JP2018010023A - 合焦制御装置、合焦制御方法、合焦制御プログラム、レンズ装置、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】位相差の算出精度を高めることのできる合焦制御装置、レンズ装置、撮像装置、合焦制御方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】デジタルカメラは、複数の位相差検出用画素52Aから出力された信号群と、複数の位相差検出用画素52Bから出力された信号群との位相差を算出する位相差算出部11aと、この位相差に対応する駆動量にしたがいフォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御部11cと、時刻t(n)において算出された位相差を駆動量に変換するための係数a(n)と、この駆動量にしたがってフォーカスレンズが移動を開始した後の時刻t(n+1)におけるフォーカスレンズの時刻t(n)からの移動量とこの駆動量との差Δm(n+1)とに基づき時刻t(n+1)における位相差の予測値を算出する位相差予測部11bと、を備える。位相差算出部11aは、相関演算結果と予測値に基づいて位相差を算出する。【選択図】図8
Description
本発明は、合焦制御装置、合焦制御方法、合焦制御プログラム、レンズ装置、撮像装置に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン等の携帯電話機等の撮像機能を有する情報機器の需要が急増している。なお、以上のような撮像機能を有する情報機器を撮像装置と称する。
これら撮像装置では、主要な被写体に焦点を合わせる合焦制御方法として、コントラストAF(Auto Focus、自動合焦)方式や位相差AF方式(例えば特許文献1〜3参照)が採用されている。位相差AF方式は、高速処理が可能なため、撮像素子により被写体を連続して撮像する動画撮像時には有効な方式である。
特許文献1には、過去複数回の位相差検出方式により求めたデフォーカス量に基づいて、現在のフォーカスレンズ位置を予測する撮像装置が記載されている。
特許文献2には、撮影時に検出されたデフォーカス量と撮影レンズの位置とにより決定される像面位置及び所定時間であるレリーズタイムラグに基づき、予測関数を用いて像面位置の変化量を求め、像面位置の目標位置を算出する撮像装置が記載されている。
特許文献3には、過去複数回の位相差検出方式により求めたデフォーカス量に基づいて、被写体の移動速度を検出する撮像装置が記載されている。
位相差AF方式では、撮像レンズの瞳領域の異なる部分に対応する一対の信号群の相関演算を行い、相関演算によって求めた一対の信号群の相関値が最小となるときの一対の信号群のずれ量を位相差として決定し、この位相差に基づいてフォーカスレンズを駆動する。しかし、主要被写体のコントラストが低い場合、主要被写体の輝度が低い場合、フォーカスレンズの移動中に位相差を算出する場合等には、一対の信号群の相関値が小さくなる位相差が複数存在することになり、正しい位相差を判定するのが難しくなる。間違った位相差を判定してしまうと、フォーカスレンズが合焦位置に達しなかったり、フォーカスレンズが合焦位置を超えてしまったり、といった現象が生じ、フォーカスレンズがいつまでたっても合焦位置に到達できなくなる場合もある。
特許文献1〜3に記載された撮像装置は、相関演算の結果に基づいて決まるデフォーカス量を用いてフォーカスレンズ位置や像面位置を予測するものであり、位相差の算出精度を高めるための方法は開示されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、位相差の算出精度を高めて位相差AF方式によるフォーカスレンズの駆動を精度よく行うことのできる合焦制御装置とこれを備えるレンズ装置及び撮像装置と合焦制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の合焦制御装置は、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出部と、上記位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御部と、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記位相差算出部により算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測部と、を備え、上記位相差算出部は、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて上記位相差を算出するものである。
本発明の合焦制御装置は、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、上記瞳領域の上記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、上記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出部と、上記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、上記複数の第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第三の信号群と上記第四の信号群の上記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出部と、上記第一の位相差算出部又は上記第二の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御部と、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記第一の位相差算出部又は上記第二の位相差算出部により算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測部と、を備え、上記第一の位相差算出部は、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて上記第一の位相差を算出し、上記第二の位相差算出部は、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて上記第二の位相差を算出し、上記位相差予測部により算出された予測値に基づいて上記第一の位相差算出部により算出された位相差とその予測値との差である第一の予測誤差と、上記位相差予測部により算出された予測値に基づいて上記第二の位相差算出部により算出された位相差とその予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出部を更に備え、上記レンズ駆動制御部は、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差よりも大きい場合に、上記第二の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させ、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差以下の場合に、上記第一の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させるものである。
本発明のレンズ装置は、上記合焦制御装置と、上記撮像光学系と、を備えるものである。
本発明の撮像装置は、上記合焦制御装置を備えるものである。
本発明の合焦制御方法は、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、を用いて上記フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御方法であって、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出ステップと、上記位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記位相差を算出するものである。
本発明の合焦制御方法は、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、上記瞳領域の上記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、上記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、を用いて上記フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御方法であって、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出ステップと、上記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、上記複数の第三の信号検出部とペアを構成する上記第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第三の信号群と上記第四の信号群の上記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出ステップと、上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記第一の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第一の位相差を算出し、上記第二の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第二の位相差を算出し、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第一の予測誤差と、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出ステップを更に備え、上記レンズ駆動制御ステップでは、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差よりも大きい場合に、上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させ、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差以下の場合に、上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させるものである。
本発明の合焦制御プログラムは、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、を用いて上記フォーカスレンズの位置をコンピュータにより制御するための合焦制御プログラムであって、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出ステップと、上記位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記位相差を算出するプログラムである。
本発明の合焦制御プログラムは、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、上記瞳領域の上記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、上記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、を用いて上記フォーカスレンズの位置をコンピュータにより制御するための合焦制御プログラムであって、
上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出ステップと、上記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、上記複数の第三の信号検出部とペアを構成する上記第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第三の信号群と上記第四の信号群の上記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出ステップと、上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記第一の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第一の位相差を算出し、上記第二の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第二の位相差を算出し、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第一の予測誤差と、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出ステップを更に備え、上記レンズ駆動制御ステップでは、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差よりも大きい場合に、上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させ、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差以下の場合に、上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させるプログラムである。
上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出ステップと、上記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、上記複数の第三の信号検出部とペアを構成する上記第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第三の信号群と上記第四の信号群の上記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出ステップと、上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記第一の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第一の位相差を算出し、上記第二の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第二の位相差を算出し、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第一の予測誤差と、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出ステップを更に備え、上記レンズ駆動制御ステップでは、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差よりも大きい場合に、上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させ、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差以下の場合に、上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させるプログラムである。
本発明によれば、位相差の算出精度を高めて位相差AF方式によるフォーカスレンズの駆動を精度よく行うことのできる合焦制御装置とこれを備えるレンズ装置及び撮像装置と合焦制御方法及びプログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を説明するための撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図1に示すデジタルカメラは、焦点調節のためのフォーカスレンズ及びズーム倍率変更のためのズームレンズ等を含む撮像レンズ1と、絞り2と、レンズ制御部4と、レンズ駆動部8と、絞り駆動部9と、を有するレンズ装置40を備える。本実施形態において、レンズ装置40はデジタルカメラ本体に着脱可能なものとして説明するが、デジタルカメラ本体に固定されるものであってもよい。
撮像レンズ1と絞り2は撮像光学系を構成し、撮像光学系はフォーカスレンズを少なくとも含む。このフォーカスレンズは、撮像光学系の焦点を調節するためのレンズであり、単一のレンズ又は複数のレンズで構成される。フォーカスレンズが撮像光学系の光軸方向に移動することで焦点調節が行われる。
レンズ装置40のレンズ制御部4は、デジタルカメラ本体のシステム制御部11と有線又は無線によって通信可能に構成される。レンズ制御部4は、システム制御部11からの指令にしたがい、レンズ駆動部8を介して撮像レンズ1に含まれるフォーカスレンズを駆動したり、絞り駆動部9を介して絞り2を駆動したりする。
デジタルカメラ本体は、撮像光学系を通して被写体を撮像するCCD型やCMOS型等の撮像素子5と、撮像素子5の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部6と、アナログ信号処理部6から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路7とを備える。アナログ信号処理部6及びA/D変換回路7は、システム制御部11によって制御される。
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部11は、撮像素子駆動部10を介して撮像素子5を駆動し、レンズ装置40を通して撮像した被写体像を撮像画像信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。
システム制御部11は、プロセッサとRAM(Ramdom Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等のメモリにより構成される。システム制御部11は、ROMに記憶された合焦制御プログラムを実行することで、後述する各機能を実現する。
さらに、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ16と、メインメモリ16に接続されたメモリ制御部15と、A/D変換回路7から出力される撮像画像信号に対し、補間演算、ガンマ補正演算、及びRGB/YC変換処理等を行って撮像画像データを生成するデジタル信号処理部17と、着脱自在の記録媒体21が接続される外部メモリ制御部20と、カメラ背面等に搭載された表示部23が接続される表示制御部22と、を備える。
メモリ制御部15、デジタル信号処理部17、外部メモリ制御部20、及び表示制御部22は、制御バス24及びデータバス25によって相互に接続され、システム制御部11からの指令によって制御される。
図2は、図1に示すデジタルカメラに搭載される撮像素子5の全体構成を示す平面模式図である。
撮像素子5は、一方向である行方向Xと行方向Xに直交する列方向Yに二次元状に配列された多数の画素が配置される受光面50を有する。この受光面50には、焦点を合わせる対象となるエリアであるAFエリア53が図2の例では9つ設けられている。
AFエリア53は、画素として撮像用画素と位相差検出用画素とを含むエリアである。
受光面50のうちAFエリア53を除く部分には、撮像用画素だけが配置される。なお、AFエリア53は、受光面50に隙間無く設けてあってもよい。
図3は、図2に示す1つのAFエリア53の部分拡大図である。
AFエリア53には、画素51が二次元状に配列されている。各画素51は、フォトダイオード等の光電変換部と、この光電変換部上方に形成されたカラーフィルタとを含む。
図3では、赤色光を透過するカラーフィルタ(Rフィルタ)を含む画素51(R画素51ともいう)には“R”の文字を付し、緑色光を透過するカラーフィルタ(Gフィルタ)を含む画素51(G画素51ともいう)には“G”の文字を付し、青色光を透過するカラーフィルタ(Bフィルタ)を含む画素51(B画素51ともいう)には“B”の文字を付している。カラーフィルタの配列は受光面50全体でベイヤ配列となっている。
AFエリア53では、G画素51の一部(図3中の網掛けを付した画素51)が位相差検出用画素52となっている。図3の例では、R画素51とG画素51を含む画素行のうちの任意の画素行における各G画素51と、この各G画素51に対して列方向Yに最も近い同色のG画素51とが、位相差検出用画素52となっている。
図4は、図3に示す位相差検出用画素52のみを示した図である。
図4に示すように、位相差検出用画素52は、位相差検出用画素52Aと位相差検出用画素52Bの2種類の画素を含む。
位相差検出用画素52Aは、撮像レンズ1の瞳領域の行方向Xに並ぶ異なる2つの部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する第一の信号検出部である。
位相差検出用画素52Bは、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する第二の信号検出部である。
なお、AFエリア53において、位相差検出用画素52A,52B以外の複数の画素51は撮像用画素であり、撮像用画素は、撮像レンズ1を通過した上記一対の光束を受光し受光量に応じた信号を検出する。
各画素51の光電変換部上方には遮光膜が設けられ、この遮光膜には、光電変換部の受光面積を規定する開口が形成されている。
撮像用画素51の開口の中心は、撮像用画素51の光電変換部の中心と一致している。これに対し、位相差検出用画素52Aの開口(図4の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Aの光電変換部の中心に対し右側に偏心している。また、位相差検出用画素52Bの開口(図4の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Bの光電変換部の中心に対して左側に偏心している。ここでいう右方向は、図3で示す行方向Xの一方の方向であり、左方向は行方向Xのもう一方の方向である。
図5は、位相差検出用画素52Aの断面構成を示す図である。図5に示すように、位相差検出用画素52Aは、開口cが光電変換部(PD)に対して右に偏心している。図5に示すように、光電変換部の片側を遮光膜によって覆うことにより、遮光膜で覆った方向と逆の方向から入射した光を選択的に遮光することができる。
この構成により、任意の行にある位相差検出用画素52Aからなる画素群と、この画素群の各位相差検出用画素52Aに対して一方向に同一距離で配置された位相差検出用画素52Bからなる画素群とによって、これら2つの画素群の各々によって撮像される像における行方向Xの位相差を検出することができる。
なお、撮像素子5は、撮像レンズ1の瞳領域の行方向Xに並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する第一の信号検出部と、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する第二の信号検出部とのペアを複数有する構成であればよく、図2〜図5に示した構成に限らない。
例えば、撮像素子5に含まれる全ての画素を撮像用画素51とし、各撮像用画素51を2つに分割して、一方の分割エリアを位相差検出用画素52Aとし、他方の分割エリアを位相差検出用画素52Bとした構成であってもよい。
図6は、撮像素子5に含まれる全ての画素を撮像用画素51とし、各撮像用画素51を2つに分割した構成を示す図である。
図6の構成では、撮像素子5においてRを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素R1と位相差検出用画素R2としている。また、撮像素子5においてGを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素G1と位相差検出用画素G2としている。さらに、撮像素子5においてBを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素B1と位相差検出用画素B2としている。
この構成では、位相差検出用画素R1,G1,B1がそれぞれ第一の信号検出部となり、位相差検出用画素R2,G2,B2がそれぞれ第二の信号検出部となる。第一の信号検出部と第二の信号検出部からは独立に信号を読み出すことができる。そして、第一の信号検出部と第二の信号検出部の信号を加算すると、位相差のない通常の撮像用信号を得られる。つまり、図6の構成では、全ての画素を、位相差検出用画素と撮像用画素との両方として用いることができる。
図7は、図2に示すシステム制御部11が合焦制御プログラムを実行することで発現する機能ブロックを示す図である。システム制御部11は、ROMに記憶されている合焦制御プログラムを実行することで、位相差算出部11aと、位相差予測部11bと、レンズ駆動制御部11cと、して機能する。
位相差算出部11aは、9つのAFエリア53の中からユーザ操作等により選択された1つのAFエリア53にある複数の位相差検出用画素52Aから出力された第一の信号群と、この位相差検出用画素52Aとペアを組む位相差検出用画素52Bから出力された第二の信号群との相関演算の結果に少なくとも基づいて、第一の信号群と第二の信号群の行方向Xにおけるずれ量である位相差を算出する。
相関演算とは、具体的には、複数の位相差検出用画素52Aから出力される第一の信号群のデータをA[1]…A[k]とし、この位相差検出用画素52Aとペアを構成する位相差検出用画素52Bから出力される第二の信号群のデータをB[1]…B[k]とし、これら2つのデータを行方向Xに“d”ずらしたときの2つのデータの相関値を演算する処理を言う。相関値は、以下の式によって求まる2つのデータ波形によって囲まれる面積S[d]によって求めることができる。相関値が小さいほど、2つのデータの一致度は高いことを示す。
2つのデータのずらし量dを横軸にとり、2つのデータの相関値である面積S[d]を縦軸にとったときの相関値の変化を示すグラフのことを相関カーブといい、この相関カーブが相関演算の結果となる。この相関カーブには、少なくとも1つの谷部が含まれるため、相関カーブに含まれる谷部のいずれかに対応するずらし量dが、第一の信号群と第二の信号群の行方向Xでの位相差として算出される。
レンズ駆動制御部11cは、レンズ制御部4を介してレンズ駆動部8に指令を送り、位相差算出部11aにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがってレンズ駆動部8にフォーカスレンズを駆動させる。
位相差とフォーカスレンズの駆動量との対応関係を示す情報は、デジタルカメラの製造時に予め求められており、システム制御部11のROMに記憶されている。レンズ駆動制御部11cは、位相差に対応する駆動量をROMから読み出し、読みだした駆動量をレンズ駆動部8に伝達する。レンズ駆動部8は、伝達された駆動量だけ、フォーカスレンズを移動させる。
位相差予測部11bは、フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において位相差算出部11aにより算出された第一の位相差をフォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、この駆動量にしたがってフォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻におけるフォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とこの駆動量との差と、に基づいて、第二の時刻における位相差の予測値を算出する。
位相差算出部11aは、任意の時刻において取得した第一の信号群及び第二の信号群の相関演算の結果と、位相差予測部11bによって算出された、この時刻における位相差の予測値とに基づいて、この時刻における位相差を算出する。
図8は、図1に示すシステム制御部11の動作を説明するためのフローチャートである。図8の動作は、例えば動画撮像中に位相差AF方式による合焦制御を継続して行う例を示している。
動画撮像モードに設定されると、位相差算出部11aは、時刻t(n)(nの初期値は0)において撮像素子5から出力された第一の信号群と第二の信号群の相関演算を行い、この相関演算の結果に基づいて時刻t(n)における位相差p(n)を算出する(ステップS1)。
ここで、t(n)の意味は、演算するときの時系列の順番が“n”であり、t(n)はn番目の時間を表すものとする。例えば、ある時間をt(0)=0として、次に相関演算を行なう信号を取得したときの時間が0.5秒後であるなら、t(1)=0.5となる。
位相差算出部11aは、例えば、相関演算によって得た相関カーブの全ての谷部を構成する相関値のうち、この全ての谷部を構成する相関値の平均値との差が所定値以上となる谷部を特定し、この谷部に対応するずらし量dを位相差p(n)として算出する。このような谷部が1つに特定できない場合、位相差算出部11aは、谷部が1つに特定できるまでステップS1の処理を繰り返す。
次に、レンズ駆動制御部11cは、位相差算出部11aによって算出された位相差p(n)に対応するフォーカスレンズの駆動量m(n)をROMから読み出す(ステップS2)。そして、レンズ駆動制御部11cは、読みだした駆動量m(n)にしたがったフォーカスレンズの駆動をレンズ駆動部8に開始させる(ステップS3)。
レンズ駆動部8の駆動によってフォーカスレンズが移動を開始すると、位相差予測部11bは、位相差p(n)を駆動量m(n)に変換するための係数a(n)を算出し、算出した係数a(n)を位相差p(n)の算出時刻t(n)と関連付けてRAMに記憶する(ステップS4)。
係数a(n)は、{p(n)/m(n)}、又は、{m(n)/p(n)}の演算によって求めることができる。以下では、係数a(n)={m(n)/p(n)}として説明する。
図9は、図8のステップS1〜ステップS4までの処理を説明するための図である。
図9では、時刻t(0)においてフォーカスレンズの位置がx(0)にある。図9の右側に示す図は、時刻t(0)での相関演算の結果を示す図である。相関カーブには複数の谷部が存在し、この複数の谷部のうちの最も小さい谷部に対応する位相差−p(0)がステップS1にて算出される。そして、この位相差−p(0)に対応する駆動量m(0)が決まると、この駆動量m(0)にしたがってフォーカスレンズが移動を開始する。また、位相差−p(0)と駆動量m(0)から係数a(0)が算出されて、時刻t(0)と関連付けて記憶される。
図8に戻り、ステップS3でフォーカスレンズが移動を開始して、時刻がt(n+1)になった時点で、位相差予測部11bは、時刻t(n)から時刻t(n+1)までのフォーカスレンズの移動量x(n+1)と駆動量m(n)との差Δm(n+1)を算出する(ステップS5)。
次に、位相差予測部11bは、差Δm(n+1)を係数a(n)を用いて位相差に変換し、この位相差を時刻t(n+1)における位相差の予測値として算出する(ステップS6)。位相差予測部11bは、具体的には、Δm(n+1)をa(n)で除算することで予測値pf(n+1)を算出する。
予測値pf(n+1)が算出されると、位相差算出部11aは、時刻t(n+1)において撮像素子5から出力された第一の信号群と第二の信号群の相関演算を行い、この相関演算の結果と、予測値pf(n+1)とに基づいて、時刻t(n+1)における位相差p(n+1)を算出する(ステップS7)。
例えば、位相差算出部11aは、相関演算によって得た相関カーブの全ての谷部の中から、真の位相差に対応する谷部を特定するにあたり、予測値pf(n+1)の情報を利用する。具体的には、全ての谷部に対応する位相差のうち、位相差の予測値pf(1)に最も近い値を、最終的な位相差p(n+1)として算出する。
図10は、図9の時刻t(0)の状態から時刻t(1)に変化したときの動作を説明するための図である。時刻t(1)では、時刻t(0)の状態に対し、フォーカスレンズがx(0)からx(1)の位置に移動している。そして、Δm(1)/a(0)の演算により、予測値pf(1)が算出されている。
図10の右側には、時刻t(1)において撮像素子5から出力された第一の信号群と第二の信号群の相関演算の結果を示す相関カーブを示している。
フォーカスレンズが移動している状態では、撮像される像が流れているため、この状態で相関演算を行うと、図10に示すように複数の谷部同士の相関値に差が生じにくくなる。
複数の谷部がほぼ同じ相関値になっていると、時刻t(1)の時点で誤った位相差を算出する可能性があり、本来到達すべき合焦位置よりも手前でフォーカスレンズが止まるアンダーシュートや、フォーカスレンズが本来到達すべき合焦位置を超えてしまうオーバーシュートが発生し、動作が不安定となる。
そこで、位相差算出部11aは、図10に示す相関カーブの谷部に対応する位相差のうち、位相差の予測値−pf(1)に最も近い値を最終的な位相差p(n+1)として算出する。これにより、位相差の算出精度を高めて、オーバーシュートやアンダーシュートの発生を防ぐ。
図8の説明に戻り、ステップS7で位相差p(n+1)が算出されると、nが(n+1)に更新された後、ステップS2以降の処理が再び行われる。図10の例で説明すると、時刻t(1)の後は、レンズ駆動部8に設定された駆動量m(0)がリセットされて、位相差p(1)に対応する駆動量m(1)にしたがってフォーカスレンズが移動を始めることになる。
以上のように、図1に示すデジタルカメラによれば、図8で説明した動作により、位相差の算出精度を高めることができる。図8に示すように、フォーカスレンズを駆動中に相関演算を行う連続駆動の場合には、この相関演算の結果に基づいて算出した位相差に誤りがあるとフォーカスレンズの動きが不安定になる。
図11は連続駆動を説明する図である。図11に示すように、連続駆動では、位相差の誤算出が発生すると、オーバーシュートやアンダーシュートが発生したり、フォーカスレンズが目標位置付近で移動を繰り返すハンチングが発生したりしてしまう。
図12に示すように、フォーカスレンズの駆動を開始してからフォーカスレンズが停止した時点で相関演算を行って位相差を算出し、この位相差に基づいてフォーカスレンズの駆動を開始する動作を繰り返す間欠駆動を行うことで、ハンチングの発生を多少は抑制することができる。
しかし、図13に示すように、位相差とフォーカスレンズの駆動量との対応関係は、位相差が大きいほど比例関係が崩れる傾向にある。このため、図12に示す間欠駆動であっても、大ボケとなっていて位相差が大きい状態では、オーバーシュートやアンダーシュートが発生する可能性がある。また、被写体の輝度が低くノイズが相対的に多くなる場合や、被写体の空間周波数が高い場合等は、間欠駆動であっても、相関カーブが図10に示すようになる場合があり、オーバーシュートやアンダーシュートが発生する可能性がある。
これに対し、図8に示す動作によれば、任意の時刻における相関演算の結果と、この時刻における位相差の予測値とに基づいて、この時刻における位相差を精度よく算出することができる。このため、連続駆動中のオーバーシュート、アンダーシュート、及びハンチングの発生を防ぐことができる。
また、被写体の輝度が低くノイズが相対的に多くなる場合、被写体の空間周波数が高い場合、及び位相差が大きい場合等でも、位相差を精度よく算出することができるため、同様に、オーバーシュート、アンダーシュート、及びハンチングの発生を防ぐことができる。
図14は、図1に示すシステム制御部11の変形例を示す図である。図14に示すシステム制御部11Aは、予測誤差算出部11dが追加された点を除いては図7と同じ構成である。この予測誤差算出部11dも、ROMに記憶された合焦制御プログラムをプロセッサが実行することで発現する機能ブロックである。
図14に示すシステム制御部11Aの予測誤差算出部11dは、位相差予測部11bにより算出された予測値pf(n+1)と相関演算の結果とに基づいて算出された位相差p(n+1)と、予測値pf(n+1)との差である予測誤差Δp(n+1)を算出し、RAMに記憶する。
システム制御部11Aの位相差予測部11bは、係数a(n)と、差Δm(n+1)と、時刻t(n)で予測誤差算出部11dにより算出されて記憶された予測誤差Δp(n)とに基づいて、予測値pf(n+1)を算出する。
図15は、図14に示すシステム制御部11Aの動作を説明するためのフローチャートである。図15において図8と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
ステップS6の後、位相差予測部11bは、RAMに予測誤差が記憶されているか否かを判定する(ステップS11)。
予測誤差がRAMに記憶されていない場合(ステップS11:NO)はステップS7の処理が行われる。ステップS7の後、予測誤差算出部11dは、ステップS7で算出された位相差p(n+1)と、ステップS7での位相差の算出に用いられた予測値pf(n+1)との差である予測誤差Δp(n+1)を以下の式(2)又は式(3)により算出する。そして、予測誤差算出部11dは、予測誤差Δp(n+1)を時刻t(n+1)と関連付けてRAMに記憶する(ステップS13)。ステップS13の後は、ステップS8の処理が行われ、その後、ステップS2に処理が戻る。
予測誤差Δp(n+1)={位相差p(n+1)}−{予測値pf(n+1)} ・・(2)
予測誤差Δp(n+1)={予測値pf(n+1)}−{位相差p(n+1)} ・・(3)
予測誤差Δp(n+1)={予測値pf(n+1)}−{位相差p(n+1)} ・・(3)
ステップS8の処理が少なくとも1度行われると、ステップS11の判定がYESとなる。ステップS11の判定がYESの場合、位相差予測部11bは、ステップS6で算出された予測値pf(n+1)を、時刻t(n+1)の1つ前の時刻t{(n+1)−1}と関連付けてRAMに記憶されている予測誤差Δp{(n+1)−1}に基づいて補正する(ステップS12)。
予測誤差Δp(n+1)が式(2)により算出したものであれば、位相差予測部11bは、予測値pf(n+1)にΔp{(n+1)−1}を加算することで、補正後の予測値pf(n+1)を得る。
予測誤差Δp(n+1)が式(3)により算出したものであれば、位相差予測部11bは、予測値pf(n+1)からΔp{(n+1)−1}を減算することで、補正後の予測値pf(n+1)を得る。
ステップS12の後は、ステップS7に移行し、位相差算出部11aは、ステップS12で補正後の予測値pf(n+1)と、時刻t(n+1)での相関演算の結果とに基づいて、時刻t(n+1)における位相差p(n+1)を算出する。
以上のように、システム制御部11Aは、時刻t(1)で算出した予測値pf(1)と、この予測値pf(1)を用いて算出した位相差p(1)との差である予測誤差Δp(1)を用いて、次の時刻t(2)で算出する予測値pf(2)を補正するため、予測値pf(2)の精度を上げることができ、より正確に位相差を算出することが可能となる。
図16は、動く被写体にピントを合わせ続ける場合のフォーカスレンズの位置と実際の合焦位置(被写体位置)との関係を説明する図である。
図16に示すように、主要被写体が一定方向に移動しており、合焦位置が時間と共に遠ざかっている場合を考える。この場合、時刻t(0)で位相差p(0)を算出し、時刻t(1)において、この位相差p(0)に対応する駆動量でフォーカスレンズが移動完了しても、時刻t(1)には合焦位置が更に遠くに移動しているため、主要被写体にピントを合わせることができない。その後の時刻t(2)においても同様である。
このように、動く被写体に対しては、位相差の予測値に近い位相差に基づいてフォーカスレンズを駆動しているにも関わらず、その位相差が真の位相差からずれて、予測値の精度が低下する可能性がある。予測値の精度が低下すると、アンダーシュート、オーバーシュート、及びハンチング動作が発生しやすくなる。
図15に示した動作によれば、位相差を算出する時刻t(n+1)の前の時刻t(n)で記憶しておいた予測誤差の情報を用いて、時刻t(n+1)での位相差の予測値を算出することができるため、動く被写体であっても、予測値の精度を高めて、より正確な位相差の算出が可能となる。この結果、アンダーシュート、オーバーシュート、及びハンチング動作を防ぐことができる。
なお、図15の説明では、ステップS12において、常に、予測誤差を用いて予測値を補正するものとした。しかし、予測誤差が小さい場合には、ステップS12の処理を省略してステップS7に移行するようにしてもよい。図15の動作では、予測誤差を徐々に小さくしていくことが可能なため、予測誤差がある程度まで小さくなった時点で、ステップS12の処理を省略することで、演算量の削減が可能となる。
図17は、システム制御部11Aの動作の第一の変形例を説明するためのフローチャートである。図17において図15と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。また、図を簡略化するため、図15に示したステップS2〜ステップS6は1つの処理ブロックとして図示している。
ステップS7の後は、ステップS13の処理が行われる。ステップS13の後、レンズ駆動制御部11cは、ステップS13で算出した予測誤差Δp(n+1)の絶対値が第一の閾値th1を超えるか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測NGカウンタのカウント値をリセットして0にする(ステップS15)。ステップS15の後はステップS8に処理が移行する。
ステップS14の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測NGカウンタのカウント値を1つカウントアップする(ステップS16)。
ステップS16の後、レンズ駆動制御部11cは、予測NGカウンタのカウント値が第二の閾値th2以上となるか否かを判定する(ステップS17)。第二の閾値th2は2以上の自然数を適宜設定する。ステップS17の判定がYESであれば、ステップS8に処理が移行する。
ステップS17の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、位相差算出部11aに対し、ステップS7で算出した位相差p(n+1)の補正を指示する。この指示にしたがい、位相差算出部11aは、ステップS7で算出した位相差p(n+1)を、RAMに記憶されている過去の予測誤差に基づいて補正する(ステップS18)。
具体的には、位相差算出部11aは、位相差p(n+1)に、前の時刻t(n)で求めた予測値p(n)の予測誤差Δp(n)を加算又は減算することで、補正後の位相差p(n+1)を得る。
予測誤差Δp(n)が式(2)により算出したものであれば、位相差算出部11aは、位相差p(n+1)にΔp(n)を加算することで、補正後の位相差p(n+1)を得る。予測誤差Δp(n)が式(3)により算出したものであれば、位相差算出部11aは、位相差p(n+1)からΔp(n)を減算することで、補正後の位相差p(n+1)を得る。
ステップS18の後はステップS8の処理が行われ、その後、ステップS18で補正後の位相差p(n+1)に基づいてフォーカスレンズの駆動が行われる。
例えば図16に示したように、被写体位置にフォーカスレンズの位置が追い付いていない状況では、予測誤差が第一の閾値th1を超える状態が第二の閾値t2回以上連続することになる。このような場合に、相関演算の結果と予測誤差とに基づいて算出した位相差を、直前に求められた予測誤差によって補正することで、動く被写体であっても高精度に焦点を合わせることが可能となる。
図17のステップS18では、位相差p(n+1)を算出した時刻t(n+1)の直前の時刻における予測誤差を用いて位相差p(n+1)を補正するものとした。この変形例として、位相差p(n+1)を算出した時刻t(n+1)よりも前の複数の時刻における予測誤差を用いて位相差p(n+1)を補正してもよい。
例えば、位相差p(n+1)を補正するにあたり、時刻t(n)と時刻t(n−1)のそれぞれで算出された予測誤差の平均を算出し、この平均値を位相差p(n+1)に対して加算又は減算することで、補正を行ってもよい。平均をとる予測誤差の数は、例えば第二の閾値th2と同じにすればよい。これにより、より精度の高い位相差算出が可能となる。
図18及び図19は、システム制御部11Aの動作の第二の変形例を説明するためのフローチャートである。図18において図15と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
ステップS13の後、レンズ駆動制御部11cは、ステップS13で算出した予測誤差Δp(n+1)の絶対値が第三の閾値th3未満となるか否かを判定する(ステップS21)。
ステップS21の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値を1つカウントアップする(ステップS27)。
ステップS27の後、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値が第四の閾値th4以上となるか否かを判定する(ステップS28)。第四の閾値th4は2以上の自然数を適宜設定する。
ステップS28の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、フォーカスレンズの駆動を許可する制御を行う(ステップS29)。具体的には、ステップS8に処理を戻し、ステップS2以降の処理を行ってフォーカスレンズの駆動を継続させる。
ステップS21の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値をリセットして0にする(ステップ22)。ステップS22の後、レンズ駆動制御部11cは、フォーカスレンズの駆動を禁止する制御を行う(ステップS23)。具体的には、レンズ駆動制御部11cは、レンズ駆動部8にフォーカスレンズの駆動を停止する指示を出す。
ステップS23の後、レンズ駆動制御部11cはnを(n+1)に更新し(ステップS24)、その後、ステップS2と同じ処理であるステップS25の処理を行う。ステップS25の後は、ステップS3と同じ処理であるステップS26の処理が行われ、その後、ステップS5に処理が移行する。
第二の変形例では、予測誤差が第三の閾値th3以上の場合には、フォーカスレンズの駆動が停止される。動画撮像中に位相差AF方式による合焦制御を行う場合、デジタルカメラの前を物体が横切ったり、手ブレや被写体ブレ等でAFエリア53内に意図しない物体が入り込んだりすると、その状況の変化にフォーカスレンズが反応して動いてしまう。
第二の変形例では、このような状況の変化を予測誤差の大きさで判断し、予測誤差が大きいときにはフォーカスレンズの駆動を強制的に停止させる。このため、意図しない被写体によってフォーカスレンズが動くのを防ぐことができる。
なお、第二の変形例の効果は、予測値を用いないで位相差を算出した場合でも得ることが可能である。このため、図18のステップS7において、位相差算出部11aは、予測値p(n+1)を使用せずに、相関演算の結果だけで位相差p(n+1)を算出してもよい。
図20及び図21は、システム制御部11Aの動作の第三の変形例を説明するためのフローチャートである。図20において図15と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
ステップS13の後、レンズ駆動制御部11cは、ステップS7において実施された相関演算の結果の信頼度が第五の閾値th5を超えるか否かを判定する(ステップS30)。
相関演算の結果の信頼度は、AFエリアに結像する被写体像が低輝度である場合や、AFエリアに結像する被写体像が低コントラストである場合や、AFエリアに結像する被写体像の空間周波数が高い場合等に低下する。このため、例えば、レンズ駆動制御部11cは、AFエリア内の各画素から出力される信号の輝度平均を算出し、輝度平均値が所定値以上の場合に相関演算の信頼度が第五の閾値th5を超えると判定し、輝度平均値が所定値未満の場合に相関演算の信頼度が第五の閾値th5以下と判定する。
または、レンズ駆動制御部11cは、AFエリアの通常画素によって撮像された被写体像のコントラスト又は空間周波数を算出し、コントラスト又は空間周波数が所定値以上の場合に相関演算の信頼度が第五の閾値th5を超えると判定し、コントラストが所定値未満の場合に相関演算の信頼度が第五の閾値th5以下であると判定する。信頼度判定の方法は、これらに限らず、公知の方法を用いればよい。
ステップS30の判定がYESのとき、ステップS31以降の処理が行われ、ステップS30の判定がNOのとき、ステップS41以降の処理が行われる。
ステップS41において、レンズ駆動制御部11cは、ステップS13で算出した予測誤差Δp(n+1)の絶対値が第六の閾値th6未満となるか否かを判定する。
ステップS41の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値を1つカウントアップする(ステップS47)。
ステップS47の後、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値が第七の閾値th7以上となるか否かを判定する(ステップS48)。第七の閾値th7は2以上の自然数を適宜設定する。
ステップS48の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、フォーカスレンズの駆動を許可する制御を行う(ステップS49)。具体的には、ステップS8に処理を戻し、ステップS2以降の処理を行ってフォーカスレンズの駆動を継続させる。
ステップS41の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値をリセットして0にする(ステップ42)。ステップS42の後、レンズ駆動制御部11cは、フォーカスレンズの駆動を禁止する制御を行う(ステップS43)。ステップS48の判定がNOのときも、レンズ駆動制御部11cは、ステップS43においてフォーカスレンズの駆動を禁止する制御を行う。具体的には、レンズ駆動制御部11cは、レンズ駆動部8にフォーカスレンズの駆動を停止する指示を出す。
ステップS43の後、レンズ駆動制御部11cはnを(n+1)に更新し(ステップS44)、その後、ステップS2と同じ処理であるステップS45の処理を行う。ステップS45の後は、ステップS3と同じ処理であるステップS46の処理が行われる。ステップS46の後はステップS5に処理が移行する。
ステップS31において、レンズ駆動制御部11cは、ステップS13で算出した予測誤差Δp(n+1)の絶対値が閾値th9未満となるか否かを判定する。閾値th9は閾値th6よりも大きい値である。
ステップS31の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値を1つカウントアップする(ステップS37)。
ステップS37の後、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値が閾値th10以上となるか否かを判定する(ステップS38)。閾値th10は2以上の自然数を適宜設定する。閾値th10は閾値th7よりも小さい値である。
ステップS38の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、フォーカスレンズの駆動を許可する制御を行う(ステップS39)。具体的には、ステップS8に処理を戻し、ステップS2以降の処理を行ってフォーカスレンズの駆動を継続させる。
ステップS31の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測OKカウンタのカウント値をリセットして0にする(ステップ32)。ステップS32の後、又は、ステップS38の判定がNOのとき、レンズ駆動制御部11cは、フォーカスレンズの駆動を禁止する制御を行う(ステップS33)。具体的には、レンズ駆動制御部11cは、レンズ駆動部8にフォーカスレンズの駆動を停止する指示を出す。
ステップS33の後、レンズ駆動制御部11cはnを(n+1)に更新し(ステップS34)、その後、ステップS2と同じ処理であるステップS35の処理を行う。ステップS35の後は、ステップS3と同じ処理であるステップS36の処理が行われる。ステップS36の後はステップS5に処理が移行する。
相関演算結果の信頼度が低い場合は、フォーカスレンズの駆動を停止する構成が通常考えられる。この構成に対し、第三の変形例によれば、相関演算結果の信頼度が低いと判断できる被写体条件(低輝度、低コントラスト、高周波数)であっても、予測誤差が連続して小さい値になっている場合には位相差AF方式による合焦制御が行われることになる。予測誤差が連続して小さい値になっているということは、算出されている位相差の精度はある程度高いと判断することができる。このため、このような場合にはフォーカスレンズの駆動を継続することで、位相差AFを行うことのできる被写体条件を広げることができる。
また、第三の変形例によれば、相関演算結果の信頼度が高い場合には、第二の変形例で説明した効果を得ることができる。また、第三の変形例では、閾値th9を第六の閾値th6よりも大きくすることで、相関演算結果の信頼度が高い場合に、予測OKカウントがカウントアップされる条件を緩くしている。このため、相関演算の信頼度が高い場合には、ある程度予測誤差が大きくてもフォーカスレンズの駆動が継続される可能性を高めることができ、わずかな被写体の変化によってフォーカスレンズの駆動が停止されてしまうのを防ぐことができる。
また、第三の変形例では、第七の閾値th7を閾値th10よりも大きくすることで、相関演算結果の信頼度が低い場合に、フォーカスレンズ駆動を許可する条件を厳しくしている。このように、信頼度が低いと判定される状況では、フォーカスレンズの駆動を許可するための判定基準を厳しくすることで、合焦精度が低下するのを防ぐことができる。
なお、第三の変形例の効果は、予測値を用いないで位相差を算出した場合でも得ることが可能である。このため、図20のステップS7において、位相差算出部11aは、予測値p(n+1)を使用せずに、相関演算の結果だけで位相差p(n+1)を算出してもよい。
図22及び図23は、システム制御部11Aの動作の第四の変形例を説明するためのフローチャートである。図22において図15と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。ステップS7の後、予測誤差算出部11dは、ステップS6で算出した予測値pf(n+1)と、ステップS7で算出した位相差p(n+1)とを比較し、両者の符合が逆になっているか否かを判定する。
予測誤差算出部11dは、両者の符合が逆になっていることを示す逆符号情報と、両者の符合が同じになっていることを示す同符号情報とのいずれかを、予測値pf(n+1)と位相差p(n+1)の誤差を示す予測誤差Δp(n+1)として生成し、生成した予測誤差Δp(n+1)を時刻t(n+1)と関連付けてRAMに記憶する(ステップS13a)
ステップS13aの後、レンズ駆動制御部11cは、ステップS13aで算出した予測誤差Δp(n+1)が逆符号情報であるか否かを判定する(ステップS51)。
ステップS51の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、符号逆カウンタのカウント値をリセットして0にする(ステップ52)。ステップS52の後、レンズ駆動制御部11cは、フォーカスレンズの駆動を許可する制御を行う(ステップS53)。具体的には、ステップS8に処理を戻し、ステップS2以降の処理を行ってフォーカスレンズの駆動を継続させる。
ステップS51の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、符号逆カウンタのカウント値を1つカウントアップする(ステップS54)。ステップS54の後、レンズ駆動制御部11cは、符号逆カウンタのカウント値が第八の閾値th8以上となるか否かを判定する(ステップS55)。第八の閾値th8は2以上の自然数を適宜設定する。ステップS55の判定がNOであればステップS53に処理が移行する。
ステップS55の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、フォーカスレンズの駆動を禁止する制御を行う(ステップS56)。具体的には、レンズ駆動制御部11cは、レンズ駆動部8にフォーカスレンズの駆動を停止する指示を出す。
ステップS56の後、レンズ駆動制御部11cはnを(n+1)に更新し(ステップS57)、その後、ステップS2と同じ処理であるステップS58の処理を行う。ステップS58の後は、ステップS3と同じ処理であるステップS59の処理が行われる。ステップS59の後はステップS5に処理が移行する。
このように、予測値と位相差の符号が逆になる状態が連続する場合には、フォーカスレンズの駆動を禁止することで、ハンチングが発生していた場合でも、これを即座になくして安定動作を実現することが可能となる。
なお、第四の変形例の効果は、予測値を用いないで位相差を算出した場合でも得ることが可能である。このため、図22のステップS7において、位相差算出部11aは、予測値p(n+1)を使用せずに、相関演算の結果だけで位相差p(n+1)を算出してもよい。
図24は、図1に示すデジタルカメラの撮像素子5のAFエリア53の変形例を示す図である。図24に示すAFエリア53では、G画素の一部が、位相差検出用画素52LRと位相差検出用画素52UDになっている。
位相差検出用画素52LRは、位相差検出用画素52Aと位相差検出用画素52Bを含み、位相差検出用画素52LRだけを抽出した拡大図は図4と同じである。位相差検出用画素52UDは、位相差検出用画素52Cと位相差検出用画素52Dを含み、位相差検出用画素52LRだけを抽出した拡大図を図25に示す。
図25は、図24に示す位相差検出用画素52LRだけを抽出した図である。図25に示すように、AFエリア53には、列方向Yに並ぶ位相差検出用画素52Cと位相差検出用画素52Dのペアが、行方向Xに複数配列されてなるペア行が少なくとも1つ含まれる。
位相差検出用画素52Cの開口(図25の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Cの光電変換部の中心に対し上側に偏心している。また、位相差検出用画素52Dの開口(図25の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Dの光電変換部の中心に対して下側に偏心している。ここでいう上方向は、列方向Yの一方の方向であり、下方向は列方向Yのもう一方の方向である。
この構成により、任意の行にある位相差検出用画素52Cからなる画素群と、この画素群の各位相差検出用画素52Cに対して列方向Yに同一距離で配置された位相差検出用画素52Dからなる画素群とによって、これら2つの画素群の各々によって撮像される像における列方向Yの位相差を検出することができる。
このように、変形例の撮像素子5は、撮像レンズ1の瞳領域の行方向Xに並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する第一の信号検出部(位相差検出用画素52A)と、第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する第二の信号検出部(位相差検出用画素52B)とのペアを複数有する。
変形例の撮像素子5は、更に、撮像レンズ1の瞳領域の列方向Yに並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する第三の信号検出部(位相差検出用画素52C)と、第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する第四の信号検出部(位相差検出用画素52D)とのペアを複数有する。
以下では、図25の複数の位相差検出用画素52Cから出力される信号群を第三の信号群といい、図25の複数の位相差検出用画素52Dから出力される信号群を第四の信号群という。
図26は、図1に示すデジタルカメラの撮像素子5を、図24に示すAFエリアを含む撮像素子に変更した構成のデジタルカメラにおけるシステム制御部11の動作を説明するためのフローチャートである。図26において、図8と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
動画撮像モードに設定されると、位相差算出部11aは、時刻t(n)(nの初期値の0)において、撮像素子5から出力された第一の信号群と第二の信号群の第一の相関演算を行い、この第一の相関演算の結果に基づいて時刻t(n)における位相差p(n)(以下、位相差ph(n)という)を算出する。また、位相差算出部11aは、時刻t(n)において撮像素子5から出力された第三の信号群と第四の信号群の第二の相関演算を行い、この第二の相関演算の結果に基づいて時刻t(n)における位相差p(n)(以下、位相差pv(n)という)を算出する(ステップS60)。位相差算出部11aは、算出した位相差ph(n),位相差pv(n)を時刻t(n)と関連付けてRAMに記憶する。位相差ph(n)は第一の位相差に対応し、位相差pv(n)は第二の位相差に対応する。
位相差算出部11aは、例えば、相関演算によって得た相関カーブの全ての谷部を構成する相関値のうち、この全ての谷部を構成する相関値の平均値との差が所定値以上となる谷部を特定し、この谷部に対応するずらし量dを位相差として算出する。このような谷部が特定できない場合、位相差算出部11aはエラー出力を行う。
ステップS60の後、レンズ駆動制御部11cは、時刻t(n)で算出された2種類の位相差p(n)のいずれかを選択する(ステップS61)。その後、レンズ駆動制御部11cは、選択した位相差p(n)に対応する駆動量m(n)を読み出す(ステップS62)。ステップS62の後は、ステップS3〜ステップS6の処理が行われ、その後、ステップS63の処理が行われる。
ステップS63において、位相差算出部11aは、時刻t(n+1)において撮像素子5から出力された第一の信号群と第二の信号群の第一の相関演算を行い、この第一の相関演算の結果と、ステップS6で算出された予測値pf(n+1)とに基づいて、図8のステップS7と同様の方法で、時刻t(n+1)における位相差ph(n+1)を算出する。位相差算出部11aは、算出した位相差ph(n+1)を時刻t(n+1)と関連付けてRAMに記憶する。
次に、予測誤差算出部11dは、位相差ph(n+1)と予測値pf(n+1)との差である予測誤差Δph(n+1)を算出し、予測誤差Δph(n+1)を時刻t(n+1)と関連付けてRAMに記憶する(ステップS64)。
次に、位相差算出部11aは、時刻t(n+1)において撮像素子5から出力された第三の信号群と第四の信号群の第二の相関演算を行い、この第二の相関演算の結果と、ステップS6で算出された予測値pf(n+1)とに基づいて、図8のステップS7と同様の方法で、時刻t(n+1)における位相差pv(n+1)を算出する(ステップS65)。位相差算出部11aは、算出した位相差pv(n+1)を時刻t(n+1)と関連付けてRAMに記憶する。
次に、予測誤差算出部11dは、位相差pv(n+1)と予測値pf(n+1)との差である予測誤差Δpv(n+1)を算出し、予測誤差Δpv(n+1)を時刻t(n+1)と関連付けてRAMに記憶する(ステップS66)。ステップS66の後は、ステップS8にてnが(n+1)に更新された後、ステップS61に処理が戻る。
図27は、図26に示すフローチャートにおけるステップS61の詳細を示すフローチャートである。
レンズ駆動制御部11cは、位相差ph(n)がRAMに記憶されているか否かを判定する(ステップS610)。ステップS610の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、位相差pv(n)がRAMに記憶されているか否かを判定する(ステップS611)。
ステップS611の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、位相差pv(n)を選択し(ステップS612)、処理を終了する。ステップS611の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、ステップS60に処理を戻す。
ステップS610の判定がYESのとき、レンズ駆動制御部11cは、位相差pv(n)がRAMに記憶されているか否かを判定する(ステップS613)。ステップS613の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、位相差ph(n)を選択し(ステップS614)、処理を終了する。
ステップS613の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、予測誤差Δph(n)と予測誤差Δpv(n)がRAMに記憶されているか否かを判定する(ステップS615)。
ステップS615の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは、位相差pv(n)と位相差ph(n)のうち、予め設定されたもの(例えば予めユーザによって指定されたもの)を選択し(ステップS616)、処理を終了する。
ステップS615の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cは、Δph(n)がΔpv(n)以下となるか否かを判定する(ステップS617)。
ステップS617の判定がYESであれば、レンズ駆動制御部11cはステップS614の処理を行い、ステップS617の判定がNOであれば、レンズ駆動制御部11cは位相差pv(n)を選択し(ステップS618)、処理を終了する。
以上のように、1回の撮像で2種類の相関演算結果を得ることができる構成では、2種類の相関演算結果のうちの信頼性が高い方を選択して、選択した相関演算結果に基づくフォーカスレンズの駆動を行うのがよい。
図26及び図27に示したように、行方向Xの位相差ph(n)しか算出できていない場合や、列方向Yの位相差pv(n)しか算出できていない場合には、この算出できた位相差を選択し、フォーカスレンズ駆動を行えばよい。一方で、行方向Xの位相差ph(n)と列方向Yの位相差pv(n)が両方算出できていた場合には、どちらを使用すべきか判定する必要がある。そこで、図26に示すように、予測値との誤差が相対的に小さくなっている方向の位相差を用いてフォーカスレンズ駆動を行うことで、精度の高い合焦制御が可能となる。
なお、図26及び図27で説明した動作の効果は、予測値を用いないで位相差を算出した場合でも得ることが可能である。このため、図26のステップS63において、位相差算出部11aは、予測値p(n+1)を使用せずに、第一の相関演算の結果だけで位相差ph(n+1)を算出してもよい。
また、図26のステップS65において、位相差算出部11aは、予測値p(n+1)を使用せずに、第二の相関演算の結果だけで位相差pv(n+1)を算出してもよい。
ただし、予測値を用いない場合は、位相差の算出自体ができない(相関値が最小となる位相差を決定できない)可能性が高くなるため、予測値を用いて位相差を算出する構成が好ましい。
図28は、図25に示すステップS61の変形例を示すフローチャートである。図28において図27と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。図28において図27と異なる点は、ステップS617がステップS617aに変更されている点のみである。
ステップS617aにおいて、レンズ駆動制御部11cは、RAMに記憶されている過去複数の予測誤差Δph(n)の第一の積算値(ΣΔph(n))を算出し、RAMに記憶されている過去複数の予測誤差Δpv(n)の第二の積算値(ΣΔpv(n))を算出する。そして、レンズ駆動制御部11cは、算出した2つの積算値を比較し、ΣΔph(n)がΣΔpv(n)以下であれば(ステップS617a:YES)、ステップS614にて位相差ph(n)を選択する。
レンズ駆動制御部11cは、ΣΔph(n)がΣΔpv(n)よりも大きければ(ステップS617a:NO)、ステップS618にて位相差pv(n)を選択する。
このように、レンズ駆動制御部11cは、過去に算出された予測誤差Δph(n),Δpv(n)の積算値の比較によって、どの方向の位相差をフォーカスレンズの駆動に利用するかを決める。このようにすることで、図27の動作と比較して、より真の位相差に近い位相差を選択することが可能となり、合焦精度を高めることができる。
図24〜図28で説明した変形例においては、位相差算出部11aが第一の位相差算出部と第二の位相差算出部として機能する。また、Δph(n)が第一の予測誤差に対応し、Δpv(n)が第二の予測誤差に対応する。
以上説明したデジタルカメラにおいて、システム制御部11とシステム制御部11Aが、合焦制御装置として機能する。ここまではデジタルカメラを例にしたが、例えば放送用のカメラシステムにおいても本発明を適用可能である。
図29は、本発明の一実施形態を説明するためのカメラシステムの概略構成を示す図である。このカメラシステムは、放送用や映画用等の業務用のカメラシステムに好適である。
図29に示すカメラシステムは、レンズ装置100と、レンズ装置100が装着される撮像装置としてのカメラ装置300とを備える。
レンズ装置100は、フォーカスレンズ111と、ズームレンズ112,113と、絞り114と、マスターレンズ群115と、を備え、これらが被写体側から順に並べて配置されている。
フォーカスレンズ111、ズームレンズ112,113、絞り114、及びマスターレンズ群115は、撮像光学系を構成する。撮像光学系は、少なくともフォーカスレンズ111を含む。
レンズ装置100は、更に、反射面116aを含むビームスプリッタ116と、ミラー117と、集光レンズ118、セパレータレンズ119、及び撮像素子120を含むAFユニット121と、を備える。撮像素子120は、二次元状に配置された複数の画素を有するCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等のイメージセンサである。
ビームスプリッタ116は、光軸K上で絞り114とマスターレンズ群115との間に配置されている。ビームスプリッタ116は、撮像光学系に入射し絞り114を通過した被写体光の一部(例えば被写体光の80%)をそのまま透過させ、この被写体光の一部を除いた残り(例えば被写体光の20%)を光軸Kに対して直交する方向に反射面116aにて反射させる。ビームスプリッタ116の位置は図29に示したものに限らず、光軸K上で撮像光学系の最も被写体側にあるレンズよりも後ろに配置されていればよい。
ミラー117は、ビームスプリッタ116の反射面116aで反射された光の光路上に配置されており、この光を反射させてAFユニット121の集光レンズ118に入射させる。
集光レンズ118は、ミラー117で反射した光を集光する。
セパレータレンズ119は、図29中の破線内に拡大正面図を示すように、撮像光学系の光軸を挟んで一方向(図29の例では水平方向)に並べた配置された2つのレンズ19R及びレンズ19Lから構成される。
集光レンズ118によって集光された被写体光は、これら2つのレンズ19R,19Lの各々を通過して、撮像素子120の受光面(複数の画素が配置された面)の異なる位置に結像する。つまり、撮像素子120の受光面には、一方向にずれた一対の被写体光像と、一方向に直交する方向にずれた一対の被写体光像とが結像する。
ビームスプリッタ116、ミラー117、集光レンズ118、及びセパレータレンズ119は、撮像光学系を通して被写体光像を撮像するカメラ装置300の撮像素子310に、撮像光学系に入射する被写体光の一部を入射させ、この被写体光の一部を除いた残りを撮像素子120に入射させる光学素子として機能する。なお、ミラー117を削除し、ビームスプリッタ116で反射された光を集光レンズ118に直接入射させる構成であってもよい。
撮像素子120は、受光面に複数の画素が二次元状に配置されたエリアセンサであり、受光面に結像した2つの被写体光像の各々に応じた画像信号を出力する。つまり、撮像素子120は、撮像光学系によって結像される1つの被写体光像に対し、水平方向にずれた一対の画像信号を出力する。撮像素子120としてエリアセンサを使うことで、ラインセンサを用いる構成と比較して、ラインセンサ同士の位置を精密に合わせる難しさを回避することができる。
撮像素子120に含まれる画素のうち、水平方向にずれた一対の画像信号の一方を出力する各画素は、撮像光学系の瞳領域の水平方向に並ぶ異なる2つの部分を通過した一対の光束のうち一方の光束を受光し受光量に応じた信号を検出する第一の信号検出部を構成している。
撮像素子120に含まれる画素のうち、水平方向にずれた一対の画像信号の他方を出力する各画素は、撮像光学系の瞳領域の水平方向に並ぶ異なる2つの部分を通過した一対の光束のうち他方の光束を受光し受光量に応じた信号を検出する第二の信号検出部を構成している。
ここでは撮像素子120をエリアセンサとしているが、撮像素子120の代わりに、第一の信号検出部を構成する画素が水平方向に複数配列されたラインセンサをレンズ19Rと対向する位置に配置し、第二の信号検出部を構成する画素が水平方向に複数配列されたラインセンサをレンズ19Rと対向する位置に配置した構成であってもよい。
カメラ装置300は、レンズ装置100の光軸K上に配置されたCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の撮像素子310と、撮像素子310により被写体光像を撮像して得られる画像信号を処理して撮像画像データを生成する画像処理部320と、を備える。
レンズ装置100のブロック構成は、図1のレンズ装置と同様であり、フォーカスレンズを駆動する駆動部と、この駆動部を制御するシステム制御部と、を備える。そして、このシステム制御部が、合焦制御プログラムを実行し、位相差算出部11a、位相差予測部11b、レンズ駆動制御部11c、予測誤差算出部11dとして機能する。ただし、システム制御部に入力される第一の信号群と第二の信号群は、撮像素子120の第一の信号検出部及び第二の信号検出部から出力される信号である。このカメラシステムでは、レンズ装置100のシステム制御部が合焦制御装置として機能する。
業務用のカメラシステムは、動画撮像が基本の使い方となる。このため、図1〜図28で説明したデジタルカメラのシステム制御部11,11Aによる合焦制御が特に有効となる。
図29に示すセパレータレンズ119を、図30に示すセパレータレンズ119Aに変更することで、図24で説明した第三の信号検出部と第四の信号検出部を撮像素子120に持たせることができる。
セパレータレンズ119Aは、撮像光学系の光軸を挟んで一方向(図30の例では水平方向)に並べた配置された2つのレンズ19R及びレンズ19Lと、撮像光学系の光軸を挟んで一方向と直交する方向(図30の例では垂直方向)に並べた配置された2つのレンズ19U及びレンズ19Dとから構成されている。
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
開示された合焦制御装置は、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出部と、上記位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御部と、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記位相差算出部により算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測部と、を備え、上記位相差算出部は、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて上記位相差を算出する合焦制御装置。
開示された合焦制御装置は、上記相関演算の結果は、上記第一の信号群と上記第二の信号群を上記一方向にずらしていったときの上記第一の信号群と上記第二の信号群の相関値の変化を示すデータであり、上記位相差算出部は、上記任意の時刻における上記相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する上記一方向へのずらし量のうち上記予測値に最も近い値を位相差として算出する合焦制御装置。
開示された合焦制御装置は、上記位相差予測部は、上記差を、上記係数を用いて位相差に変換することで上記予測値を算出する合焦制御装置。
開示された合焦制御装置は、上記位相差予測部により算出された予測値と上記相関演算の結果に基づいて算出された位相差と、その予測値と、の差である予測誤差を算出する予測誤差算出部を更に備え、上記位相差予測部は、上記係数と上記差と上記第一の時刻において算出された上記予測誤差とに基づいて上記予測値を算出する合焦制御装置。
開示された合焦制御装置は、上記位相差予測部は、上記差を上記係数を用いて変換した位相差に対し、上記予測誤差を加算又は減算して上記予測値を算出する合焦制御装置。
開示された合焦制御装置は、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、上記瞳領域の上記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、上記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出部と、上記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、上記複数の第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第三の信号群と上記第四の信号群の上記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出部と、上記第一の位相差算出部又は上記第二の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御部と、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記第一の位相差算出部又は上記第二の位相差算出部により算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測部と、を備え、上記第一の位相差算出部は、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて上記第一の位相差を算出し、上記第二の位相差算出部は、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて上記第二の位相差を算出し、上記位相差予測部により算出された予測値に基づいて上記第一の位相差算出部により算出された位相差とその予測値との差である第一の予測誤差と、上記位相差予測部により算出された予測値に基づいて上記第二の位相差算出部により算出された位相差とその予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出部を更に備え、上記レンズ駆動制御部は、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差よりも大きい場合に、上記第二の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させ、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差以下の場合に、上記第一の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させる合焦制御装置。
開示された合焦制御装置は、上記第一の信号群と上記第二の信号群の相関演算の結果は、上記第一の信号群と上記第二の信号群とを上記一方向にずらしていったときの上記第一の信号群と上記第二の信号群の第一の相関値の変化を示すデータであり、上記第一の位相差算出部は、上記任意の時刻における上記第一の相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する上記一方向へのずらし量のうち、上記予測値に最も近い値を上記第一の位相差として算出し、上記第三の信号群と上記第四の信号群の相関演算の結果は、上記第三の信号群と上記第四の信号群とを上記一方向に直交する方向にずらしていったときの上記第三の信号群と上記第四の信号群の第二の相関値の変化を示すデータであり、上記第二の位相差算出部は、上記任意の時刻における上記第二の相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する上記一方向に直交する方向へのずらし量のうち、上記予測値に最も近い値を上記第二の位相差として算出する合焦制御装置。
開示された合焦制御装置は、上記位相差予測部は、上記差を、上記係数を用いて位相差に変換することで上記予測値を算出する合焦制御装置。
開示されたレンズ装置は、上記合焦制御装置と、上記撮像光学系と、を備えるレンズ装置。
開示された撮像装置は、上記合焦制御装置を備える撮像装置。
開示された合焦制御方法は、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、を用いて上記フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御方法であって、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出ステップと、上記位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記位相差を算出する合焦制御方法。
開示された合焦制御方法は、上記相関演算の結果は、上記第一の信号群と上記第二の信号群とを上記一方向にずらしていったときの上記第一の信号群と上記第二の信号群の相関値の変化を示すデータであり、上記位相差算出ステップでは、上記任意の時刻における上記相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する上記一方向へのずらし量のうち、上記予測値に最も近い値を位相差として算出する合焦制御方法。
開示された合焦制御方法は、上記位相差予測ステップでは、上記差を、上記係数を用いて位相差に変換することで上記予測値を算出する合焦制御方法。
開示された合焦制御方法は、上記位相差予測ステップにより算出された予測値と上記相関演算の結果に基づいて算出された位相差と、その予測値と、の差である予測誤差を算出する予測誤差算出ステップを更に備え、上記位相差予測ステップでは、上記係数と上記差と上記第一の時刻において算出された上記予測誤差とに基づいて上記予測値を算出する合焦制御方法。
開示された合焦制御方法は、上記位相差予測ステップでは、上記差を上記係数を用いて変換した位相差に対し、上記予測誤差を加算又は減算して上記予測値を算出する合焦制御方法。
開示された合焦制御方法は、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、上記瞳領域の上記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、上記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、を用いて上記フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御方法であって、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出ステップと、上記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、上記複数の第三の信号検出部とペアを構成する上記第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第三の信号群と上記第四の信号群の上記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出ステップと、上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記第一の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第一の位相差を算出し、上記第二の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第二の位相差を算出し、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第一の予測誤差と、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出ステップを更に備え、上記レンズ駆動制御ステップでは、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差よりも大きい場合に、上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させ、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差以下の場合に、上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させる合焦制御方法。
開示された合焦制御方法は、上記第一の信号群と上記第二の信号群の相関演算の結果は、上記第一の信号群と上記第二の信号群とを上記一方向にずらしていったときの上記第一の信号群と上記第二の信号群の第一の相関値の変化を示すデータであり、上記第一の位相差算出ステップでは、上記任意の時刻における上記第一の相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する上記一方向へのずらし量のうち、上記予測値に最も近い値を上記第一の位相差として算出し、上記第三の信号群と上記第四の信号群の相関演算の結果は、上記第三の信号群と上記第四の信号群とを上記一方向に直交する方向にずらしていったときの上記第三の信号群と上記第四の信号群の第二の相関値の変化を示すデータであり、上記第二の位相差算出ステップでは、上記任意の時刻における上記第二の相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する上記一方向に直交する方向へのずらし量のうち、上記予測値に最も近い値を上記第二の位相差として算出する合焦制御方法。
開示された合焦制御方法は、上記位相差予測ステップでは、上記差を、上記係数を用いて位相差に変換することで上記予測値を算出する合焦制御方法。
開示された合焦制御プログラムは、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、を用いて上記フォーカスレンズの位置をコンピュータにより制御するための合焦制御プログラムであって、上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出ステップと、上記位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記位相差を算出するプログラムである。
開示された合焦制御プログラムは、フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、上記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、上記瞳領域の上記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、上記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、を用いて上記フォーカスレンズの位置をコンピュータにより制御するための合焦制御プログラムであって、
上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出ステップと、上記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、上記複数の第三の信号検出部とペアを構成する上記第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第三の信号群と上記第四の信号群の上記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出ステップと、上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記第一の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第一の位相差を算出し、上記第二の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第二の位相差を算出し、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第一の予測誤差と、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出ステップを更に備え、上記レンズ駆動制御ステップでは、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差よりも大きい場合に、上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させ、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差以下の場合に、上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させるプログラムである。
上記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、上記複数の第一の信号検出部とペアを構成する上記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第一の信号群と上記第二の信号群の上記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出ステップと、上記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、上記複数の第三の信号検出部とペアを構成する上記第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、上記第三の信号群と上記第四の信号群の上記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出ステップと、上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、上記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において上記第一の位相差算出ステップ又は上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差を上記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、その位相差に対応する駆動量にしたがって上記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における上記フォーカスレンズの上記任意の位置からの移動量とその駆動量との差と、に基づいて、上記第二の時刻における上記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、上記第一の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第一の位相差を算出し、上記第二の位相差算出ステップでは、任意の時刻における上記相関演算の結果と、上記任意の時刻において上記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて上記第二の位相差を算出し、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第一の予測誤差と、上記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差とその予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出ステップを更に備え、上記レンズ駆動制御ステップでは、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差よりも大きい場合に、上記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させ、上記第一の予測誤差が上記第二の予測誤差以下の場合に、上記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で上記フォーカスレンズを駆動させるプログラムである。
本発明は、特に動画撮像を主とする放送用のテレビカメラ等に適用して利便性が高く、有効である。
1 撮像レンズ
5 撮像素子
52A,52B 位相差検出用画素
11 システム制御部
11a 位相差算出部
11b 位相差予測部
11c レンズ駆動制御部
11d 予測誤差算出部
5 撮像素子
52A,52B 位相差検出用画素
11 システム制御部
11a 位相差算出部
11b 位相差予測部
11c レンズ駆動制御部
11d 予測誤差算出部
Claims (20)
- フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、
前記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、
前記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、前記複数の第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第一の信号群と前記第二の信号群の前記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出部と、
前記位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御部と、
前記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において前記位相差算出部により算出された位相差を前記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、当該位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における前記フォーカスレンズの前記任意の位置からの移動量と当該駆動量との差と、に基づいて、前記第二の時刻における前記位相差の予測値を算出する位相差予測部と、を備え、
前記位相差算出部は、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて前記位相差を算出する合焦制御装置。 - 請求項1記載の合焦制御装置であって、
前記相関演算の結果は、前記第一の信号群と前記第二の信号群を前記一方向にずらしていったときの前記第一の信号群と前記第二の信号群の相関値の変化を示すデータであり、
前記位相差算出部は、前記任意の時刻における前記相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する前記一方向へのずらし量のうち前記予測値に最も近い値を位相差として算出する合焦制御装置。 - 請求項1又は2記載の合焦制御装置であって、
前記位相差予測部は、前記差を、前記係数を用いて位相差に変換することで前記予測値を算出する合焦制御装置。 - 請求項1又は2記載の合焦制御装置であって、
前記位相差予測部により算出された予測値と前記相関演算の結果に基づいて算出された位相差と、当該予測値と、の差である予測誤差を算出する予測誤差算出部を更に備え、
前記位相差予測部は、前記係数と前記差と前記第一の時刻において算出された前記予測誤差とに基づいて前記予測値を算出する合焦制御装置。 - 請求項4記載の合焦制御装置であって、
前記位相差予測部は、前記差を前記係数を用いて変換した位相差に対し、前記予測誤差を加算又は減算して前記予測値を算出する合焦制御装置。 - フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、
前記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、
前記瞳領域の前記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、
前記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、
前記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、前記複数の第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第一の信号群と前記第二の信号群の前記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出部と、
前記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、前記複数の第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第三の信号群と前記第四の信号群の前記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出部と、
前記第一の位相差算出部又は前記第二の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御部と、
前記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において前記第一の位相差算出部又は前記第二の位相差算出部により算出された位相差を前記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、当該位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における前記フォーカスレンズの前記任意の位置からの移動量と当該駆動量との差と、に基づいて、前記第二の時刻における前記位相差の予測値を算出する位相差予測部と、を備え、
前記第一の位相差算出部は、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて前記第一の位相差を算出し、
前記第二の位相差算出部は、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測部により算出された予測値とに基づいて前記第二の位相差を算出し、
前記位相差予測部により算出された予測値に基づいて前記第一の位相差算出部により算出された位相差と当該予測値との差である第一の予測誤差と、前記位相差予測部により算出された予測値に基づいて前記第二の位相差算出部により算出された位相差と当該予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出部を更に備え、
前記レンズ駆動制御部は、前記第一の予測誤差が前記第二の予測誤差よりも大きい場合に、前記第二の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量で前記フォーカスレンズを駆動させ、前記第一の予測誤差が前記第二の予測誤差以下の場合に、前記第一の位相差算出部により算出された位相差に対応する駆動量で前記フォーカスレンズを駆動させる合焦制御装置。 - 請求項6記載の合焦制御装置であって、
前記第一の信号群と前記第二の信号群の相関演算の結果は、前記第一の信号群と前記第二の信号群とを前記一方向にずらしていったときの前記第一の信号群と前記第二の信号群の第一の相関値の変化を示すデータであり、
前記第一の位相差算出部は、前記任意の時刻における前記第一の相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する前記一方向へのずらし量のうち、前記予測値に最も近い値を前記第一の位相差として算出し、
前記第三の信号群と前記第四の信号群の相関演算の結果は、前記第三の信号群と前記第四の信号群とを前記一方向に直交する方向にずらしていったときの前記第三の信号群と前記第四の信号群の第二の相関値の変化を示すデータであり、
前記第二の位相差算出部は、前記任意の時刻における前記第二の相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する前記一方向に直交する方向へのずらし量のうち、前記予測値に最も近い値を前記第二の位相差として算出する合焦制御装置。 - 請求項6又は7記載の合焦制御装置であって、
前記位相差予測部は、前記差を、前記係数を用いて位相差に変換することで前記予測値を算出する合焦制御装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項記載の合焦制御装置と、
前記撮像光学系と、を備えるレンズ装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項記載の合焦制御装置を備える撮像装置。
- フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、前記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、を用いて前記フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御方法であって、
前記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、前記複数の第一の信号検出部とペアを構成する前記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第一の信号群と前記第二の信号群の前記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出ステップと、
前記位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、
前記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において前記位相差算出ステップにより算出された位相差を前記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、当該位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における前記フォーカスレンズの前記任意の位置からの移動量と当該駆動量との差と、に基づいて、前記第二の時刻における前記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、
前記位相差算出ステップでは、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて前記位相差を算出する合焦制御方法。 - 請求項11記載の合焦制御方法であって、
前記相関演算の結果は、前記第一の信号群と前記第二の信号群とを前記一方向にずらしていったときの前記第一の信号群と前記第二の信号群の相関値の変化を示すデータであり、
前記位相差算出ステップでは、前記任意の時刻における前記相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する前記一方向へのずらし量のうち、前記予測値に最も近い値を位相差として算出する合焦制御方法。 - 請求項11又は12記載の合焦制御方法であって、
前記位相差予測ステップでは、前記差を、前記係数を用いて位相差に変換することで前記予測値を算出する合焦制御方法。 - 請求項11又は12記載の合焦制御方法であって、
前記位相差予測ステップにより算出された予測値と前記相関演算の結果に基づいて算出された位相差と、当該予測値と、の差である予測誤差を算出する予測誤差算出ステップを更に備え、
前記位相差予測ステップでは、前記係数と前記差と前記第一の時刻において算出された前記予測誤差とに基づいて前記予測値を算出する合焦制御方法。 - 請求項14記載の合焦制御方法であって、
前記位相差予測ステップでは、前記差を前記係数を用いて変換した位相差に対し、前記予測誤差を加算又は減算して前記予測値を算出する合焦制御方法。 - フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、前記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、前記瞳領域の前記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、前記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、を用いて前記フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御方法であって、
前記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、前記複数の第一の信号検出部とペアを構成する前記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第一の信号群と前記第二の信号群の前記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出ステップと、
前記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、前記複数の第三の信号検出部とペアを構成する前記第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第三の信号群と前記第四の信号群の前記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出ステップと、
前記第一の位相差算出ステップ又は前記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、
前記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において前記第一の位相差算出ステップ又は前記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差を前記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、当該位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における前記フォーカスレンズの前記任意の位置からの移動量と当該駆動量との差と、に基づいて、前記第二の時刻における前記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、
前記第一の位相差算出ステップでは、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて前記第一の位相差を算出し、
前記第二の位相差算出ステップでは、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて前記第二の位相差を算出し、
前記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて前記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差と当該予測値との差である第一の予測誤差と、前記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて前記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差と当該予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出ステップを更に備え、
前記レンズ駆動制御ステップでは、前記第一の予測誤差が前記第二の予測誤差よりも大きい場合に、前記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で前記フォーカスレンズを駆動させ、前記第一の予測誤差が前記第二の予測誤差以下の場合に、前記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で前記フォーカスレンズを駆動させる合焦制御方法。 - 請求項16記載の合焦制御方法であって、
前記第一の信号群と前記第二の信号群の相関演算の結果は、前記第一の信号群と前記第二の信号群とを前記一方向にずらしていったときの前記第一の信号群と前記第二の信号群の第一の相関値の変化を示すデータであり、
前記第一の位相差算出ステップでは、前記任意の時刻における前記第一の相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する前記一方向へのずらし量のうち、前記予測値に最も近い値を前記第一の位相差として算出し、
前記第三の信号群と前記第四の信号群の相関演算の結果は、前記第三の信号群と前記第四の信号群とを前記一方向に直交する方向にずらしていったときの前記第三の信号群と前記第四の信号群の第二の相関値の変化を示すデータであり、
前記第二の位相差算出ステップでは、前記任意の時刻における前記第二の相関値の変化を示すグラフの谷部に対応する前記一方向に直交する方向へのずらし量のうち、前記予測値に最も近い値を前記第二の位相差として算出する合焦制御方法。 - 請求項16又は17記載の合焦制御方法であって、
前記位相差予測ステップでは、前記差を、前記係数を用いて位相差に変換することで前記予測値を算出する合焦制御方法。 - フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、前記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、を用いて前記フォーカスレンズの位置をコンピュータにより制御するための合焦制御プログラムであって、
前記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、前記複数の第一の信号検出部とペアを構成する前記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第一の信号群と前記第二の信号群の前記一方向におけるずれ量である位相差を算出する位相差算出ステップと、
前記位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、
前記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において前記位相差算出ステップにより算出された位相差を前記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、当該位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における前記フォーカスレンズの前記任意の位置からの移動量と当該駆動量との差と、に基づいて、前記第二の時刻における前記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、
前記位相差算出ステップでは、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて前記位相差を算出する合焦制御プログラム。 - フォーカスレンズを含む撮像光学系の瞳領域の一方向に並ぶ異なる部分を通過した第一の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第一の信号検出部と、前記第一の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第二の信号検出部と、前記瞳領域の前記一方向と直交する方向に並ぶ異なる部分を通過した第二の一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第三の信号検出部と、前記第二の一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する複数の第四の信号検出部と、を用いて前記フォーカスレンズの位置をコンピュータにより制御するための合焦制御プログラムであって、
前記複数の第一の信号検出部から出力された第一の信号群と、前記複数の第一の信号検出部とペアを構成する前記第二の信号検出部から出力された第二の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第一の信号群と前記第二の信号群の前記一方向におけるずれ量である第一の位相差を算出する第一の位相差算出ステップと、
前記複数の第三の信号検出部から出力された第三の信号群と、前記複数の第三の信号検出部とペアを構成する前記第四の信号検出部から出力された第四の信号群との相関演算の結果に基づいて、前記第三の信号群と前記第四の信号群の前記一方向と直交する方向におけるずれ量である第二の位相差を算出する第二の位相差算出ステップと、
前記第一の位相差算出ステップ又は前記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズを駆動させるレンズ駆動制御ステップと、
前記フォーカスレンズが任意の位置にある第一の時刻において前記第一の位相差算出ステップ又は前記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差を前記フォーカスレンズの駆動量に変換するための係数と、当該位相差に対応する駆動量にしたがって前記フォーカスレンズが移動を開始した後の第二の時刻における前記フォーカスレンズの前記任意の位置からの移動量と当該駆動量との差と、に基づいて、前記第二の時刻における前記位相差の予測値を算出する位相差予測ステップと、を備え、
前記第一の位相差算出ステップでは、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて前記第一の位相差を算出し、
前記第二の位相差算出ステップでは、任意の時刻における前記相関演算の結果と、前記任意の時刻において前記位相差予測ステップにより算出された予測値とに基づいて前記第二の位相差を算出し、
前記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて前記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差と当該予測値との差である第一の予測誤差と、前記位相差予測ステップにより算出された予測値に基づいて前記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差と当該予測値との差である第二の予測誤差とを算出する予測誤差算出ステップを更に備え、
前記レンズ駆動制御ステップでは、前記第一の予測誤差が前記第二の予測誤差よりも大きい場合に、前記第二の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で前記フォーカスレンズを駆動させ、前記第一の予測誤差が前記第二の予測誤差以下の場合に、前記第一の位相差算出ステップにより算出された位相差に対応する駆動量で前記フォーカスレンズを駆動させる合焦制御プログラム。
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