JP2017536360A5 - - Google Patents

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分岐ポリエトキシ化ジメチコン起泡性界面活性剤とイソプロパノールを含む起泡性アルコール系消毒用組成物
本発明の1つ以上の態様は起泡性アルコール系組成物に関し、より詳細には、エタノールと分岐ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤と選択された量のイソプロパノールとを含む起泡性アルコール系組成物に関する。
泡状洗浄製品は評判が良く、その理由の一つは表面に広がりやすいことである。消費者は泡立てた石鹸製品の快適さを好むようである。泡沫は液体またはゲルと同じ洗浄力をより少量でもたらすことが求められ、その少なくとも一部は泡沫の表面積がより大きいことによる。泡沫の表面張力はより高いため、適切に調合された泡状製品は従来のゲル状または液状の製品のように滴ったり飛び散ったりしない。このことにより、製品のディスペンサーが使用される施設の床や壁の損傷が防止される。泡状製品の製造は、扱いにくい粉末状増粘剤を含むことの多いゲル状製品よりも容易となる。
ポリエトキシ化(PEG)ジメチコン界面活性剤は、アルコール性泡沫用の起泡剤として使用されている。米国特許第7,842,725号明細書には、選択されたジメチコン界面活性剤を含む起泡性アルコール組成物が記載されており、PEG−8〜PEG−12線状ジメチコン界面活性剤は同じPEG鎖長で異なるポリマー構造を有するジメチコン界面活性剤よりも起泡に有効であると記載されている。
より詳細には、米国特許第7,842,725号明細書には、PEGのポリジメチルシロキサンとの線状ブロック共重合体(具体的には、PEG−8ジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−12ジメチコンというINCI名のもの)は非エアロゾル起泡性アルコール組成物の主な起泡成分として使用するのに十分な泡高をもたらすことができるが、同じINCI名でポリマー構造が異なる共重合体にはできないと記載されている。実際、米国特許第7,842,725号明細書には、ペンダントPEG基またはその他の高分岐ポリマー構造を有するポリマーは主な起泡性界面活性剤として使用するのに十分な泡沫を生成しないと記載されている。
米国特許第7,842,725号明細書に記載され、当技術分野でも一般に知られているように、線状PEGジメチコン共重合体は線状のポリジメチルシロキサン主鎖の末端にポリエチレングリコール鎖ユニットが結合した線状ブロック共重合体だと考えられる。線状PEGジメチコン共重合体は一般に以下の構造で表すことができる:
Figure 2017536360
(式中、RはCH3またはCH2CH3である)。米国特許第7,842,725号明細書には、mは平均で4〜20、yは平均で1〜5、nは平均で8〜12と記載されている。
一方、ペンダント型PEGジメチコン共重合体は、ポリジメチルシロキサン主鎖上にPEG基が結合している線状ポリジメチルシロキサンポリマーだと考えられる。PEG基はポリジメチルシロキサンの末端鎖の端にも結合していてもよいし、結合していなくてもよい。したがって、上記の構造では、1個以上のR基はPEG基で置き換えられる。このようなペンダント型共重合体は、分岐または櫛形ポリマーと呼ばれることが多い。米国特許第7,842,725号明細書には、これらの共重合体は一般に以下の構造で表すことができると記載されている:
Figure 2017536360
(式中、Rは独立してCH3、CH2CH3、またはエトキシ化アルキル鎖(たとえば、CH2CH2CH2O(CH2CH2O)nH)でありシリコーン末端基に直接結合されており、aは反復するシリコーン基の数である)。上記のように、末端のメチル基のうち1個以上はPEG基で置き換えられてもよいが、その場合も共重合体は分岐共重合体であると考えられる。
用途によっては、高いレベルの泡沫の品質が求められる可能性があり、かつ線状PEGジメチコン界面活性剤の使用が制限される可能性がある。したがって、当技術分野では、分岐PEGジメチコン界面活性剤を用いて起泡できる改良された起泡性アルコール系組成物が必要とされている。
イソプロピルアルコールは、パーソナルケア商品協議会(Personal Care Products Council)によって消泡剤として列挙されている。
本発明は、分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される起泡性界面活性剤と選択された組み合わせのエタノールおよびイソプロパノールとを含有する、起泡性アルコール系組成物を提供する。
本発明はさらに、非エアロゾル起泡性アルコール系組成物であって、前記アルコール系組成物の総重量基準で少なくとも約60重量%のエタノールと、分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される起泡性界面活性剤と、前記アルコール系組成物の総重量基準で少なくとも約3重量%のイソプロパノールとを含む、起泡性アルコール系組成物を提供する。
本発明はさらに、安定な非エアロゾルアルコール性泡沫を形成する方法であって、少なくとも約60重量%のエタノールと、約0.75〜約10重量%の分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される起泡性界面活性剤と、少なくとも約3〜約15重量%のイソプロパノールとを組み合わせて起泡性アルコール系組成物を形成すること(割合はすべて前記アルコール系組成物の総重量基準)と;非エアロゾル式の起泡用ポンプを用いて前記アルコール系組成物を取り出して泡沫を形成することを含み、ここで、前記泡沫は、アルコール系組成物の総重量基準で0〜3重量%のイソプロパノールを含む同等の組成物から形成される泡沫に比べて改善された安定性を有する、方法を提供する。
本発明はさらに、非エアロゾルアルコール性泡沫を形成する方法であって、少なくとも約60重量%のエタノールと、約0.75〜約10重量%の分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される起泡性界面活性剤と、少なくとも約3〜約15重量%のイソプロパノールとを組み合わせて起泡性アルコール系組成物を形成すること(割合はすべて前記アルコール系組成物の総重量基準)と;非エアロゾル式の起泡用ポンプを用いて前記アルコール系組成物を取り出して泡沫を形成することを含み、ここで、前記泡沫は、アルコール系組成物の総重量基準で0〜3重量%のイソプロパノールを含む同等の組成物から形成される泡沫に比べて改善された品質を有する、方法を提供する。
本発明はさらに、安定な非エアロゾルアルコール性泡沫を形成する方法であって、少なくとも約60重量%のエタノールと、約0.75〜約10重量%の分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される起泡性界面活性剤と、少なくとも約3〜約15重量%のイソプロパノールとを組み合わせて起泡性アルコール系組成物を形成すること(割合はすべて前記アルコール系組成物の総重量基準)と;非エアロゾル式の起泡用ポンプを用いて前記アルコール系組成物を取り出して泡沫を形成することを含み、ここで、前記泡沫は、同量のエタノールとイソプロパノールを含むが前記分岐界面活性剤が線状ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤に置換されている組成物から形成される泡沫に比べて改善された安定性を有する、方法を提供する。
本発明はさらに、非エアロゾルアルコール性泡沫を形成する方法であって、少なくとも約60重量%のエタノールと、約0.75〜約10重量%の分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される起泡性界面活性剤と、少なくとも約3〜約15重量%のイソプロパノールとを組み合わせて起泡性アルコール系組成物を形成すること(割合はすべて前記アルコール系組成物の総重量基準)と;非エアロゾル式の起泡用ポンプを用いて前記アルコール系組成物を取り出して泡沫を形成することを含み、ここで、前記泡沫は、同量のエタノールとイソプロパノールを含むが前記分岐界面活性剤が線状ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤に置換されている組成物から形成される泡沫に比べて改善された品質を有する、方法を提供する。
図1は、分岐PEG−10ジメチコン起泡性界面活性剤と0〜10重量%のイソプロパノールを含むアルコール系組成物の泡沫安定性の測定値をグラフで表したものである。
図2は、線状PEG−10ジメチコン起泡性界面活性剤と0〜10重量%のイソプロパノールを含むアルコール系組成物の泡沫安定性の測定値をグラフで表したものである。
本発明の1つ以上の態様は、起泡性アルコール系組成物に関し、より詳細には、60重量%を超えるエタノールと、分岐ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤から選択される起泡性界面活性剤と、選択された量のイソプロパノールとを含む、起泡性アルコール系組成物に関する。
本発明の組成物はアルコール系であり、すなわち少なくとも40重量%のアルコールを含む必要があることを意味する。1つ以上の態様では、アルコールの大部分はエタノールである。
一般に、本発明のアルコール系組成物に含まれるエタノールの量は、アルコール系組成物の総重量基準で少なくとも約40重量%である。1つ以上の態様では、前記アルコール系組成物は少なくとも約45重量%のエタノールを含み、別の態様では、前記アルコール系組成物は少なくとも約50重量%のエタノールを含み、さらに別の態様では、前記アルコール系組成物は少なくとも約60重量%のエタノールを含む(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。1つ以上の態様では、前記アルコール系組成物は少なくとも約65重量%のエタノールを含み、さらに別の態様では、前記アルコール系組成物は少なくとも約70重量%のエタノールを含み、さらに別の態様では、前記アルコール系組成物は少なくとも約75重量%のエタノールを含む(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。特定の場合には、特に組成物に使用される他の成分および/またはその量に応じて、より多量または少量のエタノールが必要な可能性がある。特定の態様では、前記アルコール系組成物は約40重量%〜約98重量%のエタノールを含み、他の態様では、前記アルコール系組成物は約45重量%〜約95重量%のエタノールを含み、さらに他の態様では、前記アルコール系組成物は、約50重量%〜約90重量%のエタノールを含み、さらに他の態様では、前記アルコール系組成物は約60重量%〜約85重量%のエタノールを含む(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、エタノールはSDA−3C(少量のイソプロパノールを変性剤として含む市販の変性アルコール)である。本明細書の目的では、他に記載のない限りエタノールの量は実際のエタノールの量を基準とし、変性剤は含まない。
前記起泡性界面活性剤は、前記アルコール系組成物の起泡性に寄与する界面活性剤である。1つ以上の態様では、前記起泡性界面活性剤は分岐ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤を含む。1つ以上の態様では、前記起泡性界面活性剤は分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤またはそれらの組み合わせを含む。1つ以上の態様では、前記分岐起泡性界面活性剤はPEG−8ジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−12ジメチコン、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
前記起泡性界面活性剤は、大部分が分岐状または線状の構造を有してよい。分岐構造には、主鎖と、主鎖に結合した1個以上のペンダント基とを有するポリマーが含まれる。分岐構造はペンダント構造と呼ばれる場合がある。1つ以上の態様では、前記分岐起泡性界面活性剤は、1個以上のポリエーテル基のペンダントを有するシリコーン主鎖を含む。前記分岐起泡性界面活性剤は、一方または両方の末端にもポリエーテル基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
当然であるが、大部分が分岐状である界面活性剤中にも若干量の線状分子が存在する可能性がある。1つ以上の態様では、最大で約20重量%の界面活性剤分子は線状構造を有してもよく、他の態様では、最大で約1重量%の界面活性剤分子は線状構造を有してもよく、他の態様では、最大で約0.5重量%の界面活性剤分子は線状構造を有してもよく、他の態様では、最大で約0.5重量%の界面活性剤分子は線状構造を有してもよい(重量%は起泡性界面活性剤の総重量基準)。したがって、本明細書中のいずれも分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤が線状構造を含まないことを示すと解釈されるべきではない。
一態様では、分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤は以下の式で表される化合物を含む:
2−Si(CH32−[O−Si(CH32a−[O−Si(CH3)R3b−O−Si(CH32−R2
(式中、R2とR3は独立して、メチル基または以下の式で表される基を含む:
−(CH23−O−(CH2CH2O)c−[CH2CH(CH3)O]d−(CH2CH2O)e
(ただし、少なくとも1個のR3はCH3ではなく、aは約3〜約21の整数、bは約1〜約7の整数、cは約0〜約40の整数、dは約0〜約40の整数、eは約0〜約40の整数であり、ただし、a≧3×bであり、c+d+e≧5である))。
分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤の市販品の例としては以下のものが挙げられる。
Figure 2017536360
態様によっては、起泡性界面活性剤中の不純物が泡沫の品質および/または安定性に悪影響を与える可能性がある。したがって、1つ以上の態様では、起泡性界面活性剤中の揮発性有機化合物(VOC)の量を有利に制限する。本明細書の目的では、VOCには、通常の室温条件で比較的高い蒸気圧を有する化合物が包含される。1つ以上の態様では、VOCには、標準大気圧で測定した場合の沸点が250℃未満の任意の有機化合物が包含される。1つ以上の態様では、VOCには、沸点が約50℃〜260℃の範囲にある(25℃での飽和蒸気圧が約100kPaより大きいことに相当する)任意の有機化合物が包含される。1つ以上の態様では、少なくともVOCは、起泡性界面活性剤を得るための合成反応の副生成物を含む。1つ以上の態様では、VOCの一部または全部は、起泡性界面活性剤の分解生成物である。
1つ以上の態様では、VOCにはシクロメチコンが含まれる。VOCの例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)が挙げられる。
1つ以上の態様では、VOCの量は、重量測定などの当技術分野で公知の方法で決定できる。VOCの同定と定量も、ガスクロマトグラフィー(GC)などの当技術分野で公知の方法で行うことができる。
1つ以上の態様では、起泡性界面活性剤は、起泡性界面活性剤の総重量基準で0〜約1重量%の総VOCを含む。一態様では、起泡性界面活性剤は、0.8重量%未満、他の態様では0.6重量%未満、他の態様では0.4重量%未満のVOCを含む(重量%は起泡性界面活性剤の総重量基準)。1つ以上の態様では、起泡性界面活性剤は、起泡性界面活性剤の総重量基準で0〜約0.3重量%の総VOCを含む。他の態様では、起泡性界面活性剤はVOCを含まない。
VOC不純物の量が制限された起泡性界面活性剤は、国際特許出願公開(PCT)第2015/061552号にさらに記載されており、同文献を参照により本明細書に援用する。
起泡性界面活性剤の量は、起泡をもたらすのに有効な量が存在する限り特に限定されない。特定の態様では、起泡をもたらすのに有効な量は、アルコールやその他の含有成分の量に依存して変動してよい。1つ以上の態様では、起泡性界面活性剤は少なくとも約0.25重量%、他の態様では少なくとも約0.5重量%、他の態様では少なくとも約0.75重量%、他の態様では少なくとも約1重量%、他の態様では少なくとも約1.25重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、起泡性界面活性剤の量は、アルコール系組成物の総重量基準で約0.75〜約15重量%である。他の態様では、起泡性界面活性剤は約1〜約10重量%、他の態様では約1.25〜約8重量%、他の態様では、約2〜約5重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。これより多い量も泡沫の形成に有効になり得ると想定される。列挙された成分に関連するこのような重量はすべて活性レベルに基づいており、したがって、他に明記しない限り、市販の材料に含まれる可能性のある担体または副生成物は含まない。
1つ以上の態様では、起泡性界面活性剤はアルコール系組成物に直接添加される。他の態様では、起泡性界面活性剤は溶液または乳剤としてアルコール系組成物に添加される。すなわち、担体がアルコール系組成物の起泡性に有害な影響を与えないという条件で、起泡性界面活性剤を担体と予め混合して起泡性界面活性剤溶液または乳剤を形成してもよい。担体の例としては、水、アルコール、グリコール類(プロピレングリコールまたはエチレングリコールなど)、ケトン類、直鎖状および/または環状の炭化水素、トリグリセリド類、カルボナート類、シリコーン類、アルケン類、エステル類(酢酸エステル、安息香酸エステル、脂肪酸エステル、グリセリルエステルなど)、エーテル類、アミド類、ポリエチレングリコール類、およびPEG/PPG共重合体、無機塩溶液(生理食塩水など)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。当然であるが、起泡性界面活性剤を予め混合して起泡性界面活性剤溶液または乳剤を形成する場合、起泡性界面活性剤の量が上記範囲となるように、アルコール系組成物に添加される溶液または乳剤の量を選択できる。
起泡性界面活性剤はアルコール系組成物の起泡性に寄与する。重要なことであるが、これらのポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤は、供給元から供給されたままで使用すると、良質のアルコール性泡沫を形成する性能がロット間でも大きく異なる可能性がある。従来、分岐ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤は、良質のアルコール性泡沫を形成するのに使用できないと考えられている。
しかし、イソプロパノールが存在する場合、分岐ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤を用いて良質の泡沫を形成できることが見出されている。分岐ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤を使用した場合、泡沫の品質や安定性を犠牲にすることなく、イソプロパノールの添加によって抗菌アルコールの総量を増加させることができ、好都合である。イソプロパノールを2−プロパノール、イソプロピルアルコール、またはIPAと呼ぶこともある。
1つ以上の態様では、エタノールを減少させることなくイソプロパノールを起泡性アルコール系組成物に含有させ、泡沫安定性を維持することができる。すなわち、エタノールに加えてイソプロパノールを起泡性アルコール系組成物に含有させることによって抗菌アルコールの総量を増やすことができる。イソプロパノールを添加しても泡沫安定性は低下せず、好都合である。
1つ以上の態様では、エタノールを減少させることなくイソプロパノールを起泡性アルコール系組成物に含有させ、泡沫の品質を維持することができる。すなわち、エタノールに加えてイソプロパノールを起泡性アルコール系組成物に含有させることによって抗菌アルコールの総量を増やすことができる。イソプロパノールを添加しても泡沫の品質は低下せず、好都合である。
1つ以上の態様では、イソプロパノールの量は約3重量%より多く、他の態様では少なくとも約3.2重量%であり、他の態様では少なくとも約3.3重量%であり、他の態様では少なくとも約3.5重量%であり、他の態様では少なくとも約4重量%である(重量%は起泡性アルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、イソプロパノールの量は約4.5重量%より多く、他の態様では少なくとも約5重量%であり、他の態様では少なくとも約5.5重量%である(重量%は起泡性アルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、存在するイソプロパノールが多すぎると泡沫の品質が低下する可能性がある。したがって、1つ以上の態様では、イソプロパノールの量は約15重量%以下であり、他の態様では約12重量%以下、他の態様では約10重量%以下、他の態様では約9.5重量%以下、他の態様では約9重量%以下である(重量%は起泡性アルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、イソプロパノールの量は約8.5重量%以下であり、他の態様では約8重量%以下であり、他の態様では約7.5重量%以下である(重量%は起泡性アルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、存在する起泡性界面活性剤の量を基準にイソプロパノールの量を選択すると泡沫安定性および/または泡沫の品質が維持される。1つ以上の態様では、イソプロパノールの重量パーセントは起泡性界面活性剤の重量パーセントに対して約4:1以下、他の態様では約3.5:1以下、他の態様では約3:1以下である。1つ以上の態様では、イソプロパノールの重量パーセントは起泡性界面活性剤の重量パーセントに対して約2.5:1以下、他の態様では約2.25:1以下、他の態様では約2:1以下である。1つ以上の態様では、イソプロパノールの重量パーセントは起泡性界面活性剤の重量パーセントに対して約1.5:1以下、他の態様では約1.25:1以下、他の態様では約1:1以下である。
上記のように、特定の市販のエタノール製品は、変性剤として少量のイソプロパノールを含む。たとえば、SDA−3Cは約5重量%のイソプロパノールを含む。本明細書の目的では、他に記載がない限り、イソプロパノールの量は変性エタノール由来のイソプロパノール、およびエタノールとは独立してアルコール系組成物に添加されるイソプロパノールの両方を含む。
特定の態様では、本発明のアルコール系組成物は少なくとも1種の泡沫安定剤をさらに含む。1つ以上の態様では、泡沫安定剤はポリマー性であっても非ポリマー性であってもよい。1つ以上の態様では、泡沫安定剤はポリマー性またはオリゴマー性の泡沫安定剤から選択できる。1つ以上の態様では、泡沫安定剤は陽イオン性オリゴマーまたはポリマーを含む。
イソプロパノールの安定化効果を補い、泡沫の品質および/または安定性を改善するよう機能することのできる泡沫安定剤としては、ビニルカプロラクタム(VCL)、ビニルピロリドン(VP)、およびジアルキルアミノアルキルアクリラートの三元重合体(VP/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体など)が挙げられる。ポリマー性の起泡性安定剤としては、ポリクオタニウムポリマーが挙げられる。一般に、ポリクオタニウムポリマーは米国化粧品工業会(CTFA)によってそのように命名されたものである。ポリクオタニウムポリマーは四級アンモニウム基を有することが特徴である。さらに別のポリマー性の泡沫安定剤としては、イソブチレン/ジメチルアミノプロピルマレイミド/エトキシ化マレイミド/マレイン酸共重合体が挙げられる。これらとその他の泡沫安定剤は膜形成ポリマーと呼ばれることがある。
さらに別の泡沫安定剤としては、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)共重合体、(アクリルアミド/アクリル酸DMAPA/メタクリル酸メトキシPEG)共重合体、(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム/アクリル酸)共重合体、(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミド)共重合体、(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリラート)共重合体、(アクリラート/アセトアセトキシエチルメタクリラート)共重合体、(アクリラート/アクリルアミド)共重合体、(アクリラート/メタクリル酸アンモニウム)共重合体、(アクリラート/t−ブチルアクリルアミド)共重合体、アクリラート共重合体、(アクリラート/コハク酸アルキル(C1−2)/ヒドロキシアクリラート)共重合体、(アクリラート/エチルアミンオキシドメタクリラート)共重合体、(アクリラート/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)共重合体、(アクリラート/オクチルアクリルアミド)共重合体、(アクリラート/オクチルアクリルアミド/ジフェニルアモジメチコン)共重合体、(アクリラート/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)共重合体、(アクリラート/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)共重合体、(アクリラート/メタクリル酸トリフルオロプロピル/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)共重合体、(アクリラート/VA)共重合体、(アクリラート/VP)共重合体、(アジピン酸/ジエチレントリアミン)共重合体、(アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン)共重合体、(アジピン酸/エポキシプロピルジエチレントリアミン)共重合体、(アジピン酸/イソフタル酸/ネオペンチルグリコール/トリメチロールプロパン)共重合体、(ステアリン酸アリル/VA)共重合体、(アクリル酸アミノエチルリン酸塩/アクリラート)共重合体、アミノエチルプロパンジオール−アクリラート/アクリルアミド)共重合体、(アミノエチルプロパンジオール−AMPD−アクリラート/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、(アンモニウムVA/アクリラート)共重合体、(アモジメチコン/シルセスキオキサン)共重合体、(AMPD−アクリラート/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、(AMP−アクリラート/メタクリル酸アリル)共重合体、(AMP−アクリラート/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)共重合体、(AMP−アクリラート/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、(AMP−アクリラート/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)共重合体、バチルス/(コメヌカエキス/ダイズエキス)発酵液、(メタクリル酸ベヘニル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)共重合体、(ビスブチロキシアモジメチコン/PEG−60)共重合体、(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)共重合体、(ビスイソブチルPEG−15/アモジメチコン)共重合体、(アクリル酸ブチル/メタクリル酸エチルヘキシル)共重合体、(アクリル酸ブチル/アクリル酸ヒドロキシプロピルジメチコン)共重合体、(エチレン/MAブチル)共重合体、(PVM/MAブチル)共重合体、(PVM/MA)共重合体(カルシウム/ナトリウム)混合塩、キトサン、キトサン乳酸塩、(トウモロコシデンプン/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体、デヒドロキサンタンガム、(ジエチレングリコールアミン/エピクロロヒドリン/ピペラジン)共重合体、ジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン/シルセスキオキサン)共重合体、ジフェニルアモジメチコン、(PVM/MAエチル)共重合体、(メタクリル酸エチルトリモニウムクロリド/ヒドロキシエチルアクリルアミド)共重合体、(加水分解コムギタンパク/PVP)クロスポリマー、ヒドロキシプロピルジメチコニルプロピルアクリラート共重合体、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解トウモロコシデンプン、(イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミド)共重合体、(イソブチレン/MA)共重合体、(メタクリル酸イソブチル/メタクリル酸トリフルオロエチル/アクリル酸ビスヒドロキシプロピルジメチコン)共重合体、(PVM/MAイソプロピル)共重合体、アクリル酸ラウリルクロスポリマー、(メタクリル酸ラウリル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、(メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウム)共重合体、(メタクリロキシエチルベタイン/アクリラート)共重合体、(メトキシアモジメチコン/シルセスキオキサン)共重合体、メトキシPEG−114/ポリε−カプロラクトン、(ミリスチン酸/パルミチン酸/ステアリン酸/リシノレイン酸/エイコサン二酸)グリセリド、(オクチルアクリルアミド/アクリラート/メタクリル酸ブチルアミノエチル)共重合体、(PEG−800/ポリビニルアルコール)共重合体、(PEG/PPG−25/25ジメチコン/アクリラート)共重合体、(PEG−8/SMDI)共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリラート−6、ポリアクリラート−8、ポリアクリラート−9、ポリアクリラート−15、ポリアクリラート−16、ポリアクリラート−17、ポリアクリラート−18、ポリアクリラート−19、(ポリβアラニン/グルタル酸)クロスポリマー、ポリブチレンテレフタラート、ポリエステル−1、ポリアクリル酸エチル、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド−1、ポリメタクリロイルエチルベタイン、ポリペンタエリスリチルテレフタラート、ポリペルフルオロペルヒドロフェナントレン、(ポリクオタニウム−4/ヒドロキシプロピルデンプン)共重合体、ポリウレタン−1、ポリウレタン−6、ポリウレタン−10、ポリウレタン−18、ポリウレタン−19、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルイミダゾリニウムアセタート、ポリビニルメチルエーテル、(PVM/MA)共重合体ブチルエステルカリウム塩、(PVM/MA)共重合体エチルエステルカリウム塩、PPG−70ポリグリセリル−10エーテル、(PPG−12/SMDI)共重合体、(PPG−51/SMDI)共重合体、(PVM/MA)共重合体、(PVP/VA/イタコン酸)共重合体、(PVP/VA/プロピオン酸ビニル)共重合体、リゾビアンガム、ロジンアクリラート、セラック、(シリコーンクオタニウム−16/グリシドキシジメチコン)クロスポリマー、(PVM/MA)共重合体ブチルエステルナトリウム塩、(PVM/MAエチル)共重合体ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ−γ−グルタミン酸ナトリウム、フタル酸ダイズタンパク、カラヤガム、(テレフタル酸/イソフタル酸/イソフタル酸スルホン酸ナトリウム/グリコール)共重合体、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリメチルシロキシシリルカルバモイルプルラン、(VA/クロトナート)共重合体、(VA/クロトナート/メタクリルオキシベンゾフェノン−1)共重合体、(VA/クロトナート/ネオデカン酸ビニル)共重合体、(VA/クロトナート/プロピオン酸ビニル)共重合体、(VA/DBM)共重合体、(VA/ブチル安息香酸ビニル/クロトナート)共重合体、(ビニルアミン/ビニルアルコール)共重合体、(ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)共重合体、(VP/アクリラート/メタクリル酸ラウリル)共重合体、(VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)共重合体、(VP/アクリル酸DMAPA)共重合体、(VP/ヘキサデセン)共重合体、(VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール)共重合体、(VP/VA)共重合体、(VP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)共重合体、酵母パルミチン酸エステル、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、シクロペンタシロキサン、シロキシケイ酸ジイソステアロイルトリメチロールプロパン、ビニルジメチコンクロスポリマー混合物、およびアルキルセテアリルジメチコンクロスポリマーなどのケイ素系ポリマーまたはケイ素系樹脂が挙げられる。
1つ以上の態様では、好適な泡沫安定剤としてオキシアルキレンポリマーが挙げられる。オキシアルキレンポリマーとしては、ポリ(プロピレンオキシド)ホモポリマー、ポリ(エチレンオキシド)ホモポリマー、およびポリ(プロピレンオキシド)とポリ(エチレンオキシド)の共重合体が挙げられる。1つ以上の態様では、起泡性組成物は1種以上のポリ(エチレンオキシド)ホモポリマーを含む。1つ以上の態様では、ポリ(エチレンオキシド)ホモポリマーは、繰返しオキシアルキレン単位の平均数が約5〜約50であり、他の態様では約7〜約45である。1つ以上の態様では、繰返しオキシエチレン単位の平均数は約30〜約35である。
1つ以上の態様では、泡沫安定剤はアルコール系組成物の総重量基準で約0〜約4重量%の量(活性量)で存在する。別の態様では、泡沫安定剤はアルコール系組成物の総重量基準で約0.01〜約3重量%の量で存在し、さらに別の態様では、泡沫安定剤はアルコール系組成物の総重量基準で約0.02〜約2重量%の量で存在する。
一態様では、泡沫安定剤はアルコール系組成物に直接添加される。1つ以上の他の態様では、泡沫安定剤は溶液または乳剤としてアルコール系組成物に添加される。すなわち、担体がアルコール系組成物の起泡性に有害な影響を与えないという条件で、泡沫安定剤を担体と予め混合して泡沫安定剤溶液または乳剤を形成してもよい。担体の例としては、水、アルコール、グリコール類(プロピレングリコールまたはエチレングリコールなど)、ケトン類、直鎖状および/または環状の炭化水素、トリグリセリド類、カルボナート類、シリコーン類、アルケン類、エステル類(酢酸エステル、安息香酸エステル、脂肪酸エステル、グリセリルエステルなど)、エーテル類、アミド類、ポリエチレングリコール類、およびPEG/PPG共重合体、無機塩溶液(生理食塩水など)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。当然であるが、泡沫安定剤を予め混合して泡沫安定剤溶液または乳剤を形成する場合、アルコール系組成物に添加される溶液または乳剤の量は泡沫安定剤の量が上記範囲に含まれるように選択される。
上記のように、本発明の起泡性アルコール系組成物は、イソプロパノールと少なくとも1種の他のアルコールとの組み合わせと分岐PEGジメチコン起泡性界面活性剤とを含む。本発明のアルコール系組成物は、アルコール系組成物の起泡性または泡沫の安定性に有害な影響を与えない限り、多種多様な任意成分をさらに含んでよい。CTFAのInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(国際化粧品成分辞書・ハンドブック)、第11版、20、およびCTFAのInternational Buyer's Guide(国際取扱業者ガイド)(2004年)(両文献の全体を参照により本明細書に援用する)には、スキンケア業界で一般に使用される多種多様な化粧品・医薬品成分が記載されており、これらに限定されるものではないがこれらは本発明の組成物に使用するのに適している。泡沫の品質および性質を増強または変更するため、塗ったときおよび/または乾燥させたときの最終調合物の感触を変更するため、アルコールの残留性や微生物への作用の持続をもたらすため、香料または日焼け止めなどのその他の成分を可溶化するため、および刺激を緩和するために、アルコール系組成物に補助界面活性剤を含有させてもよい。
特定の態様では、アルコール系組成物は1種以上の湿潤剤を含む。湿潤剤の例としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4−ジヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−オクタンジオール、ソルビトール、ブチレングリコール、プロパンジオール類(メチルプロパンジオールなど)、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン(グリセロール)、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。他の湿潤剤としては、グリコール酸、グリコール酸塩、乳酸塩、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、キチン、酢酸トコフェロールなどが挙げられる。1つ以上の態様では、湿潤剤はアルコール系組成物の総重量基準で0〜約20重量%の量で存在する。1つ以上の態様では、湿潤剤は約0.1〜約10重量%の量で存在し、他の態様では約0.25〜約8重量%、他の態様では約0.4〜約5重量%、他の態様では約0.5〜約2.5重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。1つ以上の態様では、湿潤剤は0〜約1重量%の量で存在し、他の態様では約0.01〜約0.5重量%、他の態様では約0.025〜約0.2重量%、他の態様では約0.4〜約5重量%、他の態様では約0.05〜約0.1重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。
これらの態様または他の態様では、アルコール系組成物は1種以上のコンディショニング用または保湿用エステルを含む。エステルの例としては、ミリスチン酸セチル、ミリストレイン酸セチル、および他のセチルエステル、セバシン酸ジイソプロピル、ならびにミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。一態様では、エステルはアルコール系組成物の総重量基準で最大10重量%の量で存在する。別の態様では、エステルは約0.5〜約5重量%、別の態様では約1〜約2重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。1つ以上の態様では、エステルは0〜約5重量%、他の態様では約0.05〜約2重量%、他の態様では、約0.1〜約1重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、アルコール系組成物は1種以上の乳化剤を含む。乳化剤の例としては、ステアリルアルコール、オレイン酸ソルビタン、トリデセス−2、ポロキサマー、およびPEG/PPG−20/6ジメチコンが挙げられる。一態様では、乳化剤はアルコール系組成物の総重量基準で最大で約10重量%の量で存在する。別の態様では、乳化剤は約0.1〜約5重量%、別の態様では約0.5〜約2重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、アルコール系組成物は、PEG−32およびココイルアルギニンエチルPCA(CAE)のうち1つ以上をさらに含む。
1つ以上の態様では、PEG−32はアルコール系組成物の総重量基準で約0〜約5重量%の量で存在する。1つ以上の態様では、PEG−32の量はアルコール系組成物の総重量基準で約0.2〜約2重量%である。別の態様では、PEG−32はアルコール系組成物の総重量基準で約0.3〜約1.5重量%の量で存在する。
1つ以上の態様では、酢酸トコフェロールは0〜約5重量%、他の態様では約0.005〜約2.5重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。1つ以上の態様では、酢酸トコフェロールは約0.005〜約0.5重量%、他の態様では約0.1〜約0.25重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、CAEは約0〜約0.5重量%、他の態様では約0.05〜約0.40重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。一態様では、CAEは約0.05〜約0.22重量%、他の態様では約0.15〜約0.20重量%の量で存在する(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。
1つ以上の態様では、組成物はエタノールおよびイソプロパノールに加えて補助抗菌剤を含んでもよい。補助抗菌剤の例(ただし、これらに限定されるものではない)としては、トリクロサン(5−クロロ−2(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノールとしても知られ、IRGASAN(登録商標)という商品名でCiba-Geigy Corporationから入手できる);クロロキシレノール(4−クロロ−3,5−キシレノールとしても知られ、NIPACIDE(登録商標)MXまたはPXという商品名でNipa Laboratories, Inc.から入手できる);ヘキセチジン(5−アミノ−1,3−ビス(2−エチルヘキシル)−5−メチル−ヘキサヒドロピリミジンとしても知られる);グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)などのクロルヘキシジン塩およびN,N’’−ビス(4−クロロフェニル)−3,12−ジイミノ−2,4,11,14−テトラアザテトラデカンジイミジアミドの塩;2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール;ベンザルコニウムクロリド;セチルピリジニウムクロリド;塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム;ヨウ素;フェノール誘導体;ポビドンヨード(ポリビニルピロリジノン−ヨウ素など);パラベン;ヒダントインおよびその誘導体(2,4−イミダゾリジンジオンおよびその誘導体、さらにはジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(DMDMヒダントインまたはGlydantとしても知られる)など);フェノキシエタノール;1−(3−クロロアリル)−3,5,6−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリドのシス異性体(クオタニウム−15としても知られ、DOWCIL(商標)2000という商品名でDow Chemical Companyから入手できる);ジアゾリジニル尿素;塩化ベンゼトニウム;塩化メチルベンゼトニウム;ならびにそれらの混合物が挙げられる。補助抗菌剤を使用する場合、補助抗菌剤はアルコール系組成物の総重量基準で約0.05〜約1重量%の量で存在してよい。1つ以上の態様では、補助抗菌剤の量は約0.1〜約0.8重量%、他の態様では約0.2〜約0.6重量%である(重量%はアルコール系組成物の総重量基準)。1つ以上の態様では、本発明の組成物はCHGを含む。
本発明のアルコール系組成物は、アルコール組成物の起泡性または泡沫の安定性に有害な影響を与えない限り、多種多様な局所用薬物活性成分を任意成分としてさらに含んでもよい。
1つ以上の態様では、アルコール系組成物の残りの部分は水または他の適切な溶媒を含む。
アルコール系組成物は、単に上記成分を混合することによって調製できる。添加の順序は特に限定されず、当業者により容易に認識される。1つ以上の態様では、得られる混合物は透明で均質な溶液である。
1つ以上の態様では、組成物の粘度は約100mPas未満、一態様では約50mPas未満、別の態様では約25mPas未満である(22℃±3℃でRVスピンドルおよび/またはLVスピンドルを用いてブルックフィールドRV粘度計で測定した場合)。
1つ以上の態様では、本発明の起泡性組成物を透明な液体と表現する場合がある。一態様では、抗菌性組成物が液状である場合、抗菌性組成物の固形分の割合は約6パーセント未満、別の態様では約5パーセント未満、さらに別の態様では約4パーセント未満、さらに別の態様では約3パーセント未満、別の態様では約2パーセント未満、さらに別の態様では約1パーセント未満である。固形分の割合は当技術分野で公知の様々な方法によって決定できる。
好都合なことに、泡沫の品質および/または安定性を犠牲にすることなく全体のC1〜6一価アルコール(すなわち抗菌性アルコール)の量を増加させることができる。したがって、本発明の組成物では、泡沫の品質および/または安定性は同様だがC1〜6一価アルコールの含有量がより少ない泡状組成物に比べて、迅速な抗菌活性を高めることができる。1つ以上の態様では、抗菌性アルコール系組成物は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌、真菌、寄生虫、外皮を有するウイルスおよび外皮のないウイルスの殺菌に有効である。1つ以上の態様では、抗菌性アルコール系組成物は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)などの細菌、およびカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)などの真菌に対して迅速な抗菌効力を有する。1つ以上の態様では、抗菌性アルコール系組成物は、皮膚微生物叢(皮膚の常在微生物叢と一過性微生物叢を含む)に対する迅速な効力を有する。
したがって、本発明はさらに、本明細書に記載の抗菌性アルコール系組成物の有効量を表面に塗布することを含む、表面に存在する微生物を死滅または不活性化する方法を提供する。抗菌性アルコール系組成物は、無生物の表面、生体の表面(皮膚など)、多孔性の表面、および非多孔性の表面を含む多種多様な表面または基質に使用できる。
1つ以上の態様では、本発明の抗菌性アルコール系組成物を哺乳動物の皮膚に局所使用する。一態様では、この抗菌性アルコール系組成物をヒトの皮膚上に存在する微生物と接触させる方法は、ある量の組成物を皮膚に塗布し、適切な時間、組成物を皮膚と接触したままにすることを含む。他の態様では、組成物を皮膚の表面全体にのばし、擦り込み、すすぎ、蒸発によって乾燥させても、あるいは拭き取ってもよい。
したがって、本発明は、非エアロゾル起泡性アルコール系組成物の有効量を哺乳類の皮膚に接触させることを含む皮膚消毒方法を提供する。前記非エアロゾル起泡性アルコール系組成物は、抗菌性アルコール系組成物の総重量基準で少なくとも約60重量%のエタノールと、PEG−10〜PEG−12ジメチコン界面活性剤からなる群から選択される、起泡性組成物の総重量基準で約0.75〜約15重量%の分岐起泡性界面活性剤と、起泡性組成物の総重量基準で少なくとも約3重量%のイソプロパノールとを含む。1つ以上の態様では、本発明は手を消毒する方法を提供する。
本発明の抗菌性アルコール系組成物は、医療従事者の手洗い剤として使用でき、好都合である。1つ以上の態様では、本発明は、医療従事者の手洗い剤に関するFDAのTentative Final Monograph for Healthcare Antiseptic Drug Products(医療用手指消毒薬暫定的最終基準;TFM)(Federal Register 59[116]、1994年6月17日:31402〜31452頁)の基準を満たす抗菌性アルコール系組成物を提供する。
1つ以上の態様では、本発明のアルコール系抗菌性組成物は、手術時手洗い用組成物として有用である。手術時手洗い剤のインビトロおよびインビボでの試験に関する要件は、FDAのTentative Final Monograph for Healthcare Antiseptic Drug Products(医療用手指消毒薬暫定的最終基準;TFM)(Federal Register 59[116]、1994年6月17日:31445〜31448頁)に概説されている。31445頁から記載されているインビボ試験法を、以下、FDAのTFM手術時手洗い剤試験と呼ぶ。手術時手洗い剤の抗菌効力は、皮膚常在菌叢の十分な殺菌を実証すると認められている任意の適切な試験によっても試験することができる。このような試験の例としては、ASTMのE1115−02「Standard Test Method for Evaluation of Surgical Hand Scrub Formulations(手術時手洗い用調合物の評価のための標準試験方法)」(ASTM International)およびEN12791:2005「Chemical disinfectants and antiseptics, Surgical hand disinfection, Test method and requirement (phase 2, step 2)(化学殺菌剤および消毒剤、手術時の手指殺菌、試験の方法と要件(フェーズ2、ステップ2))」(CEN:Comitee Europeen de Normalization、ベルギー、ブリュッセル)。
本発明の抗菌組成物および方法の態様は、1回の使用で迅速な抗菌効力を提供する。1つ以上の態様では、迅速かつ広域抗菌スペクトルの効力により、組成物はASTMのE1173−01「Standard Test Method for Evaluation of Preoperative, Precatheterization, or Preinjection Skin Preparations(術前、カテーテル処置前、または注射前の皮膚用製剤を評価するための標準試験法)」およびFDAのTentative Final Monograph for Healthcare Antiseptic Drug Products (TFM)(医療用手指消毒薬暫定的最終基準;TFM)(Federal Register 59[116]、1994年6月17日:31402〜31452頁)に記載され、試験されるような皮膚用製剤として有用である。
1つ以上の態様では、本発明は、基本的な殺菌活性に関するEN1040、基本的な殺真菌活性に関するEN1275、衛生用擦式手洗い剤として使用するための製品の活性に関するEN1500、結核菌殺菌活性に関するEN14348、殺ウイルス活性に関するEN14476、および手術時の手指殺菌に関するEN12791のうちの1つ以上の基準を満たす抗菌性組成物を提供する。
安定な泡沫を生成するために噴霧剤を用いてもよいが、好都合なことに、噴霧剤はなくてもよい。特定の態様では、噴霧剤の量はアルコール系組成物の総重量基準で約1000重量ppm未満である。一態様では、アルコール系組成物は噴霧剤(炭化水素噴霧剤など)を実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、アルコール系組成物中の噴霧剤の量が、そのアルコール系組成物の総重量基準で約100重量ppm未満であるという意味である。
本発明の起泡性組成物は、泡状製品に一般に使用される任意の種類のディスペンサーに入れて使用できる。好都合なことに、この起泡性組成物は、必要であれば組成物をエアロゾル化することによって起泡させてもよいが、エアロゾル化した生成物は起泡に必須ではない。起泡性アルコール系組成物を空気または不活性気体と混合することができる任意のディスペンサーを使用してもよい。不活性気体としては、起泡性組成物に実質的に反応したりそれ以外の形で有害な影響を及ぼしたりしない気体が含まれる。不活性気体の例としては、窒素、アルゴン、キセノン、クリプトン、ヘリウム、ネオン、およびラドンが挙げられる。
本発明の起泡性組成物は、泡状製品に一般に使用される任意の種類のディスペンサーに入れて使用できる。好都合なことに、この起泡性組成物は、必要であればエアロゾルを用いて組成物を起泡させてもよいが、エアロゾルは起泡に必須ではない。起泡性アルコール系組成物を空気または不活性気体と混合することができる任意のディスペンサーを使用してもよい。不活性気体としては、起泡性組成物に実質的に反応したりそれ以外の形で有害な影響を及ぼしたりしない気体が包含される。不活性気体の例としては、窒素、アルゴン、キセノン、クリプトン、ヘリウム、ネオン、およびラドンが挙げられる。
一般に、噴出される本発明の液体組成物に空気を含ませ、かつ/または含まれる空気を最大にするように適合させたノズルを用いて、起泡した組成物を生成できる。多くの適切なノズルが当技術分野で利用でき、一般には、限定するものではないが、液体組成物と、ノズルを通じて液体組成物を押し出すことのできるディスペンサーの加圧部分との間に位置する蛇行経路、目の細かい針孔状の開口部、細目スクリーンおよび/または多孔質の織物が含まれる。このように様々な手段によって生じた乱流は、取り出す過程で液体組成物中に小さな気泡状の空気を取り込み、それによって起泡した組成物が取り出される。これらの起泡性組成物は、圧力がかかったとき(使用者が手を擦ったときや表面に塗布されたときなど)に破裂する安定な泡沫を提供する。このような装置はAirspray(登録商標)によるWaterGuard(登録商標)Lineから入手できる。
1つ以上の態様では、アルコール系組成物は、周囲の空気または不活性気体とアルコール系組成物を混合チャンバ内で混合してその混合物をメッシュスクリーンに通す起泡用ポンプを用いたディスペンサーに入れて使用される。その他の非エアロゾル式起泡用ポンプが公知であり、使用できる。
1つ以上の態様では、本発明の組成物は、有効量のイソプロパノールを含有しない同じ組成物に比べて改善された泡沫安定性を有する。イソプロパノールは泡沫安定剤として作用し(すなわち泡沫安定性を高める)、好都合である。特に、起泡性界面活性剤が分岐PEG−10〜PEG−12ジメチコンを含む場合、イソプロパノールが存在することによって泡沫の安定性が改善されることがわかっている。
本発明の泡沫は、組成物が有効量のイソプロパノールを含む限り、起泡性界面活性剤として分岐ポリエトキシ化ジメチコン界面活性剤を用いた場合でも良好な泡沫の品質と安定性を有し、好都合である。本発明の起泡性組成物は、エタノールの量が60重量%以上であっても、良好な泡沫の品質と安定性を提供する。本発明の態様は、エタノールの量が70重量%以上であっても、良好な泡沫の品質と安定性を提供する。イソプロパノールが抗菌性アルコールでもあることを考えると意外であるが、本発明の起泡性組成物は、アルコールの量が70重量%以上であっても良好な泡沫の品質と安定性を提供する。本発明の態様は、アルコールの量が80重量%以上であっても、良好な泡沫の品質と安定性を提供する。
したがって、本発明は、泡沫の品質および/または安定性が改善された非エアロゾルアルコール性泡沫を形成する方法を提供する。この方法は、C1〜6アルコールと、分岐ポリエトキシ化ジメチコン起泡性界面活性剤と、泡沫を安定させる有効量のイソプロパノールと、水とを組み合わせて起泡性組成物を形成する工程を含み、ここで、起泡性組成物は起泡性組成物の総重量基準で少なくとも60重量%のC1〜6アルコールを含有する。
1つ以上の態様では、泡沫安定性を、起泡した組成物が崩壊して液状になるのにかかる時間として測定してもよい。これを排水試験法と呼ぶことがある。泡沫が崩壊して液状になると、それを塗布する表面、起泡用ポンプ、および/または関連するディスペンサー要素から滴りやすくなるため、良好な安定性を有する泡沫は好都合である。
1つ以上の態様では、泡沫安定性を以下の方法で評価してよい。起泡性混合物を非エアロゾル式起泡用ポンプに通す。Tygon(登録商標)(または同様のもの)チューブをポンプの先端に固定して確実に空隙がないようにする。ポンプを数回ゆっくりと作動させてポンプを予備吸引し、この間にポンプで押し出された製品は廃棄する。1つ以上の態様では、ポンプを5回作動させることによりポンプを予備吸引する。ポンプを予備吸引した後、1つ以上の試験用一定分量を目盛り付き容器にポンプで注入する。1つ以上の態様では、目盛り付き容器はコニカル遠心管であってもよい。1つ以上の態様では、遠心管は油類用の約100ミリリットル(mL)の遠心管であってもよい。1つ以上の態様では、約4つの試験用一定分量を目盛付き容器にポンプで押し出してもよい。この一定分量を一定の方法で目盛り付き容器にポンプで押し出すことは、一貫性のある結果を得るために有益である。
泡沫が崩壊して液体になると、目盛り付き容器内の液体の液面が上昇し、これは視覚的に明らかであろう。1つ以上の態様では、液面が所定の点まで上昇するのにかかる時間を測定してもよい。たとえば、1つ以上の態様では、油類用の100mLのコニカル遠心管を用いて約6mLの起泡性組成物をポンプで管に注入する場合、液面が3.5mLに上昇するのにかかる時間を記録する。試験を繰り返して結果を平均してもよい。
1つ以上の態様では、起泡性アルコール系組成物を室温で非エアロゾル式起泡用ポンプに通した場合に生成する泡沫の泡沫安定性は少なくとも約20秒、他の態様では少なくとも約30秒、他の態様では少なくとも約1分、他の態様では少なくとも約80秒、他の態様では少なくとも約90秒、他の態様では少なくとも約3分である。すなわち、1つ以上の態様では、アルコール系組成物は、少なくとも3分間は泡状の形態を維持し、崩壊して液状の形態になることはない。他の態様では、泡沫安定性は少なくとも約5分であり、さらに他の態様では泡沫安定性は少なくとも約15分である。1つ以上の態様では、泡沫安定性は、組成物が蒸発するのに必要な時間と少なくとも同じ長さである。
1つ以上の態様では、泡沫の品質を目視検査によって測定してもよい。泡の平均サイズと大きな泡の小さな泡に対する相対的な割合、泡沫の高さと密度、および泡沫の消散速度を目視検査によって観察することができる。1つ以上の態様では、泡高を泡沫の品質の指標とすることもできる。1つ以上の態様では、泡沫の品質を評価するために目視評価尺度を確立してもよい。
1つ以上の態様では、泡高を測定してもよい。上述したように、初期の泡高を泡沫の品質の指標として使用してよい。1つ以上の態様では、経時的な泡高の変化も測定してもよい。
当然であるが、泡高の測定には様々な方法を用いてよい。1つ以上の態様では、以下の方法を使用してよい。起泡用ポンプノズルを用いて各組成物から泡沫を発生させる。1つ以上の態様では、ポンプはAlbea(旧Airspray International Inc.)から入手できる製品番号F2、F2−L11 255/150型であってもよい。小瓶を用いて、ポンプディスペンサーから泡沫を集め、泡高を測定する。小瓶の正確なサイズおよび組成は、1つの試験試料と次の試験試料とで一貫している限り限定されない。1つ以上の態様では、小瓶はガラス製であってもよく、高さが40または80ミリメートル(mm)で内径が25mm、外径が27mmのものであってよい。
各試料と試料の間に、ポンプを脱イオン水またはエタノールできれいになるまでポンプ内に水を通すことで洗い流してもよい。次いでポンプ浸漬管を水から取り出し、残留水をポンプで押し出して乾燥させ、次いで試験する組成物中に入れる。
ポンプを3回作動させて予備吸引した後、さらに3回作動させてノズルに溶液を充填し、システムの準備を確実にする。各ポンプにつき約1秒の速度でゆっくりとポンプを作動させることにより、3つの試験用一定分量の泡沫を回収用の小瓶に集める。泡沫の入った小瓶を平面に置き、タイマーを起動させ、ミリメートル単位の小さな定規を用いて泡沫のおおよその高さを、起泡していない残りの組成物の高さは無視して、測定する。
泡高の測定にかける時間は一貫しているべきであり、1つ以上の態様では約5秒である。これを初期泡高と呼ぶことができる。少なくとも泡高の測定に必要な時間の間安定でない泡沫を生じる組成物はいずれも不安定とみなし、泡高の評価を0mmとしてよい。さらに、溶液の頂部のいずれの点(中心など)にも泡沫がない場合、評価を0mmとしてよい。1つ以上の態様では、泡沫の安定性を評価するため、所定の時間後(1分後、3分後、5分後など)に泡高を記録した。
1つ以上の態様では、本発明の起泡性組成物は、測定できる程度の初期泡高を有する泡沫を形成する。1つ以上の態様では、本発明の起泡性組成物は、約1分後の泡高が測定できる程度である泡沫を形成する。1つ以上の態様では、本発明の起泡性組成物は、約3分後の泡高が測定できる程度である泡沫を形成する。1つ以上の態様では、本発明の起泡性組成物は、約5分後の泡高が測定できる程度である泡沫を形成する。
1つ以上の態様では、本発明の組成物から形成される泡沫は、イソプロパノールを含有しない同等の組成物から形成される泡沫よりも初期の泡高が大きい。
本発明の実施を示すため、以下の実施例を調製し、試験を行っている。ただし、これらの実施例は本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲が本発明を定義する。
<実施例>
試験Aでは、下の表に示す量の水と、様々な量のイソプロパノールと、約74.1グラム(g)のSDA−3Cとを組み合わせ、均質な混合物が得られるまで低速〜中等度の速度で撹拌することにより、6種の試料を調製した。SDA−3Cは、約95%(v/v)のエタノールと5%(v/v)のイソプロパノールを含有していた。なお、下の表で、表示したイソプロパノールの量は添加された量であり、SDA−3Cに含まれていたイソプロパノールは含まない。次に、0.5〜4グラム(すべての実施例で同じ量を使用した)の量の分岐PEG−10ジメチコン起泡性界面活性剤(Siltech CorporationからSilsurf E1310という商品名で入手した)を水およびアルコール混合物に分散させ、均質な分散液が得られるまで混合した。必要に応じて水を添加して混合し、総量を100グラムにした。均質な混合物が得られるまで溶液を撹拌した。各成分の濃度を下の表に要約する。「qs」という用語は、合計100%になるのに十分な量を示す。
この起泡性混合物をAirspray(登録商標)起泡用ポンプに通した。100mLの目盛付き油類用遠心管、管類、およびストップウォッチを用いて、以下に記載のとおり泡沫の安定性を評価した。結果を表2に要約する。
試験対象の調合物(約300ml)を535mlの起泡ボトルに入れ、起泡用ポンプをボトルに締め付けた。4インチのTygon(登録商標)チューブをポンプの先端に固定し、確実に空隙がないようにした。ポンプの先端を覆う管の部分は約5/8インチであった。
ポンプを予備吸引するため、ポンプをゆっくりと5回作動させ、押し出された製品を廃棄した。ポンプを予備吸引した直後にストップウォッチを始動させた。
約8〜10秒間、ゆっくりと均等にポンプを作動させ、起泡した試料の4つの一定分量を、コニカル目盛付き遠心管にポンプで注入した(それぞれ2秒)。
泡沫が崩壊して液体になるにつれ、遠心管内の液面が上昇した。遠心管の底部の液面が3.5mLまで上昇したらストップウォッチを停止し、時間を記録した。試験を繰り返し、結果を平均した。
試験Bでは、分岐起泡性界面活性剤の代わりに線状PEG−10ジメチコン界面活性剤を使用したこと以外は試験Aについて記載したのと同様の方法で、6種類の試料を調製した。線状PEG−10ジメチコン界面活性剤はSiltech CorporationからSilsurf DI-1010という商品名で入手した。この起泡性混合物を起泡用ポンプに通し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に要約する。
試験Cでは、分岐起泡性界面活性剤の代わりに線状PEG−12ジメチコン界面活性剤を使用したこと以外は試験Aについて記載したのと同様の方法で、6種類の試料を調製した。
試験Dでは、分岐起泡性界面活性剤の代わりにシリコーン第4級界面活性剤を使用したこと以外は試験Aについて記載したのと同様の方法で6種類の試料を調製した。シリコーン第4級界面活性剤はSiltech CorporationからSilquatという商品名で入手した。
試験Eでは、分岐起泡性界面活性剤の代わりにシラン界面活性剤を使用したこと以外は試験Aについて記載したのと同様の方法で6種類の試料を調製した。シラン界面活性剤はGrant Industriesから、化粧品原料の国際命名法(INCI)によるビスPEG−18メチルエーテルジメチルシランという名称で入手した。
Figure 2017536360
以下の方法で泡沫安定性を評価した。起泡性混合物を非エアロゾル式起泡用ポンプに通した。Tygon(登録商標)(または同様のもの)チューブをポンプの先端に固定し、確実に空隙がないようにした。ポンプをゆっくりと数回作動させることによりポンプを予備吸引し、この時間に押し出された製品を廃棄した。1つ以上の態様では、ポンプを5回作動させることによりポンプを予備吸引した。ポンプを予備吸引した後、1つ以上の試験用一定分量を目盛り付き容器にポンプで注入した。1つ以上の態様では、目盛付き容器はコニカル遠心管であった。1つ以上の態様では、遠心管は約100ミリリットル(mL)の油類用遠心管であった。1つ以上の態様では、約4つの試験用一定分量を目盛付き容器にポンプで押し出した。この一定分量を一定の方法で目盛り付き容器にポンプで押し出すことは、一貫性のある結果を得るために有益であった。
泡沫が崩壊して液体になると、目盛り付き容器内の液体の液面が上昇し、これは視覚的に明らかであった。1つ以上の態様では、液面が所定の点まで上昇するのにかかる時間を測定した。たとえば、1つ以上の態様では、油類用の100mLのコニカル遠心管を用いて約6mLの起泡性組成物をポンプで管に注入したとき、液面が3.5mLに上昇するのにかかる時間を記録した。試験を繰り返し、結果を平均した。
ここで図面を参照する。図1は、試験Aの実施例に関する泡沫安定性をグラフで表したものである。図2は、試験Bの実施例に関する泡沫安定性をグラフで表したものである。線状PEG−10ジメチコン界面活性剤を使用した場合、IPA濃度が増加するにつれて泡沫安定性が低下することが分かる。しかし、分岐PEG−10ジメチコンを使用した場合、IPA濃度が約2〜約5重量%のとき泡沫安定性が改善される。
当業者には、本発明の範囲および精神から逸脱しない様々な修正および変更を改変が明らかになるであろう。本発明は、本明細書に記載された例示的な態様に正式に限定されるものではない。

Claims (13)

  1. 非エアロゾル起泡性アルコール系組成物であって、
    前記起泡性組成物の総重量基準で少なくとも約40重量%のエタノールと、
    前記起泡性組成物の総重量基準で約0.75〜約15重量%のPEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤からなる群より選択される分岐起泡性界面活性剤と、
    前記起泡性組成物の総重量基準で少なくとも約3重量%のイソプロパノールと
    を含む、組成物。
  2. 前記起泡性アルコール系組成物の総重量基準で少なくとも約50重量%のエタノールを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記起泡性界面活性剤は以下の式で表される化合物から選択される、請求項1又は請求項2に記載の組成物:
    2−Si(CH32−[O−Si(CH32a−[O−Si(CH3)R3b−O−Si(CH32−R2
    (式中、R2とR3は独立して、メチル基または以下の式で表される基を含む:
    −(CH23−O−(CH2CH2O)c−[CH2CH(CH3)O]d−(CH2CH2O)e
    (ただし、少なくとも1個のR3はCH3ではなく、aは約3〜約21の整数、bは約1〜約7の整数、cは約0〜約40の整数、dは約0〜約40の整数、eは約0〜約40の整数であり、ただし、a≧3×bであり、c+d+e≧5である))。
  4. 前記起泡性アルコール系組成物の総重量基準で約1〜約10重量%の起泡性界面活性剤を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記起泡性アルコール系組成物の総重量基準で少なくとも約3.2重量%のイソプロパノールを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記起泡性アルコール系組成物の総重量基準で約12重量%以下のイソプロパノールを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  7. イソプロパノールの重量%は起泡性界面活性剤の重量%に対して約4:1以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 非エアロゾルアルコール性泡沫を形成する方法であって、
    少なくとも約40重量%のエタノールと、約0.75〜約10重量%の分岐PEG−8〜PEG−12ジメチコン界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される起泡性界面活性剤と、少なくとも約3〜約15重量%のイソプロパノールとを組み合わせて起泡性アルコール系組成物を形成すること(割合はすべて前記アルコール系組成物の総重量基準)と;
    非エアロゾル式の起泡用ポンプを用いて前記アルコール系組成物を取り出して泡沫を形成することを含み、ここで、前記泡沫は、前記アルコール系組成物の総重量基準で0〜3重量%のイソプロパノールを含む同等の組成物から形成される泡沫に比べて改善された品質を有する、方法。
  9. 前記起泡性アルコール系組成物は、前記起泡性アルコール系組成物の総重量基準で少なくとも約50重量%のエタノールを含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記起泡性界面活性剤は以下の式で表される化合物から選択される、請求項に記載の方法:
    2−Si(CH32−[O−Si(CH32a−[O−Si(CH3)R3b−O−Si(CH32−R2
    (式中、R2とR3は独立して、メチル基または以下の式で表される基を含む:
    −(CH23−O−(CH2CH2O)c−[CH2CH(CH3)O]d−(CH2CH2O)e
    (ただし、少なくとも1個のR3はCH3ではなく、aは約3〜約21の整数、bは約1〜約7の整数、cは約0〜約40の整数、dは約0〜約40の整数、eは約0〜約40の整数であり、ただし、a≧3×bであり、c+d+e≧5である))。
  11. 前記起泡性アルコール系組成物は、前記起泡性アルコール系組成物の総重量基準で約1〜約10重量%の前記起泡性界面活性剤を含む、請求項に記載の方法。
  12. 前記起泡性アルコール系組成物は、前記起泡性アルコール系組成物の総重量基準で約12重量%以下のイソプロパノールを含む、請求項に記載の方法。
  13. イソプロパノールの重量%は起泡性界面活性剤の重量%に対して約4:1以下である、請求項に記載の方法。
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