JP2018088846A - 自走式車両の制御装置、および、自走式車両とその制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】自走式車両に、自身が充電ベースなどの特定の場所にいることを簡単な構成で報知できる、自走式車両の制御装置、および、自走式車両とその制御システム。を提供することである。【解決手段】電源供給装置と、前記電源供給装置から供給されたパルス電流の経路となり、自走式車両の作業領域を規定する境界ワイヤと、前記境界ワイヤに直列に接続され、前記パルス電流により発生する磁界を増強する磁界増強手段を有する。【選択図】図6
Description
本発明は、境界ワイヤによって限定された作業エリア内を、自律的に走行して草を刈り取る自走式草刈機に関する。
特許文献1のように、境界ワイヤで予め限定された作業エリア内を走行して草を刈る、バッテリの消費量に応じて充電ベースに帰還し充電を開始する、充電後は再度草を刈るという動作を自動的に繰返す自律走行式(自走式、あるいはロボット式)の草刈機が普及してきた。草刈機は、スケジュール設定機能により、決められた時間に草刈作業が可能なため、ユーザーは外出時にも稼動させることが多いことから、確実な自動充電が求められている。
自走式草刈機を使用する期間は4〜10月頃で、期間中はスケジュールを設定しておけば、夏の炎天下や雨天でも天候に関わらず屋外に放置して使用されることが多い。そのため、確実に充電ベースに帰還し、充電、芝刈り作業を確実に繰返すことが重要となる。
現状、販売されている自走式芝刈機の殆どが、境界ワイヤを辿って充電ベースに帰還する方式を採用している。充電ベースには、境界ワイヤに周期的にパルス電流を流す制御部が備わっており、本体のセンサーがパルス波形に生じる磁界を読み取ることで作業エリア内の判定を行っている。草刈作業中に電池残量の低下を認識すれば、同様にパルス電流に生じる磁界を認識しながら境界ワイヤを辿って充電ベースに帰還する。以上の構成の場合、本体は充電ベースの位置を把握できていない。このため、充電ベースと本体がドッキングしたにもかかわらず、充電ベースを障害物と認識し充電ベースから離れる挙動をとってしまい、充電出来ない可能性があるという問題があった。
この改善策の公知例として、境界ワイヤと別に本体誘導ワイヤを設け、境界ワイヤと別のパルス波形を流すことで充電ベースの位置を限定する手段がある。これは、複数のパルスを発生させるための回路が複雑化することコストアップや、回路に流れる電流も増加することから制御装置への負担、強いては前述のように屋外に放置されることから、故障のリスクが増えることとなる。
また、重点的に草刈作業を行いたい箇所など、特定の条件の場所を草刈機に認識させたいという需要もある。
本発明の目的は、自走式車両に、自身が充電ベースなどの特定の場所にいることを簡単な構成で報知できる、自走式車両の制御装置、および、自走式車両とその制御システムを提供することである。
本発明の有る態様は、電源供給装置と、前記電源供給装置から供給されたパルス電流の経路となり、自走式車両の作業領域を規定する境界ワイヤと、前記境界ワイヤに直列に接続され、前記パルス電流により発生する磁界を増強する磁界増強手段を有することを特徴とする。
また、前記磁界増強手段は、前記パルス電流の経路となるワイヤが巻回されたコイルであってもよい。
また、前記磁界増強手段は、前記電源供給装置上または近傍にもうけられてもよい。
また、前記パルス電流は、自走式車両が作業領域内外を判別するためのエリア検出パルスと、前記エリア検出パルスよりも電流値が小さい微弱パルスを有してもよい。
また、二次電池により駆動し、前記境界ワイヤを流れる前記パルス電流による磁界を判別することで、前記境界ワイヤにより規定された作業領域を自走する自走式車両を有してもよい。
本発明によれば、自走式車両に、自身が充電ベースなどの特定の場所にいることを簡単な構成で報知できる、自走式車両の制御装置、および、自走式車両とその制御システムを提供することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、使用者は導電体のガイドワイヤ280(境界ワイヤ)を家屋や花壇、池等を避けて任意でありながら直列的に設置(埋設)し、草刈領域290(作業領域)を決定する。充電ステーション270は、電源供給装置271と、ベース部272(受入部)を有する。尚、図1の充電ベース270は、草刈機1が収納された状態を示している。電源供給装置271は誘導信号発生器を有し、外部電源から取り込んだ電力をもとに、充電ステーション270に接続されたガイドワイヤ280に対し、所定間隔でパルス状のパルス電流を流す。草刈機1(自走式車両)は、ガイドワイヤ280に流れる電流で発生した磁界を内蔵するガイドワイヤセンサ45a、45bにより検知し、ガイドワイヤ280の内側にいるか外側にいるかを判別し、自動かつ自律的に走行しながら草刈作業を行う。草刈機1はパルス電流を検知し草刈領域290内を自走しながら草刈作業を行い、要求された草刈り動作が終了した場合、又はバッテリの残量が低下した場合に、充電ステーション270に向けて自動的に帰還走行を行い、自動的に充電が行われる。電源供給装置271はACアダプタを介して商用交流電源等のコンセント(図示せず)に接続され、コンセントから供給される交流電圧を、直流電圧に変換する。電源供給装置271は図示しない直流出力端子(正極、負極)を有し、草刈機1が充電ステーション270の充電位置に到達すると、充電ステーション270側の制御装置が草刈機1の接続を判別して、図示しない送電回路から充電用の直流電圧を、草刈機1に設けられた受電端子41に供給する。草刈機1には図示しない充電回路が設けられ、受電端子41から供給された直流電圧をもとに、草刈機1に内蔵されたバッテリ28(二次電池)を充電する。
充電完了後、草刈機1は充電ステーション270から離脱して、指定された草刈領域での作業が自動的に再開される。このような自律走行式の草刈機は、充電が必要となる度に作業者が草刈機を充電ステーション270に案内することが不要であり、作業者不在のまま長時間草刈りを行うことができる。
図2乃至4に示すように、草刈機1は、走行方向に沿って転回または揺動可能に設けられる小径の前輪12bと、駆動輪である大径の後輪13bが左右にそれぞれ設けられ、草刈機1は本体ボディ2によって上部全体が覆われる。草刈機1の電源は、着脱可能なバッテリであって、図示しない制御装置によって車輪モータ16a、16bの駆動が制御され、自律的に走行する。また、同じく制御装置によって制御される刈刃モータ30と、刈刃モータ30によって駆動する刈刃31を有しており、車輪モータ16a、16bにより後輪13a、13bを駆動しながら、刈刃31を駆動することで草を刈り取る。本体ボディ2の前方には前面視で略長方形の開口部5が設けられ、充電時に開口部5を介して充電ステーション270の送電端子(図示せず)が受電端子41と接触可能となる。開口部5の内側には、本体シャーシ10の先端部分が位置し、その左側側面と右側側面には受電端子41(正極端子41a、負極端子41b)が設けられる。
本体ボディ2は地面側を除いて本体シャーシ10のほぼ全体を覆う形状であって、バネ等によって本体シャーシ10に対して浮いた状態で保持されることにより、前後左右及び上下方向に僅かに移動可能である。本体シャーシ10の前方には、図示しないリフトセンサと図示しない接触センサ、ガイドワイヤセンサ45a、45bが設けられ、本体ボディ2の内壁側には、リフトセンサと接触センサと対応する位置にマグネットがそれぞれ設けられる。本体ボディ2は岩や突起、壁などの障害物にぶつかることがあり、その際の本体ボディ2の相対的な位置変動をリフトセンサや接触センサとマグネットで検出することにより、制御装置が草刈機1の衝突等を検出する。
図5に、ガイドワイヤ周辺における磁界の強度の模式図を示す。ガイドワイヤ280から発生される磁界は、ガイドワイヤ280付近では強く、距離が離れる程弱くなる。また、ガイドワイヤ280の長さ(庭の広さ)にも影響され、長い程弱くなる。
草刈領域290は一本のガイドワイヤ280によって囲われるため、草刈領域290内はガイドワイヤ280により同一方向の磁界が発生させられ、草刈領域290内部と外部とでは、磁界の向きが反転する。このため、草刈機1は、ガイドワイヤ280によって生じる磁界の向きを判別することで、自身が草刈領域290の外に出ないようにしながら、草刈領域290内部をランダム走行するように後輪13a、13bを駆動し、草刈作業を行う。
要求された草刈動作が終了した場合、又はバッテリ28の残量が低下した場合には、草刈機1は充電ステーション270に向けて帰還走行を行う。この際には、草刈機1はガイドワイヤ280によって生じる磁界を認識し、ガイドワイヤ280上、あるいはガイドワイヤ280上よりも草刈領域290に偏った位置を、ガイドワイヤ280に沿って走行する。このため、草刈機1は草刈領域290内をランダムに走行することなく、スムーズに充電ステーション270へ到着することができる。
図6に、充電ステーション270のベース部272の底面図を示す。ベース部272は板状に形成され、上部に草刈機1を載置するように受け入れることが可能である。草刈機1は、ベース部272に受け入れられたときに受電端子41が充電ステーション270の直流出力端子と接続し、バッテリ28の充電を行うことが可能となる。また、ベース部272の底面には溝が設けられ、この溝にガイドワイヤ280が嵌め込まれている。ガイドワイヤ280は充電ステーション270の下側を通して草刈機1とのドッキングのガイドをしている。ガイドワイヤ280はベース部272との係合部分において、ガイドワイヤ280が巻回されたループワイヤ281(次回増強手段)が設けられる。つまり、ループワイヤ281はベース部272に設けられる。ループワイヤ281はコイル状に形成されるため、ガイドワイヤ280に流れるパルス電流により生じる磁界を増強することができる。
図7に、ガイドワイヤ280を流れるパルス電流の電流値の時間変化を表す模式図を示す。パルス電流は、電流値が比較的大きいエリア検出パルス300と、エリア検出パルス300よりも電流値が小さい充電機構検出パルス301(微弱パルス)を含む。エリア検出パルス300は、生じる磁界が図4に示すように草刈領域にある草刈機1により常に検知できるよう、電流値が充分大きくなるように設定される。一方で充電機構検出パルス301は、一本のガイドワイヤ280では生じる磁界が微量であり草刈機1による検知は困難なほど小さく、かつ、ループワイヤ281内の磁界は草刈機1により検知できるほど大きくなるよう、電流値が設定される。このため、草刈機1はループワイヤ281上を通過したとき、充電機構検出パルス300により生じる磁界をガイドワイヤセンサ45a、45bにより検知することができ、自身がベース部272上に位置し、バッテリ28の充電が可能な状態であることを認識できる。草刈機1は充電機構検出パルス300を検出すると、直ちに停止するか、または充電ステーション271の直流出力端子と受電端子41とが確実に接続されるようにわずかに前進する。
尚、ループワイヤ281はベース部272に設けなくとも、草刈機1が充電ステーション270へ帰還する際の帰還経路における上流側、つまりガイドワイヤ280における充電ステーション270から離間した位置にもうけるようにしてもよい。この場合、草刈機1は充電ステーション270へ帰還する経路の途中で、自身が充電ステーション270に接近していることを認識することができる。
また、充電時の制御以外にも、重点的に草刈作業を行う必要のある領域等、特定の場所では草刈機に通常と異なる作業を行わせたい場合にも、該特定の場所にループワイヤ281を設置することで、草刈機1に通常と異なる作業を行う場所を認識させることができる。
以上の構成によれば、本発明に係る自走式車両の制御装置および自走式車両の制御システムは、パルス電流により発生する磁界を増強する磁界増強手段を有するため、自走式車両に対して、例えば充電ベースの場所や重点的に草刈作業を必要とする場所等、磁界増強手段の設けられた特定の場所に自身がいることを認識させることができる。このため、該特定の場所に合わせて、適切に自走式車両を制御することが可能となる。
また、磁界増強手段が境界ワイヤに直列に接続されているため、簡単な構成で自走式車両に特定の場所を認識させられる。
また、前述の効果は、ワイヤを巻回したコイルを用いることで、簡単な構成で自走式車両に特定の場所を認識させられる。
また、境界ワイヤを流れるパルス電流を、作業領域内外を判別するエリア検出パルスと、エリア検出パルスよりも小さく磁界増強手段の近傍でなければ認識できない微弱パルスとして構成したため、信号発生手段及びパルスを流す経路を複数準備する必要が無く、簡単な構成で自走式車両に特定の場所を認識させられる。
また、特に自走式車両に設けられた二次電池を充電可能な電源供給装置の近傍に磁界増強手段を設けることで、自走式車両に対し、自身が二次電池を充電可能な位置にあることを認識させることができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
1 草刈機、2 本体ボディ、12a、12b 前輪(従動輪)、13a、13b 後輪(駆動輪)、16a、16b 車輪モータ、28 バッテリ、30 刈刃モータ、31 刈刃、41 受電端子、45a、45b ガイドワイヤセンサ、270 充電ステーション、271 電源供給装置、272 ベース部、280 ガイドワイヤ、281 ループワイヤ、290 草刈領域、300 エリア検出パルス、301 充電機構検出パルス
Claims (9)
- 電源供給装置と、
前記電源供給装置から供給されたパルス電流の経路となり、自走式車両の作業領域を規定する境界ワイヤと、
前記境界ワイヤに直列に接続され、前記パルス電流により発生する磁界を増強する磁界増強手段を有することを特徴とする、自走式車両の制御装置。 - 前記磁界増強手段は、前記パルス電流の経路となるワイヤが巻回されたコイルであることを特徴とする、請求項1に記載の自走式車両の制御装置。
- 前記磁界増強手段は、前記電源供給装置上または近傍に設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の自走式車両の制御装置。
- 前記パルス電流は、自走式車両が作業領域内外を判別するためのエリア検出パルスと、
前記エリア検出パルスよりも電流値が小さい微弱パルスを有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自走式車両の制御装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の自走式車両の制御装置と、
二次電池により駆動し、前記境界ワイヤを流れる前記パルス電流による磁界を判別することで、前記境界ワイヤにより規定された作業領域を自走する自走式車両を有することを特徴とする、自走式車両とその制御システム。 - 前記電源供給装置は、前記二次電池を充電可能であり、
前記磁界増強手段は、前記電源装置上または近傍に設けられ、
前記自走式車両は、前記磁界増強手段から発せられる磁界により、前記電源供給装置により前記二次電池を充電可能な位置にあることを判別可能であることを特徴とする、請求項5に記載の自走式車両とその制御システム。 - 前記電源供給装置は、前記自走式車両を受け入れ可能な受入部と接続され、前記自走式車両が前記受入部に受け入れられたときに、前記二次電池を充電可能であり、
前記磁界増強手段は、前記受入部に設けられることを特徴とする、請求項6に記載の自走式車両とその制御システム。 - 前記パルス電流は、前記自走式車両が作業領域内外を判別するためのエリア検出パルスと、前記エリア検出パルスよりも電流値が小さい微弱パルスを有し、
前記微弱パルスは、前記自走式車両が前記受入部に受け入れられたときのみ検出可能な強度の磁界を発生することを特徴とする、請求項7に記載の自走式車両とその制御システム。 - 前記自走式車両は、前記二次電池により駆動するモータと、前記モータの駆動力により回転する刈刃を有する草刈機であることを特徴とする、請求項5乃至8の何れか1項に記載の自走式車両とその制御システム。
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JP2016233094A JP2018088846A (ja) | 2016-11-30 | 2016-11-30 | 自走式車両の制御装置、および、自走式車両とその制御システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112230637A (zh) * | 2019-06-27 | 2021-01-15 | 深圳拓邦股份有限公司 | 一种割草机系统自适应供电电流方向的方法及割草机系统 |
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2016
- 2016-11-30 JP JP2016233094A patent/JP2018088846A/ja active Pending
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