JP2018118014A - 歩行バランス評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来は、歩行バランスを評価するために、測定会場で専用機器を用いる方法しかなく、日常生活の中で歩行バランスの崩れを早期に知り、また回復に努めた効果を確認する方法がなかった。【解決手段】保持位置が自由な携帯端末を用い、歩行時の3次元加速度を重力方向および水平面の進行方向、左右方向の3方向のベクトルに変換し、ベクトル長の推移から▲1▼二歩時間のバラつき、▲2▼左右の平均一歩時間の差異、▲3▼進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比を算出し、バランス評価とする。併せて、3指標計測時の歩行速度、歩幅も記録する。位置情報から同一直線歩行路におけるバランス評価のみを抽出し、複数の直線歩行路におけるバランス評価の比較から計測に不適切な歩行路の評価データは破棄し、計測に適した歩行路における時系列変化を見る。これにより、歩行バランスの崩れを早期に発見し、また歩行バランスの回復を確認する。【選択図】図3
Description
本発明は、日常生活における歩行時の歩行バランスの判定法に関する。
既に普及しているスマホには、GPS、加速度、ジャイロなどのセンサが搭載されている。
特許文献1(国際出願番号PCT/JP2015/075342)では、日常生活において自動的に歩行速度と歩幅を計測し、時系列で解析する技術が示されている。この発明の実用化により、直線歩行路を自動的に抽出して高精度の歩行速度計測が可能なことが確認されている。
特許文献1(国際出願番号PCT/JP2015/075342)では、日常生活において自動的に歩行速度と歩幅を計測し、時系列で解析する技術が示されている。この発明の実用化により、直線歩行路を自動的に抽出して高精度の歩行速度計測が可能なことが確認されている。
本発明は、直線歩行路において、▲1▼二歩時間のバラつき、▲2▼左右の平均一歩時間の差異、▲3▼進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比の3指標ついての評価値を算出し、これを時系列で追って歩行バランスの崩れを早期に発見し、また歩行バランスの回復を確認できることを目的とする。
一歩時間のバラつきは、左右二歩の時間のバラつきと、左右の平均一歩時間の差異が合わさって現れる。進行方向に比較し左右の揺れが大きいことも、歩行バランスが崩れている現れである可能性が高い。
3D計測で体形を見るとよく分かるが、体幹が傾いている人は高齢者のみならず若い人でも意外に多い。左右の脚の長さや脚力に違いがある人も少なくない。その結果、左右の平均一歩時間に違いが出てくる場合がある。いつも同じ側に荷物を持つ癖などに起因する場合もある。こうした左右のアンバランスは、体の故障や疾病の遠因になりうる。
体が弱ってくると、一直線上にすーっと歩くのではなく、左右に体を揺らしながら歩行するようになる場合もある。
人は中枢パターン発生器(central pattern generators:歩行などのリズムを発生する脊髄神経回路網)が備わっているために、健常なときは極めて安定した精緻なリズムで歩行している。定速歩行のときの一歩時間は、平均値に対して標準偏差3%程度のバラつきに収まると言われている。しかし、体の故障や虚弱が進んでくると、このリズムが崩れてくる。
健常者の日常歩行のケイデンスは概ね、ゆっくり歩行の100歩から速足の130歩の間にある。仮に普通に歩くときのケイデンスを約110歩とすれば、ゆっくり歩行と速足は、その110歩に対して約10ないし18%の振れ幅になる。
歩行バランスが崩れてきても、通常歩行速度で歩いている際に、左記のようなゆっくり歩きと速足のような歩の進み方が入り混じれば、視覚的にも感覚的にも容易に歩行バランスの崩れが見て取れるし、そこまで崩れるようであれば、歩行バランスは相当に崩れている。
従って、本発明が対象とする歩行バランスの判定は、一歩時間ないし二歩時間においては、標準偏差15%以下のバラつきを対象とする。ここで敢えて具体的な値を示したのは、以下に述べるように、日常の街路空間における計測では、様々な計測阻害要因があり、必要な精度での計測を実現するには、本発明によることが必要になるからである。
一歩時間のバラつきは、左右二歩の時間のバラつきと、左右の平均一歩時間の差異が合わさって現れる。進行方向に比較し左右の揺れが大きいことも、歩行バランスが崩れている現れである可能性が高い。
3D計測で体形を見るとよく分かるが、体幹が傾いている人は高齢者のみならず若い人でも意外に多い。左右の脚の長さや脚力に違いがある人も少なくない。その結果、左右の平均一歩時間に違いが出てくる場合がある。いつも同じ側に荷物を持つ癖などに起因する場合もある。こうした左右のアンバランスは、体の故障や疾病の遠因になりうる。
体が弱ってくると、一直線上にすーっと歩くのではなく、左右に体を揺らしながら歩行するようになる場合もある。
人は中枢パターン発生器(central pattern generators:歩行などのリズムを発生する脊髄神経回路網)が備わっているために、健常なときは極めて安定した精緻なリズムで歩行している。定速歩行のときの一歩時間は、平均値に対して標準偏差3%程度のバラつきに収まると言われている。しかし、体の故障や虚弱が進んでくると、このリズムが崩れてくる。
健常者の日常歩行のケイデンスは概ね、ゆっくり歩行の100歩から速足の130歩の間にある。仮に普通に歩くときのケイデンスを約110歩とすれば、ゆっくり歩行と速足は、その110歩に対して約10ないし18%の振れ幅になる。
歩行バランスが崩れてきても、通常歩行速度で歩いている際に、左記のようなゆっくり歩きと速足のような歩の進み方が入り混じれば、視覚的にも感覚的にも容易に歩行バランスの崩れが見て取れるし、そこまで崩れるようであれば、歩行バランスは相当に崩れている。
従って、本発明が対象とする歩行バランスの判定は、一歩時間ないし二歩時間においては、標準偏差15%以下のバラつきを対象とする。ここで敢えて具体的な値を示したのは、以下に述べるように、日常の街路空間における計測では、様々な計測阻害要因があり、必要な精度での計測を実現するには、本発明によることが必要になるからである。
(計測阻害要因) 先に延べたような歩行リズムが極めて安定した歩行は、平坦な直線状の歩行路を前提としている。道を曲がる際や歩行し始めや停止時は、当然にリズムが変わる。路面に凹凸や傾斜があっても変わる。
日常生活で歩行する街路の路面は、砂利道のみならず、舗装された街路においても、注意深く見ると意外なほど小さな凹凸や起伏、傾斜、段差が多くある。
日常生活では、様々な状況の中を歩く。人混みでは、人とぶつからないよう常時歩を速めあるいは緩めて歩行しているため、一歩時間のバラつきは当然に大きくなる。
日常生活では、歩行と停止、徐行をランダムに繰り返しており、そのときどきでもケイデンスや一歩時間が大きく変動している。急ぎのときや友人と連れ立ってのときなど、様々な状況下で速度、ケイデンスは大きく変動し続けている。
人は歩行バランスが崩れてくると、歩幅を狭め、歩行速度を落として歩行バランスを保つようになる。歩幅を広げ、あるいは歩行速度を速めれば、歩行バランスは崩れがちになる。ゆっくり歩きのときは歩行バランスを保っていても、早歩きではバランスの崩れが顕著に出てくる可能性がある。従って、早期発見という観点からは、単に前記3点の歩行バランスのみならず、歩行速度や歩幅も併せて見ることが重要である。
本発明では、各荷重応答期(足の接地時刻)を特定するために加速度センサを用いているが、加速度センサは例えば約0.02秒というように断続的に計測されている。0.02秒は平均一歩時間約0.50秒に対して4%であり、目的とする精度から考えても決して小さくない。
加えて、本発明ではスマホのような所持位置が自由な携帯端末での自動計測を想定しているが、スマホはズボンや上着のポケットに入れたりバッグに入れたりしている場合が多い。いずれも、歩行のリズムに合わせて揺れている。バッグに入れている場合などは、時間の経過とともにスマホの姿勢が変わってしまう場合も少なくない。ズボンのポケットに多少ゆとりがある場合では、歩行時にポケット壁面から受ける衝撃が大きく、その振動で荷重応答期を正確に捉えられない場合が少なくない。
以上の計測上の阻害要因は、それぞれ先の目的に対して許容範囲以上の計測誤差をもたらす。本発明は、この様々な計測精度低下要因が存する日常生活空間においても、必要な精度で歩行バランスを評価することを可能にし、その微細な変化の抽出を可能にする。
本発明でスマホなどの携帯端末の利用を想定しているのは、無理なく時系列で自動計測することを可能にするためである。所持位置自由な携帯端末での自動計測でなければ、実際上長期間計測し続けることはできないし、時系列で追っていかなければ、まだ歩行バランスは崩れていないと思っている人が早期にその崩れに気付くという目的を達せられない。
日常生活で歩行する街路の路面は、砂利道のみならず、舗装された街路においても、注意深く見ると意外なほど小さな凹凸や起伏、傾斜、段差が多くある。
日常生活では、様々な状況の中を歩く。人混みでは、人とぶつからないよう常時歩を速めあるいは緩めて歩行しているため、一歩時間のバラつきは当然に大きくなる。
日常生活では、歩行と停止、徐行をランダムに繰り返しており、そのときどきでもケイデンスや一歩時間が大きく変動している。急ぎのときや友人と連れ立ってのときなど、様々な状況下で速度、ケイデンスは大きく変動し続けている。
人は歩行バランスが崩れてくると、歩幅を狭め、歩行速度を落として歩行バランスを保つようになる。歩幅を広げ、あるいは歩行速度を速めれば、歩行バランスは崩れがちになる。ゆっくり歩きのときは歩行バランスを保っていても、早歩きではバランスの崩れが顕著に出てくる可能性がある。従って、早期発見という観点からは、単に前記3点の歩行バランスのみならず、歩行速度や歩幅も併せて見ることが重要である。
本発明では、各荷重応答期(足の接地時刻)を特定するために加速度センサを用いているが、加速度センサは例えば約0.02秒というように断続的に計測されている。0.02秒は平均一歩時間約0.50秒に対して4%であり、目的とする精度から考えても決して小さくない。
加えて、本発明ではスマホのような所持位置が自由な携帯端末での自動計測を想定しているが、スマホはズボンや上着のポケットに入れたりバッグに入れたりしている場合が多い。いずれも、歩行のリズムに合わせて揺れている。バッグに入れている場合などは、時間の経過とともにスマホの姿勢が変わってしまう場合も少なくない。ズボンのポケットに多少ゆとりがある場合では、歩行時にポケット壁面から受ける衝撃が大きく、その振動で荷重応答期を正確に捉えられない場合が少なくない。
以上の計測上の阻害要因は、それぞれ先の目的に対して許容範囲以上の計測誤差をもたらす。本発明は、この様々な計測精度低下要因が存する日常生活空間においても、必要な精度で歩行バランスを評価することを可能にし、その微細な変化の抽出を可能にする。
本発明でスマホなどの携帯端末の利用を想定しているのは、無理なく時系列で自動計測することを可能にするためである。所持位置自由な携帯端末での自動計測でなければ、実際上長期間計測し続けることはできないし、時系列で追っていかなければ、まだ歩行バランスは崩れていないと思っている人が早期にその崩れに気付くという目的を達せられない。
一歩時間は、歩行時の一の荷重応答期から次の荷重応答期までの時間とし、二歩時間はその連続する二つの一歩時間の和とする。
携帯端末は、加速度センサ、位置情報センサと通信機能を有する端末とする。
携帯端末は、加速度センサ、位置情報センサと通信機能を有する端末とする。
本発明は、次のアルゴリズムによって実現される。
▲1▼直線歩行時間(区間)の抽出
▲2▼三次元加速度データの、重力方向ベクトルと水平面ベクトルへの変換
▲3▼荷重応答期時刻の抽出と、それに基づく一歩時間の算出、不採用データの破棄
▲4▼水平面ベクトルの進行方向ベクトルと左右方向ベクトルへの分解
▲5▼一歩時間および二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向のベクトル長の比の算出
▲6▼同一歩行路上の時系列計測データの抽出、不適格歩行路データの破棄
▲7▼評価
(実際の計測事例)図1上部は、歩行時の3次元加速度センサの計測値を重力方向、進行方向、左右方向に変換した事例である。図1下部は、その水平面(進行方向と左右方向)のベクトルの終点を点で表示したものである。始点は(0.0)としている。
但しこの計測時には、計測装置であるスマホをズボンのポケットに入れて歩行していたので、スマホは歩に合わせて前後方向に揺れていた。即ち、スマホから見れば、重力方向は進行方向に、また多少は左右方向にも揺れていた。重力方向を一定時間帯の平均加速度ベクトルの方向と置いて計算しているが、厳密に言えば、端末側から見ると、相対的に重力方向は常に揺れている。それでも、重力方向の加速度の変化を見ると、その負のピークは明確に判別でき、そのピーク時刻の差分を一歩時間として容易に抽出できることが分かる。
左右の歩は交互に繰り出されているため、連続する一歩時間を交互に二つの群に振り分ければ、どちらが右で他方が左かはわからなくても、連続した歩行時間における、左右に分けた2つの一歩時間の集合が得られる。
水平面においては、直線歩行であるため、左右方向のベクトルはほぼ線対称で発生しているが、進行方向においては、後ろに足を蹴り出しているときに小さなピークがあり、前の方ではそのような強い動作がなく明確なピークが見られないため、前後の振幅は対称的でない。そこから、前後方向と左右方向の加速度の振れ方の比率が算出できることが読み取れる。
しかし、スマホを入れたポケットに空間的なゆとりがあり、速足で歩いた場合は、スマホがポケット壁面から衝撃を受け、そのためにピーク時刻が図1の事例ほど明確に判別できない場合が少なからずある。所持位置自由な携帯端末を前提にすると、往々にしてそのような状況が生じる。
先のように明確に加速度のピーク時刻、即ち歩行における加重応答期が判別でき、しかしながら速足なために不規則な衝撃によってピーク時刻が精緻に捉えられなくなった場合もあるとすると、日常生活の中で立ち止まったり動き出したたり、路面の凹凸や人込みで歩行リズムが乱れたりしているのをどうやって判別するかが問題になる。左右に曲がっても歩行リズムは微妙に乱れる。
本発明では、手動計測を排除しないとしつつも、基本的には自動計測を前提としている。
本発明では先の課題に対し、直線歩行区間のみを抽出し、その間の歩行速度やケイデンスデータを並行して取得しておくこと、同一歩行路での時系列変化を追うことで対処する。
直線歩行区間では多くの場合は安定した歩行リズムで歩行する。同じ歩行区間での時系列変化を追えば、あるときだけは人混みや車を避けて歩行リズムが乱れても、多くの場合は緩やかな変化しかないので、経時的な変化と突発的な変化を区分することが可能になる。
空間的に同一の歩行路であれば、その計測対象区間が完全に一致せず多少ずれていても、路面の状況は似かよっているため、同様の条件下での歩行バランスとして時系列で追うことが可能になる。また、歩行バランス計測時に、同時に歩行速度とケイデンスも計測することで、多面的な評価が可能になる。
即ち、加速度センサの情報だけでは判別不能でも、GPSや磁気、ジャイロなど他のセンサの情報も組み合わせることで、空間的位置や進行方向の同定、歩行速度やケイデンスなど同程度の歩行状態下での時系列の比較、突発的な状況下での乱れの排除などが可能になる。
例えば歩数計では、その日のすべての歩数をカウントすることが目的となるため、加速度のピーク時刻が判然としない場合でも歩数カウントの有無は無理やり決めなければならない。しかし本発明で求められるのは、直線安定歩行の際の歩行バランスの評価とその時系列変化であるため、評価対象データとして不適切である可能性が高いものは破棄すればよい。本発明のフローに基づいても安定した歩行周期の判別が困難なケースは、直線安定歩行でない可能性が高く、直線安定歩行であったとしても保持の仕方が適切でない、即ち端末が歩行に合わせて踊っていて適切なデータを記録できていない、歩行時にスマホを手にして不規則に動かしていたなどの可能性が高いので、そうしたケースはデータを破棄することとしても何ら問題は生じない。
比較可能な有効データのみを時系列で追い、先のような計測上の課題を解決できる。
▲1▼直線歩行時間(区間)の抽出
▲2▼三次元加速度データの、重力方向ベクトルと水平面ベクトルへの変換
▲3▼荷重応答期時刻の抽出と、それに基づく一歩時間の算出、不採用データの破棄
▲4▼水平面ベクトルの進行方向ベクトルと左右方向ベクトルへの分解
▲5▼一歩時間および二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向のベクトル長の比の算出
▲6▼同一歩行路上の時系列計測データの抽出、不適格歩行路データの破棄
▲7▼評価
(実際の計測事例)図1上部は、歩行時の3次元加速度センサの計測値を重力方向、進行方向、左右方向に変換した事例である。図1下部は、その水平面(進行方向と左右方向)のベクトルの終点を点で表示したものである。始点は(0.0)としている。
但しこの計測時には、計測装置であるスマホをズボンのポケットに入れて歩行していたので、スマホは歩に合わせて前後方向に揺れていた。即ち、スマホから見れば、重力方向は進行方向に、また多少は左右方向にも揺れていた。重力方向を一定時間帯の平均加速度ベクトルの方向と置いて計算しているが、厳密に言えば、端末側から見ると、相対的に重力方向は常に揺れている。それでも、重力方向の加速度の変化を見ると、その負のピークは明確に判別でき、そのピーク時刻の差分を一歩時間として容易に抽出できることが分かる。
左右の歩は交互に繰り出されているため、連続する一歩時間を交互に二つの群に振り分ければ、どちらが右で他方が左かはわからなくても、連続した歩行時間における、左右に分けた2つの一歩時間の集合が得られる。
水平面においては、直線歩行であるため、左右方向のベクトルはほぼ線対称で発生しているが、進行方向においては、後ろに足を蹴り出しているときに小さなピークがあり、前の方ではそのような強い動作がなく明確なピークが見られないため、前後の振幅は対称的でない。そこから、前後方向と左右方向の加速度の振れ方の比率が算出できることが読み取れる。
しかし、スマホを入れたポケットに空間的なゆとりがあり、速足で歩いた場合は、スマホがポケット壁面から衝撃を受け、そのためにピーク時刻が図1の事例ほど明確に判別できない場合が少なからずある。所持位置自由な携帯端末を前提にすると、往々にしてそのような状況が生じる。
先のように明確に加速度のピーク時刻、即ち歩行における加重応答期が判別でき、しかしながら速足なために不規則な衝撃によってピーク時刻が精緻に捉えられなくなった場合もあるとすると、日常生活の中で立ち止まったり動き出したたり、路面の凹凸や人込みで歩行リズムが乱れたりしているのをどうやって判別するかが問題になる。左右に曲がっても歩行リズムは微妙に乱れる。
本発明では、手動計測を排除しないとしつつも、基本的には自動計測を前提としている。
本発明では先の課題に対し、直線歩行区間のみを抽出し、その間の歩行速度やケイデンスデータを並行して取得しておくこと、同一歩行路での時系列変化を追うことで対処する。
直線歩行区間では多くの場合は安定した歩行リズムで歩行する。同じ歩行区間での時系列変化を追えば、あるときだけは人混みや車を避けて歩行リズムが乱れても、多くの場合は緩やかな変化しかないので、経時的な変化と突発的な変化を区分することが可能になる。
空間的に同一の歩行路であれば、その計測対象区間が完全に一致せず多少ずれていても、路面の状況は似かよっているため、同様の条件下での歩行バランスとして時系列で追うことが可能になる。また、歩行バランス計測時に、同時に歩行速度とケイデンスも計測することで、多面的な評価が可能になる。
即ち、加速度センサの情報だけでは判別不能でも、GPSや磁気、ジャイロなど他のセンサの情報も組み合わせることで、空間的位置や進行方向の同定、歩行速度やケイデンスなど同程度の歩行状態下での時系列の比較、突発的な状況下での乱れの排除などが可能になる。
例えば歩数計では、その日のすべての歩数をカウントすることが目的となるため、加速度のピーク時刻が判然としない場合でも歩数カウントの有無は無理やり決めなければならない。しかし本発明で求められるのは、直線安定歩行の際の歩行バランスの評価とその時系列変化であるため、評価対象データとして不適切である可能性が高いものは破棄すればよい。本発明のフローに基づいても安定した歩行周期の判別が困難なケースは、直線安定歩行でない可能性が高く、直線安定歩行であったとしても保持の仕方が適切でない、即ち端末が歩行に合わせて踊っていて適切なデータを記録できていない、歩行時にスマホを手にして不規則に動かしていたなどの可能性が高いので、そうしたケースはデータを破棄することとしても何ら問題は生じない。
比較可能な有効データのみを時系列で追い、先のような計測上の課題を解決できる。
▲1▼直線歩行時間(区間)の抽出
直線歩行時間の抽出の仕方は幾つかあり、特許文献1の方法はその一つであるが、この他にも、例えば10秒間というような一定時間内のGPS等の位置情報から移動距離と移動方向情報を得て、次の10秒間も同様に移動距離と移動方向情報を得て、その二つの移動方向の一致をもって直線歩行と判別する方法もある。また加速度センサ情報から歩行動作を検出し、磁気センサ情報ないしジャイロセンサ情報から一定方向に向き続けていることをもって直線歩行と判別する方法などもある。(磁気センサ計測値ないしジャイロセンサ計測値が中心となる値から一定幅の中で振れている。)
方法は適切ならば任意であるが、いずれかの方法を用いて直線歩行時間を抽出する。
▲2▼加速度データの、重力方向ベクトルと水平面ベクトルへの変換
前項の直線歩行時間内の3次元加速度データ(Xi,Yi,Zi)を得る。
iはデータ取得の回を示しており、例えば1秒間に50回の頻度でデータ取得できる。
例えば60秒とか一定時間内の各時刻Tiの計測加速度(Xi,Yi,Zi)の平均値(Xave,Yave,Zave)を算出し、そのベクトルを重力方向とする。
Xave=ΣXi/N、但し、i=1〜N。Yave、Zaveも同様。
もしXaveまたはYaveまたはZaveの中で絶対値が最大となるものが正の値であれば、Xave、Yave、Zave全部の値を正負逆転させ、重力方向ベクトルとする。
尚、この間にスマホの姿勢が大きく変わっていないことは、計測時間の最初の数秒と最後の数秒の重力方向ベクトルの方向の差異(2つのベクトルの角度)が任意の一定の閾値以下であることをもって判別する。その角度は後述と同様に内積の公式から得る。ちなみに、図1の事例では、全歩行区間の重力方向ベクトルの振れ幅は2°から4°程
各時刻Tiの重力方向ベクトル長Lgiは、その時刻の加速度(Xi,Yi,Zi)とそのベクトル長Li、重力方向ベクトル(Xave,Yave,Zave)、同ベクトル長Laveより、内積の公式を用いて算出する。
各時刻Tiの加速度ベクトルと重力方向ベクトルの間の角度をθ、時刻Tiの加速度ベクトル長をLiと置くと、
cosθとLiから、その時刻の重力方向加速度のベクトル長Lgiが定まるため、同一ベクトル方向にあるLgiとLaveの比例から時刻Tiの重力方向ベクトルGi(Xgi,Ygi,Zgi)が求まる。
時刻Tiの水平方向ベクトル((Xhi,Yhi,Zhi)は、(Xi,Yi,Zi)と(Xgi,Ygi,Zgi)の差分として求まる。
▲3▼荷重応答期時刻の抽出と、それに基づく一歩時間の算出、不採用データの破棄
重力方向ベクトルは、図1のように周期的な変動が見られ、その重力方向のピーク時刻が加重応答期になる。
通常、人のケイデンスは100〜130歩/分の間にある。判定対象となるケイデンスは幅を持たせて70〜140歩/分とすれば、一歩時間は0.43〜0.85秒の間にある。ケイデンスが70歩/分を下回るようだと、歩行リズムは既に非常に不安定になってしまっている。そうなる時期には、その手前で兆候があるため、この閾値を適宜修正すれば良い。
あるピーク時刻を一つの加重応答期とし、そこから0.43〜0.85秒後の次のピーク時刻を次の加重応答期とするというようにして、順次加重応答期を判別していく。このような設定の仕方をすれば、一歩時間が0.43〜0.85秒の間にある限りは、その間に特定すべきピーク時刻は一つしかない。
計測が繰り返されると、その被計測者の通常歩行のケイデンスの幅が定まってくる。歩行能力が劣ってくれば、ケイデンスも多少少なくなる。そうした過去のデータに基づいて計測対象ケイデンスを定め、前記0.43〜0.85秒というような一歩時間の基準を変えていくのが適切である。
また、前述のように加速度は断続的に計測されているため、真のピーク時刻をとらえているわけではない。そこで、ピーク時刻前後の時刻Tiと重力方向加速度Gi(ベクトル長Lgi)から適当な曲線で近似して、より正確なピーク時刻を推定しても良い。
データTiから連立一次方程式を解いてa、b、c、dを求め、その微分式から前記ピーク時刻よりもっと正確と推定される時刻Tを計算する。
この重力方向ベクトルによる方法に代えて、各時刻Tiの加速度(Xi,Yi,Zi)の単純ベクトル長の変動からピーク時刻を加重応答期とする方法もあるが、重力方向と水平方向の区分ができていないために、ポケット壁面などからの衝撃により、適切に加重応答期を判別できなくなる可能性が高く、また水平方向ベクトルの抽出もできなくなる。
以上から、重力方向のピーク時刻=加重応答期として一歩時間が得られるが、先に延べたように歩行状態、端末の置かれた環境、路面の状態、その他の環境要因によって、ノイズが大きく的確に加重応答期を捉えられていない場合が往々にしてある。
本発明では、各計測回において必ず計測結果を算出することが目的ではなく、適切な計測環境下における歩行バランス評価およびその変化を見ることが目的である。従って、ノイズが大きく的確に加重応答期を捉えられていないと判定された場合のデータは、破棄することが適切であり、その破棄の判別基準は任意に定めて良い。
例えば、もし0.43秒以内にその前後のピーク値と同等のピーク値が得られるようであれば、ポケット壁面からの衝撃あるいは段差を踏み外すなど、なんらか通常歩行時の計測対象とすべきものと異なる加速度が計測された結果と推定される。そのような結果が繰り返し計測された場合は、その計測回は評価対象として相応しくないと考えられるため、その計測回のデータは破棄する。その際のピーク値と同等と見なす閾値、前記0.43〜0.85秒といった時間設定、繰り返しの回数は任意に定めて良い。
▲4▼水平面ベクトルの進行方向ベクトルと左右方向ベクトルへの分解
水平方向ベクトル(Xhi,Yhi,Zhi)を進行方向ベクトルと左右方向ベクトルに分解する。図1下段に示したのは、数十秒間の荷重応答期の水平ベクトルの終点を起点(0,0)としてドット表示したものである。
荷重応答期には、足は前方に向かって蹴り出すようになるため、終点はすべて前方に位置し、前後は対称ではない。左右はバラついてはいるものの、図1下段のように直線歩行であるため概ね線対称で現れている。
従って、数十秒間の荷重応答期の水平ベクトルだけを平均したものを進行軸ベクトル(Xm,Ym,Zm)とすれば、概ね正しい方向が得られる。
進行軸ベクトル(Xm,Ym,Zm)、ベクトル長Lmが定まるので、各時刻の水平方向ベクトル(Xhi,Yhi,Zhi)、ベクトル長Lhiから、内積の公式から各時刻の水平ベクトルと進行軸ベクトルの角度であるcosθを得る。
cosθが定まれば、水平方向ベクトル(Xhi,Yhi,Zhi)の進行方向ベクトル長が求まるため、進行方向ベクトルと左右方向ベクトルへの分解が可能になる。
即ち、各時刻の計測ベクトル(Xi,Yi,Zi)を図1に示すような重力方向、進行方向、左右方向の加速度ベクトルへ変換する手順が完了する。
尚、図1のグラフは実測データに基づいており、線対称性が若干弱いようにも見受けられるが、ここまでの計算式の設定上、歩行区間全体では進行方向および左右方向の加速度の総和がほぼ0になることを付記しておく。
また、進行軸ベクトルを算出する際の荷重応答期の水平ベクトル数は多くないため、概ねの進行方向を表してはいるが、多少正確性に欠ける。上記の計算で得た水平ベクトルを(Pi、Qi)と表記すると、すべての水平ベクトルないし荷重応答期の水平ベクトルにおいて、Q=aPとする(0,0)を通る式の最小二乗法でより正確な進行軸ベクトルに修正しても良い。
▲5▼二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比の算出
前々項▲3▼において、連続した一歩時間が求まっている。その連続した二歩の時間の和が二歩時間である。
連続した一歩時間を交互に2群に振り分ければ、いずれかが右脚の一歩で、他方が左脚の一歩となる。この2群のそれぞれの平均値を求め、いずれか小さい値を分母とする比率を算出する。左右いずれの一歩時間が短いかはわからないが、左右の一歩時間がほとんど一致しているか、差が生じているかが分かる。左右で差が生じていれば、多くの場合は常に同じ側が短い(ないしは長い)傾向にある可能性が高いと推測される。
進行方向ベクトルと左右方向のベクトルは、三次元計測ベクトルから重力方向ベクトル成分を取り除いた差分として算出しているが、携帯端末自体が歩行に合わせて揺れているのに対して、重力方向ベクトルは一定方向であるため、計測誤差が反映されやすい。
進行方向と左右方向のベクトル長の比率の算出の仕方は幾通りか考えられ、その選択は任意であるが、この計測誤差が反映されやすいという点を踏まえると、各一歩時間における進行方向加速度ベクトルの最大振れ幅と、同左右方向の加速度ベクトルの最大振れ幅の比率を算出し、その測定回の全一歩時間における前記比率の平均値とするのが適切と考えられる。
▲6▼同一歩行路上の計時系列測データの抽出、不適格歩行路データの破棄
前項▲5▼における二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比は、歩行路面の状況や人混みなど計測環境によっても異なってくるが、同一歩行路での歩行バランス評価を時系列で追えば、歩行環境が同じなので、微細な変化を抽出することが可能になる。
このとき、歩行速度やケイデンスも記録しておけば、同程度の速度帯での比較が可能になる。たまたま自動車交通や人混みで歩行リズムが乱されても、多くの場合が安定した歩行であれば、その評価対象外とすべき測定回も判別可能になる。
それまでの記録から通常歩行速度が既知であれば、保管しておくべきデータと破棄すべきデータを振り分ける基準ともできるし、前項までの閾値設定でも活用できる。
継続的に測定した歩行路を地図表示すれば、時系列で評価するのに適した歩行路であったか否かを判断できる。
同一歩行路であるか否かの判断は、GPS等の位置情報を用いる。
2つの計測回があって、それらが同一歩行路であるかどうかの判定は、この位置情報に基づく2つの歩行路間の距離と、その推定歩行路の交差する角度で判別する。
通常、自由に歩き回れる広場でもない限り、近接した2つの歩行路は、同一歩行路の延長上か、または折れ曲がった別の歩行路上にあるため、判別が容易にできる。
2つの計測上の推定歩行路の交差する角度は、2つの推定歩行路上の位置情報から、内積の公式によってcosθとして算出できる。それぞれの歩行路の位置情報から、一の歩行路の両端(X1,Y1)と(X2,Y2)と、他方の歩行路の両端(X3,Y3)と(X4,Y4)を抽出し、その差分から2つの歩行方向のベクトル(Xa,Ya)と(Xb,Yb)を求める。
但し、Xa=X1−X2、Ya=Y1−Y2、Xb=X3−X4、Yb=Y3−Y4。
Laは(X1,Y1)と(X2,Y2)間、Lbは(X3,Y3)と(X3,Y3)間の、歩行路長。
位置情報は正確性に欠けるが、一般の街路では、同じ位置に30度以内で交差する道はほとんどないので、cosθが0.866以上であれば同じ街路上にある可能性が高い。
また、上記2歩行路の進行方向に垂直の距離は、以下の式で求められる。
一方の歩行路上の2点を(X1,Y1)と(X2,Y2)、他方の歩行路上の1点を(X3,Y3)として、(X1,Y1)と(X2,Y2)を結ぶ歩行路と点(X3,Y3)の距離Dは下記式より求められる。但し、Xa=X2−X1、Ya=Y2−Y1、Xb=X3−X1、Yb=Y3−Y1、Laは(X1,Y1)と(X2,Y2)の距離と置く。
一般の街路では、並行している2つの街路間の距離が15m以下であることはほとんどないので、前記cosθと距離Dから、同一歩行路の延長上にあることが判別できる。
同一歩行路の延長上での距離は、(X1,Y1)と(X3,Y3)、(X1,Y1)と(X4,Y4)、(X2,Y2)と(X3,Y3)、(X2,Y2)と(X4,Y4)のそれぞれの距離の最大値が、La+Lbより小さいことで、重なっているか、あるいはどの程度離れているのかを判別できる。
これら角度、進行方向に垂直の距離、歩行路延長上の距離の3点によって、同一歩行路であることを判別する。その際の、同一歩行路と判定する閾値は任意に定めて良い。
加速度データは、量が膨大になるため、現状では実用化する上で計算量や通信量を抑制することが求められる。本発明の計測対象歩行路を予め特定しておけば、計算量や通信量を抑えることができる。
例えば、自宅の位置情報を特定し、そこから一定距離以内を測定対象と定めても良い。あるいは、一定期間の歩行経路から、良く歩く歩行路を幾つか特定しても良い。
最初のステップ▲1▼で計測対象を絞れば、計算量、通信量は大幅に削減できる。
継続的に測定できている複数歩行路のデータにおいて、歩行路毎のバランス評価が有意に異なる場合は、悪い方の歩行路データは、歩行路の路面に凹凸等が多くある可能性が高いので破棄する。この際の有意差の判定基準は任意である。
▲7▼評価
同一歩行路における二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比と、その歩行速度、平均歩幅を併せて、時系列で評価する。
上記各二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比と、その歩行速度、平均歩幅を時系列のグラフで示し、回帰分析など適当な方法を併用してその変化傾向を示す。また適宜レーダーチャートに表して弱点を示すなど、適宜理解しやすい表現形態を用いても良い。
同一計測条件下での歩行バランスの時系列の比較が可能になるため、視覚的には発見し難いような僅かな歩行バランスの崩れを早期に発見することが可能になる。
(手動計測の場合)
室内の廊下などにおいて手動計測する場合は、▲1▼直線歩行時間(区間)の抽出のところだけを変更する。
計測操作を行ってから、第一歩を踏み出したときに、それ以前に最初に進行方向に加速し始めた時点が歩き始めになる。しかし、これを加速度データで算出するには、一定時間の計測が必要になるので、以下の手順に従う。計測時間は10秒など一定時間以上とする。
計測操作を行った2秒後(携帯端末を保持位置に戻す時間)から一定時間の間に得られる加速度データを前記▲2▼、▲3▼、▲4▼の手続きに従い、重力方向ベクトル、進行方向ベクトル、水平面ベクトルを得て、最初の一歩の荷重応答期を抽出する。
この重力方向ベクトルに基づき、荷重応答期が1秒以上計測されなくなったとき、最後の荷重応答期を歩行終了時とする。
ここで最初と最後の一歩の荷重応答期が確定されるので、その時間帯において▲2▼、▲3▼、▲4▼の手続きを再度行い、進行軸ベクトルが確定する。
最初の一歩の手前1秒間において、前記進行方向ベクトルから、進行方向に加速し始めた時刻を確定する。
通常、歩き始めてから3歩ないし4歩で定速歩行に移行するので、その間の進行方向ベクトルの累積から定速歩行時の歩行速度を算出する。
同様に、歩行終了時の3歩手前を定速歩行終了時刻とする。
その間の定速歩行区間において、▲5▼、▲6▼、▲7▼の手順で歩行バランス評価を行う。
以上において、端末で取得したデータを▲1▼から▲7▼まで解析するにあたり、どこまでを端末で担わせ、残りをサーバで担うかは任意である。
直線歩行時間の抽出の仕方は幾つかあり、特許文献1の方法はその一つであるが、この他にも、例えば10秒間というような一定時間内のGPS等の位置情報から移動距離と移動方向情報を得て、次の10秒間も同様に移動距離と移動方向情報を得て、その二つの移動方向の一致をもって直線歩行と判別する方法もある。また加速度センサ情報から歩行動作を検出し、磁気センサ情報ないしジャイロセンサ情報から一定方向に向き続けていることをもって直線歩行と判別する方法などもある。(磁気センサ計測値ないしジャイロセンサ計測値が中心となる値から一定幅の中で振れている。)
方法は適切ならば任意であるが、いずれかの方法を用いて直線歩行時間を抽出する。
▲2▼加速度データの、重力方向ベクトルと水平面ベクトルへの変換
前項の直線歩行時間内の3次元加速度データ(Xi,Yi,Zi)を得る。
iはデータ取得の回を示しており、例えば1秒間に50回の頻度でデータ取得できる。
例えば60秒とか一定時間内の各時刻Tiの計測加速度(Xi,Yi,Zi)の平均値(Xave,Yave,Zave)を算出し、そのベクトルを重力方向とする。
Xave=ΣXi/N、但し、i=1〜N。Yave、Zaveも同様。
もしXaveまたはYaveまたはZaveの中で絶対値が最大となるものが正の値であれば、Xave、Yave、Zave全部の値を正負逆転させ、重力方向ベクトルとする。
尚、この間にスマホの姿勢が大きく変わっていないことは、計測時間の最初の数秒と最後の数秒の重力方向ベクトルの方向の差異(2つのベクトルの角度)が任意の一定の閾値以下であることをもって判別する。その角度は後述と同様に内積の公式から得る。ちなみに、図1の事例では、全歩行区間の重力方向ベクトルの振れ幅は2°から4°程
各時刻Tiの重力方向ベクトル長Lgiは、その時刻の加速度(Xi,Yi,Zi)とそのベクトル長Li、重力方向ベクトル(Xave,Yave,Zave)、同ベクトル長Laveより、内積の公式を用いて算出する。
各時刻Tiの加速度ベクトルと重力方向ベクトルの間の角度をθ、時刻Tiの加速度ベクトル長をLiと置くと、
cosθとLiから、その時刻の重力方向加速度のベクトル長Lgiが定まるため、同一ベクトル方向にあるLgiとLaveの比例から時刻Tiの重力方向ベクトルGi(Xgi,Ygi,Zgi)が求まる。
時刻Tiの水平方向ベクトル((Xhi,Yhi,Zhi)は、(Xi,Yi,Zi)と(Xgi,Ygi,Zgi)の差分として求まる。
▲3▼荷重応答期時刻の抽出と、それに基づく一歩時間の算出、不採用データの破棄
重力方向ベクトルは、図1のように周期的な変動が見られ、その重力方向のピーク時刻が加重応答期になる。
通常、人のケイデンスは100〜130歩/分の間にある。判定対象となるケイデンスは幅を持たせて70〜140歩/分とすれば、一歩時間は0.43〜0.85秒の間にある。ケイデンスが70歩/分を下回るようだと、歩行リズムは既に非常に不安定になってしまっている。そうなる時期には、その手前で兆候があるため、この閾値を適宜修正すれば良い。
あるピーク時刻を一つの加重応答期とし、そこから0.43〜0.85秒後の次のピーク時刻を次の加重応答期とするというようにして、順次加重応答期を判別していく。このような設定の仕方をすれば、一歩時間が0.43〜0.85秒の間にある限りは、その間に特定すべきピーク時刻は一つしかない。
計測が繰り返されると、その被計測者の通常歩行のケイデンスの幅が定まってくる。歩行能力が劣ってくれば、ケイデンスも多少少なくなる。そうした過去のデータに基づいて計測対象ケイデンスを定め、前記0.43〜0.85秒というような一歩時間の基準を変えていくのが適切である。
また、前述のように加速度は断続的に計測されているため、真のピーク時刻をとらえているわけではない。そこで、ピーク時刻前後の時刻Tiと重力方向加速度Gi(ベクトル長Lgi)から適当な曲線で近似して、より正確なピーク時刻を推定しても良い。
データTiから連立一次方程式を解いてa、b、c、dを求め、その微分式から前記ピーク時刻よりもっと正確と推定される時刻Tを計算する。
この重力方向ベクトルによる方法に代えて、各時刻Tiの加速度(Xi,Yi,Zi)の単純ベクトル長の変動からピーク時刻を加重応答期とする方法もあるが、重力方向と水平方向の区分ができていないために、ポケット壁面などからの衝撃により、適切に加重応答期を判別できなくなる可能性が高く、また水平方向ベクトルの抽出もできなくなる。
以上から、重力方向のピーク時刻=加重応答期として一歩時間が得られるが、先に延べたように歩行状態、端末の置かれた環境、路面の状態、その他の環境要因によって、ノイズが大きく的確に加重応答期を捉えられていない場合が往々にしてある。
本発明では、各計測回において必ず計測結果を算出することが目的ではなく、適切な計測環境下における歩行バランス評価およびその変化を見ることが目的である。従って、ノイズが大きく的確に加重応答期を捉えられていないと判定された場合のデータは、破棄することが適切であり、その破棄の判別基準は任意に定めて良い。
例えば、もし0.43秒以内にその前後のピーク値と同等のピーク値が得られるようであれば、ポケット壁面からの衝撃あるいは段差を踏み外すなど、なんらか通常歩行時の計測対象とすべきものと異なる加速度が計測された結果と推定される。そのような結果が繰り返し計測された場合は、その計測回は評価対象として相応しくないと考えられるため、その計測回のデータは破棄する。その際のピーク値と同等と見なす閾値、前記0.43〜0.85秒といった時間設定、繰り返しの回数は任意に定めて良い。
▲4▼水平面ベクトルの進行方向ベクトルと左右方向ベクトルへの分解
水平方向ベクトル(Xhi,Yhi,Zhi)を進行方向ベクトルと左右方向ベクトルに分解する。図1下段に示したのは、数十秒間の荷重応答期の水平ベクトルの終点を起点(0,0)としてドット表示したものである。
荷重応答期には、足は前方に向かって蹴り出すようになるため、終点はすべて前方に位置し、前後は対称ではない。左右はバラついてはいるものの、図1下段のように直線歩行であるため概ね線対称で現れている。
従って、数十秒間の荷重応答期の水平ベクトルだけを平均したものを進行軸ベクトル(Xm,Ym,Zm)とすれば、概ね正しい方向が得られる。
進行軸ベクトル(Xm,Ym,Zm)、ベクトル長Lmが定まるので、各時刻の水平方向ベクトル(Xhi,Yhi,Zhi)、ベクトル長Lhiから、内積の公式から各時刻の水平ベクトルと進行軸ベクトルの角度であるcosθを得る。
cosθが定まれば、水平方向ベクトル(Xhi,Yhi,Zhi)の進行方向ベクトル長が求まるため、進行方向ベクトルと左右方向ベクトルへの分解が可能になる。
即ち、各時刻の計測ベクトル(Xi,Yi,Zi)を図1に示すような重力方向、進行方向、左右方向の加速度ベクトルへ変換する手順が完了する。
尚、図1のグラフは実測データに基づいており、線対称性が若干弱いようにも見受けられるが、ここまでの計算式の設定上、歩行区間全体では進行方向および左右方向の加速度の総和がほぼ0になることを付記しておく。
また、進行軸ベクトルを算出する際の荷重応答期の水平ベクトル数は多くないため、概ねの進行方向を表してはいるが、多少正確性に欠ける。上記の計算で得た水平ベクトルを(Pi、Qi)と表記すると、すべての水平ベクトルないし荷重応答期の水平ベクトルにおいて、Q=aPとする(0,0)を通る式の最小二乗法でより正確な進行軸ベクトルに修正しても良い。
▲5▼二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比の算出
前々項▲3▼において、連続した一歩時間が求まっている。その連続した二歩の時間の和が二歩時間である。
連続した一歩時間を交互に2群に振り分ければ、いずれかが右脚の一歩で、他方が左脚の一歩となる。この2群のそれぞれの平均値を求め、いずれか小さい値を分母とする比率を算出する。左右いずれの一歩時間が短いかはわからないが、左右の一歩時間がほとんど一致しているか、差が生じているかが分かる。左右で差が生じていれば、多くの場合は常に同じ側が短い(ないしは長い)傾向にある可能性が高いと推測される。
進行方向ベクトルと左右方向のベクトルは、三次元計測ベクトルから重力方向ベクトル成分を取り除いた差分として算出しているが、携帯端末自体が歩行に合わせて揺れているのに対して、重力方向ベクトルは一定方向であるため、計測誤差が反映されやすい。
進行方向と左右方向のベクトル長の比率の算出の仕方は幾通りか考えられ、その選択は任意であるが、この計測誤差が反映されやすいという点を踏まえると、各一歩時間における進行方向加速度ベクトルの最大振れ幅と、同左右方向の加速度ベクトルの最大振れ幅の比率を算出し、その測定回の全一歩時間における前記比率の平均値とするのが適切と考えられる。
▲6▼同一歩行路上の計時系列測データの抽出、不適格歩行路データの破棄
前項▲5▼における二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比は、歩行路面の状況や人混みなど計測環境によっても異なってくるが、同一歩行路での歩行バランス評価を時系列で追えば、歩行環境が同じなので、微細な変化を抽出することが可能になる。
このとき、歩行速度やケイデンスも記録しておけば、同程度の速度帯での比較が可能になる。たまたま自動車交通や人混みで歩行リズムが乱されても、多くの場合が安定した歩行であれば、その評価対象外とすべき測定回も判別可能になる。
それまでの記録から通常歩行速度が既知であれば、保管しておくべきデータと破棄すべきデータを振り分ける基準ともできるし、前項までの閾値設定でも活用できる。
継続的に測定した歩行路を地図表示すれば、時系列で評価するのに適した歩行路であったか否かを判断できる。
同一歩行路であるか否かの判断は、GPS等の位置情報を用いる。
2つの計測回があって、それらが同一歩行路であるかどうかの判定は、この位置情報に基づく2つの歩行路間の距離と、その推定歩行路の交差する角度で判別する。
通常、自由に歩き回れる広場でもない限り、近接した2つの歩行路は、同一歩行路の延長上か、または折れ曲がった別の歩行路上にあるため、判別が容易にできる。
2つの計測上の推定歩行路の交差する角度は、2つの推定歩行路上の位置情報から、内積の公式によってcosθとして算出できる。それぞれの歩行路の位置情報から、一の歩行路の両端(X1,Y1)と(X2,Y2)と、他方の歩行路の両端(X3,Y3)と(X4,Y4)を抽出し、その差分から2つの歩行方向のベクトル(Xa,Ya)と(Xb,Yb)を求める。
但し、Xa=X1−X2、Ya=Y1−Y2、Xb=X3−X4、Yb=Y3−Y4。
Laは(X1,Y1)と(X2,Y2)間、Lbは(X3,Y3)と(X3,Y3)間の、歩行路長。
位置情報は正確性に欠けるが、一般の街路では、同じ位置に30度以内で交差する道はほとんどないので、cosθが0.866以上であれば同じ街路上にある可能性が高い。
また、上記2歩行路の進行方向に垂直の距離は、以下の式で求められる。
一方の歩行路上の2点を(X1,Y1)と(X2,Y2)、他方の歩行路上の1点を(X3,Y3)として、(X1,Y1)と(X2,Y2)を結ぶ歩行路と点(X3,Y3)の距離Dは下記式より求められる。但し、Xa=X2−X1、Ya=Y2−Y1、Xb=X3−X1、Yb=Y3−Y1、Laは(X1,Y1)と(X2,Y2)の距離と置く。
一般の街路では、並行している2つの街路間の距離が15m以下であることはほとんどないので、前記cosθと距離Dから、同一歩行路の延長上にあることが判別できる。
同一歩行路の延長上での距離は、(X1,Y1)と(X3,Y3)、(X1,Y1)と(X4,Y4)、(X2,Y2)と(X3,Y3)、(X2,Y2)と(X4,Y4)のそれぞれの距離の最大値が、La+Lbより小さいことで、重なっているか、あるいはどの程度離れているのかを判別できる。
これら角度、進行方向に垂直の距離、歩行路延長上の距離の3点によって、同一歩行路であることを判別する。その際の、同一歩行路と判定する閾値は任意に定めて良い。
加速度データは、量が膨大になるため、現状では実用化する上で計算量や通信量を抑制することが求められる。本発明の計測対象歩行路を予め特定しておけば、計算量や通信量を抑えることができる。
例えば、自宅の位置情報を特定し、そこから一定距離以内を測定対象と定めても良い。あるいは、一定期間の歩行経路から、良く歩く歩行路を幾つか特定しても良い。
最初のステップ▲1▼で計測対象を絞れば、計算量、通信量は大幅に削減できる。
継続的に測定できている複数歩行路のデータにおいて、歩行路毎のバランス評価が有意に異なる場合は、悪い方の歩行路データは、歩行路の路面に凹凸等が多くある可能性が高いので破棄する。この際の有意差の判定基準は任意である。
▲7▼評価
同一歩行路における二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比と、その歩行速度、平均歩幅を併せて、時系列で評価する。
上記各二歩時間のバラつき、左右の平均一歩時間比、進行方向と左右方向の加速度の振れ幅の比と、その歩行速度、平均歩幅を時系列のグラフで示し、回帰分析など適当な方法を併用してその変化傾向を示す。また適宜レーダーチャートに表して弱点を示すなど、適宜理解しやすい表現形態を用いても良い。
同一計測条件下での歩行バランスの時系列の比較が可能になるため、視覚的には発見し難いような僅かな歩行バランスの崩れを早期に発見することが可能になる。
(手動計測の場合)
室内の廊下などにおいて手動計測する場合は、▲1▼直線歩行時間(区間)の抽出のところだけを変更する。
計測操作を行ってから、第一歩を踏み出したときに、それ以前に最初に進行方向に加速し始めた時点が歩き始めになる。しかし、これを加速度データで算出するには、一定時間の計測が必要になるので、以下の手順に従う。計測時間は10秒など一定時間以上とする。
計測操作を行った2秒後(携帯端末を保持位置に戻す時間)から一定時間の間に得られる加速度データを前記▲2▼、▲3▼、▲4▼の手続きに従い、重力方向ベクトル、進行方向ベクトル、水平面ベクトルを得て、最初の一歩の荷重応答期を抽出する。
この重力方向ベクトルに基づき、荷重応答期が1秒以上計測されなくなったとき、最後の荷重応答期を歩行終了時とする。
ここで最初と最後の一歩の荷重応答期が確定されるので、その時間帯において▲2▼、▲3▼、▲4▼の手続きを再度行い、進行軸ベクトルが確定する。
最初の一歩の手前1秒間において、前記進行方向ベクトルから、進行方向に加速し始めた時刻を確定する。
通常、歩き始めてから3歩ないし4歩で定速歩行に移行するので、その間の進行方向ベクトルの累積から定速歩行時の歩行速度を算出する。
同様に、歩行終了時の3歩手前を定速歩行終了時刻とする。
その間の定速歩行区間において、▲5▼、▲6▼、▲7▼の手順で歩行バランス評価を行う。
以上において、端末で取得したデータを▲1▼から▲7▼まで解析するにあたり、どこまでを端末で担わせ、残りをサーバで担うかは任意である。
既存の歩数計は、機種によって計測値がかなり異なるのが、一般的な認識である。これは、計測データから加重応答期を判別する際に、測定環境その他のノイズや歩行動作の一時的な乱れ等から、明確な判別ができないような場合の判定アルゴリズムが機種によって異なることに起因していると考えられる。本発明では、そうした明確な計測ができなかった場合のデータは破棄し、同一環境での計測を行うことで、精緻な計測および時系列の比較を可能にした。その結果、歩行バランスの乱れを早期に発見することが可能になり、またバランス回復の評価法も実現する。
人の足裏の感覚は50代から鈍ってくると言われており、多くの人が認識しているよりずっと若いときから歩行バランスが崩れ始めている可能性が高い。本発明は、その早期発見と適切な対処法の効果の確認を可能にして、健康寿命の延伸に寄与する。
人の足裏の感覚は50代から鈍ってくると言われており、多くの人が認識しているよりずっと若いときから歩行バランスが崩れ始めている可能性が高い。本発明は、その早期発見と適切な対処法の効果の確認を可能にして、健康寿命の延伸に寄与する。
10:位置情報センサ、 11:加速度センサ、 12:その他のセンサ、 13:演算、制御、通信部、 20:サーバ、 21:演算、制御、通信部、 22:記録部
Claims (4)
- 歩行時の加速度センサ情報から、一歩時間と、進行方向および左右方向の加速度の振れ幅を算出し、その二歩時間と、左右一歩時間の比と、行方向および左右方向の加速度の振れ幅の比に基づいて、歩行バランスを評価する方法
- 請求項1において、所持位置が自由な携帯端末を用い、自動的に二歩時間と、左右一歩時間の比と、行方向および左右方向の加速度の振れ幅の比を算出するして歩行バランスを評価する方法
- 請求項1および請求項2において、同一歩行路における情報を抽出して、時系列変化に基づいて評価する方法
- 請求項1ないし請求項2に用いる計測機器
Priority Applications (1)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017020754A JP2018118014A (ja) | 2017-01-23 | 2017-01-23 | 歩行バランス評価装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112955751A (zh) * | 2018-08-27 | 2021-06-11 | 椎名一博 | 步行评价系统、步行评价方法及其程序、存储介质、便携终端以及服务器 |
-
2017
- 2017-01-23 JP JP2017020754A patent/JP2018118014A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112955751A (zh) * | 2018-08-27 | 2021-06-11 | 椎名一博 | 步行评价系统、步行评价方法及其程序、存储介质、便携终端以及服务器 |
CN112955751B (zh) * | 2018-08-27 | 2023-10-10 | 椎名一博 | 步行评价系统、步行评价方法、存储介质以及服务器 |
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