JP2018104608A - コンクリート保護コーティング材 - Google Patents
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Abstract
Description
前記平行錘の重さは、下記数学式1によって決定されてもよい。
H2S+2O2→H2SO4
[反応式2]
Ca(OH)2+H2SO4→CaSO4・2H2O
[反応式3]
CaSO4+3CaO3Al2O3+26H2O→CaO3Al2O3・3CaSO4・32H2O
本実施例ではスライムを形成するバクテリアとして国家指定研究所内の微生物拠点センターで保有しているロードバクター・カプスラタス、ロドシュードモナス・パルストリス、バチルス・チューリンゲンシス、及びバチルス・サブチリスバクテリアを使用した。
スライムが形成されたバクテリアを固定し有機栄養分(培地)を吸着させるために、まず、吸着性能が優秀な吸着材別特性を評価した。本実施例で評価した吸着材は4つであり、T社の高吸収性樹脂(Hydrogel)、T社の高多孔性樹脂(Hydrogel)、S社の膨張蛭石、S社のパーライトを使用した。一般に、バクテリアは材料の表面組織、比表面積及び表面疎水性によって吸着に対する影響を受ける(pedersn(1990)、Kidda et al.(1992))。そこで、本実施例ではバクテリアを吸着する前にそれぞれの吸着材の表面構造および比表面積を評価した。表面構造は走査電子顕微鏡を利用して観察した。また、比表面積はBET(Brunauer、Emmett、Teller)を利用して評価した。
上述したように、スライムを形成するバクテリアのうちロードバクター・カプスラタスに対するスライムの生成量及び成長評価を介して、最適の培地条件として選定されたマルトースおよびデキストロースを用いて7日間培養し、培養されたロードバクター・カプスラタスを固定化するために表面組織及び比表面積が優秀な高多孔性樹脂を用いて24時間浸漬し吸着した。次に、ロードバクター・カプスラタスを吸着してスライムを形成した高多孔性樹脂と黄土基盤の結合材とを利用してコーティング材を製造した。
スライムバクテリアコーティング材が塗布されたコンクリートの耐硫酸性を評価するために、コーティング材の配合実験を計3組に分類し、計18配合の実験を行った。コンクリートのコーティング材の配合について、各組での配合詳細を下記表7に示した。
(1)水和生成物
コーティング材の水和生成物を評価するために、コンクリートのバクテリア混入有無に応じて材齢28日に試料を採取した。採取した試料に対してX線回折分析を測定するために1mm以下に粉砕した。X線回折分析は、X線が角度に応じて試料表面の結晶層によって散乱されることで回折相を得る分析装置である。これを利用して、各試料の水和反応生成物の主要回折ピークを分析した。
採取された試料の内部の微細構造及び化学的構成元素を分析するために、走査電子顕微鏡及び元素分析器(EDS)を利用した。試料に電子線を放出し、5,000〜30,000の倍率で内部の微細構造を確認した。また、電子線を走査する際に放出されるX線エネルギーを利用して表面に含有された元素の種類および含量を走査した。
コーティング材が塗布されたコンクリートの主要変数による硫酸抵抗性を評価するために、JIS K 8951基準に準じて化学試料溶液に浸漬した。化学試料溶液として硫酸を5%の濃度で蒸留水に溶解して製造したものを使用しており、製造された硫酸溶液の濃度が薄くなることを考慮して、14日に1回ずつ溶液を交換した。
硫酸5%溶液に浸漬されたコンクリートの浸漬日数別性能低下を評価するために、溶液に浸漬前、ならびに浸漬後1日、3日、7日及び28日の試験体に対して、肉眼で外観の変化を評価した。
硫酸5%溶液に浸漬されたコンクリートの硫酸浸透深さを測定するために、図16に示したように、浸漬日数28日で切断して断面の浸漬深さを観察した。
硫酸5%溶液に浸漬されたコンクリートの表面構造及び反応生成物を評価するために、図16に示したように、浸漬日数28日で表面(0〜1cm)の試料を採取した。採取された試料の反応生成物を評価するために、X線回折分析装置を使用した。また、内部の微細構造及び表面に含有された元素の種類および含有量を評価するために、電子顕微鏡及び元素分析器を使用した。
質量を測定するために、浸漬日数1日、3日、7日及び28日において、硫酸5%溶液に浸漬されたモールドを取り出して使用した。溶液が除去されたモールドに対して布巾などで表面の水気を除去し、乾燥炉の中で105±5℃の温度で乾燥させ、1g単位の秤を使用して質量W(g)を測定した。また、コーティング材の質量を無視するために、下記数学式2のように、硫酸溶液に浸漬する前の質量対比にて浸漬日数別の質量比を示した。
圧縮強度を評価するために、KS(2013)によってΦ100×200モールドを使用して浸漬日数1日、3日、7日及び28日の間、溶液に浸漬されたモールドを取り出して使用した。溶液が除去されたモールドに対して布巾などで表面の水気を除去し、乾燥炉の中で105±5℃の温度で乾燥させた後、500kN容量の万能材料試験機を使用してコンクリートの圧縮強度を測定した。また、硫酸浸漬日数別の圧縮強度の低下を評価するために、硫酸5%溶液に浸漬前の圧縮強度を評価した。
動弾性係数を評価するために、KS(2013)によって1次共鳴振動数を介して動弾性係数を評価した。測定は、浸漬日数28日の間、溶液に浸漬されたモールドを取り出して使用した。測定装置で500〜10,000Hz容量の共鳴周波数測定機器(ERUDITE)を使用して測定した。測定部位は硫酸に侵食された試験体の中央部および表面部とし、劣化の程度を比較するために、中央部および表面部をそれぞれ3回ずつ測定して平均値で算出した。また、共鳴周波数試験による動弾性係数は数学式3及び数学式4によって算定した。
(1)水和生成物
コーティング材のバクテリア混入有無、及び培地種類によるX線回折分析パターンを図17a及び図17bに示した。本評価対象であるバクテリアが混入されたコーティング材は、マルトース及びデキストロースでそれぞれ7日間培養されたバクテリアを使用し、高多孔性樹脂に対するバクテリアの混入量は100倍質量であり、24時間の間に浸漬および吸着し、吸着材−結合材の比は1:1.5として製造されたものである。一方、バクテリアが混入されていないコーティング材は、高多孔性樹脂を蒸留水に浸漬して吸収させたものである。高多孔性樹脂に対する蒸留水の量及び吸着材−結合材の比は、バクテリアが混入されたコーティング材と同一にした。
コーティングのバクテリアの混入有無及び培地の種類による内部の微細構造を図18a及び図18bに示した。バクテリアを混入していないコーティング材の場合、多数の内部の微細空隙、石膏及びエトリンガイトが存在した。一方、バクテリアを混入したコーティング材では、内部の微細空隙が殆ど示されておらず、これは形成されたSiO2によって緻密度が向上したためである(Shi and Day(2001))。また、コーティング材の内部でロードバクター・カプスラタスがコロニーを形成し、群集形態で現れている。
(1)外観の変化
第1組の主要変数は、バクテリア吸着材−結合材の比であり、硫酸浸漬による浸漬日数別の試験体の外観状態を図19a及び図19bに示した。無コーティング試験体(C)の外観変化では、浸漬日数が増加するほどペーストがなくなって鋼材が露出された。また、バクテリアを混入されていない試験体(G1−B1、G1−B1.5及びG1−B2.0)の浸漬日数別の外観変化では、吸着材−結合材の比が減少することでコーティング材の剥離がひどく現れており、吸着材−結合材の比が1.0の試験体では浸漬日数28日で試験体Cと類似した外観状態を示した。スライムバクテリア基盤の試験体の浸漬別の外観変化では、吸着材−結合材の比が1.0の試験体の浸漬日数が増加するほど、角部分でコーティング材の剥離が現れたが、吸着材−結合材の比が1.5及び2.0の試験体では浸漬日数による硫酸侵食に対する影響は微々であった。
図20では、結合材の置換率による試験体の硫酸の浸透深さを観察するために浸漬日数28日でΦ100×200mmの供試体の断面を4等分し、断面を切断してイメージ分析を行った結果を示している。浸透深さは供試体の表面から白色の脱色現象が発生した地点までの距離とした。コーティング材を塗布していない試験体(C)の表面から約3.39mmが白色に脱色されていた。また、バクテリアを混入していない試験体(G1−B1.0、G1−B1.5及びG1−B2.0)の場合には結合材の置換率が減少することで白色の脱色現象がより大きく現れた。一方、バクテリアを混入した全ての試験体ではコーティング材の脱落現象とは関係なく、コンクリート表面からの白色の脱色現象が現れなかった。
X線回折分析を利用してコンクリート表面(0〜1cm)から採取した試料の反応生成物の主要回折ピークを分析した結果を図21a及び図21bに示し、走査電子顕微鏡及び元素分析器を使用して採取した試料の組織構造及び化学的構成元素の分析結果を図22aおよび図22cに示した。全ての試験体では主要反応生成物である石膏(Gypsum;CaSO4・H2O)、石英(Quartz;SiO2)及び二酸化硫黄(SulfurOxide:SO2)を示すピークが検出された。特に、コーティング材を塗布していない試験体(C)では、反応生成物である石膏及び二酸化硫黄の強度(Intensity)が強く形成されており、内部の微細構造でも多量の石膏及びエトリンガイトの形状が確認された。これによって、試験体Cは、他の試験体に比べて、低い圧縮強度を示していると判断される。また、バクテリアを混入していない試験体(G1−B1.0、G1−B1.5及びG1−B2.0)は、吸着材−結合材の比とは関係なく試験体Cと類似した傾向を示した。一方、バクテリアを混入した試験体は、吸着材−結合材の比が増加するほど試験体Cに比べ石英のピークの数および強度が強く検出された。内部の微細構造では、吸着材−結合材の比が増加するほど内部緻密度が向上しており、少量のエトリンガイトの形状が確認された。また、EDS分析結果、バクテリアを混入した試験体では、Si元素が高く示される傾向を示しており、培地成分のためMg、Na、Cl及びPなどが確認された。
図23では、第1組の硫酸浸漬日数別の質量の変化を示した。コーティング材を塗布していない試験体(C)は、浸漬日数7日から28日の間に約6〜11%の質量減少を示した。また、バクテリアを混入していいない試験体(G1−B1.0、G1−B1.5及びG1−B2.0)は、浸漬日数3日で吸着材−結合材の比が減少するほど減少する傾向を示しており、浸漬日数28日では吸着材−結合材の比が1.5の試験体で約4%の最も大きい減少を示した。一方、マルトースで培養したバクテリアが混入された試験体では、浸漬日数3日で吸着材−結合材の比は、質量の変化に大した影響を示していなかった。しかし、浸漬日数28日では吸着材−結合材の比が1.0の試験体で約8%の最も急激な減少を示した。デキストロースで培養されたバクテリアを混入した試験体では、浸漬日数別の質量の変化において、吸着材−結合材の比の影響は微々であった。
図24では、第1組の硫酸浸漬による浸漬日数別の圧縮強度の比(fck/fck(0))を示した。ここで、fckは浸漬日数による試験体の圧縮強度であり、fck(0)は硫酸浸漬前の試験体の圧縮強度である。コーティング材を塗布していない試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数28日で約18%の急激な強度低下を示した。一方、バクテリアを混入していない試験体(G1−B1.0、G1−B1.5及びG1−B2.0)の圧縮強度の比は、吸着材−結合材の比及び浸漬日数とは関係なく類似した傾向を示された。一方、テキストロース培地で培養したバクテリアを混入した試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数が増加するほど吸着材−結合材の比とは関係なく増加するか類似した傾向を示した。一方、マルトース培地で培養したバクテリアを混入した試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数及び吸着材−結合材の比とは関係なくコーティング材を塗布していない試験体に比べて約22〜35%高く示されており、バクテリアを混入していない試験体に比べて約3〜10%高く示された。これはバクテリアが形成したスライム(Glygocalyx)及びシリカ成分(SiO2)によってコーティングの内部の緻密度が向上したためである。
硫酸浸漬日数28日における試験体中央部の動弾性係数比(Ed_c/Ed_c(0))及び表面部の動弾性係数比(Ed_s/Ed_s(0))をそれぞれ図25及び図26に示した。ここで、Ed_cは浸漬日数28日での中央部の動弾性係数、Ed_sは浸漬日数28日での表面部の動弾性係数、Ed_c(0)は硫酸に浸漬されていない試験体Cにおける中央部の動弾性係数、Ed_s(0)は硫酸に浸漬されていない試験体Cにおける表面部の動弾性係数である。コーティング材を塗布していない試験体(C)の中央部の動弾性係数の比は約33%であり、表面部の動弾性係数の比は約50%であり、最も急激な減少を示した。バクテリアを混入していない試験体(G1−B1.0、G1−B1.5及びG1−B2.0)の中央部の動弾性係数の比は、吸着材−結合材の比が減少するほど低く示されており、表面部の動弾性係数の比は吸着材−結合材の比とは関係なく約27〜31%低く示された。一方、バクテリアを混入した試験体の中央部の動弾性係数の比は、培地の種類とは関係なく吸着材−結合材の比が増加するほど高く示されており、表面部の動弾性係数の比はG1−M1.0の試験体を除いてはすべて高く示された。
(1)外観の変化
第2組の主要変数はバクテリア混入量であり、硫酸浸漬によるコンクリートの外観状態を図27a及び図27bに示した。バクテリアを混入していない試験体(G2−W50、G2−W100及びG2−W200)は、蒸留水の混入量とは関係なく浸漬日数28日で表面からコーティング材の剥離が発生し、コンクリートが露出した。一方、スライムバクテリア基盤の試験体は、吸着材に対するバクテリアの混入量の50質量倍を除いては浸漬日数7日まで大した影響を示しておらず、浸漬日数28日では培地の種類、および吸着材に対するバクテリアの混入量とは関係なく、表面から少しのコーティング材の剥離が発生した。
図28に、浸漬日数28日で吸着材に対するバクテリアの混入量に応じて、試験体の硫酸の浸透深さを観察するために、断面を切断してイメージ分析した結果を示した。バクテリアを混入していない全ての試験体(G2−W50、G2−W100及びG2−W200)では、コンクリートの表面が白色になる脱色現象が起こっており、吸着材に対する蒸留水の混入量が50倍のG2−W50試験体では約3.71mmと最も大きく起こっていた。一方、バクテリアが混入された試験体は吸着材に対するバクテリアの混入量の100質量倍以下では、コーティング膜の脱落および減少が起こっていたが、コンクリートの表面で白色の脱色現象は起こっていなかった。これは、バクテリアが形成した内部スライムの及びシリカ成分(SiO2)によって内部緻密度が向上したためであると判断される。
図29及び図30では、それぞれ第2組の主要変数に応じた反応生成物の主要回折ピーク(XRD)、ならびに表面構造(SEM)および元素分析結果(EDS)を示した。分析の結果、バクテリアを混入していない試験体では、吸着材に対する蒸留水の混入量とは関係なく石膏及び二酸化硫黄の強度が強く検出された。内部の微細構造でも針状のエトリンガイト形状が確認されており、元素分析の結果、多量のS(硫黄)元素が測定された。このような反応生成物は、コンクリートの膨張及び軟化作用を起こし、組織構造の破壊及び亀裂を起こす。一方、バクテリアを混入した試験体は、吸着材に対するバクテリアの混入量が増加するほどSiO2のピークの数および強度が増加する傾向を示しており、内部構造にて多量のスライム(Slime)膜が形成され、内部緻密度が向上したことが分かった。また、EDSの分析結果、第1組と同じくバクテリアを吸着材の質量対比で200倍混入したG2−M200、G2−D200の試験体では、SiO2のためSi元素が高く現れる傾向を示しており、培地及びバクテリアのためMg、Na、Cl及びPなどが追加で確認された。
図31には、吸着材に対するバクテリアの混入量に応じた浸漬日数別の質量の変化を示した。バクテリアを混入していない試験体(G2−W50、G2−W100及びG2−W200)の質量は、浸漬日数に応じて吸着材に対する蒸留水の混入量が増加するほど減少していた。一方、バクテリアを混入した試験体の浸漬日数3日での質量の変化では、培地の有無及びバクテリアの混入量に対する影響は微々であった。しかし、浸漬日数28日では吸着材の質量対比でバクテリアが50倍混入されたG2−M50、G2−D50の試験体は、バクテリアを混入した他の試験体に比べて最も多い質量減少を示した。
図32には、第2組の硫酸浸漬による圧縮強度の比(fck/fck(0))を示した。バクテリアを混入していない試験体(G2−W50、G2−W100及びG2−W200)の圧縮強度の比は、浸漬日数7日では吸着材に対する蒸留水の混入率とは関係なく約9〜11%の増加を示しており、浸漬日数28日では約12〜15%の増加を示した。浸漬日数3日において、バクテリアを混入した試験体の圧縮強度の比は、バクテリアの混入量及び培地の有無に対して、大きな影響を受けていなかった。しかし、バクテリアを混入した試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数28日でコーティング材を塗布していない試験体に比べ約30%高く示された。また、吸着材に対するバクテリアの混入率が100%の試験体の圧縮強度の比は、吸着材の質量に対する蒸留水の混入量が100倍の試験体に比べ約4%高く示された。これは、バクテリアが形成したスライム(Glycocalyx)及びシリカ成分(SiO2)によってコーティング材の内部緻密度が向上したためである。
図33及び図34には、それぞれ硫酸浸漬日数28日で、第2組の主要変数による各試験体の中央部の動弾性係数の比(Ed_c/Ed_c(0))、及び表面部の動弾性係数の比(Ed_s/Ed_s(0))を示した。中央部の動弾性係数の比は、全ての配合で約0.97〜1.08の類似した範囲の水準であった。一方、表面部の動弾性係数の比は、バクテリアを混入していない試験体(G2−W50、G2−W100及びG2−W200)で吸着材に対する蒸留水の混入量が増加するほど減少していた。これは水−結合材の増加のためコーティング材の強度が低下したためである。逆に、バクテリアを混入した試験体の中央部の動弾性係数の比は、培地の種類とは関係なく吸着材に対するバクテリアの混入量が増加するほど増加していた。また、バクテリアを混入した試験体の表面部の動弾性係数の比は、約1.00〜1.05の範囲で、浸漬前と類似した水準を示していた。
(1)外観の変化
硫酸浸漬による試験体の浸漬日数別の外観の変化を図35a及び図35bに示した。以前の実験を通して、浸漬日数1日は硫酸浸漬に対してコンクリートの外観は大した変化を示さなかったため測定していない。浸漬日数7日において、バクテリアを混入していない試験体(G3−C0.5、G3−C1.0及びG3−C3.0)の外観は、コーティングの厚さが0.5mmの試験体を除いて、コーティングの厚さに対して大した影響を示さなかった。また、バクテリアを混入した全ての試験体でも、コーティングの厚さ及び培地の種類に対する影響は微々であった。逆に、浸漬日数28日において、バクテリアを混入していない試験体(G3−C0.5、G3−C1.0及びG3−C3.0)の外観は、バクテリアを混入した試験体に比べてコーティング材の脱落現象が大きく示された。特に、コーティングの厚さが0.5mmのG3−C0.5の試験体は、コーティング材が剥離してコンクリートが露出した。一方、バクテリアを混入した試験体の外観は、コーティングの厚さが薄いほどコーティング材の剥離現象が大きく現れた。
図36に、浸漬日数28日におけるコーティング厚さによる試験体の硫酸の浸透深さを観察するために断面を切断してイメージ分析した結果を示した。バクテリアを混入していない全ての試験体(G3−C0.5、G3−C1.0及びG3−C3.0)では、浸漬日数7〜28日でコーティング膜の脱落のために表面が露出していた。このため、コーティングの厚さが1.0mm以下の試験体の硫酸の浸透深さは、約2.99〜2.15mmでコーティングされていない試験体(C)と類似して測定された。一方、バクテリアを混入した試験体は、コーティング膜の脱落現象にもかかわらず、硫酸の浸透深さは測定されなかった。
図37及び図38では、それぞれ第3組の主要変数による反応生成物の主要回折ピーク、ならびに表面構造および元素分析結果を示した。分析の結果、全ての試験体で主要な反応生成物である石膏(G)、石英(Q)、二酸化硫黄(S)及び炭酸カルシウムを示すピークが検出されていた。特に、バクテリアの混入有無に関係なくコーティング厚さ1mm以下では反応生成物である石膏及び二酸化硫黄の強度が強く検出されており、内部の微細構造でも多量の石膏及びエトリンガイトが確認された。また、EDS分析結果、石膏及びエトリンガイトを形成の際の消耗のため、カルシウムの回折ピークは比較的低く示された。一方、コーティングの厚さが3.0mmのバクテリアを混入した試験体は、培地の種類とは関係なくSiO2の強度が増加する傾向を示した。これによって、他の試験体に比べて高い圧縮強度及び耐硫酸性の向上を示すと判断される。また、EDS分析結果、第1組及び第2組と同じくSi元素が高く示される傾向を示しており、培地及びバクテリアによってMg、Na、Cl及びPなどが追加で確認された。
図39には、第3組の硫酸の浸漬日数別の質量の変化を示した。バクテリアを混入していない試験体(G3−C0.5、G3−C1.0及びG3−C3.0)は、浸漬日数3日でコーティング厚さとは関係なく大した変化を示さなかった。逆に、浸漬日数28日ではコーティング材の厚さが0.5mmの試験体で約8%の最も大きい質量減少を示した。一方、浸漬日数別のバクテリアを混入した試験体は、培地の種類及びコーティングの厚さとは関係なく、バクテリアを混入していない試験体に比べて、質量が約1〜2%高く示されるか、類似した傾向を示した。
図40には、第3組の硫酸浸漬による浸漬日数別の圧縮強度の比(fck/fck(0))を示した。バクテリアを混入していない試験体(G3−C0.5、G3−C1.0及びG3−C3.0)の圧縮強度の比は、コーティング厚さ0.5mmを除いては浸漬日数が増加するほど約8〜10%の増加を示した。マルトース培地で培養したバクテリアを混入した試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数3日でコーティングの厚さが増加するほど増加する傾向を示しており、デキストロース培地でも類似した傾向を示した。また、浸漬日数28日での圧縮強度の比は、培地の種類に関係なくコーティング厚さが1.0mm以上の試験体で最も大きく示された。バクテリアを混入したG3−M3.0の試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数28日でコーティング材を塗布していない試験体に比べて約36%高く示されており、バクテリアを混入していないG3−0.3の試験体に比べて約4〜6%高く示された。これは、コーティング材にて形成されたスライム膜、及び内部緻密度の向上によって硫酸の浸透が抑制され、圧縮強度が向上されたためであると判断される。
図41及び図42は、それぞれ硫酸浸漬日数28日におけるコーティングの厚さによる試験体中央部の動弾性係数の比(Ed_c/Ed_c(0))、及び表面部の動弾性係数の比(Ed_s/Ed_s(0))を示した。中央部の動弾性係数の比は、バクテリアの混入有無とは関係なく類似した傾向を示した。一方、コーティングの厚さが1.0mm以下の試験体での表面部の動弾性係数の比は、バクテリアの混入有無及び培地の種類とは関係なく類似した傾向を示した。しかし、コーティングの厚さが3mmの試験体における表面部の動弾性係数の比において、マルトースで培養したバクテリアを混入した試験体は、バクテリアを混入していない試験体に比べて約21%高い値を示した。また、デキストロースで培養されたバクテリアを混入したG3−D3.0の試験体に比べて、約8%高い値を示した。これは、バクテリアが生成したスライムの量、及び硫酸侵食による反応生成物による差であると判断される。
以下では、コンクリート内の硫酸挙動に対する従来のエポキシコーティング材と、本発明とを比較するために、計4配合を実験した結果を説明する。実験体名は、エポキシコーティング材を塗布したコンクリートは「Epoxy」、バクテリアを混入していないコーティング材を「Hwangtoh」、マルトース培地で培養されたバクテリアを混入したコーティング材を塗布したコンクリートを「Maltose」、デキストロース培地で培養されたバクテリアを混入したコーティング材を塗布したコンクリートを「Dextrose」と称した。エポキシコーティング材はS社の製品を使用しており、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤とを1:1で混合して塗布しており、主成分及び物理的特性は下記表9に示したとおりである。スライムバクテリア基盤のコーティング材は、上述した実験に基づいて下記表10に示したように選定しており、バクテリアの混入可否によるコーティング材の性能を評価するために全ての条件を同一にして追加配合を行った。全ての実験体は筆で同様に塗布された。また、コーティングの厚さを同じくするために、エポキシコーティング材は1回塗布した後、12時間乾燥してから2回塗布した。コーティングの厚さは1.0mm±0.05mmに固定した。コンクリートの耐硫酸性を評価するために、JIS K 8951基準に従って、硫酸5%溶液に浸漬されたコンクリートの浸漬日数別の外観の変化、質量の変化、圧縮強度及び動弾性係数を評価した。
硫酸浸漬による試験体の浸漬日数別の外観の状態を図43に示した。コーティング材を塗布していない試験体(Control)の外観は、浸漬日数が増加するほどペーストがなくなり、骨材が露出した。浸漬日数7日において、エポキシコーティング材が塗布されたコンクリートの外観は、亀裂及び膨張現象が発生していた。一方、バクテリアを混入したコーティング材が塗布されたコンクリートは、大した変化を示さなかった。浸漬日数28日において、エポキシを塗布したコンクリートの外観は、コーティング材の脱落現象が起こっており、バクテリアを混入していないコーティング材を塗布したコンクリートも類似した傾向を示した。しかし、スライムバクテリア基盤のコーティング材を塗布したコンクリートの外観は、コーティング材の脱落現象が起こったものの、これは他の試験体に比べ小さく示された。
図44には、硫酸浸漬日数別の質量の変化を示した。コーティング材を塗布していない試験体(Control)は、浸漬日数7日から28日の間に約6〜11%の質量減少を示した。また、エポキシコーティング材を塗布したコンクリート(Epoxy)は、浸漬日数28日で約5%の急激な質量減少を示した。一方、コーティング材を塗布していない試験体(Control)を除いた全ての試験体の浸漬日数別の質量は、浸漬日数28日で約5〜6%が減少し、類似した傾向を示した。
図45には、硫酸浸漬による浸漬日数別の圧縮強度の比(fck/fck(0))を示した。コーティング材を塗布していない試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数28日で約22%の低下を示した。エポキシコーティング材を塗布した試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数が増加するほど減少していた。一方、バクテリアを混入した試験体の圧縮強度の比は、浸漬日数が増加するほど増加しており、浸漬日数28日で圧縮強度の比は、バクテリアを混入していない試験体(Hawngtoh)に比べて約5〜6%高く示されており、エポキシコーティング材を塗布した試験体に比べて約26〜27%高く示された。これは、浸漬日数によるコーティング材の反応生成物、バクテリアが形成したスライム膜及びシリカ成分によって、内部緻密度が向上したためである。
図46及び図47には、それぞれ硫酸浸漬日数28日で試験体の中央分の動弾性係数の比(Ed_c/Ed_c(0))、及び表面部の動弾性係数の比(Ed_s/Ed_s(0))を示した。中央部の動弾性係数の比は、コーティング材を塗布していない試験体(Control)を除いた全ての試験体で約0.97〜1.06の範囲であり、類似して示された。一方、表面部の動弾性係数の比は、エポキシコーティング材を塗布した試験体がバクテリアを混入していない試験体(Hwangtoh)に比べて約6%高く示されたものの、バクテリアを混入した試験体に比べて約9%低く示された。
ロドシュードモナス・パルストリス及びバチルス・チューリンゲンシスに対して、バクテリアを混入したコーティング材を製造するために、結合材として比重が2.67g/cm3のα−半水石膏(α−hermihydrate gypsum)及び比重が2.91g/cm3の高炉スラグ(blast furnace slag;GGBS)を1:1の質量比で混合した結合材を用い、吸着材を浸漬した培養液と2.2:1(吸着材−結合材の比が2.2)の質量比で混合(吸着材としては、前記膨張蛭石を、バクテリア培養液:膨張蛭石の質量比=10:1で使用)したことを除いては、前記実験例1と同じ方法で実験を行った。実験結果は以下のようである。
硫酸浸漬による試験体の浸漬日数別の外観の状態を図48に示した。全ての試験体は浸漬材齢1日及び3日ではっきりとした外観の変化を示さなかった。浸漬材齢7日以降、コンクリート試験体(OPC)及びバチルス・チューリンゲンシスを混入したコーティング材を使用した試験体は、外観の侵食が現れており、特にコンクリート試験体(OPC)の場合、材齢28日では目立つ外観の侵食を示した。ロドシュードモナス・パルストリスを混入したコーティング材を使用した試験体は目立つ外観の変化を示さなかった。
浸漬材齢による試験体の圧縮強度の変化を図49に示した。ロドシュードモナス・パルストリス及びバチルス・チューリンゲンシスを混入したコーティング材を使用した場合、浸漬材齢7日までで、それぞれ約45%及び25%の圧縮強度の増加を示しており、その後、浸漬材齢28日までで45%の圧縮強度の減少を示した。一方、コンクリート試験体(OPC)の場合、浸漬材齢7日で約5%、浸漬材齢28日で約10%の圧縮強度の減少を示した。
浸漬材料による試験体の質量の変化を図50に示した。全ての試験体は浸漬材齢の増加につれて、質量の減少を示した。コンクリート試験体(OPC)の場合、浸漬材齢28日で約12%の質量減少を示しており、ロドシュードモナス・パルストリス及びバチルス・チューリンゲンシスを混入したコーティング材を使用した場合、材齢28日で約5%の質量の減少を示した。
硫酸5%水溶液への浸漬28日以降、バクテリアの吸着性を評価するために、微細構造の分析結果を図51に示した。これによれば、ロドシュードモナス・パルストリス及びバチルス・チューリンゲンシスを混入したコーティング材の粒子表面のバクテリア群集の形成を確認することができた。
ロードバクター・カプスラタス、ロドシュードモナス・パルストリス、バチルス・チューリンゲンシス及びバチルス・サブチリスに対して、バクテリアを混入したコーティング材を製造するために、結合材として比重が3.15g/cm3の普通ポートランドセメント(ordinary portland cement;OPC)及び比重が2.91g/cm3の高炉スラグを1:1の質量比で混合した結合材を、吸着材が浸漬された培養液と2.2:1(吸着材−結合材の比が2.2)の質量比で混合(吸着材としては、前記膨張蛭石を、バクテリア培養液:膨張蛭石の質量比=10:1で使用)したことを除いては、前記実験例1と同じ方法で実験を行った。実験結果は以下のようである。
浸漬材齢による試験体の質量変化を図52に示した。硫酸溶液の浸漬材齢7日での質量変化は、配合水として水及びバクテリア培地のみを使用した場合、約4%の質量減少を示しており、バクテリア接種の培養液を配合水として使用する場合、約3〜8%の質量減少を示した。
浸漬材齢による試験体の圧縮強度の変化を図53に示した。配合水として水及びバクテリア培地のみを使用した試験体は、浸漬材齢が増加するほど圧縮強度が減少したが、バクテリア接種の培養液を配合水として使用した試験体は、浸漬材齢が増加しても圧縮強度の減少は示されなかった。
ロードバクター・カプスラタス、ロドシュードモナス・パルストリス、バチルス・チューリンゲンシス及びバチルス・サブチリスに対して、バクテリアを混入したコーティング材を製造するために、結合材として比重が2.67g/cm3のα−半水石膏及び比重が2.91g/cm3の高炉スラグを1:1の質量比で混合した結合材を、吸着材を浸漬した培養液と2.2:1(吸着材−結合材の比が2.2)の質量比で混合(吸着材としては、前記膨張蛭石を、バクテリア培養液:膨張蛭石の質量比=10:1で使用)したことを除いては、前記実験例1と同じ方法でコーティング材を製造した。また、製造したコーティング材を使用した試料を、硫酸腐食環境でのバクテリアの持続成長性を評価するために、JSTM C 7401に基づいて、硫酸5%溶液に浸漬した。浸漬材齢7日後、コーティング材表面の試料を採取し、これを培地に再接種(継代培養)して群落の形成を確認した。その結果を図54に示した。
前記結合材のうち、黄土基盤の結合材、α−半水石膏、高炉スラグ、フライアッシュ、普通ポートランドセメントを用いる場合、セメントの造成のための前記吸着材の使用にも関わらず、pHの上昇のためにバクテリアの成長持続性を完全に実現することは難しい。
120 吸着パッド
130 連結用鋼棒
140 平衡錐
150 開閉蓋
160 ねじ式開口部
170 環状ピン
210 コンクリート球体
Claims (24)
- スライムを形成するバクテリアを吸着した吸着材、及び結合材を含むコーティング材。
- 前記スライムを形成するバクテリアは、ロードバクター・カプスラタス、ロードバクター・ブラスティカス、ロードバクター・スフェロイデス、ロドシュードモナス・パルストリス、ルブリヴィヴァックス・ゲラティノスス、紅色硫黄細菌、緑色硫黄細菌、バチルス・チューリンゲンシス、及びバチルス・サブチリスからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のコーティング材。
- 前記吸着材は、高吸収性樹脂、高多孔性樹脂、膨張蛭石、パーライト及び珪藻土からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のコーティング材。
- 前記結合材は、黄土基盤の結合材、α−半水石膏、高炉スラグ、フライアッシュ、普通ポートランドセメント及びマグネシア−リン酸塩結合材からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング材。
- 前記マグネシア−リン酸塩結合材は、前記結合材の総質量に対して、リン酸塩の含量が10〜50質量%であることを特徴とする、請求項4に記載のコーティング材。
- 前記リン酸塩はリン酸カルシウム(KH2PO4)、二リン酸カルシウム(Ca(H2PO4)2)、リン酸ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸アンモニウム(NH4H2PO4)、リン酸二カリウム(K2HPO4)、リン酸カルシウム(CaHPO4)、リン酸二ナトリウム(Na2HPO4)、及びリン酸二アンモニウム((NH4)2HPO4)からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項5に記載のコーティング材。
- 前記マグネシア−リン酸塩結合材は、前記マグネシア−リン酸塩100質量部に対して、遅延剤1〜10質量部を更に含むことを特徴とする、請求項5または6に記載のコーティング材。
- 前記スライムを形成するバクテリアによって形成された二酸化珪素(SiO2)が空隙を遮蔽する内部構造を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコーティング材。
- コンクリート構造体の表面の化学的侵食を防止するために使用されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコーティング材。
- 前記コンクリート構造体は、下水管渠であることを特徴とする、請求項9に記載のコーティング材。
- 前記化学的侵食は、硫酸によるものであることを特徴とする、請求項9または10に記載のコーティング材。
- 前記コンクリート構造体の表面に0.5〜10mmの厚さで塗布されることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載のコーティング材。
- スライムを形成するバクテリアを培養してスライムを形成するステップと、
前記スライムを形成したバクテリアを固定するために、吸着材を用いて前記スライムを形成したバクテリアを吸着するステップと、
前記バクテリアが吸着された吸着材を結合材と混合するステップと、
を含むコーティング材の製造方法。 - 前記スライムを形成するバクテリアは、ロードバクター・カプスラタス、ロードバクター・ブラスティカス、ロードバクター・スフェロイデス、ロドシュードモナス・パルストリス、ルブリヴィヴァックス・ゲラティノスス、紅色硫黄細菌、緑色硫黄細菌、バチルス・チューリンゲンシス、及びバチルス・サブチリスからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項13に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記ロードバクター・カプスラタス、ロードバクター・ブラスティカス、ロードバクター・スフェロイデス、ロドシュードモナス・パルストリス、ルブリヴィヴァックス・ゲラティノスス、紅色硫黄細菌及び緑色硫黄細菌は、精製水1Lを基準に酵母抽出物0.1〜5g、ジソジウムサクシネートヘキサハイドレート1〜50g、無水エタノール0.1〜5mL、クエン酸鉄溶液0.1〜5mL、リン酸に二水素カリウム0.1〜5g、硫酸マグネシウム七水和物0.1〜5g、塩化ナトリウム0.1〜5g、塩化アンモニウム0.1〜5g、及び塩化カルシウム二水和物0.01〜0.5gを含む培地でpH5〜9の条件で培養されることを特徴とする、請求項14に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記バチルス・チューリンゲンシス及びバチルス・サブチリスは、精製水1Lを基準に動物組織のペプシン消化物1〜10g、酵母抽出物0.5〜3g、塩化ナトリウム1〜10g及び牛肉抽出物0.5〜3gを含む培地でpH4〜10の条件で培養されることを特徴とする、請求項14に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記培養に使用された炭素源はマルトース、デキストロース及びフルクトースからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項13〜16のいずれか一項に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記吸着材は高吸収性樹脂、高多孔性樹脂、膨張蛭石、パーライト及び珪藻土からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項13〜17のいずれか一項に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記吸着の際に使用される前記バクテリアの前記吸着材に対する混入量は、バクテリア培養液の総質量を基準にして、前記吸着材が前記高吸収性樹脂または高多孔性樹脂である場合、50〜200倍であり、前記吸着材が前記膨張蛭石、パーライトまたは珪藻土である場合、5〜20倍であることを特徴とする、請求項18に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記吸着は、メッシュの大きさが100μm〜5mm、及び厚さが0.5〜50mmであるメッシュ状の吸着パッドに前記吸着材を投入した後、前記吸着パッドを前記バクテリアの培養液に浸漬するステップを含んで行われることを特徴とする、請求項13〜19のいずれか一項に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記吸着パッドの素材は、鋼材であることを特徴とする請求項20に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記吸着材を利用した吸着は、前記メッシュ状の吸着パッドに前記吸着材を投入した後、前記吸着パッドを前記バクテリアの培養液の中に浮遊させて行われることを特徴とする請求項20に記載の方法。
- 前記吸着パッドは、前記吸着パッドの下端に連結された平行錘によって浮遊し、
前記平行錘の重さは、下記数学式1によって決定されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一項に記載のコーティング材の製造方法。
- 前記バクテリアを吸着した吸着材及び前記結合材の混合において、前記結合材の使用量は、前記バクテリアを吸着した吸着材の質量の0.5〜3倍であることを特徴とする、請求項13〜23のいずれか一項に記載のコーティング材の製造方法。
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