JP2017528510A - 自己免疫疾患の処置に有用な置換ピリミジン誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)[式中、R1は、H及びCH3から選択され、R2は、H、C4H9アルキル、C6H13アルキル、(1R,2S,5S)−5−メチルシクロペンタ−3−エン−1,2−ジオール及びC3H6−フェニル(該フェニルは、場合によりOH又はOCH3によって置換されている)から選択され、Xは、O又はSであり、Yは、C、N又はSである]の化合物を記述する。これらの化合物は、多発性硬化症及び他の自己免疫疾患の処置に有用な新規な化合物として同定されている。

Description

本発明は、自己免疫疾患、特に多発性硬化症の処置に有用な新規な置換ピリミジン誘導体に関する。本発明はまた、自己免疫疾患、特に多発性硬化症の処置におけるこのような化合物の使用、及びこのような化合物を含有する医薬組成物に関する。
多発性硬化症(MS)は、体内の自身の免疫系が脳や脊髄の白質を攻撃する中枢神経系(CNS)の消耗性疾患である。これは、CNS保護ミエリン層への炎症誘導性の損傷の引き金となって脱髄を引き起こす。ミエリンの消失により、ニューロンが更なる攻撃に曝されて、多発性硬化病変の形成に至る。この損傷は、神経系の一部が伝達する能力を混乱させ、このため、疲労、かすみ目、認知障害、及び痙攣を含む広範な問題が生じる。多くの患者は、不可逆性運動障害の発症に苦しんでいる。長期予後は不良であり、発症から15年以内に患者の約50%は、支援なしには歩行できなくなる(Polman and Uitdehaag, B.M.J., 2000, 321, 490-494)。
MSは、単独の攻撃(再発型)又は経時的な蓄積(進行型)のいずれかで発生する新しい症状を伴う、幾つかの病型をとる。
現在、多発性硬化症には治療法が知られていない。現在の処置は、攻撃後に機能を改善し、かつ/又はその後の攻撃を予防しようと努める。MSを処置するために使用される医薬品は、適度に有効ではあるが、有害作用を及ぼすことがあり、そして忍容性が低いことがある。
幾つかの注射可能な最先端治療薬がある:
・βインターフェロン1a(Avonex)
・βインターフェロン1a(Rebif)
・βインターフェロン1b(Betaferon)
・グラチラマー酢酸塩(Copaxone)
インターフェロンはインフルエンザ様の症状を引き起こすことがあり、グラチラマーを服用している一部の患者は、フラッシング、胸部圧迫、心臓の動悸、息切れ、及び不安を伴う注射後反応を経験するが、これは通常30分も続かない。より危険であるが、あまり一般的ではないのは、肝臓の損傷である。Copaxoneには注射部位の皮膚刺激を伴う。
追加の治療法は以下を含む:
・Natalizumabは、第一選択薬よりも再発率を低下させる;しかし、進行性多巣性白質脳症のような副作用の問題のために、これは、他の処置法に反応しない患者か、又は重症疾患の患者のために確保される第二選択薬である。
・Fingolimod(Gilenya)−急速に進行する重症再発寛解型MS(1年に2回以上の再発)の患者のために、そしてβインターフェロン剤の1つでの処置にもかかわらずMSが活動性を維持している患者の第二選択治療薬として、2011年3月に認可された。
・フマル酸ジメチル(Tecfidera)は、2013年にFDAから認可を受けたもので、再発寛解型MSの成人用の経口第一選択治療薬である。
・Teriflunomide(Aubagio)は、2012年9月にFDAの承認を受けたもので、再発型MSの処置用の経口投与可能な免疫調節薬である。
・Mitoxantroneは、その使用が、重度の副作用、収縮機能不全、不妊症、及び急性骨髄性白血病により制限されるが、他の医薬品に反応しない患者の第三選択肢である。
コルチコステロイド(又はステロイド)は、時として、錠剤の形態で又は静脈内点滴のいずれかで数日間投与される。ステロイド剤が長期的な病気の経過に影響を与えるという証拠はないが、再発からの回復を早める点で有効であることがある。
原発性進行性MSの経過を変える処置法はなく、2011年現在で、続発性進行性MSにはミトキサントロン1剤しか承認されていない。この母集団では、ミトキサントロンが疾患の進行を適度に遅らせ、2年にわたり再発率を低下させることを、暫定的な証拠が裏付けている。
再発寛解型MSのための更に有効で、便利で、かつ忍容性のある処置法を探索する、進行中の研究がある。
モノクローナル抗体は、高い関心を集めている。CD52モノクローナル抗体のアレムツズマブ、CD25モノクローナル抗体のダクリズマブ、並びにリツキシマブ、オクレリズマブ及びオファツムマブのようなCD20モノクローナル抗体は、いずれもある程度の有用性を示しており、有望な処置法として研究中である。これらの使用には、危険をはらむ副作用、最も重要には日和見感染の出現も伴っている。
したがって、MSの処置法に対する大きな満たされていない医学的必要性がある。
発明の要約
本発明は、自己免疫症状、特に多発性硬化症の処置のための新規な医薬品を提供する。本発明の1つの実施態様は、式(I):
Figure 2017528510

で示される化合物、並びにその薬学的に許容し得る塩及び溶媒和物[式中、
は、H及びCHから選択され、
は、H、Cアルキル、C13アルキル及びC−フェニル(該フェニルは、場合によりOH又はOCHによって置換されている)から選択され、
Xは、O又はSであり、
Yは、C、N又はSである]を記述する。
好ましくはアルキル鎖は、直鎖である。
好ましい実施態様において、RはHである。
好ましい実施態様において、Rは、Cアルキル、C13アルキル及びC−フェニルから選択される。
特に好ましい実施態様において、RはC−フェニルである。
好ましい実施態様において、XはOである。
好ましい実施態様において、Yは、C又はNである。
特に好ましい実施態様において、YはNである。
特に好ましいのは、
XがOであり、
YがNであり、
がHであり;そして
が、Cアルキル、C13アルキル及びC−フェニルから選択される、式(I)の化合物である。
特に好ましい実施態様において、RはC−フェニルである。
本発明の特に好ましい化合物は、以下を含む:
2−アミノ−5−((ブチルアミノ)メチル)−3,7−ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン、
塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)ブタン−1−アミニウム、
2−アミノ−5−((ヘキシルアミノ)メチル)−3,7−ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン、
塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)ヘキサン−1−アミニウム、
キューイン(Queuine);2−アミノ−5−((((1S,4S,5R)−4,5−ジヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル)アミノ)メチル)−3,7−ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン、
キューインHCl;2−アミノ−5−[[[(1S,4S,5R)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−イル]アミノ]メチル]−1,7−ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン、一塩酸塩。
最も好ましいのは、以下である:
2−アミノ−5−(((3−フェニルプロピル)アミノ)メチル)−3,7−ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン
塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フェニルプロパン−1−アミニウム。
適切な塩は、式(I)の化合物中に存在する酸性又は塩基性基の塩を含む。本来は塩基性である式(I)の化合物は、種々の無機酸及び有機酸と多種多様な塩を形成することができる。このような式(1)の塩基性化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩を調製するために使用され得る酸は、無毒性酸付加塩を形成するものである。適切な塩は、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート(estolate)、エシル酸塩、エチルコハク酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩及び吉草酸塩を含む。
好ましい塩は、塩酸塩及び塩化アミニウムを含む。
本発明はまた、対応する同位体との一原子の置換を除いては、記述された化合物と同一である、同位体標識された化合物を含む。同位体の例は、重水素及びトリチウムのような水素の同位体;13Cのような炭素の同位体を含む。他の例は、当業者には周知である。
必要に応じて、本発明の化合物は、任意のcis/trans異性体を含む。
本発明の化合物は、多くの合成経路によって合成することができる。スキーム1は、X及びYが本明細書に記載の通りである、式(I)の化合物の合成のための従来の合成プロトコールを記述している。
Figure 2017528510
式(III)の化合物は、工程(i)適切なアミン保護基の付加によって、式(II)の化合物から調製することができる。「PG」という用語は、任意の適切な保護基を示すために使用される。適切な基及び条件は、‘Protective Groups in Organic Synthesis’ by Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts, 4th Edition, 2006, ISBN: 978-0-471-69754-1 published by Wileyに見い出すことができる。
特に好ましい保護基はオクチルアルキルアミドであり、これによって、後の工程での副生成物及び異性体のレベルが低くなる。式(IV)の化合物は、式(III)の化合物から、工程(ii):化合物(III)と、Mannich型反応の標準条件下でジベンジルアミンとホルムアルデヒドとの縮合によって形成されたイミニウムイオンとの間で求電子芳香族置換反応が起こる工程を介して製造することができる。式(I)の化合物は、工程(iii):アミン交換反応と、これに続く酸性若しくは塩基性条件下での保護基の開裂によるか、又は求核試薬とのアミン交換反応によって製造することができる。
代替経路は、スキーム2に記述される:
Figure 2017528510
式(VI)の化合物は、式(V)の化合物を、適切なアミン保護基と、工程(i)の条件下で反応させることによって製造することができる。式(VII)の化合物は、式(VI)の化合物の還元及び加水分解(いずれかの順序で)からなる工程によって合成することができる。式(I)の化合物は、式(VII)の化合物を、工程(v)の条件(還元的アミノ化と、これに続く保護基の脱離)下で反応させることによって製造することができる。適切な条件は、実験項の「一般手順A」の下に記載される。
式(Ia)の化合物もまた、スキーム3に記述されるとおり合成することができる。
Figure 2017528510
PGが酸に不安定である式(VIII)の化合物を、工程(vi)の酸性条件下で処理することにより、酸不安定保護基を脱離して、(Ia)として記載される(I)の酸付加塩を形成する。
本発明はまた、疾患の処置のための新規な治療法を提供する。
理論に拘束されるものではないが、本発明の化合物は、新しい薬剤の経路を介して作用するようである。これらは、キューインtRNA−リボシルトランスフェラーゼ1としても知られるTGT(tRNAグアニントランスグリコシラーゼ)及びQv1(キューインtRNAトランスグリコシラーゼドメイン含有1)の2つのタンパク質から作られた酵素複合体を利用する。その作用は、Treg細胞集団比を増加させること、及び/又はTeff細胞集団比を減少させることである。Treg細胞は、非自己タンパク質からの自己の決定に複雑に関与する[即ち、免疫系によって攻撃される(これは多くの自己免疫疾患の原因である)自己タンパク質を保護する]免疫系の一部である。本化合物の有効性を実証するための更なるデータは、実験項に提供される。
急速に増殖する細胞のトランスファーRNA(tRNA)は、キューイン修飾が欠損(低修飾)している;例は、胎児肝、多発性腫瘍型及び再生成体肝を含む。対照的に、成体の完全に分化した細胞のtRNAは、高レベルのキューインを含み、これは一旦組み込まれたら置き換えられない。
急速に拡大する免疫細胞のtRNA(自己免疫反応において生じる)は、同様にキューイン修飾が欠損していることが予想され得る。免疫細胞のキューイン欠損tRNAに新規なキューイン挿入酵素(Queuine Insertase)基質を選択的に組み込めば、増殖及びサイトカイン産生を破壊して、それによって免疫反応を調節することができる。
本発明は、自己免疫疾患、特に多発性硬化症の処置用の新規な医薬品を提供する。
本発明はまた、医薬品として使用するための、式(I):
Figure 2017528510

[式中、
は、H及びCHから選択され、
は、H、Cアルキル、C13アルキル、(1R,2S,5S)−5−メチルシクロペンタ−3−エン−1,2−ジオール及びC−フェニル(該フェニルは、場合によりOH又はOCHによって置換されている)から選択され、
Xは、O又はSであり、
Yは、C、N又はSである]で示される化合物、並びにその薬学的に許容し得る塩及び溶媒和物に関する。
好ましい実施態様において、
は、H及びCHから選択され、
は、H、Cアルキル、C13アルキル及びC−フェニル(該フェニルは、場合によりOH又はOCHによって置換されている)から選択され、
Xは、O又はSであり、
Yは、C、N又はSである。
本発明はまた、リウマチ性関節炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、糖尿病及びクローン病を含む炎症性腸疾患のような、自己免疫症状の処置に使用するための;並びに移植拒絶反応を抑制する薬剤として使用するための式(I)の化合物を提供する。
本発明はまた、多発性硬化症の処置に使用するための上記の式(I)の化合物に関する。
本発明はまた、哺乳動物、特にヒトにおける多発性硬化症を処置する方法であって、該哺乳動物に、ある量の上記と同義の式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくは溶媒和物を投与することを含む方法に関する。
「処置」という用語は、症状の治癒的、好転的、軽減的、緩和的及び予防的処置を含むことが意図される。
本発明は更に、多発性硬化症の処置に使用するための、他の適切な薬剤と組合せた本発明の分子に関する。
多発性硬化症に罹患している患者は、一般に追加の治療剤を同時投与される。重度の発作を患う患者には、メチルプレドニゾロンのような静脈内コルチコステロイド、又は血漿交換のような手法を、任意の処置法と併用することができる。
多発性硬化症による神経細胞損傷の影響によって、患者には様々な形態の損傷が生じる。神経損傷は、疼痛、膀胱の制御困難及び他の多くの問題につながる可能性がある。このため、MS損傷の影響の処置に役立つように、多発性硬化症の患者には、しばしば追加の医薬品が処方される。適切な併用剤は、以下を含むであろう:
膀胱の問題には
・ボツリヌス毒素(Botox)
・デスモプレシン(Desmospray、Desmotabs)
・オキシブチニン(Ditropan、Lyrinel)
・トルテロジン(Detrusitol)
鬱病には
・アミトリプチリン(Triptafen)
・フルオキセチン(Prozac)
・イミプラミン(Tofranil)
・パロキセチン(Seroxat)
勃起不全には
・アルプロスタジル(Caverject、MUSE、Viridal Duo)
・クエン酸シルデナフィル(Viagra)
・タダラフィル(Cialis)
・バルデナフィル(Levitra)
疲労には
・アマンタジン(Lysovir、Symmetrel)
・モダフィニル(Provigil)
視神経炎には
・ステロイド
疼痛には
・アミトリプチリン(Triptafen)
・カルバマゼピン(Tegretol)
・ガバペンチン(Neurontin)
・イブプロフェン
・イミプラミン(Tofranil)
・ラモトリジン(Lamictal)
・フェニトイン(Epanutim)
・プレガバリン(Lyrica)
歩行の問題には
・ファムプリジン(Fampyra)
情動調節障害には
・Nuedexta
痙性及び痙攣には
・バクロフェン(Lioresal)
・ボツリヌス毒素(Botox)
・カルバマゼピン(Tegretol)
・クロナゼパム(Rivotril)
・ダントロレン(Dantrium)
・ジアゼパム(Valium)
・ガバペンチン(Neurontin)
・フェノール
・テトラヒドロカンナビノール及びカンナビジオール(Sativex)
・チザニジン(Zanaflex)
振戦には
・クロナゼパム(Rivotril)
・視床切除術
三叉神経痛には
・カルバマゼピン(Tegretol)
・ガバペンチン(Neurontin)
・オクスカルバゼピン(Trileptal)
・フェニトイン(Epanutim)
・プレガバリン(Lyrica)
他の治療剤が、通常MSの患者に投与される。他のこのような医薬品は、医師や他の治療の熟練者には周知である。
このような薬剤は、連続して、同時に、又は併用して投与することができる。
本発明はまた、本発明の分子及び薬学的に許容し得る希釈剤又は担体を含む、医薬組成物に関する。
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物及びその調製方法は、当業者には容易に明らかとなろう。このような組成物及びその調製方法は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 19th Edition (Mack Publishing Company, 1995)に見い出すことができる。
式(I)の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るように嚥下を伴うか、又は化合物が口から直接血流に入る口腔内若しくは舌下投与を利用することができる。経口投与に適した製剤は、錠剤;微粒子、液体又は粉末を含むカプセル剤;トローチ剤(液体充填を含む)、チュアブル剤(chews)、マルチパーティクル及びナノ粒子剤、ゲル剤、固溶体剤、リポソーム剤、フィルム剤、膣坐剤、スプレー剤のような固体製剤、並びに液体製剤を含む。
液体製剤は、懸濁剤、液剤、シロップ剤及びエリキシル剤を含む。このような製剤は、軟又は硬カプセル剤中の充填剤として使用することができ、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は適切な油、並びに1種以上の乳化剤及び/又は懸濁化剤を含む。液体製剤はまた、例えば、分包剤からの、固体の再構成により調製することもできる。
式(I)の化合物はまた、Expert Opinion in Therapeutic Patents, 11 (6), 981-986, by Lian and Chen (2001)に記載されているような、速溶性、速崩壊性の剤形にも使用できる。
錠剤の剤形に関して、用量に応じて、本薬剤は、剤形の1重量%〜80重量%、更に典型的には剤形の5重量%〜60重量%を占めることができる。本薬剤に加えて、錠剤は一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例は、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムを含む。一般に、崩壊剤は、1重量%〜25重量%を構成する。本発明の1つの実施態様において、崩壊剤は、剤形の5重量%〜20重量%を構成する。結合剤は、一般に、錠剤の製剤に凝集性を付与するために使用される。適切な結合剤は、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然及び合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース並びにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。錠剤はまた、乳糖(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン及び二塩基性リン酸カルシウム二水和物のような、希釈剤を含んでもよい。錠剤はまた、場合により、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80のような界面活性剤、並びに二酸化ケイ素及びタルクのような流動促進剤を含んでもよい。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%〜5重量%を構成してもよく、そして流動促進剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%を構成してもよい。錠剤はまた、一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物のような滑沢剤を含有する。滑沢剤は一般に、0.25重量%〜10重量%を構成する。本発明の1つの実施態様において、滑沢剤は、錠剤の0.5重量%〜3重量%を構成する。他の見込まれる成分は、酸化防止剤、着色料、香味剤、保存料及び矯味剤を含む。
例示的な錠剤は、最大約80%の薬剤、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、及び約0.25重量%〜約10重量%の滑沢剤を含む。
錠剤用混合物は、直接又はローラーによって圧縮して錠剤を形成することができる。あるいは、錠剤用混合物又は混合物の一部を、打錠の前に、湿式、乾式若しくは溶融造粒するか、溶融凝固するか、又は押出成形することができる。最終製剤は、一層以上を構成し、そしてコーティングをされても、されなくともよく;更にカプセル化されてもよい。錠剤の製剤は、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1, by H. Lieberman and L. Lachman (Marcel Dekker, New York, 1980)において考察される。
ヒトの使用又は獣医学的使用のための消耗品の経口フィルムは、典型的には、急速に溶解するか、又は粘膜付着性であってよい、柔軟な水溶性又は水膨潤性の薄膜剤形であり、典型的には、式(I)の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、保湿剤、可塑剤、安定化剤又は乳化剤、粘度調整剤及び溶媒を含む。製剤の幾つかの成分は、2つ以上の機能を果たしてもよい。フィルム形成ポリマーは、天然の多糖類、タンパク質、又は合成親水コロイドから選択することができ、典型的には0.01〜99重量%の範囲、更に典型的には30〜80重量%の範囲で存在する。他の見込まれる成分は、酸化防止剤、着色料、香味料及び旨味調味料、保存料、唾液分泌促進剤、冷却剤、共溶媒(油類を含む)、皮膚軟化剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤並びに矯味剤を含む。本発明のフィルムは、典型的には、剥離可能な裏支持体又は裏紙上にコーティングされた水性薄膜の蒸発乾燥により調製される。これは、乾燥オーブン若しくはトンネル乾燥機、典型的には塗工乾燥複合機内で、又は凍結乾燥若しくは真空乾燥によって行うことができる。
経口投与用の固体製剤は、即時及び/又は調節放出されるように製剤化することができる。調節放出は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出を含む。本発明の目的に適した放出調節製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散並びに浸透性及び被覆粒子のような他の適切な放出技術の詳細は、Pharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14, by Verma et al (2001)に見い出されよう。制御放出を達成するためのチューインガムの使用は、WO-A-00/35298に記載されている。
式(I)の化合物はまた、血流中、筋肉中、又は内臓中に直接投与することもできる。このような非経口投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸腔内(intrasternal)、頭蓋内、筋肉内及び皮下投与を含む。非経口投与に適したデバイスは、有針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器及び注入技術を含む。
本発明の化合物はまた、皮膚又は粘膜に局所的に、即ち、皮膚投与又は経皮投与することもできる。
式(I)の化合物はまた、典型的にはドライパウダーの剤形で(単独で、混合物として、例えば、乳糖とのドライ混合物にして、又は混合成分粒子、例えば、ホスファチジルコリンのようなリン脂質と混合粒子として)ドライパウダー吸入器から、エアロゾルスプレーとして、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気流体力学を利用して微細ミストを生成するアトマイザー)、又はネブライザーから、1,1,1,2−テトラフルオロエタン又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンのような適切な噴射剤を用いるか又は用いずに、あるいは点鼻薬として、鼻腔内に又は吸入により投与することができる。鼻腔内使用には、この粉末は、生体接着剤、例えば、キトサン又はシクロデキストリンを含んでもよい。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、又はネブライザーは、式(I)の化合物の溶液又は懸濁液であって、例えば、エタノール、水性エタノール、又は化合物の分散、可溶化、若しくは持続放出のための適切な代替剤、溶媒としての噴射剤及びオプションの界面活性剤(トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、又はオリゴ乳酸など)を含む、溶液又は懸濁液を含有する。
ドライパウダー剤又は懸濁剤製剤での使用に先立ち、薬剤生成物は、吸入による送達に適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)に微粉化される。これは、らせんジェットミル粉砕、流動床ジェットミル粉砕、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧均質化、又はスプレー乾燥のような、任意の適切な粉砕方法によって達成することができる。
吸入器又はインサフレーターで使用するためのカプセル(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースで作られている)、ブリスター及びカートリッジは、本発明の化合物の粉末混合物、乳糖又はデンプンのような適切な粉末基剤、及びl−ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムのような性能変更剤を含有するように製剤化することができる。乳糖は、無水物であってもよく、又は一水和物の形態であってもよいが、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース及びトレハロースを含む。
電気流体力学を利用して微細ミストを生成するためにアトマイザーで使用するのに適した液剤製剤は、1回の作動につき1μg〜20mgの本発明の化合物を含有することができ、そして作動体積は、1μl〜100μlまで変化してよい。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを含んでよい。プロピレングリコールの代わりに使用することができる代替溶媒は、グリセロール及びポリエチレングリコールを含む。
メントール及びレボメントールのような適切な香味料、又はサッカリン若しくはサッカリンナトリウムのような甘味料を、鼻腔内投与を意図した本発明の製剤に添加することができる。鼻腔内投与用の製剤は、即時放出及び/又は調節放出(例えば、PGLAを使用する)されるように製剤化することができる。調節放出は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出を含む。
式(I)の化合物はまた、典型的には、等張性のpH調整した滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁液又は溶液の滴剤の剤形にして、眼又は耳に直接投与することもできる。
式(I)の化合物は、前記の投与方式のいずれかを使用するとき、その溶解性、溶解速度、味、生物学的利用能及び/又は安定性を改善するために、シクロデキストリン及びその適切な誘導体又はポリエチレングリコール含有ポリマーのような、可溶性の高分子体と組み合わせることができる。例えば、薬剤−シクロデキストリン複合体は、大部分の剤形及び投与経路に対して一般に有用であることが見い出されている。包接複合体及び非包接複合体の両方を使用することができる。薬剤との直接的複合体化の代替として、シクロデキストリンは、補助添加剤として、即ち、担体、希釈剤、又は可溶化剤として使用されてもよい。これらの目的のために最も普通に使用されるものは、α−、β−及びγ−シクロデキストリンであり、その例は、国際特許公報 WO-A-91/11172、WO-A-94/02518及びWO-A-98/55148に見い出すことができる。
実験項
本発明における使用に適した種々の分子の合成法を以下に記載する。
全ての出発物質及び試薬は市販されており、Fluorochemから購入された2−アミノ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オンを除いて、Aldrichから得られた。
調製1:2−オクタノイルアミノ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン
Figure 2017528510

撹拌棒を含む50cm丸底フラスコに、2−アミノ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン(2.00g、13.33mmol)を仕込んだ。フラスコにセプタムを取り付け、Ar雰囲気下に置いた。新たに蒸留したピリジン(20.00cm)をシリンジで加え、生じた懸濁液を氷上で冷却した。この溶液をこの温度で平衡にさせ(約5分)、次いで塩化オクタノイル(6.80cm、39.99mmol)を滴下した。生じた懸濁液を85℃で30分間加熱した。室温に冷却後、6.5%エタノール性アンモニア(60cm)を加えて、生じた懸濁液を室温で一晩撹拌した。生成物の沈殿物を真空濾過により取り出して、エタノール、続いてジエチルエーテルで洗浄することにより、純粋な所望の生成物(2.56g、70%)を黄色の固体として得た、融点>300℃(分解)。Akimoto et al. 1986及びAkimoto et al. 1988に基づく手順。
δH (400 MHz, DMSO-d6): 0.86 (3H, t, J 5.1), 1.26 (8H, m), 1.58 (2H, 見かけ 5重項), 2.01 (1H, br s, NH), 2.43 (2H, t, J 5.1), 6.40 (1H, d, J 2.0), 7.01 (1H, d, J 2.0), 11.43 (1H, br s, NH), 11.67 (1H, br s, NH)
HRMS (m/z ESI-):実測値: 275.1517 ([M-H]- C14H19N4O2;要求値: 275.1508)
調製2:2−オクタノイルアミノ−5−(((ジベンジル)アミノ)メチル)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン
Figure 2017528510

撹拌棒を含む50cm反応容器に、2−オクタノイルアミノ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(1.00g、3.60mmol)、ジベンジルアミン(2.00cm、10.80mmol)、ホルマリン(349.00μL、12.60mmol)及び80%水性酢酸(36cm)を仕込んだ。生じた懸濁液を60℃で20時間加熱し、室温に冷却し、0.5M HCl(36cm)で希釈して室温で30分間撹拌した。この混合物を濃アンモニア水溶液(36cm)で中和してクロロホルム(3×50cm)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)て蒸発乾固した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(9:1のジクロロメタン−MeOH〜7:3のジクロロメタン−MeOH)により精製することによって、所望の化合物(1.45g、84%)を黄色の粉末として得た、融点>300℃(分解)。Akimoto et al. 1986及びAkimoto et al. 1988に基づく手順。
δH (400 MHz, DMSO-d6): 0.86 (3H, t, J 7.1), 1.25 (8H, m), 1.57 (2H, m) 2.42 (2H, t, J 7.1), 3.57 (4H, s), 3.76 (2H, s), 6.88 (1H, s), 7.23 (2H, t, J 7.3), 7.31 (4H, 見かけ t), 7.41 (4H, d, J 7.3), 11.34 (1H, s, NH), 11.57 (1H, s, NH), 11.68 (1H, s, NH)
HRMS (m/z ESI+):実測値: 486.2863 ([M+H]+ C29H36N5O2;要求値: 486.2869)
2−アミノ−5−(((3−フェニルプロピル)アミノ)メチル)ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン
Figure 2017528510

撹拌棒を含む大きなカルーセル管に、2−オクタノイルアミノ−5−(((ジベンジル)アミノ)メチル)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(100.0mg、0.21mmol)、3−フェニルプロピルアミン(146.00μL、1.03mmol)及び1:1のTHF−メタノール(2.00cm)を仕込んだ。この懸濁液を脱気して反応容器を密封した。懸濁液を75℃で24時間加熱し、室温に冷却して、5M KOH(146.00μL)で処理して室温で65時間撹拌した。溶液を真空中で濃縮して、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(9:0.9:0.1のジクロロメタン−MeOH−NHOH)により精製した。微量不純物を除去するために、生じた固体をHPLC級ヘキサン、次にジエチルエーテルで洗浄した。これにより、所望の化合物(28mg、46%)を橙色の粉末として得た、融点>300℃(分解)。Akimoto et al. 1986及びAkimoto et al. 1988に基づく手順。
δH (600 MHz, DMSO-d6): 1.24 (1H, br s, NH), 1.66 (2H, 見かけ 5重項,), 1.91 (1H, s, NH), 2.44 (2H, t, J 6.9,), 2.57 (2H, t, J 6.9,), 3.59 (2H, s,), 6.15 (2H, br s,), 6.45 (1H, s,), 7.15 (1H, t, J 7.4,), 7.16 (3H, m), 7.25 (2H, 見かけ t,), 10.70 (1H, br s)
δC (600 MHz, DMSO-d6): 30.6, 32.9, 45.2, 47.5, 48.6, 79.2, 98.7 (q), 113.6 (q), 125.5, 128.2, 128.3, 142.3 (q), 152.2 (q), 160.5 (C=O)
nmax (フィルム)/cm-1: 697, 748, 749, 1080, 1420, 1596, 2927
HRMS (m/z ESI+): 実測値: 298.1662 ([M+H]+ C16H20N5O;要求値: 298.1668)
調製3:2−クロロ−3−オキソプロパンニトリル
Figure 2017528510

アルゴンの陽圧下で乾燥丸底フラスコ内で、無水THF(90mL)中のNaOMe(7.14g、0.13mol)の懸濁液を−5℃に冷却した。ギ酸メチル(9mL、0.15mol)をシリンジで1分間かけて滴下し、−5℃で20分間撹拌を続けた。次に、クロロアセトニトリル(8.33mL、0.13mol)を滴下漏斗により45分間かけて滴下した。混合物は白色から黄色に変わり、−5℃で更に2時間撹拌したところ、反応混合物は橙色になった。浴を取り外して、反応物が室温まで温まるに任せた。反応混合物のアリコートを1滴の濃HClで処理して、TLCにより分析すると、100% EtOAcで溶出する、R=0.45の所望の生成物の存在を示した。混合物を0℃に冷却して、濃HCl(12mL)を滴下すると、その間に混合反応物がサクランボ赤色になった。生じた懸濁液をセライトパッドで濾過して、セライトを濾液が無色になるまでEtOAcで洗浄した。集めた濾液を水浴で40℃以下の温度で減圧濃縮することにより、クロロ(ホルミル)アセトニトリルを黒色の油状物として定量的収率で与えたが、これを更に精製することなく使用した。Brooks 2012に基づく手順。
δH (400 MHz, CDCl3) 9.38 (s, 1H).
δC NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 168.2, 126.6, 67.8.
調製4:2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル
Figure 2017528510

2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン(3.00g、24mmol)を、ミリポア水(90mL)中の酢酸ナトリウム(6.4g、76mmol)の溶液に加えて50℃で1時間撹拌した。50℃のうちに、mQ水(44mL)中の粗クロロ(ホルミル)アセトニトリル(3.00g、32mmol)の溶液を滴下漏斗で滴下すると、その間に反応物はベージュ色になったが、50℃で18時間加熱を続け、その後、反応物を100℃まで3時間加熱した。反応混合物が室温まで冷却するに任せて、濾過により固体を取り出した。固体をEtOHに懸濁して、固体が溶解するまで5M KOH水溶液を加えた。活性炭を溶液に加えて、混合物を30分間撹拌した後、濾過により固体を除去した。濾液のpHを濃HCl水溶液でpH=6に調整すると、その間に沈殿物が形成され、これを濾過によって集めた。最終痕跡量の水を固体から除去するために、トルエン/メタノールの1/1混合物に溶解し、次に減圧で濃縮した。得られた固体をPで乾燥することにより、所望の化合物(1.68g、9.6mmol、収率40%)をベージュ色の固体として与えた。Brooks 2012に基づく手順。
δH (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.98 (br s, 1H) 10.74 (br s, 1H), 7.59 (s, 1H), 6.43 (s, 2H).
δC(100 MHz, DMSO-d6) δ 158.0, 154.3, 152.1, 128.2, 116.4, 99.2, 86.0.
HRMS (m/z ESI-): C7H5N5O [M-H]- 実測値 174.0415 要求値: 174.0416.
調製5:4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−[(トリフェニルメチル)アミノ]−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル
Figure 2017528510

アルゴン雰囲気下で乾燥丸底フラスコ内で、塩化トリチル(1.20g、4.28mmol)を、無水ピリジン(29mL)中の2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(0.50g、2.85mmol)の溶液に加えた。この混合反応物を90℃で48時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いでシリカゲルに吸収させ、2% MeOHで開始し10%まで上昇する勾配のジクロロメタン/MeOHで溶出するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の化合物を褐色の固体(0.63g、1.5mmol、収率53%)として得た。
Olgen 2008に基づく手順。
δH (400 MHz, DMSO-d6) δ11.80 (br s, 1H); 10.64 (br s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.41(s, 1H), 7.29-7.28 (m, 12H), 7.23-7.17 (m, 3H), 5.73 (s, 1H).
HRMS (m/z ESI+): C26H18N5O [M-H]+ 実測値 416.1514 要求値: 416.1511.
調製6:4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−[(トリフェニルメチル)アミノ]−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボキシアルデヒド
Figure 2017528510

HMDS(6mmol、1.3mL)を、丸底フラスコ内の無水トルエン(8mL)中の4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−[(トリフェニルメチル)アミノ]−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(1.30g、3mmol)と硫酸アンモニウム(397mg、0.3mmol)との混合物に加えた。還流冷却器を取り付けて、フラスコを還流温度で一晩加熱した。混合物を室温に冷却して、減圧下で濃縮した。陽圧のアルゴン下で、粗反応混合物を無水ジクロロメタン(8mL)に可溶化して−78℃に冷却した。この温度で、DiBAL−H(4.5mL、ジクロロメタン中1M、4.5mmol)を滴下した。2時間後、TLC(EtOAc 100%)により分析すると、少量の出発物質が残っていること分かった。そのためDiBAL−H溶液を更に2mL滴下した。1時間後、反応が完了し、HO/AcOHの混合物(9/1、3.5mL)を−78℃で加えた。反応混合物がゆっくりと室温まで温まるに任せた。EtOAc/HOの混合物(1/1、300mL)を反応混合物に加えて、室温で2時間撹拌を続けた。層を分離し、有機層を食塩水で洗浄して、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機画分をMgSOで乾燥させ、濾過して減圧で濃縮した。粗反応生成物を、EtOAcで溶出するシリカゲルのパッドを通して濾過することにより、黄色の固体(1.01g、2.38mmol、76%)を与えた。Brooks 2010及びBrooks 2012に基づく手順。
δH (400 MHz, DMSO-d6) 11.82 (s, 1H), 10.63 (s, 1H), 9.99 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.31-7.27 (m, 13H), 7.23-7.19 (m, 3H).
HRMS (m/z ESI-): C26H18N4O2[M-H]- 実測値 419.1508 要求値: 419.1508.
調製7:5−((3−フェニルプロピルアミノ)メチル)−2−(トリチルアミノ)−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン
Figure 2017528510

一般手順A:メタノール(5cm)中のN−((4−オキソ−2−(トリチルアミノ)−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)ホルムアミド(200.0mg、0.48mmol)及び硫酸ナトリウム(5.0mg)の懸濁液にアルゴン雰囲気下で3−フェニルプロピルアミン(74.00μL、0.52mmol)を加え、生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。次いで水素化ホウ素ナトリウム(55.00mg、1.43mmol)を加え、反応混合物を室温で更に1時間撹拌した。水(5cm)を加えて、生じた懸濁液を10分間撹拌した後、ジクロロメタン(3×5cm)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮することにより、粗生成物を生成し、これをフラッシュクロマトグラフィー(9:1のジクロロメタン−MeOH)により精製することによって、所望の化合物を白色の固体(210mg、41.8%)として生成した、融点>300℃(分解)。Brooks 2010及びBrooks 2012に基づく手順。
1H (400 MHz, DMSO-d6): 1.73 (2H, 5重項, J 7.8), 2.56 (4H, m), 3.74 (1H, s), 6.42 (1H, s, H-6), 7.19 (20H, m), 7.45 (1H, bs, NH), 10.78 (1H, bs, NH)
13C (400 MHz, DMSO-d6): 31.7, 32.8, 45.4, 47.8, 70.4 (q), 99.7 (q), 114.9, 117.6 (q), 125.9, 126.0, 126.9, 128.0, 128.6, 129.0, 142.6 (q), 145.4 (q), 150.0 (q), 150.4 (q), 159.7 (C=O)
HRMS (m/z - ESI+): 実測値: 540.2757 [M+H]+ C35H34N5O 要求値: 540.2765)
νmax/cm-1: 1542, 1611, 1670, 2868, 2951
塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フェニルプロパン−1−アミニウム
Figure 2017528510

一般手順B:撹拌棒を含む5cmの反応容器に、5−((3−フェニルプロピルアミノ)メチル)−2−(トリチルアミノ)−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン(210.0mg、0.39mmol)及び1.25M メタノール性HCl(3cm)を仕込んだ。生じた溶液を室温で16時間撹拌した。沈殿した生成物を真空濾過により取り出して、ジクロロメタンで洗浄することにより、所望の化合物を白色の粉末(84mg、68%)として得た、融点>300℃(分解)。Brooks 2010及びBrooks 2012に基づく手順。
δH (600 MHz, DMSO-d6): 1.90 (2H, 見かけ 5重項), 2.63 (2H, t, J 7.8), 2.90 (2H, m), 4.13 (2H, t, J 5.2), 6.57 (2H, bs), 6.80 (1H, d, J 2.3), 7.16 (3H, m), 7.26 (2H, t, J 7.0), 9.11 (2H, bs), 11.05 (1H, m, NH), 11.31 (1H, ブロード 2重項, NH)
δC (125 MHz, DMSO-d6): 27.6, 32.1, 42.9, 45.6, 48.9, 98.6, 108.7 (q), 117.9 (q),126.4, 128.6, 128.7, 140.9 (q), 152.9 (q), 160.5 (C=O)
HRMS (m/z ESI+): 実測値: 298.1662 (M+ C16H20N5O 要求値: 298.1664)
nmax (フィルム)/cm-1: 1456, 1625, 2443, 2713, 2756, 2873, 2933, 3184
調製8:5−((3−ブチルアミノ)メチル)−2−(トリチルアミノ)−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン
Figure 2017528510

N−((4−オキソ−2−(トリチルアミノ)−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)ホルムアミド(200.00mg、0.48mmol)、n−ブチルアミン(95.00μL、0.95mmol)及びNaBH(55mg、1.43mmol)を用いて一般手順Aのとおり調製することにより、所望の生成物を白色の粉末(200mg、88%)として生成した、融点>300℃(分解)。
δH(400 MHz, DMSO-d6): 0.84 (3H, t, J 7.3), 1.30 (2H, 見かけ 6重項), 1.51 (2H, 見かけ 5重項), 2.82 (2H, t, J 7.3), 4.01 (2H, s), 6.62 (1H, s), 7.24 (15H, m), 7.57 (1H, bs), 11.07 (1H, bs)
δC(400 MHz, DMSO-d6):13.9, 19.6, 28.0, 42.9, 46.0, , 70.6 (q), 99.4 (q), 108.9, 118.0 (q), 127.0, 128.1, 129.0, 145.2 (q), 150.5 (q), 150.6 (q), 160.3 (C=O)
nmax (フィルム)/cm-1: 1545, 1613, 1672, 2870, 2956
HRMS (m/z ESI+):実測値: 478.2600 ([M+H]+ C30H32N5O; 要求値: 478.2607)
塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)ブタン−1−アミニウム
Figure 2017528510

5−((ブチルアミノ)メチル)−2−(トリチルアミノ)−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン(108mg、0.39mmol)及び1.25M メタノール性HCl(3cm)を用いて一般手順Bのとおり調製することにより、所望の生成物を白色の粉末(72mg、67%)として生成した、融点>300℃(分解)。
δH (400 MHz, DMSO-d6): 0.86 (3H, t, J 7.4), 1.31 (2H, 見かけ 6重項), 1.57 (2H, 見かけ 5重項), 2.90 (2H, m), 4.12 (2H, t, J 5.3), 6.49 (2H, bs), 6.81 (1H, s), 9.01 (2H, bs), 10.98 (2H, bs), 11.29 (1H, bs)
δC (400 MHz, DMSO-d6): 18.7, 24.7, 32.7, 47.4, 50.6, 103.6 (q), 114.0, 123.2 (q), 153.3 (q), 157.6 (q), 164.7 (C=O)
HRMS (m/z ESI+): 実測値: 236.1518 (M+ C11H18N5O 要求値: 236.1511)
nmax (フィルム)/cm-1: 1456, 1625, 1668, 2443, 2713, 2756, 2873, 2933, 3184
調製9:5−((3−ヘキシルアミノ)メチル)−2−(トリチルアミノ)−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン
Figure 2017528510

N−((4−オキソ−2−(トリチルアミノ)−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)ホルムアミド(200.0mg、0.48mmol)、n−ヘキシルアミン(125.00μL、0.95mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(55mg、1.43mmol)を用いて一般手順Aのとおり調製することにより、所望の生成物を白色の粉末(200mg、83.0%)として生成した、融点>300℃(分解)。
δH(400 MHz, DMSO-d6): 0.82 (3H, t, J 7.4), 1.20 (6H, m), 1.34 (2H, 見かけ 5重項), 2.40 (2H, t, J 7.4), 3.60 (2H, s), 6.30 (1H, s), 7.23 (15H, m), 7.37 (1H, bs), 10.62 (1H, bs)
δC(400 MHz, DMSO-d6):14.4, 22.5, 26.8, 31.6, 29.6, 45.2, 48.3, 70.4 (q), 99.7 (q), 115.2, 116.7 (q), 127.0, 128.1, 129.0, 145.4 (q), 150.1 (q), 150.5 (q), 159.7 (C=O)
nmax (フィルム)/cm-1: 1552, 1648, 1734, 2856, 2928
HRMS (m/z ESI-):実測値: 504.2769 ([M-H]- C32H34N5O; 要求値: 504.2763)
塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)ヘキサン−1−アミニウム
Figure 2017528510

5−((ヘキシルアミノ)メチル)−2−(トリチルアミノ)−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン(190mg、0.39mmol)及び1.25M メタノール性HCl(3cm)を用いて一般手順Bのとおり調製することにより、所望の生成物を白色の粉末(70mg、64.8%)として生成した、融点>300℃。
δH (400 MHz, DMSO-d6): 0.83 (3H, t, J 7.2), 1.25 (6H, m), 1.59 (2H, 見かけ 6重項, J 7.2), 2.87 (2H, m), 4.11 (2H, t, J 5.3), 6.71 (2H, bs), 6.84 (1H, d, J 3.6), 9.11 (2H, bs), 11.25 (1H, bs), 11.46 (1H, bs)
δC (400 MHz, DMSO-d6): 14.3, 22.3, 25.8, 25.9, 31.1, 42.6, 46.1, 98.9 (q), 109.3 (q), 118.5, 148.1 (q), 152.8 (q), 159.8 (C=O)
nmax (フィルム)/cm-1:1578, 1625, 1669, 2429, 2712, 2861, 2930, 2957, 3266
HRMS (m/z ESI+): 実測値: 264.1830 ([M+H]+ C13H22N5O 要求値: 264.1824)
H. Akimoto et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans 1, 1998, 1627-1644.
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A.F. Brooks PhD Thesis “Synthesis of Tritium Labeled Queuine, PreQ1 and Related Azide Probes Toward Examining the Prevalence of Queuine” University of Michigan, 2012.
インビボでのこれらの化合物の可能性を評価するために、新しい化学物質(NCE)による処置の前にマウスの慢性単相性EAE疾患を誘導した。完全フロイントアジュバント(CFA;熱失活結核菌(Mycobacterium tuberculosis)5mg/mlを含む)中のMOG33−55ペプチド(Genscript)150μgを含有するエマルジョン200μlの皮下(s.c.)注射により、8〜10週齢の雌マウス(C57BL/6)にEAE疾患を誘導した。同日、マウスに百日咳毒素(Pertussis Toxin)(Kaketsuken、日本)500ngを腹腔内(i.p.)投与し、2日後に再び投与した。24時間ごとに疾患の重症度を記録した:0−正常;1−弛緩尾;2−歩行障害/不安定歩行;3−完全な後肢衰弱;4−後肢及び前肢麻痺;5−瀕死状態/死亡。プロトコールは、実験的アレルギー性脳脊髄炎の能動的誘導のためのNature Protocolsに基づいており、これは採点方法を含む:
Stromnes IM, Goverman JM (2006) Active induction of experimental allergic encephalomyelitis. Nat Protoc. 1(4):1810-9.
図1は、分子の塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フェニルプロパン−1−アミニウム(化合物I)のインビボ試験の結果を示す。EAEスコアは、尾麻痺及び四肢麻痺のような組織に関する疾患の進行の評価に関連しており、スコアが高いほど状態は悪い。スコア1は、尾緊張度の低下を示し、スコア2は、後肢の衰弱(不全対麻痺)を示し、スコア3は、後肢の麻痺及び/又は失調を示す。未処置動物は、疾患が継続的かつ進行的に悪化していることに留意されたい。対照的に、塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フェニルプロパン−1−アミニウム(化合物I)で処理した動物は、最高用量投与(30mg/kg、腹腔内)で急速(24時間以内)な症状の好転を示して、動物は4回の毎日の処置後に無病であると採点された。低用量では、動物の反応は遅かったが、全ての場合において、疾患の進行は停止して好転した。 図2は、観察された障害スコアと一致して、接種21日後(dpi)に、処置動物が、対照の体重レベルの96.6%に達する(19.9グラム対20.6グラム)正常体重増加への劇的な回復を示したことを示す。これは、21dpiの未処置EAE罹患動物の対照のレベルの86.4%までの体重の持続的低下(17.8グラム対20.6グラム)とは対照的である。 運動協調性及び後肢の強さもまた、マウスが水平バーを越える能力によって評価した(図3)。非罹患動物は、平均時間4.3±0.57秒でバーを越えた。9dpiから、EAEマウスは成績の急速な劣化を示し、続いて装置をつかみ続けることができくなった。驚くべきことに、塩化N−((2−アミノ−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フェニルプロパン−1−アミニウム(化合物I)処置によって、4つの処置群内でEAE罹患マウスの成績は対照レベルまで完全に回復した。

Claims (17)

  1. 式(I):
    Figure 2017528510

    で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩[式中、
    は、H及びCHから選択され、
    は、H、Cアルキル、C13アルキル及びC−フェニル(該フェニルは、場合によりOH又はOCHによって置換されている)から選択され、
    Xは、O又はSであり;そして
    Yは、C、N又はSである]。
  2. Xが、Oである、請求項1記載の式(I)の化合物。
  3. Yが、C又はNである、前記請求項のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  4. Yが、Nである、前記請求項のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  5. が、Hである、前記請求項のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  6. が、Cアルキル、C13アルキル及びC−フェニルから選択される、前記請求項のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  7. が、C−フェニルである、前記請求項のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  8. 請求項1記載の式(I)の化合物であって、
    Xが、Oであり、
    Yが、Nであり、
    が、Hであり;そして
    が、Cアルキル、C13アルキル及びC−フェニルから選択される、化合物。
  9. が、C−フェニルである、請求項8記載の式(I)の化合物。
  10. 医薬品として使用するための、式(I):
    Figure 2017528510

    [式中、
    は、H及びCHから選択され、
    は、H、Cアルキル、C13アルキル、(1R,2S,5S)−5−メチルシクロペンタ−3−エン−1,2−ジオール及びC−フェニル(該フェニルは、場合によりOH又はOCHによって置換されている)から選択され、
    Xは、O又はSであり、
    Yは、C、N又はSである]で示される化合物、並びにその薬学的に許容し得る塩及び溶媒和物。
  11. 請求項10記載の使用であって、
    が、H及びCHから選択され、
    が、H、Cアルキル、C13アルキル及びC−フェニル(該フェニルは、場合によりOH又はOCHによって置換されている)から選択され、
    Xが、O又はSであり、
    Yが、C、N又はSである、使用、並びにその薬学的に許容し得る塩及び溶媒和物。
  12. 自己免疫疾患の処置に使用するための、請求項10〜11記載の式(I)の化合物。
  13. 自己免疫疾患が、多発性硬化症である、請求項12記載の使用。
  14. 哺乳動物における自己免疫疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、ある量の請求項10〜11記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは溶媒和物を投与することを含む方法。
  15. 追加の治療剤と組合せた、請求項10〜11記載の式(I)の化合物。
  16. 治療剤が、患者の多発性硬化症損傷の影響の処置用の医薬品である、請求項15記載の組合せ。
  17. 前記請求項のいずれか一項記載の式(I)の化合物及び薬学的に許容し得る担体又は希釈剤を含む組成物。
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