JP2018128927A - 画像情報合成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影対象物を撮影した複数の画像情報を合成する画像情報合成システムを提供することを目的とする。【解決手段】撮影対象物を撮影した複数の画像情報を一つの画像情報に合成する画像情報合成システムであって,画像情報合成システムは,撮影対象物に設置されたマーカーが少なくとも一以上写っている画像情報から,マーカーを識別するマーカー識別情報を認識するマーカー識別情報認識処理部と,認識したマーカー識別情報が同一の画像情報について,それぞれの画像情報におけるマーカーが同一の位置に重なるように画像情報の合成処理を実行する画像情報合成処理部と,を備える画像情報合成システムである。【選択図】 図1
Description
本発明は,撮影対象物を撮影した複数の画像情報を合成する画像情報合成システムに関する。
壁面の補修などを行う工事現場では,その劣化状況等を確認するため,壁面などの構造物を撮影し,ひび割れなどの確認を行うことがある。ひび割れなどの確認のためには,ひび割れなどが確認できる距離から撮影を行わなければならないが,壁面などのように撮影対象物の大きさが大きい場合もあり,一度では壁面の全体が撮影できない場合もある。
このような場合,壁面を複数回にわたって撮影し,複数の画像情報を連結して一つの画像情報とする作業が必要である。このような作業はソフトウェアを用いて行われることが一般的であって,たとえば非特許文献1に示すマイクロソフト社のソフトウェア「Image Composite Editor」が知られている。
Microsoft Corporation,"Image Composite Editor",[online],インターネット<URL:http://research.microsoft.com/en-us/um/redmond/projects/ice/>
非特許文献1に示すソフトウェアの場合,連続する複数の画像情報から共通点を見つけることで,各画像情報を連結し,一つの画像情報として生成する。そのため,任意の画像情報を自動的に連結することができるが,たとえば工事現場の壁面などのようなコンクリート構造物や,道路の路面などのようなアスファルト舗装の場合には,どれも似たような画像情報であって,画像情報中に特徴がないことも多い。そのため,とくにコンクリート構造物やアスファルト舗装などを撮影対象物とする場合は複数の画像情報を連結し,一つの画像情報として合成することは容易ではない。
そこで本発明者は,上記課題に鑑み,特徴のない撮影対象物,とくにコンクリート構造物やアスファルト舗装でも対応可能な画像情報合成システムを発明した。
第1の発明は,撮影対象物を撮影した複数の画像情報を一つの画像情報に合成する画像情報合成システムであって,前記画像情報合成システムは,撮影対象物に設置されたマーカーが少なくとも一以上写っている画像情報から,前記マーカーを識別するマーカー識別情報を認識するマーカー識別情報認識処理部と,前記認識したマーカー識別情報が同一の画像情報について,それぞれの画像情報におけるマーカーが同一の位置に重なるように画像情報の合成処理を実行する画像情報合成処理部と,を備える画像情報合成システムである。
本発明のように,撮影対象物にマーカーを設置し,そのマーカーが写るように撮影された画像情報を用いることで,特徴のない撮影対象物を撮影した画像情報であっても,一つの画像情報に合成することが可能となる。
上述の発明において,前記画像情報合成システムは,さらに,前記マーカー識別情報の認識処理の前に,前記画像情報について,前記撮影対象物を正対した状態で同一倍率で撮影した状態に補正する正置化処理を実行する正置化処理部,を備える画像情報合成システムのように構成することができる。
撮影対象物を撮影する場合には,正対した状態で撮影できるとは限らないし,全ての画像情報が同一の倍率であるとも限らない。そこで本発明のように正置化処理を実行することで,画像情報の合成の精度を向上させることができるとともに,自然な画像情報を合成することができる。
上述の発明において,前記正置化処理部は,前記画像情報に写っているマーカーの複数の特徴点の位置を検出して各特徴点で構成される閉領域をマーカーの表示領域とし,前記マーカーの表示領域が所定の矩形領域となるように,前記画像情報に対して台形補正処理を実行し,前記マーカーの表示領域が水平,垂直となるように前記画像情報を回転する回転処理を実行し,前記マーカーの表示領域があらかじめ定められた倍率になるように前記画像情報の拡大または縮小する処理を実行する,画像情報合成システムのように構成することができる。
正置化処理は本発明のように処理を実行することができる。
上述の発明において,前記マーカーは,外形が正方形または長方形であって,その頂点が前記特徴点として撮影対象物とは異なる色で着色されており,前記マーカーを識別するためのマーカー識別情報および/またはそのマーカー識別情報をコード化したコード化マーカー識別情報を,備えている画像情報合成システムのように構成することができる。
本発明の処理を実行する場合,マーカーが基本となる。そのため適切にマーカーの表示領域を認識する必要があるが,撮影対象物に溶け込んでしまう色であると,その自動認識が適切に行えない。そこで本発明のように,マーカーの特徴点は撮影対象物とは異なる色とし,マーカーを識別するための情報をマーカーに付することで,その自動認識の精度を向上させることができる。
上述の発明において,前記マーカーは,水平器を備えている,画像情報合成システムのように構成することができる。
マーカーは撮影対象物に水平に設置されていなければならない。そのため,水平器をマーカーに備えていることが好ましい。
上述の発明において,前記マーカーは,その外形が外枠によって形成されており,前記外枠の内側の前記マーカー識別情報および/または前記コード化マーカー識別情報以外の領域には空間がある,画像情報合成システムのように構成することができる。
マーカーを設置した部分の撮影対象物はマーカーによって隠れてしまう。そのため,画像合成した画像情報を用いた処理では支障が生じる可能性がある。そこでマーカーは極力,小面積とすることが好ましい。そこで本発明のように構成するとよい。
上述の発明において,前記画像情報には,撮影範囲が隣接する画像情報同士で少なくとも一以上の同一のマーカーが写っている,画像情報合成システムのように構成することができる。
本発明のように,隣接する画像情報同士で少なくとも同一のマーカーが一つ以上写っていれば,それを基準として,画像情報を合成することが可能となる。
上述の発明において,前記マーカーは,撮影対象物の端部を撮影する画像情報に少なくとも一つのマーカーが,それ以外の部分を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカーが写り込む位置に設置される,画像情報合成システムのように構成することができる。
上述の発明において,前記マーカーを前記撮影対象物に複数段で設置する場合には,前記撮影対象物の端部を撮影する画像情報に少なくとも一つのマーカーが,撮影対象物の領域内のみを撮影する画像情報には四つのマーカーが,それ以外の部分を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカーが写り込む位置に設置される,画像情報合成システムのように構成することができる。
マーカーを適切に設置しないと無駄な枚数の画像情報を撮影する必要が生じたり,本発明の処理を実行できない可能性がある。そして画像情報の枚数を少なくするためには,撮影範囲が極力重畳しないようにする,すなわち「田」型に撮影範囲を設定することが求められる。このように撮影範囲を設定した場合,撮影範囲に写るマーカーの位置はこれらの発明のようになる。そこで,これらの発明のようにマーカーを設置することで,最低限の枚数で必要な処理を実行することを可能とせしめる。
上述の発明において,前記撮影対象物がコンクリート構造物またはアスファルト舗装である,画像情報合成システムのように構成することができる。
コンクリート構造物やアスファルト舗装は,特徴となるものがなく,そのまま撮影をしたのでは,正確な処理が実行できない。そこで本発明のシステムはこれらのような撮影対象物に用いると効果を特に発揮する。
第1の発明は,本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することで,実現することができる。すなわち,コンピュータを,撮影対象物に設置されたマーカーが少なくとも一以上写っている画像情報から,前記マーカーを識別するマーカー識別情報を認識するマーカー識別情報認識処理部,前記認識したマーカー識別情報が同一の画像情報について,それぞれの画像情報におけるマーカーが同一の位置に重なるように画像の合成処理を実行する画像情報合成処理部,として機能させる画像情報合成プログラムのように構成することができる。
コンクリート構造物やアスファルト舗装などの特徴のない撮影対象物を複数の画像情報で撮影する場合には,特徴となるマーカーをどのように設置するかが重要である。すなわち,コンクリート構造物またはアスファルト舗装を撮影対象物として複数の画像情報で撮影する場合の撮影対象物へのマーカーの設置方法であって,撮影対象物の端部を撮影する画像情報に少なくとも一つのマーカーが,それ以外の部分を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカーが写り込む位置を,マーカーの設置位置として位置決めをする工程と,前記位置決めした位置において,前記マーカーを水平かつ垂直に取り付ける工程と,を備える撮影対象物へのマーカーの設置方法とすることで,最低限の撮影枚数で必要な処理の実行を可能とせしめる。
コンクリート構造物やアスファルト舗装などの特徴のない撮影対象物を複数の画像情報で撮影する場合には,特徴となるマーカーをどのように複数段に亘って設置するかが重要である。すなわち,コンクリート構造物またはアスファルト舗装を撮影対象物として複数の画像情報で撮影する場合の撮影対象物への複数段のマーカーの設置方法であって,撮影対象物の端部を撮影する画像情報に少なくとも一つのマーカーが,撮影対象物の領域内のみを撮影する画像情報には四つのマーカーが,それ以外の部分を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカーが写り込む位置を,マーカーの設置位置として位置決めする工程と,前記位置決めした位置において,前記マーカーを水平かつ垂直に取り付ける工程と,を備える撮影対象物へのマーカーの設置方法とすることで,最低限の撮影枚数で必要な処理の実行を可能とせしめる。
本発明の画像情報合成システムを用いることによって,たとえば壁面などの特徴のない撮影対象物であっても,適切に一つの画像情報として合成することができる。
本発明の画像情報合成システム1のシステム構成の一例を図1に,画像情報合成システム1で用いるコンピュータのハードウェア構成の一例を図2に示す。
画像情報合成システム1におけるサーバや端末はコンピュータによって実現される。コンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,ディスプレイなどの表示装置72と,情報の入力を行う入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報の通信をする通信装置74とを有している。なお,コンピュータがタッチパネルディスプレイを備えている場合には入力装置73と表示装置72とが一体的に構成されていてもよい。タッチパネルディスプレイは,たとえば現場の担当者が利用するタブレット型コンピュータやスマートフォンなどの可搬型通信端末などで利用されることが多いが,それに限定するものではない。
なお,タッチパネルディスプレイは,そのディスプレイ上で,直接,所定の入力デバイス(タッチパネル用のペンなど)や指などによって入力を行える点で,表示装置72と入力装置73の機能が一体化した装置である。
管理端末2は一台のコンピュータによって実現されていてもよいが,その機能が複数のコンピュータによって実現されていてもよい。この場合のコンピュータとして,たとえばクラウドサーバであってもよい。
さらに,本発明の画像情報合成システム1における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
撮影者端末3は,工事現場の壁面100などの撮影対象物を撮影する撮影者が利用するコンピュータであって,撮影者が撮影した画像情報を管理端末2に送る。
管理端末2は,撮影者端末3から受け付けた画像情報に基づいて各種処理を実行するコンピュータである。管理端末2は,画像情報受付処理部21と画像情報記憶部22と正置化処理部23とマーカー識別情報認識処理部24と画像情報合成処理部25と出力処理部26とを有する。
画像情報受付処理部21は,撮影対象物を撮影した画像情報を撮影者端末3から受け付ける。詳細は後述するが,撮影対象物を撮影した画像情報には,撮影対象物に取り付けられたマーカー200が写っており,後述する処理はかかる画像情報内のマーカー200を用いて処理を実行する。マーカー200とは撮影対象物に設置された識別標識であり,その外形は,好ましくは,正方形や長方形などの四角形である。マーカー200の一例を図4に示す。
図4のマーカー200は正方形または長方形の外枠201と,マーカー200の外枠201またはその内側に,マーカー200の四隅の各頂点を特定しやすくする頂点領域202と,人間が認識可能に表示されたマーカー識別情報203と,マーカー識別情報203をコード化したコード化マーカー識別情報204を表示するコード化マーカー識別情報204の表示領域と,水平器205とを備えている。
マーカー識別情報203は,マーカー200を識別するための情報であり,好ましくは数字が用いられるが,数字以外の文字,記号等であってもよい。頂点領域202には,撮影者によって撮影された画像情報からマーカー200の表示領域を特定するため,マーカー200のほかの箇所の色および撮影対象物で用いられている色とは異なる色が付されていることが好ましい。撮影対象物がコンクリートの壁面100の場合,頂点領域202には,たとえば赤色が付されているとよい。上方の外枠201には,マーカー200が水平に設置されているかを示すための水平器205(水準器)が取り付けられている。図4のマーカー200では,水平器205はマーカー200の上方に設置されているが,下方に設置されていてもよい。マーカー200の外枠201の内側の所定位置,たとえば左上の領域には,コード化マーカー識別情報204の表示領域を備えている。コード化マーカー識別情報204の表示領域は,マーカー識別情報203をコード化(マーク化)したコード化マーカー識別情報204の表示領域であって,マーカー識別情報203とコード化マーカー識別情報204とは対応付けられている。図4のコード化マーカー識別情報204は,マーカー識別情報203「01」と対応している。図5にコード化マーカー識別情報204とマーカー識別情報203との対応関係の一例を示す。図5のコード化マーカー識別情報204では,マーカー識別情報203として「00」から「15」までを表現するため,内部領域を4つの領域に細分化し,さらに各領域を「白」または「黒」で塗りつぶしている。「16」以上を表現する場合には,内部領域を9,16のように細分化すればよい。
マーカー200の素材には限定がないが,たとえば金属製,木製,紙製,プラスチック製などの外枠201を用いることができる。また,マーカー200が設置された部分の撮影対象物は隠れてしまう。マーカー200によって隠蔽される部分は極力,小面積とすることが好ましいため,外枠201のみによって形状が形成されると好ましく,外枠201の内側はマーカー識別情報203やコード化マーカー識別情報204以外の領域には空間が形成されているとよいが,正方形や長方形のような四角形(矩形)によって形状が形成されていてもよい。さらにマーカー200の背面(壁面100と接する面)には,撮影対象物に取り付けるための糊やテープなどが取り付けられているとよい。
マーカー200の一辺が短いと,後述する水平・垂直の判定(回転処理)や台形補正処理の際の精度が悪化するため,たとえばマーカー200の外枠201の幅は1cmとし,マーカー200の外形は,縦20cm,横20cmの正方形とすることができる。また処理精度の問題から,好ましくは,マーカー200のサイズが画面サイズの1/5程度,すなわち,1m角程度の画像を撮影するため,20cm角のマーカー200を用いることができる。さらに,撮影時の光反射の防止のため,全体がツヤ消しがされた白色塗料が塗布されているとよい。さらに頂点領域202はたとえば,縦1cm,横1cmの赤色の正方形で形成されている。そして,コード化マーカー識別情報204は,たとえば縦4cm,横4cmである。なお,マーカー200の構成は図4,図5に限定されるものではない。
画像情報記憶部22は,画像情報受付処理部21で受け付けた画像情報を記憶する。画像情報記憶部22では一つの撮影対象物に対して複数の画像情報があるため,それらを関連づけて記憶しているとよい。
正置化処理部23は,画像情報受付処理部21で受け付けた画像情報に対して,正置化処理を実行する。正置化処理としては,たとえばレンズ歪みがある場合の歪み補正処理,台形補正処理,画像情報の水平,垂直化をするための回転処理,画像情報の倍率の変更処理がある。
マーカー識別情報認識処理部24は,正置化処理部23で正置化処理を実行した正置化画像情報に写っているマーカー200の表示領域を認識し,マーカー200に対応するマーカー識別情報203を認識する。
画像情報合成処理部25は,正置化画像情報のうち,同一のマーカー識別情報203を含む画像情報を特定し,特定した正置化画像情報について,それぞれの画像情報におけるマーカー200が同一の位置に重なるように合成する処理を実行する。これを全ての正置化画像情報に対して行う。
なお画像合成処理部25における画像情報の合成処理としては,たとえばそれぞれの画像情報におけるマーカー200が同一の位置に重なるように描画をする(上書きをする)方法のほか,重ねる画像情報の境界の周辺部分をぼかす処理をした上で,マーカー200が同一の位置に重なるように描画をする方法,それぞれの画像情報の重なる部分について,いずれかの画像情報を切り抜いた上で(削除した上で),画像情報を接続する方法などがあるが,いかなる合成処理の方法を用いてもよい。また上記で説明した3つの方法に限定するものではない。本明細書においては,それぞれの画像情報におけるマーカー200が同一の位置に重なるように描画をする方法を用いる場合で説明をする。
出力処理部26は,画像情報合成処理部25で,複数の正置化画像情報を一つの画像情報に合成した画像情報を出力する。
つぎに本発明の画像情報合成システム1の処理プロセスの一例を図3のフローチャートを用いて説明する。
まず本発明の画像情報合成システム1での処理の前に,撮影対象物に対して所定のマーカー200を取り付けるプロセスを示す。図6に撮影対象物の一例として,壁面100の場合を説明する。撮影対象物としては,マーカー200が取り付けられる物であれば限定はないが,マーカーを設置する撮影対象物の面は平面である。そして,コンクリート構造物やアスファルト舗装などの場合にはその効果が特に発揮できる。
まず担当者は,撮影対象物となる壁面100にマーカー200を取り付ける(S100)。この際に,担当者は,マーカー200の水平器205を視認しながら,マーカー200が地面に対して水平,壁面100に対して垂直を保つように壁面100に設置する。各マーカー200は,撮影者が撮影対象物となる壁面100を撮影する際に,撮影画像中に少なくとも一つは写りこむような上下,左右の位置関係で設置をする。とくに撮影対象物の四隅を撮影する画像情報には少なくとも一つのマーカー200が,それ以外を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカー200が写り込むように設置をする。
撮影対象物にマーカー200を一段で設置する場合の一例を図7に示す。これは撮影対象物が縦方向にあまり大きくない場合に用いることができる。この場合,撮影対象者は,たとえば図8に示すように撮影範囲を設定しながら撮影をする。すなわち,四隅には少なくとも一つのマーカー200が,それ以外の部分では少なくとも二つ以上のマーカー200が写り込む撮影範囲で撮影対象物を撮影する。図8中の破線領域300a乃至300hがそれぞれの撮影範囲であり,四隅の撮影範囲である破線領域300a,300d,300e,300hには一つのマーカー200が,それ以外の撮影範囲である破線領域300b,300c,300f,300gには二つのマーカー200が写っている。
撮影対象物にマーカー200を複数段設置してもよい。撮影対象物にマーカー200を二段で設置する場合の一例を図9に示す。マーカー200を複数段設置する場合は撮影対象物が縦方向に大きい場合に用いることができる。この場合,撮影対象者は,たとえば図10に示すように撮影範囲を設定しながら撮影をする。すなわち,四隅には少なくとも一つのマーカー200が,撮影対象物の中心付近(撮影対象物の領域内のみが撮影範囲)には四つのマーカー200が,それ以外の部分では少なくとも二つ以上のマーカー200が写り込む撮影範囲で撮影対象物を撮影する。図10中の破線領域300a乃至300lがそれぞれの撮影範囲であり,四隅の撮影範囲である破線領域300a,300d,300i,300lには一つのマーカー200が,撮影対象物の中心付近の撮影範囲である破線領域300f,300gには四つのマーカー200が,それ以外の撮影範囲である破線領域300b,300c,300e,300h,300j,300kには二つのマーカー200が写っている。
以上のように撮影対象物にマーカー200を設置すると,上述の図8または図10のように撮影者が撮影を行う(S110)。図8の場合には8枚の画像情報が,図10の場合には12枚の画像情報がそれぞれ撮影される。撮影対象物の撮影順序は問われず,撮影対象物の形状も問われない。また,撮影者は撮影時に正対して撮影をする必要性はない。なお,撮影対象物を撮影する際の撮影距離は好ましくは50cm〜2m程度であるが,それに限定するものではない。
撮影者は,撮影者端末3で所定の操作を行うことによって,S110で撮影した画像情報を管理端末2に送る。この際に,各画像情報を識別する識別情報,同一の撮影対象物を撮影した画像情報であることを示す情報(たとえば撮影対象物の識別情報),日時情報などが付随情報としてあわせて送られるとよい。なお,撮影対象物を撮影した撮像装置のレンズ特性の特定のため,撮像装置の種類やレンズの種類を示す情報などを付随情報に含めてもよい。
そして撮影者端末3から送られた各画像情報やそれらに付随する情報は,管理端末2の画像情報受付処理部21で受け付け,画像情報記憶部22にそれぞれ対応付けて記憶させる(S120)。
以上のようにして管理端末2が撮影対象物を撮影した複数の画像情報を取得すると,所定のタイミング,たとえば管理端末2の操作者が操作を行うタイミング,あるいは画像情報を取得してから所定時間経過後などのタイミングで,正置化処理部23が当該撮影対象物を撮影した各画像情報の付随情報を用いて,画像情報記憶部22に記憶する各画像情報を抽出し,正置化処理を実行する(S130)。
まず正置化処理部23は,撮影対象物を撮影した撮像装置のレンズ特性の情報に基づいて,抽出した各画像情報についてレンズ歪みの補正処理を実行する。すなわち,撮影したままの画像情報には,樽型収差,糸巻き型収差,ビネット,色収差などが発生するが,それをレンズ特性の情報に基づいて補正処理を実行する。レンズ歪みの補正処理は公知の方法を用いて行うことができる。
各画像情報にレンズ歪みの補正処理を実行後,正置化処理部23は,各画像情報について,台形補正処理を実行する。撮影者は撮影対象物を必ずしも正対で撮影しているものではなく,斜め方向から撮影している場合もある。そのため正対で撮影した状態に変換する必要がある。台形補正処理の概念を図11のように示す。図11(a)は台形補正処理を実行する前の画像情報であり,図11(b)は台形補正処理を実行した後の画像情報である。
まず,画像情報においてマーカー200の4頂点の位置を検出する。この際に,あらかじめ定められた色の4点を特定し,その4点によって構成される閉領域(4点を直線で結んで構成される閉領域)をマーカー200の表示領域として認識する。そして,認識した4点で構成される閉領域が正方形となるように,画像情報の各画素に対して(画像情報の全体に対して)アフィン変換処理を行う。このように,台形補正処理で基準となるマーカー200の4点を画像情報から適切に検出するため,マーカー200の4頂点には,撮影対象物の色とは異なる色を用いることが好ましい。
以上のような処理を実行することで台形補正処理が行える。
正置化処理部23は,台形補正処理を実行することで,各画像情報が正対位置から撮影した画像情報にできるので,すでに正方形に変形された4頂点の位置からマーカー200の方向を求めることで,マーカー200が水平,垂直になるように画像情報を回転させる回転角を算出し,画像情報の回転処理を実行する。そして,4点によって構成される正方形の各辺の距離を算出し,それがあらかじめ定められている倍率,たとえば10cmが100ピクセルとなる倍率,となるように画像情報を拡大または縮小する。
なお,回転処理,拡大/縮小処理については,一つの画像情報に複数のマーカー200がある場合,その画像情報に写っているそれぞれのマーカー200から求めた回転角,拡大/縮小の倍率の値の平均値を用いることで,その画像情報の回転角,拡大/縮小倍率の値としてもよい。これによって回転処理,拡大/縮小処理の精度を向上させることができる。
以上のような正置化処理を正置化処理部23が実行することで,撮影者が撮影した撮影対象物の各画像情報について正置化処理を実行した画像情報(正置化画像情報)に変換することができる。なお,正置化処理については,上述の全ての処理を行うことが好ましいが,レンズ歪み補正処理,台形補正処理,回転処理,拡大/縮小処理のいずれか一以上を省略してもよい。また,撮影対象物を正対した状態で同一倍率(同じ距離)で撮影しているのならば,正置化処理そのものを省略することもできる。
正置化処理の終了後,マーカー識別情報認識処理部24は,正置化画像情報に写っているマーカー200の表示領域(マーカー200の4頂点によって構成される閉領域)におけるコード化マーカー識別情報204の表示領域を認識し,それに基づいて,マーカー識別情報203を認識する(S140)。認識したコード化マーカー識別情報204の表示領域に表示されるコード化マーカー識別情報204からマーカー識別情報203への変換処理は,あらかじめ定められたマーカー識別情報203とコード化マーカー識別情報204との対応関係(図5)などを参照することで行える。なお,コード化マーカー識別情報204の表示領域を用いずとも,たとえば正置化画像情報でマーカー200の表示領域に対してOCR認識などを行うことで,マーカー200の表示領域に表示されているマーカー識別情報203の認識処理を行ってもよい。
マーカー識別情報認識処理部24において撮影対象物に対するすべての正置化画像情報のマーカー識別情報203の認識処理を実行すると,画像情報合成処理部25は,同一のマーカー識別情報203を有する画像情報同士の合成処理を実行する(S150)。画像合成処理の概念の一例を図12に示す。画像情報合成処理部25は,撮影対象物に対する正置化画像情報の中から,同一のマーカー識別情報203を含む正置化画像情報を特定する。そして同一のマーカー識別情報203を含む正置化画像情報について,それぞれの画像情報におけるマーカー200が同一の位置に重なるように合成処理を実行する。これをすべての正置化画像情報について行うことで(S160),撮影対象物について一つの画像情報に合成できる。一つの画像情報に合成した状態の一例を図13に示す。図13では各正置化画像情報の撮影範囲を実線で,撮影対象物を破線で示している。
以上のようにして画像情報合成処理部25が撮影対象物を一つの画像情報に合成すると,それを所定の記憶装置71に記憶し,また操作者からの所望の操作要求にしたがって,出力処理部26が合成した画像情報の出力処理を行う(S160)。
たとえば撮影対象物である壁面100のひび割れのトレースを行いたい場合,操作者が管理端末2に対して所定の操作を行うことで,図14に示す合成した画像情報を出力処理部26が出力し,その表示装置72などに表示させる。そして,表示された画像情報に写っている壁面100のひび割れをマウスやタブレットなどの入力装置73を用いてなぞることでスケッチを行う。そして下地となる壁面100の画像情報とともに,あるいはスケッチのみを損傷図面の画像情報として記憶し,印刷等の出力処理を実行する。
以上のような処理を実行することで,壁面100などのように特徴のない撮影対象物を複数の画像情報で撮影した場合であっても,自動的に一つの画像情報に合成することが可能となる。なお,壁面100のように垂直に立っている撮影対象物のほか,路面などのような水平に位置する撮影対象物であっても,マーカー200を設置すれば,同様に処理が行える。さらに,マーカー200が設置可能であれば,如何なる撮影対象物であってもよい。
本発明の画像情報合成システム1を用いることによって,たとえば壁面100などの特徴のない撮影対象物であっても,適切に一つの画像情報として合成することができる。
1:画像情報合成システム
2:管理端末
3:撮影者端末
21:画像情報受付処理部
22:画像情報記憶部
23:正置化処理部
24:マーカー識別情報認識処理部
25:画像情報合成処理部
26:出力処理部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置
100:壁面
200:マーカー
201:外枠
202:頂点領域
203:マーカー識別情報
204:コード化マーカー識別情報
205:水平器
2:管理端末
3:撮影者端末
21:画像情報受付処理部
22:画像情報記憶部
23:正置化処理部
24:マーカー識別情報認識処理部
25:画像情報合成処理部
26:出力処理部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置
100:壁面
200:マーカー
201:外枠
202:頂点領域
203:マーカー識別情報
204:コード化マーカー識別情報
205:水平器
Claims (13)
- 撮影対象物を撮影した複数の画像情報を一つの画像情報に合成する画像情報合成システムであって,
前記画像情報合成システムは,
撮影対象物に設置されたマーカーが少なくとも一以上写っている画像情報から,前記マーカーを識別するマーカー識別情報を認識するマーカー識別情報認識処理部と,
前記認識したマーカー識別情報が同一の画像情報について,それぞれの画像情報におけるマーカーが同一の位置に重なるように画像情報の合成処理を実行する画像情報合成処理部と,
を備えることを特徴とする画像情報合成システム。 - 前記画像情報合成システムは,さらに,
前記マーカー識別情報の認識処理の前に,前記画像情報について,前記撮影対象物を正対した状態で同一倍率で撮影した状態に補正する正置化処理を実行する正置化処理部,
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像情報合成システム。 - 前記正置化処理部は,
前記画像情報に写っているマーカーの複数の特徴点の位置を検出して各特徴点で構成される閉領域をマーカーの表示領域とし,
前記マーカーの表示領域が所定の矩形領域となるように,前記画像情報に対して台形補正処理を実行し,
前記マーカーの表示領域が水平,垂直となるように前記画像情報を回転する回転処理を実行し,
前記マーカーの表示領域があらかじめ定められた倍率になるように前記画像情報の拡大または縮小する処理を実行する,
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像情報合成システム。 - 前記マーカーは,
外形が正方形または長方形であって,その頂点が前記特徴点として撮影対象物とは異なる色で着色されており,
前記マーカーを識別するためのマーカー識別情報および/またはそのマーカー識別情報をコード化したコード化マーカー識別情報を,
備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像情報合成システム。 - 前記マーカーは,水平器を備えている,
ことを特徴とする請求項4に記載の画像情報合成システム。 - 前記マーカーは,
その外形が外枠によって形成されており,
前記外枠の内側の前記マーカー識別情報および/または前記コード化マーカー識別情報以外の領域には空間がある,
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像情報合成システム。 - 前記画像情報には,
撮影範囲が隣接する画像情報同士で少なくとも一以上の同一のマーカーが写っている,
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像情報合成システム。 - 前記マーカーは,
撮影対象物の端部を撮影する画像情報に少なくとも一つのマーカーが,それ以外の部分を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカーが写り込む位置に設置される,
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像情報合成システム。 - 前記マーカーを前記撮影対象物に複数段で設置する場合には,
前記撮影対象物の端部を撮影する画像情報に少なくとも一つのマーカーが,撮影対象物の領域内のみを撮影する画像情報には四つのマーカーが,それ以外の部分を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカーが写り込む位置に設置される,
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像情報合成システム。 - 前記撮影対象物がコンクリート構造物またはアスファルト舗装である,
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像情報合成システム。 - コンピュータを,
撮影対象物に設置されたマーカーが少なくとも一以上写っている画像情報から,前記マーカーを識別するマーカー識別情報を認識するマーカー識別情報認識処理部,
前記認識したマーカー識別情報が同一の画像情報について,それぞれの画像情報におけるマーカーが同一の位置に重なるように画像の合成処理を実行する画像情報合成処理部,
として機能させることを特徴とする画像情報合成プログラム。 - コンクリート構造物またはアスファルト舗装を撮影対象物として複数の画像情報で撮影する場合の撮影対象物へのマーカーの設置方法であって,
撮影対象物の端部を撮影する画像情報に少なくとも一つのマーカーが,それ以外の部分を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカーが写り込む位置を,マーカーの設置位置として位置決めをする工程と,
前記位置決めした位置において,前記マーカーを水平かつ垂直に取り付ける工程と,
を備える撮影対象物へのマーカーの設置方法。 - コンクリート構造物またはアスファルト舗装を撮影対象物として複数の画像情報で撮影する場合の撮影対象物への複数段のマーカーの設置方法であって,
撮影対象物の端部を撮影する画像情報に少なくとも一つのマーカーが,撮影対象物の領域内のみを撮影する画像情報には四つのマーカーが,それ以外の部分を撮影する画像情報には少なくとも二つ以上のマーカーが写り込む位置を,マーカーの設置位置として位置決めする工程と,
前記位置決めした位置において,前記マーカーを水平かつ垂直に取り付ける工程と,
を備える撮影対象物へのマーカーの設置方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017022448A JP2018128927A (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | 画像情報合成システム |
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ID=63174056
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7448280B2 (ja) | 2020-03-05 | 2024-03-12 | Necソリューションイノベータ株式会社 | 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体 |
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2017
- 2017-02-09 JP JP2017022448A patent/JP2018128927A/ja active Pending
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