JP2018029429A - 発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電装置を冷却する発電補助装置の電力を自家発電した電力で賄って供給し、前記発電装置の発電効率を向上させる。【解決手段】太陽光発電のモジュール14を備えた主発電装置11と、主発電装置11で発電した電力を直流から交流に変換するパワーコンディショナ21と、自家発電装置41から電力を供給されて作動し、主発電装置11を冷却する発電補助装置31と、を備えた。ここで、自家発電装置41は、主発電装置11のモジュール14とは別のモジュール44を備え、発電補助装置31は、主発電装置11のモジュール14に向けて送風する冷却ファン32を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電モジュール等を備えた発電装置の発電効率を上げる発電システムに関するものである。
太陽光発電モジュールを備えた太陽光発電装置において、太陽光発電モジュールを冷却すると、発電効率を上げることができることは一般に知られている。すなわち、太陽光発電モジュールは太陽エネルギーを受けると加熱されて温度上昇し、それに伴って発電効率は低下する。逆に、太陽光発電モジュールを例えば25℃から20℃などに冷却していくと発電効率は上昇する。ここに、太陽光発電モジュールの冷却手段については各種の技術が開示されており、例えば特許文献1には、太陽光発電モジュールの表裏両面の少なくとも一方の面に連続した空気流路部を形成し、送風機によってこの空気流路部に外部空気を導通させ、これにより、太陽光発電モジュールを冷却し、発電効率を向上させる技術が開示されている。
特開平9−266324号公報
しかし、従来、太陽光発電モジュールを冷却するための送風機等を作動させるための電源は、一般に電力会社から購入しなければならなかった。なお、特許文献1においては、送風機を作動させるための電源について記載されていないので不明ではあるが、特に電源について具体的に記載されていないことからも、おそらく同様に電力会社から購入するものであると思われる。したがって、従来の冷却用の送風機等を作動するために供給される電力は、コスト面で一定の制限があり、また、停電時には冷却用の送風機等を作動させることはできないことがあった。
そこで、本発明は、発電装置を冷却する発電補助装置の電力を自家発電した電力で賄って供給し、前記発電装置の発電効率を向上できる発電システムの提供を課題とするものである。
請求項1の発電システムは、主発電装置と、該主発電装置で発電した電力を直流から交流に変換するパワーコンディショナと、自家発電装置から電力を供給されて作動し、主発電装置を冷却する発電補助装置と、を備えている。ここで、主発電装置は、売電用としてあるいは自社内の負荷装置等への供給用として発電する一般的な発電装置のことであり、この発電装置を冷却するための自家発電装置とは異なるものであることを明確にするために主発電装置としている。
請求項2の発電システムは、特に、主発電装置が、太陽光発電モジュールを備え、自家発電装置は、主発電装置の太陽光発電モジュールとは別の太陽光発電モジュールを備え、前記発電補助装置は、主発電装置の太陽光発電モジュールを冷却する。
請求項3の発電システムは、特に、主発電装置が、太陽光発電モジュールを備え、自家発電装置は、風力発電設備を備え、前記発電補助装置は、主発電装置の太陽光発電モジュールを冷却する。
請求項4の発電システムは、特に、発電補助装置が、主発電装置に向けて送風する冷却ファンを備えている。
本発明は、自家発電装置から電力を供給されて作動し主発電装置を冷却する発電補助装置を備えているので、主発電装置はその内部に備えられた太陽光発電モジュール等が冷却され、それにより発電効率が向上する。そして、特に、発電補助装置を稼働するための電力は電力会社ではなく自家発電装置により賄い供給されるので、電力費を抑えることができる。また、電力会社の電力が停電によって供給されないときでも、それとは関係なく自家発電装置により電力を供給できる。更に、自家発電装置として自然エネルギーを利用したものなど各種の発電設備を設置することが可能であり、設置地域の事情等を考慮し適する発電設備を選択して設置することもできる。加えて、自家発電装置として複数種類の発電設備を組み合わせて設置することもできる。
本発明の実施形態の発電システムを示すブロック図である。 図1の発電システムにおいて発電補助装置により太陽光発電モジュールを冷却したときとしないときの1日の発電量を模式的に示すグラフである。 図1の主発電装置がオーバーモジュールを採用しかつ主発電装置の太陽光発電モジュールを冷却したときの主発電装置の1日の発電量を模式的に示すグラフである。
以下、本発明の実施形態の発電システムを図に基づいて説明する。
本実施形態の発電システムは、主発電装置と、主発電装置で発電した電力を直流から交流に変換するパワーコンディショナと、自家発電装置から電力を供給されて作動し、主発電装置を冷却する発電補助装置と、を備えている。この実施例では、主発電装置として太陽光を利用し太陽光発電モジュール(以下、単に「モジュール」という。)を備えたものを例示する。
図1において、主発電装置11は、モジュール14が複数個直列に接続されてストリング13が構成され、更にこのストリング13が複数個並列に接続されてなるアレイ12で構成されている。
アレイ12で発電された電力はパワーコンディショナ21に送られる。パワーコンディショナ21は、アレイ12で発電した電力を直流から交流に変換し、出力を安定化する。続いて、パワーコンディショナ21で変換された交流の電力は商用の系統22に出力されて売電され、あるいは自社内の機械設備や照明器具等の負荷装置等に供給される。なお、アレイ12で発電された電力はパワーコンディショナ21の能力以上の電力は系統22や負荷装置等には供給されない。
このように構成された発電システム1の1日の発電量は、図2の実線で示す曲線Aのように、山形に変化する。1日の発電量は晴天、曇天、雨天等の気象条件による日射量等によって左右される。
ここで、モジュール14の出力電力は、気温25℃での瞬時電力で表わされており、モジュール14は太陽エネルギーを受けると加熱されて温度上昇し、それに伴って発電効率は低下する。逆に、モジュール14を25℃から20℃などに冷却していくと発電効率は向上する。
そこで、冷却装置のファン等を使用してモジュール14を冷却し、発電効率を向上させることで、モジュール14の発電量を増加させることができる。モジュール14が発電している時間帯の全般に至って冷却したときは、アレイ12の発電量は、図2の二点鎖線で示す曲線Bのようになる。すなわち、冷却することにより、曲線Aと曲線Bとで囲まれた斜線で示す積算電力量の分だけ増加する。
主発電装置11のモジュール14は、発電補助装置31によって冷却される。本実施形態の発電補助装置31は、主発電装置11のモジュール14に向けて送風する冷却ファン32を備えている。発電補助装置31は、冷却ファン32による冷風がモジュール14を受光面とは反対側から冷却するように設置されている。これにより、冷却ファン32による冷風とは別の外部の風が吹いてきたときに、その風はモジュール14の主に受光面側に当たり、受光面とは反対側の面には当たりにくいため、外部の風が冷却ファン32に当たってその回転に影響を及ぼすのを避けることができ、外部からの風圧によって冷却ファン32が回転しにくくなるのを防止することができる。また、ファンの冷風をモジュール14の受光面と反対側である裏面に当てると、冷風は斜めに設置されているモジュール14の裏面に沿って上昇し、モジュール14を効率良く冷却でき、特に、ファンをモジュール14の下端側に設置すれば、冷風はモジュール14の裏面全体に行き渡るから、より効率良く冷却できる。
但し、発電補助装置31は、受光面とは反対側から冷却するように設置されるものに限定されるものではなく、受光面側から冷却するように設置してもよく、あるいは、受光面の両側から冷却するように設置してもよい。また、発電補助装置31の冷却ファン32は、アレイの全てのモジュール14に当たるようにしてもよく、あるいは、その一部に当たるように冷却してもよい。
発電補助装置31を稼働する電力は、自家発電装置41によって供給される。本実施形態の自家発電装置41は、主発電装置11と同様に太陽光を利用したものであり、モジュール44を備えている。すなわち、自家発電装置41は、モジュール44が複数個直列に接続されてストリング43を構成し、更にこのストリング43が複数個並列に接続されてなるアレイ42で構成されている。
アレイ42で発電された電力はパワーコンディショナ45に送られる。そして、パワーコンディショナ45で変換された交流の電力は発電補助装置31に供給され、冷却ファン32を作動させる。ここで、冷却ファン32を作動させないときは、自家発電装置41で発電された電力は、自家蓄電用バッテリに蓄えるようにして、必要に応じてこのバッテリから電力を発電補助装置31等に供給するようにしてもよい。なお、発電補助装置31が直流で作動するものである場合は、パワーコンディショナ45は省くことができる。
ここで、主発電装置11は、売電する電力量の安定した供給と売電単価に鑑み、最大発電量がパワーコンディショナの出力容量を上回る太陽光発電システム、いわゆるオーバーモジュール、過積載と呼ばれる発電システムを採用することもできる。この点について付説すると、今、売電用発電装置において、オーバーモジュールの発電システムを採用した場合と採用しない場合とを比較すると、図3の1日の時間毎の発電量を表したグラフに示すように、オーバーモジュールを採用しない場合は、パワーコンディショナの出力容量を上回った電力は売電されないことから、発電量のピークがパワーコンディショナの出力容量を上回らない程度に設定され、図3の実線で示した曲線Aの発電量となる。一方、オーバーモジュールを採用した場合は、パワーコンディショナの出力容量を超え、その分はいわゆるピークカットによりカットされて横ばいとなり図3の一点鎖線で示した曲線Bの発電量となる。両者の売電量を比較すると、オーバーモジュールを採用した場合は、これを採用しない場合と比較して、図3の右上方向の斜線で示した積算分だけ多くの発電量を売電できる。
このオーバーモジュールの発電システムにおいて、発電補助装置31によって主発電装置11のモジュール14を冷却した場合には、主発電装置11の発電量は、曲線Bで示すオーバーモジュールの発電量より更に増加して図3の二点鎖線で示した曲線Cの量となり、曲線Bで示す発電量と比較して右下方向の斜線で示した積算分だけ多くの発電量を売電できる。
次に、本実施形態の発電システム1の作用を説明する。
発電システム1は、自家発電装置41から電力を供給されて作動し冷却ファン32により主発電装置11のモジュール14を冷却する発電補助装置31を備えているので、主発電装置11はその内部の太陽光発電モジュール14が冷却され、それにより発電効率は上昇する。
そして、特に、発電補助装置31を稼働する電力は電力会社から供給されるのではなく自家発電装置41で賄い供給されるので、電力費を抑えることができる。また、電力会社の電力が停電によって供給されないときでも、それとは関係なく自家発電装置41により発電させることができるため、必要時に冷却ファン32を作動できなくなる事態を避けることができる。
更に、自家発電装置41として各種の発電設備を設置することが可能であるから、設置地域の気象条件や、平野部、山間部、海沿い近くなどの地理的条件等から、太陽光発電、風力発電、地熱発電等の自然エネルギーを利用した発電設備などのうちから適する種類の発電設備を設置することができる。
すなわち、上記実施形態の発電システム1の自家発電装置41は、太陽光発電設備であるが、これに限られるのではなく、例えば、海沿いなど地理的条件等から強力な風力が得られるなどの場合には、風力発電設備であってもよい。風力発電設備は、周知のように、ブレードに風が当たるとブレードが回転し、その回転が動力伝達軸を介して増速機に伝えられて回転速度が増加し、その回転が発電機によって電気に変換される。風力発電設備は、風がないときや弱いときには所定の発電量を得ることはできないが、所定の風速さえあれば昼夜を問わず電力を発生させることができるというメリットがある。
自家発電装置41は、これら太陽光発電設備、風力発電設備以外にも、波力、潮力、流水、地熱、バイオマス等による自然エネルギーなどを利用した発電設備であってもよい。
加えて、自家発電装置41は、これらの太陽光発電設備、風力発電設備、波力発電設備、地熱発電設備など異なる種類の発電設備を幾つか複合したものとすることもできる。発電設備が複合されている場合は、いずれか一の種類の発電設備の出力が小さく発電量が少ないときに、他の種類の発電設備の電力によって補完することができる。
例えば、自家発電装置41が太陽光発電設備と風力発電設備とからなる場合を例示すると、発電量が日射条件等により少ないときでも、日射条件と関係なく所定の風力さえあれば昼夜を問わず発電が可能な風力発電設備を併せて使用することにより、太陽光発電設備による発電量の不足分を風力発電設備による発電で補い、自家発電装置41全体としての発電量を確保することができる。
次に、上記実施形態の発電補助装置31では、冷却ファン32によりモジュール14を冷却しているが、モジュール14の冷却手段はこれに限られるものではなく、例えば、水冷パイプをモジュール14の裏面に這わせるようにして配管し、水冷パイプ内に水を通してモジュール14を冷却することもできる。また、散水によりモジュール14自体に水をかけて冷却することも可能である。これらの場合、自家発電装置41で発電された電力は、水冷パイプに水を流したり散水するためのモータやポンプを作動させるための電源として使用される。
加えて、上記実施形態の主発電装置11は、太陽光発電装置であるが、これに限定されるものではなく、また、発電補助装置31による冷却の対象も太陽光発電のモジュール14に限られるものではない。
1 発電システム
11 主発電装置
14、44 モジュール
21 パワーコンディショナ
31 発電補助装置
32 冷却ファン
41 自家発電装置

Claims (4)

  1. 主発電装置と、
    該主発電装置で発電した電力を直流から交流に変換するパワーコンディショナと、
    自家発電装置から電力を供給されて作動し、前記主発電装置を冷却する発電補助装置と、
    を備えたことを特徴とする発電システム。
  2. 前記主発電装置は、太陽光発電モジュールを備え、
    前記自家発電装置は、前記主発電装置の太陽光発電モジュールとは別の太陽光発電モジュールを備え、
    前記発電補助装置は、前記主発電装置の太陽光発電モジュールを冷却することを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記主発電装置は、太陽光発電モジュールを備え、
    前記自家発電装置は、風力発電設備を備え、
    前記発電補助装置は、前記主発電装置の太陽光発電モジュールを冷却することを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
  4. 前記発電補助装置は、前記主発電装置に向けて送風する冷却ファンを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発電システム。
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