JP2018048548A - 輸送手段の荷積みにおいてショベル操縦者を補助する方法および補助システム - Google Patents

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Abstract

【課題】露天掘り鉱山における作業コストを低減し、かつショベル運転者の生産性を高める。
【解決手段】本発明は、ショベルによる移動式の輸送手段、特に大型トラックの荷積みにおいてショベル操縦者を補助するための方法に関する。この方法では、輸送手段に荷積みするために実行されるべきショベル荷積みサイクルの数を含む荷積み計画が補助システムを介してショベル操縦者に提示され、および/または輸送手段の荷積み領域における現在の積み荷分布が示される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ショベルによる移動式の輸送手段、特に大型トラックの荷積みにおいてショベル操縦者を補助する方法に関する。
断続的な採掘を行う露天掘り鉱山では、大型トラック(HDトラックとも言う)が適当な輸送手段となり、採掘現場から原料処理場または鉱床へ表土層および原料層を輸送する。露天掘り鉱山の構造によっては、この目的のために非常に長い距離を移動する必要がある。この場合、大型トラックの運転時間はその荷積み時間に比べて非常に長くなる。そのため、露天掘り鉱山における作業コストをできるだけ低く、かつ生産性をできるだけ高くするために、大型トラックに最大許容積載量にできるだけ近い量の荷を積むことが望ましい。
断続的な採掘を行う露天掘り鉱山では、ケーブルショベルまたは油圧ショベルが大型トラックへの荷積みに使用される。両タイプの機械とも、移動させる物質をショベルまたはバケットによって持ち上げ、それを大型トラックの荷台に運ぶことができる。ショベル操縦者の実質的な仕事は、一度のショベル荷積みサイクルにおいて、ショベルを当該機械の適当な制御によって最適な積載量で満たし、この積載物を大型トラックの荷台に運ぶことである。ショベル荷積みサイクルには、ショベルを充填すること、大型トラックの荷積み領域にわたってショベルを移動させること、大型トラックの荷台へ積載物を下ろすこと、および掘削現場へショベルを戻すことが含まれる。大型トラックの最大積載量に応じて、ショベル操縦者は、当該大型トラックに完全に荷積みするためにショベル荷積みサイクルを複数回繰り返す必要がある。大型トラックの最大許容積載量に正確に到達するために、ショベル操縦者は、最後のショベル荷積みサイクルにおいて、当該大型トラックの目標積載量に到達するような量だけショベルを満たさなければならない。
また、ショベル操縦者は、大型トラックの荷台内に物質が均一に分布するように当該荷台へ積載物を下ろす必要がある。特に物質が非常に粗く大きな場合、個々の岩片によって荷台内で不均一な積み荷の分布が生じるおそれがあり、それにより大型トラックが左、右、前、または後に大きく傾くおそれがある。ショベル操縦者は、ショベルの中身を下ろす位置を工夫することによってこの影響を積極的に抑制しなければならない。大型トラックの荷積み領域において積み荷が不均一に分布していると、運転動作中に次のような不都合が生じるおそれがある。
−不安定な運転挙動、または大型トラックの転倒リスクによる操縦者の安全リスク。
−機械的部品(フレーム、支持ジョイント、アクセル、タイヤ)への過負荷およびそれによる早期の疲労または破壊。
−大型トラックの過負荷に起因する計画的な輸送時間の延長、他の大型トラック(交通)への影響。
上述したショベル/大型トラック荷積みサイクルに関して、露天掘り鉱山の生産性および作業コストは、実質的に次のものによって決まる。
−ショベル荷積みサイクルの長さ。
−ショベルの利用度(実際に到達したショベル積載量とその最大許容積載量との比率であって1に近いほどよい)。
−大型トラックの利用度(実際に到達した大型トラックの積載量とその最大許容積載量との比率であって1に近いほどよい)。
−大型トラックに完全に荷積みするために必要なショベル荷積みサイクルの数。
−機械の必要なメンテナンス期間および関連するメンテナンス費用。大型トラックの荷台上の積み荷の分布を均一にすることで、支持ジョイントやタイヤのような構成部品の摩耗を明らかに低減することができる。したがって、メンテナンス費用を低減することができ、大型トラックの利用可能性を向上させることができる。
したがって、ショベル操縦者は、露天掘り鉱山の生産性および作業コストに明らかに影響し得る。技術的な補助が無い場合、ショベル操縦者は、そのショベル運転や大型トラックの積載状態の見積もりに関する経験に頼らなくてはならない。特に、ショベル操縦者は、大型トラックの目標積載量を知ることに加え、その視覚情報によって大型トラックの荷台上の積み荷の分布を推定しなければならない。
したがって、本発明の目的は、上述した問題を克服することができ、かつ最終的にはショベル操縦者の生産性を高めることのできる、ショベル操縦者を補助するための方法および補助システムを提示することである。
この目的は、請求項1の特徴に係る方法によって達成される。方法の有利な態様は、従属請求項の主題である。
本発明によると、輸送手段の荷積みのために実行されるべきショベル荷積みサイクルの数を示す荷積み計画を、補助システムによってショベル操縦者に示すことが提示される。代わりにまたは加えて、輸送手段の荷積み領域における現在の積み荷分布が、当該方法によって追加的に検出され、そしてショベル操縦者に示されてもよい。上述した一連の情報をショベル操縦者に示すことによって、作業を明らかに簡便化することができる。ショベル操縦者を積極的に補助することにより、生産性を著しく向上させることができる。
とりわけ、輸送手段の最適な荷積みを実現するために実行する必要のあるショベル荷積みサイクルの数を示すことにより、ショベル操縦者に最適な作業動作で当該目的に実際に到達しようという動機付けを与えることができる。積み荷分布を示すことでショベル操縦者に不適切な荷積みについて適時知らせることができ、それにより当該ショベル操縦者は容易に対処策を施すことができ、最終的には輸送手段上の均一な積み荷分布が実現される。当該方法によると、輸送手段の最適な荷積みを実現できるのみでなく、輸送手段の早期摩耗のリスクを間接的に低減することができる。
ショベルに注目すると、このことは、土質材料を掘削したり持ち上げたりするための任意の形態のショベル装備、特にショベルおよびバケットにも当てはまる。
「ショベル荷積みサイクル」という用語は、好ましくは、ショベルで物質をすくい上げるプロセスと、当該ショベルを持ち上げることで当該物質を持ち上げるプロセスと、輸送手段の荷積み領域にわたってショベルを移動させるプロセスと、上部旋回体を旋回させるプロセスと、ショベルを掘削現場に戻すプロセスとを含むものである。
「積み荷分布」は、ショベルが輸送手段の荷積み領域に下ろした全物質の分布を指すものと理解されたい。現在の積み荷分布は、原則として、走行装置に荷積みされた物質の現在の重量分布によって特徴付けられるものであって、特に輸送手段の傾き位置に関する推定を可能とする。
本発明の有利な態様によると、補助システムは、輸送手段の荷積み領域に積み込むべき目標積載量に応じて、実行するべきショベル荷積みサイクルの数を決定する。また、理論的なショベル積載量が求められまたは考慮され、必要なショベル荷積みサイクルの数が求められて示される。目標積載量は、輸送手段の所望の積載量を意味していて、例えば輸送手段の最大許容積載量に対応していてもよく、またショベル操縦者が手動で調節することもできる。理想的には、所望の目標積載量の許容誤差(その中に実際の積載量が収まるべきもの)を設定することができ、そのためシステムは目標積載量からの多少のずれを許容してもよい。
理論的なショベル積載量は、ショベル荷積みサイクルあたりの予期されるショベル積載量に対応する。この理論的なショベル積載量を計算するために、特に物理的なショベルサイズとショベルの平均充填率とが考慮に入れられる。この平均充填率は、例えば、ショベル操縦者によって特定されてもよく、期待される物質の量(ショベル荷積みサイクル毎にショベルによって持ち上げられて輸送手段に積み込まれる)を示すものである。また、理論的なショベル積載量の計算に加えて荷積みされる物質の密度を考慮に入れることも考えられる。なぜなら、当該密度は、特に粗粒状のバルク材の場合に、ショベルによって実際に持ち上げられる物質の重量に影響し得るためである。
補助システムは、次に実行されるショベル荷積みサイクルに向けて、持ち上げられるべきショベル積載物の量的および/または質的な特定をショベル操縦者に示してもよい。この提示は、予め定められた荷積み計画に基づくものである。前回までのショベル荷積みサイクルを考慮して、補助システムは、次のショベル荷積みサイクルでショベルによって荷積みされるべき積載量に関する更新された提示を常時行うことができ、それにより最終的には、元々定められた荷積み計画に従った輸送手段の最適な荷積みという目的に到達することができる。
また、補助システムによって、荷積み傾向が求められてショベル操縦者に示されてもよい。荷積み傾向とは、輸送手段の現在の積載量、すなわち輸送手段の荷積み領域に積み込まれた実際の物質の量の、ショベル荷積み計画にしたがって予想される積載量、すなわち現在のショベル荷積みサイクルにおいて予想される積載量からの隔たりの大きさに関する。それにより、ショベル操縦者は、荷積み傾向が特定のショベル荷積み計画による目標に沿っているか、または修正の必要がありもしくは予定の荷積み期間を減らせるかを知ることができる。
輸送手段の現在の実際の積載量、すなわち輸送手段の荷積み領域に積み込まれた実際の物質の量は、補助システムによって、既に実行されたショベル荷積みサイクルの数に基づいて求められ得る。ショベル荷積みサイクルあたりの実際のショベル積載量が求められ、輸送手段の現在の積載量の計算のために使用される。
ショベル荷積みサイクルあたりの実際のショベル積載量、すなわちショベルによって実際に持ち上げられる物質の量は、例えばショベルの内部特性量に基づいて計算することができる。例えば、ショベルまたはショベル作業機器の各アクチュエータ内または作動シリンダ内の圧力レベルが、ここで決定的な役割を果たす。センサによって検出されるこれらの圧力値は、補助システムによって、実際に持ち上げられる積載量の計算に使用されてもよい。しかしながら、加えて、ショベルの位置、またはショベルアーム、ブーム、上部旋回体などの特定のショベル構成要素の現在位置も、決定的な役割を果たし得る。好ましくは、ブーム、ディッパアーム、反転レバー、および/または上部旋回体の傾き値が、検出されて当該計算のために考慮に入れられる。同じことが、昇降シリンダのボトム側および/またはロッド側において検出される圧力値、または検出される上部旋回体の回転速度についても言える。
同時に、ショベル制御のための信号も、実際に持ち上げられるショベル積載量の計算のために考慮に入れられてもよい。
実際のショベル積載量を求めるにあたって重要なのは、計測および計算のタイミングである。例えば、実際のショベル積載量の計算は、ショベル荷積みサイクルの掘削作業を正常に完了した後にのみ行われる必要がある。また、実際のショベル積載量の正確な検出に対して、これがショベルの動的挙動の間またはショベルの準静的状態の間のいずれになされるかが影響する。ショベルの動作中には、動力学的影響によって積載量の計算結果が歪められ得る。ここで、慣性力および摩擦力が無視できない役割を果たす。したがって、準静的状態の間にショベルの実際の積載量を求めることが好ましい。
こうした背景に対して、補助システムは、センサ値の検出および実際のショベル積載量の計算のための適切なタイミングを自動的に求めることが好ましい。また、ショベルの動的状態の間と準静的状態の間との両方において実際のショベル積載量を求めることも考えられる。
動的状態は、例えば、掘削作業の完了後に、ショベルの上部旋回体が輸送手段上の対応する荷下ろし位置に向けて旋回する場合の状態である。この旋回動作の間に、例えば、積載量の計算を実行することができる。ショベルの準静的状態は、例えば、掘削作業の完了後に、ショベルがまず持ち上げられたものの、例えば輸送手段が新たに配置される必要があるかまたはショベルが小休止するために、ショベルが時折停止する場合の状態である。
しかしながら、最適化された作業状態の下では、準静的状態はほとんど現れない。このような背景に対して、動作の動的段階における積載量の算出を最適化することが好ましい。同じ持ち上げられる物質の量を伴う各荷積みサイクルに対する計算結果を、ショベルの動的段階の間および準静的状態の間の両方において利用可能である場合、算出された実際の積載量データに基づいて当該結果に対する動力学的影響の効果を求めることができる。特に2つの積載量の値を比較することにより、当該動力学的影響の効果を求めることと、それに応じて続くショベル荷積みサイクルのための補正値を求めて格納することとができる。この補正値は、その後、実際の積載量の算出の間、続くショベル荷積みサイクルのために考慮される。
また、当該方法によって、ショベルの積載量計算の自動較正がなされることも考えられる。例えば、ショベルの実際のゼロ積載時の重量は、発生する摩耗現象またはショベルにおける物質の残留によって変化し得る。これらの影響を扱いかつ続くショベル積載量の計算のために当該影響を補償できるようにするため、定期的に複数回のショベル積載量ゼロ判定を実行することが望ましい。これらの判定は、特に、補助システムが空のショベルを認識したとき、例えばショベルが輸送手段に荷下ろしした直後に行われる。ショベルが空であることは、例えばショベル制御システムが発する制御信号に基づいて認識可能である。
そして、各積載量ゼロ判定におけるずれにより、例えば続く実際のショベル積載量の計算のために考慮に入れられ得る補正値が規定される。
輸送手段の実際の積載量を検知および算出するために、輸送手段へのショベルの荷下ろしを伴うショベル荷積みサイクルを、輸送手段への荷下ろしを伴わないショベル荷積みサイクルから区別できることが必要である。例えば、ショベル操縦者が、単に持ち上げた物質を配置し直すか、または試運転によって機械の他の設定をチェックするような場合がある。実際に輸送手段への荷下ろしが行われるショベル荷積みサイクルの自動認識により、そのような荷積みサイクルのみが輸送手段の実際の積載量の計算において考慮されることが確保される。認識は、例えば、実行された動作の概要、および/または実際のショベル積載量、および/またはショベルもしくは各ショベル構成要素の現在位置に基づいてなされてもよい。
当該方法の有利な態様によると、荷積み計画は、特にそれまでの全てのショベル荷積みサイクルにわたって実際に実現された全ショベル積載量を考慮に入れて、実行される各ショベル荷積みサイクルの後に更新される。
輸送手段上の積み荷分布を単純に示すことと併せて、輸送手段の荷積み領域における現在の積み荷分布に応じて、次のショベル荷積みサイクルに向けてショベル操縦者に適切な荷下ろし位置を示すことも考えられ、それにより好ましくない積み荷分布を補償することができる。
また、補助システムは、好ましくない積み荷分布を検知した場合にショベル制御に自動的に介入し、定められた荷下ろし位置におけるショベルの荷下ろしを補助してもよいし、または当該荷下ろしを部分的もしくは全体的に自動で実行してもよい。
輸送手段の荷積み領域における積み荷分布は、例えば、当該輸送手段の走行装置において測定される圧力から求めることができる。特に、輸送手段の走行装置の各ショックアブソーバにおいて測定されるガス圧および/または油圧が、この点において指標となる。代わりにまたは加えて、傾きセンサが追加的に設けられてもよく、当該傾きセンサは、車両の縦軸および/または横軸に関する輸送手段の傾きを計算する。このセンサ情報に基づいて、水平面に対する車両の傾きに関連して好ましくない積み荷分布が認識され得る。そして、当該積み荷分布に基づいて、実行予定のショベル荷積みサイクルのための適切な荷下ろし位置が規定されてもよい。
好ましくない積み荷分布の認識、および/または続くショベル荷積みサイクルのための適切な荷下ろし位置の決定は、好ましくは、輸送手段において、または少なくとも部分的にショベルにおいて実行されてもよい。しかしながら、この場合、必要な情報、特に検出されたセンサ値が、2つの装置(すなわち、ショベルおよび輸送手段)の間の通信接続を介してショベルに提供される必要がある。ここで、例えばWLAN、移動無線、Bluetooth、もしくはRFID、または他の適当な通信技術に基づく有線または無線の通信接続を利用することが考えられる。
本発明の有利な態様では、さらに、ショベルが、荷積みされる輸送手段を自動的に認識すること、特に輸送手段の最大許容積載量に関する情報を自動的に取得することが望ましい。また、対応する認識が、2つの装置の間の無線通信を介してなされてもよい。例えば、輸送手段は、好ましくはRFIDトランスポンダの形態における対応する電子的識別子を介して識別されてもよく、当該電子的識別子は、輸送手段がショベルの受信エリアに直接的に近づいた場合に当該ショベルによって自動的に検知され得る。送信側の輸送手段からショベルまでの確定可能な距離を介して、補助システムは、受信エリア内に位置している輸送手段のうちどれが実際にショベルによる荷積みの対象であるかを認識することができる。
また、上述した情報、特に輸送手段およびショベルの検出可能な積載量に基づいて、ショベルの生産性に関する1つ以上の統計が自動的に生成されてもよい。同統計は、例えば、そのために設けられるインタフェースを介して、車両内に蓄積されて将来の検索のために保存されてもよい。そのような統計は、特に、ショベル荷積みサイクルあたりの実際のショベル積載量、および/または荷積みされた輸送手段あたりの実際の輸送手段積載量、および/またはショベル作業1時間あたりの実際のショベル積載量の合計の平均値、および/または輸送手段の定格積載量に到達するためのショベル荷積みサイクルの数の平均値、および/またはショベル作業1時間あたりに一杯にされた輸送手段の数、および/または実際のショベル積載量の合計などに関するものである。
本発明に係る方法と併せて、本発明は、また、本発明に係る方法を実行するための対応する技術的手段を備えた補助システムに関する。したがって、補助システムは、本発明に係る方法に関して上述したのと同様の利点および特性によって特徴付けられる。そのため、繰り返しの説明は不要である。補助システムの構成要素は、ショベルもしくは輸送手段の一方に全て設けられていてもよいし、または両装置に分散して設けられていてもよい。後者の場合、輸送手段とショベルとの間の通信接続が必要となる。
また、本発明は、本発明に係る補助システムまたは当該補助システムの構成要素を備えた装置、特にショベル、好ましくはケーブルショベルもしくは油圧ショベル、または大型トラックに関する。
図1は、油圧ショベルまたはダンプ形態の大型トラックに適用される本発明に係る補助システムの個々の構成要素を示す図である。 図2は、大型トラックの荷台に追加の積み荷を載せるに際しての補助機能を実現するための機能図である。 図3は、自動ショベル積載量計算のための動作モードを説明するための機能図である。 図4は、現在のショベル積載量計算のための計算原理のグラフ図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
以下では、補助システムについて、その動作モードおよび技術的コンセプトに関連してより詳細に説明する。このために、図1は、ショベル操縦者を補助するための補助システムによって使用され得る機械の構成要素を示している。1つのアプリケーションに全ての構成要素が必要な訳ではなく、当該補助システムの実現に使用されるそのような構成要素を機械が既に備えているか、または補助システムの一部のみが実現されてもよい。また、図1は、補助システムの少なくとも一部が、ショベルによって荷積みされる大型トラックに備えられた構成要素に基づくことを示している。
ショベルは、ブームに設けられた傾きセンサ1と、昇降シリンダのボトム側に設けられた圧力センサ2と、ディッパアームに設けられた傾きセンサ3と、反転レバーに設けられた別の傾きセンサ4と、昇降シリンダのロッド側に設けられた圧力センサとを備える。回転速度センサ9は、上部旋回体の回転速度を計測することができ、上部旋回体の傾きは傾きセンサ11によって検出される。
補助ソフトを実行するために、ショベルに設けられたコンピュータ6を利用することができる。補助システムの情報は、ディスプレイ7を介してショベル操縦者に示されてもよい。ショベルを制御するために、少なくとも1つのジョイスティック8を利用することができる。無線モジュール10を介して、大型トラックとの無線接続がなされてもよい。
大型トラックの側には、補助機能の一部を実行するためのコンピュータ12が同様に設けられている。無線モジュール13は、ショベルの無線モジュール10と対をなしている。ショックアブソーバに設けられた圧力センサ15は、積み荷分布計測を行うためのものであり、これは荷積み領域または荷台の水平面に対する傾きを検出する傾きセンサ14によって補助される。RFIDタグ16は、大型トラックを識別するためのものである。RFIDタグは、ショベルの無線モジュール10または追加的な受信ユニットによって読み出されてもよい。
次に、ショベル操縦者を補助するための補助システムの個々の機能について詳しく説明する。
1.機能1−荷積み計画の自動決定
a)機能的な説明
補助システムは、荷積みされる大型トラックに対する荷積み計画を自動的に作り出すことができ、また同トラックに関連して、荷積み作業の全体を通して当該荷積み計画に対するその時々の進捗具合をショベル操縦者に知らせることができる。
荷積み計画は、次のものを示して表すことができる。
i.大型トラックにその最大許容積載量まで完全かつ正確に荷積みするためにまだ必要なショベル荷積みサイクル。
ii.荷積み計画に従うために、次に実行されるショベル荷積みサイクルのために必要なショベル積載量に関する量的および質的な特定。
iii.荷積み傾向、すなわち大型トラックの荷台に既に積まれた積載量の、予期される大型トラック積載量からのずれ。
荷積み計画の自動設定は、実行済みの各ショベル荷積みサイクルの後の大型トラック荷積み作業の間に再び自動的に作りかえられる。過去のショベル荷積みサイクルにおいて実際に実現されたショベル積載量が考慮に入れられてもよい。最後に、変更された荷積み計画が再びショベル操縦者に示されてもよい。この連続したプロセスのおかげで、ショベル操縦者は、最小限のショベル荷積みサイクルで最大HDトラック積載量に到達できるように、次回以降のショベル荷積みサイクルを設計することができるだろう。
b)機能的実現のためのコンセプト
補助システムは、荷積み計画を決定するためのソフトウェアを備えていてもよく、当該ソフトウェアは次の入力情報を処理する。
i.その時々の大型トラック積載量。すなわち、補助システムは、その時々の大型トラック積載量を自動的に計算することができる。この計算は、生産的なショベル荷積みサイクルとして特定された、決定されたショベル積載量に基づく(下記の機能5の説明を参照されたい)。
ii.大型トラックの目標積載量。すなわち、補助システムは、大型トラックの目標積載量に関するデータを受けて処理することができる。これらのデータは、例えば、最初の試運転の間に手動入力によって補助システム内に格納されてもよい。しかしながら、荷積みされる大型トラックが無線接続を介してショベルに設けられた補助システムに当該データを送るものであってもよい(下記の機能6の説明を参照されたい)。
iii.大型トラックの目標積載量に対する許容誤差。すなわち、操縦者は、大型トラックの目標積載量に対する許容誤差を、手動で補助システムに入力することができる。この許容誤差は、大型トラックの目標積載量に対するパーセント値として定義されてもよい。したがって、補助システムは、大型トラックにどの程度の積載量を追加すれば同トラックが完全に満たされたものと認識され得るかを求めることができる。
iv.ショベルのショベル容量。すなわち、補助システムの最初の試運転における手動入力により、ショベルの定格ショベル容量が補助システム内に格納されてもよい。
v.ショベル一杯の充填率。すなわち、補助システムへの手動入力により、操縦者は、ショベルの充填率の平均値を補助システムに格納することができる。
vi.物質の密度。すなわち、補助システムへの手動入力により、操縦者は、積載される物質の密度の平均値を入力することができる。
上記の入力情報に対応して、ソフトウェアは荷積み計画を決定するための次の特性値を計算することができる。
i.大型トラックを完全に充填するまでに残されたショベル荷積みサイクルの数。すなわち、大型トラックの目標積載量と、大型トラックの目標積載量の許容誤差と、ショベルのショベルサイズと、ショベルの平均充填率と、積載される物質の密度とに関する入力情報に対応して、補助システムは、大型トラックに完全に荷積みするために何度のショベル荷積みサイクルを実行する必要があるかを予め求めることができる。よって、この回数は、ショベルによって大型トラックに荷積みする全段階の理論的に理想的な行程に対応している。
ii.ショベルによって大型トラックに荷積みする全段階の理論的に理想的な行程からの大型トラックの荷積み状態の現在のずれ。すなわち、項目iで既に述べたように、補助システムは、大型トラックの荷積みプロセスの理論的に理想的な行程を事前に計算することができる。各ショベル荷積みサイクル後において、補助システムは、この事前計算をその時々の実際の大型トラック積載量の状態と比較することができる。その比較から、補助システムは、予測した大型トラック積載追加量と実際の大型トラック積載量の状態との間の差を求めることができる。この差の数値は、大型トラック荷積みプロセスの理論的に理想的な行程に対するその時々の進捗具合を知らせるための指標としてショベル操縦者に示されてもよい。この情報によって、最小限のショベル荷積みサイクルで大型トラックに完全に荷積みするために、次回以降のショベル荷積みサイクルで遅れを挽回するようショベル操縦者が促され得る。
2.機能2−大型トラックの追加積み荷の分布に対する自動補助
a)機能的な説明
補助システムは、ショベルによって荷積みされる大型トラックが積み荷の追加によって過度に傾いていることを自動的に認識するだろう。この場合、補助システムは、次回以降のショベル荷積みサイクルにおける大型トラックの荷台内の積み荷を、当該大型トラックの傾きが小さくなるかまたは無くなるように分布させるために、適当な指示によってショベル操縦者を補助するだろう。
この目的のために、補助システムは、大型トラックのその積み荷に起因する傾きに関する情報を得てこれを評価するだろう。この情報は、例えば、大型トラックのショックアブソーバの油圧に基づくか、および/または大型トラックの傾きの計測に基づくものであってもよい。補助システムは、無線データ伝達接続を介して、大型トラックから対応するデータを得るだろう。大型トラックとショベルとの間では、大型トラックの荷積み作業の間ずっと連続してデータ交換が行われるだろう。それにより、ショベル操縦者は、大型トラックの傾きや荷台上の荷下ろし箇所に関するその時々の状態をいつでも知ることができる。
大型トラックがその荷台内の好ましくない積み荷分布のために過度に傾いた場合、補助システムは、ショベル操縦者にそのことを知らせて、次回のショベル荷積みサイクルに向けて、大型トラックの積み荷分布をより均一にするために、大型トラック荷台のどの位置でショベルを空にする必要があるかを当該操縦者に指示するだろう。
また、「大型トラックの追加積み荷の分布に対する自動補助」の機能は、補助システムが、ショベル制御に介入することと、ショベルが大型トラックの荷台上の適切な荷下ろし位置にくるようにショベルを動かすこととをできるように構成されてもよい。このショベル自動制御は、別の操作コンセプトに基づくものであってもよい。例えば、ショベル操縦者は、動く必要のある方向へショベルを制御するためにジョイスティックを動かす(傾ける)必要がある場合があり、それによりショベルの移動を可能とする。いったん有効になると、補助システムのソフトウェアアルゴリズムは、ショベル(リフト、ディッパアーム、ショベル、旋回装置)の動きをそれ相応に制御することができ、それによりショベルが位置制御される。しかしながら、必要とされる一連の動きの一部のみが補助システムによって自動的に実行され得る場合もある。例えば、ショベルの回転動作、リフト動作、およびディッパアーム動作のみが自動的に進められる場合もあり、そのため、補助システムは、大型トラックの荷台上の適切な位置にショベルを自動的に移動させるが、ショベルを空にする動作はショベル操縦者が手動で実行する必要がある。
このショベル自動制御に伴う「大型トラックの追加積み荷の分布に対する自動補助」機能の実行は、したがって特に有利である。なぜなら、大型トラックの荷台上の必要な位置へショベルを自動制御することにより、当該荷下ろし位置に実際に到達し、それに対応して大型トラックの傾きが実際に補償され得るためである。また、この機能によってショベル操縦者の機械操作に関する負担が軽減され、それにより操縦者は疲れにくくなり、あるいは次のショベル荷積みサイクルに予め集中しておくことができる。また、この機能により、ショベルと大型トラックとの衝突を回避することができ、それにより事故リスクが低減されかつ機械操縦者の安全性が向上する。また、ショベルの自動制御は、ショベルの現在位置と大型トラックの荷台上の所望位置との間における一連の動きが省時間または省エネルギーになされるように実行されてもよい。したがって、荷積みサイクルに必要な時間が短縮され、かつショベルの燃費が改善される。また、ショベルの自動制御は、大型トラックの荷台に対するショベルの高さを自動で最適化するのに有効であり、それにより、ショベルから大型トラックの荷台への物質の荷下ろしによる大型トラックの荷台の損傷を最小限に抑えることができる。ショベルの利用先に応じて、上述した利点は、それぞれにあるいは組み合わされて、機械の作業コストの低減、機械の生産性の向上、および機械操縦者の安全性の向上に貢献し得る。
b)技術的実現のためのコンセプト
図2は、「大型トラックの追加積み荷の分布に対する自動補助」機能の技術的実現のためのコンセプトおよび体系を示している。この機能は、大型トラックおよびショベルの両方が補助サブシステムを備えていることを必要とする。
したがって、大型トラックは、当該大型トラックの各ショックアブソーバ内の現在の油圧またはガス圧を計測するための圧力センサ15を備えていてもよい。これらの時間に関連した計測信号は、さらに入力モジュールによって受けられ、フィルタ処理および調節されるだろう。また、大型トラックは、車載コンピュータ12を備えるだろう。車載コンピュータ12では、対応するソフトウェアが「荷台内の積み荷分布」17を計算してもよい。
また、大型トラックは、傾きセンサシステム14を備えていてもよい。この傾きセンサシステム14は、大型トラックのその時々の傾きの絶対値を計測することができる。入力モジュールによって、傾きセンサシステム14の信号が受けられ、フィルタ処理され、そして調節されてもよい。コンピュータ12では、対応するソフトウェア18が、大型トラックのその縦軸回りおよび横軸回りにおける現在の傾きを計算してもよい。
ソフトウェアアルゴリズム17,18の結果と、大型トラックの荷台内の現在の積み荷分布ならびに大型トラックのその縦軸および横軸回りの現在の傾きとは、別のソフトウェアアルゴリズム19によって使用されてもよく、それにより大型トラックの荷台内で積み荷が過度に不均一に分布しているかどうか、およびショベル操縦者が次のショベル積載物で大型トラックの積み荷をより均一に分布させる必要があるかどうかが自動的に判断および決定される。
ソフトウェアアルゴリズム19によって大型トラックの傾きが大きくて当該大型トラックの積み荷分布が過度に不均一であると判断された場合、別のソフトウェアアルゴリズム20は、次のショベル積載物で大型トラックの傾きを相殺するために、当該ショベル積載物の位置を計算してもよい。ソフトウェアアルゴリズム20の結果と、次のショベル積載物の位置とは、コンピュータ12によって、それぞれ車載無線モジュール13に送られてもよい。車載無線モジュール13は、種々の無線技術に基づいて構成されていてもよく、一例として、当該無線モジュール13は、移動無線接続(GSM、GPRS、UMTS、LTE、または将来の技術)を介して、局所無線ネットワーク(WLAN、Bluetoothなど)を介して、または他の無線技術によってデータを伝送するものであってもよい。無線モジュール13は、コンピュータ12からデータを得るためのソフトウェア21を有していてもよく、それにより引き続き同データを対応する無線技術を介して送る。よって、無線モジュール13は、コンピュータ12からの「次のショベル積載物の配置」に関する情報を送受信してもよい。
上記大型トラックに荷積みするショベルは、同様に、無線モジュール10を備えていてもよい。この無線モジュール10は、大型トラックの無線モジュール13と同様に、種々の無線技術に基づくものであってもよい。よって、無線モジュール10は、「次のショベル積載物の配置」に関する情報を受けて、さらなる処理のために当該情報をショベルの車載コンピュータ6に送ってもよい。
コンピュータ6では、ソフトウェア22が、「次のショベル積載物の配置」に関する情報を受けて処理してもよく、それにより大型トラックの荷台における当該配置の可視化がなされてもよい。この可視化情報は、引き続き、ショベルの機室内のディスプレイ7に表示されてもよい。大型トラックがその荷台内のひどく不均一な積み荷分布のために過度に傾いている場合、ショベル操縦者には、大型トラックの積み荷を再び均一に分布させるために、大型トラック荷台のどの領域に次のショベル積載物を載せる必要があるかが示されてもよい。
また、コンピュータ6のソフトウェア24は、「次のショベル積載物の配置」に関する情報を入力情報として受けてもよく、それにより当該情報からショベル制御のための信号を算出してもよい。ソフトウェア24は、例えば、ショベルの現在位置から大型トラックの荷台上の所望位置へショベルを動かすために、当該ショベルに必要な経路を算出してもよい。また、ソフトウェア24は、ショベルが当該経路に沿って移動できるように、ショベル制御に必要な一連の制御信号を算出してもよい。この一連の制御信号は、ソフトウェア24によってショベル制御システム25に目標値を特定する形で送られてもよく、それにより自動的なショベル移動が実行される。
3.機能3−ショベル積載量の自動計算
a)機能的な説明
補助システムは、ショベルが持ち上げた物質の実際の積載量を自動的に計算し、それを上述した機能1や機能2の実現のために使用するだろう。これに関して、補助システムは次の機能を有するだろう。
i.ショベル積載量の計算を実行するための最適なタイミングの自動認識。
すなわち、アルゴリズムは、ショベルの作業サイクルを分析し、そこからショベルの積載動作(掘削動作)の完了と、掘削現場から大型トラックの荷台へのショベルの移動(上部旋回体の旋回およびショベルの持上げ)とを認識する。ショベル積載量の自動計算は、例えば、「上部旋回体の旋回」動作と「ショベルの持上げ」動作との間に実行され、そのため、物質を大型トラックの荷台内に下ろす前に計算結果を利用することができる。しかしながら、ショベル積載量の自動計算は、ショベルが準静的状態にある間に実行されてもよく、これには例えば、ショベルが既に持ち上げられて新しい大型トラックへの荷下ろしを待っている状態が該当する。
ii.ショベル積載量の自動計算。
すなわち、ショベルの内部特性量(空間内におけるショベル位置、ショベルの作業機器の油圧シリンダ内の油圧、および/またはショベル制御のための信号)に関連して、補助システムは、ショベルの実際の積載量を計算するだろう。
iii.ショベル積載量の自動計算の結果の精度に関する評価および最適な計算結果の選択。
すなわち、ショベル積載量の自動計算は、ショベルの作業サイクルの選択された段階の間、複数の別個のセクションにおいて実行されてもよい。すると、異なった計算結果が得られる場合がある。対応するアルゴリズムは、様々な計算段階で得られた結果を、実行されたショベル積載量の計算に対する妥当性に関して評価し、そして選択を行うだろう。例えば、次のようなケースが生じ得る。
−ショベル積載量の計算は、ショベルの動的挙動プロセス(上部旋回体の旋回やショベルの持上げ)の間に繰り返し実行されてもよい。この場合、最後の計算段階の結果のみが選択されるだろう。なぜなら、この挙動プロセスの終了時において、当該挙動プロセスの速度が安定し、慣性質量や系の摩擦の計算結果への影響が小さくなるためである。
−ショベル積載量の計算は、ショベルの挙動プロセスの間に、動的な状態に実行され、そして挙動の準静的な段階で実行されてもよい。この場合、挙動の準静的な段階における結果が選択されるだろう。なぜなら、準静的な段階では、ショベル装備およびショベル積載物の慣性質量が計算結果に影響しないためである。また、このケース例では、ショベル積載量の計算は、複数の動的挙動シーケンスおよび複数の静的挙動シーケンスにおいて実行されてもよい。全ての計算段階が1つのショベル荷積みサイクルに属している限り、最後の静的計算段階が選択されるだろう。
iv.動的作用(慣性力および摩擦力)の補償。
すなわち、ショベル積載量の自動計算は、ショベルの作業プロセスの間、当該ショベルの動力学から独立して実行されるだろう。計算プロセスおよび計算結果は、ショベル作業プロセスの間において、ショベルおよび/またはショベルの作業機器の速度および加速度からほとんど独立して実行され、当該計算結果は、ショベル荷積みサイクルの動力学から独立した規定精度内で同じものになるだろう。
露天掘り鉱山においてショベルおよび大型トラックを適用する場合、非常に多くの場合において、荷積みされる大型トラックが正しい荷積み位置に移動する前に、または大型トラックが荷積み位置に移動している間に、最初のショベル充填が行われる。これは、ショベルの前における、荷積みされた大型トラックと空の大型トラックとの必要な変更によるものである。非常に多くの場合において、ショベル操縦者は、ショベルを一杯にするためにショベルで掘削作業を行い、引き続きショベルを荷下ろし位置に移動させ、大型トラックがその正しい荷積み位置に移動するのを待たなければならない。
補助システムは、これらのシーケンスを自動的に認識し、ショベルの動的挙動シーケンス(例えば、上部旋回体の旋回やショベルの持上げ)の間や、ショベルの準静止位置(待機段階)において、ショベル積載量の自動計算を実行するだろう。
引き続き、補助システムは、動的挙動シーケンスと静的挙動シーケンスとの間におけるショベル積載量の自動計算の結果の差を求めるだろう。続くショベル荷積みサイクルにおいて、この差は、補助システムによって実際のショベル積載量の計算のための補正値として利用され、それによりショベル積載量の計算における全ての動力学的な影響(慣性力、摩擦力)が考慮に入れられる。
補正値を求めるプロセスは、上述した状態(ショベル積載量の計算結果は、動的ショベル挙動および準静的ショベル状態に対応するショベル荷積みサイクルにわたって利用可能)が実行される時ならいつでも繰り返されるだろう。補助システムは、求められた補正値を所定期間にわたって格納し、または得られた一連の補正値から平均値を求めるだろう。そして、補正値の平均値は、さらなるショベル荷積みサイクルにおけるショベル積載量の自動計算に利用されるだろう。
b)技術的実現のためのコンセプト
図3は、ショベル積載量の自動計算を実現するためのコンセプトを示している。これによると、ショベルは、次のようなセンサシステムを備えていてもよい。
−ブームの全体的な傾きを検出する傾きセンサ1。この傾きセンサ1は、加速度計に基づいて、または加速度計と回転速度計との組合せに基づいて構成されていてもよい。
−ディッパアームに設けられ、当該ディッパアームの全体的な傾きを検出する傾きセンサ3。
−反転レバーに設けられ、当該反転レバーの全体的な傾きを検出する傾きセンサ4。あるいは、この傾きセンサ4は、反転レバーとバケットとの間の接続タブに設けられていてもよい。対応する構成要素の傾きから、バケットの傾きが最終的に推量されてもよい。
−上部旋回体の全体的な傾きを検出する傾きセンサ11。
−昇降シリンダのボトム側に向かう油圧ラインに設けられ、当該シリンダのボトム側の現在の油圧を計測する圧力センサ2。
−昇降シリンダのロッド側に向かう油圧ラインに設けられ、当該シリンダのロッド側の現在の油圧を計測する圧力センサ5。
−上部旋回体に設けられ、当該上部旋回体のその時々の回転速度を計測できる回転速度センサ9。
−ショベル制御用のジョイスティックの振れを測定するセンサシステム8。2つの制御ジョイスティックの当該信号は、ショベル操縦者の現在の操縦意志に関する情報を示す。
また、補助システムは、全ての必要なセンサ信号を受け、それらの信号を調節およびフィルタ処理し、そしてさらなる行程のために当該処理信号をコンピュータ6に送る入力モジュールを備えていてもよい。
コンピュータ6にはソフトウェア26が存在していてもよい。当該ソフトウェア26は、まず傾きセンサ1,3,4,11の処理信号を受け、それらからショベルの全体的な位置を計算する。
また、コンピュータ6にはソフトウェア27が存在していてもよい。当該ソフトウェア27は、ソフトウェア26によって算出されたショベル位置を入力量として用い、さらにセンサ2,5,9,8の現在の信号を用いて、ショベルの現在の積載量を計算する。
現在のショベル積載量の計算は、次の原理に基づいていてもよい。計算原理は、図4に概略的に示されている。ショベル装備の旋回点32回りにおいて、存在するトルクの釣り合いを考えることができる。旋回点32に存在するトルクは、次式にしたがって推定することができる。
[数1]
0=TMeasured−TLoad−TStatic Attachment−TDynamics
−TLoadは、ショベル内の質量と、当該質量のX方向における旋回点32までの距離とから得られるトルクに相当する。このトルクから、ショベル内の質量を得ることができる。
−TStatic Attachmentは、作業機器の個々の構成要素の全質量から得られるトルクに相当する。このトルクは、個々の構成要素(ブーム、ディッパアーム、バケット、昇降シリンダ、ディッパアームシリンダ、バケットシリンダなど)の質量と、空間内における質量中心とを知ることによって計算することができる。
−TDynamicsは、作業機器の動的挙動の結果としての全ての力を組み合わせたトルクに相当する。例えば、TDynamicsにおいて旋回点32回りのトルクを計算することができる。このトルクは、上部旋回体のその旋回軸回りの回転動作によって得られる。この上部旋回体の回転動作の結果として、作業機器の構成要素に遠心力が作用する。当該遠心力は、各構成要素の重心に適用される。また、TDynamicsにおいて、作業機器の可動部品間の摩擦によって得られるトルクを考慮に入れてもよい。そのような摩擦は、例えば、油圧シリンダにおいて、同シリンダが動いてすぐに生じ得る。
−TMeasuredは、ショベル装備を保持しまたは動かすために昇降シリンダ駆動が利用するトルクに相当する。このトルクは、昇降シリンダのその時々の力と、ショベル装備の全体的な位置とから計算することができる。昇降シリンダのその時々の力は、当該昇降シリンダのボトム側およびロッド側で計測された圧力から計算することができる。
上記の計算原理にしたがって、ショベル内の積載物の質量を割り出すことができる。よって、計算ソフトウェア27は、ショベルのその時々の積載量に関する値を連続的に提供することができる。
図3に示すように、コンピュータ6にはソフトウェア28が存在していてもよい。当該ソフトウェア28は、ソフトウェア27によって算出されたショベル積載量に関する値を評価および選択する。この評価および選択は、ショベル操縦者およびさらなる補助システムに、その時に荷積みされる大型トラックに対するショベル荷積みサイクルの積載量に対応しかつ高精度に従う値を提供することを狙いとする。したがって、ソフトウェア28は、例えば、ジョイスティックセンサ8の信号と、圧力センサ2,5の信号と、上部旋回体の回転速度センサ9の信号と、傾きセンサ1,3,4,11の信号とを分析するアルゴリズムを備えていてもよい。この分析によって、ショベルがすぐに大型トラックの荷積みを行うか、または他の作業を行うかを判断することができる。また、この分析によって、ショベルが掘削段階を終えて、ショベルを持ち上げて大型トラックに向かって上部旋回体を旋回させるための作業段階にあるかどうかを判断することができる。ショベルがそのような作業段階にある場合、ソフトウェア28は、「現在の積載量の計算」27に関する最新の値が軽量プロセスの結果として提供されることを決めてもよい。
しかしながら、ソフトウェアアルゴリズム28は、おそらく最も正確な現在の積載量の値に関連して、「ショベルの現在の積載量の計算」の値を選択してもよい。この目的のために、ソフトウェアアルゴリズム28は、センサ1,2,3,4,5,8,9,および11の信号を分析し、積載量の値の選択に関連するものに分類されるショベルの作業段階が静的と見なすことのできる瞬間を含んでいるかどうかを判断してもよい。それらの時間区分の全てが、ショベルが動的挙動を示さない「静的」として見なされてもよい。この場合、ソフトウェアアルゴリズム27にしたがったショベルの現在の積載量の計算において、TDynamicsの項が「ゼロ」になることがわかる。「TDynamics」の項は数学的用語で記述するには非常に複雑な複数の構成要素からなるため、この項がショベルの現在の積載量の計算において誤差の原因になることが予想される。したがって、ソフトウェアアルゴリズム28は、静的条件の下で得られた積載量の計算値を選択してもよい。
同様に、ソフトウェアアルゴリズム28は、静的作業段階における積載量の値と、動的作業段階における積載量の値との間の差を、両方の積載量の値がショベルの同じ作業段階内で算出されたものである限りにおいて求めることのできる機能を有していてもよい。ソフトウェアアルゴリズム28は、引き続き、作業機器の旋回点32回りのトルク均衡における動的トルクの端数を補正するために、当該差を計算アルゴリズム27に送ってもよい。それにより、「ショベルの現在の積載量の計算」27の精度を高めることができる。
さらなる計算のために、モジュール28は、ショベルの現在の積載量を、ディスプレイ7を介した値の可視化を行うモジュール29に送る。
4.ショベル積載量の計算の自動較正
a)機能的な説明
補助システムは、ショベル積載量の計算の自動較正を行い、ショベルの使用においてショベル積載量の自動計算を歪めるおそれのある様々な影響を補正するだろう。以下に例を挙げる。
i.ショベルを使用すると、ショベルは必ず摩耗する。ショベル歯部、歯部リップ、および保護リップは、移動させる物質に進入することで摩耗する。したがって、ショベル質量は、その使用期間にわたって変化していく。補助システムは、この影響を自動的に認識し、そして自動較正によってショベル積載量の計算を補正するだろう。
ii.物質がショベル内外に付着したままになることもある。このことは、凍結した氷の土壌での使用時に特に頻繁に生じる。これによっても、ショベルの質量が変化する。補助システムは、この影響を自動的に認識し、そして自動較正によってショベル積載量の計算を補正するだろう。
iii.使用するセンサシステムにおける長期の影響(疲労、摩耗)によって、計算結果のずれが生じ得る。補助システムは、そのような影響を自動的に認識し、そして自動較正によってショベル積載量の計算を補正するだろう。
b)技術的実現のためのコンセプト
図3の機能図によると、補助システムは、アルゴリズム28による結果を評価するソフトウェアアルゴリズム30を備える。アルゴリズム28は、ショベルの動作や現在の状態を分析することができ、それによりショベルが大型トラックに荷積みしているのか、あるいは他の作業を行っているのかに関する情報を提供することができる。また、アルゴリズム28は、ショベルが何らかの動作を行っているのか、または静止状態にあるのかを判定することができる。そして、ソフトウェアアルゴリズム30は、ショベルの動作状態に関する情報を、ショベルの積載量の連続した計算27の結果と組み合わせてもよい。当該情報から、ソフトウェアアルゴリズム30は次のケースを導き出してもよい。
ケース1:i.ショベルが静止位置にあって短い期間にわたって動かされていない。このことは、ショベルが次の大型トラックを待つ必要がある場合に非常に頻繁に生じる。ii.ショベルが物質で満たされていない。iii.ショベルが地面に下ろされていない。
ケース2:i.大型トラックの荷台への荷下ろし作業の後、ショベルは掘削現場の方へ再び動かされる。ii.ショベルがもはや物質で満たされていない。iii.ショベルが地面に下ろされていない。iv.作業機器が下げられていない。
これらのケースの一方が認識された場合、ソフトウェアアルゴリズムは、ショベルの現在の積載量の連続した計算27のばらつきを「ゼロ」とするだろう。計算結果の「0」からのずれが生じた場合、ショベルの現在の積載量のさらなる計算に対して「0」との差が補正値として使用されるだろう。
5.機能5−生産的なショベル荷積みサイクルおよび非生産的な作業プロセスの自動識別
a)機能的な説明
補助システムは、ショベルが、大型トラックの荷積みに貢献する荷積みサイクルもしくは動作を行っているか、または大型トラックの荷積みに貢献しない荷積みサイクルもしくは動作を行っているかを自動的に認識および判断するだろう。大型トラックの荷積みに貢献する荷積みサイクルは、ショベルのこのような作業動作のみが露天掘り鉱山の直接の生産性に寄与するため、「生産的なショベル荷積みサイクル」として識別されるだろう。ショベルの他の全ての作業動作は、掘削現場の準備に役立つか、または他の準備作業やテスト作業に貢献するものである。
補助システムの上述した機能1は、生産的なショベル荷積みサイクルおよび非生産的な作業プロセスの自動認識をそれぞれ必要とする。機能1によって、補助システムは大型トラックの積載量を自動的に計算することができる。ここで、この計算は、生産的なショベル荷積みサイクルに割り当てられるショベル積載量に基づいて実行される。
したがって、機能5によると、ショベル操縦者は、決定されたショベル積載量を大型トラックの積載量に割り当てるために、ショベル荷積みサイクルの実行中に補助システムへの手動入力を行わなくてもよい。
b)技術的実現のためのコンセプト
図3の機能図によると、補助システムは、「ショベルの現在の積載量の選択」を行うソフトウェアアルゴリズム28を備えていてもよい。
したがって、ソフトウェアアルゴリズム28は、「ショベル装備の全体的な位置の計算」に対するソフトウェアアルゴリズム26の結果を分析してもよい。さらに、ソフトウェアアルゴリズム28は、ソフトウェアアルゴリズム27の結果を分析してもよく、また機械の制御のためのジョイスティックの信号を分析してもよい。
これらの分析によって、ソフトウェアアルゴリズム28は、ショベルが、生産的なショベル荷積みサイクルを行っているか、または非生産的な作業プロセスを行っているかを識別することができる。したがって、当該分析に関連して、補助システムは、ショベルがそのショベルを大型トラックの荷台に向けて空にしているのか、または違った態様でショベルを空にしているのかを自動的に検知することができる。
ソフトウェアアルゴリズム28の機能によって、補助システムは次のことをできる。
−その時々の大型トラック積載量を求めるために、対応するショベル荷積みサイクルのショベル積載量を放出する。
−その時々の大型トラック積載量を計算する。
−当該ショベル荷積みサイクルに対応するショベル積載量の計算を完了およびリセットする。
−当該ショベル荷積みサイクルに対応するデータ記録を保存する。
−項目1に対応する荷積み計画に従って適合する。
6.機能6−荷積みされる大型トラックの自動識別
a)機能的な説明
補助システムは、荷積みされる大型トラックを自動的に識別し、そして機能1および機能2を実現するために必要な全ての識別データを使用するだろう。したがって、補助システムは、荷積みされる大型トラックとショベルとの間で大型トラックの識別情報を交換するための技術を備えるだろう。この技術は、種々の無線データ通信技術に基づくものであってもよい。情報の交換は、大型トラックの名称、タイプ、および最大積載量に関するデータを少なくとも含むだろう。
ショベルの使用時には、当該ショベルの付近に複数の大型トラックが存在することもあり得る。この場合、補助システムは、直接的に荷積み距離内にはない大型トラックを区別することができ、したがってショベルによってすぐに荷積みされる大型トラックを識別することができる。
b)技術的実現のためのコンセプト
図1に示すように、ショベルは、一般的な無線モジュール10を備える。この無線モジュール10は、様々な無線技術に基づくものであってもよい。
例えば、無線モジュール10は、標準化されたWLAN技術に基づいて構成されていて、局所無線ネットワークを介してデータを送受信するものであってもよい。局所無線ネットワークの標準的な無線周波数は、IEEE802.11規格において規格化されている。今日、最も広く使用されている無線周波数は2.4GHzまたは5GHzである。
また、無線モジュール10は、RFID技術に基づいて構成されていてもよい。よって、無線モジュール10は、RFIDトランスポンダ(タグ)によって受信可能であって、改変されてから応答として無線モジュール10に送り返される無線波を発信してもよい。無線モジュール10は、そのRFID無線モジュールとしての設計において、種々の無線周波数を用いてもよい。例えば、長波長域の無線周波数、短波長域の無線周波数、デシメートル波長域の無線周波数、またはその他の無線周波数が利用可能である。
図1に示すように、大型トラックも同様に無線モジュール13を備えていてもよい。無線モジュール13は、ショベルの無線モジュール10と同様の特徴を有していてもよい。
大型トラックは、RFIDタグ16を備えていてもよい。このFRIDタグ16は、RFID無線モジュールとしての無線モジュール10の技術的設計に適合する。
したがって、「大型トラックの自動識別」のための補助システムの機能を実現する2つのコンセプトケースが存在し得る。
i.ケース1:両方の機械(ショベルおよび大型トラック)がWLAN技術に基づいてデータを送受信できる無線モジュール10,13を備える場合、ショベルと荷積みされる大型トラックとの間で局所無線ネットワークがセットアップされてもよい。この局所無線ネットワークは、当該大型トラックのタイプや最大積載量に関する情報、またはその他の情報をショベルに送るのに貢献する。また、無線モジュール10は、WLAN対応無線機を伴う複数の局所ネットワークを同時にセットアップすることを可能にするソフトウェアアルゴリズムを備えていてもよい。この機能は、ショベルの付近に複数の大型トラックが存在する場合に必要とされ得る。この目的のために、対応するソフトウェアアルゴリズムは、セットアップされた無線ネットワークの信号強度を評価することができ、それにより各無線機の互いに対する距離を推定する。したがって、当該ソフトウェアアルゴリズムは、どの無線パートナーがショベルに最も近く位置しているかを分析してもよい。この分析から、補助システムは、どの大型トラックがショベルに最も近く位置しているかを選択し、当該大型トラックを荷積みの対象と見なしてもよい。
ii.ケース2:ショベルがRFID技術に基づいて構成された無線モジュールを備える場合、大型トラックは対応するRFIDタグ16を備えている必要がある。このケースでは、したがって、無線モジュール10は、いわゆるRFIDタグ16をその周辺において無線波を介して励起し、そして当該RFIDタグの識別性に関する応答を受信してもよい。RFIDタグの識別情報は、大型トラックの識別性に関連するデータ(例えば、大型トラックのタイプ、大型トラックの名称、大型トラックの最大積載量)に対応していてもよい。また、RFID技術に基づく無線モジュール10は、複数のRFIDタグの無線応答の信号強度を分析し、RFIDタグと無線モジュール10との間の距離に関して評価するソフトウェアアルゴリズムを備えていてもよい。この評価によって、あるRFIDタグが無線モジュール10に最も近く位置しているのを知ることができる。この情報から、補助システムは、どの大型トラックがショベルに最も近く位置しているかを選択し、当該大型トラックを荷積みの対象と見なしてもよい。
7.機能7−ショベルの生産性に関する統計の自動生成
補助システムは、機能1〜6を有していてもよい。補助システムは、上述した機能の全てを有していてもよいし、機能1〜6の一部のみを有していてもよい。補助システムの各機能は、ショベルの生産性に関する情報を含むデータを作り出す。これらのデータは、補助システムの各機能によって提供され、さらなる分析のために蓄積されてもよい。
したがって、補助システムは、機能1〜6によって生成および蓄積された生産性関連データを分析すること、または同データをユーザの役に立つ情報に変換することを可能とするソフトウェアを備えていてもよい。
ショベルの生産性は、例えば、次のような特性値によって表すことができる。
−ショベル荷積みサイクルあたりの実際のショベル積載量
−荷積みされた大型トラックあたりの実際の大型トラック積載量
−ショベル作業1時間あたりの実際のショベル積載量の合計の平均値
−大型トラックを一杯にするために実行されたショベル荷積みサイクルの数の平均値
−ショベル作業1時間あたりに一杯にされた大型トラックの数
−実際のショベル積載量の合計
したがって、補助システムは、例えば、生産性に関する統計を自動生成するためのソフトウェアによって上述した特性値を計算してもよい。ソフトウェアは、ユーザが選択した期間に応じて当該ソフトウェアが生成した生産性の統計を当該ユーザが入手するための機能を有していてもよい。また、ソフトウェアは、特定の所定期間に対応した生産性の統計を生成するための機能を有していてもよい。

Claims (18)

  1. ショベルによる移動式の輸送手段の荷積みにおいてショベル操縦者を補助するための方法であって、
    上記輸送手段に荷積みするために実行するべきショベル荷積みサイクルの数を含む荷積み計画を、補助システムを介して上記ショベル操縦者に提示するか、
    および/または、
    上記輸送手段の荷積み領域における現在の積み荷分布を提示する
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1において、
    上記補助システムは、上記輸送手段の上記荷積み領域に荷積みするための目標積載量と、理論的なショベル積載量の情報とに基づいて、実行するべき上記ショベル荷積みサイクルの数を求めるように構成され、
    上記ショベル操縦者は、上記輸送手段の実際の積載量が収まるべき上記目標積載量に対する許容誤差を設定することができる
    ことを特徴とする方法。
  3. 請求項2において、
    上記理論的なショベル積載量を、物理的なショベルのサイズ、および/または該ショベルの平均充填率、および/または荷積みされる物質の密度を考慮に入れて求める
    ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    所定の上記荷積み計画に従うために、次に実行する上記ショベル荷積みサイクルに向けて、ショベルによって持ち上げるべきショベル積載量を、上記ショベル操縦者に対して量的および/または質的に特定する
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    上記補助システムは、元々定められた上記荷積み計画にしたがって現在の上記ショベル荷積みサイクルで予期される積載量から上記輸送手段の現在の積載量がどの程度ずれているかに関する荷積み傾向を上記ショベル操縦者に示すように構成されている
    ことを特徴とする方法。
  6. 請求項5において、
    上記輸送手段の上記現在の積載量を、既に実行した上記ショベル荷積みサイクルの数と、該ショベル荷積みサイクル毎に求められる実際のショベル積載量とに基づいて求める
    ことを特徴とする方法。
  7. 請求項6において、
    上記ショベル荷積みサイクル毎の上記実際のショベル積載量を、上記ショベルの内部特性量、すなわち空間内におけるショベル位相調節器、上記ショベルの作業機器のアクチュエータ内または作動シリンダ内の油圧、および/またはショベル制御のための信号に基づいて求め、
    上記実際のショベル積載量を自動的に求めるタイミングを、現在の上記ショベルの動作および/または位置に基づいて特定し、
    上記タイミングは、積み荷持上げ作業の完了後であるか、または準静的状態の間である
    ことを特徴とする方法。
  8. 請求項7において、
    上記ショベルの動作段階の間および上記ショベル荷積みサイクルにおける準静的状態の間の両方において積載量を求め、
    上記動作段階の間に対応する結果と上記準静的状態に対応する結果とを比較することにより、上記積載量を求める際の動力学的効果の影響を求め、
    求めた上記動力学的効果の影響に基づいて、続く上記ショベル荷積みサイクルでショベル積載量を求める際に該動力学的効果を補償するための補正値を求める
    ことを特徴とする方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項において、
    ショベルが空になるタイミングで定期的にショベル積載量ゼロ判定を行うことにより、上記ショベル積載量を求めるための自動較正を実行し、
    各々の上記ショベル積載量ゼロ判定間のずれを、続く定期的なショベル積載量判定のための補正値として使用する
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項において、
    上記補助システムは、実行された動作の概要、実際のショベル積載量、および/または上記ショベルもしくは該ショベルの構成要素の現在の位置に基づいて、上記輸送手段へのショベル積載物の荷下ろしを伴う上記ショベル荷積みサイクルと、上記荷下ろしを伴わない上記ショベル荷積みサイクルとを区別することができ、
    上記輸送手段の現在の積載量を計算するために、上記輸送手段へのショベル積載物の荷下ろしを伴う上記ショベル荷積みサイクルのみを考慮に入れる
    ことを特徴とする方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において、
    各上記ショベル荷積みサイクルの後に、上記荷積み計画を、前回の上記ショベル荷積みサイクルにおいて実際に実現されたショベル積載量を考慮に入れて自動的に更新して上記ショベル操縦者に示す
    ことを特徴とする方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項において、
    上記補助システムは、上記輸送手段の上記荷積み領域上の現在の積み荷分布に応じて、好ましくない積み荷分布を補償するために、次の上記ショベル荷積みサイクルにおける上記輸送手段の上記荷積み領域内の荷下ろし位置を決定し、該荷下ろし位置を上記ショベル操縦者に示すように構成されている
    ことを特徴とする方法。
  13. 請求項12において、
    上記補助システムは、上記ショベル操縦者が適切な荷下ろし位置にアプローチするのを補助するために、または上記荷下ろし位置への部分的もしくは全体的な自動操縦を実行するために、ショベル制御に介入するように構成されている
    ことを特徴とする方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項において、
    上記輸送手段の上記荷積み領域における上記積み荷分布を、上記輸送手段の走行装置において計測された圧力から、および/または上記輸送手段の縦および/または横軸に関して測定された傾きの値から算出し、
    算出した上記積み荷分布に基づいて上記荷積み領域における好ましくない積み荷分布を認識して、実行予定の上記ショベル荷積みサイクルのために必要な適切な荷下ろし位置を決定し、
    上記好ましくない積み荷分布の認識および上記荷下ろし位置の決定を、上記輸送手段において、または少なくとも部分的に上記ショベルにおいて実行する
    ことを特徴とする方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項において、
    上記ショベルは、荷積みされる上記輸送手段を自動的に認識し、かつ上記輸送手段と上記ショベルとの間の通信接続を介して上記輸送手段の最大許容積載量に関する情報を自動的に受信し、
    受信データに基づいて、上記輸送手段が荷積みのために上記ショベルの付近に存在しているかどうかを認識する
    ことを特徴とする方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項において、
    上記ショベルは、予め規定された量に基づいて、上記ショベルの生産性に関する1つ以上の統計を自動的に生成および提供し、
    上記ショベル荷積みサイクルあたりの実際のショベル積載量、および/または荷積みされた上記輸送手段あたりの実際の輸送手段積載量、および/またはショベル作業1時間あたりの実際のショベル積載量の合計の平均値、および/または上記輸送手段の定格積載量に到達するための上記ショベル荷積みサイクルの数の平均値、および/またはショベル作業1時間あたりに荷積みされた上記輸送手段の数、および/または実際のショベル積載量の合計を求める
    ことを特徴とする方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法を実行するための補助システム。
  18. 請求項17に記載の補助システムを備えた装置。
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