JP2018072277A - 対地電圧検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構内高圧電路の対地電圧を検出するに際して、安全性に富んだ対地電圧検出装置を提供する。【解決手段】 高圧回路の高圧端子11と大地との間に高圧コンデンサ12を接続し、その高圧コンデンサ12の接地線13に変流器14を取り付け、その変流器14の二次側端子15間にコンデンサ端末16を接続する。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する高圧絶縁監視装置で使用され、地絡事故の前兆現象発生時に構内高圧電路の対地電圧を検出する対地電圧検出装置に関する。
送配電事業者より配電線網を通じて電力供給される受電設備には、各種の電気設備(例えば、電力ケーブル、避雷器、電力変圧器、進相コンデンサ、計器用変圧器、変流器など)が接続されている。これら各種の電気設備において、電気設備の絶縁劣化により構内設備の停電を伴う地絡事故が発生することがある。
この地絡事故に進展する前兆現象として小規模の地絡現象である微地絡がある。このような地絡事故の前兆現象が発生した時、構内高圧電路に流入する地絡電流を常時計測することにより、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視するようにしている。
この絶縁劣化状態の監視では、高圧電路との接続点である受電点から負荷側を構内と称して保護範囲とし、前述の受電点から系統側を構外と称して保護範囲外とすることで、構内高圧電路に接続された電気設備を保護するようにしている。
つまり、常時、三相高圧電路の各相の対地電圧(主に位相)を検出し、これを基準値とする。別の手段の零相変流器で検出した零相電流をこの基準値の各相対地電圧で演算(位相検波)することにより、対地電圧と同相成分を地絡電流として得ることができる。このようにして得られた地絡電流から地絡事故が構内地絡であるか否かを判定することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視するようにしている。
従来、構内高圧電路の対地電圧を検出するための対地電圧検出装置として、例えば、特許文献1で開示されたものが提案されている。
この特許文献1で開示された対地電圧検出装置は、図14に示すように、対地電圧が印加される入力端子1と大地との間に第1のコンデンサ2と第2のコンデンサ3とを直列接続し、第1のコンデンサ2と第2のコンデンサ3の接続点から出力端子4を導出した回路構成を具備する。
この対地電圧検出装置では、入力端子1に入力される対地電圧を第1のコンデンサ2と第2のコンデンサ3とで分圧し、このコンデンサ分圧により出力端子4に現出する出力電圧に基づいて対地電圧を検出するようにしている。
特開2003−215167号公報
「CVT(コンデンサ分圧型計器用変圧器)」(宮田明則技術士事務所 2009年発行)
ところで、特許文献1で開示された対地電圧検出装置は、対地電圧が印加される入力端子1と大地との間に第1のコンデンサ2と第2のコンデンサ3とを直列接続し、第1のコンデンサ2と第2のコンデンサ3の接続点から出力端子4を導出した回路構成を具備することから、以下のような課題を持つ。
つまり、この対地電圧検出装置では、第2のコンデンサ3が破壊する事故、例えば高圧電路に発生した過電圧による破壊および焼損事故や、物理的外圧ショック(物損)による破壊事故などによる断線により電路が開放状態になると、例えば6.6kV程度の高電圧が出力端子4に現出することになる。このように、高電圧が出力端子4に現出すると、対地電圧検出装置を取り扱う作業者にとって感電事故や放電による火災時の発生など非常に危険で安全な設備環境を確保できない。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、構内高圧電路の対地電圧を検出するに際して、安全性に富んだ対地電圧検出装置を提供することにある。
前述した目的を達成するための技術的手段として、本発明は、高圧電路の高圧端子と大地との間に高圧コンデンサを接続し、その高圧コンデンサの接地線に流れる電流を計測する変流器を高圧コンデンサの接地線に取り付け、その変流器の二次側端子間にコンデンサ端末を接続したことを特徴とする。
本発明の対地電圧検出装置では、高圧コンデンサの接地線に取り付けられた変流器の二次側端子間にコンデンサ端末を接続したことにより、高圧コンデンサのコンデンサ容量とコンデンサ端末のコンデンサ容量による変流器の変成比機能を利用したコンデンサ分圧が可能となり、このコンデンサ分圧により変流器の二次電圧を計測し、変成比を乗算した値から、高圧電路の対地電圧を検出することができる。
この対地電圧検出装置では、高圧コンデンサの接地線に変流器を取り付けた構成であることから、変流器二次側のコンデンサ端末の断線により開放状態になっても、例えば6.6kV程度の高電圧が変流器の二次側端子間に現出することはない。そのため、対地電圧検出装置を取り扱う作業者にとって安全性に富んだ対地電圧検出装置を提供することができる。
本発明における高圧コンデンサは、高圧気中開閉器に内蔵された碍子型コンデンサであることが望ましい。
このような構成を採用すれば、高圧気中開閉器に内蔵した3個の碍子型コンデンサの各相の接地線に変流器を設置し、その接地線に流れる電流を変流器で検出し、変流器の二次側端子間に現出した出力電圧を変成比演算することにより、三相高圧電路の各相の対地電圧(主に位相)を検出し基準値とする。別の手段の零相変流器で検出した零相電流をこの基準値の各相対地電圧で演算(位相検波)することにより、地絡事故が構内地絡であるか否かを判定することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を容易に監視することができる。
本発明における接地線は、構内高圧電路に設置された電力ケーブルのシールド線の接地線であることが望ましい。
このような構成を採用すれば、電力ケーブルの三相各相のシールド線に3個の変流器をそれぞれ設置し、その接地線に流れる電流を変流器で検出し、変流器の二次側端子間に現出する出力電圧を変成比演算することにより、三相高圧電路の各相の対地電圧(主に位相)を検出し基準値とする。別の手段の零相変流器で検出した零相電流をこの基準値の各相対地電圧で演算(位相検波)することにより、地絡事故が構内地絡であるか否かを判定することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を容易に監視することができる。
なお、変流器の二次側端子間に現出する出力電圧に基づいて算出された各相の対地電圧を加算することにより零相電圧を得ることができる。
本発明によれば、高圧コンデンサの接地線に取り付けられた変流器の二次側端子間にコンデンサ端末を接続したことにより、変流器の変成比機能を利用したコンデンサ分圧が可能となり、そのコンデンサ分圧により対地電圧を検出することができる。
一方、コンデンサ端末の断線により開放状態になっても、例えば6.6kV程度の高電圧が変流器の二次側端子間に現出することはない。そのため、対地電圧検出装置を取り扱う作業者にとって安全性に富んだ対地電圧検出装置を提供することができる。
本発明の実施形態で、対地電圧検出装置を示す回路図である。 三相各相の対地電圧と零相電圧との関係を示すベクトル図である。 コンデンサ端末、抵抗端末およびリアクトル端末におけるインピーダンスと周波数との関係を示す特性図である。 変流器の二次側端子間に抵抗端末を設けた試験回路を示す構成図である。 変流器の二次側端子間に抵抗端末を接続した試験結果の一例を示す波形図である。 変流器の二次側端子間に抵抗端末を接続した試験結果の他例を示す波形図である。 変流器の二次側端子間にリアクトル端末を設けた試験回路を示す構成図である。 変流器の二次側端子間にリアクトル端末を接続した試験結果の一例を示す波形図である。 変流器の二次側端子間にリアクトル端末を接続した試験結果の他例を示す波形図である。 変流器の二次側端子間にコンデンサ端末を設けた試験回路を示す構成図である。 変流器の二次側端子間にコンデンサ端末を接続した試験結果の一例を示す波形図である。 変流器の二次側端子間にコンデンサ端末を接続した試験結果の他例を示す波形図である。 変流器の二次側端子間にコンデンサ端末を接続した試験結果の他例を示す波形図である。 従来の対地電圧検出装置を示す回路図である。
本発明に係る対地電圧検出装置の実施形態を図面に基づいて以下に詳述する。
送配電事業者より配電線網を通じて電力供給される受電設備には、各種の電気設備(例えば、電力ケーブル、避雷器、電力変圧器、進相コンデンサ、計器用変圧器、変流器など)が接続されている。これら各種の電気設備において、電気設備の絶縁劣化により構内設備の停電を伴う地絡事故が発生することがある。
この地絡事故に進展する前兆現象として小規模の地絡現象である微地絡がある。このような地絡事故の前兆現象が発生した時、構内高圧電路に流入する地絡電流を常時監視することにより、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視するようにしている。
この絶縁劣化状態の監視では、高圧電路との接続点である受電点から負荷側を構内と称して保護範囲とし、前述の受電点から系統側を構外と称して保護範囲外とすることで、構内高圧電路に接続された電気設備を保護するようにしている。
つまり、常時、三相高圧電路の各相の対地電圧(主に位相)を検出し基準値とする。別の手段の零相変流器で検出した零相電流をこの基準値の各相対地電圧で演算(位相検波)することにより、対地電圧と同相成分を地絡電流として得ることができる。この得られた地絡電流からその地絡事故が構内地絡であるか否かを判定することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視するようにしている。
本出願人は、例えば6.6kVの非接地系電路(三相回路)において、変電所から配電線路を通じて分岐接続される構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する高圧絶縁監視装置を先に提案している(特開2015−108618号公報)。
この実施形態において、構内高圧電路の対地電圧を検出するための対地電圧検出装置は、高圧絶縁監視装置(特開2015−108618号公報)により構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する場合に利用される。
この実施形態の対地電圧検出装置は、図1に示すように、高圧回路の高圧端子11と大地との間に高圧コンデンサ12を接続し、その高圧コンデンサ12の接地線13に流れる電流を計測する変流器14を高圧コンデンサ12の接地線13に取り付け、その変流器14の二次側端子15間にコンデンサ端末16を接続した回路構成を具備する。
一般的に、構内高圧電路に架設された電力需要家の電柱には、高圧気中開閉器(PAS)が設置されている。高圧絶縁監視装置に対地電圧検出装置を適用する場合、その対地電圧検出装置の高圧コンデンサ12は、高圧気中開閉器に内蔵された碍子型コンデンサとすることが可能である。この場合、変流器14は、碍子型コンデンサの接地線に取り付けられることになる。
また、高圧コンデンサ12を前述の碍子型コンデンサとする以外に、高圧絶縁監視装置に対地電圧検出装置を適用する場合、その対地電圧検出装置の接地線13は、構内高圧電路に設置されたCVT型電力ケーブルのシールド線の接地線とすることも可能である。この場合、高圧コンデンサ12は、電力ケーブルの高圧電路とシールド線間の対地静電容量となる。
碍子型コンデンサの接地線あるいは電力ケーブルのシールド線の接地線に取り付ける変流器14としては、クランプ式変流器を使用することが可能である。このクランプ式変流器を採用することにより、取り付け作業が簡単になり、絶縁監視を簡易に行うことができる。なお、クランプ式以外に、例えば、貫通式変流器であってもよい。また、電力ケーブルのシールド線の接地線を三相一体型変流器で各相の電流を個々に計測できるものであってもよい。
以上の構成からなる対地電圧検出装置では、変流器14の二次側端子15間にコンデンサ端末16を接続したことにより、高圧コンデンサ12のコンデンサ容量とコンデンサ端末16のコンデンサ容量による変流器16の変成比機能を利用したコンデンサ分圧が可能となる。
この高圧コンデンサ12とコンデンサ端末16によるコンデンサ分圧でもって対地電圧を検出することができる。つまり、変流器14の二次側端子15間に現出する出力電圧に、変流器14の変成比に基づく変換係数を乗算することにより対地電圧を算出することができる。
つまり、VOUT=C1/(C1+α・C2)×VINとなる。ここで、VINは高圧端子11に印加される入力電圧[V]、VOUTは変流器14の二次側端子15間に現出する出力電圧[V]、C1は高圧コンデンサ12の容量[F]、C2はコンデンサ端末16の容量[F]、αは変成比(変流器14の二次側巻数N2/一次側巻数N1)である。
なお、電力ケーブルのシールド線の接地線に変流器14を取り付ける場合、電力ケーブルの長さや太さにより、電力ケーブルにおける対地静電容量が異なるため、シールド線に流れる電流は、一相当たりの電力ケーブル芯線に印加している対地電圧と電力ケーブルにおける対地静電容量のインピーダンスの関数になる。
つまり、ISC=V/ZC[A]、ZC=1/ωC〔ωは角速度(2πf)〕となる。ここで、ZCは電力ケーブルにおける対地静電容量のインピーダンス(1相当り)[Ω]、Vは対地電圧[V]、Cは電力ケーブルにおける対地静電容量[F]、ISCは電力ケーブルシールド線に流れる電流[A]である。
これから、電力ケーブルの対地静電容量を計測しまたは設定することで、シールド線に流れる電流から対地電圧を計測することができる。
その場合、停電させて電力ケーブルの対地静電容量を直接的に計測するか、あるいは、停電させずに計器用変圧器または三相動力変圧器を利用することにより電力ケーブルの対地静電容量を間接的に計測すればよい。
計器用変圧器(VT)を利用する場合は、電力ケーブルの対地静電容量を間接的に計測する方法として、高圧電路の線間電圧を変成比(60=6600/110)で低圧に変成された二次電圧を利用する方法がある。
計器用変圧器が計測している二次電圧は、高圧電路の線間電圧を計器用変圧器の変成比で除算した値である。従って、計器用変圧器で計測した二次電圧を変成比倍することにより高圧電路の線間電圧を演算できる。そして、対地電圧は、線間電圧からY−Δ電圧変換することで得られる。
次に、電力ケーブルの各相対地インピーダンスと静電容量は、得られた対地電圧を計測した各相シールド線電流で除算することで得られる。さらに、各相対地静電容量C[F]は、電力ケーブルの各相対地インピーダンスを角速度ω(2πf、f=50/60Hz)で除算することで得られる。
一方、三相動力変圧器を利用する場合は、三相動力変圧器の負荷電流による電圧降下が生じている。変圧器の負荷率による電圧降下を補正する必要がある。その補正方法は、三相動力変圧器の銘板に記載のインピーダンス%に変圧器の負荷率の二乗を乗算し変圧器の電圧降下を得ることができる。この変圧器電圧降下を補償することにより高圧電路の線間電圧を得ることができる。そして、対地電圧は、線間電圧からY−Δ電圧変換することで得られる。
次に、電力ケーブルの各相対地インピーダンスと対地静電容量は、得られた対地電圧を計測した各相シールド線電流で除算することで得られる。さらに、各相対地静電容量C[F]は、電力ケーブルの各相対地インピーダンスを角速度ω(2πf)で除算することで得られる。
以上のようにして計測された電力ケーブルの対地静電容量に基づいて対地電圧を算出することができる。
ここで、前述したように求めた三相各相の対地電圧を加算することにより、図2に示すように、零相電圧VOを求めることができる。つまり、EA=VA+VO、EB=VB+VO、EC=VC+VOから、EA+EB+EC=(VA+VB+VC)+3VOとなり、−3VO=VA+VB+VCとなる。
ここで、変流器14の二次側端子15間に現出した出力電圧をADC変換によりアナログ−デジタル変換し、そのデジタル数値(瞬時値)を1波形分(商用周波数1波形)のサンプル数でFT変換(フーリエ変換)することにより、対地電圧(ベクトル)の基本波成分を複素数(ベクトル)の実効値として得ることができる。
この対地電圧の基本波成分は、本出願人が先に提案した高圧絶縁監視装置(特開2015−108618号公報)において、電力ケーブルのシールド線の接地線に流れる電流を90°位相補正することにより得られた対地電圧の基本波成分と同等である。
前述した対地電圧の基本波成分以外に、地絡現象の分析で必要となるもう一つの波形情報は、1波形分(商用周波数1波形)の高周波成分を含む対地電圧および零相電圧の瞬時値である。つまり、対地電圧および零相電圧の瞬時値から得られる電圧波形は地絡要因の情報を含んでいる。
この実施形態の対地電圧検出装置では、コンデンサ分圧により変流器14の二次側端子15間に現出する出力電圧をサンプリング定理に基づくADC変換によりアナログ−デジタル変換したデジタル数値が対地電圧および零相電圧の瞬時値として得られる。
この実施形態で、高圧コンデンサ12とコンデンサ端末16によるコンデンサ分圧でもって変流器14の二次側端子15間に出力電圧が現出するように構成した利点は、高圧電路の電圧波形を変流器14の変成比でそのまま低圧電圧に変成している瞬時値であることから、基本波成分と高周波成分を含む対地電圧および零相電圧の電圧波形が得られることである。
また、電力ケーブルのシールド線の接地線に流れる電流を一括しまとめたシールド線電流と三相電力ケーブルの対地インピーダンスの乗算により求めることができる。つまり、VO=ISO×ZCOとなる。ここで、VOは零相電圧[V]、ZCOは 三相電力ケーブルの対地インピーダンス[Ω]、ISOは 一括した電力ケーブルのシールド線の接地線に流れる電流[A]である。
ところで、この対地電圧検出装置では、高圧コンデンサ12の接地線13に変流器14を介してコンデンサ端末16を接続した構成としている。このことから、コンデンサ端末16の断線により開放状態になっても、例えば6.6kV程度の高電圧が変流器14の二次側端子15間に現出することはない。そのため、対地電圧検出装置を取り扱う作業者にとって安全性に富んだ対地電圧検出装置を提供することができる。
コンデンサ端末16による分圧で変流器14の二次側端子15間に現出した出力電圧に基づいて構内高圧電路の対地電圧を算出する。地絡事故の前兆現象が発生した時、常時計測している対地電圧に基づいて、その地絡事故が構内地絡であるか否かを判定することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する。
高圧コンデンサ12を高圧気中開閉器の碍子型コンデンサとした場合、その碍子型コンデンサに流れる電流を変流器14で検出し、その電流および対地電圧に基づいて、その地絡事故が構内地絡であるか否かを判定することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する。
一方、接地線13を電力ケーブルのシールド線の接地線とした場合、電力ケーブルのシールド線の接地線に流れる電流を変流器14で検出し、その電流および対地電圧に基づいて、その地絡事故が構内地絡であるか否かを判定することで、構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する。
以下、この実施形態のように、変流器14の二次側端子15間に端末負担としてコンデンサ端末16を設ける有効性について説明する。なお、コンデンサ端末16との比較例として、他の端末負担として、抵抗端末およびリアクトル端末を例示する。
図3は、コンデンサ端末(C)、抵抗端末(R)およびリアクトル端末(L)におけるインピーダンスと周波数との関係を示す特性図である。
抵抗端末の場合、変流器14の二次側端子15間に現出する出力値(図中の破線参照)は、波形に含まれる高周波や低周波に対して変動しない一定の周波数数特性となる。
また、リアクトル端末の場合、変流器14の二次側端子15間に現出する出力値(図中の一点鎖線参照)は、波形に含まれる高周波成分が増大する周波数特性となる。
これに対して、コンデンサ端末の場合、変流器14の二次側端子15間に現出する出力値(図中の実線参照)は、波形に含まれる高周波成分が減衰する周波数特性となる。
このように、変流器14の二次側端子15間にコンデンサ端末16を設けることにより、商用周波数(50/60Hz)で得られる出力値を1.0とした場合、周波数がN倍の高周波数になると、変流器14の二次側端子15間に現出する出力値が1/N倍となる。
例えば、変流器14の二次側端子15間に設ける端末負担を50Ωとした場合(図中のAライン参照)、2倍の周波数(2f)時(図中のBライン参照)、リアクトル端末(L)では、インピーダンスが2倍になり、コンデンサ端末(C)では、インピーダンスが1/2倍になる。
その結果、変流器14の二次側端子15間にコンデンサ端末16を接続したことにより、高圧コンデンサ12に印加されている対地電圧の商用周波数(基本波電圧)ばかりでなく、高調波、高周波およびインパルス性波形を抑制した分圧比で得ることができる。
ここで、対地電圧検出装置の変流器14の二次側端子15間にコンデンサ端末16を設けたことにより、二次側端子15間に現出する出力電圧の位相と対地電圧の位相とを一致させることができる。このように、対地電圧検出装置の出力電圧の位相が対地電圧の位相と一致することで、位相補正が不要となって地絡電流を簡易に計測することができる。
本出願人は、コンデンサ端末16を実施例とし、そのコンデンサ端末16に代わる抵抗端末17およびリアクトル端末18を比較例として、変流器14の二次側端子15間に現出する出力電圧の位相と対地電圧の位相とを比較する試験を行った。
図4は抵抗端末17とした時の試験回路を示す。この変流器14の二次側端子15間に抵抗端末17を設けた試験において、入力電圧を70.7Vrms、変流器14の巻線比を1:800、抵抗端末17(100Ω)とした時、
入力電圧 VIN=70.7[Vrms]
インピーダンス Z=1/{(2π60)・1μF}=2652.6[Ω]
変流器の一次電流 IC1=VIN/Z
=70.7V/2652.6Ω
=26.6[mA]
変流器の二次電流 IC2=IC1/巻線比
=26.6[mA]/800
=33.32[μA]
抵抗端末 R=100[Ω]
出力電圧 VOUT=IC2×R
=33.32[μA]×100Ω
∴(計算値)=3.332[mV]
実測値 VOUT(Peak)=4.99[mVP]
OUT(rms)=VOUT(Peak)/√2
=4.99/1.414
∴(実測値)=3.53[mVrms]
結果:誤差[%]={(実測値)−(計算値)}/(計算値)×100[%]
=(3.53mV−3.332mV)/3.332mV×100
=5.89[%]
抵抗端末17では、計算値と実測値の誤差は約6%であった。
図5および図6は試験結果としての出力波形を示す。なお、図6は、図5の条件(入力電圧70.7Vrms、出力電圧3.53mVrms)で、出力側にローパスフィルタ500Hzを挿入した場合を示す。
端末負担を抵抗端末17とした場合、図5および図6に示すように、入力電圧波形VIN(正弦波)に対して出力電圧波形VOUTが90°進み位相となることを実証した。
図7はリアクトル端末18とした時の試験回路を示す。この変流器14の二次側端子15間にリアクトル端末18を設けた試験において、入力電圧を70.7Vrms、変流器14の巻線比を1:800、リアクトル端末18(559mH)とした時、
入力電圧 VIN=70.7[Vrms]
インピーダンス Z=1/{(2π60)・1μF}=2652.6[Ω]
変流器の一次電流 IC1=VIN/Z
=70.7V/2652.6Ω
=26.65[mA]
変流器の二次電流 IC2=IC1/巻線比
=26.65[mA]/800
=33.32[μA]
リアクトル端末 ZL=55mH+1.4kΩ
=√(ωL2+SR2
=√{(2・π・60・0.559)2+14002
=√{210.72+14002
=√{44410.52+1960000}
=1415.78Ω
出力電圧 VOUT=IC2×ZL
=33.3[μA]× 1415.78Ω
∴(計算値)=47.01[mV]
実測値 VOUT(Peak)=71.0[mVP]
OUT(rms)=VOUT(Peak)/√2
=71.0/1.414
∴(実測値)=50.2[mVrms]
結果:誤差[%]={(実測値)−(計算値)} /(計算値)×100[%]
=(50.2mV−47.01mV)/47.01mV×100
=−6.78[%]
リアクトル端末18では、計算値と実測値は、約7%になった。
図8および図9は試験結果としての出力波形を示す。なお、図9は、図8の条件(入力電圧70.7Vrms、出力電圧50.2mVrms)で、出力側にローパスフィルタ500Hzを挿入した場合を示す。
端末負担をリアクトル端末18とした場合、図8および図9に示すように、入力電圧波形VIN(正弦波)に対して出力電圧波形VOUTが遅れ位相となることを実証した。このリアクトル端末18では、リアクタンス(ωL+SR)には、リアクタンス部ωL(210Ω)に直列抵抗分SR(1.4kΩ)が6.66倍もあることから、遅れ位相が20°程度となった。
図10はコンデンサ端末16とした時の試験回路を示す。この変流器14の二次側端子15間にコンデンサ端末16を設けた試験において、入力電圧を70.7Vrms、変流器14の巻線比を1:800、コンデンサ端末16(10μF)とした時、
入力電圧 VIN=70.7[V]
インピーダンス Z=1/{(2π60)・1μF}=2652.6[Ω]
変流器の一次電流 IC1=VIN/Z
=70.7V/2652.6Ω
=26.65[mA]
変流器の二次電流 IC2=IC1/巻線比
=26.65[mA]/800
=33.32[μA]
コンデンサ端末 ZC=1/ωC
=1/(2・π・60・10μF)
=265.26Ω
出力電圧 VOUT=IC2×ZC
=33.32[μA]× 265.26Ω
∴(計算値)=8.84[mV]
実測値 VOUT(Peak)=12.0[mVP]
OUT(rms)=VOUT(Peak)/√2
=12.0/1.414
∴(実測値)=8.48[mVrms]
結果:誤差[%]={(実測値)−(計算値)} /(計算値)×100[%]
=(8.48mV−8.84mV)/8.84mV×100
=−4.07[%]
コンデンサ端末16では、計算値と実測値は、約−4%になった。
図11〜図13は試験結果としての出力波形を示す。なお、図12は、図11の条件(入力電圧70.7Vrms、出力電圧8.48mVrms)で、出力側にローパスフィルタ500Hzを挿入した場合を示す。また、図13は、入力電圧を矩形波(100V)とした場合を示す。
端末負担をコンデンサ端末16とした場合、図11〜図13に示すように、入力電圧波形VIN(正弦波)に対して出力電圧波形VOUTが同一進み位相となることを実証した。
以上の実施形態では、構内高圧電路の対地電圧を検出するための対地電圧検出装置として、前述の高圧絶縁監視装置(特開2015−108618号公報)に適用した場合を例示する。
なお、コンデンサ分圧回路の低圧側出力端子に接続する電気計器や電力用継電器などの入力インピーダンスは、低インピーダンス(1kΩ程度以下)が一般的であるため、単純な分圧回路では誤差が生じる。
この対策として直列接続した2個のコンデンサ容量を加算した容量で商用周波数と共振するインダクタンスをコンデンサの出力側に直列接続することにより、正確に容量比に分圧することができる対地電圧検出装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
この非特許文献1で開示された対地電圧検出装置では、コンデンサの出力側にインダクタンスを直列接続している。これにより、非特許文献1の対地電圧検出装置では、出力側にインピーダンスの外部機器を接続した場合に生じる誤差をコンデンサとインダクタンスの直列共振によりキャンセルする効果がある。
一方、以上で説明した実施形態の対地電圧検出装置は、変流器14の二次側端子15間にコンデンサ端末16のみを接続しているが、変流器14の二次側端子15間に高インピーダンス(1MΩ程度)の高圧絶縁監視装置(特開2015−108618号公報)を接続するため、この実施形態においても、非特許文献1のように、コンデンサ端末16の出力側にインダクタンスを直列接続する構成としてもよい。
このように、コンデンサ端末16の出力側にインダクタンスを直列接続する構成とすれば、この実施形態の対地電圧検出装置においても、変流器14の二次側端子15間に高インピーダンスの高圧絶縁監視装置などの外部機器を接続した場合に生じる誤差をコンデンサ端末16とインダクタンスの直列共振によりキャンセルする効果が得られる。
また、以上の実施形態では、非接地系電路における構内高圧電路の絶縁劣化状態を監視する高圧絶縁監視装置に対地電圧検出装置を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、高圧絶縁監視装置以外の他の装置およびシステムにおいて、対地電圧を検出する場合に使用することが可能である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
11 高圧端子
12 高圧コンデンサ
13 接地線
14 変流器
15 二次側端子
16 コンデンサ端末

Claims (4)

  1. 高圧電路の高圧端子と大地との間に高圧コンデンサを接続し、前記高圧コンデンサの接地線に流れる電流を計測する変流器を高圧コンデンサの接地線に取り付け、前記変流器の二次側端子間にコンデンサ端末を接続したことを特徴とする対地電圧検出装置。
  2. 前記高圧コンデンサは、高圧気中開閉器に内蔵された碍子型コンデンサである請求項1に記載の対地電圧検出装置。
  3. 前記接地線は、構内高圧電路に設置された電力ケーブルのシールド線の接地線である請求項1に記載の対地電圧検出装置。
  4. 前記変流器の二次側端子間に現出する出力電圧に基づいて算出された各相の対地電圧を加算することにより零相電圧を得るように構成した請求項1に記載の対地電圧検出装置。
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