JP2018002672A - アジルサルタンの中間体となるアミドキシム化合物の製造方法、及びアジルサルタンの製造方法 - Google Patents

アジルサルタンの中間体となるアミドキシム化合物の製造方法、及びアジルサルタンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アジルサルタンの中間体となるアルキル 2−エトキシ−1−[[2’−(ヒドロキシイミノカルボキサミド)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートを簡便な操作かつ高収率、高純度で製造する方法を提供する。【解決手段】 アルキル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラートと、ヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩とを、炭素数2〜7のアルコールを含む反応溶媒中で反応させることにより、高純度の2−エトキシ−1−[[2’−(ヒドロキシイミノカルボキサミド)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートを製造する。【選択図】 なし

Description

本発明は、アジルサルタンの中間体となるアミドキシム化合物の新規な製造方法に関するものであり、さらに、その方法により得られたアミドキシム化合物を用いてアジルサルタンの製造することを特徴とする新規な方法に関する。
下記式(4)
Figure 2018002672
で示されるアジルサルタン(化学名称:1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4− オキサジアゾール−3−イル)[1,1’−ビフェニル−4−イル]メチル]−2−エトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸)は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬として優れた効果を示す治療薬として非常に有用な化合物である(特許文献1)。
このアジルサルタンは、以下のような製造方法で合成されている。
Figure 2018002672
すなわち、先ず、前記式(1)で示されるアルキル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(以下、単に、「ニトリル化合物」とする場合もある)に、ヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩を反応させて、前記式(2)で示されるアルキル 2−エトキシ−1−[[2’−(ヒドロキシイミノカルボキサミド)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(以下、単に、「アミドキシム化合物」とする場合もある)を製造する。
次いで、アミドキシム化合物をそのまま環化反応に用いるか、又は、該アミドキシム化合物のヒドロキシル基をエステル保護基で保護した前記式(5)で示されるアルキル 2−エトキシ−1−[[2’−(アルキロキシ−カルボニルオキシカルバムイミドイル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(以下、単に、「エステル保護基含有化合物」とする場合もある)とした後、環化反応を行い、前記式(3)で示されるアルキル 2−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(以下、単に、「アジルサルタンアルキルエステル」とする場合もある)を製造する。
そして、最後に、該アジルサルタンアルキルエステルを加水分解することにより、前記式(4)で示されるアジルサルタンを製造する(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1参照)。
アジルサルタンのような原薬は、不純物を低減することが望まれている。しかしながら、前記の通り、多くの工程を経て製造されているため、各工程において、目的物とは異なる不純物が生成される場合がある。この不純物は、目的物と構造が似ているため、その量が多くなると精製等が非常に難しくなる。そのため、原薬を製造する場合においては、中間体の製造であっても、不純物を低減することが望まれている。
特許26459962号 特表2014−506898号公報 特表2014−505097号公報
ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー、(米国)、1996年、vol.39、p.5228−5235
そして、本発明者等の検討によれば、前記式(2)で示されるアミドキシム化合物を製造する際に、従来技術においては、以下の点で改善の余地があることが分かった。
例えば、特許文献1では、ヒドロキシルアミン塩酸塩を使用し、塩基としてナトリウムメトキシドの存在下、ジメチルスルホキシドの反応溶媒中で反応を実施している。この方法によれば、主生成物は、
下記式(6)
Figure 2018002672
で示されるニトリル化合物のデスエチル体(以下、単に、「ニトリルデスエチル体」とする場合もある)であり、前記アミドキシム化合物の生成割合は少ない。
また、非特許文献1に記載の方法では、ヒドロキシルアミン塩酸塩を使用し、塩基としてトリエチルアミンのような有機塩基の存在下、ジメチルスルホキシドの反応溶媒中で反応を実施している。本発明者等の検討によれば、この方法においては、前記アミドキシム化合物の生成割合は増加する。しかしながら、同時にアミドキシム体と同等量の
下記式(7)
Figure 2018002672
で示されるアミド体(以下、単に、「アミド体」とする場合もある)が副生することが分かった。さらに、反応時間を長くすると、
下記式(8)
Figure 2018002672
で示されるアミドキシム化合物のデスエチル体(以下、単に、「アミドキシムデスエチル体」とする場合もある)、および
下記式(9)
Figure 2018002672
で示されるアミド体のデスエチル体(以下、単に、「アミドデスエチル体」とする場合もある)が増加する傾向にあることが分かった。
特許文献2に記載の方法では、ヒドロキシルアミンの水溶液を使用し、ジメチルスルホキシドのような非プロトン性極性溶媒等の反応溶媒中で反応を実施している。本発明者等の検討によれば、この方法においては、前記アミド体が低減され、目的とするアミドキシム化合物を増加することができる。しかしながら、この方法においても、前記アミドキシム化合物の純度は70%程度であり、前記アミド体が10%程度含まれる。本発明者等の検討によれば、前記アミドキシム化合物を結晶として反応系から取り出した場合であっても、前記アドキシム化合物の純度は約85%程度であり、前記アミド体が約5%程度含まれることが分かった。そして、反応時間が長くなると、前記アミドキシムデスエチル体、および前記アミドデスエチル体が増加する傾向にあることが分かった。
なお、本発明において、前記アミドキシム化合物の純度、その他の化合物の純度、および不純物の含有割合は、実施例で記載した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の測定条件で測定した各ピークの面積%である。
また、この他、特許文献3に記載の方法では、ヒドロキシルアミン塩酸塩を使用し、塩基として炭酸水素ナトリウムの存在下、ジメチルスルホキシドの反応溶媒中で反応を実施している。
この特許文献3に記載の方法だけでなく、前記の通り、非特許文献1、特許文献1、および2に記載の方法においても、反応溶媒としては主にジメチルスルホキシドを使用している。反応溶媒としてジメチルスルホキシドが主成分になると、本発明者の検討によれば、前記アミドキシム化合物の結晶が析出し難いことが分かった。そのため、反応溶媒としてジメチルスルホキシドを用いる従来の方法では、反応後の溶液に水を加えてアミドキシム化合物を結晶化させる方法が一般的に用いられている。該方法においては、低純度のアミドキシム化合物の結晶しか得ることができなかった。そして、高純度のアミドキシム化合物の結晶を取得するためには再結晶などの精製操作が別途必要であり、操作が煩雑になってしまうという問題があった。
したがって、本発明の目的は、高収率で高純度の前記アミドキシム化合物を簡便な操作で得ることができる、前記アミドキシム化合物の製造方法を提供することにある。さらには、該方法で製造した前記アミドキシム化合物を使用して、高純度のアジルサルタンを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。前記アミドキシム化合物を製造する際に、従来技術において、ジメチルスルホキシドのような非プロトン性極性溶媒を使用する理由を以下のように推定した。すなわち、プロトン性溶媒等を使用すると、前記式(1)で示されるニトリル化合物における、−OR(R;炭素数1〜4のアルキル基)、−OEt(Et;エチル基)部分がエステル交換反応を起こし、反応がより一層複雑になるおそれがあるからと考えた。
このことから、プロトン性極性溶媒を使用しても、−OR、−OEtにおいてエステル交換反応を起こさないのであれば、高収率で高純度の前記アミドキシム化合物を得られるのではないかと考え検討を進めた。
その結果、特定のアルコールを含む反応溶媒を使用することにより、高収率で高純度の前記アミドキシム化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った
すなわち、本発明は、
下記式(1)
Figure 2018002672
(式中、Rは炭素数1〜4アルキル基である)
で示されるアルキル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラートと、
ヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩とを、
炭素数2〜7のアルコールを含む反応溶媒中で反応させることにより、
下記式(2)
Figure 2018002672
(式中、Rは前記式(1)におけるものと同義である)
で示されるアルキル 2−エトキシ−1−[[2’−(ヒドロキシイミノカルボキサミド)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートを製造する方法。
本発明においては、前記反応を塩基の存在下で行うことが好ましい。塩基の存在下で反応を行うことにより、前記アミド体、および前記アミドデスエチル体の副生をより抑制できる。中でも、より高度に前記アミド体、および前記アミドデスエチル体の副生を抑制し、かつ、操作性を向上するためには、前記塩基が有機塩基を含むことが好ましく、特に、該有機塩基の配合量が、前記式(1)で示されるニトリル化合物1モルに対して、0.01〜0.5モルとすることが好ましい。
また、本発明においては、高純度の前記アミドキシム化合物を製造することができ、かつ、より操作性を向上するためには、前記アルコールが、炭素数3〜7の直鎖状または分岐状アルコールであるが好ましい。さらには、ヒドロキシアミンを使用し、かつ前記反応溶媒が水を含むことが好ましい。
本発明に方法により得られるアミドキシム化合物は、高純度で不純物が少ない。そのため、本発明の方法で得られたアミドキシム化合物は、前記式(3)で示されるアジルサルタンアルキルエステル、および前記式(4)で示されるアジルサルタンの製造に好適に採用できる。
本発明の方法によれば、より簡便な操作により、高収率で高純度のアミドキシム化合物を得ることができる。その結果、本発明で得られたアミドキシム化合物を使用して、アジルサルタンアルキルエステル、およびアジルサルタンを製造することにより、これらも高純度のものとすることができる。特に、最終的に得られる、原薬として使用されるアジルサルタンの純度を高めることができるため、その工業的利用価値は高い。
本発明は、下記式(1)
Figure 2018002672
(式中、Rは炭素数1〜4アルキル基である)
で示されるニトリル化合物と、
ヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩とを反応させて、
下記式(2)
Figure 2018002672
(式中、Rは前記式(1)におけるものと同義である)
で示されるアミドキシム化合物を製造するに際し、
炭素数2〜7のアルコールを含む反応溶媒中で該反応を行うことを特徴とするものである。以下、順を追って説明する。
(原料化合物;ニトリル化合物)
前記式(1)で示されるニトリル化合物は、特に制限されるものではなく、公知の方法で製造することができる。具体的には、特許文献1に記載の方法、すなわちアルキル 3−アミノ−2−[[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]アミノ]ベンゾエートのエチルオルトカーボネートの溶液に酢酸を加えて、80℃で1時間撹拌しながら反応させることによって製造することができる(特許文献1、実施例1bを参照)。
(原料化合物;ヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩)
本発明においては、前記ニトリル化合物のニトリル部分とヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩とを反応させて、前記アミドキシム化合物を製造する。
使用するヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩は、特に制限されるものではなく、市販のものを使用することができる。なお、「及び/又は」とは、当然のことではあるが、ヒドロキシルアミン単独、ヒドロキシルアミン酸塩単独、ヒドロキシルアミンとヒドロキシルアミン酸塩との混合物を指す。以下、これらをまとめて指す時には、ヒドロキシルアミン類とする場合もある。
ヒドロキシルアミン酸塩は、ヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドロキシルアミン硫酸塩、ヒドロキシルアミンリン酸塩、ヒドロキシルアミンシュウ酸塩等を挙げることができる。
これのヒドロキシルアミン酸塩は塩基を用いて中和処理してヒドロキシルアミンとして使用することもできる。
ヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩の使用量は、特に制限されるものではないが、前記ニトリル化合物1モルに対して、1〜10モルとすることが好ましく、さらには、2〜7モルとすることが好ましい。
ヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩の中でも、前記ニトリルデスエチル体、および前記アミド体を低減し、得られるアミドキシム化合物の純度を高くするためには、ヒドロキシルアミンを使用することが好ましい。ヒドロキシルアミンを使用する場合には、入手の容易さという点から、ヒドロキシルアミン水溶液、例えば、ヒドロキシルアミンの濃度が30〜50質量%の水溶液を使用することが好ましい。本発明において、ヒドロキシルアミンを使用することの利点は、明らかではない。ただし、本発明者等は、本反応における適切なpH条件下で反応を進行することができるため、前記アミドキシム化合物の純度を高くできるものと考えている。なお、ヒドロキシルアミンを水溶液として反応に用いる場合には、反応溶媒は、炭素数2〜7のアルコールと水とを少なくとも含有することとなる。本発明の反応溶媒は、この水を含むものであってよい。
(反応溶媒)
本発明の最大の特徴は、炭素数2〜7のアルコールを含む反応溶媒を使用する点にある。該反応溶媒を使用することにより、前記アミド体、前記デスエチル体の副生量を低減することができ、高純度の前記アミドキシム化合物を製造することができる。
炭素数2〜7のアルコールを例示すると、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール等が挙げられる。この中でも、得られるアミドキシム化合物の収率、純度、および含まれる不純物の割合、並びに、最終的には反応溶媒を除去するという点から、炭素数3〜7の直鎖状又は分岐状アルコールが好ましい。具体的には、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールが好ましく、1−プロパノール、1−ブタノールが特に好ましい。
以上例示したアルコールは、1種類で使用することもできるし、2種類以上の混合物を使用することができる。混合物として使用した場合には、使用する量の基準は、混合物の全量を対象とする。
本発明において、反応溶媒は、炭素数2〜7のアルコールを含むものであれば、その他の溶媒が含まれてもよい。具体的には、前記の通り、ヒドロキシルアミン水溶液を使用する場合の水、新たに配合する水、その他、炭素数2〜7のアルコールと相溶する溶媒を配合することができる。反応の後処理等のことを考慮すると、その他の溶媒の含有量は、反応溶媒の全量100質量%中に、50質量%未満となることが好ましく、さらには、30質量%以下となることが好ましい(当然のことながら、反応溶媒の残分は、炭素数2〜7のアルコールである。)。反応溶媒は、全量が炭素数2〜7のアルコールであってもよいが、ヒドロキシルアミン水溶液を反応に使用する場合には、反応溶媒の全量を100質量%としたとき、炭素数2〜7のアルコールを70〜99質量%、水を1〜30質量%とすることが好ましい。
本発明において、反応溶媒の使用量は、特に制限されるものではなく、反応中に、原料化合物が十分に混合できる状態であって、かつ、原料化合物、および生成する前記アミドキシム化合物が十分に溶解できる量を使用すればよい。中でも、得られるアミドキシム化合物を結晶として取り出しやすくするためには、前記ニトリル化合物1gに対して、反応溶媒を5〜50ml使用することが好ましく、さらに6〜30ml使用することが好ましい。なお、この反応溶媒の使用量は、23℃における体積である。
(反応方法)
本発明においては、炭素数2〜7のアルコールを含む反応溶媒中で、前記ニトリル化合物と、ヒドロキシルアミン類とを接触させることにより、反応させることができる。そのため、該反応溶媒中で、前記ニトリル化合物とヒドロキシルアミン類とを攪拌混合し、原料化合物である両者を接触させればよい。
(塩基)
本発明の方法においては、原料化合物である両者を接触(反応)させる際に、塩基の存在下で実施することもできる。塩基を使用することにより、前記アミドキシム化合物の純度をより高めることができ、特に、前記アミド体、および前記アミドデスエチル体の副生量を抑制することができる。
使用する塩基としては、公知の塩基を使用することができる。具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム等のような無機塩基、およびメチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピペラジン、ピロリジン、アニリン、N,N-ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン、N−メチルモルホリン等のような有機塩基を使用することができる。これらは、単独で使用することもできるし、複数種類のものを同時に使用することもできる。複数種類のものを同時に使用する場合には、基準となる配合量は、複数種類のものの合計量を基準とする。
以上のような塩基の中でも、特に、前記アミド体、および前記アミドデスエチル体の副生量を抑制したい場合には、有機塩基を使用することが好ましい。有機塩基を使用することにより、該有機塩基の除去も容易となる。この有機塩基の中でも、工業的な生産を考慮すると、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンを使用することが好ましい。
塩基の使用量は、特に制限されるものではなく、通常の触媒量とすればよい。中でも、有機塩基を使用する場合には、前記式(1)で示されるニトリル化合物1モルに対して、有機塩基の使用量が0.01〜0.5モルであることが好ましい。有機塩基の使用量を前記範囲とすることにより、より一層、前記アミド体、および前記アミドデスエチル体の副生量を抑制できる。さらに、前記アミド体、および前記アミドデスエチル体の副生量を抑制するためには、前記式(1)で示されるニトリル化合物1モルに対して、有機塩基に使用量が、0.1〜0.5モルであることが好ましく、0.2〜0.5モルであることが特に好ましい。
(反応条件)
本発明において、その他の反応条件は、特に制限されるものではないが、以下の条件で実施することが好ましい。
原料化合物、反応溶媒、および必要に応じて配合される塩基を反応容器中で混合する際に、各成分を反応容器中に導入する手順は、特に制限されるものではない。具体的には、反応容器中に、原料化合物、反応溶媒、および必要に応じて配合される塩基を同時に導入する方法を採用できる。また、一方の原料化合物と反応溶媒とを予め反応容器に導入しておき、次いで、他方の原料化合物(必要に応じて反応溶媒で希釈してもよい)、および必要に応じて配合される塩基(反応溶媒で希釈していてもよい)を反応容器に導入することもできる。この際、後から添加する原料化合物は数回に分割して導入してもよい。中でも、より操作を簡便にするためには、反応容器中に、先ず、前記ニトリル化合物、および反応溶媒を仕込む。次いで、必要に応じて配合される塩基を導入し、さらにヒドロキシルアミン類を導入する。この際、ヒドロキシルアミン類は、当然のことながら、反応溶媒で希釈したものであってもよい。また、ヒドロキシルアミンを使用する場合には、30〜50質量%の濃度の水溶液を使用することもできる。
本発明において、反応温度(全成分が混合された後の反応溶液の温度)は、特に制限されるものではないが、50℃以上、該反応溶液の還流温度以下で実施することが好ましい。反応溶液の還流温度は、使用する反応溶媒の種類、原料化合物の濃度等によって異なるため、一概に限定することはできない。ただし、前記アミドキシム化合物の分解を抑制するためには、反応溶液の温度は、50〜100℃以下とすることが好ましく、60〜95℃とすることが好ましい。
本発明において、反応時間(全成分が混合されてからの時間)は、特に制限されるものではなく、前記ニトリル化合物の消費割合、得られるアミドキシム化合物の生成割合等を確認しながら決定すればよい。ただし、反応時間が長すぎると、前記アミドキシム化合物の分解等が生じる可能性があるため、通常、反応時間は1〜20時間とすることが好ましい。その他、反応時の雰囲気も特に制限されるものではなく、空気存在下、または不活性ガス存在下で実施することができる。また、減圧下、加圧下、又は大気圧下で反応を実施することができる。中でも、操作性を向上するためには、空気存在下、大気圧下で反応を行うことが好ましい。
(後処理工程)
前記方法に従えば、前記アミドキシム化合物を製造することができる。反応溶液中に生成したアミドキシム化合物は、反応溶液を冷却、または反応溶媒を留去して結晶化させて取り出すことが好ましい。中でも、反応溶液の温度を50℃以上反応溶液の還流温度以下とした場合には、好ましくは、30℃以下、さらに好ましくは10〜30℃の温度まで冷却して、使用した反応溶媒中に前記アミドキシム化合物の結晶を析出させることが好ましい。中でも、得られるアミドキシム化合物の純度を高くするためには、反応温度から30℃以下とする際の冷却速度を5〜50℃/時間とすることが好ましい。また、収率を高めるためには、30℃以下の温度として1時間以上、好ましくは2時間以上10時間以下放置することが好ましい。
析出したアミドキシム化合物の結晶は、公知の方法で処理することができる。通常であれば、濾過により結晶を取り出し、洗浄・乾燥を行うことが好ましい。また、より純度の高いヒドロキシルアミジノ化合物を得ようとする場合には、反応溶媒で再結晶してもよい。
本発明によれば、得られるアミドキシム化合物は、純度が90.0〜98.0%、アミド体0.1〜3.0%、前記ニトリルデスエチル体0.0(未検出)〜0.5%、前記アミドキシムデスエチル体0.1〜1.0%、前記アミドデスエチル体0.05〜1.0%とすることができる。より条件を調整することにより、好ましくは純度が94.0〜98.0%、前記アミド体0.1〜2.0%、前記ニトリルデスエチル体0.0(未検出)〜0.1%、前記アミドキシムデスエチル体0.1〜1.0%、前記アミドデスエチル体0.05〜0.5%である高純度のものとすることもできる。さらに好ましくは純度が94.0〜98.0%、前記アミド体0.1〜1.0%、前記ニトリルデスエチル体0.0(未検出)〜0.1%、前記アミドキシムデスエチル体0.1〜1.0%、前記アミドデスエチル体0.05〜0.5%である高純度のものとすることもできる。
なお、前記のアミドキシム化合物の純度、前記アミド体、前記ニトリルデスエチル体、前記アミドキシムデスエチル体、前記アミドデスエチル体割合は、その他の成分も含まれる場合もあるため、合計が必ずしも100%になるものではない。
そのため、得られたアミドキシム化合物は、アジルサルタンアルキルエステル、およびアジルサルタンの原料として好適に使用できる。
(アジルサルタンメチルエステルの製造方法)
本発明においては、前記方法で得られたアミドキシム化合物から、
下記式(3)
Figure 2018002672
(式中、Rは前記式(1)におけるものと同義である)
で示されるアジルサルタンアルキルエステルを製造することができる。
アジルサルタンアルキルエステルを製造する方法は、公知の方法を制限なく採用することができる。
例えば、Org. Process. Res. Dev 2013,17に記載されているように、1,1’−カルボニルイミダゾール、ジアザビシクロウンデセン、ジメチルスルホキシドを含む反応溶媒中で反応させることにより、前記アミドキシム化合物から、直接、環化反応を実施することができ、前記アジルサルタンアルキルエステルを製造することができる。
また、以下の方法を採用することができる。非特許文献1、特許文献1に記載されている方法である。具体的には、先ず、前記アミドキシム化合物と、クロロギ酸アルキル(アルキル基は、ヒドロキシル基の保護基であり、具体的には、2−エチルヘキシル基、又はエチル基である)とを、有機塩基(ピリジンまたはトリエチルアミン)存在下、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン/ジクロロメタン溶媒中で反応させることにより、下記式(5)
Figure 2018002672
(式中、Rはヒドロキシル基の保護基するアルキル基であり、具体的には、2−エチルヘキシル基、又はエチル基である)で示されるエステル保護基含有化合物を得る。次いで、得られたエステル保護基含有化合物をキシレン溶媒中において、還流温度下(約130℃)におくことにより、環化反応が行われ、アジルサルタンアルキルエステルを製造することができる。
得られたアジルサルタンアルキルエステルは、特に制限されるものではなく、Org. Process. Res. Dev 2013,17、非特許文献1、および特許文献1に記載の方法で精製等を実施すればよい。
具体的には、アセトン、酢酸エチル、酢酸エチル/イソプロピルエーテル、クロロホルム/酢酸エチルから再結晶する方法が挙げられる。得られるアジルサルタンアルキルエステルの純度をより高純度にするには、アセトンから再結晶する方法を選択することが好ましい。
(アジルサルタン製造方法)
本発明においては、前記方法で得られたアジルサルタンアルキルエステルを加水分解することにより、
下記式(4)
Figure 2018002672
で示されるアジルサルタンを製造することができる。加水分解する条件は、特に制限されるものではなく、公知の方法、例えば、特許文献1に記載の方法を採用することができる。具体的には、塩基、又は酸の存在下で加水分解を行うことにより、−OMeを水酸基へとすればよい。
得られたアジルサルタンは、特に制限されるものではなく、公知の方法で精製して原薬とすればよい。例えば、再結晶やリスラリー、カラムクロマトグラフィーなどの方法を用いる方法が挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における純度評価は、以下の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法でおこなった。
<HPLCの測定条件>
装置:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)。
機種:2695−2489−2998(Waters社製)。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)。
カラム:Kromasil C18、内径4.6mm、長さ15cm(粒子径5μm)(AkzoNobel社製)。
カラム温度:30℃一定。
サンプル温度:25℃一定。
移動相A:アセトニトリル。
移動相B:15mMリン酸二水素カリウム水溶液(pH=2.5 リン酸にて調整)。
移動相の送液:移動相A,Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
Figure 2018002672
流速:1.0mL/min。
測定時間:40分。
上記条件において、前記アミドキシムデスエチル体は約1.8分、前記アミドキシム化合物は約2.8分、前記アミドデスエチル体は約4.0分、前記アミド体は約8.5分、前記ニトリルデスエチル体は約11.2分、前記ニトリル化合物は約25.0分、前記アジルサルタンメチルエステルは約14.5分、前記アジルサルタンは約7.3分にピークが確認される。以下の実施例、比較例において、前記アミドキシム化合物、前記アジルサルタンメチルエステル、前記アジルサルタンの各純度は、すべて、上記条件で測定される全ピークの面積値(溶媒由来のピークを除く)の合計に対する各化合物のピーク面積値の割合である。
実施例1
直径2.5cmの2枚撹拌翼を備えた100mL三つ口フラスコに前記ニトリル化合物5g(12.2mmol)を量りとり、1−プロパノール50mL、市販の50質量%ヒドロキシルアミン水溶液4.0g(60.8mmol)を加え、還流温度(約92℃)まで加熱した後、同温度にて12時間反応を行った。前記アミドキシム化合物純度:82.2%、前記アミド体:9.1%、前記ニトリル化合物:2.2%、前記アミドキシムデスエチル体:6.0%、前記アミドデスエチル体:0.3%、前記ニトリルデスエチル体:0.05%であった。
反応後の溶液を30℃/時間の速度で20℃まで冷却し、20℃で終夜撹拌した。次いで、得られたスラリー液を減圧濾過して析出した結晶を分取し、50℃で乾燥して、4.0gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物の純度:94.7%、前記アミド体:3.0%、前記ニトリル化合物:0.2%、前記アミドキシムデスエチル体:0.7%、前記アミドデスエチル体:0.3%、前記ニトリルデスエチル体:未検出)を得た(収率:77.1%)。結果を表2、3にまとめた。
実施例2
直径10cmの2枚撹拌翼を備えた1L三つ口フラスコに前記ニトリル化合物70g(170.1mmol)を量りとり、1−プロパノール700mL、トリエチルアミン5.16g(51.0mmol)、市販の50質量%ヒドロキシルアミン水溶液56.2g(850.5mmol)を加え、還流温度(約92℃)まで加熱した後、同温度にて13時間反応を行った。前記アミドキシム化合物の純度:83.9%、前記アミド体:2.4%、前記ニトリル化合物:2.4%、前記アミドキシムデスエチル体:7.6%、前記アミドデスエチル体:0.2%、前記ニトリルデスエチル体:0.01%であった。
反応後の溶液を20℃/時間の速度で20℃まで冷却し、20℃で13時間撹拌した。次いで、得られたスラリー液を減圧濾過して析出した結晶を分取し、50℃で乾燥して、61.0gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物の純度:96.9%、前記アミド体:0.5%、前記ニトリル化合物:0.1%、前記アミドキシムデスエチル体:0.5%、前記アミドデスエチル体:0.1%、前記ニトリルデスエチル体:未検出)を得た(収率:81.0%)。結果を表2、3にまとめた。
実施例3
直径2.5cmの2枚撹拌翼を備えた100mL三つ口フラスコにニトリル化合物5g(12.2mmol)を量りとり、1−プロパノール50mL、トリエチルアミン0.62g(6.1mmol)、市販の50質量%ヒドロキシルアミン水溶液4.0g(60.8mmol)を加え、還流温度(約92℃)まで加熱した後、同温度にて13時間反応を行った。前記アミドキシム化合物の純度:84.2%、前記アミド体:1.8%、前記ニトリル化合物:2.6%、前記アミドキシムデスエチル体:7.4%、前記アミドデスエチル体:0.2%、前記ニトリルデスエチル体:0.01%であった。
反応後の溶液を20℃/時間の速度で20℃まで冷却し、20℃で13時間撹拌した。次いで、得られたスラリー液を減圧濾過して析出した結晶を分取し、50℃で乾燥して、4.1gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物の純度:97.1%、前記アミド体:0.3%、前記ニトリル化合物:0.1%、前記アミドキシムデスエチル体:0.5%、前記アミドデスエチル体:0.1%、前記ニトリルデスエチル体:未検出)を得た(収率:77.4%)。結果を表2、3にまとめた。
実施例4
実施例3において、反応溶媒を1−プロパノールを1−ブタノールに、トリエチルアミンの使用量を0.62g(6.1mmol)から0.37g(3.66mmol)に変更した以外は同様の操作を行った。
4.4gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物の純度:97.0%、前記アミド体:0.4%、前記ニトリル化合物:0.1%、前記アミドキシムデスエチル体:0.6%、前記アミドデスエチル体:0.1%、前記ニトリルデスエチル体:未検出)を得た(収率:81.1%)。結果を表2、3にまとめた。
実施例5
実施例3において、使用した塩基をトリエチルアミンからピリジンへ、塩基の使用量を0.62g(6.1mmol)から0.37g(3.66mmol)に変更した以外は同様の操作を行った。
4.3gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物の純度:96.5%、前記アミド体:0.4%、前記ニトリル化合物:0.2%、前記アミドキシムデスエチル体:0.6%、前記アミドデスエチル体:0.1%、前記ニトリルデスエチル体:未検出)を得た(収率:79.4%)。結果を表2、3にまとめた。
実施例6
実施例3において、トリエチルアミンの使用量を0.62g(6.1mmol)から0.12g(1.22mmol)に変更した以外は同様の操作を行った。
4.3gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物の純度:95.3%、前記アミド体:1.5%、前記ニトリル化合物:0.2%、前記アミドキシムデスエチル体:0.6%、前記アミドデスエチル体:0.3%、前記ニトリルデスエチル体:未検出)を得た(収率:80.2%)。結果を表2、3にまとめた。
実施例7
実施例1において、1−プロパノールの使用量を50mLから75mLに変更した以外は同様の操作を行った。
3.9gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物の純度:94.9%、前記アミド体:2.8%、前記ニトリル化合物:0.2%、前記アミドキシムデスエチル体:0.7%、前記アミドデスエチル体:0.3%、前記ニトリルデスエチル体:未検出)を得た(収率:73.1%)。結果を表2、3にまとめた。
実施例8(アジルサルタンメチルエステルの合成)
直径10cmの2枚撹拌翼を備えた1L三つ口フラスコに、実施例2で得られた前記アミドキシム化合物40gを量りとり、ジメチルスルホキシド350mL、1,1’−カルボニルイミダゾール17.5g、ジアザビシクロウンデセン15.5gを加え、室温で4時間撹拌しながら反応を行った。別途用意した3L三つ口フラスコに水1500mLを量りとり、該反応液をゆっくりと滴下した。得られた溶液に5%塩酸水溶液を加えてpHを約4に調製した後、析出したアジルサルタンメチルエステルの結晶を減圧濾過により分取し、50℃で乾燥した後、アセトン400mLから再結晶を行い、得られたスラリー液を減圧濾過して析出した結晶を分取し、50℃で乾燥して、32.0gのアジルサルタンメチルエステの結晶を得た(アジルサルタンメチルエステルの純度:99.4%)。
実施例9(アジルサルタンの合成)
直径10cmの2枚撹拌翼を備えた1L三つ口フラスコに実施例8で得られたアジルサルタンメチルエステル20gを量りとり、1.25M水酸化ナトリウム水溶液200mLを加え、50℃まで加熱した後、同温度にて3時間反応を行った。反応液を45℃まで冷却した後、同温度でアセトン100mL、酢酸75mL、水70mLを加えて、アジルサルタンの結晶を析出させた。反応液を20℃/時間の速度で20℃まで冷却した後、同温度にて5時間撹拌した。次いで、得られたスラリー液を減圧濾過して析出した結晶を分取し、40℃で乾燥して、16.6gのアジルサルタンの結晶を得た(アジルサルタンの純度:99.4%)。
比較例1(非特許文献1に記載の方法による前記アミドキシム化合物の製造)
直径7.5cmの2枚撹拌翼を備えた500mL三つ口フラスコに前記ニトリル化合物5g(12.2mmol)を量りとり、ジメチルスルホキシド50mL、ヒドロキシルアミン塩酸塩4.2g(60.8mmol)、トリエチルアミン6.15g(60.8mmol)を加え、90℃まで加熱した後、同温度にて16時間反応を行った。前記アミドキシム化合物純度:42.6%、前記アミド体:37.0%、前記ニトリル化合物:4.5%、前記アミドキシムデスエチル体:9.3%、前記アミドデスエチル体:4.8%、前記ニトリルデスエチル体:1.0%であった。
反応後の溶液を20℃まで冷却し、12時間撹拌したが前記アミドキシム化合物の結晶は析出しなかった。そのため、反応液に水125mLを加えて前記アミドキシム化合物の結晶を析出させた。次いで、得られたスラリー液を減圧濾過して析出した結晶を分取し、50℃で乾燥して、3.1gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物の純度:49.9%、前記アミド体:46.4%、前記ニトリル化合物:0.5%、前記アミドキシムデスエチル体:1.7%、前記アミドデスエチル体:0.9%、前記ニトリルデスエチル体:0.1%)を得た(収率:57.1%)。結果を表2、3にまとめた。
比較例2(特許文献2に記載の方法によるアミドキシム化合物の製造)
直径7.5cmの2枚撹拌翼を備えた500mL三つ口フラスコに前記ニトリル化合物5g(12.2mmol)を量りとり、ジメチルスルホキシド50mL、市販の50質量%ヒドロキシルアミン水溶液2.0g(30.4mmol)を加え、90℃まで加熱した後、同温度にて15時間反応を行った。前記アミドキシム化合物の純度:72.0%、前記アミド体:9.8%、前記ニトリル化合物:0.5%、前記アミドキシムデスエチル体:9.3%、前記アミドデスエチル体:1.0%、前記ニトリルデスエチル体:0.2%であった。
反応後の溶液を20℃まで冷却し、12時間撹拌したが前記アミドキシム化合物の結晶は析出しなかった。そのため、反応液に水125mLを加えて前記アミドキシム化合物の結晶を析出させた。次いで、得られたスラリー液を減圧濾過して析出した結晶を分取し、50℃で乾燥して、4.2gの前記アミドキシム化合物の結晶(前記アミドキシム化合物純度:85.7%、前記アミド体:5.1%、前記ニトリル化合物:0.5%、前記アミドキシムデスエチル体:5.9%、前記アミドデスエチル体:0.4%、前記ニトリルデスエチル体:0.1%)を得た(収率:78.8%)。結果を表2、3にまとめた。
Figure 2018002672
Figure 2018002672

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    Figure 2018002672
    (式中、Rは炭素数1〜4アルキル基である)
    で示されるアルキル 1−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−2−エトキシベンズイミダゾール−7−カルボキシラートと、
    ヒドロキシルアミン、及び/又はヒドロキシルアミン酸塩とを、
    炭素数2〜7のアルコールを含む反応溶媒中で反応させることにより、
    下記式(2)
    Figure 2018002672
    (式中、Rは前記式(1)におけるものと同義である)
    で示されるアルキル 2−エトキシ−1−[[2’−(ヒドロキシイミノカルボキサミド)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートを製造する方法。
  2. 塩基の存在下で反応を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩基が有機塩基を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記有機塩基の配合量が、前記式(1)で示されるニトリル化合物1モルに対して、0.01〜0.5モルであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記アルコールが、炭素数3〜7の直鎖状または分岐状アルコールであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. ヒドロキシルアミンを使用し、かつ前記反応溶媒が水を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の方法により前記式(2)で示されるアミドキシム化合物を製造した後、得られたアミドキシム化合物から
    下記式(3)
    Figure 2018002672
    (式中、Rは前記式(1)におけるものと同義である)
    で示されるアルキル 2−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートを製造する方法。
  8. 請求項7に記載の方法により前記式(3)で示されるアジルサルタンアルキルエステルを製造した後、得られたアジルサルタンアルキルエステルを加水分解することにより、
    下記式(4)
    Figure 2018002672
    で示される2−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボン酸を製造する方法。
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