JP2017538545A - 自動超音波非侵襲的血管再疎通処置および監視装置ならびに方法 - Google Patents

自動超音波非侵襲的血管再疎通処置および監視装置ならびに方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、超音波を使用して、ナノ粒子、マイクロバブル、血栓溶解薬、またはその他の薬剤と併せてまたは伴わずに、凝塊を自動的に溶解し血管を再疎通する装置および方法について記載する。指定された形状、帯域幅、および/または送信パルス特性を有する少なくとも1つの超音波変換器が、非集束音響エネルギの一層均一な三次元空間域を、身体の目標エリアに生成することができる。薬剤(マイクロバブルのような、しかしこれに限定されない)を使用して凝塊を溶解するとき、薬剤の一定のアクションまたは状態を得るために、一定レベルの超音波エネルギが望まれることがある。骨の減衰は、所望の薬剤アクションを達成するために十分な超音波エネルギが薬剤に到達するのを妨げる問題を起こすおそれがある。相対的な患者の寸法、および凝塊の位置も問題を起こすおそれがある。【選択図】図1

Description

連邦支援研究または開発に関する言明
該当なし。
係属中の先行特許出願に対する引用
本特許出願は、Vesselon, Inc. and Rhodemann Li et al.によって2014年12月15日に出願された係属中の先行米国仮特許出願第62/091,916号、” AUTOMATED ULTRASOUND APPARATUS AND METHOD FOR NONINVASIVE VESSEL RECANALIZATION TREATMENT AND MONITORING”(自動超音波非侵襲的血管再疎通処置および監視装置ならびに方法)(代理人整理番号VESSELON−2 PROV)の権利を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容が本願にも含まれるものとする。
技術分野
本発明は、一般的には、医療処置方法、システム、および装置に関し、特に、脳循環障害(例えば、虚血性脳卒中)、心血管循環障害(例えば、心筋梗塞)、および末梢動脈閉塞(例えば、動静脈瘻の閉塞)のような(しかし、これらに限定されるのではない)循環器系の障害の処置を意図したものを対象とする。更に特定すれば、本発明は、超音波を使用して、ナノ粒子、マイクロバブル、血栓溶解薬品および/またはその他の薬剤(agent)と併せてまたは伴わずに、血管を再疎通させるために凝塊を溶解することを対象とする。
一般に、血餅を分解(dissolve)または除去するのが早い程、身体の患部に早く血流を回復させることができる。対応して、血流を回復させるのが速い(faster)程、身体機能の復元および/または存命の可能性が高くなる。病院における虚血性脳卒中の患者に対する現在の標準的な治療処置(care treatment)は、血餅の分解のための、血栓溶解薬、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の静脈内使用である。現在では出血性脳卒中を除外する必要性によって生ずる時間遅延、複数の禁忌、および症候性頭蓋内出血を発症させる高い危険性を含む種々の理由のために、tPAは全ての虚血性脳卒中患者の約5%に投与されるに過ぎない。
血栓溶解療法(sonothrombolysis)は、血栓溶解薬が凝塊を破壊する能力を増大するための超音波の使用である。tPAは有効性の時間枠が限られており(即ち、約3〜4.5時間)、更にtPAの使用は重大な悪影響(例えば、症候性頭蓋内出血、または死亡)を招くおそれがあるので、研究者はtPAの安全性の側面および有効性を改良しようとしている。
血栓溶解療法に対する改良、即ち、凝塊を分解するための超音波と合わせたマイクロバブルの使用には、様々な起源がある。1995年、医学博士(MD, PhD)タチバナ・カツロ(日本、中村、福岡大学医学部、第1内科)および医学博士 (MD, PhD) タチバナ・シュンロ(サスグリ病院、日本)は、試験管内研究において、ウロキナーゼ(血栓溶解薬)による血栓溶解(分解(dissolution)は、超音波を使用することによって改善されることを発見した。ウロキナーゼの凝塊を分解する能力は、超音波とマイクロバブルとの組み合わせによって、更に強化された。2000年に、医学博士(MD)Andrei Alexandrov(テキサス州、ヒューストン、テキサス大学健康医学部、非侵襲的脳灌流研究センタ所長)によって、静脈(IV)tPA治療および経頭蓋超音波ドプラ監視を受けている脳卒中患者の方が、tPAだけで超音波を受けない患者よりも高い成果を上げたことも観察された。
マイクロバブルは、特に、超音波エネルギの強度(intensity)を弱める(即ち、超音波の減衰によって)厚い頭蓋骨で保護された脳において、超音波のエコー強度(strength)を高めることが知られていた。研究者は、超音波のマイクロバブルおよびtPAの組み合わせにより、凝塊分解の速度を高める(即ち、血栓溶解薬だけの使用よりも、凝塊分解を速くそして完全に行う)ことを発見した。超音波およびマイクロバブルをtPAと共に使用して、ほぼ400人の患者について研究が行われ、この組み合わせは安全であり、tPAだけの場合よりも有効であることが、論文審査のある研究において発見されている。
これらのヒトの研究の全てに共通することはtPAであるので(付随する有害リスクも併せて)、他の者は、動物モデルにおいて、tPAがなくても、超音波およびマイクロバブルに何ができるか調査しようとした。動物研究は、豚、鼠、犬、そして、好ましい橋渡しの脳卒中モデルであるものでは、ウサギが含まれていた。8本の論文審査がある臨床前研究論文が、血栓溶解薬を使用して、または使用せずに、梗塞の大きさを縮小する、凝塊を一層完全に分解する、および脳内出血の存在を減らす場合における、マイクロバブルを超音波と合わせた有用性、安全性、および有効性を実証した。
マイクロバブルおよび超音波が血餅(血栓)を分解するように作用することができる物理的メカニズムおよびプロセスは、多因子的であり、完全に理解されておらず、生体において直接観察することが難しい。1つの相互作用プロセスの仮説は、安定キャビテーション状態に達したマイクロバブルと関連付けられる。即ち、安定キャビテーション状態では、マイクロバブルが、超音波エネルギに露出された状態下で、非対称的に発振しバーストしない。この発振は、マイクロバブルの周囲に機械的エネルギを生成し(マイクロストリーミングと呼ぶ)、研究者は、これが流体の運動を促進し、凝塊を分解するために、凝塊の表面に沿ってtPAを分散するのに役立つと考えている。
脳に伝達された超音波エネルギが、安定キャビテーションに達するには低すぎる場合、超音波(ultrasonic wave)は単にマイクロバブルから強いエコーを戻すだけで、所望の治療効果を得ることができないおそれがある。一方、超音波エネルギが、安定キャビテーションを生成するよりも高い場合、その結果は、マイクロバブルが内破し始めることになるおそれがある(慣性キャビテーションと呼ぶ)。この慣性キャビテーションは、機械的エネルギおよび流体の微小噴流(microjetting)を生じ、凝塊の表面上にピットを形成し、凝塊を分解するときに作用するために、血栓溶解剤の表面エリアを更に開くことができると、研究者は理論上想定する。
また、研究者は、マイクロバブルが、放射力(radiation force)と呼ばれるものを使用して、凝塊のマトリクス状フィブリン格子を破壊することができると考えられる第3のメカニズムも主張した。試験管内で、マイクロバブルに付随する主放射力が、発振の効果と共に、マイクロバブルを「押して」永続的なトンネルを形成し、凝塊のフィブリン格子を弱体化し、最終的には破壊できることが実証されている。
脳卒中は世界中で発生し、人種、性別、または年齢に関係なく人々を苦しめる。このため、脳卒中患者は雑多であり、処置の成果は、頭蓋骨の厚さ、密度、または直径、凝塊のサイズ、組成、または古さ(age)、および患者の健康状態、認識、または機能(function)の相対的レベルのような(しかしこれらに限定されない)考慮項目によって影響を受ける可能性がある。現在の超音波血栓溶解手法は、マイクロバブルを使用してもしなくても、患者間のばらつきにおける差を自動的に調節するまたは考慮するそれらの能力に限界がある。例えば、どれくらいの超音波音響エネルギが対象の内部生物領域、例えば、中大脳動脈(MCA)に到達するかに影響を及ぼす因子(減衰のような)は分かっているが、頭部CTのような高価で時間がかかる診断検査を利用する必要なく、発生する減衰のレベルを簡単にそして自動的に判定し、所望の音響エネルギが対象領域内に伝達されるように、音響出力エネルギを調節する必要がある。
血管閉塞状態は、できるだけ素早く解決されないと、命を脅かすおそれがある。血餅によって起こされる脳血管閉塞の場合、血管を素早く再疎通させる必要性は、「時は金なり」と同様、最も重要になる。現場における最初の応答者、即ち、病院における救急室要員は、超音波血栓溶解システムが非侵襲的で、自動化され、使用するのが簡単であれば、処置時間における貴重な時間を分(から時間までの)刻みで節約することができよう。現在の超音波血栓溶解手法は、マイクロバブルを使用してもしなくても、それらの複雑さ、コスト、または使用前の時間がかかる撮像の必要性(撮像は、閉塞の場所を特定するために必要である)によって制限される。
現場における最初の応答者、および病院における救急室要員は、多くの場合、致命的な影響や衰弱させる影響を回避できる程に素早く脳卒中の患者を処置することができない。虚血性脳卒中患者の内小さな割合しか適切な救急処置を受けることができないので、高速化し、より広く適用される即座処置システムおよび方法が求められている。救急の設定または状況において閉塞した血管の再疎通を処置または監視するための、非侵襲的で、自動化され、簡単で、安全な超音波血栓溶解システムが求められている。処置の成果を改良するためには、理想的には、血管閉塞事象の開始時またはその付近から開始して処置の終了まで継続して、脳卒中患者の診断、状態、および/または処置に関する多くの変数からのデータを自動的に収集し、記録し、標準化することも求められている。
本発明は、均一の所望の超音波エネルギ・レベルのエリアを設けるために、少なくとも1つの変換器、ならびに少なくとも1組の周波数、位相、タイミング、およびパルス・パラメータ(信号生成器/プロセッサによって供給される)も使用することによって、先行技術の欠点を克服する。更に、本発明は、限定ではなく、後方散乱、減衰、ビーム逸脱、または音速というような要因を自動的に調節、または考慮する。また、本発明は、処置の成果を向上させるために、理想的には、血管閉塞事象の開始時またはその付近から始まり処置の終了まで継続して、脳卒中患者の診断、状態、および/または処置に関する多くの変数に関連するデータを自動的に収集し、記録し、および/または標準化する。
本発明の1つの目標は、先行技術の欠点および問題に取り組み克服する、虚血状態または閉塞状態のための即座処置、監視、および/または診断手段を提供することである。
脳血管(例えば脳卒中)または心臓血管(例えば、心筋梗塞)における虚血性事象に対するというように、時間が非常に重要な状況では、必要に応じて薬剤、例えば、マクロバブルを含む、非侵襲的治療用超音波システムを、キット形態に組み合わせて、最小限の訓練しかなされていない要員でも、患者に対する処置を一層素早く開始するまたは遂行することを可能にする利点を得ることができる。処置までの時間がさほど肝要ではないかもしれない状況では、必要に応じて薬剤、例えば、マクロバブルを含む、非侵襲的治療用超音波システムを、キット形態に組み合わせて、凝塊を溶解する(lyse)、あるいは深部静脈血栓症、動静脈瘻、または移植閉塞(graft obstruction)のような、しかしこれらに限定されない閉塞を分解する(dissolve)ことができるという利点を得ることができる。本発明の追加の用途には、超音波システムを使用し、必要に応じて薬剤(例えば、マイクロバブル)を薬品または遺伝子送達手段として含ませることを含んでもよい。処置される場所または条件に応じて、超音波変換器、動作パラメータ(信号生成器/プロセッサによって供給される)、および/または薬剤の異なる構成を提供することができる。
本発明の一実施形態では、少なくとも3つのコンポーネント、変換器、信号生成器、およびプロセッサ・ソフトウェア(信号生成器およびプロセッサ・ソフトウェアを1つのユニットに組み込んでもよく、これを以後信号生成器/プロセッサと呼ぶこともある)によって処置を提供する。加えて、処置は、マイクロバブルのような、薬剤を利用してもよい。信号生成器/プロセッサの設定によって、周波数、パルス長、デューティ・サイクル、音響出力パワー、変換器に対するエネルギ減衰率、および/または頭蓋骨および脳組織のような、しかしこれらに限定されない組織を通って最適で適切な音響エネルギを自動的に伝達するために必要なその他のパラメータの組み合わせを制御するために、データの事前設定または患者特定フィードバックに対処することも可能である。供給される音響エネルギは、マイクロバブルと併せてまたは伴わずに、所望の効果(例えば、虚血性血栓または塞栓の溶解)を達成するのに適したものである。
加えて、本発明は、各患者に関連付けられた任意のまたは全ての処置期間(treatment episode)にわたってディジタル・ログ・ファイルの記録を追跡、格納、および/または維持するソフトウェアを含み、追加の患者、購入者、またはユーザ関係情報のアップロードを可能にしてもよい。ディジタル・ログ・ファイルは、処置期間の総合的なアーカイブとして機能し、複数のパラメータ、ログ、および情報のデータを収容し、これらの全てについて、正規ユーザ・アクセス制御のために安全性を確保することができる。このようなデータをプロセッサによって収集または分析し(好ましくは、組み合わせ信号生成器/プロセッサの一部として設けられる)、またはリアル・タイムで現場以外における収集および分析のために送信してもよい。
本明細書では、組織固有性(例えば、頭蓋骨の厚さ、直径、多孔性、密度等)、または凝塊固有性(例えば、組成、場所、古さ等)に関する患者毎の変異性による超音波減衰を考慮することについても用意がある(provide)。
また、本発明は、超音波血栓溶解システムによって供給されるエネルギ強度領域の深さを変更する機能(ability)も提供する。
また、各処置期間のデバイス設定、事象、タイミング、および記録等を含むがこれらに限定されないデータを記録する(log)機能も、本発明によって提供される。
本発明の1つの好ましい形態では、患者における部位に対して治療を行うための超音波システムを提供する。この超音波システムは、
患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサであって、少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを患者における部位に伝達させるように電気信号を少なくとも1つの変換器に印加し、これによって患者における部位に対して治療を行うように構成される、信号生成器/プロセッサと、
を含み、
信号生成器/プロセッサが、(i)超音波エネルギが患者を通過する際に超音波減衰を確認し、(ii)患者における超音波減衰を補償するように、少なくとも1つの変換器に印加される電気信号を修正することによって、所定のレベルの超音波エネルギを患者における部位に伝達するように構成される。
本発明の他の好ましい形態では、患者における部位に対して治療を行うための超音波システムを提供する。この超音波システムは、
患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサであって、少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを患者における部位に伝達させるように電気信号を少なくとも1つの変換器に印加し、これによって患者における部位に対して治療を行うように構成される、信号生成器/プロセッサと、
を含み、
少なくとも1つの変換器および信号生成器/プロセッサが、患者における部位に、実質的に均一な拡散ビームの形態で超音波エネルギを供給するように構成される、超音波システム。
本発明の他の好ましい形態では、超音波を患者に送達するシステムを提供する。このシステムは、
患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
少なくとも1つの変換器を患者に着脱可能に固着する接着材と、
を含み、少なくとも1つの変換器および接着材が、予めパッケージングされたキットとして提供される。
本発明の他の好ましい形態では、患者内における部位に対して治療を行う方法を提供する。この方法は、
患者内における部位に対して治療を行うための超音波システムを用意するステップであって、超音波システムが、
患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサであって、少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを患者における部位に伝達させるように電気信号を少なくとも1つの変換器に印加し、これによって患者における部位に対して治療を行うように構成される、信号生成器/プロセッサと、
を含み、
信号生成器/プロセッサが、(i)超音波エネルギが患者を通過する際に超音波減衰を確認し、(ii)患者における超音波減衰を補償するように、少なくとも1つの変換器に印加される電気信号を修正することによって、所定のレベルの超音波エネルギを患者における部位に伝達するように構成される、ステップと、
少なくとも1つの変換器を着脱可能に患者に固着し、構成された信号生成器/プロセッサを少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するステップと、
少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを患者における部位に伝達させるように、信号生成器/プロセッサによって電気信号を少なくとも1つの変換器に印加し、これによって患者における部位に対して治療を行うステップと、
を含む。
本発明の他の好ましい形態では、患者内における部位に対して治療を行う方法を提供する。この方法は、
患者内における部位に対して治療を行うための超音波システムを用意するステップであって、超音波システムが、
患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサであって、少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを患者における部位に伝達させるように電気信号を少なくとも1つの変換器に印加し、これによって患者における部位に対して治療を行うように構成される、信号生成器/プロセッサと、
を含み、
少なくとも1つの変換器および少なくとも1つの信号生成器/プロセッサが、患者における部位に、実質的に均一な拡散ビームの形態で超音波エネルギを供給するように構成される、ステップと、
少なくとも1つの変換器を着脱可能に患者に固着し、構成された信号生成器/プロセッサを少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するステップと、
少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを患者における部位に伝達させるように、信号生成器/プロセッサによって電気信号を少なくとも1つの変換器に印加し、これによって患者における部位に対して治療を行うステップと、
を含む。
本発明の他の好ましい形態では、患者内における部位に対して治療を行う方法を提供する。この方法は、
患者における部位に治療を行う超音波システムを用意するステップであって、この超音波システムが、
患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
少なくとも1つの変換器を患者に着脱可能に固着する接着材と、
を含み、少なくとも1つの変換器および接着材が、予めパッケージングされたキットとして提供される、ステップと、
予めパッケージングされたキットを開くステップと、
接着材を患者に塗布し、少なくとも1つの変換器を患者に取り付ける(apply)ステップと、
少なくとも1つの変換器を使用して患者内における部位に超音波エネルギを伝達することによって、患者内における部位に対する治療を行うステップと、
を含む。
本発明のこれらおよびその他の目的ならびに特徴は、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明によって、一層詳細に開示され、明らかにされよう。以下の詳細な説明は、添付図面と共に検討され、図面において、同様の番号は同様の部分を指す。
図1は、閉塞した血管を再疎通させるために、患者の身体に超音波を当てる新規の超音波血栓溶解システムを示す模式図である。 図1Aは、本発明にしたがって形成された種々の超音波血栓溶解システムにおいて、超音波エネルギ減衰または逸脱を補償するために、本システムによって放出されるエネルギ・レベルを本システムが自動的に調節する動作を示す模式ブロック図である。 図1Bは、本発明にしたがって形成された種々の超音波血栓溶解システムにおいて、超音波エネルギ減衰または逸脱を補償するために、本システムによって放出されるエネルギ・レベルを本システムが自動的に調節する動作を示す模式ブロック図である。 図1Cは、本発明にしたがって形成された種々の超音波血栓溶解システムにおいて、超音波エネルギ減衰または逸脱を補償するために、本システムによって放出されるエネルギ・レベルを本システムが自動的に調節する動作を示す模式ブロック図である。 図2Aは、非集束三次元拡散ビーム・パターン(defocused, 3-dimensional diverging beam pattern)を生成する、本発明にしたがって形成された種々の超音波変換器の模式図である。図2Bは、非集束三次元拡散ビーム・パターンを生成する、本発明にしたがって形成された種々の超音波変換器の模式図である。図2Cは、非集束三次元拡散ビーム・パターンを生成する、本発明にしたがって形成された種々の超音波変換器の模式図である。 図3は、対象領域をカバーする超音波照射の三次元錐体を生成する曲率半径を有する薄型変換器の模式図である(平面変換器によって形成される超音波照射パターンとの比較)。 図4Aは、頭蓋骨および生体組織を通過する超音波エネルギの減衰の検出のための対側手法(contralateral approach)を示す模式図である。図4Bは、頭蓋骨および生体組織を通過する超音波エネルギの減衰の検出のための同側手法(ipsilateral approach)を示す模式図である。 図5Aは、100mm凸状曲率半径を有し、1MHzで動作する25mm直径の変換ディスクによって生成された超音波エネルギのビーム・パターンの狭帯域幅連続波(CW)パルスによる、10%帯域幅シミュレーション、および実際の検査プロットの3Dグラフである。図5Bは、100mmの焦点距離を有し、1MHzで動作する25mm直径の変換ディスクによって生成された超音波エネルギのビーム・パターンの広帯域幅単一サイクル・パルスの50%帯域幅シミュレーション、および実際の検査プロットの3Dグラフである。
時間的な制約がある条件での診断、監視、および/または処置において、(a)即座に(例えば、撮像研究の前)処置を開始する、(b)手作業の行程または主観性を減らす、および/または(c)患者毎の変異性を考慮することができれば、患者の成果およびプロセスの改善に繋がるはずである。虚血性脳卒中または心筋梗塞のような閉塞状態については、凝塊を分解し血流を復元するのが早い程、患者に対する処置の成果は高まる。患者の成果を改善する処置の自動化の一般的な概念は、一般的に知られているが、意義深いこととして、本発明は、(i)救急虚血性処置プロセスの間、および/または(ii)虚血性患者特性の相違を考慮するために、行われる一定のステップを自動化するための種々の手段を開示する。
処置デバイスの自動化に関して、本発明は、生体組織の異なる層を通過する減衰、後方散乱、および/または音速のような要因を考慮することにより、治療用超音波処置の達成を自動化する手段、および対象領域内に伝達される超音波エネルギのレベルを自動化する手段も可能であると考える。脳卒中または心筋梗塞のような、閉塞事象に対する最初の応答の間と同様、第1応答者は、凝塊の正確な位置を知らず、超音波エネルギの照射(application)は、血液を遮断する凝塊を隠避する危険な候補である解剖学的領域に一様に分散されることになる。また、超音波エネルギは骨によって減衰されるので、超音波デバイスの出力エネルギは、凝塊の部位、例えば、凝塊が存在するかもしれない中大脳動脈(MCA)またはその直接分岐(immediate branch)におけるある場所に実際に伝達されるエネルギ・レベルとは異なる可能性がある。頭蓋骨の厚さ、密度、および多孔性はひとりひとり異なるので、超音波減衰の量、したがって、対象領域、例えば、MCAに実際に伝達されるエネルギの量に影響を及ぼす。凝塊の部位に(例えば、MCAの長さにわたって)所望量のエネルギを伝達させることは、マイクロバブルを使用してもしなくても、一定超音波エネルギは凝塊溶解を促進することが示されているので重要である。マイクロバブルは、一定の超音波エネルギ・レベルの存在の下では、気泡を生じる(cavitate)および/または放射することによっても、凝塊溶解を促進することが示されている。しかしながら、過度に多い音響エネルギは有害となるおそれがあるが、少なすぎる音響エネルギでは、所望の治療(または診断)効果が得られない場合もある。時間(およびコスト)がどのような処置を適用するか決定する要因となり得る救急医療状況では、簡単で、コストが低く、使いやすく、超音波減衰、後方散乱、および/または音速を考慮した自動化手段が望まれる。
本明細書において本発明の好ましい実施形態を説明するのは、以上のコンテキストにおいてである。
新規な超音波血栓溶解システムの概要
以下で説明するように、そしてここでは図1を参照すると、本発明は、閉塞した血管、例えば、脳卒中の間の脳内の血管、心筋梗塞の間における冠動脈等を再疎通させるように、患者の身体に超音波を当てるための新規な超音波血栓溶解システム5の提供および使用を含む。全体的に、新規な超音波血栓溶解システム5は、しかるべき電気信号を生成する信号生成器/プロセッサ10、信号生成器/プロセッサ10に接続され、信号生成器/プロセッサ10によって生成された電気信号を超音波(ultrasound waves)に変換する1つ以上の変換器15、および変換器15と患者の生体構造(anatomy)、例えば、患者の脳30を覆う患者の頭蓋骨25との間にしかるべきインターフェースを設ける超音波導通媒体(例えば、しかるべきゲル)20を含む。
以下で説明するように、新規な超音波血栓溶解システム5は、薬剤(例えば、マイクロバブル)35と併せてまたは伴わずに使用してもよく、使用する場合、薬剤をヒトまたは動物の身体内に送達する手段40(例えば、針)も設けることができる。
新規な超音波血栓溶解システム5の構造および使用に関する詳細については、その構成要素(即ち、信号生成器/プロセッサ10、変換器15、および超音波導通媒体20)の構造および使用も含めて、薬剤(例えば、マイクロバブル)35を使用する場合または使用しない場合も併せて、以下で更に詳しく論ずる。
均一なカバレッジ・フィールド
集束または非集束超音波変換器は、音響エネルギ場を、通例、平面状に、そして視野(FOV)の空間的幅および深さにわたって音響強度を大きく変化させて放出する。超音波エネルギが平面配置で(planar disposition)で照射される(present)場合、ユーザは、前もって、閉塞凝塊がどこに位置したか知り、超音波エネルギの平面配置を血栓と正しく位置合わせするためにリアル・タイムで撮像することによってそれを可視化し、処置期間中その部位に超音波エネルギの平面配置を維持する(即ち、それを適所に保持する)(または繰り返し、目標エリアにわたって処置を掃引する(sweep))必要がある。これらの要件は、万全であることが要求される救急事象において満たすことが極めて困難であり、 時間の経過が、患者の存命または障害のない生活品質の可能性を低下させることになる。
平面単一エレメントの非集束超音波変換器は、音響ビームにおけるピークおよびヌルによって生じる超音波照射の空間域内に、音響強度の大きな変動を伴う拡散三次元錐体を生成する。本発明の好ましい実施形態では、信号生成器/プロセッサ10は、種々のピークおよびヌルの空間的に多様な分布を与えるように、特定のパルス期間の掃引および/または階段状周波数出力信号を、三次元放射非集束変換器(3-dimensional radiating defocused transducer)15に供給するように構成される。この多様な分布は、要するに、凝塊およびマイクロバブル(存在する場合)と相互作用するための、超音波照射の空間域全域にわたる一層均一なビーム形成に寄与する。本発明の他の実施形態では、変換器15を約30%以上の帯域幅で使用することによって、連続する単一半サイクルまたは全サイクル送信パルスを使用して、広い帯域幅の変換器の自然応答を励起し、一層均一な超音波エネルギ場を生成し、凝塊およびマイクロバブルと相互作用することができる(これらが対象領域内の血管系に存在する場合)。
骨減衰に対する補正
本発明の好ましい実施形態は、フィードバック・ループを組み込み、超音波血栓溶解システム5およびその使用により、所望の効果を得るために、出力エネルギ、強度、信号特性、パルス長、デューティ・サイクル、造影剤のサイズ、分散(distribution)、組成等のような、しかしこれらに限定されないパラメータを自動的に調節する能力を備える。所望の効果とは、骨による超音波エネルギの減衰を考慮した後に、出力エネルギを制御することであってもよい。他の所望の効果は、頭蓋骨の直径を考慮した後における均一エネルギ蓄積のエリアの深さを調節することであってもよい。更に他の所望の効果は、溶解すべき虚血性血栓の組成を考慮するために、出力エネルギを調節することであってもよい。
図1Aは、本発明にしたがって形成された超音波血栓溶解システムの動作を示す模式ブロック図であり、本システムは、当該システムによって放出されるエネルギ・レベルを自動的に調節して、超音波エネルギの減衰または逸脱(aberration)を補償する。本発明のこの形態では、データを得るステップ101を開始する。102に示すように、頭蓋骨特性(例えば、密度、厚さ、多孔性等)のようなデータを、撮像手段または非撮像手段によって、例えば、撮像または非撮像質問信号(IS)を頭蓋骨内に送り、このような信号データを逆に受信することによって得ることができる(例えば、変換器15において信号を送信および受信することによって)。一旦信号データ102を受信したなら、プロセッサ(例えば、信号生成器/プロセッサ10)は、103に示すように、データ102を分析し、104に示すように、必要であれば、信号を調節することが可能であり、そして105に示すように新たな信号を送る。新たな信号105は、処置信号106aの変更(alternation)でもよく、または以前に作られた処置信号106a’でもよい。再度データ101を得る必要性があることもあり、その場合、ループ・サイクル(looped cycle)があればよい。
図1Bは、本発明にしたがって形成された超音波血栓溶解システムの動作を示す他の模式ブロック図であり、本システムは、当該システムによって放出されるエネルギ・レベルを自動的に調節して、超音波エネルギの減衰または逸脱を補償する。本発明のこの形態では、データを得るステップ101を開始する。102に示すように、頭蓋骨特性(例えば、密度、厚さ、多孔性等)のようなデータを、撮像手段または非撮像手段によって、例えば、撮像または非撮像質問信号(IS)を送り、このような信号を逆に受信することによって得ることができる(例えば、変換器15において信号を送信および受信することによって)。一旦データ102を受信したなら、プロセッサ(例えば、信号生成器/プロセッサ10)は、103に示すように、データ102を分析し、103bに示すように、調節係数(adjustment factor)を計算する。この調節係数103bに基づいて、ステップ104bに示すように、必要であれば信号を調節する(106bに示すように)か、または直接処置に進む(106b’に示すように)判断を行う。
図1Cは、本発明にしたがって形成された超音波血栓溶解システムの動作を示す他の模式ブロック図であり、本システムは、当該システムによって放出されるエネルギ・レベルを自動的に調節して、超音波エネルギの減衰または逸脱を補償する。本発明のこの形態では、少なくとも1つの超音波変換器101c(即ち、前述の超音波変換器15)を使用して、質問信号を生体組織、例えば、骨110cを通過するように送信する。質問信号は、ステップ102cにおいて第2変換器15(図1Cには示されていない)によって質問信号(IS)の少なくとも一部が受信されるまで、生体組織110cを横断するのでもよく、または質問信号の少なくとも一部が反射されて送信側変換器101cによって受信されてもよい。少なくとも1つの質問信号102cが変換器(送信側変換器または第2変換器のいずれか)によって受信された後、103cに示すように、プロセッサ(例えば、信号生成器/プロセッサ10)が、104cに示すように、調節係数を計算するために、データを分析する。この調節係数104に基づいて、必要であれば信号を調節する(ステップ106c)、あるいは診断、監視、および/または処置の目的で直接処置106c’に進むいずれかの判断(ステップ105c)を行い、処置は、虚血性血栓(図示せず)を、マイクロバブル(図示せず)のような薬剤と併せてまたは伴わずに、溶解することを含んでもよい。
つまり、図1A、図1B、および図1Cに示すように、本発明の一形態では、超音波エネルギが、1つ以上の変換器、例えば、超音波血栓溶解システム5の変換器15を介して組織(例えば、頭蓋骨25)に伝達され、その後、組織を横断した後(この場合、第2変換器によって検出することができる)、または組織からの反射の後(この場合、送信側変換器によって検出することができる)、検出される。この検出された超音波エネルギを分析し(例えば、信号生成器/プロセッサ10によって)、この分析に基づいて、調節係数を計算する。この調節係数は、超音波エネルギのレベルを今のまま継続すべきか、または超音波エネルギのレベルを修正すべきか判断するために使用される。
処置
変換器
本発明の一態様では、中心周波数(例えば、10MHzまで、または好ましくは約1MHz)を基準として動作する、新規な、小径、比較的平面状の(しかしいくらか湾曲した)変換器(例えば、変換器15)を使用して、超音波血栓溶解を促進するために、視野(FOV)を十分に広く保つことができる。このような非集束、拡散超音波変換器の例には、チタン酸ジルコン酸鉛、複合材料、または電気信号を機械的エネルギにおよびその逆に変換することができるピエゾ−電気効果(「PZT」)を呈する任意の材料というような、1つの凸状湾曲結晶で作られたものが含まれる。
次に図2Aを参照すると、凹形状201のレンズ材料を使用して、本発明にしたがって形成された超音波変換器15が示されている。この構造では、丸い、楕円、方形、または他の形状の変換器結晶202の横縁から放出する超音波信号が、厚い方のレンズ層201を横断し、これらの音波を減速させる。これによって、拡散球状超音波(図示せず)が形成され、変換器から離れた深さのところで広がる。これは、位相ビームの形成や指示(steering)を行わずに生成される三次元拡散ビーム超音波照射形状(3-dimensional diverging beam insonation geometry)の例である。
次に図2Bを参照すると、本発明にしたがって形成された他の超音波変換器15が示されており、この超音波変換器15は、柱状に裁断され、次いでエポキシを充填されたPZT材料を有する複合変換器203を含む。複合変換器203は、金スパッタリングによって1つのエレメントとして電気的に接合することができ、次いで凸成形ツール204を使用して加熱下で、凸状PZT形状に形成しつつ、単結晶動作特性を維持することができる。本質的に、これは、凸状複合単一エレメントPZT変換器205を形成する。これは、位相ビーム形成や指示を行わずに形成される三次元拡散ビーム超音波照射形状の他の例である。
次に図2Cを参照すると、本発明にしたがって形成された更に他の超音波変換器15が示されており、この超音波変換器15は、逆凹状音響レンズ206を凸状複合PZT変換器205と組み合わせ、凹レンズ206が凸状PZT205に沿うように、これら2つが接合されている。これによって、平面に見える表面となり、レンズよりも大きく徐々に広がるビームが得られる。即ち、凸面(convexity)を個別に形成することができ(provide)、位相ビーム形成や指示を行わずに形成される三次元拡散ビーム超音波照射形状の更に他の例である。
ビーム・パターン
狭帯域幅連続波(CW)パルスの単一拡散超音波変換器は、サイド・ローブ効果を生ずることができ、指定された深さにおいてビーム幅を狭め、所望の超音波照射場(desired field of insonation)内にピークおよびヌルを導入する。本発明によれば、帯域幅が約30%以上の変換器(例えば、変換器15)を使用することによって、連続する単一半サイクルまたは全サイクル送信パルスを使用して、広帯域幅変換器の自然応答を励起し、一層均一な超音波エネルギ場を生成することができる。これは、超音波血栓溶解では有利である。この均一なエネルギ場は、対象領域内の血管系において血餅と相互作用するために使用されることも可能である(マイクロバブルの追加を伴ってまたは伴わずに)。この均一なエネルギ場が生成される深さの範囲は、変換器を励起するために使用される周波数帯域幅およびパルス特性に基づいて、調節することができる。
図3は、本発明の好ましい実施形態を示し、対象領域301b(図3において陰影エリアによって表されている)をカバーする超音波照射の錐体301a(理想的には、変換器から約3cmから8cmの深さにおいて比較的均一なピーク音響負圧を有する)を生成する1つの薄型変換器301(例えば、図2A、図2B、および図2Cに示した構造と同様の構造を有することが好ましい変換器15)から成る。この対象領域301bは、虚血性事象が発生しそうな場所と言って差し支えなく、脳卒中の場合、脳においていわゆる「ウィリス動脈輪」(Circle of Willis)における中大脳動脈(MCA)、貫通動脈、および前大脳動脈(ACA)または後大脳動脈(図示せず)の分岐を含むとよい。
対象領域301b内に蓄積される特定のエネルギは、変換器301の出力パワーに関係する。しかしながら、減衰または他の要因により、対象領域301bに到達する実際のエネルギは、放射力、安定キャビテーション、および慣性キャビテーションからの溶解を含んで、虚血性血栓に対して所望の効果を達成するように血餅を溶解する(および/または血管系を循環していると考えられるマイクロバブルのような注入薬剤と相互作用する)には十分であることも十分でないこともある。これらの医学的効果は、いずれの1つまたは組み合わせでも、限定ではなく、薬品または遺伝子の送達というような他の目的、あるいは診断または監視の目的にも使用することができる。例として、慣性キャビテーションは、目標薬品を、対象領域内の部位に送達するために使用することができる。エネルギは、凝塊の組成、古さ、およびサイズ、そしてマイクロバブルが採用されている場合には、マイクロバブルの種類、サイズ、分散のような、しかしこれらには限定されない要因に応じて、選択可能である、または異なるレベルで自動的に伝達されてもよい。
研究者は、頭蓋骨の貫通に遙かに勝る(高い周波数と比較して)ために、脳内血管系における超音波血栓溶解には低周波数の超音波を使用してきた。研究者は、目標とする脳内血管系に対して広い生体構造カバレッジ(anatomical coverage)を生成する自然ビーム拡散プロファイル(natural beam-spreading profile)を有する、直径約20mm(302に示すような)または直径30mm(303に示すような)の200kHz平面非集束ディスクの使用について記載している。その角度は、以下の関係によって記述される。
θ=tan−1(a/d)
a=変換器の半径
d=ビームが錐体になる遠方場遷移(far field transition)。
したがって、直径20mmの平面非集束ディスク302は、対象領域301bをカバーするよりも広く現れる拡散ビーム・パターン302aを有することができ、直径30mmの平面非集束ディスク303も、対象領域301bをカバーするよりも広く現れる拡散ビーム・パターン303aを有することができる。しかしながら、非常に低い周波数の超音波(研究者によって使用される20mmディスク302および30mmディスク303のもののような)を使用する欠点は、血液脳関門(BBB)を開く潜在的可能性があり、重大な有害出血事象の原因となるおそれがあることである。非常に低い周波数の超音波(研究者によって使用される20mmディスク302および30mmディスク303のもののような)を使用する別の欠点は、錐形遷移ゾーン後におけるビームの拡散の広い角度が、音響強度の急速な低下、および対象領域内部における音響エネルギの不均一な蓄積を生ずることである。場合によっては、変換器の面から単に3cmの深さから6cmの深さの距離で、ほぼ1/5へのエネルギ減少が生ずることもある。
対象領域における更に均一な音響エネルギ
更にここで図3を参照すると、本発明の1つの好ましい実施形態は、凸状PZT材料(例えば、図2A、図2B、および図2Cに示す構造と同様の構造を有する)を使用する。これは、対象領域301bをカバーする錐体または同様の三次元立体形状(volume)の非撮像超音波エネルギ301aを放出する単結晶変換器301(即ち、超音波血栓溶解システム5の変換器15)として作用する。変換器301は、楕円、方形、または代わりの形状で、約25mmの直径、または同様の断面寸法を有するとよく、8cmの深さにおいて約4cm幅のビーム301aを形成する曲率半径を有するとよい(例えば、脳卒中患者の脳の正中線において「ウィリス動脈輪」をカバーする)。この形状の変換器では、ビームの拡散角度は一層緩やかになるので、対象の血管領域301bにおいて蓄積される音響エネルギは、鋭く拡散するビームによって生成される音響エネルギと比較すると、本明細書において説明したような掃引および/または階段状周波数出力あるいは広域短パルス(broadband short pulses)のような、他の信号生成技法が使用されるのであれば、更に均一になることができる。
信号生成器/プロセッサ
超音波血栓溶解システム5の信号生成器/プロセッサ10の好ましい実施形態は、可搬型で、軽量で、バッテリ給電型にすることもでき、移動体コンピュータ、タブレット、または電話機と同様のフォーム・ファクタで提供することもできる。信号生成器/プロセッサ10は、ディジタル・ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、オーディオ/ビジュアル・コンポーネント、マイクロフォン、アンテナ(1つまたは複数)、あるいはアナログまたはディジタル入力/出力を受信または送信するためのポートを有することができる。信号生成器/プロセッサ10は、着脱可能に変換器(1つまたは複数)15に接続することができ、あるいはデータまたは信号をワイヤレスで変換器(1つまたは複数)に/から送信/受信することができる。信号生成器/プロセッサ10は、診断、撮像、生理モニタ/除細動器、または分析デバイスに接続する、一体化する、または通信することができる。
本発明の一実施形態では、信号生成器/プロセッサ10は、各変換器15からの高周波識別番号(RFID#)生成データ、マイクロバブルの投与量35、または処置に関する他の成分のような、しかしこれらに限定されないデータを記録する(log)ように構成されている。例として、患者が脳卒中を起こした疑いがあり、入院前の現場(pre-hospital site)から病院の救急科に転送された後に、事象、コンポーネント、状態等を追跡するために、一意の識別データを記録することができる。このデータは、信号生成器/プロセッサ10または変換器15に記録することができ、更に、信号生成器/プロセッサ10または変換器15から、保管、評価、または処理のために他の場所に送信することもできる。超音波血栓溶解システム5のある種のコンポーネント(例えば、個々に識別される変換器15、使用される薬剤35の任意の投与量)は、現場で利用されることもあり、脳卒中の患者が病院に入院した後も、この脳卒中の患者と共に残して、その一意のコンポーネント識別を維持することができる。一方、それ自体の一意のコンポーネント識別子を有する本発明の他のコンポーネント(例えば、信号生成器/プロセッサ10)は、例えば、最初の患者が病院内で別の信号生成器/プロセッサ(図示せず)を使用して処置または監視されている間であっても、救急医療要員が他の脳卒中患者のために信号生成器/プロセッサ10を保持し再使用することを可能にするように、着脱可能に脳卒中患者から取り外すことができる。
例えば、超音波血栓溶解システム5を使用して現場において処置が開始される場合、病院に到着する前に、変換器15は患者に接着され(adhere)、造影剤(使用する場合)が直接または間接的に患者の循環系に送達される。一旦脳卒中患者が病院に受け入れられたなら、病院の設定で利用される超音波血栓溶解システム5のコンポーネントへの接続を可能にするために、入院前の設定において利用された超音波血栓溶解システム5のこれらのコンポーネントを超音波血栓溶解システム5の他のコンポーネントから取り外すことができる。一例としてそして限定ではなく、外の現場において脳卒中患者に取り付けられた変換器15は患者の上に置いたままでよいが、救急車に装備された(owned)信号生成器/プロセッサ10から切断する(結線されている場合)ことができ、この患者に対する処置を継続し、病院に設置されている(based)信号生成器が、患者が到着したときに、患者に適用された変換器の一意の識別を認識できるようにするために、病院が所有する他の信号生成器/プロセッサ10に変換器15を接続し直すことができる。最小限の処置中断で、超音波血栓溶解システム5の予め識別されているコンポーネント(変換器15に限定されない)を「引き継ぐ」能力は、特に、脳卒中の場合にあり得るように、処置が病院外で開始され病院内で継続される状況では、重要である。一意の識別子を有するコンポーネントは、本発明の使用による、特に1つの設定(例えば、入院前)から他の設定(例えば、病院)への、処置に関係する事象データの転送、または処置の継続を可能にする。コンポーネントが一意の識別子を有するので、変換器15、薬剤35、および信号生成器/プロセッサ10の供給により脳卒中患者を処置する救急医療サービスは、脳卒中患者Xに対して処置を開始し、患者Xを病院に移送し、新たな脳卒中患者Yの可能な処置の準備をするために、その信号生成器/プロセッサ10を切断することができる。その間に、病院は、信号生成器交換の時点まで、病院の信号生成器/プロセッサ10が患者Xを監視または処置し、入りつつある事象データを取り込み続けることができるように、救急医療サービスの信号生成器/プロセッサ10または変換器15によって収集されたあらゆる事象データの転送を受け入れつつ、それ自体の信号生成器/プロセッサ(図示せず)を接続することができる。
本発明の更に他の実施形態では、現場における神経系評価または遠隔診察のために、患者がどこにいようと関係なく、信号生成器/プロセッサ10にビデオ/オーディオ記録およびインタラクティブ通信能力を設ける。信号生成器/プロセッサ10は、脳卒中重症度評価スケール(NIHSS: National Institutes of Health Stroke Scale)またはシンシナティ病院前脳卒中スケール(CPSS: Cincinnati Prehospital Stroke Scale)に基づくがこれらには限定されない患者評価のような、視覚および聴覚情報を記録および格納することができるビデオ・カメラおよびオーディオ・マイクロフォンを有してもよい。本発明のディスプレイは、画像を供給するために使用することができ、この画像から、操作者は認知機能または運動機能を測るため、そして観察を記録するために、脳卒中患者に問い合わせることができる。本発明では、NIHSSまたはCPSSのような評価検査を管理するためにコンピュータ化手段を使用するための「現場」能力が、手順の標準化促進、採点の改善、ならびに処置および治療の品質の文書化強化に繋げることができる。
本発明の更に他の実施形態では、信号生成器/プロセッサ10は、遠隔地からデータまたは信号を受信する能力を有し、これによって、その生成器動作パラメータの変更に対処することができる。例えば、本発明を使用する処置は、入院前の設定で適用することができるので、処置が開始された後にユーザによって入力されたNIHSSデータのような、しかしこれに限定されない、信号生成器/プロセッサ10からのデータを、医者(例えば、遠隔医療接続によって神経科医)が解釈することができ、処置を修正または中止するために、信号生成器/プロセッサ10に命令を送信することができる。あるいは、本発明の実施形態は、脳内血流またはそのプロキシ(proxies)を測定する手段を利用することもでき、そしてデータを医者に送信することができ、処置を修正または中止するために、医者が命令および/またはデータを信号生成器/プロセッサ10に送ることができる。
日付けまたは時刻、全地球測位システム(GPS)、加速度計、センサ、生物、化学、人口統計、患者特定、機能的、または認知検査情報、あるいは他のデータというような追加の生成または入力データを、信号生成器/プロセッサ10または変換器(1つまたは複数)15に組み込むことができ、またそうでなければこれらと共に利用することもできる。
信号生成器/プロセッサ10およびその機能のいくつかの例示的な例には、患者の診断、処置、または監視において主要なタスクまたはステップが実行される時間を記録するための日付け/時刻スタンプの供給および使用が含まれる。例えば、信号生成器/プロセッサ10は、超音波照射またはマイクロバブルの送達が開始した時刻、およびこれの期間を記録するために使用することもできる。GPS機能(feature)は、脳卒中患者の場所、認定脳卒中センタまたは病院のような所望の施設または最も近い施設までの距離、あるいはこのような施設までの推定移動時間の表示または記録に対処することができる。加速度計は、例えば、脳卒中の兆候の身体的評価において、アーム・ドリフト(arm drift)の量の測定を補助するために使用することができる。また、信号生成器/プロセッサ10は、無数のアクションを推定、検出、または測定することができるセンサを含むこともできる。アクションとは、頭蓋内圧、血腫、出血、虚血、マイクロバブルの使用または投与、変換器の適正な配置および位置合わせ、自発的または反射的水平眼球移動(NIHSS標準から)、血圧、脈拍等であるが、これらに限定されるのではない。生物学的検査は、本発明の態様を使用して実行し、血中グルコース濃度の検出または測定、血小板算定、抗凝固剤または直接トロンビン阻害剤の現在の使用のため等で、本発明の診断、処置、または監視機能に組み込むことができる。信号生成器/プロセッサ10は、以上で述べたデータまたは検査の使用あるいは収集に対処するために入力/出力ポートを有することができる。
登録臨床ソフトウェア
本発明の使用中におけるデータの収集は、脳卒中のような、生物学的条件の進展または処置に貴重な知見を与えることができる。例えば、処置の時刻および期間を追跡し、このような情報を処置中におけるNIHSSスコアの低下に相関付けることができれば、頭蓋骨の形態(morphology)のような患者特定データと合同して、処置アルゴリズムおよびプロセスのタイミングおよび本質(nature)の改良に繋げることができる。このデータは、HIPAAによる許可および暗号化に基づいて、保管、分析、処理、または関連するアクセス資格証明を有する、予め特定されたユーザに送信することができる。信号生成器/プロセッサ10または変換器15によって、本発明の各使用中に収集された事象データは、増大し続けるデータベースを作成する。このデータベースを分析して傾向を求め、異なる処置変数、局所結果と全域結果の比較等に基づいて、最良の慣行を発展させることができる。尚、保険者または医療提供者(payors or providers)は、データの分析から得られる知見に価値があると考えることを確信する。
処置の準備
変換器(1つまたは複数)15は、別々に、または超音波血栓溶解システム5の他のコンポーネントと一緒に、結合ゲルまたは接着ペースト(例えば、前述の超音波導通媒体20)および/または1回のマイクロバブル投与量(例えば、前述のマイクロバブル35)、および/または信号生成器/プロセッサ10と共にというように、パッケージ化することができる。キット内にパッケージ化する場合、変換器/接着材の組み合わせを剥ぎ取りパック(peel-away pack)内に収容し、変換器を脳卒中患者の頭皮上に配置し、毛髪および頭皮を貫通して側頭骨窓(temporal bone window)内に音響エネルギを送達することができるようにしてもよい。加えて、マイクロバブルの1回の投与量をパッケージ化するならば、投与量(dosage amount)、製造会社、およびロット番号を記録するRFIDを、固定または剥ぎ取りフォーマットで携行し(carry)、静脈内輸液(IV)バッグに接着し、救急車の信号生成器/プロセッサ10と通信する、または一旦患者が救急科に到着したなら、病院が所有する信号生成器/プロセッサ10に切り替えることができるようにしてもよい。
便利さのために、(a)少なくとも1つの超音波変換器15,(b)着脱可能に変換器を患者に取り付ける手段(例えば、超音波導通媒体20)、(c)薬剤(例えば、ナノ粒子、マイクロバブル、血栓溶解薬品、またはマイクロバブル35のようなその他の薬剤溶液(agent solution)、および(d)治療効果を送達するまたは薬品を送達するようにヒトまたは動物の身体に薬剤を送達する手段(例えば、針40)を内蔵するキットを提供することもできる。超音波変換器(1つまたは複数)15は、特定の処置または診断指示に適した様々な構成にすることができ、例えば、変換器が1つの変換器エレメント、または変換器エレメントのアレイとして提供されてもよい。変換器を着脱可能に患者に取り付ける手段は、それ自体が変換器に取り付けられてもよく、または変換器を着脱可能に患者に取り付ける手段は、変換器とは別個であってもよく、最初に患者に、次いで変換器に、または最初に変換器に、次いで患者に、例えば、ペースト、接着材、のり、ゲルとして、または結束形態で適用されてもよい。薬剤は、患者への送達の準備ができた既存の形態でも良く、あるいは、マイクロバブル溶液、他の溶液、懸濁液、パウダ、または患者への送達の時点で薬剤に構成することができる他の形態であってもよい。薬剤を患者内に送達する手段は、シリンジ、管、静脈ポート、ヒドロゲル、ゲル、経皮パッチ、エアロゾル、またはその他の手段であってもよい。更に、薬剤の送達は、薬剤が患者内に送達され患者外部の溶液内に残らないように、薬剤を含有する溶液を攪拌する手段を含んでもよく、例えば、薬剤を収容する静脈内生理食塩水バッグを攪拌し、生理食塩水溶液と比較して軽量であるために送達ポートの上方に浮遊するいかなる薬剤材料をも患者内に送達できることを確保するメカニズム(またはユーザに警告するための可聴/視覚信号)を含んでもよい。
本発明は、救急時第1応答者が1つ以上の変換器15を患者の頭皮に、患者によっては毛髪内または生え際にある位置に接着するための迅速な手段が可能であると考える(contemplate)。超音波を効果的に身体内に送信するために、気泡を有さない結合ゲル(例えば、超音波導通媒体20)が使用されるのが通例である。これは、空気が超音波を反射し、超音波エネルギが対象領域に到達する能力を阻害するからである。結合ゲルは、超音波の全体をできるだけ効率的に身体内に送信できるように、結合媒体による超音波エネルギの減衰がほとんどない、または全くない「音響的に透過的」であることが理想的である。殆どの超音波結合材料は、非常に滑りやすくもある粘性ゲルであり、従前の手持ち型超音波変換器が、診断検査の間、身体上を滑走する(glide)ことを可能にする。
本発明では、光学的に超音波を頭蓋骨に透過させる手段を提供するだけでなく、1つのエレメント変換器を患者の頭皮に、毛髪を介して(変換器を付ける前に剃毛する必要なく)結合する手段も提供する。変換器は、通例、1時間以上になることもある時間期間、 処置のために適所に固定されていなければならない。
このために、本発明は、超音波エネルギが毛髪を通り頭皮内に貫通することを可能にする固有性も有する接着ペーストまたはヒドロゲル(即ち、超音波導通媒体20)の使用が可能であると考える。接着材は、不溶性粒子を除外し(take out)つつ、接着固有性、および毛髪を通り皮膚に達する超音波透過固有性を維持し、更に超音波エネルギの患者への照射(application)を開始する前に患者を剃毛する必要を回避するように策定された混合物とすればよい。また、この接着材の策定は、好ましくは、接着材内に空気を取り込まないように脱ガス・プロセスを含む。成分の固有性および相対的な量は、約1.0MHzの周波数を基準とする超音波エネルギを含むがこれに限定されない超音波エネルギの低い減衰を達成するように最適化することができる。
接着材(即ち、超音波導通媒体20)の成分には、ヒドロゲル、ポリオキシエチレン20セチル・エーテル、水、グリセリン、炭酸カルシウム、1,2-プロパンジオール、ポリオキシエチレン20ソルビトール、メチルパラベン、またはプロピルパラベンを含むことができる。本発明は、変換器が拡散ビーム構成に対処するために湾曲面を有しても(図2A、図2B、および図2C参照)、変換器(1つまたは複数)15の面全体をカバーする量の音響接着剤を使用することが可能であると考える。頭皮の表面における接着材は、可撓性音響スタンドオフ(acoustic standoff)としても役割を果たし、変換器(1つまたは複数)を対象の解剖構造領域と位置合わせすることが可能となるように、横方向および角度双方の位置合わせにおいて変換器(1つまたは複数)15の調節を可能にする(更に、頭蓋骨の両側における同側および対側変換器の位置合わせも容易にする。以下を参照のこと)。
有効化(activation)
撮像データ(時間がかかる)または高調波信号を解釈することに頼ってマイクロバブルのキャビテーション状態を検出する(複雑または評価が難しい)手法とは異なり、本発明は、その場における特定の患者について実際のエネルギ劣化量を計算し、対象領域において所望の音響エネルギを達成するために変換器において音響出力エネルギを自動的に調節する手段を使用する。
患者特定頭蓋骨/骨減衰に対するパワー・カスタム化
超音波ビームに対する頭蓋骨の影響を推定または計算する先行技術の手法は、主に、集束超音波ビームが頭蓋骨によってどのように逸脱される(aberrate)かに関心を寄せる。そして、この逸脱を考慮し、脳内部の目標上におけるビーム集束を保存するために、それを補正する種々の手段が使用される。本発明の好ましい実施形態は、脳卒中のための非撮像、広視野(FOV)処置を含み、ビーム形成を利用する必要性を完全に(to any degree)回避する。本発明の目的の1つは、注入されたマイクロバブルと相互作用するように、超音波エネルギを中央脳血管系の広い領域に導入することである。画像形成も集束も必要でない。本発明は、米国超音波医療学会(AIUM:American Institute of Ultrasound in Medicine)または米国食品医薬品局(FDA: United States Food and Drug Administration)によって識別され、安全であり有害な生体効果を防止すると見なされた最大レベルまたはそれ以下に、音響エネルギのピーク強度が抑えられるように、脳組織内部に蓄積される音響エネルギ量を手動でまたは自動的に(変換kにから出力されるエネルギと比較して)規制する手段が可能であると考える。また、本発明は、血餅に対する治療効果を高めるために、血餅および/またはマイクロバブルと最良に相互作用する範囲内に、音響強度を維持することも目的とする。掃引および/または階段状周波数の実施形態では、送信パルスの可変電圧「マップ」も、均一な音響エネルギ蓄積のために採用することができる。更に具体的には、任意の特定の単一エレメントの変換器設計に対して、そのPZTの帯域幅がいかに広くても、変換器は、種々の周波数において励起されるとき、異なる効率特性を有する。この周波数による効率のばらつきは、結果的に得られるビームが自由場において等価な音響強度を生成するように異なる電圧において各周波数パルスを励起することによって、考慮することができる。次いで、この標準的な出力可変電圧マップを、各周波数における個々の質問信号に基づいて相関付けることができる。
質問パルスに基づく(via)厚さ、密度、多孔性、直径
本発明は、血餅を溶解する音響強度レベルを自動的に設定する手段を提供し、マクロバブルが使用される場合、安定キャビテーション、慣性キャビテーション、および放射貫通(radiating penetration)を組み合わせて誘発することができる。これらの手段は、一定の種類の組織の既知の減衰係数、およびこれと共に、身体の他の部分と比較した、頭蓋骨の生体構造の特異な性質に基づく。画像が形成される典型的な診断用超音波では、種々のレベルの組織を透過するときの超音波ビームの減衰の違いから、一連の情報(a line of information)をリアル・タイムで形成することができる。皮膚、脂肪、筋肉、臓器、および骨は異なる度合いで減衰させ、したがって画像面では別個に再現されることが知られている。頭蓋骨の側頭骨(temporal window of the skull)は、超音波にとって、より単純であるがより手強いという双方の環境を提供する。これがより単純なモデルであるのは、この領域には脂肪や筋肉がないからであり、隣接する頭蓋骨と比較すると皮膚はこのように僅かな減衰しか生じないので、ビーム特性のいずれのモデリングでも、除外される可能性がある。残されるのは、2つの主要成分、即ち、頭蓋骨および脳組織である。脳組織は、超音波減衰に関しては均一であり、一般にヒト間で一貫性があり、このような減衰は−0.8dB/cm/MHzであることが分かっている。残りの減衰は、頭蓋骨によるものであり、超音波ビームのどれ位の減衰を招くかに関して、患者毎に著しくばらつく。加えて、頭蓋骨には3つの主要な特性があり、その各々がその減衰プロファイルに寄与する。それは、頭蓋骨の厚さ、頭蓋骨の密度、および頭蓋骨の多孔性である。
側頭骨の同側外部(ipsilateral, external part of the temporal bone)における変換器出力、および対側外部側頭骨(contralateral, exterior temporal bone)上にある変換器によって受信された音響信号(以下で更に詳しく論ずる図4Aを参照のこと)と比較して、様々な頭蓋骨の厚さ、または死体の頭蓋骨を模擬する減衰性材料から形成された1組の較正ブロックを、頭蓋骨(cranium)内部の様々なエリアにおいて呈されたピーク負圧を測定するための水中聴音センサを有する脱ガス水のテスト・フィクスチャ(test fixture)において設定することができる。例えば、超音波照射の目標空間域、および対側変換器における音響強度を表す、音響強度の測定値を複数の空間点において取り込むことによって、異なる減衰特性の頭蓋骨上の複数の場所について、1組の表形式のデータを組み立てる。このデータの最良当てはめ分析によって、参照表、および/または頭蓋骨の対側において受信された音響信号のレベルだけに基づいて、内部頭蓋骨目標エリアにおけるエネルギ強度を精度高く推定するアルゴリズムを作成する。次いで、この試験管導出アルゴリズム(in vitro-derived algorithm)を、通常のヒトの志願者(最新のCT頭部スキャンを受けたことがある)からのデータと比較する。この場合、対側送信データは、水中聴音器を被験者の脳に挿入する効果(benefit)なく取り込まれた。次いで、試験管内データに対する相関性を確認するために、この送信データを、頭蓋骨の厚さおよび密度を測定した既知のCTデータと概略的に相関付ける。
対側送信減衰の検出
本発明によれば、一定の特性(治療用掃引および/または階段状周波数と一致する複数の掃引および/または階段状周波数を含むがこれに限定されない)を有する質問信号(IS)が同側変換器15から送られ、(i)対側変換器15によって受信された(以下で更に詳しく論ずる図4Aを参照のこと)、または(ii)同じ同側変換器15に戻って受信された(以下で更に詳しく論ずる図4Bを参照のこと)とき、受信されたISは、周波数、厚さ、密度、および多孔性による減衰のような、しかしこれらには限定されない、その特定の患者の頭蓋骨に関連する特定のデータを与える。各頭蓋骨固有性は、CTスキャンの視覚的分析または定量的分析に基づいて計算することができない非集束超音波ビームに対する主要な影響を表す、全体的な(bulk)超音波減衰に寄与する。測定された全体的な減衰は、リアル・タイムのフィードバックを与えることができ、このフィードバックを使用して、非集束変換器(1つまたは複数)の出力パワー制御を増大または減少させることができ、したがって、現場においてそして病院内診断検査の前に判定することができる。これらの全体的減衰の測定は、その患者の頭蓋骨に特有であり、頭皮に対するその取付点における変換器の配置に特有であり、掃引および/または階段状周波数パルス方式において採用された選択周波数に特有である。
次に図4Aを参照すると、質問信号(IS)の対側検出を使用する自動減衰検出に関する本発明の実施形態が示されている。電極状の変換器401a、401b(例えば、超音波血栓溶解システム5の変換器15)が、身体上に、例えば、脳卒中の処置のために、反対側の各こめかみ上に置かれる。通例、こめかみは、脳への最適な音響窓となる、頭蓋骨の最も薄いエリアを与える。信号、即ち、短い1組のISパルス401a’、401b’は、変換器401a、401b、または他のデバイスによって伝達することができ、後続の処置用超音波照射パルスとは異なり(しかし、十分にAIUM/FDA安全限度内である)、1つの変換器401aから送信され、対側変換器401bによって受信され、その減衰に関して測定される(または、代わりに、1つの変換器401bから送信され、対側変換器401aにおいて受信され、減衰に関して測定される)。この減衰を、先に説明した試験管および生体内検査データから導かれた基準ベースラインと比較する。基準から、補償係数(compensation coefficient)(ここでは、調節係数103b、調節係数104c等のように、「調節係数」と呼ばれることもある)を導くまたは計算する。皮膚および頭皮の薄い筋肉/脂肪層からの減衰は、頭蓋骨や何センチメートルもある脳組織と比較すると、取るに足らず、無視することができる。計算の目的に限って、脳組織の減衰a=−0.8dB/cm/MHzは、正常な脳組織では患者間で一定であると仮定する。したがって、この係数は、その場における変換器の配置および正確な頭蓋骨の位置を考慮に入れており、ベースラインと比較すると、患者の特定の頭蓋骨の減衰特性に対して高い相関性を有する。信号生成器/プロセッサ10の動作を修正するように、補償係数は信号生成器/プロセッサ10にフィードバックされる(例えば、図1A、図1B、および図1C参照)。更に具体的には、補償係数が1.0よりも大きい場合、信号生成器/プロセッサ10は、検出された減衰対ベースライン測定値の比が高くなったと想定して、音響出力を増大させる。逆に、補償係数が1.0未満である場合、信号生成器/プロセッサ10は、検出された減衰対ベースライン測定値の比が低くなったと想定して、音響出力を減少させる。このように、変換器(1つまたは複数)15の超音波エネルギ出力は、内部目標部位における所望のレベルの超音波エネルギを供給するように、患者特有の超音波減衰にしたがって、個別に調整することができる。
本発明の一実施形態では、第1変換器401aからのISパルス401a’が第2変換器401bに送信され、補償係数が計算される。
本発明の他の実施形態では、第2変換器401bからのISパルス401b’が第1変換器401aに送信され、補償係数が計算される。
本発明の更に他の実施形態では、第1変換器401aからのISパルス401a’が第2変換器401bに送信されて、第1補償係数が計算され、第2変換器401bからのISパルス401b’が第1変換器401aに送信されて、第2補償係数が計算され、次いで平均補償係数が計算され(即ち、第1補償係数と第2補償係数との平均を取ることによって)、本システムはこの平均補償係数を利用して、内部目標部位に伝達される超音波エネルギを個別に調整する。
初期ISと比較して何か変化したか確認するためのチェックとして、処置超音波照射期間中の任意の時点において、追加のISを送信することもできる。補償係数に対する変更は、変換器の移動または位置ずれ、凝塊、血流、または圧力特性に対する変化のような、しかしこれらには限定されない事象が原因で行われる場合もある。
いずれの減衰補正(AC)アルゴリズムであっても(即ち、補償係数または調節係数を計算するためのアルゴリズム)、ピーク位置合わせから約−1dBのオフセットを生ずる変換器の位置ずれ範囲しか処理することができない場合がある。この位置ずれ範囲は検査済みであり、現在の変換器形状との約3度の角度変位、および1.3cmの横方向の変位であることが分かっている。例えば、変換器の位置ずれの結果、実際のピークから−3dBの信号(ピーク振幅よりも約50%低い)となった場合、ACアルゴリズムは、信号生成器/プロセッサ10に100%パワーを増大して補償することを試みさせることができる補償係数または調節係数を供給することができる。潜在的な変換器位置ずれに対する解決策は、次の通りである。ユーザが手作業で変換器15を頭皮のいずれかの側である可聴または視覚フィードバックによって位置合わせする(ISを使用して以下で説明するように)。ユーザが変換器15を位置合わせするプロセスを行っている間、信号生成器/プロセッサ10は継続的にISを送信し、受信した超音波振幅信号を記録し、ピーク強度に関係する視覚または可聴信号を供給する。ユーザがピークの位置合わせに達したとき(システムは自動的にこれを記録し、ユーザ入力なく測定する)、ユーザは変換器15上で接着材(即ち、超音波導通媒体20)と共に押下し続け、ユーザがピーク受信振幅ポイントからある角度だけ変換器を動かしても、頭皮に対して最適な接着および配置を得ることができる。同側変換器の対側変換器との位置合わせがピークから外れても、中大脳動脈に対応する3cm〜6cmの対象領域はなおも治療用パルスに対して、同側の変換器超音波照射3D空間域の角度内に十分収まる。次いで、本システムは、以前に記録されたピーク位置合わせ点の計算値から減衰測定値を取り込み、この減衰測定値を補正係数(本明細書では「補償係数」または「調節係数」と呼ぶこともある)として使用することができる。何故なら、これは、頭皮上におけるその特定の接着点において遭遇する実際の頭蓋骨減衰を最良に表すからである。
後方散乱による同側減衰検出
脳を横切る減衰の仮定に潜在的に可能なあらゆる不一貫性を回避するために、または何らかの傷または表面の不規則性が対側変換器の接着を阻む場合、以下のパワー・カスタム化プロセスは、脳の同側に配置された変換器(例えば、超音波血栓溶解システム5の変換器15)だけを使用する。更に具体的には、ここで図4Bを参照すると、本発明の代替実施形態が示されており、ここでは、変換器15(即ち、変換器402a、402b)が一方または双方のこめかみ上に配置されている。処置の開始時に、パルス・エコー検査ISを1つの変換器(即ち、変換器402aまたは402bのいずれか)について実行し、介在する頭蓋骨の相対的減衰を、脳のその側において測定することができる。これを行うために、IS402a’または402b’を、それぞれ、変換器402aまたは402bによって放出し、受信信号を時間制限し(time-gated)、その大きさを、ISを放出した同じ変換器によって測定する。正常な脳組織は、特定の一定後方散乱係数η=1/cmを有すること、つまり、特性減衰係数を有することが実証されている。限定された窓において時間ゲートを設定することによって、脳組織の近い部分から戻って来て受信されるエコーだけが受信されるが、これらは、正中線に近い血管樹において起こる何らかの脳卒中疾患過程による影響を受けている可能性は低い。次いで、後方散乱戻りエコーの大きさを、対側減衰補正の実施形態(図4A参照)において先に説明したように入手可能なCTスキャン・データを有する正常な志願者から生成することができるベースラインと比較することができる。パワー変調係数(本明細書では、「補正係数」、「補償係数」、または「調節係数」と呼ぶこともある)を導き出すことができ、処置の残り時間の間脳のその側において変換器に伝達されるパワーを増加または減少させる。このプロセスは、反対側の変換器についても繰り返すことができ、頭蓋骨の表面が許すのであれば、脳のその半球に対して別のパワー変調係数を形成する(develop)ことができる。
この手法の利点には、次の項目が含まれるが、これらに限定されるのではない。各こめかみ上にある両側の変換器間で位置合わせが必要ない。介在する内部の脳疾患がこの相対的定量的手法に影響を及ぼさない。各側頭骨の形状、厚さ、密度、または多孔性間の非対称性はいずれも、個々に考慮されるので、患者だけでなく、脳の半球によってもパワーがカスタム化される。
同側変換器によって送られたISを検出するために高収束(highly focused)または固定焦点変換器を使用する対側手法はいずれも、限られた三次元カバレッジおよび非均一な音響エネルギ分布のために、減衰補正計算の間だけでなく、処置期間全体の間でも、2つの変換器の位置合わせに大きく依存する可能性が高い。使用する変換器の種類や個数には関係なく、ISを受信し解釈することができる限り、対側IS送信手法(図4A参照)を使用しても、または同側IS反射手法(図4B参照)を使用しても、超音波減衰および/または逸脱を補正するために本発明の態様を使用することができる。
対側または同側手法は、特定の患者の脳全体で減衰が均一であるという仮定、および患者間における脳組織による減衰の変異性が大したことないという仮定によって制限される場合もある。後者の仮定が支持されるのは、正常な脳組織は、異なる患者母数にわたって、比較的均一な減衰を呈することからであると思われる。しかしながら、前者の仮定は、処置されつつある脳卒中に関連して、または塊(mass)または浮腫のような既存の脳異常によって、脳疾患がある患者において何らかの非常に小さい推定精度低下を招くおそれがある。対側手法において反対側の変換器電極間の超音波経路内に著しい脳細胞死または浮腫が発生した場合はいずれも、ベースライン減衰データと比較して、患者の減衰データにおいて、何らかの些細であるが測定可能な変異性が生ずる可能性がある。頭蓋内軟組織塊/液(masses/fluids)におけるこの百分率変異性(percentage variability)は、超音波の診断範囲内の周波数において90%を超える信号損失に至る可能性がある頭蓋骨によって表される減衰の圧倒的な大きさと比較すると、大したことはないように考えられる。浮腫、または鬱血、または塊による正中線偏位は全て、軟性組織(例えば、脳)と非常に似た減衰係数を有する。したがって、内部脳疾患の存在は、重大な変異性の原因(source)にはならないはずである。
患者の頭蓋骨の幅の相違(variations)に対する調節
第1変換器15から送られ第2対側変換器15において受信される、一定の特性を有する質問信号(IS)は、両側の変換器間における頭部の直径のような、しかしこれに限定されない、その患者の頭蓋骨に関連する特定の「飛行時間」(TOF)データを与える。患者が、既定の擬人化規範(anthropomorphic norms)からはみ出す、異常に狭いまたは広い頭部を有することがこの測定によって示された場合、処置に対する脳血管の目標は、正常な被験者よりも狭い、または深いところにあると仮定することができる。この頭部サイズ・データは、必要に応じて、変換器の入力信号を付加的に変化させるために使用することができる。次いで、測定された頭部サイズが特異に狭いサイズである場合には変換器にもっと近づくように、均一場が生成される深度範囲を調節することができ、また測定された頭部サイズが特異に大きい場合には変換器からもっと深いところにおいて開始するように調節することができる。次いで、この患者特定の深さ調節によって超音波照射の均一な部分錐体が得られ、その患者のその特異な頭蓋骨内において目標とする脳血管が位置するところに対して最良の位置合わせが行われる。例えば、本発明は、特定のパルス長、デューティ・サイクル、および帯域幅周波数コンテンツ(bandwidth frequency content)を使用して、変換器面から、約8cmの深さにおける脳正中線まで錐体状の均一音響エネルギ分布を供給することができる。M1、M2、およびレンズ核線条体動脈に対する特定のベースライン目標範囲は、例えば、ビーム均一性が最適化される、深さ3cmから6.5cmまでの錐体セクションとすることができる。しかしながら、患者がもっと狭いまたはもっと広い頭蓋骨/脳を有することを飛行時間(TOF)データが示す場合、最適に均一な錐体セクションが、例えば、2.0〜5.5cmまたは4.0〜7.5cmとなるように、飛行時間(TOF)計算からのフィードバック・センサが超音波パラメータ(例えば、特定パルス長、デューティ・サイクル、および帯域幅周波数)を変更することができる。
以上で説明した、パワー調節フィードバック(即ち、超音波減衰を考慮するための「パワー変調係数」、「補正係数」、「補償係数」、または「調節係数」の計算)では、ISの振幅が、患者特定の音響出力レベルを設定するために使用される。振幅に加えて、飛行時間(TOF)測定も、同じISから患者の頭部の高精度な全幅測定値を得るために行うことができる。頭部(つまり、頭蓋骨)が所定の閾値よりも狭いまたは広いことが発見された場合、信号生成器/プロセッサが変換器に送る信号を変調して(即ち、特定のパルス長、デューティ・サイクル、および帯域幅周波数を変調する)変換器によって放出される均一超音波場の配置を調節するように、TOF幅係数を、信号生成器/プロセッサ10へのフィードバック信号として使用することができる。
言い換えると、信号生成器/プロセッサ10は、変換器に送信される信号の特性を変化させることによって(即ち、特定のパルス長、デューティ・サイクル、および帯域幅周波数を変調することによって)、均一音響場の深さを変化させることができる。TOF計算(TOF calculator)によって狭い頭部(narrower head)が判定された場合、信号生成器/プロセッサ10は、均一音響場を変換器に近づくように移動させるために、変換器に送る出力信号を調節するので、患者の短い半球幅および近い脳血管系に一層精度高く一致させることができる。TOF計算によって広い頭部が示された場合、信号生成器/プロセッサ10は、変換器に送る信号を調節し、したがって、超音波音響場をそれに応じて調節する。
このように、本システムは、手作業による仲介や最初に応答する要員からの判断がなくても、音響強度出力(超音波減衰に対して補償するため)、および均一音響場の深さ(depth-of-field)(より狭いまたはより広い頭蓋骨に対して補償するため)を自動的に調節することができる。
変換器の最適な位置合わせ
本発明の他の実施形態では、接着材(例えば、超音波導通媒体20)を使用して変換器15を頭蓋骨に接着することもできる。接着材は、最初に毛髪の剃毛を必要とせずに、最適な音響結合のために、毛髪に浸透して頭皮に密着する。接着材の量が多い程、ユーザが最適な接触のために頭皮に対して変換器を押圧し空気ポケットを押し出す柔軟性が与えられる。接着材は、可撓性音響スタンドオフとして作用するとも言えるので、2つ以上の変換器15を位置合わせすることができる(頭蓋骨の湾曲角度(angles of curvature)は患者毎に大きく異なる可能性があるので、必ずしも頭蓋骨に対して垂直な方位とは限らない)。本発明の好ましい一形態では、変換器15が患者に取り付けられている(affixed)間に、本発明の信号生成器/プロセッサ10は、少なくとも1つの変換器において付勢しているので、その変換器が能動的にISを送出し、図4Aの対側減衰補正の実施形態における、即ち、反対側の変換器によってISを受信することができる。信号生成器/プロセッサ10は、送った各ISの振幅を監視および記録する。変換器15または信号生成器/プロセッサ10上の可聴音または視覚的合図は、受信された信号の相対的振幅を示すことができ、したがって、変換器の適正な位置合わせ、即ち、位置決めを示すことができる。
変換器15の適正な位置合わせ、即ち、位置決めを補助する追加手段には、センサ(例えば、加速度計、撮像、音響等)、または外部支持体(例えば、硬いヘッド・フレーム、可撓性のある形状記憶「めがね」フレーム等)の使用を含むことができる。これらの追加手段は、先に論じた変換器位置合わせ方式と併せて使用することができる。センサは、処置の前および最中における変換器の適正な位置合わせを確保するため、または変換器の配置に対して最適な側頭骨窓(bone temporal window)を突き止めるために利用することもできる。例えば、IS、経頭蓋ドプラ(transcranial Doppler)、または二次元経頭蓋超音波の使用は、超音波エネルギの減衰を最小限に抑えるように変換器を位置決めすることを可能にする側頭骨窓を突き止めるのを補助することができる。前述の外部支持体(例えば、硬いヘッド・フレーム、可撓性のある形状記憶「めがね」フレーム等)は、患者輸送中に変換器を適所に保持するために使用することができる。
処置
虚血性脳卒中の処置のための好ましい実施形態では、対象領域(例えば、中大脳動脈)に蓄積される音響エネルギの所望レベルは、変換器15の出力パワーに関係する。しかしながら、音響出力パワー(即ち、生体組織を横断する前に変換器から発するエネルギ)は、それが虚血性血栓に達する時点までに、最適になる場合も、減衰または後方散乱のような、しかしこれらに限定されない要因によって影響を受けて、最適にならない場合もある。経頭蓋に応用する場合、血餅(および/または対象領域内に存在するマイクロバブル)と相互作用する所望の音響エネルギは、変換器の面において出力される音響エネルギよりも低い(例えば、減衰のために)。種々の所望の医学的効果のいずれか(放射力、安定キャビテーション、および慣性キャビテーションを含むがこれらに限定されない)が凝塊を溶解することを可能にするために、適正な量の音響エネルギが対象領域内に存在しなければならず、この適正な量は音響出力エネルギとは異なる場合もある。
骨が超音波音響強度を減衰させること、そして患者の生体構造組織内部で強度の量を測定する能力は、現在では非常に侵襲的なセンサの埋め込み技法でしか入手できず、救急時または入院前設定では、非実用的で法外なコストがかかる(例えば、脳動脈では)ことは良く知られている。また、音響強度がマイクロバブルに作用し(affect)、強度レベルによっては、マイクロバブルが、超音波信号を反射する、安定または慣性キャビテーション・モードになる、あるいは放射力を伝える(impart)ことも良く知られている。また、マイクロバブルの種類、サイズ、および分散(distribution)、あるいは凝塊自体の古さ、組成、および物理特性も、音響強度による影響を受ける因子であり得る。したがって、対象領域内における音響強度量を制御する(単に変換器によって出力される音響エネルギではなく)ことが望ましく、これについて本発明において説明した。
正中線においてピーク負圧を測定した死体/前臨床研究と比較した、送信および受信信号間の関係
図5Aは、10%帯域幅シミュレーション501a、および100mm凸状曲率半径を有し1MHzで動作する本発明の直径25mmの変換ディスク(図2A、図2B、図2C、および図3参照)によって生成された超音波エネルギのビーム・パターンの狭帯域幅CWパルスによる実際の検査プロット501bの3−Dグラフィックである。これらのプロットは、ミリ単位の信号の深さに対する、相対的な強さをdB単位で示す。図5Bは、100mmの焦点距離を有し、1MHzで動作する本発明の25mm直径の変換ディスク(図2A、図2B、図2C、および図3参照)によって生成された超音波エネルギのビーム・パターンの広帯域幅単一サイクル・パルス(broad bandwidth single cycle pulse)による、50%帯域幅シミュレーション502a、および実際の検査プロット502bの3Dグラフである。パルス帯域幅のような因子を変化させることによって、本発明は、特に、対象領域においてピークおよびヌルを平滑化する(smooth out)ことができ、この例では、対象領域は、変換器の表面から約3〜8cmの間で8cmの深さにおいて4cm直径の幅にあるとしてよい。
図5Aでは、10%帯域幅またはCWパルスが、グラフ全域にわたって、特に対象領域内において、最大および最低dBレベルによって表される一連のエネルギ・ピークおよびヌルを生成する。この例では、対象領域は変換器表面から約3〜8cm(暗いオレンジ色のエリア)である。
図5Bは、特に、約3〜8cmの対象領域内において、1つの広帯域パルス(broadband pulse)を使用してまたはパルス帯域幅を50%まで変化させることによって生成されたエネルギの大きさ(dB単位)を平滑化した範囲を示す。このエネルギ蓄積の均一性は、特に、凝塊の位置が処置前には分かっていない場合に、非撮像、非集束、拡散超音波ビームおよびキャビテーション薬剤(例えば、マイクロバブル)によって脳卒中患者を処置するときの凝塊溶解には重要である。非撮像超音波の使用も、前処理頭部CTスキャンの使用も必要でないので、これは、問題の凝塊の具体的な位置が処置前には分かっていないことを暗示し、したがって、対象領域内に均一レベルのエネルギ(特に減衰または逸脱後)を供給することによって、十分なエネルギが凝塊に到達し、薬剤に対して所望の効果を得ることが可能になる。したがって、例えば、変換器表面から深さ5cmにおいてMCA内に凝塊が存在し、マイクロバブルが凝塊に到達する場合、マイクロバブルと相互作用する超音波エネルギは、安定キャビテーション、慣性キャビテーション、または放射力(または任意のまたは全ての力の組み合わせ)に溶解を達成させるのに十分であると言って差し支えない。
複数の2〜100m秒のパルスが治療に必要とされる場合もあるので、これらは、帯域幅が狭い波形程、意図する超音波場においてピークおよびヌルを呈することができるCWパルスに増々類似することを表す。「掃引および/または階段状周波数」手法によって更に均一な蓄積を得るための手法を採用することもでき、一連のパルスが、選択された中心周波数を基準として変化する増加周波数(increasing frequencies)を有することができる。これは、単一周波数長パルス方式で起こるような、超音波(US)エネルギ形成のピークおよびトラフを防止することができる。周波数間隔を選択するために、以下の方法を使用することができる。
−掃引および/または階段状手法では、低い周波数は高い方の周波数の半分だけでなければならない。これらの条件の下では、高い方の周波数は、低い方の周波数の2倍のヌルを有し、1つ置きのヌルは低い方の周波数のヌルと一致する。ステップが多い程平均ビームプロットを増々(to a greater degree)平滑化するので、設計は間にできるだけ多くのステップを使用することができる。これに対する些細な強化は、シーケンスにおいて高い方の周波数を使用しないことが最良であるということである。何故なら、これは低い方の周波数におけるヌルを補強する(reinforce)からである。改良方法の周波数を計算するステップは、次のように進展する。
FL=低い周波数
FU=使用しない高い周波数
F=中心周波数=1MHz
A=ステップ・サイズ
N=ステップ乗数
FH=高い周波数=FL+(2N−1)×A
とする。
すると、
F−(N−0.5)=FL
F+(N+0.5)A=FU
FU=2FL
F+(N+0.5)A=2FL
F+(N+0.5)A=2(F−(N−0.5)A)
F+(N+0.5)A=2F−2(N−0.5)A
(N+0.5)A+2(N−0.5)A=F
[(N+0.5)+2(N−0.5)]A=F
[N+0.5+2N−1]A=F
[3N−0.5]A=F
A=F/(3N−0.5)
例として、1MHzおよびN=2において、
A=0.18182MHz
f=[0.72727 0.90909、1.0909 1.2727]MHz
FU=1.4545
自由場(即ち、減衰がない媒体)水タンクの実験により、この周波数平滑化技法の実用的な効果を実証する。
マイクロバブルの状態
ある研究者は、安定キャビテーションが、超音波のみ、または注入されたマイクロバブルと共に、血栓の溶解を補助することができる主要な手段であると主張している。しかしながら、超音波およびtPAを使用した実際の臨床試験研究のシミュレーションは、成功した超音波媒介凝塊溶解が、安定キャビテーション・レベルに達するだけの十分なメカニカル・インデックスを達成する適当なエネルギを頭蓋骨に全く透過させていなかったことを示唆する (Ultrasound Med Biol. 2009 Jul;35(7): 1148-58)。試験管内の研究では、超音波のみ、または超音波と注入マイクロバブルとの相互作用が、溶解効果を達成できる他の潜在的なメカニズムを指摘する。超音波が血栓性閉塞の溶解を補助することができるメカニズムは、多変量であり、同時に、以下の機械的プロセスのいずれかまたは全てを含むことができる。
・フィブリン分解において内因性tPA有効性を高める、血栓との超音波相互作用。
・血栓の周辺においてマイクロストリーミング・エネルギを供給する、注入マイクロバブルの安定キャビテーション。
・血栓の周辺または内部においてマイクロジェットを供給する注入マイクロバブルの慣性キャビテーション。および/または
・注入マイクロバブルに、血栓内のフィブリン/血小板マトリクスをすり抜けさせることによって、一層の表面エリアを露出させ、血栓を保持する接合(bond) も併せて弱化させる超音波ビームの放射エネルギ。
これらのプロセスの全てにおいて、注入マイクロバブルは、超音波による血栓溶解の間いずれの化学的相互作用においても代謝的に取り込まれない。加えて、内皮組織の超音波励起が、一酸化窒素を放出し、血管拡張を生成し、影響を受けた脳組織に有効な付帯的血流を供給することができる。
所与の音響強度の超音波ビーム、またはメカニカル・インデックスが安定または慣性キャビテーションを達成する能力、または放射力によって影響される能力は、マイクロバブルの直径およびその弾性に直接関係する。市販されているマイクロバブルはサイズが不均一である、即ち、「多分散」であるので、脳の空間域において、所与の音響強度またはメカニカル・インデックスを有する超音波ビームは、同時に、キャビテーション、安定キャビテーション、慣性キャビテーション、および/または放射力を、その対象領域内を循環するマイクロバブルの部分集合に誘発することができる。これらは、血栓を分解することに対して、累積効果を与える。
定在波のリスク低減
本発明の頭蓋内手法では、超音波ビームの拡散が、対側頭骨壁に到達する音響エネルギを更に減少させるが、広く拡散するビームよりはいくらか集中する。しかしながら、周波数に依存する脳組織内における超音波の減衰を考えると、1MHzの変換器ビームは、例えば、200kHzの変換器よりも5倍速く減衰され、向こう側の反射または定在波によって生じる意図しない結果の潜在的可能性を低下させる(表1)。
既存の手法には、広い視野(FOV)を達成するために、非常に低い周波数、例えば、200kHzで動作する変換器からの自然なビーム拡散(beam-spreading)に頼るものがある。本発明の実施形態では、約1MHzで動作する凸状PZT変換器15(例えば、図2A、図2B、および図2Cに示すような)が、定在波を形成せずに、脳卒中が起こる可能性が最も高い脳血管をカバーする最適なFOVを提供する。本発明によって供給される、更に狭く拡散するビームは、対象領域において、更に均一な音響エネルギを供給するが、向こう側の頭蓋骨壁に近づくにつれて、距離の二乗で強度が低下し、反響干渉(rebound interference)のリスクを低下させる。また、1.0MHzの周波数は、脳組織を通過するに連れて、増々減衰が生ずる。つまり、深さ8cmにおける1.0MHzビームは、向こう側の頭蓋骨壁に衝突する前に、深さ8cmにおける同等のエネルギの200kHzビームよりも素早く、脳組織内において減衰し続ける。
また、反対側の頭蓋骨が潜在的に非常に良く反射する可能性があることにより、パルスが反射して最初の順方向治療波と交差して(across)逆に伝搬するときはいつでも、強め合うまたは弱め合う干渉のリスクがある。これは、頭蓋骨を横切って伝搬するのに要する時間の後であればいずれの時点でも発生する可能性がある。脳組織内における音速は約1540m/秒であるので、100m秒のパルスは154メートルのパルス長を有する。2m秒のパルスは、3.08mのパルス長を有する。頭蓋骨のような密閉空間において発生する可能性がある定在波について懸念する必要がある。定在波は頭蓋骨を横切る様々な経路を通って発生し、元の前進波に存在するよりもはるかに大きな大きさに達する可能性がある。組織の減衰がこのリスクを取るに足らないものにする。脳組織における減衰は、0.8dB/cm/MHz程度である。3mおよび1MHzにおいて、2m秒パルスの前縁は、240dBだけ減衰され、取るに足らない干渉に寄与する。この有効な減衰によって、100m秒パルスに伴う干渉の問題は、2m秒パルスによる干渉よりも著しく大きくはならない。
しかしながら、音響パワー出力、および対象領域内に結果的に生ずるエネルギ蓄積は、介在する頭蓋骨の特定の減衰特性を推定しリアル・タイムで補正できる場合でないと使用できない。凝塊が位置する深さが、例えば、他の診断検査によって発見された場合、信号拡散変換器によって、意図的に高くしたピーク・エネルギを供給して、その突き止められたばかりの(now-located)閉塞している凝塊を更に攻撃的に処置することができる。
現在の治療の標準では(凝塊を分解する以前の努力が成功しなかった場合)、tPAの動脈内投与、およびカテーテル・ベースの血栓除去デバイスのように、凝塊を除去するために増々攻撃的な手順を使用する。本発明は、特に初期設定を使用して凝塊が溶解されない場合に、処置の強度を高める、即ち、「ダイアル・アップ」(dial up)する同様の能力を提供する。指定された深さで意図的なピーク・エネルギ・ノード(peak energy node)を供給することができる複数のパルス特性を選択することができる。この方法によって、比較的狭い帯域内に、X線または磁気共鳴(MR)血管造影上で発見された凝塊の位置に対応する、指定された深さにおいて更に高いピーク負圧を蓄積することができる。
マイクロバブル
本発明の1つの好ましい形態では、マイクロバブル35は、超音波血栓溶解システム5と併せて使用される。マイクロバブル35は、超音波エネルギによって励起されたときに血餅の溶解を促進することができるのであれば、実質的にあらゆる生体適合性のあるマイクロバブル組成を含んでもよい。本発明の1つの好ましい形態では、マイクロバブル35は、気体成分、例えば、パーフレクサン(perflexane)、およびサイズ分布が79%<3μmおよび21%の3〜10μmである1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC:l,2-dimyristoyl-sn-glycero-3-phosphocholine)のようなリン脂質膜成分、または平均直径が3.0〜4.5μmであるヒト血清アルブミンおよびパーフルトレンを含む。
好ましい実施形態の変更
尚、本発明の性質を説明するために本明細書において説明および例示した詳細、材料、ステップ、および部品の構成における多くの付加的な変更(changes)も、本発明の原理および範囲内に留まりつつ、当業者によって行うことができることは理解されてしかるべきである。

Claims (71)

  1. 患者における部位に対して治療を行うための超音波システムであって、
    患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
    前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサであって、前記少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達させるように電気信号を前記少なくとも1つの変換器に印加し、これによって前記患者における前記部位に対して治療を行うように構成される、信号生成器/プロセッサと、
    を含み、
    前記信号生成器/プロセッサが、(i)前記超音波エネルギが前記患者を通過する際に超音波減衰を確認し、(ii)前記患者における超音波減衰を補償するように、前記少なくとも1つの変換器に印加される前記電気信号を修正することによって、所定のレベルの超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達するように構成される、超音波システム。
  2. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、(i)前記患者における超音波減衰を自動的に確認し、(ii)超音波減衰を補償するように前記少なくとも1つの変換器に印加される前記電気信号を自動的に修正することにより、所定のレベルの超音波エネルギを前記患者における前記部位に自動的に伝達するように構成される、超音波システム。
  3. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、(a)前記少なくとも1つの変換器が超音波質問信号を前記患者に伝達するように、前記少なくとも1つの変換器に電気質問信号を印加し、(b)前記超音波質問信号が前記患者の少なくとも一部を通過した後に前記超音波質問信号を検出し、(c)前記検出した超音波質問信号から超音波減衰のレベルを判定し、(d)所定のレベルの超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達するように、前記少なくとも1つの変換器に印加される電気信号を調節することによって、超音波減衰を補償するように構成される、超音波システム。
  4. 請求項3記載の超音波システムにおいて、前記超音波エネルギの所定レベルが、前記部位において少なくとも1つのアクションのメカニズムを誘起するのに十分である、超音波システム。
  5. 請求項4記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つのアクションのメカニズムが、安定キャビテーション、慣性キャビテーション、および放射力から成る1群からの少なくとも1つである、超音波システム。
  6. 請求項3記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、前記患者における超音波減衰のレベルを判定するように、前記検出した超音波質問信号を減衰表と比較する、超音波システム。
  7. 請求項6記載の超音波システムにおいて、前記減衰表が、死体研究および較正ブロック研究から成る1群からの少なくとも1つによって生成される、超音波システム。
  8. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、前記少なくとも1つの変換器に印加される前記電気信号のパラメータの内、周波数、帯域幅、電圧、出力エネルギ、強度、パルス長、およびデューティ・サイクルから、少なくとも1つを調節することによって、超音波減衰を補償する、超音波システム。
  9. 請求項3記載の超音波システムにおいて、前記超音波システムが、同側変換器と対側変換器とを含み、更に、前記信号生成器/プロセッサが、前記電気質問信号を前記同側変換器に印加し、前記対側変換器によって前記超音波質問信号を検出するように構成される、超音波システム。
  10. 請求項9記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、電気質問信号を前記同側変換器に供給するように構成され、更に、前記信号生成器/プロセッサが、前記同側および対側変換器を位置合わせするときの合図として使用するために、前記検出した超音波質問信号に対応する可聴信号または視覚表示を生成するように構成される、超音波システム。
  11. 請求項9記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、更に、電気質問信号を前記対側変換器に印加し、前記同側変換器によって超音波質問信号を検出するように構成され、更に、前記信号生成器/プロセッサが、前記検出した超音波質問信号の平均を取るように構成される、超音波システム。
  12. 請求項9記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、(i)前記同側変換器と前記対側変換器との間における患者の解剖構造のサイズを判定するように、および(ii)前記患者の解剖構造のサイズに基づいて、前記少なくとも1つの変換器に印加される前記電気信号を修正するように構成される、超音波システム。
  13. 請求項9記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、前記超音波質問信号の前記同側変換器から前記対側変換器までの飛行時間を測定することによって、前記同側変換器と前記対側変換器との間における前記患者の生体構造のサイズを判定するように構成される、超音波システム。
  14. 請求項3記載の超音波システムにおいて、前記超音波システムが、同側変換器を含み、更に、前記信号生成器/プロセッサが、前記超音波質問信号を生成するように前記電気質問信号を前記同側変換器に印加し、前記超音波質問信号が前記患者の身体のある部分を横断した後に、前記同じ同側変換器によって前記戻り/反射超音波質問信号を検出するように構成される、超音波システム。
  15. 請求項1記載の超音波システムであって、更に、前記少なくとも1つの変換器を患者に着脱可能に固着するためのフレームを含む、超音波システム。
  16. 請求項1記載の超音波システムであって、更に、前記少なくとも1つの変換器を患者に着脱可能に固着するために接着材を含む、超音波システム。
  17. 請求項16記載の超音波システムにおいて、前記接着材が、低減衰超音波導通媒体を含む、超音波システム。
  18. 請求項17記載の超音波システムにおいて、前記接着材が、ヒドロゲル、ポリオキシエチレン20セチル・エーテル、水、グリセリン、炭酸カルシウム、1,2-プロパンジオール、ポリオキシエチレン20ソルビトール、およびメチルパラベンまたはプロピルパラベン、織布、プラスチック(PVC、ポリエチレンまたはポリウレタン)、あるいはラテックスの内の少なくとも1つを含む、超音波システム。
  19. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記部位が血餅を含み、更に、前記超音波システムが、前記血餅を溶解するように、超音波エネルギを前記血餅に伝達する、超音波システム。
  20. 請求項19記載の超音波システムにおいて、前記血餅が脳内に位置する、超音波システム。
  21. 請求項19記載の超音波システムにおいて、前記血餅が冠動脈内に位置する、超音波システム。
  22. 請求項19記載の超音波システムにおいて、前記血餅が末梢動脈内に位置する、超音波システム。
  23. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記部位が、循環経路と組織との間の界面を含み、更に、前記システムが、前記組織への薬品送達を強化するように、超音波エネルギを前記界面に伝達する、システム。
  24. 請求項23記載の超音波システムにおいて、前記界面が血液脳関門を含む、超音波システム。
  25. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器が、前記患者の頭部に着脱可能に固着するように構成される、超音波システム。
  26. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器が、前記患者の胸部に着脱可能に固着するように構成される、超音波システム。
  27. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器が、前記患者の四肢に着脱可能に固着するように構成される、超音波システム。
  28. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、ケーブルを介して前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成される、超音波システム。
  29. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、ワイヤレス接続を介して前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成される、超音波システム。
  30. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器が着脱可能に前記患者に固着された後、前記信号生成器/プロセッサを前記少なくとも1つの変換器から切断できるように構成され、更に、前記切断された信号生成器/プロセッサを、その後、交換用信号生成器/プロセッサと交換することができる、超音波システム。
  31. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器および前記信号生成器/プロセッサが、前記患者における前記部位に送達される治療を強化するように、実質的に均一な拡散ビームの形態で前記超音波エネルギを供給するように構成される、超音波システム。
  32. 請求項31記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器が、凸形状を有するコンポーネントを含む、超音波システム。
  33. 請求項32記載の超音波システムにおいて、前記コンポーネントがピエゾ電気材料を含む、超音波システム。
  34. 請求項33記載の超音波システムにおいて、前記ピエゾ電気材料が柱状に切断(dice)され、次いで凸形状を形成するようにエポキシで充填される、超音波システム。
  35. 請求項33記載の超音波システムであって、更に、前記第1コンポーネントに隣接して配置された第2コンポーネントを含み、前記第2コンポーネントが逆凹状音響レンズを含む、超音波システム。
  36. 請求項31記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器が、約30%以上の帯域幅を有する、超音波システム。
  37. 請求項31記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、実質的に均一な拡散ビームを供給するように、患者特有の変数にしたがって、前記少なくとも1つの変換器に印加される前記電気信号を調節するように構成される、超音波システム。
  38. 請求項37記載の超音波システムにおいて、前記実質的に均一な拡散ビームの深さ範囲が、前記少なくとも1つの変換器に印加される前記電気信号の周波数帯域幅およびパルス特性を修正することによって調節される、超音波システム。
  39. 請求項31記載の超音波システムにおいて、前記実質的に均一な拡散ビームの深さ範囲が、約3〜8cmの深さである、超音波システム。
  40. 請求項39記載の超音波システムにおいて、前記実質的に均一な拡散ビームが、深さ約8cmの深さにおいて、約4cmの広がり(spread)を有する、超音波システム。
  41. 請求項31記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、実質的に均一な拡散ビームを供給するように、電気信号のパラメータの内、周波数、位相、タイミング、およびパルス・パラメータから、少なくとも1つを自動的に調節するように構成され、前記パラメータが、出力エネルギ、帯域幅、電圧、強度、パルス長、およびデューティ・サイクルを含む、超音波システム。
  42. 請求項41記載の超音波システムにおいて、前記電気信号が、前記実質的に均一な拡散ビームにおいてピークおよび/またはヌルを最小化するように、選択された中心周波数を基準とする掃引および/または階段状周波数を有する、超音波システム。
  43. 請求項31記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、連続する単一半サイクルまたは全サイクル・パルスを前記少なくとも1つの変換器に印加するように構成される、超音波システム。
  44. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器および前記信号生成器/プロセッサが、前記超音波エネルギを集束ビームの形態で供給するように構成される、超音波システム。
  45. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器および前記信号生成器/プロセッサが、予めパッケージングされたキットの形態で提供される、超音波システム。
  46. 請求項1記載の超音波システムであって、更に、前記患者内における前記部位に送達するための薬剤を含む超音波システム。
  47. 請求項46記載の超音波システムにおいて、前記薬剤が前記血餅の近傍に配置され超音波に露出されると、前記薬剤が血餅の溶解を強化する、超音波システム。
  48. 請求項46記載の超音波システムにおいて、前記薬剤が、循環経路と組織との間における界面の浸透性を高める、超音波システム。
  49. 請求項48記載の超音波システムにおいて、前記界面が血液脳関門を含む、超音波システム。
  50. 請求項47記載の超音波システムにおいて、前記薬剤が、マイクロバブル、ナノ粒子、または薬品を含む、超音波システム。
  51. 請求項46記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器、前記信号生成器/プロセッサ、および前記薬剤が、予めパッケージングされたキットの形態で提供される、超音波システム。
  52. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、事象データを収集するように構成される超音波システム。
  53. 請求項52記載の超音波システムにおいて、前記少なくとも1つの変換器が一意の識別子を含み、更に、前記信号生成器/プロセッサによって収集される事象データが前記一意の識別子とタグ付けされる、超音波システム。
  54. 請求項52記載の超音波システムにおいて、前記事象データが、日付けまたは時刻、全地球測位システム(GPS)データ、加速度計データ、センサ・データ、生物学的データ、化学的データ、人口統計学的データ、患者特有データ、機能または認知テスト情報、あるいはその他のデータから成る1群からの少なくとも1つを含む、超音波システム。
  55. 請求項52記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、前記収集された事象データを送信するように構成される、超音波システム。
  56. 請求項55記載の超音波システムにおいて、前記収集された事象データが医療登録簿に送信される、超音波システム。
  57. 請求項56記載の超音波システムにおいて、前記医療登録簿が、複数の患者からの集計データを収容する、超音波システム。
  58. 請求項1記載の超音波システムにおいて、前記信号生成器/プロセッサが、その動作パラメータを変更するために、遠隔地から命令を受信するように構成される、超音波システム。
  59. 患者における部位に対して治療を行うための超音波システムであって、
    患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
    前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサであって、前記少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達させるように電気信号を前記少なくとも1つの変換器に印加し、これによって前記患者における前記部位に対して治療を行うように構成される、信号生成器/プロセッサと、
    を含み、
    前記少なくとも1つの変換器および前記信号生成器/プロセッサが、前記患者における前記部位に、実質的に均一な拡散ビームの形態で前記超音波エネルギを供給するように構成される、超音波システム。
  60. 超音波を患者に送達するシステムであって、
    患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
    前記少なくとも1つの変換器を患者に着脱可能に固着する接着材と、
    を含み、前記少なくとも1つの変換器および前記接着材が、予めパッケージングされたキットとして提供される、システム。
  61. 請求項60記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの変換器および前記接着材が、一体化デバイスとして提供される、システム。
  62. 請求項60記載のシステムにおいて、前記接着材が、低減衰超音波導通媒体を含有する(contain)、または含む(comprise)、システム。
  63. 請求項62記載のシステムにおいて、前記接着材が、ヒドロゲル、ポリオキシエチレン20セチル・エーテル、水、グリセリン、炭酸カルシウム、1,2-プロパンジオール、ポリオキシエチレン20ソルビトール、およびメチルパラベンまたはプロピルパラベンの内少なくとも1つを含む、システム。
  64. 請求項60記載のシステムにおいて、前記システムが、更に、前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサを含み、前記信号生成器/プロセッサが、前記少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達させるように電気信号を前記少なくとも1つの変換器に印加し、これによって前記患者における前記部位に対して治療を行うように構成される、システム。
  65. 患者内における部位に対して治療を行う方法であって、
    患者内における部位に対して治療を行うための超音波システムを用意するステップであって、前記超音波システムが、
    患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
    前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサであって、前記少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達させるように電気信号を前記少なくとも1つの変換器に印加し、これによって前記患者における前記部位に対して治療を行うように構成される、信号生成器/プロセッサと、
    を含み、
    前記信号生成器/プロセッサが、(i)前記超音波エネルギが前記患者を通過する際に超音波減衰を確認し、(ii)前記患者における超音波減衰を補償するように、前記少なくとも1つの変換器に印加される前記電気信号を修正することによって、所定のレベルの超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達するように構成される、ステップと、
    前記少なくとも1つの変換器を着脱可能に患者に固着し、前記構成された信号生成器/プロセッサを前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するステップと、
    前記少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達させるように、前記信号生成器/プロセッサによって電気信号を前記少なくとも1つの変換器に印加し、これによって前記患者における前記部位に対して治療を行うステップと、
    を含む、方法。
  66. 患者内における部位に対して治療を行う方法であって、
    患者内における部位に対して治療を行うための超音波システムを用意するステップであって、前記超音波システムが、
    患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
    前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するように構成された信号生成器/プロセッサであって、前記少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達させるように電気信号を前記少なくとも1つの変換器に印加し、これによって前記患者における前記部位に対して治療を行うように構成される、信号生成器/プロセッサと、
    を含み、
    前記少なくとも1つの変換器および前記信号生成器/プロセッサが、前記患者における前記部位に、実質的に均一な拡散ビームの形態で前記超音波エネルギを供給するように構成される、ステップと、
    前記少なくとも1つの変換器を着脱可能に患者に固着し、前記構成された信号生成器/プロセッサを前記少なくとも1つの変換器に着脱可能に接続するステップと、
    前記少なくとも1つの変換器に超音波エネルギを前記患者における前記部位に伝達させるように、前記信号生成器/プロセッサによって電気信号を前記少なくとも1つの変換器に印加し、これによって前記患者における前記部位に対して治療を行うステップと、
    を含む、方法。
  67. 患者内における部位に対して治療を行う方法であって、
    患者における部位に治療を行う超音波システムを用意するステップであって、前記超音波システムが、
    患者に着脱可能に固着するように構成された少なくとも1つの変換器と、
    前記少なくとも1つの変換器を患者に着脱可能に固着する接着材と、
    を含み、前記少なくとも1つの変換器および前記接着材が、予めパッケージングされたキットとして提供される、ステップと、
    前記予めパッケージングされたキットを開くステップと、
    前記接着材を患者に塗布し、前記少なくとも1つの変換器を患者に取り付ける(apply)ステップと、
    前記少なくとも1つの変換器を使用して前記患者内における前記部位に超音波エネルギを伝達することによって、前記患者内における前記部位に対する治療を行うステップと、
    を含む、方法。
  68. 請求項67記載の方法において、前記接着材が前記患者に塗布され、次いで前記少なくとも1つの変換器が前記接着材に付けられる、方法。
  69. 請求項67記載の方法において、前記接着材が前記少なくとも1つの変換器に塗布され、前記接着材および前記少なくとも1つの変換器が前記患者に取り付けられる、方法。
  70. 請求項69記載の方法において、前記予めパッケージングされたキットが密閉される前に、前記接着材が前記少なくとも1つの変換器に塗布される、方法。
  71. 請求項69記載の方法において、前記予めパッケージングされたキットが開かれた後に、前記接着材が前記少なくとも1つの変換器に塗布される、方法。
JP2017533379A 2014-12-15 2015-12-15 自動超音波非侵襲的血管再疎通処置および監視装置ならびに方法 Pending JP2017538545A (ja)

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