以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る管理システム1の概略構成を示す図である。管理システム1は、電子機器と、送電装置200と、管理装置300とを備える。管理システム1は、例えば飲食店又は喫茶店等で使用することができる。管理システム1は、例えば、多様な飲食店が集合してセルフサービス形式で飲食物を提供するフードコート等でも使用することができる。以下、飲食店、喫茶店及びフードコート等、飲食物を提供する施設を総称して、「飲食店等」ともいう。
電子機器は、食器(飲食用容器)10a及び10bに備えられる。電子機器は、各食器10a及び10bに1つずつ備えられており、すなわち、各食器と1対1に対応付けられている。ここでは、食器10aに、電子機器100aが備えられており、食器10bに、電子機器100bが備えられているとして、以下説明する。なお、食器10aと食器10bとを区別しない場合には、以下、これらをまとめて食器10と記載する。同様に、電子機器100aと電子機器100bとを区別しない場合には、以下、これらをまとめて電子機器100と記載する。
図1では、食器10として、コーヒーカップの例が示されている。図1では、2つの食器10a及び10bが示されているが、食器10の数量は2つに限られない。食器10は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。食器10の数量に限られず、各食器10には、電子機器100が1つずつ備えられている。本実施形態では、食器10が2つであるとして、以下説明する。
図2は、管理システム1の概略構成を示す機能ブロック図である。管理システム1は、複数の電子機器100a及び100bと、送電装置200と、管理装置300とを含む。
電子機器100は、多様な態様で食器10に備えられていてよい。例えば、電子機器100は、食器10内に予め組み込まれていてもよい。例えば、電子機器100は、電子タグとして構成されており、食器10に対して後付けで装着又は接着されることにより、食器10に備えられていてもよい。電子機器100は、送電装置200から送電される電力を受電する受電装置としても機能する。
送電装置200は、電子機器100に電力を送電する。電子機器100は、送電装置200から受電した電力を用いて、食器10の使用に関する情報(以下、「使用情報」ともいう。)を生成し、生成した使用情報を管理装置300に送信する。管理装置300は、使用情報を受信し、管理システム1において食器10の使用状態の管理を行う。
電子機器100は、送電装置200から無線で送信される電力(以下、「無線電力」ともいう。)を受信(受電)する。例えば、電子機器100は、送電装置200から、電力供給のための電磁波を受信する。電子機器100は、受信した電磁波を直流電力に変換する。このようにして、電子機器100は、無線電力を受電する。
電子機器100は、受電した電力を用いて発電を行い、発電した電力を用いて、本明細書で説明する制御を行うことができる。電子機器100は、受電部110と、通信部120と、記憶部130と、制御部140と、蓄電部150と、センサ160とを備える。
受電部110は、無線電力を受電する。具体的には、受電部110は、制御部140の制御に基づき、外部から受信した電磁波に基づいて発電することにより、無線電力を受電する。受電部110が発電した電力を用いて、電子機器100は後述する制御を行う。
受電部110は、アンテナ110Aと整流回路110Bとを備える。アンテナ110Aは、送電装置200から電磁波を受信する。整流回路110Bは、アンテナ110Aが受信した電磁波を直流電力に変換する。整流回路110Bは、変換後の直流電力を、自機(電子機器100)に供給する。
通信部120は、制御部140の制御に基づき、外部の機器と無線通信を行う。通信部120は、例えば送電装置200及び管理装置300と通信する。電子機器100は、通信部120の代わりに、アンテナ110Aを用いて無線通信を行ってもよい。通信部120は、例えば、送電装置200に、送電を要求する送電要求を送信できる。通信部120は、例えば、管理装置300に使用情報を送信できる。
記憶部130は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されることができる。記憶部130は、各種情報や電子機器100を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部130は、ワークメモリとしても機能してもよい。記憶部130は、例えばセンサ160において取得された情報を記憶してよい。記憶部130は、例えば生成した使用情報を記憶してもよい。
制御部140は、電子機器100の各機能ブロックをはじめとして、電子機器100の全体を制御及び管理するプロセッサである。制御部140は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
制御部140は、センサ160において取得された情報に基づき、電子機器100が備えられている食器10の使用情報を生成し、生成した使用情報を管理装置300に送信する。使用情報及び制御部140による制御の詳細については、後述する。
蓄電部150は、受電部110と電気的に接続される。蓄電部150は、受電部110が受電した電力のうち、電子機器100で使用されなかった電力(以下、「余剰電力」ともいう。)を蓄えることができる。蓄電部150が蓄電した電力は、例えば、電子機器100が送電装置200から無線電力を受電できない場合に、電子機器100において使用されてよい。
センサ160は、各種情報を取得する。センサ160は、例えば、温度センサ160Aとモーションセンサ160Bとを備える。
温度センサ160Aは、温度を検出する。温度センサ160Aが検出する温度は、例えば電子機器100が備えられる食器10の温度である。温度センサ160Aは、食器10において電子機器100が備えられる位置に応じた温度を検出する。例えば、電子機器100がコーヒーカップの底部に備えられる場合、温度センサ160Aは、コーヒーカップの底部の温度を検出する。例えば、電子機器100がコーヒーカップの胴部(側面)に備えられる場合、温度センサ160Aは、コーヒーカップの胴部において電子機器100が備えられる位置の温度を検出する。本実施形態では、電子機器100は、コーヒーカップの底部に備えられるとして、以下説明する。
モーションセンサ160Bは、モーションを検出する。モーションセンサ160Bが検出するモーションは、例えば電子機器100が備えられる食器10のモーションである。モーションセンサ160Bは、例えば加速度センサ、角速度センサ及び傾きセンサの少なくとも1つ以上により構成されていてよい。モーションセンサ160Bは、モーションセンサ160Bを構成するセンサに応じて、食器10のモーションを検出できる。例えばモーションセンサ160Bが加速度センサを含む場合、モーションセンサ160Bは、食器10に働く加速度をモーションとして検出できる。例えばモーションセンサ160Bが角速度センサを含む場合、モーションセンサ160Bは、食器10の角速度を検出できる。例えばモーションセンサ160Bが傾きセンサを含む場合、モーションセンサ160Bは、食器10に働く重力加速度をモーションとして検出できる。本実施形態では、モーションセンサ160Bは、加速度センサにより構成されているとして、以下説明する。
送電装置200は、例えば管理システム1が使用される飲食店等の店舗内(屋内)に設置される。送電装置200は、電子機器100に無線電力を送電する。具体的には、送電装置200は、電力供給のための電磁波を生成する。送電装置200は、生成した電磁波を、例えば同一の屋内に設置される、電子機器100に対して送信する。
送電装置200は、送電部210と、通信部220と、記憶部230と、制御部240と、蓄電部250とを備える。
送電部210は、無線電力を送電する。具体的には、送電部210は、制御部240の制御に基づき、例えば配電設備等の電源から供給された電力を、電磁波として出力することにより、無線電力を送電する。
送電部210は、アンテナ210Aと発振器210Bとを備える。発振器210Bは、電源から供給された電力に基づき、アンテナ210Aから電磁波を送信することにより、無線電力を送電する。
通信部220は、制御部240の制御に基づき、外部の機器と無線通信を行う。本実施形態では、通信部220は、例えば電子機器100と通信する。通信部220は、例えば電子機器100から送電要求を受信する。送電装置200は、通信部220の代わりに、アンテナ210Aを用いて無線通信を行ってもよい。
記憶部230は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されることができる。記憶部230は、各種情報や送電装置200を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部230は、ワークメモリとしても機能してもよい。
制御部240は、送電装置200の各機能ブロックをはじめとして、送電装置200の全体を制御及び管理するプロセッサである。制御部240は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU等のプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
蓄電部250は、電源から供給される電力を蓄えることができる。
管理装置300は、電子機器100から取得した使用情報に基づいて、食器10の使用状態の管理を行う。管理装置300は、食器10の使用状態の管理を行うことにより、飲食店等の店舗を利用する利用客による、店舗利用状況を推定できる。管理装置300は、例えばタブレット等の端末装置又はコンピュータ等として構成できる。管理装置300は、通信部310と、記憶部320と、制御部330と、入力部340と、報知部350とを備える。
通信部310は、制御部330の制御に基づき、外部の機器と無線通信を行う。通信部310は、例えば電子機器100と通信する。通信部310は、例えば、電子機器100から使用情報を受信できる。
記憶部320は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されることができる。記憶部320は、各種情報や管理装置300を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部320は、ワークメモリとしても機能してもよい。記憶部320は、例えば電子機器100から取得した使用情報を記憶してもよい。
制御部330は、管理装置300の各機能ブロックをはじめとして、管理装置300の全体を制御及び管理するプロセッサである。制御部330は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU等のプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
制御部330は、電子機器100から取得した使用情報に基づいて、食器10の使用状態を管理する。食器10の使用状態は、例えば、食器10が飲食物を提供するために使用されている最中(使用中)であるか否かに関する情報、及び食器10が使用されているテーブルに関する情報(例えばテーブルを特定するためのテーブル番号、又はテーブルの位置等)を含んでよい。食器10の使用状態は、食器10がどのような飲食物の提供のために使用されているかに関する情報を含んでもよい。
制御部330は、さらに利用客による店舗利用状況を推定できる。店舗利用状況は、例えば、利用客が店舗に滞在する時間を含んでよい。制御部330が利用客の店舗利用状況を推定することにより、管理装置300は、例えば店舗に長時間滞在している利用客を特定し得る。店舗利用状況は、例えば利用客が利用する店舗内のテーブル又は座席に関する情報を含んでよい。制御部330による食器10の使用状態の管理及び店舗利用状況の推定処理の詳細については、後述する。
入力部340は、管理装置を使用する使用者からの操作入力を受け付けるものであり、例えば、操作ボタン(操作キー)から構成される。入力部340をタッチパネルにより構成し、表示デバイスの一部に使用者からの操作入力を受け付ける操作キーを表示して、使用者によるタッチ操作入力を受け付けてもよい。
報知部350は、音、振動、及び画像等で情報を報知する。報知部350は、スピーカ、振動子、及び表示デバイスを備えていてもよい。表示デバイスは、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro-Luminescence Display)等とすることができる。報知部350は、例えば食器10の使用状態及び利用客の店舗利用状況を報知できる。
次に、図3を参照しながら、管理システム1による管理手順の一例について説明する。
電子機器100は、通信部120から、無線電力の送電要求を送信する(ステップS101)。なお、電子機器100は、例えば、後述する計時開始条件が満たされた場合に、送電要求を送信してもよい。
送電装置200は、電子機器100からの送電要求を受信すると、送電要求に応じて、送電要求を送信した電子機器100に対して無線電力を送電する(ステップS102)。
ステップS101における送電要求の送信は、適宜のタイミングで実行されてよい。例えば、電子機器100は、定期的又は不定期的に送電要求を送信してよい。例えば、電子機器100は、蓄電部150における蓄電量が所定の閾値以下になった場合に、送電要求を送信してもよい。
電子機器100は、送電要求を送信しなくてもよい。この場合、送電装置200は、電子機器100からの送電要求によらずに無線電力を送電してもよい。
電子機器100は、計時を開始する条件(以下、「計時開始条件」ともいう。)が満たされた場合、計時を開始する(ステップS103)。
計時は、食器10が使用された時間を測定するために行われる。そのため、計時開始条件は、食器10の使用が開始されたことを判断可能な条件とすることができる。
例えば、計時開始条件は、飲食店等の従業員が所定の操作を行うことによって満たされてよい。例えば利用客が飲食店等で注文を行い、従業員が利用客に飲食物を提供した際に、従業員は、利用客に提供した飲食物の容器として使用した電子機器100と通信可能な端末装置において、所定の操作を行ってよい。所定の操作が行われたことが、当該端末装置から電子機器100に通知されると、電子機器100は、計時開始条件が満たされたと判断して、計時を開始できる。
例えば、計時開始条件は、食器10に対して生じた所定の変化に基づいて、当該食器10に備えられる電子機器100が、満たされたか否かを判断してもよい。例えば、食器10がコーヒーカップであるとする。利用客がコーヒーを注文した場合、食器10にコーヒーが注がれると、食器10の温度が変化する(例えば、食器10にホットコーヒーが注がれると、食器10の温度が上昇する)。電子機器100の制御部140は、温度センサ160Aが検出する温度が変化した場合、食器10の使用が開始されたと判断して、計時開始条件が満たされたと判断してよい。すなわち、電子機器100は、温度センサ160Aにおいて、所定以上の温度の変化を検出した場合に、計時開始条件が満たされたと判断して、計時を開始できる。電子機器100は、温度センサ160Aが検出した温度が、所定の閾値以上又は閾値以下となった場合に、計時開始条件が満たされたと判断してもよい。
計時開示条件は、これらの例に限られず、食器10の使用が開始されたことを判断可能な任意の条件としてよい。
電子機器100は、計時を開始した後、食器10の使用情報を生成する。電子機器100は、継続的に使用情報を生成してもよい。電子機器100は、定期的又は不定期的に使用情報を生成してもよい。電子機器100は、所定の条件が満たされた場合に、使用情報を生成してもよい。所定の条件は、例えば次に説明する所定の情報が、所定の閾値を超えた場合等であってよい。図3では、ステップS104からステップS110が、使用情報の生成処理の一例として記載されている。電子機器100は、例えば、ステップS104からステップS110を繰り返し実行することができる。ステップS104からステップS110の詳細について説明する。
使用情報の生成処理において、電子機器100は、計時を開始した食器10の使用時間を取得する(ステップS104)。電子機器100は、制御部140において、計時開始後、経過した時間を測定することにより、使用時間を取得することができる。
電子機器100は、ステップS104で取得した食器10の使用時間に基づき、時間に関する条件が満たされたか否かを判断する(ステップS105)。時間に関する条件は、例えば、予め記憶部130に記憶されていてよい。時間に関する条件は、例えば、飲食店等の運営者等が希望する、利用客の店舗への最大滞在時間であってよい。時間に関する条件は、例えば、飲食店等の運営者等が利用客の滞在を許可する最大滞在時間であってもよい。
時間に関する条件は、種々の方法により定められていてよい。例えば、時間に関する条件は、店舗毎に予め所定の閾値が定められていてよい。当該所定の閾値は、例えば時間帯によってそれぞれ異なる値であってもよい。例えば、所定の閾値は、12時から14時の間、及び18時から20時の間における値が、他の時間帯における値よりも短く設定されていてもよい。12時から14時の間、及び18時から20時の間は、他の時間帯と比較して、飲食店の利用客数が増加しやすいため、店舗としては、利用客の長時間の滞在を防止することを希望する場合がある。時間帯に応じて所定の閾値を異なる値に設定することにより、時間帯毎に、店舗が希望する利用客の最大滞在時間が設定され得る。
例えば、時間に関する条件は、利用客が注文した商品の金額(以下、「注文金額」ともいう。)に応じて閾値が定められてもよい。当該閾値は、例えば注文金額が高いほど高い値に設定されてもよい。この場合、飲食店等の運営者等が希望する利用客の最大滞在時間は、注文金額に比例して長くなる。当該閾値は、例えば注文金額に応じて、段階的に設定されていてもよい。この場合、飲食店等の運営者等が希望する利用客の最大滞在時間は、注文金額と所定の相関関係を有する。時間に関する条件としての閾値が利用客の注文金額に応じて定められる場合、例えば、利用客が注文を行う際に従業員がレジスターに入力した金額に関する情報が、レジスターから当該利用客に提供される飲食物の食器10が備える電子機器100に通知される。つまり、レジスターは、電子機器100と通信可能に構成されており、利用客の注文金額に関する情報を電子機器100に送信する。電子機器100は、利用客の注文金額に関する情報を取得すると、例えば予め記憶部130に記憶されたテーブル又は計算式等を参照して、注文金額に応じた閾値を、時間に関する条件として設定する。従業員による注文の入力は、例えば注文の操作入力を受付可能であるとともに携帯可能な端末装置である、ポータブルデータターミナル(PDT)を用いて行われてもよい。
時間に関する条件は、これらの例に限られず、利用客の店舗への滞在時間に関する任意の条件として設定されてよい。電子機器100は、例えば、食器10の使用時間が、時間に関する条件として設定された閾値を超えた場合に、閾値に関する条件が満たされたと判断してよい。
使用情報の生成処理において、電子機器100は、食器10の温度を取得する(ステップS106)。電子機器100は、温度センサ160Aが測定する温度を、食器10の温度とみなして取り扱うことができる。
電子機器100は、ステップS106で取得した温度に基づき、温度に関する条件が満たされたか否かを判断する(ステップS107)。温度に関する条件は、例えば、予め記憶部130に記憶されていてよい。温度に関する条件は、例えば、温度の閾値として設定される。温度に関する条件は、例えば、飲食店等が利用客に提供した飲食物の状態を電子機器100が推定可能な条件であってよい。飲食物の状態は、例えば、利用客が飲食物を消費したか否か、及び飲食物の好ましい提供温度等を含んでいてよい。
例えば、利用客が飲食物としてホットコーヒーを注文し、ホットコーヒーを提供するためのコーヒーカップの底部に電子機器100が備えられているとする。温度に関する条件としての閾値は、常温よりも高い温度であって、コーヒーカップにホットコーヒーが入っている場合においてコーヒーカップの底部が取り得る温度よりも低い温度に設定されているとする。コーヒーカップにホットコーヒーが入っている場合、温度センサ160Aにより検出される温度は、当該閾値よりも高い値となる。これに対し、利用客がコーヒーを飲み終わり、コーヒーカップにコーヒーが入っていない状態となった場合、温度センサ160Aにより検出される温度は、当該閾値よりも低い(常温に近い)値となる。電子機器100は、例えば、温度センサ160Aにより検出される温度が、所定の閾値を下回った場合に、閾値に関する条件が満たされたと判断してよい。これにより、温度に関する条件が満たされたか否かに基づいて、電子機器100は、利用客が飲食物を消費したか否かを推定できる。
例えば、利用客が飲食物としてホットコーヒーを注文し、ホットコーヒーを提供するためのコーヒーカップの底部に電子機器100が備えられているとする。温度に関する条件としての閾値は、例えばホットコーヒーとして提供されることが好ましい温度範囲のうちの最低温度に設定されているとする。最低温度は、例えば飲食店等により定められていてよい。コーヒーがコーヒーカップに入っている状態において、温度センサ160Aにより検出される温度は、コーヒーカップ内のコーヒーの温度に応じて定まる。すなわち、温度センサ160Aにより検出される温度は、コーヒーカップ内のコーヒーの温度と所定の相関関係を有する。そのため、コーヒーの温度が所定の温度を下回ると、上記最低温度である閾値を下回る。電子機器100は、例えば、温度センサ160Aにより検出される温度が、閾値を下回った場合に、閾値に関する条件が満たされたと判断してよい。この場合、ここでの例では、ホットコーヒーの温度が、飲食店等により設定された好ましい温度を下回ったことを意味する。
温度に関する条件は、これらの例に限られず、食器10の温度に関する任意の条件として設定されてよい。電子機器100は、例えば、食器10の使用時間が、時間に関する条件として設定された閾値を上回った場合又は下回った場合に、閾値に関する条件が満たされたと判断してよい。
使用情報の生成処理において、電子機器100は、食器10のモーションを取得する(ステップS108)。電子機器100は、モーションセンサ160Bが測定するモーションを、食器10のモーションとみなして取り扱うことができる。
電子機器100は、ステップS108で取得したモーションに基づき、モーションに関する条件が満たされたか否かを判断する(ステップS109)。モーションに関する条件は、例えば、予め記憶部130に記憶されていてよい。モーションに関する条件は、例えば、食器10が特定のモーションを行ったことを判断可能な条件であってよい。
例えば、モーションに関する条件は、鉛直方向に対する食器10の傾きにより定められていてよい。例えば食器10がコーヒーカップ等の飲料用の容器である場合、モーションに関する条件は、食器10が転倒したことを示す傾きとして設定されていてよい。例えば、利用客が飲食物としてホットコーヒーを注文したとする。ホットコーヒーが入った食器10(コーヒーカップ)が転倒した場合、コーヒーカップ内のコーヒーが食器10からこぼれる。モーションに関する条件が、食器10が転倒したことを示す傾きとして設定されている場合、電子機器100は、モーションに関する条件が満たされると、食器10内の飲料がこぼれた可能性があると推定できる。電子機器100は、例えば、食器10の傾きが転倒したことを示す傾きを超えた場合に、モーションに関する条件が満たされたと判断してよい。
モーションに関する条件は、この例に限られず、食器10のモーションに関する任意の条件として設定されてよい。モーションに関する条件は、上述した傾きの他にも、例えば食器10の移動に関する条件として設定されていてもよい。
電子機器100は、ステップS104、S106及びS108でそれぞれ取得した使用時間、温度及びモーション、並びに、ステップS105、S107及びS109における判断の結果に基づき、食器10の使用情報を生成する(ステップS110)。食器10の使用情報には、ステップS104、S106及びS108でそれぞれ取得した使用時間、温度及びモーション、並びに、ステップS105、S107及びS109における判断結果に関する情報が含まれる。電子機器100は、例えば、ステップS105、S107及びS109のすくなくともいずれかにおいて条件が満たされたと判断した場合に使用情報を生成してもよい。
電子機器100は、ステップS110で生成した使用情報を管理装置300に送信する(ステップS111)。
管理装置300は、電子機器100から受信した使用情報に基づいて、食器10の使用状態を管理する(ステップS112)。
管理装置300は、電子機器100から受信した使用情報に基づいて、利用客による店舗利用状況を推定し、推定した店舗利用状況を管理する(ステップS113)。
管理装置300は、食器10の使用状態及び利用客の店舗利用状況の管理を、例えば図4に示す管理表を用いて管理できる。管理表には、食器10の使用状態及び利用客の店舗利用状況が入力されている。
図4に示す管理表の例では、管理装置300は、電子機器ID、テーブル番号、人数、注文品、温度、金額、滞在許可時間、滞在時間及びモーションという8つの項目で、食器10の使用状態及び利用客の店舗利用状況を管理している。
電子機器IDは、利用客に提供される飲食物の容器として使用される電子機器100を一意に特定する情報である。電子機器IDは、例えば、数字若しくは文字、又はこれらの組合せ等により構成されていてよい。電子機器100は、自身の電子機器IDを、使用情報として管理装置300に送信してよい。
テーブル番号は、利用客が利用するテーブルを特定する番号である。テーブル番号は、例えば各店舗において、予めテーブルが配置された位置に対応付けられて定められていてよい。テーブル番号は、例えば従業員が、利用客から注文を受けたときに、注文内容に対応付けて、レジスター又はPDTを用いて入力することができる。入力されたテーブル番号は、利用客に提供される飲食物の食器10が備える電子機器100に送信され、例えば記憶部130に記憶される。電子機器100は、自身の電子機器IDに対応付けて、記憶部130に記憶されたテーブル番号を、使用情報として管理装置300に送信してよい。
人数は、1つのテーブルを利用する利用客の人数である。人数は、例えば従業員が、利用客から注文を受けたときに、注文内容に対応付けて、レジスター又はPDTを用いて入力することができる。入力された人数は、利用客に提供される飲食物の食器10が備える電子機器100に送信され、例えば記憶部130に記憶される。人数は、例えば1つのテーブルを利用する複数の利用客のために使用される食器10が複数ある場合には、これらの複数の食器10のうち、少なくともいずれか1つの食器10が備える電子機器100の記憶部130に記憶されてもよい。電子機器100は、自身の電子機器IDに対応付けて、記憶部130に記憶された人数を、使用情報として管理装置300に送信してよい。
注文品は、利用客が注文した商品の名称である。注文品は、例えば従業員が、利用客から注文を受けたときに、レジスター又はPDTを用いて入力することができる。入力された注文品は、当該注文品を提供するために使用される食器10が備える電子機器100に送信され、例えば記憶部130に記憶される。電子機器100は、自身の電子機器IDに対応付けて、記憶部130に記憶された注文品を、使用情報として管理装置300に送信してよい。
温度は、電子機器100の温度センサ160Aが検出した温度である。電子機器100は、自身の電子機器IDに対応付けて、温度を使用情報として管理装置300に送信してよい。
金額は、利用客が注文した商品の金額である。金額は、例えば従業員が、利用客から注文を受けたときに、レジスター又はPDTを用いて入力することができる。入力された金額は、利用客に提供される飲食物の食器10が備える電子機器100に送信され、例えば記憶部130に記憶される。電子機器100は、自身の電子機器IDに対応付けて、記憶部130に記憶された金額を、使用情報として管理装置300に送信してよい。
滞在許可時間は、飲食店等の運営者等が利用客の滞在を許可する最大滞在時間である。滞在許可時間は、例えば、上述の時間に関する条件として説明した最大滞在時間と同一であってよい。滞在許可時間は、例えば、店舗毎に予め定められていてもよく、注文金額に応じて定められてもよい。滞在許可時間は、例えば電子機器100の記憶部130に記憶されていてもよい。滞在許可時間は、注文金額に応じて定められる場合、電子機器100又は管理装置300で決定されてもよい。
滞在時間は、利用客が店舗に滞在している時間である。管理装置300は、例えば電子機器100から使用情報として受信した食器10の使用時間を、利用客の滞在時間と決定することができる。
モーションは、食器10のモーションである。管理装置300は、例えば電子機器100から使用情報として受信した、モーションに関する条件が満たされたか否かの判断結果を、食器10のモーションとして取り扱うことができる。
図4に示す管理表を参照すると、テーブル番号1のテーブルは、1人の利用客により利用されている。この利用客は、ホットコーヒーを注文した。この利用客の滞在許可時間は30分であるが、管理表が作成された時点における滞在時間は65分である。
テーブル番号2のテーブルは、利用されていない。
テーブル番号3のテーブルは、2人の利用客により利用されている。この2人の利用客は、アイスティーと、ホットコーヒーと、2つのケーキを注文した。この2人の利用客の滞在許可時間は180分であり、管理表が作成された時点における滞在時間は20分である。
テーブル番号4のテーブルは、1人の利用客により利用されている。この利用客は、ホットコーヒーを注文した。この利用客の滞在許可時間は30分であり、管理表が作成された時点における滞在時間は10分である。この利用客に提供されたコーヒーが入っているコーヒーカップは、転倒した状態となっている。
再び図3を参照すると、管理装置300は、食器10の使用状態及び利用客の店舗利用状況を報知部350から報知する(ステップS114)。報知部350が表示デバイスを備える場合、管理装置300は、表示デバイスに食器10の使用状態及び店舗利用状況を表示することにより、報知を行う。報知部350は、例えば、図4で示した管理表の少なくとも一部の情報を表示することにより報知してもよい。報知部350は、例えば、テーブル番号、人数、滞在許可時間、滞在時間及びモーションに関する情報を報知してもよい。
管理装置300は、例えば特定の情報を、他の情報と区別して報知してもよい。他の情報と区別した報知は、例えば、表示デバイスに表示される情報において、文字色、フォント又は文字の太さを変えることであってよい。他の情報と区別した報知は、例えば、表示デバイスへの表示に加え、音声を出力することであってよい。管理装置300は、これらの例に限られず、他の任意の方法で、情報を区別して報知してよい。
管理装置300が、他の情報と区別して報知する特定の情報は、例えば、電子機器100が、ステップS105、S107及びS109において、条件が満たされたと判断された内容に関する情報であってよい。例えば、利用客の滞在時間が滞在許可時間を超えると時間に関する条件が満たされたと判断される場合、管理装置300は、滞在許可時間を超えて滞在する利用客に対応する電子機器100に関する情報を、特定の情報として決定してよい。例えば、食器10の温度が所定の温度未満となると温度に関する条件が満たされたと判断される場合、管理装置300は、温度センサ160Aにより測定される温度が所定の温度未満となった電子機器100に関する情報を、特定の情報として決定してよい。例えば、食器10が転倒するとモーションに関する条件が満たされたと判断される場合、管理装置300は、傾きが所定の傾き以上となった食器10に備えられる電子機器100に関する情報を、特定の情報として決定してよい。
店舗の従業員は、報知部350において報知された情報により、食器10の使用状態及び利用客の店舗利用状況を知ることができる。店舗の従業員は、特定の情報が他の情報と区別して報知されることにより、当該特定の情報を認識しやすくなる。
再び図4に示した管理表を参照すると、テーブル番号1のテーブルの利用客は、滞在許可時間が30分であるのに対して、実際の滞在時間が65分となっている。管理装置300は、テーブル番号1のテーブルの利用客の滞在時間を、特定の情報と決定し、例えば表示デバイスにおいて、「65分」との表示を赤字等で表示することができる。従業員は、管理装置300における当該表示により、テーブル番号1のテーブルの利用客が長時間滞在していると認識できる。この場合、従業員は、例えばテーブル番号1のテーブルの利用客に、追加の注文を促したりすることができる。利用客が追加の注文を行った場合、滞在許可時間は、例えば追加の注文金額に応じて、変化させることができる。
従業員は、管理装置300の表示デバイスの表示に基づき、テーブル番号2のテーブルには利用客が存在しないことを認識できる。しかしながら、例えば、従業員が、目視により、テーブル番号2のテーブルを人が利用していることを発見したとする。この場合、従業員は、この人が注文を行うことなくテーブル番号2のテーブルを利用していると認識できる。この場合、従業員は、この人に対して、テーブルの利用を控えるように注意したり、注文を行うように依頼したりすることができる。この方法は、例えば、飲食店等がフードコートである場合等に利用され得る。
例えば、ホットコーヒーの温度に関する条件としての閾値が30℃に設定されているとする。テーブル番号3のテーブルにおいて、ホットコーヒーの温度が20℃であるため、このホットコーヒーの温度は、閾値である30℃よりも低く、温度に関する条件を満たしている。この場合、管理装置300は、テーブル番号3のテーブルのホットコーヒーの温度を、特定の情報と決定し、例えば表示デバイスにおいて、「20℃」との表示を赤字等で表示することができる。従業員は、管理装置300における当該表示により、テーブル番号3のテーブルのホットコーヒーが飲み終わっているか、又はホットコーヒーの温度が好ましい温度を下回っていると判断できる。この場合、従業員は、例えばテーブル番号3のテーブルの利用客に、追加の注文(例えばおかわり等)を促したり、商品の交換を提案したりすることができる。
図4に示す例において、管理装置300は、例えば電子機器100から、テーブル番号4のテーブルの利用客の食器10(コーヒーカップ)においてモーションに関する条件が満たされたという判定結果、すなわちコーヒーカップが転倒しているという情報を、使用情報として取得している。この場合、当該食器10が転倒しているというモーションを、特定の情報と決定できる。この場合、管理装置300は、例えば表示デバイスにおいて、「カップ転倒」との表示を赤字等で表示することができる。従業員は、管理装置300における当該表示により、テーブル番号4のテーブルにおいて、カップが転倒したことを認識できる。このとき、従業員は、転倒したカップを片付けるために、テーブル番号4のテーブルに向かうことができる。
テーブル番号4のテーブルの例について、管理装置300は、例えば、温度とモーションとを組み合わせて判断される状態に基づいて、所定のアラートを報知してもよい。例えば、管理装置300は、カップが転倒した状態であって、温度が所定の温度以上(例えば50℃以上)である場合、所定のアラートを報知してもよい。この場合、テーブル番号4のテーブルにおいて、所定の温度以上のコーヒーがこぼれたと推定されるため、従業員は、アラートを認識した際に、利用客がやけどをしていないかを早急に確認することができる。アラートは、従業員が認識可能な任意の方法により行うことができ、例えば音声の出力により行うことができる。
このように、第1実施形態に係る管理システム1によれば、食器10に備えられる電子機器100に、無線電力が送電され、電子機器100は、受電した無線電力を用いて、食器10の使用情報を送信できる。すなわち、電子機器100は、電力の供給を受けるための端子が、電子機器100から露出していない。そのため、電子機器100を備える食器10は、飲食物を提供するために使用されたり、洗浄されたりすることにより、水に接触する場合があるが、電子機器100を備えた状態で水に接触させることができる。すなわち、電子機器100によれば、耐水性が向上する。これにより、管理システム1の使用者は、特別な注意を払うことなく自然に食器10を取り扱うことができるため、管理システム1によれば、有用性が向上し得る。
また、管理システム1は、飲食店等における食器10の使用状態及び利用客の店舗利用状況を管理するシステムであるため、電子機器100は、常時駆動可能であることが必要である。本実施形態に係る電子機器100は、無線電力を受電して駆動するため、電子機器100を備える食器10が利用客に提供されている間であっても、電力の供給を受けて駆動できる。
上記実施形態では、温度に関する条件の説明において、ホットコーヒーの例を用いて説明を行った。しかしながら、温度に関する条件は、ホットコーヒーのように常温よりも高温で提供される飲食物の温度に関するものでなくてもよい。温度に関する条件は、例えば、アイスコーヒー等のように、常温よりも低温で提供される飲食物の温度に関するものであってもよい。
例えば、温度に関する条件としての閾値は、常温よりも低い温度であって、グラスにアイスコーヒーが入っている場合においてコーヒーカップの底部が取り得る温度よりも高い温度に設定されているとする。グラスにアイスコーヒーが入っている場合、温度センサ160Aにより検出される温度は、当該閾値よりも低い値となる。これに対し、利用客がコーヒーを飲み終わり、コーヒーカップにコーヒーが入っていない状態となった場合、温度センサ160Aにより検出される温度は、当該閾値よりも高い(常温に近い)値となる。電子機器100は、例えば、温度センサ160Aにより検出される温度が、所定の閾値を上回った場合に、閾値に関する条件が満たされたと判断してよい。
飲食物が常温よりも高温の場合及び低温の場合の双方において食器10内に飲食物が残っているか否かを判断するために、例えば、温度に関する条件としての閾値は、例えば常温を基準として、所定の範囲内の値に定められていてもよい。温度に関する条件としての閾値は、例えば常温±10℃の値に定められていてもよい。
上記実施形態において、送電装置200と管理装置300とは、互いに独立した装置であると説明したが、送電装置200と管理装置300とは、必ずしも独立した装置でなくてもよい。例えば、管理システム1は、上述した送電装置200と管理装置300との機能を有する送電管理装置を備えていてもよい。この場合、送電管理装置は、電子機器100に対して無線電力を送電するとともに、電子機器100から受信する使用情報に基づいて食器10の使用状態及び利用客の店舗利用状況を管理してよい。
管理システム1が、送電装置200及び管理装置300に代えて送電管理装置を備える場合、送電管理装置は、各電子機器100の位置、つまり電子機器100が配置されているテーブルを特定する機能を有していてもよい。例えば、送電管理装置は、各電子機器100から、送電要求を受信する。送電管理装置は、送電要求の信号強度に基づき、送電管理装置から電子機器100までの距離を推定できる。送電装置200は、送電要求が送信された方向に基づき、送電管理装置に対する電子機器100の方向を推定できる。送電管理装置は、推定した距離及び方向に基づき、電子機器100が配置されているテーブルを特定できる。
上記実施形態において、電子機器100は、送電装置200に対して送電要求を送信すると説明したが、電子機器100は、通常の送電要求とは異なる、急速送電要求を送信してもよい。電子機器100は、例えば、蓄電部150に蓄電された電力が所定の蓄電量以下となった場合に、急速送電要求を送信してよい。送電装置200は、急速送電要求を受信すると、当該急速送電要求を送信した電子機器100に対して、優先的に無線電力を送電してよい。優先的に無線電力を送電するとは、例えば、通常の無線電力の送電よりも、高い出力で無線電力を送電することを含んでよい。
上記実施形態において、電子機器100は、さらに温度調整部を備えていてもよい。図5は、電子機器100の一変形例の概略構成を示す機能ブロック図である。温度調整部170は、加熱及び/又は冷却機能を有する。温度調整部170は、例えば、電熱線及び/又はペルチェ素子等を含んで構成されていてよい。温度調整部170は、加熱機能を有する場合、電子機器100が備えられる食器10を加熱できる。これにより、食器10を用いて提供される飲食物が常温よりも高温である場合、飲食物の温度が維持されやすくなる。温度調整部170は、冷却機能を有する場合、電子機器100が備えられる食器10を冷却できる。これにより、食器10を用いて提供される飲食物が常温よりも低温である場合、飲食物の温度が維持されやすくなる。
温度調整部170による温度の調整(つまり加熱又は冷却)は、制御部140により制御される。制御部140は、温度センサ160Aが取得した温度に基づいて、所定の温度に関する条件が満たされたか否かを判断し、判断結果に基づいて、温度調整部170による温度の調整を制御できる。例えば、制御部140は、温度センサ160Aが取得した温度が、常温よりも高温である場合、飲食物の温度が低下しにくくなるように、温度調整部170による加熱を行ってよい。例えば、制御部140は、温度センサ160Aが取得した温度が、常温よりも低温である場合、飲食物の温度が上昇しにくくなるように、温度調整部170による冷却を行ってよい。例えば、制御部140は、温度センサ160Aが取得した温度が、徐々に低下し、所定の閾値を下回った場合に、飲食物の温度が低下しにくくなるように、温度調整部170による加熱を行ってもよい。例えば、制御部140は、温度センサ160Aが取得した温度が、徐々に上昇し、所定の閾値を上回った場合に、飲食物の温度が上昇しにくくなるように、温度調整部170による冷却を行ってもよい。
温度調整部170を備える電子機器100によれば、温度調整部170による加熱又は冷却により、飲食物の温度変化を抑制しやすくなる。
上記実施形態において、温度センサ160Aは、例えばコーヒーカップの底部に備えられていると説明したが、食器10において温度センサ160Aが備えられる位置は、これに限られない。温度センサ160Aは、食器10の温度を検出可能な任意の位置に備えられていてよい。
また、食器10が備える温度センサ160Aは、1つに限られない。食器10は、2つ以上の温度センサ160Aを備えていてよい。複数の温度センサ160Aは、食器10における配置によっては、食器10内の飲食物の残量の推定に用いられてもよい。
図6はコーヒーカップの一例を示す断面図である。例えば、図6に示すように、食器10であるコーヒーカップは、胴部(側面)において、それぞれ異なる高さに(図6では、縁側から底部側に向かって順に)温度センサ160a、160b及び160cを備えていてよい。この場合、電子機器100は、各温度センサ160a、160b及び160cが検出する温度に基づいて、コーヒーカップ内の飲料の残量を推定できる。例えば、コーヒーカップ内にホットコーヒーが入っているとする。温度センサ160a、160b及び160cが検出する温度を、それぞれ第1の温度、第2の温度及び第3の温度とする。電子機器100は、例えば、第2の温度及び第3の温度が略同一の温度であり、第1の温度が、第2の温度及び第3の温度よりも低い温度である場合、コーヒーカップの水面が、温度センサ160bより高く、温度センサ160aより低い位置にあると推定できる。電子機器100は、例えば、第1の温度及び第2の温度が略同一の温度であり、第1の温度及び第2の温度が、第3の温度よりも低い温度である場合、コーヒーカップの水面が、温度センサ160cより高く、温度センサ160bより低い位置にあると推定できる。推定された残量に関する情報は、電子機器100により使用情報として生成されてよい。なお、ここで略一定の温度とは、温度差が所定範囲内(例えば5℃)の温度を含んでよい。
上記実施形態において、食器10の使用状態は、上述した例で示した状態の他、食器10の使用に関する任意の状態を含んでよい。食器10の使用状態は、例えば、利用客から食器10を回収済みであるか否か、又は、回収した食器10を洗浄済みであるか否かに関する情報を含んでいてもよい。食器10の使用状態は、例えば、食器10に備えられる電子機器100の蓄電部150における蓄電量に関する情報を含んでいてもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、電磁波を送電することにより無線で電力を供給する場合の例について説明した。しかしながら、電力の供給は、この方法に限られない。第2実施形態では、電磁誘導により、電子機器に電力が供給される場合の例について説明する。
図7は、第2実施形態に係る管理システム2の概略構成を示す図である。管理システム2は、電子機器と、給電装置と、管理装置300とを備える。管理システム2は、第1実施形態における管理システム1と同様に、飲食店等で用いられることができる。以下、第1実施形態と同様の点については、適宜説明を省略しながら、第2実施形態の管理システム2について説明する。
電子機器は、食器10に備えられる。電子機器は、各食器10に1つずつ備えられる。給電装置は、テーブル40に備えられる。給電装置は、各テーブル40に1つずつ備えられる。ただし、食器10及びテーブル40の数は、1つに限られない。食器10及びテーブル40は、2つ以上であってもよい。
図8は、管理システム2の概略構成を示す機能ブロック図である。管理システム2は、電子機器100と、給電装置400と、管理装置300とを含む。食器10がテーブル40に置かれると、電磁誘導により、テーブル40に備えられた給電装置400から、食器10に備えられた電子機器100に給電が行われる。
電子機器100は、給電装置400から無線電力を受電する。電子機器100は、受電した電力を用いて発電を行い、発電した電力を用いて、本明細書で説明する制御を行うことができる。電子機器100は、受電部110と、通信部120と、記憶部130と、制御部140と、蓄電部150と、センサ160とを備える。
受電部110は、受電コイル110Cと、整流回路110Dとを備える。受電コイル110Cは、給電装置400により発生する磁束の変化に基づいて発電を行う。整流回路110Dは、受電コイル110Cにおいて発生する電力を直流電力に変換する。整流回路110Dは、変換後の直流電力を、自機(電子機器100)に供給する。
本実施形態において、通信部120、記憶部130、制御部140、蓄電部150及びセンサ160の機能は、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
給電装置400は、電子機器100に無線電力を供給する。給電装置400は、給電部410と、通信部420と、記憶部430と、制御部440と、蓄電部450とを備える。
給電部410は、送電コイル410Cと発振器410Dとを備える。発振器410Dは、電源から供給された電力に基づき、送電コイル410Cに電流を供給する。送電コイル410Cは、発振器410Dから供給される電流により、磁場の変化を発生させる。
本実施形態において、通信部420、記憶部430、制御部440及び蓄電部450の機能は、第1実施形態の送電装置200における、通信部220、記憶部230、制御部240及び蓄電部250の機能とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態において、管理装置300の構成及び機能は、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上述した電子機器100の受電部110及び給電装置400の給電部410との構成により、電子機器100を備える食器10が、給電装置400を備えるテーブル40に置かれた場合、給電装置400から電子機器100への給電が行われる。
本実施形態における管理システム2は、第1実施形態における管理システム1に対して、電子機器100への給電方法が異なる。管理システム2が実行する、食器10の使用状態及び利用客による店舗利用状況の管理方法は、例えば第1実施形態における管理システム1と同様であってよい。
本実施形態における管理システム2においても、第1実施形態における管理システム1と同様に、電子機器100において、電力の供給を受けるための端子が、電子機器100から露出していない。そのため、電子機器100を備える食器10は、電子機器100を備えた状態で水に接触させることができる。すなわち、電子機器100によれば、耐水性が向上する。これにより、管理システム2の使用者は、特別な注意を払うことなく自然に食器10を取り扱うことができるため、管理システム2によれば、有用性が向上し得る。
また、管理システム2の電子機器100は、無線電力を受電して駆動するため、電子機器100を備える食器10が利用客に提供されている間であっても、電力の供給を受けて駆動できる。
また、本実施形態に係る管理システム2では、食器10がテーブル40に置かれた場合に、給電装置400から電子機器100に給電が行われる。例えば第1実施形態における管理システム1では、送電装置200と電子機器100との距離及び位置関係等によっては、送電装置200から電子機器100への送電効率が低くなる場合があるが、本実施形態における管理システム2では、給電効率を所定以上に維持しやすくなる。
第2実施形態に係る管理システム2において、電子機器100は、食器10がテーブル40に置かれて給電装置400から電子機器100への給電が開始されたときに、計時を開始してもよい。
第2実施形態に係る管理システム2において、電子機器100は、給電装置400から給電を受ける場合に、電子機器100に電力を供給する給電装置400を特定する情報(例えば各テーブルに固有の識別番号等)を取得し、取得した給電装置400を特定する情報を、食器10の使用情報に含めてもよい。これにより、使用情報を取得した管理装置300は、どの食器10がどのテーブル40で使用されているかを推定できる。
第2実施形態において、給電装置400がテーブル40に備えられると説明したが、給電装置400は、テーブル40以外のものに備えられていてもよい。給電装置400は、食器10に近接又は接触して用いられるものに備えられていてよい。給電装置400は、例えばカップのソーサー又はコースターに備えられていてもよい。
なお、第2実施形態では、給電装置400から電子機器100への給電が電磁誘導により行われる場合について説明したが、給電方法は、さらに他の方法であってもよい。例えば、磁界共鳴方式により、給電装置400から電子機器100への無線給電が行われてもよい。
上記第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ送電装置200及び給電装置400から電子機器100に無線電力が供給される場合について説明した。しかしながら、電子機器100には、無線電力が供給されなくてもよい。例えば、電子機器100の蓄電部150がバッテリ等により構成されており、電子機器100は、当該バッテリの電力を用いて、上述した制御を行ってもよい。この場合も、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様に、電子機器100の耐水性が向上し、管理システムの使用者は、特別な注意を払うことなく自然に食器10を取り扱うことができる。そのため、有用性が向上し得る。
上記実施形態において、電子機器100は、さらに磁気を検出する磁気センサを備えていてもよい。例えば、電子機器100を備える食器10が、磁石を備えるソーサー又はコースターに載せて利用客に提供される場合、電子機器100は、磁気センサが、ソーサー又はコースターに備えられる磁石の磁気を検出した場合に、計時を開始してもよい。
上記実施形態では、食器10がコーヒーカップである場合について説明したが、食器10は、コーヒーカップに限られない。食器10は、例えば、ビールジョッキ、マグカップ、紙コップ、深皿、杯、瓶、鍋、猪口、湯のみ等、液体を入れて使用する任意の容器を含んでよい。また、食器10は、皿、椀、丼、箸、スプーン、フォーク、ナイフ、ストロー等を含んでよい。
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
本開示に係る管理システムは、飲食店等以外においても使用され得る。本開示に係る監視理ステムは、例えば物品の貸出しを行う場合に使用され得る。
本開示に係る管理システムは、例えば、図書館において使用され得る。この場合、図書館が所有する本(蔵書)のそれぞれに電子機器が後付けで取り付けられる。管理装置は、電子機器から送信される使用情報に基づいて、例えば、本の位置(所在)等についての本の管理を行うことができる。本の管理を行う管理装置は、例えば、本棚と本とが対応付けられて管理されている場合に、本が、対応していない本棚に収容されている場合に、その旨を図書館の職員に報知することができる。本の管理を行う管理装置は、例えば、図書館の利用者が蔵書の検索システムを用いて検索した本の所在を図書館の利用者に報知することができる。このように、本開示に係る管理システムを用いることによって、本の所在を特定する等の管理を行うことができる。