JP2017534656A - 肢端舐性肉芽腫の治療に使用するためのカプサイシノイド - Google Patents

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Abstract

本発明は、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫を治療するための方法を提供する。本発明はまた、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて、それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化するための方法も提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年11月13日に出願され、その内容が参考として本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第62/079,121号の利益及びそれに対する優先権を主張するものである。
本発明は、家畜動物、特にイヌ科の動物における肢端舐性肉芽腫を、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて治療するための方法を提供する。
肢端舐性肉芽腫は、動物、特にイヌが、身体の小領域の皮がむけ炎症を起こすまでそれを舐め続ける自己外傷の形の皮膚障害である。ある特定の報告は、肢端舐性肉芽腫を、強迫性障害への帰結を伴う心因性障害として説明している。病変部が存在すると、炎症に関連する痛み及び/または痒みが、舐める行為を長続きさせ得る。また、病変部は、細菌感染、アポクリン腺の破裂、及び毛嚢の破裂などの二次的な問題を発症する場合がある。
様々な報告は、全ての品種及び両性別のイヌがこの疾患にかかりやすいことを示している。いくつかの証拠は、雄イヌまたは5歳以上のイヌが偏って影響を受けることを示唆している。さらに、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、グレート・デーン、ドーベルマン・ピンシャー、アイリッシュ・セッター及びジャーマン・シェパードが含まれる、ある特定のイヌ品種が、肢端舐性肉芽腫に罹りやすい。
肢端舐性肉芽腫のための現在使用可能な治療は、エリザベスカラー、くつわ、包帯、または忌避軟膏の使用を通しての舐める行為の防止、細菌感染が存在する場合の抗生物質治療、及びコルチコステロイドの局所使用を通しての炎症の低減を伴い得る。現在使用可能な他の治療的アプローチとしては、放射線療法、レーザ手術、凍結療法、鍼治療、及び抗ヒスタミン薬の投与が挙げられる。しかしながら、肢端舐性肉芽腫は、従来のアプローチを用いて治療するのは難しいままである。
したがって、肢端舐性肉芽腫に対する改善された治療法への必要性が存在する。本発明は、この要望に対処し、他の関連する利点を提供する。
本発明は、イヌ科の動物などの家畜動物における肢端舐性肉芽腫を、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて治療するための方法を提供する。本発明はまた、それぞれが、イヌ科動物などの家畜動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維を、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて不活性化するための方法も提供する。本発明の様々な態様及び実施形態が、以下に更に詳細に説明される。
したがって、本発明の一態様は、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫を治療する方法を提供する。本方法は、カプサイシンなどのカプサイシノイドの治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に、肉芽またはその近位にある組織に投与し、これによって肢端舐性肉芽腫を治療することを含む。カプサイシノイドは、皮下注射によって投与されることが好ましい。本方法は、好ましくは、肢端舐性肉芽腫に起因する痒み及び/または痛みからの緩和を、少なくとも2週間、または少なくとも4週間の持続期間にわたってもたらす。
本発明のより具体的な態様は、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫を治療する方法を提供し、本方法は、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織に液体カプサイシン注射用製剤の複数回の皮下注射を行うことによって、液体カプサイシン注射用製剤の治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に投与することを含み、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の初回の皮下注射後に、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の任意のその後の皮下注射が、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の任意の前に行われた注射に対して横方向遠位の位置で行われ、これによって、健康な組織と肉芽腫との間の境界部の近位にある肢端舐性肉芽腫の下の領域全体にわたってカプサイシンを分散させ;投与が、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.2μg〜1.8μgのカプサイシンの範囲の量でカプサイシンを送達し;液体カプサイシン注射用製剤が、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の量のカプサイシンを含有し;及びカプサイシンが、約95%を超えるトランス−カプサイシンを含み、これによって、肢端舐性肉芽腫を治療する。好ましくは、投与は、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.5μgのカプサイシンの量でカプサイシンを送達する。さらに好ましくは、液体カプサイシン注射用製剤の肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への複数回の皮下注射は、肉芽腫の下方境界部の近位にある健康な組織へ液体カプサイシン注射用製剤の注射である。本方法は、投与が約0.3mL〜約5mLの製剤を送達するなど、投与される製剤の容積によってさらに特徴付けられてもよい。ある特定の実施形態において、本方法は、液体カプサイシン注射用製剤を、肢端舐性肉芽腫組織に投与することを含む。
本発明の別の態様は、それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維を不活性化する方法を提供する。本方法は、カプサイシノイドの治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に、肉芽腫またはその近位にある組織に投与し、これによって該神経線維を不活性化することを含む。カプサイシノイドは、皮下注射によって投与されることが好ましい。本方法は、好ましくは、肢端舐性肉芽腫に起因する痒み及び/または痛みからの緩和を、少なくとも2週間、または少なくとも4週間、少なくとも12週間、または少なくとも16週間の持続期間にわたってもたらす。
本明細書の実施例1に更に説明されるように、治験薬による注射の前の各イヌからの病変部(複数可)の図解、これと共に、試験の14日目の、及び別に試験の28日目の各イヌからの病変部の図解を提供する。 本明細書の実施例1に更に説明されるように、治験薬による注射前、試験の14日目、及び28日目の各イヌからの病変部(複数可)の図解を提供し、この病変部は、病変部位のAdobe Acrobat IX判別に対して追跡される。
本発明は、イヌ科の動物などの家畜動物における肢端舐性肉芽腫を、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて治療するための方法を提供する。本発明は、それぞれが、イヌ科動物などの家畜動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維を、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて不活性化するための方法を提供する。本発明の様々な態様は、以下のセクションに記載されるが、1つの特定のセクションに記載される本発明の態様は、任意の特定のセクションに限定されるものではない。
I.治療適用
本発明は、イヌ科の動物などの家畜動物における肢端舐性肉芽腫を、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて治療するための方法を提供する。本方法は、一般的に、カプサイシノイドの治療的有効量を、それを必要としている家畜動物に、肉芽またはその近位にある組織に投与し、これによって肢端舐性肉芽腫を治療することを含む。本発明はまた、それぞれが、イヌ科動物などの家畜動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維を、カプサイシンなどのカプサイシノイドを用いて不活性化するための方法も提供する。本方法は、一般的に、カプサイシノイドの治療的有効量を、それを必要としている家畜動物に、肉芽腫またはその近位にある組織に投与し、これによって該神経線維を不活性化することを含む。本方法の様々な態様及び実施形態が、以下に説明される。
肢端舐性肉芽腫を治療するための例示的な方法
本発明の一態様は、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫を治療する方法を提供する。本方法は、カプサイシノイドの治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に、肉芽腫またはその近位にある組織に投与し、これによって肢端舐性肉芽腫を治療することを含む。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、肉芽腫に投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、肉芽腫及びその近位にある組織に投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、肉芽腫の近位にある組織に投与される。ある特定の実施形態において、肉芽腫の近位にある組織は、肉芽腫まで延びる神経線維を含有する。
肢端舐性肉芽腫を治療するための例示的でより具体的な方法
本発明のより具体的な態様は、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫を治療する方法を提供する。本方法は、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織に液体カプサイシン注射用製剤の複数回の皮下注射を行うことによって、液体カプサイシン注射用製剤の治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に投与することを含み、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の初回の皮下注射後に、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の任意のその後の皮下注射が、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の任意の前に行われた注射に対して横方向遠位の位置で行われ、これによって、健康な組織と肉芽腫との間の境界部の近位にある肢端舐性肉芽腫の下の領域全体にわたってカプサイシンを分散させ;投与が、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.2μg〜1.8μgのカプサイシンの範囲の量でカプサイシンを送達し;液体カプサイシン注射用製剤が、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の量のカプサイシンを含有し;及びカプサイシンが、約95%を超えるトランス−カプサイシンを含み、これによって、肢端舐性肉芽腫を治療する。
好ましくは、投与は、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.5μgのカプサイシンの量でカプサイシンを送達する。さらに好ましくは、液体カプサイシン注射用製剤の肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への複数回の皮下注射は、肉芽腫の下方境界部の近位にある健康な組織へ液体カプサイシン注射用製剤の注射である。ある特定の実施形態において、本方法は、液体カプサイシン注射用製剤を、肢端舐性肉芽腫組織に投与することをさらに含む。
本方法は、投与が約0.3mL〜約5mLの製剤を送達するなど、投与される製剤の容積によってさらに特徴付けられてもよい。
本方法は、肢端舐性肉芽腫を舐める回数の減少、肢端舐性肉芽腫を噛む回数の減少、及び/または肢端舐性肉芽腫をひっかく回数の減少など、不快感を示す特定のイヌの行動の減少によりさらに特徴付けられてもよい。本方法はまた、肢端舐性肉芽腫によって以前に冒されていた組織の上を覆う体毛の再生など、肢端舐性肉芽腫の治癒パラメータにより特徴付けられてもよい。したがって、ある特定の実施形態において、投与は以下の1つ以上を提供する:
・ カプサイシンを投与される前のある期間(例えば、7日間)の一日当たりにイヌが肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数と比べて、カプサイシンを投与された後28日目に、イヌが肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る回数の少なくとも30%の減少;
・ カプサイシンを投与される前のある期間(例えば、7日間)の一日当たりにイヌが肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る平均回数と比べて、カプサイシンを投与された後28日目に、イヌが肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る回数の少なくとも30%の減少;
・ カプサイシンを投与される前のある期間(例えば、7日間)の一日当たりにイヌが肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る平均回数と比べて、カプサイシンを投与された後28日目に、イヌが肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る回数の少なくとも30%の減少;または
・ カプサイシンを投与された後28日までに、肢端舐性肉芽腫に起因する原病変部の局所面積の少なくとも約30%を覆う体毛の再生。
本方法は、肢端舐性肉芽腫に起因するイヌの不快感の緩和を反映することができる飼い主主体の評価基準(Client−Specific OutcomeMeasure(CSOM))スコアによりさらに特徴付けられてもよい。したがって、ある特定の実施形態において、投与は以下の1つ以上を提供する:(a)カプサイシンを投与する前に(例えば、カプサイシンを投与する7日前に)観察されたCSOMと比べて、カプサイシンを投与後14日目にCSOMスコアの少なくとも40%の減少;または(b)カプサイシンを投与する前に(例えば、カプサイシンを投与する7日前に)観察されたCSOMスコアと比べて、カプサイシン投与後28日目にCSOMスコアの少なくとも20%の減少。
本方法は、痒みの緩和、痛みの緩和、及び/またはC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化の持続期間によりさらに特徴付けられてもよい。したがって、ある特定の実施形態において、投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を、少なくとも6週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の他の実施形態において、投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を、少なくとも6週間の持続期間にわたって提供する。さらに他の実施形態において、投与が、それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化を、少なくとも4週間の持続期間にわたって提供する。
肢端舐性肉芽腫を治療するための追加の例示でより具体的方法
本発明の別のより具体的な態様は、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫を治療する方法を提供し、本方法は、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織に液体カプサイシン注射用製剤の複数回の皮下注射を行うことによって、液体カプサイシン注射用製剤の治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に投与することを含み、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の初回の皮下注射後に、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の任意のその後の皮下注射が、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への製剤の任意の前に行われた注射に対して横方向遠位の位置で行われ、これによって、健康な組織と肉芽腫との間の境界部の近位にある肢端舐性肉芽腫の下の領域全体にわたってカプサイシンを分散させ、これによって、肢端舐性肉芽腫を治療する。ある特定の実施形態において、投与が、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.2μg〜1.8μgのカプサイシンの範囲の量でカプサイシンを送達する。ある特定の実施形態において、液体カプサイシン注射用製剤は、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の量のカプサイシンを含有する。ある特定の実施形態において、カプサイシンは、約95%を超えるトランス−カプサイシンを含む。
好ましくは、投与は、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.5μgの量のカプサイシンを分散させる。さらに好ましくは、液体カプサイシン注射用製剤の肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への複数回の皮下注射は、肉芽腫の下方境界部の近位にある健康組織への液体カプサイシン注射用製剤の注射である。ある特定の実施形態において、本方法は、肢端舐性肉芽腫組織への液体カプサイシン注射用製剤の注射をさらに含む。
本方法は、投与が約0.3mL〜約5mLの製剤を送達するなど、投与される製剤の容積によってさらに特徴付けられてもよい。
本方法は、肢端舐性肉芽腫を舐める回数の減少、肢端舐性肉芽腫を噛む回数の減少、及び/または肢端舐性肉芽腫をひっかく回数の減少など、不快感を示す特定のイヌの行動の減少によりさらに特徴付けられてもよい。本方法はまた、肢端舐性肉芽腫によって以前に冒されていた組織の上を覆う体毛の再生など、肢端舐性肉芽腫の治癒パラメータにより特徴付けられてもよい。
神経線維を不活性化するための例示的な方法
本発明の一態様は、それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維を不活性化するための方法を提供する。本方法は、カプサイシノイドの治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に、肉芽腫またはその近位にある組織に投与し、これによって該神経線維を不活性化することを含む。
ある特定の実施形態において、投与は、C線維を不活性化する。ある特定の実施形態において、投与はAデルタ線維を不活性化する。ある特定の実施形態において、投与は、C線維及びAデルタ線維を不活性化する。ある特定の実施形態において、投与は、C線維及びAデルタの侵害受容求心性を不活性化する。
追加の皮膚障害を治療するための例示的な方法
本発明の別の態様は、イヌ科動物などの家畜動物において痒みを生じさせる皮膚の病変部を治療する方法を提供する。本方法は、カプサイシノイドの治療的有効量をそれを必要としている家畜動物に、病変部またはその近位にある組織に投与し、これによって、皮膚の病変部を治療することを含む。
本方法の例示的な特徴
上で述べたように、肢端舐性肉芽腫を治療し、神経線維を不活性化するための方法は、様々な方法で特性化され得る。これらの特徴のいくつかは上記に列挙されている。このような特徴のより完全な説明は、以下に提供される。本発明は、これらの特徴の全ての置換及び組み合わせを包含する。
投与経路
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、注射によって投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、皮下注射によって投与される。
投与技術は、カプサイシノイドが皮下注射を介して投与される特定の病変部によりさらに特徴付けられてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、本方法は、カプサイシノイドを肉芽腫の下方境界部の近位にある組織に投与することを含む。ある特定の他の実施形態において、投与は、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織へのカプサイシノイドの複数回の皮下注射を行うことを含み、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への初回の皮下注射の後に、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織へのカプサイシノイドの任意のその後の皮下注射が、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織への任意の前に行われた注射に対して横方向遠位の位置で行われる。ある特定の実施形態において、肉芽腫の下方境界部の近位にある組織へのカプサイシノイドの複数回の皮下注射は、肉芽腫の下方境界部の近位にある健康な組織へのカプサイシノイドの注射である。
投与技術は、肢端舐性肉芽腫に近接する組織全体にわたるカプサイシノイドの分布によりさらに特徴付けられてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、この投与は、健康な組織と肉芽腫との間の境界部に近接する肢端舐性肉芽腫の下の領域全体にわたって分散されたカプサイシノイドをもたらす。ある特定の他の実施形態において、この投与は、カプサイシノイドの複数回の皮下注射を行い、カプサイシノイドを健康な組織と肉芽腫との間の境界部に近接する肢端舐性肉芽腫の下の領域全体にわたって分散させることを含む。
投与技術は、皮下注射の回数によりさらに特徴付けられてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、この投与は、少なくとも3回の皮下注射、少なくとも4回の皮下注射、または少なくとも5回の皮下注射を含む。ある特定の実施形態において、この投与は、3回、4回、または5回の皮下注射を含む。
投与技術は、カプサイシノイドを肢端舐性肉芽腫に直接注射することによりさらに特徴付けられてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、この投与は、カプサイシノイドを肢端舐性肉芽腫中に注射することを含む。これは、カプサイシノイドを肉芽腫組織に注射することと特徴付けられてもよい。
カプサイシノイド
例示的なカプサイシノイドとしては、例えば、カプサイシン、トランス−カプサイシン、レシニフェラトキシン、N−バニリルノナンアミド、N−バニリルスルホンアミド、N−バニリルウレア、N−バニリルカルバメート、N−[(置換フェニル)メチル]アルキルアミド、メチレン置換N−[(置換フェニル)メチル]アルカンアミド、N−[(置換フェニル)メチル]−シス−モノ飽和アルケンアミド、N−[(置換フェニル)メチル]ジ不飽和アミド、3−ヒドロキシアセトアニリド、ヒドロキシフェニルアセトアミド、疑似カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシンアナンダミド、ピペリン、ジンゲロン、ワルブルガナール、ポリゴジアール、アフラモジアール、シンナモジアール、シンナモスモリド、シンナモリド、イソベレラール、スカララジアール、アンシストロジアール、ベータ−アカリジアール、メルリジアール、及びスクチゲラールが挙げられる。
ある特定の実施形態において、このカプサイシノイドは、カプサイシンである。カプサイシンは、炭素間二重結合を含有し、シス及びトランス異性体として存在することができる。ある特定の実施形態において、このカプサイシンは、トランス−カプサイシンから本質的になる。ある特定の実施形態において、このカプサイシンは、約90重量/重量%を超えるトランス−カプサイシンを含む。ある特定の実施形態において、このカプサイシンは、約95重量/重量%を超えるトランス−カプサイシンを含む。ある特定の実施形態において、このカプサイシンは、約98重量/重量%を超えるトランス−カプサイシンを含む。
ある特定の実施形態において、このカプサイシノイドは、トランス−カプサイシンを含む。ある特定の実施形態において、このカプサイシノイドは、トランス−カプサイシンから本質的になる。ある特定の実施形態において、このカプサイシノイドは、約90重量/重量%を超えるトランス−カプサイシンを含むカプサイシンである。ある特定の実施形態において、このカプサイシノイドは、約95重量/重量%を超えるトランス−カプサイシンを含むカプサイシンである。ある特定の実施形態において、このカプサイシノイドは、約97重量/重量%を超えるトランス−カプサイシンを含むカプサイシンである。ある特定の実施形態において、このカプサイシノイドは、約98重量/重量%を超えるトランス−カプサイシンを含むカプサイシンである。ある特定の実施形態において、このカプサイシノイドは、約99重量/重量%を超えるトランス−カプサイシンを含むカプサイシンである。
カプサイシノイドの投与量
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、約0.1mg〜約10mgの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、約0.2mg〜約10mgの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、約1mg〜約4mgの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、約2mgの量で投与される。
ある特定の実施形態において、前述した投与量は、カプサイシンについてのものである。ある特定の実施形態において、トランス−カプサイシンは、約0.1mg〜約10mgの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、トランス−カプサイシンは、約0.2mg〜約10mgの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、トランス−カプサイシンは、約1mg〜約4mgの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、トランス−カプサイシンは、約2mgの量で投与される。
カプサイシノイドの用量はまた、肢端舐性肉芽腫の局所表面の面積に対するカプサイシノイドの量に基づいて特徴付けられてもよい。これは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たりの約1.5マイクログラムのカプサイシノイド(これは、1.5μg/mmと略記されてもよい)などの肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たりカプサイシノイドの特定のマイクログラム数の投与として表されてもよい。したがって、ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約0.05μg〜約5μg、約0.1μg〜約4μg、約0.5μg〜約3μg、約1.0μg〜約2.5μg、約1μg〜約2μg、約1.25μg〜約1.75μg、約1.3μg〜約1.7μg、または約1.4μg〜約1.6μgのカプサイシノイドの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約0.5μg〜約1μg、約0.75μg〜約1.25μg、約1μg〜約1.5μg、約1.25μg〜約1.75μg、約1.5μg〜約2μg、約2μg〜約2.5μg、約2.5μg〜約3μg、約3μg〜約3.5μg、約3.5μg〜約4μg、約4μg〜約4.5μg、または約4.5μg〜約5μgのカプサイシノイドの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.2μg〜約1.8μgのカプサイシノイドの範囲の量で投与される。ある特定の好ましい実施形態において、カプサイシノイドは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.4μg〜約1.6μgのカプサイシノイドの範囲の量で投与される。好ましい実施形態において、上記で列記された投与量は、カプサイシノイドの皮下注射による投与についてのものである。
ある特定の実施形態において、前述した投与量はカプサイシンについてのものである。ある特定の実施形態において、カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約0.05μg〜約5μg、約0.1μg〜約4μg、約0.5μg〜約3μg、約1.0μg〜約2.5μg、約1μg〜約2μg、約1.25μg〜約1.75μg、約1.3μg〜約1.7μg、または約1.4μg〜約1.6μgのカプサイシンの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1μg〜約2μgのカプサイシンの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.2μg〜約1.8μgのカプサイシンの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.4μg〜約1.6μgのカプサイシンの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、トランス−カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約0.05μg〜約5μg、約0.1μg〜約4μg、約0.5μg〜約3μg、約1.0μg〜約2.5μg、約1μg〜約2μg、約1.25μg〜約1.75μg、約1.3μg〜約1.7μg、または約1.4μg〜約1.6μgのトランス−カプサイシンの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、トランス−カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約0.5μg〜約1μg、約0.75μg〜約1.25μg、約1μg〜約1.5μg、約1.25μg〜約1.75μg、約1.5μg〜約2μg、約2μg〜約2.5μg、約2.5μg〜約3μg、約3μg〜約3.5μg、約3.5μg〜約4μg、約4μg〜約4.5μg、または約4.5μg〜約5μgのトランス−カプサイシンの範囲の量で投与される。ある特定の実施形態において、トランス−カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.2μg〜約1.8μgのトランス−カプサイシンの範囲の量で投与される。ある特定の好ましい実施形態において、トランス−カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.4μg〜約1.6μgのトランス−カプサイシンの範囲の量で投与される。好ましい実施形態において、上記に列記された投与量は、トランス−カプサイシンなどのカプサイシンの皮下注射による投与についてのものである。
ある特定の他の実施形態において、カプサイシノイドは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約0.5μg、0.75μg、1.0μg、1.25μg、1.3μg、1.4μg、1.5μg、1.6μg、1.7μg、1.75μg、2μg、2.25μg、2.5μg、2.75μg、3μg、3.25μg、3.5μg、3.75μg、4μg、4.25μg、4.5μg、4.75μg、または5μg/mmのカプサイシノイドの量で投与される。ある特定の好ましい実施形態において、カプサイシノイドは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.5μgのカプサイシノイドの量で投与される。好ましい実施形態において、上記で列記された投与量は、カプサイシノイドの皮下注射による投与についてのものである。
ある特定の実施形態において、前述の投与量は、カプサイシンについてのものである。例えば、ある特定の実施形態において、カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約0.5μg、0.75μg、1.0μg、1.25μg、1.3μg、1.4μg、1.5μg、1.6μg、1.7μg、1.75μg、2μg、2.25μg、2.5μg、2.75μg、3μg、3.25μg、3.5μg、3.75μg、4μg、4.25μg、4.5μg、4.75μg、または5μg/mmのカプサイシンの量で投与される。ある特定の好ましい実施形態において、カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.5μgのカプサイシンの量で投与される。
ある特定の実施形態において、トランス−カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約0.5μg、0.75μg、1.0μg、1.25μg、1.3μg、1.4μg、1.5μg、1.6μg、1.7μg、1.75μg、2μg、2.25μg、2.5μg、2.75μg、3μg、3.25μg、3.5μg、3.75μg、4μg、4.25μg、4.5μg、4.75μg、または5μg/mmのトランス−カプサイシンの量で投与される。ある特定の好ましい実施形態において、トランス−カプサイシンは、肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.5μgのトランス−カプサイシンの量で投与される。好ましい実施形態において、上記で列記された投与量は、トランス−カプサイシンの皮下注射による投与についてのものである。
注射用製剤
様々な注射用製剤が、文献において説明されており、当業者に既知である。注射用製剤は、通常、水及び1つ以上の追加の成分を含有し、製剤を対象への注射に最も適したものにする。
カプサイシノイドを本明細書に記載される方法に従って投与するとき、カプサイシノイドは、注射用に製剤化された医薬組成物の形態で投与されることが望ましい。ある特定の実施形態において、注射用に製剤化された医薬組成物は、水性医薬組成物である。
カプサイシノイドは、油、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール(PG)、及び/または注射用もしくは移植用溶液を調製するために通常使用される他の溶剤中に溶解され得る。好適な薬学的に許容される賦形剤としては、水性賦形剤、非水性賦形剤、抗菌剤、等張剤、緩衝剤、酸化防止剤、懸濁ならびに分散剤、乳化剤、封鎖もしくはキレート剤、及びこれらの組み合わせまたは混合物が挙げられる。1つ以上の溶剤が本発明の製剤において使用されるとき、これらは、例えば、薬学的に許容される緩衝剤と組み合されてもよく、最終製剤中に、例えば、約10%〜約100%、より好ましくは約20%〜約100%の範囲の量で存在することができる。
例示的な水性賦形剤としては、塩化ナトリウム注射液、静菌塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張デキストロース注射液、滅菌注射用水、静菌滅菌注射用水、デキストロース乳酸リンゲル注射液、及びこれらの組み合わせまたは混合物が挙げられる。
例示的な非水性非経口賦形剤としては、植物由来の不揮発性油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、ピーナッツ油、及びこれらの組み合わせまたは混合物が挙げられる。
静菌または静真菌濃度における例示的な抗菌剤としては、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、エチルならびにプロピルp−ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
例示的な等張剤としては、塩化ナトリウム、デキストロース、及びこれらの組み合わせまたは混合物が挙げられる。
例示的な酸化防止剤としては、アスコルビン酸、重硫酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせまたは混合物が挙げられる。
例示的な懸濁及び分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、これらの任意の組み合わせまたは混合物が挙げられる。
例示的な乳化剤としては、アニオン性乳化剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせまたは混合物)、カチオン性乳化剤(例えば、セトリミド)、及び非イオン性乳化剤(例えば、ポリソルベート80(ツウィーン80))が挙げられる。
例示的な金属イオンの封鎖もしくはキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、ソルビトール、酒石酸、リン酸等が挙げられる。
好適な界面活性剤としては、フマル酸ステアリルナトリウム、硫酸セチルジエタノールアミン、ポリエチレングリコール、イソステアレート、ポリエトキシル化ヒマシ油、塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オクトキシノール9、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(ポリソルベート20、40、60及び80)、ラウリル硫酸ナトリウム、粗ルブタンエステル(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンオレエート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンセスキ−イソステアレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタントリ−イソステアレート)、レシチンならびにその薬学的に許容される塩、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の界面活性剤が、本発明の製剤において利用されるとき、これらは、例えば薬学的に許容される賦形剤と組み合されてもよく、例えば、約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.5%〜約10%の量で最終製剤中に存在することができる。ある特定の他の実施形態において、界面活性剤は、好ましくは、本明細書に前に記載された薬学的に許容される賦形剤のうちの1つ以上と組み合されることができ、これにより、界面活性剤または緩衝剤は、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤及び/または抗菌剤として、カプサイシノイドの投与に関連する初期刺痛または灼熱感の不快感を防止する。
緩衝剤もまた、薬物安定性を提供するために、製剤原料の治療活性を制御するために(Ansel,Howard C.,“Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms” 4thEd.,1985)、及び/またはカプサイシンの投与に関連する初期刺痛または灼熱感の不快感を防止するために使用されてもよい。好適な緩衝剤としては、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、リン酸ナトリウム、これらの薬学的に許容される塩、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の緩衝剤が本発明の製剤において利用されるとき、これらは、例えば薬学的に許容される賦形剤と組み合されてもよく、例えば約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.5%〜約10%の範囲の量で最終製剤中に存在することができる。ある特定の実施形態において、緩衝剤は、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、前述のものの対応する酸、及びこれらの組み合わせまたは混合物である。
ある特定の実施形態において、注射用カプサイシノイドを送達するために利用される医薬賦形剤は、注射用水中に、約20%のPEG 300、約10mMのヒスチジン及び約50%のスクロースを含んでもよい。ある特定の他の実施形態において、注射用カプサイシノイドを送達するために利用される医薬賦形剤は、約100%のPEG 300を含んでもよい。これは、そのまま使用されてもよく、またはより大きな容積を得るよう注射用水で希釈されてもよい。
注射用製剤は、製剤中のカプサイシノイドの濃度によりさらに特徴付けられてもよい。ある特定の実施形態において、注射用製剤は、約0.01mg/mL〜約4mg/mL、約0.05mg/mL〜約3mg/mL、約0.1mg/mL〜約2mg/mL、約0.15mg/mL〜約2mg/mL、約0.2mg/mL〜約0.8mg/mL、約0.25mg/mL〜約0.6mg/mL、約0.25mg/mL〜約0.5mg/mL、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mL、約0.3mg/mL〜約0.4mg/mL、約0.35mg/mL〜約0.45mg/mL、または約0.375mg/mL〜約0.425mg/mLの範囲の濃度でカプサイシノイドを含有する。ある特定の好ましい実施形態において、注射用製剤は、約0.3mg/mL〜約0.4mg/mL、または約0.35mg/mL〜約0.45mg/mLの範囲の濃度でカプサイシノイドを含有する。ある特定の他の好ましい実施形態において、注射用製剤は、約0.3mg/mL〜約0.4mg/mL、または約0.3mg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の濃度でカプサイシノイドを含有する。
ある特定の実施形態において、前述の濃度は、カプサイシンについてのものである。ある特定の実施形態において、注射用製剤は、約0.01mg/mL〜約4mg/mL、約0.05mg/mL〜約3mg/mL、約0.1mg/mL〜約2mg/mL、約0.15mg/mL〜約2mg/mL、約0.2mg/mL〜約0.8mg/mL、約0.25mg/mL〜約0.6mg/mL、約0.25mg/mL〜約0.5mg/mL、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mL、約0.3mg/mL〜約0.4mg/mL、約0.35mg/mL〜約0.45mg/mL、または約0.375mg/mL〜約0.425mg/mLの範囲の濃度でトランス−カプサイシンを含有する。ある特定の好ましい実施形態において、注射用製剤は、約0.3mg/mL〜約0.4mg/mL、または約0.35mg/mL〜約0.45mg/mLの範囲の濃度でトランス−カプサイシンを含有する。ある特定の他の好ましい実施形態において、注射用製剤は、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の濃度でトランス−カプサイシンを含有する。
ある特定の実施形態において、注射用製剤は、約0.1mg/mL、0.15mg/mL、0.2mg/mL、0.25mg/mL、0.3mg/mL、0.325mg/mL、0.35mg/mL、0.37mg/mL、0.38mg/mL、0.39mg/mL、0.4mg/mL、0.41mg/mL、0.42mg/mL、0.43g/mL、0.44mg/mL、0.45mg/mL、0.475mg/mL、0.5mg/mL、0.55mg/mL、0.575mg/mL、0.6mg/mL、0.625mg/mL、0.65mg/mL、0.675mg/mL、0.7mg/mL、0.75mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.5g/mL、または2.0mg/mLの濃度でカプサイシノイドを含有する。ある特定の好ましい実施形態において、注射用製剤は、約0.4mg/mLの濃度でカプサイシノイドを含有する。ある特定の他の好ましい実施形態において、注射用製剤は、約0.325mg/mLの濃度でカプサイシノイドを含有する。
ある特定の実施形態において、前述の濃度は、カプサイシンについてのものである。ある特定の実施形態において、注射用製剤は、約0.1mg/mL、0.15mg/mL、0.2mg/mL、0.25mg/mL、0.3mg/mL、0.325mg/mL、0.35mg/mL、0.37mg/mL、0.38mg/mL、0.39mg/mL、0.4mg/mL、0.41mg/mL、0.42mg/mL、0.43g/mL、0.44mg/mL、0.45mg/mL、0.475mg/mL、0.5mg/mL、0.55mg/mL、0.575mg/mL、0.6mg/mL、0.625mg/mL、0.65mg/mL、0.675mg/mL、0.7mg/mL、0.75mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.5g/mL、または2.0mg/mLの濃度でトランス−カプサイシンを含有する。ある特定の好ましい実施形態において、注射用製剤は、約0.4mg/mLの濃度でトランス−カプサイシンを含有する。ある特定の他の好ましい実施形態において、注射用製剤は、約0.325mg/mLの濃度でトランス−カプサイシンを含有する。
注射用製剤は、カプサイシノイドを溶解するために存在する溶剤によりさらに特徴付けられてもよい。ある特定の実施形態において、注射用製剤中の溶剤は、水とポリエチレングリコール(例えば、約300g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコール)との混合物である。注射用製剤中の水及びポリエチレングリコールの相対量が特徴付けられてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、注射用製剤は、水とポリエチレングリコール(例えば、約300g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコール)との混合物を溶剤として含有し、容積基準で、ポリエチレングリコールよりも3〜6倍多い水が存在する。ある特定の実施形態において、注射用製剤は、水とポリエチレングリコール(例えば、約300g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコール)との混合物を溶剤として含有し、容積基準で、ポリエチレングリコールよりも4〜5倍多い水が存在する。ある特定の実施形態において、ポリエチレングリコールは、約250g/モル〜約350g/モルの範囲の数平均分子量を有する。
注射用製剤は、肢端舐性肉芽腫またはその近位にある組織に投与される注射用製剤の容積によりさらに特徴付けられてもよい。ある特定の実施形態において、肢端舐性肉芽腫またはその近位にある組織に投与される注射用製剤の容積は、約0.1mL〜約8mL、約0.2mL〜約7mL、約0.3mL〜約6mL、約0.4mL〜約5mL、約0.5mL〜約5mL、約0.6mL〜約4mL、約0.7mL〜約3mL、約0.8mL〜約2.5mL、または約1mL〜約2mLの範囲である。ある特定の他の実施形態において、肢端舐性肉芽腫またはその近位にある組織に投与される注射用製剤の容積は、約0.1mL〜約0.5mL、約0.3mL〜約0.7mL、約0.5mL〜約1mL、約0.75mL〜約1.5mL、約1mL〜約2mL、約1.5mL〜約2.5mL、約2.5mL〜約3mL、約3.5mL〜約4mL、約4.5mL〜約5mL、約5mL〜約5.5mL、または約5.5mL〜約6mLの範囲である。ある特定の他の実施形態において、肢端舐性肉芽腫またはその近位にある組織に投与される注射用製剤の容積は、約0.3mL〜約5mLの範囲である。
前述の実施形態は、注射用製剤をより具体的に説明するために組み合わされてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、注射用製剤は、約0.3g/mL〜約0.4mg/mLの範囲の濃度のトランス−カプサイシン、水、及びポリエチレングリコール(例えば、約300g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコール)を含む。ある特定の実施形態において、注射用製剤は、約0.3g/mL〜約0.4mg/mLの範囲の濃度のトランス−カプサイシン、水、及び300g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコールを含み、容積基準で、ポリエチレングリコールよりも4〜5倍多い水がある。ある特定の実施形態において、注射用製剤は、約0.3g/mL〜約0.4mg/mLの範囲の濃度のトランス−カプサイシン、水、及び300g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコールから本質的になり、容積基準で、ポリエチレングリコールよりも4〜5倍多い水がある。ある特定の実施形態において、注射用製剤は、約0.3g/mL〜約0.4mg/mLの範囲の濃度のトランス−カプサイシン、水、及び300g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコールからなり、容積基準で、ポリエチレングリコールよりも4〜5倍多い水がある。
このような製剤についての処方及び成分の例示的な特徴のさらなる説明は、「医薬組成物」と題されるセクションにおいて以下に提供される。
痒み及び/または痛みの緩和の持続期間
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を少なくとも2週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を少なくとも4週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を少なくとも6週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を少なくとも8週間、少なくとも12週間、または少なくとも16週間の持続期間にわたって提供する。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を2週間から最長4ヶ月間、2週間から最長3ヶ月間、2週間から最長2ヶ月間、2週間から最長1ヶ月間、または2週間から最長5週間の持続期間にわたって提供する。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を少なくとも2週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を少なくとも4週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を少なくとも6週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を少なくとも8週間、または少なくとも12週間の持続期間にわたって提供する。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を2週間から最長4ヶ月間、2週間から最長3ヶ月間、2週間から最長2ヶ月間、または2週間から最長1ヶ月間の持続期間にわたって提供する。
神経線維の不活性化の持続期間
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化を、少なくとも2週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化を、少なくとも4週間の持続期間にわたって提供する。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化を、少なくとも8週間、または少なくとも12週間の持続期間にわたって提供する。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与は、それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化を、2週間から最長4ヶ月間の持続期間にわたって提供する。
神経線維の不活性化は、膜のレベルにおける直接的もしくは間接的のいずれかの作用の結果としての神経インパルスの伝播に関連する感覚伝達またはイオンチャネルに及ぼす作用のために、または神経線維及び/または神経線維末梢端の変性のためなどの、一次求心性の侵害受容求心性を中立的に非活性化させるか、または神経インパルスを伝達できない状態にすることを伴うと理解される。
治療される肢端舐性肉芽腫の特性化
治療される肢端舐性肉芽腫は、例えば、病変部の横方向寸法、病変部の局所面積、病変部の性質(例えば、皮がむけた組織、開いた傷口、及び出血の存在)、肢端舐性肉芽腫に冒された組織を覆う体毛の脱毛、及び肢端舐性肉芽腫に冒された組織における炎症によって特性化されてもよい。これらの特性の例示的な特徴を以下に説明する。
病変部の横方向寸法は、(a)病変部の長軸の長さ、及び(b)病変部の長軸の長さにより特性化され得る。長軸及び/または短軸に沿っての病変部の長さは、例えば、少なくとも約5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、85mm、または90mmであり得る。ある特定の実施形態において、長軸及び/または短軸に沿っての病変部の長さは、例えば、約5mm〜約30mm、約15mm〜約50mm、約25mm〜約60mm、約40mm〜約80mm、または約50mm〜約100mmの範囲であってもよい。
病変部は、病変部の局所面積の寸法により特性化され得る。例えば、病変部の局所面積は、少なくとも約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、100mm、150mm、200mm、250mm、300mm、350mm、400mm、450mm、500mm、550mm、600mm、650mm、700mm、750mm、800mm、900mm、1000mm、1100mm、1200mm、1300mm、1400mm、1500mm、1600mm、1700mm、1800mm、1900mm、または2000mmであり得る。ある特定の実施形態において、病変部の局所面積は、例えば、約10mm〜約100mm、約100mm〜約250mm、約250mm〜約400mm、約400mm〜約650mm、約650mm〜約800mm、約800mm〜約1000mm、約1000mm〜約1300mm、約1300mm〜約1500mm、約1500mm〜約1700mm、または約1700mm〜約2000mmの範囲であってもよい。
肢端舐性肉芽腫に起因する病変部の性質は、皮がむけた組織、開いた傷口、または出血の存在のうちの1つ以上であり得る。ある特定の実施形態において、肢端舐性肉芽腫に起因する病変部の性質は、開いた傷口である。
肢端舐性肉芽腫は、肢端舐性肉芽腫によって冒された組織からの脱毛によりさらに特性化されてもよい。ある特定の実施形態において、肢端舐性肉芽腫によって冒された組織からの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の脱毛がある。
肢端舐性肉芽腫は、肢端舐性肉芽腫によって冒された組織における炎症の存在によりさらに特性化されてもよい。ここでは、炎症の検出について文献において報告された試験に従うことが意図される。
カプサイシノイド注射の治療効果の特性化
カプサイシノイド投与の治療効果は、肢端舐性肉芽腫の部位における不快感を示す家畜動物の行動(例えば、肢端舐性肉芽腫を舐めること、肢端舐性肉芽腫を噛むこと、及び肢端舐性肉芽腫をひっかくこと)の減少によって特徴付けられてもよい。カプサイシノイド投与の治療効果はまた、飼い主主体の評価基準(CSOM)の改善、以前に皮がむけた病変部を覆うかさぶたの形成、肢端舐性肉芽腫によって冒された領域を覆う体毛の再生、肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小、及び/または肢端舐性肉芽腫によって冒された組織における炎症の程度の抑制によって特徴付けられてもよい。これらの尺度の例示的な態様が、以下により詳細に説明される。
不快感を示す家畜動物の行動の減少
カプサイシノイド投与の治療効果は、肢端舐性肉芽腫の部位における不快感を示す家畜動物の行動(例えば、肢端舐性肉芽腫を舐めること、肢端舐性肉芽腫を噛むこと、及び肢端舐性肉芽腫をひっかくこと)の減少によって特徴付けられてもよい。肢端舐性肉芽腫の部位における不快感を示す家畜動物の行動の減少は、一定期間にわたって観察されるこのような行動の頻度における減少率により特徴付けられてもよい(例えば、(i)カプサイシノイド投与を受ける前に行動が1日の間に観察された回数を、(ii)カプサイシノイド投与を受けた後に行動が1日の間に観察された回数と比較することによる)。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドを投与される前の日または期間において一日当たりに家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数と比べて、カプサイシノイドを投与後の14日目(または28日目)の日における家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る回数の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の減少がある(カプサイシノイド投与前7日間)。ある特定の好ましい実施形態において、カプサイシノイドを投与される前の日または期間において一日当たりに家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数と比べて、カプサイシノイドを投与後の14日目(または28日目)の日における家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る回数の少なくとも30%、40%、または50%の減少がある(カプサイシノイド投与前7日間)。ある特定の実施形態において、前述の家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数の減少は、カプサイシノイドがカプサイシンである場合についてのものである(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドを投与される前の日または期間において一日当たりに家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数と比べて、カプサイシノイドを投与後の14日目(または28日目)の日における家畜動物が肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る回数の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の減少がある(カプサイシノイド投与前7日間)。ある特定の好ましい実施形態において、カプサイシノイドを投与される前の日または期間において一日当たりに家畜動物が肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る平均回数と比べて、カプサイシノイドを投与後の14日目(または28日目)の日における家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る回数の少なくとも30%、40%、または50%の減少がある(カプサイシノイド投与前7日間)。ある特定の実施形態において、前述の家畜動物が肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る回数の減少は、カプサイシノイドがカプサイシンである場合についてのものである(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイドを投与される前の日または期間において一日当たりに家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数と比べて、カプサイシノイドを投与後の14日目(または28日目)の日における家畜動物が肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る回数の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の減少がある(カプサイシノイド投与前7日間)。ある特定の好ましい実施形態において、カプサイシノイドを投与される前の日または期間において一日当たりに家畜動物が肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数と比べて、カプサイシノイドを投与後の14日目(または28日目)の日における家畜動物が肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る回数の少なくとも30%、40%、または50%の減少がある(カプサイシノイド投与前7日間)。ある特定の実施形態において、前述の家畜動物が肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る回数の減少は、カプサイシノイドがカプサイシンである場合についてのものである(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
飼い主主体の評価基準(CSOM)における改善
カプサイシノイド投与の治療効果は、飼い主主体の評価基準(CSOM)における改善
によって特徴付けられてもよい。1つの好ましいCSOMは、以下説明されているものであり、以降CSOM試験1と称する。
CSOM試験1において、肢端舐性肉芽腫の結果として変化した家畜動物の最大3種の活動が定義される。これら活動は、通常、肢端舐性肉芽腫病変部を有する手足(四肢)の使用及び家畜動物の行動応答に焦点を当てている。例示的なCSOM活動としては、(a)病変部を過度に舐めること、(b)病変部を過度に噛むこと、(c)病変部をひっかくこと、及び(d)病変部を有する脚部をいたわることが挙げられる。カプサイシノイド療法を受けた後に、これらの活動における家畜動物の行動を、肢端舐性肉芽腫の前のそれらの状態と比較してスコア化する(1−問題なし、2−軽度の問題あり、3−中等度の問題あり、4−重度の問題あり、及び5−耐え難い状況)。家畜動物の活動障害を、軽度、中等度または重度のいずれかに適切に分類することに役立つために、以下の表が用いられる。
CSOM判定は、カプサイシノイド両方を受ける前に完了し(例えば、カプサイシノイド療法を受ける前におよそ7日前に)、次いで、任意にカプサイシノイド療法を受ける日に再度行われるべきである。その後、CSOM判定は、カプサイシノイドの投与後7日毎の期間に、またはカプサイシノイドの投与後14日毎の期間に完了してもよい。CSOM測定値を得るための1つの例示的なスケジュールは、(i)カプサイシノイド療法を受ける前7日間、(ii)カプサイシノイド療法を受けた当日、(iii)カプサイシノイド療法を受けた後14日目(±2日)、及び(iv)カプサイシノイド療法を受けた後28日目(±3日)である。
カプサイシノイド療法を受けた後のCSOMスコアの減少は、カプサイシノイド療法を受ける7日前である日に観察されたCSOMスコア(あるいは、カプサイシノイド療法を受ける前の7日間の期間にわたって観察された毎日のCSOMスコアの平均値)と比べて、カプサイシノイド療法を受けた後14日目に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の減少であり得る。ある特定の実施形態において、カプサイシノイド療法を受けた後のCSOMスコアの減少は、カプサイシノイド療法を受ける7日前である日に観察されたCSOMスコアと比べて、カプサイシノイド療法を受けた後14日目に少なくとも30%の減少であってもよい。ある特定の実施形態において、カプサイシノイド療法を受けた後のCSOMスコアの減少は、カプサイシノイド療法を受ける7日前である日に観察されたCSOMスコアと比べて、カプサイシノイド療法を受けた後14日目に少なくとも40%の減少であってもよい。ある特定の実施形態において、カプサイシノイド療法を受けた後のCSOMスコアの減少は、カプサイシノイド療法を受ける7日前である日に観察されたCSOMスコアと比べて、カプサイシノイド療法を受けた後28日目に少なくとも20%の減少であってもよい。ある特定の実施形態において、カプサイシノイド療法を受けた後のCSOMスコアの減少は、カプサイシノイド療法を受ける7日前である日に観察されたCSOMスコアと比べて、カプサイシノイド療法を受けた後28日目に少なくとも30%の減少であってもよい。ある特定の実施形態において、CSOMスコアの前述の減少は、カプサイシノイドがカプサイシンである場合についてのものである(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
CSOMスコアの減少はまた、範囲により特徴付けられてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、カプサイシノイド療法を受けた後のCSOMスコアの減少は、カプサイシノイド療法を受ける7日前である日に観察されたCSOMスコア(あるいは、カプサイシノイド療法を受ける前の7日間の期間にわたって観察された毎日のCSOMスコアの平均値)と比べて、カプサイシノイド療法を受けた後14日目に約35%〜約45%、約30%〜約50%、約30%〜約60%、約30%〜約70%、約20%〜約50%、約20%〜約60%、約40%〜約50%、約40%〜約60%、約40%〜約70%、または約40%〜約80%の範囲であってもよい。
ある特定の実施形態において、カプサイシノイド療法を受けた後のCSOMスコアの減少は、カプサイシノイド療法を受ける7日前である日に観察されたCSOMスコア(あるいは、カプサイシノイド療法を受ける前の7日間の期間にわたって観察された毎日のCSOMスコアの平均値)と比べて、カプサイシノイド療法を受けた後28日目に約20%〜約30%、約15%〜約40%、約10%〜約50%、約20%〜約40%、約20%〜約50%、約20%〜約60%、約20%〜約70%、約20%〜約80%、約30%〜約50%、約30%〜約60%、約30%〜約70%、約30%〜約80%、約40%〜約50%、約40%〜約60%、約40%〜約70%、または約40%〜約80%の範囲であってもよい。ある特定の実施形態において、カプサイシン投与後のCSOMスコアの減少は、カプサイシノイド療法を受ける7日前である日に観察されたCSOMスコアと比べて、カプサイシノイド療法を受けた後28日目に少なくとも30%の減少であってもよい。ある特定の実施形態において、CSOMスコアの前述の減少は、カプサイシノイドがカプサイシンである場合についてのものである(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
前に皮がむけた病変部を覆うかさぶたの形成
カプサイシノイド投与の治療効果は、前に皮がむけた病変部を覆うかさぶたの形成により特徴付けられてもよい。かさぶたは、例えば、肢端舐性肉芽腫に起因する病変部の局所面積の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を覆って形成することができる。ある好ましい実施形態において、かさぶたは、肢端舐性肉芽腫に起因する病変部の局所面積の少なくとも約30%を覆って形成してもよい。ある特定の実施形態において、かさぶたは、肢端舐性肉芽腫に起因する病変部の局所面積の、例えば少なくとも約10%〜約50%、約20%〜約50%、約30%〜約60%、約40%〜約70%、約50%〜約80%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、または約80%〜約100%である面積を覆って形成してもよい。
かさぶたの形成が及ぶ範囲は、ある特定の時間点(例えば、カプサイシノイド投与後1、2、3、4、5、6、7、または8週目)で特徴付けられてもよい。ある特定の実施形態において、かさぶたの形成が及ぶ範囲は、カプサイシノイド投与後4週目である日に特徴付けられてもよい。
ある特定の実施形態において、前述のかさぶたの形成は、カプサイシノイドがカプサイシンである場合についてのものである(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
肢端舐性肉芽腫により冒された領域を覆う体毛の再生
カプサイシノイド投与の治療効果は、肢端舐性肉芽腫により冒された領域を覆う体毛の再生により特徴付けられてもよい。体毛は、例えば、肢端舐性肉芽腫に起因する原病変部の局所面積の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を覆って再生することができる。ある特定の好ましい実施形態において、体毛は、例えば、肢端舐性肉芽腫に起因する原病変部の局所面積の少なくとも約30%を覆って再生してもよい。ある特定の実施形態において、体毛は、例えば、肢端舐性肉芽腫に起因する原病変部の局所面積の、例えば少なくとも約10%〜約50%、約20%〜約50%、約30%〜約60%、約40%〜約70%、約50%〜約80%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、または約80%〜約100%である面積を覆って再生してもよい。
体毛の再生が及ぶ範囲は、ある特定の時間点(例えば、カプサイシノイド投与後1、2、3、4、5、6、7、または8週目)で特徴付けられてもよい。ある特定の実施形態において、体毛の再生が及ぶ範囲は、カプサイシノイド投与後4週目である日に特徴付けられてもよい。前述のより具体的な組み合わせは、カプサイシノイドを投与後28日目までに、肢端舐性肉芽腫に起因する原病変部の局所面積の少なくとも約30%を覆って再生する場合である。
ある特定の実施形態において、前述の体毛の再生は、カプサイシノイドがカプサイシンである場合についてのものである(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小
カプサイシノイド投与の治療効果は、肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小により特徴付けられてもよい。寸法の縮小は、例えば、肢端舐性肉芽腫の寸法における少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の縮小であり得る。ある特定の好ましい実施形態において、肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小は、少なくとも約30%である。肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小は、家畜動物がカプサイシノイドを投与された日(またはカプサイシノイドを投与される前のいつか別の日であり、このように定義される場合、カプサイシノイドを投与される前のスクリーニングが行われた日など)における肢端舐性肉芽腫の寸法と比較してのものである。
肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小は、カプサイシノイドが肢端舐性肉芽腫に冒されている家畜動物に最初に投与された日における肢端舐性肉芽腫の寸法に比べての、カプサイシノイドの投与後のある特定の日における肢端舐性肉芽腫の局所表面積における縮小により特徴付けられてもよい。したがって、ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与後14日目において、カプサイシノイドが投与された日における肢端舐性肉芽腫の局所表面積と比べて、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の肢端舐性肉芽腫の局所表面積の縮小がある。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与後14日目において、カプサイシノイドが投与された日における肢端舐性肉芽腫の局所表面積と比べて、少なくとも約5%の肢端舐性肉芽腫の局所表面積の縮小がある。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与後28日目において、カプサイシノイドが投与された日における肢端舐性肉芽腫の局所表面積と比べて、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の肢端舐性肉芽腫の局所表面積の縮小がある。ある特定の実施形態において、カプサイシノイドの投与後28日目において、カプサイシノイドが投与された日における肢端舐性肉芽腫の局所表面積と比べて、少なくとも約5%の肢端舐性肉芽腫の局所表面積の縮小がある。
肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小は、カプサイシノイドを投与後の他の時間点(例えば、1、3、5、6、7、または8週目)で特徴付けられてもよい。ある特定の実施形態において、肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小は、カプサイシノイド投与後6週目に特徴付けられてもよい。
ある特定の実施形態において、前述の肢端舐性肉芽腫の寸法の縮小は、カプサイシノイドがカプサイシンである場合についてのものである(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
肢端舐性肉芽腫により冒された組織における炎症の程度の抑制
カプサイシノイド投与の治療効果は、肢端舐性肉芽腫により冒された組織における炎症の程度の抑制により特徴付けられてもよい。炎症の程度の抑制は、例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の炎症の程度の抑制であり得る。炎症の程度を評価するための文献中に報告された試験が、本明細書で使用するために適していると考えられる。ある好ましい実施形態において、少なくとも約30%の炎症の程度。
肢端舐性肉芽腫により冒された組織における炎症の程度の抑制は、カプサイシノイドを投与後のある程度の時間(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8週目)で特徴付けられてもよい。ある特定の実施形態において、肢端舐性肉芽腫により冒された組織における炎症の程度の抑制は、カプサイシノイドを投与後2週目または4週目に特徴付けられてもよい。
ある特定の実施形態において、前述の肢端舐性肉芽腫により冒された組織における炎症の程度の抑制は、カプサイシノイドがカプサイシンの時である(例えば、カプサイシンは、95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む)。
麻酔薬
カプサイシノイドの初回投与の際に経験され得る痛みを抑制するのに役立つために、カプサイシノイドの投与の前に、麻酔薬が家畜動物(例えば、イヌ科動物)に投与されてもよい。
ある特定の実施形態において、麻酔薬は、全身の鎮静を引き起こす薬剤である。例えば、ある特定の実施形態において、カプサイシノイドを投与する前に、全身麻酔薬が投与される(例えば、イヌ科動物に)。例示的な全身麻酔薬としては、例えば、プロポフォール、イソフルラン、セボフルラン、及びデスフルランが挙げられる。
ある特定の実施形態において、局所麻酔薬が、カプサイシノイドの投与量の初期鎮痛作用を減弱させるのに効果的な量及び場所で、カプサイシノイドの該用量の投与前にまたはそれと同時に投与されてもよい。局所麻酔薬は、例えば、カプサイシノイドの該用量が投与される部位に直接注射することによって、または近位、局所、体性、または脊髄幹ブロックとして投与されてもよい。
ある特定の実施形態において、局所麻酔薬は、カイン鎮痛剤である。例示的なカイン鎮痛剤としては、例えば、リドカイン、ジブカイン、ビピバカイン、ロピバカイン、エチドカイン、テトラカイン、プロカイン、クロロカイン、プリロカイン、メピバカイン、キシロカイン、2−クロロプロカイン、及びこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
ある特定の実施形態において、麻酔薬は、肉芽腫の近位に投与されるカイン鎮痛剤である。ある特定の実施形態において、カイン鎮痛剤は、リドカインまたはその薬学的に許容される塩である。
II.医薬組成物
本発明は、カプサイシノイドを含む医薬組成物を提供する。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、好ましくは、1つ以上の薬学的に許容される担体と一緒に製剤化された、上述したカプサイシノイドのうちの1つ以上の治療的有効量を含む。
以下に詳細に説明するように、本発明の医薬組成物は、例えば、皮下注射によって、例えば滅菌溶液として、特に非経口投与用の投与のために製剤化されてもよい。
本発明の化合物の投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶液、及び懸濁液を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶剤、可溶化剤ならびに乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタン脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有してもよい。
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、本発明の1つ以上の化合物を、1つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液または乳剤、あるいは使用の直前に滅菌注射用溶液もしくは分散液に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて含むことができ、これらは、糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を対象とする受容者の血液と等張にする溶質、または懸濁もしくは増粘剤を含んでもよい。
本発明の医薬組成物において使用され得る例示的で好適な水性及び非水性担体としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、及びこれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合には、必要とされる粒径を維持することによって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの補助剤も含有してもよい。対象化合物に及ぼす微生物の作用の防止は、様々な抗菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等の封入によって確実にすることができる。例えば糖、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物中に含むことも望ましい場合がある。加えて、注射用製剤形の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤の封入によってもたらすことができる。
本発明の化合物が、家畜動物に医薬品として投与されるとき、これらは、薬学的に許容される担体と組み合された、例えば0.01〜99%(より好ましくは0.01〜0.5%)の活性成分を含有する医薬組成物として提供され得る。単位用量注射用液体の容積は、ある特定の実施形態では、最大10mLとすることができる。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者にとって毒性ではなく、特定の患者、組成物、及び投与の様式に対して所望の治療応答を達成するのに有効である活性成分の量を得るように変化してもよい。
選択された投与量レベルは、様々な因子、例えば、使用される本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与の経路、投与の時間、使用される特定の化合物の排泄もしくは代謝の速度、吸収の速度ならびに範囲、治療の持続期間、使用される特定の化合物と組み合わせて使用されるその他の薬剤、化合物及び/または材料、治療されるイヌ科動物の年齢、性別、体重、状態、全身の健康状態ならびに以前の病歴、及び医療分野で周知の類似の因子に応じるであろう。
当該技術分野における通常の技量を有する獣医師であれば、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定かつ処方することが可能である。例えば、獣医師は、医薬組成物中で使用される本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を達成するために必要とされるものよりも低いレベルで開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができる。
一般に、本発明の化合物の好適な用量は、治療効果を生じさせるのに有効な最低用量である化合物の量であろう。このような有効用量は、通常は、上述した因子に依存するであろう。好ましくは、本化合物は、約0.1mg〜約10mgで、より好ましくは0.1mg〜4mgで、さらにより好ましくは約0.2mg〜約2mgで投与される。本明細書に記載される化合物が、別の薬剤(例えば、感作剤)と同時投与されるとき、有効量は、この薬剤が単独で使用される場合よりも少ない可能性がある。
必要に応じて、適切な組織の活性化合物による飽和を達成するために、活性化合物の有効用量は、適切な場所で別々に投与される2、3、4、5、6つまたはそれ以上のサブ用量として、任意に単位剤形中で投与されてもよい。
上記説明は、本発明の複数の態様及び実施形態を記述している。本特許出願は、これらの態様及び実施形態の全ての組み合わせ及び並べ替えを具体的に意図する。
III.定義
本発明の理解を容易にするために、多くの用語及び成句が以下に定義される。
本明細書で使用される用語「a」及び「an」は、「1つまたはそれ以上」を意味し、文脈が不適切でない限り複数を含む。
成句「肉芽腫の近位にある組織」とは、肉芽腫の約1cm以内に位置している組織を指す。ある特定の実施形態において、この組織は、肉芽腫の約0.8、0.6、0.4、0.2、または0.1cm以内に位置する。
本発明は、炭素間二重結合の周りの置換基の配置または炭素環の周りの置換基の配置から生じた様々な幾何異性体及びそれらの混合物を包含する。炭素間二重結合の周りの置換基は、「Z」または「E」立体配置であるよう設計され、用語「Z」及び「E」は、IUPAC基準に従って用いられる。別段の定めがない限り、二重結合を示す構造は、「E」及び「Z」異性体の両方を包含する。
炭素間二重結合の周りの置換基は、別法として、「シス」または「トランス」と称することができ、「シス」は、二重結合の同じ側にある置換基を表し、「トランス」は、二重結合の反対側にある置換基を表す。置換基が、環の平面の同じ側及び反対側の両方に配置されている化合物の混合物は、「シス/トランス」と呼ばれる。
本明細書で使用される場合、用語「対象」及び「患者」とは、イヌ科動物などの本発明の方法によって治療される生物を指す。家畜動物としては、イヌ科、ネコ科、ウマ科などが含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「有効量」とは、有益または所望の結果をもたらすのに十分な化合物(例えば、本発明の化合物)の量を指す。有効量は、1つ以上の投与、塗布または投与量で施されることが可能であり、特定の製剤または投与経路に限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、用語「治療すること」は、任意の効果、例えば、病状、疾患、障害等の改善をもたらす軽減、低減、調節、改善または排除することを含むか、それらの症状を改善することを含む。
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」とは、組成物をインビボまたはエクスビボでの診断もしくは治療用途に特に適したものにする、活性薬剤の、不活性または活性の担体との組み合わせを指す。
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される担体」とは、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水乳剤(例えば、油/水または水/油乳剤など)、及び様々な種類の湿潤剤などの標準薬学的担体のいずれかを指す。本組成物はまた、安定剤及び防腐剤を含むこともできる。担体、安定剤及び補助剤の例については、例えば、Marti,Remington’s Pharmaceutical Science,15th Ed.,Mack Publ.Co.,Easton,PA[1975]を参照されたい。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」とは、対象への投与の際に、本発明の化合物またはその活性代謝産物もしくは残基を提供することができる、本発明の化合物の任意の薬学的に許容される塩(例えば、酸塩または塩基塩)を指す。当業者に既知であるように、本発明の化合物の「塩」は、無機または有機酸及び塩基より誘導され得る。例示的な酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。シュウ酸などのその他の酸は、それら自体が薬学的に許容され得ないが、本発明の化合物及びそれらの薬学的に許容される酸添加塩を得ることにおいて中間体として有用な塩の調製において使用されてもよい。
例示的な塩基としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ度類金属(例えば、マグネシウム)水酸化物、アンモニア、及び式NW (式中、WはC1〜4アルキル等である)の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。塩の他の例として、Na、NH 、及びNW (式中、WはC1〜4アルキルである)などと混合された好適なカチオンと配合された本発明の化合物のアニオンが含まれる。
治療用途に対しては、本発明の化合物の塩は薬学的に許容されると見なされる。しかしながら、薬学的に許容され得ない酸及び塩基の塩もまた、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製における用途を見出すことができる。
組成物が、特定の成分を有し、含み、またはそれらから成るとされ、またはプロセス及び方法が、特定のステップを有し、含み、またはそれらから成るとされる説明の全体を通して、追加的に、列記された成分から本質的になるか、またはからなる本発明の組成物があること、及び列記されたプロセスステップから本質的になるか、またはからなる、本発明によるプロセス及び方法があることが考えられる。
一般的に、百分率を明示している組成物は、別段の定めがない限り、重量による。さらに、変数が定義を伴わない場合、そのときは変数の前の定義が調整する。
ここまで全般的に説明されてきた本発明は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるであろうが、実施例は、本発明のある特定の態様及び実施形態を例証する目的のために含まれているにすぎず、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例1−肢端舐性肉芽腫に冒されているイヌ科動物の治療のためのカプサイシン注射
イヌ科動物の肢端舐性肉芽腫の治療における注射用カプサイシンの効果を評価するために、臨床試験を行った。肢端舐性肉芽腫に冒されている合計で6匹のイヌを、注射用カプサイシンを用いて処置し、評価した。実験手順を、以下のパートIに記載する。結果を以下のパートIIに提供する。
パートI:実験手順
肢端舐性肉芽腫に冒されている6匹のイヌを、注射用カプサイシンを用いて処置し、評価した。各イヌは、以下の表1に記載される選択基準を満たした。さらに、各イヌは、以下の表2に記載される除外基準のいずれも有さなかった。
試験に登録されたイヌの品種及び性別を以下の表3に提供する。
試験において各イヌで観察された肢端舐性肉芽腫に起因する病変部を、以下の表4に説明する。
肢端舐性肉芽腫に特有である病変部の存在及び病変部を過度に舐めることとして特定可能な行動に基づいて、イヌを試験のためにスクリーニングし、選択した。複数の病変部がある場合、より強く冒された病変部を特定し確認した。万一複数の病変部が特定される場合には、列挙された第1の病変部を、指標病変部として判定した。
スクリーニング来院時に、指標病変部を検査した。指標肉芽腫の診断を、病変部の特徴及び舐める行動歴に基づいて行った。動物病院担当者は、それぞれのイヌの飼い主と、肢端舐性肉芽腫に関連付けられる舐める行動の重症度及び進行を判定するたに、飼い主由来の有効性判定である飼い主主体の評価基準(CSOM、骨関節炎で使用するために開発されたCSOMに大まかに基づく(Gingerich D及びStrobel J.著、“Use of client−specific outcome measures to assess treatment effects in geriatric,arthritic dogs:Controlled clinical evaluation of a nutraceutical,”Vet.Ther.(2003)vol.4,pages 56−66))の実行概念の査読を行った。最大3つの活動が特定され、肢端舐性肉芽腫の前のそれらの状態と比較してスコア化した(1−問題なし、2−軽度の問題あり、3−中等度の問題あり、4−重度の問題あり、及び5−耐え難い状況)。CSOM評価は、試験終了まで、スクリーニング日(すなわち、カプサイシンの投与の7日前、−7日目とも称される)、0日目、14(±2)日目、及び28(±3)日目に完了した。
スクリーニング来院後に、イヌを治験薬による注射のために現場に戻した。一般試験手法として、治験薬の注射の前に、イヌに短時間作用型麻酔薬プロトコルを用いて麻酔した。プロポフォールが用いられる場合、これは、ガス麻酔の前の導入のために用いられ、麻酔を維持するための液滴としては用いなかった。治験薬で注射される領域を、動物病院で日常的に用いられている部位殺菌処置を用いて準備した。
動物病院担当者は、飼い主と共に、0日目から24時間にわたってイヌを経過観察し、イヌが注射処置に対して十分な耐容性を示すことを確認した。イヌを、試験の14日目及び28日目に経過観察のために病院に戻した。
治験薬は、ポリエチレングリコール300(PEG300)及び注射用水の溶液中のトランス−カプサイシンであった。治験薬を、(i)トランス−カプサイシンを2mg/mLの濃度で含有するPEG300の溶液(以降「溶液A」と称する)を、(ii)注射用滅菌水で希釈することによって調製した。溶液Aを、4〜5倍に等しい量の注射用滅菌水(WFI)量で希釈して、治験薬を生成した。
治験薬を、指標肢端舐性肉芽腫の下の数箇所に皮下注射によってイヌに投与した。注射の目標は、治験薬を、病変部の領域全体にわたって肉芽腫と健康な組織との間の接合部において浸透させることであった。投与されるトランス−カプサイシンの病変部当たりの用量は、病変部のmm当たりおよそ1.5μgのトランス−カプサイシンであった。注射される各病変部を、長軸(長さ)及び短軸(幅)について測定した(mm)。およその表面積を、楕円形を基準に算出した。算出した病変部面積に基づいて、病変部当たりのトランス−カプサイシンの算出された用量は、<0.10mg〜2.65mgのトランス−カプサイシンの範囲であった。注射処置中及び注射処置直後のイヌの反応を試験記録に記録した。治験薬の注射は、22ゲージの注射針を用いて行った。
投与の任意の経路による以下の投薬治療は、試験期間中は開始しなかった。スクリーニング来院時に、イヌが、現在、試験を通して継続することを期待されている安定した投薬治療中にある場合には、投薬治療が文書化されている限りにおいて投薬治療を継続することが許可される。
・ NSAID(無関係の病状(例えば、骨関節炎)に対してすでに使用されていない限りにおいて)
・ 鎮痛剤
・ 短期作用型全身性コルチコステロイド
・ 中長期作用型全身性コルチコステロイド
・ 外用コルチコステロイド
上で述べたように、肢端舐性肉芽腫により引き起こされる舐める行動の重症度を、以前に公開されたシステム(上記のGingerich and Strobel 2003)の修正型を用いて飼い主が測定した。スクリーニング中に、イヌの飼い主は、CSOM評価で訓練された動物病院の担当者(例えば、治験コーディネータ)のインタビューを受け、肢端舐性肉芽腫の結果として変化した1〜3つの活動を特定した。活動は、指標となる病変部を有する手足(四肢)の使用及び行動反応に焦点があてられた。例えば、肉芽腫を過度に舐めることは、行動的応答である。複数の肢端舐性肉芽腫を有するイヌについては、活動は、いかなる治療効果も処置病変部について容易に観察されることを確実にするように、注意深く選択された。未処置病変部によって著しく影響を受けた活動は、回避されるべきである。
飼い主はプロンプトとして例を挙げるように依頼され、彼らのイヌ及びそれらの状況に合うように直すことを奨励された。選択された例示的なCSOM活動としては、(a)病変部を過度に舐めること、(b)病変部を過度に噛むこと、(c)病変部をひっかくこと、及び(d)病変部を有する脚部をいたわることが挙げられる。
飼い主は、スクリーニング時に活動を選択し、観察期間の持続期間中に活動の妥当性を治験スタッフと論議した。治験薬の投与後、飼い主は、これらの障害のある活動、例えば、「寝る直前に病変部を舐めること」、または「病変部に触れるかもしくはぶつかった後に、それに噛むこと」を彼らが観察した場所及び時間の両方を具体的に示すよう依頼された。
CSOMスコアを、スクリーニング来院中に、適切な動物病院担当者の支援を受けて測定した。飼い主は、治験スタッフから、飼い主由来の有効性評価を測定し、下記の障害の程度を格付けすることを担当するよう依頼される。
・ 1−問題なし、
・ 2−軽度の問題あり、
・ 3−中等度の問題あり、
・ 4−重度の問題あり、
・ 5−耐え難い状況
これらの格付けは、イヌが正常であるとみなされた時(例えば、特定の年齢において)と比べて、またはイヌが飼い主によって既に障害があることが認められているならば、同じ年齢及び品種のイヌについて飼い主が正常であるとみなすものと比べて選択され、観察された活動を説明した。飼い主が、彼らのイヌの活動の障害を、軽度、中等度または重度のいずれかに適切に分類することを補助するために、飼い主には定義及び各用語の一般的説明ならびに障害のレベルを説明するために用いられ得る他の類似の言葉が提供された。以下の表5で説明される。
注射部位の観察を含むイヌの全身検査を行った。指標病変部の描写、測定(寸法)、及びデジタル写真を含む全身検査及び皮膚科検査を収集した。
パートII:結果
上述した実験手順は、ベースラインと比べて、14日目にCSOMの平均で41%の減少及び28日目にCSOMの平均で26%の減少を生じた。このCSOMの結果は、トランス−カプサイシンの注射が、肢端舐性肉芽腫に冒されているイヌに利益をもたらしたことを示している。
試験中に観察されたCSOM値を以下の表6に提供している。イヌの病変部の寸法の特性化を、以下の表7〜9に提供している。治験薬による注射の前の各イヌからの病変部(複数可)の図解、これと共に、試験の14日目の、及び別に試験の28日目の各イヌからの病変部の図解を図1に提供する。治験薬による注射前の各イヌからの病変部の図解、これと一緒に試験の14日目、及び別に28日目の各イヌからの病変部の図解を図2に提供し、この病変部は、病変領域のAdobe Acrobat IX判別に対して追跡される。
参照による組込み
本明細書に言及される特許文書及び科学文献のそれぞれの全開示は、全ての目的に参照によって本明細書に組み込まれる。
均等物
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、本明細書に記載される発明を限定するよりはむしろ、あらゆる点で例示と見なされる。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によるよりはむしろ添付の特許請求の範囲によって示されるものであって、特許請求の範囲の均等な意味及び範囲に属する変形はすべて、本発明の範囲内のものである。

Claims (48)

  1. イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫を治療する方法であって、
    前記肉芽腫の下方境界部の近位にある組織に液体カプサイシン注射用製剤の複数回の皮下注射を行うことによって、液体カプサイシン注射用製剤の治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に投与することを含み、
    前記肉芽腫の前記下方境界部の近位にある組織への前記製剤の初回の皮下注射後に、前記肉芽腫の前記下方境界部の近位にある組織への前記製剤の任意のその後の皮下注射が、前記肉芽腫の前記下方境界部の近位にある組織への前記製剤の任意の前に行われた注射に対して横方向遠位の位置で行われ、これによって、健康な組織と前記肉芽腫との間の前記境界部の近位にある前記肢端舐性肉芽腫の下の領域全体にわたってカプサイシンを分散させ、前記投与が、前記肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.2μg〜1.8μgのカプサイシンの範囲の量でカプサイシンを送達し、
    前記液体カプサイシン注射用製剤が、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の量のカプサイシンを含有し、
    前記カプサイシンが、約95%を超えるトランス−カプサイシンを含み、これによって、前記肢端舐性肉芽腫を治療する、前記方法。
  2. 前記投与が、前記肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.5μgのカプサイシンの量でカプサイシンを送達する、請求項1に記載の方法。
  3. 液体カプサイシン注射用製剤の前記肉芽腫の前記下方境界部の近位にある組織への前記複数回の皮下注射が、前記肉芽腫の前記下方境界部の近位にある健康な組織へ液体カプサイシン注射用製剤の注射である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記投与が、約0.3mL〜約5mLの前記製剤を送達する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 液体カプサイシン注射用製剤を肢端舐性肉芽腫組織中に注射することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記投与が、以下の:
    ・ 前記カプサイシンを投与される前のある7日間期間の一日当たりに前記イヌが前記肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数と比べて、前記カプサイシンを投与された後28日目に、前記イヌが前記肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る回数の少なくとも30%の減少、
    ・ 前記カプサイシンを投与される前のある7日間の期間の一日当たりに前記イヌ科動物が前記肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る平均回数と比べて、前記カプサイシンを投与された後28日目に、前記イヌが前記肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る回数の少なくとも30%の減少、
    ・ 前記カプサイシンを投与される前の7日間の期間の一日当たりに前記イヌ科動物が前記肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る平均回数と比べて、前記カプサイシンを投与された後28日目に、前記イヌが前記肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る回数の少なくとも30%の減少、または
    ・ 前記カプサイシンを投与された後28日までに、前記肢端舐性肉芽腫に起因する原病変部の局所面積の少なくとも約30%を覆う体毛の再生のうちの1つ以上を提供する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記投与が、以下の:
    ・ カプサイシンを投与する7日前に観察されたCSOMと比べて、カプサイシンを投与後14日目にCSOMスコアの少なくとも40%の減少、または
    ・ カプサイシンを投与する7日前に観察されたCSOMスコアと比べて、カプサイシン投与後28日目にCSOMスコアの少なくとも20%の減少のうちの1つ以上を提供する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記投与が、前記肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を、少なくとも6週間の持続期間にわたって提供する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記投与が、前記肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を、少なくとも6週間の持続期間にわたって提供する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記投与が、それぞれが、前記イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化を、少なくとも4週間の持続期間にわたって提供する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫を治療する方法であって、前記肉芽腫またはその近位にある組織にカプサイシノイドの治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に投与することを含む、方法。
  12. 前記カプサイシノイドが、前記肉芽腫に投与される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記カプサイシノイドが、前記肉芽腫及び前記肉芽腫の近位にある組織に投与される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記カプサイシノイドが、前記肉芽腫の近位にある組織に投与される、請求項11に記載の方法。
  15. それぞれが、イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維を不活性化するための方法であって、カプサイシノイドの治療的有効量を、それを必要としているイヌ科動物に、前記肉芽腫またはその近位にある組織に投与し、これによって前記神経線維を不活性化することを含む、前記方法。
  16. 前記投与が、C線維を不活性化する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記投与が、Aデルタ線維を不活性化する、請求項15に記載の方法。
  18. 前記投与が、C線維及びAデルタ線維を不活性化する、請求項15に記載の方法。
  19. 前記カプサイシノイドが、注射によって投与される、請求項11〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記カプサイシノイドが、皮下注射によって投与される、請求項11〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記カプサイシノイドが、カプサイシンである、請求項11〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記カプサイシンが、約0.1mg〜約10mgの範囲の量で投与される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記カプサイシンが、前記肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1μg〜約2μgの範囲の量で投与される、請求項21に記載の方法。
  24. 前記カプサイシンが、前記肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.2μg〜約1.8μgの範囲の量で投与される、請求項21に記載の方法。
  25. 前記カプサイシンが、前記肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.4μg〜約1.6μgの範囲の量で投与される、請求項21に記載の方法。
  26. 前記カプサイシンが、前記肢端舐性肉芽腫の局所表面積の平方ミリメートル当たり約1.5μgの量で投与される、請求項21に記載の方法。
  27. 前記カプサイシンが、トランス−カプサイシンから本質的になる、請求項21〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記カプサイシンが、約90重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む、請求項21〜26のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記カプサイシンが、約95重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む、請求項21〜26のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記カプサイシンが、約98重量/重量%超のトランス−カプサイシンを含む、請求項21〜26のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記カプサイシノイドが、注射用に製剤化された医薬組成物の形態で投与される、請求項11〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記注射用に製剤化された医薬組成物が、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の量のカプサイシノイドを含有する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記投与が、前記注射用に製剤化された医薬組成物の約0.3mL〜約5mLを送達する、請求項31または32に記載の方法。
  34. 前記注射用に製剤化された医薬組成物が、水及びポリエチレングリコールを含有する、請求項31〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記ポリエチレングリコールが、約300g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコールである、請求項34に記載の方法。
  36. 容積基準で、ポリエチレングリコールより3〜6倍多い水が存在する、請求項34または35に記載の方法。
  37. 前記投与が、前記肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を、少なくとも2週間の持続期間にわたって提供する、請求項11〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記投与が、前記肢端舐性肉芽腫に起因する痒みの緩和を、少なくとも4週間の持続期間にわたって提供する、請求項11〜36のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記投与が、前記肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を、少なくとも2週間の持続期間にわたって提供する、請求項11〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記投与が、前記肢端舐性肉芽腫に起因する痛みの緩和を、少なくとも4週間の持続期間にわたって提供する、請求項11〜38のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記投与が、それぞれが、前記イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化を、少なくとも2週間の持続期間にわたって提供する、請求項11〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記投与が、それぞれが、前記イヌ科動物における肢端舐性肉芽腫中に位置するか、または肢端舐性肉芽腫の近位にあるC線維及びAデルタ線維からなる群から選択される神経線維の不活性化を、少なくとも4週間の持続期間にわたって提供する、請求項11〜40のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記投与が、以下の:
    ・ 前記カプサイシノイドを投与される前のある7日間期間の一日当たりに前記イヌが前記肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る平均回数と比べて、前記カプサイシノイドを投与された後28日目に、前記イヌが前記肢端舐性肉芽腫を舐めることに係る回数の少なくとも30%の減少、
    ・ 前記カプサイシノイドを投与される前のある7日間の期間の一日当たりに前記イヌ科動物が前記肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る平均回数と比べて、前記カプサイシノイドを投与された後28日目に、前記イヌが前記肢端舐性肉芽腫を噛むことに係る回数の少なくとも30%の減少、
    ・ 前記カプサイシノイドを投与される前の7日間の期間の一日当たりに前記イヌ科動物が前記肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る平均回数と比べて、前記カプサイシノイドを投与された後28日目に、前記イヌが前記肢端舐性肉芽腫をひっかくことに係る回数の少なくとも30%の減少、または
    ・ 前記カプサイシノイドを投与された後28日までに、前記肢端舐性肉芽腫に起因する原病変部の局所面積の少なくとも約30%を覆う体毛の再生のうちの1つ以上を提供する、請求項11〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記投与が、以下の:
    ・ カプサイシノイドを投与する7日前に観察されたCSOMと比べて、カプサイシノイドを投与後14日目にCSOMスコアの少なくとも40%の減少、または
    ・ カプサイシノイドを投与する7日前に観察されたCSOMスコアと比べて、カプサイシノイド投与後28日目にCSOMスコアの少なくとも20%の減少のうちの1つ以上を提供する、請求項11〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記カプサイシノイドの前に、麻酔薬を投与することをさらに含む、請求項1〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記麻酔薬が、前記イヌ科動物の全身の鎮静を引き起こす、請求項45に記載の方法。
  47. 前記麻酔薬が、前記肉芽腫の近位に投与されるカイン鎮静剤である、請求項45に記載の方法。
  48. 前記カイン鎮静剤が、リドカインまたはその薬学的に許容される塩である、請求項47に記載の方法。
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