以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の風船1は、図1に示すように、発光デバイス10を内側に備え、発光デバイス10からの光を風船外側に透過可能に構成される。即ち、風船1は、発光デバイス10からの光により、風船1を装飾する文字や図形等を、風船外側に表示可能に構成される。以下では、ヘリウムガスが充填される風船1の構成を説明するが、本開示は、空気等のヘリウムガス以外の気体が充填される風船にも適用可能である。
風船1は、図2において概略拡大斜視図として示され、図3において概略断面図として示される。この風船1は、図2及び図3に示すように、風船本体50の内側に、袋体70を備え、更に、その袋体70の内側に、発光デバイス10及びケーブル30を備える。更に、風船1は、ヘリウムガスを充填するための注入弁90を備える。
発光デバイス10は、配線基板11と、一以上の発光素子15と、を備える。具体的に、発光デバイス10は、配線基板11に複数の発光素子15がマウントされた構成にされる。配線基板11は、図3に示すように、電気絶縁性を有する可撓性シート11Aに配線パターン11Bが形成された構成にされる。配線パターン11Bは、例えば可撓性シート11Aに対する導電性インクの塗布/印刷により形成される。可撓性シート11Aは、例えばPETフィルムである。
発光素子15は、例えばLEDチップである。配線基板11には、発光素子15に対する入力電圧及び電流を調整するための回路(図示せず)の他、発光素子15の点灯/消灯を制御するためのコントローラ(図示せず)が任意に搭載され得る。コントローラは、所定パターンで各発光素子15を点灯/消灯させて、発光デバイス10による光の演出を制御することができる。
ケーブル30は、発光デバイス10に電気的に接続され、発光デバイス10に電力を供給するように構成される。図1に示されるケーブル30は、三つのワイヤを備える三芯ケーブルである。しかしながら、ケーブル30は、二芯ケーブルであってもよい。即ち、三芯ケーブルには、電力供給のためには使用されないワイヤが含まれ得る。風船1の外側から発光デバイス10の点灯を制御する場合には、ケーブル30に制御信号伝送用の信号線が含まれていてもよい。
ケーブル30の発光デバイス10に接続される第一端部とは反対側の第二端部には、バッテリBT(図1参照)が設けられる。バッテリBTは、ケーブル30に直接又は間接的に接続され得る。バッテリBTは、ケーブル30に着脱可能に、又は、着脱不可能に接続されてもよい。ケーブル30の第二端部には、バッテリBTを着脱可能に接続するための、又は、バッテリBTを間接接続するための、バッテリスナップBS(図5参照)又はバッテリホルダが設けられてもよい。バッテリスナップBS及びバッテリホルダをケーブル30の第二端部に設けることにより、バッテリBTを着脱自在/交換可能にケーブル30に接続することができる。
バッテリBTは、広く流通する汎用の乾電池であり得る。ケーブル30の端部には、バッテリBT、又は、バッテリスナップBS又はバッテリホルダを内蔵した把持部が設けられてもよい。把持部は、利用者が風船1を持つ際に役立つ。この場合、ケーブル30は、風船1が利用者から離れて飛んでいくのを防止するための紐としても機能する。発光デバイス10は、このようにしてケーブル30に直接又は間接的に接続されるバッテリBTからの電力を、ケーブル30を介して受けて動作し、発光素子15を点灯させる。
風船本体50及び袋体70は、少なくとも部分的に光を透過可能な材料で構成される。例えば、風船本体50及び袋体70は、光透過性を有する熱可塑性樹脂フィルムにより構成される。ヘリウムガスを充填するために、風船本体50及び袋体70は、高いガスバリア性を有することができる。
袋体70は、図2及び図3に示されるように、中空筒状の形態を有し、閉塞端部70Aと、ケーブル30を風船外側に案内する開口端部70Fとを備える。袋体70は更に、発光デバイス10を収容するためにデバイス収容部75を、閉塞端部70Aと開口端部70Fとの間に備える。
デバイス収容部75は、デバイス収容部75以外の袋体70の部位より大径である。換言すれば、袋体70の内、デバイス収容部75以外の部位は、デバイス収容部75及びデバイス収容部75における展開された配線基板11より小径である。この小径部位の内、デバイス収容部75から開口端部70Fへと広がる部位は、ケーブル収容部79として機能する。ケーブル30の重量、及び、ケーブル30の第二端部に接続されるバッテリBTの重量により、ケーブル30を風船外側に案内する袋体70の開口端部70Fは、風船1にヘリウムガスが充填されると下側(地面側)を向く。
デバイス収容部75から開口端部70Fとは反対側に位置する閉塞端部70Aへと広がる袋体70の部位は、風船1にヘリウムガスが充填されて風船1が浮いた際に、デバイス収容部75が重力により垂れ下がらないようにデバイス収容部75を支持する支持部として機能する。袋体70は、熱圧着による閉塞端部70A形成時に、風船本体50と共に熱圧着されて風船本体50に接着される。
風船本体50は、製造時に袋体70を貫挿するための、第一開口部50A及び第二開口部50Fを備える。第一開口部50Aは、袋体70と共に熱圧着されて閉塞される。第二開口部50Fは、袋体70の外周と熱圧着されて閉塞される。袋体70の開口端部70F周辺では、ケーブル30を外側に案内するために、少なくともケーブル30の径に対応する大きさの開口を有するように、袋体70の外周部が熱圧着される。但し、外周部だけでなく、袋体70の内周も部分的に熱圧着されてもよい。
このように袋体70の外周と、風船本体50の第二開口部50Fの内周とは互いに熱圧着により接続されるが、風船本体50の内側には、ヘリウムガスを充填するための注入弁90が、袋体70の外周と風船本体50の第二開口部50Fの内周との間に設けられる。注入弁90は、周知の逆止弁であり、風船外側からヘリウムガスを注入可能であるが、風船内側からのヘリウムガスの漏えいを抑制可能な構成にされる。
即ち、風船本体50の第二開口部50Fは、袋体70の外周と熱圧着されて閉塞されるが、袋体70の外周との間に部分的に注入弁90を備え、ヘリウムガスを風船外側から風船本体50内に注入可能な構成にされる。
上述したように、風船本体50の第一開口部50Aは、袋体70と共に熱圧着により気密に閉塞され、第二開口部50Fも、袋体70の外周及び注入弁(逆止弁)90により気密に閉塞される。このため、風船1は、注入弁90から充填されるヘリウムガスを、風船本体50の内部空間であって、袋体70の外部空間に気密保持可能である。
風船本体50は、注入弁90からヘリウムガスが充填されると膨張する。このとき、袋体70は、風船本体50からの圧力で袋体70の内部空間の空気が開口端部70Fから風船外側に押し出された状態になり、対向する内壁同士がほぼ密着した収縮状態にされる。この収縮状態は、袋体70のデバイス収容部75内で発光デバイス10が揺動するのを効果的に抑制する。
以上に説明した本実施形態の風船1によれば、風船本体50が、少なくとも部分的に光を透過するように構成され、更には、気体(ヘリウムガス)の充填により膨張するように構成される。発光デバイス10及びケーブル30は、風船本体50の内部空間で、少なくとも部分的に光を透過するように構成された袋体70の内部空間に収容される。上述の説明からも理解できるように、ここで言う風船本体50の内部空間は、風船外側とは反対側を向く風船本体50の内壁により画定される空間であり、袋体70の内部空間は、風船本体50の内壁と向き合う袋体外側とは反対側を向く袋体70の内壁により画定される空間である。
袋体70は、開口端部70F及び閉塞端部70Aを有し、ケーブル30は、袋体70の開口端部70Fを通じて風船外側に延設される。風船本体50の開口部50Fは、この袋体70の開口端部70F周辺で、袋体70の外周に熱圧着により接続されて閉塞される。図1〜図3における符号PFは、熱圧着部分を示す。これにより、風船1は、発光デバイス10及びケーブル30を袋体70の内部空間に収容し、ケーブル30を袋体70の内部空間から風船本体50の外部空間に露出した状態で、風船本体50の内部空間の内、袋体70の外部空間においてヘリウムガスを気密に保持可能に構成される。このような構造を有する本実施形態の風船1は、ケーブル30周辺から充填ガスが漏えいしないようにして、ケーブル30を外部に案内することができる。
更に、この風船1によれば、袋体70の閉塞端部70A周辺が、風船本体50の内壁と熱圧着により接続される。このため、風船1は、発光素子15を特定位置に保持するための支持棒を有することなしに、発光素子15を風船内側に位置決め保持可能である。
即ち、この風船1は、袋体70により発光デバイス10を特定位置に保持可能であり、しかも袋体70が少なくとも離れた二点で風船本体50に固定されていることから、袋体70が重力により垂れ下がったり、外部から伝わる振動で揺れ動いたりするのを抑制可能である。
従って、この風船1によれば、発光デバイス10、及び、発光デバイス10が備える発光素子15を、風船1内の所定位置に安定的に保持可能である。結果として、本実施形態によれば、発光素子15の揺動により表示が乱れるのを抑制可能な優れた発光デバイス10付の風船1を提供することが可能である。
付言すると、この風船1は、例えば図4に示す手順に従って製造可能である。
第一工程(S10)において、製造者は、風船1を構成する部品を用意することができる。具体的には、風船本体50、袋体70、注入弁90、発光デバイス10、および、ケーブル30を用意することができる。但し、ここで用意される風船本体50は、第一開口部50A及び第二開口部50Fが閉塞されていない加工前の風船本体50である。袋体70もまた、開口された先端部70C及び基端部70Fを有する加工前の袋体70である。基端部70Fは、上述した開口端部70Fに一致する。先端部70C周辺は、熱圧着により閉塞されて、閉塞端部70Aに加工される。
第二工程(S20)において、製造者は、図5に示すように、ケーブル30を接続した発光デバイス10を、袋体70に収容することができる。この際、ケーブル30は、その一部が袋体70から外部に露出された状態で袋体70に収容される。図5に示す例によれば、露出されたケーブル30の端部には、バッテリBTを接続するためのバッテリスナップBSが取り付けられている。但し、この第二工程(S20)はスキップされてもよい。即ち、発光デバイス10及びケーブル30の袋体70への収容は、後の工程で行われてもよい。
S10で用意される袋体70は、二枚のシートを重ねて貼りあわせることで製造可能である。従って、別例によれば、第一工程(S10)では、袋体70を製造するために必要な二枚のシートが用意されてもよい。そして、第二工程(S20)では、二枚のシートの間に、発光デバイス10及びケーブル30を挟んだ状態で、これらの二枚のシートを熱圧着により貼りあわせることにより、発光デバイス10及びケーブル30を収容する袋体70が形成されてもよい。
第三工程(S30)において、製造者は、図6に示すように、袋体70を、風船本体50内に配置することができる。具体的に、袋体70は、風船本体50の内部空間を横断して第一開口部50A及び第二開口部50Fに貫挿されるように、風船本体50内に配置され得る。換言すれば、製造者は、風船本体50を、第一開口部50A及び第二開口部50Fのそれぞれに袋体70の先端部70C及び基端部70Fを通した状態で、袋体70を覆うように配置することができる。
袋体70と同様、S10で用意される風船本体50は、二枚のシートを重ねて貼りあわせることに製造可能である。従って、S10では、風船本体50を製造するために必要な二枚のシートが用意されてもよい。そして、S30では、二枚のシートの間に、袋体70を挟んだ状態で、これらの二枚のシートを熱圧着により貼りあわせることにより、袋体70を覆うように風船本体50が配置されてもよい。
第三工程(S30)において、製造者は、風船本体50の第二開口部50Fの内周と、袋体70の外周との間に、注入弁90を配置することができる。
第四工程(S40)において、製造者は、図7に示すように、袋体70の先端部70C周辺と、風船本体50の第一開口部50Aとを熱圧着することができる。ここで熱圧着される領域は、図7において符号R1で概略的に示される。これにより、袋体70の先端部70C周辺は、袋体70の対向する内壁同士が接着した閉塞端部70Aに加工される。上記熱圧着により、袋体70の閉塞端部70Aは、風船本体50の第一開口部50A、換言すれば、風船本体50の外縁周辺において、風船本体50の内壁と接着した状態にされる。
第五工程(S50)において、製造者は、図7に示すように、袋体70の基端部70F周辺の外周と、風船本体50の第二開口部50Fの内周とを、一部注入弁90を介在させた状態で熱圧着することができる。ここで、熱圧着される領域は、図7において符号R2で概略的に示される。これにより、風船本体50の第二開口部50Fは、袋体70により閉塞された状態にされ、風船1は、風船本体50の内部空間の内、袋体70の外部空間において気体を封入可能に構成される。
製造者は、第二工程(S20)をスキップしたとき、第五工程(S50)における熱圧着後に、ケーブル30を接続した可撓性のフレキシブルな発光デバイス10をまるめて、袋体70の開口端部70Fからデバイス収容部75に挿入することにより、袋体70のデバイス収容部75内に、発光デバイス10を収容することができる。まるめて挿入される発光デバイス10は、デバイス収容部75に到達すると弾性により展開される。
製造者は、第一工程(S10)から第五工程(S50)を経て製造した風船1を、ヘリウムガスを充填しない状態で保存することができる。この風船1には、その後、必要に応じて、注入弁90を介してヘリウムガスが充填され、ケーブル30の端部には、バッテリBTが接続される。これにより、発光デバイス10の点灯により装飾された風船1が完成する。風船1は、例えば、ヘリウムガスが充填され、バッテリBTが取り付けられた状態で、消費者に提供される。風船1は、消費者に対して有償又は無償で提供され得る。風船1は、例えば、商品の販売促進目的で、集客目的で、又は、広告目的で、消費者に提供され得る。風船1は、ヘリウムガスの充填なしに、消費者に提供されてもよい。
以上に、風船1の詳細構成及び製造方法を説明したが、風船1には、ヘリウムガス以外の気体が充填されてもよい。例えば、空気が充填されてもよい。この場合には、良く知られたビニールボール等と同様の空気栓を、注入弁90に代えて風船本体50に設けることができる。
また、風船本体50及び袋体70の形状は、上記実施形態に限定されない。発光デバイス10は、発光素子15がマウントされた複数の配線基板を備えていてもよく、これらは風船本体50内で分散配置されてもよい。
以下では、上述した風船1の変形例として、形状及び構造の異なる風船100,200,300,400,500,600,700,800,900を説明する。変形例の説明では、上述した実施形態と共通する構成の説明を適宜省略する。ヘリウムガスが充填される風船に変形例を適用する場合、これらの風船には、図示しない注入弁90を、上記実施形態と同様に設けることができる。
図8〜図16では、各変形例の風船の概略断面図を示す。図8〜図16において、発光デバイス110,210,310,410,510,610,710、発光部品821,822,921,922、及び、バッテリBTを表す領域を除く白色(空白)で表される領域は、空間であると理解してよい。上記実施形態と同様、変形例を示す図面における符号PFは、共通して、対応する変形例の熱圧着部分を示していると理解されてよい。
図8に示す第一変形例の風船100は、発光デバイス110及びケーブル130を収容する長尺の袋体170と、袋体170を覆う長尺の風船本体150と、を備える。風船本体150は、第一開口部150A及び第二開口部150Fを有し、第一開口部150Aは、袋体170の先端部170C周辺と共に熱圧着されて閉塞される。熱圧着により閉塞された袋体170の部分(PF)は、閉塞端部70Aに対応する。
第二開口部150Fの内周は、袋体170の基端部170F周辺の外周と熱圧着される。これにより第二開口部150Fは、袋体170により閉塞される。袋体170の基端部170Fは、開口端部170Fであり、袋体170のデバイス収容部175に収容された発光デバイス110から延びる電力供給用のケーブル130は、この開口端部170Fを通じて外部に露出される。露出されたケーブル130の端部には、バッテリBTが接続される。第一変形例の風船100は、発光デバイス110、袋体170、及び、風船本体150が長尺形状である点を除いて、基本的に、上述した実施形態の風船1と同一である。
図9に示す第二変形例の風船200は、分岐構造(ツリー構造)を有する袋体270と、この袋体270を覆う球型の風船本体250と、を備える。具体的に、袋体270は、開口端部270Fを有するステム部271と、ステム部271から分岐する二つの枝部281とを備える。ステム部271は、枝部281と隣接する領域にデバイス収容部275を備える。枝部281は、ステム部271(デバイス収容部275)と連通する端部とは反対側の先端部281C周辺において風船本体250に、熱圧着(PF)により接着される。
風船本体250は、二つの第一開口部250Aと、一つの第二開口部250Fとを備える。二つの第一開口部250Aは、二つの枝部281の先端部281C周辺と熱圧着されて袋体270と共に閉塞される。風船本体250の第二開口部250Fは、袋体270の開口端部270F周辺において袋体270の外周と接続されて、閉塞される。
袋体270のデバイス収容部275には、発光デバイス210が収容され、ステム部271におけるデバイス収容部275から開口端部270Fまでの部位は、ケーブル収容部279として機能し、発光デバイス210に接続される電力供給用のケーブル230を収容する。ケーブル230は、開口端部270Fを通じて外部に露出し、露出するケーブル230の端部には、バッテリBTが接続される。
第二変形例によれば、上述したように、袋体270が、開口端部270Fから延びる中空状のステム部271と、ステム部271から分枝する中空状の複数の枝部281を備える。そして、複数の枝部281のそれぞれの先端部281C周辺が、互いに風船本体250の異なる位置で、風船本体250と接続されている。従って、風船200は、袋体270を一層風船本体250内で安定保持可能であり、発光デバイス210を風船内側で安定保持可能である。
図10に示す第三変形例の風船300は、ハート型の外観を有する。発光デバイス310、袋体370、及び、風船本体350は、いずれもハート形状を呈する。発光デバイス310は、ハート形のデバイス収容部375を有する袋体370に収容される。
袋体370は、デバイス収容部375を有するステム部371と、ステム部371のデバイス収容部375から分岐する二つの枝部381とを有する。枝部381の先端部381C周辺は風船本体350と熱圧着される。ステム部371のデバイス収容部375とは反対側は、ケーブル収容部379として機能し、ステム部371のデバイス収容部375とは反対側の端部は、開口端部370Fとして、発光デバイス310に対する電力供給用のケーブル330を風船外側に案内する。風船本体350は、二つの第一開口部350Aと、一つの第二開口部350Fとを備える。二つの第一開口部350Aは、二つの枝部381の先端部381C周辺と熱圧着されて袋体370と共に閉塞される。風船本体350の第二開口部350Fは、袋体370の開口端部370F周辺において袋体370の外周と熱圧着されて、閉塞される。
図11に示す第四変形例の風船400は、六面体型(キューブ型)の外観を有する。具体的に、この風船400は、六面体型の風船本体450を有し、この風船本体450内に、発光デバイス410及びケーブル430を収容する袋体470を備える。
袋体470は、デバイス収容部475を有するステム部471と、ステム部471のデバイス収容部475から分岐する四つの枝部481とを有する。具体的に、袋体470は、当該四つの枝部481として、六面体型の風船本体450の中心を挟んで互いに向き合う二つの角に向かって夫々延設された二つの枝部481を、二組有する。各枝部481の先端部481C周辺は、閉塞されて、風船本体450に接着される。
ステム部471のデバイス収容部475とは反対側は、デバイス収容部475に収容される発光デバイス410からの電力供給用のケーブル430を風船外側に案内するケーブル収容部479として機能し、ステム部471のデバイス収容部475とは反対側の端部は、開口端部470Fとして構成される。風船本体450は、四つの第一開口部450Aと、一つの第二開口部450Fとを備える。四つの第一開口部450Aは、四つの枝部481の先端部481C周辺と熱圧着されて袋体470と共に閉塞される。風船本体450の第二開口部450Fは、袋体470の開口端部470F周辺において袋体470の外周と接続されて、閉塞される。
図12に示す第五変形例の風船500は、角錐型又は円錐型又は三角形の外観を有する。具体的に、この風船500は、角錐型又は円錐型又は三角形の風船本体550を有し、この風船本体550内に、発光デバイス510及びケーブル530を収容する袋体570を有する。
袋体570は、デバイス収容部575を有するステム部571と、ステム部571のデバイス収容部575から分岐する二つの枝部581とを有する。各枝部581の先端部581C周辺は、熱圧着(PF)により閉塞されて、風船本体550に接着される。ステム部571のデバイス収容部575とは反対側は、ケーブル収容部579として機能し、ステム部571のデバイス収容部575とは反対側の端部は、開口端部570Fとして構成される。風船本体550は、二つの第一開口部550Aと、一つの第二開口部550Fとを備える。二つの第一開口部550Aは、二つの枝部581の先端部581C周辺と熱圧着されて袋体570と共に閉塞される。風船本体550の第二開口部550Fは、袋体570の開口端部570F周辺において袋体570の外周と接着されて、閉塞される。
図13に示す第六変形例の風船600は、第四変形例と同様に、角錐型又は円錐型又は三角形の外観を有する。角錐型又は円錐型又は三角形の風船本体650内に収容される袋体670は、ステム部671の発光デバイス610を収容するデバイス収容部675から分岐する三つの枝部681を有する。各枝部681の先端部681C周辺は、熱圧着(PF)により閉塞されて、風船本体650に接着される。ステム部671のデバイス収容部675とは反対側は、ケーブル630を収容するケーブル収容部679として機能し、ステム部671のデバイス収容部675とは反対側の端部は、開口端部670Fとして構成される。風船本体650は、三つの第一開口部650Aと、一つの第二開口部650Fとを備える。三つの第一開口部650Aは、三つの枝部681の先端部681C周辺と熱圧着されて袋体670と共に閉塞される。風船本体650の第二開口部650Fは、袋体670の開口端部670F周辺において袋体670の外周と接着されて、閉塞される。
図14に示す第七変形例の風船700は、湾曲形状の外観を有する。湾曲形状の風船本体750内に収容される袋体770もまた、風船本体750の内壁に沿って湾曲した形状を有する。具体的に、袋体770は、湾曲形状のデバイス収容部775を備えるステム部771と、デバイス収容部775から分岐する三つの枝部781とを有する。各枝部781の先端部781C周辺は、熱圧着(PF)により閉塞されて風船本体750に接着される。湾曲形状のデバイス収容部775内には、デバイス収容部775の内壁に沿って湾曲した発光デバイス710が収容される。
発光デバイス710に対する電力供給用のケーブル730は、ステム部771のデバイス収容部775とは反対側の開口端部770Fに案内され、外部に露出される。風船本体750は、三つの第一開口部750Aと、一つの第二開口部750Fとを備える。三つの第一開口部750Aは、三つの枝部781の先端部781C周辺と熱圧着されて袋体770と共に閉塞される。風船本体750の第二開口部750Fは、袋体770の開口端部770F周辺において袋体770の外周と接着されて、閉塞される。
図15に示す第八変形例の風船800では、風船本体850が、連通した三つの球部851,852を有し、この風船本体850の形状により、風船800は、動物の顔を模した外観を有する。特徴的なことに、この風船800は、複数の発光部品821,822が、風船本体850内で分散配置された構成にされる。換言すれば、風船800は、複数の発光部品821,822を有する発光デバイス810を、内側に備える。
各発光部品821,822は、上記実施形態の発光デバイス10(図3参照)と同様に、可撓性シート11Aに配線パターン11Bが形成されて構成される配線基板11上に、複数の発光素子15がマウントされた構成にされる。複数の発光部品821,822は、第一の発光部品821と、第二の発光部品822と、に分類可能である。
具体的に、第一の発光部品821は、風船外側に露出される主ケーブル830に電気的に接続され、バッテリBTからの電力供給を、主ケーブル830を介して受けて動作する。第二の発光部品822は、第一の発光部品821に、副ケーブル825を介して電気的に接続され、バッテリBTからの電力供給を、第一の発光部品821を介して受けて動作する。主ケーブル830及び副ケーブル825は、上記実施形態のケーブル30に対応し、それぞれ、第一の発光部品821及び第二の発光部品822に対する電力供給用のケーブル(電力線)である。
即ち、主ケーブル830は、バッテリBT及び第一の発光部品821に電気的に接続されて、バッテリBTから第一の発光部品821に電力を供給する。副ケーブル825のそれぞれは、第一の発光部品821及び対応する第二の発光部品822に電気的に接続されて、バッテリBTから第一の発光部品821の配線パターンを通じて供給される電力を、対応する第二の発光部品822に供給する。第一及び第二の発光部品821,822は、それぞれ、袋体870の対応するデバイス収容部875,885に収容されて、風船本体850内で位置決めされる。
風船本体850が備える三つの球部851,852の内の第一の球部851は、他の二つの第二の球部852と連通する二つの連結部と、袋体870の開口端部870F周辺で、袋体870の外周と接続されて閉塞される開口部851Fと、を備える。風船本体850が備える三つの球部851,852の内の二つの第二の球部852は、それぞれ、第一の球部851と連通する一つの連結部と、袋体870の先端部881C周辺で、袋体870と共に熱圧着(PF)により閉塞される開口部852Aと、を備える。
袋体870は、開口端部870Fを有するステム部871と、ステム部871から分岐する二つの枝部881とを備える。ステム部871は、枝部881と隣接する領域に、第一の発光部品821を収容するためのデバイス収容部875を備える。このデバイス収容部875は、第一の球部851の中央に配置される。
二つの枝部881もまた、ステム部871と連通する連結部と、ステム部871と連通する端部とは反対側の先端部881Cとの間に、第二の発光部品822を収容するためのデバイス収容部885を備える。これらのデバイス収容部885は、それぞれ、対応する第二の球部852の中央に配置される。
ステム部871におけるデバイス収容部875から開口端部870Fまでの部位は、第一の発光部品821に接続される主ケーブル830を収容するためのケーブル収容部879として機能する。主ケーブル830は、この袋体870の開口端部870Fを通じて外部に露出し、露出する主ケーブル830の端部には、バッテリBTが接続される。枝部881におけるデバイス収容部885からステム部871までの部位は、第二の発光部品822に接続される副ケーブル825を収容するためのケーブル収容部889として機能する。
枝部881における先端部881Cは、それぞれ、対応する第二の球部852の開口部852Aに貫挿され、その先端部881Cの周辺は、第二の球部852と熱圧着され、第二の球部852が備える開口部852Aと共に閉塞される。ステム部871における開口端部870Fは、第一の球部851の開口部851Fを通って外部に露出され、その開口端部870Fの周辺において、袋体870の外周は、風船本体850の内周と熱圧着により接続される。これにより、風船本体850の開口部851F,852Aは、袋体870により閉塞され、風船本体850の内部空間であって、袋体870の外部空間に対応する部位は、気体を封入可能に構成される。袋体870の内部空間は、開口端部870Fを通じて風船外側と連通しており、主ケーブル830は、この開口端部870Fを通じて外部に案内される。
本変形例の風船800によれば、複数の発光部品821,822が、袋体870のステム部871及び複数の枝部881に分散配置されているため、装飾性が高い。更に、袋体870は、複数地点(複数の熱圧着部分)で風船本体850に固定されており、風船本体850内で安定的に保持される。複数の発光部品821,822は、周囲より径の大きいデバイス収容部875,885に収容され、袋体870の内壁により、袋体870内で安定的に保持される。従って、この風船800は、分散配置された複数の発光部品821,822を安定的に、風船800内の特定位置で保持して、これらの発光部品821,822を用いて光の演出を行うことが可能である。
図16に示す第九変形例の風船900は、風船本体950が、連通した二つの球部951,952を有した構成にされ、この風船本体950の形状により、風船900は、雪だるま状の外観を有する。この風船900も、複数の発光部品921,922を有する発光デバイス910を、内側に備える。この風船900は、第八変形例の風船800と同様の技術的思想に基づき構成される。但し、第八変形例における第二の発光部品822が、第一の発光部品821を介してバッテリBTからの電力供給を受けるのに対し、第九変形例における発光部品922は、発光部品921と同様に、バッテリBTから延びるケーブル930に接続されて、バッテリBTからの電力供給を受ける。
即ち、本実施形態のケーブル930は、発光デバイス910が有する複数の発光部品921,922の夫々に、袋体970の内部空間を通じて接続され、これら複数の発光部品921,922の夫々に電力を供給する。この雪だるま状の風船900は、ヘリウムガスの充填により浮くように構成されてもよいし、空気の充填により浮遊しないように地面に置かれてよい。
上述した変形例に限らず、種々の変形例が考えられる。熱圧着部分PFより先端部70C,170C,281C,381C,481C,581C,681C,781C,881C側に位置する袋体及び風船本体の部分は、不要部分として切り取れられてもよい。このことから理解できるように、先端部70Cと閉塞端部70Aとは実質的に一致し得る。
袋体の先端部70C,170C,281C,381C,481C,581C,681C,781C,881Cは、風船本体50,150,250,350,450,550,650,750,850との熱圧着前から、閉塞端部として構成されてもよい。この他、先端部周辺の熱圧着は、開口端部70F,170F,270F,370F,470F,570F,670F,770F,870Fの周辺での熱圧着と同様に、袋体70,170,270,370,470,570,670,770,870の先端部周辺の外周と、開口部50A,150A,250A,350A,450A,550A,650A,750A,852Aの内周との熱圧着により実現されてもよい。即ち、袋体70,170,270,370,470,570,670,770,870の内壁同士を熱圧着する必要はない。
本開示は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。上記実施形態及び変形例における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。