、その記憶順にステップS3916a以降の処理を施しても、ステップS3917aの処理で肯定判定がなされない場合には、ステップS3919aの処理で第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)であると判定される。また、未だ、既得情報3(Di=3)についてステップS3919a以降の処理が施されていない場合には、ステップS3919aで否定的に判定される。
そして、上限値(Dmax)に達していなければ、ステップS3920aに移行し、第2検索カウンタ(Di)のカウント値を1インクリメントした後、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901の肯定判定と、ステップS3902の肯定判定を経てステップS3916a以降の処理に移行する。
一方、ステップS3919aで第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達したと判定すると、ステップS3921aの処理に移行し、第2予告演出実行判定フラグと、第2検索フラグとを消去した後、予告演出実行判定処理を終了する。なお、S3916a以降の処理をノーマルリーチを特定するリーチ保留情報と、非リーチ保留情報とで別個に行ってもよい。つまり、第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達するまで、ノーマルリーチを特定するリーチ保留情報についての予告条件成立抽選を行い、全て落選であった場合に、第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達するまで、非リーチ保留情報についての予告条件成立抽選を行ってもよい。
変形例4の具体例を示す図78(b)の例1では、既得情報1〜既得情報3として第5ランクの保留情報(非特定ランクの保留情報)が記憶され、既得情報4として第2ランクの保留情報(特定タンクの保留情報)が記憶されている場合を例示している。この場合、第2ランクの保留情報(特定ランクの保留情報)について予告条件成立抽選を行う。この場合、先読みゾーン当選を大当たり保留情報に基づく予告条件成立抽選を行うため、予告演出(第2予告演出)の実行確率が高くでき、予告演出(第2予告演出)を行い易くできる。
変形例4の具体例を示す図78(b)の例2では、既得情報1〜既得情報3として第5ランクの保留情報(非特定の保留情報)が記憶され、既得情報4として第1ランクの保留情報(特定の保留情報)が記憶されている場合を例示している。この場合、第2ランクの保留情報(特定の保留情報)に基づく予告条件成立抽選の当選確率を、第2ランクの保留情報(特定の保留情報)に基づく予告条件成立抽選の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、ランク付けが高い先読みゾーンにより当選させ易くすることができるので、遊技の幅が広がる。また、第1ランクの保留情報(特定の保留情報)に基づく予告演出の演出を第2ランクの保留情報(特定の保留情報)に基づく予告演出の演出よりも派手に出現させる(例えば、より希少な予告キャラクタを出現させる)こととしてもよい。その場合、例1の第1ランクの保留情報(特定の保留情報)よりもランク付けが高い特殊な先読みゾーンにより当選をさせ易くすることができるので、遊技の幅が広がる。
変形例4の具体例を示す図78(b)の例3では、既得情報1及び既得情報2として第5ランクの保留情報(非特定ランクの保留情報)が記憶され、既得情報3として第2ランクの保留情報(特定ランクの保留情報)が記憶され、既得情報4として第1ランクの保留情報(特定ランクの保留情報)が記憶されている。ここで、変形例4では、先に取得された既得情報から特定ランクの保留情報であるか否かの検討(チエック)を行う。そして、既得情報3についての予告条件成立抽選が落選であると、既得情報3よりも前に取得された既得情報(既得情報1、既得情報2)の順番で予告条件成立抽選を行う。この場合、既得情報4は第2ランクの保留情報(特定の保留情報)であり、既得情報3よりもランクの高い取得保留情報であるが、先に取得された所得保留情報3が対象保留(第2予告演出実行判定の対象となる所得保留情報)であるため、既得情報4について予告条件成立抽選を行わない。
変形例4では、特定ランクの保留情報の検索を簡単に行うため、第2予告演出実行判定を効率的に行うことができる。また、第2予告演出の対象となる保留情報に基づく遊技回として、スーパーリーチ演出を経て大当たり結果を表示する場合と、スーパーリーチ演出を経て外れ結果を表示する場合と、が生じ易いため、遊技興趣を更に高めることができる。
(4)なお、第1実施形態若しくは変形例4のパチンコ機10では、図80(b)に示すように、スーパーリーチを複数種類備え、スーパーリーチの種類に応じて予告条件成立抽選が当選となる確率が異なってもよい。例えば、変動時間がノーマルリーチを伴う場合よりも長い第1所定時間のスーパーリーチA(リーチ保留情報)と、変動時間が第1所定時間よりも長い第1所定時間のスーパーリーチB(リーチ保留情報)とを備え、スーパーリーチBが選択された場合の方が、スーパーリーチAが選択された場合よりも予告条件成立抽選が当選となる確率が高くされてもよい。この場合、15R確変大当たりを示す保留情報を「第1ランク」、通常大当たりを示す保留情報を「第2ランク」、スーパーリーチBを経て外れ結果を表示する保留情報を「第3ランク」、スーパーリーチAを経て外れ結果を表示する保留情報を「第4ランク」、ノーマルリーチを経て外れ結果を表示する保留情報は「第5ランク」、リーチを経ることなく外れ結果を表示する保留情報を「第6ランク」としてもよい。そして、「特定ランク」及び「非特定ランク」の区分けを適宜、行うことができ、例えば、「第1ランク」〜「第4ランク」が「特定ランクの保留情報」とされ、「第5ランク」及び「第6ランク」が「非特定ランクの保留情報」とされ、図79及び図80(a)を適用してもよい。或いは、「第1ランク」〜「第3ランク」が「特定ランクの保留情報」とされ、「第4ランク」〜「第6ランク」が「非特定ランクの保留情報」とされ、図79及び図80(a)を適用してもよい。つまり、スーパーリーチであっても、実行を伴う遊技回の変動時間の長短に応じて、「特定ランクの保留情報」及び「非特定ランクの保留情報」の区分けを行ってもよい。
(5)第1実施形態では、予告演出の対象となる遊技回を開始する際に既得情報の存否を確認し、当該遊技回が外れ結果を表示する場合に第2予告演出実行判定フラグを格納する態様を例示した。但し、図81(a)及び(b)の変形例5に示すように、予告演出の対象となる遊技回が終了したときに(S3810a若しくはS3860aで否定判定されるときに)、既得情報の存否を確認することとしてもよい。また、予告演出の対象となる遊技回の進行中(変動表示中)に、既得情報の存否を確認することとしたり、予告演出の対象となる遊技回の終了する間際(例えば、1秒前)に、既得情報の存否を確認したりすることとしてもよい。これらの場合、既得情報の存否を確認する時期が遅くなるため(保留予告に係る遊技回が開始してからとするため)、既得情報の数をより多くできる可能性がある(情報取得手段に上限数まで記憶できる可能性がある)。よって、高ランクの既得情報を得たり、予告条件成立抽選の機会を増やしたりすることができる。
(6)第1実施形態、変形例3〜5では、前述のように、予告演出の対象となる保留情報に基づいて実行される変動表示(対象遊技回)における表示結果や対象遊技回に伴い実行される演出の内容を、対象遊技回よりも前に開始される遊技回(以下、「事前遊技回」)の実行中に予告する態様を例示した。つまり、予告演出を対象遊技回(当該変動)に伴い行うのではなく、事前遊技回に伴い行う態様を例示したが、予告演出を事前遊技回及び対象遊技回(当該変動)に伴い行ってもよいし、対象遊技回(当該変動)のみに伴って行ってもよい。例えば、事前遊技回の途中において15R確変大当たり若しくは通常大当たりの発生を示唆するキャラクタを出現させ、対象遊技回(当該変動)の開始時や対象遊技回(当該変動)の実行途中に大当たりの発生を示唆するキャラクタを出現させたり、遊技盤24面に取り付けられた可動物を動作させたりしてもよい。
(7)第1実施形態では、第1示唆演出を構成する予告演出が対象とする遊技回の表示結果が外れ(2R確変大当たりも含む)の場合に第2予告演出を実行可能としたが、当該遊技回における表示結果が「15R確変大当たり若しくは通常大当たり」であっても、第2予告演出を実行可能としてもよい。例えば、第1示唆演出を伴う遊技回が終了された後、第1示唆演出の対象となる遊技回が開始され、当該対象となる遊技回の表示結果が「15R確変大当たり若しくは通常大当たり」となり、開閉実行モードとなる場合を想定する。この場合、当該対象となる遊技回を開始する際に、取得保留情報記憶手段に複数の既得情報を記憶していたものとする。この場合、最先に取得された既得情報以外の既得情報を対象に第2予告演出を実行可能(例えば、確変大当たり推測キャラクタ)とする。これにより、遊技者に実行可能な連チャン回数が多くなるのではないか?(開閉実行モードを繰り返し実行できる可能性が高いのでは?)ということを報知でき、遊技興趣を更に高めることができる。
(8)また、第1実施形態では、15R確変大当たりの発生を示す保留情報と、通常大当たりの発生を示す保留情報とにおいて、予告条件成立処理の当選確率に差異を設ける場合には、15R確変大当たりの発生を示す保留情報の方が、通常大当たりの発生を示す保留情報よりも高くされてもよい。つまり、遊技者にとってより大きな利益を与える15R確変大当たりの発生を示す保留情報について、予告演出や第2予告演出の実行確率(決定確率)を高めてもよい。
(9)第1実施形態では、予告演出が対象とする遊技回の表示結果が外れ(2R確変大当たりも含む)の場合に既得情報が存在する場合には、第2予告演出実行判定処理を何度でも行う態様を例示した。このため、第2予告演出が対象とする遊技回の表示結果が外れ(2R確変大当たりも含む)の場合に既得情報が存在する場合には、第2予告演出実行判定処理を再度行うことになる。つまり、予告演出を終了する際に、図67(図68)のステップS3811(S3861)の処理で肯定判定されると、再び、第2予告演出が実行される可能性がある。但し、第2予告演出の実行回数を制限してもよい。例えば、予告演出が対象とする遊技回の表示結果が外れ(2R確変大当たりも含む)の場合に、第2予告演出実行判定処理を1回に限り行うこととしてもよいし、2回に限り行うこととしてもよい。例えば、1回に限り行う場合には、通常の予告(第1示唆演出)の後、1回目の第2予告演出実行判定処理を行うと、第2予告演出実行判定処理を再び行うことを禁止するフラグを設定する。そして、再び、通常の予告(第1示唆演出)を行う場合に、当該フラグを消去することとしてもよい。
(10)第1実施形態では、予告演出(以下、前者という。)の実行の可否について予告条件成立抽選の当選確率と、当該予告演出の終了後において実行される第2予告演出(以下、後者という。)の実行の可否について予告条件成立抽選の当選確率との間に差異を設けなかったが、両者に差異を設けることとしてもよい。例えば、後者の当選確率を前者の当選確率よりも高くしてもよい。特に、既得情報に大当たり保留情報が含まれる場合には、当選確率を特に高確率(例えば、70〜100%の何れか)とすることができる。この場合には、予告演出(前者)の対象となる遊技回がスーパーリーチ演出を経て外れ結果を表示したもの(遊技者が非常に残念な遊技回)であった場合に、それを第2予告演出(後者)で救済し、一気に遊技興趣を高めることができる。つまり、予告演出(前者)で限界近くまで高まったが、外れ結果の表示で一気に沈んだ期待を、第2予告演出(後者)の開始で一気に高めることができ、遊技興趣を効果的に向上させることができる。
(11)第1実施形態では、予告条件成立抽選に当選しても、発生抽選処理(図64,図65)で当選(発生当選)しなければ、予告演出や第2予告演出が実行されない態様を例示した。但し、発生抽選処理を省略し、予告条件成立抽選に当選したら、予告演出や第2予告演出を実行することとしてもよい。また、予告演出及び第2予告演出のうちの一方において、発生抽選処理を省略してもよい。
(12)第1実施形態では、第1予告演出が終了し、結果表示部用保留エリア(Ra、Rb)の第1エリアに記憶されていた対象保留が実行エリアREに移動(シフト)したとき、結果表示部用保留エリア(Ra、Rb)に記憶されている保留情報(つまり、既得情報)に基づいて第2予告演出を行う態様を例示した。しかも、第1実施形態では、図54のS3003に示すように、オープニングコマンドを受信した場合には、格納されている第1予告条件成立フラグを消去するため、上作動口33への入賞に係る保留情報について保留予告を行うように設定されている状況では、開閉実行モードへの移行に際して解消され、下作動口34への入賞に係る保留情報について保留予告を行うように設定されている状況では第2予告条件成立フラグは消去されないこととなっている。この場合、下作動口34への入賞に係る保留情報について保留予告を行うように設定されている状況においても、第2予告条件成立フラグを消去し、下作動口34への入賞に基づき格納された保留情報についての保留予告も、開閉実行モードを跨いで実行されなくしてもよい(以下、変形例6という)。或いは、オープニングコマンドを受信した場合には、格納されている第1予告条件成立フラグや第2予告条件成立フラグを消去しないこととし、上作動口33への入賞に係る保留情報について保留予告を行うように設定されている状況では、開閉実行モードを跨いで実行してもよい(以下、変形例7という)。
(13)第1実施形態では、第1予告演出が終了し、結果表示部用保留エリア(Ra、Rb)の第1エリアに記憶されていた対象保留が実行エリアREに移動(シフト)したとき、結果表示部用保留エリア(Ra、Rb)に記憶されている保留情報(つまり、既得情報)に基づいて第2予告演出を行う態様を例示した。但し、図82(a)の変形例8に示すように、開閉実行モードが終了したとき、結果表示部用保留エリア(Ra、Rb)に記憶されている保留情報(以下、「記憶済み保留情報」という。)が存在する場合、この「記憶済み保留情報」に基づいて、予告演出(以下、「第3予告演出」という。)を実行可能としてもよい。ここで、図82(a)は、「第3予告演出実行判定フラグ設定処理」を示しており、「第3予告演出実行判定フラグ設定処理」が起動すると、表示制御装置212のMPU252は、ステップ3881にてエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。そして、エンディングコマンドを受信したと判定すると、ステップ3882にて「記憶済み保留情報」が存在するか否かを判定する。
そして、ステップ3882にて肯定判定すると、ステップ3883に進み、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第3予告演出実行判定フラグ格納エリア(第3予告演出実行判定情報記憶手段)に第3予告演出実行判定フラグ(第3予告判定実行情報)を格納し、「第3予告演出実行判定フラグ設定処理」を完了する。そして、第3予告演出実行判定フラグが格納されると、図示しない第3予告演出実行判定処理が実行される。そして、この第3予告演出実行判定処理においても、大当たり情報等の予告抽選の当選確率の高い「記憶済み保留情報」を優先して予告抽選を行ってもよい。この場合、予告抽選に当選すると、発生抽選を行うか否かを問わない。
なお、ステップ3881若しくはステップ3882で否定判定すると、第3予告実行判定フラグを第3予告演出実行判定フラグ格納エリアに格納せず、「第3予告演出実行判定フラグ設定処理」を完了する。この場合、第3予告演出を実行することはない。また、「記憶済み保留情報」を遊技状態が開閉モードに移行する前に結果表示部用保留エリア(Ra、Rb)に記憶された保留情報に限定してもよいし、開閉モードに移行する前及び開閉モードに移行中に記憶された保留情報であってもよい。
変形例8においては、第2予告演出実行判定フラグを第3予告演出実行判定フラグに読み代え、「既得情報」を「記憶済み保留情報」に読み代え、第2予告演出実行判定(図69、図70、図79、図80、図89、図110、図111を適用できる。また、「対象既得情報数」を「記憶済み保留情報数」に読み代え、大当たり用成立当選処理(図59、図105)、リーチ用成立当選処理(図60、図106)、非リーチ用成立当選処理(図61、図107)を適用できる。ここで、「記憶済み保留情報数」は、予告条件成立抽選に当選した記憶済み保留情報の発生順位を示す数であり、これらの成立当選処理において、第1保留予告カウンタ若しくは第2保留予告カウンタに「記憶済み保留情報数」がセットされる。
(14)前述のように、第1実施形態では、予告条件成立抽選が当選となった既得情報よりも発生順位が遅い既得情報、つまり、図82(b)及び(c)に示す変形例9のように、予告条件成立抽選が当選となった既得情報(対象既得情報)よりも後に結果表示部用保留エリア(Ra、Rb)に記憶された既得情報が存在する場合に、実行中の第2予告演出の見直しを行ってもよい。つまり、対象既得情報よりも後に記憶された既得情報が存在する場合、例えば、当該後に記憶された既得情報を新たな対象既得情報とし、第2予告演出の演出期間、演出見直しを行ってもよい。具体的には、図82(b)の具体例に示すように、対象保留情報(第1予告演出抽選に当選した保留情報)の消化時に第2エリアに記憶されていた既得情報bが対象既得情報(第2予告演出抽選に当選した既得情報)であるが、第3エリアにも既得情報cが記憶されていたとする。この場合、対象保留情報(第1予告演出抽選に当選した保留情報)の消化時に、第1エリアに記憶されていた既得情報aを消化し、当該既得情報aに基づく変動表示を行い、第2予告演出を実行しているときに、対象既得情報を既得情報cに差し替え、第2予告演出の継続期間を長くしたり(第2予告演出の連続回数を多くしたり)、演出内容を変更したり、より熱い演出内容(つまり、「200%絶対大当たり結果が発生」等より大当たり結果発生に関する強行な報知)としたりしてもよい。
特に、後述する第3実施形態に示すように、取得可能な既得情報の数が多い遊技機では、この対象既得情報の変更は有効である。例えば、図82(c)に示すように、対象保留情報(第1予告演出抽選に当選した保留情報)の消化時に第4エリアに記憶されていた既得情報gが対象既得情報(第2予告演出抽選に当選した既得情報)であるが、第7エリアまで既得情報hが記憶されていたとする。この場合、対象保留情報よりも前に記憶された既得情報d〜fのうちの何れかの既得情報を消化し、当該既得情報に基づく変動表示を行い、第2予告演出を実行しているときに、対象既得情報を既得情報hに差し替え、第2予告演出の継続期間を長くしたり(第2予告演出の連続回数を多くしたり)、演出内容を変更したり、より熱い演出内容としたりしてもよい。
次に、図83(a)を用いて、変形例9の第1フラグ消去処理(第2フラグ消去処理)の特徴を説明する。この変形例9の第1フラグ消去処理(第2フラグ消去処理)では、ステップS3807(ステップS3857)で否定判定されると、ステップS3807aに進み、見直し条件が成立しているか否かを判定する。ここで、見直し条件としては、既得情報を消化して実行する第1フラグ消去処理(第2フラグ消去処理)において、例えば、「未消化の既得情報であって対象既得情報よりも後に記憶されたもの存在し、かつ、当該未消化の既得情報が上位の演出の実行契機となるもの(後述する)」である場合を例示できる。
そして、ステップS3807aで肯定判定すると、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた見直しフラグ格納エリアに見直しフラグを格納し、第1フラグ消去処理(第2フラグ消去処理)を終了する。なお、ステップS3807aで否定判定される場合と、ステップS3807(S3857)で肯定判定する場合は、第1実施形態と同様である。そして、図示を省略するが見直しフラグがセット(見直しフラグ格納エリアに格納)されると、見直し処理が起動し、第2予告演出の演出内容を変更する処理と、未消化の既得情報であって対象既得情報となったものの発生順位を示す数を考慮した数に既得情報数を変更する処理を行った後、見直しフラグを解除(見直しフラグ格納エリアから消去)する処理を行った後、見直し処理を終了する。
次に、前述の「上位の演出の実行契機となる既得情報」について図83(b)の具体例を用いて説明する。つまり、第1予告抽選若しくは第2予告抽選に当選した場合に実行される予告演出(第1予告演出、第2予告演出)は、予告演出ランクが高いほど、派手な態様(例えば、予告演出ランクが高いほど、出現する予告キャラクタの数が増えたり、出現頻度が低い予告キャラクタが出現したりする態様)となり、予告演出ランクが低いほど、地味な態様(例えば、予告演出ランクが低いほど、出現する予告キャラクタの数が減ったり、出現頻度が高い予告キャラクタが出現したりする態様)となるものとする。この具体例では、対象既得情報(対象保留情報)が、「対象既得情報(対象保留情報)が確変対応保留コマンド」である場合に、最高の予告演出ランク1とされ、「対象既得情報(対象保留情報)が通常対応保留コマンド」である場合に、次に予告演出ランクが高い予告演出ランク2とされる。そして、変形例9では、「対象既得情報(対象保留情報)がスーパーリーチ情報」である場合、スーパーリーチ情報の種類に応じて複数種類のスーパーリーチ(出現する予告キャラクタの数、出現頻度が異なるスーパーリーチ)のうちの何れかが実行されるものとする。そして、第2予告抽選(第1予告抽選)に当選した対象既得情報(対象保留情報)が「スーパーリーチ情報」である場合、そのスーパーリーチ情報の種類に応じて、予告演出ランクが異なる第2予告演出(第1予告演出)が出現するものとする。
そして、例えば、対象既得情報が予告演出ランク5の第2予告演出を実行中である場合において、対象既得情報よりも後に記憶された既得情報が予告演出ランク3の第2予告演出を実行可能である場合、当該後に記憶された既得情報を新たな対象既得情報に差し替えてもよい。なお、予告演出ランク3は、予告演出ランク5よりも予告ランクが高いものとする。
(15)また、第2予告演出の設定を行う際に、前述の図59〜61に示すように、第1保留予告カウンタ若しくは第2保留予告カウンタに「対象既得情報数」を設定する必要があるが、表示制御装置212は、「対象既得情報数」の設定を、各既得情報を受信したときの保留コマンドが特定する保留個数を利用したり、その他の方法で特定できる。例えば、主制御装置81の保留エリアRa,Rbのように、表示制御装置212の記憶手段(RAM等)に設けられた所定の記憶エリアが、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアに分けられているものとする。そして、表示制御装置212が保留コマンドが受信すると、保留コマンドが特定する保留情報を第1エリア〜第4エリアの順に格納可能である。また、第1エリア〜第4エリアが、それぞれ個の保留情報を格納可能であり、下位の第1エリアから上位の第4エリアの順に空きエリアが順に格納されていく。そして、変動表示が開始する度に第1エリアに格納された保留情報から順に消去される。そして、第2エリア以降(第2エリアよりも上位)に保留情報が格納されていると、第1エリアの保留情報の消化(第1エリアから実行エリアにシフト)に伴い、上位の保留情報が一個下位のエリア(例えば、第2エリアから第1エリア、第3エリアから第2エリア、第4エリアから第3エリア)にシフトする。つまり、第1エリア〜第4エリアへの保留コマンドの格納の手順は先入れ、先出し方式となっているものとする。
この場合、対象保留情報が第1エリアから消去されると(第1エリアの対象保留情報が消化されると)、第1エリア〜第4エリアの保留情報は第1エリア〜第3エリアにシフトする。そして、表示制御装置212が新たな保留情報(既得情報)を受信すると、第1エリア〜第2エリアまで先に受信した保留情報(既得情報)が格納されていれば、新たに受信した保留情報(既得情報)は第3エリアに格納される。このため、第2予告抽選に当選した既得情報のエリアが第1エリア〜第4エリアのちの何れかを検索すること等によって、「前対象既得情報」と、「対象既得情報」を見つけ出すことができる。なお、保留情報を2種類(第1保留情報、第2保留情報)備える遊技機では、第1保留情報用の記憶エリアと、第2保留情報用の記憶エリアとを備えてもよい。
また、第1予告抽選の結果が当選となり、第1予告演出を開始する場合に、それ以降に取得する保留情報(保留コマンド)の数をカウントし、順次取得される既得情報の取得順を示す情報を保留コマンド(保留情報)に付加してもよい。例えば、図84の(a)、(b)に示すように、図59、60、61のステップS3216、S3218、S3319、S3321、S3414若しくはS3416において、計測フラグをセットする。つまり、第1予告抽選の結果が当選となると、計測フラグをセットする。そして、図54のコマンド対応処理において、図84(e)に示すように、ステップS3011において保留コマンドを受信したと判定すると、ステップS3011cに進み、計測フラグがセットされているか否かを判定する。そしてステップS3011cで肯定判定されると、ステップS3211dに進む。このステップS3011dにおいては、計数カウンタCRがインクリメントされる。そして、ステップS3012の保留コマンド対応処理が実行され、その際、保存される保留コマンドには、計数カウンタCRのカウント値を特定するデータが付加される。このため、対象既得情報に係る保留コマンドを取得したときの「計数カウンタCRのカウント値」を特定することで、「対象既得情報数」を特定することができる。なお、図67、図68のステップS3808、S3858で、予告条件成立フラグを消去する際に、計測フラグが消去されると共に、計数カウンタCRが「0」に初期化される。
(16)また、保留予告の設定条件として、対象保留情報(対象既得情報)となるべき保留情報(既得情報)よりも先に取得した保留情報(前対象既得情報)が存在することを条件としてもよい。例えば、対象保留情報(対象既得情報)よりも前に記憶された前対象保留情報(前対象既得情報)に基づいて実行される変動表示において、「対象保留情報(対象既得情報)に基づく変動表示の表示結果を推測(予告)する演出」を行うが、対象保留情報(対象既得情報)では当該推測(予告)する演出」を行わない態様では、対象保留情報(対象既得情報)によりも先に取得した保留情報(前対象既得情報)が存在することを条件としてもよい。この場合、例えば、以下の手法を例示できる。つまり、図56(a)、(b)若しくは図57(a)の第1予告抽選(第2予告抽選)において、先ず、第1予告抽選(第2予告抽選)の対象となるべき保留情報(既得情報)よりも前に取得された保留情報(既得情報)が存在するか否かを判定する。そして、肯定判定される場合には、一般的な当選確率(当選確率が「ゼロ」とならない当選確率)で第1予告抽選(第2予告抽選)を実行する。一方、否定判定される場合には、当選確率が「ゼロ」の特殊な当選確率で第1予告抽選(第2予告抽選)を行う。つまり、第1予告抽選(第2予告抽選)を行う場合には、対象となる保留情報(既得情報)が、対応する結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に格納されているとき、対象となる保留情報(既得情報)に基づく第1予告抽選(第2予告抽選)が当選する可能性があるが、対応する結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に格納されていないとき、第1予告抽選(第2予告抽選)が当選する可能性を「ゼロ」としてもよい。
(17)第1実施形態では、解消動作の実行時間(ソレノイド77aを励磁している時間)を1.8秒(前述の発射周期の3倍)としているが、この解消動作の実行時間を0.6秒(前述の発射周期)、1.2秒(前述の発射周期の2倍)、或いは、0.9秒(前述の発射周期の1.5倍)等の種々の時間から選択することができる。なお、解消動作の実行時間を十分な時間にすると(例えば、前述の発射周期の3倍以上にすると)、解消動作(戻り球等を排出する動作)を確実に行うことができるが、解消動作実行時間を長くし過ぎると(例えば、前述の発射周期の6倍以上にすると)、遊技が進行しない時間が長くなり、遊技者に冗長な感じを与える可能性がある。
ここで、解消動作の実行時間を複数の時間から選択する態様(例えば、上述のように、発射周期の1倍、1.5倍、2倍若しくは3倍から選択する態様)では、当該選択がパチンコ機10の設計時や製造時になされ、当該パチンコ機10がパチンコホールに設置される段階で、解消動作の実行時間が一の時間に定められていてもよい。或いは、パチンコ機10が製造メーカから出荷される段階では解消動作の実行時間の候補が複数個定められ、当該パチンコ機10がパチンコホールに設置された後に、所定の選択手段を操作することで、複数個の「解消動作の実行時間」のなかから一の時間を選択してもよい。この選択手段は、遊技者が操作可能なものであってもよいし、遊技者が操作不可能なもの(当該パチンコ機10の管理者やパチンコホールの店員が操作でき、遊技者が操作できない選択手段)であってもよい。
また、当該パチンコ機10がパチンコホールに設置された後の経過期間(以下、設置期間という。)に基づいて、解消動作の実行時間を変更する(長くする、若しくは、短くする)こととしてもよい。例えば、当該パチンコ機10が設置期間を計測する設置期間計測手段と、設置期間計測手段の計測結果に基づいて解消動作の実行時間を設定する実行時間設定手段とを備えてもよい。例えば、設置期間計測手段によって当該パチンコ機10の設置期間が「6月」未満と判定されると解消動作の実行時間として発射周期の1.5倍の時間が設定され、当該設置期間が「6月〜12月」の間と判定されると、解消動作の実行時間として発射周期の2倍の時間が設定される。そして、当該設置期間が「12月」を超えると判定されると、解消動作の実行時間として発射周期の3倍の時間が設定されることとしてもよい。この場合、当該パチンコ機10の設置期間(使用期間)が長くなるほど、解消動作の実行時間が長くなる。つまり、当該パチンコ機10が古くなり、戻り球を生じ易くなった場合等においても、解消動作を確実に行うことができる。なお、後述する第4実施形態では、戻り球の解消動作の達成度合に応じて解消動作の実行時間を変更する態様を例示する。
(第2実施形態)
第2実施形態においても「パチンコ機」の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。このパチンコ機10では、第2予告演出実行判定処理の内容を第1実施形態の第2予告演出実行判定処理に比べて簡略化したものである。なお、第2実施形態においても、図1〜図4をそのまま使用できる。
第2実施形態のパチンコ機10は、第1実施形態のパチンコ機10と同様な外枠11と、遊技機本体12と、遊技盤24を有する。また、第2実施形態のパチンコ機10の「前扉枠14の構成」と「背面側の構成」は第1実施形態のパチンコ機10の「前扉枠14の構成」と「背面側の構成」と同様である。そして、上記第1実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
また、第2実施形態においては、「電気的構成(図15、16)」、「図柄表示装置41の表示内容(図17)、「各種カウンタ(図18)」、「当否テーブル(図19)」、「大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(図20)」、「リーチ表示(リーチ状態)に関する事項」、「保留球格納エリア232(図21)」、「タイマ割込み処理(図22〜図25)」については第1実施形態と同様である。
但し、表示制御装置212にて実行される予告演出に関連する処理の内容が以下のように異なっている。つまり、「コマンド対応処理」、「保留コマンド対応処理」、「リーチ用予告条件成立処理」、「非リーチ用予告条件成立処理」、「第1フラグ消去処理」、「第2フラグ消去処理」及び「第2予告演出実行判定処理」の内容が、以下のように第1実施形態の対応する処理とその内容が異なっている。以下、これらの点について説明する。
図85に示すように、「コマンド対応処理」においては、ステップS3011と、ステップS3012との間にステップS3011a及びステップS3011bとが設けられている点が、第1実施形態と異なる。つまり、「コマンド対応処理」においてステップS3011で、今回の読み出し対象のコマンドが保留コマンドである判定される場合には、ステップS3011aに進む。このステップS3011aでは、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2予告演出準備フラグ格納エリアに第2予告演出準備フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS3011aで否定判定される場合(第2予告演出準備フラグが格納されていていない場合)、そのままステップS3012に進み、保留コマンド対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。これに対して、ステップS3011aで肯定判定される場合(第2予告演出準備フラグが格納されている場合)には、第2予告演出準備カウンタCpを1インクリメントした後、ステップS3012に進み、保留コマンド対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。ここで、第2予告演出準備フラグとは、「予告演出を実行すること」が決定されたことを、MPU252にて特定するための保留情報である。この第2実施形態では、「予告演出を実行すること」が決定された場合、第2予告演出準備フラグを第2予告演出準備フラグ格納エリアに格納するため、第2実施形態のパチンコ機10が「第2予告演出」の準備状態に突入したことをMPU252において把握する。
また、第2予告演出準備カウンタCpとは、第2予告演出実行判定処理を行う際に、対象となる大当たり保留情報が何番目に取得された既得情報であるかを特定するために使用するカウンタである。この第2予告演出準備カウンタCpは、第2予告演出準備フラグが格納されているときに、MPU252が保留コマンドを受け取る度に、その値が1インクリメントされる。
更に、第2実施形態の「保留コマンド対応処理」では、図86に示すように、ステップS3102の処理と、ステップS3103の処理の間に、ステップS3102aの処理と、ステップS3102bの処理が設けられている点が第1実施形態の「保留コマンド対応処理」と異なる。ステップS3102bの処理は、第2予告演出準備フラグが格納されている状態(以下、第2予告演出準備状態という。)で表示制御装置212が確変対応コマンド又は通常対応コマンドを受信した場合において、当該受信した「確変対応コマンド又は通常対応コマンド」が、「第2予告演出準備状態となってからMPU252受信した保留コマンド」のうちの何番目の保留コマンドであるかを特定するための処理である。
つまり、第2実施形態の「保留コマンド対応処理」ではステップS3102の処理を終了すると、ステップS3102aに進み、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2予告演出準備フラグ格納エリアに第2予告演出準備フラグが格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3102aで否定判定される場合には、そのままステップS3103に移行する。一方、ステップS3102aで肯定判定される場合には、ステップS3102bに進み、その時点(ステップS3101を実行した時点)の第2予告演出準備カウンタCpの値を取得した後(所定の記憶エリアに記憶した後)、ステップS3103に進む。このステップS3102bの処理は、第2予告演出準備フラグが格納されている状況において、ワークRAM252に設けられた所定の記憶エリアに「確変対応コマンド又は通常対応コマンド」を受信したときの第2予告演出準備カウンタCpの値を記憶する処理である。
例えば、ステップS3102bで取得した「第2予告演出準備カウンタCpの値」が「3」であると、ステップS3101の処理で受信した確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドは、取得保留情報3(3番目に取得した取得保留情報)であることが特定される。蓋し、この設例の場合、図85の「コマンド対応処理」のステップS3011bにおいて、「第2予告演出準備カウンタCpの値」が「3」となっているからである。
第2実施形態の「リーチ用予告条件成立当選処理」では、図87(a)に示すように、ステップS3319若しくはステップS3321を実行した後、ステップS3322に進む。そして、ステップS3322において、第2予告演出準備フラグ格納エリアに第2予告演出準備フラグが格納する処理と、第2予告演出準備カウンタCpの値を「0」にする(初期化)処理を行った後、「リーチ用予告条件成立当選処理」を終了する。
第2実施形態の「非リーチ用予告条件成立当選処理」では、図87(b)に示すように、ステップS3414若しくはステップS3416を実行した後、ステップS3417に進む。そして、ステップS3417において、第2予告演出準備フラグ格納エリアに第2予告演出準備フラグを格納する処理と、第2予告演出準備カウンタCpの値を「0」にする(初期化)処理を行った後、「リーチ用予告条件成立処理」を終了する。
なお、第2実施形態の「大当たり用成立当選処理(図59を参照)」では、ステップS3216若しくはステップS3218を実行した後、そのまま「大当たり用予告条件成立処理」を終了する。つまり、予告対象となる遊技回が「大当たり結果」を表示して終了する場合には、第2予告演出が実行されることはないため、第2予告演出準備フラグ格納エリアに第2予告演出準備フラグを格納したり、第2予告演出準備カウンタCpの値を「0」にする(初期化)処理する処理を行ったりする必要はない。但し、予告対象となる遊技回が「大当たり結果」を表示して終了する場合に第2予告演出が実行される場合には、ステップS3216若しくはステップS3218を実行した後、第2予告演出準備フラグ格納エリアに第2予告演出準備フラグを格納したり、第2予告演出準備カウンタCpの値を「0」にする(初期化)処理を行ったりする。
更に、図88(a)を用いて第2実施形態の第1フラグ消去処理の特徴を説明し、図88(b)を用いて第2実施形態の第2フラグ消去処理の特徴を説明する。
第2実施形態の第1フラグ消去処理においても、ステップS3801〜ステップS3809の内容は第1実施形態の第1フラグ消去処理と同様である。但し、第2実施形態の第1フラグ消去処理においては、ステップS3809を実行した後の処理の内容が異なっている。つまり、第2実施形態の第1フラグ消去処理では、ステップS3809の処理を実行すると、ステップS3810bの処理に移行し、第2予告演出準備フラグ格納エリアに第2予告演出準備フラグが格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3810bで格納されていないと判定すると、そのまま第2実施形態の第1フラグ消去処理を終了する。
一方、ステップS3810bの処理で肯定判定される場合(第2予告演出準備フラグが格納されていると判定される場合)、ステップS3811bの処理に移行する。そして、ステップS3811bにおいて、第2予告演出準備カウンタの値が正数値であるか否かを判定し、否定判定される場合にはステップS3811cの処理に進む。更に、ステップS3811cで、第2予告演出準備フラグを消去する処理を行うと第2実施形態の第1フラグ消去処理を終了する。つまり、第2予告演出準備状態になってから、表示制御装置212が保留コマンドを受信していない場合には、ステップS3811bにおいて否定判定され、ステップS3811cの処理を経て第2実施形態の第1フラグ消去処理を終了する。
これに対して、ステップS3811bにおいて、第2予告演出準備カウンタの値が正数値であると判定される場合にはステップS3812bの処理に進む。そして、ステップS3812bで、第2予告演出準備フラグを消去する処理と、第2予告演出実行判定フラグ格納エリアに第2予告演出実行判定フラグを格納する処理と、を行った後、第2実施形態の第1フラグ消去処理を終了する。
第2実施形態の第2フラグ消去処理においても、ステップS3851〜ステップS3859の内容は第1実施形態の第2フラグ消去処理と同様である。但し、第2実施形態の第2フラグ消去処理においては、ステップS3859を実行した後の処理の内容が異なっている。つまり、第2実施形態の第2フラグ消去処理では、ステップS3859の処理を実行すると、ステップS3860bの処理に移行し、第2予告演出準備フラグ格納エリアに第2予告演出準備フラグが格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3860bで格納されていないと判定すると、そのまま第2実施形態の第2フラグ消去処理を終了する。
一方、ステップS3860bの処理で肯定判定される場合(第2予告演出準備フラグが格納されていると判定される場合)、ステップS3861bの処理に移行する。そして、ステップS3861bにおいて、第2予告演出準備カウンタの値が正数値であるか否かを判定し、否定判定される場合にはステップS3861cの処理に進む。更に、ステップS3861cで、第2予告演出準備フラグを消去する処理を行うと第2実施形態の第2フラグ消去処理を終了する。つまり、第2予告演出準備状態になってから、表示制御装置212が保留コマンドを受信していない場合には、ステップS3861bにおいて否定判定され、ステップS3861cの処理を経て第2実施形態の第1フラグ消去処理を終了する。
これに対して、ステップS3861bにおいて、第2予告演出準備カウンタの値が正数値であると判定される場合にはステップS3862bの処理に進む。そして、ステップS3862bで、第2予告演出準備フラグを消去する処理と、第2予告演出実行判定フラグ格納エリアに第2予告演出実行判定フラグを格納する処理と、を行った後、第2実施形態の第2フラグ消去処理を終了する。
次に、第2実施形態の第2予告演出実行判定処理について図89及び図70のフローチャートを用いて説明する。この第2実施形態の第2予告演出実行判定処理が起動すると、ステップS3901bにおいて第2予告演出実行判定フラグ格納エリアに第2予告演出実行判定フラグが格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3901bで第2予告演出実行判定フラグが格納されていないと判定すると第2予告演出実行判定処理をそのまま終了する。
一方、第2予告演出実行判定フラグが格納されている場合には、ステップS3902bに進み、2次検索フラグが、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた2次検索フラグ格納エリア(2検索次保留情報記憶手段)に格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3902bで肯定判定されると、図70のステップS3920の処理に移行し、ステップS3902bで否定判定されると、ステップS3903bの処理に移行する。
ここで、第2実施形態において、既得情報の中に大当たり保留情報(大当たり保留情報)が存在する場合には、当該大当たり保留情報が何番目に取得された既得情報であるかが、取得したCp値(図86のステップS3102bの処理で取得したCp値)に基づいて特定される。そして、2次検索フラグは、既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)であって有効なものに基づいて、その記憶順に予告条件成立抽選を行う状況であることをMPU252にて特定するための情報である。この2次検索フラグは、既得情報中に大当たり保留情報が存在しなかったり、当該大当たり保留情報に有効な大当たり保留情報でなかったり、当該大当たり保留情報に基づく予告条件成立抽選に落選したりすると、2次検索フラグ格納エリアに格納される。また、既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)に基づく予告条件成立抽選の結果が当選となるか、既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)の全てに基づく予告条件成立抽選の結果が落選となると消去される。
第2予告演出実行判定フラグが格納され、しかも、2次検索フラグが存在しない場合には、ステップS3903bに進む。このステップS3903bの処理では、Cp値は特定されている(Cp値に基づいて大当たり保留情報の取得順位が特定されている)か否かが判定される。そして、ステップS3903bで肯定判定されると、ステップS3904bに進み、当該大当たり保留情報(Cp値に基づいて取得順位特定されるが大当たり保留情報)が有効な大当たり保留情報であるか否かを判定する。この有効な大当たり保留情報であるか否かの判定を前述の図71(a)に示すフローチャートを用いて行うことができる。そして、ステップS3904bの処理を実行すると、ステップS3905bに進む。なお、第2実施形態において、図71(a)及び(b)の情報に有効性に関する判定を省略してもよい。この場合、図55及び図86で示す保留コマンド対応処理より、ステップS3106〜S3109に至る処理と、ステップS3104〜S3105に至る処理を排除してもよい。つまり、ステップS3105で否定判定されるとステップS3110に進み、ステップS3112で否定判定されるとステップS3116に進むこととしているが、第1実施形態と同様に、ステップS3106〜S3109に至る処理と、ステップS3104〜S3105に至る処理を行うこととしてもよい。
ステップS3905bで有効な大当たり保留情報フラグが格納されている(有効な大当たり保留情報である)と判定されると、ステップS3906bに進み、有効情報フラグを消去した後、ステップS3908bに進む。このステップS3908bでは大当たり用の予告条件成立抽選は前述の図56(a)のS3201の処理と同様である。このステップS3908bを行うと、ステップS3909bに進む。そして、ステップS3909bにおいて大当たり用の予告条件成立抽選が当選であると判定されると、ステップS3910bにおいて大当たり用成立当選処理を実行する。この大当たり用の成立当選処理は、前述の図59と同様な処理である。但し、ステップS3910bの処理において実行されるステップS3216の処理では、取得したCp値(図86のステップS3102bの処理で取得したCp値)が第1保留予告カウンタに設定され、ステップS3218の処理では、取得したCp値(図86のステップS3102bの処理で取得したCp値)が第2保留予告カウンタに設定される。具体的には、予告条件成立抽選に当選した既得情報(大当たり保留情報)のCp値が「3」である場合、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「3」が設定される。つまり、既得情報の取得数が「3」であっても、2番目(取得順)に取得された既得情報(大当たり保留情報)について予告条件成立抽選に当選した場合には、第1保留予告カウンタ(第2保留予告カウンタ)に「2」が設定される。
ステップS3910bの処理を実行すると、ステップS3912bに進み、第2予告演出実行判定フラグを消去する処理を実行した後、第2実施形態の第2予告演出実行判定処理を終了する。
ステップS3905bにおいて、有効な大当たり保留情報フラグが格納されていない(有効な大当たり保留情報でない)と判定されると、ステップS3907bに進み、無効情報フラグを消去し、ステップS3911bに進む。また、ステップS3909bにおいて大当たり用の予告条件成立抽選が落選であると判定される場合もステップS3911bに進む。このステップS3911bの処理では既存情報の個数が「1」であるか否かを判定し、既存情報の個数が「1」である場合には、第2実施形態の第2予告演出実行判定処理を終了する。
一方、ステップS3911bの処理で既存情報の個数が「1」でないと判定されると、ステップS3913bに進み、「Cp値」が2以上であるか否かを判定する。そして、ステップS3913bで否定判定される場合には、ステップS3915bを実行し、一旦、第2実施形態の第2予告演出実行判定処理を終了する。これに対して、ステップS3913bで肯定判定される場合には、ステップS3914bの処理に移行し、2次検索フラグを2次検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として「Cp−1」を設定する処理とを実行した後、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、図89のS3901bの肯定判定と、S3902bの肯定判定を経て図70のステップS3920に移行する。なお、図70の内容は第1実施形態と同様である。なお、ステップS3913bにおいて否定判定されると(取得情報1の大当たり保留情報が無効であったり、第2予告抽選に落選であったりする場合)には、ステップS3909eに進み、第2予告演出実行判定処理を終了する。
また、ステップS3903bの処理で否定判定される場合には、つまり、Cp値は特定されていない(既得情報の中に大当たり保留情報が存在しない)と判定されると、ステップS3915bの処理に移行し、2次検索フラグを2次検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として既得情報の個数を設定する処理を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901bの肯定判定と、ステップS3902bの肯定判定を経て、図70のステップS3920に移行する。
図70のステップS3920以降の処理では、大当たり保留情報以外の既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)について、有効な既得情報であるか否であるかの判定と予告条件成立抽選とを、当該既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)の記憶順に行う。具体的には、ステップS3920においては第2検索カウンタのカウント値が示す既得情報(例えば、Di=1、つまり、既得情報1)が有効な既得情報であるか否かを判定する。ここで、第2検索カウンタとは検索カウンタエリア329における第2検索カウンタエリアに設けられており、第2検索フラグを格納した場合にその第2検索フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第2検索カウンタには、図89のステップS3914b若しくはステップS3915bにおいて上限値が設定され、この第2検索カウンタのカウント値は、既得情報をその記憶順に検索する毎に1インクリメントされるように更新される。そして、更新後において第2検索カウンタエリアに記憶されている情報が、上限値(Dmax)、つまり、既得情報の個数となると第2検索フラグが消去される。
以上の第2実施形態によると、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、第2予告演出の実行の可否を簡便に決定することができる。そして、パチンコ10が第2予告演出を実行することによって、制御負担が増えることを抑制することができる。
例えば、図90(a)の例では、既得情報1がノーマルリーチを経て外れ結果を表示する保留情報(第4ランクの保留情報)であり、既得情報2が、スーパーリーチを経て外れ結果を表示する保留情報(第3ランクの保留情報)であり、既得情報3が、15R確変大当たりを示す保留情報(第1ランクの保留情報)である場合において、第2実施形態によれば、既得情報を順次検索しなくても、予告条件成立抽選を優先的に行う保留情報を見つけ出すことができる。つまり、予告条件成立抽選を、Cp値が特定されている既得情報3を優先的に行うことで、第2予告演出の実行の可否を効率的に決定できる。
<他の実施の形態>
なお、上述した第2実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)第2実施形態の態様を後述する第3実施形態にパチンコ機10(保留情報が8個記憶され易いパチンコ機10)に適用することもできる。この点に関して図90(c)の例3を用いて後述する。
(2)また、第2実施形態では、15R確変大当たりを示す保留情報(第1ランクの保留情報)と、通常大当たりを示す保留情報(第2ランクの保留情報)を、予告条件成立抽選を優先的に行う保留情報(特定ランクの保留情報)として、Cp値を特定する対象としたが、この優先的に行う保留情報(特定ランクの保留情報)と、優先的に行わない保留情報(非特定ランクの保留情報)の区分けを他の基準で定めてもよい。例えば、図90(b)の例に示すように、スーパーリーチBを経て外れ結果を表示する保留情報(第3ランクの保留情報)も、予告条件成立抽選を優先的に行う保留情報(特定ランクの保留情報)としてもよい。
(3)第2実施形態では、既得情報が大当たり保留情報(ランクが高い既得情報)である場合に取得したCp値(図86のステップS3102bの処理で取得したCp値)を取得し、当該大当たり保留情報について予告条件成立抽選を行う。そして、この予告条件成立抽選が落選である場合に、当該大当たり保留情報よりも先に取得された既得情報に関し、その取得順に予告条件成立抽選を行う態様を例示した。
但し、前述の変形例4と同様に、既得情報について「特定ランク」の保留情報について「Cp値」を特定してもよい。例えば、図示しないが、15R確変大当たりを示す保留情報を「第1ランク」、通常大当たりを示す保留情報を「第2ランク」、スーパーリーチBを経て外れ結果を表示する保留情報を「第3ランク」、スーパーリーチAを経て外れ結果を表示する保留情報を「第4ランク」、ノーマルリーチを経て外れ結果を表示する保留情報を「第5ランク」、リーチを経ることなく外れ結果を表示する保留情報を「第6ランク」としてもよい。この場合も、「特定ランク」及び「非特定ランク」の区分けを適宜、行うことができるが、例えば、「第1ランク」〜「第4ランク」が「特定ランク」とし、「第5ランク」及び「第6ランク」を「非特定ランク」とし、図79及び図80(a)を適用してもよい。つまり、「Cp値」に基づいて最初に取得されたと認定した「特定ランク」保留情報を優先して、予告条件成立抽選を行ってもよい。
(4)第2実施形態と異なり、既得情報が大当たり保留情報よりもランクが低くても、Cp値を取得(取得順位を特定)する。そして、大当たり保留情報について予告条件成立抽選の結果が落選であったり、既得情報中に大当たり保留情報が存在しなかったりする場合にも、大当たり保留情報よりもランクが低い保留情報の中から、よりランクの高い保留情報を選択し、予告条件成立抽選を行ってもよい。
(5)第1実施形態では、保留情報が有効な保留情報である場合に予告演出の実行可否の抽選を行う態様を例示したが、保留情報が有効な保留情報であるか否かの判断基準は第2実施形態に示すものに限定されない。また、第2実施形態では、保留情報が上作動口33への入賞に基づいて取得されたものであるか、下作動口34への入賞に基づいて取得されたものであるかによって有効な保留情報であるか否かの基準が異なっているが、何れの作動口33、34への入賞に基づいて取得されたものであっても、この基準に差異を設けないこととしてもよい。つまり、上作動口33への入賞に基づいて取得された保留情報であっても、下作動口34への入賞に基づいて取得された保留情報であっても、同一条件で予告演出の実行の可否を決定してもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態においても「パチンコ機」の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、第3実施形態においても、図1〜図4をそのまま使用することができる。
第3実施形態のパチンコ機10は、第1実施形態のパチンコ機10と同様な外枠11と、遊技機本体12と、遊技盤24を有する。また、第3実施形態のパチンコ機10の「前扉枠14の構成」と「背面側の構成」は第1実施形態のパチンコ機10の「前扉枠14の構成」と「背面側の構成」と同様である。そして、上記第1実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。パチンコ機10は遊技盤24の盤面構成が以下の点で第1実施形態の遊技盤24と異なる。
先ず、図91、図92、図93(a)を用いて、実施形態3のパチンコ機10の遊技盤24の特徴を説明する。第3実施形態の遊技盤24では、第1実施形態の上作動口33の位置に第1作動入賞口33aを備え、第1実施形態の下作動口34の位置に第2作動入賞口33bを備えている。また、第1作動入賞口33aに入賞した遊技球は、遊技盤24裏側の回収通路61に進入する。そして。回収通路61の通路途中において、回収通路61が第1分岐通路(以下、「第1入球部」と称することがある)62aと、第2分岐通路(以下、「第2入球部」と称することがある)62bに分岐している。
また、回収通路61において、第1入球部62aと第2入球部62bに分岐する直前の位置(以下、分岐位置66という。)には振分手段63が設けられ、この振分手段63によって、第1作動入賞口33aを通じて回収通路61に進入した遊技球の行き先が、第1入球部(第1分岐通路)62aと第2入球部(第2分岐通路)62bに交互に振り分けられる。また、第2作動入賞口33bは、第1実施形態の上作動口33と略同一位置において、上向きに開放されており、第1作動入賞口33aが上方となるようにして両作動入賞口33a,33bは上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。
第1入球部62aの通路途中には第1検知センサ65aが設けられ、第2入球部62bの通路途中には第2検知センサ65bが設けられている。また、第2入球部62bにおいて第2検知センサ65bが設けられる位置よりも分岐位置66寄りの位置において、第2作動入賞口33bに連絡されている。そして、第1作動入賞口33aに入賞し、振分手段63によって行き先を第1入球部(第1分岐通路)62aに振り分けられた遊技球は第1検知センサ65aに検知される。また、第1作動入賞口33aに入賞し、振分手段63によって、行き先を第2入球部(第2分岐通路)62bに振り分けられた遊技球と、第2作動入賞口33bに入賞した遊技球は、第2検知センサ65bによって検知される。
ここで、振分手段63の具体例を簡単に説明する。この具体例に係る振分手段63は、ベース部材63aと、ベース部材63aに揺動可能に取着された振分部材63bとを備える。このうち、ベース部材63aは背面側に設けられた背板部63cと、背板部63cと前方に突出する突出壁63dとを備え、正面視で逆Y字状(アルファベットのYを逆さにしたような形状)の樋状通路64aを形成している。つまり、背板部63cを樋底部とし、上下に設けられた樋状通路64aを形成している。
この樋状通路64aには、上方に配置される導入通路64bと、導入通路64bの端末から左方向に湾曲しつつ下る第1通路64cと、導入通路64bの端末から右方向に湾曲しつつ下る第2通路64dとを備える。そして、導入通路64bの上端側前方の第1作動入賞口33aが設けられ、第1通路64cによって第1入球部62aが構成され、第2通路64dによって第2入球部62bが構成される。
振分部材63bは、正面視で略逆T字状に構成され、軸心位置63eが背板部63cにおいて、導入通路64bの略鉛直下方に位置する部位(分岐位置66)に揺動可能に装着されている。この振分部材63bは軸心位置63eから上方に突出する境界部63fと、軸心位置63eから左方向に突出する第1底部63gと、軸心位置63eから右方向に突出する第2底部63hとを備える。更に、背板部63cにおいて第1底部63gの左端部下方に位置する部位と、第2底部63hの右端部下方に位置する部位には、突起63i、63jが前方に向かって設けられている。
振分手段63では、第1入賞口33aを通じて回収通路61に受け入れた遊技球を、第1底部63g若しくは第2底部63fで受け取る。そして、図92に示すように、境界部63fが右上がり姿勢となる場合には、左上がり傾斜姿勢の第1底部63gが導入通路64bの略直下に位置する。このとき、第2底部63fの下部が突起63jに当接し、振分部材63bの右方向への回転量が更に多くなることが防止される。なお、この振分部材63bの姿勢を第1姿勢という。
このように振分部材63bが第1姿勢にあると導入通路64bを通過する遊技球を第1底部63gで受け取ることができる。そして、第1底部63gが遊技球を受け取ると、当該遊技球の荷重により、振分部材63bの軸心位置63eを基準に正面視で左回転し、図93(a)に示すように境界部63fが左上がり傾斜とする姿勢となる(以下、「第2姿勢」という。)。このように、境界部63fが左上がり傾斜とする姿勢(第2姿勢)になる場合には、右上がり傾斜姿勢の第2底部63hが導入通路64bの略直下に位置する。このとき、第1底部63gの下部が突起63iに当接し、振分部材63bの左方向への回転量が更に多くなることが防止される。そして、境界部63fが左上がり傾斜とする姿勢になると、第2底部63hが遊技球を受け取ることができる。そして、遊技球を受け取るとその荷重で、振分部材63bの軸心位置63eを基準に正面視で右回転し、第1姿勢となる。
このように、振分部材63bは、導入通路64bを通過した遊技球の荷重によって、第1姿勢と第2姿勢とを交互に繰り返すことができるため、導入通路64bを通過した遊技球の行き先は、第1入球部(第1分岐通路)62a若しくは第2入球部(第2分岐通路)62bに振り分けられる。
なお、第1底部63gや第2底部63hに錘を埋設し、第1底部63gの左回転や、第2底部63hの右回転の円滑化を図ることがきる。この場合、第1底部63gや第2底部63hの錘の重量を等しくすることが望ましい。また、背板部63cにおいて、導入通路64bの略中央直下であって境界部63fの先端側が通過する位置の後方と、境界部63fとに磁石(63m等を参照)を設けてもよい。この場合、両磁石を互いに反発する極性になるように構成し、両磁石が前後に対向したとき、反発するようにしてもよい。例えば、両磁石の軸心を前後に向けた棒状の磁石で構成し、境界部63fに埋設した磁石の後端部と、背板部63に埋設した磁石の先端部が前後に対向するようにする。そして、境界部63fに埋設した磁石の後端部の極性と、背板部63に埋設した磁石の先端部の極性が同じであれば、両者は反発し合うため、境界部63fが真上を向く位置で停止することが防止でき、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。この場合、突起63i、63jを省略することもできる。
第2作動入賞口33bは、第1実施形態の下作動口34と同様な構成を備える。つまり、第2作動入賞口33bは上向きに開放されている。また、第2作動入賞口33bには、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。なお、この電動役物34aも、第1実施形態の電動役物34aと同様に、閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、開放状態(サポート状態又はガイド状態)とを実行する。
また、第3実施形態の遊技盤24にも、第1実施形態の遊技盤24と同様に、一般入賞口31,可変入賞装置32,可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。また、センターフレーム42の左の部分(左打ち領域L)と、センターフレーム42の右の部分(右打ち領域R)にはそれぞれスルーゲート35が設けられている。更に、遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられている。但し、第1賞動口33aに入賞した遊技球が、第1入球部(分岐通路)62aに誘導されると第1検知センサ65aで検知され、第2入球部(第2分岐通路)62bに誘導されると第2検知センサ65bで検知される。つまり、第1入球部62aに誘導される場合と、第2入球部62bに誘導される場合とで異なる検知センサで検知される。
前述のように第2作動入賞口33bに入賞した遊技球は第2検知センサ65bで検知される。このため、第1作動賞動口33aに入賞して、行き先を第2通路64dに振り分けられた遊技球と、第2作動入賞口33bに入賞した遊技球は同一の検知センサ(第2検知センサ65b)で検知される。
第1検知センサ65aが遊技球を検知すること(遊技球が第1入球部62aに入球すること)に基づき、第1結果表示部ASおいて絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1検知センサ65aが遊技球を検知することに基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。そして、第1検知センサ65aが遊技球を検知することに基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。なお、第1結果表示部ASおいて実行される絵柄の変動表示を、以下「第1特別図柄の変動表示」と称し、第2結果表示部BSおいて実行される絵柄の変動表示の停止結果を「第2特別図柄の停止結果」と称することがある。
第2検知センサ65bが遊技球を検知すること(遊技球が第2入球部62bに入球すること)に基づき、第2結果表示部BSおいて絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2検知センサ65bが遊技球を検知することに基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。そして、第2検知センサ65bが遊技球を検知することに基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動入賞口33a、33bへの入賞(第1検知センサ65aによる遊技球を検知若しくは第2検知センサ65bによる遊技球を検知)に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動入賞口33a、34aへの入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
なお、第3実施形態の遊技盤24おいても、最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
また、第3実施形態においては、「電気的構成(図15、16)」、「図柄表示装置41の表示内容(図17)、「各種カウンタ(図18)」、「当否テーブル(図19)」、「大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(図20)」、「リーチ表示(リーチ状態)に関する事項」、「保留球格納エリア232(図21)」、「タイマ割込み処理(図22〜図25)」については第1実施形態と同様である。
なお、第3実施形態においては、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、スルーゲート35への入賞を検知するための検知センサの他に、作動入賞口33a,33bへの入賞を検知するための検知センサ(第1入球部62aを遊技球が入球したことを検知する第1検知センサ65a、第2入球部62bを遊技球が通過したことを検知する第2検知センサ65b)が設けられている。
次に、図93(b)を用いて、第3実施形態の図柄表示装置41の表示画面G1について説明する。この表示画面G1においても、上図柄列の変動表示領域、中図柄の変動表示領域、下図柄の変動表示領域MEを有している。そして、変動表示領域MEの下方となる部分には保留表示領域NEが設定されている。この保留表示領域NEには、遊技球が作動入賞口33a,33bに入賞した場合(第1入球部62a若しくは第2入球部62bを遊技球が入球した場合)の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Da1〜Da8が左右方向に並ぶようにして区画された保留数表示領域Daが設けられている。
具体的には、遊技球が第1入球部62aに入球した場合の最大保留個数は4個であり、第2入球部62bに入球した場合の最大保留個数は4個である。詳細については後述するが、本実施の形態では第1入球部62a及び第2入球部62bへの入賞順に合計で8個の保留情報が記憶される構成となっている。これに対応させて保留数表示領域Daには、第1単位保留表示領域Da1、第2単位保留表示領域Da2、第3単位保留表示領域Da3、第4単位保留表示領域Da4、第5単位保留表示領域Da5、第6単位保留表示領域Da6、第7単位保留表示領域Da7、第8単位保留表示領域Da8が設定されている。
例えば、遊技球が作動入賞口33a,33bに入賞した場合の保留個数(総保留数)が1個の場合には、第1単位保留表示領域Da1のみにて所定の保留表示用画像MPが表示され、遊技球が作動入賞口33a,33bに入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Da1〜第4単位保留表示領域Da4にて所定の保留表示用画像MPが表示される構成となっている。なお、図93(b)では保留個数が3個である場合について例示している。
また、保留表示領域NEには、保留数表示領域Da(詳しくは第1単位保留表示領域Da1)と横並びとなるようにして、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留表示用画像MPが表示される実行対象表示領域Dbが設けられている。
遊技回が終了して次の遊技回に移行する場合には、保留数表示領域Da(第1単位保留表示領域Da1)に表示されている保留表示用画像MPが実行対象表示領域Dbに移り、保留数表示領域Daに表示されている保留表示用画像MPを下位側にシフトすることとなる。
次に、図94を用いて第3実施形態のパチンコ機10が遊技に際して使用するカウンタの特徴を説明する。第3実施形態のMPU202も遊技に際し各種カウンタ保留情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の概要設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図94の概略図に示すように、第1実施形態の遊技機10と同様に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、乱数初期値カウンタCINI、変動種別カウンタCS及び電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した保留情報は、入賞口33a,33bへの入賞が発生した場合(詳しくは第1検知センサ65a又は第2検知センサ65bが遊技球の通過を検知した場合)に、取得保留情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、作動入賞用の保留エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、入賞口33a,33bへの入賞履歴(詳しくは第1入球部62a及び第2入球部62bへの入球履歴)に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値保留情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、入賞口33a,33bへの入賞(詳しくは第1入球部62a及び第2入球部62bへの入球)が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値保留情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、第1入球部62a及び第2入球部62bへの遊技球の入球履歴がそれぞれ4個、すなわち入賞口33a,33bへの入賞履歴が計8個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1入球部62a又は第2入球部62bへの入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための保留情報が格納される。
例えば、第1入球部62a及び第2入球部62bの何れか一方にのみ入球が発生し、その数が4以上となる場合には作動入賞口33a,33bへの入賞に係る最大記憶数は4つに制限されるが、既に説明した振分手段63によって遊技球が第1入球部62a及び第2入球部62bへ交互に入球する限りは、作動入賞口33a,33bへの入賞に係る最大記憶数が8つに引き上げられることとなる。つまり、本実施の形態においては、第2作動入賞口33bへの入賞が発生しにくい状況下においても、記憶される保留情報の数が4つで頭打ちになることを抑制することが可能となっている。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値保留情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、第3実施形態の大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動入賞口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部62a,62beへ流入した遊技球が上記検知センサ65a,65bにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
第3実施形態においても大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否保留情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否保留情報群)として記憶されている。この当否テーブルには、2進数の保留情報からなるアドレス保留情報と、同じく2進数の保留情報からなる大当たり数値保留情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス保留情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値保留情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス保留情報と大当たり数値保留情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値保留情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数保留情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
第3実施形態においても、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
第3実施形態の大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。この大当たり種別カウンタC2も定期的に更新され、遊技球が作動入賞口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部62a,62bへ流入した遊技球が上記検知センサ65a,65bにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
第3実施形態においても大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分保留情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分保留情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。なお、振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。
第3実施形態においても通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
第3実施形態においても確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
第3実施形態においても、第2入球部62bへの入球に基づく振り分けが第1入球部62aへの入球に基づく振り分けよりも遊技者にとって有利となるように差違が設けられている。具体的には、確変大当たり結果が有利度の異なる2つの結果、詳しくはラウンド数が「15」となる第1確変大当たり結果とラウンド数が「4」となる第2確変大当たり結果とに大別され、第2入球部62bへの入球に基づく振り分けにより確変大当たり結果となる場合には、第1入球部62aへの入球に基づく振り分けにより確変大当たり結果となる場合と比較して第1確変大当たり結果となりやすい構成とすることにより、第1入球部62aへの入球に基づく振分態様と第2入球部62bへの入球に基づく振分態様とに、上述した有利度の差を生じさせている。
第3実施形態のリーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動入賞口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部62a,62bへ流入した遊技球が上記検知センサ65a,65bにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
第3実施形態の変動種別カウンタCSも、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置41やメイン表示部43における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が参照される。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、メイン表示部43における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203に記憶された停止結果決定用テーブルが用いられる。
第3実施形態の電動役物開放カウンタC4も、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34を開放状態に制御しない。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、第3実施形態において、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理について第1実施形態との相違を中心に説明する。なお、第3実施形態においても、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
第3実施形態では、「作動口用の入賞処理」の内容が異なることを除いて、第1実施形態のタイマ割込み処理と同様である。以下、図95及び図96(a)のフローチャートを参照して、第3実施形態の作動口用の入賞処理について説明する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、図95及び図96(a)のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201bでは、遊技球が第1入球部62aに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第1入球部62aに入球したと判定した場合には、ステップS202bに進み、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS203bでは、第1入球部62aに遊技球が入球した旨を示す保留情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第1入球部62aへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204bでは、大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等の各値を格納する保留情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201bにて遊技球が第1入球部62aに入賞していないと判定した場合にはステップS205bに進む。ステップS205bでは、遊技球が第2入球部66aに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第2入球部62bに入球したと判定した場合には、ステップS206bに進み、払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、ステップS202b,S206bにてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401(図26を参照)にて払出制御装置97に対して送信される。
続くステップS207bでは、第2入球部62bに遊技球が入球した旨を示す保留情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第2入球部33eへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204bにて保留情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、ステップS201b,S205bの両処理にてそれぞれ否定判定をした場合、すなわち第1入球部62a及び第2入球部62bいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ここで、図96(a)を参照して、ステップS204bの保留情報取得処理について説明する。
<保留情報取得処理>
保留情報取得処理においては先ずステップS301bにて、保留球格納エリア232の保留数記憶領域FEに格納された始動保留球数N、詳しくは第1入球部62a及び第2入球部62bのうち当該保留情報取得処理の契機となった入球部に係る始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本保留情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302bにて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303bにて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304bでは、上記ステップS103(図22を参照)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302bにて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305b及びステップS306bでは、作動入賞口33a,33bへの入賞(入球部62a,62bへの入球)が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である音声・ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行し、本保留情報取得処理を終了する。なお、保留コマンドには第1入球部62a及び第2入球部62bのうちいずれの入球部への入賞に基づくものであるかの保留情報が含まれる。
ステップS306bの保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(図26のステップS501を参照)にて音声・ランプ制御装置82及び表示制御装置212に送信されることとなる。表示制御装置212においては当該保留コマンドを受信することにより上述した保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、表示制御装置212は、音声・ランプ制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信した場合には、保留数表示領域Daに上記保留表示用画像MPを表示(例えば追加)させるための処理を実行する。保留数表示領域Daにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば共通保留数CRNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Da1に保留画像が表示され、共通保留数CRNが8であれば左から8個目の第8単位保留表示領域Da8に保留画像が表示されるようになっている。なお、ステップS305b,S306bの各処理についての詳細な説明は後述する。
<通常処理>
第3実施形態の通常処理は、以下の点を除いて第1実施形態の通常処理と同様である。つまり、第3実施形態の通常処理では、遊技回制御処理を構成するデータ設定処理を図98に基づいて実行し、遊技回制御処理を構成する変動開始処理を図97及び図98に基づいて実行する。また、遊技状態移行処理を図32に修正を加えて使用する点が第1実施形態と異なる。以下、第3実施形態の通常処理において、第1実施形態の通常処理と異なる点について説明する。
<データ設定処理>
図96(b)は第3実施形態のデータ設定処理を示すフローチャートである。この第3実施形態のデータ設定処理では、先ずステップS601bにて、保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留球数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続くステップS602bにて、保留エリアREの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603bにて、保留エリアREの各エリアRa1〜Ra8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1〜第8エリアRa8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアするとともに、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3、第5エリアRa5→第4エリアRa4、第6エリアRa6→第5エリアRa5、第7エリアRa7→第6エリアRa6、第8エリアRa8→第7エリアRa7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604bでは、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置82に認識させるための保留情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図26を参照)におけるステップS501にて、音声・ランプ制御装置82を経由し、表示制御装置212に送信される。表示制御装置212では、シフト時コマンドを受信することで、保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
<変動開始処理>
次に、第3実施形態の遊技回制御処理を構成する変動開始処理を図97及び図98のフローチャートを参照して説明する。
第3実施形態の変動開始処理では、先ずステップS801bにて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された保留情報のうち大当たり判定用の保留情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された保留情報から取得した保留情報を把握する。そして、当否抽選モードが低確率モードである場合には、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した保留情報が大当たり当選に対応した保留情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率モードである場合には、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した保留情報が大当たり当選に対応した保留情報に含まれているかを特定する。
続くステップS802bでは、ステップS801bにおける当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS803bにて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された保留情報のうち種別判定用の保留情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された保留情報から取得した保留情報を把握する。また、ROM203の振分テーブル記憶エリア222に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の保留情報が確変大当たり結果に対応した保留情報に含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が第1入球部62aへの入球に対応している場合には第1入球部62a用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が第2入球部62bへの入球に対応している場合には第2入球部62b用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS804bでは、ステップS803bにおける種別判定処理において特定した保留情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS805bにて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS806bにて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS802bにて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS807bにて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS805b〜ステップS807bの各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の保留情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した保留情報をRAM204に記憶する。また、ステップS805b及びステップS806bでは、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための保留情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS805bでは確変大当たりフラグを格納し、ステップS806bでは通常大当たりフラグを格納する。
ステップS805b〜ステップS807bのいずれかの処理を実行した後は、ステップS808bにて、変動表示時間の設定処理を実行する。
<変動表示時間の設定処理>
第3実施形態の変動表示時間の設定処理では、図98のフローチャートに示すように、先ずステップS901bにて、上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
ステップS901bにて否定判定をした場合、すなわち上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、ステップS902bに進む。ステップS902bでは、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902bにて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア225に記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS901b及びステップS902bの何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS903bに進み、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間保留情報を取得し、続くステップS904bにてその変動表示時間保留情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、第3実施形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間保留情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間保留情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
なお、より詳細には、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、確変大当たり結果の場合に、特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に、非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。
一方、ステップS902bにて否定判定をした場合には、ステップS905bにて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906bにてその変動表示時間保留情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
リーチ非発生時における変動表示時間保留情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の保留情報、種別判定用の保留情報及びリーチ判定用の保留情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図97)の説明に戻り、ステップS808bにて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS809bにて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の保留情報及び変動表示時間の保留情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の保留情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の保留情報として、確変大当たり結果の保留情報、通常大当たり結果の保留情報、外れ結果の保留情報などが含まれる。
ステップS809bにて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図26を参照)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、報知・演出制御装置82は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその保留情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置41での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS810bにてメイン表示部43の作動口用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
第3実施形態の遊技状態移行処理では、ステップS1105〜S1107の処理を行わず、ステップS1105〜S1107の代わりにステップS1105bの処理(図示を省略)を行う点が、第1実施形態の遊技状態移行処理と異なる。つまり、ステップS1105bでは、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、大当たり種別に応じて決められた値、具体的には「15」又は「4」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。そして、ステップS1105bを実行すると、S1108に移行する。なお、その他の処理については第1実施形態の遊技状態移行処理と同様である。
<保留予告について>
ここで、第3実施形態のパチンコ機10においても、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。
<保留予告の概要について>
先ず、図99及び図100を用いて、本パチンコ機10で行われる予告演出の概要を説明する。ここで、図99及び図100は、図柄表示装置41の表示画面Gを模式的に示すものである。
第3実施形態では、遊技領域PEを流下する遊技球が、いずれかの入球部62a,62bに入賞することに基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果(大当たり結果若しくは外れ結果)を表示し、上記変動表示が停止される。この結果表示部AS,BSにおいて、「変動表示を開始してから、この変動表示が停止するまで」が遊技回の1回に相当する。そして、本パチンコ機10においては、この結果表示部AS,BSにおける変動表示に合わせて、種々の演出装置、つまり、演出表示装置(図柄表示装置41)、電飾用の発光手段(窓部61の周囲の各種ランプ部、窓部61の上方の表示ランプ部63)、効果音等を発生する音声手段(スピーカ部64)が、遊技演出を実行する。
保留予告は、この遊技演出の一部として上記演出装置を用いて行われる。図99〜図100では、保留予告を行う演出装置として、演出表示装置(図柄表示装置41)を図示するが、本パチンコ機10においては、保留予告を全ての演出装置(演出表示装置、発光手段及び音声手段)を用いて実行する。但し、保留予告を、全ての演出装置(演出表示装置、発光手段及び音声手段)から選択される1種の演出装置若しくは2種の演出装置を用いて実行してもよい。また、第3実施形態においても、「保留予告」として、実施形態1と同様に、通常の実行条件が成立すると実行される通常タイプの保留予告(第1予告演出)の他に、特殊な実行条件が成立すると実行される特殊タイプの保留予告(第2予告演出)を説明する。
図99の「D1」は、遊技球が第1入球部62a若しくは第1入球部62bに入球することに基づいて取得した保留情報の記憶個数が「3個」である状況で、図柄表示装置41において、変動表示(前変動表示)を実行中である場合を示している。このとき、保留数表示領域Daには保留情報の記憶個数が「3個」であることを示す表示がされている。
この「D1」の状況で、遊技球が第1入球部62a若しくは第1入球部62bに入球し、新たな保留情報を取得し、記憶されたものとする(「D2」)。しかも、この入賞に基づいて、保留予告を実行することが決定(予告決定)されたものとする。そして、当該入賞に基づいて取得した保留情報に基づき、条件成立抽選(第1予告抽選)を行い、条件成立抽選に当選した場合には保留予告(第1予告演出)を発生されるか否かの発生抽選を行う。そして、発生抽選に当選すると第1予告演出を発生することが決定される。但し、第1予告抽選に当選すると、発生抽選を行うこと無く、保留予告(第1予告演出)を発生させてもよい。この点に関しては後述する第2予告抽選においても同様である。
第1予告抽選に当選した保留情報は前述の「対象保留情報」となるが、この「対象保留情報」よりも前に取得し、結果表示部用保留エリアRaに記憶されていた保留情報の個数が3個である(「D1」、「D2」)。この場合、「D1」及び「D2」で図示する変動表示を終了した後に開始される3回の変動表示(当該3個の保留情報の各々に基づく変動表示)を用いて、「対象保留情報が付与対応結果となる可能性」を示す保留予告(第1予告演出)が実行されるものとする。なお、新たな保留情報の取得(対象保留情報の取得)に伴い、保留情報の記憶個数が「4個」になり、保留表示領域Daには保留情報の記憶個数が「4個」であることが表示される(「D2」)が、「D2」において対象保留情報を「二重四角印」で表示し、その他の保留情報(前既得保留情報)を「四角で囲んだハッチング印」で表示している。
図99の「D3」は、「D1」及び「D2」で図示する変動表示が、外れ結果を表示して終了した場合を示している。そして、外れ結果の表示時間(例えば、0.6秒)を経過すると、図柄表示装置41の表示画面Gにおいて、作動入賞口用保留エリアREにおいて記憶順が最も古い保留情報に基づく変動表示(第1変動表示)を開始し、保留表示領域Daが示す保留情報の記憶個数が、「3個」に減少する(図示を省略)。そして、第1変動表示を開始し、所定のタイミングが到来すると、「予告演出用のキャラクタ絵柄」が出現する(「D4」)。
この後、第1変動表示を終了し、外れ結果の表示時間を経過すると、作動入賞口用保留エリアREにおいて記憶順が次に古い保留情報に基づく変動表示(第2変動表示)を開始する(図示を省略)。このとき、保留表示領域Daが示す保留情報の記憶個数が「2」に減少し、保留表示領域Daが示す保留情報の記憶個数が「2」に減少する(図示を省略)。そして、第2変動表示を開始し、所定のタイミングが到来すると、「予告演出用のキャラクタ絵柄」が出現する(「D5」)。また、第2変動表示中には、第1入球部62a若しくは第1入球部62bへの入球を発生し、新たな保留情報を2個取得し、記憶されたものとする(「D6」)。このため、保留表示領域Daが示す保留情報の記憶個数が「4個」に増加する。なお、図99〜図100の保留表示領域Daにおいて、保留予告(第1予告演出)の対象となる保留情報よりも後に取得された保留情報であって、保留予告の対象となる保留情報(対象保留情報)に基づく変動表示(対象変動表示)が開始する際に、取得済みであった保留情報(つまり、既得情報)を「四角で囲んだバツ印」で表示している。
この後、第2変動表示を終了し、外れ結果の表示時間を経過すると、作動入賞口用保留エリアREにおいて記憶順がその次に古い保留情報に基づく変動表示(第3変動表示)を開始する(図示を省略)。このとき、保留表示領域Daが示す保留情報の記憶個数が「3個」に減少し、保留表示領域Daが示す保留情報の記憶個数が「3個」に減少する。そして、第3変動表示を開始し、所定のタイミングが到来すると、「予告演出用のキャラクタ絵柄」が出現する(「D7」)。そして、第3変動表示中には、第1入球部62a若しくは第1入球部62bへの入球を「5回」発生し、新たな保留情報を5個取得し、記憶されたものとする(「D8」)。このため、保留表示領域Daが示す保留情報の記憶個数が「8個」に増加する(「D8」)。
続いて、第3変動表示を終了し、外れ結果を表示する(図100の「D9」)。そして、保留予告(第1予告演出)の対象となる保留情報(対象保留情報)が結果表示部用保留エリアREの第1エリアから実行エリアREに移動し(消化され)、対象変動表示を開始されることになる(D11)が、対象変動表示を開始される前に、対象変動表示の結果が「外れ結果」となる予定の場合(対象保留情報が大当たり情報でない場合)、「既得情報」に基づいて保留予告(第2予告演出)を実行する可能性がある(D10)。つまり、全既得情報から当選確率が高いものを優先的に選択し、選択された既得情報について第2予告演出を実行するか否かの条件成立抽選(第2予告抽選)を行う。
ここで、第3実施形態では、当選確率が高いものを優先的に選択する処理として以下の手法を例示するが、この処理の以下の手法を限定されない。第3実施形態においても、当選確率が最も高い大当たり情報を優先して選択するが、既得情報の有効性の判定を行うことはない。但し、第3実施形態においても、有効性の判断を行うこととしてもよい。また、本実施形態においても、既得情報として複数の大当たり情報を記憶している場合には、先に記憶された大当たり情報を選択し、後に記憶された大当たり情報を「第2予告抽選」の対象外とする。そして、大当たり情報について「第2予告抽選」の結果が当選であると、その時点で「第2予告抽選」を終了する。また、大当たり情報について「第2予告抽選」の結果が落選であると、大当たり情報よりも前に記憶された既得情報が存在すれは、当該既得情報(リーチ情報若しくは非リーチ情報)について、「第2予告抽選」を行うが、「第2予告抽選」を行わないこととしてもよい。
また、第3実施形態においても、既得情報として大当たり情報を記憶していない場合には、結果表示部用保留エリア(Ra若しくはRb)に記憶されている全ての既得情報について、記憶順に「第2予告抽選」を行う。
第3実施形態では、所定の既得情報について「第2予告抽選」を行い、当選である場合、当該既得情報よりも後に記憶された既得情報が存在しても、後に記憶された既得情報に関しては「第2予告抽選」の対象外となる。また、大当たり情報に基づく「第2予告抽選」が落選となった場合において、当該大当たり情報よりも先に記憶された既得情報(大当たり情報以外)が存在する場合には、当該先に記憶された既得情報について「第2予告抽選」を記憶順に行うこととしているが、当該先に記憶された既得情報については、第2予告抽選の対象外としてもよい。
なお、第3実施形態において、「大当たり情報以外の既得情報」に関しても、「第2予告抽選」の当選確率が高い既得情報を優先して、「第2予告抽選」の対象としてもよい。例えば、既得情報がリーチ情報(スーパーリーチ情報、ノーマルリーチ情報)である場合には、非リーチ情報よりも優先して予告抽選の対象としてもよい。更に、リーチ情報(スーパーリーチ情報、ノーマルリーチ情報)を非リーチ情報よりも優先する場合、付与判定の結果を示す際の変動表示(遊技演出)においてスーパーリーチを行うこととなる「スーパーリーチ情報」は、付与判定の結果を示す際の変動表示(遊技演出)においてノーマルリーチを行うこととなる「ノーマルリーチ情報」に優先して予告抽選の対象としてもよい。ここで、後述するように、第1予告抽選及び第2予告抽選の当選確率は、大当たり情報はリーチ情報よりも高く、リーチ情報は非リーチ情報よりも高く、スーパーリーチ情報はノーマルリーチ情報よりも高くされている。
図100を用いて更に説明すると、対象変動表示を所定時間行ってから「外れ結果」が表示される(「D12」)。次いで、対象既得情報よりも前に記憶された既得情報(前対象既得情報)に基づく変動表示(前対象既得情報変動表示)を順次行う(「D13」、「D14」)。更に、対象既得情報に基づく変動表示(対象既得変動表示)を開始する(「D15」)。この変動表示を終了すると、その変動表示の結果(大当たり結果若しくは外れ結果)が表示される(「D16」)。ここで、図100の「D12」及び「D14」には、対象変動表示を終了したときに、既得情報が7個記憶されていることが表記されている。但し、4番目に処理される既得情報が対象既得情報であり、1番〜3番に処理される既得情報(保留情報)が前対象既得情報である。つまり、既得情報を複数備える場合、全ての既得情報に基づいて、「前対象既得情報変動表示」と「対象象既得情報表示」を行うとは限らない。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、第3実施形態の音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成については、第3実施形態の音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成と同様である。
<主制御装置81にて実行される保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告に係る処理について説明する。主制御装置81のMPU202における保留予告に係る処理として、保留予告用の確認処理と保留コマンドの設定処理とが設定されている。
<保留予告用の確認処理>
先ず、保留予告用の確認処理について説明する。この保留予告用の確認処理は、タイマ割込み処理(図22)の一部の処理として設定された保留情報取得処理(図96(a))のステップS305bにおいて実行される。この場合に、保留情報取得処理は第1作動入賞口33a若しくは第2作動入賞口33bへの入賞が発生した場合に実行される。
図101は、保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。この保留予告用の確認処理では、ステップS1801bにて、保留球格納エリア232の保留数記憶領域FEに記憶された始動保留記憶数Nと共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の保留情報をMPU202のレジスタに記憶する。その後、ステップS1802b〜S1806bにて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の保留情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1802bにて、作動入賞口33a,33bへの今回の入賞に基づきステップS304b(図96(a)参照)にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の保留情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1803bでは、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1804bに進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS302bにて把握した大当たり判定用の保留情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する保留情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1805bに進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1802bにて把握した大当たり判定用の保留情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された保留情報に含まれているかを特定する。
ステップS1804b又はステップS1805bの後は、ステップS1806bにて、ステップS1802bにて把握した大当たり判定用の保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1807bにて、今回の入賞に基づきステップS304bにて取得した保留情報のうち種別判定用の保留情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された保留情報から取得した保留情報を把握する。
続くステップS1808bでは、第1結果表示部用若しくは第2結果表示部用の振分テーブルを参照して、ステップS1807bにて把握した大当たり種別判定用の保留情報が通常大当たり結果として設定された保留情報又は15R確変大当たり結果として設定された保留情報のいずれかに含まれているかを特定する。具体的には、今回取得した保留情報が、遊技球が第1入球部62aに入球したことを基づいて取得されたものである場合には、第1結果表示部用の振分テーブルを参照して、S1808bの処理を行い、遊技球が第2入球部62bに入球したことを基づいて取得されたものである場合には、第1結果表示部用の振分テーブルを参照して、S1808bの処理を行う。
その後、ステップS1809bでは、ステップS1807bにて把握した大当たり種別用の保留情報が15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定するとともに、ステップS1810bでは、ステップS1807bにて把握した大当たり種別用の保留情報が通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。
その結果、15R確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS1810bにてMPU202のレジスタに確変大当たり保留情報を記憶する。また、15R確変大当たり結果に対応していない場合、つまり、通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS1811bにてMPU202のレジスタに通常大当たり保留情報を記憶する。そして、ステップS1810b若しくはステップS1811bの処理を実行すると、本確認処理を終了する。
一方、ステップS1806bにて、ステップS1802bにおいて把握した大当たり判定用の保留情報が大当たり当選に対応していないと判定した場合には、ステップS1812bに進む。ステップS1812bでは、今回の入賞に基づきステップS304bにて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の保留情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3によって更新された保留情報から取得した保留情報を把握する。
続くステップS1813bでは、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、ステップS1814bにて把握したリーチ判定用の保留情報がリーチ当選として設定された保留情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS1815bにおいて、ステップS1812bにて把握したリーチ判定用の保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1815bにてMPU202のレジスタにリーチ発生保留情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。このリーチ発生保留情報にも、リーチの種別(ノーマルリーチ発生を示すリーチ発生保留情報であるか、スーパーリーチ発生を示すリーチ発生保留情報であるかに関する保留情報)が含まれる。また、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<保留コマンドの設定処理>
次に、保留コマンドの設定処理について説明する。保留コマンドの設定処理は、タイマ割込み処理(図22)の一部の処理として設定された保留情報取得処理(図96(a))のステップS306bにおいて実行される。この場合に、保留情報取得処理は第1作動入賞口33a若しくは第2作動入賞口33bへの入賞が発生した場合における保留情報取得処理であっても保留コマンドの設定処理は実行される。
図102は、保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。先ずステップS2001では、MPU202のレジスタに通常大当たり保留情報又は確変大当たり保留情報のいずれかが記憶されているか否かを判定する。通常大当たり保留情報又は確変大当たり保留情報のいずれかが記憶されている場合には、ステップS2002にて、それが確変大当たり保留情報であるか否かを判定する。確変大当たり保留情報である場合には、ステップS2003にて、RAM204に設けられた保留コマンド設定エリアに、確変対応保留コマンドを設定し、通常大当たり保留情報である場合には、ステップS2004にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、通常対応保留コマンドを設定する。
一方、ステップS2001にて、通常大当たり保留情報及び確変大当たり保留情報の両方が記憶されていないと判定した場合には、ステップS2005に進み、MPU202のレジスタにリーチ発生保留情報が記憶されているか否かを判定する。リーチ発生保留情報が記憶されている場合には、ステップS2006にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、リーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生保留情報が記憶されていない場合には、ステップS2007にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、非リーチ対応保留コマンドを設定する。
ステップS2003、ステップS2004、ステップS2006又はステップS2007のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2008にて、総保留個数(第1入球部62aへの入球に基づいて取得した保留情報と、第2入球部62bへの入球に基づいて取得した保留情報との合計数、つまり、作動入賞用の保留エリアREに記憶されている保留情報の合計数)の保留情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行し、第3実施形態の保留コマンドの設定処理を終了する。ステップS2008の処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの保留情報は、複数バイトの保留情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の保留情報や保留コマンドの種別の保留情報が含まれているとともに、保留個数の保留情報が設定可能となっている。
ステップS2008では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図101)におけるステップS1801にてMPU202のレジスタに記憶された総保留個数の保留情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける総保留個数の保留情報用のビットに対して上記読み出した保留個数の保留情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS2003、ステップS2004、ステップS2006又はステップS2007のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための保留情報が含まれることとなる。以上詳述したステップS2008の処理を実行した後に、本保留コマンド設定処理を終了する。
ステップS2008にて保留個数の保留情報が含められた保留コマンドは、次回の通常処理(図26)におけるステップS401の外部出力処理により、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドに後述する保留予告用の保留情報を追加して表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留表示や保留予告用の処理等を実行する。
また、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置212において保留コマンドによって、大当たり当選の有無、大当たり当選の場合にはその際の大当たり種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無等、言い換えれば図柄の変動表示態様を特定することができるのであれば任意である。例えば、大当たり対応保留コマンド,リーチ対応保留コマンド,非リーチ対応保留コマンドの組み合わせが、各保留個数に対応させて個別に設定されており、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理(図101)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成とすることも可能である。なお、保留コマンドの設定処理の終了に際して、MPU202のレジスタに記憶されている確変大当たり保留情報、通常大当たり保留情報及びリーチ発生保留情報は消去される。
<表示制御装置212にて実行されるコマンド対応処理>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行されるコマンド対応処理を、図103のフローチャートを参照しながら説明する。第3実施形態のコマンド対応処理では、先ずステップS3003の処理の代わりにステップS3003aの処理を行う点が、第1実施形態と異なる。つまり、ステップS3003aでは、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた予告条件成立フラグ格納エリア(報知条件成立保留情報記憶手段)に予告条件成立フラグ(報知条件成立保留情報)が格納されている場合には、それを消去する。
当該予告条件成立フラグは、保留情報について保留予告を行うように設定されている状況であるか否かをMPU252にて特定するための保留情報であり、保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される保留情報である。なお、第3実施形態のコマンド対応処理では、ステップS3003aや、第1実施形態のステップS3003の処理を行わないこととしてもよい。つまり、第3実施形態では、上記のとおりオープニングコマンドを受信した場合には、格納されている予告条件成立フラグを消去するようにしたことにより、遊技球が第1入球部62a若しくは第2入球部62bに入球することに基づいて取得した保留情報について保留予告を行うように設定されている状況は、開閉実行モードへの移行に際して解消される。これにより、遊技球が第1入球部62a若しくは第2入球部62bに入球することに基づいて取得した保留情報についての保留予告が開閉実行モードを跨いで実行されなくしている。但し、オープニングコマンドを受信したとしても、予告条件成立フラグは消去しないこととしてもよい。この場合、遊技球が第1入球部62a若しくは第2入球部62bに入球することに基づいて取得した保留情報について保留予告を行うように設定されている状況は、開閉実行モードへの移行に際して解消されないため、当該保留予告が開閉実行モードを跨いで実行され得ることになる。
<表示制御装置212にて保留コマンド対応処理>
先ず、図103ステップS3012の保留コマンド対応処理について、図104のフローチャートを参照して説明する。ここで、第3実施形態の保留コマンド対応処理では、図55の「ステップS3106〜S3109の処理」に相当する処理と、図55の「S3113〜S3115の処理」に相当する処理とを行わない点と、が第1実施形態の保留コマンド対応処理と異なる。また、遊技球が第1入球部62aに入球することに基づいて取得した保留情報と、遊技球が第2入球部62bに入球することに基づいて取得した保留情報とが制御上区別されていない。以下、第3実施形態の保留コマンド対応処理について説明する。
ステップS3101aにて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドのいずれかであると判定されると、ステップS3102aにて、今回受信したコマンドに含まれる総保留個数の保留情報を特定する。そして、ワークRAM254に設けられたカウンタエリア323における消去用カウンタエリアに対して、上記特定した総保留個数の保留情報を設定する。つまり、第3実施形態では、第1入球部62aへの入球に基づいて取得される保留情報と、第2入球部62bへの入球に基づいて取得される保留情報との合計を特定する。
続くステップS3103aでは、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における大当たり保留フラグ格納エリア(大当たり保留情報記憶手段)に大当たり保留フラグ(大当たり保留情報)が格納されているか否かを判定する。つまり、第3実施形態では、第1大当たり保留と、第2大当たり保留の区別をしておらず、フラグ格納エリア(大当たり保留情報記憶手段)に大当たり保留フラグ(大当たり保留情報)のみが記憶されている。
また、消去用カウンタエリア323も、大当たり保留フラグを格納した場合にその大当たり保留フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該消去用カウンタエリアに設定された保留個数の保留情報は、新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第1消去用カウンタエリアに記憶されている保留情報が初期値である「0」となっている場合に、大当たり保留フラグの消去処理が実行される。
大当たり保留フラグが格納されている場合には、ステップS3103aにて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。一方、大当たり保留フラグが格納されていない場合には、ステップS3104aに進む。
上記のように大当たり保留フラグが格納されている場合には、確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしてもステップS3103aにて肯定判定をし、保留予告を行う上での各種設定を行う大当たり対応設定処理(ステップS3106a)を実行しないようにした。これにより、既に主制御装置81の作動入賞口用保留エリアRE(図94を参照)に、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている状況において、第1入球部62aへの入球に基づいて取得される保留情報、若しくは、第2入球部62bへの入球に基づいて取得される保留情報が、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応していたとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。
ステップS3104aにて大当たり保留フラグを格納した後は、ステップS3105aにて、ワークRAM254に予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3105にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。つまり、保留予告を行うように既に設定されている状況においては、新たに確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での新たな設定は行われない。
また、ステップS3105aにて、ワークRAM254に予告条件成立フラグが格納されていない場合には、ステップS3106aにて大当たり対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。ここで、大当たり対応設定処理について、図56(a)及び図105のフローチャート等を参照しながら説明する。
大当たり対応設定処理では、図56(a)に基づいて行う。また、大当たり用成立当選処理では、図105に示すように、先ず、ステップS3211aにおいて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが通常対応保留コマンドであるか否かを判定する。通常対応保留コマンドである場合には、ステップS3212aにて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常大当たり予告フラグ格納エリア(通常大当たり予告保留情報記憶手段)に通常大当たり予告フラグ(通常大当たり予告保留情報)を格納し、確変対応保留コマンドである場合には、ステップS3213aにて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変大当たり予告フラグ格納エリア(確変大当たり予告保留情報記憶手段)に確変大当たり予告フラグ(確変大当たり予告保留情報)を格納する。
通常大当たり予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において(すなわち、保留予告の実行が許可された状態である場合において)、当該条件成立の契機となった保留情報が通常大当たり結果に対応していることをMPU252にて特定するための保留情報である。そして、当該フラグは、通常大当たり結果に対応した保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
また、確変大当たり予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において(すなわち、保留予告の実行が許可された状態である場合において)、当該条件成立の契機となった保留情報が15R確変大当たり結果に対応していることをMPU252にて特定するための保留情報である。そして、当該フラグは、15R確変大当たり結果に対応した保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
ステップS3212a又はステップS3213aの処理を実行した後は、ステップS3214aにて、ワークRAM254に予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3215aでは、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる総保留個数の保留情報を特定し、その特定した総保留個数の保留情報を、ワークRAM254に設けられた保留予告用カウンタエリア325に対して設定する。その後、大当たり用成立当選処理を抜けて大当たり対応設定処理を終了する。
保留予告用カウンタエリアは、第1入球部62aへの入球若しくは第2入球部62bへの入球に基づいて取得される保留情報を保留予告の実行の契機として設定した場合に、その設定に係る保留情報がいずれの遊技回における保留情報に対応しているかをMPU252にて特定するための計測手段である。当該作動入賞口用保留エリアRE(図94を参照)に記憶されている保留情報について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において保留予告用カウンタエリアに記憶されている保留情報が初期値である「0」となっている場合に、予告条件成立フラグが消去されて、保留予告を行うように設定した状態が解除される。なお、図105のステップS3215a、図106のステップS3218a、図107のステップS3413aにおいて括弧を付して表記するように、第2保留予告においては保留予告用カウンタエリアに総保留個数の情報ではなく、「対象既得情報数」が設定される。
保留コマンド対応処理(図104)の説明に戻り、今回の読み出し対象となった保留コマンドが確変対応保留コマンド及び通常対応保留コマンドのいずれでもないと判定した場合(つまり、リーチ対応保留コマンド若しくは非リーチ対応保留コマンドであると判定した場合)、ステップS3107aにて、ワークRAM254に大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。そして、大当たり保留フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、リーチ対応保留コマンド若しくは非リーチ対応保留コマンドを受信した場合であっても大当たり保留フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了するようにした。つまり、本パチンコ機10では、既に主制御装置81の作動入賞口用保留エリアRE(図94を参照)に、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が既に記憶されている状況においては、保留予告を行うように設定されている状況であるか否かに関係なく、第1入球部62aへの入球若しくは第2入球部62bを新たに発生したとしても保留予告を行う上での各種設定は行われない。
ステップS3107aにて、大当たり保留フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS3108aにて、ワークRAM254に予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3108aにて肯定判定をし、そのまま保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、既に説明したように、リーチ対応保留コマンド若しくは非リーチ対応保留コマンドを受信した場合であっても予告条件成立フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了するようにした。つまり、本パチンコ機10では、保留予告を行うための設定がなされている状況においては、第1入球部62aへの入球若しくは第2入球部62bを新たに発生したとしても保留予告を行う上での各種設定は行われない。
予告条件成立フラグが格納されていない場合には、ステップS3109aに進み、今回の読み出し対象となった保留コマンドが、リーチ対応保留コマンドであるか否かを判定する。そして、リーチ対応保留コマンドである場合には、ステップS3110aにてリーチ対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。また、リーチ対応保留コマンドでない場合(非リーチ対応保留コマンドである場合)には、ステップS3111aにて非リーチ対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、リーチ対応設定処理について、図56(b)及び図106のフローチャートを参照しながら説明し、非リーチ対応設定処理について、図57(a)及び図107のフローチャートを参照しながら説明する。
リーチ対応設定処理を、図56(b)に基づいて実行する。また、リーチ用成立当選処理では、図106に示すように、先ず、ステップS3311aにおいて、今回の設定に係る保留予告を実際に行う場合における態様を、予め定められている複数種類の態様のうち、いずれの態様とするかを振り分けるための振分抽選処理を実行する。当該態様としては、通常大当たり結果に対応した保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に選択され得る通常大当たり推測態様と、15R確変大当たり結果に対応した保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に選択され得る確変大当たり推測態様と、リーチ予告態様と、が設定されている。
ステップS3311aの処理を実行すると、ステップS3312aに進む。このステップS3312aでは、上記ステップS3311aにおける抽選処理の結果が、リーチ予告態様であるか否かを判定する。リーチ予告態様である場合には、ステップS3316aにて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322におけるリーチ予告フラグ格納エリア(リーチ確定予告保留情報記憶手段)にリーチ予告フラグ(リーチ予告保留情報)を格納する。
また、ステップS3312aで否定判定される場合には、ステップS3313aの処理に移行する。このステップS3313aでは、上記ステップS3311aにおける抽選処理の結果が、通常大当たり推測態様であるか否かを判定する。通常大当たり推測態様である場合には、ステップS3314aにて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常大当たり推測予告フラグ格納エリア(通常大当たり推測予告保留情報記憶手段)に通常大当たり推測予告フラグ(通常推測予告保留情報)を格納する。また、通常大当たり推測態様でない場合には、ステップS3315aにて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変大当たり推測予告フラグ格納エリア(確変推測予告保留情報記憶手段)に確変大当たり推測予告フラグ(確変大当たり推測予告保留情報)を格納する。
ステップS3314a、ステップS3315a若しくはステップS3316aの処理を実行すると、ステップS3317aに進む。このステップS3317aの処理では、ワークRAM254に予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3118aでは、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる総保留個数の保留情報を特定し、その特定した保留個数の保留情報を保留予告用カウンタエリア325における保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、リーチ用成立当選処理を抜けてリーチ対応設定処理を終了し、更に保留コマンド対応処理を終了する。
次に、図57(a)及び図107を用いて、非リーチ対応設定処理について説明する。非リーチ対応設定処理を、図57(a)に基づいて実行する。また、非リーチ用成立当選処理では、図107に示すように、先ず、ステップS3411aにおいて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322におけるリーチ推測予告フラグ格納エリア(リーチ推測予告保留情報記憶手段)にリーチ推測予告フラグ(非リーチ推測予告保留情報)を格納する。
ステップS3411aの処理を実行した後は、ステップS3412aにて、ワークRAM254に予告条件成立フラグを格納する。続くステップS3413aでは、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる総保留個数の保留情報を特定し、その特定した総保留個数の保留情報を保留予告用カウンタエリア325における保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、非リーチ用成立当選処理を抜けて非リーチ対応設定処理を終了し、更に保留コマンド対応処理を終了する。
<変動表示制御処理>
第3実施形態の変動表示制御処理では、図108に示すように、第1実施形態の変動表示制御処理(図63)とは、変動表示開始処理の内容が異なる。つまり、第3実施形態の変動表示開始処理では、ステップS3603にて予告演出の設定処理を実行した後は、ステップS3604aにて、フラグ消去処理を実行した後に、この変動開始用処理を終了する。
前述のように、第3実施形態では、遊技球が第1入球部62aに入球することに基づいて取得した保留情報(以下、第1保留情報という。)と、遊技球が第2入球部62bに入球することに基づいて取得した保留情報(以下、第2保留情報という。)とが制御上区別されていない。そして、第1保留情報と第2保留情報の処理との処理順序(当否抽選若しくは遊技回の実行等、遊技制御上の処理の順序)に優劣はなく、各保留情報はその記憶順に処理される。このため、第1保留情報と第2保留情報が記憶されている状況であっても、第1保留情報の記憶が第2保留情報の記憶よりも早ければ、第1保留情報が先に処理される。そして、フラグ消去処理も、第1実施形態のように「第1保留情報に係わる第1フラグ消去処理と、第2保留情報に係わる第2フラグ消去処理」を備えるのではなく、「第1保留情報及び第2保留情報に係わるフラグ消去処理」を備える。以下、図109を用いて、第3実施形態のフラグ消去処理について説明する。
第3実施形態のフラグ消去処理では、先ずステップS3801aにて、ワークRAM254に大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。大当たり保留フラグが格納されていない場合には、ステップS3802a〜ステップS3804aの処理を実行することなくステップS3805aに進む。大当たり保留フラグが格納されている場合には、ステップS3802aにて、消去用カウンタエリア323における消去用カウンタエリアに記憶されている値が1ディクリメントされるように、当該消去用カウンタエリアの保留情報を更新する。
その後、ステップS3803aにて消去用カウンタエリアの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS3804aにて大当たり保留フラグを消去した後に、ステップS3805aに進み、「0」となっていない場合には、ステップS3804aの処理を実行することなくステップS3805aに進む。
大当たり保留フラグとは、既に説明したように、主制御装置81の保留エリアREに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が含まれている場合に格納されるフラグであり、消去用カウンタエリアには保留エリアREに大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合にその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための保留情報が記憶される。さらにまた、保留コマンド対応処理(図104)ではステップS3103aの処理が実行される前のタイミングでステップS3102aの処理を実行するようにしたことにより、保留エリアREに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が複数含まれている場合には、開始対象が後の順番となる大当たり当選に対応した保留情報の順番の保留情報が消去用カウンタエリアに記憶されることとなる。よって、消去用カウンタエリアの保留情報が初期値としての「0」となる場合とは、保留エリアREに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていないことを意味し、この場合には大当たり保留フラグが消去される。
第3実施形態のフラグ消去処理において、ステップS3805aでは、ワークRAM254に予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されていない場合には、そのまま本消去処理を終了する。予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3806aにて、保留予告用カウンタエリア325における保留予告用カウンタエリアに記憶されている値が1ディクリメントされるように、当該保留予告用カウンタエリアの保留情報を更新する。
その後、ステップS3807aにて保留予告用カウンタエリアの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS3808aにて予告条件成立フラグを消去するとともに、ステップS3809aにて予告初期化処理を実行する。予告初期化処理では、ワークRAM254に通常大当たり予告フラグ、確変大当たり予告フラグ、通常推測予告フラグ、確変推測予告フラグ又はリーチ予告フラグのいずれかが格納されている場合に、その格納されているフラグを消去する処理である。
ここで、予告条件成立フラグとは、既に説明したように、保留エリアREに保留記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に格納されるフラグであり、保留予告用カウンタエリアには保留エリアREに保留予告の実行の契機として設定された保留情報が記憶されている場合にその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための保留情報が記憶される。よって、保留予告用カウンタエリアの保留情報が初期値としての「0」となる場合とは、保留エリアREにおいて保留予告の実行の契機として設定された保留情報が既に遊技回の開始対象となったことを意味し、この場合には予告条件成立フラグが消去される。
ステップS3809aの処理を実行すると、ステップS3810aの処理に移行し、保留予告用カウンタエリアの値を「0」として開始される遊技回が大当たり保留情報に基づく遊技回であるか否かを判定する。つまり、ステップS3810aでは、予告演出の対象となった遊技回(遊技結果や遊技演出の予告演出の対象となった遊技回)が、大当たり保留情報(15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果を遊技結果として表示することになる保留情報)であるか否かを判定する。
そして、ステップS3810aの処理で肯定的に判定される場合には、フラグ去処理を終了する。これに対して、ステップS3810aの処理で否定的に判定される場合には、ステップS3811aの処理に移行する。つまり、予告演出の対象となった遊技回が大当たり保留情報に基づき開始されるものでない場合、ステップS3811aに移行し、既得情報が存在するか否かを判定する。すなわち、所定の保留情報を対象に予告演出を行う場合において、当該予告演出の対象となった遊技回を開始する時点において、当該所定の保留情報の後に取得された保留情報が既に記憶されているか否かを判定する。
ステップS3811aの処理で肯定的に判定される場合には、ステップS3812aに進み、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2予告演出実行判定フラグ格納エリア(第2予告演出実行判定保留情報記憶手段)に第2予告演出実行判定フラグ(第2予告演出実行判定情報)が格納し、フラグ消去処理を終了する。ここで、当該第2予告演出実行判定フラグは、既得情報の中から第2予告演出の対象となる保留情報を、検索する状況であるかことをMPU252にて特定するための保留情報である。そして、第2予告演出実行判定フラグは、既得情報のうちの何れかの既得情報に基づいて第2予告演出を実行可能であると決定するか、既得情報に基づいて第2予告演出を実行可能でないと決定すると消去される保留情報である。
ステップS3810aの処理で肯定的に判定される場合と、ステップS3811aの処理で否定的に判定される場合には、フラグ消去処理を終了する。また、ステップS3807aの処理で、保留予告用カウンタエリアの値が「0」となっていないと判定される場合には、ステップS3810aを実行することなくフラグ消去処理を終了する。
また、第3実施形態の第2予告演出実行判定処理は、図110及び図111のフローチャートに基づいて実行される。但し、第1実施形態と異なり、保留情報の有効性に関する処理を行わない。つまり、「図69のステップS3906、ステップS3907、ステップS3908、ステップS3909に相当する処理」が排除されている。また、「図70のステップS3920、ステップS3922、ステップS3927に相当する処理」が排除されている。以下、第3実施形態の第2予告演出実行判定処理について、図110及び図111のフローチャートに基づいて具体的に説明する。
図110に示すように、第2予告演出実行判定処理が起動すると、ステップS3901cにおいてワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2予告演出実行判定フラグ格納エリア(第2予告演出実行判定保留情報記憶手段)に第2予告演出実行判定フラグ(第2予告演出実行判定保留情報)が格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3901cで第2予告演出実行判定フラグが格納されていないと判定すると第2予告演出実行判定処理をそのまま終了する。
一方、第2予告演出実行判定フラグが格納されている場合には、ステップS3902cに進み、第2検索フラグが、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第2検索フラグ格納エリア(第2検索保留情報記憶手段)に格納されているか否かを判定する。そして、ステップS3902cで肯定判定されると、図111のステップS3916cの処理に移行し、ステップS3902cで否定判定されると、ステップS3903cの処理に移行する。このステップS3903cの処理では、第1検索フラグが、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第1検索フラグ格納エリア(第1検索保留情報記憶手段)に格納されているか否かを判定する。
ここで、第1検索フラグは、既得情報の中に大当たり保留情報を存在するか否かを検索する状況にあることをMPU252にて特定するための保留情報である。そして、既得情報の中に大当たり保留情報(後述する)が存在することを発見して予告条件成立抽選に当選するか、既得情報の中に大当たり保留情報が存在しなかったことを確認すると消去される。
また、第2検索フラグは、大当たり保留情報以外の既得情報(リーチ保留情報、非リーチ保留情報)に基づいて、その記憶順に予告条件成立抽選を行う状況であることをMPU252にて特定するための保留情報である。この第2検索フラグは、「全ての既得情報の記憶順に検索しても有効な大当たり取得保留情報が存在しない場合」と、「既得情報に含まれる一の大当たり保留情報につい予告条件成立抽選結果が落選であったが、当該大当たり保留情報に先行して記憶された既得情報が存在する場合」に、第2検索フラグ格納エリアに格納される。また、既得情報にリーチ保留情報(リーチ対応保留コマンド)若しくは非リーチ保留情報(非リーチ対応保留コマンド)に基づく予告条件成立抽選の結果が当選となるか、落選となる場合に消去される。
ステップS3903cにおいて、第1検索フラグが第1検索フラグ格納エリアに格納されていないと判定すると、ステップS3904cに進み、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第1検索カウンタ(Ci)の上限値(Cmax)として既得情報の個数を設定する処理とを行う。そして、ステップS3904cの処理を行うとステップS3905cに進む。また、ステップS3903cにおいて、第1検索フラグが第1検索フラグ格納エリアに格納されていると判定すると、ステップS3904cを経ることなくステップS3905cに進む。
ここで、第1検索カウンタは、検索カウンタエリア329における第1検索カウンタエリアに設けられており、第1検索フラグを格納した場合にその第1検索フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第1検索カウンタには、既得情報の個数が上限値(Cmax)に設定され、この第1検索カウンタのカウント値は、既得情報をその記憶順に検索する毎に1インクリメントされるように更新される。そして、更新後において第1検索カウンタエリアに記憶されている保留情報が、上限値(Cmax)、つまり、既得情報の個数となると第1検索フラグが消去される。
ステップS3905cの処理では、第1検索カウンタのカウント値がCiの既得情報が大当たり保留情報であると判定する。このステップS3905cは、第1検索カウンタのカウント値に基づいて行われる。つまり、既得情報のうち、最も先に取得された既得情報(但し、既得情報数が1個の場合、当該既得情報)が大当たり保留情報であるか否かを判定する。ここで、最も先に取得された既得情報を「既得情報1」、「既得情報1」の次に記憶された既得情報を「既得情報2」、「既得情報2」の次に記憶された既得情報を「既得情報3」、「既得情報3」の次に記憶された既得情報を「既得情報4」という。また、「既得情報4」の次に記憶された既得情報を「既得情報5」、「既得情報5」の次に記憶された既得情報を「既得情報6」、「既得情報6」の次に記憶された既得情報を「既得情報7」、「既得情報7」の次に記憶された既得情報を「既得情報8」という。
ここで、第3実施形態においても、既得情報の中を大当たり保留情報が存在するか否かの検索(第1検索)を第1検索カウンタのカウント値に基づいて行い、大当たり保留情報を発見すると、ステップS3906cに進み、大当たり用の予告条件成立抽選を行う。このステップS3906cの処理は図56(a)のS3201と同様な処理である。そして、ステップS3906cの処理を実行すると、ステップS3907cにおいて大当たり用の予告条件成立抽選が当選であるか否かを判定する。そして、当選であると判定されると、ステップS3908cにおいて大当たり用成立当選処理を実行する。この大当たり用成立当選処理は、前述の図105と同様な処理である。但し、ステップS3908cにおいて実行する「大当たり成立当選処理」のステップS3215aにおいては、図105の括弧書に示すように、予告条件成立抽選に当選した既得情報の発生順位を示す数(対象既得情報数)が、保留予告カウンタに設定される。具体的には、予告条件成立抽選に当選した既得情報(大当たり保留情報)が、既得情報7である場合には、予告カウンタに「7」が設定される。例えば、既得情報の取得数が「7」であっても、3番目(取得順)に取得された既得情報(大当たり保留情報)について予告条件成立抽選に当選した場合には、保留予告カウンタに「3」が設定される。
ステップS3908cの大当たり用成立当選処理を実行すると、ステップS3910cに進み、第2予告演出実行判定フラグと、第1検索フラグを消去する処理を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。なお、第3実施形態では、既得情報において大当たり保留情報を優先して予告条件成立処理の対象とするため、第2予告演出を通常の予告演出よりも高確率で実行することができる。
また、ステップS3907cにおいて大当たり用の予告条件成立抽選が落選である場合にはステップS3909cに進む。このステップS3909cの処理では既存保留情報の個数が「1」であるか否かを判定する。つまり、既得情報の数が1個である場合において、当該大当たり保留情報がであるか、当該大当たり保留情報の予告条件成立抽選が落選である場合には、第2予告演出実行判定処理を終了する趣旨である。そして、既存保留情報の個数が「1」である場合にはステップS3910cに進み、第2予告演出実行判定フラグと、第1検索フラグを消去する処理を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。
ステップS3909cの処理で、既得情報の数が1個よりも大きいと判定される場合(ステップS3909cで否定判定される場合)には、ステップS3911cに進み、「Ci≧2」であるか否かを判定する。つまり、第1検索カウンタの数値に対応する大当たり保留情報(予告条件成立抽選で落選となった大当たり保留情報)が、取得順位が2番目以降であるか否かを判定する。そして、ステップS3911cで肯定判定される場合、ステップS3912cに進む。このステップS3912cでは、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアから消去する処理と、第2検索フラグを第2検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として「Ci−1」を設定する処理と、を行った後、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)には、今回S3905cの処理等の対象となった大当たり保留情報よりも前に取得される取得保留情報の数が設定される。例えば、既得情報6が今回S3905cの処理等の対象となった大当たり保留情報であれば、既得情報1〜5が第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)に設定される。そして、ステップS3912cの処理を終了すると、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了した後、再度、第2予告演出実行判定処理を起動すると、ステップS3901c、S3902cの肯定判定を経て、図111のS3916cに移行する。なお、ステップS3911cにおいて否定判定されると(取得情報1が第2予告抽選に落選である場合)には、ステップS3909eに進み、第2予告演出実行判定処理を終了する。
また、ステップS3905cの処理で否定判定される場合には、ステップS3913cの処理に移行し、第1検索カウンタのカウント値が上限値(Cmax)であるか否かを判定する。つまり、既得情報の個数分だけ、ステップS3905cの処理を繰り返しても大当たり保留情報を発見できない場合は、ステップS3913cで肯定判定される。より具体的には、既得情報の数が「3」の場合、既得情報1(Ci=1)と、既得情報2(Ci=2)と、既得情報3(Ci=3)について、その記憶順にステップS3905cの処理を施しても、大当たり保留情報を発見できない場合は、ステップS3913cで肯定的に判定され、未だ、既得情報3(Ci=3)についてステップS3905cの処理が施されていない場合には、ステップS3913cで否定的に判定される。また、既得情報の数が「1」の場合、既得情報1(Ci=1)について、ステップS3905cの処理で否定判定されると、その時点で、ステップS3913cで肯定的に判定される。
ステップS3913cで上限値(Cmax)でないと判定されると、ステップS3914cに進み、第1検索カウンタ(Ci)のカウント値を1インクリメントし、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901cの肯定判定と、ステップS3902cの否定判定と、ステップS3903cの肯定判定を経てステップS3905cに移行する。この場合、先にS3905cの処理の対象とした既得情報(大当たり保留情報か否かの判定対象となった既得情報)に続いて取得された既得情報が、S3905cの処理の対象となる。
一方、ステップS3913cで第1検索カウンタのカウント値が上限値(Cmax)であると判定すると、ステップS3915cの処理に移行し、第1検索フラグを第1検索フラグ格納エリアから消去する処理と、第2検索フラグを第2検索フラグ格納エリアに格納する処理と、第2検索カウンタ(Di)の上限値(Dmax)として既得情報の個数を設定する処理と、を行った後、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901cの肯定判定と、ステップS3902cの肯定判定を経て、図111のステップS3916cに移行する。
図111のステップS3916c以降の処理では、大当たり保留情報以外の既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)について、予告条件成立抽選を当該既得情報(リーチ保留情報若しくは非リーチ保留情報)の記憶順に行う。具体的には、ステップS3916cにおいては第2検索カウンタのカウント値が示す既得情報(例えば、Di=1、つまり、既得情報1)について、予告条件成立抽選を行う。この予告条件成立抽選は、前述の図56(b)のS3301の処理若しくは図57(a)のS3401の処理と同様な処理である。このため、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得保留情報が「リーチ保留情報」であるか、「非リーチ保留情報」であるかによって、ステップS3923で予告条件成立抽選が当選となる確率が異なっている。
なお、第2検索カウンタとは検索カウンタエリア329における第2検索カウンタエリアに設けられており、第2検索フラグを格納した場合にその第2検索フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第2検索カウンタには、ステップS3912c若しくはステップS3915cにおいて上限値が設定され、この第2検索カウンタのカウント値は、既得情報をその記憶順に検索する毎に1インクリメントされるように更新される。そして、更新後において第2検索カウンタエリアに記憶されている情報が、上限値(Dmax)、つまり、S3912c若しくはS3915cの処理で設定された上限値(Dmax)と第2検索フラグが消去される。
ステッ3916cで予告条件成立抽選を行うと、ステップS3917cに進み、予告条件成立抽選の結果が当選であるか否かを判定する。そして、当選であると判定されると、ステップS3918cにおいて予告条件成立処理を実行する。具体的には、その時点の第2検索カウンタのカウント値に対応する取得情報が「リーチ保留情報」である場合には、前述の図106と同様な「リーチ用予告条件成立処理」を実行し、当該取得保留情報が「非リーチ保留情報」である場合には、前述の図107と同様な「非リーチ用予告条件成立処理」を実行する。但し、ステップS3918cにおいて実行する「リーチ用成立当選処理」のステップS3318aにおいては、当選した既得情報の取得順位を示す数(既得情報数)が、保留予告カウンタに設定される。また、ステップS3918cにおいて実行する「非リーチ用成立当選処理」のステップS3413aにおいても、予告条件成立抽選に当選した既得情報の取得順位を示す数(既得情報数)が、保留予告カウンタに設定される。具体的には、予告条件成立抽選に当選した既得情報の数が「5」である場合には、保留予告カウンタ)に「5」が設定される。例えば、既得情報の取得数が「7」であっても、2番目(取得順)に取得された既得情報について予告条件成立抽選に当選した場合には、保留予告カウンタに「2」が設定される。
ステップS3918cにおいて予告条件成立処理を実行すると、ステップS3921cに進み、第2予告演出実行判定フラグと、第2検索フラグとを消去した後、予告演出実行判定処理を終了する。
ステップS3917cで、予告条件成立抽選に落選したと判定されると、ステップS3919cに進む。つまり、第2検索カウンタのカウント値が示す既得情報(例えば、Di=1、つまり、既得情報1)についての予告条件成立抽選の結果が落選であると判定される場合もステップS3919cに移行する。
ステップS3919cでは第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)であるか否かを判定する。ここで、ステップS3919cの処理は、S3912c若しくはS3915cの処理で設定した上限回数(Dmax)だけ、ステップS3917cの予告条件成立抽選を行って、当選できなかった場合には、第2予告演出実行判定処理を終了させる処理である。具体的には、既得情報の数が「3」の場合、既得情報1(Di=1)と、既得情報2(Di=2)と、既得情報3(Di=3)について、その記憶順にステップS3916c以降の処理を施しても、ステップS3917bの処理で肯定判定がなされない場合には、ステップS3919cの処理で第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)である判定される。また、未だ、既得情報3(Di=3)についてステップS3916c以降の処理が施されていない場合には、ステップS3919cで否定的に判定される。
そして、上限値(Dmax)に達していなければ、ステップS3920cに移行し、第2検索カウンタ(Di)のカウント値を1インクリメントした後、一旦、第2予告演出実行判定処理を終了する。この場合、第2予告演出実行判定処理を再度起動すると、ステップS3901cの肯定判定と、ステップS3902cの肯定判定を経てステップS3916c以降の処理に移行する。
一方、ステップS3919cで第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達したと判定すると、ステップS3921cの処理に移行し、第2予告演出実行判定フラグと、第2検索フラグとを消去した後、予告演出実行判定処理を終了する。なお、S3916c以降の処理をリーチ保留情報と、非リーチ保留情報とで別個に行ってもよい。つまり、第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達するまで、リーチ保留情報についての予告条件成立抽選を行い、全て落選であった場合に、第2検索カウンタのカウント値が上限値(Dmax)に達するまで、非リーチ保留情報についての予告条件成立抽選を行ってもよい。
なお、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、図109のステップS3809aの予告初期化処理を行った場合においても、既得情報(終了した予告演出の実行を決定した後に取得した保留情報)に基づき、図110のステップS3908cの処理若しくは図111のステップS3818cの処理が行われ、再び、予告条件成立フラグが、ワークRAM254に格納されることがある。この場合、図109のフラグ消去処理において、S3805aの処理で肯定判定を得て、S3806a以降の処理に進む。このとき、対象となる既得情報数(対象既得情報と、当該前既得情報の数の合計個数)が、予告用カウンタに設定されているため、S3806a、S3807a等の処理がなされ、前述の図72及び図73等に基づき、第2予告演出が実行される。また、第3実施形態では、第2予告演出を終了する際に、S3811aの処理で肯定判定されると、再び、第2予告演出が実行される可能性がある。
第3実施形態によると、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。つまり、保留情報が「8」となり易いパチンコ機(例えば、8チャンスと称する)パチンコ機において、前述のように「主制御から送られる先読み保留情報に対して先読み演出を行う際先読みゾーンに当選させ、この状態の時には別の先読みゾーンに当選させないという処理」を実行すると、以下のような問題を生ずる可能性がある。すなわち、この種のパチンコ機において、予告演出の対象となる変動表示によって外れ結果で表示した場合、最大で7個の既得情報が処理されるまで、保留情報に対して予告の可否の抽選を行わず、保留情報7個分の無抽選期間(予告の可否の抽選を行えない期間)ができてしまう。
これに対して、第3実施形態のパチンコ機10では、予告演出の対象となる変動表示によって外れ結果で表示した場合に、第2予告演出の実行の可否を判定するため、無抽選期間(予告の可否の抽選を行えない期間)ができないようにすることができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した第3実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)前述のように、第3実施形態に第2実施形態の態様を適用することが効果的である。つまり、図90(c)の例では、既得情報1がノーマルリーチを経て外れ結果を表示する保留情報(第4ランクの保留情報)である。また、既得情報2、既得情報4、既得情報5及び既得情報7が、リーチを経ずに外れ結果を表示する保留情報(第5ランクの保留情報)である。そして、既得情報3が、スーパーリーチを経て外れ結果を表示する保留情報(第3ランクの保留情報)であり、既得情報6が、通常大当たりを示す保留情報(第2ランクの保留情報)である。そして、第3実施形態では、既得情報の数が第2実施形態よりも多くなり易いが、第2実施形態の構成(取得時に大当たり保留情報の取得順位を特定する構成)によれば、既得情報を順次検索しなくても、予告条件成立抽選を優先的に行う保留情報を見つけ出すことができる。つまり、予告条件成立抽選を、Cp値が特定されている既得情報6を優先的に行うことで、第2予告演出の実行の可否を効率的に決定できる。
(2)また、第3実施形態に対しても、前述の変形例5(図81)を適用することができる。つまり、第3実施形態においても、予告演出の対象となる遊技回を開始する際に既得情報の存否を確認し、当該遊技回が外れ結果を表示する場合に第2予告演出実行判定フラグを格納する態様を例示した。但し、図81の変形例5に示すように、予告演出の対象となる遊技回が終了したときに、既得情報の存否を確認することとしてもよい。また、予告演出の対象となる遊技回の進行中(変動表示中)に、既得情報の存否を確認することとしたり、予告演出の対象となる遊技回の終了する間際(例えば、1秒前)に、既得情報の存否を確認することとしたりしてもよい。これらの場合、既得情報の存否を確認する時期が遅くなるため、既得情報の数をより多くできる可能性が高くなる。よって、高ランクの既得情報を得たり、予告条件成立抽選の機会を得やしたりすることができる。
(3)第3実施形態においても、予告演出が対象とする遊技回の表示結果が外れ(2R確変大当たりも含む)の場合に既得情報が存在する場合には、第2予告演出実行判定処理を何度でも行う態様を例示した。このため、第2予告演出が対象とする遊技回の表示結果が外れの場合に既得情報が存在する場合には、第2予告演出実行判定処理を再度行うことになる。つまり、予告演出を終了する際に、図109のS3811aの処理で肯定判定されると、再び、第2予告演出が実行される可能性がある。但し、第2予告演出の実行回数を制限してもよい。例えば、予告演出が対象とする遊技回の表示結果が外れ(2R確変大当たりも含む)の場合に、第2予告演出実行判定処理を1回に限り行うこととしてもよいし、2回に限り行うこととしてもよい。例えば、1回に限り行う場合には、通常の予告(第1示唆演出)の後、1回目の第2予告演出実行判定処理を行うと、第2予告演出実行判定処理を再び行うことを禁止するフラグを設定する。そして、再び、通常の予告(第1示唆演出)を行う場合に、当該フラグを消去することとしてもよい。
(4)第3実形態では、遊技球が第1入球部62aへの入球に基づく遊技回と、第2入球部62bに入球することに基づく遊技回とを、第1入球部62a若しくは第2入球部62bへの入球順に行う態様を例示したが、遊技球が第1入球部62aへの入球に基づく遊技回と、第2入球部62bに入球することに基づく遊技回とを並行して行う態様としてもよい。例えば、表示画面Gに遊技球が第1入球部62aへの入球に基づく遊技回を表示する領域と、第2入球部62bに入球することに基づく遊技回を表示する領域とを設け、第1入球部62aへの入球に基づく遊技回と、第2入球部62bに入球することに基づく遊技回とを並行して表示することができる。
(第4実施形態)
次に第4実施形態のパチンコ機10について説明する。この第4実施形態は前述の第1実施形態の変形例に相当するものであり、以下の点を除いて第1実施形態と同様である。このため、第4実施形態では第1実施形態と相違する点を説明し、第1実施形態と共通する点の説明を省略する。
すなわち、第4実施形態のパチンコ機10では、図112(a)及び(b)に示すように、戻り球の解消動作の達成度合に応じて解消動作の実行時間を変更する。つまり、所定の解消動作を所定時間行ったが、戻り球の解消動作が不十分である場合には、次回の解消動作の実行時間を所定時間よりも長くしてもよい。以下、第4実施形態の特徴を説明する。
第4実施形態では、(イ)戻り球解消処理を図112(a)に基づいて行う点と、(ロ)通常処理(図26)において戻り球解消処理(S508)と遊技球発射制御処理(S509)の間に、図112(b)の終了後時間計測処理が付加されている点が第1実施形態と異なるが、その他の点については第1実施形態と同様である。また、第4実施形態の戻り球解消処理では、S1603の処理の代わりにS1603Aの処理を行う点と、S1606の処理の代わりにS1606Aの処理を行う点が、第1実施形態の戻り球解消処理と異なるが、その他の点については第1実施形態と同様である。
ここで、S1603Aの処理においても、解消動作実行フラグを設定する処理と、解消動作を開始する処理と、戻り球フラグを消去する処理と、解消動作終了タイマteを設定する処理を実行する。但し、第4実施形態では解消動作の達成度合が十分な場合と不十分な場合とで解消動作終了タイマteに設定する値が異なっている。
具体的には、終了後時間計測タイマの値が「0」である場合には、解消動作終了タイマteに「450(1.8秒)」を設定し、終了後時間計測タイマの値が「正数」である場合には、解消動作終了タイマteに「600(2.4秒)」を設定する。ここで、終了後時間計測タイマtsは前回の戻り球解消動作を行ってから経過時間を計測するタイマであり、S1606Aの処理において上限値(初期)値が設定される。つまり、S1606Aの処理では、解消動作を終了する処理と、解消動作実行フラグを消去する処理の他に、終了後時間計測タイマtsに「300(1.2秒)」を設定する処理を行う。
図112(b)に示すように、第4実施形態の終了後時間計測処理が起動すると、ステップS1650にて終了後時間計測タイマtsの値が「0」であるか否かを判定する。そして、ステップS1650にて肯定判定をした場合、第4実施形態の終了後時間計測処理を終了する。一方、ステップS1650にて否定判定をした場合、ステップS1651に進み、終了後時間計測タイマtsを「1」減算し、一旦、第4実施形態の終了後時間計測処理を終了する。ここで、終了後時間計測処理は、通常処理(図26)の一部であり、4msec周期で実行される。このため、ステップS1650にて否定判定した場合には、終了後時間計測タイマtsの値は、所定周期(4msec周期)で1デクリメントされる。
この第4実施形態では前回の解消動作を行ってから「1.2秒」を経過した後は終了後時間計測タイマtsの値が「0」となり、「1.2秒」を経過する前は終了後時間計測タイマtsの値が「正数値」となる。そして、前回の戻り球解消動作を行ってから「1.2秒」を経過した後に、前回の解消動作の達成度合が十分であったと判定されるため、解消動作終了タイマteに通常の値(「450(1.8秒)」)が設定される。
一方、終了後時間計測タイマtsの値が「正数値」である場合、つまり、「1.2秒」を経過する前に戻り球が検知される場合には、前回の解消動作の達成度合が不十分であった可能性があると判定される。例えば、前回の解消動作を行った後においても、発射レール74上に残存した遊技球(戻り球)が検知(図37を参照)されたと判定されるため、解消動作終了タイマteに通常の値よりも大きな値(「600(2.4秒)」)が設定される。
第4実施形態によると、前回の解消動作を行ってから十分な時間を経過した後に戻り球を検知する場合は、前回の解消動作の達成度合が十分である(発射レール74上の戻り球を解消していた)と判定され、今回の解消動作の実行時間が通常時間に設定される。一方、前回の戻り球解消動作を行ってから短期間のうちに戻り球を生ずる場合、前回の解消動作の達成度合が不十分である(発射レール74上の戻り球を解消していない)可能性があると判定され、今回の解消動作の実行時間が長く設定される。
なお、第4実施形態では、今回の解消動作の実行時間が長く設定されても、当該今回の解消動作を行ってから十分な時間を経過した後に戻り球を検知する場合は、次回の解消動作の実行時間が通常時間に設定される。但し、今回の解消動作の実行時間を長く設定して、更に当該今回の解消動作を行ってから十分な時間を経過した後に戻り球を検知する場合にも、次回の解消動作の実行時間を長くすることとしてもよい。
また、第4実施形態においては、図113(a)に示すように解消動作の実行時間を長く設定することを行っても達成度合が不十分である場合には、解消動作の実行時間を更に長く設定することとしてもよい(以下、応用例という。)。つまり、応用例では、前回の解消動作を行ってから短期間のうちに(直ぐに)戻り球を検知する場合、今回の解消動作の実行時間を長く設定する(2.4秒に設定する)。しかし、今回の解消動作を行ってから短期間のうちに(直ぐに)戻り球を検知する場合、次回の解消動作の実行時間を更に長く設定する(3.0秒に設定する)。同様に、次回の解消動作を行ってから短期間のうちに(直ぐに)戻り球を検知する場合、当該「次回の解消動作」に後続する解消動作の実行時間を更に長く設定する(3.6秒に設定する)こととしてもよい。つまり、達成度合が十分となるまで、解消動作の実行時間を長く設定することを行ってもよい。この場合、解消動作の達成度合が十分になった後において、当該解消動作に後続する解消動作の実行時間を通常の時間に戻してもよいし、当該「達成度合が十分になった解消動作の実行時間」のままとしてもよい。
また、図112(a)のステップS1606Aにおいて、終了後時間計測タイマtsに設定する時間(期間)を10時間、20時間、1週間、1月間、1年間等の長時間(長期間)としてもよい。この場合、S1603Aの処理を行う際に、終了後時間計測タイマtsが「0」である場合には、戻り球の発生頻度が第1頻度(低頻度)と判定し、解消動作の実行時間を第1所定時間に設定する。一方、終了後時間計測タイマtsが「正数」である場合には、戻り球の発生頻度が第1頻度よりも高い第2頻度(高頻度)と判定し、解消動作の実行時間を第1所定時間よりも長い第2所定時間に設定してもよい。
なお、図112(a)のステップS1603Aにおいて、終了後時間計測タイマtsが「299」、「298」等の「ステップS1606Aで設定する上限値」に近い値である場合には、解消動作の実行時間が実質的に延長されることになる。つまり、予定していた「解消動作の終了時間(1.8秒)」となっても、戻り球が検知されている場合には、実質的に「解消動作の終了時間」が延長される(2.4秒延長される)ことになる。また、「解消動作に達成度合」にかかわらず、先に実行される解消動作の実行時間に比べて、その次に実行される解消動作の実行時間を長くしたり、短くしたりすることができる。更に、実行時間が長い解消動作と、実行時間が短い解消動作とが交互に行われてもよい。
第4実施形態によると、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、第4実施形態では、戻り球の解消動作の達成度合に応じて解消動作の実行時間を変更するため、戻り球をより確実に達成度できる。
<他の実施の形態>
なお、上述した第4実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)第1実施形態では、遊技球の検知間隔の長短(発射周期より短いか否か)によって戻り球の有無を検知したが、図113(b)の変形例11の戻り球検知処理に示すように、発射レール74を通過する遊技球の球速(発射レール74の通過検知センサ74bが遊技球の通過を検知する時間、つまり、遊技球が通過検知センサ74bの検知範囲を通過する時間)に基づいて戻り球の有無を検知してもよい。なお、変形例11の戻り球検知処理は、通常処理のステップS507における戻り球検知処理の他の具体例を示す。
変形例11の戻り球検知処理は、発射レール74の通過検知センサ74bが遊技球の通過を検知する時間(遊技球が通過検知センサ74bの検知範囲を通過する時間)に基づいて、戻り球の発生の有無を検知するものである。つまり、発射位置74Wから発射装置75によって発射される遊技球(以下、正常発射球という。)には、打撃部75bの発する打撃力がそのまま加わる。これに対して、発射レール74を逆走する戻り球は、打撃部75bの発する打撃力ではなく、戻り球に加わる重力を用いて発射レール74を逆走する。このため、正常発射球が発射レール74(通過検知センサ74bの検知範囲)を通過する球速(w1)よりも、戻り球が発射レール74を逆走する球速(w2)は遅くなる。そして、変形例11では、通過検知センサ74bが遊技球を検知する時間の長短に基づいて、戻り球の発生の有無を検知している。
なお、第1実施形態と異なり、発射レール74が急傾斜に設置され(例えば、傾斜角;50〜80度である場合)多数の戻り球を発生し、発射位置74Wの遊技球を多数の戻り球とともに発射する場合、多数の戻り球が通過検知センサ74bの検知範囲で往復動したり、検知範囲で停止したりすると、通過検知センサ74bが遊技球を検知する時間は更に一層長くなる。また、通過検知センサ74b(検知手段)を通過する速度は、戻り球の方が通常の遊技球(戻り球が発射レールに存在しない状態で、発射装置74で発射された遊技球)よりも遅くなるのが一般的である。
但し、発射レールの状況(発射レール上に他の戻り球の存在等)によっては、通過検知センサ74b(検知手段)を通過する速度が、戻り球の方が通常の遊技球よりも速くなる可能もある。但し、通過検知センサ74b(検知手段)を通過する速度が、通常の速度(戻り球が発射レールに存在しない状態で、発射装置74で発射された遊技球が、通過検知センサ74bを通過する速度)よりも遅くなる遊技球が1つでも存在する場合、戻り球が発生したと認識できる。
図113(b)に示す戻り球検知処理では、ステップS1511にて、通過検知センサ74bが遊技球を検知しているか否かを判定する。そして、ステップS1511にて肯定判定をした場合、ステップS1512に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた検知時間用カウンタTC3を「1」加算し、一旦、戻り球検知処理を終了する。ここで、戻り球検知処理は、通常処理(図26)の一部であり、4msec周期で実行される。このため、通過検知センサ74bが遊技球を検知している場合には、検知時間用カウンタTC3においてセットされたカウント値は、所定周期(4msec周期)で1インクリメントされる。つまり、この検知時間用カウンタTC3は、通過検知センサ74bが検知する時間(検知を継続する期間)を定めるカウンタである。
ステップS1511にて否定判定をした場合、ステップS1513に進み、検知時間用カウンタTC3の値が「3」以上であるか否かを判定する。そして、ステップS1513にて否定判定をした場合には、通過検知センサ74bによる検知時間が短く、戻り球が検知されなかった判定される。このため、ステップS1515の処理に進み、検知時間用カウンタTC3の値が「0」であるか否かを判定し、検知時間用カウンタTC3の値が「0」と判定される場合には、そのまま戻り球検知処理を終了する。また、ステップS1515の処理にて否定判定をした場合、ステップS1516の処理に進み、検知時間用カウンタTC3の値を「0」にした後、戻り球検知処理を終了する。
ステップS1513にて肯定判定をした場合には、通過検知センサ74bによる検知時間が長く、戻り球を検知したと判定される。このため、ステップS1514の処理に移行し、戻り球フラグの設定を行うと、ステップS1515に進む。そして、ステップS1514を経たステップS1515では、一律に否定判定されるため、ステップS1516の処理に進み、検知時間用カウンタTC3の値を「0」にした後、戻り球検知処理を終了する。ここで、変形例11の戻り球フラグも、戻り球が発生していることを示すフラグである。なお、変形例11では、検知時間用カウンタTC3のカウント値が「3」以上であると、戻り球が存在すると判定する態様を例示したが、当該判定の基準となる検知時間用カウンタTC3の値、つまり、戻り球が存在すると判定する場合の遊技球の球速は、変形例11に示すものに限定されず、使用する発射レール74の角度、使用する発射装置75の種類等に応じて種々選択できる。
(2)第1実施形態及び変形例11では、1個の通過検知センサ74bによって戻り球の発生の有無を判定する態様を例示したが、図114(a)に示す変形例12のように複数個の通過検知センサ74x、74yを用いて戻り球の発生の有無を判定する態様を例示することもできる。この変形例12では、発射レール74の途中に、第1通過検知センサ74xと第2通過検知センサ74yが配置されている。このうち、第1通過検知センサ74xは発射位置74Wに近い位置に配置されるセンサであり、第2通過検知センサ74yは第1通過検知センサ74xよりも発射位置74Wから遠い位置に配置されるセンサである。なお、これらの通過検知センサ74x、74yの構造は、第1実施形態の通過検知センサ74bと同様である。
発射位置74Wから発射される遊技球は、第1通過検知センサ74xの検知孔(貫通孔)、第2通過検知センサ74yの順に通過する。そして、遊技球が第1通過検知センサ74xを通過してから、第2通過検知センサ74yを通過するまでの時間を計測(カウンタTC4のカウント値を計数)することに基づいて戻り球の発生の有無を判定する。また、所定の遊技球を検知する通過検知センサ74x、74yの順番により、戻り球の発生の有無を判定できる。具体的には、所定の遊技球を検知する順序が、第2通過検知センサ74y、第1通過検知センサ74xの順であると、当該遊技球が発射レール74を逆走したと判定すること(戻り球を発生した判定すること)ができる。
以下、図114(b)に示すフローチャートを用いて、変形例12の戻り球検知処理について説明する。ここで、図114(b)に示すフローチャートにおいて、「第1検知」とは第1通過検知センサ74xが遊技球を検知したこと(遊技球の検知時であること)を示し、「第1検知フラグ」とは第1通過検知センサ74xが遊技球を検知したことを示すフラグである。また、「第2検知」とは第2通過検知センサ74yが遊技球を検知したこと(遊技球の検知時であること)を示し、「第2検知フラグ」とは第2通過検知センサ74yが遊技球を検知したことを示すフラグである。
変形例12の戻り球検知処理では、ステップS1521にて、第1通過検知センサ74xが遊技球を検知したか否か(第1通過検知センサ74xによる遊技球の検知時であるか否か)を判定する。そして、ステップS1521にて肯定判定をした場合、第1検知フラグを設定した後、一旦、戻り球検知処理を終了する。
一方、ステップS1521にて否定判定をした場合、ステップS1523に進み、第1検知フラグが設定されているか否かを判定する。そして、ステップS1523で肯定判定される場合には、ステップS1524に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた検知間隔カウンタTC4を「1」加算し、ステップS1525において、第2通過検知センサ74yが遊技球を検知したか否か(第2通過検知センサ74yによる遊技球の検知時であるか否か)を判定する。ここで、戻り球検知処理は、通常処理(図26)の一部であり、4msec周期で実行される。このため、検知間隔カウンタTC4においてセットされたカウント値は所定周期(4msec周期)で1インクリメントされる。そして、、この検知間隔カウンタTC4は、第1通過検知センサ74xが遊技球を検知してから、第2通過検知センサ74yが当該遊技球を検知するまでの時間を定めるカウンタである。
ステップS1525にて否定判定をした場合には、一旦、戻り球検知処理を終了する。つまり、遊技球が第1通過検知センサ74xで検知されたが当該遊技球を第2通過検知センサ74yが検知していない場合(遊技球が第1通過検知センサ74xと第2通過検知センサ74yの間を通過している場合)には、一旦、戻り球検知処理を終了する。
一方、ステップS1525にて肯定判定をした場合(第2通過検知センサ74yが遊技球を検知したとき)、ステップS1526に進み、「検知間隔カウンタTC4の値」が「許容範囲内」であるか否かを判定する。例えば、発射位置74の遊技球が、発射装置74によって通常の状態で発射される場合(発射レール74に戻り球が存在しない状態で発射される場合)、当該遊技球が第1通過検知センサ74xと第2通過検知センサ74yの間を通過するための時間が「0.1秒(検知間隔カウンタTC4の値が25)」であるとする。この場合、当該「時間」が「0.92秒(TC4=23)〜0.108秒(TC4=27)」の範囲内であれば「許容範囲内」とされる。一方、当該「時間」が「0.92秒」未満であったり、「0.108秒」を超えたりすると「許容範囲外」とされる。なお、当該「時間」の「許容範囲」は変形例12に示す範囲に限定されず、対象となるパチンコ機の設置状態、発射位置74のガタツキ、使用する発射レール74の角度、使用する発射装置75の種類等に応じて種々選択できる。
ステップS1526で肯定判定すると、ステップS1528の処理に進み、「第1検知フラグ」を消去する処理と、検知間隔カウンタTC4の値を「0」にする処理を行い、戻り球検知処理を終了する。一方、ステップS1526で否定判定すると、ステップS1527の処理に進み、戻り球フラグを設定する。そして、ステップS1528の処理を経て戻り球検知処理を終了する。
また、ステップS1523で、第1検知フラグが設定されていないと判定される場合には、ステップS1530に進み、第2通過検知センサ74yが遊技球を検知したか否か(第2通過検知センサ74yによる遊技球の検知時であるか否か)を判定する。そして、ステップS1530で否定判定される場合には戻り球検知処理を終了する。これに対して、ステップS1530にて肯定判定をした場合、ステップS1531に進み、戻り球フラグを設定する処理を行い、戻り球検知処理を終了する。ここで、ステップS1523の否定判定を経て、ステップS1530で肯定判定される場合とは、所定の遊技球が、第2通過検知センサ74y、第1通過検知センサ74xの順で検知されたこと(つまり、遊技球が発射レール74を逆走したこと)を示している。つまり、ステップS1523の否定判定を経て、ステップS1530で肯定判定される場合には、ステップS1531に進み、戻り球フラグを設定する。
以上の変形例12によると、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。即ち、発射レール74に2個の通過検知センサ74x、74yを配置するため、「第1通過検知センサ74xと第2通過検知センサ74yとの間の遊技球の検知間隔」や、「第1通過検知センサ74xと、第2通過検知センサ74yとのうち何れの通過検知センサ74x、74yが遊技球を先に検知したのか」を判定することで、戻り球の発生を認識することが容易である。特に、変形例12によると、第1通過検知センサ74xと第2通過検知センサ74yとが遊技球を検知する順序を考慮することで、戻り球の発生の有無を確実に認識することができる。
また、第1実施形態の更に他の変形例を示す図115の変形例13に示すように、遊技球の検知が第2通過検知センサ74y、第1通過検知センサ74xの順になされた場合に限り、戻り球と判定することとしてもよい。この変形例13においても、第1通過検知センサ74xと第2通過検知センサ74yの配置間隔を前述の変形例12と同様としてもよい。つまり、図115(a)に示すように、第1通過検知センサ74xと第2通過検知センサ74yとの間にある程度の間隔を設け、第1通過検知センサ74xにおける「遊技球の検知範囲」と、第2通過検知センサ74yにおける「遊技球の検知範囲」が離れていてもよい。但し、図115(a)に示すように発射レール74の途中において、2個の通過検知センサ74x、74yを近接して配置してもよい。この図115(a)のように、通過検知センサ74x、74yの検知範囲が近接していると(例えば、2mm〜10mmの距離とすると)、発射位置74から発射された遊技球に勢いが無くても、当該遊技球が第1通過検知センサ74xの検知範囲を通過すると第2通過検知センサ74yの検知範囲に到達する。また、発射レール74を逆走する遊技球が第2通過検知センサ74yの検知範囲を通過すると第1通過検知センサ74xの検知範囲に到達する。従って、戻り球の球勢を問わずに当該戻り球の検知をより確実に行うことができる。特に、第1通過検知センサ74xが発射位置74に近い位置に配置されている(遊技球1個分若しくは2個分の距離に配置されている)と、発射レール74上で「球詰まり」を生じ、発射動作を施しても、多数の遊技球が発射位置74の近辺で往復動する場合(多数の遊技球が殆ど動かない場合)に有効である。
変形例13では戻り球検知処理を図115(b)に示すフローチャートに基づいて行う。つまり、変形例13では戻り球検知処理では、ステップS1521で肯定判定されると、第1検知フラグを設定した後、一旦、戻り球検知処理を終了する。一方、ステップS1521にて否定判定をした場合、ステップS1523に進み、第1検知フラグが設定されているか否かを判定する。そして、ステップS1523で肯定判定される場合には、ステップS1524Bに進み、第2通過検知センサ74yが遊技球を検知したか否かを判定する。そして、ステップS1524Bにて否定判定をした場合には、一旦、戻り球検知処理を終了する。一方、ステップS1524Bにて肯定判定をした場合、ステップS1525Bの処理に進み、「第1検知フラグ」を消去する処理を行い、戻り球検知処理を終了する。
また、ステップS1523で、否定判定される場合には、ステップS1526Bに進み、第2通過検知センサ74yが遊技球を検知したか否か(第2通過検知センサ74yによる遊技球の検知時であるか否か)を判定する。そして、ステップS1526Bで否定判定される場合には戻り球検知処理を終了する。これに対して、ステップS1526Bにて肯定判定をした場合、ステップS1527Bに進み、戻り球フラグを設定する処理を行い、戻り球検知処理を終了する。
以上の変形例13によると、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。即ち、発射レール74に2個の通過検知センサ74x、74yを配置するため、第1通過検知センサ74xと、第2通過検知センサ74yとのうち何れの通過検知センサが遊技球を先に検知したのかを判定することで、戻り球の発生を簡易に認識することができる。
(2)第1実施形態では、発射許可信号の出力状態がHIレベルであるとき、所定タイミングty3で解消動作実行フラグが設定されたが、当該タイミングty3よりも前のタイミングtv1にて球送り装置76により発射レール74上に1個の遊技球を送り出していた場合に発射動作を行うこととしたが、図45(b)に示す変形例14(第1実施形態の変形例)に示すように、解消動作実行フラグの設定後の発射動作を禁止すること(行わないこと)としてもよい。
この変形例14においても、図42の発射制御処理のステップS5003において、発射周期カウンタの値を「0」クリアする点は同様である。但し、ステップS5003において、解消動作実行フラグが設定され、発射許可信号の出力状態がLOWレベルとなった場合、球送り済み状態であるか否かを判定する。そして、ステップS5003において、球送り済み状態であると判定されると、球送り済み状態を解除する。このように、解消動作実行フラグが設定されることに基づいて発射許可信号の出力状態がLOWレベルとなった場合においては、球送り済み状態であるならば当該球送り済み状態を解除することとすれば、解消動作実行フラグ設定後に発射装置75が発射動作を行うことがない。
また、変形例14では図116に基づいて発射制御処理を実行してもよい。ここで、図52の発射制御処理では、ステップS5003の代わりにステップS5003Aの処理を行う点と、ステップS5004の代わりにステップS5004Aの処理を行う点と、ステップS5008の代わりにステップS5008Aの処理を行う点と、ステップS5009の代わりにステップS5009Aの処理を行う点と、ステップS5010の代わりにステップS5010Aの処理を行う点と、ステップS5010の処理が省略されている点が異なるが、その他の点は図42の発射制御処理と同様である。
図116の発射制御処理においても、先ず、ステップS5001では、主制御装置81が電源・発射制御装置98(発射許可の受信回路98e)に出力されている発射許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。発射許可信号がHIレベルである場合には、ステップS5002にて、電源・発射制御装置98に設けられた発射周期カウンタ(図示を省略)の値を1加算する。
発射許可信号がLOWレベルである場合には、ステップS5003Aにて、発射周期カウンタの値を「0」クリアする。但し、解消動作実行フラグが設定され、発射許可信号の出力状態がLOWレベルとなった場合、発射カウンタ(CTS)の値が正であるか否か(球送り済み状態であるか否か)を判定し、発射カウンタ(CTS)の値が正である場合には、発射カウンタ(CTS)の値を「0」にする処理を行う。これにより、発射カウンタ(CTS)の値が正(球送り済み状態である)で解消動作実行フラグが設定された場合には、解消動作実行フラグの設定後に発射装置75が発射動作を行うことがない。この球送り済み状態の遊技球は、戻り球の解消動作を実行するときに、発射レール74の下端部から排除される。ここで、発射カウンタ(CTS)は減算型のカウンタを用いて構成され、電源・発射制御装置98に設けられている。そして、球送り装置76による発射レール74上への1個の遊技球の供給が完了すると、上限値がセットされ、カウンタの値が「0」になると、発射レール74上の遊技球が発射される。
ステップS5002の処理若しくはステップS5003Aの処理を実行した場合には、ステップS5004Aに進む。このステップS5004Aの処理は、発射カウンタ(CTS)の値が正であるか否か(球送り済み状態であるか否か)を判定する。そして、発射カウンタ(CTS)が「0」であると(球送り済み状態ではない場合には)、ステップS5005にて、発射周期カウンタの値が「150」となっているか否かを判定し、発射周期カウンタの値が「150」となっていない場合には、一旦、発射制御処理を終了する。
これに対して、発射周期カウンタの値が「150」となっている場合ステップS5006、ステップS5007の処理を実行した後、ステップS5008Aの処理を行うと、一旦、発射制御処理を終了する。ここで、ステップS5008A処理では、発射カウンタ(CTS)の値に上限値の「50」をセットする。
一方、ステップS5004Aにて肯定判定をした場合には、ステップS5009Aにて、発射カウンタ(CTS)の値を1減算する。続くステップS5010Aでは、発射カウンタ(CTS)の値が「0」となっているか否かを判定する。発射カウンタ(CTS)は、そのカウント値は4msec周期(通常処理と同じ周期)で1インクリメントされる。そして、発射カウンタ(CTS)の値が「0」となっている場合とは、発射レール74の発射位置に遊技球が供給された後に0.2secが経過したことを意味する。
発射カウンタ(CTS)の値が「0」となっていない場合には、一旦、発射制御処理を終了する。これに対して、発射カウンタ(CTS)の値が「0」となっている場合には、ステップS5011に進み、電源・発射制御装置98が発射ハンドル8Aの可変抵抗器88から受信している信号に基づき、発射ハンドル8Aの回動操作量に応じた発射強度を把握する。続いて、ステップS5012に進み、ステップS5011にて把握した発射強度に応じた発射用の駆動信号を発射装置75に向けて出力する。
これにより、発射レール74の発射位置に供給されている遊技球が、発射ハンドル8Aの回動操作量に応じた発射強度で発射され、発射制御処理を終了する。なお、発射カウンタ(CTS)の値が「0」となると、球送り済み状態が解除される。また、図52の発射制御処理において、ステップS5003Aの処理の代わりに、図42の発射制御処理のステップS5003のの処理を行う変形例を例示することもできる。
(3)また、第1実施形態では、タッチセンサ87及びストップスイッチ89からの検知信号は電源・発射制御装置98を経由して主制御装置81に入力され、主制御装置81がこれらの信号に基づいて発射の可否を設定し、その旨を示す信号(発射許可信号)を電源・発射制御装置98に入力する構成となっていた。但し、第1実施形態と異なり、タッチセンサ87及びストップスイッチ89からの検知信号が電源・発射制御装置98を経由して、主制御装置81とは異なる制御装置(例えば、払出制御装置97)に入力され、当該異なる制御装置がこれらの信号に基づいて発射の可否を設定し、その旨を示す信号を電源・発射制御装置98に入力する構成を採用することもできる。また、電源・発射制御装置98がMPUを備える構成では、送り済み状態の設定を示すフラグを「MPUに設けられたRAM」に記憶(設定)することで、図42のS5008の処理を行い、当該フラグを「MPUに設けられたRAM」から消去することで、図42のS5013の処理を行うことができる。この場合、MPUが当該フラグの状態(記憶されているか、消去されているか)を判定することで、S5004の処理を実行できる。また、変形例14においては、解消動作実行フラグが設定され、発射許可信号の出力状態がLOWレベルとなった場合、当該フラグを消去することで、図48のS5003Aの処理を行ってもよい。
(4)第1実施形態では戻り球フラグが設定されると、解消動作実行フラグの設定する態様を例示したが、図117等に示す変形例10(第1実施形態の変形例)のように、戻り球フラグが設定されると、「解消動作に先立って球送り停止(球送り動作を停止し、発射動作を行う)こと」としてもよい。
後述するように、変形例15では所定時間(例えば、3.0秒)以上、戻り球を生じていない状態で戻り球を生ずると、第1戻り球フラグが設定され、球送り停止フラグが設定される。つまり、暫く、戻り球を生じていない状態で戻り球を生ずると、第1戻り球フラグが設定され、球送り停止フラグが設定される。なお、変形例15では当該「所定時間」として「3.0秒」を例示するが、当該「所定時間」が必ずしも「3.0秒」である必要はなく、例えば、「6.0秒」、「12.0秒」、「1時間」、「1日」、「1週間」、「1月」等の他の時間(期間)であってもよい。また、当該「所定時間」の設定は、当該パチンコ機10の設計時や製造時になされ、当該パチンコ機10がパチンコホールに設置される段階で、所定時間(期間)が一の時間に定められていてもよい。或いは、パチンコ機10が製造メーカから出荷される段階では当該「所定時間(所定期間)」の候補が複数個定められ、当該パチンコ機10がパチンコホールに設置された後に、所定の選択手段を操作することで、複数個の「所定時間(所定期間)」のなかから一の時間(期間)を選択してもよい。この選択手段は、遊技者が操作可能なものであってもよいし、遊技者が操作不可能なもの(当該パチンコ機10の管理者やパチンコホールの店員が操作でき、遊技者が操作できない選択手段)であってもよい。
そして、変形例15では、第1戻り球フラグが設定された後、当該「所定時間(例えば、3.0秒)」が経過する前に戻り球を生ずると、第2戻り球フラグが設定され、解消動作実行フラグが設定される。また、球送り停止フラグが消去された後、当該「所定時間(例えば、3.0秒)」以上を経過した後に戻り球を生ずると、「暫く、戻り球を生じていなかった」と判定され、再び、第1戻り球フラグが設定され、球送り停止フラグが設定される。
次に図117のタイミングチャートを用いて変形例15の特徴を説明する。このタイミングチャートは、球送り停止フラグと、解消動作実行フラグと、発射許可信号と、球送り装置76が行う球送り動作と、発射装置75が行う発射動作との関係を示している。
図117は、電源・発射制御装置98から主制御装置81に入力された条件成立信号がHIレベルであり、しかも、解消動作実行フラグが解除されている状態である場合(主制御装置81が発射許可信号の出力状態をHIレベルとしている場合)において、戻り球を生じ、tw1のタイミングにて球送り停止フラグが設定された場合を示している。この場合、tw1のタイミングを経過した後も発射許可信号がHIレベルに維持され、発射装置75が行う発射動作を行うことができる。但し、球送り停止フラグが設定されると、球送り装置76が行う球送り動作が行われることはない。
球送り停止フラグが設定されている間(例えば、3発射周期を例示)は発射レール74に新たな遊技球が送り出されることはない。従って、発射レール74に既に戻り球が生じているにも拘わらず、発射レール74に新たな遊技球が送り出される事態を防止できる。しかも、球送り停止フラグが設定されている間、発射装置75が行う発射動作を行うため、球送り停止フラグを設定した際に発射レール74上に遊技球が残存していれば、この残存する遊技球を発射レール74に沿って打ち出すことが可能である。この場合、残存する遊技球は発射レール74の上端から隙間部7D(ファール球回収口)に到達し、間隔部7Dから落下し、ファール球通路を通じて下皿72に排出できる可能性を生ずる。
このように、球送り停止フラグを設定した後、発射動作が一定時間(変形例15では、3発射周期を例示)実行可能とされ、この発射動作により、戻り球が解消される可能性がある。そして、球送り停止フラグの設定期間(例えば、3発射周期を例示)を経過すると球送り停止フラグが消去され、戻り球が検知されなければ、「球送り動作と、その0.2後に発射動作を行うこと」を0.6secの周期に繰り返すことになる。
一方、図示を省略するが、球送り停止フラグを設定した後に、一定時間(3発射周期)発射動作を実行可能とされても、戻り球が解消されない場合においても、球送り停止フラグが消去される。但し、球送り停止フラグが消去された後、所定時間(例えば、3.0秒)が経過する前に戻り球の存在が確認されると、解消動作実行フラグが設定され、発射許可信号がHIレベルからLOWレベルとなる。そして、解消動作実行フラグが設定されると、球送り動作と発射動作が行われることはない。なお、球送り停止フラグが消去された後、所定時間(例えば、3.0秒)が経過した後に戻り球が検知されると、改めて球送り停止フラグが設定される。
この変形例15は、通常処理(図26)において、(a)戻り球検知処理を図54に基づいて行う点と、(b)戻り球解消処理を図55に基づいて行う点と、(c)戻り球解消処理(S508)と遊技球発射制御処理(S509)の間に図56(a)の準備フラグ管理処理を行う点と、(d)遊技球発射制御処理(S509)を図116に基づいて行う点が、第1実施形態と異なるが、その他の点については第1実施形態と同様である。
次に、図118のフローチャートを用いて、変形例15の戻り球検知処理の特徴を説明する。この変形例15の戻り球検知処理では、「ステップS1506の処理で肯定断定されると、ステップS1507を実行した後、ステップS1508を実行する」代わりに、「ステップS1506の処理で肯定断定されると、ステップS1507A若しくはステップS1507Bを実行した後、ステップS1508を実行する点」が実施例1と異なる。なお、変形例15の戻り球検知処理を第1実施形態の戻り球検知処理(図37)の変形例とするが、変形例15の戻り球検知処理を変形例11、変形例12、変形例13の戻り球検知処理の変形例としてもよい。
変形例15の戻り球検知処理では、ステップS1506で肯定判定をした場合には、ステップS1506Aに進み、準備フラグが設定されているか否かを判定する。ここで、準備フラグとは、解消動作を実行する準備ができていることを示すフラグであり、後述するように、球送り停止が終了した後若しくは解消動作を終了した後に設定される。
そして、ステップS1506Aにて否定判定されると、ステップS1507Aに進み、第1戻り球フラグを設定し、ステップS1506Aにて肯定判定されると、ステップS1507Bに進み、第2戻り球フラグを設定する。そして、ステップS1507A若しくはステップS1507Bの処理を行うと、ステップS1508の処理を経て戻り球検知処理を終了する。ここで、「第1戻り球フラグ」は球送り停止処理を行う状態であるこを示すフラグであり、「第2戻り球フラグ」は戻り球解消動作を行う状態であることを示すフラグである。
次に、図119のフローチャートを用いて、変形例15の戻り球解消処理について説明する。変形例15の戻り球解消処理では、ステップS1611にて球送り停止フラグが設定されているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に球送り停止フラグが格納されているか否かを判定することによってステップS1611の処理を行うことができる。ここで、球送り停止フラグとは、球送り動作を停止中であることを示すフラグであり、第1戻り球フラグが設定された状態で戻り球解消処理を起動すると設定される。
ステップS1611にて否定判定されると、ステップS1612に進み、解消動作実行フラグが設定されているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に解消動作実行フラグが格納されているか否かを判定することによってステップS1612の処理を行うことができる。ここで、解消動作実行フラグとは、解消動作を実行中であることを示すフラグであり、第2戻り球フラグが設定された状態で戻り球解消処理を起動すると設定される。そして、解消動作の意義は第1実施形態と同様である。
ステップS1611及びステップS1612にて否定判定されると、ステップS1613において、第1戻り球フラグが設定されているか否かを判定する。そして、ステップS1613にて肯定判定されると、ステップS1614において、球送り停止フラグを設定する処理と、球送り動作を停止する処理と、第1戻り球フラグを消去する処理と、球送り停止終了タイマtfに「450(1.8秒)」を設定する処理を実行し、戻り球解消処理を終了する。ここで、球送り停止終了タイマtfは球送り動作の停止が開始されたとき(球送り停止フラグが設定されたとき)、「球送り動作の停止」を終了する時期を定めるタイマである。
ステップS1613にて否定判定されると、ステップS1615において、第2戻り球フラグが設定されているか否かを判定する。そして、ステップS1615にて否定判定されると、そのまま戻り球解消処理を終了する。これに対して、ステップS1615にて肯定判定されると、ステップS1616において、解消動作実行フラグを設定する処理と、解消動作を開始する処理と、第2戻り球フラグを消去する処理と、解消動作終了タイマteに「450(1.8秒)」を設定する処理を実行し、戻り球解消処理を終了する。ここで、解消動作終了タイマteは解消動作が開始されたとき(解消動作実行フラグが設定されたとき)、解消動作を終了する時期を定めるタイマである。
ステップS1611にて球送り停止フラグが設定されていると判定する場合、ステップS1620にて、球送り停止終了タイマtfの値を1ディクリメントする。つまり、戻り球解消処理は通常処理の一部であり、4msec周期で実行されるため、解消動作終了タイマteにセットされたカウント値は、所定周期(4msec周期)で1ディクリメントされる。
ステップS1620を行うと、ステップS1621に進む。ステップS1621では、球送り停止終了タイマtfの値が「0」であるか否かを判定する。そして、球送り停止終了タイマtfの値が「0」でない場合には、そのまま戻り球解消処理を終了する。これに対して、球送り停止終了タイマtfの値が「0」である場合には、ステップS1622にて、「球送り動作の停止」を終了する処理と、球送り停止フラグを消去する処理と、準備フラグを設定する処理と、終了後時間計測用カウンタtvに「750」を設定する処理とを行った後、戻り球解消処理を終了する。ここで、終了後時間計測用カウンタtvとは、球送り停止フラグ若しくは解消動作実行フラグが消去された後の時間を計測するためのカウンタである。ここで、戻り球検知処理は、通常処理(図26)の一部であり、4msec周期で実行されるため、終了後時間計測用カウンタtvにおいてセットされた値は、所定周期(4msec周期)で1デクリメントされる。
ステップS1611で否定判定され、ステップS1612で肯定判定される場合には、ステップS1617に進む。このステップS1617にて、解消動作終了タイマteの値を1ディクリメントする。そして、ステップS1617を行うと、ステップS1618に進む。ステップS1618では、解消動作終了タイマteの値が「0」であるか否かを判定する。そして、解消動作終了タイマteの値が「0」でない場合には、そのまま戻り球解消処理を終了する。これに対して、解消動作終了タイマteの値が「0」である場合には、ステップS1619にて、解消動作を終了する処理と、解消動作実行フラグを消去する処理と、準備フラグを設定する処理と、終了後時間計測用カウンタtvに「750」を設定する処理とを行った後、戻り球解消処理を終了する。なお、変形例15の戻り球解消処理においても、ステップS1619にて、解消動作を終了する処理(ソレノイド77aの励磁を停止し、支持部材77を下降させ、発射位置74Wの遊技球を支持可能する処理)が行われていない場合は、警告音を発生させたり、警告用のランプ表示を行ったりしてもよい。
図120(a)を用いて、変形例15の準備フラグ管理処理について説明する。この準備フラグ管理処理が起動すると、ステップS1671にて準備フラグが設定されているか否かを判定する。そして、ステップS1671にて否定判定をした場合、準備フラグ管理処理を終了する。一方、ステップS1671にて肯定判定をした場合、ステップS1672に進み、終了後時間計測タイマtvを「1」減算し、ステップS1673に進む。
そして、ステップS1673では、終了後時間計測タイマtvの値が「0」であるか否かを判定し、終了後時間計測タイマtvの値が「0」でない場合には終了後時間計測処理を終了する。一方、ステップS1673で終了後時間計測タイマtvの値が「0」と判定されると、ステップS1674に進み、準備フラグを消去した後、準備フラグ管理処理を終了する。
つまり、変形例15では、準備フラグが「球送り停止が終了した後(球送り動作を停止するが、発射動作を継続する状態を終了した後)」若しくは「解消動作を終了した後」、所定時間(例えば、3発射周期)設定されているが、当該所時間(例えば、3発射周期)を経過すると消去される。このため、当該所定時間(例えば、3発射周期)の経過後において、戻り球が検知されると、第1戻り球フラグが設定され、球送りの停止がなされる。
次に図121を用いて変形例15の遊技球発射制御処理の特徴を説明する。この変形例15の遊技球発射制御処理では、ステップS1705の処理の後にステップS1705B、ステップS1705C、ステップS1705Dが付加されている点が第1実施形態の遊技球発射制御用処理と異なる。
つまり、変形例15の遊技球発射制御処理では、ステップS1705を実行するとステップS1705Bに進む。このステップS1705Bでは、球送り停止フラグが設定されているか否かを判定する。そして、球送り停止フラグが設定されている場合には、S1705Cの処理を実行した後、遊技球発射制御処理を終了し、球送り停止フラグが設定されていない場合には、S1705Dの処理を実行した後、遊技球発射制御処理を終了する。ここで、S1705Cの処理は、球送り停止フラグが設定されていることに基づいて球送り停止信号の出力状態をHIレベルに設定する処理であり、S1705Dの処理は、球送り停止フラグが設定されいないことに基づいて球送り停止信号の出力状態をLOWレベルに設定する処理である。なお、主制御装置81が球送り停止信号の出力状態をHIレベル若しくはLOWレベルにすると、発射許可信号が電源・発射制御装置98(図16に示す発射許可の受信回路98e)に入力される構成となっている。電源・発射制御装置98では、球送り停止信号がHIレベルとなっていることに基づいて球送り動作を停止する。
次に、図120(b)を参照して、変形例15の発射制御処理について説明する。このS5006の処理を行うと、S5006Aの処理を行う点が第1実施形態の発射制御処理と異なる。
変形例15の発射制御処理では、ステップS5006の処理で発射周期カウンタの値が「150」となっている判定される場合には、S5006Aに進み、球送り停止信号がHIレベルとなっている否かを判定する。そして、球送り停止信号がHIレベルとなっていないと判定される場合には、ステップS5007では、球送り装置76に向けて球送り用の駆動信号を出力した後、ステップS5008を経て発射制御処理を終了する。
一方、球送り停止信号がHIレベルとなっていると判定される場合には、ステップS5007の処理をスキップし、ステップS5008を経て発射制御処理を終了する。つまり、球送り装置76は1個の遊技球を発射レール74の発射位置に移行させていないが、球送り済み状態に設定し、発射制御処理を終了する。このように、変形例15では、発射許可信号がHIレベルであるが、球送り停止信号がHIレベルとなっている場合には、ステップS5007の処理をスキップする。この場合、球送り動作が禁止され、発射レール74に新たな遊技球が送り出されないが、球送り済み状態に設定されるため、ステップS5009〜5013の処理は実行される(図42を参照)。
ところで、従来の遊技機では、戻り球が発生しても球送り動作を継続すると、発射レール74に多数の遊技球が溜まり、発射レール74上で球詰まりを生じたり、球詰まりの度合が、どんどんひどくなる可能性がある。これに対して、変形例15では、戻り球が発生すると、先ず、球送り動作を停止し、発射動作を継続する。すなわち、球送り動作を停止し、発射レール74への遊技球上に存在する遊技球を発射することで戻り球の解消(発射レール74上からの排除)を試みる。そして、戻り球が解消された場合には、そのまま通常の遊技を継続し、戻り球を解消しない場合には、戻り球解消処理を行う。つまり、変形例15では、戻り球フラグが設定されても、先ず「球送り動作の停止」を行うこととし、戻り球解消処理の実行頻度を低くするため、遊技のより円滑な進行に資することができる。なお、変形例15においても、前述の第4実施形態(図112を参照)と同様に、戻り球の解消動作の達成度合等に応じて解消動作の実行時間を変更してもよい。例えば、球送り動作の停止を経て最初に実行される解消動作の実行時間よりも、当該解消動作に続いて実行される解消動作の実行時間が長くされてもよい。
また、変形例15の発射制御処理を第1実施形態の発射制御処理の変形例としたが、図120(c)に示すように、変形例15の発射制御処理を変形例14(図52)の発射制御処理の変形例としてもよい。つまり、ステップS5006の処理で発射周期カウンタの値が「150」となっている判定される場合には、S5006Aに進み、球送り停止信号がHIレベルとなっている否かを判定する。そして、球送り停止信号がHIレベルとなっていないと判定される場合には、ステップS5007では、球送り装置76に向けて球送り用の駆動信号を出力した後、ステップS5008Aを経て発射制御処理を終了する。一方、球送り停止信号がHIレベルとなっていると判定される場合には、ステップS5007の処理をスキップし、ステップS5008Aを経て発射制御処理を終了する。つまり、球送り装置76は1個の遊技球を発射レール74の発射位置に移行させていないが、球送り済み状態に設定し、発射制御処理を終了する。このように、変形例15では、発射許可信号がHIレベルであるが、球送り停止信号がHIレベルとなっている場合には、ステップS5007の処理をスキップする。この場合、球送り動作が禁止され、発射レール74に新たな遊技球が送り出されないが、ステップS5008Aの処理を実行しているため、ステップS5009A、S5010A、50111、5012の処理は実行される(図116を参照)。
(4)また、図122(a)に示す変形例16(第1実施形態の変形例)に示すように、発射レール74の下端(後端)に切り欠き74Eを設け、遊技球の発射レール74上からの排出の円滑化を図ってもよい。つまり、支持部材77を遊技球Fの後方より待避させることで、発射レール74上の遊技球Fを発射レール74の下端から排出することができるが、その際の排出通路が発射レール74の下端に切り欠き74Eを設けた分だけ、広くなる。このため、遊技球の発射レール74上からの排出の円滑化を図ることができる。この切り欠き74Eとしては、遊技球の直径よりも大きな曲率半径を備える円弧状の切り欠き74Eを例示できるが、切り欠き74Eの形状、大きさは、遊技球の少なくとも一部が進入可能であれば特に問わない。
なお、発射レール74の下端部を平面視で略直線状とすると、発射レール74の下端部と、発射装置75の先端部(打撃部75b)との間隔が狭くなる場合には、発射レール74の下端部に切り欠き74Eを設けることで、発射レール74の下端部と、発射装置75の先端部(打撃部75b)との間隔を確保できる。また、発射レール74の下端部に切り欠き74Eを設けた場合、発射レール74において支持部材77で後方より支持された遊技球の重心位置GWは、発射レール74上に存在することが望ましい。
(5)更に、第1実施形態では支持部材77を動作させて、戻り球の解消動作実行を行ったが、戻り球の解消方法は第1実施形態に示す方法に限定されない。例えば、図122(b)の変形例17(第1実施形態の変形例)に示すように、発射レール74の下端側(後端)74Fを、ヒンジ74Gを基準に回動可能とし、下端側(後端)74Fを正面視で時計回転方向に回転し、発射レール74上の遊技球Fを排出することとしてもよい。また、図123の変形例18(第1実施形態の変形例)に示すように、発射装置75を発射レール74と遠ざかる方向に移動可能(後退可能)とし、支持部材77の移動と発射装置75の後退を行うことで、発射レール74上の遊技球Fを排出することとしてもよい。
(6)また、図124(a)の変形例19(第1実施形態の変形例)に示すように、発射レール74を発射方向(誘導レール部5Eに近接する方向)に向かって移動可能とする。これにより、発射レール74の下端側(後端)W1が発射方向(誘導レール部5Eに近接する方向)に移動し、当該下端側(後端)W1と、支持部材77との間に遊技球が通過可能な隙間部W2を設け、この隙間部W2を通じて遊技球Fを排出することとしてもよい。つまり、発射レール74を所定方向に移動し、発射レール74の下端側(後端)W1(発射位置73)と、支持部材77との距離を遊技球の直径を超えるものとすることで、発射レール74上の遊技球を発射レール74外に排出することができる。
(7)更に、図124(b)の変形例20(第1実施形態の変形例)に示すように、発射レール74の上端部側に、回転中心W3(パチンコ機10の前面に平行な面内で回転可能な回転中心)を設ける。そして、発射レール74の回転中心W3を基準に回転し(正面視で時計回転方向に回転)、当該下端側(後端)W1と、支持部材77との間に遊技球が通過可能な隙間部W4を設け、この隙間部W4を通じて遊技球Fを排出することとしてもよい。なお、変形例20では、発射レール74の回転はストッパW5に当接するまで実行される。
同様に、図124(c)の変形例21(第1実施形態の変形例)に示すように、発射レール74を、パチンコ機10の前面に略垂直若しくは交差する面内に設けられた回転中心W6を基準に回転可能とする。そして、発射レール74を回転中心W6を基準に回転し、発射レール74の溝部74Mを下り傾斜となるように傾けることで、発射レール74上の遊技球Fを溝部74Mが傾けられた方向に排出することとしてもよい。つまり、変形例19〜20に示すように、発射レール74を回転させることで、発射レール74上の遊技球Fを発射レール外に排出することができる。
(8)また、図125の変形例22に示すように、発射レール74を収縮可能な構造とし、発射レール74の下端側(後端)W7を発射方向(誘導レール部5Eに近接する方向)に移動し、当該下端側(後端)W7と、支持部材77との間に遊技球が通過可能な隙間部W8を設け、この隙間部W8を通じて遊技球Fを排出することとしてもよい。例えば、発射レール74の下端側の部分W9を、第1レール部74Aの下端側部分と、第1レール部74A上に摺動可能に配置された第2レール部74Bとで構成する。そして、戻り球を生じていない場合には、第2レール部74Bの下端側部分が第1レール部74Aの下端側よりも、発射方向と逆方向に突出する。また、第2レール部74Bの下端側部分の上面には発射位置74Wが設けられているが、戻り球を生ずると、ソレイドイド等の駆動手段を用いて、第2レール部74Bが第1レール部74A上を発射方向に摺動する。これにより、第2レール部74Bの下端側部分の「第1レール部74Aからの突出量」が少なくなる。そして、第2レール部74Bの下端側部分と、支持部材77との間に遊技球が通過可能な隙間部W8を設け、この隙間部W8を通じて遊技球Fを排出することとしてもよい。なお、第2レール部74Bの上端部側に第1レール部74Aの側に下る傾斜面W10を設け、第2レール部74Bの上端部側と第1レール部74Aの上面との間に段差を無くすることができる。このため、発射位置74Wから発射され、第2レール部74Bの上面を通過した遊技球が、第1レール部74Aの上面に向かってスムーズに移行することになる。
(9)第1実施形態では通過検知センサ74bとして、貫通型の近接スイッチを用いたが、図59の変形例18のように、通過検知センサ74bを光学式センサで構成してもよい。例えば、LEDで構成される発光素子74m(発光部)と、フォトトランジスタで構成される受光素子74n(受光部)とを発射レール74の両側に対向配置する。そして、発射レール74を通過する遊技球が発光素子74mから出た光を遮断すると(通過検知センサ74bを通過すると)、HIレベルの検知信号を出力し、発射レール74を通過する遊技球が発光素子74mから出た光を遮断しないと(通過検知センサ74bを通過しないと)、LOWレベルの検知信号を出力することとしてもよい。但し、この場合も、発射レール74を通過する遊技球が発光素子74mから出た光を遮断すると、LOWレベルの検知信号を出力し、発射レール74を通過する遊技球が発光素子74mから出た光を遮断しないと、HIレベルの検知信号を出力することとしてもよい。
この変形例22の場合も、通過検知センサ74bがHIレベルの検知信号を検知する周期が発射周期よりも短くなると、戻り球が発生したと判定することができる。若しくは、通過検知センサ74bがHIレベルの検知信号を出力している時間が通常時間であると、発射位置74wから正常に発射された遊技球であると判定し、通過検知センサ74bがHIレベルの検知信号を出力している時間が通常時間よりも長い時間であると戻り球と判定することができる。また、通過検知センサ74bを光学式センサで構成すると、通過検知センサ74bを発射される遊技球と非接触な状態とし易い。つまり、第1実施形態の通過検知センサ74bを用いる場合には、通過検知センサ74bの検知孔74cを遊技球が通過する構成であるが、変形例18の通過検知センサ74bでは、発射レール74を通過する遊技球と非接触であるため、発射される遊技球が通過検知センサ74bから影響を受ける可能性を低くできる。
(10)第1実施形態や変形例18の通過検知センサ74bの代わりに、発射レール74の重量を検知するための重量センサを用いた変形例(第1実施形態の変形例)も例示できる。この重量センサは、発射レール74の下方等に、発射レール74の重量及び発射レール74上に配置される遊技球の重量を支える支持部を設ける。この支持部は、発射レール74の重量及び発射レール74上に配置される遊技球の重量に比例して圧縮変形するものとする。そして、支持部の周壁部に歪みゲージを貼付する。この歪みゲージは圧縮方向の歪みに対して電気抵抗を減少させる素子を用いて構成され、図示しないブリッジ回路を介して、主制御基板201を構成するMPU202に接続される。
そして、支持部が圧縮され、歪みゲージが歪むと、歪みゲージの歪み量に応じて電気抵抗が変化する。このため、歪みゲージの歪み量に応じて、ブリッジ回路から出力される電圧が、MPU202に入力される。そして、主制御装置81において、1個の遊技球が発射レール74に搭載されているときの信号レベル(以下、第1信号レベルという)が予め定められ、この第1信号レベルと、ブリッジ回路から出力される信号レベル(以下、第2信号レベル)を比較する。そして、発射レール74に複数個の遊技球が搭載されていると判定すると、戻り球が発生したと判定し、戻り球解消処理を実行してもよい。このように、重量センサによって発射レール74上の遊技球の重量が所定値よりも大きい(多い)場合には、戻り球が発生したと判定してもよい。この場合、戻り球の発生の有無を発射レール74上の遊技球の重量によって、より確実に判定できる。なお、重量センサは発射レール74上の遊技球の重量を計測可能であれば、その形態、構造は特に問わない。例えば、発射レール74の全域に支持する支持部を発射レール74の下方に設け、この支持部に歪みゲージを設けてもよい。
(11)第1実施形態では、発射レール74の発射位置74wを内枠13(樹脂ベース21)の前面部であって、遊技盤24の取着部位の下方において、右寄りの位置に設け、発射レール74を右側から左側に緩やかに上がり傾斜状(約25〜35の傾斜角)に配置している。そして、この発射レール74を通過した遊技球は、内枠13(樹脂ベース21)の左端側に設けられた誘導レール部5Eに誘導される。ところが、図126(a)の比較例のように、発射レール574を内枠13(樹脂ベース21)の前面部であって、遊技盤24の取着部位の下方において、内枠13(樹脂ベース21)の左右方向に沿った略中央(実線で図示)若しくは内枠13(樹脂ベース21)の左端寄り(破線で図示)に設けるとともに、発射レール574を右側から左側に急な上がり傾斜状(約50〜80の傾斜角)に設けた遊技機も提案されている。
この発射レール574では、図126(b)に示すように、下方に配置され、肉厚が大きな厚肉部574aと、上方に配置され、肉厚が小さな薄肉部574zとを斜めに略連続して配置した構成を備える。また、発射レール574の下端部側を除くレール幅(遊技球の発射方向と直交する幅)は1個の遊技球が通過可能な幅であるが、厚肉部574aの下端側に、レール幅が下方に向かって徐々に狭くした縮径部574cを備える。
縮径部574cの下端部寄りでは、レール幅が遊技球の直径と略等しくなり、発射レール574に進入した遊技球は、縮径部574cの下端部寄りの内壁面574dに下方から支持される。つまり、この内壁面574dが発射位置574eの具体例を構成する。また、縮径部574cは左側に配置される左側形成部574mと、右側に配置される右側形成部574nとを備える。また、縮径部574cの最下端部(発射レール574の最下端部)には打撃孔574fが開口している。
また、内枠13(樹脂ベース21)の前面部において、縮径部574cの右側には、打撃槌574gが設けられ、この打撃槌574gが、回動点574hを基準に右回転方向に回転駆動すると、打撃槌574gが発射位置に支持された遊技球を打撃することができる。
この発射レール574は、傾斜角が急激であるとともに、発射レール574が上方に開口する略袋形状とされている。このため、戻り球が発生すると、2個、3個、4個の遊技球が発射レール574に溜まっていく可能性が高い。特に、発射ハンドル8Aに加えられる回動操作量を少なくして、所謂「チョロ打ち」を試みた場合、遊技球が発射レール574に溜まり、遊技の継続が困難な場合がある。この場合、パチンコホールの店員の手作業で、発射レール574内の遊技球を排除する必要がある。
一方、図127(a)及び(b)に示す変形例23(第1実施形態の変形例)では、左側形成部574mの下方側を、斜め方向に動作可能(発射方向に略直交する方向に動作可能)な可動部574kとする。そして、この可動部574kの駆動源を構成するソレノイド574jを設け、ソレノイド574jから突出するプランジャ574pを可動部574kに装着する。そして、ソレノイド574j(内蔵されたコイル)を励磁すると、プランジャ574pの突出量が少なくなり、ソレノイド574j(内蔵されたコイル)の励磁を停止すると、プランジャ574pの突出量が多くなる。
また、薄肉部574zの下端寄りには、発射レール574を通過する遊技球を検知するための通過検知センサ574bが設けられている。この通過検知センサ574bの種類は種々選択でき、例えば、第1実施形態等で例示した磁気検知タイプの近接センサ、変形例18等で例示した光学式センサや、重量センサ等を用いることができる。
正常時(遊技球を発射位置に支持するとき)には、図127(a)に示すように、ソレノイド574j(内蔵されたコイル)の励磁が停止され、プランジャ574pの突出量が少なくされる。このとき、可動部574kの内壁面と、右側形成部574mの内壁面とが遊技球を保持可能な距離(遊技球の直径よりも小さな距離となるため)となるため、当該遊技球を発射位置574eに支持できる。一方、逆走球の発生時(具体的には、通過検知センサ574bが戻り球を検知した場合)には、図127(b)に示すように、ソレノイド574jを励磁し、プランジャ574pの突出量が少なくされる。このため、可動部574kの内壁面と、右側形成部574mの内壁面とが遊技球を保持可能な距離を超えるため(遊技球の直径より大きな距離となるため)、発射レール574上の遊技球は可動部574kの上部を通過して、発射レール574の下端部から排出される。そして、図示しない連絡通路を通過して、下皿72に誘導される。
このように、変形例23によると、排出手段(通過検知センサ74bの検知結果に基づいて、主制御装置81が行うステップS1702の処理、可動部574kを動作されるソレノイド574j等)を備えるため、発射レール574が急傾斜に配置されていたり、発射レール574が球詰まりを生じ易い構造であったりしても、戻り球を自動的に排出し、円滑な遊技の進行を確保できる。
なお、変形例23では、厚肉部574mの一部で構成される可動部574kを動作させて、戻り球の排出を行ったが、可動部574kとする箇所は種々選択できる。例えば、厚肉部574aにおいて、下端面部(底面部)と、それ以外の部分(以下、本体部)とで構成し、下端面部(底面部)に打撃孔574f(図62を参照)を設ける。そして、下端面部(底面部)を本体部に対してヒンジ等で支持し、下端面部(底面部)を可動部として、本体部の下端を閉鎖する使用状態(但し、打撃孔574fは開口している)と、本体部の下端を開放する非使用状態(但し、打撃孔574fは開口している)と、を実現可能とする。そして、通過検知センサ574bが戻り球を検知していない場合に、ソレノイド574jを励磁し(若しくは、励磁を停止し)、非使用状態を構成し、通過検知センサ574bが戻り球を検知した場合に、ソレノイド574jの励磁を停止し(若しくは、励磁し)、非使用状態を構成してもよい。
更に、変形例23では、発射レール574(特に、厚肉部574a)であって、その外周面が下方を向く部分に遊技球が通過(落下)可能な排出孔と、排出孔の開閉を行うシャッタを設ける。そして、通過検知センサ574bが戻り球を検知していない場合に、ソレノイド574jを励磁し(若しくは、励磁を停止し)、シャッタで排出孔を閉鎖し、通過検知センサ574bが戻り球を検知した場合に、ソレノイド574jの励磁を停止し(若しくは、励磁し)、シャッタを動
作させ、排出孔を開放してもよい。
(12)第1実施形態やその変形例では、排出手段の駆動手段(アクチュエータ)をソレノイドで構成したが、モータ等の他の駆動手段(アクチュエータ)を用いてもよい。また、第1実施形態やその変形例では、戻り球の排出動作(解消動作)を実行する際にソレノイドを励磁し、戻り球の排出動作(解消動作)を停止する際にソレノイドの励磁を停止(非励磁)する態様を例示したが、排出動作(解消動作)を実行する際にソレノイドを非励磁とし、戻り球の排出動作(解消動作)を停止する際にソレノイドを励磁する態様を例示することもできる。
(13)第1実施形態では、戻り球排出動作(戻り球の解消動作)の終了時期を一律に、戻り球排出動作開始後、「1.8秒」としたが、遊技者が戻り球排出動作開始時に通常の遊技状態にあったか否かによって、当該終了時期を変更してもよい。つまり、図128の変形例24(第1実施形態の変形例)では、戻り球排出動作を開始したときに、主制御装置81が、戻り球排出動作開始時に「LOWレベルの条件成立信号を受信している場合(遊技者が発射ハンドル8Aに触れていなかったり、ストップスイッチ89を操作している場合)」には、戻り球排出動作(戻り球の解消動作)の終了時期を、戻り球排出動作開始後、「1.8秒」とする。
但し、戻り球排出動作を開始したときに、主制御装置81が「HIレベルの条件成立信号」を受信している場合には、「1.8秒から所定時間を減じた時間が経過した後」に戻り球排出動作(戻り球の解消動作)が終了することがある。
例えば、図128の変形例24に示すように、タイミングT1に所定の発射周期(以下、第1発射周期という)が開始され、第1発射周期が開始後、0.2秒のタイミングT2で発射動作が実行されたものする。そして、第1発射周期が開始後、0.3秒のタイミングT3に解消動作が開始されたものとする。この場合には、当該第1発射周期の次に開始されるはずであった発射周期(以下、第2発射周期という)と、当該第2発射周期の次に開始されるはずであった発射周期(以下、第3発射周期という)とが順次実行されるとすると、第3発射周期が終了するタイミングT4になると、戻り球排出動作(戻り球の解消動作)を終了するものとする。
つまり、第1発射周期〜第3発射周期の間、主制御装置81がHIレベルの条件成立信号の受信を継続していても、解消動作実行フラグが設定されているため、主制御装置81は発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。そして、第3発射周期が終了するタイミングT4になると解消動作実行フラグが解除され、発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定する。そして、タイミングT4から0.6秒を経過したタイミングT5になると球送り動作を行い、更に、0.2秒を経過してタイミングT6になると発射動作を行う。
次に図129(a)を用いて「周期内経過時間計測処理」について説明する。この「周期内経過時間計測処理」は、所定の発射周期を実行しているときに、当該発射周期が開始されてからの時間を計測するための処理である。この「周期内経過時間計測処理」は、図26の通常処理として行われるものであり、S509の処理に続いて実行される。そして、周期内経過時間計測処理を行うと、ステップS510の処理に移行する。なお、変形例24の通常処理は、周期内経過時間計測処理が付加されている点と、戻り球解消処理の一部が異なる点を除いて、第1実施形態の通常処理と同様である。
周期内経過時間計測処理においても、先ず、ステップS1901では、発射許可信号の出力状態が変更されたか否かを判定する(図41を参照)。つまり、発射許可信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたか、LOWレベルからHIレベルに変更されると、ステップS1901において肯定判定される。そして、ステップS1901において肯定判定されると、ステップS1905に移行し、周期内経過時間計測用のカウンタTC5を「0」クリアする。
ここで、周期内経過時間計測用のカウンタTC5は、所定の発射周期を開始した後の経過時間を計測するカウンタであり、発射周期が開始するか(後述するステップS1902で肯定判定されるか)、発射許可信号の出力状態がHIレベルに変更されると(ステップS1901で肯定判定されると)「0」クリアする。
ステップS1901で否定判定されると、ステップS1902において周期内経過時間計測用のカウンタTC5の値が「150」であるか否かを判定する。この周期内経過時間計測処理は、通常処理(図26)の一部であり、後述するように、周期内経過時間計測用のカウンタTC5のカウント値は4msec周期で1インクリメントされる。しかも、発射許可信号の出力状態がLOWレベルであり、発射周期が開始されていない場合は、周期内経過時間計測用のカウンタTC5のカウント値は「0」である。そして、周期内経過時間計測用のカウンタTC5の値が「150」ということは、所定の発射周期が開始後、0.6秒を経過したこと(所定の発射周期を終了すること)を示している。このため、ステップS1902で肯定判定される場合には、ステップS1905に移行し、周期内経過時間計測用のカウンタTC5の「0」クリアした後、一旦、周期内経過時間計測処理を終了する。
また、ステップS1902で否定判定される場合には、スッテップ1903の処理に移行し、発射許可信号の出力状態がLOWレベルであるか否かを判定する。そして、発射許可信号の出力状態がLOWレベルである場合には、そのまま周期内経過時間計測処理を終了し、発射許可信号の出力状態がHIレベルである場合には、周期内経過時間計測用のカウンタTC5の値を「1」加算し、周期内経過時間計測処理を終了する。
次に、図129(b)を用いて変形例24の戻り球解消処理の特徴を説明する。変形例18の戻り球解消処理では、ステップS1603の処理の代わりにステップS1603Bの処理を行う点が、第1実施形態の戻り球解消処理と異なる。このステップS1603Bの処理においても、ステップS1603の処理と同様に、解消動作実行フラグを設定する処理と、解消動作を開始する処理と、戻り球フラグを消去する処理と、解消動作終了タイマteを設定する処理を行う。但し、ステップS1603Bの処理においては、条件成立信号の状態によって解消動作終了タイマteの設定値を選択している。
具体的に説明すると、電源・発射制御装置98から受信した条件成立信号がLOWレベルである場合(遊技者が発射ハンドル8Aに触れていなっかたり、ストップスイッチ89を操作している場合)には、解消動作終了タイマteに「450(1.8秒)」を設定する。また、条件成立信号がHIレベルである場合には、前述の周期内経過時間計測用のカウンタTC5の値を取得する。そして、当該周期開始後、解消動作終了タイマteに「450−TC5」の値を設定する。
以上の変形例24によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を得られる。つまり、遊技者が発射ハンドル8Aに触れており、ストップスイッチ89を操作していない状態で、解消動作を開始しても遊技者が違和感を抱き難くなる。つまり、遊技者が発射ハンドル8Aに触れており、ストップスイッチ89を操作していない状態で解消動作が開始されても、発射動作は発射周期(0.6秒)の正数倍の期間だけ休止される。
遊技経験が豊富な遊技者は発射間隔(発射動作の間隔)を体感しており、この発射間隔が「0.6秒」であることを体で覚えている。このため、発射ハンドル8Aに手を触れている遊技者は、発射間隔(0.6秒」)が経過する毎に遊技球が発射されるか、ファール球が下皿72に誘導される音がしなければ違和感を感ずることになる。そして、変形例24では発射ハンドル8Aに手を触れたままの遊技者が、解消動作中において周期的に実行されるはずの発射動作が1周期、2周期にファール球が下皿72に誘導される音を聞き、その後、発射動作が規則正しく再開されるため、解消動作が行われても違和感を感ずることがない。つまり、発射ハンドル8Aに手を触れたままの遊技者は、途中に発射動作が数回休止されることを除き、休止前後を通じて発射動作がリズムよく実行されるため、解消動作の実行により「いつも違う感じ」を抱く可能性が低い。
(14)変形例24では、状況に応じて解消動作の終期を定める態様を例示したが、解消動作の終期の決定手法は変形例24に示す手法に限定されない。例えば、図9の仮想線に示すように、発射レール74から排出される遊技球を検知するセンサ874bを設け、このセンサ874bが排出される遊技球を一定時間(例えば、2秒間)検知しない場合に排出動作を完了したと判定してもよい。また、発射レール74と、遊技球の重量を検知する重量センサを設け、この重量センサが、発射レール74上の遊技球が検知しない状態(発射レール74の重量のみを検知する状態)となり、一定時間(例えば、2秒間)を経過した後、排出動作を完了したと判定してもよい。
(15)また、第1実施形態及びその変形例では、戻り球の解消動作を自動的に行う態様を例示したが、戻り球の解消動作を遊技者の操作に基づいて手動で開始してもよい。例えば、遊技機に設けられた所定の入力手段に遊技者が施す入力行為によって戻り球の解消動作を行ってもよい。ここで、入力手段としては、「ボタン等のように遊技者が接触して入力行為を行う接触型の入力手段」、「遊技者が手をかざすと反応する非接触型の入力手段」、「遊技者の声に反応する音声式の入力手段」等を例示できる。そして、入力手段の入力タイミングが到来すると報知手段によって報知したり(警告したり)、入力手段に対する入力を促したりしてもよい。なお、入力タイミングとしては、「戻り球が検知されたタイミング」、「所定の時間が経過したタイミング(つまり、一定時間毎)」等を例示できる。また、「所定の時間が経過したタイミング」で報知を行う態様では、例えば、主制御装置81に計時手段やリアルタイムクロック(RTC)を設け、所定時間が経過する毎に報知を行ってもよい。ここで、報知手段としては、「スピーカ部64等の音声を用いた報知手段」、「図柄表示装置41等の表示を用いた報知手段」、「発光手段(例えば、窓部61の周囲の各種ランプ部等)を用いた報知手段」、「振動を用いた報知手段」等を例示できる。また、計時手段やリアルタイムクロック(RTC)等の計時結果に基づいて、所定の時間が経過したと判定する場合(例えば、前回の解消動作から所定の時間が経過したと判定する場合)に解消動作を行うこととしてもよい。
更に、入力手段に入力を施して戻り球の解消動作を行う態様では、当該解消動作の開始時と終了時の各々において、入力手段に入力行為を行うこととしてもよい。このとき、開始時の入力態様と終了時の入力態様が同一であっても、異なっていてもよい。ここで、入力手段の入力態様として、例えば、入力手段がボタンの場合には押圧回数によって特定される入力態様や、押圧するボタンの種類によって特定される入力態様(ボタンが複数個存在する場合)等を例示できる。また、戻り球の解消動作が終了したときに、当該解消動作の終了を報知する報知手段を備えてもよい。なお、この報知手段としては、「音声を用いた報知手段」、「表示を用いた報知手段」、「発光手段を用いた報知手段」、「振動を用いた報知手段」等を例示できる。
また、入力手段に入力を施して戻り球の解消動作を行う遊技機では、前述の通過検知センサ74b、574b等のセンサを設ける必要はない。また、入力手段に入力を施して戻り球の解消動作を行う態様は第1実施形態に限らず、その他の態様(変形例16〜22等)に対しても適用できる。例えば、変形例17においては、入力手段に入力を施すことで、発射レール74の下端側(後端)74Fが、ヒンジ74Gを基準に時計回転方向に回転し、発射レール74上の遊技球Fを排出することとしてもよい。
なお、第1実施形態では発射経路構成手段を発射レール部で構成する態様を例示したが、発射経路構成手段を発射方向に向かって上がり傾斜状に遊技球を通過させる溝部を備える発射レール部と、発射レール部を通過した遊技球を遊技領域まで誘導する誘導レール部とを備える構成とする具体例を例示してもよい。この具体例では、誘導レール部は、遊技領域の左側において上下方向に設けられ、下端部において前記発射レール部を通過した遊技球を発射方向に沿った端部から受け取るが、この場合、排出手段を発射レール部の発射方向に沿った端部と誘導レール部との間に設けられた隙間部で構成してもよい。この場合、当該隙間部によって誘導レール部を発射方向と逆方向に逆走する遊技球を排出できる。この場合、発射レール部の溝部は、発射方向に向かって25度〜35度の傾斜角に配置され、誘導レール部の下端部は、溝部の発射方向に沿った傾斜角と略同一の傾斜角に設けられてもよい。このようにすると、発射レール部を急勾配に配置しないため、発射レール部に複数個の遊技球が溜まる現象(球溜まり現象)を生じ難くできる。
(第5実施形態)
第5実施形態も第1実施形態の変形例を示す。この第5実施形態においても「パチンコ機」の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。このパチンコ機10は発射レール674の態様を変更し、戻り球排出動作(戻り球の解消動作)を電気的な制御によらず実行可能とするものである。なお、第5実施形態においても、図1〜図4をそのまま使用するが、他の実施形態のパチンコ機との区別のため、便宜上、第5実施形態のパチンコ機を「パチンコ機10」と表記する(図1〜4の括弧書きを参照)。
第5実施形態のパチンコ機10は、第1実施形態のパチンコ機10と同様な外枠11と、遊技機本体12と、遊技盤24を有する。また、第5実施形態のパチンコ機10の「前扉枠14の構成」と「背面側の構成」は第1実施形態のパチンコ機10の「前扉枠14の構成」と「背面側の構成」と同様である。そして、上記第1実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
以下、第5実施形態の発射レール674の特徴を中心に説明する。ここで、図130(a)及び(b)は発射レール674を示すための概略的な平面図、図131(a)は図130(a)の5−5断面図、図131(b)は図130(a)の6−6断面図である。また、図130(a)は遊技球が発射レール674上を発射方向に移動する様子を示し、図130(b)は遊技球が発射レール674上を発射方向と逆方向に移動する様子を示す。
第5実施形態の発射レール674は、図131(a)に示すように、樹脂製の台座部674aと、台座部674aを被覆する外装部674bとを備える。また、外装部674bは、アルミ板を略M字状に折り曲げ加工して構成され、台座部674aの前面部、上面部及び背面部を被覆している。また、台座部674aの上面部を被覆し、縦断面(パチンコ機10を前後に縦断する縦断面)が略V字状の部分によって、遊技球を搭載し、発射する溝部674cを構成する。そして、この溝部674cの下端部側によって発射位置674Wが構成される(図130を参照)。なお、第1実施形態では発射レール74の構造等を簡単に説明したが、第1実施形態の発射レール74も、第5実施形態の発射レール674のように、台座部と、台座部を被覆する外装部とを備え、外装部は、アルミ板を略M字状に折り曲げ加工して構成され、台座部の前面部、上面部及び背面部を被覆している。また、台座部の上面部を被覆し、縦断面(パチンコ機10を前後に縦断する縦断面)が略V字状の部分によって、遊技球を搭載し、発射する溝部674cを構成し、溝部674cの下端部側によって発射位置674Wが構成される。
図131(a)に示すように、溝部674cは発射方向に沿って一対の端縁(長尺方向に沿った一対の端縁)674d、674eを有している。また、図130(a)に示すように、溝部674cは発射位置674Wの近傍に切り欠き部674fを備える。この切り欠き部674fは、当該一対の端縁674d、674eのうち、後方に位置する端縁674dの一部から溝底部674gの近傍に向かって設けられている。
図131(a)に示すように、溝部674cは、溝底部674gから遊技機10の前方(図中の矢印FRを参照)に向かって上がり傾斜となる前方傾斜部674jと、遊技機10の後方に向かって上がり傾斜となる後方傾斜部674kとを備える。そして、図131(b)に示すように、切り欠き部674fは後方傾斜部674kの一部(発射位置674Wの近傍)を溝底部674gの近傍まで切り欠いて設けられている。なお、以下の説明においては、便宜上、発射レール674のうち、切り欠き部674fを設けていない部分を完全レール部674Aと称し、切り欠き部674fを設けている部分を不完全レール部674Bと称する。
なお、発射位置674Wの近傍とは、例えば、切り欠き部674fの発射位置674W側の端縁が、発射位置674Wから遊技球の直径の1.5倍〜2.5倍の距離にある場合を指し、溝底部674gの近傍とは、切り欠き部674fの発射方向に沿った端縁であって、溝底部674gに近い端縁が、溝底部674gから遊技球の直径の0.1倍〜0.2倍の距離(1.1〜2.2mm)にある場合を指す。更に、切り欠き部674fの発射方向に沿った幅を、遊技球の直径の1.5倍〜2.5倍とする場合を例示できる。
上述のように、発射レール674の溝部674cは、前方傾斜部674jと後方傾斜部674kを備える。そして、図131(a)に示すように、完全レール部674Aでは前方傾斜部674jと後方傾斜部674kとが溝底部674dを挟んで対称に配置されている。但し、図131(b)に示すように、不完全レール部674Bにおいては前方傾斜部674fに比べて後方傾斜部674kが短くされている。なお、前方傾斜部674fに関しては、完全レール部674Aと不完全レール部674Bにおいては同一サイズである。
図131(a)に示すように、完全レール部674Aにおいて、前方傾斜部674jと後方傾斜部674kとで構成される略断面V字状の溝部674cにおいて、遊技球Fの下から「約1/4」の部分を受け入れる。このとき、前方傾斜部674jと後方傾斜部674kが同一サイズであり、溝部674cを通過する遊技球を前後方向から均等に支持することができる。
図131(b)に示すように、不完全レール部674Bにおいては、後方傾斜部674jの長さ(溝底部674gから端縁までの長さ)が、前方傾斜部674kの長さ(溝底部674gから端縁までの長さ)よりも短くされている。このため、不完全レール部674Bの溝部674cは略断面L字状となり、遊技球Fを受け入れることができる。但し、溝部674cを通過する遊技球を前後方向から均等に支持することはできない。なお、不完全レール部674Bを構成する後方傾斜部674kの長さは、前方傾斜部674jの長さの約「1/4」とされている。
また、図131(b)に示すように、発射レール674を構成する台座部674aにおいて切り欠き部674fの下方及び後方に位置する部位と、外装部674bにおいて切り欠き部674fの後方に位置する部位が、遊技球が進入可能な凹部675aを構成している。また、ベース部材678において、凹部675aの後方に位置する部位に開口部678bを設け、内枠13(樹脂ベース21)において、開口部678bの後方に位置する部位に凹部21bが設けられている。この空間部675aと、開口部678bと、凹部21bは連通し、遊技球を下皿72に向かって排出可能な排出通路675hを構成する。なお、発射レール674から戻り球を排出するための手段は排出通路675hに限定されない。例えば、戻り球を発射レール674の直下に排出する排出通路であってもよい。
また、図130(a)に示すように、発射レール674の発射位置674Wに配置された遊技球Fは、斜め後方に配置された支持部材677によって支持され、発射位置674Wに固定される。つまり、この支持部材677を前後に貫通する装着孔(図示を省略)に挿入されたビス(図示を省略)をベース部材678に螺合することで、ベース部材678に固定されている。但し、支持部材677の装着孔(図示を省略)は長孔であるため、螺合されたビス(図示を省略)を緩めることによって、支持部材677のベース部材678に対する取付位置を微調節することができる。
発射レール674上に戻り球が存在しない状態で、発射位置674Wの遊技球Fを発射装置675で発射すると、当該遊技球Fは発射レール674を通過して、誘導レール部5Eに到達する(図7参照)。つまり、発射位置674Wから発射される遊技球Fは、完全レール部674A(切り欠き部674fよりも発射レール674の下方側)、不完全レール部674B(切り欠き部674fが形成された部分)、完全レール部674A(切り欠き部674fよりも発射レール674の上方側)の順に通過する。このとき、戻り球が発射レール674上に存在せず、しかも、発射位置674Wから発射される遊技球Fは勢いがあるため(球速が速いため)、発射レール674の途中に切り欠き部674fが存在するにも係わらず、当該遊技球Fは発射レール674を通過して、誘導レール部5Eに到達する。
すなわち、発射位置674Wから発射される遊技球Fは、完全レール部674Aにおいて、前後方向から均等に支持されているため、安定した状態で当該完全レール部674Aを通過する。また、発射位置674Wから発射される遊技球Fは、不完全レール部674Bにおいて前後方向から均等に支持されていないが、遊技球Fは勢いがあるため(球速が速いため)、切り欠き部674fに向かって落下することなく、不完全レール部674Bを通過する。
発射レール674上を逆走する戻り球や、発射レール674上に戻り球が存在する状態で、戻り球と共に発射位置674Wから発射された遊技球Fは、勢いがないため(球速が遅いため)、切り欠き部674fに向かって落下する可能性が高い。つまり、図130(a)及び(b)に示すように、当該遊技球Fは、不完全レール部674Bにおいて前後方向から均等に支持されていないため、切り欠き部674fに向かって落下する可能性が高い。例えば、勢いがない遊技球は不完全レール部674Bを通過する際にバランス(前後のバランス)を失い、切り欠き部674fに向かって落下する可能性が高い。
特に、図132(a)に示すように、発射レール674上で戻り球が往復動して、戻り球の勢いが更に弱くなったり、戻り球の数が多くなることで戻り球の勢いが更に弱くなったりする場合には、戻り球が切り欠き部674fに向かって落下する可能性が更に高くなる。
また、第5実施形態においては、「電気的構成(図15、16)」、「図柄表示装置41の表示内容(図17)、「各種カウンタ(図18)」、「当否テーブル(図19)」、「大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(図20)」、「リーチ表示(リーチ状態)に関する事項」、「保留球格納エリア232(図21)」、「タイマ割込み処理(図22〜図25)」については第1実施形態と同様である。但し、第5実施形態の「電気的構成(図15、16)」においては、通過検知センサ74bや、ソレノイド77a(支持部材の駆動源)が必要とならない。また、第5実施形態の「通常処理」においては、「戻り球検知処理」及び「戻り球解消処理」を実行しない点と、「遊技球発射制御処理」の内容が異なる他は、第1実施形態の「通常処理」と同様である。
つまり、第5実施形態の「遊技球発射制御処理」は、ステップS1702の処理が省略されている点を除き、第1実施形態の「遊技球発射制御処理(図42)」と同様である。なお、第5実施形態の「発射制御処理」は第1実施形態の「発射制御処理」と同様である。
以上の第5実施形態によると、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、第5実施形態によると、支持部材77を「駆動源(第1実施形態のソレノイド77a等」によって駆動したり、戻り球を処理するために電気的な制御を行ったりする必要がないため、パチンコ機10の機械的な構造を簡略化したり、制御負担の低減を図ったりすることができる。
また、第5実施形態によると、発射レール674上に多数の戻り球が溜まって、勢いを失った戻り球が発射レール674上を動くことで、切り欠き部674fから排出されるため、遊技の円滑性を確保できる。更に、第5実施形態によると、排出手段(切り欠き部674f)を備えるため、発射レール674が急傾斜に配置されていたり、発射レール674が球詰まりを生じ易い構造であったりしても、戻り球を円滑に排出し、円滑な遊技の進行を確保できる。なお、第5実施形態では、不完全レール部674Bに溝底部674gを含む状態の排出口を設け、この排出口から戻り球を落下させてもよい。但し、排出口を設ける場合、不完全レール部674Bにおいて排出口の部分で段差を生じ、発射レール674上に戻り球が存在しない状態で発射位置674Wに配置された遊技球(正常発射球)が、排出口からの影響を受ける可能性がある。これに対して、第5実施形態では、不完全レール部674Bにおいて、溝底部674gを備えるとともに、短目の後方傾斜部674jを備えるため、正常発射球を安定した状態で発射できる。
<他の実施の形態>
なお、上述した第5実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)第5実施形態では、図132(b)の変形例25に示すように、不完全レール部674Bを構成する後方傾斜部674gの突端部674sが丸みを帯びていてもよい。この変形例25によると、排出(切り欠き部674fへの誘導)をより円滑に行うことができる。
(2)第5実施形態の変形例として、電気的な動力を必要とせずに動作可能な支持部材7Lを用いて戻り球を処理する手法を例示できる。例えば、図133(a)の変形例26に示すように、支持部材7Lを付勢手段7H(例えば、コイルバネ)の付勢力を用いて動作させ、戻り球を処理してもよい。つまり、変形例26では、支持部材7Lは、その上下に配置されたガイド7P、7Pに沿って左右に移動可能とされている。つまり、支持部材7Lは、右方部分7Mの外周面をガイド7P、7Pに摺動させつつ、左右に移動可能とされている。また、支持部材7Lの右方部分7Mと、その右方側に配置される壁部7Jとの間には、付勢手段7Hが配置されている。更に、支持部材7Lの左方部分7Nは、ガイド7P、7Pよりも左側に位置している。
支持部材7Lの左端部は球送り装置76から供給された遊技球を発射位置74Wに支持することができる。つまり、発射レール74(発射位置74W)に存在する遊技球が1個であれば、ガイド7P、7Pの右側に支持部材7Lの左方部分7Nを必要量(発射位置74Wの1個の遊技球を後方から支持するために必要な量)だけ、突出する。但し、付勢手段7Hの付勢力は、「1個の遊技球を支持することができるが、2個以上の遊技球を支持することはできない(右方向に移動する)」ように設定されている。そして、図133(b)に示すように、発射レール74上に戻り球を生じ、発射レール74に複数個の遊技球が配置される場合には、支持部材7Lに複数個分の遊技球の重量が負荷されるため、支持部材7Lはガイド7P、7Pに沿って右側に移動する。そして、支持部材7Lが左側に移動した分だけ、空き空間ができるため、発射レール74上の遊技球が発射レール74の下端から排出される。
変形例26によると、第5実施形態と同様に、戻り球を処理するために電気的な制御を用いないため、パチンコ機の機械的な構造を複雑化しないと共に、パチンコ機を構成する制御装置の制御負担の低減を図ることができる。なお、変形例26では、発射レール74上に複数個の遊技球が存在し、支持部材7Lが右方向に移動した場合、発射レール74上に存在する全ての遊技球が、発射レール74上から排出されてもよいし、1個の遊技球が発射レール74上に残され、その他の遊技球が発射レール74上から排出されてもよい。また、変形例26では、支持部材7Lが左右方向に移動する態様(ガイド7P、7Pから左右方向に出没する態様)を例示したが、支持部材7Lは上下に出没したり、前後方向に出没したりしてもよい。また、左右方向や前後方向に出没する態様において、第1実施形態と同様に、支持部材7Lを駆動する所定のアクチュエータ(駆動手段)と、駆動制御手段を設け、所定の検知手段が戻り球を検知すると、支持部材7Lを駆動し、発射レール74から戻り球を排出してもよい。
(3)第5実施形態のパチンコ機10では、切り欠き部674fを後方傾斜部674jに設けるため、遊技球(戻り球)を後方に向かって(遊技者から遠ざかる方向に向かって)排出することができる。但し、切り欠き部674fを前方傾斜部674jに設けたり、溝底部674gに設けたりすることもできる。
(4)第5実施形態のパチンコ機10では、切り欠き部674fを終始開口したままの状態とし、戻り球に手を触れたりしなくても、当該戻り球が切り欠き部674fに進入し、排出通路675hから排出される構成を例示した。但し、図134及び図135に示す変形例27に示すように、戻り球を排出するための排出部(切り欠き部674fや開口部)を開閉するための開閉部材674nを設けてもよい。ここで、変形例27の開閉部材674nは、傾斜状に配置される本体部674pと基部674qとを備える。
この開閉部材674nには、駆動手段を構成するソレノイド674rが取着されている。つまり、ソレノイド674rからはプランジャ674sの一部が突出し、このプランジャ674sの突端には開閉部材674nが取着されている。そして、ソレノイド674r(内蔵されたコイル)を励磁すると、プランジャ674sの突出量が少なくなり、ソレノイド674r(内蔵されたコイル)の励磁を停止すると、プランジャ674sの突出量が多くなる。なお、このソレノイド674rは、駆動制御手段としての主制御装置81に接続されている。また、変形例27では、開閉部材674nを駆動する駆動手段としてソレノイドを例示するが、駆動手段の態様はソレノイドに限定されない。例えば、モータ等のその他のアクチュエータを用いることもできる。
正常時(遊技球を発射位置74Wに支持するとき)には、図134(a)及び図135(a)に示すように、ソレノイド674r(内蔵されたコイル)の励磁が停止され、プランジャ674sの突出量が多くされる。このとき、本体部674pが切り欠き部674fに嵌り込むことで、切り欠き部674fを閉鎖する。また、本体部674pは切り欠き部674fに嵌り込んだとき、本体部674pの上面が溝部674cの上面と面一となる。そして、発射レール674を移動する遊技球は切り欠き部674fに進入することはなく、発射レール674上に保持される。
一方、発射レール674上の遊技球を切り欠き部674fを通じて排出通路675hに進入させたい場合には、ソレノイド674rを励磁する。このとき、図134(b)及び図135(b)に示すように、プランジャ674sの突出量が少なくなり、開閉部材674nが後方に移動するため、切り欠き部674fが開放状態となる。
変形例27によると、例えば、主制御装置81のMPU202が戻り球が発生していないと判定する場合には、ソレノイド674r(内蔵されたコイル)の励磁が停止させ、切り欠き部674fを閉鎖した状態とする。一方、主制御装置81のMPU202が戻り球が発生したと判定する場合には、ソレノイド674r(内蔵されたコイル)を励磁させ、切り欠き部674fを開放状態とする。
この変形例27では、第5実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、戻り球が発生しておらず、発射装置675によって通常の発射を行いたい場合には、切り欠き部674fを閉鎖した状態とするため、発射装置675によって発射された遊技球が誤って切り欠き部674fに進入する等の事態を確実に防止できる。また、戻り球が発生した場合には、切り欠き部674fを開放するため、戻り球を切り欠き部674fに進入させ、処理することができる。つまり、切り欠き部674fの開閉を臨機応変に行うことができる。
(5)変形例27では、開閉部材674nを電気的に駆動制御する態様を例示したが、開閉部材674nを遊技者の操作に基づいて手動で駆動してもよい。例えば、遊技機に設けられた所定の入力手段に遊技者が施す入力行為によって戻り球の解消動作を行ってもよい。ここで、入力手段としては、「ボタン等のように遊技者が接触して入力行為を行う接触型の入力手段」、「遊技者が手をかざすと反応する非接触型の入力手段」、「遊技者の声に反応する音声式の入力手段」等を例示できる。そして、入力手段の入力タイミングが到来すると報知手段によって報知したり(警告したり)、入力手段に対する入力を促したりしてもよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.
取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、当該複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、付与判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記付与判定の結果に基づいて識別情報の変化表示を開始させ、所定の変化時間を経過すると前記変化表示を終了し、前記識別情報の最終停止態様によって前記付与判定の結果を表示する識別情報変化手段(例えば、第1結果表示部AS、第2結果表示部BS)と、
前記取得情報記憶手段に記憶された所定の特別情報について、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第1事前特定情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第1事前特定手段と、
前記第1事前判定情報の内容を示唆する第1示唆演出を実行するか否かを、当該特定の対象となった特別情報の種類に基づく決定確率で決定する第1示唆演出実行決定手段と、
前記第1示唆演出実行決定手段が前記第1示唆演出を実行する旨を決定した場合、前記第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第1示唆演出を実行する(例えば、図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64等の演出装置で第1示唆演出を実行する)第1示唆演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別情報の最終停止態様によって当該特別情報が前記付与情報に対応していない付与非対応結果であることが表示されるときに、前記取得情報記憶手段に特別情報が記憶されているケースにおいて、当該記憶された特別情報の中から前記決定確率が最低とならない特別情報を優先して選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第2事前特定情報を、当該選択した特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第2事前特定手段と、
前記第2事前判定情報の内容を示唆する第2示唆演出を実行するか否かを、選択した特別情報の種類に応じて設定された決定確率に基づいて決定する第2示唆演出実行決定手段と、
前記第2示唆演出実行決定手段が前記第2示唆演出を実行すると決定した場合、前記選択手段が選択した特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第2示唆演出を実行する第2示唆演出実行手段と
を備えることを特徴とする。
特徴A1は前述の第1実施形態〜第3実施形態から抽出した特徴である。この特徴A1の遊技機(パチンコ機10)によると、第2示唆演出実行決定手段が特別情報の種類(大当たり保留情報、リーチ保留情報、非リーチ保留情報等)に基づく決定確率で、第1示唆演出(予告演出)を実行するか否かを決定する。そして、第1示唆演出(予告演出)を行っても、付与非対応結果(外れ結果)が表示される場合においては、取得情報記憶手段に既に記憶されている特別情報(既得情報)についてその種類(大当たり保留情報、リーチ保留情報、非リーチ保留情報等)に基づく決定確率で、第2示唆演出(第2予告演出)を実行するか否かを決定する。
この第2示唆演出(第2予告演出)を実行するか否かの決定を、取得情報記憶手段に既に記憶されている特別情報(既得情報)のうち、決定確率が最低とならない特別情報について優先して行うため、第2示唆演出を高頻度に実行することができる。例えば、特別情報が「付与判定結果に対応する保留情報(例えば、大当たり保留情報)」である場合、第1示唆演出(予告演出)若しくは第2示唆演出(第2予告演出)を実行することが決定される確率(つまり、上記決定確率)を高くする(高ランクの保留情報とする)。ここで、本明細書において、「付与判定結果と判定される可能性を示すこと」には、例えば、「付与判定結果となることが確定(100%)であることを報知すること」、「付与判定結果となる可能性の有無の報知をすること」、「付与判定結果となる可能性がA%(但し、Aは0〜100のうちから選択される任意の数値)である旨を報知すること」等の付与判定結果となる可能性を直接的に報知すること、及び、「付与判定結果となる場合に出現する演出やキャタを出現させること」を通じて付与判定結果となる可能性の高低を間接的に報知すること等のうちの一方、或いは、双方を指す。
なお、「付与判定結果を示す保留情報」が複数あり、当該複数の保留情報に優劣がある場合には、高ランクの保留情報を有利な順に更にランク付けをし、当該ランク付けの順に「上記決定確率」を高くしてもよい。例えば、高頻度入賞モードを発生する大当たり結果を複数種類備えるが、このうちの一の大当たり結果を発生すると開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなり、他の大当たり結果を発生すると開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなる場合には、高確率モードに結びつく一の大当たり結果を発生させる保留情報(特別情報)の方が、低確率モードに結びつく他の大当たり結果を発生させる保留情報(特別情報)よりも高ランクとされてもよい(以下、第1態様という)。同様に、高頻度入賞モードを発生する大当たり結果を複数種類備えるが、大当たり結果を発生した後に実行される開閉実行モードの回数(ラウンド数)が異なる場合、当該回数(ラウンド数)が多い開閉実行モードに結びつく大当たり結果を発生させる保留情報(特別情報)程、高ランクとされてもよい(以下、第2態様という)。更に、高頻度入賞モードを発生する大当たり結果を複数種類備えるが、このうちの一の大当たり結果を発生すると、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、他の大当たり結果を発生すると、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である場合において、高頻度サポートモードに結びつく一の大当たり結果を発生させる保留情報(特別情報)の方が、低頻度サポートモードに結びつく他の大当たり結果を発生させる保留情報(特別情報)よりも高ランクとされてもよい(以下、第3態様という)。なお、上記第1態様〜第3態様のうちの任意の2個若しくは3個を組み合わせることもできる。
第1示唆演出(予告演出)若しくは第2示唆演出(第2予告演出)を実行することが決定される確率(つまり、上記決定確率)を、例えば、以下のように定めることができる。「付与判定結果を示す保留情報」である場合(以下、前者の場合という。)と、「付与非判定結果を示す保留情報」である場合(以下、後者の場合という。)とで、同様の態様(例えば、リーチ)の変化表示(識別保留情報の変化表示)が実行される可能性があるが、「前者の場合」の方が、「後者の場合」よりも出現率が高い場合に、当該態様(例えば、リーチ)に結び付く保留情報(特別情報)の方が、当該態様に結び付かない保留情報(変化表示でリーチに結び付かない非リーチ)よりも、高ランクとされてもよい。更に、当該態様(例えば、リーチ)の中にも、「付与判定結果に結びつく変化表示(所謂大当たり変動)」に伴い出現する可能性の方が、「非付与判定結果に結びつく変化表示(所謂外れ変動)」に伴い出現する可能性よりも高い態様(例えば、スーパーリーチ)を備える場合、当該「付与判定結果に結びつく変化表示(所謂大当たり変動)」に伴い出現する可能性が高い態様(例えば、スーパーリーチ)の方が、その他の態様(ノーマルリーチ)よりも高ランクとされてもよい。
特徴A2.
前記決定確率が最低とならない特別情報とは、前記付与情報であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2では、選択手段が優先的に選択する特別情報が、示唆演出の実行を決定する確率(決定確率)が高い(例えば、最高となる)「付与情報」とされるため、第2示唆演出を更に高頻度に実行することができる。
特徴A3.
前記第1示唆演出は、第1事前特定手段によって特定の対象となった特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されたときに、前記取得情報記憶手段に既に記憶されていた特別情報に基づいて実行される識別保留情報の変化表示、及び、当該第1事前特定手段の特定の対象となった特別情報に係る前記識別保留情報の変化表示のうちの少なくとも既に記憶されていた特別情報に基づいて実行される識別保留情報の変化表示に伴い実行され、
前記第2示唆演出は、前記選択手段が選択した特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されたときに、前記取得情報記憶手段に先に記憶されていた特別情報に基づいて実行される識別保留情報の変化表示、及び、当該選択手段が選択した特別情報に係る前記識別保留情報の変化表示のうちの少なくとも先に記憶されていた特別情報に基づいて実行される識別保留情報の変化表示に伴い実行される
ことを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3は、予告演出の対象となる保留情報に基づいて実行される遊技回(以下、対象遊技回という。)における表示結果や対象遊技回に伴い実行される演出の内容を、対象遊技回よりも前に開始される遊技回(以下、事前遊技回という。)の実行中のみに行ってもよいし、予告演出を事前遊技回及び対象遊技回(当該変動)に伴い行ってもよい。
特徴A4.
前記取得条件は、遊技球が第1始動入球部(上作動口33)若しくは第2始動入球部(下作動口34)に入球することに基づいて成立し、
前記取得情報記憶手段として、
前記第1始動入球部(上作動口33)に遊技球が入球した場合に、前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段と、
前記第2始動入球部(下作動口34)に遊技球が入球した場合に、前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記付与判定を行う
ことを特徴とする特徴A1〜A3の何れかに記載の遊技機。
特徴A4は、前述の第1実施形態〜第2実施形態等から抽出した特徴である。つまり、第1始動入球部(上作動口33)への入球に基づいて取得した保留情報(第1保留情報)と、第2始動入球部(下作動口34)への入球に基づいて取得した保留情報(第2保留情報)とを区別する遊技機(パチンコ機10)においても、既得情報(第1保留情報、第2保留情報)を発生した場合、第2示唆演出を高頻度に実行することができる。なお、特徴A4においては、第1取得情報記憶手段及び第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合、第1取得情報記憶手段及び第2取得情報記憶手段のうちの一方に記憶された特別情報を、他方に記憶された特別情報に優先して処理(付与判定や遊技回等の遊技処理)を施してもよい。特に、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、第2始動入球部(下作動口34)に入球し易くなり、サポートモードが低頻度サポートモードである場合には、第2始動入球部(下作動口34)に入球し難くなるか、実質的に入球不可能となる場合には、第1取得情報記憶手段及び第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合、第2取得情報記憶手段に記憶された特別情報を、第1取得情報記憶手段に記憶された特別情報に優先して処理することが有意義である。
また、第1取得情報記憶手段及び第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されているか否かに係わらず、特別情報を記憶した順に処理することとしてもよい。
特徴A5.
遊技球が入球可能な第1入球部と、該第1入球部とは異なる第2入球部と、
所定の入球口を通過した、遊技球の行き先を前記第1入球部と、前記第2入球部とに交互に振り分けることが可能な振り分け手段と、
を具備し、
前記取得情報記憶手段として、
前記第1入球部(第1入球部62a)に遊技球が入球した場合に、前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段と、
前記第2入球部(第2入球部62b)に遊技球が入球した場合に、前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする特徴A1〜A3の何れかに記載の遊技機。
特徴A5は、前述の第3実施形態から抽出した特徴である。つまり、第1入球部(第1入球部62a)への入球に基く保留情報(第1保留情報)と、第2入球部(第2入球部62b)への入球に基く保留情報(第2保留情報)とを交互に取得可能であるため、既得情報(第1保留情報、第2保留情報)の取得数が特に多くなり易い。このため、特徴A1〜A3の何れかに記載の特徴を有する遊技機では、第2示唆演出を高頻度に実行することができる。
なお、特徴A5では、前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記付与判定を行ってもよい。
特徴A6.
前記第2示唆演出実行決定手段が、前記第2示唆演出を実行するか否かを決定するのは、前記選択手段が選択した特別情報に基づく識別保留情報の変化表示が開始されるよりも前であることを特徴とする特徴A1〜A5の何れかに記載の遊技機。
特徴A6は、前述の第1実施形態〜第3実施形態から抽出した特徴であり、第2示唆演出を実行するか否かを決定する時期を具体的に示している。
特徴A7.
前記第2示唆演出実行決定手段が、前記第2示唆演出を実行するか否かを決定するのは、前記選択手段が選択した特別情報に基づく識別保留情報の変化表示が終了するよりも前であることを特徴とする特徴A1〜A5の何れかに記載の遊技機。
特徴7も第2示唆演出を実行するか否かを決定する時期を具体的に示している。この場合、前述のA5よりも決定時期が遅れ、より多くの既得情報が記憶される可能性があるため、第2示唆演出が実行される確率を更に高めることができる。
特徴A8.
遊技球が入球可能な開口を開状態と閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
該可変入球手段の状態を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える可変入球制御手段と、
取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
を備え、
前記特典付与手段が付与する特典は、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づき、遊技機の遊技状態を、前記可変入球手段の状態を閉鎖状態に維持することを内容とする特典非付与状態から、前記前記可変入球手段の状態を開鎖状態とした後、前記閉状態に戻すことを所定回数行うことを内容とする特典付与状態に移行させる特典であり、
前記遊技機の遊技状態が前記特典付与状態から前記前記特典非付与状態に戻されたときに、前記取得情報記憶手段に特別情報が記憶されているケースにおいて、当該記憶された特別情報の中から前記決定確率が最低とならない特別情報を優先して選択する第2選択手段と
前記第2選択手段が選択した特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第3事前特定情報を、当該選択した特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第3事前特定手段と、
前記第3事前判定情報の内容を示唆する第3示唆演出を実行するか否かを、選択した特別情報の種類に応じて設定された決定確率に基づいて決定する第3示唆演出実行決定手段と、
前記第3示唆演出実行決定手段が前記第3示唆演出を実行すると決定した場合、前記選択手段が選択した特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第3示唆演出を実行する第3示唆演出実行手段と
を備えることを特徴とする特徴A1〜A6の何れかに記載の遊技機。
特徴A8では、遊技機の遊技状態が特典付与状態から特典非付与状態に戻されたとき、取得情報記憶手段に特別情報が記憶されているケースに、第3示唆演出(第3予告演出)が実行される可能性があるため、示唆演出を更に一層、高頻度に実行することができる。
特徴A9.
前記第2示唆演出実行手段が、
前記第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別情報の最終停止態様によって当該特別情報が前記付与情報に対応していない付与非対応結果であることが表示されるときに、前記取得情報記憶手段に記憶されていた所定の特別情報に基づき、前記第2示唆演出を実行しており、かつ、
前記取得情報記憶手段に記憶されていた特別情報として、所定の特別情報よりも後に記憶されていた特別情報を備える場合において、
実行中の前記第2示唆演出を、前記後に記憶されていた特別情報に基づく第2示唆演出に変更することを特徴とする特徴A1〜A6の何れかに記載の遊技機。
特徴A9では、実行中の第2示唆演出を他の内容の第2示唆演出に差し替えるため、遊技興趣を更に高めることができる。
特徴B1.
取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、当該複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、付与判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記付与判定の結果に基づいて識別情報の変化表示を開始させ、所定の変化時間を経過すると前記変化表示を終了し、前記識別情報の最終停止態様によって前記付与判定の結果を表示する識別情報変化手段(例えば、第1結果表示部AS、第2結果表示部BS)と、
前記取得情報記憶手段に記憶された所定の特別情報について、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第1事前特定情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第1事前特定手段と、
前記第1事前判定情報の内容を示唆する第1示唆演出を実行するか否かを、当該特定の対象となった特別情報の種類に基づく決定確率で決定する第1示唆演出実行決定手段と、
前記第1示唆演出実行決定手段が前記第1示唆演出を実行する旨を決定した場合、前記第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第1示唆演出を実行する(例えば、図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64等の演出装置で第1示唆演出を実行する)第1示唆演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別情報の最終停止態様によって前記付与判定の結果が表示されるときに、前記取得情報記憶手段に特別情報が記憶されているケースにおいて、当該記憶された特別情報の中から前記決定確率が最低とならない特別情報を優先して選択する選択手段と
前記選択手段が選択した特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第2事前特定情報を、当該選択した特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第2事前特定手段と、
前記第2事前判定情報の内容を示唆する第2示唆演出を実行するか否かを、選択した特別情報の種類に応じて設定された決定確率に基づいて決定する第2示唆演出実行決定手段と、
前記第2示唆演出実行決定手段が前記第2示唆演出を実行すると決定した場合、前記選択手段が選択した特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第2示唆演出を実行する第2示唆演出実行手段と
を備えることを特徴とする。
特徴B1では、第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別保留情報の変化表示の結果が、付与非対応結果(外れ結果)であるか、付与対応結果(大当たり結果)であるかに係わらず、第2示唆演出(第2予告演出)が実行される可能性があるため、第2示唆演出を更に高頻度に実行することができる。また、付与対応結果(大当たり結果)の場合も、第2示唆演出(第2予告演出)が実行される可能性があるため、所謂「連チャン」の報知を行うこともできる。なお、特徴B1の遊技機が前述のA2〜A7の特徴を備えてもよい。
特徴B2.
遊技球が入球可能な開口を開状態と閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
該可変入球手段の状態を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える可変入球制御手段と、
取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、当該複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、付与判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づき、遊技機の遊技状態を、前記可変入球手段の状態を閉鎖状態に維持することを内容とする特典非付与状態から、前記前記可変入球手段の状態を開鎖状態とした後、前記閉状態に戻すことを所定回数行うことを内容とする特典付与状態に移行させる特典付与手段と、
前記付与判定の結果に基づいて識別情報の変化表示を開始させ、所定の変化時間を経過すると前記変化表示を終了し、前記識別情報の最終停止態様によって前記付与判定の結果を表示する識別情報変化手段(例えば、第1結果表示部AS、第2結果表示部BS)と、
前記取得情報記憶手段に記憶された所定の特別情報について、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第1事前特定情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第1事前特定手段と、
前記第1事前判定情報の内容を示唆する第1示唆演出を実行するか否かを、当該特定の対象となった特別情報の種類に基づく決定確率で決定する第1示唆演出実行決定手段と、
前記第1示唆演出実行決定手段が前記第1示唆演出を実行する旨を決定した場合、前記第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第1示唆演出を実行する(例えば、図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64等の演出装置で第1示唆演出を実行する)第1示唆演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記遊技機の遊技状態が前記特典付与状態から前記前記特典非付与状態に戻されたときに、前記取得情報記憶手段に特別情報が記憶されているケースにおいて、当該記憶された特別情報の中から前記決定確率が最低とならない特別情報を優先して選択する選択手段と
前記選択手段が選択した特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第3事前特定情報を、当該選択した特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第3事前特定手段と、
前記第3事前判定情報の内容を示唆する第3示唆演出を実行するか否かを、選択した特別情報の種類に応じて設定された決定確率に基づいて決定する第3示唆演出実行決定手段と、
前記第3示唆演出実行決定手段が前記第3示唆演出を実行すると決定した場合、前記選択手段が選択した特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第3示唆演出を実行する第3示唆演出実行手段と
を備えることを特徴とする。
特徴B2では、遊技機の遊技状態が前記特典付与状態から前記前記特典非付与状態に戻されたとき、取得情報記憶手段に特別情報が記憶されているケースに、第3示唆演出(第3予告演出)が実行される可能性があるため、第3示唆演出を更に高頻度に実行することができる。なお、特徴B2の遊技機が、特徴A1の「選択手段」と、特徴A1の「第2事前特定手段」と、特徴A1の「第2示唆演出実行決定手段」と、特徴A1の「第2示唆演出実行手段」を備えてもよい。この場合、特徴A1〜特徴A6のうちの少なくとも何れかの特徴を備えてもよい。
特徴C1.
取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、当該複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、付与判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記付与判定の結果に基づいて識別情報の変化表示を開始させ、所定の変化時間を経過すると前記変化表示を終了し、前記識別情報の最終停止態様によって前記付与判定の結果を表示する識別情報変化手段(例えば、第1結果表示部AS、第2結果表示部BS)と、
前記取得情報記憶手段に記憶された所定の特別情報について、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第1事前特定情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第1事前特定手段と、
前記第1事前特定情報の内容を示唆する第1示唆演出を実行するか否かを、当該特定の対象となった特別情報の種類に基づいて実行される識別情報の変化表示が付与判定結果に対する期待度(ランク)に応じて決定する第1示唆演出実行決定手段と、
前記第1示唆演出実行決定手段が前記第1示唆演出を実行する旨を決定した場合、前記第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第1示唆演出を実行する(例えば、図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64等の演出装置で第1示唆演出を実行する)第1示唆演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1事前特定手段による特定の対象となった特別情報に基づく識別情報の最終停止態様によって当該特別情報が前記付与情報に対応していない付与非対応結果であることが表示されるときに、前記取得情報記憶手段に特別情報が記憶されているケースにおいて、当該記憶された特別情報の中から前記決定確率が最低とならない特別情報を優先して選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した特別情報が前記付与判定の対象となった場合における前記付与判定結果と判定される可能性を示す第2事前特定情報を、当該選択した特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に特定する第2事前特定手段と、
前記第2事特定情報の内容を示唆する第2示唆演出を実行するか否かを、選択した特別情報の種類に基づいて実行される識別保留情報の変化表示が付与判定結果に対する期待度(ランク)に応じて決定する第2示唆演出実行決定手段と、
前記第2事前特定情報の内容を示唆する第2示唆演出を実行するか否かを、選択した特別情報の種類に応じて設定された決定確率に基づいて決定する第2示唆演出実行決定手段と、
前記第2示唆演出実行決定手段が前記第2示唆演出を実行すると決定した場合、前記選択手段が選択した特別情報に基づく識別情報の変化表示が開始されるよりも前に、若しくは、当該変化表示が終了するよりも前に前記第2示唆演出を実行する第2示唆演出実行手段と
を備えることを特徴とする。
特徴C1は前述の第1実施形態〜第3実施形態から抽出した特徴である。この特徴C1の遊技機(パチンコ機10)によると、選択手段が、前述の期待度(ランク)に応じて、一の特別情報を優先して選択するため、前述の特徴A1と同様な効果が得られる。例えば、特徴C1の遊技機では、期待度(ランク)の順に第1示唆演出若しくは第2示唆演出を実行するか否かを決定してもよい。但し、付与判定結果となる特別情報を複数種類備え、複数種類の特別情報間に優劣がある場合(例えば、一方が高頻度入賞モードを発生する大当たり結果を複数種類備える場合)には、両者が同ランクとさてても、一方が他方より高ランクとされてもよい。例えば、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果となる保留情報(以下、高確別情報という。)と、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなる保留情報(以下、低確別情報という。)とを備える場合、前者の方か後者よりも高ランクとされてもよい。但し、この場合、何れも高頻度入賞モードの開閉実行モードを発生するため、選択手段は、高確別情報及び低確別情報のうちで取得順の早い特別情報を優先して選択することとしてもよいし、ランクが高い特別情報を優先して選択することとしてもよい。なお、特徴C1の遊技機が前述のA2〜A7の特徴を備えてもよい。
特徴D1.
遊技盤に設けられた遊技領域と、
所定の発射手段(発射装置75)と、
遊技球の発射経路を構成する発射経路構成手段と、
を備え、
前記発射手段を用いて発射した遊技球が前記発射経路構成手段を所定の発射方向に通過し、前記遊技領域に到達して流下する遊技機であって、
前記発射経路構成手段を前記発射方向と逆方向に逆走した遊技球を、前記発射経路構成手段から排出するための排出手段を備えることを特徴とする遊技機。
特徴D1は前述の第1実施形態〜第5実施形態から抽出した特徴である。この特徴D1の遊技機によると、発射経路構成手段を発射方向と逆方向に逆走した遊技球を排出手段によって排出することができる。
ここで、排出手段は、(a)可動部材を主体に構成され、可動部材が動作することで、発射経路構成手段を逆走した遊技球を発射経路構成手段外に排出可能となるもの(第1実施形態等を参照)、(b)発射経路構成手段に設けられ、発射経路構成手段を逆走した遊技球を発射経路構成手段外に排出可能な排出部(開口部若しくは切り欠き部)で構成するもの(第5実施形態等を参照)等を例示できる。なお、発射経路構成手段上の遊技球が排出手段によって排出されることにより、当該遊技球を、例えば、排出経路に誘導できる。そして、排出経路に誘導された遊技球を、例えば、下皿に排出したり、遊技機外に排出したりすることができる。つまり、発射経路構成手段上の遊技球(戻り球等)を、遊技領域に向かう経路(例えば、前述の誘導レール部5E)ではなく、排出経路に向かって排出することができる。すなわち、特徴D1において「遊技球を排出手段によって排出する」とは、例えば、「発射経路構成手段上の遊技球」を「前述の誘導レール部5E」以外の方向(遊技領域に到達し得ない経路)に排出することを指す。また、発射経路として、例えば、「略直線状の経路」、「略円弧状の経路」、「略直線状の経路と、略円弧状の経路を合わせた経路」等を例示できる。
特徴D2.
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態を検知するための検知手段を備え、
前記排出手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が通常の状態とは異なる所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、所定の動作を行うことで、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出可能とすることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によると、検知手段の検知結果が所定の状態であることに基づいて、排出手段が、発射経路構成手段を逆走した遊技球(戻り球)を発射経路構成手段外に排出することができる。ここで、「所定の状態」としては、例えば、(1)「検知手段が遊技球を検知する間隔」が通常よりも短くなる状態(第1実施形態参照)、(2)「検知手段が遊技球を検知する時間」が通常よりも長くなる状態等を例示できる(図113(b)の変形例11を参照)。また、発射経路構成手段(発射レール74)において遊技球の通過方向に沿って2個の検知手段を設け、当該2個の検知手段のうち何れが先に遊技球を検知するかによって、戻り球の有無を判定することもできる(図114の変形例13、図115の変形例14等を参照)。つまり、発射手段で発射された遊技球が第1検知手段、第2検知手段の順に検知されるのが通常の状態である場合、遊技球が第2検知手段、第1検知手段の順に検知されることが「所定状態」となる。
特徴D3.
前記排出手段は、
前記発射経路構成手段に設けられた発射位置に配置される遊技球を支持可能な支持手段(図9等に示す支持部材77)と、
前記支持手段を動作させて、前記発射位置の遊技球を支持する位置から待避させる待避動作を行う駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
を備え、
前記駆動制御手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記待避動作を行うように前記駆動手段の駆動を制御し、
前記待避動作が実行されることに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出可能となることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3は前述の第1実施形態から抽出した特徴である。この特徴D3の遊技機では、検知手段が遊技球の状態が所定状態であることを検知することに基づいて、支持手段が待避動作を行うように駆動手段の駆動が制御される。そして、支持手段が待避動作を行うことで、発射経路構成手段上の遊技球が支持手段で支持されない状態となるため、当該遊技球(戻り球)を発射経路構成手段外に排出可能となる。
特徴D4.
前記発射方向に向かって上がり傾斜状に配置される第1経路部と、前記第1経路部の下端部側に設けられた回転支点に上端部側が回転支点を回転可能に支持される第2経路部と、を具備する前記発射経路構成手段(発射レール74)と、
前記発射経路構成手段に設けられた発射位置に配置される遊技球を支持可能な支持手段と、
を備え、
前記第2経路部は、
前記第1経路部と略同一直線上に配置され、前記第1経路部とともに発射される遊技球の発射経路を構成する第1の状態と、
前記回転支点から下り傾斜状若しくは垂下する状態となるように、前記回転支点を基準回転した第2の状態と、を択一的に実行可能であり、
前記第2経路部を前記回転支点を基準に回転させて、前記第2経路部の状態を前記第1の状態から前記第2の状態、若しくは、前記第2の状態から前記第1の状態に変化させる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
を備え、
前記駆動制御手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記第2経路部の状態が前記第1の状態から前記第2の状態に変化するように前記駆動手段の駆動を制御し、
前記第2経路部の状態が前記第2の状態に変化することに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出可能となることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D4は前述の変形例17{図112を参照}から抽出した特徴である。この特徴D4の遊技機によれば、遊技球の状態が所定状態であることに基づいて、第2経路部が第2の状態に変化するように駆動制御される。つまり、第2経路部が回転支点を基準に下り傾斜状若しくは垂下する状態となるため、発射経路構成手段を逆走した遊技球(戻り球)を発射経路構成手段外に排出することができる。
特徴D5.
前記発射方向に向かって上がり傾斜状に配置され、少なくとも下端部側が前記発射方向に向かって移動可能な可動部とされる前記発射経路構成手段(発射レール74)と、
前記発射経路構成手段に設けられた発射位置に配置される遊技球を支持可能な支持手段と、
前記可動部を前記発射方向に向かって移動する移動手段と、
前記移動手段の駆動を制御する移動制御手段と、
を備え、
前記移動制御手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記可動部が前記発射方向に向かって移動するように前記駆動手段の駆動を制御し、
前記可動部が前記発射方向に向かって移動することに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球が、前記発射経路構成手段の下端部を通過して前記発射経路構成手段外に排出可能となることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D5は前述の変形例22(図125を参照)から抽出した特徴である。この特徴D5の遊技機によれば、遊技球の状態が所定状態であることに基づいて、可動部が発射方向に移動するように駆動制御される。これにより、発射経路構成手段上の遊技球が発射経路構成手段の下端部を通過して、発射経路構成手段外に排出可能であるため、戻り球を発射経路構成手段外に排出することができる。
特徴D6.
前記発射経路構成手段(発射レール74)が前記可動部とされることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6では、前述の変形例22{図125を参照}から抽出した特徴であり、この特徴D6の遊技機では、発射経路構成手段(発射レール74)全体を可動部とするため、発射経路構成手段上の遊技球(戻り球)を発射経路構成手段の下端部から発射経路構成手段外に排出することが容易である。
特徴D7.
前記発射経路構成手段(発射レール74)は下端部側が前記可動部とされることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
この特徴D7では発射経路構成手段(発射レール74)の全長が発射方向に沿って短くなることで、発射経路構成手段の下端部から発射経路構成手段外に排出することが容易である。
特徴D8.
前記発射経路構成手段(発射レール74)は
前記発射方向に向かって上がり傾斜状に配置される第1経路部と、
前記第1経路部の上方部若しくは下方において前記第1経路部に摺動可能に配置される第2経路部と、を備え、
前記第2経路部は、前記第1経路部の下端部側において前記第1経路部の下端部よりも所定量突出する状態に配置され、
前記移動制御手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記第2経路部が前記発射方向に向かって移動するように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8は前述の変形例22(図125を参照)から抽出した特徴である。この特徴D8によると、発射経路構成手段(発射レール74)は下端部側が伸縮する構成を簡易に得ることができる。
特徴D9.
前記排出手段が、
前記発射経路構成手段(発射レール74)に設けられた切り欠き部若しくは開口部で構成され、前記発射経路構成手段を逆走した遊技球を前記発射経路構成手段外に排出可能な排出部と、
前記排出部を開放する開放状態と、前記排出部を閉鎖する閉鎖状態と、を択一的に実行する開閉手段と、
前記開閉手段の開閉動作を行う駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
を備え、
前記駆動制御手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記閉鎖状態の前記開閉手段が前記開放状態となるように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D9は前述の変形例27(図134、図135を参照)から抽出した特徴である。この特徴D9によると、遊技球の状態が所定の状態であることに基づいて、排出部が開放状態となるように駆動手段の駆動を制御する。これにより、発射経路構成手段を逆走した遊技球(戻り球)が発射経路構成手段外に排出可能となる。
特徴D10.
前記発射方向に向かって上がり傾斜状に配置される前記発射経路構成手段(発射レール74)と、
前記発射位置の遊技球を発射するための発射手段と、
前記発射手段を前記発射方向とは反対の方向に向かって移動する発射移動手段と、
前記発射移動手段の駆動を制御する発射移動制御手段と、
を備え、
前記発射移動制御手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記発射手段を前記発射方向とは反対の方向に向かって移動するように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする特徴D2〜D9のうちの何れかに記載の遊技機。
特徴D10は前述の変形例22(図125を参照)から抽出した特徴である。この特徴D10によると、遊技球の状態が所定状態であることに基づいて、発射手段が発射方向とは反対の方向に向かって移動するため、発射経路構成手段上の遊技球(戻り球)の発射経路構成手段外への排出が一層、容易となる。
特徴D11.
前記排出手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出する排出動作を第1時間に亘って実行し、
前記排出動作が終了されてから第2時間が経過する前に、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記排出動作を、再度、前記第1時間に亘って実行することを特徴とする特徴D2〜D10の何れかに記載の遊技機。
特徴D11の場合、排出動作を第1時間行っても、第2時間が経過する前に戻り球の発生を検知したり、排出動作を第1時間行っても戻り球が解消していない場合(発射経路構成手段上に遊技球が残存する場合)に、排出動作を再度行うため、戻り球の処理を確実に行うことができる。なお、特徴D11において、再度の排出動作の回数は1回であってもよいが、複数回であってもよい。後者の場合、再度の排出動作を実行した後、検知手段が遊技球の状態が所定の状態であると検知することを条件に、2回目以降の再度の排出動作を実行してもよいし、一律の所定回数(例えば、2回〜5回のうちの何れかの回数)の再度の排出動作を実行してもよい。
特徴D12.
前記排出手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出する排出動作を第1時間に亘って実行し、
前記排出動作が終了されてから第2時間が経過する前に、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記排出動作を第1時間よりも長い第3時間に亘って実行することを特徴とする特徴D2〜D10の何れかに記載の遊技機。
特徴D12の場合、排出動作を第1時間に亘って行っても、第2時間が経過する前に戻り球を生ずると、第1時間よりも長い第3時間に亘って排出動作を行うため、戻り球の処理をより確実に行うことができる。なお、特徴D12において、再度の排出動作の回数は1回であってもよいが、複数回であってもよい。後者の場合、再度の排出動作を実行した後、検知手段が遊技球の状態が所定の状態であると検知することを条件に、2回目以降の再度の排出動作を実行してもよいし、一律の所定回数(例えば、2回〜5回のうちの何れかの回数)の再度の排出動作を実行してもよい。更に、再度の排出動作を複数回行う場合、再度の排出動作の累積回数が多くなっても、再度の排出動作の実行時間が一定とされても、累積回数が多くなるに従って、長くなってもよい。
特徴D13.
前記第2時間は、前記第1時間よりも短いことを特徴とする特徴D10〜特徴12の何れかに記載の遊技機。
特徴D13によると、戻り球が高頻度に生ずる場合(排出動作を行っても、直ぐに生じてしまう場合)に有効である。
特徴D14.
前記排出手段は、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出する排出動作を前記第1時間に亘って実行した場合において、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知しているときには、前記排出動作を更に所定時間継続することを特徴とする特徴D11〜D13の何れかに記載の遊技機。
特徴D14によると、排出動作を第1時間に亘って実行した場合においても、検知手段が発射経路構成手段上の遊技球の状態が、所定の状態であることを検知しているとき、つまり、戻り球の排出が不完全であった場合には、排出動作を更に実行する。このため、排出動作の完全を期することができる。
特徴D15.
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づき、所定の警告を行う警告手段を備える特徴D2〜D14のうちの何れかに記載の遊技機。
特徴D15によると、遊技者に警告することができるため、戻り球が生じたことに対する注意喚起を行うことができる。
特徴D16.
前記排出手段が、前記発射経路構成手段(発射レール74)に設けられて、遊技球を前記発射経路構成手段(発射レール74)外に排出可能な切り欠き部若しくは開口部で構成されることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D16は前述の第5実施形態から抽出した特徴である。この特徴D16によると、切り欠き部若しくは開口部を用いて、戻り球を発射経路構成手段外に排出可能である。しかも、戻り球を処理するために電気的な制御を行ったりする必要がないため、遊技機の機械的な構造を簡略化したり、制御負担の低減を図ったりすることができる。
特徴D17.
前記排出手段が、
前記発射経路構成手段(発射レール74)に設けられた切り欠き部若しくは開口部で構成され、前記発射経路構成手段(発射レール74)上の遊技球を前記発射経路構成手段外の流路に排出可能な排出部と、
前記排出部を開放し、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外の流路に誘導可能とする開放状態と、前記排出部を閉鎖し、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外の流路に誘導不可能とする閉鎖状態と、を択一的に実行する開閉手段と、
を備え、
前記閉鎖状態の開閉手段を、前記開放状態に変化させるための開放操作を施すことが可能な操作手段を備える特徴D1に記載の遊技機。
特徴D17によると、遊技者が操作手段に開放操作を施すことで、発射経路構成手段(発射レール74)上の遊技球(戻り球)を発射経路構成手段外に排出可能である。しかも、戻り球を処理するために電気的な制御を行ったりする必要がないため、遊技機の機械的な構造を簡略化したり、制御負担の低減を図ったりすることができる。
特徴D18.
前記排出手段は、
前記発射経路構成手段に設けられた発射位置に配置される遊技球を支持する支持状態と、遊技球を支持しない不支持状態とに変化可能な支持手段と、
前記支持状態の支持手段を不支持状態になるように操作する操作手段と、
を備え、
前記支持手段が前記不支持状態となることに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球が、前記発射経路構成手段外に排出可能とされることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D18の遊技機によれば、遊技者が操作手段を操作することで、発射経路構成手段(発射レール74)上の遊技球(戻り球)を発射経路構成手段外に確実に排出できる。しかも、戻り球を処理するために電気的な制御を行ったりする必要がないため、遊技機の機械的な構造を簡略化したり、制御負担の低減を図ったりすることができる。
特徴D19.
前記発射経路構成手段(発射レール74)は、
前記発射方向に向かって上がり傾斜状に配置される第1経路部と、
前記第1経路部の下端部側に設けられた回転支点に上端部側が回転支点を回転可能に支持される第2経路部と、を備え、
前記第2経路部は、
前記第1経路部と略同一直線上に配置され、前記第1経路部とともに発射される遊技球の発射経路を構成する第1の状態と、
前記回転支点を基準に、前記回転支点から下り傾斜状若しくは垂下する状態となるように回転させた第2の状態と、択一的に実行可能であり、
前記第2経路部の状態を第1の状態から第2の状態とするために操作する操作手段を備え、
前記第2経路部の状態が前記第2の状態になることに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出可能となることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D19の遊技機によれば、遊技者が操作手段を操作することで、発射経路構成手段(発射レール74)上の遊技球(戻り球)を発射経路構成手段外に確実に排出できる。しかも、戻り球を処理するために電気的な制御を行ったりする必要がないため、遊技機の機械的な構造を簡略化したり、制御負担の低減を図ったりすることができる。
特徴D20.
前記発射方向に向かって上がり傾斜状に配置され、少なくとも下端部側が前記発射方向に向かって移動可能な可動部とされる前記発射経路構成手段(発射レール74)と、
前記発射経路構成手段に設けられた発射位置に配置される遊技球を支持可能な支持手段と、
前記可動部が前記発射方向と反対方向に移動させるために操作する操作手段と、を備え、
前記可動部が前記発射方向に向かって移動することに基づいて、前記発射経路構成手段上の遊技球が、前記発射経路構成手段の下端部を通過して前記発射経路構成手段外に排出可能となることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D20の遊技機によれば、遊技者が操作手段を操作することで、発射経路構成手段(発射レール74)上の遊技球(戻り球)を発射経路構成手段外に確実に排出できる。しかも、戻り球を処理するために電気的な制御を行ったりする必要がないため、遊技機の機械的な構造を簡略化したり、制御負担の低減を図ったりすることができる。なお、特徴D19は、特徴D6と同様な特徴と、特徴D7と同様な特徴と、特徴D8と同様な特徴とのうちの何れかを備えてもよい。
特徴D21.
前記発射方向に向かって上がり傾斜状に配置される前記発射経路構成手段(発射レール74)と、
前記発射位置の遊技球を発射すると共に前記発射方向とは反対の方向に向かって移動可能な発射手段と、
前記発射手段を前記発射方向と反対方向に移動させるために操作する操作手段と、
を備えることを特徴とする特徴D17〜D20のうちの何れかに記載の遊技機。
特徴D21の遊技機によれば、遊技者が操作手段を操作することで、発射経路構成手段(発射レール74)上の遊技球(戻り球)を発射経路構成手段外に確実に排出できる。しかも、戻り球を処理するために電気的な制御を行ったりする必要がないため、遊技機の機械的な構造を簡略化したり、制御負担の低減を図ったりすることができる。
特徴D22.
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態を検知するための検知手段と、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が通常の状態とは異なる所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づき、所定の警告を行う警告手段と、
を備える特徴D17〜D21のうちの何れかに記載の遊技機。
特徴D22によると、遊技者に警告することができるため、戻り球が生じたことに対する注意喚起を行うことができる。特に、操作手段に開放操作を施す態様では、遊技者が警告に基づいて当該開放操作を施すことができる。よって、発射経路構成手段(発射レール74)上の遊技球(戻り球)をより確実に発射経路構成手段外に排出できる。
特徴E1.
遊技盤に設けられた遊技領域と、
所定の発射手段(発射装置75)と、
遊技球の発射経路を構成する発射経路構成手段と、
第1制御手段(主制御装置81)と、
第2制御手段(電源及び発射制御装置98)と、
を備え、
前記発射手段を用いて発射した遊技球が前記発射経路構成手段を所定の発射方向に通過し、前記遊技領域に到達して流下する遊技機であって、
前記第1制御手段は所定の条件の成立に基づいて、発射許可に対応する可信号若しくは発射許可に対応していない否信号を前記第2制御手段に送信可能であり、
前記第2制御手段は、前記可信号を受信することに基づいて、球送り手段(球送り装置76)によって前記発射経路構成手段の発射位置に遊技球を送り出す球送り動作と、前記発射位置に送り出された遊技球を前記発射手段によって発射する発射動作を、この順に実行可能であり、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態を検知するための検知手段と、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が通常の状態とは異なる所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記発射経路構成手段外に排出する排出動作を行う排出動作実行手段と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記排出動作実行手段が駆動すると、前記所定の条件の成否にかかわらず、前記否信号を第2制御手段に送信することを特徴とする遊技機。
特徴E1の遊技機では、第1制御手段が、所定の条件が成立しているか否かを問わず、第2制御手段に否信号を送信することで、排出動作を円滑に行うことができる。また、第2制御手段は第1制御手段から送信される信号が可信号であるか、否信号であるかを判定するだけで、発射動作と、球送り動作と、排出動作とを行うことができるため、第2制御手段の構造を複雑化したり、制御負担が大きくなったりすることはない。
特徴E2.
前記球送り動作を行ってから、前記発射動作を行う前に前記排出動作が開始される場合には、当該発射動作を禁止することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によると、発射手段が、排出動作の開始後において発射経路構成手段に残存する遊技球に発射動作を施すことを確実に防止できる。
特徴E3.
前記発射位置に配置された遊技球を支持する第1状態と、支持しない第2状態に変化可能な支持手段を備え、
前記排出動作実行手段は、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを検知することに基づいて、前記支持手段の状態を前記第2状態に変化させることで、前記発射経路構成手段の遊技球を排出する排出動作を行うものであり、
前記支持手段の状態が前記第1状態若しくは前記第2状態の何れであるかを判定する状態判定手段を備え、
前記支持手段が前記第2状態となった後、所定条件(例えば、所定時間の経過)が成立し、前記状態判定手段が前記支持手段の状態を前記第2状態であると判定すると、前記発射動作を禁止することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E3によると、排出動作を行った後、支持手段の状態が第1状態に戻っていない場合に発射動作が行われることを防止できる。ここで、発射動作の禁止は、例えば、第1制御手段が前記所定の条件の成否にかかわらず、否信号を第2制御手段に送信することで行うことができる。
特徴F1.
遊技盤に設けられた遊技領域と、
所定の発射手段(発射装置75)と、
遊技球の発射経路を構成する発射経路構成手段と、
第1制御手段(主制御装置81)と、
第2制御手段(電源及び発射制御装置98)と、
を備え、
前記発射手段を用いて発射した遊技球が前記発射経路構成手段を所定の発射方向に通過し、前記遊技領域に到達して流下する遊技機であって、
前記第1制御手段は所定の条件の成立に基づいて、発射許可に対応する可信号若しくは発射許可に対応していない否信号を前記第2制御手段に送信可能であり、
前記第2制御手段は、前記可信号を受信することに基づいて、球送り手段(球送り装置76)によって前記発射経路構成手段の発射位置に遊技球を送り出す球送り動作と、前記発射位置に送り出された遊技球を前記発射手段によって発射する発射動作を、この順に実行可能であり、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態を検知するための検知手段を備え、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が通常の状態とは異なる所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記第2制御手段は、第1時間に亘って前記球送り動作と前記発射動作とのうち、前記球送り動作を禁止することを特徴とする遊技機。
特徴F1の場合、発射経路構成手段上の遊技球の状態が所定の状態になると(戻り球を生ずると)、第1定期間に亘って球送り動作が禁止されるため、発射経路構成手段上の遊技球が溜まることを防止できる。つまり、球送り動作が禁止された状態で発射動作が継続されると、発射経路構成手段上の遊技球が発射経路構成手段の上から存在しなくなり、戻り球が解消される可能性がある。
例えば、発射経路構成手段上に存在していた複数個の遊技球を発射手段で発射した場合、発射位置に存在する1個の遊技球を発射する場合に比べて、球勢が弱くなるため、前述の隙間部(発射レール74と誘導レール部5Eとの間の間隔部7D、つまり、ファール球回収口)を乗り越えることができず、隙間部(ファール球回収口)に進入する可能性がある。そして、この場合、発射経路構成手段上に存在していた複数個の遊技球が回収されるため、戻り球を回収できる可能性があるからである。
特徴F2.
前記第1時間に亘り、前記球送り動作を禁止した後において、前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が前記所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づき、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出する排出動作を行う排出動作実行手段を備えることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2の遊技機では、第1期間に亘って球送り動作を禁止しても戻り球を回収できない場合において排出動作を行うこととしている。つまり、排出動作の実行頻度を押さえつつも、戻り球の処理を確実に行うことができる。
特徴G1.
遊技盤に設けられた遊技領域と、
所定の発射手段(発射装置75)と、
遊技球の発射経路を構成する発射経路構成手段と、
前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段上に保持する第1状態と、前記発射経路構成手段外に排出可能な第2状態に変化可能な可動部材(図9の支持部材77、図70の開閉部材674n等)と、
を備え、
前記発射手段を用いて発射した遊技球が前記発射経路構成手段を所定の発射方向に通過し、前記遊技領域に到達して流下する遊技機であって、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態を検知するための検知手段を備え、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が通常の状態とは異なる所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記可動部材の状態を前記第2状態に変化させることで、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出可能であり、
前記可動部材の状態が前記第1状態若しくは前記第2状態の何れであるかを判定する状態判定手段を備え、
前記状態判定手段が、前記可動部材の状態が前記第2状態となった後、所定条件(例えば、所定時間の経過)が成立したとき、前記可動部材の状態が前記第2状態であると判定すると、前記発射動作を禁止することを特徴とする遊技機。
特徴G1によると、可動部材の状態が第2状態となった後、所定条件が成立しても(例えば、第2状態の終了時間が到来しても)、可動部材の状態が第1状態に戻らない場合に発射動作が行われることを防止することを目的とする。
特徴G2.
遊技盤に設けられた遊技領域と、
所定の発射手段(発射装置75)と、
遊技球の発射経路を構成する発射経路構成手段と、
前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段上に保持する第1状態と、前記発射経路構成手段外に排出可能な第2状態に変化可能な可動部材と、
を備え、
前記発射手段を用いて発射した遊技球が前記発射経路構成手段を所定の発射方向に通過し、前記遊技領域に到達して流下する遊技機であって、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態を検知するための検知手段を備え、
前記発射経路構成手段上の遊技球の状態が通常の状態とは異なる所定の状態であることを前記検知手段が検知することに基づいて、前記可動部材の状態を前記第2状態に変化させることで、前記発射経路構成手段上の遊技球を前記発射経路構成手段外に排出可能であり、
前記可動部材の状態が前記第1状態若しくは前記第2状態の何れであるかを判定する状態判定手段を備え、
前記状態判定手段が、前記可動部材の状態が前記第2状態となった後、所定条件(例えば、所定時間の経過)が成立したとき、前記可動部材の状態が前記第2状態であると判定すると、警告を行う警告手段を備えることを特徴とする遊技機。
特徴G2の遊技機によると、可動部材の状態が第2状態となった後、所定条件が成立しても(例えば、第2状態の終了時間が到来しても)、可動部材の状態が第1状態に戻らない場合に、警告手段が警告を行うため、遊技者やパチンコホールの店員等の注意を喚起することができる。
特徴G3.
前記可動部材を所定態様の動作を行うことで、前記発射位置に配置された遊技球を支持する支持状態から支持しない不支持状態に変化可能な支持手段で構成し、
前記支持状態によって前記第1状態を構成し、前記不支持状態によって前記第2状態を構成することを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によると、支持手段の状態が第1状態に戻っていない場合に発射動作を禁止したり(特徴G1を引用する場合)、警告を行ったり(特徴G2を引用する場合)することができる。