JP2018012741A - 炭素繊維強化プラスチック - Google Patents

炭素繊維強化プラスチック Download PDF

Info

Publication number
JP2018012741A
JP2018012741A JP2014238253A JP2014238253A JP2018012741A JP 2018012741 A JP2018012741 A JP 2018012741A JP 2014238253 A JP2014238253 A JP 2014238253A JP 2014238253 A JP2014238253 A JP 2014238253A JP 2018012741 A JP2018012741 A JP 2018012741A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
carbon fiber
fiber
degrees
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014238253A
Other languages
English (en)
Inventor
田中 和人
Kazuto Tanaka
和人 田中
傳生 片山
Tsuguo Katayama
傳生 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Doshisha Co Ltd
Original Assignee
Doshisha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Doshisha Co Ltd filed Critical Doshisha Co Ltd
Priority to JP2014238253A priority Critical patent/JP2018012741A/ja
Priority to PCT/JP2015/083065 priority patent/WO2016084842A1/ja
Publication of JP2018012741A publication Critical patent/JP2018012741A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/02Elements
    • C08K3/04Carbon
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
    • B01J23/70Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of the iron group metals or copper
    • B01J23/74Iron group metals
    • B01J23/755Nickel
    • B01J35/58
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J37/00Processes, in general, for preparing catalysts; Processes, in general, for activation of catalysts
    • B01J37/02Impregnation, coating or precipitation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/05Preparation or purification of carbon not covered by groups C01B32/15, C01B32/20, C01B32/25, C01B32/30
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/04Reinforcing macromolecular compounds with loose or coherent fibrous material
    • C08J5/06Reinforcing macromolecular compounds with loose or coherent fibrous material using pretreated fibrous materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/02Elements
    • C08K3/04Carbon
    • C08K3/041Carbon nanotubes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds

Abstract

【課題】炭素繊維の本来の強度が損なわれない炭素繊維強化プラスチックを提供する。【解決手段】本発明の炭素繊維強化プラスチックは、プラスチックと、プラスチックに含まれた炭素繊維と、を備えている。そして、炭素繊維は、表面にニッケルがメッキされ、化学気相成長法によって炭素繊維の表面に、カーボンナノチューブが生やされている。【選択図】図10

Description

本発明は、炭素繊維強化プラスチックに関する。
炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)は、比強度および比剛性が高いため、近年、自動車分野および航空宇宙分野において需要が拡大している。CFRPの機械的特性は、強化繊維および樹脂の強度だけでなく、繊維樹脂界面の特性に大きく影響を受ける。そのため、CFRPの機械的特性の向上には、繊維樹脂界面強度の向上が重要である。
一方、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:CNT)は、直径の大きさがナノオーダーの材料であり、極めて優れた機械的特性、電気伝導性、熱伝導性および高アスペクト比を持つ。そのため、CNTは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)の補強材として使用されている。
CNTをFRPに添加する方法としては、直接樹脂中に分散させる方法がある。しかし、CNTは、ファンデルワールス力による凝集力が高いため、樹脂中への分散が困難である。
また、近年では、繊維樹脂界面の強度向上を目的として、触媒化学気相成長法(Catalytic Chemical Vapor Deposition:CCVD)によって、CNTを炭素繊維表面に析出させる試みが行われている(非特許文献1参照)。具体的には、炭素繊維表面に触媒を担持して分散させる。その後、CCVDによって、触媒を担持させた炭素繊維表面にCNTを析出させることで、分散状態を維持することができる。炭素繊維表面にCNTを析出させることで、アンカー効果による炭素繊維と樹脂との間の密着性向上、繊維半径方向の異方性解消、樹脂亀裂の進展抑制が期待されている。また、CCVDによって炭素繊維表面にCNTを析出させた炭素繊維は、炭素繊維単体と比べて、熱伝導率および繊維樹脂界面の強度が強くなる(非特許文献2参照)。
「Journal of Materials Chemistry, Vol.20」、2010年、p.4729−4956 「Carbon, Vol.48」、 2010年、p.1849−1857
しかしながら、炭素繊維の表面にCNTを析出させることで、炭素繊維が劣化し、本来の強度が損なわれてしまうことがあった。
ここで提案される炭素繊維強化プラスチックは、プラスチックと、プラスチックに含まれた炭素繊維と、を備えている。炭素繊維は、表面にニッケルがメッキされ、化学気相成長法によって炭素繊維の表面に、カーボンナノチューブが生やされている。
ニッケルがメッキされた炭素繊維(サンプル3−5の炭素繊維)のSEM画像である。 CNT析出装置の模式図である。 単繊維引抜試験の様子を示す模式図である。 サンプル1およびサンプル2−1〜2−4の単繊維引張試験におけるワイブル分布を示すグラフである。 サンプル1およびサンプル3−1〜3−4の単繊維引張試験におけるワイブル分布を示すグラフである。 サンプル1およびサンプル4−1〜4−4の単繊維引張試験におけるワイブル分布を示すグラフである。 サンプル4−1の炭素繊維のSEM画像である。 サンプル4−2の炭素繊維のSEM画像である。 サンプル4−3の炭素繊維のSEM画像である。 サンプル4−4の炭素繊維のSEM画像である。 サンプル1と、サンプル2−3とにおける荷重−埋込長さ線図を示すグラフである。 サンプル1と、サンプル3−5とにおける荷重−埋込長さ線図を示すグラフである。 サンプル1と、サンプル4−3と、サンプル4−4とにおける荷重−埋込長さ線図を示すグラフである。 サンプル1と、サンプル2−3とにおける界面せん断強度を示すグラフである。 サンプル1と、サンプル3−5とにおける界面せん断強度を示すグラフである。 サンプル1と、サンプル4−3と、サンプル4−4とにおける界面せん断強度を示すグラフである。 サンプル1における単繊維引抜試験後の炭素繊維の表面のSEM画像である。 サンプル4−3における単繊維引抜試験後の炭素繊維の表面のSEM画像である。
以下、本実施形態に係る炭素繊維強化プラスチックについて説明する。本実施形態に係る炭素繊維強化プラスチックは、プラスチックと、炭素繊維と、カーボンナノチューブ(以下、CNTという。)とを備えている。プラスチックは、従来公知のプラスチックであればよい。炭素繊維は、プラスチックに含まれている。炭素繊維の表面には、ニッケル(Ni)がメッキされている。CNTは、プラスチックに含まれた炭素繊維の表面に生やされている。CNTは、化学気相成長法によって炭素繊維の表面に生やされている。ここでは、化学気相成長法とは、アルコールを炭素源に用いた触媒化学気相成長法(以下、アルコールCCVDという。)である。アルコールCCVDでは、金属触媒が用いられる。ここでは、かかる金属触媒として、炭素繊維の表面にメッキされたニッケルが使用されている。
本実施形態では、金属触媒としてニッケルを用いて、アルコールCCVDによって、プラスチックに含まれた炭素繊維の表面に、CNTを生やすことで、比較的低温下(例えば、550度)で炭素繊維強化プラスチックを作製することができる。よって、高温下で炭素繊維の表面にCNTを生やすことによって生じる炭素繊維の劣化を防止することができる。したがって、炭素繊維の本来の強度を維持することができる。
<試験例>
次に、本実施形態における試験例について説明する。ここでは、以下の14個の炭素繊維のサンプルを用意した。
<サンプル1>
サンプル1の炭素繊維は、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維(フィラメント数:24k)を幅23mmに開繊した開繊糸である。なお、サンプル1の炭素繊維には、サイジング剤が塗布されている。
<サンプル2−1〜サンプル2−4>
サンプル2−1〜サンプル2−4の炭素繊維は、それぞれサンプル1の炭素繊維に対して、熱処理を施してサイジング剤を除去したものである。サンプル2−1〜サンプル2−4では、サイジング剤を除去する際の熱処理の温度が異なる。サンプル2−1において、サイジング剤を除去する際の熱処理の温度は、700度である。サンプル2−2において、サイジング剤を除去する際の熱処理の温度は、650度である。サンプル2−3において、サイジング剤を除去する際の熱処理の温度は、600度である。サンプル2−4において、サイジング剤を除去する際の熱処理の温度は、550度である。
<サンプル3−1〜サンプル3−5>
サンプル3−1〜サンプル3−5の炭素繊維は、それぞれサンプル1の炭素繊維に対して、電解Niメッキによるワット浴を行った炭素繊維である。具体的には、まず、硝酸ニッケル(NiSO・6HO):240g/L、塩化ニッケル(NiCl・6HO):45g/L、ホウ酸(HBO):30g/Lを用いて、メッキ液を作製した。次に、陽極にNi板、陰極にサンプル1の炭素繊維を接続し、電流:0.3A、メッキ時間:30secの条件で、ニッケルがメッキされた炭素繊維を作製した。
サンプル3−1〜3−4では、ニッケルがメッキされた炭素繊維に対して、熱処理を施した。サンプル3−1〜3−4では、熱処理の温度が異なる。サンプル3−1において、熱処理の温度は700度である。サンプル3−2において、熱処理の温度は650度である。サンプル3−3において、熱処理の温度は600度である。サンプル3−4において、熱処理の温度は550度である。なお、サンプル3−5では、ニッケルがメッキされた炭素繊維に対して、熱処理を施していない。図1は、ニッケルがメッキされた炭素繊維であるサンプル3−5の炭素繊維のSEM画像を示している。
<サンプル4−1〜サンプル4−4>
サンプル4−1〜サンプル4−4の炭素繊維は、触媒化学気相成長法(CCVD)を用いて、サンプル1の炭素繊維の表面にニッケルをメッキし、ニッケルがメッキされた炭素繊維の表面にCNTを析出させたものである。図2は、CNT析出装置10の模式図である。ここでは、図2に示したCNT析出装置10を使用して、サンプル1の炭素繊維5の表面にCNTを析出させた。具体的には、まず、石英管11の中に炭素繊維5を入れる。炭素繊維5が入った石英管11を電気炉12の中心部に置く。次に、石英管11内を真空にし、石英管11内にアルゴン(Ar)ガス:200cc/minを流す。なお、アルゴンガスの流量は、石英管11に接続されたマスフローコントローラ13によって制御する。石英管11内に入った炭素繊維5は、電気炉12によって加熱される。そして、設定した合成温度にまで炭素繊維5が加熱された後、石英管11内にエタノール:1mL/minを導入する。エタノールを石英管11に導入した後、30分間放置する。その後、自然冷却を行い、炭素繊維5を石英管11から取り出す。以上のようにして、炭素繊維5の表面にCNTを析出させた。
なお、サンプル4−1〜4−4では、炭素繊維の表面にCNTを析出させる際の合成温度が異なる。サンプル4−1において、炭素繊維の表面にCNTを析出させる際の合成温度は、700度である。サンプル4−2において、炭素繊維の表面にCNTを析出させる際の合成温度は、650度である。サンプル4−3において、炭素繊維の表面にCNTを析出させる際の合成温度は、600度である。サンプル4−4において、炭素繊維の表面にCNTを析出させる際の合成温度は、550度である。
<単繊維引張試験>
ここでは、炭素繊維の機械的特性に及ぼす熱処理温度、合成温度、および、触媒の影響を調査するために、サンプル1、サンプル2−1〜2−4、サンプル3−1〜3−4、および、サンプル4−1〜4−4の炭素繊維に対して、単繊維引張試験を行った。単繊維引張試験では、微小材料引張試験機(株式会社島津製作所、マイクロサーボMMT−11N、最大負荷容量:10N)を用いた。単繊維引張試験の引張速度は、0.0167mm/sec(1mm/min)である。なお、この単繊維引張試験の方法は、JIS R 7606に準じて行った。引張強度は、以下の数式(1)によって算出される。
上記数式(1)において、Pmaxは最大荷重、dは炭素繊維の直径を示している。なお、炭素繊維の直径dの測定には、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社、JSM−6390LT;SEM)を用いた。
ところで、炭素繊維の引張強度には、ばらつきがある。そのため、ワイブル分布を用いて炭素繊維の繊維単体の引張強度、および、ばらつきを評価した。なお、ワイブル分布の累積分布関数は、以下の数式(2)で表される。
上記数式(2)において、mは形状母数、σは尺度母数を示している。Vは炭素繊維の体積、Vは平均繊維体積である。ここで、引張試験のゲージ長さは同じであるため、以下の数式(3)が成り立つ。
上記数式(3)において、Dは炭素繊維の直径、Dは平均繊維直径を示している。ここで、数式(3)を数式(2)に代入し、両辺の対数を2回とると、以下の数式(4)が得られる。
なお、累積分布関数は、メジアンランク法によって求めた。
<単繊維引抜試験>
次に、サンプル1、サンプル2−3、サンプル3−5、サンプル4−3およびサンプル4−4の各炭素繊維に対して、単繊維引抜試験を行った。ここでは、単繊維引抜試験を行うことによって、繊維樹脂界面の特性を評価した。図3は、単繊維引抜試験の様子を示す模式図である。図3に示すように、単繊維引抜試験では、まず、繊維1本をポリエステル製のタブ21に接着剤を用いて固定した。次に、タブ21を10μm単位で制御可能なマニピュレータ22の先端に取り付けた。そして、マニピュレータ22の下方に配置されたホットプレート23上に、アルミニウムの円板24を配置した。円板24上には、樹脂25が設けられている。ここで、円板24をホットプレート23によって加熱することで、樹脂25を溶かす。次に、マニピュレータ22を操作して繊維20の先端を樹脂25の内部に所定の長さ埋め込んだ。その後、ホットプレート23の電源を切り、冷却した。そして、微小材料引張試験機(株式会社島津製作所、マイクロサーボMMT−11N、最大負荷容量:10N)を用いて引抜試験を行った。ここで、引抜試験の引張速度は、1.67μm/sec(0.1mm/min)である。このような引抜試験を行うことで、界面せん断強度を算出した。なお、ここでは、界面せん断強度は、以下の数式(5)によって算出される。
上記数式(5)において、dは炭素繊維の直径、lは埋込長さを示している。なお、炭素繊維の直径dおよび埋込長さlは、SEMによって測定した。
<単繊維引張試験の結果>
単繊維引張試験の結果を図4〜図6および表1に示す。図4は、サンプル1およびサンプル2−1〜2−4の単繊維引張試験におけるワイブル分布を示すグラフである。図5は、サンプル1およびサンプル3−1〜3−4の単繊維引張試験におけるワイブル分布を示すグラフである。図6は、サンプル1およびサンプル4−1〜4−4の単繊維引張試験におけるワイブル分布を示すグラフである。表1は、サンプル1、サンプル2−1〜2−4、サンプル3−1〜3−4、および、サンプル4−1〜4−4のワイブルパラメータを示す表である。
表1に示すように、サイジング剤を塗布したサンプル1と比較して、700度、650度で熱処理を行うことでサイジング剤を除去したサンプル2−1、2−2では、引張強度の低下が生じた。ニッケルがメッキされた炭素繊維であるサンプル3−1〜3−4のうち、700度で熱処理を行ったサンプル3−1では、サンプル1、サンプル2−1〜2−4よりも引張強度が低下した。図5に示すように、サイジング剤を塗布したサンプル1と比較して、ニッケルがメッキされた炭素繊維であって、熱処理の温度が650度および600度であるサンプル3−2およびサンプル3−3では、高強度側における引張強度が低下した。また、サンプル1と比較して、ニッケルがメッキされた炭素繊維であって、熱処理の温度が600度および550度であるサンプル3−3およびサンプル3−4では、低強度側の引張強度が改善された。
図7は、合成温度が700度で炭素繊維の表面にCNTを析出させたサンプル4−1の炭素繊維のSEM画像を示している。図8は、合成温度が650度で炭素繊維の表面にCNTを析出させたサンプル4−2の炭素繊維のSEM画像を示している。図9は、合成温度が600度で炭素繊維の表面にCNTを析出させたサンプル4−3の炭素繊維のSEM画像を示している。図10は、合成温度が550度で炭素繊維の表面にCNTを析出させたサンプル4−4の炭素繊維のSEM画像を示している。図7〜図10に示すように、合成温度が550度〜700度の間(サンプル4−1〜4−4)において、炭素繊維の表面にCNTが析出されていることを確認することができた。また、合成温度が高くなるにつれてCNTの成長速度が速かった。
ここでは、合成温度が700度であるサンプル4−1の炭素繊維の表面に析出されたCNTの成長速度が最も速いという結果が得られた。表1に示すように、合成温度が550度であるサンプル4−4の炭素繊維の引張強度が、他のサンプルの炭素繊維の引張強度よりも高い値を示している。合成温度が700度であるサンプル4−1における引張強度は、ニッケルがメッキされた炭素繊維であって、熱処理の温度が700度であるサンプル3−1における引張強度よりも高い値となった。また、合成温度が650度であるサンプル4−2における引張強度は、ニッケルがメッキされた炭素繊維であって、熱処理の温度が650度であるサンプル3−2における引張強度よりも高い値となった。しかし、合成温度が600度であるサンプル4−3における引張強度は、ニッケルがメッキされた炭素繊維であって、熱処理の温度が600度であるサンプル3−3における引張強度とあまり変わらなかった。これらのことから得られるのは、合成温度が650度以上である場合において、炭素繊維の表面にCNTを析出させることによる引張強度の改善よりも、炭素繊維とニッケルとの拡散によって生じる繊維劣化の影響の方が大きいということである。
<単繊維引抜試験の結果>
次に、単繊維引抜試験の結果を示す。図11〜図13は、荷重−埋込長さ線図を示しており、図11は、サンプル1と熱処理の温度が600度のサンプル2−3とにおける荷重−埋込長さ線図を示すグラフである。図12は、サンプル1と、ニッケルがメッキされた炭素繊維であるサンプル3−5とにおける荷重−埋込長さ線図を示すグラフである。図13は、サンプル1と、合成温度が600度であるサンプル4−3と、合成温度が550度であるサンプル4−4とにおける荷重−埋込長さ線図を示すグラフである。
図14〜図16は、界面せん断強度を示す図であり、図14は、サンプル1と熱処理の温度が600度のサンプル2−3とにおける界面せん断強度を示すグラフである。図15は、サンプル1と、ニッケルがメッキされた炭素繊維であるサンプル3−5とにおける界面せん断強度を示すグラフである。図16は、サンプル1と、合成温度が600度であるサンプル4−3と、合成温度が550度であるサンプル4−4とにおける界面せん断強度を示すグラフである。
図14に示すように、サイジング剤が熱処理によって除去されたサンプル2−3における界面せん断強度は、サイジング剤が塗布されたサンプル1における界面せん断強度と比較して約20%高くなった。また、図12および図15に示すように、ニッケルがメッキされた炭素繊維であるサンプル3−5における荷重および界面せん断強度は、サイジング剤が塗布されたサンプル1における荷重および界面せん断強度と比較して、有意差は見られなかった。図13に示すように、合成温度が600度であるサンプル4−3と、合成温度が550度であるサンプル4−4とにおける荷重は、サンプル1における荷重と比較して、それぞれ28%および39%高くなった。また、図16に示すように、合成温度が600度であるサンプル4−3における界面せん断強度と、合成温度が550度であるサンプル4−4とにおける界面せん断強度との間に、有意差は見られなかった。
図17は、サイジング剤が塗布されたサンプル1における単繊維引抜試験後の炭素繊維の表面のSEM画像である。図18は、合成温度が600度であるサンプル4−3における単繊維引抜試験後の炭素繊維の表面のSEM画像である。図17に示すように、サンプル1では、滑らかな炭素繊維の表面が露出しており、繊維樹脂界面で亀裂が進展していることが分かる。図18に示すように、サンプル4−3では、樹脂の破壊が見られ、CNTによって繊維樹脂界面の亀裂進展が抑制されていることが分かる。また、炭素繊維と樹脂との間に、CNTが存在することによって、繊維樹脂界面のせん断応力集中が緩和されたと考えられる。
以上のことから、炭素源にエタノール、金属触媒にニッケルを用いたCCVDによって、比較的低温である550度の合成温度であっても炭素繊維の表面へのCNT析出が可能である。
5 炭素繊維
10 CNT析出装置

Claims (1)

  1. プラスチックと、
    前記プラスチックに含まれた炭素繊維と、
    を備え、
    前記炭素繊維は、表面にニッケルがメッキされ、化学気相成長法によって前記炭素繊維の表面に、カーボンナノチューブが生やされた、炭素繊維強化プラスチック。
JP2014238253A 2014-11-25 2014-11-25 炭素繊維強化プラスチック Pending JP2018012741A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014238253A JP2018012741A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 炭素繊維強化プラスチック
PCT/JP2015/083065 WO2016084842A1 (ja) 2014-11-25 2015-11-25 炭素繊維強化プラスチック、炭素繊維の製造方法、及び炭素繊維強化プラスチックの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014238253A JP2018012741A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 炭素繊維強化プラスチック

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018012741A true JP2018012741A (ja) 2018-01-25

Family

ID=56074394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014238253A Pending JP2018012741A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 炭素繊維強化プラスチック

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2018012741A (ja)
WO (1) WO2016084842A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016196156A (ja) * 2015-04-06 2016-11-24 東邦テナックス株式会社 プリプレグおよび繊維強化複合材料

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107629224B (zh) * 2017-10-31 2020-06-09 河北工业大学 双上浆剂改性碳纤维增强环氧树脂基复合材料的制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342011A (ja) * 2005-06-08 2006-12-21 Bridgestone Corp カーボンナノチューブ−炭素繊維複合体及びその製造方法
US8951632B2 (en) * 2007-01-03 2015-02-10 Applied Nanostructured Solutions, Llc CNT-infused carbon fiber materials and process therefor
US8158217B2 (en) * 2007-01-03 2012-04-17 Applied Nanostructured Solutions, Llc CNT-infused fiber and method therefor
AU2010259234B2 (en) * 2009-02-17 2014-11-20 Applied Nanostructured Solutions, Llc Composites comprising carbon nanotubes on fiber

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016196156A (ja) * 2015-04-06 2016-11-24 東邦テナックス株式会社 プリプレグおよび繊維強化複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016084842A1 (ja) 2016-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pozegic et al. Low temperature growth of carbon nanotubes on carbon fibre to create a highly networked fuzzy fibre reinforced composite with superior electrical conductivity
Kim et al. Improved tensile strength of carbon fibers undergoing catalytic growth of carbon nanotubes on their surface
Xu et al. Continuous electrodeposition for lightweight, highly conducting and strong carbon nanotube-copper composite fibers
Sharma et al. Effect of CNTs growth on carbon fibers on the tensile strength of CNTs grown carbon fiber-reinforced polymer matrix composites
De Greef et al. Direct growth of carbon nanotubes on carbon fibers: Effect of the CVD parameters on the degradation of mechanical properties of carbon fibers
Wang et al. The role of grafting force and surface wettability in interfacial enhancement of carbon nanotube/carbon fiber hierarchical composites
Rahmanian et al. Mechanical characterization of epoxy composite with multiscale reinforcements: carbon nanotubes and short carbon fibers
Yang et al. Fabrication and mechanical properties of Cu-coatedwoven carbon fibers reinforced aluminum alloy composite
Arnaud et al. High strength–High conductivity double-walled carbon nanotube–Copper composite wires
Cui et al. Effect of functionalization of multi-walled carbon nanotube on the curing behavior and mechanical property of multi-walled carbon nanotube/epoxy composites
Yao et al. Fracture investigation of functionalized carbon nanotubes-grown carbon fiber fabrics/epoxy composites
Naito et al. Enhancing the thermal conductivity of polyacrylonitrile-and pitch-based carbon fibers by grafting carbon nanotubes on them
Anthony et al. Continuous carbon nanotube synthesis on charged carbon fibers
Song et al. A novel coating method using zinc oxide nanorods to improve the interfacial shear strength between carbon fiber and a thermoplastic matrix
Yao et al. Effect of CNTs deposition on carbon fiber followed by amination on the interfacial properties of epoxy composites
Niu et al. High‐strength laminated copper matrix nanocomposites developed from a single‐walled carbon nanotube film with continuous reticulate architecture
WO2007029395A1 (ja) ナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法及びこれに用いるめっき液
Aziz et al. Experimental evaluation of the interfacial properties of carbon nanotube coated carbon fiber reinforced hybrid composites
Yang et al. Quantification and promotion of interfacial interactions between carbon nanotubes and polymer derived ceramics
Sharma et al. Comparative study of the effect of fiber surface treatments on the flexural and interlaminar shear strength of carbon fiber-reinforced composites
JP2018012741A (ja) 炭素繊維強化プラスチック
Yao et al. Effect of microstructures of carbon nanoproducts grown on carbon fibers on the interfacial properties of epoxy composites
An et al. Preparation of CNT-hybridized carbon fiber by aerosol-assisted chemical vapor deposition
Jeon et al. Effect of high pressure hydrogen on the mechanical characteristics of single carbon fiber
Wang et al. Utility of whiskerized carbon fabric surfaces in resistive heating of composites