まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図の変動表示において、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図の変動表示における第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図の変動表示において第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図の変動表示における変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、保留記憶表示エリア5D,5Uが設定されている。保留記憶表示エリア5D,5Uでは、特図の変動表示に対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図の変動表示に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図の変動表示や演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、保留記憶表示エリア5D,5Uを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、保留記憶表示エリア5D,5Uに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
保留記憶表示エリア5D,5Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
また、演出表示装置5の表示領域の左上方部には、演出図柄を小さく表示する小図柄の表示エリアが設けられている。この小図柄の表示エリアには、例えば、変動表示中に各種の予告演出が実行されるときに、演出図柄を表示しないようにして演出図柄5L,5C,5Rの表示エリアを使用しないようにする替りに、小図柄が表示される。この小図柄が表示されることで、演出表示装置5の表示領域の中央部にて、様々な演出画像が表示されても、遊技者が演出図柄5L,5C,5Rの内容を認識できるようになっている。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる変動表示が開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる変動表示における大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「3」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図の変動表示における確定特別図柄として、「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図の変動表示における確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とするが、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出玉(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示とのうち、いずれかの変動表示が開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図5に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図5参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていてもよい。先読み予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図の変動表示に対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。なお、特図の変動表示が1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図の変動表示における確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図の変動表示における確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図の変動表示における確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応してリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうちいずれかが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。特図の変動表示における確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「3」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
時短制御が行われることにより、特図の変動表示における特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が、普図表示結果判定用の乱数値MR6と比較される普図表示結果判定用テーブル(図示略)として、「当り」に対して多くの判定値が割り当てられた時短(高ベース)用の普図表示結果判定用テーブルと、通常(低ベース)用の普図表示結果判定用テーブルとを用いて判定されることによって高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実行される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、5回)の特図の変動表示が実行される(変動表示が5回実行される)ことと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図の変動表示において変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、時短回数と同じ5回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、変動毎に変動開始時において実行される後述する確変ストック抽選に当選することにより遊技者に付与される確変制御を実行させる権利(本実施例では、5回の変動表示にわたり確変制御を実行させる権利)を蓄える(ストックする)ことができるようになっているとともに、これらストックされている確変制御を実行させる権利を放出(遊技者に付与)して実際に確変制御を実行させるか否かを決定する確変ストック放出抽選(以下、単に放出抽選と表記する場合がある)を、変動毎に変動開始時において実行するようになっており、確変制御を実行させる権利がストックされているときに放出抽選に当選したときには、大当り遊技状態を経由せずに確変制御に加えて時短制御が実行されて、後述する高確高ベース状態(確変状態)に移行する。
つまり、確変制御を実行させる権利がストックされているときに放出抽選に当選したときには、いわゆる突確大当りが発生した場合と同様に、突然に確変状態が発生する場合がある。但し、大入賞口が開放される突確大当りとは異なり、大入賞口が開放されることなく確変状態が発生する。
尚、本実施例では、確変制御を実行させる権利が放出されたときには、5回の特図の変動表示にわたり確変制御が実行されるようになっているが、確変制御が実行される変動表示回数(特図の変動表示の実行回数)は種々に変更可能である。また、確変制御を実行させる権利が放出されたときには、5回の特図の変動表示にわたり確変制御に加えて時短制御が実行されるようになっていたが、時短制御は実行されても実行されなくてもよい。また、確変制御と時短制御の実行回数は同じであるが、それぞれ異なっていてもよい。
確変ストック抽選は、遊技状態が高確状態であっても低確状態であっても毎変動毎に実行される。また、放出抽選は、確変制御を実行させる権利がストックされていない場合や当該変動において大当り図柄が導出表示されることが決定されている場合(後述する大当りフラグがセットされている場合)には実行されない。すなわち、大当りとなることが決定されている場合には、大当り遊技後に確変制御が実行されるので、無駄な放出抽選の当選が発生してしまう可能性があるため、放出抽選自体を実行しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大当り種別に非確変大当りが含まれる場合においては、大当りとなることが決定されているときでも放出抽選を実行するようにし、非確変大当りとなることが決定されているときに放出抽選に当選した場合、大当り遊技後に昇格演出等を実行する等により確変大当りに昇格させて、大当り遊技後に時短・確変制御を実行するようにしても良い。
また、本実施例では、遊技状態が高確状態である場合にも放出抽選を実行するが、高確状態である場合には、放出抽選に当選しないように設定(図9の確変ストック放出判定テーブル参照)されており、無駄な放出抽選の当選が発生しないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら放出抽選自体を、遊技状態が高確状態である場合には実行しないようにしても良い。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示を実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図を用いた変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることや、各回の特図の変動表示における変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
確定演出図柄が確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに確変大当りの組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当りの組合せとなる演出図柄を確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「確変大当りB」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当りAの組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図の変動表示において用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト玉スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト玉スイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示における変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示における変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定するとともに、確変ストック抽選と確変ストック放出抽選の抽選結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選しているか否かの当抽選果や、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
より具体的には、コマンド8C0YH(Yは0〜3の任意の値)は、確変ストック抽選並びに確変ストック放出抽選の双方に非当選であることを示す第1ストック・放出抽選結果指定コマンドである。コマンド8C1YH(Yは0〜3の任意の値)は、確変ストック抽選には当選であり、確変ストック放出抽選には非当選であることを示す第2ストック・放出抽選結果指定コマンドである。コマンド8C2YH(Yは0〜3の任意の値)は、確変ストック抽選には非当選であり、確変ストック放出抽選には当選であることを示す第3ストック・放出抽選結果指定コマンドである。コマンド8C3YH(Yは0〜3の任意の値)は、確変ストック抽選にも確変ストック放出抽選にも当選であることを示す第4ストック・放出抽選結果指定コマンドである。尚、これら変動表示結果通知コマンドは、後述する変動パターン設定処理におけるステップS277において、変動開始時用コマンドとして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドとともに送信されるため、演出制御基板12側においても、第1特図と第2特図のいずれの特図に対応する第1〜第4ストック・放出抽選結果指定コマンドであるのか、つまり、第1特図に対応する確変ストック放出抽選や確変ストック放出抽選の当選・非当選であるのか、第2特図に対応する確変ストック放出抽選や確変ストック放出抽選の当選・非当選であるのかを特定でき、第1特図に対応する確変制御を実行させる権利の数や、第2特図に対応する確変制御を実行させる権利の数を把握できるようになっているが、これら第1〜第4ストック・放出抽選結果指定コマンド内に、第1特図と第2特図のいずれの特図に対応するかを特定可能な値や値の範囲を設定して、第1〜第4ストック・放出抽選結果指定コマンド自体により第1特図と第2特図のいずれの特図に対応するかを特定できるようにしても良い。
また、変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(C)に示すように、コマンド8CX0H(Xは0〜3の任意の値)は、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8CX1H(Xは0〜3の任意の値)は、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8CX2H(Xは0〜3の任意の値)は、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。尚、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8CX3H(Xは0〜3の任意の値))を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すれば良い。
このように、本実施例では、確変ストック抽選や放出抽選を、大当りとなるか否かの事前決定や、大当り種別の事前決定と同時に変動開始時において実行するため、これら事前決定の決定結果を通知するコマンドに含めて、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選を通知することで、コマンドの数が増加してしまうことを防いでいるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら事前決定の決定結果を通知するコマンドとは個別に、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選の抽選結果を通知する専用の演出制御コマンドを使用するようにしても良い。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示を実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示を実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB5XXHは、時短回数の残り回数(変動回数)を通知するための演出制御コマンドであり、時短回数の残り回数(変動回数)に応じたEXTデータが設定されることにより、時短回数の残り回数(変動回数)が通知される。
コマンドC1XXHは、保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図の変動表示の実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、確変ストック当選判定用の乱数値MR4、確変ストック放出判定用の乱数値MR5、普図表示結果判定用の乱数値MR6のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR6の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図10に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR6の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図の変動表示における特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
確変ストック当選判定用の乱数値MR4は、確変ストックの抽選結果を当選として確変制御を実行させる権利をストックする(ストック数に1を加算する)か否か、つまり確変ストック当選を決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。
確変ストック放出判定用の乱数値MR5は、ストックされている確変制御を実行させる権利を放出して確変制御を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR6は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた変動表示において変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態(低確状態)であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、変動表示が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる変動表示)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる変動表示)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において確変制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りA及び確変大当りBが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される確変制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、5回)の特図の変動表示が実行される(特別図柄の変動表示が5回実行される)まで継続して実行される。よって、所定回数(例えば、5回)の特図の変動表示が実行されるまでに再度確変大当りAまたは確変大当りBが発生した場合には、当該大当り遊技状態の終了後に再度、変動表示が5回実行されるまで確変制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
また、本実施例では、前述したように、確変制御は大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、5回)の特図の変動表示が実行されること、変動表示結果が「大当り」となることのうちいずれかの条件が成立したときに終了するため、変動表示結果が「大当り」とならない場合は所定回数である5回の変動表示にわたり確変制御が実行される。そして、大当り遊技状態の終了後、新たに大当りが発生することなく、所定回数(例えば、5回)の特図の変動表示において確変制御が実行されたとき、確変制御を実行させる権利(以下、「権利」と略称することもある)がストックされている(確変ストックが有る)ことを条件に、再度5回の特図の変動表示において確変制御を実行させる権利が放出され、確変制御と時短制御が実行される。この確変制御を実行させる権利の放出は、大当りが発生することなく5回の特図の変動表示が終了したときに確変制御を実行させる権利がストックされていることを条件に、放出回数が所定の第1放出上限回数(例えば、9回)に達するまで繰り返し実行される。
つまり、確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後は、確変制御を実行させる権利がストックされているか否かに関わらず、確変制御と時短制御が5回の変動表示にわたり実行されるとともに、5回の確変制御を実行させる権利が最大で9回放出されることにより(5回の変動表示×9回放出=45回)、最大で50回(5回+45回)の変動表示にわたり確変制御と時短制御が実行されることがある。
また、本実施例では、通常状態において確変ストック放出抽選に当選した場合、確変制御を実行させる権利がストックされていることを条件に、5回の特図の変動表示において確変制御を実行させる権利が放出され、確変制御と時短制御が実行される。この確変制御を実行させる権利の放出は、5回の特図の変動表示にわたる確変制御が終了したときに確変制御を実行させる権利がストックされていることを条件に、放出回数が所定の第2放出上限回数(例えば、10回)に達するまで繰り返し実行される。
つまり、通常状態において確変ストック放出抽選に当選した場合、確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態を経由することなく5回の確変制御と時短制御が実行され、その後、確変制御を実行させる権利がストックされていることを条件に、確変制御を実行させる権利が最大で10回放出され、これにより最大で50回(5回の変動表示×10回の放出)の変動表示にわたり確変制御と時短制御が実行されることがある。
また、確変制御の実行中において大当りが発生した場合、第1・第2放出上限回数はリセットされ、つまり、後述する確変制御の放出上限回数を示す放出回数カウンタの値として第1放出上限回数が新たにセットされることで、当該大当りの終了後、再度第1放出上限回数(例えば、9回)に達するまで確変制御を実行させる権利の放出が実行される。尚、本実施例では、確変制御の実行中において大当りが発生した場合、放出回数カウンタの値として新たに第1放出上限回数をセットするようになっていたが、大当りが発生しても放出回数カウンタの値をリセットせずに維持するようにしてもよい。また、第1・第2放出上限回数は、大当りを契機として権利の放出が繰り返し実行される場合と、確変ストック放出抽選の当選を契機として確変制御が実行される場合とで、変動表示回数が同じ50回となる上限回数が設定されるようになっているが、それぞれ異なるようにしてもよい。
また、このように本実施例では、後述するように確変制御を実行させる権利のストック数に上限を設定していないことで、第1・第2放出上限回数を設定することにより、確変制御を実行させる権利がストックされている限り永遠に放出が繰り返され、射倖性が著しく高まってしまうことを防止できるようになっているが、このような上限放出回数は必ずしも設定しなくてもよく、確変制御を実行させる権利のストック数に上限を設定するようにしてもよい。また、第1放出上限回数や第2放出上限回数は上記した回数に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
図7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「41」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、所定範囲の判定値(「61」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられている。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた変動表示を開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた変動表示を開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた変動表示では大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に決定する割合が、第1特図を用いた変動表示において「確変大当りB」を決定する割合よりも低いので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
よって、上記したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図8及び図9は、ROM101に記憶される確変ストック抽選判定テーブルと確変ストック放出判定テーブルの構成例を示している。
本実施例では、確変ストック抽選判定テーブルとして、図8(A)に示す、変動特図が第1特図である場合に使用される第1特図確変ストック抽選判定テーブルと、図8(B)に示す、変動特図が第2特図である場合に使用される第2特図確変ストック抽選判定テーブルとが、予め用意されている。
本実施例の第1特図確変ストック抽選判定テーブルにおいては、図8(A)に示すように、遊技状態が高確状態であるか低確状態であるかに係わらず、確変ストック当選判定用の乱数値MR4がとりうる「1」〜「65536」の範囲の値のうち、第1所定範囲の判定値(本実施例では8000〜14552の範囲の判定値)が「確変ストック当選」に割り当てられているとともに、該第1所定範囲以外の判定値が「確変ストック非当選」に割り当てられている。よって、変動特図が第1特図である場合には、遊技状態が高確状態であるか低確状態であるかに係わらず、約1/10の確率にて確変ストック抽選に当選して、確変制御を実行させる権利がストック(1加算)される。
一方、第2特図確変ストック抽選判定テーブルにおいては、図8(B)に示すように、遊技状態が低確状態であるときと高確状態であるときとで確変ストック抽選に当選する割合が異なるように設定されている。
具体的には、「低確状態」対応付けて、確変ストック当選判定用の乱数値MR4がとりうる「1」〜「65536」の範囲の値のうち、第2所定範囲の判定値(本実施例では18000〜24552の範囲の判定値)が「確変ストック当選」に割り当てられているとともに、該第2所定範囲以外の判定値が「確変ストック非当選」に割り当てられている。よって、変動特図が第2特図であって遊技状態が低確状態であるときには、第1特図と同様に、約1/10の確率にて確変ストック抽選に当選して、確変制御を実行させる権利がストック(1加算)される。また、「高確状態」対応付けて、確変ストック当選判定用の乱数値MR4がとりうる「1」〜「65536」の範囲の値のうち、第3所定範囲の判定値(本実施例では30000〜33227の範囲の判定値)が「確変ストック当選」に割り当てられているとともに、該第3所定範囲以外の判定値が「確変ストック非当選」に割り当てられている。よって、変動特図が第2特図であって遊技状態が高確状態であるときには、低確状態における確率よりも低い約1/20の確率にて確変ストック抽選に当選して、確変制御を実行させる権利がストック(1加算)される。このように、本実施例では、第2特図について、低確状態であるときと高確状態であるときとで確変ストック抽選に当選する確率が異なる形態を例示しているが、上記した第1特図の場合の確変ストック抽選と同じように、第2特図についても、低確状態であるときと高確状態であるときとで確変ストック抽選に当選する確率を同じとしても良い。
よって、本実施例では、「確変大当りA」や「確変大当りB」による大当り遊技状態が終了した後の高確高ベース状態において主に第2特図の変動が実行されるときには、低確状態に比較して確変ストック抽選に当選し難くなる。尚、本実施例では、第2特図について、高確状態のときには低確状態のときに比較して確変ストック抽選の当選確率を低くする(約1/2)とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態のときには確変ストック抽選の当選確率を0としても良いし、例えば、突然確変大当りを発生させて高確低ベース状態(潜伏確変状態)を発生させる場合においては、逆に、低確状態のときよりも確変ストック抽選の当選確率を高くするようにしても良い。
また、本実施例では、確変ストック放出判定テーブルとして、図9(A)に示す、変動特図が第1特図である場合に使用される第1特図確変ストック放出判定テーブルと、図9(B)に示す、変動特図が第2特図である場合に使用される第2特図確変ストック放出判定テーブルとが、予め用意されている。
本実施例の第1特図確変ストック放出判定テーブル並びに第2特図確変ストック放出判定テーブルにおいては、図9(A),(B)に示すように、遊技状態が高確状態であるか低確状態であるかによって放出に当選する割合が異なるように設定されている。
具体的には、「高確状態」対応付けて、確変ストック放出判定用の乱数値MR5がとりうる「1」〜「65536」の範囲の全ての値が「確変ストック非放出」に割り当てられていることで、「高確状態」においては、第1特図であるか第2特図であるかに係わらず、確変ストック放出が決定されることがないようになっている。尚、本実施例では、「高確状態」においては、「確変ストック放出」が全く決定されない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9(A),(B)に示す第1特図確変ストック放出判定テーブル並びに第2特図確変ストック放出判定テーブルにおいて、「低確状態」に対応付けて「確変ストック放出」に割り当てられている判定値数よりも少ない数の判定値を、「高確状態」に対応する「確変ストック放出」の判定値として割り当てることにより、「高確状態」においては、確変ストック放出が決定され難いが決定される可能性があるようにし、これら「高確状態」において確変ストック放出が決定された場合には、すでに高確状態となっているので、特図に対応する確変制御を実行させる権利を1つ消去すれば良い。また、遊技状態が高確状態であるか低確状態であるかによって放出に当選する割合が異ならない(同一確率となる)ようにしても良い。
また、第1特図確変ストック放出判定テーブルにおいては、図9(A)に示すように、「低確状態」に対応付けて、確変ストック放出判定用の乱数値MR5がとりうる「1」〜「65536」の範囲の値のうち、第4所定範囲の判定値(本実施例では20000〜20217の範囲の判定値)が「確変ストック放出」に割り当てられているとともに、該第4所定範囲以外の判定値が「確変ストック非放出」に割り当てられている。よって、確変ストックが存在しているときに変動特図が第1特図であって遊技状態が低確状態である場合には、約1/300の確率にて確変ストック放出抽選に当選して、高確高ベースに移行するようになる。
また、第2特図確変ストック放出判定テーブルにおいては、図9(B)に示すように、「低確状態」に対応付けて、確変ストック放出判定用の乱数値MR5がとりうる「1」〜「65536」の範囲の値のうち、第5所定範囲の判定値(本実施例では40000〜40327の範囲の判定値)が「確変ストック放出」に割り当てられているとともに、該第5所定範囲以外の判定値が「確変ストック非放出」に割り当てられている。よって、確変ストックが存在しているときに変動特図が第2特図であって遊技状態が低確状態である場合には、約1/200の確率にて確変ストック放出抽選に当選して、高確高ベースに移行するようになる。
このように、本実施例では、変動特図が第2特図であって遊技状態が低確状態である場合には、変動特図が第1特図であって遊技状態が低確状態である場合よりも確変ストック放出抽選に当選する確率が高くなるので、確変ストック放出抽選に当選して高確高ベース状態に昇格する場合が比較的高い確率で発生する。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御が実行されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用パターン決定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用パターン決定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用パターン決定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用パターン決定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図5に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータと後述する確変制御を実行させる権利の数を特定可能な第1特図確変ストックフラグや第2特図に対応する第2特図確変ストックフラグは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図10に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図10に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない変動表示(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、確変ストック当選判定用の乱数値MR4、確変ストック放出判定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されていることを示し、この変動表示における変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない変動表示(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、確変ストック当選判定用の乱数値MR4、確変ストック放出判定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されていることを示し、この変動表示における変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR6を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。尚、本実施例では、図10に示すように、前述した確変制御を実行させる権利がストックされているか否かを示すとともに、該ストックされている権利の数を示す確変ストックフラグが記憶されている。
尚、確変ストックフラグ値としては、0〜***の範囲、つまり、上限数なしとされており、0の値である場合は、権利がストックされていないことを示し、1〜の値である場合は、該数値の数の権利がストックされていることを示している。
このように、本実施例では、第1特図と第2特図の区別なく権利がストックされるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変制御を実行させる権利を第1特図の変動表示においてストックされた権利と第2特図の変動表示においてストックされた権利とで別々にストックするようにしてもよい。また、ストックできる上限数を設定しても良いし、第1特図と第2特図とで異なる上限数を設定しても良い。
例えば、遊技制御用データ保持エリア150における遊技制御フラグ設定部152に第1特図の変動表示において当選した確変制御を実行させる権利数を記憶する第1特図確変ストックフラグと、第2特図の変動表示において当選した確変制御を実行させる権利を記憶する第2特図確変ストックフラグとを設けることで、第1特図確変ストックフラグ及び第2特図確変ストックフラグにおいて確変制御を実行させる権利を例えばそれぞれ最大10まで記憶可能とし、第1特図確変ストックフラグと第2特図確変ストックフラグとの確変制御を実行させる権利の合算記憶数を最大20までとしてもよい。また、第1特図確変ストックフラグと第2特図確変ストックフラグとの確変制御を実行させる権利の合算記憶数が最大10までであれば、例えば、第1特図確変ストックフラグの上限数を10とし第2特図確変ストックフラグの上限数を10として合算記憶数を20としたり、第1特図確変ストックフラグの上限数を5とし第2特図確変ストックフラグの上限数を15として合算記憶数を20としたり、第1特図確変ストックフラグの上限数を15とし第2特図確変ストックフラグの上限数を5として合算記憶数を20とするように、第1特図確変ストックフラグと第2特図確変ストックフラグとで記憶可能な確変制御を実行させる権利の最大数を異ならせても良い。また、第1特図確変ストックフラグと第2特図確変ストックフラグとの確変制御を実行させる権利の合算記憶数は20以外に設定しても良い。さらに、第1特図確変ストックフラグと第2特図確変ストックフラグとで記憶可能な確変制御を実行させる権利の最大数を設けることなく、合算記憶数の上限のみを設けるようにしても良い。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR6を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、保留記憶表示エリア5D,5Uにて保留記憶表示を行うための始動入賞バッファが設定されている。始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。尚、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(ステップS800−、図19参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに基づいて保留記憶表示エリア5D,5Uにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR6といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞処理を実行する(ステップS101)。該始動入賞処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS101の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、確変ストック当選判定用の乱数値MR4、確変ストック放出判定用の乱数値MR5を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの最上位に格納する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる変動表示を開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる変動表示における確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示であるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示であるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示での特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示での特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット、時短制御中に実行可能な特図の変動表示の上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「5」)を時短回数カウンタにセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図13は、特別図柄通常処理として、図12のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた変動表示の保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、確変ストック当選判定用の乱数値MR4、確変ストック放出判定用の乱数値MR5を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232a)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232aの処理に続いて、第2特図に対応する確変ストック抽選を実行する。具体的に、このステップS232cにおいては、図8(B)に示す第2特図確変ストック抽選判定テーブルを選択し、該選択した第2特図確変ストック抽選判定テーブルにおいて、その時点の遊技状態(確変フラグがセットされているか否か)に対応する「確変ストック当選」または「確変ストック非当選」のいずれの判定値の範囲に、ステップS232aで読み出した確変ストック当選判定用の乱数値MR4が該当するか否かに基づいて、「確変ストック当選」または「確変ストック非当選」のいずれかを判定する。
つまり、遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、ステップS232aで読み出した確変ストック当選判定用の乱数値MR4が、30000〜33227の範囲に該当すれば「確変ストック当選」と判定し、該当しなければ「確変ストック非当選」と判定する。また、遊技状態が、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、ステップS232aで読み出した確変ストック当選判定用の乱数値MR4が、18000〜24552の範囲に該当すれば「確変ストック当選」と判定し、該当しなければ「確変ストック非当選」と判定する。
そして、ステップS232dに進んで、判定結果に応じて第2特図確変ストックフラグを更新する。具体的には、ステップS232cの判定結果が「確変ストック非当選」の判定結果である場合には、第2特図確変ストックフラグを変更せずにそのままの状態を維持する一方、ステップS232cの判定結果が「確変ストック当選」の判定結果である場合には、第2特図確変ストックフラグの値に1を加算更新して、確変制御を実行させる権利をストックする。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(ステップS234)、ステップS239に移行する。
一方、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた変動表示の保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた変動表示は、第1特図を用いた変動表示よりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた変動表示が第1特図を用いた変動表示よりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図の変動表示の実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた変動表示の実行を開始するかを決定できればよい。尚、このように、始動入賞が発生した順に特図の変動表示が実行されるようにしたときであっても、確変ストック放出抽選については、いずれかの特図(始動入賞)に対応した確変制御を実行させる権利を優先して当選させる(放出する)ようにしても良い。この際、優先して当選させる(放出する)特図(始動入賞)の種類として、遊技者にとって有利な度合いが大きい(価値が高い)方の特図(始動入賞)とすることで、有利な度合いが大きい(価値が高い)遊技状態が発生しやすくなるので、遊技の興趣を向上できるようになり、逆に、優先して当選させる(放出する)特図(始動入賞)の種類として遊技者にとって有利な度合いが小さい(価値が低い)方の特図(始動入賞)とすることで、有利な度合いが大きい(価値が高い)遊技状態となる権利が蓄積されやすくなり、これら蓄積された有利な権利が放出される可能性への期待感を高めることができ、よって、遊技の継続を喚起できるようになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、確変ストック当選判定用の乱数値MR4、確変ストック放出判定用の乱数値MR5を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236a)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236aの処理に続いて、第1特図に対応する確変ストック抽選を実行する。具体的に、このステップS236cにおいては、図8(A)に示す第1特図確変ストック抽選判定テーブルを選択し、該選択した第1特図確変ストック抽選判定テーブルにおいて、「確変ストック当選」に対応する判定値の範囲に、ステップS236aで読み出した確変ストック当選判定用の乱数値MR4が該当するか否かに基づいて、「確変ストック当選」または「確変ストック非当選」のいずれかを判定する。
つまり、遊技状態に関係なく、ステップS236aで読み出した確変ストック当選判定用の乱数値MR4が、8000〜14552の範囲に該当すれば「確変ストック当選」と判定し、該当しなければ「確変ストック非当選」と判定する。
そして、ステップS236dに進んで、判定結果に応じて第1特図確変ストックフラグを更新する。具体的には、ステップS236cの判定結果が「確変ストック非当選」の判定結果である場合には、第1特図確変ストックフラグを変更せずにそのままの状態を維持する一方、ステップS236cの判定結果が「確変ストック当選」の判定結果である場合には、第1特図確変ストックフラグの値に1を加算更新して、確変制御を実行させる権利をストックする。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(ステップS238)、ステップS239に移行する。
ステップS239においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。尚、このステップS240においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている確変状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。
このように、ステップS239で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、ステップS240の処理では、特図の変動表示などの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図7(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「0」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「1」とすればよい。
一方、ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、確変ストック数が存在するか否かを判定する。具体的には、確変ストックフラグの値が1以上の数値であるかを判定する(ステップS246)。
確変ストック数が存在しない場合には(ステップS246;No)、後述するステップS250に進む一方、確変ストック数が存在する場合には(ステップS246;Yes)、ステップS247aに進んで、変動特図指定バッファ値が「1」であるか否か、つまり、当該変動表示の対象が、第1特図であるか否かを判定する。
そして、変動特図指定バッファ値が「1」である場合(ステップS247a;Yes)には、図9(A)に示す第1特図確変ストック放出判定テーブルを選択し、変動用乱数バッファに格納された確変ストック放出判定用の乱数値MR5が、その時点の遊技状態(高確状態または低確状態)に対応した「確変ストック放出」の判定値に該当する場合にはストック放出の当選を決定し、その時点の遊技状態(高確状態または低確状態)に対応した「確変ストック放出」の判定値に該当しない場合(「確変ストック非放出」の判定値に該当する場合)には、ストック放出の非当選を決定する(ステップS247b)。
一方、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合(ステップS247a;No)には、図9(B)に示す第2特図確変ストック放出判定テーブルを選択し、変動用乱数バッファに格納された確変ストック放出判定用の乱数値MR5が、その時点の遊技状態(高確状態または低確状態)に対応した「確変ストック放出」の判定値に該当する場合にはストック放出の当選を決定し、その時点の遊技状態(高確状態または低確状態)に対応した「確変ストック放出」の判定値に該当しない場合(「確変ストック非放出」の判定値に該当する場合)には、ストック放出の非当選を決定する。尚、本実施例では、高確状態であるときには、常にストック放出の非当選が決定される(ステップS247c)。
そして、ステップS248に進み、ステップS247においてストック放出に当選したか否かを判定して、ストック放出に当選していない場合(ステップS248;No)にはステップS250に進む一方、ストック放出に当選している場合(ステップS248;Yes)には、ステップS249に進んで、当該変動終了時において確変フラグをセットさせるための放出フラグをセットした後、ステップS250に進む。
ステップS250においては、変動特図指定バッファ値に対応する保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、変動特図指定バッファ値に対応する特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」であれば、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR5を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。一方、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」であれば、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR5を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。
そして、ステップS251に進んで、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS251にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS252)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、ステップS235にて第1特図を用いた変動表示の保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図14は、変動パターン設定処理として、図12のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS265)。そして、時短フラグがオンであれば(ステップS265;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(ステップS265+)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(ステップS265;No)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(ステップS266)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(ステップS266;No)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(ステップS267)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(ステップS266;Yes)には、ステップS268に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かをさらに判定する(ステップS268)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(ステップS268;No)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(ステップS269)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(ステップS268;Yes)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(ステップS270)。
ステップS262,S265+,S267,S269,S270の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブルまたはハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS272)。
尚、大当りフラグがオフであるときには、ステップS272の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS272の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS272にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示のいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS276)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS276の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS277)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ステップS277の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS278)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS279)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS277でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
尚、本実施例では、確変ストック抽選の抽選結果や確変ストック放出抽選の抽選結果に係わらずに変動パターンを決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選したときには、変動パターンの決定状況を、通常の決定状況と異なるようにすることで、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選した可能性を、変動パターンによって示唆するようにしても良い。具体的には、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選したときに、ノーマルリーチやスーパーリーチの変動パターンや、擬似連を伴う変動パターン等の決定割合を通常の場合よりも高くすることで、これらノーマルリーチやスーパーリーチや擬似連の変動パターンが出現したときには、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選した可能性があることを遊技者が認識できるようにしても良い。尚、これらノーマルリーチやスーパーリーチや擬似連等の通常の変動パターンではなく、確変ストック抽選の当選に専用の変動パターンや、確変ストック放出抽選の当選に専用の変動パターンを設定しておき、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選したときに、これらの専用の変動パターンを決定する割合を高めることで、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選した可能性があることを示唆するようにしても良い。尚、これら確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選した可能性の示唆を、特図の停止図柄によって示唆したり、或いは、演出図柄の停止図柄を指定するコマンドを演出制御基板12に送信して、演出図柄の停止図柄によって示唆したりしても良い。
図15は、特別図柄停止処理として、図12のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御の設定を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS133)、大当りフラグがセットされていない場合(ステップS133;No)には、ステップS140に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(ステップS133;Yes)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(ステップS134)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変大当りA)、大当り開始2指定コマンド(確変大当りB)を送信するための設定を行う(ステップS135)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、確変大当りAの場合には16回。確変大当りBの場合には5回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(ステップS114)に対応した値である“4”に更新する(ステップS139)。
一方、ステップS140では、放出フラグがセットされているか否か、つまり、当該変動開始時の放出抽選において当選しているか否かを判定する。放出フラグがセットされていない場合(ステップS140;No)には、ステップS150に進み、放出フラグがセットされている場合(ステップS140;Yes)には、該放出フラグをクリアした後(ステップS141)、確変ストックフラグの値から1を減算更新する(ステップS142)。そして、ステップS143に進み、確変制御と時短制御を実行させるために確変フラグ及び時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに「5」をセットして高確高ベース状態に移行する設定を行う(ステップS143)。また、確変制御の放出上限回数を示す放出回数カウンタに、第2放出上限回数である「10」をセットした後(ステップS143a)、確変・時短状態を示す遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(ステップS144)、ステップS159aに進む。
ステップS140において放出フラグがセットされていない場合(ステップS140;No)には、CPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS150;Yes)、つまり、通常遊技状態である場合には、ステップS159aに進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(ステップS150;No)、つまり、時短回数が残存している高確高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1するとともに(ステップS151)、時短回数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS152)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS153)、「0」でない場合(ステップS153;No)にはステップS159aに進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS153;Yes)には、確変制御を実行させる権利の放出条件が成立したと判定し(ステップS154)、ステップS155に進む。
ステップS155では、確変制御を実行させる権利の数を示す確変ストックが存在するか否か、つまり、確変ストックフラグの値が1以上の数値であるかを判定する(ステップS155)。確変ストック数が存在する場合には(ステップS155;Yes)、放出回数カウンタの値を−1した後(ステップS156)、放出回数カウンタの値が「0」であるか否か、つまり、放出回数が上限回数に達しているか否かを判定する(ステップS157)。そして、放出回数カウンタの値が「0」でない場合(ステップS157;No)には、確変ストックフラグ値を1減算した後(ステップS158)、時短回数カウンタに「5」をセットして(ステップS159)、ステップS159aに進む。
また、ステップS155において確変ストックが存在しない場合(ステップS155;No)や、ステップS157において放出回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS157;Yes)は、確変制御と時短制御を終了するために、確変フラグ及び時短フラグをクリアするとともに(ステップS159b)、通常状態を示す遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(ステップS159c)、ステップS159aに進む。
ステップS159aでは、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、特別図柄停止処理を終了する。
図16は、大当り処理として、図12のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(ステップS160)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(ステップS160;No)には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(ステップS162)。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(ステップS160;Yes)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ(ステップS165;No)、処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165;Yes)、CPU103は、確変フラグをセットするとともに(ステップS166)、時短フラグをセットする(ステップS167)。また、時短回数カウンタに「5」をセットするとともに(ステップS168)、放出回数カウンタに第1放出上限回数である「10」をセットする(ステップS169)。尚、前述したように、大当りを契機とした確変制御を実行させる権利の第1放出上限回数は、大当り終了後に付与される5回の確変制御の実行を除く9回とされているため、ここでは大当り終了時のステップS169において放出回数カウンタに「10」をセットすることで、大当り終了後に付与される5回の確変制御が実行されたときに第1放出上限回数として9回がセットされるようにしていたが、大当り終了後に5回の確変制御が実行されたときに放出回数カウンタに「9」をセットするようにしてもよい。
ステップS170では、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(ステップS170)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS171)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図17は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS71)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS72)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS73)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS74)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(ステップS76)、ステップS72に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
図18は、演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS74)を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か判定する(ステップS601)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されていない場合には、コマンド解析処理を終了し、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS602)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS603)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動表示結果通知コマンドであれば(ステップS604)、該変動表示結果通知コマンドの2バイト目を参照し、該変動表示結果通知コマンドが第4ストック・放出抽選結果指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS605)。変動表示結果通知コマンドが第4ストック・放出抽選結果指定コマンドである場合は、ストック当選フラグ及び放出当選フラグをセットし(ステップS606)、変動表示結果通知コマンドが第4ストック・放出抽選結果指定コマンドでない場合は、変動表示結果通知コマンドが第3ストック・放出抽選結果指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS607)。
変動表示結果通知コマンドが第3ストック・放出抽選結果指定コマンドである場合は、放出当選フラグをセットし(ステップS608)、変動表示結果通知コマンドが第3ストック・放出抽選結果指定コマンドでない場合は、変動表示結果通知コマンドが第2ストック・放出抽選結果指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS609)。変動表示結果通知コマンドが第2ストック・放出抽選結果指定コマンドである場合は、ストック当選フラグをセットする(ステップS610)。
そして、変動表示結果通知コマンドが第2ストック・放出抽選結果指定コマンドでない場合、つまり、変動表示結果指通知マンドが第1ストック・放出抽選結果指定コマンドである場合、ステップS606、ステップS608またはステップS610の実行後、演出制御用CPU120は、変動表示結果指通知マンドに含まれる変動表示結果指定コマンドを変動表示結果指定コマンド格納領域に格納し(ステップS611)、ステップS601に移行する。
一方、ステップS604において受信した演出制御コマンドが変動表示結果通知コマンドでない場合は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットして(ステップS612)、ステップS601に移行する。
図19は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS75)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の保留記憶表示エリア5D及び保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を更新する保留表示更新処理を実行する(ステップS800−)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図20及び図21は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理では、演出制御用CPU120は、先ず、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS701,S702,S703)。そして、確変ストック報知演出プロセステーブルがセットされているか否かを判定する(ステップS704)。
尚、確変ストック報知演出プロセステーブルには、確変ストック報知演出の演出制御内容が、確変ストック報知演出プロセスタイマ値に対応付けて時系列に格納されている。
確変ストック報知演出プロセステーブルがセットされていない場合は、変動開始時において演出図柄変動開始処理にて設定される変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおいて、その時点のプロセスタイマに対応する制御データを参照することで、確変ストック報知開始時期(確変ストック報知開始タイミング)であるか否かを判定する(ステップS705)。確変ストック報知開始時期でない場合は、ステップS714に移行し、確変ストック報知開始時期である場合は、ストック当選フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS706)。ストック当選フラグがセットされていない場合は、ステップS714に移行し、ストック当選フラグがセットされている場合は、確変ストック報知演出プロセステーブルをセットし(ステップS707)、ストック当選フラグをクリアする(ステップS708)。そして、確変ストック報知演出プロセスタイマに初期値をセットするとともに、該変ストック報知演出プロセスタイマをスタートし(ステップS709)、ステップS712に移行する。
また、ステップS704において、確変ストック報知演出プロセステーブルがセットされている場合には、確変ストック報知演出プロセスタイマにセットされている値を−1し(ステップS710)、該値を−1した確変ストック報知演出プロセスタイマの値が0になったか否か、つまり、確変ストック報知演出の終了タイミングであるか否か判定する(ステップS711)。確変ストック報知演出プロセスタイマの値が0でない場合は、ステップS712に移行する。
そして、ステップS712において演出制御用CPU120は、確変ストック報知演出プロセステーブルにおいて確変ストック報知演出プロセスタイマの値に応じたプロセスデータ(表示制御実行データ、音制御実行データ、ランプ制御実行データ等)の内容に従って、演出表示装置5での表示やスピーカ8L,8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9からの発光等により確変ストック報知演出の演出制御を実行し(ステップS712)、ステップS714に移行する。
尚、ステップS711において確変ストック報知演出プロセスタイマの値が0である場合は、演出制御用CPU120は、確変ストック報知演出プロセステーブルをクリアして(ステップS713)、ステップS714に移行する。
ステップS714において、演出制御用CPU120は、確変放出報知演出プロセステーブルがセットされているか否かを判定する(ステップS714)。
尚、確変放出報知演出プロセステーブルには、確変放出報知演出の演出制御内容が、確変放出報知演出プロセスタイマ値に対応付けて時系列に格納されている。
確変放出報知演出プロセステーブルがセットされていない場合は、変動開始時において演出図柄変動開始処理にて設定される変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおいて、その時点のプロセスタイマに対応する制御データを参照することで、確変放出報知開始時期(確変放出報知開始タイミング)であるか否かを判定する(ステップS715)。確変放出報知開始時期でない場合は、ステップS724に移行し、確変放出報知開始時期である場合は、放出当選フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS716)。放出当選フラグがセットされていない場合は、ステップS724に移行し、放出当選フラグがセットされている場合は、確変放出報知演出プロセステーブルをセットし(ステップS717)、放出当選フラグをクリアする(ステップS718)。そして、確変放出報知演出プロセスタイマに初期値をセットするとともに、該変放出報知演出プロセスタイマをスタートし(ステップS719)、ステップS722に移行する。
また、ステップS714において、確変放出報知演出プロセステーブルがセットされている場合は、確変放出報知演出プロセスタイマにセットされている値を−1し(ステップS720)、該値を−1した確変放出報知演出プロセスタイマの値が0になったか否か、つまり、確変放出報知演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS721)。確変放出報知演出プロセスタイマの値が0でない場合は、ステップS722に移行する。
そして、ステップS722において演出制御用CPU120は、確変放出報知演出プロセステーブルにおいて確変放出報知演出プロセスタイマの値に応じたプロセスデータ(表示制御実行データ、音制御実行データ、ランプ制御実行データ等)の内容に従って、演出表示装置5での表示やスピーカ8L,8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9からの発光等により確変放出報知演出の演出制御を実行し(ステップS722)、ステップS724に移行する。
尚、ステップS721において確変放出報知演出プロセスタイマの値が0である場合は、演出制御用CPU120は、確変放出報知演出プロセステーブルをクリアして(ステップS723)ステップS724に移行する。
そして、ステップS724において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する(ステップS724)。プロセスタイマがタイムアウトしている場合は、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS725)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS726)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出表示装置5での表示やスピーカ8L,8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9からの発光等の制御を実行する(ステップS727)。
また、ステップS724においてプロセスタイマがタイムアウトしていない場合及びステップS727の実行後は、変動制御タイマがタイムアウトしているか否かを判定する(ステップS728)。変動制御タイマがタイムアウトしている場合には、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS729)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS730)。
また、ステップS728において変動制御タイマがタイムアウトしていない場合、及びステップS730の処理の実行後は、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か判定する(ステップS731)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新し(ステップS733)、演出図柄変動中処理を終了する。
変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS732)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新し(ステップS733)、演出図柄変動中処理を終了する。尚、ステップS732において確定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、ステップS733を経由せずに演出図柄変動中処理を終了する。
尚、本実施例では、上記したように、ストック当選フラグと放出当選フラグが共にセットされている場合には、確変ストック報知演出と確変放出報知演出とを共に実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらストック当選フラグと放出当選フラグが共にセットされている場合には、確変ストック報知演出と確変放出報知演出のいずれか一方(例えば、確変放出報知演出のみ)を行うようにしても良いし、これら確変ストック報知演出と確変放出報知演出に代えて、1の特別報知演出を実行するようにしても良い。
次に、本実施例における確変ストック報知演出及び確変放出報知演出の態様について図22及び図23に基づいて説明する。図22(A)に示すように、遊技状態が通常状態であり、保留記憶が所定数(例えば3個)存在する場合、先ず、変動表示結果がハズレであり、且つ確変ストック抽選及び確変放出抽選のどちらにも当選していない保留記憶に基づく変動表示が終了する。次に、図22(B)及び図22(C)に示すように、次の保留記憶が、変動表示結果がハズレであり、且つ確変ストック抽選に当選している保留記憶である場合、該保留記憶に基づいて演出表示装置5の表示画面において演出図柄の変動表示が開始されると、確変ストック報知演出として、該演出図柄の変動表示中の所定のタイミングで表示画面をミニキャラクタが横切るとともに、該変動表示において確変がストックされた旨が表示される。そして、表示画面において演出図柄がハズレを示す組合せで導出表示された後は、引き続き、更に次の保留記憶に基づく演出図柄の変動表示が実行される。
また、確変がストックされた状態では、図23(A)に示すように、遊技状態が通常状態であり、保留記憶が所定数(例えば3個)存在する場合、先ず、変動表示結果がハズレであり、且つ確変ストック抽選及び確変放出抽選のどちらにも当選していない保留記憶に基づく変動表示が終了する。次に、図23(B)及び図23(C)に示すように、次の保留記憶が、変動表示結果がハズレであり、且つ確変放出に当選している保留記憶である場合、該保留記憶に基づいて演出表示装置5の表示画面において演出図柄の変動表示が開始されると、確変放出報知演出として、該演出図柄の変動表示中の所定のタイミングで表示画面をミニキャラクタが横切るとともに、該表示画面において、該変動表示において確変が放出される旨が表示される。そして、図23(D)に示すように、表示画面において演出図柄がハズレを示す組合せで導出表示された後は、更に次の保留記憶に基づく演出図柄の変動表示が実行される。尚、図23(D)に示す確変放出報知演出実行後に実行される変動表示からは、遊技状態が通常状態から確変状態に移行することで、変動表示結果が大当りとなる可能性が、遊技状態が通常状態である場合よりも高くなる。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、特定情報としての確変ストックフラグを記憶しておき、確変ストック放出抽選に当選することにより確変制御を実行させる確変状態となるようにしたので、大当り遊技状態が冗長となって遊技の興趣が低下してしまうこと防ぐことができる。また、確変状態において所定回数(例えば、5回)の特別図柄の変動表示が実行されると通常状態に制御されるので、遊技の興趣が向上する。
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例1に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
次に、本発明の変形例について、図24及び図25に基づいて説明する。図24は、(A)は、変形例としての第1特図確変ストック当選判定テーブルの構成を示す図であり、(B)は、変形例としての第2特図確変ストック当選判定テーブルの構成を示す図である。図25は、(A)は、変形例としての第1特図確変ストック放出判定テーブルの構成を示す図であり、(B)は、変形例としての第2特図確変ストック放出判定テーブルの構成を示す図である。尚、以下においては、前記実施例と相違する点のみ説明し、前記実施例と同様の構成に関しては説明を省略する。
前記実施例では、ステップS232c,236cにて実行される確変ストック抽選にて当選しストックされる権利は、全て5回の変動表示にわたり確変制御を実行させる権利とされていたが、ストックされる権利に基づく確変制御の実行変動回数は全て同じでなくてもよく、例えば、確変ストック抽選にて、確変制御の実行変動回数が異なる複数種類の権利がストックされるようにしてもよい。
具体的には、図24(A)に示すように、第1特図確変ストック抽選判定テーブルでは、確変制御の実行変動回数が5回の権利が約80%、確変制御の実行変動回数が20回の権利が約15%、確変制御の実行変動回数が50回の権利が約5%の割合でそれぞれ当選するようになっている。このように、第1特図の変動時は、約1/10の確率で確変ストック抽選に当選するため、実行変動回数が少ない権利の順に高い割合で当選するようになっている。
一方、図24(B)に示すように、第2特図確変ストック抽選判定テーブルでは、確変制御の実行変動回数が5回の権利が約5%、確変制御の実行変動回数が20回の権利が約15%、確変制御の実行変動回数が50回の権利が約80%の割合でそれぞれ当選するようになっている。このように、第2特図の変動時は、約1/10の確率で確変ストック抽選に当選するが、基本的には高確状態であることが多いため、実行変動回数が多い権利の順に高い割合で当選するようになっている。
このように、確変ストック抽選にて、確変制御の実行変動回数が異なる複数種類の権利がストックされるようにしてもよく、このようにすることで、ストックされた確変制御を実行させる権利に基づく確変制御の実行変動回数に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、前記実施例では、ステップS247b,247cにて実行される確変ストック放出抽選にて当選し放出される権利は、全て5回の変動表示にわたり確変制御を実行させる権利とされていたが、放出される権利に基づく確変制御の実行変動回数は全て同じでなくてもよく、例えば、確変ストック放出抽選にて、確変制御の実行変動回数が異なる複数種類の権利が放出されるようにしてもよい。
具体的には、図25(A)に示すように、第1特図確変ストック放出判定テーブルでは、確変制御の実行変動回数が5回の権利が約5%、確変制御の実行変動回数が20回の権利が約15%、確変制御の実行変動回数が50回の権利が約80%の割合でそれぞれ当選するようになっている。このように、第1特図の変動時は、約1/300の確率で確変ストック放出抽選に当選するため、実行変動回数が多い権利の順に高い割合で当選するようになっている。
一方、図25(B)に示すように、第2特図確変ストック抽選判定テーブルでは、確変制御の実行変動回数が5回の権利が約80%、確変制御の実行変動回数が20回の権利が約15%、確変制御の実行変動回数が50回の権利が約5%の割合でそれぞれ当選するようになっている。このように、第2特図の変動時は、約1/300の確率で確変ストック抽選に当選するが、基本的には高確状態であることが多いため、実行変動回数が少ない権利の順に高い割合で当選するようになっている。
このように、確変ストック放出抽選にて、確変制御の実行変動回数が異なる複数種類の権利が放出されるようにしてもよく、このようにすることで、放出される確変制御を実行させる権利に基づく確変制御の実行変動回数に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。尚、このように確変制御の実行変動回数が異なる複数種類の権利がストックされているか否かを示すとともに、該ストックされている権利の数を示す確変ストックフラグを遊技制御フラグ設定部152に記憶する場合、確変制御の実行変動回数が異なる権利の種別を特定可能となるように、種別に応じた確変ストックフラグを記憶するようにすればよい。
また、図24及び図25において、各権利に基づく確変制御の実行変動回数は5回、20回、50回に限定されるものでなく、種々に変更可能であり、例えば、権利に基づく確変制御の実行変動回数は1回でもよい。また、確変制御の実行変動回数が異なる権利の数は上記3種類に限定されるものではなく、4種類以上としてもよい。また、ここでは、確変制御の実行変動回数が異なる複数種類の権利が所定の割合で当選するようになっていたが、例えば、一の権利に基づく確変制御の実行変動回数は同一(例えば、5回)だが、1回の抽選で複数の権利が当選するようにしてもよい。
このように、確変制御を実行させる権利に基づく確変制御の実行変動回数は、図24に示すように確変ストック抽選時に決定してもよいし、図25に示すように、確変ストック放出抽選時に決定してもよい。
また、確変ストック抽選にてストックする権利の種類を決定する場合、確変ストック放出抽選に当選したとき、ストックされた順序通りに放出してもよいし、放出する権利の種類を抽選等にて決定するようにしてもよい。
また、確変ストック放出抽選に当選した場合、確変ストック抽選に当選してストックされている権利の数に関わらず、該ストックされている全ての権利に基づく確変制御の総実行変動回数のうちから実行させる確変制御の実行変動回数を抽選等により決定し、該決定された実行変動回数の確変制御を実行させるようにしてもよい。
また、本変形例のように、特別図柄通常処理におけるステップS232c,236cにて実行される確変ストック抽選にて当選しストックされる権利として、確変制御の実行変動回数が異なる複数種類の権利を含むようにした場合、例えば、演出制御用CPU120は、遊技制御フラグ設定部152に記憶された権利についての確変制御の実行変動回数を示唆する示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図22(C)に示すように、演出制御用CPU120は、確変ストック報知演出として、該演出図柄の変動表示中の所定のタイミングで表示画面をミニキャラクタが横切るとともに、該表示画面において確変制御を実行させる権利がストックされた旨を表示するとともに、該ストックされた権利についての確変制御の実行変動回数が所定回数であることを示唆する画像(例えば、ミニキャラクタが「確変ストック!継続20回?」と喋るセリフ画面など)を表示すればよい。尚、示唆演出の態様はこれに限定されるものではなく、確変制御の実行変動回数を示唆することができるものであれば、例えば、「継続20回?」の表示に替えて、セリフ画面の背景色を実行変動回数に応じた背景色とするなど、種々に変更可能である。
また、今回の確変ストック抽選にて当選した権利についての確変制御の実行変動回数を示唆するものだけでなく、遊技制御フラグ設定部152に既に記憶されている権利についての確変制御の実行変動回数、具体的には、遊技制御フラグ設定部152に記憶されている各権利に対応する確変制御の実行変動回数を合算した合計実行変動回数を示唆する示唆演出を実行してもよい。
また、本変形例のように、特別図柄通常処理におけるステップS247b,247cにて実行される確変ストック放出抽選にて当選し放出される権利として、確変制御の実行変動回数が異なる複数種類の権利を含むようにした場合、例えば、演出制御用CPU120は、確変ストック放出抽選に当選した権利についての確変制御の実行変動回数を示唆する示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図23(B)に示すように、演出制御用CPU120は、確変放出報知演出として、該演出図柄の変動表示中の所定のタイミングで表示画面をミニキャラクタが横切るとともに、該表示画面において確変制御を実行させる権利が放出された旨を表示するとともに、該放出された権利についての確変制御の実行変動回数が所定回数であることを示唆する画像(例えば、ミニキャラクタが「確変放出!継続50回?」と喋るセリフ画面など)を表示すればよい。尚、示唆演出の態様はこれに限定されるものではなく、確変制御の実行変動回数を示唆することができるものであれば、例えば、「継続50回?」の表示に替えて、セリフ画面の背景色を実行変動回数に応じた背景色とするなど、種々に変更可能である。
また、今回の確変ストック放出抽選にて当選した権利についての確変制御の実行変動回数を示唆するものだけでなく、遊技制御フラグ設定部152に既に記憶されている権利についての確変制御の実行変動回数、具体的には、遊技制御フラグ設定部152に記憶されている各権利に対応する確変制御の実行変動回数を合算した合計実行変動回数を示唆する示唆演出を実行してもよい。
また、確変ストック放出抽選での当選を契機とした確変制御と時短制御が実行されている場合において、当該確変制御と時短制御の残り変動回数が予め定められた残回数(例えば、0〜10回など)になったときに、当該確変制御と時短制御の終了する変動表示において確変ストックフラグ値及び放出回数カウンタ値が「0」とならないことを条件として、演出制御用CPU120は、次回放出される権利についての確変制御の実行変動回数(例えば、50回)以下の実行変動回数を示唆する示唆演出を実行してもよい。示唆演出の一例としては、ミニキャラクタが「上乗せ50回?」と喋るセリフ画面などを表示するもの等が考えられる。このようにすることで、大当り遊技状態を経なくても確変制御が実行されることがあるとともに、確変制御の継続回数が報知されるため、遊技者の確変制御の継続に対する期待感を高めることができる。
尚、上記示唆演出にて、次回放出される権利についての確変制御の実行変動回数以下の実行変動回数を示唆する場合、例えば、次回放出される権利についての確変制御の実行変動回数が50回に決定されていても、例えば、実行が決定されている変動回数である50回以下の回数である「上乗せ30回?」と喋るセリフ画面などを表示しておく。そして、次回権利が放出されたときに「上乗せ30回!!」と報知し、当該権利についての確変制御が30回実行されたときに「上乗せ20回!!」と報知することができる。つまり、実行が決定されている変動回数以下の変動回数を報知するようにすると上乗せ報知演出の実行機会が増加するため、上乗せに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、上記示唆演出では、次回放出される権利についての確変制御の実行変動回数以下の実行変動回数を示唆するものであったが、遊技制御フラグ設定部152に記憶されている各権利に対応する確変制御の実行変動回数を合算した合計実行変動回数を示唆するようにしてもよい。
以下、本発明の実施例2としてのパチンコ遊技機1について、図26〜図29に基づいて説明する。図26は、実施例2としての特別図柄通常処理にて実行される転落抽選処理の一例を示すフローチャートである。図27は、実施例2としての特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図28は、(A)は、実施例2としての第1特図確変ストック当選判定テーブルの構成を示す図であり、(B)は、実施例2としての第2特図確変ストック当選判定テーブルの構成を示す図である。図29は、(A)は、実施例2としての第1特図確変ストック放出判定テーブルの構成を示す図であり、(B)は、実施例2としての第2特図確変ストック放出判定テーブルの構成を示す図である。尚、以下においては、前記実施例と相違する点のみ説明し、前記実施例1と同様の構成に関しては説明を省略する。
前記実施例1のパチンコ遊技機1では、確変大当りA及び確変大当りBの終了後に実行される確変制御と時短制御は、新たに大当りが発生することまたは大当りが発生することなく所定回数(例えば、5回)の特図の変動表示が実行される(特別図柄の変動表示が5回実行される)ことにより終了条件が成立したときに終了するようになっていたが、本実施例2のパチンコ遊技機1では、確変大当りA及び確変大当りBの終了後に実行される確変制御は、新たに大当りが発生することまたは後述する確変制御の転落抽選に当選することにより終了条件が成立したときに終了する。
尚、本実施例では、確変大当りA及び確変大当りBの終了後、確変制御とともに時短制御が実行され、該時短制御は、新たに大当りが発生すること、後述する確変制御の転落抽選に当選すること、確変大当りA及び確変大当りBの終了後に所定回数(例えば、70回)の特図の変動表示(70回の変動表示)が実行されること、のうちいずれかの終了条件が成立したときに終了する。よって、本実施例では、大当り遊技状態の終了後、転落当選により確変制御のみ終了し、時短制御のみが変動表示が70回になるまで継続する場合がある。
確変制御の転落抽選とは、実行中の確変制御を終了させて低確状態に制御するか否か、つまり、遊技状態を高確状態から低確状態に転落させるか否かを判定するものであり、確変制御が実行されているとき(高確状態)における特図の変動毎に変動開始時に実行されるようになっている。転落抽選には、高確転落判定テーブル(図示略)が用いられ、該高確転落判定テーブルは、遊技状態を高確状態から低確状態に転落させるか否かを高確転落判定用の乱数値MR7に基づいて決定するために参照されるテーブルである。高確転落判定テーブルでは、高確転落判定用の乱数値MR7と比較される数値(判定値)が、「転落当選」や「転落非当選」の表示結果に割り当てられている。転落抽選の当選確率は、例えば約1/60とされている。つまり、高確状態における大当りの当選確率(約1/30)の約1/2の確率で転落抽選に当選(転落当選)する。
また、転落抽選に当選したとき、確変制御を実行させる権利がストック(確変ストックが有る)されており、かつ、確変制御を実行させる権利が放出された放出回数が所定の放出上限回数(例えば、2回)に達していないことを条件に、確変制御を実行させる権利の放出が繰り返し実行される。つまり、大当り遊技状態の終了後、高確状態において転落抽選に3回当選するまで、確変制御と時短制御とが継続して実行されるようになっている。
本実施例では、特図の変動毎に変動開始時に実行された転落抽選に当選しても、確変制御を実行させる権利がストックされていることを条件に、当該変動表示の開始時に確変ストック放出抽選を実行し、該確変ストック放出抽選に当選した場合、確変制御の終了を示す転落フラグはセットされないので、当該変動表示中において確変制御が終了してしまうことがない。よって、大当り抽選の実行前に転落抽選に当選して確変制御が一時的に終了してしまうことで、確変状態に対応する当選確率(約1/30)で大当り抽選が実行されず、遊技者に不利益を与えてしまうことを回避している。また、転落抽選処理において確変制御を実行させる権利が放出された場合、時短回数カウンタは新たに更新されないため、確変制御が継続しても、時短制御は大当り後の変動表示が70回に達したときに終了する。尚、大当りが発生した場合には、大当り終了処理において時短回数カウンタに「70」がセットされ、放出回数カウンタには「2」がセットされる。
本実施例では、変動特図が第1特図であるときの確変ストック抽選では、遊技状態が高確状態であるか低確状態であるかに係わらず、約1/100の確率にて確変ストック抽選に当選して、確変制御を実行させる権利がストック(1加算)される。一方、変動特図が第2特図であるときの確変ストック抽選では、遊技状態が低確状態であるときには、第1特図と同様に、約1/100の確率にて確変ストック抽選に当選して、確変制御を実行させる権利がストック(1加算)され、遊技状態が高確状態であるときには、低確状態における確率よりも低い約1/200の確率にて確変ストック抽選に当選して、確変制御を実行させる権利がストック(1加算)される。
また、本実施例では、変動特図が第1特図であるときの確変ストック放出抽選では、遊技状態が低確状態である場合には、約1/300の確率にて確変ストック放出抽選に当選して、高確高ベースに移行するようになる。一方、変動特図が第2特図であるときの確変ストック放出抽選では、遊技状態が低確状態である場合には、約1/200の確率にて確変ストック放出抽選に当選して、高確高ベースに移行するようになる。また、変動特図が第1特図または第2特図であるときも、遊技状態が高確状態である場合には、前記実施例1と同様に確変ストック放出抽選に当選しないようになっている。
ここで、上記転落抽選処理の内容について、図26に基づいて説明する。本実施例では、図13に示すステップS110の特別図柄通常処理におけるステップS241で大当りでないと判定された場合(ステップS241;No)、図26に示す転落抽選処理を実行する。
図26に示すように、転落抽選処理において、CPU103は、まず、確変フラグがセットされているか否か、つまり、遊技状態が確変状態か否かを判定する(ステップS1231)。確変状態でない場合(ステップS1231;No)、転落抽選は不要であるので、そのまま処理を終了する。確変状態である場合(ステップS1231;Yes)は、高確転落判定テーブル(図示略)を選択し、「転落当選」または「転落非当選」のいずれの判定値の範囲に高確転落判定用の乱数値MR7が該当するか否かに基づいて、「転落当選」または「転落非当選」のいずれかを判定し、「転落当選」であると判定した場合(ステップS1232;Yes)、確変制御を実行させる権利の放出条件が成立したと判定し(ステップS1233)、ステップS1234に進む。「転落非当選」であると判定した場合(ステップS1232;No)、確変制御を実行させる権利の放出条件が成立しないとして、処理を終了する。
ステップS1234では、確変ストックがあるか否か、つまり、確変ストックフラグ値が「0」であるか否かを判定し(ステップS1234)、確変ストックがある場合は(ステップS1234;Yes)、放出回数カウンタを1減算し(ステップS1235)、減算後の放出回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1236)。放出回数カウンタの値が「0」でなければ(ステップS1236;No)、放出回数が放出上限回数に達していないとして、確変ストックフラグ値を1減算し(ステップS1237)、処理を終了する。つまり、転落抽選に当選したものの、確変ストックがあり、かつ、放出回数が上限回数に達していないことを条件に、高確状態から低確状態に転落させることを示す転落フラグをセットせずに処理を終了することで、確変状態が維持されることになる。
また、確変ストックがない場合(ステップS1234;No)や、放出回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS1236;Yes)は、放出条件は成立したものの、放出する確変制御を実行させる権利がないまたは放出回数が既に上限回数に達してしまっていることで、権利を放出させることができないので、転落フラグをセットし(ステップS1238)、処理を終了する。
そして、CPU103は、上記転落抽選処理が終了した後、転落フラグがセットされているか否かを判定し、この転落抽選処理にて転落フラグがセットされていないことを判定した場合には、ステップS246以降の処理に進む。また、転落フラグがセットされている場合は、確変ストックを放出できる条件が成立していないので、そのままステップ250に進み、無駄に確変ストック放出抽選にて放出当選してしまうことがないようにしている。
次に、図27に示す特別図柄停止処理の内容について、前記実施例1と相違する部分のみを説明する。
まず、本実施例では、ステップ143において、時短回数カウンタに「70」をセットする。また、ステップS143aにおいて、放出回数カウンタに「2」をセットする。
次いで、ステップ150以降の処理について説明すると、CPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS150;Yes)、つまり、通常遊技状態である場合には、ステップS153bに進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(ステップS150;No)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を1減算するとともに(ステップS151)、時短回数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS152)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS153)、「0」でない場合(ステップS153;No)にはステップS153bに進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS153;Yes)には、時短フラグをクリアし(ステップS153a)、ステップS153bに進む。
ステップS153bでは、転落フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS153b)、転落フラグがセットされている場合(ステップS153b;Yes)は、遊技状態は確変状態であるため、確変フラグ、転落フラグをクリアした後(ステップS153c)、通常状態を示す遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(ステップS153d)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS159a)、特別図柄停止処理を終了する。
このように、本実施例2のパチンコ遊技機1にあっては、特定情報としての確変ストックフラグを記憶しておき、確変ストック放出抽選に当選したことにより確変状態となるようにしたので、大当り遊技状態が冗長となって遊技の興趣が低下してしまうこと防ぐことができる。また、確変状態から通常状態にいつ転落するかがわからないので、遊技の興趣が向上する。
以上、本発明の実施例2を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例2に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
次に、本発明の実施例2における変形例について、図28及び図29に基づいて説明する。図28は、(A)は、変形例としての第1特図確変ストック当選判定テーブルの構成を示す図であり、(B)は、変形例としての第2特図確変ストック当選判定テーブルの構成を示す図である。図29は、(A)は、変形例としての第1特図確変ストック放出判定テーブルの構成を示す図であり、(B)は、変形例としての第2特図確変ストック放出判定テーブルの構成を示す図である。尚、以下においては、前記実施例2と相違する点のみ説明し、前記実施例2と同様の構成に関しては説明を省略する。
前記実施例2では、ステップS232c,236cにて実行される確変ストック抽選にて当選しストックされる権利は、全て確変制御の実行中における転落確率が約1/60の権利とされていたが、ストックされる権利に基づく確変制御の実行中における転落確率は全て同じでなくてもよく、例えば、確変ストック抽選にて、確変制御の実行中における転落確率が異なる複数種類の権利がストックされるようにしてもよい。
具体的には、図28(A)に示すように、第1特図確変ストック抽選判定テーブルでは、確変制御の実行中における転落確率が約1/60の権利が約80%、確変制御の実行中における転落確率が約1/70の権利が約15%、確変制御の実行中における転落確率が約1/99の権利が約5%の割合でそれぞれ当選するようになっている。このように、第1特図の変動時は、約1/100の確率で確変ストック抽選に当選するため、確変制御の実行中における転落確率が高い権利の順に高い割合で当選するようになっている。
一方、図28(B)に示すように、第2特図確変ストック抽選判定テーブルでは、確変制御の実行中における転落確率が約1/60の権利が約5%、確変制御の実行中における転落確率が約1/70の権利が約15%、確変制御の実行中における転落確率が約1/99の権利が約80%の割合でそれぞれ当選するようになっている。このように、第2特図の変動時は、約1/100の確率で確変ストック抽選に当選するが、基本的には高確状態であることが多いため、確変制御の実行中における転落確率が低い権利の順に高い割合で当選するようになっている。
このように、確変ストック抽選にて、確変制御の実行中における転落確率が異なる複数種類の権利がストックされるようにしてもよく、このようにすることで、ストックされた権利に基づく確変制御の実行中における転落確率に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、前記実施例では、ステップS247b,247cにて実行される確変ストック放出抽選にて当選し放出される権利は、全て確変制御の実行中における転落確率が同じ権利とされていたが、放出される権利に基づく確変制御の実行中における転落確率は全て同じでなくてもよく、例えば、確変ストック放出抽選にて、確変制御の実行中における転落確率が異なる複数種類の権利が放出されるようにしてもよい。
具体的には、図29(A)に示すように、第1特図確変ストック放出判定テーブルでは、確変制御の実行中における転落確率が約1/60の権利が約5%、確変制御の実行中における転落確率が約1/70の権利が約15%、確変制御の実行中における転落確率が約1/99の権利が約80%の割合でそれぞれ当選するようになっている。このように、第1特図の変動時は、約1/300の確率で確変ストック放出抽選に当選するため、実行変動回数が多い権利の順に高い割合で当選するようになっている。
一方、図28(B)に示すように、第2特図確変ストック抽選判定テーブルでは、確変制御の実行中における転落確率が約1/60の権利が約80%、確変制御の実行中における転落確率が約1/70の権利が約15%、確変制御の実行中における転落確率が約1/99の権利が約5%の割合でそれぞれ当選するようになっている。このように、第2特図の変動時は、約1/300の確率で確変ストック抽選に当選するが、基本的には高確状態であることが多いため、実行変動回数が少ない権利の順に高い割合で当選するようになっている。
このように、確変ストック放出抽選にて、確変制御の実行中における転落確率が異なる複数種類の権利が放出されるようにしてもよく、このようにすることで、放出される確変制御を実行させる権利に基づく転落確率に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。尚、このように転落確率が異なる複数種類の権利がストックされているか否かを示すとともに、該ストックされている権利の数を示す確変ストックフラグを遊技制御フラグ設定部152に記憶する場合、確変制御の実行中における転落確率が異なる権利の種別を特定可能となるように、種別に応じた確変ストックフラグを記憶するようにすればよい。
また、図28及び図29において、各権利に基づく確変制御の実行中における転落確率は1/60、1/70、1/99に限定されるものでなく、種々に変更可能である。また、確変制御の実行中における転落確率が異なる権利の種類は上記3種類に限定されるものではなく、4種類以上としてもよい。また、ここでは、確変制御の実行中における転落確率が異なる複数種類の権利が所定の割合で当選するようになっていたが、例えば、一の権利に基づく確変制御の実行中における転落確率は同一だが、1回の抽選で複数の権利が当選するようにしてもよい。
このように、確変制御を実行させる権利に基づく確変制御の実行中における転落確率は、図28に示すように確変ストック抽選時に決定してもよいし、図29に示すように、確変ストック放出抽選時に決定してもよい。
また、確変ストック抽選にてストックする権利の種類を決定する場合、確変ストック放出抽選に当選したとき、ストックされた順序通りに放出してもよいし、放出する権利の種類を抽選等にて決定するようにしてもよい。
また、本変形例のように、特別図柄通常処理におけるステップS232c,236cにて実行される確変ストック抽選にて当選しストックされる権利として、確変制御の実行中における転落確率が異なる複数種類の権利を含むようにした場合、例えば、演出制御用CPU120は、遊技制御フラグ設定部152に記憶された権利についての確変制御の実行中における転落確率を示唆する示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図22(C)に示すように、演出制御用CPU120は、確変ストック報知演出として、該演出図柄の変動表示中の所定のタイミングで表示画面をミニキャラクタが横切るとともに、該表示画面において確変制御を実行させる権利がストックされた旨を表示するとともに、該ストックされた権利についての確変制御の実行中における転落確率が所定確率であることを示唆する画像(例えば、ミニキャラクタが「確変ストック!転落確率1/60?」と喋るセリフ画面など)を表示すればよい。尚、示唆演出の態様はこれに限定されるものではなく、確変制御の実行中における転落確率を示唆することができるものであれば、例えば、「転落確率1/60?」の表示に替えて、セリフ画面の背景色を転落確率に応じた背景色とするなど、種々に変更可能である。
また、今回の確変ストック抽選にて当選した権利についての確変制御の実行中における転落確率を示唆するものだけでなく、遊技制御フラグ設定部152に既に記憶されている権利についての確変制御の実行中における転落確率を示唆する示唆演出を実行してもよい。
また、本変形例のように、特別図柄通常処理におけるステップS247b,247cにて実行される確変ストック放出抽選にて当選し放出される権利として、確変制御の実行中における転落確率が異なる複数種類の権利を含むようにした場合、例えば、演出制御用CPU120は、確変ストック放出抽選に当選した権利についての確変制御の実行中における転落確率を示唆する示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図23(B)に示すように、演出制御用CPU120は、確変放出報知演出として、該演出図柄の変動表示中の所定のタイミングで表示画面をミニキャラクタが横切るとともに、該表示画面において確変制御を実行させる権利が放出された旨を表示するとともに、該放出された権利についての確変制御の実行中における転落確率が所定回数であることを示唆する画像(例えば、ミニキャラクタが「確変放出!転落確率1/99?」と喋るセリフ画面など)を表示すればよい。尚、示唆演出の態様はこれに限定されるものではなく、確変制御の実行変動回数を示唆することができるものであれば、例えば、「転落確率1/99?」の表示に替えて、セリフ画面の背景色を転落確率に応じた背景色とするなど、種々に変更可能である。
また、今回の確変ストック放出抽選にて当選した権利についての確変制御の実行中における転落確率を示唆するものだけでなく、遊技制御フラグ設定部152に既に記憶されている権利についての確変制御の実行中における転落確率を示唆する示唆演出を実行してもよい。
また、確変ストック放出抽選での当選を契機とした確変制御が実行されている場合において、当該確変制御の残り変動回数が予め定められた残回数(例えば、0〜10回など)になったときに、当該確変制御の終了する変動表示において確変ストックフラグ値及び放出回数カウンタ値が「0」とならないことを条件として、演出制御用CPU120は、次回放出される権利についての確変制御の実行中における転落確率(例えば、1/60など)以下の転落確率を報知する報知演出を実行してもよい。このようにすることで、大当り遊技状態を経なくても確変制御が実行されることがあるとともに、確変制御の実行中における転落確率が報知されるため、遊技者の確変制御の継続に対する期待感を高めることができる。
また、前記実施例1,2では、ストックされている確変制御を実行する権利が放出されたとき、図23(B)に示すように、変動表示の所定のタイミングで、権利が新たに放出された旨が報知されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、権利が放出されたことにより新たに実行される確変制御の変動表示回数(上乗せ変動表示回数)や、放出された高確状態における転落抽選確率を報知するようにしてもよい。また、これら上乗せ変動表示回数や転落抽選確率は、図1に示すように、遊技者に操作可能に設けられたプッシュボタン等の操作手段が操作されたことに基づいて報知されるようにしてもよい。
また、確変制御の終了条件の一例として、前記実施例1では、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、5回)の特図の変動表示が実行される(変動表示が5回実行される)ことであり、実施例2では、転落抽選に当選することとされていたが、一のパチンコ遊技機において、双方の確変制御の終了条件を備えるようにしてもよい。具体的には、例えば、大当り遊技状態の終了後から大当りが発生することなく70回数の変動表示が実行されること、または約1/70の転落抽選に当選することのいずれかの終了条件が成立したときに終了するようにしてもよい。つまり、70回数の変動表示が実行される前に低確状態に転落することもあるし、転落しなくても70回の変動表示で低確状態に転落することもある。あるいは、大当り遊技状態の終了後に変動表示が30回実行された後は、約1/10の転落抽選に当選したときに終了条件が成立するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技球が第1始動入賞口へ始動入賞したことに基づいて第1特図の変動表示が開始され、遊技球が第2始動入賞口へ始動入賞したことに基づいて第2特図の変動表示が開始されるようになっていたが、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に始動入賞したかに関わらず、該始動入賞に基づいて1つの特別図柄の変動表示が開始されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、確変制御を実行させる権利が記憶されているか否かとともに、記憶されている権利の数の特定を容易とするために、図10に示すように、遊技制御フラグ設定部に0〜3の範囲の値となる第1特図確変ストックフラグ値と第2特図確変ストックフラグ値とを設定し、確変ストック放出抽選に当選したことにより確変制御が実行されることに伴って該第1特図確変ストックフラグ値または第2特図確変ストックフラグ値を減算更新することで、確変制御の実行に使用された権利を消去する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変制御を実行させる権利が記憶されているか否かを示す第1特図確変ストック有無フラグと第2特図確変ストック有無フラグを設定するとともに、これら第1特図確変ストック有無フラグと第2特図確変ストック有無フラグとは個別に、確変制御を実行させる権利示す権利データを1つずつ最大3つ記憶可能な第1特図確変ストック記憶バッファと第2特図確変ストック記憶バッファとを設け、該第1特図確変ストック記憶バッファや第2特図確変ストック記憶バッファに記憶されている権利データの数によって、確変制御を実行させる権利の数を特定可能とし、確変ストック放出抽選に当選したことにより確変制御が実行されることに伴って第1特図確変ストック記憶バッファまたは第2特図確変ストック記憶バッファに記憶されている1の権利データを消去するようにしても良い。
また、前記実施例1,2では、遊技球の第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞後、該始動入賞に基づく変動表示の実行時に確変ストック抽選を実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変ストック抽選を、始動入賞による変動表示に関係なく、例えば、始動入賞時や始動入賞時から該始動入賞による変動表示が開始されるまでの期間内において実行する、つまり、始動入賞による変動表示に関係なく、始動入賞に基づいて確変制御を実行させる権利に当選しているか否かを判定するようにしても良い。尚、このようにした場合には、保留記憶数が上限数に達しているときの無効な始動入賞についても、確変ストック抽選を実行できるようになり、保留記憶数が上限数に達しているときに遊技球の発射を停止する止め打ち等を防ぐこともできる。
また、前記実施例1,2では、遊技球の第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞後、該始動入賞に基づく変動表示の実行時に確変ストック放出抽選を実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変ストック放出抽選を、始動入賞による変動表示に関係なく、例えば、始動入賞時や始動入賞時から該始動入賞による変動表示が開始されるまでの期間内において実行する、つまり、始動入賞による変動表示に関係なく、始動入賞に基づいて確変制御を実行させる権利の放出に当選にしているか否かを判定するようにしても良い。尚、このようにした場合には、保留記憶数が上限数に達しているときの無効な始動入賞についても、確変ストック放出抽選を実行できるようになり、保留記憶数が上限数に達しているときに遊技球の発射を停止する止め打ち等を防ぐこともできる。
また、前記実施例1,2では、特別図柄通常処理におけるステップS232c,236c、つまり、特図の変動表示開始時に確変ストック抽選を実行し、当選した場合に確変制御を実行させる権利を記憶するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、事前決定手段の決定に関連して、つまり、大当りか否かを判定する処理に関連して実行されるものであれば、特図の変動表示中や変動停止時等に行うようにしてもよい。また、確変ストック抽選は、特図の変動表示中に実行され、大当り遊技状態においては実行されないようになっていたが、大当り遊技状態においても実行されるようにしてもよい。このようにすることで、大当りに当選したときや、大当り遊技状態に制御されているときにも、確変制御を実行させる権利が記憶されることがあるため、興趣が向上する。また、このように大当り遊技状態において確変ストック抽選を実行する場合、実行される大当りの種別(例えば、確変大当りAや確変大当りBなど)に応じて、当選した権利についての確変制御の実行回数が異なるようにしてもよい。
また、前記実施例1,2では、特別図柄通常処理におけるステップS247b,247c、つまり、特図の変動表示開始時に確変ストック放出抽選を実行し、当該変動表示の表示結果が導出された後に確変制御を実行させるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、事前決定手段の決定に関連して、つまり、大当りか否かを判定する処理に関連して実行されるものであれば、特図の変動表示中や変動停止時等に行うようにしてもよい。また、確変ストック放出抽選は、特図の変動表示中に実行され、大当り遊技状態においては実行されないようになっていたが、大当り遊技状態においても実行されるようにしてもよい。このようにすることで、大当りに当選したときや、大当り遊技状態に制御されているときにも、確変制御を実行させる権利の放出が決定されることがあるため、興趣が向上する。また、このように大当り遊技状態において確変ストック放出抽選を実行する場合、実行される大当りの種別(例えば、確変大当りAや確変大当りBなど)に応じて、当選した権利についての確変制御の実行回数が異なるようにしてもよい。
また、確変制御を実行させる権利に当選しているか否かの判定(確変ストック抽選)と、確変制御を実行させる権利の放出に当選にしているか否かの判定(確変ストック放出抽選)とは、両者とも前記実施例のように特図の変動表示の実行時に行うものに限定されるものではなく、確変制御を実行させる権利に当選しているか否かの判定と確変制御を実行させる権利の放出に当選にしているか否かの判定とが別個のタイミングで実行されるようにしてもよい。つまり、例えば、入賞が発生した時点において確変制御を実行させる権利に当選しているか否かの判定及び確変制御を実行させる権利の放出に当選にしているか否かの判定のうち一方を実行し、始動入賞に基づく変動表示の実行時に他方を実行してもよい。さらに、確変制御を実行させる権利に当選しているか否かの判定(確変ストック抽選)や確変制御を実行させる権利の放出に当選にしているか否かの判定(確変ストック放出抽選)は、変動表示結果が大当りとなるか否かの判定と同時に行うようにしてもよい。具体的には、例えば特図表示結果判定用乱数(MR1)を用いて、大当り判定と共に確変ストック判定及び確変ストック放出判定を実行すればよい。
また、前記実施例1,2では、確変制御を実行させる権利を記憶させること(本発明の第1条件を成立させること)の決定は、確変ストック抽選の抽選結果により決定し、確変制御を実行させる権利を放出させること(本発明の第2条件を成立させること)の決定は、確変ストック放出抽選の抽選結果により決定していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変制御を実行させる権利を記憶させること(本発明の第1条件を成立させること)の決定や確変制御を実行させる権利を放出させること(本発明の第2条件を成立させること)の決定は、上記のような抽選以外の決定条件が成立したときに実行されるようにしてもよい。例えば、確変制御の終了条件が成立すること(確変制御が所定変動回数実行されたときなど)、大当り終了後から変動表示が所定の上限回数(例えば、1000回)実行されること、スーパーリーチハズレの変動パターンが選択されることなど、これら複数のうちいずれか1つまたは複数の決定条件が成立したときに、確変制御を実行させる権利を記憶させること(本発明の第1条件を成立させること)の決定や確変制御を実行させる権利を放出させること(本発明の第2条件を成立させること)の決定が実行されるようにしてもよい。
また、前記実施例1,2では、確変ストック放出抽選に当選したときなど、確変制御を実行させる権利を放出させることが決定されたときに、予め定められた放出上限回数を設定するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、放出上限回数を放出上限回数抽選等を実行することにより複数の放出上限回数のうちからいずれかを決定し、該決定した上限回数の放出が終了するまで確変制御が実行されるようにしてもよい。
また、前記実施例1,2では、第1特図または第2特図の変動表示において確変制御を実行させる権利の放出に当選することで、記憶されている確変制御を実行させる権利を消去して遊技状態を確変状態に移行させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図の変動表示において確変制御を実行させる権利の放出に当選した場合と第2特図の変動表示において確変制御を実行させる権利の放出に当選した場合とで移行する確変状態の有利度が異なるようにしても良い。具体的には、第1特図の変動表示において確変制御を実行させる権利の放出に当選した場合は、遊技状態を時短制御(高開放制御)が実行されない高確状態(高確低ベース状態)に移行させ、第2特図の変動表示において確変制御を実行させる権利の放出に当選した場合は、遊技状態を時短制御が実行される高確状態(高確高ベース状態)に移行させればよい。尚、確変状態の有利度としては、確変制御を実行させる権利が当選した変動表示の特図に応じて前述した時短制御の有無の他、高確状態に制御される変動表示回数が異なるものや、変動表示の実行毎に高確状態から通常状態に移行する割合が異なるもの等であっても良い。
また、前記実施例においては、確変ストック抽選に当選して確変制御を実行させる権利が記憶されることの報知や、確変ストック放出抽選に当選して確変制御を実行させる権利が消去(権利数の減算)されることに伴って確変制御が実行されることの報知を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの報知を、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選の一部の当選または全ての当選について行わないものであっても良い。
また、前記実施例においては、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選したことを、当該抽選が行われた変動表示中において報知する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの報知を、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選した変動表示後のタイミング、例えば、次の変動表示の開始時や次の変動表示中等において実行するようにしても良い。
また、前記実施例においては、確変ストック抽選に当選した場合には、確変制御を実行させる権利が記憶されることのみを報知しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの報知とともに、該記憶後における確変制御を実行させる権利の記憶数(ストック数)も報知するようにしても良い。尚、このように記憶されている権利の記憶数(ストック数)を報知する場合には、実際に記憶されている権利の記憶数(ストック数)よりも少ない数を報知するようにしても良い。
また、前記実施例では、1の確変制御を実行させる権利を1つずつ確変ストック放出抽選に当選することにより放出する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変ストック放出抽選に当選した場合には、2以上の所定数の確変制御を実行させる権利が放出されるようにしても良い。具体的には、例えば、通常状態(低確低ベース状態)において、放出の所定数が3に設定された1の確変ストック放出抽選に当選した場合には、通常状態(低確低ベース状態)から1の権利(1つ目)により高確状態に制御されて大当りとなり、該大当り後に1の権利(2つ目)により高確状態に制御されて2回目の大当りとなり、該大当り後に1の権利(3つ目)により高確状態に制御されるようにしても良い。尚、このように所定数の確変制御を実行させる権利の放出が決定される場合にあっては、放出する(確変状態に制御する)ときや放出する(確変状態に制御する)前等に、放出される所定数或いは放出される所定数よりも少ない数を報知するようにしても良い。
また、前記実施例では、確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選したことを遊技機から外部に出力しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変ストック抽選や確変ストック放出抽選に当選したことを示す情報(信号)を、つまり、第1条件または第2条件が成立したことを外部装置において特定可能な情報(信号)を出力するようにしても良い。
また、前記実施例では、確変ストック報知演出及び確変放出報知演出の演出期間をほぼ同じとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変ストック報知演出及び確変放出報知演出の演出期間を異なるもの、例えば、確変放出報知演出の演出期間を、確変ストック報知演出の演出期間よりも長いものとして、確変制御を実行させる権利の記憶の報知であるのか、或いは確変制御を実行させる権利の放出の報知であるのかを、演出期間の違いによって遊技者が認識し易くなるようにしても良い。
尚、確変ストック報知演出及び確変放出報知演出の演出期間は、特に限定されるものではなく、これらの演出を複数の変動表示に亘って実行しても良いが、複数の変動表示に亘ってこれらの報知演出を実行すると、遊技者が報知内容を認識し難くなってしまう場合があるので、例えば、これらの演出期間を、最も変動時間が短い変動パターンの変動期間(変動時間)よりも短い期間とすることにより、確変ストック報知演出や確変放出報知演出を、1の変動表示中において実行できるようにすることが好ましい。
また、低確高ベース状態に制御される非確変大当りと、高確高ベース状態に制御される確変大当りA,Bとが発生するパチンコ遊技機において、低確低ベース状態において確変ストック放出抽選に当選したことにより高確低ベース状態に制御され、低確高ベース状態において確変ストック放出抽選に当選したことにより高確高ベース状態に制御されるようにし、これらの確変ストック放出抽選が実行されることにより、非確変大当りが発生して低確高ベース状態となったときに確変ストック放出抽選に当選した場合には最も有利な高確高ベース状態となり、通常状態(低確低ベース状態)において確変ストック放出抽選に当選した場合には高確低ベース状態となり、該高確低ベース状態にて確変大当りAまたは確変大当りBに当選することにより最も有利な高確高ベース状態となるようにしてもよい。
また、前記実施例1,2に記載のパチンコ遊技機1は、遊技場において複数設置されるとともに、各パチンコ遊技機1にカードユニット(図示略)などの遊技用装置が接続される。また、これらパチンコ遊技機1やカードユニット(図示略)は、店舗外の鍵管理サーバや管理センタ、店舗内のホールサーバやホールコンなどの管理装置に接続されて管理される。カードユニットは、例えば、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付け、受け付けたカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(例えば、カード残額、持球数、あるいは貯球数等)を“遊技球のデータ”に変換する機能を有し、パチンコ遊技機1では、遊技球のデータによって特定される球数相当の遊技が可能とされる。
また、パチンコ遊技機1は、遊技球の発射強度を示す「発射強度信号」(例えば、発射強度を示す状態情報応答)や、各々を識別可能な複数の識別情報(特図や演出図柄)が変動表示していることを示す「変動中信号」などを出力可能とされている。また、遊技場の営業終了時刻を経過したことを示す「営業終了情報」(例えば、営業終了フラグ情報や営業終了時刻情報など)や、カードユニットにてカード抜き取り可能状態となった場合に出力される「取り外し待ち状態通知」(例えば、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報)を、管理装置やカードユニットから入力可能とされている。
「発射強度信号」は、発射強度センサの検出結果である発射強度Tを示している。これにより、管理装置は、例えば、パチンコ遊技機1から出力された発射強度信号と、遊技球が遊技領域に設けられた第1領域を通過したことを示す信号と、第2領域を通過したことを示す信号とを用いて、遊技球が第1領域を通過した回数および割合の少なくとも一方と遊技球が第2領域を通過した回数および割合の少なくとも一方とをそれぞれ発射強度別に集計することなどが可能となるため、発射強度に応じて遊技球がどの領域を通過する傾向にあるのか(発射強度に応じた各領域の通過し易さ)を把握することができる。
「変動中信号」は、パチンコ球が始動入賞口のいずれかを通過したことに伴って特図が変動していることを示す。カードユニットは、パチンコ遊技機1から変動中信号を受信していない状態で発射強度Tが略零から増加し始めた時点(すなわち遊技者が遊技を開始した時点)から、次に変動中信号を受信した時点(すなわち、パチンコ球が始動入賞して特図が変動表示を開始した時点)までの時間を計測する。これにより、遊技者が遊技を始めてから、どの程度の時間でパチンコ球が始動入賞して特図が変動表示を開始するのかを把握することができる。
「営業終了情報」は、例えば、営業が終了したことを示す営業終了フラグ情報(たとえば、営業終了時刻を経過した場合「1」の情報、営業終了時刻を経過していない場合「0」の情報)や営業終了時刻情報(例えば、営業終了時刻「22:00」の情報)などである。管理装置は、現時刻が営業終了時刻を経過したと判定した場合には、営業終了時刻が経過したことを示す営業終了情報を各々のパチンコ遊技機1に送信する。管理装置から送信された営業終了情報を受信したパチンコ遊技機1では、受信した営業終了情報に基づいて遊技場での営業が終了したことを報知することができる。例えば、営業終了フラグ情報が「1」であるので、営業が終了したことを示す画像(営業終了画像)を演出表示装置5に表示させたり、営業が終了したことを示す音声(営業終了音声)をスピーカ8L,8Rから出力することが可能となる。これにより、遊技者に遊技場の営業が終了したことを認識させて、営業時間外にパチンコ遊技機1が稼働することを防止することができる。
「取り外し待ち状態通知」は、カードユニットにより返却されたカードの取り外し待ち状態であることをパチンコ遊技機1に通知するものであり、例えば、カード返却準備状態OFFやカード抜き取り待ち中ONの情報である。カードユニットは、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をパチンコ遊技機1に通知する。これを受けて、パチンコ遊技機1では、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と演出表示装置5等に表示することや、LEDを点灯させたり、スピーカ8L,8Rで「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりすることが可能となる。よって、パチンコ遊技機1が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5で変動表示される演出図柄などの変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連や滑り演出等の有無、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、本発明において予告演出の演出期間とは、特別図柄や演出図柄の変動表示中の期間、ノーマルリーチ中の期間、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展する発展リーチ演出中の期間、大当りにおけるラウンド遊技中の期間のいずれかの期間であれば良い。尚、特別図柄や演出図柄の変動表示中の期間は1の変動表示に限定されるものではなく、複数の変動表示に跨った期間であってもよい。