JP2018038562A - 回胴式遊技機 - Google Patents

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駿矢 吉岡
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高大 加藤
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Abstract

【課題】副遊技部が保持する所定のデータを、回胴式遊技機外の所定の装置に対して送信可能な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技進行を制御する主基板側へAT状態に関する制御処理を移行させることで遊技進行状況を把握容易としつつ、従来の抽選方式には無い新たな抽選方式に活用し、或いは、演出表示を制御する副基板側での情報出力を多様なものとするよう構成した。
【選択図】図1

Description

回胴式遊技機に関する。
回胴式遊技機(スロットマシン)は、所定数の遊技メダルを投入後に遊技開始指示装置(スタートレバー)が操作されたことを契機として1ゲームが開始されて、複数の図柄が外周上に配置された複数列の回胴(リール)が回転動作し、当該回転動作を停止させるための回胴停止装置(ストップボタン)を駆使して回胴を停止させた結果、有効ライン上に所定の図柄の組合せ(例えば「777」等の入賞役)が並んだ場合には、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態(通常時よりも小役等の抽選確率が上昇する遊技状態)に移行するタイプのものが一般的である。ここで、回胴式遊技機においては、遊技の興趣性を高めるための演出用の画像等が、リールの回転動作及び停止動作とシンクロした形で、液晶等のディスプレイ上にて表示される場合があり、回胴停止装置等を操作した際に、回胴上に表示された図柄とディスプレイ上に表示された演出用の画像等とを見比べながら、遊技の結果を予測して楽しむよう構成されているものが多い。
また、近年の回胴式遊技機においては、回胴停止装置の操作態様(操作順番や操作タイミング)に応じて、入賞役の入賞有無や入賞役の種類が変化するよう構成され、遊技者にとって有利な入賞役が入賞するよう操作指示(ナビゲーション)を発してアシストするもの(いわゆるAT機)も多く登場している。このAT機においては、操作指示を発する状態(AT状態)と操作指示を発しない状態(非AT状態)とを有しており、AT状態が継続すればするほど、遊技者にとって有利となるような遊技性を備えている。
特開2007−167684
遊技の興趣性をより高めるための更なる改善が望まれている。
本態様に係る回胴式遊技機は、
遊技の進行を制御する主遊技部と、
演出の表示制御を行う副遊技部と
を備え、
副遊技部が保持する所定のデータを、回胴式遊技機外の所定の装置に対して送信可能に構成されている
ことを特徴とする回胴式遊技機である。
本態様に係る回胴式遊技機によれば、遊技の興趣性をより高めることができる、という効果を奏する。
図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の斜視図である。 図2は、本実施形態に係る回胴式遊技機の扉を開いた状態の斜視図である。 図3は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、メダル投入口内部の斜視図である。 図4は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、メダル払出装置の正面図及び上面図である。 図5は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、基本仕様一覧である。 図6は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、リール配列一覧である。 図7は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、図柄組み合わせ一覧1である。 図8は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、図柄組み合わせ一覧2である。 図9は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、図柄組み合わせ一覧3である。 図10は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、図柄組み合わせ一覧4である。 図11は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、条件装置一覧1である。 図12は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、条件装置一覧2である。 図13は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、条件装置一覧3である。 図14は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、条件装置一覧4である。 図15は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、条件装置一覧5である。 図16は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、小役出現率一覧である。 図17は、本実施形態に係る回胴式遊技機の電気的全体構成図である。 図18は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのメインフローチャートである。 図19は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での設定変更装置制御処理のフローチャートである。 図20は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での復帰不可能エラー処理のフローチャートである。 図21は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(1枚目)のフローチャートである。 図22は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(2枚目)のフローチャートである。 図23は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。 図24は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのAT状態移行制御処理のフローチャートである。 図25は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での条件装置番号管理処理のフローチャートである。 図26は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、演出グループ番号一覧である。 図27は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのレバー時ゲーム数上乗せ実行処理のフローチャートである。 図28は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのリール回転開始準備処理のフローチャートである。 図29は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での残りゲーム数管理処理のフローチャートである。 図30は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのRT状態移行制御処理のフローチャートである。 図31は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、RT状態遷移図である。 図32は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのAT中状態開始制御処理のフローチャートである。 図33は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、AT状態遷移図である。 図34は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、ATに関する状態と遊技区間との対応表である。 図35は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技区間移行制御処理のフローチャートである。 図36は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、遊技区間遷移図である。 図37は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのタイマ割り込み時処理のフローチャートある。 図38は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での電源断時処理のフローチャートである。 図39は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、本実施形態に係る回胴式遊技機における、副制御基板側でのメインフローチャートである。 図40は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、副制御基板側での演出動作内容決定処理のフローチャートである。 図41は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、副制御基板側での演出動作制御処理のフローチャートである。 図42は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、副制御基板側での外部出力制御処理のフローチャートである。 図43は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、副制御基板側でのGPS関連制御処理のフローチャートである。 図44は、本実施形態からの変更例1に係る回胴式遊技機の電気的全体構成図である。 図45は、本実施形態からの変更例1に係る回胴式遊技機における、副制御基板側での外部出力制御処理のフローチャートである。 図46は、本実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技区間遷移図である。 図47は、第2実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。 図48は、第2実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのBB中抽選実行処理のフローチャートである。 図49は、第2実施形態からの変更例1に係る回胴式遊技機における、RB作動時小役出現率一覧である。 図50は、第2実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(2枚目)のフローチャートである。 図51は、第2実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのBB中フリーズ制御処理のフローチャートである。 図52は、第2実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。 図53は、第2実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのBB中抽選実行処理のフローチャートである。 図54は、第2実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのBB中タイマ制御処理のフローチャートである。 図55は、第2実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのBB中演出実行イメージ図である。 図56は、本例に係る回胴式遊技機に適用可能な、ガセ終了演出の発生タイミングの一例である。 図57は、第2実施形態からの変更例3に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのBB中抽選実行処理のフローチャートである。 図58は、第3実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。 図59は、第3実施形態に係る回胴式遊技機における、小役及びBB出現率一覧である。 図60は、第3実施形態からの変更例1に係る回胴式遊技機における、小役出現率一覧2である。 図61は、本例に係る回胴式遊技機におけるGPS位置情報認識イメージ図である。 図62は、本例に係る回胴式遊技機におけるRTC演出同時実行イメージ図である。 図63は、本例に係る回胴式遊技機におけるキャプチャ画像受信イメージ図である。 図64は、本例に係る回胴式遊技機における押し順表示イメージ図である。 図65は、本例に係る回胴式遊技機における有利区間表示器点灯タイミングの一例である。 図66は、本例に係る回胴式遊技機に適用可能な副制御基板による通信態様の一例である。 図67は、本例に係る回胴式遊技機に適用可能な構成一覧表である。
はじめに、本明細書における各用語の意義について説明する。「乱数」とは、回胴式遊技機において何らかの遊技内容を決定するための抽選(電子計算機によるくじ)に使用される乱数であり、狭義の乱数の他に擬似乱数も含む(例えば、乱数としてはハード乱数、CPUを含む主制御チップによって生成された内蔵乱数、擬似乱数としてはソフト乱数)。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技に移行するための特別役や入賞役(小役、再遊技役)と関連した「当選乱数」、等を挙げることができる。「CPU」とは、当業界において周知であるものと同義であり、使用されているアーキテクチャ(CISC、RISC、ビット数等)や処理性能等には何ら限定されない。「電断(電源断)」とは、遊技機に設けられた電源スイッチの操作実行有無に係らず、遊技機に供給される電源電圧が一定レベル以下となったことを指し、例えば、電源供給ユニットの破損や停電等による不測の事態による電源供給の遮断をも包含する。「ROM」とは、当業界において周知であるものと同義であり、情報を物理的に保持する(例えば、データ読み出し用の電流を与えた場合、導通する素子構成であれば「1」、導通しない素子構成であれば「0」となる)。RAMとは、当業界において周知であるものと同義であり、情報を電気的に保持する(例えば、データ読み出し用の電流を与えた場合、蓄電されていれば「1」、蓄電されていなければ「0」となる。尚、RAM内で保持されているデータの一部又はすべてに対して、電断時にはバックアップ電源が供給されるよう構成されていることが一般的である)。「遊技状態」とは、例えば、遊技メダルが獲得容易であり遊技者にとって有利な特別遊技状態(いわゆる大当り遊技であり、ボーナス遊技や第1種BB・第2種BB等と呼ばれるものが該当する)、再遊技役の当選率があらかじめ定められた値である通常遊技状態よりも再遊技役の当選率が高い(又は低い)状態である再遊技確率変動遊技状態(RT状態)、当選した役を入賞させるためのリールの停止順、停止位置を報知し得るAT(アシストタイム)中状態、前記RT状態とAT中状態とが複合したART(アシストリプレイタイム)状態、等が挙げられる。また、通常遊技状態においても、RT状態、AT中状態、ART中状態への移行抽選確率が異なる、高確率通常遊技状態、低確率通常遊技状態、等(本例では、抽選状態と称している)が挙げられる。また、遊技状態は複合しても問題ない{更に、これらの遊技状態や機能(例えば、AT中状態への移行抽選や、リールの停止順に係る報知指示の出力等)は、遊技進行を制御する主制御基板側ですべて実装してしまっても問題ない}。また、本例においては、ATに関する状態とRT状態とを個別に記載し、RT状態が「RT1」且つATに関する状態が「通常遊技状態」等と称しているが、RT状態とATに関する状態とを纏めてARTに関する状態としてARTに関する状態が「通常遊技状態」等と称してもよい。「当選役」とは、内部抽選により当選した条件装置の種類(又は、条件装置番号)である。「報知状態」とは、後述する押し順ナビを実行可能なATに関する状態であり、リール停止順によって入賞する役が相違しないために押し順ナビが実行されない条件装置が当選したゲームであっても、ATに関する状態が押し順ナビを実行可能な状態であれば「報知状態」とするよう構成している。「カウンタ値」とは「報知遊技実行可能数」とも称し、後述する、AT残りゲーム数もしくはATカウンタM60のカウンタ値である。例えば、「報知遊技実行可能数」が1以上(「0」となった当該遊技も含めても良い)である場合には後述する押し順ナビが実行され得る。また、「報知遊技実行可能数」として、小役(主に、押し順ベル役)が当選したことに基づいて得られる遊技媒体の差枚数(払出し枚数から投入枚数を引いた枚数)や、押し順ベル役の当選回数、を採用しても良い。また、「特殊報知状態」とは、ATに関する状態のうち遊技者に最も有利となる状態であり、本例では、「上乗せ特化状態」と称している。また、「特定条件」とは、ATカウンタ値を減算し得る条件であり、例えば、1ゲームが終了した、所定役(例えば、押し順ベル役)が当選した、等が特定条件となる。「第1種特別役物」とは、規定数ごとの入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものであり、RB(レギュラーボーナス)と称することがある。「第1種特別役物連続作動装置」とは、第1種特別役物を連続して作動させることができる装置で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動しあらかじめ定められた場合に作動を終了するものであり、BB(ビッグボーナス)や第1種BBと称することがある。「第2種特別役物」とは、役抽選の結果に拘らず入賞に係る条件装置を作動させることとなる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し1回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了するものであり、CB(チャレンジボーナス)と称することがある。「第2種特別役物連続作動装置」とは、第2種特別役物を連続して作動させることができる装置で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動しあらかじめ定められた場合に作動を終了するものであり、MB(ミドルボーナス)や第2種BBと称することがある。「普通役物」とは、規定数毎の入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は、規定数毎の入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動し1回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了することとされているものであり、SB(シングルボーナス)と称することがある。「オールJACINタイプ」とは、第1種BB役が入賞した場合にJACINしたものとみなし、第1種BBの実行中においては常にRB中とする構成である。また、「JACIN抽選タイプ」とは、第1種BBの実行時にて非RB中とRB中とを繰り返し実行する構成である。また、「無制御リール」とは、停止操作を行った後に実行され得る引込み制御が実行されない状態のリールであり、停止操作を受け付けたリール位置から停止し得る最も近いリール位置にて停止する状態のリールである。「オールCBタイプ」とは、第2種BBの実行時にて常にCB中となる構成である。「CB移行抽選タイプ」とは、第2種BBの実行時にて非CB中とCB中とを繰り返し実行する構成である。
尚、本実施形態は、あくまで一例であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した実施形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある実施形態についての変更例は、別の実施形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。
(本実施形態)
ここで、各構成要素について説明する前に、本実施形態に係る回胴式遊技機Pの特徴(概略)を説明する。以下、図面を参照しながら、各要素について詳述する。
まず、図1(一部の構成については図2)を参照しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の前面側の基本構造を説明する。まず、回胴式遊技機Pは、主に前扉(フロントドアとも称す)と、裏箱(キャビネット、基体とも称す)と裏箱内に設置されたリールユニット、ホッパ装置、電源ユニット、主制御基板M(主制御チップCが搭載されている基板)で構成される。以下、これらを順に説明する。
次に、回胴式遊技機Pの前扉DUは、装飾ランプユニットD150、メダル受け皿D230、を含む。まず、装飾ランプユニットD150は、回胴式遊技機Pの遊技の進行に応じて発光する発光源を有したものである。また、前扉DUの開閉状態を検出可能な扉スイッチD80が設けられている。また、前扉DUには鍵穴D260が設けられており、鍵穴D260の形状と整合するキー(ドアキー)を鍵穴D260に差し込む{加えて、所定の方向(例えば、時計回り)に捻る}ことで、前扉DUを開放し得るよう構成されている。更に、本実施形態においては、ドアキーを鍵穴D260に差し込む{加えて、所定の方向(例えば、反時計回り)に捻る}ことで、エラー状態(ドア開放エラー等)を解除し得るよう構成されている。次に、メダル受け皿D230は、放出口D240から放出された遊技メダル(或いは単にメダルと呼ぶことがある)の受け皿である。
次に、前扉DUは、遊技状態を視認可能にするための機構、遊技媒体の入力を可能にするための機構、リールユニットを操作するための機構、等を含む。具体的には、遊技状態を視認可能にするための機構として、リール窓D160、投入数表示灯D210、操作状態表示灯D180、特別遊技状態表示装置D250、クレジット数表示装置D200、払出数表示装置(押し順表示装置)D270(押し順表示装置D270と称することもある)、ATカウンタ値表示装置D280、有利区間表示器YH等が取り付けられている。また、遊技媒体の投入や賭け数(ベット数)の入力を可能にするための機構として、メダル投入口D170、ベットボタンD220、投入された遊技媒体の払い出しを可能にするための機構として、精算ボタンD60が取り付けられている。そして、リールを操作するための機構として、スタートレバーD50、停止ボタンD40が取り付けられている。以下、各要素について詳述する。
<遊技状態を視認可能にするための機構>
次に、リール窓D160は、前扉DUの一部を構成する合成樹脂等によって形成された透明な部材であり、リール窓D160を通して遊技機枠内に設置されたリールユニットを視認可能に構成されている。また、投入数表示灯D210は、LEDによって構成されており、現在ベット(一の遊技を開始するために必要な遊技メダルを投入すること)されているメダル数と同数のLEDが点灯するよう構成されている。また、操作状態表示灯D180は、LEDによって構成されており、現在の操作状態(メダル受付可否状態、再遊技停止状態、遊技開始ウェイト状態等)に応じて点灯・消灯するよう構成されている。また、特別遊技状態表示装置D250は、7セグメントディスプレイによって構成されており、特別遊技中に払い出された払出数の総数が表示されるよう構成されている。尚、特別遊技状態表示装置D250を設けない構成としてもよく、そのように構成した場合には、演出表示装置S40(第二情報表示部とも称することがある)にて当該払出数の総数を表示するよう構成することで遊技者は特別遊技中に払い出された払出数の総数を認識することができユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。また、払出数表示装置(押し順表示装置)D270は、7セグメントディスプレイによって構成されており、現在払出されている遊技メダル数及びリール停止順(左停止ボタンD41、中停止ボタンD42、右停止ボタンD43の停止順)によって入賞する役が相違し得る条件装置{いわゆる押し順役(押し順あり役ともいう)であるが、入賞する役や停止表示される図柄組合せが相違した場合には、遊技者に付される利益率(払出枚数、その後のRT状態等)が異なり得るよう構成されているものが一般的である}が成立したゲームにて、遊技者に最も有利となるリール停止順を報知し得るよう構成されている(当該報知を押し順ナビと称することがある)。このように、払出数表示装置(押し順表示装置)D270は、現在払出されている遊技メダル数と遊技者に最も高利益となるリール停止順との2つの表示を実行し得るよう構成されており、実行されている表示が2つの表示のうちいずれであるかを遊技者が誤認しないような表示態様となっており、当該表示態様の詳細は後述することとする。また、クレジット数表示装置D200は、7セグメントディスプレイによって構成されており、遊技者の持ちメダルとして遊技機内に貯留されているメダル数の総数(クレジット数)が表示されるよう構成されている。また、ATカウンタ値表示装置D280は、ATに関する状態(詳細は後述する)のうち、押し順表示装置D270(第一情報表示部とも称することがある)に表示された押し順ナビ表示に従って遊技を進行した場合に保障されることとなる遊技者にとって有利なATに関する状態(本例では、押し順ナビ状態と称しており詳細は後述する)に滞在し得るゲーム数を表示し得るよう構成されている。尚、ATカウンタ値表示装置D280を設けない構成としてもよく、そのように構成した場合には、AT中状態に滞在し得るゲーム数を演出表示装置S40にて表示するよう構成することで遊技者は当該有利なATに関する状態が保障されているゲーム数を認識することができユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。尚、払出数表示装置(押し順表示装置)D270は、払出数表示装置と押し順表示装置との2つの装置に分けるよう構成してもよい。
また、有利区間表示器YHは、LEDによって構成されており、「有利区間」である場合には点灯し、「有利区間」でない場合には消灯するよう構成されている(点灯及び消灯タイミングについては後述する)。ここで、本例に係る回胴式遊技機においては、従来の回胴式遊技機と同様に、遊技メダルが獲得容易であり遊技者にとって有利な特別遊技状態(いわゆる大当り遊技であり、ボーナス遊技や第1種BB・第2種BB等と呼ばれるものが該当する)、再遊技役の当選率があらかじめ定められた値である通常遊技状態よりも再遊技役の当選率が高い(又は低い)状態である再遊技確率変動遊技状態(RT状態)、当選した役を入賞させるためのリールの停止順、停止位置を報知し得るAT(アシストタイム)中状態、前記RT状態とAT中状態とが複合したART(アシストリプレイタイム)状態、等を採り得るが、これらの「遊技状態」とは別に、「通常区間」、「待機区間」及び「有利区間」という3つの「遊技区間」のいずれかを設定可能となっている。このうち、「有利区間」が他の「遊技区間」よりも、遊技者にとって相対的に有利となるものとして位置付けられており、例えば、「遊技状態」がAT中状態やART状態であることと「有利区間」とが対応付けされている。即ち、「遊技状態」がAT中状態やART状態であると、有利区間表示器YHが点灯するのであるが、後述するように、「遊技区間」の設定制御も「遊技状態」の設定制御と同様に、遊技進行を制御する主制御基板側で行われるため、有利区間表示器YHの点灯/消灯状況によって、遊技進行状況が遊技者にとって相対的に有利なものとなっているか否かが、嘘偽りなく遊技者に対して伝達可能となっている。尚、後述するように、「有利区間」が所定の上限ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達するまで継続すると「通常区間」が強制的に設定されるのであるが、その際には、残存するATに関する状態も強制的に終了させられる(AT中状態を維持するための情報がクリア・初期化される)ため、「遊技区間」の移行が「遊技状態」の移行にも影響を与え得るものとなっており、それにより比較的設計自由度の高いAT中状態やART状態等の「遊技状態」によって、著しく射幸性が高まってしまうことを自動的に抑制できるものとなっているのである。尚、上述したように、「有利区間」が所定の上限ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達するまで継続すると「通常区間」が強制的に設定される、即ち、「有利区間」が終了することとなるが、「有利区間」の終了条件はこれには限定されない。本例に係る回胴式遊技機における「有利区間」の終了条件は、「押し順役(押し順あり役)を構成する小役の中で、払出し枚数が最も多い小役を獲得可能な押し順ナビ1回の実行(例えば、押し順役を構成する小役として、7枚、3枚、1枚の小役がある場合、払出し枚数が最も多い7枚が獲得可能な押し順ナビであって、押し順により7枚、又は1枚が獲得可能な押し順役と、押し順により3枚が獲得可能な押し順役があれば、3枚が獲得可能な押し順ナビは、ここでいう押し順ナビには該当しない)」、又は、「BB、RB、MB、のいずれかに当選」を満たし、且つ、「任意の終了条件(40G1セットのループ抽選に非当選(AT)、固定32G経過(ガセ前兆)等)」、又は、「有利区間1500G」を満たすことが終了条件となっている。尚、押し順ベル役が存在しないような仕様(例:RT状態を移行するためのリプレイの押し順は存在するが、押し順によって払出し枚数が異なる小役が存在しない仕様)の場合には、「払出し枚数が最も多い小役を獲得可能な押し順ナビ1回」という有利区間を終了するための条件は除外される。
<遊技媒体の入力を可能にするための機構>
次に、メダル投入口D170は、遊技メダルの投入口であり、メダル受付可能状態である状況下において当該投入口に投入された遊技メダルは遊技機内部へと誘導される。また、遊技機内部にはメダルの投入を検出するセンサとして、投入受付センサD10sと、第1投入センサD20sと、第2投入センサD30sと、が設けられており、遊技機内部へと誘導された遊技メダルが正常に投入されたと判断した場合に、投入されたメダルをベットされたメダルとして検出し得るよう構成されている。また、ベットボタンD220は、遊技者によって操作可能に構成されており、操作によって、貯留されているメダル(クレジットのメダル)をベットすることができるよう構成されている。また、精算ボタンD60は、遊技者によって操作可能に構成されており、操作によって、貯留されているメダル(クレジットのメダル)及び/又はベットされているメダルを遊技者に払い戻すことが可能となっている。尚、精算ボタンD60の操作によって払い戻された遊技メダルは、放出口D240に払い出されるよう構成されている。
<リールを操作するための機構>
次に、スタートレバーD50は、遊技者によって操作可能に構成されており、操作によってリールの動作を開始可能に構成されている。また、停止ボタンD40は、遊技者によって操作可能な左停止ボタンD41、中停止ボタンD42、右停止ボタンD43を備えており、夫々の停止ボタンを操作することによってリールの動作を順次停止可能に構成されている。
次に、回胴式遊技機Pのリールユニットは、リールM50とリールM50の駆動源(ステッピングモータ等)とを備えている。また、リールM50は、左リールM51、中リールM52、右リールM53を備えている。ここで、夫々のリール部は合成樹脂等により形成され、リール部の外周上(リール帯上)には複数の図柄が描かれている。そして、スタートレバーD50及び停止ボタンD40における各停止ボタンの操作に基づき、夫々のリール部の回転動作及び停止動作を可能とするよう構成されている。また、図示しないが、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の内部にはLED(以下、リールバックライトと呼ぶことがある)が設けられており、LEDが点灯した際にはリール部外周を透過した光によって、リール部外周が点灯したように視認できるよう構成されている。
<その他の機構>
また、回胴式遊技機Pの遊技機の内外には、遊技の興趣性を高めるための機構として、予告演出や背景演出等の演出を表示するための演出表示装置S40、ベットボタンD220の近傍に設けられた、操作することで演出が新たに実行されたり、演出表示装置S40上にて新たな画面が表示されたりする副制御基板Sにて制御する装置であるサブ入力ボタンSB、様々な点灯態様にて点灯し得るLEDランプS10、サウンドを出力し得るスピーカS20、合成樹脂等によって形成された部材である、上パネルD130及び下パネルD140、等が設けられている。
次に、図2は、前扉DUを開いて回胴式遊技機Pの内部の構成を示した斜視図である。前扉DUの裏面側上部には、演出表示装置S40が取り付けられている。前扉DUのほぼ中央にはリール窓D160が設けられており、その下方には、後述する扉基板Dが設けられている。また、扉基板Dには、前述した停止ボタンD40や、スタートレバーD50、精算ボタンD60等の入力信号が入力される。また、扉基板Dの下方には、スピーカS20が設けられている。
また、詳細は後述するが、扉基板Dの付近には、メダル投入口D170から投入された遊技メダルの通路となる投入受付センサD10sが設けられており、投入受付センサD10sの下方には、遊技メダルを放出口D240に導くためのコインシュータD90などが設けられている。投入受付センサD10sは、メダル投入口D170から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有しており、この機能により適合しないと判断されたメダル(又は、その他の異物)は、ブロッカD100により放出口D240に払い戻されるよう構成されている。遊技者がスタートレバーD50を操作する前に(遊技メダルの投入が有効である状態にて)遊技メダルを投入すると、遊技メダルは投入受付センサD10sによって選別され、規格を満足しているものだけがホッパH40内に投入され、規格を満たしていないメダルは、コインシュータD90を通って、放出口D240に返却されるようになっている。これに対して、スタートレバーD50が操作された後に(遊技メダルの投入が有効でない状態にて)遊技メダルが投入された場合は、規格を満たしているか否かに拘らず、投入された遊技メダルはコインシュータD90を通って、放出口D240に返却される。また、投入受付センサD10sの内部(流路の奥)には、詳細後述するメダル投入に係るセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルが通過すると、第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sによって検出されて、その信号が後述する主制御基板Mに供給されるようになっている。
リールM50の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板Mが格納されており、リールM50の背後には、各リール(左リールM51、中リールM52、右リールM53)を駆動するための後述する回胴基板Kが格納されている。また、リールM50の左方には、図1に示した演出表示装置S40や、LEDランプS10、スピーカS20等を用いて行われる各種演出の制御を司る後述する副制御基板Sが格納されている。また、主制御基板Mには、後述する設定変更装置制御処理を実行するため(設定変更を行うため)に使用する設定キースイッチM20、設定値の変更やエラー解除等を実行し得る設定/リセットボタンM30、が接続されている。尚、設定キースイッチM20、設定/リセットボタンM30、については何れも不図示としているが、主制御基板Mの基板上等の適宜位置に設けられていればよい(即ち、前扉DUを開かなければ人為的なアクセスが困難な位置に設けられていればよい)。
リールM50の下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパH40や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置Hが設けられており、回胴式遊技機P全体に電源を供給するための電源基板Eが格納されている。メダル払出装置Hから払い出された遊技メダルは、コインシュータD90を通って、放出口D240から払い出されるようになっている。また、電源基板Eの前面には、回胴式遊技機Pの電源を投入するための電源スイッチE10も設けられている。
次に、図3は、回胴式遊技機内部における、メダル投入口D170に投入された遊技メダルの経路(セレクタ)を示した斜視図である。メダル投入口D170に投入された遊技メダルは、まず投入受付センサD10sを通過する。投入受付センサD10sは機械式のダブルセンサになっており、遊技メダルが通過することによって、2つの突起した機構が押下されることによりオンとなり遊技メダルが正常に通路を通過することができることとなる。また、このような構成により、遊技メダルではない異物(例えば、遊技メダルよりも径が小さいもの)が投入された場合には、2つの突起した機構が押下されない。このようなメダルは、起立した状態をメダルが維持できないため、通路を通過できず(メダルが倒れこむ)放出口D240に払い戻されることとなる。そのほかにも、投入受付センサD10sは、オンとなっている時間が所定時間以上連続した場合等にも、エラーであると判定し得る(その結果、ブロッカD100がオフとなり得る)よう構成されている。
遊技メダルがブロッカD100を正常に通過した場合に、通過直後に第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sを通過することとなる。この投入センサ(第1投入センサD20s及び第2投入センサD30s)は2つのセンサで構成されており(遊技メダルの規格上の直径よりも小さい間隔で隣接配置されており)、夫々のセンサのオン・オフ状況(第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sのオン・オフの組み合わせの遷移していく順序、等)及びオン・オフとなっている時間を監視することにより様々なエラーを検出可能に構成されている。
次に、図4は、回胴式遊技機における、メダル払出装置Hの正面図及び上面図である。メダル払出装置Hは、クレジット(遊技機内部に電子的に貯留されている遊技メダル)又はベットされているメダル(遊技を開始するために投入されたメダル)が存在する状態で、精算ボタンが操作された、又は、入賞により遊技メダルが払い出される場合に作動することとなる。作動する場合には、まず、ホッパモータH80が駆動することにより、ディスク回転軸H50aを中心にディスクH50が回転する。回転によりメダル払出装置H内の遊技メダルは放出付勢手段H70を変位させて遊技メダル出口H60から放出口D240に向かって流下していくこととなる。尚、払出センサ(第1払出センサH10s及び第2払出センサH20s)は2つのセンサで構成されており、夫々のセンサのオン・オフ状況(第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sのオン・オフの組み合わせの遷移していく順序、等)及びオン・オフとなっている時間を監視することにより様々なエラーを検出可能に構成されている。より具体的には、例えば、遊技メダル出口H60を正常に通過する際には、放出付勢手段H70の変位により、第1払出センサH10s=オフ・第2払出センサH20s=オフの状態から、第1払出センサH10s=オフ・第2払出センサH20s=オフ→第1払出センサH10s=オン・第2払出センサH20s=オフ→第1払出センサH10s=オン・第2払出センサH20s=オン→第1払出センサH10s=オフ・第2払出センサH20s=オン→第1払出センサH10s=オフ・第2払出センサH20s=オフ、というセンサ状態遷移となるため、このセンサ状態遷移と反する動きを検出した場合には、エラーとするよう構成することを例示することができる。
次に、図5は、本実施形態における、回胴式遊技機の基本仕様一覧である。本実施形態に係る回胴式遊技機は、規定数(1ゲームにてベットできる遊技メダルの最大枚数)が3枚、左リールM51、中リールM52及び右リールM53のコマ数はいずれも20コマ、入賞判定される有効ラインは「左リールM51下段、中リールM52中段、右リールM53上段」の1ライン、最大払出枚数は7枚、最小払出枚数は1枚であり(入賞役と払出枚数との対応付けは後述)、ボーナス図柄は「羊・羊・羊」(450枚を超える払出で終了)であり第1種BB役(いわゆる第1種特別役物に係る役物連続作動装置であるが、以下、単にBB役と呼ぶことがある)となっている。尚、本実施形態においては、第1種BB役が入賞し、BBが実行された(役物が作動した)場合には、当該BB実行中においては、BB中のすべてのゲームにおいて、1つの抽選テーブルを参照して、役物以外の当選役(小役、再遊技役)を抽選するよう構成されている(1回のBBの実行中において役抽選の際に参照するテーブルを切り替えない方式であり、以下、オールJACINタイプと呼ぶことがある)。尚、第1種BB役の形式に関しては、これには限定されず、1回のBBの実行中において役抽選の際に参照するテーブルを切り替え得るよう構成してもよく、このような構成については後段にて詳述する。また、優先入賞順(引き込み優先順)は、「再遊技役→小役(ベル、スイカ、等)→ボーナス」となっており、例えば、再遊技役とボーナスが同時に成立している場合には、再遊技役となる図柄組み合わせが停止表示し且つボーナスは入賞不能である。また、ベルとスイカが成立している場合には、どちらも引き込める位置(入賞する停止位置まで4コマ以内の位置)で停止ボタンを押した場合には払出枚数が多い小役を優先して引きこむよう構成されている。尚、同図に示した構成はあくまで一例であり、各リールのコマ数を変更(例えば、21コマに変更)したり、有効ラインの構成を変更(例えば、横3ライン、斜め2ラインの5ラインに変更)しても何ら問題ない。また、特に押し順によって遊技者にとって異なる利益が付与される押し順小役が当選したときの引き込み制御としては、予め定められた正解の押し順で操作された場合には払出し枚数の多い小役を優先して引き込むように制御(枚数優先制御)しており、正解の押し順とは異なる不正解の押し順で操作された場合には停止表示可能な(停止操作から4コマ以内の位置に配置されている)図柄のうち入賞可能性を高める(入賞可能な複数図柄組合せのうち入賞する可能性が最も多くなる)図柄を引き込む制御(個数優先制御)を行っている。
次に、図6は、本実施形態における、回胴式遊技機のリール配列一覧である。同図に示されるように、左リールM51、中リールM52及び右リールM53のコマ数はいずれも20コマ(0番〜19番)であり、図柄は「セブン」、「羊」、「ブランクB」、「ベル」、「リプレイA」、「リプレイB」、「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」、「ブランクA」の10種類となっている。ここで、「ブランクA」、「ブランクB」は、その他の図柄と同様に当選役を構成する図柄組み合わせに含まれる図柄であり、当選役を構成しない図柄という意味ではなく、「ブランクA」を含む当選役を構成する図柄組み合わせとしては、例えば、「スイカB・リプレイA・ブランクA」で再遊技03となっており、「ブランクB」を含む当選役を構成する図柄組み合わせとしては、例えば、「スイカB・リプレイA・ブランクB」で再遊技03となっている。尚、同図に示した構成はあくまで一例であり、図柄の種類を増減・変更しても何ら問題ない。
次に、図7〜図10は、本実施形態における図柄組み合わせ一覧1〜4である。本実施形態においては、夫々の条件装置に対して複数の図柄組み合わせが存在しており、後述するように、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の停止順番や停止位置に応じて、いずれか一の図柄組み合わせが有効ライン(前述した1ライン)上に停止表示されるよう構成されている。尚、有効ライン上に同一種類の図柄が揃っていない場合にも遊技者から見ると有効ライン以外のライン上にて一列に同一の図柄が揃いやすく構成されている(スイカの場合には中段に横一直線に揃う等、リール上のいずれかに一直線にスイカ図柄が3つ揃うよう構成されている)。
次に、図11〜図15は、本実施形態における条件装置一覧1〜5である。本実施形態においては、再遊技役は再遊技‐A〜再遊技‐H3(条件装置番号1〜22)まで設けられており、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の停止順番や停止位置に応じて、停止表示する再遊技役が相違し得るよう構成されている。尚、条件装置番号を当選番号と称する場合もある。また、「押し順等」の項目には、停止順によって停止表示される再遊技役の種類が記載されており、例えば、「左リールM51:1、中リールM52:2、右リールM53:3」となっており「123」の場合「左リールM51→中リールM52→右リールM53」の押し順で停止させるという意味であり、例えば、「再遊技C‐1」(条件装置番号7)の場合には、「123」=「左→中→右」の順に停止させると「再遊技06」となる図柄組み合わせが停止表示することとなる。さらに、「左→右→中」の順に停止させると「再遊技04」となる図柄組み合わせが停止表示し、中第1停止を行うと、第2停止及び第3停止のリールの種別によらず「再遊技04」となる図柄組み合わせが停止表示し、右第1停止を行うと、第2停止及び第3停止のリールの種別によらず「再遊技03」となる図柄組み合わせが停止表示することとなる。このように構成することによって、押し順に正解できれば遊技状態(ATに関する状態やRT状態)が昇格(遊技者にとって高利益な遊技状態へ移行)したり、押し順に正解できなければ遊技状態(ATに関する状態やRT状態)が転落(遊技者にとって低利益な遊技状態へ移行)するような遊技性を創出することができる。また、「入賞‐A1(ベル)」(条件装置番号23)の場合には、「123」=「左→中→右」の順で停止させる、即ち、押し順に正解すると7枚の払出となり、その他の押し順で停止させる、即ち、押し順に正解できないと1枚の払出となるよう構成されており、このように構成することで、「AT中状態」及び「AT準備中」等のATに関する状態にて再遊技役の押し順やベルの押し順をナビ(押し順表示装置D270にて最高利益となる押し順を表示)し、「通常遊技状態」及び「AT前兆状態」等のATに関する状態には押し順をナビしないという遊技者の利益率が異なる複数の遊技状態を創出することができる。尚、ATに関する状態については後述する。また、「入賞‐E1」(条件装置番号42)の場合には、「123」=「左→中→右」の順で停止させる、即ち、押し順に正解すると3枚の払出となり、その他の押し順で停止させた場合、即ち、押し順に正解できなかった場合にも1/4の確率で3枚の払出となるよう構成されている。また、当該押し順に正解できなかった場合の3/4で特定図柄が停止する(メダルの払出はないよう構成されている)よう構成されている。ここで、「特定図柄が停止」とは、RT状態を移行させる契機となる図柄組合せが停止表示する(される)ことを指す。本実施形態においては、後述する図32のRT状態遷移図に記載の通り、「RT0」、「RT2」、「RT3」において特定図柄が停止することにより、「RT1」に移行するよう構成されている。
次に、図16は、本実施形態における小役、及び、再遊技役に関する条件装置番号(当選番号、当選役とも称す)が役抽選手段により決定される抽選確率(当選率とも称する)を示す一覧である。同図においては、条件装置番号の当選率を図示しており、例えば、「入賞‐E1」の場合には特定図柄が停止し得ることとなるが、特定図柄が実際に停止する確率は、図示している確率(80/65536)で停止するということではなく、押し順ナビが発生しない状況においては、3枚役が入賞することとなる3択の押し順に正解せず、且つ、特定の操作タイミングで操作しなかった場合に特定図柄が停止することとなり、押し順ナビが発生し得る状況においては、当該押し順ナビに従ってリールを停止させた場合には必ず3枚役が入賞することとなる。具体的には、例えば「入賞‐E1」に対応する条件装置番号42が決定された状況下において、(1)第1停止操作で左停止ボタンD41が操作された場合には、入賞09〜入賞12の何れかの3枚役が入賞し、(2‐1)第1停止操作で中停止ボタンD42が操作された場合には、中リールにはベル図柄が停止し、(2−2)第2停止操作で左リールが停止された場合には、停止操作タイミングによってスイカA又はスイカB(停止操作を受け付けてから4コマ以内にある入賞13を構成するスイカ図柄)の何れかを停止し、(2‐3)第3停止操作で右リールが停止操作された場合には、停止操作タイミングによってセブン図柄(停止操作を受け付けてから4コマ以内にある入賞13を構成するセブン図柄)が停止表示される場合と、セブン図柄を停止表示できない停止操作タイミング(右リールの上段に図柄番号4のスイカA〜図柄番号8のセブン図柄以外の操作タイミング)で操作された場合には、リプレイAを停止表示する。このため、図10に記載の特定図柄02が停止表示される。一方、(3‐1)第1停止操作で中停止ボタンD42が操作された場合には、中リールにはベル図柄が停止し、(3‐2)第2停止操作で右リールが停止された場合には、停止操作タイミングによってセブン図柄(停止操作を受け付けてから4コマ以内にある入賞13を構成するセブン図柄)が停止表示される場合と、セブン図柄を停止表示できない停止操作タイミング(右リールの上段に図柄番号4のスイカA〜図柄番号8のセブン図柄以外の操作タイミング)で操作された場合には、リプレイAを停止表示する。(3‐3)第3停止操作で左リールが停止操作された場合には、停止操作タイミングによってスイカA又はスイカB(停止操作を受け付けてから4コマ以内にある入賞13を構成するスイカ図柄)の何れかを停止する。このため、図10に記載の特定図柄02が停止表示される。これにより、第1停止操作が中リールの場合には、右リールが特定の操作タイミング(リールの上段に図柄番号4のスイカA〜図柄番号8のセブン図柄の操作タイミング)で操作された場合には、入賞13に対応する図柄組合せが停止表示されるように構成されていることにより、入賞13の入賞確率は5/20(1/4)となる。また、右リールが特定の操作タイミング(リールの上段に図柄番号4のスイカA〜図柄番号8のセブン図柄の操作タイミング)以外で操作された場合には、入賞13に対応する図柄組合せではなく特定図柄に対応する図柄組合せが停止表示されるように構成されていることにより、特定図柄の停止表示確率は15/20(3/4)となる。
同様に、(4‐1)第1停止操作で右停止ボタンD43が操作された場合には、右リールにはベル図柄が停止し、(4‐2)第2停止操作で左リールが停止された場合には、停止操作タイミングによって羊又はスイカA又はスイカB(停止操作を受け付けてから4コマ以内にある入賞13を構成する図柄)の何れかを停止し、(4‐3)第3停止操作で中リールが停止操作された場合には、停止操作タイミングによってブランク図柄B(停止操作を受け付けてから4コマ以内にある入賞17を構成するブランク図柄B)が停止表示される場合と、ブランク図柄Bを停止表示できない停止操作タイミング(中リールの中段に図柄番号18の羊、図柄番号19のリプレイA、図柄番号0のチェリー〜図柄番号2のブランクB図柄以外の操作タイミング)で操作された場合には、チェリー図柄を停止表示する。このため、図10に記載の特定図柄03が停止表示される。一方、(5‐1)第1停止操作で右停止ボタンD43が操作された場合には、右リールにはベル図柄が停止し、(5‐2)第2停止操作で中リールが停止された場合には、停止操作タイミングによってブランク図柄B(停止操作を受け付けてから4コマ以内にある入賞17を構成するブランク図柄B)が停止表示される場合と、ブランク図柄Bを停止表示できない停止操作タイミング(中リールの中段に図柄番号18の羊、図柄番号19のリプレイA、図柄番号0のチェリー〜図柄番号2のブランクB図柄以外の操作タイミング)で操作された場合には、チェリー図柄を停止表示し、(5‐3)第3停止操作で左リールが停止操作された場合には、停止操作タイミングによって羊又はスイカA又はスイカB(停止操作を受け付けてから4コマ以内にある入賞13を構成する図柄)の何れかを停止表示する。このため、図10に記載の特定図柄03が停止表示される。これにより、第1停止操作が右リールの場合には、中リールが特定の操作タイミング(中リールの中段に図柄番号18の羊、図柄番号19のリプレイA、図柄番号0のチェリー〜図柄番号2のブランクB図柄以外の操作タイミング)で操作された場合には、入賞17に対応する図柄組合せが停止表示されるように構成されていることにより、入賞17の入賞確率は5/20(1/4)となる。また、中リールが特定の操作タイミング(中リールの中段に図柄番号18の羊、図柄番号19のリプレイA、図柄番号0のチェリー〜図柄番号2のブランクB図柄以外の操作タイミング)以外で操作された場合には、入賞17に対応する図柄組合せではなく特定図柄に対応する図柄組合せが停止表示されるように構成されていることにより、特定図柄の停止表示確率は15/20(3/4)となる。「入賞‐E1」が条件装置番号として決定された場合の特定図柄の停止表示について説明したが、この特定図柄が停止表示される確率は「入賞‐E2」〜「入賞‐E6」についても同様に算出されている。
例えば、「入賞‐E2」に対応する条件装置番号43が決定された状況下において、第1停止操作が中リールのときは、右リールに羊図柄が停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞14に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄02又は特定図柄03が停止表示される。また「入賞‐E2」の条件装置番号が決定された状況下において、第1停止操作が右リールのときは、中リールにスイカAが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞18に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄03が停止表示される。
また、「入賞‐E3」に対応する条件装置番号44が決定された状況下において、第1停止操作が左リールのときは、中リールにブランクBが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞09に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄01が停止表示される。また「入賞‐E3」の条件装置番号が決定された状況下において、第1停止操作が右リールのときは、中リールにスイカBが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞19に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄03が停止表示される。
また、「入賞‐E4」に対応する条件装置番号45が決定された状況下において、第1停止操作が左リールのときは、中リールにスイカAが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞10に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄01が停止表示される。また「入賞‐E4」の条件装置番号が決定された状況下において、第1停止操作が右リールのときは、中リールにブランクAが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞20に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄03が停止表示される。
また、「入賞‐E5」に対応する条件装置番号46が決定された状況下において、第1停止操作が左リールのときは、中リールにスイカBが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞11に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄01が停止表示される。また「入賞‐E5」の条件装置番号が決定された状況下において、第1停止操作が中リールのときは、右リールにブランクAが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞15に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄02が停止表示される。
また、「入賞‐E6」に対応する条件装置番号47が決定された状況下において、第1停止操作が左リールのときは、中リールにブランクAが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞12に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄01が停止表示される。また「入賞‐E6」の条件装置番号が決定された状況下において、第1停止操作が中リールのときは、右リールにブランクBが停止表示されるタイミング(1/4)で操作された場合には入賞16に対応する図柄組合せが停止表示され、それ以外の操作タイミング(3/4)では特定図柄02が停止表示される。
また、本実施形態においては、RT状態によって当選役(特に、再遊技役)の出現率(抽選確率)が相違し得るよう構成されており、「再遊技役」(すべての再遊技役を合計した出現率)は「RT3」の場合においてその他のRT状態よりも出現率が高くなっている。また、条件装置番号7〜14にて停止表示し得る「再遊技03、04」(いわゆる転落再遊技役であり、ボーナスが当選していない状況下において当該再遊技役に対応する図柄組合せが停止表示されると、以降通常遊技状態(「RT1」)に移行することとなる)は「RT3」にて主に当選し、その他のRT状態においてはほぼ出現しないようになっている。また、条件装置番号2〜6にて停止表示し得る「再遊技05」(RT1にて当該再遊技役に対応する図柄組合せが停止表示されると「RT2」に昇格することとなる昇格再遊技役)は「RT1」でのみ出現するよう構成されている。また、条件装置番号7〜11にて停止表示し得る「再遊技06」(「RT2」にて当該再遊技役に対応する図柄組合せが停止表示されると「RT3」に昇格することとなる昇格再遊技役)は「RT2」にて主に当選し、その他のRT状態においてはほぼ出現しないようになっている。尚、これら再遊技役となる図柄組み合わせの停止表示に伴うRT状態及びATに関する状態の遷移については後述する。また、後述するように、本実施形態においては、遊技者に最も有利となるリール停止順を報知する押し順ナビを押し順表示装置D270及び演出表示装置S40にて実行し得るよう構成されており、当該押し順ナビに従ってリールを停止させなかった場合には、入賞する当選役の抽選確率が同図に示す値と相違することとなる{例えば、「RT1」且つ押し順ナビが発生しない状況(「通常遊技状態」等)においては、ベル(7枚役)が停止表示される確率は図示した確率よりも低い確率となる。}尚、当該抽選確率を適宜変更しても何ら問題ない。また、本実施形態においては、ボーナスは小役と重複し得るよう構成されており、弱スイカ、強スイカ、強チャンス目、等の一部と重複している(例えば、強スイカの一部が「ボーナス+強スイカ」となっており、130/65536で「単独強スイカ」に当選し、30/65536で「ボーナス+強スイカ」に当選するよう構成されている)。尚、条件装置番号48の弱スイカとは置数20、条件装置番号49の強スイカとは置数30、条件装置番号50の強チャンス目とは置数10がボーナスと重複している。また、同図に図示している小役確率はBB未作動時の確率となっており、BB作動時においては、所定確率(例えば、1/100)で強チェリー(再遊技−F)が当選し、その他はすべて「入賞‐I」(RB中の特殊役)が当選するよう構成されている。尚、ボーナスとの重複はスイカ(小役)に限られるものでなく、再遊技役の一部とで重複していても良い。例えば、条件装置番号16の強チェリー(再遊技役)の一部、又は、強チェリー(再遊技役)の全部で、ボーナス役と重複しても良い(本実施形態では、RT状態によらず置数2でボーナス役と重複している)。また、条件装置番号7〜11のRT移行リプレイ(再遊技−C1〜再遊技−C5)の一部、又は、RT移行リプレイの全部と重複しても良い(本実施形態では、RT状態によらず再遊技−C1〜再遊技−C5で置数がそれぞれ1つずつ(計5))で重複しても良い。このように、ボーナスがRT移行リプレイとも重複するようにすることで、RT移行リプレイが当選したときにもボーナスが当選する可能性があり、RT移行リプレイが停止表示されても、ボーナスの否定をしないこととなるため、遊技者に期待を持たせることが可能となる。このように、例えば、ボーナス役と何れかの小役とで重複当選する確率は60/65536、ボーナス役と何れかの再遊技役とで重複当選する確率は7/65536、ボーナス役が単独で当選する確率は33/65536のように定められており、ボーナス役が当選する確率の合算値は100/65536となっている。
また、同図においては、設定値が1である場合の小役出現率を例示しており、共通ベル(条件装置番号41)においては、RT状態に拘らず出現率が一律となっているが、共通ベルの出現率は設定値(本例では、6段階)によって相違するよう構成されている。具体的には、設定1における置数が3904、設定2における置数が4004、設定3における置数が4104、設定4における置数が4304、設定5における置数が4404、設定6における置数が4604、となっており、設定値が高くなる程出現率が高くなるよう構成されている。このように構成することにより、例えば、遊技者が共通ベルの出現回数(当選回数)を計測しながら遊技を進行した場合、共通ベルに頻繁に当選することにより、遊技している遊技機に係る設定値が相対的に高い設定値であることに期待を抱きながら遊技を進行することができる。また、設定値が高くなるほど1遊技当たりにおける期待値が高くなり、設定値が高くなるほど出玉率が高くなるように構成されている。なお、共通ベルの出現率は設定値によって相違するよう構成されているが、当該共通ベルの当選によっては、後述するAT抽選、AT上乗せ抽選、及び、高確率状態移行抽選は実行されないので、ATに関する状態の移行抽選には影響を及ぼさないよう構成されている。
また、同図下段は、押し順ナビあり時における期待値一覧である。同図においては、AT中状態等の押し順表示装置D270及び演出表示装置S40にて押し順ナビが実行され得る状態において押し順ナビが実行された場合に、当該ナビに従ってリールを停止させた場合の1遊技あたりの平均払出数(入賞した小役によって払い出される平均のメダルの枚数であり、1ゲームで得られる遊技媒体の期待数とも称する)と、1遊技あたりのメダル増減期待値(3枚ベットにて遊技した場合のメダル投入枚数に対するメダル払出枚数の比率であり、1より大きい場合には期待値がプラスとなりメダルが増加していくこととなる一方、1より小さい場合には期待値がマイナスとなりメダルが減少していくこととなる)とを図示している。尚、1ゲームあたりのメダル投入数(1ゲームを行う際の遊技媒体の投入数)は3枚となっており、1遊技あたりの平均払出数が3より大きい場合に1遊技あたりのメダル増減期待値が1より大きくなるよう構成されている。同図に示されるように、本実施形態においては、「RT3」である場合のみ1遊技あたりのメダル増減期待値が1より大きくなっており、「RT3」以外のRT状態においては1遊技あたりのメダル増減期待値が1より小さくなっている。尚、同図における数値はボーナスによるメダルの増減は考慮していない。即ち、押し順ナビが発生する状況において遊技を進行した場合(最適操作態様で操作された場合、有利操作態様で操作された場合とも称す)、「RT3」ではメダルが増えていくこととなる一方、「RT3」以外のRT状態ではメダルが減っていくこととなる。尚、これには限定されず、「RT2」や「RT4」においてもメダル増減期待値が1より大きくなるよう構成してもよい。尚、再遊技役となる図柄組み合わせが停止表示した場合には実際には前回遊技における賭け枚数(3枚)が自動ベットされるが、本実施形態におけるメダル増減期待値を算出するにあたっては、メダル3枚の払出しと仮定して算出している。尚、1遊技を1ゲームと称することがある。
また、各RT状態における、1遊技あたりの平均払出数は、RT状態が「RT0」の場合には2.752365112であり、RT状態が「RT1」の場合には2.754104614であり、RT状態が「RT2」の場合には2.753876であり、RT状態が「RT3」の場合には4.028885であり、RT状態が「RT4」の場合には2.752365となっている。また、各RT状態における、1遊技あたりのメダル増減期待値は、RT状態が「RT0」の場合には0.917455037であり、RT状態が「RT1」の場合には0.918034871でありRT状態が「RT2」の場合には0.917959であり、RT状態が「RT3」の場合には1.342962であり、RT状態が「RT4」の場合には0.917455となっており、押し順ナビあり時においては、RT状態が「RT3」の場合が遊技者にとって最も有利なRT状態となっている。
次に、図17のブロック図を参照しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機Pの電気的な概略構成を説明する。はじめに、本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技の進行を制御する主制御基板Mを中心として、副制御基板S、扉基板D、回胴基板K、電源基板E、中継基板IN、設定キースイッチM20、設定/リセットボタンM30等がデータをやり取り可能に接続されて構成されている。尚、図中の実線部がデータのやり取りに関する動きを示したものであり、図中の破線部が電源供給ルートを示したものである。尚、電源供給ルートはこれに限られたものではなく、例えば電源基板Eから主制御基板を介さずに中継基板INや扉基板Dに電源を供給しても良い。
主制御基板(主制御手段、主基板、メイン制御手段、メイン基板、主遊技部と称することがある)Mは、回胴式遊技機Pで行われる遊技全体の進行を司る基板である。主制御基板Mには、主制御チップCが搭載されており、主制御チップCには、CPUC100、内蔵ROMC110、内蔵RAMC120等がバスによって互いにデータをやり取り可能に接続されて搭載されている。そして、主制御基板Mは、前扉DUに搭載された扉基板Dから、スタートレバーD50等が操作されたことを示す信号等を受け取って、副制御基板Sや、扉基板D、回胴基板K等に向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を出力することにより、これら各種基板の動作を制御している{例えば、副制御基板Sに向かって指示番号(押し順番号、指示情報、操作情報とも称する)を出力することにより、副制御基板Sは演出表示装置S40上で押し順ナビを実行することが可能となっている}。
また、副制御基板(副制御手段、副基板、サブ制御手段、サブ基板、副遊技部と称することがある)Sにも、前述した主制御基板Mと同様に、副制御チップSCが搭載されており、副制御チップSCには、CPUSC100や、ROM、RAM等が設けられていて、バスによって互いにデータをやり取り可能に接続されて構成されている。また、副制御基板Sには、各種LEDランプS10、スピーカS20、演出表示装置S40、回胴バックライト(バックランプとも称する)S30等が接続されている。ここで回胴バックライトS30とは、左リールM51、中リールM52、右リールM53夫々の内部に設けられ、リールの表面に描かれた図柄を裏側から照らすライトである。副制御基板Sは、主制御基板Mから受け取った制御コマンドを解析して、各種LEDランプS10、スピーカS20、演出表示装置S40、回胴バックライトS30等にそれぞれ駆動信号を出力することにより、各種の演出を行っている。
扉基板Dには、前述した投入受付センサD10s、第1投入センサD20s、第2投入センサD30s、回転しているリールM50を停止するための停止ボタンD40、リールM50の回転を開始するためのスタートレバーD50、貯留されている遊技メダル(クレジット)や投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタンD60、遊技の状態を表示する各種の表示パネルD70{不図示であるが、前述した、投入数表示灯D210、操作状態表示灯D180、特別遊技状態表示装置D250、払出数表示装置(押し順表示装置)D270は、クレジット数表示装置D200、有利区間表示器YH、等の表示装置の集合体}、前扉の開閉判定やエラーの解除や設定値の変更を実行するための扉スイッチD80、投入された後に適合しないと判断された遊技メダル(又は、その他の異物)を放出口D240に払い戻すためのブロッカD100等が接続されている。また、この扉基板Dは、前述した主制御基板Mとデータをやり取り可能に接続されている。このため、前扉DUに設けられたスタートレバーD50や、停止ボタンD40、精算ボタンD60等を操作すると、扉基板Dを介して、操作に係る信号が主制御基板Mに供給されるようになっている。また、投入受付センサD10sが遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板Dを介して主制御基板Mに供給される。
また、回胴基板Kには、リールM50を回転させるための回胴モータK10と、リールM50の回転位置を検出するための回胴センサK20等が接続されている。回胴基板Kは、当該回胴センサK20によって、リールM50の回転位置を検出しながら回胴モータK10を駆動することにより、リールM50を、決定された停止位置で停止させることが可能となっている。また、本実施形態の回胴式遊技機においては、回胴モータK10には、所謂ステップモータ(ステッピングモータ)が使用されている。尚、ステップモータは、リールM50が1回転するステップ数として、504ステップが設定されている。また、各リール(左リールM51、中リールM52、右リールM53)には略均一の大きさで所定数(例えば、20個)の図柄が設定されており、1図柄分に相当するステップ数としては、24ステップ(=20/480)が設定されている。尚、ステップ数、リール1周あたりの図柄の数は変更しても何ら問題ない。
また、メダル払出装置Hは、中継基板INを介して、主制御基板Mに接続されており、主制御基板Mからの制御信号に基づいて、所定枚数(例えば、10枚)の遊技メダルを払い出す動作を行う。尚、メダル払出装置Hにはメダルが正常に払い出されたか否かの判定や払い出された遊技メダルの数の計測を実行する第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sと、ディスクH50を回転させるためのホッパモータH80と、が接続されている。
これら各種制御基板、及び基板で消費される電力は、電源基板E(電源スイッチE10により電源供給の有無を制御する基板)から供給されている。図17では、電源基板Eから電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板Mおよび副制御基板Sには、電源基板Eから電力が直接供給されており、各種基板(扉基板D、回胴基板K、中継基板IN)には、主制御基板Mを介して電力が供給されている。電源基板Eには所定量(例えば、100V)の交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、夫々の制御基板及び基板に供給している。
また、主制御基板Mには、後述する設定変更装置制御処理を実行するため(設定変更を行うため)に使用する設定キースイッチM20、設定値の変更やエラー解除等を実行し得る設定/リセットボタンM30、が接続されている。また、主制御基板Mは、リールM50(左リールM51、中リールM52、右リールM53)の回転や停止を制御するリール制御手段と、遊技者にとって有利なATに関する状態である「AT中状態」に移行するためのAT移行抽選を実行するAT抽選手段と、「AT中状態」に滞在可能なゲーム数であるAT残りゲーム数(又は、ATカウンタM60のカウンタ値)を増加させるAT上乗せ抽選を実行するAT上乗せ抽選手段と、を有している。
次に、図18〜38は、本実施形態における、主制御基板Mが行う一般的な処理の流れを示したフローチャートである。
尚、フローチャートは主に、処理ステップ(長方形にて図示)、判断(ひし形にて図示)、流れ線(矢印)、開始・終了・復帰等を示す端子(角丸長方形にて図示)によって構成されている。また、処理ステップの内、別のフローチャートにて詳細を図示している場合、当該別のフローチャートを参照するものをサブルーチン(左右の線が二重線である長方形にて図示)として図示している。ここで、遊技機の開発段階においては、スペック違いの遊技機を同時に開発することも行われているが、本例においては、メイン側の処理内に、スペック違いの遊技機で実行するサブルーチン(通常は使用しないサブルーチン)を残さないよう構成しており、ノイズや不正行為によって、通常時には実行されない未使用サブルーチンに係る処理が実行されることを防止している。
まず、図18は、回胴式遊技機Pの電源を投入した後(或いはシステムリセットやユーザリセット時において)、主制御基板MのCPUC100にて初めて実行される処理の流れを示したフローチャートである。まず、ステップ1000で、回胴式遊技機Pの電源を投入した後、ステップ1002で、主制御基板MのCPUC100は、タイマ割り込みをセットする(ここでは、タイマ割り込みが開始されるのではなくタイマ割り込みの種類をセットするのみであり、以降の処理において、タイマ割り込みが開始されると定期的に後述するタイマ割り込み時処理に係るフローチャートが実行される)。次に、ステップ1004で、主制御基板MのCPUC100は、主制御チップCの機能設定としてシリアル通信の設定(速度、データの長さ、データ送信方法の設定)等を実行する。次に、ステップ1006で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域の先頭アドレスからチェックサム領域直前のアドレスまでのチェックサムを算出する。次に、ステップ1008で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域をチェックし(例えば、当該算出したチェックサムとチェックサム領域に保持されているチェックサムデータとに基づき、電源断・電源断復帰により内蔵RAMC120に格納されているデータが正しく保持されているか否かをチェックし)、電源断復帰データを生成する。次に、ステップ1010で、主制御基板MのCPUC100は、設定キースイッチM20のスイッチ状態を確認する。次に、ステップ1014で、主制御基板MのCPUC100は、設定キースイッチM20がオフであるか否かを判定する。
ステップ1014でYesの場合、ステップ1016で、主制御基板MのCPUC100は、RAM内の電源断処理済みフラグのオン・オフ(ステップ1904でオンとなる)及び全RAMのチェックサム状態(ステップ1006でのチェック結果)を参照し、RAM内の電源断復帰データは正常であるか否かを判定する。ステップ1016でYesの場合、ステップ1018で、主制御基板MのCPUC100は、RAMの初期化範囲を未使用RAM範囲に決定してセット(例えば、レジスタ領域内にセット)する。次に、ステップ1020で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1018にて決定された初期化範囲で、RAM領域の初期化を実行する。次に、ステップ1022で、主制御基板MのCPUC100は、電源断時の処理(ステップ1902)にて保存したスタックポインタに係るデータに基づき、スタックポインタを復帰する。次に、ステップ1036で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内を参照し、RAM領域内の設定値に係るデータは正常範囲内(本例では、0〜5)であるか否かを判定する。ステップ1036でYesの場合、ステップ1038で、主制御基板MのCPUC100は、入力ポートの読み込みを実行する。次に、ステップ1040で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1002にてセットしたタイマ割り込みを開始する。次に、ステップ1042で、主制御基板MのCPUC100は、電源断処理済みフラグをオフにし、復帰したスタックポインタに従い電源断時の処理に復帰する。
また、ステップ1016でNoの場合、ステップ1024で、主制御基板MのCPUC100は、バックアップエラー表示をセットする(例えば、レジスタ領域内にエラー番号をセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、復帰不可能エラー処理を実行する。
また、ステップ1036でNoの場合、ステップ1046で、主制御基板MのCPUC100は、設定値エラー表示(例えば、払出数表示装置D270に表示されることとなる)をセットする(例えば、レジスタ領域内にセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、後述する復帰不可能エラー処理を実行する。
また、ステップ1014でNoの場合、ステップ1028で、主制御基板MのCPUC100は、RAM内の電源断処理済みフラグのオン・オフ(ステップ1904でオンとなる)及び全RAMのチェックサム状態(ステップ1006でのチェック結果)を参照し、RAM内の電源断復帰データは正常であるか否かを判定する。ステップ1028でYesの場合、ステップ1030で、主制御基板MのCPUC100は、RAMの初期化範囲をRAM内の少なくとも設定値が記憶される領域を除く範囲に決定してセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、ステップ1034に移行する。RAMの初期化範囲に含まれない範囲は、設定値が記憶される領域のみには限定されず、「有利区間」の総累計ゲーム数、遊技区間の総累計(有利区間+待機区間+通常区間)ゲーム数、「有利区間」の滞在割合を算出した結果、等もRAMの初期化範囲に含まれない範囲となっている。このように構成することにより、遊技における「有利区間」に滞在している比率(有利区間比率)を算出及び表示することができることとなる。また、有利区間比率の算出処理は、単位遊技が終了するタイミングで算出するよう構成されている。また、有利区間比率は、遊技機の電源が投入されると表示される(例えば、4桁の7セグメントディスプレイに表示される)。具体的な表示態様としては、「有利区間比率→6000ゲームあたりの連続役物比率→6000ゲームあたりの役物比率→累積の連続役物比率→累積の役物比率」の順で5秒間隔で繰り返し表示される。尚、連続役物比率とは「RBが作動している状態での払出し数/総払出し数」であり、役物比率とは「RB、CB、又はSBが作動している状態での払出し数/総払出し数」である。他方、ステップ1028でNoの場合、ステップ1032で、主制御基板MのCPUC100は、RAMの初期化範囲をRAM内のすべての範囲に決定してセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、ステップ1034に移行する。次に、ステップ1034で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1030又はステップ1032にて決定された初期化範囲で、RAM領域の初期化を実行する。次に、ステップ1100で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、設定変更装置制御処理を実行する。
尚、不図示ではあるが、主制御基板Mが搭載する一時記憶領域(RAM領域等)の初期値(処理開始時の値)は、特別遊技が実行される値とならないよう構成することが好適である(プログラムの処理開始直後に、ノイズや不正行為により、特別遊技の実行判定を行う処理を実行してしまった場合に特別遊技が誤って実行されることを防止するため)。また、不図示ではあるが、主制御基板MのRAM領域内に当選乱数等の乱数を記憶する場合には、専用の記憶領域を確保し、乱数に係る情報を記憶しているバイト内には当該乱数に係る情報のみを記憶する(各種タイマ値等、その他の情報を記憶しない)よう構成することが好適である(同じ1バイト内に記憶した別のデータを操作する際に、ノイズ等によって乱数に係る情報が書き換わってしまうことを防止するため)。
次に、図19は、図18におけるステップ1100のサブルーチンに係る、設定変更装置制御処理のフローチャートであり、設定変更モードとも称する。まず、ステップ1102で、主制御基板MのCPUC100は、スタックポインタをセットする(当該処理の先頭アドレスで初期化する)。次に、ステップ1104で、主制御基板MのCPUC100は、タイマ割り込みを起動する。次に、ステップ1106で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内の設定値は正常範囲内(本例では、0〜5)ではないか否かを判定する。尚、設定値を1〜6で管理していた場合、RAMの初期化を実行し設定値が「0」となったときに「1」に戻す処理が必要となる。そこで、本例においては、設定値の正常範囲を0〜5として管理することにより、RAMの初期化を実行した後の設定値の補正処理(S1106,S1108)を不要とすることができ、処理時間を短縮することや処理の容量を削減することが可能となる。ステップ1106でYesの場合、ステップ1108で、主制御基板MのCPUC100は、設定値に所定値(例えば、0=遊技者にとって最も不利となる値)をセットし、ステップ1110に移行する。他方、ステップ1106でNoの場合にもステップ1110に移行する。次に、ステップ1110で、主制御基板MのCPUC100は、エラー表示LED(例えば、払出数表示装置D270)に設定変更装置作動中である旨(例えば、全セグメントを点灯させる「88」)を表示し、設定表示LED(不図示)に設定値を表示(設定値に係る表示はRAM内で保持している設定値に1を加算した数値となっている)し、ステップ1112に移行する。尚、前述したように、払出数表示装置D270は押し順を報知する際にも使用される。そのように構成されているため、例えば、7セグLEDの一部に故障が発生している(点灯できないセグがある)ような場合において押し順を報知する際、誤った情報を報知することがあり得る。このような事態を防止するため、設定変更装置作動中において払出数表示装置D270に7セグメントを全点灯「88」させることにより、7セグメントが故障しているか否かが確認でき、遊技者に不利益等を与えることを防止できる。また、設定値の表示に係る構成として、設定値を記憶する記憶領域における設定値に1を加算したデータを記憶しておく設定値表示用のRAMの記憶領域を有し、当該記憶領域を参照して設定値を表示するよう構成しても良い。尚、不図示であるが、ステップ1110の処理を実行した後、副制御基板S側に設定変更モードに移行していることを示すコマンドを送信するための処理を実行している。
次に、ステップ1112で、主制御基板MのCPUC100は、設定/リセットボタンM30がオフからオンに切り替わったか否かを判定する。ステップ1112でYesの場合、ステップ1114で、主制御基板MのCPUC100は、現在の設定値に1を加算し(加算した結果設定値が5を超過した場合には、設定値は0となる)、ステップ1116に移行する。尚、ステップ1112でNoの場合にも、ステップ1116に移行する。次に、ステップ1116で、主制御基板MのCPUC100は、スタートレバーD50がオフからオンに切り替わったか否かを判定する。ステップ1116でNoの場合には、ステップ1112に移行し、ステップ1112〜ステップ1116の処理をループする。ステップ1116でYesの場合、ステップ1118で、主制御基板MのCPUC100は、設定キースイッチM20がオンからオフに切り替わったか否かを判定する。ステップ1118でNoの場合には、ステップ1118の処理をループする。他方、ステップ1118でYesの場合、ステップ1120で、主制御基板MのCPUC100は、エラー表示LED(不図示)に設定変更装置の作動が終了した旨を表示し、設定表示LED(不図示)の設定値の表示を消去し、ステップ1200の遊技進行制御処理に移行する。尚、不図示であるが、ステップ1120の処理を実行した後、副制御基板S側に設定変更モードを終了することを示すコマンドを送信するための処理を実行している。
次に、図20は、図18におけるステップ1300の(及び他のフローチャートにおいて呼び出された)サブルーチンに係る、復帰不可能エラー処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、主制御基板MのCPUC100は、割り込みを禁止する(以降は、後述するタイマ割り込み時処理に係るフローチャートが実行されない)。次に、ステップ1304で、主制御基板MのCPUC100は、出力ポートアドレス及び出力ポート数をセットする。次に、ステップ1306で、主制御基板MのCPUC100は、出力ポート(本例では、0〜6であり、各種LEDへの表示出力や各種モータへの駆動出力)をオフにする。次に、ステップ1308で、主制御基板MのCPUC100は、次のポート出力アドレスをセットする(この繰り返しにより、各種LEDへの表示出力や各種モータへの駆動出力が順次停止される)。次に、ステップ1310で、主制御基板MのCPUC100は、各出力ポートへの出力が終了したか否かを判定する。ステップ1310でYesの場合には、ステップ1312で、主制御基板MのCPUC100は、セットされているエラー表示を実行し(本処理を実行する際には何らかのエラーが発生している)、当該処理の実行を繰り返し、電源電圧が低下することでリセット信号が入力されて終了する。(即ち、無限ループに突入するので、復帰を促す一切の操作を受け付けない)。尚、ステップ1310でNoの場合には、ステップ1306に移行する。尚、ステップ1306〜ステップ1310の処理は、LED・モータへの出力をクリアする処理である(但し、外部出力信号はクリアしないので、エラーに関する情報やエラー発生時における遊技進行状況等をホールコンピュータ側へ出力することは可能である)。
次に、図21は、図19におけるステップ1200のサブルーチンに係る、遊技進行制御処理(1枚目)のフローチャートである。まず、ステップ1202で、主制御基板MのCPUC100は、スタックポインタをセットする(当該処理の先頭アドレスで初期化する)。次に、ステップ1204で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに必要なRAM領域内のデータ(例えば、ベット上限数、入賞の有効ライン、等)をセットする。尚、ステップ1204は、前回の遊技で使用したデータ{例えば、条件装置番号(当選番号)、演出グループ番号、指示情報}をクリアするためのデータ(RAMのアドレスをクリアするための「0」のデータ)をRAMにセットする処理も含まれる。尚、条件装置番号、演出グループ番号、指示情報等はクリアせずに、次遊技が実行された際に選択された番号を上書きするように構成するようにしても良い。次に、ステップ1205で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにおけるRT状態(例えば、「RT0」等)をセットする(図30のステップ1704で決定したRT状態をセットする)。そして、セットしたRT状態をサブ側に送信している。尚、RT状態をセットする処理は、図30のステップ1704にて実行してもよい。また、ステップ1704にてRT状態をサブ側に送信しても良い。また、RT状態をサブ側に送信する場合には常時送信する必要はなく、遊技区間が「有利区間」である場合にのみRT状態をサブ側に送信するよう構成してもよい。次に、ステップ1206で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにおけるATに関する状態(例えば、「AT中状態」等)をセットする(図24のステップ1428、ステップ1438、ステップ1442で決定したATに関する状態をセットする)。尚、ステップ1206においては、当該セットしたATに関する状態をサブ側にも送信している。また、ATに関する状態をセットする処理は、図24のステップ1428、ステップ1438、ステップ1442にて実行してもよい。また、ATに関する状態をサブ側に送信する場合には常時送信する必要はなく、遊技区間が「有利区間」である場合にのみATに関する状態をサブ側に送信するよう構成してもよい。次に、ステップ1207で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにおける遊技区間(例えば、「有利区間」等)をセットする(図35のステップ3510、ステップ3516、ステップ3520、ステップ3524又はステップ3526で決定した遊技区間をセットする)。次に、ステップ1208で、主制御基板MのCPUC100は、メダル払出装置Hが遊技メダルで満杯ではないか否かを判定する。具体的には、メダル払出装置Hから溢れ出たメダルを格納するサブタンク(不図示)を備え、サブタンクに設けられた複数の満杯検知センサによる電流の導通/非導通にて判定する(メダルを介して電流が導通した場合には、満杯と判定する)。ステップ1208でYesの場合、ステップ1218に移行する。
他方、ステップ1208でNoの場合、ステップ1210で、主制御基板MのCPUC100は、メダル満杯エラーフラグをオンにする(例えば、RAM領域のメダル満杯エラーフラグ領域内をオンに相当する値で更新する)。次に、ステップ1212で、主制御基板MのCPUC100は、メダル満杯エラーに対応したエラー番号の表示を7セグLED(例えば、貯留表示LED又は獲得枚数LED)で実行する。次に、ステップ1214で、主制御基板MのCPUC100は、メダル満杯エラーが解除されたか否か(例えば、サブタンクによる電流が非導通、且つ、設定/リセットボタンM30が押下されたか否か)を判定する。ステップ1214でYesの場合、ステップ1216で、主制御基板MのCPUC100は、メダル満杯エラーフラグをオフにし(例えば、RAM領域のメダル満杯エラーフラグ領域内をオフに相当する値で更新し)、ステップ1218に移行する。他方、ステップ1214でNoの場合には、ステップ1212に移行する。次に、ステップ1218で、主制御基板MのCPUC100は、メダル投入受付を許可し(再遊技役の次ゲームにおいては自動にて投入動作が実行されることとなる)、次の処理(ステップ1220の処理)に移行する。ここで、ステップ1218では、ブロッカD100のオン処理(メダル流路が形成する処理)を行う。具体的には、前回遊技で再遊技役が成立した場合には、現在の貯留数(クレジット)が所定値(本例では、50枚)未満であることを条件として、ブロッカD100のオン処理を実行する。換言すると、現在の貯留数(クレジット)が所定値である場合には、ブロッカD100のオン処理を実行しない。一方、前回遊技で再遊技役が成立しなかった場合には、一律にブロッカD100のオン処理を実行するようにしている。このように構成することにより、再遊技役が成立した場合であっても貯留数(クレジット)が所定値に達していない場合には、遊技メダルが投入できるように構成され、「RT1」等のRT状態よりも再遊技役の当選確率の高いRT状態(例えば、「RT3」)に滞在しているときや、見た目では再遊技役とは分かり辛い再遊技役(小役に見せかけた再遊技:無効ライン上にベル−ベル−ベルや、左リールにチェリーが停止した図柄組合せ)が停止した場合であっても、遊技者はリズム良く(違和感なく)遊技を行うことができる。
次に、図22は、図19におけるステップ1200のサブルーチンに係る、遊技進行制御処理(2枚目)のフローチャートである。まず、ステップ1220で、主制御基板MのCPUC100は、遊技メダルがベットされていない、且つ、クレジットが存在していないか否かを判定する。ステップ1220でYesの場合、ステップ1221で、主制御基板MのCPUC100は、設定表示条件を充足している(例えば、扉スイッチD80、設定キースイッチM20がすべてオンとなると当該条件を充足する)か否かを判定する。ステップ1221でYesの場合、ステップ1222で、主制御基板MのCPUC100は、設定表示LED(不図示だが、払出数表示装置D270、クレジット数表示装置D200、投入数表示灯D210としてもよい)に設定値を表示し(設定確認モードに移行し)、設定キースイッチMがオフとなったことを条件にステップ1221に移行する。尚、設定変更モードの移行条件を満たしたときには、副制御基板S側に設定変更モードを開始することを示すコマンドを送信するための処理、設定変更モードの終了条件を満たしたときに設定変更モードを終了することを示すコマンドを送信するための処理を実行している。ステップ1220又はステップ1221でNoの場合、ステップ1224で、主制御基板MのCPUC100は、遊技メダルの投入及び精算に係る管理を実行する。次に、ステップ1225で、主制御基板MのCPUC100は、遊技メダルの受付可能枚数を確認する。次に、ステップ1226で、主制御基板MのCPUC100は、ブロッカD100がオンか否かを判定する。ステップ1226でYesの場合、ステップ1227で、主制御基板MのCPUC100は、第1投入センサD20s又は第2投入センサD30sがオンであるか否かを判定する(本実施形態においてはメダルの投入を検出するための投入センサを2つ有しており、第1投入センサD20s又は第2投入センサD30sがオンとなると、遊技メダルを1枚受け付けたと判定する)。ステップ1227でYesの場合、ステップ1230で、主制御基板MのCPUC100は、第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sがオフであるか否かを判定する(第1投入センサD20s又は第2投入センサD30sがオンとなった後、第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sがオフとなると、受け付けた1枚の遊技メダルが第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sを通過したと判定する)。ステップ1230でYesの場合、ステップ1231で、主制御基板MのCPUC100は、1枚の正常な遊技メダルの投入を受け付けたと判定する。不図示であるが、ステップ1231の後、主制御基板MのCPUC100は、クレジットが上限数(本例では、50)、且つ、ベット数が最大数(本例では、3)であるか否かを判定し、Yesと判定した場合にはブロッカD100をオフ(メダル流路を形成しない状態)に制御する。尚、ステップ1230でNoの場合には、ステップ1230の処理を繰り返し、ステップ1226またはステップ1227でNoの場合には、ステップ1232に移行する。
次に、ステップ1232で、主制御基板MのCPUC100は、精算ボタンD60の操作があったか否かを判定する。ステップ1232でYesの場合、ステップ1233で、主制御基板MのCPUC100は、クレジットの残り枚数又はベットされている遊技メダルが存在するか否かを判定する。ステップ1233でYesの場合、ステップ1234で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動フラグ(RAM領域内のフラグであり、ホッパモータH80を駆動している際にオンとするフラグ)をオンにし、遊技メダル1枚の払出を実行する。次に、ステップ1236で、主制御基板MのCPUC100は、第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンであるか否かを判定する(本実施形態においてはメダルの払出を検出するための払出センサを2つ有しており、第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンとなると、遊技メダル1枚の払出動作が行われていると判定する)。ステップ1236でYesの場合、ステップ1247に移行する。ここで、フローチャート上には明記してはいないが、前回遊技が再遊技役であった場合にはクレジットの残り枚数のみが精算の対象となる。
他方、ステップ1236でNoの場合、ステップ1241で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動後(ステップ1234の処理のタイミング後)から所定時間(例えば、5秒)経過したか否かを判定する。具体的には、ホッパ駆動信号をホッパモータH80に送信している(ホッパモータH80が回転している)のにもかかわらず、メダルが払い出されていないと判定している状況が所定時間継続したか否かを判定する。ステップ1241でYesの場合、ステップ1242で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーフラグをオンにする(例えば、メダル空エラーフラグ領域内をオンに相当する値で更新する)。次に、ステップ1244で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラー表示を実行する。次に、ステップ1245で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーが解除されたか否か(例えば、設定/リセットボタンM30が押下されたか否か)を判定する。ステップ1245でYesの場合、ステップ1246で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーフラグをオフにし(例えば、RAM領域のメダル空エラーフラグ領域内をオフに相当する値で更新し)、ステップ1247に移行する。他方、ステップ1245でNoの場合、ステップ1244に移行する。
次に、ステップ1247で、主制御基板MのCPUC100は、第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sがオフであるか否かを判定する(第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンとなった後、第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sがオフとなると、払出動作が行われていた1枚の遊技メダルの払出動作が完了したと判定する)。ステップ1247でYesの場合、ステップ1248で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動フラグをオフにし、ステップ1233に移行する。尚、ステップ1241又はステップ1247でNoの場合には、ステップ1236に移行する。
他方、ステップ1232又はステップ1233でNoの場合、ステップ1251で、主制御基板MのCPUC100は、スタートレバーD50が有効であり(例えば、ゲームを開始するための規定枚数の遊技メダルが投入された等)、且つ、当該スタートレバーD50の操作があったか否かを判定する。ステップ1251でYesの場合、ステップ1253で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内の設定値は正常範囲内(本例では、0〜5)であるか否かを判定する。ステップ1253でYesの場合、ステップ1254で、主制御基板MのCPUC100は、乱数の取得、ブロッカD100をオフにする処理を実行した後に、次の処理(ステップ1257の処理)に移行する。他方、ステップ1253でNoの場合、ステップ1256で、主制御基板MのCPUC100は、設定値エラー表示をセットする(例えば、レジスタ領域内にエラー番号をセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、復帰不可能エラー処理を実行する。尚、ステップ1251でNoの場合には、ステップ1220に移行する。
次に、図23は、図19におけるステップ1200のサブルーチンに係る、遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。まず、ステップ1257で、主制御基板MのCPUC100は、内部抽選(当該ゲームにおいて入賞可能となる役を決定するための抽選)を開始する。次に、ステップ1400で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、AT状態移行制御処理を実行する。次に、ステップ1450で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、条件装置番号管理処理を実行する。次に、ステップ1259で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態はAT上乗せ抽選可能な状態であるか否かを判定する。ここで、本実施形態に係るAT上乗せ抽選を実行可能なATに関する状態は、「AT準備中」、「AT中状態」、「AT中BB状態」となっており、「AT中BB内部中遊技」においては、ATカウンタ値が0より大きい状態となり得るがAT上乗せ抽選は実行しないよう構成されている。これは、「AT中BB内部中遊技」において、遊技者が敢えてBBの図柄組合せを揃えさせないことの方が、遊技者にとって有利となってしまうことを防止するためである。また、AT上乗せ抽選を実行可能なATに係る状態は本実施形態の態様には限定されず、例えば、後述する「AT前兆状態」においてもAT上乗せ抽選を実行し得るよう構成してもよい。ステップ1259でYesの場合、ステップ1500で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、レバー時ゲーム数上乗せ実行処理を実行し、ステップ1550に移行する。他方、ステップ1259でNoの場合にもステップ1550に移行する。このレバー時ゲーム数上乗せ実行処理は、ATに関する状態に応じて異なる抽選テーブルを用いて抽選を実行することも可能であるが、設定値に応じては抽選確率が異ならない(同一の抽選テーブルを用いて抽選を実行する)ことが好適である。尚、ステップ1259でNoの場合にも、ステップ1550に移行する。
ここで、本例におけるATに関する状態を列挙し詳述する(図33のAT状態遷移図でも示されている)。(1)「通常遊技状態」とは、ATに当選していない(「AT中状態」に移行する権利を獲得していない)状態であり、且つ、ボーナス役に当選していない状態である。(2)「AT前兆状態」とは、ATに当選している(「AT中状態」に移行する権利を獲得している)が、AT(押し順ナビ)を開始していない状態である(AT前兆ゲーム数が「0」になったときにATが開始されることとなる)。(3)AT準備中とは、ATに当選しており(「AT中状態」に移行する権利を獲得しており)、最も有利なRT状態に遷移させるまで滞在する状態でありAT(押し順ナビ)は行うもののAT残りゲーム数(ATカウンタ値)は減算しない状態である。(4)「AT中状態」とは、AT(押し順ナビ)を行い、且つ、AT残りゲーム数(ATカウンタ値)の減算を行う状態である。(5)「通常BB内部中遊技」とは、「通常遊技状態」においてBB役に当選した、且つ、BB役が入賞していない状態である。(6)「AT中BB内部中遊技」とは、「AT前兆状態」又は「AT準備中」又は「AT中状態」においてBB役に当選した状態である。尚、「AT前兆状態」においてBB役に当選した、且つ、BB役が入賞していない状態を、「通常BB内部中遊技」として設定しても良い。(7)「通常BB状態」とは、「通常BB内部中遊技」においてBB役に対応する図柄組合せが停止表示されたときに実行される状態である。(8)AT中BB状態とは、「AT中BB内部中遊技」においてBB役に対応する図柄組合せが停止表示されたときに実行される状態である。
次に、ステップ1550で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、リール回転開始準備処理を実行する。次に、ステップ1260で、主制御基板MのCPUC100は、全リールの回転を開始する。次に、ステップ1261で、主制御基板MのCPUC100は、引き込みポイント作成要求(回転している左リールM51、中リールM52、右リールM53の停止位置を決定するために要求され、停止順番や他のリールの停止位置に応じて適宜要求される)があったか否かを判定する。ステップ1261でYesの場合、ステップ1262で、主制御基板MのCPUC100は、引き込みポイントを作成し、ステップ1263に移行する。他方、ステップ1261でNoの場合にも、ステップ1263に移行する。次に、ステップ1263で、主制御基板MのCPUC100は、リール停止受付可否チェックを実行する。次に、ステップ1264で、主制御基板MのCPUC100は、いずれかの停止ボタン(左停止ボタンD41、中停止ボタンD42、右停止ボタンD43)の操作があったか否かを判定する。ステップ1264でYesの場合、ステップ1265で、主制御基板MのCPUC100は、操作があった停止ボタンに対応したリール(例えば、左停止ボタンD41には左リールM51が対応)の停止位置を決定し、ステップ1266に移行する。他方、ステップ1264でNoの場合にも、ステップ1266に移行する。次に、ステップ1266で、主制御基板MのCPUC100は、全リール停止チェック処理を実行する。次に、ステップ1267で、主制御基板MのCPUC100は、すべてのリール(左リールM51、中リールM52、右リールM53)が停止したか否かを判定する。ステップ1267でYesの場合、ステップ1268で、主制御基板MのCPUC100は、RAM内の図柄停止位置データと、内部当選役停止可能位置データとを比較する。次に、ステップ1269で、主制御基板MのCPUC100は、表示された図柄の組み合わせが正常であるか否かを判定する(内部抽選によって決定された入賞可能となる役と一致していなければ異常であると判定される)。ステップ1269でYesの場合にはステップ1274に移行する。他方、ステップ1269でNoの場合、ステップ1270で、主制御基板MのCPUC100は、表示判定エラー表示をセットする(例えば、レジスタ領域内にセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、復帰不可能エラー処理を実行する。他方、ステップ1267でNoの場合、ステップ1261に移行する。
次に、ステップ1274で、主制御基板MのCPUC100は、入賞による遊技メダルの払出処理を実行する。次に、ステップ1275で、主制御基板MのCPUC100は、遊技メダルを払い出す入賞があったか否かを判定する{入賞によって獲得した遊技メダルが、クレジットの最大数(本例では、50)を超過した場合に、遊技メダルの払出が実行される}。ステップ1275でYesの場合、ステップ1276で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動フラグ(ホッパモータH80を駆動している際にオンとするフラグ)をオンにし、遊技メダル1枚の払出を実行する。次に、ステップ1277で、主制御基板MのCPUC100は、第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンであるか否かを判定する(第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンとなると、遊技メダル1枚の払出動作が行われていると判定する)。ステップ1277でYesの場合にはステップ1286に移行する。
他方、ステップ1277でNoの場合、ステップ1279で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動後(ステップ1276の処理のタイミング後)から所定時間(例えば、5秒)経過したか否かを判定する。ステップ1279でYesの場合、ステップ1280で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーフラグをオンにする(例えば、RAM領域のメダル空エラーフラグ領域内をオンに相当する値で更新する)。次に、ステップ1281で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラー表示を7セグLEDで実行する。次に、ステップ1282で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーが解除されたか否か(例えば、設定/リセットボタンM30が押下されたか否か)を判定する。ステップ1282でYesの場合、ステップ1283で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーフラグをオフにし(例えば、RAM領域のメダル空エラーフラグ領域内をオフに相当する値で更新し)、ステップ1286に移行する。他方、ステップ1282でNoの場合、ステップ1281に移行する。
次に、ステップ1286で、主制御基板MのCPUC100は、第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sがオフであるか否かを判定する(第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンとなった後、第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sがオフとなると、払出動作が行われていた1枚の遊技メダルの払出動作が完了したと判定する)。ステップ1286でYesの場合、ステップ1288で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動フラグをオフにし、ステップ1290に移行する。尚、ステップ1279又はステップ1286でNoの場合には、ステップ1277に移行する。次に、ステップ1290で、主制御基板MのCPUC100は、当該入賞(ステップ1275でYesとなった入賞)に対応した払出が完了したか否かを判定する。ステップ1290でYesの場合にはステップ3400に移行する。尚、ステップ1286でNoの場合には、ステップ1277に移行し、ステップ1275でNoの場合には、ステップ3400に移行する。
次に、ステップ3400で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、残りゲーム数管理処理を実行する。次に、ステップ1700で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、RT状態移行制御処理を実行する。次に、ステップ1750で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、AT中状態開始制御処理を実行する。次に、ステップ3500で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、遊技区間移行制御処理を実行する。次に、ステップ1293で、主制御基板MのCPUC100は、遊技終了処理(例えば、ベット数のクリア、遊技状態の移行処理等)を実行し、次の処理(ステップ1202の処理)に移行する。
次に、図24は、本実施形態における、図23のステップ1400のサブルーチンに係る、AT状態移行制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1404で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態は、AT抽選を実行可能なATに関する状態であるか否かを判定する。尚、本実施形態においては、AT抽選を実行可能なATに関する状態は、「低確率状態」、「高確率状態」となっている、即ち、「通常遊技状態」においてのみAT抽選が実行可能に構成されている。ステップ1404でYesの場合、ステップ1406で、主制御基板MのCPUC100は、現在の抽選状態は高確率状態であるか否かを判定する。ステップ1406でYesの場合、ステップ1408で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は高確AT抽選役(高確率状態にてAT抽選を実行し得る条件装置であり、本例では、強スイカ、弱スイカ、強チャンス目、BB役となっている)であるか否かを判定する。尚、本実施形態においては、「通常遊技状態」は、「低確率状態」と「高確率状態」とに分かれており、「低確率状態」と「高確率状態」とでAT当選率(AT中状態に移行する権利の獲得抽選の当選率)が相違することとなる。尚、「通常遊技状態」を1つのATに関する状態とし、「通常遊技状態」の中に「低確率状態」と「高確率状態」との2つの抽選状態を有していると考えても何ら問題ない。尚、本実施形態においてはATに関する状態が相違した場合にAT抽選に係るAT当選率が相違するよう構成されているが、ATに関する状態が同一である場合には、設定値が相違してもAT抽選に係るAT当選率は同一となっている。
ステップ1408でYesの場合、ステップ1410で、主制御基板MのCPUC100は、高確率AT抽選テーブル(後述する低確率AT抽選テーブルよりもAT抽選に当選する確率が高くなっているテーブル)を参照し、当該ゲームに係る条件装置番号に基づいた抽選確率にてAT移行抽選を実行し、ステップ1416に移行する。他方、ステップ1406でNoの場合、換言すると、現在の抽選状態が「低確率状態」である場合、ステップ1412で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は、低確AT抽選役(低確率状態にてAT抽選を実行し得る条件装置であり、本例では、強スイカ、強チャンス目、BB役となっている)であるか否かを判定する。ステップ1412でYesの場合、ステップ1414で、主制御基板MのCPUMCは、低確率AT抽選テーブル(前述した高確率AT抽選テーブルよりもAT抽選に当選する確率が低くなっているテーブル)を参照し、当該ゲームに係る条件装置番号に基づいた抽選確率にてAT移行抽選を実行し、ステップ1416に移行する。次に、ステップ1416で、主制御基板MのCPUC100は、当該実行されたAT抽選に当選したか否かを判定する。ステップ1416でYesの場合、ステップ1418で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を「AT前兆状態」に決定し(図33参照)、ステップ1420に移行する。尚、ステップ1404、ステップ1408、ステップ1412又はステップ1416でNoの場合にもステップ1420に移行する。
次に、ステップ1420で、主制御基板MのCPUC100は、現在の抽選状態は「低確率状態」であるか否かを判定する。ステップ1420でYesの場合、ステップ1422で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は状態昇格役(当選することによって「低確率状態」から「高確率状態」に移行し得る小役であり、本例では、弱スイカ)であるか否かを判定する。ステップ1422でYesの場合、ステップ1424で、主制御基板MのCPUC100は、高確率状態移行抽選テーブルを参照し、当該ゲームに係る条件装置番号に基づいて当選する高確率状態移行抽選を実行する。ここで、同図右上方にて高確率状態移行抽選テーブルの一例が示されており、本実施形態においては、弱スイカにて「低確率状態」から「高確率状態」に抽選状態が移行し得るよう構成されており、弱スイカによる高確率状態移行抽選の当選率は1/10となっている。次に、ステップ1426で、主制御基板MのCPUC100は、当該高確率状態移行抽選に当選したか否かを判定する(例えば、ラッチした乱数値が当選範囲内に収まっているか否かを判定する)。ステップ1426でYesの場合、ステップ1428で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を「高確率状態」に決定し(図33参照)、ステップ1440に移行する。
また、ステップ1420でNoの場合、ステップ1430で、主制御基板MのCPUC100は、現在の抽選状態は「高確率状態」であるか否かを判定する。ステップ1430でYesの場合、ステップ1432で、主制御基板MのCPUC100は、所定確率(本例では、1/7)にて当選する低確率状態移行抽選を実行する。次に、ステップ1434で、主制御基板MのCPUC100は、当該低確率状態移行抽選に当選したか否かを判定する。ステップ1434でYesの場合、ステップ1436で、主制御基板MのCPUC100は、低確率移行条件を充足しているか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、ATに関する状態が「高確率状態」である場合には遊技区間が「有利区間」となっており(図34参照)、遊技区間が「有利区間」である場合には、押し順ナビが1回以上実行される、BBが1回以上実行される、又は、所定ゲーム数(本例では、1500ゲーム)「有利区間」が継続することを充足しなければ「有利区間」が終了しないよう構成されている(即ち、低確率状態移行抽選に当選したとしても、押し順ナビが1回以上実行されていない等により低確率移行条件を充足していない場合には、「高確率状態」が終了しないよう構成されている)。ステップ1436でYesの場合、ステップ1438で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を「低確率状態」に決定し、ステップ1440に移行する。尚、ステップ1422、ステップ1426、ステップ1430、ステップ1434又はステップ1436でNoの場合にもステップ1440に移行する。尚、このような抽選方式はあくまで一例であり、例えば、「高確率状態」に移行してから10ゲーム間は低確率状態移行抽選を実行せず(「高確率状態」の滞在が保障される)、当該10ゲーム経過後から毎ゲームで所定の確率(例えば、1/20)で「高確率状態」から「低確率状態」に移行する抽選を実行するよう構成してもよい。また、低確率状態移行抽選は、条件装置番号に基づいた抽選によって実行するよう構成してもよい、例えば、押し順ベル役の全部(入賞−A1〜C6)、又は押し順ベル役の一部(入賞−A1〜A6)に当選したときに所定確率にて当選するように構成されていても良い。尚、AT抽選役(低確AT抽選役、高確AT抽選役)、状態昇格役は、全設定値において同一の当選確率となっている。
次に、ステップ1440で、主制御基板MのCPUC100は、ATに関する状態の移行条件を充足したか否かを判定する(例えば、図33にて示されるように、「AT前兆状態」にて前兆ゲーム数を消化した場合に充足する)。ステップ1440でYesの場合、ステップ1442で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を決定し(例えば、図33にて示されるように、「AT前兆状態」にて前兆ゲーム数を消化した場合には「AT準備中」に決定)し、次の処理(ステップ3500の処理)に移行する。
尚、同図上段は高確率AT抽選テーブル及び低確率AT抽選テーブルの一例であるが、本実施形態においては、抽選状態によってAT当選率が相違するよう構成されており、「低確率状態」よりも「高確率状態」の方がAT移行抽選に相対的に当選し易くなっている(但し、条件装置番号毎のAT移行抽選の当選確率は、適宜変更しても問題ない)。このように本実施形態においては、低確AT抽選役が強スイカ、強チャンス目、BB役である一方、高確AT抽選役が強スイカ、弱スイカ、強チャンス目、BB役となっているため、弱スイカは「高確率状態」においてのみAT抽選を実行し得るよう構成されている。ここで、図34にも示されるように、「高確率状態」は「有利区間」に対応し、「低確率状態」は「通常区間」に対応しているので、弱スイカは「有利区間」おいてはAT抽選を実行し得る一方、「通常区間」ではAT抽選を実行しない。また、弱スイカは「通常区間」である「低確率状態」では高確率状態移行抽選を実行し得るよう構成されている。即ち、詳細は後述することとなるが、「通常区間」における弱スイカに当選することにより移行し得る「有利区間」は、「高確率状態」のみとなるよう構成されている。尚、本実施形態においては、BB役が成立した場合においても、AT抽選が実行され得るよう構成されており、BB役の成立時に実行されるAT抽選に当選した場合に、後述する遊技区間の1つである「待機区間」に移行し得るよう構成されている。
次に、図25は、本実施形態における、図23のステップ1450のサブルーチンに係る、条件装置番号管理処理のフローチャートである。まず、ステップ1451で、主制御基板MのCPUC100は、現在の遊技区間は「有利区間」であるか否かを判定する。ステップ1451でYesの場合、ステップ1452で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置に係るコマンド(副制御基板S側のコマンドであり、例えば、当該ゲームに係る条件装置番号の情報に係るコマンド)をセットする。次に、ステップ1453で、主制御基板MのCPUC100は、ATに関する状態は押し順ナビありとなるATに関する状態(「高確率状態」、「AT準備中」、「AT中状態」、「AT中BB内部中遊技」及び「AT中BB状態」のいずれかのATに関する状態)であるか否かを判定する。尚、本例では、押し順表示装置D270及び演出表示装置S40にて遊技者に最も高利益となるリールの停止順を表示することを押し順ナビと称している。ステップ1453でYesの場合、ステップ1454で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は押し順あり役(押し順によって入賞する役が相違する条件装置)であるか否かを判定する。ステップ1454でYesの場合、ステップ1458で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームの条件装置番号に基づき、当該ゲーム中における指示番号(押し順番号とも称す)を決定し、指示番号を記憶するためのRAMアドレス(押し順ナビを表示するためRAMアドレスとは異なるアドレス)に記憶する。尚、指示番号とは押し順に係る情報であり、本例においては、主制御基板Mが決定し、副制御基板Sに送信されることとなる(詳細は後述する)。また、副制御基板Sは当該指示番号を受信することにより演出表示装置S40上で押し順ナビを表示することができることとなる。尚、押し順ナビを実行しない場合にも指示番号が決定(不図示であるが指示番号をクリアすることに基づいて指示番号が初期値となる)されるよう構成されている。尚、押し順当てゲームを実行する場合には、押し順当てゲーム専用の所定の指示番号(例えば、AX)を決定するよう構成してもよい。次に、ステップ1460で、主制御基板MのCPUC100は、当該決定した指示番号に基づいて押し順表示装置D270にて押し順ナビ表示を実行する。次に、ステップ1466で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1458で決定した指示番号に係るコマンド(サブ側へのコマンド)をセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、ステップ1472に移行する。
また、ステップ1451、ステップ1453又はステップ1454でNoの場合、ステップ1468で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームの条件装置番号にマスク処理を実行し、マスク処理をした情報をRAMの所定アドレスに記憶する。ここで、当該ゲームに係る条件装置番号に係る情報を副制御基板S側に送信した場合に、不正な行為により当該条件装置番号に係る情報が認識されてしまうと、当該ゲームに係る高利益となる押し順(リール停止順)が認識されてしまうこととなる。そこで、本例においては、当該ゲームに係る条件装置番号に係る情報にマスク処理{条件装置番号に係る情報(特に押し順に係る情報)を秘匿的にする処理}を実行してから副制御基板Sに送信するよう構成することにより、高利益な押し順が認識できないよう構成している。尚、本実施形態における、マスク処理の方法としては、複数の条件装置番号(同様の役割を持った条件装置番号が好適であり、例えば、押し順によって昇格再遊技役となる図柄組み合わせが停止表示し得る複数の条件装置番号)を1つの演出グループ番号(例えば、条件装置番号2〜6を演出グループ2とする等)として、演出グループ番号を副制御基板S側に送信するよう構成している。尚、マスク処理の方法としては、これには限定されず、例えば、設けられている条件装置番号(本例では、1〜51)の後に、新たにマスク処理後の条件装置番号を設けるよう構成してもよい。また、そのような場合にも、演出グループ番号のように既存の条件装置番号のうち複数の条件装置番号を1つの条件装置番号としてマスク処理後の条件装置番号を設けるよう構成することが望ましい(例えば、条件装置番号2〜6を、マスク処理後の条件装置番号である条件装置番号54とする等)。尚、主制御基板MにおけるATに関する状態等に基づき、操作情報(押し順ナビ)を報知する遊技であると判断した場合には、副制御基板S側に条件装置番号を送信し、操作情報を報知しない遊技では副制御基板S側に演出グループ番号を送信するようにしても良い。
次に、ステップ1470で、主制御基板MのCPUC100は、当該マスク処理を実行した後の演出グループ番号に係るコマンド(サブ側へのコマンド)をセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、ステップ1472に移行する。次に、ステップ1472で、主制御基板MのCPUC100は、ボーナスの条件装置番号(ボーナスに当選したか否かがサブ側で認識できることとなる)に係るコマンド(サブ側へのコマンド)をセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、次の処理(ステップ1259の処理)に移行する。尚、本例にて条件装置番号とのみ称しているものは小役・再遊技役の条件装置番号であり、ボーナスの条件装置番号とは相違している。また、同図下段に示すように、押し順ナビの表示例としては、「AT準備中」の場合には、(1)転落再遊技役が含まれる場合→転落再遊技役とならない押し順をナビ、(2)昇格再遊技役が含まれる場合→昇格再遊技役が停止表示されることとなる押し順をナビ、(3)ベル(3枚役・7枚役)の場合→最も払出枚数が多くなる押し順をナビ、等のように構成されており、「AT中状態」の場合には、(1)転落再遊技役が含まれる場合→転落再遊技役が停止表示されない押し順をナビ、(2)昇格再遊技役が含まれる場合→昇格再遊技役が停止表示されることなる押し順をナビ、(3)ベル(3枚役・7枚役)の場合→最も払出枚数が多くなる押し順をナビ、等のように構成されている。このように、本実施形態においては、遊技区間が「有利区間」である場合には、副制御基板S側に条件装置番号(当選役の種類と遊技者にとって最も有利な押し順とを特定できる番号)や指示番号(遊技者にとって最も有利な押し順を特定できる番号)を送信し得るよう構成されている一方、遊技区間が「有利区間」でない遊技区間である場合(「通常区間」又は「待機区間」である場合)には、副制御基板S側に演出グループ番号(当選役の概要のみ特定できる番号)を送信し得るよう構成されている。即ち、「有利区間」においては、押し順によって遊技の結果及び遊技者の利益が相違する条件装置を含めた、当該ゲームに係る条件装置番号に係る情報をそのまま副制御基板S側に送信し得る一方、「有利区間」でない遊技区間においては、当該ゲームに係る条件装置番号に係る情報は送信せずに、押し順によって遊技の結果及び遊技者の利益が相違する条件装置の場合には押し順に係る情報を秘匿した演出グループ番号を副制御基板S側に送信するよう構成されている。
次に、図26は、本実施形態に係る回胴式遊技機の演出グループ番号一覧の一例を示したものである。前述したように、遊技区間が「有利区間」でない場合等においては、主制御基板Mで決定された条件装置番号に係る情報を副制御基板Sに送信する際にマスク処理を実行して演出グループ番号を決定し、当該演出グループ番号を副制御基板Sに送信するよう構成している。尚、演出グループ番号とは条件装置番号を、同様の役割となる当選役(例えば、昇格再遊技役が含まれる再遊技役、転落再遊技役が含まれる再遊技役、押し順ベル、等)に係る条件装置番号をグループ化して、番号を振り分けたものである。当該ゲームに係る条件装置番号に係る情報にマスク処理{条件装置番号に係る情報(特に押し順に係る情報)を秘匿的にする処理}を実行してから副制御基板Sに送信するよう構成することにより、不正な行為により当該条件装置番号に係る情報が認識され、当該ゲームに係る高利益となる押し順(リール停止順)が認識されてしまう事態を防止している。以下、演出グループ番号が副制御基板S側に送信されるまでの処理について詳述する。
演出グループ番号に係る主制御基板M側の処理としては、(1)当該ゲームに係るRAMに記憶された入賞・再遊技当選番号を第1のレジスタ(例えば、Aレジスタ)に記憶する。尚、入賞・再遊技当選番号は、本実施形態においては図16に記載の条件装置番号に相当している。また、ボーナス役が当選した場合のボーナス役の当選番号は、RAMの別の記憶領域に記憶している。(2)ROMに記憶された演出グループ番号が記憶された「演出グループ番号指定テーブル」の先頭アドレスを第2のレジスタ(例えば、HLレジスタ)に記憶する{この演出グループ番号指定テーブルは、入賞・再遊技当選番号に対応してどの演出グループ番号を指定するかを定めたテーブルであり、先頭アドレスをXアドレスとしたときXアドレスには入賞・再遊技当選番号0に対応した演出グループ番号「0」が定められ、(X+1)アドレスには入賞・再遊技当選番号1に対応した演出グループ番号「1」が定められ、(X+2)アドレスには入賞・再遊技当選番号2に対応した演出グループ番号「2」が定められ、(X+3)アドレスには入賞・再遊技当選番号3に対応した演出グループ番号「2」が定められ、(X+n)アドレスには入賞・再遊技当選番号nに対応した演出グループ番号「Y」が定められている}。(3)第1のレジスタと第2のレジスタによる演算処理(具体的には第1のレジスタと第2のレジスタの加算処理)により、演出グループ番号指定テーブルから演出グループ番号を取得する。換言すると、入賞・再遊技当選番号をオフセット値とし、演出グループ番号指定テーブルから演出グループ番号をレジスタに取得する。(取得した演出グループ番号はRAMの所定の記憶領域に記憶しても良い。)(4)演出グループ番号を副制御基板Sに送信するためのバッファ(RAM)に保存(記憶)する。
このような処理を一律行った場合には、主制御基板M側の遊技状態(具体的には、「AT中状態」、「通常遊技状態」、等)や、押し順番号に拘らずマスク処理を行うことになるため、判断肢が少なくなり、主制御基板Mのプログラムを簡素化できることとなる。
演出グループ番号と条件装置番号との対応の具体例としては、例えば、条件装置番号が0(ハズレ)の場合に、演出グループ番号を0、条件装置番号が1(再遊技‐A)の場合(通常リプレイが当選)に、演出グループ番号を1、条件装置番号が2〜6(再遊技‐B1〜再遊技‐B5)の場合(RT移行リプレイが当選)に、演出グループ番号を2、条件装置番号7〜11(再遊技‐C1〜再遊技‐C5)の場合(RT移行リプレイが当選)に、演出グループ番号を3、条件装置番号12〜14(再遊技‐D1〜再遊技‐D3)の場合(RT移行リプレイが当選)に、演出グループ番号を4、条件装置番号15(再遊技‐E)の場合(弱チェリーが当選)に、演出グループ番号を5、条件装置番号16(再遊技‐F)の場合(強チェリーが当選)に、演出グループ番号を6、条件装置番号17(再遊技‐G1)の場合(押し順チェリーが当選)に、演出グループ番号を7、条件装置番号18(再遊技‐G2)の場合(押し順チェリーが当選)に、演出グループ番号を8、条件装置番号19(再遊技‐G3)の場合(押し順チェリーが当選)に、演出グループ番号を9、条件装置番号20(再遊技‐H1)の場合(押し順チャンス目が当選)に、演出グループ番号を10、条件装置番号21(再遊技‐H2)の場合(押し順チャンス目が当選)に、演出グループ番号を11、条件装置番号22(再遊技‐H3)の場合(押し順チャンス目が当選)に、演出グループ番号を12、条件装置番号23〜28(入賞‐A1〜入賞‐A6)の場合(押し順ベルが当選)に、演出グループ番号を13、条件装置番号29〜34(入賞‐B1〜入賞‐B6)の場合(押し順ベルが当選)に、演出グループ番号を14、条件装置番号35〜40(入賞‐C1〜入賞‐C6)の場合(押し順ベルが当選)に、演出グループ番号を15、条件装置番号41(入賞‐D)の場合(共通ベルが当選)に、演出グループ番号を16、条件装置番号42〜47(入賞‐E1〜入賞‐E6)の場合(特定図柄が停止し得る3枚役が当選)に、演出グループ番号を17、条件装置番号48(入賞‐F)の場合(弱スイカが当選)に、演出グループ番号を18、条件装置番号49(入賞‐G)の場合(強スイカが当選)に、演出グループ番号を19、条件装置番号50(入賞‐H)の場合(強チャンス目が当選)に、演出グループ番号を20、条件装置番号51(入賞‐I)の場合(RB中の特殊役が当選)に、演出グループ番号を21が挙げられる。尚、上述した押し順当てゲーム(条件装置番号17〜22の何れかが当選した場合に実行されるゲーム)を実行する仕様においては、少なくとも条件装置番号17〜22の何れかが当選したかは秘匿するために、例えば、条件装置番号17〜19を同じ演出グループ番号に設定し、条件装置番号20〜22を同じ演出グループ番号に設定することが望ましい。
次に、図27は、本実施形態における、図23のステップ1500のサブルーチンに係る、レバー時ゲーム数上乗せ実行処理のフローチャートである。まず、ステップ1502で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置番号は当選時上乗せ役(入賞するか否かに拘らず、当選することによって残りATゲーム数を上乗せし得る条件装置番号であり、本例では、弱スイカ(条件装置番号48)、強スイカ(条件装置番号49)、弱チェリー(条件装置番号15)、強チェリー(条件装置番号16)、強チャンス目(条件装置番号50)、押し順ベル(条件装置番号23〜28))であるか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1508で、主制御基板MのCPUC100は、当選時上乗せゲーム数抽選テーブル(例えば、ROM領域内に設けられた抽選テーブルである)を参照し、AT上乗せゲーム数を決定する(例えば、欄外にて示す抽選テーブルにおいて、ラッチした乱数値がいずれの範囲内に収まっているか否かで判定する)。尚、AT上乗せゲーム数を決定することをAT上乗せ抽選を実行するとも称する。次に、ステップ1510で、主制御基板MのCPUC100は、当該決定したAT上乗せゲーム数をATカウンタM60のカウンタ値に加算し、当該加算後のATカウンタ値をATカウンタM60にセットし、次の処理(ステップ1550の処理)に移行する。尚、ステップ1502でNoの場合にも次の処理(ステップ1550の処理)に移行する。
ここで、同図欄外にて示す抽選テーブルは、当選時上乗せゲーム数抽選テーブルの一例であり、本実施形態においては、押し順ナビが実行されるATに関する状態の一部(本例では、「AT準備中」、「AT中状態」、「AT中BB内部中状態」、「AT中BB状態」)にて当選時上乗せ役が当選した場合には、AT上乗せゲーム数は「0」〜「300」が抽選によって決定され、当該決定された値がATカウンタM60のカウンタ値に加算されることとなる。尚、「0」が決定された場合にはAT残りゲーム数は増加しないこととなる。
また、当選時上乗せ役に当選した場合のAT上乗せゲーム数の平均値(期待値)は、図示されるような値となっており、具体的な算出方法としては、当選役が弱スイカである場合には、{置数(900)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(50)×AT上乗せゲーム数(10)+置数(50)×AT上乗せゲーム数(30)+置数(24)×AT上乗せゲーム数(100)}/置数の総数(1024)=4.3(ゲーム)、のようにして算出することができる。
次に、当選役が強スイカである場合には、{置数(500)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(200)×AT上乗せゲーム数(50)+置数(300)×AT上乗せゲーム数(100)+置数(24)×AT上乗せゲーム数(300)}/置数の総数(1024)=46.1(ゲーム)、のようにして算出することができる。
次に、当選役が弱チェリーである場合には、{置数(800)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(100)×AT上乗せゲーム数(10)+置数(100)×AT上乗せゲーム数(30)+置数(24)×AT上乗せゲーム数(100)}/置数の総数(1024)=6.3(ゲーム)、のようにして算出することができる。
次に、当選役が強チェリーである場合には、{置数(300)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(300)×AT上乗せゲーム数(30)+置数(400)×AT上乗せゲーム数(50)+置数(24)×AT上乗せゲーム数(300)}/置数の総数(1024)=35.4(ゲーム)、のようにして算出することができる。
次に、当選役が強チャンス目である場合には、{置数(300)×AT上乗せゲーム数(30)+置数(500)×AT上乗せゲーム数(50)+置数(224)×AT上乗せゲーム数(200)}/置数の総数(1024)=77.0(ゲーム)、のようにして算出することができる。
次に、当選役が押し順ベル(7枚役)である場合には、{置数(1023)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(1)×AT上乗せゲーム数(200)}/置数の総数(1024)=0.2(ゲーム)、のようにして算出することができる。
尚、本実施形態においては、レバー時ゲーム数上乗せ実行処理は、当選役の種類によってAT上乗せゲーム数の平均値が相違し得るよう構成されているが、設定値によってはAT上乗せゲーム数の平均値は相違しないよう構成されている。
次に、図28は、本実施形態における、図23のステップ1550のサブルーチンに係る、リール回転開始準備処理のフローチャートである。まず、ステップ1552で、主制御基板MのCPUC100は、遊技間隔最小時間タイマM70(減算タイマ)のタイマ値が0であるか否かを判定する。ここで、遊技間隔最小時間タイマM70は、あるゲーム開始タイミング(リール回転開始タイミング)から次のゲーム開始タイミング(リール回転開始タイミング)までに担保されるべき時間(本例では、4.1秒)を計測するタイマである。ステップ1552でYesの場合、ステップ1554で、主制御基板MのCPUC100は、遊技間隔最小時間タイマM70のタイマ値に新たに最小時間(本例では、4.1秒)をセットしてスタートする。次に、ステップ1556で、主制御基板MのCPUC100は、終了したゲームに係るリール停止順に係る情報及び押し順に係る情報をクリアする。次に、ステップ1558で、主制御基板MのCPUC100は、終了したゲームに係るリール停止中に係る情報及び引き込みポイント作成要求をクリアする。次に、ステップ1560で、主制御基板MのCPUC100は、終了したゲームに係る図柄停止位置データを初期化する。次に、ステップ1562で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係るリール回転開始待機時の出力要求をセットする。次に、ステップ1564で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係るリール制御コマンドをセットする。換言すると、ステップ1562及びステップ1564の処理によって、副制御基板Sにリールが回転開始することを示すためのコマンドが送信可能となる。次に、ステップ1566で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内に記憶されているリール駆動状態をリール停止状態からリール回転開始待機状態に更新し、次の処理(ステップ1260の処理)に移行する。
次に、図29は、本実施形態における、図23のステップ3400のサブルーチンに係る、残りゲーム数管理処理のフローチャートである。まず、ステップ3402で、主制御基板MのCPUC100は、現在の遊技区間は「有利区間」であるか否かを判定する。尚、詳細は後述することとなるが、「有利区間」とは遊技区間のうちの1つであり、ATに関する状態が「AT中状態」である場合などの遊技者にとって有利である遊技の状況にてセットされ易い遊技区間となっている。ステップ3402でYesの場合、ステップ3404で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1(デクリメントカウンタであり、「有利区間」に滞在し得る最大ゲーム数である1500が初期値としてセットされ、「有利区間」である期間にて毎ゲーム減算され得るカウンタ)のカウンタ値を1減算する。
次に、ステップ3408で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態は「AT中状態」であるか否かを判定する。ステップ3408でYesの場合、ステップ3410で、主制御基板MのCPUC100は、ATカウンタ値を1減算し、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。尚、ステップ3402又はステップ3408でNoの場合にも、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。
次に、図30は、本実施形態における、図23のステップ1700のサブルーチンに係る、RT状態移行制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1702で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにてRT状態移行可能条件が充足したか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、RT状態移行可能条件は、特定図柄の停止、特定の再遊技役の停止表示に基づく所定図柄の停止、BBの当選・開始・終了にて充足するよう構成されている。ステップ1702でYesの場合、ステップ1704で、主制御基板MのCPUC100は、当該充足したRT移行可能条件に基づきRT状態移行可否及び次ゲーム以降のRT状態を決定し、次の処理(ステップ1750の処理)に移行する。尚、ステップ1702でNoの場合にも次の処理(ステップ1750の処理)に移行する。尚、本実施形態においては、全リールの停止後にRT状態移行制御処理を実行しているが、「RT4」に移行する場合には当該移行タイミングはレバーオン時に移行しても良い。RT状態を移行する(RT番号をRAMに記憶する)タイミングは、適宜定めることができる。
次に、図31は、本実施形態における、RT状態遷移図である。本実施形態においては、「RT0」〜「RT5」の6つのRT状態が存在しており、図中の矢印に示される条件を満たすことによってRT状態が移行することとなる。RT状態の具体的な移行例としては、RT状態が「RT0」である場合に、「入賞‐E3(3枚役)」の条件装置に当選し、停止ボタンD40を「左→中→右」(第2、第3停止は任意)の順で停止させた場合、3/4の確率で特定図柄{3枚役当選時に最大払出枚数(期待値)となる押し順(中リールを第一停止とする)以外の押し順にて停止させると入賞し得る}が停止することにより、「RT1」に移行する。他方、1/4の確率で有効ラインに「ベル・ブランクB・リプレイA」が停止し、3枚役が入賞した場合、及び、最大払出し枚数(期待値)となる押し順(例えば、「中→左→右」)にて停止ボタンD40を操作した場合には、RT状態は「RT0」を維持する。RT状態が「RT1」の場合に「再遊技−B3」の条件装置に当選すると、停止ボタンD40を操作し、「中→左→右」の順にリールを停止させた場合(例えば、リールM50は有効ラインに、「羊・リプレイA・スイカA」が停止)には、「再遊技05」となる図柄組み合わせが停止表示し、「RT2」に移行する。次に、RT状態が「RT2」にて、「再遊技‐C5」の条件装置に当選し、遊技者が停止ボタンD40を「右→左→中」(第2、第3停止は任意)の順に停止させた場合(例えば、リールM50は有効ラインに、「羊・リプレイA・リプレイB」が停止)、「再遊技06」となる図柄組み合わせが停止表示し、RT状態は「RT3」に移行する。他方、RT状態が「RT3」又は「RT2」にて、例えば、「再遊技C‐3」の条件装置に当選し、遊技者が停止ボタンD40「右→左→中」の順に操作した場合(例えば、リールM50はその有効ラインに、「ベル・リプレイA・ベル」が停止)、「再遊技03」となる図柄組み合わせが停止表示し、RT状態は、「RT1」へ移行する。同様に、RT状態が「RT3」又は「RT2」にて、3枚役である「入賞‐E3」の条件装置に当選し、停止ボタンD40を「左→中→右」(第2、第3停止は任意)の順で停止させた場合、3/4の確率で特定図柄{3枚役当選時に最大払出枚数(期待値)となる押し順(中リールを第一停止とする)以外の押し順にて停止させると入賞し得る}が停止することにより、「RT1」に移行する。他方、1/4の確率で有効ラインに「ベル・ブランクB・リプレイA」が停止し、3枚役が入賞した場合、及び、最大払出し枚数(期待値)となる押し順(例えば、「中→左→右」)にて停止ボタンD40を操作した場合には、RT状態は「RT2」又は「RT3」を維持する。ここで、RT状態が「RT0」、「RT1」、「RT2」及び「RT3」にて、「1種BB01」(BB)が重複当選している「入賞G(強スイカ)」の条件装置に当選した場合、当該BB成立ゲームでBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止した場合に入賞)させなかった場合(強スイカを入賞させた場合には、例えば、有効ラインに「スイカB・リプレイA・リプレイA」が停止)には、RT状態は「RT4」に移行することとなる。尚、役抽選手段によりBBが成立したことに基づいて「RT4」に移行するようにしてもよい。「RT4」である場合に停止ボタンD40の操作によりBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止)させると、「RT5」に移行する。他方、BBの成立ゲームでBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止)させると、RT状態は、1回のゲームにて「RT4」に移行し、「RT4」から「RT5」に移行することとなる。尚、BBの成立ゲームでBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止)させる場合には、「RT4」を経由せずに直接「RT5」に移行するようにしてもよい。次に、BB終了後には、RT状態は「RT5」から「RT0」に移行することとなる。尚、不図示であるが、電源断及び電源復帰が正常である場合における設定変更処理に伴うRAMクリア実行後には、RAMクリア前のRT番号に復帰(RT番号を記憶するアドレスを、RAMクリア時にクリアするアドレス範囲に含めない)しても良いし、「RT0」にしても良い。尚、特定のRT状態(例えば「RT5」)である状況下において電源断が行なわれ、電源断及び電源復帰が正常である場合における設定変更処理に伴うRAMクリア実行後には、「RT0」にしても良い。尚、「RT3」が最も再遊技役に当選する確率が高いRT状態となっている。尚、再遊技03及び再遊技04はRT状態を転落(遊技者にとって不利なRT状態に移行)させ得る再遊技役であり、再遊技05及び再遊技06はRT状態を昇格(遊技者にとって有利なRT状態に移行)させ得る再遊技役であり、再遊技01及び再遊技02はRT状態の移行の契機とならない再遊技役である。また、押し順ナビ発生時において、押し順ナビと異なる押し順にてリールを停止させた場合において、再遊技03又は再遊技04となる図柄組み合わせが停止表示した場合にはRT状態が転落する(例えば、「RT3」から「RT1」に移行する)こととなるが、再遊技01又は再遊技02となる図柄組み合わせが停止表示した場合にはRT状態は転落しない(例えば、「RT3」が維持される)こととなる。尚、本実施形態においては、条件装置番号42〜47の何れかが決定された遊技において、予め定められた所定の操作順序(図15参照)で操作され、且つ、特定の操作タイミングで操作されたことによって、特定の図柄組合せが停止表示され得るように構成されているが、条件装置番号42〜47の何れかが決定された遊技において、停止ボタン操作タイミングにかかわらず予め定められた所定の操作順序(図15参照)で操作されたときに特定の図柄組合せが停止表示され得るように構成されても良い。また、条件装置番号23〜40の何れかが決定された遊技において、7枚役が入賞する操作順序以外の操作順序では1枚役が入賞するようになっているが、1枚役の何れか(例えば、ベルこぼし役)に対応する図柄組合せを特定の図柄組合せ(RT移行条件となる)として定めていても良い。また、条件装置23〜40の何れかが決定された遊技において、停止ボタン操作タイミングによって入賞しない(取りこぼす)ことがあるよう構成してもよく、そのように構成した場合には、遊技者に最も高利益な押し順とは異なる押し順にてリールを停止させた場合にも、前記1枚の払出となる小役が入賞しなかった(取りこぼした)場合には、RT状態を移行する(例えば、「RT0」から「RT1」に移行する)よう構成してもよい。
次に、図32は、本実施形態における、図23のステップ1750のサブルーチンに係る、AT中状態開始制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1752で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにてAT状態移行可能条件が充足したか否かを判定する。尚、AT状態移行可能条件とは、例えば、「AT前兆状態」に移行した場合に充足する条件である(図33参照)。ステップ1752でYesの場合、ステップ1760で、主制御基板MのCPUC100は、新たに「AT前兆状態」に移行したことを契機として、AT初期ゲーム数(本例では、50であり、「AT前兆状態」を経て「AT中状態」となった後から減算が開始されるゲーム数)をATカウンタM60にセットし、次の処理(ステップ3500の処理)に移行する。尚、ステップ1752でNoの場合にも、次の処理(ステップ3500の処理)に移行する。
次に、図33は、本実施形態における、AT状態遷移図である。本実施形態においては、「通常遊技状態」、「AT前兆状態」、「AT準備中」、「AT中状態」、「通常BB内部中遊技」、「通常BB状態」、「AT中BB内部中遊技」、「AT中BB状態」の8つのATに関する状態が存在しており、図中の矢印に示される条件を満たすことによってATに関する状態が移行することとなる。例えば、「通常遊技状態」にてATに当選することによって「AT前兆状態」に移行するよう構成されている。
また、ATに関する状態の具体的な移行例としては、「通常遊技状態」にて「1種BB01」(BB)が重複当選している「入賞G(強スイカ)」の条件装置に当選し、当該BB成立ゲームでBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止した場合に入賞)させなかった場合{強スイカを入賞させた場合には(例えば、有効ラインに「スイカB・リプレイA・リプレイA」が停止)には、ATに関する状態は、「通常BB内部中遊技」に移行することとなる。次に、停止ボタンD40の操作によりBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止)させると、「通常BB状態」に移行する。他方、BBの成立ゲームでBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止)させると、ATに関する状態は、1回のゲームにて「通常遊技状態」から「通常BB内部中遊技」に移行し、「通常BB内部中遊技」から「通常BB状態」に移行することとなる。尚、BBの成立ゲームでBBを入賞させた場合には、ATに関する状態を「通常BB内部中遊技」を経由せずに、「通常遊技状態」から「通常BB状態」に移行するようにしても良い。この「通常遊技状態」においては、AT抽選の抽選状態が、低確率状態と高確率状態の2段階に構成されており、高確率状態移行抽選や低確率状態移行抽選を実行することは前述のとおりである。また、AT抽選に当選した場合には、「AT前兆状態」に移行し、「AT前兆状態」にて所定のゲーム数を消化したことにより「AT準備中」に移行する。尚、「AT前兆状態」から「AT準備中」に移行する契機となる所定のゲーム数の決定方法は、AT移行抽選の当選時に抽選(例えば、0〜32ゲームの中から抽選によって決定される)によって決定されることを例示できる(固定のゲーム数とすると当該固定のゲーム数経過時に「AT準備中」に移行するか否かにのみ着目してしまうため、抽選によって「AT前兆状態」のゲーム数を複数パターン設けることによって、遊技者はAT移行抽選に当選したか否かの興味を持続させることができる)。また、「AT準備中」においては、RT状態が「RT3」に滞在していること(「RT3」に移行することを条件とすると、遊技者が押し順ナビがない状態で偶然「RT3」に滞在させた状況にて、「AT準備中」に移行した場合に、「AT中状態」に移行することができなくなってしまう)、又は、押し順ナビを無視したこと(例えば、「入賞‐B3」が当選し、押し順ナビが「中→左→右」を報知しているにも関わらず、遊技者が「右→中→左」の順に停止ボタンD40を操作した場合)によりRT状態は「RT3」ではないが「AT中状態」に移行する。「AT中状態」は、ATカウンタ値が0になる(残りATゲーム数が0になる)、又は、「有利区間」が終了すると、「通常遊技状態」に移行する。尚、ATカウンタ値が0になっていないが「有利区間」が終了する場合としては、「有利区間」となっている期間が所定ゲーム(本例では、1500ゲーム)継続した場合等となっている。また、「AT前兆状態」、「AT準備中」、又は、「AT中状態」にて「1種BB01」(BB)に当選し、当該BB成立ゲームでBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止した場合に入賞)させなかった場合には、ATに関する状態は、「AT中BB内部中遊技」に移行することとなる。次に、停止ボタンD40の操作によりBBを入賞(有効ラインに「羊・羊・羊」が停止)させると、「AT中BB状態」に移行する。その後、BBが終了することにより、「AT準備中」に移行することとなる。尚、「AT中BB状態」終了後に、ATの継続又は当選が確定している場合には、「AT前兆状態」に移行することとしてもよい。尚、「高確率状態」においてBBが当選し、当該BB遊技中(「通常BB状態」中)に特定役{例えば、当選率に設定差の無い特殊リプレイ(強チェリー)}が当選した場合には、BB終了後に「AT前兆状態」に移行する場合がある(「高確率状態」は「有利区間」であるため)。
前述したように本実施形態においては、「AT準備中」にて押し順ナビを無視した場合にも「AT中状態」に移行するよう構成されており、このように構成することによって、「AT準備中」にて、「RT3」に移行することとなる昇格再遊技役を停止表示するための押し順ナビが発生したにもかかわらず当該ナビとは異なる停止順にてリールを停止させた場合にも、「AT中状態」に移行してしまうので、押し順ナビを無視して「AT準備中」に滞在させ続けることができないよう構成されている(「AT準備中」に滞在させ続けることによりBBの当選を待ち、「AT中BB状態」という「通常BB状態」よりも有利なATに関する状態に移行させられて攻略要素となってしまうことを防止している)。尚、「RT3」に移行する場合に限らず、例えば「RT1」から「RT2」に移行することとなる昇格再遊技役を停止表示するための押し順ナビが発生したにもかかわらず当該ナビとは異なる停止順にてリールを停止させた場合や、役抽選手段により条件装置番号42〜47が当選したとき(特定図柄の組み合わせ(「RT1」に移行する条件)が停止表示される場合がある)に押し順ナビが発生したにもかかわらず当該ナビとは異なる停止順にてリールを停止させた場合にも、「AT中状態」に移行させることにより、押し順ナビを無視して「AT準備中」に滞在させ続けることができないよう構成されている。さらに、押し順ナビを遊技者が無視して「AT中状態」に移行する態様としては、(1)再遊技役及び押し順ベルの双方の押し順ナビを無視した場合、(2)再遊技役の押し順ナビを無視した場合、(3)再遊技役又は押し順ベルのいずれかの押し順ナビを無視した場合、(4)再遊技役又は押し順ベルのいずれかの押し順ナビを無視し、且つ、RT状態が転落した(例えば、「RT3」から「RT1」に移行した)場合、等が挙げられる。ここで、押し順ベルとは、主にRT状態が移行する可能性を有する条件装置番号42〜47(3枚ベル)を指しており、例えば条件装置番号23〜40(7枚ベル)の何れかが当選したときに押し順ナビを無視した場合であっても「AT中状態」に移行させなくても良い。もちろん、条件装置番号23〜40(7枚ベル)の何れかが当選したときに押し順ナビを無視した場合であっても「AT中状態」に移行させても良い。尚、本実施形態においては、「RT2」である場合の再遊技役の確率が「RT1」とほぼ同様の確率となっているが、「RT2」である場合の遊技メダル獲得期待値が相対的に高く設定されているよう構成した場合には、当該押し順ナビを無視しても「AT中状態」に移行するような構成は、攻略防止に特に有効となる。また、不図示であるが設定変更処理に基づくRAMクリア実行後のATに関する状態は、「通常遊技状態」に滞在することとなる。尚、同図の説明はあくまで具体的な一例であり、例えば、「再遊技‐C5」に当選した場合を例示しているのは、「再遊技‐C5」であった場合のみATに関する状態が移行するわけではなく、あくまで具体的な一例を記載している。
次に、図34は、本実施形態における、ATに関する状態と遊技区間との対応表の一例である。本例においては、前述したように、遊技区間として、「通常区間」と「待機区間」と「有利区間」とを有しており、ATに関する状態と遊技の状況によって遊技区間が決定されるよう構成されている。まず、ATに関する状態が「低確率状態」である場合においては、遊技の状況がすべての場合において遊技区間が「通常区間」となる。次に、ATに関する状態が「高確率状態」である場合においては、遊技の状況がすべての場合において遊技区間が「有利区間」となる。次に、ATに関する状態が「AT前兆状態」である場合においては、遊技の状況がすべての場合において遊技区間が「有利区間」となる。
また、ATに関する状態が「通常BB内部中遊技」である場合においては、(1)遊技の状況が、「低確率状態」にてBBに当選し、且つ、ATに非当選である状況では、遊技区間が「通常区間」となり、(2)遊技の状況が、「低確率状態」にてBBに当選し、且つ、ATに当選している状況では、遊技区間が「待機区間」となり、(3)「高確率状態」にてBBに当選し、且つ、ATに非当選である状況と、「高確率状態」にてBBに当選し、且つ、ATに当選している状況とでは、遊技区間が「有利区間」となるよう構成されている。尚、上記(2)の場合の遊技区間を「有利区間」とするよう構成してもよい。
また、ATに関する状態が「通常BB状態」である場合においては、(1)遊技の状況が、「低確率状態」にてBBに当選し、「通常BB内部中遊技」にてBBが入賞し、且つ、BB当選時にてATに非当選であった状況では、遊技区間が「通常区間」となり、(2)遊技の状況が、「高確率状態」にてBBに入賞した状況と、「待機区間」にてBBが入賞した場合とでは、遊技区間が「有利区間」となるよう構成されている。
また、ATに関する状態が「AT準備中」である場合においては、遊技の状況がすべての場合において遊技区間が「有利区間」となる。次に、ATに関する状態が「AT中状態」である場合においては、遊技の状況がすべての場合において遊技区間が「有利区間」となる。次に、ATに関する状態が「AT中BB内部中遊技」である場合においては、遊技の状況がすべての場合において遊技区間が「有利区間」となる。次に、ATに関する状態が「AT中BB状態」である場合においては、遊技の状況がすべての場合において遊技区間が「有利区間」となる。
次に、図35は、本実施形態における、図23のステップ3500のサブルーチンに係る、遊技区間移行制御処理のフローチャートである。はじめに、本実施形態においては、遊技の状態に係る区間として遊技区間を有しており、遊技区間としては、相対的に遊技者にとって低利益な「通常区間」と、相対的に遊技者にとって高利益な区間である「有利区間」と、通常区間から有利区間への移行待機状態に係る区間である「待機区間」と、の3つの遊技区間を有している。フローチャートの説明としては、まず、ステップ3508で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る遊技区間は「通常区間」であるか否かを判定する。ステップ3508でYesの場合、ステップ3510で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を現在のATに関する状態及び現在の遊技の状況に対応する遊技区間に決定し、ステップ3528に移行する。他方、ステップ3508でNoの場合、ステップ3512で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る遊技区間は「有利区間」であるか否かを判定する。ステップ3512でYesの場合、ステップ3514で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0であるか否か、換言すると、「有利区間」が継続可能な最大ゲーム数に到達したか否かを判定する。ステップ3514でYesの場合、ステップ3515で、主制御基板MのCPUC100は、ATに関連する情報をすべてクリアする(それにより、ATカウンタ値が0となり、「AT前兆状態」のゲーム数といったものも0となる)。他方、ステップ3514でNoの場合、ステップ3518で、主制御基板MのCPUC100は、任意の有利区間終了条件を充足していないか否かを判定する。ここで、任意の有利区間終了条件とは、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0となった場合以外の「有利区間」の終了条件であり、例えば、ATカウンタ値が0となった場合や、押し順ナビが所定回数実行された場合等となっている。ステップ3518でNoの場合、即ち、任意の有利区間終了条件を充足した場合にはステップ3515に移行する。このように、本実施形態においては、「有利区間」が終了して次ゲーム以降に「通常区間」に移行する場合には、ATに関連する情報(AT継続ゲーム数、AT残りゲーム数、等に係る情報)をすべてクリアするので、以降の「通常区間」において再度「有利区間」となる際の条件が緩和されることがなくなる。尚、ステップ3515の処理(有利区間終了時の処理)によりクリアするATに関連する情報としては、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値、遊技状態を示すフラグ等がある。また、これらの情報は設定変更時のRAMクリアによってもクリアされることとなるが、設定変更時のRAMクリアによっては、「役物連続作動装置(BB)に係る条件装置」や「RT状態」、「貯留枚数」等に係る情報もクリアするのに対し、ステップ3515の処理(有利区間終了時の処理)によっては、「役物連続作動装置(BB)に係る条件装置」や「RT状態」、「貯留枚数」等に係る情報はクリアされない。このように、設定変更時のRAMクリア範囲と「有利区間」終了時(例えば、ステップ3515の処理実行時)のクリア範囲は相違している。尚、設定変更時のRAMクリアによって、「役物連続作動装置(BB)に係る条件装置」や「RT状態」を保持するように構成していても良い。また、「有利区間」終了時にクリアする範囲のアドレスは連続している。このように「有利区間」終了時にクリアする範囲のアドレスを連続させることにより、クリア処理時にクリアする先頭アドレスと、クリアするアドレスの範囲を指定するという簡易的な処理でクリアすることができる。また、「有利区間」が終了した場合には、「有利区間」が終了した旨に係るコマンドを主制御基板Mから副制御基板Sに送信する。但し、副制御基板S側は当該コマンドを受信しても、「有利区間」であった旨や、「AT中状態」を何ゲーム実行したかに係る情報等の遊技履歴は消去しないよう構成されている。但し、設定変更時のRAMクリアを実行した場合には、副制御基板S側における、「有利区間」であった旨や、「AT中状態」を何ゲーム実行したかに係る情報等の遊技履歴も消去されることとなる。
尚、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0となったために「有利区間」が終了した場合には、(1)現在のATに関する状態が「高確率状態」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「低確率状態」となる、(2)現在のATに関する状態が「AT中BB内部中遊技」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「通常BB内部中遊技」となる、(3)現在のATに関する状態が「AT中BB状態」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「通常BB状態」となる、(4)現在のATに関する状態が「AT準備中」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「低確率状態」となる、(5)現在のATに関する状態が「AT中状態」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「低確率状態」となるよう構成されている(ATに関連する情報がクリアされるため)。
次に、ステップ3516で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を「通常区間」に決定する。次に、ステップ3517で、主制御基板MのCPUC100は、「有利区間」が終了したため有利区間表示器YHを消灯し、ステップ3528に移行する。尚、「有利区間」が終了して「通常区間」に移行する際に有利区間表示器YHを消灯するよう構成されているが、詳細な消灯のタイミングは本実施形態のタイミングには限定されず、例えば、「有利区間」が終了して「通常区間」となるゲームに係る遊技メダル投入時に有利区間表示器YHを消灯するよう構成してもよい。換言すると、次遊技が開始可能となるスタートレバーD50が操作される前に有利区間表示器YHを消灯するように構成していれば良い。他方、ステップ3518でYesの場合、ステップ3520で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を「有利区間」に決定し、ステップ3528に移行する。
また、ステップ3512でNoの場合、換言すると、現在の遊技区間が「待機区間」である場合、ステップ3522で、主制御基板MのCPUC100は、待機区間終了条件を充足したか否かを判定する。ここで、待機区間終了条件としては、同図下段に示すように、「待機区間」にてBBが入賞した場合に有利区間終了条件を充足したと判定するよう構成されている。即ち、本実施形態においては、「通常区間」において、BB役が成立し、且つ、当該BB役に係るAT抽選によってATに当選した場合に「待機区間」に移行し、当該BB役が入賞することによって「待機区間」が終了し、「有利区間」に移行するよう構成されている。
フローチャートの説明に戻ると、ステップ3522でYesの場合、ステップ3524で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を「有利区間」に決定し、ステップ3528に移行する。他方、ステップ3522でNoの場合、ステップ3526で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を「待機区間」に決定し、ステップ3528に移行する。このように、「待機区間」を設けることにより、「低確率状態」にてBBに当選、且つ、AT抽選に非当選である場合と、「低確率状態」にてBBに当選、且つ、AT抽選に当選している場合とで、BBの図柄組合せが揃うまで(有利区間表示器が点灯するまで)の期間においては、有利区間表示器YHが消灯しているため、AT抽選に当選しているか否かを遊技者に対して煽ることができる。
次に、ステップ3528で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲームにて新たに「有利区間」に移行することが決定した(「通常区間」から「有利区間」に移行することが決定した、又は、「待機区間」から「有利区間」に移行することが決定した)か否かを判定する。ステップ3528でYesの場合、ステップ3530で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1に所定値をセットする。尚、当該有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1にセットする所定値は、すべての設定値において共通する固定の数値(本例では、1500)となっている。次に、ステップ3524で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間表示器YHを点灯し、次の処理(ステップ1293の処理)に移行する。尚、ステップ3528でNoの場合にも、次の処理(ステップ1293の処理)に移行する。尚、本実施形態においては、ステップ3534のタイミングにて有利区間表示器YHの点灯処理を実行したが、有利区間表示器YHの点灯タイミングはこれには限定されず、有利区間表示器YHの点灯タイミングを図65にて後述することとする。
次に、図36は、本実施形態における遊技区間遷移図である。同図においては、遊技区間が「通常区間」から「有利区間」に移行する場合の一部を例示する。まず、遊技区間が「通常区間」である場合、ATに関する状態は「低確率状態」となっている。当該「通常区間」にて弱スイカに当選した場合には高確率状態移行抽選が実行され、当該高確率状態移行抽選に当選した場合には、ATに関する状態は「高確率状態」となり、遊技区間は「有利区間」となる。また、「通常区間」にて強スイカ、強チャンス目又はBB役に当選した場合には、AT抽選が実行され、当該AT抽選に当選した場合には、ATに関する状態は「AT前兆状態」となり、遊技区間は「有利区間」となる。このように、本実施形態においては、「通常区間」から「有利区間」に移行する場合は、「有利区間」に移行する契機となった条件装置毎に「有利区間」のうちどのATに関する状態に移行するかが一義的に決定されている。また、遊技区間が「有利区間」であり、ATに関する状態が「高確率状態」である場合にて、弱スイカ、強スイカ、強チャンス目又はBB役に当選した場合には、AT抽選が実行され、当該AT抽選に当選した場合には、ATに関する状態は「AT前兆状態」となり、遊技区間は「有利区間」となる。このように、本実施形態においては、「低確率状態」におけるAT抽選を実行し得る条件装置と「高確率状態」におけるAT抽選を実行し得る条件装置とが相違している。尚、ATに関する状態が「AT前兆状態」となった場合には、その後、「AT準備中」→「AT中状態」へと移行していくこととなる(図33参照)。
次に、図37は、本実施形態におけるステップ1600のサブルーチンに係る、タイマ割り込み時処理のフローチャートである。当該サブルーチンの処理は、ステップ1040又はステップ1104の処理にて、タイマ割り込みが開始された場合に実行開始され、以降、所定時間(本例では、Tとしているが、例えば、2ms程度の時間が設定される)を周期として定期的に実行されるよう構成されている。
まず、ステップ1602で、主制御基板MのCPUC100は、割り込み開始時の処理(例えば、CPUC100内のレジスタで保持されているデータの退避、電源断検知信号の入力ポートチェック等)を実行する。次に、ステップ1604で、主制御基板MのCPUC100は、現在(今回の割り込み処理にて)電源断を検知していないか否かを判定する。ステップ1604でNoの場合、ステップ1900で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、電源断時処理を実行する。他方、ステップ1604でYesの場合、ステップ1606で、主制御基板MのCPUC100は、タイマ計測(ソフトウエアで管理する各種タイマの更新処理)を開始する。次に、ステップ1608で、主制御基板MのCPUC100は、入力ポートデータを生成して、当該データを記憶する(RAM領域内の各入力ポートデータの格納領域を更新する)。ここで、入力ポートデータとは、精算ボタンD60、スタートレバーD50、停止ボタンD40、扉スイッチD80、設定キースイッチM20、設定/リセットボタンM30、電源断検知信号、投入受付センサD10s、第1投入センサD20s、第2投入センサD30s、第1払出センサH10s、第2払出センサH20s、等の検出に係る情報である(即ち、これらの操作部材での操作有無やセンサ検知状態が、割り込み間隔Tでサンプリングされる)。
次に、ステップ1610で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内の入力ポートデータを参照し、各入力ポートデータのサンプリング結果に応じて、扉スイッチフラグ、設定キースイッチフラグのオン・オフを切り替える(例えば、扉スイッチD80のスイッチ状態が複数回のサンプリングに亘って連続してオンである場合に、扉スイッチフラグをオンとすることで、ノイズの影響を受けることなく前扉DUが開状態であることを検出することもできる)。次に、ステップ1611で、主制御基板MのCPUC100は、全リール(左リールM51、中リールM52、右リールM53)の回胴駆動制御処理(リールM50の駆動の制御に係る処理)を実行する。次に、ステップ1612で、主制御基板MのCPUC100は、ATカウンタM60を参照し、当該カウンタ値が0より大きいか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、ステップ1613で、主制御基板MのCPUC100は、ATカウンタ値表示装置D280にてAT残りゲーム数(ATゲーム数)を表示し、ステップ1614に移行する。尚、ステップ1612でNoの場合にもステップ1614に移行する。次に、ステップ1614で、主制御基板MのCPUC100は、出力データを出力ポートに出力する。ここで、出力データとは、リールM50、ブロッカD100、等を駆動するためのデータである。次に、ステップ1616で、主制御基板MのCPUC100は、すべてのエラーフラグがオフ(不図示であるが、投入メダル逆流エラーフラグ、投入枚数エラーフラグ、投入メダル滞留エラーフラグ、投入異常エラーフラグ、払出異常エラーフラグ、払出メダル滞留エラーフラグ、扉スイッチフラグ、等のエラーに係るフラグが全てオフ)であるか否かを判定する。ステップ1616でYesの場合、ステップ1618で、主制御基板MのCPUC100は、エラー未検出コマンド(サブ側へのコマンドであり、エラーが検出されていない旨に係るコマンド)をセットし(例えば、レジスタ領域内にセットし)、ステップ1622に移行する。他方、ステップ1616でNoの場合、ステップ1620で、主制御基板MのCPUC100は、エラー検出コマンド(サブ側へのコマンドであり、エラーが検出されている旨に係るコマンド)をセットし(例えば、レジスタ領域内にセットし)、ステップ1622に移行する。尚、ステップ1620においては、オンとなっているエラーフラグに対応したエラー(現在発生しているエラー)に係る情報がサブ側に送信されるよう構成されている。また、エラー未検出コマンドはエラーが発生していた状態からエラーが解除された場合にのみ(フラグがオフになったと判定された場合にのみ)セットしても良いし、エラー未検出のときには当該情報のセット処理を実行しなくても良い(S1618が無くても良い)。更に、エラー検出コマンドはエラーが発生していない状態からエラーが発生した場合にのみセット処理を実行しても良いし、第1のエラー(例えば、投入メダル滞留エラー)が発生している状態から第2のエラー(例えば、払出メダル滞留エラー)のようにエラーの種類が変わった場合にセット処理を実行してもよい。
次に、ステップ1622で、主制御基板MのCPUC100は、制御コマンド(サブ側のコマンド)を送信する(例えば、ステップ1618やステップ1620でレジスタ領域内にセットされている場合には、そのセットされた制御コマンドを送信することとなる)。次に、ステップ1624で、主制御基板MのCPUC100は、外部端子信号(回胴式遊技機Pから外部のホールコンピュータ等へ情報伝達するための信号)を出力する。尚、当該外部信号にて出力されるエラーに係る情報としては、不図示であるが、ドア開放エラー、投入異常エラー、払出異常エラー、投入受付センサ滞留エラー、等が出力される。尚、ドア開放エラーは、前扉DUが開放されドアスイッチフラグがオンとなった場合にエラーとなるよう構成されており、投入受付センサ滞留エラーは投入受付センサが遊技メダルの滞留を検出した場合にエラーとなるよう構成されている。次に、ステップ1626で、主制御基板MのCPUC100は、LED(7セグLEDランプ、等)の出力データ(例えば、複数の7セグLEDユニットのうち、所定の7セグLEDユニットを点灯させ、7セグの所定のセグメントを点灯させる)を出力する(所謂、ダイナミック点灯)。次に、ステップ1628で、主制御基板MのCPUC100は、LEDの点灯態様(例えば、LEDの点灯色を変更)を実行する。尚、ステップ1628は実行されなくてもよい。次に、ステップ1630で、主制御基板MのCPUC100は、ソフト乱数管理処理(ソフトウエアで管理する乱数値の更新処理等)を実行する。次に、ステップ1632で、主制御基板MのCPUC100は、内部情報レジスタデータを取得する(内部情報レジスタには、乱数発生回路に異常が出ると異常フラグ用ビットが立つ領域が存在している)。次に、ステップ1634で、主制御基板MのCPUC100は、乱数更新用クロックの周波数は正常であるか否か(当該周波数異常を示す異常フラグ用ビットが立っていないか否か)を判定する。具体的には、乱数更新用クロックの周波数が所定値を下回った場合に異常用フラグビットが立つ。ステップ1634でYesの場合、ステップ1636で、主制御基板MのCPUC100は、内蔵乱数の更新状態は正常であるか否か(当該更新状態異常を示す異常フラグ用ビットが立っていないか否か)を判定する。ステップ1636でYesの場合、ステップ1638で、主制御基板MのCPUC100は、割り込み終了処理を実行し、次の処理(ステップ1602の処理)に移行する。他方、ステップ1634又はステップ1636でNoの場合には、ステップ1640で、主制御基板MのCPUC100は、内蔵乱数エラー表示をセットする(例えば、レジスタ領域内にエラー番号をセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、前述した、復帰不可能エラー処理を実行する。
次に、図38は、図37におけるステップ1900のサブルーチンに係る、電源断時処理のフローチャートである。まず、ステップ1902で、主制御基板MのCPUC100は、スタックポインタを保存する。次に、ステップ1904で、主制御基板MのCPUC100は、電源断処理済みフラグをオンにする(例えば、RAM領域の電源断処理済みフラグ領域内をオンに相当する値で更新する)。次に、ステップ1906で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域の先頭アドレスからチェックサム領域直前アドレスまでのチェックサムを算出し、当該算出したチェックサムに基づく誤り検出用情報(例えば、当該算出したチェックサムにおける下位1バイト、或いは、その補数となるもの)をチェックサム領域にてセットする。次に、ステップ1912で、主制御基板MのCPUC100は、RAMの書き込みを禁止し、ステップ1914に移行する。次に、ステップ1914で、主制御基板MのCPUC100は、リセットを待機するための無限ループ処理を実行する。
次に、図39〜図43を参照して、副制御基板S側で実行される制御処理を説明する。まず、図39は、本実施形態に係る回胴式遊技機Pにおける、副制御基板S側のメインフローチャートである。ここで、同図上側は、遊技機への電源投入時にのみ実行される副制御基板S側での初期処理であり、同図下側は遊技機への電源投入後に繰り返し実行される副制御基板S側のメイン処理である。まず、同図上側のフローチャートから説明すると、ステップ6999で、副制御基板SのCPUSCは、は、プログラム開始処理(例えば、ベクタアドレス(上位)のセット、全RWMのチェックサムの算出、RWMエリアの一部初期化等)を実行した後、ステップ7000の同図下側のサブ側ルーチンへ移行する。尚、ステップ6999のプログラム開始処理を実行した後であって、ステップ7000の処理を実行する前に、設定変更開始コマンドを受信したことに基づく初期設定処理を実行しても良い。具体的には、RWM(RAM)エリアの一部を初期化した後に、ホール側が設定可能なサブ側設定モードを起動する。換言すると、主制御基板M側が設定変更モードになっている場合において、副制御基板Sはサブ入力ボタンSB等の操作によって副制御基板Sによる設定が可能なモードに移行するよう構成されている。このサブ側設定モードについては後述する。尚、主制御基板M側が設定確認モード中にも設定可能としても良いし、設定確認モード中には設定不可能のように構成しても良い。尚、RWMエリアの一部を初期化する際に初期化しない情報としては、(1)時刻情報、(2)位置情報、(3)位置の履歴情報、(4)サブ側設定モードによって設定した情報、(5)エラー履歴情報、等となっている。
ここで、前述したサブ側設定モードとは、サブ入力ボタンSB(十字キー等も含めてよい)によって、例えば、以下の設定が副制御基板Sにより可能となるモードである。(A)一斉演出を実行する際の遊技機間の接続(主となる遊技機の設定と従となる遊技機の設定も含む)、(B)日時等の時刻情報の設定、(C)ホール毎に設置されたWi‐Fiルータとの接続設定(直接SSIDを打ち込んでも良いし、AOSS等を利用しても良い)、(D)無線通信機能そのものを利用できなくすることが可能な設定機能、(E)副制御基板S側が使用する電力を低減させることができるモードであって、所定時間遊技が実行されていないと判定された場合(例えば、待機デモ画面モード)において電力を低減させている旨が画像等によって報知されるエコモード(省電力モード)のオン・オフの設定、等である。尚、前記(C)によっては、ホールコンピュータやホール店員が所有する携帯端末KP等が同じWi‐Fiで接続され、回胴式遊技機Pに対して各種の設定が可能となる。この場合の各種設定としては、例えば、(C−1)コマンド通信エラー(副制御基板S側におけるエラー)を検知するか否かについての設定、(C−2)日時、時刻情報等の設定、が挙げられる。また、前記(D)における設定機能の具体例としては、例えば、Wi‐FiやBluetoothを利用した一斉演出や、携帯端末KPと回胴式遊技機Pとの連動、等を行いたいホールは「無線接続機能ON」、行いたくないホールは「無線接続機能OFF」、の選択が可能な仕様等が挙げられる。
次に、同図下側のサブ側ルーチンについて説明する。まず、ステップ7100で、副制御基板SのCPUSCは、後述する演出動作内容決定処理を実行する。次に、ステップ7500で、副制御基板SのCPUSCは、後述する演出動作制御処理を実行する。次に、ステップ7600で、副制御基板SのCPUSCは、後述する外部出力制御処理を実行する。次に、ステップ7700で、副制御基板SのCPUSCは、後述するGPS関連制御処理を実行し、本処理フローの先頭に戻る処理を繰り返す。以下、各サブルーチンについて詳述する。
次に、図40は、本実施形態における、図39のステップ7100のサブルーチンに係る、演出動作内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップ7102で、副制御基板SのCPUSCは、スタートレバーD50の操作タイミングに到達したか否かを判定する(例えば、主制御基板M側から送信されたコマンドを受信することにより判定する)。ステップ7102でYesの場合、ステップ7104で、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板M側から送信された遊技に関する情報(成立役、遊技状態に関する情報)を取得する。次に、ステップ7106で、取得した遊技に関する情報に基づき、今回のゲームに係る演出パターン(演出表示装置S40で実行される演出態様)をセットする。次に、ステップ7108で、取得した遊技に関する情報に基づき、その他の演出(遊技効果ランプ等)に係る演出パターンをセットする。次に、ステップ7110で、副制御基板SのCPUSCは、演出動作許可フラグ(ステップ7500の演出動作制御処理の実行が、オンの場合に可能となるフラグ)をオンにし、次の処理(ステップ7500の処理)に移行する。
次に、図41は、本実施形態における、図39のステップ7500のサブルーチンに係る、演出動作制御処理のフローチャートである。まず、ステップ7502で、副制御基板SのCPUSCは、演出動作許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ7502でYesの場合、ステップ7504で、副制御基板SのCPUSCは、演出動作許可フラグをオフにする。次に、ステップ7506で、副制御基板SのCPUSCは、演出動作実行中フラグ(演出動作制御処理が実行中である場合にオンとなるフラグ)をオンにし、ステップ7508に移行する。他方、ステップ7502でNoの場合にも、ステップ7508に移行する。
次に、ステップ7508で、副制御基板SのCPUSCは、演出動作実行中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ7508でYesの場合、ステップ7510で、副制御基板SのCPUSCは、今回のゲームに係る演出実行タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ7510でYesの場合、ステップ7512で、副制御基板SのCPUSCは、図43のステップ7106でセットされた演出パターンを演出表示装置S40にて表示し、ステップ7514に移行する。尚、ステップ7510でNoの場合にもステップ7514に移行する。次に、ステップ7514で、副制御基板SのCPUSCは、その他の演出(遊技効果ランプD26等)の演出実行タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ7514でYesの場合、ステップ7516で、副制御基板SのCPUSCは、図40のステップ7108でセットされた演出パターンを実行し、ステップ7526に移行する。尚、ステップ7514でNoの場合にもステップ7526に移行する。次に、ステップ7526で、副制御基板SのCPUSCは、当該ゲームにおける演出動作(ステップ7100のサブルーチンによりセットされる演出動作であり、スタートレバーD50の操作時に当該演出動作に係る演出パターン、及び、演出実行タイミングを決定できる演出)が終了したか否かを判定する。ステップ7526でYesの場合、ステップ7528で、副制御基板SのCPUSCは、演出動作実行中フラグをオフにし、次の処理(ステップ7600の処理)に移行する。他方、ステップ7508又はステップ7526でNoの場合にも、次の処理(ステップ7600の処理)に移行する。以上のように、本例では、演出表示装置S40上の演出や遊技効果ランプD26等の演出については、スタートレバーD50の操作時に、演出パターンを決定することとしたが、各演出の実行タイミングはこれには限定されない。演出表示装置S40上での演出(例えば、押し順ナビ)や、遊技効果ランプD26の演出実行タイミングに係る実行コマンドを受信することにより実行してもよい。
次に、図42は、本実施形態における、図39のステップ7600のサブルーチンに係る、外部出力制御処理のフローチャートである。まず、ステップ7602で、副制御基板SのCPUSCは、無線接続画面表示条件を充足したか否かを判定する。ここで、無線接続画面表示条件とは、例えば、遊技(ゲーム)が進行していない状況下にてサブ入力ボタンSBを操作することにより充足する条件である。ステップ7602でYesの場合、ステップ7604で、副制御基板SのCPUSCは、無線接続画面を演出表示装置S40に表示する。尚、無線接続画面とは、後述するWi‐Fi通信、Bluetooth通信、NFC通信を実行するための画面であり、遊技者がいずれかの通信方法にて無線通信を実行したい場合には、無線接続画面を表示させることにより接続の準備をしてから無線接続が実行されることとなる。次に、ステップ7606で、副制御基板SのCPUSCは、表示中フラグ(無線接続画面が表示されている期間にてオンとなっているフラグ)をオンにし、ステップ7608に移行する。尚、ステップ7602でNoの場合にも、ステップ7608に移行する。
尚、本例では、携帯端末KPと回胴式遊技機Pの無線接続を行う場合、携帯端末KPに無線接続画面を表示した後、遊技者が携帯端末KPから無線発信を行うと、(自動的に)回胴式遊技機Pが通信規格を特定して無線接続を行う構成としているが、これには限定されない。無線接続を行う場合に、例えば、「遊技者がサブ入力ボタンSBを操作→携帯端末KPに無線接続の通信規格選択画面が表示される→遊技者が、通信規格を選択する→携帯端末KPにペアリングを行うための手順が表示される(例えば、「ペアリング開始ボタンを押した後、お手持ちのスマートフォンの専用アプリに表示されている通信開始ボタンを押してください。自動的にペアリングが開始されます」等)」の手順により行われるように構成してもよい。
次に、ステップ7608で、副制御基板SのCPUSCは、Wi‐Fi実行条件を充足したか否かを判定する。Wi‐Fi実行条件とは、Wi‐Fi通信を可能とするためのペアリング(認証作業)が完了する(例えば、遊技者が携帯端末にて発信したWi‐Fi接続要求を回胴式遊技機Pが受信する)ことにより充足することとなる。尚、Wi‐Fiとは、一般に、同じ基本プロトコルを用いる無線変調技術のためのIEEE802.11規格のグループを指し、コンピュータ通信用の無線ローカルエリアネットワークを作成するために用いられるものである。Wi‐Fiは通常、インターネットへのデバイスによる無線接続、またはデバイス間の接続が可能である。また、複数のデバイス間で同時に接続可能である特徴を有する。ステップ7608でYesの場合、ステップ7610で、副制御基板SのCPUSCは、Wi‐Fi通信の対象端末(例えば、遊技者の携帯端末KP)とWi‐Fi通信を可能にし、ステップ7620に移行する。
また、ステップ7608でNoの場合、ステップ7612で、副制御基板SのCPUSCは、Bluetooth実行条件を充足したか否かを判定する。Bluetooth実行条件とは、Bluetooth通信を可能とするためのペアリング(認証作業)が完了する(例えば、遊技者が携帯端末にて発信したBluetooth接続要求を回胴式遊技機Pが受信する)ことにより充足することとなる。尚、Bluetooth(登録商標)とは、固定および携帯デバイスから短距離を隔ててデータを交換するためのオープン無線プロトコルであり、パーソナルエリアネットワーク(PAN)を作成する。もともと、RS−232データケーブルに対する無線の代替手段として考案されたものである。ステップ7612でYesの場合、ステップ7614で、副制御基板SのCPUSCは、Bluetooth通信の対象端末(例えば、遊技者の携帯端末KP)とBluetooth通信を可能にし、ステップ7620に移行する。
また、ステップ7612でNoの場合、ステップ7616で、副制御基板SのCPUSCは、NFC実行条件を充足したか否かを判定する。NFC実行条件とは、NFC通信を可能とするためのペアリング(認証作業)が完了する(例えば、遊技者が携帯端末にて発信したNFC接続要求を回胴式遊技機Pが受信する)ことにより充足することとなる。尚、NFC(Near Field communication)とは、近距離無線通信の一方式であり、近接無線通信または非接触通信と呼ばれることがある。そして、NFC方式の近接無線通信では、NFC回路を有する機器またはリーダ/ライタとの間で無線通信を確立することが出来る。特徴的なのは、相互の機器同士をかざすだけで機器同士のペアリング(認証作業)が完了することであり、当該ペアリング(認証作業)だけをNFC通信で行い、通信は通信速度が速く、通信可能な距離が長い、Wi‐FiやBluetooth通信に引き継ぐ「ハンドオーバー」と呼ばれる、手法が汎用される。ステップ7616でYesの場合、ステップ7618で、副制御基板SのCPUSCは、NFC通信の対象端末(例えば、遊技者の携帯端末KP)とNFC通信を可能にし、ステップ7620に移行する。NFCでは、かざすだけでペアリング(認証作業)が完了するため、無線接続画面を表示しなくてもよく、遊技(ゲーム)が進行している最中に、NFC通信の対象端末(例えば、遊技者の携帯端末KP)とNFC通信を可能にすることもできる。
次に、ステップ7620で、副制御基板SのCPUSCは、表示中フラグをオフにし、次の処理(ステップ7700の処理)に移行する。尚、ステップ7616でNoの場合にも、次の処理(ステップ7700の処理)に移行する。
次に、図43は、本実施形態における、図39のステップ7700のサブルーチンに係る、GPS関連制御処理のフローチャートである。まず、ステップ7702で、副制御基板SのCPUSCは、GPS受信機が遊技機(特に、副制御基板S)に接続されていないか否かを判定する。ステップ7702でYesの場合、ステップ7704で、副制御基板SのCPUSCは、演出表示装置S40にてGPSに関するエラーが発生している旨の表示(例えば、「ERROR!!GPSが利用できません」と表示)を実行し、ステップ7706に移行する。尚、ステップ7702でNoの場合にもステップ7706に移行する。次に、ステップ7706で、副制御基板SのCPUSCは、GPS受信機が位置情報を正常に受信しているか否かを判定する。ステップ7706でYesの場合、ステップ7708で副制御基板SのCPUSCは、GPS信号を出力し(例えば、Wi‐Fi通信等にて遊技機メーカーの保有するサーバに出力する)、次の処理(ステップ7000の処理)に移行する。他方、ステップ7706でNoの場合、ステップ7710で、副制御基板SのCPUSCは、演出表示装置S40にて位置情報が不明である旨の表示(例えば、「位置情報を取得できません」と表示)を所定時間(例えば、5秒)表示し、次の処理(ステップ7000の処理)に移行する。このように、GPS受信機が接続されていない場合にステップ7704の処理によって演出表示装置S40上に表示されるGPSに関するエラーが発生している旨の表示と、GPS受信機が位置情報を正常に受信できない場合にステップ7710の処理によって演出表示装置S40上に表示される位置情報が不明である旨の表示とは、表示態様が相違することとなると共に、ステップ7704に係る表示はエラーが解消するまで(GPS受信機が遊技機に接続されるまで)表示され続けることに対し、ステップ7710に係る表示は所定時間(例えば、5秒)経過することによって消去されるよう構成されている。なお、GPS信号の出力は、要求があったときのみ行うようにしてもよい。また、GPS受信機は、内蔵電源によって、遊技機に対する電力の供給が行われていない間も位置情報を受信できるようになっている。より詳細には、前述のGPS関連制御処理のうち、「現在位置を把握する」、及び/又は、「現在位置を通知する」制御処理は、電源が投入されていなくても(副制御基板Sに設けられている電池等によって)、実行可能とすることができる。更に、現在位置に関する情報を設定変更等のRWM(RAM)クリアによって消えない領域に記憶することによって、工場出荷時〜遊技場に設置されるまでの位置情報を記憶しておいて、遊技機回収時にその位置情報(軌跡)をメーカ側が抽出し、違法なROM交換がなされたかどうかの参考にすることが可能となる。
以上のように構成することで、本実施形態に係る回胴式遊技機によれば、遊技に関する状態として遊技区間を新たに設け、遊技区間として、「通常区間」、「待機区間」、「有利区間」との3つの遊技区間を設けることにより、遊技者にとって相対的に有利となっている遊技の状況をより明確に切り分けることができ、「有利区間」である場合には、「有利区間」である旨を有利区間表示器にて点灯表示して報知することにより、より公正な遊技機を創出することができることとなる。また、「有利区間」が所定の上限ゲーム数(本例では、1500ゲーム)に達するまで継続すると「通常区間」が強制的に設定され、その際には、残存するATに関する状態も強制的に終了させられる(AT中状態を維持するための情報がクリア・初期化される)ため、比較的設計自由度の高いAT中状態やART状態等の「遊技状態」によって、著しく射幸性が高まってしまうことを自動的に抑制できるものとなっている。
これにより、「有利区間」の継続上限ゲーム数が適切に設定され且つ「有利区間」の継続上限ゲーム数に到達した際には、出玉性能に影響を与えるファクタ(データ)をすべて初期化して遊技者にとって最も不利な遊技状態とするよう構成しておけば、「有利区間」内での出玉性能設計に自由度を持たせたとしても、著しく射幸性が高まってしまうことを自動的に抑制することができる。即ち、従来の回胴式遊技機でも採用されていなかったような新たな遊技性仕様を盛り込んだとしても、この「有利区間」による出玉性能制限が遵守される限りにおいては、同等の効果を得ることができるといえる。尚、このような思想に基づく新たな遊技性仕様に関しては、以降の実施例にて順次例示していくこととする。
また、このような趣旨を踏まえると(本実施形態では図示していないが)、「通常区間」、「待機区間」、「有利区間」の3つの遊技区間に対する「有利区間」が占める割合{「有利区間」でのゲーム数/(「通常区間」でのゲーム数+「待機区間」でのゲーム数+「有利区間」でのゲーム数)×100}は、主制御基板Mにて集計・計算して表示出力できるよう構成しておくことが推奨される。即ち、この「有利区間」の占有率が出玉性能に大きな影響を与えるのであるから、出玉性能の正当性を示す指標として表示可能としておくべきであり、例えば、主制御基板Mの近傍や基板上に表示装置(例えば、2桁の7セグLED)を設け、上記の割合を2桁の7セグLEDで表示しておけば、「有利区間」の占有率が閾値を超えない(例えば、70%未満)ものとなっているか否かを嘘偽りなく外部へ報知していることを示し易いため好適である。
(本実施形態からの変更例1)
加えて、本実施形態においては、ATに関する状態を主制御基板M側で制御しており、副制御基板S側では出玉性能に影響を与える制御を行わず且つ副制御基板S側から主制御基板M側に対しては一切のデータ送信を行わないため、副制御基板Sが回胴式遊技機外の装置と通信可能に構成しても出玉性能に影響を与える危険性がない。よって、本実施形態においては、Wi‐Fi通信、Bluetooth通信、NFC通信等の通信規格によって回胴式遊技機が無線通信を実行可能な構成を例示したが、副制御基板S側が保持するデータを活用する態様を想定した場合には、本実施形態とは異なる態様を想起できる。そこで、そのような構成の一例を本実施形態からの変更例1とし、以下、本実施形態からの変更点についてのみ、詳述する。
はじめに、図44は、本実施形態からの変更例1における電気的全体構成図である。本実施形態からの変更点は、副制御基板Sが内蔵電源によって現在時刻を計時し続けるリアルタイムクロックRTCを有していることである。ここで、リアルタイムクロックRTCとは、サブメイン制御部SMの基板上に設けられた、計時を行う機構である。リアルタイムクロックRTCは、基板から独立した内蔵電源(バッテリー)を有しており、遊技機に対する電力の供給が行われていない間も計時を継続するため、工場出荷時等に設定された日付・時刻に基づき、現在の日付・時刻を供給することが可能である。当該リアルタイムクロックRTCによって現在の日付・時刻に係る情報を把握することにより後述する一斉演出を実行可能に構成されている。尚、現在の日時・時刻に係る情報は、サブ側設定モードによって店舗側でも設定可能に構成されていても良いし、標準電波の放送局から送信される原子時計によるデジタル信号を受信可能とし、時刻を自動的に設定できるように構成されていても良い。
次に、図45は、本実施形態からの変更例1における、図39のステップ7600(変1)のサブルーチンに係る、外部出力制御処理のフローチャートである。まず、ステップ7624で、副制御基板SのCPUSCは、リアルタイムクロックRTCから現在時刻情報を取得する。次に、ステップ7626で、副制御基板SのCPUSCは、現在の時刻が一斉演出実行タイミングであるか否かを判定する。ここで、一斉演出実行タイミングの具体例としては、例えば、12時、15時、18時、21時であり、このように構成することにより、一定時間毎(3時間毎)に一斉演出が実行されることとなり、一斉演出の実行時刻が近づいていた場合には、遊技者は当該一斉演出の実行時刻まで遊技を継続し易くなり、遊技場における遊技機の稼働率が向上し得るよう構成することができる。尚、一斉演出中にトイレ休憩等によって遊技機から一時的に離れてしまった遊技者に対してフォローするため、予め設定していた携帯端末KPに当該演出が出力されるようにしておくこともできる。
ステップ7626でYesの場合、ステップ7627で、副制御基板SのCPUSCは、現在時刻情報に基づき、一斉演出の演出態様及び一斉演出実行対象の遊技機を決定する(一斉演出の演出態様及び一斉演出実行対象の遊技機はあらかじめ決定されているよう構成してもよい)。次に、ステップ7628で、副制御基板SのCPUSCは、決定した一斉演出実行対象の遊技機にWi‐Fi通信にて一斉演出の演出値用に係る情報を送信する(一斉演出実行対象の遊技機は、一斉演出の演出態様に係る情報を受信することで一斉演出を実行することとなる)。次に、ステップ7630で、副制御基板SのCPUSCは、一斉演出の演出態様に基づき一斉演出を実行し、次の処理(ステップ7700の処理)に移行する。尚、ステップ7626でNoの場合にも次の処理(ステップ7700の処理)に移行する。このように、本実施形態からの変更例1においては、一斉演出として決められた時刻にて複数台の遊技機にて同様の演出態様の演出が実行され得るよう構成されている。また、ある遊技機が現在時刻に係る情報を取得することで一斉演出の演出態様及び演出実行タイミングを把握したあと、一斉演出を実行する他の遊技機にWi‐Fi通信にて一斉演出を実行するための信号を発信することによって、他の遊技機においても一斉演出を実行できることとなる。また、一斉演出を実行する複数の遊技機の各々が現在時刻情報を取得することによって一斉演出を実行するよう構成することもできるが、そのように構成すると、遊技機毎に取得している現在時刻に係る情報が若干ずれてしまい易いため、一斉演出の実行タイミングも若干ずれてしまうこととなる。一方、本例のように、1台の遊技機が現在時刻に係る情報を取得して、当該1台の遊技機から発信された信号に基づいて他の遊技機も一斉演出を実行するよう構成することにより、一斉演出を同一のタイミングで実行できることとなる。
以上のように構成することで、本実施形態からの変更例1に係る回胴式遊技機によれば、リアルタイムクロックRTCによって現在時刻に係る情報を取得することで、一斉演出の実行タイミングを把握し、当該一斉演出の実行タイミングを他の遊技機にWi‐Fi通信にて発信することにより、複数の遊技機にて従来よりもずれの少ない一斉演出を実行することができ、より遊技者を魅了する演出を実行することができる。尚、本例においては、一斉演出の実行タイミングを他の遊技機Wi‐Fi通信にて発信するよう構成したが、通信規格はこれには限定されず、前述した様々な規格から好適なものを選択して実装しても問題ない。尚、一斉演出の実行タイミングを揃える態様として、例えば、時刻毎の一斉演出の演出態様があらかじめ決定されているときは、現在時刻情報を送信し、その情報を受信したことに基づき、各遊技機が一斉演出を行うよう構成してもよい。また、ホール店員が、複数の遊技機の各々を、一斉演出の主の遊技機とするか、従の遊技機とするか設定でき、主の遊技機のみが情報を発信するようにしてもよいし、主従を問わずすべての遊技機が情報を発信するが、従の遊技機からの情報は破棄するように構成することもできる。
(本実施形態からの変更例2)
本実施形態においては、ATに関する状態として「AT前兆状態」を有するよう構成したが、「AT前兆状態」専用の演出を設けた場合には、遊技者にとってはATに当選していることが容易に把握でき、遊技の興趣性が損なわれる恐れがある。具体的には、「低確率状態」にて強スイカに当選し、当該強スイカを契機としてAT抽選に当選した場合には、「AT前兆状態」に移行するが、AT抽選に当選しなかった場合には、「低確率状態」のままとなる。「AT前兆状態」は「有利区間」であるため、有利区間表示器YHが点灯することとなり、有利区間表示器YHが点灯しているか否かによって、ATに当選していることが容易に把握できてしまう。そこでそのような問題を解決可能な構成の一例を本実施形態からの変更例2とし、以下、本実施形態からの変更点についてのみ、詳述する。
はじめに、図46は、本実施形態からの変更例2における、AT状態遷移図である。本実施形態からの変更点は、ATに関する状態が「通常遊技状態」であり遊技区間が「有利区間」である「ガセ前兆状態」を設けたことである。「ガセ前兆状態」とは、「低確率状態」にてAT抽選を実行可能な条件装置である強スイカに当選した場合に移行するATに関する状態であり、遊技区間は「有利区間」となっており、また、「低確率状態」にて強スイカ又は強チャンス目に当選し、当該強スイカを契機としてAT抽選に当選した場合には、「AT前兆状態」に移行するため、「ガセ前兆状態」に移行したタイミングではATに当選していないことが確定的となっている。尚、「ガセ前兆状態」からは、「低確率状態」、「AT前兆状態」、「高確率状態」に移行し得るよう構成されている。具体的には、押し順ナビが1回実行され、且つ、前兆ゲーム数(ガセ前兆に係る所定のゲーム数であり、例えば、32ゲーム)が経過した後に「低確率状態」に移行するよう構成されている。また、「ガセ前兆状態」にて高確率移行抽選に当選した場合には、「高確率状態」に移行することとなる。この場合、演出表示装置S40における演出は、「ガセ前兆状態」の演出態様のまま継続してもよいし、「高確率状態」に移行したタイミングで「高確率状態」に基づく演出態様とするよう構成してもよい。また、「AT前兆状態」と「ガセ前兆状態」との演出態様は同様の演出態様とすることが好適であり、そのように構成することにより遊技者は、現在のATに関する状態が「AT前兆状態」であるか「ガセ前兆状態」であるかを判断し難いこととなり、「AT前兆状態」及び「ガセ前兆状態」のいずれの期間においてもATに当選していることに期待を抱くこととなり、ATに当選していることに期待を抱く期間を増加させることができる。また、「ガセ前兆状態」は「有利区間」であるため、有利区間表示器YHが点灯するが、「AT前兆状態」も「有利区間」であるため、有利区間表示器YHが点灯することとなり、有利区間表示器YHが点灯しているか否かによって、現在のATに関する状態が「ガセ前兆状態」であるか「AT前兆状態」であるかを判断されてしまうことを防止している。尚、本例では、「ガセ前兆状態」が押し順ナビ1回の実行によって終了し得るよう構成しているがこれには限定されず、1回以上押し順ナビが実行された後に「ガセ前兆状態」が終了するよう構成すればよく、例えば、押し順ナビが3回実行されることにより「ガセ前兆状態」が終了するよう構成してもよい。また、押し順ナビ1回の実行が「ガセ前兆状態」の終了条件に含まれている場合には、(1)「ガセ前兆状態」となった最初の押し順あり役(押し順ベル、等)に当選した場合に押し順ナビを実行し、その後前兆ゲーム数が経過することにより「ガセ前兆状態」を終了する、(2)「ガセ前兆状態」となってから前兆ゲーム数が経過した後、押し順ナビを実行して「ガセ前兆状態」を終了するよう構成してもよい。また、例外として、「ガセ前兆状態」中にボーナス(本例では1種BB)に当選し、ボーナスに対応する図柄組合せが停止表示されたことに基づきボーナス遊技が実行された場合には、押し順ナビ1回の実行をしなくても良い。
以上のように構成することで、本実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機によれば、ATに関する状態として「ガセ前兆状態」を設けることにより、AT抽選の当選率が相対的に高い条件装置である強スイカに当選した場合に、AT抽選に当選しているか否かに拘らず、遊技区間を「有利区間」に移行させ、ATに当選しているか否かを遊技者に煽ることができる。また、強スイカにてAT抽選に当選しなかった場合にも、「有利区間」に移行することにより、遊技者はATに当選していることに期待感を抱くことができ、より遊技の興趣性が向上することとなる。
尚、本例においては、ATに関する状態が「通常遊技状態」である場合にも「有利区間」として「高確率状態」を設け、「高確率状態」においては、「低確率状態」よりもAT抽選に相対的に当選し易いよう構成したが、「通常遊技状態」且つ「有利区間」である遊技の状態は他にも例示することができる(「通常遊技状態」且つ「有利区間」である遊技の状態をチャンスゾーンと称する)。チャンスゾーンとしては「高確率状態」以外にも、例えば、所定のゲーム数押し順小役の押し順に失敗しなかった(最も高利益となる押し順にて停止し続けた)、毎ゲーム実行される抽選(当該ゲームに係る条件装置を参照しない抽選)に当選した、所定のゲーム数が経過するまでに押し順ベルの押し順正解(7枚役入賞)を所定回数達成した、等によって「AT前兆状態」に移行するような遊技の状態をチャンスゾーンとするよう構成してもよい。
(第2実施形態)
本実施形態においては、遊技区間として、「通常区間」と「待機区間」と「有利区間」との3つの遊技区間を設け、遊技の状況を切り分けやすく構成したが、このように遊技区間を設けることにより実現可能な遊技性は多様に創出可能である。そこでそのような遊技性を有する構成の一例を、第2実施形態とし、以下、本実施形態からの相違点についてのみ、詳述する。
はじめに、図47は、第2実施形態における、遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。本実施形態との相違点は、ステップ1294(第2)及びステップ3100(第2)であり、その目的は、BB役が入賞した後の抽選処理(BBの実行中における抽選処理)を明確に記載することにある。即ち、ステップ1294(第2)で、主制御基板MのCPUC100は、現在BBの実行中ではないか否かを判定する。ステップ1294(第2)でYesの場合、ステップ1257に移行し内部抽選を実行する(即ち、BBの非実行中における抽選処理を実行する)。他方、ステップ1294(第2)でNoの場合、ステップ3100(第2)で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、BB中抽選実行処理を実行し、ステップ1400に移行する。
次に、図48は、第2実施形態における、BB中抽選実行処理のフローチャートである。まず、ステップ3102で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームがBB開始ゲーム(BBにおける最初の1ゲーム)であるか否かを判定する。ステップ3102でYesの場合、ステップ3104で、主制御基板MのCPUC100は、実行するRBをRB1に決定し、RBに基づく役抽選(RB1に基づく役抽選)を実行し、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。ここで、同図右上段に示すように、第2実施形態においては、BB中に実行され得るRBとして、RB1とRB2との2種類のRBを有しており、最大払出数が相違している。具体的には、RB1は規定数(当該ゲームにおける最大ベット数)が3枚であり、RB1中に抽選される役の入賞によって最大3枚の払い出しがあり、終了条件は8回の入賞又は12回のゲーム実行となっている。また、RB2は規定数が3枚であり、RB2中に抽選される役の入賞によって最大7枚の払い出しがあり、終了条件は8回の入賞又は12回のゲーム実行となっている。また、同図下段に示されるように、RB1においては役抽選が実行された場合には、入賞‐Jのみが当選するよう構成されており、入賞‐Jにおいては最大払出枚数である3枚となる役のみが入賞することとなる。一方、RB2においては役抽選が実行された場合には、入賞‐Iのみが当選するよう構成されており、入賞‐Iにおいては最大払出枚数である7枚となる役のみが入賞することとなる。尚、同図における構成はあくまで一例であり、RB1における最大払出し枚数や、RB2における最大払出し枚数は適宜変更しても問題ない。
他方、ステップ3102でNoの場合、ステップ3106で、主制御基板MのCPUC100は、前回のゲームでRB(RB1又はRB2)が終了したか否かを判定する。ステップ3106でYesの場合、ステップ3108で、主制御基板MのCPUC100は、前回のRBはRB1であったか否かを判定する。ステップ3108でYesの場合、ステップ3110で、主制御基板MのCPUC100は、RB決定テーブル1を参照し、当該ゲームから実行を開始するRBを抽選によって決定し、ステップ3116に移行する。尚、ステップ3108でNoの場合、ステップ3112で、主制御基板MのCPUC100は、RB決定テーブル2を参照し、当該ゲームから実行を開始するRBを抽選によって決定し、ステップ3116に移行する。ここで、同図右上段はRB決定テーブル1及びRB決定テーブル2の一例である。第2実施形態においては、当該BBの実行終了条件を充足するまで(例えば、450枚を超える払い出しがあるまで)、当該BBの実行中においては複数回のRBを実行可能に構成されているため、当該BBの実行終了条件を充足するまでRBが連続して実行されることとなる。尚、BBの開始時及びRBが終了した次回のゲームにおいて実行するRBをRB1とRB2とから抽選により決定するよう構成されている。また、BBの開始時以外における実行するRBを決定する際には、前回実行したRBの種類によって参照するRB決定テーブルが相違するよう構成されている。具体的には、前回実行されたRBがRB1であった場合にはRB決定テーブル1を参照し、抽選を実行したゲームから実行されるRBをRB1、RB2から抽選によって決定する。RB決定テーブル1においては、RB1に該当する置数が500、RB2に該当する置数が200となっている。また、前回実行されたRBがRB2であった場合にはRB決定テーブル2を参照し、抽選を実行したゲームから実行されるRBをRB1、RB2から抽選によって決定する。RB決定テーブル2においては、RB1に該当する置数が0(選択されない)、RB2に該当する置数が700となっており、RB決定テーブル1と比較して、RB1よりもRB2が選択される割合が多くなっている(本例においては、RB決定テーブル2を参照した場合にはRB1が選択されない)。また、RB1が実行された場合よりもRB2が実行された場合の方が遊技者にとって高利益となっている(入賞‐Jよりも入賞‐Iの方が払出枚数が多くなるため)。よって、RB決定テーブル1を参照した場合よりもRB決定テーブル2を参照した場合の方が、遊技者にとって高利益となるよう構成されている。また、RB決定テーブル2を参照して抽選を実行した場合には、RB1が選択されないよう構成されているため、1回のBBにおいて複数回のRBが実行される場合には、1度でもRB2が実行された以降に実行されるRBはすべて相対的に高利益なRB2が実行されるよう構成されている。このように構成されているため、第2実施形態におけるBBは、如何に早い段階でRB2が実行されるかとRBが何回実行できるかとに着目する遊技性となっている。
フローチャートの説明に戻ると、次に、ステップ3116で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ3110又はステップ3112の処理で決定したRBに基づいて役抽選を実行し、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。また、ステップ3106でNoの場合、ステップ3120で、主制御基板MのCPUC100は、実行中のRBに基づく役抽選を実行し、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。尚、第2実施形態においては、RB1とRB2の規定数をいずれも3枚としたがこれには限定されず、RB1の規定数を3枚、RB2の規定数を1枚としてもよい。そのように構成することにより、例えば、RB1中の遊技とRB2中の遊技とで同じ条件装置番号(入賞‐J)が決定された場合であっても、RB1実行時の最大払出枚数を3枚、RB2実行時の最大払出枚数を15枚とすることができ、よりRB1とRB2との利益率の差を増加させることができる。このとき、作動するRB1とRB2とで分けて説明したが、規定数を抽選により決定することで、同じRBが作動しているのにもかかわらず、入賞‐Jに対応する払出枚数を異ならせることによって、利益率の差を増加させることができる。
以上のように構成することで、第2実施形態に係る回胴式遊技機によれば、BBの実行中にRB1とRB2との2つのRBを実行し得るよう構成することにより、以下に早い段階でRB2が実行されるかとRBが何回実行できるかとに着目する遊技性を創出することができることとなる。
(第2実施形態からの変更例1)
第2実施形態においては、BBの実行中にRB1とRB2との2つのRBを実行し得るよう構成したが、このような構成における遊技性は第2実施形態のみには限定されない。そこでそのような遊技性を有する第2実施形態とは異なる構成の一例を、第2実施形態からの変更例1とし、以下、第2実施形態からの変更点についてのみ詳述するが、前述した「有利区間」を活用して、著しく射幸性が高まってしまうことを自動的に抑制しつつ、従来の回胴式遊技機でも採用されていなかったような新たな遊技性仕様を盛り込んだものとなっている。
はじめに、図49は、第2実施形態からの変更例1に係る、回胴式遊技機の小役出現率一覧の一例である。同図に示されるように第2実施形態からの変更例1においては、RB1作動時の小役出現率とRB2作動時の小役出現率とが相違している。具体的には、RB1作動時には、再遊技‐A(通常リプレイ)と入賞‐I(RB中の特殊役)が出現し得るよう構成されており、RB2作動時には、再遊技‐A(通常リプレイ)と再遊技‐F(強チェリー)と入賞‐I(RB中の特殊役)が出現し得るよう構成されている。また、第2実施形態からの変更例1においては、「有利区間」にてBBに当選した場合には、当該BB実行中にはRB2が実行され、「通常区間」にてBBに当選した場合には、当該BB実行中にはRB1が実行されるよう構成されている。また、RB1実行時の再遊技に係る置数は、再遊技‐A(通常リプレイ)の2608であり、RB2実行時の再遊技に係る置数は、再遊技‐A(通常リプレイ)の2282と再遊技‐F(強チェリー)の326との和である2608であり、RB1実行時の再遊技出現率とRB2実行時の再遊技出現率とは同一となっている(換言すれば、RB1での入賞‐Iによる払出期待値とRB2での入賞‐Iによる払出期待値とが同一となっている)。このように構成し、且つ、「有利区間」にて当選したBB実行中に再遊技‐F(強チェリー)に当選した場合にATゲーム数の上乗せが実行される(AT上乗せ抽選に当選する)よう構成した場合には、「有利区間」にてBBに当選し、当該BB中にRB2が実行された場合には、強チェリーが停止表示されることにより、遊技者はATゲーム数の上乗せが実行されたことに興奮し、「通常区間」にてBBに当選し、当該BB中にRB1が実行された場合には、強チェリーが停止表示されないことにより、遊技者はATゲーム数の上乗せが実行されたと勘違いすることがなくなる。
以上のように構成することで、第2実施形態に係る回胴式遊技機によれば、BBの実行中にRB1とRB2との2つのRBを実行し得るよう構成し、BBに当選した遊技区間が「通常区間」であるか「有利区間」であるかによって、BB中に実行されるRBを相違させることにより、RB中の条件装置の抽選確率を遊技の状況に適切なもの構成することができ、よりユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。
尚、本実施形態と同様に、「有利区間」が所定の上限ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達するまで継続すると「通常区間」が強制的に設定されるよう構成する場合、その時点では、未だRB1又はRB2の実行中であることが想定される。その場合、当該RB1又はRB2の実行を含めBB自体の実行を強制的に終了するよう構成してもよいし、「通常区間」に対応する方のRB(RB1)を設定してBB自体の実行は継続するよう構成してもよい。また、「有利区間」が所定の上限ゲーム数に近づいていることに基づいて(有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0に近い、例えば、30以下である場合)、RB1を設定するようにしても良い。また、このように、RB1又はRB2の実行中に「有利区間」が所定の上限ゲーム数に達した場合に、RB1又はRB2の実行を含めBB自体の実行を強制的に終了するよう構成した場合において、当該BB終了後にRT状態が遊技者にとって有利なRT状態となる(例えば、「RT3」)予定であった場合においても、RB1又はRB2の実行中に「有利区間」が所定の上限ゲーム数に達した場合には、RB1又はRB2の実行を含めBB自体の実行を強制的に終了すると共に、当該BB自体の実行の終了後にはRT状態が遊技者にとって有利なRT状態とならない(遊技者にとって有利なRT状態への移行を中止する)よう構成してもよい。また、RB1又はRB2の実行中に「有利区間」が所定の上限ゲーム数に達した場合に、「通常区間」に対応する方のRB(RB1)を設定してBB自体の実行は継続するよう構成した場合において、当該BB終了後にRT状態が遊技者にとって有利なRT状態となる(例えば、「RT3」)予定であった場合において、RB1又はRB2の実行中に「有利区間」が所定の上限ゲーム数に達した場合には、BB自体の実行は継続すると共に、当該BB終了後はRT状態が遊技者にとって有利なRT状態とならない(遊技者にとって有利なRT状態への移行を中止する)よう構成してもよい。
尚、第2実施形態からの変更例1においては、「有利区間」にてBBに当選した場合には、当該BB実行中にはRB2が実行され、「通常区間」にてBBに当選した場合には、当該BB実行中にはRB1が実行されるよう構成した(遊技区間に応じて実行対象とするRBの種類を異ならせた)が、これには限定されず、「有利区間」にてBBに当選した場合にも、「通常区間」にてBBに当選した場合にも、BB実行中に実行されるRBはRB1とするよう構成し、「通常区間」にてBBに当選した場合に係るRB1では再遊技‐F(強チェリー)に当選しないよう構成し、「有利区間」にてBBに当選した場合に係るRB1では再遊技‐F(強チェリー)に当選し得るよう構成してもよい(遊技区間に応じて実行対象とするRBの種類は同一であるが、RB中の当選役の種類を異ならせてもよい)。
また、第2実施形態からの変更例1においては、BBに当選した遊技区間が「通常区間」であるか「有利区間」であるかによって、BB中に当選し得る条件装置の選択候補を相違させたが、これには限定されず、BBに当選した遊技区間が「通常区間」であるか「有利区間」であるかによって、BB中に当選し得る条件装置の選択候補は相違しないが、同一の条件装置に当選した場合の停止表示する役を相違させるよう構成し、第2実施形態と同様の効果を創出してもよい。具体的には、例えば、BBに当選した遊技区間が「有利区間」であった場合において、RBの実行中に強チェリーに当選した場合には、強チェリーに対応する再遊技07、再遊技08又は再遊技10が停止表示される一方、BBに当選した遊技区間が「通常区間」であった場合において、RBの実行中に強チェリーに当選した場合には、通常リプレイに対応する再遊技01又は再遊技02が停止表示するよう構成してもよい。この場合、強チェリー(条件装置番号16)に含まれる条件装置として、再遊技01又は再遊技02も含まれて構成されていることが好適である。
尚、BBに当選した遊技区間が「通常区間」であるか「有利区間」であるかによって、作動させるRBを相違させる構成としては、以下のような構成としてもよい。尚、RB1はBBの終了条件を充足するまでに必要な平均ゲーム数が相対的に少なくなる(BBの終了条件を早く充足することができる)RBであり、例えば、第2実施形態からの変更例1におけるRB1である。また、RB2は、BBの終了条件を充足するまでに必要な平均ゲーム数が相対的に多くなる(BBの終了条件を充足するのが遅くなる)RBであり、例えば、第2実施形態におけるRB2である。尚、BBの終了条件を充足するまでに必要な平均ゲーム数は、RBにおける最大払出数や、RB実行中の再遊技確率等を調整することにより設計することができる。
(1)「有利区間」にて当選したBBの実行中においては、BBの終了条件を充足するのが相対的に速いRBであるRB2を作動させる。
(2)「通常区間」にて当選したBBの実行中においては、BBの終了条件を充足するのが相対的に遅いRBであるRB1を作動させる。
「有利区間」には上限ゲーム数があるので、実行されるBBの種類によっては、終了条件を早く充足する方が好ましい場合がある。特に、当選確率に設定差があるBBを実行する場合である。当選確率に設定差がないBBの実行中においてはAT上乗せ抽選が実行できるが、当選確率に設定差があるBBの実行中においては、当該BB実行中においてはAT上乗せ抽選が実行できないからである。
(第2実施形態からの変更例2)
第2実施形態においては、BBの実行中にRB1とRB2との2つのRBを実行し得るよう構成したが、BBの実行中における斬新な遊技性として第2実施形態とは異なる遊技性を創出することが可能である。そこでそのような遊技性を有する第2実施形態とは異なる構成の一例を、第2実施形態からの変更例2とし、以下、第2実施形態からの変更点についてのみ、詳述する。
はじめに、図50は、第2実施形態からの変更例2に係る、遊技進行制御処理(2枚目)のフローチャートである。第2実施形態からの変更点は、ステップ3800(第2変2)であり、その目的は、BBの実行中において遊技進行を停止させる状態(以下、フリーズということがある)の発生可否制御を行うことである。即ち、主制御基板MのCPUMCが、ステップ1251で、スタートレバーD50が有効、且つ操作ありと判定した場合、ステップ3800(第2変2)で主制御基板MのCPUMCは、後述するBB中フリーズ制御処理を実行し、ステップ1253に移行する。
次に、図51は、第2実施形態からの変更例2における、図50のステップ3800(第2変2)のサブルーチンに係る、BB中フリーズ制御処理のフローチャートである。まず、ステップ3702で、主制御基板MのCPUMCは、BB入賞フラグ(BB役が入賞したタイミングでオンとなるフラグであり、BB中タイマをスタートするためのタイマ)がオンであるか否かを判定する。ステップ3702でYesの場合、ステップ3704で、主制御基板MのCPUMCは、スタートレバーD50が操作された否かを判定する(遊技メダルの投入や、ベットボタンD220の操作があったか否かについて判定するよう構成してもよい)。ステップ3704でYesの場合、ステップ3710に移行する。他方、ステップ3704でNoの場合、ステップ3706で、主制御基板MのCPUMCは、BBタイマ値が所定値(例えば、20秒であり、スタートレバーD50が20秒操作されなかった場合には、フリーズ発生有無をフリーズなしに決定する)に到達したか否かを判定する。尚、BB中タイマは後述する図54におけるBB役が入賞するタイミングにてスタートするタイマである。ステップ3706でYesの場合、ステップ3710に移行する。尚、ステップ3706でNoの場合、ステップ3704に移行する。次に、ステップ3710で、主制御基板MのCPUMCは、BB中タイマ値に基づき、フリーズ発生有無決定テーブルを参照して、BB中のフリーズ発生有無を決定する。ここで、同図右下がフリーズ発生有無決定テーブルの一例である。本例では、BB中のタイマ値が、0〜3秒である場合、フリーズ発生なし、BB中タイマ値が3〜6秒である場合、フリーズ発生あり、BB中タイマ値が6〜9秒である場合、フリーズ発生なし、BB中タイマ値が、9〜12秒である場合、フリーズ発生あり、となっている。即ち、BB中タイマ値が、3秒経過する毎に、フリーズ発生あり→フリーズ発生なしが切り替わることとなる。このように構成することで、遊技者がフリーズ発生ありを選択しようとしたが、時間が経過してしまい、BBタイマ値がフリーズなしに対応するタイマ値となってしまった場合にも、数秒間待つことにより、再度フリーズありを選択することができることとなる。同時に、図55のBB中演出実行イメージ図で後述するように、演出表示装置S40においては、遊技者がBB中の演出を選択する(フリーズなし演出、即ち、「一発演出」、又は、フリーズあり演出、即ち、「ドキドキ演出」)画像が3秒毎に切り替わるよう表示される。
次に、ステップ3712で、主制御基板MのCPUMCは、BB中フリーズ発生有無に係るコマンド(副制御基板S側へのコマンド)をセットする。次に、ステップ3714で、主制御基板MのCPUMCは、BB中タイマを停止し、ゼロクリアする。次に、ステップ3716で、主制御基板MのCPUMCは、BB入賞フラグをオフにし、次の処理(ステップ1253の処理)に移行する。尚、ステップ3702でNoの場合にも、次の処理(ステップ1253の処理)に移行する。このように構成することで、主制御基板M側において、BB中タイマ値の経過時間と、スタートレバーD50の操作タイミングに基づき、BB中のフリーズの発生有無を決定することができることとなる。
次に、図52は、第2実施形態からの変更例2に係る、遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。まず、第2実施形態からの変更点は、ステップ3100(第2変2)、ステップ1292‐1(第2変2)、及びステップ3700(第2変2)であり、その目的は、BB役が入賞した際に実行されるBB実行に係る終了条件を可変させる制御を行うこと、並びに、BB役が入賞した際にBB中タイマをスタートさせることにある。即ち、ステップ1294で、主制御基板MのCPUMCが、BB実行中であると判定した後、ステップ3100(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、後述するBB中抽選実行処理を実行し、ステップ1400に移行する。また、ステップ3500で、主制御基板MのCPUMCが、前述の遊技区間移行制御処理を実行した後、ステップ1292‐1(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、BB役が入賞したか否かを判定する。ステップ1292‐1(第2変2)でYesの場合、ステップ3700(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、後述するBB中タイマ制御処理を実行し、ステップ1293に移行する。他方、ステップ1292‐1(第2変2)でNoの場合にも、ステップ1293に移行する。
次に、図53は、第2実施形態からの変更例2における、図52のステップ3100(第2変2)のサブルーチンに係る、BB中抽選実行処理のフローチャートである。まず、ステップ3122で、主制御基板MのCPUMCは、当該ゲームは、BB開始ゲームであるか否かを判定する。ステップ3122でYesの場合、ステップ3124で、主制御基板MのCPUMCは、BB実行に係る終了条件となる払出枚数を払出枚数決定テーブルを参照して抽選により決定し、ステップ3126に移行する。他方、ステップ3122でNoの場合にも、ステップ3126に移行する。次に、ステップ3126で、主制御基板MのCPUMCは、実行中のRBに基づく役抽選を実行し、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。ここで、同図右の払出枚数決定テーブルは、BB実行に係る終了条件の払出枚数の振り分けを示すテーブルであり、110枚を超える払出により終了することを終了条件とするための置数は200、220枚を超える払出により終了することを終了条件とするための置数は300、330枚を超える払出により終了することを終了条件とするための置数は300、440枚を超える払出により終了することを終了条件とするための置数は200となっている。払出枚数の少ない終了条件(110枚を超える払出)となるBB、及び払出枚数の多い終了条件(440枚を超える払出)となるBBは、相対的に選択されにくい構成となっている。尚、払出枚数決定テーブルの内容は変更しても何ら問題ない。また、第2実施形態からの変更例2においては、BB開始ゲームにてBB終了条件となる払出枚数を抽選により決定するよう構成したが、これには限定されず、BB役の当選時や入賞時等に抽選を実行するよう構成してもよい。
次に、図54は、第2実施形態からの変更例2における、図52のステップ3700(第2変2)のサブルーチンに係る、BB中タイマ制御処理のフローチャートである。まず、ステップ3702で、主制御基板MのCPUMCは、BB入賞フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ3702でYesの場合、ステップ3704で、主制御基板MのCPUMCは、BB入賞フラグをオンにする。次に、ステップ3706で、主制御基板MのCPUMCは、BB中タイマをスタートさせる。次に、ステップ3707で、主制御基板MのCPUMCは、タイマ計測開始に係るコマンド(副制御基板S側へのコマンドであって、BB中タイマの計時と連動させて、副制御基板S側で演出を実行させるためのコマンド)をセットし、次の処理(ステップ1293の処理)に移行する。尚、ステップ3702でNoの場合にも、次の処理(ステップ1293の処理)に移行する。
次に、図55は、第2実施形態からの変更例2に係る、BB中演出実行イメージ図の一例である。最初に、前ゲームにてBB役が入賞し、次ゲームから開始されるBB中演出を選択する画面が表示されている。左側が「一発演出」であり、フリーズが実行されない演出内容(即ち、BB開始時にRBの継続数又はBBにおけるおおよその獲得メダル枚数を予め知らせる完全告知)であるのに対し、右側が「ドキドキ演出」であり、フリーズを実行して、RBが継続して実行される期待度を煽る演出が実行される。ここで、フリーズとは、遊技を進行させるための遊技機能が所定時間だけ機能停止することであり、例えば、操作部材(左停止ボタンD41、中停止ボタンD42、右停止ボタンD43、スタートレバーD50等)に対する遊技者の操作を所定時間無効にすること、操作部材への操作に対応する動作(左リールM51、中リールM52、右リールM53の回転始動や停止、左停止ボタンD41、中停止ボタンD42、右停止ボタンD43の有効化等)を所定時間だけ遅延させることができる。BB役入賞後の最初の表示においては、「一発演出」の表示が点線で囲まれており、「一発演出」が選択されている。次に、3秒経過すると、「ドキドキ演出」が選択されている表示に切り替わる。更に、3秒経過により、再び、「一発演出」が選択されている表示に切り替わる。まず、「ドキドキ演出」が選択されている間(同図上段中央の場合)に、スタートレバーD50が操作されると、「ドキドキ演出」が選択され、BBが開始される旨の表示(「BB開始!!」)がされ、BBが何枚の払出で終了するかが報知されることなく、BBが開始される。次に、110枚以上の払出があった場合、BBが終了する旨の表示(「残念!!」)がされると共にフリーズが実行され、遊技者の操作部材に対する操作が無効となる。その後、所定時間の経過により、フリーズが終了し、スタートレバーD50又はベットボタンD220の操作により演出表示装置S40にBBが継続する旨の表示(「継続!!」)がされ、BBが継続する。
他方、「一発演出」が選択されている間(同図上段右側の場合)に、スタートレバーD50が操作されると、「一発演出」が決定されると同時に、BBが、440枚を超える払出で終了する旨の表示(「4連確定!!」)がされ、BBが開始される。尚、「一発演出」又は、「ドキドキ演出」のどちらかが選択されたかの判断、即ち、フリーズが実行されるか否かの判断は、主制御基板M側により実行される。より詳細には、演出選択画面が表示される際には、主制御基板M側ではBB中タイマがスタートされており、スタートレバーD50の操作により、現在のタイマ値と図51のフリーズ発生有無決定テーブルを参照し、フリーズの実行有無を判断し、判断した結果を主制御基板Mが副制御基板S側に送信するよう構成されている。
次に、図56は、第2実施形態からの変更例2に係る、ガセ終了演出の発生タイミングの一例を示す表である。尚、BB実行に係る終了条件として決定された払出枚数は「A<B<C<D」となっているものとして説明する。まず、上段の(1)の表は、効果的なガセ終了演出の発生タイミングを示す表である。尚、ガセ演出とは、図55にて前述した「残念!!」と演出表示装置S40に表示をして恰もBBが終了するような演出を実行すると共にフリーズを発生させ、当該フリーズが終了すると共に、BBの実行が継続する旨を報知する演出である。(1)の表に該当するガセ終了演出の実行態様は、1回のBB中に複数回ガセ終了演出が発生するのではなく、ガセ終了演出を1回発生させるような構成としている。例えば、ボーナスの終了条件としてD(例:480枚)が決定されたときにおいて、ガセ終了演出の発生するタイミングは、A(例:120枚)で発生する確率(例:20%)の方がC(例:360枚)で発生する確率(例:2%)よりも高く設定されている。Aでガセ終了演出が発生した場合には、遊技者がBBが120枚の獲得で終了してしまうことを覚悟したにも拘らず、実際にはその後360枚もの遊技メダルを獲得できることに対し、Cでガセ終了演出が発生した場合には、遊技者がBBが360枚の獲得で終了してしまうことを覚悟した後、120枚の遊技メダルを更に獲得できることとなる。即ち、遊技者にどの払出し枚数で終了するかを報知する演出と、本当の終了条件とのギャップが大きいほど、遊技者の喜び度合いが高くなる。そのため、ガセ終了演出の発生するタイミングとして、Aの方がCよりも選択され易いよう構成されている。尚、ガセ終了演出実行時のフリーズ時間と、本当の終了演出実行時(BB終了演出実行時)のフリーズ時間は、本当の終了演出実行時のフリーズ時間の方が長い、又は、同一となっている。
次に、中段の(2)の表は、決定された払出枚数がD確定となるガセ終了演出の発生タイミングを示す表である。尚、1回のBB中に、選択され得るボーナス終了タイミング(A、B、C)で、毎回ガセ終了演出が発生し得る構成としている。ただし、一般的なガセ終了演出に換えて、D確定となる高利益ガセ終了演出を発生させることがあるという構成としている。即ち、高利益ガセ終了演出が発生した場合には、BやCのタイミングでBBが終了することはなく、最も払出枚数が多くなるDのタイミングでBBが終了することが確定的となる。尚、高利益ガセ終了演出が発生した後は、その後ガセ終了演出を発生させないよう構成することが好適である(D確定となった場合専用のBB中演出を表示する)。ここで、高利益ガセ終了演出とは、例えば、一般的なガセ終了演出とは異なるガセ終了演出であって、背景画像や特定のキャラクタ画像が出力される等が挙げられます。具体的な高利益ガセ終了演出の発生確率としては、例えば、決定された払出枚数としてDが選択されたとき、Aのタイミングで高利益ガセ終了演出が発生する確率(4%)の方が、Bのタイミングで高利益ガセ終了演出を発生する確率(1%)よりも高く設定されている。このように構成することにより、遊技者にどの払出枚数でBBが終了するかを報知する演出と、本当の終了条件とのギャップが大きいほど、遊技者の喜び度合いが高くなるという効果を創出することができる。また、決定された払出枚数としてDが選択されたとき、CのタイミングでD確定となるガセ終了演出が発生する確率(5%)の方が、BのタイミングでD確定となるガセ終了演出を発生する確率(1%)よりも高く設定されている。このように構成することにより、高利益ガセ終了演出が発生するタイミングがあまりにも早くなってしまうことによって、それ以降の遊技においてドキドキ感が失われてしまうのを抑制するという効果を創出することができる。
次に、(3)の表は、ガセ終了演出の発生タイミングと、決定された払出枚数による設定値示唆を示す表である。1回のボーナス中に複数回ガセ終了演出が発生するのではなく、ガセ終了演出が1回発生させるような構成となっており、一般的な設定値示唆演出(設定値確定演出も含む)としては、単位遊技における演出(例えば、ボーナス終了後に出力される画像演出)等によるものであるが、当該演出内容は、ガセ終了演出と選択されたBB(BB終了タイミング)という両者の組み合わせによって、設定値示唆を行うことができるため、BB中に集中力を高めて遊技を行わせることができる(どのタイミングでガセ終了演出がなされたかを覚えておき、最終的にどこのタイミングでBBが終了したかを遊技者の頭の中で組合せること)という効果を狙った仕様である。決定された払出枚数とガセ終了演出の発生確率との具体的な関係としては、決定され得る最大の払出枚数(DのタイミングまでBBが継続)よりも少ない払出枚数と、ガセ終了演出との組み合わせにより、設定値示唆(設定値確定演出も含む)を行うように設定している。これにより、遊技者にとって1番嬉しい訳ではない払出枚数(例えば、Cのタイミング)でボーナスが終了した場合であったとしても、当該BB中のガセ終了演出(例えば、Bのタイミング)と選択されたBB(例えば、Cのタイミング)との組み合わせによって、設定値が把握できる可能性があるのであれば、遊技者のガッカリ感も薄れることとなる。
尚、(3)においては、設定1〜3(又は奇数)のときは、確率1で抽選し、設定4〜6(又は偶数)のときは、確率2で抽選するようにしてもよい。抽選確率に設定差がないBB中に、この仕様を採用してもよいし、抽選確率に設定差があるBB中にこの仕様を用いてもよい。設定差があるBB中は、「有利区間」中や「通常区間」中のどちらであっても、AT等の上乗せ抽選が行えないため、単にBBを消化するだけの遊技になってしまうので、当該構成によって遊技者を飽きさせないことが可能となる。また、抽選確率に設定差がないBB中であったときにおいては、そもそも設定差のないBBであるため、そのBBの当選確率による設定値の推測はできないが、BB中のガセ終了演出とBBの終了条件の組み合わせによって、設定値示唆(設定値確定演出も含む)を行うことが可能となる。
以上のように構成することで、第2実施形態からの変更例2に係る回胴式遊技機によれば、同一のBB役に当選した場合にも、BB終了条件となる払出枚数の複数の選択候補から抽選にて払出枚数が決定されるよう構成することで、BBが実行されないと当該BBにおける利益がどの程度であるのかを遊技者は判別し難く、BBに対する注目が薄れることなく遊技を進行することができる。
(第2実施形態からの変更例3)
第2実施形態からの変更例2においては、BB終了条件となる払出枚数として複数の選択候補を有し、且つ、当該払出枚数を抽選によって決定するよう構成したが、これには限定されず、第2実施形態からの変更例2とは異なる遊技性となる、BB終了条件となる払出枚数として複数の選択候補を有する遊技機を構成することができる。そこでそのような遊技性を有する第2実施形態からの変更例2とは異なる構成の一例を、第2実施形態からの変更例3とし、以下、第2実施形態からの変更例2からの変更点についてのみ、詳述する。
はじめに、図57は、第2実施形態からの変更例3における、図52のステップ3100(第2変2)のサブルーチンに係る、BB中抽選実行処理のフローチャートである。まず、第2実施形態からの変更例2からの変更点は、ステップ3124(第2変3)、及び払出枚数決定テーブルであり、即ち、ステップ3122で、主制御基板MのCPUMCが、当該ゲームは、BB開始ゲームであると判定した後、ステップ3124(第2変3)で、主制御基板MのCPUMCは、BB終了条件となる払出枚数を現在の遊技区間に基づいて決定し、ステップ3126に移行する。ここで、払出枚数決定テーブルは、遊技区間が「通常区間」である場合においては、BB実行に係る終了条件が330枚を超える払出であり、遊技区間が「有利区間」である場合においては、BB実行に係る終了条件が440枚を超える払出となっている。
以上のように構成することで、第2実施形態からの変更例3に係る回胴式遊技機によれば、BB開始時の遊技区間によってBB終了条件となる払出枚数を相違させるよう構成することができ、「有利区間」である場合においては、「通常区間」である場合と比較して、相対的に多くのメダルをBB実行中に獲得することができることとなる。
尚、本実施形態と同様に、「有利区間」が所定の上限ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達するまで継続すると「通常区間」が強制的に設定されるよう構成する場合、その時点では、未だBB実行中であることが想定される。その場合、当該BB自体の実行を強制的に終了するよう構成してもよいし、BB実行に係る終了条件を440枚を超える払出とした際に、未だ330枚を超える払出がないのであれば、BB実行に係る終了条件を330枚を超える払出に切り替えてもよいし、BB実行に係る終了条件を切り替えることなく440枚を超える払出があるまで続行してもよい。
尚、「有利区間」は、BB中であっても「有利区間」の性能を変更する抽選や上乗せ抽選等を行うことが出来る場合がある。そのような場合には、長期間(長いゲーム数の間)、BBに滞在できるように終了条件を変更してもよい。例えば、有利区間は1500遊技という縛りがあるので、有利区間中のBBを少ない遊技数で消化したい場合がある。そのような場合は、終了条件を早く満たすことができるように変更してもよい。例えば、有利区間がED状態(即ち、1500遊技間近の状態)であるときのみ、役物が作動したときの終了条件を変更する(遊技区間が「有利区間」である場合であっても、BB実行に係る終了条件が330枚を超える払出の方に設定される)ようにしてもよい。もちろん、「有利区間」がED状態(即ち、1500遊技間近の状態)であるときのみ、BB実行に係る終了条件が440枚を超える払出の方に設定されるようにしてもよい。本来、1500遊技間近の状態は、遊技者にとっては興趣が薄れている期間であるため、このようにすることにより、遊技者の興趣が薄れないようにすることもできる。
(第3実施形態)
第2実施形態からの変更例1においては、遊技区間が「有利区間」であるか否かによってBB実行中に作動するRBの種類が相違し得る(RB1又はRB2のいずれかとする)よう構成したが、遊技区間が「有利区間」であるか否かによって、遊技内容が相違するような構成は、これには限定されない。そこで、第2実施形態からの変更例1とは異なる構成の一例を、第3実施形態とし、以下、第2実施形態からの変更例1との相違点についてのみ、詳述する。
はじめに、図58は、第3実施形態に係る、遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。第2実施形態からの変更例1からの変更点は、ステップ1257(第3)であり、その目的は、遊技区間が「有利区間」であるか否かによって、非BB実行中における遊技内容を異ならせることにある。即ち、ステップ1254で、主制御基板MのCPUMCが、乱数を取得した後、ステップ1257(第3)で、主制御基板MのCPUMCは、遊技区間に基づき、内部抽選を開始し(図59の小役及びBB出現率一覧を参照)、ステップ1400に移行する。ここで、図59は、第3実施形態に係る、小役及びBB出現率一覧の一例である。まず、同図左のテーブルは、遊技区間が「有利区間」ではない場合の、小役及びBB出現率を示しており、他方、同図右のテーブルは、遊技区間が「有利区間」である場合の、小役及びBB出現率を示している。同図に示されるように、遊技区間が「有利区間」である場合には、遊技区間が「有利区間」でない場合よりもBBの出現率が高くなるよう構成されている(即ち、いわゆる役物連続作動装置に係る条件装置の作動確率が変動しているのである)。尚、「有利区間」におけるBBの当選確率の変更の態様は、これらに限定されず、例えば、「有利区間」中におけるBBの終了後は、一定の期間、当選確率を変更するように構成してもよい。この場合、BB実行中に「有利区間」の継続上限ゲーム数(例えば、1500ゲーム)となった時は、そのBBの実行終了後は、一定の間(「通常区間」となっているものの)、BB役の当選確率を変更するようにしてもよいし、BB実行中に「有利区間」の継続上限ゲーム数(例えば、1500ゲーム)となった時は、そのBBの実行終了後は、BB役の当選確率を変更しないようにしてもよい。また、例えば、「有利区間」がED状態(1500遊技間近の状態)であるときのみ、BB役の当選確率を変更するようにしてもよい。更には、「有利区間」中は、BB役以外の条件装置(即ち、RB役、小役、再遊技役等)の当選確率も変更してもよいし、「有利区間」中は、RB作動中の各役の当選確率を変更してもよい。
以上のように構成することで、第3実施形態に係る回胴式遊技機によれば、遊技区間が「有利区間」であるか否かによってBBの当選確率等を相違させるよう構成することができ、遊技者は従来よりも更に「有利区間」に対して注目しながら遊技を進行することとなる。尚、前述したように、第3実施形態に係る回胴式遊技機においても、「有利区間」を活用して、著しく射幸性が高まってしまうことを自動的に抑制しつつ、従来の回胴式遊技機でも採用されていなかったような新たな遊技性仕様を盛り込んだものとなっているのであるから、「有利区間」の占有率が出玉性能に大きな影響を与える。よって、出玉性能の正当性を示す指標として、「有利区間」の占有率は、主制御基板Mにて集計・計算して表示出力できるよう構成しておくことが推奨される。
(第3実施形態からの変更例1)
第3実施形態においては、遊技区間が「有利区間」であるか否かによってBB役の当選確率が相違するよう構成したが、遊技区間が「有利区間」であるか否かによって遊技内容を異ならせる構成は他にも例示できる。そこで、第3実施形態とは異なる構成の一例を、第3実施形態からの変更例1とし、以下、第3実施形態からの変更点についてのみ、詳述する。
はじめに、図60は、第3実施形態からの変更例1に係る小役出現率一覧2である。同図に示されているように、遊技区間が「有利区間」である場合と、「有利区間」でない場合とで、RT状態が「RT3」の時の、小役出現率が相違している。具体的には、遊技区間が「有利区間」でない場合には、「RT3」から「RT1」に転落し得る条件装置である、再遊技D‐1〜3に係る置数が夫々8100であるのに対し、遊技区間が「有利区間」である場合には、「RT3」から「RT1」に転落し得る条件装置である、再遊技D‐1〜3に係る置数が夫々1である。即ち、遊技区間が「有利区間」である場合には、「RT3」から転落し得る再遊技役がほぼ当選しないよう構成されている。尚、遊技区間が「有利区間」ではない場合においては、再遊技‐Aに係る置数は4504であり、再遊技D‐1〜3に係る置数の合計が24300である。一方、遊技区間が「有利区間」である場合においては、再遊技‐Aに係る置数は28801であり、再遊技D‐1〜3に係る置数の合計が3であるため、遊技区間が「有利区間」である場合と「有利区間」でない場合とで、再遊技‐Aに係る置数と再遊技D‐1〜3に係る置数との合計はいずれも28804で同一となっている。
以上のように構成することで、第3実施形態からの変更例1に係る回胴式遊技機によれば、遊技区間が「有利区間」であるか否かによって「RT3」における再遊技役の出現率が相違するよう構成することにより、「AT中状態」にて基本的に滞在する、「有利区間」且つ「RT3」において、再遊技D‐1〜3に当選した場合に遊技者が押し順を間違えて「RT1」に転落してしまう事態を減少することができ、よりユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。尚、再遊技D‐1〜3の当選確率を「0」とし、再遊技に係る合計の置数は、「通常区間」の「RT3」と「有利区間」の「RT3」とで同一とすることで、再遊技役の当選によって不利なRT状態(「RT1」)に転落することを防止するようにしても良い。
本例においては、主制御基板M側からの情報に基づき、副制御基板S側にて、演出表示装置S40や、スピーカS20等の周辺装置を制御しているが、副制御基板S側の機能としてはこれには限定されず、回胴式遊技機Pの外部との情報の通信を可能とするよう構成してもよい。このような外部との入出力を可能とする構成について、例を挙げて以下説明をする。
まず、図61は、本例に係る、GPS位置情報認識イメージ図の一例である。まず、「GPS(全地球測位システム)」とは、宇宙を利用した米国の地球規模ナビゲーション衛星システムである。一般に、ほぼすべての天候、日中および夜間、ならびに、有効な衛星通信が行える地球上または地球付近のほぼすべての場所で、信頼性の高い測位、ナビゲーション、および、タイミングサービスを連続的に提供することができるものである。本例に係る回胴式遊技機は、当該回胴式遊技機Pの位置情報を取得する位置情報取得手段であるGPS受信機(不図示)を備えており、GPS受信機(不図示)は副制御基板Sと接続されている。GPS受信機(不図示)は複数のGPS衛星から発信されたそれぞれの電波が届くまでの時間を測定して、軌道からの距離を基に回胴式遊技機Pの位置情報を求めるものである。GPS受信機(不図示)によって取得された回胴式遊技機Pの位置情報は、副制御基板Sに送信される。
次に、図を参照しながら説明をする。まず、図上に人工衛星EPから電波が送信されている。この電波を、GPS受信機を持つ各回胴式遊技機Pが受信する。図中には、α市のA店舗と、β市のB倉庫と、γ市のC店舗の3つの回胴式遊技機設置場所(LP)が示されている。各回胴式遊技機Pは、GPS受信機によって取得された回胴式遊技機Pの位置情報を、回胴式遊技機Pの副制御基板SのCPUSCで処理した後(GPS受信機が通信手段を有する場合は直接)、Wi‐Fi等の通信手段により、インターネットNWに接続し、管理会社(遊技機メーカー等)のサーバ(CPS)等に送信可能となっている。尚、γ市のC店舗に設置された回胴式遊技機Pは、GPSユニットが回胴式遊技機Pから外されている等により、GPS機能が利用できず、電波を受信できていない。この場合、右点線枠内に示すように、演出表示装置S40には、GPSが利用できない旨の表示(「ERROR!! GPSが利用できません」)がされる(他方、GPSが機能しており、位置情報が把握できない場合には、エラーメッセージは出ないか、又は直ぐに消える)。また、これには限定されず、GPSの機能が発揮できないような場合には、エラー信号を外部に送信するよう構成してもよい。更に、GPS用のバックアップ電源を有することにしておくことで、電源の非投入時にも回胴式遊技機Pの位置を把握することが可能となる。
このように構成することで、遊技機メーカー等は、個々の回胴式遊技機を特定するための手段(ID)と、現在位置を特定するための手段(GPS)を有することとなり、販売した後の回胴式遊技機Pの位置を逐次把握することができる。その結果、例えば、回胴式遊技機Pの流通経路を把握することで、中古市場の円滑化に寄与することができることとなる。また、非合法な遊技に当該回胴式遊技機Pが使用される(所謂「闇スロ」)ことを防止することに寄与することも期待できる。尚、位置情報の把握を可能とする構成はGPSに限定はされない。例えば、Wi‐Fiを有する場合には、複数のWi‐Fiアクセスポイントから発信されるビーコン信号(SSID、MACアドレス、電波の強度等)を受信し、このビーコン信号に基づき、いずれかの管理会社が管理するクラウドデータベースから、該当するアクセスポイントの位置情報をダウンロードする。当該アクセスポイントの位置情報と、電波の強度に基づき、アクセスポイントからの距離を算出することで、回胴式遊技機の位置を把握することも可能である。
次に、図62は、本例の回胴式遊技機Pに係る、RTC演出同時実行イメージ図の一例である。最初に、同図上段から、中段、下段の順に時系列的に、左右方向に並んだ3台の回胴式遊技機Pの演出表示装置S40上で実行される演出の推移を示している。まず、同図上段において、回胴式遊技機Pの演出表示装置S40上には、ゲームの進行に応じた、異なる演出(左側は、サブ入力ボタンSBによるタイマー演出、中央は、バトル演出、右側には、敵キャラクターが近付いてくる演出)が実行されている。次に、同図中段において、中央の回胴式遊技機PからWi‐Fi通信を介して、RTC(リアルタイムクロック)の情報に基づく、一斉演出に係る情報が、両側の回胴式遊技機Pに送信される。同図下段において、中央の回胴式遊技機Pは、予め一時記憶されていた一斉演出に係る情報(演出内容及び、演出開始時刻)、両側の回胴式遊技機Pは、受信した一斉演出に係る情報に基づき、同時に同内容の演出が実行される。尚、回胴式遊技機P同士の通信の方法は、Wi‐Fiに限定されず、一斉演出に係る情報を送受信可能であればよい。例えば、BluetoothやNFCを用いてもよい。また、本例では、一つの回胴式遊技機Pから他の回胴式遊技機P全台に一斉演出に係る情報を送信したが、これには限定されず、近接する他の回胴式遊技機Pに情報を順次送信し、全台に情報を共有することとしてもよいし、RTCによる一斉演出が実行される所定時間前に、各回胴式遊技機Pが外部と通信し、RTCのずれを解消することで、厳密な同時演出を実行し得るよう構成してもよい。
このように構成することで、回胴式遊技機P間で、現在時刻の情報のずれが生じた場合であっても、同時に一斉演出を実行することができ、より相乗的な演出を効果的に実行することが可能となる。また、後述するように、携帯端末(スマートフォン、タブレット等)との通信{例えば、Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}が可能であって、RTCも同時に搭載している場合には、回胴式遊技機Pの演出の情報(携帯端末に送信)に基づいて、携帯端末でも演出を実行可能としてもよい。このように構成することで、一斉演出のタイミングにて、回胴式遊技機Pから離れていたとしても、自身の携帯端末にて当該演出を見ることができるため、ユーザフレンドリーな回胴式遊技機とすることができる。
尚、本例に係る遊技機においては、以下の構成を適用してもよい。
(1)無線接続が断線した場合(例えば、ルーターの電源が抜ける等)、設定された一斉演出や連動演出(複数の遊技機による演出によって1つの連動した演出態様となる演出)が自動的にキャンセルされる。
(2)RTCを利用しなくても、ホールコンピュータ等から一斉に指示を送ることで、任意のタイミングで一斉演出が可能とするように構成してもよい。このように構成する場合には、一斉演出が正常に行えるか否かを確認するための確認情報を送信できるよう構成することができる。
(3)一斉演出を行う遊技機のなかに、エコモード中(省電力モード中)の遊技機がある場合、エコモード中の遊技機であっても、一斉演出中は、非エコモード(非省電力モード)で演出を行う。
(4)一斉演出を行う遊技機のなかに、前扉DUを開放中の遊技機がある場合、前扉DU開放中の遊技機は、一斉演出を行わない構成としてもよい。この場合、内部的には一斉演出を行っておき、前扉DUが閉められたときに、一斉演出が視認可能となる。
(5)一斉演出を行う遊技機のなかに、ATに関する状態が押し順ナビあり状態(例えば、「AT中状態」)の遊技機がある場合、その遊技機は一斉演出を行わない。
(6)一斉演出を行う遊技機のなかに、遊技者が配当表を確認している遊技機がある場合、その遊技機は一斉演出を行わない。この場合、内部的には一斉演出を行っておき、確認が終了したときに、一斉演出の途中のタイミングから視認可能となるように構成してもよい。
(7)一斉演出を行うか否かを遊技者によっても設定できるよう構成し、否の設定(一斉演出を行わない設定)がなされている遊技機があれば、その遊技機では、一斉演出を行わないよう構成することもできる。
次に、図63は、本例の回胴式遊技機に係る、キャプチャ画像受信イメージ図の一例である。まず、同図左上から、演出表示装置S40において、予告演出に係る画像が表示され、同時に、演出表示装置S40の下部分に、画像のキャプチャが可能な旨の表示(「現在、キャプチャが可能です。」)がされている。次に、同図上段中央において、遊技者がサブ入力ボタンを操作すると、演出表示装置S40の下部分に、キャプチャされた画像のデータが受信可能となった旨(「画像データが受信可能です。」が表示される。ここで、同図下段左において、携帯端末KP(例えば、スマートフォン)を回胴式遊技機Pにかざすことで、NFCによる通信を介して、前記キャプチャされた画像データを携帯端末KPが受信する。次に、同図下段右において、前記キャプチャされた画像データが表示可能となり、予告演出に係る画像が表示されている。他方、同図上段右側において、演出表示装置S40には、予告演出は終了しており、次の演出が実行されているが、画像のキャプチャが可能な旨の表示(「現在、キャプチャが可能です。」)は表示されたままになっており、当該画像のキャプチャが可能な状態は継続されている。
以上のように構成することで、従来、遊技者が高揚するような演出(例えば、プレミア演出やレア役入賞時の演出)等が表示された場合や、一連の遊技で獲得した獲得枚数を示す総獲得枚数演出が表示された場合に、遊技者が所有する携帯端末等で撮影をする場面が見受けられたが、遊技者の手間が省けることに加え、手振れなどのない、鮮明な画像の入手が可能となる。また、遊技の進行中に撮影操作をしなければならない場合、撮影機会を逃し、所望の画像データが取得できないことが頻発していた。しかしながら、本例の構成によれば、画像のキャプチャが可能な旨の表示(「現在、キャプチャが可能です。」)中に、サブ入力ボタンSBを操作すれば、サブ入力ボタンSBの操作後一定期間、携帯端末KPをかざすだけで、所望の画像データが取得可能となるため、画像データの取得の失敗がなくなり、ユーザフレンドリーな回胴式遊技機とすることができる。尚、取得可能なデータは、画像データに限定されず、映像として取得が可能なように構成してもよい。また、取得可能な画像データも、本例のように予め決められた画像ではなく、遊技者自身がキャプチャしたい画像やタイミングを随時、自由に選択し得る構成とすることもできる。
ここで、回胴式遊技機Pから携帯端末への情報の通信を行う場合、前述のようにNFCによる通信のみで通信を行うことも可能であるが、これには限定されず、その他の規格{Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}により通信するよう構成してもよい。このような場合、そのペアリング(認証作業)時の操作の容易さから、NFCによって、ペアリングを行った後、前記他の規格{Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}により回胴式遊技機Pから、携帯端末等に情報を送信するよう構成することもできる。また、通信する情報も画像データに限定されるものではなく、遊技履歴に関する情報等を携帯端末KPに送信することもできる。より具体的には、例えば、遊技者の開始操作時(例えば、サブ入力ボタンSBの操作後等)から遊技履歴等を記憶しておき、NFCによってペアリング(認証作業)を行った時に、スマートフォンのアプリ等により、回胴式遊技機Pとインターネット上のサイトと連動することにより、遊技の終了時であると判断して、他の規格{Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}によって遊技履歴等に関する情報を携帯端末KPに送信する。他方、NFCによってペアリング(認証作業)を行った後、遊技者の終了操作(例えば、サブ入力ボタンSBの操作等)があってから、遊技の終了時であると判断して、他の規格{Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}によって遊技履歴等に関する情報を携帯端末KPに送信するようにしてもよい。
また、NFCによってペアリング(認証作業)を行った時に、スマートフォンのアプリによる携帯サイトとの連動の開始時と判断して、その時から遊技履歴を記憶しておき、遊技者の終了操作があった時に、遊技の終了時であると判断して、他の規格{Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}によって遊技履歴等に関する情報を携帯端末KPに送信するように構成してもよい。加えて、2回目のペアリング(認証作業)を行った時に、遊技の終了時であると判断して、他の規格{Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}によって遊技履歴等に関する情報を携帯端末KPに送信するようにしてもよい。更に、NFCによってペアリング(認証作業)を行った時に、スマートフォンのアプリによる携帯サイトとの連動の開始時と判断して、その時から遊技履歴等を記憶しておき、都度、他の規格{Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}によって遊技履歴等に関する情報を携帯端末KPに送信するようにしてもよい。当然に、上述したような演出の情報(レア演出の情報等)を同時に送信してもよい。即ち、MACアドレス等の送信はNFCにより行い、遊技履歴等に関する情報は、他の規格{Wi‐Fi(Wi‐Fi Directを含む)、Bluetooth等}による送信により行うよう構成してもよい。遊技履歴等に関する情報は、送信が完了してから削除することが好ましい。送信中に、通信が切断された時は、切断前の携帯端末KPと、再度通信可能となった時にのみ、遊技履歴等に関する情報を送信するように構成してもよい。尚、携帯端末KPとの通信によって、携帯端末KPにて実行されるゲームソフト等と連動させる構成としてもよい。例えば、前記の取得した遊技結果を携帯端末に送信して、当該情報に基づき、スマホゲームにおいて、全国の遊技者とランキングを決定したり、ゲームでの遊技結果と実際の遊技結果を比較して表示し得るよう構成することもできる。
次に、図64は、本例に係る回胴式遊技機の押し順表示のイメージ図の一例を示したものである。図上の表は、実行される押し順ナビが示すリール停止順と指示番号(押し順に係る情報であり、本例においては、主制御基板Mが決定し、副制御基板Sに送信される)との対応を示す表である。例えば、押し順として、「中→右→左」を報知する場合の指示番号は、「A5」であることを示している。次に、図中左側は、押し順が「左→中→右」である場合(対応する指示番号は、「A1」)の押し順表示装置D270、有利区間表示器YH、及び演出表示装置S40に表示されるイメージを図示している。ここで、本例の押し順表示装置D270は、7セグメントの表示方式であり、払出数表示装置を兼ねている。また、メダルの払出が実行された場合に、当該払い出されたメダルの枚数は押し順表示装置D270にて2桁の数字で表示される。ここで、押し順ナビを実行する際にも、押し順表示装置D270の表示を2桁の数値で表示してしまうと、押し順表示装置D270における表示が、メダルの払出枚数であるか押し順ナビ表示であるかが判別困難になってしまう。そのため、メダルの払出枚数であるか押し順ナビ表示であるかの区別がつくように、押し順表示装置D270には、「=1」のように左側の桁には「=」を表示するよう構成することにより、押し順表示装置D270の表示が2桁の数値であった場合にはメダルの払出枚数の表示であり、押し順表示装置D270の表示として左側が「=」、右側が数字であった場合には押し順ナビの表示であると判別可能に構成し、遊技者の誤認を防ぐことができるように構成している。更に、押し順表示装置D270の右下部に備えられた、有利区間表示器YHにおいて、現在の遊技区間が、「有利区間」であることを示すランプが点灯している。同時に当該「有利区間」(又は、「AT中状態」)の残りゲーム数を示す「残り40ゲーム」の表示が演出表示装置S40上にて表示されている。また、図中右側が、押し順が「中→左→右」である場合(対応する指示番号は「A3」)の押し順表示装置D270及び演出表示装置S40に表示されるイメージを図示している。加えて、現在の遊技区間が「有利区間」であるため、有利区間表示器YHが点灯し、当該「有利区間」の残りゲーム数を示す「残り25ゲーム」の表示が演出表示装置S40上にて表示されている。尚、押し順あり役(リール停止順によって停止表示される役が相違する条件装置のうち、メダルの払出を伴う条件装置であり、例えば、ベル)と押し順あり再遊技役(リール停止順によって停止表示される役が相違する条件装置のうち、再遊技役に係る条件装置)の指示番号のセグメント表示を異なるものとしてもよいし、押し順表示装置D270の表示方式は7セグメントに限定されるものではなく、例えば、LED表示器を用いて、指示番号に対応する点灯パターンに従い、複数のLEDを点灯させることで、指示を行うように構成してもよい。尚、クレジット数表示装置D200の右下部に、有利区間表示器YHを備える構成としてもよい。この場合の有利区間表示器YHを点灯させるタイミングは、精算ボタンD60の操作が有効となるまで、であることが好ましい。遊技者が遊技をやめる際は、クレジット数表示装置D200を視認してメダルが残っていないかを確認することになる。そして、メダルが残っていれば、精算ボタンD60が操作される。即ち、精算ボタンD60が有効となるまでに点灯させることで、次遊技から「有利区間」であるのに、誤って遊技をやめてしまうことを防止することができる、というユーザフレンドリーな遊技機とすることができる。
また、有利区間表示器YHにおける遊技区間の報知態様は、本例には限定されず、2つの7セグメント両方の右下に有利区間表示器YHと同様の区間表示器を備える(区間表示器を2つ備える)構成としてもよく、そのように構成した場合には、左側の区間表示器が点灯した場合には、現在の遊技区間が「通常区間」である旨を報知し、他方、右側の区間表示器が点灯した場合には、現在の遊技区間が「有利区間」である旨を報知するよう構成してもよい。更に、区間表示器の点灯時における色彩や点灯態様によって、「通常区間」と「有利区間」を区別する(例えば、「通常区間」においては「緑」、「有利区間」においては「赤」としたり、「通常区間」においては点灯、「有利区間」においては「点滅」とする)よう構成してもよい。更には、「有利区間」における「AT中BB内部中遊技」、「AT中BB状態」、「AT前兆状態」、「AT中状態」等によって、区間表示器の表示態様を変更するよう構成してもよい。更に、現在の遊技区間が「待機区間」であることを、「通常区間」及び、「有利区間」と区別して認識できるよう構成してもよい。但し、「通常区間」と「有利区間」の区別については使用する区間表示器を異ならせる等、区別し易い態様とし、遊技者が現在の遊技区間が「有利区間」であるか否かを認識し易くすることが好ましい。
また、「有利区間」の残りゲーム数を示す演出表示装置S40上の表示については、例えば、「AT前兆状態」や「AT準備中」においては、当該「有利区間」の残りゲーム数を表示しない構成(遊技者にとって相対的に低利益な状態において、「有利区間」の残りゲーム数が減算されていくという、遊技者にとっての不利益を報知しない)としてもよい。但し、このように構成した場合であっても、区間表示器は点灯させ、遊技者に「有利区間」中である旨を報知することが好適である。同時に、区間表示器は、主制御基板M側が制御するよう構成すると共に、当該表示が、遊技者にとって視認容易な位置に区間表示器を設置するよう構成することが好ましい。
次に、図65は、本例に係る回胴式遊技機の有利区間表示器点灯タイミング例を示す作用図である。同図においては、第1ゲームと第2ゲームとの連続した2ゲームにおいて、第1ゲームでは「通常区間」であった遊技区間が第2ゲームにおいては「有利区間」への移行する状況を図示している(例えば、第1ゲームにおいてはATに関する状態が「AT前兆状態」であり、第2ゲームからは、ATに関する状態が「AT中状態」へと移行する様子が図示されている)。尚、左側から右側へと時系列に遊技が進行している。本例においては、有利区間表示器YHが点灯を開始するタイミングは、第1ゲーム(通常区間)において、スタートレバーD50の操作があったタイミング(即ち、1のタイミング)から、次ゲームである第2ゲームにおいて、ウェイト状態が終了し、遊技メダルの投入が可能となる(即ち、7のタイミング)前までのいずれかのタイミングとなっている。尚、再遊技が停止表示される場合においては、第1ゲームにおいて、スタートレバーD50の操作があったタイミング(即ち、1のタイミング)から、次ゲームである第2ゲームに係るスタートレバーD50の操作が有効となる前までに、有利区間表示器YHを点灯することとなる。また、この区間内であれば、有利区間表示器を点灯させるタイミングは限定されないが、例えば、スタートレバーD50の操作後にリールM50が回転を開始するタイミング(即ち、2のタイミング)、いずれかの停止ボタンD40が、第1停止操作されたタイミング(即ち、3のタイミング)、いずれかの停止ボタンD40が、第2停止操作されたタイミング(即ち、4のタイミング)、いずれかの停止ボタンD40が、第3停止操作されたタイミング(即ち、5のタイミング)、又は、小役の入賞等によって、遊技メダルの払出が開始されるタイミング(即ち、6のタイミング)等に有利区間表示器を点灯させることとしてもよい。
次に、図66は、本例の回胴式遊技機に係る、副制御基板Sによる通信態様の一例である。最初に、通信態様を、A.通信対象、B.送受信手段(通信手段)、C.送信タイミング、D.受信タイミングに分類して以下列挙する。
(A)通信対象
(項目)携帯端末
(備考)遊技者の所有するスマートフォン、タブレット等
(項目)他の遊技機
(備考)他の遊技者との対戦、メッセージ交換、RTC一斉演出
(項目)遊技場周辺機器
(備考)ホールコンピュータ、遊技結果のデータベース、出玉表示器、BB当選等を報知するスピーカ
(項目)外部サーバ
(備考)管理会社のサーバ、遊技結果のデータベース
(項目)音響・映像機器
(備考)イヤホンによるサウンド、VRヘッドマウントディスプレイによる映像
(項目)位置情報認識
(備考)GPS信号、Wi‐Fiアクセスポイントからのビーコン信号を受信
(B)送受信手段(通信手段)
(項目)有線
(備考)イヤホンジャック、USBコネクタ等
(項目)Wi‐Fi
(備考)インターネット通信、ホール内遊技機の一斉管理(RTC一斉演出)に利用される
(項目)Bluetooth
(備考)電子機器等とのデータ通信に使用される通信規格
(項目)NFC通信
(備考)「かざす」ことより、近距離におけるデータ通信が可能
(項目)赤外線
(備考)携帯端末等に搭載されている
(項目)QRコード
(備考)読み取ることにより、情報を取得可能
(C)送信タイミング
(項目)遊技機の電源投入時
(備考)営業開始前等
(項目)遊技機の電断時
(備考)営業終了後等
(項目)エラー発生時
(備考)ゴト行為によるエラーを含む
(項目)レバー操作時
(備考)ゲームの開始時
(項目)停止ボタン操作時
(備考)押し順や停止位置等によって、ゲームの結果が相違する場合等
(項目)入賞時
(備考)所定の役が入賞又は、停止表示された場合
(D)送信タイミング
(項目)遊技機の電源投入時
(備考)営業開始前等
(項目)遊技機の電断時
(備考)営業終了後等
(項目)エラー発生時
(備考)ゴト行為によるエラーを含む
(項目)レバー操作時
(備考)ゲームの開始時
(項目)停止ボタン操作時
(備考)押し順や停止位置等によって、ゲームの結果が相違する場合等
(項目)入賞時
(備考)所定の役が入賞又は、停止表示された場合
(項目)ベット時(又は、再遊技後のレバー有効時)
(備考)遊技者が、次ゲームを開始することを意思表示した場合
(項目)メダル投入時
(備考)メダル投入センサにより、検知された場合
(項目)サブ入力ボタン操作時
(備考)遊技者等の操作がされた場合
(項目)RTC一斉演出実行時
(備考)一斉演出実行タイミングに到達した場合
(項目)メダル払出数
(備考)所定数以上の差枚数等
(項目)ゲーム数
(備考)所定のゲーム数消化時等
(D)受信タイミング
(項目)遊技機の電源投入時
(備考)営業開始前等
(項目)遊技機の電断時
(備考)営業終了後等
(項目)エラー発生時
(備考)ゴト行為によるエラーを含む
(項目)送信機器の操作時
(備考)携帯端末等を近づける、受信部位にタッチする、また、Wi‐FiをONにする、電源を投入等
(項目)RTC一斉演出実行時
(備考)一斉演出に係る情報が送信された場合
(項目)サブ入力ボタン操作時
(備考)遊技者等の操作により、遊技機が受信可能になった場合
以下、通信態様の具体例について、説明する。回胴式遊技機Pの主制御基板M側のエラーが生じた場合には、外部端子から外部のホールコンピュータを介して、店舗側はエラーを認識することが可能であるが、他方、副制御基板S側において、コマンド通信エラー等が発生した場合には、主制御基板M側からは、当該エラーを検知することができないため、副制御基板S側から、Wi‐Fi通信等の通信手段にて、店舗関係者の携帯端末KPに当該エラー情報を送信し得るように構成してもよい。
携帯端末KP等に情報を送信する場合において、情報の種類によっては、情報を送信する対象が異なる場合がある。例えば、回胴式遊技機Pの遊技に関する情報であれば、遊技者が必要とする情報であるし、他方、回胴式遊技機Pのエラーに関する情報であれば、店舗関係者等が必要とする情報となる。そうした場合の通信手段は、例えば、ペアリングやその他の認証手段によって、特定の対象にのみ送信し得るように構成したり、他方、送信する対象を限定する必要のない情報については、Wi‐Fi等を用いて、全員に送信し得るよう、情報によって、通信手段を変更し得る構成としてもよい。
次に、図67は、本例に係る遊技機に適用可能な構成一覧表である。同表においては、本例の遊技機にて実現可能な概念と、図柄の組み合わせの種類と、付与される遊技利益(付加される遊技利益)を決定する要素と、1体多対応させる場合の選択方法とについて、適用可能な構成を列挙している。同図における「No.」に該当する構成のいずれもが本例に係る遊技機においては適用可能となっている。また、複数の「No.」を組み合わせた構成を適用しても問題なく、例えば、同表No.1〜23と同表No.24〜30のいずれかを組み合わせてもよい。
また、副制御基板Sでエラーを報知するときは、遊技者の携帯端末KPと遊技機が、通信中であっても当該通信を遮断するよう構成してもよい。このように構成することで、容易に遊技者を遊技機から離れさせることが可能となり、店員がエラーを処理する場合に、遊技者が通信中により遊技機から離れられないという事態を防ぐことができる。他方、ペアリング中に復帰可能エラーが発生した場合にはペアリングを保持し、復帰不可能エラーが発生した場合にはペアリングを破棄するよう構成してもよい。更に、遊技機と携帯端末KPがペアリングされていることを常に演出表示装置S40で表示するよう構成してもよい。また、遊技者がペアリング中に遊技終了した場合、サブ入力ボタンSBの操作によって別の遊技者がそのペアリングを解除することができるよう構成することもできる。
尚、副制御基板Sでエラーを報知する場合としては、(1)主制御基板Mにてエラーを検知→主制御基板M側から副制御基板S側にエラーである旨のコマンドを送信→副制御基板S側で当該受信したコマンドに基づいてエラー報知、(2)副制御基板S側でエラーを検知→副制御基板S側で当該検知したエラーに基づいて報知、の2つの場合がある。
また、遊技機と携帯端末KPがペアリング中に、遊技者が通信範囲外に移動した際には、携帯端末KPが遊技機との距離が通信範囲外になったことを遊技者に通知するための表示を行うこととしてもよい(例えば、「接続が切れました」の表示)。尚、遊技機と携帯端末KPをペアリングすることで、遊技履歴情報を常時携帯端末KPで受信して確認可能な構成とすることもできる。この場合には、例えば、専用アプリ等のインターフェースを介することで、小役カウントを利用した設定推測(設定差のある小役カウント結果の入力により、自動計算ソフトにより設定を推測できる)、「有利区間」の遊技回数表示、アプリ上のキャラクタが遊技回数やボーナス(BBやRB)回数に応じてリアルタイムに成長していく、等のソフトウェアと連動した構成とすることもできる。
また、携帯端末KPから遊技機へ出力が可能な場合には、例えば、(1)携帯端末KPに着信があったことや、メールが届いたこと等を遊技機の画面で通知する、(2)携帯端末KPで選択した演出カスタマイズ(例えば、音量設定や光量設定)をダイレクトに(パスワード等の入力無しに)画面等に反映することができる、よう構成してもよい。尚、エラーの報知時、及び/又は、非報知時であってもエラーと判断したときはホール店員等に知らせる通信は可能となるよう構成することが好ましい。非報知時であってもエラーと判断したときはホール店員等に知らせる通信は可能となるよう構成した場合には、例えば、自ら不正の意図を持ってエラーを発生させた者は、自らの不正によってエラーが検知されたか否かの情報を知りたいが、不正に係るエラー報知を実行せず、不正に係るエラー情報をホール店員に通信することで、犯人の速やかな逮捕を実現し易いように構成することができる。ここで、エラーの報知条件については、主制御基板Mでエラーを検出したときは、主制御基板M側からの副制御基板S側へのコマンドに基づいて副制御基板Sでエラーを報知するよう構成してもよい。他方、副制御基板S側のみにおいて、エラーを検出したときは、遊技を進行することは可能とすると共に、エラーを報知するよう構成してもよい。
<その他の変更例>
尚、本例においては、入賞することによって第1BBが実行される第1BB役と、入賞することによって遊技者にとって第1BBよりも低利益な第2BBが実行される第2BB役と、を有するよう構成してもよく、さらに、第1BB役と第2BB役とが重複当選し得るよう構成してもよい(「第1BB+第2BB」の役を設ける)。そのように構成し、「第1BB+第2BB」に当選した場合、高利益な第1BBの実行に対応する図柄組合せ(第1BB役)を停止表示可能とし、第1BBの実行が終了した後に、第2BBに対応する図柄組合せ(第2BB役)を停止表示可能としてもよい(第1BBの実行中においても第2BBに当選していることを持ち越す)。尚、「第1BB+第2BB」に当選した場合に、高利益な第1BBを先に実行することによって、例えば、遊技場の閉店時間が迫っている状況にて、「第1BB+第2BB」に当選した場合に、低利益な第2BBが先に実行され、当該第2BBの実行中に遊技場の閉店時間となってしまい、高利益な第1BBを実行できずに遊技を終了しなければならない事態を防止することができる。
第1BBの作動が終了した後は、即時、第2BBの当選を報知してもよいし、潜伏させてから(報知しないまま所定ゲーム経過した後に)報知してもよい、当該潜伏させる構成を採用した場合には、第1BBの作動が終了した後の潜伏期間においては、再遊技の当選確率を高くするよう構成してもよい。また、潜伏させている時は、第2BBの当選可能性を示唆する演出を実行するよう構成してもよい(例えば、演出表示装置S40にて「BB連荘チャンスタイム!!」と表示する)。そのように構成した場合には、第1BBの終了後に第2BBが当選しない場合も設けなければ、演出発生=第2BBが当選していることが確定的となってしまうため、第1BBのみに当選し、その第1BBの作動が終了した後も、第2BBの当選可能性を示唆する演出を実行するよう構成することが好適である(第1BB終了後の演出態様は、上述したものと同様に、例えば、演出表示装置S40にて「BB連荘チャンスタイム!!」と表示する)。また、第1BBのみに当選し、その第1BBの作動が終了した後に、再度第1BBに当選した時であっても、第2BBの当選可能性を示唆する演出の実行を中止しないように構成してもよい。また、一旦、第2BBの当選をガセ報知した後、第1BBの当選を報知するよう構成してもよい(例えば、「BB連荘チャンスタイム!!」の表示→「残念」の表示→「第1BB当選中!!」等のように表示)。更に、AT中に重複当選し、第1BBの作動が終了した後に、第2BBを潜伏させている時は、演出表示装置S40では、AT準備中等を経てATに復帰させる(復帰後は演出上の残り遊技数の減少等を行う)が、内部的な残り遊技数の減少等は引き続き、中断しておくよう構成してもよい。尚、第1BBと第2BBとが重複当選した場合、第1BBの作動開始から第2BBの作動終了するまでの払出枚数を累計して演出表示装置S40等にて表示するよう構成してもよい。
尚、本例においては、
(1)第1BBと小役Aが重複当選した場合には、第1BBを優先して停止制御する。
(2)第1BBと小役Bが重複当選した場合には、小役Bを優先して停止制御する。
即ち、BB役よりも優先して停止制御する小役と、BB役の方が優先して停止制御する小役とを設けてもよい。
(3)第1BBと小役Aが重複当選した場合には、小役Aが入賞したとき、又は、小役Aに対応する図柄組合せのうち一部の図柄(例えば、第1停止時、第2停止時)が停止した場合には小役Aに対応する報知(小役Aが入賞できるような報知)を行う。
即ち、本来であれば小役Aよりも優先して停止制御する第1BB役を報知するものを、第1停止や第2停止の結果(第1停止や第2停止の実行後の停止態様)によって、第3停止をどの位置で停止させるかに拘らず第1BB役が入賞不可能である場合(小役Aは入賞可能である)には、小役Aに対応する報知を行う。また、遊技の結果として小役Aが入賞した場合には小役Aに対応する報知を行う。このように構成することによって、ゲームの途中で変化する様々な遊技の状況に応じて遊技者に最も有利な報知を実行することができると共に、演出表示装置S40等によって報知された内容と実際に入賞する役が矛盾してしまうことを防止することができる。
(4)第1BBと小役Bが重複当選した場合には、全リール回転中に小役Bに対応する報知を行う。
また、主制御基板Mにて制御する、停止表示された図柄(又は図柄組合せ)の番号を表示する表示器(7セグ等)を有するよう構成してもよい。そのように構成した場合に、演出表示装置S40では、停止表示された図柄(又は図柄組合せ)とは対応していない矛盾演出を行う。例えば、有効ライン上にリプレイ−リプレイ−リプレイの図柄組合せが停止しているときに、スイカが当選したときに出力される可能性が高い演出(例えば、ランプを緑色に光らせる)を実行する。
尚、本例においては、副制御基板S側から出力が可能な(入力はできない)イヤホンジャックを設け、以下のような特徴を有する構成としてもよい。
(1)遊技機のサブ入力ボタンによって、イヤホンジャックから出力される音量を複数段階から選択できる。
(2)イヤホンジャックを使用して遊技をしている場合においても、エラー発生時には、遊技機から予め定めた音量でエラー報知音が出力される(例えば、遊技機に設けたスピーカから出力される)。
(3)イヤホンジャックを使用して遊技をしている場合において、最大音量を選択しているときにおいても、イヤホンジャックから最大音量ではない所定の音量でエラー報知音が出力される。
また、AT中状態やBB実行中は、イヤホンジャックを使用して遊技をしている場合においても、遊技機から演出音が出力されるよう構成してもよい。また、イヤホンジャックを使用していない時用の音量と、イヤホンジャックを使用していない時用の音量を個別に記憶しておくよう構成してもよい。イヤホンが抜かれた場合であっても、すぐにはイヤホンジャックを使用している時用の音量はクリア(初期値に)しない構成としてもよい。例えば、10分間無操作であった時は、いずれの音量もクリア(初期値に)することとしてもよい。但し、イヤホンが挿されたままである時は、イヤホンジャックを使用している時用の音量はクリア(初期値に)しなくても良い。イヤホンジャックは、遊技の邪魔にならない箇所に設けられることが好ましい(例えば、イヤホンジャックにイヤホンを挿入している場合に、スタートレバーを操作しようとしてイヤホンコードが遊技者の腕に絡まないような箇所)。
尚、本例においては、
(1)BB実行時において特定の枚数以上の獲得であった場合のBB終了後と、特定の枚数以下の獲得であった場合のBB終了後とで、再遊技役の当選確率が変動できるよう構成してもよい。
(2)再遊技役の当選確率が相対的に高いRT状態(例えば、RT3)が終了した場合に移行するRT状態を複数有していてもよい。例えば、「RT2」終了後に「RT3」に移行するよう構成してもよい。
(3)所定の役が入賞した場合にRT状態を移行する。即ちRT状態の移行を入賞との1対1対応とせずに、条件装置や入賞に拘らず一定確率で移行する(例えば、毎ゲーム一定確率でRT移行抽選を実行する)。
(4)0枚のRT移行目の搭載、0枚役の重複当選、0枚役の重複入賞を可能にする。即ち、どの押し順にて停止したとしても、どの位置で停止操作をおこなったとしても1枚以上の役が入賞しない役である0枚役を設け、当該0枚役の入賞によりRT状態が移行し得る、0枚役と7枚役との重複当選や0枚役Aと0枚役Bとの重複当選を可能に構成してもよい。尚、0枚役の重複当選時は、押し順により、RT移行する0枚役とRT移行しない0枚役のいずれかを入賞させるように構成してもよい。0枚役とBB役とを重複当選させ、0枚役を優先させて入賞させることも可能である。
ここで、上述した遊技区間についての特徴点を以下に詳述することとする。
≪通常区間≫
(1)押し順ナビが押し順表示装置D270にて表示されない。
(2)押し順ナビが演出表示装置S40にて表示されない。
(3)押し順によって遊技者の遊技者の利益率に差異が生じる条件装置に係るコマンド(信号)を主制御基板M側から副制御基板S側に送信しない。
(4)BBの内部当選中とBBの実行中を除いて「有利区間」への移行抽選を実行可能である。
≪待機区間≫
(1)押し順ナビが押し順表示装置D270にて表示されない。
(2)押し順ナビが演出表示装置S40にて表示されない。
(3)押し順によって遊技者の遊技者の利益率に差異が生じる条件装置に係るコマンド(信号)を主制御基板M側から副制御基板S側に送信しない。
(4)「有利区間」への移行抽選が実行されない。
(5)「待機状態」にてBBが入賞した後は、次ゲームから「有利区間」となる。
≪有利区間≫
(1)押し順ナビが押し順表示装置D270にて表示され得る。
(2)押し順ナビが演出表示装置S40にて表示され得る。
(3)押し順によって遊技者の遊技者の利益率に差異が生じる条件装置に係るコマンド(信号)を主制御基板M側から副制御基板S側に送信され得る。
(4)「有利区間」の性能を変更する(例えば、ATに関する状態として「高確率状態」から「AT中状態」に移行する)抽選や、ATゲーム数上乗せ抽選等が実行され得る。
(5)「有利区間」中においては、有利区間表示器YHが常時点灯している。
(6)有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0となった場合には、「有利区間」にてBB又は押し順ナビが1回以上実行されないと当該「有利区間」が基本的に終了しないよう構成されているが、例外として、「有利区間」が連続して所定ゲーム数(本例では、1500)継続した場合には「有利区間」にてBB及び押し順ナビが1回も実行されていなくとも当該「有利区間」が終了し得るよう構成されている。
(7)有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1の計測は「有利区間」におけるすべてのゲームにて実行される(例えば、BB実行中においても毎ゲームカウンタ値が加算されてゆく)。
ここで、「有利区間」への移行抽選に係る特徴点を以下に詳述する。
(1)役抽選の結果に基づいて「有利区間」への移行の有無が決定され、ゲーム数の経過等では「有利区間」への移行の有無は決定されない。
(2)設定値によって抽選確率の異なる条件装置が成立した場合には、当該条件装置の成立では「有利区間」への移行抽選が実行されない。
(3)ある条件装置が成立して「有利区間」への移行抽選が実行される場合においては、設定値が相違しても当該抽選確率は同一となっている。
(4)設定値によって「有利区間」の性能が相違しない(例えば、強チェリーが成立した場合において、設定1では「高確率状態」に移行し、設定6では「AT中状態」に移行する、等、設定値によって相違することはない)。
(5)「有利区間」への移行抽選に当選した場合には、基本的に次ゲームから「有利区間」となる(「通常区間」にて成立したBB役にて「有利区間」への移行抽選に当選した場合には、次ゲームでは「待機区間」とすることができる)。
ここで、「有利区間」の性能の変更に係る特徴点を以下に詳述する。
(1)設定値を参照して「有利区間」の性能を変更する抽選が実行されない(全設定値共通の条件として、所定ゲーム数が経過、所定の条件装置が成立、を条件としてもよい)。
(2)設定値によって抽選確率の異なる条件装置が成立した場合には、当該条件装置の成立では「有利区間」の性能を変更する抽選が実行されない。ATゲーム数上乗せ抽選等も実行されない。
(3)BBが内部当選している場合には「有利区間」の性能を変更する抽選が実行されない。ATゲーム数上乗せ抽選等も実行されない。
(4)BB実行中において、当該実行されているBBの契機となったBB役の抽選確率が設定値によって相違する場合には、当該BB実行中においては「有利区間」の性能を変更する抽選が実行されない。ATゲーム数上乗せ抽選等も実行されない。
(5)BB実行中において、当該実行されているBBの契機となったBB役の抽選確率が設定値によって相違しない場合には、当該BB実行中においては「有利区間」の性能を変更する抽選が実行され得る。ATゲーム数上乗せ抽選等も実行され得る。
P 回胴式遊技機、DU 前扉(ドア)
D 扉基板、D10s 投入受付センサ
D20s 第1投入センサ、D30s 第2投入センサ
D40 停止ボタン、D41 左停止ボタン
D42 中停止ボタン、D43 右停止ボタン
D50 スタートレバー、D60 精算ボタン
D70 表示パネル、D80 扉スイッチ
D90 コインシュータ、D100 ブロッカ
D130 上パネル、D140 下パネル
D150 装飾ランプユニット、D160 リール窓
D170 メダル投入口、D180 操作状態表示灯
D200 クレジット数表示装置、D210 投入数表示灯
D220 ベットボタン、D230 メダル受け皿
D240 放出口、D250 特別遊技状態表示装置
D260 鍵穴、D270 払出数表示装置(押し順表示装置)
D280 ATカウンタ値表示装置
M 主制御基板
M20 設定キースイッチ、M30 設定/リセットボタン
C 主制御チップ、M50 リール
M51 左リール、M52 中リール
M53 右リール、M60 ATカウンタ
M70 遊技間隔最小タイマ
S 副制御基板、S10 LEDランプ
S20 スピーカ、S30 回胴バックライト
S40 演出表示装置、SC 副制御チップ
E 電源基板、E10 電源スイッチ
H メダル払出装置、H10s 第1払出センサ
H20s 第2払出センサ、H40 ホッパ
H50 ディスク、H50a ディスク回転軸
H60 遊技メダル出口、H70 放出付勢手段
H80 ホッパモータ
K 回胴基板、K10 回胴モータ
K20 回胴センサ
IN 中継基板
KP 携帯端末、SB サブ入力ボタン
NW インターネット、LP 回胴式遊技機設置場所
EP 人工衛星、CPS 管理会社サーバ

Claims (1)

  1. 遊技の進行を制御する主遊技部と、
    演出の表示制御を行う副遊技部と
    を備え、
    副遊技部が保持する所定のデータを、回胴式遊技機外の所定の装置に対して送信可能に構成されている
    ことを特徴とする回胴式遊技機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019181076A (ja) * 2018-04-17 2019-10-24 サミー株式会社 遊技機

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