JP2018000845A - ロボット - Google Patents

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JP2018000845A JP2016135881A JP2016135881A JP2018000845A JP 2018000845 A JP2018000845 A JP 2018000845A JP 2016135881 A JP2016135881 A JP 2016135881A JP 2016135881 A JP2016135881 A JP 2016135881A JP 2018000845 A JP2018000845 A JP 2018000845A
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亮太 宮崎
Ryota Miyazaki
亮太 宮崎
聖弥 樋口
Seiya Higuchi
聖弥 樋口
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Abstract

【課題】ロボットが斜面を走行している間、表示部が向いている方向をロボットの走行方向と一致させる。
【解決手段】加速度センサーは、重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び重力方向に直交するメイン筐体の走行方向の第2加速度を検知し、制御回路は、メイン筐体を回転させてメイン筐体を走行させている間に、ある期間において第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、ある期間における第1加速度の積算値及び第2加速度の積算値に基づき、メイン筐体が走行する斜面の傾斜角度を判断し、シャフトを中心にメイン筐体を回転させる第2駆動機構とは独立した第1駆動機構を制御して、傾斜角度に相当する角度、シャフトを回転させて表示部を移動させる。
【選択図】図15

Description

本開示は、自己の状態を判断するロボットに関する。
従来から種々のロボットが提案されている。
特許文献1は、4本の足を有する多足走行ロボットを開示する(例えば、第8頁第15−17行など)。特許文献1において、多足走行ロボットは、3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度を検出する加速度センサー、及び、3角(R角、P角、Y角)方向の回転角速度を検出する角度センサーを備えている(例えば、第8頁第26行−第9頁第8行など)。前記加速度センサー及び前記角速度センサーに検出結果に基づき(例えば、第9頁第5−14行など)、ユーザが前記ロボットを抱き上げたことを検出すると、前記ロボットは各足の動きを停止する(例えば、第10頁第13−20行など)。これにより、ユーザの怪我の発生を未然に防止する(例えば、第6頁第11−12行など)。
国際公開第00/032360号
上記の従来技術では、更なる改善が必要とされていた。
上記課題を解決するために、本開示の一態様のロボットは、
球体の第1側部と前記第1側部に対向する第2側部とをカットした球帯状のメイン筐体と、
前記第1側部に対応する第1球冠部と、
前記第2側部に対応する第2球冠部と、
前記第1球冠部と前記第2球冠部とを連結するシャフトと、
前記シャフトにアームを介して取り付けられた、少なくともロボットの顔の一部を表示する表示部と、
前記シャフトの回転により前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構と、
前記シャフトを中心に前記メイン筐体を回転させる前記第1駆動機構と独立した第2駆動機構と、
重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度を検知する加速度センサーと、
前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記ある期間における前記第1加速度の積算値及び前記第2加速度の積算値に基づき、前記メイン筐体が走行する斜面の傾斜角度を判断し、
前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を移動させる制御回路と、を備えたものである。
上記態様により、更なる改善を実現できた。
本開示に係る一態様を発明するに至った経緯の概要を示す図である。 本開示に係る一態様を発明するに至った経緯の概要を示す図である。 本開示に係る一態様を発明するに至った経緯の概要を示す図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットの外観斜視図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットの外観正面図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットの内部斜視図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットのアームを示す内部平面図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットの第1球冠部及び第2球冠部を回転させるシャフト駆動機構、及びメイン筐体を回転させる筐体駆動機構を示す図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットの第1球冠部及び第2球冠部の連結状態を示す内部斜視図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットの第1球冠部及び第2球冠部の連結状態を示す内部正面図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットの重り駆動機構を示す図である。 図6における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットのAA断面図である。 図6のC視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットのシャフト駆動機構を示す側面図である。 図6のC視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの第1表示部、第2表示部及び第3表示部が前方に傾いた状態を示す側面図である。 図6のC視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの第1表示部、第2表示部及び第3表示部が後方に傾いた状態を示す側面図である。 図6のB視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの筐体駆動機構を示す側面図である。 図6のB視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの直進動作を表す側面図である。 図3AのA視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの重りが中央に位置しているときの前記ロボットの姿勢を示す正面図である。 図3AのA視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの重りが左方寄りに位置しているときの前記ロボットの姿勢を示す正面図である。 図3AのA視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの重りが右方寄りに位置しているときの前記ロボットの姿勢を示す正面図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットが適用されたロボットシステムの全体構成の一例を示す図である。 本開示の第1の実施の形態に係るロボットを示すブロック図である。 メイン筐体が水平面を一定の目標速度で走行する場合のY方向及びZ方向の走行速度を示す図である。 メイン筐体が上り斜面を一定の目標速度で走行する場合のY方向及びZ方向の走行速度を示す図である。 メイン筐体が下り斜面を一定の目標速度で走行する場合のY方向及びZ方向の走行速度を示す図である。 メイン筐体が上り斜面を走行する場合に加速度センサーが出力するY方向及びZ方向の加速度の時間的な推移の一例を示す図である。 メイン筐体が下り斜面を走行する場合に加速度センサーが出力するY方向及びZ方向の加速度の時間的な推移の一例を示す図である。 メイン筐体が走行する走行面の傾斜角度の時間的な推移と、Z方向の加速度から重力成分を除去した値及びその累積値の時間的な推移と、の関係の一例を示す図である。 第1の実施の形態における表情角度制御処理の詳細を示すフローチャートである。 図19のS107において各速度変化量に基づき走行面が上方に傾斜した角度を判断する方法の一例を示す図である。 図19のS107において各速度変化量に基づき走行面が下方に傾斜した角度を判断する方法の一例を示す図である。 表情角度調整処理の変形例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における表情角度制御処理の詳細を示すフローチャートである。 一定速度期間判断処理の詳細を示すフローチャートである。 図22のS305において速度変化量に基づき走行面が上方に傾斜した角度を判断する方法の一例を示す図である。 図22のS305において速度変化量に基づき走行面が下方に傾斜した角度を判断する方法の一例を示す図である。 第3の実施の形態における表情角度制御処理の詳細を示すフローチャートである。
(本開示に係る一態様を発明するに至った経緯)
上記のように、特許文献1は、加速度センサー及び角速度センサーを備えた4本の足を有する多足走行ロボットを開示する。特許文献1では、2つの閾値(δ1、δ2)を設けて、加速度センサー及び角速度センサーの検出出力の分散値を3分類し、ロボットが地面上を行動している状態か、持ち上げられた状態か、又は持ち下ろされた状態かを判断している(例えば、第9頁第5−14行など)。
図1A〜図1Cは、本開示に係る一態様を発明するに至った経緯の概要を示す図である。これに対し、本発明者は、図1Aに示すような球体状のロボット1を検討している。
例えば、このロボット1の外観は球体であり、球体の第1側部と前記第1側部に対向する第2側部とをカットした球帯状のメイン筐体101と、前記第1側部に対応する第1球冠部102と、前記第2側部に対応する第2球冠部103と、を備えている。このロボット1の内部には、前記第1球冠部102と前記第2球冠部103とを連結するシャフトを設け、このシャフトにはアームを介して少なくとも前記ロボット1の顔の一部を表示する表示部206が取り付けられている。
そして、このロボットの駆動機構として、前記シャフトの回転により前記第1球冠部102及び前記第2球冠部103を回転させる第1駆動機構は、前記シャフトを中心に前記メイン筐体101を回転させる第2駆動機構とは別になっている。前記表示部206は、前記第1駆動機構が前記シャフトを回転させることで、前記第1球冠部102及び前記第2球冠部103の回転と連動して上下方向に移動する。ロボット1は、前記第2駆動機構が前記メイン筐体101を回転させることで走行する。
ここで、上記のような構造を持つロボット1が斜面を走行する状況を想定する。
この場合、例えば、斜面を登る負荷により前記ロボット1の走行が抑制され、これに起因して前記メイン筐体101の走行速度が低下する。一方で、前記シャフトの回転により前記第1球冠部102及び前記第2球冠部103を回転させる前記第1駆動機構は、前記シャフトを中心に前記メイン筐体101を回転させる前記第2駆動機構とは別であるため、前記第1球冠部102及び前記第2球冠部103は、前記メイン筐体101の回転の影響を受けることはない。そのため、前記第1球冠部102及び前記第2球冠部103と連動して上下方向に移動する前記表示部206も、前記ロボット1が斜面を走行している間中、前記表示部206のイニシャル位置から移動しない。
その結果、上記のような構造を持つロボット1が斜面を走行する場合、図1Bに示すように、前記表示部206が向いている方向が、前記ロボット1の走行方向(矢印に示す斜面と平行な方向)と一致せず、不自然になるという課題があった。かかる課題は、上記のような構造を持つロボット1に固有の課題であるため、上記特許文献1にも言及がなく、従来には存在しなかったと認識している。
本発明者は、上記課題を解決するために、前記ロボット1に加速度センターを設け、加速度センサーにて検知される重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体101の走行方向の第2加速度を用いて、前記ロボット1が走行する斜面の傾斜角度を求め、図1Cに示すように、前記表示部が向いている方向を前記ロボット1の走行方向に一致させることを検討し、以下の各態様の発明を想到するに至った。
本開示の一態様に係るロボットは、
球体の第1側部と前記第1側部に対向する第2側部とをカットした球帯状のメイン筐体と、
前記第1側部に対応する第1球冠部と、
前記第2側部に対応する第2球冠部と、
前記第1球冠部と前記第2球冠部とを連結するシャフトと、
前記シャフトにアームを介して取り付けられた、少なくともロボットの顔の一部を表示する表示部と、
前記シャフトの回転により前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構と、
前記シャフトを中心に前記メイン筐体を回転させる前記第1駆動機構と独立した第2駆動機構と、
重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度を検知する加速度センサーと、
前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記ある期間における前記第1加速度の積算値及び前記第2加速度の積算値に基づき、前記メイン筐体が走行する斜面の傾斜角度を判断し、
前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を移動させる制御回路と、を備えたものである。
本態様では、まず、前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記重力方向に平行な上下方向の第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記ある期間において前記第1加速度の積算値及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度の積算値から、前記斜面の傾斜角度を求める。
このため、例えば、前記メイン筐体が床面を走行し、その後、斜面を登り、または、斜面を下ることによって、前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合に、前記メイン筐体が走行する斜面の傾斜角度を求めることができる。
本態様では、更に、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を移動させる。
これにより、前記メイン筐体を回転させる駆動機構である前記第2駆動機構を、前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構とは別機構とするロボットにおいて、前記斜面を走行している間、前記表示部が向いている方向を前記ロボットの走行方向と一致させることができる。
(実施の形態)
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、各図面において、同じ構成要素については同じ符号が用いられている。
(第1の実施の形態)
(全体構成)
図2Aは、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の外観斜視図である。図2Bは、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの外観正面図である。ロボット1は、図2A
及び図2Bに示すように、球帯状のメイン筐体101と、第1球冠部102及び第2球冠部103と、を備える。メイン筐体101、第1球冠部102、及び第2球冠部103は全体として球体を構成する。即ち、ロボット1は、球体形状を有する。メイン筐体101は、前記球体の右側部(第1側部の一例)と前記左側部に対向する左側部(第2側部の一例)とをカットした球帯状になっている。第1球冠部102は、前記球体形状の右側部に対応し、第2球冠部103は前記球体形状の左側部に対応する。
また、ロボット1は、図2Aに示すように、メイン筐体101にスピーカ218を備え、第1球冠部102にカメラ104とマイク215とを備える。スピーカ218は、ロボット1の音声情報を出力する。カメラ104は、ロボット1の周辺環境の映像を取得する。マイク215は、ロボット1の周辺環境の音声を取得する。尚、本態様では、ロボット1は、メイン筐体101にスピーカ218を備えるが、これに限らず、メイン筐体101、第1球冠部102及び第2球冠部103のいずれかにスピーカ218を備えればよい。本態様では、ロボット1は、第1球冠部102にカメラ104を備えるが、これに限らず、第1球冠部102及び第2球冠部103の少なくともいずれか一方にカメラ104を備えればよい。本態様では、ロボット1は、第1球冠部102にマイク215を備えるが、これに限らず、メイン筐体101、第1球冠部102及び第2球冠部103のいずれかにマイク215を備えればよい。
図3Aは、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の内部斜視図である。図3Bは、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の第1アーム109及び第2アーム110を示す内部平面図である。
図3Aに示すように、ロボット1は、メイン筐体101の内部に、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107を備える。第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、固定板金108に備え付けられている。図3Bに示すように、固定板金108は、第1アーム109及び第2アーム110を介してシャフト112に取り付けられている。第1アーム109及び第2アーム110は、シャフト112と直交する方向にシャフト112から延びるようにしてシャフト112に取り付けられている。第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、例えば、複数の発光ダイオードにより構成される。第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、ロボット1の表情の表示情報を表示する。具体的には、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、前記複数の発光ダイオードの点灯を個別に制御することにより、図2A及び図2Bに示すように、ロボット1の顔の一部、例えば、目や口を表示する。図3Aの例では、第1表示部105が左目の画像を表示し、第2表示部106が右目の画像を表示し、第3表示部107が口の画像を表示している。そして、左目、右目、口の画像は、透明又は半透明の部材からなるメイン筐体101を透過し、外部に放射されている。
図3Aに示すように、ロボット1は、メイン筐体101の内部の下方に重り111を備える。このため、ロボット1の重心は、メイン筐体101の中心から下方に位置する。これにより、ロボット1の動作を安定させることができる。重り111を駆動する重り駆動機構211(図15)、及び重り駆動機構211(図15)の動作の詳細は後述する。
次に、第1球冠部102及び第2球冠部103を回転させるシャフト駆動機構207(図15)について図4、図5A及び図5Bを参照して説明する。図4は、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の第1球冠部102及び第2球冠部103を回転させるシャフト駆動機構207(図15)、及びメイン筐体を回転させる筐体駆動機構209(図15)を示す図である。図5Aは、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の第1球冠部102及び第2球冠部103の連結状態を示す内部斜視図である。図5Bは、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の第1球冠部102及び第2球冠部103の連結状態を示す内部正面図である。
図4において、シャフト駆動機構207(図15)は、メイン筐体101の内部に設けられ第1球冠部102及び第2球冠部103を連結するシャフト112、シャフト112に取り付けられた第1ギア122(図8)、第1ギア122(図8)に取り付けられた駆動ベルト113(図8)、駆動ベルト113に動力を伝達する第2ギア123(図8)、第2ギア123(図8)に連結された第1モータ114、及び、第1モータ114を固定するフレーム115を備える。シャフト112は、フレーム115に対して回転自由な状態で取り付けられている。
図5A及び図5Bにおいて、第1球冠部102及び第2球冠部103はシャフト112によって連結されている。一方、図5Bにおいて、シャフト112とメイン筐体101とは固定されていない。従って、シャフト112を回転させると、シャフト112に連結された第1球冠部102及び第2球冠部103は、シャフト112に同期して回転するが、メイン筐体101は回転しない。また、シャフト112は、フレーム115(図4)に対して回転自由な状態で取り付けられているので、シャフト112を回転させてもフレーム115(図4)は回転しない。つまり、メイン筐体101が回転してもシャフト112及びフレーム115(図4)は回転しない。また、フレーム115(図4)は、メイン筐体101及びシャフト112が回転しても、これに連動して回転せず、自重によって姿勢を維持する。また、上述のように、固定板金108(図3)は、第1アーム109及び第2アーム110を介してシャフト112に取り付けられている。このため、シャフト112の回転、即ち、第1球冠部102及び第2球冠部103の回転により、固定板金108に備え付けられた第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107も第1球冠部102及び第2球冠部103に連動して回転する。シャフト駆動機構207(図15)の動作の詳細は、後述する。
次に、メイン筐体101を回転させる筐体駆動機構209(図15)について図4を参照して説明する。図4において、筐体駆動機構209(図15)は、メイン筐体101に固定された第3ギア116、第3ギア116と噛み合う第4ギア117、第4ギア117に連結された第2モータ118、及び第2モータ118を固定するフレーム115を備え、上述のシャフト駆動機構207(図15)とは独立した構成となっている。尚、本態様においては、第3ギア116の中心とシャフト112の中心とは一致している。筐体駆動機構209(図15)の動作の詳細は、後述する。
次に、重り駆動機構211(図15)について図6及び図7を参照して説明する。図6は、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の重り駆動機構211(図15)を示す図である。図7は、図6における、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1のAA断面図である。図6及び図7に示すように、重り駆動機構211(図15)は、重り111の一端を支持する第3アーム119、重り111の他端を支持する第4アーム120、第3モータ121、及び従動シャフト139を備える。従動シャフト139及び第3モータ121の回転軸140は、シャフト112と直交するようにして、フレーム115に対して回転自由な状態で取り付けられている。従動シャフト139は、第3アーム119の重り111を支持しない側の一端と連結されている。第3モータ121の回転軸140は、第4アーム120の重り111を支持しない側の一端と連結されている。なお、本態様においては、第3モータ121の回転軸140は、フレーム115に対して回転自由な状態で取り付けられている。従って、第3モータ121の回転軸140が回転しても、それに連動してフレーム115は回転しない。重り駆動機構211(図15)の動作の詳細は、後述する。
ロボット1は、制御回路201(図15)と図略の電源及び充電器とをさらに備える。制御回路201は、ロボット1の各種動作を制御する。制御回路201の詳細は、後述する。
ロボット1は、前記充電器により充電される。前記電源は、ロボット1の図略の電源制御部及び前記充電器の充電制御部の制御によって蓄えられる電力を管理する。
次に、シャフト駆動機構207(図15)の動作の詳細について図8から図10を参照して説明する。
図8は、図6のC視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1のシャフト駆動機構207(図15)を示す側面図である。図9は、図6のC視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107が前方に傾いた状態を示す側面図である。図10は、図6のC視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107が後方に傾いた状態を示す側面図である。
図8において、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、デフォルト位置において、ロボット1の正面を向いている。第1モータ114(図4)を駆動すると、第1モータ114に連結された第2ギア123が回転する。その動力が駆動ベルト113を介して第1ギア122に伝達され、第1ギア122が固定されたシャフト112は第1モータ114の駆動に同期して回転する。ここで、図3に示すように、固定板金108は、第1アーム109及び第2アーム110を介してシャフト112に取り付けられている。また、第1球冠部102及び第2球冠部103はシャフト112により連結されている(図5A及び図5B)。このため、シャフト112の回転、即ち、第1球冠部102(図5B)及び第2球冠部103(図5B)の回転により、固定板金108(図3)に備え付けられた第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107もシャフト112に連動して回転する。
図9に示すように、前記デフォルト位置から、矢印124及び矢印125に示す方向にシャフト112を回転させると、第1表示部105、第2表示部106(図2)及び第3表示部107は、矢印126が示すように前方に傾く。
一方、図10に示すように、前記デフォルト位置から、矢印127及び矢印128に示す方向にシャフト112を回転させると、第1表示部105、第2表示部106(図2)及び第3表示部107は、矢印129が示すように後方に傾く。
以上のように、ロボット1は、シャフト駆動機構207においてシャフト112の回転方向、即ち、第1球冠部102及び第2球冠部103の回転方向を切り替えることにより、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107を前方及び後方のいずれの方向にも傾けることができる。従って、第1球冠部102及び第2球冠部103の回転方向を切り替えると、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、矢印126が示す前方または矢印129が示す後方に傾く往復移動を行う。即ち、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、上下方向に往復移動する。
上述のように、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、ロボット1の顔の一部、例えば、目や口を表す。従って、第1球冠部102及び第2球冠部103の回転方向を切り替えて、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107を上下方向に往復移動させることにより、例えば、ロボット1が息切れしている状態又は眠い状態を表現することができる。この制御を、例えば、前記電源の電力残量が所定値以下になった場合に行えば、ロボット1は、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107に前記顔とは無関係な電力残量に関する情報を表示することなく、前記電源の電力残量が少なくなっていることをユーザに違和感なく伝えることができる。
次に筐体駆動機構209(図15)の動作の詳細について図11から図12を参照して説明する。
図11は、図6のB視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の筐体駆動機構209(図15)を示す側面図である。図12は、図6のB視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボットの直進動作を表す側面図である。図6のB視は、右方から左方に向けてロボット1を見た方向を指す。
図11において、第2モータ118(図4)を駆動すると、第2モータ118に連結された第4ギア117が回転する。そして、その動力が第4ギア117に噛み合う第3ギア116に伝達される。これにより、第3ギア116が固定されたメイン筐体101は第2モータ118の駆動に同期して回転する。
図12に示すように、第2モータ118(図4)を矢印130の方向に回転させると、第4ギア117に噛み合う第3ギア116は矢印131の方向に回転する。そして、第3ギア116が固定されたメイン筐体101は矢印132の方向に回転する。これにより、ロボット1は、矢印137方向に前進する。また、矢印130とは逆方向に第2モータ118を回転させると、ロボット1は矢印137方向とは逆方向に後進する。このように、ロボット1は、筐体駆動機構209(図15)において第2モータ118の回転方向を切り替えることにより、前後のいずれの方向にも移動できる。
次に重り駆動機構211(図15)の動作の詳細について図13Aから図13Cを参照して説明する。
図13Aは、図3AのA視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の重り111が中央に位置しているときのロボット1の姿勢を示す正面図である。図13Bは、図3AのA視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の重り111が左方寄りに位置しているときのロボット1の姿勢を示す正面図である。図13Cは、図3AのA視における、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の重り111が右方寄りに位置しているときのロボット1の姿勢を示す正面図である。図3AのA視は、前方から後方に向けてロボット1を見た方向を示す。
上述のように、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、デフォルト位置において、ロボット1の正面を向いている(図8参照)。即ち、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107(図3A)は傾いていない。この場合、図13Aに示すように、図3AのA視において、第3アーム119とシャフト112とが直交した状態にあり、重り111は、左右方向の中央に位置している。
図13Bに示すように、第3モータ121(図7)を駆動することにより、重り111を中央位置からから矢印133が示す左方に移動させると、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107(図3A)は矢印134が示す左方に傾く。これとは逆方向に第3モータ121を駆動することにより、図13Cに示すように、重り111を中央位置からから矢印135が示す右方に移動させると、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107(図3A)は矢印136が示す右方に傾く。
以上のように、重り駆動機構211において第3モータ121の回転方向を切り替えることにより、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107を左方及び右方のいずれの方向にも傾けることができる。従って、第3モータ121の回転方向を切り替えると、ロボット1は、矢印134が示す左方または矢印136が示す右方に傾く往復動作を行う。即ち、ロボット1は所定の角度において左右方向に回転する。
上述のように、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107は、ロボット1の顔の一部、例えば、目や口を表す。従って、重り111を用いてロボット1に右方または左方に傾く往復運動をさせることにより、例えば、ロボット1の機嫌がよい状態を表現し又はロボット1が考え中であることを表現できる。
ここで、重り111を用いてロボット1が走行方向を転換する方法について説明する。本態様において、メイン筐体101を回転させる筐体駆動機構209は、単独では、前記メイン筐体101を走行方向に前進または後進させる役割しか果たさない。そのため、前記メイン筐体101の走行方向を右方に切り替え又は左方に切り替えることは、筐体駆動機構209のみでは実現できない。そこで、ロボット1は、前記メイン筐体101の走行方向を右方に切り替えまたは左方に切り替えるために、重り111を用いている。即ち、ロボット1は、筐体駆動機構209による前進動作又は後進動作、及び、重り駆動機構211によるロボット1を左方又は右方に傾ける動作を組み合わせることにより、方向転換を行う。具体的には、重り駆動機構211により、重り111を中央位置(図13A)から左方(図13B)又は右方(図13C)に移動させると、ロボット1の重心位置は中央位置からずれる。この状態で上述の筐体駆動機構209による前進動作を行えば、ロボット1は、直進しつつ徐々に重り111を移動させた方向に弧を描きつつ前進する。即ち、ロボット1は、左方又は右方に曲がりながら前進することにより、方向転換できる。このように、重り駆動機構211はロボット1の方向転換にも用いられる。
次に、図14を参照しつつ、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1が適用されたロボットシステム1500の全体構成の一例について説明する。図14は、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1が適用されたロボットシステム1500の全体構成の一例を示す図である。ロボットシステム1500は、クラウドサーバ3、携帯端末4、及びロボット1を備える。ロボット1は例えばWifi(登録商標)の通信を介してインターネットと接続し、クラウドサーバ3と接続する。また、ロボット1は例えばWifi(登録商標)の通信を介して携帯端末4と接続する。ユーザ1501は例えば、子供であり、ユーザ1502,1503は、例えば、その子供の両親である。
携帯端末4は、例えば、ロボット1と連携するアプリケーションがインストールされている。携帯端末4は、アプリケーションを通じて、ユーザ1501〜1503からロボット1に対する種々の指示を受け付け、当該受け付けた指示をロボット1に行うことができる。
ロボット1は、例えば、携帯端末4からある絵本を子供に読み聞かせる指示があったとすると、その絵本の朗読を開始し、子供に読み聞かせる。ロボット1は、例えば、絵本の読み聞かせ中に子供から何らかの質問を受け付けると、その質問をクラウドサーバ3に送り、その質問に対する回答をクラウドサーバ3から受信し、回答を示す音声を発話する。
このように、ユーザ1501〜1503は、ロボット1をペットのように取り扱い、ロボット1との触れ合いを通じて、言語学習をすることができる。以降、ユーザ1501〜1503を総称する場合、ユーザ1501と記載する。
次に、図15を参照しつつ、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1の内部回路の詳細について説明する。図15は、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1を示すブロック図である。
図15に示すように、ロボット1は、制御回路201、表示部206、シャフト駆動機構207、シャフト駆動機構制御部208、筐体駆動機構209、筐体駆動機構制御部210、重り駆動機構211、重り駆動機構制御部212、加速度センサー214、マイク215、スピーカ218、カメラ104及び通信部220を備える。
制御回路201は、メモリ213と、CPU等のプロセッサで構成された主制御部202と、表示情報出力制御部205と、時刻を計時する図略のタイマー等を含むコンピュータで構成されている。制御回路201は、フレーム115(図13A)の内部に取り付けられている。
メモリ213は、例えば、不揮発性の書き換え可能な記憶装置で構成され、ロボット1の制御プログラムなどを記憶する。
主制御部202は、メモリ213に記憶されているロボット1の制御プログラムを実行する。これにより、主制御部202は、走行状態判定部21、坂面検出部22、及び表情角度調整部23として機能する。
加速度センサー214は、フレーム115(図4)の内部に取り付けられている。加速度センサー214は、重力方向に平行な方向(図13Aに示すZ軸に平行な方向)、メイン筐体101の走行面に平行なメイン筐体101の走行方向を、重力方向に直交する水平面に射影した方向(図13Aに示すY軸に平行な方向(図13Aの紙面表裏方向))、及び前記2方向に直交する方向(図13Aに示すZ軸及びY軸に直交するX軸に平行な方向)の3方向の加速度を検知する。加速度センサー214は、検知した3方向の加速度を主制御部202へ出力する。
尚、図4及び図5Bにおいて説明したように、フレーム115(図4)は、メイン筐体101(図5B)及びシャフト112(図5B)が回転したとしても、これに連動して回転せず、自重によって姿勢を維持する。このため、フレーム115(図4)の内部に取り付けられた加速度センサー214は、メイン筐体101(図5B)及びシャフト112(図5B)が回転したとしても、常に上記3方向の加速度を検知する。
以降、メイン筐体101の走行面に平行なメイン筐体101の走行方向を、メイン筐体101の走行方向と記載する。メイン筐体101の走行方向を重力方向に直交する水平面に射影した方向は、重力方向に直交するメイン筐体101の走行方向に相当する。
また、以降、重力方向に平行な方向を上下方向又はZ方向と記載する。メイン筐体101の走行方向を重力方向に直交する水平面に射影した方向を前後方向又はY方向と記載する。上下方向(Z方向)及び前後方向(Y方向)に直交する方向を左右方向又はX方向と記載する。また、上下方向における上方(図13Aに示すZ軸における上方向)を+Z方向と記載し、下方(前記Z軸における下方向)を−Z方向と記載する。前後方向における前方(図13Aに示すY軸における図13Aの紙面の表面に向かう方向)を+Y方向と記載し、後方(図13Aに示すY軸における図13Aの紙面の裏面に向かう方向)を−Y方向と記載する。左右方向における左方(図13Aに示すX軸における左方向)を+X方向と記載し、右方(図13Aに示すX軸における右方向)を−X方向と記載する。
マイク215は、音を電気信号に変換し、主制御部202に出力する。主制御部202は、マイク215での取得音声からユーザ1501の音声の有無を認識し、音声認識結果をメモリ213に蓄積することで、音声認識結果を管理する。主制御部202は、メモリ213に格納された音声認識用データと、取得音声とを照合し、発話内容及び発話したユーザ1501を認識する。
スピーカ218は、音声の電気信号を物理振動に変換する。主制御部202は、所定の音声をスピーカ218から出力することで、ロボット1に発話させる。
カメラ104は、上述のように、メイン筐体101とは独立して駆動する第1球冠部102及び第2球冠部103の少なくともいずれか一方に設けられている。このため、カメラ104の撮像方向は、シャフト駆動機構207によって第1球冠部102及び第2球冠部103を回転させることで、第1球冠部102及び第2球冠部103に連動して回転する第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107と同じ方向に向けることができる。これにより、カメラ104は、第1表示部105、第2表示部106及び第3表示部107が存在するロボット1の前方(Y方向)を撮影できる。カメラ104は、撮像した画像(以降、撮像画像)を主制御部202に出力する。主制御部202は、カメラ104から取得した撮像画像からユーザの顔の有無、位置、及び大きさを認識し、顔認識結果をメモリ213に蓄積することで、顔認識結果を管理する。
主制御部202は、音声認識結果や顔認識結果に基づきコマンドを生成し、表示情報出力制御部205、シャフト駆動機構制御部208、筐体駆動機構制御部210、重り駆動機構制御部212、及び通信部220等に送信する。前記コマンドの詳細は後述する。
表示情報出力制御部205は、主制御部202から送信されるコマンドに応じたロボット1の表情の表示情報を表示部206に表示する。表示部206は、図3Aにおいて説明した第1表示部105、第2表示部106、及び、第3表示部107により構成される。
シャフト駆動機構制御部208は、主制御部202から送信されるコマンドに応じて、ロボット1のシャフト駆動機構207を動作させる。シャフト駆動機構207は、図4において説明したシャフト112、第1ギア122(図8)、駆動ベルト113、第2ギア123(図8)、第1モータ114、及び、フレーム115により構成される。シャフト駆動機構制御部208及びシャフト駆動機構207は、第1駆動機構の一例に相当する。
筐体駆動機構制御部210は、主制御部202から送信されるコマンドに応じて、ロボット1の筐体駆動機構209を動作させる。筐体駆動機構209は、図4において説明した、第3ギア116、第4ギア117、第2モータ118、及びフレーム115により構成される。筐体駆動機構制御部210及び筐体駆動機構209は、第2駆動機構の一例に相当する。
重り駆動機構制御部212は、主制御部202から送信されるコマンドに応じて、ロボット1の重り駆動機構211を動作させる。重り駆動機構211は、図6及び図7において説明した、第3アーム119、第4アーム120、第3モータ121、及び従動シャフト139により構成される。
通信部220は、ロボット1をクラウドサーバ3(図14)に接続させるための通信装置で構成される。通信部220としては、例えば、Wifi(登録商標)等の無線LANの通信装置が採用できるがこれは一例である。通信部220は、主制御部202から送信されるコマンドに応じてクラウドサーバ3と通信を行う。
(表情角度制御処理の概要)
次に、本開示の第1の実施の形態に係るロボット1における表情角度制御処理の概要について図16A、図16B、図16C、図17A、図17B、及び図18を用いて説明する。表情角度制御処理とは、メイン筐体101が斜面を走行していると判断した場合に、表示部206が向いている方向を、メイン筐体101の走行方向と一致するように制御する処理である。
図16Aは、メイン筐体101が水平面を一定の目標速度Vdで走行する場合のY方向及びZ方向の走行速度Vy、Vzを示す図である。図16Bは、メイン筐体101が上り斜面を一定の目標速度Vdで走行する場合のY方向及びZ方向の走行速度Vy、Vzを示す図である。図16Cは、メイン筐体101が下り斜面を一定の目標速度Vdで走行する場合のY方向及びZ方向の走行速度Vy、Vzを示す図である。図17Aは、メイン筐体101が上り斜面を走行する場合に加速度センサー214が出力するY方向及びZ方向の加速度Ay、Azの時間的な推移の一例を示す図である。図17Bは、メイン筐体101が下り斜面を走行する場合に加速度センサー214が出力するY方向及びZ方向の加速度Ay、Azの時間的な推移の一例を示す図である。図18は、メイン筐体101が走行する走行面の傾斜角度の時間的な推移と、Z方向の加速度Azから重力成分「−g」を除去した値A’z及びその累積値Rzの時間的な推移と、の関係の一例を示す図である。
停止状態にあるロボット1のメイン筐体101を一定速度で回転するように定速制御することで、メイン筐体101を水平面で走行させた後、上り斜面で走行させたとする。この場合、加速度センサー214(図15)が出力するY方向の加速度Ay及びZ方向の加速度Azは、図17Aの波形Wy1、Wz1に示すように変化する。尚、上述のように、加速度センサー214(図15)は、メイン筐体101及びシャフト112(図4)の回転によらずに姿勢を維持するフレーム115(図4)の内部に取り付けられている。このため、加速度センサー214(図15)は、メイン筐体101を水平面、上り斜面、及び下り斜面の何れで走行させたとしても、常に同じ3方向(Z方向、Y方向及びX方向)の加速度を出力する。
先ず、ロボット1が停止状態にある場合、加速度Ay、Azは、ロボット1の周囲に存在する人物の動作等によるメイン筐体101の走行面の振動の影響を受ける。このため、図17Aの期間「停止」の波形Wy1、Wz1に示すように、加速度Ayは0に近い値で僅かに変動し、加速度Azは、重力加速度の値(「−g」)に近い値で僅かに変動する。尚、重力加速度の向きは−Z方向(下方)であるので、重力加速度の値にマイナスの符号を付けている。以降、重力加速度の値を重力成分「−g」と記載する。
メイン筐体101が回転を開始し、水平面に沿って、重力方向と直交する水平方向へ移動するようになると、メイン筐体101の走行方向の速度V(以降、走行速度V)は、0から次第に上昇して、図16Aに示すように、やがて、目標速度Vdに安定する(V=Vd)。
この場合、メイン筐体101の走行方向とY方向とが平行であるので、メイン筐体101のY方向の走行速度Vyは、走行速度Vと同様、0から次第に上昇して、やがて目標速度Vdに安定する(Vy=Vd)。一方、メイン筐体101の走行方向は、水平面上のゴミにメイン筐体101が乗り上げたとき等を除いてZ方向には略変化しないので、メイン筐体101のZ方向の走行速度Vzは、0に近い値のまま、略変動しない(Vz=0)。
このため、加速度Ayは、図17Aの期間「平面走行開始」及び期間「平面安定走行」の波形Wy1に示すように、メイン筐体101が水平面の走行を開始した当初に暫く増大した後、0に近い値に収束する。加速度Azは、期間「平面走行開始」及び期間「平面安定走行」の波形Wz1に示すように、重力成分「−g」に近い値のまま、略変動しない。
その後、メイン筐体101が上り斜面を走行するようになると、斜面を登り始めるときの負荷により、メイン筐体101の走行が抑制される。これに起因して、走行速度Vは、水平面の走行時の目標速度Vdから一旦大きく低下する。しかし、定速制御を行っているので、走行速度Vは、その後次第に上昇して、図16Bに示すように、やがて目標速度Vdに安定する(V=Vd)。
この場合、メイン筐体101の走行面が上方(+Z方向)へ傾斜した角度(以降、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θ)をθdとすると、走行速度Vyは、水平面走行時の目標速度Vdから一旦大きく低下した後、次第に上昇して、やがて目標速度Vdとcosθdとの積で表される速度に安定する(Vy=Vdcosθd)。一方、メイン筐体101は、水平面を走行後、上り斜面に沿って次第に+Z方向(上方)へ移動するので、走行速度Vzは、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θが0からθdまで上昇することに応じて0から次第に上昇し、図16Bに示すように、やがて目標速度Vdとsinθdとの積で表される速度に安定する(Vz=Vdsinθd)。
このため、加速度Ayは、図17Aの期間「上り斜面走行開始」及び期間「上り斜面安定走行」の波形Wy1に示すように、メイン筐体101が上り斜面の走行を開始した当初に0から−Y方向に大きく低下した後、+Y方向に次第に増大して、やがて0に近い値に収束する。つまり、加速度Aynはマイナスの値(−Y方向)を示す。一方、加速度Azは、図17Aの期間「上り斜面走行開始」及び期間「上り斜面安定走行」の波形Wz1に示すように、メイン筐体101が上り斜面の走行を開始した当初に示す重力成分「−g」から+Z方向に次第に増大して、やがて重力成分「−g」に近い値に収束する。つまり、加速度Azから重力成分「−g」を除去した値(=Az−(−g))は、プラスの値(+Z方向)を示す。
上記とは反対に、停止状態にあるロボット1のメイン筐体101を一定速度で回転するように定速制御することで、メイン筐体101を水平面で走行させた後、下り斜面で走行させたとする。この場合、加速度Ay及び加速度Azは、図17Bの波形Wy2、Wz2に示すように変化する。
つまり、メイン筐体101が下り斜面を走行するようになると、斜面を下り始めるときにメイン筐体101にかかる負荷が軽減される。これに起因して、走行速度Vは、上り斜面を走行する場合とは反対に、水平面の走行時の目標速度Vdから一旦大きく上昇する。しかし、定速制御を行っているので、走行速度Vは、その後次第に減少して、図16Cに示すように、やがて目標速度Vdに安定する(V=Vd)。
この場合、走行速度Vyは、上り斜面を走行する場合とは反対に、目標速度Vdから一旦大きく上昇した後、次第に低下して、やがて目標速度Vdとcos(−θd)との積で表される速度に安定する(Vy=Vdcosθd)。一方、走行速度Vzは、上り斜面を走行する場合とは反対に、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θが0から−θdまで減少することに応じて0から次第に減少し、図16Cに示すように、やがて目標速度Vdとsin(−θd)との積で表される速度に安定する(Vz=−Vdsinθd)。
このため、図17Bの波形Wy2、Wz2に示すように、期間「下り斜面走行開始」及び期間「下り斜面安定走行」において、加速度Ay、Azは、図17Aの期間「上り斜面走行開始」及び期間「上り斜面安定走行」の波形Wy1、Wz1とは反対の波形を示すように変化する。つまり、加速度Ayは、図17Bの期間「下り斜面走行開始」及び期間「下り斜面安定走行」の波形Wy2に示すように、メイン筐体101が下り斜面の走行を開始した当初に0から+Y方向に大きく増大した後、−Y方向に次第に低下して、やがて0に近い値に収束する。つまり、加速度Aynはプラスの値(+Y方向)を示す。一方、加速度Azは、図17Bの期間「下り斜面走行開始」及び期間「下り斜面安定走行」の波形Wz2に示すように、メイン筐体101が下り斜面の走行を開始した当初に示す重力成分「−g」から−Z方向に次第に低下して、やがて重力成分「−g」に近い値に収束する。つまり、加速度Azから重力成分「−g」を除去した値(=Az−(−g))は、マイナスの値(−Z方向)を示す。
よって、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θの時間的な推移と、加速度Azから重力成分「−g」を除去した値及びその累積値の時間的な推移と、の関係は、図18に示すようになる。
図18のセクション(A)は、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θの時間的な推移の一例を示している。図18のセクション(A)において、波形Wuは、メイン筐体101が水平面から上り斜面を走行するときの傾斜角度θの時間的な推移の一例を示し、波形Wdは、メイン筐体101が水平面から下り斜面を走行するときの傾斜角度θの時間的な推移の一例を示している。
図18のセクション(B)は、加速度Azから重力成分「−g」を除去した値A’z(以降、加速度A’z)の時間的な推移の一例を示している。図18のセクション(B)において、波形Wz11は、メイン筐体101がセクション(A)の波形Wuが示す傾斜角度θの走行面を走行する場合の加速度A’zの時間的な推移を示している。波形Wz12は、メイン筐体101がセクション(A)の波形Wdが示す傾斜角度θの走行面を走行する場合の加速度A’zの時間的な推移を示している。
図18のセクション(C)は、加速度A’zの累積値(以降、累積値Rz)の時間的な推移を示している。図18のセクション(C)において、波形Wz13は、波形Wz11が示す加速度A’zの累積値Rzの時間的な推移を示し、波形Wz14は、波形Wz12が示す加速度A’zの累積値Rzの時間的な推移を示している。
図18において、時刻t0から時刻t1までの期間は、セクション(A)の波形Wu、Wdに示すように、傾斜角度θは略0であり、メイン筐体101が停止している期間及びメイン筐体101が水平面を走行している期間を示している。この期間は、図17A及び図17Bにおける期間「停止」、期間「平面走行開始」及び期間「平面安定走行」に相当する。この期間では、上述のように、加速度Azは、重力成分「−g」に近い値で僅かに変動するため、加速度A’z及びその累積値Rzは、セクション(B)の波形Wz11及びセクション(C)の波形Wz13に示すように、略0に近い値で変動する。
時刻t1から時刻t2までの期間は、セクション(A)の波形Wu、Wdに示すように、傾斜角度θが0から次第に増大又は減少しており、メイン筐体101が斜面を走行し始めてから一定の目標速度Vd(図16B、図16C)で走行するまでの過渡期間を示している。この過渡期間は、図17A及び図17Bにおける期間「上り斜面走行開始」又は期間「下り斜面走行開始」に相当する。この過渡期間では、上述のように、加速度Azは重力成分「−g」から次第に増大又は減少した後、重力成分「−g」に近い値に収束する。
このため、メイン筐体101が上り斜面を走行する場合の前記過渡期間において、加速度A’zは、波形Wz11に示すように0から暫く増大した後、0に近い値に収束し、加速度A’zの累積値Rzは、波形Wz13に示すように、所定の正(プラス)の第1閾値TH1(第1閾値の一例)を+Z方向(上方)側に超える(Rz>TH1)。一方、メイン筐体101が下り斜面を走行する場合の前記過渡期間において、加速度A’zは、波形Wz12に示すように0から暫く減少した後、0に近い値に収束し、加速度A’zの累積値Rzは、波形Wz14に示すように、所定の負(マイナス)の第2閾値TH2(第1閾値の一例)を−Z方向(下方)側に超える(Rz<TH2)。
尚、メイン筐体101が水平面を走行中に水平面上のゴミに乗り上げたり、メイン筐体101が水平面上における凹凸した箇所を走行した場合にも、加速度A’zは、一時的に0よりも大きく増大又は減少する。ただし、この場合、加速度A’zの変化は一時的なものであるので、当該一時的な期間において、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超える(Rz>TH1)又は第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超える(Rz<TH2)ことはない。
時刻t2以降は、波形Wu、Wdに示すように、傾斜角度θが略一定であり、メイン筐体101が斜面を一定の目標速度Vd(図16B、図16C)で走行していることを示している。つまり、時刻t2以降は、図17A及び図17Bの期間「上り斜面安定走行」又は期間「下り斜面安定走行」に相当する。時刻t2以降では、加速度Azは重力成分「−g」に近い値で安定する。このため、時刻t2以降において、加速度A’zは、波形Wz11、Wz12に示すように略0に近い値で変動し、加速度A’zの累積値Rzは、波形Wz13、Wz14に示すように、時刻t2における累積値Rzに近い値で変動する。
以上のことから、表情角度制御処理では、ある所定期間(以下、所定期間Td)において加速度A’zの累積値Rz(第1加速度の累積値の一例)が第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えた場合(Rz>TH1)、メイン筐体101の走行面が上方へ傾斜したと判断し、メイン筐体101が斜面を走行していると判断する。また、表情角度制御処理では、所定期間Tdにおいて累積値Rzが閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えた場合(Rz<TH2)、メイン筐体101の走行面が下方へ傾斜したと判断し、メイン筐体101が斜面を走行していると判断する。
そして、表情角度制御処理では、メイン筐体101が斜面を走行していると判断した場合、所定期間Tdにおける加速度A’zの積算値及び加速度Ayの積算値に基づき、メイン筐体101が走行する走行面の傾斜角度θを判断し、表示部206が向いている方向を、当該傾斜角度θによって表されるメイン筐体101の走行方向に一致させる。
(表情角度制御処理の詳細)
以下、表情角度制御処理の詳細について説明する。図19は、第1の実施の形態における表情角度制御処理の詳細を示すフローチャートである。主制御部202は、メイン筐体101を回転させてメイン筐体101の走行を開始したときに表情角度制御処理を開始する。図19に示すように、表情角度制御処理が開始されると、走行状態判定部21(図15)は、計測回数nを1に設定する(S101)。ここで、計測回数nは、所定期間Tdにおいて加速度Ay、A’zを取得した回数を示すパラメータである。
次に、走行状態判定部21は、加速度センサー214(図15)が3方向の各加速度を出力すると、Y方向の加速度Ayと、Z方向の加速度Azと、を取得する。更に、走行状態判定部21は、加速度Azから重量成分「−g」を除去した値である加速度A’z(A’=Az−(−g))を取得する(S102)。以降、走行状態判定部21(図15)が、所定期間Tdにおいて計測回数nが示すn回目に取得した加速度Ay及び加速度A’zを、加速度Ayn及び加速度A’znと記載する。
次に、坂面検出部22(図15)は、Y方向の走行速度Vyの変化量を示す速度変化量ΔVynと、Z方向の走行速度Vzの変化量を示す速度変化量ΔVznと、を算出する(S103)。
具体的には、坂面検出部22は、S103において、加速度センサー214(図15)が3方向の各加速度を出力する周期(以降、サンプリング周期ΔT)とS102で取得された加速度Aynとの積(=ΔT×Ayn)で表される、サンプリング周期ΔTにおける加速度Aynの積算値(第2加速度の積算値の一例)を速度変化量ΔVyn(第2速度変化量の一例)として算出する。これと同様に、坂面検出部22は、S103において、サンプリング周期ΔTとS102で取得された加速度A’znとの積(=ΔT×A’zn)で表される、サンプリング周期ΔTにおける加速度A’znの積算値(第1加速度の積算値の一例)を速度変化量ΔVzn(第1速度変化量の一例)として算出する。
次に、走行状態判定部21は、S102で取得した加速度A’znを用いて所定期間Tdにおける加速度A’zの累積値Rzを更新する(Rz=Rz+A’zn)(S104)。尚、加速度A’zの累積値Rzの初期値は0である。
次に、走行状態判定部21は、計測時間Tが所定期間Tdを超えているか否かを判断する(S105)。計測時間Tとは、計測回数nが1のときにS102で加速度Ay、A’zを取得した時点からの経過時間である。
走行状態判定部21は、計測時間Tが所定期間Tdを超えていないと判断した場合(S105;NO)、計測回数nに1を加算することで、計測回数nを更新し(n=n+1)(S110)、処理をS102に戻す。その後は、S102以降の処理が行われる。
一方、走行状態判定部21は、計測時間Tが所定期間Tdを超えていると判断した場合(S105;YES)、S104で算出した加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1(図18)を+Z方向(上方)側に超えている(Rz>TH1)、又は、S104で算出した加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2(図18)を−Z方向(下方)側に超えている(Rz<TH2)か否かを判断する(S106)。
以上の処理により、走行状態判定部21は、所定期間Tdが経過する度に、当該経過した所定期間Tdにおいて、図18の時刻t1から時刻t2の期間のように、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えている(Rz>TH1)、又は、当該所定期間Tdにおいて加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えている(Rz<TH2)か否かを判断する。このようにして、走行状態判定部21は、所定期間Tdが経過する度に、各所定期間Tdにおいてメイン筐体101の走行面が上方又は下方へ傾斜したか否かを判断することで、メイン筐体101が斜面を走行しているか否かを判断する。
S106において、走行状態判定部21は、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えていない(Rz≦TH1)と判断し、且つ、加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えていない(Rz≧TH2)と判断したとする(S106;NO)。この場合、走行状態判定部21は、今回の所定期間Tdにおいて、メイン筐体101の走行面が上方及び下方の何れにも傾斜していないと判断し、メイン筐体101が斜面を走行していないと判断する。今回の所定期間Tdとは、今回の計測時間Tが0から所定期間Tdを超えるまでの期間である。この場合、走行状態判定部21は、加速度A’zの累積値Rzを0にリセットし、且つ、計測回数nを1にリセットして(S109)、処理をS102に戻す。その後は、S102以降の処理が行われる。これにより、走行状態判定部21は、次の所定期間Tdにおける加速度A’zの累積値Rzに基づいて、メイン筐体101が斜面を走行しているか否かを判断する。
一方、S106において、走行状態判定部21は、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えている(Rz>TH1)と判断した場合(S106;YES)、今回の所定期間Tdにおいてメイン筐体101の走行面が上方に傾斜したと判断し、メイン筐体101が斜面を走行していると判断する。また、S106において、走行状態判定部21は、加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えている(Rz<TH2)と判断した場合(S106;YES)、今回の所定期間Tdにおいてメイン筐体101の走行面が下方に傾斜したと判断し、メイン筐体101が斜面を走行していると判断する。これらの場合、坂面検出部22(図15)は、S103で算出した各速度変化量ΔVyn、ΔVznに基づき、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θを判断する(S107)。
以下、S107について詳述する。図20Aは、図19のS107において各速度変化量ΔVyn、ΔVznに基づき走行面が上方に傾斜した角度を判断する方法の一例を示す図である。図20Bは、図19のS107において各速度変化量ΔVyn、ΔVznに基づき走行面が下方に傾斜した角度を判断する方法の一例を示す図である。
S106において、走行状態判定部21が、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えている(Rz>TH1)と判断し(S106;YES)、今回の所定期間Tdにおいてメイン筐体101の走行面が上方に傾斜したと判断したとする。つまり、今回の所定期間Tdが図17Aの期間「上り斜面走行開始」に相当する、メイン筐体101の走行面が上方へ傾斜する過渡期間であるとする。
この場合、図17Aにおいて説明したように、当該過渡期間において取得された各加速度Aynはマイナスの値(−Y方向)を示す。このため、当該所定期間Tdにおいて、サンプリング周期ΔTと各加速度Aynとの積で表される各速度変化量ΔVyn(ΔVyn=ΔT×Ayn)はマイナスの値(−Y方向)を示す。一方、図17Aにおいて説明したように、当該過渡期間において取得された各加速度A’znは、プラスの値(+Z方向)を示す。このため、当該過渡期間において、サンプリング周期ΔTと各加速度A’znとの積で表される各速度変化量ΔVzn(ΔVzn=ΔT×(Azn−(−g)))はプラスの値(+Z方向)を示す。
そこで、S107において、坂面検出部22は、所定期間TdにおいてS103で算出された各速度変化量ΔVyn、ΔVznを参照する。そして、坂面検出部22は、参照した速度変化量ΔVynがマイナスの値を示し、参照した速度変化量ΔVznがプラスの値を示す場合は、今回の所定期間Tdが図17Aの期間「上り斜面走行開始」に相当する、メイン筐体101の走行面が上方へ傾斜する過渡期間であると判断する。
この場合、坂面検出部22は、図20Aに示すように、参照した速度変化量ΔVynを示すベクトルと参照した速度変化量ΔVznを示すベクトルとを合成したベクトルΔVnと、Y方向とが、Y方向を基準にしてZ方向(上方)になす角度Δθn(=tan−1(|ΔVzn|/|ΔVyn|))を算出する。これにより、坂面検出部22は、今回の所定期間Tdにおいてn回目に加速度Ayn、A’znを取得したときに、メイン筐体101の走行面が、当該所定期間Tdにおいてn−1回目に加速度Ayn−1、A’zn−1を取得したときよりも傾斜した角度Δθnを算出する。
一方、S106において、走行状態判定部21が、加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えている(Rz<TH2)と判断し(S106;YES)、今回の所定期間Tdにおいてメイン筐体101の走行面が下方に傾斜したと判断したとする。つまり、今回の所定期間Tdが、図17Bの期間「下り斜面走行開始」に相当する、メイン筐体101の走行面が下方へ傾斜する過渡期間であるとする。
この場合、図17Bにおいて説明したように、当該過渡期間において取得された各加速度Aynはプラスの値(+Y方向)を示す。このため、当該過渡期間において、サンプリング周期ΔTと各加速度Aynとの積で表される各速度変化量ΔVyn(ΔVyn=ΔT×Ayn)はプラスの値(+Y方向)を示す。一方、図17Bにおいて説明したように、当該過渡期間において取得された各加速度A’znはマイナスの値(−Z方向)を示す。このため、当該過渡期間において、サンプリング周期ΔTと各加速度A’znとの積で表される各速度変化量ΔVzn(ΔVzn=ΔT×(Azn−(−g)))は、マイナスの値(−Z方向)を示す。
そこで、S107において、坂面検出部22は、参照した速度変化量ΔVynがプラスの値を示し、参照した速度変化量ΔVznがマイナスの値を示す場合は、今回の所定期間Tdが図17Bの期間「下り斜面走行開始」に相当する、メイン筐体101の走行面が下方へ傾斜する過渡期間であると判断する。
この場合、坂面検出部22は、図20Bに示すように、参照した速度変化量ΔVynを示すベクトルと参照した速度変化量ΔVznを示すベクトルとを合成したベクトルΔVnと、Y方向と、がY方向を基準にして−Z方向(下方)になす角度Δθn(=−tan−1(|ΔVzn|/|ΔVyn|))を算出する。これにより、坂面検出部22は、今回の所定期間Tdにおいてn回目に加速度Ayn、A’znを取得したときに、メイン筐体101の走行面が、当該所定期間Tdにおいてn−1回目に加速度Ayn−1、A’zn−1を取得したときよりも傾斜した角度Δθnを算出する。
そして、坂面検出部22は、S107において、S103で算出された今回の所定期間Tdにおける各速度変化量ΔVyn、ΔVznを用いて算出した各角度Δθnの総和(=Δθ1+Δθ2+・・・+Δθn)を、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θとして判断する。
S107の実行後、表情角度調整部23(図15)は、表情角度調整処理を行う(S108)。表情角度調整処理とは、表示部206が向いている方向が、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θによって表されるメイン筐体101の走行方向と一致するように、表示部206の向きを調整する処理である。
例えば、S108の表情角度調整処理において、表情角度調整部23(図15)は、S107で判断された傾斜角度θがプラスの値を示す場合、傾斜角度θ分、第1モータ114(図4)を左回りに回転させるコマンドをシャフト駆動機構制御部208(図15)へ出力する。これにより、シャフト駆動機構制御部208は、内部に備えた図略のエンコーダから第1モータ114(図4)の回転数を取得し、取得した回転数が、コマンドが示す角度に対応する回転数になるまで、コマンドが示す方向に第1モータ114(図4)を回転させる。これにより、シャフト112(図4)が左回りに傾斜角度θ分回転し、これに連動して表示部206がS107で算出された傾斜角度θ分上方に回転する。その結果、表示部206が向いている方向がメイン筐体101の走行方向と一致する。
一方、S108の表情角度調整処理において、表情角度調整部23(図15)は、S107で判断された傾斜角度θがマイナスの値を示す場合、傾斜角度θの絶対値分、第1モータ114(図4)を右回りに回転させるコマンドをシャフト駆動機構制御部208(図15)へ出力する。これにより、シャフト112(図4)が右回りに傾斜角度θの絶対値分回転することに連動して、表示部206がS107で算出された傾斜角度θの絶対値分下方に回転する。その結果、表示部206が向いている方向がメイン筐体101の走行方向と一致する。
S108が実行された後、走行状態判定部21は、加速度A’zの累積値Rzを0にリセットし、且つ、計測回数nを1にリセットして(S109)、処理をS102に戻す。その後は、S102以降の処理が行われる。これにより、走行状態判定部21は、次の所定期間Tdにおける加速度A’zの累積値Rzに基づいて、メイン筐体101が斜面を走行しているか否かの判断を行う。
本態様では、まず、メイン筐体101を回転させてメイン筐体101を走行させている間に、所定期間TdにおいてZ方向の加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えた場合又は第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えた場合、所定期間Tdにおける加速度A’zの積算値及び加速度Ayの積算値が表す各速度変化量ΔVzn、ΔVynから、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θを求める。
このため、例えば、メイン筐体101が床面を走行し、その後、斜面を登り、または、斜面を下ることによって、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えた場合又は第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えた場合に、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θを求めることができる。
本態様では、更に、シャフト駆動機構制御部208及びシャフト駆動機構207を制御して前記傾斜角度θに相当する角度、シャフト112(図4)を回転させて表示部206を移動させる。
これにより、メイン筐体101を回転させる筐体駆動機構制御部210及び筐体駆動機構209を、第1球冠部102及び第2球冠部103を回転させるシャフト駆動機構制御部208及びシャフト駆動機構207とは別機構とするロボット1において、ロボット1が斜面を走行している間、表示部206が向いている方向をロボット1の走行方向と一致させることができる。
また、本態様によると、球帯状のメイン筐体101、第1球冠部102及び第2球冠部103は、球体を構成するので、メイン筐体101を回転させることで、球体が転がるようにロボット1を前進及び後進させることができる。
(変形例1)
第1の実施の形態では、S106において、加速度A’zの累積値Rzと所定の閾値とを比較することにより、メイン筐体101の走行面が上方又は下方に傾斜しているか否かを判断していた。しかし、これに代えて、S106において、加速度A’zの累積値Rzと閾値との比較結果だけでなく、加速度Ayの累積値Rzと所定の閾値との比較結果にも基づいて、メイン筐体101の走行面が上方又は下方に傾斜しているか否かを判断するようにしてもよい。
具体的には、図19に示すS104、S106及びS108を、以下に示すように変更してもよい。図17Aの期間「上り斜面走行開始」の波形Wy1に示すように、メイン筐体101の走行面が上方へ傾斜する過渡期間において、加速度Ayは、0から−Y方向に大きく低下した後、+Y方向に次第に増大して、やがて0に近い値に収束し、加速度A’zとは反対の変化を示す。このため、当該過渡期間において、加速度Ayの累積値(以降、累積値Ry)は、加速度A’zの累積値Rzとは反対の変化を示し、所定の負(マイナス)の閾値を−Y方向(後方)側に超える。同様に、メイン筐体101の走行面が下方へ傾斜するときの過渡期間では、加速度Ayの累積値Ryは、加速度A’zの累積値Rzとは反対の変化を示し、所定の正(プラス)の閾値を+Y方向(前方)側に超える。
したがって、走行状態判定部21が、S104において、加速度A’zの累積値Rzと同様にして、更に、加速度Ayの累積値Ryを更新(Ry=Ry+Ay)するようにしてもよい。
これに合わせて、走行状態判定部21が、S106において、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えており、且つ、加速度A’yの累積値Ryが所定の負(マイナス)の第3閾値(第2閾値の一例)を−Y方向(後方)側に超えていると判断した場合に、今回の所定期間Tdにおいてメイン筐体101の走行面が上方に傾斜したと判断し、メイン筐体101が斜面を走行していると判断してもよい。
また、走行状態判定部21が、S106において、加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えており、且つ、加速度A’yの累積値Ryが所定の正(プラス)の第4閾値(第2閾値の一例)を+Y方向(前方)側に超えていると判断した場合に、今回の所定期間Tdにおいてメイン筐体101の走行面が下方に傾斜したと判断し、メイン筐体101が斜面を走行していると判断してもよい。
この場合、例えばユーザ1501がロボット1を+Z方向(上方)に持ち上げたり、棚の上等に置かれていたロボット1を−Z方向(下方)に下ろす等して、今回の所定期間Tdにおいて、加速度Ayの累積値Ryが略0のまま変化していないにもかかわらず、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えた又は第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えたことで、メイン筐体101が斜面を走行していると誤って判断することを回避できる。
そして、S108(図19)の表情角度調整処理を、図21に示す処理フローで実現してもよい。図21は、表情角度調整処理の変形例を示すフローチャートである。図21に示すように、表情角度調整部23(図15)が、先ず、メイン筐体101の走行面が上方に傾斜したか否かを判断するようにしてもよい(S201)。
具体的には、S106においてメイン筐体101の走行面が上方に傾斜したと判断された場合に、表情角度調整部23がメイン筐体101の走行面が上方に傾斜したと判断し(S201;YES)、S106においてメイン筐体101の走行面が下方に傾斜したと判断された場合に、表情角度調整部23がメイン筐体101の走行面が上方に傾斜したと判断する(S201;NO)ようにしてもよい。
そして、表情角度調整部23が、S201においてメイン筐体101の走行面が上方に傾斜したと判断した場合(S201;YES)、S107で算出された傾斜角度θ分、表示部206を上方へ回転させ(S202)、S201においてメイン筐体101の走行面が下方に傾斜したと判断した場合(S201;NO)、S107で算出された傾斜角度θの絶対値(=|θ|)分、表示部206を下方へ回転させるようにしてもよい(S203)。
具体的には、表情角度調整部23は、S202において、第1の実施の形態で説明したS108と同様、S107で算出された傾斜角度θ分第1モータ114(図4)を左回りに回転させるコマンドを、シャフト駆動機構制御部208(図15)へ出力すればよい。また、表情角度調整部23は、S203において、S107で算出された傾斜角度θの絶対値分第1モータ114(図4)を右回りに回転させるコマンドを、シャフト駆動機構制御部208(図15)へ出力すればよい。
これにより、メイン筐体101が斜面を登っている間及び斜面を下っている間、表示部206が向いている方向をロボット1の走行方向と一致させることができる。
(第2の実施の形態)
表現角度制御処理は、図19に示す処理フローに代えて、図22に示す処理フローで実現してもよい。図22は、第2の実施の形態における表情角度制御処理の詳細を示すフローチャートである。以下、図22に示す表情角度制御処理の処理フローについて詳述する。尚、図22に示す処理のうち、図19と同じ処理については図19と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図22に示す処理フローでは、S104の後、坂面検出部22は、S103で算出した速度変化量ΔVyn、ΔVznを用いて現在の走行速度Vy、Vzを更新する(Vy=Vy+ΔVyn、Vz=Vz+ΔVzn)(S301)。尚、走行速度Vy、Vzの初期値は、表情角度制御処理が開始された時点のY方向及びZ方向の速度である0である。
次に、走行状態判定部21は、一定速度期間判断処理を行う(S302)。一定速度期間判断処理とは、計測回数nが1のときにS102で加速度Ay1、A’z1を取得した時点から現時点までの期間(以降、計測期間Tt)が一定速度期間であるか否かを判断する処理である。一定速度期間とは、メイン筐体101が、所定期間Tdよりも長い間、一定速度で走行している期間である。言い換えれば、一定速度期間とは、図18に示す時刻t1から時刻t2までの期間のような、メイン筐体101の走行面が上方又は下方へ傾斜するときの過渡期間ではない期間である。
図23は、一定速度期間判断処理の詳細を示すフローチャートである。具体的には、走行状態判定部21は、S302の一定速度期間判断処理を開始すると、図23に示すように、計測時間Tが所定期間Tdを超えているか否かを判断する(S401)。尚、計測時間Tとは、図19において説明したように、計測回数nが1のときにS102で加速度Ay1、A’z1を取得した時点からの経過時間である。
次に、走行状態判定部21は、計測時間Tが所定期間Tdを超えていないと判断した場合(S401;NO)、S104(図22)で算出した加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1(図18)を+Z方向(上方)側に超えている、又は、S104で算出した加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2(図18)を−Z方向(下方)側に超えているか否かを判断する(S402)。これにより、走行状態判定部21は、計測期間Ttが、図18に示す時刻t1から時刻t2までの期間のような、メイン筐体101の走行面が上方又は下方へ傾斜する過渡期間であるか否かを判断する。
S402において、走行状態判定部21は、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えている、又は、加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えていると判断した場合(S402;YES)、計測期間Ttは前記過渡期間であり、一定速度期間ではないと判断する。この場合、走行状態判定部21は、計測期間Ttは一定速度期間ではないと判断したので、加速度A’zの累積値Rzを0にリセットし、且つ、計測回数nを1にリセットして(S405)、一定速度期間判断処理を終了する。
一方、走行状態判定部21は、計測時間Tが所定期間Tdを超えていないと判断した場合に(S401;NO)、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えていないと判断し、且つ、加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えていないと判断したとする(S402;NO)。この場合、走行状態判定部21は、計測期間Ttは前記過渡期間ではなく、メイン筐体101が一定速度で走行している期間であると判断する。ただし、この場合、走行状態判定部21は、計測時間Tが所定期間Tdを超えていず(S401;NO)、計測期間Ttが所定期間Tdよりも短いので、計測期間Ttが一定速度期間であるとは判断せずに、計測回数nを1加算して(n=n+1)(S403)、一定速度期間判断処理を終了する。
そして、図22に示すように、走行状態判定部21は、S302の一定速度期間判断処理において、計測期間Ttが一定速度期間であると判断しなかった場合(S303;NO)、処理をS102に戻す。その後は、S102以降の処理が行われる。このようにして、S102以降の処理を行うことが繰り返された後、S401(図23)において、走行状態判定部21が、計測時間Tが所定期間Tdを超えたと判断したとする(S401;YES)。
この場合、走行状態判定部21は、S101又はS405において計測回数nを1に設定した時点から所定期間Tdが経過するまでの当該計測期間Ttは、所定期間Tdよりも長く、且つ、前記過渡期間であるとは判断していない期間であるので、一定速度期間であると判断する(S404)。この場合、走行状態判定部21は、当該計測期間Ttが一定速度期間であると判断したので、加速度A’zの累積値Rzを0にリセットし、且つ、計測回数nを1にリセットして(S405)、一定速度期間判断処理を終了する。
そして、図22に示すように、走行状態判定部21は、S302の一定速度期間判断処理において、計測期間Ttが一定速度期間であると判断した場合(S303;YES)、前回一定速度VBzと現在一定速度VNzとの差の絶対値が、所定のプラス(正)の速度変化量ΔVdを超えているか否かを判断する(S304)。ここで、前回一定速度VBzとは、前回、一定速度期間であると判断した計測期間Tt(以降、前回の一定速度期間)において最後にS301で更新された走行速度Vzである。尚、前回一定速度VBzの初期値は、表情角度制御処理が開始された時点のZ方向の走行速度である0である。現在一定速度VNzとは、今回、一定速度期間であると判断した計測期間Tt(以降、今回の一定速度期間)において最後にS301で更新された走行速度Vzである。
ここで、前回の一定速度期間が図17Aに示す期間「平面安定走行」であり、且つ、今回の一定速度期間が図17Aに示す期間「上り斜面安定走行」であるとする。又は、前回の一定速度期間が図17Bに示す期間「平面安定走行」であり、且つ、今回の一定速度期間が図17Bに示す期間「下り斜面安定走行」であるとする。つまり、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間に、図17Aに示す期間「上り斜面走行開始」又は図17Bに示す期間「下り斜面走行開始」に相当する前記過渡期間が存在するとする。
この場合、図17A及び図17Bにおいて説明したように、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間の前記過渡期間において、走行速度Vzは、0から次第に上昇又は低下し、やがて目標速度Vdとsinθ又はsin(−θ)との積で表される速度(Vz=Vdsinθ、又は、Vz=−Vdsinθ)に安定する。また、前記過渡期間における傾斜角度θは0ではないので、sinθは0ではない。このため、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間に前記過渡期間が存在する場合、当該過渡期間の開始時の走行速度Vzである前回一定速度VBzと、当該過渡期間の終了時の走行速度Vzである現在一定速度VNzとの差の絶対値(|0−Vdsinθ|又は|0−(−Vdsinθ)|)は、所定のプラス(正)の速度変化量ΔVdを超える。
そこで、走行状態判定部21は、S304において、前回一定速度VBzと現在の走行速度Vzとの差の絶対値が所定の速度変化量ΔVdを超えていると判断した場合(S304;YES)、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間に前記過渡期間が存在すると判断し、今回の一定速度期間において、メイン筐体101が一定の目標速度Vd(図16B、図16C)で斜面を走行していると判断する。この場合、表示部206が向いている方向をメイン筐体101の走行方向に一致させるため、S305以降の処理が行われる。S305以降の処理については後述する。
一方、走行状態判定部21は、S304において、前回一定速度VBzと現在の走行速度Vzとの差の絶対値が所定の速度変化量ΔVdを超えていないと判断した場合(S304;NO)、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間に前記過渡期間が存在しないと判断し、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間とにおいて、メイン筐体101が一定の目標速度Vd(図16A)で走行し続けていると判断する。この場合、走行状態判定部21は、今回の一定速度期間において表示部206が向いている方向を調整する必要はないと判断する。そして、走行状態判定部21は、Y方向の前回一定速度VByをY方向の現在一定速度VNyに更新し(VBy=VNy)、Z方向の前回一定速度VBzをZ方向の現在一定速度VNzに更新して(VBz=VNz)(S306)、処理をS102に戻す。その後は、S102以降の処理が行われる。これにより、走行状態判定部21は、今回の一定速度期間を前回の一定速度期間とし、次にS302で一定速度期間であると判断した計測期間Ttを今回の一定速度期間とし、当該今回の一定速度期間において、表示部206が向いている方向を調整する必要があるか否かを判断する。
以下、S305以降の処理について詳述する。S305において、坂面検出部22は、前回一定速度VByから現在一定速度VNyまでの速度変化量ΔVy(=VNy−VBy)と、前回一定速度VBzから現在一定速度VNzまでの速度変化量ΔVz(=VNz−VBz)と、に基づいて、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θを判断する(S305)。
以下、S305について詳述する。図24Aは、図22のS305において速度変化量ΔVy、ΔVzに基づき走行面が上方に傾斜した角度を判断する方法の一例を示す図である。図24Bは、図22のS305において速度変化量ΔVy、ΔVzに基づき走行面が下方に傾斜した角度を判断する方法の一例を示す図である。
S304において、走行状態判定部21が、前回一定速度VBzと現在一定速度VNzとの差の絶対値が、所定のプラス(正)の速度変化量ΔVdを超えていると判断し(S304;YES)、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間に、メイン筐体101の走行面が上方又は下方へ傾斜する過渡期間が存在していると判断したとする。
そして、当該過渡期間が、図17Aの期間「上り側面走行開始」に示すような、メイン筐体101の走行面が上方へ傾斜する過渡期間であるとする。この場合、図17Aにおいて説明したように、当該過渡期間において取得された各加速度Aynはマイナスの値(−Y方向)を示し、当該過渡期間において取得された各加速度A’znはプラスの値(+Z方向)を示す。したがって、当該過渡期間における加速度Ayの積算値(図17Aの網掛部ARy1の面積に相当、第2加速度の積算値の一例)によって表される、当該過渡期間より前の前回の一定速度期間における一定の走行速度Vyである前回一定速度VByから、当該過渡期間より後の今回の一定速度期間における一定の走行速度Vyである現在一定速度VNyまでの速度変化量ΔVy(第2速度変化量の一例)は、マイナスの値となる。一方、当該過渡期間における加速度A’zの積算値(図17Aの網掛部ARz1の面積に相当、第1加速度の積算値の一例)によって表される、前回一定速度VBzから現在一定速度VNzまでの速度変化量ΔVz(第1速度変化量の一例)は、プラスの値となる。
そこで、S305において、坂面検出部22は、前回一定速度VByから現在一定速度VNyまでの速度変化量ΔVy(=VNy−VBy)がマイナスの値を示し、前回一定速度VBzから現在一定速度VNzまでの速度変化量ΔVz(=VNz−VBz)がプラスの値を示す場合は、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間に、メイン筐体101の走行面が上方へ傾斜する過渡期間が存在すると判断する。この場合、坂面検出部22は、図24Aに示すように、速度変化量ΔVyを示すベクトルと速度変化量ΔVzを示すベクトルとを合成したベクトルΔVと、Y方向とが、Y方向を基準にして+Z方向(上方)になす角度(=tan−1(|ΔVz|/|ΔVy|))を、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θとして判断する。
一方、S304において、走行状態判定部21が前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間に存在すると判断した過渡期間が、図17Bの期間「下り側面走行開始」に示すような、メイン筐体101の走行面が下方へ傾斜する過渡期間であるとする。この場合、図17Bにおいて説明したように、当該過渡期間において取得された各加速度Aynはプラスの値(+Y方向)を示し、当該過渡期間において取得された各加速度Aznはマイナスの値(−Z方向)を示す。したがって、当該過渡期間における加速度Ayの積算値(図17Bの網掛部ARy2の面積に相当、第2加速度の積算値の一例)によって表される、前回一定速度VByから現在一定速度VNyまでの速度変化量ΔVy(第2速度変化量の一例)は、プラスの値となる。一方、当該過渡期間における加速度A’zの積算値(図17Bの網掛部ARz2の面積に相当、第1加速度の積算値の一例)によって表される、前回一定速度VBzから現在一定速度VNzまでの速度変化量ΔVz(第1速度変化量の一例)は、マイナスの値となる。
そこで、S305において、坂面検出部22は、前回一定速度VByから現在一定速度VNyまでの速度変化量ΔVy(=VNy−VBy)がプラスの値を示し、前回一定速度VBzから現在一定速度VNzまでの速度変化量ΔVz(=VNz−VBz)がマイナスの値を示す場合は、前回の一定速度期間と今回の一定速度期間との間に、メイン筐体101の走行面が下方へ傾斜する過渡期間が存在すると判断する。この場合、坂面検出部22は、図24Bに示すように、速度変化量ΔVyを示すベクトルと速度変化量ΔVzを示すベクトルとを合成したベクトルΔVと、Y方向とが、Y方向を基準にして−Z方向(下方)になす角度(=−tan−1(|ΔVz|/|ΔVy|))を、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θとして判断する。
S305の実行後、表情角度調整部23(図15)は、S108の表情角度調整処理を行う(S108)。その後は、上述のように、S306が行われた後、処理がS102に戻され、S102以降の処理が行われる。
つまり、本態様では、計測期間Ttが一定速度期間であると判断した場合に、当該一定速度期間である今回の一定速度期間と前回の一定速度期間との間に、メイン筐体101の走行面が上方又は下方へ傾斜する過渡期間が存在するか否かを判断する。そして、今回の一定速度期間と前回の一定速度期間との間に前記過渡期間が存在すると判断した場合、当該過渡期間における加速度Ay、A’zの積算値によって表される速度変化量ΔVy、ΔVzに基づき、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θを判断し、当該傾斜角度θに相当する角度分、メイン筐体101の走行面が傾斜する方向に表示部206を移動させる。これにより、当該計測期間Ttが一定速度期間であると判断したときに、つまり、今回の一定速度期間が終了するときに、表示部206が向いている方向をロボット1の走行方向と一致させることができる。
(変形例2)
第2の実施の形態においても、変形例1と同様にS104を変更してもよい。これに合わせて、変形例1のS106と同様にS402を変更してもよい。つまり、走行状態判定部21が、S402において、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えており、且つ、加速度A’yの累積値Ryが所定の負(マイナス)の第3閾値を−Y方向(後方)側に超えていると判断した場合、又は、加速度A’zの累積値Rzが第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えており、且つ、加速度A’yの累積値Ryが所定の正(プラス)の第4閾値を+Y方向(前方)側に超えていると判断した場合に、計測期間Ttが前記過渡期間であると判断する(S402;YES)ようにしてもよい。
これに合わせて、S108(図19)の表情角度調整処理を図21に示す処理フローで実現してもよい。この場合、S201(図21)において、表情角度調整部23は、S305(図22)において説明したように、前回一定速度VByから現在一定速度VNyまでの速度変化量ΔVy(=VNy−VBy)がマイナスの値を示し、前回一定速度VBzから現在一定速度VNzまでの速度変化量ΔVz(=VNz−VBz)がプラスの値を示す場合は、メイン筐体101の走行面が上方へ傾斜したと判断すればよい(S201;YES)。また、表情角度調整部23は、前回一定速度VByから現在一定速度VNyまでの速度変化量ΔVy(=VNy−VBy)がプラスの値を示し、前回一定速度VBzから現在一定速度VNzまでの速度変化量ΔVz(=VNz−VBz)がマイナスの値を示す場合は、メイン筐体101の走行面が、上方ではなく、下方へ傾斜したと判断すればよい(S201;NO)。
尚、これに限らず、S201(図21)において、表情角度調整部23が、前回一定速度VBzから現在一定速度VNzまでの速度変化量ΔVz(=VNz−VBz)のみを用いて、速度変化量ΔVzがプラスの値を示す場合は、メイン筐体101の走行面が上方へ傾斜したと判断し(S201;YES)、速度変化量ΔVzがマイナスの値を示す場合は、メイン筐体101の走行面が下方へ傾斜したと判断する(S201;NO)ようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
表現角度制御処理は、図19に示す処理フローに代えて、図25に示す処理フローで実現してもよい。図25は、第3の実施の形態における表情角度制御処理の詳細を示すフローチャートである。以下、図25に示す表情角度制御処理の処理フローについて詳述する。尚、図25に示す処理のうち、図19と同じ処理については図19と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図25に示す処理フローでは、S103の後、坂面検出部22は、S103で算出した速度変化量ΔVznを用いて走行速度Vzを更新し(Vz=Vz+ΔVzn)(S501)、S502を行う。尚、走行速度Vzの初期値は0である。つまり、S501において、坂面検出部22は、速度変化量ΔVznの累積値を走行速度Vzとして算出する。
S502において、坂面検出部22は、S107(図19)と同様にして、S103で算出した1組の速度変化量ΔVyn、ΔVznを用い、当該速度変化量ΔVynを示すベクトルと当該速度変化量ΔVznを示すベクトルとを合成したベクトルΔVnと、Y方向とがY方向を基準にして+Z方向(上方)又は−Z方向(下方)になす角度Δθn(=tan−1(|ΔVzn|/|ΔVyn|)又は−tan−1(|ΔVzn|/|ΔVyn|))を算出する(図20A、図20B参照)。そして、坂面検出部22は、当該した角度Δθnを前回のS502で算出した傾斜角度θに加算することで、傾斜角度θを更新する(θ=θ+Δθn)。
これにより、坂面検出部22は、図19に示す処理フローのように、S106においてメイン筐体101が斜面を走行していると判断された場合にのみ(S106;YES)、S107においてメイン筐体101の走行面の傾斜角度θを算出することに代えて、走行状態判定部21によるメイン筐体101が斜面を走行しているか否かの判断によらずに、S103において速度変化量ΔVyn、ΔVznを算出する度に、メイン筐体101の走行面の傾斜角度θを更新する。
また、走行状態判定部21は、S105において、計測時間Tが所定期間Tdを超えていると判断した場合(S105;YES)、S501で算出された走行速度Vzが、所定の正(プラス)の第5閾値TH5を+Z方向(上方)側に超えている、又は、S501で算出された走行速度Vzが所定の負(マイナス)の第6閾値TH6を−Z方向(下方)側に超えているか否かを判断する(S503)。これにより、走行状態判定部21は、メイン筐体101が斜面を走行しているか否かを判断する。
以下、S503について詳述する。図18において説明したように、時刻t1から時刻t2までの期間のような前記過渡期間では、図18のセクション(C)の波形Wz13、Wz14に示すように、加速度A’zの累積値Rzは、第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超える、又は、第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超える。このため、当該過渡期間において、サンプリング周期ΔTと加速度A’znとの積(=ΔT×A’zn)である速度変化量ΔVznの累積値は、所定の正(プラス)の第5閾値TH5を+Z方向(上方)側に超える、又は、所定の負(マイナス)の第6閾値TH6を−Z方向(下方)側に超える。
したがって、S503において、走行状態判定部21は、S501で算出された、速度変化量ΔVznの累積値である走行速度Vzが、第5閾値TH5を+Z方向(上方)側に超えていず、且つ、第6閾値TH6を−Z方向(下方)側に超えていないと判断した場合(S503;NO)、今回の所定期間Tdにおいて、加速度A’zの累積値Rzが第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えていず、且つ、第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えていないと判断し、今回の所定期間Tdは前記過渡期間ではないと判断する。この場合、走行状態判定部21は、メイン筐体101が斜面を走行していないと判断する。そして、走行状態判定部21は、走行速度Vzを0にリセットし、且つ、計測回数nを1にリセットして(S504)、処理をS102に戻す。その後は、S102以降の処理が行われる。これにより、走行状態判定部21は、次の所定期間Tdにおける走行速度Vzに基づいて、メイン筐体101が斜面を走行しているか否かの判断を行う。
一方、S503において、走行状態判定部21は、S501で算出した走行速度Vzが第5閾値TH5を+Z方向(上方)側に超えている、又は、S501で算出した走行速度Vzが第6閾値TH6を−Z方向(下方)側に超えていると判断したとする(S503;YES)。この場合、走行状態判定部21は、今回の所定期間Tdにおいて、加速度A’zの累積値Rzが、第1閾値TH1を+Z方向(上方)側に超えている、又は、第2閾値TH2を−Z方向(下方)側に超えていると判断して、今回の所定期間Tdが前記過渡期間であると判断する。この場合、走行状態判定部21は、メイン筐体101が斜面を走行していると判断する。この場合、表情角度調整部23(図15)は、S502において更新されたメイン筐体101の走行面の傾斜角度θを用いて、表情角度調整処理を行う(S108)。
S108の実行後、走行状態判定部21は、走行速度Vzを0にリセットし、且つ、計測回数nを1にリセットして(S504)、処理をS102に戻す。その後は、S102以降の処理が行われる。これにより、走行状態判定部21は、次の所定期間Tdにおける走行速度Vzに基づいて、メイン筐体101が斜面を走行しているか否かの判断を行う。
(変形例3)
第1及び第2の実施の形態及びその変形例では、走行状態判定部21(図15)は、S104(図19、図22)において、S102(図19、図22)で取得した加速度A’zの累積値Rzを更新していたが、これに代えて、S102(図19、図22)で取得した加速度Azから重力成分「−g」を除去せずに、加速度Azの累積値を更新するようにしてもよい。これに合わせて、走行状態判定部21が、S106(図19)とその変形例及びS402(図23)において、加速度Azの累積値と各閾値とを比較するようにしてもよい。ただし、この場合、加速度Azの累積値に重力成分「−g」の累積値が含まれることを考慮して、各閾値を定める必要がある。
(変形例4)
第1、第2及び第3の実施の形態及びその変形例では、坂面検出部22(図15)は、S103(図19、図22、図25)において、サンプリング周期ΔTとS102(図19、図22)で取得された加速度A’znとの積で表される、サンプリング周期ΔTにおける加速度A’znの積算値を速度変化量ΔVznとして算出していた。しかし、これに代えて、坂面検出部22(図15)が、S103(図19、図22、図25)において、サンプリング周期ΔTとS102(図19、図22)で取得された加速度Azとの積であるサンプリング周期ΔTにおける加速度Azの積算値を算出し、当該積算値から、サンプリング周期ΔTと重力成分「−g」との積を減算することにより、速度変化量ΔVznを算出するようにしてもよい。
(変形例5)
上記の各実施の形態及びその変形例では、加速度センサー214(図15)が、加速度Az、A’zが上方を示す場合はプラスの値を出力し、下方を示す場合はマイナスの値を出力するものとしていた。しかし、これとは反対に、加速度センサー214(図15)が、加速度Az、A’zが下方を示す場合はプラスの値を出力し、下方を示す場合はマイナスの値を出力するものであってもよい。この場合、下方が+Z方向、上方が−Z方向となる。
(本開示の実施の形態の概要)
本開示の一態様に係るロボットは、
球体の第1側部と前記第1側部に対向する第2側部とをカットした球帯状のメイン筐体と、
前記第1側部に対応する第1球冠部と、
前記第2側部に対応する第2球冠部と、
前記第1球冠部と前記第2球冠部とを連結するシャフトと、
前記シャフトにアームを介して取り付けられた、少なくともロボットの顔の一部を表示する表示部と、
前記シャフトの回転により前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構と、
前記シャフトを中心に前記メイン筐体を回転させる前記第1駆動機構と独立した第2駆動機構と、
重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度を検知する加速度センサーと、
前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記ある期間における前記第1加速度の積算値及び前記第2加速度の積算値に基づき、前記メイン筐体が走行する斜面の傾斜角度を判断し、
前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を移動させる制御回路と、を備えたものである。
本態様では、まず、前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記重力方向に平行な上下方向の第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記ある期間において前記第1加速度の積算値及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度の積算値から、前記斜面の傾斜角度を求める。
このため、例えば、前記メイン筐体が床面を走行し、その後、斜面を登り、または、斜面を下ることによって、前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合に、前記メイン筐体が走行する斜面の傾斜角度を求めることができる。
本態様では、更に、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を移動させる。
これにより、前記メイン筐体を回転させる駆動機構である前記第2駆動機構を、前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構とは別機構とするロボットにおいて、前記斜面を走行している間、前記表示部が向いている方向を前記ロボットの走行方向と一致させることができる。
また、上記態様において、例えば、
前記制御回路は、
前記ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記ある期間における前記第1加速度の積算値から第1速度変化量を求め、前記ある期間における前記第2加速度の積算値から第2速度変化量を求め、前記第1速度変化量及び前記第2速度変化量に基づき、前記斜面の傾斜角度を判断してもよい。
前記ある期間における前記第1加速度の積算値は、前記ある期間における前記重力方向に平行な上下方向での速度変化量に相当する。また、前記ある期間における前記第2加速度の積算値は、前記ある期間における前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向での速度変化量に相当する。従って、前記重力方向に平行な上下方向での前記第1速度変化量、及び、前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向での前記第2速度変化量から、前記斜面の傾斜角度を求めることができる。
従って、本態様によれば、前記加速度センサーにて検知される前記重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度を用いて、前記ロボットが走行する斜面の傾斜角度を求めることができる。
また、上記態様において、例えば、
前記制御回路は、
前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の上方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と反対側に超えた場合、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を上方向に移動させてもよい。
前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の上方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と反対側に超えた場合、前記斜面は上方に傾斜していると判断できる。
この場合、本態様では、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を上方向に移動させる。これにより、前記ロボットが前記斜面を登っている間、前記表示部が向いている方向を前記ロボットの走行方向と一致させることができる。
また、上記態様において、例えば、
前記制御回路は、
前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の下方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と同方向側に超えた場合、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を下方向に移動させてもよい。
前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の下方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と同方向側に超えた場合、前記斜面は下方に傾斜していると判断できる。
この場合、本態様では、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を下方向に移動させる。これにより、前記ロボットが前記斜面を下っている間、前記表示部が向いている方向を前記ロボットの走行方向と一致させることができる。
また、上記態様において、例えば、
前記球帯状のメイン筐体、前記第1球冠部及び前記第2球冠部は、前記球体を構成してもよい。
本態様によると、前記球帯状のメイン筐体、前記第1球冠部及び前記第2球冠部は、前記球体を構成するので、第2駆動機構により前記メイン筐体を回転させることで、球体が転がるようにロボットを前進及び後進させることができる。
本開示の一態様に係るロボットは、
球体の第1側部と前記第1側部に対向する第2側部とをカットした球帯状のメイン筐体と、
前記第1側部に対応する第1球冠部と、
前記第2側部に対応する第2球冠部と、
前記第1球冠部と前記第2球冠部とを連結するシャフトと、
前記シャフトにアームを介して取り付けられた、少なくともロボットの顔の一部を表示する表示部と、
前記シャフトの回転により前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構と、
前記シャフトを中心に前記メイン筐体を回転させる前記第1駆動機構と独立した第2駆動機構と、
重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度を検知する加速度センサーと、
前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記メイン筐体が斜面を走行していると判断し、
前記ある期間における前記第1加速度の積算値から第1速度変化量を求め、前記ある期間における前記第2加速度の積算値から第2速度変化量を求め、前記第1速度変化量及び前記第2速度変化量に基づき、前記斜面の傾斜角度を判断し、
前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の上方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と反対側に超えた場合、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を上方向に移動させる制御回路と、を備えたものである。
本態様では、まず、前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記メイン筐体が斜面を走行していると判断する。このため、例えば、前記筐体が床面を走行し、その後、斜面を登り、または、斜面を下ることによって、前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を超えた場合に、前記メイン筐体が前記斜面を走行していることを適切に判断することができる。
そして、本態様では、前記メイン筐体が前記斜面を走行していると判断した場合、前記ある期間において前記加速度センターから出力される前記重力方向に平行な上下方向の第1加速度の積算値から第1速度変化量を求め、前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度の積算値から第2速度変化量を求め、前記第1速度変化量及び前記第2速度変化量に基づき、前記斜面の傾斜角度を判断する。
前記ある期間における前記第1加速度の積算値は、前記重力方向に平行な上下方向での速度変化量に相当する。また、前記ある期間における前記第2加速度の積算値は、前記ある期間における前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向での速度変化量に相当する。従って、前記重力方向に平行な上下方向での前記第1速度変化量、及び、前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向での前記第2速度変化量から、前記斜面の傾斜角度を求めることができる。
従って、本態様によれば、前記加速度センサーにて検知される前記重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度を用いて、前記ロボットが走行する斜面の傾斜角度を求めることができる。
本態様では、更に、前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の上方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と反対側に超えた場合、前記斜面は上方に傾斜していると判断できるので、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を上方向に移動させる。
これにより、前記メイン筐体を回転させる駆動機構である前記第2駆動機構を、前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構とは別機構とするロボットにおいて、前記斜面を登っている間、前記表示部が向いている方向を前記ロボットの走行方向と一致させることができる。
また、上記態様において、例えば、
前記制御回路は、
前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の下方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と同方向側に超えた場合、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を下方向に移動させてもよい。
前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の下方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と同方向側に超えた場合、前記斜面は下方に傾斜していると判断できる。
この場合、本態様では、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を下方向に移動させる。
これにより、前記メイン筐体を回転させる駆動機構である前記第2駆動機構を、前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構とは別機構とするロボットにおいて、前記斜面を下っている間、前記表示部が向いている方向を前記ロボットの走行方向と一致させることができる。
本開示によれば、ロボットを違和感なく走行させる点で有用である。
1 ロボット
21 走行状態判定部
22 坂面検出部
23 表情角度調整部
101 メイン筐体
102 第1球冠部
103 第2球冠部
105 第1表示部
106 第2表示部
107 第3表示部
108 固定板金
109 第1アーム
110 第2アーム
112 シャフト
113 駆動ベルト
114 第1モータ
115 フレーム
116 第3ギア
117 第4ギア
118 第2モータ
119 第3アーム
120 第4アーム
121 第3モータ
122 第1ギア
123 第2ギア
139 従動シャフト
140 回転軸
201 制御回路
202 主制御部
205 表示情報出力制御部
206 表示部
207 シャフト駆動機構
208 シャフト駆動機構制御部
209 筐体駆動機構
210 筐体駆動機構制御部
213 メモリ
214 加速度センサー
1501 ユーザ
Ay 加速度
Ayn 加速度
Az 加速度
Azn 加速度
A’z 加速度
A’zn 加速度
Ry 累積値
Rz 累積値
T 計測時間
Tt 計測期間
Vd 目標速度
VBy 前回一定速度
VBz 前回一定速度
VNy 現在一定速度
VNz 現在一定速度
V 走行速度
Vy 走行速度
Vz 走行速度
n 計測回数
ΔT サンプリング周期
ΔVd 所定の速度変化量
ΔVy 速度変化量
ΔVyn 速度変化量
ΔVz 速度変化量
ΔVzn 速度変化量
Δθn 角度
θ 傾斜角度

Claims (7)

  1. 球体の第1側部と前記第1側部に対向する第2側部とをカットした球帯状のメイン筐体と、
    前記第1側部に対応する第1球冠部と、
    前記第2側部に対応する第2球冠部と、
    前記第1球冠部と前記第2球冠部とを連結するシャフトと、
    前記シャフトにアームを介して取り付けられた、少なくともロボットの顔の一部を表示する表示部と、
    前記シャフトの回転により前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構と、
    前記シャフトを中心に前記メイン筐体を回転させる前記第1駆動機構と独立した第2駆動機構と、
    重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度を検知する加速度センサーと、
    前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記ある期間における前記第1加速度の積算値及び前記第2加速度の積算値に基づき、前記メイン筐体が走行する斜面の傾斜角度を判断し、
    前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を移動させる制御回路と、を備えたロボット。
  2. 前記制御回路は、
    前記ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記ある期間における前記第1加速度の積算値から第1速度変化量を求め、前記ある期間における前記第2加速度の積算値から第2速度変化量を求め、前記第1速度変化量及び前記第2速度変化量に基づき、前記斜面の傾斜角度を判断する、
    請求項1記載のロボット。
  3. 前記制御回路は、
    前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の上方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と反対側に超えた場合、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を上方向に移動させる、
    請求項1又は2のいずれか1項に記載のロボット。
  4. 前記制御回路は、
    前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の下方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と同方向側に超えた場合、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を下方向に移動させる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のロボット。
  5. 前記球帯状のメイン筐体、前記第1球冠部及び前記第2球冠部は、前記球体を構成する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のロボット。
  6. 球体の第1側部と前記第1側部に対向する第2側部とをカットした球帯状のメイン筐体と、
    前記第1側部に対応する第1球冠部と、
    前記第2側部に対応する第2球冠部と、
    前記第1球冠部と前記第2球冠部とを連結するシャフトと、
    前記シャフトにアームを介して取り付けられた、少なくともロボットの顔の一部を表示する表示部と、
    前記シャフトの回転により前記第1球冠部及び前記第2球冠部を回転させる第1駆動機構と、
    前記シャフトを中心に前記メイン筐体を回転させる前記第1駆動機構と独立した第2駆動機構と、
    重力方向に平行な上下方向の第1加速度及び前記重力方向に直交する前記メイン筐体の走行方向の第2加速度を検知する加速度センサーと、
    前記メイン筐体を回転させて前記メイン筐体を走行させている間に、ある期間において前記第1加速度の累積値が第1閾値を超えた場合、前記メイン筐体が斜面を走行していると判断し、
    前記ある期間における前記第1加速度の積算値から第1速度変化量を求め、前記ある期間における前記第2加速度の積算値から第2速度変化量を求め、前記第1速度変化量及び前記第2速度変化量に基づき、前記斜面の傾斜角度を判断し、
    前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の上方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と反対側に超えた場合、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を上方向に移動させる制御回路と、を備えたロボット。
  7. 前記制御回路は、
    前記ある期間において前記第1加速度の累積値が前記第1閾値を前記上下方向の下方向側に超え且つ前記第2加速度の累積値が第2閾値を前記走行方向と同方向側に超えた場合、前記第1駆動機構を制御して前記傾斜角度に相当する角度、前記シャフトを回転させて前記表示部を下方向に移動させる、
    請求項6記載のロボット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113157009A (zh) * 2021-04-13 2021-07-23 普华鹰眼科技发展有限公司 一种智能机器人底盘电机转速控制方法
US11169542B2 (en) * 2018-02-02 2021-11-09 Lg Electronics Inc. Moving robot

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