JP2018028508A - 神経幹細胞の新規マーカー - Google Patents

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【課題】本発明は、神経幹細胞の新規細胞表面マーカー、それを用いる神経幹細胞の測定、同定、分離、富化若しくは評価のための方法及び試薬若しくはキットを提供すること。【解決手段】本発明は、亜鉛トランスポーターZip8及び/又はZip4を測定することを特徴とする神経幹細胞の同定、検出、分離、富化若しくは評価のための方法及び試薬若しくはキットを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、神経幹細胞の新規マーカー、それを用いる神経幹細胞の測定、同定、分離、富化若しくは評価のための方法及び試薬若しくはキットに関する。
神経幹細胞は、中枢神経系を構成するニューロンやアストロサイト、オリゴデンドロサイトを生み出す源になる細胞、すなわち多分化能をもつ細胞で、分裂によって増えることができる(自己複製能)。そして、その能力ゆえに、神経幹細胞は、中枢神経疾患や損傷を治療するための移植ソースとして注目されてきたが、1990年代に神経幹細胞の培養法が確立され、人工的環境下での増殖が可能となったため、中枢神経疾患や損傷の治療に応用できる可能性が高まった。
神経幹細胞は、当初、胎生期の幼若な中枢神経組織にしか存在しないと考えられていたが、2000年代に入り、成体脳組織にも海馬及び脳室下体に僅かに存在することが確認された。また、最近ではES細胞やiPS細胞からの誘導法が発明され、多能性の幹細胞に由来する神経幹細胞も研究され始めている。アメリカでは既にヒト由来の神経幹細胞の臨床研究が始まっており、ヒトへの移植治療が行われている。日本でもiPS細胞由来の神経幹細胞のパーキンソン病患者に対する臨床研究がようやく今年から始められた。今後、神経幹細胞の臨床研究に対する重要度は増すことが予測される。
C. Zhao et al., Cell, 132, 645-660 (2008)
神経幹細胞を臨床に用いる際には、細胞を生きた状態で得なければならず、そのためには、中枢神経組織から取得した細胞群やiPS細胞のような多能性幹細胞から分化誘導した細胞群の中から神経幹細胞だけを区別して、細胞が死なない方法で分離する必要があり、また品質の検査・管理も必要となる。
神経幹細胞に選択的でかつ恒常的に発現する細胞表面分子は細胞を壊さずに区別できるため、生きたまま神経幹細胞を選別するための目印(マーカー)として最適である。
しかし、現在のところ、神経幹細胞のマーカーとなる抗原のほとんどが核や細胞骨格といった細胞内に局在するもの(例えば、Nestin、Sox2、Pax6、Musashi、ABCG2など)であり、細胞の表面に存在する使用し易いマーカーはほとんどない。唯一、AC133と呼ばれる表面抗原が存在するが、安定性が悪く神経幹細胞マーカーとしては使い難い。SSEA1が神経幹細胞のマーカーになると報告されているが、ES細胞などの多能性幹細胞マーカーでもあるため、細胞が混ざっている場合は区別が難しい。
生きた神経幹細胞の識別・分離に利用できる新規マーカーが望まれていた。
本発明者らは、亜鉛トランスポーターZip8及び/又はZip4を神経幹細胞の細胞表面マーカーとして利用し得ることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明は、Zip8及びZip4の少なくとも一方の発現を指標として神経幹細胞を同定又は検出することを特徴とする神経幹細胞の同定又は検出方法を提供する。
本発明はまた、神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陽性であるか、Zip4陰性であるか又はZip8陽性でZip4陰性である細胞を選択することを特徴とする神経幹細胞の分離方法を提供する。
本発明はまた、神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陰性であるか、Zip4陽性であるか又はZip8陰性でZip4陽性である細胞を除去することを特徴とする、神経幹細胞を含む細胞集団を神経幹細胞について富化する方法を提供する。
本発明はまた、神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陽性であるか、Zip4陰性であるか又はZip8陽性でZip4陰性である細胞を選択し;選択した細胞を媒体に導入することを特徴とする、神経幹細胞を含む細胞調製物の製造方法を提供する。
本発明はまた、評価対象の細胞集団から所定数の細胞集団をサンプルとして抽出し;該サンプルの細胞集団においてZip8及びZip4の少なくとも一方の発現を測定することを特徴とする、細胞集団を神経幹細胞について評価する方法を提供する。
本発明はまた、Zip8に特異的に結合し得る物質及びZip4に特異的に結合し得る物質の少なくとも一方を含むことを特徴とする神経幹細胞の測定、同定、分離又は富化用試薬又はキットを提供する。
本発明はまた、Zip8をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子及びZip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子の少なくとも一方を含むことを特徴とする神経幹細胞の測定用試薬又はキットを提供する。
本発明はまた、神経幹細胞マーカーとしての、Zip8及びZip4の少なくとも一方の使用を提供する。
本発明はまた、神経幹細胞マーカーとしての、Zip8のアミノ酸配列をコードする核酸配列を有する核酸分子若しくはそのフラグメント及びZip4のアミノ酸配列をコードする核酸配列を有する核酸分子若しくはそのフラグメントの少なくとも一方の使用を提供する。
本発明によれば、神経幹細胞の新規な安定細胞表面マーカーが提供される。
定量的RT-PCRによる亜鉛トランスポーターZip8及びZip4遺伝子の発現解析の結果を示す。A:神経幹細胞(NSPC)と分化細胞での発現量の比較を示す。B:発現量の細胞外亜鉛濃度非依存性を示す。 定量的RT-PCRによるZip8及びZip4遺伝子の発現解析の結果(分化誘導からの経時変化)を示す。 免疫染色によるZip8及びZip4のニューロスフェア内の局在性解析の結果を示す。 免疫染色によるZip8及びZip4の脳組織内の局在性解析の結果を示す。 抗Zip8及び抗SSEA-1を用いたフローサイトメーター解析の結果を示す。 抗Zip4及び抗SSEA-1を用いたフローサイトメーター解析の結果を示す。
<神経幹細胞の同定又は検出方法>
本発明の神経幹細胞の同定又は検出方法は、亜鉛トランスポーターZip8及びZip4の少なくとも一方の発現を指標として神経幹細胞を同定又は検出することを特徴とする。
本発明は、後述する実施例に記載されるとおり、Zip8及びZip4を神経幹細胞の細胞表面マーカーとして利用し得るという新たな知見に基づく。よって、本発明の同定又は検出方法によれば、細胞膜を破壊する必要がなく、生きたままでの神経幹細胞の同定又は検出が可能になる。したがって、本発明は、生存している神経細胞の同定又は検出に適用することが好ましいが、(ホルムアルデヒドなどで)固定された組織又は培養物における神経細胞の同定又は検出にも適用することもできる。
本発明の方法は、或る局面では、神経幹細胞と分化した神経系細胞との識別に用いることができる。
神経幹細胞とは、狭義には、自己複製による増殖能と、神経前駆細胞を経てニューロンへ、或いはグリア前駆細胞を経てアストロサイト又はオリゴデンドロサイトへ分化する能力(多分化能)とを有する細胞をいい、神経前駆細胞とは、神経幹細胞からやや分化した細胞であって、更にニューロンに分化可能である細胞をいう。本明細書においては、以下、用語「神経幹細胞」を、狭義の神経幹細胞と神経前駆細胞とを合わせた広義の概念で使用する。すなわち、「神経幹細胞」は、ニューロンに分化可能な細胞(「神経幹/前駆細胞(NSPC)」ともいう)を意味するものとする。
神経幹細胞は、由来について限定されず、例えば、組織(例えば、脳、脂肪、骨髄、末梢血、臍帯血、神経堤)から採取した神経幹細胞(培養前の細胞又は初代培養細胞)若しくはその子孫(継代培養細胞)であってもよいし、胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞のような多能性幹細胞から誘導した神経幹細胞であってもよい。神経幹細胞は、例えば哺乳動物の神経幹細胞であり得、好ましくはヒト神経幹細胞である。
「Zip8」は、Zn2+を細胞外環境(小胞体などの細胞小器官の内部環境を含む)から細胞質内へ取り込む既知の14種類の亜鉛トランスポーター(ZIPファミリー)のうちの1つであり、遺伝子Slc39a8によりコードされるタンパク質である。例示として、代表的なヒト及びマウスZip8のアミノ酸配列(NCBIアクセッション番号:NP_071437.3及びNP_080504.3)を配列番号2及び4として配列表に示し、代表的なヒト及びマウスSlc39a8の代表的な核酸配列(NM_022154.5及びNM_026228.5)を配列番号1及び3として示す。
「Zip4」は、ZIPファミリーの1つであり、遺伝子Slc39a4によりコードされる。例示として、ヒト及びマウスZip4の代表的なアミノ酸配列(NP_570901.2及びNP_082340.1)を配列番号6及び8として示し、ヒト及びマウスSlc39a4の代表的な核酸配列(NM_130849.3及びNM_028064.2)を配列番号5及び7として示す。
本明細書において、「測定」とは、測定対象の検出又は定量(量の推定も含む)をいう。測定は免疫細胞・組織染色により行なってもよい。
本発明の1つの具体的実施形態においては、Zip8が測定される。この場合、(好ましくは細胞表面で)Zip8が検出されるか又はZip8の量が所定の閾値レベル以上である細胞を神経幹細胞として検出又は同定することができる。
別の1つの具体的実施形態においては、Zip4が測定される。この場合、(好ましくは細胞表面で)Zip4が検出されないか又はZip4の量が所定の閾値レベル未満である細胞を神経幹細胞として検出又は同定することができる。
更に別の1つの具体的実施形態においては、Zip8及びZip4が測定される。この場合、(好ましくは細胞表面で)Zip8が検出されかつZip4が検出されない細胞、及び/又はZip8が検出されかつZip4の量が所定の閾値レベル未満である細胞、及び/又はZip8の量が所定の閾値レベル以上でありかつZip4が検出されない細胞、及び/又はZip8の量が所定の閾値レベル以上でありかつZip4の量が所定の閾値レベル未満である細胞を神経幹細胞として検出又は同定することができる。
閾値レベル(カットオフ値)は、統計学的に有意な数の神経幹細胞及び分化した神経系細胞についての測定データに基づいて決定できる。ここで、「分化した神経系細胞」とは、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイト及びグリア前駆細胞をいう。
1つの具体的実施形態において、Zip8及び/又はZip4の測定は、Zip8に特異的に結合し得る物質及び/又はZip4に特異的に結合し得る物質を用いて行う。
Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、抗体又はアプタマー(例えば、後述するもの)であり得る。
Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、直接的又は間接的に、検出可能な標識(例えば、後述のような標識)が付されていてもよい。或いは、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、これらに結合し得る別の物質であって標識が付された物質と共に用いられてもよい。
Zip8及び/又はZip4の測定は、標識からのシグナルを検出器で検出し、必要であれば定量することにより行うことができる。
標識からのシグナルの測定は、分光光度計、蛍光光度計、CCDカメラ、CMOSカメラ、フォトダイオード、光電子増倍管などの公知の装置から適宜選択したものを、必要に応じて光源及び/又はフィルターと共に使用して行うことができる。
なお、必要に応じて、Zip8及び/又はZip4に加えて、他の神経幹細胞のマーカー(好ましくは細胞表面マーカー)を測定してもよい。
<神経幹細胞の分離/富化方法>
本発明の神経幹細胞の分離方法は、神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陽性であるか、Zip4陰性であるか又はZip8陽性でZip4陰性である細胞を選択することを特徴とする。
また、本発明の神経幹細胞の富化方法は、神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陰性であるか、Zip4陽性であるか又はZip8陰性でZip4陽性である細胞を除去することを特徴とする。
本発明の分離方法又は富化方法によれば、神経幹細胞を生きたままで容易に分離/富化することができるため、同質性の高い神経幹細胞集団の提供が可能になる。得られる細胞集団は、神経幹細胞の培養や移植/治療用神経細胞調製物の製造に利用できる。
本明細書において、「神経幹細胞を含む細胞集団」は、少なくとも神経幹細胞を含む限りその他の細胞を含んでいてもよく、由来について限定されず、例えば、組織(例えば、脳(特に、海馬及び脳室下体)、脂肪、骨髄、末梢血、臍帯血、神経堤)から採取した細胞集団(培養前の細胞又は初代培養細胞)若しくはその子孫(継代培養細胞)であってもよいし、胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞のような多能性幹細胞から誘導した細胞集団であってもよい。
1つの具体的実施形態において、神経幹細胞を含む細胞集団は、神経幹細胞と、神経幹細胞から分化が進んだ細胞(すなわち、ニューロン、グリア前駆細胞、アストロサイト及び/又はオリゴデンドロサイト)とからなる細胞集団であり得る。別の1つの具体的実施形態において、神経幹細胞を含む細胞集団は、ニューロスフェアを形成しているか又は形成していた細胞集団であり得る。「ニューロスフェア」は、例えばWeissらの方法(Reynolds and Weiss, Science, 255: 1707-1710, 1992)により、神経幹細胞を増殖因子(例えば、EGFやFGF2)の存在下で浮遊培養して得られる球状細胞塊をいう。ニューロスフェアには、主に、神経幹細胞が含まれるが、分化した神経系細胞も含み得る。
本明細書において、「Zip8陽性細胞」とは、Zip8が検出されるか或いはZip8の量が所定の閾値レベル以上である細胞をいい、「Zip8陰性細胞」とは、Zip8が検出されないか或いはZip8の量が所定の閾値レベル未満である細胞をいう。
同様に、「Zip4陽性細胞」とは、Zip4が検出されるか或いはZip4の量が所定の閾値レベル以上である細胞をいい、「Zip4陰性細胞」とは、Zip4が検出されないか或いはZip4の量が所定の閾値レベル未満である細胞をいう。
ここで、所定の閾値レベル(カットオフ値)は、統計学的に有意な数の神経幹細胞及び分化した神経系細胞についての測定データに基づいて決定できる。
1つの具体的実施形態において、細胞がZip8陽性及び/又はZip4陰性であるか否か、或いは、Zip8陰性及び/又はZip4陽性であるか否かの決定は、Zip8に特異的に結合し得る物質及び/又はZip4に特異的に結合し得る物質を用いて行う。
Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、抗体又はアプタマー(例えば、後述するもの)であり得る。
Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、直接的又は間接的に、検出可能な標識(例えば、後述のような標識)が付されていてもよい。或いは、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、これらに結合し得る別の物質であって標識が付された物質と共に用いられてもよい。このような場合、標識からのシグナルを測定し、シグナルの有無又はシグナルの量に基いて、Zip8陽性/陰性及びZip4陽性/陰性を決定することができる。
Zip8陽性及び/又はZip4陰性細胞の選択、或いは、Zip8陰性及び/又はZip4陽性細胞の除去は、前述したZip8陽性/陰性及びZip4陽性/陰性の決定に基いて機械的に選択又は除去する方法を用いてもよい。或いは、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質が付着された固相を用いて行ってもよい。この場合、分離又は富化の対象の細胞集団を、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質が付着された固相と接触させ、該固相に固定された細胞をそれぞれZip8陽性細胞又はZip4陽性細胞とみなし、固定されなかった細胞をそれぞれZip8陰性細胞又はZip4陰性細胞とみなすことができる。
所望の細胞の選択又は除去には、例えば、フローサイトメトリー(FACS)の原理に基いたセルソーター、磁気細胞分離法(MACS)又はカラムクロマトグラフィーを用いることができる。
<神経幹細胞調製物の製造方法>
本発明の神経幹細胞を含む細胞調製物の製造方法は、神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陽性であるか、Zip4陰性であるか又はZip8陽性でZip4陰性である細胞を選択し;選択した細胞を媒体に導入することを特徴とする。
本発明の神経幹細胞調製物の製造方法によれば、移植/治療に使用し得る程度に同質な神経幹細胞調製物を容易に製造することが可能となる。
Zip8陽性及び/又はZip4陰性細胞の選択は、上述のとおりに、例えばZip8に特異的に結合し得る物質及び/又はZip4に特異的に結合し得る物質を用いて、行うことができる。
媒体は、例えば水性媒体であり得、より具体的には生理食塩水又は培地であり得る。
生理食塩水は、好ましくは、緩衝化生理食塩水であり、例えばD-PBS、HBSSである。
培地は、神経幹細胞の生存及び/又は増殖を支持する培地であることが好ましく、動物細胞(好ましくは、哺乳動物細胞)の培養に適した培地を基礎培地とする公知のものから選択され得る。そのような培地の例としては、MEM、EMEM、DMEM、IMDM、αMEM、Ham's F12、RPMI 1640、フィッシャー培地及びこれらの混合培地(例えばDMEM/F12)が挙げられる。
培地は、好ましくは血清を含まない。また、培地は、好ましくは増殖因子(例えば、上皮細胞増殖因子(EGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(b-FGF又はFGF2)、白血球遊走阻害因子(LMIF又はLIF))を含む。培地には、必要に応じて、神経幹細胞の生存及び/又は増殖を支持するに適切な公知の他の補充物(例えば、B27など)を添加してもよい。
媒体は、例えば細胞培養フラスコのような容器中に存在してもよい。この場合、フラスコは、ポリ-L-オルニチンやラミニンのような細胞接着性を高める物質でコーティングされていてもよい。
また媒体は、上記の培地の他に細胞接着用の足場材料(scaffold)を含むものであり得る。足場材料とは、共存する細胞に接着の場を提供してその生理的状態の維持に役立つ効果、細胞集団を任意の3次元形状に保持する効果、細胞移植時において移植部位に細胞を定着させて流出を防ぐ効果、不要な細胞との接触を避ける効果、等の効果をもつ材料であり、その形状は目的に応じて多様であり得、例えば1次元(繊維、糸、などの形状)、2次元(膜、織布、編布、網目、シート、管、などの形状)、3次元多孔質体(スポンジ、3次元織布、3次元網布、積層網目、線維束、などの形状)であり得る。
足場材料の素材は、例えば合成高分子(通称・プラスチック類)、天然高分子(蛋白質、多糖類、その他)などであり得、より望ましくは生体材料(biomaterial)として医療用具や組織工学製品に用いられる生体適合性の高い高分子であり、例えばコラーゲン、ゼラチン、フィブリン、ケラチン、アルブミン、などの蛋白質、キチン、キトサン、アルギン酸、セルロース、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、アガロース、等の多糖類、ポリビニルアルコール、シリコーン、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリグルタミン酸、ポリリジン、ポリヒドロキシブチレート、等の高分子であり得る。
また媒体に添加される上記の高分子は、比較的硬い物性を持つ状態で先述の1次元から3次元の形状に加工・成型される以外に、培地成分を含有する粘性の極めて高い水溶液(粘性抵抗を持つが、流動性あり)を調製するための増粘剤や、分子間架橋によりハイドロゲル(hydrogel;巨視的には先述の多孔質ではないが、流動性を持たずに多くの水分を含有しながら一定形状を保つ性質を持った、高分子の架橋網目構造)を構成する為の素材として用いられる場合もあり得る。
本製造方法は、神経幹細胞を含む細胞集団を準備する工程を含んでいてもよい。準備工程には、例えば、ES細胞やiPS細胞のような多能性細胞の分化誘導により神経幹細胞を含む細胞集団を取得すること、及び/又は分化誘導して得られたか若しくは組織から得られた神経幹細胞を含む細胞集団を増殖させることが含まれ得る。
本方法により製造される神経幹細胞調製物においては、含まれる細胞の例えば50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは80以上、より好ましくは90%以上が神経幹細胞である。
<神経幹細胞の評価方法>
本発明の評価方法は、細胞集団を神経幹細胞について評価する方法であって、評価対象の細胞集団から所定数の細胞集団をサンプルとして抽出し;該サンプルの細胞集団においてZip8及びZip4の少なくとも一方の発現を測定することを特徴とする。
本発明の評価方法によれば、評価対象の細胞集団における神経幹細胞の割合を容易に評価することが可能となる。
本発明において、細胞集団は、任意の細胞集団であり得るが、好ましくは、神経幹細胞と分化した神経系細胞とからなる細胞集団であり、より好ましくは神経幹細胞の培養物/調製物(例えば、以前に神経幹細胞について富化又は精製されたもの、或いは移植/治療用に準備された細胞調製物)である。
サンプル数は、評価対象の細胞集団中の細胞数の約1%以上、例えば、約2%以上、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上に相当する数であり得る。或いは、サンプル数は、約100細胞以上、例えば約200細胞以上、約500細胞以上、約1000細胞以上であり得る。
1つの具体的実施形態においては、Zip8の発現量が測定される。この場合、Zip8の発現量がより多いとき、サンプル中での神経幹細胞の割合がより高い、すなわち評価対象の細胞集団中において神経幹細胞の割合がより高いと評価できる。
別の1つの具体的実施形態においては、Zip4の発現量が測定される。この場合、Zip4の発現量がより低いとき、サンプル中での神経幹細胞の割合がより高い、すなわち評価対象の細胞集団において神経幹細胞の割合がより高いと評価できる。
更に別の1つの具体的実施形態においては、Zip8及びZip4の発現量が測定される。この場合、Zip4の発現量に対するZip8の発現量の比がより高いとき、又はZip8の発現量に対するZip4の発現量の比がより低いとき、サンプル中での神経幹細胞の割合がより高い、すなわち評価対象の細胞集団において神経幹細胞の割合がより高いと評価できる。
評価対象の細胞集団が神経幹細胞の割合に関して特定の使用目的に適しているかどうかを評価される場合には、測定されたZip8の発現量、Zip4の発現量、Zip4の発現量に対するZip8の発現量の比又はZip8の発現量に対するZip4の発現量の比を所定の閾値レベルと比較した結果に基づいて評価してもよい。
Zip8及び/又はZip4発現の測定は、Zip8及び/又はZip4を定量することであってもよいし、Zip8又はZip4のmRNAの量を測定することであってもよい。
Zip8及び/又はZip4の定量は、上述したとおりに、例えば、Zip8に特異的に結合し得る物質及び/又はZip4に特異的に結合し得る物質を用いて、行うことができる。
Zip8又はZip4のmRNAの量の測定は、例えば、定量的PCR、具体的には定量的RT-PCR(例えば、SYBRグリーン法、蛍光プローブ法)により行うことができる。
<神経幹細胞の測定、同定、分離又は富化用試薬又はキット>
本発明の神経幹細胞の測定、同定、分離又は富化用試薬又はキットは、Zip8に特異的に結合し得る物質及びZip4に特異的に結合し得る物質の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
本試薬又はキットは、上述した本発明の神経幹細胞の同定、検出、分離又は富化方法における使用に適切である。本発明の試薬又はキットは、上述した本発明の神経幹細胞の評価方法においても使用し得る。
Zip8に特異的に結合し得る物質及びZip4に特異的に結合し得る物質は、それぞれZip8又はZip4に特異的に結合することができる限り、任意の物質であり得るが、例えば抗体又はアプタマーであり得る。
好ましくは、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、Zip8又はZip4の細胞外ドメイン(N末端側領域及びC末端側領域を含む)を構成する1以上のアミノ酸を認識する。
Zip8の細胞外ドメインは、1〜8位、154〜160位、213〜302位、387〜388位及び451〜460位のアミノ酸で構成され得る。
Zip4の細胞外ドメインは、23〜327位、381〜402位、580〜586位及び639〜647位のアミノ酸で構成され得る。
例えば、Zip8に特異的に結合し得る物質は、配列番号2又は4に示すアミノ酸配列から得られる少なくとも5アミノ酸、好ましくは少なくとも8アミノ酸、より好ましくは少なくとも10アミノ酸の連続する配列からなるペプチド(より好ましくは、細胞外ドメインを構成する1以上のアミノ酸を含むペプチド)に結合する。
例えば、Zip4に特異的に結合し得る物質は、配列番号6又は8に示すアミノ酸配列から得られる少なくとも5アミノ酸、好ましくは少なくとも8アミノ酸、より好ましくは少なくとも10アミノ酸の連続する配列からなるペプチド(より好ましくは、細胞外ドメインを構成する1以上のアミノ酸を含むペプチド)に結合する。
本明細書において、「抗体」とは、完全抗体及びその抗原結合部位を有するフラグメント(単鎖抗体(scFv)、Fab抗体、F(ab')2抗体、Fab'抗体、ドメイン抗体など)をいう。
抗体は、モノクローナルであってもポリクローナルであってもよい。
特定のタンパク質又はペプチドに結合する抗体を作製する方法は、当該分野において公知である。簡潔には、そのような抗体は、当該タンパク質又はペプチドを、単独で又は適切なキャリア(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、ジフテリア毒素、破傷風毒素)に結合させて、必要に応じてアジュバント(例えば、完全若しくは不完全フロイントアジュバント、水酸化アルミニウム又はリン酸化アルミニウム(ミョウバン))と共に、1回又はそれ以上(皮下、静脈内、腹腔内などに)投与した動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ラクダ、ニワトリ、ダチョウなど抗体産生に使用できる動物)の血清から、例えばアフィニティークロマトグラフィーのような精製法を用いて精製することにより(例えば、免疫グロブリン画分又は精製抗体として)取得することができる。精製することなく、全血清(抗血清)をそのまま用いてもよい。
モノクローナル抗体を作製する方法もまた当該分野において公知である(例えば、Kohler and Milstein(Nature, 256:495-497, 1975;Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow and Lane編, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988)。簡潔には、当該タンパク質又はペプチドで免疫した動物の脾臓細胞(B細胞)を、細胞融合法により適切な骨髄腫細胞と融合して不死化細胞(ハイブリドーマ)を作製し、所望の結合能を有する抗体を産生するハイブリドーマを選択する。このハイブリドーマを、インビトロ又はインビボ(例えば、マウス腹腔内)で増殖させて産生抗体を取得してもよい。
Zip8に結合し得る抗体の作製に免疫原として使用し得るペプチドは、例えば、配列番号2又は4に示すアミノ酸配列から得られる少なくとも5アミノ酸、好ましくは少なくとも8アミノ酸、より好ましくは少なくとも10アミノ酸の連続する配列(より好ましくは、細胞外ドメインを構成する1以上のアミノ酸を含む配列)を含んでなる。
Zip4に結合し得る抗体の作製に免疫原として使用し得るペプチドは、例えば、配列番号6又は8に示すアミノ酸配列から得られる少なくとも5アミノ酸、好ましくは少なくとも8アミノ酸、より好ましくは少なくとも10アミノ酸の連続する配列(より好ましくは、細胞外ドメインを構成する1以上のアミノ酸を含む配列)を含んでなる。
アプタマーは、特定の標的を認識する一本鎖核酸分子である。特定の標的に結合し得るアプタマーを作製する方法は、当該分野において公知である。簡潔には、ランダムな塩基配列(例えば30〜150塩基)を有する核酸群を作製し、この中から対象の標的を特異的に認識するものを、例えばSELEX法などのスクリーニング法により選定する。
本明細書において、「核酸分子」とは、任意の長さのヌクレオチドのポリマー(オリゴマーを含む)をいう。核酸分子は、代表的には、DNA分子、RNA分子又はDNA/RNA分子であり得るが、ヌクレオチドとして修飾ヌクレオチド(例えば、2'-Oメチル化ヌクレオチドのような2'-Oアルキル化ヌクレオチド、2'-Oと4'-Cとの間が架橋(例えばメチレン架橋)されているヌクレオチド(例えば、LNATM))を少なくともその一部に含んでいてもよく、更に/或いは、少なくとも一部のホスホジエステル結合がホスホロチオエート結合やホスホロアミデート結合のような機能的に等価な結合に置換されていてもよい。
Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、溶液形態で提供されてもよいし、凍結乾燥形態で提供されてもよい。
Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、必要であれば、検出可能な標識が付されていてもよい。或いは、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、(ストレプト)アビジン-ビオチンのような特異的結合対の一方のパートナー(例えば、ビオチン)が付着されており、他方のパートナー(例えば、(ストレプト)アビジン)が付着した標識と結合可能とされていてもよい。
ペプチド(抗体を含む)や核酸分子の標識は、当該分野で公知であり、使用する検出手段に応じて適宜選択できる。例えば、標識には、酵素、放射性同位体、蛍光物質、発色物質、発光物質などが使用できる。酵素としては、例えばペルオキシダーゼ(特にHRP)、β-ガラクトシダーゼ、ホスファターゼ(特にアルカリホスファターゼ)、ルシフェラーゼ、グルコースオキシダーゼ、β-グルコシダーゼ、β-グルクロニダーゼなどが挙げられる。放射性同位体としては、例えば、3H、14C、32P、35S、125I、131Iが挙げられる。蛍光物質としては、フルオレセイン及びその誘導体(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)やフルオレセインホスホアミダイド(FAM))、ローダミン及びその誘導体(例えば、テトラメチルローダミン(TAMRA))、Cy2、Cy3などが挙げられる。発色物質としては、3,3'-ジアミノベンジジン(DAB)、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)などが挙げられる。発光物質としては、ルミノール、ルシフェリンなどが挙げられる。
Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質が標識されていない場合、本発明のキットは、「Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質」に結合し得る物質であって標識が付された物質を更に含んでいてもよい。そのような物質は、例えば、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質が抗体(一次抗体)である場合、当該抗体に結合し得る抗体であって標識された抗体(二次抗体)又は標識されたプロテインA若しくはプロテインCであり得る。或いは、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質に(ストレプト)アビジン又はビオチンが付着されている場合には、標識が付されたビオチン又は(ストレプト)アビジンであり得る。
特に、分離又は富化用キットにおいて、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質は、固相に付着されていてもよい。したがって、本発明の試薬又はキットは、Zip8又はZip4に特異的に結合し得る物質が付着された固相を更に含んでいてもよい。
固相は、例えば、スライド、カバースリップ、ディッシュ、チューブ、ウェル、膜(中空繊維膜を含む)、(磁性)ビーズ若しくは粒子などであり得る。
固相の材料は、当該分野において公知のものをいずれも使用でき、例えば、ガラス、樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン、ポリビニルブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、レーヨン)、セルロース及びその誘導体(例えば、ニトロセルロース)などであり得る。
支持体への固定は、物理的吸着、共有結合若しくは非共有結合(イオン結合、静電結合、疎水性相互作用など)のいずれであってもよい。
本発明のキットは、必要に応じて、標識シグナル生成剤(例えば発色剤)及び/又は反応停止液を更に含んでいてもよい。
標識シグナル生成剤は、標識に応じて公知のものから適宜選択できる。例えば、標識がペルオキシダーゼである場合には、TMB、DAB、o-フェニレンジアミン(OPD)、2,2-アジノ-ジ-(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS)、10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジン(ADHP)などであり得、アルカリホスファターゼである場合には、p-ニトロフェニルリン酸(pNPP)、4-メチルウンベリフェリルリン酸(4-MUP)などであり得る。
反応停止液は、例えば、硫酸又は水酸化ナトリウムであり得る。
本発明のキットはまた、標準曲線(検量線)作成用の標準溶液、任意に標準溶液希釈剤を含んでいてもよい。
本発明のキットはまた、洗浄液(例えば、上記のような緩衝液)や、インキュベーションの間に支持体をシールするシーリング材(例えば、支持体がプレートである場合、プレートシール)を含んでいてもよい。
<神経幹細胞の測定又は同定用試薬又はキット>
本発明の神経幹細胞の測定又は同定用試薬又はキットは、Zip8をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子及びZip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
本発明の試薬又はキットは、例えば、上述の本発明の細胞集団を神経幹細胞について評価する方法における使用に適切である。本発明の試薬又はキットはまた、インサイチュハイブリダイゼーションやノーザンブロッティングなどによる神経幹細胞の同定又は検出方法においても使用し得る。
Zip8をコードする核酸分子は、Zip8のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAであってもよいし、RNAであってもよい。同様に、Zip4をコードする核酸分子は、Zip4のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAであってもよいし、RNAであってもよい。
Zip8をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子は、Zip8をコードする核酸分子の全体を認識して結合する必要はなく、その部分を認識して結合してもよい。したがって、Zip8のcDNAに特異的に結合し得る物質も、Zip8をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子であり得る。同様に、Zip4のcDNAに特異的に結合し得る物質も、Zip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子であり得る。
Zip8をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子及び/又はZip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子は、プライマー(好ましくは一対のプライマー)として使用されるものであってもよいし、プローブとして使用されるものであってもよい。
プライマーとして使用される核酸分子は、少なくとも8ヌクレオチド、好ましくは少なくとも9ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも10ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも15ヌクレオチドからなり得る。プライマーとして使用される核酸分子におけるヌクレオチド数の上限は、特に規定されないが、例えば50、45、40、35又は30であり得る。
プローブとして使用される核酸分子は、少なくとも10ヌクレオチド、好ましくは少なくとも13、より好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも20ヌクレオチドからなり得る。プローブとして使用される核酸分子におけるヌクレオチド数の上限は、特に規定されないが、例えば60、55、50、45又は40であり得る。
Zip8をコードする核酸分子に結合し得るプライマー又はプローブは、例えば、配列番号1又は3に示す核酸配列又はその相補配列から得られる少なくとも8ヌクレオチド(プライマーについて)又は10ヌクレオチド(プローブについて)が連続する配列を含んでなり得る。
Zip8をコードする核酸分子に結合し得るプライマー又はプローブはまた、例えば、配列番号1又は3に示す核酸配列又はその相補配列から得られる少なくとも8ヌクレオチド(プライマーについて)又は10ヌクレオチド(プローブについて)が連続する配列からなる核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸分子であり得る。このような核酸分子は、配列番号1又は3に示す核酸配列又はその相補配列と、例えば少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同性を有する配列からなり得る。
Zip4をコードする核酸分子に結合し得るプライマー又はプローブは、例えば、配列番号5又は7に示す核酸配列又はその相補配列から得られる少なくとも8ヌクレオチド(プライマーについて)又は10ヌクレオチド(プローブについて)が連続する配列を含んでなり得る。
Zip4をコードする核酸分子に結合し得るプライマー又はプローブはまた、例えば、配列番号5又は7に示す核酸配列又はその相補配列から得られる少なくとも8ヌクレオチド(プライマーについて)又は10ヌクレオチド(プローブについて)が連続する配列からなる核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸分子であり得る。このような核酸分子は、配列番号5又は7に示す核酸配列又はその相補配列と、例えば少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同性を有する配列からなり得る。
本明細書において、ストリンジェントな条件とは、例えば、5×又は6×SSC(50%ホルムアミドを含んでもよい)中での少なくとも60℃(例えば60〜70℃の範囲内の温度)でのハイブリダイゼーションをいう。このストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、0.1〜1×SSC中での約40℃〜60℃での洗浄処理を伴ってもよい。1×SSCは、0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウムを含有する溶液を意味する。
本発明の神経幹細胞の測定又は同定用キットが、プローブとして使用される核酸分子を、プライマーとして使用される一対の核酸分子と共に含んでいる場合、プローブとして使用される核酸分子は、プライマーを用いて増幅された核酸分子と特異的に結合し得ることが好ましい。
Zip8又はZip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子は、溶液形態で提供されてもよいし、凍結乾燥形態で提供されてもよい。
Zip8又はZip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子はまた、必要であれば、上述のように、標識が付されていてもよいし、或いは(ストレプト)アビジン-ビオチンのような結合対の一方のパートナーが付着されていてもよい。
蛍光物質が標識として付されたZip8又はZip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子には、該蛍光物質からの蛍光を消光することができる消光物質(クエンチャー)が更に付されていてもよい。蛍光物質がフルオレセインホスホアミダイド(FAM)である場合、消光物質はテトラメチルローダミン(TAMRA)であり得る。他の消光物質としては、4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(Babcyl)、BHQTM、EclipseTMなどの公知のものを使用することができる。
1つの実施形態において、本発明の神経幹細胞の測定又は同定用キットは、Zip8をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子及び/又はZip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子を、定量的PCR法で使用する一対のプライマーとして含む。1つの具体的実施形態のキットは、蛍光プローブ法のためのキットであり、Zip8をコードする核酸分子に結合し得る別の核酸分子及び/又はZip4をコードする核酸分子に結合し得る別の核酸分子を、蛍光プローブとして更に含んでいてもよい。また、別の具体的実施形態のキットは、インターカレーター法(例えば、SYBRグリーン法)のためのキットであり、SYBRグリーンI、II又はGold、YO(Oxazole Yellow)、TO(Thiazole Orange)、PG(PicoGreen)などのインターカレーター色素を更に含んでいてもよい。
<神経幹細胞のマーカー>
下記の実施例に記載されるとおり、Zip8及びその遺伝子は、神経幹細胞についてのポジティブマーカー(それぞれ、細胞表面マーカー及び遺伝子マーカー)として使用できる。
一方、Zip4及びその遺伝子は、神経幹細胞についてのネガティブマーカー(それぞれ、細胞表面マーカー及び遺伝子マーカー)として使用できる。
細胞表面マーカーは、免疫組織・細胞化学(ELISA、RIAなど)、フローサイトメトリ、磁気細胞分離法(MACS)又はカラムクロマトグラフィーなどにおいて使用し得る。細胞表面マーカーは、上述したように測定することができる。
遺伝子マーカーは、RT-PCR、ノーザンブロッティング、インサイチュハイブリダイゼーションなどにおいて使用し得る。遺伝子マーカーは、上述したように測定することができる。遺伝子マーカーは、Zip8又はZip4のアミノ酸配列をコードする核酸配列を有する核酸分子若しくはそのフラグメントであり得る。
1.細胞の培養
胎齢14.5日目のICRマウス胎仔の大脳由来神経幹細胞/前駆細胞を、20ng/ml EGF、20ng/ml b-FGF、B27サプリメント及び抗生物質混合液を含むDMEM/F-12培地で0〜2カ月間培養によって増やした細胞を以下の実験に用いた。
2.定量的RT-PCRによる亜鉛トランスポーター遺伝子の発現解析
神経幹細胞と分化細胞における亜鉛トランスポーターZip8及びZip4遺伝子の発現の違いを定量的RT-PCRにより解析した。
上記細胞を、1.0×105細胞/mlに調整して5cmディッシュ中の培養用培地に播種し、37℃、5% CO2条件下で3日間培養した未分化細胞を神経幹細胞(NSPC)として用い、PLO(ポリ-L-オルニチン)コーティング済み5cm培養ディッシュ上で1% FBSを含む培地を使って7日間以上分化誘導した細胞を分化細胞とした。なお、細胞における亜鉛トランスポーター遺伝子の発現量に、細胞外環境中の亜鉛(Zn2+)濃度依存性があるか否かを確認するために、培地中の亜鉛濃度を0〜50μMの範囲で変化させた。
各細胞からSepasol RNA I Superを使用して全RNAを抽出し、Prime ScriptTM RT reag
ent KitでcDNAに逆転写後、SYBR Greenを用いた定量的RT-PCR法でZip8及びZip4の発現量を測定した。なお、Gapdh遺伝子の発現量を内在性コントロールとして、測定手順の妥当性の確認に用いた。
定量的RT-PCRにおける標的遺伝子の増幅反応に使用したプライマーのセットは、下記のとおりである:
亜鉛トランスポーターZip4
遺伝子名:solute carrier family 39 (zinc transporter), member 4 (Slc39a4), [Mus musculus (Mouse)] リンク:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NM_028064.2
Forward primer: CATGAGCTGCCCCATGAA
Reverse primer: CTGAGGCCAGATTCAGCAAA

亜鉛トランスポーターZip8
遺伝子名:solute carrier family 39 (zinc transporter), member 8 (Slc39a8), transcript variant 3 [Mus musculus (Mouse)]
リンク:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NM_026228.5
Forward primer: CTAGCTTTCGGCATTTTGGTG
Reverse primer: AGCATGTCGTTCATCTCTGGAA

対照の遺伝子 Gapdh
遺伝子名:glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase (Gapdh), transcript variant 2 [Mus musculus (Mouse)]
リンク:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NM_008084.3
Forward primer: CATGGCCTTCCGTGTTCCT
Reverse primer: TGCCTGCTTCACCACCTTCT
結果を図1に示す。データは、分化細胞における発現量が、NSPC(細胞外Zn2+濃度:0μM)における発現量(1とする)に対する相対量(相対発現量)となるように表した。
Zip4遺伝子の発現量は、分化細胞において、NSPCの20倍以上であった。一方、Zip8遺伝子の発現量は、分化細胞において、NSPCの約1/4であった。
Zip4遺伝子の発現量も、Zip8遺伝子の発現量も、細胞外亜鉛濃度に依存して変化していない。このことから、NSPCと分化細胞との間での発現量の差が、細胞外亜鉛濃度の変動に起因するものでないことが確認された。
神経幹細胞と分化細胞におけるZip8及びZip4遺伝子の発現量の差が、細胞分化に起因することを確証するため、分化誘導前、分化誘導後18時間、1日、3日、5日及び7日の細胞について発現量を解析し、その経時的変化をモニターした。神経幹細胞の遺伝子マーカーとして知られているNestin(Nes)の発現量も同時に解析した。
結果を図2に示す。データは、分化誘導前の発現量(1とする)に対する相対量(相対発現量)となるように表した。
Zip4遺伝子の発現量は分化誘導に伴い減少し、Zip8遺伝子の発現量は分化誘導に伴い増大することが確認された。
これら結果より、Zip4遺伝子又はその発現産物(Zip4)を神経幹細胞のネガティブマーカーとして、Zip8遺伝子又はその発現産物(Zip8)を神経幹細胞のポジティブマーカーとして利用し得ることが理解できる。
3.免疫染色による亜鉛トランスポーターの脳組織内及び細胞集団内の局在性の解析
3.1 組織及びニューロスフェア切片の作製
胎齢14.5日目のICRマウス胎仔の頭部及び上述の培養神経幹細胞/前駆細胞により形成されたニューロスフェアを、4%(w/v)パラホルムアルデヒド-PBS(-)溶液中で4℃、2日間浸潤固定した。固定したマウス頭部及びニューロスフェアを、OCTコンパウンドに包埋して−80℃で凍結ブロックにし、クライオスタットで10〜20μm厚に薄切した。得られた切片をスライドガラスに貼り付けた。
3.2 免疫染色
スライドガラス上の切片を、PBS(-)で2回洗浄し、次いで、0.3%(v/v)TritonX-100 in PBS(-)で5分間、浸透化し、続けてPBS(-)で2回洗浄した後、10%(v/v) Goat Serum + 0.01%(v/v) TritonX-100 in PBS(-)で60分間ブロッキングした。
10%(v/v) Goat Serum + 0.01%(v/v) TritonX-100 in PBS(-)に抗Zip8ウサギ抗体を1:100、抗Nestinマウス抗体を1:200 の割合で混合した一次抗体反応液を調製した。湿潤チャンバー内で一次抗体反応液の40μlドロップを切片の上に載せ、4℃で一晩反応させた。
次に、二次抗体反応を行うために、切片をPBS(-)で洗浄し、10%(v/v) Goat Serum + 0.01%(v/v) TritonX-100 in PBS(-)にFITC goat anti-rabbit IgGを1:500、Alexa568 goat anti-mouse IgGを1:500、DAPIを1:1000 の割合で混ぜた二次抗体反応液を調製した。湿潤チャンバー内で二次抗体反応液の40μlドロップを切片の上に載せ、遮光して室温で60〜90分間反応させた。
できる限り遮光しながらPBS(-)で洗浄後、スライドガラス上にMountant Permafluorで封入し遮光乾燥し、サンプルとした。
上記方法によれば、Zip8存在部位は緑色(FITC)で、Nestin存在部位は赤色(Alexa568)で、細胞核の位置は青色(DAPI)で示される。
染色の様子を図3(ニューロスフェア)及び図4(脳組織)に示す。
図3において、左側の4枚の写真及び右側の1枚の写真は、抗Zip8抗体(緑)と抗Nestin抗体(赤)、核染色(青)で免疫染色した、それぞれ、ニューロスフェア切片及びシングルセル状の細胞を示す。
図より、ニューロスフェア及び脳組織の両方において、Zip8は、神経幹細胞マーカーとして知られるNestinと共局在している(すなわち、Zip8陽性細胞は神経幹細胞である)ことが観察される。
よって、Zip8を神経幹細胞のポジティブマーカーとして利用し得ることが確証される。
4.フローサイトメーターによる解析
先ず、抗Zip4ウサギポリクロ−ナル抗体及び抗Zip8ウサギポリクロ−ナル抗体を、別々にFITC標識抗ウサギIgG抗体とそれぞれ等量ずつ混和して氷上に静置した(以下、それぞれを「抗Zip4-FITC抗体液」及び「抗Zip8-FITC抗体液」と呼ぶ)。
次に、培養した神経幹細胞/前駆細胞(NSPC)を、0.05% Trypsin-EDTA 1mLで酵素処理(37℃, 15分間)し、0.1% Trypsin inhibitor 0.5 mLを加えて酵素反応を止めた後、ピペッティングによりシングルセル状態にバラバラにした。さらに、DMEM/F-12培地に懸濁した後に、40μmナイロンメッシュを通して残った細胞集塊を除去し、遠心(1,000 rpm, 5min)によってシングルセル状の細胞を回収した。
回収した細胞を、10% Goat Serumを含むDMEM/F-12培地1mLでブロッキング処理(氷上,30分間)した。遠心(1,000 rpm,7分間)で細胞を回収後、DMEM/F-12 0.5 mLに懸濁した。5×105細胞を含む細胞懸濁液50μLに対して、2μLの抗SSEA-1-APC及び1μLの抗Zip4-FITC抗体液、又は2μLの抗SSEA-1-eFluor660及び1μLの抗Zip8-FITC抗体液を加え、室温遮光下で30分間静置して抗体反応を行った。
DMEM/F-12培地を350μL加え、遠心(3分間)によって細胞を沈降させ、上清となった抗体反応液を除去することにより抗体反応を停止し、続いて、PBS(−) 400μLを加え、細胞を3分間遠心分離することによって洗浄操作を行った。
次に、2%(w/v)パラホルムアルデヒド-PBS(−)溶液を400μL加え、氷上で10分間静置し、細胞固定を行った。PBS(−)を加え、5分間の遠心分離2回によって細胞を洗浄後、400μlのPBS(−)に懸濁した細胞懸濁液を40μメッシュを通してフローサイトメーター解析に用いた。ネガティブコントロールは5×105細胞を含む細胞懸濁液50μLに対して、1μlのFITC標識抗ウサギIgG抗体液を加え、室温遮光下で30分間静置して抗体反応を行い調製した。
結果を図5A(抗Zip8及び抗SSEA-1)及び図6A(抗Zip4及び抗SSEA-1)に示す。
図5Aより、Zip8陽性細胞は、SSEA1陽性細胞の一部として存在すること(図5B)、すなわち、Zip8陽性細胞が神経幹細胞であることが確認された。
一方、図6より、Zip4陽性細胞がSSEA1陽性細胞とは異なる細胞集団であること(図6B)、すなわち、Zip4陽性細胞は多能性を有しないことが確認された。
これら結果より、Zip4遺伝子を神経幹細胞のネガティブマーカーとして、Zip8遺伝子を神経幹細胞のポジティブマーカーとして利用し得ることが確証される。
上記の実施形態及び実施例は、本発明の理解を容易にするために例示として記載されたものであって、本発明は本明細書または添付図面に記載された具体的な構成のみに限定されるものではないことに留意すべきである。本明細書に記載した具体的構成、手段及び方法は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、当該分野において公知の他の多くのものと置換可能である。

Claims (11)

  1. Zip8及びZip4の少なくとも一方の発現を指標として神経幹細胞を同定又は検出することを特徴とする神経幹細胞の同定又は検出方法。
  2. 神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陽性であるか、Zip4陰性であるか又はZip8陽性でZip4陰性である細胞を選択することを特徴とする神経幹細胞の分離方法。
  3. 神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陰性であるか、Zip4陽性であるか又はZip8陰性でZip4陽性である細胞を除去することを特徴とする、神経幹細胞を含む細胞集団を神経幹細胞について富化する方法。
  4. 神経幹細胞を含む細胞集団から、Zip8陽性であるか、Zip4陰性であるか又はZip8陽性でZip4陰性である細胞を選択し、
    選択した細胞を媒体に導入する
    ことを特徴とする、神経幹細胞を含む細胞調製物の製造方法。
  5. 評価対象の細胞集団から所定数の細胞集団をサンプルとして抽出し、
    該サンプルの細胞集団においてZip8及びZip4の少なくとも一方の発現を測定する
    ことを特徴とする、細胞集団を神経幹細胞について評価する方法。
  6. Zip8に特異的に結合し得る物質及びZip4に特異的に結合し得る物質の少なくとも一方を含むことを特徴とする神経幹細胞の測定、同定、分離又は富化用試薬又はキット。
  7. Zip8に特異的に結合し得る物質及びZip4に特異的に結合し得る物質がそれぞれ独立して抗体又はアプタマーであることを特徴とする請求項6に記載の試薬又はキット。
  8. Zip8をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子及びZip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子の少なくとも一方を含むことを特徴とする神経幹細胞の測定用試薬又はキット。
  9. Zip8をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子が、配列番号1又は3に示す配列又はその相補配列からなる核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプライマー又はプローブであり、Zip4をコードする核酸分子に特異的に結合し得る核酸分子が、配列番号5又は7に示す配列又はその相補配列からなる核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプライマー又はプローブであることを特徴とする請求項8に記載の試薬又はキット。
  10. 神経幹細胞マーカーとしての、Zip8及びZip4の少なくとも一方の使用。
  11. 神経幹細胞マーカーとしての、Zip8のアミノ酸配列をコードする核酸配列を有する核酸分子若しくはそのフラグメント及びZip4のアミノ酸配列をコードする核酸配列を有する核酸分子若しくはそのフラグメントの少なくとも一方の使用。
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