JP2018126893A - Extrusion film formation die head - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、押出製膜に用いられるダイヘッドに関する。 The present invention relates to a die head used for extrusion film formation.
一般に、押出製膜では、ダイヘッドから溶融樹脂が膜状に成形された状態で押し出され、冷却ロールで冷却されることにより樹脂膜が作製される。特許文献1には、製膜に用いられるダイヘッドが開示されている。このダイヘッドでは、溶融樹脂がマニホールドに供給され、マニホールドの下流部に設けられたスロットを通過し、フィルム状に成形される。ダイヘッドは、マニホールド及びスロットの幅方向の両端部に、通過する溶融樹脂と接してガイドする第1インナーディッケル及び第1インナーディッケルを有する。第2インナーディッケルは第1インナーディッケルの下流側に配置されている。第2インナーディッケルの溶融樹脂に接する面は、スロットの下端部の幅方向の寸法を広げるように傾斜または湾曲している。
Generally, in extrusion film formation, a resin film is produced by extruding a molten resin from a die head in a state of being formed into a film and cooling it with a cooling roll.
ここで、押出製膜では、ダイヘッドから押し出された溶融状態の樹脂膜が冷却ロールで冷却されるまでの間の空走区間(ギャップ)において、「ネックイン」と呼ばれる膜幅が収縮する現象が発生する。特許文献1には、スロットの下端部の幅方向の寸法を広げるように第2インナーディッケルの溶融樹脂に接する面を傾斜または湾曲させることにより、ネックインの抑制が可能である旨記載されている。これは、スロットの下端部の幅方向の寸法を広げるようにすることにより、幅方向の端部側と中央部側との溶融樹脂の流速(流量)の差を抑制することにより、中央部側の膜厚に対して端部側の膜厚の差を小さくすることができるからと考えられる。しかしながら、スロットの下端部の傾斜または湾曲によって広くなった領域においても、溶融樹脂の流速は端部へ向かう程遅くなっていくため、流速の低下に応じて流路が低下し、膜厚が薄くなって膜の端部側の強度が低下する、という問題がある。そこで、ネックインの発生を抑制可能とするとともに、膜の端部側の強度の低下を抑制可能とする技術が望まれている。
Here, in extrusion film formation, there is a phenomenon in which the film width called “neck-in” shrinks in the idle running section (gap) until the molten resin film extruded from the die head is cooled by the cooling roll. Occur.
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。 SUMMARY An advantage of some aspects of the invention is to solve at least a part of the problems described above, and the invention can be implemented as the following forms.
(1)本発明の一形態によれば、溶融した樹脂が供給されて膜状に成形する押出製膜用ダイヘッドが提供される。この押出製膜用ダイヘッドは、ダイヘッドの上流端に設けられ、前記溶融した樹脂を流通させる流路を有する第1部分と;前記ダイヘッドの下流端に設けられ、前記第1部分の流路よりも幅が広い流路に前記溶融した樹脂を流通させる第2部分と;前記第1部分と前記第2部分の間に設けられ、前記第1部分の流路と前記第2部分の流路とを接続する流路を有し、前記溶融した樹脂を前記第1部分から前記第2部分へ流通させる第3部分と;を備える。前記第1部分及び前記第2部分の流路の幅はそれぞれ一定であり、前記第3部分の流路は上流端から下流端に向かうほど連続して幅が広くなっている。
この形態の押出製膜用ダイヘッドによれば、第1部分の流路よりも幅方向の外側の第2部分の流路の部分において、流路の幅方向の中央部側から端部側へかけて溶融した樹脂の流速の減少度合いを抑制度することができる。これにより、成形された膜の中央部側から端部側にかけての膜厚の差を抑制することができ、膜の端部側の強度の低下を抑制することができる。この結果、ネックインの発生を抑制可能とするとともに、膜の端部側の強度の低下を抑制可能とすることができる。
(1) According to one aspect of the present invention, there is provided an extrusion film-forming die head that is supplied with a molten resin and molded into a film shape. This extrusion film-forming die head is provided at the upstream end of the die head and has a first part having a flow path for circulating the molten resin; provided at the downstream end of the die head, and more than the flow path of the first part. A second portion for allowing the molten resin to flow through a wide flow path; and provided between the first portion and the second portion, the flow path of the first portion and the flow path of the second portion. And a third portion that has a flow path to be connected and distributes the molten resin from the first portion to the second portion. The width of the flow path of the first part and the second part is constant, and the width of the flow path of the third part continuously increases from the upstream end toward the downstream end.
According to the extrusion film-forming die head of this aspect, in the portion of the flow passage of the second portion outside the width direction from the flow passage of the first portion, it extends from the central portion side to the end portion side in the width direction of the flow passage. Thus, the degree of decrease in the flow rate of the molten resin can be suppressed. Thereby, the difference of the film thickness from the center part side to the edge part side of the formed film can be suppressed, and a decrease in strength on the edge part side of the film can be suppressed. As a result, it is possible to suppress the occurrence of neck-in and to suppress the decrease in strength on the end side of the film.
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、押出製膜用ダイヘッド、押出製膜用ダイヘッドを用いた製膜装置等の態様で実現することができる。 In addition, this invention can be implement | achieved in various aspects, for example, can be implement | achieved in aspects, such as a film forming apparatus using the die head for extrusion film formation, and the die head for extrusion film formation.
A.実施形態:
図1は、押出製膜に用いられるダイヘッド10の構成を示す概略斜視図である。図2は、図1のダイヘッド10のII−II矢視断面図である。図1及び図2に示すX,Y,Zは、互いに直交する方向を示す。Yは鉛直方向を示し、X及びZは水平方向を示している。以下では、ダイヘッド10で成形される樹脂膜の幅方向に対応するダイヘッド10の幅方向をX方向、高さ方向をY方向、奥行き方向をZ方向として説明する。
A. Embodiment:
FIG. 1 is a schematic perspective view showing a configuration of a die
図1及び図2に示すように、ダイヘッド10は、第1ダイ110と、Z方向に沿って第1ダイ110に対向して配置された第2ダイ120と、第1ダイ110と第2ダイ120とで挟持されたシム130と、を備える。図2に示すように、第1ダイ110の対向面112と第2ダイ120の対向面122とシム130とは、マニホールド11とマニホールド11のY方向の下端側に設けられた開口部12とを構成する。
As shown in FIGS. 1 and 2, the die
図2に示すように、マニホールド11には、第1ダイ110に設けられた供給口115及び供給孔116を介して、不図示の押出機かから溶融樹脂MRが供給される。溶融樹脂MRは、製膜用の樹脂を溶融させたものである。なお、第1ダイ110及び第2ダイ120には不図示のヒーターが設けられており、ヒーターによって昇温されることによってマニホールド11に供給された溶融樹脂MRが溶融した状態を保つように保温されている。
As shown in FIG. 2, molten resin MR is supplied to the
マニホールド11に供給された溶融樹脂MRは、マニホールド11の流路内を流通し、開口部12に供給される。開口部12に供給された溶融樹脂MRは、開口部12の流路内を流通し、開口部12の下流端である開口端13から膜状に成形された状態で下方(Y方向)に押し出される。すなわち、ダイヘッド10は、押出機から供給された溶融樹脂MRを膜状に成形して押し出す装置である。なお、開口端13の開口の厚さ、すなわち、シム130の厚さは、押し出される溶融樹脂MRにより形成される樹脂膜の厚さに応じて適切な厚さに設定される。但し、シム130の厚さが薄くなるとマニホールド11の内部の圧力が高くなり、厚くなると圧力が低くなる傾向にあるので、溶融樹脂MRの特性や、ダイの温度等から最適な厚さを選ぶことが好ましい。
The molten resin MR supplied to the
図1に示すように、ダイヘッド10の下方には、冷却ロール20が配置されている。ダイヘッド10において、膜状に成形された状態の溶融樹脂MRは、開口端13(図2)から押し出されて、冷却ロール20へ向けて流下する。流下した溶融樹脂MRは、冷却ロール20のロール面に接触して冷却ロール20の回転に応じて移動し、ロール面から離れて搬送方向に搬出されるまでの間に冷却されて固まる。これにより、樹脂膜WSが作製される。図1の破線箇所は溶融樹脂MRが冷却ロール20へ接触する箇所を示している。このダイヘッド10は、電解質膜の製膜等の種々の樹脂膜の押出製膜に用いることができる。
As shown in FIG. 1, a
図3は、マニホールド11の流路及び開口部12の流路を示す正面図である。図3は、ダイヘッド10の内部を第2ダイ120側から透過して、シム130及び第1ダイ110の対向面112を示した状態で示している。
FIG. 3 is a front view showing the flow path of the manifold 11 and the flow path of the
シム130(図中ハッチングを付して示す)は、下端が開口した枠形状を有しており、枠の内側の領域は、マニホールド11に対応する上部領域131と開口部12に対応する下部領域132とに区分される。上部領域131は、第2ダイ120の対向面122に設けられた溝部124(図2)とともにマニホールド11の流路を構成する。下部領域132は、開口部12の流路を構成する。供給孔116からマニホールド11(下部領域132)に供給された溶融樹脂MRは、マニホールドの流路及び開口部12(下部領域132)の流路を流通して、開口部12の開口端13(図2)から、膜状に成形された状態で押し出される。
The shim 130 (shown with hatching in the figure) has a frame shape with an open lower end, and an area inside the frame is an
上部領域131の幅はマニホールド11の流路の幅に相当し、一定である。上部領域131の幅Wmは、シム130の枠の内側の側壁138の間の間隔(X方向に沿った距離)である。下部領域132の上流端の幅、すなわち、開口部12の流路の上流端の幅は、上部領域131の幅Wmと等しい。開口部12の流路はマニホールド11の流路に接続されている。これに対して、下部領域132の下流端の幅Woは、すなわち、開口部12の流路の下流端、すなわち、開口端13(図2)の幅は、下部領域132の上流端の幅Wmよりも広くなっている。具体的には、下部領域132の下流端における幅方向の両側の側壁138の位置は、下部領域132の上流端における両側の側壁138の位置よりもそれぞれ幅Wcだけ広く、Wo=(Wm+2・Wc)となっている。
The width of the
図4は、図3の部分Aeの構造の拡大図である。下部領域132は、下流側の開口端領域134と開口傾斜領域133とに区分されている。開口部12は、上流側の開口傾斜領域133を流路とし、マニホールド11の流路に接続される開口傾斜部12aと、下流側の開口端領域134を流路とし、開口傾斜部12aの流路と接続される開口端部12bとに区分されている。なお、以下では、開口傾斜領域133の幅方向の両側の側壁138の傾斜角度をθc、傾斜による領域の幅方向(X方向)の広がり幅をWc、開口傾領域の幅方向に垂直な方向(Y方向)の高さ(以下、「傾斜高さ」とも呼ぶ)をHcとする。また、開口端部12bの流路、すなわち、開口端領域134の幅方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)の高さ(以下、「開口端高さ」とも呼ぶ)をHsとする。
FIG. 4 is an enlarged view of the structure of the portion Ae in FIG. The
図5は、図3の部分Aeに対応する比較例の構造を示す拡大図である。比較例の開口部12Raは、図4の開口部12の開口端部12bが無く、開口傾斜部12aのみを有する構造を示している。
FIG. 5 is an enlarged view showing the structure of a comparative example corresponding to the portion Ae of FIG. The opening portion 12Ra of the comparative example has a structure in which the opening
以下では、図4の実施形態と図5に基づく比較例1,2,3とを比較した結果について説明する。但し、実施形態の傾斜角度θc、広がり幅Wc、傾斜高さHc及び開口端高さHs、並びに、比較例1,2,3の傾斜角度θc、広がり幅Wc、傾斜高さHcは、それぞれ、以下のように設定されているものとする。
・実施形態:θc=θ0(>0)[°],Wc=W0[mm],Hc=hc0(=W0/tanθ0)[mm],Hs=hs0[mm]
・比較例1:θc=0°,Wc=0mm
・比較例2:θc=θ0[°],Wc=W0/2[mm],Hc=hc0/2[mm]
・比較例3:θc=θ0[°],Wc=W0[mm],Hc=hc0[mm]
なお、比較例1は、開口部12Raの流路がマニホールド11の流路の幅と等しい場合を示している。比較例2は、実施形態および比較例3に比べて広がり幅Wc及び傾斜高さHcが1/2の場合を示している。
Below, the result of comparing the embodiment of FIG. 4 with Comparative Examples 1, 2, and 3 based on FIG. 5 will be described. However, the inclination angle θc, the spreading width Wc, the inclination height Hc and the opening end height Hs of the embodiment, and the inclination angle θc, the spreading width Wc, and the inclination height Hc of Comparative Examples 1, 2, and 3, respectively, Assume that the settings are as follows.
Embodiment: θc = θ0 (> 0) [°], Wc = W0 [mm], Hc = hc0 (= W0 / tan θ0) [mm], Hs = hs0 [mm]
Comparative example 1: θc = 0 °, Wc = 0 mm
Comparative Example 2: θc = θ0 [°], Wc = W0 / 2 [mm], Hc = hc0 / 2 [mm]
Comparative Example 3: θc = θ0 [°], Wc = W0 [mm], Hc = hc0 [mm]
Comparative Example 1 shows a case where the flow path of the opening 12Ra is equal to the width of the flow path of the manifold 11. Comparative Example 2 shows a case where the spread width Wc and the inclination height Hc are ½ as compared with the embodiment and Comparative Example 3.
図6は、樹脂膜のネックイン量と樹脂膜の端部の厚さ(端高)との関係を実施形態と比較例1,2,3とで比較した一例を示すグラフである。ネックイン量は、開口端13の幅に対して片側の幅方向の端部の収縮量で表されている。比較例1に対して、比較例2,3に示すように、広がり幅Wcを大きくしていくことにより、ネックイン量を減少させる効果は得られる。しかしながら、広がり幅Wcを大きくしていくことにより、樹脂膜の端部の厚さ(端高)が薄くなっていくため、比較例3では、以下で説明する問題が発生する可能性がある。
FIG. 6 is a graph showing an example in which the relationship between the neck-in amount of the resin film and the thickness (end height) of the end of the resin film is compared between the embodiment and Comparative Examples 1, 2, and 3. The neck-in amount is represented by the contraction amount of the end portion in the width direction on one side with respect to the width of the opening
図7は、樹脂膜の端部の厚さが薄くなった場合の問題点を示す説明図である。開口端13から押し出された時点における樹脂膜の端部の厚さが薄くなることにより、樹脂膜の幅方向の端部が強度的に弱くなるため、作製された樹脂膜WSには部分ARのように裂けて切れてしまう部分が発生する。
FIG. 7 is an explanatory diagram showing a problem when the thickness of the end portion of the resin film is reduced. Since the end portion of the resin film at the time of being pushed out from the opening
図8は、開口端13の幅方向の位置(開口端位置)と溶融樹脂MRの流速との関係を実施形態と比較例1,2,3とで比較した一例を示すグラフである。図8に示すように、比較例1の場合には、幅方向の端部(一点鎖線で示す位置)で溶融樹脂MRの流速に対応する流量が急激に低下するので、樹脂膜の厚さ(膜厚)は流速(流量)が急激に減少する位置までほぼ均一であり、それよりも端部側で急激に薄くなる。 FIG. 8 is a graph showing an example in which the relationship between the position in the width direction of the opening end 13 (opening end position) and the flow velocity of the molten resin MR is compared between the embodiment and Comparative Examples 1, 2, and 3. As shown in FIG. 8, in the case of the comparative example 1, the flow rate corresponding to the flow rate of the molten resin MR rapidly decreases at the end in the width direction (position indicated by the alternate long and short dash line). (Film thickness) is substantially uniform up to the position where the flow velocity (flow rate) suddenly decreases, and becomes thinner on the end side than that.
これに対して、比較例2,3の場合には、傾斜角度θc(=θ0)に応じた流路の広がりに応じて、比較例1の場合の端部よりも外側まで溶融樹脂MRが供給されて開口端13(図3)から流出される。ただし、比較例2,3の場合には、開口端13における溶融樹脂MRの流速(流量)は、傾斜角度θc(=θ0)に応じた流路の広がりに応じて、端部側へ向けて緩やかに落ちていくことになる。この流速(流量)の変化に応じて膜厚も端部側へ向けて薄くなっていく。
On the other hand, in the case of Comparative Examples 2 and 3, the molten resin MR is supplied to the outside of the end portion in the case of Comparative Example 1 according to the expansion of the flow path according to the inclination angle θc (= θ0). And flows out from the open end 13 (FIG. 3). However, in the case of Comparative Examples 2 and 3, the flow velocity (flow rate) of the molten resin MR at the opening
ここで、比較例2に比べて比較例3のほうが、流速(流量)の変化は緩やかになる。このため、図6に示したように、比較例2に比べて比較例3のほうが、すなわち、広がり幅Wcの大きいほうが、開口端13の幅方向の同じ位置において流速(流量)は多くなり、ネックイン量は小さくなる。しかしながら、比較例2に比べて比較例3のほうが、広がり幅Wcが大きくなるので、膜厚が薄くなる幅が広くなり、上述したように端部が強度的に弱くなると考えられる。
Here, the change in the flow velocity (flow rate) is gentler in Comparative Example 3 than in Comparative Example 2. For this reason, as shown in FIG. 6, the flow rate (flow rate) is larger in the same position in the width direction of the opening
そこで、実施形態(図3,4)では、流路が幅Wmから幅Woまで広がる開口傾斜部12aの下流に一定の幅Woの流路の開口端部12bを設ける構成とした。これにより、実施形態では、図8に示すように、開口端13の幅方向の端部まで溶融樹脂MRの流速(流量)の減少を抑制することができるので、膜厚さの減少を抑制することができる。この結果、実施形態では、図6に示したように、ネックイン量を比較例3と同等に抑制するとともに、端部の膜厚の減少を抑制して、樹脂膜の端部側の強度の低下を抑制することができる。また、本実施形態では、シム130の外形を変えることなく、開口部12の流路の幅のみを広げる構成となっている。このため、一対のダイとシムで構成されるダイヘッドの大きさを変えることなくシムの内側の形状を変更するのみで容易に実現可能である。
Therefore, in the embodiment (FIGS. 3 and 4), the flow path has an opening
なお、シム130の形状として、両側の側壁138の間隔を一様な大きさに広げて、マニホールド11及び開口部12の全ての流路の幅を一様に広げることにより、実施形態と同様に、ネックイン量を抑制するとともに、端部の膜厚の減少を抑制して、樹脂膜の端部側の強度の低下を抑制することができる。しかしながら、この場合、シム130の形状の変更に伴って、これを挟む一対のダイ110,120のうちの第2ダイ120の溝部124の幅の変更を要するため不便である。また、マニホールド11における溶融樹脂MRの密閉性が低下する場合がある。これに対して、実施形態では、一対のダイ110,120の構造を変更することなく、シム130の内側の形状を変更するのみで実現することが可能である。
As the shape of the
また、ダイヘッド全体を大きくして、マニホールド11及び開口部12の流路の全体の幅を一様に広くすることで、マニホールド11における溶融樹脂MRの密閉性が低下することなく、実施形態と同様に、ネックイン量を抑制するとともに、端部の膜厚の減少を抑制して、樹脂膜の端部側の強度の低下を抑制することができる。しかしながら、この場合、ダイヘッド全体の構造を変更しなければならないので不便である。また、ダイヘッドが大きい場合、流路内を流れる溶融樹脂MRの圧力で開口端の開口の大きさが端部よりも中央部で厚くなり、中央部の膜厚が大きくなりやすくなる。この問題を解決するために、一般的には、膜厚を均一化するためにダイヘッドの開口端の開口の大きさを幅方向の位置ごとに調整する調整ボルトが用いられている。本実施形態では、この問題を抑制し、膜厚の均一化の調整の手間を軽減することができる。また、膜厚に要求される寸法の公差範囲が大きい場合には調整を省略することも可能である。
Further, by enlarging the entire die head and uniformly widening the entire flow path of the manifold 11 and the
図9は、図5の比較例とは異なる構造の比較例を示す拡大図である。図9は図3の部分Aeに対応する構造を示している。この比較例5は、従来技術で説明したダイヘッドに対応する構造の開口部12Rbを有している。比較例2,3(図5)の開口部12Raを構成する開口傾斜部12aの側壁138の部分が一定の傾斜角度θcで傾斜した平面であるのに対して、比較例5の開口部12Rbは、開口傾斜部12aに対応する側壁138の部分が湾曲面となっている。この湾曲面の開口部12Rbにおいても、開口端13における溶融樹脂MRの流速の特性(図8)、開口端13の端部側の膜厚とネックイン量との関係(図7)について、比較例2,3の開口部12Raの開口傾斜部12aの場合と同様となると考えられる。従って、実施形態は比較例5と比較しても、開口端13の幅方向の端部まで溶融樹脂MRの流速(流量)の減少を抑制することができ、ネックイン量を抑制するとともに、端部の膜厚の減少を抑制して、樹脂膜の端部側の強度の低下を抑制することができる。
FIG. 9 is an enlarged view showing a comparative example having a structure different from that of the comparative example of FIG. FIG. 9 shows a structure corresponding to the portion Ae of FIG. The comparative example 5 has an opening 12Rb having a structure corresponding to the die head described in the prior art. Whereas the portion of the
また、比較例5は、窪んだ角部Pcに溶融樹脂MRが滞留しやすい構造である。これに対して、実施形態は、比較例5のような窪んだ角部Pcのない形状(図4)であり、溶融樹脂MRが滞留しにくい構造である点でも較例5に比べて有利である。 Further, Comparative Example 5 has a structure in which the molten resin MR tends to stay in the recessed corner portion Pc. On the other hand, the embodiment is advantageous in comparison with Comparative Example 5 in that it has a shape without the recessed corner portion Pc as in Comparative Example 5 (FIG. 4) and has a structure in which the molten resin MR hardly stays. is there.
なお、実施形態において、開口傾斜部12aの傾斜角度θc、広がり幅Wc、傾斜高さHc、及び、開口端部12bの開口端高さHs(図4)については、以下で説明する点を参照することにより設定することができる。
In the embodiment, the inclination angle θc of the opening inclined
図10は、広がり幅Wcの設定効果を示す説明図である。図10は、広がり幅Wcの変化による開口端13における溶融樹脂MRの流速の変化を示すグラフである。但し、傾斜角度θcを一定、開口端高さHs=0としている(図4,5)。図10に示すように、溶融樹脂MRの流量(流速)は端部に向かって徐々に滑らかに減少する。但し、広がり幅Wcが大きくなるほど、これに応じて開口端13の端部の位置(一点鎖線で示す位置)が広がって開口端13の幅が広がり、溶融樹脂MRが流れる領域の幅が広がる。また、広がり幅Wcが大きくなるほど、傾斜高さHc(=Wc/tanθc)が大きくなるので、広がり幅Wcに対応する端部側の流路に流れこむ流量が増加し、中央部側の流量が減少する。これにより、開口端13から押し出されたネックインが発生する前の樹脂膜は、中央部の膜厚が薄くなり膜幅を広げることができる。すなわち、この広がり幅Wcを調整することにより、膜厚および膜幅を調整することができる。但し、上述の比較例2,3で説明したように(図6,7,8)、広がり幅Wcを大きくするほど、端部側の膜厚が薄くなり、膜の端部側が強度的に弱くなるという問題がある。
FIG. 10 is an explanatory diagram showing the effect of setting the spread width Wc. FIG. 10 is a graph showing changes in the flow rate of the molten resin MR at the opening
図11は、傾斜角度θcの設定効果を示す説明図である。図11は傾斜角度θcの変化による開口端13における溶融樹脂MRの流速の変化を示すグラフである。但し、広がり幅Wcを一定、開口端高さHs=0としている。図11に示すように、傾斜角度θcが小さくなるほど、傾斜高さHc(=Wc/tanθc)が大きくなるので、広がり幅Wcに対応する端部側の流路に流れこむ流量が増加し、中央部側の流量が減少する。これにより、傾斜角度θcを小さくすることで、端部側の膜厚を厚くすることができる。但し、広がり幅Wcを一定としつつ傾斜角度θcを小さくすることは、シムの外形寸法を大きくすることにつながり、結果的にダイヘッド全体を大きくすることになるという問題がる。
FIG. 11 is an explanatory diagram showing the effect of setting the inclination angle θc. FIG. 11 is a graph showing changes in the flow rate of the molten resin MR at the opening
図12は、開口端高さHsの設定効果を示す説明図である。図12は開口端高さHsの変化による開口端13における溶融樹脂MRの流速の変化を示すグラフである。但し、広がり幅Wc及び傾斜高さHcを一定としている。図12に示すように、開口端高さHsを設けた場合には、開口端高さHsが設けられていない場合(図11,図12)に比べて、開口端13の端部までの流量の減少を急激に抑制し、端部で急激に減少するようにすることができる。そして、開口端高さHsが大きくなるほど、端部側の流量を増加させ、端部側の膜厚を厚くすることができる。
FIG. 12 is an explanatory diagram showing the effect of setting the opening end height Hs. FIG. 12 is a graph showing changes in the flow rate of the molten resin MR at the opening
そこで、実施形態における上記広がり幅Wc、傾斜角度θc、傾斜高さHc、及び、開口端高さHsの設定は、上記各メリット及びデメリットを考慮して、所望する膜厚、膜幅、ネックイン量等が得られるようにそれぞれの寸法を適宜設定すればよい。 Therefore, in the embodiment, the spread width Wc, the inclination angle θc, the inclination height Hc, and the opening end height Hs are set in consideration of the above merits and demerits. Each dimension may be set as appropriate so as to obtain a quantity or the like.
なお、以上説明した実施形態において、マニホールド11が「第1部分」に相当し、開口端部12bが「第2部分」に相当し、開口傾斜部12aが「第3部分」に相当する。
In the embodiment described above, the manifold 11 corresponds to the “first portion”, the opening
B.変形例:
なお、この発明は上記実施形態や変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
B. Variations:
The present invention is not limited to the above-described embodiments and modifications, and can be carried out in various modes without departing from the gist thereof. For example, the following modifications are possible.
上記実施形態では、第3部分として、流路の側壁が一定の傾斜角度θcの平面で構成された開口傾斜部12aの場合を例に説明したが、これに限定されるものではい。例えば、流路の側壁が滑らかな曲面で構成されていてもよい。すなわち、上流端から下流端に向かうほど流路の幅が連続して広くなっていればよい。
In the above-described embodiment, the case where the third portion is the opening inclined
また、上記実施形態では、一対のダイでシムを挟持した構成のダイヘッドを例に説明したが、これに限定されるものではなく、スロットダイヘッドのスロットに実施形態の開口部の構造を適用するようにしてもよい。 In the above embodiment, a die head having a structure in which a shim is sandwiched between a pair of dies has been described as an example. However, the present invention is not limited to this, and the structure of the opening of the embodiment is applied to the slot of the slot die head. It may be.
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。 The present invention is not limited to the above-described embodiments, examples, and modifications, and can be realized with various configurations without departing from the spirit thereof. For example, the technical features in the embodiments, examples, and modifications corresponding to the technical features in each embodiment described in the summary section of the invention are to solve some or all of the above-described problems, or In order to achieve part or all of the above-described effects, replacement or combination can be performed as appropriate. Further, if the technical feature is not described as essential in the present specification, it can be deleted as appropriate.
10…ダイヘッド
11…マニホールド
12…開口部
12Ra…開口部
12Rb…開口部
12a…開口傾斜部
12b…開口端部
13…開口端
20…冷却ロール
110…第1ダイ
112…対向面
115…供給口
116…供給孔
120…第2ダイ
122…対向面
124…溝部
130…シム
131…上部領域
132…下部領域
133…開口傾斜領域
134…開口端領域
138…側壁
Ae…部分
AR…部分
Hc…傾斜高さ
Hs…開口端高さ
MR…溶融樹脂
Pc…角部
Wc…広がり幅
Wm…幅
Wo…幅
WS…樹脂膜
θc…傾斜角度
DESCRIPTION OF
Claims (1)
ダイヘッドの上流端に設けられ、前記溶融した樹脂を流通させる流路を有する第1部分と、
前記ダイヘッドの下流端に設けられ、前記第1部分の流路よりも幅が広い流路に前記溶融した樹脂を流通させる第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分の間に設けられ、前記第1部分の流路と前記第2部分の流路とを接続する流路を有し、前記溶融した樹脂を前記第1部分から前記第2部分へ流通させる第3部分と、
を備え、
前記第1部分及び前記第2部分の流路の幅はそれぞれ一定であり、
前記第3部分の流路は上流端から下流端に向かうほど連続して幅が広くなっている、押出製膜用ダイヘッド。 A die head for extrusion film formation in which a molten resin is supplied and molded into a film shape,
A first portion provided at the upstream end of the die head and having a flow path for circulating the molten resin;
A second part that is provided at a downstream end of the die head and distributes the molten resin through a flow path wider than the flow path of the first part;
Provided between the first part and the second part, and having a flow path connecting the flow path of the first part and the flow path of the second part, the molten resin from the first part A third part to be distributed to the second part;
With
The widths of the flow paths of the first part and the second part are constant,
The extrusion film-forming die head, wherein the flow path of the third portion continuously increases in width from the upstream end toward the downstream end.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017020061A JP2018126893A (en) | 2017-02-07 | 2017-02-07 | Extrusion film formation die head |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017020061A JP2018126893A (en) | 2017-02-07 | 2017-02-07 | Extrusion film formation die head |
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JP2017020061A Pending JP2018126893A (en) | 2017-02-07 | 2017-02-07 | Extrusion film formation die head |
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2017
- 2017-02-07 JP JP2017020061A patent/JP2018126893A/en active Pending
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