JP2018048966A - タール成分の分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タールに含まれる有機化合物の分子構造を好適に推定し得るタール成分の分析方法を提供する。
【解決手段】GC/MS又はGC−FIDによりPAHを検出する第一の分析工程と、FD−MS又はMALDI−MSにより分子量分布を測定する第二の分析工程と、NMRにより芳香族環又は炭素同士の二重結合を検出する第三の分析工程とを含み、第二の分析工程において各ピーク同士の間隔が分子量24又は26となる規則性が見られた場合に、各ピークがそれぞれPAHに対応すると推定し、第二の分析工程で検出されたPAHの一部を、第一の分析工程で検出したPAHと同定し、第二の分析工程において見られた規則性は、PAH間の構造の差を反映したものであるとして、第二の分析工程において検出された各ピークに対応するPAHを推定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、タールを構成する成分を分析するための方法に関する。
近年、エネルギー資源として、埋蔵量が豊富で安価な褐炭を利用することが提案されている。低品位炭である褐炭は、無煙炭や瀝青炭といった高品位炭と比較して発熱量が低いうえ、揮発成分が多くハンドリングが難しいため、これまで利用があまり進められてこなかった。しかし近年では、燃料中の成分を水素や一酸化炭素といった合成ガス(ガス化ガス)として取り出すガス化技術の開発が進んでおり、褐炭からでも高い効率でエネルギーを取り出すことができるようになってきている。
ガス化反応を行う装置の一例として、流動層ガス化炉が挙げられる。流動層ガス化炉は、燃料に流動媒体(硅砂等)を混合し、そこに流動化ガス(水蒸気や空気、酸素等)を添加して流動層を形成し、加熱しながら流動させて燃料のガス化を行う装置である。炉内では、燃料と流動化ガスとが均一な反応場で高効率に接触し、ガス化反応が進行する。国内においては、水蒸気を用いて燃料をガス化させる流動層ガス化炉と、ガス化反応を経た残渣を燃焼させる燃焼炉とを組み合わせた二塔式の流動層ガス化炉が開発されている(例えば、下記特許文献1参照)。燃料としては、石炭のほか、バイオマスやごみ、下水汚泥等を使用することができる場合もある。
特開2015−155506号公報 特表2010−515040号公報
こうした流動層ガス化炉では、600〜1000℃前後の比較的低温でガス化反応を行う。このため、合成ガス中にタールが発生しやすく、ガス化炉の後段の冷却過程において、凝集したタールが配管内に付着して配管を閉塞してしまうことが懸念される。したがって、流動層ガス化炉を安定して連続運転するためには、合成ガス中のタールを改質することが不可欠である。有機化合物の集合体であるタールを効率的に処理するためには、その構成成分を明らかにする必要があるが、従来知られている種々の有機化合物の分析方法(上記特許文献2参照)では、タール全体の構成成分の分子量や分子構造を詳細に推定するまでには至っていなかった。
例えば、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)による分析は、分子量数千以上の高分子の分子量分布を求めるのに適しているが、分子量数百程度の中程度の分子量をもつ化合物を多く含むタールの分析には向いていない。一方、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)やガスクロマトグラフ水素炎イオン化検出(GC−FID)では、分子量300程度までの低分子量のタール成分は測定できるものの、より分子量の大きな中〜高分子量の化合物を検出することはできない。また、高速液体クロマトグラフ(HPLC)では、標準試料と未知試料とを同一の溶媒に溶解させる必要があり、分析可能な成分が限定される。液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)では溶媒の種類によってマススペクトルが変化するため、一般的な定性分析に使えるライブラリが整備されていない。このように、既存のいずれの方法も低分子量から高分子量まで様々な成分を含むタール成分の分析には一長一短と言え、よりタール成分の分析に適した分析方法の開発が望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、タールに含まれる有機化合物の分子構造を好適に推定し得るタール成分の分析方法を提供しようとするものである。
本発明は、ガスクロマトグラフを用いた方法により、タール中から少なくとも一種類の多環芳香族化合物を検出する第一の分析工程と、電解脱離質量分析又はマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析の少なくともいずれか一方を用いた方法により、タールを構成する化合物の分子量分布を測定する第二の分析工程と、核磁気共鳴法を用いた方法により、タール中の芳香族環又は炭素同士の二重結合の割合を検出する第三の分析工程とを含み、前記第二の分析工程において、検出された各ピーク同士の間隔が分子量24又は26となる規則性が見られ、且つ前記第三の分析工程において、タールの主成分が芳香族環又は炭素同士の二重結合を骨格とする化合物であると確認された場合に、前記第二の分析工程において見られた各ピークがそれぞれ多環芳香族化合物に対応すると推定し、該第二の分析工程で検出された多環芳香族化合物のうち少なくとも一種類の構造を、前記第一の分析工程で検出した多環芳香族化合物として同定し、さらに、前記第二の分析工程において見られた規則性は、多環芳香族化合物間の構造の差を反映したものであるとして、前記第一の分析工程によって同定した多環芳香族化合物の構造を基に、前記第二の分析工程において検出された各ピークに対応する多環芳香族化合物の構造を推定することを特徴とするタール成分の分析方法にかかるものである。
本発明のタール成分の分析方法において、前記第一の分析工程は、ガスクロマトグラフ質量分析又はガスクロマトグラフ水素炎イオン化検出の少なくともいずれか一方を用いた方法により行われることが好ましい。
本発明のタール成分の分析方法は、炭化水素系燃料から捕集したタールに対して用いることができる。
本発明のタール成分の分析方法は、燃料をガス化して得た合成ガスから捕集したタールに対して用いることができる。
本発明のタール成分の分析方法は、石炭をガス化して得た合成ガスから捕集したタールに対して用いることができる。
本発明のタール成分の分析方法は、流動層ガス化装置を用いて得られた合成ガスから捕集したタールに対して用いることができる。
本発明のタール成分の分析方法によれば、タールに含まれる有機化合物の分子構造を好適に推定し得るという優れた効果を奏し得る。
流動層ガス化装置の一例を示す概要図である。 合成ガス中のタール成分をGC/MSにより測定した結果を示すグラフである。 合成ガス中のタール成分をGC−FIDにより測定した結果を示すグラフである。 GC/MS又はGC−FIDにより同定された化合物の一例を示す表である。 タールを構成する成分の分子量分布をFD−MSにより測定した結果を示すグラフである。 図5において規則的に見られたピーク同士の間隔と、該各ピークに対応する化合物の分子構造との関係を説明する概念図である。 図6に示した関係に基づき、各タール成分の化学構造を推定する概念図である。 タール成分中の炭素同士の結合をNMRにより分析した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
本実施例では、図1に示す如き実験室規模の流動層ガス化装置1を使用し、石炭(ここでは褐炭)から水蒸気によるガス化を経て得た合成ガスに含まれるタールを分析の対象としている。流動層ガス化装置1は、流動層ガス化炉2で発生させた合成ガスを後段のタール捕集部3で冷却してタールを凝集させ、捕集するようになっている。流動層ガス化炉2は、熱媒体として硅砂を使用し、燃料として褐炭を、流動化ガスとして主に水蒸気をそれぞれ供給して合成ガスを得る仕組みである。尚、図中、4はフィルタ、5は流量計、6はタールを除去した後の合成ガスを分析するためのガス分析計である。
流動層ガス化炉2内の温度は一般的に800℃以上1000℃以下が好適であり、より好ましくは800℃以上900℃以下であるが、本実験においては850℃とした。流動層ガス化炉2内に送り込む水蒸気と、燃料中の炭素のモル比(S/C)は1.1とした。
流動層ガス化炉2内で発生した合成ガスは、タール捕集部3の試料採取容器3a内に通される。試料採取容器3aは、例えば、氷水やアセトン/液体窒素等により外側から冷却されるようになっており、試料採取容器3a内を通過する合成ガスはここで冷却され、合成ガス中に含まれるタールが凝集して試料採取容器3a内に付着する。タール捕集部3を通ってタールを除かれた合成ガスは、さらに後段に流れていく。
タールの付着した試料採取容器3aをアセトンで洗浄してタールを得、このタールをGC/MS及びGC−FIDにより測定した(第一の分析工程)。GC/MS測定、GC−FID測定により、それぞれ図2、図3に示す如き結果が得られた。図2、図3におけるピークとして同定される成分は、環数が3〜6、分子量が152〜300の多環芳香族化合物(PAH)であると考えられる。ここで同定されたPAHのうち、一部を図4中に化合物No.1〜No.12として示す。
尚、上にも述べたように、GC/MSやGC−FIDでは、分子量300を超える成分の同定は困難であり、図2や図3の測定結果中にも、分子量300を超えるピークは現れていない。
図5は、タール成分の分子量分布を電解脱離質量分析(FD−MS)により測定した結果を示している(第二の分析工程)。横軸のm/zはイオンの質量を統一原子質量単位及びイオンの電荷数で割った値であり、ほぼ分子の分子量を示す。FD−MSによれば、タール成分の分子量は100〜600程度の範囲に分布しており、特に分子量300前後の成分の分子数が最も多く検出された。また、分子量300以下の範囲では、GC/MSやGC−FIDを用いた第一の分析工程により同定された成分と同じ分子量(178、202、228、252、276)を示すピークが見られた(図2〜図4参照)。
さらに図5におけるピークの位置に注目すると、このピークの位置には規則性があり、分子量24又は26の間隔で強いピークが検出されている(図中、○又は×で示した箇所は、隣り合うピーク同士の間隔(Δ)が分子量にして24又は26であることをそれぞれ示している)。第一の分析工程によって同定された化合物の構造(図4参照)と考え合わせると、図5における強いピークは各々がPAHに対応しており、分子量24又は26の間隔は、特定の構造をもつPAH同士の分子量の差、より詳しくは、「あるPAH(化合物Aとする)の分子量と、該化合物Aに対し一個の芳香族環が付加された構造のPAH(化合物Bとする)の分子量の差」、又は、「あるPAH(化合物Cとする)の分子量と、該化合物Aにおける一部の芳香族環の結合位置が変化した構造のPAH(化合物Dとする)の分子量の差」を反映していると推定することができる。
すなわち、図6(a)に示す如く、四つの芳香族環からなる分子量228の化合物Aに対し、該化合物Aの外側で三つの芳香族環に囲まれた位置に新たな芳香族環が付加された構造の化合物Bの存在を考えると、化合物Bの分子量は252であり、両者の分子量の差は24である。また、図6(b)に示す如く、四つの芳香族環からなる分子量202の化合物Cに対し、該化合物Cのうち一個の芳香族環が別の位置に転位した構造の化合物Dの存在を考えると、化合物Dの分子量は228であり、両者の分子量の差は26である。
第一の分析工程により同定されたPAHの構造(図4参照)にも、同様の法則を見出すことができる。No.1の化合物(分子量202)とNo.3の化合物(分子量226)、No.6の化合物(分子量228)とNo.9の化合物(分子量252)、No.11の化合物(分子量276)とNo.12の化合物(分子量300)を比較すると、構造にそれぞれ図6(a)に示した場合と同様の差異が見られ、分子量の差はいずれも24である。また、No.2の化合物(分子量202)とNo.5又はNo.6の化合物(分子量各228)を比較すると、構造にそれぞれ図6(b)に示した場合と同様の差異が見られ、分子量の差はいずれも26である。
そして、第二の分析工程(FD−MS)において図5に示す如く検出される、より高分子側の成分についても、分子量24又は26の間隔で現れる強いピークに関しては、同様の法則に従って分子構造を推定することができる。
図5中のピークに対応する各成分について推定される分子構造の一例を図7に示す。分子量276のピークについては、第一の分析工程より、図7(a)に示す分子構造を持つ化合物と同定できる(図2〜図4参照)。その隣の分子量302のピークについては、図7(a)に示す化合物と分子量の差が26であることから、図6(b)と同様の法則により、例えば図7(b)に示す如き分子構造を有していると推定できる。さらにその隣の分子量326のピークについては、図7(b)に示す化合物と分子量の差が24であることから、図6(a)と同様の法則により、例えば図7(c)に示す如き分子構造を有していると推定できる。以下、互いに分子量にして24又は26の間隔を置いて並ぶ強いピークに関しては、低分子側の図7(c)から高分子側の図7(j)へと順番に分子構造を推定していくことができる。
ここで、図7に示したような分子構造は、あくまで図6に示す如き芳香族環の構造に基づく法則が正しいという仮定の上に成立する推定であって、分子量300を超える各ピークが実際に図7に示す如きPAHを示しているかは、厳密には断定できない。上記の工程により同定された化合物は、第一の分析工程にて同定された分子量300以下のものに限られ、それより分子量の大きい成分については、第二の分析工程で分子量が測定されたのみだからである。すなわち、例えば、芳香族環を成さない2個の炭素原子、あるいは2個の炭素原子と2個の水素原子の付加によっても、分子量はちょうど24又は26増加し得、仮にそうであった場合、分子量300を超える化合物については、図7に示す如き分子構造の推定は成立しない。
そこで、上述の如き分子構造の推定が成立することを確認するため、第三の分析工程として、核磁気共鳴法(NMR)を用いた分析により、タール中の芳香族環又は炭素同士の二重結合の割合を検出する。図8は、タール成分について双極子デカップリング(DD)法により分析を行った結果を示している。このグラフでは、化学シフトが100〜150[ppm]の範囲のシグナルが炭素原子の二重結合ないし芳香族環に対応しており、0〜50[ppm]の範囲のシグナルが炭素原子の単結合を示している。すなわち、100〜150[ppm]の範囲におけるピークの面積がタール中の炭素原子の二重結合ないし芳香族環の数の多さを示し、0〜50[ppm]の範囲におけるピークの面積が単結合の数の多さを示している。そして、100〜150[ppm]の範囲のシグナルの検出値が0〜50[ppm]の範囲のシグナルと比較して著しく大きいことから、タール中の炭化水素は芳香族環ないし炭素の二重結合を骨格とするものが大半を占めており、第二の分析工程において立てた仮定、およびこれに基づく推定結果が正しいと結論付けることができる。
すなわち、第二の分析工程において見られた図5に示す如き分子量の規則性は、実際に芳香族環の構造に基づくものであることが確認されたと言え、よって、図6に示す如き法則性を用い、図7に示す如く分子構造を推定することができる。
尚、図7(a)〜(j)に示した分子構造は、各ピークについて想定される構造の一例であり、この他に、各ピークに対応する化合物として一種類以上の構造異性体が含まれることも有り得る(例えば、図4に示す如く、分子量228のピークに対応するPAHとしてはNo.5とNo.6の二種類が想定できる)。
ここで、第二の分析工程においては、分子量600程度までの分子量分布を精度良く測定する方法としてFD−MSを用いているが、より大きな分子量の分子を検出するために、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)を用いて測定しても良い。これらの方法は、分析対象とするタールの種類によって使い分けることができる。また、必要に応じてFD−MSとMALDI−MSを併用することもできる。
また、本明細書中では、便宜上、各分析工程を第一の分析工程、第二の分析工程、第三の分析工程と称し、この順に説明したが、これは各分析工程を実行する順序を規定するものではない。実際の分析の手順においては、第一〜第三の分析工程のうちいずれを先に実行しても良いし、複数の分析工程を並行して実行することもできる。
また、ここでは、褐炭からガス化によって得た合成ガス中のタールに対して本発明を適用しているが、本発明による分析の対象とし得るタールはこれに限定されない。第二の分析工程の結果、図5に示す如く、ピーク同士の間隔が分子量24又は26となる規則性が観察され、また、第三の分析工程の結果、図8に示す如く、タールの主成分が芳香族環ないし炭素の二重結合によって構成されることが確認できる限りにおいて、種々のタールの分析に用いることができる。合成ガス以外の炭化水素系ガス中のタールに対して適用しても良いし、褐炭以外の炭化水素系燃料(バイオマス等)から得た合成ガス中のタールの分析に用いることもできる。
以上のように、上記本実施例においては、ガスクロマトグラフを用いた方法により、タール中から少なくとも一種類の多環芳香族化合物を検出する第一の分析工程と、電解脱離質量分析又はマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析の少なくともいずれか一方を用いた方法により、タールを構成する化合物の分子量分布を測定する第二の分析工程と、核磁気共鳴法を用いた方法により、タール中の芳香族環又は炭素同士の二重結合の割合を検出する第三の分析工程とを含み、前記第二の分析工程において、検出された各ピーク同士の間隔が分子量24又は26となる規則性が見られ、且つ前記第三の分析工程において、タールの主成分が芳香族環又は炭素同士の二重結合を骨格とする化合物であると確認された場合に、前記第二の分析工程において見られた各ピークがそれぞれ多環芳香族化合物に対応すると推定し、該第二の分析工程で検出された多環芳香族化合物のうち少なくとも一種類の構造を、前記第一の分析工程で検出した多環芳香族化合物として同定し、さらに、前記第二の分析工程において見られた規則性は、多環芳香族化合物間の構造の差を反映したものであるとして、前記第一の分析工程によって同定した多環芳香族化合物の構造を基に、前記第二の分析工程において検出された各ピークに対応する多環芳香族化合物の構造を推定するので、分子量300を超える多環芳香族化合物であるタール成分の構造を推定することができる。
また、本実施例において、前記第一の分析工程は、ガスクロマトグラフ質量分析又はガスクロマトグラフ水素炎イオン化検出の少なくともいずれか一方を用いた方法により行われるので、タールを構成する成分のうち、分子量300以下の低分子量の化合物を精度良く検出することができる。
したがって、上記本実施例によれば、タールに含まれる有機化合物の分子構造を好適に推定し得る。
尚、本発明のタール成分の分析方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

Claims (6)

  1. ガスクロマトグラフを用いた方法により、タール中から少なくとも一種類の多環芳香族化合物を検出する第一の分析工程と、
    電解脱離質量分析又はマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析の少なくともいずれか一方を用いた方法により、タールを構成する化合物の分子量分布を測定する第二の分析工程と、
    核磁気共鳴法を用いた方法により、タール中の芳香族環又は炭素同士の二重結合の割合を検出する第三の分析工程とを含み、
    前記第二の分析工程において、検出された各ピーク同士の間隔が分子量24又は26となる規則性が見られ、且つ前記第三の分析工程において、タールの主成分が芳香族環又は炭素同士の二重結合を骨格とする化合物であると確認された場合に、前記第二の分析工程において見られた各ピークがそれぞれ多環芳香族化合物に対応すると推定し、
    該第二の分析工程で検出された多環芳香族化合物のうち少なくとも一種類の構造を、前記第一の分析工程で検出した多環芳香族化合物として同定し、
    さらに、前記第二の分析工程において見られた規則性は、多環芳香族化合物間の構造の差を反映したものであるとして、
    前記第一の分析工程によって同定した多環芳香族化合物の構造を基に、前記第二の分析工程において検出された各ピークに対応する多環芳香族化合物の構造を推定することを特徴とするタール成分の分析方法。
  2. 前記第一の分析工程は、ガスクロマトグラフ質量分析又はガスクロマトグラフ水素炎イオン化検出の少なくともいずれか一方を用いた方法により行われる、請求項1に記載のタール成分の分析方法。
  3. 炭化水素系燃料から捕集したタールに対して用いられる、請求項1又は2に記載のタール成分の分析方法。
  4. 燃料をガス化して得た合成ガスから捕集したタールに対して用いられる、請求項3に記載のタール成分の分析方法。
  5. 石炭をガス化して得た合成ガスから捕集したタールに対して用いられる、請求項4に記載のタール成分の分析方法。
  6. 前記合成ガスは、流動層ガス化装置を用いて得られたものである、請求項4又は5に記載のタール成分の分析方法。
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