本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行され、遊技の興趣向上が図られている。この種のパチンコ機の中には、遊技機に遊技者が操作可能な操作手段(スイッチ等)を設けて遊技者がその操作手段を操作することにより遊技の演出等を変化させる遊技機が提案されている。
このようなパチンコ機において、例えば、遊技者が操作手段を操作した場合に多様な演出を実行しようと、操作手段が操作された場合に遊技の演出を変化させる抽選を実行するものがある。
この種のパチンコ機において、さらに操作手段を使用して遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる遊技機が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、始動条件の成立に基づいて、前記表示手段に前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示されている場合に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、動的表示されている識別情報が示す当否判定結果に基づいた報知情報を前記表示手段に表示させる情報表示実行手段とを有し、1の前記動的表示態様内で前記操作手段が操作されて前記情報表示実行手段により前記情報が表示される回数を決定する回数決定手段と、その回数決定手段により決定された回数を遊技者に報知する報知手段と、前記操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判別する操作有効期間を決定する有効期間決定手段を有するものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様の動的表示時間内で、複数の演出期間を設定する演出期間設定手段と、その演出期間設定手段により設定されたそれぞれの演出期間に前記回数決定手段により決定された前記最大回数を振り分けて設定する振り分け手段とを有するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、1の動的表示態様内で操作手段が操作されて情報表示実行手段により情報が表示される回数が回数決定手段により決定される。その回数決定手段により決定された回数が遊技者に報知手段により報知される。操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判別する操作有効期間が有効期間決定手段により決定される。
これにより、遊技者が報知手段により報知された回数の情報が1の動的表示態様内のどのタイミングで設定されているかを予測して楽しむことができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様の動的表示時間内で、複数の演出期間が演出期間設定手段により設定される。その演出期間設定手段により設定されたそれぞれの演出期間に回数決定手段により決定された回数が振り分け手段により振り分けて設定される。
これにより、1の動的表示態様に対して、様々に回数が振り分けることが可能となるので、新鮮味のある演出を遊技者に提供できる。よって、遊技がマンネリしてしまうことを抑制できるという効果がある。
パチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
(a)は、枠ボタンとタッチセンサについて示した図であり、(b)は、選択スイッチについて示した図である。
(a)は、第3図柄表示装置に表示されるチケットが使用可能な場合を示した表示態様の一例であり、(b)は、チケットを使用して先読み報知を表示させて当たりを示す保留図柄の表示態様に可変された一例を示した図である。
(a)〜(b)は、第3図柄表示装置に表示されるSW予告の表示態様の一例を示した図である。
(a)〜(b)は、時間演出期間における第3図柄表示装置で表示される表示態様の一例について示した図である。
(a)〜(b)は、時間演出期間における第3図柄表示装置で表示されるタッチセンサを使用した場合の表示態様の一例について示した図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
(a)は、主制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
(a)は、主制御装置における特別図柄大当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置における大当たり種別選択テーブルの内容を示した模式図であり、(c)は、主制御装置における普通当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、音声ランプ制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、音声ランプ制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
変動パターン選択テーブルの一部である変動パターン選択テーブルAの一例を模式的に示した模式図である。
変動パターン選択テーブルの一部である変動パターン選択テーブルBの一例を模式的に示した模式図である。
変動パターン選択テーブルの一部である変動パターン選択テーブルCの一例を模式的に示した模式図である。
変動パターン選択テーブルの一部である変動パターン選択テーブルDの一例を模式的に示した模式図である。
(a)は、SW予告選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、タッチ演出抽選テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時間設定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される同期演出管理処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW演出制御処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるチケット処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特殊SW演出制御処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるタッチセンサ制御処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるタッチ演出選択処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
(a)〜(b)は、第2実施形態におけるパチンコ機のSW予告が設定された場合のタイミングチャートである。
(a)〜(b)は、第2実施形態におけるパチンコ機のSW予告でのコメント予告の表示態様の一例を示した図である。
(a)〜(b)は、第2実施形態におけるパチンコ機のキャラ予告でのコメント予告の表示態様の一例を示した図である。
(a)〜(b)は、第2実施形態におけるパチンコ機のSW予告での再変動予告の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第2実施形態におけるSW回数選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、第2実施形態における進行モードAである場合のSW予告選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における進行モードDである場合のSW予告選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動演出管理処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW演出制御処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態の変形例におけるSW予告の一例についてのタイミングチャート示した図である。
(a)〜(b)は、第3実施形態におけるSW予告の一例についてのタイミングチャートを示した図である。
(a)〜(b)は、第3実施形態におけるSW予告の一例について表示態様を示した図である。
(a)〜(b)は、第3実施形態におけるSW予告について正規の押下開始タイミングよりも先に枠ボタンが押下開始された場合の表示態様を示した図である。
(a)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における長押し抽選テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW演出制御処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される長押し制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図15参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22、タッチセンサ290、選択スイッチ291が設けられている。選択スイッチ291は、前方側から見て枠ボタン22の右側に並べて設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出の背景モードを変更したり、予告演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。また、タッチセンサ290は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示されるタッチセンサ290を使用する専用演出の表示内容が、遊技者のタッチセンサ290の操作に基づいて変更される。また、枠ボタン22、タッチセンサ290は、例えば、遊技機に備えられる駆動役物等を駆動させるためのスイッチとして用いるように構成してもよい。なお、枠ボタン22とタッチセンサ290については、図5を参照して、詳細について説明するが、枠ボタン22の遊技機前方側にタッチスイッチ290が近接して配置されており、通常、遊技者が枠ボタン22を押下(操作)すると、タッチスイッチが遊技者の手を反応することが可能な位置に配置されている。
また、選択スイッチ291は、枠ボタン22の右側に配置されており、左選択スイッチ291Lと右選択スイッチ291Rとで構成されている。選択スイッチ291は、第3図柄表示装置81に表示されたカーソル等を移動させたり、表示された選択肢を選択するのに用いられる。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1始動口64a、第2始動口64b、電動役物64c、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1始動口64a、第2始動口64b、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図15参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が始動口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。始動口64への入球に対して行われる特別図柄(以後、特別図柄のことを特別図柄と示す)の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が16回(16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、8秒〜30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が行われている間に球が第1始動口64aへ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、特別図柄の保留球数は、それぞれ識別可能な表示態様で第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81に示される。詳細には後述するが、遊技者にとって、第1図柄表示装置37よりも第3図柄表示装置81の方が保留球数や、特別図柄の変動表示態様、判定結果等が識別し易く構成されており、通常遊技者は、第3図柄表示装置81の表示態様を見て遊技を行うように構成されている。
第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、始動口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
ここで、始動口64は、図2に示すように、遊技球が入球する入球口の両側に遊技球を入球口へ案内可能な開放状態と、入球口への入球を規制する閉鎖状態とに回動可能な羽根部材を備えた電動役物64cを有している。この電動役物64cは、後述する普通図柄(第2図柄)の当選(当たり)に基づいて、閉鎖状態から開放状態に所定時間の間、作動される。また、通常時は、入球口の両側からの遊技球の入球を阻止するように直立した状態で保持されており、その羽根部材の間より遊技球が入球することを阻止するように、始動口64が配置されている。よって、始動口64へは、通常、電動役物64cが開放状態に作動した場合に入球し易く構成されている。
尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、始動口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、始動口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、始動口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、スルーゲート67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりには、通常当たりと通常当たりよりも、開放時間と開放回数とがそれぞれ増大する長時間当たりとの2種類が設定されている。普通図柄の通常当たりまたは長時間当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または2秒)だけ始動口64に付随する電動役物が所定の回数で開放され、始動口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が始動口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。その後、「大当たりA」である場合には、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次の特別図柄の大当たり遊技が開始するまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。一方、「大当たりB」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。なお、高確率状態においても、普通図柄の当たり確率は、同様にアップして設定される。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常状態(特別図柄の通常状態または低確率遊技状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中または時短遊技状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、始動口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(通常遊技状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間を特別図柄の確変期間と称す。
また、本実施形態では、大当たり種別が「大当たりA」となると、その「大当たりA」終了後から次の大当たり開始までの期間を確変期間としたが、それに限らずに、所定回数(例えば、20回や100回等)の特別図柄の抽選が実行される期間を確変期間として設定してもよい。また、「大当たりA」、「大当たりB」共に所定回数の期間、確変期間となるように設定するように構成してもよい。また、確変期間は、所定の時間(2分や5分等)の間、確変期間としても当然よい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。
尚、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになり、大当たり種別が「大当たりA」であると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から次の大当たり遊技の開始まで継続される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、始動口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄1(第1図柄)または特別図柄2(第1図柄)を点灯状態により示したり、始動口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数をそれぞれ点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が始動口64aへ入球した場合、その入球回数は最大4回までそれぞれ保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37によりそれぞれ示されると共に、第3図柄表示装置81においてもそれぞれ示される。なお、本実施形態においては、始動口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄1または特別図柄2の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、始動口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において入球した始動口に対応して特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、偶数番号である「2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、始動口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が始動口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
また、本実施形態では、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄は、スーパーリーチとなった場合等において、図柄に付されている数字のみの図柄に可変して表示されたり、主表示領域Dmが拡大されて、小表示領域Dsの表示領域がなくなる場合等がある。このように構成することで、遊技者に新鮮味のある表示態様を表示することができる。
なお、本実施形態においては、入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
続けて、図5を参照して、本実施形態の上皿17に設けられている枠ボタン22、タッチスイッチ290、選択スイッチ293について説明する。図5(a)は、枠ボタン22とタッチスイッチ290を示した図である。枠ボタン22は、遊技者が押下する押下部を有しており、押下部を所定量下方に押下するとリミット型のスイッチがオンとなる構成となっている。パチンコ機10では、所定間隔(本実施形態では、2ms)毎に枠ボタン22の状態を監視しており、「OFF」の状態から「ON」と判別されて、次の間隔でも「ON」と判別されたら枠ボタン22が押下されたと判別している。このように構成することで、ノイズ等で一瞬だけON状態となった場合に誤って枠ボタン22が押下されたと判別してしまう不具合を抑制できる。また、枠ボタン22が連続して押下され続けている状態、即ち「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わり、その次の監視でも「OFF」と判別されると枠ボタン22の押下が解除されたと判別する。
タッチセンサ290は、枠ボタン22と前方側に近接して配置されている。タッチセンサ290は上皿17の上面と略同一面にセンサ部が配置されており、そのセンサ部より赤外線が放射され、その赤外線が対象物に当たって反射した赤外線を識別するとオンするように構成されている。よって、遊技者は、タッチセンサ290のセンサ部に手等を所定距離まで近づけることで、センサをオンさせることができる。タッチセンサ290をオン状態にするために、手等をセンサ部に近づける動作をすることをタッチセンサ290を操作するという。
また、タッチセンサ290も枠ボタン22と同様にパチンコ機10が所定間隔(本実施形態では、2ms)で状態を監視しており、「OFF」と判別された状態から次に「ON」状態となり、その次にさらに「ON」と判別されるとタッチセンサ290が遊技者により操作されたと判別して、第3図柄表示装置81の表示態様を可変させる等の処理を実行する。タッチセンサ290のセンサ部の上面には「touch」の文字が示されており、タッチセンサ290が配置されていることを遊技者が容易に分かるように構成されている。
図5(b)は、選択スイッチ293を示した図である。この選択スイッチ293は、枠ボタン22の左側に近接して配置されている。選択スイッチ293は、枠ボタン22と同様に押下型のスイッチで構成されており、上面にどの方向を選択するスイッチであるかを示す文字が表示されている。この選択スイッチ293は、主に、第3図柄表示装置81に表示されたカーソルを遊技者に任意の方向に移動させたい場合に用いられる。選択スイッチ293は、左方向を指示する左選択スイッチ293Lと右選択スイッチ203Rとで構成されている。それぞれのスイッチが押下されるオン状態となる信号が音声ランプ制御装置113に出力されて、押下したことを判別できるように構成されている。
図6を参照して、チケット演出について説明する。本実施形態では、通常演出期間(モードA)の先読みが可能な期間(後述するチケットの枚数が1以上であり、特別図柄の保留個数が記憶されており、大当たり遊技中でない場合)において、枠ボタン22を押下することで、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている特別図柄の保留において、当否判定結果が大当たりとなるものが記憶されているかを報知させることができる。先読み可能期間では、図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の小領域Ds3に枠ボタン22を長押し(3秒間押下)することで記憶されているチケットを1枚消化して、現在、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている保留の当否判定結果について当否判定を報知させることができる。
図6(b)は、枠ボタン22を長押しして、保留されているものの当否判定結果が報知された場合の表示態様を示した図である。小領域Ds3には、「結果発表中!!」という文字が表示されて、保留図柄に対応する当否判定結果が報知されている状態であることを示している。その下に表示されたチケット枚数が図6(a)の場合より1枚減算されて表示される。小領域Ds2には、キャラクタの予告図柄に変えて、「チャンス!!」という文字が表示され、保留されているものの中に大当たりとなるものが記憶されているものがあることを遊技者に報知している。そして、小領域Ds2に表示された保留図柄のうち、大当たりであるものに対応した保留図柄の色が可変して表示される。
このように構成することで、遊技者は、演出の特典として獲得したチケットを利用して、保留されているものの当否判定結果をその変動表示が終了するまえに知ることができる。よって、遊技者がトイレ等で早期に離席したい場合等には、チケットを使用することで、当否判定結果をより早く知って、記憶されている当否判定結果に応じて離席するか否かを早期に決定できる。従って、チケットが付与される演出も魅力的に遊技者に感じさせることができ、大当たり以外の特典についても得ようとして遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、チケットを使用して、先読みで報知する結果は、大当たりのみで説明したが、それに限らず、外れであってもスーパーリーチとなる保留が記憶されている場合には、それを報知するようにしてもよい。このように構成することで、選択される頻度の少ない変動態様を遊技者が見逃してしまうことを抑制できる。また、チケットを使用して与えられる特典としては、それ以外の特典、例えば、2次元コードを表示して、携帯電話等で読み込むことで、所定の画像データが得られたり、所定の音楽データ等が得られたりする構成であってもよい。
次に、図7を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81で表示されるSW予告の表示態様について説明する。図7(a)は、SW予告が選択された場合に、遊技者に枠ボタン22を押下することを報知した表示態様である。SW予告が選択されると、枠ボタン22を模した図柄が3つ表示されて、その下に枠ボタン22を押下した場合に有効と判定される有効時間を示すメータが表示される。このメータは有効時間の減少に合わせて、色が可変して表示される。図7(a)に示すように、SW予告の枠ボタン22を押下する回数(SW押下回数)が3回であることを遊技者に報知している。遊技者は、これにより枠ボタン22を3回押すことで、それぞれ1つずつ予告表示態様が表示される権利があることを認識できる。
図7(b)に示すように、枠ボタン22を押下した場合に、「pushA」と示された図柄がまず、予告表示態様に可変して表示される。この次に、枠ボタン22を押下すると、「pushB」と示された図柄が、また、その次に押下されると「pushC」と示された図柄が予告表示態様に可変して表示される。
表示される予告表示態様は、図7(a)に示すように、魚が泡を吹いている表示態様や、魚の群れが表示される表示態様が表示される。ここで、詳細については、後述するが、各表示態様は、変動されている特別図柄の当否判定結果に基づいて表示されるので、遊技者は、当否判定結果が大当たりの場合に選択され易い表示態様が表示されないかと期待して枠ボタン22を押下することができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、表示される表示態様は、変動している特別図柄の変動パターンがスーパーリーチであるかを示すものであったり、このSW予告の後に表示される予告表示態様の内容を報知するものであってもよい。
このように遊技者は、複数回の押下回数で構成されたSW予告が表示されることで、一度目で大当たりへの期待度が低いものが選択されたとしても、2度目で大当たりへの期待度が高いものが表示されるのではないかと期待して遊技を行うことができる。
また、SW有効時間を極端に短く設定するように構成してもよい。このように構成することで、複数回設定されているSW予告の表示内容が枠ボタン22を素早く連打しないと見ることができないように構成でき、遊技者にSW予告が表示されるかを緊張感を持って遊技を行わせることができる。
次に、図8〜図9を参照して、時間演出期間(モードC)に第3図柄表示装置81で表示される表示態様について説明する。パチンコ機10に電源が投入されてから55分が経過すると、5分間の時間演出期間(モードC)としてふれあいタイムと呼ばれる犬とタッチスイッチ290を使用してふれあうことのできる演出が表示される演出表示態様が表示される。この期間においては、通常演出期間(モードA)で表示される表示態様(図4(b)参照)に変えて、図8(a)に示す表示態様に切り替えて表示される。第3図柄が表示される主表示領域Dmは縮小されて右下に表示され、その他の領域に犬のキャラクタが表示される。そして、左下の表示領域にタッチセンタ290を操作して犬を近くに呼ぶ演出(犬を拡大して表示させる演出)が表示されるようにするように遊技者に促す演出が表示される。「呼ぶ」という文字を表示して、タッチセンサ290を操作するとこの犬を呼ぶ演出が表示されることを遊技者に報知している。
図8(b)に示すように、図8(a)に示された状態で、タッチセンサ290が操作されると、犬が拡大して表示されて、左下に犬とふれあう演出を選択するように促す「選んでね」という文字が表示されて、その下部にふれあう内容が示される。そのふれあう内容の上部には、下三角の図柄で示されたカーソルが表示されて、そのカーソルで示した内容が選択可能であることが示される。
遊技者は、選択スイッチ293を操作することで、カーソルを左右に移動させることができる。遊技者が枠ボタン22を押下することで、そのカーソルが指し示すふれあう内容が選択される。本実施形態では、ふれあう内容は、「なでる」と「ブラッシング」という内容が設定されている。
図9(a)は「なでる」というふれあう内容が選択された場合に表示される「なでる演出」態様の一例を示した図である。左下にタッチセンサ290を操作する方法が表示される。図9(a)に示すように、「なでる演出」では、タッチセンサ290をオンにできる距離まで手を近づけて、枠ボタン22の周囲を回転させてタッチセンサ290をオンにさせる(操作する)ように促している。タッチセンサ290がオンすることで、犬の頭上に表示された手を模した図柄も回転して、犬の頭をなでるように表示され、犬が喜んだ表情に可変して表示される。
このようにすることで、遊技者の手の動きがあたかも犬をなでているかのような動きになるため、遊技者は犬をなでているかのような気分を味わうことができる。また、その操作を報知する表示態様の上部には、インジケータが表示され、遊技者がなでる動作をすることに基づいて、所定の抽選が行われて、レベルが上昇するように報知される。インジケータが最大まで上がるとチケットを獲得できるように報知されている。
また、報知されたように、遊技者がタッチセンサ290を操作することで、タッチセンサ290が所定間隔でオンとオフとを繰り返すように構成できる。枠ボタン22の周囲を回動させてタッチセンサ290を操作した場合、一般的に素早く操作すると200ms〜300ms程度の間隔でオンすると想定される。よって、タッチセンサ290がオンする間隔が200ms〜300msを含む151ms〜500msの場合に、最もインジケータが上がり易く設定されている(図19(b参照))。よって、正しい動作で素早くタッチセンサ290を操作している遊技者ほどより多くの特典を付与することができる。また、この「なでる演出」では、タッチセンサ290をずっとオンさせ続けている遊技者、即ち、タッチセンサ290に手をかざしているだけの遊技者等には、インジケータにレベルが上昇しないように構成した。これにより、正しい動作で遊技するように促すことができる。
図9(b)では、「ブラッシング」のふれあい内容が選択された場合の「ブラッシング演出」の表示態様を示している。「ブラッシング演出」では、表示領域の左下に、タッチセンタ290をオンにさせる(操作する)方法について表示される。「ブラッシング演出」では、タッチセンサ290がオンとなる位置まで手をタッチセンサ290に近づけて、手を枠ボタン22の上部まで移動させるようにして、再び、タッチセンサ290に戻るように往復して手を前後させる動作をするように報知される。タッチセンサ290がオンすることに基づいて、犬の頭上に表示されたブラシを模した図柄が前後に可変して表示され、ブラッシングする表示態様が表示され、犬の表情が喜んでいる表示態様に可変して表示される。
このように、動作することで、タッチセンサ290は、オンとオフとを所定間隔で繰り返すように操作されるようになる。「ブラッシング演出」の操作では、一般的に素早く操作した場合、150ms〜200msの間隔でタッチセンサ290がオンすると想定される。よって、その151ms〜200msを含む71ms〜350msでタッチセンサ290がオンされた場合に最もレベルが上がりやすく構成されている(図19(b)参照)。
これにより、タッチセンサ290を正しい動作で操作している遊技者により多くの特典を付与することができる。よって、より正しい動作で遊技者にタッチセンサ290を操作することができる。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示し、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球がスルーゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、始動口64に付随する電動役物64cが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、始動口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球がスルーゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67における球の通過は、始動口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る始動口64が配設されている。この始動口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる入球口スイッチ、(図示せず)がオンとなり、その入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1始動口64a、第2始動口64bは、球が入球するとそれぞれ5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
始動口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図15参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図15参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<パチンコ機10における電気的構成について>
次に、図10を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図11を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図24参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図32参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、特別図図柄の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄保留球格納エリア203aの各エリアには、始動口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図24参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図13(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図13(a)参照)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図13(a)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本実施形態では、大当たり種別は、「大当たりA」と「大当たりB」との2種類が設定されており、第1当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA」と「大当たりB」とのどちらか一方が決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図示しない大当たり種別選択テーブルに設定される、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル202b(図13(b参照))により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図32参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
次に、図18〜図22を参照して、主制御装置110が変動パターンを選択して、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づいて、詳細な変動パターンが決定される仕組みについて説明する。音声ランプ制御装置113のROM222の変動パターン選択テーブル222a内には、図15〜図18に示したように特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン選択テーブルがそれぞれ設定されている。なお、本実施形態では、通常遊技状態において選択される変動パターン選択テーブルについて示したが、時短遊技状態、確変遊技状態においてもそれぞれ設定されている。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、音声ランプ制御装置113により、RTC292が計時する計時データに基づいて、パチンコ機10に電源が投入されてからの時間が計測され、54分間の通常演出期間(モードA)が設定され、その通常演出期間が経過すると、1分間の準備期間(モードB)が設定され、その準備期間の後に、5分間の時間演出期間(モードC)が設定される。この各期間についての詳細については、後述するが、この設定された期間により、主制御装置110からの変動パターンコマンドが同じであっても、期間が異なることにより選択される変動パターンが異なるように設定される。ここで、異なる演出が設定されても、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動時間で構成された演出となっており、各演出の変動時間や、当否判定結果、大まかな変動の内容(リーチ、スーパーリーチ、非リーチ等)は同一となるように構成されている。このように構成することで、主制御装置110は、個別の変動パターンを決定する必要がなく、制御付加を軽減することができる。また、主制御装置110のROM202に記憶される変動パターン選択テーブルのデータ量も抑制することができる。
変動パターン選択テーブル202bの一部である変動パターン選択テーブルについて説明する。変動開始する特別図柄の当否判定結果、変動開始時の特別図柄の保留球数に対応して、それぞれ、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、各変動パターンを選択する構成となっている。ここで、決定される変動パターンは、変動パターンの大まかな種別、変動時間が決定される事となる。「大当たりA」、「大当たりB」共通の当否判定結果が大当たりの場合に選択される変動パターンとして、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」各種が規定されている。各変動パターンに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けられており、当否判定結果が当たりであれば、取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンが決定される。なお、当否判定結果が当たりである場合には、保留個数の値に関わらず、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンが選択される。ここで、当否判定結果が当たりである場合には、「ノーマルリーチ」よりも、「スーパーリーチ」となる変動パターンの方が選択され易く設定されている。よって、当否判定結果が当たりである場合には、「スーパーリーチ」の変動パターンが実行されて大当たりとなる頻度が増え、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されると大当たりへの期待を持ちやすい。
なお、「ノーマルリーチ」の大当たりの変動パターンであるノーマルリーチ大当たり変動パターンAは、左図柄列Z1と右図柄列Z3とで同じ図柄で停止表示されるリーチ表示態様を経て、中図柄列Z2が所定時間変動表示した後に、リーチ表示態様の主図柄と同じ図柄で停止表示される変動表示態様である。「ノーマルリーチ」の大当たりの変動パターンは、後述する「スーパーリーチ」の大当たりとなる変動パターンと比較して、比較的に短い変動時間で構成されている。
「スーパーリーチ」の大当たりの変動パターンであるスーパーリーチ大当たり変動パターンA〜Cは、ノーマルリーチ大当たり変動パターンAと同様に、リーチ表示態様で表示され、その後に、キャラクタ等が表示されて、リーチ表示態様で表示されている図柄と同じ図柄で中図柄列Z2が停止表示されるか否の演出が実行される。「スーパーリーチ」の変動パターンは、「ノーマルリーチ」の変動パターンよりも比較的に長い変動時間で構成されている。
次に、特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンとしては、外れ用の変動パターンとして、「短時間外れ(短時間用)」、「長時間外れ(短時間用)」、「ノーマルリーチ外れ」、「スーパーリーチ外れ」が規定されている。「短時間外れ」の変動パターンである短時間外れ変動パターンは、他の変動パターンよりも短い変動時間(800ms)で構成され、リーチ表示態様で表示されることなく、所定時間の間、主図柄が変動表示された後に、左図柄列Z1、右図柄列Z3、中図柄列Z2の順で主図柄が停止表示される表示態様が実行される。「長時間外れ」の変動パターンである長時間外れ変動パターンは、短時間外れ変動パターンよりも長い変動時間(12000ms)で構成されている。「ノーマルリーチ外れ」の変動パターンであるノーマルリーチ外れ変動パターンは、ノーマルリーチ大当たり変動パターンの対して中図柄列Z2がリーチ表示態様の図柄とは異なる図柄で最終的に停止表示されることで異なる表示態様で構成された抽選結果が外れである事を示す表示態様である。このノーマルリーチ外れ変動パターンは、当否判定結果が外れである場合には、後述するスーパーリーチ外れ変動パターンよりも選択され易く構成されている。また、「スーパーリーチ外れ」であるスーパーリーチ外れ変動パターンは、スーパーリーチ大当たり変動パターン各種に対して、最終的に外れを示す表示態様で表示される点で異なる表示態様である。
特別図柄の当否判定結果が外れである場合には、変動開始時の特別図柄の保留個数が0〜2個である場合と3個〜4個である場合とで、選択される変動パターンの割合が異なるように変動種別カウンタCS1が各変動パターンにそれぞれ割り付けされている。
保留個数が0個〜2個である場合には、「短時間外れ」の変動パターンには、変動種別カウンタCS1の値が割り付けられておらず、選択されない構成となっている。これにより、保留個数が0〜2個である時には、選択される変動パターンの変動時間が比較的長くなり、その間に始動口64に遊技球を入球させやすくして、特別図柄の変動が停止した期間(遊技の抽選が実行されない期間)が発生してしまうのを抑制できる。
また、保留個数が3個〜4個である場合には、「短時間外れ」の変動パターンが選択される割合が多く設定されている。これにより、保留個数が3個〜4個と上限個数に近い場合には、短い変動パターンが選ばれやすく構成することで、始動口64に入球しても、保留個数以上の無効球となってしまう不具合を抑制することができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通当たり乱数テーブル202c(図13(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通当たり乱数テーブル202c(図13(c)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ第2当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常遊技状態(低確率遊技状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で電動役物64cが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短中、確変期間においては、2秒間の開放時間で電動役物64cが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜20」であれば、通常当たりとして、第2始動口64bが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2始動口64bが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。また、第2当たり乱数カウンタC4の値が「21〜28」であれば、長時間当たりとして、第2始動口64bが「2秒×2回」だけ開放される。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通当たり乱数テーブル202c(図17(a)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、始動口64に付随する電動役物が「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、始動口64に付随する電動役物の解放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2始動口64bへ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2始動口64bが「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図10に戻り、説明を続ける。RAM203は、図11に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図42参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図31参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図27参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図12(b)に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、確変フラグ203fと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が始動口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、始動口64の入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1始動口64aへ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図35のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS206、図27のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図29のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図28のS605参照)。
球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図29のS705)。一方、球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図29のS703:No)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
確変フラグ203fは、遊技状態が確変である場合にオンに設定されるフラグである。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図30参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、タッチセンサ290、選択スイッチ293などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される背景モードを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図14(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、SW予告選択テーブル222b、タッチ演出抽選テーブル222cが格納されている。また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、図14(b)に示すように、入賞情報格納エリア223a、特別図柄保留球数カウンタ223b、普通図柄保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、時間演出実行フラグ223g、設定時間記憶エリア223h、準備期間フラグ223i、開始期間フラグ223j、SW有効時間記憶エリア223k、SW回数カウンタ223m、演出モード記憶エリア223n、待機フラグ223o、待機カウンタ223p、タッチ演出有効時間記憶エリア223q、カーソル位置記憶エリア223r、レベル記憶エリア223s、間隔カウンタ223t、発射カウンタ223u、発射停止フラグ223v、枚数記憶エリア223w、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図47参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図27を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図27参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図20を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図20は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図46のS1801参照)の終了後に実行される初期化処理(図46のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図31参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図48(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、始動口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図46参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像(図示なし)を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は、それを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合はそれを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」、「×」を示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図20に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1始動口64aまたは第2始動口64bへの入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、始動口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2始動口64bへ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図28を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図28は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。
MPU231は、この背面種別によって、背景モードに対応した背景(海中、浜辺、準備期間の背景、時間演出専用の背景)のいずれかを表示させることが特定される場合は、背景のうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図28の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図23参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図22を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図22は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図22のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図30のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図30の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図22の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図示しない電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図46参照)の中でオンに設定される(図46のS1805参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図56(b)のS3405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図48(b)のS1901参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図47(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2109参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図49〜図52参照)および表示設定処理(図53〜図55参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図56(a)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図56(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図57参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図48(b)のS2103参照)の中で、ポインタ更新処理(図55)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図23を参照して、描画リストの詳細について説明する。図23は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図23に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図48(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図53のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図46のS1802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図72参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図57のS3517参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図57のS3518参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233iは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図58のS3602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図48(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図58のS3602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図24から図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C2、C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1始動口64aへの入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図25〜図27を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図37および図39を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図25は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図32参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。S207の処理が実行された後には、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図26を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図26を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S212)、大当たり種別が大当たりBであれば、RAM203の時短中カウンタ203eに100を設定する(S214)。その後、S220の処理を実行する。また、大当たり種別が大当たりAであれば、確変フラグ203fをオンに設定して、大当たり遊技後の遊技状態を確変期間である高確率に設定する(S213)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図26は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図24参照)の特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理(S208)では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値を取得する(S301)。
次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S302)。なお、確変期間であるか否かの判断は、図示を省略した確変フラグ203fがオンであるか判別することにより実行される。この確変フラグは、大当たりAに基づく大当たり遊技終了したことに基づいて、オンに設定される。一方、大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される。
確変中であると判別された場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S303の処理に移行する。S303の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であると判別した場合には(S302:No)、S304の処理を実行する。S304の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜59」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、大当たり遊技後次の大当たりまで確変期間)であると判定し、「60〜99」の範囲にあれば、大当たりB(16R大当たり、普通図柄の時短期間100回)である判定する。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定されている。大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとしては、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種、が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図32)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図27を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図27は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、始動口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が始動口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、始動口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が始動口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、始動口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、始動口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、始動口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理において、S405の処理で取得した各カウンタの値に基づいて、変動開始時における当否判定結果を判別する(S407)。S407で判別した当否判定結果について判別する(S408)。当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S408:Yes)、大当たり入賞コマンドを設定する(S409)。一方、当否判定結果が外れであると判別した場合には(S408:No)、外れ入賞コマンドを設定する(S410)。S409,S410の処理が終了した後には、この処理を終了する。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S107)について説明する。図28、この普通図柄変動処理(S107)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、始動口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、始動口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、始動口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、始動口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、始動口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に始動口64に球が入ることを抑制していても、始動口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、始動口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が始動口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、始動口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、始動口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、始動口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、始動口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、始動口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図29のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図29は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S701:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、S706の処理へ移行する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、S706の処理へ移行する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図30は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図31を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図31は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS913へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図32のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図32を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図32は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図24参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図24参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図25参照)や始動入賞処理(図27参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、始動口64に付随する電動役物64cの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS612の処理によって電動役物64cの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64cの開閉制御を開始する。尚、この電動役物64cの開閉制御は、普通図柄変動処理における図38のS630の処理またはS634の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS610の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図28参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図40のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図33から図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図33は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1318の電源断処理(図35参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図35のS1315参照)、S1318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図35のS1317参照)。つまり、電源断フラグは、S1318の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
S1212の処理では、時間設定処理を実行する(S1212)。なお、この時間設定処理(S1212)については、図34を参照して、詳細について説明する。図34は、この時間設定処理(S1212)を示したフローチャートである。時間設定処理(図34、S1212)では、RTC292より時間情報を取得して、その時間情報に基づいて、準備期間と時間演出期間をそれぞれ設定時間記憶エリア223hに設定する処理を実行する。
時間設定処理(図34、S1212)では、まず、RTC292より時間情報を取得する(S1221)。ここで取得される時間情報は、「時、分」の値が取得される。なおRTC292は、内部に電池を有した計時手段であり、パチンコ機10を組み立てる際に、所定の治具によりパチンコ機10に同じ現在時刻が初期設定される構成となっている。内部電池の容量は、約3年半程度の稼働時間となっている。また、RTC292は、カレンダー機能も有しており、「年月日」も判別可能な構成となっている。よって、例えば、クリスマスの日には、クリスマス専用の背景画像に変更させたり、サンタ等の特別なキャラクタ等を表示させる制御をすることも可能なように構成されている。
取得した時間情報は期限データ内であるか判別する(S1222)。ここで、期限データは、本実施形態では、RTC292の内部電池の容量である3年半以内の3年に設定されている。製造時に予め設定された日にちから3年後の日付が期限データとして設定されており、その日にち以降であると判別された場合には、時間演出の設定が実行されないように構成されている。このように構成することで、電池の容量不足等により、時間に遅れ等が生じて、パチンコ機10同士で時間演出の開始タイミングの同期ができなくなる不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、製造時に予め設定された日にちから3年後の日付であるかを判別して、後述する時間演出実行フラグ223gをオンに設定するように構成したが、それに限らず、RTC292に電力を供給している電池の電圧値を判別して、電圧値が所定電圧以上(例えば、3.3V以上)である場合には、時間演出実行フラグ223gをオンに設定するようにしてもよい。ここでは、RTC292が正常に動作可能な電圧値以上に設定することが望ましい。
S1222の処理において、取得した時間情報が期限データ外である、即ち、3年以上経過していると判別した場合には(S1222:No)、この処理を終了する。一方、取得した時間情報が期限データ内である、即ち、3年以内であると判別した場合には(S1222:Yes)、時間演出実行フラグ223gをオンに設定する(S1223)。取得した時間情報に基づいて、準備期間、時間演出期間をそれぞれ算出して、設定時間記憶エリア223hに設定する(S1224)。ここで、本実施形態では、パチンコ機10に電源が投入された時間から54分間を通常遊技期間(演出モードA)、その後の1分間を準備期間(演出モードB)、準備期間経過後から5分間を時間演出期間(演出モードC)として設定されている。時間演出期間の5分が経過した後には、再び、54分の通常遊技期間が設定されて、その後、同様に各期間が設定されるように構成されている。
上記した、各期間については、詳細について後述するが、通常遊技期間と時間演出期間とでは、表示される予告内容や特別図柄が表示される背景画像の種別が切り替えられて表示される。また、準備期間では、通常遊技期間から時間演出期間に切り替わるための準備を行うための期間であり、時間演出期間に切り替わるまえに、準備期間で通常遊技期間で選択された特別図柄の変動が終了するように設定されている。
なお、本実施形態では、取得した時間情報に基づいて、24時間分の準備期間、時間演出期間を算出して設定時間記憶エリア223hに設定するように構成したが、それに限らず、まず、通常に遊技を実行する54分を設定して、その期間をカウントダウンまたは、カウントアップ等で計測して、54分が経過したことに基づいて、準備期間を設定するように構成してもよい。また、それ以外にも、54分後の時間を設定して、その時間に達したことを契機に次の期間の時間を設定するように構成してもよい。このように構成することで、記憶エリアの必要容量を少なくすることができる。よって、パチンコ機10をより安価に構成することができる。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1311のコマンド判定処理や、S1312の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1311の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1312の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1314の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。なお、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)については、図40を参照して、詳細について後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。このコマンド判定処理(図36、S1311)の処理が実行された後には、変動表示設定処理が実行される(S1312)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図38を参照して後述する。
S1312の処理が終わると、同期演出管理処理(S1313)の処理を実行する。この同期演出管理処理(S1313)については、図39を参照して、詳細について後述する。S1313の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1317)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1317の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1317:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1319)、電源断処理を実行する(S1320)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1321)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1317の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1317:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1318)、RAM223が破壊されていなければ(S1318:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1318:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図36は、このコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図33参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、変動開始フラグ223dをオンに設定して(S1402)、変動パターン選択処理を実行する(S1403)。その後、この処理を終了する。
ここで、図37を参照して、この変動パターン選択処理(S1403)の詳細について説明する。図37は、この変動パターン選択処理(S1403)を示したフローチャートである。
変動パターン選択処理(S1403)では、まず、演出カウンタ223fの値を取得する(S1501)。演出カウンタ223fは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図35参照)が実行される毎に1ずつ加算されるカウンタであり、0〜198までの範囲で繰り返し更新されるカウンタである。次に、演出モード記憶エリア223nに設定されている演出モードが演出モードAであるか判別する(S1502)。
ここで、本実施形態では、演出モードA、演出モードB、演出モードCがそれぞれ設定されるように構成されている。各演出モードは、パチンコ機10に電源が投入されて、遊技が開始されてから所定時間が経過する毎に設定されるように構成されている。電源投入後から54分間は、通常遊技期間として演出モードAが、その54分間が経過すると、その後の1分間、準備期間として演出モードBが設定され、準備期間の1分間が経過すると、その後の5分間、時間演出期間として演出モードCがそれぞれ設定される。時間演出期間の5分間が経過した後には、再び通常遊技期間である演出モードAが設定され、演出モードB、演出モードCが繰り返し設定される。
このように、パチンコ機10に電源が投入されてから、予め定められた所定時間が経過する毎に演出モードを切り替えるように構成することで、複数のパチンコ機10に対して同時に電源を投入するようにすることで、複数のパチンコ機10で演出モードが切り替わるタイミングを合わせることができる。よって、複数のパチンコ機10で同様の演出を同じタイミングで実行することができる。
演出モードAが設定されている(即ち、通常遊技期間である)と判別した場合には(S1502:Yes)、対応する特別図柄の変動パターン選択テーブルA(図15参照)または変動パターン選択テーブルB(図16参照)より当否判定結果、保留個数、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを選択して設定する(S1503)。その後、SW予告選択テーブル(図19(a)参照)よりSW予告を当否判定結果、選択された変動種別、演出カウンタ223fの値に基づいて選択して設定する(S1504)。
なお、図19(a)に示すように、SW(スイッチ)予告はノーマルリーチとスーパーリーチの変動パターンが選択されている場合に選択されるように設定されている。その他の変動パターンが選択されている場合には、SW予告は選択されずにこの処理が終了して設定される。本実施形態では、ノーマルリーチとスーパーリーチとのいずれかが選択されている場合にSW予告が選択されるように構成したが、それに限らずに他の変動パターンが選択された場合にも選択されるように設定してもよい。また、選択されている変動パターンに限らず、所定の選択抽選を実行して、その抽選に当選した場合にSW予告が選択されるように構成しても当然よい。
ここで、SW予告の内容について図7及び図19(a)を参照して説明する。図7に示すように、SW予告が選択されると、枠ボタン22の形状を模した図柄が3つ第3図柄表示装置81に表示される。それぞれの枠ボタン22を模した図柄には、下部にSW有効時間を示すインジケータが表示される。各インジケータは、SW有効時間が経過するのに合わせて色が可変して表示される構成となっている。
図7(a)に示すように、SW予告で3個表示される枠ボタン22を模した図柄には、「pushA」、「pushB」、「pushC」とそれぞれ表示されており、SW有効時間内に枠ボタン22を押下すると図7(b)に示すように予告図柄が表示される。枠ボタン22が押されることにより、「pushA」と示された枠ボタン22を模した図柄が予告図柄に可変して表示される。次に、枠ボタン22が押下されると「pushB」が、その次に枠ボタン22が押下されると「pushC」がそれぞれ予告図柄に可変するように構成されている。本実施形態では、3回の押下回数のSW予告が選択されていることを遊技者は、枠ボタン22を模した図柄により判別することができる。
また、図19に示すように、当否判定結果が当たりである場合には、外れである場合よりも魚の群れが表示される予告図柄である「魚群」が選択され易いように構成されている。また、SW押下回数を押下して、最初の1回目(「pushA」に該当)には魚が泡を吐いている予告図柄が表示される「泡」の予告図柄が選択され、2回目以降に「魚群」や金色の魚の群れが表示される「金魚群」、大きな魚の群れが表示される「大魚群」が設定されるように構成されている。
このように構成することで、遊技者は枠ボタン22を押す毎に、表示される予告図柄が変化して、大当たりの場合に選択され易い「魚群」、「金魚群」、「大魚群」が表示されないかと期待して遊技を行うことができる。よって、遊技者は、楽しみながら遊技を行うことができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。また、「金魚群」や「大魚群」は、当否判定結果が大当たりの場合にのみに設定されているので、遊技者は「金魚群」や「大魚群」が表示されることで、当否判定結果が大当たりであることを第3図柄が停止表示されるよりも早く知ることができる。
ここで、SW予告が設定される処理についてさらに詳細に説明する。例えば、当否判定結果が当たりであり、S1503の処理で選択された変動パターンがノーマルリーチであり、演出カウンタ223fの値が50であれば、SW回数カウンタ223mの値が「3」(即ち、「pushA」のSW予告図柄)に対して「予告なし」が選択され、SW回数カウンタ223mの値が「2」(即ち、「pushB」のSW予告図柄)に対して「泡」が選択され、SW回数カウンタ223mの値が「1」(即ち、「pushC」のSW予告図柄)に対して「泡」が選択される。このように、それぞれの押下回数に対して、SW予告の内容が予め設定されることで、枠ボタン22が押下された場合に表示設定する処理を容易に行うことができる。なお、SW予告が選択される場合に、各SW予告(「pushA」〜「pushC」)のSW有効時間が設定される。本実施形態では、SW有効時間は、各SW予告に対してそれぞれ個別に設定して、そのSW有効時間が経過しても枠ボタン22が押下されない場合には、枠ボタン22を模した図柄が非表示となり、SW予告の内容は表示されない。本実施形態では、各SW予告の有効時間は、予め決められた時間、例えば、「pushA」では、変動時間開始から4秒間、「pushB」に対しては、変動時間開始から「6秒間」、「pushC」では、変動時間開始から8秒間として設定されるように構成した。
なお、本実施形態では、各SW予告に対して、予め定められた順で枠ボタン22が押下する毎に、SW予告が順に表示されるように構成したが、それに限らず、遊技者が選択スイッチ291等で表示させるSW予告を選択した後に、枠ボタン22を押下することによりSW予告の内容を表示するように構成してもよい。
図37に戻って説明を続ける。S1502の処理において、演出モードAが設定されていないと判別した場合には(S1502:No)、演出モードBが設定されているか(即ち、準備期間であるか)判別する(S1505)。演出モードBが設定されていると判別した場合には(S1505:Yes)、対応する特別図柄の変動パターン選択テーブルC(図17参照)より変動パターンを選択して設定する(S1506)。準備期間では、専用の背景画面が設定されて背景に準備期間であることを示す「まもなくふれあいタイム開始!!」という文字が表示される。ふれあいタイムとは、時間演出期間を示したものである。また、準備期間中には、背景画像に1分間をカウントダウン表示した時間表示が実行される。これにより、後どのくらいで時間演出期間が開始されるかを遊技者に分かり易く報知できる。
また、準備期間では、予告演出が設定されないように構成されている。このように構成することで、時間演出期間が開始された場合に、準備期間で設定された予告表示が表示されて、時間演出期間で設定される専用の予告演出と異なる予告演出が表示される不具合を抑制できる。
一方、S1505の処理において、演出モードBが設定されていない、即ち、演出モードC(時間演出期間)が設定されていると判別した場合には(S1505:No)、対応する特別図柄の変動パターン選択テーブルD(図18参照)より変動パターンを選択して設定する(S1507)。予告選択テーブルC(図示せず)より予告演出表示を選択して設定する(S1508)。なお、予告選択テーブルCでは、当否判定結果と演出カウンタ223fの値とに基づいて、予告内容が選択される。選択される予告内容は、遊技者に当否判定結果を事前に予告するものであり、時間演出期間専用の予告内容となる。
ここで、図36に戻って説明を続ける。S1401の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S1401:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1404)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1404:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1405)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1406)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1404:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1407)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1407:Yes)、受信した保留球数コマンドより特別図柄の保留球数を抽出して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1406)。S1406の処理の終了後は、メイン処理に戻る。S1407の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1407:No)、次いで、主制御装置110より特別図柄の入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1409)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S1409:Yes)、受信した入賞コマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する(S1410)。その後、メイン処理に戻る。
上述したように、本パチンコ機10では、球が始動口64へ入賞(始動入賞)すると、主制御装置110において各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得された各カウンタC1〜C3の各値が、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶される。また、主制御装置110において各カウンタC1〜C2、CS1の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、取得された各カウンタC1〜C2の各値から、その本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が先読み(予測)される。そして、主制御装置110において先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞コマンドが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信される。
S1409の処理において、特別図柄の入賞コマンドを受信していない場合には(S1409:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1419)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)について説明する。図54は、この変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(図38、S1312)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S1511)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1511:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1516の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S1511:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S1512)、次いで、変動パターンコマンドから選択した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1513)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1514)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。また、ここで選択された各予告内容についても通知される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1515)。この処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1516の処理へ移行する。
S1516の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S1505)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1516:No)、この処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S15016:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S1517)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得し、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1518)、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1519)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。S1509の処理が実行された後には、この処理を終了する。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図35)内の一処理である同期演出管理処理(S133)について説明する。図39は、この同期演出管理処理(S1313)を示したフローチャートである。この同期演出管理処理(S1313)では、RTC292より時間情報を取得して、その時間情報に基づいて、準備期間、時間演出期間であるかを判別して、それを示す演出モードを設定する処理を実行する。
同期演出管理処理(図39、S1313)では、まず、時間演出実行フラグ223gがオンに設定されているか判別する(S1601)。時間演出実行フラグ223gがオフであると判別した場合には(S1601:No)、この処理を終了する。一方、時間演出実行フラグ223gがオンであると判別した場合には(S1601:Yes)、RTC292より「時、分」の時間情報を取得する(S1602)。準備期間中であることを示す準備期間フラグ223iがオンであるか判別する(S1603)。準備期間フラグ223iがオンであると判別した場合には(S1603:Yes)、S1602の処理で取得した時間データは、設定時間記憶エリア223hに設定されている時間演出期間であるか判別する(S1604)。時間演出期間でないと判別した場合には(S1604:No)、この処理を終了する。
一方、時間演出期間であると判別した場合には(S1604:Yes)、準備期間フラグ223iをオフに設定する(S1605)。時間演出期間であることを示す開始期間フラグ223jをオンに設定する(S1606)。演出モード記憶エリア223nに演出モードCを設定する(S1607)。その後、演出モードC(時間演出期間)であることを表示制御装置114に対して通知するための表示用演出コマンドを設定する(S1608)。この演出モードCを示す表示用演出コマンドを表示制御装置114が受信すると第3図柄表示装置81に時間演出期間に対応した表示態様を表示するように設定が実行される。
ここで、時間演出期間では、図8(a)〜図8(b)、図9(a)〜図9(b)に示すように、第3図柄が右下に縮小して表示されて、犬の画像がその他の領域に表示される。そして、表示領域の左下には、遊技者にタッチセンサ290や枠ボタン22の操作を報知する表示態様が表示される。また、表示領域の右上には、時間演出期間の残り時間が表示される。
このように、時間演出期間となると、通常時の表示態様(図4(b)参照)とは異なる表示態様が表示される。時間演出期間の遊技については、詳細について後述するが、第3図柄(特別図柄)の変動表示が実行されているか否かに関わらず遊技者の操作によって、動的表示する表示態様(犬とふれあう演出)が表示されるように構成されている。よって、遊技者は、時間演出期間の間は、遊技球を発射していなくても遊技を楽しむことができる。また、図8(b)に示すように、時間演出期間で表示される表示態様では、犬とふれあう内容を選択するように構成されている。本実施形態では、犬をなでる演出と犬をブラッシングする演出とを遊技者が選択するように構成されている。犬をなでる演出を選択すると、図9(a)に示すように、タッチセンサ290に手をかざすことで、犬をなでる演出が実行される。犬をなでることにより、表示されているインジケータが加算されて、最大まで加算される遊技者に有利な特典が付与されるチケットが遊技者に遊技の表示上で付与される。チケットが付与されると、第3図柄表示装置81にチケットの枚数が加算されて表示される。図9(a)の例では、「チケット×1」と表示されて、現在の付与されたチケットの残り枚数の合計が1枚であることが遊技者に報知される。また、図8(b)に示した表示態様で、ブラッシングを選択すると、図9(b)に示すように、タッチセンサ290に手をかざすことで、犬をブラッシングする演出が表示される。なでる演出と同様に、ブラッシングの演出でも遊技者がチケットを獲得することが可能に構成されている。ここで、付与されたチケットは、通常遊技期間で、枠ボタン22を長押しすることで、チケット1枚につき一度、保留されている特別図柄の当否判定結果を事前に遊技者が知ることができるように設定されている。これにより、遊技者は、遊技の途中で離席したい場合や、遊技を辞めようと思う場合に、チケットを使用して、保留されているものの当否判定結果を事前に知ることで、特別図柄の変動表示が終了するまで待たなくとも、当否判定結果を判別して、大当たりでなければ早く席を離れることが可能となる。このような構成では、トイレに遊技者が行きたいと思った場合にも、早くトイレに行くことが可能となり、効率良く遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、時間演出期間で表示される演出において、遊技者が積極的に参加した場合に遊技者にチケットを付与したが、それに限らず、例えば、演出モードに限らず、大当たりの場合に選択されやすい変動種別(例えば、スーパーリーチ)が選択された場合に、その抽選結果が外れの場合にチケットを付与するように構成してもよい。この場合、特別図柄の中図柄にチケットを付与することを示す図柄を設定しておき、チケットが付与される場合には、その図柄を停止表示するように構成することで、遊技者に分かり易く報知できる。また、所定回数、特別図柄の抽選が実行されても大当たりとならない場合に、遊技者に付与するように構成してもよい。
図39に戻って説明を続ける。S1603の処理において、準備期間フラグ223iがオフであると判別した場合には(S1603:No)、開始期間フラグ223jがオンである判別する(S1609)。開始期間フラグ223jがオンであると判別した場合には(S1609:Yes)、S1602の処理で取得した時間データが時間演出期間外であるか判別する(S1610)。時間演出期間外であると判別した場合には(S1610:Yes)、開始期間フラグ223jをオフに設定し(S1611)、演出モード記憶エリア223nに演出モードA(通常遊技期間)を設定する(S1612)。演出モードAであることを表示制御装置114に対して通知するための表示用演出コマンドを設定する(S1613)。その後、この処理を終了する。なお、表示制御装置113は、このコマンドを受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を図6(b)に示すような通常の表示態様に切り替える処理を実行する。
一方、S1609の処理において、開始期間フラグ223jがオフであると判別した場合には(S1609:No)、S1602の処理で取得した時間データが準備期間内であるか判別する(S1614)。取得した時間データが準備期間内であると判別した場合には(S1614:Yes)、準備期間フラグ223iをオンに設定して(S1615)、演出モード記憶エリア223nに演出モードBを設定する(S1616)。演出モードBを表示制御装置114に対して通知するための、表示用演出コマンドを設定する(S1617)。その後、この処理を終了する。なお、表示制御装置114では、このコマンドを受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81に準備期間に対応した背景画像等に切り替える処理が実行される。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)について説明する。図40は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)を示したフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理(図40、S1307)では、まず、発射センサ293がオンであるか判別する。この発射センサ293は、図2に示すように、レール61の先端部に遊技領域に発射される遊技球を検出できる構成となっている。発射センサ293は、遊技球が通過することによる磁気の変化を検出することにより遊技球の通過を検出する構成となっている。
S1701の処理において、発射センサ293がオンであると判別した場合には(S1701:Yes)発射カウンタ223uを初期値である0にリセットして(S1702)、発射停止フラグ223vをオフに設定する(S1703)。その後、S1707の処理を実行する。
一方、発射センサ293がオフであると判別した場合には(S1701:No)、発射カウンタ223uの値に1加算して更新する(S1705)。発射カウンタ223uの値が上限値(本実施形態では、30秒に対応するカウント値(30000))以上であるか判別する(S1705)。発射カウンタ223uが上限値以上であると判別した場合には(S1705:Yes)、遊技球の発射が行われていないことを示す発射停止フラグ223vをオンに設定する(S1706)。その後、S1707の処理を実行する。
このように、本実施形態では、音声ランプ制御装置113が遊技球を発射しているか否かを判別することができる。詳細には、後述するが、時間演出期間における演出で、遊技球を発射して遊技を行っている遊技者に対しては、発射を行っていない遊技者よりもチケットが付与され易く構成している。このように構成することで、遊技球を発射して、遊技を行っている遊技者に対して、より多くの特典を付与することができ、遊技者に遊技球を発射して遊技を行うことを促すようにできる。
S1707の処理では、演出モード記憶エリア223nに演出モードAが設定されているか(即ち、通常遊技期間であるか)判別する(S1707)。演出モードAが設定されていると判別した場合には(S1707:Yes)、SW演出制御処理を実行する(S1708)。
ここで、図41を参照して、SW演出制御処理(S1708)について説明する。図41は、このSW演出制御処理(S1708)を示したフローチャートである。SW演出制御処理(S1708)では、まず、SW有効時間が設定されているか判別する(S1721)。SW有効時間が設定されていないと判別した場合には(S1721:No)、先読み報知可能期間であるか判別する(S1722)。この先読み報知可能期間であるかの判別は、大当たり遊技中や待ち受け中、獲得しているチケットが一枚もない場合等の先読みが実行不可能である期間でないか判別する。ここでは、図示は省略したが、先読みの報知が可能であることを示すフラグを設定して、そのフラグがオンであるか判別する処理が実行される。このフラグは、大当たり中等の先読み報知が不可能な期間となるとオフに設定される。先読み報知可能な期間では、図6(a)に示すように、枠ボタン22を長押しするとチケットを使用して先読みが報知されることを報知する報知態様が表示される。そして、その状態で、遊技者が枠ボタン22を長押しすると、図6(b)に示すように、小領域Ds1に表示されている保留図柄の色が当否判定結果に基づいて可変して表示される。図6(b)に示すように、保留されている特別図柄の抽選結果に大当たりであるものが記憶されていると、その大当たりに対応する保留図柄の色が金色に可変されて表示される。そして、小領域Ds2に「チャンス!!」の文字が表示されて、保留されている中に、大当たりとなるものが含まれていることが遊技者に報知される。なお、保留の中に、大当たりとなるものが記憶されていない場合には、保留図柄の色は可変されず、小領域Ds2に「残念!!」の文字が表示される。
先読み報知可能期間であると判別した場合には(S1722:Yes)、枠ボタン22が押下されているか判別する(S1723)。枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S1723:No)、S1727の処理を実行する。一方、枠ボタン22が押下されていると判別した場合には(S1723:Yes)、SW押下時間カウンタ(図示せず)に1加算して更新する。SW押下時間カウンタの値が上限値(本実施形態では、3秒を示すカウンタ値(3000))より大きい値であるか判別する(S1725)。SW押下時間カウンタが上限値より大きい値であると判別した場合(即ち、枠ボタン22が長押しされた場合)には(S1725:Yes)、チケット処理を実行する(S1726)。その後、S1727の処理を実行する。
ここで、図42を参照して、チケット処理(S1726)について説明する。図42は、このチケット処理(S1726)を示したフローチャートである。チケット処理(S1726)では、まず、特別図柄保留球数カウンタ223bの値が0より大きい値であるか(即ち、保留個数が0より大きいか)判別する(S1741)。保留個数が0であると判別した場合には(S1741:No)、この処理を終了する。一方、特別図柄保留球数カウンタ223bの値が0よりも大きい値であると判別した場合には(S1741:Yes)、枚数記憶エリア223wの値を1減算する(S1742)。保留内に大当たりとなる保留があるかを入賞情報格納エリア223aより判別する(S1743)。保留内に大当たりとなる保留が記憶されていると判別した場合には(S1743:Yes)、大当たりである保留図柄の色を金色に可変させることを通知する表示用保留コマンドを設定する(S1744)。一方、すべての保留が外れであると判別した場合には(S1743:No)、外れに対応した先読み結果を表示させる表示用保留コマンドを設定する(S1745)。ここで、外れに対応した表示用保留コマンドを表示制御装置114が受信した場合には、チケットの枚数を1減算して表示して、小領域Ds2(図4(b)参照)に「残念!!」の文字を表示する処理を実行する。
このように、チケットを使用して、保留されている特別図柄の抽選結果を遊技者が希望するタイミングで遊技者に報知することができるので、遊技者は、チケットが付与されることを魅力に感じることができる。よって、時間演出期間において、チケットを得ようと、ふれあい演出を遊技者が遊技するように仕向けることができる。
なお、本実施形態では、チケットを使用する特典として、先読み結果を報知するように構成したが、それに限らず、遊技の状態(高確率遊技状態であるか、通常確率遊技状態であるか)を遊技者に報知しない構成として、チケットを使用することで、現在の遊技状態を報知するように構成してもよい。このように構成することで、大当たりとなった場合にその後の遊技状態が確変であるかを判別することが困難となり、大当たり後にも遊技を続けさせるように構成できる。この場合に、チケットを使用することで、現在の遊技状態を判別できるので、より時間演出期間にチケットを獲得しようと遊技者に思わせるようにできる。よって、遊技者が時間演出期間により価値を感じさせることができる。なお、その他、チケットに付与される特典は、他の特典を設定するように構成してもよい。複数の特典を設定して、遊技者が選択できるように構成してもよいし、チケットの獲得枚数により特典の内容を可変させるように設定してもよい。
図41に戻って説明を続ける。チケット処理(図42、S1726)が実行された後には、S1727の処理が実行される。S1727の処理では、SW押下時間カウンタ(図示せず)がリセットされる(S1727)。その後、この処理を終了する。
一方、S1721の処理において、SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S1721:Yes)、SW有効時間記憶エリア223kの値を減算してSW有効時間を更新する(S1728)。枠ボタン22が押下されているか判別する(S1729)。枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S1729:No)、この処理を終了する。一方、枠ボタン22が押下されていると判別した場合には(S1729:Yes)、SW回数カウンタ223mの値に対応するSW予告選択テーブル222b(図19(a)参照)より選択されている予告内容を示す表示用予告コマンドを設定する(S1730)。SW回数カウンタ223mの値を1減算して(S1731)、SW回数カウンタ223mの値が0であるか判別する(S1732)。SW回数カウンタ223mの値が0でないと判別した場合には(S1732:No)、この処理を終了する。一方、SW回数カウンタ223mの値が0であると判別した場合には(S1732:Yes)、SW有効時間を初期値である0にリセットして設定する(S1733)。その後、この処理を終了する。
図40に戻って説明を続ける。S1707の処理において、演出モード記憶エリア223nに演出モードAが設定されていないと判別した場合には(S1707:No)、演出モードCが演出モード記憶エリア223nに記憶されていか判別する(S1709)。演出モードCが設定されていない(即ち、演出モードBが設定されている)と判別した場合には(S1709:No)、この処理を終了する。演出モードCが設定されていると判別した場合には(S1709:Yes)、特殊SW演出制御処理を実行する(S1710)。
ここで、図43を参照して、特殊SW演出制御処理(S1710)について説明する。図43は、この特殊SW演出制御処理(S1710)を示したフローチャートである。特殊SW演出制御処理(S1710)では、まず、待機フラグ223oがオンであるか判別する(S1751)。この待機フラグ223oは、図8(a)に示すように、時間演出期間において、ふれあい演出で第3図柄表示装置81に表示される犬が待機している状態であることを示すフラグである。タッチセンサ290を遊技者がオンにすることで、待機している犬が近づいて表示される(図8(b)参照)。この場合に待機フラグ223oはオフに設定される。
待機フラグ223oがオンであると判別した場合には(S1751:Yes)、タッチセンサ290がオンであるか判別する(S1752)。タッチセンサ290がオンであると判別した場合には(S1752:Yes)、待機フラグ223oをオフに設定する(S1753)。待機フラグ223oがオフであることを示す表示用状態コマンドを設定する(S1754)。その後、この処理を終了する。一方、S1752の処理において、タッチセンサ290がオフであると判別した場合には(S1752:No)、この処理を終了する。
S1751の処理において、待機フラグ223oがオフであると判別した場合には(S1751:No)、タッチ演出有効時間記憶エリア223qにタッチ演出有効時間が設定されているか判別する(S1755)。タッチ演出有効時間が設定されていると判別した場合には(S1755:Yes)、タッチセンサ制御処理を実行する(S1756)。その後、この処理を終了する。
ここで、図44を参照して、タッチセンサ制御処理(S1756)について説明する。図44は、このタッチセンサ制御処理(S1756)を示したフローチャートである。タッチセンサ制御処理(S1756)では、まず、タッチ演出有効時間を減算してタッチ演出有効時間記憶エリア223qに記憶する。レベル記憶エリア223sに設定されているレベルは上限値(本実施形態では、4)であるか判別する。現在のレベルが上限値であると判別した場合には(S1762:Yes)、この処理を終了する。一方、現在のレベルが上限値未満であると判別した場合には(S1762:No)、タッチセンサ290がオンであるか判別する(S1763)。タッチセンサ290のオンを示す表示用タッチコマンドを設定する(S1764)。演出カウンタ223fの値を取得する(S1765)。間隔カウンタと取得した演出カウンタ223fの値とに基づいて、タッチ演出抽選テーブル222c(図19(b)参照)よりタッチ演出の抽選を実行する。タッチ演出抽選テーブル222cは、図19(b)に示すように、遊技球を発射しているかと、選択されているタッチ演出、間隔カウンタ223tの値とに基づいて、取得した演出カウンタ223fが当たりであるかを判定する。ここで、遊技球を発射している場合には、発射していない場合よりも当たりと判定される演出カウンタ223fの値が多く設定されている。また、タッチ演出には、「なでる」、「ブラッシング」の2種類があり、図9(a)〜図9(b)に示すように、「なでる」と「ブラッシング」では、遊技者に異なる操作でタッチセンサ290をオンにするように促している。図9(a)に示すように、「なでる」演出では、第3図柄表示装置81の表示領域右下に枠ボタン22の周囲に手を回すようにしてタッチセンサ290をオンさせるように操作することを遊技者に促している。これにより、犬の頭を遊技者が円を描いて手でなでるようにする動作と同様にしており、遊技者にあたかも実際に犬をなでているかのように思わせることができる。
一方、「ブラッシング」の演出では、図9(b)に示すように、タッチセンサ290の上方から枠ボタン22の上方側へと直線的に往復して手を動作するように遊技者に促す表示態様が第3図柄表示装置81の表示領域右下に表示される。このように遊技者が犬をブラッシングしている動作と同様の動作をするように促すことで遊技者があたかも犬をブラッシングしているかのように思わせることができる。
「なでる」演出と「ブラッシング」演出とでは、遊技者にタッチセンサ290をオンにさせる為の動作が異なるように促している。ここで、本実施形態では、タッチセンサ290がオンにされると第3図柄表示装置81に表示された犬をなでたり、ブラッシングしたりする表示態様が表示される。結局は、タッチセンサ290の上に手をかざし続けていても犬をなでたり、ブラッシングする演出を行うことが可能に構成している。これにより、センサを1個でも容易になでたり、ブラッシングする演出を行うことができる。さらに、本実施形態では、タッチセンサ290が一度オンにされて、その後オフになった場合に、その時間を間隔カウンタ223tにより計測している。そして、その時間により当たりとなる演出カウンタ223fの値の個数を可変させて設定している(図19(b)参照)。
「なでる」演出では、素早く枠ボタン22の周囲を回すように手を動かしてタッチセンサ290をオンにさせる動作をした場合には、200ms程度の間隔でタッチセンサ290がオンになる。これは、一般的な人が最も早く手を枠ボタン22の外形くらいの大きさの円で手を動かした場合に要する時間を想定している。よって、なでる演出では、151ms〜500msの時間を間隔カウンタ223tがカウントしている場合に、最も当たりとなる演出カウンタ223fの値が多く設定されている。即ち、その時間の範囲の間隔でタッチセンサ290をオンにさせてなでる演出を実行した場合に、最も当たり易く、レベルが良く上がり、チケットを獲得し易く構成されている。
また、その前後の範囲(1ms〜150ms、501ms〜2000ms)については、151ms〜500msの場合よりも少ない数の当たり値が設定されている。また、それ以外の間隔である場合には、最も当たり値の数が少なく設定されており、当たり難く構成されている。ここで、間隔カウンタ223tの値が0msである場合、即ち、タッチセンサ290にずっと手をかざした状態でタッチ演出が行われている場合には、最も少ない当たり値に設定されるように構成したので、なでる演出で促すような動作で遊技者に動作してタッチセンサ290をオンさせるようにすることが可能となる。また、なでる演出で促した動作でタッチセンサ290をオンさせている遊技者には、よりレベルが上がり易いように構成できるので、遊技者が正しい動作で遊技を行うことを促進することができる。
また、ブラッシングの演出では、一般的な人が早く手をタッチセンサ290の上方と枠ボタン22の上端部の上方とまでを直線的に往復させた場合に要する時間は、150msと想定している。よって、71ms〜350msの範囲で間隔カウンタ223tがカウントしている場合に、当たり値の数を最も多く設定している。また、なでる演出と同様に、0msである場合と、2秒より長い間隔である場合には、最も当たり値の数を少なく設定したので、タッチセンサ290に手をかざした状態を続けている遊技者や、極端に遅い動作でタッチセンサ290をオンさせている遊技者には、チケットが与えられる難く構成している。よって、遊技者により正しい動作で遊技を行わせて演出に参加させることができる。
図44に戻って説明を続ける。S1763の処理でタッチセンサ290がオフであると判別した場合には(S1763:No)、間隔カウンタ223tの値に1加算して更新する(S1763)。その後、この処理を終了する。なお、この間隔カウンタ223tは、タッチセンサ290がオンされてから次にオンされるまでの間隔を計測するためのカウンタであり、制御実行間隔より経過時間がカウンタ値に基づいて判別される。また、タッチセンサ290がオンにされると初期値である0にリセットされる(S1772参照)。
S1767の処理では、S1766の処理で判別した抽選結果が当たりであるか判別する(S1767)。抽選結果が外れであると判別した場合には(S1767:No)、S1772の処理を実行する。一方、抽選結果が当たりであると判別した場合には(S1767:Yes)、レベル記憶エリア223sに1加算して設定する(S1768)。レベル記憶エリア223sの値を示す表示用コマンドを設定する(S1769)。この表示用コマンドを表示制御装置114が受信すると、図9(a)〜図9(b)に示すように、「なでる」演出または「ブラッシング」演出で表示されているインジケータが受信したレベルに合わせて可変して表示される。これにより遊技者は、自身の操作が良かったと認識でき、演出に飽きてしまうことを抑制できる。
レベル記憶エリア223sに設定されているレベルが上限値(本実施形態では、4)であるか判別する(S1770)。レベルが上限値であると判別した場合には(S1770:Yes)、枚数記憶エリア223wに1加算して、その枚数を示す表示用コマンドが設定される(S1771)。一方、レベルが上限値未満であると判別した場合には(S1770:No)、S1772の処理を実行する。表示制御装置114では、この枚数を示す表示用コマンドを受信したことに基づいて、チケット枚数をその枚数に合わせた枚数で表示する処理を実行する。S1772の処理では、間隔カウンタ223tの値を初期値である0にリセットする(S1772)。
このように、間隔カウンタ223tは、タッチセンサ290がオンに設定されたことに基づいて、初期値である0にリセットすることにより正しくタッチセンサ290が操作されている間隔を判別できる。また、本実施形態では、タッチセンサ290がオンであると判別する場合には、タッチセンサ290が所定時間以上(例えば、50ms)オンに設定されている場合にオンであると判別するように構成している。このように構成することで、タッチセンサ290が過度にオンであると判別されて、抽選回数が過大になってしまうことを抑制できる。なお、本実施形態では、所定時間の間、タッチセンサ290がオンであるかを判別する構成としたが、それに限らず、一度オンと判別した場合には、所定期間(例えば50ms)の間は、次にオンであるかの判別を実行しないように構成してもよい。また、現在のレベルにより、演出の抽選確率を可変させてもよいし、タッチセンサ290をオンと判定する間隔を可変させるように構成してもよい。
図43に戻って説明を続ける。S1755の処理において、タッチ演出有効時間が設定されていないと判別した場合には(S1755:No)、間隔カウンタ223t、レベル記憶エリア223sを初期値にリセットする(S1757)。次いで、タッチ演出選択処理を実行する(S1758)。その後、この処理を終了する。
ここで、図45を参照して、タッチ演出選択処理(S1758)について説明する。図45は、このタッチ演出選択処理(S1758)を示したフローチャートである。タッチ演出選択処理(S1758)では、まず、枠ボタン22を押下したか判別する(S1781)。ここで、タッチ演出選択処理(S1758)は、タッチ有効時間が設定されていない場合に実行される処理であるので、第3図柄表示装置81には、図8(b)に示すようにタッチ演出の内容を遊技者に選択させる表示態様が表示されている場合に実行される処理となる。この状態で、枠ボタン22が押下されると第3図柄表示装置81の表示領域左下に表示されているタッチ演出の候補のうち、カーソルで選択されているタッチ演出が決定され、そのタッチ演出が設定される。
枠ボタン22を押下したと判別した場合には(S1781:Yes)、カーソル位置記憶エリア223rに設定されているタッチ演出を選択する(S1782)。選択されたタッチ演出を示す表示用タッチ演出コマンドを設定する(S1783)。その後、この処理を終了する。
一方、枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S1781:No)、選択スイッチ291(図5参照)が操作されたか判別する(S1784)。選択スイッチ291が操作されたと判別した場合には(S1784:Yes)、選択スイッチ291の種別(左選択スイッチ291Lであるか、右選択スイッチ291Rであるか)に対応した位置を示す表示用コマンドを設定する(S1785)。表示制御装置114では、このコマンドに基づいてカーソル位置を移動させて表示させる処理が実行される。カーソル位置を決定して、カーソル位置記憶エリア223rにタッチ演出の情報を設定する(S1786)。その後、この処理を終了する。
一方、S1784の処理において、選択スイッチ291が操作されていないと判別した場合には(S1784:No)、待機カウンタ223pが1加算されて更新される(S1787)。この待機カウンタ223pは、図8(b)に示した表示態様が表示されてから、枠ボタン22、選択スイッチ291のいずれも操作されない時間を計測するためのカウンタである。枠ボタン22、選択スイッチ291のいずれも操作されない時間が予め定められた上限値(本実施形態では、20秒)を越えると、図8(a)で示した待機状態の表示態様に切り替えて表示する処理を実行する。
待機カウンタ223pの値が上限値(本実施形態では、20秒に対応するカウンタ値)より大きいか判別する。待機カウンタ223pの値が上限値以上であると判別した場合には(S1788:Yes)、待機フラグ223oをオンに設定して(S1789)、待機カウンタ223pを初期値である0にリセットして(S1790)、待機フラグ223oがオンであることを示す表示用状態コマンドを設定する(S1791)。その後、この処理を終了する。一方、S1788の処理において、待機カウンタ223pの値が上限値以下であると判別した場合には(S1788:No)、この処理を終了する。
<表示制御装置114における制御処理について>
次に、図46から図58を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図46を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図46は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図47を参照して、ブート処理(S1801)について説明する。図47は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1801)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1901)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1902)。これにより、MPU231は、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1902の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1902の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1903)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1904)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図46のS1801参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図46のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S1801)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図47に示すブート処理では、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1901の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1901及びS1902の処理を含めて複数回繰り返した後、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1901及びS1902の処理を行わずに、S1903〜S1905の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図46の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1802)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1803)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1803の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1804)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1804の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1805)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図71(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図71(a)のS3402参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図48(b)参照)において、図11に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図48(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1始動口64aへ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図示を省略した電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1805の処理の後、割込許可を設定し(S1806)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図48(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図48(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図48(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図48(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図23参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図48(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図11に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2102)を実行し、次いで、表示設定処理(S2103)を実行する。
コマンド判定処理(S2102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図49〜図52を参照して後述する。
表示設定処理(S2103)では、コマンド判定処理(S2102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図53〜図55を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2104)。このタスク処理では、表示設定処理(S2103)もしくは簡易表示設定処理(S2309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンド(図示省略)を受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図56および図57を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2106)。この描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示とから、図23に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図58を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2107)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図示省略)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2309)を実行して、S2104の処理へ移行する。
次いで、図49〜図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2102)の詳細について説明する。まず、図49及び図50は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(図49及び50、S2102)では、図49〜図50に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2201)、未処理の新規コマンドがなければ(S2201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2204)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2205)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図49(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2205)の詳細について説明する。図49(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2303)。表示設定処理では、S2303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2304)、ポインタ233fを0に初期化する(S2305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2306)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図49の説明に戻る。S2204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2206)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2207)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図51(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2207)の詳細について説明する。図51(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図48(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2402)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S2403)。
図49に戻り、説明を続ける。S2206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用演出コマンドがあるか判別する(S2208)。表示用演出コマンドを受信していると判別した場合には(S2208:Yes)、コマンドに基づいた演出の表示データを設定する(S2209)。
一方、表示用演出コマンドないと判別されると(S2208:No)、コマンドに基づいた保留図柄データが設定される(S2211)。これにより、保留図柄が表示されたり、表示されている保留図柄の色が可変するように設定される。
一方、表示用保留コマンドがないと判別されると(S2210:No)、表示用予告コマンドがあるか判別される(S2212)。表示用予告コマンドがあると判別されると(S2212:Yes)、コマンドに基づいた予告の憑依データが設定される。これにより、枠ボタン22が押下されてSW予告に対応した予告表示等の表示設定がされる。
一方、表示用予告コマンドがないと判別されると(S2212:No)、表示用状態コマンドがあるか判別される。表示用状態コマンドがあると判別されると(S2214:Yes)、コマンドに基づいた状態に対応する表示データが設定される。これにより、時間演出等に対応した表示が設定される。
一方、表示用状態コマンドがないと判別されると(S2214:No)、表示用タッチコマンドがあるか判別される(S2216)。表示用タッチコマンドがあると判別されると(S2216:Yes)、コマンドに基づいて、対応する表示データが設定される(S2217)。これにより、ふれあい演出等のタッチ演出等に対応する表示が設定される。
一方、表示用タッチコマンドがないと判別されると(S2216:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2218)、エラーコマンドがあれば(S2218:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2219)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図52を参照して、エラーコマンド処理(S2219)の詳細について説明する。図52は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図50の説明に戻る。S2219の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2219:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2220)、S2201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、再びS2202〜S2220の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2201〜S2220の処理が繰り返し実行され、S2201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図48(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2109)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図48(a)参照)および停止種別コマンド処理(図48(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図51(a)参照)では、S2301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図53〜図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2103)の詳細について説明する。図53は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図53に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図54を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図54は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図53の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、又は、S3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図55を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図55は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ用表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図53に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3009の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S3009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3016:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図48(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図56及び図57を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2105)の詳細について説明する。まず、図56(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図56(b)を参照して後述する。
一方、S3301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図57を参照して後述する。
次いで、図56(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3302)について説明する。図56(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3401)、転送指示を送信していれば(S3401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3402:Yes)、S3403の処理へ移行する。また、S3401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3401:No)、S3403の処理へ移行する。
S3403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図48(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図48(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2109参照)ではなく、コマンド判定処理(図49〜図52参照)および表示設定処理(図53〜図55参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図57参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図56(a)のS3301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図57を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である通常画像転送設定処理(S3303)について説明する。図57は、この通常画像転送設定処理(S3303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2103)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3502)、転送データ情報であれば(S3502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
また、S3502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3502:No)、S3503及びS3504の処理をスキップして、S3505の処理へ移行する。S3505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3505)、転送指示を設定していれば(S3505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3506)。
このS3506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3506:Yes)、S3507の処理へ移行する。また、S3505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3505:No)、S3507の処理へ移行する。
S3507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3507)、転送開始フラグがオンであれば(S3507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3508)、S3503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3517の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3513)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3513:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3513:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3514)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3515)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3516)、S3517の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3515の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3517の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3517)。このS3517の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3517:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3517:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3518)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3518の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S3519)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図58を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2106)の詳細について説明する。図58は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示から、図23に示す描画リストを生成する(S3601)。即ち、S3601の処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3602の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S3603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図48(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
また、上記実施形態では、音声ランプ制御装置113と、表示制御装置114とを別々に設けているが、代わりに、それぞれの装置113,114を一体化し、一つの装置として設けても良い。
また、上記実施形態では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のバッファRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237は第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブル、又は、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fで示されるアドレスにNullデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブル等に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブル等に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行される表示メイン処理またはメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
上記実施形態において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
上記実施形態では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234を内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモリ234aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
上記実施形態では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモリ234aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記実施形態で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
上記実施形態では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、その第1プログラム格納エリア234d1にMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
また、上記実施形態では、内部バス(バスライン240)に接続されたNOR型ROM234dに第1プログラム格納エリア234d1を設け、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリを内部バス(バスライン240)に接続し、そのメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などを内部バス(バスライン240)に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
上記実施形態では、ROMコントローラ234bにおいて、内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力する場合について説明した。これに対し、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234bが第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットしておき、次いで、ROMコントローラ234bにおいて内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後に内部バス(バスライン240)に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234cに第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、ROMコントローラ234bは、内部バス(バスライン240)に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、内部バス(バスライン240)を介してMPU231に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM234cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
上記実施形態では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延するおそれを抑制することができる。
また、上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
上記実施形態における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
上記実施形態では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM235の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM235の更新を行うことができる。
上記実施形態において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行される表示メイン処理またはメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によって表示メイン処理またはメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いキャラクタROM234aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
上記実施形態では、バッファRAM237aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、内部バス(バスライン240)に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多い内部バス(バスライン240)に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
上記実施形態では、バッファRAM237aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
上記実施形態では、バッファRAM237aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
上記実施形態では、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて、電源投入時主画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
同様に、上記実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
上記実施形態では、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて電源投入時主画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
同様に、上記実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
上記実施形態では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後の演出態様のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報に従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報によって背面画像の画像データを転送する場合、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
また、上記実施形態では、振動センサの出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサの出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブル又は表示データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブル又は表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、表示データテーブルの追加描画内容により規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が表示データテーブルによって規定される場合、その表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
また、上記実施形態では、表示データテーブルにおいて、その表示データテーブルに規定された描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報を含める場合について説明したが、それに加えて、表示データテーブルに規定された追加描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めてもよい。この場合、追加転送データ情報は、各アドレス毎に、その追加表示可能な演出を識別するための識別情報(「追加演出1」、「追加演出2」・・・等)に対応付けて、追加描画内容と共にまたは追加描画内容とは別個に規定されるものであってもよい。そして、MPU231は、追加して表示すべき演出を決定すると、その決定された演出に対応する識別情報に対応付けられた追加描画内容と追加転送データ情報とを含めて、描画リストを作成するように構成してもよい。
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加描画内容に従った描画で用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加して表示すべき演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルに規定された追加転送データ情報を用いることによって、追加描画内容に基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加描画内容によって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
上記実施形態では、表示データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233fを用いて、そのポインタ233fによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記実施形態では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記実施形態では、デモ演出が、背面画像を変化させると共に「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
上記実施形態において、表示データテーブルおよび転送データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記実施形態では、表示制御装置114のワークRAM233に格納画像データ判別フラグ233iを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233に記憶された画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
上記実施形態では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像データ判別フラグ233iと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
上記実施形態では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部のスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させることにより、キャラクタROM737から通常用ビデオRAM536への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
上記実施形態では、転送データテーブル又は表示データテーブルによって、ポインタ233fで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
上記実施形態では、「島ステージ」の背面画像である背面Cにおいて、その画像の一部の色調が時間と共に変化する場合について説明したが、画像全体の色調が時間と共に変化するものであってもよい。また、背面画像として、時間の経過と共にスクロールしたり、色調が変化したりするものだけではなく、また、そのような背面画像に代えて、時間の経過と共に、登場する物体(例えば、人物)が移動したり、変化したりするようなものであってもよい。
上記実施形態では、主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を、保留球数コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって、始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を音声ランプ制御装置113に通知してもよい。
上記実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記実施形態において、球が入球した場合に特別図柄の大当たりの抽選が開始される第1始動口64aが遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記実施形態では、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記実施形態においては、第1始動口64aへの入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64aへの入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
<第2実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図59〜図69を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、予め回数の定められたSW予告が枠ボタン22を押下するタイミングを報知されて表示される構成について説明した。一方、本第2実施形態におけるパチンコ機10においては、SW予告の総回数は判別できるが、枠ボタン22を押下するタイミングは報知されず、枠ボタン22の押下タイミングを予測して押下することで、予告演出が第3図柄表示装置81に表示される構成にした点で第1実施形態とは相違する。なお、第1実施形態と同一の構成においては、その図示と説明を省略する。
<第2実施形態におけるパチンコ機10の表示態様について>
図59〜図62を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81で表示される表示態様と、そのタイミングチャートについて説明する。
図59(a)〜(b)は、スーパーリーチ大当たり変動パターンA〜C(図15〜図16参照)のいずれかが選択された場合に、SW予告の種別により各変動時間の期間(リーチ前期間、リーチ変動期間、スーパーリーチ変動期間、再変動期間)にそれぞれSW予告が設定されている状態を示したタイミングチャートである。ここで、リーチ前期間は、特別図柄が変動を開始してからリーチ表示態様となるまでの期間である。リーチ変動期間は、リーチ表示態様となってからスーパーリーチ表示態様が表示されるまでの期間である。なおスーパーリーチ表示態様とは、スーパーリーチの変動パターンで、リーチ表示態様で表示されて、その後、キャラクタ等が表示されたりしてリーチ表示態様が継続して表示される表示態様である。再変動期間とは、スーパーリーチ表示態様で特別図柄が大当たりBを示す図柄で仮停止表示された後に、その特別図柄を大当たりAに可変させるか否かの表示演出(例えば、1〜9のぞろ目図柄を回転させて、停止表示する演出)が実行される期間である。
図59(a)は、リーチ前期間にコメント予告としてSW予告が1回設定され、リーチ変動期間にキャラ予告としてSW予告が1回設定され、再変動期間に再変動予告が2回設定された場合の例を示したタイミングチャートである。図59(b)は、リーチ前期間にコメント予告としてSW予告が1回設定され、再変動期間に再変動予告としてSW予告が3回設定された場合の例を示したタイミングチャートである。
このように、図59(a)の例も、図59(b)の例も一つの特別図柄の変動表示内で設定されるSW予告の回数は、4回であるが、枠ボタン22を押下するタイミングはそれぞれ異なるように設定されている。本実施形態での構成では、第3図柄表示装置81にSW予告の回数は表示されるが、枠ボタン22を押下するタイミングは、報知されないので、遊技者は、枠ボタン22の押下タイミングを予測して、枠ボタン22を押下することによりSW予告の表示態様が表示されるかを楽しむことができる。
また、特別図柄の変動表示が進むにつれて、SW予告が設定されている期間を経過しても枠ボタン22が押下されないと、第3図柄表示装置81に表示されているSW予告の回数が減算されて表示される。これにより、遊技者は、経過した期間内にSW予告が設定されていたことを判別でき、遊技を重ねるほど、枠ボタン22を押下するタイミングを的確に予測することができる。よって、熟練した遊技者ほど多くのSW予告の表示態様をみることができ、遊技を長時間する楽しみを増大させることができる。
図60〜図62を参照して、SW予告が設定される各期間の表示態様について説明する。図60(a)〜(b)は、図59で示したリーチ前期間において設定されるコメント予告の表示態様を示した図である。リーチ前期間にコメント予告のSW予告が設定されていると、その期間に枠ボタン22を押下すると、図60(a)に示すように、犬のキャラクタが表示され、その後、図60(b)に示すように吹き出しと共に「チャンス!!」のコメントが表示される。ここで表示されるコメントの内容は、SW予告選択テーブル65(a)より抽選により選択される。なお、この選択制御については、詳細を後述する。
次に、図61を参照して、リーチ変動期間におけるキャラ予告として設定されるSW予告の表示態様について説明する。図61(a)は、第3図柄表示装置81に主図柄の左図柄と右図柄とが同じ図柄(図61(a)では「7」図柄)で停止表示された場合のリーチ変動期間の状態を示している。図61(b)は、リーチ変動期間において、枠ボタン22が押下されると、魚の群れが右から左に横切るSW予告の表示態様の例について示している。このように、リーチ変動期間では、枠ボタン22が押下されると予め設定されているキャラクタ(魚の群れ、泡、マンボウ等)が表示されて、変動中の特別図柄の当否判定結果について予告する。本実施形態では、魚の群れは、変動中の特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合に、外れである場合よりも選択され易く設定されており、遊技者は、魚の群れ(魚群)のSW予告が表示されないかと期待して、枠ボタン22を押下することができる。
次に、図62を参照して、再変動期間における第3図柄表示装置81で表示されるSW予告の表示態様について説明する。再変動期間においては、大当たりBを示す特別図柄(偶数図柄)で表示された後に枠ボタン22を押下する毎に図柄の種類を可変して表示する(例えば、図62(a)に示すように、「4」の図柄で表示されていたものが、図62(b)に示すように「6」図柄で表示する)。このように、再変動期間では、報知されているSW予告の回数まで図柄を変更して表示させることができることとなり、SW予告の回数が多いほど遊技者は、大当たりAを示す図柄に変更されることを期待することができる。なお、再変動期間では、図柄がまだ変動表示されている期間であることを遊技者に分かり易く示すために縮小された特別図柄が表示領域の右上で変動表示される。これにより、第3図柄が仮停止した状態で表示されていても、まだ変動中であることを遊技者が容易に認識できる。
このように、本実施形態では、特別図柄の変動開始時にSW予告の回数が報知されて、同じSW予告の回数であっても、各期間で設定されるSW予告の回数が可変されるように設定されるので、遊技者は遊技に新鮮味を感じることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。また、再変動期間までにSW予告回数が多く残っていると、大当たりA(確変大当たり)への期待をより大きく持つことができ、遊技者は、SW予告がどこの期間に設定されているかにより大当たりへの期待感を変化させて持つことができる。また、当否判定結果が大当たりの場合には、SW予告の合計回数が多く選ばれやすく構成したので、変動開始時にSW予告の回数がより多いか少ないかを楽しむことができる。
また、詳細については後述するが、本実施形態では、SW予告が各期間で変動中の特別図柄の当否判定結果を予告する表示態様で表示して、先の期間で大当たりの期待度が高いものが表示された場合には、その後の期間では、それ以下の期待度となるSW予告が表示されないように構成した。これにより、遊技者は、大当たりへの期待を低下させることなく複数のSW予告を楽しむことができる。また、先の期間で大当たりへの期待度が低いSW予告の表示態様が表示されたとしても、その後のSW予告で大当たりの期待度が高いSW予告が表示されるのではと、期待して遊技を行うことができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図63を参照して、本第2実施形態の電気的構成について説明する。なお、第1実施形態に対する相違点について説明し、第1実施形態と同一の構成については、その詳細な説明は省略する。
図63(a)に示すように、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222には、第1実施形態に対して、SW予告選択テーブル222bの内容が変更され、SW回数選択テーブル222dが追加されている。また、図63(b)に示すように、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、第1実施形態に対して、進行モード記憶エリア223x、変動時間カウンタ223yがそれぞれ追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図65(a)〜(b)を参照して、本第2実施形態におけるSW予告選択テーブル222bについて説明する。図65(a)は、進行モードA(リーチ前期間)専用のSW予告の表示態様を選択するためのSW予告テーブルの内容を模式的に示した模式図である。また、図65(b)は、進行モードD(再変動期間)専用のSW予告の表示態様を選択するするためのSW予告テーブルの内容を模式的に示した図である。
進行モードA専用のSW予告選択テーブルでは、当否判定結果が大当たりA、大当たりB、外れであるかによりそれぞれ演出カウンタがそれぞれのSW予告であるコメント予告の内容に割付けされて設定されている。コメント予告の内容としては、「激熱」、「チャンス」、「・・・」が設定されており、当否判定結果が大当たりA(確変大当たり)または大当たりB(通常大当たり)である場合に、「激熱」のコメント予告が外れの場合よりも選択され易く設定されている。また、大当たりAの方が大当たりBよりも、「激熱」のコメント予告が選択されやすいように設定されている。また、進行モードAの期間で設定されているSW予告の回数のうち、残回数の値に対してそれぞれ、演出カウンタ223fが割付けされている。また、SW予告の残回数が1回の場合には、残回数2回の時にSW予告が表示されたかにより、その内容によって、選択されるコメント予告の内容が可変するように設定されている。
詳細には、進行モードAの期間において、SW予告の回数が2回が選択されて、1回目のSW予告(残回数2回)で「チャンス」が選択されて表示された場合には、次に、枠ボタン22が押下されて、コメント予告を選択する場合には、前回「チャンス」に対応して設定されている演出カウンタ223fの設定値からコメント予告を選択するように構成されている。なお、前回「チャンス」には、「・・・」のコメント予告には、演出カウンタ223fの値が割り当てられておらず、「・・・」が選択されないように構成されている。ここで、遊技者には、「激熱」、「チャンス」、「・・・」の順で変動中の特別図柄の当否判定結果が大当たりであることの期待度が高く構成されおり、一度「チャンス」のコメント予告が選択された場合には、「チャンス」よりも期待度の低い「・・・」は選択されないように構成されている。
このように、複数回で設定されたSW予告で先に表示された予告よりも期待度の低い予告を表示しないように構成することで、大当たりへの期待度が曖昧なものになってしまうことや、大当たりへの期待感を低下させてしまう不具合を抑制できる。
例えば、当否判定結果が大当たりBであり、取得した演出カウンタ223fの値が100であり、進行モードAにおけるSW予告の残回数が2である場合には、「チャンス」が選択される。次に、枠ボタン22が押下された場合に、取得している演出カウンタ223fの値が169であれば、進行モードA専用のSW予告選択テーブル222b(図65(a)参照)のSW予告の残回数1回、前回「チャンス」に設定されている演出カウンタ223fの値より判別して、「チャンス」のコメント予告が選択される。
なお、本実施形態では図示を省略したが、進行モードB(リーチ変動期間)、進行モードC(スーパーリーチ変動期間)においても、同様に専用のSW予告選択テーブルが設定されており、取得した演出カウンタ223fの値に基づいてSW予告の内容が選択される。
図64(b)に示したSW予告選択テーブルは、進行モードD(再変動期間)である場合に、SW予告の内容を選択するためのテーブルである。再変動は、大当たりである場合に実行されるので、大当たりA、大当たりBの大当たり種別に対応して、それぞれ予告内容が設定されている。枠ボタン22が押下されることに基づいて、確変図柄を表示するか、通常図柄を表示するかが取得している演出カウンタ223fの値に基づいて設定される。
SW回数選択テーブル222dは、本第2実施形態における特別図柄の1変動に対してSW予告の回数を決定するための選択テーブルである。図64は、このSW回数選択テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。図64に示すようにSW回数選択テーブル222dでは、当否判定結果が大当たりA、大当たりB、外れのいずれかであるかに基づいて、各SW予告の回数種別が演出カウンタ223fの値に対応して割付けされて設定されている。また、図64に示した進行Aは、リーチ前期間、進行Bは、リーチ変動期間、進行Cは、スーパーリーチ変動期間、進行Dは、再変動期間をそれぞれ示しており、その各期間で設定されるSW予告の回数が設定されている。
進行モード記憶エリア223xは、特別図柄のスーパーリーチ変動パターンが動的表示開始された場合に、現在の期間がどの期間であるか(進行A〜進行Dのいずれか)を設定するための記憶エリアである。枠ボタン22が押下された場合に、この進行モード記憶エリア223xに記憶されている進行モードより現在の進行モードを判別して、SW予告の内容が選択され表示される。
変動時間カウンタ223yは、特別図柄のスーパーリーチにおける変動時間をカウントするためのカウンタである。スーパーリーチ変動パターンの動的表示が開始されると変動時間カウンタ223yの値が1ずつ加算されて、その実行周期より経過時間が判別される。なお、電源が投入された場合等の初期状態では、初期値である0に設定される。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図66〜図69を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態で説明した音声ランプ制御処理113により実行される制御処理に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(図40、S1307)が枠ボタン入力監視・演出処理2(図68、S1301)に変更され、変動演出管理処理(図67、S1315)が追加されて設定されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図67を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動演出管理処理(S1315)について説明する。図67は、この変動演出管理処理(S1315)を示したフローチャートである。変動演出管理処理(S1315)では、まず、特別図柄の変動として、スーパーリーチ変動パターンが変動表示されているか判別する。スーパーリーチ変動パターンが変動表示されていないと判別した場合には(S4001:No)、この処理を終了する。
一方、スーパーリーチの変動中であると判別した場合には(S4001:Yes)、変動時間カウンタ223yの値を1加算して更新する(S4002)。変動時間カウンタ223yの値より進行モードBの期間(リーチ変動期間)であるか判別する。進行モードBの期間であると判別した場合には(S4003:Yes)、進行モードBを進行モード記憶エリア223xに設定する(S4004)。現在のSW回数カウンタ223mと残り演出の回数に差があるか判別する(S4005)。差があると判別した場合には(S4005:Yes)、SW回数カウンタ223mより差分を減算して更新する(S4006)。SW回数カウンタ223mの値を示す表示用SW回数コマンドを設定する(S4007)。その後、この処理を終了する。なお、表示制御装置114が表示用SW回数コマンドを受信した場合には、表示しているSW押下回数を更新して表示する処理が実行される。一方、S4005の処理において、差がないと判別した場合には(S4005:No)、この処理を終了する。
S4003の処理において、S4002で更新した変動時間カウンタ223yの値は、進行モードBに対応する時間でないと判別した場合には(S4003:No)、変動時間カウンタ223yの値が進行モードCの期間であるか判別する(S4008)。進行モードCの期間であると判別した場合には(S4008:Yes)、進行モードCを進行モード記憶エリア223xに設定する(S4009)。その後、S4006〜S4007の処理を実行して、この処理を終了する。
一方、S4008の処理において、変動時間カウンタ223yの値が進行モードCの期間でないと判別した場合には(S4008:No)、進行モードDの期間であるか判別する(S4010)。進行モードDの期間であると判別した場合には(S4010:Yes)、進行モードDを進行モード記憶エリア223xに設定する(S4011)。その後、S4006〜S4007の処理を実行した後、この処理を終了する。
これにより、スーパーリーチの変動パターンが実行されると、その変動時間を音声ランプ制御装置113においても計測して、その変動時間の経過に基づいて、進行モードを判別する。そして、進行モードが切り替わる期間になったと判別した場合には、現在のSW予告の残り回数と実際の残りSW予告の回数とを判別して、差がある場合には、その補正が実行されて、第3図柄表示装置81に表示されているSW予告の残り回数も更新されて表示される。このように、スーパーリーチ変動が開始されると、変動時間の経過に伴い、SW予告の回数を自動的に減算して更新される。これにより、遊技者は、枠ボタン22を押下して表示することができるSW予告が設定されていたことを判別することができ、どのようなタイミングで枠ボタン22を押下するとSW予告が表示されるかを判別することができる。
なお、本実施形態では、スーパーリーチの場合にSW予告を表示するように設定したが、それに限らず、他の変動パターンに対して設定するように構成してもよいし、変動パターンに限らず、所定の抽選により設定するか否かを決定するように構成してもよい。
次に、図68を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理2(S1330)について説明する。図68は、この枠ボタン入力監視・演出処理2(S1330)を示したフローチャートである。本第2実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理2(図68、S1330)は、第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図40、S1307)に対して、SW演出制御処理(図41、S1708)がSW演出制御処理2(図69、S4020)に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図69を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるSW演出制御処理2(S4020)について説明する。図69は、このSW演出制御処理2(S4020)を示したフローチャートである。本第2実施形態におけるSW演出制御処理2(図69、S4020)は、第1実施形態におけるSW演出制御処理(図41、S1708)に対して、S1728〜SS1733までの各処理がS4021〜S4027までの各処理に変更されている。
S1721の処理において、SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S1721:Yes)、SW有効時間を減算して、SW有効時間記憶エリア223kに設定する(S4021)。枠ボタン22を押下したか判別する(S4022)。現在の進行モードにおいて選択可能なSW予告の演出があるか、即ち、現在の進行モードにおいて、設定されているSW予告の残回数があるか判別する(S4023)。選択可能な演出があると判別した場合には(S4023:Yes)、SW回数カウンタ223mと現在の進行モードと基づいて、SW予告選択テーブル222bよりSW予告の表示態様を選択する(S4024)。
SW回数カウンタ223mの値を−1して更新する(S4025)。SW回数カウンタ223mの値が0であるか判別する(S4026)。SW回数カウンタ223mの値が0であると判別した場合には(S4026:Yes)、SW有効時間記憶エリア223kを初期値である0にリセットする(S4027)。一方、SW回数カウンタ223mの値が0でないと判別した場合には(S4026:No)、この処理を終了する。
<第2実施形態における変形例について>
図70に示すように、第2実施形態のように各期間に対して、固定した回数を設定せずに、変動パターン全体のSW予告の最大回数だけを設定しておき、遊技者が枠ボタン22を押下したタイミングで、SW予告を設定するように構成してもよい。
このように構成することで、遊技者の好みの期間のSW予告を数多く表示させることができ、遊技者の好みに合った演出を表示できる。
<第3実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図71〜図78を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。。第1実施形態におけるパチンコ機10では、予め回数の定められたSW予告が枠ボタン22を押下するタイミングを報知されて表示される構成について説明した。一方、本第3実施形態におけるパチンコ機10においては、枠ボタン22を長押しする演出を実行する場合に、予め定められた長押し開始の契機よりも先に長押しが開始された場合に、長押しと有効に判定する期間を早めて設定するように構成した点で第1実施形態とは相違する。なお、第1実施形態と同一の構成においては、その図示と説明を省略する。
<第3実施形態における表示態様について>
次に、図71〜図73を参照して、本第3実施形態における第3図柄表示装置81に表示される長押し演出の表示態様について説明する。
図71は、第3図柄表示装置81で表示される長押し演出のタイミングチャートである。長押し演出が開始されると、図72(a)に示すように「長押しでMAXまで貯めろ!!」という文字が表示されて、その下方にインジケータと枠ボタン22を模した図柄と枠ボタン22の操作が有効と判定されるSW有効時間を示すメーターが表示される。第3図柄は縮小されて表示領域の右上に表示される。遊技者は、この表示態様から、インジケータをMAXの位置まで可変させることができれば、変動中の特別図柄(第3図柄)の当否判定結果が大当たりであることを認識できる。
図71(a)に示すように、長押し演出が開始されて、長押しをすることを報知する操作報知表示態様(図72(a)参照)が操作報知期間(本実施形態では、5秒間)表示される。その後、枠ボタン22の操作が有効と判定されるSW有効時間の開始となると、図72(b)に示すように、第3図柄表示装置81に「READY GO!!」の文字が表示されて、枠ボタン22を長押しすることを報知する「長押し開始!!」の文字が枠ボタン22を模した図柄の上部に表示される。そして、長押しが遊技者により実行されると、その長押し操作に基づいて、インジケータの目盛り一つずつに着色されていく表示態様が表示される。
一方、図71(b)に示したタイミングチャートは、図71(a)に示した例に対して、長押し演出の開始が表示されて、操作報知期間中に長押しが開始された場合の例を示したタイミングチャートである。長押しが実際のSW有効時間の開始よりも前に長押しされるとSW有効時間がその長押しがされたタイミングから開始するように変更して設定される。そして、図73(a)に示すように、操作報知期間からSW有効時間が減算して更新されていることを示すように、SW有効時間を示すメータが右端から着色されていた部分が背景色と同一の色または模様に可変される。そして、図73(b)に示すように、実際の「READY GO!!」の文字を表示するタイミングとなっても、その表示はされずに表示される。
このように構成されることで、長押し演出が開始されて、操作報知がされている期間にもかかわらず、遊技者が長押しを開始するタイミングであると勘違いして、枠ボタン22の押下を開始した場合にも、その操作を有効として、長押し演出を実行できる。よって、遊技者が枠ボタン22の操作を開始しているにもかかわらず、その操作が無駄になってしまう不具合を抑制できる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図74〜図75を参照して、本第3実施形態における電気的構成について説明する。本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222には長押し抽選テーブル222eが追加されている。また、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、長押しレベル記憶エリア223αが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
図75を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の長押し抽選テーブル222eについて説明する。図75は、この長押し抽選テーブル222eの内容を模式的に示した模式図である。長押し抽選テーブル222eは、長押しがされたと判別する毎(枠ボタン22が3秒間押下されている判別される毎)に、インジケータの目盛りを着色して表示させるか否か(インジケータのレベルを上げるか否か)を抽選するための抽選テーブルである。図75に示すように、長押し抽選テーブル222eには、変動中の特別図柄の当否判定結果と現在の長押し演出におけるインジケータのレベル(長押しレベル)とに対してそれぞれ演出カウンタ223fの値が割付けされて設定されている。取得している演出カウンタ223fの値が長押し抽選テーブル222eに設定されている演出カウンタ223fの値と同一であると当たりと判定されてインジケータのレベルが一つ加算されて設定される。なお、当否判定結果が当たりである方が、外れである場合よりも当たりと判定される演出カウンタ223fの値が多く設定されており、当たりの確率が高く設定されている。このように構成することで、インジケータのレベルが上がりやすいほど遊技者は、変動中の特別図柄の当否判定結果が当たりでないかと期待することができる。
また、インジケータのレベルが上がるほど、当たりと判定される演出カウンタ223fの数を少なく設定している。これにより、インジケータが上がるほど、インジケータの上がるペースを遅くすることができ、長押し演出をより長く遊技者に楽しませることができる。
長押しレベル記憶エリア223αは、長押し演出におけるインジケータのレベルを記憶するための記憶エリアである。長押し演出におけるインジケータのレベルは0〜4まで設定されており、初期値は0に設定される。
次に、図76を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理3(S1340)について説明する。本第3実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理3(図76、S1340)は、第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図40、S1307)に対して、SW演出制御処理(S1708)がSW演出制御処理3(図77、S4030)に変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図77を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるSW演出制御処理3(S4030)について説明する。図77は、このSW演出制御処理3(S4030)を示したフローチャートである。本第3実施形態におけるSW演出制御処理3(図77、S4030)は、第1実施形態におけるSW演出制御処理(図41、S1708)に対して、S4031〜S4034までの処理がそれぞれ追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S1721の処理において、SW有効時間が設定されていると判別した場合には、長押し制御処理を実行する(S4034)。この長押し制御処理については、図78を参照して説明する。図78は、長押し制御処理(S4034)を示したフローチャートである。
長押し制御処理(図78、S4034)では、まず、SW有効時間を減算して更新する(S4101)。実際の押下開始以降のタイミングであるか判別する(S4102)。実際の押下開始以降のタイミングでなければ(S4102:No)、開始報知禁止を示す表示用コマンドを設定する(S4103)。実際のタイミングとは、SW予告に設定されている開始タイミングのことである。即ち、開始タイミングより先に遊技者が枠ボタン22を押下して、SW有効時間が設定された場合には、「READY GO!!」の表示が禁止されて設定される、一方、実際の押下開始以降のタイミングであれば(S4102:Yes)、S4104の処理を実行する。
S4104の処理では、枠ボタン22を押下したか判別する(S4104)。枠ボタン22を押下したと判別した場合には(S4104:Yes)、SW押下時間を1加算して更新する(S4105)。ここでは、SW押下時間カウンタ(図示せず)が1加算されて記憶される。SW押下時間が上限値以上(本実施形態では、3秒)であるか、即ち、枠ボタン22が長押しされているか判別する(S4106)。
枠ボタン22が長押しされていると判別した場合には(S4106:Yes)、演出カウンタ223fの値を取得する(S4107)。長押し抽選テーブル222e(図75参照)より抽選結果を取得する。ここでは、図75に示す長押し抽選テーブル222eに設定されている演出カウンタ223fの値とS4107の処理で取得した演出カウンタ223fの値が一致した場合に当たりと判定する。
S4108の処理で取得した抽選結果が当たりであるか判別する(S4109)。抽選結果が当たりである場合には(S4109:Yes)、長押しレベル記憶エリア223αの値に1加算して更新する(S4110)。更新した長押しレベルに基づいた表示用コマンドを設定する。これにより、表示制御装置114により第3図柄表示装置81に表示されたインジケータの表示が長押しレベルに基づいて設定される。その後、S4112の処理を実行する。
一方、S4104の処理で、枠ボタン22を押下していないと判別した場合(S4104:No)、S4106の処理において、長押しされていないと判別した場合(S4106:No)、S4109において、抽選結果が外れであると判別した場合には(S4109:No)、S4112の処理を実行する。S4112の処理では、SW有効時間記憶エリア223kの値を期値である0にリセットする(S4112)。
このように、本実施形態では、枠ボタン22を長押しする演出で、早く枠ボタン22を押下している遊技者にも不利益を与えないように構成している。
なお、本実施形態では、長押しの演出について説明したが、遊技者に枠ボタン22を連打させる演出に本実施形態の構成をもちいてもよい。
また、本実施形態の構成では、長押しが開始されたタイミングで長押しを有効に開始しているので、長押しを枠ボタン22がOFFからONに開始されたエッジを検出して判別している場合にも、正しく判別することができる。
なお、本実施形態では、図72(b)に示すように、長押し演出において、長押しを開始するタイミングで「READY GO!!」という文字を表示するように構成した。この場合に、枠ボタン22の押下が遊技者によってされない場合には、再度「READY
GO!!という文字が表示されたら長押しするんだ!!」という文字を表示して、その後に、「READY GO!!」という文字を表示するように構成してもよい。
このように構成することで、「READY GO!!」という文字を見落としてしまった遊技者や、遊技方法が分からずに枠ボタン22を押下していない遊技者に枠ボタン22を押下して遊技に参加させるように促すことができる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、上記各実施形態の構成を全部または一部を組み合わせて実施するように構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>
当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、始動条件の成立に基づいて、前記表示手段に前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示されている場合に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、動的表示されている識別情報が示す当否判定結果に基づいた報知情報を前記表示手段に表示させる情報表示実行手段とを有した遊技機において、1の前記動的表示態様内で前記操作手段が操作されて前記情報表示実行手段により前記情報が表示される回数を決定する回数決定手段と、その回数決定手段により決定された回数を遊技者に報知する報知手段と、前記操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判別する操作有効期間を決定する有効期間決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、1の動的表示態様内で操作手段が操作されて情報表示実行手段により情報が表示される回数が回数決定手段により決定される。その回数決定手段により決定された回数が遊技者に報知手段により報知される。操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判別する操作有効期間が有効期間決定手段により決定される。これにより、遊技者が報知手段により報知された回数の情報が1の動的表示態様内のどのタイミングで設定されているかを予測して楽しむことができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機A1において、前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様の動的表示時間内で、複数の演出期間を設定する演出期間設定手段と、その演出期間設定手段により設定されたそれぞれの演出期間に前記回数決定手段により決定された前記最大回数を振り分けて設定する振り分け手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様の動的表示時間内で、複数の演出期間が演出期間設定手段により設定される。その演出期間設定手段により設定されたそれぞれの演出期間に回数決定手段により決定された回数が振り分け手段により振り分けて設定される。これにより、1の動的表示態様に対して、様々に回数が振り分けることが可能となるので、新鮮味のある演出を遊技者に提供できる。よって、遊技がマンネリしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記報知手段は、前記表示手段に前記決定された回数をそれぞれの回数別に報知図柄で表示させるものであり、前記報知手段により報知される報知図柄に対応する前記有効期間決定手段により決定される操作有効期間を識別可能な期間識別表示態様を前記表示手段に表示させる期間表示実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段に決定された回数が回数別に報知図柄で報知手段により表示される。報知手段により報知される報知図柄に対応する有効期間決定手段により決定される操作有効期間を識別可能な期間識別表示態様が期間表示実行手段により表示手段に表示される。これにより、決定された回数を分かり易く遊技者に報知できる。よって、遊技者が分かり易く遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A3において、前記期間表示実行手段により表示される期間識別表示態様は、複数の前記報知図柄に対応した有効期間を識別可能な表示態様で構成されるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、期間表示実行手段により表示される期間識別表示態様は、複数の報知図柄に対応した有効期間を識別可能な表示態様で構成されるので、操作手段を操作するタイミングを分かり易く遊技者に報知できるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記情報表示実行手段により表示される情報を前記操作手段が操作されたタイミングに基づいて、複数の情報から1の情報を決定する情報決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、情報表示実行手段により表示される情報を操作手段が操作されたタイミングに基づいて、複数の情報から1の情報が情報決定手段により決定されるので、選択される情報を多様に構成することができるという効果がある。
<特徴B群>
当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、始動条件の成立に基づいて、前記表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示される動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、当否判定結果が所定の結果であることを示す前記識別情報が前記表示手段に表示されたことに基づいて遊技者に有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段とを有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段により前記特典が付与されるか否かを決定する特典付与決定手段と、その特典付与決定手段により特典が付与されると決定されている場合に、前記遊技者が前記操作手段を操作したことを条件として、前記特典付与手段に特典を付与させる特典付与実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技者に特典が特典付与手段により付与される。その特典付与手段により特典が付与されるか否かが特典付与決定手段により決定される。その特典付与決定手段により特典が付与されると決定されている場合に、遊技者が操作手段を操作したことを条件として、特典付与実行手段により特典付与手段に特典を付与させる。これにより、遊技者の操作により特典が付与されるタイミングを決定することができるので、遊技者が遊技により関わることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機B1において、遊技者の操作により遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段と、その発射手段により遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球したことを検出する検出手段と、前記発射手段により遊技球が発射されているかを判別する発射判別手段とを有し、前記当否判定手段は、前記検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、当否判定を実行するものであり、前記特典付与決定手段は、所定の抽選を実行することにより前記特典が付与されるか否かを決定するものであり、前記特典付与決定手段が実行する前記所定の抽選について、前記特典を付与すると決定する抽選確率を設定する確率設定手段を有し、その確率設定手段は、前記発射判別手段により遊技球が発射されていると判別した場合に、遊技球が発射されていない場合よりも前記特典を付与すると決定する抽選確率を高く設定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者の操作により遊技球が発射手段により遊技領域に向けて発射される。その発射手段により遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口に遊技球が入球したことが検出手段により検出される。発射手段により遊技球が発射されているかが発射判別手段により反ベルされる。検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、当否判定手段により当否判定が実行される。特典付与決定手段は、所定の抽選を実行することにより特典が付与されるか否かが特典付与手段により決定される。特典付与決定手段が実行する所定の抽選について、特典を付与すると決定する抽選確率が確率設定手段により設定される。発射判別手段により遊技球が発射されていると判別した場合に、遊技球が発射されていない場合よりも特典を付与すると決定する抽選確率が確率設定手段により高く設定される。これにより、遊技球を発射している遊技者に対して、特定遊技以外の特典をより付与させ易く設定できる。よって、遊技者により遊技球を発射して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記操作手段が操作されることに基づいて、前記識別情報の動的表示態様が動的表示されているか否かにかかわらず演出態様を前記表示手段に表示する演出態様表示実行手段を有し、特典付与決定手段は、前記演出態様表示実行手段により前記演出態様が表示されている場合に、前記操作手段が操作されることにより成立する所定の条件が成立したことに基づいて、前記特典が付与されるか否かを決定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段が操作されることに基づいて、識別情報の動的表示態様が動的表示されているか否かにかかわらず演出態様が演出態様表示実行手段により表示手段に表示される。演出態様表示実行手段により演出態様が表示されている場合に、操作手段が操作されることにより成立する所定の条件が成立したことに基づいて、特典が付与されるか否かが特典付与決定手段により決定される。これにより、識別情報の動的表示がされない場合にも、操作手段を操作することで演出の楽しむことができる。よって、遊技を多様に楽しむことができるという効果がある。
遊技機B3において、前記識別情報の動的表示態様が表示される第1表示領域と、前記演出態様が表示される第2表示領域とに前記表示手段の表示領域を区画する区画手段を有するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、識別情報の動的表示態様が表示される第1表示領域と、演出態様が表示される第2表示領域とに表示手段の表示領域が区画手段により区画されるので、識別情報と演出態様とを判別し易くできるという効果がある。
<特徴C群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを識別する識別手段と、演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に表示された演出態様を前記識別手段による識別結果に基づいて可変させる演出可変手段とを有した遊技機において、前記識別手段により前記操作手段が操作されたと識別された後、次に操作手段が操作されたと識別するまでの期間を判別する期間判別手段と、前記操作手段が操作されたと識別したことに基づいて、前記演出可変手段により前記演出態様を可変させる演出可変実行手段と、その演出可変実行手段により前記演出態様を可変させる場合に、可変させて表示する演出態様を決定する演出決定手段と、その演出決定手段が前記演出態様を決定する場合に、前記期間判別手段により所定期間内であると判別されていれば、前記所定期間外である場合よりも遊技者に有利となる特定演出態様を決定し易くする決定可変手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたことが識別手段により識別される。演出態様を表示可能な表示手段に表示された演出態様が識別手段による識別結果に基づいて演出可変手段により可変される。識別手段により操作手段が操作されたと識別された後、次に操作手段が操作されたと識別するまでの期間が期間判別手段により判別される。操作手段が操作されたと識別したことに基づいて、演出可変手段により演出態様が演出可変実行手段により可変される。その演出可変実行手段により演出態様を可変させる場合に、可変させて表示する演出態様が演出決定手段により決定される。その演出決定手段が演出態様を決定する場合に、期間判別手段により所定期間内であると判別されていれば、所定期間外である場合よりも遊技者に有利となる特定演出態様が決定可変手段により決定し易くされる。これにより、遊技者の操作の仕方を期間判別手段により判別して、正しい操作であると判別できる期間であれば特定演出を決定し易くできる。よって、遊技者が操作手段を操作する楽しみを増大させて、遊技者が遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1において、前記識別手段は、前記操作手段に所定の範囲まで近づいたことを検知するものであり、前記表示手段には、前記操作手段を操作する方法を報知する操作報知態様が表示され、前記所定期間は、遊技者が前記操作報知態様で報知された方法で操作した場合に、前記識別手段により操作したと判別される期間で設定されているものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に所定の範囲まで近づいたことが識別手段により検知される。表示手段では、操作手段を操作する方法が操作報知態様により報知される。遊技者が操作報知態様で報知された方法で操作した場合に、識別手段により操作したと判別される期間で所定期間が設定される。これにより、遊技者が操作手段を操作する方法を分かり易く認識できる。よって、操作方法が分からずに、遊技ができない不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記所定期間は、複数期間設定されているものであり、前記期間判別手段は、前記識別手段が信号を受信したと識別した場合に、前記複数期間のうち、どの期間であるかを判別するものであり、前記決定可変手段は、前記期間判別手段により判別された期間に基づいて、前記特定演出態様が決定される割合を可変して設定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間が複数期間設定される。期間判別手段は、識別手段が信号を受信したと識別した場合に、複数期間のうち、どの期間であるかが期間判別手段により判別される。期間判別手段により判別された期間に基づいて、特定演出態様が決定される割合が決定可変手段により可変して設定される。これにより、操作手段を操作する方法により特定演出態様が決定される割合が可変するので、遊技者によって異なる結果が決定され易くなり、より遊技を楽しませることができるという効果がある。
<特徴D群>
取得条件の成立に基づいて、抽選情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された抽選情報に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示実行手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が所定の結果であることを示す前記識別情報が前記表示手段に表示されたことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、前記当否判定手段による当否判定結果に基づく判定情報を遊技者に報知する報知手段と、遊技者が前記操作手段を操作することに基づいて、前記報知手段により前記判定情報を報知させることができる特典を付与する特典付与手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、取得条件の成立に基づいて、抽選情報が取得手段により取得される。取得手段により取得された抽選情報に基づいて当否判定が当否判定手段により実行される。当否判定手段による判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。表示手段に識別情報が動的表示実行手段により動的表示される。当否判定手段による当否判定結果が所定の結果であることを示す識別情報が表示手段に表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定手段による当否判定結果に基づく判定情報が報知手段により遊技者に報知される。遊技者が操作手段を操作することに基づいて、報知手段により判定情報を報知させることができる特典が特典付与手段のより付与される。これにより、遊技者の操作に基づいて、判定情報が報知されるので、識別情報で表示されるよりも前に判定情報を遊技者が知ることができる。よって、操作手段を操作する楽しみを増大させることができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機D1において、前記取得手段に取得された抽選情報に対応する当否判定結果が前記識別情報により表示されるまで抽選情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された抽選情報が前記当否判定手段により当否判定されるよりも前に当否判定する事前当否判定手段とを有し、前記報知手段は、前記事前当否判定手段により判定された事前判定情報を報知するものであり、前記特典付与決定手段は、前記判定情報と前記事前判定情報とを合わせて報知させることを決定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、取得手段に取得された抽選情報に対応する当否判定結果が識別情報により表示されるまで抽選情報が記憶手段により記憶される。記憶手段に記憶された抽選情報が当否判定手段により当否判定されるよりも前に事前当否判定手段により当否判定される。事前当否判定手段により判定された事前判定情報が報知される。判定情報と事前判定情報とを合わせて報知させることが特典付与決定手段により決定される。よって、遊技者の操作により多くの抽選情報に対する当否判定結果を報知できるので、遊技者の操作手段を操作する意欲を増大できるという効果がある。
<特徴E群>
演出態様を表示する表示手段と、遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを識別する識別手段と、その識別手段による識別結果に基づいて演出態様を可変させる演出可変手段と、前記表示手段に表示する演出態様として複数の演出態様から1の演出態様を決定する演出態様決定手段とを有した遊技機において、前記複数の演出態様には、所定期間の間、前記識別手段により前記操作手段が操作されたと識別されるように操作することを遊技者に報知する操作演出態様が含まれているものであり、前記操作演出態様が決定された場合に、前記識別手段が前記操作したと判別した期間が前記所定期間内に識別されたものであるかを判別する期間判別手段と、その期間判別手段により前記所定期間よりも前に前記操作手段が操作されたと判別された場合には、前記所定期間の開始時期を早めて設定する期間変更手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、演出態様が表示手段により表示される。遊技者が操作することが可能な操作手段が操作されたことが識別手段により識別される。識別手段による識別結果に基づいて演出態様が演出可変手段により可変される。表示手段に表示する演出態様として複数の演出態様から1の演出態様が演出態様決定手段により決定される。複数の演出態様には、所定期間の間、識別手段により操作手段が操作されたと識別されるように操作することを遊技者に報知する操作演出態様が含まれており、操作演出態様が決定された場合に、識別手段が操作したと判別した期間が所定期間内に識別されたものであるかが期間判別手段により判別される。期間判別手段により所定期間よりも操作手段が前に操作されたと判別された場合には、所定期間の開始時期が期間変更手段により早めて設定される。これにより、所定の期間よりも前に操作手段を操作した場合も、無駄な操作となってしまう不具合を抑制できる。よって、遊技者が操作手段を操作しても、演出態様が可変されずに、遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機E1において、前記所定期間の開始タイミングに基づいて、前記所定期間の開始を示す開始報知態様を報知する報知手段と、前記期間変更手段により前記開始時期が早められて設定された場合には、前記報知手段による報知を禁止する禁止手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間の開始タイミングに基づいて、所定期間の開始を示す開始報知態様が報知手段により報知される。期間変更手段により開始時期が早められて設定された場合には、報知手段による報知が禁止手段により禁止される。これにより、遊技者が操作手段を操作しているにもかかわらず、所定の期間が開始する報知がされることで、遊技者が混乱する不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機E2において、前記報知手段は、前記報知手段により開始報知態様が報知された後にも、前記識別手段により前記操作手段が操作されていないと識別されている場合には、前記所定期間であることを示す期間報知態様を報知するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、報知手段により開始報知態様が報知された後にも、識別手段により操作手段が操作されていないと識別されている場合には、所定期間であることを示す期間報知態様が報知手段により報知されるので、遊技者にわかり易く所定期間を報知して、操作手段をより操作して遊技を行わせることができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機D3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
22 枠ボタン(操作手段)
81 第3図柄表示装置(表示手段、報知手段)
114 表示制御装置(動的表示実行手段)
S305 当否判定手段
S307,S309 動的表示態様決定手段
S1504 情報表示実行手段、回数決定手段、有効期間決定手段、演出期間設定手段の一例
S1703 表示制御手段
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行され、遊技の興趣向上が図られている。この種のパチンコ機の中には、遊技機に遊技者が操作可能な操作手段(スイッチ等)を設けて遊技者がその操作手段を操作することにより遊技の演出等を変化させる遊技機が提案されている。
このようなパチンコ機において、例えば、遊技者が操作手段を操作した場合に多様な演出を実行しようと、操作手段が操作された場合に遊技の演出を変化させる抽選を実行するものがある。
この種のパチンコ機において、さらに操作手段を使用して遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる遊技機が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示されている場合に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、情報を前記表示手段に表示させる情報表示実行手段と、を有し、前記動的表示態様決定手段により決定される前記動的表示態様には、前記操作手段が操作されることで前記情報が表示されることが可能な有効期間が複数設定される特殊動的表示態様が設定されており、前記遊技機は、前記特殊動的表示態様に設定されており前記操作手段が操作されて前記情報表示実行手段により前記情報が表示されうる回数に対応する特定情報を遊技者に報知する報知手段と、前記動的表示実行手段により前記特殊動的表示態様が動的表示されることで設定されている1の前記有効期間が経過することに基づいて、前記情報が表示されうる回数に対応する前記特定情報を更新して設定する設定手段と、を有するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示されている場合に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、情報を前記表示手段に表示させる情報表示実行手段と、を有し、前記動的表示態様決定手段により決定される前記動的表示態様には、前記操作手段が操作されることで前記情報が表示されることが可能な有効期間が複数設定される特殊動的表示態様が設定されており、前記遊技機は、前記特殊動的表示態様に設定されており前記操作手段が操作されて前記情報表示実行手段により前記情報が表示されうる回数に対応する特定情報を遊技者に報知する報知手段と、前記動的表示実行手段により前記特殊動的表示態様が動的表示されることで設定されている1の前記有効期間が経過することに基づいて、前記情報が表示されうる回数に対応する前記特定情報を更新して設定する設定手段と、を有するものである。
よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
パチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
(a)は、枠ボタンとタッチセンサについて示した図であり、(b)は、選択スイッチについて示した図である。
(a)は、第3図柄表示装置に表示されるチケットが使用可能な場合を示した表示態様の一例であり、(b)は、チケットを使用して先読み報知を表示させて当たりを示す保留図柄の表示態様に可変された一例を示した図である。
(a)〜(b)は、第3図柄表示装置に表示されるSW予告の表示態様の一例を示した図である。
(a)〜(b)は、時間演出期間における第3図柄表示装置で表示される表示態様の一例について示した図である。
(a)〜(b)は、時間演出期間における第3図柄表示装置で表示されるタッチセンサを使用した場合の表示態様の一例について示した図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
(a)は、主制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
(a)は、主制御装置における特別図柄大当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置における大当たり種別選択テーブルの内容を示した模式図であり、(c)は、主制御装置における普通当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、音声ランプ制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、音声ランプ制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
変動パターン選択テーブルの一部である変動パターン選択テーブルAの一例を模式的に示した模式図である。
変動パターン選択テーブルの一部である変動パターン選択テーブルBの一例を模式的に示した模式図である。
変動パターン選択テーブルの一部である変動パターン選択テーブルCの一例を模式的に示した模式図である。
変動パターン選択テーブルの一部である変動パターン選択テーブルDの一例を模式的に示した模式図である。
(a)は、SW予告選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、タッチ演出抽選テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時間設定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される同期演出管理処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW演出制御処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるチケット処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特殊SW演出制御処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるタッチセンサ制御処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるタッチ演出選択処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
(a)〜(b)は、第2実施形態におけるパチンコ機のSW予告が設定された場合のタイミングチャートである。
(a)〜(b)は、第2実施形態におけるパチンコ機のSW予告でのコメント予告の表示態様の一例を示した図である。
(a)〜(b)は、第2実施形態におけるパチンコ機のキャラ予告でのコメント予告の表示態様の一例を示した図である。
(a)〜(b)は、第2実施形態におけるパチンコ機のSW予告での再変動予告の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第2実施形態におけるSW回数選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、第2実施形態における進行モードAである場合のSW予告選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における進行モードDである場合のSW予告選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動演出管理処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW演出制御処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態の変形例におけるSW予告の一例についてのタイミングチャート示した図である。
(a)〜(b)は、第3実施形態におけるSW予告の一例についてのタイミングチャートを示した図である。
(a)〜(b)は、第3実施形態におけるSW予告の一例について表示態様を示した図である。
(a)〜(b)は、第3実施形態におけるSW予告について正規の押下開始タイミングよりも先に枠ボタンが押下開始された場合の表示態様を示した図である。
(a)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における長押し抽選テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW演出制御処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される長押し制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図15参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22、タッチセンサ290、選択スイッチ291が設けられている。選択スイッチ291は、前方側から見て枠ボタン22の右側に並べて設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出の背景モードを変更したり、予告演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。また、タッチセンサ290は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示されるタッチセンサ290を使用する専用演出の表示内容が、遊技者のタッチセンサ290の操作に基づいて変更される。また、枠ボタン22、タッチセンサ290は、例えば、遊技機に備えられる駆動役物等を駆動させるためのスイッチとして用いるように構成してもよい。なお、枠ボタン22とタッチセンサ290については、図5を参照して、詳細について説明するが、枠ボタン22の遊技機前方側にタッチスイッチ290が近接して配置されており、通常、遊技者が枠ボタン22を押下(操作)すると、タッチスイッチが遊技者の手を反応することが可能な位置に配置されている。
また、選択スイッチ291は、枠ボタン22の右側に配置されており、左選択スイッチ291Lと右選択スイッチ291Rとで構成されている。選択スイッチ291は、第3図柄表示装置81に表示されたカーソル等を移動させたり、表示された選択肢を選択するのに用いられる。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1始動口64a、第2始動口64b、電動役物64c、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1始動口64a、第2始動口64b、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図15参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が始動口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。始動口64への入球に対して行われる特別図柄(以後、特別図柄のことを特別図柄と示す)の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が16回(16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、8秒〜30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が行われている間に球が第1始動口64aへ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、特別図柄の保留球数は、それぞれ識別可能な表示態様で第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81に示される。詳細には後述するが、遊技者にとって、第1図柄表示装置37よりも第3図柄表示装置81の方が保留球数や、特別図柄の変動表示態様、判定結果等が識別し易く構成されており、通常遊技者は、第3図柄表示装置81の表示態様を見て遊技を行うように構成されている。
第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、始動口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
ここで、始動口64は、図2に示すように、遊技球が入球する入球口の両側に遊技球を入球口へ案内可能な開放状態と、入球口への入球を規制する閉鎖状態とに回動可能な羽根部材を備えた電動役物64cを有している。この電動役物64cは、後述する普通図柄(第2図柄)の当選(当たり)に基づいて、閉鎖状態から開放状態に所定時間の間、作動される。また、通常時は、入球口の両側からの遊技球の入球を阻止するように直立した状態で保持されており、その羽根部材の間より遊技球が入球することを阻止するように、始動口64が配置されている。よって、始動口64へは、通常、電動役物64cが開放状態に作動した場合に入球し易く構成されている。
尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、始動口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、始動口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、始動口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、スルーゲート67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりには、通常当たりと通常当たりよりも、開放時間と開放回数とがそれぞれ増大する長時間当たりとの2種類が設定されている。普通図柄の通常当たりまたは長時間当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または2秒)だけ始動口64に付随する電動役物が所定の回数で開放され、始動口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が始動口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。その後、「大当たりA」である場合には、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次の特別図柄の大当たり遊技が開始するまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。一方、「大当たりB」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。なお、高確率状態においても、普通図柄の当たり確率は、同様にアップして設定される。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常状態(特別図柄の通常状態または低確率遊技状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中または時短遊技状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、始動口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(通常遊技状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間を特別図柄の確変期間と称す。
また、本実施形態では、大当たり種別が「大当たりA」となると、その「大当たりA」終了後から次の大当たり開始までの期間を確変期間としたが、それに限らずに、所定回数(例えば、20回や100回等)の特別図柄の抽選が実行される期間を確変期間として設定してもよい。また、「大当たりA」、「大当たりB」共に所定回数の期間、確変期間となるように設定するように構成してもよい。また、確変期間は、所定の時間(2分や5分等)の間、確変期間としても当然よい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。
尚、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになり、大当たり種別が「大当たりA」であると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から次の大当たり遊技の開始まで継続される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、始動口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄1(第1図柄)または特別図柄2(第1図柄)を点灯状態により示したり、始動口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数をそれぞれ点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が始動口64aへ入球した場合、その入球回数は最大4回までそれぞれ保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37によりそれぞれ示されると共に、第3図柄表示装置81においてもそれぞれ示される。なお、本実施形態においては、始動口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄1または特別図柄2の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、始動口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において入球した始動口に対応して特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、偶数番号である「2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、始動口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が始動口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
また、本実施形態では、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄は、スーパーリーチとなった場合等において、図柄に付されている数字のみの図柄に可変して表示されたり、主表示領域Dmが拡大されて、小表示領域Dsの表示領域がなくなる場合等がある。このように構成することで、遊技者に新鮮味のある表示態様を表示することができる。
なお、本実施形態においては、入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
続けて、図5を参照して、本実施形態の上皿17に設けられている枠ボタン22、タッチスイッチ290、選択スイッチ293について説明する。図5(a)は、枠ボタン22とタッチスイッチ290を示した図である。枠ボタン22は、遊技者が押下する押下部を有しており、押下部を所定量下方に押下するとリミット型のスイッチがオンとなる構成となっている。パチンコ機10では、所定間隔(本実施形態では、2ms)毎に枠ボタン22の状態を監視しており、「OFF」の状態から「ON」と判別されて、次の間隔でも「ON」と判別されたら枠ボタン22が押下されたと判別している。このように構成することで、ノイズ等で一瞬だけON状態となった場合に誤って枠ボタン22が押下されたと判別してしまう不具合を抑制できる。また、枠ボタン22が連続して押下され続けている状態、即ち「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わり、その次の監視でも「OFF」と判別されると枠ボタン22の押下が解除されたと判別する。
タッチセンサ290は、枠ボタン22と前方側に近接して配置されている。タッチセンサ290は上皿17の上面と略同一面にセンサ部が配置されており、そのセンサ部より赤外線が放射され、その赤外線が対象物に当たって反射した赤外線を識別するとオンするように構成されている。よって、遊技者は、タッチセンサ290のセンサ部に手等を所定距離まで近づけることで、センサをオンさせることができる。タッチセンサ290をオン状態にするために、手等をセンサ部に近づける動作をすることをタッチセンサ290を操作するという。
また、タッチセンサ290も枠ボタン22と同様にパチンコ機10が所定間隔(本実施形態では、2ms)で状態を監視しており、「OFF」と判別された状態から次に「ON」状態となり、その次にさらに「ON」と判別されるとタッチセンサ290が遊技者により操作されたと判別して、第3図柄表示装置81の表示態様を可変させる等の処理を実行する。タッチセンサ290のセンサ部の上面には「touch」の文字が示されており、タッチセンサ290が配置されていることを遊技者が容易に分かるように構成されている。
図5(b)は、選択スイッチ293を示した図である。この選択スイッチ293は、枠ボタン22の左側に近接して配置されている。選択スイッチ293は、枠ボタン22と同様に押下型のスイッチで構成されており、上面にどの方向を選択するスイッチであるかを示す文字が表示されている。この選択スイッチ293は、主に、第3図柄表示装置81に表示されたカーソルを遊技者に任意の方向に移動させたい場合に用いられる。選択スイッチ293は、左方向を指示する左選択スイッチ293Lと右選択スイッチ203Rとで構成されている。それぞれのスイッチが押下されるオン状態となる信号が音声ランプ制御装置113に出力されて、押下したことを判別できるように構成されている。
図6を参照して、チケット演出について説明する。本実施形態では、通常演出期間(モードA)の先読みが可能な期間(後述するチケットの枚数が1以上であり、特別図柄の保留個数が記憶されており、大当たり遊技中でない場合)において、枠ボタン22を押下することで、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている特別図柄の保留において、当否判定結果が大当たりとなるものが記憶されているかを報知させることができる。先読み可能期間では、図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の小領域Ds3に枠ボタン22を長押し(3秒間押下)することで記憶されているチケットを1枚消化して、現在、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている保留の当否判定結果について当否判定を報知させることができる。
図6(b)は、枠ボタン22を長押しして、保留されているものの当否判定結果が報知された場合の表示態様を示した図である。小領域Ds3には、「結果発表中!!」という文字が表示されて、保留図柄に対応する当否判定結果が報知されている状態であることを示している。その下に表示されたチケット枚数が図6(a)の場合より1枚減算されて表示される。小領域Ds2には、キャラクタの予告図柄に変えて、「チャンス!!」という文字が表示され、保留されているものの中に大当たりとなるものが記憶されているものがあることを遊技者に報知している。そして、小領域Ds2に表示された保留図柄のうち、大当たりであるものに対応した保留図柄の色が可変して表示される。
このように構成することで、遊技者は、演出の特典として獲得したチケットを利用して、保留されているものの当否判定結果をその変動表示が終了するまえに知ることができる。よって、遊技者がトイレ等で早期に離席したい場合等には、チケットを使用することで、当否判定結果をより早く知って、記憶されている当否判定結果に応じて離席するか否かを早期に決定できる。従って、チケットが付与される演出も魅力的に遊技者に感じさせることができ、大当たり以外の特典についても得ようとして遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、チケットを使用して、先読みで報知する結果は、大当たりのみで説明したが、それに限らず、外れであってもスーパーリーチとなる保留が記憶されている場合には、それを報知するようにしてもよい。このように構成することで、選択される頻度の少ない変動態様を遊技者が見逃してしまうことを抑制できる。また、チケットを使用して与えられる特典としては、それ以外の特典、例えば、2次元コードを表示して、携帯電話等で読み込むことで、所定の画像データが得られたり、所定の音楽データ等が得られたりする構成であってもよい。
次に、図7を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81で表示されるSW予告の表示態様について説明する。図7(a)は、SW予告が選択された場合に、遊技者に枠ボタン22を押下することを報知した表示態様である。SW予告が選択されると、枠ボタン22を模した図柄が3つ表示されて、その下に枠ボタン22を押下した場合に有効と判定される有効時間を示すメータが表示される。このメータは有効時間の減少に合わせて、色が可変して表示される。図7(a)に示すように、SW予告の枠ボタン22を押下する回数(SW押下回数)が3回であることを遊技者に報知している。遊技者は、これにより枠ボタン22を3回押すことで、それぞれ1つずつ予告表示態様が表示される権利があることを認識できる。
図7(b)に示すように、枠ボタン22を押下した場合に、「pushA」と示された図柄がまず、予告表示態様に可変して表示される。この次に、枠ボタン22を押下すると、「pushB」と示された図柄が、また、その次に押下されると「pushC」と示された図柄が予告表示態様に可変して表示される。
表示される予告表示態様は、図7(a)に示すように、魚が泡を吹いている表示態様や、魚の群れが表示される表示態様が表示される。ここで、詳細については、後述するが、各表示態様は、変動されている特別図柄の当否判定結果に基づいて表示されるので、遊技者は、当否判定結果が大当たりの場合に選択され易い表示態様が表示されないかと期待して枠ボタン22を押下することができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、表示される表示態様は、変動している特別図柄の変動パターンがスーパーリーチであるかを示すものであったり、このSW予告の後に表示される予告表示態様の内容を報知するものであってもよい。
このように遊技者は、複数回の押下回数で構成されたSW予告が表示されることで、一度目で大当たりへの期待度が低いものが選択されたとしても、2度目で大当たりへの期待度が高いものが表示されるのではないかと期待して遊技を行うことができる。
また、SW有効時間を極端に短く設定するように構成してもよい。このように構成することで、複数回設定されているSW予告の表示内容が枠ボタン22を素早く連打しないと見ることができないように構成でき、遊技者にSW予告が表示されるかを緊張感を持って遊技を行わせることができる。
次に、図8〜図9を参照して、時間演出期間(モードC)に第3図柄表示装置81で表示される表示態様について説明する。パチンコ機10に電源が投入されてから55分が経過すると、5分間の時間演出期間(モードC)としてふれあいタイムと呼ばれる犬とタッチスイッチ290を使用してふれあうことのできる演出が表示される演出表示態様が表示される。この期間においては、通常演出期間(モードA)で表示される表示態様(図4(b)参照)に変えて、図8(a)に示す表示態様に切り替えて表示される。第3図柄が表示される主表示領域Dmは縮小されて右下に表示され、その他の領域に犬のキャラクタが表示される。そして、左下の表示領域にタッチセンタ290を操作して犬を近くに呼ぶ演出(犬を拡大して表示させる演出)が表示されるようにするように遊技者に促す演出が表示される。「呼ぶ」という文字を表示して、タッチセンサ290を操作するとこの犬を呼ぶ演出が表示されることを遊技者に報知している。
図8(b)に示すように、図8(a)に示された状態で、タッチセンサ290が操作されると、犬が拡大して表示されて、左下に犬とふれあう演出を選択するように促す「選んでね」という文字が表示されて、その下部にふれあう内容が示される。そのふれあう内容の上部には、下三角の図柄で示されたカーソルが表示されて、そのカーソルで示した内容が選択可能であることが示される。
遊技者は、選択スイッチ293を操作することで、カーソルを左右に移動させることができる。遊技者が枠ボタン22を押下することで、そのカーソルが指し示すふれあう内容が選択される。本実施形態では、ふれあう内容は、「なでる」と「ブラッシング」という内容が設定されている。
図9(a)は「なでる」というふれあう内容が選択された場合に表示される「なでる演出」態様の一例を示した図である。左下にタッチセンサ290を操作する方法が表示される。図9(a)に示すように、「なでる演出」では、タッチセンサ290をオンにできる距離まで手を近づけて、枠ボタン22の周囲を回転させてタッチセンサ290をオンにさせる(操作する)ように促している。タッチセンサ290がオンすることで、犬の頭上に表示された手を模した図柄も回転して、犬の頭をなでるように表示され、犬が喜んだ表情に可変して表示される。
このようにすることで、遊技者の手の動きがあたかも犬をなでているかのような動きになるため、遊技者は犬をなでているかのような気分を味わうことができる。また、その操作を報知する表示態様の上部には、インジケータが表示され、遊技者がなでる動作をすることに基づいて、所定の抽選が行われて、レベルが上昇するように報知される。インジケータが最大まで上がるとチケットを獲得できるように報知されている。
また、報知されたように、遊技者がタッチセンサ290を操作することで、タッチセンサ290が所定間隔でオンとオフとを繰り返すように構成できる。枠ボタン22の周囲を回動させてタッチセンサ290を操作した場合、一般的に素早く操作すると200ms〜300ms程度の間隔でオンすると想定される。よって、タッチセンサ290がオンする間隔が200ms〜300msを含む151ms〜500msの場合に、最もインジケータが上がり易く設定されている(図19(b参照))。よって、正しい動作で素早くタッチセンサ290を操作している遊技者ほどより多くの特典を付与することができる。また、この「なでる演出」では、タッチセンサ290をずっとオンさせ続けている遊技者、即ち、タッチセンサ290に手をかざしているだけの遊技者等には、インジケータにレベルが上昇しないように構成した。これにより、正しい動作で遊技するように促すことができる。
図9(b)では、「ブラッシング」のふれあい内容が選択された場合の「ブラッシング演出」の表示態様を示している。「ブラッシング演出」では、表示領域の左下に、タッチセンタ290をオンにさせる(操作する)方法について表示される。「ブラッシング演出」では、タッチセンサ290がオンとなる位置まで手をタッチセンサ290に近づけて、手を枠ボタン22の上部まで移動させるようにして、再び、タッチセンサ290に戻るように往復して手を前後させる動作をするように報知される。タッチセンサ290がオンすることに基づいて、犬の頭上に表示されたブラシを模した図柄が前後に可変して表示され、ブラッシングする表示態様が表示され、犬の表情が喜んでいる表示態様に可変して表示される。
このように、動作することで、タッチセンサ290は、オンとオフとを所定間隔で繰り返すように操作されるようになる。「ブラッシング演出」の操作では、一般的に素早く操作した場合、150ms〜200msの間隔でタッチセンサ290がオンすると想定される。よって、その151ms〜200msを含む71ms〜350msでタッチセンサ290がオンされた場合に最もレベルが上がりやすく構成されている(図19(b)参照)。
これにより、タッチセンサ290を正しい動作で操作している遊技者により多くの特典を付与することができる。よって、より正しい動作で遊技者にタッチセンサ290を操作することができる。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示し、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球がスルーゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、始動口64に付随する電動役物64cが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、始動口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球がスルーゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67における球の通過は、始動口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る始動口64が配設されている。この始動口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる入球口スイッチ、(図示せず)がオンとなり、その入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1始動口64a、第2始動口64bは、球が入球するとそれぞれ5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
始動口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図15参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図15参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<パチンコ機10における電気的構成について>
次に、図10を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図11を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図24参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図32参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、特別図図柄の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄保留球格納エリア203aの各エリアには、始動口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図24参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図13(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図13(a)参照)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図13(a)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本実施形態では、大当たり種別は、「大当たりA」と「大当たりB」との2種類が設定されており、第1当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA」と「大当たりB」とのどちらか一方が決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図示しない大当たり種別選択テーブルに設定される、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル202b(図13(b参照))により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図32参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
次に、図18〜図22を参照して、主制御装置110が変動パターンを選択して、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づいて、詳細な変動パターンが決定される仕組みについて説明する。音声ランプ制御装置113のROM222の変動パターン選択テーブル222a内には、図15〜図18に示したように特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン選択テーブルがそれぞれ設定されている。なお、本実施形態では、通常遊技状態において選択される変動パターン選択テーブルについて示したが、時短遊技状態、確変遊技状態においてもそれぞれ設定されている。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、音声ランプ制御装置113により、RTC292が計時する計時データに基づいて、パチンコ機10に電源が投入されてからの時間が計測され、54分間の通常演出期間(モードA)が設定され、その通常演出期間が経過すると、1分間の準備期間(モードB)が設定され、その準備期間の後に、5分間の時間演出期間(モードC)が設定される。この各期間についての詳細については、後述するが、この設定された期間により、主制御装置110からの変動パターンコマンドが同じであっても、期間が異なることにより選択される変動パターンが異なるように設定される。ここで、異なる演出が設定されても、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動時間で構成された演出となっており、各演出の変動時間や、当否判定結果、大まかな変動の内容(リーチ、スーパーリーチ、非リーチ等)は同一となるように構成されている。このように構成することで、主制御装置110は、個別の変動パターンを決定する必要がなく、制御付加を軽減することができる。また、主制御装置110のROM202に記憶される変動パターン選択テーブルのデータ量も抑制することができる。
変動パターン選択テーブル202bの一部である変動パターン選択テーブルについて説明する。変動開始する特別図柄の当否判定結果、変動開始時の特別図柄の保留球数に対応して、それぞれ、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、各変動パターンを選択する構成となっている。ここで、決定される変動パターンは、変動パターンの大まかな種別、変動時間が決定される事となる。「大当たりA」、「大当たりB」共通の当否判定結果が大当たりの場合に選択される変動パターンとして、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」各種が規定されている。各変動パターンに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けられており、当否判定結果が当たりであれば、取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンが決定される。なお、当否判定結果が当たりである場合には、保留個数の値に関わらず、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンが選択される。ここで、当否判定結果が当たりである場合には、「ノーマルリーチ」よりも、「スーパーリーチ」となる変動パターンの方が選択され易く設定されている。よって、当否判定結果が当たりである場合には、「スーパーリーチ」の変動パターンが実行されて大当たりとなる頻度が増え、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されると大当たりへの期待を持ちやすい。
なお、「ノーマルリーチ」の大当たりの変動パターンであるノーマルリーチ大当たり変動パターンAは、左図柄列Z1と右図柄列Z3とで同じ図柄で停止表示されるリーチ表示態様を経て、中図柄列Z2が所定時間変動表示した後に、リーチ表示態様の主図柄と同じ図柄で停止表示される変動表示態様である。「ノーマルリーチ」の大当たりの変動パターンは、後述する「スーパーリーチ」の大当たりとなる変動パターンと比較して、比較的に短い変動時間で構成されている。
「スーパーリーチ」の大当たりの変動パターンであるスーパーリーチ大当たり変動パターンA〜Cは、ノーマルリーチ大当たり変動パターンAと同様に、リーチ表示態様で表示され、その後に、キャラクタ等が表示されて、リーチ表示態様で表示されている図柄と同じ図柄で中図柄列Z2が停止表示されるか否の演出が実行される。「スーパーリーチ」の変動パターンは、「ノーマルリーチ」の変動パターンよりも比較的に長い変動時間で構成されている。
次に、特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンとしては、外れ用の変動パターンとして、「短時間外れ(短時間用)」、「長時間外れ(短時間用)」、「ノーマルリーチ外れ」、「スーパーリーチ外れ」が規定されている。「短時間外れ」の変動パターンである短時間外れ変動パターンは、他の変動パターンよりも短い変動時間(800ms)で構成され、リーチ表示態様で表示されることなく、所定時間の間、主図柄が変動表示された後に、左図柄列Z1、右図柄列Z3、中図柄列Z2の順で主図柄が停止表示される表示態様が実行される。「長時間外れ」の変動パターンである長時間外れ変動パターンは、短時間外れ変動パターンよりも長い変動時間(12000ms)で構成されている。「ノーマルリーチ外れ」の変動パターンであるノーマルリーチ外れ変動パターンは、ノーマルリーチ大当たり変動パターンの対して中図柄列Z2がリーチ表示態様の図柄とは異なる図柄で最終的に停止表示されることで異なる表示態様で構成された抽選結果が外れである事を示す表示態様である。このノーマルリーチ外れ変動パターンは、当否判定結果が外れである場合には、後述するスーパーリーチ外れ変動パターンよりも選択され易く構成されている。また、「スーパーリーチ外れ」であるスーパーリーチ外れ変動パターンは、スーパーリーチ大当たり変動パターン各種に対して、最終的に外れを示す表示態様で表示される点で異なる表示態様である。
特別図柄の当否判定結果が外れである場合には、変動開始時の特別図柄の保留個数が0〜2個である場合と3個〜4個である場合とで、選択される変動パターンの割合が異なるように変動種別カウンタCS1が各変動パターンにそれぞれ割り付けされている。
保留個数が0個〜2個である場合には、「短時間外れ」の変動パターンには、変動種別カウンタCS1の値が割り付けられておらず、選択されない構成となっている。これにより、保留個数が0〜2個である時には、選択される変動パターンの変動時間が比較的長くなり、その間に始動口64に遊技球を入球させやすくして、特別図柄の変動が停止した期間(遊技の抽選が実行されない期間)が発生してしまうのを抑制できる。
また、保留個数が3個〜4個である場合には、「短時間外れ」の変動パターンが選択される割合が多く設定されている。これにより、保留個数が3個〜4個と上限個数に近い場合には、短い変動パターンが選ばれやすく構成することで、始動口64に入球しても、保留個数以上の無効球となってしまう不具合を抑制することができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通当たり乱数テーブル202c(図13(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通当たり乱数テーブル202c(図13(c)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ第2当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常遊技状態(低確率遊技状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で電動役物64cが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短中、確変期間においては、2秒間の開放時間で電動役物64cが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜20」であれば、通常当たりとして、第2始動口64bが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2始動口64bが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。また、第2当たり乱数カウンタC4の値が「21〜28」であれば、長時間当たりとして、第2始動口64bが「2秒×2回」だけ開放される。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通当たり乱数テーブル202c(図17(a)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、始動口64に付随する電動役物が「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、始動口64に付随する電動役物の解放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2始動口64bへ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2始動口64bが「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図10に戻り、説明を続ける。RAM203は、図11に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図42参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図31参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図27参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図12(b)に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、確変フラグ203fと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が始動口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、始動口64の入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1始動口64aへ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図35のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS206、図27のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図29のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図28のS605参照)。
球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図29のS705)。一方、球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図29のS703:No)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
確変フラグ203fは、遊技状態が確変である場合にオンに設定されるフラグである。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図30参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、タッチセンサ290、選択スイッチ293などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される背景モードを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図14(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、SW予告選択テーブル222b、タッチ演出抽選テーブル222cが格納されている。また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、図14(b)に示すように、入賞情報格納エリア223a、特別図柄保留球数カウンタ223b、普通図柄保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、時間演出実行フラグ223g、設定時間記憶エリア223h、準備期間フラグ223i、開始期間フラグ223j、SW有効時間記憶エリア223k、SW回数カウンタ223m、演出モード記憶エリア223n、待機フラグ223o、待機カウンタ223p、タッチ演出有効時間記憶エリア223q、カーソル位置記憶エリア223r、レベル記憶エリア223s、間隔カウンタ223t、発射カウンタ223u、発射停止フラグ223v、枚数記憶エリア223w、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図47参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図27を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図27参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図20を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図20は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図46のS1801参照)の終了後に実行される初期化処理(図46のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図31参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図48(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、始動口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図46参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像(図示なし)を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は、それを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合はそれを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」、「×」を示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図20に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1始動口64aまたは第2始動口64bへの入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、始動口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2始動口64bへ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図28を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図28は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。
MPU231は、この背面種別によって、背景モードに対応した背景(海中、浜辺、準備期間の背景、時間演出専用の背景)のいずれかを表示させることが特定される場合は、背景のうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図28の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図23参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図22を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図22は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図22のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図30のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図30の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図22の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図示しない電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図46参照)の中でオンに設定される(図46のS1805参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図56(b)のS3405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図48(b)のS1901参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図47(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2109参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図49〜図52参照)および表示設定処理(図53〜図55参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図56(a)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図56(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図57参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図48(b)のS2103参照)の中で、ポインタ更新処理(図55)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図23を参照して、描画リストの詳細について説明する。図23は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図23に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図48(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図53のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図46のS1802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図72参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図57のS3517参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図57のS3518参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233iは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図58のS3602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図48(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図58のS3602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図24から図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C2、C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1始動口64aへの入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図25〜図27を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図37および図39を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図25は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図32参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。S207の処理が実行された後には、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図26を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図26を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S212)、大当たり種別が大当たりBであれば、RAM203の時短中カウンタ203eに100を設定する(S214)。その後、S220の処理を実行する。また、大当たり種別が大当たりAであれば、確変フラグ203fをオンに設定して、大当たり遊技後の遊技状態を確変期間である高確率に設定する(S213)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図26は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図24参照)の特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理(S208)では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値を取得する(S301)。
次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S302)。なお、確変期間であるか否かの判断は、図示を省略した確変フラグ203fがオンであるか判別することにより実行される。この確変フラグは、大当たりAに基づく大当たり遊技終了したことに基づいて、オンに設定される。一方、大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される。
確変中であると判別された場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S303の処理に移行する。S303の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であると判別した場合には(S302:No)、S304の処理を実行する。S304の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜59」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、大当たり遊技後次の大当たりまで確変期間)であると判定し、「60〜99」の範囲にあれば、大当たりB(16R大当たり、普通図柄の時短期間100回)である判定する。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定されている。大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとしては、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種、が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図32)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図27を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図27は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、始動口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が始動口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、始動口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が始動口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、始動口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、始動口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、始動口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理において、S405の処理で取得した各カウンタの値に基づいて、変動開始時における当否判定結果を判別する(S407)。S407で判別した当否判定結果について判別する(S408)。当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S408:Yes)、大当たり入賞コマンドを設定する(S409)。一方、当否判定結果が外れであると判別した場合には(S408:No)、外れ入賞コマンドを設定する(S410)。S409,S410の処理が終了した後には、この処理を終了する。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S107)について説明する。図28、この普通図柄変動処理(S107)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、始動口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、始動口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、始動口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、始動口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、始動口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に始動口64に球が入ることを抑制していても、始動口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、始動口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が始動口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、始動口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、始動口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、始動口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、始動口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、始動口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図29のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図29は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S701:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、S706の処理へ移行する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、S706の処理へ移行する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図30は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図31を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図31は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS913へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図32のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図32を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図32は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図24参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図24参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図25参照)や始動入賞処理(図27参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、始動口64に付随する電動役物64cの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS612の処理によって電動役物64cの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64cの開閉制御を開始する。尚、この電動役物64cの開閉制御は、普通図柄変動処理における図38のS630の処理またはS634の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS610の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図28参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図40のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図33から図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図33は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1318の電源断処理(図35参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図35のS1315参照)、S1318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図35のS1317参照)。つまり、電源断フラグは、S1318の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
S1212の処理では、時間設定処理を実行する(S1212)。なお、この時間設定処理(S1212)については、図34を参照して、詳細について説明する。図34は、この時間設定処理(S1212)を示したフローチャートである。時間設定処理(図34、S1212)では、RTC292より時間情報を取得して、その時間情報に基づいて、準備期間と時間演出期間をそれぞれ設定時間記憶エリア223hに設定する処理を実行する。
時間設定処理(図34、S1212)では、まず、RTC292より時間情報を取得する(S1221)。ここで取得される時間情報は、「時、分」の値が取得される。なおRTC292は、内部に電池を有した計時手段であり、パチンコ機10を組み立てる際に、所定の治具によりパチンコ機10に同じ現在時刻が初期設定される構成となっている。内部電池の容量は、約3年半程度の稼働時間となっている。また、RTC292は、カレンダー機能も有しており、「年月日」も判別可能な構成となっている。よって、例えば、クリスマスの日には、クリスマス専用の背景画像に変更させたり、サンタ等の特別なキャラクタ等を表示させる制御をすることも可能なように構成されている。
取得した時間情報は期限データ内であるか判別する(S1222)。ここで、期限データは、本実施形態では、RTC292の内部電池の容量である3年半以内の3年に設定されている。製造時に予め設定された日にちから3年後の日付が期限データとして設定されており、その日にち以降であると判別された場合には、時間演出の設定が実行されないように構成されている。このように構成することで、電池の容量不足等により、時間に遅れ等が生じて、パチンコ機10同士で時間演出の開始タイミングの同期ができなくなる不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、製造時に予め設定された日にちから3年後の日付であるかを判別して、後述する時間演出実行フラグ223gをオンに設定するように構成したが、それに限らず、RTC292に電力を供給している電池の電圧値を判別して、電圧値が所定電圧以上(例えば、3.3V以上)である場合には、時間演出実行フラグ223gをオンに設定するようにしてもよい。ここでは、RTC292が正常に動作可能な電圧値以上に設定することが望ましい。
S1222の処理において、取得した時間情報が期限データ外である、即ち、3年以上経過していると判別した場合には(S1222:No)、この処理を終了する。一方、取得した時間情報が期限データ内である、即ち、3年以内であると判別した場合には(S1222:Yes)、時間演出実行フラグ223gをオンに設定する(S1223)。取得した時間情報に基づいて、準備期間、時間演出期間をそれぞれ算出して、設定時間記憶エリア223hに設定する(S1224)。ここで、本実施形態では、パチンコ機10に電源が投入された時間から54分間を通常遊技期間(演出モードA)、その後の1分間を準備期間(演出モードB)、準備期間経過後から5分間を時間演出期間(演出モードC)として設定されている。時間演出期間の5分が経過した後には、再び、54分の通常遊技期間が設定されて、その後、同様に各期間が設定されるように構成されている。
上記した、各期間については、詳細について後述するが、通常遊技期間と時間演出期間とでは、表示される予告内容や特別図柄が表示される背景画像の種別が切り替えられて表示される。また、準備期間では、通常遊技期間から時間演出期間に切り替わるための準備を行うための期間であり、時間演出期間に切り替わるまえに、準備期間で通常遊技期間で選択された特別図柄の変動が終了するように設定されている。
なお、本実施形態では、取得した時間情報に基づいて、24時間分の準備期間、時間演出期間を算出して設定時間記憶エリア223hに設定するように構成したが、それに限らず、まず、通常に遊技を実行する54分を設定して、その期間をカウントダウンまたは、カウントアップ等で計測して、54分が経過したことに基づいて、準備期間を設定するように構成してもよい。また、それ以外にも、54分後の時間を設定して、その時間に達したことを契機に次の期間の時間を設定するように構成してもよい。このように構成することで、記憶エリアの必要容量を少なくすることができる。よって、パチンコ機10をより安価に構成することができる。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1311のコマンド判定処理や、S1312の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1311の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1312の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1314の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。なお、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)については、図40を参照して、詳細について後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。このコマンド判定処理(図36、S1311)の処理が実行された後には、変動表示設定処理が実行される(S1312)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図38を参照して後述する。
S1312の処理が終わると、同期演出管理処理(S1313)の処理を実行する。この同期演出管理処理(S1313)については、図39を参照して、詳細について後述する。S1313の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1317)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1317の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1317:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1319)、電源断処理を実行する(S1320)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1321)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1317の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1317:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1318)、RAM223が破壊されていなければ(S1318:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1318:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図36は、このコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図33参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、変動開始フラグ223dをオンに設定して(S1402)、変動パターン選択処理を実行する(S1403)。その後、この処理を終了する。
ここで、図37を参照して、この変動パターン選択処理(S1403)の詳細について説明する。図37は、この変動パターン選択処理(S1403)を示したフローチャートである。
変動パターン選択処理(S1403)では、まず、演出カウンタ223fの値を取得する(S1501)。演出カウンタ223fは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図35参照)が実行される毎に1ずつ加算されるカウンタであり、0〜198までの範囲で繰り返し更新されるカウンタである。次に、演出モード記憶エリア223nに設定されている演出モードが演出モードAであるか判別する(S1502)。
ここで、本実施形態では、演出モードA、演出モードB、演出モードCがそれぞれ設定されるように構成されている。各演出モードは、パチンコ機10に電源が投入されて、遊技が開始されてから所定時間が経過する毎に設定されるように構成されている。電源投入後から54分間は、通常遊技期間として演出モードAが、その54分間が経過すると、その後の1分間、準備期間として演出モードBが設定され、準備期間の1分間が経過すると、その後の5分間、時間演出期間として演出モードCがそれぞれ設定される。時間演出期間の5分間が経過した後には、再び通常遊技期間である演出モードAが設定され、演出モードB、演出モードCが繰り返し設定される。
このように、パチンコ機10に電源が投入されてから、予め定められた所定時間が経過する毎に演出モードを切り替えるように構成することで、複数のパチンコ機10に対して同時に電源を投入するようにすることで、複数のパチンコ機10で演出モードが切り替わるタイミングを合わせることができる。よって、複数のパチンコ機10で同様の演出を同じタイミングで実行することができる。
演出モードAが設定されている(即ち、通常遊技期間である)と判別した場合には(S1502:Yes)、対応する特別図柄の変動パターン選択テーブルA(図15参照)または変動パターン選択テーブルB(図16参照)より当否判定結果、保留個数、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを選択して設定する(S1503)。その後、SW予告選択テーブル(図19(a)参照)よりSW予告を当否判定結果、選択された変動種別、演出カウンタ223fの値に基づいて選択して設定する(S1504)。
なお、図19(a)に示すように、SW(スイッチ)予告はノーマルリーチとスーパーリーチの変動パターンが選択されている場合に選択されるように設定されている。その他の変動パターンが選択されている場合には、SW予告は選択されずにこの処理が終了して設定される。本実施形態では、ノーマルリーチとスーパーリーチとのいずれかが選択されている場合にSW予告が選択されるように構成したが、それに限らずに他の変動パターンが選択された場合にも選択されるように設定してもよい。また、選択されている変動パターンに限らず、所定の選択抽選を実行して、その抽選に当選した場合にSW予告が選択されるように構成しても当然よい。
ここで、SW予告の内容について図7及び図19(a)を参照して説明する。図7に示すように、SW予告が選択されると、枠ボタン22の形状を模した図柄が3つ第3図柄表示装置81に表示される。それぞれの枠ボタン22を模した図柄には、下部にSW有効時間を示すインジケータが表示される。各インジケータは、SW有効時間が経過するのに合わせて色が可変して表示される構成となっている。
図7(a)に示すように、SW予告で3個表示される枠ボタン22を模した図柄には、「pushA」、「pushB」、「pushC」とそれぞれ表示されており、SW有効時間内に枠ボタン22を押下すると図7(b)に示すように予告図柄が表示される。枠ボタン22が押されることにより、「pushA」と示された枠ボタン22を模した図柄が予告図柄に可変して表示される。次に、枠ボタン22が押下されると「pushB」が、その次に枠ボタン22が押下されると「pushC」がそれぞれ予告図柄に可変するように構成されている。本実施形態では、3回の押下回数のSW予告が選択されていることを遊技者は、枠ボタン22を模した図柄により判別することができる。
また、図19に示すように、当否判定結果が当たりである場合には、外れである場合よりも魚の群れが表示される予告図柄である「魚群」が選択され易いように構成されている。また、SW押下回数を押下して、最初の1回目(「pushA」に該当)には魚が泡を吐いている予告図柄が表示される「泡」の予告図柄が選択され、2回目以降に「魚群」や金色の魚の群れが表示される「金魚群」、大きな魚の群れが表示される「大魚群」が設定されるように構成されている。
このように構成することで、遊技者は枠ボタン22を押す毎に、表示される予告図柄が変化して、大当たりの場合に選択され易い「魚群」、「金魚群」、「大魚群」が表示されないかと期待して遊技を行うことができる。よって、遊技者は、楽しみながら遊技を行うことができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。また、「金魚群」や「大魚群」は、当否判定結果が大当たりの場合にのみに設定されているので、遊技者は「金魚群」や「大魚群」が表示されることで、当否判定結果が大当たりであることを第3図柄が停止表示されるよりも早く知ることができる。
ここで、SW予告が設定される処理についてさらに詳細に説明する。例えば、当否判定結果が当たりであり、S1503の処理で選択された変動パターンがノーマルリーチであり、演出カウンタ223fの値が50であれば、SW回数カウンタ223mの値が「3」(即ち、「pushA」のSW予告図柄)に対して「予告なし」が選択され、SW回数カウンタ223mの値が「2」(即ち、「pushB」のSW予告図柄)に対して「泡」が選択され、SW回数カウンタ223mの値が「1」(即ち、「pushC」のSW予告図柄)に対して「泡」が選択される。このように、それぞれの押下回数に対して、SW予告の内容が予め設定されることで、枠ボタン22が押下された場合に表示設定する処理を容易に行うことができる。なお、SW予告が選択される場合に、各SW予告(「pushA」〜「pushC」)のSW有効時間が設定される。本実施形態では、SW有効時間は、各SW予告に対してそれぞれ個別に設定して、そのSW有効時間が経過しても枠ボタン22が押下されない場合には、枠ボタン22を模した図柄が非表示となり、SW予告の内容は表示されない。本実施形態では、各SW予告の有効時間は、予め決められた時間、例えば、「pushA」では、変動時間開始から4秒間、「pushB」に対しては、変動時間開始から「6秒間」、「pushC」では、変動時間開始から8秒間として設定されるように構成した。
なお、本実施形態では、各SW予告に対して、予め定められた順で枠ボタン22が押下する毎に、SW予告が順に表示されるように構成したが、それに限らず、遊技者が選択スイッチ291等で表示させるSW予告を選択した後に、枠ボタン22を押下することによりSW予告の内容を表示するように構成してもよい。
図37に戻って説明を続ける。S1502の処理において、演出モードAが設定されていないと判別した場合には(S1502:No)、演出モードBが設定されているか(即ち、準備期間であるか)判別する(S1505)。演出モードBが設定されていると判別した場合には(S1505:Yes)、対応する特別図柄の変動パターン選択テーブルC(図17参照)より変動パターンを選択して設定する(S1506)。準備期間では、専用の背景画面が設定されて背景に準備期間であることを示す「まもなくふれあいタイム開始!!」という文字が表示される。ふれあいタイムとは、時間演出期間を示したものである。また、準備期間中には、背景画像に1分間をカウントダウン表示した時間表示が実行される。これにより、後どのくらいで時間演出期間が開始されるかを遊技者に分かり易く報知できる。
また、準備期間では、予告演出が設定されないように構成されている。このように構成することで、時間演出期間が開始された場合に、準備期間で設定された予告表示が表示されて、時間演出期間で設定される専用の予告演出と異なる予告演出が表示される不具合を抑制できる。
一方、S1505の処理において、演出モードBが設定されていない、即ち、演出モードC(時間演出期間)が設定されていると判別した場合には(S1505:No)、対応する特別図柄の変動パターン選択テーブルD(図18参照)より変動パターンを選択して設定する(S1507)。予告選択テーブルC(図示せず)より予告演出表示を選択して設定する(S1508)。なお、予告選択テーブルCでは、当否判定結果と演出カウンタ223fの値とに基づいて、予告内容が選択される。選択される予告内容は、遊技者に当否判定結果を事前に予告するものであり、時間演出期間専用の予告内容となる。
ここで、図36に戻って説明を続ける。S1401の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S1401:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1404)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1404:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1405)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1406)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1404:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1407)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1407:Yes)、受信した保留球数コマンドより特別図柄の保留球数を抽出して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1406)。S1406の処理の終了後は、メイン処理に戻る。S1407の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1407:No)、次いで、主制御装置110より特別図柄の入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1409)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S1409:Yes)、受信した入賞コマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する(S1410)。その後、メイン処理に戻る。
上述したように、本パチンコ機10では、球が始動口64へ入賞(始動入賞)すると、主制御装置110において各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得された各カウンタC1〜C3の各値が、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶される。また、主制御装置110において各カウンタC1〜C2、CS1の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、取得された各カウンタC1〜C2の各値から、その本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が先読み(予測)される。そして、主制御装置110において先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞コマンドが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信される。
S1409の処理において、特別図柄の入賞コマンドを受信していない場合には(S1409:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1419)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)について説明する。図54は、この変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(図38、S1312)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S1511)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1511:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1516の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S1511:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S1512)、次いで、変動パターンコマンドから選択した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1513)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1514)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。また、ここで選択された各予告内容についても通知される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1515)。この処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1516の処理へ移行する。
S1516の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S1505)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1516:No)、この処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S15016:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S1517)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得し、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1518)、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1519)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。S1509の処理が実行された後には、この処理を終了する。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図35)内の一処理である同期演出管理処理(S133)について説明する。図39は、この同期演出管理処理(S1313)を示したフローチャートである。この同期演出管理処理(S1313)では、RTC292より時間情報を取得して、その時間情報に基づいて、準備期間、時間演出期間であるかを判別して、それを示す演出モードを設定する処理を実行する。
同期演出管理処理(図39、S1313)では、まず、時間演出実行フラグ223gがオンに設定されているか判別する(S1601)。時間演出実行フラグ223gがオフであると判別した場合には(S1601:No)、この処理を終了する。一方、時間演出実行フラグ223gがオンであると判別した場合には(S1601:Yes)、RTC292より「時、分」の時間情報を取得する(S1602)。準備期間中であることを示す準備期間フラグ223iがオンであるか判別する(S1603)。準備期間フラグ223iがオンであると判別した場合には(S1603:Yes)、S1602の処理で取得した時間データは、設定時間記憶エリア223hに設定されている時間演出期間であるか判別する(S1604)。時間演出期間でないと判別した場合には(S1604:No)、この処理を終了する。
一方、時間演出期間であると判別した場合には(S1604:Yes)、準備期間フラグ223iをオフに設定する(S1605)。時間演出期間であることを示す開始期間フラグ223jをオンに設定する(S1606)。演出モード記憶エリア223nに演出モードCを設定する(S1607)。その後、演出モードC(時間演出期間)であることを表示制御装置114に対して通知するための表示用演出コマンドを設定する(S1608)。この演出モードCを示す表示用演出コマンドを表示制御装置114が受信すると第3図柄表示装置81に時間演出期間に対応した表示態様を表示するように設定が実行される。
ここで、時間演出期間では、図8(a)〜図8(b)、図9(a)〜図9(b)に示すように、第3図柄が右下に縮小して表示されて、犬の画像がその他の領域に表示される。そして、表示領域の左下には、遊技者にタッチセンサ290や枠ボタン22の操作を報知する表示態様が表示される。また、表示領域の右上には、時間演出期間の残り時間が表示される。
このように、時間演出期間となると、通常時の表示態様(図4(b)参照)とは異なる表示態様が表示される。時間演出期間の遊技については、詳細について後述するが、第3図柄(特別図柄)の変動表示が実行されているか否かに関わらず遊技者の操作によって、動的表示する表示態様(犬とふれあう演出)が表示されるように構成されている。よって、遊技者は、時間演出期間の間は、遊技球を発射していなくても遊技を楽しむことができる。また、図8(b)に示すように、時間演出期間で表示される表示態様では、犬とふれあう内容を選択するように構成されている。本実施形態では、犬をなでる演出と犬をブラッシングする演出とを遊技者が選択するように構成されている。犬をなでる演出を選択すると、図9(a)に示すように、タッチセンサ290に手をかざすことで、犬をなでる演出が実行される。犬をなでることにより、表示されているインジケータが加算されて、最大まで加算される遊技者に有利な特典が付与されるチケットが遊技者に遊技の表示上で付与される。チケットが付与されると、第3図柄表示装置81にチケットの枚数が加算されて表示される。図9(a)の例では、「チケット×1」と表示されて、現在の付与されたチケットの残り枚数の合計が1枚であることが遊技者に報知される。また、図8(b)に示した表示態様で、ブラッシングを選択すると、図9(b)に示すように、タッチセンサ290に手をかざすことで、犬をブラッシングする演出が表示される。なでる演出と同様に、ブラッシングの演出でも遊技者がチケットを獲得することが可能に構成されている。ここで、付与されたチケットは、通常遊技期間で、枠ボタン22を長押しすることで、チケット1枚につき一度、保留されている特別図柄の当否判定結果を事前に遊技者が知ることができるように設定されている。これにより、遊技者は、遊技の途中で離席したい場合や、遊技を辞めようと思う場合に、チケットを使用して、保留されているものの当否判定結果を事前に知ることで、特別図柄の変動表示が終了するまで待たなくとも、当否判定結果を判別して、大当たりでなければ早く席を離れることが可能となる。このような構成では、トイレに遊技者が行きたいと思った場合にも、早くトイレに行くことが可能となり、効率良く遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、時間演出期間で表示される演出において、遊技者が積極的に参加した場合に遊技者にチケットを付与したが、それに限らず、例えば、演出モードに限らず、大当たりの場合に選択されやすい変動種別(例えば、スーパーリーチ)が選択された場合に、その抽選結果が外れの場合にチケットを付与するように構成してもよい。この場合、特別図柄の中図柄にチケットを付与することを示す図柄を設定しておき、チケットが付与される場合には、その図柄を停止表示するように構成することで、遊技者に分かり易く報知できる。また、所定回数、特別図柄の抽選が実行されても大当たりとならない場合に、遊技者に付与するように構成してもよい。
図39に戻って説明を続ける。S1603の処理において、準備期間フラグ223iがオフであると判別した場合には(S1603:No)、開始期間フラグ223jがオンである判別する(S1609)。開始期間フラグ223jがオンであると判別した場合には(S1609:Yes)、S1602の処理で取得した時間データが時間演出期間外であるか判別する(S1610)。時間演出期間外であると判別した場合には(S1610:Yes)、開始期間フラグ223jをオフに設定し(S1611)、演出モード記憶エリア223nに演出モードA(通常遊技期間)を設定する(S1612)。演出モードAであることを表示制御装置114に対して通知するための表示用演出コマンドを設定する(S1613)。その後、この処理を終了する。なお、表示制御装置113は、このコマンドを受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を図6(b)に示すような通常の表示態様に切り替える処理を実行する。
一方、S1609の処理において、開始期間フラグ223jがオフであると判別した場合には(S1609:No)、S1602の処理で取得した時間データが準備期間内であるか判別する(S1614)。取得した時間データが準備期間内であると判別した場合には(S1614:Yes)、準備期間フラグ223iをオンに設定して(S1615)、演出モード記憶エリア223nに演出モードBを設定する(S1616)。演出モードBを表示制御装置114に対して通知するための、表示用演出コマンドを設定する(S1617)。その後、この処理を終了する。なお、表示制御装置114では、このコマンドを受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81に準備期間に対応した背景画像等に切り替える処理が実行される。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)について説明する。図40は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)を示したフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理(図40、S1307)では、まず、発射センサ293がオンであるか判別する。この発射センサ293は、図2に示すように、レール61の先端部に遊技領域に発射される遊技球を検出できる構成となっている。発射センサ293は、遊技球が通過することによる磁気の変化を検出することにより遊技球の通過を検出する構成となっている。
S1701の処理において、発射センサ293がオンであると判別した場合には(S1701:Yes)発射カウンタ223uを初期値である0にリセットして(S1702)、発射停止フラグ223vをオフに設定する(S1703)。その後、S1707の処理を実行する。
一方、発射センサ293がオフであると判別した場合には(S1701:No)、発射カウンタ223uの値に1加算して更新する(S1705)。発射カウンタ223uの値が上限値(本実施形態では、30秒に対応するカウント値(30000))以上であるか判別する(S1705)。発射カウンタ223uが上限値以上であると判別した場合には(S1705:Yes)、遊技球の発射が行われていないことを示す発射停止フラグ223vをオンに設定する(S1706)。その後、S1707の処理を実行する。
このように、本実施形態では、音声ランプ制御装置113が遊技球を発射しているか否かを判別することができる。詳細には、後述するが、時間演出期間における演出で、遊技球を発射して遊技を行っている遊技者に対しては、発射を行っていない遊技者よりもチケットが付与され易く構成している。このように構成することで、遊技球を発射して、遊技を行っている遊技者に対して、より多くの特典を付与することができ、遊技者に遊技球を発射して遊技を行うことを促すようにできる。
S1707の処理では、演出モード記憶エリア223nに演出モードAが設定されているか(即ち、通常遊技期間であるか)判別する(S1707)。演出モードAが設定されていると判別した場合には(S1707:Yes)、SW演出制御処理を実行する(S1708)。
ここで、図41を参照して、SW演出制御処理(S1708)について説明する。図41は、このSW演出制御処理(S1708)を示したフローチャートである。SW演出制御処理(S1708)では、まず、SW有効時間が設定されているか判別する(S1721)。SW有効時間が設定されていないと判別した場合には(S1721:No)、先読み報知可能期間であるか判別する(S1722)。この先読み報知可能期間であるかの判別は、大当たり遊技中や待ち受け中、獲得しているチケットが一枚もない場合等の先読みが実行不可能である期間でないか判別する。ここでは、図示は省略したが、先読みの報知が可能であることを示すフラグを設定して、そのフラグがオンであるか判別する処理が実行される。このフラグは、大当たり中等の先読み報知が不可能な期間となるとオフに設定される。先読み報知可能な期間では、図6(a)に示すように、枠ボタン22を長押しするとチケットを使用して先読みが報知されることを報知する報知態様が表示される。そして、その状態で、遊技者が枠ボタン22を長押しすると、図6(b)に示すように、小領域Ds1に表示されている保留図柄の色が当否判定結果に基づいて可変して表示される。図6(b)に示すように、保留されている特別図柄の抽選結果に大当たりであるものが記憶されていると、その大当たりに対応する保留図柄の色が金色に可変されて表示される。そして、小領域Ds2に「チャンス!!」の文字が表示されて、保留されている中に、大当たりとなるものが含まれていることが遊技者に報知される。なお、保留の中に、大当たりとなるものが記憶されていない場合には、保留図柄の色は可変されず、小領域Ds2に「残念!!」の文字が表示される。
先読み報知可能期間であると判別した場合には(S1722:Yes)、枠ボタン22が押下されているか判別する(S1723)。枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S1723:No)、S1727の処理を実行する。一方、枠ボタン22が押下されていると判別した場合には(S1723:Yes)、SW押下時間カウンタ(図示せず)に1加算して更新する。SW押下時間カウンタの値が上限値(本実施形態では、3秒を示すカウンタ値(3000))より大きい値であるか判別する(S1725)。SW押下時間カウンタが上限値より大きい値であると判別した場合(即ち、枠ボタン22が長押しされた場合)には(S1725:Yes)、チケット処理を実行する(S1726)。その後、S1727の処理を実行する。
ここで、図42を参照して、チケット処理(S1726)について説明する。図42は、このチケット処理(S1726)を示したフローチャートである。チケット処理(S1726)では、まず、特別図柄保留球数カウンタ223bの値が0より大きい値であるか(即ち、保留個数が0より大きいか)判別する(S1741)。保留個数が0であると判別した場合には(S1741:No)、この処理を終了する。一方、特別図柄保留球数カウンタ223bの値が0よりも大きい値であると判別した場合には(S1741:Yes)、枚数記憶エリア223wの値を1減算する(S1742)。保留内に大当たりとなる保留があるかを入賞情報格納エリア223aより判別する(S1743)。保留内に大当たりとなる保留が記憶されていると判別した場合には(S1743:Yes)、大当たりである保留図柄の色を金色に可変させることを通知する表示用保留コマンドを設定する(S1744)。一方、すべての保留が外れであると判別した場合には(S1743:No)、外れに対応した先読み結果を表示させる表示用保留コマンドを設定する(S1745)。ここで、外れに対応した表示用保留コマンドを表示制御装置114が受信した場合には、チケットの枚数を1減算して表示して、小領域Ds2(図4(b)参照)に「残念!!」の文字を表示する処理を実行する。
このように、チケットを使用して、保留されている特別図柄の抽選結果を遊技者が希望するタイミングで遊技者に報知することができるので、遊技者は、チケットが付与されることを魅力に感じることができる。よって、時間演出期間において、チケットを得ようと、ふれあい演出を遊技者が遊技するように仕向けることができる。
なお、本実施形態では、チケットを使用する特典として、先読み結果を報知するように構成したが、それに限らず、遊技の状態(高確率遊技状態であるか、通常確率遊技状態であるか)を遊技者に報知しない構成として、チケットを使用することで、現在の遊技状態を報知するように構成してもよい。このように構成することで、大当たりとなった場合にその後の遊技状態が確変であるかを判別することが困難となり、大当たり後にも遊技を続けさせるように構成できる。この場合に、チケットを使用することで、現在の遊技状態を判別できるので、より時間演出期間にチケットを獲得しようと遊技者に思わせるようにできる。よって、遊技者が時間演出期間により価値を感じさせることができる。なお、その他、チケットに付与される特典は、他の特典を設定するように構成してもよい。複数の特典を設定して、遊技者が選択できるように構成してもよいし、チケットの獲得枚数により特典の内容を可変させるように設定してもよい。
図41に戻って説明を続ける。チケット処理(図42、S1726)が実行された後には、S1727の処理が実行される。S1727の処理では、SW押下時間カウンタ(図示せず)がリセットされる(S1727)。その後、この処理を終了する。
一方、S1721の処理において、SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S1721:Yes)、SW有効時間記憶エリア223kの値を減算してSW有効時間を更新する(S1728)。枠ボタン22が押下されているか判別する(S1729)。枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S1729:No)、この処理を終了する。一方、枠ボタン22が押下されていると判別した場合には(S1729:Yes)、SW回数カウンタ223mの値に対応するSW予告選択テーブル222b(図19(a)参照)より選択されている予告内容を示す表示用予告コマンドを設定する(S1730)。SW回数カウンタ223mの値を1減算して(S1731)、SW回数カウンタ223mの値が0であるか判別する(S1732)。SW回数カウンタ223mの値が0でないと判別した場合には(S1732:No)、この処理を終了する。一方、SW回数カウンタ223mの値が0であると判別した場合には(S1732:Yes)、SW有効時間を初期値である0にリセットして設定する(S1733)。その後、この処理を終了する。
図40に戻って説明を続ける。S1707の処理において、演出モード記憶エリア223nに演出モードAが設定されていないと判別した場合には(S1707:No)、演出モードCが演出モード記憶エリア223nに記憶されていか判別する(S1709)。演出モードCが設定されていない(即ち、演出モードBが設定されている)と判別した場合には(S1709:No)、この処理を終了する。演出モードCが設定されていると判別した場合には(S1709:Yes)、特殊SW演出制御処理を実行する(S1710)。
ここで、図43を参照して、特殊SW演出制御処理(S1710)について説明する。図43は、この特殊SW演出制御処理(S1710)を示したフローチャートである。特殊SW演出制御処理(S1710)では、まず、待機フラグ223oがオンであるか判別する(S1751)。この待機フラグ223oは、図8(a)に示すように、時間演出期間において、ふれあい演出で第3図柄表示装置81に表示される犬が待機している状態であることを示すフラグである。タッチセンサ290を遊技者がオンにすることで、待機している犬が近づいて表示される(図8(b)参照)。この場合に待機フラグ223oはオフに設定される。
待機フラグ223oがオンであると判別した場合には(S1751:Yes)、タッチセンサ290がオンであるか判別する(S1752)。タッチセンサ290がオンであると判別した場合には(S1752:Yes)、待機フラグ223oをオフに設定する(S1753)。待機フラグ223oがオフであることを示す表示用状態コマンドを設定する(S1754)。その後、この処理を終了する。一方、S1752の処理において、タッチセンサ290がオフであると判別した場合には(S1752:No)、この処理を終了する。
S1751の処理において、待機フラグ223oがオフであると判別した場合には(S1751:No)、タッチ演出有効時間記憶エリア223qにタッチ演出有効時間が設定されているか判別する(S1755)。タッチ演出有効時間が設定されていると判別した場合には(S1755:Yes)、タッチセンサ制御処理を実行する(S1756)。その後、この処理を終了する。
ここで、図44を参照して、タッチセンサ制御処理(S1756)について説明する。図44は、このタッチセンサ制御処理(S1756)を示したフローチャートである。タッチセンサ制御処理(S1756)では、まず、タッチ演出有効時間を減算してタッチ演出有効時間記憶エリア223qに記憶する。レベル記憶エリア223sに設定されているレベルは上限値(本実施形態では、4)であるか判別する。現在のレベルが上限値であると判別した場合には(S1762:Yes)、この処理を終了する。一方、現在のレベルが上限値未満であると判別した場合には(S1762:No)、タッチセンサ290がオンであるか判別する(S1763)。タッチセンサ290のオンを示す表示用タッチコマンドを設定する(S1764)。演出カウンタ223fの値を取得する(S1765)。間隔カウンタと取得した演出カウンタ223fの値とに基づいて、タッチ演出抽選テーブル222c(図19(b)参照)よりタッチ演出の抽選を実行する。タッチ演出抽選テーブル222cは、図19(b)に示すように、遊技球を発射しているかと、選択されているタッチ演出、間隔カウンタ223tの値とに基づいて、取得した演出カウンタ223fが当たりであるかを判定する。ここで、遊技球を発射している場合には、発射していない場合よりも当たりと判定される演出カウンタ223fの値が多く設定されている。また、タッチ演出には、「なでる」、「ブラッシング」の2種類があり、図9(a)〜図9(b)に示すように、「なでる」と「ブラッシング」では、遊技者に異なる操作でタッチセンサ290をオンにするように促している。図9(a)に示すように、「なでる」演出では、第3図柄表示装置81の表示領域右下に枠ボタン22の周囲に手を回すようにしてタッチセンサ290をオンさせるように操作することを遊技者に促している。これにより、犬の頭を遊技者が円を描いて手でなでるようにする動作と同様にしており、遊技者にあたかも実際に犬をなでているかのように思わせることができる。
一方、「ブラッシング」の演出では、図9(b)に示すように、タッチセンサ290の上方から枠ボタン22の上方側へと直線的に往復して手を動作するように遊技者に促す表示態様が第3図柄表示装置81の表示領域右下に表示される。このように遊技者が犬をブラッシングしている動作と同様の動作をするように促すことで遊技者があたかも犬をブラッシングしているかのように思わせることができる。
「なでる」演出と「ブラッシング」演出とでは、遊技者にタッチセンサ290をオンにさせる為の動作が異なるように促している。ここで、本実施形態では、タッチセンサ290がオンにされると第3図柄表示装置81に表示された犬をなでたり、ブラッシングしたりする表示態様が表示される。結局は、タッチセンサ290の上に手をかざし続けていても犬をなでたり、ブラッシングする演出を行うことが可能に構成している。これにより、センサを1個でも容易になでたり、ブラッシングする演出を行うことができる。さらに、本実施形態では、タッチセンサ290が一度オンにされて、その後オフになった場合に、その時間を間隔カウンタ223tにより計測している。そして、その時間により当たりとなる演出カウンタ223fの値の個数を可変させて設定している(図19(b)参照)。
「なでる」演出では、素早く枠ボタン22の周囲を回すように手を動かしてタッチセンサ290をオンにさせる動作をした場合には、200ms程度の間隔でタッチセンサ290がオンになる。これは、一般的な人が最も早く手を枠ボタン22の外形くらいの大きさの円で手を動かした場合に要する時間を想定している。よって、なでる演出では、151ms〜500msの時間を間隔カウンタ223tがカウントしている場合に、最も当たりとなる演出カウンタ223fの値が多く設定されている。即ち、その時間の範囲の間隔でタッチセンサ290をオンにさせてなでる演出を実行した場合に、最も当たり易く、レベルが良く上がり、チケットを獲得し易く構成されている。
また、その前後の範囲(1ms〜150ms、501ms〜2000ms)については、151ms〜500msの場合よりも少ない数の当たり値が設定されている。また、それ以外の間隔である場合には、最も当たり値の数が少なく設定されており、当たり難く構成されている。ここで、間隔カウンタ223tの値が0msである場合、即ち、タッチセンサ290にずっと手をかざした状態でタッチ演出が行われている場合には、最も少ない当たり値に設定されるように構成したので、なでる演出で促すような動作で遊技者に動作してタッチセンサ290をオンさせるようにすることが可能となる。また、なでる演出で促した動作でタッチセンサ290をオンさせている遊技者には、よりレベルが上がり易いように構成できるので、遊技者が正しい動作で遊技を行うことを促進することができる。
また、ブラッシングの演出では、一般的な人が早く手をタッチセンサ290の上方と枠ボタン22の上端部の上方とまでを直線的に往復させた場合に要する時間は、150msと想定している。よって、71ms〜350msの範囲で間隔カウンタ223tがカウントしている場合に、当たり値の数を最も多く設定している。また、なでる演出と同様に、0msである場合と、2秒より長い間隔である場合には、最も当たり値の数を少なく設定したので、タッチセンサ290に手をかざした状態を続けている遊技者や、極端に遅い動作でタッチセンサ290をオンさせている遊技者には、チケットが与えられる難く構成している。よって、遊技者により正しい動作で遊技を行わせて演出に参加させることができる。
図44に戻って説明を続ける。S1763の処理でタッチセンサ290がオフであると判別した場合には(S1763:No)、間隔カウンタ223tの値に1加算して更新する(S1763)。その後、この処理を終了する。なお、この間隔カウンタ223tは、タッチセンサ290がオンされてから次にオンされるまでの間隔を計測するためのカウンタであり、制御実行間隔より経過時間がカウンタ値に基づいて判別される。また、タッチセンサ290がオンにされると初期値である0にリセットされる(S1772参照)。
S1767の処理では、S1766の処理で判別した抽選結果が当たりであるか判別する(S1767)。抽選結果が外れであると判別した場合には(S1767:No)、S1772の処理を実行する。一方、抽選結果が当たりであると判別した場合には(S1767:Yes)、レベル記憶エリア223sに1加算して設定する(S1768)。レベル記憶エリア223sの値を示す表示用コマンドを設定する(S1769)。この表示用コマンドを表示制御装置114が受信すると、図9(a)〜図9(b)に示すように、「なでる」演出または「ブラッシング」演出で表示されているインジケータが受信したレベルに合わせて可変して表示される。これにより遊技者は、自身の操作が良かったと認識でき、演出に飽きてしまうことを抑制できる。
レベル記憶エリア223sに設定されているレベルが上限値(本実施形態では、4)であるか判別する(S1770)。レベルが上限値であると判別した場合には(S1770:Yes)、枚数記憶エリア223wに1加算して、その枚数を示す表示用コマンドが設定される(S1771)。一方、レベルが上限値未満であると判別した場合には(S1770:No)、S1772の処理を実行する。表示制御装置114では、この枚数を示す表示用コマンドを受信したことに基づいて、チケット枚数をその枚数に合わせた枚数で表示する処理を実行する。S1772の処理では、間隔カウンタ223tの値を初期値である0にリセットする(S1772)。
このように、間隔カウンタ223tは、タッチセンサ290がオンに設定されたことに基づいて、初期値である0にリセットすることにより正しくタッチセンサ290が操作されている間隔を判別できる。また、本実施形態では、タッチセンサ290がオンであると判別する場合には、タッチセンサ290が所定時間以上(例えば、50ms)オンに設定されている場合にオンであると判別するように構成している。このように構成することで、タッチセンサ290が過度にオンであると判別されて、抽選回数が過大になってしまうことを抑制できる。なお、本実施形態では、所定時間の間、タッチセンサ290がオンであるかを判別する構成としたが、それに限らず、一度オンと判別した場合には、所定期間(例えば50ms)の間は、次にオンであるかの判別を実行しないように構成してもよい。また、現在のレベルにより、演出の抽選確率を可変させてもよいし、タッチセンサ290をオンと判定する間隔を可変させるように構成してもよい。
図43に戻って説明を続ける。S1755の処理において、タッチ演出有効時間が設定されていないと判別した場合には(S1755:No)、間隔カウンタ223t、レベル記憶エリア223sを初期値にリセットする(S1757)。次いで、タッチ演出選択処理を実行する(S1758)。その後、この処理を終了する。
ここで、図45を参照して、タッチ演出選択処理(S1758)について説明する。図45は、このタッチ演出選択処理(S1758)を示したフローチャートである。タッチ演出選択処理(S1758)では、まず、枠ボタン22を押下したか判別する(S1781)。ここで、タッチ演出選択処理(S1758)は、タッチ有効時間が設定されていない場合に実行される処理であるので、第3図柄表示装置81には、図8(b)に示すようにタッチ演出の内容を遊技者に選択させる表示態様が表示されている場合に実行される処理となる。この状態で、枠ボタン22が押下されると第3図柄表示装置81の表示領域左下に表示されているタッチ演出の候補のうち、カーソルで選択されているタッチ演出が決定され、そのタッチ演出が設定される。
枠ボタン22を押下したと判別した場合には(S1781:Yes)、カーソル位置記憶エリア223rに設定されているタッチ演出を選択する(S1782)。選択されたタッチ演出を示す表示用タッチ演出コマンドを設定する(S1783)。その後、この処理を終了する。
一方、枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S1781:No)、選択スイッチ291(図5参照)が操作されたか判別する(S1784)。選択スイッチ291が操作されたと判別した場合には(S1784:Yes)、選択スイッチ291の種別(左選択スイッチ291Lであるか、右選択スイッチ291Rであるか)に対応した位置を示す表示用コマンドを設定する(S1785)。表示制御装置114では、このコマンドに基づいてカーソル位置を移動させて表示させる処理が実行される。カーソル位置を決定して、カーソル位置記憶エリア223rにタッチ演出の情報を設定する(S1786)。その後、この処理を終了する。
一方、S1784の処理において、選択スイッチ291が操作されていないと判別した場合には(S1784:No)、待機カウンタ223pが1加算されて更新される(S1787)。この待機カウンタ223pは、図8(b)に示した表示態様が表示されてから、枠ボタン22、選択スイッチ291のいずれも操作されない時間を計測するためのカウンタである。枠ボタン22、選択スイッチ291のいずれも操作されない時間が予め定められた上限値(本実施形態では、20秒)を越えると、図8(a)で示した待機状態の表示態様に切り替えて表示する処理を実行する。
待機カウンタ223pの値が上限値(本実施形態では、20秒に対応するカウンタ値)より大きいか判別する。待機カウンタ223pの値が上限値以上であると判別した場合には(S1788:Yes)、待機フラグ223oをオンに設定して(S1789)、待機カウンタ223pを初期値である0にリセットして(S1790)、待機フラグ223oがオンであることを示す表示用状態コマンドを設定する(S1791)。その後、この処理を終了する。一方、S1788の処理において、待機カウンタ223pの値が上限値以下であると判別した場合には(S1788:No)、この処理を終了する。
<表示制御装置114における制御処理について>
次に、図46から図58を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図46を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図46は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図47を参照して、ブート処理(S1801)について説明する。図47は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1801)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1901)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1902)。これにより、MPU231は、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1902の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1902の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1903)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1904)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図46のS1801参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図46のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S1801)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図47に示すブート処理では、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1901の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1901及びS1902の処理を含めて複数回繰り返した後、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1901及びS1902の処理を行わずに、S1903〜S1905の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図46の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1802)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1803)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1803の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1804)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1804の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1805)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図71(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図71(a)のS3402参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図48(b)参照)において、図11に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図48(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1始動口64aへ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図示を省略した電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1805の処理の後、割込許可を設定し(S1806)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図48(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図48(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図48(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図48(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図23参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図48(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図11に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2102)を実行し、次いで、表示設定処理(S2103)を実行する。
コマンド判定処理(S2102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図49〜図52を参照して後述する。
表示設定処理(S2103)では、コマンド判定処理(S2102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図53〜図55を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2104)。このタスク処理では、表示設定処理(S2103)もしくは簡易表示設定処理(S2309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンド(図示省略)を受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図56および図57を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2106)。この描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示とから、図23に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図58を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2107)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図示省略)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2309)を実行して、S2104の処理へ移行する。
次いで、図49〜図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2102)の詳細について説明する。まず、図49及び図50は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(図49及び50、S2102)では、図49〜図50に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2201)、未処理の新規コマンドがなければ(S2201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2204)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2205)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図49(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2205)の詳細について説明する。図49(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2303)。表示設定処理では、S2303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2304)、ポインタ233fを0に初期化する(S2305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2306)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図49の説明に戻る。S2204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2206)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2207)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図51(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2207)の詳細について説明する。図51(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図48(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2402)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S2403)。
図49に戻り、説明を続ける。S2206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用演出コマンドがあるか判別する(S2208)。表示用演出コマンドを受信していると判別した場合には(S2208:Yes)、コマンドに基づいた演出の表示データを設定する(S2209)。
一方、表示用演出コマンドないと判別されると(S2208:No)、コマンドに基づいた保留図柄データが設定される(S2211)。これにより、保留図柄が表示されたり、表示されている保留図柄の色が可変するように設定される。
一方、表示用保留コマンドがないと判別されると(S2210:No)、表示用予告コマンドがあるか判別される(S2212)。表示用予告コマンドがあると判別されると(S2212:Yes)、コマンドに基づいた予告の憑依データが設定される。これにより、枠ボタン22が押下されてSW予告に対応した予告表示等の表示設定がされる。
一方、表示用予告コマンドがないと判別されると(S2212:No)、表示用状態コマンドがあるか判別される。表示用状態コマンドがあると判別されると(S2214:Yes)、コマンドに基づいた状態に対応する表示データが設定される。これにより、時間演出等に対応した表示が設定される。
一方、表示用状態コマンドがないと判別されると(S2214:No)、表示用タッチコマンドがあるか判別される(S2216)。表示用タッチコマンドがあると判別されると(S2216:Yes)、コマンドに基づいて、対応する表示データが設定される(S2217)。これにより、ふれあい演出等のタッチ演出等に対応する表示が設定される。
一方、表示用タッチコマンドがないと判別されると(S2216:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2218)、エラーコマンドがあれば(S2218:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2219)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図52を参照して、エラーコマンド処理(S2219)の詳細について説明する。図52は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図50の説明に戻る。S2219の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2219:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2220)、S2201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、再びS2202〜S2220の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2201〜S2220の処理が繰り返し実行され、S2201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図48(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2109)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図48(a)参照)および停止種別コマンド処理(図48(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図51(a)参照)では、S2301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図53〜図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2103)の詳細について説明する。図53は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図53に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図54を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図54は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図53の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、又は、S3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図55を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図55は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ用表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図53に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3009の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S3009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3016:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図48(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図56及び図57を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2105)の詳細について説明する。まず、図56(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図56(b)を参照して後述する。
一方、S3301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図57を参照して後述する。
次いで、図56(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3302)について説明する。図56(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3401)、転送指示を送信していれば(S3401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3402:Yes)、S3403の処理へ移行する。また、S3401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3401:No)、S3403の処理へ移行する。
S3403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図48(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図48(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図48(b)のS2109参照)ではなく、コマンド判定処理(図49〜図52参照)および表示設定処理(図53〜図55参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図57参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図56(a)のS3301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図57を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である通常画像転送設定処理(S3303)について説明する。図57は、この通常画像転送設定処理(S3303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2103)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3502)、転送データ情報であれば(S3502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
また、S3502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3502:No)、S3503及びS3504の処理をスキップして、S3505の処理へ移行する。S3505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3505)、転送指示を設定していれば(S3505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3506)。
このS3506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3506:Yes)、S3507の処理へ移行する。また、S3505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3505:No)、S3507の処理へ移行する。
S3507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3507)、転送開始フラグがオンであれば(S3507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3508)、S3503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3517の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3513)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3513:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3513:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3514)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3515)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3516)、S3517の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3515の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3517の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3517)。このS3517の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3517:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3517:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3518)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3518の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S3519)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図58を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2106)の詳細について説明する。図58は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示から、図23に示す描画リストを生成する(S3601)。即ち、S3601の処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3602の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S3603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図48(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
また、上記実施形態では、音声ランプ制御装置113と、表示制御装置114とを別々に設けているが、代わりに、それぞれの装置113,114を一体化し、一つの装置として設けても良い。
また、上記実施形態では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のバッファRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237は第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブル、又は、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fで示されるアドレスにNullデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブル等に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブル等に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行される表示メイン処理またはメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
上記実施形態において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
上記実施形態では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234を内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモリ234aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
上記実施形態では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモリ234aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記実施形態で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
上記実施形態では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、その第1プログラム格納エリア234d1にMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
また、上記実施形態では、内部バス(バスライン240)に接続されたNOR型ROM234dに第1プログラム格納エリア234d1を設け、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリを内部バス(バスライン240)に接続し、そのメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などを内部バス(バスライン240)に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
上記実施形態では、ROMコントローラ234bにおいて、内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力する場合について説明した。これに対し、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234bが第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットしておき、次いで、ROMコントローラ234bにおいて内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後に内部バス(バスライン240)に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234cに第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、ROMコントローラ234bは、内部バス(バスライン240)に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、内部バス(バスライン240)を介してMPU231に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM234cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
上記実施形態では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延するおそれを抑制することができる。
また、上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
上記実施形態における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
上記実施形態では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM235の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM235の更新を行うことができる。
上記実施形態において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行される表示メイン処理またはメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によって表示メイン処理またはメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いキャラクタROM234aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
上記実施形態では、バッファRAM237aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、内部バス(バスライン240)に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多い内部バス(バスライン240)に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
上記実施形態では、バッファRAM237aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
上記実施形態では、バッファRAM237aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
上記実施形態では、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて、電源投入時主画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
同様に、上記実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
上記実施形態では、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて電源投入時主画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
同様に、上記実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
上記実施形態では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後の演出態様のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報に従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報によって背面画像の画像データを転送する場合、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
また、上記実施形態では、振動センサの出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサの出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブル又は表示データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブル又は表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、表示データテーブルの追加描画内容により規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が表示データテーブルによって規定される場合、その表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
また、上記実施形態では、表示データテーブルにおいて、その表示データテーブルに規定された描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報を含める場合について説明したが、それに加えて、表示データテーブルに規定された追加描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めてもよい。この場合、追加転送データ情報は、各アドレス毎に、その追加表示可能な演出を識別するための識別情報(「追加演出1」、「追加演出2」・・・等)に対応付けて、追加描画内容と共にまたは追加描画内容とは別個に規定されるものであってもよい。そして、MPU231は、追加して表示すべき演出を決定すると、その決定された演出に対応する識別情報に対応付けられた追加描画内容と追加転送データ情報とを含めて、描画リストを作成するように構成してもよい。
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加描画内容に従った描画で用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加して表示すべき演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルに規定された追加転送データ情報を用いることによって、追加描画内容に基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加描画内容によって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
上記実施形態では、表示データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233fを用いて、そのポインタ233fによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記実施形態では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記実施形態では、デモ演出が、背面画像を変化させると共に「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
上記実施形態において、表示データテーブルおよび転送データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記実施形態では、表示制御装置114のワークRAM233に格納画像データ判別フラグ233iを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233に記憶された画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
上記実施形態では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像データ判別フラグ233iと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
上記実施形態では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部のスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させることにより、キャラクタROM737から通常用ビデオRAM536への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
上記実施形態では、転送データテーブル又は表示データテーブルによって、ポインタ233fで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
上記実施形態では、「島ステージ」の背面画像である背面Cにおいて、その画像の一部の色調が時間と共に変化する場合について説明したが、画像全体の色調が時間と共に変化するものであってもよい。また、背面画像として、時間の経過と共にスクロールしたり、色調が変化したりするものだけではなく、また、そのような背面画像に代えて、時間の経過と共に、登場する物体(例えば、人物)が移動したり、変化したりするようなものであってもよい。
上記実施形態では、主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を、保留球数コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって、始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を音声ランプ制御装置113に通知してもよい。
上記実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記実施形態において、球が入球した場合に特別図柄の大当たりの抽選が開始される第1始動口64aが遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記実施形態では、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記実施形態においては、第1始動口64aへの入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64aへの入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
<第2実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図59〜図69を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、予め回数の定められたSW予告が枠ボタン22を押下するタイミングを報知されて表示される構成について説明した。一方、本第2実施形態におけるパチンコ機10においては、SW予告の総回数は判別できるが、枠ボタン22を押下するタイミングは報知されず、枠ボタン22の押下タイミングを予測して押下することで、予告演出が第3図柄表示装置81に表示される構成にした点で第1実施形態とは相違する。なお、第1実施形態と同一の構成においては、その図示と説明を省略する。
<第2実施形態におけるパチンコ機10の表示態様について>
図59〜図62を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81で表示される表示態様と、そのタイミングチャートについて説明する。
図59(a)〜(b)は、スーパーリーチ大当たり変動パターンA〜C(図15〜図16参照)のいずれかが選択された場合に、SW予告の種別により各変動時間の期間(リーチ前期間、リーチ変動期間、スーパーリーチ変動期間、再変動期間)にそれぞれSW予告が設定されている状態を示したタイミングチャートである。ここで、リーチ前期間は、特別図柄が変動を開始してからリーチ表示態様となるまでの期間である。リーチ変動期間は、リーチ表示態様となってからスーパーリーチ表示態様が表示されるまでの期間である。なおスーパーリーチ表示態様とは、スーパーリーチの変動パターンで、リーチ表示態様で表示されて、その後、キャラクタ等が表示されたりしてリーチ表示態様が継続して表示される表示態様である。再変動期間とは、スーパーリーチ表示態様で特別図柄が大当たりBを示す図柄で仮停止表示された後に、その特別図柄を大当たりAに可変させるか否かの表示演出(例えば、1〜9のぞろ目図柄を回転させて、停止表示する演出)が実行される期間である。
図59(a)は、リーチ前期間にコメント予告としてSW予告が1回設定され、リーチ変動期間にキャラ予告としてSW予告が1回設定され、再変動期間に再変動予告が2回設定された場合の例を示したタイミングチャートである。図59(b)は、リーチ前期間にコメント予告としてSW予告が1回設定され、再変動期間に再変動予告としてSW予告が3回設定された場合の例を示したタイミングチャートである。
このように、図59(a)の例も、図59(b)の例も一つの特別図柄の変動表示内で設定されるSW予告の回数は、4回であるが、枠ボタン22を押下するタイミングはそれぞれ異なるように設定されている。本実施形態での構成では、第3図柄表示装置81にSW予告の回数は表示されるが、枠ボタン22を押下するタイミングは、報知されないので、遊技者は、枠ボタン22の押下タイミングを予測して、枠ボタン22を押下することによりSW予告の表示態様が表示されるかを楽しむことができる。
また、特別図柄の変動表示が進むにつれて、SW予告が設定されている期間を経過しても枠ボタン22が押下されないと、第3図柄表示装置81に表示されているSW予告の回数が減算されて表示される。これにより、遊技者は、経過した期間内にSW予告が設定されていたことを判別でき、遊技を重ねるほど、枠ボタン22を押下するタイミングを的確に予測することができる。よって、熟練した遊技者ほど多くのSW予告の表示態様をみることができ、遊技を長時間する楽しみを増大させることができる。
図60〜図62を参照して、SW予告が設定される各期間の表示態様について説明する。図60(a)〜(b)は、図59で示したリーチ前期間において設定されるコメント予告の表示態様を示した図である。リーチ前期間にコメント予告のSW予告が設定されていると、その期間に枠ボタン22を押下すると、図60(a)に示すように、犬のキャラクタが表示され、その後、図60(b)に示すように吹き出しと共に「チャンス!!」のコメントが表示される。ここで表示されるコメントの内容は、SW予告選択テーブル65(a)より抽選により選択される。なお、この選択制御については、詳細を後述する。
次に、図61を参照して、リーチ変動期間におけるキャラ予告として設定されるSW予告の表示態様について説明する。図61(a)は、第3図柄表示装置81に主図柄の左図柄と右図柄とが同じ図柄(図61(a)では「7」図柄)で停止表示された場合のリーチ変動期間の状態を示している。図61(b)は、リーチ変動期間において、枠ボタン22が押下されると、魚の群れが右から左に横切るSW予告の表示態様の例について示している。このように、リーチ変動期間では、枠ボタン22が押下されると予め設定されているキャラクタ(魚の群れ、泡、マンボウ等)が表示されて、変動中の特別図柄の当否判定結果について予告する。本実施形態では、魚の群れは、変動中の特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合に、外れである場合よりも選択され易く設定されており、遊技者は、魚の群れ(魚群)のSW予告が表示されないかと期待して、枠ボタン22を押下することができる。
次に、図62を参照して、再変動期間における第3図柄表示装置81で表示されるSW予告の表示態様について説明する。再変動期間においては、大当たりBを示す特別図柄(偶数図柄)で表示された後に枠ボタン22を押下する毎に図柄の種類を可変して表示する(例えば、図62(a)に示すように、「4」の図柄で表示されていたものが、図62(b)に示すように「6」図柄で表示する)。このように、再変動期間では、報知されているSW予告の回数まで図柄を変更して表示させることができることとなり、SW予告の回数が多いほど遊技者は、大当たりAを示す図柄に変更されることを期待することができる。なお、再変動期間では、図柄がまだ変動表示されている期間であることを遊技者に分かり易く示すために縮小された特別図柄が表示領域の右上で変動表示される。これにより、第3図柄が仮停止した状態で表示されていても、まだ変動中であることを遊技者が容易に認識できる。
このように、本実施形態では、特別図柄の変動開始時にSW予告の回数が報知されて、同じSW予告の回数であっても、各期間で設定されるSW予告の回数が可変されるように設定されるので、遊技者は遊技に新鮮味を感じることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。また、再変動期間までにSW予告回数が多く残っていると、大当たりA(確変大当たり)への期待をより大きく持つことができ、遊技者は、SW予告がどこの期間に設定されているかにより大当たりへの期待感を変化させて持つことができる。また、当否判定結果が大当たりの場合には、SW予告の合計回数が多く選ばれやすく構成したので、変動開始時にSW予告の回数がより多いか少ないかを楽しむことができる。
また、詳細については後述するが、本実施形態では、SW予告が各期間で変動中の特別図柄の当否判定結果を予告する表示態様で表示して、先の期間で大当たりの期待度が高いものが表示された場合には、その後の期間では、それ以下の期待度となるSW予告が表示されないように構成した。これにより、遊技者は、大当たりへの期待を低下させることなく複数のSW予告を楽しむことができる。また、先の期間で大当たりへの期待度が低いSW予告の表示態様が表示されたとしても、その後のSW予告で大当たりの期待度が高いSW予告が表示されるのではと、期待して遊技を行うことができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図63を参照して、本第2実施形態の電気的構成について説明する。なお、第1実施形態に対する相違点について説明し、第1実施形態と同一の構成については、その詳細な説明は省略する。
図63(a)に示すように、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222には、第1実施形態に対して、SW予告選択テーブル222bの内容が変更され、SW回数選択テーブル222dが追加されている。また、図63(b)に示すように、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、第1実施形態に対して、進行モード記憶エリア223x、変動時間カウンタ223yがそれぞれ追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図65(a)〜(b)を参照して、本第2実施形態におけるSW予告選択テーブル222bについて説明する。図65(a)は、進行モードA(リーチ前期間)専用のSW予告の表示態様を選択するためのSW予告テーブルの内容を模式的に示した模式図である。また、図65(b)は、進行モードD(再変動期間)専用のSW予告の表示態様を選択するするためのSW予告テーブルの内容を模式的に示した図である。
進行モードA専用のSW予告選択テーブルでは、当否判定結果が大当たりA、大当たりB、外れであるかによりそれぞれ演出カウンタがそれぞれのSW予告であるコメント予告の内容に割付けされて設定されている。コメント予告の内容としては、「激熱」、「チャンス」、「・・・」が設定されており、当否判定結果が大当たりA(確変大当たり)または大当たりB(通常大当たり)である場合に、「激熱」のコメント予告が外れの場合よりも選択され易く設定されている。また、大当たりAの方が大当たりBよりも、「激熱」のコメント予告が選択されやすいように設定されている。また、進行モードAの期間で設定されているSW予告の回数のうち、残回数の値に対してそれぞれ、演出カウンタ223fが割付けされている。また、SW予告の残回数が1回の場合には、残回数2回の時にSW予告が表示されたかにより、その内容によって、選択されるコメント予告の内容が可変するように設定されている。
詳細には、進行モードAの期間において、SW予告の回数が2回が選択されて、1回目のSW予告(残回数2回)で「チャンス」が選択されて表示された場合には、次に、枠ボタン22が押下されて、コメント予告を選択する場合には、前回「チャンス」に対応して設定されている演出カウンタ223fの設定値からコメント予告を選択するように構成されている。なお、前回「チャンス」には、「・・・」のコメント予告には、演出カウンタ223fの値が割り当てられておらず、「・・・」が選択されないように構成されている。ここで、遊技者には、「激熱」、「チャンス」、「・・・」の順で変動中の特別図柄の当否判定結果が大当たりであることの期待度が高く構成されおり、一度「チャンス」のコメント予告が選択された場合には、「チャンス」よりも期待度の低い「・・・」は選択されないように構成されている。
このように、複数回で設定されたSW予告で先に表示された予告よりも期待度の低い予告を表示しないように構成することで、大当たりへの期待度が曖昧なものになってしまうことや、大当たりへの期待感を低下させてしまう不具合を抑制できる。
例えば、当否判定結果が大当たりBであり、取得した演出カウンタ223fの値が100であり、進行モードAにおけるSW予告の残回数が2である場合には、「チャンス」が選択される。次に、枠ボタン22が押下された場合に、取得している演出カウンタ223fの値が169であれば、進行モードA専用のSW予告選択テーブル222b(図65(a)参照)のSW予告の残回数1回、前回「チャンス」に設定されている演出カウンタ223fの値より判別して、「チャンス」のコメント予告が選択される。
なお、本実施形態では図示を省略したが、進行モードB(リーチ変動期間)、進行モードC(スーパーリーチ変動期間)においても、同様に専用のSW予告選択テーブルが設定されており、取得した演出カウンタ223fの値に基づいてSW予告の内容が選択される。
図64(b)に示したSW予告選択テーブルは、進行モードD(再変動期間)である場合に、SW予告の内容を選択するためのテーブルである。再変動は、大当たりである場合に実行されるので、大当たりA、大当たりBの大当たり種別に対応して、それぞれ予告内容が設定されている。枠ボタン22が押下されることに基づいて、確変図柄を表示するか、通常図柄を表示するかが取得している演出カウンタ223fの値に基づいて設定される。
SW回数選択テーブル222dは、本第2実施形態における特別図柄の1変動に対してSW予告の回数を決定するための選択テーブルである。図64は、このSW回数選択テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。図64に示すようにSW回数選択テーブル222dでは、当否判定結果が大当たりA、大当たりB、外れのいずれかであるかに基づいて、各SW予告の回数種別が演出カウンタ223fの値に対応して割付けされて設定されている。また、図64に示した進行Aは、リーチ前期間、進行Bは、リーチ変動期間、進行Cは、スーパーリーチ変動期間、進行Dは、再変動期間をそれぞれ示しており、その各期間で設定されるSW予告の回数が設定されている。
進行モード記憶エリア223xは、特別図柄のスーパーリーチ変動パターンが動的表示開始された場合に、現在の期間がどの期間であるか(進行A〜進行Dのいずれか)を設定するための記憶エリアである。枠ボタン22が押下された場合に、この進行モード記憶エリア223xに記憶されている進行モードより現在の進行モードを判別して、SW予告の内容が選択され表示される。
変動時間カウンタ223yは、特別図柄のスーパーリーチにおける変動時間をカウントするためのカウンタである。スーパーリーチ変動パターンの動的表示が開始されると変動時間カウンタ223yの値が1ずつ加算されて、その実行周期より経過時間が判別される。なお、電源が投入された場合等の初期状態では、初期値である0に設定される。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図66〜図69を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態で説明した音声ランプ制御処理113により実行される制御処理に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(図40、S1307)が枠ボタン入力監視・演出処理2(図68、S1301)に変更され、変動演出管理処理(図67、S1315)が追加されて設定されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図67を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動演出管理処理(S1315)について説明する。図67は、この変動演出管理処理(S1315)を示したフローチャートである。変動演出管理処理(S1315)では、まず、特別図柄の変動として、スーパーリーチ変動パターンが変動表示されているか判別する。スーパーリーチ変動パターンが変動表示されていないと判別した場合には(S4001:No)、この処理を終了する。
一方、スーパーリーチの変動中であると判別した場合には(S4001:Yes)、変動時間カウンタ223yの値を1加算して更新する(S4002)。変動時間カウンタ223yの値より進行モードBの期間(リーチ変動期間)であるか判別する。進行モードBの期間であると判別した場合には(S4003:Yes)、進行モードBを進行モード記憶エリア223xに設定する(S4004)。現在のSW回数カウンタ223mと残り演出の回数に差があるか判別する(S4005)。差があると判別した場合には(S4005:Yes)、SW回数カウンタ223mより差分を減算して更新する(S4006)。SW回数カウンタ223mの値を示す表示用SW回数コマンドを設定する(S4007)。その後、この処理を終了する。なお、表示制御装置114が表示用SW回数コマンドを受信した場合には、表示しているSW押下回数を更新して表示する処理が実行される。一方、S4005の処理において、差がないと判別した場合には(S4005:No)、この処理を終了する。
S4003の処理において、S4002で更新した変動時間カウンタ223yの値は、進行モードBに対応する時間でないと判別した場合には(S4003:No)、変動時間カウンタ223yの値が進行モードCの期間であるか判別する(S4008)。進行モードCの期間であると判別した場合には(S4008:Yes)、進行モードCを進行モード記憶エリア223xに設定する(S4009)。その後、S4006〜S4007の処理を実行して、この処理を終了する。
一方、S4008の処理において、変動時間カウンタ223yの値が進行モードCの期間でないと判別した場合には(S4008:No)、進行モードDの期間であるか判別する(S4010)。進行モードDの期間であると判別した場合には(S4010:Yes)、進行モードDを進行モード記憶エリア223xに設定する(S4011)。その後、S4006〜S4007の処理を実行した後、この処理を終了する。
これにより、スーパーリーチの変動パターンが実行されると、その変動時間を音声ランプ制御装置113においても計測して、その変動時間の経過に基づいて、進行モードを判別する。そして、進行モードが切り替わる期間になったと判別した場合には、現在のSW予告の残り回数と実際の残りSW予告の回数とを判別して、差がある場合には、その補正が実行されて、第3図柄表示装置81に表示されているSW予告の残り回数も更新されて表示される。このように、スーパーリーチ変動が開始されると、変動時間の経過に伴い、SW予告の回数を自動的に減算して更新される。これにより、遊技者は、枠ボタン22を押下して表示することができるSW予告が設定されていたことを判別することができ、どのようなタイミングで枠ボタン22を押下するとSW予告が表示されるかを判別することができる。
なお、本実施形態では、スーパーリーチの場合にSW予告を表示するように設定したが、それに限らず、他の変動パターンに対して設定するように構成してもよいし、変動パターンに限らず、所定の抽選により設定するか否かを決定するように構成してもよい。
次に、図68を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理2(S1330)について説明する。図68は、この枠ボタン入力監視・演出処理2(S1330)を示したフローチャートである。本第2実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理2(図68、S1330)は、第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図40、S1307)に対して、SW演出制御処理(図41、S1708)がSW演出制御処理2(図69、S4020)に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図69を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるSW演出制御処理2(S4020)について説明する。図69は、このSW演出制御処理2(S4020)を示したフローチャートである。本第2実施形態におけるSW演出制御処理2(図69、S4020)は、第1実施形態におけるSW演出制御処理(図41、S1708)に対して、S1728〜SS1733までの各処理がS4021〜S4027までの各処理に変更されている。
S1721の処理において、SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S1721:Yes)、SW有効時間を減算して、SW有効時間記憶エリア223kに設定する(S4021)。枠ボタン22を押下したか判別する(S4022)。現在の進行モードにおいて選択可能なSW予告の演出があるか、即ち、現在の進行モードにおいて、設定されているSW予告の残回数があるか判別する(S4023)。選択可能な演出があると判別した場合には(S4023:Yes)、SW回数カウンタ223mと現在の進行モードと基づいて、SW予告選択テーブル222bよりSW予告の表示態様を選択する(S4024)。
SW回数カウンタ223mの値を−1して更新する(S4025)。SW回数カウンタ223mの値が0であるか判別する(S4026)。SW回数カウンタ223mの値が0であると判別した場合には(S4026:Yes)、SW有効時間記憶エリア223kを初期値である0にリセットする(S4027)。一方、SW回数カウンタ223mの値が0でないと判別した場合には(S4026:No)、この処理を終了する。
<第2実施形態における変形例について>
図70に示すように、第2実施形態のように各期間に対して、固定した回数を設定せずに、変動パターン全体のSW予告の最大回数だけを設定しておき、遊技者が枠ボタン22を押下したタイミングで、SW予告を設定するように構成してもよい。
このように構成することで、遊技者の好みの期間のSW予告を数多く表示させることができ、遊技者の好みに合った演出を表示できる。
<第3実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図71〜図78を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。。第1実施形態におけるパチンコ機10では、予め回数の定められたSW予告が枠ボタン22を押下するタイミングを報知されて表示される構成について説明した。一方、本第3実施形態におけるパチンコ機10においては、枠ボタン22を長押しする演出を実行する場合に、予め定められた長押し開始の契機よりも先に長押しが開始された場合に、長押しと有効に判定する期間を早めて設定するように構成した点で第1実施形態とは相違する。なお、第1実施形態と同一の構成においては、その図示と説明を省略する。
<第3実施形態における表示態様について>
次に、図71〜図73を参照して、本第3実施形態における第3図柄表示装置81に表示される長押し演出の表示態様について説明する。
図71は、第3図柄表示装置81で表示される長押し演出のタイミングチャートである。長押し演出が開始されると、図72(a)に示すように「長押しでMAXまで貯めろ!!」という文字が表示されて、その下方にインジケータと枠ボタン22を模した図柄と枠ボタン22の操作が有効と判定されるSW有効時間を示すメーターが表示される。第3図柄は縮小されて表示領域の右上に表示される。遊技者は、この表示態様から、インジケータをMAXの位置まで可変させることができれば、変動中の特別図柄(第3図柄)の当否判定結果が大当たりであることを認識できる。
図71(a)に示すように、長押し演出が開始されて、長押しをすることを報知する操作報知表示態様(図72(a)参照)が操作報知期間(本実施形態では、5秒間)表示される。その後、枠ボタン22の操作が有効と判定されるSW有効時間の開始となると、図72(b)に示すように、第3図柄表示装置81に「READY GO!!」の文字が表示されて、枠ボタン22を長押しすることを報知する「長押し開始!!」の文字が枠ボタン22を模した図柄の上部に表示される。そして、長押しが遊技者により実行されると、その長押し操作に基づいて、インジケータの目盛り一つずつに着色されていく表示態様が表示される。
一方、図71(b)に示したタイミングチャートは、図71(a)に示した例に対して、長押し演出の開始が表示されて、操作報知期間中に長押しが開始された場合の例を示したタイミングチャートである。長押しが実際のSW有効時間の開始よりも前に長押しされるとSW有効時間がその長押しがされたタイミングから開始するように変更して設定される。そして、図73(a)に示すように、操作報知期間からSW有効時間が減算して更新されていることを示すように、SW有効時間を示すメータが右端から着色されていた部分が背景色と同一の色または模様に可変される。そして、図73(b)に示すように、実際の「READY GO!!」の文字を表示するタイミングとなっても、その表示はされずに表示される。
このように構成されることで、長押し演出が開始されて、操作報知がされている期間にもかかわらず、遊技者が長押しを開始するタイミングであると勘違いして、枠ボタン22の押下を開始した場合にも、その操作を有効として、長押し演出を実行できる。よって、遊技者が枠ボタン22の操作を開始しているにもかかわらず、その操作が無駄になってしまう不具合を抑制できる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図74〜図75を参照して、本第3実施形態における電気的構成について説明する。本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222には長押し抽選テーブル222eが追加されている。また、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、長押しレベル記憶エリア223αが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
図75を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の長押し抽選テーブル222eについて説明する。図75は、この長押し抽選テーブル222eの内容を模式的に示した模式図である。長押し抽選テーブル222eは、長押しがされたと判別する毎(枠ボタン22が3秒間押下されている判別される毎)に、インジケータの目盛りを着色して表示させるか否か(インジケータのレベルを上げるか否か)を抽選するための抽選テーブルである。図75に示すように、長押し抽選テーブル222eには、変動中の特別図柄の当否判定結果と現在の長押し演出におけるインジケータのレベル(長押しレベル)とに対してそれぞれ演出カウンタ223fの値が割付けされて設定されている。取得している演出カウンタ223fの値が長押し抽選テーブル222eに設定されている演出カウンタ223fの値と同一であると当たりと判定されてインジケータのレベルが一つ加算されて設定される。なお、当否判定結果が当たりである方が、外れである場合よりも当たりと判定される演出カウンタ223fの値が多く設定されており、当たりの確率が高く設定されている。このように構成することで、インジケータのレベルが上がりやすいほど遊技者は、変動中の特別図柄の当否判定結果が当たりでないかと期待することができる。
また、インジケータのレベルが上がるほど、当たりと判定される演出カウンタ223fの数を少なく設定している。これにより、インジケータが上がるほど、インジケータの上がるペースを遅くすることができ、長押し演出をより長く遊技者に楽しませることができる。
長押しレベル記憶エリア223αは、長押し演出におけるインジケータのレベルを記憶するための記憶エリアである。長押し演出におけるインジケータのレベルは0〜4まで設定されており、初期値は0に設定される。
次に、図76を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理3(S1340)について説明する。本第3実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理3(図76、S1340)は、第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図40、S1307)に対して、SW演出制御処理(S1708)がSW演出制御処理3(図77、S4030)に変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図77を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるSW演出制御処理3(S4030)について説明する。図77は、このSW演出制御処理3(S4030)を示したフローチャートである。本第3実施形態におけるSW演出制御処理3(図77、S4030)は、第1実施形態におけるSW演出制御処理(図41、S1708)に対して、S4031〜S4034までの処理がそれぞれ追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S1721の処理において、SW有効時間が設定されていると判別した場合には、長押し制御処理を実行する(S4034)。この長押し制御処理については、図78を参照して説明する。図78は、長押し制御処理(S4034)を示したフローチャートである。
長押し制御処理(図78、S4034)では、まず、SW有効時間を減算して更新する(S4101)。実際の押下開始以降のタイミングであるか判別する(S4102)。実際の押下開始以降のタイミングでなければ(S4102:No)、開始報知禁止を示す表示用コマンドを設定する(S4103)。実際のタイミングとは、SW予告に設定されている開始タイミングのことである。即ち、開始タイミングより先に遊技者が枠ボタン22を押下して、SW有効時間が設定された場合には、「READY GO!!」の表示が禁止されて設定される、一方、実際の押下開始以降のタイミングであれば(S4102:Yes)、S4104の処理を実行する。
S4104の処理では、枠ボタン22を押下したか判別する(S4104)。枠ボタン22を押下したと判別した場合には(S4104:Yes)、SW押下時間を1加算して更新する(S4105)。ここでは、SW押下時間カウンタ(図示せず)が1加算されて記憶される。SW押下時間が上限値以上(本実施形態では、3秒)であるか、即ち、枠ボタン22が長押しされているか判別する(S4106)。
枠ボタン22が長押しされていると判別した場合には(S4106:Yes)、演出カウンタ223fの値を取得する(S4107)。長押し抽選テーブル222e(図75参照)より抽選結果を取得する。ここでは、図75に示す長押し抽選テーブル222eに設定されている演出カウンタ223fの値とS4107の処理で取得した演出カウンタ223fの値が一致した場合に当たりと判定する。
S4108の処理で取得した抽選結果が当たりであるか判別する(S4109)。抽選結果が当たりである場合には(S4109:Yes)、長押しレベル記憶エリア223αの値に1加算して更新する(S4110)。更新した長押しレベルに基づいた表示用コマンドを設定する。これにより、表示制御装置114により第3図柄表示装置81に表示されたインジケータの表示が長押しレベルに基づいて設定される。その後、S4112の処理を実行する。
一方、S4104の処理で、枠ボタン22を押下していないと判別した場合(S4104:No)、S4106の処理において、長押しされていないと判別した場合(S4106:No)、S4109において、抽選結果が外れであると判別した場合には(S4109:No)、S4112の処理を実行する。S4112の処理では、SW有効時間記憶エリア223kの値を期値である0にリセットする(S4112)。
このように、本実施形態では、枠ボタン22を長押しする演出で、早く枠ボタン22を押下している遊技者にも不利益を与えないように構成している。
なお、本実施形態では、長押しの演出について説明したが、遊技者に枠ボタン22を連打させる演出に本実施形態の構成をもちいてもよい。
また、本実施形態の構成では、長押しが開始されたタイミングで長押しを有効に開始しているので、長押しを枠ボタン22がOFFからONに開始されたエッジを検出して判別している場合にも、正しく判別することができる。
なお、本実施形態では、図72(b)に示すように、長押し演出において、長押しを開始するタイミングで「READY GO!!」という文字を表示するように構成した。この場合に、枠ボタン22の押下が遊技者によってされない場合には、再度「READY
GO!!という文字が表示されたら長押しするんだ!!」という文字を表示して、その後に、「READY GO!!」という文字を表示するように構成してもよい。
このように構成することで、「READY GO!!」という文字を見落としてしまった遊技者や、遊技方法が分からずに枠ボタン22を押下していない遊技者に枠ボタン22を押下して遊技に参加させるように促すことができる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、上記各実施形態の構成を全部または一部を組み合わせて実施するように構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>
当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、始動条件の成立に基づいて、前記表示手段に前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示されている場合に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、動的表示されている識別情報が示す当否判定結果に基づいた報知情報を前記表示手段に表示させる情報表示実行手段とを有した遊技機において、1の前記動的表示態様内で前記操作手段が操作されて前記情報表示実行手段により前記情報が表示される回数を決定する回数決定手段と、その回数決定手段により決定された回数を遊技者に報知する報知手段と、前記操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判別する操作有効期間を決定する有効期間決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、1の動的表示態様内で操作手段が操作されて情報表示実行手段により情報が表示される回数が回数決定手段により決定される。その回数決定手段により決定された回数が遊技者に報知手段により報知される。操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判別する操作有効期間が有効期間決定手段により決定される。これにより、遊技者が報知手段により報知された回数の情報が1の動的表示態様内のどのタイミングで設定されているかを予測して楽しむことができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機A1において、前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様の動的表示時間内で、複数の演出期間を設定する演出期間設定手段と、その演出期間設定手段により設定されたそれぞれの演出期間に前記回数決定手段により決定された前記最大回数を振り分けて設定する振り分け手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様の動的表示時間内で、複数の演出期間が演出期間設定手段により設定される。その演出期間設定手段により設定されたそれぞれの演出期間に回数決定手段により決定された回数が振り分け手段により振り分けて設定される。これにより、1の動的表示態様に対して、様々に回数が振り分けることが可能となるので、新鮮味のある演出を遊技者に提供できる。よって、遊技がマンネリしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記報知手段は、前記表示手段に前記決定された回数をそれぞれの回数別に報知図柄で表示させるものであり、前記報知手段により報知される報知図柄に対応する前記有効期間決定手段により決定される操作有効期間を識別可能な期間識別表示態様を前記表示手段に表示させる期間表示実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段に決定された回数が回数別に報知図柄で報知手段により表示される。報知手段により報知される報知図柄に対応する有効期間決定手段により決定される操作有効期間を識別可能な期間識別表示態様が期間表示実行手段により表示手段に表示される。これにより、決定された回数を分かり易く遊技者に報知できる。よって、遊技者が分かり易く遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A3において、前記期間表示実行手段により表示される期間識別表示態様は、複数の前記報知図柄に対応した有効期間を識別可能な表示態様で構成されるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、期間表示実行手段により表示される期間識別表示態様は、複数の報知図柄に対応した有効期間を識別可能な表示態様で構成されるので、操作手段を操作するタイミングを分かり易く遊技者に報知できるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記情報表示実行手段により表示される情報を前記操作手段が操作されたタイミングに基づいて、複数の情報から1の情報を決定する情報決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、情報表示実行手段により表示される情報を操作手段が操作されたタイミングに基づいて、複数の情報から1の情報が情報決定手段により決定されるので、選択される情報を多様に構成することができるという効果がある。
<特徴B群>
当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、始動条件の成立に基づいて、前記表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示される動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、当否判定結果が所定の結果であることを示す前記識別情報が前記表示手段に表示されたことに基づいて遊技者に有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段とを有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段により前記特典が付与されるか否かを決定する特典付与決定手段と、その特典付与決定手段により特典が付与されると決定されている場合に、前記遊技者が前記操作手段を操作したことを条件として、前記特典付与手段に特典を付与させる特典付与実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技者に特典が特典付与手段により付与される。その特典付与手段により特典が付与されるか否かが特典付与決定手段により決定される。その特典付与決定手段により特典が付与されると決定されている場合に、遊技者が操作手段を操作したことを条件として、特典付与実行手段により特典付与手段に特典を付与させる。これにより、遊技者の操作により特典が付与されるタイミングを決定することができるので、遊技者が遊技により関わることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機B1において、遊技者の操作により遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段と、その発射手段により遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球したことを検出する検出手段と、前記発射手段により遊技球が発射されているかを判別する発射判別手段とを有し、前記当否判定手段は、前記検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、当否判定を実行するものであり、前記特典付与決定手段は、所定の抽選を実行することにより前記特典が付与されるか否かを決定するものであり、前記特典付与決定手段が実行する前記所定の抽選について、前記特典を付与すると決定する抽選確率を設定する確率設定手段を有し、その確率設定手段は、前記発射判別手段により遊技球が発射されていると判別した場合に、遊技球が発射されていない場合よりも前記特典を付与すると決定する抽選確率を高く設定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者の操作により遊技球が発射手段により遊技領域に向けて発射される。その発射手段により遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口に遊技球が入球したことが検出手段により検出される。発射手段により遊技球が発射されているかが発射判別手段により反ベルされる。検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、当否判定手段により当否判定が実行される。特典付与決定手段は、所定の抽選を実行することにより特典が付与されるか否かが特典付与手段により決定される。特典付与決定手段が実行する所定の抽選について、特典を付与すると決定する抽選確率が確率設定手段により設定される。発射判別手段により遊技球が発射されていると判別した場合に、遊技球が発射されていない場合よりも特典を付与すると決定する抽選確率が確率設定手段により高く設定される。これにより、遊技球を発射している遊技者に対して、特定遊技以外の特典をより付与させ易く設定できる。よって、遊技者により遊技球を発射して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記操作手段が操作されることに基づいて、前記識別情報の動的表示態様が動的表示されているか否かにかかわらず演出態様を前記表示手段に表示する演出態様表示実行手段を有し、特典付与決定手段は、前記演出態様表示実行手段により前記演出態様が表示されている場合に、前記操作手段が操作されることにより成立する所定の条件が成立したことに基づいて、前記特典が付与されるか否かを決定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段が操作されることに基づいて、識別情報の動的表示態様が動的表示されているか否かにかかわらず演出態様が演出態様表示実行手段により表示手段に表示される。演出態様表示実行手段により演出態様が表示されている場合に、操作手段が操作されることにより成立する所定の条件が成立したことに基づいて、特典が付与されるか否かが特典付与決定手段により決定される。これにより、識別情報の動的表示がされない場合にも、操作手段を操作することで演出の楽しむことができる。よって、遊技を多様に楽しむことができるという効果がある。
遊技機B3において、前記識別情報の動的表示態様が表示される第1表示領域と、前記演出態様が表示される第2表示領域とに前記表示手段の表示領域を区画する区画手段を有するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、識別情報の動的表示態様が表示される第1表示領域と、演出態様が表示される第2表示領域とに表示手段の表示領域が区画手段により区画されるので、識別情報と演出態様とを判別し易くできるという効果がある。
<特徴C群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを識別する識別手段と、演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に表示された演出態様を前記識別手段による識別結果に基づいて可変させる演出可変手段とを有した遊技機において、前記識別手段により前記操作手段が操作されたと識別された後、次に操作手段が操作されたと識別するまでの期間を判別する期間判別手段と、前記操作手段が操作されたと識別したことに基づいて、前記演出可変手段により前記演出態様を可変させる演出可変実行手段と、その演出可変実行手段により前記演出態様を可変させる場合に、可変させて表示する演出態様を決定する演出決定手段と、その演出決定手段が前記演出態様を決定する場合に、前記期間判別手段により所定期間内であると判別されていれば、前記所定期間外である場合よりも遊技者に有利となる特定演出態様を決定し易くする決定可変手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたことが識別手段により識別される。演出態様を表示可能な表示手段に表示された演出態様が識別手段による識別結果に基づいて演出可変手段により可変される。識別手段により操作手段が操作されたと識別された後、次に操作手段が操作されたと識別するまでの期間が期間判別手段により判別される。操作手段が操作されたと識別したことに基づいて、演出可変手段により演出態様が演出可変実行手段により可変される。その演出可変実行手段により演出態様を可変させる場合に、可変させて表示する演出態様が演出決定手段により決定される。その演出決定手段が演出態様を決定する場合に、期間判別手段により所定期間内であると判別されていれば、所定期間外である場合よりも遊技者に有利となる特定演出態様が決定可変手段により決定し易くされる。これにより、遊技者の操作の仕方を期間判別手段により判別して、正しい操作であると判別できる期間であれば特定演出を決定し易くできる。よって、遊技者が操作手段を操作する楽しみを増大させて、遊技者が遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1において、前記識別手段は、前記操作手段に所定の範囲まで近づいたことを検知するものであり、前記表示手段には、前記操作手段を操作する方法を報知する操作報知態様が表示され、前記所定期間は、遊技者が前記操作報知態様で報知された方法で操作した場合に、前記識別手段により操作したと判別される期間で設定されているものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に所定の範囲まで近づいたことが識別手段により検知される。表示手段では、操作手段を操作する方法が操作報知態様により報知される。遊技者が操作報知態様で報知された方法で操作した場合に、識別手段により操作したと判別される期間で所定期間が設定される。これにより、遊技者が操作手段を操作する方法を分かり易く認識できる。よって、操作方法が分からずに、遊技ができない不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記所定期間は、複数期間設定されているものであり、前記期間判別手段は、前記識別手段が信号を受信したと識別した場合に、前記複数期間のうち、どの期間であるかを判別するものであり、前記決定可変手段は、前記期間判別手段により判別された期間に基づいて、前記特定演出態様が決定される割合を可変して設定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間が複数期間設定される。期間判別手段は、識別手段が信号を受信したと識別した場合に、複数期間のうち、どの期間であるかが期間判別手段により判別される。期間判別手段により判別された期間に基づいて、特定演出態様が決定される割合が決定可変手段により可変して設定される。これにより、操作手段を操作する方法により特定演出態様が決定される割合が可変するので、遊技者によって異なる結果が決定され易くなり、より遊技を楽しませることができるという効果がある。
<特徴D群>
取得条件の成立に基づいて、抽選情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された抽選情報に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示実行手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が所定の結果であることを示す前記識別情報が前記表示手段に表示されたことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、前記当否判定手段による当否判定結果に基づく判定情報を遊技者に報知する報知手段と、遊技者が前記操作手段を操作することに基づいて、前記報知手段により前記判定情報を報知させることができる特典を付与する特典付与手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、取得条件の成立に基づいて、抽選情報が取得手段により取得される。取得手段により取得された抽選情報に基づいて当否判定が当否判定手段により実行される。当否判定手段による判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。表示手段に識別情報が動的表示実行手段により動的表示される。当否判定手段による当否判定結果が所定の結果であることを示す識別情報が表示手段に表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定手段による当否判定結果に基づく判定情報が報知手段により遊技者に報知される。遊技者が操作手段を操作することに基づいて、報知手段により判定情報を報知させることができる特典が特典付与手段のより付与される。これにより、遊技者の操作に基づいて、判定情報が報知されるので、識別情報で表示されるよりも前に判定情報を遊技者が知ることができる。よって、操作手段を操作する楽しみを増大させることができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機D1において、前記取得手段に取得された抽選情報に対応する当否判定結果が前記識別情報により表示されるまで抽選情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された抽選情報が前記当否判定手段により当否判定されるよりも前に当否判定する事前当否判定手段とを有し、前記報知手段は、前記事前当否判定手段により判定された事前判定情報を報知するものであり、前記特典付与決定手段は、前記判定情報と前記事前判定情報とを合わせて報知させることを決定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、取得手段に取得された抽選情報に対応する当否判定結果が識別情報により表示されるまで抽選情報が記憶手段により記憶される。記憶手段に記憶された抽選情報が当否判定手段により当否判定されるよりも前に事前当否判定手段により当否判定される。事前当否判定手段により判定された事前判定情報が報知される。判定情報と事前判定情報とを合わせて報知させることが特典付与決定手段により決定される。よって、遊技者の操作により多くの抽選情報に対する当否判定結果を報知できるので、遊技者の操作手段を操作する意欲を増大できるという効果がある。
<特徴E群>
演出態様を表示する表示手段と、遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを識別する識別手段と、その識別手段による識別結果に基づいて演出態様を可変させる演出可変手段と、前記表示手段に表示する演出態様として複数の演出態様から1の演出態様を決定する演出態様決定手段とを有した遊技機において、前記複数の演出態様には、所定期間の間、前記識別手段により前記操作手段が操作されたと識別されるように操作することを遊技者に報知する操作演出態様が含まれているものであり、前記操作演出態様が決定された場合に、前記識別手段が前記操作したと判別した期間が前記所定期間内に識別されたものであるかを判別する期間判別手段と、その期間判別手段により前記所定期間よりも前に前記操作手段が操作されたと判別された場合には、前記所定期間の開始時期を早めて設定する期間変更手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、演出態様が表示手段により表示される。遊技者が操作することが可能な操作手段が操作されたことが識別手段により識別される。識別手段による識別結果に基づいて演出態様が演出可変手段により可変される。表示手段に表示する演出態様として複数の演出態様から1の演出態様が演出態様決定手段により決定される。複数の演出態様には、所定期間の間、識別手段により操作手段が操作されたと識別されるように操作することを遊技者に報知する操作演出態様が含まれており、操作演出態様が決定された場合に、識別手段が操作したと判別した期間が所定期間内に識別されたものであるかが期間判別手段により判別される。期間判別手段により所定期間よりも操作手段が前に操作されたと判別された場合には、所定期間の開始時期が期間変更手段により早めて設定される。これにより、所定の期間よりも前に操作手段を操作した場合も、無駄な操作となってしまう不具合を抑制できる。よって、遊技者が操作手段を操作しても、演出態様が可変されずに、遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機E1において、前記所定期間の開始タイミングに基づいて、前記所定期間の開始を示す開始報知態様を報知する報知手段と、前記期間変更手段により前記開始時期が早められて設定された場合には、前記報知手段による報知を禁止する禁止手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間の開始タイミングに基づいて、所定期間の開始を示す開始報知態様が報知手段により報知される。期間変更手段により開始時期が早められて設定された場合には、報知手段による報知が禁止手段により禁止される。これにより、遊技者が操作手段を操作しているにもかかわらず、所定の期間が開始する報知がされることで、遊技者が混乱する不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機E2において、前記報知手段は、前記報知手段により開始報知態様が報知された後にも、前記識別手段により前記操作手段が操作されていないと識別されている場合には、前記所定期間であることを示す期間報知態様を報知するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、報知手段により開始報知態様が報知された後にも、識別手段により操作手段が操作されていないと識別されている場合には、所定期間であることを示す期間報知態様が報知手段により報知されるので、遊技者にわかり易く所定期間を報知して、操作手段をより操作して遊技を行わせることができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機D3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行され、遊技の興趣向上が図られている。この種のパチンコ機の中には、遊技機に遊技者が操作可能な操作手段(スイッチ等)を設けて遊技者がその操作手段を操作することにより遊技の演出等を変化させる遊技機が提案されている。
このようなパチンコ機において、例えば、遊技者が操作手段を操作した場合に多様な演出を実行しようと、操作手段が操作された場合に遊技の演出を変化させる抽選を実行するものがある(例えば、特許文献1:特開2010−075741号公報)。
この種のパチンコ機において、さらに操作手段を使用して遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる遊技機が求められていた。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、始動条件の成立に基づいて、前記表示手段に前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示されている場合に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、動的表示されている識別情報が示す当否判定結果に基づいた報知情報を前記表示手段に表示させる情報表示実行手段とを有し、1の前記動的表示態様内で前記操作手段が操作されて前記情報表示実行手段により前記情報が表示される回数を決定する回数決定手段と、その回数決定手段により決定された回数を遊技者に報知する報知手段と、前記操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判別する操作有効期間を決定する有効期間決定手段を有するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様の動的表示時間内で、複数の演出期間を設定する演出期間設定手段と、その演出期間設定手段により設定されたそれぞれの演出期間に前記回数決定手段により決定された前記最大回数を振り分けて設定する振り分け手段とを有するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、1の動的表示態様内で操作手段が操作されて情報表示実行手段により情報が表示される回数が回数決定手段により決定される。その回数決定手段により決定された回数が遊技者に報知手段により報知される。操作手段が操作された場合に、その操作を有効として判別する操作有効期間が有効期間決定手段により決定される。
これにより、遊技者が報知手段により報知された回数の情報が1の動的表示態様内のどのタイミングで設定されているかを予測して楽しむことができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様の動的表示時間内で、複数の演出期間が演出期間設定手段により設定される。その演出期間設定手段により設定されたそれぞれの演出期間に回数決定手段により決定された回数が振り分け手段により振り分けて設定される。
これにより、1の動的表示態様に対して、様々に回数が振り分けることが可能となるので、新鮮味のある演出を遊技者に提供できる。よって、遊技がマンネリしてしまうことを抑制できるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
22 枠ボタン(操作手段)
81 第3図柄表示装置(表示手段、報知手段)
114 表示制御装置(動的表示実行手段)
S305 判定手段
S307,S309 動的表示態様決定手段
S1504 情報表示実行手段の一例
S4007 設定手段
このようなパチンコ機等において、例えば、遊技者が操作手段を操作した場合に多様な演出を実行しようと、操作手段が操作された場合に遊技の演出を変化させる抽選を実行するものがある。
この種のパチンコ機において、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる遊技機が求められていた。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示される動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記判定結果が所定の結果であることを示すための前記識別情報が前記表示手段に表示された場合に遊技者に有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、を有し、前記識別情報が動的表示されない期間であって、予め定められた特定条件が成立していない場合において、前記識別情報の動的表示が実行される期間には実行が停止される第1演出を実行し、前記識別情報が動的表示されない期間であって、前記予め定められた特定条件が成立している場合において、前記識別情報の動的表示が実行される期間には実行が継続される第2演出を実行することが可能な演出実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記識別情報が動的表示されていない期間であって、前記第2演出の実行が可能な期間において、前記操作手段が操作されたことが、その後に実行された前記識別情報が動的表示されている期間の遊技に反映されるように設定する設定手段と、を有し、前記第2演出を実行可能な期間には、前記操作手段を操作することが可能であることを示す示唆態様が表示可能に構成されているものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記表示手段は、液晶ディスプレイで構成されている。
請求項1記載の遊技機によれば、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示される動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記判定結果が所定の結果であることを示すための前記識別情報が前記表示手段に表示された場合に遊技者に有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、を有し、前記識別情報が動的表示されない期間であって、予め定められた特定条件が成立していない場合において、前記識別情報の動的表示が実行される期間には実行が停止される第1演出を実行し、前記識別情報が動的表示されない期間であって、前記予め定められた特定条件が成立している場合において、前記識別情報の動的表示が実行される期間には実行が継続される第2演出を実行することが可能な演出実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記識別情報が動的表示されていない期間であって、前記第2演出の実行が可能な期間において、前記操作手段が操作されたことが、その後に実行された前記識別情報が動的表示されている期間の遊技に反映されるように設定する設定手段と、を有し、前記第2演出を実行可能な期間には、前記操作手段を操作することが可能であることを示す示唆態様が表示可能に構成されているものである。
よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、前記表示手段は、液晶ディスプレイで構成されている。
よって、多様な表示態様を表示できるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
22 枠ボタン(操作手段)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
114 表示制御装置(動的表示実行手段)
S208 各種スイッチ(検出手段)
S305 判定手段
S307,S309 動的表示態様決定手段
S1004 特定遊技実行手段