以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図81を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図4〜図7はパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図であり、図8はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や球が入球可能な入球口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図9参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。尚、遊技盤13に設けられた多数の入球口の内容については、図2を参照して後述する。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図9参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
具体的には、90%〜100%の発射強度で発射された球は必ず可変表示装置ユニット80の右側の領域を通過し、40%〜50%の発射強度で発射された球は必ず可変表示装置ユニット80の左側の領域を通過するように構成され、50%〜60%の発射強度で発射された球は、殆どが可変表示装置ユニット80の左側の領域を通過し、一部が可変表示装置ユニット80の右側の領域を通過する。また、70%〜90%の発射強度で発射された球は、殆どが可変表示装置ユニット80の右側の領域を通過し、一部が可変表示装置ユニット80の左側の領域を通過するように構成されている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図9参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図9参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が時短大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定される大当たり)に対応した図柄か普通大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される大当たり)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される15R時短大当たり(15R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される5R時短大当たり(5R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない5R通常大当たり(5R時短無大当たり)が用意されている。
また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「5R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことである。また、「5R通常大当たり」は、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
つまり、本パチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に提供される大当たり遊技として、遊技者に最も多くの特典を付与可能な「15R時短大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「5R時短大当たり」と、大当たり遊技のうち最も遊技者に付与される特典が少ない「5R通常大当たり」と、のうち、何れかの大当たり遊技が提供されるように構成されている。これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合であっても付与され得る特典が異なる大当たり遊技のうち、最も多くの特典が付与される大当たり遊技が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容と、に応じて遊技者に付与される特典の大小を定義しているが、これに限ること無く、上述した条件以外を用いて遊技者に付与される特典の大小を定義しても良いし、特典に大小を定義付けることなく、異なる特典が付与されるように大当たり遊技の内容を異ならせるだけでも良い。
また、「時短状態」とは、大当たり終了後に遊技者に付与される付加価値(特典)として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、本実施形態では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
さらに、詳細は後述するが、本実施形態では「時短状態」が終了する条件として、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が第1所定回数(100回)に到達した場合(第1終了条件)、或いは、特別図柄の抽選において小当たりに当選した回数が第2所定回数(例えば、1回)に到達した場合(第2終了条件)の何れかの終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように構成している。このように、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための終了条件を複数用意し、その複数の終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に時短状態から通常状態へと移行させることで、時短状態が終了するタイミングを複数設定することが可能となり、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利な時短状態がいつまで継続するのかドキドキさせながら遊技を行わせることができる。
さらに、本実施形態では特別図柄の抽選において当選し得る小当たりとして、複数の小当たり種別(例えば、小当たりA〜小当たりC)が用意されており、各小当たり種別に対してそれぞれ第2終了条件が成立する回数が異ならせて設定されている。このように構成することで、時短状態中に当選した小当たり回数だけで時短状態が終了するか否かを予測することが困難となるため、遊技者に対して常に緊張感を持たせて時短遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、小当たり遊技中に開放されるV入賞装置650内に特定領域を設け、小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)大当たり(所謂、2種当たり)となるように構成されている(図6参照)。加えて、詳細は後述するが、当選した小当たりの小当たり種別に応じて小当たり遊技中に球が特定領域を通過する期待度(V入賞期待度)が異なるように構成している。そして、各小当たり種別に対して設定される第2終了条件が成立する回数(小当たり回数)を、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行される小当たり種別の方が少なくなるように構成している。
このように構成することで、時短遊技中において小当たりに当選した場合に2種当たりを獲得するためのV入賞期待度と、時短状態が終了するかもしれない不安感とを関連付けることができ、遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動回数に対して、上述した通り第1所定回数(100回)を終了条件(第1終了条件)として設定しているが、特別図柄の変動回数に対してそれ以外の終了条件を設定しても良く、例えば、第1特別図柄のみの変動回数が第3所定回数(例えば、50回)となった場合や、第2特別図柄のみの変動回数が第4所定回数(例えば、80回)となった場合に時短状態の終了条件が成立するように構成しても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への球の入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図9参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される(図10参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図9参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。
つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
即ち、判別条件(第1入球口64或いは第2入球口640への球の入賞)が成立することに基づいて判別手段による判別が実行され(特別図柄の抽選が実行され)、所定の動的表示期間が経過するまで識別情報(第3図柄)が動的表示(変動表示)された後に、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示した表示態様(図柄の組み合わせ)で、識別情報(第3図柄)が停止表示される。これにより、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を把握することで特別図柄の抽選結果を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れといった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、3種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。
また、本実施形態で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる動的表示(変動表示)を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(突出する)ように構成されている。詳細は後述するが、電動役物640aが作動状態に可変されることにより、球が第2入球口640に入球可能となる。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態である場合よりも、時短状態である方が短くなるように設定される。これにより、時短状態中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常状態である場合よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが作動状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短状態中を、第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
さらに、本実施形態では時短状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合には、通常状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合よりも電動役物640aを作動させる期間(電動役物640aを突出させて球が第2入球口640に入球し易くする期間)が長くなるように構成している。これにより、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
なお、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とするための構成は上述した内容に限られる物では無く、例えば、第2図柄の当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすといった構成を用いても良い。また、電動役物640aの作動パターンを異ならせることにより時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始される時点にて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。
なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、図2に示したように可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部(殆ど)が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
なお、本実施形態では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを保留する機能を有していないが、普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過したことを保留する機能を有する場合は、例えば、合計で最大4回まで保留され、その保留球数を示すための第2図柄保留表示手段を遊技者が視認可能な箇所(例えば、第3図柄表示装置81の一部分)に設けると良い。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過したことを保留する機能を有する場合には、その保留数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37a,37bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。
図2に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、本実施形態では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図2の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。本実施形態では図2に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
本実施形態では、図2に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、図2に示した通り、右打ち領域には、その上面が左下方向(図2の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜しているV入賞装置650が配設され、そのV入賞装置650の上面を流下した球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、電動役物640aに向けて流下するように各機構が配設されている。
そして、電動役物640aが待避状態に位置している場合は、待機状態の電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した球が右下方向(図2の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。
さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。
また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。
ここで、図3を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域の構成について説明をする。図3に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図3の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、スルーゲート67を通過した球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図3参照)に流下する。
領域aに到達した球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出位置に位置している場合は電動役物640aの上面を右端位置に向けて球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から20mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、詳細については図45を参照して後述するが、本実施形態では、遊技状態において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されており、遊技状態として通常状態が設定されている状態で電動役物640aが動作する場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する球が領域b(図3参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する球が領域c(図3参照)に到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出位置に位置するように構成されている。
具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置される期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図3に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(本実施形態では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような球は図3に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10は第2入球口640への球の入球を起因(トリガ)として第2特別図柄(特図2)の抽選が実行されるように構成されているが、第2入球口640への球の入球を保留記憶する手段(特図2の抽選を実行する権利を保留記憶する手段)を有していないため、特別図柄の変動が実行されている最中に第2入球口640に球が入球したとしても、入球に応じた賞球(5個)が払い出される特典のみが遊技者に付与される。
上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が5個となるように構成しているため、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得る状態であれば、第2入球口640へ球が入球するほうが一般入賞口63に球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2の抽選および5個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得ない状態(特別図柄変動中)であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)が可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、本実施形態では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
図2に戻り説明を続ける。図3を参照して上述した通り、右打ち遊技により発射された球は、まずV入賞装置650に到達する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。
また、詳細は図25を参照して後述するが、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部(大当たり種別が大当たりDの大当たり)においても、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成している。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図3〜図7を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図3に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図3の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。
本実施形態では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されており(図25参照)、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図6(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、本実施形態ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、本実施形態では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、本実施形態では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
本実施形態では、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目移行の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、詳細は後述するが、本実施形態では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。
つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、本実施形態のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。
さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図4を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図4は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図5は、V入賞装置650の断面図である。図5(c)はV入賞装置650の上面図であり、図5(b)は、V入賞装置650のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図5(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図6を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図6(b)参照)ように構成している。
本実施形態で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、図25を参照して後述する開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図6(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
さらに、本実施形態では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA〜小当たりC)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせることができる。よって、遊技者は小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図7を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図7(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。本実施形態の開閉扉650f1は、図7(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図2参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図7(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図7(b)に示した状態へと移行する。図7(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図7(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図2参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、本実施形態では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に付与される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.5秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(12回)を、小当たり遊技の終了条件入賞個数(10個)よりも多く設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定しまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
図8に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図9参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図49参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、第1枠ボタン22、第2枠ボタン23などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、第1枠ボタン22、第2枠ボタン23(以下、第1枠ボタン22および第2枠ボタン23の両方を示す場合は枠ボタン22と称す。)からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図8参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図49)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図8参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容について図10〜図17を参照して説明する。図10(a)および(b)は本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容を模式的に示した模式図である。第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。図10(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(特別図柄1または特別図柄2)は、「0」から「9」の数字を模した10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本第1実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図10(b)を参照して説明をする。図10(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には、小表示領域Dm2が形成されている。この小表示領域Dm2は、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示される(図11(a)参照)。つまり、本実施形態では、小表示領域Dm2を案内表示領域として用いている。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤13のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本パチンコ機10では、小表示領域Dm2に表示される案内表示態様が可変する場合に、音声出力装置226を用いた音声案内と、ランプ表示装置227を用いた発光案内とが実行されるように構成されている。ここで、音声出力装置226を用いた音声案内としては「右打ち」を示す音声のように小表示領域Dm2に表示される表示内容を示す音声が出力される。
また、ランプ表示装置227を用いた発光案内としては、例えば、「右打ち」を案内する場合には、発光手段として用いられる複数のLED(図示せず)を左側から右側へと順に点灯させるように発光制御する。このように構成することで遊技盤13に設けられた発光手段の点灯パターンを視認することで遊技盤13のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができる。加えて、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)が切り替わったことを第3図柄表示装置81の表示内容だけではなく、音声案内と発光案内とで遊技者に報知することができるため、遊技方向が切り替わったことを遊技者に即座に気付かせることができる。
主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dm1が形成されている。この小表示領域Dm1は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域Dm1において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域Dmにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域Dmで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域Dm1に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、詳細は後述するが小表示領域Dm1は、第1特別図柄の変動表示に対応した第3図柄が表示される特図1変動表示領域Dm1aと、第2特別図柄の変動表示に対応した第3図柄が表示される特図2変動表示領域Dm1bとから形成されている(図11(a)参照)。これにより、主表示領域Dmで表示演出が実行されている場合であっても、何れの特別図柄に対応した第3図柄が変動しているのかを遊技者に対して容易に把握させることができる。なお、本パチンコ機10では、特図1変動表示領域Dm1aと、特図2変動表示領域Dm1bと、それぞれ形成する構成を用いているが、これに限ることなく、小表示領域Dm1に1つの変動表示領域を設け、第1特別図柄と第2特別図柄のうち変動表示中の特別図柄のみを表示するように構成しても良い。
主表示領域Dmにおける正面視右下には小表示領域Dm3が形成されている。詳細は後述するが、この小表示領域Dm3は、パチンコ機10の遊技状態が特定の遊技状態(時短状態)である場合に、その時短状態が終了するか否かを示唆するための状況(状態)表示態様Dm3a(図11(a)参照)が表示される領域である。これにより小表示領域Dm3に表示される状況(状態)表示態様Dm3aによって、時短状態が終了するタイミングを予測させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
さらに、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図10(b)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本第1実施形態では、第1特別図柄の保留球数の最大値が4個で、第2特別図柄は保留球を確保することが出来ないように設定されているので、副表示領域Dsには、第1特別図柄に対応する保留図柄が最大4個表示される。
なお、本実施形態では、保留球数に対応させて保留図柄の表示態様を可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としても良い。また、保留球数の増減に対応してキャラクタの態様を可変させることで視覚的に保留球数の大小を遊技者に報知するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、その他に、遊技者に対して遊技結果(各図柄の抽選結果)を示唆するための遊技結果示唆態様や、主表示領域Dmにて実行されている演出表示の内容を説明するための演出説明態様や、枠ボタン22を操作するタイミングや操作した結果を示すための枠ボタン関連表示態様や、大当たり遊技に関する情報が表示される当たり関連情報表示態様が副表示領域Dsに表示されるように構成されており、副表示領域Dsに表示する内容によって、主表示領域Dmと副表示領域Dsとの表示領域の割合が異なるように設定されている。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後(図柄確定期間経過後)に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。このように、1つの特別図柄に対応した抽選結果が停止表示された後に、その停止表示状態を予め定められた所定期間継続させた後に、次の特別図柄変動を開始するように構成することで、遊技者に対して新たな特別図柄の変動が開始されたことを理解させやすくすることができる。なお、本実施形態では、図柄の変動時間経過後に上述した図柄確定期間を必ず設けるように構成しているが、その詳細な説明を省略する。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64或いは第2入球口640に対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、第2入球口640のいずれにも入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64、第2入球口640のいずれかに対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
図10(b)に示した通り、副表示領域Dsのうち第1表示領域Ds1は、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留図柄を表示する保留表示領域として形成されている。この第1表示領域Ds1には、第1入球口64に球が入賞した際に獲得した入賞情報が記憶された順に(保留記憶されたタイミングが古い順に)、第1保留図柄Dsb、第2保留図柄Dsc、第3保留図柄Dsd、第4保留図柄Dseが表示される。そして、現在実行中の変動に対応した保留図柄が実行中図柄Dsaとして副表示領域Dsの中央位置に表示される。
この第1表示領域Ds1に表示された保留図柄は、実行中の変動表示が終了し、次の変動が開始される場合には、次の変動に対応する保留図柄(図10(b)の正面視で一番右に表示される第1保留図柄Dsb)を消去し、残りの保留図柄(Dsc〜Dse)が右方向にシフトして表示される。そして、消去された第1保留図柄Dsbは実行中図柄Dsaとして表示される。これにより、実行中の変動表示がどの保留図柄に対応した変動表示であるのかを遊技者に報知することができるため、例えば、保留図柄の表示態様を可変させその保留図柄に対応する特別図柄の抽選が大当たりである期待度を高める演出(所謂、先読み演出)を実行した場合において、先読み演出により表示態様を可変させた保留図柄に対応した変動表示が実行されていることを遊技者が容易に認識することができる。
さらに、本実施形態では、第1表示領域Ds1に表示される各保留図柄(第1保留図柄Dsb〜第2保留図柄Dse)が新たな特別図柄変動が開始される場合に移動(シフト)する方向(図10(b)視点で右方向)に実行中図柄Dsaを表示するように構成しているため、保留図柄(第1保留図柄Dsb〜第2保留図柄Dse)と実行中図柄Dsaとを遊技者が一連の並びで把握することができるため、実行中の変動表示がどの保留図柄に対応した変動表示であるのかを遊技者に容易に把握させることができる。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球のみ最大4回まで保留可能に構成したが、保留球数の上限値は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口640への入球も所定数を上限に保留可能に構成しても良いし、第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値と、第2入球口640への入球に対する保留球数の上限値とを異ならせても良く、第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値を第2入球口640への入球に対する保留球数の上限値よりも多くしてもよいし、逆に少なくしてもよい。また、副表示領域Dsにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしても良い。
副表示領域Dsの右側には第2表示領域Ds2が形成されており、主表示領域Dmにて実行される演出(表示演出)の内容を補足するための演出説明が表示される(図11(b)参照)。このように、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される複数の情報、即ち、特別図柄の変動表示に対応した第3図柄の変動表示情報、現在実行されている特別図柄の変動表示に対応する抽選結果が特定の抽選結果(大当たり当選)である期待度を示すための表示演出情報、その表示演出情報の内容を補足する演出説明情報、特別図柄の保留記憶数を示す保留図柄情報、実行中図柄を示す実行中図柄情報等を予め規定されている区画(領域)に表示することで、同時に表示される様々な情報を遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図11〜図17を参照して本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81にて表示される演出内容について説明をする。この第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第1特別図柄または第2特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
なお、第3図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示に対して、共通して変動表示が行われる。また、第1特別図柄よりも遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄は、第1特別図柄よりも優先して、変動表示されるように構成されており、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示することがないように構成されている。
しかしながら、本第1実施形態では第2特別図柄は保留球を確保することが出来ないように設定されているので、実質的には、第1特別図柄の保留球が順に消化されるように特別図柄の変動が実行されるものであるが、例えば、新たな特別図柄の変動を開始させるタイミングにおいて、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動可能な状態となる場合、即ち、第1特別図柄の保留球に対応する新たな変動を開始させるタイミングと、第2入球口640に球が入球(始動入賞)するタイミングと、が一致した場合には、第2特別図柄の変動が優先して実行されるように構成している。
これにより、遊技者に有利な抽選を受ける機会(第2特別図柄の抽選を実行する機会)を、それよりも不利な抽選(第1特別図柄の抽選)が実行されることにより失ってしまうことを確実に防止することができる。
第3図柄表示装置81にて実行される表示演出としては、特別図柄の抽選に基づいて成立し得る様々な内容の成立の有無を示唆する演出が実行される。具体的には、特別図柄の抽選によって大当たりに当選したか否かを示唆する大当たり当選示唆演出や、特別図柄の抽選によって大当たりに当選しなかった(外れに当選した)場合の一部であり、大当たりよりも少ない特典(例えば賞球の払出し)を遊技者に付与する小当たりに当選したか否かを示唆する小当たり当選示唆演出や、特別図柄の抽選結果によって遊技状態が遊技者に有利な時短状態へと移行することを示唆するための遊技状態移行示唆演出や、遊技状態として時短状態が設定されている場合において、特別図柄の抽選結果や特別図柄の変動表示に応じて時短状態が終了することを示唆するための時短状態終了示唆演出などが実行される。
また、特別図柄の抽選結果を示唆する演出(大当たり当選示唆演出、小当たり当選示唆演出等)は、第3図柄表示装置81に第3図柄が変動表示されてから停止表示される第3図柄の組み合わせによって抽選結果が報知されるまでの期間(動的表示期間)を用いた演出が実行されるものであり、例えば、動的表示期間中に第3図柄が大当たりに当選したことを示す停止表示態様(例えば、「777」の組み合わせ)のうち、一部の組み合わせのみを停止表示させたリーチ表示態様(例えば、3つの第3図柄のうち2つの第3図柄のみ「77」で停止表示させ、残りの第3図柄を変動させたままの表示態様)を表示し、その後、リーチ表示態様を示した第3図柄を小表示領域Dm1にて表示した状態で、主表示領域Dmにてストーリー性を持たせた演出を実行し、そのストーリーが正しく完結した場合に第3図柄を「777」で停止表示させる演出を実行する。
なお、上述した例では、第3図柄の組み合わせの一部を、抽選結果が当たり(大当たり)であることを示す組み合わせと合致する態様で停止表示させた状態をリーチ表示態様としているが、それ以外の表示態様をリーチ表示態様としても良く、例えば、第3図柄のうちの一部の図柄を、リーチ状態を示すための専用の表示態様で表示したり、第3図柄のうち、一部の組み合わせを、大当たりに当選したことを示す組み合わせでは無く、リーチ状態を示すための専用の表示態様で表示したりしても良い。このようにリーチ状態が成立していることを第3図柄の一部の停止表示態様を確認することで遊技者が把握することができるように構成することで、遊技者に対して大当たりに当選したことに対する期待感を徐々に高めさせることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本パチンコ機10では、特別図柄の抽選結果を示唆する演出として、複数の特別図柄変動を跨いで実行される連続演出を設定可能に構成している。この連続演出は、球が第1入球口64に入球した際に取得した各種カウンタ値(抽選結果)を示すための入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信した際に、その入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動の抽選結果を、その特別図柄変動に対応する変動表示が実行されるまでの期間(対象となる特別図柄変動よりも前に実行される特別図柄変動に対応した変動表示が実行される期間)を用いて、遊技者に示唆するための演出である。
このように、対象となる特別図柄の抽選結果を、その対象となる特別図柄よりも前に実行される特別図柄の変動期間を用いて示唆することで、遊技者に対してより長期間の演出を提供することができ演出効果を高めることができる。また、特別図柄の抽選結果(例えば、外れ)を、毎変動強調表示することなく、連続演出を実行することができるため、遊技者の遊技意欲が低下する事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本第1実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを示唆するための演出以外に、特別図柄の抽選回数(変動回数)に応じて遊技状態が移行されることを示唆する演出(時短状態終了示唆演出)も実行するように構成されている。この時短状態終了示唆演出は、パチンコ機10の遊技状態が時短状態である場合に継続して実行される演出であり、特別図柄の抽選回数(特別図柄変動が実行される回数)や、特別図柄の抽選結果が特定抽選結果(例えば、小当たり当選)となった回数に応じて時短状態が終了する可能性を示唆するための演出である。
ここで、上述した時短状態終了示唆演出の演出内容について説明をする。本実施形態のパチンコ機10は、図2に示した通り、第2入球口640に電動役物640aが付設されており、電動役物640aの動作状態(可変状態)に応じて第2入球口640に球が入球し難い状態(第1状態)と球が入球し易い状態(第2状態)とが設定されるように構成している。さらに、第2入球口640に球が入球したことに基づいて第2特別図柄の抽選が実行され、小当たりに当選した場合には、V入賞装置650を開放する小当たり遊技が実行される。V入賞装置650内にはV入賞装置650に入賞した球が通過し得る特定領域として特別排出流路650e2を有しており、球が特別排出流路650e2を通過(流下)したことをVスイッチ650e3が検知した場合に大当たり(2種当たり)が設定されるように構成している。そして、遊技状態として設定される時短状態は、電動役物640aが第2状態(第2入球口640に球が入球し易い状態)へと動作(可変)し易くなる遊技者に有利な遊技状態となるため、時短状態中は第2入球口640に球を入球させる右打ち遊技が行われる。
上述したように遊技者に有利となる時短状態は、終了条件(時短終了条件)が成立した場合に終了するように構成されている。詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄抽選において大当たりに当選した場合、特別図柄抽選に基づく特別図柄変動が所定回数(例えば、100回)実行された場合、特別図柄抽選により所定回数(例えば3回)小当たりに当選した場合の何れかの条件が成立した場合に時短状態が終了する(遊技状態が時短状態から通常状態へと移行する)ように構成している。
このように、複数の時短終了条件を設定可能とすることにより、遊技者に有利な時短状態がどれくらい継続するのかを遊技者に把握させ難くすることができる。一方で、時短終了条件の成立の有無や、時短終了条件の成立に向けて更新される時短情報(例えば、時短状態中に当選した小当たりの回数を示す情報)を遊技者に何ら示唆(報知)しないと、遊技者に有利な時短状態が急に終了してしまい、遊技者に不満感を与えてしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、時短状態中において、時短終了条件の成立の有無や、時短終了条件の成立に向けて更新される時短情報(例えば、時短状態中に当選した小当たりの回数を示す情報)を時短状態終了示唆演出として遊技者に示唆(報知)することで、遊技者に対して時短状態が継続して設定される期間を予測させながら遊技を行わせることができるように構成している。これにより、遊技者に有利な時短状態が急に終了してしまい、遊技者に不満感を与えてしまうという問題が発生することを抑制することができる。
加えて、上述した時短終了条件には、遊技者にとって有利な時短終了条件(大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件)と、それ以外の不利な時短終了条件が設定されていることから、時短状態中に実行される時短状態終了示唆演出では、単に時短終了条件の成立の有無や、時短終了条件の成立に向けて更新される時短情報(例えば、時短状態中に当選した小当たりの回数を示す情報)に基づいた演出を実行するのではなく、成立する時短終了条件や成立し易い時短終了条件が遊技者に有利なものか否かを判別し、その判別結果にも基づいた演出を実行するように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して時短状態が終了するタイミングが近づいているか否かを予測させるだけではなく、遊技者にとって有利な時短終了条件が成立するか否かを予測させることができるため、実行される演出(時短状態終了示唆演出)に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄抽選で小当たりに当選した場合に、複数種類の小当たり遊技が実行されるように構成しており、実行される小当たり遊技に応じて(設定される小当たり種別に応じて)、小当たり遊技中に2種当たりが設定される期待度を異ならせている。そして、上述した時短終了条件のうち、特別図柄抽選で小当たりに所定回数当選したことに基づいて成立する時短終了条件として、小当たり当選時に設定される小当たり種別毎にそれぞれ回数(時短終了条件が成立する当選回数)を設定するように構成している。
このように構成することで、特別図柄の小当たり当選により時短終了条件が成立した場合において、今回成立した時短終了条件が遊技者に有利な時短終了条件(2種当たりし易い小当たり種別が設定されたことにより成立した時短終了条件)なのか、遊技者に不利な時短終了条件(2種当たりし難い小当たり種別が設定されたことにより成立した時短終了条件)なのかを時短状態終了示唆演出により遊技者に示唆(報知)することができる。よって、小当たりに当選したことにより時短終了条件が成立する場合であっても、時短状態終了示唆演出にて実行される演出を遊技者に注視させることができる。
加えて、上述した小当たり種別毎に設定される回数(小当たり種別毎に設定される時短終了条件成立回数)は、各小当たり種別の2種当たり期待度に応じて異なる回数が設定されるように構成している。具体的には、2種当たり期待度の高い小当たり種別(例えば、小当たりA)のほうが、2種当たり期待度の低い小当たり種別(例えば、小当たりC)よりも少ない当選回数で時短終了条件が成立するように構成している。
このように構成することで、例えば、時短状態が設定された直後に時短状態終了示唆演出にて、特別図柄の小当たり当選に基づいて時短状態が終了する、或いは、時短状態が終了する直前まで時短情報が更新されたことを示す演出が実行された場合に、今回当選した小当たりは2種当たり期待度が高い小当たりなのではと遊技者に予測させることが可能となる。つまり、時短状態終了示唆演出の演出内容と、時短状態が継続している期間とに基づいて遊技者に様々な遊技結果を予測させることができ演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では遊技者にとって有利な時短終了条件として、上述したように大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件と、小当たり遊技のうち2種当たりし易い小当たり種別が設定された場合に成立する時短終了条件を設けているが、これに限ることはなく、複数ある時短終了条件のうち、その時短終了条件が成立した場合に他の時短終了条件が成立した場合よりも遊技者に有利となるもので有れば良い。例えば、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に到達し、時短終了条件が成立した場合に、それ以降に実行される特別図柄抽選が遊技者に有利となる特別状態が設定される機能を有した遊技機においては、遊技者に有利な時短終了条件を、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)となった場合に成立する時短終了条件とすれば良い。
具体的には、例えば、特別図柄の大当たりに当選し易い特別図柄高確率状態、或いは、それよりも大当たりに当選し難い特別図柄低確率状態の何れかを設定し、普通図柄の当たりに当選し易い普通図柄高確率状態、或いは、それよりも当たりに当選し難い普通図柄低確率状態の何れかを設定することで、設定される複数の遊技状態として、通常状態(特別図柄低確率状態、普通図柄低確率状態)と、確変状態(特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態)と、時短状態(特別図柄低確率状態、普通図柄高確率状態)と、潜確状態(特別図柄高確率状態、普通図柄低確率状態)と、の4つの遊技状態を設け、各遊技状態における遊技者の有利度合いとして、少なくとも、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に有利となるように構成する。
そして、確変状態が設定されている状態において、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に到達し、時短終了条件が成立した場合にのみ、普通図柄高確率状態から普通図柄低確率状態へと移行することで、潜確状態が設定されるように構成する。このように構成することで、確変状態が設定されている状態において大当たりに当選し、その大当たり終了後に潜確状態以外の遊技状態が設定されるよりも、確変状態が設定されている状態で大当たりに当選することなく、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に到達したことにより時短終了条件が成立し、潜確状態が設定されたほうが遊技者に有利な遊技状態を提供することができる。
なお、上述した例では、遊技状態として遊技者に有利となる潜確状態が設定される条件を、確変状態が設定されている状態で特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を満たした場合のみとすることで、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を、遊技者に有利な時短終了条件としているが、それ以外にも、上述した例の構成に、確変状態が設定されている状態で特別図柄の大当たりに当選した場合のごく一部(例えば、1%)で潜確状態が設定される構成を追加しても良い。
これにより、確変状態が設定されている状態において、特別図柄の大当たりに当選する場合も、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合も、遊技者に有利となる潜確状態を設定し得ることになるが、この場合は、潜確状態が設定され易い時短終了条件のほうが遊技者に有利な時短終了条件となる。
図11〜図15を参照して、本実施形態において時短状態終了示唆演出中の第3図柄表示装置81の表示内容について具体的に説明をする。図11(a)は、特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり後に時短状態が設定された場合における表示内容を模式的に示した模式図である。図11(a)に示した通り、時短状態が設定されると、主表示領域Dmに時短状態が設定されたことを示す「ドキドキラッシュ突入」の文字が表示される。この「ドキドキラッシュ」は時短状態が設定されている期間に対応して実行される演出であり、遊技者に現在の遊技状態が時短状態であることを示すための報知態様となる。
そして、小表示領域(案内表示領域)Dm2には時短状態中に実行すべき遊技を案内するために「右打ち」の文字が表示され、時短状態中は右打ち遊技を行うことが報知される。また、ドキドキラッシュ中は小表示領域Dm1にて第3図柄が表示され、主表示領域Dmの中央部では少年を模したキャラクタ801(図12(a)参照)が宝箱802(図12(a)参照)を探す演出が実行される。図11に戻り説明を続ける。主表示領域Dmの小表示領域Dm3には、時短状態が終了するか否かを示唆するための状況(状態)表示態様Dm3aが表示される。この状況(状態)表示態様Dm3aは、現在実行されている特別図柄変動に対応する特別図柄抽選が大当たりに当選しているか否か、及び、現在実行されている特別図柄変動に基づいて時短状態が終了するか否か、或いは、現在実行されている特別図柄変動に基づいて時短状態が終了する条件に対する情報が更新されたか否かの判別結果に応じて様々な表示態様(図15参照)に可変されるように構成している。
図11(a)では、現在実行されている特別図柄変動が大当たり及び小当たりに当選していないことを示す表示態様「表示態様1」(図15参照)が表示されている。なお、図11(a)に示した表示画面は、大当たり終了後に時短状態が設定された場合であって、大当たり当選時に既に保留記憶されていた第1特別図柄の変動が実行されている状態であるため、小表示領域Dm2のうち特図1変動表示領域Dm1aにて第1特別図柄の変動表示に対応した第3図柄が表示され、実行中図柄Dsaとして第1特別図柄に対応した保留図柄の表示態様「丸印」が表示されている。
ここで、大当たり当選時に既に保留記憶されていた第1特別図柄(保留図柄)内に大当たりに当選する保留図柄が存在していた場合の表示画面について図11(b)を参照して説明をする。図11(b)は、大当たり後に時短状態が設定された場合において、大当たりに当選した保留図柄が存在する場合における表示内容を模式的に示した模式図である。図11(b)では、第1保留図柄Dsbに対応する入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれており、小表示領域Dm3には特別図柄当たり(図柄当たり)することを示す表示態様「表示態様3」(図15参照)が状況表示態様Dm3bとして表示される。
そして、第2表示領域Ds2には、状況表示態様Dm3bの内容を示す「期待してね」の文字が表示される。さらに、図11(b)で示した状態は時短状態が設定された直後(時短状態が設定されてから特図1変動が3回実行された後)に大当たりに当選するため、上述した時短状態中に実行されるドキドキラッシュを実行することなく、図11(b)に示した表示画面を維持したまま大当たりに当選するように設定している。このように構成することで、ドキドキラッシュが短期間だけ実行されてしまうことを抑制することができる。
この場合、主表示領域Dmには「ドキドキラッシュ突入?」という通常(図11(a)参照)とは異なる態様の表示画面(時短状態中演出開始画面)が表示される。なお、図11(b)に示した表示画面を、例えば、大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される場合にも表示するように構成すると良い。これにより、大当たり遊技終了後に図11(a)に示した「ドキドキラッシュ突入!!」の表示態様が表示された場合は、時短状態が設定されたことを遊技者に確実に報知することができ、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、大当たり遊技終了後に図11(b)に示した「ドキドキラッシュ突入?」の表示態様が表示された場合は、大当たり遊技終了後に通常状態が設定された、或いは、保留内で大当たりに当選することの何れかであることを遊技者に報知することができ、遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、上述した構成以外にも、大当たり遊技終了後に存在する保留図柄内に大当たりに当選する入賞情報があるか否かを判別する判別手段を設け、その判別手段により大当たりに当選する入賞情報があると判別した場合には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(通常状態或いは時短状態)に関わらず同一の表示態様(例えば、「大チャンス」の文字)を表示するように構成しても良い。さらに、上述した判別手段により判別された大当たり情報を解析し、解析された大当たり情報(先読み大当たり情報)に対応する大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技終了後の表示態様を設定するように構成しても良い。
この場合、例えば、先読み大当たり情報に対応する大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されると判別した場合は、大当たり遊技終了後の表示態様として「ドキドキラッシュ突入!!」の文字(即ち、時短状態に突入したことを報知する表示態様)を表示し、先読み大当たり情報に対応する大当たり遊技の終了後に通常状態が設定されると判別した場合は、大当たり遊技終了後の表示態様として「ドキドキラッシュ突入?」の文字(即ち、時短状態に突入したことを報知しない表示態様)を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、今回の大当たり遊技終了後に存在する保留図柄内に大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合は、今回の大当たり遊技終了後に設定される遊技状態ではなく、保留図柄に含まれる大当たり(次の大当たり)に対応する大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態に基づいて今回の大当たり遊技終了後に表示される表示態様を設定することができる。よって、例えば、今回の大当たり遊技終了後に遊技者に有利な時短状態が設定され、その時短状態中に保留図柄に含まれていた大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態よりも遊技者に不利な通常状態が設定される場合には、遊技者に対して時短状態が設定されたことを報知しない表示態様が表示されるため、遊技者に有利な時短状態が短期間で終了してしまい遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、小表示領域Dm3に表示される状況表示態様の表示態様について図15を参照して説明をする。図15は小表示領域Dm3に表示される状況(状態)表示態様Dm3aの種別を説明するための模式図である。本実施形態では図15に示した通り、9種類の状況表示態様を小表示領域Dm3に表示することができるように構成されており、変動中の特別図柄の抽選結果(大当たり当選、小当たり当選)や、成立することで時短状態が終了する時短終了条件に対して特別図柄が変動することにより更新される内容(小当たり当選回数、特別図柄変動回数)に応じて状況表示態様が設定され小表示領域Dm3に表示される。
これにより、小表示領域Dm3に表示される状況表示態様を把握することで実行中の特別図柄変動によって時短状態がどのように進行していくのかを遊技者に予測させることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
小表示領域Dm3に表示される状況表示態様について具体的に説明をすると、「表示態様1(1番目の表示態様)」は、「白色の丸印」で表示される(図11(a)参照)表示態様である。この「表示態様1」は、大当たりに当選することなく、且つ、時短状態が終了する条件、及び時短状態が終了する条件に関する内容(例えば、特別図柄変動回数や小当たり当選回数)が所定段階まで更新されていない場合に設定される表示態様である。この「表示態様1」が表示された場合は、今回の特別図柄変動で時短遊技(時短状態)が終了しないことを確認でき、遊技者は安心して次以降の特別図柄変動に期待することができる。
次に、「表示態様2(2番目の表示態様)」は、「黒色の丸印」で表示される表示態様である。この「表示態様2」は、小当たりに当選したことを示し、且つ、時短状態が終了する条件、及び時短状態が終了する条件が所定段階まで更新されていない場合に設定される表示態様である。ここで、本実施形態は上述したように小当たり遊技を契機に大当たり(2種当たり)が設定されるように構成しており、実行される小当たり遊技の内容(当選した小当たりの小当たり種別)に応じて2種当たりが設定される期待度(小当たり遊技中にVスイッチ650e3が球を検出する確率)が異なるように構成されている。
この「表示態様2」は、小当たりに当選したことを遊技者に報知するものであるが、当選した小当たりの小当たり種別までを報知するものでは無いため、遊技者は今回当選した小当たりの小当たり種別が2種当たりを設定し易い小当たり種別(例えば、小当たりA)であることを期待しながら遊技を行うことになる。また、小当たりに当選したことにより時短状態の終了条件が更新(所定段階に到達する前段階の範囲で更新)される可能性を感じながら遊技を行うことになるため、緊張感を持たせて遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、上述したように複数の小当たり種別を、2種当たりが設定され易い小当たり種別(小当たりA)と、小当たりAよりも2種当たりが設定され難い小当たり種別(小当たりB、小当たりC)と設定し、小当たり当選に基づいて成立し得る時短状態の終了条件(時短終了条件)として、2種当たりが設定され易い小当たり種別ほど少ない当選回数が設定されるように構成している。つまり、複数の小当たり種別のそれぞれに対して、遊技者への有利具合に応じて時短終了条件を異ならせて設定するように構成しており、遊技者に有利な抽選結果ほど時短終了条件が成立し易くなるように構成している。
よって、例えば、時短状態が設定された直後に「表示態様2」が表示された場合は、全ての小当たり種別の何れかに当選したと予測し、時短状態が設定されて所定期間が経過した後(時短状態中に既に小当たりに複数回当選した後)に「表示態様2」が表示された場合は、時短終了条件として当選回数が多く設定されている小当たり、即ち、2種当たりが設定され難い小当たり種別が設定された小当たりに当選したと予測することができる。このように、小表示領域Dm3に表示される表示態様の種別と、時短状態の経過期間とに基づいて今回の特別図柄の抽選結果を詳細に予測することができるため、遊技者に予測する楽しみを提供することができる。
「表示態様3(3番目の表示態様)」は、「白い丸を用いた太陽印」で表示される表示態様である(図11(b)参照)。この「表示態様3」は、特別図柄の大当たり(図柄当たり)に当選したことを示す表示態様である。これにより、本実施形態のように複数の契機で大当たり(大当たり遊技)が設定される場合において、大当たり(大当たり遊技)が設定された契機を遊技者に分かり易く報知することができる。
「表示態様4(4番目の表示態様)」は、「白い丸の中にチャンスの文字」で表示される表示態様である(図14(a)参照)。この「表示態様4」は、小当たり種別として小当たりB或いは小当たりC(即ち、2種当たりの期待度が低い小当たり)に当選し、且つ、時短状態が終了する条件、及び時短状態が終了する条件が所定段階まで更新される場合に設定される表示態様である。
「表示態様5(5番目の表示態様)」は、「白い丸の中にラストチャンスの文字」で表示される表示態様である(図13(a)参照)。この「表示態様5」は、小当たりに当選し、且つ、時短状態が終了する条件が成立した場合に設定される表示態様である。この「表示態様5」が表示されることにより、遊技者に対して時短条件が終了したことが報知される。
このように構成することで、今回当選した小当たりに対応する小当たり遊技にて2種当たりを獲得しないと時短状態が終了してしまうことを、小当たり遊技が実行されるよりも前の段階(小当たりに当選したことを示す特別図柄が停止表示されるよりも前の段階)にて遊技者に報知することができるため、遊技者に対していつも以上に意欲的に小当たり遊技を行わせることができる。
「表示態様6(6番目の表示態様)」は、「白い丸の中に大ピンチの文字」で表示される表示態様である(図14(b)参照)。この「表示態様6」は、小当たり種別として最も2種当たり期待度が低い小当たりCに当選し、且つ、時短状態が終了する条件が成立した場合に設定される表示態様である。「表示態様6」は、小当たり(小当たりC)に当選したことにより時短状態が終了してしまうことを遊技者に示唆するためのものである。このように、今回の特別図柄変動が時短状態中の再度の時短変動であることを遊技者に示唆することにより、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が急に終了し、遊技者を困惑させてしまう事態が発生することを抑制することができる。
「表示態様7(7番目の表示態様)」は、「白い丸の中に激アツの文字」で表示される表示態様である。この「表示態様7」は、小当たり種別のうち、最も2種当たり期待が高い小当たりAに当選し、且つ、時短状態が終了する条件が成立する場合に設定される表示態様である。
なお、本第1実施形態では、小当たりに当選した場合に成立し得る時短終了条件(当選回数終了条件)として、最も2種当たり期待度が高い小当たりAに対して「1回」が設定される場合があるため、「表示態様7」の説明として、時短状態が終了する条件が成立する場合に設定するものであると説明しているが、これに限ること無く、複数の小当たり種別のうち、最も2種当たり期待度が高い小当たりAに当選したことのみを示すための表示態様として用いても良い。
「表示態様8(8番目の表示態様)」は、「白い丸の中に終了の文字」で表示される表示態様である。この「表示態様8」は、大当たり及び小当たりに当選することなく、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件(変動回数終了条件)を満たした場合に設定される表示態様である。この「表示態様8」を表示することにより、確実に時短状態が終了するタイミングを遊技者に報知することができる。
なお、本第1実施形態では、時短状態が終了する条件として当選回数終了条件と変動回数終了条件とが同一の特別図柄変動(抽選)で成立する場合には、変動回数終了条件が成立したと判別するように構成している。つまり、変動回数終了条件が成立した特別図柄変動において、小当たりAに当選した場合には、小表示領域Dm3に「表示態様8」が表示されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、時短状態が終了したと思わせた後に、小当たりに当選していたことを報知することができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
「表示態様9(9番目の表示態様)」は、「白い丸の中に?の文字」で表示される表示態様である。この「表示態様9」は、特別図柄の抽選結果や時短状態の更新情報に関わること無く設定される表示態様である。この「表示態様9」は、特別図柄の抽選結果や、時短状態の進捗状況に関わらず、所定の抽選により設定される表示態様である。このように、遊技状態や遊技状況について何ら遊技者に報知し得ない表示態様を設定可能にすることで、遊技者に対して、特別図柄変動が実行される度に、今回の特別図柄変動に関する情報(更新情報)を提供する必要が無くなる。
なお、本第1実施形態では、「表示態様9」を表示することにより、遊技者に対して時短状態中における遊技内容を分かり難くさせる(把握させ難くさせる)ように構成しているが、これ以外にも、小表示領域Dm3に表示態様1〜9を表示させるか否かを判別する判別手段を設け、その判別結果に基づいて、表示内容を決定するように構成も良い。
次に、図12を参照して、時短状態中に第3図柄表示装置にて実行されるドキドキラッシュの内容について説明をする。図12(a)は、遊技状態として時短状態が設定されている期間中に実行されるドキドキラッシュの演出内容の一例を示した模式図であって、小当たり種別として小当たりAが設定された小当たりに当選している第2特別図柄が変動している最中に表示される演出内容の一例を示した模式図である。
図12(a)に示した通り、小表示領域Dm1では、特図2変動表示領域Dm1bにて第2特別図柄に対応する第3図柄が変動表示され、実行中図柄Dsaとして第2特別図柄(特図2)を示す「三角印」が表示されている。この状態は、図11(a)に示した時短状態において保留記憶されている第1特別図柄(特図1)を全て消化した後に(新たに実行される特別図柄の保留記憶が無い状態で)、右打ち遊技によって発射された球が第2入球口640に入球したことを起因(トリガ)に第2特別図柄の変動が開始された場合を示した状態である。
詳細は後述するが、本実施形態では小当たりAが設定される小当たりに1回当選すると時短終了条件(当選回数終了条件)が成立するように構成しているため、今回の特別図柄変動によって、小当たりに当選し、且つ、時短終了条件が成立したことを示す状況(状態)表示態様Dm3aとして、「表示態様5」が表示され、第2表示領域Ds2には、小当たりに当選したことを示唆する「宝箱発見」の文字が表示される。
そして、第2特別図柄の変動時間(動的表示期間)が経過し、第2特別図柄が小当たりを示す図柄で停止表示すると、第3図柄表示装置81の表示画面には図12(b)に示した表示内容が表示される。図12(b)は、図12(a)にて変動表示中の第2特別図柄が停止表示した際における表示内容を模式的に示した模式図である。図12(b)に示した通り、小表示領域Dm1の特図2変動表示領域Dm1bには第2特別図柄の抽選結果(小当たり)を示すための組み合わせ「341」で第3図柄が停止表示され、主表示領域Dmには宝箱802が拡大表示され、第2表示領域Ds2には今後の演出の展開を案内するための「(宝箱の)中身は・・・」の文字が表示される。
この宝箱802は直後に実行される小当たり遊技の遊技結果を示す際に用いられるものであり、小当たり遊技の結果に応じて宝箱802の開放を成功したり、失敗したりする演出が実行される。なお、小当たり遊技の結果に応じて実行される演出の内容については、図13(a)、および図13(b)を参照して後述する。
ここで、図13(a)を参照して、小当たりAが設定された小当たり遊技中に2種当たりを獲得した場合における演出内容について説明をする。図13(a)は、時短状態中に実行された小当たりAが設定された小当たり遊技において2種当たりを獲得した(V入賞した)場合の表示内容を模式的に示した模式図である。図13(a)に示した通り、小当たり遊技中にV入賞した場合(V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下し、Vスイッチ650e3が球を検知した場合)には、宝箱802の開放に成功した演出が実行され、大当たり遊技が設定されることを示すV表示803が表示される。そして、第2表示領域Ds2に大当たり(2種当たり)を獲得したことを示す「大当たり」の文字が表示される。
一方、小当たりAが設定された小当たり遊技中において2種当たりを獲得出来なかった場合は、図13(b)に示した表示画面が表示される。図13(b)は、時短状態中に実行された小当たりAが設定された小当たり遊技において2種当たりを獲得しなかった(V入賞しなかった)場合の表示内容を模式的に示した模式図である。上述したように本実施形態では、小当たりAが設定された小当たりに1回当選することで時短状態の終了条件が成立するように構成されているため、小当たりAの小当たり遊技にてV入賞できなかった場合は、時短状態が終了し通常状態が設定される。
よって、図13(b)に示した通り、小当たりAの小当たり遊技にてV入賞できなかった場合は、宝箱802が爆発した失敗表示態様803が表示され、第2表示領域Ds2に時短状態が終了することを示す「残念、ラッシュ終了」の文字が表示される。この画面が表示された後は、小表示領域Dm2に通常状態に応じた遊技案内として「左打ち」の文字が表示され、通常状態に対応した画面が表示される。
次に、時短状態中に小当たりBが設定された小当たりに当選した場合における演出について図14(a)を参照して説明をする。図14(a)は、時短状態中において小当たりBが設定された小当たりに初めて当選した場合の表示内容を模式的に示した模式図である。詳細は図21(d)を参照して後述するが、本実施形態では時短状態が終了する時短終了条件の1つとして、「小当たりBが設定された小当たりに3回当選」を設定可能に構成している。ここで、時短状態中に小当たりBが設定された小当たりに初めて当選した場合には、図14(a)に示した通り、小表示領域Dm3には表示態様4が表示され、主表示領域Dmに宝箱804が表示される。
この宝箱804は図12(b)に示した宝箱802と表示態様が異ならせてあり、今回当選した小当たりにおける2種当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成している。具体的には、2種当たり期待度が高い小当たり(小当たりA)に当選したほうが、豪華な表示態様の宝箱(宝箱802)が表示され易くなるように構成している。これにより、小表示領域Dm3に表示される状況(状態)表示態様Dm3aの表示態様と、主表示領域Dmに表示される宝箱の表示態様とによって遊技者に2種当たり期待度を予測させることができる。
図14(a)の表示画面が表示された後に実行される小当たり遊技(小当たりBに対応する小当たり遊技)において、V入賞した場合は、図13(a)と同様の演出表示画面が表示され(開放される宝箱の表示態様が宝箱804に変更される点のみ相違)、一方、V入賞しなかった場合は、開放した宝箱804の中身が空であることを示す演出表示画面が表示され、その後、図12(a)に示した表示画面が表示され、少年801が再度宝箱を探す演出が実行される。
次に、時短状態中に小当たりCが設定された小当たりに当選した場合における演出について図14(b)を参照して説明をする。図14(b)は、時短状態中において小当たりCが設定された小当たりに5回当選した場合の表示内容を模式的に示した模式図である。詳細は図21(d)を参照して後述するが、本実施形態では時短状態が終了する時短終了条件の1つとして、「小当たりCが設定された小当たりに5回当選」を設定可能に構成している。ここで、時短状態中に小当たりCが設定された小当たりに5回当選した場合には、図14(b)に示した通り、小表示領域Dm3には表示態様6が表示され、主表示領域Dmに宝箱805が表示される。
この宝箱805は、上述した宝箱802,804bと表示態様が異ならせてあり、今回当選した小当たりにおける2種当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成している。具体的には、2種当たり期待度が最も低い小当たり(小当たりC)に当選したほうが、貧相な表示態様の宝箱(宝箱805)が表示され易くなるように構成している。これにより、小表示領域Dm3に表示される状況(状態)表示態様Dm3aの表示態様と、主表示領域Dmに表示される宝箱の表示態様とによって遊技者に2種当たり期待度を予測させることができる。
即ち、図14(b)に示した表示画面が表示された場合は、2種当たり期待度が最も低い小当たり(小当たりC)に当選したことにより時短終了条件が成立した可能性が高くなることから、遊技者はこの後に実行される小当たり遊技において、V入賞することを祈りながら遊技を行うことになる。
以上、説明をしたように、本実施形態は時短状態中に実行される特別図柄の抽選(変動)に基づいて成立し得る時短終了条件を複数設定可能に構成しており、設定された複数の時短終了条件の成立の有無や、時短終了条件が成立するまでの更新状況に基づいて時短状態の状況を遊技者が把握可能な演出(状況(状態)表示態様Dm3aの表示)を実行することができるため、複数の時短終了条件を設定した場合であっても、急に時短状態が終了してしまい遊技者が困惑してしまう事態を抑制することができる。
次に、図16および図17を参照して、本実施形態のパチンコ機10において小当たり遊技中に第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明をする。図16(a)は、小当たり種別として小当たりAが設定されている小当たり遊技が実行されてから所定期間経過した時点で2種当たりの権利を獲得していない場合に表示される表示画面の一例を示した模式図であり、図16(b)は、小当たり種別として小当たりAが設定されている小当たり遊技が実行されてから所定期間経過後に2種当たりの権利を獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。また、図17(a)は、小当たり種別として小当たりB又はCが設定されている小当たり遊技が実行されてから所定期間経過した時点で2種当たりの権利を獲得していない場合に表示される表示画面の一例を示した模式図であり、図17(b)は、小当たり種別として小当たりB又はCが設定されている小当たり遊技が実行されてから所定期間経過後に2種当たりの権利を獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。
本第1実施形態では、小当たり遊技中にV入賞装置650の開閉扉650f1を12回開放させる小当たり遊技を実行するように構成しており、且つ、5回目或いは10回目の開放タイミングにおいて、Vスイッチ650e3が球を検知していない場合に指示コマンドを出力するように構成している(図54のS1609参照)。この指示コマンドを受信したと判別した場合は、第3図柄表示装置81に、V入賞装置650に球を入賞させることを強調して案内する強調案内表示態様(図16(a)参照)を表示させるための表示用指示コマンドを設定する。
そして、強調案内表示態様が表示されている状態でVスイッチ650e3が球を検知すると、図16(b)に示した通り、遊技者を祝福するための達成表示態様を表示させるための表示用達成コマンドを設定する。つまり、本実施形態では小当たり遊技が実行されV入賞装置650の開放動作が実行された状態であれば、右打ち遊技を行うことで確実に球がV入賞装置650に入賞するように構成されており、且つ、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球は、Vスイッチ650e3が設けられている特別排出流路650e2へと流下するように構成している。このように構成されているにも関わらず、開閉扉650f1の5回目の開放タイミングにおいてVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、小当たり遊技が開始された場合に第3図柄表示装置81の案内表示領域Dm2(図10(b)参照)に右打ちを案内する表示に気付かずに、左打ち遊技を実行している。或いは、遊技を止めていることが考えられる。
このような場合において、案内表示領域Dm2に表示される右打ちを案内する表示をより強調した表示に可変することで、遊技者に右打ち遊技を行わせ易くすることができる。さらに、強調案内表示態様(図16(a)参照)を表示させるタイミングとして、第3図柄表示装置81に強調案内表示態様が表示されてから右打ち遊技を行った場合に、その右打ち遊技で発射された球が小当たり遊技中にV入賞装置650に到達するタイミングとしている。よって、強調案内表示態様Dy1の表示に従って右打ち遊技を実行した遊技者が小当たり遊技中に特別排出流路650e2に球を流下させられない事態を抑制することができる。
さらに、本第1実施形態では、当選した小当たり種別によって、2種当たりとなる期待度が異なるように構成されており、2種当たり期待度の高い小当たり遊技(小当たりA)が実行されている場合と、2種当たり期待度の低い小当たり遊技(小当たりB,C)が実行されている場合とで、5回目、或いは、10回目の開放タイミングにおいて実行される演出表示の内容を異ならせている。
<第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図18を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタC5と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図37参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図51参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1入球口64への入球に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aが設けられており、このエリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄保留球実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。なお、本実施形態では第2入球口640への入球を保留して格納する構成、および、スルーゲート67を通過したことを保留して格納する構成を有していないが、それらの構成に対しても、所定数(例えば、4つ)の保留エリア(保留第1〜第4エリア)として、特別図柄2保留球格納エリアや普通図柄保留球格納エリアを設けても良い。
続けて、図18を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図37参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図51参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄保留球実行エリアに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
また、この第1当たり乱数テーブル202aには、第1特別図柄用の特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2特別図柄用の特別図柄2乱数テーブル202a2との2種類が設けられており、大当たりとなる乱数の個数は同一であるが、小当たりとなる乱数の個数を異ならせて設定している(図20参照)。このように、小当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者への特典(大当たり又は小当たり)付与に対する期待度を異ならせることができる。この特別図柄1乱数テーブル202a1と、特別図柄2乱数テーブル202a2とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図20を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図20(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図20(b)は、特別図柄1乱数テーブル202a1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図20(c)は、特別図柄2乱数テーブル202a2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)と小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。
具体的には、第1特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄1乱数テーブル202a1が参照される。図20(b)に示した通り、特別図柄1乱数テーブル202a1は、乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第1特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0〜4」のいずれかである場合に大当たりであると判別される。
第2特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄2乱数テーブル202a2が参照される。図20(c)に示した通り、特別図柄2乱数テーブル202a2は、乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、「5〜989」が小当たり判定値として規定されており、「990〜999」がそれ以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第2特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0〜4」のいずれかである場合に大当たりと判別され、「5〜989」のいずれかである場合に小当たりと判別される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。また、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)では球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりや小当たりであると判別される乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れであると判別される乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の抽選時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その乱数値である「0〜4」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aの特別図柄1乱数テーブル202a1、特別図柄2乱数テーブル202a2に格納されている。このように本実施形態のパチンコ機10では乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図21を参照して第1当たり種別選択テーブル202bの内容について説明をする。
図21(a)は、第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図21(a)に示した通り、本実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202b1と、第2特別図柄(特図2)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202b2と、を有している。これにより、特図1の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別と、特図2の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別とを異ならせる、或いは、複数種類の大当たり種別のそれぞれが選択される割合を異ならせることができるため、第1特別図柄(特図1)を用いた遊技と、第2特別図柄(特図2)を用いた遊技とで異なる遊技性を遊技者に提供することができ遊技の興趣を向上することができる。
次に、図21(b)を参照して第1特別図柄(特図1)の抽選時に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202b1について説明をする。図21(b)は特図1大当たり種別選択テーブル202b1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図21(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「10〜49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となり、「50〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりC」となる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(時短回数1回)に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が10個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(時短回数1回)に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が40個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は40%である。
「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に設定される大当たり種別である。ラウンド数も少なく、大当たり後に通常状態が設定されるので、「大当たりC」は、遊技者にとって不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が50個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は50%である。
以上、説明をしたように、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の10%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、90%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、50%の割合で大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと移行する大当たりが選択される。
次に、図21(c)を参照して、第2特別図柄(特図2)の抽選時に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202b2について説明をする。図21(c)は特図2大当たり種別選択テーブル202b2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図21(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となる。即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として遊技者にとって最も有利な「大当たりD」が必ず選択されるように構成している。
次に、図21(d)を参照して、大当たり種別毎の時短付与内容について説明する。
本実施形態では、大当たりの種類は4種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、5種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄としてリーチが掛かっている図柄とは異なる図柄が停止する「リーチ外れ」(例えば90〜99の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、通常状態用と、時短状態用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10の遊技状態が通常状態であるか、その通常状態よりも遊技者に有利となる時短状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、時短状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなると共に、「リーチ外れ」が90〜99と狭くなるため、「リーチ外れ」が選択され難くなる。また、特別図柄の低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなると共に、「リーチ外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜99と広くなる。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
なお、本実施形態では遊技状態に応じて停止種別の選択比率を変更するために、停止種別選択テーブル(図示せず)として通常状態用と、時短状態用とを設けているが、それ以外の遊技状態に対応させて専用のテーブルを設けても良く、例えば、遊技状態として特別図柄の当たり(大当たり)に当選し易くなる(通常状態よりも当選し易くなる)高確率状態(特別図柄の高確率状態、確変状態)を有している遊技機においては、確変状態用の停止種別選択テーブルを設けても良い。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)において球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択テーブル202f(図22参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。
ここで、図22を参照して小当たり種別選択テーブル202fの内容について説明をする。図22は小当たり種別選択テーブル202fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図22に示した通り、小当たり種別選択テーブル202fには第2特別図柄の小当たり種別として小当たりA〜小当たりCの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように規定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0」である場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時大当たりA)」となり、「1〜10」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時大当たりB)」となり、「11〜99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりC(V通過時大当たりA)」となる。
ここで、各小当たり種別(小当たりA〜小当たりC)には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞装置650内のVスイッチ650e3を球が通過した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、大当たりA(15R時短有大当たり)が設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が15R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態として1回の時短遊技(特別図柄の変動が100回或いは、第2特別図柄の変動が1回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、大当たりB(5R時短有大当たり)5R時短1回大当たりが設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態として1回の時短遊技(特別図柄の変動が100回或いは、第2特別図柄の変動が1回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。小当たりCの場合には、小当たりAの場合と同様に大当たりA(15R時短有大当たり)が設定されており、小当たりCの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行されるが、大当たり遊技後には、時短状態が設定されず、通常状態が設定されるように構成されている。
このように、選択される小当たり種別によって、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の内容およびその大当たり遊技後に設定される遊技状態を異ならせることができる。具体的には、小当たりAは、大当たり遊技において実行されるラウンド数が多く(15R)、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる時短状態が設定されるため、遊技者にとって最も有利な小当たりとして設定されており、小当たりBは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、上述した小当たりAよりも不利に設定されているが、大当たり遊技後に時短状態が設定される。小当たりCは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、且つ、大当たり遊技後に時短状態が設定されないことから、遊技者にとって最も不利な小当たりとして設定される。
なお、本実施形態では、時短状態の終了条件として、第2特別図柄の変動回数が1回(第1終了条件)、或いは、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数が合計で100回(第2終了条件)を設定している。このように構成することで、第1特別図柄の保留球数が1以上ある状態で大当たりに当選し、大当たり終了後に時短状態が設定された場合において、大当たり終了後に第1特別図柄(特図1)の変動が実行されたとしても時短状態が終了することが無い。また、第2特別図柄(特図2)の変動が実行された場合には上述した第2終了条件が成立し時短状態を終了させることができるため、時短状態中に任意の特別図柄(第2特別図柄)を確実に所定回数変動させることができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図51参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図23(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図23(a)を参照して変動パターンテーブル202dの内容について説明をする。図23(a)は変動パターンテーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(a)に示した通り、変動パターンテーブル202dには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202d2とが規定されている。詳細については後述するが、本実施形態では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
図23(b)は、変動パターンテーブル202dに設けられる通常用変動パターンテーブル202d1に規定された内容を模式的に示した模式図である。図23(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202d1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図23(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140〜149」の範囲に変動時間が20秒のガセ外れが対応付けて規定され、「150〜179」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「180〜198」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチaが対応付けて規定されている。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜29」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「30〜189」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190〜198」の範囲に変動時間が140秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定され、抽選結果が「大当たり、または小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果に応じて、変動時間が7秒〜180秒の変動パターンのうち何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
ここで、本実施形態では、上述した通り、遊技状態として通常状態が設定されている状態において右打ち遊技を実行した場合には第2入球口640に球が入球しないように構成されていることから、通常状態中は第1入球口64に球を入球させる遊技、即ち、第1特別図柄の抽選を実行する遊技が行われるように構成されている。このように構成されている通常状態中において第2特別図柄の抽選が実行される場合としては、遊技者が不正に球を第2入球口640に入球させた場合であるため、通常状態における第2特別図柄の変動は長い変動時間を有する変動パターンが選択される。これにより、短期間の間に不正に第2特別図柄の抽選が行われる事態を抑制することができる。なお、通常状態中に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたと判別した場合は、その抽選結果が表示されるまでの期間(180秒間)を用いて、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたことを外部に報知するように構成しても良い。また、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行された場合には、その不正に実行された第2特別図柄の抽選(変動)結果として、外れの抽選(変動)結果を強制的に創出し、表示するように構成しても良い。
図23(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202d1にて選択される変動パターン(変動時間)は、図柄種別が特図1で抽選結果が外れの場合には7秒(選択割合が約70%)、40秒(選択割合が約15%)、80秒(選択割合が約10%)、20秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。また、抽選結果が大当たりの場合には80秒(選択割合が約80%)、40秒(選択割合が約15%)、140秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果と選択される変動パターン(変動時間)には関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、本実施形態では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB、大当たりC)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図24を参照して変動パターンテーブル202dに設けられた時短用変動パターンテーブル202d2の内容について説明をする。図24は時短用変動パターンテーブル202d2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図24に示した通り、時短用変動パターンテーブル202d2には、図柄種別、変動回数、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図24に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が1〜4回、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短当たりが規定されている。図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が5回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の当たりが規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、変動回数が1回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が30秒の中外れが規定され、抽選結果が「小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜160」の範囲に変動時間が10秒の短小当たりが規定され、「161〜198」の範囲に変動時間が30秒の中小当たりが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動時間が30秒の中大当たりが規定されている。
図18に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図37参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。なお、本実施形態では、普通図柄の当たりに当選する確率がパチンコ機10の遊技状態に関わらず常に一定となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、第2当たり乱数テーブル202cとして、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類を設けても良い。この場合、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なるように設定する。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率を変更することができる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し、遊技状態が時短状態であれば第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。一方、遊技状態が時短状態では無ければ第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。
取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点における遊技状態が時短状態であるかを判別し、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点が時短状態であって、且つ、第2図柄の変動開始時点も時短状態である場合には第2入球口640が「2秒間×2回」開放されるように電動役物640aを動作制御(ロング開放制御)する。一方、それ以外の場合は、第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるように電動役物640aを動作制御(ショート開放制御)する。尚、第2入球口640開放時間や回数は任意に設定すれば良い。
このように、普通図柄の変動時間、及び、当たり当選時における電動役物640aの動作内容(第2入球口640の開放期間、開放回数)は、設定されている遊技状態によって可変されように構成されており、普通図柄の変動開始時における遊技状態が時短状態の場合は、通常状態の場合と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、時短状態が設定されている期間中に変動を開始した第2図柄の抽選結果が当たりであって電動役物640aが動作を開始する時点も時短状態が設定されている場合は、それ以外の場合と比較して、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
尚、本実施形態では、普通図柄(第2図柄)の変動開始時における遊技状態と、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの動作開始タイミングにおける遊技状態とに応じて、第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を異ならせて設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動開始タイミングから電動役物640aの動作開始タイミングまでの間、継続して時短状態が設定されていることを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果を用いて第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を設定するように構成しても良い。
上述したように、本実施形態では電動役物640aの動作として遊技者に有利となる動作(ロング開放)を実行するためには、普通図柄変動開始時、及び電動役物640aの動作開始時の何れタイミングにおいても時短状態が設定されている必要がある。このように構成することで、例えば、通常状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合、或いは、時短状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合といった、一つの第2図柄の抽選に基づいて実行される第2図柄の変動及び電動役物640aの動作が複数の遊技状態を跨ぐ場合において、遊技者に有利となる電動役物640aの動作制御(ロング開放)が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して過剰に有利な状態を提供することを防止することができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図37参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図19(a)を参照して、本実施形態のパチンコ機10に設けられる主制御装置110ROM202の内容について、説明する。図19(a)に示した通り、主制御装置110のROM202には、固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターンテーブル202d、時短付与テーブル202e、小当たり種別選択テーブル202f、開放シナリオテーブル202gが少なくとも記憶されている。
尚、ROM202に記憶されている固定値データのうち、第1当たり乱数テーブル202、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、小当たり種別選択テーブル202fについては、既にその詳細な内容について説明をしているため説明を省略する。
時短付与テーブル202eは、時短状態を終了させる複数の時短終了条件を、当選した大当たりの大当たり種別毎に異ならせて設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に(図52のS1612:Yes)参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図21(d)を参照して時短付与テーブル202eに規定されている内容について説明をする。図21(d)は時短付与テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では大当たり終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりA,B,D)と、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)大当たり種別(大当たりC)とを有しており、図21(d)に示した通り、各大当たり種別に対応させて複数の時短終了条件が規定されている。
本実施形態では特別図柄の変動回数に応じて成立する第1時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりAに当選した回数に応じて成立する第2時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりBに当選した回数に応じて成立する第3時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりCに当選した回数に応じて成立する第4時短終了条件と、を有している。
図21(d)に示した通り、時短付与テーブル202eには複数の時短終了条件のそれぞれに対応した各種カウンタに設定する値が規定されており、上述した第1時短終了条件として設定する値は時短中カウンタ203kにセットされ、第2時短終了条件として設定する値は小当たりAカウンタ203mにセットされ、第3時短終了条件として設定する値は小当たりBカウンタ203nにセットされ、第4時短終了条件として設定する値は小当たりCカウンタ203pにセットされる。
具体的には、大当たり種別が大当たりA及びBの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203k(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203mに「1」、小当たりBカウンタ203nに「3」、小当たりCカウンタ203pに「5」の値をセットするように規定され、大当たりDの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203k(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203mに「2」、小当たりBカウンタ203nに「10」、小当たりCカウンタ203pに「50」の値をセットするように規定されている。
なお、上述した通り、本実施形態では、大当たり種別が大当たりCの場合では、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されないため、時短付与テーブル202eの大当たりCには上述した各種カウンタに対して設定する値が規定されていない。このように、当選した大当たり種別毎に大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件を異ならせることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される旨を事前に報知したとしても、具体的な時短内容を把握させ難くすることができるため、最後まで(時短状態が終了するまで)遊技意欲を高めた状態で遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では時短付与テーブル202eを用いて設定される時短終了状態以外にも特別図柄の大当たりに当選した場合にも時短状態が終了するように構成しているが、この大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件は、設定される大当たり種別に応じて異なるものでは無いため、時短付与テーブル202eからは省略しているが、上述した時短終了条件(特図の大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件)についても時短付与テーブル202eに値を規定するように構成しても良い。
また、本実施形態では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件〜第4時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置が作動した回数(小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203pの値を合算した回数)が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。
さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。
上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では複数の時短終了条件のうち何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させる制御を用いているが、これ以外にも例えば、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
開放シナリオテーブル202gは、特別図柄の抽選によって大当たり或いは小当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)において、可変入賞装置65、或いは、V入賞装置650の開放パターン(各入賞装置に設けられた各種ソレノイドを動作させるパターン)をシナリオ化した開放シナリオが記憶されるデータテーブルであって、当選した大当たりに設定されている大当たり種別、或いは、当選した小当たりに設定されている小当たり種別に対応させて開放シナリオの内容が規定されている。
ここで、図25を参照して、開放シナリオテーブル202gの内容について説明をする。図25は開放シナリオテーブル202gに規定されている内容を模式的に示した模式図である。なお、図25に示した模式的に示した開放シナリオテーブル202gでは同一のシナリオが設定される期間をまとめて記載しているが、実際には、各開放シナリオが設定された時点からの経過期間を計測する計測カウンタを設け、現在設定されている開放シナリオのうち、計測カウンタの計測値に対応して規定されている内容の動作が実行されるように構成しているがその詳細な説明は省略する。
ここで、図25を参照して、開放シナリオテーブル202gの内容について説明をする。図25は開放シナリオテーブル202gに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この開放シナリオテーブル202gは、特別図柄の抽選結果が大当たり或いは小当たりであった場合に実行される特典遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)において球が入球可能となる入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)の開放動作を当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて異ならせるための動作データ(開放シナリオ)が規定されている。
このように、当選結果(大当たり或いは小当たり)および当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて開放動作される入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)や開放動作内容(開放シナリオ)を異ならせることで、特典遊技の有利度合を複数段階設定することができるため、大当たり又は小当たりに当選した後も、遊技者に対してどの種別の当たりに当選したのかを楽しませることができる。
開放シナリオテーブル202gには、当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応して当たり遊技中の開始インターバル期間(当たり遊技が開始されてから最初に入賞装置が開放動作するまでの期間)と、入賞装置の開放動作態様(開放動作される入賞装置の種別、1回の開放動作(ラウンド遊技)の秒数、総開放動作回数(ラウンド数))と、ラウンド間インターバル期間(ラウンド遊技間に設定される入賞装置が閉鎖される期間)と、終了インターバル期間(全てのラウンド遊技が終了してから、当たり遊技が終了するまでの期間(新たな特別図柄変動の開始を許容するまでの期間))と、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1あるいは特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替えるための流路ソレノイド650kのオンオフ切替動作態様が、それぞれ規定されている。
具体的には、当選した当たり種別が大当たりAに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「15ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりAの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が15ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に多くの賞球が払い出される大当たり遊技となる。さらに、大当たり種別が大当たりAの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定される大当たりであるため、大当たりAは遊技者にとって最も有利となる特典が付与される大当たりである。
次に、当たり種別が大当たりB,Cに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「5ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりB,Cの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が5ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に対して大当たりAに対応する大当たり遊技の約1/3の賞球が払い出される大当たり遊技となる。また、大当たり種別が大当たりBの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、大当たりCの場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、大当たりBは大当たりAよりも不利で大当たりCよりも有利な特典が付与される大当たりとなる。
当たり種別が大当たりDに対応して、開始インターバル期間として「1秒」が、入賞装置の開放動作態様として「V入賞装置650」を「1ラウンド目」に開放動作し、「可変入賞装置65」を「2〜15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技として、1ラウンド目は「0.1秒開放を0.5秒間の開放間インターバルを設けて12回」開放し、2〜15ラウンド目は「29秒間継続開放」する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。
つまり、詳細は後述するが、大当たりDの開始インターバル期間と2ラウンド目が実行されるまでの期間(1ラウンド目のラウンド遊技内容(開閉動作態様)、及び、1ラウンド目終了後のラウンド間インターバル期間)に規定されている内容が、後述する小当たり遊技に規定されている内容と同一となるように構成している。このように構成することで、今回実行されている当たり遊技が大当たり遊技であるか小当たり遊技であるかを、1ラウンド目が終了するタイミングまで(小当たり遊技であればその小当たり遊技が終了するタイミングまで)遊技者に把握させ難くすることができる。これにより、小当たりに当選して小当たり遊技が実行されていると認識していた遊技者に対して意外性のある当たり遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では、大当たりDは第2特別図柄によって大当たりに当選した場合に必ず選択される大当たり種別であり、且つ、第2特別図柄の抽選では殆どが小当たりに当選するように設定されている(図20(c)参照)。よって、遊技状態として時短状態が設定され、第2特別図柄の変動を主に行う期間中は、特別図柄の変動が停止表示された後に何らかの当たり遊技が開始される。この場合において、大当たりに当選した場合も、小当たりに当選した場合も、同一の開放動作から開始される当たり遊技を実行するため、遊技者により何れの当たり(大当たり又は小当たり)に当選したのかを把握させ難くすることができる。
加えて、第2特別図柄の抽選においては、大当たりに当選する確率の方が小当たりに当選する場合よりも低くなるように設定されており、又、大当たりDに対応する大当たり遊技の終了後には時短状態が付与されるように設定されている。よって、大当たりに当選した遊技者に対して、小当たりに当選した場合よりも不利な特典が提供されることが無いため、意外性のある遊技(大当たりDに対応した大当たり遊技)を、遊技者に有利な遊技とすることができるため、遊技者をより興奮させることができる。
なお、大当たりDに当選した場合と、各種小当たりに当選した場合とでは、第3図柄表示装置81にて表示される変動表示(変動演出)として同一の演出態様が実行されるようにし、且つ、特別図柄の抽選結果を示す第1図柄表示装置37a,37bの表示態様により遊技者に抽選結果を識別され難くするために、特別図柄の停止表示タイミングと、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の停止表示タイミングを異ならせたり、特別図柄の停止表示タイミングと第3図柄の停止表示タイミングは同期させるが、その停止表示タイミング或いはその前後の期間において、第3図柄の表示をそれ以外の期間よりも遊技者が識別し難くするために、表示態様や表示領域を可変させたり、特別図柄の停止表示タイミングにおいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される演出用の図柄を第3図柄から普通図柄の変動表示に対応させた演出用普通図柄に切り替えたりすると良い。
加えて、当たり遊技が実行された場合に開放動作する入賞装置(V入賞装置650)と第1図柄表示装置37a,37bを離れて配設し、特別図柄の停止表示タイミング(何れかの当たりに当選したことを遊技者に報知するタイミング)に第3図柄表示装置81にてV入賞装置650を遊技者に注目させる演出表示を実行したり、本実施形態のように第1図柄表示装置37a,37bの表示領域を第3図柄表示装置81の表示領域よりも小さくし、第3図柄よりも第1図柄が視認し難くなるように構成すると良い。これにより、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるか小当たりであるかを第1図柄表示装置37a,37bの停止表示態様により識別され難くすることができ、当たり遊技中も継続して大当たりに当選したことを期待させることができる。
図25に戻り説明を続ける。当たり種別が小当たりA〜Cに対応して規定される内容には、小当たり遊技(1ラウンド遊技)に加え、その小当たり遊技中にVスイッチ650e3が球を検知することにより、小当たり遊技終了後に継続して実行される大当たり遊技(2〜15ラウンド遊技)の開放シナリオも併せて規定されている。これにより、当選した小当たり種別の小当たり遊技内容と、その小当たり遊技終了後に実行し得る大当たり遊技内容とを確実に対応付けすることができるため、適正な遊技を提供することができる。
具体的には、当たり種別が小当たりAに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2〜15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
また、当たり種別が小当たりB,Cに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2〜5ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
つまり、小当たりB,Cに対応する小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技は、上述した小当たりAに対応する大当たり遊技よりもラウンド遊技数が少なくなるように設定されている。また、小当たり種別が小当たりBの場合には、対応する大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、小当たりCの場合には、対応する大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、小当たりBは小当たりAよりも不利で小当たりCよりも有利な特典が付与される小当たりとなる。
図18に戻り、説明を続ける。RAM203は、図18に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図51参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図50参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図49参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図19(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄1保留球数カウンタ203b、大当たり開始フラグ203c、大当たり中フラグ203d、小当たり種別格納エリア203e、小当たり開始フラグ203f、小当たり中フラグ203g、V通過大当たり種別格納エリア203h、Vフラグ203i、V通過フラグ203j、時短中カウンタ203k、小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203p、普図短変動フラグ203q、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、図18に示すように4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1入球口64に入球したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3、CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、第1特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
そして、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄を保留する機能を有していないため、新たな特別図柄変動を実行可能な状態で球が第2入球口640へ入球(始動入賞)すると、そのタイミングで各カウンタC1〜C3、C5、CS1の各値が取得され、その取得されたデータがそのまま特別図柄保留球実行エリアに格納される。
加えて、本実施形態のパチンコ機10では、普通図柄(第2図柄)を保留する機能も有していないため、新たな普通図柄変動を実行可能な状態で球が普通始動口67を通過すると、そのタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータがそのまま普通図柄保留球実行エリアに格納される。
特別図柄1保留球数カウンタ203bは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203bは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図43のS704参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203bは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図38のS207参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特図1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図38のS208、図43のS705参照)。特図1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特図1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
大当たり開始フラグ203cは、大当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。抽選結果が大当たりと判定されている特別図柄の変動が停止する場合に、大当たり開始フラグ203cがオンに設定される(図38のS216)。大当たり開始フラグ203cがオンであることが判別されて、大当たりの開始タイミングであることが識別されると、オフに設定される(図52のS1603)。なお、大当たり開始フラグ203cは、初期状態ではオフに設定されるものであり、電源断等が発生した場合には、バックアップされて電源断直前の状態が保持されるように構成されている。
大当たり中フラグ203dは、大当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が大当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図38のS216)。一方、大当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている大当たり種別に対応するラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図52のS1620)。この大当たり中フラグ203dは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり種別格納エリア203eは、当選した小当たりに設定される小当たり種別を一時的に格納するための記憶領域であって、小当たりに当選したと判別した場合に(図39のS307:Yes)、取得した小当たり種別が一時的に格納される(図39のS311)。そして、小当たり遊技中においてV入賞装置650の開放数が所定数に到達し(図53のS1707:Yes)、Vフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合(図53のS1708;No)に、格納されている小当たり種別が参照され(図53のS1709)、参照した小当たり種別に対応した指示コマンドが設定される。なお、詳細な説明は省略するが、小当たり種別格納エリア203eに格納された情報(小当たり種別を示すための情報)は、小当たり遊技終了時にクリアされるように構成されている。
小当たり開始フラグ203fは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図40のS404)。小当たり開始フラグ203fがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると識別されるとオフに設定される(図53のS1703)。この小当たり開始フラグ203fは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203gは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図40のS404)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図53のS1720)。この小当たり中フラグ203gは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過大当たり種別格納エリア203hは、小当たり遊技が実行されている場合に、V入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203hは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図40のS402)。V入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球を検知すると、V通過大当たり種別格納エリア203hに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203iがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203hに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203hは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203iは、小当たり遊技中にV入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203iがオンであるかを判別し(図53のS1715)、Vフラグ203iがオンであると判別した場合に(図53のS1715:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図53のS1716)。このVフラグ203iは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過フラグ203jは、小当たり遊技中において、Vフラグ203iがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203iがオンに設定されている場合にオンに設定される。本実施形態では、小当たり遊技中においてV入賞装置650に入賞した球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した球に対応したV通過処理(図48参照)においてオンに設定される(図48のS1207)。
そして、V通過処理(図48参照)では、V通過フラグ203jがオンに設定しているか判別し(図48のS1201)、オンに設定していると判別した場合は(図48のS1201:Yes)、V通過処理(図48の参照)のうちS1202〜S1208の処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にVスイッチ650e3が複数の球を検知した場合であっても、最初に検知した球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。
時短中カウンタ203kは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図52のS1504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図52のS1612:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値(100)が設定される(図52のS1614)。
そして、特別図柄変動処理(図38のS104)にて実行される時短回数更新処理(図42のS219)においてカウンタの値が参照され(図42のS601)、カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合に(図42のS601:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の時短中カウンタ203kの値が0であると判別すると(図42のS604:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図42のS605)。なお、本実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、小当たり当選回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図41のS505)。このように、複数の時短終了条件のうち、時短中カウンタ203kの値を参照した時短終了条件(第1時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、時短中カウンタ203kの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず時短中カウンタ203kの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりAカウンタ203mは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりAが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図52のS1504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図52のS1612:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値(1)が設定される(図52のS1614)。
そして、特別図柄変動処理(図38のS104)の小当たり開始設定処理(図40のS221)にて実行される小当たり用時短更新処理(図41のS405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりAであると判別した場合に(図41のS502:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりAカウンタ203mの値が0であると判別すると(図41のS504:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図41のS507)。なお、本実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図42のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりAカウンタ203mの値を参照した時短終了条件(第2時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりAカウンタ203mの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりAカウンタ203mの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりBカウンタ203nは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりBが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図52のS1504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図52のS1612:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値(3)が設定される(図52のS1614)。
そして、特別図柄変動処理(図38のS104)の小当たり開始設定処理(図40のS221)にて実行される小当たり用時短更新処理(図41のS405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりBであると判別した場合に(図41のS510:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりBカウンタ203nの値が0であると判別すると(図41のS512:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図41のS507)。なお、本実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図42のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりBカウンタ203nの値を参照した時短終了条件(第3時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりBカウンタ203nの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりBカウンタ203nの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりCカウンタ203pは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりCが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図52のS1504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図52のS1612:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値(5)が設定される(図52のS1614)。
そして、特別図柄変動処理(図38のS104)の小当たり開始設定処理(図40のS221)にて実行される小当たり用時短更新処理(図41のS405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりCであると判別した場合に(図41のS510:No)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりCカウンタ203pの値が0であると判別すると(図41のS514:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図41のS515)。なお、本実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図42のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりCカウンタ203pの値を参照した時短終了条件(第4時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりCカウンタ203pの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりCカウンタ203pの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
普図短変動フラグ203qは、普通図柄(第2図柄)の変動が短変動(3秒間変動)であったことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで普通図柄(第2図柄)の短変動が実行されたことを示すものである。この普図短変動フラグ203qは、普通図柄変動処理(図45のS106参照)において普通図柄の変動時間を設定するタイミングが時短状態中(時短中)であると判別し(図45のS909:Yes)、3秒の変動時間(短変動)が設定された場合にオンに設定され(図45のS911)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が経過したと判別し(図45のS913)、今回の普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりであると判別した場合(図45のS915:Yes)に参照される(図45のS916)。
ここで、普図短変動フラグ203qがオンに設定されていると判別した場合は(図45のS916:Yes)、現在が時短状態中(時短中)であるかを判別し(図45のS918)、時短状態中(時短中)であると判別した場合は(図45のS918:Yes)、電動役物640aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)が設定される(図45のS919)。なお、普図短変動フラグ203qは、普通図柄変動処理(図45のS106)においてオンに設定されていると判別された後に、オフに設定される(図45のS917)。
このように、普通図柄(第2図柄)の変動開始時(変動時間設定時)における遊技状態と、普通図柄(第2図柄)の変動時間が経過した後の電動役物640a開放動作設定時における遊技状態と、が共に時短状態である場合にのみ電動役物640aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)を設定するように構成しているため、複数の遊技状態(通常状態と時短状態)を跨いで実行される普通図柄の変動(抽選)によって、電動役物640aがロング開放することを確実に防止することができ、遊技者に有利な特典(電動役物640aのロング開放)を遊技者に過剰に提供してしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図9に戻り説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや、V入賞装置650の開閉扉650f1を開閉駆動するためのV開放口ソレノイドや、V入賞装置650内に設けられた切替部材650hを駆動させるための流路ソレノイド650kや電動役物を駆動するためのソレノイド(その他ソレノイド209z)などからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図49参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22や枠ボタン23からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図26(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、状態表示選択テーブル222b、最終状態表示選択テーブル222c、その他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。なお、変動パターン選択用のカウンタとは、更新の都度(音声ランプ制御装置113のメイン処理にて1ミリ秒間隔で実行される各種カウンタ更新処理(図55のS2111参照)が実行される都度)前回値に1が加算され、最大値(例えば、299)に達した後0に戻るループカウンタで構成されるカウンタである。また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、変動パターン選択用のカウンタ値を、上述した音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行される各種カウンタ更新処理(図55のS2111参照)以外の処理で更新させるように構成しても良く、例えば、音声ランプ制御装置113のメイン処理のうち、前回処理が実行されてから1ミリ秒が経過してない場合に繰り返し処理が実行される期間(例えば、図55のS2114の処理が実行されてからS2115の処理が実行されるまでの間の期間)にカウンタの値を更新する処理を追加しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)において、一部の処理(図55のS2102〜S2112の処理)を実行するために費やした期間によって、1ミリ秒中に変動パターン選択用のカウンタの値を更新する処理が実行される回数を不定数(ランダム)にすることができる。よって、音声ランプ制御装置113によって設定され、第3図柄表示装置81の表示画面で表示される表示演出(変動パターン選択222aを用いて選択した変動パターンに対応する演出)の内容に基づいて、音声ランプ制御装置113の制御に対する法則性を遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
状態表示選択テーブル222bは、遊技状態として時短状態が設定されている場合に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される状態表示の表示態様(図11の状況(状態)表示態様Dm3a参照)を選択する際に用いられるデータテーブルである。この、状態表示選択テーブル222bは、時短状態が設定されている状態のうち、時短状態が終了する変動(時短状態の最終変動)以外の変動表示に対応した状態表示態様を選択する際に用いられる。
この状態表示選択テーブル222bは、当該変動における大当たり期待度(特別図柄の大当たり抽選に当選する期待度と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり中(小当たり遊技中)に2種当たりが設定される期待度)と、時短状態の更新具合(時短終了条件が成立するか否か、或いは、時短終了条件として設定される各種要素(特別図柄の変動回数、小当たり当選回数等)の更新状況)とに基づいて異なる状態表示態様を選択するように構成している。よって、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm3に表示される状態(状況)表示態様Dm3aの内容を把握することにより、現在設定されている時短状態の状況を遊技者に把握させることができる。
ここで、図27(a)を参照して状態表示選択テーブル222bに規定されている内容について具体的に説明をする。図27(a)は状態表示選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。図27(a)に示した通り、状態表示選択テーブル222bは、特別図柄の抽選結果(当否判定結果)と、時短下限フラグ223kの設定状況(オンに設定されているか否かの判別結果)と、準終了条件フラグ223mの設定状況(オンに設定されているか否かの判別結果)と、状態演出カウンタ223oの値とに対応させて、様々な状態表示態様が規定されている。
ここで、状態表示選択テーブル222bにて参照される各種フラグ及びカウンタについて簡単に説明をすると、時短下限フラグ223kと準終了条件フラグ223mとは、時短状態が所定期間経過したことを示すためのフラグであって、時短状態が所定期間経過した場合にオンに設定される。この各フラグの設定状況に応じて、即ち、時短状態の経過状況に応じて状態表示態様を異ならせることができる。
時短下限フラグ223kは、時短状態を終了させるための終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいてオンに設定されるものである。即ち、時短状態が設定されてから所定回数(例えば、70回)の特別図柄変動が実行された場合に、状態(状況)表示態様Dm3aの表示態様を異ならせて設定することができる。よって、遊技者に対して特別図柄の変動が実行されることで成立し得る終了条件が近づいていることを示唆することができ、緊張感を持たせて時短状態中の遊技を行わせることができる。また、継続的に設定される時短状態において様々な演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。なお、本実施形態では、時短状態中に実行された特別図柄変動の回数が所定回数(例えば、70回)に到達した場合に時短下限フラグ223kをオンに設定し、状態(状況)表示態様Dm3aの表示態様を異ならせるようにしているが、状態(状況)表示態様Dm3aの表示態様として様々な表示態様を遊技者に表示するために、例えば、時短状態中に実行された特別図柄変動の回数が奇数回目と偶数回目とで異なる状態(状況)表示態様Dm3aが表示されるようにしても良いし、時短状態が設定されてから所定期間(例えば、特別図柄が10回変動するまでの期間)のみ、他の期間とは異なる状態(状況)表示態様Dm3aを設定するようにしても良い。
準終了条件フラグ223mは、時短状態を終了させるための終了条件のうち、小当たりに当選した回数(小当たりに当選し、V入賞装置650に対して動作制御を実行した回数)に基づいてオンに設定されるものである。即ち、時短状態が設定されてから小当たりに所定回数(例えば、3回)の当選した場合に、状態(状況)表示態様Dm3aの表示態様を異ならせて設定することができる。よって、遊技者に対して小当たりに当選することで成立し得る終了条件が近づいていることを示唆することができ、緊張感を持たせて時短状態中の遊技を行わせることができる。また、継続的に設定される時短状態において様々な演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
状態演出カウンタ223oは、定期的に「0〜99」の値が更新されるループカウンタであり、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)にて1ミリ秒の間隔で実行される各種カウンタ更新処理(図55のS2111)を実行する度に値が1更新されるように構成している。
次に、図27(a)を参照して、状態表示選択テーブル222bに規定されている内容について具体的に説明をする。図27(a)は、状態表示選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。状態表示選択テーブル222bは、図27(a)に示した通り、当否判定結果と、時短下限フラグ223kと、準終了条件フラグ223mと、状態演出カウンタ223oの値とに対応して実行される演出の状態表示態様(具体的な表示態様の内容は図15参照)が規定されている。
具体的には、当否判定結果が大当たりであって、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kがオンで、準終了条件フラグ223mがオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「50〜69」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
さらに、当否判定結果が大当たりであって、時短下限フラグ223kがオフで、準終了条件フラグ223mがオンである場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定され、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオフである場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
つまり、特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合に、設定されている時短状態の進捗状況に応じて(時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223mの設定状況)に応じて選択される状態表示態様を異ならせることができる。よって、時短状態中に様々な状態表示態様を表示させることができ、演出効果を高めることができる。
また、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mが共にオフに設定されている期間(時短状態の前半期間)と、時短下限フラグ223k或いは準終了条件フラグ223mの何れかがオンに設定されている期間(時短状態の中盤期間)とで状態表示態様として選択され易い表示態様を異ならせることができるため、第3図柄表示装置81の第3表示領域Ds3に表示される状態(状況)表示態様Dm3aを遊技者に把握させることで、時短状態の進捗状況を予測させることができる。
さらに、時短下限フラグ223kがオンに設定され、準終了条件フラグ223mがオフに設定されている場合であって、取得した状態演出カウンタ223oの値が「70〜79」の場合には、状態表示態様「4」が設定されるように構成している。この状態表示態様「4」は図15を参照して上述した通り、遊技者に小当たりに当選した旨を示唆するための状態表示態様であるが、本実施形態では、当否判定結果が大当たりである場合、即ち、当否判定が小当たりでは無い場合(小当たり当選よりも遊技者に有利な当否判定結果である場合)にも選択されるように構成している。これにより、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができ、早期に飽きのこない演出を提供することができる。
次に、当否判定結果が小当たりA(複数の小当たり種別のうち、最も2種当たりし易い小当たり遊技が実行される小当たり)であって、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜79」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kがオンで、準終了条件フラグ223mがオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「50〜69」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
次に、当否判定結果が小当たりAであって、時短下限フラグ223kがオフで、準終了条件フラグ223mがオンである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。時短下限フラグ223kと準終了条件フラグ223mが共にオフである場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜79」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
そして、当否判定結果が小当たりB或いはC(複数の小当たり種別のうち、2種当たりし難い小当たり遊技が実行される小当たり)であって、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kがオンで、準終了条件フラグ223mがオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「2」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
さらに、当否判定結果が小当たりB或いはCであって、時短下限フラグ223kがオフで準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「50〜69」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mが共にオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に状態表示態様「2」が規定され、「50〜69」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
上述した通り、本実施形態では、当選した小当たりに設定される小当たり種別に応じて(実行される小当たり遊技中の2種当たり期待度に応じて)異なる状態表示態様が表示されるように構成しているため、時短状態中に表示される状態表示態様を遊技者が把握することにより、時短状態が終了するタイミングを予測させる以外に、現在実行中の特別図柄の変動表示(動的表示)の結果(特別図柄の抽選結果)をも予測させることが可能となる。よって、時短状態中に表示される状態表示態様に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、小当たりAに当選した場合であって、時短下限フラグ223kがオフで、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている場合において、取得した状態演出カウンタ223oの値が「70〜79」である場合には、状態表示態様「6」が選択されるように状態表示選択テーブル222bの内容が規定されている。この状態表示態様「6」は、図15に示した通り、小当たり当選に基づいて時短状態が終了することを示唆するための「大ピンチ」の文字が表示される状態表示態様である。この状態表示態様「6」を例外的に小当たりAに当選した場合にも表示することにより、遊技者に意外性のある演出を提供することができると共に、状態表示態様「6」が表示された後に実行される小当たり遊技において、2種当たりを獲得する可能性を高めることができるため、2種当たりの可能性が低い小当たりB或いは小当たりCに当選したことに基づいて状態表示態様「6」が表示された場合であっても、小当たり遊技が終了するまでの間、遊技者に2種当たりへの期待を継続して持たせることができる。
当否判定結果が外れであって、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mがオンである場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「50〜69」の範囲に状態表示態様「4」が規定され、「70〜79」の範囲に「3」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kがオンで、準終了条件フラグ223mがオフである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
さらに、当否判定結果が外れであって、時短下限フラグ223kがオフで準終了条件フラグ223mがオンである場合は、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「70〜79」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。また、時短下限フラグ223kおよび準終了条件フラグ223mが共にオフである場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜79」の範囲に状態表示態様「1」が規定され、「80〜99」の範囲に状態表示態様「9」が規定される。
このように、当否判定結果が外れの場合、即ち、小当たり当選や大当たり当選に基づいて時短終了条件が成立することが無い特別図柄変動が実行される場合には、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている場合には、あたかも小当たりに当選し時短終了条件が成立したのではと遊技者に思わせる状態表示態様が選択されるように構成している。これにより、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている状態、即ち、時短状態が設定されてから所定回数の小当たり遊技が実行された状態において、遊技者に危機感を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている場合に、準終了条件フラグ223mがオフに設定されている場合よりも、小当たりに当選したと思わせる状態表示態様(状態表示態様「2,4〜7」)が選択され易く構成されている。このように構成することで、当否判定結果が外れである場合に無用に小当たりに当選した旨を疑似的に示唆する演出が実行されてしまうことを抑制することができる。具体的には、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている状態においては、小当たりに当選した場合に時短の終了条件が成立したと思わせる演出態様(状態表示態様)が選択され易く、準終了条件フラグ223mがオフに設定されている状態においては、小当たりに当選した場合に時短の終了条件が成立したと思わせる演出態様(状態表示態様)が選択され難くなるように構成している。
このように構成されていることから、準終了条件フラグ223mがオンに設定されている期間中に実行される複数の特別図柄変動に対する状態表示態様の表示態様を一連の流れで設定することができるため、遊技者が時短状態中に実行される遊技に対して違和感を覚えてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、当否判定結果や各種フラグの設定状況に基づくことなく、状態演出カウンタ223oの値に応じて状態表示態様「9」が選択されるように構成している。これにより、遊技者に現在の時短状態の進捗状況を把握させ難くすることができる。さらに、当否判定結果が外れの場合の一部において、状態表示態様「3」が選択されるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81に表示画面に状態表示態様「3」の表示態様が表示された場合には、動的表示中の特別図柄の抽選結果が、大当たりか外れの何れかであることを示唆する演出が実行される。
ここで、本実施形態では、第2特別図柄の抽選結果が外れ(大当たり、小当たり以外)となる確率が1/100(図20(c)参照)であり、さらに、状態演出カウンタ223oの値が「70〜79」、つまり、「0〜99」の範囲で更新されるカウンタの値のうちの1/10の範囲において、状態表示態様「3」が表示されるように構成している(第2特別図柄が抽選される場合において、1/1000の確率で抽選結果「外れ」で状態表示態様「3」が選択されるように構成している)。
よって、状態表示態様「3」は殆どが大当たりに当選した場合に表示されるが、外れに当選した場合にも表示される可能性があるため、遊技者に最後まで(特別図柄の抽選結果が停止表示されるまで)ドキドキ感を持たせた遊技を行わせることができる。なお、本実施形態では、現在の時短状態の進捗状況(各時短終了条件が成立するまでの残数)や特別図柄の抽選結果を、遊技者が予測可能となるように複数の状態表示態様が選択されるように構成しているが、現在の時短状態の進捗状況(各時短終了条件が成立するまでの残数)や特別図柄の抽選結果を確実に報知することができる状態表示態様が選択できるように構成しても良い。
また、本実施形態では、時短状態の進捗状況(時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223mの設定状況)及び、状態演出カウンタ223oの値に基づいて、各当否判定結果に対して状態表示態様を異ならせて選択するように構成しているが、それ以外の条件を用いて状態表示態様を選択するように構成しても良く、例えば、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)に対して、遊技者が所定の操作を実行したか否かを判別する操作判別手段を設け、その操作判別手段の判別結果に基づいて、状態表示態様を異ならせて選択するように構成しても良い。さらに、この場合は、操作判別手段により所定の操作を実行したと判別された場合に、現在の時短状態の進捗状況(各時短終了条件が成立するまでの残数)や特別図柄の抽選結果を明確に示す状態表示態様が選択され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者が積極的に操作手段を操作することになり、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
さらに、本実施形態では、時短状態が設定されている状態において、演出設定処理が実行される度に(第3図柄の変動表示を設定する度に)、状態表示選択テーブル222bを用いて状態表示態様を選択するように構成しているが、例えば、継続して時短状態が設定されている間において設定された状態表示態様を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている内容に基づいて新たに設定(選択)する状態表示態様を決定するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中に状態表示態様を均等に表示させたり、ランダムで設定された(状態演出カウンタ223oの値に基づいて選択された)状態表示態様が一方に偏っている場合において、残りの時短状態中に設定される状態表示態様を意図的に一方に偏らせたりすることができる。
また、時短状態が繰り返し設定される回数(時短状態中に大当たりに当選(2種当たりが設定)し、その大当たり遊技後に再度時短状態が設定される回数)や、その期間中に獲得した賞球数に応じて選択される状態表示態様を異ならせるように構成しても良い。
次に、図27(b)を参照し、最終状態表示選択テーブル222cの内容について説明をする。図27(b)は、最終状態表示選択テーブル222cの内容を模式的に示した模式図である。この最終状態表示選択テーブル222cは、上述した状態表示選択テーブル222bと同じく、時短状態中に第3表示領域Ds3に表示される状態表示態様を選択するために参照されるデータテーブルである。この最終状態表示選択テーブル222cは、上述した状態表示選択テーブル222bとは異なり、時短状態が終了することとなる特別図柄の変動(特別図柄の変動回数が時短終了条件を満たす変動回数となった場合における特別図柄の変動、或いは、特別図柄の小当たり当選回数が時短終了条件を満たす当選回数となった場合における特別図柄の変動)に対して変動表示(演出表示)を設定する際に参照されるものである。
この最終状態表示選択テーブル222cは、後述する演出設定処理(図63参照)において、時短終了前変動フラグ223nがオンであると判別した場合(図63のS2905:Yes)に参照される(図63のS2907)。この最終状態表示選択テーブル222cに規定されている内容について、図27(b)を参照して具体的に説明すると、当否判定結果が大当たりの場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「70〜89」の範囲に状態表示態様「3」が規定され、「90〜99」の範囲に状態表示態様「8」が規定される。当否判定結果が小当たりAの場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「7」が規定され、「70〜89」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「90〜99」の範囲に状態表示態様「8」が規定される。
また、当否判定結果が小当たりB或いはCの場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に状態表示態様「6」が規定され、「70〜89」の範囲に状態表示態様「5」が規定され、「90〜99」の範囲に状態表示態様「8」が規定される。当否判定結果が外れの場合においては、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜99」の範囲に状態表示態様「8」が規定される。
上述した通り、本実施形態では、時短状態が継続して設定される期間中に表示される状態表示態様と、時短状態が終了する場合(時短状態が終了することとなる特別図柄の最終変動表示が行われる場合)に表示される状態表示態様と、を異なるデータテーブルを参照して選択するように構成しているため、時短状態が終了する場合において、あたかも時短状態が継続することを示唆する状態表示態様が表示されてしまうことを確実に防止することができる。
また、上述した通り、大当たりに当選した場合の一部において、状態表示態様「8」が表示されるように構成している。これにより、遊技者に時短状態が終了したと思わせた後に大当たりに当選したことを第3図柄の停止表示で報知することができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
なお、上述した通り、外れに当選した場合は、必ず状態表示態様「8」が表示されるように構成している。これにより、遊技者に過度な期待を持たせてしまい、後の遊技結果に対して不満感を与えてしまうことを抑制することができる。
次に、図26(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図26(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、特別図柄1保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223c、停止種別選択フラグ223d、演出カウンタ223e、遊技状態格納エリア223f、時短情報更新エリア223g、仮当たり判定フラグ223h、仮時短情報更新エリア223i、仮時短終了フラグ223j、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223m、時短終了前変動フラグ223n、状態演出カウンタ223o、その他メモリエリア223z、が少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113の入賞情報関連処理(図57のS2301参照)が実行される場合に、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに基づいた入賞情報が第1エリアから順に格納されていく、なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンドは、主制御装置110の先読み処理(図44のS707)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理(図51参照)にて実行される外部出力処理(図51のS1501)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。
この入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図62のS2114参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図62のS2806参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
また、入賞情報コマンドによって送信された入賞情報(特別図柄の先読み情報)を実行エリア(現在実行中の特別図柄変動に対応するエリア)までシフトさせることを可能に構成しているため、例えば、入賞情報コマンドを受信したことに基づいて、次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから当該入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が終了するまでのタイミングまでの期間を用いた演出(所謂、先読み連続演出)を実行する際に、当該入賞情報コマンドに対応する入賞情報を上述した先読み連続演出が終了するまでの間、保持することができる。
なお、本実施形態では入賞情報(第1入球口64に球が入球した場合に取得し得る情報)を4つまで保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223aが実行エリア以外に、第1エリア〜第4エリアを有するように構成しているが、例えば、第2入球口640に球が入球した場合に取得し得る入賞情報(第2特別図柄に関わる入賞情報)も4つまで保留記憶可能に構成した場合には、入賞情報格納エリア223aに、実行エリア以外に、第1特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)と、第2特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)を設けるように構成すれば良い。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図56のS2208参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、主制御装置から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、特別図柄保留球数カウンタ203aの値を示す情報でも良いし、特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図56のS2202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図62のS2802参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図55参照)のコマンド出力処理(図55のS2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図56のS2205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図62のS2808参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、表示用停止種別が設定される(図62のS2810)。
演出カウンタ223eは、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図56参照)が実行される毎に更新される。本実施形態では、演出カウンタ223eとして複数のループカウンタ(例えば、0〜99の範囲で繰り返し更新されるカウンタ)を有しており、各カウンタの値が同期すること無く更新するように構成されている。
具体的には、例えば、メイン処理(図56参照)が実行される毎に更新される値が異なるカウンタを複数設け、各カウンタの更新後の値が同期しないように構成している。さらに、各カウンタの値を演算することで別の値を算出し、その算出した値を用いて各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用する値として用いても良い。
遊技状態格納エリア223fは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この遊技状態格納エリア223fに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には遊技状態格納エリア223fに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、本実施形態では電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(図50参照)にて状態コマンドが設定されるため(図50のS1412)、電源復旧後、直ちに遊技状態格納エリア223fに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される(図41のS509、図42のS607、図52のS1616等)。
時短情報更新エリア223gは、時短状態の終了条件と、各終了条件に対する進捗状況(終了条件の対象となる事象(例えば、特別図柄の変動や小当たり、大当たりの当選)が実行された回数)とを格納するためのデータ領域である。この時短情報更新エリア223aに格納される情報(時短状態の終了条件及び進捗状況)に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される状態(状況)表示態様Dm3aが選択される。この時短情報更新エリア223gは、主制御装置110から時短設定情報を含む時短関連コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理(図52のS1504)にてエンディング演出の終了タイミングと判別し(図52のS1612)、時短状態の終了条件を設定した場合に(図52のS1613)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に、今回の時短状態を終了させるための終了条件が設定される。
そして、音声ランプ制御装置113の時短更新処理(図60のS2216参照)において、時短情報を更新させるための更新情報(特別図柄変動が実行されたことを示すための変動情報や、小当たりに当選したことを示すための小当たり情報)を受信したと判別した場合に(図60のS2604:Yes、図60のS2615:Yes)、受信した更新情報に対応させて現在の時短状況が更新される。
この時短情報更新エリア223g内のデータ領域について具体的に説明をすると、時短情報更新エリア223gには、時短状態の終了条件になり得る各項目(例えば、第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数、小当たり種別(小当たりA〜C)毎の当選回数(V入賞装置600の動作を開始した回数)、小当たり当選回数(各小当たり種別の当選回数を合算した合算当選回数)等)に対応して情報を一時的に格納できるように形成されており、各項目に対して、時短設定情報(時短状態の終了条件が成立する回数)と、時短状態が継続して設定されている期間中における各項目の更新情報(実際に実行された回数を示す情報)と、がそれぞれ格納されるように構成されている。
本実施形態では、この時短情報更新エリア223gに格納されている情報を用いて、複数の終了条件の中から他の終了条件よりも成立し易い終了条件を判別したり、各終了条件が成立するまでの残実行回数を判別したりするように構成している。さらに、時短情報更新エリア223gに格納されている時短設定情報や更新情報を用いて、例えば、時短設定情報に含まれる各項目の終了条件を示す値に対する更新情報が示す値の割合を算出し、時短進行度合いを数値(例えばパーセント)で表示するように構成しても良い。
また、本実施形態では、時短情報更新エリア223gに格納される情報として、更新情報(既に実行された回数(変動回数、当選回数)を示す情報)を格納するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の終了条件が成立するまでの残回数を算出し、算出した残回数を示す情報を時短情報更新エリア223gに格納するように構成しても良い。
上述した通り、本実施形態では、時短設定情報と、更新情報と、を区分けして記憶(格納)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短設定情報として記憶した情報を直接更新するように構成しても良い。このように構成することで、時短情報更新エリア223gの容量を削減することができる。
仮当たり判定フラグ223hは、特別図柄の抽選(変動)が実行される前の入賞情報(保留記憶されている入賞情報)に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで保留記憶されている入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すものである。この仮当たり判定フラグ223hは、主制御装置110の先読み処理(図44のS707)にて取得された入賞情報コマンドを、音声ランプ制御装置113側で受信した場合に実行される入賞情報関連処理(図57のS2210参照)において、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドの入賞情報に当たり情報があると判別した場合に(図57のS2305:Yes)、オンに設定される(図57のS2306)。
そして、入賞情報関連処理(図57参照)において参照され(図57のS2303)、オンに設定されていると判別した場合は(図57のS2303:Yes)、以降に受信した入賞情報コマンドに対する各種判別処理をスキップするように構成している。また、変動表示設定処理(図62のS2114参照)にて実行される演出設定処理(図63のS2804参照)においても参照され(図63のS2903)、オンに設定されていると判別した場合は(図63のS2903:Yes)、状態表示態様を示す表示用状態表示コマンドを設定するための処理をスキップするように構成している。
さらに、本実施形態では、大当たり終了時処理(図59参照)において、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドの入賞情報に当たり情報があると判別した場合にも(図59のS2504:Yes)、仮当たり判定フラグ223hがオンに設定される(図59のS2506)。
以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報や、大当たり終了時点において保留記憶されている入賞情報の中に、大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合と、大当たり遊技の終了した場合とで入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、それ以外のタイミングとして、例えば、停電等でパチンコ機10の電源がオフとなった後に、主制御装置110の立ち上げ処理(図50参照)において、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されている各入賞情報を示すための復帰時入賞情報コマンドを設定し、全て音声ランプ制御装置113へと送信するように構成し、音声ランプ制御装置113側で上述した復帰時入賞情報コマンドを受信した場合に、上述した入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本実施形態では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合や、大当たり遊技が終了した場合に、必ず入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、所定の禁止条件が成立している場合には入賞情報の内容を判別しないように構成しても良い。この場合、所定の禁止条件としては、例えば、パチンコ機10が複数の演出モードを有しており、そのうちの1の演出モードが設定されている場合に成立する演出モード禁止条件や、特別図柄の抽選結果として大当たり以外(外れ)が所定回数(例えば、500回)連続した場合に成立するハマリ中禁止条件や、入賞情報に含まれる大当たり抽選結果(当否判定結果)に基づいて複数の特別図柄変動に跨がって実行される連続演出が実行されている間に成立する連続演出中禁止条件や、その連続演出が終了してからの所定期間(例えば、特別図柄の変動が2回実行されるまでの期間)の間に成立する多発禁止条件等を設けると良い。
このように構成することで、入賞情報に基づいて事前に判別された内容に応じた演出(所謂、先読み演出)を実行可能な期間と、実行不能な期間とを設定することができるため、遊技者に対して先読み演出が実行されなかった場合であっても大当たりへの期待感を維持することができる。なお、上述した禁止条件が成立している場合に、入賞情報の内容を判別する頻度を低くするように構成しても良いし、禁止条件が成立していない場合に、必ず入賞情報の内容を判別するのでは無く、入賞情報の内容を判別する頻度を高くするように構成しても良い。さらに、上述した禁止条件が成立しているか否かは遊技者に把握されないように構成すると良い。
仮時短情報更新エリア223iは、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に応じて事前に更新させた時短情報(仮時短情報)を一時的に格納するためのデータ領域である。本実施形態では、この仮時短情報更新エリア223iに格納されている仮時短情報を参照して、時短状態が終了するタイミングを事前に判別する。
この仮時短情報更新エリア223iは、上述した時短情報更新エリア223gと同様に主制御装置110から時短設定情報を含む時短関連コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理(図52のS1504)にてエンディング演出の終了タイミングと判別し(図52のS1612)、時短状態の終了条件を設定した場合に(図52のS1613)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に(図60のS2602:Yes)、今回の時短状態を終了させるための終了条件(時短情報)が設定される(図60のS2603)。そして、音声ランプ制御装置113の入賞情報関連処理(図57のS2210参照)において、受信した入賞情報に対応させた更新情報が格納される(図57のS2307)。 仮時短終了フラグ223jは、仮時短情報更新エリア223iに格納された仮時短情報に基づいて時短終了条件が成立したことを示すためのフラグであって、オンに設定された場合に仮時短情報に基づいて時短終了条件が成立したことを示すものである。この仮時短終了フラグ223jは、音声ランプ制御装置113の入賞情報関連処理(図57のS2210参照)において、更新された仮時短情報更新エリア223iの情報(仮時短情報)が時短終了条件を満たしていると判別した場合にオンに設定される(図57のS2309)。
そして、入賞情報関連処理(図57のS2210)において参照され(図57のS2304)、オンに設定されていると判別した場合には(図57のS2304:Yes)、以降に受信した入賞情報コマンドに対する各種判別処理をスキップするように構成している。
以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報によって、時短終了条件が成立する場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
時短下限フラグ223kは、特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。この時短下限フラグ223kは、音声ランプ制御装置113の時短更新処理(図60のS2216)において、時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)のうち、特別図柄の変動回数(第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数)に対応して設定された終了条件(特別図柄の変動回数が100回)に対して、時短状態中に実行された特別図柄の変動回数が所定回数(70回)を超えた(時短状態が終了するまでの残時短回数が30回未満となった)と判別した場合に(図60のS2608:Yes)、オンに設定される。そして、音声ランプ制御装置113の演出設定処理(図63のS2804参照)において状態表示選択テーブル222bを用いて状態表示態様を選択する際に参照される(図63のS2906)。そして、残時短回数が0回であると判定した場合(図60のS2612:Yes)、或いは、時短更新処理(図60参照)にて実行される小当たり関連更新処理(図61参照)において、終了条件が成立したと判定した場合(図61のS2706:Yes)に、オフに設定される(図60のS2613、図61のS2708)。
このように、時短終了条件が成立するまでの進行具合に応じてオンに設定されるフラグを設け、そのフラグの設定状況に応じて演出態様を可変させるように構成することで、遊技者に対して、時短終了条件が成立するタイミングを予測させることが可能となる。よって、時短状態の終了タイミングを示唆する演出の演出効果を高めることができる。
なお、本第1実施形態では、時短終了条件が成立するまでの進行具合を2段階で判別するように構成しているが、より多くの段階を設けても良い。この場合、例えば、時短状態が設定されている状態において特別図柄の変動が10回実行される毎にその状態を識別可能なフラグ(カウンタ)を設け、そのフラグ(カウンタ)に応じて演出態様を可変するように構成すれば良い。
準終了条件フラグ223mは、特別図柄の抽選によって小当たりに当選したこと基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。準終了条件フラグ223mは、時短更新処理(図60参照)にて実行される小当たり関連更新処理(図61参照)において参照され(図61のS2703)、準終了条件フラグ223mがオフであり(図61のS2703:No)、準終了条件が成立したと判別した場合(図61のS2704:Yes)、オンに設定される(図61のS2705)。そして、終了条件が成立したと判別した場合(図61のS2706:Yes)、オフに設定される(図61のS2707)。
時短終了前変動フラグ223nは、時短状態が終了する(時短終了条件が成立する)前の変動が実行されることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態が終了する1つ前の変動が実行されることを示すものである。具体的には、複数設定される時短状態の終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて設定される時短終了条件が成立するまでの期間(変動回数)が残り1回となった場合にオンに設定される。この時短終了前変動フラグ223nがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図62参照)を実行することで、当該変動が時短状態の最終変動と判別することが可能となり、時短状態の最終変動に対応した演出を実行することができる。
この時短終了前変動フラグ223nは、時短更新処理(図60参照)において残時短回数が1回であると判定した場合(図60のS2610:Yes)に、オンに設定される(図60のS2611)。そして、残時短回数が0回であると判定した場合(図60のS2612:Yes)、或いは、時短更新処理(図60参照)にて実行される小当たり関連更新処理(図61参照)において、終了条件が成立したと判定した場合(図61のS2706:Yes)に、オフに設定される(図60のS2614、図61のS2709)。また、変動表示設定処理(図62参照)にて実行される演出設定処理(図63参照)において参照され(図63のS2905)、オンに設定されていると判別した場合は(図63のS2905:Yes)、状態表示態様を示す表示用状態表示コマンドを設定するために最終状態表示選択テーブル222cを用いる処理(時短状態の最終変動用の処理)を実行し、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(図63のS2905:No)、状態表示選択テーブル222bを用いる処理(時短状態における最終変動以外の変動用の処理)を実行するように構成している。
なお、本実施形態では、時短が終了する前の変動が完了した(実行された)ことを判別するために、時短終了前変動フラグ223nを設定するようにしているが、それ以外にも、例えば、第2特別図柄の入賞情報を保留記憶可能な構成を設け、保留記憶されている入賞情報に対しても先読み処理(図44参照)を実行するように構成し、その先読み処理の結果を示す入賞コマンドを受信するように構成し、受信した入賞コマンドに基づいて、小当たり当選する第2特別図柄の入賞情報を事前に判別するように構成する。そして、事前判別の結果に基づいて、時短状態の終了条件が成立する小当たり当選が実行される特別図柄変動の前の変動が実行される場合に、時短終了前変動フラグ223nがオンになるような構成を追加しても良い。これにより、複数の時短終了条件を有する遊技機において、確実に時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動を判別することができる。
状態演出カウンタ223oは、音声ランプ制御装置113によって実行される各種演出の演出態様を設定する際に用いられる各種抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図55参照)が実行される毎に1ずつ更新される。状態演出カウンタ223oは、上述した演出カウンタ223eと同一のループカウンタで構成されている。なお、詳細な構成については、上述した演出カウンタ223eと同一であるため省略する。この状態演出カウンタ223oの値は、状態表示選択テーブル222bや最終状態表示選択テーブル222cを用いて、状態表示態様を選択する際に参照される(図63参照)。
このように、特定の規則性(当否判定結果、各種フラグの設定状況)に応じて特定の表示態様を選択する場合において、ランダムに更新される値(状態演出カウンタ223oの値)に基づいて選択される表示態様を更に詳細に区分けするように構成することで、表示態様の多様化を図るとともに、選択される表示態様(第3図柄表示装置81に表示される表示態様)によって現在の遊技状態(時短状態の更新状況)を遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図56参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図8参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図49参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図8参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に図28を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れについて説明をする。図28は、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図28に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10は、上述したように通常遊技状態中(通常状態中)は、左打ち遊技が行われ第1入球口64を狙う特1遊技が実行される。ここで、第1特別図柄の大当たりに当選すると、当選した大当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりC(全体の50%)である場合は、大当たり終了後に再度通常状態が設定され、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりBである場合は、大当たり終了後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態(時短状態)へと移行するように構成されている。
なお、通常状態中において第2入球口640に球を入球させて第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選した場合はその大当たり終了後に遊技状態として、通常状態が設定されるように構成している。これは、図3を参照して上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は通常状態中(通常遊技中)に右打ち遊技を行ったとしても第2入球口640に球が入球しない(し難い)ように構成していることから、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行される行為を不正行為とみなし、不正行為を行った遊技者に対して有利な遊技を行わせないための対策である。後述するように、本実施形態では時短状態中では第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選(遊技)を行わせることができるように構成しているため、不正行為を行って第2特別図柄の抽選を行われる虞があった。そこで、上述した対策を施すことにより、不正行為により第2特別図柄の抽選が行わせることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶する構成を有していないため、例えば、時短状態中(電動役物640aが突出位置に動作され易い状態中)に第2特別図柄の入賞情報を保留記憶し、その保留記憶された入賞情報に基づいて通常状態中の第2特別図柄の抽選(変動)が実行されてしまうことが無い。これにより、正常な遊技を行っている場合に、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されることを確実に防止することができる。
遊技状態として時短遊技状態(時短状態)が設定されると、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作(突出動作)により第2入球口640に容易に球を入球させることができるようになるため、右打ち遊技が行われ第2入球口640を狙う特2遊技が実行される。
ここで、第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合は、小当たり遊技としてV入賞装置650が開放動作され、V入賞装置650内のVスイッチ650e3が球を検知することで(球が特定領域を通過することで)、大当たり遊技が開始される。本実施形態では、小当たり遊技経由で大当たり遊技が設定(実行)された場合には、その大当たり遊技終了後に、遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技経由の大当たりを獲得した遊技者に対して不快感を与えることを無くすことができる。
なお、本実施形態では第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA〜C)によって、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性(Vスイッチ650e3が球を検知する可能性)が異なる小当たり遊技が実行されるように構成されている。
加えて、本実施形態では、遊技者に有利な遊技状態(通常状態よりも有利な遊技状態)である時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)として、特別図柄(第1特別図柄或いは第2特別図柄)の変動回数(抽選回数)が規定変動回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件(第1時短終了条件)と、特別図柄(第2特別図柄)の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数(小当たり当選に基づいて動作されるV入賞装置650の動作回数)が規定動作回数に到達した場合に成立する動作回数終了条件(第2時短終了条件)と、が設定されている。
また、詳細は後述するが、第2時短終了条件は、更に、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(実行される小当たり遊技)に応じてそれぞれ設定されるように構成している。
そして、時短状態が設定されている状態(状況)において、上述した第1時短終了条件、或いは、第2時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄の大当たり抽選に当選(1種当たりに当選)、或いは、特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、当選した小当たりに応じた小当たり遊技(小当たり種別に応じた小当たり遊技)中に、球を特定領域に通過させ大当たりを獲得(2種当たりを獲得)した場合には、時短状態が繰り返し設定される。
一方、時短状態が設定されている状態(状況)において、1種当たり、或いは2種当たりを獲得する前に上述した第1時短終了条件(特別図柄の変動回数に応じた終了条件)或いは第2時短終了条件(小当たり当選(V入賞装置650の動作)に応じた終了条件)の何れかが成立した場合には、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行(設定)される。
このように構成された本実施形態のパチンコ機10は、時短状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、時短状態を終了させる可能性(第2時短終了条件が成立する可能性)と、2種当たりを獲得する可能性の両方を遊技者に提供することができる。よって、時短状態中に実行される遊技(第2特別図柄の抽選)に対する遊技者の興味を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態では図28に示した通り、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態として通常状態が設定されている状態、即ち、左打ち遊技が行われている状態であって、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)が上限数(4個)である場合に大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合に実行され得る「時短状態中における第1特別図柄変動(抽選)」において、大当たりに当選したとしても、遊技者に不利となる結果を遊技者に提供することを抑制することができる。
次に図29および図30を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の小当たり遊技中の流れについて説明をする。図29(a)〜(f)は小当たり遊技中の各種構成の流れを模式的に示した図である。図29(a)〜(f)に示した通り、主制御装置110の制御処理によって小当たり遊技が実行されると、表示制御装置114によって第3図柄表示装置81の表示画面に小当たり遊技演出が実行される。そして、小当たり遊技が開始されてからt1(1秒)経過するとV入賞口ソレノイドが予め定められたシナリオに沿って駆動する(図27参照)。また、流路ソレノイド650kは常時OFFに設定されておりV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2へと流下する。特別排出流路650e2を流下した球はV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3により検知され、小当たり遊技が開始されてから1秒後からの17秒間(V有効期間t5)の間にVスイッチ650e3が球を検知することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行され、大当たり遊技が開始されてからオープニング期間t6(2秒)が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技が開始され特定入賞口65が開放される。
このように、本実施形態では、正常に右打ち遊技を実行するだけで小当たり遊技中にV入賞装置650へ球を入賞させることができ、且つ、Vスイッチ650e3に球を検知させることができるように構成している。このように構成することで、たとえ、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が、第2特別図柄の抽選が1回行われたことで終了するように構成したとしても、不都合なく遊技を行わせることができる。また、第2特別図柄の抽選が1回行われたことで時短状態が終了するように構成しているため、例えば、第2特別図柄の抽選で当選した小当たりの種別を識別し、遊技者に不利な小当たり(例えば、小当たり種別が小当たりCの小当たり)に当選した場合に、V入賞装置650へ球を入賞させずに、次の第2特別図柄の抽選を狙う遊技を防止することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図31〜図36を参照して、本第1実施形態における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図31は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図64のS4001参照)の終了後に実行される初期化処理(図64のS4002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図36参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図66(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図64のS4003,S4004参照)。
ここで、図32を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図32は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図32(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図32(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図32(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図32(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、図32(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図32(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図31に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図33を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図33は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図33(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図33(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図33に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図33(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図33(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図33(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図33(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図31参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図31に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA〜Dのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入球口640へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入球口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図34を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図34は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図36の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図36参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図35を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図35は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図35のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図35のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図35の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図36参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図35の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図32(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図64参照)の中でオンに設定される(図64のS4005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図66(b)のS4305参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図66(b)のS4301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図66(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図66(b)のS4309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図67〜図75参照)および表示設定処理(図76〜図78参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図79(a)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図79(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図80参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図66(b)のS4303参照)の中で、ポインタ更新処理(図78のS6005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図36参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図36を参照して、描画リストの詳細について説明する。図36は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図36に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図66(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図76のS6007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図64のS4002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図80参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図80のS6513参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図80のS6514参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図81のS6602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図66(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図81のS6602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図37から図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図37は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、999,99,99,239,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図38〜図43を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図45および図46を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、V入賞装置650への入球に伴うV入口通過処理を実行する(S108)。その後、V入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3への入賞に伴うV通過処理を実行する(S109)。尚、V入口通過処理及びV通過処理の詳細は、図47及び図48を参照して後述する。
次いで、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図38は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている期間が含まれるものであり、大当たり遊技の開始を示す期間(オープニング期間)と、大当たり遊技中の期間(ラウンド遊技期間)と、ラウンド遊技期間が終了し、次に新たな特別図柄の抽選(変動)が開始されるまでの猶予期間(エンディング期間)と、が含まれる。
ここで、現在が大当たり中であるか否かの判別をするために、具体的には、大当たり中フラグ203dがオンに設定されているかを判別している。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり中フラグ203dがオンに設定されている)と判別した場合は(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ、即ち、大当たり中フラグ203dがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、遊技球が第2入球口640へ入球したか否かを判別する(S203)。
遊技球が第2入球口640へ入球したと判別した場合は(S203:Yes)、つまり、特別図柄の大当たり中でもなく、特別図柄の変動中でも無い場合において、第2入球口640へ球が入球した場合、即ち、第2特別図柄の変動(抽選)開始条件が成立した場合は、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値を特別図柄保留球実行エリアに格納する(S204)。
次いで、第1図柄表示装置37a,37bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S210)、本処理を終了する。なお、特別図柄変動開始処理については、図39を参照して後述する。
一方、S203の処理において、遊技球が第2入球口640へ入球していないと判別された場合には(S203:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)の値を取得する(S205)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいか判別する(S206)。特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0であると判別された場合には(S206:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、特別図柄変動を実行するための本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0でなければ(S206:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保している状態であれば、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を減算し(S207)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S208)。S208の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S209)。その後、上述したS210の処理を実行し、本処理を終了する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S211)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S211:No)、即ち、現在が特別図柄の変動期間中であれば、本処理を終了する。
一方、S211の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S211:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様(停止表示)を設定する(S212)。停止表示の設定は、図39を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S210)によって予め行われる。詳細な説明は省略するが、本実施形態では、S212の処理において設定された停止表示を所定期間(0.5秒)第1図柄表示装置に表示するように構成している。このように停止図柄の表示態様(停止表示)を所定期間継続して表示させることにより、変動中の図柄が一瞬表示された場合とは異なり、遊技者に対して確実に停止表示された第1図柄の内容を認識させることができる。
上述した第1図柄の停止態様を表示する所定期間(確定期間)として、本実施形態では0.5秒を設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1図柄が変動中であることを示すために点灯状態と消去状態とを繰り返す点滅表示を行う場合であれば、その点滅表示を行う際の1回の点灯表示期間(例えば、0.2秒)よりも長い期間を上述した確定期間として設定すれば良い。このように構成することで、第1図柄が変動中であるか停止中(確定中)であるかを遊技者に容易に判別させることができる。
S212の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の特別図柄の変動表示が開始された際に、特別図柄変動開始処理(図39のS210参照)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の判別結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S213)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S213:Yes)、大当たり種別(大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別)に基づいて、特定入賞口(可変入賞装置)65の開放シナリオを設定し(S214)、その後、大当たりの開始の設定する(S215)。次いで、大当たり開始フラグ203cと大当たり中フラグ203dとをオンに設定し(S216)、時短中カウンタ203kを0に設定して(S217)、S218の処理へ移行する。S218の処理では、停止コマンドを設定し(S218)、本処理を終了する。
つまり、本実施形態では、S217の処理にて説明をした通り、特別図柄の大当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が終了(第1図柄の確定表示が終了)してから、大当たり遊技が開始されるまでのタイミングで時短状態が終了するように構成している。なお、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについては、予め定められているタイミングで有れば良く、上述した本実施形態のように、特別図柄(第1図柄)の確定表示後以外にも、例えば、大当たりに当選した特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了しても良いし、特別図柄が停止表示されたタイミング(確定表示が開始されるタイミング)で時短状態を終了しても良い。また、当選した大当たりに対応した大当たり遊技を開始するタイミングや大当たり遊技が開始されてから所定期間後(例えば、可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技開始タイミング)に時短状態を終了しても良いし、大当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了しても良い。
さらに、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させる終了タイミング(特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件を成立させるタイミング)を、上述した複数のタイミングの中から1つだけ予め設定するように構成しても良いし、当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なるタイミングで時短状態が終了するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了させた場合には、遊技者に対して、時短状態が終了し(例えば、特別図柄の変動回数が規定回数(100回)に到達し)通常状態が設定されたのか、それとも、時短状態中に大当たりに当選したことにより時短状態が終了したのかを分かり難くすることができる。よって、時短状態が終了した際に実行される特別図柄変動に対応する第3図柄の演出表示(変動表示)の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり種別毎に時短終了条件が成立するタイミング(大当たりに当選した場合に時短状態を終了させるタイミング)を異ならせるように設定することで、時短状態の終了タイミングに基づいて特別図柄の抽選結果(判別結果)が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、複数の大当たり種別毎に設定される時短終了条件が成立するタイミングの一部に、時短状態が終了したタイミングを遊技者が識別した場合に、今回の特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであることを遊技者に報知できるタイミング、即ち、大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件が成立した場合にのみ時短状態が終了する大当たり専用の時短終了タイミングを設けても良い。
このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを把握することで、大当たりに当選したことをいち早く知ることができ、優越感に浸る期間を長くすることができる。また、このような効果をより奏するために、上述した大当たり専用の時短終了タイミングを、特別図柄変動が実行されてから特別図柄変動が終了するまでの変動期間のうち、前半期間に設定するように構成すると良い。
一方、S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S213:No)、時短回数を更新するための時短回数更新処理を実行し(S219)、その後、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S220)。なお、上述した時短回数更新処理(S219)の詳細な説明は、図42を参照して後述するが、本処理では、複数設定される時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数(特別図柄の抽選回数)に基づいて成立し得る変動回数終了条件に対する情報を更新する処理が実行される。
S220の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S220:Yes)、小当たり開始設定処理を実行し(S221)、上述したS218の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S220の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S220:No)、小当たり開始設定処理(S221)をスキップして、S218の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本実施形態の特別図柄変動処理(図38のS104)では、第1特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無よりも優先して(先に)、第2特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無を判別するように構成している(図38のS203の処理)。これは、遊技者にとって有利な特別図柄である第2特別図柄は入賞情報を保留記憶する保留記憶手段を持っておらず、且つ、遊技状態として時短状態が設定されている場合に変動可能(変動容易)となり、通常状態が設定されている場合は、変動不能(変動困難)となる第2特別図柄のほうが、第1特別図柄よりも変動(抽選)を実行し難い特別図柄となるように構成されているためである。
このように構成されたパチンコ機10において、万が一、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図37参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、遊技者に対して不快感を与えてしまうことになる。さらに、本実施形態では第1特別図柄の抽選(変動)よりも第2特別図柄の抽選(変動)のほうが遊技者に有利となる抽選結果に当選し易くなるように(小当たりに当選し易くなるように)構成しているため、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図37参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、より不快感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、第1特別図柄、或いは第2特別図柄の変動を開始させる処理を実行する場合に、遊技者にとって付加価値の高い(小当たりの当選確率が第1特別図柄よりも高い、実際に抽選(変動)が実行され難い)特別図柄(本実施形態では第2特別図柄)の抽選(変動)条件を優先して(最初に)判別するように構成しているため、上述した問題が発生することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では時短回数を更新する際の処理として、特別図柄の変動回数に応じて成立する変動回数終了条件に関わる処理(時短回数更新処理(S219))を実行した後に、小当たり当選に応じて成立する当選回数終了条件に関わる処理(小当たり開始設定処理(S221))を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄の変動(抽選)において、変動回数終了条件と当選回数終了条件とが成立するような抽選結果が得られた場合に、変動回数終了条件が先に成立し、変動回数終了条件が成立したことに基づいて時短状態が終了することになる。
このように、複数設定される時短終了条件に対して、予め定めた順序で各時短終了条件の成立の有無を判別するように構成することで、複数の時短終了条件が同一の特別図柄変動(抽選)において到達し得る場合にも規則的に時短状態を終了させることができる。
なお、上述した構成を、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示後に時短状態を終了し、当選回数終了条件が成立した場合には、その小当たり遊技終了後に時短状態を終了させるように構成されたパチンコ機10に用いることで、時短状態の終了タイミングを、成立する時短終了条件に応じて異ならせることができる。
具体的には、例えば、小当たりBに当選し、当選回数終了条件が単独で成立した場合には、その小当たりBに対応する小当たり遊技が終了した後に時短状態が終了する。一方で、変動回数終了条件が成立する特別図柄の抽選(変動)にて小当たりBに当選した場合は、変動回数終了条件が優先して成立し、小当たりBに対応する小当たり遊技が開始される前、即ち、特別図柄の抽選結果(小当たりB)を示す特別図柄(第1図柄)の確定表示後に時短状態が終了する。
上述した例では、遊技状態として時短状態が設定されている状態において、小当たりBに当選した特別図柄の抽選(変動)に基づいて、時短状態が終了する場合であっても、成立する時短終了条件に応じて時短状態を終了させるタイミング(小当たり遊技中の時短の有無)を可変させて設定することができるため、遊技者に対して有利な期間の長さを成立する時短終了条件に応じて異ならせることができる。これにより、遊技者にとって有利となる時短終了条件と、不利となる時短終了条件と、を設定することができる。よって、遊技者に対して、時短終了条件が成立しないように期待する遊技に加え、なるべく有利な時短成立条件が成立することを期待する新たな遊技性を提供することができる。
なお、上述した構成を有する遊技機に対して、例えば、小当たり遊技中においても、電動役物640aが開放動作(ロング開放)した場合に入球可能(容易)となる入球口(第2入球口640)に球を入球させられるように、小当たり遊技において開放される特定入賞口(V入賞装置650)よりも上方に第2入球口640を設け、小当たり遊技中に第2入球口640に球を入球させる遊技を行わせるように構成すると良い。
さらに、小当たり遊技の期間(V入賞装置650が開放している期間(1.8S)と、閉鎖している期間)が長い(例えば、60秒)小当たり遊技が実行される小当たり種別を設定可能に構成し、且つ、第2入球口に入球した場合に遊技者に提供される賞球数(例えば5個)よりも、V入賞装置650に入賞した場合に遊技者に提供される賞球数(例えば、3個)の方が少なくなるように構成することで、小当たり遊技中における時短状態の有無によって、遊技結果(遊技によって獲得した球数)を大きく異ならせることができる。このように構成されたパチンコ機10において、上述したように時短の終了タイミングを異ならせる技術を設けることで、より興趣を高めた遊技を遊技者に提供することができる。
次に、図39を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S210)について説明する。図39は、特別図柄変動開始処理(S210)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S210)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動時間)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、小当たり種別カウンタC5の各値を取得する(S301)。次に、取得した特別図柄の種別(第1特別図柄或いは第2特別図柄)に対応した第1当たり乱数テーブル202a(特別図柄1乱数テーブル202a1、特別図柄2乱数テーブル202a2)に基づいて、抽選結果を取得する(S302)。具体的には、第1入球口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選であれば、第1当たり乱数カウンタC1の値と特別図柄1乱数テーブル202a1(図22(b)参照)に格納されている乱数値を比較して大当たりか否かの判別を行い、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選であれば、第1当たり乱数カウンタC1の値と特別図柄2乱数テーブル202a2(図22(c)参照)に格納されている乱数値を比較して大当たりまたは小当たりの判別を行う。
次いで、抽選結果が大当たりであるか否かを判別する(S303)。抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S303:Yes)、取得した特別図柄の種別に対応した第1当たり種別選択テーブル202bに基づいて、大当たり種別を取得する(S304)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特図1大当たり種別選択テーブル202b1または特図2大当たり種別選択テーブル202b2に格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜D)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する(図23(b)または(c)参照)。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判別される判別値を同じとしたが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判別される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判別されるように構成されるため、同一の乱数値を狙う不正遊技が行われたとしても、偏って大当たりが実行されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たりと判別される乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判別される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
そして、特別図柄の種別(特別図柄種別)と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定する(S305)。このS305の処理では、判別された大当たり種別(大当たりA〜D)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜D)が停止種別として設定される。
その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて大当たり変動パターンを決定し(S306)、S314の処理へ移行する。S306の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図23(b)または図24)。
S314の処理では、S306の処理で決定した変動パターンを音声ランプ制御装置113へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S314)。次いで、S305の処理で設定された停止種別を音声ランプ制御装置113へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S315)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S315の処理が終わると、本処理を終了し、特別図柄変動処理(図38参照)へ戻る。
一方、S303の処理において、抽選結果が大当たりではない場合は(S303:No)、次に、抽選結果が小当たりか否かを判別する(S307)。抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S307:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fに基づいて、小当たり種別を取得する(S308)。より具体的には、S301の処理で取得した小当たり種別カウンタC5の値と、小当たり種別選択テーブル202fに格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の小当たり(小当たりA〜C)のうち、小当たり種別が何であるかを判別する(図22参照)。
次いで、小当たり種別に対応した小当たり時の表示態様を設定する(S309)。その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて小当たり変動パターンを決定する(S310)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において小当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S306の処理と同様に、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図23(b)または図24)。
次いで、S308の処理にて取得した小当たり種別を小当たり種別格納エリア203eに格納し(S311)、その後、上述したS314及びS315の処理を実行し、特別図柄変動処理(図38参照)へ戻る。なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成しているため、S308およびS309において特別図柄種別を参照する必要が無いが、例えば、第1特別図柄の抽選においても小当たりに当選するように構成した場合は、S308及びS309の処理において、特別図柄種別も参照して小当たり種別を取得し、小当たり時の表示態様を設定するように構成すれば良い。
なお、この場合におけるS314及びS315の処理においては、特別図柄の抽選結果が小当たりであると判定された場合において設定された変動パターン(S310参照)と、停止種別(S309参照)に対応するコマンドが設定される。
抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S307:No)、特別図柄の種別に対応した外れ時の表示態様を設定する(S312)。その後、保留球数に基づいて外れ時の変動パターンを決定する(S313)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S306の処理と同様に、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図23(b)または図24)。次いで、上述したS314及びS315の処理を実行し、特別図柄変動処理(図38参照)へ戻る。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S221)について説明する。図40は、小当たり開始設定処理(S221)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S221)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA〜C)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定し、当選した小当たりに応じて時短情報を更新するための処理(当選回数終了条件に対する更新処理)が実行される。
ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されるとV入賞装置650を球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行(設定)されるよう構成されている。
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。なお、詳細は後述するが本実施形態では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA〜C)に対応して異なる小当たり遊技が実行されるように構成されており、各小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性が異なるようにしている。
このように構成することで、実行される小当たり遊技によって大当たり遊技(2種当たり)が実行(設定)される可能性(期待度)を可変させることができるため、遊技者に対して小当たりに当選するか否かだけでは無く、当選した小当たりの種別に対しても興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
小当たり開始設定処理(S221)が実行されると、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S401)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203hに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S402)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202fに基づいて、V通過大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりA(15ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がBであれば、大当たりB(5ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がCであれば、大当たりA(5ラウンド時短有大当たり)であると判別する(図22参照)。つまり、本実施形態では、小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり(2種当たり)の大当たり遊技の内容と、特別図柄の抽選によって大当たり(1種当たり)に当選した場合に実行される大当たり遊技とで同一の大当たり遊技が実行されるように、2種当たりを獲得した場合に(特定領域を球が通過した場合に)、1種当たりにおいて設定される大当たり種別(大当たりA或いはB)が実行された小当たりの種別に応じて設定されるように構成されている。
このように、2種当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、1種当たりに当選した場合と、2種当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態の構成に限ること無く、1種当たりに当選した場合のみ、或いは、2種当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、1種当たりと2種当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。
図40に戻り、説明を続ける。S402の処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S403)、小当たり開始フラグ203fと小当たり中フラグ203gをオンに設定する(S404)。その後、小当たり用時短更新処理を実行し(S405)、本処理を終了する。この小当たり用時短更新処理(S405)は、小当たりに当選した場合に成立し得る時短状態の終了条件である当選回数終了条件に対応する時短情報を更新するための処理と、時短情報を更新したことにより当選回数終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための処理と、を実行するためのものであって、その詳細は図41を参照して後述する。
ここで、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり用時短更新処理(S405)について説明する。図41は、小当たり用時短更新処理(S405)の内容を示したフローチャートである。この小当たり用時短更新処理(S405)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の小当たり開始設定処理(図40参照)の中で実行される処理であり、当選した小当たりに基づいて時短情報を更新し、時短終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと更新するための処理である。
小当たり用時短更新処理(S405)では、まず、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きいかを判別する(S501)。即ち、現在が時短状態であるかを判別する。S501の処理において、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S501:No)、時短状態以外の遊技状態において小当たりに当選した状態であるため、時短情報を更新するために本処理を全てスキップし、本処理を終了する。なお、本実施形態では、時短状態が設定されている状態以外では小当たりに当選することが無いように(第2特別図柄の抽選(変動)が実行されないように)構成しているため、S501の処理にて時短状態が設定されていない状態であると判別した場合に、エラー報知(異常報知)を実行するためのエラーコマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S501の処理において、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きい、即ち、時短状態が設定されている状態であると判別した場合は(S501:Yes)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」であるかを判別する(S502)。ここで、S502の処理では、特別図柄変動開始処理(図39参照)のS311の処理において小当たり種別格納エリア203eに格納された小当たり種別を読み出して判別を実行する。
S502の処理において、今回の小当たり種別が「小当たりA」であると判別した場合は(S502:Yes)、小当たりAカウンタ203mの値を1減算し(S503)、減算後の小当たりAカウンタ203mの値が0であるかを判別し(S504)、0であると判別した場合は(S504:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりAに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、変動回数終了条件が成立するまでの期間を計測していた時短中カウンタ203kの値を0に設定し(S505)、各種当選回数終了条件を計測していた小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203pのそれぞれの値を0に設定し(S506)、遊技状態として通常状態を設定する(S507)。
上述したS505〜S507の処理を実行することにより、複数設定される時短終了条件のうち、1つの時短終了条件が成立した場合に、他の時短終了条件が成立するまでの期間を計測するためのカウンタの値をそれぞれ時短終了条件が成立したことを示す値に設定することができるため、時短終了条件が成立した後に(遊技状態として通常状態が設定された後に)、時短情報を更新するための処理(小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203p、時短中カウンタ203kの値を更新するための処理)が実行されることを確実に防止することができる。よって、不必要な処理が実行されることを抑制できるため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、複数の時短終了条件のうち、何れかの終了条件が成立した場合に、複数の時短終了条件のそれぞれに対応する時短情報を更新するための各種カウンタの値を0(時短終了条件が成立したことを示す値)に設定するように構成するだけであるため、時短状態が終了した後に、前回の時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを判別することができないが、例えば、成立した時短終了条件を記憶可能な記憶手段を設け、過去に成立した時短終了条件の種別や成立回数を判別可能に構成しても良い。
このように構成することで、例えば、成立し易い時短終了条件を、設計値から算出した算出結果と、実際の成立回数とに基づいて決定し、その決定した内容に基づいて遊技者に成立し易い時短終了条件を示唆(報知)するように構成することができる。さらに、1の時短終了条件が成立した場合における他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況(例えば、時短中カウンタ203kの値が0になった時点における小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203pの各値)を記憶可能に構成し、最も成立し難い時短終了条件、即ち、複数の時短終了条件のうち、1の時短終了条件が成立した時点において、最も大きな値の時短情報を有する時短終了条件を判別するように構成しても良い。
S507の処理を終えると、次に、減算された各小当たりカウンタの値に対応する残時短回数コマンドを設定し(S508)、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S509)、本処理を終了する。ここで、S508及びS509で設定されたコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、受信した残時短回数コマンドに基づいて時短情報を管理し、時短状況(時短状態が終了するまでの期間)を示唆(報知)するための状態表示態様を設定する。また、受信した状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を把握する。
一方、S504の処理において、小当たりAカウンタ203mの値が0では無いと判別した場合は(S504:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS505〜S507の処理をスキップしてS508の処理へ移行する。
上述したS502の処理に戻り説明を続ける。S502の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」では無い(「小当たりB」、或いは「小当たりC」である)と判別した場合は(S502:No)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」であるかを判別し(S510)、「小当たりB」であると判別した場合は(S510:Yes)、小当たりBカウンタ203nの値を1減算し(S511)、その後、減算した小当たりBカウンタ203nの値が0であるかを判別する(S512)。
S512の処理において、小当たりBカウンタ203nの値が0であると判別した場合は(S512:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりBに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、上述したS505の処理へ移行し、時短状態を終了させるための処理を実行する。
一方、S512の処理において、小当たりBカウンタ203nの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は(S512:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS505〜S507の処理をスキップしてS508の処理へ移行する。
S510の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」では無い、即ち、「小当たりC」であると判別した場合は(S510:No)、小当たりCカウンタ223pの値を1減算し(S513)、減算した後の小当たりCカウンタ223pの値が0であるかを判別する(S514)。
S514の処理において、小当たりCカウンタ223pの値が0であると判別した場合は(S514:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりCに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、上述したS505〜S507と同一の処理を実行するS515〜S517を実行し、S508へ移行する。一方で、S514の処理において、小当たりCカウンタ203pの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は(S514:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了させるためのS515〜S517の処理をスキップしてS508の処理へ移行する。
以上説明をした通り、本実施形態では小当たりに当選した特別図柄の変動時間が経過した場合に、その小当たり当選に対応するカウンタの値を減算し、小当たり当選に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無を判別するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行される前に当選回数終了条件により時短状態を終了させることが可能となる。よって、変動回数終了条件、当選回数終了条件の何れの時短終了条件が成立した場合であっても、時短状態を終了させるタイミングに大きな差が発生することを防止することができる。
具体的には、本第1実施形態では、変動回数終了条件、即ち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示が終了したタイミングで時短状態が終了するように構成され、当選回数終了条件、即ち、特別図柄の抽選で小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示後の、小当たり遊技の開始設定タイミングで時短状態が終了するように構成されている。
つまり、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、対応する特別図柄の変動が停止した直後に時短状態が終了するように構成している。これにより、今回設定された時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを遊技者に分かり難くすることができる。なお、時短状態が終了したか否かを遊技者が判別するためには、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動時間の長短や、電動役物640aの開放パターンを識別する必要があるが、例えば、本実施形態のように小当たり開始設定時(小当たり遊技が開始される直前)に時短状態を終了するように設定することで、小当たり遊技が開始された直後には時短状態が終了したか否かを判別し難くすることができる。
なお、本実施形態では、複数の時短終了条件のうち、変動回数終了条件と当選回数終了条件との何れの終了条件が成立した場合にも、略同一のタイミング(遊技者が判別困難な程度の時間差を含む概念)で時短状態を終了させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示直後に時短状態を終了させ、当選回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示後に実行される小当たり遊技終了後に時短状態を終了させるように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている期間中を時短状態とすることができる。
よって、小当たり遊技中は今回の小当たり当選によって時短状態が終了したのか否かを遊技者が判別することができず、小当たり遊技が終了するまで(2種当たりを獲得したか否かの遊技結果が報知されるまで)、時短状態が終了したのか否かを分かり難くすることができる。さらに、本実施形態のように、小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な遊技性を有するパチンコ機10では、小当たり遊技終了後に時短状態が終了したか否かを遊技者に報知するように構成することで、今回の小当たり遊技が時短状態を終了させる小当たり当選に基づくものでは?と予測しながらの遊技を行うことになるため、時短状態中に実行される小当たり遊技に対して常に意欲的に2種当たりを狙わせることができる。
次に、図42を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される時短回数更新処理(S219)について説明する。図42は、時短回数更新処理(S219)を示したフローチャートである。この時短回数更新処理(S219)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。
時短回数更新処理(S219)では、まず、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S601)。S601の処理において、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203kの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S601:Yes)、時短中カウンタ203kの値を1減算し(S602)、S603の処理へ移行する。
S603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短中カウンタ203kの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
その後、時短中カウンタ203kの値が0であるかを判別する(S604)。時短中カウンタ203kの値が0であると判別した場合は(S604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S605)、小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203nおよび小当たりCカウンタ203pを0に設定する(S606)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。
一方、S604の処理において、時短中カウンタ203kの値が0ではないと判別した場合は(S604:No)、そのまま本処理を終了し、特別図柄変動処理(図38参照)へ戻る。
以上、説明をしたとおり、本実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動回数終了条件)の成立の有無は、時短回数更新処理(図42参照)により判別され、特別図柄の小当たり当選の当選回数に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無は、小当たり用時短更新処理(図41参照)により判別されるように構成している。そして、何れの処理において、複数設定される時短終了条件うち、何れかの終了条件が成立した場合には、他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すための各種カウンタの値を全て時短終了条件が成立した状態を示すための値(0)に設定するように構成している。よって、何れの時短終了条件が成立した場合においても、時短状態を終了させるための処理内容を統一することができる。
なお、本実施形態では、各時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すために、時短状態が設定されたタイミングで各種カウンタに、各時短終了条件を示す値を設定し、各時短終了条件に対応する時短情報を判別した場合に、各種カウンタの値を減算し、減算した値が0となった場合に、対応する時短終了条件が成立したと判別する構成を用いているが、それ以外にも、時短状態が設定された時点で各種カウンタの値を0にセットし、対応する時短情報を判別した場合に、カウンタの値を1加算し、加算後のカウンタの値が時短終了条件を示す値であると判別した場合に時短状態を終了するように構成しても良い。つまり、時短終了条件の成立の有無を判別する手段と、時短状態が設定されている状態において、各種時短終了条件に対応する時短情報(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数等)を更新する更新手段と、を設ける構成であれば良い。
さらに、本実施形態では、時短終了条件のうち、当選回数終了条件として、各小当たり種別個々の回数が所定数に到達した場合に成立する終了条件を用いているが、これ以外にも、例えば、各小当たり種別が設定された合計回数、即ち、時短状態が継続して設定されている期間中に当選した小当たり回数の総数に対応した当選回数終了条件を設定しても良いし、小当たりBが設定された回数と小当たりCが設定された回数を合算した合算回数が所定回数に到達した場合に成立する当選回数終了条件を設定しても良い。
この場合、小当たりBのみに対応する当選回数終了条件が成立する当選回数(小当たりB終了回数(例えば、3回))と小当たりCのみに対応する当選回数終了条件が成立する当選回数(小当たりC終了回数(例えば、5回))に対して、上述した合算回数を小当たりB終了回数と小当たりC終了回数の和より少なくするのは勿論のこと、小当たりB終了回数と小当たりC終了回数のうち、大きい値(本例の場合では5回)よりも少ないを設定すると良い。これにより、時短状態中に小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別に対して、複合的に時短状況を把握しなければ時短状態の終了タイミングを予測することが出来なくなるため、時短状態の終了タイミングを遊技者に把握させ難くすることができる。
次に、始動入賞処理(S105)を説明する。まず、図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図43は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第1入賞口(第1入球口)64への入賞(始動入賞、入球)の有無を判別し、入賞があったと判別した場合、即ち、第1入球口64内に設けられた入球検知スイッチ(図示せず)により、球が検出された場合に(S701:Yes)、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理(図43,S105)が実行されると、まず、球が第1入賞口(第1入球口)64に入賞(始動入賞、入球)したか否かを判別する(S701)。ここでは、第1入球口64内に設けられた入球検知スイッチ(図示せず)により、球が検出された状態が繰り返し実行される3回のタイマ割込処理にわたって継続しているか否かを判別することにより、第1入賞口(第1入球口)64への球の入賞(入球)を判別するように構成している。このように、所定期間(タイマ割込処理が3回実行される期間(4ミリ秒間))の間継続して球を検出していると判別した場合のみ球が入賞(入球)したと判別するように構成することで、例えば、球の流れによって発生した微量の電気がノイズとなり瞬間的にセンサ(入球検知スイッチ)がオン(球の通過を検知した状態)となったとしても、そのノイズにより発生した事象(瞬間的なオン)と、球が通過することで発生する事象(所定期間継続するオン)と、を区分けして処理を実行することができる。
なお、所定期間継続して球を検知した場合に、球が入球したと判別する制御を用いる場合には、上述したように、球を検知したと判別される期間が所定期間未満の場合(ノイズによる瞬間的な検知)に加え、所定期間よりも長い上限期間を超える場合も異常が発生したと判別し、球が入賞(入球)したと判別しないように構成すると良い。これにより、不正な操作により、長期間ノイズを発生させたとしても球の入賞(入球)が誤作動してしまうことを抑制することができる。
そして、球が第1入球口64に入賞(入球)したと判別すると(S701:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S702)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S703)。
S703の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満である(3以下である)と判別した場合は(S703:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を1加算し(S704)、その演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S705)。
ここで設定された保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S705の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理(図37参照)のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S706)。尚、S706の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
そして、S707の処理では、先読み処理を実行する(S707)。その後、この処理を終了する。一方、第1入賞口(入球口)64への入賞(入球)が無いと判別した場合(S701:No)、或いは、第1入賞口(入球口)64への入賞(入球)があると判別した場合(S701:Yes)であっても特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が4未満で無い(4である)と判別した場合は(S703:No)、S707の先読み処理へ移行する。
尚、本実施形態では、上述した通り、第1特別図柄の入賞情報(抽選を実行する権利)を、所定数(4)を上限に保留記憶可能に構成し、第2特別図柄の入賞情報を保留記憶できないように構成しているが、第1特別図柄の入賞情報と、第2特別図柄の入賞情報とを、共に所定数を上限に保留記憶可能にする構成を用いても良い。この場合、図43を参照して上述した処理を第2特別図柄の入賞情報(第2入賞口(入球口)640)に対しても実行するように構成すればよい。
また、第1特別図柄、第2特別図柄の何れも入賞情報を保留記憶可能とする構成を用いる場合は、各特別図柄に対する入賞情報を保留記憶可能な上限数を統一(例えば、4)しても良いし、異なる値を上限数(例えば、第1特別図柄は4、第2特別図柄は2)として設定しても良い。さらに、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)と第2特別図柄の保留球数(保留記憶数)とを合算した値に対して保留記憶可能な上限数を設定するように構成しても良い。
次に、図44を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図43のS105参照)内の1処理である先読み処理(S707)について説明する。図44は、この先読み処理(S707)を示すフローチャートである。
この先読み処理(図44のS707)では、まず、第1入賞口(入球口)64に新たな入賞(入球)があるかどうかを判別する(S801)。判別の結果、第1入球口64に新たな入賞が無いと判別した場合は(S801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入賞口(入球口)64に新たな入賞があったと判別した場合は(S801:Yes)、特別図柄1乱数テーブル202a1、特図1大当たり種別選択テーブル202b1、及び変動パターンテーブル202d(通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2)に基づいて、抽選結果、大当たり種別、及び変動パターンを事前に取得する(S802)。
次いで、S802の処理で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、及び変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S803)、本処理を終了する。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、後述する入賞情報関連処理(図57参照)を実行し、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出の表示態様を設定すると共に、時短状態の進捗を事前に(仮に)更新させる処理を行う。そして、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図45を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図45は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示及び変動時間、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作及び開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図45のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S901)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合は(S901:Yes)、新たな普通図柄変動(抽選)を開始(実行)することができない状態であるため、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中では無いと判別した場合は(S901:No)、次に、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)であるかを判別し(S902)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)では無いと判別した場合(S902:No)、即ち、現在が普通図柄の当たり中でも、普通図柄の変動中でも無い状態、つまり、新たな普通図柄変動(抽選)を開始(実行)することが可能な状態であると判別した場合は、第2図柄保留球実行エリアに第2当たり乱数カウンタが格納されているかを判別する(S903)。
S903の処理において、第2図柄保留球実行エリアに第2当たり乱数カウンタが格納されていないと判別した場合、即ち、新たに実行すべき普通図柄の入賞情報が存在していないと判別した場合は(S903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第2図柄保留球実行エリアに第2当たり乱数カウンタC4が格納されていると判別した場合は(S903:Yes)、格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S904)。
そして、S904の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄(第2)当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S905)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する。
次に、S905の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S906)、普通図柄の当たりであると判別した場合には(S906:Yes)、当たり時の表示態様を設定し(S907)、S909の処理へ移行する。このS907の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
一方、S906の処理において、普通図柄の外れであると判別した場合には(S906:No)、外れ時の表示態様を設定し(S908)、S909の処理へ移行する。このS908の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S909の処理へ移行する。
S907又はS908の処理が終了すると、S909の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判別し(S909)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S909:Yes)、第2図柄表示装置83における普通図柄の変動時間を3秒間に設定し(S910)、次に普図短変動フラグ203qをオンに設定して(S911)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態では無い(通常状態である)と判別した場合は(S909:No)、第2図柄表示装置83における普通図柄の変動時間を30秒間に設定して(S912)、本処理を終了する。
なお、S911の処理でオンに設定された普図短変動フラグ202qは、普通図柄の抽選が実行されたタイミングにおける遊技状態が時短状態であるか否かを一時的に記憶するための構成であって、普通図柄の変動が停止表示され電動役物640aの開放動作を設定する際に参照されるものである。これにより、普通図柄の変動(抽選)開始タイミングと、電動役物640aの開放動作タイミングと、がどの遊技状態であるのかに応じて電動役物640aの開放動作内容を可変することができる。
本実施形態では、普通図柄の変動(抽選)開始(実行)タイミングにおける遊技状態を、専用のフラグを用いて一時的に記憶するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、現在設定されている遊技状態を常に記憶可能な遊技状態記憶手段に、普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に、その普通図柄の抽選が実行された際における遊技状態を一時的に記憶するための記憶領域を設けるように構成しても良い。さらに、通常状態が設定されている期間を常に記憶する手段を設け、その手段にきおくされている期間(通常状態が設定されている期間)と、普通図柄の抽選が行われたタイミングとを比較することにより、普通図柄の抽選が行われたタイミングにおける遊技状態を判別することができるように構成しても良い。つまり、現在設定されている遊技状態を記憶可能な記憶手段と、過去の所定タイミングにおいて設定されていた遊技状態を少なくとも記憶可能な記憶手段を設けた構成であれば良い。
一方、S902の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であると判別した場合は(S902:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S913)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S910の処理またはS911の処理によって予め設定された時間である。
S913の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S913:No)、本処理を終了する。一方、S913の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していると判別すると(S913:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S914)。S914の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S907の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S908の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。なお、第2図柄が停止表示される期間は、第2図柄が変動中であることを示す点滅表示(「○」と「×」との交互表示)における1つの箇所を点灯させる期間よりも長くなるように(確定表示する)構成している。これにより、遊技者に対して第2図柄が停止表示されたことを容易に把握させることができる。
S914の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図51参照)の第2図柄表示更新処理(図51のS1508)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S907処理またはS908の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
S914の処理を終えると、次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(図45,S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S915)。今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S915:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合は(S915:Yes)、次に、普図短変動フラグ203qがオンに設定されているかを判別する(S916)。
S916の処理において、普図短変動フラグ203qがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合、即ち、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S916:No)、電動役物640aの開放時間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S921)、S920の処理へ移行する。
一方、S916の処理において、普図短変動フラグ203qがオンに設定されていると判別した場合、即ち、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S916:Yes)、普図短変動フラグ203qをオフに設定し(S917)、次いで、現在の遊技状態が時短状態(時短中)であるかを判別する(S918)。
S918の処理において、現在の遊技状態が時短状態でないと判別した場合は(S918:No)、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が通常状態で、現在の遊技状態(電動役物640aの開放動作を設定するタイミング)が通常状態であるため、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S921)、S920の処理へ移行する。
一方、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S918:Yes)、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミング、及び、現在の遊技状態(電動役物640aの開放動作を設定するタイミング)が共に時短状態であるため、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を2秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定(電動役物640aのロング開放動作を設定)し(S919)、S920の処理へ移行する。
以上説明をした通り、本実施形態では、普通図柄の抽選(変動)が実行されるタイミングと、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの開放動作を設定するタイミングと、が共に時短状態である場合にのみ、電動役物640aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)を設定するように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利となる開放動作が設定される条件を厳密に設定することができるため、例えば、遊技状態として通常状態が設定されている状態で普通図柄の抽選(変動)が実行されて当たりに当選し、その普通図柄の変動時間(30秒)が終了するまでの間に時短状態が設定されたとしても、電動役物640aの動作としてロング開放が設定されることが無い。また、同様に時短状態が設定されている状態で実行された普通図柄の変動(抽選)において当たりに当選し、その普通図柄の変動が停止するまでの間に遊技状態として通常状態が設定された場合にも電動役物640aのロング開放が設定されることが無い。よって、遊技者に対して過剰に有利な特典(電動役物640aのロング開放)が提供されてしまうことを抑制することができる。
さらに、遊技状態として通常状態が設定されている状態において電動役物640aがロング開放することを抑制することができるため、遊技者に有利な特別図柄(第2特別図柄)の抽選が実行され易い期間を時短状態中に制限することができる。なお、本実施形態では、普通図柄の抽選(変動)が開始されるタイミングと、電動役物640aの開放動作を設定するタイミングと、における遊技状態を判別し、各タイミングにおいて設定される遊技状態に基づいて電動役物640aの開放動作内容を設定する構成として、上述した構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、普通図柄の抽選(変動)が開始されるタイミングと、電動役物640aの開放動作を設定するタイミングと、が共に通常状態である場合のみ遊技者に不利となる開放動作(図45のS921で設定される開放動作)を設定し(ショート開放を設定し)、それ以外の状態ではロング開放(図45のS919で設定される開放動作)が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定されている前後の期間において実行される普通図柄変動に対しても遊技者に有利な特典(ロング開放)を提供することができるため、時短状態を遊技者により有利な状態をすることができる。
このように、遊技状態として時短状態が設定されている間は、通常状態が設定されている場合と比較して、普通図柄の変動時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では大当たり遊技が実行される場合には時短状態が終了するように構成しているため、大当たり遊技中は通常状態となる。一方、小当たり遊技が実行される場合には、時短終了条件が成立しない限り継続して時短状態が設定されるように構成しているため、時短状態が設定されている間に実行される小当たり遊技中は、小当たり遊技においてV入賞装置650が開放し、且つ、電動役物640aがロング開放する期間となり、複数の入賞口(V入賞口650a、第2入球口640)への球の入球が容易となる特定期間となる。
このような構成を用いて例えば、図2に示した遊技盤13の構成に代えて、V入賞装置650の情報に電動役物640a及び第2入球口640を配設し、小当たり遊技中に2つの入賞口(V入賞装置650a、第2入球口640)に球が入球するように構成すると良い、これにより、小当たり遊技中に獲得可能な賞球数を増加させることができ、遊技者により有利な特典を付与することが可能となる。
図45に戻り説明を続ける。S920の処理では、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S920)、本処理を終了する。S920の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図51参照)の電動役物開閉処理(S1506参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S921の処理またはS919の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。
次に、図46のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図46は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。
スルーゲート通過処理(図46,S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(S1001)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理(S101)にわたって検出する。なお、本検出の内容は、上述した始動入賞処理(図43参照)のS701の処理と同様であるため、その詳細な説明を省略する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判別する(S1001:Yes)、第2図柄表示装置83の表示態様が普通図柄変動中であるかを判別し(S1002)、第2図柄表示装置83の表示態様が普通図柄変動中であると判別した場合は(S1002:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1002の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が普通図柄変動中では無いと判別した場合は(S1002:No)、今現在が、普通図柄の当たり中であるかを判別する(S1003)。判別の結果、普通図柄の当たり中であると判別した場合は(S1003:Yes)、そのまま本処理を終了する。普通図柄の当たり中では無いと判別した場合は(S1003:No)、新たな普通図柄の変動(実行)を抽選可能なタイミングであるため、上述したタイマ割込処理(S101)のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、第2図柄保留球実行エリアに格納する(S1004)。その後、本処理を終了する。
次に、図47を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S108)について説明する。図47は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行されるV入口通過処理(S108)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S108)では、まず球通過センサ(球検知スイッチ)650c1がオンであるか否かを判定する(S1101)。S1101の処理において、球通過センサ650c1がオンでないと判別された場合は(S1101:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1101の処理において、球通過センサ650c1がオンであると判別された場合(S1101:Yes)、V入賞口650aの開放期間中であるか否かを判別する(S1102)。
S1102の処理において、V入賞口650aの開放期間中であると判別された場合(S1102:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S1103)、本処理を終了する。ここで設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる(図28参照)。
一方、V入賞口650aの開放期間中でないと判別された場合は(S1102:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定する(S1104)。その後、流路ソレノイド209aをオンに設定し(S1105)、本処理を終了する。
次に、図48を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S109)について説明する。図48は、V通過処理(S109)を示すフローチャートである。このV通過処理(S109)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行される処理である。
V通過処理では、まず、V通過フラグ203jがオンであるか否かを判別する(S1201)。S1201の処理において、V通過フラグ203jがオンであると判別された場合は(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S1201の処理において、V通過フラグ203jがオンでないと判別された場合は(S1201:No)、V通過ありか否かを判別する(S1202)。即ち、遊技球がV入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過したか否かを判別する。S1202の処理において、V通過なしと判別された場合は(S1202:No)、そのまま本処理を終了する。
S1202の処理において、V通過ありと判別された場合は(S1202:Yes)、V通過有効期間中であるか否かを判別する(S1203)。V通過有効期間中であると判別された場合は(S1203:Yes)、V通過大当たり種別格納エリア203hに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S1204)、取得したV通過大当たり種別を示すVフラグ203iをオンに設定する(S1205)。そして、V通過コマンドを設定する(S1206)。
次いで、V通過フラグ203jをオンに設定し(S1207)する。その後、時短中カウンタ203kを0に設定して(S1208)、本処理を終了する。
一方、S1203の処理において、V通過有効期間中でないと判別された場合は(S1203:No)、エラーコマンドを設定し(S1209)、本処理を終了する。V通過有効期間中でない場合に、遊技球がV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過した場合は、不正にV入賞スイッチ650e3へ球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S1209の処理においてエラーコマンドが設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
図49は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1301)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するものである。
次に、図50を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図50は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定を実行する(S1401)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1402)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1403)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図8参照)がオンされているか否かを判別し(S1404)、オンされていれば(S1404:Yes)、処理をS1415へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1404:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1405)、記憶されていなければ(S1405:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1415へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1405:Yes)、RAM判定値を算出し(S1406)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1407:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1415へ移行する。なお、図51のS1515の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1415の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1415)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1416,S1417)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1416,S1417)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1416,S1417)を実行する。RAMの初期化処理(S1416,S1417)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1416)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1417)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1410の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1404:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1405:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1407:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1408)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1409)、S1410の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1410の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、時短中カウンタ203kの値を読み出し(S1411)、読み出した値に基づく状態コマンドを設定する(S1412)。そして、流路ソレノイド209aをオフに設定する(S1413)。その後、割込みを許可して(S1414)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図51を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図51は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1501〜S1508の各処理が実行され、その残余時間でS1511,S1512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図51参照)においては、まず、タイマ割込処理(図37参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1501)。具体的には、タイマ割込処理(図37参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図39参照)や始動入賞処理(図43参照)で設定された特図1保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(S1501)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図52,S1504)で設定されたオープニングコマンド(S1602)、ラウンド数コマンド(S1607)、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S1611)。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1502)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新(S1502)が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1503)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1504)。大当たり制御処理(S1504)では、大当たり状態のラウンド毎に対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。この対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1504)をメイン処理(図51参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図37参照)において実行しても良い。
次に、特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための小当たり制御処理を実行する(S1505)。小当たり制御処理(S1505)では、開放シナリオに基づいて対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。尚、本実施形態では、小当たり制御処理(S1505)をメイン処理(図51参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図37参照)において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1506)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図45参照)のS920の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS919の処理またはS921の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37a,37b(図2参照)の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1507)。第1図柄表示更新処理(S1507)では、特別図柄変動開始処理(図39参照)のS306、S310またはS312の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37a,37bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理(図51参照)は4m秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(S1507)では、特別図柄変動開始処理(図39参照)のS306、S310またはS312の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37a,37b(図2参照)において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図39参照)のS305、S309またはS311の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37a,37bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1508)。第2図柄表示更新処理(S1508)では、普通図柄変動処理(図45参照)のS910の処理またはS911の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1508)では、普通図柄変動処理(図45参照)のS914の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図45参照)のS907の処理またはS908の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1509)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1509:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1510)、既に所定時間が経過していれば(S1510:Yes)、処理をS1501へ移行し、上述したS1501以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1510:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1511,S1512)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1511)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、各カウンタ値が最大値(本実施形態では999、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1502の処理と同一の方法によって実行する(S1512)。
ここで、S1501〜S1508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより(S1511)、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1509の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1509:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図49のNMI割込処理が実行されたということなので、S1513以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1513)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1514)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1515)、RAM203のアクセスを禁止して(S1516)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1509の処理は、S1501〜S1508で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1511とS1512の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1501の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1501の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1401)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1501の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図52のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1504)を説明する。図52は、この大当たり制御処理(S1504)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1504)は、メイン処理(図51参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図52,S1504)では、まず、特別図柄の大当たり開始タイミングであるかを判別する(S1601)。具体的には、大当たり開始フラグ203cの設定状況を解析することにより判別する。この大当たり開始フラグ203cは、特別図柄変動処理(図38参照)のS215の処理により大当たりの開始を設定した場合に、オンに設定される(S216)。S1601の処理において、大当たりの開始タイミングであると判別した場合(大当たり開始フラグ203cがオンであると判別した場合)は(S1601:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1602)、次いで、大当たり開始フラグ203cをオフに設定して(S1603)、本処理を終了する。
一方、S1601の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングでは無い(大当たり開始フラグ203cがオフに設定されている)と判別した場合には(S1601:No)、次に、現在が大当たり中であるかを判別する(S1604)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれるものであり、上述した大当たり中フラグ203dがオンに設定されている期間が該当する。S1604の処理において、特別図柄の大当たり中では無い(大当たり中フラグ203dがオフである)と判別した場合(S1604:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、S1604の処理において、特別図柄の大当たり中である(大当たり中フラグ203dがオンに設定されている)と判別した場合には(S1604:Yes)、大当たり中における複数タイミングで実行される各種処理を実行するタイミングであるかを判別するための判別処理(S1605〜S1612)が実行される。
S1604の処理において、現在が大当たり中であると判別した場合は(S1604:Yes)、次に、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1605)。このS1605の処理では、今回の大当たり遊技に対応して設定される開放シナリオに基づいて現在のタイミングが新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。S1605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1605:Yes)、開放シナリオテーブル202gに基づき、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S1606)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1607)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
なお、詳細な説明は省略するが、大当たりが継続して(例えば、複数の大当たり遊技が実行される間の特別図柄変動回数(抽選回数)が50回未満の場合や、大当たり遊技中を挟んで時短状態が繰り返し設定されている期間中に)実行される場合には、音声ランプ制御装置113側にて継続して実行される大当たり遊技のラウンド数を累積して表示するように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信される状態コマンドや変動パターンコマンドに基づいて大当たりが継続して実行されていると判別する期間(連チャン期間)を設定する期間設定手段と、その期間設定手段によって設定された期間中に新たな大当たり遊技が実行された場合に、前に実行された大当たり遊技におけるラウンド遊技数(ラウンド数)に新たな大当たり遊技のラウンド遊技数(ラウンド数)を加算するラウンド数累積手段と、そのラウンド数累積手段により累積されたラウンド累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114に送信し、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81に表示するラウンド累積数表示制御手段と、を有している。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S1605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1605:No)、次に、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S1608)。具体的には、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、可変入賞装置65又はV入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1608の処理において、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1608:Yes)、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖して、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S1608:No)、次に、現在がエンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1610)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンド(今回の大当たり遊技において予め設定される最終ラウンド遊技)が終了して開閉扉650f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。なお、このエンディング演出の開始タイミングおよび後述する終了タイミングについても、大当たりに当選した際に設定される開放シナリオ(図38のS214参照)に基づいて判別するように構成している。
S1610の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S1610:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1611)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1610の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1610:No)、S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S1612)。S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1612:No)、本処理を終了する。
S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1612:Yes)、次に、実行中の大当たり種別が大当たりA〜大当たりDの何れであるかを判別する(S1613)。このS1613の処理では設定される大当たり種別を一時的に格納する格納エリア(図示しない)に格納されている大当たり種別が読み出される。
次に、読み出した大当たり種別に基づいて、時短付与テーブル202eを用いて対応する時短終了条件を設定する(S1614)。具体的には、大当たり種別が大当たりA(15R時短有大当たり)または大当たりB(5R時短有り大当たり)の場合は、時短中カウンタ203kに100を、小当たりAカウンタ203mに1を、小当たりBカウンタ203nに3を、小当たりCカウンタpに5を、それぞれ設定する。また、大当たり種別が大当たりD(15R時短有大当たり)の場合は、時短中カウンタ203kに100を、小当たりAカウンタ203mに2を、小当たりBカウンタ203nに10を、小当たりCカウンタpに50を、それぞれ設定する。
なお、大当たり種別が大当たりC(5R時短無大当たり)の場合は、大当たり終了後に時短状態が設定されない大当たり種別であるため、時短中カウンタ203k、小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタp、のそれぞれに値(時短終了条件)が設定されない用に構成している。上述したS1614の処理を終えると、次に、S1614の処理にて設定した時短終了条件を示す各種カウンタの値に対応した情報を示すための時短設定情報コマンドを設定する(S1615)。
ここで設定された時短設定情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、時短設定情報コマンドを受信すると、時短情報更新エリア223gおよび仮時短情報更新エリア223iに今回の時短状態の時短終了条件を示す時短情報を設定する(図60のS2603参照)。ここで設定された時短情報と、特別図柄の変動(抽選)に基づいて更新される時短状態の更新情報に基づいて、時短状態の残回数(残条件)を判別し、その残回数に基づいて様々な演出態様が第3図柄表示装置81にて表示される。
S1615の処理を終えると、次に、大当たり後に設定される遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S1616)、大当たりの終了を設定し(S1617)、大当たり中フラグ203dをオフに設定し(S1618)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、時短状態の終了条件を異ならせて設定することができるように構成している。さらに、本実施形態では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に比べて、第2特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合のほうが、時短状態の終了条件(時短終了条件)として成立し難い時短終了条件が設定されるように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定されている間の右打ち遊技中に、2種当たりでは無く1種当たりに当選した際の付加価値を遊技者に提供することができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりB)では、同一の時短終了条件が設定されるように構成しているが、それに限ること無く、例えば、大当たり種別が大当たりAの場合のほうが成立し難い時短終了条件を設定するように構成しても良い。また、複数の時短終了条件の一部を大当たりAのほうが成立し易くし、他を大当たりBの方が成立し易くなるように設定しても良い。
さらに、図21(d)に示した通り、本実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数に関する変動回数終了条件(時短中カウンタ203kの値に基づいた終了条件)と、特別図柄の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数に関する当選回数終了条件(各小当たりカウンタの値に基づいた終了条件)と、を設定するように構成している。
加えて、当選回数終了条件として、小当たり当選時に設定される複数の小当たり種別に対応させた終了条件を設定するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に到達するまでの間に、どの小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行され、あとどれくらいで時短状態が終了するのかを分かり難くすることができる。
なお、本実施形態では、変動回数終了条件として特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の変動回数「100回」のみを設定するように構成しているが、大当たり種別に応じて異なる変動回数終了条件を設定しても良い。また、変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数のみを計測する第1特別図柄変動計測手段を設け、その第1特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第1特別図柄変動終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみを計測する第2特別図柄変動計測手段を設け、その第2特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第2特別図柄変動終了条件を設けても良い。
さらに、本実施形態では、当選回数終了条件として各小当たり種別に対応させたカウンタ(小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203p)の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、単に小当たりに当選した回数を合算した値に基づいて成立する時短終了条件を設定しても良いし、複数(3以上)の小当たり種別のうち、所定数(2つ)の小当たり種別が設定された小当たり遊技が実行された回数を合算して計測する手段を設け、その手段の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しても良い。
また、本実施形態では、小当たり当選時に設定され得る小当たり種別の全てに対して、時短終了条件を設定するように構成しているが、これに限ることなく、小当たり当選時に何回設定されたとしても時短終了条件が成立し得ない小当たり種別として小当たり種別Zを設定可能に構成しても良い。これにより、時短状態中に小当たりに当選したことを遊技者が把握したとしても、今回の小当たりによって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。
加えて、上述した小当たり種別Zを設ける場合には、当選回数終了条件が設定されている小当たり遊技と同一内容の小当たり遊技を実行するように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の遊技内容を識別したとしても、今回の小当たり遊技によって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。
このように、小当たりに当選したことを判別したり、或いは、小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技の遊技内容を判別したりすることで、つまり、パチンコ機10の遊技内容を判別することで、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を把握困難とすることにより、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を示唆(報知)する演出に対して、遊技者に強い興味を持たせることができる。なお、本実施形態において第3図柄表示装置81で実行される演出の制御内容については、後述する音声ランプ制御装置113の制御処理説明の中で詳細に説明をする。
次に、図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(S1505)を説明する。図53は、この小当たり制御処理(S1505)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1505)は、メイン処理(図51参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理(図53,S1505)では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S1701)。具体的には、小当たり開始設定処理(図40参照)のS404の処理により小当たり開始フラグ203fがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S1701の処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S1701:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1702)。そして、小当たり開始フラグ203fをオフに設定して(S1703)、本処理を終了する。
一方、S1701の処理において、特別図柄の小当たりが開始されない場合には(S1701:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判別する(S1704)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1704の判別は小当たり中フラグ303gがオンに設定されているかを解析することで判別する。S1704の処理において、特別図柄の小当たり中では無いと判別した場合は(S1704:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1704の処理において、特別図柄の小当たり中であると判別した場合には(S1704:Yes)、S1705の処理を実行する。S1705の処理では、V入賞口開放タイミングであるか判別する(S1705)。S1705の処理において、V入賞口開放タイミングであると判別した場合には(S1705:Yes)、開放シナリオテーブル202gに基づき、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S1706)、今回が5回目又は10回目の開放タイミングであるかを判別する(S1707)。
S1707の処理において、今回が5回目又は10回目の開放タイミングでは無いと判別した場合は(S1707:No)、本処理を終了する。一方、S1707の処理で今回が5回目又は10回目の開放タイミングであると判別した場合は(S1707:Yes)、次に、S1708の処理において、Vフラグ203iがオンに設定されているかを判別し(S1708)、オンではない(オフである)と判別した場合には(S1708:No)、小当たり種別格納エリア203eに格納されている小当たり種別を読み出し(S1709)、次いで、読み出した小当たり種別に対応する指示コマンドを設定する(S1710)。
S1710の処理において設定される指示コマンドとしては、例えば、小当たり種別として小当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い小当たり(例えば、小当たりA)と、小当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い小当たり(例えば、小当たりB、C)と、によって第3図柄表示装置81に表示する表示態様を異ならせるための指示コマンドが設定される。
具体的には、小当たり遊技中に2種当たりし易い小当たりAが小当たり種別として設定される場合には、遊技者に対して強制的に右打ち遊技を実行させるための表示態様(図16(a)参照)が設定され、その後、球が特定領域を通過した場合には無事2種当たりを獲得したことを示す表示態様(図16(b)参照)が表示されるように構成している。このように、実行される小当たり遊技における特定領域に球を通過させるための期待度に応じて、指示コマンドが設定された場合の内容を異ならせることで、遊技者に違和感の無い演出を提供することができる。
図53に戻り、説明を続ける。S1711の処理において、現在がV入賞口650aの閉鎖タイミングでは無いと判別した場合には(S1711:No)、次に、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1713)。S1713の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S1713:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1714)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1713の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1713:No)、S1715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S1715)。S1715の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1715:No)、本処理を終了する。
S1715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1715:Yes)、Vフラグ203iがオンに設定されているかを判別し(S1716)、オンに設定されていると判別した場合は(S1716:Yes)、Vフラグ203iの内容に対応する大当たり種別に基づく開放シナリオを設定し(S1717)、大当たり開始フラグ203c、大当たり中フラグ203dをオンに設定し(S1718)、Vフラグ203iをオフに設定し(S1719)、V通過フラグ203jをオフに設定し(S1720)、小当たり中フラグ203gをオフに設定し(S171721)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図54から図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図54を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図54は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2061)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、電源断処理(図55のS2118)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2061)。図55を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図55のS2115:Yes)、S2118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2062の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2062:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2063)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2066の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2063:Yes)、S2064へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2063:No)、S2068へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2063:Yes)、S2064へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2063:No)、S2068へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2062:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2118の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2064へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2064の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2064)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2065:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2066)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2065:No)、RAM223の異常を報知して(S2067)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、ランプ表示装置227により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2068の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2068)。電源断フラグはS2118の電源断処理の実行時にオンされる(図55のS2117参照)。つまり、電源断フラグは、S2118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2068の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2068:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2069)、RAM223の初期値を設定した後(S2070)、割込み許可を設定して(S2071)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2068の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2064からS2066の処理を経由してS2068の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2068:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2069をスキップして、処理をS2070へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S2070)、割込み許可を設定して(S2071)、メイン処理へ移行する。
なお、S2069のクリア処理をスキップするのは、S2064からS2068の処理を経由してS2068の処理へ至った場合には、S2064の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図55を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図55は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1m秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102〜S2112の処理を行わずにS2113の処理へ移行する。S2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102〜S2112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2113のコマンド判定処理や、S2114の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2113の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2114の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1m秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103〜S2112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、ランプ表示装置227の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22,23(以下、枠ボタン22と称す)が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理(S2110)の後に、各種カウンタ更新処理(S2111)が実行される。この各種カウンタ更新処理は、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた演出カウンタ223eが有する複数のカウンタの値を更新するための処理である。つまり、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ミリ秒毎に各カウンタの値が更新される。ここで、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する複数のカウンタの更新方法について説明をする。
本実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様を設定する際に、複数のカウンタの値を参照するように構成している。このような構成において、例えば、各種カウンタ更新処理(S2111)が実行される毎に全てのカウンタの値を1更新する構成、即ち、各カウンタの更新方法を統一してしまうと、各カウンタの更新具合が同期してしまい、設定される演出態様にランダム性を持たせることが出来なくなるという不具合が生じることから、各カウンタの更新される値が同期しないように構成されている。
各種カウンタ更新処理(S2111)を終えると、次に、演出更新処理(S2112)を実行する。この演出更新処理(S2112)は、現在実行されている演出(既に設定されている変動表示)の内容を演出実行中に可変させるための処理を行うためのものである。
演出更新処理(S2112)の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2113)。このコマンド判定処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次に、S2114の処理へ移行する。S2114の処理では、変動表示設定処理が実行される(S2114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図62を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理(S2114)を終えると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2117)、電源断処理を実行する(S2118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2116)、RAM223が破壊されていなければ(S2116:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図56を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2113)について説明する。図56は、このコマンド判定処理(S2113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図55参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(図56のS2113)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2201)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S2202)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S2203)、その他コマンドに応じた処理を実行し(S2217)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図62参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2204)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2204:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S2205)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2206)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図62参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2207)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2207:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(S2208)。また、S2208の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S2208の処理の終了後は、上述したS2217の処理を実行し、メイン処理に戻る。
ここで、特図1保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入球(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2208の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。尚、S2208の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S2207の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2207:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S2209)。入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:Yes)入賞情報関連処理を実行する(S2210)。次に、上述したS2117の処理を実行し、メイン処理に戻る。
ここで、入賞情報関連処理(S2210)の内容について、図57を参照して説明をする。図57は、入賞情報関連処理(S2210)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理(S2210)は、今回受信した入賞情報コマンドに含まれている入賞情報(変動種別)と、現在の遊技状況に基づいて、仮当たり演出を実行するか否かの判定を行うための処理が実行される。
入賞情報関連処理(S2210)が実行されると、まず、RAM223に設けられている遊技状態格納エリア223fに格納されている情報の読み出しを実行する(S2301)。そして、S2301の処理で読み出した遊技状態は時短中であるかを判別し(S2302)、時短中であると判別した場合には(S2302:Yes)、次に、仮当たり判定フラグ223hがオンであるか判別する(S2303)。S2303の処理において、仮当たり判定フラグ223hがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2303:No)、S2304の処理へ移行し、仮時短終了フラグ223jはオンであるかを判別する(S2304)。S2304の処理において、仮時短終了フラグ223jがオンではない(オフである)と判別した場合には(S2304:No)、S2305の処理に移行し、今回、主制御装置110より受信した入賞情報に当たり情報があるか判別する(S2305)。
一方、上述したS2303の処理において、仮当たり判定フラグ223hはオンであると判別した場合(S2303:Yes)、或いは、S2304の処理において仮時短終了フラグ223jがオンであると判別した場合(S2304:Yes)は、仮当たり演出を実行するか否かの判定処理をスキップして後述するS2311の処理へ移行する。
このように、本実施形態では、入賞情報関連処理(S2211)において、読み出した遊技状態が時短中である場合にのみ仮当たり演出を実行可能に構成している。よって、時短中である場合にのみ仮当たり演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
また、仮当たり判定フラグ223hがオンである場合、即ち、既に仮当たり演出を実行している場合は、新たな仮当たり演出が設定されないように構成しているため、実行中の仮当たり演出を最後まで遊技者に提供することができる。
次に、仮当たり演出を設定するための処理(S2305〜S2311)について説明をする。S2305の処理では、今回、主制御装置110より受信した入賞情報に当たり情報があるか判別する(S2305)。受信した入賞情報が当たりであると判別した場合には(S2305:Yes)、仮当たり判定フラグ223hをオンに設定し(S2306)、仮時短情報更新エリア223iの情報を更新する(S2307)。一方、受信した入賞情報が当たり情報ではないと判別した場合には(S2305:No)、S2306の処理をスキップし、S2307の処理に移行する。
次に、S2307の処理で更新した情報は時短終了条件か判別する(S2308)。時短終了条件であると判別した場合には(S2308:Yes)、仮時短終了フラグ223jをオンに設定する(S2309)。一方、時短の終了条件ではないと判別した場合には(S2308:No)、S2309の処理をスキップし、後述するS2310の処理に移行する。次に、仮時短情報更新エリア223iの情報に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2311)、受信した入賞情報コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリア223aに格納し(S2311)、本処理を終了する。一方、S2302の処理において、読み出した遊技状態が時短中ではないと判別された場合(S2302:No)、今回受信した入賞情報に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2312)、上述したS2311の処理を実行し、本処理を終了する。
図56に戻り説明を続ける。S2209の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S2209:No)、主制御装置110より当たり関連のコマンドを受信したか判別する(S2211)。当たり関連のコマンドを受信した場合には(S22111:Yes)、当たり関連処理(S2212)を実行し、上述したS2217の処理を実行し、メイン処理に戻る。
ここで、当たり関連処理(S2212)の内容について、図58を参照して説明する。図58は、当たり関連処理(S2212)の内容を示したフローチャートである。当たり関連処理(S2212)は、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たり又は小当たりに当選した場合に主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
当たり関連処理(図58のS2212)では、まず、コマンド判定処理(S2113)により受信した当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2401)。大当たり開始コマンドを受信した場合には(S2401:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S2402)、仮当たり判定フラグ223hをオフに設定し(S2403)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図56参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、S2401の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2401:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S2404)。ラウンド数コマンドを受信した場合には(S2404:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2405)、本処理を終了する。なお、本実施形態では主制御装置110からラウンド数コマンドとしてラウンド数を示す情報を送信しているため、受信したラウンド数コマンドに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定しているが、例えば、主制御装置110から送信するコマンドデータの容量を軽減するために、主制御装置110から新たなラウンドが開始されたことを示すための情報をラウンド更新コマンドとして送信する構成する場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223にラウンド更新コマンドを受信した場合に、受信したラウンド更新コマンドの数を蓄積するラウンド数蓄積カウンタを設け、そのラウンド数蓄積カウンタの値に基づいて音声ランプ制御装置113側で現在のラウンド数を算出し、表示用ラウンド数コマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S2404の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2404:No)、大当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2406)。大当たり終了コマンドを受信した場合には(S2406:Yes)、表示用大当たり終了コマンドを設定し(S2407)、大当たり終了時処理(S2408)を実行する。大当たり終了時処理(S2408)の詳細については、図59を参照して後述する。
一方、S2406の処理において、大当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2406:No)、小当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2409)。小当たり開始コマンドを受信した場合には(S2409:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S2410)、本処理を終了する。一方、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2409:No)、小当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2411)。小当たり終了コマンドを受信した場合には(S2411:Yes)、表示用小当たり終了コマンドを設定し(S2412)、本処理を終了する。
一方、S2411の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2411:No)、V入口通過コマンドを受信したか判別する(S2413)。V入口通過コマンドを受信した場合には(S2413:Yes)、表示用V入口通過コマンドを設定し(S2414)、本処理を終了する。一方、S2413の処理において、V入口通過コマンドを受信していないと判別した場合には(S2413:No)、V通過コマンドを受信したか判別する(S2415)。V通過コマンドを受信した場合には(S2415:Yes)、V入賞装置650のVスイッチ650e3への入球に基づく演出を示すための表示用V演出コマンドを設定し(S2416)、本処理を終了する。一方、S2415の処理において、V通過コマンドを受信していないと判別した場合には(S2415:No)、指示コマンドを受信したかどうか判別する(S2417)。指示コマンドを受信した場合には(S2417:Yes)、表示用指示コマンドを設定し(S2418)、本処理を終了する。一方、S2417の処理において、指示コマンドを受信していないと判別した場合には(S2417:No)、そのまま本処理を終了する。
本実施形態では小当たり遊技中にV入賞装置650の開閉扉650f1を12回開放させる小当たり遊技を実行するように構成しており、且つ、5回目或いは10回目の開放タイミングにおいて、Vスイッチ650e3が球を検知していない場合に指示コマンドを出力するように構成している(図54のS1609参照)。この指示コマンドを受信したと判別した場合は、第3図柄表示装置81に、V入賞装置650に球を入賞させることを強調して案内する強調案内表示態様(図16(a)参照)を表示させるための表示用指示コマンドを設定する。
そして、強調案内表示態様が表示されている状態でVスイッチ650e3が球を検知すると、図16(b)に示した通り、遊技者を祝福するための達成表示態様を表示させるための表示用達成コマンドを設定する。つまり、本実施形態では小当たり遊技が実行されV入賞装置650の開放動作が実行された状態であれば、右打ち遊技を行うことで確実に球がV入賞装置650に入賞するように構成されており、且つ、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球は、Vスイッチ650e3が設けられている特別排出流路650e2へと流下するように構成している。このように構成されているにも関わらず、開閉扉650f1の5回目の開放タイミングにおいてVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、小当たり遊技が開始された場合に第3図柄表示装置81の案内表示領域Dm2(図10(a)参照)に右打ちを案内する表示に気付かずに、左打ち遊技を実行している。或いは、遊技を止めていることが考えられる。
このような場合において、案内表示領域Dm2に表示される右打ちを案内する表示をより強調した表示に可変することで、遊技者に右打ち遊技を行わせ易くすることができる。さらに、強調案内表示態様(図16(a)参照)を表示させるタイミングとして、第3図柄表示装置81に強調案内表示態様が表示されてから右打ち遊技を行った場合に、その右打ち遊技で発射された球が小当たり遊技中にV入賞装置650に到達するタイミングとしている。よって、強調案内表示態様の表示に従って右打ち遊技を実行した遊技者が小当たり遊技中に特別排出流路650e2に球を流下させられない事態を抑制することができる。
ここで、当たり関連処理(S2212)内の一処理である大当たり終了時処理(S2408)について、図59を参照して説明する。図59は、大当たり終了時処理(S2408)の内容を示したフローチャートである。
大当たり終了時処理(図59のS2408)では、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報の読み出しを実行する(S2501)。次に、S2501の処理で読み出した情報が、時短状態であるか判別する(S2502)。読み出した情報が時短状態であると判別した場合には(S2502:Yes)、入賞情報格納エリア223aに格納されている全ての情報の読み出しを実行する(S2503)。一方、S2502の処理において、読み出した情報が、時短状態ではないと判別した場合には(S2502:No)、そのまま本処理を終了する。
S2503の処理を実行した後、次に、S2503の処理において、読み出した情報に当たり情報があるか判別する(S2504)。当たり情報があると判別した場合(S2504:Yes)、表示用連チャンコマンドを設定する(S2505)。次に、仮当たり判定フラグ223hをオンに設定し(S2506)、表示用状態表示コマンドを設定し(S2507)、本処理を終了する。一方、S2504の処理において、読み出した状態に当たり情報がないと判別した場合には(S2504:No)、読み出した状態に対応する表示用入賞情報コマンドを設定し(S2508)、本処理を終了する。
図56に戻り説明を続ける。S2211の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S2211:No)、次に、停止コマンドを受信したかを判別する(S2213)。停止コマンドを受信したと判別した場合は(S2213:Yes)、第3図柄の停止表示を設定し(S2214)、本処理を終了する。一方、停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S2213:No)、時短関連のコマンドを受信したか判別する(S2215)。時短関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S2215:Yes)、時短更新処理(S2216)を実行し、本処理を終了する。時短更新処理(S2216)の詳細については、図60を参照して後述する。一方、S2215の処理において、時短関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S2215:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、本処理を終了する。
次に、コマンド判定処理(S2113)内の一処理である時短更新処理(S2216)の内容について、図60を参照して説明をする。図60は、時短更新処理(S2216)の内容を示したフローチャートである。
時短更新処理(S2216)では、まず、今回受信した時短関連情報を解析する(S2601)。次に、S2601の処理において、解析した時短関連情報は、時短設定情報であるか判別する(S2602)。時短関連情報は、時短設定情報であると判別した場合には(S2602:Yes)、時短情報更新エリア223g及び仮時短情報更新エリア223iに時短情報を設定し(S2603)、本処理を終了する。
一方、S2602の処理において、時短関連情報は時短設定情報ではないと判別した場合には(S2602:No)、時短関連情報は変動情報か判別する(S2604)。時短関連情報は変動情報であると判別した場合には(S2604:Yes)、時短情報更新エリア223gの情報を更新する(S2605)。次に、更新後の情報を解析し(S2606)、RAM223に設けられている時短下限フラグ223kはオンであるか判別する(S2607)。時短下限フラグ223kがオフであると判別した場合には(S2607:No)、残時短回数は30回よりも少ないか判別する(S2608)。残時短回数は30回よりも少ないと判別した場合には(S2608:Yes)、時短下限フラグ223kをオンに設定する(S2609)。一方、S2608の処理において残時短回数は30回よりも多いと判別した場合には(S2608:No)、本処理を終了する。尚、S2607の処理において、時短下限フラグ223kがオンであると判別した場合には(S2607:Yes)、S2608〜S2609の処理をスキップして、後述するS2610の処理に移行する。
次に、残時短回数は1回か判別する(S2610)。残時短回数が1回であると判別した場合には(S2610:Yes)、時短終了前変動フラグ223nをオンに設定し(S2611)、本処理を終了する。一方、S2610の処理において、残時短回数は1回ではないと判別した場合には(S2610:No)、残時短回数は0回であるか判別する(S2612)。残時短回数は0回であると判別した場合には(S2612:Yes)、時短下限フラグ223kをオフに設定し(S2613)、時短終了前変動フラグ223nをオフに設定する(S2614)。次に、仮時短終了フラグ223jをオフに設定し(S2615)、本処理を終了する。一方、S2612の処理において、残時短回数は0回ではないと判別した場合には(S2612:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2604の処理において、時短関連情報は変動情報ではないと判別された場合には(S2604:No)、時短関連情報は小当たり情報かどうか判別する(S2616)。時短関連情報は小当たり情報であると判別した場合には(S2616:Yes)、小当たり関連更新処理(S2617)を実行し、本処理を終了する。一方、S2616の処理において、時短関連情報は小当たり情報ではないと判別した場合には(S2616:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、図61を参照して、小当たり関連更新処理(S2617)について説明する。図61は、小当たり関連更新処理(S2617)の内容を示したフローチャートである。
小当たり関連更新処理(図61のS2617)では、まず、時短情報更新エリア223gの情報を更新する(S2701)。次に、更新後の情報を解析し(S2702)、準終了条件フラグ223mはオンであるか判別する(S2703)。準終了条件フラグ223mがオフであると判別した場合には(S2703:No)、準終了条件は成立しているか判別する(S2704)。終了条件が成立していると判別した場合には(S2704:Yes)、準終了条件フラグ223mをオンに設定し(S2705)、本処理を終了する。
一方、S2703の処理において、準終了条件フラグ223mがオンであると判別した場合(S2703:Yes)、或いは、S2704の処理において、準終了条件は成立していないと判別した場合には(S2704:No)、終了条件が成立したか判別する(S2706)。終了条件が成立したと判別した場合には(S2706:Yes)、準終了条件フラグ223mをオフに設定し(S2707)、次に、時短下限フラグ223kをオフに設定する(S2708)。次に、時短終了前変動フラグ223nをオフに設定し(S2709)、仮時短終了フラグ223jをオフに設定し(S2710)、本処理を終了する。一方、S2706の処理において、終了条件が成立していないと判別した場合には(S2706:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2114)について説明する。図62は、この変動表示設定処理(S2114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図55参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(図62のS2114)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンかを判別する(S2801)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S2801:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2807の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別した場合(S2801:Yes)、変動開始フラグ223cをオフに設定し(S2802)、次いで、コマンド判定処理(図56参照)のS2203の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2803)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出を設定するための演出設定処理を実行し(S2804)、その後、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別および、演出設定処理にて設定した状態表示態様に基づいて生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2805)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。S2805の処理を終えると、入賞情報格納エリア223aのデータをシフトし(S2806)、S2807の処理へ移行する。
ここで、S2804の処理において実行される演出設定処理(S2804)の内容について、図63を参照して説明をする。図63は、演出設定処理(S2804)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理(S2804)は、入賞情報関連処理(図57のS2210参照)、仮当たり演出が設定された場合に、今回の変動表示設定処理(図62のS2114)にて設定される変動パターンの仮当たり演出を設定するための処理である。
演出設定処理(S2804)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報の読み出しを実行する(S2901)。次に、S2901の処理において、読み出した情報は時短状態か判別する(S2902)。読み出した情報が時短状態ではないと判別した場合には(S2902:No)、本処理を終了する。一方、読み出した情報が時短状態であると判別した場合には(S2902:Yes)、仮当たり判定フラグ223hはオンであるか判別する(S2903)。仮当たり判定フラグ223hがオンであると判別した場合には(S2903:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、Z2903の処理において、仮当たり判定フラグ223hがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2903:No)、時短情報更新エリア223gの情報の読み出しを実行する(S2904)。次に、時短終了前変動フラグ223nはオンであるか判別する(S2905)。時短終了前変動フラグ223nがオフであると判別した場合には(S2905:No)、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223mの設定、当否判定結果、状態演出カウンタ223oの値に基づいて、ROM222に設けられている状態表示選択テーブル222bを用いて、状態表示態様を選択する(S2906)。次に、選択した状態表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S2908)、本処理を終了する。
一方、S2905の処理において、時短終了前変動フラグ223nがオンであると判別した場合には(S2905:Yes)、当否判定結果、状態演出カウンタ223oの値に基づいて、ROM222に設けられている最終状態表示選択テーブルを用いて、状態表示態様を選択する(S2907)。次に、上述したS2908の処理を実行し、本処理を終了する。
図62に戻り説明を続ける。S2801の処理において、変動開始フラグ223cがオフであると判別した場合(S2801:No)、或いは、上述したS2806の処理を実行した後、停止種別選択フラグ223dはオンであるか判別する(S2807)。停止種別選択フラグ223dがオンであると判別した場合には(S2807:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S2808)、抽出した停止種別コマンドを取得する(S2809)。次に、抽出した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S2810)、本処理を終了する。一方、S2807の処理において、停止種別選択フラグ223dはオフであると判別した場合には(S2807:No)、そのまま本処理を終了する。
<第1制御処理例における表示制御装置が実行する制御処理について>
次に、図64から図81を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図64を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図64は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S4001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図65を参照して、ブート処理(S4001)について説明する。図65は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S4001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S4101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S4102)。これにより、MPU231は、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S4102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S4102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S4103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S4104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図64のS4001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図64のS4002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S4105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S4001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化させた複雑な演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図65に示すブート処理では、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S4102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S4103〜S4105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S4101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S4101及びS4102の処理を含めて複数回繰り返した後、S4103〜S4105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S4101及びS4102の処理を行わずに、S4103〜S4105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図64の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S4002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S4003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S4003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S4004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S4004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S4005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図79(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図79(a)のS6302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図66(b)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図66(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図66(b)のS4309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(図示せず)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S4005の処理の後、割込許可を設定し(S4006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S4006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図66(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図66(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S4201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図66(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図66(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図36参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図66(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S4301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S4301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示せず)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S4302)を実行し、次いで、表示設定処理(S4303)を実行する。
コマンド判定処理(S4302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図67〜図75を参照して後述する。
表示設定処理(S4303)では、コマンド判定処理(S4302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図76〜図78を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S4304)。このタスク処理では、表示設定処理(S4303)もしくは簡易表示設定処理(S4309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S4305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、各種演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図79および図80を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S4306)。この描画処理では、タスク処理(S4304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S4305)により設定された転送指示とから、図38に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図81を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S4307)。そして、V割込処理を終了する。S4307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜D、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S4301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S4301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図32参照)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S4308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S4309)を実行して、S4304の処理へ移行する。
次いで、図67〜図75を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S4302)の詳細について説明する。まず、図67は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図67に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S4401)、未処理の新規コマンドがなければ(S4401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S4401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S4303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S4402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S4403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S4404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S4404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S4405)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図68(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S4405)の詳細について説明する。図68(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S4501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S4502)。そして、S4501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4503)、ポインタ233fを0に初期化する(S4504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S4504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S4501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S4502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S4503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図81の説明に戻る。S4404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S4404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S4406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S4406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S4407)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図68(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S4407)の詳細について説明する。図68(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S4601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図66(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S4602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S4602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S4603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S4602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S4304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S4603によって設定された停止図柄判別フラグからS4602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS4602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
ここで、図67の説明に戻る。S4406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S4406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S4408)、背面画像変更コマンドがあれば(S4408:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S4409)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図69(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S4409)の詳細について説明する。図69(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S6303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S4701)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S4702)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S4701の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S4702の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面Bである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S4702によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図67の説明に戻る。S4408の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S4408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4410)、エラーコマンドがあれば(S4410:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S4411)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図69(b)を参照して、エラーコマンド処理(S4411)の詳細について説明する。図69(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4801)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4802)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4801の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4802の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4802に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図67の説明に戻る。S4410の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S4410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、当たり関連コマンドがあるか否かを判別し(S4412)、当たり関連コマンドがあれば(S4412:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行して(S4413)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図70を参照して、当たり関連コマンド処理(S4413)の詳細について説明する。図70は、当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。この当たり関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドや、表示用ラウンド数コマンドや、表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
当たり関連コマンド処理(図70,S4413)では、まず、表示用大当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S4901)。S4901の処理において表示用当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S4901:Yes)、大当たり開始コマンド処理を実行し(S4902)、S4903の処理へ移行する。
ここで、図71(a)を参照して、大当たり開始コマンド処理(S4902)の詳細について説明する。図71(a)は、大当たり開始コマンド処理(S4902)を示すフローチャートである。この大当たり開始コマンド処理(S4902)は、当たり関連コマンド処理(図70)において、表示用大当たり開始コマンドがあると判別された場合に実行される処理であり、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
大当たり開始コマンド処理(S4902)では、まず、コマンドに対応した(例えば、大当たり種別に対応した)大当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5001)。次いで、大当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5002)。その後、大当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5003)、ポインタ233fを初期化し(S5004)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5005)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4901の処理において、表示用大当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S4901:No)、S4903の処理へ移行する。S4901またはS4902の処理を終えると、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別する(S4903)。S4903の処理において、表示用ラウンド数コマンドがあると判別された場合は、ラウンド数コマンド処理を実行し(S4904)、S4905の処理へ移行する。
ここで図71(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S4904)の詳細について説明する。図71(b)は、ラウンド数コマンド処理(S4904)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S4904)は、当たり関連コマンド処理(図70)において、表示用ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技中のラウンド数が更新される際の演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
ラウンド数コマンド処理(S4904)では、まず、コマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5102)、ラウンド数表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5103)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5104)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5105)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4903の処理において、表示用ラウンド数コマンドが無いと判別された場合は(S4903:No)、S4905の処理へ移行する。S4903またはS4904の処理を終えると、表示用大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S4905)。S4905の処理において、表示用大当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S4905:Yes)、大当たり終了コマンド処理を実行し(S4906)、S4907の処理へ移行する。
ここで図72(a)を参照して、大当たり終了コマンド処理(S4906)の詳細について説明する。図72(a)は、大当たり終了コマンド処理(S4906)を示すフローチャートである。この大当たり終了コマンド処理(S4906)は、当たり関連コマンド判定処理(図70)において大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
大当たり終了コマンド処理(S4906)では、まず、コマンドに対応した大当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5201)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアして(S5202)、大当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5203)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5204)、デモ表示フラグと確定表示フラグをオフに設定して(S5205)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4905の処理において、表示用大当たり終了コマンドが無いと判別された場合は(S4905:No)、S4907の処理へ移行する。S4905またはS4906の処理を終えると、表示用小当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S4907)。S4907の処理において、表示用小当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S4907:Yes)、小当たり開始コマンド処理を実行し(S4908)、S4909の処理へ移行する。
ここで図72(b)を参照して、小当たり開始コマンド処理(S4908)の詳細について説明する。この小当たり開始コマンド処理(S4908)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であり、小当たり遊技の開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
小当たり開始コマンド処理(S4908)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5301)。次いで、小当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルバッファを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5302)。その後、小当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5303)、ポインタ233fを初期化し(S5304)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5305)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4907の処理において、表示用小当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S4907:No)、S4909の処理へ移行する。S4907またはS4908の処理を終えると、表示用小当たり終了コマンドがあるか否かを判別する(S4909)。S4909の処理において、小当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S4909:Yes)、小当たり終了コマンド処理を実行し(S4910)、S4911の処理へ移行する。
ここで図73(a)を参照して、小当たり終了コマンド処理(S4910)の詳細について説明する。この小当たり終了コマンド処理(S4910)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、小当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
小当たり終了コマンド処理(S4910)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5401)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5402)、小当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5403)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5404)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5405)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4909の処理において、表示用小当たり終了コマンドが無いと判別された場合は(S4909:No)、S4911の処理へ移行する。S4909またはS4910の処理を終えると、表示用V入口通過コマンドがあるか否かを判別する(S4911)。S4911の処理において、V入口通過コマンドがあると判別された場合は(S4911:Yes)、V入口通過コマンド処理を実行し(S4912)、S4913の処理へ移行する。
ここで図73(b)を参照して、V入口通過コマンド処理(S4912)の詳細について説明する。このV入口通過コマンド処理(S4912)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、V入口通過コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、V入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を遊技球が通過したことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
V入口通過コマンド処理(S4912)では、まず、受信したコマンドに対応したV入口通過表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5501)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5502)、V入口通過表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5503)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5504)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5505)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4911の処理において、表示用V入口通過コマンドが無いと判別された場合は(S4911:No)、S4913の処理へ移行する。S4911またはS4912の処理を終えると、表示用V演出コマンドがあるか否かを判別する(S4913)。S4913の処理において、V演出コマンドがあると判別された場合は(S4913:Yes)、V演出コマンド処理を実行し(S4914)、S4915の処理へ移行する。
ここで図74(a)を参照して、V演出コマンド処理(S4914)の詳細について説明する。このV演出コマンド処理(S4914)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、V演出コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技が付与される確率が高いことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
V演出コマンド処理(S4914)では、まず、受信したコマンドに対応したV演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5602)、V演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5603)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5604)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5605)、本処理を終了する。
図70に戻り、説明を続ける。S4913の処理において、表示用V演出コマンドが無いと判別された場合は(S4913:No)、S4915の処理へ移行する。S4913またはS4914の処理を終えると、表示用指示コマンドがあるか否かを判別する(S4915)。S4915の処理において、指示コマンドがあると判別された場合は(S4915:Yes)、指示コマンド処理を実行し(S4916)、本処理を終了する。一方、S4915の処理において、表示用指示コマンドが無いと判別された場合は(S4915:No)、本処理を終了する。
ここで図74(b)を参照して、指示コマンド処理(S4916)の詳細について説明する。この指示コマンド処理(S4916)は、当たり関連コマンド判定処理(図70参照)において、指示コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技が付与される確率が高いことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
指示コマンド処理(S4916)では、まず、受信したコマンドに対応した指示演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5651)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5652)、指示演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5653)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5654)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5655)、本処理を終了する。
ここで、図67の説明に戻る。S4412の処理において、当たり関連コマンドがないと判別されると(S4412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、枠ボタン22の押下げに対応する各種演出関連コマンドがあるか否かを判別し(S4414)、各種演出関連コマンドがあれば(S4414:Yes)、演出関連コマンド処理を実行して(S4415)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図75を参照して、演出関連コマンド処理(S4415)の詳細について説明する。図75は、演出関連コマンド処理を示すフローチャートである。この演出関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した各種演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
演出関連コマンド処理(S4415)では、まず、受信したコマンドに対応した演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5702)、演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5703)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5704)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5705)、本処理を終了する。
図67に戻り、説明を続ける。S4414の処理において、各種演出関連コマンドがないと判別されると(S4414:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S4416)、S4401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS4401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S4401:Yes)、再びS4402〜S4416の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S4401〜S4416の処理が繰り返し実行され、S4401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図66(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S4309)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図32参照)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図68(a)参照)および停止種別コマンド処理(図68(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図68(a)参照)では、S4501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S4502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図76〜図78を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S4303)の詳細について説明する。図76は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図76に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S6001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S6001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S6002〜S6004の処理をスキップし、S6005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S6001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S6002)、S6003〜S6004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S6003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S6003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S6003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S6004)。
ここで、図77を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図77は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S6101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S6101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S6102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図76の説明に戻る。警告画像設定処理(S6004)の後、又は、S6003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S6003:No)、次いで、S6005の処理へ移行する。
S6005では、ポインタ更新処理を実行する(S6005)。ここで、図78を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図78は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S6201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S6201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S6202)。その結果、End情報であれば(S6202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S6203)、デモ用表示データテーブルであれば(S6203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S6205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S6203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S6203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S6206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S6202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S6202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図76に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S6006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S6006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S6007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S6008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S6008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S6008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S6009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S6009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S6013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S6014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S6015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S6015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S4304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S6015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S6009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S6009:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S6016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S6016:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S6020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S6021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S6016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S6016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図66(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S4309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像(図示せず)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図79及び図80を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S4305)の詳細について説明する。まず、図79(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S6301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S6302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図79(b)を参照して後述する。
一方、S6301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S6303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図80を参照して後述する。
次いで、図79(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S6302)について説明する。図79(b)は、この常駐画像転送設定処理(S6302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S6401)、転送指示を送信していれば(S6401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S6402)。このS6402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6402:Yes)、S6403の処理へ移行する。また、S6401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S6401:No)、S6403の処理へ移行する。
S6403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S6403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S6403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S6404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S6403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S6405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図66(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図66(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図66(b)のS4309参照)ではなく、コマンド判定処理(図67〜図75参照)および表示設定処理(図76〜図78参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図80参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図79(a)のS6301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図80を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4305)の一処理である通常画像転送設定処理(S6303)について説明する。図80は、この通常画像転送設定処理(S6303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S4303)のポインタ更新処理(S6005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S6501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S6502)、転送データ情報であれば(S6502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S6503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S6504)、S6505の処理へ移行する。
また、S6502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S6502:No)、S6503及びS6504の処理をスキップして、S6505の処理へ移行する。S6505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S6505)、転送指示を設定していれば(S6505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S6506)。
このS6506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6506:Yes)、S6507の処理へ移行する。また、S6505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S6505:No)、S6507の処理へ移行する。
S6507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S6507)、転送開始フラグがオンであれば(S6507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S6508)、S6503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S6513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S6507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S6509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S6509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S6509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S6510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S6511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S6512)、S6513の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S6511の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S6513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S6513)。このS6513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S6513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S6513:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S6513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S6513:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S6514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S6515)、この通常画像転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送設定処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S4306)の詳細について説明する。図81は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S4304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S4305)により設定された転送指示から、図36に示す描画リストを生成する(S6601)。即ち、S6601の処理では、タスク処理(S4304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S4305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S6602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S6602の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S6603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図66(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をした通り、本第1実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件として、大当たりに当選した場合(図柄当たり、或いは2種当たりを獲得した場合)に設定される時短終了条件(特賞終了条件)と、特別図柄変動が所定回数に到達した場合に設定される時短終了条件(変動回数終了条件)と、特別図柄の抽選で小当たりに当選した回数が所定回数に到達した場合に設定される時短終了条件(当選回数終了条件)とを設定することができるように構成しているため、時短状態が継続して設定される期間(時短状態が終了するタイミング)を遊技者に容易に予測させ難くすることができる。
さらに、本実施形態では、上述した当選回数終了条件が、小当たりに複数回当選した場合に成立するように構成しているため、時短状態中において小当たりに当選する度に遊技者に対して時短状態が終了するのでは?と思わせることができる。加えて、本実施形態では、小当たりに当選した場合に複数の小当たり種別を設定可能にし、且つ、複数の小当たり種別として、当選回数終了条件を設定する小当たり種別と、当選回数終了条件を設定しない小当たり種別とを設けている。これにより、時短状態中に実行される小当たり遊技に基づいて時短状態が終了するタイミングを予測することを困難にすることができる。
なお、上述した通り、当選回数終了条件を設定する小当たり種別と、当選回数終了条件を設定しない小当たり種別を設定する場合には、実行する小当たり遊技(V入賞装置650の開放動作)が同一(遊技者が識別し得ない程度の誤差を含む概念で同一)の内容に対して、当選回数終了条件を設定する小当たり種別と、当選回数終了条件を設定しない小当たり種別を設定するように構成すると良い。これにより、時短状態が終了するタイミングが遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第1実施形態では、当選回数終了条件を設定する小当たり種別を複数設定可能に構成し、各小当たり種別に対して、当選回数終了条件として設定される回数が異なるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の内容を判別することにより、時短状態が終了するタイミングを予測させることができる。
上述した第1実施形態では、時短状態が設定されている場合に実行され易くなる第2特別図柄(特図2)の抽選にて小当たりに当選するように構成し、当選した小当たりに対応した小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合(小当たり遊技により開放されるV入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下したことをVスイッチ650e3が検知した場合)には、その小当たり遊技終了後に大当たり(2種当たり)が設定されるように構成している。
なお、上述した2種当たりの設定とは、上述した第1実施形態では、特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に設定される大当たり種別(大当たり遊技内容)に基づく大当たり遊技を、小当たり遊技中に球が特定領域を通過したことを条件に実行するように構成しているが、これに限ること無く、小当たり遊技中に球が特定領域を通過したことを条件に、実行中の小当たり遊技の種別(小当たり種別)に対応した大当たり種別を読み出し(抽選し)、読み出した(抽選の結果選択された)大当たり種別に対応する大当たり遊技を実行するように構成しても良いし、小当たり遊技中に球が特定領域を通過したことを条件に大当たりが設定され、所定の抽選の結果に基づいて選択された大当たり種別に対応した大当たり遊技を実行するように構成しても良い。
このように2種当たりを設定可能に構成した第1実施形態では、当選した小当たり種別に応じて2種当たりが設定される期待度が異なる小当たり遊技が設定され、且つ、小当たり種別毎に時短終了条件(当選回数終了条件)が設定されるように構成している。さらに、2種当たりが設定され易い小当たり遊技(小当たり種別)ほど、当選回数終了条件が成立する回数(当選回数)が少なくなるように構成している。
このように構成することで、時短状態中において小当たりに当選した場合に、2種当たりに当選する可能性と、時短状態が終了してしまう可能性との両方を想定しながら小当たり遊技を実行することになるため、時短状態における遊技性を高めることができる。さらに、2種当たりを獲得し易い小当たり遊技に当選するほど、時短状態が終了し易くなるため、小当たり遊技中の遊技を意欲的に行わせることができる。
なお、本第1実施形態では、小当たり種別のうち、継続して右打ち遊技を行っていれば2種当たりを獲得することができる小当たりAに対して当選回数終了条件が1回となるように設定している(一部例外あり)。このように構成することで、継続して右打ち遊技を行っていない遊技者(適切な遊技を行っていない遊技者)に対してのみ大きなペナルティを与えることができると共に、遊技者に対して時短中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
さらに、上述した第1実施形態では、成立した時短終了条件の種別に応じて、時短状態が終了するタイミングを異ならせるように構成しており、小当たり遊技が実行されている期間において時短状態が継続している場合と、時短状態が終了している場合とを設定可能に構成している。これにより、どの時短終了条件が成立したかによって、遊技結果を異ならせることができるため、遊技者に対して、時短終了条件の成立の有無に加え、成立した時短終了条件の種別までも注視させることができる。
具体的には、変動回数終了条件が成立した特別図柄変動において小当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が停止するタイミング(特別図柄の抽選結果を示す図柄が停止表示されるタイミング)で時短状態が終了し、その後に実行される小当たり遊技中は、通常状態となるのに対し、当選回数終了条件が成立した場合には、その小当たり遊技が実行されるタイミングにて時短状態が終了される。
なお、本第1実施形態では、図2に示した通り、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650を、スルーゲート67および電動役物640aよりも上流側(右打ち遊技により発射された球が流下する流下経路の上流側)に配設しており、小当たり遊技中にスルーゲート67や電動役物640a側へ球が流下し難くなるように構成している。これにより、成立した時短終了条件に応じて時短状態が終了するタイミングが異なったとしても、遊技者に対して気付かれ難くすることができるため、遊技者に与える違和感を抑えることができる。
さらに、本第1実施形態では、普通図柄の当たりに当選し、電動役物640aの開放動作が設定される時点で時短状態が設定されていれば、電動役物640aの開放動作中に時短状態が終了したとしても、時短状態中の開放動作が継続して実行されるように構成している。よって、成立した時短終了条件に応じて時短状態が終了するタイミングが異なったとしても、遊技者に対して気付かれ難くすることができるため、遊技者に与える違和感を抑えることができる。
なお、上述した第1実施形態のように、成立した時短終了条件に応じて時短状態が終了するタイミングが異なってしまうことを分かり難くするのでは無く、成立した時短終了条件に応じて時短状態が終了するタイミングを大きく異ならせることに特有の遊技性を持たせる場合には、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、その特別図柄の変動が開始するタイミングで時短状態を終了させ、当選回数終了条件が成立した場合には、その小当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了させるように構成すると良い。このように構成することで、成立した時短終了条件の種別によって、時短状態が設定される期間を大きく異ならせることが可能となる。
この場合には、上述した第1実施形態とは異なり、V入賞装置650よりも上流側にスルーゲート67および電動役物640aを配設し、小当たり遊技中に時短状態が設定される場合には、多くの球が電動役物640aにより誘導されて入球口(例えば、一般入球口63、第2入球口640)に入球するように構成し、さらに、小当たり遊技により開放動作されるV入賞装置650に入賞するよりも電動役物640aの動作により誘導されて入球する入球口のほうが多くの球を払い出すように構成すると良い。
加えて、時短終了条件として、変動回数終了条件を2回、当選回数終了条件を1回と設定し、時短状態が設定されてから1回目の特別図柄変動において、小当たりに当選した場合のみ、小当たり遊技中に多くの球を電動役物640aにより誘導される入球口へ入球されることができるように構成すると良い。このように構成することで、時短状態が設定されている場合に、特定の時短終了条件が成立することを期待させながら遊技を行わせることができ、新たな遊技性を提供することができる。
上述した第1実施形態では、図2を参照して示した通り、小当たりに当選した場合に開放動作されるV入賞装置650を右側領域に配設し、小当たり遊技中に右打ち遊技を行うことでV入賞装置650に球を入賞させ、V入賞装置650に入賞した球が特定領域を通過(Vスイッチ650e3が球を検知)した場合に、2種当たりが設定されるように構成している。さらに、2種当たりとして設定される大当たりの内容(大当たり遊技の内容や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態等)は、特別図柄の抽選結果である小当たりの種別によって設定されるように構成している。
このような遊技性においては、例えば、小当たりに当選した場合に、その抽選結果を第1表示装置37に停止表示される第1図柄の停止表示態様にて識別し、今回の小当たりに対応して設定されている大当たりの内容を判別することで、例えば、遊技者に最も有利ではない大当たりの内容(例えば、大当たり遊技によって得ることが出来るの賞球数(ラウンド遊技数)が他の大当たり遊技より少ない、大当たり遊技終了後に遊技者に不利な遊技状態(例えば、通常状態))が設定される小当たりに当選した場合に、意図的に2種当たりを獲得する行為を行わず、次の小当たり当選を目指すように遊技を行われてしまうという虞があった。
そこで、図2に示した本第1実施形態の遊技盤13の右側領域の構成として、右側遊技を行い発射した球がV入賞装置650に到達するまでの期間が、第1表示装置37に特別図柄の抽選結果を示した停止図柄が停止表示されてから小当たり遊技が実行されるまで(小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な時点まで)の期間よりも長くなるように、右側領域のうち、V入賞装置650の上流側に、球の流下を遅延させる遅延流路を設けると良い。
このように構成することで、第1表示装置37に停止表示される特別図柄の抽選結果を判別してから右打ち遊技を行った場合に、2種当たりを獲得し難くすることができる。よって、2種当たりを獲得するために、特別図柄の抽選結果が停止表示される前から(特別図柄の変動表示中から)継続して右打ち遊技を実行させることができるため、上述したような悪質な遊技が行われることを抑制することができる。
なお、この場合は、全ての小当たりに対して、右側遊技を行い発射した球がV入賞装置650に到達するまでの期間が、第1表示装置37に特別図柄の抽選結果を示した停止図柄が停止表示されてから小当たり遊技が実行されるまで(小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な時点まで)の期間よりも長くなるようにする必要は無く、一部の小当たり遊技(特に、遊技者に有利となる大当たり内容が設定されている小当たり種別)が条件を満たすように実行されていれば良い。
さらに、本第1実施形態では、小当たり遊技中の2種当たり期待度(継続して右打ち遊技を行っている場合において、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性)を、小当たり種別によって異ならせるように構成しており、具体的には、上述したように、当選した小当たり種別に応じて、流路ソレノイド650kの動作パターンを異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技において回動動作されるV入賞口650aの開放タイミングを当選した小当たり種別に応じて異ならせることで、小当たり遊技中の2種当たり期待度(継続して右打ち遊技を行っている場合において、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性)を異ならせる様に構成しても良い。
この場合、例えば、小当たり遊技中の流路ソレノイド650kの動作パターンを小当たり種別に関わらず一定の動作とし、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球が流下する流路が、特定領域を通過する流路(特別排出流路650e2)と連通する第1期間と、それ以外の流路(通常排出流路650e1)と連通する第2期間とが交互に成立する動作パターンを設定し、第1期間と第2期間とが成立するタイミングに対してV入賞口650aの開放タイミングを異ならせるように設定すれば良い。
さらに、特別図柄の抽選結果が外れである場合にも小当たり遊技と同様の演出を実行することにより右打ち遊技を継続させることができる。なお、この場合、特別図柄の抽選にて外れとなった場合において、その外れ種別に応じて特別図柄の確定表示時間、即ち、特別図柄の抽選結果を停止表示する期間を異ならせることにより、特別図柄の抽選結果が外れとなった場合の一部において、特別図柄の確定表示時間を長くすることができる(次の特別図柄変動が実行されるまでの期間を長くすることができる)。
よって、小当たり遊技に当選した場合以外にも2種当たりを狙わせる遊技を行わせることができる。また、この外れ時の演出(疑似小当たり遊技演出)を上述した遅延部材を用いた遊技盤13を有するパチンコ機10に適用することで、より継続的に右打ち遊技を行わせることができる。
さらに、V入賞装置650aに球が入賞し得ない開放動作(小当たり遊技)が実行される小当たり種別を設定可能にし、その小当たり種別の小当たり(残念小当たり)に当選した場合、即ち、2種当たり期待度が無い小当たり遊技が実行された場合にも、上述した(疑似小当たり遊技演出)を実行するように構成しても良い。
加えて、上述した疑似小当たり遊技演出が実行され得る特別図柄の抽選結果(特定の外れ、残念小当たり)となった回数を計測し、その計測結果に基づいて時短終了条件が成立するように構成しても良い。これにより、疑似小当たり遊技演出が実行された回数に基づいて時短状態を終了させることができるため、今回の小当たり遊技演出が疑似的なものであるのか否かを把握するために、つまり、小当たり遊技演出中にV入賞装置650に球が入賞するか否かを把握するために継続して右打ち遊技を行わせ易くすることができる。
<第2実施形態>
次に、図82〜図105を参照して本パチンコ機10の第2実施形態について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、第1特別図柄の抽選においても小当たりに当選し得るように構成した点と、時短状態の終了条件として設定される内容を異ならせた点と、第3図柄表示装置81にて表示される演出表示の内容を異ならせた点で相違する。
上述した第1実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件と、小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件と、を設定可能に構成し、複数の時短終了条件のうち、何れか1の終了条件が成立した場合に時短状態を終了させるように構成した。これにより、時短状態が継続して設定される期間を遊技者に把握させ難くし、時短状態中に緊張感を持たせた遊技を行わせ、飽きの来ない遊技を提供することができるものであった。
さらに、当選回数終了条件として、設定される小当たり種別に応じて異なる条件を設定可能に構成したため、時短状態の終了タイミングをより分かり難くするものであった。加えて、時短状態が設定される大当たりの大当たり種別に応じて、異なる時短終了条件を設定可能に構成しているため、時短状態が終了するタイミングをさらに分かり難くすることができるものであった。
しかしながら、上述した第1実施形態では、遊技の結果に応じて設定される複数の時短終了条件および、時短状態中に更新される時短情報を遊技者が把握し難くするだけであり、予め定められた時短終了条件の何が成立するのかが特別図柄の抽選結果任せになってしまい、遊技者に対して自力で大当たりを獲得したと思わせることが困難であるという問題があった。
これに対して、本第2実施形態のパチンコ機10は、時短状態が設定されている状態において、右打ち遊技を行うか左打ち遊技を行うかを遊技者が任意に選択することができ、且つ、選択した遊技内容(右打ち遊技、左打ち遊技)に応じて、成立し易い時短終了条件を異ならせるように構成している。
このように構成された第2実施形態では、時短状態中の遊技内容を遊技者が選択することができる。よって、遊技者が選択した遊技内容に応じて実行された時短状態中の遊技において、早期に時短終了条件が成立した場合も、長期間時短状態を継続できた場合も、遊技者に対して自力で遊技を行った結果であると思わせることができる。
さらに、本第2実施形態は、上述した第1実施形態同様に2種当たりを獲得可能に構成されており、時短状態中に第1遊技(左打ち遊技)を行った場合と、第2遊技(右打ち遊技)を行った場合とで、時短状態が継続して設定される期間の期待値と、2種当たりを獲得する期待値(特別図柄1変動当たりにおける2種当たり獲得期待値)と、を異ならせるように構成している。
具体的には、第1遊技を行った場合は、時短状態が継続し得る期間が短期間になり易く、且つ、時短状態中に2種当たりを獲得し易い時短遊技が実行され、第2遊技を行った場合は、時短状態が継続し得る期間が長期間(第1遊技に比べて長期間)になり易く、且つ、時短状態中に2種当たりを獲得し難い(第1遊技に比べて獲得し難い)時短遊技が実行されるように構成している。
このように構成することで、遊技者自身の都合に合わせて時短状態中の遊技内容を選択することができるため、長期間遊技を行いたいと考えている遊技者も、短期間しか遊技を行えない遊技者も、不満なく遊技を行うことができる遊技機を提供することができる。なお、時短状態中に異なる遊技性の遊技を行わせるための詳細な内容の説明は後述する。
<第2実施形態における演出内容について>
ここで、図82〜図84を参照して、本第2実施形態のパチンコ機10で実行される演出内容について説明をする。まず、図82(a)を参照して、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり遊技のエンディング期間中の演出内容について説明をする。図82(a)は、大当たり遊技中のエンディング期間中に表示される表示画面の一例を示す模式図である。なお、表示画面に表示される要素のうち、上述した第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図82(a)に示した通り、大当たり遊技のエンディング期間中には主表示領域Dmの中央部に大当たり遊技終了後に設定される時短状態中の遊技方法を案内するための「大当たり後は、好みの遊技を楽しんで下さい」というコメントと、大当たり遊技が終了したことを報知するための「大当たり終了」というコメントが表示される。
そして、副表示領域Dsには、時短状態中に実行可能な第1遊技の内容を示す第1案内表示領域Dm4と、時短状態中に実行可能な第2遊技の内容を示す第2案内表示領域Dm5と、大当たり遊技中に獲得した特典を示すための獲得内容表示領域Dm9と、が形成される。本第2実施形態では、時短状態中に実行可能な第1遊技として左打ち遊技を示す「左打ち」と、時短状態中に左打ち遊技を行った場合の特徴的な遊技性を示す「短時間勝負」とのコメントが第1案内表示領域Dm4に表示される。
また、第2案内表示領域Dm5には、時短状態中に実行可能な第2遊技として右打ち遊技を示す「右打ち」と、時短状態中に右打ち遊技を行った場合の特徴的な遊技性を示す「まったり勝負」とのコメントが第2案内表示領域Dm5に表示される。つまり、本第2実施形態では、時短状態中の遊技方法として、時短状態が短期間で決着する左打ち遊技と、時短状態を長期間楽しむことができる右打ち遊技と、を選択することができる旨を、時短状態が設定される直前(大当たり遊技のエンディング期間中)に表示することができる。よって、時短状態が設定されたタイミングにおいて遊技者に対して任意の遊技方法で遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、第1案内表示領域Dm4と第2案内表示領域Dm5とに第1遊技と第2遊技との大きな相違点のみを文字で表示し、時短状態中における遊技方法を遊技者に選択し易くしているが、それに限ること無く、例えば、第1遊技と第2遊技とで相違する点全てを表示するように構成しても良いし、文字では無く絵で相違点を表示するように構成しても良い。また、図82(a)に示したように、大きな相違点のみを第1案内表示領域Dm4と第2案内表示領域Dm5とに表示し、その表示がされている期間中に第1案内表示領域Dm4或いは第2案内表示領域Dm5を選択することで、詳細な内容が表示されるように構成しても良い。
このように構成することにより、遊技方法により相違する遊技内容を大まかに把握すれば良いと考える遊技者に対しても、遊技方法により相違する遊技内容の詳細を把握したいと考える遊技者に対しても、適切な表示態様を提供することができる。
次に、図82(b)を参照して、時短状態が設定された直後の表示内容について説明をする。図82(b)は、時短状態が設定された直後に表示される表示画面の一例を示した模式図である。図82(b)に示した通り、本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対して、所定数(4個)を上限に第2特別図柄の抽選を保留記憶する機能を有している点で相違しており、第3図柄表示装置81の表示画面の副表示領域Dsの第2表示領域Ds2には、第2特別図柄の保留図柄数(保留球数)を示すための保留図柄が「三角」の印で第1保留図柄Dsf〜第4保留図柄Dsiの4個表示されるように構成されている。
この保留図柄は、上述した第1特別図柄の保留図柄(第1保留図柄Dsb〜第4保留図柄Dse)と同様に、保留記憶した順(第2特別図柄の抽選を実行する契機となる第2入球口640に球が入球した順)に第1保留図柄Dsfから第4保留図柄Dsiへと、つまり第2表示領域Ds2の左側から右側へと順に表示される。つまり、第1特別図柄の保留図柄(Dsb〜Dse)と、第2特別図柄の保留図柄(Dsf〜Dsi)は、共に実行中図柄Dsaに向けて、徐々にシフトするように表示されるため、遊技者は、副表示領域Dsに表示される各特別図柄の表示内容から次に実行される特別図柄に対応する保留図柄を容易に把握することができる。
図82(b)に示した通り、時短状態が設定された直後は遊技案内表示領域Dm2に「?」の文字が表示される。これは、遊技者が今回の時短状態を第1遊技(左打ち遊技)で実行するか第2遊技(右打ち遊技)で実行するかを判別していない状態であることを示す表示である。なお、図82(b)に示した表示態様以外でも、時短状態中の遊技方法が確定していないことを示すための表示態様を遊技案内表示領域Dm2に表示すれば良く、例えば、左打ち遊技、右打ち遊技の何れの遊技を行っても良い期間であることを示す「左又は右」の文字を表示しても良い。
なお、詳細は後述するが、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから初めて球が入球した入球口が第1入球口64であるか第2入球口640であるかを判別し、その判別結果に基づいて遊技者が任意に選択した遊技方法を判別するように構成している。よって、時短状態が設定されてから、第1入球口64又は第2入球口640に球が入球するまでの期間は遊技案内表示領域Dm2に「?」の文字が表示される。
さらに、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから所定期間(4秒間)は、図82(b)の表示内容が継続するように構成しており、且つ、その期間中に時短状態が設定される時点で保留記憶されていた入賞情報に対応した特別図柄変動が終了するように変動パターンが設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄の保留球内に大当たりに当選する入賞情報が含まれていた場合は、第1遊技、或いは第2遊技を決定表示する前に(遊技案内表示領域Dm2に遊技方法を案内する表示態様が表示される前に)当該大当たりに対応する特別図柄変動を終了させることができる。
よって、遊技者が選択した遊技方法とは異なる側の特別図柄変動により大当たりに当選してしまう事態が発生した場合であっても、遊技者に与える違和感を抑制することができる。
なお、本第2実施形態では、図82(b)に示した通り、時短状態が設定されている期間中における遊技方法を、案内表示領域Dm2に表示する構成としているが、それ以外の表示領域にて現在設定されている遊技方法を表示するように構成しても良い。つまり、大当たり遊技中は、遊技者に対して有利となる遊技方法を案内(指示)するための表示を行う必要があるため、案内表示領域Dm2に表示方法を表示する必要があるが、時短状態が設定されている間は、遊技者が何れの遊技方法(右打ち遊技、左打ち遊技)を選択した場合であっても、同等の遊技結果を得ることができるように構成しているため、遊技者に対して有利となる遊技方法を案内(指示)するための案内表示領域Dm2ではなく、現在の遊技方法を表示する別領域にて遊技方法を表示するように構成しても良い。また、案内表示領域Dm2に表示を行う場合には表示態様(例えば、文字の色や形状)を異ならせることで遊技方法を遊技者に案内(指示)している状況と、現在の遊技方法(遊技者が選択している遊技方法)を表示している状況とを区分け可能に構成しても良い。
次に、図83(a)を参照して、時短状態が設定されている状態で、第1遊技(左打ち遊技)を実行している場合の演出内容について説明をする。図83(a)は、第1遊技(左打ち遊技)を実行している場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。図83(a)に示した通り、第1遊技が実行されると、主表示領域Dmの中央部に「くじ引き用の箱」を模した遊技結果表示810が表示され、主表示領域Dmの左下側には第1遊技の遊技内容を遊技者に案内するための遊技内容表示811が表示される。さらに、主表示領域Dmの右下側には第1遊技における時短終了回数を示唆するための残時短回数表示領域Dm10が形成される。
つまり、本第2実施形態のパチンコ機10における第1遊技(時短状態中の左打ち遊技)では、特別図柄の変動(抽選)に応じて、くじ引きが実行され、その結果(1等〜外れ)を遊技結果表示810として表示することにより特別図柄の抽選結果を報知するような演出表示が実行される。また、時短中の遊技方法として第1遊技(左打ち遊技)が実行(設定)された場合は、遊技案内表示領域Dm2に第1遊技の遊技方法を示す「左打ち」の文字が表示される。
なお、この遊技案内表示領域Dm2に「左打ち」或いは「右打ち」といった特定の遊技方法(遊技方向)が表示されている場合においては、表示されている遊技方法(遊技方向)とは異なる遊技方法(遊技方向)で遊技を行った場合には、遊技方法(遊技方向)を修正させるためのエラー報知が実行されるように構成している。つまり、時短状態中において第1遊技(左打ち遊技)が行われると確定した以降は、右打ち遊技を行った場合にエラー報知が実行され、時短状態中において第2遊技(右打ち遊技)が行われると確定した以降は、左打ち遊技を行った場合にエラー報知が実行される。また、時短状態中において何れの遊技方法も確定されていない期間中は、左打ち遊技、右打ち遊技の何れの遊技が行われたとしてもエラー報知が実行されることが無いように構成している。
さらに、図83(a)に示した通り、主表示領域Dmの右側に、第1特別図柄の保留数(保留図柄数)を表示する特図1保留数表示領域Dm6と、第2特別図柄の保留数(保留図柄数)を表示する特図2保留数表示領域Dm7と、が形成されるとともに、副表示領域Dsにて現在選択されている遊技方法(左打ち遊技)に対応する特別図柄(第1特別図柄)の保留図柄のみが表示される(第1表示領域Ds1に第1特別図柄の保留球数が表示される)。このように構成することで、遊技者が選択した遊技方法に対応した特別図柄の保留図柄数(保留球数)のみを強調して表示(演出表示)することができる。
また、各特別図柄に対応する実際の保留図柄数(保留球数)は、専用の特図1保留数表示領域Dm6と、特図2保留数表示領域Dm7と、に表示されるように構成しているため、各特別図柄に対する正確な保留図柄数(保留球数)を遊技者に報知することができる。なお、図83(a)に示した模式図では、特図1保留数表示領域Dm6と、特図2保留数表示領域Dm7とに現在の保留数「0」を遊技者が容易に識別できる程度の大きさで表示するように構成しているが、遊技者が意識をしないと識別できない程度の大きさで各特別図柄の保留数を表示したり、保留数を数字以外の識別子で表示したりするように構成すると良い。
そして、図83(a)に示した左打ち遊技に対応した演出表示が実行されると、第1特別図柄の抽選結果に応じた演出結果としてくじ引きの結果が主表示領域Dmに表示されるとともに、時短終了条件に対する各値(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数)の進行具合に基づいて、時短終了回数を示唆するための残時短回数が時短回数表示領域Dm10にて更新表示される。よって、遊技者は、くじ引きの結果と時短回数表示領域Dm10の表示内容とを把握することで時短状態中の遊技を楽しむことができる。
一方、時短状態として、右打ち遊技を選択した場合には、図83(b)に示した通り、少年を模したキャラクタ812が特別図柄の抽選結果を報知するための宝箱813を探す演出が実行されるとともに、副表示領域Dsには選択した遊技方法(右打ち遊技)に対応した特別図柄(第2特別図柄)の保留図柄数(保留球数)が第2表示領域Ds2に表示される。また、案内表示領域Dm2には「右打ち」の文字が表示される。なお、この右打ち遊技を選択した場合に実行される演出の内容については、上述した第1実施形態の演出内容に対して、第2特別図柄の保留図柄を用いた演出が異なるだけであり、それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図84を参照して、本第2実施形態のパチンコ機10において時短状態中に右打ち遊技を選択した場合に実行される演出のうち、上述した第1実施形態の演出とは異なる内容について説明をする。図84は時短状態中に右打ち遊技を選択した場合の遊技画面の一例を模式的に示した模式図である。
図84に示した通り、本第2実施形態では、副表示領域Dsに表示される保留図柄に対して時短終了条件の成立の有無、或いは、大当たりを獲得する期待度を表示するように構成しており、図84では、次の特別図柄変動に対応する第1保留図柄Dsfに対して「チャンス」の文字を示した予告表示態様820が、3変動後の特別図柄変動に対応する第3保留図柄Dshに対して「終了」の文字を示した予告表示態様821が表示されている。
この各保留図柄に対して設定される予告表示態様は、後述する保留表示選択テーブル222aaを用いて選択表示されるものである。
このように、保留図柄に対して予告表示態様を表示することにより、遊技者は時短状態が終了する特別図柄変動を予測しながら、その特別図柄変動が実行されるまでに大当たりを獲得しようと意欲的に遊技を行うことになる。また、予告表示態様の内容に基づいて、時短状態が終了しない期間を把握し、安心して特別図柄変動を実行させることも可能となる。
次に、図85を参照して、本第2実施形態における時短状態中の遊技内容について説明をする。図85は、本第2実施形態における時短状態中の遊技内容のうち、大当たり種別として大当たりBが設定された大当たり遊技の終了後に設定される時短状態中の遊技内容を模式的に示した図である。図85に示した通り、本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対して、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選し得るように構成し、且つ、第1特別図柄のほうが第2特別図柄よりも2種当たりを獲得し易い小当たり遊技(小当たりAに対応して実行される小当たり遊技)に当選し易いように構成している。
また、本第2実施形態では、上述した第1実施形態と同一の遊技盤13の構成を用いており、時短状態が設定されると、通常状態に比べて第2入球口640に球が入球し易くなるように電動役物640aの開放動作制御が可変される。つまり、時短状態中に第2遊技(右打ち遊技)を実行すると、通常状態よりも多くの球を第2入球口640へ入球させ、第2特別図柄の抽選(変動)を多く実行することができる。一方、時短状態が設定されたとしても第1入球口64への球の入球のし易さは通常状態と何ら変化は無い。
ここで、図85を参照して時短状態中の遊技内容である第1遊技(左打ち遊技)と、第2遊技(右打ち遊技)とを比較しながら説明をする。まず、時短状態中に遊技者が獲得可能な賞球数(第1入球口64、或いは第2入球口640へ球を入球させることで獲得可能な賞球数)について説明をする。この時短状態中のおける賞球数は、第1遊技よりも第2遊技のほうが多くなるように構成されている。そして、時短状態中において第1遊技を行った場合は、通常状態が設定されている場合と同程度の賞球数しか獲得することができず、時短状態中に球(持ち球)が減少していく遊技が実行される。一方で、第2遊技を行った場合は、第2入球口640に多くの球を入球させることが可能となるため、多くの賞球を獲得することができ、結果として時短状態中に球(持ち球)をキープ(維持)する遊技が実行される。
そして、時短状態が継続して設定され得る期間は、第1遊技を行った場合の方が、第2遊技を行った場合よりも短くなるように構成されている。具体的には、複数の時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数が30回となった場合に成立する変動回数終了条件と、第2特別図柄の変動回数が80回となった場合に成立する変動回数終了条件と、を少なくとも有しており、第1遊技を実行する場合には、最大で特別図柄変動30回までしか時短状態が継続して設定されないように構成している。
さらに、時短状態中に実行される特別図柄変動(抽選)1回当たりに対する、大当たり(1種当たり、2種当たり含む)を獲得する期待度は、第1遊技を行った場合の方が、第2遊技を行った場合よりも高くなる(大きくなる)ように構成している。この大当たりを獲得する期待度について説明をすると、本実施形態では、第1特別図柄の抽選(第1遊技を実行する場合に実行される特別図柄の抽選)と、第2特別図柄の抽選(第2遊技を実行する場合に実行される特別図柄の抽選)とで、大当たりに当選する確率(1種当たりに当選する確率)は同一(1/200)となるように構成している。つまり、第1遊技と第2遊技とでは、2種当たりを獲得する期待度を異ならせて構成している。
この点について、詳細に説明をすると、第1遊技中に実行される第1特別図柄の抽選では小当たりに当選する確率が1/10となるように設定され、第2遊技中に実行される第2特別図柄の抽選では小当たりに当選する確率が1/2となるように設定されている。そして、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別の振分けが、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、小当たりA:小当たりBが9:1となるように設定されている。つまり、第1遊技によって第1特別図柄の抽選を実行する場合には、1/11の確率で小当たりAが実行されるように構成されている。
一方で、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、1/200の確率で小当たりAが実行されるように構成している。このように、小当たりに当選する確率、及び、小当たり当選時において設定される小当たり種別の振分けを異ならせることで、第1遊技の方が第2遊技よりも、特別図柄1回の変動(抽選)に基づいて、大当たり(1種当たり、2種当たり含む)を獲得する期待度が高くなるように構成している。
さらに、本第2実施形態では第1遊技が実行される場合に成立し易い時短終了条件と、第2遊技が実行される場合に成立し易い時短終了条件とが異なる様に設定されている。具体的には、第1遊技を実行した場合には、小当たりAに1回当選した場合に成立する時短終了条件が最も成立し易く、次いで、第1特別図柄の変動回数が30回となった場合に成立する時短終了条件、小当たりBに3回当選した場合に成立する時短終了条件の順で成立し難くなるように設定されている。
第2遊技を実行した場合には、小当たりDに20回当選した場合に成立する時短終了条件が最も成立し易く、次いで、第2特別図柄の変動回数が80回となった場合に成立する時短終了条件、小当たりAに1回当選した場合に成立する時短終了条件の順で成立し難くなるように設定されている。
以上、説明をしたように、本第2実施形態では、大当たり遊技終了後に設定される時短状態中に、遊技者が遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を選択することで、異なる遊技性の遊技を実行することができる。
また、異なる遊技性として、短期間で大当たりを狙う遊技性(第1遊技)と、長期間で大当たりを狙う遊技性(第2遊技)と、を選択することができる。加えて、遊技方法を異ならせるための手法として、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しておき、第1遊技を行った場合と、第2遊技を行った場合とで、異なる時短終了条件が成立し易くなるように構成している。これにより、時短状態が継続して設定される期間を、第1遊技と第2遊技とで異ならせることができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図86〜図92を参照して、本第2実施形態における電気的構成の内容について説明をする。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202とRAM203の内容が変更されている点と、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222とRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図86(a)は、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図86(a)に示した通り、本第2実施形態のROM202では、第1当たり乱数テーブル202aに替えて、第1当たり乱数2テーブル202aaを、第1当たり種別選択テーブル202bに替えて、第1当たり種別選択2テーブル202abを、変動パターンテーブル202dに替えて、変動パターン2テーブル202adを、時短付与テーブル202eに替えて、時短付与2テーブル202aeを、小当たり種別選択テーブル202fに替えて小当たり種別選択2テーブル202afを、開放シナリオテーブル202gに替えて、開放シナリオ2テーブル202agを設けた点で上述した第1実施形態と相違している。
第1当たり乱数2テーブル202aaは、上述した第1実施形態の第1当たり乱数テーブル202aに対して、小当たり当選と判別する値(第1当たり乱数カウンタ値C1)を変更した点で相違している。ここで、図87を参照して本第2実施形態における第1当たり乱数2テーブル202aaについて説明をする。
図87(a)は、本第2実施形態における第1当たり乱数2テーブル202aaの内容を模式的に示した模式図である。図87(a)に示した通り、第1当たり乱数2テーブル202aaは、第1特別図柄に対応した特別図柄1乱数2テーブル202aa1と、第2特別図柄に対応した特別図柄2乱数2テーブル202aa2と、を有している。
次に、特別図柄1乱数2テーブル202aa1の内容について、図87(b)を参照して説明をする。図87(b)は、特別図柄1乱数2テーブル202aa1の内容を模式的に示した模式図である。この特別図柄1乱数2テーブル202aa1は、上述した第1実施形態の特別図柄1乱数テーブル202a1に対して、小当たりと判定する値を追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素についてはその説明を省略する。
図87(b)に示した通り、特別図柄1乱数2テーブル202aaは、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「10〜109」が小当たり判定値として規定されている。即ち、特別図柄1乱数2テーブル202aa1を用いて特別図柄の抽選を判定(実行)する場合には(第1特別図柄の抽選を実行する場合には)、1/200の割合で大当たりと判定し、1/10の割合で小当たりと判定するように構成している。
次に、図87(c)を参照して、特別図柄2乱数2テーブル202aa2の内容について説明をする。図87(c)は特別図柄2乱数2テーブル202aa2の内容を模式的に示した模式図である。図87(c)に示した通り、特別図柄2乱数2テーブル202aa2は、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定され、「5〜499」が小当たり判定値として規定されている。即ち、特別図柄2乱数2テーブル202aa2を用いて特別図柄の抽選結果を判定(実行)する場合には(第2特別図柄の抽選を実行する場合には)、1/200の割合で大当たりと判定し、1/2の割合で小当たりと判定するように構成している。
以上説明をしたように、本実施形態では、第1特別図柄の抽選が実行される場合、第2特別図柄の抽選が実行される場合のいずれの場合にも、小当たりに当選し得るように構成している。これにより、時短状態中に第1特別図柄の抽選を実行する第1遊技(左打ち遊技)を実行しても、第2特別図柄の抽選を実行する第2遊技(右打ち遊技)を実行しても、小当たりに当選した回数に基づいて成立する当選回数終了条件を成立させることが可能となる。
また、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率と、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率と、を異ならせて設定することができるため、第1遊技と第2遊技とで当選回数終了条件の成立のし易さを異ならせることができる。よって、第1遊技を実行する場合と第2遊技を実行する場合とで、時短状態を終了のし易さを異ならせた多様な遊技を提供することができる。
図86(a)に戻り、説明を続ける。第1当たり種別選択2テーブル202abは、上述した第1実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bに対して、一部の大当たり種別に対して付与される時短状態の有無を変更した点で相違しており、それ以外の要素は同一である。同一の要素については、その説明を省略する。
ここで、図88(a)〜(c)を参照して、第1当たり種別選択2テーブル202abの内容について説明をする。図88(a)は、第1当たり種別選択2テーブル202abの内容を模式的に示した模式図であり、図88(b)は、特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図88(c)は、特図2大当たり種別選択2テーブル202ab2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図88(a)に示した通り、第1当たり種別選択2テーブル202abは、第1特別図柄に対応した特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1と、第2特別図柄に対応した特図2大当たり種別選択2テーブル202ab2と、を有しており対応する特別図柄に応じて各種テーブルが使い分けて用いられる。
特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1は、図88(b)に示した通り、特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1は、取得した第1当たり種別カウンタ値C2の値が「0〜9」の範囲に、大当たり種別として「大当たりA」が規定され、「10〜49」の範囲に、大当たり種別として「大当たりB」が規定され、「50〜99」の範囲に、大当たり種別として「大当たりC」が規定されている。
ここで規定されている「大当たりA」は、ラウンド遊技が15ラウンドの大当たり遊技を実行する大当たり種別であり、当選時の遊技状態に関わらず、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。「大当たりB」は、ラウンド遊技が5ラウンドの大当たり種別であり、当選時の遊技状態に関わらず、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。「大当たりC」は、ラウンド遊技が5ラウンドの大当たり種別であり、当選時(設定時)の遊技状態が通常状態である場合は、その大当たり遊技終了後に通常状態が設定され、当選時(設定時)の遊技状態が時短状態である場合は、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。
以上説明をしたように、本第2実施形態は、大当たり当選時における遊技状態に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように規定される大当たり種別(大当たりC)を有している。これにより、遊技者に対して、大当たり当選の有無と、設定される大当たり種別に加え、当選時の遊技状態まで意識させることができるため、遊技をより複雑にすることができ早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、特図2大当たり種別選択2テーブル202ab2は、図88(c)に示した通り、取得した第1当たり種別カウンタ値C2の値が「0〜99」の範囲に、大当たり種別として「大当たりD」が規定されている。
図86に戻り説明を続ける。変動パターン2テーブル202adは、上述した第1実施形態の変動パターンテーブル202dに対して、時短状態が設定されている期間中に選択される変動パターンの規定内容を異ならせた点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
ここで、変動パターン2テーブル202adの内容について図89を参照して説明をする。図89(a)は、変動パターン2テーブル202adの内容を模式的に示した模式図であり、図89(b)は変動パターン2テーブル202adが有する時短用変動パターン2テーブル202ad2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。変動パターン2テーブル202adは、図89(a)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照される通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態が設定されている場合に参照される時短用変動パターン2テーブル202ad2と、を有しており、特別図柄の変動パターンを設定する際(特別図柄変動開始処理(図39参照)を実行する際)の遊技状態に応じた変動パターンテーブルを参照して変動パターン(変動時間)を設定するように構成している。
次に、図89(b)を参照して、時短用変動パターン2テーブル202ad2に規定されている内容について説明をする。この時短用変動パターン2テーブル202ad2は、上述した第1実施形態の時短用変動パターンテーブル202dに対して、大当たり終了後(大当たり遊技終了後)から所定回数分の特図変動(特別図柄変動)に対して特定時間が規定されている変動パターン(変動時間)を設定するように構成している点で相違している。
具体的には、大当たり終了後に時短状態が設定される場合において、何れの特別図柄の変動を実行した場合であっても、大当たり終了後の特別図柄変動1〜4回の合計時間が一定(3秒)となるように構成している。さらに、本実施形態では、大当たり遊技が終了してから所定期間(4秒間)が経過するまでは、時短状態中に設定される遊技方法を遊技者に選択させるための選択表示(図82(b)参照)を表示するように構成している。
このように構成することで、時短状態に突入した際に既に獲得している保留球(保留図柄)に対応した特別図柄変動を第3図柄表示装置81に選択表示が表示されている期間中に実行し易くすることができるため、時短状態中に選択した遊技方法(例えば、左打ち遊技)により主に実行される特別図柄変動(例えば、第1特別図柄)とは異なる特別図柄(例えば、第2特別図柄)の変動が実行されたとしても、遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
さらに、本第2実施形態では、大当たり終了後の1〜4回転の間に当たり(大当たり、小当たり)に当選した場合に設定される変動パターン(変動時間)を、大当たり終了後からの特別図柄の変動回数に応じて異ならせており、大当たり終了後の4回転目の特別図柄の抽選結果を停止表示するタイミングと、3回転目の特別図柄の抽選結果が当たりであること停止表示するタイミングと、2回転目の特別図柄の抽選結果が当たりであることを停止表示するタイミングと、1回転目の特別図柄の抽選結果が当たりであることを停止表示するタイミングとが、全て一定となるように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定された場合に表示される選択表示画面(図82(b)参照)を特別図柄の抽選結果に関わらず所定期間(少なくとも3秒)表示することを可能とすると共に、選択表示画面が表示されている期間を用いて多くの保留球に対応した特別図柄抽選(変動)を消化することができる。
さらに、時短状態が設定された直後に当たり(小当たり、大当たり)に当選した場合には、時短状態が設定されてからの特別図柄変動回数に応じて特定の変動パターンが実行されるように構成することで、大当たり終了後から所定期間内(特別図柄の所定変動回数内(1〜4回転内))に当たりに当選した場合には、その当選結果を遊技者に報知するタイミング(当たりに当選したことを示す特別図柄(第3図柄)を停止表示するタイミング)が一定になるように構成している。
なお、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから特別図柄の変動が4回実行されるまでの期間に設定される変動パターンを対象に特殊な変動パターンを選択する変動パターンテーブルを用いているが、時短状態が設定されてから特殊な変動パターンが選択される期間については、それ以外の期間を用いても良く、例えば、第1特別図柄の最大保留球数(4個)と、第2特別図柄の最大保留球数(4個)とを合算した数(8個)に対応する特別図柄変動回数(8回)に対して、特殊な変動パターンを選択可能に構成しても良いし、時短状態が設定されてから特別図柄の変動が2回実行されるまでの期間を対象にしても良い。さらに、本第2実施形態では、当たりに当選した場合において、当たり専用の変動パターンを設定するように構成しているが、当選した当たりの内容に基づいて当たり専用の変動パターンを設定するか否かを判別し、その判別結果に基づいて変動パターンを設定するように構成しても良い。
具体的には、当たりに当選した場合のうち、大当たりに当選した場合と、小当たりAが設定される小当たり(即ち、他の小当たり種別よりも2種当たりを獲得し易い小当たり種別が設定される小当たり)に当選した場合のみ、当たり専用の変動パターンを設定するように構成しても良い。これにより、通常とは異なる変動パターン(変動時間)に基づいた特別図柄変動が実行されていることに気付いた遊技者に対して、大きな期待感を抱かせることができる。
また、図89(b)に示した通り、時短状態が設定されてから5回転目以降(5回転目含む)の特別図柄変動に対して設定される変動パターン(変動時間)として、第1特別図柄のほうが第2特別図柄よりも短い変動時間の変動パターンが設定されるように構成している。これにより、時短状態中において継続して特別図柄の変動を実行可能な状態であれば、第1特別図柄を変動させる遊技(第1遊技、左打ち遊技)の方が、特別図柄の抽選(変動)を短い期間で多数実行することができる。
なお、図89(b)では、時短状態が設定されている場合に参照される時短用変動パターン2テーブル202ad2に規定されている内容として、大当たり終了後からの特図変動回数(特別図柄変動回数)が5回転目以降(5回転目含む)では、特別図柄の抽選結果に対して1種類の変動パターンしか示していないが、実際は、図示しないカウンタ(主制御装置110の制御処理に応じてその値が更新されるループカウンタ)から取得した値に応じて異なる変動時間を有する複数の変動パターンの中から1つを選択するように構成しているがその詳細な説明を省略している。
このように、複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択するように構成されている変動パターンテーブルにおいても、第1特別図柄のほうが第2特別図柄よりも短い変動時間の変動パターンが設定され易くなるように構成されている。よって、時短状態中において継続して特別図柄の変動を実行可能な状態であれば、第1特別図柄を変動させる遊技(第1遊技、左打ち遊技)の方が、特別図柄の抽選(変動)を短い期間で多数実行することができる。なお、上述した短い変動時間の変動パターンが設定され易くとは、選択可能な変動パターンの全てにおいて、第1特別図柄の方が第2特別図柄よりも短い変動時間が設定する場合の他、最も選択され易い変動パターンの変動時間が第1特別図柄の方が第2特別図柄よりも短くなるように設定したり、全ての変動パターンを設計値通りに設定した場合における1変動当たりの平均変動時間が第1特別図柄の方が第2特別図柄よりも短くなるように設定したり、第1特別図柄の変動に応じて設定し得る最短の変動時間が第2特別図柄の変動に応じて設定し得る最短の変動時間よりも短くなるように設定したり、する構成も含まれる。即ち、遊技者が実際に時短状態のパチンコ機10を遊技した場合に、単位時間当たりの変動回数が、第1特別図柄の変動を実行する第1遊技(左打ち遊技)のほうが第2特別図柄よりも多くなるように設定されていれば良い。
時短付与2テーブル202aeは、上述した第1実施形態の時短付与テーブル202eに対して、各大当たり種別に対して設定される時短終了条件(各種カウンタに設定する値)を異ならせた点と、時短終了条件となる値を設定するカウンタの種類を変更(増加)した点と、で相違している。それ以外の要素については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、時短付与2テーブル202aeに規定されている内容について、図88(d)を参照して説明をする。図88(d)は時短付与2テーブル202aeの規定内容を模式的に示した模式図である。この時短付与2テーブル202aeは、上述した時短付与テーブル202eに対して、時短中カウンタ203kに替えて特図1カウンタ203adと、特図2カウンタ203aeを、小当たりCカウンタ203pに替えて小当たりDカウンタ203acを設けた点と、各種カウンタに対して設定(付与)する値を異ならせた点で相違している。
本第2実施形態は、上述した通り、時短状態中に遊技性を異ならせた複数の遊技として第1遊技(左打ち遊技)と、第2遊技(右打ち遊技)と、を遊技者に選択させることが可能に構成しており、第1遊技が実行される場合と、第2遊技が実行される場合とで時短状態を終了させる複数の終了条件(時短終了条件)のうち、成立し易い終了条件が異なるように構成している。
具体的には、図88(d)に示した通り、大当たり種別が「大当たりA」の場合は、特図1カウンタ203adの値に「100」、特図2カウンタ203aeの値に「100」、小当たりAカウンタ203mの値に「2」、小当たりBカウンタ203nの値に「100」、小当たりDカウンタ203acの値に「100」を設定するように規定され、大当たり種別が「大当たりB」の場合は、特図1カウンタ203adの値に「30」、特図2カウンタ203aeの値に「80」、小当たりAカウンタ203mの値に「1」、小当たりBカウンタ203nの値に「3」、小当たりDカウンタ203acの値に「20」を設定するように規定されている。
また、大当たり種別が「大当たりC」の場合は、特図1カウンタ203adの値に40」、特図2カウンタ203aeの値に「70」、小当たりAカウンタ203mの値に「2」、小当たりBカウンタ203nの値に「5」、小当たりDカウンタ203acの値に「40」を設定するように規定され、大当たり種別が「大当たりD」の場合は、特図1カウンタ203adの値に「30」、特図2カウンタ203aeの値に「80」、小当たりAカウンタ203mの値に「1」、小当たりBカウンタ203nの値に「3」、小当たりDカウンタ203acの値に「20」を設定するように規定されている。
つまり、「大当たりA」に対応した時短状態(時短終了条件)が設定された場合は、第1遊技を実行した場合には、小当たりAに2回当選することで(小当たりAカウンタ203mの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となり、第2遊技を実行した場合には、第2特別図柄の変動回数が100回に到達することで(特図2カウンタ203aeの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となる。
また、「大当たりB」に対応した時短状態(時短終了条件)が設定された場合は、第1遊技を実行した場合には、小当たりAに1回当選することで(小当たりAカウンタ203mの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となり、第2遊技を実行した場合には、小当たりDに20回当選することで(小当たりカウンタ203acの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となる。
「大当たりC」に対応した時短状態(時短終了条件)が設定された場合は、第1遊技を実行した場合には、小当たりAに2回当選することで(小当たりAカウンタ203mの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となり、第2遊技を実行した場合には、第2特別図柄の変動回数が70回に到達することで(特図2カウンタ203aeの値が0になることで)成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となり、「大当たりD」に対応した時短状態(時短終了条件)が設定された場合は、上述した「大当たりB」と同一の時短状態(時短終了条件)が設定される。
つまり、時短状態が設定されている状態において、実行される(選択される)遊技方法を異ならせることで(第1遊技(左打ち遊技)と第2遊技(右打ち遊技)とにより)、成立し易い時短終了条件を異ならせることができる。よって、時短状態中の遊技として異なる遊技を遊技者に行わせることができる。
さらに、当選した大当たりの大当たり種別に応じて、時短終了条件(各種カウンタに設定される値)を異ならせるように構成し、時短中に同一の遊技(例えば、右打ち遊技)をした場合に成立し易い時短終了条件を異ならせるように構成している。これにより、遊技者に対して時短状態が終了するタイミングを予測させ難くすることができる。また、今回当選した大当たりの大当たり種別に興味を持たせることができる。
なお、本実施形態では、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別として4種類の大当たり種別を設けているが、大当たり種別の数はこれに限ることに無く、5種類以上の大当たり種別を設けても良い。この場合、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の遊技内容(オープニング期間、ラウンド遊技数、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間)が同一の大当たり種別を複数設け、その大当たり種別毎に時短終了条件を異ならせるように構成すると良い。これにより、実行される大当たり遊技の内容に基づいて、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の内容(時短終了条件の内容)を遊技者に把握され難くすることができる。
さらに、本第2実施形態では、図88(d)に示した通り、第1遊技を実行した場合のほうが第2遊技を実行した場合よりも、短い期間で時短終了条件が成立し易いように構成している。これにより、第1遊技のほうが、時短状態が継続して設定される期間(時短期間)を短くすることができる。
加えて、本第2実施形態では、第1遊技を実行したほうが、第2遊技を実行するよりも2種当たりを獲得し易い小当たり(小当たり種別として「小当たりA」が設定される小当たり)に当選し易いように構成している。このように構成することで、第1遊技を、短い時短期間中に2種当たりを狙う遊技性を遊技者に提供する遊技とし、第2遊技を、長い時短期間中に1種当たりを狙う遊技性を遊技者に提供する遊技とすることができる。
よって、時短状態中実行する遊技方法(第1遊技、第2遊技)を遊技者が選択することで、遊技性の異なる遊技を実行することができ、遊技者に飽きの来ない遊技を提供することができる。また、本第2実施形態では第1遊技と第2遊技とで時短状態中の遊技期間を異ならせているため、遊技可能な期間に応じて遊技者に遊技方法を選択させることができ、様々な遊技者に対して好適な遊技を提供することができる。
さらに、本第2実施形態では、時短状態中に何れの遊技方法を選択した場合であっても、時短状態中の大当たり確率(特別図柄の抽選によって大当たりに当選する確率と、小当たり遊技中に球が特定領域を通過して大当たりを獲得する確率の合算)を略同一(遊技者が気付かない程度の誤差(例えば10%以下の誤差)を含む)にしているため、どの遊技者に対しても安心して遊技を行わせることができる。
本第2実施形態では、どの大当たり種別が設定された場合であっても、第1遊技と第2遊技とにおいて、遊技者に有利不利が生じ得ないように時短終了条件を設定しているが、それ以外の構成として、例えば、所定の大当たり種別が設定された場合は第1遊技のほうが第2遊技よりも遊技者に有利となるように時短終了条件を設定し、上記所定の大当たり種別以外の特定の大当たり種別が設定された場合は第2遊技のほうが第1遊技よりも遊技者に有利となるように時短終了条件を設定するように構成しても良い。
このように構成することで、設定された大当たり種別(実行された大当たり遊技)に応じて遊技者に有利な遊技方法を設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、このように大当たり種別に応じて遊技者に有利な遊技方法(第1遊技、第2遊技)を異ならせるように構成した場合には、全ての大当たり種別を予め定められた振分け率を考慮して設定した場合に、第1遊技を実行した場合と、第2遊技を実行した場合とで遊技者に有利不利が生じ得ないように構成すると良い。これにより、時短状態が設定された場合に、遊技者が常に一方の遊技方法のみを選択してしまう事態を抑制することができる。
加えて、所定期間(例えば、パチンコ機10の電源が投入されてからの期間)の間に設定された大当たり種別(時短状態)を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶された内容(時短履歴)を遊技者に報知(表示)する報知手段を設けても良い。これにより、過去に設定された時短状態に基づいて、今後設定される時短状態を予測し、遊技方法を選択させることができる。また、大当たり遊技中に第3図柄表示装置81に表示される演出表示(大当たり演出表示)を用いて、遊技者に有利となる遊技方法を示唆する示唆態様を遊技者に報知するように構成しても良い。
図86に戻り説明を続ける。小当たり種別選択2テーブル202afは、上述した第1実施形態の小当たり種別選択テーブル202fに対して、第1特別図柄(特図1)の抽選においても小当たりに当選し得るようにした点と、第2特別図柄(特図2)の抽選において小当たりに当選する確率を異ならせた点と、で相違する。それ以外の要素については同一で有り、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ここで、小当たり種別選択2テーブル202afの内容について図90を参照して説明をする。図90(a)は、小当たり種別選択2テーブル202afの内容を模式的に示した模式図であり、図90(b)は、特図1小当たり種別選択2テーブル202af1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図90(c)は、特図2小当たり種別選択2テーブルaf2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図90(a)に示した通り、小当たり種別選択2テーブル202afは、第1特別図柄(特図1)の抽選を実行する場合に参照される特図1小当たり種別選択2テーブル202af1と、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行する場合に参照される特図2小当たり種別選択2テーブル202af2と、を有している。
特図1小当たり種別選択2テーブル202af1は、図90(b)に示した通り、取得した小当たり種別カウンタ値C5の値の範囲が「0〜89」に、小当たり種別として「小当たりA」が、「90〜99」に、小当たり種別として「小当たりB」が規定されている。
ここで、小当たり種別「小当たりA」とは、上述した第1実施形態の「小当たりA」と同一であり、V通過時(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合、2種当たりを獲得した場合)に設定(実行)される大当たりの大当たり種別として「大当たりA」が設定されるものである。「小当たりB」とは、上述した第1実施形態の「小当たりB」と同一であり、V通過時(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合、2種当たりを獲得した場合)に設定(実行)される大当たりの大当たり種別として「大当たりB」が設定されるものである。
また、特別図柄2小当たり種別選択2テーブル202af2は、図90(c)に示した通り、取得した小当たり種別カウンタ値C5の値が「0」に、小当たり種別として「小当たりA」が、「1〜99」に、小当たり種別として「小当たりD」が規定されている。
ここで、小当たり種別「小当たりD」とは、複数の小当たり種別の中で最も2種当たり期待度が低い(約5%)小当たり遊技が実行される小当たり種別であり、V通過時(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合、2種当たりを獲得した場合)に設定(実行)される大当たりの大当たり種別として「大当たりB」が設定されるものである。つまり、遊技者にとって、最も不利な小当たりとなる。
開放シナリオ2テーブル202agは、上述した第1実施形態の開放シナリオテーブル202gに対して、小当たりCに対応する開放シナリオに替えて小当たりDに対応する開放シナリオを規定した点で相違し、それ以外は同一である。そして、小当たりDに対応する開放シナリオは、小当たりCに対応する開放シナリオのうち、流路ソレノイド650kのオン期間を短くし、よりV通過(特定領域への球の通過)をし難くした点と、V通過時(2種当たり獲得時)において設定される開放シナリオが15ラウンド分に替えて5ラウンド分にした点と、で相違するのみであるため、詳細な図示を省略する。
次に、図86(b)を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の内容を説明する。図86(b)は、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図86(b)に示した通り、本第2実施形態のRAM203では、小当たりCカウンタ203pに替えて小当たりDカウンタ203acを設けた点と、特別図柄2保留球格納エリア203aaと、特別図柄2保留球数カウンタ203abと、特図1カウンタ203adと、特図2カウンタ203aeと、を追加した点で上述した第1実施形態と相違している。
特別図柄2保留球格納エリア203aa、および、特別図柄2保留球数カウンタ203abは、上述した第1実施懈怠の特別図柄1保留球格納エリア203aおよび特別図柄1保留球数カウンタ203bと同一の構成を第2特別図柄に対して設けたものであるため、詳細な説明を省略するが、第2特別図柄の抽選(変動)契機となる第2入球口640へ球が入球した場合、第2特別図柄の抽選(変動)が実行される場合に可変設定されるものである。
小当たりDカウンタ203acは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりDが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理2(図98のS1554)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図98のS1612:Yes)、時短付与2テーブル202aeに規定されている値が設定される(図98のS1653)。
そして、特別図柄変動処理2(図94のS154)の小当たり開始設定処理(図94のS221)にて実行される小当たり用時短更新処理(図41のS405)にて、今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりDであると判別した場合に、カウンタの値が1減算される(図示せず)。減算した後の小当たりDカウンタ203acの値が0であると判別すると、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態を設定する。なお、本第2実施形態は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりDカウンタ203acの値を参照した時短終了条件(第5時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりDカウンタ203acの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりDカウンタ203acの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
特図1カウンタ203adは、時短状態が設定されている期間中に実行される第1特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、時短状態が設定される場合に、時短状態を終了させるための終了条件として設定される第1特別図柄の変動回数に対応した値が設定され、時短状態中に第1特別図柄が変動する毎に設定された値が1減算される。そして、時短状態を終了させるか否かの判別を行う際に参照され、カウンタの値が0である場合に時短状態を終了するための処理が実行される。
特図2カウンタ203aeは、時短状態が設定されている期間中に実行される第2特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、時短状態が設定される場合に、時短状態を終了させるための終了条件として設定される第2特別図柄の変動回数に対応した値が設定され、時短状態中に第2特別図柄が変動する毎に設定された値が1減算される。そして、時短状態を終了させるか否かの判別を行う際に参照され、カウンタの値が0である場合に時短状態を終了するための処理が実行される。
以上説明をした通り、本第2実施形態では、時短状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)として、第1特別図柄の変動回数や、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件を設けている。これにより、第1遊技(第1特別図柄のみを変動させる遊技)や、第2遊技(第2特別図柄のみを変動させる遊技)を実行した場合に、それぞれ専用の時短終了条件が成立し得るようにすることができる。
なお、本第2実施形態では、特図1カウンタ203adと特図2カウンタ202aeとを設けることで、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを計測するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、時短状態中に実行される特別図柄の変動回数(第1特別図柄の変動回数と、第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数)を計測する手段(第1実施形態の時短中カウンタ203kに相当)と、第1特別図柄の変動回数、或いは、第2特別図柄の変動回数の何れかを計測する手段(例えば、特図1カウンタ203ae)と、を有し、合算変動回数から特図1変動回数を減算する処理を実行することで、特図2(第2特別図柄)の変動回数を算出するように構成しても良い。
このように構成することで、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件と、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件と、特別図柄の合算変動回数に基づいて成立する終了条件とを、2つのカウンタを用いて管理することができる。なお、同様の効果を奏するために、本第2実施形態の特図1カウンタ203aeの計測した値(減算した値)と、特図2カウンタ203afの計測した値(減算した値)と、を合算することが合算変動回数を算出するように構成しても良い。
次に、図91及び図92を参照して,本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222およびRAM223の内容について説明をする。本第2実施形態のROM222は、図91(a)に示した通り、上述した第1実施形態におけるROM222(図26(a)参照)に対して、状態表示選択テーブル222bと、最終状態表示選択テーブル222cと、に替えて、保留表示選択テーブル222aaを設けた点で相違している。
また、本第2実施形態のRAM223は、図91(b)に示した通り、上述した第1実施形態におけるRAM223(図26(b)参照)に対して、仮当たり判定フラグ223h、仮時短終了フラグ223j、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223m、時短終了前変動フラグ223n、を削除し、特別図柄2保留球数カウンタ223aa、右打ち中フラグ223ab、左打ち中フラグ223ac、時短開始フラグ223ad、時短計時カウンタ223aeを設けた点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、図91(a)を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図91(a)は、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。
保留表示選択テーブル222aaは,時短状態中に獲得した特別図柄の保留球に応じて第3図柄表示装置81に表示される保留図柄(図84(a)参照)に対して、その保留図柄に対する入賞情報の事前判別結果を遊技者に報知する表示態様(図84(a)参照)を選択する際に参照するものであって、時短状態が終了するか否か(時短終了条件の更新状況)、及び、特別図柄の当否判定結果を遊技者に事前に示唆(報知)するものである。
ここで、図92を参照して、保留表示選択テーブル222aaに規定されている内容について説明をする。図92は、保留表示選択テーブル222aaの内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態では、上述した第1実施形態にて実行中の特別図柄変動に対して設定した状態表示態様と同様の表示態様を、保留図柄に対して設定する保留態様演出を実行するように構成している(図84参照)。
保留表示選択テーブル222aaは、保留態様演出の表示態様を選択する際に参照されるテーブルであって、仮時短情報更新エリア223iに格納されている仮時短情報(先読み処理の結果に基づいて仮に更新された時短情報)と、取得した状態演出カウンタ223oの値とに基づいて、様々な保留表示態様が規定されている。なお、本保留表示選択テーブル222aaに記載されている保留表示態様を示す値は、上述した第1実施形態の状態表示態様と同一であり、図15を参照して示した表示態様が各値に対応して規定されているものであるため、その詳細な説明を省略する。
保留表示選択テーブル222aaに規定されている内容について具体的に説明をすると、仮時短情報更新エリア223iに格納されている今回の当否判定結果、即ち、今回の処理に対応する入賞情報に含まれる特別図柄の抽選結果が「大当たり」で、今回の処理が実行されるよりも前の段階で、既に仮時短情報更新エリア223iに大当たりを示す情報(既当たり情報)が格納されておらず(既当たり情報「なし」)、時短終了前条件が成立していることを示す終了前情報が格納されている(終了前情報「あり」)場合には、取得した状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に保留表示態様「3」が規定され、「70〜99」の範囲に保留表示態様「9」が規定されている。
また、今回の当否判定結果が「大当たり」で、既当たり情報が「なし」で、終了前情報が「なし」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に保留表示態様「3」が、「50〜69」の範囲に保留表示態様「1」が、「70〜99」の範囲に「9」が規定されている。
さらに、既当たり情報が「あり」の場合は、終了前変動の情報の有無に関わらず、状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲のには保留表示態様を設定しない「−」が、「70〜99」の範囲には保留表示態様「9」が規定されている。
このように、今回保留表示態様を設定する対象となる保留図柄に対応する入賞情報と、既に仮時短情報更新エリア223iに格納されている入賞情報(今回の対象となる入賞情報よりも先に取得した入賞情報)と、に含まれる特別図柄の当否判定結果や、時短状態の進捗具合に応じて、保留表示態様を可変設定することにより、遊技者に対して、特別図柄の抽選結果に加え、時短状態が終了するか否かを事前に示唆することができる。
よって、時短状態が終了する虞のある保留表示態様が表示された場合には、その保留表示態様が表示されるよりも前に、大当たりを獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定可能にすることで、時短状態が継続して設定される期間を分かり難くした遊技機において、突然時短状態が終了してしまうことを抑制することができ、遊技者に不満感を与えてしまう遊技が実行されることを抑制することができる。
次に、今回の当否判定結果が「小当たりA」で、既当たり情報が「なし」で、終了前情報が「あり」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に保留表示態様「5」が、「50〜69」の範囲に保留表示態様「5」が、「70〜99」の範囲に「9」が規定され、終了前情報が「なし」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に保留表示態様「7」が、「50〜69」の範囲に保留表示態様「7」が、「70〜99」の範囲に「9」が規定されている。
さらに、既当たり情報が「あり」の場合は、終了前変動の情報の有無に関わらず、状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲のには保留表示態様を設定しない「−」が、「70〜99」の範囲には保留表示態様「9」が規定されている。
一方、今回の当否判定結果が「小当たりB,D」で、既当たり情報が「なし」で、終了前情報が「あり」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に保留表示態様「5」が、「50〜69」の範囲に保留表示態様「6」が、「70〜99」の範囲に「9」が規定され、終了前情報が「なし」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に保留表示態様「2」が、「50〜69」の範囲に保留表示態様「4」が、「70〜99」の範囲に「9」が規定されている。
さらに、既当たり情報が「あり」の場合は、終了前変動の情報の有無に関わらず、状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲のには保留表示態様を設定しない「−」が、「70〜99」の範囲には保留表示態様「9」が規定されている。
今回の当否判定結果が「外れ」で、既当たり情報が「なし」で、終了前情報が「あり」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0〜49」の範囲に保留表示態様「1」が、「50〜69」の範囲に保留表示態様「4」が、「70〜99」の範囲に「9」が規定され、終了前情報が「なし」の場合であって、状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲に保留表示態様「1」が、「70〜99」の範囲に「9」が規定されている。
さらに、既当たり情報が「あり」の場合は、終了前変動の情報の有無に関わらず、状態演出カウンタ223oの値が「0〜69」の範囲のには保留表示態様を設定しない「−」が、「70〜99」の範囲には保留表示態様「9」が規定されている。
以上、説明をした通り、本第2実施形態では、上述した第1実施形態の状況表示態様と同一の条件に対して同一の表示態様が選択されるように保留表示選択テーブル222aaが記載されている。また、先に獲得した入賞情報に大当たりに当選する情報(当否判定結果)が含まれている場合には、それ以降の保留図柄に対して設定(選択)可能な表示態様を制限する(保留表示態様「9」(図15参照)のみが選択される)ように構成している。よって、複数の保留図柄のそれぞれに対して保留表示態様を選択し表示するように構成した場合に、違和感の無い演出を提供することが出来る。
なお、図92に示した通り、本第2実施形態では、獲得した入賞情報(保留図柄)に対して、高確率で表示態様を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、保留表示選択テーブル222aaにて選択された保留表示態様を、実際に表示するか否かの判定を行う判定手段と、その判定手段の判定結果に応じて保留図柄の表示態様を可変させるように構成しても良いし、取得した状態演出カウンタ223oの値が、所定範囲(例えば「0〜39」)である場合には、保留表示態様が選択されないように構成しても良い。このように構成することにより、保留図柄の表示態様だけで今後の遊技内容(時短状態の修了の有無や、大当たり当選の有無)を容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、獲得した入賞情報(保留図柄)に含まれる情報に関わらず、所定の確率で保留表示態様「9」が選択されるように構成しているため、保留図柄の表示態様だけで今後の遊技内容(時短状態の修了の有無や、大当たり当選の有無)を容易に把握されてしまうことをより抑制することができる。
次に、図91(b)を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図91(b)は、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。
特別図柄2保留球数カウンタ223aaは、主制御装置110から送信された保留球数コマンドのうち、第2特別図柄に関連するコマンドを受信した場合に、そのコマンドの示す内容に応じて第2特別図柄の保留球数を更新するためのカウンタである。なお、詳細な構成については、上述した特別図柄1保留球数カウンタ223aの構成に対して対象となるコマンドが変更されている点以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
右打ち中フラグ223abは、遊技者に対して右打ち遊技(第2遊技)を実行させる期間であることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、右打ち遊技(第2遊技)を実行させる期間であることを示すものである。この右打ち中フラグ223abは、入賞情報関連処理2(図100のS2251参照)にて実行される遊技状態設定処理(図101(a)のS2351)において、受信した入賞情報が特図1(第1特別図柄)関連の入賞情報では無い(即ち、特図2(第2特別図柄)関連の入賞情報である)と判別した場合に(図101(a)のS3002:No)、オンに設定される。
そして、遊技内容判別処理(図101(b)のS2352)や保留表示設定処理(図102のS2353)において参照され、時短状態が終了した場合にオフに設定される。
左打ち中フラグ223acは、遊技者に対して右打ち遊技(第2遊技)を実行させる期間であることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、左打ち遊技(第1遊技)を実行させる期間であることを示すものである。この左打ち中フラグ223acは、入賞情報関連処理2(図100のS2251参照)にて実行される遊技状態設定処理(図101(a)のS2351)において、受信した入賞情報が特図1(第1特別図柄)関連の入賞情報であると判別した場合に(図101(a)のS3002:Yes)、オンに設定される。
そして、遊技内容判別処理(図101(b)のS2352)や保留表示設定処理(図102のS2353)において参照され、時短状態が終了した場合にオフに設定される。
上述した通り、本第2実施形態においては、時短状態が設定された際の遊技方法(第1遊技又は第2遊技)を、遊技者が実際に球を発射する方向を調整することにより選択できるように構成している。そして、遊技者が選択した遊技方法を時短状態中の適切な遊技方法と判別し、遊技者が選択していない遊技方法を時短状態中に不適切な遊技方法と判別するように構成している。
なお、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから最初に球が入球した入球口が左打ち領域(左打ち遊技を行った場合に球が流下(通過)し得る領域)に配設された第1入球口64(図2参照)か、或いは右打ち領域(右打ち遊技を行った場合に球が流下(通過)し得る領域)に配設された第2入球口640かを、主制御装置110から送信された入賞コマンドを解析することで判別し、その判別結果に基づいて時短状態中の適切な遊技方法を決定するように構成しているが、時短状態が設定されている状態において、適切な遊技が行われているか否かを判別し、適切な遊技が行われていない場合にはエラー報知を実行できるように構成されていれば良く、本第2実施形態の構成以外の構成を用いても良い。
例えば、遊技者が操作可能な操作手段を設け、大当たり遊技中或いは、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定されてから所定期間(例えば、5秒間)の間に時短状態中の遊技方法を、操作手段を操作させることで選択するように構成し、操作手段により選択された遊技方法に対応した遊技領域を球が通過した場合に適切な遊技方法を設定するように構成しても良い。これにより、より確実に遊技者の所望する遊技方法を適切な遊技方法として設定することができる。
また、時短状態が設定されている間に、遊技者が適切な遊技方法を可変設定できるように構成しても良い。このように構成することで、時短終了条件の更新状況を予測しながら遊技方法を可変させることで、より有利な時短状態となるように遊技者に積極的に選択遊技(遊技方法を設定するための遊技)を行わせることができる。なお、この場合、遊技方法を可変させる旨を、操作手段を操作することにより設定し、遊技方法可変期間中は何れの遊技(第1遊技、第2遊技)が実行されたとしても不適切な遊技として判別しないように構成すると良い。これにより、時短状態中に行われる遊技方法の変更操作を円滑に行わせることができる。
更に、本実施形態では、特定の入球口に球が1個入球した場合に、その球が入球した入球口の種類に応じて適切な遊技方法を設定するように構成しているが、例えば、時短状態が設定されてから所定個数(例えば、2個)の球が入球した入球口の種類に応じて適切な遊技方法を設定するように構成しても良い。これにより、誤操作により所望しない遊技方法に対応する遊技領域に球を発射させてしまい、誤った遊技方法が設定されることを抑制することができる。
時短開始フラグ223adは、遊技状態として時短状態が設定されたことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで時短状態が設定されたこと示すものである。この時短開始フラグ223adは、後述するコマンド判定処理2(図99のS2163参照)において、時短関連のコマンドを受信したと判別し(図99のS2215:Yes)、さらに、受信した時短関連のコマンドが時短設定情報(時短状態が設定されたことを示す情報)であると判別した場合に(図99のS2252:Yes)、オンに設定される(図99のS2253)。
そして、演出設定処理2(図104のS2851参照)において参照され(図104のS3301)、オンであると判別された場合に後述する時短計時カウンタ223aeの値に4000が設定され(図104のS3302)、フラグがオフに設定される(図104のS3303)。つまり、この時短開始フラグ223adは、音声ランプ制御装置113側で時短状態が設定されたことを判別するために用いられるものであって、オンに設定されている場合にのみ専用の処理(時短状態が設定された場合にのみ実行する処理)を実行するものである。
時短計時カウンタ223aeは、時短状態が設定されてからの経過期間(経過時間)を継続するためのカウンタであって、時短状態が設定された場合に所定の値が設定され、その値を減算することにより、時短状態が設定されてからの経過期間を判別するものである。この時短計時カウンタ223aeには、演出設定処理2(図104のS2851参照)において、時短開始フラグ223adがオンに設定されていると判別された場合に(図104のS3301:Yes)、4000の値が設定される(S3302)。
次に、図93を参照して、本第2実施形態における遊技の流れについて説明をする。図93は、図28は、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図28に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10は、上述したように通常遊技状態中(通常状態中)は、左打ち遊技が行われ第1入球口64を狙う特1遊技が実行される。ここで、第1特別図柄の大当たりに当選すると、当選した大当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりC(全体の50%)である場合は、大当たり終了後に再度通常状態が設定され、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりBである場合は、大当たり終了後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態(時短状態)へと移行するように構成されている。
なお、通常状態中において第2入球口640に球を入球させて第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選した場合はその大当たり終了後に遊技状態として、通常状態が設定されるように構成している。これは、図3を参照して上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は通常状態中(通常遊技中)に右打ち遊技を行ったとしても第2入球口640に球が入球しない(し難い)ように構成していることから、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行される行為を不正行為とみなし、不正行為を行った遊技者に対して有利な遊技を行わせないための対策である。後述するように、本実施形態では時短状態中では第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選(遊技)を行わせることができるように構成しているため、不正行為を行って第2特別図柄の抽選を行われる虞があった。そこで、上述した対策を施すことにより、不正行為により第2特別図柄の抽選が行わせることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶する構成を有していないため、例えば、時短状態中(電動役物640aが突出位置に動作され易い状態中)に第2特別図柄の入賞情報を保留記憶し、その保留記憶された入賞情報に基づいて通常状態中の第2特別図柄の抽選(変動)が実行されてしまうことが無い。これにより、正常な遊技を行っている場合に、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されることを確実に防止することができる。
遊技状態として時短遊技状態(時短状態)が設定されると、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作(突出動作)により第2入球口640に容易に球を入球させることができるようになるため、右打ち遊技が行われ第2入球口640を狙う特2遊技が実行される。
ここで、第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合は、小当たり遊技としてV入賞装置650が開放動作され、V入賞装置650内のVスイッチ650e3が球を検知することで(球が特定領域を通過することで)、大当たり遊技が開始される。本実施形態では、小当たり遊技経由で大当たり遊技が設定(実行)された場合には、その大当たり遊技終了後に、遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技経由の大当たりを獲得した遊技者に対して不快感を与えることを無くすことができる。
なお、本実施形態では第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA〜C)によって、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性(Vスイッチ650e3が球を検知する可能性)が異なる小当たり遊技が実行されるように構成されている。
加えて、本実施形態では、遊技者に有利な遊技状態(通常状態よりも有利な遊技状態)である時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)として、特別図柄(第1特別図柄或いは第2特別図柄)の変動回数(抽選回数)が規定変動回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件(第1時短終了条件)と、特別図柄(第2特別図柄)の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数(小当たり当選に基づいて動作されるV入賞装置650の動作回数)が規定動作回数に到達した場合に成立する動作回数終了条件(第2時短終了条件)と、が設定されている。
また、詳細は後述するが、第2時短終了条件は、更に、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(実行される小当たり遊技)に応じてそれぞれ設定されるように構成している。
そして、時短状態が設定されている状態(状況)において、上述した第1時短終了条件、或いは、第2時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄の大当たり抽選に当選(1種当たりに当選)、或いは、特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、当選した小当たりに応じた小当たり遊技(小当たり種別に応じた小当たり遊技)中に、球を特定領域に通過させ大当たりを獲得(2種当たりを獲得)した場合には、時短状態が繰り返し設定される。
一方、時短状態が設定されている状態(状況)において、1種当たり、或いは2種当たりを獲得する前に上述した第1時短終了条件(特別図柄の変動回数に応じた終了条件)或いは第2時短終了条件(小当たり当選(V入賞装置650の動作)に応じた終了条件)の何れかが成立した場合には、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行(設定)される。
このように構成された本実施形態のパチンコ機10は、時短状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、時短状態を終了させる可能性(第2時短終了条件が成立する可能性)と、2種当たりを獲得する可能性の両方を遊技者に提供することができる。よって、時短状態中に実行される遊技(第2特別図柄の抽選)に対する遊技者の興味を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態では図28に示した通り、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態として通常状態が設定されている状態、即ち、左打ち遊技が行われている状態であって、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)が上限数(4個)である場合に大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合に実行され得る「時短状態中における第1特別図柄変動(抽選)」において、大当たりに当選したとしても、遊技者に不利となる結果を遊技者に提供することを抑制することができる。
<第2実施形態における主制御装置110により実行される制御処理>
第2実施形態における制御処理は、第1実施形態に対して、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における制御処理の内容が変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
ここで、図94〜図98を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、特別図柄変動処理(図38参照)を特別図柄変動処理2(図94参照)に変更し、その特別図柄変動処理において実行される時短回数更新処理(図42参照)に代えて時短回数更新処理2(図95参照)を実行し、そして、始動入賞処理(図43参照)を始動入賞処理2(図96参照)に変更し、その始動入賞処理において実行される先読み処理(図44参照)に代えて先読み処理2(図97参照)を実行する点で相違する。更に、大当たり制御処理(図52参照)を大当たり制御処理2(図98参照)に変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図94を参照して特別図柄変動処理2(S154)の内容について説明をする。図94は特別図柄変動処理2(S154)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理2では、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)に対して、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得する点および時短回数更新処理に代えて時短回数更新処理2(図95参照)を実行する点で相違している。
この特別図柄変動処理2(S154)が実行されると、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS201およびS202の処理が実行される。S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得し(S251)、取得した特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0より大きいか判別する(S252)。
特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0でなければ(S252:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を1減算し(S253)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を示す特別図柄2保留球数コマンドを設定する(S254)。S254の処理により特別図柄2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203aaに格納されたデータをシフトする(S255)。その後、上述したS210の処理を実行し、本処理を終了する。
S252の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0であると判別された場合には(S252:No)、第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS206〜S210の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS211からS213の処理が実行される。S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S213:Yes)、上述した特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS214からS218の処理を実行し、本処理を終了する。
S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S213:No)、第1実施形態における特別図柄変動処理(図38参照)の時短回数更新処理(図42参照)に代えて、時短回数更新処理2を実行する(S271)。この時短回数更新処理2(S271)は、時短回数更新処理(図42参照)と同様に、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。この時短回数更新処理2(S271)の詳細については、図95を参照して後述する。
時短回数更新処理2(S271)が終了すると、第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS220,S221およびS218の処理を実行した後に、本処理を終了する。
次に、図95を参照して特別図柄変動処理2(図94のS154)にて実行される時短回数更新処理2(S271)について説明をする。図95は時短回数更新処理2(S271)の内容を示すフローチャートである。この時短回数更新処理2(S271)は、上述した第1実施形態の時短回数更新処理(図42参照)に対して、第1特別図柄の変動に対しても時短回数を減算し、時短終了条件が成立したかを判別するように変更した点で相違し、それ以外の処理については同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
時短回数更新処理2(S271)が実行されると、上述した第1実施形態の時短回数更新処理(図42参照)と同様にS601およびS602の処理が実行される。S602の処理を終えると、次に今回の変動が特図2の変動であるか判別する(S651)。今回の変動が特図2の変動であると判別された場合は(S651:Yes)、特図2カウンタ203aeの値を1減算し(S652)、S653の処理に移行する。一方、S651の所処理において、今回の変動が特図2の変動でない(即ち、特図1の変動である)と判別された場合は(S651:No)、特図1カウンタ203adの値を1減算し(S654)、S653の処理に移行する。
S653の処理では、各種カウンタの値を示す残時短回数コマンドを設定し(S653)、次いで、時短中カウンタ203k、特図1カウンタ203adおよび特図2カウンタ203aeのいずれかの値が0であるか判別する(S655)。時短中カウンタ203k、特図1カウンタ203adおよび特図2カウンタ203aeのいずれの値も0でないと判別された場合は(S655:No)、本処理を終了する。
一方、S655の処理において、時短中カウンタ203k、特図1カウンタ203adおよび特図2カウンタ203aeのいずれかの値が0であると判別された場合は(S651:Yes)、上述した第1実施形態の時短回数更新処理(図42参照)と同様にS605からS607の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図96を参照して、始動入賞処理2(S155)の内容について説明をする。図96は始動入賞処理2(S155)の内容を示したフローチャートである。この始動入賞処理2(S155)では、上述した第1実施形態の始動入賞処理(図43参照)に加えて、第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、第2入球口640への始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理が追加されている点、および、先読み処理(図44参照)に代えて、先読み処理2を実行する点で相違している。
始動入賞処理2(S155)が開始されると、まず、上述した第1実施形態の始動入賞処理(図43参照)と同様にS701の処理を実行する。S701の処理において、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S701:Yes)、上述したS702およびS703の処理を実行する。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S701:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が4未満でなければ(S703:No)、S753の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S701:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が4未満であれば(S703:Yes)、上述したS704からS706の処理を実行する。
S706の処理を終えると、次に、今現在が時短中或いは特別図柄の大当たり中であるか判別する(S751)。今現在が時短中或いは特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S751:Yes)、本処理を終了する。S751の処理において、今現在が時短中および特別図柄の大当たり中でないと判別した場合は(S751:No)、先読み処理2(S752)を実行し、処理をS753へ移行する。
S701の処理において、第1入球口64への入球を検出しなかった場合(S701:No)、第1入球口64への入賞があり、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が最大値である4であった場合(S703:No)、およびS752の処理が終了した場合に実行されるS753の処理では、球が第2入球口640へと入球したか否かを判別する(S753)。このS753の処理では、S701の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入球したと判別されると(S753:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得し(S754)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S755)。
そして、第2入球口640への入球がないか(S753:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が4未満でなければ(S755:No)、先読み処理2(S752)へ移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S753:Yes)、且つ、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が4未満であれば(S755:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を1加算する(S756)。そして、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S757)。
ここで設定された特図2保留球数コマンドも、S705の処理において設定された特図1保留球数コマンドと同様に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される前述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223aaに格納する。
S757の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄2保留球格納エリア203aaの空き保留エリア(特図2保留第1エリア〜特図2保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S758)。なお、S758の処理では、S706の処理と同様に、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を参照し、その値が0であれば、特図2保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば特図2保留第2エリアを、その値が2であれば特図2保留第3エリアを、その値が3であれば特図2保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S758の処理が終了すると、先読み処理2(S752)へ移行し、本処理を終了する。
次に、図97を参照して先読み処理2(S752)の内容について説明をする。図97は、先読み処理2(S752)の内容を示したフローチャートである。本第2実施形態における先読み処理2(S752)は、上述した第1実施形態における先読み処理(図44参照)に対して、第1入球口64に新たな入賞があった場合に参照する第1当たり乱数テーブル202a、特図1大当たり種別選択テーブル202b1、及び変動パターンテーブル202d(通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2)に代えて、第1当たり乱数2テーブル202aa、特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1、特図1小当たり種別選択2テーブル202af1、及び変動パターン2テーブル202ad(通常用変動パターンテーブル202ad1または時短用変動パターンテーブル202ad2)を参照する点、第2特別図柄における抽選結果の先読みを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
先読み処理2(S752)が実行されると、まず、上述した第1実施形態における先読み処理(図44参照)と同一のS801の処理を実行する。S801の処理において、第1入球口64に新たな入賞がない場合(S851:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64に新たな入賞があった場合は(S851:Yes)、特別図柄1乱数2テーブルaa1、特図1大当たり種別選択2テーブル202ab1、特図1小当たり種別選択2テーブル202af1、及び変動パターン2テーブル202ad(通常用変動パターンテーブル202ad1または時短用変動パターンテーブル202ad2)に基づいて、抽選結果、大当たり種別、小当たり種別、及び変動パターンを事前に取得する(S852)。
次いで、S852の処理で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり種別、及び変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S853)、S854の処理へ移行する。一方、S851の処理において、第1入球口64に新たな入賞がない場合も(S851:No)、S854の処理へ移行する。
S854の処理では、第2入球口640に新たな入賞があるかどうかが判定される(S854)。判定の結果、第2入球口640に新たな入賞がない場合(S854:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第2入球口640に新たな入賞があった場合は(S854:Yes)、特別図柄2乱数2テーブルaa2、特図2大当たり種別選択2テーブル202ab2、特図2小当たり種別選択2テーブル202af2、及び変動パターン2テーブル202ad(通常用変動パターンテーブル202ad1または時短用変動パターンテーブル202ad2)に基づいて、抽選結果、大当たり種別、小当たり種別、及び変動パターンを事前に取得する(S855)。
次いで、S855の処理で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり種別、及び変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S856)、本処理を終了する。
次に、図98を参照して、大当たり制御処理2(S1554)の内容について説明をする。図98は大当たり制御処理2(S1554)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理2(S1554)は、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるメイン処理(図51参照)の中で、第1実施形態における大当たり制御処理(図52参照)に変えて実行される処理であり、上述した大当たり制御処理(図52参照)に対して、大当たり制御終了時(エンディング演出の終了タイミング)に設定する時短内容(時短終了条件)を異ならせた点で相違している。
大当たり制御処理2(S1554)が開始されると、まず、上述した大当たり制御処理(図52参照)のS1601〜S1612と同様の処理を実行し、S1612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1612:Yes)、次いで、大当たり当選時が時短中であるかを判別する(S1651)。大当たり当選時が時短中であると判別された場合は(S1651:Yes)、S1653の処理へ移行する。一方、大当たり当選時が時短中でない(即ち、通常遊技状態である)と判別された場合は(S1651:No)、実行されていた特別遊技が大当たりC(5R時短無大当たり)であったか否かを判別する(S1652)。
大当たり当選時が通常遊技状態であると判別され(S1651:No)、且つ、S1652の処理において大当たりC(5R時短無大当たり)でないと判別された場合(S1613:No)、或いは、S1651の処理において大当たり当選時が時短中であると判別された場合は(S1651:Yes)、各大当たり種別に対応する時短終了条件を時短付与2テーブル202ae(図88(d)参照)に基づいて設定する(S1653)。
一方、大当たり当選時が通常遊技状態であると判別され(S1651:No)、且つ、S1652の処理において大当たりC(5R時短無大当たり)であると判別された場合(S1652:Yes)、或いは、S1653の処理が終了すると、上述した大当たり制御処理(図52参照)のS1617〜S1620と同様の処理を実行し、本処理を終了する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図99から図105を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第2実施形態では上述した第1実施形態に対して、コマンド判定処理(図56参照)をコマンド判定処理2(図99参照)に替えた点と、入賞情報関連処理(図57参照)を入賞情報関連処理2(図100参照)に替えた点と、変動表示設定処理(図62参照)を変動表示設定処理2(図103参照)に替えた点と、演出設定処理(図63参照)を演出設定処理2(図104)に替えた点と、各種カウンタ更新処理(図105(a)参照)について詳細な説明を追加した点と、演出更新処理(図105(b)参照)について詳細な説明を追加した点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図99を参照して音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)にて実行されるコマンド判定処理2(図99のS2163)について説明をする。図99はコマンド判定処理2(S2163)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理2(S2163)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)に対して、主制御装置110から入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理を入賞情報関連処理(図57参照)から入賞情報関連処理2(図100参照)に変更した点と、時短関連のコマンドを受信した場合に実行する処理の内容を変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理2(図99のS2163)が実行されると、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)と同一のS2201〜S2209の処理を実行する。S2209の処理において、今回受信したコマンドが入賞情報コマンドであると判別した場合は(S2209:Yes)、入賞情報関連処理2を実行し(S2251)、その後、S2217の処理へ移行する。このS2251の処理で実行される入賞情報関連処理2の内容については、図100を参照して後述する。
一方、S2209の処理において、今回受信したコマンドが入賞情報コマンドでは無いと判別した場合は(S2209:No)、次に、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)と同一のS2211〜S2215の処理を実行し、S2215の処理において、今回受信したコマンドが時短関連のコマンドであると判別した場合は(S2215:Yes)、次に、受信した時短関連のコマンドの内容が時短設定情報、即ち、時短状態を新たに設定した場合に主制御装置110から送信される情報であるかを判別する(S2252)。
S2252の処理において、今回受信した情報が時短設定情報であると判別した場合は(S2252:Yes)、時短開始フラグ223adをオンに設定し(S2253)、時短情報更新エリア223gに格納されている時短情報を更新し(S2254)、S2217の処理へ移行する。なお、S2254の処理では、今回受信した時短関連のコマンドに含まれる情報に基づいて、各種カウンタに時短終了条件となる値が設定される。具体的には、例えば、大当たり種別が大当たりBである大当たり遊技終了のタイミングで送信される時短設定情報を含むコマンド(大当たり制御処理2(図98参照)のS1614で設定された内容に対応した時短情報を示すコマンド)を受信した場合には、時短付与2テーブル202aeを参照して、特図1カウンタ203adの値に「30」、特図2カウンタ203aeの値に「80」、小当たりAカウンタ203mの値に「1」、小当たりBカウンタ203nの値に「3」、小当たりDカウンタ203acの値に「20」を設定する(図88(d)参照)。
図99に戻り説明を続ける。S2254の処理を終えると、次いでS2217の処理を実行し本処理を終了する。一方で、S2252の処理において、今回受信した時短関連のコマンドに含まれる情報が時短設定情報では無いと判別した場合は(S2252:No)、つまり、今回受信した時短関連のコマンドに含まれる情報が時短終了条件に対応する時短情報(変動回数や小当たり当選回数)を更新させる(時短終了条件に近づけさせる)情報(時短更新情報)である場合は、既に、時短終了条件に関する情報が設定されており、時短遊技が開始されているため、時短開始フラグをオンに設定するS2253の処理をスキップして、S2254の処理へ移行する。
この場合におけるS2254の処理では、今回受信した時短関連のコマンドに含まれる複数の情報の中から時短更新情報を読み出し、対象の時短情報を更新させる処理を実行する。また、更新後の時短情報が示す内容が、時短終了条件が成立するまでの残期間が所定期間よりも少ないことを示すものとなる場合は、その旨を時短情報更新エリアに記憶する。
次に、図100を参照して、入賞情報関連処理2(S2251)の内容について説明をする。図100は入賞情報関連処理2(S2251)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理2(S2251)は、上述した第1実施形態の入賞情報関連処理(図57のS2210参照)に対して、入賞情報に基づく時短情報の更新内容を示す表示態様を設定するための処理の内容を異ならせた点と、時短状態中における遊技方法(左打ち遊技(第1遊技)或いは右打ち遊技(第2遊技))を設定するための処理を追加した点とで相違している。それ以外の要素については同一であるため、同一の要素に対しては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
入賞情報関連処理2(S2251)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報(現在設定されている遊技状態を示すための情報)を読み出し(S2301)、読み出した情報が示す遊技状態が時短状態を示す遊技状態であるか(時短中であるか)を判別する(S2302)。S2302の処理によって、現在が時短中では無いと判別した場合は(S2302:No)、上述した第1実施形態の入賞情報関連処理(図57参照)のS2312と同一の処理を実行した後に、S2311の処理へ移行する。
一方、S2302の処理において、現在設定されている遊技状態が時短状態である(時短中である)と判別した場合は(S2302:Yes)、次に遊技状態設定処理を実行する(S2351)。この遊技状態設定処理(S2351)は、今回の時短状態において遊技者が選択した遊技方法が第1遊技(左打ち遊技)、或いは、第2遊技(右打ち遊技)の何れであるかを判別し、時短状態において適切な遊技を設定するための処理を実行するものであり、詳細な内容については、図101(a)を参照して後述する。
S2351の処理を終えると、次に遊技内容判別処理を実行する(S2352)。この遊技内容判別処理(S2352)は、時短状態中に適切な遊技が実行されているかを判別するための処理を実行するものであり、詳細な内容については、図101(b)を参照して後述する。S2352の処理を終えると、続いて保留表示設定処理を実行し(S2353)、その後、S2311の処理へ移行し、本処理を終了する。
保留表示設定処理(S2353)は、今回受信した入賞情報コマンドに対応して表示される保留図柄の表示態様を、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて設定するための処理を実行するものであり、詳細な内容については、図102を参照して後述する。
次に、図101(a)を参照して、入賞情報関連処理2(図得100のS2251)にて実行される遊技状態設定処理(S2351)の内容について説明をする。図101は、遊技状態設定処理(S2351)の内容を示したフローチャートである。この遊技状態設定処理(S2351)では、時短状態が設定されてから最初に受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて、今回の時短状態中に実行される遊技方法(遊技方向)を設定するための処理を実行する。
遊技状態設定処理(図101(a)のS2351)が実行されると、まず、時短開始フラグ223adがオンに設定されているかを判別する(S3001)。この時短開始フラグ223adは、コマンド判定処理2(図99のS2163)において、時短設定情報を受信したと判別した場合(図99のS2252:Yes)、即ち、新たに時短状態が設定された場合にオンに設定されるものである(図99のS2253)。つまり、S3001の処理では、時短状態が設定された直後の状態であるかを判別している。
S3001の処理において、時短開始フラグ223adがオンに設定されていると判別した場合は(S3001:No)、次に、今回受信した入賞情報が特図1関連(第1特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)であるかを判別し(S3002)、特図1関連であると判別した場合は(S3002:Yes)、時短状態が設定されている状態において、左打ち領域に配設されている第1入球口64に球が入球したことを示しているため、左打ち中フラグ223acをオンに設定し(S3003)、時短開始フラグ223adをオフに設定し(S3004)、本処理を終了する。
一方で、S3002の処理において、今回受信した入賞情報が特図1関連では無い(特図2(第2特別図柄)関連である)と判別した場合は(S3002:No)、時短状態が設定されている状態において、右打ち領域に配設されている第2入球口640に球が入球したことを示しているため、右打ち中フラグ223abをオンに設定し(S3005)、S3004へ移行し、その後本処理を終了する。また、S3001の処理において時短開始フラグ223adがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3001:No)、そのまま本処理を終了する。
つまり、本第2実施形態では、時短状態が設定されてから最初の入賞情報コマンドを受信するまでの間は時短開始フラグ223adがオンに設定され、時短開始フラグ223adがオンに設定されている間に第1入球口64、或いは、第2入球口640に球が入球した場合に、その球が入球した入球口が配設されている領域(右打ち領域、左打ち領域)に対して球を発射させる遊技が、時短状態中の適切な遊技となるように設定し、時短開始フラグ223adをオフに設定する。
これにより、時短状態中における遊技方法を設定するタイミングを時短開始フラグ223adがオンに設定されている期間に限定することができる。
次に、図101(b)を参照して、コマンド判定処理2(図99のS2163)の入賞情報関連処理2(図100のS2251)にて実行される遊技内容判別処理(S2352)の内容について説明をする。図101(b)は、遊技内容判別処理(S2352)の内容を示したフローチャートである。この遊技内容判別処理(S2352)では、時短状態中に適正な遊技方法として設定された遊技方法に対して、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が適正な遊技方法に基づく入賞情報であるかを判別し、判別結果に基づいてエラーコマンドを設定するための処理を実行する。
遊技内容判別処理(S2352)が実行されると、まず、今回受信した入賞情報が特図1関連(第1特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)であるかを判別し(S3101)、特図1関連であると判別した場合は(S3101:Yes)、左打ち中フラグ223acがオンに設定されているかを判別する(S3102)。S3102の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていると判別した場合は(S3102:Yes)、時短状態中の左打ち遊技(第1遊技)が適切な遊技であると設定している状態で(左打ち中フラグ223acがオンの状態で)、左打ち遊技によって発射された球が入球し得る第1入球口64への球の入球を示す入賞コマンドを受信している場合であるため、異常と判別すること無くそのまま本処理を終了する。
一方、S3102の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3102:No)、時短状態中の右打ち遊技(第2遊技)が適切な遊技であると設定している状態で(右打ち中フラグ223abがオンの状態で)、左打ち遊技によって発射された球が入球し得る第1入球口64への球の入球を示す入賞コマンドを受信している場合であるため、適切な遊技が行われていないと判別し、表示用エラーコマンドを設定し(S3104)、本処理を終了する。
また、S3101の処理において、今回受信した入賞情報が特図1関連(第1特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)では無い、即ち、今回受信した入賞情報が特図2関連(第2特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)であると判別した場合は(S3101:No)、次いで、右打ち中フラグ223abがオンに設定されているかを判別し(S3103)、右打ち中フラグ223abがオンに設定されていると判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
一方で、S3103の処理において、右打ち中フラグ223abがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3103:No)、時短状態中の左打ち遊技(第1遊技)が適切な遊技であると設定している状態で(左打ち中フラグ223acがオンの状態で)、右打ち遊技によって発射された球が入球し得る第2入球口640への球の入球を示す入賞コマンドを受信している場合であるため、適切な遊技が行われていないと判別し、表示用エラーコマンドを設定し(S3104)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、図101(a)に示した遊技状態設定処理(S2351)によって、今回の時短状態において適切な遊技方法を設定した後に、入賞コマンドを受信した場合には、図101(b)に示した遊技内容判別処理(S2352)によって、時短状態中の遊技方法が適切か否かを判別することができる。このように構成することで、遊技者が自分の意思で遊技方法(球を発射する方向)を選択可能に構成したとしても、遊技者が選択した遊技方法を適切な遊技方法として設定し、それ以外の遊技方法が実行された場合に異常を示すエラーコマンドを設定することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、本第2実施形態では、入賞情報関連処理2(図100参照)において、遊技状態設定処理(図101(a)参照)を実行した後に、遊技内容判別処理(図101(b)参照)を実行するように構成しているため、右打ち中フラグ223abおよび左打ち中フラグ223acの何れもオンに設定されていない状態で、遊技内容判別処理が実行されることが無いように構成している。よって、図101(b)に示した通り、一方のフラグ(右打ち中フラグ223ab、左打ち中フラグ223acのうちの一方のフラグ)がオンに設定されていない場合は、他方のフラグ(右打ち中フラグ223ab、左打ち中フラグ223acのうちの他方のフラグ)がオンに設定されていると判別することができるため、音声ランプ制御装置113の制御処理を簡素化することができる。
なお、本第2実施形態では、遊技状態設定処理(図101(a)参照)において、1回の入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて時短状態における適切な遊技方法を設定する構成としているため、遊技内容判別処理(図101(b)参照)が実行される場合には、既に適切な遊技方法が設定されている(右打ち中フラグ223ab、左打ち中フラグ223acのうち何れかがオンに設定されている)ことになる。
これに対して、例えば、遊技状態設定処理(図101(a)参照)として、複数回の入賞情報コマンドを受信し、その受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて時短状態における適切な遊技方法を設定する処理を実行する場合には、時短状態が設定されてから所定期間経過するまでは(入賞情報コマンドを所定回数受信するまでは)、その時短状態における適切な遊技方法を設定することが出来ないことになる。このような場合は、遊技方法が未設定の状態を示すためのフラグ(未設定中フラグ)を設け、未設定中フラグがオン、即ち、遊技方法が未設定である場合は、遊技内容判別処理(図101(b)参照)をスキップするように構成すると良い。これにより、遊技方法を決めている最中に実行した遊技(球の発射)に基づいてエラーコマンドが設定されることを抑制することができる。
なお、本第2実施形態では、時短状態中の遊技方法(左打ち遊技(第1遊技)、或いは右打ち遊技(第2遊技))を、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて判別するように構成しているため、遊技方法を判別するために専用の情報を収集する必要が無く、音声ランプ制御装置113の制御処理を簡素化することができるものであるが、これに限ること無く、例えば、左打ち領域を流下する球が確実に通過する領域の球通過を検知する手段と、右打ち領域を流下する球が確実に通過する領域の球通過を検知する手段と、を設け、各手段の球通過の検知結果を収集し、時短状態中の適切な遊技方法を設定するように構成しても良い。このように構成することで、専用の構成を追加する必要があり制御処理が複雑になってしまうが、遊技者の選択した遊技方法を確実に検知することができるため、遊技方法の設定精度を高めることができる。
さらに、遊技者の選択した遊技方法を判別するために、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)の検出結果を用いるように構成しても良い。
次に、図102を参照して、コマンド判定処理2(図99のS2163)の入賞情報関連処理2(図100のS2251)にて実行される保留表示設定処理(S2353)の内容について説明をする。図102は、保留表示設定処理(S2353)の内容を示したフローチャートである。この保留表示設定処理(S2353)では、時短状態中に適正な入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドに対応して表示される保留図柄に対して時短状態の更新状況や大当たり遊技が実行される可能性を示唆する保留示唆演出の演出態様を設定する処理を実行する。
保留表示設定処理(S2353)が実行されると、まず、今回受信した入賞情報コマンドが特図1関連の入賞情報(第1特別図柄の抽選(変動)結果を示すための入賞情報)を含むコマンドであるかを判別し(S3201)、特図1関連であると判別した場合は(S3201:Yes)、左打ち中フラグ223acがオンに設定されているかを判別する(S3202)。S3202の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていると判別した場合は(S3202:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドが、適切な遊技に対応する入賞情報コマンドであるため、後述するS3203〜S3206の処理へ移行し、受信した入賞情報コマンドに対する保留図柄を用いて保留示唆演出を実行するための処理を実行する。
一方で、S3202の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3202:No)、今回受信した入賞情報コマンドが、適切な遊技に対応していない入賞情報コマンドであるため(右打ち遊技(第2遊技)を適切な遊技と判別している状態で、第1特別図柄の入賞情報コマンドを受信したため)、S3203〜S3206の処理をスキップして本処理を終了する。
同様に、S3201の処理において、今回受信した入賞情報コマンドが特図1関連の入賞情報では無いと判別した場合は(S3201:No)、即ち、特図2(第2特別図柄)関連の入賞情報であると判別した場合は、次いで、右打ち中フラグ223abがオンに設定されているかを判別し(S3207)、オンに設定されていると判別した場合は(S3207:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドが、適切な遊技に対応する入賞情報コマンドであるため、後述するS3203〜S3206の処理へ移行し、受信した入賞情報コマンドに対する保留図柄を用いて保留示唆演出を実行するための処理を実行する。
一方で、S3207の処理において、右打ち中フラグ223abがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3207:No)、今回受信した入賞情報コマンドが、適切な遊技に対応していない入賞情報コマンドであるため(左打ち遊技(第1遊技)を適切な遊技と判別している状態で、第2特別図柄(特図2)の入賞情報コマンドを受信したため)、S3203〜S3206の処理をスキップして本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第2実施形態では、入賞情報コマンドを受信した場合に、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が、遊技者が選択した遊技方法に対応する入賞情報であるか否かを判別し、遊技者が選択した遊技方法に対応する入賞情報である場合にのみ、その入賞情報コマンドに含まれる入賞情報を用いた演出(保留表示演出)を実行するように構成している。これにより、遊技者が意図しない遊技(例えば、操作ハンドル51の操作を誤ってしまい意図する方向とは異なる方向へ球を発射させてしまう遊技)に対して保留表示演出が実行されることを禁止することができる。
よって、遊技者が自身で選択した遊技方法を継続することにより、遊技者に有利な情報(保留表示演出によって遊技者に提供される情報)を獲得することができるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本第2実施形態では、遊技者が意図しない遊技(自身で選択した遊技方法とは異なる遊技方法)を行った場合に、保留表示演出を実行しないように構成しているが、遊技者が自身で選択した遊技方法を行った場合に比べて、遊技者が獲得し得る情報が不利となるように構成すれば良く、例えば、保留表示演出の発生頻度を低くしたり、保留表示演出にて表示される表示態様が示す情報の内容を乏しくしたり、事実とは異なる内容の情報を示す表示態様を表示したりしても良い。
図102に戻り説明を続ける。S3203の処理では、今回受信した入賞情報に基づいて仮時短情報更新エリア223iの情報を更新し(S3203)、仮時短情報更新エリア223iの内容に基づいて保留表示選択テーブル222aaを用いて保留表示態様を選択し(S3204)する、そして、選択した保留表示態様を対応する入賞情報格納エリア223aに格納し(S3205)、選択した保留表示態様に対応する表示用保留表示コマンドを設定し(S3206)、本処理を終了する。
次に、図103を参照して、本第2実施形態における変動表示設定処理2(S2134)の内容について説明をする。図103は、変動表示設定処理2(S2134)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理2(S2134)は、上述した第1実施形態の変動表示設定処理(図62のS2114参照)に対して、演出設定処理(図63のS2804)を演出設定処理2(図103のS2851参照)に替えた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図104を参照して、本第2実施形態における演出設定処理2(S2851)について説明をする。図104は、演出設定処理2(S2851)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理2(S2851)は、上述した第1実施形態の演出設定処理(S2804)に対して、遊技状態として時短状態が設定されている場合に実行される処理を異ならせた点で相違している。それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、演出設定処理2(S2851)が実行されると、上述した演出設定処理(図63参照)と同一のS2901及びS2902の処理を実行し、S2902の処理において読み出した情報が時短状態を示す情報では無いと判別した場合は(S2902:No)、本処理を終了する。一方、S2902の処理において読み出した情報が時短情報を示す情報であると判別した場合は(S2902:Yes)、次に、時短開始フラグ223adがオンに設定されているかを判別する(S3301)。ここで、時短開始フラグ223adがオンに設定されていると判別した場合、即ち、時短状態が設定されてから最初の特別図柄変動に対応する変動表示を設定するタイミングであると判別した場合は(S3301:Yes)、S3302の処理へ移行する。
S3302の処理では、時短計時カウンタ223aeの値に4000を設定し、次いで、時短開始フラグ223adをオフに設定し、表示用遊技選択コマンドを設定しS3304)、本処理を終了する。S3304の処理において設定される表示用遊技選択コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)のコマンド出力処理(図55のS2102)によって表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用遊技選択コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81の表示画面に時短状態中の遊技方法を遊技者に選択させるための遊技選択画面(図82(b)参照)を表示するための制御を実行する。
一方で、S3301の処理において時短開始フラグ223adがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3301:No)、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きいかを判別する(S3305)。
時短計時カウンタ233aeは時短状態が設定されてから最初の特別図柄変動に対応する変動表示を設定するタイミングからの所定期間(本実施形態では4秒)を計時するものであり、S3305の処理では、現在のタイミングが上述した所定期間(本実施形態では4秒)を経過したか否かが判別される。
S3305の処理において、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きいと判別した場合、即ち、時短状態が設定されてから最初の特別図柄変動に対応する変動表示を設定するタイミングから4秒が経過していないと判別した場合は(S3305:Yes)、第3図柄表示装置81の表示画面に遊技方法を選択させるための選択画面(図82(b)参照)を継続して表示する期間中であるため、S3306〜S3308の処理をスキップして本処理を終了する。
一方で、S3305の処理において、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S3305;No)、今回の変動に対応する入賞情報格納エリアに含まれる保留態様情報を読み出し(S3306)、読み出した保留態様情報に対応する演出態様を設定し(S3307)、選択した演出態様を示す表示用演出コマンドを設定し(S3308)、本処理を終了する。
以上説明をした通り、特別図柄の抽選(変動)に対応した変動表示を設定する際に、入賞情報格納エリア223aに格納された保留態様情報に基づいて当該変動表示に対応する演出態様を設定することができるため、保留態様情報に基づいて第3図柄表示装置81に既に表示されている保留演出表示に関連付けた演出態様の変動表示を実行することができる。よって、関連性を持たせた演出を長期間(特別図柄の変動が複数実行される期間)実行することができ演出効果を高めることができる。
また、保留表示設定処理(図102参照)にて上述した通り、遊技者が選択した遊技方法(第1遊技(左打ち遊技)、或いは第2遊技(右打ち遊技))に対応した入賞情報に対してのみ保留態様情報を設定するように構成しているため、演出設定処理(図104のS2851)が実行された際の対象となる特別図柄変動が、遊技者が選択した遊技方法に対応していない特別図柄変動である場合には、入賞情報格納エリア223aに保留態様情報が設定されていないため、変動表示に対して演出態様を設定することが無い。よって、遊技者が選択した遊技方法に対応した特別図柄変動のみ所定の演出態様を用いた演出表示(図83(a)、(b)参照)を実行することができ、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
次に、図105(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)にて実行される各種カウンタ更新処理2(S2161)について説明をする。図105(a)は、各種カウンタ更新処理2(S2161)の内容を示したフローチャートである。この各種カウンタ更新処理2(S2161)は、上述した第1実施形態の各種カウンタ更新処理(S2111)に対して、時短計時カウンタ223aeの値を更新(減算)する処理を追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
各種カウンタ更新処理2(S2161)が実行されると、まず、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きいかを判別し(S3401)、0よりも大きいと判別した場合は(S3401:Yes)、時短計時カウンタ223aeの値を1減算し(S3402)、次いで、その他各種カウンタの値を1減算(更新)し(S3403)、本処理を終了する。なお、S3403の処理において更新される各種カウンタの詳細については、上述した第1実施形態の各種カウンタ更新処理と同一であるためその詳細な説明を省略する。
一方、S3401の処理において、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S3401:No)、S3402の処理をスキップしてS3403の処理へ移行し、その後本処理を終了する。つまり、時短計時カウンタ223aeの値は、1ミリ秒間隔で実行される各種カウンタ更新処理2(S2161)が実行される毎に1減算(更新)されるものであることから、演出設定処理2(図104のS2851参照)において設定される4000の値は、4秒間の期間を計測するための値となる。
次に、図105(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行される演出更新処理2(S2162)の内容について説明をする。図105(b)は、演出更新処理2(S2162)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理2(S2162)は、上述した第1実施形態の演出更新処理(S2112)に対して、時短状態中における案内表示領域Dm2の表示態様を設定するための処理を追加した点で相違し、その他は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
演出更新処理2(S2162)が実行されると、まず、時短状態が設定されているかを判別し(S3501)、時短状態が設定されていると判別した場合は(S3501:Yes)、次いで、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きいかを判別する(S3502)。つまり、時短状態中の特別図柄変動が実行されてから所定期間(4秒)が経過しているかを判別する。
S3502の処理において、時短計時カウンタ223aeの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S3502:No)、次に、右打ち中フラグ223abがオンに設定されているかを判別し(S3503)、オンに設定されていると判別した場合は(S3503:Yes)、表示用右打ちコマンドを設定し(S3504)、S3508の処理へ移行する。この表示用右打ちコマンドを設定すると、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行されるコマンド出力処理(図55のS2102)によって表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用右打ちコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに形成される案内表示領域Dm2に「右打ち」の文字を表示し、遊技者に対して右打ち遊技を実行することを案内表示する。
S3503の処理において、右打ち中フラグ223abがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3503:No)、次に、左打ち中フラグ223acがオンに設定されているかを判別し(S3504)、オンに設定されていると判別した場合は(S3505:Yes)、表示用左打ちコマンドを設定し(S3506)、S3508へ移行する。
S3506の処理にて、表示用左打ちコマンドを設定すると、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行されるコマンド出力処理(図55のS2102)によって表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用左打ちコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに形成される案内表示領域Dm2に「左打ち」の文字を表示し、遊技者に対して左打ち遊技を実行することを案内表示する。
一方、S3505の処理において、左打ち中フラグ223acがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合(S3505;No)は、即ち、時短状態が設定されてから保留記憶されていた特別図柄の変動は実行されたが、第1入球口64や第2入球口640への新たな入球が発生すること無く4秒間が経過した場合は、表示用待機コマンドを設定し(S3507)、S3508の処理へ移行する。S3507の処理において設定された表示用待機コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行されるコマンド出力処理(図55のS2102)によって表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用待機コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに形成される案内表示領域Dm2に「?」の文字を継続して表示し、遊技者に対して遊技方法を選択させる画面(図82(b)参照)を継続して表示する。
このように構成することで、大当たり遊技が終了した後に、トイレ休憩等で遊技を一旦中断したとしても、遊技を再開し易くすることができる。
以上、説明をした通り、本第2実施形態では、第1特別図柄(特図1)と、第2特別図柄(特図2)とで、異なる時短終了条件を設定し、且つ、遊技者が特図1の抽選を実行する遊技(左打ち遊技)と、特図2の抽選を実行する遊技(右打ち遊技)と、を選択することができるように構成した。
これにより、時短状態が設定されている状態において複数種類の遊技を行わせることができるため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第2実施形態では、時短状態中に特図1の抽選を実行させる遊技(左打ち遊技)を実行した場合には、特図2の抽選を実行させる遊技(右打ち遊技)を実行する場合よりも、時短終了条件が成立し易く、且つ、2種当たりを獲得し易い小当たりに当選し易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して大当たりとなり易いが時短状態が終了し易い遊技と、大当たりとなり難いが時短状態が終了し難い遊技とを選択させることができるため、遊技者自身の都合に応じた遊技を任意に選択させることができる。
なお、本第2実施形態では、時短状態が設定されている状態を有利状態とし、その有利状態において、遊技者に複数種類の遊技を選択させるように構成しているが、それ以外に、も、例えば、確変状態が設定されている遊技状態を有利状態としても良いし、確変状態および時短状態が設定されている場合を有利状態としても良い。
また、本第2実施形態では、有利状態(例えば、時短状態)が設定されている状態において、その有利状態を終了させる終了条件(例えば、時短終了条件)が成立した場合に、遊技者に不利となる遊技状態(例えば、通常状態)が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、有利状態を終了させる有利状態終了条件が成立した場合に、その有利状態よりも更に有利となる超有利状態へと移行するように構成しても良い。このように構成した場合には、遊技者に対して、有利状態から超有利状態へといち早く移行するように意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、有利状態を終了させる有利状態終了条件として、成立することで有利状態よりも不利な不利状態(例えば、通常状態)が設定される不利終了条件と、有利状態よりも有利な超有利状態(例えば、潜確状態)が設定される有利終了条件と、を設定するように構成しても良いし、選択する遊技方法に応じて、有利状態終了条件の成立のし易さに加え、不利終了条件と有利終了条件との成立のし易さも異ならせるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して有利状態中において選択した遊技方法に応じて、その後の遊技結果を大きく異ならせることができるため、遊技者に対して自力で遊技を行った感覚を与えることができる。
なお、本第2実施形態では、遊技者が選択する遊技方法が2種類(左打ち遊技、右打ち遊技)の例を示したが、これに限ること無く、3種類以上の遊技方法から任意の遊技方法を選択するように構成しても良い。
<第3実施形態>
次に、図106〜図124を参照して本パチンコ機10の第3実施形態について説明する。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、V入賞装置650の替わりに第2可変入賞装置1650を設けた点と、第2特別図柄の抽選結果に基づく遊技内容と、を異ならせた点で相違する。
具体的には、上述した第1実施形態では、第2特別図柄の抽選の結果、小当たりに当選した場合に、V入賞装置650を開放する小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球が特定領域を通過した場合に、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技を実行(設定)する2種当たりを有しているが、本第3実施形態では、小当たりに当選した場合に、第2可変入賞装置1650を開放する小当たり遊技が実行されるだけであり、第2可変入賞装置1650内に特定領域を設けていない点で相違する。即ち、本第3実施形態は、上述した第1実施形態とは異なり、2種当たりの遊技性を有していないパチンコ機10を用いている点で相違している。
まず、図106を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図106は、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13を示す正面図である。本第3実施形態のパチンコ機10は、上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して、V入賞装置650の替わりに第2可変入賞装置1650を設けた点と、電動役物640aの構成を変更した点で相違し、それ以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第3実施形態のパチンコ機10は、図106に示した通り、可変表示装置ユニット80の右側領域(右打ち領域)を流下した球がスルーゲート67を通過し、その下流側に電動役物640aを付した第2入球口640が設けられている。そして、その下流側には複数の一般入賞口63が設けらている。このように構成されたパチンコ機10では、上述した第1実施形態と同様に、遊技状態として通常状態が設定されている間は可変表示装置ユニット80の左側領域(左打ち領域)に球を流下させる左打ち遊技によって第1入球口64を狙う遊技、即ち、第1特別図柄の抽選が主となる遊技が行われ、遊技状態として時短状態が設定されている間は可変表示装置ユニット80の右側領域(右打ち領域)に球を流下させる右打ち遊技によって第2入球口640を狙う遊技、即ち、第2特別図柄の抽選が主となる遊技が行われるように構成している。
詳細については、第1実施形態で説明したため省略するが、本第2実施形態においても、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となるように構成しているため、右打ち遊技は左打ち遊技よりも遊技者に有利な遊技となる。
ここで、本第3実施形態のパチンコ機10は図106に示した通り、左打ち遊技によって発射された球が流下し得る左側領域に(可変表示装置ユニット80の下端位置の左方側に)第2可変入賞装置1650が設けられている。この第2可変入賞装置1650は、第2特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技において開放動作が実行されるものである。
尚、詳細は後述するが、本第3実施形態の小当たり遊技では、球が第2可変入賞装置1650に入賞し難い開放動作(開放期間が0.09秒〜0.11秒)が実行され、且つ、図106に示した通り、第2可変入賞装置1650を球が到達し難い位置に配設するように構成している。
つまり、複数の特別図柄のうち、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成し、その第2特別図柄の抽選を実行させるために右打ち遊技を行った場合に、球が流下し得ない左打ち領域に第2可変入賞装置1650を設けるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行された場合に、第2可変入賞装置1650に球が入賞し難いように構成している。
以上のように構成された本第3実施形態では、時短状態の終了条件を成立させるためにのみ第2特別図柄の小当たり当選を用いることができる。よって、小当たり当選により実行される小当たり遊技によって遊技者に特典(賞球)が付与されることが無いため、高確率で小当たりに当選するように当選確率を設定したとしても遊技者に過剰に特典を付与してしまう事態を抑制することができる。
さらに、第2可変入賞装置1650が開放される期間を、第2可変入賞装置1650に球が入賞し難い短期間(0.09秒〜0.11秒)にしているため、高確率で小当たりに当選するように当選確率を設定したとしても遊技者に過剰に特典を付与してしまう事態を抑制することができる。
また、本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選を行う右打ち遊技にて発射された球が流下する遊技領域(右側領域)とは異なる左側領域に第2可変入賞装置1650を設けているため、右打ち遊技を行っている遊技者に対して第2可変入賞装置1650が開放動作されている(小当たり遊技を実行している)ことに気付かれ難くすることができるため、遊技者に違和感を与えること無く小当たり遊技を実行することができる。
なお、本第3実施形態では図106に示した通り、第2可変入賞装置1650を遊技者が視認できるように構成しているが、それ以外に、例えば、ガラスユニット16と第2可変入賞装置1650との間に装飾部材を設け、遊技者が第2可変入賞装置1650を視認し難くなるように構成しても良い。これにより、より右打ち遊技を行っている遊技者に対して第2可変入賞装置1650が開放動作されている(小当たり遊技を実行している)ことに気付かれ難くすることができるため、遊技者に違和感を与えること無く小当たり遊技を実行することができる。
加えて、第2可変入賞装置1650の近傍に設けた装飾部材に、遊技者に発光状態を視認させるための発光部材(例えば、LED)を設け、小当たり遊技が実行される場合の一部において発光部材を動作(発光)させるように構成すると良い。具体的には、小当たり遊技が実行される条件が成立したことを判別する小当たり判別手段と、その小当たり判別手段により小当たり遊技が実行されると判別した場合に、所定の抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が所定の抽選結果である場合に、発光部材を動作させる制御を実行する発光制御手段とを設けると良い。
このように構成することで、実際に実行される小当たり遊技回数と、遊技者に視認させる(発光部材を動作させる)小当たり遊技回数とに差を設けることができ、実際に小当たり遊技が実行された回数を遊技者に把握され難くすることができる。よって、小当たり遊技が実行された回数(小当たりに当選した回数)に基づいて成立する時短終了条件がいつ成立するのか(時短状態の終了タイミングはいつか)を、遊技者に予測させ難くすることができる。
さらに、上述した発光部材を小当たりに当選していない場合にも発光させる制御を発光制御手段が実行するように構成すると良い。これにより、発光部材が発光した回数のほうが実際に小当たりに当選した回数よりも多くすることができるため、小当たり遊技が実行された回数(小当たりに当選した回数)に基づいて成立する時短終了条件がいつ成立するのか(時短状態の終了タイミングはいつか)を、遊技者に予測させ難くすることができる。
この場合、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄の抽選結果、或いは、保留記憶されている入賞情報に対応する特別図柄の抽選結果として大当たりとなる抽選結果がある場合に発光部材が動作され易くなるように構成すると良い。つまり、小当たり遊技に当選した場合にその旨を報知するために実行される発光動作を、特別図柄の抽選結果に基づいて実行するように構成すると良い。
これにより、発光部材が発光した場合に、遊技者に対して、小当たり遊技が実行されたのか、特別図柄の大当たりに当選するのか、それとも、ただの装飾演出なのかを分かり難くすることができる。さらに、遊技者に対して不利な状態(小当たり遊技の実行)、即ち、遊技者に有利な有利状態(時短状態)を終了させる要因が成立した状態と、遊技者に対して有利な状態(大当たり当選)とで、発光部材を発光させるため、発光部材が発光された後の遊技結果に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、上述した構成を用いた場合においては、発光制御手段が発光部材を発光させるタイミングを、小当たりに当選したタイミング(特別図柄が停止表示したタイミング)や、小当たり遊技が開始されるタイミングや、小当たり遊技中のタイミングや、小当たり遊技終了後のタイミングや、特別図柄の変動が実行されているタイミングなど、様々なタイミングを設定するようにしても良いし、予め定められた所定のタイミングを設定するようにしても良い。
さらに、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対する操作結果に基づいて発光制御手段が発光部材を発光させる条件を可変するように構成してもよい。この場合、例えば、予め定めた操作条件(例えば、2秒間に枠ボタン22を10回以上押下する操作(連打操作))が成立した場合には、発光部材の動作回数と小当たり当選回数とが近似するように(予め定めた操作条件が成立していない場合よりも近似するように)発光制御するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して操作手段を積極的に操作させることができ、意欲的に遊技者に参加させることができる。
また、上述した発光部材の発光動作を用いて、例えば、時短終了条件が成立するまでの状況(残りの小当たり当選回数)や、今回当選した小当たりの小当たり種別を遊技者に報知(示唆)するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して発光部材の発光動作内容に興味を持たせることができる。
なお、本第3実施形態では、遊技者に対して小当たり当選の有無を分かり難くすることで、遊技者に有利な遊技状態である時短状態の終了タイミングを分かり難くし、緊張感を持たせた遊技を遊技者に行わせるようにしているが、これに限ること無く、小当たりに当選したことは遊技者に報知するが、当選した小当たりに設定されている小当たり種別を遊技者に報知しないように構成しても良いし、小当たり種別まで遊技者に報知するように構成しても良い。この場合、小当たりに当選したことを遊技者に報知するために、第3図柄表示装置81にて特定の表示態様を表示(例えば、小当たりに当選したことを遊技者が識別可能な表示態様で第3図柄を停止表示)したり、第2可変入賞装置1650を右打ち領域に設けたりするように構成すると良い。これにより、遊技者に対して時短状態中における小当たり当選回数を容易に把握させることができるため、遊技者に時短状態の終了タイミングを予測させながら遊技を行わせることができる。
<第3実施形態における演出内容について>
次に、図107から図110を参照して、第3実施形態のパチンコ機10において実行される時短状態中の演出について説明をする。図107〜図110のそれぞれに記載されている図は、第3図柄表示装置81の表示画面を模式的に示した模式図であり、基本的な構成は上述した第1実施形態と同一であり、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、第2特別図柄の入賞情報も保留記憶可能に構成している点で相違しているため、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される残時短示唆演出(時短状態の残期間を遊技者に示唆するための演出)として、第2特別図柄の保留記憶情報を用いた演出が実行される点で相違する。以下、第1実施形態にて用いられる演出内容と相違する点を中心に本第3実施形態における残時短示唆演出の内容について説明をする。
図107(a)は、時短状態が設定された場合に表示される表示画面を模式的に示した模式図である。図107(a)に示した通り、時短状態が設定されると、時短状態中に実行される演出の内容を説明するための演出開始画面が表示される。本第3実施形態では、時短状態が設定されると、小表示領域Dm11に複数の状況表示態様として第1状況表示態様Dm11a、第2状況表示態様Dm11b、第3状況表示態様Dm11c、第4状況表示態様Dm11dが表示される。
この複数の状況表示態様は、個々の表示態様が複数の時短終了条件の成立具合(時短終了条件が成立するまでの進捗具合)に対応しており、時短終了条件が成立するまでの進捗具合に対応して表示態様が可変するように構成している。具体的には、各状況表示態様として所定長さの導火線を有する爆弾が表示され、時短状態が設定されてから最初の変動が実行された場合に、その導火線に火が付けられる。
そして、各時短終了条件のうち、条件が成立し易い時短終了条件に対応する状況表示態様は、他の状況表示態様よりも導火線の長さが短くなるように表示態様が可変される。このように状況表示態様の表示態様を可変させることで、時短状態が終了するタイミングを第3図柄表示装置81にて実行される演出(残時短示唆演出)によって遊技者に予測させることができるため、遊技者を演出に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、図107(a)に示した通り、演出開始画面(時短開始画面)では、主表示領域Dmの中央部に、残時短示唆演出の内容を遊技者に報知するために「1つでも爆発すると時短終了」の文字と「消化完了で大当たり」の文字が表示される。これにより、小表示領域Dm11に表示される複数の爆弾のうち、1つでも爆発すると時短状態が終了してしまうこと、及び、小表示領域Dm11に表示される複数の爆弾の火を消化できると大当たりになることを容易に把握することができる。
図107(a)に示した状態は、特図2変動表示領域Dm1bにて第2特別図柄に対応した第3図柄が変動表示されている状態、つまり、時短状態中において特別図柄の変動が実行されている状態であるため、小表示領域Dm11に表示される複数の爆弾に火が付いている状態である。なお、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定された状態において特別図柄の変動が開始されない状態(大当たり遊技終了後に特別図柄の変動が開始されない状態)であると判別した場合には、時短状態待機画面として、特別図柄の変動を開始させる残時短示唆演出が実行される旨を表示する画面を表示するように構成しても良い。
時短状態が設定されている状態で遊技を進め、時短終了条件の成立が近づいてくると(特別図柄の変動回数が所定回数に到達、或いは、時短状態中の小当たり当選回数が所定回数に到達すると)、図107(b)に示した通り、小表示領域Dm11にてその旨を示唆(報知)するための合体状況表示態様Dm11zが表示される。図107(b)は、時短状態中における残時短示唆演出中の表示画面を模式的に示した模式図である。
この合体状況表示態様Dm11zは、複数の時短終了条件の進捗状況が終了前条件(例えば、変動回数終了条件として特別図柄の変動回数50が設定されている場合では、特別図柄の変動回数が30に到達した場合、当選回数終了条件として小当たりA当選回数5が設定されている場合では、小当たりA当選回数が3に到達した場合に成立する条件)を満たしている場合に表示されるものである。よって、小表示領域Dm11に合体状況表示態様Dm11zが表示されることで、時短状態がもうすぐ終了してしまうことを遊技者に把握させることができる。
また、複数の時短終了条件の進捗状況が終了前条件を満たしている状態で合体状況表示態様Dm11zを表示することで、時短状態が終了した場合(設定されている複数の時短終了条件のうち、何れかの時短終了条件が成立した場合)において、遊技者に対してどの時短終了条件が成立したことで時短状態が終了したのかを把握させ難くすることができる。つまり、図107(a)に示したように、小表示領域Dm11に各時短終了条件の進捗状況に対応して表示態様が可変する複数の状況表示態様(Dm11a〜Dm11d)を表示したままでは、時短状態が終了した際に、いずれかの状況表示態様が爆発する演出を実行する必要があるため、今回成立した時短終了条件が複数の時短終了条件のうちの何れであるかを遊技者に容易に把握されてしまうという問題があった。
このように、今回成立した時短終了条件が複数の時短終了条件のうちの何れであるかを遊技者が容易に把握してしまうことにより、時短状態に移行する際に設定される複数の時短終了条件を容易に予測されてしまい、時短状態が終了するタイミングまで容易に予測されてしまう虞があった。これに対して、本第3実施形態では、複数の時短終了条件に対して終了前条件が成立した場合には、それ移行の各時短終了条件の進捗状況が遊技者に把握されることを防ぐために、合体状況表示態様Dm11zを表示するように構成している。これにより、遊技者に対してどの時短終了条件が成立したことで時短状態が終了したのかを把握させ難くすることができる。
なお、本第3実施形態では、複数の時短終了条件に対して終了前条件が成立した場合にのみ合体状況表示態様Dm11zを表示するように構成しているが、時短終了条件が1つでも終了前条件を満たした場合に合体状況表示態様Dm11zを表示しても良いし、複数の時短終了条件のうち、特定の時短終了条件に対応する値が終了前条件を満たした場合に合体状況表示態様Dm11zを表示するようしても良い。
そして、時短状態が終了する場合には、図108(a)に示した画面が表示される。図108(a)は、時短状態終了時における第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した模式図である。図108(a)は、当選回数終了条件の1つに対して時短終了条件が成立した場合の表示画面を示したものであり、特図2変動表示領域Dm1bにて第2特別図柄に対応した第3図柄が小当たりに当選したことを示す「341」の組み合わせで停止表示されるとともに、小表示領域Dm11では、爆弾が爆発した状態を示す表示態様が表示されており、主表示領域Dmの中央部分には時短状態が終了したことを遊技者に報知するための「終了」の文字が表示される。
次に、時短状態が設定される場合における特別な状況に対する残時短示唆演出の演出内容について図108(b)を参照して説明をする。図108(b)は、時短状態が設定された直後に特図1変動が実行された場合における表示画面の一例を示した模式図である。上述した通り、本第3実施形態のパチンコ機10は第1特別図柄の入賞情報を保留記憶する手段を有していることから、通常状態(左打ち遊技中)に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たりに対応する大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合に、保留記憶されている第1特別図柄に対応する特図変動が実行される場合があった。
そして、その中でも、保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合(所謂、保留内連荘)もあった。このように、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中に獲得した特別図柄の入賞情報では無く、時短状態が設定される前に、既に獲得済みの入賞情報に基づいて次の大当たり遊技が実行されてしまう場合には、時短状態中に実行される演出(残時短示唆演出)を実行してしまうと、演出内容と遊技結果とに矛盾が生じてしまい、演出効果を低下させてしまうという問題があった。
そこで、本第3実施形態では、時短状態が設定される場合において保留記憶されている第1特別図柄に対応する入賞情報に大当たりとなる入賞情報があるかか否かを判別し、大当たりとなる入賞情報があると判別した場合は、通常の残時短示唆演出(図107(a)参照)を開始(実行)するのではなく、特別な演出(時短中保留内演出)を実行するように構成している。これにより、時短状態中に実行される演出(残時短示唆演出)を実行してしまうと、演出内容と遊技結果とに矛盾が生じてしまい、演出効果を低下させてしまうことを抑制するとともに、大当たり終了後の保留記憶内で再度大当たりに当選するという珍しい状況において特別な演出を実行することで遊技者に対して優越感を与えることができる。
時短中保留内演出が実行されると、図108(b)に示した通り、小表示領域Dm11にて合体状況表示態様Dm11zを表示させると共に、合体状況表示態様Dm11zに「!?」の文字を表示させて、主表示領域Dmの中央部に、通常の残時短示唆演出とは異なる演出が実行されていることを遊技者に示唆するために「何だか様子がおかしいぞ」の文字が表示される。このような表示を行うことで、遊技者に対していつもとは異なる演出が実行されていることを容易に把握させることができる。
また、図108(b)では、上述したように第1特別図柄の変動が実行されている状態であるため、特図1変動表示領域Dm1aにて第1特別図柄に対応した第3図柄が変動表示され、特図2変動表示領域Dm1bにて第2特別図柄に対応した第3図柄が停止表示されている。
なお、図108(b)に示した表示画面を、例えば、時短状態が設定される前に、既に獲得済みの入賞情報に基づいて時短終了条件の何れかが成立すると判別した場合にも実行するように構成しても良い。このように構成することにより、大当たり終了後に図108(b)に示した画面が表示されることで、直ぐに(保留記憶されている入賞情報に対応する特別図柄変動が全て終了するまでに)大当たりに当選するか、或いは、時短状態が終了するかの何れかであることを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して次いで実行される演出内容に興味を持たせることができる。
図108(b)に示した状態から、時短状態が終了する場合には、図108(a)に示した表示画面と同様の表示画面が表示され、時短状態が終了することを遊技者に報知する。一方、図108(b)に示した状態から、大当たりに当選する場合には、図109(a)に示した表示画面が表示される。図109(a)は、図108(b)に示した状態から時間が経過し、第1特別図柄の大当たりに当選したタイミングにおいて表示される表示画面の一例を示した模式図である。
図109(a)に示した通り、時短状態が設定された状態において既に保留記憶されていた第1特別図柄の入賞情報に対応する特図変動にて大当たりに当選すると、特図1変動表示領域Dm1aにて第1特別図柄に対応した第3図柄が大当たりを示す「777」の表示態様で停止表示され、小表示領域Dm11には消火された合体状況表示態様Dm11zが表示される。そして、主表示領域Dmの中央部には大当たりに当選したことを示すための「消火完了」、「大当たり」の文字が表示される。
以上、説明をした通り、本第3実施形態では、大当たり終了後(大当たり終了後の1回転目の特別図柄変動が実行されるタイミング)に時短状態が設定される場合において、保留記憶されている入賞情報の内容を判別し、その判別の結果、大当たりに当選する入賞情報があると判別された場合には、通常の時短状態中の演出(残時短示唆演出)とは異なる特別な演出(時短中保留内演出)を実行するように構成している。
このように構成することで、残時短示唆演出が実行された直後に大当たりに当選してしまい、残時短示唆演出の演出内容と遊技結果とが一致しない状態が発生したり、遊技結果に対応するために強引に残時短示唆演出の演出内容を可変させたりすることを抑制することができ、残時短示唆演出に対する演出効果が低下することを抑制することができる。
次に、時短状態が終了するまでの特別図柄変動回数が確定した場合における残時短示唆演出の演出内容について図109(b)を参照して説明する。図109(b)は、時短状態中において、残時短回数が確定した場合の表示画面の一例を示した模式図である。本第3実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄変動が実行される場合に成立する変動回数終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に成立する当選回数終了条件と、が複数設定されるように構成し、複数設定された時短終了条件のうちいずれかの終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成することで、遊技者に対して時短状態が継続して設定される期間(時短状態が終了するタイミング)を予測させ難くし、時短状態中の遊技の興趣を向上させるようにしている。
このように複数の時短終了条件を設定した場合であっても、時短状態が終了するまでの期間が確定する場合がある。例えば、時短状態中の遊技が進行し、変動回数終了条件が成立するまでの特別図柄の変動回数が3回で、当選回数終了条件が成立するまでの小当たりの当選回数が5回となった場合には、特別図柄の1回の変動に対して最大で1回しか小当たりに当選しないことから、特別図柄の抽選結果に関わらず、特別図柄の抽選が3回実行されると時短状態が終了することになる。
本第3実施形態では、時短状態が終了するまでの期間(特別図柄の変動回数)が確定した場合には、図109(b)に示した通り、小表示領域Dm11に残りの特別図柄変動回数(図109(b)の例では「3回」)が表示されるように構成されている。このように構成することで、複数の時短終了条件を設定することで時短状態が終了するタイミングを複雑に設定することができる遊技機において、時短状態が終了するタイミングが予め確定された場合には、そのタイミングを遊技者に明確に報知することができるため、時短状態の残り期間を意識した遊技を行わせることができる。
また、本第3実施形態では、時短状態が終了するまでの期間(特別図柄の変動回数)が確定した場合に、小表示領域Dm11に残りの特別図柄変動回数(図109(b)の例では「3回」)が表示されるため、この表示がされている期間は、小当たりに何度当選したとしても小当たりの当選回数に基づいて時短状態が終了することが無い期間となる。よって、遊技者に対して小表示領域Dm11に残りの特別図柄変動回数が表示されている間に多くの小当たりに当選させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、このような演出表示を上述した第1実施形態や第2実施形態に用いた場合には、小当たりに当選することで2種当たりを獲得する可能性があることから、より意欲的に遊技を行わせることができる。つまり、上述した第1実施形態や第2実施形態では、時短状態中に小当たりに当選すると、2種当たりを獲得するチャンスと、時短状態が終了するピンチとが訪れるように構成されていたが、図109(b)に示したように、時短状態が小当たり当選に基づいて終了することが無い期間(特別図柄の変動回数に基づいて終了することが確定している期間)であることを報知する演出(残期間確定報知演出)を実行することで、残期間確定報知演出が実行されている間は、小当たりに当選した場合に、2種当たりを獲得するチャンスのみ到来することを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して多くの小当たりに当選させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本第3実施形態では、当選した大当たりに設定される大当たり種別に基づいて異なる時短終了条件が設定されるように構成されており、そのうちの一部では、時短状態が設定されてから所定期間の間は時短終了条件が成立しないように各時短終了条件を設定する場合がある。
本第3実施形態では、上述した時短状態が設定されてから時短終了条件が成立し得ない期間であることを遊技者に報知するための演出を実行可能に構成している。図110(a)は、大当たり種別として大当たりDが設定された大当たり遊技終了後における時短突入時の表示画面を示した模式図である。
詳細は、図113(a)を参照して後述するが、本第3実施形態では大当たりDに基づいて時短状態が設定された場合に、少なくとも特別図柄変動が20回実行されるまでは時短状態が終了しないように時短終了条件が設定される。つまり、時短状態が設定されてから特別図柄変動が20回実行されるまでの期間は、特別図柄の抽選結果に関わらず時短状態が継続する期間になる。
そこで、本第3実施形態では、図110(a)に示した通り、現在が、時短状態が設定されてからの特定期間(特別図柄の抽選結果に関わらず時短状態が継続する期間)であることを遊技者に報知するための演出(無敵演出)が実行される。この無敵演出中は、小表示領域Dm11には火が付いていない爆弾が表示されており、爆弾が爆発しない期間(時短状態が終了することが無い期間)であることを遊技者に報知している。
そして、主表示領域Dmの中央部には無敵演出の残期間を報知するための残期間態様820が表示される。図110(a)に示した模式図では、「導火線に火がつくまであと・・・」の文字と、残期間態様820として「20」が表示される。このように、時短状態が終了することが無い期間を遊技者に示すための演出(無敵演出)を実行することにより、時短状態中において遊技者が安心して遊技を行う期間を提供することができる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図111を参照して、第3実施形態における電気的構成について説明する。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202の内容、および、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222及びRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図111は、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態では、上述した第1実施形態におけるROM202(図19(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに替えて第1当たり乱数3テーブル202baを、小当たり種別選択テーブル202fに替えて小当たり種別選択3テーブル202bbを、時短付与テーブル202eに替えて時短付与3テーブル202bcを、開放シナリオテーブル202gに替えて開放シナリオ3テーブル202bdを設けた点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図112(a)を参照して、第1当たり乱数3テーブル202baの内容について説明をする。図112(a)は、第1当たり乱数3テーブル202baに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図112(a)に示した通り、第1当たり乱数3テーブル202baには、特別図柄1乱数3テーブル202ba1と、特別図柄2乱数3テーブル202ba2とが規定されている。
次に、図112(b)を参照して、特別図柄1乱数3テーブル202ba1の内容について説明をする。図112(b)は、特別図柄1乱数3テーブル202ba1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特別図柄1乱数3テーブル202ba1は、上述した第1実施形態の特別図柄1乱数テーブル202a1(図20(b)参照)と同一の内容が規定されているものであり、その詳細な説明を省略する。
図112(c)は、特別図柄2乱数テーブル202ba2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特別図柄2乱数テーブル202ba2は、上述した第1実施形態の特別図柄2乱数テーブル202a2(図20(c)参照)に対して、小当たりと判定される値の範囲を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。具体的には、特別図柄2乱数テーブル202ba2には、取得した第1当たり乱数カウンタ値C1が「5〜499」の範囲に小当たり判定値を規定している。
つまり、特別図柄2乱数3テーブル202ba2を用いた本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選を実行する場合に、5/1000(1/200)の確率(割合)で大当たりであると判定し、495/1000の確率(割合)で小当たりであると判定される。即ち、第2特別図柄の抽選が実行されると1/2の確率で大当たり又は小当たりに当選するように構成されている。
なお、大当たりや小当たりと判定される範囲は上述した内容に限ること無く、大当たりと判定される確率よりも、小当たりと判定される確率を低くするように規定しても良いし、大当たりや小当たりと判定される範囲を連続する値で規定するだけでは無く、間を空けて規定するようにしても良い。また、本第3実施形態では、設定される遊技状態に関わらず同一のテーブルを用いて大当たり又は小当たりの判定を実行するように構成しているが、例えば、設定される遊技状態に応じて異なるテーブルを用いて大当たり又は小当たりの判定を実行するように構成しても良い。
具体的には、遊技状態として通常状態が設定されている場合に用いられるテーブルよりも、遊技状態として時短状態が設定されている場合に用いられるテーブルのほうが小当たりと判定される範囲が広くなるように構成すると良い。このように構成することで、時短状態を終了させるために用いられる小当たり当選が、時短状態中に頻繁に発生するように構成したとしても、通常状態において頻繁に発生する事態を抑制することができる。
さらに、図112(a)および図112(b)に示した通り、本第3実施形態では第1特別図柄の抽選によって小当たりに当選することが無く、第2特別図柄の抽選によってのみ小当たりに当選するように構成しているが、第1特別図柄の抽選によっても小当たりに当選するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、時短状態が設定された場合に保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報に小当たりに当選する入賞情報がある場合に、即座に時短状態を終了させることができる。このような構成を用いる場合には、例えば、時短状態が即座に終了したほうが遊技者に有利な遊技状態を提供することができる遊技機に用いると良い。
具体的には、遊技状態として、通常状態と時短状態とに加え、特別図柄の抽選の結果、大当たりに当選する確率が低確率状態の遊技状態(通常状態:特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、時短状態:特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)よりも高くなる特別図柄の高確率状態(確変状態:特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態、潜確状態:特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成し、確変状態が設定されている期間中に時短終了条件が成立した場合に、潜確状態が設定されるように構成し、潜確状態が遊技者に最も有利な遊技状態となるように構成すると良い。
このような遊技機によれば、確変状態が設定されている状態において、時短終了条件が成立することを遊技者に有利とすることができる。よって、興趣に富んだ遊技機を提供することができる。また、このような遊技機において、確変状態が設定された場合に保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報に小当たりに当選する入賞情報がある場合に、即座に確変状態を終了させて潜確状態へと移行させる構成を用いることで、確変状態が設定されるまでに第1特別図柄の入賞情報を上限数(4個)まで記憶させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図113(a)を参照して、小当たり種別選択3テーブル202bbの内容について説明をする。図113(a)は、小当たり種別選択3テーブル202bbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図113(a)に示した通り、小当たり種別選択3テーブル202bbは、上述した第1実施形態の小当たり種別選択テーブル202f(図22参照)に対して、各小当たり種別の内容を異ならせている点で相違し、それ以外、例えば、小当たり種別カウンタ値C5の範囲に対して規定される小当たり種別等は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
本第3実施形態は、上述した第1実施形態とは異なり、V入賞装置650を設けておらず、小当たり遊技中において特定領域に球を通過させて大当たり(2種当たり)を獲得する遊技性を有していないため、小当たり種別3テーブル202bbに規定される各小当たり種別には、2種当たり獲得時に設定される大当たり遊技の内容が対応付けられていない点で相違している。
図113(b)は、本第3実施形態における時短付与3テーブル202bcに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図113(b)に示した通り、時短付与3テーブル202bcは、上述した第1実施形態の時短付与テーブル202e(図21(d)参照)に対して、各大当たり種別に対応して設定される時短終了条件の規定内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合には、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、時短中カウンタ203kの値に「100」を、小当たり当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件として、小当たりAカウンタ203mの値に「1」、小当たりBカウンタ203nの値に「10」、小当たりCカウンタ203acの値に「50」が設定されるように規定されている。つまり、大当たりAに対応する大当たり遊技が終了した後には、「特別図柄の変動回数が100回に到達する」、「小当たりA(が設定される小当たり)に1回当選する」、「小当たりB(が設定される小当たり)に10回当選する」、「小当たりC(が設定される小当たり)に50回当選する」の何れかの条件を満たした場合に終了条件が成立する時短状態(以下、時短状態aと称す)が設定される。
また、大当たり種別が大当たりBの場合には、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、時短中カウンタ203kの値に「50」を、小当たり当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件として、小当たりAカウンタ203mの値に「5」、小当たりBカウンタ203nの値に「5」、小当たりCカウンタ203acの値に「25」が設定されるように規定されている。つまり、大当たりBに対応する大当たり遊技が終了した後には、「特別図柄の変動回数が50回に到達する」、「小当たりA(が設定される小当たり)に5回当選する」、「小当たりB(が設定される小当たり)に5回当選する」、「小当たりC(が設定される小当たり)に25回当選する」の何れかの条件を満たした場合に終了条件が成立する時短状態(以下、時短状態bと称す)が設定される。
大当たり種別が大当たりDの場合には、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、時短中カウンタ203kの値に「100」を、小当たり当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件として、小当たりAカウンタ203mの値に「20」、小当たりCカウンタ203acの値に「80」が設定されるように規定されている。つまり、大当たりAに対応する大当たり遊技が終了した後には、「特別図柄の変動回数が100回に到達する」、「小当たりA(が設定される小当たり)に20回当選する」、「小当たりC(が設定される小当たり)に80回当選する」の何れかの条件を満たした場合に終了条件が成立する時短状態(以下、時短状態cと称す)が設定される。
以上説明をした通り、本第3実施形態も上述した各実施形態と同様に、大当たり当選時に設定される大当たり種別に応じて異なる時短終了条件が複数設定され、設定された複数の時短終了条件の何れかが成立した場合に時短状態が終了するように構成しているため、時短状態が終了するタイミングを多様化させることができる。
また、大当たり種別に応じて設定される時短状態(a〜c)に応じて、成立し易い時短終了条件と成立を異ならせているため、時短状態中の特別図柄の変動回数に基づいて時短状態が終了する場合と、時短状態中の小当たり当選回数に基づいて時短状態が終了する場合と、を混在させて発生させることができるため、時短状態が終了するパターンを多様化させることができる。
本第3実施形態では、設定される時短状態によって、時短終了条件として設定される項目数を異ならせている。具体的には、時短状態a,bでは小当たりBに当選した場合に成立し得る時短終了条件が設定されているが、時短状態cでは小当たりBに当選した場合に成立し得る時短終了条件が設定されないように構成している。
このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の種別を遊技者に把握されたとしても(当選した小当たりに設定される小当たり種別に対応した第1図柄を停止表示する遊技機において、停止表示された第1図柄を把握することで小当たり遊技の種別を遊技者が把握したとしても)、その小当たり遊技の種別が時短終了条件として設定されているか否を遊技者に把握させ難くすることができるため、時短状態が終了するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
なお、本第3実施形態では、特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、設定し得る全ての小当たり種別(小当たりA〜C)に対して、時短終了条件を設定するように構成しているが、これ以外の構成として、例えば、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別を追加し(例えば、小当たりX〜Z)、追加した小当たり種別に対しては、時短終了条件を設定しないように構成しても良い。
このように構成することで、時短状態中に小当たりに当選した場合に、時短状態の終了に近づいているのか(時短終了条件に)否かを遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技者に時短状態が終了するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
また、この場合、時短終了条件が設定される小当たり種別(例えば、小当たりA)と、時短終了条件が設定されない小当たり種別(例えば、小当たりX)とで、実行される小当たり遊技の動作内容が同一(遊技者が識別し得ない程度の誤差を含む)となるように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中の動作内容によって今回の小当たり種別が遊技者に判別されることを抑制することができる。
次に、図114を参照して、本第3実施形態における開放シナリオ3テーブル202bdの内容について説明をする。図114は開放シナリオ3テーブル202bdの内容を模式的に示した模式図である。図114に示した通り、開放シナリオ3テーブル202bdは、上述した開放シナリオテーブル202gの内容に対して、小当たりA〜小当たりCに対応して規定される開放シナリオの内容を異ならせた点と、大当たりDに対応して規定される開放シナリオの内容を異ならせた点で相違し、それ以外の要素については同一である。
ここで、開放シナリオ3テーブル202bdの内容のうち、上述した相違点について説明をする。なお、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。本第3実施形態は上述した通り、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技として第2可変入賞装置1650を開放動作する小当たり遊技(第2可変入賞口を開放させる小当たり遊技)を実行するように構成している。さらに、本第3実施形態では小当たり遊技中に第2可変入賞装置1650に球が入賞したとしても2種当たりを獲得することができないように構成している。
よって、開放シナリオ3テーブル202bdの小当たりA〜Cに対応して規定される開放シナリオには小当たり遊技に対応した1ラウンド(1R)分の動作内容のみ規定されている。また、図114に示した通り、本第3実施形態では、小当たりA〜Cに対応させて、遊技者が識別困難な程度の誤差を設けた開放シナリオが規定されている。
具体的には、小当たりAに対応する開放シナリオでは、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口の開放時間が0.1秒となる開放動作が実行され、小当たりBに対応する開放シナリオでは、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口の開放時間が0.11秒となる開放動作が実行され、小当たりCに対応する開放シナリオでは、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口の開放時間が0.09秒となる開放動作が実行されるように各開放シナリオが規定されている。
このように構成することにより、小当たり種別毎に異なる開放シナリオを規定しながらも、実際に実行される小当たり遊技の内容から今回の小当たり遊技に対応する小当たり種別を把握され難くすることができる。
なお、本第3実施形態では、実行される小当たり遊技の内容から今回の小当たり遊技に対応する小当たり種別を把握され難くするために、各小当たり種別に対応させて、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口の開放時間を遊技者が識別困難な程度に異ならせた開放シナリオを規定しているが、これ以外にも、小当たり遊技の開始インターバルの期間(0.5秒)や終了インターバルの期間(0.5秒)を遊技者が識別困難な程度に異ならせても良い。また、各小当たり種別に対応して規定される開放シナリオの期間が同一となるように各時間を異ならせても良い。
また、複数の小当たり種別のうち、特定の小当たり種別に対して、他の小当たり種別とは異なる(遊技者が容易に識別可能な程度異なる)開放シナリオを規定するように構成することで、遊技者に対して特定の小当たり種別が設定されたことを識別させるように構成しても良く、この場合、他の小当たり種別とは異なる(遊技者が容易に識別可能な程度異なる)開放シナリオが規定される小当たり種別に対して時短終了条件を設定するように構成すると良い。このように構成することで、実行される小当たり遊技の内容を把握することにより、時短状態が終了するタイミングを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
さらに、複数の小当たり種別に対して同一の開放シナリオを規定しても良く、この場合、小当たり遊技が実行されている間に所定条件が成立したことに基づいて、小当たり種別に応じて異なる演出が実行されるように構成すると良い。ここで、小当たり遊技が実行されている間に設定される所定条件として、例えば、小当たり遊技中に第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口に球が入賞したり、小当たり遊技中に遊技者が枠ボタン22を操作したりすることで成立する条件を設定すると良い。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている期間中(所定期間中)に所定条件が成立するように遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、小当たり遊技中に所定条件が成立した際に実行される演出としては、例えば、球が所定領域を通過(入球)した際に発生する音の種類を異ならせた演出や、枠ボタン22を操作したことに基づいて音や光を異ならせた演出に加え、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて異なる演出を実行するように構成しても良い。
次に、図115(a)を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図115(a)は、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態では、第1実施形態におけるROM222(図26(a)参照)に対して、状態表示選択テーブル222b、最終状態表示選択テーブル222cを削除し、時短残期間判別テーブル222baを追加している点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
ここで、図116を参照して、時短残期間判別テーブル222baの内容について説明をする。図116は、時短残期間判別テーブル222baに規定されている内容を示した模式図である。この時短残期間判別テーブル222baは、設定されている時短状態において設定される各種時短終了条件に対して、各種時短終了条件に対応する遊技情報(特別図柄の変動回数、小当たり当選回数)、即ち、時短中カウンタ203kの値、小当たりAカウンタ203mの値、小当たりBカウンタ203nの値、小当たりCカウンタの値を示す時短関連コマンドに基づいて更新した時短情報更新エリア223gに含まれる情報に基づいて、時短状態が一定期間経過したことを判別するためのものである。
この時短残期間判別テーブル222baを参照することで、現在の時短状態を大きく区分けすることができる。そして、その区分けに応じて演出態様を可変させることにより、遊技者に大まかに時短状態の進捗具合を報知することが可能となる。なお、本第3実施形態では、時短状態の進捗具合を2つの段階に判別するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、3段階以上に判別するように構成しても良い。この場合、例えば、時短残期間判別テーブル222baに複数の閾値を規定しておき、該当する閾値に基づいて現在の進捗具合を判別するように構成すると良い。
次に、図115(b)を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。本第3実施形態では、上述した第2実施形態に対して、残時短回数確定フラグ223ba、確定変動フラグ223bbを追加している。その他の構成については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
残時短回数確定フラグ223baは、時短状態が終了するまでの特別図柄変動回数が確定したことを示すためのフラグであり、時短状態が終了するまでの特別図柄の変動回数が確定した場合にオンに設定されるものである。つまり、本第3実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数が所定回数となった場合に成立する変動回数終了条件と、時短状態中に小当たりに当選した回数が所定回数となった場合に成立する当選回数終了条件と、が設定されているため、時短状態が設定されている全期間において、時短状態が終了するまでの残期間を確定させることができないように構成されている。
即ち、例えば、変動回数終了条件として「100」の値が設定され、当選回数終了条件として「2」の値が設定された場合には、特別図柄が100回変動する、或いは、小当たりに2回当選した場合に時短状態が終了することとなるため、小当たりに2回当選するまでの期間が確定しない限り、時短状態の残期間を確定させることができない。一方で、上述した時短終了条件が設定された場合においても、時短状態中の遊技が進行し、特別図柄の変動が98回実行され、小当たりに一度も当選していない状態になると、時短状態が終了するまでの特別図柄変動回数が2回となることが確定する。
このように、時短状態が終了するまでの残期間(特別図柄残変動回数)が確定した場合に、その旨を遊技者に報知する演出を実行することにより、時短状態が急に終了してしまう事態を抑制することができる。さらに、本第3実施形態のように、時短終了条件として、変動回数終了条件と当選回数終了条件とを有する場合には、終了するまでの残期間(特別図柄残変動回数)が確定した場合に、その旨を遊技者に報知する演出を実行することにより、時短状態が終了してしまう危機感を持たせることなく小当たりに当選することを期待させることができる。
この残時短回数確定フラグ223baは、時短残期間判別処理(図123のS3358参照)において、残時短回数が確定したと判別した場合にオンに設定され、演出設定処理3(図122のS2871参照)において参照される(図122のS3356)。そして、この残時短回数確定フラグ223baがオンに設定されていると判別した場合に(図122S3356:Yes)、残時短回数(特別図柄変動回数)を示す表示用時短コマンドを設定する(図122のS3357)。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面の時短状態が終了するまでの特別図柄変動回数が表示される(図109(b)参照)。
なお、本第3実施形態では、時短状態が終了するまでの特別図柄の残変動回数が確定した場合に、その旨を示すためのフラグとして残時短回数確定フラグ223baを設けているが、遊技者に対して時短状態の残期間を報知するための構成であればよく、例えば、時短状態が終了するまでの第1特別図柄の残変動回数が確定したことを示すための特図1残時短回数確定フラグと、時短状態が終了するまでの第2特別図柄の残変動回数が確定したことを示すための特図2残時短回数確定フラグと、を設け、特図1残時短回数確定フラグがオンに設定された場合には第1特別図柄の残変動回数を表示し、特図2残時短回数確定フラグがオンに設定された場合には第2特別図柄の残変動回数を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、時短状態中に第1特別図柄のみを変動(抽選)させる遊技と、第2特別図柄のみを変動(抽選)させる遊技と、が区分けして設定される遊技機において、実際に実行される遊技内容(実際に抽選が行われる特別図柄の種別)に応じた特別図柄の残変動回数を表示させることが可能となる。
確定変動フラグ223bbは、時短状態が設定されてから、時短終了条件が最短で成立するまでの期間が所定期間以上であることを示すためのフラグであって、時短終了条件が成立するまでの特別図柄変動回数が15回以上である場合にオンに設定されるものである。この確定変動フラグ223bbは、時短残期間判別処理(図123のS3358参照)にて実行される確定変動判別処理(図124のS3063参照)において、時短終了条件を示す各種カウンタの値に対応する値の最小値が15以上であると判別した場合に(図124のS3653:Yes)、その最小値に対応する表示用時短コマンドを設定し(図124のS3654)、オンに設定される(図124のS3655)。
そして、時短終了条件を示す各種カウンタの値を示す値の最小値が15以上では無いと判別した場合に(図124のS3653:No)、最小値を示さない表示用時短コマンドを設定し(図124のS3656)、時短残期間判別処理(図123のS3358参照)において、終了前条件が複数成立した場合に(図124のS3602)、オフに設定される(図123のS3608参照)。
これにより、時短状態が設定されてから、時短終了条件が成立し得ない期間を遊技者に報知することができるようになる。これにより、遊技者に対して、時短状態が設定された直後から時短状態が終了してしまう不安感を持たせてしまうことを抑制することができる。よって、時短状態中において遊技者に安心して(時短状態が終了する心配をさせることなく)遊技を行わせることができる。
なお、本第3実施形態では、時短状態中に設定される全ての時短終了条件に対応して設定される全カウンタの値を参照して確定変動フラグ223bbをオンに設定するか否かの判別を行うように構成しているが、遊技者に対して安心して時短状態中の遊技を行わせることができる期間を判別可能な構成で有れば良く、例えば、現在の時短状態において成立し得る時短終了条件を判別する時短状態判別手段を設け、その時短状態判別手段によって判別された時短終了条件に対応するカウンタの値のみを参照して確定変動フラグ223bbをオンに設定するか否かの判別を行うように構成しても良いし、現在の時短状態において成立し得ない時短終了条件を判別する判別手段を設け、その判別手段によって判別された時短終了条件に対応するカウンタの値のみを排除して確定変動フラグ223bbをオンに設定するか否かの判別を行うように構成しても良い。
<第3実施形態の主制御装置110における制御処理について>
第3実施形態における制御処理は、第1実施形態に対して、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における制御処理の内容が変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
ここで、図118〜図120を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、タイマ割込処理(図37参照)をタイマ割込処理3(図118参照)に変更し、そのタイマ割込処理(図37参照)において実行される特別図柄変動処理(図38参照)および始動入賞処理(図43参照)に代えて、特別図柄変動処理3(図119参照)および上述した第2実施形態で実行される始動入賞処理2(図96参照)を実行し、更に、小当たり制御処理を小当たり制御処理3(図120参照)に変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、上述した第2実施形態で実行される始動入賞処理2(図96参照)の内容についても、その詳細な説明を省略する。
まず、図118を参照してタイマ割込処理3の内容について説明をする。図118はタイマ割込処理3の内容を示したフローチャートである。このタイマ割込処理3では、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図37参照)に対して、特別図柄変動処理(図38参照)および始動入賞処理(図43参照)に代えて、特別図柄変動処理3(図119参照)および上述した第2実施形態で実行される始動入賞処理2(図96参照)を実行する点、そして、V入口通過処理(図47参照)およびV通過処理(図48参照)を実行しない点で相違している。
このタイマ割込処理3が実行されると、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図37参照)と同様にS101〜S103の処理が実行される。そして、S103の処理が終了すると、特別図柄変動処理(図38参照)に代えて特別図柄変動処理3を実行する(S174)。特別図柄変動処理3の詳細は、図119を参照して後述する。その後、始動入賞処理(図43参照)に代えて、上述した第2実施形態で実行される始動入賞処理2(図96参照)を実行する(S155)。この始動入賞処理2の詳細は、上述した第2実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
次いで、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図37参照)と同様にS106およびS107の処理が実行され、その後、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図37参照)のS110の処理と同一のS110の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図119を参照して特別図柄変動処理3(S174)の内容について説明をする。図119は特別図柄変動処理3(S174)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理3では、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)に対して、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を取得する点および小当たり開始設定処理に代えて小当たりの開始を設定する点で相違している。
この特別図柄変動処理3(S174)が実行されると、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS201およびS202の処理が実行される。S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、上述した第2実施形態の特別図柄変動処理2(図94参照)と同一のS251〜S255の処理が実行される。S251〜S255の処理の詳細は、上述した第2実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。その後、上述したS210の処理を実行し、本処理を終了する。
S252の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0であると判別された場合には(S252:No)、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)のS206〜S210の処理と同一のS206〜S210の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)と同様にS211〜S220の処理が実行される。S220の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S220:Yes)、当選した小当たりに対応して設定された小当たり種別に応じた小当たり用開放シナリオを、開放シナリオ3テーブル202bdを参照して設定する(S271)。次いで、小当たりの開始を設定し(S272)、小当たり開始フラグ203fと小当たり中フラグ203gをオンに設定する(S273)。その後、小当たり用時短更新処理を実行し(S274)、本処理を終了する。この小当たり用時短更新処理(S274)は、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される小当たり開始設定処理(図40,S221)において実行される小当たり用時短更新処理(図41,S405)と同一の処理であり、その詳細な説明は省略する。
次に、図120を参照して、小当たり制御処理3(S1555)の内容について説明をする。図120は小当たり制御処理3(S1555)の内容を示したフローチャートである。この小当たり制御処理3(S1555)は、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるメイン処理(図51参照)の中で、第1実施形態における小当たり制御処理(図53参照)に変えて実行される処理であり、上述した小当たり制御処理(図53参照)に対して、Vフラグ203iおよびV通過フラグ203jに関連する処理を削除し、小当たり遊技中に動作させる対象をV入賞装置650に替えて第2可変入賞装置1650としている点で相違している。
小当たり制御処理3(S1555)が開始されると、まず、上述した小当たり制御処理(図53参照)のS1701〜S1705と同一の処理を実行し、S1705の処理において、第2可変入賞口開放タイミング(第2可変入賞装置1650の入賞口を開放させるタイミング)であると判別した場合には(S1705:Yes)、上述した小当たり制御処理(図53参照)のS1706の処理と同一のS1706の処理を実行し、その後、本処理を終了する。なお、小当たり制御処理3において実行されるS1701〜S1706の処理は、第2可変入賞装置1650の第2可変入賞口を開放させる動作を実行するものであり、上述した第1実施形態の小当たり制御処理(図53参照)とは動作対象が異なるが、制御内容が同一であるため同一の符号を付してその説明を省略する。
また、S1705の処理において、第2可変入賞口開放タイミングでなければ(S1705:No)、上述した小当たり制御処理(図53参照)のS1711〜S1715と同様の処理を実行する。S1715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1715:Yes)、上述した小当たり制御処理(図53参照)のS1720の処理と同一のS1720の処理を実行し、その後、本処理を終了する。
以上のように構成された本第3実施形態のパチンコ機10は、遊技状態として通常状態と時短状態とを設定可能に構成され、通常状態が設定されている期間は左側領域に設けられた第1入球口64に球を入球させ第1特別図柄の抽選を実行する左打ち遊技を行い、第1特別図柄の抽選にて大当たりに当選し、大当たり遊技が実行された後に時短状態が設定された場合には、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄の抽選を実行させるために右打ち遊技が行われる。
第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態である時短状態は、時短状態を終了させるための時短終了条件、即ち、特別図柄の変動回数(抽選回数)に基づいて成立する変動回数終了条件、或いは、第2特別図柄の抽選により小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する当選回数終了条件の何れかが成立するまで継続して設定される。
そして、当選した大当たりの種別に応じて時短終了条件の内容を異ならせることで、時短状態が終了するタイミング(時短状態が継続して設定される期間)を遊技者が把握し難くなるように構成している。よって、遊技者に対して有利な遊技状態が長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、時短状態が終了し難い時短終了条件が設定された場合であっても、特別図柄の抽選結果によって早期に時短状態を終了させたり、時短状態が終了し易い時短終了条件が設定されたとしても、特別図柄の抽選結果によって長期間時短状態を継続させたりすることができるため、時短状態が予め定められた特定期間設定される遊技機よりも、遊技者に対して有利な遊技状態が長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができる。
<第3実施形態の音声ランプ制御装置113における制御処理について>
次に、図121から図124を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第3実施形態では上述した第1実施形態に対して、コマンド判定処理(図56参照)をコマンド判定処理3(図121参照)に替えた点と、演出設定処理(図63参照)を演出設定処理3(図122参照)に替えた点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図121を参照して音声ランプ制御装置113のメイン処理(図55参照)にて実行されるコマンド判定処理3(図121のS2183)について説明をする。図121はコマンド判定処理3(S2183)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理3(S2183)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)に対して、上述した第2実施形態のコマンド判定処理2(図99のS2163参照)と同一の入賞情報関連処理(図100のS2251参照)を実行する点と、時短関連のコマンドを受信した場合に実行する処理の内容を変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理3(図121のS2183)が実行されると、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図56のS2113)、或いは、第2実施形態のコマンド判定処理2(図99のS2163)の何れかと同一の処理を実行し、その後、S2215の処理において、今回受信したコマンドが時短関連のコマンドであると判別した場合は(S2215:Yes)、次に、時短情報更新エリア223gの内容を更新して、S2217の処理へ移行する。即ち、本第3実施形態では、時短関連のコマンドを受信した場合に、上述した第1実施形態のように対応するフラグやカウンタを可変させる処理を行うのでは無く、受信したコマンドをそのまま記憶する処理が実行される。
そして、時短情報更新エリア223gに格納された情報を用いて、音声ランプ制御装置113側で時短状態を把握するように構成している。なお、本第3実施形態においても、上述した第1実施形態のように時短関連のコマンドを受信した場合に、上述した第1実施形態のように対応するフラグやカウンタを可変させる処理を行うように構成しても良い。
次に、図122を参照して、演出設定処理3(S2871)の処理について説明をする。図122は演出設定処理3(S2871)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理3(S2871)では、時短状態の進捗具合(時短終了条件が成立するまでの状況(残変動回数)や、時短状態が設定されてからの変動回数)に基づいて、時短状態の残期間を示唆するための演出の演出態様が設定される。
演出設定処理3(S2871)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報を読み出し(S2901)、次に、読み出した情報が時短状態であるかを判別する(S2902)。時短状態では無いと判別した場合は(S2902:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短状態であると判別した場合は(S2902:Yes)、時短情報更新エリア223gに格納されている時短情報を読み出し(S3351)、今回の変動(本変動)の特別図柄種別(特図1、或いは、特図2)、抽選結果を変動パターンより抽出し(S3352)、本変動で時短終了条件が成立するかを判別する(S3353)。
S3353の判別の結果、時短終了条件が成立する(した)と判別した場合は(S3353:Yes)、時短終了を示す表示用時短コマンドを設定し(S3355)、本処理を終了する。S3354の処理において、時短終了条件が成立しない(していない)と判別した場合は(S3354:No)、次に、残時短回数確定フラグ223baがオンに設定されているかを判別し(S3356)、オンに設定されていると判別した場合は(S3356:Yes)、残時短回数を示す表示用時短コマンドを設定し(S3357)、本処理を終了する。
そして、S3356の処理において、残時短回数確定フラグ223baがオンに設定されていないと判別した場合は(S3356:No)、図123を参照して後述する時短残期間判別処理を実行し(S3358)、本処理を終了する。
次に、図123を参照して、時短残期間判別処理(S3358)の内容について説明をする。図123は、時短残期間判別処理(S3358)の内容を示したフローチャートである。この時短残期間判別処理(S3358)では、時短情報更新エリア223gに格納されている時短情報、即ち、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて更新される時短情報に応じて、現在の時短状況を判別し、判別結果に基づいた演出態様を設定するための処理が実行される。
時短残期間判別処理(S3358)が実行されると、まず、時短情報更新エリア223gに格納されている時短情報を用いて時短残期間判別テーブル222baに基づいて、時短残期間を判別する(S3601)。そして、判別結果に基づいて、残期間が終了前条件に複数到達しているかを判別し(S3602)、複数到達していない場合は(S3602:No)、確定変動判別処理を実行し(S3063)、本処理を終了する。なお、確定変動判別処理(S3063)の内容については、図124を参照して後述をするが、時短状態が設定された状態において、今回設定された時短終了条件(各種カウンタの値)を判別し、特別図柄の変動(抽選)が実行された場合に必ず時短状態が終了しない期間(特別図柄変動回数)を判定するための処理が実行される。
一方、残期間が終了前条件に複数到達していると判別した場合は(S3602:Yes)、確定変動フラグ223bbがオンに設定されているかを判別し(S3604)、確定変動フラグ223bbがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3604:No)、次に、残時短回数が確定しているかを判別し、残時短回数が確定していない場合は、合体態様を示す表示用時短コマンドを設定し(S3605)、本処理を終了する。S3605の処理において合体態様を示す表示用時短コマンドが設定されると、図107(b)に示したような合体状況表示態様Dm11zが表示される。
これにより、遊技者に対してどの時短終了条件が成立し易い状況なのかを分かり難くさせることができると共に、複数の時短終了条件が成立寸前まで到達している旨を(即ち、時短状態が長く継続している旨を)報知することができる。
S3604の処理において、確定変動フラグ223bbがオンに設定されていると判別した場合は(S3604:Yes)、確定変動フラグ223bbをオフに設定し(S3608)、上述した残時短回数が確定しているかを判別する処理へ移行する。また、S3604の処理において、残時短回数が確定していると判別した場合は、次いで、時短情報更新エリア223gに残時短回数を示す情報を格納し(S3606)、残時短回数を示す表示用時短コマンドを設定し(S3607)、残時短回数確定変動フラグ223bbをオンに設定し(S3608)、本処理を終了する。
ここで、確定変動判別処理(S3063)の内容について、図124を参照して説明をする。図124は確定変動判別処理(S3063)の内容を示したフローチャートである。この確定変動判別処理(S3063)では、上述したように、設定されている時短状態が終了し得ない期間を判定し、その旨を第3図柄表示装置81の表示画面に表示するためのコマンドを設定する処理が実行される。これにより、時短状態がいつ終了するか分かり難い遊技性(時短終了条件を複数有する遊技性)を有する遊技機において、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された表示態様(図110参照)を確認することで安心して遊技を行える期間を把握することができる。
確定変動判別処理(S3063)が実行されると、まず確定変動フラグ223bbがオンに設定されているかを判別し(S3651)、オンに設定されていないと判別した場合は(S3651:No)、時短中カウンタ203k、小当たりAカウンタ203m、小当たりBカウンタ203n、小当たりCカウンタ203pに対応する値を時短情報更新エリア223gから読み出し、その最小値を抽出する(S3652)。
なお、本実施形態では、S3652の処理において、時短情報更新エリア223gに格納されている情報に基づいて、主制御装置110のRAM203が有する上述した各種カウンタの値を判別するように構成しているが、これに限ること無く、上述した主制御装置110のRAM203が有する各種カウンタと同期して可変するカウンタを音声ランプ制御装置113に設け、そのカウンタの値に基づいて判別するように構成しても良い。
S3652の処理において抽出した最小値が確定変動として報知可能な条件値(本実施形態では15以上)であるかを判別し(S3653)、条件値(15)以上であると判別した場合は(S3653:Yes)、次に、最小値を示す表示用時短コマンドを設定し(S3654)、確定変動フラグ223bbをオンに設定し(S3655)、本処理を終了する。
このように構成することで、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が、所定回数以上である場合にのみ、その旨を遊技者に報知することが可能となるため、確定変動フラグ223bbがオンに設定された場合にのみ第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出態様を遊技者にとって安心して遊技を行わせるための演出態様とすることができる。つまり、例えば、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が1回である場合に、その旨を遊技者に報知してしまい、遊技者に不安感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が、所定回数以上である場合に、その旨を遊技者に報知するための演出態様を設定するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に基づいて、遊技者に報知する内容を異ならせても良く、例えば、遊技者が特定の操作を行った場合には、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が、所定回数未満である場合にも、その旨を報知するように構成しても良いし、遊技者が特別な操作を行った場合には、時短状態が終了し得ない期間(特別図柄変動回数)が、所定回数よりも大きな特別回数である場合にのみ、その旨を報知するように構成しても良い。
S3653の処理において、最小値が条件値(15)未満であると判別した場合は(S3653:No)、更新された時短情報に対応した表示用時短コマンドを設定し(S3656)、本処理を終了する。また、S3651の処理において確定変動フラグ223bbがオンに設定されていると判別した場合は(S3651:Yes)、S3652及びS3653の処理をスキップしてS3654の処理へ移行する。
<第4実施形態>
次に、図125〜図153を参照して、本第4実施形態ついて説明する。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に(並行して)、抽選(変動)することができるように構成している点で相違している。
そして、時短状態として、第1特別図柄の変動時間のほうが、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が選択され易い時短状態(即ち、第2特別図柄のほうが多く抽選(変動)される時短状態)と、第1特別図柄の変動時間のほうが、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が選択され易い時短状態(即ち、第1特別図柄のほうが多く抽選(変動)される時短状態)と、を設定可能に構成し、遊技者への有利度合いが異なる遊技状態を時短状態の中に設けた点で相違している。
また、上述した複数の時短状態に対応して異なる演出(時短回数表示)を実行するようにしている点で相違している。
ここで、図125を参照して、本第4実施形態において用いられる遊技盤13の構成について、上述した第1実施形態とは異なる点について説明をする。図125は第4実施形態の遊技機に用いられる遊技盤13の正面図である。図125に示した通り、本実施形態の遊技盤13は、上述した第1実施形態の遊技盤13に対して、右打ち領域の構成を異ならせている点で相違する。なお、本図においては、左打ち遊技を行い発射された球は遊技盤13に示した矢印PA1に沿って左打ち(左側)領域を流下し、右打ち遊技を行い発射された球は遊技盤13に示した矢印PA2に沿って右打ち(右側)領域を流下するように構成している。
図125に示した通り、本実施形態では、可変表示ユニット80の下方には、第1始動口64(左側第1始動口64と以下説明する。)が設けられている。この左側第1始動口64は、遊技球が1球入球可能な大きさの開口部が上面に形成されており、その開口部の対向位置には、釘が2本遊技球の直径より若干広い間隔で配置されている。この釘の傾きを調整することで、左側第1始動口64への遊技遊の入賞率(例えば、250球の遊技球を発射した場合に、左側第1始動口64へ入賞する遊技球の数の割合)を可変させることが可能に構成されている。
また、可変表示ユニット80の右側領域には、第2始動口640と第1始動口64(以下、右側第1始動口64と称す)とがそれぞれ上下に並列して配置されている。第2始動口640は、遊技板60に取り付けられた飾り部材の側面に遊技球が1球入球可能な開口部を有している。その開口部の前面側(対向面)には、第2始動口640に付随する普通電動役物640aが配置されている。この普通電動役物640aは、遊技球3球分程度の長さを有しており、一端側を回動可能に軸支されている。そして、第2図柄が当たりとなることに基づいて、所定回数(本実施形態では、1回または2回)、所定秒数(本実施形態では、0.5秒または1秒)間で遊技球を第2始動口640へ誘導可能となる方向(開口部より離間する方向)に所定角度(本実施形態では、45度)で回動するように構成されている。普通電動役物640aは、ソレノイドにより回動される。なお、通常時(第2図柄の当たり時以外)では、第2始動口640aの開口部を閉塞する状態(垂直方向に起立した状態)に維持される。
また、右側第1始動口64は、第2始動口640の下方に配置されている。そして、普通電動役物640aが開放状態(水平方向側に傾倒した状態)では、右側第1始動口64の開口部に対向する位置に、普通電動役物640aが配置される。このように構成することで、普通電動役物640aが開放状態にあるときには、右側第1始動口64に遊技球が入球し難い状態に構成できる。
なお、本実施形態では、遊技状態が高確率状態(確変状態)と時短遊技状態である場合には、第2図柄が当たりと判定される確率が高くなるように構成されている。また、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、遊技者は可変表示ユニット80の左側を遊技球が通過するように遊技球を発射させて、左側第1始動口64に遊技球を入賞させるように遊技を実行する。そして、第3図柄が当たりとなり、確変遊技または時短遊技に移行すると第2図柄が当たりと判定される確率が上昇することから、スルーゲート67を遊技球が通過すると第2図柄が当たりとなり易く構成されている。そのことより、遊技者は、遊技球を可変表示ユニット80の右側を通過するように発射(右打ち遊技)させて遊技を実行する。この場合には、普通電動役物640aが開放状態となる確率が高くなるので、第2始動口640に入賞し易く構成される一方、右側第1始動口64への入賞は少なくなる。
ここで、本実施形態では、確変遊技状態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄で当選した方が遊技者に有利となるように構成されている。具体的には、第1特別図柄では、大当たりのうち、50%が大当たり遊技後に確変が付与され易い大当たりとなり、残りの50%は大当たり遊技後に時短遊技(低確率遊技状態)が付与されやすい(確変遊技が付与されがたい)大当たりが付与されるように構成されている。
一方、第2特別図柄では、大当たりとなった場合に、100%で大当たり遊技後に確変遊技が付与され易い大当たりが付与されるように構成されている。即ち、第2特別図柄で当選した方が、確変遊技状態が付与され易く構成されている。
また、可変表示ユニット80の右側の流路は、普通電動役物640aが開放状態となると、普通電動役物640aの先端と可変表示ユニット80との間隔は、遊技球が1球以上2球未満の間隔となっている。その間隔を流下した遊技球は、ゲート型の開口部を有したスルーゲート67を通過し易いように、スルーゲート67が配置されている。スルーゲート67を通過した遊技球は、スルーゲート67の下流側に配置された釘により、右側第1始動口64には入賞し難く構成されている。具体的には、スルーゲート67の出口側(下流側)には、右側第1始動口64の開口部上部に配置された釘により遊技球が右側第1始動口64の開口部側へは流下しない間隔(遊技球1球未満)で構成されており、そのまま、風車を経て下方へ流下するように構成されている。即ち、右側第1始動口64へ入賞する場合には、普通電動役物640aが閉鎖状態(垂直方向に起立した状態)に維持されている場合に限られるように構成されている。
なお、本実施形態では、普通電動役物640aの開放状態では、右側第1始動口64へ入賞しない構成としたが、それに限らず、スルーゲート67の出口から流下した遊技球が右側第1始動口64へ入賞可能な間隔に構成して、割合を低くして、右側第1始動口64へ入賞可能なように構成してもよい。
次に、本第4実施形態において時短状態中における演出態様(第3図柄表示装置にて表示される演出表示態様)の内容について、図126及び図127を参照して説明をする。まず、図126を参照して、設定された時短状態の種別に対応して表示される時短状態突入時の表示画面について説明する。
本第4実施形態では、詳細は後述するが第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に(並行して)変動(抽選)させることが可能にされており、さらに、時短状態中において設定される各特別図柄の変動パターン(変動時間)を異ならせることにより、時短状態中に第1特別図柄の変動が第2特別図柄の変動よりも多く実行され易い第1時短状態と、第1特別図柄の変動よりも第2特別図柄の変動のほうが多く実行され易い第2時短状態と、を設定可能に構成している。
そして、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選するように設定し、小当たりに当選した場合には、上述した第1実施形態と同じく2種当たりを獲得し得るように構成している。また、複数の特別図柄を同時に(並行して)変動(抽選)させることにより、遊技者に有利な抽選結果が同時に発生することが無いように、一方の特別図柄の抽選にて特定の抽選結果(例えば、当たり)に当選した場合には、変動中の他方の特別図柄を、外れを示す停止図柄で強制的に停止表示させるように構成している。
さらに、遊技者に有利となる遊技状態である時短状態を所定回数(例えば、100回)設定した場合には、同時(並んで)に実行される各特別図柄の変動開始タイミングに対応させて時短状態が設定される回数(時短回数)が減算されるように構成している。
つまり、第1特別図柄が主に変動する第1時短状態が設定された場合には、時短終了条件として設定された特別図柄の変動回数に則した時短遊技が行われ易いが、第2特別図柄が主に変動する第2時短状態が設定された場合には、上述したように小当たり当選に基づいて、変動中の第1特別図柄が強制停止されてしまうことから、時短終了条件として設定された特別図柄の変動回数と、実際に実行される遊技回数とに大きな差が生じてしまうという問題があった。
具体的には第1特別図柄と第2特別図柄の合計変動回数が100回に到達することを時短終了条件として設定した場合において第1時短状態が設定された場合には、第1特別図柄の変動(抽選)のみが実行されるように(第2特別図柄の変動時間として長時間(第1特別図柄が100回変動するよりも長い時間)が設定されるように)構成すると、第1時短状態中に約100回の特別図柄変動を実行させることが可能となる(第1特別図柄の抽選結果によって、第2特別図柄を外れで強制停止することが無い)。
これに対して、第1特別図柄と第2特別図柄の合計変動回数が100回に到達することを時短終了条件として設定した場合において第2時短状態が設定された場合には、第2特別図柄の変動(抽選)のみが実行されるように(第1特別図柄の変動時間として長時間(第2特別図柄が100回変動するよりも長い時間)が設定されるように)構成し、且つ、第2特別図柄の抽選において、略1/1の確率(大当たりに当選する確率のみ除く確率)で小当たりに当選するように構成した場合には、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する度に、第1特別図柄の変動を外れで強制停止することになるため、実際に実行される変動回数が約50回となる。
このように、時短終了条件として同一の条件を設定した場合においても、実行される時短遊技の種別において、時短状態が設定されている間に実行される特別図柄の変動回数(強制停止されることの無い変動回数)が異なることになる。このような場合において、設定される時短状態の種別に関わらず、実際に設定された時短回数(例えば、100回)を遊技者に表示してしまうと、遊技者に違和感を与えてしまう時短状態を提供することになるという問題があった。
そこで、本実施形態では、設定される時短状態の種別に応じて、時短状態が設定された場合の表示画面(時短状態突入画面)において、遊技者に対して報知する時短回数(残時短回数)を異ならせるように構成している。これにより、遊技者に違和感を与えてしまう時短状態が提供されることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、設定された時短状態の種別に応じて、遊技者に対して報知する時短回数(残時短回数)を異ならせて表示する構成に加えて、遊技者に報知する残時短回数と、実際の残時短回数が異なった場合に、遊技者に報知する残時短回数を補正する処理を実行するように構成している。
このように構成することで、例えば、第1時短状態が設定されている状態において、遊技途中で一旦遊技を中断することで、第2特別図柄を複数回実行させたり、第2時短状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選結果で大当たり或いは小当たり以外の外れに当選し、変動中の第1特別図柄を強制的に停止させられなかったりした場合においても、遊技者に違和感を与えることなく、報知されている残時短回数を実際の残時短回数と同期させることができる。
具体的には、上述した第2時短状態(時短A)が設定された場合には、図126(a)に示した通り、実際には第1特別図柄と第2特別図柄の合計変動回数が100回に到達することを時短終了条件として設定していたとしても、小当たり当選により特別図柄変動を強制停止させる回数を考慮して残時短回数表示領域Dm10に「50」を表示し、第1時短状態(時短B)が設定された場合には、図126(b)に示した通り、残時短回数表示領域Dm10に「100」が表示される。
これにより、第2時短状態が設定された場合には、遊技者に対してあたかも特別図柄の変動回数が50回の時短終了条件が設定されたと思わせることができる。そして、特別図柄の強制停止により特別図柄の変動回数が更新(減算)されたとしても、その更新(減算)に応じて残時短回数表示領域Dm10に表示されている残時短回数が更新(減算)されず、第2特別図柄の変動回数に応じて残時短回数表示領域Dm10に表示されている残時短回数を更新(減算)するように構成しているため、時短状態が継続して設定される期間(特別図柄変動回数)を遊技者に違和感を与えること無く更新(減算)することができる。
さらに、本第4実施形態では、図126(a)及び(b)に示した通り、時短状態が設定されると、副表示領域Dsに各特別図柄に対応した保留図柄を表示しないように構成している。これにより、時短状態が設定されている間に実際に実行されている特別図柄の変動回数を保留図柄の消化態様によって遊技者に察知されることを抑制することができる。なお、本第4実施形態では、副表示領域Dsに各特別図柄に対応した保留図柄を表示しない代わりに、主表示領域Dmに各特別図柄の保留球数を表示する特図1保留球数表示領域Dm6と、特図2保留球数表示領域Dm7と、を形成しているが、これに限ること無く、第3図柄表示装置81の表示画面では無く、遊技盤13に設けられた装飾部材の一部を用いて各特別図柄の保留球数を発光態様で報知する報知手段を設けても良い。さらに、この報知手段は、上述した各実施形態の構成に用いても良い。
次に、図127を参照して、上述した残時短回数表示領域Dm10に表示される残時短回数を補正する補正演出の内容について説明をする。上述した通り、本第4実施形態では、設定された遊技状態の種別に応じて、時短状態が設定された場合の表示画面(時短状態設定画面)に表示する残時短回数を異ならせるように構成している(図126参照)。この場合において、例えば、第1時短状態が設定されている状態で遊技を一旦中断し、第2特別図柄を複数回実行させたり、第2時短状態が設定されている状態で第2特別図柄の抽選結果が外れとなり第1特別図柄を強制的に停止しなかったりした場合等、通常とは異なる条件で特別図柄の変動が実行された場合に、報知されている残時短回数と実際の残時短回数とが相違してしまう虞があった。
このような場合として、例えば、時短Aが設定され第2特別図柄が主に変動する時短遊技中において、第2特別図柄の抽選結果が外れとなり、第1特別図柄を強制停止させなかった場合、即ち、実際の残時短回数が、報知されている残時短回数に対応する回数よりも多くなった場合には、まず、図127(a)に示した通り、変動表示中に第3図柄を仮停止させ、且つ、主表示領域Dmにて特別図柄の抽選結果を遊技者に報知する際と同一(遊技者が気付きにくい程度の誤差を含む概念)の演出態様を表示させる。つまり、第2特別図柄の変動表示中に、特別図柄の変動が停止したと遊技者に思わせる疑似停止演出を実行し、その疑似停止演出に対応させて、残時短回数表示領域Dm10の表示態様(報知用残時短回数)を更新(減算)し、図127(b)に示した状態となるよう補正演出が実行される。
このように構成することで、遊技者に対して違和感を与えることなく、報知されている残時短回数を実際の残時短回数と同期させることができる。
さらに、本第4実施形態では、詳細な説明は後述するが、この補正演出は特別図柄(第2特別図柄)の変動パターン(変動時間)が所定時間以上(30秒以上)の場合にのみ実行されるように構成している。よって、1回の特別図柄の変動期間中に疑似停止演出を実行したとしても遊技者に違和感を与えることが無い。また、詳細な説明は省略するが、実際の残時短回数が、報知されている残時短回数に対応する回数よりも少ない場合は、複数の特別図柄変動を跨いで残時短回数表示領域Dm10の表示態様(報知用残時短回数)を更新(減算)する演出(複数変動融合演出)を実行すれば良い。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図128〜図135を参照して、第4実施形態における電気的構成について説明する。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202及びRAM203の内容、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222及びRAM223の内容が変更されている点で相違する。
図128(a)は、本第4実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数4テーブル202caと、第1当たり種別選択4テーブル202cbと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン4テーブル202cdと、小当たり種別選択4テーブル202ceと、が少なくとも設けられている。
まず、第1当たり乱数4テーブル202caについて図129(a)を参照して説明をする。図129(a)は、第1当たり乱数4テーブル202caの内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数4テーブル202caには、上述した第1実施形態と同様に、第1特別図柄に対応した乱数テーブルと、第2特別図柄に対応した乱数テーブルとが規定されており、上述した第1当たり乱数テーブル202a(図20(a)参照)に対して、第2特別図柄に対応した特別図柄2乱数テーブル202a2を特別図柄2乱数4テーブル202ca2に代えた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図129(b)を参照して、特別図柄2乱数4テーブル202ca2の内容について説明をする。図129(b)は、特別図柄2乱数4テーブル202ca2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図129(b)に示した通り、この特別図柄2乱数4テーブル202ca2は、上述した特別図柄2乱数テーブル202a2に対して、小当たりと判定される範囲が「5〜989」から「5〜998」へと変更している点で相違しており、それ以外は同一である。つまり、本第4実施形態における第2特別図柄の抽選では、994/1000の確率で小当たりに当選することになる。
次に、図130(a)を参照し、第1当たり種別選択4テーブル202cbについて説明する。図130(a)は、第1当たり種別選択4テーブル202cbの内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり種別選択4テーブル202cbは、上述した第1当たり種別選択テーブル202b(図21(a)参照)に対して、特図1大当たり種別選択テーブル202b1に代えて特図1大当たり種別選択4テーブル202cb1を、特図2大当たり種別選択テーブル202b2に代えて特図2大当たり種別選択4テーブル202cb2を設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、特図1大当たり種別選択4テーブル202cb1の内容について、図130(b)を参照して説明する。図130(b)は、特図1大当たり種別選択4テーブル202cb1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図1大当たり種別選択4テーブル202cb1は、上述した特図1大当たり種別選択テーブル202b1(図21(b)参照)に対して、各大当たり種別に対応する大当たり遊技の内容と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、を異ならせている。
具体的には、大当たり種別として大当たりAが選択された場合には、大当たり遊技として15ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、時短状態(時短A)が設定され、大当たりBが選択された場合には、大当たり遊技として5ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、時短状態(時短A)が設定される。そして、大当たりCが選択された場合には、大当たり遊技として5ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、通常状態が設定される。つまり、大当たり種別として大当たりAと大当たりBは大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりで、大当たりCは大当たり遊技終了後に時短状態が設定されない大当たりである。なお、本第4実施形態では、大当たり遊技終了後に設定され得る時短状態として、複数の時短状態(時短A、時短B)が設定されるように構成している。
詳細な説明は省略するが、時短状態として時短Aが設定された場合は、時短状態中の遊技として第2特別図柄の抽選が主に実行され、時短Bが設定された場合は、時短状態中の遊技として第1特別図柄の抽選が主に実行されるように構成している。このように、設定される時短状態に応じて、時短状態中に主に実行される特別図柄の変動(抽選)を異ならせることにより、時短状態の中に異なる遊技仕様を設定することが可能となる。よって、設定可能な遊技状態の種類以上の遊技仕様を有する遊技機を提供することができるため遊技の興趣を向上させることができる。
次に、特図2大当たり種別選択4テーブル202cb2の内容について、図130(c)を参照して説明をする。図130(c)は、特図2大当たり種別選択4テーブル202cb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図2大当たり種別選択4テーブル202cb2は、上述した特図2大当たり種別選択テーブル202b2(図21(c)参照)に対して、第1当たり種別カウンタ値C2の取り得る値に対応して規定される大当たり種別の種類を増加した点と、各大当たり種別に対応する大当たり遊技の内容と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、を異ならせている点で相違している。
具体的には、大当たり種別として、第1当たり種別カウンタ値C2が「0〜69」の範囲に大当たりDを規定し、「70〜99」の範囲に大当たりEを規定している。そして、大当たり種別として大当たりDが選択された場合には、大当たり遊技として15ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、時短状態(時短A)が設定され、大当たりEが選択された場合には、大当たり遊技として15ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、時短状態(時短B)が設定されるように構成している。
つまり、第2特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定されるように構成され、そのうちの70%で時短Aが30%で時短Bが設定される。ここで、時短状態として時短Aが設定された場合には、再度、第2特別図柄の抽選(変動)を主とした時短遊技を実行することになる。一方で、時短Bが設定された場合には、第1特別図柄の抽選(変動)を主とした時短遊技が実行される。
このように、本実施形態では、通常状態や確変状態において左打ちを行い、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、58%の割合(大当たりB,D)で有利な潜確状態へと移行するように構成されている。そして、潜確状態で右打ちを行い、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、100%の割合(大当たりE〜G)で有利な潜確状態をループする構成としている。よって、一旦潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)が設定されると、右打ちにより第2入球口1640へと入賞させることにより、第2特別図柄の抽選が実行され易く、大当たり確率が高い状態と、第2特別図柄の大当たりとが繰り返され易くなる。このため、遊技者に対して、潜確状態へと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図131〜図133を参照して、変動パターン4テーブル202cdの詳細について説明する。この変動パターン4テーブル202cdは、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、変動表示の変動パターン(変動時間)を決定する乱数値が規定されている。
図131に示した通り、変動パターン4テーブル202cdには、通常状態において変動パターン(変動時間)を決定するための通常用変動パターンテーブル202cd1と、時短状態において変動パターンを決定するための時短A用変動パターンテーブル202cd2、時短B用変動パターンテーブル202cd3とが少なくとも規定されている。次に、これら各テーブルの具体的な内容について、図132、および図133を参照して説明する。なお、図132、および図133に図示した各テーブルにおいては、変動時間をミリ秒単位で表記しているが、以下の説明では理解を容易にするために、変動時間を秒単位で表記する。
まず、図132を参照して、通常用変動パターンテーブル202cd1について説明する。この通常用変動パターンテーブル202cd1は、遊技状態が通常状態である場合に参照されるテーブルである。図132は、この通常用変動パターンテーブル202cd1の内容を模式的に示した模式図である。図132に示した通り、通常用変動パターンテーブル202cd1は、特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別(当否判定結果)毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的に、第1特別図柄(特図1)の抽選で当たり(大当たり)となった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲に当たりノーマルリーチ(20秒)が対応付けられ、「51〜198」の範囲に当たりスーパーリーチ(30秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄(特図1)の抽選で外れの場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜70」の範囲に短外れ(8秒)の変動パターンが対応付けられ、「71〜120」の範囲に長外れ(12秒)の変動パターンが対応付けられ、「121〜170」の範囲に外れノーマルリーチ(20秒)が対応付けられている。また、変動種別カウンタCS1の値として「171〜198」の範囲に外れスーパーリーチ(30秒)が対応付けられている。
さらに、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として600秒(10分間)が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して小当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して外れロング変動A(600秒)が対応付けられている。これにより、通常状態において右打ちを行い、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、毎回600秒の変動時間が設定されるので、左打ちを行うよりも遊技効率が極めて悪化する。このように構成することで、通常時に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
次に、図133(a)を参照して、時短A用変動パターンテーブル202cd2の詳細について説明を行う。図133(a)は、時短A用変動パターンテーブル202cd2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短A用変動パターンテーブル202cd2は、時短状態のうち、時短Aが設定されている状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に対応する変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。
図133(a)に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して大当たり超ショート変動(1秒)が対応付けて規定されている。また、第1特別図柄(特図1)の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して外れ超ロング変動(60秒)が対応付けて規定されている。
一方で、第2特別図柄(特図2)の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して大当たりショート変動(5秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄(特図2)の小当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して小当たりショート変動(5秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄(特図2)の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して外れショート変動(5秒)が対応付けて規定されている。
次に、図133(b)を参照して、時短B用変動パターンテーブル202cd3の詳細について説明を行う。図133(b)は、時短B用変動パターンテーブル202cd3に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短B用変動パターンテーブル202cd3は、時短状態のうち、時短Bが設定されている状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に対応する変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。
図133(b)に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して大当たりショート変動(5秒)が対応付けて規定されている。また、第1特別図柄(特図1)の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して外れ超ロング変動(5秒)が対応付けて規定されている。
一方で、第2特別図柄(特図2)の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して大当たり超ショート変動(1秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄(特図2)の小当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して小当たりロング変動(60秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄(特図2)の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して外れロング変動(60秒)が対応付けて規定されている。
次に、図134を参照して、小当たり種別選択4テーブル202ceの詳細について説明する。この小当たり種別選択4テーブル202ceは、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合において、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択4テーブル202ceには、小当たり種別カウンタC5の値の範囲毎に、対応する小当たり種別が規定されている。
図134に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜69」の範囲には、「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、上述した第1実施形態の小当たりAと同一の開放パターンの小当たり遊技が実行される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりA」となる乱数値が70個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりA」が決定される割合は70%(70/100)である。
また、小当たり種別カウンタC5の値が「70〜99」の範囲には、「小当たりB」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり遊技中に開閉板65f1が0.06秒間×6回開放状態に設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりB」となる乱数値が30個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりB」が決定される割合は30%(30/100)である。
<第4実施形態における主制御装置110の制御処理について>
次に、図137〜図151を参照して、本第4実施形態における主制御装置110の制御処理について説明する。本第4実施形態では、上述した各実施形態に対して、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の抽選(変動)を重複して実行可能に構成している点で大きく相違している。
そして、時短状態が設定されている状態において、第1特別図柄の抽選のほうが、第2特別図柄の抽選よりも頻繁に実行される時短状態(第1時短状態)と、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが頻繁に実行される時短状態(第2時短状態)とを設定可能に構成している点で相違している。
本第4実施形態では、遊技者に有利な遊技状態である時短状態として、第1時短状態と、その第1時短状態よりも有利となる第2時短状態とを設定可能に構成しているため、遊技者に対して有利段階の異なる複数の遊技状態を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
まず、図137を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理4(S194)を説明する。図137は、この特別図柄変動処理4(S194)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理4(図137、S194)は、第1入球口64、および第2入球口640への入球に基づいて取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理4(図137、S194)について説明する。
特別図柄変動処理4(図137、S194)では、まず、大当たり遊技中であるか否か(大当たり中フラグ203dがオンであるか否か)を判別し(S7001)、大当たり中である(大当たり中フラグ203dがオンである)と判別した場合には(S7001:Yes)、特別図柄の抽選や変動表示の停止等を設定する必要が無いので、そのまま本処理を終了する。一方、大当たり中でない(大当たり中フラグ203dがオフである)と判別した場合には(S7001:No)、小当たり遊技中であるか否か(小当たり中フラグ203gがオンであるか否か)を判別する(S7002)。S7002の処理において、小当たり中である(小当たり中フラグ203gがオンである)と判別した場合には(S7002:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、小当たり中でない(小当たり中フラグ203gがオフである)と判別した場合には(S7002:No)、第1特別図柄の変動表示中であるか否かを判別する(S7003)。
S7003の処理において、第1特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S7003:Yes)、第1特別図柄変動停止処理を実行し(S7005)、S7006の処理へ移行する。ここで、第1特別図柄変動停止処理(S7005)では、変動表示中の第1特別図柄の変動時間が経過した場合に、第1特別図柄の抽選結果を示す停止図柄を停止表示するための処理と、第1特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、大当たりに対応する停止図柄を停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で強制的に停止表示する処理が実行される。この第1特別図柄変動停止処理(S7005)の詳細については、図142を参照して後述する。
一方、S7003の処理において、第1特別図柄が変動表示中でないと判別した場合には(S7003:No)、特別図柄1保留球格納エリア203aに少なくとも1の保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていることを条件に、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理を実行するための第1特別図柄変動開始処理を実行し(S7004)、処理をS7006へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理(S7004)の詳細については、図136〜図139を参照して後述する。
第1特別図柄変動開始処理(S7004)、または第1特別図柄変動停止処理(S7005)が実行された後に実行されるS7006の処理では、第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判別し(S7006)、第2特別図柄の変動表示中であれば(S7006:Yes)、第2特別図柄変動停止処理を実行し(S7008)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動停止処理(S7008)は、第1特別図柄変動停止処理(S7005)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2特別図柄の抽選結果を示す停止図柄の停止表示を設定するための処理である。この第2特別図柄変動停止処理(S7008)の詳細については、図148および図149を参照して後述する。
一方、S7006の処理において、第2特別図柄が変動表示中でないと判別した場合には(S7006:No)、第2入球口640への新たな始動入賞を検出したことを条件に、第2特別図柄の抽選を実行して新たな変動表示の開始を設定するための第2特別図柄変動開始処理を実行し(S7007)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(S7007)の詳細については、図143〜図147を参照して後述する。
以上、説明をした通り、本第4実施形態では、第1特別図柄の変動(抽選)制御と、第2特別図柄の変動(抽選)制御とが独立して実行されるように構成されている。このように構成することで、第1特別図柄の変動(抽選)が実行されているか否かに関わらず、第2特別図柄の変動(抽選)を実行させることができる。よって、特別図柄の抽選を短時間に複数回実行することが可能となり遊技効率を向上させることができる。
また、本第4実施形態では、特別図柄の抽選により大当たり又は小当たりに当選し、その当選に基づいた当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行されている間は、新たな特別図柄の変動(抽選)が開始されないように構成している。このように構成することで、当たり遊技を行いながら特別図柄の抽選結果を予測するという煩雑な行為を行う必要が無くなり、当たり遊技中は遊技者を当たり遊技に注目させることができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
加えて、詳細は後述するが、本第4実施形態では複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、一方の特別図柄が大当たりに当選したことを示す表示態様で停止表示された場合に、変動中の他方の特別図柄を、外れを示す表示態様で強制的に停止表示させるように構成している。これにより、大当たり遊技中に特別図柄が変動している状態や、一方の特別図柄が大当たりに当選した状態(大当たり遊技中)に他方の特別図柄が大当たりに当選する状態が発生してしまうことを無くすことができるため、より遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本第4実施形態では、大当たり遊技中、小当たり遊技中の何れにおいても特別図柄の変動開始処理と、特別図柄の変動停止処理とを実行しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中のみ特別図柄の変動開始処理と、特別図柄の変動停止処理とを実行しないように構成しても良いし、大当たり遊技中でも小当たり遊技中でも特別図柄の変動開始処理と、特別図柄の変動停止処理とを実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄の変動(抽選)をより多く実行することができるため、遊技者に対して短期間で遊技を楽しませることができる。
次に、図138を参照して、特別図柄変動処理4(図137、S194)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S7004)について説明する。図138は、この第1特別図柄変動開始処理(S7004)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図138、S7004)では、まず、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を取得し(S7101)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(S7102)。S7102の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S7102:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を1減算して(S7103)、減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S7104)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値と同期させながら、その値を更新することができる。
S7104の処理が終了すると、次に、特別図柄1保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(S7105)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S7105の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S7106)。この第1特別図柄大当たり判定処理(図138、S7106)については、詳しく後述するが、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
S7106の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図138、S7107)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理(S7107)は、第1特別図柄の当否判定結果、および特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理(S7107)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(S7108)。この遊技状態更新処理(図138、S7108)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタ(時短中カウンタ203k)の値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。S7108の処理が終了すると、本処理を終了する。なお、この遊技状態更新処理の詳細な説明については図141を参照して後述する。
一方、S7102の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0であると判別した場合は(S7102:No)、本処理を終了する。
次に、図139を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図138、S7004)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S7106)について説明する。図139は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S7106)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図139、S7106)では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに記憶されている各カウンタ値を取得する(S7201)。次いで、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たり或いは小当たりとなる乱数値の範囲と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その判別結果(抽選結果)を取得する(S7202)。
そして、S7202で取得した抽選結果が大当たりであるかを判別し(S7203)、抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S7203:Yes)、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203caをオンに設定し(S7204)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S7205)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S7206)、現在の遊技状態に応じた値(例えば、通常状態であれば0で、時短状態であれば1)を当選時状態格納エリア203cfに格納(設定)して(S7207)、本処理を終了する。
一方、S7203の処理において、抽選結果が外れであると判別された場合には(S7203:No)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S7208)、その後、本処理を終了する。尚、本実施形態では第1特別図柄の抽選結果として小当たりに当選しないように構成しているため、S7203の処理において大当たりでは無いと判別した場合に(S7203:No)、抽選結果が外れであると判別し、S7208の処理が実行されるように構成しているが、例えば、第1特別図柄の抽選結果として小当たりに当選するように構成する場合は、S7203の処理において大当たりでは無いと判別した場合に(S7203:No)、小当たりに当選しているか否かを判別し、判別結果に応じた処理を実行するように構成すれば良い。この場合、図145を参照して後述する特図2外れ変動処理(図145のS7708参照)に対して、第2特別図柄に替えて第1特別図柄を対象とする点のみ相違した処理を実行すれば良い。
次に、図140を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図138、S7004)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S7107)について説明する。図140はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S7107)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図140、S7107)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図139、S7106)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S7301)。ここで、大当たりであるか否かの判別は、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオンであるか否かで判別する。この大当たりフラグ203caは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)におけるS7204の処理でオンに設定されるものである。
S7301の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(S7301:Yes)、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)におけるS7201の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1当たり種別選択4テーブル202cb(図130参照)より大当たり種別を決定(選択)し(S7302)、S7303の処理へ移行する。
一方、S7301の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、第1特別図柄に対する大当たりフラグ203caがオフである)と判別した場合には(S7301:No)、S7302の処理をスキップして、S7303の処理へ移行する。
S7303の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値を取得する(S7303)。次いで、現在の遊技状態に対応した変動パターン4テーブル202cd(図131〜図133参照)を読み出して(S7304)、S7305の処理へ移行する。ここで、本第4実施形態では、遊技状態として設定可能な時短状態を遊技者に有利な時短A(第1時短状態)と、時短Aよりも遊技者に不利となる時短B(第2時短状態)とを設定可能に構成しているため、設定し得る遊技状態が、通常状態、時短A、時短Bの3種類となるように構成しており、時短中カウンタ203kの値、及び、時短状態格納エリア203cdに格納されている情報に基づいて現在の遊技状態が判別されるように構成されている。
具体的には、時短中カウンタ203kの値が0である場合は現在の遊技状態が通常状態であると判別され、時短中カウンタ203kの値が1以上(0では無い)場合は、現在の遊技状態が時短状態であると判別される。そして、時短状態格納エリア203cdに時短Aを示す情報(例えば、時短状態が設定された大当たり種別を示す情報)が格納されている場合は、現在の遊技状態が時短A(第1時短状態)であると判別され、時短状態格納エリア203cdに時短Bを示す情報(例えば、時短状態が設定された大当たり種別を示す情報)が格納されている場合は、現在の遊技状態が時短B(第2時短状態)であると判別される。
なお、現在の遊技状態を判別する構成としては、本第4実施形態にて用いた構成に限定されるものでは無く、それ以外の構成を用いても良い。例えば、現在設定されている遊技状態を常時更新しながら一時的に格納する遊技状態格納エリアを設け、その遊技状態格納エリアに格納されている情報を用いて現在の遊技状態を判別するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110のMPU201のRAM203の容量を増大させることになるが、現在の遊技状態を確実に判別することができる。さらに、設定可能な遊技状態の種別を増加(例えば、4種類)させた場合においても、容易に現在の遊技状態を判別することが可能となる。
S7305の処理では、読み出した変動パターンテーブル(現在の遊技状態に対応した変動パターンテーブル)から変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(7305)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S7306)。
S7306の処理が終了すると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定する(S7307)。次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(S7308)、本処理を終了する。
次に、図141を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図138参照)の一処理である遊技状態更新処理(S7108)について説明する。図141は、この遊技状態更新処理(S7108)を示すフローチャートである。この遊技状態更新処理(図141のS7108参照)では、時短状態が継続して設定される特別図柄変動回数を減算するための処理が実行される。
つまり、上述した各実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件の更新を、特別図柄の変動を停止するタイミングで実行するように構成しているのに対して、本第4実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件の更新を、特別図柄の変動を開始するタイミングで実行するように構成している。このように構成することで、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動(抽選)を独立して実行可能な処理を用いた場合であっても(特別図柄の変動開始順序と特別図柄の変動停止順序とが入れ替わってしまう場合であっても)、予め定められた特別図柄の変動回数に対応させて適切に時短状態を設定することができる。
遊技状態更新処理(図141参照)が開始されると、まず、時短中カウンタ203kの値が0より大きいか否か、即ち、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別する(S7401)。時短中カウンタ203kの値が0であると判別した場合には(S7401:No)、即ち、現在の遊技状態が時短状態では無いと判別した場合には、S7402、S7403の処理をスキップし、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203kの値が0より大きいと判別した場合には(S7401:Yes)、即ち、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合には、時短中カウンタ203kの値を1減算して(S7402)、時短中カウンタ203kの値を示す残時短回数コマンドを設定(S7403)した後、本処理を終了する。
ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1501)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、残時短回数コマンドを受信すると、その残時短回数コマンドから時短中カウンタ203kの値を抽出し、抽出した値をRAM223の時短情報更新エリア223gに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、時短情報更新エリア223gの値を更新するので、主制御装置110の時短中カウンタ203kの値と同期させながら、その値を更新することができる。
次に、図142を参照して、特別図柄変動処理4(図137、S194)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S7005)について説明する。図142は、この第1特別図柄変動停止処理(S7005)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(S7005)では、変動時間が経過した際に第1特別図柄を停止させる処理と、第1特別図柄が大当たりを示す図柄の組み合わせで停止した場合に、変動中の第2特別図柄を、外れを示す図柄の組み合わせで強制的に停止表示させる処理が実行される。
第1特別図柄変動停止処理(図142、S7005)では、まず、第1特別図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判別し(S7501)、終了タイミングであると判別した場合には(S7501:Yes)、第1特別図柄(特図1)に対して、大当たりフラグ203caがオンに設定されているか判別する(S7502)。第1特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオンに設定されていると判別した場合には(S7502:Yes)、特図2変動停止フラグ203ccをオンに設定し(S7503)、特図2変動停止フラグ203ccがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S7504)。次いで、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S7505)。
S7505の処理を終えると、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(S7506)、大当たりフラグ203ca、時短中カウンタ203kをリセットする(S7507)。次いで、大当たり開始フラグ203cをオンに設定し(S7508)、大当たり中フラグ203dをオンに設定し(S7509)、S7510の処理へ移行する。
一方、S7502の処理において、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオフに設定されていれば(S7502:No)、S7503〜S7509の処理をスキップし、S7510の処理へ移行する。
S7510の処理では、第1特別図柄を確定停止(停止表示)することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図1確定コマンドを設定する(S7510)。その後、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S7511)、本処理を終了する。
一方、S7501の処理において、実行中の第1特別図柄の変動表示の終了タイミングでないと判別した場合には(S7501:No)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の表示を更新し(S7512)、本処理を終了する。このS7512の処理が実行されている期間中は第1図柄表示装置37上で特別図柄が変動表示される。
このように、第1特別図柄変動停止処理(S7005)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(S7501:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S7503〜S7511)が実行される。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判別された場合に(S7502:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(S7503,S7504)が実行される。
なお、本第4実施形態では、第1特別図柄の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たり図柄を停止表示させる時点で、第2特別図柄の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、第1特別図柄の大当たりが終了した後(大当たり遊技が終了した後)で、第2特別図柄の変動表示を再開する構成としてもよい。これにより、外れで強制停止させる場合に比較して、自然な態様の演出にすることができる。
また、本第4実施形態では、第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)にて当選時状態格納エリア203cfに格納された遊技状態に基づいて、第1特別図柄変動停止処理(図142参照)のS7506の処理にて大当たりシナリオを設定しているが、例えば、大当たり遊技のオープニング期間を用いて第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)にて当選時状態格納エリア203cfに格納された遊技状態に基づいて、S7506の処理にて大当たりシナリオを設定するようにしてもよい。
さらに、本第4実施形態では、第1特別図柄(一方)の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、第2特別図柄(他方)を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものでは無く、例えば、一方図柄(例えば、第1特別図柄)の停止図柄を小当たり図柄、即ち、小当たりに当選したことを示す組み合わせの停止図柄で停止表示させる場合に、他方図柄(例えば、第2特別図柄)を外れ図柄で強制的に停止させるように構成しても良いし、一方図柄(例えば、第1特別図柄)の小当たり図柄を停止表示させる時点で、他方図柄(例えば、第2特別図柄)の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、一方図柄(例えば、第1特別図柄)の大当たりが終了した後(大当たり遊技が終了した後)で、他方図柄(例えば、第2特別図柄)の変動表示を再開する構成としてもよい。
また、本第4実施形態や上述した例では、一方の特別図柄が当たりを示す特定の停止図柄(大当たり図柄、小当たり図柄)で停止表示させる場合に、他方の特別図柄の変動を停止或いは仮停止する構成を説明したが、両者の当たり遊技が同時に実行されないように構成されていれば、それ以外の構成を用いても良く、例えば、一方の特別図柄が当たりを示す停止図柄(例えば、大当たり図柄)で停止表示されたとしても、他方の特別図柄の変動を停止、仮停止させることなく続行させ、一方の特別図柄に基づく当たり遊技(例えば、大当たり遊技)の実行中に、他方の特別図柄が当たりを示す停止図柄(例えば、大当たり図柄)で停止表示された場合に、その他方の特別図柄に基づく当たり遊技(例えば、大当たり遊技)の実行を、一方の当たり遊技が終了するまで待機(延期)させるように構成しても良い。
このように構成することで、遊技者に対して複数の特別図柄の抽選結果を確実に報知することができると共に、複数の当たり遊技が同時に発生してしまい分かり難い遊技を提供してしまうことを抑制することができる。さらに、1つの当たり遊技が終了した後に、続けて他の当たり遊技を開始させることができるため、遊技者に有利な特典(当たり遊技)を連続して提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、このような構成を用いる場合には、一方の当たり遊技中に実行される演出(当たり演出)を用いて、他方の特別図柄において大当たりに当選した(大当たり図柄が停止表示した)ことを遊技者に報知するように構成すると良い。これにより、遊技者は当たり遊技に集中しながらも、他方の特別図柄の抽選結果を把握することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。さらに、一方の当たり遊技中に実行される他方の特別図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)場合には、実行中の当たり演出を用いて外れであることを報知しないように構成すると良い。これにより、特別図柄の抽選結果が遊技者に新たに特典を付与することが無い抽選結果である場合には、現在付与されている特典に対する演出を優先して遊技者に提供することになるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
加えて、本第4実施形態では、複数の特別図柄に対して独立(並行)して抽選を行い、その抽選結果として一方の特別図柄が当たり(小当たり、大当たり)を示す停止図柄で停止表示された時点で、他方の特別図柄の変動(抽選)を強制的に外れとする制御を実行するものであるが、それ以外の構成として、例えば、一方の特別図柄の抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)である場合に(抽選結果が当たりである特別図柄の変動が開始された場合に)、それ以降に実行される他方の特別図柄の抽選において、当たりとなる抽選結果を排除した強制抽選(取得した第1当たり乱数カウンタ値C1の全範囲に対して外れが規定されている特殊なテーブルを用いた判定)を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、複数の特別図柄の抽選を独立して実行したとしも、複数の当たり遊技が同時に実行されることを抑制することができる。また、当たりを示す停止図柄が停止表示されたタイミングでは無く、特別図柄の抽選を行ったタイミング(当たりを示す停止図柄が停止表示されることになる変動の開始タイミング)によって、他方の特別図柄に対して強制的な外れ制御を行うことができるため、他方の特別図柄の変動表示中に実行される演出内容と、他方の特別図柄の抽選結果とに矛盾が生じてしまう事態を抑制することができる。
次に、図143を参照して、特別図柄変動処理4(図137、S194)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S7007)について説明する。図143はこの第2特別図柄変動開始処理(S7007)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図143、S7007)では、まず、特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されているかを判別する(S7601)。特図2変動停止フラグ203ccがオンに設定されていると判別した場合には(S7601:Yes)、特図2変動停止フラグ203ccをオフに設定し(S7607)、本処理を終了する。特図2変動停止フラグ203ccは、上述した通り、第1特別図柄の大当たり変動が終了する際に(第1特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示す停止図柄(大当たり図柄)で停止表示する際に)、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止表示させると共にオンに設定されるフラグである。即ち、特図2変動停止フラグ203ccがオンであれば、大当たりが開始されることを意味するので、第2特別図柄の変動開始を設定すべきではない。
このため、S7601の処理で特図2変動停止フラグ203ccがオンの場合は、変動開始を設定するS7602〜S7606の各処理を実行せずに、そのまま本処理を終了する構成としている。このように構成することで、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示された際に強制的に停止させた第2特別図柄が同一処理内で再度変動を開始してしまうことを防止することができる。なお、本第4実施形態では、図137の特別図柄変動処理4(S194)を参照して説明をした通り、第1特別図柄に関する変動処理を実行した後に、第2特別図柄に係る変動処理を実行するように構成しているため、特図2変動停止フラグ203ccを用いているが、例えば、図137の特別図柄変動処理4(S194)において、第2特別図柄に関する変動処理を実行した後に、第1特別図柄に係る変動処理を実行するように構成した場合には、特図2変動停止フラグ203ccに替えて、特図1変動停止フラグ(対象を第2特別図柄から第1特別図柄に変えたフラグ)を用いるように構成すれば良い。
また、本第4実施形態のように、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して(並行して)変動(抽選)を実行可能に構成し、一方の特別図柄の抽選結果が当たりを示す場合において、遊技者にとって有利となる特別図柄に対する変動処理が先に実行されるように各特別図柄の変動処理(特別図柄変動処理4(図137参照))を規定すると良い。これにより、例えば、第1特別図柄と第2特別図柄とに保留記憶機能(保留記憶手段)を設け、大当たり遊技終了後に同時(同一処理内)に特別図柄の変動を開始させる場合において、遊技者にとって有利となる特別図柄の抽選結果を優先して取り扱うことが可能となり、遊技者に対して不利な遊技が提供されてしまうことを抑制することができる。
具体的には、例えば、遊技者に有利な特典(例えば、16ラウンド当たり)を付与し易い第1特別図柄抽選と、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な特典を付与し難い第2特別図柄抽選を独立して実行可能な遊技機において、それぞれの特別図柄の抽選を実行するための権利を、複数個(例えば4個)を上限に記憶可能な記憶手段を設け、大当たり遊技終了後等、各特別図柄の抽選が同時(同一処理)に行われ、各特別図柄の抽選結果として、何れも、変動時間が同一(例えば、30秒)で当たりを示す抽選結果となった場合に、第1特別図柄に関わる処理を優先して実行するように構成することで、第2特別図柄の抽選結果に関わらず、第1特別図柄の当たり遊技(遊技者に有利な特典)を付与することができる。
一方、S7601の処理において、特図2変動停止フラグ203ccがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(S7601:No)、第2入球口640に対する入賞(入球)を検出したか否かを判別する(S7602)。第2入球口640への入賞(入球)を検出していれば(S7602:Yes)、次に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、及び、小当たり種別カウンタC5の各値を取得して特別図柄保留球実行エリアに格納し(S7603)、格納した各カウンタ値に基づいて第2特別図柄の大当たり判定を実行するための第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(S7604)。この第2特別図柄大当たり判定処理の詳細については、図144を参照して後述する。
S7604の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄の抽選結果、およびS7603の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを選択するための第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S7605)。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S7605)の詳細については、図146を参照して後述する。S7605の処理が終了した後は、上述した遊技状態更新処理(図141参照)を実行し(S7606)、本処理を終了する。
一方、S7602の処理において、第2入球口1640に対する入賞を検出していないと判別した場合は(S7602:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第4実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立(並行)して変動(抽選)を実行可能に構成されており、且つ、特別図柄の変動(抽選)が実行される時点で遊技状態を更新する処理(時短回数を減算する処理)を実行するように構成されている。つまり、時短状態が設定されている状態で、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時(同一処理内)に変動(抽選)させる処理を実行する場合には、時短回数が2つ減算されることになる。
ここで、本第4実施形態では、複数の特別図柄を独立(並行)して変動(抽選)する構成を用いているが、第3図柄表示装置81では、遊技状態に応じて一方の特別図柄を主特別図柄とし、あたかも主特別図柄のみを用いた遊技が行われているかのように見せる演出を実行するように構成し(図126参照)、遊技者に分かり易い演出を提供している。しかしながら、このように主特別図柄のみを強調した変動表示を第3図柄表示装置81にて実行している場合であっても、内部的には、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動(抽選)に伴って時短回数が減算されていることから、時短回数の表示態様と、遊技状態の更新状況(内部的な時短回数)とに矛盾が生じてしまう。或いは、主特別図柄のみを強調した変動表示の演出内容に対して時短回数の表示態様の更新内容が矛盾してしまうという問題があった。
このような問題に対して、詳細な内容は後述するが、本第4実施形態では、表示用の時短回数(残時短回数)を主特別図柄の変動(抽選)回数に応じて更新するように表示制御を行い、表示上の時短回数と、実際の時短回数とに差異が生じた場合には、主特別図柄の変動パターンが所定条件(例えば、変動時間が30秒以上)を満たしているかを判別し、所定条件を満たしていると判別した場合に、表示上の時短回数と、実際の時短回数との差を埋めるように表示用時短回数を補正する処理を実行するように構成している。
このように構成することで、遊技者は第3図柄表示装置81にて実行される主特別図柄に対応して実行される演出に注目しながら遊技を行うだけで、適切な時短状況(残時短回数)を把握することができ、分かり易い遊技を行わせることができる。
次に、図144を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図143、S7007)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S7604)について説明する。図144はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S7604)を示すフローチャートである。
この第2特別図柄大当たり判定処理(図144、S7604)では、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)と同様の処理が実行されるので、第1特別図柄大当たり判定処理(図139参照)との相違点について中心に説明する。
第2特別図柄大当たり判定処理(S7604)が実行されると、特別図柄保留球実行エリア(第2特別図柄保留球実行エリア)に格納された各カウンタ値を取得する(S7701)。そして、取得した各カウンタ値と、第1当たり乱数4テーブル202caとに基づいて大当たりか否かの抽選結果を取得するためのS7702の処理を実行する。これらの各処理では、抽選(判定)に用いるカウンタ値を特別図柄保留球実行エリア(第2特別図柄保留球実行エリア)から取得する点が相違するのみで、その他については第1特別図柄大当たり判定処理(図137参照)と同一の制御が実行される。
S7702の処理が終了すると、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S7703)、大当たりであると判別した場合は(S7703:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS7704〜S7707の処理を実行し、本処理を終了する。これらのS7704〜S7707の各処理では、それぞれ第1特別図柄大当たり判定処理(図137参照)において第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS7204〜S7207の各処理と同様の処理が実行される。
一方、S7703の処理において、取得した第2特別図柄の抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(S7703:No)、第2特別図柄の小当たり、または外れに対応する停止図柄を設定するための特図2外れ変動処理を実行し(S7708)、本処理を終了する。次に、この特図2外れ変動処理の詳細について、図145を参照して説明する。図145は、この特図2外れ変動処理(S7708)を示すフローチャートである。
特図2外れ変動処理(S7708)では、まず、図144のS7702の処理で取得した抽選結果が第2特別図柄の小当たりであるかを判別し(S7801)、抽選結果が小当たりであれば(S7801:Yes)、小当たりフラグ203cbをオンに設定して(S7802)、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定する(S7803)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を示す小当たり図柄を、第1図柄表示装置37に表示する停止図柄としてセットし(S7804)、本処理を終了する。
一方、S7801の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S7801:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S7805)、その後、本処理を終了する。
次に、図146を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図145、S7007)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S7605)について説明する。図146はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S7605)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図146、S7605)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(第2特別図柄実行エリア)から、変動種別カウンタCS1の値を取得する(S7901)。次いで、第2特別図柄大当たり判定処理(図144、S7604)において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか否か、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S7902)。ここで、大当たりであるか否かの判別は、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオンであるか否かで判別される。この大当たりフラグ203caは、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図144参照)におけるS7704の処理でオンに設定されるものである。
S7902の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S7902:Yes)、現在の遊技状態に対応した変動パターン4テーブル202cd(図131〜図133参照)を読み出す(S7903)。そして、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図144参照)におけるS7701の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1当たり種別選択4テーブル202cb(図131(a)参照)より大当たり種別を決定する(S7904)。
S7904の処理が終了すると、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S7905)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(S7906)。そして、S7908の処理へ移行する。
一方、S7902の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていないと判別された場合には(S7902:No)、特図2外れ変動パターン選択処理(S7907)を実行し、S7908の処理へ移行する。
S7908の処理では、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(S7908)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(S7909)、その後、本処理を終了する。
次に、図147を参照して、この特図2外れ変動パターン選択処理(S7907)について説明する。図147は、特図2外れ変動パターン選択処理(S7907)の内容を示したフローチャートである。
特図2外れ変動パターン選択処理(図147、S7907)では、まず、第2特別図柄の抽選結果は、小当たりであるか判別する(S8001)。ここでは、小当たりフラグ203cbがオンに設定されているか判別する(S8001)。小当たりフラグ203cbがオンであると判別した場合には(S8001:Yes)、第2特別図柄実行エリアから小当たり種別カウンタC5の値を取得する(S8002)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値と小当たり種別選択4テーブル202ce(図134参照)に基づいて、小当たり種別を選択する(S8003)。
次に、現在の遊技状態に対応した変動パターン4テーブル202cd(図131〜図133参照)を読み出し(S8004)、読み出した変動パターン選択テーブルから、変動種別カウンタCS1の値に対応する小当たりの変動パターンを選択する(S8005)。その後、選択した小当たり変動パターンを示す特図2変動パターンコマンドを設定し(S8006)、本処理を終了する。
一方、S8001の処理において、第2特別図柄の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(S8001:No)、現在の遊技状態に対応した変動パターン4テーブル202cd(図131〜図133参照)を読み出し(S8007)、読み出した変動パターン選択テーブルより、変動種別カウンタCS1の値に対応する外れの変動パターンを選択する(S8008)。その後、選択した外れの変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定し(S8009)、本処理を終了する。
次に、図148を参照して、特別図柄変動処理4(図137、S194)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S7008)について説明する。図148はこの第2特別図柄変動停止処理(S7008)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(S7008)では、まず、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(S8101)。S8101の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(S8101:Yes)、第2特別図柄(特図2)に対して、大当たりフラグ203caがオンに設定されているか判別する(S8103)。第2特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオンに設定されていると判別した場合には(S8103:Yes)、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(S8105)、S8106の処理へ移行する。
次に、S8106以降の処理は、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図140、S7005)のS7505以降の処理に対して、次の点で相違する。S7505およびS7512の処理に対応するS8106およびS8102の処理で、第1特別図柄が第2特別図柄に変更される点と、S7511の処理に対応するS8112の処理で、特図1確定コマンドが特図2確定コマンドに変更される点とでそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
一方、S8101の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(S8101:No)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の表示を更新し(S8102)、本処理を終了する。また、S8103の処理において、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203caがオフに設定されていれば(S8103:No)、特図2外れ停止処理を実行し(S8104)、本処理を終了する。
次に、図149を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図148、S7008)の一処理である特図2外れ停止処理(S8104)について説明する。図149はこの特図2外れ停止処理(S8104)を示すフローチャートである。
特図2外れ停止処理(図149、S8104)では、まず、小当たりフラグ203cbがオンに設定されているか判別する(S8201)。小当たりフラグ203cbがオンに設定されていると判別した場合には(S8201:Yes)、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(S8202)。次いで、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S8203)。
S8203の処理を終えると、選択されている小当たり種別に基づいた小当たりシナリオを設定する(S8204)。その後、小当たりフラグ203cbをオフに設定し(S8205)、小当たり中フラグ203gをオンに設定する(S8207)。
S8207の処理が終了すると、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S8208)。その後、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(S8209)、本処理を終了する。
一方、S8201の処理において、小当たりフラグ203cbがオフである(即ち、第2特別図柄の抽選結果が外れである)と判別された場合は(S8201:No)、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S8210)。その後、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(S8211)、本処理を終了する。
次に、図150を参照して、本第4実施形態における大当たり制御処理4(S1594)の内容について説明をする。図150は大当たり制御処理4(S1594)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理4(S1594)は、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図52のS1504参照)に対して、エンディング演出の終了タイミング、即ち、大当たり遊技の終了タイミングにおいて実行される処理(大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する処理)の内容を異ならせた点で相違している。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した第1実施形態と本第4実施形態とでは、遊技盤13の構成や主制御内容で相違する箇所があるため、大当たり中において詳細な動作内容が異なる場合もあるが、そのような場合においても処理内容は同一であるとしその詳細な説明を省略する。
まず、大当たり制御処理4(S1594)が実行されると、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図52のS1504参照)と同一のS1601〜S1612の処理を実行する。即ち、大当たりが開始されてから大当たりが終了するまでの期間は、大当たり制御処理(図52のS1504参照)と同一の処理が実行される。そして、S1612の処理において、現在がエンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1612:Yes)、次に、今回の大当たり種別が大当たりCであるかを判別する(S1691)。
このS1691の処理では、V通過大当たり種別格納エリア203hに格納されている情報や、現在実行されている大当たり種別を一時的に記憶するメモリエリアに格納されている情報に基づいて、今回の大当たり種別を判別する。
S1691の処理において、今回の大当たり種別が大当たりCでは無い(大当たりA,B,Dの何れかである)と判別した場合は(S1691:No)、即ち、今回の大当たり終了後(大当たり遊技終了後)に時短状態が設定されると判別した場合は、次いで、今回の大当たり種別が大当たりDであるかを判別する(S1692)。上述した通り、本第4実施形態では、大当たり種別が大当たりA,Bの場合と、大当たりDの場合とで遊技者に対する有利度合いが異なる時短状態が設定されるように構成されていることから、S1692の処理は、遊技者に有利な時短状態(第1時短状態)を設定するか第1時短状態よりも不利な時短状態(第2時短状態)を設定するかを判別するための処理となる。
S1692の処理において、今回の大当たり種別が大当たりDでは無いと判別した場合は(S1692:No)、時短状態格納エリア223cbに時短A状態を示す情報を格納し(S1693)、S1694の処理へ移行する。一方、S1692の処理において、今回の大当たり種別が大当たりDであると判別した場合は(S1692:Yes)、時短状態格納エリア223cbに時短B状態を示す情報を格納し(S1695)、S1694の処理へ移行する。
ここで時短A状態が設定された場合、即ち、今回の大当たり種別が大当たりA,Bの場合は、時短状態中における特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動パターンを選択する際に、時短A用変動パターンテーブル202cd2(図133(a)参照)が参照され、第1特別図柄の変動(抽選)よりも、第2特別図柄の変動(抽選)が実行され易くなる時短遊技が実行され、時短B状態が設定された場合、即ち、今回の大当たり種別が大当たりDの場合は、時短状態中における特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動パターンを選択する際に、時短B用変動パターンテーブル202cd3(図134(b)参照)が参照され、第1特別図柄の変動(抽選)が、第2特別図柄の変動(抽選)よりも実行され易くなる時短遊技が実行される。
つまり、本第4実施形態では、時短状態中の変動パターンを選択する際に参照する変動パターンテーブルを時短状態が設定された大当たり種別に応じて設け、時短状態中に実行される第1特別図柄の変動パターン(変動時間)と、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を時短状態が設定された大当たり種別によって異ならせることにより、第2特別図柄が主特別図柄となる時短状態(時短A)と、第1特別図柄が主特別図柄となる時短状態(時短B)とを設定可能に構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利な特典を付与し易くなるように構成している。
このように構成することで、本第4実施形態では、遊技状態として設定される時短状態として、遊技者に不利側の時短状態(時短B)と、遊技者に有利側の時短状態(時短A)とを設定することができる。よって、遊技者に対して有利度合いの異なる複数の遊技状態を設定することができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、上述した通り、各特別図柄の変動パターン(変動時間)を異ならせるだけで、有利度合いの異なる遊技状態を設定することができるため、有利度合いを異ならせるための特別な構成を用いる必要が無く、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
図150に戻り説明を続ける。S1693、或いはS1695の処理を終えると、次に、時短中カウンタ203kの値に100を設定し(S1694)、設定した遊技状態を音声ランプ制御装置113へ通知するための状態コマンドを設定する(S1696)。その後、上述した大当たり制御処理(図52のS1504参照)と同一のS1617,S1618の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、本第4実施形態では、複数の時短状態(時短A、時短B)を設定可能に構成し、何れの時短状態を設定した場合であっても、時短中カウンタ203kの値に100を設定するように構成している。つまり、本第4実施形態における時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する変動回数終了条件のみを設定するように構成しているが、これに限ること無く、上述した各実施形態と同様に、時短終了条件が複数設定された時短状態を設定するように構成しても良い。
さらに、本第4実施形態では、設定された時短状態の種別(時短A、時短B)に関わらず、同一の時短終了条件(時短中カウンタ203kの値に100)を設定するように構成しているが、設定された時短状態の種別に応じて、異なる時短終了条件を設定しても良く、遊技者にとって有利な時短遊技が行われる時短状態が設定されている場合に、有利者にとって不利な時短遊技が行われる時短状態が設定されている場合よりも、成立し難い時短終了条件が設定されるように構成しても良い。
次に、図151を参照して、本第4実施形態における小当たり制御処理4の内容について説明をする。図151は小当たり制御処理4(S1595)の内容を示したフローチャートである。この小当たり制御処理4(図151のS1595参照)は、上述した第1実施形態の小当たり制御処理(図53のS1505参照)に対して、V入賞口の開放タイミングで実行する処理の一部を削除した点で相違し、それ以外は同一の処理を実行する。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たり制御処理4(図151のS1595)が実行されると、まず、上述した小当たり制御処理(図53のS1505参照)と同一のS1701〜S1706の処理を実行し、S1706の処理を終えると、S1707およびS1708の処理をスキップしてS1709、S1710の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S1705の処理において、現在がV入賞口開放タイミングでは無いと判別した場合は(S1705:No)、上述した小当たり制御処理(図53のS1505)の処理と同一のS1711〜S1721の処理を実行して本処理を終了する。
以上説明をした通り、本第4実施形態は、第1特別図柄の抽選(変動)と第2特別図柄の抽選(変動)とが独立(並行)して実行可能な構成(所謂、同時変動構成)と、特別図柄の抽選によって大当たりに当選する1種当たりと、特別図柄の抽選によって小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に大当たりを獲得する2種当たりと、を実行可能な構成(所謂、1種2種混合構成)と、を有している点で、上述した各実施形態と相違している。
そして、時短状態が設定されている遊技状態において、第1特別図柄の変動が主に実行される時短状態(時短B)と、第2特別図柄の変動が主に実行される時短状態(時短A)とを、同時変動において設定される各特別図柄の変動パターン(変動時間)を可変させることで設定可能に構成している。
さらに、第1特別図柄よりも、第2特別図柄のほうが小当たりに当選し易いように構成し、上述した時短Aが設定される時短状態のほうが、時短Bが設定される時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように構成している。また、時短Bが設定される時短状態は、第1特別図柄の変動(抽選)回数が通常状態よりも多くなるように構成している。
つまり、上述した1種2種混合構成を有するパチンコ機10に、上述した同時変動構成を適用し、時短状態中における各特別図柄の変動パターン(変動時間)を、大当たり種別に応じて異ならせるように構成することにより、第2特別図柄の変動(抽選)を数多く実行させる時短遊技と、第1特別図柄の変動(抽選)を数多く実行させる時短遊技とを実行することができる。
加えて、第1特別図柄よりも第2特別図柄のほうが小当たりに当選し易い(第1特別図柄では小当たり抽選を行わない構成も含む)ように構成することで、時短状態中における時短遊技を、1種当たりと2種当たりの両方を狙うことで遊技者に有利な有利時短状態(第2特別図柄の変動(抽選)を数多く実行させる時短遊技)と、1種当たりのみを狙う不利時短状態(第1特別図柄の変動(抽選)を数多く実行させる時短遊技)とを設定することができる。また、不利時短状態が設定された場合であっても、通常状態よりも第1特別図柄の変動(抽選)を実行し易くすることができる。
よって、遊技者に有利な遊技状態として、通常状態よりも2種当たりを獲得し易い遊技状態(時短状態)のみが設定可能な従来の1種2種混合構成を有する遊技機に対して、有利段階の異なる複数の遊技状態を設定し、遊技者に様々な遊技を提供することが可能となり、興趣に富んだ遊技を提供することができる。
以上のように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりまたは小当たりの停止表示とされる場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図152および図153を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。本第4実施形態では、上述した各実施形態に対して、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の抽選(変動)を重複して実行可能に構成(所謂、同時変動構成)している点で大きく相違している。
さらに、本第4実施形態では、時短状態として、第1特別図柄の変動(抽選)を主に実行する時短状態(時短B)と、第2特別図柄の変動(抽選)を主に実行する時短状態(時短A)とを設定可能に構成しており、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される時短回数(表示上の時短回数)を、設定される時短状態に応じて異ならせるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面上で実行される変動演出の回数(主特別図柄の変動回数)に応じた時短回数を表示することができる。
具体的には、本第4実施形態は、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選するように構成しており(図129(b)参照)、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に(小当たりを示す小当たり図柄で停止表示した場合に)、第1特別図柄の変動を、外れを示す外れ図柄で強制的に停止表示されるように構成している。
そして、第2特別図柄の抽選が994/1000の割合で小当たりに当選するように構成していることから(図129(b)参照)、時短Aが設定された遊技状態においては、時短回数として100回が設定されたとしも、主特別図柄(第2特別図柄)の変動(抽選)を50回程度しか実行することができない。
よって、時短Aが設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に表示用時短回数として50回を表示するように構成し、主特別図柄(第2特別図柄)の変動(抽選)が実行される毎に表示用時短回数を更新(減算)するように構成している。これにより、実際には時短回数100回が設定され、強制停止される第1特別図柄の変動にも対応して時短回数が減算されていることを遊技者に気付かせること無く、あたかも時短回数として50回が設定されたのではと思わせることができ、分かり易い遊技を提供することができる。
なお、上述した時短回数表示を行う場合には、例えば、第2特別図柄の抽選によって外れに当選した場合や、第1特別図柄の保留記憶が無くなり第1特別図柄の新たな変動が開始されておらず、第2特別図柄の小当たりに当選した時点(小当たり図柄を停止表示した時点)で第1特別図柄が変動していない場合において、つまり、第2特別図柄の変動を停止させるタイミングで第1特別図柄の変動を停止させることができない事態が発生した場合には、時短状態中に実行可能な第2特別図柄(主特別図柄)の変動回数が表示用時短回数よりも多くなってしまい、第2特別図柄の変動中や、第2特別図柄の変動が行われていない状態で第1特別図柄の変動が停止し、第1特別図柄の新たな変動を開始する場合には、第2特別図柄の変動に関わらず第1特別図柄の変動が実行されるため、時短状態中に実行可能な第2特別図柄(主特別図柄)の変動回数が表示用時短回数よりも少なくなってしまうという問題が発生する。
これに対して、本第4実施形態では、表示用時短回数と実際の時短回数とに所定の誤差が生じた場合に、その誤差を補正するための時短回数補正演出を実行するように構成している(図127参照)。これにより、今回設定された時短状態中に実行される主特別図柄の変動回数(時短状態中に実行される残回数)と、表示用時短回数とに誤差が発生したまま時短状態が終了してしまい、遊技者に違和感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、時短状態中に実行される主特別図柄の変動に応じて表示用時短回数を更新するため、遊技者は第3図柄表示装置81にて表示される変動表示と、時短回数とに注目するだけで安心して時短状態中の遊技を行うことができる。
なお、上述した時短回数の補正演出として、表示用時短回数が実際の時短回数に対して多くなった場合に実行される減算補正演出は、選択された主特別図柄の変動パターンが所定時間(例えば、30秒)以上であるかを判別し、所定時間以上の変動パターンである場合に、1回の特別図柄変動を複数回の特別図柄変動に見せる疑似変動演出(疑似的な変動停止と疑似的な変動を繰り返す変動演出)を実行し、疑似的に変動を停止(仮停止)した時点、或いは、仮停止した状態から変動を再開する時点で表示用時短回数を更新(減算)する演出が実行される。これにより、1回の特別図柄変動中に違和感無く表示用時短回数を減算することができる。
一方で、表示用時短回数が実際の時短回数に対して少なくなった場合に実行される加算補正演出は、選択された主特別図柄の変動パターンが所定時間(例えば、30秒)以上であるかを判別し、所定時間以上の変動パターンである場合に、表示画面上に表示用時短回数が加算されることを示すための加算表示を実行し、表示用時短回数を加算するように構成すれば良い。これにより、遊技者に対して途中で時短回数が加算されたと思わせることができる。
上述した通り、本実施形態では、同一の時短回数が設定される場合であっても、設定される時短状態に応じて、表示される時短回数を異ならせて設定することにより、遊技者に対して違和感を与えること無く時短状態中の遊技を行わせることができる。また、予め表示する時短回数を設定される時短状態に応じて異ならせているため、時短状態中に表示用時短回数を補正する演出を実行する頻度を低下させることができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、時短状態中に表示時短回数を補正する補正演出の演出態様は上述したものに限られず、例えば、主特別図柄の変動表示に対応する演出として、表示用時短回数を複数個減らすことを示すアイテムを表示画面に表示することで、1回の主特別図柄変動において表示用時短回数を複数減算するように構成しても良いし、予め、50よりも少ない回数を表示用時短回数として表示し、減算補正演出の実行頻度を極度に低下させるように構成しても良い。
加えて、加算補正演出の演出態様も上述したものに限られること無く、例えば、表示用時短回数が「1回」となった後に、「?回」を表示し、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者分からなくするように構成しても良いし、主特別図柄変動の抽選において連続して外れに当選していることを事前に把握した場合に、複数の主特別図柄変動を1つの主特別図柄変動に見せるように疑似的な変動を行うように構成し、実際には主特別図柄変動が2回実行されたにも関わらず、表示用時短回数を1回しか減算しないように構成しても良い。
また、表示用時短回数と実際の時短回数とに誤差が生じない場合においても、意図的に、減算補正演出と加算補正演出とを実行するように構成しても良い。これにより、時短状態中に様々な演出を実行することができるため、遊技者に飽きの来ない遊技を提供することができる。
本第4実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理の内容のうち、上述した第1実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理と相違する点について、図152及び図153を参照して説明をする。まず、図152を参照して、演出設定処理4(S2891)の内容について説明をする。図152は演出設定処理4(S2891)の内容を示したフローチャートである。
この演出設定処理4(S2891)は、上述した第1実施形態の演出設定処理(図63のS2804参照)に対して、一部の処理を上述した第2実施形態の演出設定処理2(図104のS2851参照)に置き換えた点と、設定される時短状態の種別(時短A、時短B)に応じて異なる表示用コマンドを設定する点と、実際の時短回数(残時短回数)に応じて表示用時短回数を補正する処理を追加した点と、で相違する。
演出設定処理4(図152のS2891参照)が実行されると、まず、上述した演出設定処理(図63のS2804参照)と同一のS2901及びS2902の処理を実行し、次いで、上述した演出設定処理2(図104のS2851参照)と同一のS3301の処理を実行する。S3301の処理において、時短開始フラグ223adがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3301:No)、即ち、時短状態が設定されている状態において、最初の特別図柄変動が終了している場合は、演出設定処理2(図104のS2851参照)と同一のS3306〜S3308の処理を実行し、その後、表示用時短回数補正処理を実行し(S3376)、本処理を終了する。
この表示用時短回数補正処理(S3376)では、時短状態中に第3図柄表示装置81に表示される表示用時短回数と、実際の時短回数とを判別し、判別結果に所定の誤差が発生した場合に、表示用時短回数の値を補正するための処理が実行される。この表示用時短回数補正処理(S3376)の詳細な内容については、図153を参照して後述する。
一方で、S3301の処理において、時短開始フラグ223adがオンに設定されていると判別した場合は(S3301:Yes)、現在設定されている時短状態の種別が時短Aであるかを判別し(S3371)、時短Aでは無いと判別した場合は(S3371:No)、表示用時短B開始コマンドを設定し(S3372)、S3374の処理へ移行する。ここで設定された表示用時短B開始コマンドは、上述した他の表示用コマンドと同等にコマンド出力処理により表示制御装置114に向けて出力され、図126(b)に示した表示画面を表示する際に参照される。
一方で、S3371の処理において時短Aであると判別した場合は(S3371:Yes)、表示用時短A開始コマンドを設定し(S3373)、S3374へ移行する。表示用時短A開始コマンドが設定されると、図126(a)に示した表示画面が表示される。
S3374の処理では、時短状態格納エリア223cbに、対応する時短状態(時短種別)を格納し(S3374)、時短開始フラグ223adをオフに設定し(S3375)、本処理を終了する。
次に、図153を参照して、表示用時短回数補正処理(S3376)の内容について説明をする。図153は表示用時短回数補正処理(S3376)の内容を示したフローチャートである。この表示用時短回数補正処理(S3376)では、図127を参照して上述下補正演出処理を実行するか否かの判定が行われる。
表示用時短回数補正処理(S3376)が実行されると、まず、表示用時短回数カウンタCaの値、即ち、表示画面の残時短回数表示領域Dm10に表示されている残時短回数を読み出す(S3701)。この表示用時短回数カウンタCaは、時短Aが設定されている場合、即ち、第2特別図柄の変動(抽選)が主に行われる時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄の変動が実行される毎に更新され、時短Bが設定されている場合、即ち、第1特別図柄の変動(抽選)が主に行われる時短状態が設定されている場合には、第1特別図柄の変動が実行される毎に更新される。
次に、時短情報更新エリア223gに格納されている実際の時短残回数を読み出し(S3702)、S3701の処理で読み出した値と、S3702の処理で読み出した値との差分を算出し(S3703)、S3703の処理において比較した値に差分があるかを判別し(S3704)、差分があると判別した場合は(S3704:Yes)、今回の変動パターンに設定されている変動時間を読み出し(S3705)、読み出した変動時間が所定時間(30秒)以上であるかを判別する(S3706)。
S3706の処理において、30秒以上であると判別した場合は(S3706:Yes)、次に、S3703の処理において算出した差分値に対応する疑似停止回数(疑似停止演出において特別図柄(第3図柄)を仮停止させる回数)を設定し(S3707)、設定した疑似変動回数(疑似停止回数)に対応する補正用変動パターンを決定する(S3708)。そして、表示用時短回数カウンタCaの値を時短情報更新エリアの値に補正し、本処理を終了する。一方で、S3704の処理において、差分なしと判別した場合(S3704:No)、或いは、S3706の処理において、変動時間が30秒以上では無いと判別した場合は(S3706:No)、そのまま本処理を終了する。
<第1実施形態における第1変形例について>
次に、図154を参照して、第1実施形態の変形例について説明をする。上述した第1実施形態では、図2に示した通り、左打ち遊技を実行することで第1特別図柄の抽選が実行され、右打ち遊技を実行することで第2特別図柄の抽選が実行されるように、左側領域に第1入球口64を配設し、右側領域に第2入球口640を配設する構成を用いていた。そして、第2特別図柄の抽選によって小当たりに当選した場合に、複数の小当たり種別(小当たりA〜C)を設定可能にし、時短状態が設定されている状態において小当たりに当選した回数に基づいて、詳しくは、小当たりに当選した差異に設定された小当たり種別の設定回数が所定回数に到達した場合に、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立するように構成していた。
これに対して、本変形例では、右打ち遊技を実行することで、第1特別図柄の抽選も第2特別図柄の抽選も実行し得るように構成している点で大きく相違している。このように、時短状態中に実行される右打ち遊技において、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とを実行し得るように構成することで、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄の抽選に基づく特図1終了条件と、第2特別図柄の抽選に基づく特図2終了条件を設定することが可能となる。
よって、時短状態が終了するタイミングを遊技者により把握させ難くすることができるため、遊技内容を容易に予測されてしまうことで単調な遊技となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、図154を参照して、本変形例のパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。なお、上述した第1実施形態の遊技盤13の構成と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図154に示した通り、本変形例のパチンコ機10は上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して、右側領域の構成が相違している。まず、右側領域の上流側に振分部材700を設け、右打ち遊技によって発射された球が振分部材の左側に形成される左側流路701と、右側流路702とに交互に振り分けられる。
左側流路の上流側には、その流下面を形成する可動蓋1500が設けられており、パチンコ機10に電源が投入されると、図示しない可動制御手段によって一定の開閉動作が実行されるように構成されており、可動蓋1500の下方に配設された右側第1入球口64bに球が入球可能な開放状態と、入球困難(不可能)な閉鎖状態とに、位置するように開閉動作が実行される。
具体的には、主制御装置110のメイン処理(図51参照)に4ミリ秒毎に実行される処理として、可動蓋開閉処理を設け、可動蓋開閉処理によって、0.1秒の開放期間と、2〜3秒の閉鎖期間とを予め定められたシナリオに沿って繰り返す開閉動作が実行される。このように開閉制御される右側第1入球口64bは、第1入球口64よりも球が入球し難くなるように構成されている。
そして、左側流路701を流下し、可動蓋1500上を流下した球は、左側流路701の屈曲部を流下し、左側流路701の流下端部に設けたスルーゲート67を通過して右側領域の下部領域へと流出する。さらに、左側流路701のスルーゲート67の上方に電動役物640aが侵入し得るように構成されており、電動役物640aが開放動作をした際に、左側流路701を流下する球が第2入球口640へと誘導されるように構成されている。
一方、振分装置700により右側流路702に振り分けられた球は、左側流路701の奥側(図154の視点で奥側)に設けられたワープ路704bの流入口704aへと流入し、右側領域の下部領域へと流出される。ここで、左側流路701の球流出位置と、右側流路702の球流出位置について図154を参照して説明をする。
ここで、常時可動部材1500の動作について詳細に説明をする。この常時可動弁1500は、パチンコ機10に電源が投入されたことに基づいて、予め定められたタイミングで開放位置(開放状態)と閉鎖位置(閉鎖状態)とに可変されるように構成されている。具体的には、主制御装置110のメイン処理(図53参照)において4ミリ秒毎に実行される可動部材駆動処理(図示せず)において、ROM203に格納されている可動シナリオに基づいて動作制御されている。この可動シナリオは、常時可動部材1500を0.1秒間開放させ、その後0.8秒間閉鎖させる動作を繰り返し実行するものである。
つまり、本変形例1の遊技盤13では、右打ち遊技にて発射された球が、1.2秒間隔で第1流路701に流入し、常時可動部材1500が配設されている転動面を転動しながら下流方向へと流下していく。この球が第1流路701に流入し、常時可動部材1500上を転動(または、常時可動部材上に落下)するタイミングと、常時可動弁1500が開放状態となるタイミングとが合致した場合に球が開放状態の常時可動部材1500を通過して、左第1入球口64bに入球することになる。
常時可動部材1500上を転動(または、常時可動部材上に落下)するタイミングは、1.2秒間隔であり、常時可動弁1500が開放状態となるタイミングとは、0.9秒中の0.1秒であるため、両者が合致するタイミングは約15.6秒に一回となる。即ち、右打ち遊技を連続して実行した場合には、1分間に約4発の球が左第1入球口64bに入球することになる。
つまり、大当たり遊技中や時短遊技中といった、右打ち遊技が継続的に実行される遊技状態においては、定期的に左第1入球口64bに球が入球することになるため、大当たり遊技が終了して時短状態に移行した場合に、特図1の保留が無い状態が発生することを防止することができる。また、常時可動弁1500が1回に開放する期間として、遊技者が狙い打ちすることが困難な期間(0.1秒)が設定されているため、遊技状態が通常状態において、左第1入球口64aを狙う左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に不利とすることができる。
具体的に説明をすると、遊技状態が通常状態の場合において、左打ち遊技を行うと、発射された250発の球のうち、左第1入球口64aに約15発が入球するように設計されており、球が入球した場合は5発の賞球が払い出される。また、一般入球口63に約5発が入球するように設計されており、球が入球した場合5個の賞球が払い出される。よって、左打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射させることも考慮すると、約20個の球を左第1入球口64aに入球させることが可能となる。
一方、遊技状態が通常状態の場合において、右打ち遊技を行った場合は、発射された250個の球のうち、右第1入球口64bに約9発が入球するように設計されており、球入球した場合は2発の賞球が払い出される。また、右側領域には一般入球口63が設けられていない。よって右打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射されることを考慮したとしても、約10個の球を右第1入球口64bに入球させることしかできない。従って、遊技状態が通常状態の場合において、遊技者が右打ち遊技を行うことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が通過する遊技領域(右側領域)に一般入賞口63を設けていないが、遊技状態が通常状態において、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利とならない程度の設計思想の基、一般入賞口63を配設してもよい。これにより、時短状態中や大当たり状態中の右打ち遊技において、賞球として払い出される球数を増加させることができる。
次に、本変形例1における遊技盤13の右側領域に配設された構成のうち、スルーゲート67と第2入球口640について、上述した第1実施形態の遊技盤13の構成との相違点を中心に説明する。
本変形例1では、屈曲部701aを有する第1流路701の下流部にスルーゲート67を配設し、第2流路702の下流部(第5流路704bの下端部)に第2入球口640を配設している。このように構成することで、1.2秒間隔で第2流路702に流入する球の流下速度を低下させることなく第2入球口640に向けて流下させることができる。よって、第2流路702を流下する球の流下間隔を一定にすることができるため、第2流路702内で球が連なってしまい複数の球が同時に第2入球口640に入球されてしまうことを抑制することができる。また、電動役物640aが開放動作されたことに気付かず、第3図柄表示装置81にて電動役物640aが開放していることが報知(図23(b)参照)された場合に、いち早く球を第2入球口640へ入球させることができる。
また、普通図柄の抽選の実行契機となるスルーゲート67と、普通図柄の当たり当選によって動作制御される電動役物640aと、を振分部材700によって振り分けられる異なる流路(第1流路701、第2流路702)に配設したため、振分部材700を何れか一方の流路にのみ球を流下させるように破壊された場合(振り分け機能を無効にした場合)に、第2入球口640に球を入球させ難くすることができる。つまり、振分部材700によって振り分けられる一方の流路にスルーゲート67と、電動役物640aを配設した場合、振分部材700を破壊し、一方の流路にのみ球を流下させる状態を作り出すことで第2入球口640に球を入球させやすい状態を作り出すことが可能となってしまうが、本変形例の構成を用いることで、不正に第2入球口640に球を入球させやすい状態を作り出すことを抑制することができる。
このように構成することで、時短状態が設定されている状態において右打ち遊技を行う場合に、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とを実行させることができる。また、遊技者に有利となる第2特別図柄の抽選を実行させるために第2入球口640を狙って球を発射したとしても、第2入球口640へ入球し得る球の流路である左側流路701に遊技者に不利となる第1特別図柄の抽選を実行させるための右側第1入球口64bを設けているため、第2特別図柄の抽選のみを実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本変形例では、遊技盤13の右側領域に第1特別図柄の抽選の契機となる入球口(左側第1入球口64b)と、第2特別図柄の抽選の契機となる入球口(第2入球口640)と、を設け、右打ち遊技により発射された球が何れかの入球口へ入賞し得るように構成しているが、それ以外の構成として、例えば、遊技盤13の右側領域に、球を左側第1入球口64bへ導く第1誘導路と、第2入球口640へ導く第2誘導路とに交互に振り分ける振分装置を設けても良い。
このように構成することで、右打ち遊技が実行されることで、第1特別図柄の抽選条件と第2特別図柄の抽選条件とを交互に成立させることができるため、遊技者に対して過剰に有利な遊技状態が提供されること(即ち、時短状態中に第2特別図柄の抽選のみ偏って実行されること)と、遊技者に対して過剰に不利な遊技状態が提供されること(即ち、時短状態中に第1特別図柄の抽選のみ偏って実行されること)と、を抑制することができる。
<第2実施形態の第1変形例について>
次に、第2実施形態における第1変形例について、図155および図156を参照して説明する。上述した第2実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づいて成立し得る時短終了条件(特図1終了条件)と、第2特別図柄の抽選に基づいて成立し得る時短終了条件(特図2終了条件)と、を異ならせ、且つ、第1特別図柄の抽選に基づいて2種当たりを獲得する期待度と、第2特別図柄の抽選に基づいて2種当たりを獲得する期待度と、が異なるように構成していた。
具体的には、第1特別図柄の抽選では第2特別図柄の抽選よりも時短状態が終了し易く(時短終了条件が成立し易く)、且つ、2種当たりが獲得し易いように構成していた。そして、図82に示した通り、時短状態が設定された時点で左打ち遊技(第1特別図柄の抽選を行う遊技)と、右打ち遊技(第2特別図柄の抽選を行う遊技)と、の何れかを選択させる演出画面を表示させ、遊技者に所望の遊技を行わせるように構成していた。
これに対して、本第1変形例では、時短状態が設定された状態で一方の遊技(右打ち遊技)を行わせるための演出を実行し、その一方の遊技において時短終了条件が成立する直前の状態(時短終了前条件が成立した状態)であると判別した場合に、他方の遊技(左打ち遊技)を行わせるための演出を実行するように構成している。このように構成することで、実行される演出に沿って遊技を行うこと(遊技方法を可変すること)により、時短状態中の遊技を最大限楽しむことができる。
次に、本変形例の時短状態が設定されている状態における表示画面について、図155および図156を参照して説明をする。図155(a)は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり(上述した第2実施形態では大当たりA,B,D)のエンディング画面の一例を示した模式図であり、図155(b)は、時短状態が設定されている期間中において、右打ち遊技に関する時短終了前条件が成立した場合の表示画面の一例を示した模式図であり、図156(a)は、時短状態が設定されている期間中において、右打ち遊技に関する時短終了前条件が成立した後の表示画面の一例を示した模式図である。なお、各表示画面において、上述した第2実施形態と同一の演出態様を表示する要素に対しては、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図155(a)に示した通り、大当たり遊技のエンディング画面では、案内表示領域Dm2に「右打ち」と表示するのに加えて、遊技方向指示表示態様Dm20にも「右打ち」を示す表示態様が表示される。ここで、本変形例では、上述した第2実施形態とは異なり、案内表示領域Dm2に、遊技者に遊技を促すための演出表示が表示され、遊技方向指示表示態様Dm20にて、遊技状態に応じた遊技方向を報知するための指示コマンドに対応した表示態様が表示されるように構成している。
つまり、大当たり遊技中、及び、時短状態中は、遊技方向指示表示態様Dm20にて常に「右打ち」を示す表示態様が表示されるように構成している。さらに、大当たり遊技のエンディング画面では、大当たり遊技終了後に右打ち遊技を行わせるために「大当たり終了後はドキドキラッシュ突入右打ちしてね」のコメントが表示される。
そして、時短状態中に右打ち遊技を実行し、第2特別図柄(特図2)の抽選(変動)に基づいて成立し得る時短終了条件が成立する直前となると(特図2時短終了前条件が成立すると)、図155(b)に示した通り、時短状態中の右打ち遊技が終了したことを示す「ドキドキラッシュ終了、引き戻しゾーン突入」のコメントが表示され、案内表示領域Dm2に「左打ち」の文字が表示される。
これにより、遊技者は、右打ち遊技が終了し、左打ち遊技を行うことになる。よって、遊技者に対して、時短状態が終了し、通常状態が設定されたと思わせることができる。なお、実際には、時短状態は終了していないため、遊技方向指示表示態様Dm20には「右打ち」が継続して表示されている。そして、副表示領域Dsの第1表示領域Ds1には、左打ち遊技により獲得可能な第1特別図柄の保留図柄表示Dsb〜Dseが表示される。
そして、遊技者が左打ち遊技を開始すると、図156(a)に示した通り、引き戻しゾーン中の演出が実行される。なお、この引き戻しゾーン中の演出は、上述した第2実施形態において、時短状態中に左打ち遊技を行った場合と同一の内容であるためその詳細な説明を省略する。
以上、説明をした通り、本変形例では、図156(b)に示した通り、時短状態が設定されている状態において、複数の時短終了条件の成立具合(進捗具合)を判別し、右打ち遊技を行わせる遊技を行わせたり、左打ち遊技を行わせたりする演出を実行するように構成している。これにより、時短状態中に遊技者に対して様々な遊技を行わせることができるという効果がある。
さらに、本変形例では、時短状態の前半に右打ち遊技、後半に左打ち遊技を行わせるように案内表示領域Dm2に遊技方向を表示するように構成している。これにより、大当たり遊技から継続して右打ち遊技を実行させることができ、且つ、時短状態が終了し、通常状態が設定された場合に継続して左打ち遊技を実行させることができる。よって、遊技方向を可変させる操作が煩雑になることを抑制することができる。
さらに、右打ち遊技にて時短状態が終了する直前の状態となった場合に、即ち、第2特別図柄の変動(抽選)によって更新される情報に基づいて成立する時短終了条件が、成立直前であることを判別した場合に、左打ち遊技を案内する演出を実行するため、現在の状況に応じて時短状態を終了させるための時短終了条件が成立し難い遊技を遊技者に案内することができる。よって、遊技者に対して有利な遊技方法を案内することができる。
また、本変形例を適用する第2実施形態では、図2に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合も、時短状態が設定されている場合も、左打ち遊技により第1入球口64に球が入球する割合が同一となるように構成している。よって、時短状態の後半において左打ち遊技を行わせる「引き戻しゾーン」中を、遊技者に対して時短状態が設定されているのか通常状態が設定されているのかを分かり難くすることができる。
なお、本変形例を適用する第2実施形態では、上述した通り、通常状態よりも時短状態のほうが第1特別図柄の抽選に基づいて2種当たりを獲得し易いように構成している。よって、時短状態が設定されている「引き戻しゾーン」中は、通常状態が設定されている場合に対して、第1特別図柄の抽選(変動)のし易さを同一であるが、その抽選に基づいて2種当たりを獲得し易いため、通常状態よりも有利な遊技状態となる。
よって、通常状態よりも、実際に大当たりが設定され易い(2種当たりを獲得し易い)遊技状態を「引き戻しゾーン」として演出することができるため、演出効果を高めることができる。さらに、右打ち遊技に基づいて時短終了前条件が成立するタイミングは、右打ち遊技の抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)によって異なるため、この「引き戻しゾーン」が実行される期間は不定なものになる。よって、遊技者に対して「引き戻しゾーン」が長期間継続することを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、本変形例では、遊技状態に応じて遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様を設定し、遊技状態と、時短終了条件の進捗具合(時短終了前の成立の有無)に応じて、案内表示領域Dm2の表示態様を設定するように構成し、案内表示領域Dm2の表示態様を、遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様よりも大きく表示することで遊技者に積極的に遊技方法を案内するようにしているが、これに限ること無く、遊技状態と、時短終了条件の進捗具合(時短終了前の成立の有無)に応じて、遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様を可変させるように構成しても良い。なお、この場合は、時短状態中に右打ち遊技(第2特別図柄の抽選(変動)を実行するための遊技)によって時短終了前条件が成立した場合には、その時短終了前条件が成立していない場合よりも、遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様が目立たなくなるように可変させると良い。
このように、時短状態が設定されている状態において、時短終了条件の進捗具合(時短終了前の成立の有無)に応じて、遊技方向指示表示態様Dm20の表示態様を第1報知態様から第2報知態様へと可変させることにより、遊技方向指示表示態様Dm20により報知される遊技方向(例えば、右打ち)に従って遊技を実行した場合における有利度合いを遊技者が視覚的に判別することが可能となる。
<第5実施形態について>
次に、図157〜図168を参照して、第5実施形態について説明をする。この第5実施形態は遊技者に有利な遊技状態となる時短状態が設定されている場合に、遊技者に遊技方法を選択させる点で上述した第2実施形態と同一である。上述した第2実施形態では、時短状態が設定されている場合に、第1特別図柄(特図1)の抽選を行う遊技(第1遊技)と、第2特別図柄(特図2)の抽選を行う遊技(第2遊技)とを遊技者が選択できるように構成していた(図82参照)。そして、第1遊技を選択した場合には左打ち遊技により第1入球口64を狙うことで特図1の抽選を行い、第2遊技を選択した場合には右打ち遊技により第2入球口640を狙うことで特図2の抽選を行うように構成していた(図2参照)。
そして、時短状態を終了させる時短終了条件として、特図1の抽選により成立し得る条件と特図2の抽選により成立し得る条件とを異ならせ、時短終了条件が成立し易い(時短状態が終了し易い)遊技と、(その遊技より)時短終了条件が成立し難い遊技とを遊技者に選択させることが可能となるように構成していた。
さらに、上述した第2実施形態では、時短終了条件が成立し易い遊技(第1遊技)のほうが、時短終了条件が成立し難い遊技(第2遊技)よりも、1回の特別図柄の抽選において大当たりを獲得する確率、即ち、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり中(小当たり遊技中)に大当たり(2種当たり)を獲得する確率とを合算した確率が高くなるように構成していた。
このように構成された第2実施形態では、時短状態が設定されている場合における遊技方法を遊技者に選択させることにより様々な遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、遊技者が選択する遊技方法に応じて、時短状態の終了のし易さ(時短終了条件の成立のし易さ)と、1回の特図抽選に対する大当たり期待度と、を異ならせることができるため、遊技者自身が自分に合った遊技を選択することができ、様々な遊技者に適した遊技を提供することができるものであった。
しかしながら、上述した第2実施形態のパチンコ機10では、時短状態中に遊技者が選択する遊技方法のうち一方の遊技(第2遊技)は、通常状態よりも入球し易くなる第2入球口640を狙う遊技となるが、他方の遊技(第1遊技)は、入球のし易さが通常状態と同一の第1入球口64を狙う遊技となるため、遊技者に対して、時短状態が設定されたことによる有利感を付与し難いという問題があった。
次に、図157〜図168を参照して、第5実施形態について説明をする。この第5実施形態は遊技者に有利な遊技状態となる時短状態が設定されている場合に、遊技者に遊技方法を選択させる点で上述した第2実施形態と同一である。上述した第2実施形態では、時短状態が設定されている場合に、第1特別図柄(特図1)の抽選を行う遊技(第1遊技)と、第2特別図柄(特図2)の抽選を行う遊技(第2遊技)とを遊技者が選択できるように構成していた(図82参照)。そして、第1遊技を選択した場合には左打ち遊技により第1入球口64を狙うことで特図1の抽選を行い、第2遊技を選択した場合には右打ち遊技により第2入球口640を狙うことで特図2の抽選を行うように構成していた(図2参照)。
そして、時短状態を終了させる時短終了条件として、特図1の抽選により成立し得る条件と特図2の抽選により成立し得る条件とを異ならせ、時短終了条件が成立し易い(時短状態が終了し易い)遊技と、(その遊技より)時短終了条件が成立し難い遊技とを遊技者に選択させることが可能となるように構成していた。
さらに、上述した第2実施形態では、時短終了条件が成立し易い遊技(第1遊技)のほうが、時短終了条件が成立し難い遊技(第2遊技)よりも、1回の特別図柄の抽選において大当たりを獲得する確率、即ち、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり中(小当たり遊技中)に大当たり(2種当たり)を獲得する確率とを合算した確率が高くなるように構成していた。
このように構成された第2実施形態では、時短状態が設定されている場合における遊技方法を遊技者に選択させることにより様々な遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、遊技者が選択する遊技方法に応じて、時短状態の終了のし易さ(時短終了条件の成立のし易さ)と、1回の特図抽選に対する大当たり期待度と、を異ならせることができるため、遊技者自身が自分に合った遊技を選択することができ、様々な遊技者に適した遊技を提供することができるものであった。
しかしながら、上述した第2実施形態のパチンコ機10では、時短状態中に遊技者が選択する遊技方法のうち一方の遊技(第2遊技)は、時短状態が設定されることにより、通常状態よりも入球し易くなる第2入球口640を狙う遊技となるが、他方の遊技(第1遊技)は、入球のし易さが通常状態と同一の第1入球口64を狙う遊技となるため、遊技者に対して、時短状態が設定されたことによる有利感を付与し難いという問題があった。つまり、時短状態が設定されたことにより、通常状態よりも特別図柄の変動(抽選)が効率良く行われるようにし、その状態において、異なる遊技性(時短状態の終了のし易さや、1回の特図抽選における大当たり期待度)を提供することができるものでは無かった。
これに対して、本第5実施形態では、上述した第4実施形態と同じく、第1特別図柄(特図1)と、第2特別図柄(特図2)との抽選(変動)を同時に実行可能な構成(所謂、同時変動構成)を有し、遊技状態に応じて設定され得る各特別図柄の変動パターン(変動時間)を可変させることにより、時短状態において異なる遊技性を遊技者が選択できるように構成している。
これにより、時短状態が設定されることで、通常状態よりも特別図柄の変動(抽選)を効率良く行い、且つ、遊技者に異なる遊技性を選択させることが可能な遊技を提供することができるように構成している。
次に、図157を参照して、本第5実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図157は、本第5実施形態のパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図157に示した通り、本第5実施形態のパチンコ機10は、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側の遊技領域)の構成と、可変表示装置ユニット80の下方の遊技領域の構成と、を上述した第2実施形態のパチンコ機10(第1実施形態のパチンコ機10と同一)の構成(図2参照)と異ならせている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図157に示した通り、本第5実施形態のパチンコ機10は右側領域が大きく2つに区分けされるように形成されており、右打ち遊技により発射された球の勢い、即ち、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)が検出した抵抗値の大きさ(発射強度)に応じて、球が異なる流路を流下するように構成されている。
具体的には、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)が基準量を超えた場合に、発射された球が右側領域を流下するように構成されており、さらに、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)が基準量よりも大きく制限量未満(弱右打ち遊技)の場合には、右側領域の中央に設けられた規制壁(規制部材)900により左右に区分けされた領域のうち、左側の第1右側領域901aに向けて球が発射され、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)が制限量以上で限界量以下(強右打ち遊技)の場合には、規制壁(規制部材)900により左右に区分けされた領域のうち、右側の第2右側領域901bに向けて球が発射されるように構成されている。なお、本第5実施形態では、操作ハンドル51の回動操作量に応じて発射強度が大きくなるように構成しているが、操作ハンドル51の回動操作量が所定の回動操作量に到達し、発射強度が最大となった以降にも操作ハンドル51を回動操作することができるように構成している。このように構成することで、強右打ち遊技を行う場合において、操作ハンドル51の回動操作範囲の限界まで(上限まで)操作ハンドル51を操作する必要が無くなるため、操作ハンドル51を壊れにくくすることができる。
以下、右打ち遊技において、第1右側領域901aを狙う遊技を弱右打ち遊技と称し、第2右側領域901bを狙う遊技を強右打ち遊技と称す。なお、本第5実施形態では、右打ち遊技の発射強度の大小によって右打ち遊技を複数の遊技に区分けするように構成しているが、それ以外の構成により右打ち遊技を複数の遊技に区分けするように構成しても良く、例えば、発射強度の大小に対して、交互に異なる複数の遊技を繰り返し設定するように構成したり、同一の発射強度で発射した球であっても、球を発射したタイミングや球数に応じて異なる遊技が設定されるように構成し、異なる遊技毎に異なる領域を球が流下するように右側領域を形成するように構成しても良い。
さらに、本第5実施形態では、球の発射強度に応じて右打ち遊技を複数の遊技に区分けしているが、これに限られること無く、左打ち遊技によって発射される球が流下する領域に対して複数の遊技を設定するように構成しても良い。
図157に戻り説明を続ける。弱右打ち遊技により発射された球は、遊技盤13の上方(可変表示装置ユニット80の上方)に植設された複数の釘と可変表示装置ユニット80との間に形成されている開口部に侵入し、第1右側領域901aを流下する。一方、強右打ち遊技により発射された球は、遊技盤13の上方(可変表示装置ユニット80の上方)に植設された複数の釘よりも上方に形成される開口部に侵入し、第2右側領域901bを流下する。
本第5実施形態の遊技盤13には、図157に示した通り、右側領域が複数の右側領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)に区分けされていることを示すための識別子として、魚を模したマーク(第1右側領域表示)910と、カメを模したマーク(第2右側領域表示)911とが各領域の入口近傍に、遊技者が視認可能な態様で(遊技盤13の表面に)貼付されている。このように構成することで、遊技者が所望する遊技(強右打ち遊技、弱右打ち遊技)が実際に行われているか否かを、発射された球の軌跡に貼付されているマークを識別することで容易に判別することができる。
なお、本第5実施形態では、上述した第1右側領域表示910と第2右側領域表示911とを、各領域の入口近傍に1つずつ貼付した構成を用いているが、これに限ること無く、複数貼付しても良い。また、遊技盤13の表面に貼付するのでは無く、遊技盤13の表面を透過性の部材(例えば、アクリル樹脂等)で構成し、その透過性の部材に埋没させるように各マークを取り付けるように構成しても良い。このように構成することで、各マーク(第1右側領域表示910、第2右側領域表示911)に、発射された球が接触することが無くなるため、球と接触することで各マークが剥がれてしまうという問題を抑制することができる。
規制壁900により区画された領域のうち、第1右側領域901aには、第2入球口640が設けられ、第1右側領域901aに侵入した球の殆ど(約95%)が第2入球口640に入球するように構成している。なお、詳細は後述するが、本第5実施形態では、遊技状態として通常状態が設定されている状態において実行される特図2の抽選に対して10分の変動時間が設定されるように構成している。そして、第2入球口640に球が入球した場合に払い出される球数(賞球数)が1個に設定されている。
このように構成することで、通常状態において弱右打ち遊技が実行されたとしても、球が増加すること無く(発射した球数よりも払い出される球数を少なくする)、且つ、第2入球口640への入球率を高めたとしても効率良く特図2抽選が実行されることを抑制することができる。
次に、規制壁900により区画された領域のうち、第2右側領域901bには、スルーゲート67と、右第1入球口964とが配設されている。この右第1入球口964には電動役物964aが付設されている。この電動役物964aは上述した第2実施形態の電動役物640aと同一の動作原理で動作するものであり、スルーゲート67を球が通過することを契機に実行される普図抽選の抽選結果に応じて右第1入球口964に球が入球し易い開放状態と、入球し難い(入球不可能な)閉鎖状態とに可変するものである。なお、詳細な内容については、上述した第2実施形態と同一であるため省略する。
このように、区画された領域毎に異なる入球口を配設することで、時短状態中の遊技内容に応じて異なる特図抽選が実行されるように構成している。尚、詳細は後述するが、本第5実施形態では、遊技状態として時短状態が設定されている状態において実行される特図2の抽選に対して短時間(5〜60秒)の変動時間が設定されるように構成している。
よって、時短状態中は特図1の抽選も特図2の抽選も何れも実行可能とすることができるため、遊技者が何れの遊技を選択して遊技を行うことができる。なお、本第5実施形態では、時短状態中に特図1抽選が行われる場合と特図2抽選が行われる場合とで、遊技者に対して異なる抽選結果が付与されるように構成されている。
具体的には、特図1抽選を行った方が特図2抽選を行うよりも時短状態が終了し易くなり、且つ、大当たりに当選した場合に付与される特典(賞球数)が多くなるように構成されている。つまり、時短状態中は、特図1抽選を行った方が特図2抽選を行うよりも、ハイリスクハイリターンな遊技を実行することができる(異なる遊技性の遊技を実行することができる)。このように、遊技者が遊技方法を選択可能とする場合において、選択する遊技状態に応じて異なる遊技性を実行させることで、遊技者に対して意欲的に遊技方法を選択させることができる。
また、選択する遊技方法によって、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が継続する期間(平均的に継続する期間)を異ならせるようにしているため、時短状態を短期間で終了させるか否かを遊技者が選択することができる。よって、遊技者自身の都合に応じた遊技を行うことが可能となる。
さらに、本第5実施形態では、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を短期間(他の遊技方法よりも短期間)で終了させる遊技方法を選択した場合には、その時短状態において大当たりに当選した場合に、他の遊技方法を選択した場合よりも遊技者に大きな特典を付与するように構成している。これにより、時短状態が短期間で終了する遊技方法を選んだとしても遊技者に対して公平に特典を付与することができるため、遊技者に所望の遊技方法を選択させ易くすることができる。
加えて、本第5実施形態では、実行された右打ち遊技が弱右打ち遊技であるか強右打ち遊技であるかを判別可能に構成している。具体的には、規制壁900によって区画された第1右側領域901aには第1通過センサ905aが、第2右側領域901bには第2通過センサ905bが設けられている。
第1通過センサ905a、第2通過センサ905bは、遊技盤13の表面(球流下面)を流下する球を検出するための検出手段であり、球の流下(通過)を非接触状態で検出可能な近接センサで構成されている。この第1通過センサ905a、第2通過センサ905bは各領域を通過する球を確実に検出するために、各領域において通路幅が球1個分以上で球2個分未満(例えば、15mm)となる部位に設けられている。このように各領域を流下する球の流下幅を制限することにより、球の検出精度を高めることができる。また、球を検出するために必要な検出手段の個数を削減することができる。
本第5実施形態では、上述した第1通過センサ905a、第2通過センサ905bとして、その検出領域が遊技盤13の表面(球流下面)となるように遊技盤13に埋没させ、遊技盤13の表面(球流下面)を球が流下することにより生じる静電容量の変化を検出する様式の近接センサを設けているが、それ以外の様式の近接センサを設けても良いし、リミットスイッチ等の接触式検出方式の検出手段を設けても良い。
なお、本第5実施形態では、一方の領域に対応する近接センサが他方の領域を流下する球を検出することを防止するために、各近接センサの検出範囲が重複しないように所定の厚み(例えば、5mm)を有する構成にしているが、これに限ること無く、例えば、近接センサが検出する各種変位(静電容量の変位、磁界の変位)が規制壁900を跨いで影響しないようにする材質で規制壁900を構成するように構成しても良い。
さらに、本第5実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が何れの領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)の何れを通過したかを判別するために、専用の検出手段を設けているが、これに限ること無く、例えば、第1右側領域901a、第2右側領域901bのそれぞれに配設されている入球口へ球が入球したことを示す情報(信号)に基づいて判別しても良い。また、操作ハンドル51の調整量を検出し、その調整量に基づいて弱右打ち遊技、強右打ち遊技を判別するよう構成しても良い。
本第5実施形態では、上述した通り、現在実行されている右打ち遊技が弱右打ち遊技であるか強右打ち遊技であるかを判別するための構成、処理を設けているため、遊技者に対して、現在の遊技方法を報知することができる。
次に、図158および図159を参照して、本第5実施形態における遊技盤13の詳細な構成について説明をする。まず、図158を参照して、遊技盤13の上方部分、即ち、右打ち遊技により発射された球が第1右側領域901aと第2右側領域901bとに振り分けられる箇所の構成について説明をする。図158は、遊技盤13の上方を示した部分拡大図である。図158に示した通り、右打ち遊技によって発射された球は、遊技盤13の頂点部分(図157正面視において、円形に構成される遊技盤13の遊技領域の最上部位分)を通過した位置において、先端釘K1aとレール62との間に形成された開口902bと、その開口902bの下方であって、先端釘K1aと可変表示装置ユニット80との間に形成された開口902aとの何れかに振り分けられるように構成されている。さらに、遊技盤13の上方において形成されている開口902bはその入口幅(円形の遊技領域の中心点と先端釘K1aを通過する直線をレール62まで延伸した場合における先端釘K1aとレール62までの距離)が2センチ、開口902aはその入口幅(円形の遊技領域の中心点と先端釘K1aを通過する直線のうち、可変表示装置ユニット80の外壁と先端釘K1aとの間の距離)が4センチとなるように構成されている。
これは、右打ち遊技のうち強右打ち遊技が行われた場合は、発射された球がレール62に沿って安定して進むのに対して、弱右打ち遊技は球の軌跡を安定させることが困難であることから、強右打ち遊技により発射された球が侵入する開口902bよりも、弱右打ち遊技により発射された球が侵入する開口902aの入口幅を広く形成し、弱右打ち遊技を行い易くするためである。
つまり、開口902aの入口幅を広く形成することで、弱右打ち遊技に該当する操作ハンドル51の回動操作量の範囲を広くすることができるため、遊技者に対して弱右打ち遊技を行い易くすることができる。
また、第1右側領域901aのうち、開口902aの近傍には魚のマーク(第1右側領域表示)910が貼付され、第2右側領域901bのうち、開口902bの近傍にはカメのマーク(第2右側領域表示)911が貼付されている。このように、各開口を通過直後の球(区画された領域に振り分けられた直後の球)が通過する領域に各マークを貼付することで、遊技者に対して、発射された球がどの領域に到達したのかを容易に把握させることができる。
なお、本実施形態では各領域を示すためのマーク(第1右側領域表示、第2右側領域表示)を、第1右側領域901aや第2右側領域901b内に貼付しているが、それに限ること無く、例えば、各開口(902a,902b)を通過する前の球が通過する領域のうち、その領域を通過した球が何れの開口を通過するのかが確定している領域に第1右側領域表示910、第2右側領域表示911を貼付するように構成してもよい。このように、区画された領域内だけで無く、区画された特定の領域に侵入することが確定する球が通過する領域にも各領域を示すためのマーク(第1右側領域表示、第2右側領域表示)を貼付するように構成することで、遊技盤13という限られたスペース内において遊技者が視認し易い位置にマークを貼付し易くすることができる。
次に、図159を参照して、遊技盤13の右側領域の構成について詳細に説明をする。図159(a)は、可変入賞装置9650aが開放している状態における右側領域の拡大図であり、図159(b)は、可変入賞装置9650aが閉鎖している状態における右側領域の拡大図である。
本第5実施形態は、上述した通り、右打ち遊技中の遊技方法として、第1右側領域901aを狙う弱右打ち遊技と、第2右側領域901bを狙う強右打ち遊技とを遊技者が選択できるように構成し、選択した遊技方法に応じて異なる遊技性の遊技を遊技者に提供するようにしている。
このように構成されたパチンコ機10においては、遊技者が弱右打ち遊技と強右打ち遊技とのうち、所望の遊技方法を選択し、その遊技方法に合わせて操作ハンドル51を調整する必要があった。図158を参照して上述した通り、本第5実施形態では、遊技者にとって調整が難しい弱右打ち遊技に対する操作ハンドル51の調整幅が広くなるように、弱、右打ち遊技の開口902aが、強右打ち遊技の開口902bよりも広くなるように構成し、遊技者が遊技方法を容易に選択できるように構成している。
さらに、図159(a)に示した通り、本第5実施形態では、時短状態が設定されている状態において、何れの遊技(弱右打ち遊技、強右打ち遊技)が行われている場合であっても、その遊技を継続した状態で大当たり遊技を実行することができるように大当たり遊技において開放動作される可変入賞装置9650aを配設している。
これにより、時短状態中に大当たりに当選したとしても、時短状態中に選択した遊技方法を継続することができるため、時短状態と大当たり遊技状態とが繰り返し設定される状態において遊技者に対して煩わしさを感じさせること無く遊技を行わせることができる。
さらに、可変入賞装置9650aは、第1右側領域901aに配設された第2入球口640、第2右側領域901bに配設された第1入球口964よりも上流側に配設されているため、大当たり遊技中において右打ち遊技で発射された球が可変入賞装置9650に入賞する前に各入球口に入球してしまうことが無く、円滑に大当たり遊技を行うことができる。
また、可変入賞装置9650aは、大当たり遊技中以外(開放動作されていない場合)は、図159(b)に示した通り、規制壁900の一部として第1右側領域901aと第2右側領域901bとを区画するように閉鎖状態となるため、時短状態中において各領域を流下する球が異なる領域へ侵入してしまうことを防止することができる。
なお、本第5実施形態では、時短状態中に遊技者が選択した遊技方法を維持した状態で大当たり遊技を実行させることができるように、何れの領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)を流下する球も入賞し得るように可変入賞装置9650を配設しているが、これに限ること無く、右打ち遊技によって発射された球が各領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)に振り分けられるまでに通過する領域に可変入賞装置9650を配設するように構成しても良い。
また、各領域のそれぞれに対応する可変入賞装置を設けるように構成しても良い。具体的には、特図2の抽選が実行される弱右打ち遊技の球が流下する第1右側領域901aに特図2の抽選によって大当たりに当選した場合に開放動作される特図2用可変入賞装置を配設し、特図1の抽選が実行される強右打ち遊技の球が流下する第2右側領域901bに特図1の抽選によって大当たりに当選した場合に開放動作される特図1用可変入賞装置を配設するように構成する。
このように構成することで、時短状態が設定されている状態において何れか一方の遊技(弱右打ち遊技、強右打ち遊技)を行うことで大当たりに当選した場合に、遊技者に対してそのままの遊技方法を継続させたまま大当たり遊技を実行させることができる。また、実行する遊技方法に応じて大当たりに当選した場合に異なる可変入賞装置が開放動作されることになるため、遊技者に対して時短状態が設定されている間の遊技方法を異ならせることにより異なる遊技が実行されることを分かり易くすることができる。
さらに、本第5実施形態では、時短状態が設定されている状態において、特別図柄の変動(抽選)回数が所定回数に到達した場合(変動回数終了条件が成立した場合)、或いは、特別図柄の抽選によって小当たりに当選した回数が所定回数に到達した場合(当選回数終了条件が成立した場合)に、時短状態から通常状態へと(遊技者にとって有利な遊技状態から不利な遊技状態へと)移行するように構成されている。なお、この構成については、上述した第2実施形態に対して、各終了条件として設定される値が相違するだけであり、各終了条件が成立しているか否かの判別処理や、各終了条件が成立した場合に実行される遊技状態を移行するための処理は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
加えて、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選し得るようにし、第2特別図柄の抽選では小当たりに当選することが無いように構成することで、第1特別図柄の抽選を実行する遊技(強右打ち遊技)と、第2特別図柄の抽選を実行する遊技(弱右打ち遊技)とで時短状態の終了のし易さを異ならせている。さらに、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合よりも、1回の大当たりにおいて遊技者に付与される特典量(賞球量)が大きくなるように構成しているため、時短状態中における遊技方法を遊技者に意欲的に選択させることができる。
次に、図160を参照して、本第5実施形態に実行される大当たり演出の内容について説明をする。図160(a)は、大当たり(大当たり遊技)が開始された時点における表示画面の一例を模式的に示した模式図であり、図160(b)は、大当たり(大当たり遊技)中における表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
本実施形態では、上述した通り、時短状態が設定されている状態で弱右打ち遊技と強右打ち遊技と遊技者が選択して(操作ハンドル51を操作して)実行することができるように構成しており、更に、時短状態中と同様に右打ち遊技を行うことになる大当たり遊技中に、遊技者が所望する時短遊技に対応した遊技方法が行われているかを演出にて案内することができるように構成している。
つまり、図157に示した通り、本第5実施形態では、時短状態中の遊技方法(時短遊技方法)として、弱右打ち遊技と強右打ち遊技とを実行できるように構成しており、さらに、何れの遊技方法を実行している場合でも、大当たり遊技を実行できるように構成している。このように構成することにより、遊技者が所望する時短状態中の遊技方法に対応した遊技方法を、時短状態が設定される前段階である大当たり遊技が実行されている期間を用いて予め実行することができる。
従って、本第5実施形態のように、操作ハンドル51の操作に基づいて異なる時短遊技方法を実行する場合において、遊技者の所望する時短遊技方法を確実に実行することができる。さらに、本第5実施形態では、大当たり遊技中に実際に実行されている遊技内容(実行遊技格納エリアと同一)と、時短状態中において遊技者が所望する遊技状態とが一致しているかを判別し、その判別結果に基づいた演出を実行するように構成している。これにより、現在の遊技方法(大当たり遊技中の遊技方法)を遊技者に分かり易く把握させることができる。
大当たり遊技を開始すると(大当たりのオープニング期間になると)、案内表示領域Dm2に「右打ち」のコメントが表示される。そして、主表示領域Dmには、今回の大当たり遊技終了後に設定される時短状態において遊技者が所望する遊技方法を選択するための選択画面が表示される。具体的には、主表示領域Dmに、安心モード表示態様851と、チャレンジモード表示態様852とが表示され、各表示態様を定期的に繰り返して指し示す矢印が何れかの表示態様を指し示している状態で枠ボタン22を操作することにより、所望の遊技方法が選択されるように構成している。
この安心モード表示態様851は、時短状態中における弱右打ち遊技、即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行させる遊技を希望する際に選択するものであり、チャレンジモード表示態様852は、時短状態中における強右打ち遊技、即ち、第1特別図柄(特図1)の抽選を実行させる遊技を希望する際に選択するものである。図160(a)に示した図は、安心モード表示態様851を差し示す矢印853が表示されている状態であり、この状態で操作ボタン22を操作(押下)することで、遊技者が希望する遊技方法を安心モードとして選択することができる。一方、図160(a)では点線で示した矢印854が実線で表示されている状態で枠ボタン22を操作(押下)することで、チャレンジモードを選択することができる。
また、副表示領域Dsには遊技者に対して希望するモードを選択させるためのコメントとして「希望遊技を選んでね」という文字が表示されると共に、選択操作を案内するための枠ボタン22を模した図が表示される。この副表示領域Dsに表示されている表示内容に基づいて遊技者は、大当たり開始時に選択すべき内容を把握して、時短状態中における希望の遊技方法を選択する。ここで選択した遊技方法に対して、大当たり遊技中に実行している遊技方法の判定が行われる。
大当たり遊技中には、図160(b)に示した図が表示される。大当たり遊技中の画面には、案内表示領域Dm2に「右打ち」が継続して表示されると共に、現在のラウンド遊技数がラウンド数表示領域858に表示される。図160(b)の例では、ラウンド遊技が5ラウンド目であることを示す「ROUND5」が表示される。
さらに、主表示領域Dmの右側には、現在の遊技方法が現状遊技表示領域860に表示され、大当たり遊技開始時に選択した希望遊技方法が希望遊技表示領域861に表示される。図160(b)に示した図では、現状遊技表示領域860に「安心モード」を示した表示態様が表示され、希望遊技表示領域861に「チャレンジモード」を示した表示態様が表示されている。即ち、遊技者が希望する遊技方法に対して、実際に実行されている遊技方法が異なる場合における表示内容が表示されており、副表示領域Dsの遊技案内領域859に遊技方法を変更させるために「もっと強く右打ちして」のコメントが表示される。
このように表示態様を構成することにより、実際の遊技方法を、遊技者の希望する遊技方法(時短状態中に実行したい遊技方法)と合致させるための調整を、時短状態が設定される前の大当たり遊技が実行されている期間中に行うことができる。さらに、大当たり遊技中において実行中の遊技方法が、希望する遊技方法と異なる場合には、遊技方法を変更させるための案内表示を大当たり遊技中に表示することができるため、大当たり遊技が実行されている期間中に希望の遊技方法を実行させ易くすることができる。
図160(b)に戻り説明を続ける。大当たり遊技中の表示画面には、さらに、実行中の大当たりが当選した際の遊技方法を示す実行中大当たり履歴855と、安心モード中に大当たりに当選した回数を示す安心モード大当たり履歴856と、チャレンジモード中に大当たりに当選した回数を示すチャレンジモード大当たり履歴857と、が表示される。図160(b)に示した図は、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第1入球口64に球が入球したことを契機に実行された第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選したことを示す「V」の文字が実行中大当たり履歴855として表示されている。
なお、現在実行中の大当たりが、時短状態が設定されている状態において第2入球口640に球が入球したことを契機に実行された第2特別図柄の抽選によって当選した大当たりである場合は、実行中当たり履歴855に「魚のマークを付したV」の文字が表示され、右第1入球口964に球が入球したことを契機に実行された第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合は、実行中当たり履歴855に「カメのマークを付したV」の文字が表示される。これにより、どの遊技状態において大当たりに当選した場合であっても、当選した大当たりの契機を容易に把握することができる。
また、安心モード大当たり履歴856とチャレンジモード大当たり履歴857を設けることにより、当該パチンコ機10で遊技を行う場合に、特に、時短状態中の遊技を行う場合に、どのような遊技を行うかについて過去の遊技履歴を参照することができる。これにより、遊技者に対して有利な遊技方法を予測させることが可能となり、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
本第5実施形態では、過去の遊技履歴として、大当たりに当選した場合において設定されていた遊技方法を累積表示する構成を用いているが、それ以外にも、大当たりの当選の有無に関わらず、過去に選択した遊技方法を累積した値を表示するように構成しても良い。
次に、図161を参照して、本第5実施形態における時短状態中の遊技内容について説明をする。図161は、第5実施形態における時短遊技内容を示した模式図である。図161に示した通り、本第5実施形態では、時短状態中に実行する遊技方法に応じて、異なる遊技が実行される。具体的には、時短状態が設定された状態において、弱右打ち遊技、即ち、第1右側領域901aを狙う遊技が実行された場合には、発射された球の殆どが第2入球口640に入球し、1個の賞球が払い出されるように構成されている。
さらに、第2入球口640に球が入球したことを契機に実行される第2特別図柄の抽選では、小当たりに当選することが無いように設定されており、大当たりに当選した場合には10ラウンドの大当たり遊技が実行されるように設定されている。また、時短状態が設定されている遊技状態では、第1特別図柄の抽選に応じて設定される変動パターンと、第2特別図柄の抽選に応じて設定される変動パターンとで、同程度の変動時間が設定される。
一方、時短状態が設定された状態において、強右打ち遊技、即ち、第2右側領域901bを狙う遊技が実行された場合には、球がスルーゲート67を通過することに基づいて電動役物964aが開放する。そして、電動役物964aが開放動作中している間に右第1入球口964へ球が入球すると、3個の賞球が払い出されるように構成されている。ここで、時短状態が設定されている状態で第2右側領域901bに発射された球の約1/3が右第1入球口964へ入球するように構成されている。よって、本第5実施形態では、時短状態中に右打ち遊技を行った場合には、弱右打ち遊技を行った場合も、強右打ち遊技を行った場合も、持球を維持する程度の賞球を得ることができる(賞球=中)。
さらに、強右打ち遊技によって、実行される第1特別図柄の抽選では、上述した第2特別図柄の抽選とは異なり、小当たりに当選し得るように構成している(当選確率は1/60)。ここで、本第5実施形態では、時短状態を終了させるための条件である時短終了条件として、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、100回)に到達する場合に成立する変動回数終了条件に加え、小当たりに当選した場合にも時短終了条件が成立するように構成している。つまり、時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄の抽選が実行される弱右打ち遊技よりも、第1特別図柄の抽選が実行される強右打ち遊技のほうが、時短状態が終了し易い遊技が行われるように構成されている。
そして、第1特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合には、第2特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合よりも遊技者に付与される特典量(賞球数)が大きい12ラウンドの大当たり遊技が実行されるように構成されている。
このように構成することにより、時短状態中において、特別図柄変動が100回実行されるまで時短状態が設定されるが、大当たりに当選した場合の特典が少ない第2特別図柄の抽選を実行する弱右打ち遊技(安心モード)を行うか、特別図柄変動が100回実行される、或いは、小当たりに当選するまで時短状態が設定される、即ち、弱右打ち遊技よりも時短終了条件を多く設定し、時短状態が終了し易いが、大当たりに当選した場合の特典が多い(12ラウンド大当たり)第1特別図柄の抽選を実行する強右打ち遊技(チャレンジモード)を行うかによって、異なる遊技性を遊技者に提供することができるため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第5実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選しないようにし、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立するように構成しているが、それ以外に上述した各実施形態で説明した時短終了条件を設定しても良い。例えば、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも小当たりに当選するようにし、当選した小当たりに対して設定される小当たり種別が特定な小当たり種別(例えば、小当たりA)である場合にのみ時短終了条件が成立するように構成し、第1特別図柄の抽選にて小当たりに当選した場合のみ上述した特定の小当たり種別(小当たりA)が設定されるように構成しても良い。これにより、小当たりに当選しただけでは時短状態が終了するか否かを判別することができないため、遊技者に対してドキドキ感を提供することができる。
さらに、本第5実施形態では、小当たりに当選した場合に、即ち、小当たりに1回当選した場合に時短終了条件が成立するように構成しているが、時短終了条件が成立する小当たり当選回数として1回以上の値を設定するように構成しても良い。また、小当たりに当選した場合に、複数の小当たり種別を設定可能にし、各小当たり種別に対して異なる時短終了条件を設定するように構成しても良い。
<第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図162及び図163を参照して、本第5実施形態における電気的構成について説明をする。本第5実施形態では、上述した第4実施形態と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動(抽選)するように構成されており、主制御装置110の電気的構成は上述した第4実施形態に対して、各テーブルにおいて設定される値が相違するが、それ以外は同一である。同一の箇所や、単に値が変更されている箇所については、その詳細な説明を省略する。
まず、図162(a)を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のROM202の構成のうち、上述した第4実施形態における主制御装置110のROM202の構成と異なる変動パターン5テーブル202ddの内容について説明をする。図162(a)は、変動パターン5テーブル202ddの内容を模式的に示した模式図である。この変動パターン5テーブル202ddは、上述した変動パターン4テーブル202cdに対して、時短状態中に参照される変動パターンテーブルの規定内容を異ならせた点で相違している。
図162(a)に示した通り、上述した第4実施形態では、設定される時短状態に応じて(当選した大当たり種別に応じて)、異なる変動パターンテーブルが参照されるように構成し、第1特別図柄が変動し易い時短状態と、第2特別図柄が変動し易い時短状態とを設定可能に構成していたのに対し、本第5実施形態では、時短状態中に参照される変動パターンテーブルとして時短用同時変動パターンテーブル202dd2を規定している点で相違している。
ここで、図162(b)を参照して、時短用同時変動パターンテーブル202dd2に規定されている内容について説明をする。図162(b)は、時短用同時変動パターンテーブル202dd2の内容を模式的に示した模式図である。図162(b)に示した通り、この時短用同時変動パターンテーブル202dd2は、上述した第4実施形態の時短状態中に参照される変動パターンテーブルに比べて、第1特別図柄(特図1)に対応して規定される変動パターンと、第2特別図柄(特図2)に対応して規定される変動パターンと、の何れに設定される変動時間に大きな相違が無い点で異なる。
つまり、上述した第4実施形態では、時短状態が設定されている場合に実行される右打ち遊技において、第1特別図柄(特図1)も、第2特別図柄(特図2)も抽選が実行されるように遊技盤13を構成し、遊技状態として設定される時短状態の種別に応じて、各特別図柄に対して設定される変動時間の長さを異ならせることで主として抽選が実行される特別図柄の種別を可変させるように構成していた。
これに対して、本第5実施形態では、時短状態が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルにおいて、各特別図柄に対して設定される変動時間を同様の長さとし、遊技者が球を発射させる遊技領域を異ならせることで主として抽選が実行される特別図柄の種別を可変させるように構成している点で相違している。
よって、本第5実施形態にて用いられる時短用同時変動パターンテーブル202dd2には、図162(b)に示した通り、特図1、特図2の何れであっても、抽選結果(当否判定結果)が大当たりに対しては変動時間が10秒〜60秒の変動パターン(大当たり変動1〜3)は規定されており、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては変動時間が10秒〜30秒の変動パターン(外れ変動1〜3)が規定されている。なお、第1特別図柄の抽選のみ当否判定結果として小当たりと判定され得るように構成しているが、この小当たりに対しては、上述した当否判定結果が外れの場合と同様に10秒〜30秒の変動パターン(小当たり変動1〜3)が規定されている。これにより、小当たりに当選した変動と外れに当選した変動とで同一の変動時間を設定することができる。
よって、小当たりに当選したことにより時短が終了してしまうことを示唆する演出を、抽選結果(当否判定結果)が外れの場合にもそのまま適用することができる。なお、本第5実施形態では、時短が終了することを示唆する演出(小当たりに当選したことを示唆するための演出)を、当否判定結果が外れの場合と小当たりの場合とで実行するように構成しているが、それ以外にも、例えば、抽選結果(当否判定結果)が小当たりの場合に対して規定される変動時間と、大当たりの場合に対して規定される変動時間と、を同一にし、遊技者に対して大当たり、或いは小当たりの何れかに当選したことを示す演出を実行するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して大当たりに当選し特典を獲得できる状況と小当たりに当選し遊技者に有利な時短状態が終了する状況の何れが付与されるのかを最後まで分かり難くすることができる。
次に、図163を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223に規定されている内容について説明をする。図163は本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第5実施形態では、上述した第2実施形態に対して、第1通過カウンタ223daと、第2通過カウンタ223dbと、選択遊技格納エリア223dcと、実行遊技格納エリア223ddと、大当たり情報格納エリア223deと、を追加した点で相違している。
第1通過カウンタ223daは、大当たり遊技中に第1通過センサ905a(図157参照)が検出した球数、即ち、大当たり遊技中に第1右側領域901aを通過した球数をカウントするためのカウンタである。この第1通過カウンタ223daは、音声ランプ制御装置113のメイン処理5(図164参照)において実行される信号入力処理(図166のS2151参照)にて、大当たり中に第1通過センサ905aがオンであると判別した場合に値が1加算される(S3803参照)。また、実行中の遊技方法を判別する際に加算された値が参照される(S3806〜S3809参照)。そして、大当たりが終了したと判別した場合に(時短状態が設定された場合に)、値が0にクリア(リセット)される(S3811参照)。
第2通過カウンタ223dbは、上述した第1通過カウンタ223daと同様のカウンタであって、大当たり遊技中に第2通過センサ905b(図157参照)が検出した球数、即ち、大当たり遊技中に第2右側領域901bを通過した球数をカウントするためのカウンタである。この第2通過カウンタ223dbを用いた処理については、上述した第1通過カウンタ223daの対象を第1通過センサ905aから第2通過センサ905bに変更した点で相違するだけであるため、その詳細な説明を省略する。
選択遊技格納エリア223dcは、時短状態中に遊技者が希望する遊技方法を一時的に格納するためのエリアである。この選択遊技格納エリア223dcには、大当たり遊技が開始されてから(大当たり遊技のオープニング期間が設定されてから)の所定期間(10秒間)において設定される遊技選択期間中に選択された遊技方法が格納されるものであり、枠ボタン入力監視・演出処理5(図167のS2157参照)において、枠ボタン22の押下が遊技選択期間であると判別された場合(S3852:Yes)に、ボタン押下に対応した遊技方法が格納される(S3853)。
この選択遊技格納エリア223dcに格納された情報に基づいて、遊技者が時短状態中の遊技方法として所望する遊技方法を判別し、第3図柄表示装置81の表示画面(図160(b)参照)の現状遊技方法の表示態様を設定するように構成している。なお、この選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報は、パチンコ機10の電源がオフされるまで保持するように構成されており、大当たり遊技開始時に表示される選択画面(図160(a)参照)において、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報を矢印が先に指し示すように選択表示態様が形成されるように構成しても良い。
さらに、大当たり遊技開始時に表示される選択画面(図160(a)参照)が表示されている期間中(遊技選択期間中)に遊技者が何れの遊技方法も選択しなかった(遊技選択期間中に枠ボタン22を押下しなかった)場合に、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報(過去の遊技選択期間中に格納した情報)に基づいた遊技方法が自動的に選択されるように構成すると良い。
この場合、選択画面が表示されている遊技選択期間の開始時点と終了時点とで、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報に対応する遊技方法を示す表示態様を矢印が指し示すように遊技選択期間中の演出態様を設定すると良い。このように構成することで、遊技者が遊技方法を選択しない場合であっても、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報を変更しなくても、自動的に何れかの遊技方法が選択されたよう思わせる演出を実行することができる。
実行遊技格納エリア223ddは、実際に実行されている遊技方法を一時的に格納するためのエリアである。この実行遊技格納エリア223ddには、大当たり中(大当たり遊技中)に発射された球が流下する領域に基づいて判別された現在の遊技方法を示す情報が格納されるものであり、音声ランプ制御装置113のメイン処理5(図164参照)において定期的(1ミリ秒毎)に実行される信号入力処理(図166のS2151参照)において、大当たり中(大当たり遊技中)に第1右側領域901aと、第2右側領域901bとを流下した球数に基づいた遊技方法を示す情報が格納される(図166のS3809,S3810)。このように構成することで、発射された球が実際に流下する領域を判別し、その判別結果に基づいて現在の遊技方法を判定することができるため判定精度を高めることができる。
この実行遊技格納エリア223ddに格納された情報は、現在実行中の遊技方法を判別する際に用いられ、大当たり遊技中の表示画面(図160(b))の希望遊技表示領域861に表示する表示態様を設定する際に参照される(図168のS3554)。
大当たり情報格納エリア223deは、大当たりに関連する情報を格納するためのエリアである。この大当たり情報格納エリア223deは、当選した大当たりに関する情報を格納するものであり、当選した大当たりの種別や、大当たり当選時の遊技状態や、大当たりに当選した際の遊技方法を示す情報(例えば、大当たりに当選した抽選の対象となる特別図柄種別)が格納されるものであり、コマンド判定処理5(図165参照)において、主制御装置110から送信されたコマンドが当たり関連のコマンドであると判別された場合に(図165のS2211:Yes)、受信したコマンドに含まれる情報が格納される(図165のS2291)。
<第5実施形態の主制御装置110における制御処理について>
次に、本第5実施形態の主制御装置110の制御処理に内容について説明を行う。本第5実施形態は、上述した第4実施形態の主制御装置110の制御処理と同様の制御処理を実行するものであり、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して(並行して)変動を行えるように構成している。そして、何れか一方の特別図柄の抽選において当たりに当選した場合には(当たりを示す表示態様で特別図柄が停止表示した場合には)、実行中の他方の特別図柄変動を、外れを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している。
上述した第4実施形態では、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)、大当たり(2種当たり)を獲得できるよう制御処理を有しているのに対して、本第5実施形態では上述した2種当たりを獲得するための制御処理を有していない点で相違している。
また、上述した第4実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、の2つの遊技状態を設定可能に構成しているのに対し、本第5実施形態では、上述した2つの遊技状態に加え、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)とを設定可能に構成している点で相違している。
<第5実施形態の音声ランプ制御装置113における制御処理について>
次に、図164〜図168を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置1113の制御処理について説明をする。上述した通り、本第5実施形態では時短状態が設定されている場合における遊技方法を遊技者が選択可能に構成されており、遊技者により操作ハンドル51が操作され、弱右打ち遊技、或いは、強右打ち遊技の何れかが実行される。
時短状態中に実行される弱右打ち遊技、或いは、強右打ち遊技は何れも操作ハンドル51を大きく操作することで球を可変表示装置ユニット80の右側(図157正面視で右側)へと発射する右打ち遊技の遊技方法を詳細に区分けしたものであり、各遊技方法を実行するためには所定の調整精度が求められるものであった。よって、遊技者が所望の遊技方法を実行するためには若干の調整期間と、調整発射(操作量を調整しながら球を発射すること)とを要するものであった。
特に、図157を参照して上述した本第5実施形態のパチンコ機10は、少なくとも、操作ハンドル51の操作量を最大にした場合(操作ハンドル51を一番右まで回動させた場合)が強右打ち遊技に該当する操作量となるように構成しているため、遊技者は強右打ち遊技を容易に実行することができるものであるが、弱右打ち遊技に対しては、操作ハンドル51を右打ち遊技となる程度まで(発射された球が可変表示装置ユニット80の右側領域に到達する程度まで)操作しながらも、強右打ち遊技とならない程度(発射された球が第2右側領域901bを流下しない程度)に調整しなければならず調整期間と調整発射とを必要とするものであった。
よって、上述した第2実施形態にて実行される演出表示(図82(a)参照)のように、大当たり遊技のエンディング画面が表示されるタイミング、即ち、時短状態が設定される直前のタイミングにおいて、遊技者に対して遊技方法を選択させるための演出表示を実行してしまうと、遊技者が所望する遊技方法に向けて操作ハンドル51の操作量を調整している段階で時短状態が設定されてしまい、遊技者が意図しない遊技方法で時短状態中の遊技が実行されてしまい易いという問題があった。
これに対して、本第5実施形態では、大当たり遊技のオープニング画面が表示されるタイミング、即ち、大当たり遊技が開始されるタイミングで、遊技者に対して、その大当たり遊技の終了後に設定される時短状態中の遊技方法を選択させるための演出表示を実行するように構成している。これにより、大当たり遊技が実行される期間を用いて遊技方法を調整することができるため、遊技者が意図しない遊技方法で時短状態中の遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本第5実施形態では、時短状態中の遊技方法として遊技者が選択可能な複数の遊技方法の何れを実行したとしても、大当たり遊技中は同等の特典を獲得することができるように構成しているため、遊技者に不利な状況を与えること無く、大当たり遊技が実行される期間を、時短状態中の遊技方法に向けて操作ハンドル51の操作量を調整する期間として用いることができる。
さらに、本第5実施形態では、希望する時短状態中の遊技方法を遊技者が選択可能に構成し、その遊技者が選択した遊技方法と、大当たり遊技中に実際に実行されている遊技方法とを比較し、その比較結果に基づいて遊技者に対して操作ハンドル51の操作量を案内する表示を行うように構成している。これにより、遊技者が所望する遊技方法に向けて容易に操作ハンドル51の操作量を調整することができる。
また、本第5実施形態では、時短状態中に実行される遊技(弱右打ち遊技、強右打ち遊技)によって、大当たりに当選した場合に付与される特典の量(賞球量)が異なるように構成している。そして、時短状態(確変状態含む)と大当たり遊技とが繰り返して継続する期間、即ち、遊技状態として通常状態(大当たり中除く)が設定されない状態で連続する期間(連チャン期間、有効期間)において大当たりに当選した回数(連チャン回数)を、大当たりに当選した際に実行していた遊技毎に区分けして表示するように構成している。
これにより、遊技者が選択した遊技方法と、大当たりの当選状況(当選回数)と、の関係を目視確認することができるため、次に時短状態が設定される場合における遊技方法を、過去の結果に基づいて選択させることができる。よって、遊技に対して攻略要素を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
図164から図168を用いて示した通り、本第5実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理では、上述した第2実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、メイン処理(図55参照)に代えてメイン処理5(図164参照)を、コマンド判定処理2(図99参照)に代えてコマンド判定処理5(図165参照)を、演出更新処理2(図105(b)参照)に代えて演出更新処理5(図168参照)を、用いている点で相違している。
なお、本第5実施形態では、上述した第2実施形態に対して、主制御装置110の制御処理内容を上述した第4実施形態の主制御装置110の制御処理に代えている点で相違している。よって、主制御装置110の制御処理を代えたことに基づく音声ランプ制御装置113の制御処理については第4実施形態と同一で、それ以外の音声ランプ制御装置113の制御処理については第2実施形態と同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図164を参照して本第5実施形態のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113にて実行されるメイン処理5の内容について説明をする。図164はメイン処理5の内容を示したフローチャートである。図164に示した通り、メイン処理5では上述したメイン処理2(図55参照)に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理5(S2197)を、コマンド判定処理2(S2163)に代えてコマンド判定処理5(S2193)を実行し、さらに、信号入力処理(S2151)を追加している点で相違している。
ここで、図165を参照して、コマンド判定処理5(S2193)の内容について説明をする。図165はコマンド判定処理5(S2193)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理5(S2193)は、上述したコマンド判定処理2(図99のS2163参照)に対して、当たり関連のコマンドを受信した場合に、その受信したコマンドが示す情報を大当たり情報格納エリア223deに格納する点で相違している。
コマンド判定処理5(図165のS2193)が実行されると、まず、上述したコマンド判定処理2(図99のS2163参照)と同一のS2201〜S2209の処理を実行する。そして、S2209の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S2209:Yes)、上述した第2実施形態と同一の入賞情報関連処理2(S2251)を実行し、その後、S2217の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、上述した第2実施形態では、上述した入賞情報関連処理2(S2251)において、時短状態中の遊技方法が右打ち遊技であるか、或いは、左打ち遊技であるかを判別し、その判別結果に基づいて演出内容(案内報知用の演出、エラー報知用の演出)を設定するように構成しているが、本第5実施形態では、そのような処理を実行しないように構成している点で相違しているが、その詳細な説明は省略する。
次いで、S2209の処理にて、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(図165のS2209:No)、次に、当たり関連のコマンドを受信したかを判別し(図165のS2211)、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合は(図165のS2211:Yes)、受信した内容(当たり関連のコマンドが示す内容)に応じて大当たり情報格納エリア223deに格納されている情報を更新し(S2291)、その後、上述したコマンド判定処理2(図99のS2163参照)と同一のS2212,S2217の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、上述したS2291の処理において更新される大当たり情報格納エリア223deに格納されている情報としては、例えば、大当たりに当選した回数、大当たりに当選した抽選の契機(大当たりに当選した抽選が行われる契機となった遊技方法)を示すための情報がある。このように大当たりに当選して直ぐに大当たり情報格納エリア223deの内容を更新するように構成することで、大当たり遊技中に過去の大当たりに関する勉強をすることができるという効果がある。
図165に戻り説明を続ける。S2211の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S2211:No)、上述したコマンド判定処理2(図99のS2163参照)と同一のS2213〜S2217の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図166を参照して、信号入力処理(S2151)の内容について説明をする。図166は信号入力処理(S2151)の処理内容を示したフローチャートである。この信号入力処理(S2151)では、遊技盤13に設けられた第1通過センサ905a、第2通過センサ905bが球の通過を検知した場合に、その検知結果に基づいた処理が実行される。具体的には、遊技盤13に設けられた各領域(第1右側領域901a、第2右側領域901b)を通過(流下)する球数をカウントし、その差分値が所定数(例えば、5球)である場合に、多くの球数を検知した領域、即ち、多くの球が流下した領域に対応する遊技方法を実際の遊技方法として判別する処理が実行される。
図166に示した通り、信号入力処理(S2151)が実行されると、まず、現在が大当たり中であるかを判別し(S3801)、大当たり中であると判別した場合は(S3801:Yes)、次に、第1通過センサ905aが球を検知しているかを判別する(S3802)。S3802の処理において、第1通過センサ905aが球を検知していると判別している場合は(S3802:Yes)、第1通過カウンタ223daの値に1を加算し(S3803)、その後S3804の処理へ移行する。一方、S3802の処理において、第1通過センサ905aが球を検知していないと判別した場合は(S3802:No)、S3803の処理をスキップしてS3804の処理へ移行する。
S3804の処理では、第2通過センサ905bが球を検知しているかを判別する(S3804)。第2通過センサ905bが球を検知していると判別した場合は(S3804:Yes)、第2通過カウンタ223dbの値に1を加算し(S3805)、次いでS3806の処理を実行する。一方、S3804の処理において、第2通過センサ905bが球を検知していないと判別した場合は(S3804:No)、S3805の処理をスキップしてS3806の処理へ移行する。
そして、S3806の処理では、第1通過カウンタ223daの値、第2通過カウンタ223dbの値との差分を算出する。即ち、大当たり遊技中に第1右側領域901aを通過した球数(第1通過カウンタ223daの値)と、第2右側領域901bを通過した球数(第2通過カウンタ223dbの値)と、の差分を算出する。
S3806の処理を終えると、次に、第1通過カウンタ223daの値、第2通過カウンタ223dbの値との差分が5以上であるかを判別し(S3807)、差分が5以上であると判別した場合は(S3807:Yes)、第1通過カウンタ223daの値と第2通過カウンタ223dbの値とのうち、第1通過カウンタ223daの値のほうが大きいかを判別する(S3808)。
S3808の処理において、第1通過カウンタ223daの値のほうが大きいと判別した場合は(S3808:Yes)、実行遊技格納エリア223ddに弱右打ち遊技を設定し(S3809)、本処理を終了する。また、S3808の処理において、第1通過カウンタ223daの値のほうが第2通過カウンタ223dbの値よりも大きくない(第2通過カウンタ223dbの値のほうが大きい)と判別した場合は(S3808:No)、実行遊技格納エリア223ddに強右打ち遊技を設定し(S3810)、本処理を終了する。
つまり、本第5実施形態では、大当たり遊技中に発射された球が右側領域のうち、第1右側領域901aを流下した球数と、第2右側領域901bを流下した球数とを計測し、その計測結果に基づいて現在の遊技方法が第1右側領域901aに球を流下させる弱右打ち遊技であるか、第2右側領域901bに球を流下させる強右打ち遊技であるかを判別可能に構成している。
そして、S3809の処理や、S3810の処理によって実行遊技格納エリア223ddに設定された情報(遊技方法)は、図160(b)に示したように、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81の表示画面の現状遊技表示領域860に表示することで遊技者に容易に把握させるように構成している。
なお、本第5実施形態では、第1通過カウンタ223daの値と、第2通過カウンタ223dbの値との差分値が所定量(5球)以上である場合に、現在の遊技方法を設定するように構成している。つまり、大当たり遊技が実行された直後(大当たり遊技中の右打ち遊技によって5球以上の球が発射されていない期間)は、何れの領域に球が発射されたとしても、現在の遊技方法が実行遊技格納エリア223ddに設定されないため、現状遊技表示領域860に遊技方法が表示されないように構成している。
このように構成することにより、大当たり遊技が開始された直後であって、遊技者の右打ち遊技における遊技方法が固定されていない状態(安定していない状態)において表示画面の現在の遊技方法が表示されることを抑制することができる。
さらに、本第5実施形態では、第1通過カウンタ223daの値と、第2通過カウンタ223dbの値との差分値が所定量(5球)に到達するまでは、現在の遊技方法を特定しないように構成している。このように構成することにより、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される現在の遊技方法を示すための表示態様(現状遊技表示領域860に表示される表示態様)が頻繁に切り替わってしまうことを抑制することができる。
図166に戻り説明を続ける。S3811の処理では、現在が大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S3811)。本第5実施形態では、時短状態が設定されたことを示すためのコマンド(現在の遊技状態が時短状態であることを示す内容を含むコマンド)が出力されたと判別した場合、或いは、大当たり遊技中であることを示すコマンドが出力されなくなったと判別した場合に、大当たり終了と判別される。
S3811の処理において、大当たり終了のタイミングであると判別した場合は(S3811:Yes)、大当たり遊技中に加算した第1通過カウンタ223daの値、及び、第2通過カウンタ223dbの値を0にクリアし(S3812)、本処理を終了する。一方で、現在のタイミングが大当たり終了のタイミングでは無いと判別した場合は(S3811:No)、即ち、遊技状態が大当たり中でも、大当たり終了タイミングでも無い場合は、その他信号入力処理を実行し(S3813)、本処理を終了する。
なお、上述したS3813の処理としては、例えば、遊技状態が通常状態である場合(左側領域を狙う左打ち遊技が適切な遊技となる遊技状態が設定されている場合)において、第1通過センサ905a、或いは、第2通過センサ905bが球を検知した場合、即ち、右打ち遊技が行われていることを判別した場合に、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内表示を実行するための処理や、遊技者が実行する遊技方法に応じて異なる遊技が実行される遊技状態(例えば時短状態)である場合において、第1通過センサ905a、或いは、第2通過センサ905bが球を検知したことに基づいて、実行中の遊技方法を判別し、現状遊技表示領域860に表示するための処理が実行されるように構成している。
また、本第5実施形態では、大当たり遊技が開始されるタイミング(大当たり遊技のオープニング期間中)で、遊技者が所望する時短状態中の遊技方法を選択し、大当たり遊技が実行される期間を用いて、遊技者に遊技方法を可変させるように構成しているが、大当たり遊技が実行される期間を、遊技方法を可変させるための期間として用いることができるものであれば良く、例えば、大当たり遊技が実行される途中段階で遊技方法を選択する演出(図160(a)参照)を実行するように構成しても良い。
次に、図167を参照して、本第5実施形態において実行される枠ボタン入力監視・演出処理5(S2157)の内容について説明をする。図167は枠ボタン入力監視・演出処理5(S2157)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理5(S2157)では、上述した各実施形態のパチンコ機10にて行われる処理に加え、遊技者が所望の遊技方法を選択する遊技選択期間(図160(a)参照)中における枠ボタン22の操作処理を追加した点で相違している。
枠ボタン入力監視・演出処理5(図167のS2157)の処理が実行されると、まず、枠ボタン22の押下を検出しているかを判別し(S3851)、枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合は(S3851:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、S3851の処理において、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S3851:Yes)、次に、現在が遊技選択期間であるかを判別する(S3852)。
ここで、詳細な説明は省略するが、本第5実施形態では、コマンド判定処理5(図165のS2193参照)において、当たり関連のコマンドを受信した場合(S2211:Yes)に実行される当たり関連処理(S2212)において、大当たりが開始されてから(大当たりの開始タイミングと判別されてから)の10秒間を遊技選択期間として設定するように構成している。この遊技選択期間は、図示しない期間カウンタの値に10秒に対応する値を設定し、1ミリ秒毎に実行される各種カウンタ更新処理(図164のS2111参照)において、カウンタの値を更新することで10秒間を計測するように構成している。
S3852の処理において、現在が遊技選択期間である(期間カウンタの値が0では無い)と判別した場合は(S3852:Yes)、枠ボタン22に対するボタン押下に対応した遊技方法を選択遊技格納エリア223dcに設定し(S3853)、S3853にて設定された遊技方法、即ち、ボタン押下に対応した遊技方法を示す表示用押下コマンドを設定し(S3855)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用押下コマンドは、音声ランプ制御装置113のコマンド出力処理(図164のS2102参照)によって、表示制御装置114に向けて出力され、第3図柄表示装置81の表示画面に遊技者が選択した遊技方法(時短状態中に実行したい遊技方法)が表示されるように表示制御装置114が制御される。このように構成することで大当たり遊技中に遊技者自身が所望する遊技方法を容易に把握することができる(図160(b)参照)。
また、図160(b)に示した通り、本第5実施形態では、大当たり遊技中に、遊技者自身が所望する遊技方法と、大当たり遊技中に実行されている遊技方法と、をともに表示するように構成しているため、表示画面に表示されている表示内容に基づいて遊技方法を調整する必要があるか否かを容易に把握することができる。
さらに、本第5実施形態では、大当たり遊技中に、遊技者自身が所望する遊技方法と、大当たり遊技中に実行されている遊技方法とが一致していない場合には、実際に実行する遊技方法が、遊技者自身が所望する遊技方法となるように、操作ハンドル51の操作方法を副表示領域Dsの遊技案内領域859に案内(指示)表示するように構成している。これにより、遊技者に対して具体的な調整方法を案内することができるため、遊技者に対して所望の遊技方法を容易に実行させることができる。
図167に戻り説明を続ける。S3852の処理において、現在が遊技選択期間では無いと判別した場合は(S3852:No)、次に、他の操作期間中であるかを判別し(S3854)、他の操作期間中であると判別した場合は(S3854:Yes)、その操作期間に対応するボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し(S3855)、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、その他操作期間としては、例えば、特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動期間の一部や、遊技が実行されていない期間(特別図柄の変動が実行されていない、所謂、デモ期間)が該当し、特別図柄変動期間では、枠ボタン22が操作された場合に(枠ボタン22の押下を検出した場合に)、変動中の特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示唆するための演出が実行されるように構成されている。
また、遊技が実行されていない、所謂デモ期間である場合に、枠ボタン22が操作された場合(枠ボタン22の押下を検出した場合)には、パチンコ機10の遊技内容を説明する画面や、本日の遊技履歴が選択表示されるように構成している。このように、枠ボタン22を操作する際の遊技状態や遊技状況に応じて、操作に対する特典(実行される演出)を異ならせることで、遊技者に対して多彩な演出を提供することができ、演出効果を高めることができる。
次に、図168を参照して、本第5実施形態において実行される演出更新処理5の内容について説明をする。図168は演出更新処理5の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理5は、上述した各実施形態の演出更新処理に対して、大当たり遊技中に表示される表示画面の表示内容を更新する処理を実行する点で相違している。
演出更新処理5が実行されるとまず、現在が大当たり中であるかを判別し(S3551)、大当たり中であると判別した場合に(S3551:Yes)は、選択遊技格納エリア223dcに格納されている情報を読み出し(S3552)、次いで、実行遊技格納エリア223ddに格納されている情報を読み出す。
そして、選択中の遊技方法、実行中の遊技方法に対応する表示用遊技方法コマンドを設定する(S3554)。ここで設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のコマンド出力処理(図164のS2102参照)によって、表示制御装置114に向けて出力され、第3図柄表示装置81の表示画面に各内容に対応する遊技方法を示す表示態様が表示される。
図168に戻り説明を続ける。S3555の処理では、S3552の処理にて読み出した情報(選択遊技方法)と、S3553の処理にて読み出した情報(実行遊技方法)と、の内容が一致しているか否かを判別し(S3555)、一致していると判別した場合は(S3555:Yes)、所望する遊技方法と、現在の遊技方法とが一致している場合であるため、現在の遊技方法を維持させるための表示用指示コマンドを設定し、本処理を終了する。
なお、S3556の処理において、現在の遊技方法を維持させるための表示用指示コマンドが設定された場合には、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の遊技案内領域859に「そのままキープ」のコメントが表示される。これにより、遊技者は現在の遊技法補を維持することで遊技者に有利な有利状態に突入することができる。
一方で、S3555の処理において、選択遊技と実行遊技とが一致しないと判別した場合は、(S3555:No)、現在の遊技方法を変更させるコメントを示すための表示用指示コマンドを設定する(S3557参照)。ここで、例えば、選択遊技がチャレンジモード(強右打ち遊技)で実行遊技が安心モード(弱右打ち遊技)である場合には、遊技方法を変更させるために「もっと強く右打ちして」の文字が遊技案内領域859に表示される。これにより、現在実行中の遊技方法から、所望する遊技方法へと遊技方法を変更する場合において、具体的に実行しなければならない調整内容を容易に把握することができる。
そして、S3551の処理において、現在が大当たり中ではないと判別した場合(S3551:No)、更に、S3556の処理、或いは、S3557の処理を終えると、その他演出更新処理を実行し(S3558)、本処理を終了する。なお、S3558の処理では、上述した各実施形態において実行され得る各種演出更新処理のうち、対応する処理が実行される。
以上、説明をした通り、本第5実施形態では、遊技者が有利な遊技状態である有利状態(確変状態、時短状態)において、第1特別図柄の抽選を実行する第1有利遊技(強右打ち遊技)、或いは、第2特別図柄の抽選を実行する第2有利有利(弱右打ち遊技)の何れかを遊技者が選択できるように構成している。そして、上述した第1有利遊技も、第2有利遊技も、遊技状態として通常状態が設定されている場合よりも特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な有利状態中に、通常状態よりも特別図柄の抽選を実行し易い遊技として複数の有利遊技の中から1つの有利遊技を遊技者が選択することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者が何れの遊技を選択した場合であっても、通常状態よりも特別図柄の抽選を実行し易くすることができるので、遊技者に遊技方法を選択させる楽しみを提供することができる。
本第5実施形態では、遊技者に有利な有利状態中の遊技方法を遊技者が選択できるようにし、遊技者が選択可能な複数の遊技方法に対して、有利状態の終了条件を異ならせるように構成している。具体的には、時短状態(普通図柄の高確率状態)を有利状態とし、その時短状態を終了させる時短終了条件として、特別図柄変動が所定回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件に加え、特別図柄の抽選で小当たりに当選した(小当たり遊技が実行された)回数が所定回数(1回)に到達した場合に成立する当選回数終了条件を設定し、第1特別図柄の抽選のほうが第2特別図柄の抽選よりも、小当たりに当選する確率が高くなるように構成している。
このように構成することにより、第1特別図柄の抽選が実行される第1有利遊技と、第2特別図柄の抽選が実行される第2有利遊技と、で有利状態が終了する確率、即ち、有利状態中に大当たりに当選する確率(継続率)を可変させることができる。
さらに、遊技者が選択可能な複数の有利遊技のうち、有利状態が継続し難い第1有利遊技にて大当たりに当選した場合は、第1有利遊技よりも有利状態が継続し易い第2有利遊技にて大当たりに当選した場合よりも、大当たり遊技中に付与される賞球数が多くなるように大当たり遊技の内容を設定しており、具体的には、第1有利遊技中に大当たりに当選した場合は(第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は)、12ラウンド分の大当たり遊技が実行され、第2有利遊技中に大当たりに当選した場合は(第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は)、10ラウンド分の大当たり遊技が実行されるように構成している。
これにより、遊技者は、有利状態が終了し易いが大当たり当選時の特典が大きい第1有利遊技と、有利状態が第1有利遊技よりも終了し難いが、大当たり当選時の特典が少ない第2有利遊技と、の何れかを選択可能となる。よって、遊技に費やすことができる時間や、現在の調子等の遊技者自身の都合に応じて所望の遊技方法を遊技者に選択させることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
本第5実施形態では、有利状態として時短状態を用いているが、これに限ること無く、確変状態を有利状態としても良い。つまり、確変状態が終了する確変終了条件として、変動回数終了条件と、当選回数終了条件と、を設定可能に構成し、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで確変終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成しても良い。このように構成した場合でも、上述した時短状態を有利状態とした場合と同様の効果を奏することができる。
なお、有利状態として確変状態を用いる場合には、確変終了条件が成立した場合に、通常状態が設定される第1確変終了条件と、時短状態が設定される第2確変終了条件と、を予め設定しておき、先に成立した終了条件によって遊技状態の移行先を異ならせるように構成すると良い。この場合、例えば、第1確変終了条件が成立した場合には、確変状態よりも不利となる遊技状態が設定され、第2確変終了条件が成立した場合には、確変状態よりも有利となる遊技状態が設定されるように各遊技状態における遊技性能を構成すると良い。
具体的には、変動回数終了条件が成立した場合に第1確変終了条件が成立し、当選回数終了条件が成立した場合に第2確変終了条件が成立するように構成し、変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動が50回に到達した場合に成立する特図1変動回数終了条件と、第2特別図柄の変動が80回に到達した場合に成立する特図2変動回数終了条件と、第1特別図柄、或いは、第2特別図柄の変動回数が合わせて100回に到達した場合に成立する合算変動回数終了条件とを設定するように構成すると良い。
このように構成することで、第1特別図柄の抽選を実行する第1有利遊技と、第2特別図柄の抽選を実行する第2有利遊技とで、さらに遊技仕様を異ならせることができるため、遊技者に遊技方法を選択させる意味合いをより強くすることができる。また、合算変動回数終了条件を設定しているため、遊技者が複数の有利遊技を交互に実行することにより有利状態中の遊技が過剰に実行されることを抑制することができる。
さらに、当選回数終了条件に対しても、第1有利遊技を実行する場合に成立する特図1当選回数終了条件と、第2有利遊技を実行する場合に成立する特図2当選回数終了条件とを異ならせるように設定することで、さらに遊技仕様を異ならせることができる。
第5実施形態では、有利状態(時短状態)の終了条件を、特別図柄の種別に応じて異ならせ、遊技者に対して有利状態中の遊技方法(有利状態中に抽選を実行する特別図柄の種別)を選択させることにより、様々な遊技を遊技者に提供するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たりに当選した際の大当たり種別に応じても時短状態の終了条件を可変させるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対してより多彩な有利状態中の遊技を提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、上述した第5実施形態では、有利状態中に何れの遊技方法を選択した場合であっても、有利状態が設定されている期間中における遊技者に付与される特典量の期待値(つまり、1回の大当たりに当選した場合における特典量(賞球数)を、有利状態が1回設定された場合における有利状態が継続して設定される平均特別図柄変動回数で割った値)が同等となるように設計していたが、上述したように特別図柄の種別に加え、大当たり種別に基づいて有利状態の終了条件を異ならせる構成を用いる場合には、当選した大当たり種別に応じて、第1有利遊技を選択したほうが第2有利遊技を選択するよりも、遊技者に付与される特典量の期待値が大きくなるように構成すると良い。これにより、遊技者が選択した遊技方法によって、後の遊技結果を大きく異ならせることが可能となる。
<第6実施形態>
次に、図169〜図177を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第6実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態として、通常状態(特別図柄低確率状態、普通図柄低確率状態)、時短状態(特別図柄低確率状態、普通図柄高確率状態)、確変状態(特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態)、潜確状態(特別図柄高確率状態、普通図柄低確率状態)の4つの状態を設定可能に構成され、さらに、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の確変状態、および有利度合いが異なる複数の時短状態をそれぞれ設定可能な構成としている。
また、本第6実施形態では、第1特別図柄の抽選に比較して、第2特別図柄の抽選により大当たりとなった方が遊技者に対して多くの特典が付与され易くなるよう構成されている。具体的には、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して、より多くの賞球を獲得することができる上に、特別図柄の確変状態に移行する割合が高くなる(後述する確変スイッチ65e3を通過することが可能な大当たり種別が選択され易くなる)ように構成されている。
そして、確変状態として、第1特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的不利な)確変状態1と、その確変状態1に比較して第2特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的有利な)確変状態2とが設けられている。加えて、時短状態として、第1特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的不利な)時短状態1と、その時短状態1に比較して第2特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的有利な)時短状態2とが設けられている。
このように、同じ遊技状態が設定されている場合であっても、抽選が行われやすい特別図柄の種別を切り替え可能に構成し、設定されている遊技状態の詳細に応じて獲得できる賞球の量や、確変状態への移行割合を異ならせることで、より有利な状態を目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、確変状態1とは、特別図柄高確率状態と、普通図柄高確率状態1(時短状態1)とが複合した状態であり、確変状態2とは、特別図柄高確率状態と、普通図柄高確率状態2(時短状態2)とが複合した状態である。
さらに、詳細は後述するが本第6実施形態では、時短状態中における電動役物701(図170参照)の動作(開放)パターンを複数用意し、設定される電動役物701の動作(開放)パターンに基づいて時短状態中に抽選が実行され易い特別図柄を可変させることができるように構成している。そして、電動役物701(図170参照)の動作(開放)パターンは、当選した大当たり種別に基づいて可変設定されるように構成されている。
このように構成することで、当選した大当たり種別に基づいて、時短状態中に抽選(変動)が実行され易い特別図柄を可変させることができるため、様々な遊技性を遊技者に提供することができる。さらに、本第6実施形態では、上述した各実施形態と同様に、特別図柄の抽選に基づいて時短状態を終了させるための複数の時短状態が成立するように構成している。
具体的には、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数に基づいて成立する特図1変動回数終了条件、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する特図2変動回数終了条件、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した回数に基づいて成立する合算変動回数終了条件、が設定されており、特図1変動回数終了条件として第1特別図柄の変動回数が30回、特図2変動回数終了条件として第2特別図柄の変動回数が100回、合算変動回数終了条件に該当する変動回数として100回が設定されている。
さらに、特別図柄の抽選にて小当たりに当選した場合に成立する当選回数終了条件として、第1特別図柄の抽選によって当選する特図1小当たり(小当たりA)に基づいて成立する特図1当選回数終了条件、第2特別図柄の抽選によって当選する特図2小当たり(小当たりB)に基づいて成立する特図2当選回数終了条件、が設定されており、特図1当選回数終了条件として当選回数2回、特図2当選回数終了条件として当選回数20回が設定されている。
このように構成することで、時短状態中に抽選(変動)が実行される特別図柄の種別に応じて、時短状態が終了し易い遊技(第1特別図柄の抽選(変動)が行われ易い時短遊技)と、時短状態が終了し難い遊技(第2特別図柄の抽選(変動)が行われ易い時短遊技)と、を設定することができる。
なお、本第6実施形態において各特別図柄に対して設定される時短終了条件は、特別図柄の種別によって時短状態の終了のし易さを異ならせるもので有れば良く、上述した各実施形態にて用いた(示した)具体例の何れを採用しても良く、時短状態中における小当たり確率を特別図柄種別で異ならせたり、特別図柄の抽選で当選し得る小当たりに複数の種別を設け、各小当たり種別に対して当選回数終了条件を設定する構成において、特別図柄種別毎に何れかの当選回数終了条件が成立する確率を異ならせたり、するように構成しても良い。
つまり、本第6実施形態では、遊技者に有利な遊技状態である有利状態(時短状態)を終了させるための有利状態終了条件(時短終了条件)を複数設定可能に構成し、設定される有利状態の種別に応じて、有利状態終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成している。そして、有利状態終了条件の成立のし易さが異なる複数の有利状態を、当選した大当たり種別に基づいて移行させるように構成している。
これにより、遊技者に対して複数の大当たり当選を経由させて、様々な有利状態の遊技を行わせることができる。また、本第6実施形態では、通常状態が設定されている状態から大当たりに複数回当選した場合にのみ移行し得る特別有利状態を有しているため、遊技者に対して複数の大当たり当選を経由させて、特別有利状態へ移行するように意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第6実施形態では、遊技者に最も有利となる特別有利状態へと移行する期待度を異ならせた遊技状態(例えば、通常状態と有利状態)を設定するように構成しているため、特別有利状態へと移行する期待度が高い遊技状態(有利状態)が設定されている場合に継続して遊技を行わせ易くすることができ、遊技の稼働を高めさせることができる。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の構成が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図169を参照して、第6実施形態における遊技盤13について説明する。図169は、本第6実施形態における遊技盤13の正面図である。図169に示した通り、本第6実施形態では、上述した第1実施形態の遊技盤13(図2参照)に対して、可変表示装置ユニット80の下方側、及び、右側領域の構成が相違している。具体的には、特別図柄の抽選が実行される契機となる入球口として、第1特別図柄の抽選の契機となる第1入球口を2つ(第1入球口64a1、右側第1入球口64a0)と、第2特別図柄の抽選の契機となる第2入球口64bと、を設けた点、即ち、特別図柄の抽選の契機となる入球口を3つ設けた点で相違している。
図169に示した通り、本実施形態では、可変表示装置ユニット80に対して正面視下側に第1入球口64a1が、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に右第2入球口64bが、その右第2入球口64bに対して正面視右側に右第1入球口64a2が設けられている。
第1入球口64a1、および右第1入球口64a2は、いずれも球が入球したことを契機として第1特別図柄の抽選が実行される。即ち、第1入球口64a1と、右第1入球口64a2とは、同一の機能を有した入球口である。一方、右第2入球口64bは、球が入球したことを契機として第2特別図柄の抽選が実行されるため、上述した2種類の入球口とは異なる機能を有した入球口である。
また、図169に示した通り、右第1入球口64a2には、第1作動役物645aが付随して設けられている。この第1作動役物645aは、右第1入球口64a2への球の入球が可能(容易)となる開放状態と、右第1入球口64a2への球の入球が不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変するように、一対の羽根形状部材で形成されている。この第1作動役物645aは、後述する振分入賞装置700の内部に設けられた第1作動口704へと球が入球した場合に開放状態に切り替わる。一方、開放状態に切り替わった第1作動役物645aは、球が1球入球することによって閉鎖状態へと切り替わる。
同様に、右第2入球口64bには、第2作動役物645bが付随して設けられている。この第2作動役物645bも、右第2入球口64bへの球の入球が可能(容易)となる開放状態と、右第2入球口64bへの球の入球が不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変するように、一対の羽根形状部材で形成されている。この第2作動役物645bは、振分入賞装置700の内部に設けられた第2作動口707へと球が入球した場合に開放状態に切り替わる。一方、開放状態に切り替わった第2作動役物645bは、球が右第2入球口に球が1球入球することによって閉鎖状態へと切り替わる。
なお、本第6実施形態では、右第1入球口64a2、右第2入球口64bへの球の入球を規制するための規制部材として一対の羽根形状部材で形成した第1作動役物645a、第2作動役物645bとを設けているが、各入球口に対する球の入球のし易さを可変させるものであれば良く、例えば、遊技盤13から突出した突出状態に位置することで入球口への球の入球を規制し、遊技盤13に埋没する埋没状態に位置することで入球口への球の入球を許容するように可変する構成でも良い。また、本第6実施形態では作動役物が閉鎖状態である場合には対応する(その作動役物が付随する)入球口へ球が入球し得ないように構成しているが、完全に入球できない状態まで閉鎖するのでは無く、開放状態よりも球が入球し難くなるように可変すれば良い。
加えて、本第6実施形態では作動役物645を開放状態と閉鎖状態との2つの状態に位置することが可能に構成しているが、3つ以上の状態に可変させるように構成しても良い。また、本第6実施形態では、右第1入球口64a2、右第2入球口64bのそれぞれに対して、作動役物を付随させる構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、1つの作動役物を第1状態に可変させることで一方の入球口に球が入球し易く(他方の入球口より入球し易く)、且つ、他方の入球口に球が入球し難く(一方の入球口より入球し難く)させ、第1状態とは異なる第2状態に可変させることで、上述した第1状態とは逆に、一方の入球口に球が入球し難く(他方の入球口より入球し難く)、且つ、他方の入球口に球が入球し易く(一方の入球口より入球し易く)させるように構成しても良い。これにより、1つの作動役物の動作内容応じて、複数の入球口に対する球の入球具合を可変させることができる。
可変表示装置ユニット80に対して正面視右側には、振分入賞装置700が設けられている。この振分入賞装置700は、内部へと入球した球を第1作動口704、または第2作動口707のいずれかへと振り分ける(入球させる)ための装置である。上述した通り、第1作動口704へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わり、右第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。一方、第2作動口707へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第2入球口に付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わり、右第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。
ここで、振分入賞装置700の詳細について、図170を参照して説明する。図170は、第6実施形態の遊技盤13の右側領域に設けられた振分入賞装置700付近を拡大した正面図である。振分入賞装置700の上面側は、球が流下可能に構成されている。図81に示した通り、振分入賞装置700の上面側は、正面視左下方向へと傾斜しているので、振分入賞装置700の上面に到達した球は、基本的に左下方向へと流下する。また、振分入賞装置700の上面右側には、電動役物701が設けられている。この電動役物701は、振分入賞装置700の内部へと球が入球可能(容易)となる開放状態(没入状態)と、球が入球不可能(困難)となる閉鎖状態(突出状態)とに切り替え可能に構成されている。この電動役物701は、普通図柄の抽選により当たりとなった場合に開放状態に設定される。
電動役物701の下流側は、第1流路703、および第2流路706の2つの流路に分岐している。第1流路703の下流側には、第1作動口704が設けられているので、第1流路703を流下した球は第1作動口704へと入球する。一方、第2流路706の下流側には第2作動口707が設けられているので、第2流路706を流下した球は第2作動口707へと入球する。また、第1流路703と第2流路706とが分岐する位置には、電動役物701を介して振分入賞装置700の内部へと入球した球が流下する流路を切換弁(可変流路)702が設けられている。この切換弁(可変流路)702は、第1流路703へと球を流下させる第1切換状態と、第2流路706へと球を流下させる第2切換状態とに切り換える(スライド変位させる)ことができる。第1切換状態は、切換弁(可変流路)702が正面視左側へとスライド変位することで第2流路の上流側を塞ぎ、第1流路のみが開放された状態となるため、球が第1流路へと進行する。一方、第2切換状態は、切換弁(可変流路)702が正面視右側へとスライド変位することで第1流路の上流側を塞ぎ、第1流路のみが開放された状態となるため、球が第2流路へと進行する。
切換弁(可変流路)702は、基本的に第1切換状態に設定されており、普通図柄の当たりとなってから所定期間(例えば、普通図柄の当たり状態となってから1.5秒後)が経過したことに基づいて、第1切換状態から第2切換状態に切り換えられる。また、第2切換状態に切り換えられてから特定期間(例えば、3秒間)が経過すると、再度第1切換状態に切り替えられる。
第2切換状態の間に球を振分入賞装置700へと入球させることができれば、球を第2作動口707へ向けて流下させることができる。球が第2作動口707へと入球すると、上述した通り第2作動役物645bが開放状態に設定され、右第2入球口64bへと球を入球させることが可能となる。即ち、大当たりとなった場合に特別図柄の確変状態が付与される割合が高い第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、遊技者にとって有利となる。よって、振分入賞装置700へと入球した球の流下方向(第1流路703を流下するか、第2流路707を流下するか)を遊技者に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図170に示した通り、第1作動口704の内部には、第1作動機構705が設けられている。この第1作動口704は、公知の非電動役物で構成されている、即ち、第1作動口704へと入球した球の重みに基づいて第1作動役物645aを開放状態に切り替えることができる。また、第1作動役物645aが開放状態において、右第1入球口64a2へと入球した球の重みに基づいて第1作動役物645aを閉鎖状態に切り替えることができる。
一方、第2作動口707の内部には、第2作動機構708が設けられている。この第2作動機構708は、第1作動機構705と同様の構成となっている。即ち、第2作動口707へと入球した球の重みに基づいて第2作動役物645bを開放状態に切り替えることができる。また、第2作動役物645bが開放状態において、右第2入球口64bへと入球した球の重みに基づいて第2作動役物645bを閉鎖状態に切り替えることができる。
このように、振分入賞装置700に対して球を入球させることにより、第1作動口704、または第2作動口707へと球を入球させて、第1作動役物645a、または第2作動役物645bを開放状態に切り替えることができる。上述した通り、特別図柄2の抽選で大当たりになると、特別図柄1の抽選よりも有利になるので、球が第1作動口704へと入球するか、第2作動口707へと入球するかに注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、図171を参照して、振分入賞装置700における電動役物701の動作(開放パターン)と、切換弁(可変流路)702の切換動作との対応関係について説明する。図171に示した通り、電動役物701の動作(開放パターン)には、2種類(開放パターンA、および開放パターンB)が設けられている。開放パターンAが設定されると、普通図柄の当たりが開始された直後に比較的長い時間(即ち、1秒間)電動役物701が開放状態に設定された後、1.4秒間閉鎖状態に設定される。そして、0.1秒間の開放状態が設定された後で当たり状態が終了する。1秒間の開放期間において、切換弁(可変流路)702は、第1切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第1作動口704へと振り分けられる。一方、0.1秒の開放期間中は、切換弁(可変流路)702が第2切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第2作動口707へと振り分けられる。しかしながら、0.1秒間の開放期間の間に球を入球させることは困難であるため、多くの場合、開放パターンAが設定されている間に振分装置700へと入球した球は、第1作動口704へと振り分けられ、右第1入球口64a1が開放される。よって、開放パターンAが設定されると、遊技者にとって比較的不利となる。
一方、開放パターンBが設定されると、普通図柄の当たりが開始された直後に極めて短い時間(即ち、0.1秒間)電動役物701が開放状態に設定された後、1.4秒間閉鎖状態に設定される。そして、比較的長い時間(即ち、1秒間)の開放状態が設定された後で当たり状態が終了する。0.1秒の開放期間中は、切換弁(可変流路)702が第1切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第1作動口704へと振り分けられる。しかしながら、上述した通り、0.1秒間という極めて短い開放期間の間に球を入球させることは困難である。一方、1秒間の開放期間において、切換弁(可変流路)702は、第2切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第2作動口707へと振り分けられる。よって、多くの場合、開放パターンBが設定されている間に振分装置700へと入球した球は、第2作動口707へと振り分けられ、右第2入球口64bが開放される。よって、開放パターンBが設定されると、遊技者にとって比較的有利となる。
このように、設定される開放パターンによって遊技者にとっての有利度合いを異ならせることができるので、普通図柄の当たりとなる毎に、開放パターンに興味を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本実施形態では、設定される開放パターンは遊技状態に応じて定められている。即ち、通常状態(非確変非時短状態)、時短状態1、および確変状態1においては、普通図柄の当たりになった場合に、電動役物701の開放パターンとして、開放パターンAが設定される。一方、時短状態2、および確変状態2においては、普通図画の当たりになった場合に開放パターンBが設定される。このため、時短状態2、および確変状態2では、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるので、遊技者にとって有利となる。一方、時短状態2、および確変状態2においては、第2特別図柄の抽選が実行され難いため、遊技者にとって不利となる。このように、遊技状態に応じて実行され易い特別図柄の種別を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図169に戻って説明を続ける。遊技盤13の右下方には、可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64a1、右第1入球口64a2、又は右第2入球口64bへの入球(入賞)に起因して行われた大当たり抽選により大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
なお、可変入賞装置65の構造については、上述した第1実施形態におけるV入賞装置650(図4〜図6参照)と同一であり、第1実施形態において上述した通りであるが、説明の便宜上、図4〜図6にて「650」の数値を付した符号に対して、本第6実施形態では「65」の数値を付して説明をする。そして、詳細については省略するが、大当たり中にこの可変入球装置65へと入球した遊技球が、その内部の確変スイッチ65e3(上述した第1実施形態のVスイッチ650e3に代えて用いられるスイッチ)を通過することにより、大当たり終了後に確変状態が付与されるように構成しており、この点において、上述した第1実施形態のV入賞装置650と機能面で異ならせているものである。それ以外の構成、機能は同一であるため、その説明を省略する。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図173、および図174を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図173は、本第6実施形態における主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図であり、図174(a)は、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図1用選択テーブル202b1の内容を示した図であり、図174(b)は、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図2用選択テーブル202b2の内容を示した図である。なお、特図1用選択テーブル202b1は、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、大当たり種別を決定するために参照され、特図2用選択テーブル202b2は、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、大当たり種別を決定するために参照される。
まず、図174(a)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図1用選択テーブル202b1について説明する。図174(a)は、特図1用選択テーブル202b1の規定内容を示した図である。図174(a)に示した通り、特図1用選択テーブル202b1には、第1当たり種別カウンタC2の値毎に、選択される大当たり種別が規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、大当たりAが対応付けられている。この大当たりAは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。なお、確変スイッチ65e3を通過可能なパターンとは、例えば、4ラウンドの開始に基づいて確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが5秒間オンに設定される(可変入賞装置65内における確変スイッチ65e3の設けられている流路が開放される)動作パターンである。遊技者は、大当たりにおいて、可変入賞装置65に向けて連続的に球を打ち出すので、5秒間の間に1球以上球を確変スイッチ65e3へと流下させることができる。大当たりにおいて球が確変スイッチ65e3を通過すると、大当たり後に確変状態が付与される。
即ち、大当たり後に確変状態1(特別図柄高確率状態と、普通図柄高確率状態1(時短状態1)とが複合した遊技状態)が付与される。一方、遊技者が大当たり中に球を打ち出さなかった等により、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過しないまま大当たりが終了した場合は、大当たり終了後に時短状態1(特別図柄低確率状態、普通図柄高確率状態1)が付与される。大当たりAは、確変状態になり易いものの、付与される確変状態が確変状態1であり、その確変状態中に第2特別図柄の抽選が実行され難いので、確変状態2が付与され易い大当たり種別(大当たりB、大当たりF)に比較して不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜49」の範囲には、大当たりBが対応付けられている。この大当たりBは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2(普通図柄高確率状態2)が付与される大当たり種別である。大当たりにおいて球が確変スイッチ65e3を通過すると、大当たり後に特別図柄の確変状態2(特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態2)が付与される。
即ち、大当たり後に特別図柄の確変状態と時短状態2とが複合した確変状態2が付与される。一方、遊技者が大当たり中に球を打ち出さなかった等により、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過しないまま大当たりが終了した場合は、大当たりBの終了後に時短状態2のみが付与される。大当たりBは、遊技者にとって最も有利な確変状態2へと移行し易いので、大当たり後の遊技状態の面では最も有利な大当たり種別の一つである。一方、賞球の面では、第2特別図柄の抽選により大当たりになった場合よりも少ないため、賞球面では不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜94」の範囲には、大当たりCが対応付けられている。この大当たりCは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。なお、確変スイッチ65e3を通過不可能なパターンとは、例えば、4ラウンドの開始に基づいて確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが0.5秒間オンに設定される(可変入賞装置65内における確変スイッチ65e3の設けられている流路が開放される)動作パターンである。4ラウンドが開始され、特定入賞口65aが開放されたと同時に球を入球させたとしても、0.5秒間の間に確変ソレノイド65kが設けられた流路まで球が到達することはできないので、球が確変ソレノイド65kへと到達する前に流路が閉鎖されてしまう。よって、大当たりCでは、大当たり後に特別図柄の確変状態が付与されることはない。即ち、大当たりCは、特別図柄の確変状態が付与されない上に、第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態1が付与される大当たり種別であり、更に、賞球数も第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して少ないので、遊技者にとって最も不利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「95〜94」の範囲には、大当たりDが対応付けられている。この大当たりDは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。確変状態が付与されず、賞球も第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して少ないが、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態2が付与されるので、大当たりDは、大当たりCに比較すると有利となる。
次に、図174(b)を参照して、特図2用選択テーブル202b2について説明する。図174(b)は、特図2用選択テーブル202b2の規定内容を示した図である。図174(b)に示した通り、特図2用選択テーブル202b2にも、特図1用選択テーブル202b1と同様に、第1当たり種別カウンタC2の値毎に、選択される大当たり種別が規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりEが対応付けられている。この大当たりEは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。大当たりEは、確変状態になり易いものの、付与される確変状態が確変状態1であり、その確変状態中に第2特別図柄の抽選が実行され難いので、確変状態2が付与され易い大当たり種別(大当たりB、大当たりF)に比較して大当たり終了後の状態が不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜79」の範囲には、大当たりFが対応付けられている。この大当たりFは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。大当たりFは、遊技者にとって最も有利な確変状態2へと移行し易いので、大当たり後の遊技状態の面では最も有利な大当たり種別の一つである。また、賞球の面でも、第1特別図柄の抽選により大当たりになった場合よりも多量の賞球を獲得することができる。よって、大当たりFは、遊技者にとって最も有利な大当たりとなる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜84」の範囲には、大当たりGが対応付けられている。この大当たりGは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。よって、大当たりGは、特別図柄の確変状態が付与されない上に、第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態1が付与される大当たり種別なので、大当たり終了後の遊技状態は最も不利となる。一方、賞球の面では第1特別図柄の抽選により大当たりとなるよりも有利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「85〜94」の範囲には、大当たりHが対応付けられている。この大当たりHは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。確変状態が付与されないものの、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態2が付与されるので、大当たりHは、大当たりCや大当たりGに比較すると有利となる。また、賞球面でも第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも有利となる。
このように、本実施形態では、多様な大当たり種別が設けられている。各大当たり種別は、ラウンド数や、大当たり後の遊技状態が異なるので、特別図柄の抽選により大当たりとなった場合に、どの大当たり種別となるかに遊技者を注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるか、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるかによって、獲得できる賞球数や、確変スイッチ65e3を通過可能な動作パターンとなる大当たり種別の割合が異なっている。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、多くの賞球を獲得できるので、遊技者にとって有利となる。また、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、確変スイッチ65e3を通過可能な動作パターンとなる大当たり種別(大当たりE,F)の割合が80%となっているのに対し、第1特別図柄の抽選では、確変スイッチ65e3を通過可能な動作パターンとなる大当たり種別(大当たりA,B)の割合が50%となっている。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が確変状態になり易い。よって、遊技者に対して第2特別図柄の抽選で大当たりになることを期待させることができるので、実行される抽選が第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した通り、本第6実施形態では、当選した大当たり種別に応じて、普通図柄の高確率状態の種別を可変させるように構成している。具体的には、普通図柄高確率状態1と、普通図柄高確率状態2、とを設定可能に構成している。そして、遊技状態として通常状態に加え、特別図柄の高確率状態に対して普通図柄高確率状態1が設定された確変状態1と、普通図柄高確率状態2が設定された確変状態2と、特別図柄の低確率状態に対して普通図柄高確率状態1が設定された時短状態1と、普通図柄高確率状態2が設定された時短状態2と、の合わせて5種類の遊技状態を設定可能に構成している。
ここで、図172を参照して、本実施形態における遊技状態の移行方法について説明する。図172に示した通り、本第6実施形態では、5つの遊技状態が設けられており、上述した通り、大当たりとなる毎に、その大当たりの終了後に新たに遊技状態が設定される。図172に示した通り、通常状態(非確変非時短状態)において大当たりAになると、基本的に(大当たり中に球の打ち出しを停止しない限りは)、確変状態1へと移行し、大当たりBになると、確変状態2へと移行する。また、大当たりCになると、時短状態1へと移行し、大当たりDになると、時短状態2へと移行する。
また、図172に示した通り、遊技状態が時短状態1(第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態)、および確変状態1(第2特別図柄の抽選が実行され難い確変状態)の場合は、通常状態(非確変非時短状態)と同一の状態移行を行う。なお、図示については省略したが、時短状態1、または確変状態1において、大当たりにならずに時短回数分の特別図柄の抽選が実行されると、通常状態へと移行する。
また、図172に示した通り、遊技状態が時短状態2(第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態)の場合は、大当たりEになると、確変状態1へと移行し、大当たりFになると、最も有利な確変状態2へと移行し、大当たりGになると、時短状態1へと移行し、大当たりHになると、時短状態2へと移行する(時短状態2をループする)。また、図172に示した通り、確変状態2(第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態)においても、時短状態2と同一の状態移行を行う。なお、図示については省略したが、時短状態2、または確変状態2において、大当たりにならずに時短回数分の特別図柄の抽選が実行されると、通常状態へと移行する。
次に、図173を参照して、主制御装置110のRAM203の構成について説明する。RAM203は、図173に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203aa、普通図柄保留球格納エリア203za、特別図柄1保留球数カウンタ203b、特別図柄2保留球数カウンタ203ab、普通図柄保留球数カウンタ203zb、確変カウンタ203zg、確変設定フラグ203zs、確変通過カウンタ203zt1、入賞個数カウンタ203zt2、動作カウンタ203zt3、カウンタ用バッファ203zh、残球タイマフラグ203zt4、残球タイマ203zt5、確変有効フラグ203zt6、確変有効タイマ203zt7、排出個数カウンタ203zt8、時短中カウンタ203zu、時短識別フラグ203zx、大当たりフラグ203zi、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
これらのうち、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203aa、特別図柄1保留球数カウンタ203b、特別図柄2保留球数カウンタ203ab、については、上述した第1実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
普通図柄保留球格納エリア203zaは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通入球口67(スルーゲート)を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203zaの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203zbは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203zbは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203zbは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される。
球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203zbの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203zaに記憶される。一方、球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203zbの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203zaには新たに何も記憶されない。
確変カウンタ203zgは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変カウンタ203zgの値が0より大きい値であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ203zgの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変カウンタ203zgは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入球口(大開放口)65aまたは第2特定入球口650aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に後述する確変フラグ203rがオン、即ち、確変口900aに遊技球が入球して、確変スイッチ(図示せず)により遊技球が検出された場合に、100が設定される。
なお、本第6実施形態では、大当たり遊技中において球が特定領域(確変スイッチ65e3が球を検知するための領域)を流下することにより、その大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される(確変カウンタ203zgに所定の値が設定される)ように構成しているが、これに限ること無く、当選した大当たりの種別に応じてその大当たり遊技終了後に自動的に確変状態が設定されるように構成しても良い。
MPU201によって特別図柄1変動開始処理または特別図柄2変動開始処理が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄1変動開始処理または特別図柄2変動開始処理では、確変カウンタ203zgの値が参照され、その値が0より大きい値であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203zgの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
カウンタ用バッファ203zhは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
大当たりフラグ203ziは、大当たりの発生有無を示すフラグである。大当たりフラグ203ziがオンになっている場合に、主制御装置110のMPU201が実行する大当たり制御処理により振分入賞装置650または可変入賞装置165が開放状態に設定される大当たり遊技が実行される。
確変設定フラグ203zsは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3に遊技球が通過したか否か(確変スイッチ65e3が大当たり遊技中に遊技球を検出したか否か)により決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203zsがオンに設定される。一方、確変フラグ203rがオンに設定されるのに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203zsは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
確変通過カウンタ203zt1は、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりBでの13ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203zt1と後述する排出個数カウンタ203zt8との合計により第1可変入賞口65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203zt1は、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この確変通過カウンタ203zt1は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203zt2は、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203zt2の値)と排出された個数(排出個数カウンタ203zt8と確変通過カウンタ203zt1との合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203zt2の値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203zt3は、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりBでは、13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりCでは13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203zt3には、大当たりBでは、13ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりCでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203zt3の値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203zt3は、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203zt3を設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
残球タイマフラグ203zt4は、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されることで、後述する残球タイマ203zt5が1ずつ加算されて更新される。残球タイマ203zt5は、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203zt5は、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203zt5の上限値として設定されている。この残球タイマ203zt5の上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、13ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203zsをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203zt6は、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203zt6がオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出流路65e2に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203zt7は、上述した確変有効フラグ203zt6がオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203zt7により流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出流路65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203zt7の上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に切替部材65hが特別排出流路65e2に誘導しない状態で、特別排出流路65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203zt8は、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203zt8は、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる。
時短中カウンタ203zuは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203zuは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変状態に設定されない場合には、100回の時短状態に移行する。
時短識別フラグ203zxは、時短状態の種別を識別するためのフラグである。この時短識別フラグ203zxに0が設定されていれば、時短状態1(確変状態1)であることを意味する。なお、時短状態1と同様に第2特別図柄の抽選が実行され難い通常状態においても、この時短識別フラグ203zxが0に設定される。一方、時短識別フラグ203zxに1が設定されている場合には、時短状態2(確変状態2)であることを意味する。普通図柄の当たりとなった場合には、この時短識別フラグ203zxを参照して、電動役物701の開放パターンが設定される。具体的には、時短識別フラグ203zxが0の場合に普通図柄の当たりとなると、開放パターンAが設定されるため、電動役物701の開放期間中に球を振分入賞装置700へと入球させることで第1作動口704へと球が入球し、左第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。
一方、時短識別フラグ203zxが1の場合に普通図柄の当たりとなると、開放パターンBが設定されるため、電動役物701の開放期間中に球を振分入賞装置700へと入球させることで第2作動口707へと球が入球し、左第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。この時短識別フラグ203zxは、大当たりの終了時に、その大当たり後に付与される時短状態に対応する値が設定される。また、普通図柄の時短期間が終了した場合に(即ち、時短中カウンタ203zuが0になった場合に)0が設定される。
なお、通常状態(非確変非時短状態)において時短識別フラグ203zxに0を設定しているのは、非時短状態において遊技盤13の右側方向へと球を打ち出す(所謂右打ち)変則的な遊技方法を抑制するためである。即ち、仮に通常状態において時短識別フラグ203zxが1になる構成とすると、有利な第2特別図柄の抽選を実行させようとして、遊技者が常に右打ちを行う虞がある。通常状態では、普通図柄の当たりとなる確率が低いため、右第2入球口64bへと球を入球させることが困難であるが、大当たりとなった場合に80%の割合で特別図柄の確変状態となるため、大当たりとなった場合におけるメリットが大きくなる。よって、変則的な遊技方法を誘発してしまう可能性がある。
これに対して本実施形態では、通常状態において時短識別フラグ203zxが0になる構成としているため、普通図柄の当たり確率が低い上に、当たりとなっても開放パターンAが設定されるので、遊技者が右打ちを実行するメリットが全くない状態とすることができる。よって、通常状態においては遊技者に対して左打ちを実行させることができるので、変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。
<第6実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図175から図177のフローチャートを参照して、本第6実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に保留球を記憶するように構成している点と、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能に構成している点と、が相違している。
まず、図175を参照して、本第6実施形態で実行される特別図柄変動処理6(図175のZ104)について説明する。図175は、この特別図柄変動処理6(図175のZ104)の内容を示したフローチャートである。
特別図柄変動処理6(図175のZ104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(Z201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(Z201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(Z201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(Z202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(Z202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(Z203)。
次に、特別図柄における変動表示の保留球の有無を判定する。具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0より大きいか否かを判定し(Z204)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0であると判定された場合は(Z204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいか否かを判定し(Z209)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0であると判定された場合は(Z209:No)、特別図柄における変動表示の保留球は無いと判定され、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0より大きいと判定された場合は(Z204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)を1減算し(Z205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を示す保留球数コマンドを設定する(Z206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203abの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタに格納する。
Z206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203aaに格納されたデータをシフトする(Z207)。Z207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203aaの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄2変動開始処理を実行する。なお、特別図柄2変動開始処理については、その詳細な説明を省略する。
また、特別図柄2保留球数カウンタ203abの値(N2)が0であると判定され(Z204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が0より大きいと判定された場合は(Z209:Yes)、特別図柄1の保留球について、上述した特別図柄2の保留球についての処理と同様の処理を行う。なお、特別図柄1変動開始処理については、その詳細な説明を省略する。
Z202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(Z202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(Z214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(Z214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(Z215)、本処理を終了する。
一方、Z214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(Z214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(Z216)。停止図柄の設定は、特別図柄2変動開始処理(Z208)または、特別図柄1変動開始処理(Z213)によって予め行われる。この特別図柄2変動開始処理または特別図柄1変動開始処理が実行されると、特別図柄2保留球格納エリア203aaまたは特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄2または特別図柄1の停止図柄が設定される。
Z216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(Z217)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(Z217:Yes)、大当たりフラグ203ziをオンに設定し(Z218)、大当たり開始コマンドを設定し(Z220)、時短中カウンタ203zu、確変カウンタ203zgの値をリセットして(Z271)、Z222の処理へ移行する。
Z218の処理においてオンに設定された大当たりフラグ203ziによって、メイン処理(図51参照)の大当たり制御処理(図52参照)において、大当たり遊技における処理が実行されるようになる。具体的な説明は、上述した第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
また、Z220の処理において設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。これにより、第3図柄表示装置81に大当たり開始を示唆する表示が表示され、特別遊技状態へ移行したことを遊技者へ認識させることができる。
一方、Z217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(Z217:No)、上述した第1実施形態と同一の時短回数更新処理(図38のS219参照)を実行し、特別図柄の変動回数に基づいて成立する変動回数終了条件に対して情報の更新を行う。S219の処理を終えると、次に、確変カウンタ203zgの値が0より大きいか否かを判別し(Z223)、確変カウンタ203zgの値が0より大きいと判別した場合は(Z223:Yes)、確変カウンタ203zgの値を1減算して(Z224)、上述した第1実施形態と同一のS220,S221の処理を実行し、Z222へと処理を移行する。一方、確変カウンタ203zgの値が0であると判別した場合は(Z223:No)、Z224の処理をスキップして、S220の処理へ移行する。
Z222の処理では、Z216の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(Z222)。Z222の処理を終えると、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、本第6実施形態の特別図柄変動処理6においても、上述した第1実施形態と同様に小当たりに当選したかを判別し、小当たりに当選した場合には当選した小当たりに対応した小当たり用時短更新処理(図41参照)が実行される。このように構成することにより、上述した各実施形態と同様に、時短状態(普通図柄の高確率状態)を終了させる条件として、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件(変動回数終了条件)に加え、特別図柄の抽選において小当たりに当選した回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件(当選回数終了条件)を設定することが可能となる。
よって、時短状態が終了するタイミングを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、本第6実施形態は、大当たり終了後に設定される遊技状態として、普通図柄の高確率状態以外に特別図柄の高確率状態を設定可能に構成している。そして、特別図柄の高確率状態が予め定められた特別図柄の変動回数(確変カウンタzgに設定された値)を上限に設定されるように構成している。このように、遊技者に有利となる遊技状態として、時短状態(普通図柄の高確率状態)以外の遊技状態(確変状態)を設定する場合には、その遊技状態(確変状態)に対して終了条件を設定するように構成しても良い。
この場合、確変状態を終了させる条件として、上述した時短状態を終了させる時短終了条件とは別の確変終了条件を設定するように構成しても良く、例えば、時短終了条件よりも少ない回数の小当たり当選回数を確変終了条件として設定すると良い。
なお、確変終了条件を成立させる起因となる要件と、時短終了条件を成立させる起因となる要件と、を、異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、確変終了条件と時短終了条件とのうち、何れの終了条件が先に成立するのかを遊技者が把握し難くすることができる。よって、例えば、時短終了条件が成立する際に(特別図柄の抽選を実行し易い状態から、し難い状態へと移行する際に)、既に、確変終了条件が成立していたのか否か(特別図柄が大当たりに当選し易い状態から、し難い状態へと移行していたのか否か)を想定させることができる。
以上、説明をしたように、本第6実施形態では、遊技状態として遊技者に有利となる遊技状態として、時短状態(普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、各遊技状態の終了条件として、特別図柄の変動回数が所定回数となった場合に成立する変動回数終了条件(時短状態変動回数終了条件、確変状態変動回数終了条件)に加え、所定の小当たりに当選した回数が所定回数に到達した場合に成立する当選回数終了条件(時短状態当選回数終了条件、確変状態当選回数終了条件)を設定するように構成しているため、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行するか否かだけの遊技性とは異なり、時短状態の終了(時短終了条件の成立)と、確変状態の終了(確変終了条件の成立)と、によって様々な遊技状態へと移行することができる。
よって、遊技者に対して、一方の終了条件(例えば、時短終了条件)を他方の終了条件(例えば、確変終了条件)よりも先に成立させ、一方の終了条件が成立してから他方の終了条件が成立するまでの期間(例えば、潜確期間)を、遊技者に最も有利な遊技期間とするように構成しても良い。これにより、遊技状態の1つである通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態を終了させるための終了条件が成立することを期待させながら遊技を行わせるという新しい遊技性を提供することができる。
さらに、本第6実施形態では、上述した通り、設定される時短状態(普通図柄の高確率状態)に応じて、第1特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)と、第2特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)と、を設定可能に構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となる抽選結果が得られやすくなるように構成している。そして、通常状態からは、第1特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)に移行し易く、第1特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)から、第2特別図柄の抽選が主に実行される時短状態(確変状態)に移行し易くなるように構成している。
このように構成することにより、大当たり等を介して遊技状態を複数移行させることにより、遊技者により有利な遊技状態が設定されるようにすることができるため、遊技者に対して最も有利な遊技状態で遊技を行うことに期待を持たせることができる。さらに、この場合において、第2特別図柄の抽選が主に実行される確変状態(確変状態2)が設定されている状態において、確変終了条件よりも先に時短終了条件が成立した場合にのみ、遊技者に最も有利な遊技状態へと移行するように構成すると良い。
これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選したことに基づいて遊技者に有利となる遊技状態が設定され、さらに、遊技者に有利となる遊技状態が設定されている状態にて、その遊技状態を終了させるための特定の終了条件が成立した場合に、更に有利な遊技状態へと移行し、特定の終了条件以外が成立した場合には、不利な遊技状態へと移行させることが可能となる。よって、遊技者に対して、常に緊張感を持たせた遊技を行わせることができる。
なお、本第6実施形態にて用いられる、遊技者に有利な遊技状態を終了させるための特定の終了条件や、特定の終了条件以外の終了条件としては、上述した各実施形態にて説明をした様々な終了条件を適用すれば良く、その詳細な説明を省略する。
次に、図176のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理6(Z1105)を説明する。図176は、この大当たり制御処理6(Z1105)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理6(Z1105)は、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理6(Z1105)では、まず、大当たりフラグ203ziがオンであるか否かを判定する(Z1301)。Z1301の処理において、大当たりフラグ203ziがオフであると判別された場合は(Z1301:No)、大当たりの制御を行う必要がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、Z1301の処理において、大当たりフラグ203ziがオンであると判別した場合には(Z1301:Yes)、次いで、大当たりの開始タイミングであるか否かを判別する(Z1371)。Z1371の処理において大当たりの開始タイミングであると判別された場合は、(Z1371:Yes)、オープニングコマンドを設定して(Z1372)、本処理を終了する。
Z1371の処理において、大当たりの開始タイミングでないと判別した場合には(Z1371:No)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(Z1374)。Z1374の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(Z1374:Yes)、第1特定入賞口64aの開閉動作の設定や、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作の設定を行うために大当たり動作設定処理6を実行し(Z1375)、本処理を終了する。
ここで、大当たり動作設定処理6(Z1375)が実行されると、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を、設定されている開放シナリオから読み込み、読み込んだ開放シナリオ(データ)に基づいて流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの切替動作を設定する。そして、可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作を設定する。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
一方、Z1374の処理において新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合は(Z1374:No)、次いで、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングであるか否かを判別する(Z1376)。
Z1376の処理において、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングであると判別された場合は(Z1376:Yes)、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの状態を切り替えて(Z1377)、本処理を終了する。
一方、Z1376の処理において、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングでないと判別された場合は(Z1376:No)、次いで、エンディング演出の開始タイミングであるか否かを判別する(Z1378)。
Z1378の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合は(Z1378:Yes)、エンディング処理6を実行して(Z1379)、本処理を終了する。このエンディング処理6(Z1379)の詳細については、図177を参照して後述する。
Z1378の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別された場合は(Z1378:No)、入賞処理6を実行し(Z1380)、異常処理6を実行して(Z1381)、本処理を終了する。
入賞処理6(Z1380)が実行されると、まず、ラウンド有効期間であるか判別する。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開閉扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には、入賞個数カウンタ203zt2を1加算して更新すし、入賞個数カウンタ203zt2の値が10以上であるか判別する。
入賞個数カウンタ203zt2の値が10以上であると判別した場合には、今回のラウンド遊技における終了条件が成立している状態であるため、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定し、残球タイマフラグ203zt4をオンに設定する。この残球タイマフラグ203zt4がオンに設定されることで、開閉扉65f1が閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
このように、入賞処理6では、大当たり遊技における1回のラウンド遊技中において、ラウンド遊技終了条件が成立しているかを判別する処理が実行される。さらに、大当たり遊技中に適切に確変スイッチ65e3に球が通過したか否かを判別する処理が実行される。具体的には、動作カウンタ203zt3の値が0より大きい値であるか判別し、動作カウンタ203zt3の値が0より大きい値であると判別した場合に、動作カウンタ203zt3の値を−1して更新し、次に、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する。
確変スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には、確変通過カウンタ203zt1の値に1加算して更新する。確変設定フラグ203zsをオンに設定する。その後、動作カウンタ203zt3が0であるか判別する。動作カウンタ203zt3が0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定し、確変有効フラグ203zt6をオンに設定し、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203zt6がオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別排出流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
これにより、確変有効タイマ203zt7が上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
次に、異常処理6(S1381)として、不正に確変スイッチ65e3へ遊技球が通過させられていないかを監視する処理が実行される。
次に、図177を参照して、エンディング処理6(図177のZ1379)の詳細について説明する。図177は、このエンディング処理6(Z1379)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理6(Z1379)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して設定する(Z4101)。次いで、大当たりフラグ203ziをオフに設定し(Z4102)、確変設定フラグ203zsはオンであるか判別する(Z4103)。Z4103の処理において確変設定フラグ203zsがオンであると判別されると(Z4103:Yes)、確変カウンタ203zgを100に設定する(Z4104)。図示は省略したが、確変カウンタ203zgが100に設定されることに基づいて、確変設定フラグ203zsはオフに設定されるように構成されている。その後、このZ4105の処理へ移行する。
一方、Z4103の処理において、確変設定フラグ203zsがオンでないと判別されると(Z4103:No)、Z4104の処理をスキップしてZ4105の処理へ移行する。
Z4105の処理では、実行されていた大当たり遊技が大当たりA、C、E、Gのいずれかに基づく大当たり遊技であったか否かを判別する(Z4105)。Z4105の処理において大当たりA、C、E、Gのいずれかであったと判別された場合は(Z4105:Yes)、時短識別フラグ203zxに0を設定して(Z4106)、Z4108の処理へ移行する。
一方、Z4105の処理において、大当たりA、C、E、Gのいずれでもなかったと判別された場合は(Z4105:No)、時短識別フラグ203zxに1を設定して(Z4107)、Z4108の処理へ移行する。
Z4106またはZ4107の処理により、時短識別フラグ203zxが0または1に設定されることで、普通図柄変動処理において設定される電動役物の開放パターンが切り替わることになる。Z4106またはZ4107の処理を終えると、時短中カウンタ203zuの値に100を設定して(Z4108)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、時短状態(確変状態)が付与される場合に、大当たり種別により設定される時短状態の種別が異なるように設定される。これにより、その大当たり遊技の後に実行される時短状態では、振分入賞装置700に遊技球が入球した場合に、第1作動口704に入球するか、第2作動口707に入球するかを切り替えることができ、右第1入球口64a2に遊技球を入球させるか、右第2入球口64bに遊技球を入球させるかを大当たり種別により切り替えて設定できるようになる。
よって、時短状態で、第1特別図柄で抽選が実行されるか、第2特別図柄で抽選が実行されるかを切り替えることができる。そして、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選で遊技者に付与される有利さを異ならせて設定しておくことで、大当たり種別により遊技者に与えられる特典の大小を可変できる。なお、本実施形態では、大当たり遊技におけるラウンド数を第1特別図柄と第2特別図柄とで可変させたが、確変割合や、大当たり判定の確率、時短回数、変動時間等を第1特別図柄と第2特別図柄とで変えて設定することで、特典が異なるように設定してもよい。また、本実施形態のような構成とすることで、同じ大当たり確率の確変遊技状態であっても、付与される時短状態の種別によって、時短中(確変中)に変動する特別図柄の種別を切り替えることができ、確変遊技状態における遊技者が受けることができる恩恵を可変できる。よって、複数の付与される特典が異なる確変遊技状態を設定することができる。また、本実施形態では、確変スイッチ65e3に案内される大当たりの種別を第2特別図柄の当たり種別の方が第1特別図柄よりも多く設定したので、複数の確変割合を設定することができる。よって、時短状態により、確変割合を変えることができ、遊技者に新鮮味のある遊技を提供できる。
さらに、本第6実施形態では、第1特別図柄の抽選が実行される場合と、第2特別図柄の抽選が実行される場合とで、時短状態(確変状態)が終了する条件(終了のし易さ)を異ならせている。よって、第1特別図柄と第2特別図柄との有利具合を可変させることができる。
加えて、上述した第2実施形態や第5実施形態では、遊技者が第1特別図柄の抽選を実行する遊技と、第2特別図柄の抽選を実行する遊技と、選択可能に構成し、遊技者が選択した遊技方法に対応した遊技を行うことができるように構成していた。つまり、所定の遊技状態(時短状態)が設定されている場合に、何れの遊技(第1特別図柄の抽選を実行する遊技、第2特別図柄に抽選を実行する遊技)も実行可能に構成していたのに対して、本第6実施形態では、所定の遊技状態(例えば、時短状態)において、一方の遊技(例えば、第1特別図柄の抽選を実行する遊技)を実行可能な遊技状態(時短状態1)を設定し、その時短状態1が設定されている状態において、所定条件が成立した場合に他方の遊技(例えば、第2特別図柄の抽選を実行する遊技)を実行可能な遊技状態(時短状態2)を設定可能に構成している。このように構成することにより、遊技者に対して、段階的に異なる遊技状態を設定し、提供することができるため、上述した第2実施形態や第5実施形態に対して攻略要素の高い遊技機を提供することができる。
このように構成することで、例えば、時短状態1が設定されている場合に実行される第1特別図柄の抽選において時短状態を終了させる時短終了条件が、第2特別図柄の抽選よりも成立し易くなるように構成する。具体的には、第1特別図柄の変動(抽選)回数が30回となる場合に変動回数終了条件が成立し、第1特別図柄の抽選により小当たりに2回当選した場合に当選回数終了条件が成立するように構成する。
そして、時短状態1が継続して設定されている期間中に、特別図柄の大当たりに当選した場合の一部において、その大当たり終了後(大当たり遊技終了後)に時短状態2(第2特別図柄の抽選が実行される時短状態)が設定されるように構成する。この第2特別図柄の抽選では上述した通り、時短終了条件が第1特別図柄の抽選よりも成立し難くなるように構成され、具体的には、第2特別図柄の変動(抽選)回数が100回となる場合に変動回数終了条件が成立し、第2特別図柄の抽選により小当たりに20回当選した場合に当選回数終了条件が成立するように構成する。
このように構成することで、一度、時短状態2に到達すると、時短状態1の場合よりも、時短状態が継続し易くなる。よって、遊技者に対して遊技度合いの異なる時短状態を提供することができる。なお、上述した例では、遊技者に有利な有利状態として時短状態を例に示したが、これに限ること無く、確変状態に用いても良いし、確変状態と時短状態とのそれぞれの終了条件を独立して管理し、例えば、特別図柄高確率状態で普通図柄低確率状態である遊技状態(潜確状態)を設定し得るように構成しても良い。
また、本第6実施形態において設定され得る遊技状態の終了条件としては、上述した各実施形態において設定した終了条件、或いは、想定した終了条件の何れを採用しても良いし、複数を組み合わせても良い。
以上説明した通り、第6実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合とで有利度合いを異ならせ、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が遊技者にとって有利になるように構成している。また、本実施形態では、大当たり終了後に付与される時短状態として、時短状態1、および時短状態2の2種類の時短状態を設ける構成としている。時短状態1は、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる(右第1入球口64a2へと球が入球し易くなる)時短状態であり、時短状態2は、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる(右第2入球口64bへと球が入球し易くなる)時短状態である。より詳述すると、時短状態1では、当たりとなった場合に振分入賞装置700の内部における第1作動口704へと入球し易い(第1作動役物645aが開放され易い)タイミングで電動役物701が開放される。よって、時短状態1において右打ちを行うことにより、右第1入球口64a1へと球が入球し易くなるので、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる。一方、時短状態2では、当たりとなった場合に振分入賞装置700の内部における第2作動口707へと入球し易い(第2作動役物645bが開放され易い)タイミングで電動役物701が開放される。よって、時短状態2において右打ちを行うことにより、右第2入球口64bへと球が入球し易くなるので、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる。
また、本実施形態では、可変入賞装置65の内部に確変スイッチ65e3を設ける構成とし、内部の流路を可変させることにより大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過可能(容易)な大当たり種別と、確変スイッチ65e3を球が通過不可能(困難)な大当たり種別とを設けている。そして、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるか、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるかによって、確変スイッチ65e3を通過可能な大当たり種別の割合を可変させることにより、特別図柄の確変状態へと移行する割合を可変させる構成としている。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、第1特別図柄の抽選で大当たりになる場合に比較して確変状態に移行し易くなる構成としている。このように構成することで、遊技者に対して第2特別図柄の抽選を実行させたいと思わせることができるので、振分入賞装置700へと入球した球が何れの作動口(第1作動口704、または第2作動口707のいずれか)へ入球するかについてより注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
また、本実施形態では、時短状態と同様に、確変状態にも有利度合いが異なる2種類の状態が設けられている。即ち、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態1と、第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態2とが設けられている。確変状態へと移行する割合が、第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかに応じて異なる上に、付与される確変状態にも有利度合いが異なる複数の確変状態が設けられているので、よりよい状態を目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本第6実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが所定の規則性に沿って、何れか一方のみ変動(抽選)が実行されるように構成しているが、上述した第4実施形態のように、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選を独立して実行するような構成を有した遊技機に用いても良い。
本第6実施形態では、設定される時短状態(時短状態1、時短状態2)の種別に応じて、時短状態中に抽選(変動)が実行される特別図柄の種別を完全に分ける構成を用いているが、これに限ること無く、設定される時短状態の種別に応じて、各特別図柄の抽選(変動)頻度を異ならせるように構成しても良い。例えば、時短状態Aが設定されている場合には第1特別図柄の抽選(変動)1回に対して、第2特別図柄の抽選(変動)が2回行われる程度の割合、時短状態Bが設定されている場合には第1特別図柄の抽選(変動)1回に対して、第2特別図柄の抽選(変動)が3回行われる程度の割合、時短状態Cが設定されている場合には第1特別図柄の抽選(変動)のみが実行されるようにし、時短状態Dが設定されている場合には第2特別図柄の抽選(変動)のみが実行されるように構成すれば良い。このように構成することで設定される時短状態に応じて様々な遊技性を遊技者に提供することができる。
上述した第6実施形態に用いたパチンコ機10に代えて、以下のパチンコ機10を用いても良く、通常の遊技状態では第1入球口64a1を狙う遊技(以下、通常遊技と称す)が実行される。第1入球口64a1への球の入球に基づいて実行される抽選(特図1抽選)の結果、大当たりに当選した場合には第2可変入賞装置65が開放される大当たり遊技が実行されるとともに、当選した大当たりの種別に応じて大当たり遊技終了後に特図抽選により大当たりとなる確率が高確率となり、さらに、特図の抽選が受けやすくなる確率変動遊技状態(以下、確変状態)または、大当たりとなる確率は変わらないが、特図の抽選が受けやすくなる時短遊技状態(以下、時短状態)が付与される。
そして、詳細な説明は後述するが、本パチンコ機10は確変状態中に実質的に特図1の抽選が実行される確変状態1と、実質的に特図2の抽選が実行される確変状態2とが設けられている。また、特図1の抽選に基づく大当たりよりも、特図2の抽選に基づく大当たりのほうが遊技者にとって有利となる(1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、または、大当たり遊技終了後に1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い大当たりに当選しやすい遊技状態に移行しやすい)ように設定されている。
つまり、本パチンコ機10は、遊技者に対して通常遊技よりも有利となる確変状態に確変状態1と、確変状態1よりもさらに有利となる確変状態2とを設けている。これにより、例えば、通常遊技から確変状態へと移行する割合を高くし(確変状態1へ突入しやすくし)、遊技者に通常遊技よりも大当たりしやすい遊技状態(確変状態)を体験させやすくすることで、大当たり遊技中の演出や確変状態中に第3図柄表示装置81にて実行される演出を体験させやすくし遊技を楽しませることを可能としたり、確変状態2へと移行する割合を低くし、確変状態2へと移行した遊技者に優越感を提供させることを可能としたりすることが可能となり、遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本パチンコ機10では時短状態においても上述した確変状態と同様に、時短状態1と時短状態2とを設定可能に構成されており、時短状態1および時短状態2の何れも通常遊技よりも特図抽選を受けやすい遊技状態(特図抽選が実行される入球口に球が入球しやすく、さらに、特図抽選における特図の変動時間として通常遊技状態よりも短い変動時間が設定されやすい遊技状態)が設定されている。さらに、時短状態1は実質的に特図1の抽選が実行され、時短状態2は実質的に特図2の抽選が実行されるように構成されており、時短状態1よりも、時短状態2のほうが遊技者に有利な遊技状態として設定されている。
このようなパチンコ機10を用いる場合には、遊技盤13の構成を次のようにすると良い。即ち、図169を参照して説明をすると、大当たり遊技終了後に遊技状態が確変状態または時短状態へと移行した場合には、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側の領域)を狙う遊技(以下、右打ち遊技と称す)が実行される。右打ち遊技が実行されると遊技盤13の右側領域へと発射された球が返しゴム69に衝突し、スルーゲート(普通入球口)67またはスルーゲート(普通入球口)67の近傍に植設された釘の間を通過し、振分入賞装置700に向けて流下する。振分入賞装置700に電動役物710が設けられており、電動役物710が開状態になると球が振分入賞装置700に入球可能となるように構成されている。この電動役物710は、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過することに基づいて実行される普通図柄の抽選(普図抽選)の結果が当たりとなる場合に開状態となる。なお、電動役物710には複数の開放パターンが設けられており、球が振分入賞装置700に入球するタイミングが異なるように構成すると良い。
なお、詳細な説明は省略するが、振分入賞装置700内の構成について説明する。振分入賞装置700に設けられた電動役物710が開状態になると振分入賞装置700に球が入球可能となり、振分入賞装置700に入球した球は、切換弁702上に落下する(振分入賞装置700を入球した球が切換弁702に到達するまでの時間が約0.4秒)。この切換弁702は、普図抽選の結果、当たり(普図当たり)に当選したことに基づいて予め定められた動作が実行されるように構成されており、切換弁702の動作位置によって第1流路703又は第2流路706の何れかが球が流下可能な流路として連通するように構成される。なお、図82を参照して上述したが、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)、第2流路706が連通するように切換弁702が動作し、その他の期間は第1流路703が連通するように動作されるように構成すれば良い。
このように、電気的な構成を用いること無く球の動きによって役物を開状態または閉状態へと可変させる機構は、非電動役物と呼ばれる公知な技術である。本実施形態ではこの非電動役物の構成について詳細な説明を省略したが、既に開示されている技術であれば適宜採用すればよい。
一方、振分入賞装置700内の第2流路706を流下し第2作動口707に入球した球は、上述した非電動役物の構成と同様に第2作動機構708の作動により、第2作動役物645bを開状態とする。第2作動役物645bが開状態となることで入球可能となる右第2入球口64bに球が入球することにより、特図1よりも有利に設定された特図2の抽選が実行される。なお、第2作動口707、第2作動機構708および第2作動役物645bとから構成される非電動役物の構成については、上述した第1作動口704、第1作動機構705および第1作動役物645aとから構成される非電動役物の構成と同一であるため詳細な説明は省略する。
なお、上述した切換弁702が所定期間、つまり、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)のみ、第2流路706が連通するようにし、それ以外の期間(普図当たりに当選していない期間も含む)において第1流路703が連通するように動作されるのは、第2流路706を流下することにより開放する第2作動役物645bに球が入球することで遊技者に有利な特図抽選(特図2抽選)が実行されるため、不正な遊技によって特図2抽選が実行されることを防ぐためである。
また、遊技盤13の右側領域の構成としては、振分入賞装置700に入球した球により右第1入球口64a2または右第2入球口64bが入球可能な状態となると、振分入賞装置700に入球せずに遊技盤13の右側領域を流下した球が複数の釘によって誘導され入球可能状態である何れかの入球口へと入球するように構成すると良い。
さらに、振分入賞装置700内には入球した球を第1流路703または第2流路706へと振り分けるための切換弁702が設けられ、この切換弁702は普図当たりに当選した後、1.5秒経過してから3秒間第2流路が連通する位置へと動作されるよう構成されている。この切換弁702の動作制御は、電動役物710の開放パターンとして何れの開放パターンが設定されていたとしても、一定の動作が実行されるように構成されている。
さらに、本第4実施形態では切換弁702の動作制御として、開放パターンAで入球した球が確実に第1流路703へ誘導されるように、開放パターンBで入球した球が確実に第2流路706へ誘導されるように、電動役物701の動作に対して所定期間以上(0.5秒以上)遅らせたタイミングで動作が実行されるよう構成されている。これにより、振分入賞装置700に入球した球を所望の流路へ誘導させることが可能になるとともに、切換弁702が状態を可変させるために行う動作中に球が振分入賞装置700から流下してくることを防ぐことができる。
以上、説明をした別例によれば、大当たり種別に基づいて電役(電動役物)の開放パターンを設定可能に構成し、設定された電役(電動役物)の開放パターンに基づいて特図1が実質的に変動する遊技状態と特図2が実質的に変動する遊技状態とを設定することができる。さらに、特図1抽選にて大当たりに当選した場合よりも、特図2抽選にて大当たりに当選した場合のほうが遊技者に有利な特典(大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、実質的に特図2の抽選が実行される遊技状態へと移行する割合が高い)が付与されるように設定されている。
これにより、時短状態や確変状態をさらに、遊技者に有利な遊技状態(時短状態2、確変状態2)と、有利な遊技状態よりも不利ではあるが通常遊技の状態よりは遊技者に有利な遊技状態である遊技状態(時短状態1、確変状態1)とを設けることが可能となる。従って、パチンコ機10にて実行される遊技に多彩な遊技状態を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
具体的には、通常遊技の状態から時短状態1や確変状態1へと移行する移行割合を高く設定することで、時短状態や確変状態にて実行される演出を遊技者が容易に見ることができるようにしたり、最も遊技者に有利な遊技状態となる確変状態2へと移行する移行割合を低く設定することで、確変状態2へと移行した遊技者に対して優越感を与えるようにしたりすることで遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンAと開放パターンBの2種類を設定可能に構成しているが、これに限ること無く開放パターンの種類を3種類以上設定可能に構成してもよい。これにより、より多彩な遊技状態を設定することが可能となる。
また、電役(電動役物)の開放パターンとして第1流路703へ球を誘導する開放パターン(開放パターンA)と、第2流路706へ球を誘導する開放パターン(開放パターンB)とを設定しているが、例えば、第1流路703または第2流路706の何れかに球が誘導されるタイミングで電動役物701が開放する開放パターンを設けても良い。これにより、遊技者は電動役物701に入球した球が何れの流路(第1流路703または第2流路706)に誘導させるのかを楽しむことが可能となり、遊技の興趣を更に向上させることが可能となる。
さらに、振分入賞装置700に入球した球が何れかの作動口(第1作動口704または第2作動口707)に入球するように構成されているが、例えば、振分入賞装置700から再度遊技盤13へと排出される流路を設けたり、各作動口へ入球することなく遊技盤13の裏面に設けた排出口(図示せず)に連通するアウト口へ入球する流路を設けたりしてもよい。このように構成することにより、振分入賞装置700内での球の流れに対して遊技者に興味を持たせることが可能となり、より遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、切換弁702は、当たり遊技が実行されてから予め定められた一定の動作が行われるように構成しているが、例えば、パチンコ機10に電源が投入されてから常に一定の動作が行われるように構成してもよいし、振分入賞装置700内に入球した球数が所定個数(例えば10個)に到達することで連通する流路が切り換わるように構成してもよい。
切換弁702を電気的駆動源(図示しないモータ)によって動作制御しているが、例えば、切換部材である切換弁702を球が当接することにより作動し、所定条件(例えば、10球通過)を満たした場合に連通する流路が切り換わるように構成してもよい。
さらに、切換弁702によって何れかの流路に誘導された球は流路を流下して何れかの作動口へと入球するよう構成されているが、例えば、切換弁702によって何れかの流路に誘導された球を複数の流路に振り分ける振り分け部材を設け、その振り分け部材によって特定の流路に振り分けられた球が対応する作動口へと入球するように構成してもよい。
加えて、振分入賞装置700に入球した球が一定の時間(本実施形態では0.4秒)で切換弁702へと到達するように構成されているが、例えば振分入賞装置700に入球した球が切換弁702へと到達する時間を可変させる(延長させる)手段として、振分入賞装置700に入球した球が切換弁702に到達するまでの期間を異ならせた経路を複数設け、振分入賞装置700に入球した球を何れかの経路に振り分ける振分手段を設けてもよい。これにより、振分入賞装置700に入球した球がどのタイミングで切換弁702に到達するのかを予想しながら遊技を行うことが可能となる遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
次に上述した別例のパチンコ機10の遊技状態の移行について説明をする。本パチンコ機10は、通常遊技状態と確変状態1(不利確変)と確変状態2(有利確変)と時短状態1(不利時短)と時短状態2(有利時短)とを当選した大当り種別に基づいて移行させるよう構成されている。
まず、通常遊技状態では特図1の変動が実行される遊技が行われ、大当たりに当選すると50%が確変状態1に移行し、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1に移行し、5%が時短状態2に移行する。
次に、確変状態1では電役開放パターンとして開放パターンAが設定されることから、特図1の変動が実行される遊技が行われる(特図1実質変動)。確変状態1において、大当たりに当選すると50%で確変状態1をループし、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1に移行し、5%が時短状態2に移行する。このように、確変状態1は通常遊技状態と同じく特図1が実質的に変動する遊技状態であるため、大当たり確率が通常遊技状態よりも高く設定される点では異なるが、大当たり当選後の遊技状態の移行先およびその振分は同一である。
確変状態2では電役開放パターンとして開放パターンBが設定されることから、特図2の変動が実行される遊技が行われる(特図2実質変動)。確変状態2において、大当たりに当選すると80%で確変状態2をループし、15%が時短状態2に移行し、5%が時短状態1に移行する。このように、確変状態2は特図2が実質的に変動する遊技状態であり、且つ、大当たり確率が通常遊技状態よりも高く設定される遊技状態であるため、最も遊技者に有利な遊技状態となる。
次に、時短状態1では電役開放パターンとして開放パターンAが設定されることから、特図1の変動が実行される遊技が行われる(特図1実質変動)。時短状態1において、大当たりに当選すると50%で確変状態1へ移行し、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1をループし、5%が時短状態2に移行する。このように、時短状態1は通常遊技状態と同じく特図1が実質的に変動する遊技状態であるため、特図および普図の変動時間が短縮され、普図当たり時の電動役物701の開放パターンが通常遊技状態に対して異なるが、大当たり当選後の遊技状態の移行先およびその振分は同一である。
時短状態2では電役開放パターンとして開放パターンBが設定されることから、特図2の変動が実行される遊技が行われる(特図2実質変動)。時短状態2において、大当たりに当選すると80%で確変状態2へ移行し、15%が時短状態2をループし、5%が時短状態1に移行する。このように、時短状態2は特図2が実質的に変動する遊技状態であり、且つ、大当たりに当選した場合に遊技者に最も有利となる確変状態2へと移行する確率が通常遊技状態の2.5倍以上に設定される遊技状態である(所謂、引き戻しゾーン)。このような遊技状態を設けることで、遊技者に対して通常の遊技状態よりも最も有利な遊技状態(確変状態2)に移行する可能性を高くし、意欲的に遊技を行わせることを可能とすることができるという効果がある。
なお、各遊技状態における大当たり後の遊技状態移行先および移行振分率については、これに限ること無く適宜設定すればよい。例えば、通常遊技状態から移行する時短状態を、時短状態2のみとしてもよい。これにより、通常遊技状態で大当たりに当選したにも関わらず確変状態に移行できなかった遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、遊技状態に関わらず特図の種別に応じて遊技状態の移行先および振分率を統一しているが、これに限ること無く遊技状態に応じて遊技状態の移行先および移行振分率を変更してもよい。これにより、より複雑な遊技性を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、本実施形態では確変状態が次回大当たりまで継続し、時短状態として遊技状態に関わらず10回の時短が付与される構成にしているが、例えば、確変状態を、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)実行されるまで継続する仕様としたり、特図が変動する毎に通常遊技状態へと移行する抽選を実行し、その抽選に当選することで確変状態から通常遊技状態へと移行する構成にしてもよい。この場合、遊技者に有利な確変状態と不利な確変状態として、例えば、確変状態が終了する特別図柄の変動回数に差を設けたり、確変状態から通常遊技状態へと移行する抽選確率を異ならせたりするようにしてもよい。
上述した各実施形態では、複数の時短終了条件を設定し、複数の時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数が特定の変動回数となった場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、変動回数終了条件が成立した場合と、特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、当選回数終了条件が成立した場合とで、異なるタイミングで時短状態を通常状態へと移行させることができるように構成した。
この構成を用いて、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、特別図柄の変動を開始することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行し、当選回数終了条件が成立した場合には、小当たり遊技が終了することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように制御される遊技機を設けると良い。
これにより、成立する時短終了条件によって、同一の特別図柄の変動に基づいて時短状態が終了する場合であっても、特別図柄の変動時間と、小当たり遊技が実行される時間とを合算した範囲で時短状態が終了するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対して、成立した時短終了条件の種別についても興味を持たせることができる。さらに、成立する時短終了条件によっては、遊技者に対して少量の特典を付与する小当たり遊技中にも、電動役物640aを作動させ球を入球口へと入球させ易くすることで、小当たり遊技を遊技者にとってより有利な遊技状態とすることが可能となる。
加えて、小当たり遊技が実行される期間を異ならせた複数の小当たり種別を設け、当選回数終了条件が成立した場合であっても、当選回数終了条件が成立した小当たり種別に応じて遊技者に付与される特典を異ならせるようにすると良い。これにより、成立した時短終了条件の種別だけでは無く、時短終了条件のより詳細な内容について遊技者に興味を持たせることができる。
また、この場合、当選回数終了条件が成立した場合であったも、小当たり遊技が開始されるタイミングで時短状態を終了させる場合と、小当たり遊技が終了するタイミングで時短状態を終了させる場合とが混在するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してどのタイミングで時短状態が終了するかを分かり難くすることができる。さらに、上述した実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、小当たりに当選したことに基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、を別々に実行する構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の抽選(変動)に応じて更新される時短情報を一元的に管理し、成立した時短終了条件に基づいて時短状態を終了させるタイミングを設定する構成を用いても良い。
上記各実施形態では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22,23を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各実施形態では、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行される演出における表示態様を設定するための処理を音声ランプ制御装置113が行い、遊技(抽選)そのものは、音声ランプ制御装置113とは異なる主制御装置110が実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技(抽選)を実行するための処理と、遊技(抽選)の結果を演出として表示するための処理とを、同一の制御装置で実行するように構成しても良い。このように構成することで、一つの制御装置にて複数の異なる処理を実行することが可能となる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
さらに、上記各実施形態では、複数の特別図柄種別として第1特別図柄と第2特別図柄との2種類の特別図柄を用いているが、特別図柄の種別はこれに限ること無く、3つ以上の特別図柄種別を用いても良いし、1つの特別図柄種別のみ用いるように構成しても良い。また、上述した各実施形態では、複数の特別図柄が予め定められた規則に従って抽選(変動)が行われる遊技性と、個々に独立して抽選(変動)が行われる遊技性と、を説明したが、各実施形態にて説明をした遊技性のそれぞれを入れ替えたり、組み合わせたりしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(小当たり当選で時短終了)
判別条件が成立した場合に所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記表示手段に第1判別結果とは異なる第2判別結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に、前記特典遊技とは異なる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段と、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を設定する終了条件設定手段と、を有し、前記終了条件設定手段は、前記動的表示実行手段により前記動的表示が所定回数実行されたことに基づいて成立する第1終了条件と、前記判別手段の判別結果が前記第1判別結果であることに基づいて成立し得る第2終了条件と、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果であることに基づいて成立し得る第3終了条件と、を少なくとも設定可能に構成されるものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、実行される特典遊技の種別によって予め定められた所定期間(所定回数)の間、時短遊技が実行されるものであるため、時短遊技が実行される期間を遊技者に容易に把握されてしまい、時短遊技が継続するか否かに注目させながら遊技を行わせることが難しく、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、遊技者に有利な第2遊技状態を終了させるための終了条件を複数設定することができるため、遊技者に対して第2遊技状態が継続して設定される期間を予測させ難くすることができ、遊技が単調になることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第2遊技状態が継続して設定されている期間中に、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果となる回数が所定数に到達した場合に、前記第3終了条件が成立するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中に小特典遊技が実行される回数によって、第2遊技状態を終了させることができるため、第2遊技状態中の判別手段の判別結果に対して遊技者を注視させることができる。
また、第2遊技状態中に過剰に小特典遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
遊技機A2において、前記判別手段は、前記第1判別結果及び前記第2判別結果とは異なる第3判別結果も判別するものであり、前記小特典遊技実行手段は、前記判別手段の判別結果が前記第3判別結果である場合にも前記小特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3終了条件が成立し得ない小特典遊技を実行することが可能となることから、第2遊技状態中に実行された小特典遊技の回数を把握するだけでは、第2遊技状態が継続して設定される期間を予測させ難くすることができるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A2またはA3において、前記判別手段は、前記第2判別結果として、前記小特典遊技実行手段に第1小特典遊技を実行させる特定第2判別結果と、前記小特典遊技実行手段に前記第1小特典遊技とは異なる第2小特典遊技を実行させる前記特定第2判別結果とは異なる特別第2判別結果とを少なくとも判別するものであり、前記特定第2判別結果と判別された回数が第1所定回数となった場合、或いは、前記特別第2判別結果と判別された回数が前記第1所定回数とは異なる第2所定回数となった場合に、前記第3終了条件が成立するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2またはA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、小特典遊技の種別に応じて異なる回数の終了条件を設定することができるため、第2遊技状態中に実行された小特典遊技の回数を把握するだけでは、第2遊技状態が継続して設定される期間を予測させ難くすることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A4において、前記小特典遊技が実行される場合に、遊技球が入球し難い第1状態から入球し易い第2状態へと可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域を遊技球が通過した場合にも前記特典遊技を実行するものであり、前記小特典遊技実行手段により前記第1小特典遊技が実行された場合と、前記第2小特典遊技が実行された場合とで、前記特定領域への遊技球の通過し易さを異ならせたものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機A実行される小特典遊技の種別に応じて、第2遊技状態が終了する可能性と、特典遊技を実行させる可能性と、を異ならせることができるため、実行される小特典遊技の内容に対して遊技者を注視させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴B群>(特1遊技と特2遊技で異なる時短終了条件)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、遊技球が入球可能な前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球し、所定の第1判別条件が成立した場合に所定の第1判別を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球し、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件が成立した場合に所定の第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を複数設定可能な終了条件設定手段と、を有し、前記終了条件設定手段は、複数の前記終了条件として、前記第1判別が実行されるよりも前記第2判別が実行される場合に成立し易い第1終了条件と、前記第2判別が実行されるよりも前記第1判別が実行される場合に成立し易い第2終了条件と、を少なくとも設定するものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。さらに、上記した遊技機は、遊技の抽選として特別図柄の抽選を実行するものであり、且つ、特別図柄を2種類設けることにより、様々な遊技の抽選を実行可能とするものであった。しかしながら、上記した遊技機は、時短遊技中に実行される特別図柄の抽選回数が所定回数に到達した場合に時短状態を終了させるものであるため、時短状態中に抽選が実行される特別図柄の種別に関わらず同一の条件で時短状態が終了することになる。よって、時短状態の遊技が単調となりやすいという不具合があった。また、時短状態中に実行される抽選の内容は、抽選される特別図柄の種別に応じて異ならせてはいるが、時短状態が終了するか否かの遊技結果については、抽選される特別図柄の種別に関わらず同一であるため、時短状態が継続する期間と、時短状態中に抽選が実行される特別図柄の種別とに、関連性を持たせることができず、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、第1判別を実行する場合と第2判別を実行する場合とで第2遊技状態を終了させるための終了条件を異ならせることが可能となる。よって、第2遊技状態中にどの判別が実行されるのかを遊技者に注視させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機B1において、前記判別手段の判別結果が第2判別結果である場合に前記特典遊技とは異なる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段を有し、前記終了条件設定手段は、少なくとも前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果である場合に成立し得る判別結果終了条件と、前記動的表示実行手段により前記動的表示が実行されたことに基づいて成立し得る動的表示終了条件と、を設定するものであり、前記判別手段は、前記第1判別が実行されるよりも前記第2判別が実行されるほうが前記第2判別結果と判別し易いものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別が実行されるよりも第2判別が実行されるほうが、第2遊技状態を終了させるための終了条件のうちの1つが成立し易くなるため、第2遊技状態中に何れの判別が実行され、且つ、その判別結果が何であったのかを遊技者が気にすることになる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B2において、前記終了条件設定手段は、前記第1終了条件として前記判別結果終了条件を設定し、前記第2終了条件として前記動的表示終了条件を設定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別が実行されるほうが、第2判別が実行されるよりも、判別結果終了条件が成立し易くなる。つまり、第2判別のほうが第2判別結果となり易いにも関わらず、判別結果終了条件が成立し難いことになる。よって、第2判別結果となったのが第1判別なのか第2判別なのかを遊技者が注視することになるため、飽きの来ない遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機B2またはB3において、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果である場合に、前記第2判別結果の種別として複数の第2判別結果種別から1の第2判別結果種別を決定する第2判別結果種別決定手段を有し、前記終了条件設定手段は、前記判別結果終了条件として前記第2判別結果種別決定手段により決定される第2判別結果種別毎に異なる終了条件を設定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別結果種別に基づいて異なる終了条件を設定することができるため、終了条件が成立するタイミングを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、今後の遊技を予測させる楽しみを高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B4において、前記第2判別結果種別決定手段は、前記第1判別の判別結果が前記第2判別結果となった場合と、前記第2判別の判別結果が前記第2判別結果となった場合とで、異なる第2判別結果種別を決定可能とするものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、第1判別と第2判別とで異なる第2判別結果種別を決定することができるため、第1判別と第2判別とで、判別結果終了条件の成立のし易さを容易に異ならせることができるという効果がある。
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、前記終了条件設定手段は、前記動的表示終了条件として前記第1判別に基づく前記動的表示が実行された場合に成立し得る第1動的表示終了条件と、前記第2判別に基づく前記動的表示が実行された場合に成立し得る第2動的表示終了条件と、を設定するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B2からB5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態を終了させるための終了条件を異ならせることが可能となる。よって、第2遊技状態中にどの判別が実行されるのかを遊技者に注視させることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記動的表示終了条件は、前記動的表示が実行された動的表示回数が所定回数となった場合に終了条件が成立するものであり、前記終了条件設定手段は、前記第1動的表示終了条件を成立させる動的表示回数と、前記第2動的表示終了条件を成立させる動的表示回数と、を異ならせて設定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示終了条件を成立させる動的表示回数と、第2動的表示終了条件を成立させる動的表示回数と、を異ならせることができるため、第2遊技状態が設定されている場合において、第1判別が実行される遊技と、第2判別が実行される遊技とで、第2遊技状態の終了のし易さを異ならせることができるため、多様な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機B7において、前記終了条件設定手段は、前記第1判別に基づいて実行された第1動的表示回数と、前記第2判別に基づいて実行された第2動的表示回数と、を合算させた合算動的表示回数が上限回数に到達した場合に成立する上限動的表示終了条件を設定するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示回数と、第2動的表示回数と、を合算させた合算動的表示回数が上限に到達した場合にも、第2遊技状態を終了させるため、第2遊技状態中に第1判別と第2判別とが過剰に実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に適正な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機B8において、所定の移行条件が成立した場合に、前記判別手段の判別結果が前記第1判別結果となり易い有利状態を特定期間設定する有利状態設定手段を有し、前記所定の移行条件は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態を設定する場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態が設定するタイミングに合わせて、有利状態を設定することができるため、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機B9において、前記有利状態が設定されている前記特定期間中に前記第1遊技状態が設定された場合に、遊技者に有利な特別状態を設定する特別状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態が設定されている期間中に、第2遊技状態が終了した場合に、特別状態が設定される。これにより、第2遊技状態が終了するタイミングに応じて異なる遊技状態を設定することが可能となる。加えて、特定期間という所定期間内に第2遊技状態を終了させることで特別状態が設定されるように構成しているため、遊技者に有利な第2遊技状態を積極的に終わらせるという斬新な遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
なお、特定期間としては、第2遊技状態が設定されたタイミングから所定の終了条件が成立するまでの期間を設定するようにしても良いし、第2遊技状態が設定されている状態において、特定の成立条件を満たした場合から所定の終了条件が成立するまでの期間を設定するように構成しても良い。
<特徴C群>(残時短期間演出)
判別条件が成立した場合に所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を複数設定可能な終了条件設定手段と、その終了条件設定手段により設定された複数の前記終了条件のうち、成立し易い終了条件を判別する終了条件判別手段と、前記第2遊技状態が継続して設定される期間を示唆するための示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、その示唆演出実行手段により実行される前記示唆演出の演出態様を設定する示唆演出態様設定手段と、を有し、前記示唆演出態様設定手段は、前記終了条件判別手段により判別された前記終了条件に基づいて前記示唆演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、実行される特典遊技の種別によって予め定められた所定期間(所定回数)の間、時短遊技が実行されるものであるため、時短遊技が実行される期間を遊技者に容易に把握されてしまい、時短遊技が継続するか否かに注目させながら遊技を行わせることが難しく、遊技が単調となりやすいという不具合があった。そこで、本出願人は、時短遊技を終了させるための条件を複数設けることで、時短遊技が継続して設定される期間を遊技者に分かり難くさせる遊技機の開発を行った。この遊技機では、時短遊技を終了させるための終了条件が複数存在することから、時短遊技が行われる残期間を遊技者に報知し難く、遊技者に分かり難い遊技を提供してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者に分かり易い遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、第2遊技状態を終了させるための終了条件が複数設定されている場合であっても、その中で成立し易い終了条件に基づいて示唆演出を設定することができるため、第2遊技状態が継続して設定される期間を遊技者が把握し易くすることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記終了条件判別手段は、前記第2遊技状態中における前記判別手段の実行内容に基づいて前記成立し易い終了条件を判別するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実際に判別手段の実行内容に基づいて成立し易い終了条件を判別しているため、判別精度を高めることができるという効果がある。
遊技機C2において、前記第2遊技状態が継続して設定されている期間に実行される前記判別手段の実行内容に基づいて所定の遊技情報を更新する更新手段を有し、前記終了条件設定手段は、前記複数の終了条件として、前記更新手段により第1遊技情報が更新される場合に成立し得る第1終了条件と、前記更新手段により前記第1遊技情報とは異なる第2遊技情報が更新される場合に成立し得る第2終了条件と、を少なくとも設定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段が実行されることにより成立し得る複数の遊技情報に対して終了条件を設定しているため、第2遊技状態が終了するか否かを判別手段の実行内容に基づいて把握し難くすることができる。よって、遊技者を示唆演出に注視させることができ演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機C3において、前記第1終了条件は、前記第1遊技情報の更新回数が第1回数となった場合に成立するものであり、前記第2終了条件は、前記第2遊技情報の更新回数が第2回数となった場合に成立するものであり、前記更新手段により更新された前記遊技情報に基づいて、前記第1終了条件が成立するまでの第1残更新数と、前記第2終了条件が成立するまでの第2残更新数と、を判別する残更新数判別手段を有し、前記終了条件判別手段は、前記残更新数判別手段の判別結果に応じて前記成立し易い終了条件を判別するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、各終了条件が成立するまでの残回数に基づいて成立し易い終了条件を判別しているため、示唆演出の演出態様の精度を高めることができるという効果がある。
遊技機C4において、前記残更新数判別手段により判別された前記第1残更新数、或いは、前記第2残更新数が所定の終了前条件を満たしているかを判別する終了前条件判別を有し、前記示唆演出態様設定手段は、前記終了前条件判別手段の判別結果に基づいて前記示唆演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了前条件判別手段により終了前条件を満たしているか否かに応じて示唆演出の演出態様を設定することができるため、示唆演出の演出態様によって遊技者に対して終了条件が成立するまでの残回数を予測させることができるという効果がある。
遊技機C5において、前記示唆演出態様設定手段は、前記終了前条件判別手段の判別により、複数の前記終了前条件が成立していると判別した場合に、特定の示唆演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了前条件が成立した場合に特定の示唆演出態様を設定することができるため、遊技者に対して時短状態の残期間を予測させることが可能となる。よって、遊技者に対して予測する楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されてからの第1期間を設定する第1期間設定手段を有し、前記示唆演出態様設定手段は、前記第1期間設定手段により前記第1期間が設定されている状態で前記終了条件が成立する場合には、特別示唆演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に有利な第2遊技状態が設定されてから所定期間内に終了条件が成立した場合には特別示唆演出態様が設定されるため、終了条件が成立したタイミングに応じた演出態様を設定することができる。よって、遊技者に対して終了条件が成立するタイミングを意識させることで演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機C7において、前記第1期間設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてから前記判別手段により実行される前記判別の回数が所定回数となるまで前記第1期間を設定するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段により実行される判別の回数が所定回数となるまで第1期間が設定されるため、第1期間が設定されている状態を遊技者が把握し易くなる。よって、遊技者に対して第1期間が設定されている間に終了条件が成立するか否かを楽しませることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C7またはC8において、前記第1期間設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてからの経過時間が所定時間となるまで前記第1期間を設定するものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C7またはC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態が設定されてからの経過時間が所定時間内である場合に第1期間が設定されるため、第1期間内に終了条件を成立させるために意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴D群>(1種2種で通常時短)
第1判別条件が成立した場合に判別を行う第1判別手段と、その第1判別手段による判別結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技が終了した後に、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件が成立し易くなる特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段と、前記第2判別条件が成立した場合に判別を行う第2判別手段と、その第2判別手段による判別の結果として第2判別結果を示す識別情報が前記表示手段に表示された場合に、遊技球が入球し難い第1状態から入球し易い第2状態へと可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域を遊技球が通過した場合にも前記特典遊技を実行するものであり、前記特定遊技状態設定手段は、前記第2判別条件が成立し易い第1特定遊技状態と、その第1特定遊技状態よりも前記第2判別条件が成立し難い第2特定遊技状態と、を少なくとも設定可能なものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合、或いは、遊技の当否抽選が当たり以外の場合において、実行され得る所定遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。さらに、遊技機の遊技状態として上述した特典遊技が実行され易い遊技状態を設定可能にするものがある。上記した遊技機は、遊技者に有利な遊技状態と、それ以外の遊技状態の2つの遊技状態を設定するものであり、遊技者に有利な遊技状態を段階的に複数設定することができないため、遊技が単調となりやすいという問題があった。上記した遊技機において、遊技が単調となることを抑制し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、特定遊技状態中に第2判別条件の成立のし易さを異ならせた遊技状態を設定することができるため、遊技が単調になることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記第1判別手段による判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2判別手段による判別結果を示すための第2識別情報とを表示可能な表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報を所定の第1期間動的表示させる第1動的表示手段と、前記表示手段に前記第2識別情報を所定の第2期間動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段により実行される前記第1識別情報の第1動的表示期間を設定する第1動的表示期間設定手段と、前記第2動的表示手段により実行される前記第2識別情報の第2動的表示期間を設定する第2動的表示期間設定手段と、を有し、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている間に、前記第2動的表示手段により前記第2識別情報を動的表示させることが可能に構成され、前記表示手段に、前記第1識別情報が前記第1判別結果を示すための第1表示態様で停止表示されたことに応じて前記特定遊技状態が設定され、前記第2識別情報が前記第2判別結果を示すための第2表示態様で停止表示されたことに応じて前記可変入球手段が前記第2状態へと可変されるものであり、前記特定遊技状態設定手段は前記第1動的表示期間設定手段により設定される第1動的表示期間、或いは、前記第2動的表示期間設定手段により設定される前記第2動的表示期間を異ならせることにより、前記第1特定遊技状態と前記第2特定遊技状態とを設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定遊技状態中における第1動的表示期間と第2動的表示期間とを異ならせることにより、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを設定可能としているため、特定遊技状態中に第2判別条件の成立のし易さを異ならせた遊技状態を容易に設定することができるという効果がある。
遊技機D2において、前記第2動的表示期間設定手段は、前記第2特定遊技状態が設定されている場合よりも前記第1特定遊技状態が設定されている場合のほうが短い第2動的表示期間を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示期間を短くすることで第2判別手段による判別を実行させ易くすることができるため、遊技状態を容易に設定することができるという効果がある。
遊技機D2またはD3において、前記第2判別手段は、前記第1判別結果も判別可能に構成され、前記第2動的表示期間設定手段は、前記第2特定遊技状態中に前記第2判別手段の判別結果が前記第1判別結果である場合には、前記第1判別結果以外の判別結果である場合よりも短い第2動的表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2またはD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別手段の判別結果が第1判別結果である場合は、他の判別結果よりも短い動的表示期間が設定されるため、特典遊技を実行させ易くすることができるという効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、前記第1動的表示期間設定手段は、前記第1特定遊技状態が設定されている場合よりも前記第2特定遊技状態が設定されている場合のほうが短い第1動的表示期間を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2からD4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特定遊技状態が設定されている場合よりも第2特定遊技状態が設定されている場合のほうが短い第1動的表示期間を設定され易くなるため、遊技状態を容易に設定することができるという効果がある。
遊技機D5において、前記第1動的表示期間設定手段は、前記第1特定状態中に前記第1判別手段の判別結果が前記第1判別結果である場合には、前記第1判別結果以外の判別結果である場合よりも短い第1動的表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特定状態中に第1判別結果である場合には、第1判別結果以外の判別結果である場合よりも短い第1動的表示期間が設定される。これにより、遊技者に有利な判別結果であることを遊技者に即座に報知することができる。よって、遊技者に不安感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機D2からD6のいずれかにおいて、所定の第1取得条件が成立した場合に、第1入球情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得した前記第1入球情報を、前記第1判別条件が成立するまでの間、第1所定数を上限に複数記憶可能な第1記憶手段と、所定の第2取得条件が成立した場合に、第2入球情報を取得する第2取得手段と、その第2取得手段により取得した前記第2入球情報を、前記第2判別条件が成立するまでの間、第2所定数を上限に複数記憶可能な第2記憶手段と、を有し、前記第1特定遊技状態が設定されている状態において実行される最初の第2判別手段の判別結果が第2判別結果である場合には、前記第1特定遊技状態が設定されている状態において実行される最初の第1判別手段の判別結果を示すための前記第1動的表示期間よりも短い動的表示期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D2からD6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特定遊技状態が設定されている状態において最初に実行される第2判別手段の判別結果が第2判別結果である場合には、第1特定遊技状態が設定されている状態において最初に実行される第1判別手段の判別結果を示すための第1動的表示期間よりも短い動的表示期間が設定される。これにより、第1記憶手段と第2記憶手段とが共に入球情報を記憶している状態で第1特定遊技状態が設定されたとしても、遊技者に有利となる第2判別手段の第2判別結果を即座に遊技者に報知することができる。よって、遊技者に不安感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴E群>(時短中の小当たり当選時の電サポ制御)
判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記表示手段に第1判別結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を複数設定可能な終了条件設定手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、複数の前記終了条件のうち成立した終了条件に応じて前記第1遊技状態を設定するタイミングを異ならせるものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、時短遊技を終了させるタイミングが同一であるため、時短遊技が終了したか否かを遊技者に即座に把握されてしまうため、遊技が単調になり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上させる遊技を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、成立した終了条件の種別に基づいて第1遊技状態を設定するタイミングを異ならせることができるため、終了条件が成立した場合にその種別に対しても遊技者に興味を持たせることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機E1において、前記判別手段の判別結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果である場合に、前記特典遊技とは異なる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段を有し、前記終了条件設定手段は、少なくとも、前記動的表示が実行された場合に成立し得る第1終了条件と、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果である場合に成立し得る第2終了条件と、を設定するものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1終了条件が成立したと判別された場合には、対応する前記動的表示が終了し、前記識別情報が停止表示されたことに基づいて前記第1遊技状態を設定し、前記第2終了条件が成立したと判別された場合には、対応する前記小特典遊技が実行されることに基づいて前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、成立した終了条件の内容に応じて第1遊技状態を設定するため、違和感の無い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機E2において、前記第1終了条件と、前記第2終了条件と、のうち何れか終了条件が成立したかを判別する終了条件判別手段を有し、前記終了条件判別手段は、前記第2終了条件よりも前記第1終了条件を優先して判別するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段により実行される1回の判別によって、複数の終了条件が成立した場合には、第1終了条件が優先して判別される。よって、第2終了条件が成立することに基づいて第1遊技状態が設定される状況を発生し難くすることができ、特別感を遊技者に提供することができるという効果がある。
なお、遊技機E3の構成を用いる場合には、第2終了条件が成立することに基づいて第1遊技状態が設定される場合には、第1終了条件が成立することに基づいて第1遊技状態を設定する場合よりも遊技者に有利となるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して終了条件が成立したか否かだけではなく、成立する終了条件に対しても注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E3において、前記終了条件判別手段は、前記判別手段により1の判別が実行される場合に前記第1終了条件が成立するかの判別を行い、前記第1終了条件が成立しないと判別した場合に、前記第2終了条件が成立するかの判別を行うものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、各終了条件の成立の有無について判別を行うタイミングを異ならせているため、第1終了条件の成立の有無を第2終了条件の成立の有無よりも確実に優先した判別することができるという効果がある。
遊技機E2からE4のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果が前記第2判別結果の場合に、実行される前記小特典遊技の種別を決定する遊技種別決定手段を有し、前記遊技種別決定手段は、前記小特典遊技が実行される期間が異なる複数の種別のうち、1の種別を決定するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、実行される期間が異なる小特典遊技を実行することができる。よって、第2遊技状態が終了するタイミングを小特典遊技中の遊技期間を跨いで大きく異ならせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることが出来るという効果がある。
遊技機E5において、遊技球が入球し易い第1状態と、その第1状態よりも入球し難い第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段の状態を可変制御する可変制御手段と、を有し、前記小特典遊技実行手段は、前記小特典遊技として前記可変入球手段が前記第1状態となるように前記可変制御手段による可変制御を実行するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1終了条件が成立して第1遊技状態が設定される場合と、第2終了条件が成立して第1遊技状態が設定される場合とで、遊技者に対する有利度合いを大きく異ならせることができる。よって、遊技者に対して成立した終了条件の種別と、実行される小特典遊技の種別と、の両方に注視させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることが出来るという効果がある。
遊技機E6において、前記小特典遊技の種別は、前記小特典遊技中における前記可変入球手段が前記第2状態となる期間の長さを異ならせるものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定される小特典遊技の種別に応じて、小特典遊技として遊技者に付与される特典量も可変することになるため、実行される小特典遊技の種別を遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機E7において、前記小特典遊技の種別は、前記小特典遊技中における前記可変入球手段が前記第1状態となる期間の長さが同一である複数の種別を有するものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、小特典遊技として遊技者に付与可能な特典量を同一に設定した複数の小特典遊技に対して、小特典遊技の実行期間を異ならせることにより、第2遊技状態が設定される期間の長さを異ならせることができるという効果がある。
<特徴F群>(複数の時短遊技を遊技者が選択)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球した場合に取得可能な第1取得情報を取得したことに基づいて第1判別を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球した場合に取得可能な第2取得情報を取得したことに基づいて第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記表示手段に第1判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記有利遊技状態が設定されている場合に、前記第1判別を実行させるための第1有利遊技と、その第1遊技とは異なり、前記第2判別を実行させるための第2有利遊技と、を遊技者が選択可能な選択手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。このような遊技機は、上述した時短遊技を実行する場合に、通常とは異なる遊技領域に向けて遊技球を発射させる遊技を遊技者に行わせるように構成されていた。上記した遊技機は、遊技者に有利な遊技状態である時短遊技中に通常とは異なる遊技方法を実行させることで特別感を提供することができるものであったが、予め定められた遊技方法を遊技者に行わせるだけのものであるため、遊技が単調になり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上させる遊技を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、成立した終了条件の種別に基づいて第1遊技状態を設定するタイミングを異ならせることができるため、終了条件が成立した場合にその種別に対しても遊技者に興味を持たせることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F1によれば、遊技者に有利となる有利遊技状態において、遊技者が遊技方法を選択することができるため、遊技者に対して多彩な遊技を提供することが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記第1有利遊技によって実行される前記特典遊技は、前記第2有利遊技によって実行される前記特典遊技よりも、遊技者に有利なものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F1またはF2において、前記第2有利遊技は、前記第1有利遊技よりも前記有利遊技状態が継続し易いものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な遊技領域と、発射強度を可変可能であり、前記遊技領域へと遊技球を到達させることが可能な発射手段と、を有し、流下可能な第1遊技領域と、前記一の発射強度とは異なる所定の発射強度で発射された遊技球が流下可能な前記第1遊技領域とは異なる第2遊技領域とを有し、前記第1遊技領域に前記第1入球手段を設け、前記第2遊技領域に前記第2入球手段を設け、前記選択手段は、前記発射手段の発射強度を可変させるものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4において、前記特典遊技が実行される場合に前記発射手段で発射された遊技球が入球可能となる可変入球手段を有し、前記可変入球手段は、前記第1遊技領域を流下する遊技球も前記第2遊技領域を流下する遊技球も入球可能に構成されるものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F4またはF5において、前記有利状態が設定されている場合に前記第1入球手段よりも入球し易くなる第3入球手段を有し、前記第3入球手段に遊技球が入球し、前記第1判別条件が成立した場合にも前記第1判別が実行されるものであり、前記第1有利遊技とは、前記第3入球手段へ遊技球を入球させる遊技であることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6において、前記第1入球手段は、前記遊技領域のうち、前記第1遊技領域と、前記第2遊技領域とは異なる第3遊技領域に設けられるものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F5からF7のいずれかにおいて、前記第1遊技領域を流下する遊技球を検出するための第1検出手段と、前記第2遊技領域を流下する遊技球を検出するための第2検出手段と、前記第1検出手段の検出結果と、前記第2検出手段の検出結果とに基づいて、現在の選択されている有利遊技の種別を判別する実行遊技判別手段と、その実行遊技判別手段の判別結果を示すための情報を遊技者に報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8において、前記報知手段は、前記特典遊技が実行されている間に報知を行うものであることを特徴とする遊技機F9。
<特徴G群>(義風タイプで異なる時短転落条件)
遊技球が入球可能となる開放状態と、その開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段を開放条件の成立に基づいて、前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を第1流路とその第1流路とは異なる第2流路と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路と前記第2流路との一方に振分可能な振分手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路に振分易い第1振分状態と前記第2流路に振分易い第2振分状態とを設定する振分状態設定手段と、前記第1流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第1入球手段と、前記第2流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記可変制御手段により前記可変入球手段を前記開放状態に可変させ易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記開放状態に可変させ難い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別手段による前記第1判別の実行、或いは前記第2判別手段による前記第2判別の実行、に基づいて遊技状態を設定するものであり、前記第1遊技状態が設定されている場合においては、前記第1判別を実行するほうが前記第2判別を実行するよりも、前記第2遊技状態が設定され易くなるものであることを特徴とする遊技機G1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選結果が有利となる確変遊技状態を所定の確率で設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2003−265765号公報)。ところで、上記した遊技機は、一定確率で確変遊技状態が設定されるのみであり、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、第1判別を実行するほうが第2判別を実行するよりも、第2遊技状態が設定され難くすることができるので、第1遊技状態が設定されている場合において、第1判別が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1において、前記第1判別手段が特定の第1判別結果となった場合に第1特典遊技を実行し、前記第2判別手段が特定の第2判別結果となった場合に前記第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有し、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となった場合における遊技状態に応じて前記振分状態設定手段により前記第1振分状態と前記第2振分状態とに設定される設定割合を可変する割合可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果となった場合における遊技状態に応じて、第1振分状態と第2振分状態とのいずれかに設定される割合が可変されるので、判別結果だけでなく遊技状態によって、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機G2において、前記遊技状態として、複数の遊技状態が設定されており、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となったことに基づいて、前記複数の遊技状態より1の遊技状態を選択して設定する選択設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果となったことに基づいて選択設定手段により1の遊技状態が選択して設定されるので、判別結果だけでなく設定される遊技状態にも興味を持たせて興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な第2可変入球手段と、その第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段とを有するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、特定領域に入球するか否かを期待させる遊技を行うことができ遊技を多様にできるという効果がある。
遊技機G4において、前記特典付与手段により付与される特典は、前記特定の第1判別結果と判別される確率または前記特定の第2判別結果と判別される確率を所定条件が成立するまで高く設定するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果と判別される確率を可変できるので、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機G1かG3のいずれかにおいて、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となった場合に、特定条件の成立に基づいて終了条件が成立するまで、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率を通常よりも高く設定する特別状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、終了条件が成立してしまうか否かを遊技者に心配させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機γ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機γ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機γ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。