JP2017525440A - スペクトル変調を用いたヘモグロビンの検出及びフォトプレチスモグラフィ - Google Patents

スペクトル変調を用いたヘモグロビンの検出及びフォトプレチスモグラフィ Download PDF

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Abstract

ヘモグロビン検出機器100は、スペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射をスペクトル選択的且つ周期的に変調周波数において放射又は検出し、検出される電磁放射を時間に応じて示す検出器信号を提供するように構成される、スペクトル的に調整可能なエミッタ−検出器ユニット102を含む。この機器は、検出器信号を受信し、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与えるように構成される信号処理ユニット116を更に含む。このヘモグロビン検出機器は、フォトプレチスモグラフィ用途にも使用され得る。

Description

本発明は、ヘモグロビン検出機器及びヘモグロビン検出方法に関する。本発明は、フォトプレチスモグラフィ機器及びフォトプレチスモグラフィ方法にも関する。
心血管の状態に関する情報、とりわけ血中酸素飽和度、心拍、呼吸数等の血液パラメータはフォトプレチスモグラフィ(PPG:photoplethysmography)によって取得され得る。PPGは、時間に応じた組織の体積変化の測定であるプレチスモグラムを光学的に取得するものである。
知られているPPGセンサは、ヘモグロビンの検出に基づく。米国特許第5,553,615A号は、PPG技法及びデータ処理を使用してヘマトクリット、即ち哺乳動物の血液中の赤血球の(体積に対する)パーセンテージを非侵襲的に直接予測するための方法及び機器について記載している。その方法は、1150〜2100ナノメートルの間のスペクトル範囲内の複数の波長を波長選択基準に従って選択するステップを含む。使用される異なる波長のそれぞれについて以下の波長選択基準の1つ又は複数が満たされなければならず、その基準とはつまり、1つの波長について水の吸収度が測定可能なピークにあり又はかかるピーク前後にあること、少なくとも1つの波長について、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの吸収度が予測可能であり、全ヘモグロビン量を表すこと、1つの波長について水の吸収度があらゆる形態のヘモグロビンの吸収度を大幅に上回ること、及び1つの波長についてあらゆる形態のヘモグロビンの吸収度が水の吸収度を大幅に上回ることである。米国特許第5,553,615A号の請求項28に規定されている方法は、様々な波長における測定済みの減衰光強度値からヘマトクリットの予測を決定するためのデータ処理ステップを更に含む。
反射性及び透過性のヘモグロビン検出技法のどちらも良く知られている。従来のPPGセンサは、特定の波長における吸収度の測定によって真皮及び皮膚の皮下組織への血液のかん流をモニタする。従来のヘモグロビン検出技法では、出力信号が、血液を介して透過される電磁放射からの所望の信号の寄与に加え、組織等の他の種及び血液のスロッシング、即ち静脈血移動による透過及び後方散乱によって生じるはるかに大きい信号の寄与を含む。静脈圧が低い血液は前後運動を伴って「スロッシング」し、かかる前後運動は個人の身体機能が活発なときに見られる。この静脈血の局所摂動は検出器信号のAC成分を増加させる。
国際公開第2007/140422 A2号では、標的組織内の組織酸素化、例えば酸素飽和度を計算するための方法及びシステムが開示されている。一部の実施形態では、その方法は(a)標的組織に入射放射線を向け、複数の放射波長において標的組織から反射される放射の強度を測定することによって標的組織の反射スペクトルを明らかにするステップと、(b)入射放射線が伝搬する皮膚及び脂肪層からの寄与を減らすために反射スペクトルの測定強度を補正するステップと、(c)補正済みの反射スペクトルに基づいて標的組織内の酸素飽和度を明らかにするステップと、(d)明らかにされた酸素飽和度の値を出力するステップとを含む。
本発明の目的は、所望の信号のとりわけ高い寄与を得ることを可能にし、フォトプレチスモグラフィにおいて使用され得るヘモグロビンの検出機器及び検出方法を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、ヘモグロビン検出機器が提供される。このヘモグロビン検出機器は、
− 変調周波数においてスペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射をスペクトル選択的且つ周期的に放射又は検出し、検出される電磁放射を時間に応じて示す検出器信号を提供するように構成されるスペクトル的に調整可能なエミッタ−検出器ユニットと、
− 検出器信号を受信し、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与えるように構成される信号処理ユニットと
を含む。
本発明の第1の態様のヘモグロビン検出機器は、出力信号に対する、エミッタ−検出器ユニットによって与えられる電磁放射へのヘモグロビンの所望の応答の有利に高い寄与を得ることを可能にする。
適切に選択されたスペクトル変調インターバルにわたるスペクトル変調された周期的な放射又は検出は、変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波に対応する周波数において、検出器信号に対するヘモグロビンによる所望の寄与を生ぜしめる。この所望の寄与は識別することができ、従って変調周波数の偶数次高調波であるその周波数により、検出器信号に対する他の不所望の信号の寄与から分離することができる。従って、不均一な高調波(uneven harmonics)を有する検出器信号への寄与を与える検出器信号に対する他の種の透過率の寄与とは無関係に、ヘモグロビンの透過率が明らかにされる。従って、このヘモグロビン検出機器は、ヘモグロビン、従って他の種と干渉する高い拒絶を有する血液を光学的に検出することを可能にする。
他の種とは、とりわけ生物、具体的には哺乳類、特に人間の表皮、真皮、及び脂肪を含む皮下組織である。動作に使用されるスペクトル範囲にもよるが、検討される他の種に水が属する場合も属さない場合もある。水はその透過率スペクトルにおけるスペクトル特徴を示し、かかるスペクトル特徴はとりわけ赤外スペクトル領域内の測定を乱し得るが、まして可視スペクトル領域内では言うに及ばない。
使用される波長変調は、検出器信号内の振幅変調を発生させる。従ってこの変換は測定量も変調する。このことは、検出器信号が低周波から高周波に移され、それにより、運動アーティファクトによって発生する不所望の寄与から所望の信号の寄与を分離する利点がある。良く知られているように、検査される人の運動は不所望の信号の寄与を発生させ、その不所望の寄与は今や所望の信号の寄与から分離され得る。
別の利点は、センサが自ら較正を行うことであり、変調周波数及びその高調波における検出器信号の振幅が振幅の測度、つまり検査されるサンプルによる減衰を与える一方、変調周波数及びその高調波における変調コントラストはヘモグロビン又は他の種による吸収度の測度を与える。
波長という用語は、本明細書では電磁放射の放射又は検出に関するスペクトル位置に言及するための一般用語として使用されるに過ぎない。例えばeVや波数の単位で与えられる電磁放射のエネルギ等、電磁放射の放射又は検出のスペクトル位置を表す任意の量が代わりに使用され得る。「異なる」波長に言及する場合、任意の時点における放射又は検出のスペクトルを単一の波長に限定するスペクトル幅に関する限定は意図しない。良く知られているように、電磁放射の一般的な供給源は、特定のスペクトル幅を有する放射を与える。更に、スペクトル選択的な検出は、各スペクトル位置における電磁放射の特定のスペクトル幅を可能にする。この点に関して、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波へのヘモグロビンによる有意な寄与を検出するのに適したスペクトル分解能をもたらす、放射及び検出の任意のスペクトル幅で十分である。
以下、ヘモグロビン検出機器の実施形態について説明される。
ヘモグロビン検出機器は、スペクトル変調インターバルにわたるエミッタ−検出器ユニットの周期的なスペクトル調整を好ましくは使用し、スペクトル変調インターバル内ではヘモグロビンが自らの透過率スペクトル内で特定のスペクトル特徴を示す。このスペクトル特徴は、少なくとも1つの偶関数によって与えられる有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性である。良く知られているように、偶関数f(x)はf(x)=f(−x)の特性を有する。同じスペクトル変調インターバル内で、波長に応じてプロットされる放射され検出される電磁放射にさらされる他の種のそれぞれの透過率を示す同じ量は、少なくとも1つの偶関数の有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性を示してはならない。本開示の中で示されるように、これらの基準は電磁放射のスペクトルの様々なインターバル内で満たされる。スペクトル変調インターバルを形成するのに適したかかるスペクトルインターバルでは、ヘモグロビン検出機器が、周波数領域内のヘモグロビン及び他の種からの信号の寄与のとりわけ高度な分離を実現する。
電磁放射にさらされるヘモグロビン及び他の種の反応において、少なくとも1つの偶関数による有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性を有するスペクトル特徴を感知することを可能にする任意の測度が、この実施形態によるヘモグロビン検出に使用され得る。典型的には、反応は電磁放射の吸収及び/又は散乱を含む。サンプルの吸収特性及び散乱特性を示す適切な測度は、例えば透過率である。所与の波長の電磁放射にさらされるサンプルの透過率は、その種を通過する電磁放射の強度比率の測度であり、従ってサンプルによる電磁放射の吸収の影響も散乱の影響も受けない。電磁放射の様々な吸収機構並びに弾性の及び非弾性の物理的な散乱機構がそれ自体で当業者に知られており、関連種のスペクトル依存性は入手可能であるか、又は測定によって明らかにされ得る。
スペクトル変調インターバル内のヘモグロビンの透過率のスペクトル依存性への分解に対する偶関数の有意な寄与は、変調周波数の少なくとも1つの偶数次高調波を伴うヘモグロビンによる検出器信号への有意な寄与を発生させ、従ってかかる寄与に対応する。
有意性を実現するのに必要な所与の偶数次高調波の寄与の定量化は、定型作業内で当業者によって決定される。具体的には、スペクトル変調インターバルの選択は有意な寄与の基準に影響を及ぼす。検出器信号のフーリエスペクトル内の変調周波数の選択された偶数次高調波において、ヘモグロビンだけが信号を与える(他の種は信号を与えない)場合、検出器信号内のそれぞれの高調波の有無を検出するのに必要な最小限の振幅と共に、検出器信号への有意な寄与が実現される。他方で、この状況を完全に実現することができず、選択された偶数次高調波において他の種が検出器信号に寄与することが分かっているスペクトル変調インターバルを使用する場合、有意性に関する他の基準が適用され得る。具体的には、選択された他の高調波の相対振幅に対する選択された偶数次高調波の相対振幅が、有意な寄与を識別するために使用され得る。一部の実施形態では、選択された偶数次高調波の相対振幅が、検出器信号のフーリエスペクトル内の変調周波数の他の全ての高調波の相対振幅よりも高い場合に有意性が与えられる。
この実施形態のヘモグロビン検出機器の上記の定義では、「波長に応じてプロットされる」という語句は透過率のスペクトル依存性を指すために使用されるに過ぎない。
エミッタ−検出器ユニットは、スペクトル変調インターバル内の様々なスペクトル位置において電磁放射を放射し検出することにより、ヘモグロビンの透過率のスペクトル依存性に対する偶関数の寄与を検出することを可能にするスペクトル分解能を与えるように構成される。
一部の実施形態では、少なくとも1つの偶関数による有意な寄与の特定のスペクトル特徴が、電磁放射に対するヘモグロビンの透過率を示す量の傾斜の符号の変化として更に説明され得る。つまり、ヘモグロビンの透過率スペクトルの傾斜がスペクトル変調インターバル内で正から負に、又は負から正に変わる。スペクトル変調インターバル内では、機器の動作中に放射される電磁放射にさらされる他の種の透過率を示す同じ量は、それぞれの傾斜の符号の変化を示さない。
傾斜の符号のどちらの方向の変化もスペクトル変調インターバルの選択に適している。従ってヘモグロビン機器によって使用されるスペクトル特徴は、一部の実施形態では、検討されているスペクトル変調インターバル内の透過率の極値、即ち極大又は極小の発生である。
スペクトル特徴が極大か極小かは、ヘモグロビンの透過率の指示として測定される特定の量にも依存する。例えば、ヘモグロビンの吸収度はヘモグロビンの透過率を示すのに対し、物質の吸収度及び透過率は相互補完的なスペクトル特徴を概して示し、透過率が極小を示すスペクトル位置において吸収度が極大を示すことを意味する。スペクトル変調インターバル内のヘモグロビンの透過率を示す任意の量が使用され得る。
ヘモグロビン検出機器の一部の実施形態は、オキシヘモグロビンとも呼ばれ、結合酸素を有するヘモグロビンである酸化ヘモグロビンを検出するように構成される。そのために、エミッタ−検出器ユニットは、スペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射をスペクトル選択的に放射し又は検出するように構成され、スペクトル変調インターバル内では、波長に応じてプロットされるオキシヘモグロビンの透過率を示す量が、例えば反対符号の傾斜の形を取る、スペクトル依存性に対する偶関数の有意な寄与を示し、波長に応じてプロットされる表皮、真皮、皮下組織等の他の種のそれぞれの透過率を示す量が、先に言及されたそれぞれの傾斜の符号の変化等、スペクトル依存性に対する偶関数の有意な寄与を示さない。
他の実施形態は、結合酸素無しのヘモグロビンであるデオキシヘモグロビンを追加で又は代替的に検出するように構成される。そのために、エミッタ−検出器ユニットは、スペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射をスペクトル選択的に放射し又は検出するように追加で又は代替的に構成され、スペクトル変調インターバル内では、波長に応じてプロットされるデオキシヘモグロビンの透過率を示す量が、例えば反対符号の傾斜の形を取る、スペクトル依存性に対する偶関数の有意な寄与を示し、波長に応じてプロットされる例えば表皮、真皮、皮下組織等の他の種のそれぞれの透過率を示す量が、先に言及されたそれぞれの傾斜の符号の変化等、スペクトル依存性に対する偶関数の有意な寄与を示さない。
酸化ヘモグロビンの検出に適しているが、脱酸素化ヘモグロビンの検出には適していない実施形態では、スペクトル変調インターバルが、酸化ヘモグロビンだけの適切なスペクトル特徴が入手可能な416nm、516nm、540nm、又は576nmの波長を好ましくは含む。
脱酸素化ヘモグロビンの検出に適しているが、酸化ヘモグロビンの検出には適していない実施形態では、スペクトル変調インターバルが、脱酸素化ヘモグロビンだけの適切なスペクトル特徴が入手可能な434nm、736nm、又は758nmの波長を好ましくは含む。
一部の実施形態では、透過率を示す量は、測定されるサンプルを透過する電磁放射の強度、又は測定されるサンプルの領域から後方散乱される電磁放射の強度である。最初の事例では、測定されるサンプルは例えば耳たぶである。第2の事例では、測定されるサンプルは例えば指や腕である。他の実施形態では両方の量の組合せが使用され得る。
ヘモグロビン検出機器の一実施形態では、スペクトル変調インターバルであって、その中でヘモグロビンの透過率を示す量が先に言及された反対符号の傾斜等、スペクトル依存性に対する偶関数の有意な寄与を示す、スペクトル変調インターバルが、一部の実施形態では共鳴線形を有する吸収ピークの形を取り得る、吸収度の局所ピーク又は局所極小を酸化ヘモグロビンが示す波長を含む。
電磁放射が与えられるスペクトル変調インターバルの様々な適切な中心波長は、オキシヘモグロビンの416nm、512nm、542nm、560nm、576nm付近のスペクトル的に狭い吸収度の極値にある。スペクトル変調インターバルは、所望の信号の変動を発生させる可能性がある不所望のスペクトル特徴をスペクトル変調インターバル内に含めることを回避するのに十分小さくなければならない。他方で、スペクトル変調インターバルは、透過率量の傾斜の符号の変化を確実に検出できるようにするために十分広くなければならない。
適切なスペクトル変調インターバルの別の適切な種類の中心波長は吸収極小、例えば2つの吸収ピーク間の極小である。そのような一実施形態では中心波長が684nmである。オキシヘモグロビンは、このスペクトル領域内で広範な吸収極小を示す。従って、透過率量の傾斜の符号の変化を確実に検出できるようにするために、スペクトル変調インターバルがより広い幅で適切に選択される。
ヘモグロビン検出機器の実施形態は、スペクトル変調インターバル内で検出される電磁放射の強度に応じた電気信号として検出器信号を与えるように構成される、ソリッドステート検出器装置を含む検出器ユニットと共にエミッタ−検出器ユニットを有する。適切な検出器装置は、スペクトル変調インターバル内の電磁放射による照射に応じて電気信号を生成するのに適したフォトダイオードや他の装置である。
出力として提供するのに最も適した高調波成分は、検出に使用されるスペクトル特徴の特異性によって決まる。
一部の実施形態では、信号処理ユニットが、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波だけの寄与を出力信号として与えるように構成される。この実施形態はとりわけ単純であり、スペクトル変調インターバル内のヘモグロビンの透過率の単一の極大又は極小を確実に検出できるようにする。スペクトル変調インターバルが3つの局所的極値、即ち傾斜符号の符号の3回の変化を含む場合、優勢な4次高調波が生じ、ヘモグロビンを検出するために使用され得る。
一実施形態はスペクトル整列ユニットを含み、スペクトル整列ユニットは、固定中心波長前後の候補となる様々なスペクトル変調インターバルを検査することによりスペクトル整列プロセスを行う際に変調制御ユニットを制御するように構成され、スペクトル変調インターバルは様々な上方境界又は下方境界の波長を有する。更に、スペクトル整列ユニットは、候補となる様々なスペクトル変調インターバルについて受信されるそれぞれの検出器信号から最適なスペクトル変調インターバルを決定するように好ましくは構成され、最適なスペクトル変調インターバルでは、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波の寄与が相対的に最も大きい。スペクトル整列ユニットは、変調制御ユニットによるヘモグロビン検出のための規則的操作に使用されるスペクトル変調インターバルとして最適なスペクトル変調インターバルを選択するように好ましくは更に構成される。
様々な実施形態を実施するために、様々な種類のエミッタ−検出器ユニットが使用され得る。
優れた信号対雑音比を実現するために、選択されたスペクトル変調インターバル内の少なくとも3つの異なる波長において電磁放射を提供し又は検出し、それにより透過率がスペクトル位置間でとりわけ高いコントラストを示すようにエミッタ−検出器ユニットが好ましくは構成され、透過率は極値と、その極値の波長に比べて高い波長及び低い波長にあるスペクトル位置とを呈する。例えば、単一の共鳴ピークに対応する又は単一の共鳴ピークのものに似た線形を有する典型的な吸収特徴を検討し、3つの波長はスペクトル位置a)、b)、及びc)において適切に選択されても良く、ヘモグロビンの透過率の傾斜はスペクトル位置a)では正であり、スペクトル位置b)では負であり、スペクトル位置c)ではゼロ又はほぼゼロであり、スペクトル位置c)はスペクトル位置a)及びb)の波長間の波長に対応する。このようにして、実質的な偶関数の寄与(substantial even functional contribution)を有するヘモグロビン透過率スペクトルの吸収特徴を形成するそれぞれの極値が、所与の変調期間中の吸収特徴(中央のスペクトル位置)の両端(外側のスペクトル位置)及びピーク又はピーク付近について検査される。このようにして透過率の極値を含むスペクトル変調インターバルを走査するとき、出力信号の優れた信号対雑音比をもたらす透過率の高コントラスト比が実現され得る。ヘモグロビンのそれぞれの透過率値のとりわけ大きい差を相対的に与える波長を選択することにより、コントラスト比は特に高くされ得る。あらゆる形態のヘモグロビン、とりわけオキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン、機能不全のヘモグロビン、一酸化炭素ヘモグロビン(CoHb)、メトヘモグロビン(MetHb)、及びスルフヘモグロビン(SulfHb)の透過率スペクトルはそれ自体知られているので、適切な波長の選択は、ヘモグロビン検出機器の特定の実施形態の設計段階で行われ得る設計上の選択である。
但し、測定に使用される外側のスペクトル位置a)及びb)における傾斜が反対符号を有することは必要条件ではないことに留意すべきである。この要件を満たすべきなのは、選択されたスペクトル変調インターバル全体としてに過ぎない。この点について説明する一例として、3つの異なる選択波長が及ぶ選択されるスペクトル変調インターバルは、ヘモグロビン種の透過率の傾斜の符号が変化する要件を満たし得るが、測定に使用される3つの全てのスペクトル位置(即ち3つの異なる波長)は、それぞれのゼロの傾斜、測定される外側の両方のスペクトル位置について正の傾斜、更にはヘモグロビンの透過率スペクトル内で使用される3つの全てのスペクトル位置について正又は負の傾斜を示す。選択されるスペクトル変調インターバルが、ヘモグロビン検出測定内で放射され検出される電磁放射にさらされる他の種、とりわけ表皮、真皮、及び皮下組織のスペクトル特徴に比べてヘモグロビンに固有のスペクトル特徴を含むことだけが重要である。
一部の実施形態では、エミッタ−検出器ユニットがスペクトル的に調整可能なエミッタユニットを含み、かかるエミッタユニットは、電磁放射を様々な波長で選択的に与えるように構成される。かかる実施形態では、エミッタユニットによって放射され、対象者の血液及び表皮、真皮、皮下組織等の他の種によって散乱される電磁放射の量を時間に応じて示す検出器信号を与えるように構成される検出器ユニットが好ましくは使用される。
スペクトル的に調整可能なエミッタユニットを有するかかる実施形態は、様々なやり方で実装され得る。ヘモグロビン検出機器のかかる一実施形態では、エミッタユニットが少なくとも1個の調整可能なソリッドステートエミッタを含む。例は、調整可能なLED、調整可能なOLED、又は調整可能なレーザダイオードである。
スペクトル的に調整可能なエミッタユニットを含む別の実施形態では、それぞれのソリッドステートエミッタが、スペクトル変調インターバル内の1つの固定波長を与え、変調期間のそれぞれの段階において異なるソリッドステート光エミッタのそれぞれを活性化するために、エミッタユニットが複数の異なるソリッドステートエミッタを含む。
スペクトル的に調整可能なエミッタユニットを有するヘモグロビン検出機器の別の改変形態は、互いに重複する放射スペクトルを有する複数の異なるソリッドステートエミッタを含む。この改変形態では、異なるソリッドステートエミッタのそれぞれの個々の相対強度が変調期間のそれぞれの段階において変えられる。これは、例えば一実施形態ではエミッタごとに1つの複数の並列信号を含むベクトル信号である強度制御信号によって実現され得る。
スペクトル的に調整可能なエミッタユニットの更に別の改変形態は、スペクトル変調インターバルにわたる複数の選択可能な異なる波長のうちの1つにおいて電磁放射を通すように構成される調整可能な光学フィルタを含む。この改変形態では、エミッタユニットが、スペクトル変調インターバルに及ぶ固定放射スペクトルを有する電磁放射を与えるように構成されるエミッタを好ましくは含む。
ヘモグロビン検出機器の別の実施形態群では、エミッタ−検出器ユニットがスペクトル的に調整可能な検出器ユニットを含み、その検出器ユニットは、様々な波長において電磁放射を選択的に検出し、エミッタユニットによって放射され、対象者の血液及び他の種によって散乱されるスペクトル的に選択される電磁放射の量を時間に応じて示す検出器信号を与えるように構成される。
この群の一実施形態では、検出器ユニットが調整可能な光学フィルタを含み、その光学フィルタは、例えば受信される調整制御信号に応じて、スペクトル変調インターバルにわたる複数の選択可能な異なる波長のうちの1つにおいて電磁放射を通すように構成される。この実施形態の別の改変形態は、格子モノクロメータ、プリズムモノクロメータ、調整可能な液晶光学フィルタ、光学帯域フィルタの適切に選択された適時シーケンス等、別の調整可能なフィルタの代替策を使用する。
ヘモグロビン検出機器のこの実施形態群の一部の改変形態では、エミッタユニットがエミッタを含み、そのエミッタは、スペクトル変調インターバルに完全に及ぶ固定放射スペクトルを有する電磁放射を与えるように構成される。
スペクトル的に調整可能なエミッタユニットとスペクトル的に調整可能な検出器ユニットとの組合せが考えられ、例えば検出器信号に対する不所望の信号の寄与の特に高い抑制を実現するために、一部の実施形態では有利であり得る。
一部の実施形態は変調制御ユニットを更に含み、その変調制御ユニットは、それぞれの変調期間中にスペクトル変調インターバルに及ぶ、エミッタ−検出器ユニットによる電磁放射のスペクトル的に変調された放射又は検出を駆動するための変調周波数fにおいて周期的である調整制御信号を与えるように構成される。
調整制御信号及び検出器信号を受信するロックイン増幅器を含む信号処理ユニットを使用し、周波数固有の信号処理が行われ得る。別の実施形態では、ロックイン増幅器の代わりに同期検波器が使用される。更に別の実施形態では、変調周波数の所定の偶数次高調波を中心とする帯域フィルタが使用される。別の実施形態は、帯域フィルタと同期検波器のロックイン増幅器との組合せを含む信号処理ユニットを有する。
エミッタユニット内で使用される成分及び検出器ユニット内で使用される成分は、誤った検出結果を回避するために設計内で考慮される必要があるスペクトル特性を概して有することを指摘しておく。例えば、測定量の透過率ピーク前後の一定の感度ピークを有するフォトダイオード等の検出器は、ヘモグロビンが無くてもヘモグロビンの検出を誤って示す場合がある。補正ユニットの必要性を回避するために、かかる問題は、選択されたスペクトル変調インターバル内のそのスペクトル特性に鑑みて、適切なエミッタ及び検出器成分を適切に選択することによって処理され得る。しかし、放射強度及び検出器感度内の特定の傾斜は回避できない場合がある。従って、必要な場合は本開示の実施形態の何れも補正ユニットによって拡張されても良く、補正ユニットは電磁放射の放射又は検出に使用される成分のスペクトル特性を補償するように構成される。検出側では、補正ユニットは信号処理ユニットの初期段階の1つとして実装され得る。補正ユニットは、放射強度及び検出感度の既知のスペクトル依存性に起因する信号歪みを補正する。別の可能性は、変調期間内で使用される様々な波長においてエミッタユニットによって与えられる電磁放射の強度を制御するための、例えば調整制御ユニットの一部としての放射側のスペクトル予等化段階である。このようにして、エミッタ及び検出器の両方の特性の補償が実現され得る。予等化段階は、強度の事前設定に基づくことができ、又は実際のヘモグロビン検出測定に使用されるのと同じ種類の追加の検出器を有するフィードバックループを使用し得る。
別の実施形態では、変調周波数を有し、従って「搬送波」信号だと見なされ得る検出器信号の成分を使用し、実際の所望の信号を含む2次高調波又は更に高い偶数次高調波の信号の寄与の少なくとも1つに信号補正を加えるように補正ユニットが追加で又は代替的に構成される。この実施形態は、「搬送波」信号、及び所望の信号を含むより高周波の「側波帯」信号の両方が運動アーティファクト等の歪みの影響を同じように受ける可能性があるという認識に基づく。従って、変調周波数において検出される時間に応じたエンベロープ振幅は、「側波帯」信号に加えられる信号補正を導き出すための基礎を提供し得る。一実施形態では、信号補正は、「搬送波」信号のエンベロープが定型操作によって適切に選択され得るスケーリング因子によって修正されることである。
ヘモグロビン検出機器の有利な応用事例はフォトプレチスモグラフィ機器であり、かかるフォトプレチスモグラフィ機器は、本発明の第1の態様又はその実施形態の1つによるヘモグロビン検出機器を含み、出力信号を受信し、心血管状態情報、とりわけ血中酸素飽和度、心拍、及び呼吸数をその出力信号から明らかにし、提供するように構成されるPPG評価ユニットを更に含む。
本発明の第2の態様によれば、ヘモグロビン検出方法が提供される。この方法は、
− それぞれの変調期間中にスペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射のスペクトル選択的な放射及び検出を変調周波数において周期的に行うステップと、
− 検出される電磁放射を時間に応じて示す検出器信号を提供するステップと、
− その検出器信号を処理し、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与えるステップと
を含む。
本発明の第2の態様の方法は、本発明の第1の態様のヘモグロビン検出機器の利点を共有する。
この方法の一実施形態は、
− スペクトル的に調整可能なエミッタ−検出器ユニットを提供するステップと、
− 変調周波数において周期的である調整制御信号をエミッタ−検出器ユニットに与え、それによりそれぞれの変調期間中にスペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射の周期的且つスペクトル選択的な放射及び検出を駆動するステップであって、スペクトル変調インターバル内では、波長に応じてプロットされるヘモグロビンの透過率を示す量が、少なくとも1つの偶関数による有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性を示す一方、波長に応じてプロットされる放射され検出される電磁放射にさらされる他の種のそれぞれの透過率を示す量が、少なくとも1つの偶関数の有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性を示さない、駆動するステップと、
− 検出される電磁放射を時間に応じて示す検出器信号を提供するステップと、
− その検出器信号を処理し、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与えるステップと
を含む。
本発明の第2の態様のヘモグロビン検出方法の有利な応用事例は、本発明の第2の態様又はその実施形態の1つによるヘモグロビン検出方法を含み、心血管状態情報を出力信号から求め、提供するステップを更に含むフォトプレチスモグラフィ方法である。
請求項1の中でも定められる本発明の第1の態様のヘモグロビン検出機器、本発明の第2の態様又は請求項14に記載のヘモグロビン検出方法は、とりわけ従属請求項2乃至13の中で定められている同様の及び/又は同一の実施形態を有することが理解されるべきである。
ヘモグロビン検出機器及びPPG機器の一実施形態のブロック図を示す。 ヘモグロビン検出機器及びPPG機器の別の実施形態のブロック図を示す。 本発明によるヘモグロビン検出機器及びPPG機器の動作原理についての説明図である。 本発明によるヘモグロビン検出機器の実施形態のエミッタユニットの概略的ブロック図を示す。 本発明によるヘモグロビン検出機器の実施形態のエミッタユニットの概略的ブロック図を示す。 本発明のヘモグロビン検出機器を実装するのに適したスペクトル範囲を示すための、200ナノメートルから1000ナノメートルの間のスペクトル範囲内のヘモグロビン及び酸化ヘモグロビンの透過率特性を示す図である。 本発明によるヘモグロビン検出及びPPGを実施するのに適したスペクトル範囲を識別するために、血液の吸収特性をメラノソーム、真皮、及び皮膚の吸収特性と比較する。 ヘモグロビン検出機器及びPPG機器の実施形態で使用するのに適したスペクトル変調インターバルを示す、図6のスペクトルの一区分である。 ヘモグロビン検出機器の実施形態を実装するためのスペクトル変調インターバルを示す、図8と同じ図6のスペクトルの一区分を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態を実装するためのスペクトル変調インターバルを示す、図8と同じ図6のスペクトルの一区分を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態を実装するためのスペクトル変調インターバルを示す、図8と同じ図6のスペクトルの一区分を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態を実装するためのスペクトル変調インターバルを示す、図8と同じ図6のスペクトルの一区分を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態を実装するためのスペクトル変調インターバルを示す、図8と同じ図6のスペクトルの一区分を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態の実装における、所与の同一スペクトル変調インターバル内の適切な波長の代替的な組を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態の実装における、所与の同一スペクトル変調インターバル内の適切な波長の代替的な組を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態の実装における、所与の同一スペクトル変調インターバル内の適切な波長の代替的な組を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態の実装における、所与の同一スペクトル変調インターバル内の適切な波長の代替的な組を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態の実装における、スペクトル変調インターバルに関する検出器信号の周波数分布の例を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態の実装における、スペクトル変調インターバルに関する検出器信号の周波数分布の例を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態の実装における、スペクトル変調インターバルに関する検出器信号の周波数分布の例を示す。 ヘモグロビン検出機器の実施形態の実装における、スペクトル変調インターバルに関する検出器信号の周波数分布の例を示す。 ヘモグロビン検出方法の一実施形態を示す流れ図である。 フォトプレチスモグラフィ方法の一実施形態の流れ図である。
図1〜図3の以下の説明は、図1及び図2に示されている本開示によるヘモグロビン検出機器及びPPG機器の実施形態の構造をまず扱う。その後、それらの実施形態の機能が、図3で与えられる両方の実施形態に共通の動作原理の説明図に関して説明される。
図1は、ヘモグロビン検出機器100及びPPG機器120の一実施形態のブロック図を示す。ヘモグロビン検出機器はPPG機器120によって完全に含まれる。
ヘモグロビン検出機器100は、スペクトル的に調整可能なエミッタユニット104及び検出器ユニット106を含む、スペクトル的に調整可能なエミッタ−検出器ユニット102を含む。
スペクトル的に調整可能なエミッタユニット104は、変調制御ユニット108から入力を受信する。より詳細には、変調制御ユニット108は調整制御信号を生成し、エミッタユニット104に与える。調整制御信号は変調周波数において周期的である。一実施形態では、変調制御ユニット108が、発振器及び放射を駆動するためのドライバを含む。改変形態では、ドライバが変調制御ユニット108ではなくエミッタユニット104によって含まれる。
この実施形態では、エミッタユニット104に与えられる周期的な調整制御信号が、それぞれの変調期間中にスペクトル変調インターバルに及ぶ電磁放射のスペクトル変調放射を駆動するのに役立つ。受信される調整制御信号に応答し、エミッタユニット104は、調整制御信号によって決定される様々な波長でスペクトル選択的に電磁放射を放つ。但し、変調制御ユニットによって生成される調整制御信号を与えることは必要条件ではない。所望の周期的なスペクトル変調放射を与えるための他の解決策が使用されても良い。
様々な波長は、スペクトル変調インターバルに及ぶ。スペクトル変調インターバルは以下の基準に従って選択される。
a)波長に応じてプロットされるヘモグロビンの透過率を示す量が、このスペクトル変調インターバル内の反対符号の傾斜を示す。
b)更に、波長に応じてプロットされる表皮、真皮、及び皮下組織のそれぞれの透過率を示す量が、このスペクトル変調インターバル内のそれぞれの傾斜の符号の変化を示さない。
スペクトル変調インターバル内で放射される電磁放射が、破線の矢印110によって図示されている。ヘモグロビン検出機器100は、それ自体が当技術分野で知られている後方散乱モードで機能する。ヘモグロビンを含む血管に到達するために、電磁放射110が表皮、真皮を透過して皮下組織、即ち指112の皮下組織に到達する。ヘモグロビンは通常、表皮、真皮、及び血管とは異なる皮下組織の部分にはない。指112の照射組織によって後方散乱され、言及済みの指112の組織領域を透過した後で検出器ユニットに到達する、当たっている電磁放射の一部が図1の中で参照番号114を有する破線の矢印によって図示されている。後方散乱される電磁放射は、検出器ユニット106によって検出される。検出器ユニット106は、選択されたスペクトル変調インターバルによって対象として含まれる全スペクトル内で感知可能であり、即ち受信される電磁放射を検出するように構成される。検出器ユニット106は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタを含む。この実施形態の或る改変形態では、周辺光を阻止するために、実質的に選択されたスペクトル変調インターバル内でのみ光が通過することを可能にする帯域フィルタを検出器が備える。しかしこれは必要条件ではない。
従ってこの実施形態では、スペクトル変調インターバル内の波長に応じた言及済みの指112の組織領域の透過率を明らかにすることを可能にする、スペクトルの選択性及び調整可能性がヘモグロビン機器100のエミッタユニット104によって与えられる。従って、検出器ユニット106に調整制御信号を与える必要はない。
ヘモグロビン検出機器100は、検出器ユニット106によって与えられる検出器信号を受信するように構成される信号処理ユニット116を更に含む。更に、信号処理ユニット116は、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与えるように構成される。信号処理ユニット116を実装する別のやり方が図3の説明に関して記載される。
動作面では、波長が変調された光が皮膚に向けられ、その透過又は反射が検出器ユニット106によって検出される。検出器信号、例えば検出された光電流が信号処理ユニットによって処理される。処理は、例えば増幅やADCによるデジタル領域への変換を含む。調整可能なエミッタユニット104の変調も制御する変調制御ユニットから自らの基準周波数を受信するデジタルロックイン増幅器が、所望の信号を不所望の信号から分離する。ロックイン検出器は、当然ながらアナログ領域内で実装されても良い。
ヘモグロビン検出機器100の様々な機能ユニットの基礎を成す動作の詳細について、図3に関して以下で更に説明される。
ヘモグロビン検出機器100の改変形態は、スペクトル整列ユニット118を追加で含み、スペクトル整列ユニット118は、図1では任意選択的であることを示すために破線の輪郭を有する四角形によって表わされている。ヘモグロビン検出機器の動作原理について図3に関して説明した後、スペクトル整列ユニットの機能について以下で更に説明される。
同じく図1に示されている別の実施形態では、ヘモグロビン検出機器100が、参照番号120によって言及されるPPG機器の内蔵コンポーネントを形成し得る。信号処理ユニット116によって与えられる出力からPPG情報を求めるために、PPG評価ユニット122を更に設けることによってPPG機器120を形成するようにヘモグロビン検出機器100が拡張され、PPG評価ユニット122は、信号処理ユニット116によって与えられるヘモグロビン検出機器100の出力信号を受信し、心拍情報、酸素飽和度情報や他の情報等の心血管状態情報をその出力信号から求め、自らの出力において提供するように構成される。
図1に示されているヘモグロビン検出機器100及びPPG機器120の動作についての詳細な説明に移る前に、ヘモグロビン機器200及びPPG機器220の代替的実施形態が図2に関して説明される。
図2は、ヘモグロビン検出機器及びPPG機器の別の実施形態のブロック図を示す。ヘモグロビン検出機器200は図1のものと同様である。従って、以下の説明では図1の実施形態と図2の実施形態との違いに焦点を当てる。
ヘモグロビン検出機器200では、スペクトル変調インターバル内の波長に応じた血管を含む組織領域の透過率を明らかにすることを可能にする、スペクトルの選択性及び調整可能性がヘモグロビン機器200の検出器ユニット206によって与えられる。
従って図1のヘモグロビン検出機器100とは対照的に、図2のヘモグロビン検出機器200は、所定のスペクトル変調インターバルに及ぶ固定放射スペクトルを有する電磁放射210を与えるように構成されるエミッタユニットを有する。更に、ヘモグロビン検出機器200のエミッタ−検出器ユニット202の検出器ユニット206はスペクトル的に調整可能である。言い換えれば、検出器ユニット206は、調整制御信号に応じて、選択されたスペクトル変調インターバル内の様々な波長において電磁放射を検出する際のスペクトルの選択性及び調整可能性を与えるように構成される。
図1の実施形態に対する更なる違いは、このヘモグロビン検出機器が透過モードで動作するように構成されることであり、透過モードでは、非限定的な例として耳212の耳たぶである組織を経て電磁放射が透過される。つまり、スペクトル的に調整可能な検出器ユニットは、エミッタユニットによって放たれ、耳212の耳たぶの真皮、皮下組織、及び血管によって透過モードで散乱され、検出器ユニットによってスペクトル的に選択される(例えばフィルタされる)電磁放射の量を時間に応じて示す検出器信号を与えるように構成される。
透過モード又は後方散乱モードの使用は、スペクトルの選択性及び調整可能性をもたらすのに使用される技法とは独立に行われ得る製品設計上の選択であることを指摘しておく。図示の動作モード、即ち透過モード又は後方散乱モードの他方を用いた動作のためにヘモグロビン検出機器100及び200の改変形態が構成される。
検出器ユニット206におけるスペクトルの選択及び調整を実現するために、図2のヘモグロビン検出機器200の変調制御ユニット208が調整制御信号を検出器ユニット206に与える。エミッタユニット204に調整制御信号を与える必要はない。スペクトルの選択及び調整は、格子モノクロメータ又はそれ自体が知られている他の任意の技法により、スペクトル的に調整可能なフィルタによって実現され得る。
信号処理ユニット216によって行われる信号処理は、図1の実施形態の信号処理と同一であり得る。
図1の実施形態にあるように、スペクトル整列ユニット218を設ける選択肢もある。
更に一実施形態では、ヘモグロビン検出機器200が図2にも示されているPPG機器220の一体部分を形成し、ヘモグロビン検出機器200によって与えられる出力から心血管状態情報を求めるためのPPG評価ユニット222を更に含む。
図3は、本開示、具体的には図1及び図2の実施形態によるヘモグロビン検出機器及びPPG機器の動作原理についての説明図である。図3は、ナノメートル単位の波長λに応じてプロットされる、任意選択的な線形ユニットで酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルの一区分を表す図を示す。酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルは参照番号302によって示されている。図3の図表にはメラニンの吸収スペクトル304も示されている。メラニンは、ヘモグロビン検出測定において、従ってフォトプレチスモグラフィにおいても主たる干渉種を形成する。メラニンは、表皮、真皮、及び皮下組織によって含まれ、ヘモグロビンとは異なる任意の種を含むかかる干渉種の一例として示されている。
スペクトル変調インターバル306は、波長に応じたヘモグロビン吸収スペクトルの傾斜が反対符号を呈するスペクトル領域に及ぶように選択される。選択されているスペクトル変調インターバル306内では、酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルが極大302.1を有する共鳴吸収特徴を示す。従ってこの実施例では、共鳴吸収特徴の極大302.1のスペクトル位置を基準波長として取り、波長に応じた吸収度の傾斜はそれよりも小さい波長では正であり、それよりも大きい波長では負である。対照的に、メラニンの吸収スペクトルは、その傾斜の符号の変化が一切無くこのスペクトル変調インターバル内で継続的に低下している。他の種は不図示だが知られており、メラニンと同様の挙動を示すと想定され得る。
多くの実施形態において、実際に測定される量は吸収係数ではなく、サンプルの透過率を示す別の量である。良く知られているように、cm−1を単位とする吸収係数は測定されるサンプルの透過率に対して相補的である。吸収度が高ければ高いほど透過率は低くなる。従って、測定されるサンプルの透過率は図3に示されている極大302.1のスペクトル位置において極小を呈し、それよりも小さい波長及び大きい波長に向かう透過率特徴の傾斜は、吸収スペクトルに比べ透過率スペクトルにおいて逆になる。しかしこれは問題ではない。測定量における傾斜の符号の変化が生じることが問題である。
図1のヘモグロビン検出機器100では、スペクトル変調インターバル306に及ぶ、放射される電磁放射110の波長がエミッタユニット104によって与えられ、調整制御信号に従って変調される。図3に示されている説明のための実施例では、スペクトル変調インターバル306の下限及び上限を形成する波長λ及びλによって与えられるスペクトル限界内で、与えられる波長が周期的且つ継続的に変動する。これが図3の変動波形110.1によって示されており、変動波形110.1は、変調周波数f=1/Tに対応する変調期間Tを有する(縦座標方向の)時間に応じた(横座標に沿う)波長の表現として理解されるべきである。電磁放射110の発振スペクトル変調を提供することにより、透過される電磁放射114、従って検出器信号に対するメラニンの寄与114.2は、スペクトル変調インターバル306内のメラニンのほぼ線形の吸収スペクトルにより、入ってくる電磁放射の変調周波数に概ね集中する周波数領域内にある。対照的に、透過される電磁放射114に対する酸化ヘモグロビンの寄与114.1は、スペクトル位置302.1におけるその共鳴吸収特徴により、入ってくる電磁放射の変調周波数fの2次高調波周波数2fに周波数領域内で対応する変調期間T/2の顕著な寄与を有する変調を示す。
これは次のように実現される。スペクトル変調インターバル306にわたる波長の単一の変動期間中に吸収の共鳴ピーク302.1が2回走査され、それにより単一の変調期間内で2回の変動期間を有する信号の寄与を検出器信号に加える。従って、全体的な検出器信号に対する酸化ヘモグロビンの寄与が調整制御信号の変調周波数の2次高調波及び他の偶数次高調波によるその変調周波数によって識別可能にされる一方、メラニン(及び他の種)の寄与は、変調周波数及び変調周波数の他の奇数次高調波に等しいその変調周波数によって特徴付けられる。透過率の特定のスペクトル依存性にもよるが、2次高調波よりも高い小さい寄与の高調波が、ヘモグロビンを含む全ての種によって提供され得る。従って、検出器信号に対する様々な周波数の寄与を信号処理ユニット116内で分離することにより、信号処理ユニットの出力が、酸化ヘモグロビンによってほぼ単独で作り出される周波数成分2fの寄与を選択的に与える。
検出器信号に対するヘモグロビンの信号の寄与が、こうしてその変調周波数によって識別されても良く、検出器信号の他の周波数成分から分離され得る。分離は、同期検波によって又はロックイン技法を使用することによって信号処理ユニット116内で実現され得る。別の実施形態は、デジタルロックイン技法又はアナログロックイン技法を使用する。何れにせよ、変調制御ユニット108と信号処理ユニット116との間の対応する矢印、及び変調制御ユニット208と信号処理ユニット216との間の対応する矢印によって示されているように、信号処理ユニット116、216は変調制御ユニットによって与えられる調整制御信号も適切に受信する。変調周波数は、運動アーティファクトによって与えられる信号の寄与の既知の最大周波数との明確な分離が実現されるように選択される。
スペクトル的に変調される調整可能なエミッタ104を有する図1のヘモグロビン検出機器100の実施形態の事例に関して、本開示の実施形態によるヘモグロビン検出の実施について前の段落内で説明されている。動作原理は、図2のヘモグロビン検出機器200に見られるスペクトル的に変調される調整可能な検出器ユニット206の場合についても同じである。どちらの場合でも、透過率が変調制御ユニット108、208の制御下で周期的なやり方でスペクトル選択的に検出される。従って、図1の実施形態について上記で与えた説明は図2の実施形態にも当てはまる。
図1及び図2の例示的実施形態によって説明された技法はヘモグロビン、従って干渉種の高い拒絶を有する血液を検出できるようにする。使用されるスペクトル変調は、検出器信号の振幅の変調をもたらす。これには信号が低周波数から高周波数に移される利点があり、このことはヘモグロビンの検出、従ってPPGに使用される信号の寄与を、より低い周波数で概して生じる運動アーティファクトと分離する。この技法は、搬送波及び側波帯を作り出すものとしても説明され得る。側波帯は、PPGでは実際のPPG信号を導出することを可能にするメッセージを含むのに対し、搬送波はかかるメッセージを含まない。しかし、搬送波及び側波帯の両方が、アーティファクト等の伝送チャネルの変動に等しく影響される。従って一実施形態では、実際のPPG信号を含む側波帯信号が、搬送波の振幅を使用してチャネルの変動(動き)について補正される。
更に、使用される技法はAC結合を可能にし、信号処理に使用される電子機器内の貴重なダイナミックレンジを解放する。使用される技法の別の利点はセンサの原理が自己較正であることである。検出器ユニットによって受信される検出済みの搬送波信号の振幅は測定されるサンプルによる減衰の測度である一方、搬送波振幅の変調は所望のヘモグロビン検出又はPPG情報に関する測度である。
スペクトル変調インターバルを記載された基準に従って適切に選択し、スペクトル変調インターバル内の電磁放射に関するスペクトル選択的且つ調整可能な透過率情報を提供することにより、説明された技法は、所与の吸収特性又は透過率特性によるその特有の変調周波数によってヘモグロビンと異なる種を検出するためにも使用され得る。
図4及び図5は、本発明によるヘモグロビン検出機器の異なる実施形態のエミッタユニット400及び500の概略的ブロック図をそれぞれ示す。エミッタユニット400及び500は、様々な選択波長において電磁放射を選択的に与えるためにスペクトル的に調整可能である。従ってこれらのエミッタユニットは、図1のヘモグロビン検出機器100のエミッタユニット104として使用するのに適している。
図4のエミッタユニット400は、ドライバユニット402と、3個のソリッドステートエミッタ404、406、及び408とを含む。ソリッドステートエミッタ404、406、及び408のそれぞれは、ヘモグロビン検出機器による使用のために選択されるスペクトル変調インターバル内の1つの固定波長を提供する。「固定波長」という用語は、単一の波長を指すのではなく、ピーク波長及び適切な放射スペクトル幅を有する放射スペクトルを指す。エミッタユニット400の或る改変形態では、ソリッドステートエミッタのそれぞれが選択されたスペクトル変調インターバル306の異なる区分内にある状態で透過率情報を求めることを可能にするのに、ソリッドステートエミッタ404、406、及び408のスペクトル幅が十分小さい。そのような或る改変形態では、ソリッドステートエミッタ404、406、及び408がその放射スペクトルの実質的なスペクトル重複を一切有さず、そのため、選択されたスペクトル変調インターバル306内の3つの個別のスペクトル領域が検査され得る。この実施例が示すように、全スペクトル変調インターバルにわたる高スペクトル分解能により、選択されたスペクトル変調インターバル306内の透過率情報を得る必要はない。変調期間中の十分な信号コントラストを得るようにスペクトル変調インターバルの特定の区分又は波長を検査すれば十分である。波長の選択に関する別の代替的改変形態について図14〜図18に関して以下で更に説明される。
適切なソリッドステートエミッタ404から408の実施例は、発光ダイオード、有機発光ダイオード、及びレーザダイオードである。これらは、携帯型のヘモグロビン検出機器又はPPG機器の提供を可能にする小型装置として提供され得る。これらのエミッタは所望の任意の波長において、とりわけ可視スペクトル範囲内の様々なスペクトル帯域幅を有して市販されている。
ドライバユニット402は、変調期間のそれぞれの段階において異なるソリッドステートエミッタ404、406、及び408のそれぞれを活性化するスイッチングシーケンスの形で、変調制御ユニット108(図4には不図示)から調整制御信号を受信する。
3個のソリッドステートエミッタの代わりに、エミッタユニット400内では他の任意の数のソリッドステートエミッタが使用され得る。ソリッドステートエミッタの選択された数は、ヘモグロビンだけによってほぼ引き起こされるより高い周波数成分を有する所要量の所望のスペクトル透過率情報を得るために、図3に関して上記で与えた機能上の説明に従って適切に決められるべきである。図14〜図18の説明の脈絡で様々な例によって論じられるように、互いに重複しない放射スペクトルを有するソリッドステートエミッタの数は好ましくは3個以上である。異なる波長の電磁放射を放つ異なるソリッドステートエミッタを使用することの代替策として、対応する数の同一の広帯域エミッタが使用されても良く、それぞれの広帯域エミッタの後には、それぞれの選択波長だけ通すことを可能にする異なるスペクトル帯域フィルタが続く。
エミッタユニット400の代替的な改変形態では、ソリッドステートエミッタ404から408が、異なるピーク波長だが重複する放射スペクトルを有し、それらは一緒に選択されたスペクトル変調インターバルの所望の区分に及ぶ。従って、個々のソリッドステートエミッタの強度それぞれの加重和としての制御可能なピーク波長と共に、選択されたスペクトル変調インターバル内の調整可能な全体的放射スペクトルを与えるために互いに重複する放射スペクトルが使用され得る。この改変形態では、変調制御ユニット108が、変調期間のそれぞれの段階における異なるソリッドステートエミッタ404から408それぞれの個々の相対強度を決定する、強度制御信号の形でエミッタユニット400に調整制御信号を与えるように構成される。この改変形態では、互いに重複する発光スペクトルを有するソリッドステートエミッタの数は3個以上である。多数のソリッドステートエミッタは、より高いスペクトル分解能を有する透過率情報を実現することを可能にする。
エミッタユニット500の代替的実施形態が図5に示されている。この実施形態では、波長λと波長λとの間のスペクトル変調インターバル306にスペクトル的に及ぶ電磁放射の単一の広帯域エミッタ502の後に調整可能な光学フィルタ504が続き、この調整可能な光学フィルタ504は、調整制御信号に応じて、選択されたスペクトル変調インターバルにわたる複数の選択可能な異なる波長のうちの1つにおいて電磁放射を通すように構成される。調整可能なフィルタ506は、ドライバユニット506によって制御される。ドライバユニットは調整制御信号を受信する。このようにして、変調制御ユニット108の制御下でスペクトル変調インターバルの様々な波長にわたって掃引するためのスペクトル帯域フィルタとして光学フィルタ506を調整することにより、放射波長の変調が実現される。
これらの及び他の実施形態では、検出誤差を回避するためにエミッタ−検出器ユニットのスペクトル特性が考慮されることが重要である。具体的には、エミッタユニットによって与えられる総放射の強度が、ことによると波長の変調自体によって引き起こされる変調周波数の高調波を形成する周波数成分を含まないように気を付けるべきである。従って、フィードバック又はフィードフォワード(例えばルックアップテーブルによる手法)が必要であり得る。例えば4個の発光ダイオード(LED)が使用され、LED1及びLED3がLED2及びLED4よりも強い強度を放つと仮定されたい。この強度比の適切な補正無しの検出信号は、ヘモグロビンが見られようと見られまいと既に偶数次高調波を含む。従って、この状況ではLEDの強度が等化される必要がある。LED強度の等化はルックアップテーブルを用いて行われ得る。放射される光強度112を測定し、フィードバックループを使用してそれを等化することも可能である。別の実施例は、調整可能なフィルタの使用にある。これらは自らの通過帯域内で決して平らではなく、従って測定量に関係無く検出信号内の高調波を発生させる。
図6は、200ナノメートルから1000ナノメートルの間のスペクトル範囲内のヘモグロビン(Hb)及び酸化ヘモグロビン(HbO)の吸収特性を示す図である。図6からは、青色及び緑色のスペクトル範囲内で、更に684nm(赤色)前後で、吸収スペクトルの一部がヘモグロビンの吸収スペクトルの傾斜の符号の変化を示すことが見て取れる。吸収スペクトル内の候補となる適切な特徴が破線の楕円及びAからGの文字によって印付けされており、それぞれの吸収スペクトルの極大又は極小を含む。通常の健康な対象者では、動脈血の酸素飽和度が高いことにより、ヘモグロビンの吸収度がほぼ完全に酸化ヘモグロビン(HbO)によって決定されることに留意されたい。しかし、770ナノメートル前後の吸収ピークFは脱酸素化ヘモグロビンに固有であり、この種の有無を具体的に検出するために使用され得る。従って図6の図表は、本開示のヘモグロビン検出機器の実施形態を実装するために、候補となる適切なスペクトル範囲を識別することを可能にする。
候補となるスペクトル範囲内の様々な吸収スペクトルを比較することにより、候補となるスペクトル範囲が実際に実装に適しているかどうかが判定されなければならない。従って図7を更に参照する。図7では700によって示されている血液の吸収特性を、本開示によるヘモグロビン検出及びPPGを実施するのに適したスペクトル範囲A、B、C、D、E、F、及びGを識別する際に使用するための、メラノソームの吸収特性(702)、表皮の吸収特性(704)、及び皮膚の吸収特性(706)と比較する。適切なスペクトル範囲の好ましい中心波長は約418nm、512nm、542nm、560nm、576nm、及び684nmだが、スペクトル内の他の非線形部分もヘモグロビン検出機器の実施形態に使用され得る。それは如何なる非線形変換関数も常により高い高調波を発生させるからである。上記の波長を選択する主な理由は、そこで発生する傾斜の変化である。かかる変化は直接周波数倍増をもたらす一方、他の波長ではより低い振幅を有する3次高調波が発生する可能性が高い。
適切なスペクトル範囲AからE内ではヘモグロビンの吸収スペクトルの傾斜の符号の変化が認められるが、図示の干渉種については、これらのスペクトル範囲内でかかる符号の変化は認められない。
以下、図7の中で印付けされている適切なスペクトル範囲Cに基づき、適切なスペクトル変調インターバルの様々な例が図8〜図13を参照して解説される。
図8は、図6のスペクトルの一区分である。図8は、ヘモグロビン検出機器及びPPG機器の実施形態で使用するための、スペクトル範囲C内のスペクトル限界L11とL12との間の適切なスペクトル変調インターバルL1を示す。図8及び図9〜図13では、スペクトル変調インターバルL1〜L6のスペクトル限界が垂直の実線によって示されている。本発明の実施形態の動作原理を更に説明するために、3つのスペクトル位置P1〜P3が印付けされている。スペクトル位置P1〜P3における酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルに対するそれぞれの接線S1〜S3が、それらのスペクトル位置における吸収スペクトルのそれぞれの傾斜を示すために点線によって示されている。見て分かるように、傾斜はスペクトル位置P1では正であり、スペクトル位置P3では負であり、吸収スペクトルが極大を形成するスペクトル位置P2ではゼロである。スペクトル位置は、好ましくは検出信号強度を最適化し、検出器信号の所望の周波数成分における優れた変調コントラストを更に与えるスペクトル分解能と共に選択される。
図9〜図13に示されている様々なスペクトル変調インターバルL2〜L6の例が示すように、スペクトル領域C内のスペクトル吸収特徴にわたる適切なスペクトル変調インターバルについて様々な選択肢が存在する。グラフを簡潔にするために、図9〜図13では座標軸が省略されている。酸化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルの同一区分が示されているので、座標軸は図8のものと同じである。図示のスペクトル領域は、酸化ヘモグロビンのスペクトル内のスペクトル位置P2及びP4において2つの異なる共鳴吸収ピークを含み、そのそれぞれは図9及び図10に示されている適切なスペクトル変調インターバルL2及びL3の中心波長を形成し得る。下方の波長限界L3はスペクトル領域Cの局所極小を含むことを指摘しておく。これは認められるが、奇数次高調波にエネルギを「漏らし」、従って準最適な変調コントラストを与える。より優れた変調コントラストを得るために、局所極小を含めることは回避されるべきである。
図11に示されている別の改変形態は、P2及びP4における吸収ピークの両方に及ぶスペクトル変調インターバルL4を使用する。かかる形態は、変調周波数の4次高調波における周波数成分と共に、酸化ヘモグロビンによる検出器信号への所望の信号の寄与を実現することを可能にする。同じスペクトル変調インターバルL4内で、脱酸素化ヘモグロビンはスペクトル位置P5において単一の吸収ピークを示し、この吸収ピークは、変調周波数の2次高調波における周波数成分と共に信号の寄与を発生させる。これにより、検出器信号に対する酸化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンによる明確に分離可能な信号の寄与を得ることが可能になる。酸化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンによって生成される検出器信号の2つの異なる周波数成分は周波数フィルタリングによって分離され、血液の酸素飽和度の量を示す酸化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンの相対量の推定を求めるために使用され得る。図12及び図13は、酸化ヘモグロビンの吸収度のそれぞれの極小を含む、スペクトル変調インターバルの2つの更なる改変形態L5及びL6を示す。かかる極小は、検出器信号に対する2次高調波の寄与を生成するための極大としても等しく適している。スペクトル変調インターバルL5内の極小は酸化ヘモグロビンにしかなく、その種を単独で検出できるようにするのに対し、スペクトル変調インターバルL6は、スペクトル位置P2及びP4における酸化ヘモグロビンの吸収ピーク間の極小、並びにスペクトル位置P5における脱酸素化ヘモグロビンの吸収極大を含む。酸素飽和度に応じて、この改変形態では2次高調波における変調コントラストがより大きく又はより低くなる。このことは酸素飽和度の測度を得るために使用されても良い。
図14〜図17は、ヘモグロビン検出機器及びPPG機器の更なる改変形態を示す。より詳細には、図14〜図17は、図8の同じスペクトル変調インターバルL1に基づき、ヘモグロビン検出機器又はPPG機器の異なる実施形態を実装するのに適した波長の様々な代替的な組を示す。指針として、ヘモグロビン及び他の種の透過率を検査するための波長つまりスペクトル位置は、所与のスペクトル変調インターバルL1を選ぶことにより、ヘモグロビンを検出するために選択されている吸収特徴の異なる側にあるように選択されるべきである。
透過率を検査するために選択される1組の波長が、波長に応じた透過率が反対符号の傾斜を示すスペクトル位置に対応することは必要条件ではないことを指摘しておく。一例として、図14に示されている第1の改変形態で使用される波長W1〜W3は、吸収度(従って更に透過率)がゼロ又はゼロ前後のほぼ同一の傾斜を示すスペクトル位置P2における吸収極大にまたがるスペクトル位置にある。これらのスペクトル位置では、全ての位置が酸化ヘモグロビンの吸収スペクトル内の極値に対応する。波長W1〜W3を選択することによって実現される変調周波数の2次高調波における変調コントラストはむしろ高く、このことは有利である。
第2の改変形態として、図15は、スペクトル位置P2における吸収ピークの両側にある他の3つのスペクトル位置において、1組の検査波長W4〜W6を示す。3つの検査波長W4〜W6の全てについて、酸化ヘモグロビンの吸収スペクトル内の傾斜が負である。2次高調波における変調コントラストは、図14の改変形態に比べて幾らか低い。
図16に示されている検査波長W7〜W9の第3の組は、酸化ヘモグロビンの吸収スペクトル内の傾斜が正である3つのスペクトル位置を含む。2次高調波における変調コントラストは、図14の改変形態と同様である。
検査波長W10〜W12の第4の組は、スペクトル位置P2における吸収ピーク前後の密集したスペクトル位置にあるように選択される。この実施例では、実現される変調コントラストはむしろ低い。
説明された改変形態の何れかによって実現される変調コントラストは、透過率測定のスペクトル分解能にも依存する。検査波長間のスペクトル距離が大きい場合、且つ測定に使用されるヘモグロビンの吸収特徴のスペクトル線の幅が認める場合、高い変調コントラストを依然として実現しながら低いスペクトル分解能が使用され得る。
図18〜図21は、ヘモグロビン検出機器の異なる実施形態の実装における、様々なスペクトル変調インターバルに関する検出器信号の周波数分布の例を示す。
図18〜図21のそれぞれは、主要図と挿入図とを有する。それぞれの挿入図は、酸化ヘモグロビンの透過率を検査する(従って酸化ヘモグロビンを検出する)ために選択されるそれぞれのスペクトル変調インターバルを示すための、図6の中でHbOによって示されている酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルのそれぞれの区分のプロットである。スペクトル変調インターバルのそれぞれの限界は、挿入図の横座標における波長目盛へと下に延びる垂直の実線によって示されている。
図18〜図21のそれぞれの主要図は、変調周波数fに対する周波数fの比率に応じてプロットされる、検出器信号に対する寄与を形成する様々な高調波周波数成分の相対振幅I/Imaxを示す。つまり、主要図は、選択されるそれぞれのスペクトル変調インターバル内で測定するときに得られる、それぞれの検出器信号内の変調周波数の様々な高調波の相対振幅を示すフーリエスペクトルを示す。主要図内に示されている結果は、図示のそれぞれの吸収スペクトルに基づく、及び500Hzの変調周波数におけるスペクトル変調インターバルのそれぞれの限界間の連続した正弦波状波長変調に基づくシミュレーションから導出される。図示の例は、その基礎を成すパラメータの何れに関しても非限定的である。
図18の基礎を成すスペクトル変調インターバルは、そのスペクトル限界間に506.8nmの中心波長及び20nmのスペクトル幅を有する。このスペクトル変調インターバルは、3次高調波の振幅の二倍を上回る振幅を有する、変調周波数fの2次高調波の優勢な寄与と、その後に続く1次高調波及び4次高調波の更に弱い寄与、並びに第五高調波及び第六高調波の非常に弱い寄与をもたらす。
比較のために、スペクトル変調インターバルを僅かに修正するだけで図19によって示されている検出器信号の基礎が形成される。ここで使用されるスペクトル変調インターバルは、506.8nmの同じ中心波長を有するが、僅か10nmの減らされたスペクトル幅を有する。他の点では同じパラメータが使用される。この修正により、2次高調波以外の周波数成分の相対振幅が図18の実施例と比べて大幅に低減され、3次高調波及び1次高調波だけが、0.3未満及び0.2未満のそれぞれの相対的な寄与と共にフーリエスペクトル内で依然として認められる。従って、スペクトル変調インターバルのこの修正により、所望の出力信号の最適化が実現され得る。
図20の実施例の基礎を成すスペクトル変調インターバルは、そのスペクトル限界間に540.9nmの中心波長及び8nmのスペクトル幅を有する。このスペクトル変調インターバルは、変調周波数fの2次高調波によって実質的に単独で決定される検出器信号への酸化ヘモグロビンの寄与をもたらす。従って、このスペクトル変調インターバルは非常に有利な出力信号を実現する。その理由は、このスペクトル変調インターバル内では酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルがほぼ完璧に放物線関数によってフィットされ得る、即ち放物線関数に分解され得るからである。
図21の実施例の基礎を成すスペクトル変調インターバルは、そのスペクトル限界間に560nmの中心波長及び26nmのスペクトル幅を有する。このスペクトル変調インターバルは、変調周波数fの4次高調波において優勢な成分を有するが2次高調波による寄与はほぼない、検出器信号への酸化ヘモグロビンの寄与をもたらす。図6が示すように、脱酸素化ヘモグロビン(Hb)は、放物線関数の強い寄与による分解を有する吸収度をこのスペクトル変調インターバル内で有する。従って、この実施形態の検出器信号内に2次高調波があることは、脱酸素化ヘモグロビンがあることを示す。従ってこのスペクトル変調インターバルは、脱酸素化ヘモグロビン(2次高調波)と酸化ヘモグロビン(4次高調波)とを区別するために使用されても良く、従って周波数領域内のそれぞれの振幅を評価することにより、末梢毛細血管の酸素飽和度(SpOとも呼ばれる)の推定を求めることを可能にする。
次に以下の説明は、本開示の実施形態によるヘモグロビン検出方法及びPPG方法の実施形態を扱う。
図22は、ヘモグロビン検出方法の一実施形態を示す流れ図である。この方法は、スペクトル的に調整可能なエミッタ−検出器ユニットを使用することに基づき、それぞれの変調期間中にスペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射の周期的且つスペクトル選択的な放射及び検出を行うステップ1802を含む。スペクトル変調インターバルは、例えば波長に応じてプロットされるヘモグロビンの透過率を示す量が、少なくとも1つの偶関数による有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性をスペクトル変調インターバル内で示すという基準、及び波長に応じてプロットされる放射され検出される電磁放射にさらされる他の種のそれぞれの透過率を示す量が、少なくとも1つの偶関数の有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性をスペクトル変調インターバル内で示さないという基準に従って選択され得る。
次のステップ1804は、検出される電磁放射を時間に応じて示す検出器信号を提供するステップを含む。
更なるステップ1806は、検出器信号を処理し、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与えるステップを含む。
この実施形態の改変形態は、本明細書の上記で説明されたヘモグロビン検出機器の改変形態に対応する。
図23は、PPG方法の一実施形態を示す流れ図である。このフォトプレチスモグラフィ方法は、図22の実施形態によるヘモグロビン検出方法を行うことに基づく。従って、ステップ1902から1906はステップ1802から1806のそれぞれと同じである。この方法は、心血管状態情報を出力信号から求め、心血管状態情報を提供するステップ1908を更に含む。
この実施形態の改変形態は、本明細書の上記で説明されたヘモグロビン検出機器及びPPG機器の改変形態に対応する。
要約すると、ヘモグロビン検出機器は、スペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射をスペクトル選択的且つ周期的に変調周波数において放射又は検出し、検出される電磁放射を時間に応じて示す検出器信号を提供するように構成される、スペクトル的に調整可能なエミッタ−検出器ユニットを含む。この機器は、検出器信号を受信し、検出器信号に対する変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与えるように構成される信号処理ユニットを更に含む。このヘモグロビン検出機器はフォトプレチスモグラフィ用途で使用され得る。
本開示の実施形態によれば、ヘモグロビンの検出は、スペクトル的に変調された放射、又は変調された波長にさらされるヘモグロビン及び他の種の透過率の検出によって、並びに帯域フィルタリング、同期検波器、ロックイン増幅器等の位相又は周波数固有の検出手段によって実現される。偶数次高調波を発生させる任意の非線形変換関数は、選択されたスペクトル変調インターバル内で偶数次高調波を発生させる同程度に強い非線形変換関数を電磁放射にさらされる他の種が含まない場合、ヘモグロビンを選択的に検出するための基礎として働き得る。
図面及び上記の説明の中で本発明が詳細に図示され説明されてきたが、かかる図示及び説明は限定的ではなく説明的又は例示的と見なされるべきであり、開示された実施形態に本発明が限定されることはない。図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、特許請求の範囲に記載の本発明を実施する際、開示された実施形態に対する他の改変形態が当業者によって理解され実践され得る。
特許請求の範囲では、「含む」という用語は他の要素又はステップを排除せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数形を排除しない。
特許請求の範囲に挙げられる幾つかのアイテムの機能を単一の段階又は他のユニットが果たす場合がある。或る手段が互いに異なる従属項の中で引用されるという単なる事実は、それらの手段の組合せを有利に使用できないことを示すものではない。
特許請求の範囲の中の如何なる参照記号も範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 変調周波数においてスペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射をスペクトル選択的且つ周期的に放射又は検出し、検出される電磁放射を時間に応じて示す検出器信号を提供するスペクトル的に調整可能なエミッタ−検出器ユニットと、
    前記検出器信号を受信し、前記検出器信号に対する前記変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与える信号処理ユニットと
    を含む、ヘモグロビン検出機器。
  2. 前記スペクトル変調インターバルは、波長に応じてプロットされるヘモグロビンの透過率を示す量が、少なくとも1つの偶関数による有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性を示す一方、波長に応じてプロットされる放射され検出される電磁放射にさらされる他の種のそれぞれの透過率を示す前記量が、少なくとも1つの偶関数の有意な寄与によって分解され得る非線形のスペクトル依存性を示さない、スペクトルインターバル群の少なくとも1つである、請求項1に記載のヘモグロビン検出機器。
  3. 前記スペクトル変調インターバルは、酸化ヘモグロビンが吸収度の局所ピーク又は局所極小を示す波長を含む、請求項1又は2に記載のヘモグロビン検出機器。
  4. 前記信号処理ユニットが、前記検出器信号に対する前記変調周波数の前記2次高調波の寄与を前記出力信号として与える、請求項1に記載のヘモグロビン検出機器。
  5. それぞれの変調期間中に前記スペクトル変調インターバルに及ぶ、前記エミッタ−検出器ユニットによる電磁放射のスペクトル的に変調された放射又は検出を駆動するための変調周波数において周期的である調整制御信号を与える変調制御ユニットを更に含む、請求項1に記載のヘモグロビン検出機器。
  6. 所与の中心波長前後のスペクトル変調インターバル内の候補となる様々な波長を検査することによりスペクトル整列プロセスを行う際に前記変調制御ユニットを制御し、
    前記候補となる様々な波長について受信されるそれぞれの前記検出器信号から、前記検出器信号に対する前記変調周波数の前記2次高調波又は更に高い偶数次高調波の前記寄与が相対的に最も大きい最適なスペクトル変調インターバルを決定し、
    前記変調制御ユニットによるヘモグロビン検出の規則的操作に使用される前記スペクトル変調インターバルとして前記最適なスペクトル変調インターバルを選択する、
    スペクトル整列ユニットを更に含む、請求項5に記載のヘモグロビン検出機器。
  7. 前記エミッタ−検出器ユニットが、
    前記調整制御信号に応じて様々な波長において前記電磁放射を選択的に与えるスペクトル的に調整可能なエミッタユニットと、
    前記エミッタユニットによって放射され、対象者の血液及び他の種によって散乱される電磁放射の量を時間に応じて示す検出器信号を与える検出器ユニットと
    を含む、請求項5に記載のヘモグロビン検出機器。
  8. 前記信号処理ユニットが、前記調整制御信号及び前記検出器信号を受信するロックイン増幅器を含む、請求項5に記載のヘモグロビン検出機器。
  9. 前記エミッタユニットが少なくとも1つの調整可能なソリッドステートエミッタを含む、請求項1に記載のヘモグロビン検出機器。
  10. それぞれのソリッドステートエミッタが、前記スペクトル変調インターバル内の1つの固定波長を与え、前記変調期間のそれぞれの段階において異なるソリッドステート光エミッタのそれぞれを活性化するために、前記エミッタユニットが複数の異なるソリッドステートエミッタを含む、請求項1に記載のヘモグロビン検出機器。
  11. 様々な波長における電磁放射を選択的に検出し、前記エミッタユニットによって放射され、対象者の血液及び他の種によって散乱される前記スペクトル的に選択される電磁放射の量を時間に応じて示す検出器信号を与えるスペクトル的に調整可能な検出器ユニットを前記エミッタ−検出器ユニットが含む、請求項1に記載のヘモグロビン検出機器。
  12. 前記エミッタユニット又は前記検出器ユニットの何れかが、前記スペクトル変調インターバルにわたる複数の選択可能な異なる波長のうちの1つにおいて電磁放射を通す調整可能な光学フィルタを含む、請求項7又は11に記載のヘモグロビン検出機器。
  13. 請求項1に記載のヘモグロビン検出機器と、出力信号を受信し、前記出力信号から心血管状態情報を求め、前記心血管状態情報を提供するPPG評価ユニットとを含む、フォトプレチスモグラフィ機器。
  14. それぞれの変調期間中にスペクトル変調インターバルに及ぶ様々な波長において電磁放射のスペクトル選択的な放射及び検出を変調周波数において周期的に行うステップと、
    前記検出される電磁放射を時間に応じて示す検出器信号を提供するステップと、
    前記検出器信号を処理し、前記検出器信号に対する前記変調周波数の2次高調波又は更に高い偶数次高調波を形成する少なくとも1つの周波数成分の寄与を示す出力信号を与えるステップと
    を含む、ヘモグロビン検出方法。
  15. 請求項14に記載のヘモグロビン検出方法を含み、出力信号から心血管状態情報を求め、前記心血管状態情報を提供するステップを更に含む、フォトプレチスモグラフィ方法。
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