JP2018067487A - 絶縁電線の製造方法 - Google Patents

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槙弥 太田
Shinya Ota
槙弥 太田
雅晃 山内
Masaaki Yamauchi
雅晃 山内
菅原 潤
Jun Sugawara
潤 菅原
田村 康
Yasushi Tamura
康 田村
吉田 健吾
Kengo Yoshida
健吾 吉田
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Abstract

【課題】絶縁被膜の気孔率を管理することにより安定した品質の絶縁電線を製造することが可能な方法を提供する。【解決手段】絶縁電線1の製造方法は、線状の形状を有する導体10を準備する工程と、導体10の外周側の面を覆うように、絶縁体からなり、内部に空孔15を含む絶縁被膜20を形成することにより、導体10と、導体10を被覆する絶縁被膜20とを有する絶縁電線1を得る工程と、絶縁被膜20の色を測定し、測定された絶縁被膜20の色と絶縁被膜20の気孔率との関係に基づいて絶縁被膜20の形成状態を検査する工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線の製造方法に関するものである。
高電圧で使用される電気機器においては、電気機器を構成する絶縁電線に高電圧が印加され、その絶縁被膜表面で部分放電(コロナ放電)が発生し易くなる。コロナ放電が発生すると絶縁破壊が生じやすくなる。そのため、高電圧で使用される電気機器用の絶縁電線には、優れた絶縁性や高い機械的特性を有することに加え、コロナ放電の発生を抑制することが求められる。コロナ放電の発生を抑制するには、誘電率の低い絶縁被膜を有する絶縁電線を準備するのが効果的である。誘電率の低い絶縁被膜を有する絶縁電線として、空孔を有する絶縁被膜を導体上に備えた絶縁電線が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
特開2016−81563号公報 特開2016−110847号公報
空孔を有する絶縁被膜を備える絶縁電線においては、絶縁被膜の気孔率(絶縁被膜の全体積に占める空孔の総体積の割合)が絶縁特性に大きく影響する。安定した品質の絶縁電線を製造するためには、絶縁被膜の気孔率を管理することが好ましい。そこで、絶縁被膜の気孔率を管理することにより安定した品質の絶縁電線を製造することを可能とする絶縁電線の製造方法を提供することを目的の1つとする。
本願の絶縁電線の製造方法は、線状の形状を有する導体を準備する工程と、導体の外周側の面を覆うように、絶縁体からなり、内部に空孔を含む絶縁被膜を形成することにより、導体と、導体を被覆する絶縁被膜とを有する絶縁電線を得る工程と、絶縁被膜の色を測定し、測定された色と絶縁被膜の気孔率との関係に基づいて絶縁被膜の形成状態を検査する工程と、を含む。
上記絶縁電線の製造方法によれば、絶縁被膜の気孔率を管理することにより安定した品質の絶縁電線を製造することが可能となる。
絶縁電線の一例を示す断面模式図である。 絶縁電線の一例を示す断面模式図である。 絶縁電線の一例を示す断面模式図である。 絶縁電線の製造工程を説明するためのブロック図である。 絶縁被膜の色を測定する色彩計の構造を示す模式図である。 絶縁電線の製造方法の手順を示すフローチャートである。 絶縁被膜のL*値と絶縁被膜の気孔率との関係を示すグラフである。 絶縁被膜のb*値と絶縁被膜の気孔率との関係を示すグラフである。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願の絶縁電線の製造方法は、線状の形状を有する導体を準備する工程と、導体の外周側の面を覆うように、絶縁体からなり、内部に空孔を含む絶縁被膜を形成することにより、導体と、導体を被覆する絶縁被膜とを有する絶縁電線を得る工程と、絶縁被膜の色を測定し、測定された色と絶縁被膜の気孔率との関係に基づいて絶縁被膜の形成状態を検査する工程と、を含む。
本発明者らの検討によれば、絶縁被膜の色と、絶縁被膜の気孔率との間には相関関係があることが確認された。本願の絶縁電線の製造方法においては、絶縁被膜の形成状態を検査する工程において絶縁被膜の色が測定され、測定された色と絶縁被膜の気孔率との関係に基づいて絶縁被膜の形成状態が検査される。その結果、本願の絶縁電線の製造方法によれば、絶縁被膜の気孔率を管理することにより安定した品質の絶縁電線を製造することが可能となる。
上記絶縁被膜の形成状態を検査する工程においては、L*a*b*(エルスター・エースター・ビースター)表色系のL*(エルスター)値、a*(エースター)値およびb*(ビースター)値のうち少なくとも1つの値に基づいて絶縁被膜の形成状態が検査されることが好ましい。絶縁被膜の色をL*a*b*表色系の数値に基づき管理することで、絶縁被膜の気孔率をより厳密に管理することができる。
上記絶縁被膜は、ポリイミドを含んでもよい。ポリイミドを含む絶縁被膜は、絶縁性および耐熱性に優れる。そのため、ポリイミドは絶縁被膜を構成する材料として好適である。またポリイミドは特有の色を有する。そのため、絶縁被膜にポリイミドを含むものとすることにより、絶縁被膜の色に基づいて効果的に絶縁被膜の形成状態を検査することができる。
絶縁被膜の形成状態を検査する工程は、オンラインで行われるのが好ましい。絶縁被膜の形成状態を検査する工程をオンラインで検査を行うことにより、連続して絶縁電線の製造を行うことができ、高い生産効率で絶縁電線を得ることができる。なおオンラインで検査を行う状態とは、一連の製造工程内において、絶縁電線を得る工程に引き続き連続して絶縁被膜の形成状態を検査する状態を意味する。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本願の絶縁電線の製造方法の一実施の形態を、図1〜図6を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
[絶縁電線の構造]
本実施の形態において製造される絶縁電線の例を図1〜図3に示す。図1〜図3は、それぞれ、絶縁電線の一例を示す断面模式図を示す。図1を参照して、円形の断面形状を有する絶縁電線1は、円形の断面形状を有する線状の導体10と、この導体10の外周側の面を覆うように導体10を被覆する絶縁被膜20とを備える。絶縁被膜20は絶縁体からなる。絶縁性および耐熱性に優れることから、絶縁被膜20を構成する絶縁体はポリイミドを含むのが好ましい。またポリイミドは特有の色を有する。そのため、ポリイミドを含む絶縁被膜20は、測定される絶縁被膜20の色に基づいて絶縁被膜20の形成状態を効果的に検査することができる。例えば、本実施の形態における絶縁被膜20はポリイミドからなる。図1を参照して、本実施の形態における絶縁被膜20はその内部に空孔15を含む。絶縁被膜20の全体積に占める空孔15の総体積の割合(気孔率)は、一般的に5体積%以上80体積%以下であり、好ましくは10体積%以上60体積%以下、より好ましくは25体積%以上55体積%以下である。ポリイミドなどの絶縁被膜20を構成する材料と空気とでは誘電率が異なることから、絶縁被膜20が空孔15を有することにより絶縁被膜20全体としての誘電率が変化する。ポリイミドの場合、空気よりも誘電率(比誘電率)が高い。ポリイミドからなる絶縁被膜20が空孔15を有することで、空孔15を有しない絶縁被膜20に比べて誘電率の低い絶縁被膜20を得ることができる。
絶縁電線1は、図1に示すように絶縁被膜20の厚み方向全体に渡って均一に空孔15を有していてもよい。また図2または図3のように、絶縁被膜20が、中実層30と、空孔15を有する多孔質層40との多層構造を有していてもよい。図2または図3に示す絶縁電線1は、図1に示す絶縁電線1と同様に、円形の断面形状を有する線状の導体10と、この導体10の外周側の面を覆うように導体10を被覆する絶縁被膜20とを備える。ただし図2に示す絶縁電線1の絶縁被膜20は、導体10の外周面を覆うように形成された、空孔15を有する多孔質層40と、多孔質層40の外周面を覆うように形成された中実層30とを含む多層構造を有する。また図3に示す絶縁電線1の絶縁被膜20は、導体10の外周面を覆うように形成された中実層30と、中実層30の外周面を覆うように形成された、空孔15を有する多孔質層40とを含む多層構造を有する。また図示していないが、絶縁被膜20は、円形の断面形状を有する絶縁電線1の径方向外側に向かって中実層30と多孔質層40とが交互に積層された多層構造を有していてもよい。中実層30の厚みと多孔質層40の厚みとは、必要な特性に合わせて任意に設定できる。
次に、本実施の形態に係る絶縁電線1の製造方法の流れを、図4および図5を参照して説明する。図4は、絶縁電線1の製造工程を説明するためのブロック図である。図5は、絶縁被膜20の色を測定する色彩計2の構造を示す模式図である。
図4を参照して、導線準備部60は、素線供給部50と導線加工部52とを含む。まず素線供給部50から銅線などの素線が供給される。素線は矢印Dの方向に送られ、導線加工部52において所望の形状に加工される。導線加工部52において素線から加工された導体10は、絶縁被膜形成部54に送られる。絶縁被膜形成部54では、導体10の表面に絶縁被膜20が形成される。このようにして、導体10と、導体10を被覆する絶縁被膜20とを有する絶縁電線1が得られる。得られた絶縁電線1は、さらに矢印D2の方向に送られ、検査部56において絶縁被膜20の形成状態が検査される。
検査部56においては、絶縁被膜20の色を測定し、その色と絶縁被膜20の気孔率との関係に基づいて、絶縁被膜20の形成状態を検査する。検査部56においては、色彩計2を用いて検査が行われる。図5を参照して、色彩計2は光照射部72と光検出部74とを有する。色彩計2により絶縁被膜20の色が測定され、絶縁被膜の形成状態が検査される。図4を参照して、検査部56において検査された絶縁電線1は、その後巻取り部58において巻き取られる。
次に図4〜図6を参照して、絶縁電線1の製造方法の手順を説明する。図6は、絶縁電線1の製造方法の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る絶縁電線1の製造方法においては、図6に示すS10〜S30のステップが実施される。図4および図6を参照して、まず導線準備部60において、円形の断面形状を有する線状の導体10を準備する(S10)。具体的には、素線供給部50に保持された素線が素線供給部50から引き出され、導線加工部52において所望の形状に加工される。導体10を構成する材料は、例えば銅である。
次に、絶縁被膜20が形成される(S20)。絶縁被膜20は、線状の形状を有する導体10の外周側の面を覆うように形成される。絶縁被膜20は絶縁体からなり、内部に空孔15を含む。内部に空孔15を含む絶縁被膜20は以下のようにして形成される。一例として、上記絶縁体がポリイミドからなる場合について説明する。まずポリイミドの前駆体である、ポリイミドのプレポリマーを準備する。そのプレポリマーに、ポリイミドの硬化温度よりも低い温度で分解する熱分解樹脂を混合し、ポリイミドプレポリマーと熱分解樹脂との混合物(ワニス)を準備する。準備したワニスを導体10の表面に塗工し、導体10の表面に塗膜を形成する。この塗膜を加熱すると、ポリイミドプレポリマーからポリイミドへの反応が促進される。ポリイミドは熱硬化性であるため、加熱により塗膜が硬化する。また加熱により熱分解樹脂が分解されて気化する。その結果、ポリイミドの硬化被膜中の、熱分解性樹脂が存在していた箇所に空孔15が形成される。このようにして、導体10の外周側の面を覆うように、絶縁体であるポリイミドからなり、内部に空孔15を含む絶縁被膜20が形成される。以上の手順により、導体10と、導体10を被覆する絶縁被膜20とを有する絶縁電線1が得られる。
また以下の様な手順で、図2または図3に示すような、中実層30と、空孔15を有する多孔質層40との多層構造を有する絶縁被膜20を導体10の外周側に形成することもできる。まずポリイミドの前駆体である、ポリイミドのプレポリマーを準備する。次に、そのプレポリマーに熱分解樹脂を混合して得られる、プレポリマーと熱分解樹脂との両方を含有する第1のワニスと、プレポリマーを含有するが、熱分解樹脂は含有しない第2のワニスとを準備する。多孔質層40を形成する場合、第1のワニスが塗布され、加熱される。加熱により熱分解樹脂が分解して気化し、ポリイミドの硬化被膜内に空孔15が形成される。これにより多孔質層40が形成される。また中実層30を形成する場合、第2のワニスが塗布され、加熱される。これにより中実層30が形成される。この手順を繰り返すことにより、所望の順に多孔質層40と中実層30とが形成された多層構造を有する絶縁被膜20を導体10の外周側の面を覆うように形成することができる。
絶縁被膜20を形成するステップS20に引き続き、得られた絶縁電線1を検査する(S30)。ステップS30においては、絶縁被膜20の色を測定し、測定された色と絶縁被膜20の気孔率(絶縁被膜20の全体積に占める空孔15の総体積の割合)との関係に基づいて、絶縁被膜20の形成状態を検査する。図4および図5を参照して、検査部56においては、色彩計2を用いて絶縁電線1を検査する。色彩計2は、光照射部72と光検出部74とを有する。検査においては、色彩計2の光照射部72から絶縁電線1に対して光を照射する。照射された光の一部は絶縁電線1の絶縁被膜20により吸収され、一部は反射される。絶縁被膜20により反射された光(拡散反射光)は、光検出部74によって検出される。光検出部74によって検出された光に基づいて、絶縁被膜20の色を判定する。
色彩計2で測定された絶縁被膜20の色はL*a*b*(エルスター・エースター・ビースター)表色系の数値として表される。L*a*b*表色系とは、物体の色を表すために広く用いられている表色系の一つである。L*a*b*表色系では、明度をL*値、色相と彩度を示す色度をa*値およびb*値で表わす。L*値は0〜100の値をとり、L*値が大きいほど明るい色であることを表す。a*値が正の場合は赤みが強く、a*値が負の場合は緑みが強いことを示す。またb*値が正の場合は黄みが強く、b*値が負の場合は青みが強いことを示す。またa*値およびb*値の絶対値が大きい場合は色が鮮やかであり、a*値およびb*値の絶対値が小さい場合はくすんだ色となる。
本実施の形態においては、数値化された上記L*値、a*値およびb*値のうち少なくとも1つの値に基づいて絶縁被膜20の形成状態が検査される。なかでも、より検査の精度が向上する点で、L*値、a*値およびb*値のうち少なくとも2つの値に基づいて絶縁被膜20の形成状態が検査されるのが好ましい。例えば絶縁被膜20を構成する絶縁体がポリイミドからなる場合、特に絶縁被膜20の気孔率の違いによるL*値またはb*値の変化の差が大きい。そのため、絶縁被膜20のL*値およびb*値のうち少なくとも1つの値に基づいて絶縁被膜20の形成状態を検査することで、絶縁被膜20の気孔率の差をより明確に認知することができる。これにより効果的に絶縁被膜20の形成状態を管理することができる。
本実施の形態において、ステップS30における検査はオンラインで行われる。オンラインで行う検査では、ステップS10〜S30までの一連の工程において、上記ステップS20に引き続き連続して、ステップS20で得られた絶縁被膜20の形成状態の検査を行う。また検査をオンラインで行う場合、図4に示す素線供給部50から巻取り部58に至るまでの一連の流れが、絶縁電線1を切断することなく一体的に行われる。
以上が本実施の形態の絶縁電線1の製造方法の一連の流れである。なお上記実施の形態においては、円形の断面形状を有する線状の導体10を用いたが、導体10の断面形状は円形に限定されず、四角形、六角形など任意の形状に加工することが可能である。
また、上記実施形態においては、色を測定する装置として色彩計2を採用したが、色彩計2に代えて、色を測定するための任意の装置を使用することも可能である。
また、上記実施形態の絶縁被膜20の形成状態を検査するステップ(ステップS30)においては、L*a*b*表色系の数値に基づき絶縁被膜20の形成状態を検査したが、検査で参照する表色系はL*a*b*表色系に限定されない。表色系として、例えばRGB表色系やXYZ表色系などの他の表色系を参照して検査してもよい。
また上記実施の形態においては、検査部56を巻取り部58において巻き取られる直前の位置に配置したが、検査部56を配置する位置はこの位置に限定されない。例えば、導体10上に複数の層の絶縁層を形成することにより絶縁被膜20を形成する場合、巻取り部58において巻き取られる直前の位置に代えて、または巻取り部58において巻き取られる直前の位置とともに、絶縁被膜20が完成する前の中間体の段階において絶縁被膜の色の検査が行える位置に検査部56を配置してもよい。
[検査例]
次に本実施の形態における検査結果の一例を、図7および図8を参照しつつ説明する。図7は絶縁被膜20のL*値と絶縁被膜20の気孔率との関係を示すグラフである。縦軸は絶縁被膜20のL*値を示す。横軸は気孔率(vol%(体積%))を示す。図8は、絶縁被膜20のb*値と絶縁被膜20の気孔率との関係を示すグラフである。縦軸は絶縁被膜20のb*値を示す。横軸は絶縁被膜20の気孔率(vol%(体積%))を示す。
本検査においては、銅からなる導体10と、ポリイミドからなり、導体10を被覆する絶縁被膜20とを備えた絶縁電線1の数種類のサンプルを準備した。各サンプルの絶縁被膜20の色を色彩計2を用いて測定し、L*a*b*表色系の各数値で表されたデータを得た。それぞれのサンプルのL*値と絶縁被膜20の気孔率との関係をプロットし、図7に示すグラフを作製した。またそれぞれのサンプルのb*値と絶縁被膜20の気孔率との関係をプロットし、図8に示すグラフを作製した。図7および図8のグラフにおいて、ひし形(◆)の印は、絶縁被膜20の膜厚が50μmの場合のデータを表す。正方形(■)の印は、絶縁被膜20の膜厚が100μmの場合のデータを表す。三角形(▲)の印は、絶縁被膜20の膜厚が150μmの場合のデータを表す。また実線101および実線102は、絶縁被膜20の膜厚が50μmの場合における上記データを線形近似して得られる直線である。破線111および破線112は、絶縁被膜20の膜厚が100μmの場合における上記データを線形近似して得られる直線である。一点鎖線121および一点鎖線122は、絶縁被膜20の膜厚が100μmの場合における上記データを線形近似して得られる直線である。
図7を参照して、絶縁被膜20の気孔率とL*値との間に実線101、破線111、または一点鎖線121で表される関係があることが確認できた。同様に、図8を参照して、絶縁被膜20の気孔率とb*値との間に実線102、破線112、または一点鎖線122で表される関係があることが確認できた。このように気孔率が未知の絶縁電線1の試料の絶縁被膜20のL*値、a*値およびb*値のうち少なくとも1つの値、好ましくは少なくとも2つの値を測定すれば、その試料の気孔率を見積もることができる。このように、絶縁被膜20のL*値、a*値およびb*値のうち少なくとも1つの値、好ましくは少なくとも2つの値を検査し、気孔率を管理することにより安定した品質の絶縁電線1を製造することが可能となる。
以上のように、絶縁被膜20の色を測定し、測定された色と絶縁被膜20の気孔率との関係に基づいて絶縁被膜20の形成状態を検査する。このように絶縁被膜20の気孔率を管理することにより安定した品質の絶縁電線1を製造することが可能となる。
以上説明した通り、本実施の形態に係る絶縁電線1の製造方法によれば、絶縁被膜20の気孔率を管理することにより安定した品質の絶縁電線1を製造することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願の絶縁電線の製造方法は、絶縁被膜の気孔率を管理することにより安定した品質の絶縁電線を製造することが求められる技術分野において、特に有利に適用され得る。
1 絶縁電線
2 色彩計
10 導体
15 空孔
20 絶縁被膜
30 中実層
40 多孔質層
50 素線供給部
52 導線加工部
54 絶縁被膜形成部
56 検査部
58 巻取り部
60 導線準備部
72 光照射部
74 光検出部
101 実線
102 実線
111 破線
112 破線
121 一点鎖線
122 一点鎖線

Claims (4)

  1. 線状の形状を有する導体を準備する工程と、
    前記導体の外周側の面を覆うように、絶縁体からなり、内部に空孔を含む絶縁被膜を形成することにより、前記導体と、前記導体を被覆する前記絶縁被膜とを有する絶縁電線を得る工程と、
    前記絶縁被膜の色を測定し、測定された前記色と前記絶縁被膜の気孔率との関係に基づいて前記絶縁被膜の形成状態を検査する工程と、を含む、絶縁電線の製造方法。
  2. 前記絶縁被膜の形成状態を検査する工程においては、L*a*b*表色系のL*値、a*値およびb*値のうち少なくとも1つの値に基づいて絶縁被膜の形成状態が検査される、請求項1に記載の絶縁電線の製造方法。
  3. 前記絶縁被膜はポリイミドを含む、請求項1又は請求項2に記載の絶縁電線の製造方法
  4. 前記絶縁被膜の形成状態を検査する工程は、オンラインで行われる、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の絶縁電線の製造方法。
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