JP2018031306A - 集風装置および風力発電設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前面側から取り込んだ風を後面側に設けられた排出口5に集風する集風部2を備え、排出口5は集風部2の前面の上端より下方に設けられ、集風部2は前面側から後面側に向かうほど流路断面積が小さくなっており、集風部2は、半コーン壁部3を有し、複数の支柱10が半コーン壁部3を貫通するようにして設置され、支柱10の上端部と半コーン壁部3とがケーブル12によって接続され、半コーン壁部3がケーブル12によって吊持されているので、容易に大型化できるとともに、効果的に風を集風して排出できる。
【選択図】図1
Description
このため、特に電力需要の多いビルなどの建築物では、ビルの共有部分の照明等の付帯設備への電力供給や、停電などの際の補完的電力供給設備として、風力発電装置をビルなどの建築物の周囲や屋上などに設置し、活用することが期待されている。
建物の屋上を流れる風を有効に利用して風力発電装置の効率的な稼働を図るための集風装置の一例として特許文献1に記載のものが知られている。
下側集風構造体は、建築物の屋上部分を、中央部に平坦で水平な面を有する凸部を上方に向けた穏やかな円弧面状に被装し、上側集風構造体は、下側集風構造体の上方に配設され、当該下側集風構造体とは上下に略対称の形状をしている。
そして、下側集風構造体と上側集風構造体との当該平坦な面で囲まれた空間内に、垂直軸型風力発電装置が配設されるようになっている。
したがって、前記従来の集風装置は、例えばある地域全体の電力を賄えるような比較的大型の風力発電装置用としては適当でない。つまり、当該集風装置は小型であるため、大型の風力発電装置用として適当でない。
一方、集風装置を大型化すると、風を集風するための集風部を構成する部材も大きくなって、その重量が嵩むため、容易に大型化することができない。また、大型化すると、集風部を構成する部材がその重量のため下方に撓み易くなって、効率的に風を集風し難いという問題もある。さらに、大型化した場合に、前面側で受けた風を排出口に効率的に集風して排出する必要もある。
前記排出口は前記集風部の前面の上端より下方に設けられ、
前記集風部は前記前面側から前記後面側に向かうほど流路断面積が小さくなっており、
前記集風部は、半コーン状の半コーン壁部を有し、
複数の支柱が前記半コーン壁部を貫通するようにして設置され、
前記支柱の上端部と前記半コーン壁部とがケーブルによって接続され、
前記半コーン壁部が前記ケーブルによって吊持されていることを特徴とする。
また、集風部の半コーン壁部が支柱に接続されたケーブルによって吊持されているので、半コーン壁部をその撓みを抑制して確実に支持することができる。したがって、集風装置の大型化も容易となる。
前記羽根車は、前記軸部が挿通されることで、当該軸部に支持される筒状の支持部材と、この支持部材に軸受を介して軸回りに回転可能に設けられた回転体と、この回転体の外周部に設けられた複数の羽根とを備え、
前記支持部材と回転体とのうちの、いずれか一方に永久磁石が設けられ、他方にコイルが前記永久磁石と所定の隙間をもって設けられていてもよい。
また、羽根車は筒状体の内部に設けられているので、羽根車に当たる風(空気)が外方に逃げて風圧が下がることがなく、全ての羽根車に風が効率的に当たるので、効率的に発電できる。
また、羽根車は軸部に支持される支持部材と、この支持部材に軸受を介して回転可能に設けられかつ外周部に羽根が設けられた回転体とを備えているので、軸部に設けられる羽根車の数を容易に増減できる。したがって、風力や風量に応じて風力発電装置の能力を容易に調整できる。
また、本発明の風力発電設備によれば、集風装置と、この集風装置の排出口に接続された風力発電装置とを備えているので、風力発電装置によって効率的に発電できる。
図1は、本発明に係る集風装置1を示すもので、正面側から見た斜視図、図2は同背面側から見た斜視図、図3は同側面図、図4は同平面図である。
図1〜図4に示すように、集風装置1は集風部2を備えている。この集風部2は半コーン状の半コーン壁部3を有している。この半コーン壁部3は、断面が半円、半楕円または半長円状に形成されており、前面側の風を取り入れる開口部から背面側の風を排出する排出口5に向けて次第に縮径するようにして形成されている。
このように、集風部2が半コーン壁部3を有していることによって、排出口5は集風部2の前面の上端より下方に設けられ、集風部2はその前面側から後面側に向かうほど流路断面積が小さくなっている。
側壁部3aは外側に向けて湾曲して形成されており、例えば鉄筋コンクリート製の湾曲した板状部材によって形成されているが、これに限ることはない。例えば、壁パネルを複数接合することによって形成してもよいし、構造用合板を複数接合することによって形成してもよい。なお、壁パネルは、例えば、枠体と、この枠体の表裏両面に取り付けられた構造用の合板によって構成される。
また、側壁部3aを鉄筋コンクリート製の板状部材によって形成する場合、現場打ちで側壁部3aを施工してもよいし、工場等においてプレキャスト製の鉄筋コンクリート板を複数製造しておき、これらを現場で接合することによって側壁部3aを施工してもよい。
また、上壁部3bを鉄筋コンクリート製の板状部材によって形成する場合、現場打ちで上壁部3bを施工してもよいし、工場等においてプレキャスト製の鉄筋コンクリート板を複数製造しておき、これらを現場で接合することによって上壁部3bを施工してもよい。
前側の2本の支柱10a(10)と後側の2本の支柱10b(10)は、上下の長さが異なっており、上下の長さは、支柱10a>支柱10bに設定されている。
また、支柱10は半コーン壁部3を上下に貫通している。具体的には、支柱10は側壁部3aと上壁部3bとの接合部を上下に貫通している。そして、支柱10の下端部は、地盤に設置固定されている。なお、地盤には基礎が設けられ、この基礎に支柱10の下端部が設置固定されている。
具体的には、支柱10はその上端部に、当該支柱10より大径のフランジ部11を有しており、このフランジ部11に複数のケーブル12の一端部が接続され、他端部が半コーン壁部3に接続されている。
前側の2本の支柱10aでは、フランジ部11から斜め下方に延びる複数のケーブル12のうちの一部のケーブル12の他端部が側壁部3aに接続され、残りのケーブル12の他端部が側壁部3aと上壁部3bとの接合部に接続されている。
後側の2本の支柱10bでは、フランジ部11から斜め下方に延びる複数のケーブル12のうちの一部のケーブル12の他端部が側壁部3aに接続され、残りのケーブル12の他端部が側壁部3aと上壁部3bとの接合部に接続されている。
各連結ケーブル13からは複数の垂下ケーブル14が垂下され、これら垂下ケーブル14の下端部が上壁部3b、および側壁部3aと上壁部3bとの接合部に接続されている。
また、斜め前後に隣り合う支柱10a,10bのフランジ部11,11間に架設された連結ケーブル13には2本の連結ケーブル15,15が架設されている。連結ケーブル15からは複数の垂下ケーブル16が架設され、これら垂下ケーブル14の下端部が上壁部3bに接続されている。
このように、複数の垂下ケーブル14,16によって半コーン壁部3が吊持されている。
そして、当該錘17と支柱10のフランジ部11とが接続ケーブル18によって接続されている。
また、集風部2の半コーン壁部3が支柱10に接続されたケーブル12によって吊持されているので、半コーン壁部3をその撓みを抑制して確実に支持することができる。したがって、集風装置1の大型化も容易となる。
また、半コーン壁部3がケーブル12に加えて、垂下ケーブル14,16によっても吊持されているので、さらに半コーン壁部3をその撓みを抑制して確実に支持することができる。
さらに、錘17と支柱10とが接続ケーブル18によって接続されているので、風によって半コーン壁部3が煽られても、錘25によって、接続ケーブル18、支柱10を介して当該半コーン壁部3が吹き飛ばされるのを防止できる。
風力発電ユニット集合体60は、図6に示すように、縦横にマトリックス状に、かつ厚さ方向に重ねて配置された複数の風力発電ユニット61によって構成されている。
なお、図5に示すように、集風装置1の排出口5は半楕円状であるので、風力発電ユニット集合体60の外周縁と、排出口5の縁との間には隙間を埋めるための板状部材が嵌め込まれている。
収納ユニット20は、4本の棒状の構造材21aと、8本の棒状の構造材21bとを構造材用継手22によって接続することによって組み立てられた直方体枠状の枠体23と、この枠体23の内側に構造材21aに対して傾斜して配置された補強用の複数の構造材21cとによって構成されている。
構造材用継手22は、棒状の構造材21a,21bを接続するためのもので、当該構造材21a,21bの端部を挿入固定可能な3本の継手部材22aを備えている。各継手部材22aは正四角筒状に形成されており、それらの基端部は例えば溶接や接着等によって互いに結合されている。また、3本の継手部材22aは互いに直角に配置されており、これら継手部材22aどうしが補強部材22bによって連結されている。
また、4本の構造材21aを構造材用継手22によって正方形枠が構成され、この正方形枠が枠体23の端面を構成している。図7において、右側の正方形枠が枠体23の先端面を構成し、左側の正方形枠が枠体23の後端面を構成している。
羽根車32は、図9および図10に示すように、軸部25が挿通されることで、当該軸部25に支持される円筒状の支持部材33と、この支持部材33に軸受34を介して軸回りに回転可能に設けられた円筒状の回転体35と、この回転体35の外周部に設けられた複数の羽根36とを備えている。
回転体35の両端部の内周面には、それぞれ軸受34の外輪が嵌め込まれ、内輪は支持部材33の外周面に嵌め込まれている。したがって、回転体35は軸受34,34に支持されて軸回りに回転可能となっている。
羽根36は、回転体35の軸に対して傾斜し、かつ周方向に等間隔で配置されており、回転体35の先端側から風を受けることによって、回転体35とともに回転するようになっている。
そして、風によって羽根車32とともに回転体35が回転することで、永久磁石37が回転し、この永久磁石37とコイル38との協働によって発電するようになっている。
なお、発電された電気はコイル38から取り出されてバッテリーに蓄電されたり、直接使用されるようになっている。また、軸部25には複数の羽根車32が設けられるので、各羽根車32の永久磁石37とコイル38との協働によって発電し、この電気がバッテリーに蓄電されたり、直接使用されるようになっている。
また、図7および図8に示すように、収納ユニット20の内部に収納された風力発電装置30は、その先頭の羽根車32が収納ユニット20の先端面側(図7および図8において右端面側)に位置し、末尾の羽根車32が収納ユニット20の後端面側(図7および図8において左端面側)に位置している。つまり、収納ユニット20の内部にはその長手方向(軸方向)に沿って可能な限りの数の羽根車32が同軸に収納されている。
風力発電ユニット集合体60は集風装置1の背面側でかつ下側に設けられているので、集風装置1によって集風された風は集風部2で流速を上げられたうえで、集風装置1の排出口5から排出される。そして、この排出された風は各風力発電ユニット61の先端面から入り込んで、羽根車32を回すので、永久磁石37とコイル38との協働によって発電する。
また、集風装置1の排出口5にエアーコンプレッサを設置し、排出口5から排出される空気によってエアーコンプレッサを回して(作動させて)、高圧タンクに貯留して、酸素をつくることができる。
加えて、羽根車32は軸部25に支持される支持部材33と、この支持部材33に軸受34を介して回転可能に設けられかつ外周部に羽根36が設けられた回転体35とを備えているので、軸部25に設けられる羽根車32の数を容易に増減できる。したがって、風力や風量に応じて風力発電装置30の能力を容易に調整できる。
また、風力発電装置30の先頭の羽根車32が収納ユニット20の先端面側に位置しているため、この先端面から風を受け入れて筒状体31の内部に容易に流入させて、羽根車32を回転させることができる。
さらに、収納ユニット20を積み重ねたり、横方向に連結することによって、風力発電ユニット61の設置数や設置位置を容易に調整できる。
また、羽根車32の回転によって、エアーコンプレッサを回して、圧縮空気を高圧タンクに貯留して、圧縮空気車に使用でき、また、酸素圧縮機を回して、酸素タンクに貯留できる。
さらに、排出口5にフィルターを設けることによって、集風部2で取り込んだ風(空気)中に含まれるゴミや埃等の異物を除去することができるので、発電とともに空気の浄化も行える。
また、集風装置1を風力発電ユニット集合体60と切り離して使用することもできる。この場合、集風装置1の集風部2の排出口5にエアーフィルターを設けて、湿気を集めることで、雨水が少ない島等において飲料水を製造することもできる。さらに、風の水分を取ることによって、台風の勢力を弱めることもできる。
2 集風部
3 半コーン壁部
5 排出口
10 支柱
12 ケーブル
13,15 連結ケーブル
14,16 垂下ケーブル
17 錘
18 接続ケーブル
25 軸部
30 風力発電装置
31 筒状体
32 羽根車
33 支持部材
34 軸受
35 回転体
36 羽根
37 永久磁石
38 コイル
60 風力発電ユニット集合体
61 風力発電ユニット
Claims (5)
- 前面側から取り込んだ風を後面側に設けられた排出口に集風する集風部を備えた集風装置であって、
前記排出口は前記集風部の前面の上端より下方に設けられ、
前記集風部は前記前面側から前記後面側に向かうほど流路断面積が小さくなっており、
前記集風部は、半コーン状の半コーン壁部を有し、
複数の支柱が前記半コーン壁部を貫通するようにして設置され、
前記支柱の上端部と前記半コーン壁部とがケーブルによって接続され、
前記半コーン壁部が前記ケーブルによって吊持されていることを特徴とする集風装置。 - 複数の前記支柱の上端部間に連結ケーブルが架設され、当該連結ケーブルから垂下する垂下ケーブルによって前記半コーン壁部が吊持されていることを特徴とする請求項1に記載の集風装置。
- 地盤に設置された前記半コーン壁部の周囲の地盤に錘が設置され、この錘と前記支柱とが接続ケーブルによって接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の集風装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の集風装置と、
この集風装置の前記排出口に接続された風力発電装置とを備えていること特徴とする風力発電設備。 - 前記風力発電装置は、筒状体と、この筒状体の内部に当該筒状体の軸方向に沿って設けられた軸部と、前記筒状体の内部において、前記軸部に同軸かつ前記軸部の軸方向に複数設けられた羽根車とを備え、
前記羽根車は、前記軸部が挿通されることで、当該軸部に支持される筒状の支持部材と、この支持部材に軸受を介して軸回りに回転可能に設けられた回転体と、この回転体の外周部に設けられた複数の羽根とを備え、
前記支持部材と回転体とのうちの、いずれか一方に永久磁石が設けられ、他方にコイルが前記永久磁石と所定の隙間をもって設けられていることを特徴とする請求項4に記載の風力発電設備。
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