JP2018042677A - 凹状パターンモールドおよびパターンシートの製造方法 - Google Patents

凹状パターンモールドおよびパターンシートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モールドの滑り性と剛性、および、液を充填する際の位置合わせを満足することができる凹状パターンモールドおよびパターンシートの製造方法を提供する。
【解決手段】複数の針状凹部70がアレイ状に配置されたモールド本体68の針状凹部70が配置された表面の反対側の裏面側に、モールド本体68の材料より剛性の高い剛性フィルム92が設けられており、剛性フィルム92は、モールド本体68の複数の針状凹部が配置された領域以外に設けられている凹状パターンモールド69である。
【選択図】図15

Description

本発明は、凹状パターンモールドおよびパターンシートの製造方法に係り、特に、針状凸部を有するパターンシートの製造に用いられる凹状パターンモールドおよびこの凹状パターンモールドを用いたパターンシートの製造方法に関する。
生体表面、即ち皮膚や粘膜などから薬品などを投与する方法として、薬剤を含有する高アスペクト比の針状凸部(以下、「微小針」、または、「マイクロニードル」ともいう)が形成された経皮吸収シートを用い、針状凸部を皮膚内に挿入することにより、薬品を注入する方法が行われている。
針状凸部を有する経皮吸収シートの製造は、転写パターンの形成された型(モールド)を用いて、転写パターンに針状凸部の材料を充填、乾燥、硬化することで、行われている。経皮吸収シートの製造に限らず、転写パターンを有する型は、数多く提案されている。例えば、下記の特許文献1には、微細な転写パターンが形成されている本体部と、本体部を補強するための補強材が本体部と一体となって形成された型が記載されている。また、特許文献2には、複数の凹部がアレイ状に形成されたサブマスター成形部と、強度を向上させるためのサブマスター基板と、からなるサブマスターが記載されている。
特許文献3には、凹凸模様の賦型面を有する型本体と、硬質の補強材とからなり、型本体と補強材が一体化された型が記載されている、また、特許文献4には、表面に凹凸が形成された複製モールド構造体と、複製モールド構造体を支持する基体と、からなるナノプリント用の複製モールドが記載されている。
特開2013−248749号公報 特開2009−226634号公報 特開平3−126524号公報 特開2013−86294号公報
針状凸部を有する経皮吸収シートの製造においては、針状凸部の反転形状である針状凹部が形成されたモールドの針状凹部に液を精度良く充填する必要があり、この場合、ヘッドをモールドに押し付けながら行う。モールドが変形しにくいと、ヘッドとモールドとの間で隙間ができ、液の充填を精度良く行うことができていなかった。また、モールドが変形しにくいと、液体の急激な乾燥で液が収縮することで、針状凸部の先端に気泡が含まれる場合があった。そのため、モールド本体は、針状凹部が変形しやすい材料で形成することが好ましかった。
しかしながら、モールドが変形しやすいと剛性が低くなるため、ハンドリング性が低下していた。また、モールドは基板の上に載せて位置決めを行い、針状凹部への液の充填を行うため、基板との密着性が低く、滑り性を有する材料が求められる。変形しやすい材料の場合、他の材料との粘着性も高くなる傾向にあり、滑り性が悪くなるため、モールドの位置合わせが難しくなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、モールドの滑り性と剛性、および、モールドに液を充填する際の位置合わせの全てを満足することができる凹状パターンモールド、および、この凹状パターンモールドを用いたパターンシートの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る凹状パターンモールドは、複数の針状凹部がアレイ状に配置されたモールド本体の針状凹部が配置された表面の反対側の裏面側に、モールド本体の材料より剛性の高い剛性フィルムが設けられており、剛性フィルムは、モールド本体の複数の針状凹部が配置された領域以外に設けられている。
本発明によれば、モールド本体の針状凹部が配置された表面の反対側の裏面側に、モールド本体の材料より剛性の高い剛性フィルムを設けることで、剛性の高い材料は、剛性の低い材料と比較し、粘着性が低いため、滑り性を向上させることができる。したがって、凹状パターンモールドの移動を容易に行うことができ、モールドの位置合わせを容易に行うことができる。
また、剛性フィルムを設けることで、凹状パターンモールドの剛性を高くすることができるので、ハンドリング性を向上させることができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、モールド本体の表面側に、剛性フィルムを有することが好ましい。
この態様によれば、凹状パターンモールドの表面側にも剛性フィルムを貼り付けることで、凹状パターンモールド全体として剛性を向上させることができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、表面側の剛性フィルムが、モールド本体の表面の周囲に設けられていることが好ましい。
この態様によれば、表面側の剛性フィルムをモールド本体の表面の周囲に設けることで、凹状パターンモールドの剛性を向上させることができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、表面側の剛性フィルムが、モールド本体の表面の周囲のみに設けられていることが好ましい。
この態様によれば、表面側の剛性フィルムをモールド本体の表面の周囲のみに設けることで、凹状パターンモールドを用いたパターンシートの製造において、針状凹部に液を充填する際、供給装置を凹状パターンモールドを押圧しながら充填することができ、液量を精度良く供給することができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、表面側の剛性フィルムが、針状凹部が形成された領域を囲む格子状であることが好ましい。
この態様によれば、表面側の剛性フィルムを、格子状の剛性フィルムとすることで、凹状パターンモールド全体の剛性を向上させることができる。また、剛性フィルムを格子状とした場合、パターンシートの製造における液の充填は、インクジェットなどによる滴下により行うことができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、モールド本体が、エラストマー樹脂、または、シリコーン樹脂からなることが好ましい。
この態様は、モールド本体の材料を規定したものであり、材料として上記の材料を用いることで、パターンシートを製造する際の液の充填を精度良く行うことができる。また、パターンシートが医薬品の場合であっても、安全性を維持したパターンシートを製造することができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、剛性フィルムは、ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
この態様は、剛性フィルムの材料を規定したものであり、剛性フィルムの材料としてポリエステル系樹脂を用いることで、凹状パターンモールドの滑り性および剛性を向上させることができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、モールド本体の材料がシリコーン樹脂であり、剛性フィルムの材料が非結晶ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
この態様は、モールド本体と剛性フィルムの材料の組み合わせを規定したものであり、この組み合わせとすることで、モールド本体を加熱、硬化する際に剛性フィルムを密着させておくことで、モールド本体に剛性フィルムを強固に接着させることができる。したがって、接着剤を使用せずに、凹状パターンモールドを製造することができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、針状凹部に、薬剤を充填する際の位置決めをする位置決めピン用の貫通孔を有することが好ましい。
この態様によれば、凹状パターンモールドに位置決めピン用の貫通孔を設けることで、パターンシートの製造時に、供給装置の位置決めピンと、位置決めピン用の貫通孔を一致させることで、液を針状凹部に精度良く充填させることができる。
本発明に係る凹状パターンモールドの一態様は、モールド本体の表面に設けられた剛性フィルムの厚みが、裏面に設けられた剛性フィルムの厚みよりも厚いことが好ましい。
パターンシートを製造する際、針状凹部に液を充填する工程において、凹状パターンモールドの裏面側から吸引することで、針状凹部に液を充填し易くすることがある。この場合、裏面側の剛性フィルムの厚みが厚くなると、充分に吸引できない場合があるため、裏面側の剛性フィルムの膜厚は薄い方が好ましい。また、裏面側の剛性フィルムの膜厚が薄いと、凹状パターンモールドの剛性が十分得られない場合があり、そのため、表面側の剛性フィルムの膜厚を厚くすることで、凹状パターンモールドに充分な剛性を付与することができる。
上記目的を達成するために、本発明に係るパターンシートの製造方法は、上記記載の凹状パターンモールドの針状凹部に、薬剤を充填する薬剤充填工程と、薬剤充填工程後の凹状パターンモールドの表面に基材溶液を塗布する基材溶液塗布工程と、基材溶液を乾燥し、パターンシートを形成する工程と、パターンシートを、凹状パターンモールドから剥離する剥離工程と、を有する。
上記凹状パターンモールドは、滑り性および剛性を有しているため、パターンシートを製造する際の液の充填、供給を、高い精度で効率良く行うことができる。したがって、本発明によれば、凹状パターンモールドの針状凹部の反転型である、パターンシートの針状凸部を精度良く製造することができる。
本発明の凹状パターンモールドによれば、モールドの剛性を高めることができ、パターンシート製造時のハンドリング性を向上させることができる。また、剛性フィルムを貼り付けることで、凹状パターンモールドより滑り性を向上させることができるので、パターンシート製造時の凹状パターンモールドの位置合わせを精度良く行うことができる。したがって、針状凹部への液の充填を精度良く行うことができる。
突起状パターンを有する型を製作する手順を示す工程図である。 突起状パターンを有する型を製作する手順を示す工程図である。 突起状パターンを有する型を製作する手順を示す工程図である。 突起状パターンを有する型を製作する手順を示す工程図である。 突起状パターンを有する型を製作する手順を示す工程図である。 突起状パターンを有する型を製作する手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。 スペーサ配置後の型の平面図である。 凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドの平面図である。 凹状パターンモールドの底面図である。 剛性フィルムの別の形状を示す凹状パターンモールドの平面図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 凹状パターンモールドを形成する別の手順を示す工程図である。 パターンシートを形成する手順を示す工程図である。 パターンシートを形成する手順を示す工程図である。 パターンシートを形成する手順を示す工程図である。 パターンシートを形成する手順を示す工程図である。 パターンシートを形成する手順を示す工程図である。 パターンシートを形成する手順を示す工程図である。
以下、添付図面に従って、本発明に係る凹状パターンモールドおよびパターンシートの製造方法について説明する。なお、本明細書において、「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
<凹状パターンモールドの製造方法>
[第1モールドを製作する工程]
第1モールド20は、凹状パターンモールド(以下、「モールド」ともいう)69(図16参照)の反転型である突起状パターン42を有する型40を製造するための、型40の反転型である凹状パターン22を備える型である。第1モールド20は、突起状パターン12が形成された原版10から、樹脂を用いて製造される。
まず、図1に示すように、アレイ状に突起状パターン12が形成された原版10を用意する。突起状パターン12が形成された原版10の作製方法は、特に限定されないが、例えば、次のように、作製することができる。Niなどの金属基板に、ダイヤモンドバイトなどの切削工具を用いた機械切削で加工することにより、原版10の表面に複数の突起状パターン12を作製することができる。
他の方法として、Si基板上にフォトレジストを塗布した後、露光、現像を行う。そして、RIE(リアクティブイオンエッチング:Reactive Ion Etching)などによるエッチングを行うことにより、原版10の表面に、突起状パターン12を作製する。なお、原版10の表面に突起状パターン12を形成するためにRIEなどのエッチングを行う際には、Si基板を回転させながら斜め方向からのエッチングを行うことにより、突起状パターンを形成することが可能である。
次に、図2、3に示すように、原版10を利用して凹状パターン22を有する第1モールド20を複数製作する。第1モールド20を製作する方法としては、次の方法により、樹脂を用いて行うことができる。1番目の方法は、原版10にPDMS(ポリジメチルシロキサン:polydimethylsiloxane、例えば、ダウ・コーニング社製シルガード184)に硬化剤を添加したシリコーン樹脂を流し込み、100℃で加熱処理し硬化した後に、原版から突起状パターンの反転型である、凹状パターン22を有する第1モールド20を作製する。
2番目の方法は、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化樹脂を原版10に流し込み、窒素雰囲気中で紫外線を照射した後に、原版10から第1モールド20を剥離する方法である。3番目の方法は、ポリスチレンやPMMA(ポリメチルメタクリレート:polymethyl methacrylate)などのプラスチック樹脂を有機溶剤に溶解させたものを剥離剤の塗布された原版10に流し込み、乾燥させることにより有機溶剤を揮発させて硬化させた後に、原版10から第1モールド20を剥離する方法である。
第1モールド20を形成する材料としては、樹脂であり、紫外線硬化樹脂、または、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化樹脂、または、熱可塑性樹脂を用いることにより、第1モールド20の製作を容易に行うことができ、かつ、原版10の突起状パターン12を安定して形成することができる。
[第1集合モールドを製作する工程]
次に、図4に示すように、原版10から製作された複数の第1モールド20を接合し、第1モールド20の凹状パターン22が形成された面24を大面積化し、第1集合モールド30を製作する。
第1集合モールド30は、複数の第1モールド20を接合することで製作することができる。第1モールド20の接合は、例えば、接着剤により行うことができる。第1集合モールド30は、次の工程で製造される突起状パターン42を有する型40の型枠となるため、凹状パターン22が形成された面24の平面性が確保された状態で、第1集合モールド30を形成することが好ましい。凹状パターン22が形成された面24の平面性が確保されていないと、その後の工程で製造される型、モールド、および、パターンシートにおいて、不要な位置にまで段差が形成されるため好ましくない。
凹状パターン22の平面性を確保し、第1集合モールド30を製作する方法としては、特に限定されないが、例えば、基板上に、第1モールド20の凹状パターン22が形成された面24を下向きとし、基板と接触する位置に配置した後、接着剤で硬化することで、第1集合モールド30の平面性を確保することができる。このように、基板を用いて第1集合モールド30の平面性を確保することで、第1集合モールド30の第1モールド20間の接着剤との段差、変形などの発生を抑制することができ、第1集合モールド30の平面性を確保することができる。
なお、第1集合モールド30の製作は、行ってもよく、行わなくてもよい。第1集合モールド30を製作しない場合、第1モールド20から突起状パターンを有する型を製作する。ただし、第1集合モールド30を製作することで、1回の電鋳処理で、大面積の型を製作することができるので好ましい。また、その後の工程においても、大面積の型を用いてモールドの製造、および、モールドからパターンシートを製造することができるので、パターンシートの生産性を向上させることができるので好ましい。
[突起状パターンを有する型を製作する工程]
図5は、第1集合モールド30を用いて、突起状パターン42を有する型40を製作する工程を示す図である。型40は、電鋳処理により製作されることが好ましい。
電鋳処理においては、まず、第1集合モールド30に対して、導電化処理を行う。第1集合モールド30の第1モールド20に、金属(例えば、ニッケル)をスパッタし、第1集合モールド30の第1モールド20の表面、凹状パターン22に金属を付着する。
次いで、導電化処理を経た第1集合モールド30を陰極に保持する。金属ペレットを金属製のケースに保持し陽極とする。第1集合モールド30を保持する陰極と金属ペレットを保持する陽極とを電鋳液中に浸漬し、通電することで、第1集合モールド30の凹状パターン22に金属が埋め込まれ、剥離することで突起状パターン42を有する型40が製作される(図6)。
また、突起状パターン42を有する型40の製作は、電鋳処理に限定されず、第1集合モールドに樹脂を供給し、硬化させることで製作することもできる。
なお、突起状パターン42を有する型40は、図1から図6に示す方法に限定されず、原版10の製作方法と同様の方法で製作することもできる。しかしながら、原版10の製作は、微細で複雑なパターン形状になるほどコストがかかるため、大型のモールドを製作する場合、突起状パターン42の数が多くなり、コストがかかる。また、突起状パターン42の形状が異なることも懸念される。したがって、図1から図6に示すように、原版10から複数の第1モールド20を作製し、型40を作製することで、低コストで型40を製作することができる。
[凹状パターンモールドを形成する工程]
次に上記で製作した型40を用いて、凹状パターンモールドを製造する方法を説明する。図7から15は、凹状パターンモールドを形成する手順を示す工程図である。
まず、図7に示すように、型40を台50上に配置する。また、台50上で、型40の外側にギャップ調整機構として、スペーサ52を配置する。スペーサ52の高さを調節することで、以後のシリコーン樹脂膜60を基板64で押圧する工程において、型40と基板64の間隔を調整することができ、製造されるモールド69の厚みを調整する。図8は、スペーサ配置後の型の平面図である。スペーサ52は、図8に示すように、四角形状の型40の各辺の外側に設けることができる。ただし、スペーサ52の位置は、基板64を接触させた際にモールドの厚みを一定にすることができれば、これに限定されない。スペーサ52は、型40の周囲一周にわたり設けてもよいし、型40の角部の外側に設けてもよい。
スペーサ52の素材としては、SUS(Stainless Used Steel)、アルミなどの金属やガラスを用いることができる。基板64を接触させることで、スペーサ52の高さにシリコーン樹脂膜60の厚みを調整することができ、また、貫通孔71の大きさも調整することができるので、スペーサ52は、剛性の高い材料が好ましい。
次に、図9、10に示すように、シリコーン樹脂溶液58を型40上に供給し、シリコーン樹脂膜60を形成する。
シリコーン樹脂溶液58の供給方法は、特に限定されないが、例えば、塗布により行うことができ、スピンコーターを用いた塗布を挙げることができる。また、スリットノズル62により、突起状パターン42の幅で、突起状パターン42を有する領域ごとに塗布することもできる。突起状パターン42を有する領域ごとにシリコーン樹脂溶液58を塗布することで、モールドを製造する位置にのみシリコーン樹脂溶液58を塗布することができるので、不要なシリコーン樹脂溶液の塗布を防止することができる。
本実施形態においては、モールド本体を形成する材料として、シリコーン樹脂を用いた態様で説明するが、シリコーン樹脂に限定されず、他の例として、エラストマー樹脂を挙げることができる。
[シリコーン樹脂膜を脱泡する工程]
次に、型40上に形成されたシリコーン樹脂膜60を減圧し、シリコーン樹脂膜60を脱泡する。シリコーン樹脂膜60の脱泡は、減圧装置(不図示)内に、シリコーン樹脂膜60を、台50、型40、スペーサ52などとともに入れ、減圧装置内を減圧にすることにより行う。
シリコーン樹脂膜60の脱泡の確認は、目視もしくはCCD(Charge-Coupled Device)カメラによる画像認識により行うことができる。シリコーン樹脂膜60の脱泡を行うことで、シリコーン樹脂膜中に含まれる空気を除去することができるので、成形時の形状を安定させることができる。
[樹脂膜を押圧する工程]
次に、図11に示すように、シリコーン樹脂膜60に、基板64を接触させる。そして、基板64を図12に示すように、スペーサ52に押圧することで、シリコーン樹脂膜60も押圧し、シリコーン樹脂膜60の厚み、すなわち、形成されるモールド本体68の厚みが調整される。
基板64の素材としては、金属、多孔質のセラミックなどを用いることができる。基板64として、これらの素材を用いることで、形成されるモールド本体68の高さを一定にすることができる。
スペーサ52の高さは、モールドの厚みにもよるが、型40の突起状パターン42の先端が基板64に接触する高さとすることで、形成されるモールド本体68の針状凹部に貫通孔を形成することができる。貫通孔を有することで、パターンシートを製造する工程において、液を充填する際、貫通孔から吸引することで、液の充填を容易に行うことができる。
スペーサ52の高さは、型40の突起状パターン42の先端が基板64に接触する高さに調節される。スペーサ52をこの高さに調節し、基板64を押圧することで、突起状パターン42の先端を基板64に接触させることができ、形成されるモールド本体68の針状凹部70に貫通孔を形成することができる。なお、針状凹部に貫通孔を形成しない場合は、スペーサ52を高くすることで、貫通孔を有さないモールドを製造することができる。
[モールド本体を形成する工程]
次に、基板64をスペーサ52およびシリコーン樹脂膜60に接触させた状態で、シリコーン樹脂膜60を加熱、硬化することで、モールド本体68を形成する。シリコーン樹脂膜60を加熱する方法としては、アルミヒータ、赤外線ヒータ、セラミックヒータ、IH(Induction Heating)ヒータなどにより行うことができる。
[基板を剥離する工程]
次に、図13に示すように、モールド本体68から基板64を剥離する。基板64の剥離は、通常の方法で行うこともできるが、また、基板64には、エアー噴出機構(不図示)を設け、エアー噴出機構によりエアーを供給することで、基板64を剥離してもよい。
[モールドを剥離する工程]
次に、図14に示すように、モールド本体68を、型40から剥離することで、型40の突起状パターン42の反転型であり、貫通孔71が形成された針状凹部70を有するモールド本体68を製造することができる。
なお、以上は、モールドの製造方法として、突起状パターンに樹脂膜を形成して硬化させる方法を説明したが、これに限定されない。例えば、射出成形(LIM(Liquid Injection Molding)成形)によりモールドを製造することもできる。
[剛性フィルムを貼り付ける工程]
次に、図15に示すように、型40から剥離したモールド本体68に剛性フィルム92、94を貼り付け、凹状パターンモールド69を製造する。剛性フィルム92、94は、接着剤により貼り付けることができる。
剛性フィルム92、94の材料としては、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、例えば、A−PET(Amorphous Polyethylene Terephthalate:非結晶ポリエチレンテレフタレート)を挙げることができる。
剛性フィルム92、94の製造方法としては、成形したシートを打ち抜き加工することで、パターンを形成し、製造することができる。また、パターン付きシートとして射出成形により製造することができる。
剛性フィルムの接着前には、モールドと接着する剛性フィルムの接着面に、プラズマ処理などの活性化処理を施しておくことが好ましい。活性化処理を行うことで、材料同士の接着力を高めることができる。
<凹状パターンモールド>
上記のようにして製造された凹状パターンモールドの表面側から見た平面を図16に、裏面側から見た底面図を図17に示す。なお、図17において、針状凹部70の貫通孔71は省略して記載する。モールド69は、剛性フィルム92、94の分だけ段差を有する。モールド本体68に対して、剛性フィルム92、94の厚み分段差を設けることで、パターンシートを製造する際、モールド69の裏面側の台との接触部分を剛性フィルム92のみとし、モールド本体68とは接触しないようにすることができる。したがって、滑り性の良好な剛性フィルム92のみを台に接触させることができるので、モールドの移動を容易にすることができる。
剛性フィルムは、少なくともモールド本体68の針状凹部70が形成された表面の反対側の裏面側に設ける。モールド本体68を、例えばシリコーン材料で形成すると、弾性力が高く、モールドの滑り性がよくない。モールドの滑り性が悪いと、モールドの微小な移動が困難になるため、微小な針状凹部への液の充填を精度良く行うことが困難となる。剛性フィルム92を、モールド本体68の裏面側に設けることで、滑り性を向上させることができるので、パターンシートを製造する際の、液の充填を精度良く、効果的に行うことができる。
また、モールド本体68に剛性フィルムを貼り付けることで、モールド69に剛性を付与することができるので、シリコーン材料のみで形成したモールドと比較し、ハンドリング性を向上させることができる。
モールド69の滑り性を考慮すると、剛性フィルムは、モールド69の裏面側に貼り付けてあれば良いが、裏面側にのみ剛性フィルムが貼り付けてあると、モールド69が剛性の高い裏面側(剛性フィルム側)を外側にして、モールドが反ってしまうことが懸念される。したがって、剛性フィルムは、表面側(針状凹部が形成されている面側)にも有することが好ましい。さらに、剛性フィルムの厚みは、表面側の剛性フィルム94の厚みが裏面側の剛性フィルム92の厚みより厚いことが好ましい。モールド69の針状凹部70に液を充填する際、モールド69の裏面側から空気を吸引して行うため、剛性フィルム92の膜厚が厚い場合、針状凹部の吸引力が弱くなり、液を針状凹部70に十分に充填できなくなることが考えられる。したがって、裏面側の剛性フィルム92の膜厚は薄いことが好ましいが、モールド69の裏面側の剛性フィルム92が薄い場合、モールド全体として、充分な剛性が得られない場合がある。この場合、表面側の剛性フィルム94を厚くすることで、モールド全体として剛性を付与することができる。
モールド本体68の厚みは、1.0〜1.5mmとすることが好ましく、剛性フィルム92、94の厚みは0.1〜0.2mmとすることが好ましい。
モールド69の裏面側に貼り付ける剛性フィルム92は、モールド本体68の針状凹部70が配置された領域以外に設けられており、針状凹部70が形成された領域が貫通している格子状であることが好ましい。上述したように、パターンシートを製造する際、裏面から吸引しながら行う。モールドの針状凹部に対応する位置に、剛性フィルムを有すると、針状凹部の先端に設けられた貫通孔を塞いでしまう。また、針状凹部の先端に貫通孔が設けられていないとしても、シリコーン材料は、良好な空気透過性を有するので、針状凹部内の空気を排出するためには、裏面側に空気を透過し易くすることが好ましい。したがって、モールドの針状凹部が形成されている位置には、剛性フィルムを設けないことが好ましい。
また、表面側に貼り付ける剛性フィルム94の形状は、パターンシートを製造する際の、薬剤を含む液の供給方法により、変更することができる。薬剤を含む液をスリットノズルにより供給する場合は、スリットノズルをモールドに押圧して供給するため、スリットノズルの先端が、モールドに接触するように、図16に示すように、モールド69の表面の周囲に貼り付けることが好ましい。薬剤を含む液を、インクジェットなどを用いて供給する場合は、針状凹部を塞がないように、剛性フィルムを貼り付けることができればよく、例えば図18に示すように、針状凹部70が形成された領域を囲む格子状とすることができる。剛性フィルム94を格子状とすることで、周囲のみとした場合と比較し、モールド69の剛性を高めることができる。
モールド69は、パターンシートを製造する際に、モールド69の位置を決定する位置決めピン用の貫通孔96を有することが好ましい。針状凹部70に液を充填する際、スリットノズルの先端部をモールド69に押圧するため、スリットノズルの位置と、モールド69の針状凹部70の位置を精度良く合わせる必要がある。モールド69に位置決めピン用の貫通孔96を有し、スリットノズルを備える液供給装置の位置決めピンにより位置を決定することで、液を精度良く充填することができる。
なお、上記では、モールド69の表面に剛性フィルムを貼り付ける構成で説明したが、裏面側のみとすることもできる。裏面側のみとすることで、モールド69の滑り性、および、剛性を向上させることができる。
(別の実施形態の凹状パターンモールドの製造方法)
図19〜27は、別の実施形態の凹状パターンモールドの製造方法を説明する図である。本実施形態の凹状パターンモールドの製造方法は、剛性フィルム192、194を、モールド本体168の加熱、硬化時に、剛性フィルム192、194を接触させておき、加熱、硬化によりにモールド本体168と接着させることで、剛性フィルム192、194を有する凹状パターンモールド169を成形する。
[第1モールドを製作する工程]
第1モールドの製作は、上記の実施形態と同様の方法により行うことができる。ただし、本実施形態においては、型140と基板164とで樹脂膜を押圧する際に、シリコーン樹脂膜160と剛性フィルム192を接触させるため、基板164に剛性フィルム192の膜厚分の段差を設ける必要がある。同様に、モールド本体168の表面側に剛性フィルム194を設ける場合、型140に剛性フィルム194の膜厚分の段差を設ける必要がある。したがって、モールドの表面側に剛性フィルム194を貼り付ける場合は、上記実施形態の原版10において、剛性フィルムの膜厚分の凹みを設ける。
[第1集合モールド、突起状パターンを有する型を製作する工程]
第1集合モールドの製作、および、型の製作も、上記と同様の方法により行うことができる。本実施形態においては、第1集合モールドに剛性フィルムの膜厚分の凸部を有するため、必要に応じて第1モールドを複数種類製作し、貼り付ける剛性フィルムの形状に合わせて第1集合モールドを形成してもよい。また、上記の方法で型40を製作し、切削加工により剛性フィルムの膜厚分の凹部を有する型140を製作することもできる。このようにして製作された突起状パターン42および凹部143を有する型140を図19に示す。
[凹状パターンモールドを形成する工程]
次に、型140を用いて、凹状パターンモールドを形成する。モールドの表面側に剛性フィルム194を貼り付ける場合は、型140の凹部143上に剛性フィルム194を載せる(図20)。なお、モールドの表面側に剛性フィルム194を貼り付けない場合は、凹部143を有さない型40を用いてモールドを形成する。
次に、シリコーン樹脂溶液158を型140上に供給し、シリコーン樹脂膜160を形成する(図21、22)。シリコーン樹脂溶液58の供給方法は、特に限定されず、スリットノズル62により、突起状パターン42の幅で、突起状パターン42を有する領域ごとに塗布することができる。また、スピンコーターを用いた塗布により行うこともできる。
[樹脂膜を押圧する工程]
図23は、本実施形態に用いられる基板164を示す図である。基板164は、剛性フィルム192の膜厚分の凹部165を有している。シリコーン樹脂膜160を脱泡した後、シリコーン樹脂膜160に基板164を接触させる(図24)。基板164の凹部165に剛性フィルム192を配置する。この状態で、スペーサ52に押圧することで、シリコーン樹脂膜160を押圧し、シリコーン樹脂膜160の厚みが調整される(図24)。
[モールドを形成する工程]
基板164をスペーサ52およびシリコーン樹脂膜160に接触させた状態で、シリコーン樹脂膜160を加熱、硬化することで、モールド本体168を形成する。シリコーン樹脂膜160を加熱、硬化することで、剛性フィルム192、194をモールド本体168に接着させる。加熱、硬化によりシリコーン樹脂膜160と剛性フィルム192、194を接着させる場合、剛性フィルムの材料として、シリコーン材料と接着しやすい材料を選択することが好ましい。シリコーン材料と接着しやすい材料としては、例えば、A−PETを用いることができる。
[基板、および、モールドを剥離する工程]
加熱、硬化することで、モールド本体168を形成した後、基板164をモールド169から剥離する。剛性フィルム192は、モールド本体168に接着しているため、基板164のみが剥離される。その後、モールド169を、型140から剥離することで、針状凹部70を有し、表面側および裏面側に剛性フィルム192、194を有するモールド169を製造することができる。
<パターンシートの製造方法>
次に、凹状パターンモールド69を用いたパターンシートの製造方法について説明する。図28から33は、パターンシートを製造する工程を示す図である。
図28に示すように、モールド69を台80上に設置する。本実施形態のモールド69は、モールド69の裏面側に剛性フィルム92を有しているので、モールド69の滑り性を向上させることができ、台80上での移動を容易に行うことができる。また、台80上の位置決めピン(不図示)と貫通孔とを合わせることで位置合わせを行う。位置合わせを行った後、モールド69の針状凹部70に薬剤を含む溶解液82を充填する(薬剤充填工程)。充填する方法としては、スリットノズルの先端部をモールド69に接触させることで、針状凹部70のみに充填してもよい。また、モールド上に薬剤を含む溶解液を塗布し、ブレードをモールドに接触させることで、針状凹部に薬剤を含む溶解液を充填してもよい。
次いで、図29に示すように、薬剤を含む溶解液82の上に薬剤を含まない溶解液(基材溶液)84をディスペンサーにより塗布する(基材溶液塗布工程)。ディスペンサーによる塗布に加えて、バー塗布やスピン塗布、スプレーなどによる塗布などを適用することができる。
次いで、図30に示すように、薬剤を含む溶解液82と薬剤を含まない溶解液84とを乾燥固化させることで、薬剤を含む層86と薬剤を含まない層88とから構成されるパターンシート90が形成される(パターンシートを形成する工程)。乾燥固化は、モールド69に供給された薬剤を含む溶解液82、および、薬剤を含まない溶解液84(以下、「溶解液82、84」ともいう)に風を吹き付けることにより乾燥させることができる。パターンシート90とは、溶解液82、84に所望の乾燥処理を施した後の状態を意味する。パターンシート90の水分量等は適宜設定される。なお、乾燥により、パターンシートの水分量が低くなりすぎると剥離しにくくなるため、弾力性を維持している状態の水分量を残存させておくことが好ましい。
薬剤を含む溶解液82から構成される薬剤を含む層86と薬剤を含まない溶解液84から構成される薬剤を含まない層88とで構成される針状凸部が表面に形成されたパターンシート90を形成した後、パターンシート90をモールド69から剥離する剥離工程へと進む。
パターンシート90をモールド69から剥離する方法は特に限定されない。剥離の際に、針状凸部が曲がったり折れたりしないことが望まれる。例えば、図31に示すように、パターンシート90の上に、粘着性の粘着層が形成されているシート状の支持体100を付着させた後、支持体100に吸盤(不図示)を設置し、エアーで吸引しながら垂直に引き上げる方法を適用することができる。垂直に引き上げることで、剥離の際に、針状凸部が曲がったり折れたりすることを防止することができる。また、端部から支持体100をめくるように剥離してもよい。
図32は、パターンシート90をモールド69から剥離した後の図であり、図33は、パターンシート90を支持体100から剥離した後の図である。モールド69から剥離した後のパターンシート90は、モールド69の表面側の剛性フィルム94の位置にもよるが、剛性フィルム94の膜厚分の段差が設けられる場合がある。しかしながら、パターンシート90は、最終製品として、パターンごとに切断して使用させるため、段差が設けられている領域は切断される。なお、パターンシート90の剥離は、支持体100を用いずに剥離してもよい。
パターンシート90を形成する溶解液82、84の材料としては、水溶性材料を用いることが好ましい。パターンシートの製造に用いられる溶解液に含まれる樹脂ポリマーの素材としては、生体適合性のある樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂としては、グルコース、マルトース、プルラン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルデンプンなどの糖類、ゼラチンなどのタンパク質、ポリ乳酸、乳酸・グリコール酸共重合体などの生分解性ポリマーを使用することが好ましい。濃度は材料によっても異なるが、薬剤を含まない溶解液中に樹脂ポリマーが10〜50質量%含まれる濃度とすることが好ましい。また、溶解に用いる溶媒は、温水以外であっても揮発性を有するものであればよく、エタノールなどのアルコールなどを用いることができる。そして、樹脂ポリマーの溶解液中には、用途に応じて体内に供給するための薬剤を共に溶解させることが可能である。薬剤を含む溶解液のポリマー濃度(薬剤自体がポリマーである場合は薬剤を除いたポリマーの濃度)としては、0〜30質量%含まれることが好ましい。
溶解液の調製方法としては、水溶性の高分子(ゼラチンなど)を用いる場合は、水溶性粉体を水に溶解し、溶解後に薬剤を添加してもよいし、薬剤が溶解した液体に水溶性高分子の粉体を入れて溶かしてもよい。水に溶解しにくい場合、加温して溶解してもよい。温度は高分子材料の種類により、適宜選択可能であるが、必要に応じて、約20〜40℃の温度で加温することが好ましい。樹脂ポリマーの溶解液の粘度は、薬剤を含む溶解液では200mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは50mPa・s以下とすることが好ましい。薬剤を含まない溶解液では2000mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは500mPa・s以下とすることが好ましい。樹脂ポリマーの溶解液の粘度を適切に調整することにより、モールドの針状凹部に溶解液を注入することが容易となる。例えば、樹脂ポリマーの溶解液の粘度は、細管式粘度計、落球式粘度計、回転式粘度計または振動式粘度計で測定することができる。
溶解液に含有させる薬剤は、薬剤としての機能を有するものであれば限定されない。特に、ペプチド、タンパク質、核酸、多糖類、ワクチン、水溶性低分子化合物に属する医薬化合物、又は化粧品成分から選択することが好ましい。
なお、本実施形態では、薬剤を含む溶解液82と薬剤を含まない溶解液84を充填、塗布した後、乾燥固化することで、パターンシート90を製造したがこれに限定されない。例えば、薬剤を含む溶解液82をモールド69の針状凹部70に充填し、乾燥した後、薬剤を含む層86を形成する。その後、薬剤を含まない溶解液84を塗布し、乾燥、固化することで、パターンシート90を製造することもできる。
製造されるパターンシート90の突起状の形状は、先端が先細り形状となっていれば、特に限定されないが、例えば、円錐状、または、三角錐、四角錐などの角錐状の形状とすることができる。また、先細り形状のニードル部と、ニードル部と接続された錐台部とにより形成することができる。
突起状パターンの突起状の高さは、100μm以上1500μm以下の範囲であり、好ましくは、200μm以上1500μm以下である。
製造される突起状パターンを有するパターンシート90は、突起状パターン42を有する型40の複製であるため、型40の突起状パターン42の形状を所望の形状とすることで、製造されるパターンシート90の突起状パターンを所望の形状とすることができる。
10 原版
12、42 突起状パターン
20 第1モールド
22 凹状パターン
24 凹状パターンが形成された面
30 第1集合モールド
40、140 型
50、80 台
52 スペーサ
58、158 シリコーン樹脂溶液
60、160 シリコーン樹脂膜
62 スリットノズル
64、164 基板
68、168 モールド本体
69、169 凹状パターンモールド(モールド)
70 針状凹部
71 貫通孔
82 薬剤を含む溶解液
84 薬剤を含まない溶解液
86 薬剤を含む層
88 薬剤を含まない層
90 パターンシート
92、94、192、194 剛性フィルム
96 位置決めピン用の貫通孔
100 支持体
143、165 凹部

Claims (11)

  1. 複数の針状凹部がアレイ状に配置されたモールド本体の前記針状凹部が配置された表面の反対側の裏面側に、前記モールド本体の材料より剛性の高い剛性フィルムが設けられており、
    前記剛性フィルムは、前記モールド本体の複数の針状凹部が配置された領域以外に設けられている凹状パターンモールド。
  2. 前記モールド本体の表面側に、剛性フィルムを有する請求項1に記載の凹状パターンモールド。
  3. 表面側の前記剛性フィルムが、前記モールド本体の表面の周囲に設けられている請求項2に記載の凹状パターンモールド。
  4. 表面側の前記剛性フィルムが、前記モールド本体の表面の周囲のみに設けられている請求項2または3に記載の凹状パターンモールド。
  5. 表面側の前記剛性フィルムが、前記針状凹部が形成された領域を囲む格子状である請求項2または3に記載の凹状パターンモールド。
  6. 前記モールド本体が、エラストマー樹脂、または、シリコーン樹脂からなる請求項1から5のいずれか1項に記載の凹状パターンモールド。
  7. 前記剛性フィルムは、ポリエステル系樹脂である請求項1から6のいずれか1項に記載の凹状パターンモールド。
  8. 前記モールド本体の材料がシリコーン樹脂であり、前記剛性フィルムの材料が非結晶ポリエチレンテレフタレートである請求項1から7のいずれか1項に記載の凹状パターンモールド。
  9. 前記針状凹部に薬剤を充填する際の位置決めをする位置決めピン用の貫通孔を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の凹状パターンモールド。
  10. 前記モールド本体の表面に設けられた前記剛性フィルムの厚みが、裏面に設けられた前記剛性フィルムの厚みよりも厚い請求項1から9のいずれか1項に記載の凹状パターンモールド。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の凹状パターンモールドの前記針状凹部に、薬剤を充填する薬剤充填工程と、
    前記薬剤充填工程後の前記凹状パターンモールドの表面に基材溶液を塗布する基材溶液塗布工程と、
    前記基材溶液を乾燥し、パターンシートを形成する工程と、
    前記パターンシートを、前記凹状パターンモールドから剥離する剥離工程と、を有するパターンシートの製造方法。
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