以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿4(下皿)を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄ともいう)を可変表示(変動表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、例えば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、上記では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、パチンコ遊技機1は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)31(図3参照)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560(図3参照)によって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板80(図3参照)に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(図3参照)によって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口(第1始動口)13または第2始動入賞口(第2始動口)14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動時間(可変表示時間、変動表示時間とも称する)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように可変表示の表示結果(可変表示結果、変動表示結果とも称する)として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して可変表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の可変表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して可変表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の図柄表示エリアにおいて識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の図柄表示エリアにおいて可変表示中である状態をいう。本実施形態において、リーチ状態は、例えば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞球装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13を有する入賞球装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数を例えば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。本実施形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、遊技盤6と演出表示装置9との間に位置し、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(例えば、演出表示装置9の前方の位置)に移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(例えば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
ここで、本実施形態の大当りでは、1回の大当りで獲得できる遊技球の総数は、約1500個である。具体的には、1回のラウンドにおいて、遊技球1個の入賞に対して10個の払出しがあり、10個入賞するまでラウンドが継続されるので、1ラウンドあたり約100個(10×10=100)の遊技球を獲得することができる。さらに、15ラウンドまでラウンドが継続するので、合計で約1500個の遊技球を獲得することができる。また、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされたときに、所定期間(例えば29秒間)が経過するまでに、特別可変入賞球装置20が閉鎖される直前に、偶然に遊技球が所定個数(例えば10個)よりも多い特別個数(例えば11個目や12個目)入賞することがある。このような、所定の基準を超える入賞を以下では、オーバー入賞とも称する。オーバー入賞が発生することで、遊技者はより多くの出玉を獲得することができる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(普通図柄の可変表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(第2特別図柄表示器8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の可変表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
本実施形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、本実施形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、時短状態、および、高ベース状態が、可変表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、非確変状態は、後に確変大当りが発生し15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行するまでの期間継続する。また、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、高ベース状態が、可変表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、確変状態等の終了条件を次回の大当りが発生するまでという条件としてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の可変表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、本実施形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別や変動カテゴリと呼ばれる場合もある。
本実施形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。例えば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、可変表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、可変表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。例えば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の可変表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の可変表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、可変表示の表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の可変表示の方が、第1特別図柄の可変表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(例えば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、例えば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、可変表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、可変表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、可変表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、例えば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。例えば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。例えば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。例えば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。例えば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について可変表示の表示結果(可変表示結果)がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、可変表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、可変表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について可変表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。可変表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず可変表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも通常変動の変動時間は短くなる。つまり、上述のように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現し、保留消化の時間を短縮することができる(保留記憶数の削減、すなわち保留の消化を促進することができる)。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、可変表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(例えば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(例えば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。本実施形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(例えば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、可変表示開始時に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。例えば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
本実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
また、コマンドD0XXは、大入賞口への遊技球の入賞があったことを通知する大入賞口入賞通知コマンドである。大入賞口入賞通知コマンドは、例えば、大入賞口を遊技球が通過したときに、主基板31から演出制御基板80と送信される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、可変表示開始時に読出されて可変表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
本実施形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の可変表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、例えば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
本実施形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、本実施形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(例えば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(例えば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(例えば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(例えば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、可変表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図10は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(例えば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の可変表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
ここで、演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図11は、図10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づく可変表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づく可変表示の内容を判定して、将来、可変表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。例えば、ある保留情報に基づく可変表示の表示結果が大当りであるときに、当該保留情報による可変表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様や背景画像の表示態様等に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出や、また、ある保留情報に基づく可変表示における表示態様がスーパーリーチであるときに、当該保留情報による可変表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様や背景画像の表示態様等に基づいて、後にスーパーリーチとなる可能性のあることを予告するといった類の演出が、先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた可変表示を「ターゲットの可変表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示を停止し、可変表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。また、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、可変表示の開始時から表示結果の導出表示まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の可変表示の変動時間(可変表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次に、本実施形態で実行される各種の演出について説明する。本実施形態では、可変表示の表示結果が大当り表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。そして、大当り遊技状態中であるラウンド中には、遊技球の入賞によって付与される遊技球数に関連した報知演出が実行される。ここで、遊技球数に関連した報知演出には、入賞した遊技球に対して払出される獲得遊技球の数を報知する演出が含まれる。また、遊技球数に関連した報知演出には、オーバー入賞が発生したときに報知の態様を変化させることでオーバー入賞の発生を報知する演出が含まれる。このように、遊技球数に関連した演出とは、獲得した遊技球(遊技球数)に対する何らかの報知を行なう演出である。
また、遊技球数に関連した報知演出は、複数の種類が設けられている。例えば、演出状態が第1演出状態のときには、第1報知態様により報知演出が実行され、演出状態が第2演出状態のときには、第2報知態様により報知演出が実行される。つまり、報知演出は、演出状態により異なる報知演出が実行されることとなる。第1報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数となったことに基づいて実行される。また、第2報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数とは異なる特定数となったことに基づいて実行される。
ラウンド中(大当り遊技状態中)においては、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞する毎に、付与された遊技球数が可変表示可能に表示される。また、ラウンド中(大当り遊技状態中)における演出状態を第1演出状態とするか第2演出状態とするかを選択することが可能である。また、オーバー入賞により獲得する遊技球数についても、遊技球数に関連した報知演出の遊技球数のカウントに考慮される。
以下に、報知演出の具体例を説明する。図12は、報知演出を説明するための図である。ここで、本実施形態では、1回の大当りで獲得できる遊技球の総数は、約1500個である。具体的には、1回のラウンドにおいて、遊技球1個の入賞に対して10個の払出しがあり、10個入賞するまでラウンドが継続されるので、1ラウンドあたり約100個(10×10=100)の遊技球を獲得することができる。また、大当りが継続する場合には、前回の獲得総数表示の値が引継がれる。図12では、2回目以降の大当りが実行された場合が示されている。
図12(a)は、大当り表示結果となっときの大当り遊技中の1ラウンド目における演出表示装置9の表示画面を示す図である。1ラウンド目においては、ラウンド中における演出状態を2つのモードのうちから選択可能とする演出が実行される。演出表示装置9の画面の左側には、女の子キャラクタによるAモード画像211が表示される。また、演出表示装置9の画面の右側には、男の子キャラクタによるBモード画像212が表示される。遊技者は、遊技者の選択操作を促す左右の矢印で示されるモード選択画像210に従い、いずれか一方のモードを選択する。ラウンド開始時には、初期値としてAモード画像211が選択されているとともに、モード選択画像210の左側が選択されている。これらの画像が選択されていることは、画像の点滅により知ることができる。なお、点滅ではなく選択されている方の画像を太枠で囲む等としてもよく、いずれのモードが選択されていることが分かればどのような態様であってもよい。
遊技者は、1ラウンドの期間中いずれかのモードを選択することが可能である。このようなモード(演出状態)の切替えは、スティックコントローラ122を左右に操作することで変更可能である。なお、十字キー等の操作手段により左右の選択が変更可能となるようにしてもよいし、プッシュボタン120の押下げによりモードが切替るようにしてもよい。また、演出モードは3種類以上設けられていてもよいし、大当りの回数毎に選択できる演出モードの種類が増加されていくようにしてもよい。また、モードの選択期間は、1ラウンド以外のラウンドでもよく、ラウンド中の所定時間(例えば、10秒)に限って選択操作が可能となるようにしてもよい。また、大当り毎に新たな演出モードが初期値(最初に選択されているモードの種類)として設定されるようにしてもよい。
図12(b)〜(d)は、Aモードが選択された場合の演出表示装置9の表示画面を示す説明図である。また、図12(e)〜(g)は、Bモードが選択された場合の演出表示装置9の表示画面を示す説明図である。図12(b)に示すように、Aモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像224が表示される。獲得総数表示画像224は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。図12(b)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が500個の倍数を超える毎に画面中央に第1報知画像213が表示される。図12(b)では、遊技球数が500個の4倍である2000個を超えたときに第1報知画像213により、遊技球が2000個獲得されたことが示される。また、画面右上に女の子画像221が表示される。なお、獲得総数表示画像224で表示される数字と第1報知画像213として表示される数字とは瞬間的なタイミングで同じ表示である場合を示している。また、獲得総数が区切りのよい数字でない場合(例えば、13個ずつ増加する場合等)には、獲得総数表示画像224で表示される数字と第1報知画像213として表示される数字とは異なる(獲得総数表示画像224で表示される数字が2013、第1報知画像213として表示される数字が2000等)ことがある。
図12(c)は、図12(b)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の演出表示装置9の表示画面を示している。図12(c)に示すように、獲得総数表示画像224により、遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が500の5倍である2500個を超えたときに第1報知画像213により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。また、女の子画像221が図12(b)のときとは異なる人物で表示される。さらに、4回目の大当りでは、演出表示装置9の表示画面が図12(d)のようになる。図12(d)では、獲得総数表示画像224が5000個であることが示される。また、遊技球数が500の10倍である5000個を超えたときに第1報知画像213により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。また、女の子画像221が図12(b)や図12(c)のときとは異なる人物で表示される。このように、遊技球数が500の倍数を超えたときは、第1報知画像213とともに女の子画像221も変化する。ここで、第1報知画像213と女の子画像221とは、次の第1報知画像213と女の子画像221に変化するまで継続して表示される。しかし、第1報知画像213と女の子画像221とが所定時間経過することにより消去されるようにしてもよい。
次に図12(a)においてBモードが選択された場合について説明する。図12(e)に示すように、Bモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像225が表示される。獲得総数表示画像225は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。ここで、Bモードでの獲得総数表示画像225とAモードでの獲得総数表示画像224は、文字の表示態様が異なっている。このように、演出モードにより獲得総数の表示を異ならせているが、獲得総数の表示はモードによらず同じであってもよい。図12(e)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、画面右上に男の子画像222が表示される。Bモードでは、このような男の子画像222による演出が実行される。しかし、Aモードとは異なり、Bモードでは、遊技球の獲得総数が2000個を超えたとしても画面中央に獲得した遊技球の総数を報知する演出は実行されない。なお、図12(e)では、男の子画像222を表示せずに、別の演出画像が表示されるようにしてもよい。
図12(f)は、図12(e)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の演出表示装置9の表示画面を示している。図12(f)に示すように、獲得総数表示画像225により遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が2500個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。Bモードでは、入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が2500個の倍数を超える毎に画面中央に第2報知画像214が表示される。図12(f)では、遊技球数が2500個の1倍である2500個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。第2報知画像214は所定時間経過により消去される(例えば、表示されてから2秒経過後)。
さらに、4回目の大当りでは、演出表示装置9の表示画面が図12(g)のようになる。図12(g)では、獲得総数表示画像225が5000個であることが示される。また、遊技球数が2500の2倍である5000個を超えたときに第2報知画像214により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。ここで、Bモードにおいて男の子画像222は、Aモードのようにキャラクタが変化することがなく、同一人物の画像が表示される。
図12に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像213により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図12(b)〜(d)に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える毎に第1報知画像213により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、図12(e)〜(g)に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超える毎に第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図12のAモードの獲得総数表示画像224,Bモードの獲得総数表示画像225に示すように、特別可変入賞球装置20の大入賞口に遊技球が入賞する毎に、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像210が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択することが可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
図13は、図10のS704にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図13では特に、大入賞口に遊技球の入賞があったときに設定される各種のフラグについて説明する。図13に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板77を介して伝送された主基板31からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S511)。演出制御用CPU101は、受信コマンドがない場合には(S511でN)、コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御用CPU101は、受信コマンドがある場合には(S511でY)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(S512)。演出制御用CPU101は、大入賞口入賞通知コマンドである場合には(S512でY)、演出制御カウンタ設定部に設けられている大入賞口入賞回数カウンタの格納値である大入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(S513)。大入賞口入賞回数カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。そして、演出制御用CPU101は、演出制御フラグ設定部に設けられている大入賞口入賞フラグをセットし(S514)、S515の処理へ移行する。大入賞口入賞フラグは、大入賞口に遊技球が入賞するごとにセットされるフラグである。
S515において、演出制御用CPU101は、オーバー入賞であるか否かを判定する。例えば、更新後の大入賞口入賞回数カウント値が予め定められたオーバー入賞判定値(入賞上限判定値よりも1大きい値。本実施形態では入賞上限判定値は「10」であるためオーバー入賞判定値は「11」)となったか否かを判定すればよい。演出制御用CPU101は、オーバー入賞でない場合には(S515でN)、コマンド解析処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、オーバー入賞である場合には(S515でY)、オーバー入賞フラグをセットし(S516)、コマンド解析処理を終了する。オーバー入賞フラグは、大入賞口へ入賞上限判定値を超えて遊技球が入賞するごとにセットされるフラグである。
S512おいて、演出制御用CPU101は、受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドでない場合には(S512でN)、受信コマンドに応じた設定を行ない(S517)、コマンド解析処理を終了する。
図14および図15は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S920)。ここで、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグ等のフラグは、RAM103に形成されるコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合に、演出制御用CPU101によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去される。
演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S920でN)、プロセスタイマの値を1減算する(S921)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(S922)。例えば、演出表示装置9においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってROM102から画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、第1ラウンドの開始時であるか否かを判定する(S923)。第1ラウンドであるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。演出制御用CPU101は、第1ラウンドの開始時であると判定した場合には(S923でY)、図12(a)に示すようなモード選択画面を表示し(S924)、S925の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、第1ラウンドの開始時でないと判定した場合には(S923でN)、S924からS926の処理を行なわずに、S928の処理へ移行する。
S925において、演出制御用CPU101は、選択されたモードがAモードであるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、選択されたモードがAモードである場合には(S925でY)、Aモードフラグをセットし(S926)、S928の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、選択されたモードがAモードでない場合には(S925でN)、Bモードフラグをセットし(S927)、S928の処理へ移行する。ここで、遊技者がモード選択画面を表示中にモードを選択しない場合には、初期値として設定されているAモードが選択される。
次いで、S928において、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定する。大入賞口入賞フラグは、図13のS514において設定されるフラグであり、大入賞口への遊技球の入賞が発生する毎に設定されるフラグである。演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされている場合には(S928でY)、大入賞口入賞フラグをリセットし(S929)、S932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされていない場合には(S928でN)、オーバー入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S930)。オーバー入賞フラグは、図13のS516において設定されるフラグであり、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合に設定されるフラグである。
演出制御用CPU101は、オーバー入賞フラグがセットされている場合には(S930でY)、オーバー入賞フラグをリセットし(S931)、S932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、オーバー入賞フラグがセットされていない場合には(S930でN)、S932とS933の処理を行なわずに、S940の処理へ移行する。
S932において、演出制御用CPU101は、入賞カウンタの値を1加算し、モードに応じた獲得総数表示(総獲得数表示)を更新し(S933)、S940の処理へ移行する。S933においては、例えば、図12(b)や図12(e)に示すように、Aモードでの獲得総数表示画像224やBモードでの獲得総数表示画像225が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していくことになる。なお、ラウンド中に大入賞口以外の払出しのある入賞口に遊技球が入賞した場合についても獲得総数の表示を更新する処理を実行するようにしてもよい。
S940において、演出制御用CPU101は、Aモードフラグがセットされているか否かを判定する。演出制御用CPU101は、Aモードフラグがセットされている場合には(S940でY)、S941の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、Aモードフラグがセットされていない場合(すなわち、Bモードフラグがセットされている場合)には(S940でN)、S943の処理へ移行する。
S941において、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えた場合には(S941でY)、Aモードの表示により、遊技球の獲得数を報知し(S942)、S945の処理へ移行する。例えば、Aモードの表示とは、図12(b)〜(d)に示すように、第1報知画像213や女の子画像221を遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたときに表示する(変更する)処理である。Aモードによる表示は、次の表示の更新まで継続して表示される。一方、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えていない場合には(S941でN)、S942の処理を行なわずに、S945の処理へ移行する。
S943において、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えた場合には(S943でY)、Bモードの表示により、遊技球の獲得数を報知し(S944)、S945の処理へ移行する。例えば、Bモードの表示とは、図12(f),(g)に示すように、第2報知画像214を遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示する処理である。ここで、Bモードによる第2報知画像214の表示は、所定時間経過後に消去される。例えば、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示されて後から2秒後に消去される。なお、第2報知画像214の表示は、実行されているラウンドが終了したタイミングで消去されるようにしてもよい。一方、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えていない場合には(S943でN)、S944の処理を行なわずに、S945の処理へ移行する。
S945において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっているか否かを判定する。演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっている場合には(S945でY)、次のプロセスタイマをスタートさせ(S946)、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S947)、ラウンド中処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっていない場合には(S945でN)、S946とS947の処理を行なわずに、ラウンド中処理を終了する。
S920において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S920でY)、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットする(S934)。次いで、演出制御用CPU101は、インターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択し、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S935)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S936)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定し(S937)、ラウンド中処理を終了する。
図14のS930〜S932の処理においてオーバー入賞での賞球を加える処理が実行された上で、Aモードでの獲得総数表示画像224やBモードでの獲得総数表示画像225が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していく獲得総数表示の可変表示が行なわれる。このようにすれば、1の単位遊技において遊技球が10個より多い11個や12個入賞したことにより付与される遊技球数を加えた上で、報知演出が実行されるので、遊技者に適切な報知演出を実行することができる。
なお、図14では、S940においてAモードフラグが設定されているか否かを判定した後に、遊技球の獲得総数の判定がされる場合を示した。しかし、遊技球の獲得総数を先に判定し、その判定値が所定の個数を超えている場合に、AモードであるかBモードであるかを確認することで、表示する画像が決定されるようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したときに実行される報知演出による遊技の興趣を向上させることができる遊技機について説明する。例えば、このような遊技機は、以下のようなものである。
(1) 本発明による遊技機は、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(例えば、遊技球)が入賞容易な第1状態(例えば、開放状態)と遊技媒体が入賞困難な第2状態(例えば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(例えば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する特別可変入賞球装置(大入賞口))と、所定期間(例えば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(例えば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(例えば、ラウンド)を所定回数(例えば、15ラウンド)実行する有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)とを備え、有利状態制御手段は、有利状態として、少なくとも第1有利状態(例えば、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利状態(例えば、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)とに制御可能であり、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(例えば、11個目や12個目)入賞したこと(例えば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(例えば、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(例えば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3923,S3924と同様の処理を実行する部分)をさらに備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本発明による遊技機の他の態様は、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(例えば、遊技球)が入賞容易な第1状態(例えば、開放状態)と遊技媒体が入賞困難な第2状態(例えば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(例えば、第1特別可変入賞球装置20a(第1大入賞口)、第2特別可変入賞球装置20b(第2大入賞口))と、所定期間(例えば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(例えば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(例えば、ラウンド)を所定回数(例えば、15ラウンド)実行する有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、有利状態において可変入賞手段に設けられた特定領域(例えば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて、特別状態(例えば、確変状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(例えば、11個目や12個目)入賞したこと(例えば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(例えば、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3923,S3924を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(3) (1)において、報知演出実行手段は、第2有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(例えば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(4) (2)において、報知演出実行手段は、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3921,S3922でNのとき、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(5) (1)または(3)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(例えば、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能であり(例えば、ステップS3920でNのときステップS3925を実行する部分)、第2有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(例えば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りであると判定すると、ステップS3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(6) (2)または(4)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(例えば、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能であり(例えば、ステップS3920でNのときステップS3925を実行する部分)、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3921,S3922でNのとき、ステップS3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(7) (1)、(3)、または(5)のうちのいずれかにおいて、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が付与されること(例えば、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(例えば、図19(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、S3928と同様の処理を実行する部分)を備え、報知演出実行手段は、特定演出を実行する前に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行せず(例えば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行しない)、特定演出を実行した後に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行する(例えば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格演出が実行された後の第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(8) (2)、(4)、または(6)のうちのいずれかにおいて、有利状態において特定領域(例えば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて特別演出(例えば、確変確定報知)を実行可能な特別演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3908〜S3916を実行する部分)を備え、報知演出実行手段は、有利状態における特定領域を遊技媒体が通過した単位遊技(例えば、第6ラウンド)において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第6ラウンドである場合には、ステップS3921でNと判定し、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特殊態様による報知演出により特別演出の実行を妨げてしまうことを防止することができ、演出効果が却って低下してしまうことを防止することができる。
(9) (1)から(8)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、特殊態様による報知演出として、発光体による発光(例えば、第1大入賞口LED20cのレインボー発光)および音出力(例えば、スピーカ27からの所定の入賞音の音出力)を含む演出を実行する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3923,S3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、発光体による発光および音出力を用いた演出により報知演出の演出効果を向上させることができる。
(10) (1)から(9)のうちのいずれかにおいて、所定演出を実行する所定演出実行手段(例えば、賞球数報知演出、獲得枚数報知演出、累積賞球数報知演出、累積獲得枚数報知演出、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知、右打ち報知、エラー報知、大当り中昇格演出を実行する演出制御用CPU101等)を備え、所定演出実行手段は、所定演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1所定演出(例えば、大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出など)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2所定演出(例えば、連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出など)とを実行可能であり、第1所定演出と第2所定演出とで優先度合いが異なる(例えば、賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されないことなど)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、複数の所定演出を好適に実行することができる。
(11) (1)から(10)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、所定数よりも多い第1特定数目(例えば、11個目)の入賞と該第1特定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目(例えば、12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、11個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、所定数よりも多い第1特定数目の入賞と第1特定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で所定数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
第2実施形態についてさらに詳細に説明する。ここで、第2実施形態においては、可変入賞球装置15の下方に、第1特別可変入賞球装置20aが設けられているものとする。第1特別可変入賞球装置20aは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21aによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。また、第1特別可変入賞球装置20aの内部には、第1大入賞口LED20cが設けられている。なお、本実施形態では、第1大入賞口LED20cは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、第1特別可変入賞球装置20aの下方には、第2特別可変入賞球装置20bが設けられているものとする。第2特別可変入賞球装置20bは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21bによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ23bで検出される。また、本実施形態では、第2特別可変入賞球装置20b内の第2カウントスイッチ23bが設けられている領域よりも下流側には特定領域が設けられており、特定領域に入賞した遊技球は特定検出スイッチ22で検出される。なお、本実施形態では、上流側に第2カウントスイッチ23bが設けられ、その下流側に特定検出スイッチ22が設けられているので、第2大入賞口に入賞して第2カウントスイッチ23bで検出された遊技球は、殆ど全て特定領域に入賞し特定検出スイッチ22で検出されることになる。そして、本実施形態では、第2カウントスイッチ23bで遊技球が検出されたことにもとづいて15個の賞球払出が行なわれ、特定検出スイッチ22で検出されたことにもとづいて確変状態に制御されることが確定する。また、第2特別可変入賞球装置20bの内部には、第2大入賞口LED20dが設けられている。なお、この本実施形態では、第2大入賞口LED20dは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、本実施形態では、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、第6ラウンドでは第2大入賞口が開放状態に制御され、第6ラウンド以外のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される。そして、本実施形態では、大当り遊技中の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御されることが確定する。
また、本実施形態では、ラウンド中処理として、第1大入賞口または第2大入賞口への入賞が発生していれば、演出制御用CPU101は、第1大入賞口LED20cまたは第2大入賞口LED20dを白色発光させる制御を行なう。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入賞口LED20cを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LED20dを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
図16〜図18は、第2実施形態の演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S3901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S3901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S3902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(S3903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED28等)の制御を実行する(S3904)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば(S3905でY)、プロセスデータの切替を行なう(S3906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S3907)、S3908の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(S3905でN)、S3906とS3907の処理を行なわずに、S3908の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、確変確定報知フラグがセットされているか否かを確認する(S3908)。確変確定報知フラグがセットされていれば(すなわち、第2大入賞口内の特定領域を通過することで送信される確変状態に制御されることが確定したことを示す確変確定報知指定コマンドを受信していれば)(S3908でY)、演出制御用CPU101は、その確変確定報知フラグをリセットする(S3909)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において確変確定報知の実行を開始する(S3910)。また、演出制御用CPU101は、確変確定報知実行中フラグをセットするとともに、演出期間計測タイマ1に確変確定報知の実行期間に相当する値(例えば、1.0秒に相当する値)をセットし(S3911)、S3912の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、確変確定報知フラグがセットされていなければ(S3908でN)、S3909〜S3911の処理を行なわずに、S3912の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、確変確定報知実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S3912)。確変確定報知実行中フラグがセットされていれば(すなわち、確変確定報知の実行中であれば)(S3912でY)、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマ1の値を1減算し(S3913)、減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となったか否かを確認する(S3914)。減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていれば(S3914のY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において確変確定報知の実行を終了する(S3915)。また、演出制御用CPU101は、確変確定報知実行中フラグをリセットし、確変確定報知の実行済みであることを示す確変確定報知済フラグをセットし(S3916)、S3917の処理へ移行する。
S3912において、確変確定報知実行中フラグがセットされていなければ(S3912でN)、演出制御用CPU101は、S3913〜S3916の処理を行なわずに、S3917の処理へ移行する。また、S3914において,減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていなければ(S3914のN)、S3915とS3916の処理を行なわずに、S3917の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(S3917)。大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(S3917でN)、演出制御用CPU101は、ラウンド後処理を終了する。一方、大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、第1大入賞口または第2大入賞口への入賞が発生し、大入賞口入賞指定コマンドを受信していれば)(S3917でY)、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグをリセットする(S3918)。また、演出制御用CPU101は、入賞カウンタの値を1加算し(S3919)、加算後の入賞カウンタの値が11以上となっているか否かを確認する(S3920)。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合である。「オーバー入賞」とは、例えば、本実施形態では、大当り遊技中におけるラウンドごとの第1大入賞口や第2大入賞口への遊技球の入賞数の上限数(本例では、10個)が定められているのであるが、その上限数を超えて第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞することである。例えば、本実施形態では、大当り遊技中の各ラウンドにおいて所定の開放時間(例えば、29秒間)が経過する前であっても、第1大入賞口や第2大入賞口への10個目の入賞を検出すれば第1大入賞口や第2大入賞口が閉鎖状態に制御されるのであるが、その第1大入賞口や第2大入賞口の閉鎖直前に遊技球が入賞したような場合に11個目や12個目の入賞となりオーバー入賞が発生する場合がある。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば(すなわち、オーバー入賞が発生していれば)(S3920でY)、演出制御用CPU101は、第7ラウンド以降のラウンドであるか否かを確認する(S3921)。なお、第7ラウンド以降のラウンドであるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
第7ラウンド以降のラウンドであれば(S3921でY)、演出制御用CPU101は、確変確定報知済フラグがセットされているか否かを確認する(S3922)。確変確定報知済フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変確定報知の終了後であれば)(S3922でY)、演出制御用CPU101は、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させる(例えば、赤色、青色、黄色など複数色に順に発光させる)制御を行なう(S3923)。また、演出制御用CPU101は、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる制御を行ない(S3924)、ラウンド後処理を終了する。
なお、本実施形態では、第7ラウンド以降のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される場合しかないので、S3923では第1大入賞口LED20cをレインボー発光させる場合しかない。なお、第2大入賞口LED20dもレインボー発光させるように制御してもよい。
なお、本実施形態では、ラウンド後処理においてのみS3920〜S3924の処理を実行する場合を示したが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、ラウンド中処理においてもS3920〜S3924と同様の処理を実行するように構成してもよい。そのように構成すれば、例えば、第1大入賞口や第2大入賞口に入賞した遊技球が全て検出されるまでラウンド中処理を行なうようにプログラムを構成した場合であっても、オーバー入賞を検出したときに第1大入賞口LED20cをレインボー発光させたり所定の入賞音を音出力させたりすることができる。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていない場合(すなわち、オーバー入賞でない場合)(S3920でN)や、第7ラウンド以降のラウンドでない場合(すなわち、第1ラウンド〜第6ラウンドである場合)(S3921でN)、確変確定報知済フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ確変確定報知が終了していない場合)(S3922でN)であれば、演出制御用CPU101は、第1大入賞口LED20cまたは第2大入賞口LED20dを白色発光させる制御を行ない(S3925)、ラウンド後処理を終了する。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入賞口LED20cを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LED20dを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
本実施形態では、ラウンド中処理や、ラウンド後処理のS3917〜S3925の処理が実行されることによって、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞した場合には、少なくとも第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを発光させる報知演出が実行される。そして、特にS3920〜S3924の処理が実行されることによって、本実施形態では、オーバー入賞が発生した場合に、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合には、第1大入賞口LED20cがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力される態様により報知演出が実行される。そのようにオーバー入賞が発生した場合には、通常態様(本例では、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる)とは異なる特殊態様による報知演出を実行するので、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
ただし、本実施形態では、S3921,S3922の判定処理が実行されることによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止している。また、本実施形態では、S3921,S3922でNのときにはS3925に移行することによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、通常態様による報知演出を実行するようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させるようにしている。
さらに、本実施形態では、S3921の判定処理が実行されることによって、第2大入賞口が開放状態に制御され特定領域に遊技球が入賞する可能性がある第6ラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、通常態様による報知演出を実行)ようにしている。そのような構成により、本実施形態では、確変確定報知が実行される可能性がある第6ラウンドでは特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、特殊態様による報知演出により確変確定報知の実行を妨げてしまうことを防止し、演出効果が却って低下してしまうことを防止するようにしている。
なお、本実施形態では、S3921,S3922の判定処理を行なうことによって、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合に、第1大入賞口LED20cがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力される場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、オーバー入賞が発生した場合に、大当り種別が確変状態に制御可能な有利な大当りであるか、実質的に確変状態に制御されない不利な大当りであるかを判定し、有利な大当りであると判定した場合に、第1大入賞口LED20cがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力されるように構成してもよい。また、本実施形態で示した第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、上記の有利な大当りであるか否かの判定とのいずれか一方のみを実行して、第1大入賞口LED20cのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよいし、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、有利な大当りであるか否かの判定との両方を実行して、第1大入賞口LED20cのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよい。
また、本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞カウンタを用いて受信した大入賞口入賞指定コマンドの数をカウントし、入賞カウンタの値が11以上となったことに基づいてオーバー入賞と判定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大入賞口への入賞数が11以上となったか否かを判定してオーバー入賞が発生したか否かを判定するようにしてもよい。そして、オーバー入賞であるか否かに応じて異なる大入賞口入賞指定コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側では、いずれの大入賞口入賞指定コマンドを受信したかに基づいて、オーバー入賞であるか否かを認識するように構成してもよい。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S3902でY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(S3926)。
次いで、演出制御用CPU101は、次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであるか否かを確認する(S3927)。なお、第2ラウンド〜第5ラウンドであるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであれば(S3927でY)、演出制御用CPU101は、昇格演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し(S3928)、S3930の処理へ移行する。一方、第2ラウンド〜第5ラウンドでなければ(すなわち、次に開始するラウンドが第6ラウンド以降のラウンドであれば)(S3927でN)、演出制御用CPU101は、通常のラウンド中演出(昇格演出を含まないラウンド中演出)に応じたプロセステーブルを選択し(S3929)、S3930の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、例えば、昇格演出として演出表示装置9においてルーレット演出を実行する。この場合、第1ラウンド〜第4ラウンドを開始するときには、S3928において、昇格演出としてルーレットを球が回転するような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。また、第5ラウンドを開始するときには、S3928において、大当り種別がいずれであるかを特定し、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みのない(確変状態に制御されることが確定する見込みのない)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果がはずれとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。一方、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みが高い(確変状態に制御される見込みが高い)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果が当りとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。なお、大当り種別がいずれであるかは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S3930)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S3931)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、演出期間計測タイマ1の値を1減算する(S3932)。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞カウンタを初期化する(S3933)。すなわち、入賞カウンタの値を0にする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグをラウンド中処理(S805)に対応した値に設定し(S3934)、ラウンド後処理を終了する。
S3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(S3901でY)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(S3935)。
次いで、演出制御用CPU101は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(S3936)。また、演出制御用CPU101は、大当り遊技終了時のエンディング期間に対応した値(例えば、3.0秒間に相当する値)を、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマにセットする(S3937)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S3938)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S3939)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に設定し(S3940)、ラウンド後処理を終了する。
次に、報知演出の演出態様の具体例について説明する。図19および図20は、第2実施形態の報知演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図19および図20において、(1)(2)(3)・・・の順に演出態様が遷移する。
図19(1)に示すように、左中右の演出図柄が同じ図柄で停止表示されて大当りが発生し、図19(2)に示すように、第1ラウンドが開始されて大当り遊技が開始されたものとする。また、図19(2)〜(6)に示すように、第1ラウンド〜第5ラウンドにおいては昇格演出も実行される(S3928参照)。図19(2)に示す例では、演出表示装置9においてルーレットを球が回転するような態様の画像230を表示することにより昇格演出が開始される場合が示されている。
また、図19(3)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生すると、通常態様により報知演出が実行される。図19(3)に示す例では、第1大入賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LED20cを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている。
また、大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図19(4)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、第6ラウンドよりも前のラウンドであり第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞して確変確定報知が実行される前である場合には、通常態様により報知演出が実行される。図19(4)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LED20cを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3925参照)。
次いで、図19(5)に示すように、同様の態様で第2ラウンド以降のラウンドが実行され、図19(6)に示すように、第5ラウンドとなると、ルーレットの当否結果を報知するような態様の昇格演出が実行される。図19(6)に示す例では、大当り種別が確変大当りとなる大当りであることに基づいて、球がルーレット内の「確」と表示された領域に入球し、ルーレットの結果が当り(確変状態となることを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格あり!」などの文字列231を表示する態様により昇格演出が実行される場合が示されている。なお、大当り種別が確変大当りとならない大当り(通常大当り)である場合には、例えば、球がルーレット内の「確」と表示された領域以外の領域に入球し、ルーレットの結果がはずれ(確変状態とならないことを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格なし!」などの文字列を表示する態様により昇格演出が実行される。
なお、本実施形態では、昇格演出として、ルーレット演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、昇格演出として、敵と味方のキャラクタがバトルを行ない、味方のキャラクタが勝利することによって確変状態となることを示唆したり、味方のキャラクタが敗北することによって確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行してもよい。また、例えば、昇格演出として、おみくじを表示するような演出を行ない、おみくじの結果が「吉」であれば確変状態となることを示唆したり、おみくじの結果が「凶」であれば確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行してもよい。そのように、昇格演出として、何らかの態様で確変状態に制御されるか否かを煽ることができる演出を実行するものであればよい。
また、本実施形態では、第1ラウンド〜第5ラウンドにわたって昇格演出が実行され、最後の第5ラウンドにおいて昇格演出の結果報知(本例では、ルーレットの結果が報知)がされる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第5ラウンドを待たずに、第1ラウンド〜第4ラウンドでも昇格演出の結果報知を可能に構成してもよい。この場合、昇格演出の結果報知の後であれば、第5ラウンドや第6ラウンドを待たずに、オーバー入賞発生時に特殊態様による報知演出を実行可能に構成してもよい。
次いで、図19(7)に示すように、第6ラウンドに移行し第2大入賞口が開放状態に制御される。そして、図19(7)に示すように、第6ラウンドにおいて第2大入賞口に遊技球が入賞するとともに第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞し、確変状態に制御されることが確定したものとする。図19(7)に示す例では、第6ラウンド中に第2大入賞口に遊技球が入賞したことから、第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様で報知演出が実行されることも示されている。また、確変状態に制御されることが確定したことに基づいて、図19(8)に示すように、演出表示装置9において確変確定報知の実行が開始される。図19(8)に示す例では、確変確定報知として、演出表示装置9において「確変確定!」などの文字列232が表示される場合が示されている。
なお、図19(7)において、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したときに(特に、特定領域に1個目の遊技球が入賞したときに)、第2大入賞口LED20d(第1大入賞口LED20cでもよい)を専用の発光色で発光(例えば、特殊態様の報知演出とは異なる赤色で発光)させたり、専用の入賞音(例えば、特殊態様の報知演出とは異なる専用の入賞音)を音出力させたりしてもよい。
また、第6ラウンドにおいて第2大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図20(9)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、確変確定報知が実行される場合がある第6ラウンドである場合には、通常態様により報知演出が実行される。図20(9)に示す例では、第2大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3925参照)。
次いで、第7ラウンド以降のラウンドに移行する。第7ラウンド以降のラウンドであっても、図20(10)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生すると、通常態様により報知演出が実行される。図20(10)に示す例では、第1大入賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LED20cを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている。
一方、第7ラウンド以降のラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、図20(11)に示すように、通常態様とは異なる特殊態様により報知演出が実行される。図20(11)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともに、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3923,S3924参照)。
なお、本実施形態では、特殊態様による報知演出の場合にのみスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、通常態様による報知演出を実行する場合にも何らかの入賞音(特殊態様の場合と同じ音でも異なる音でもよい)を音出力させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、特殊態様による報知演出として、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともに、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるだけで、入賞音の音出力を伴わないものであってもよい。また、例えば、通常態様による報知演出とは異なる発光色で発光するものであれば、レインボー発光以外の発光色(例えば、赤色や黄色)で第1大入賞口LED20cなどを発光させるものであってもよい。また、例えば、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるのではなく、特殊態様による報知演出として、所定のキャラクタのボイスを模した音を音出力させる態様の演出を実行してもよい。そのように特殊態様による報知演出として、様々な態様の演出が考えられる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、所定期間(本例では、29秒)が経過することまたは遊技媒体(本例では、遊技球)が所定数(本例では、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段(本例では、第1大入賞口、第2大入賞口)を第1状態(本例では、開放状態)に変化させることが可能な単位遊技(本例では、ラウンド)を所定回数(本例では、15ラウンド)実行する有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、有利状態において可変入賞手段に設けられた特定領域(本例では、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて、特別状態(本例では、確変状態)に制御可能である。また、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(例えば、11個目や12個目)入賞したこと(本例では、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能である。そのため、特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、通常態様とは異なる特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、大当り遊技において単位遊技(ラウンド)が実行される所定回数が15回(15ラウンド)である場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、他の回数であってもよい。また、所定回数は、1回や2回であってもよく、例えば、大入賞口を1回または2回のみ開放する突然確変大当りや小当りが設けられている場合に、その突然確変大当りや小当りにおけるオーバー入賞も検出可能に構成してもよい。
また、本実施形態によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない。そのため、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態によれば、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能である。また、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する。そのため、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、報知演出を全く実行しないように構成してもよい。
また、本実施形態によれば、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて特別演出(本例では、確変確定報知)を実行可能である。そして、有利状態における特定領域を遊技媒体が通過した単位遊技(本例では、第6ラウンド)において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する)。そのため、特殊態様による報知演出により特別演出の実行を妨げてしまうことを防止することができ、演出効果が却って低下してしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出のみを実行しないようにし、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)は実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出と通常態様による報知演出との両方を実行しないように構成してもよい。
また、本実施形態によれば、特殊態様による報知演出として、発光体による発光(本例では、第1大入賞口LED20cのレインボー発光)および音出力(本例では、スピーカ27からの所定の入賞音の音出力)を含む演出を実行する。そのため、発光体による発光および音出力を用いた演出により報知演出の演出効果を向上させることができる。
[変形例]
なお、本実施形態では、第2大入賞口内に設けられた特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて確変状態に制御されるように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り種別として、通常大当り(大当り遊技後に確変状態に制御されない大当り。なお、大当り遊技後に時短状態や高ベース状態に制御されるようにしてもよい。)と、確変大当り(大当り遊技後に確変状態に制御される大当り。なお、確変状態とともに時短状態や高ベース状態にも制御されるようにしてもよい。)とを設け、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において、本実施形態で示した報知演出を実行する構成を適用してもよい。以下、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する変形例について説明する。
なお、本変形例では、大入賞口内に特定領域が設けられている必要はなく、1つの特別可変入賞球装置(大入賞口)のみ備えるように構成されていてもよい。
確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態(本例では、大当り遊技状態)として、少なくとも第1有利状態(本例では、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態)とに制御可能とする。そして、このうちの第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数(本例では、10個)より多い特定数(例えば、11個目や12個目)入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能とすればよい。そのように構成すれば、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、通常態様とは異なる特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921,S3922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S3923,S3924の処理を実行しないようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED20cや第2大入賞口LED20dを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能とする。そして、第2有利状態(本例では、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921,S3922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S3925の処理を実行するようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が付与されること(本例では、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(本例では、図19(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能とする。そして、特定演出を実行する前(本例では、昇格演出における結果報知の前)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する)ようにし、特定演出を実行した後(本例では、昇格演出における結果報知の後)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921の判定処理に代えて、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであるか否かを判定し、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、S3923,S3924を実行しないようにすればよい(S3925を実行するようにしてもよい)。また、第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、S3923,S3924を実行するようにすればよい。そのように構成すれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
なお、上記の実施形態では、実際には第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて確変状態に制御されることが確定することから、第1ラウンド〜第5ラウンドにおいて昇格演出が実行されて当り結果が報知されても、確変状態に制御される見込みが高いことを示唆するものであるが、本変形例では、大当り種別によって確変状態に制御されるか否かが決定していることから、昇格演出において当り結果が報知されれば、そのまま確変状態に制御されることが認識できることになる。
なお、上記の変形例では、有利度が高い第1有利状態が確変大当りにもとづく大当り遊技状態であり、有利度が低い第2有利状態が通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。
例えば、大当り遊技後に時短状態のみに制御される時短大当りと、通常状態にしか制御されない通常大当りとが設けられている場合に、第1有利状態を時短大当りにもとづく大当り遊技状態とし、第2有利状態を通常大当りにもとづく大当り遊技状態としてもよい。また、例えば、大当り遊技中にいわゆる先読み判定を行なうように構成した場合に、保留記憶中に大当りとなるものが存在する場合(すなわち、連続大当りとなる場合)を第1有利状態とし、大当りとなるものが存在しない場合を第2有利状態としてもよい。
また、例えば、第1有利状態をラウンド数の多い大当り(例えば、15ラウンド大当り)とし、第2有利状態をラウンド数の少ない大当り(例えば、5ラウンド大当り)としてもよい。また、例えば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められていない大当り(次回の大当りまで確変状態や時短状態が継続する大当り)とし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められている大当りとしてもよい。また、例えば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が多い大当りとし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が少ない大当りとしてもよい。
上記のように何らかの形式で、有利度が高い第1有利状態と有利度が低い第2有利状態とが設けられているものであればよい。
また、1つのケースであっても、複数の観点から有利または不利が区別されうる場合もある。例えば、大当り種別として5R確変大当りと10R通常大当りとがある場合には、ラウンド数の観点から考えればラウンド数が多い10R通常大当りの方が有利であり、大当り遊技後の遊技状態の観点から考えれば大当り遊技後に確変状態に制御される5R確変大当りの方が有利である。この場合に、ラウンド数の観点を優先して、10R通常大当りを第1有利状態とし、5R確変大当りを第2有利状態としてもよいし、大当り遊技後の遊技状態の観点を優先して、5R確変大当りを第1有利状態とし、10R通常大当りを第2有利状態としてもよい。
上記の実施形態において、さらに、報知演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1報知(大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2報知(連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)とを実行可能としてもよい。そして、第2報知よりも第1報知の優先度合いが高い(賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されない)ようにしてもよい。このようにすれば、複数の報知演出を好適に実行することができる。すなわち、複数の報知演出を優先順位に従って重複しないように実行することができ、複数の報知演出を好適に実行することができる。
また、上記の実施形態において、さらに、一の開放遊技(本例では、大当り遊技)において、遊技媒体(本例では、遊技球)が上限入賞数(本例では、10個)よりも多く可変入賞手段(本例では、特別可変入賞球装置20(大入賞口))に入賞したことに基づいて、報知演出(オーバー入賞に対する報知演出)を実行可能である。また、上限入賞数よりも多い第1入賞数目(11個目)の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目(12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(11個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ようにしてもよい。このようにすれば、上限入賞数よりも多い第1入賞数目の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で上限入賞数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、複数種類の大当り遊技状態が設定されている場合について説明する。第3実施形態では、大当りの種類として、15R確変大当り、15R見せかけ確変大当り、5R確変大当り、および、5R通常大当りが設定されている。
15R確変大当りとは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される大当りである。15R見せかけ確変大当りとは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される大当りであり、かつ、演出態様がラウンドの途中まで5R通常大当りと同じ態様で実行される大当りである。15R見せかけ確変大当りでは、確変大当りであるにも関わらずラウンドの途中まで通常大当りと同じような演出により、あたかも通常大当りであるかのように見せかける大当りであるために、見せかけ確変大当りと称される。また、5R確変大当りとは、5ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される大当りである。また、5R通常大当りとは、5ラウンドの大当り遊技状態の終了後に通常状態に制御される大当りである。
また、大当り中の演出として、15R確変大当りでは、確変大当りであることおよび15Rの大当りであることを示す演出が大当りのラウンド中に実行される。また、15R見せかけ確変大当りでは、ラウンドの開始時に5R通常大当りと共通の演出が実行されることで、通常大当りであるか確変大当りであるかを分からなくする演出が実行される。また、5R確変大当りでは、ラウンドの開始時に5R通常大当りと共通の演出が実行されることで、通常大当りであるか確変大当りであるかを分からなくする演出が実行される。5R通常大当りであるか、それとも15R見せかけ確変大当りであることは、後述するラウンド昇格演出および確変昇格演出が実行されることにより報知可能であるとともに、報知演出が実行されることで報知される。また、5R通常大当りであるか、それとも5R確変大当りであるかは、後述する確変昇格演出または報知演出が実行されることで報知可能である。
これら複数種類の大当りが設定されているパチンコ遊技機1において、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU101)は、演出表示装置9の表示画面上において、確変大当り(15R確変大当り、15R見せかけ確変大当りおよび5R確変大当り)に制御されているときに図12に示すような第1報知画像213等による報知演出を実行し、5R通常大当りに制御されているときには報知演出を実行しない。このような報知演出を含む各種の大当り中の演出の設定について、以下のフローチャートにより詳細に説明する。
図21および図22は、第3実施形態の演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S4920)。ここで、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグ等のフラグは、RAM103に形成されるコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合に、演出制御用CPU101によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去される。
演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S4920でN)、プロセスタイマの値を1減算する(S4921)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(S4922)。例えば、演出表示装置9においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってROM102から画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。このような処理により、各種の大当り(例えば、15R確変大当り、5R通常大当り等)で大当り遊技中の演出を異ならせることができる。
また、S4920において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S4920でY)、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットする(S4934)。次いで、演出制御用CPU101は、インターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択し、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S4935)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S4936)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定し(S4937)、ラウンド中処理を終了する。
また、演出制御用CPU101は、S4923において、報知演出フラグがセットされているか否かを判定する(S4923)。演出制御用CPU101は、報知演出フラグがセットされている場合には(S4923でY)、S4944の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、報知演出フラグがセットされていない場合には(S4923でN)、表示結果指定コマンドマン受信フラグ(各種の大当り表示結果を示すコマンドを受信した際に設定されるフラグ)に基づいて15R確変であるか否かを判定する(S4924)。演出制御用CPU101は、15R確変である場合には(S4924でY)、報知演出を実行するための報知演出フラグを設定し(S4925)、S4944の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、15R確変でない場合には(S4924でN)、S4926の処理へ移行する。
S4926において、演出制御用CPU101は、15R見せかけ確変であるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、15R見せかけ確変である場合には(S4926でY)、確変昇格演出を実行するための確変昇格演出フラグをセットし(S4927)、さらに、ラウンド昇格演出を実行するためのラウンド昇格演出フラグをセットする(S4928)。次いで、演出制御用CPU101は、報知演出フラグを設定し(S4925)、S4944の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、15R見せかけ確変でない場合には(S4926でN)、S4929の処理へ移行する。ここで、確変昇格演出とは、通常大当り組合せとなる演出図柄が導出表示された後に、大当り遊技が終了するまでに、通常大当りと思われていた大当りが確変大当りであることを報知する演出である。また、ラウンド昇格演出とは、大当り遊技のラウンド中(例えば、5Rが実行されているとき)にラウンドが終了すると思われていたラウンドにおいて(その他のラウンドでもよい)、ラウンドが継続することを報知する演出である。
S4929において、演出制御用CPU101は、5R確変であるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、5R確変である場合には(S4929でY)、確変昇格演出フラグをセットし(S4930)、報知演出フラグを設定し(S4925)、S4944の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、5R確変でない場合には(S4929でN)、確変昇格失敗演出フラグをセットし(S4931)、S4944の処理へ移行する。確変昇格失敗演出とは、確変昇格演出を実行するが、その確変昇格演出が失敗し、通常大当りであることが報知される演出である。
S4944において、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定する。大入賞口入賞フラグは、図13のS514において設定されるフラグであり、大入賞口への遊技球の入賞が発生する毎に設定されるフラグである。演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされている場合には(S4944でY)、大入賞口入賞フラグをリセットし(S4945)、S4948の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされていない場合には(S4944でN)、オーバー入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S4946)。オーバー入賞フラグは、図13のS516において設定されるフラグであり、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合に設定されるフラグである。
演出制御用CPU101は、オーバー入賞フラグがセットされている場合には(S4946でY)、オーバー入賞フラグをリセットし(S4947)、S4948の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、オーバー入賞フラグがセットされていない場合には(S4946でN)、S4948とS4949の処理を行なわずに、S4950の処理へ移行する。
S4948において、演出制御用CPU101は、入賞カウンタの値を1加算し、獲得総数表示(総獲得数表示)を更新し(S4949)、S4950の処理へ移行する。
S4950において、演出制御用CPU101は、報知演出フラグがセットされているか否かを判定する。演出制御用CPU101は、報知演出フラグがセットされている場合には(S4950でY)、S4951の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、報知演出フラグがセットされていない場合には(S4950でN)、S4951とS4952の処理を行なわずに、S4953の処理へ移行する。
S4951において、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えた場合には(S4951でY)、報知演出を実行し(S4952)、S4953の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU101は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えていない場合には(S4951でN)、S4952の処理を行なわずに、S4953の処理へ移行する。
このように、報知演出フラグがセットされている場合には、報知演出が実行されるが、報知演出フラグがセットされていない場合には、報知演出が実行されることはない。報知演出フラグは、15R確変大当り,15R見せかけ確変大当りおよび5R確変大当りにおいて設定され、5R通常大当りでは設定されないフラグである。よって、遊技者は、通常大当りよりも遊技者にとって有利な確変大当りであることを報知演出が実行されることによって知ることができる。このようにすれば、大当り遊技状態の種類に応じた演出により、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、5R通状態大当りのときに報知演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、通常大当りと確変大当りとで、報知演出の態様を異ならせることが望ましい。このようにすれば、第1の報知態様による報知演出(例えば、確変大当りでの報知演出)が実行されるか第2報知態様による報知演出(例えば、通常大当りでの報知演出)が実行されるかによって、大当り遊技状態の種類に応じた演出により、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。
S4953において、演出制御用CPU101は、確変昇格演出タイミングであれば、確変昇格演出フラグがセットされている場合には、確変昇格演出を実行し、確変昇格失敗演出フラグがセットされている場合には、確変昇格失敗演出を実行する。確変昇格演出は、例えば、5ラウンド中に実行され、確変昇格演出が実行されると確変大当りであることが示される。また、確変昇格失敗演出が実行されると通常大当りであることが示される。次いで、演出制御用CPU101は、ラウンド昇格演出タイミングであれば、ラウンド昇格演出を実行し(S4954)、S4955の処理へ移行する。ラウンド昇格演出は、5ラウンド中に実行され、ラウンド昇格演出が実行されると、ラウンドが継続することが報知される。なお、確変昇格演出とラウンド昇格演出とは、ともに5ラウンドにおいて実行される場合を示したが、異なるラウンドにおいて実行されるようにしてもよい。また、確変昇格とラウンド昇格とが1つの演出で報知されるようにしてもよい。また、ラウンド昇格が失敗する演出が実行されるようにしてもよい。
S4955において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっているか否かを判定する。演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっている場合には(S4955でY)、次のプロセスタイマをスタートさせ(S4956)、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S4957)、ラウンド中処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトになっていない場合には(S4955でN)、S4956とS4957の処理を行なわずに、ラウンド中処理を終了する。
また、5R通常大当りと5R確変大当りとは、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放パターンが共通である。また、5R確変大当り中に確変大当りであることを報知する確変昇格演出を実行可能である。そして、5R通常大当りでは報知演出が実行されず、5R確変大当り中には、報知演出が実行される。よって、確変昇格演出が実行される前に報知演出が実行された場合には、確変大当りであることが、確変昇格演出が実行される前に確定することになる。よって、報知演出により確変大当りであることを遊技者に事前にばらすことができる。このようにすれば、大当り遊技状態の種類に応じた演出により、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、15R見せかけ確変大当りにおいては、5R通常大当りと共通の大当り中の演出により、通常大当りと見せかける演出が実行される。また、15見せかけ確変大当りでは、ラウンドの昇格演出が実行される。そして、5R通常大当りでは報知演出が実行されず、15R見せかけ確変大当り中には、報知演出が実行される。このようにすれば、ラウンドの開始時は、通常大当りであるかのように始まって、ラウンドの途中でラウンド昇格演出を実行することにより、実は15Rの大当り(15R見せかけ確変大当り)であったことを報知することが可能である。よって、ラウンド昇格演出を実行する前に報知演出が実行されたときには、ラウンドが昇格すること、および確変大当りであることを遊技者に事前にばらすことができる。このようにすれば、大当り遊技状態の種類に応じた演出により、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、15R見せかけ確変大当りでは、ラウンド昇格演出を5Rで実行し、確変昇格演出を実行しなくてもよいし、ラウンド昇格演出と確変昇格演出とが同時に実行されるようにしてもよい。また、ラウンド昇格演出と確変昇格演出とが別の回数のラウンドで実行されるようにしてもよい。
次に、前述した実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 複数種類の大当りのうち、15R確変大当り等の確変大当りであれば、報知演出が実行され、5R通常大当りであれば、報知演出が実行されない。このようにすれば、大当りの種類に応じた演出により、大当り遊技状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 複数種類の大当りのうち、15R確変大当り等の確変大当りであれば、第1の報知演出を実行し、5R通常大当りであれば、第2の報知演出を実行してもよい。このような場合には、確変大当りであるか通常大当りであるかにより、実行される報知演出の態様が異なる。このようにすれば、大当りの種類に応じた演出により、大当り遊技状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図22のS4950〜S4952の処理に示すように、大当り遊技中に付与される遊技球の数が500個の倍数となったときに報知演出が実行される。このようにすれば、500個遊技球を獲得することにより報知演出が実行されるので、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 5R通常大当りは、15R確変大当りよりも出玉が少なく高確率状態にもならないので、遊技者にとって有利度が低い大当りである。このように、大当りには、有利度が異なる複数種類の大当りが設けられている。このようにすれば、大当りの種類により、大当り遊技状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 5R通常大当りと5R確変大当りとは、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放パターンが共通である。また、5R確変大当り中に確変大当りであることを報知する確変昇格演出を実行可能である。そして、5R通常大当りでは報知演出が実行されず、5R確変大当り中には、報知演出が実行される。確変昇格演出が実行される前に報知演出が実行された場合には、確変大当りであることが、確変昇格演出が実行される前に確定することになる。よって、報知演出により確変大当りであることを遊技者に事前にばらすことができる。このようにすれば、大当り遊技状態の種類に応じた演出により、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 15R見せかけ確変大当りにおいては、5R通常大当りと共通の大当り中の演出により、通常大当りと見せかける演出が実行される。また、15見せかけ確変大当りでは、ラウンドの昇格演出が実行される。そして、5R通常大当りでは報知演出が実行されず、15R見せかけ確変大当り中には、報知演出が実行される。このようにすれば、ラウンドの開始時は、通常大当りであるかのように始まって、ラウンドの途中でラウンド昇格演出を実行することにより、実は15Rの大当り(15R見せかけ確変大当り)であったことを報知することが可能である。よって、ラウンド昇格演出を実行する前に報知演出が実行されたときには、ラウンドが昇格すること、および確変大当りであることを遊技者に事前にばらすことができる。このようにすれば、大当り遊技状態の種類に応じた演出により、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 15R確変大当りと5R通常大当りとでは、大当り遊技中の演出が異なるようにしている。このようにすれば、大当り遊技状態の種類に応じた演出により、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図12に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像213により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図12(b)〜(d)、図15のS941〜S942に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える毎にAモードによる第1報知画像213により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、図12(e)〜(g)、図15のS943〜S944に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超える毎にBモードによる第2報知画像214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(10) 図12のAモードの獲得総数表示画像224,Bモードの獲得総数表示画像225に示すように、特別可変入賞球装置20の大入賞口に遊技球が入賞する毎に、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(11) 図12(a)、図14のS923〜927に示すように、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像210が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択することが可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(12) 図14のS930〜S932の処理においてオーバー入賞での賞球を加える処理が実行された上で、Aモードでの獲得総数表示画像224やBモードでの獲得総数表示画像225が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していく獲得総数表示の可変表示が行なわれる。このようにすれば、1の単位遊技において遊技球が10個より多い11個や12個入賞したことにより付与される遊技球数を加えた上で、報知演出が実行されるので、遊技者に適切な報知演出を実行することができる。
次に、以上に説明した実施形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態では、有利度が異なる有利状態として確変大当りを第1有利状態とし、通常大当りを第2有利状態として説明した。そして、第2有利状態は第1有利状態よりも有利度が低いという関係にあった。しかし、このような関係にあれば、第1有利状態および第2有利状態は、以下のようものでもよい。例えば、第2有利状態が第1有利状態よりもラウンドの実行回数が少ないことで有利度が低いという関係であってもよい。また、第2有利状態が当りの前後で遊技状態が変化せず、獲得できる出玉の少ない小当りである場合は、第1有利状態が確変大当りや出玉の獲得できる量の多い大当りであってもよい。
(2) 前述した実施形態では、報知演出と確変昇格演出との実行タイミングが重なるときは、いずれか一方の演出の実行を禁止するようにしてもよい。例えば、確変昇格演出の実行タイミングと報知演出の実行タイミングとが重なるときにおいて、報知演出を実行しないようにすることで、確変昇格演出の実行前に確変昇格が確定することをばらさないようにすることができる。また、このような場合には、確変昇格演出実行後のタイミングにおいて、報知演出が実行されるようにしてもよい。また、報知演出とラウンド昇格演出との実行タイミングが重なるときも、同様の処理を実行してもよい。
(3) 前述した実施形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへ制御されたときにおいて、前述したような報知演出が実行されるようにしてもよい。そして、複数種類の有利状態のうち、遊技者にとって有利な第1有利状態では報知演出を実行するが、第1有利状態よりも遊技者にとって不利な第2有利状態では報知演出を実行しないようにしてもよい。また、複数種類の有利状態のうち、遊技者にとって有利な第1有利状態では第1報知態様による報知演出を実行するが、第1有利状態よりも遊技者にとって不利な第2有利状態では第1報知態様とは異なる第2報知態様による報知演出を実行してもよい。ここで、例えば、第1有利状態をメダルの獲得枚数が多いビッグボーナス(BB)とし、第2有利状態をメダルの獲得枚数が少ないレギュラーボーナス(RB)としてもよい。また、その他の有利状態において有利状態が複数設けられている場合に、前述した報知演出が実行されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施形態では、報知演出の報知態様を所定条件が成立しているか否かにより異ならせるようにしてもよい。例えば、報知演出の態様を複数種類の報知態様として、白色文字での報知演出と虹色文字での報知演出とが実行されるようにする。そして、大当り遊技中において、保留記憶バッファに大当り表示結果となる保留記憶があることに基づいて、通常白色文字で実行される報知演出を虹色文字で実行するようにしてもよい。このようにすれば、保留記憶バッファに大当り表示結果となる可変表示が記憶されていることを踏まえて報知演出の報知態様を決定することができ、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、保留記憶バッファに大当り表示結果となる可変表示が記憶されているときは、100%の割合で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよいし、所定の抽選割合(例えば、50%の割合)で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよい。また、このような場合に、1回の大当りにおいて複数回報知演出が実行される可能性があるが、その度に、虹色文字にするか否かの抽選が実行されるようにしてもよい。また、一度に虹色文字による報知演出が実行されると、それ以降の報知演出は虹色文字により実行されるようにすればよい。
(5) 前述した実施形態では、大当り遊技中において、通常大当りから確変大当りへの昇格演出を実行するようにしてもよい。そのような場合には、昇格演出を実行するラウンドにおいて報知演出が実行されるときに、報知演出の態様を通常の態様とは異なる態様にしてもよい。
(6) 前述した実施形態では、大当りの種類を複数種類設けてもよい。そして、大当りの種類により報知演出の態様が異なるようにしてもよい。例えば、大当りの種類として、4R大当り、8R大当り、15ラウンド大当りを設け、各大当りの種類により、報知演出の報知態様が異なるようにしてもよい。
(7) 前述した実施形態では、獲得総数表示の表示に対し上限値を設けるようにしてもよい。そして、当該上限値まで遊技球を獲得した場合には、獲得総数表示の更新を停止するようにしてもよい。例えば、10万個を上限値と設定した場合において、遊技球の獲得総数が10万個を超えた場合には、Aモードでの獲得総数表示画像224やBモードでの獲得総数表示画像225の表示画像の更新が停止されるようにすればよい。このようにすれば、遊技者が大量の遊技球を獲得できたことを更新を停止することで報知することができ、遊技者に優越感を与えることができる。なお、上限値に到達した場合には、獲得総数表示を通常の表示態様とは異なる態様に変更するようにしてもよい。
(8) 前述した実施形態では、報知演出の態様を獲得した遊技球の総数によって変化させるようにしてもよい。例えば、Bモードが選択されている場合において、遊技球の獲得総数が2500個となったときは、第2報知画像214を白色文字の画像で表示し、遊技球の獲得総数が5000個となったときは、第2報知画像214を赤色文字の画像で表示し、遊技球の獲得総数が10000個となったときは、第2報知画像214を虹色文字の画像で表示してもよい。このようにすれば、獲得総数に合わせて報知態様が変化し、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、Aモードの場合も遊技球の獲得総数に応じて報知態様が異なるようにしてもよい。このような場合には、2500個、5000個、10000個などの区切りのよい数字のときにのみ、報知態様が異なるようにしてもよいし、500個毎に報知態様が異なるようにしてもよい。
(9) 前述した実施形態では、遊技球の獲得総数が所定値を超えることにより、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。例えば、遊技球の獲得総数が所定値を超えると報知演出を実行しないようにしてもよいし、異なる概念の表示が行なわれるようにしてもよい。より具体的には、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、報知画像を表示しないようにしてもよい。また、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、「おめでとう!」のような、獲得総数の表示と異なる概念の表示(所定値を達成したことを祝うような表示等)として数字から文字に変化する表示による報知演出が実行されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、演出状態により(AモードまたはBモードにより)報知演出の態様として表示画像が異なる場合を示した。このような表示画像としては、文字の色が異なるようなものでもよいし、文字のフォントが異なるようにしてもよいし、文字の見せ方が異なるようにしてもよい。文字の見せ方が異なるとは、例えば、文字(数字)の出現方向が演出表示装置9の表示画面の左から出てくるものと右から出てくるものとで異なるようにしてもよい。
(11) 前述した実施形態では、報知演出を実行するときの画像が別々の素材から構成されるようにしてもよい。例えば、Aモードが選択された場合において、第1報知画像213と女の子画像221とが、別素材で構成されていてもよい。このようにすれば、表示させる画像を別々に設定することができる。そして、表示のさせ方として、例えば、抽選により、いずれの画像の組合せで表示するかが決定されるようにしてもよい。このような場合に、同じ所定の画像が連続して表示されないように、制限をかけるようにしてもよい。
(12) 前述した実施形態では、図12(a)に示すようなモードの選択中は、遊技球の獲得総数が所定の値を超えたとしても報知演出を実行しないようにしてもよい。また、このような場合には、報知演出が実行されることをRAM103の記憶領域に記憶し、モードの選択終了後に遊技球の獲得総数が所定の値を超えたことが報知されるようにしてもよい。また、モードの選択中に遊技球の獲得総数が所定の値を超えた場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(13) 前述した実施形態では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が可能である場合を示した。しかし、大当り遊技中は、常にAモードとBモードとの選択ができるようにしてもよい。その場合に、2ラウンド目以降においては、選択表示が演出表示装置9の表示画面の領域を大幅に占めることによりラウンド中の演出の妨げにならないように、表示画面の端の領域に選択可能であることを小さく表示するようにしてもよい。
(14) 前述した実施形態では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が可能である場合を示した。しかし、特殊条件の成立により、遊技者によるモードの選択が不可能となるようにしてもよい。例えば、大当り毎のラウンド中に何らかのストーリーが継続して表示されるものにおいて、大当りが20回連続したことに基づいて、ストーリーのエンディングが表示されることを特殊条件の成立とする。この場合に、エンディングが表示される20回目の大当り中は、モードの選択が不可能としてもよい。また、エンディングが表示される20回目の大当り中は、報知演出を実行しないようにしてもよいし、報知演出のための小窓画像をエンディングが表示される領域とは異なる領域に表示し当該領域で報知演出が実行されるようにしてもよい。また、報知演出の態様を遊技者が選択できる大当りと遊技者が選択できない大当り(特殊条件での大当り)とで、異ならせるようにしてもよい。
(15) 前述した実施形態では、遊技者にとって有利な大当りであるか不利な大当りであるかにより、報知演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。例えば、遊技者に有利な大当りである確変大当りの場合には、報知演出を実行し、遊技者にとって不利な大当りである通常大当りの場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(16) 前述した実施形態では、報知演出のためにカウントされる遊技球は、遊技球の入賞に対して払出されるものについて説明した。しかし、遊技領域7に打込んでアウト口26に取込まれた遊技球を払出される遊技球から差し引いた差球数を報知演出のためにカウントされる遊技球としてもよい。このようにするには、例えば、打球の発射位置に発射センサを設けるとともに、アウト口26に取込まれた遊技球をカウント可能なアウト口センサを設ければよい。そして、大入賞口を含む各入賞センサ、発射センサ、および、アウト口センサを監視することで、差球数のカウントが可能とすればよい。
(17) 前述した実施形態では、パチンコ遊技機1と、インターネット網に接続された管理サーバとを含む構成の遊技システムにおいて、パチンコ遊技機1と管理サーバとが2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末を介してデータのやり取りを行ない、パチンコ遊技機1において、携帯端末(例えば携帯電話)を所有する遊技者の選択によって自身の過去の遊技履歴や遊技者が選択した演出モード(登場するキャラクタが異なるモード)等を反映させた遊技モードで遊技を行なうことが可能となる遊技モード(携帯連動モード)を実行できるようにしてもよい。このような場合に、携帯連動モードを実行しているか否かにより大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。また、遊技者が選択したモードの種類によって、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(18) 前述した実施形態では、異なる抽選の報知により大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。異なる抽選の報知とは、例えば、大当り中に通常大当りから確変大当りとなることを報知する昇格演出において、1回の告知により確変昇格の有無を告知する完全告知モードと複数回の告知により確変昇格の有無を告知するチャンス告知モードとによる報知のようなものである。このような報知の違いを演出状態の違いとして、完全告知モードとチャンス告知モードとにより、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(19) 前述した実施形態では、大当り中に流れる楽曲の違いにより、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。例えば、Aの楽曲が流れている場合とBの楽曲が流れている場合とで、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(20) 前述した実施形態では、演出状態(演出モード)を大当り遊技中以外の遊技状態で変化可能としてもよい。例えば、大当り遊技状態終了後の時短状態中に、演出状態を変化させることにより次回の大当り遊技中の報知演出の態様が変化するようにしてもよい。
(21) 前述した実施形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへ制御されたときにおいて、前述したような報知演出が実行されるようにしてもよい。例えば、ATに制御されたときにおいて、演出状態のいずれかのモードの中から選択できるようにし、第1演出状態に制御されているときには、第1報知態様による報知演出を実行し、第2演出状態に制御されているときには、第2報知態様による報知演出を実行してもよい。
(22) 前述した実施形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(23) 前述の実施形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(24) 前述した実施形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて可変表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、可変表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(25) 本実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(26) 前述した実施形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(27) 前述した実施形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。例えば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(28) 前述した実施形態では、可変表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの可変表示の表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態では、第1実施形態〜第3実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について再度説明(第1実施形態〜第3実施形態と同様の表現又は異なる表現にて説明)する場合や、第1実施形態〜第3実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について説明を省略する場合や、第1実施形態〜第3実施形態において説明を省略した内容の一部又は全部について説明する場合がある。第1実施形態〜第3実施形態と第4実施形態とでは、同一又は同様の対象について異なる名称等を用いる場合がある。一例として、第1実施形態等における「変動種別コマンド(C3XX)」を第4実施形態では「変動カテゴリコマンド(C6XX)と称している(図7、図37参照)。また、第1実施形態等における「I/Oポート部105」を第4実施形態では「入力ポート105B」「出力ポート105C」等に分解して詳細に説明している(図3、図26参照)。また、第1実施形態〜第3実施形態と第4実施形態とでは、同一又は同様の処理等に関する数値が異なる場合がある。一例として、第1実施形態〜第3実施形態におけるランダム1の範囲は0〜9の範囲としているが(図4参照)、第4実施形態では0〜39秒の範囲としている(図30参照)。
図23は、第4実施形態におけるパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図26を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図26を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図26を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図26を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図26を参照)が設けられていればよい。図23に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8a(第1可変表示部)で第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に可変表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。本実施形態では、後述する第1特別図柄の可変表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の可変表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の可変表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の可変表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
本実施形態では、特別図柄の可変表示に同期して演出図柄の可変表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の可変表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の可変表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在可変表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、本実施形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の可変表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在可変表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で可変表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
なお、本実施形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aが設けられている。本実施形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、本実施形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、本実施形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(本実施形態では、技球が第1始動入賞口13(第1始動口)を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、第1保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(本実施形態では、遊技球が第2始動入賞口14(第2始動口)または第2始動入賞口(第2始動口)17を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、第2保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、流入した遊技球を振り分けるための振分装置200が設けられている。また、演出表示装置9の下方には、左右に並ぶように第1始動入賞口13および第2始動入賞口14が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口17を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口17に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ17aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口17に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口17に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14,17を総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14,17に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。そのように、本実施形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、本実施形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14,17への入賞順に並べて表示される。第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶に対応する表示(以下、第1保留記憶表示ともいう)は赤色の丸形表示で表示され、第2保留記憶に対応する表示(以下、第2保留記憶表示ともいう)は青色の丸形表示で表示される)こととしてもよい。なお、合算保留記憶表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
合算保留記憶表示部18cにおいて表示される保留表示の表示態様としては、表示色が白色である「白」(第1態様)と、表示色が青色である「青」および表示色が赤色である「赤」(第2態様)と、キャラクタが描かれた「キャラクタ」(特定態様)とが設けられている。大当りとなることに対する信頼度は、「白」<「青」<「赤」<「キャラクタ」となっている。また、詳細については後述するが、確変大当りとなる保留記憶に対応する場合のみ「キャラクタ」の保留表示が表示され得る構成となっており、すなわち、表示態様が「キャラクタ」に変化した場合には確変大当りとなることが遊技者に報知されるものである。
また、本実施形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、未だ変動が行われていない保留記憶に対する保留表示が行われるとともに、該保留記憶に対する可変表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対する保留表示を、合算保留記憶表示部18cとは異なるアクティブ表示部18dにおいて継続して表示し続ける。すなわち、該アクティブ表示部18dにおいて、実行中の可変表示に対応したアクティブ表示(可変表示対応画像)が表示されることとなる。アクティブ表示は、実行中の変動にもとづいて大当りが発生することに対する信頼度を示す画像である。アクティブ表示の表示態様としては、上述した保留表示と同じ表示態様(「白」、「青」、「赤」、「キャラクタ」)が用いられる。なお、現在実行中の可変表示に対応した表示であることが認識できるものであれば、必ずしも保留表示と同様の態様の表示である必要はなく、他の図形やキャラクタなどを表示してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
遊技盤6の左側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。本実施形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口17に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の可変表示の表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
また、図23に示すように、第2始動入賞口17の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球(アウト球)が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レール(図示せず)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14,17に入り第2始動口スイッチ14a,17aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14,17への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、振分装置200について説明する。図24は、振分装置200を説明するための説明図である。図24に示すように、振分装置200上部には、遊技球が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技球を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。また、振分装置200の下部には、左側通路203を通過した遊技球が振分装置200から流出可能な左側流出口205と、右側通路204を通過した遊技球が振分装置200から流出可能な右側流出口206とが設けられている。
図24(a)に示す例では、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態が示されている。図24(a)に示す状態において遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、図24(b)に示すように、流入口201から流入した遊技球は振分部材202によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して左側流出口205から流出する。そして、左側流出口205の下方には第1始動入賞口13が位置しているので、左側流出口205から流出した遊技球は、第1始動入賞口13に入賞する。
また、遊技球が左側通路203を通過するときに、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部202aが押されることによって、図24(a)および図24(b)に示すように、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、図24(b)に示すように、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技球が右側通路204を通過可能な状態となる。
次いで、そのような状態において、図24(c)に示すように、遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、図24(d)に示すように、流入口201から流入した遊技球は振分部材202によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して右側流出口206から流出する。そして、右側流出口206の下方には第2始動入賞口14が位置しているので、右側流出口206から流出した遊技球は、第2始動入賞口14に入賞する。
また、遊技球が右側通路204を通過するときに、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部202aが押されることによって、図24(c)および図24(d)に示すように、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、図24(d)に示すように、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態となる。
図24に示すような動作をすることにより、本実施形態では、振分部材202によって振分装置200に流入した遊技球が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに交互に入賞可能となる。なお、振分装置200によって第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに交互に入賞可能とする場合にかぎらず、例えば、第1始動入賞口13→第1始動入賞口13→第1始動入賞口13→第2始動入賞口14→第1始動入賞口13→第1始動入賞口13→第1始動入賞口13→第2始動入賞口14・・・の順に入賞可能とする(すなわち、第1始動入賞口13に3つ入賞すると第2始動入賞口14に1つ入賞する動作を繰り返すもの)など、何らかの決まった順序に従って入賞可能とするものであってもよい。
また、本実施形態では、図24に示したように、振分装置200の下方に第1始動入賞口13および第2始動入賞口14を設けるように構成することによって、左側通路203に振り分けられた遊技球は略100%で第1始動入賞口13に入賞し、右側通路204に振り分けられた遊技球は略100%で第2始動入賞口14に入賞する場合を示したが、左側通路203や右側通路204に振り分けられた遊技球が振分装置200の外にこぼれる場合があるように構成し、左側通路203や右側通路204に振り分けられても必ずしも第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞しない場合があるようにしてもよい。例えば、図24では左側流出口205および右側流出口206からダイレクトに真下に遊技球が落下するように構成したが、左側流出口205および右側流出口206に底面部材を設けて遊技者から見て奥側に一旦誘導されてから第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に遊技球が流れるように構成するとともに、左側通路203や右側通路204の外側側面に開口部を設けて、左側通路203や右側通路204に振り分けられた遊技球の一部がその開口部から振分装置200の外にこぼれて第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞しない場合があるように構成してもよい。
また、本実施形態では、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14が振分装置200の外部に設けられている(具体的には、図24に示すように、振分装置200の下方に設けられている)場合を示したが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14が振分装置200の内部に含まれているように構成してもよい。
また、本実施形態では、振分装置200に2つの通路203,204が設けられている場合を示したが、2つである場合にかぎらず、3以上の通路が設けられていてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14のいずれか一方または両方に入賞可能な通路が複数存在するように構成してもよい。
また、本実施形態では、振分装置200の振分部材202が遊技球の自重によって物理的に左右に切り替わる場合を示したが、例えば、振分部材202を駆動するためのソレノイドやモータを設け、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御によって振分部材202を交互に切り替えるように構成してもよい。
図25は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図25は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a,17a、ゲートスイッチ32aおよびカウントスイッチ23、からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
本実施形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ121や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図26参照)、図25では図示を省略している。
図26は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図26に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ105Aおよび入力ポート105Bを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ105Aに入力する。入力ドライバ105Aは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図26には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図25に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート105Eを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート105Eを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート105Fを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105Dを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105Dを介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、105Cを介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて発光体(本例では、枠LED28)に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図27は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。本実施形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図36参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の可変表示を再開するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の可変表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、本実施形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、本実施形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、大当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、大当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。本実施形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
なお、本実施形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図28に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a,17aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a,17aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a,17aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
本実施形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、本実施形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、本実施形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
本実施形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、本実施形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図29は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図29に示すように、本実施形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図29に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図29に示すように、本実施形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図29において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図29に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、本実施形態では、図29に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の可変表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の可変表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図30は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、本実施形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、本実施形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。変動パターン種別は、変動種別や変動カテゴリと呼ばれる場合もある。
なお、本実施形態では、後述するように、通常大当りや確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図28に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、本実施形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図31(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図31(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図31(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図31(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図31(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の可変表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の可変表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図31(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図31(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図31(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の可変表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の可変表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図31(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。本実施形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の可変表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の可変表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図31(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図31(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図31(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図31(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、本実施形態では、図31(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、本実施形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の可変表示が実行される場合には、第2始動入賞口14,17に始動入賞して第2特別図柄の可変表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図31(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図31(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図31(E)は、遊技球が第2始動入賞口14,17に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、本実施形態では、図31(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、本実施形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の可変表示が実行される場合には、第2始動入賞口14,17に始動入賞して第2特別図柄の可変表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の可変表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、本実施形態では、図31(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の可変表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、本実施形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
本実施形態では、図31(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、本実施形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、本実施形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、本実施形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、可変表示を所定回数(本実施形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、可変表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(本実施形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、本実施形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(本実施形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
なお、突然確変大当りの態様は、本実施形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、前述したように、本実施形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図32(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図32(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図32(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図32(A),(B)に示すように、本実施形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う可変表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図32(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、本実施形態では、図32(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図33(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図33(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が5未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図33(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が5以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図33(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図33に示す例では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が5以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Cを用いる場合を示しているが、確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が5以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図33(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が5未満である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が5以上である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの分け方は、本実施形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の可変表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば5以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う可変表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う可変表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図33(A),(B)に示すように、本実施形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う可変表示が実行されることがわかる。
また、図33(A)、(B)に示すように、本実施形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の可変表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、本実施形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図33(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、本実施形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、本実施形態では、図32に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態や時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、本実施形態では、合算保留記憶数が5以上である場合に、図33(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図34(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図34(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図34(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図34(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図35は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図36および図37は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図36および図37に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図29に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。本実施形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A20A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、本実施形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、本実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、本実施形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14,17とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、本実施形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
本実施形態では、後述する入賞時演出処理(図44参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図38は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図38に示すように、本実施形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図39および図40は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図39および図40に示すように、本実施形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、本実施形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、本実施形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図33(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図32(A)〜(D)や図33(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態または時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に可変表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に可変表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、本実施形態では、少なくともスーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図32、図33参照)、入賞時判定結果と実際に実行される可変表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、本実施形態では、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された可変表示に対して後述する先読み予告演出を実行することとしてもよい。なお、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図39および図40に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、本実施形態では、非リーチCA2−1の変動パターン種別についても合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図33参照)、先読み予告演出(いわゆるガセの先読み予告演出)を実行するように構成してもよい。
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる可変表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。本実施形態では、後述するように、保留表示の表示態様を変化させる先読み予告演出を実行する場合を説明する。
なお、本実施形態では、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図38に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図39および図40に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の可変表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する先読み予告を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図36および図37に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
本実施形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図36および図37に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図41は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14a,17aのいずれかがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14,17のいずれかへの始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14a,17aのいずれもオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を実行することなく、そのまま、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、本実施形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図49参照)、ステップS23の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図42は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14,17への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1215)。
本実施形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14a,17aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14,17に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14a,17aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図43(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図43(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図43(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図43(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14,17への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14,17への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図43(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216)。なお、ステップS1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図43(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図43(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。本実施形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの可変表示の表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219)。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1221)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14a,17aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1222)。第2始動口スイッチ14a,17aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14a,17aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図43(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1227)。なお、ステップS1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1230)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1232)。
図44は、ステップS1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図31(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。本実施形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14,17に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく可変表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の可変表示が実行されるより前にあらかじめ可変表示の表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図31(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく可変表示が開始されるまでの間には、複数の可変表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく可変表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図31(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図31(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14,17への始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図31(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。本実施形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく可変表示が開始されるまでの間には、複数の可変表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく可変表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。本実施形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図39および図40に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態または時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図39参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図39参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図39参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図39参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図39参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図39参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図39参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図39参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図39参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図39参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、本実施形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、本実施形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図40参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図31(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14,17への始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図31(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、「通常大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図40参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図40参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図40参照)。
また、例えば、CPU56は、「確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図40参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図40参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図40参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図40参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図40参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図32、図33参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図39および図40に示すような「00(H)」〜「09(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、本実施形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図45および図46は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の可変表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
本実施形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の可変表示に対して、第2特別図柄の可変表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の可変表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の可変表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、本実施形態で示したように第2特別図柄の可変表示を優先して実行するように構成する場合、図44に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、通常状態や時短状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、確変状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の可変表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、本実施形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14,17を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1216や第2始動口スイッチ通過処理のステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図31参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図31(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図31(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図31(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図31(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図31(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図31(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図31(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図31(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図31(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1216や第2始動口スイッチ通過処理のステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図31(D),(E)に示すように、第1特別図柄の可変表示が実行される場合には、第2特別図柄の可変表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、本実施形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、本実施形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図47は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図32(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図32(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(本実施形態では100回)の可変表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の可変表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が5以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が5未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図33(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が5以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図33(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(本実施形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図33(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
本実施形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が5以上である場合には、図33(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、図33(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図35参照)。従って、本実施形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が5以上である場合には、短縮変動の可変表示が行われる場合がある。なお、本実施形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図33(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図33(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の可変表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図33(A)参照)を選択するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ステップS96の処理が実行されることによって合算保留記憶数が5以上である場合に短縮変動の可変表示が行われる場合があるように構成しているのであるが、後述するように、合算保留記憶数が所定数(8個)となったことを契機としてキャラクタ変化を実行するように構成しているのであるから、例えば、合算保留記憶数が比較的少ない数でも短縮変動を実行可能に構成してしまうと、合算保留記憶数が所定数(8個)まで溜まりにくくキャラクタ変化が実行されにくくなってしまう。そこで、合算保留記憶数が比較的多い数のときに短縮変動を実行可能に構成するようにして、ある程度合算保留記憶数が所定数(8個)まで溜まりやすくしてキャラクタ変化が実行されやすくするように構成することが望ましい。ただし、短縮変動の実行頻度を低くしすぎてしまうと、却って合算保留記憶数が所定数(8個)近辺で高止まりして減少されないという弊害が生じてしまうので、合算保留記憶数が適度に増減するように短縮変動の実行頻度などを設定することが望ましい。
また、本実施形態のように振分装置200が設けられているタイプの遊技機においては、合算保留記憶数が5以上である場合に短縮変動の可変表示が行われる場合があるように構成すると、合算保留記憶数が所定数(8個)まで溜まりにくくキャラクタ変化が実行されにくくなってしまう。そこで、振分装置200が設けられていないタイプの遊技機よりも短縮変動の選択割合を少なくすることとしてもよい。
例えば、振分装置200が設けられていないタイプの遊技機においては、非リーチはずれである場合、保留記憶数が「1」であるときには短縮変動を選択せず、保留記憶数が「2」または「3」であるときには特定割合で短縮変動を選択し、保留記憶数が「4」であるときには必ず短縮変動を選択するといったものが一般的であれば、振分装置200が設けられているタイプの遊技機においては、非リーチはずれである場合、合算保留記憶数が「1」〜「3」であるときには短縮変動を選択せず、合算保留記憶数が「4」〜「6」であるときには特定割合よりも少し低い割合で短縮変動を選択し、合算保留記憶数が「7」であるときには特定割合で短縮変動を選択し、合算保留記憶数が「8」であるときには必ず短縮変動を選択することとしてもよい。
また、合算保留記憶数が「7」であるときには、合算保留記憶数が「4」〜「6」であるときよりも短縮変動の選択割合を低くしてもよい。そうすることにより、合算保留記憶数が「7」である状態で始動入賞が発生しやすくなり、キャラクタ変化の実行頻度を向上させることができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図34参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図35参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図33に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図33に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、本実施形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行うように構成することが好ましい。
図48は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図36参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図49は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の可変表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図50は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」または「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図51は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図52は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄可変表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の可変表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の可変表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の可変表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄可変表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、本実施形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図53は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図54は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図36および図37参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図55および図56は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS622)。
図57は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図57に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。本実施形態では、図42の始動口スイッチ通過処理のステップS1218〜S1221,S1229〜S1232で示したように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14,17への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドがセットで送信される。そのため、図57に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
本実施形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。本実施形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図57に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図57では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図57に示す例では、前回の可変表示において7個までの保留記憶が発生して最新のコマンドが格納されている格納領域に合算保留記憶数7を指定する合算保留記憶数指定コマンド(C207(H))が格納され、その後、保留記憶が1つ消化されて2番目の保留記憶にもとづく可変表示が開始されている状況での始動入賞時コマンド格納領域の格納状態が示されている。
また、図57に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の可変表示を開始するごと(合算保留記憶数減算指定コマンドを受信するごと)に、後述するステップS635dで1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図57に示す格納状態において新たな演出図柄の可変表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている内容(各コマンドおよび後述する変化パターンおよび変化タイミングパターン)が削除され、格納領域2に格納されている内容が格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている内容が格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている内容が格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている内容が格納領域4にシフトされる。なお、内容が削除されるタイミングは、演出図柄の可変表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理中であってもよい。
また、本実施形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図44参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
また、図57に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、更に、変化パターンと変化タイミングパターンとが格納できるよう記憶領域が確保されている。変化パターンとは、保留表示の表示態様の変化態様をパターン化したもの(PT1A〜PT7B)であり、始動入賞時に決定される。ここで、図58を用いて、変化パターンの詳細について説明する。
図58は、変化パターンテーブルを示す説明図である。図58に示すように、各変化パターンには、保留表示の表示態様の変化の態様を示す「変化態様」、保留表示の表示態様を変化させる回数(「キャラクタ」への変化を除外した回数)である「変化回数」、およびキャラクタ変化(表示態様を「キャラクタ」に変化させること)が可能な「○」、またはキャラクタ変化が不可能な「×」が対応づけられている。
例えば、PT1AおよびPT1Bは、「白」のまま変化しないことから変化回数が0回の変化パターンである。PT2AおよびPT2Bは、「白」から「青」へ変化することから変化回数が1回の変化パターンである。PT3AおよびPT3Bは、「青」のまま変化しないことから変化回数が0回の変化パターンである。PT4AおよびPT4Bは、「白」から「青」へ変化した後に「赤」へ変化することから変化回数が2回の変化パターンである。PT5AおよびPT5Bは、「白」から「赤」へ変化することから変化回数が1回の変化パターンである。PT6AおよびPT6Bは、「青」から「赤」へ変化することから変化回数が1回の変化パターンである。PT7AおよびPT7Bは、「赤」のまま変化しないことから変化回数が0回の変化パターンである。
以下、PT1AおよびPT1Bを「第1変化パターン種別」、PT2AおよびPT2Bを「第2変化パターン種別」、PT3AおよびPT3Bを「第3変化パターン種別」、PT4AおよびPT4Bを「第4変化パターン種別」、PT5AおよびPT5Bを「第5変化パターン種別」、PT6AおよびPT6Bを「第6変化パターン種別」、PT7AおよびPT7Bを「第7変化パターン種別」ということがある。
また、例えば、PT1A,2A,3A,4A,5A,6A,7Aは、キャラクタ変化をし得ない変化パターンである。PT1B,2B,3B,4B,5B,6B,7Bは、キャラクタ変化をし得る変化パターン(以下、「キャラクタ変化可能パターン」ということがある)である。本実施形態では、キャラクタ変化可能パターンが記憶されているときに合算保留記憶数が8個になったことを条件として、キャラクタ変化可能パターンに対応する保留表示またはアクティブ表示の表示態様が「キャラクタ」に変化するものである。
また、いずれの変化パターンにおける「変化態様」にも、「キャラクタ」は含まれていないことから、合算保留記憶数が8個になった場合にのみ保留表示の表示態様を「キャラクタ」に変化可能な構成としている。
例えば、図57に示す例では、1つ目、2つ目および4つ目の保留表示の変化パターンとしてPT1A(「白」からいずれの表示態様にも変化し得ない変化パターン)が、3つ目の保留表示の変化パターンとしてPT2A(「白」から「青」に変化可能であり、「キャラクタ」には変化しない変化パターン)が、5つ目の保留表示の変化パターンとしてPT4B(「白」から「青」へ変化した後に「赤」に変化可能であり、「キャラクタ」にも変化可能な変化パターン)が、それぞれ記憶されている。
また、変化タイミングパターンとは、保留表示の表示態様を変化させる変化タイミングをパターン化したもの(T00〜T76)であり、始動入賞時に決定される。変化タイミングパターンは、変化回数(「キャラクタ」への変化を除外した回数)が1回である場合に選択されるT00〜T07と、該変化回数が2回である場合に選択されるT10〜T76とに大別できる。
変化タイミングパターンに含まれる変化タイミングの要素としては、対応するアクティブ表示を開始するタイミングである「アクティブ」、1個目の保留表示にシフトするタイミングである「1個目」、2個目の保留表示にシフトするタイミングである「2個目」、3個目の保留表示にシフトするタイミングである「3個目」、4個目の保留表示にシフトするタイミングである「4個目」、5個目の保留表示にシフトするタイミングである「5個目」、6個目の保留表示にシフトするタイミングである「6個目」および7個目の保留表示にシフトするタイミングである「7個目」がある。
例えば、T00は、変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T01は、変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T02は、変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T03は、変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンであり、T04は、変化タイミングが「4個目」である変化タイミングパターンであり、T05は、変化タイミングが「5個目」である変化タイミングパターンであり、T06は、変化タイミングが「6個目」である変化タイミングパターンであり、T07は、変化タイミングが「7個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T10は、1回目の変化タイミングが「1個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T20は、1回目の変化タイミングが「2個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T21は、1回目の変化タイミングが「2個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T30は、1回目の変化タイミングが「3個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T31は、1回目の変化タイミングが「3個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T32は、1回目の変化タイミングが「3個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T40は、1回目の変化タイミングが「4個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T41は、1回目の変化タイミングが「4個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T42は、1回目の変化タイミングが「4個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T43は、1回目の変化タイミングが「4個目」、2回目の変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T50は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T51は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T52は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T53は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンであり、T54は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「4個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T60は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T61は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T62は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T63は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンであり、T64は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「4個目」である変化タイミングパターンであり、T65は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「5個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T70は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T71は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T72は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T73は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンであり、T74は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「4個目」である変化タイミングパターンであり、T75は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「5個目」である変化タイミングパターンであり、T76は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「6個目」である変化タイミングパターンである。
例えば、図57に示す例では、3つ目の保留表示の変化タイミングパターンとしてT02が、5つ目の保留表示の変化タイミングパターンとしてT32が、それぞれ記憶されている。なお、表示態様の変化回数(「キャラクタ」への変化は除外した回数)が0回である変化パターンが格納されている場合には、変化するタイミングがないことから、変動タイミングパターンは格納されていない(例えば、1つ目、2つ目および4つ目の格納領域を参照。)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS629)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)が格納されている格納領域に格納する(ステップS632)。また、演出制御用CPU101は、RAMに設けられた合算保留記憶数保存領域に、合算保留記憶数指定コマンドで指定された合算保留記憶数を格納する(ステップS633)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS634)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている変化パターンおよび変化タイミングパターンにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS635)。具体的に、各格納領域に格納されている変化タイミングパターンを参照して、変化タイミングに至る保留表示があるか否かを判定し、変化タイミングに至る保留記憶がある場合には、変化パターンを参照して、保留表示の表示態様を変化させる。例えば、図57の格納領域3に対応する変化タイミングパターンはT02であることから、2個目の保留表示にシフトするタイミング(次にステップS635を実行するとき)において、対応する保留表示の表示態様を変化させることとなる。そのとき、格納されている変化パターンがPT2Aであることから、「白」から「青」に変化させることとなる。
なお、ステップS635において変化タイミングに至る保留表示であっても、該保留表示が既に「キャラクタ」に変化されている保留表示である場合には、保留表示の表示態様は変化しないこととする。
そして、演出制御用CPU101は、アクティブ表示を開始する(ステップS635a)。ここでは、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に記憶されている変化パターンおよび変化タイミングパターンにもとづいた表示態様にてアクティブ表示を開始する。例えば、格納領域1に、「アクティブ」を含む変化タイミングパターン(T00,10,20,30,40,50,60,70のいずれか)が記憶されている場合には、対応付けられている変化パターンにおける最後の表示態様(「青」または「赤」)にてアクティブ表示を開始する。また、例えば、格納領域1に、「アクティブ」を含まない変化タイミングパターン(T00,10,20,30,40,50,60,70以外のいずれか)が記憶されている場合には、合算保留記憶表示部18cの1つ目の表示領域に表示されていた表示態様にてアクティブ表示を開始する。なお、1つ目の表示領域に表示されていた表示態様が「キャラクタ」であった場合には、格納領域1に、「アクティブ」を含む変化タイミングパターン(T00,10,20,30,40,50,60,70のいずれか)が記憶されている場合であっても、「キャラクタ」のアクティブ表示を開始することとする。
その後、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1の変化パターンは、キャラクタ変化可能パターン(PT1B,2B,3B,4B,5B,6B,7B)であるか否かを判定し(ステップS635b)、キャラクタ変化可能パターンでない場合には、ステップS635dへ移行する。キャラクタ変化可能パターンである場合には、アクティブ表示の表示態様を「キャラクタ」に変化可能であることを示すアクティブ変化可能フラグをセットする(ステップS635c)。
そして、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1のデータを削除し、残りのデータをシフトして格納する(ステップS635d)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する(ステップS636)。
なお、ステップS635〜S636の処理については、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動開始時に送信されるコマンド(例えば、変動パターンコマンド)を受信することにもとづいて実行してもよい。その場合、合算保留記憶数減算指定コマンドについては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されないものであってもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS637)。例えば、受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS611に移行する。
図59は、図53に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、保留表示に関する制御を行う保留表示制御処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の可変表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の可変表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図60は、保留表示制御処理を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS3501)、受信していない場合にはそのまま保留表示制御処理を終了する。新たな始動入賞時コマンドを受信した場合には、受信した始動入賞時コマンドに大当りまたは小当りとなることを示す情報が含まれているか否かを判定する(ステップS3502)。具体的には、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドのうち少なくともいずれか一方により、大当りまたは小当りとなるか否かを判定することができる。
大当りまたは小当りとなる場合、演出制御用CPU101は、演出モードAに制御されているか否かを判定する(ステップS3503)。本実施形態では、保留表示の表示態様の変化パターンおよび変化タイミングパターンの選択傾向が異なる演出モードとして、演出モードAと演出モードBとが設けられている。例えば、演出モードAは、第1態様である「白」より、第2態様である「青」や「赤」の方が、特定態様である「キャラクタ」に変化しやすいとともに、「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを選択しやすい演出モードである。一方、演出モードBは、第2態様である「青」や「赤」より、第1態様である「白」の方が、特定態様である「キャラクタ」に変化しやすいとともに、「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを選択しにくい(すなわち、第1態様である「白」が継続されやすい)演出モードである。いずれの演出モードに制御されているかについては、フラグを用いることにより判定することができる。例えば、演出モードAであることを示すフラグを用いれば、該フラグがセットされているか否かを判定することにより、いずれの演出モードに制御されているかを判定することができる。該フラグは、演出モードAに制御するとき(例えば、後述するステップS8320C)にセットすることとすればよい。
ステップS3503において、演出モードAである場合には、演出制御用CPU101は、第1当り用変化パターン決定テーブルを選択する(ステップS3504)一方、演出モードBである場合には、第2当り用変化パターン決定テーブルを選択する(ステップS3505)。また、ステップS3502において、大当りまたは小当りとなる情報が含まれていない場合、すなわち、新たに発生した保留記憶がはずれ保留である場合、はずれ用変化パターン決定テーブルを選択する(ステップS3506)。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS3504〜S3506のいずれかで選択した変化パターン決定テーブルを用いて、変化パターンを決定するための変化パターン決定抽選を行う(ステップS3507)。
ここで、図61〜図63を用いて、変化パターン決定テーブルについて説明する。各変化パターン決定テーブルには、変化パターンに対する入賞時判定結果毎の選択割合が含まれている。変化パターンの欄における括弧書きは、(○)であればキャラクタ変化が可能な変化パターン(キャラクタ変化パターン)であり、(×)であればキャラクタ変化が不可能な変化パターンであることを示している。また、合算保留記憶数が「1」である場合と、「2以上」である場合とで、異なる選択割合が設けられており、合算保留記憶数が「1」である場合には変化可能タイミングが1回しかないことから、変化回数が2回である変化パターンであるPT4A,4Bは選択しないようになっている。
また、入賞時判定結果が確変大当りである場合の選択割合における「A+B」の欄は、対応づけられている変化パターンとの選択割合の和を示している。例えば、図61に示す「A+B」の欄は、上から、合算保留記憶数が「1」である場合のPT1AおよびPT1Bの選択割合の和(すなわち、第1変化パターン種別の選択割合)、PT2AおよびPT2Bの選択割合の和(すなわち、第2変化パターン種別の選択割合)、PT3AおよびPT3Bの選択割合の和(すなわち、第3変化パターン種別の選択割合)、PT4AおよびPT4Bの選択割合の和(すなわち、第4変化パターン種別の選択割合)、PT5AおよびPT5Bの選択割合の和(すなわち、第5変化パターン種別の選択割合)、PT6AおよびPT6Bの選択割合の和(すなわち、第6変化パターン種別の選択割合)、PT7AおよびPT7Bの選択割合の和(すなわち、第7変化パターン種別の選択割合)、となっている。図61における合算保留記憶数が「2以上」である場合、および図62においても同様である。
図61は、演出モードがAであり、入賞時判定結果が大当りまたは小当りである場合に用いられる第1当り用変化パターン決定テーブルを示す説明図である。
まず、合算保留記憶数が「1」であるとき第1当り用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果が確変大当りである場合(図柄指定コマンドがC402(H)である場合)、4%の割合でPT1Aが、6%の割合でPT2Aが、3%の割合でPT2Bが、10%の割合でPT3Aが、4%の割合でPT3Bが、15%の割合でPT5Aが、4%の割合でPT5Bが、19%の割合でPT6Aが、5%の割合でPT6Bが、20%の割合でPT7Aが、10%の割合でPT7Bが、それぞれ選択される。このとき、第1変化パターン種別の選択割合は4%であり、第2変化パターン種別の選択割合は9%であり、第3変化パターン種別の選択割合は14%であり、第4変化パターン種別の選択割合は0%であり、第5変化パターン種別の選択割合は19%であり、第6変化パターン種別の選択割合は24%であり、第7変化パターン種別の選択割合は30%である。
入賞時判定結果が通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)である場合)、5%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、15%の割合でPT3Aが、20%の割合でPT5Aが、25%の割合でPT6Aが、25%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、10%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、20%の割合でPT3Aが、20%の割合でPT5Aが、20%の割合でPT6Aが、20%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
次に、合算保留記憶数が「2以上」であるとき第1当り用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果が確変大当りである場合(図柄指定コマンドがC402(H)である場合)、1%の割合でPT1Aが、2%の割合でPT2Aが、1%の割合でPT2Bが、3%の割合でPT3Aが、2%の割合でPT3Bが、8%の割合でPT4Aが、2%の割合でPT4Bが、15%の割合でPT5Aが、5%の割合でPT5Bが、18%の割合でPT6Aが、10%の割合でPT6Bが、23%の割合でPT7Aが、10%の割合でPT7Bが、それぞれ選択される。このとき、第1変化パターン種別の選択割合は1%であり、第2変化パターン種別の選択割合は3%であり、第3変化パターン種別の選択割合は5%であり、第4変化パターン種別の選択割合は10%であり、第5変化パターン種別の選択割合は20%であり、第6変化パターン種別の選択割合は28%であり、第7変化パターン種別の選択割合は33%である。
入賞時判定結果が通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)である場合)、3%の割合でPT1Aが、6%の割合でPT2Aが、8%の割合でPT3Aが、10%の割合でPT4Aが、18%の割合でPT5Aが、25%の割合でPT6Aが、30%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、10%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、10%の割合でPT3Aが、10%の割合でPT4Aが、20%の割合でPT5Aが、20%の割合でPT6Aが、20%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
図62は、演出モードがBあり、入賞時判定結果が大当りまたは小当りである場合に用いられる第2当り用変化パターン決定テーブルを示す説明図である。
まず、合算保留記憶数が「1」であるとき第2当り用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果が確変大当りである場合(図柄指定コマンドがC402(H)である場合)、6%の割合でPT1Bが、4%の割合でPT2Aが、5%の割合でPT2Bが、10%の割合でPT3Aが、4%の割合でPT3Bが、16%の割合でPT5Aが、3%の割合でPT5Bが、22%の割合でPT6Aが、2%の割合でPT6Bが、27%の割合でPT7Aが、1%の割合でPT7Bが、それぞれ選択される。このとき、第1変化パターン種別の選択割合は6%であり、第2変化パターン種別の選択割合は9%であり、第3変化パターン種別の選択割合は14%であり、第4変化パターン種別の選択割合は0%であり、第5変化パターン種別の選択割合は19%であり、第6変化パターン種別の選択割合は24%であり、第7変化パターン種別の選択割合は28%である。
入賞時判定結果が通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)である場合)、5%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、15%の割合でPT3Aが、20%の割合でPT5Aが、25%の割合でPT6Aが、25%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、10%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、20%の割合でPT3Aが、20%の割合でPT5Aが、20%の割合でPT6Aが、20%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
次に、合算保留記憶数が「2以上」であるとき第2当り用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果が確変大当りである場合(図柄指定コマンドがC402(H)である場合)、7%の割合でPT1Bが、2%の割合でPT2Aが、6%の割合でPT2Bが、4%の割合でPT3Aが、5%の割合でPT3Bが、6%の割合でPT4Aが、4%の割合でPT4Bが、12%の割合でPT5Aが、3%の割合でPT5Bが、21%の割合でPT6Aが、2%の割合でPT6Bが、27%の割合でPT7Aが、1%の割合でPT7Bが、それぞれ選択される。このとき、第1変化パターン種別の選択割合は7%であり、第2変化パターン種別の選択割合は8%であり、第3変化パターン種別の選択割合は9%であり、第4変化パターン種別の選択割合は10%であり、第5変化パターン種別の選択割合は15%であり、第6変化パターン種別の選択割合は23%であり、第7変化パターン種別の選択割合は28%である。
入賞時判定結果が通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)である場合)、3%の割合でPT1Aが、6%の割合でPT2Aが、8%の割合でPT3Aが、10%の割合でPT4Aが、18%の割合でPT5Aが、25%の割合でPT6Aが、30%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、10%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、10%の割合でPT3Aが、10%の割合でPT4Aが、20%の割合でPT5Aが、20%の割合でPT6Aが、20%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
図63は、入賞時判定結果がはずれである場合に用いられるはずれ用変化パターン決定テーブルを示す説明図である。
まず、合算保留記憶数が「1」であるときはずれ用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、30%の割合でPT1Aが、24%の割合でPT2Aが、19%の割合でPT3Aが、14%の割合でPT5Aが、9%の割合でPT6Aが、4%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果がその他である場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H),C609(H)以外である場合)、80%の割合でPT1Aが、15%の割合でPT2Aが、5%の割合でPT3Aが、それぞれ選択される。
次に、合算保留記憶数が「2以上」であるときはずれ用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、30%の割合でPT1Aが、20%の割合でPT2Aが、18%の割合でPT3Aが、15%の割合でPT4Aが、10%の割合でPT5Aが、5%の割合でPT6Aが、2%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果がその他である場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H),C609(H)以外である場合)、80%の割合でPT1Aが、15%の割合でPT2Aが、5%の割合でPT3Aが、それぞれ選択される。
図61〜図63に示す変化パターン決定テーブルを比較すると、少なくとも、合算保留記憶数が2以上である場合、大当りまたは小当りである場合の変化パターン種別毎の選択割合は、第1変化パターン種別<第2変化パターン種別<第3変化パターン種別<第4変化パターン種別<第5変化パターン種別<第6変化パターン種別<第7変化パターン種別となっている。一方、はずれである場合の変化パターン種別毎の選択割合は、第1変化パターン種別>第2変化パターン種別>第3変化パターン種別>第4変化パターン種別>第5変化パターン種別>第6変化パターン種別>第7変化パターン種別となっている。したがって、大当りまたは小当りとなることに対する信頼度は、第1変化パターン種別<第2変化パターン種別<第3変化パターン種別<第4変化パターン種別<第5変化パターン種別<第6変化パターン種別<第7変化パターン種別となっている。
ここで、各変化パターン種別における変化態様(図58参照)に着目すると、「白」が含まれる変化パターン種別よりも、「青」が含まれる変化パターン種別の方が、大当りまたは小当りとなることに対する信頼度が高い。同様に、「青」が含まれる変化パターン種別よりも、「赤」が含まれる変化パターン種別の方が、大当りまたは小当りとなることに対する信頼度が高い。また、図61〜図63に示すように、キャラクタ変化可能パターンは、確変大当りである場合にのみ選択され得る変化パターンであることから、「キャラクタ」については、確変大当りとなる場合のみ変化し得る変化態様である。これにより、確変大当りとなることに対する信頼度は、「白」<「青」<「赤」<「キャラクタ」となっている。
また、図61に示す第1当り用変化パターン決定テーブルにおいては、入賞時判定結果が確変大当りであるとき、第1変化パターン種別の選択割合に対するキャラクタ変化パターンの選択割合(PT1B:0%)は0%であるとともに、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別の選択割合に対するキャラクタ変化パターンの選択割合は0%より高い。また、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターンであるPT1Bの選択割合は、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターンであるPT2B,3B,4B,5B,6B,7Bの選択割合よりも低い。したがって、演出モードAにおいては、「白」により表示されており将来的に「青」や「赤」に変化する予定ではない保留表示が「キャラクタ」に変化する割合よりも、既に「青」や「赤」により表示されているか、または将来的に「青」や「赤」に変化する予定である保留表示が「キャラクタ」に変化する割合の方が高くなっている。これにより、演出モードAにおいては、「青」や「赤」に変化することにより、「キャラクタ」に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、図62に示す第2当り用変化パターン決定テーブルにおいては、入賞時判定結果が確変大当りであるとき、第2変化パターン種別の選択割合に対するキャラクタ変化パターンの選択割合(PT1B:6%)は100%であるとともに、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別の選択割合に対するキャラクタ変化パターンの選択割合は100%より低い。また、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターンであるPT1Bの選択割合は、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターンであるPT2B,3B,4B,5B,6B,7Bの選択割合よりも高い。したがって、演出モードBにおいては、既に「青」や「赤」により表示されているか、または将来的に「青」や「赤」に変化する予定である保留表示が「キャラクタ」に変化する割合よりも、「白」により表示されており将来的に「青」や「赤」に変化する予定ではない保留表示が「キャラクタ」に変化する割合の方が高くなっている。これにより、演出モードBにおいては、「青」や「赤」に変化せずに「白」にて表示されている間、「キャラクタ」に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
次に、演出制御用CPU101は、変化タイミングパターンを決定するための変化タイミング決定抽選を行う(ステップS3508)。具体的には、ステップS3507において決定された変化パターン、および制御されている演出モードにもとづいて変化タイミング決定テーブルを選択し、合算保留記憶数にもとづいて変化タイミングを決定する。ここで、図64〜図66を用いて、変化タイミング決定テーブルについて説明する。
図64〜図66に示す各変化タイミング決定テーブルには、合算保留記憶数(1〜8)毎の変化タイミングパターンの選択割合が対応付けられている。各変化タイミングパターンには、具体的な変化タイミングが対応付けられている。
図64は、第1変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。図64(A)に示す第1変化タイミング決定テーブルAは、ステップS3507において決定された変化パターンの変化回数が「1」であり、演出モードAに制御されているときに用いられる変化タイミング決定テーブルである。
例えば、図64(A)に示す第1変化タイミング決定テーブルAでは、合算保留記憶数が「1」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が100%の割合で選択される。合算保留記憶数が「2」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が40%の割合で、T01が60%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「3」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が30%の割合で、T02が50%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「4」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が20%の割合で、T02が30%の割合で、T03が30%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「5」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が10%の割合で、T01が20%の割合で、T02が20%の割合で、T03が20%の割合で、T04が30%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「6」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が15%の割合で、T01が15%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が20%の割合で、T05が20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「7」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が10%の割合で、T01が10%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が15%の割合で、T05が15%の割合で、T06が20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「8」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が5%の割合で、T01が5%の割合で、T02が10%の割合で、T03が10%の割合で、T04が15%の割合で、T05が15%の割合で、T06が20%の割合で、T07が20%の割合で、選択される。
図64(B)に示す第1変化タイミング決定テーブルBは、ステップS3507において決定された変化パターンの変化回数が「1」であり、演出モードBに制御されているときに用いられる変化タイミング決定テーブルである。
例えば、図64(B)に示す第1変化タイミング決定テーブルBでは、合算保留記憶数が「1」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が100%の割合で選択される。合算保留記憶数が「2」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が60%の割合で、T01が40%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「3」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が50%の割合で、T01が30%の割合で、T02が20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「4」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が30%の割合で、T01が30%の割合で、T02が20%の割合で、T03が20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「5」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が30%の割合で、T01が20%の割合で、T02が20%の割合で、T03が20%の割合で、T04が10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「6」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が20%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が15%の割合で、T05が15%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「7」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が20%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が15%の割合で、T05が10%の割合で、T06が5%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「8」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が20%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が10%の割合で、T05が10%の割合で、T06が5%の割合で、T07が5%の割合で、選択される。
図65は、第2変化タイミング決定テーブルAを示す説明図である。図64に示す第2変化タイミング決定テーブルAは、ステップS3507において決定された変化パターンの変化回数が「2」であり、演出モードAに制御されているときに用いられる変化タイミング決定テーブルである。
例えば、図65に示す第2変化タイミング決定テーブルAでは、合算保留記憶数が「2」である場合、変化タイミングパターンとして、T10が100%の割合で選択される。合算保留記憶数が「3」である場合、変化タイミングパターンとして、T10が10%の割合で、T20が20%の割合で、T21が70%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「4」である場合、変化タイミングパターンとして、T10,T20がそれぞれ10%の割合で、T21〜T32がそれぞれ20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「5」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T43がそれぞれ10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「6」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T31がそれぞれ6%の割合で、T32〜T54がそれぞれ7%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「7」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T31がそれぞれ2%の割合で、T32〜T54がそれぞれ3%の割合で、T60〜T65がそれぞれ10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「8」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T54がそれぞれ1%の割合で、T60〜T72がそれぞれ6%の割合で、T73〜T75がそれぞれ7%の割合で、T76が10%の割合で、選択される。
図66は、第2変化タイミング決定テーブルBを示す説明図である。図64に示す第2変化タイミング決定テーブルBは、ステップS3507において決定された変化パターンの変化回数が「2」であり、演出モードBに制御されているときに用いられる変化タイミング決定テーブルである。
例えば、図66に示す第2変化タイミング決定テーブルBでは、合算保留記憶数が「2」である場合、変化タイミングパターンとして、T10が100%の割合で選択される。合算保留記憶数が「3」である場合、変化タイミングパターンとして、T10が70%の割合で、T20が20%の割合で、T21が10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「4」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T30がそれぞれ20%の割合で、T31,T32がそれぞれ10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「5」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T43がそれぞれ10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「6」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T43がそれぞれ7%の割合で、T50〜T54がそれぞれ6%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「7」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T54がそれぞれ6%の割合で、T60〜T63がそれぞれ3%の割合で、T64,T65がそれぞれ1%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「8」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T54がそれぞれ5%の割合で、T60〜T75がそれぞれ2%の割合で、T76が1%の割合で、選択される。
このように、演出モードAにおいて、比較的早いタイミングが変化タイミングとして決定されやすいようになっている(図64(A)および図65参照)。これにより、保留表示が開始されてから早い時期(例えば、始動入賞が発生した直後)に表示態様が「青」や「赤」に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
特に、合算保留記憶数が「7」または「8」である場合、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンであるT06,T07,T60〜T76を選択しやすい。すなわち、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示の表示態様を「青」や「赤」に変化しやすいようになっている。上述したように、演出モードAにおいては「白」からキャラクタ変化する割合よりも「青」や「赤」からキャラクタ変化する割合の方が高いため、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示の表示態様を「青」や「赤」に変化しやすいようにすることで、残り少数の保留記憶を溜めることでキャラクタ変化が発生することの期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技を促進することができる。
また、このように、演出モードBにおいて、比較的遅いタイミングが変化タイミングとして決定されやすいようになっている(図64(B)および図66参照)。これにより、保留表示が開始されてから遅い時期(例えば、対応する変動が開始される直前)に表示態様が「青」や「赤」に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
特に、合算保留記憶数が「7」または「8」である場合、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンであるT06,T07,T60〜T76を選択しにくい。すなわち、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示の表示態様を「青」や「赤」に変化しにくい(「白」が継続しやすい)ようになっている。上述したように、演出モードBにおいては「青」や「赤」キャラクタ変化する割合よりも「白」からキャラクタ変化する割合の方が高いため、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示の表示態様を「青」や「赤」に変化しにくい(「白」が継続しやすい)ようにすることで、残り少数の保留記憶を溜めることでキャラクタ変化が発生することの期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技を促進することができる。
ステップS3508の後、変化パターン決定抽選(ステップS3507)および変化タイミング決定抽選(ステップS3508)の抽選結果を始動入賞時コマンド格納領域に記憶し(ステップS3509)、決定した変化パターンに応じた表示態様にて新たな保留表示の表示を開始する(ステップS3510)。例えば、PT1A,1B,2A,2B,4A,4B,5A,5Bのいずれかが決定されていれば、「白」にて保留表示の表示を開始し、PT3A,3B,6A,6Bのいずれかが決定されていれば、「青」にて保留表示の表示を開始し、PT7A,7Bのいずれかが決定されていれば、「赤」にて保留表示の表示を開始する。その後、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を「キャラクタ」に変化するためのキャラクタ変化処理を行い(ステップS3511)、保留表示制御処理を終了する。
図67は、キャラクタ変化処理を示すフローチャートである。キャラクタ変化処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数が「8」であるか否かを判定し(ステップS3701)、「8」でない場合にはそのままキャラクタ変化処理を終了する。「8」である場合、すなわち、新たに発生した保留記憶が8個目の保留記憶である場合には、実行していれば示唆演出の実行を終了する(ステップS3702)。示唆演出とは、キャラクタ変化し得る保留記憶が記憶されている可能性を示唆する演出である。
次に、演出制御用CPU101は、表示態様が「キャラクタ」に変化された保留表示が既に表示されていることを示す表示済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3703)、セットされている場合にはそのままキャラクタ変化処理を終了する。このように、本実施形態では、複数の保留表示またはアクティブ表示においてキャラクタ変化が発生することを制限しているが、複数の保留表示またはアクティブ表示においてキャラクタ変化が発生可能な構成であってもよい。
表示済フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU101は、アクティブ変化可能フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3704)、セットされていない場合には、キャラクタ変化が可能な保留記憶が記憶されているか否かを判定する(ステップS3705)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域にキャラクタ変化パターンが記憶されているか否かを判定する。
キャラクタ変化が可能な保留記憶(以下、「変化可能保留記憶」ということがある)が記憶されている場合、演出制御用CPU101は、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶は全て通常はずれ保留であるか否かを判定する(ステップS3706)。具体的に、キャラクタ変化パターンが記憶されている格納領域よりも前の格納領域において、図柄指定コマンドは全てC400(H)であり、変動カテゴリコマンドは全てC600(H)またはC608(H)である場合に、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶は全て通常はずれ保留であると判定する。変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶が全て通常はずれ保留ではない場合、キャラクタ変化処理を終了する。このように、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶に大当り保留またはリーチはずれ保留が含まれる場合には、キャラクタ変化の実行を制限することとしている。仮に、「キャラクタ」の保留表示が表示されているときに、該保留表示よりも前の変動において大当りとなった場合、キャラクタ変化の演出効果を低下させてしまう可能性がある。そこで、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶に大当り保留またはリーチはずれ保留が含まれる場合には、キャラクタ変化の実行を制限することにより、キャラクタ変化の演出効果の低下を防止することができる。なお、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶にリーチはずれ保留が含まれる場合には、キャラクタ変化の実行を制限しないこととしてもよい。
該当する保留記憶より前に記憶された保留記憶は全て通常はずれ保留である場合、演出制御用CPU101は、該当する保留表示(キャラクタ変化が可能な保留記憶に対応する保留表示)の表示態様を「キャラクタ」に変化させる(ステップS3707)。なお、キャラクタ変化が可能な保留記憶が複数記憶されている場合には、該当する保留表示のうち最先の保留表示(最も古いタイミングで記憶された保留記憶に対応する保留表示)における表示態様を「キャラクタ」に変化させるものとする。その後、演出制御用CPU101は、特殊背景の表示を開始することにより特別演出を実行し(ステップS3709)、表示済フラグをセットする(ステップS3710)。
また、ステップS3704において、アクティブ変化可能フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、アクティブ表示の表示態様を「キャラクタ」に変化させ(ステップS3708)、ステップS3709へ移行する。ステップS3704,S3708を実行することにより、キャラクタ変化が可能な保留記憶が記憶されている場合であっても、アクティブ表示を優先的にキャラクタ変化させることとしている。
なお、本実施形態では、既に合算保留記憶数が「8」である状態で始動入賞が発生したとき(すなわち、変動に寄与しない始動入賞が発生したとき)であっても、図67に示したキャラクタ変化処理を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、合算保留記憶数が「7」である状態で始動入賞が発生したときにのみキャラクタ変化処理を実行することとしてもよい。
また、キャラクタ変化の発生条件としては、上述した条件(例えば、合算保留記憶数が特定数となること)の他、遊技者による動作(例えば、プッシュボタン120への操作)を検出することを加えることとしてもよい。例えば、合算保留記憶数が「8」となったときにプッシュボタン120への操作を促す操作促進表示を演出表示装置9に表示し、プッシュボタン120への操作を検出した場合にのみステップS3704以降の処理を実行し、検出しなかった場合にはそのままキャラクタ変化処理を終了することとしてもよい。
また、キャラクタ変化の発生条件が成立した場合に所定割合の抽選を行い、該抽選結果にもとづいてキャラクタ変化を実行可能であることとしてもよい。例えば、ステップS3704のYである場合や、ステップS3706のYである場合に該抽選を行い、所定の割合にてステップS3707,S3708を実行し得ることとしてもよい。その際、キャラクタ変化の実行対象が保留表示であれば、何個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示であるかにもとづいて、キャラクタ変化の実行割合(該抽選において実行することが決定される割合)が異なることとしてもよい。例えば、キャラクタ変化の実行対象の保留表示が、1個目の保留記憶に対応する保留表示である場合の方が、8個目の保留記憶に対応する保留表示である場合よりも、高い割合でキャラクタ変化の実行が決定されることとしてもよいし、逆に、キャラクタ変化の実行対象の保留表示が、1個目の保留記憶に対応する保留表示である場合の方が、8個目の保留記憶に対応する保留表示である場合よりも、低い割合でキャラクタ変化の実行が決定されることとしてもよい。
図68は、図53に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、本実施形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図68に示すように、本実施形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の可変表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の可変表示は開始されない。
図69は、図59に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図70は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図70に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(本実施形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(本実施形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の可変表示中に演出表示装置9において予告演出(例えば、ステップアップ予告演出や、キャラクタ予告演出、群予告演出、ボタン予告演出。)を実行するか否かを決定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8002)。
その後、演出制御用CPU101は、表示済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS8002A)、セットされていない場合、すなわち「キャラクタ」の保留表示の表示中でない場合には、示唆演出の実行の有無を決定するための示唆演出実行抽選を行う(ステップS8002B)。具体的に、図71に示す示唆演出実行抽選テーブルを用いて示唆演出の実行の有無を決定する。
図71は、示唆演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図71に示す示唆演出実行抽選テーブルは、示唆演出の実行の有無に対する選択割合が、キャラクタ変化予定の有無毎に対応付けられている。キャラクタ変化し得る保留表示が存在する場合(いずれかの格納領域にキャラクタ変化パターンが記憶されている場合)に、キャラクタ変化予定が「有」とし、キャラクタ変化し得る保留表示が存在しない場合(いずれの格納領域にもキャラクタ変化パターンが記憶されていない場合)に、キャラクタ変化予定が「無」とするものである。
例えば、キャラクタ変化予定が「有」である場合、示唆演出を実行することを80%の割合で決定し、実行しないことを20%の割合で決定する。また、キャラクタ変化予定が「無」である場合、示唆演出を実行することを5%の割合で決定し、実行しないことを95%の割合で決定する。
なお、合算保留記憶数にもとづいて異なる割合にて示唆演出の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、合算保留記憶数が多いほど示唆演出の実行割合が高いこととしてもよいし、逆に、合算保留記憶数が少ないほど示唆演出の実行割合が高いこととしてもよい。
示唆演出実行抽選において、示唆演出を実行することが決定された場合(ステップS8002CのY)、示唆演出の実行を開始する(ステップS8002D)。具体的には、「保留を8個まで溜めるといいことあるかも」といった文字表示を行うものである(図76参照)。なお、制御されている演出モードに応じて異なる態様の示唆演出を実行するものであってもよい。ここで開始された示唆演出は、変動が終了するか、または合算保留記憶数が「8」になることにもとづいて終了するものである。
また、ステップS8002Aにおいて、演出制御用CPU101は、表示済フラグがセットされている場合にはステップS8003へ移行する。これにより、表示態様が「キャラクタ」に変化した保留表示が既に存在するときには、示唆演出を実行し得ないよう構成している。なお、既に合算保留記憶数が「8」である場合にも、ステップS8002B〜S8002Dの処理を実行しないものであってもよい。
なお、示唆演出の演出態様として複数の演出態様が設けられていることとしてもよい。その場合、キャラクタ変化の実行対象が保留表示であるかアクティブ表示であるかにもとづいて、示唆演出の演出態様の選択割合を異ならせることとしてもよい。また、キャラクタ変化が可能な保留表示またはアクティブ表示が存在するか否かにもとづいて、示唆演出の演出態様の選択割合を異ならせることとしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8003)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8004)。
図72は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図72に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8003において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8005)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、本実施形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8006)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8010)。
図73は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8106)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8107)。
図74は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。本実施形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。そして、演出制御用CPU101は、アクティブ表示を消去し(ステップS8302A)、実行していれば示唆演出の実行を終了する(ステップS8302B)。なお、このタイミングで示唆演出を実行している場合とは、変動開始時に示唆演出の実行を開始したものの、保留記憶が8個まで溜まらなかった場合である。
その後、演出制御用CPU101は、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8320Aに移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、セットされていれば、表示済フラグおよびアクティブ変化可能フラグをリセットし(ステップS8304A)、表示されていれば特殊背景の表示を終了(すなわち、特別演出を終了)する(ステップS8304B)。なお、このタイミングで表示済フラグがセットされている場合、または特別演出の実行中である場合とは、実行を終了する変動において保留表示またはアクティブ表示の表示態様を「キャラクタ」に変化させた場合である。また、このタイミングでアクティブ変化可能フラグがセットされている場合とは、実行を終了する変動において保留記憶が8個まで溜まらなかった場合である。
そして、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、演出モードの移行の有無を決定するための演出モード移行抽選を実行する(ステップS8320A)。具体的には、図75に示す演出モード移行抽選テーブルを用いて演出モードの移行の有無を決定する。
図75は、演出モード移行抽選テーブルを示す説明図である。図75に示す演出モード移行抽選テーブルにおいては、演出モードを移行するか否かに対する選択割合が、可変表示結果毎に対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りまたは小当りである場合、20%の割合で演出モードを移行することを決定し、80%の割合で演出モードを移行しないことを決定する。また、例えば、可変表示結果がはずれである場合、5%の割合で演出モードを移行することを決定し、95%の割合で演出モードを移行しないことを決定する。
演出モード移行抽選によって演出モードを移行することが決定された場合には(ステップS8320BのY)、演出モードを移行させる演出モード移行制御処理を行う(ステップS8320C)。例えば、演出モードAに制御されていた場合には、演出モードAに制御されていることを示す演出モードAフラグをリセットすることにより演出モードBに制御し、演出モードBに制御されていた場合には、演出モードAフラグをセットすることにより演出モードAに制御する。また、いずれの演出モードに制御されているかを遊技者が認識できるよう、制御されている演出モードを示すモード表示(図76参照)の切り替えを行う。
なお、本実施形態では、1回の変動毎に演出モードを移行可能な構成としたが、これに限るものではない。例えば、演出モードの移行制御を行ってから所定回の変動が行われるまでの期間は、演出モードの移行制御を制限することとしてもよい。これにより、演出モードの移行が頻繁に発生することにより遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
また、演出モードの移行の有無は抽選によって決定するものでなくてもよく、例えば、遊技者の動作(例えば、プッシュボタン120の操作)を検出すること(遊技者が任意の演出モードを選択可能であることとしてもよい)や、大当りまたは小当りの発生や、予め定められた回数(例えば、100回)の変動を行うことを契機として演出モードを移行することとしてもよい。
また、ステップS8320A〜S8320Cの処理については、変動終了時に実行するものでなくてもよく、例えば、変動開始時に実行することとしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図68のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、本実施形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
図76は、キャラクタ変化が発生する場合における演出表示装置9の表示例を示す説明図である。図76に示す表示例は、タイミング毎の演出表示装置9の表示例を、制御されている演出モード毎に示すものである。
まず、演出モードAにおけるキャラクタ変化について説明する。まず、図76(A1)に示すように、保留表示54Aが「赤」にて表示されているときに、新たな変動が開始され、示唆演出54Bが開始される(図69参照)。なお、保留表示54Aに対応する始動入賞時コマンド格納領域には、キャラクタ変化パターンが記憶されているものである。このとき、演出モードAに制御されていることがモード表示54Cにより遊技者に報知されているとともに、演出モードAにおいてキャラクタ変化しやすい「赤」にて保留表示54Aが表示されていることから、キャラクタ変化が発生することに対する期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技球の発射を促進することができる。
次に、図76(A2)に示すように、始動入賞が発生し、新たな保留表示54Dが表示される。このとき、合算保留記憶数が「8」となったため、示唆演出を終了する(図67参照)。そして、図76(A3)に示すように、保留表示54Aの表示態様を「キャラクタ」に変化させるとともに、特殊背景の表示を開始する(図67参照)。
次に、演出モードBにおけるキャラクタ変化について説明する。まず、図76(B1)に示すように、保留表示54Aを含む全ての保留表示が「白」にて表示されているときに、新たな変動が開始され、示唆演出54Bが開始される(図69参照)。なお、保留表示54Aに対応する始動入賞時コマンド格納領域には、キャラクタ変化パターンが記憶されているものである。このとき、演出モードBに制御されていることがモード表示54Cにより遊技者に報知されているとともに、演出モードBにおいてキャラクタ変化しやすい「白」にて全ての保留表示が表示されていることから、キャラクタ変化が発生することに対する期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技球の発射を促進することができる。
次に、図76(B2)に示すように、始動入賞が発生し、新たな保留表示54Dが表示される。このとき、合算保留記憶数が「8」となったため、示唆演出を終了する(図67参照)。そして、図76(B3)に示すように、保留表示54Aの表示態様を「キャラクタ」に変化させるとともに、特殊背景の表示を開始する(図67参照)。
以上に説明したように、第4実施形態によれば、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に関する情報(本例では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値)を、保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ,第2保留記憶バッファ)と、保留記憶手段に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を行う保留表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS3510を実行する部分)と、保留表示の表示態様を変化可能な変化手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS635,S3707を実行する部分)とを備え、変化手段は、保留記憶手段に特定数(本例では、8個)の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、第1態様(本例では、「白」)または該第1態様よりも遊技者にとって有利な第2態様(本例では、「青」や「赤」)により表示される保留表示の表示態様を特定態様(本例では、「キャラクタ」)に変化可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3707を実行することにより、第1態様である「白」、または第2態様である「青」や「赤」から、特定態様である「キャラクタ」に保留表示の表示態様を変化可能である)こととした。
なお、本実施形態では、合算保留記憶数が特定数(8個)となることを「保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶されたこと」としたが、これに限るものではなく、第1保留記憶数および第2保留記憶数の少なくともいずれか一方が特定数(例えば、4個)となることを「保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶されたこと」としてもよい。
また、本実施形態では、各保留表示におけるキャラクタ変化の有無について始動入賞時に決定する(キャラクタ変化の有無に関する情報を含む変化パターンを始動入賞時に選択する)こととしたが、これに限るものではない。例えば、合算保留記憶数が特定数(8個)となったときに、所定の条件を満たす保留記憶(例えば、大当り保留、確変大当り保留、小当り保留、スーパーリーチ保留)が記憶されている場合には、該保留記憶に対応する保留表示を所定の割合(例えば、100%)で特定態様に変化することとしてもよい。
また、保留表示の表示態様の変化の態様については、予め定めるものに限られない。例えば、表示態様を変化するか否かを所定タイミング(例えば、保留表示のシフトタイミング)にて決定し、決定結果にもとづいて表示態様を変化可能であることとしてもよい。
また、本実施形態では、キャラクタ変化が可能な保留表示またはアクティブ表示が表示されているときに合算保留記憶数が特定数(8個)となった場合には、常にキャラクタ変化を実行可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、合算保留記憶数が特定数(8個)となったとしても、所定の条件(例えば、キャラクタ変化の実行対象である保留表示が所定の表示態様にて表示されていることや、キャラクタ変化の実行対象である保留記憶の保留個数(何個目に記憶されている保留記憶であるか)が所定値であること)を満たさない場合にはキャラクタ変化の実行を制限することとしてもよい。具体的に、合算保留記憶数が特定数(8個)となったとしても、キャラクタ変化の実行対象である保留表示の表示態様が、将来的に「赤」に変化する予定であるにもかかわらず、現状では「白」や「青」である場合にはキャラクタ変化を実行しないこととしてもよい。また、キャラクタ変化の実行対象である保留記憶が7個目に記憶された直後(例えば、保留表示がシフトする前)に合算保留記憶数が8個になったとしても、キャラクタ変化を実行しないこととしてもよいし、または実行タイミングを所定のタイミング(例えば、保留表示を2回シフトした後のタイミング)に遅延させることとしてもよい。また、例えば、特定の遊技状態や、特定の演出モードに制御されているときは、合算保留記憶数が8個になったとしてもキャラクタ変化を実行しないこととしてもよい。
また、仮に、特定の演出(例えば、リーチ演出)の実行中にキャラクタ変化を実行した場合、該特定の演出の演出効果を低下させてしまう可能性がある。そこで、特定の演出の実行中に合算保留記憶数が特定数(8個)となった場合には、キャラクタ変化の実行を制限することとしてもよい。例えば、キャラクタ変化の実行を禁止することによる制限をすることとしてもよいし、キャラクタ変化の実行タイミングを遅延させることによる制限をすることとしてもよい。
また、以上に説明したように、本実施形態によれば、第1態様により表示される保留表示(既に第1態様にて表示されている(第2態様への変化予定なし)か、または、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示のこと。本例では、表示態様が「白」であり、将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化しない予定の保留表示(変化パターン種別:第1変化パターン種別)。本実施形態のように、第1態様が変化後の表示態様として用いられない遊技機であれば、「現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示」は存在しないものであるが、第1態様が変化後の表示態様として用いられる遊技機であれば、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示についても、「第1態様により表示される保留表示」に含まれるものである。)よりも高い割合にて、第2態様により表示される保留表示(既に第2態様にて表示されている(第1態様への変化予定なし)か、または、現状は第2態様ではないが将来的に第2態様に変化される予定の保留表示のこと。本例では、既に表示態様が「青」または「赤」の保留表示、または現状は「白」であるが将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化する予定の保留表示(変化パターン種別:第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別)。)の表示態様を特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードAにおける保留表示の変化パターンとして、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT1B)よりも高い割合で、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT2B,3B,4B,5B,6B,7B)を選択可能である。図58および図61参照。)こととした。これにより、保留記憶数が特定数に達することを契機として表示態様が特定態様に変化し得ることから、演出効果を向上させることができる。また、特定態様への変化を期待する遊技者に対して遊技球の打ち出しを促進し、遊技機の稼働率を向上させることができる。
つまり、従来の、始動入賞時に決定された変化パターンに応じて保留表示の表示態様が変化するというような遊技機(例えば、特開2016−2158号公報に開示された遊技機等)の場合、演出効果に乏しかったが、図23〜図76を用いて説明した第4実施形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、演出効果を向上させることができる。さらに、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、以上に説明したように、本実施形態によれば、第2態様により表示される保留表示(既に第2態様にて表示されている(第1態様への変化予定なし)か、または、現状は第2態様ではないが将来的に第2態様に変化される予定の保留表示のこと。本例では、既に表示態様が「青」または「赤」の保留表示、または現状は「白」であるが将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化する予定の保留表示(変化パターン種別:第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別)。)よりも高い割合にて、第1態様により表示される保留表示(既に第1態様にて表示されている(第2態様への変化予定なし)か、または、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示のこと。本例では、表示態様が「白」であり、将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化しない予定の保留表示(変化パターン種別:第1変化パターン種別)。なお、本実施形態のように、第1態様が変化後の表示態様として用いられない遊技機であれば、「現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示」は存在しない。)の表示態様を特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードBにおける保留表示の変化パターンとして、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT2B,3B,4B,5B,6B,7B)よりも高い割合で、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT1B)を選択可能である。図58および図62参照。)こととした。これにより、第1態様の保留表示に対する期待感を高めることができ、演出効果の低下を防止することができる。また、特定態様への変化を期待する遊技者に対して遊技球の打ち出しを促進し、遊技機の稼働率を向上させることができる。
つまり、従来の、始動入賞時に決定された変化パターンに応じて保留表示の表示態様が変化するというような遊技機(例えば、特開2016−2158号公報に開示された遊技機等)の場合、演出効果に乏しかったが、図23〜図76を用いて説明した第4実施形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、演出効果の低下を防止することができる。さらに、遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1態様および特定態様としてそれぞれ単一の表示態様(第1態様:「白」、特定態様:「キャラクタ」)が設けられていることとしたが、これに限るものではなく、複数の表示態様が第1態様または特定態様として設けられていることとしてもよい。また、第2態様として複数の表示態様(「青」および「赤」)が設けられていることとしたが、これに限るものではなく、単一の表示態様が第2態様として設けられていることとしてもよい。また、第1態様、第2態様および特定態様として用いられる表示態様は、演出モード毎に異なることとしてもよい。
また、本実施形態では、第1態様については、変化後の表示態様としては用いないこととした(他の表示態様から「白」に変化する変化パターンが設けられていない)が、これに限るものではない。例えば、第1態様以外の表示態様から第1態様に変化可能であることとしてもよい。
また、本実施形態では、「特定数」を合算保留記憶数の上限数(8個)としたが、これに限るものではなく、任意の数であってよい。
また、本実施形態では、入賞時判定結果が確変大当りである場合のみキャラクタ変化パターンを選択可能であることとしたため、キャラクタ変化が発生した場合には確変大当りとなることが確定する構成としたが、これに限るものではない。例えば、通常大当り、突然確変大当りまたは小当りである場合であってもキャラクタ変化可能であることとしてもよい。また、大当りまたは小当りでなくても、例えば、スーパーリーチはずれとなる保留記憶に対する保留表示であってもキャラクタ変化を実行可能であることとしてもよい。
また、本実施形態によれば、特定態様は、第2態様よりも遊技者にとって有利である(本例では、「キャラクタ」の方が、「青」や「赤」よりも大当りに対する信頼度が高い)こととした。これにより、特定態様の保留表示に対する期待感を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、変化手段は、特定数に近似する所定数個目(本例では、6個目や7個目)に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を高い割合にて変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードAにおいて、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターン(T06,T07,T60〜T76)を、他の変化タイミングパターン(T00〜T05,T10〜T54)よりも高い割合で決定することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示の表示態様を高い割合で第2態様に変化可能である。図64(A)および図65参照。なお、変化後の表示態様として第1態様を用いる遊技機であれば、他の表示態様にて表示を開始した保留表示の変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを低い割合で選択することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示の表示態様を高い割合で第1態様に変化可能としてもよい。)こととした。これにより、特定数に近似する所定数個目まで保留記憶を溜めることを促進することができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、変化手段は、特定数に近似する所定数個目(本例では、6個目や7個目)に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を高い割合にて第2態様により表示可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードAにおいて、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターン(T06,T07,T60〜T76)を、他の変化タイミングパターン(T00〜T05,T10〜T54)よりも高い割合で決定することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示の表示態様を高い割合で第2態様に変化可能である。図64(A)および図65参照。なお、変化後の表示態様として第2態様を用いない遊技機であれば、第2態様にて表示を開始した保留表示の変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを低い割合で選択することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示を高い割合で第2態様により表示可能としてもよい。)こととした。例えば、上述したように、演出モードAにおいては「白」からキャラクタ変化する割合よりも「青」や「赤」からキャラクタ変化する割合の方が高いため、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示を「青」や「赤」により表示しやすいようにすることで、残り少数の保留記憶を溜めることでキャラクタ変化が発生することの期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技を促進することができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、変化手段は、特定数に近似する所定数個目(本例では、6個目や7個目)に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を高い割合にて第1態様により表示可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードBにおいて、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターン(T06,T07,T60〜T76)を、他の変化タイミングパターン(T00〜T05,T10〜T54)よりも低い割合で決定することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示を高い割合で第1態様により表示可能である。図64(B)および図66参照。なお、変化後の表示態様として第1態様を用いる遊技機であれば、演出モードBにおいて、他の表示態様にて表示を開始した保留表示の変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを高い割合で選択することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示を高い割合で第1態様に変化可能としてもよい。)こととした。例えば、上述したように、演出モードBにおいては「青」や「赤」からキャラクタ変化する割合よりも「白」からキャラクタ変化する割合の方が高いため、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示を「白」により表示しやすいようにすることで、残り少数の保留記憶を溜めることでキャラクタ変化が発生することの期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技を促進することができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、特定態様に変化し得る保留記憶情報が記憶されたことを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS8002Dを実行する部分)を備えたこととした。これにより、遊技球の発射意欲を向上させることができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
本実施形態では、特定態様に変化し得る保留記憶情報が記憶されていない場合であっても示唆演出を実行可能とすることにより、特定態様に変化することに対する期待感および変化しないことに対する不安感を示唆演出の開始後に遊技者に与えることができ、興趣の向上を図っている。なお、特定態様に変化し得る保留記憶情報が記憶されている場合にのみ示唆演出を実行可能であることとしてもよい。
また、合算保留記憶数が少ないときよりも、多いときの方が、8個まで保留記憶が溜まりやすいため、示唆演出の演出効果(遊技球の発射意欲の向上)を発揮しやすい。そこで、合算保留記憶数が少ないときよりも多いときの方が示唆演出を実行しやすい構成とすることとしてもよい。これにより、示唆演出の演出効果を十分に発揮することができる。
また、本実施形態によれば、変化手段は、保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶された場合にのみ、保留表示の表示態様を特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3701のYである場合にのみステップS3707を実行可能である)こととした。これにより、特定態様の希少性が向上することから、遊技機の稼働率をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶され、保留表示の表示態様が特定態様に変化されたことに応じて特別演出(本例では、特殊背景を表示する演出)を実行可能な特別演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS3701のYでありステップS3707を実行した場合に、ステップS3709を実行する部分)を備えたこととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、変化手段は、第1態様により表示されている保留表示の表示態様を第2態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変化パターンとしてPT2A,2B,4A,4B,5A,5Bのいずれかが選択された場合には、ステップS635を実行することにより、保留表示の表示態様を「白」から「青」または「赤」に変化させることが可能である)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、以上に説明したように、本実施形態によれば、変化手段は、特定タイミング(本例では、「アクティブ」、「1個目」、「2個目」、「3個目」、「4個目」、「5個目」、「6個目」、「7個目」)において、第1態様(本例では、「白」)により表示される保留表示の表示態様を該第1態様よりも遊技者にとって有利な第2態様(本例では、「青」や「赤」)に変化することが決定されているとき(本例では、第2変化パターン種別、第4変化パターン種別、または第5変化パターン種別のうちいずれかに対応する変化パターンが決定されているとともに、いずれかの変化タイミングパターンが決定されているとき)に、保留記憶手段に特定数(本例では、8個)の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、特定タイミングとは異なる特別タイミング(本例では、合算保留記憶数が「8」になったタイミング)において、第1態様により表示される保留表示の表示態様を第2態様よりも遊技者にとって有利な特定態様(本例では、「キャラクタ」)に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3701のYであるときにステップS3707を実行することにより、未だ変化タイミングに達していない状態において合算保留記憶数が「8」になった場合、合算保留記憶数が「8」になったタイミングにて「白」から「キャラクタ」に変化可能である)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、変化手段は、保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、第2態様により表示されている保留表示の表示態様を特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別のうちいずれかに対応する変化パターンが決定されている場合に、ステップS3701のYであるときにステップS3707を実行することにより、保留表示の表示態様を「青」または「赤」から「キャラクタ」に変化させることが可能である)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、変化パターンと変化タイミングパターンとをそれぞれ決定することとしたが、これに限るものではなく、変化態様および変化タイミングが予め定められた複数の保留制御パターンデータのうちいずれかを選択するものであってもよい。
なお、本実施形態では、アクティブ表示の表示態様についても特定態様に変化可能(キャラクタ変化可能)であることとしたが、これに限るものではない。例えば、保留表示の表示態様のみ特定態様に変化可能であることとしてもよい。また、アクティブ表示自体を行わないものであってもよい。
また、本実施形態では、複数の第2始動入賞口14,17が設けられていることとしたが、単一の第2始動入賞口が設けられていることとしてもよい。また、振分装置200については、設けられていないものであってもよい。
また、第1演出装置および第2演出装置と、第1演出装置を用いて特定表示(例えば、保留表示、アクティブ表示)を表示可能な特定表示手段と、特定表示の表示態様を変化可能な変化演出を実行可能な変化演出実行手段とを備え、変化演出実行手段は、第1演出装置を用いて特定表示の表示態様を変化可能な第1変化演出と、第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により特定表示の表示態様を変化可能な第2変化演出とを実行可能であり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて特定表示の表示態様が変化したかに応じて期待度が異なることとしてもよい。具体的には、以下の第5実施形態を用いて説明する。なお、上述した第4実施形態と同じ箇所については、説明を省略する。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図77は、第5実施形態におけるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。この第5実施形態では、上述した演出表示装置9の下方には、演出表示装置9を構成する液晶表示装置(LCD)よりも小さいサイズの液晶表示装置(LCD)で構成された副表示装置9Sが設けられている。副表示装置9Sの表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)18cが設けられている。第5実施形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
また、副表示装置9Sの表示画面には、現在実行中の可変表示に対応した所定表示が表示されるアクティブ表示領域9A(上述した第4実施形態におけるアクティブ表示部18dと同様のもの)が設けられている。
第5実施形態では、先読み予告演出として、保留変化予告演出を実行可能である。保留変化予告演出は、保留表示を通常態様(本例では、黒色の丸形表示)とは異なる特殊表示態様(本例では、青色や赤色の丸形表示)に変化させる演出である。なお、本実施形態では、保留変化予告演出を実行する場合、始動入賞が発生したタイミングで通常態様で保留表示の表示を開始し、その後、保留表示のシフトのタイミングで作用演出(後述する作用演出Aや作用演出B)が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特殊表示態様に変化する演出が実行される(従って、本実施形態では、保留変化予告演出には、少なくとも、作用演出を実行する部分と予告対象の保留表示が変化する部分との両方が含まれる)。なお、保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化すると、その後、予告対象の可変表示が開始されるタイミングで、予告対象の保留記憶が消化されて、予告対象の特殊表示態様の保留表示が消去されるとともに、アクティブ表示領域9Aにおいて特殊表示態様のアクティブ表示が表示される。そして、予告対象の可変表示を終了すると、その特殊表示態様のアクティブ表示が消去される。従って、本実施形態では、保留変化予告演出が実行されると、特殊表示態様の表示(保留表示、アクティブ表示)が予告対象の可変表示を終了するまで継続される。
本実施形態では、始動入賞が発生したときに、演出制御用CPU101は、保留表示制御処理(ステップS800A)において、保留変化予告演出の有無および種類を決定するための保留変化予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、保留変化予告演出の有無および種類を決定する。また、演出制御用CPU101は、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において、設定した保留変化予告演出を実行する。
図78は、第5実施形態における保留変化予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。図78に示すように、第5実施形態では、保留変化予告演出決定テーブルには、保留変化予告演出なし、保留変化予告演出1〜6に対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図78に示すように、本実施形態では、保留変化予告演出として、保留変化予告演出1〜6の6種類がある。
保留変化予告演出1は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するだけで、保留表示の表示態様を通常態様(本例では、黒色の丸形表示)のまま変化させない保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出2は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するだけで、保留表示の表示態様を通常態様(本例では、黒色の丸形表示)のまま変化させない保留変化予告演出である。従って、第5実施形態では、保留変化予告演出1または保留変化予告演出2が実行される場合には、作用演出(作用演出Aまたは作用演出B)が実行されるだけで保留表示の表示態様は変化しないことから、いわゆるガセの保留変化予告演出に該当する。
保留変化予告演出3は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するとともに、保留表示の表示態様を青色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出4は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するとともに、保留表示の表示態様を青色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出5は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するとともに、保留表示の表示態様を赤色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出6は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するとともに、保留表示の表示態様を赤色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。
また、図78に示すように、第5実施形態では、保留変化予告演出において実行される作用演出として、作用演出Aおよび作用演出Bの2種類がある。作用演出Aは、副表示装置9S(サブ表示装置)のみを用いて行われる作用演出である。また、作用演出Bは、演出表示装置9(メイン表示装置)および副表示装置9S(サブ表示装置)を用いて行われる作用演出である。なお、作用演出を行う際に液晶表示装置のみを用いて行うのではなく、例えば、保留表示やアクティブ表示が変化するタイミングでスピーカから所定の変化音を出力したり、ランプやLEDなどを発光させたりするなど、他の演出装置による演出を伴うようにしてもよい。
図78に示すように、第5実施形態では、変動カテゴリコマンドで示される判定結果が非リーチはずれである場合や、スーパーリーチはずれである場合、変動カテゴリコマンドで示される判定結果がスーパーリーチ大当りである場合に、保留変化予告演出の実行が決定される場合がある。
本実施形態では、保留変化予告演出は、副表示装置9Sを用いて保留表示の表示態様を変化可能な演出(本例では、作用演出Aを伴う保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、および保留変化予告演出5。以下、第1保留変化予告演出ともいう)と、演出表示装置9と副表示装置9Sとを連動させた態様により保留表示の表示態様を変化可能な演出(本例では、作用演出Bを伴う保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、および保留変化予告演出6。以下、第2保留変化予告演出ともいう)とに大別されるのであるが、図78に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合には、相対的に第2保留変化予告演出が実行される割合が第1保留変化予告演出が実行される割合よりも高くなっている。また、図78に示すように、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合には、相対的に第2保留変化予告演出が実行される割合が第1保留変化予告演出が実行される割合よりも低くなっている。従って、本実施形態では、第2保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、本実施形態では、保留表示の表示態様の変化態様には、予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変化する場合と赤色の丸形表示に変化する場合とがあるのであるが、図78に示すように、第1保留変化予告演出が実行された場合には、相対的に青色の丸形表示に変化する割合が赤色の丸形表示に変化する割合よりも高くなっている。また、図78に示すように、第2保留変化予告演出が実行された場合には、相対的に赤色の丸形表示に変化する割合が青色の丸形表示に変化する割合よりも高くなっている。従って、本実施形態では、第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出のいずれが実行されて保留表示の表示態様が変化したかに応じて、予告対象の保留表示が青色の丸形表示と赤色の丸形表示とのいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる。
また、本実施形態では、保留変化予告演出が実行されても保留表示の表示態様が変化しない場合(すなわち、ガセの保留変化予告演出(保留変化予告演出1、保留変化予告演出2)を実行する場合)がある。また、図78に示すように、ガセの第1保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出1)が実行される割合の方が、ガセの第2保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出2)が実行される割合よりも高くなっている。従って、本実施形態では、第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出のいずれが実行されるかに応じて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する割合が異なる。具体的には、本実施形態では、ガセの第2保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出2)の方がガセの第1保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出1)よりも実行割合が低いので、相対的に第2保留変化予告演出が実行された場合の方が第1保留変化予告演出が実行された場合よりも、予告対象の保留表示が変化する割合が高い。なお、本実施形態で示した態様にかぎらず、逆に第1保留変化予告演出が実行された場合の方が第2保留変化予告演出が実行された場合よりも、相対的に予告対象の保留表示が変化する割合が高くなるように構成してもよい。
なお、保留変化予告演出の決定の割り振りの仕方は、本実施形態で示したものにかぎられない。例えば、保留表示が変化する前の段階で合算保留記憶表示部18cにおけるいずれの保留表示が予告対象であるかを認識できる場合と認識できない場合とがあるように構成されている場合、予告対象の保留表示を認識できる場合と認識できない場合とで、異なる割合で第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出の実行を決定するようにしてもよい。この場合、例えば、保留変化予告演出における最終変化態様(本例では、青色または赤色の丸形表示)とは異なるが、通常態様とは異なる表示態様(例えば、白色の丸形表示)の保留表示であって、さらに表示態様が変化することを示唆する保留表示(いわゆる白保留表示)を表示可能に構成した場合には、白保留表示が表示されているか否かによって、いずれの保留表示が予告対象となりうるかを類推できる。従って、白保留表示が表示されているか否かによって、異なる割合で第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出の実行を決定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、保留変化予告演出において保留表示の表示態様を1回のみ変化させる場合を示しているが、保留表示の表示態様を複数回変化可能に構成してもよい(さらに、アクティブ表示となった後も含めて複数回変化可能に構成してもよい)。この場合、変化回数や、それぞれいずれのタイミングで変化させるか、それぞれいずれの表示態様(色など)に変化させるかの変化パターンを一括して決定するように構成してもよい。また、例えば、アクティブ表示となった後も含めて複数回変化可能に構成する場合には、保留変化予告演出決定処理において、アクティブ表示となった後の変化も含む変化パターンを一括して決定してもよいし、保留変化予告演出決定処理では保留表示の変化パターンのみを決定するようにし、アクティブ表示となった後の変化パターンについては変動開始時の演出図柄変動開始処理で決定するように構成してもよい。
また、本実施形態では、保留変化予告演出において必ず作用演出が実行される場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、作用演出を行わずに保留表示の表示態様が変化する場合があるように構成してもよい。また、そのような作用演出を伴わない保留変化予告演出を実行する場合であって、上記のように保留表示(アクティブ表示も含めてよい)の表示態様を複数回変化可能に構成する場合、その複数回の変化タイミングのうちのいずれのタイミングで作用演出を実行するかや、作用演出の実行回数も決定するように構成してもよい。
また、本実施形態では、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高かったり、いわゆるガセの保留変化予告演出となる割合が少ないなど、有利度合いが高くなる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、逆に、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、有利度合いが低くなるように構成してもよい。
次に、保留変化予告演出の演出態様の具体例について説明する。図79および図80は、第5実施形態における保留変化予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図79は、第1保留変化予告演出(保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、保留変化予告演出5)の演出態様の具体例を示している。また、図80は、第2保留変化予告演出(保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、保留変化予告演出6)の演出態様の具体例を示している。なお、図79および図80において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図79を用いて、第1保留変化予告演出の演出態様について説明する。図79(1)に示す例では、演出表示装置9(メイン表示装置)において左中右の演出図柄の可変表示を実行しているものとし、副表示装置9S(サブ表示装置)では、アクティブ表示領域9Aに現在実行中に可変表示に対応して所定表示(アクティブ表示)が表示されているとともに、合算保留記憶表示部18cに2つの保留表示が表示されている(すなわち、保留記憶が2つ溜まっている)ものとする。次いで、図79(2)に示すように、新たな始動入賞が発生し、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つ増加して3つになったものとする。また、新たな始動入賞が発生したことにもとづいて、第1保留変化予告演出を実行することに決定したものとする。なお、図79に示す例では、保留変化予告演出3または保留変化予告演出5を実行することに決定したものとする。そして、図79(3)に示すように可変表示を終了し、保留記憶を1つ消化して、図79(4)に示すように次の可変表示を開始したものとする。また、図79(4)に示すように、保留記憶を1つ消化したことにより、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つ減少して2つになったものとする。
次いで、作用演出Aの開始タイミング(例えば、変動開始1秒後)となると、図79(4)に示すように、副表示装置9S(サブ表示装置)において作用演出Aが開始される。本例では、図79(4)に示すように、作用演出Aとして、副表示装置9S(サブ表示装置)においてアクティブ表示領域9Aおよび合算保留記憶表示部18cの方向に向かって矢240が飛んでいくような態様の演出が実行される。そして、図79(5)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示に矢240が命中したような態様の演出が実行される。
そして、作用演出Aの終了タイミング(例えば、変動開始6秒後)となると、図79(6)に示すように、副表示装置9S(サブ表示装置)において作用演出Aが終了され、予告対象の保留表示の表示態様が変更される。例えば、保留変化予告演出3を実行した場合であれば、図79(6)において予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変更され、保留変化予告演出5を実行した場合であれば、図79(6)において予告対象の保留表示が赤色の丸形表示に変更される。
なお、図79に示す例では、第1保留変化予告演出として保留変化予告演出3または保留変化予告演出5を実行する場合が示されているが、保留変化予告演出1が実行される場合には、図79(4)(5)と同様の態様で作用演出Aが実行されるのみで、図79(6)では、保留表示は通常態様(本例では、黒色の丸形表示)のまま変化しない(いわゆるガセの第1保留変化予告演出となる)ことになる。この場合、例えば、図79と同様の態様で矢が飛んでいくような演出を行うものの保留表示を反れて矢が命中しないような演出を実行してもよい。
次に、図80を用いて、第2保留変化予告演出の演出態様について説明する。図80(1)に示す例では、演出表示装置9(メイン表示装置)において左中右の演出図柄の可変表示を実行しているものとし、副表示装置9S(サブ表示装置)では、アクティブ表示領域9Aに現在実行中に可変表示に対応して所定表示(アクティブ表示)が表示されているとともに、合算保留記憶表示部18cに2つの保留表示が表示されている(すなわち、保留記憶が2つ溜まっている)ものとする。次いで、図80(2)に示すように、新たな始動入賞が発生し、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つ増加して3つになったものとする。また、新たな始動入賞が発生したことにもとづいて、第2保留変化予告演出を実行することに決定したものとする。なお、図80に示す例では、保留変化予告演出4または保留変化予告演出6を実行することに決定したものとする。そして、図80(3)に示すように可変表示を終了し、保留記憶を1つ消化して、図80(4)に示すように次の可変表示を開始したものとする。また、図80(4)に示すように、保留記憶を1つ消化したことにより、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つ減少して2つになったものとする。
次いで、作用演出Bの開始タイミング(例えば、変動開始1秒後)となると、図80(4)に示すように、演出表示装置9(メイン表示装置)および副表示装置9S(サブ表示装置)を用いた作用演出Bが開始される。本例では、図80(4)に示すように、作用演出Bとして、恰も、副表示装置9S(サブ表示装置)のアクティブ表示領域9Aおよび合算保留記憶表示部18cの方向に向かって、演出表示装置9(メイン表示装置)において矢241が飛んでいくような態様の演出が実行される。そして、図80(5)に示すように、恰も矢241が演出表示装置9(メイン表示装置)から副表示装置9S(サブ表示装置)まで跨って飛んで行って、副表示装置9S(サブ表示装置)の合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示に矢241が命中したような態様の演出が実行される。
そして、作用演出Bの終了タイミング(例えば、変動開始6秒後)となると、図80(6)に示すように、演出表示装置9(メイン表示装置)および副表示装置9S(サブ表示装置)を用いた作用演出Bが終了され、予告対象の保留表示の表示態様が変更される。例えば、保留変化予告演出4を実行した場合であれば、図80(6)において予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変更され、保留変化予告演出6を実行した場合であれば、図80(6)において予告対象の保留表示が赤色の丸形表示に変更される。
なお、図80に示す例では、第2保留変化予告演出として保留変化予告演出4または保留変化予告演出6を実行する場合が示されているが、保留変化予告演出2が実行される場合には、図80(4)(5)と同様の態様で作用演出Bが実行されるのみで、図80(6)では、保留表示は通常態様(本例では、黒色の丸形表示)のまま変化しない(いわゆるガセの第2保留変化予告演出となる)ことになる。この場合、例えば、図80と同様の態様で矢が飛んでいくような演出を行うものの保留表示を反れて矢が命中しないような演出を実行してもよい。
以上に説明したように、第5実施形態によれば、第1演出装置(本例では、副表示装置9S(サブ表示装置))および第2演出装置(本例では、演出表示装置9(メイン表示装置))を備え、第1演出装置を用いて特定表示(本例では、保留表示)を表示可能であり(本例では、副表示装置9Sに合算保留記憶表示部18cがある)、特定表示の表示態様を変化可能な変化演出(本例では、保留変化予告演出)を実行可能である。この場合、第1演出装置を用いて特定表示の表示態様を変化可能な第1変化演出(本例では、第1保留変化予告演出(作用演出Aを伴う保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、保留変化予告演出5))と、第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により特定表示の表示態様を変化可能な第2変化演出(本例では、第2保留変化予告演出(作用演出Bを伴う保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、保留変化予告演出6))とを実行可能である。そして、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて特定表示の表示態様が変化したかに応じて期待度が異なる(本例では、図78に示すように、第2保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する有利度(信頼度)が高い)。そのため、複数種類の変化演出を実行可能とすることにより、変化演出の演出効果を向上させることができる。また、いずれの変化演出が実行されるかによって期待度が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
なお、本実施形態では、保留表示を「特定表示」として説明したが、これに限るものではない。例えば、可変表示に対応する対応表示(アクティブ表示)を「特定表示」とするものであってもよい。具体的には、可変表示の実行中に第1演出装置を用いて該可変表示に対応する対応表示(例えば、現在実行中の可変表示に対応したアクティブ表示)を表示可能であり(例えば、副表示装置9Sにアクティブ表示が表示されるアクティブ表示領域がある)、対応表示の表示態様を変化可能な変化演出(例えば、アクティブ表示を通常態様(例えば、黒色の丸形表示)とは異なる特殊表示態様(例えば、青色や赤色の丸形表示)に変化させるアクティブ表示変化予告演出)を実行可能であり、第1演出装置を用いて対応表示の表示態様を変化可能な第1変化演出(例えば、副表示装置9Sを用いてアクティブ表示の表示態様を変化可能な演出第1アクティブ表示変化予告演出)と、第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により対応表示の表示態様を変化可能な第2変化演出(例えば、演出表示装置9と副表示装置9Sとを連動させた態様によりアクティブ表示の表示態様を変化可能な第2アクティブ表示変化予告演出)とを実行可能であり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて対応表示の表示態様が変化したかに応じて期待度が異なる(例えば、第2アクティブ表示変化予告演出が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化した場合には、第1アクティブ表示変化予告演出が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い)こととしてもよい。そのため、複数種類の変化演出を実行可能とすることにより、変化演出の演出効果を向上させることができる。また、いずれの変化演出が実行されるかによって期待度が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
なお、本実施形態では、変化演出として保留変化予告演出とアクティブ表示変化予告演出との両方を実行可能(ただし、1つの可変表示では保留変化予告演出とアクティブ表示変化予告演出とが重複して実行されないように制御)に構成してもよいし、変化演出として保留変化予告演出またはアクティブ表示変化予告演出のいずれか一方のみを実行可能(他方の演出は、一切実行しない)に遊技機を構成してもよい。
また、本実施形態では、例えば、遊技状態や演出状態、遊技機における各種の設定状態が特定の状態である場合には、保留変化予告演出またはアクティブ表示変化予告演出のいずれか一方のみを実行するように構成し、特定の状態とは異なる状態では、他方の演出を実行するように構成してもよい。また、さらなる異なる状態では、保留変化予告演出とアクティブ表示変化予告演出との両方を実行可能に構成してもよく、様々な構成態様が考えられる。
また、本実施形態では、第1演出装置が副表示装置9S(サブ表示装置)であり、第2演出装置が演出表示装置9(メイン表示装置)である場合を示したが、第1演出装置および第2演出装置は、そのような液晶表示装置である場合にかぎられない。例えば、第1演出装置や第2演出装置を可動可能な可動部材(演出用役物)で構成してもよい。また、例えば、液晶表示装置を可動可能に構成し、その可動可能に構成した液晶表示装置によって第1演出装置や第2演出装置を構成してもよい。さらに、演出装置として、液晶表示装置や可動部材(演出用役物)だけでなく、ランプやLEDなどの発光体や、スピーカなどの音出力装置を用いてもよい。
また、本実施形態では、演出表示装置9(メイン表示装置)と副表示装置9S(サブ表示装置)との2つの演出装置を用いる場合を示したが、2つにかぎらず、3以上の演出装置を用いて、保留変化予告演出やアクティブ表示変化予告演出を実行可能に構成してもよい。
3つの演出装置を用いる例として、例えば、3つの液晶表示装置を用いて作用演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、1つ目の液晶表示装置を可動可能に構成し、その1つ目の液晶表示装置を可動させながら矢を表示して、その矢がメイン表示装置を経由して、サブ表示装置のアクティブ表示や保留表示に方に向かって飛んでいくような態様で作用演出を実行するように構成してもよい。
また、例えば、3つの演出装置として、液晶表示装置とLEDと演出用役物とを用いて作用演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、演出用役物が可動すると、その可動した演出用役物の近辺に位置するLEDから順にLEDが発光していき、液晶表示装置の近辺に位置するLEDまで発光が達すると、液晶表示装置の表示画面上のアクティブ表示や保留表示の表示態様が変化するような態様で作用演出を実行するように構成してもよい。
また、上記のように3以上の演出装置を用いて作用演出を実行可能に構成する場合、より多くの数の演出装置が連動して作用演出が実行するに従って、有利度合いが高くなる(例えば、ガセの演出となる割合を低くしたり、有利な変化態様に変化する)ように構成してもよい。また、逆に、より多くの数の演出装置が連動して作用演出が実行するに従って、有利度合いが低くなるように構成してもよい。
また、本実施形態では、「第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により対応表示の表示態様を変化可能な第2変化演出」とは、第1演出装置と第2演出装置とが何らかの態様で作用することにより第2変化演出を実行することである。例えば、「第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により対応表示の表示態様を変化可能な第2変化演出」とは、図80に示すように、演出表示装置9(メイン表示装置)の表示画面上において、恰も保留表示やアクティブ表示を表示する副表示装置9S(サブ表示装置)に向かって飛んでいくように矢などの画像を表示するなど、保留表示やアクティブ表示に作用するような演出表示を行うものであってもよい。また、例えば、メイン表示装置に代えて演出用役物を備えるように構成する場合に、保留表示やアクティブ表示に向かって演出用役物が可動することによって、物理的な動作により作用するように見せるものであってもよい。
また、本実施形態では、保留表示が変化可能な表示態様は複数種類(例えば、青色の丸形表示と赤色の丸形表示)あり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて保留表示の表示態様が変化したかに応じて、保留表示がいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる(例えば、第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出のいずれが実行されて保留表示の表示態様が変化したかに応じて、予告対象の保留表示が青色の丸形表示と赤色の丸形表示とのいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる)こととしてもよい。そのため、いずれの変化演出が実行されるかによって変化態様が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、対応表示が変化可能な表示態様は複数種類(例えば、青色の丸形表示と赤色の丸形表示)あり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて対応表示の表示態様が変化したかに応じて、対応表示がいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる(例えば、第1アクティブ表示変化予告演出または第2アクティブ表示変化予告演出のいずれが実行されてアクティブ表示の表示態様が変化したかに応じて、アクティブ表示が青色の丸形表示と赤色の丸形表示とのいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる)こととしてもよい。そのため、いずれの変化演出が実行されるかによって変化態様が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、本実施形態では、変化演出が実行されても保留表示の表示態様が変化しない場合(例えば、ガセの保留変化予告演出(保留変化予告演出1、保留変化予告演出2)が実行される場合)があり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されるかに応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なる(例えば、相対的に第2保留変化予告演出が実行された場合の方が第1保留変化予告演出が実行された場合よりも、予告対象の保留表示が変化する割合が高い)こととしてもよい。そのため、いずれの変化演出が実行されるかによって保留表示の表示態様が変化する割合が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、変化演出が実行されても対応表示の表示態様が変化しない場合(例えば、ガセのアクティブ表示変化予告演出が実行される場合)があり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されるかに応じて、対応表示の表示態様が変化する割合が異なる(例えば、相対的に第2アクティブ表示変化予告演出が実行された場合の方が第1アクティブ表示変化予告演出が実行された場合よりも、アクティブ表示が変化する割合が高い)こととしてもよい。そのため、いずれの変化演出が実行されるかによって対応表示の表示態様が変化する割合が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、本実施形態では、第2変化演出が実行されて表示態様が変化した場合には、第1変化演出が実行されて表示態様が変化した場合と比較して期待度が高くなる(例えば、第2保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い。また、第2アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い。)こととしてもよい。そのため、第2変化演出が実行されることにより遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、第2保留変化予告演出や第2アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合に、第1保留変化予告演出や第1アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなることとしてもよいし、逆に、第1保留変化予告演出や第1アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合に、第2保留変化予告演出や第2アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、本実施形態では、第2保留変化予告演出や第2アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合の方が大当り期待度が高くなることとしてもよいし、大当り期待度にかぎらず、例えば、確変大当りに対する期待度や、リーチ期待度、擬似連が発生することに対する期待度が高くなるようにしてもよい。また、例えば、保留表示やアクティブ表示が変化するか否かに対する期待度や、複数種類の変化態様がある場合に保留表示やアクティブ表示がいずれの態様に変化するかに対する期待度が高くなるようにしてもよい。
また、本実施形態によれば、第2演出装置は、主表示装置(本例では、演出表示装置9(メイン表示装置))であり、第1演出装置は、副表示装置(本例では、副表示装置9S(サブ表示装置))である。そのため、主表示装置と副表示装置とを用いることにより、変化演出の演出効果を向上させることができる。
また、保留表示の表示態様を変化させるときと対応表示の表示態様を変化させるときとで共通の変化演出を実行可能である(例えば、図79に示すように、第1保留変化予告演出を実行する場合と第1アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで、同様の演出態様で作用演出Aが実行される。また、図80に示すように、第2保留変化予告演出を実行する場合と第2アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで、同様の演出態様で作用演出Bが実行される。ただし、厳密には、いずれの保留表示またはアクティブ表示が予告対象であるかによって矢が命中する先が異なるので、一部が共通する演出となっている。)こととしてもよい。そのため、保留表示と対応表示とのいずれが変化するかに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1保留変化予告演出を実行する場合と第1アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで実行される作用演出Aと、第2保留変化予告演出を実行する場合と第2アクティブ表示変化予告演出とで実行される作用演出Bとの両方が同様の演出態様で実行されることとしてもよいし、いずれか一方のみが同様の態様で実行されるように構成してもよい。例えば、第1保留変化予告演出を実行する場合と第1アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで同様の演出態様で作用演出Aを実行する一方で、第2保留変化予告演出を実行する場合と第2アクティブ表示変化予告演出とでは異なる演出態様の作用演出Bを実行するように構成してもよい。また、逆に、例えば、第2保留変化予告演出を実行する場合と第2アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで同様の演出態様で作用演出Bを実行する一方で、第1保留変化予告演出を実行する場合と第1アクティブ表示変化予告演出とでは異なる演出態様の作用演出Aを実行するように構成してもよい。
また、合算保留記憶数が特定数(例えば、8個)となることを作用演出の実行条件としてもよい。その場合、合算保留記憶数が特定数(例えば、8個)となることを契機にキャラクタ変化を実行可能な遊技機であれば、キャラクタ変化を実行するときの方が、実行しないときよりも高い割合で作用演出Bを実行することとしてもよい。これにより、興趣の向上を図ることができる。
以上、第1実施形態〜第5実施形態の各実施形態について図1〜図80を用いて説明したが、上記の各実施形態に示した構成については、いずれか1つの構成のみをパチンコ遊技機1に適用してもよいし、上記の各実施形態のうちの一部または全ての構成を組み合わせてパチンコ遊技機1に適用してもよい。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態は、図1〜図22を用いて説明した第1実施形態〜第3実施形態の内容と、図23〜図80を用いて説明した第4実施形態及び第5実施形態の内容と、を合せた実施形態である。すなわち、第6実施形態のパチンコ遊技機1は、第1実施形態(又は第2実施形態又は第3実施形態)のパチンコ遊技機1の特徴と、第4実施形態(又は第5実施形態)のパチンコ遊技機1の特徴とを兼ね備えた遊技機である。
つまり、第6実施形態のパチンコ遊技機1は、可変表示中には図76や図79や図80に示したような演出(示唆演出、保留変化予告演出、アクティブ表示変化予告演出等)を実行可能であり、有利状態中には図12や図19や図20に示したような演出(各種の報知演出)を実行可能である。
(1)例えば、第6実施形態のパチンコ遊技機1は、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機であって、有利度が異なる複数種類の前記有利状態(15R確変大当り,15R確変見せかけ大当り,5R確変大当り,5R通常大当り等)があり、前記有利状態中に付与された遊技媒体数(遊技球数等)に関連した報知演出(図12に示す第1報知画像213による報知演出等)を実行する報知演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、可変表示に関する情報(例えば、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値)を、保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファ,第2保留記憶バッファ等)と、前記保留記憶手段に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を行う保留表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS3510を実行する部分等)と、保留表示の表示態様を変化可能な変化手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS635,S3707を実行する部分等)とを備え、前記変化手段は、前記保留記憶手段に特定数(例えば、8個等)の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、第1態様(例えば、「白」等)または該第1態様よりも遊技者にとって有利な第2態様(例えば、「青」や「赤」等)により表示される保留表示の表示態様を特定態様(例えば、「キャラクタ」等)に変化可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3707を実行することにより、第1態様である「白」、または第2態様である「青」や「赤」から、特定態様である「キャラクタ」に保留表示の表示態様を変化可能であり)、前記第1態様により表示される保留表示(既に第1態様にて表示されている(第2態様への変化予定なし)か、または、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示のこと。例えば、表示態様が「白」であり、将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化しない予定の保留表示(変化パターン種別:第1変化パターン種別)。なお、第1態様が変化後の表示態様として用いられない遊技機であれば、「現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示」は存在しない。)よりも高い割合にて、前記第2態様により表示される保留表示(既に第2態様にて表示されている(第1態様への変化予定なし)か、または、現状は第2態様ではないが将来的に第2態様に変化される予定の保留表示のこと。例えば、既に表示態様が「青」または「赤」の保留表示、または現状は「白」であるが将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化する予定の保留表示(変化パターン種別:第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別)。)の表示態様を前記特定態様に変化可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードAにおける保留表示の変化パターンとして、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT1B)よりも高い割合で、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT2B,3B,4B,5B,6B,7B)を選択可能である。図58および図61参照。)、前記報知演出手段は、前記有利状態が第1有利状態(15R確変大当り等)に制御されているときには、前記報知演出を実行するが、前記第1有利状態とは異なる第2有利状態(5R通常大当り等)に制御されているときには、前記報知演出を実行しない、遊技機であってもよい。
(1)のパチンコ遊技機1によれば、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。例えば、大当り中の獲得球数が所定個数となる毎に獲得球数を示す画像を表示するという従来の遊技機(例えば、特許文献1に記載の遊技機)の場合には報知演出の態様が一様であり有利状態中の遊技の興趣が不十分であったが、上記構成のパチンコ遊技機1の場合には有利状態の種類に応じた演出が実行されるため、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。また、上記構成のパチンコ遊技機1によれば、保留表示等による演出効果を向上させることができる。例えば、始動入賞時に決定した変化パターンに従って保留表示の表示態様を変化させる遊技機(例えば、特開2016−2158号公報に開示された遊技機等)とは異なり、上記構成のパチンコ遊技機1は、合計保留記憶数が特定数である8個になったことに基づいて保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させることが可能であるため(図67参照)、保留表示等による演出効果が向上する。また、保留表示やアクティブ表示の表示態様の変化を期待する遊技者は、合計保留記憶数が特定数になるように遊技球の打ち出しを続けることになるため(合計保留記憶数がある程度増えても消化を目的とした止め打ちを行わなくなるため)、遊技機の実質的な稼働(遊技球の発射)が促進される。
(2)また例えば、第6実施形態のパチンコ遊技機1は、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機であって、有利度が異なる複数種類の前記有利状態(15R確変大当り,15R確変見せかけ大当り,5R確変大当り,5R通常大当り等)があり、前記有利状態中に付与された遊技媒体数(遊技球数等)に関連した報知演出(図12に示す第1報知画像213による報知演出等)を実行する報知演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、可変表示に関する情報(例えば、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値)を、保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファ,第2保留記憶バッファ等)と、前記保留記憶手段に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を行う保留表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS3510を実行する部分等)と、保留表示の表示態様を変化可能な変化手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS635,S3707を実行する部分等)とを備え、前記変化手段は、前記保留記憶手段に特定数(例えば、8個等)の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、第1態様(例えば、「白」等)または該第1態様よりも遊技者にとって有利な第2態様(例えば、「青」や「赤」等)により表示される保留表示の表示態様を特定態様(例えば、「キャラクタ」等)に変化可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3707を実行することにより、第1態様である「白」、または第2態様である「青」や「赤」から、特定態様である「キャラクタ」に保留表示の表示態様を変化可能であり)、前記第1態様により表示される保留表示(既に第1態様にて表示されている(第2態様への変化予定なし)か、または、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示のこと。例えば、表示態様が「白」であり、将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化しない予定の保留表示(変化パターン種別:第1変化パターン種別)。なお、第1態様が変化後の表示態様として用いられない遊技機であれば、「現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示」は存在しない。)よりも高い割合にて、前記第2態様により表示される保留表示(既に第2態様にて表示されている(第1態様への変化予定なし)か、または、現状は第2態様ではないが将来的に第2態様に変化される予定の保留表示のこと。例えば、既に表示態様が「青」または「赤」の保留表示、または現状は「白」であるが将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化する予定の保留表示(変化パターン種別:第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別)。)の表示態様を前記特定態様に変化可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードAにおける保留表示の変化パターンとして、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT1B)よりも高い割合で、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT2B,3B,4B,5B,6B,7B)を選択可能である。図58および図61参照。)前記報知演出手段は、前記有利状態が第1有利状態(15R確変大当り等)に制御されているときには、第1報知態様による前記報知演出を実行し、前記第1有利状態とは異なる第2有利状態(5R通常大当り等)に制御されているときには、前記第1報知態様とは異なる第2報知態様による前記報知演出を実行する、遊技機であってもよい。
(2)のパチンコ遊技機1によっても、有利状態中の遊技の興趣を向上させるとともに、保留表示等による演出効果を向上させることができる。また、遊技者による遊技球の打ち出しを促進させることができる。
[変形例1]
合計保留記憶数が特定数になったことに基づいて保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させることが可能であるとともに、保留記憶手段に基準数以上(例えば4個以上)の保留記憶情報が記憶されているときに可変表示を開始して有利状態(大当り遊技状態等)なったときと(可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り表示結果等)となったときと)、保留記憶手段に基準数未満(例えば4個未満)の保留記憶情報が記憶されているときに可変表示を開始して有利状態(大当り遊技状態等)なったときと(可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り表示結果等)となったときと)で、有利状態における演出の実行有無又は実行態様(例えば図12に示す報知演出の実行割合又は実行態様)を異ならせてもよい。なお、上記基準数と上記特定数とは同一数(例えば8個)であってもよい。
例えば、基準数以上(例えば4個以上)の保留記憶情報が記憶されているときに可変表示を開始して有利状態となったときは、基準数未満(例えば4個未満)の保留記憶情報が記憶されているときに可変表示を開始して有利状態となったときには表示されない特別な女の子画像221や特別な男の子画像222が表示されるようにしてもよい。また例えば、AモードともBモードとも異なる特別なCモード(例えばCモードでは250個の倍数を超える毎に画面中央に第3報知画像(非図示)が表示される等)を有し、基準数以上(例えば4個以上)の保留記憶情報が記憶されているときに可変表示を開始して有利状態となったときの方が、基準数未満(例えば4個未満)の保留記憶情報が記憶されているときに可変表示を開始して有利状態となったときよりも、Cモードが選択可能になる割合が高くなるようにしてもよい。
変形例1のパチンコ遊技機1によれば、保留記憶情報の数により注目させるとともに、遊技球の発射を促進させることができる。また、有利状態中における遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例2]
合計保留記憶数が特定数になったことに基づいて保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させることが可能であるとともに、有利状態となったとき(例えば、最終停止図柄として大当り図柄が停止表示したときや、ファンファーレ演出が開始されたとき等)に保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報の数に応じて(例えば、基準数(例えば4個等)以上の保留記憶情報が記憶されているか否かに応じて)、有利状態における演出の実行有無又は実行態様(例えば、図12に示す報知演出の実行割合又は実行態様)を異ならせてもよい。なお、上記基準数と上記特定数とは同一数(例えば8個)であってもよい。
例えば、有利状態となったときに基準数以上(例えば4個以上)の保留記憶情報が記憶されているときは、有利状態となったときに基準数未満(例えば4個未満)の保留記憶情報が記憶されているときには表示されない特別な女の子画像221や特別な男の子画像222が表示されるようにしてもよい。また例えば、有利状態となったときに基準数以上(例えば4個以上)の保留記憶情報が記憶されているときの方が、上述したCモードが選択可能になる割合が高くなるようにしてもよい。
変形例2のパチンコ遊技機1によれば、保留記憶情報の数により注目させるとともに、リーチ状態となった後でも遊技球の発射を促進させることができる。また、有利状態中における遊技の興趣を向上させることができる。
以上、第1実施形態〜第6実施形態の各実施形態について説明したが、各実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図26に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。