JP2018094619A - 異種金属接合方法と異種金属接合部材 - Google Patents

異種金属接合方法と異種金属接合部材 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッド材などの異材、フィラワイヤーなどの溶加材、めっき、亜鉛層の形成などの前処理が不要であり、2mm厚以上のアルミニウム材料と鉄鋼材料とを直接接合することができ、かつ高い引張強度が得られる異種金属接合方法と異種金属接合部材を提供する。【解決手段】Al材1とFe材2の接合面4,5を直接密着させ、真空中で、接合面4,5からアルミニウム材料側にオフセットしかつ接合面4,5に平行に電子ビーム10を照射してAl材1のみを溶解し、溶着した接合界面Fに層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物12を生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、異材、溶加材や前処理なしにアルミニウム材料と鉄鋼材料とを直接接合する異種金属接合方法と異種金属接合部材に関する。
近年、地球環境問題を配慮した構造部材への要望から、異種金属の接合によるマルチマテリアル化のニーズが増大している。
例えば、自動車業界、航空産業、精密機器産業などを中心として軽量化、熱電特性の改善、耐腐食性の向上、材料強度の選択性、などを目的として、異種金属の接合技術が積極的に研究されている。
将来的に必要な接合金属の組み合わせのうち、使用量の多い鉄鋼材料と軽量のアルミニウム材料との異材接合は、需要が高く最も注目されている。しかし、例えば拡散接合による場合、アルミニウム材料と鉄鋼材料の接合界面に脆くて硬い金属間化合物(IMC)が生成され、継手強度が大幅に低下することが知られている。
鉄鋼材料とアルミニウム材料との接合方法は、例えば、非特許文献1や特許文献1〜3に開示されている。
非特許文献1は、「鉄鋼材料とアルミニウム合金のレーザー溶接」として、種々の方法を開示している。
特許文献1の「鋼系材料とアルミニウム材料との接合方法」は、銅系フィラワイヤーを挿入しながら、電子ビームあるいはレーザービームなどの高エネルギー密度を有するビームを用い、ビームを走査して一体化するものである。
特許文献2の「鉄−アルミニウム材料の溶接方法及び鉄−アルミニウム接合部材」は、鉄鋼材料及びアルミニウム材料の接合面にめっきを施し、めっきにアルミニウム材料より低融点でかつ鉄鋼材料との金属間化合物を生成し得る金属を用いるものである。
特許文献3の「鉄系部材とアルミニウム系部材の接合方法」は、鋼板は接合側に亜鉛を含む亜鉛めっき層が形成されており、亜鉛めっき層を挟むように鋼板とアルミニウム板とを重ね合わせて、スポット溶接するものである。
レーザー研究Vol.38(2010)No.8「異種材料のレーザー接合技術」p.594−602
特開2002−283080号公報 特開2009−72812号公報 国際公開2006/046608号公報
非特許文献1は、レーザービームを主に鋼材に照射し、その一部を同時にAl合金に照射して鋼材を溶融させずに加熱し、その熱と一部の照射レーザーでAl合金のみを溶融させる方法を開示している。
しかし、この方法の適用板厚は約1.5mm以下に限定され、かつ得られた接合継手の強度がAl材同士の接合継手と比較し、接合強度が30%程度低下する。すなわち、この方法による突合せ溶接では、十分な引張強度が得られず、衝撃強度も低いとして、重ね溶接と突合せ溶接を同時に1パスでレーザー溶接する方法を開示している。
特許文献1の接合方法は、溶加材(フィラワイヤー)を挿入する必要がある。
特許文献2の接合方法は、接合面にめっきを施す必要がある。
特許文献3の接合方法は、接合側に亜鉛を含む亜鉛層を形成する必要がある。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、クラッド材などの異材、フィラワイヤーなどの溶加材、めっき、亜鉛層の形成などの前処理が不要であり、2mm厚以上のアルミニウム材料と鉄鋼材料とを直接接合することができ、かつ高い引張強度が得られる異種金属接合方法と異種金属接合部材を提供することにある。
本発明によれば、アルミニウム材料と鉄鋼材料の接合面を直接密着させ、
真空中で、前記接合面からアルミニウム材料側にオフセットしかつ前記接合面に平行に電子ビームを照射して前記アルミニウム材料のみを溶解し、溶着した接合界面に層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物を生成する、異種金属接合方法が提供される。
また本発明によれば、アルミニウム材料と鉄鋼材料が直接密着した接合面と、
前記接合面からアルミニウム材料側にオフセットし、かつ前記接合面に沿って電子ビーム溶接により前記アルミニウム材料のみが溶解し溶着したアルミニウム溶解部と、
前記アルミニウム溶解部の接合面側に生成され層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物と、を有する、異種金属接合部材が提供される。
上記本発明によれば、真空中で、前記接合面からアルミニウム材料側にオフセットしかつ前記接合面に平行に電子ビームを照射して前記アルミニウム材料のみを溶解する。これにより、アルミニウム材料と鉄鋼材料を溶着し、かつ溶着した接合界面に金属間化合物を生成することができる。
また、電子ビーム溶接は、真空チャンバー内での加工であり、エネルギー密度が非常に高く、局部照射が可能なので、クラッド材などの異材、フィラワイヤーなどの溶加材、めっき、亜鉛層の形成などの前処理が不要であり、厚さが2mm以上のアルミニウム材料と鉄鋼材料とを直接接合することができる。
さらに、電子ビーム溶接は、電磁気的な制御のため高いビーム制御性を有するので、溶着した接合界面に層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物を生成することで、高い引張強度が得られることが実施例により確認された。
本発明による異種金属接合方法の第1実施形態を示す模式図である。 本発明による異種金属接合方法の第2実施形態を示す模式図である。 本発明による異種金属接合部材の模式的断面図である。 Al−Fe系平衡状態図である。 金属間化合物(IMC)の層厚と引張強度との関係図である。 実施例2における試験フロー図である。 実施例2におけるヒートサイクル試験の温度プロフィールである。 テストピースの溶接方法を示す模式図である。 実施例3における試験フロー図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明による異種金属接合方法の第1実施形態を示す模式図である。
この例に示すように、本発明の方法は、アルミニウム材料1と鉄鋼材料2とを直接接合する異種金属接合方法であり、最初にアルミニウム材料1と鉄鋼材料2の接合面4,5を直接密着させる。
アルミニウム材料1は、純アルミニウム材、又はアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金材である。以下、アルミニウム材料1を必要な場合を除き、単に「Al材1」と呼ぶ。
鉄鋼材料2は、0.3%〜2%の炭素を含む鋼材、又はステンレス材である。以下、鉄鋼材料2を必要な場合を除き、単に「Fe材2」と呼ぶ。
この例において、Al材1とFe材2は平板であり、その接合面4,5は、表面に対し垂直な端面である。
「直接密着」とは、接合面4,5を隙間なく密着させることを意味し、クラッド材などの異材、フィラワイヤーなどの溶加材を用いず、かつめっき、亜鉛層の形成などの前処理を実施しないことを意味する。直接密着の状態を保持するために、Al材1とFe材2をそれぞれ固定することが好ましい。またこの状態を保持するために、Al材1とFe材2の一方を他方に向けて付勢してもよい。
本発明の方法は、次いで、真空中で、接合面4,5からアルミニウム材料側にオフセットしかつ接合面4,5に平行に電子ビーム10を照射してAl材1のみを溶解し、溶着した接合界面Fに層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物12(IMC)を生成する。
本発明で適用する電子ビーム溶接は、真空チャンバー内での加工であり、エネルギー密度が非常に高く、局部照射が可能であり、電磁気的な制御のため高いビーム制御性を有する。
そのため、アーク溶接、プラズマ溶接、レーザー溶接と比較して、溶加材が不要であり、スポット径が非常に小さく、狭いビーム幅で溶け込みが深い、などの特徴を有する。
後述する実施例から、接合面4,5からのオフセット量eは、0.50〜1.25mmである、ことが好ましい。
また金属間化合物12のアルミニウムの原子組成百分率が70〜87%であり、金属間化合物12のアルミニウムと鉄の原子組成百分率の比Al/Feが3.1〜8.2である、ことが好ましい。
さらに、金属間化合物12は、FeAl又はFeAlを含む準安定金属間化合物である、ことが好ましい。
電子ビーム10の強度又は照射時間は、上述した金属間化合物12を生成するように制御する。
図2は、本発明による異種金属接合方法の第2実施形態を示す模式図である。
この例において、Al材1とFe材2は円管であり、その接合面4,5は、表面に対し垂直な端面である。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
図3は、本発明による異種金属接合部材14の模式的断面図である。
この図において、本発明による異種金属接合部材14は、Al材1とFe材2が直接接合した異種金属接合部材であり、接合面4,5、アルミニウム溶解部16、及び金属間化合物12を有する。
接合面4,5は、Al材1とFe材2が直接密着している。
アルミニウム溶解部16は、接合面4,5からアルミニウム材料側にオフセットし、かつ接合面4,5に沿って電子ビーム溶接によりAl材1のみが溶解し溶着した部分である。
金属間化合物12は、アルミニウム溶解部16の接合面側に生成され、上述したように、0.5〜2.0μmの層厚を有する。
アルミニウム溶解部16の接合面4,5からの溶け込み幅Bは、好ましくは、オフセット量eの2〜3倍である。
またアルミニウム溶解部16の溶け込み深さHは、例えば、オフセット量eの5倍以上、20倍以下である。
以下、本発明の実施例を説明する。
図1に示したように、同一厚さの平板であるAl材1とFe材2を準備し、その接合面4,5を第1実施形態の方法で接合した。
表1は、使用した各材料の品種及び厚さを示している。
Figure 2018094619
図1に示したように、Al材1とFe材2の接合面4,5を突合せて設置する。この際、接合面4,5が接合時に開口しないように固定する。Al材1及びFe材2の突合せした接合界面F(接合面4,5)を基準線とし、照射位置3をアルミニウム側に所定の幅だけオフセットをとり、接合界面Fに平行に電子ビーム10を照射しAl材1のみを溶解させる。この際、Fe材2を溶解させず走査する。
この場合の溶接条件は、必要な溶け込み深さHが得られ、かつ所定の照射位置3においてAl材1のみを溶解させFe材2を溶融させることなく接合を行うことのできる条件を選定する。
溶接時の溶け込み深さHは、板厚を貫通させ、突合せ貫通溶接とする条件、板厚以下の溶け込み深さHで、突合せ溶接を行う条件のどちらを選択してもよい。
表2は、この実施例で用いた溶接条件である。なお、この溶接条件は一例であり、溶着した接合界面Fに、所望の金属間化合物12を生成できる限りで、相違してもよい。
Figure 2018094619
表3は、オフセット量eと溶接後外観及び断面観察との関係を示している。
オフセット量eは、接合界面Fからのオフセット量であり、Al材1への電子ビーム10の照射位置3に相当する。
溶接後外観は、溶接ビード表面の割れやピンホール等の欠陥の有無である。断面観察は、溶接ビードに対し直角方向に切断し光学顕微鏡にて観察した際の断面の欠陥の有無である。断面観察は、マイクロ切断機で切断し、光学顕微鏡で観察した。
なお表中の記号○は、割れ及び欠陥が無いもの、記号△は、僅かに欠陥が有るもの、記号×は、割れ、欠陥、又は融合不良があるものを示している。
Figure 2018094619
表3から、オフセット量eが0mmと0.25mmの場合、溶接直後に亀裂又は破断が確認され、接合不可であることが明らかとなった。
またオフセット量eが1.25mm以上の場合、接合界面Fの近傍に大型のポロシティー等が確認され、接合性が低下することが確認された。
以上より、この溶接条件を用いた場合、適正なオフセット量eは、好ましくは0.50mmから1.25mmであり、さらに好ましくは、0.60mmから0.90mmであることが確認された。
表4は、オフセット量eが0.50mmから1.00mmのサンプルの元素分析、金属間化合物12、引張強度、及び母材強度比を示している。
元素分析は、金属間化合物12のEDS分析(エネルギー分散型X線分析)による。金属間化合物12の層厚は、SEM像に基づく。また、金属間化合物12の化合物種は、元素分析により同定したAl−Fe系金属間化合物である。母材強度比は、純度99.5%以上の純アルミニウム(A1050材)の母材強度(95N/mm)に対する比率である。
Figure 2018094619
表4において、オフセット量eが0.60,0.75,1.00mmの場合、金属間化合物12の化合物種として、FeAlの準安定相(metastable)が同定された。また、オフセット量eが0.90mmの場合、金属間化合物12の化合物種として、FeAlの準安定相が同定された。
従って、オフセット量eが0.60〜0.90mmの場合に、金属間化合物12は、FeAl又はFeAlを含む準安定金属間化合物であるといえる。また、オフセット量eが0.60〜1.00mmの場合に、母材強度比で77%を超える高い引張強度が得られることが確認された。
図4は、Al−Fe系平衡状態図であり、表5は、Al−Fe系2元素の既知の金属間化合物12の化合物種を示している。
Figure 2018094619
図4と表5において、FeAl及びFeAlの2種の準安定金属間化合物は、J.J Richmond氏らにより見出された相であり、アルミリッチなAl溶液から適度な急冷時に析出する相である。
本発明における電子ビーム溶接は、前述のように、真空中で行われ、スポット径が非常に小さく、エネルギー密度が非常に高く、ビーム幅に対し溶け込みが深い、などの特徴を有する。そのため、本発明における電子ビーム溶接は、高エネルギー密度の熱源が局所的に照射される吸熱過程であり、かつ照射後速やかに冷却されるため、上記の適度な急冷時に相当し、FeAl又はFeAlからなる準安定相が形成されたものと考えられる。
なお、表4におけるオフセット量eが0.50mmの場合、金属間化合物12の化合物種として、FeAlの安定相(Stable)が同定されており、母材強度比は66%であった。
母材強度比が、オフセット量eが0.60〜0.90mmの場合より低いのは、脆く硬い平衡型金属間化合物相(FeAl)が生成しているためと考えられる。
また、オフセット量eが1.00mmの場合、金属間化合物12の化合物種として、FeAlの安定相が同定されているが、母材強度比は77%であった。
母材強度比が、オフセット量eが0.60〜0.90mmの場合より低いのは、接合界面Fの近傍における欠陥(ポロシティーなど)の増加が考えられる。
また、オフセット量eが1.25mmの場合、表3と表4から、オフセット量eが1.00mmの場合に近い母材強度比が得られることが推定される。
以上より、適正なオフセット量eは、0.50〜1.25mmであることが好ましく、更に好ましくは0.60mmから1.00mmである、といえる。
オフセット量eが0.60mmから1.00mmの場合、溶着した接合界面Fに層厚が1.2〜1.5μmの金属間化合物12が形成され、母材強度比で77%を超える高い引張強度が得られることが確認された。
また、さらに好ましくは、適正なオフセット量eは、0.60mmから0.90mmであり、この場合、金属間化合物12は、FeAl又はFeAlを含む準安定金属間化合物であり、母材強度比で95%を超える高い引張強度が得られることが確認された。
オフセット量eが0.50mmから1.00mmの場合、表4から、金属間化合物12のアルミニウムの原子組成百分率が70〜87%であり、金属間化合物12のアルミニウムと鉄の原子組成百分率の比Al/Feが3.1〜8.2であった。
また、オフセット量eが0.60mmから1.00mmの場合、表4から、金属間化合物12のアルミニウムの原子組成百分率が80〜87%であり、金属間化合物12のアルミニウムと鉄の原子組成百分率の比Al/Feが5.3〜8.2であった。
図5は、金属間化合物12(IMC)の層厚と引張強度との関係図である。この図において、図中の数値は、オフセット量eを示している。
この図から、オフセット量eが0.60mmから1.00mmであり、金属間化合物12(IMC)の層厚が1.1〜1.6μmの範囲において、引張強度は、0.60mmのオフセット量eを頂点とした2次曲線とみなすことができることが確認された。
また、A1050材と引張強度が相違するアルミニウム合金であるA5052(引張強度215N/mm)とA6061(引張強度215N/mm)についても、同様の試験を実施した。
その結果、3種のAl材1において、金属間化合物12の層厚が0.5〜2.0μmであり、高い引張強度が得られることが確認された。
図2に示したように、同一外径の円管であるAl材1とFe材2を準備し、その接合面4,5を第2実施形態の方法で接合した。
表6は、使用した各材料の品種及び形状を示している。
Figure 2018094619
図6は、実施例2における試験フロー図であり、図7は実施例2におけるヒートサイクル試験の温度プロフィールである。
実施例2では継手形状を突合せパイプ接合形状とし、Heリーク試験(S3,S5)、ヒートサイクル試験(S6)、及び引張試験(S7)を行った。
図2に示したように、洗浄(S1)において接合部を洗浄した後、Al材1とFe材2の接合面4,5を突合せて設置する。なお、各材の接合面4,5がずれないよう、Al材1の内径側端面に凸1mm、Fe材2の内径側端面に凹1mmのインロー加工を施した。
次いで、Al材1とFe材2のインローを嵌合させて、同軸に連結し、中心穴を通るボルトとナットでAl材1とFe材2の一方を他方に向けて付勢して固定した。
次いで、溶接(S2)において、Al材側をチャッキングし、Al材1とFe材2を軸心を中心に回転させ、真空中で、電子ビーム溶接を実施した。この電子ビーム溶接では、オフセット量eを0.75mmに設定し、Al材1及びFe材2の突合せした接合界面Fを基準線とし、接合面4,5からアルミニウム材料側にオフセットしかつ接合面4,5に平行に電子ビーム10を照射した。この照射によりAl材1のみを溶解し、溶着した接合界面Fに層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物12を生成した。
溶接後、Heリーク試験(S3)を実施した。Heリーク試験では、リークレート1.0×10−10Pa・m/s以下を合格とした。
次いで、2次加工(S4)において、外径1mm、内径2mmを切削し、表面欠陥の確認を行った。
次いで、ヒートサイクル試験(S5)において、図7の温度プロフィールにより、電気炉内にて物温150℃−1時間保持後、26±2℃の水道水に投入して急冷するヒートサイクル試験を6回繰り返し、ヒートサイクル試験を実施した。
ヒートサイクル試験後のHeリーク試験は、各ヒートサイクル終了時に実施した。
引張試験(S7)は、接合のみ行ったもの(実験No.10)と、すべてのヒートサイクル試験を終了したもの(実験No.11)の2種について行い、ヒートサイクル試験前後の強度比較を行った。
引張試験の試験片は接合面4,5に直角方向に短冊状に切り出した。
表7は実験No.10〜12の各部材の接合可否と各過程でのヒートサイクル試験結果である。
Figure 2018094619
表7から、いずれの場合でもヒートサイクル試験による気密性は保たれており、外観上及び切削面における接合欠陥等は見られなかった。
表8は実験No.10及び実験No.11の引張強度と母材強度比である。なお純アルミニウム管(A1050P)の母材強度は84N/mmとした。
Figure 2018094619
表8から、引張試験結果は、ヒートサイクル試験(6サイクル)前後で変化は見られず、母材強度比で86%の高い引張強度が得られることが確認された。
四角形のテストピースにて、全周(4面)溶接の後、ヒートサイクル試験を実施した。
図8は、テストピースの溶接方法を示す模式図である。この図において、(A)は、テストピースの正面図、(B)は、(A)のB−B断面図である。
Al材1とFe材2の品種は、実施例1と同じである。また、Al材1とFe材2の大きさは、両材共に100×50×t8の平板であり、Al材1の中心にHeリーク試験用の排気穴(φ6程度)を設けた。
図9は、実施例3における試験フロー図である。
図9の洗浄(T1)において、テストピースの突合せ面をアセトンにて洗浄し、溶接(T2)において、4面を4回に分け溶接した。溶接条件は実施例2と同一とした。
ヒートサイクル試験(T4,T7)は、図7の温度プロフィールにより、電気炉内でサンプルを150℃、1時間恒温保持した後、水道水(20±0.5℃)に投入し、急冷しました。
ヒートサイクル試験(T4)を3サイクル繰り返した後、ビード除去(T5)において、4面フライス(4F)にて各面を0.5〜1mm削り、ビードを除去した。その後再び3サイクルのヒートサイクル試験(T7)を行った後、加圧試験(T8)において、0.5MPa、18時間エアー加圧を行い、剥がれが無ことを確認した。
Heリーク試験(T3,T6,T9)の条件は、実施例2と同一とした。
Heリーク試験は、溶接後(T3)、ヒートサイクル試験の各サイクルの急冷後(T4)、ビード除去後(T6)、加圧後(T9)の計9回実施した。
表9は実施例3によるHeリーク試験の試験結果である。
Figure 2018094619
この表から、実施例3の9回のHeリーク試験において、実施例2と同条件において、いずれの工程でもリークが無いことを確認した。
また、その後の断面マクロ観察から、各面共に、溶け込み深さHが10mm程度(有効溶け込み深さ8〜9mm)の継ぎ手が確認された。
上述した本発明の実施例によれば、真空中で、接合面4,5からアルミニウム材料側にオフセットしかつ接合面4,5に平行に電子ビーム10を照射してAl材1のみを溶解する。これにより、Al材1とFe材2を溶着し、かつ溶着した接合界面Fに金属間化合物12を生成することができる。
また、電子ビーム溶接は、真空チャンバー内での加工であり、エネルギー密度が非常に高く、局部照射が可能なので、クラッド材などの異材、フィラワイヤーなどの溶加材、めっき、亜鉛層の形成などの前処理が不要であり、厚さが2mm以上のアルミニウム材料1と鉄鋼材料2とを直接接合することができる。
さらに、電子ビーム溶接は、電磁気的な制御のため高いビーム制御性を有するので、溶着した接合界面Fに層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物12を生成することで、高い引張強度が得られることが実施例により確認された。
上述したように、本発明によれば、電子ビーム溶接の高エネルギー密度と高い制御性により、部材に対する選択的な照射、溶融、急冷が可能であり、金属間化合物12の層厚と化合物種をコントロールした継手の作成が可能である。
また、レーザー溶接等の従来方法よりも厚板に適応可能である。
すなわち、本発明によれば、十分に高い強度を有しかつ継手形状の自由度が高いAl材1とFe材2の異種材料継手の接合が可能である。また、ヒートサイクル等の熱履歴に対し継手強度が変わらず、真空機器等のベーキングを必要とする部材への適用も可能である。
なお、本発明における接合方法は、突合せ溶接に限定されず、その他の継手形状であってもよい。
また本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
B 溶け込み幅、e オフセット量、F 接合界面、H 溶け込み深さ、
1 アルミニウム材料(Al材)、2 鉄鋼材料(Fe材)、3 照射位置、
4,5 接合面、6 照射位置、10 電子ビーム、12 金属間化合物(IMC)、
14 異種金属接合部材、16 アルミニウム溶解部

Claims (8)

  1. アルミニウム材料と鉄鋼材料の接合面を直接密着させ、
    真空中で、前記接合面からアルミニウム材料側にオフセットしかつ前記接合面に平行に電子ビームを照射して前記アルミニウム材料のみを溶解し、溶着した接合界面に層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物を生成する、異種金属接合方法。
  2. 前記接合面からのオフセット量は、0.50〜1.25mmである、請求項1に記載の異種金属接合方法。
  3. 前記金属間化合物のアルミニウムの原子組成百分率が70〜87%であり、
    前記金属間化合物のアルミニウムと鉄の原子組成百分率の比Al/Feが3.1〜8.2である、請求項1に記載の異種金属接合方法。
  4. 前記金属間化合物は、FeAl又はFeAlを含む準安定金属間化合物である、請求項1に記載の異種金属接合方法。
  5. 前記アルミニウム材料は、純アルミニウム材、又はアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金材であり、
    前記鉄鋼材料は、0.3%〜2%の炭素を含む鋼材、又はステンレス材である、請求項1に記載の異種金属接合方法。
  6. 前記電子ビームの強度又は照射時間を、前記金属間化合物を生成するように制御する、請求項1に記載の異種金属接合方法。
  7. アルミニウム材料と鉄鋼材料が直接密着した接合面と、
    前記接合面からアルミニウム材料側にオフセットし、かつ前記接合面に沿って電子ビーム溶接により前記アルミニウム材料のみが溶解し溶着したアルミニウム溶解部と、
    前記アルミニウム溶解部の接合面側に生成され層厚が0.5〜2.0μmの金属間化合物と、を有する、異種金属接合部材。
  8. 前記接合面からのオフセット量は、0.50〜1.25mmであり、
    前記アルミニウム溶解部の前記接合面からの溶け込み幅は、前記オフセット量の2〜3倍であり、
    前記アルミニウム溶解部の溶け込み深さは、前記オフセット量の5倍以上、20倍以下である、請求項7に記載の異種金属接合部材。
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CN113547197A (zh) * 2021-08-02 2021-10-26 重庆大学 基于汽车热成型的超高强铝合金板材及其制备工艺

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