JP2018059577A - 冷却装置およびこれを備える動力伝達装置並びに動力伝達装置の製造方法 - Google Patents

冷却装置およびこれを備える動力伝達装置並びに動力伝達装置の製造方法 Download PDF

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みゆき 山崎
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Yuji HIJIRIYAMA
裕二 聖山
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Abstract

【課題】冷却媒体と潤滑油との効率的な熱交換に資する技術を提供すること。
【解決手段】駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部に近接する位置、具体的には 、変速機ケース46内に貯留された潤滑油のうち油面OLの近傍であって、被駆動ギ ヤG’が回転されると直ちに駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部を含む油面 OLの上方に飛散されることとなる潤滑油が存在する領域に熱交換器12を配置する 。このように潤滑油の流れが多い個所(流速が速い個所)に熱交換器12を設置する 構成であるため、潤滑油と冷却水との間の熱交換を効率的に実現できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、原動機からの動力が入力される入力軸と、当該入力軸に平行に配置され駆動軸に接続される出力軸と、入力軸に入力された動力を出力軸に伝達する複数の歯車対と、潤滑油が貯留されたケースと、を備える動力伝達装置の潤滑油を冷却するための冷却装置および当該冷却装置を備える動力伝達装置並びに当該動力伝達装置の製造方法に関する。
特開平8−247263号公報(特許文献1)には、エンジンの動力を車軸に伝達するトランスミッションの冷却装置が記載されている。当該冷却装置では、トランスミッションの下部に設けられた油槽内に熱交換通路としての銅パイプを蛇行形状に配設し、当該銅パイプ内にエンジンを冷却するための冷却水を流通させる構成とすることによって、専用のオイルクーラを不要としてコストダウンを図っている。
特開平8−247263公報
ところで、一般的に熱交換の場に流れがある場合、流速が大きいほど熱伝達率が高くなることが知られており、潤滑油を効率的に冷却するためには、潤滑油の流れの大きな場所に熱交換通路を設置することが好ましい。上述した動力伝達装置では、潤滑油の流れが比較的小さい油槽内に熱交換通路を張り巡らせる構成であるため、潤滑油の冷却効率という点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、冷却媒体と潤滑油との効率的な熱交換に資する技術を提供することを目的とする。
本発明の冷却装置およびこれを備える動力伝達装置並びに動力伝達装置の製造方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る冷却装置の好ましい形態によれば、原動機からの動力が入力される入力軸と、当該入力軸に平行に配置され駆動軸に接続される出力軸と、入力軸に入力された動力を出力軸に伝達する歯車対と、潤滑油が貯留されたケースと、を備える動力伝達装置の潤滑油を冷却するための冷却装置が構成される。当該冷却装置は、入力軸および出力軸の軸線方向に沿って延在すると共に、内部に冷却媒体が流れるように構成された熱交換用パイプ部材を備えている。そして、当該熱交換用パイプ部材は、歯車対によって掻き上げられる直前の潤滑油と熱交換可能なように歯車対の噛合い部近傍に配置されている。ここで、本発明における「歯車対によって掻き上げられる直前の潤滑油」とは、ケースに貯留された潤滑油のうち油面近傍の潤滑油であって歯車対が回転されると直ちに歯車対の噛合い部を含む油面上方に飛散される潤滑油がこれに該当する。
本発明によれば、ケースに貯留された潤滑油のうち潤滑油の流れが大きい領域、即ち、潤滑油の流速が他の領域と比べて大きくなる歯車対の噛合い部近傍に熱交換用パイプ部材を配置する構成であるため、当該熱交換用パイプ部材の内部を流れる冷却媒体と潤滑油との間の熱交換を効率的に行うことができる。これにより、高温となる歯車対の噛合い部に効果的に冷却された潤滑油を供給することができ、歯車対の耐久性の向上を図ることができる。なお、歯車対の噛合い部近傍に熱交換用パイプ部材を配置するのみの構成であるため、設置スペースの省スペース化および軽量化にも繋がる。
本発明に係る冷却装置の更なる形態によれば、冷却媒体によって原動機の冷却を行うように構成されている。そして、原動機を冷却した後の冷却媒体を熱交換用パイプ部材の内部に流すように構成されている。
本形態によれば、動力伝達装置の潤滑油を冷却するための専用の冷却媒体が必要ないため、コストンダウンを図ることができる。
本発明に係る冷却装置の更なる形態によれば、歯車対は、複数設けられている。そして、熱交換用パイプ部材は、当該熱交換用パイプ部材の延在方向から見たときに、当該熱交換用パイプ部材の中心が、複数の歯車対の噛合い部を通る各接線のうち最も出力軸側の第1接線と最も入力軸側の第2接線との間に配置されるように構成されている。ここで、本発明における「延在方向」は、典型的には、熱交換用パイプ部材の軸線方向がこれに該当する。
本形態によれば、入力軸および出力軸の軸線方向の一方側から見たときに、入力軸および出力軸の各中心を結ぶ仮想直線上において出力軸寄りの位置から入力軸寄りの位置に亘って分布する複数の歯車対の各噛合い部のうち最も出力軸寄りの噛合い部を通る第1接線と最も入力軸寄りの噛合い部を通る第2接線との間の領域に熱交換用パイプ部材を配置する構成であるため、歯車対の噛合い部近傍の潤滑油をより効率的に冷却することができる。これにより、歯車対の耐久性の向上をより一層図ることができる。
本発明に係る冷却装置の更なる形態によれば、熱交換用パイプ部材は、延在方向の一方側から他方側に冷却媒体を流す第1直線部と、延在方向の他方側から一方側へ冷却媒体を流す第2直線部と、第1および第2直線部を接続する接続部と、を有している。そして、第1直線部が第1接線寄りに配置され、第2直線部が第2接線寄りに配置されるように構成されている。
本形態によれば、入力軸および出力軸の軸線方向の一方側から見たときに、入力軸および出力軸の各中心を結ぶ仮想直線上において出力軸寄りの位置から入力軸寄りの位置に亘って分布する複数の歯車対の各噛合い部のうち最も出力軸寄りの噛合い部と最も入力軸寄りの噛合い部の近傍に第1および第2直線部がそれぞれ配置される構成であるため、2本の直線部を設けるという極めて簡易な構成で複数の歯車対の各噛合い部近傍の潤滑油を効率良く冷却することができる。
本発明に係る動力伝達装置の好ましい形態によれば、原動機からの動力が入力される入力軸と、当該入力軸に平行に配置され駆動軸に接続される出力軸と、入力軸に入力された動力を出力軸に伝達する歯車対と、潤滑油が貯留されたケースと、上述したいずれかの態様の本発明に係る冷却装置と、を備えている。ケースは、入力軸、出力軸および熱交換用パイプ部材を支持するように構成されている。そして、熱交換用パイプ部材の内部を流れる冷却媒体によって潤滑油が冷却されるように構成されている。
本発明によれば、上述した各態様のいずれかの本発明に係る冷却装置によって動力伝達装置の潤滑油を冷却する構成であるため、本発明に係る冷却装置が奏する効果と同様の効果、例えば、熱交換用パイプ部材の内部を流れる冷却媒体と潤滑油との間の熱交換を効率的に行うことができ、高温となる歯車対の噛合い部に効果的に冷却された潤滑油を供給することができる効果や、設置スペースの省スペース化および軽量化を図ることができる効果などを奏することができる。これにより、動力伝達装置の耐久性の向上や軽量化、コンパクト化を図ることができる。
本発明に係る動力伝達装置の製造方法の好ましい形態によれば、原動機からの動力が入力される入力軸と、当該入力軸に平行に配置され駆動軸に接続される出力軸と、入力軸に入力された動力を出力軸に伝達する歯車対と、潤滑油が貯留されたケースと、上述したいずれかの態様の本発明に係る冷却装置と、を備える動力伝達装置の製造方法が構成される。ケースは、入力軸および出力軸の軸線方向一端部を支持可能に構成されたハウジングと、入力軸および出力軸の軸線方向他端部を支持可能に構成されると共に当該入力軸、出力軸および歯車対を収容可能に構成されたケース本体と、を有している。また、ハウジングおよびケース本体には、熱交換用パイプ部材を挿通可能な挿通孔が形成されている。そして、(a)歯車対によって接続された状態の入力軸および出力軸をハウジングに取り付け、(b)ハウジングに支持された入力軸、出力軸および歯車対を覆うようにハウジングにケース本体を締結することによって、入力軸および出力軸をケース本体に支持し、(c)ケースの外部からハウジングに形成された挿通孔またはケース本体に形成された挿通孔に熱交換用パイプ部材を挿通することによって、当該熱交換用パイプ部材をケースに取り付ける。
本発明によれば、歯車対によって接続された入力軸および出力軸をハウジングに取り付け、当該状態で入力軸、出力軸および歯車対を覆うようにケース本体をハウジングに締結した後、ケースの外部から上述した各態様のいずれかの本発明に係る冷却装置の熱交換用パイプ部材を挿通孔に挿通するのみであるため、動力伝達装置における潤滑油を効率的に冷却して、高温となる歯車対の噛合い部に効果的に冷却された潤滑油を供給する構造を簡易に確保することができる。もとより、歯車対の噛合い部近傍に熱交換用パイプ部材を配置するのみの構成であるため、設置スペースの省スペース化および軽量化を図ることができる。
本発明によれば、冷却媒体と潤滑油との効率的な熱交換に資する技術を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る動力出力装置1の構成の概略を示す構成図である。 エンジン2の構成の概略を示す斜視図である。 ケース本体54を取り外した状態の変速機4をケース本体54側から見た斜視図である。 ケース本体54を取り外した状態の変速機4をケース本体54側から見た正面である。 変速機4をハウジング52側から見た斜視図である。 ハウジング52を取り外した状態の変速機4をハウジング52側から見た斜視図である。 変速機4をケース本体54側から見た斜視図である。 配管83の取り付け状態を示す説明図である。 配管83の取り付け状態を示す説明図である。 冷却装置10の構成の概略を示す模式図である。 熱交換器12の外観を示す外観図である。 熱交換器12を変速機4に取り付ける様子を示す説明図である。 熱交換器12の直線部13a,13bが取付部55の貫通孔55a,55bに挿通された状態を示す説明図である。 熱交換器12の直線部13a,13bがケース本体54の貫通孔58a,58bに挿通された状態を示す説明図である。 フランジ部材74の外観を示す外観図である。 冷却水が熱交換器12内を流れる様子を示す説明図である。 熱交換器12を取付部55に取り付ける際の別例を示す説明図である。 変形例の冷却装置310の構成の概略を示す模式図である。 変形例の変速機304をハウジング352側から見た斜視図である。 ケース本体354を取り外した状態の変形例の変速機304をケース本体354側から見た斜視図である。 変形例の変速機304をケース本体354側から見た正面図である。 フランジ部材374の外観を示す外観図である。 変形例の動力出力装置301の構成の概略を示す構成図である。 冷却水が熱交換器312内を流れる様子を示す説明図である。 冷却水が熱交換器312内を流れる様子を示す説明図である。 変形例の動力出力装置501の構成の概略を示す模式図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る動力出力装置1は、図1に示すように、エンジン2と、当該エンジン2に接続された変速機4と、動力出力装置1の冷却を行うように構成された本発明の実施の形態に係る冷却装置10と、を備えている。エンジン2は、本発明における「原動機」に対応し、変速機4は、本発明における「動力伝達装置」に対応する実施構成の一例である。
エンジン2は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関として構成されており、図2に示すように、主に、シリンダヘッド22と、シリンダヘッド22の下方に締結されたシリンダブロック24と、シリンダヘッド22の上方に取り付けられたロッカーカバー26と、シリンダブロック24の下方に締結されるオイルパン28と、を備えている。
シリンダヘッド22の気筒列方向(図2の左右方向)に直交する側壁の一方には、図2に示すように、後述する冷却装置10の一部を構成するウォータアウトレット32が締結されている。また、シリンダヘッド22の内部には、詳細は後述するが、冷却水が流れるウォータジャケットWJ(図10参照)が形成されている。当該ウォータジャケットも冷却装置10の一部を構成する。
シリンダブロック24の気筒列方向(図2の左右方向)に直交する側壁の一方(ウォータアウトレット32が配置された側とは反対側)には、図2に示すように、後述する冷却装置10の一部を構成するウォータポンプ34が取り付けられている。シリンダブロック24の内部には、詳細は後述するが、冷却水が流れるウォータジャケットWJ(図10参照)が形成されている。また、シリンダブロック24の気筒列方向(図2の左右方向)に沿う側壁の一方には、エンジン2や変速機4などを冷却した後の冷却水をウォータポンプ34に戻すためのサクション通路36が一体に形成されている。サクション通路36には、サーモスタット38が取り付けられている。ブロック側ウォータジャケット、サクション通路36およびサーモスタット38も冷却装置10の一部を構成する。
変速機4は、図3および図4に示すように、クラッチ(図示せず)を介してエンジン2のクランク軸(図示せず)に接続される入力軸42と、当該入力軸42に平行に配置された出力軸44と、入力軸42と出力軸44とを接続するギヤ機構TMと、当該ギヤ機構TMを操作する操作機構AMと、これらを収容する変速機ケース46(図5参照)と、を備えており、手動で操作機構AMを介してギヤ機構TMを操作することによって変速段を切り替える手動変速機として構成されている。変速機ケース46は、本発明における「ケース」に対応し、ギヤ機構TMおよび操作機構AMは、本発明における「機械的な機構」に対応する実施構成の一例である。
出力軸44は、図4に示すように、入力軸42よりも鉛直方向において下方に配置されており、出力軸44よりも鉛直方向において下方に配置された差動装置DFを介して車軸WSに接続されている。これにより、入力軸42から入力されるエンジン2の動力はギヤ機構TM、出力軸44および差動装置DFを介して車軸WSに伝達される。車軸WSは、本発明における「駆動軸」に対応する実施構成の一例である。
ギヤ機構TMは、図3に示すように、入力軸42に配置された駆動ギヤGと、当該駆動ギヤGに噛合うように出力軸44に配置された被駆動ギヤG’と、駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’のうち入力軸42および出力軸44に遊転可能に配置された遊転ギヤを入力軸42および出力軸44に選択的に固定するよう構成されたシンクロ装置Sと、から構成されている。駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’は、本発明における「複数の歯車対」に対応する実施構成の一例である。
操作機構AMは、図3に示すように、シンクロ装置Sの図示しないカップリングスリーブに係合されたシフトフォークSFと、当該シフトフォークSFに一体にされたフォークロッドSFRと、から構成されており、当該フォークロッドSFRが軸方向移動されることによってカップリングスリーブ(図示せず)が軸方向移動されて、所望の遊転ギヤが入力軸42ないし出力軸44に固定される。
変速機ケース46は、図5に示すように、クラッチ(図示せず)および差動装置DF(図4参照)を収容するハウジング52と、入力軸42や出力軸44、ギヤ機構TM、操作機構AMを収容するケース本体54と、から構成されており、内部には、ギヤ機構TMを含む変速機4の各部を潤滑するための潤滑油が貯留されている。潤滑油量は、動力出力装置1を搭載した車両の走行状態に関わらず、変速機4の各部を良好に潤滑することができる程度のオイルレベルOLとなるように設定されている。
図4に示すように、クラッチ(図示せず)が配置される側とは反対側、即ち、ケース本体54が締結される側からハウジング52を見た場合に、ハウジング52のほぼ中央部の領域は、入力軸42や出力軸44、ギヤ機構TMが配置されるスペースSPC1とされており、ハウジング52の中央部に関して右側の領域は、差動装置DF(車軸WS)が収容されるスペースSPC2とされており、ハウジング52の左側下方の領域は、操作機構AM(図4には図示せず)が配置されるスペースSPC3とされている。また、ハウジング52の左端上方(左上隅部)には、図3および図4に示すように、ケース本体54が締結される側が開口され、クラッチ(図示せず)が配置される側が閉じられた(底面となる)袋とじ凹部52aが形成されている。
さらに、ハウジング52の側壁には、袋とじ凹部52aまで貫通する貫通孔が形成された配管取付部52bが突設されている(図3および図5参照)。配管取付部52bは、図3に示すように、袋とじ凹部52aの下端部(図3の下方向の端部)に対応する位置に設けられている。
また、ハウジング52のクラッチ(図示せず)が配置される側とケース本体54が締結される側とを区画する区画壁53には、図4に示すように、後述する冷却装置10の一部を構成する熱交換器12を取り付けるための取付部55が形成されている。取付部55は、駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部とスペースSPC3との間であって、駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部に近接する位置に設けられている。
取付部55には、図4に示すように、クラッチ(図示せず)が配置される側からケース本体54が締結される側まで貫通する二つの貫通孔55a,55bが形成されている。当該二つの貫通孔55a,55bは、図4に示すように、当該貫通孔55a,55bの軸線方向から見た場合に、最も外径の小さな駆動ギヤGと当該駆動ギヤGと噛み合う最も外径の大きな被駆動ギヤG’との噛合い部を通る仮想接線VTL1と、最も外径の大きな駆動ギヤGと当該駆動ギヤGと噛み合う最も外径の小さな被駆動ギヤG’との噛合い部を通る仮想接線VTL2と、の間の領域R内に配置されるように形成されている。言い換えると、貫通孔55a,55bの各中心CP1,CP2が仮想接線VTL1および仮想接線VTL2間に配置されていると言うこともできる。また、当該二つの貫通孔55a,55bの中心CP1,CP2を結ぶ仮想連結線VCL1が入力軸42および出力軸44の各軸中心を結ぶ仮想連結線VCL2にほぼ平行となるように形成されている。仮想接線VTL1,VTL2は、それぞれ本発明における「第2接線」および「第1接線」に対応する実施構成の一例である。
ケース本体54は、図6に示すように、有底筒状部54aと、当該有底筒状部54aの開口側において有底筒状部54aの深さ方向に対して直交する方向に延在する延在部54bと、から構成されている。ハウジング52が締結される側から有底筒状部54aを見た場合に、有底筒状部54aのほぼ左側半分の上側領域、即ち、ハウジング52のスペースSPC1に対応する領域には入力軸42や出力軸44が収容され、有底筒状部54aの下側領域、即ち、スペースSPC3に対応する領域には操作機構AMが収容される。
また、有底筒状部54aの右隅部、即ち、ハウジング52の袋とじ52aに対応する位置には、図6に示すように、ハウジング52側が開口され、ハウジング52側とは反対側が閉じられた(底面となる)深底凹部57が形成されている。これにより、ハウジング52にケース本体54が締結された際には、深底凹部57と袋とじ凹部52aとが整合されて変速機ケース46内に空間LRが構成される。当該空間LRは、ハウジング52の区画壁53から有底筒状部54aの底面54a’に亘る長さとほぼ同じ長さ(深さ)を有しており、比較的大きな容積を有している。また、当該空間LRは、入力軸42や出力軸44、ギヤ機構TM、操作機構AM、差動装置DFなどの機械的な機構から隔離されている。なお、当該空間LRの変速機ケース46における設置位置は、本実施の形態では、動力出力装置1が車両に搭載された際に、当該車両の走行により生ずる走行風によって空間LRが冷却され得る位置とした。
深底凹部57の底面57aは、図6ないし図9に示すように、有底筒状部54aの底面54a’に対して突出するように構成されており、底面57aが突出することにより構成された段差面59aには、深底凹部57まで貫通する貫通孔が形成された配管取付部59bが突設されている(図9参照)。当該構成により、図8および図9に示すように、配管取付部59bおよび当該配管取付部59bに接続される後述する配管83に走行風が当接することを良好に抑制することができる。なお、配管取付部59bは、図9に示すように、深底凹部57の上端部(図9の上方向の端部)に対応する位置に設けられている。即ち、空間LRにおいて配管取付部59bは配管取付部52bよりも高い位置に設けられる。
また、有底筒状部54aの入力軸42や出力軸44、ギヤ機構TMが収容される領域と深底凹部57との間には、図6に示すように、ブリーザ室BRが形成されている。言い換えると、ブリーザ室BRは、有底筒状部54aの入力軸42や出力軸44、ギヤ機構TMが収容される領域から深底凹部57を隔離するように構成されている。
さらに、有底筒状部54aの底面54a’には、図7に示すように、内外を連通する二つの貫通孔58a,58bが形成されている。当該二つの貫通孔58a,58bは、ケース本体54がハウジング52に締結された際に、ハウジング52の二つの貫通孔55a,55bそれぞれと同軸線上となるような位置に形成されている。
延在部54bは、有底筒状部54aに一体成形されており、ハウジング52のスペー スSPC2に収容される差動装置DFを覆うカバー部として機能するように構成され ている(図6参照)。
冷却装置10は、図10に示すように、エンジン2(具体的には、シリンダブロック24)に取り付けられたウォータポンプ34と、エンジン2(具体的には、シリンダヘッド22およびシリンダブロック24)内部に形成されたウォータジャケットWJと、エンジン2(具体的には、シリンダヘッド22)に取り付けられたウォータアウトレット32と、ヒータコア72と、ラジエータRDと、変速機4内部に配置される熱交換器12と、変速機4内部に形成された空間LRと、エンジン2(具体的には、シリンダブロック24)に一体形成されたサクション通路36と、サクション通路36の途中に設けられたサーモスタット38と、エンジン2(具体的には、シリンダヘッド22およびシリンダブロック24)内部に形成された冷却水戻し通路25と、ウォータアウトレット32とヒータコア72とを接続する配管80と、ヒータコア72と冷却水戻し通路25とを接続する配管81と、配管80と熱交換器12とを接続する配管82と、熱交換器12と空間LRとを接続する配管83と、空間LRとサクション通路36とを接続する配管84と、ウォータアウトレット32とラジエータRDとを接続する配管85と、ラジエータRDとサーモスタット38とを接続する配管86と、から構成されている。
ウォータポンプ34は、エンジン2で発生する動力で駆動される。ウォータポンプ34の吐出口は、ウォータジャケットWJの入口に接続されており、ウォータポンプ34から吐出された冷却水がウォータジャケットWJに流れるように構成されている。
ウォータジャケットWJは、主に燃焼室を冷却するためにシリンダヘッド22に形成されたヘッド側ウォータジャケット(図示せず)と、主にシリンダボアを冷却するためにシリンダブロック24に形成されたブロック側ウォータジャケット(図示せず)と、から構成されており、ウォータポンプ34の吐出口から吐出された冷却水が、ブロック側ウォータジャケットに設けた冷却水入口からブロック側ウォータジャケット内に流入した後、ブロック側ウォータジャケットおよびヘッド側ウォータジャケットを流れ、ヘッド側ウォータジャケットに設けた冷却水出口から流出する。なお、ブロック側ウォータジャケットに設けた冷却水入口がウォータポンプ34の吐出口に連通接続される。
ウォータアウトレット32は、ヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口を覆うようにシリンダヘッド22に締結されており、ヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口から流出する冷却水を配管80を介してヒータコア72側に供給すると共に配管85を介してラジエータRD側に供給するように構成されている。即ち、ウォータアウトレット32は、ヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口から流出する冷却水をヒータコア72側およびラジエータRD側に分配して流す分配装置として構成されている。
ヒータコア72は、エンジン2を冷却した後の昇温した冷却水の熱を有効利用して動力出力装置1が搭載された車両の乗務室を暖房するための熱交換器として構成されている。また、ラジエータRDは、エンジン2を冷却した後の昇温した冷却水の熱を系外に放出するための熱交換器として構成されており、図示しないファンにより空冷されている。
熱交換器12は、図11に示すように、U字状パイプ12aと、当該U字状パイプ12aに一体にされたフランジ部12bと、から構成されている。U字状パイプ12aは、一対の直線部13a,13bと、当該一対の直線部13a,13bを接続する折曲部13cと、から構成されている。熱交換器12は、本発明における「熱交換用パイプ部材」に対応し、一対の直線部13a,13bは、それぞれ本発明における「第1直線部」および「第2直線部」に対応し、折曲部13cは、本発明における「接続部」に対応する実施構成の一例である。
一対の直線部13a,13bの折曲部13c寄りの部分および一対の直線部13a,13bの先端部寄りの部分には、OリングOR(図13参照)を取付けるためのリング取付部14a,14bおよびリング取付部15a,15bが形成されている。U字状パイプ12aは、本実施の形態では、熱伝導率の高いアルミにより成形する構成としたが、熱伝導率が高い材質であれば良く、例えば、銅により成形しても良い。
また、フランジ部12bは、一対の直線部13a,13bのうち折曲部13c寄りの部分、より具体的には、折曲部13cとリング取付部14a,14bとの間の位置にロウ付けなどによって一体にされている。フランジ部12bは、本実施の形態では、U字状パイプ12aと同様、アルミにより成形する構成としたが、フランジ部12bは、アルミに限らず他の金属、例えば、鉄により成形しても良い。
こうして構成された熱交換器12は、変速機4の組み付けが完了した後に、変速機ケース46の外部から当該変速機ケース46に組み付けられる。具体的には、図4に示すように、駆動ギヤGおよび被駆動歯車ギヤG’によって接続された入力軸42および出力軸44をハウジング52に取り付け、当該状態において入力軸42、出力軸44、駆動ギヤGおよび被駆動歯車ギヤG’を覆うようにケース本体54をハウジング52に締結することによって変速機4が組み付けられた後に、図12に示すように、ハウジング52側からU字状パイプ12aの一対の直線部13a,13bの両先端部をハウジング52の二つの貫通孔55a,55bに挿通して、フランジ部12bをボルトBLTによりハウジング52の取付部55に締結することによりハウジング52に取り付け固定される。このとき、ハウジング52の二つの貫通孔55a,55bと一対の直線部13a,13bとの間には、図13に示すように、一対の直線部13a,13bのリング取付部14a,14bに取り付けられたOリングORが配置されるため、変速機ケース46内の潤滑油の漏出が良好に防止される。
一方、U字状パイプ12aの一対の直線部13a,13bの先端部は、ケース本体54の底面54a’に形成された二つの貫通孔58a,58bに挿通される。このとき、一対の直線部13a,13bは、図3に示すように、シフトフォークSFに形成された挿通孔(図示せず)に挿通された後に二つの貫通孔58a,58bに挿通される。シフトフォークSFに形成する挿通孔は一対の直線部13a,13bの外径よりも大きい内径を有している。また、ケース本体54の二つの貫通孔58a,58bと一対の直線部13a,13bとの間には、図14に示すように、一対の直線部13a,13bのリング取付部15a,15bに取り付けられたOリングORが配置されるため、変速機ケース46内の潤滑油の漏出が良好に防止される。
こうして変速機4に組み付けられた熱交換器12は、二つの貫通孔55a,55bを有する取付部55が駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部とスペースSPC3との間であって、駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部に近接する位置に設けられているため(図4参照)、駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部に近接する位置に配置されることになる。言い換えると、熱交換器12は、変速機ケース46内に貯留された潤滑油のうち油面OLの近傍であって、被駆動ギヤG’が回転されると直ちに駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部を含む油面OLの上方(図4の上方)に飛散されることとなる潤滑油が存在する領域に配置される(図4参照)。
また、ケース本体54の底面54a’には、図8および図9に示すように、フランジ部材74が締結される。フランジ部材74は、図15に示すように、フランジ部74aと、当該フランジ部74aに一体に突設された略L字状の一対の配管取付部74b,74cと、から構成されている。一対の配管取付部74b,74cは、内部が中空のパイプ材を略L字状に折り曲げることによって構成されており、各先端部が互いに異なる方向に向かうような状態でロー付けなどによってフランジ部74aに固定されている。具体的には、配管取付部74bの先端部が鉛直方向上側に向かって延在しており、配管取付部74cの先端部が鉛直方向下側に向かって延在している。
さらに、一対の配管取付部74b,74cのフランジ部74aにおける位置関係は、ケース本体54の有底筒状部54aの底面54a’に形成された二つの貫通孔58a,58bの位置関係と同じ位置関係となるように構成されている。これにより、底面54a’にフランジ部材74が締結された際には、貫通孔58aが配管取付部74bと連通され、貫通孔58bが配管取付部74cに連通される。配管取付部74bは、図8ないし図10に示すように、配管83によって配管取付部59bに接続され、配管取付部74cは、図10に示すように、配管82によって配管80に接続される。こうして配管80と空間LRとが配管82、熱交換器12および配管83を介して連通される。なお、配管82は、図1および図10に示すように、配管80に突設された配管取付部80aに接続される。
サクション通路36には、図2および図10に示すように、サーモスタット38が設けられた位置よりも下流の位置、より具体的には、ウォータポンプ34とサーモスタット38との間の位置に、配管84を取付けるための配管取付部36aが形成されている。
サーモスタット38は、冷却水の温度に基づいて冷却水の流れを制御するバルブ装置として構成されており、冷却水の温度が所定温度よりも低いときには、サクション通路36からの冷却水をウォータポンプ34に流して、ラジエータRDからの冷却水がウォータポンプ34に流れ込まないように制御し、冷却水の温度が所定温度以上となったときには、サクション通路36からの冷却水がウォータポンプ34に流れ込まないようにして、ラジエータRDからの冷却水をウォータポンプ34に流すように制御する。
配管84は、図10に示すように、一端がサクション通路36の配管取付部36aに接続されると共に、他端がハウジング52の配管取付部52bに接続される。これにより、空間LRとサクション通路36、より具体的には、空間LRとサクション通路36のうちウォータポンプ34とサーモスタット38との間の位置とが連通される。
次に、こうして構成された動力出力装置1の動作に伴ってエンジン2や変速機4、ヒータコア72、ラジエータRDに供給される冷却水の動きについて、図10および図16を参照しながら説明する。エンジン2の運転に伴いウォータポンプ34が駆動されると、当該ウォータポンプ34によって冷却水が圧送される。ウォータポンプ34によって圧送された冷却水は、まず、エンジン2のウォータジャケットWJに流れてエンジン2を冷却する。
エンジン2を冷却した後の冷却水は、ウォータアウトレット32によってヒータコア72およびラジエータRDへ流れるように分配される。ヒータコア72には配管80を介して供給され、ヒータコア72によって放熱された後、配管81、冷却水戻し通路25を通ってサクション通路36に流入し、サクション通路36からサーモスタット38に流れ込む。
冷却水の温度が所定温度よりも低い場合、即ち、エンジン2の暖気が完了していない段階では、サーモスタット38によってサクション通路36からの冷却水がウォータポンプ34に流れ込むように制御され、比較的温度の高い冷却水がエンジン2に供給されて暖気が促進される。
また、ウォータアウトレット32から配管80に流入した冷却水の一部は、配管82を介して熱交換器12に供給される。具体的には、配管82からフランジ部材74の配管取付部74cを介してU字状パイプ12aの一方の直線部13bに流入する。そして、当該一方の直線部13bから折曲部13cを通って他方の直線部13aに流入する。
ここで、熱交換器12は変速機ケース46内に貯留された潤滑油に浸漬されているため(変速機ケース46内に貯留された潤滑油のうち油面OLの近傍であって、被駆動ギヤG’が回転されると直ちに駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部を含む油面OLの上方(図4の上方)に飛散されることとなる潤滑油が存在する領域内に配置されているため)、冷却水が熱交換器12内を流れる際に、変速機4の駆動に伴って高温(例えば、140℃)となった潤滑油(変速機4の各部を潤滑することによって高温となった潤滑油)と熱交換が行われる。なお、変速機ケース46内に貯留された潤滑油のうち油面OLの近傍であって、被駆動ギヤG’が回転されると直ちに駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部を含む油面OLの上方に飛散される潤滑油が存在する領域、即ち、潤滑油の流れが多い個所(流速が速い個所)に熱交換器12が設置される構成であるため、潤滑油と冷却水との間の熱交換を効率的に実現できる。また、効果的に冷却された潤滑油を駆動ギヤGと被駆動ギヤG’の噛合い部に供給することができるため当該噛合い部の潤滑を効果的なものとすることができる。
そして、高温の潤滑油から受熱して高温となった熱交換器12内の冷却水は沸点を超えると蒸発して気化する。これにより、熱交換器12内の圧力が上昇して蒸気がフランジ部材74の配管取付部74bおよび配管83を介して上昇し、配管取付部59bを介して空間LR内に流入する。
空間LR内に流入した蒸気は、空間LRが比較的大きな容積を有すること、および、走行風によって冷却されること、によって空間LR内で減圧され液化される。ここで、空間LRは、ブリーザ室BRによって入力軸42や出力軸44、ギヤ機構TMが収容される比較的高温となる領域から隔離されているため、空間LR内での液化性能が低下することを良好に抑制され得る。そして、液化した冷却水は、配管取付部52bを介して配管84に流れ、配管84からサクション通路36内に流入してウォータポンプ34に供給される。
ここで、空間LR内の減圧に伴って熱交換器12内で気化した冷却水(水蒸気)の空間LR内への流入が促進される。なお、配管取付部59bおよび当該配管取付部59bに接続される配管83は、有底筒状部54aの底面54a’に対して突出された深底凹部57の底面57aによって構成された段差面59aによって、走行風が当たることが良好に抑制されているため、空間LRよりも上流にある配管取付部59bや配管83内で水蒸気が液化されることが良好に抑制され得る。
このように、ウォータポンプ34からエンジン2に供給され、当該エンジン2を冷却した後にヒータコア72に分配される冷却水の一部が、変速機4に設置された熱交換器12によって昇温されてヒートサイフォンの原理によってウォータポンプ34に戻される構成であるため、温度の高い冷却水がエンジン2に供給されることになり、エンジン2の暖気が効果的に促進される。なお、ヒータコア72に分配される冷却水の一部を変速機4を経由させてウォータポンプ34に戻すために専用のポンプが必要ないため、当該ポンプを駆動するためにエンジン2の動力損失が増加したり、あるいは、当該ポンプを駆動するために電力消費量が増加することがない。
また、ポンプを用いずに冷却水を循環させることができるため、例えば、アイドルストップなどによってエンジン2の運転が一時的に停止された状態においても、昇温された冷却水をエンジン2に供給し続けることができる。これにより、エンジン2を再始動する際のフリクションを低減できるため、より一層の燃費向上を実現することができる。
一方、配管85を介してラジエータRDに供給された冷却水は、ラジエータRDによて放熱された後、配管86を通ってサーモスタット38に流れ込む。そして、冷却水の温度が所定温度よりも低い場合、即ち、エンジン2の暖気が完了していない段階では、サーモスタット38によってラジエータRDからの冷却水がウォータポンプ34に流れ込まないように制御され、冷却水の温度が所定温度以上となったとき、即ち、エンジン2の暖気が完了したときに、ラジエータRDからの冷却水がウォータポンプ34に供給される。これにより、エンジン2の冷却を良好に行うことができる。
本実施の形態では、熱交換器12がヒートサイフォンの原理を利用して冷却水を循環させる冷却装置10の構成部品の一つとしたが、これに限らない。例えば、熱交換器12がウォータポンプ34あるいは他のウォータポンプの駆動によって冷却水を循環させる冷却装置の構成部品の一部としても良い。
本実施の形態では、一対の直線部13a,13bのうち折曲部13c寄りの部分にリング取付部14a,14bを設けると共に、当該リング取付部14a,14bにOリングORを取り付けて、ハウジング52の二つの貫通孔55a,55bと一対の直線部13a,13bとの間に当該OリングORを当接させることによって、二つの貫通孔55a,55bと一対の直線部13a,13bとの隙間から変速機ケース46内の潤滑油が漏出することを防止する構成としたが、これに限らない。例えば、図17に示すように、熱交換器12のフランジ部12bとハウジング52の取付部55との間にOリングORを介在させることにより、二つの貫通孔55a,55bと一対の直線部13a,13bとの隙間から変速機ケース46内の潤滑油が漏出することを防止する構成としても良い。この場合、一対の直線部13a,13bには、リング取付部14a,14bを設ける必要がないため、熱交換器12を簡素化することができる。
本実施の形態では、一対の直線部13a,13bの先端部寄りの部分にリング取付部15a,15bを設けると共に、当該リング取付部15a,15bにOリングORを取り付けて、ケース本体54の二つの貫通孔58a,58bと一対の直線部13a,13bとの間に当該OリングORを当接させることによって、二つの貫通孔58a,58bと一対の直線部13a,13bとの隙間から変速機ケース46内の潤滑油が漏出することを防止する構成としたが、これに限らない。例えば、一対の直線部13a,13bの先端部を二つの貫通孔58a,58bに圧入することにより、二つの貫通孔58a,58bと一対の直線部13a,13bとの隙間から変速機ケース46内の潤滑油が漏出することを防止する構成としても良い。この場合、一対の直線部13a,13bには、リング取付部15a,15bを設ける必要がないため、熱交換器12を簡素化することができる。
本実施の形態では、冷却装置10が、U字状パイプ12aと、フランジ部12bと、から構成された熱交換器12を備える構成としたが、これに限らない。例えば、図18に例示する変形例の冷却装置310に示すように、一本の直線状パイプ312aにより構成された熱交換器312を備える構成としても良い。
本実施の形態では、エンジン2の冷却水を熱交換器12に流す構成としたが、これに限らない。例えば、原動機としてモータを用いる場合には、当該モータを冷却する冷却水を熱交換器12に流す構成としても良い。
この場合、ハウジング352には、熱交換器312を取付けるためにハウジング352の区画壁353に設けた取付部355と(図20参照)、配管82を接続するために底壁部に突設した配管取付部352cと(図18および図19参照)、当該配管取付部352cから取付部355まで連通する連通路352dと(図19参照)と、が設けられる。そして、図18および図23に示すように、配管80の配管取付部80aに接続された配管82が当該配管取付部352cに接続される。なお、ハウジング352は、熱交換器312を取付ける構造(取付部355、配管取付部352cおよび連通路352dを設けた点)を除く袋とじ凹部52aなどの他の構成は、基本的には上述した本実施の形態に係るハウジング52と同じ構成をしている。
また、ケース本体354には、図21に示すように、フランジ部材74に変えてフランジ部材374が取り付けられる。フランジ部材374は、図22に示すように、フランジ部374aと、当該フランジ部374aに一体に突設された略L字状の配管取付部374bと、から構成されている。配管取付部374bは、内部が中空のパイプ材を略L字状に折り曲げることによって構成されており、ロー付けなどによってフランジ部374aに固定されている。フランジ部材374は、先端部が鉛直方向上側を向くようにケース本体354に締結される。そして、図18および図23に示すように、深底凹部57に設けられた配管取付部59bと配管取付部374bとが配管83により連通接続される。なお、ケース本体354は、熱交換器312を取付ける構造、具体的には、フランジ部材374を取付けるための構造を除く深底凹部57などの他の構成は、基本的には上述した本実施の形態に係るケース本体54と同じ構成をしている。
こうして構成されたハウジング352およびケース本体354に取り付け固定される熱交換器312は、上述した本実施の形態に係る冷却装置10に用いられる熱交換器12と同様、駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部に近接する位置、即ち、変速機304内に貯留された潤滑油のうち油面OLの近傍であって、被駆動ギヤG’が回転されると直ちに駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’の噛合い部を含む油面OLの上方に飛散される潤滑油が存在する領域、即ち、潤滑油の流れが多い個所(流速が速い個所)に熱交換器312が設置される構成であるため、潤滑油と冷却水との間の熱交換を効率的に実現できる。また、効果的に冷却された潤滑油を駆動ギヤGと被駆動ギヤG’の噛合い部に供給することができるため当該噛合い部の潤滑を効果的なものとすることができる。
このように構成された変形例の冷却装置310においても、エンジン2を冷却した後にヒータコア72側に向かう冷却水の一部は、図18に示すように、配管82から配管取付部352cおよび連通路352dを介して熱交換器312(直線状パイプ312a)に流入し、図24および図25に示すように、当該熱交換器312(直線状パイプ312a)を流れる際に、変速機304内の高温の潤滑油と熱交換され気化し、気化した冷却水が空間LRに流れ込み、当該空間LRで液化された後、配管84によってサクション通路36に供給されるため、上述した本実施の形態に係る冷却装置10と同様の作用効果を奏する。
本実施の形態では、エンジン2からの動力を変速機4を介して車軸WSに伝達する動力出力装置1を冷却装置10によって冷却する構成としたが、これに限らない。例えば、図26に例示する変形例の動力出力装置501を冷却装置10によって冷却する構成としても良い。
変形例の動力出力装置501は、図26に示すように、エンジン2と、当該エンジン2に接続された減速機504と、当該減速機504を介してエンジン2に接続された発電機505と、減速機504に接続されたモータ507と、動力出力装置501の冷却を行う冷却装置10と、を備え、エンジン2により発電機505を駆動することにより発電すると共に、当該発電した電力によってモータ507を駆動する所謂ハイブリッドタイプとして構成されている。なお、エンジン2および冷却装置10は、上述した本実施の形態のエンジン2および冷却装置10と同一であるため、その詳細な説明は省略する。減速機504は、本発明における「動力伝達装置」に対応する実施構成の一例である。
減速機504は、図26に示すように、エンジン2のクランク軸CSにクラッチCLを介して接続され、クランク軸CSの回転速度を増幅して発電機505の回転軸(図示せず)に伝達する増速ギヤ機構TM1と、モータ507の回転軸(図示せず)の回転速度を減速して車軸WSに伝達する減速ギヤ機構TM2と、これらを収容する減速機ケース546と、を備えている。モータ507は、本発明における「原動機」に対応する実施構成の一例である。
減速機ケース546には、図26に示すように、上述した本実施の形態の変速機ケース46と同様、液化室としての空間LRが設けられていると共に、熱交換器12が取り付けられるように構成されている。
こうして構成された変形例の動力出力装置501においても、エンジン2を冷却した後にヒータコア72側に向かう冷却水の一部は、図26に示すように、配管82を介して熱交換器12に流入し、当該熱交換器12を流れる際に、減速機504内の高温の潤滑油と熱交換され気化し、気化した冷却水が空間LRに流れ込み、当該空間LRで液化された後、配管84によってサクション通路36に供給されるため、上述した本実施の形態に係る動力出力装置1と同様の作用効果を奏する。なお、動力出力装置501では、エンジン2による発電が停止されている間も昇温された冷却水がヒートサイフォンの原理によってエンジン2に供給されており、エンジン2の運転停止の間も暖気が維持されているため、エンジン2の再始動性が向上する。即ち、ハイブリッドタイプの動力出力装置501における本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 動力出力装置
2 エンジン(原動機)
4 変速機(動力伝達装置)
10 冷却装置(冷却装置)
12 熱交換器(熱交換用パイプ部材)
12a U字状パイプ
12b フランジ部
13a 直線部(第1直線部)
13b 直線部(第2直線部)
13c 折曲部(接続部)
14a リング取付部
14b リング取付部
15a リング取付部
15b リング取付部
22 シリンダヘッド
24 シリンダブロック
25 冷却水戻し通路
26 ロッカーカバー
28 オイルパン
32 ウォータアウトレット
34 ウォータポンプ
36 サクション通路
36a 配管取付部
38 サーモスタット
42 入力軸(入力軸)
44 出力軸(出力軸)
46 変速機ケース(ケース)
52 ハウジング
52a 袋とじ凹部
52b 配管取付部
53 区画壁
54 ケース本体
54a 有底筒状部
54a’ 底面
54b 延在部
55 取付部
55a 貫通孔
55b 貫通孔
57 深底凹部
57a 底面
58a 貫通孔
58b 貫通孔
59a 段差面
59b 配管取付部
72 ヒータコア
74 フランジ部材
74a フランジ部
74b 配管取付部
74c 配管取付部
80 配管
80a 配管取付部
81 配管
82 配管
83 配管
84 配管
85 配管
86 配管
301 動力出力装置
304 変速機(動力伝達装置)
310 冷却装置(冷却装置)
312 熱交換器(熱交換用パイプ部材)
312a 直線状パイプ
352 ハウジング
352c 配管取付部
352d 連通路
353 区画壁
354 ケース本体
355 取付部
374 フランジ部材
374a フランジ部
374b 配管取付部
501 動力出力装置
504 減速機(動力伝達装置)
505 発電機
507 モータ(原動機)
546 減速機ケース(ケース)
TM ギヤ機構(機械的な機構)
AM 操作機構(機械的な機構)
WJ ウォータジャケット
G 駆動ギヤ(複数の歯車対)
G’ 被駆動ギヤ(複数の歯車対)
S シンクロ装置
SF シフトフォーク
SFR フォークロッド
WS 車軸(駆動軸)
DF 差動装置
OL オイルレベル
SPC1 スペース
SPC2 スペース
SPC3 スペース
VCL1 仮想連結線
VCL2 仮想連結線
VTL1 仮想接線(第2接線)
VTL2 仮想接線(第1接線)
LR 空間
BR ブリーザ室
RD ラジエータ
OR Oリング
CS クランク軸
CP1 貫通孔55aの中心
CP2 貫通孔55bの中心
R 領域
BLT ボルト
CL クラッチ
TM1 増速ギヤ機構
TM2 減速ギヤ機構

Claims (6)

  1. 原動機からの動力が入力される入力軸と、該入力軸に平行に配置され駆動軸に接続される出力軸と、前記入力軸に入力された動力を前記出力軸に伝達する歯車対と、潤滑油が貯留されたケースと、を備える動力伝達装置の前記潤滑油を冷却するための冷却装置であって、
    前記入力軸および前記出力軸の軸線方向に沿って延在すると共に、内部に冷却媒体が流れるよう構成された熱交換用パイプ部材を備え、
    該熱交換用パイプ部材は、前記歯車対によって掻き上げられる直前の前記潤滑油と熱交換可能なよう前記歯車対の噛合い部近傍に配置されている
    冷却装置。
  2. 前記冷却媒体によって前記原動機の冷却を行うよう構成されており、
    前記原動機を冷却した後の冷却媒体を前記熱交換用パイプ部材の内部に流すよう構成されている
    請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記歯車対は、複数設けられており、
    前記熱交換用パイプ部材は、該熱交換用パイプ部材の延在方向から見たときに、該熱交換用パイプ部材の中心が、複数の前記歯車対の噛合い部を通る各接線のうち最も前記出力軸側の第1接線と最も前記入力軸側の第2接線との間の領域に配置されるよう構成されている
    請求項1または2に記載の冷却装置。
  4. 前記熱交換用パイプ部材は、延在方向の一方側から他方側に前記冷却媒体を流す第1直線部と、前記他方側から前記一方側へ前記冷却媒体を流す第2直線部と、前記第1および第2直線部を接続する接続部と、を有しており、
    前記第1直線部が前記第1接線寄りに配置され、前記第2直線部が前記第2接線寄りに配置されるよう構成されている
    請求項3に記載の冷却装置。
  5. 原動機からの動力が入力される入力軸と、
    該入力軸に平行に配置され駆動軸に接続される出力軸と、
    前記入力軸に入力された動力を前記出力軸に伝達する歯車対と、
    潤滑油が貯留されたケースと、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の冷却装置と、
    を備え、
    前記ケースは、前記入力軸、前記出力軸および前記熱交換用パイプ部材を支持するよう構成されており、
    前記熱交換用パイプ部材の内部を流れる冷却媒体によって前記潤滑油が冷却されるよう構成されている
    動力伝達装置。
  6. 原動機からの動力が入力される入力軸と、該入力軸に平行に配置され駆動軸に接続される出力軸と、前記入力軸に入力された動力を前記出力軸に伝達する歯車対と、潤滑油が貯留されたケースと、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の冷却装置と、を備える動力伝達装置の製造方法であって、
    前記ケースは、前記入力軸および前記出力軸の軸線方向一端部を支持可能に構成されたハウジングと、前記入力軸および前記出力軸の軸線方向他端部を支持可能に構成されると共に該入力軸、該出力軸および前記歯車対を収容可能に構成されたケース本体と、を有しており、
    前記ハウジングおよび前記ケース本体には、前記熱交換用パイプ部材を挿通可能な挿通孔が形成されており、
    (a)前記歯車対によって接続された状態の前記入力軸および前記出力軸を前記ハウジングに取り付け、
    (b)前記ハウジングに支持された前記入力軸、前記出力軸および前記歯車対を覆うよう前記ハウジングに前記ケース本体を締結することによって、前記入力軸および前記出力軸を前記ケース本体に支持し、
    (c)前記ケースの外部から前記ハウジングに形成された前記挿通孔または前記ケース本体に形成された前記挿通孔に前記熱交換用パイプ部材を挿通することによって、該熱交換用パイプ部材を前記ケースに取り付ける
    動力伝達装置の製造方法。
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