JP2017524726A - 抗原結合性分子のナノ封入 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高分子マトリックスおよびこれにエステラーゼ放出可能に組み込まれた抗原結合性分子を含むものであるナノスフェアに関する。高分子マトリックスはポリ(アルキルシアノアクリレート)および/またはこのアルコキシ誘導体によって形成されている。本発明はさらに、かかるナノスフェアの調製方法およびかかるナノスフェアを含む組成物に関する。

Description

本発明は、高分子マトリックスおよびこれにエステラーゼ放出可能に組み込まれた抗原結合性分子を含むものであるナノスフェアに関する。本発明はさらに、かかるナノスフェアの調製方法およびかかるナノスフェアを含む組成物に関する。
ナノ粒子は薬物送達システムとして、特に、薬物を患者の特定の作用部位に標的化するための考えられ得る徐放システムとして研究されている。用語「ナノ粒子」は一般的に、ナノメートル範囲の直径を有するポリマーベースの粒子を表すのに使用される。ナノ粒子には種々の構造粒子、例えば、ナノスフェアおよびナノカプセルが包含される。ポリ(アルキルシアノアクリレート)などの生体適合性で生分解性のポリマーベースのナノ粒子は、ここ30年間にわたって研究されており、生物医学的用途のために特に重要である(Couvreur et al.,J Pharm Pharmacol,1979,31:331−332;Vauthier et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.2003,55:519−548参照)。このナノ粒子は、ミニエマルジョン重合(例えば、Reimold et al.,Eur.J.Pharm.Biopharm.2008,70:627−632;Vauthier et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.2003,55:519−548参照)によって調製され得、この表面は、ナノ粒子が特定の標的器官または組織に蓄積されることを可能にする種々の様式で修飾され得る(Vauthier et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.2003,55:519−548参照)。例えば、ナノ粒子表面への抗体の結合が報告されている(例えば、Hasadsri et al.,J Bio Chem,2009,284:6972−6981参照)。さらに、ポリソルベート80で被覆されたナノ粒子は、通常は血液脳関門を通過することができない薬物をこの関門を越えて輸送することが示されている(WO2007/088066;Kreuter et al.,J.Drug Target.2002,10(4):317−325;Reimold et al.,Eur.J.Pharm.Biopharm.2008,70:627−632参照)。
ナノ粒子分野における豊富な研究にもかかわらず、ナノスフェアの高分子マトリックス中への組込みによる抗体の封入に関しては、ほとんど知られていない。抗体は、大きな治療的潜在性を有する比較的大型の分子(IgGで約150kDaまで)である。このサイズのため、抗体は通常、血液脳関門などの生物学的関門を通過することができない。さらに、抗体などのタンパク質は潜在的に、ヒト体内などの環境においてタンパク質分解性の分解を受けやすい。従って、抗体および他の抗原結合性分子のための送達システムが提供されることが望ましい。
国際公開第2007/088066号
Couvreur et al.,J Pharm Pharmacol,1979,31:331−332 Vauthier et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.2003,55:519−548 Reimold et al.,Eur.J.Pharm.Biopharm.2008,70:627−632 Hasadsri et al.,J Bio Chem,2009,284:6972−6981 Kreuter et al.,J.Drug Target.2002,10(4):317−325
本発明は、抗体などの抗原結合性分子を、抗原結合活性および生物学的活性を保ったまま、ナノスフェアの高分子マトリックス中にどのようにして組み込むかを示す。かくして封入された抗原結合性分子は、酵素による分解から保護され、ナノスフェア表面は、標的化分子または被験体の体内でのナノスフェアの半減期を長くする分子によるものなどのさらなる修飾がないままである。
従って、本発明により:
a)C−C10−アルキルシアノアクリレートおよびC−C−アルコキシ−C−C10−アルキルシアノアクリレートのうちの1以上から選択される主モノマー成分を含むものである1以上のポリマーによって形成された高分子マトリックス;ならびに
b)少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変ドメインと少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む1以上の抗原結合性分子
を含み、
該1以上の抗原結合性分子が、該高分子マトリックス中にエステラーゼ放出可能に組み込まれている、
ナノスフェアを提供する。
本発明により、さらに、光子相関分光法による測定時、0.5以下の多分散度および300nm以下の平均直径を有する本明細書に記載のような複数のナノスフェアを提供する。
本発明によりまた:
i)C−C10−アルキルシアノアクリレートおよびC−C−アルコキシ−C−C10−アルキルシアノアクリレートから選択される1以上の重合性モノマーを含む疎水性の液相を準備すること;
ii)エマルジョンが形成されるように該疎水性の液相を親水性の液相中に微細分散させること、ここで、該エマルジョンのpHは4.0以下である;
iii)1以上の該重合性モノマーの重合が加速されるように該エマルジョンのpHを4.0から6.0の範囲の値まで上げること;
iv)次いで、少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変ドメインと少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む1以上の抗原結合性分子を添加すること;ならびに
v)最後に、該重合を、該pHをpH8.0を超えない値までさらに上げることにより継続させること
を含み;
これにより、ナノスフェア懸濁液を形成し、ここで、該1以上の抗原結合性分子は、1以上の該重合性モノマーの重合によって形成された高分子マトリックス中に組み込まれる、
ナノスフェアの調製方法を提供する。
本発明によりまた、本明細書に記載の複数のナノスフェアおよび医薬として許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
実施例1に記載のようにして調製したPBCAおよびPECAのナノスフェア懸濁液の平均粒子サイズ(Z−平均直径,縦棒)および多分散度(PDI,点)を示す。測定はゼータサイザーデバイスを用いて行なった。 懸濁液の透過型電子顕微鏡検査(TEM)画像を図1Bに示す。 実施例4に記載の非精製,抗RGMa mab負荷,エステラーゼ処理ナノスフェア(「遊離+封入」)、精製,抗RGMa mab負荷,エステラーゼ処理ナノスフェア(「封入」)、抗RGMa mabなしのエステラーゼ処理ナノ粒子(「空NP」)およびエステラーゼのみ(「エステラーゼ」)の異なる希釈液の存在下でのルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイにおいて測定された発光値としてのBMP(骨形成タンパク質)シグナル伝達を示す。 図2に示した希釈液4から6の発光値から計算した、ナノスフェア試料の平均発光値および対応する標準偏差を示す。「空NP」で測定された平均発光を100%に正規化した。 実施例6に記載のようにして調製したPBCA−ヤギIgGナノ粒子懸濁液の平均粒子サイズ(z−平均直径として測定)および多分散度値(PDI)を示す。サイズおよびPDI値はゼータサイザーデバイスを用いて測定した。
ナノスフェアは、ナノメートル範囲内(即ち、数ナノメートルから数百ナノメートル)の直径を有し、高分子マトリックスを含む固形のサブミクロン粒子であって、さらなる構成要素、例えば、積み荷分子(例えば、抗原結合性分子)が組み込まれ(例えば、溶解または分散され)得るサブミクロン粒子である。本発明のナノスフェアは、300nm以下、特に200nm以下、例えば20から300nmの範囲または好ましくは50から200nmの範囲のサイズを有するものであり得る。
特に記載のない限り、用語「サイズ」および「直径」は、ナノ粒子(例えば、ナノスフェアもしくはナノカプセル)または液滴などの基本的に丸い物体に言及している場合、互換的に用いている。
ナノ粒子調製物のサイズおよび多分散指数(PDI)は、例えば、光子相関分光法(PCS)ならびに動的光散乱法における国際規格(International Standard on Dynamic Light Scattering)ISO13321(1996)およびISO22412(2008)に従うキュムラント解析(これにより平均直径(z−平均直径)および分布の幅の推定値(PDI)が得られる。)により、例えばゼータサイザーデバイス(Malvern Instruments,Germany;ソフトウェアバージョン「Nano ZS」)を用いて測定され得る。
用語「約」は、本明細書で使用されている文脈において当業者によって理解される。特に、「約」は、±20%、±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%、さらにより好ましくは±0.1%の変動を示していることを意図する。
本発明のナノスフェアの高分子マトリックスは、1以上のポリマーによって形成されている。1以上のマトリックス形成ポリマーの主モノマー成分は、C−C10−アルキルシアノアクリレート、例えば、C−C−アルキルシアノアクリレートおよびC−C−アルコキシ−C−C10−アルキルシアノアクリレート(例えばC−C−アルコキシ−C−C−アルキルシアノアクリレート)のうちの1以上から選択される。例えば、シェル形成ポリマーの主モノマー成分は、メチル2−シアノアクリレート、2−メトキシエチル2−シアノアクリレート、エチル2−シアノアクリレート、n−ブチル2−シアノアクリレート、2−オクチル2−シアノアクリレートおよびイソブチル2−シアノアクリレートのうちの1以上から、好ましくはエチル2−シアノアクリレートおよびn−ブチル2−シアノアクリレートから選択される。
用語「高分子マトリックス」は、本明細書で用いる場合、1以上のポリマーによって形成されている3次元固形物を示す。さらなる成分、例えば、小分子薬物および大型分子薬物、例えばポリペプチド(例えば、抗体および抗原結合断片、この二量体および多量体またはコンジュゲート)などが、かかる高分子マトリックス中に組み込まれ得る(例えば、溶解または分散され得る。)。
用語「主モノマー成分」は、ポリマーの特徴表示のために本明細書で用いる場合、ポリマーの少なくとも80wt−%、少なくとも90wt−%、少なくとも95wt−%、少なくとも98wt−%、好ましくは少なくとも99wt−%から100wt−%までを構成している構成要素モノマーを表す。
本発明のナノスフェアのマトリックスを形成する好適なポリマーとしては、限定されないが、ポリ(メチル2−シアノアクリレート)、ポリ(2−メトキシエチル2−シアノアクリレート)、ポリ(エチル2−シアノアクリレート)、ポリ(n−ブチル2−シアノアクリレート)、ポリ(2−オクチル2−シアノアクリレート)、ポリ(イソブチル2−シアノアクリレート)およびこの混合物が挙げられ、ポリ(n−ブチル2−シアノアクリレート)、ポリ(エチル2−シアノアクリレート)およびこの混合物が好ましい。
マトリックス形成ポリマーの重量平均分子量は、典型的には、1,000から10,000,000g/mol、例えば5,000から5,000,000g/molまたは10,000から1,000,000g/molの範囲である。
本発明のナノスフェアは抗原結合性分子の送達に適している。本発明のナノスフェアは、標的部位(例えば、標的細胞)に向かっている抗原結合性分子を、タンパク質分解性酵素および他の酵素による分解および/または修飾から保護することで、この生物学的(例えば、医薬的)活性の低下から保護する。従って、本発明はまた、酵素によるかかる分解および/または修飾を受けやすい抗原結合分子(特に、経口経路によって投与される場合)を封入するためにも特に有用である。
用語「抗原結合性分子」は、本明細書で用いる場合、抗体、この抗原結合断片、抗体の少なくとも1つの抗原結合領域を含む分子ならびに抗体模倣物をいう。抗原結合性分子は典型的には、少なくとも20kDa、特に少なくとも40kDa、例えば20から350kDaまたは40から310kDaの分子量を有するものである。好ましくは、本発明のナノスフェアに使用される抗原結合性分子は、少なくとも1つの免疫グロブリンドメインまたは免疫グロブリン様フォールディングを有するドメインを含むものである。
本発明のナノスフェアに含まれる抗原結合性分子はポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよいが、モノクローナル抗体が好ましい。抗体は、天然に存在する抗体であってもこの遺伝子操作バリアントであってもよい。抗体は、トリ(例えば、ニワトリ)抗体および哺乳動物抗体(例えば、ヒト、マウス、ラットまたはカニクイザルの抗体)から選択され得、ヒト抗体が好ましい。抗体はキメラ、例えば、非抗原結合領域の一部または全部を対応するヒト抗体の領域で交換することによるマウス抗体由来のキメラ抗体などであり得る。抗体が哺乳動物抗体である場合、これは、幾つかの主要クラス、例えばIgA、IgD、IgE、IgG、IgMおよび重鎖抗体(ラクダ科に見られる)のうちの1つに属するものであり得る。哺乳動物抗体の場合はIgG(ガンマグロブリン)が好ましいクラスである。これは、哺乳動物において最も多く見られる抗体であり、Fcγ受容体によって特異的に認識され、一般的にインビトロで容易に調製され得るためである。抗体がIgGである場合、これは、幾つかのアイソタイプ、例えばIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4のうちの1つに属するものであり得る。抗体は、例えば、動物の免疫処置、ハイブリドーマ技術または組換えによって調製され得る。
本発明のナノスフェアに含まれる抗原結合性分子は抗体の抗原結合断片、例えば、Fab、F(ab)およびFv断片などであってもよい。
本発明のナノスフェアに含まれる抗原結合性分子は、抗体の少なくとも1つの抗原結合領域を有する分子であってもよく、これは、限定されないが、抗体の二量体および多量体;二重特異性抗体;単鎖Fv断片(scFv)ならびにジスルフィド連結Fv断片(dsFv)から選択され得る。
また、本発明のナノスフェアに含まれる抗原結合性分子は、抗体模倣物であってもよい。用語「抗体模倣物」は、本明細書で用いる場合、抗原に特異的に結合し得るが抗体とは構造的に関連していない人工のポリペプチドまたはタンパク質をいう。例えば、かかるポリペプチドおよびタンパク質は、プロテインAのZドメイン(即ち、アフィボディ)、γ−B結晶性(即ち、アフィリン)、ユビキチン(即ち、アフィチン(affitin))、リプカリン(lipcalin)(即ち、アンチカリン)、膜受容体のドメイン(即ち、アビマー)、アンキリンリピートモチーフ(即ち、DARPin)、フィブレクション(fibrection)の10番目のIII型ドメイン(即ち、モノボディ)などの骨格を主体とするものであり得る。また、用語「抗体模倣物」は、かかるポリペプチドまたはタンパク質の二量体および多量体も包含している。
用語「抗原結合性分子」はまた、抗体または抗体の少なくとも1つの抗原結合領域を含む別の分子または抗体模倣物と、例えば、少なくとも1つの検出可能な部分(例えば、フルオロフォアもしくは酵素)または巨大分子(PEGもしくは血清タンパク質(例えば、BSA)など)とのコンジュゲートも包含している。
本発明のナノスフェアは、該ナノスフェアの1以上のマトリックス形成ポリマーと1以上の抗原結合性分子の総重量に対して、少なくとも0.5wt−%、特に少なくとも5wt−%、好ましくは少なくとも10wt−%、より好ましくは少なくとも15wt−%の1以上の抗原結合性分子を含むものであり得る。1以上の抗原結合性分子の量は、1以上のマトリックス形成ポリマーと1以上の抗原結合性分子の総重量に対して、10wt−%まで、15wt−%まで、20wt−%までまたはこれ以上であり得る。
抗原結合性分子は、本発明のナノスフェアの高分子マトリックス中にエステラーゼ放出可能に組み込まれる。用語「エステラーゼ−放出可能」とは、抗原結合性分子がエステラーゼの触媒活性によってナノ粒子から放出され得ることを意味する。エステラーゼは、ポリマー、例えば本明細書に記載のマトリックス形成ポリマーのアルキルまたはアルコキシアルキル側鎖の加水分解を触媒し、アルカノールまたはアルコキシアルカノールを放出させるものであり得る。該ポリマーがエステラーゼの作用によって水溶性となり、この結果、抗原結合性分子が体液などの水性液によって浸出され得ると考えられる。「高分子マトリックス中に組み込まれる」とは、抗原結合性分子が高分子マトリックス中に溶解または分散され得ることを意味する。
語句「ナノスフェアの高分子マトリックス中に組み込まれる」および「ナノスフェア内に封入される」は本明細書において互換的に用いている。同様に、用語[本発明のナノスフェア内への抗原結合性分子の]「封入」は、ナノスフェアの高分子マトリックス中への抗原結合性分子の組込みをいう。対照的に、ナノスフェア表面に結合しているだけの分子(例えば、抗体)は、ナノスフェアの高分子マトリックス中に「封入され」ていない、または「組み込まれ」ていない。
有利には、本発明のナノスフェア内に封入された抗原結合性分子は、有意な割合の元の抗原結合活性および生物学的活性を保持している。本発明のナノスフェア内に封入された抗原結合性分子の少なくとも20%、特に少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%から45%までまたはこれ以上が、ナノスフェアからの放出後、依然として1以上の抗原に結合し得る。同様に、本発明のナノスフェア内に封入された抗原結合性分子は、元の生物学的(例えば、医薬的)活性の少なくとも20%、特に少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%から45%までまたはこれ以上を保持したものであり得る。
用語「生物学的活性」は、生物学的系(例えば、細胞、組織または生物体)に対する化合物(例えば、抗原結合性分子)の効果をいう。生物学的活性は、生物活性化合物によって影響される過程、例えば、特定の(レポーター)遺伝子の発現、細胞シグナル伝達経路の一部であるタンパク質のリン酸化、細胞バイアビリティおよび細胞増殖などを調べることにより測定され得る。
化合物の生物学的活性および1以上の特異的抗原への結合の測定方法は当該技術分野でよく知られている。かかる方法の例としては、限定されないが、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)およびフローサイトメトリーが挙げられる。
本発明により、さらに、サイズに関して比較的高い均一性を有する本明細書に記載のような複数のナノスフェアを提供する。特に、本発明の方法で得られるナノスフェア調製物は、光子相関分光法(PCS)による測定時、0.5以下、0.3以下、好ましくは0.2以下、またはさらには0.1以下、例えば0.05から0.5の範囲のPDI(多分散指数)値を有するものであり得る。ナノスフェアの平均直径は300nm以下、特に200nm以下、例えば20から300nmの範囲または、好ましくは50から200nmの範囲であり得る。
用語「複数のナノカプセル」は2個以上のナノカプセル、例えば、少なくとも10個、少なくとも100個、少なくとも1,000個、少なくとも5,000個、少なくとも10,000個、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも500,000個もしくは少なくとも1,000,000個以上のナノカプセルをいう。
場合により、本発明のナノスフェアにさらに、本明細書に記載のような1以上の安定剤を含めてもよい。
本発明のナノスフェアの構成要素、特に1以上のマトリックス形成ポリマーならびに本発明による組成物の成分、特に担体は、好都合には医薬として許容されるものである。
用語「医薬として許容される」は、本明細書で用いる場合、化合物もしくは物質が、本発明のナノスフェアまたはこの組成物を医療的処置または予防のために必要とされる量で投与した場合に急性毒性を引き起こさないことをいう。
本発明のナノスフェアは、改良ミニエマルジョン重合法によって、特に:
i)C−C10−アルキルシアノアクリレートおよびC−C−アルコキシ−C−C10−アルキルシアノアクリレートから選択される1以上の重合性モノマーを含む疎水性の液相を準備すること;
ii)エマルジョンが形成されるように該疎水性の液相を親水性の液相中に微細分散させること、ここで、該エマルジョンのpHは4.0以下、例えばpH1.0から3.0の範囲である;
iii)1以上の該重合性モノマーの重合が加速されるように該エマルジョンのpHを4.0から6.0の範囲の値まで、特に4.8から5.5の範囲のpHまで、好ましくは4.9から5.2の範囲のpHまで上げること;
iv)次いで、少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変ドメインと少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む1以上の抗原結合性分子を添加すること;ならびに
v)最後に、該重合を、該pHをpH8.0を超えない値まで、特に6.8から7.5の範囲のpHまで、好ましくは6.9から7.2の範囲のpHまでさらに上げることにより継続させること;
を含み、
これにより、ナノスフェア懸濁液を形成し、該1以上の抗原結合性分子は、1以上の該重合性モノマーの重合によって形成された高分子マトリックス中に組み込まれる、
方法によって調製され得る。
理論に拘束されることを望まないが、工程(i)の疎水性の液相に含まれた1以上の重合性モノマーの重合がヒドロキシルイオンによって開始され、アニオン重合機構により起こると想定される(例えば、Vauthier et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.2003,55:519−548参照)。1以上の重合性モノマーは、C−C10−アルキルシアノアクリレート(例えば、C−C−アルキルシアノアクリレート)およびC−C−アルコキシ−C−C10−アルキルシアノアクリレート(例えば、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルシアノアクリレート)のうちの1以上から選択される。1以上の好適な重合性モノマーの例としては、限定されないが、メチル2−シアノアクリレート、2−メトキシエチル2−シアノアクリレート、エチル2−シアノアクリレート、n−ブチル2−シアノアクリレート、2−オクチル2−シアノアクリレート、イソブチル2−シアノアクリレートおよびこの混合物が挙げられ、エチル2−シアノアクリレート、n−ブチル2−シアノアクリレートおよびこの混合物が好ましい。
場合により、工程(i)の疎水性の液相にはさらに、1以上の油が含められ得る。用語「油」は、本明細書で用いる場合、水より小さい密度を有し、本明細書に記載のような重合性モノマーおよび他の油性物質と混和性(親油性)であり、水と不混和性(疎水性)であり、室温(25℃)で液状である中性で無極性の物質をいう。本発明の方法の工程(i)に使用される1以上の油は、石油化学起源、動物起源または植物起源のものであり得る。好適な油の例としては、限定されないが、キャノーラ油、コーン油、ヒマワリ油、ピーナッツ油および特にダイズ油が挙げられる。
工程(ii)に使用される親水性の液相は、典型的には酸性水溶液、例えば無機酸(リン酸または塩酸など)の水溶液である。
疎水性の液相および親水性の液相は、好ましくは室温で調製され、次いで、使用するまで約0℃の温度の氷上で維持される。
疎水性の液相の量は典型的には、親水性の液相と疎水性の液相の総重量に対して1から40wt−%の範囲、例えば2から25wt−%の範囲である。
親水性の液相または疎水性の液相または両方、好ましくは親水性の相には、本明細書に記載のような1以上の安定剤が含有され得る。用語「安定剤」は、本明細書で用いる場合、本発明の方法の工程(ii)で調製されるエマルジョンを安定化させ得る化合物をいう。安定剤は、疎水性の液相の個々の液滴を親水性の液相中で互いに離れて分散された状態で維持し、この凝集を実質的に抑制するものである。好適な安定剤の例としては、限定されないが、ポロキサマー、例えば、ポロキサマー188、ポロキサマー338およびポロキサマー407;n−C12−C16アルキル硫酸ナトリウム、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムおよびヘキサデシル硫酸ナトリウム;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、一価の不飽和または飽和C11−C18−脂肪酸、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸のソルビタンモノエステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、一価の不飽和または飽和C11−C18−脂肪酸、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸のポリオキシエチレンソルビタンのモノエステルおよびトリエステル;ポロキサミン、ポリ(オキシエチレン)エーテル、ポリ(オキシエチレン)エステル、ポリエチレングリコールならびにこの混合物が挙げられる。少なくとも1種類のポロキサマー(特に、ポロキサマー188)と少なくとも1種類のn−C12−C16アルキル硫酸ナトリウム(特に、ドデシル硫酸ナトリウム)を含む安定剤の混合物が特に好ましい。最も好ましい安定剤は6から16の範囲のHLBを有するものである。
1以上の安定剤の総量は典型的には、重合性モノマーの総重量に対して5から25wt−%の範囲である。例えば、5から25wt−%の量の安定剤は、ポロキサマー(例えば、ポロキサマー188)とn−C12−C16アルキル硫酸ナトリウム(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)で、2から3部のポロキサマーに対して1部のn−C12−C16アルキル硫酸ナトリウムの重量比で構成され得る。
本発明の方法の工程(ii)では、親水性液全体に分布した疎水性液の微細液滴のエマルジョンが形成されるように、疎水性の液相を親水性の液相中に微細分散させる。このエマルジョンは剪断力を負荷することにより、例えば、スタティックミキサーを用いて混合することにより、超音波により、加圧下(例えば、少なくとも5,000kPa、例えば20,000から200,000kPa、好ましくは50,000から100,000kPaの圧力下)での均質化により、またはこれらの任意の均質化方法を組み合わせることにより取得可能である。親水性液中の疎水性液のエマルジョンは、2工程の方法で調製され得、この場合、2つの相をまず、例えばスタティックミキサー(ローテータ/ステータ型ミキサー)を用いて、予備エマルジョンが得られるように混合し、この予備エマルジョンを第2工程で、疎水性液の液滴のサイズが縮小されるように超音波処理によりおよび/または高圧ホモジナイザーを用いてさらに均質化する。剪断力は1から10分、特に2から5分の時間、負荷され得る。例えば、超音波は1から10分間、特に2から5分間、50から100%の範囲の振幅で適用され得る。
工程(ii)は、約25℃(室温)または好ましくは約0℃の温度(例えば、氷上)で行なわれ得る。
重合性モノマーの重合は、親水性の液相と接触すると開始されるが、アルカリ性の環境でなければ非常にゆっくり進行する。従って、本発明の方法の工程(iii)では、エマルジョンにおける重合を、該エマルジョンのpHを4.0から6.0の範囲の値まで上げることにより加速させる。これは、塩基またはこの水溶液を添加することにより行なわれ得る。好適な塩基の例としては、限定されないが、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアおよびTris(塩基)が挙げられる。
エマルジョンのpHを4.0から6.0に上げた後、本明細書に記載のような1以上の抗原結合性分子を、例えば水溶液の形態でエマルジョンに添加する。かくして、抗原結合性分子が、形成中のナノスフェアの高分子マトリックス中に組み込まれ得る。該方法の工程(iv)で添加される抗原結合性分子の量は典型的には、1以上のマトリックス形成ポリマーと1以上の抗原結合性分子の総重量に対して、0.05wt−%から20wt−%、特に0.5wt−%から15wt−%の範囲である。場合により、1以上の抗原結合性分子とエマルジョン混合物を約25℃(室温)で5から20分間インキュベートする。
工程(v)におけるpHを、pH8.0を超えないpHまで上げながら、重合を継続させる。これにより、残留モノマーが重合することが可能になる。この重合は通常、約10から14時間(例えば、一晩のインキュベーション)後に終了し、約4℃の温度で行なわれ得る。
場合により、本発明の方法にさらに精製工程を、例えば、濾過工程および/または得られたナノスフェアの懸濁媒体の一部もしくは完全交換(例えば、透析により)を含めてもよい。
本発明の方法により、本明細書に記載のようなナノスフェアの調製物がもたらされ得る。特に、該方法は、ナノスフェアからの放出後、それぞれ抗原結合活性および元の生物学的活性の少なくとも20%、特に少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%から45%までまたはこれ以上を保持している抗原結合性分子を含むナノスフェアの調製に適している。
本発明の方法により、1以上の抗原結合性分子の高い封入効率が可能になる。用語「封入効率」は、ナノスフェアの調製に使用される1以上の抗原結合性分子の総量に対するナノスフェア内に封入された1以上の抗原結合性分子の量をいう。具体的には、本発明の方法により、少なくとも50%、特に少なくとも70%、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90wt−%、少なくとも95%またはさらには99%またはこれ以上の封入効率が可能になる。
本発明により、さらに、本明細書に記載の複数のナノスフェアおよび医薬として許容される担体を含む医薬組成物を提供する。担体は、意図される投与様式に適するように選択され、投与様式は、例えば、経口または非経口投与、血管内、皮下もしくは最も一般的には静脈内注射、経皮適用または局所適用(例えば、皮膚、鼻もしくは口内の粘膜または結膜上への)であり得る。
本発明のナノスフェアにより、封入された1以上の活性薬剤が胃腸管内および血中での早期分解から保護され、この徐放が可能になることによって、1以上の前記薬剤のバイオアベイラビリティおよび有効性が高まり得る。経口投与後、本発明のナノスフェアは腸壁およびさらには血液脳関門などの関門を通過し得る。
本発明の液状医薬組成物には、典型的には、1以上の水溶性の塩および/または1以上の水溶性のポリマーを含むものであり得る水溶液から選択される担体を含める。該組成物が注射によって投与されるものである場合、担体は典型的には、等張性水溶液(例えば、150mMのNaCl,5wt−%のデキストロースまたは両方を含有している溶液)である。また、かかる担体は典型的には、約7.3から7.4の範囲の適切な(生理学的)pHを有するものである。
例えば経口投与されるか、または埋め込みデポ剤として投与される組成物のための固形または半固形の担体は、医薬として許容されるポリマー、例えば限定されないが、N−ビニルラクタムのホモポリマーおよびコポリマー(特に、N−ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンと酢酸ビニルもしくはプロピオン酸ビニルとのコポリマー)、セルロースエステルおよびセルロースエーテル(特に、メチルセルロースおよびエチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、特に、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルアルキルアルキルセルロース、特に、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、フタル酸セルロースもしくはコハク酸セルロース、特に、酢酸フタル酸セルロースおよびフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくは酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、高分子量ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドならびにエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー)、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコール−グラフトコポリマー、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート(例えば、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸ブチル/メタクリル酸2−ジメチルアミノエチルコポリマー、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート))、ポリアクリルアミド、酢酸ビニルポリマー(例えば、酢酸ビニルとクロトン酸のコポリマー、部分加水分解ポリ酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、オリゴ糖および多糖、例えば、カラギーナン、ガラクトマンナンおよびキサンタンガム、またはこれらの1以上の混合物から選択され得る。固形担体成分は、本発明のナノスフェアの液状懸濁液中に溶解または懸濁され得、液状懸濁媒体は少なくとも一部が除去され得る。
粒子サイズおよび多分散指数の測定
本明細書に記載の実施例において、調製したナノ粒子のサイズおよび多分散指数(PDI)は、動的光散乱法における国際規格(International Standard on Dynamic Light Scattering)ISO13321(1996)およびISO22412(2008)に規定されたキュムラント解析により、ゼータサイザーデバイス(Malvern Instruments,Germany)を用いて測定した。これにより、平均粒子サイズ(z−平均直径)および分布の幅の推定値(PDI)が得られる。PDIは、本実施例で示している場合、サイズ分布の幅広さの無次元測定量であり、このゼータサイザーのソフトウェアでは0から1の範囲である。<0.05のPDI値は、単分散試料(即ち、非常に均一な粒子サイズ分布を有する試料)を示すが、高いPDI値ほど、より多分散の試料を示す。
[実施例1]
抗ビオチンヤギIgGを負荷した高分子ナノ粒子の調製
IgG負荷ポリ(n−ブチル2−シアノアクリレート)(PBCA)ナノスフェアを以下のようにして調製した:
250μlのn−ブチル2−シアノアクリレート(モノマー)を21.5μlのダイズ油と、油相が得られるように混合した。16.25mgのポロキサマー188と6.5mgのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を1.3mlの0.1Mのリン酸と、水相が得られるように混合した。両方の相を氷上で維持した。これらの相を混合し、混合物を、超音波プローブ(Hielscher Ultrasonics GmbH,Germany,振幅70%,1サイクル)を用いて、なお氷冷下で2分間均質化した。得られたエマルジョンに、0.1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)を撹拌(700rpm)下で滴下した。エマルジョンのpHが5.0に達したらすぐに、撹拌を継続したまま、1mgの抗ビオチンヤギIgGをゆっくり添加した。IgGの添加後、エマルジョンの撹拌を室温で約10分間継続した。次いで、0.1N NaOHの滴下によってpHを7.0まで上げ、試料を4℃で一晩インキュベートし、残留モノマーを重合させた。
IgG負荷ポリ(エチル2−シアノアクリレート)(PECA)ナノスフェアが得られるように、n−ブチル2−シアノアクリレートの代わりにエチル2−シアノアクリレートを用いて同じ手順を繰り返した。
一晩のインキュベーション後、得られたナノスフェア懸濁液を、上記のゼータサイザーデバイスとソフトウェアを用いて分析し、200nmメンブレンに通して濾過し、再度分析した。これらの分析の結果、即ち、サイズ(z−平均直径として測定)およびIgG負荷PBCAナノスフェア(PBCA NP)とIgG負荷PECAナノスフェア(PECA NP)のPDIを、標準偏差(n=3)を含めて、図1Aにまとめる。さらに、ナノスフェアを透過型電子顕微鏡検査(TEM,図1B参照)によって検査した。
[実施例2]
封入効率(EE)
実施例1のPBCAナノスフェア懸濁液中の遊離(未封入)の抗ビオチンヤギIgGの量を、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE−HPLC)を用いて測定した。遊離である(即ち、ナノスフェア内に封入されているのではなく懸濁媒体中に溶解されている。)IgGは5.6%だけであることがわかった。[(添加されたIgGの総量)−(未封入のIgG)]/[添加されたIgGの総量]の商として計算される封入効率は94.4%であった。
[実施例3]
封入されたIgGの抗原結合活性
250μlのn−ブチル2−シアノアクリレート(モノマー)を21.5μlのダイズ油と、油相が得られるように混合した。16.25mgのポロキサマー188と6.5mgのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を1.3mlの0.1Mのリン酸と、水相が得られるように混合した。両方の相を氷上で維持した。これらの相を混合し、混合物を、超音波プローブ(Hielscher Ultrasonics GmbH,Germany,100%振幅,1サイクル)を用いてなお氷冷下で5分間、エマルジョンが得られるように均質化した。500μlのエマルジョンを、上記の組成を有する800μlの水相で希釈した。0.1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)を撹拌下(300から500rpm)で滴下した。エマルジョンのpHが5に達したらすぐに、撹拌を継続したまま、1mgの非特異的ヤギIgG(ビオチンに対する特異的結合活性なし)または1mgの抗ビオチンヤギIgG(ビオチンに特異的に結合する)をゆっくり添加した。IgGの添加後、0.1N NaOHの滴下によってpHを7まで上げ、試料を4℃で一晩インキュベートし、残留モノマーを重合させた。
各試料(終濃度:1.08mg/mlのPBCA)の一部を振盪下で、ブタ肝臓エステラーゼ(Sigma Aldrich Co.,Germany,カタログ番号E2884,≧150U/ml,終濃度:0.5mg/ml)で37℃にて4時間処理した。
試料のビオチン結合活性を、ビオチンコートマイクロタイタープレートでのELISAにより測定した。各試料について6つの異なる希釈液(1:2の連続希釈液)を測定した。すべての抗ビオチンIgGが抗原結合活性を保持しているものとして抗ビオチン抗体の理論値濃度を計算した。抗原結合性抗ビオチンIgGの実際の濃度は、ELISA(抗ヤギ抗体ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲートとテトラメチルベンジジンを用いて検出)により、3.9から1,000ng/ml抗ビオチンIgG範囲を含む抗ビオチンIgG検量曲線に基づいて測定した。理論値濃度に対するELISA検出可能な抗原結合性抗ビオチンIgGの割合を計算した。結果を表1にまとめる。
Figure 2017524726
未封入の5.6%の抗ビオチンIgG(実施例2参照)ならびにバックグラウンドシグナルの非ビオチン特異的ヤギIgG(対照)を考慮した。この結果、ナノスフェア内にエステラーゼ放出可能に封入された抗原結合IgGの量は約40から45%であった。
[実施例4]
封入されたIgGの生物学的活性
封入されたIgGの生物学的活性を、反発性軸索ガイダンス分子(Repulsive Guidance Molecule)A(RGMa)に対するモノクローナル抗体(mab)を負荷したPBCAナノスフェアにおいて、以下のようにして測定した:
抗RGMa mab負荷PBCAナノスフェアの懸濁液を実施例1に記載の方法(1mgのヤギIgGの代わりに2.26mgのこのmabを添加)を用いて調製し、これには遊離mabと封入mabが含まれていた(エステラーゼ処理後の試料名:「遊離+封入」)。一部のこの懸濁液のナノスフェアを遊離mabから限外濾過(Amicon Cell and Biomax 500kDaフィルターメンブレン)によって分離し、従って、封入mabのみを含む試料(エステラーゼ処理後の試料名:「封入」)を得た。各試料(9.55mg/mlのPBCA,1:10希釈液)の一部をブタ肝臓エステラーゼ(Sigma Aldrich Co.,Germany カタログ番号E2884,≧150U/ml,終濃度:0.22mg/ml)で、振盪下、37℃で4時間処理し、封入mabをナノスフェアから放出させた。対照として、全く抗体の負荷なしのPBCAナノ粒子を調製し、試料「遊離+封入」および「封入」について記載のとおりにエステラーゼで処理した(試料名:「空NP」)。
各試料の抗RGMa mabの生物学的活性を、ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイによりOne−Glo Luciferase Assay System(Promega,Germany)を用いて測定した。前記のアッセイは、骨形成タンパク質(BMP)のBMP受容体BMPR I/II(ヒトRGMaを発現し、BMPR I/IIのBMP誘導性シグナル伝達に応答性のルシフェラーゼレポーターを含むc−293HEK細胞の細胞膜に存在する。)に対する結合に基づいたものである。RGMaはBMP−2、BMP−4またはBMP−6に結合して共受容体としての機能を果たし、BMPシグナル伝達の向上をもたらす。生物学的に活性な抗RGMa mabはRGMaがBMPに結合することを妨げ、従ってBMPシグナル伝達を低減させる。
96ウェルプレート(Corning,白色アッセイプレート)にウェル1つあたり50,000個のc−293HEK細胞(50μlの培地中)を播種した。ウェル1つあたり25μlの試料希釈液を添加した。希釈液の組成を表2にまとめる。
Figure 2017524726
96ウェルプレートを37℃および5%COで24時間インキュベートした。次いで、75μl/ウェルのOne−Glo基質を添加した。暗所にて750rpmで振盪下、室温での7分間のさらなるインキュベーション後、各ウェルにおける発光を測定した。結果を図2に示す。
エステラーゼ自体(試料名:「エステラーゼ」)は、すべての試験対象濃度において、シグナル伝達能に対して大きな影響を有しなかった。しかしながら、mabなしのPBCAナノ粒子(nanoparticule)(「空NP」)、およびエステラーゼ処理により生じたこの分解生成物では、希釈液1から3において細胞シグナル伝達が低下した。従って、希釈液4から6で測定された発光値に基づいて計算を行なった。「空NP」試料の平均シグナル値を100%に正規化した(図3参照)。精製したmab負荷ナノスフェア(「封入」)からの抗RGMa mabによりBMPシグナル伝達の25%の減少がもたらされた。試料「遊離+封入」で観察された49.5%のBMPシグナル伝達の低減は、24.5%の抗RGMa mabが遊離であった(ナノスフェア内に封入されなかった。)ことを示す。この結果は、ナノスフェア内に封入されたmabの少なくとも25%が元の生物学的活性を保持していたことを示す。
[実施例5]
ヒトIgG−FITCコンジュゲートを負荷したPBCAナノ粒子の調製
ヒトIgG−FITCコンジュゲートを負荷したPBCAナノスフェアの懸濁液を、エマルジョンのpHを7.0に調整した後、(4℃で一晩の代わりに)室温で約4.5時間インキュベートしたこと以外は、実施例1に記載の方法を用いて調製した。
濾過前では、ナノスフェアのz−平均直径は173nmであり、PDIは0.186であった。濾過(200nmメンブレン)後では、ナノスフェアのz−平均直径は144nmであり、PDIは0.157であった。
実施例2に記載のようにして測定した封入効率は97.6%(即ち、遊離の抗体コンジュゲートは2.4%)であった。
[実施例6]
ヤギIgGを負荷したPBCAナノ粒子の調製
各試料について、21.5μlのダイズ油を表3に示した量のn−ブチル2−シアノアクリレート(モノマー)と、油相が得られるように注意深く混合した。16.25mgのポロキサマー188と6.5mgのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を1.3mlの0.1Mのリン酸と、水相が得られるように混合した。両方の相を氷上で維持した。これらの相を混合し、混合物を、超音波プローブ(Hielscher Ultrasonics GmbH,Germany,1サイクル)を用いて、表3に示した時間と条件下で均質化した。得られたエマルジョンに、撹拌下(300から500rpm)で0.1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)を滴下した。エマルジョンのpHが表3に示した値に達したらすぐに、撹拌を継続したまま、1mgの抗ビオチンヤギIgGをゆっくり添加した。IgGの添加後、エマルジョンの撹拌を室温で約10分間継続した。次いで、0.1N NaOHの滴下によってpHを約6.0から7.0まで上げ、試料を4℃で一晩インキュベートし、残留モノマーを重合させた。
Figure 2017524726
Figure 2017524726
一晩のインキュベーション後、得られたナノスフェア懸濁液を、上記のゼータサイザーデバイスとソフトウェアを用いて分析し、200nmメンブレンに通して濾過し、再度分析した。これらの分析の結果、即ち、サイズ(z−平均直径として測定)およびナノスフェアのPDIを、標準偏差(n=3)を含めて、図4にまとめる。さらに、ナノスフェアを透過型電子顕微鏡検査(TEM)によって検査した。
各試料の封入効率(EE)を実施例2に記載のようにして測定した。結果を表4に示す。
Figure 2017524726

Claims (21)

  1. a)C−C10−アルキルシアノアクリレートおよびC−C−アルコキシ−C−C10−アルキルシアノアクリレートのうちの1以上から選択される主モノマー成分を含む1以上のポリマーによって形成された高分子マトリックス;ならびに
    b)少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変ドメインと少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む1以上の抗原結合性分子
    を含み、
    1以上の該抗原結合性分子が、該高分子マトリックス中にエステラーゼ放出可能に組み込まれている、ナノスフェア。
  2. 1以上の抗原結合性分子が、ガンマグロブリン、ダイマー抗体ならびにFab断片およびF(ab)断片から選択される、請求項1に記載のナノスフェア。
  3. 1抗原結合性分子(1種類または複数種)の少なくとも20%が、ナノスフェアからの放出後もなお、この抗原に結合し得る、請求項1または請求項2に記載のナノスフェア。
  4. ナノスフェアから放出された抗原結合性分子が、細胞アッセイなどの生物学的アッセイでの測定時、元の生物学的活性の少なくとも20%を保持している、請求項1から3のいずれか一項に記載のナノスフェア。
  5. 1以上のマトリックス形成ポリマーの主モノマー成分が、メチル2−シアノアクリレート、2−メトキシエチル2−シアノアクリレート、エチル2−シアノアクリレート、n−ブチル2−シアノアクリレート、2−オクチル2−シアノアクリレートおよびイソブチル2−シアノアクリレートのうちの1以上から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のナノスフェア。
  6. 1以上のマトリックス形成ポリマーが、ポリ(n−ブチル2−シアノアクリレート)、ポリ(エチル2−シアノアクリレート)およびこの混合物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載のナノスフェア。
  7. ISO13321およびISO22412に従うキュムラント解析による測定時、0.5以下の範囲の多分散度、ならびに光子相関分光法による測定時、20から300nmの範囲の平均直径を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の複数のナノスフェア。
  8. i)C−C10−アルキルシアノアクリレートおよびC−C−アルコキシ−C−C10−アルキルシアノアクリレートから選択される1以上の重合性モノマーを含む疎水性の液相を準備すること;
    ii)エマルジョンが形成されるように該疎水性の液相を親水性の液相中に微細分散させること、ここで、該エマルジョンのpHは4.0以下である;
    iii)1以上の該重合性モノマーの重合が加速されるように該エマルジョンのpHを4.0から6.0の範囲の値まで上げること;
    iv)次いで、少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変ドメインと少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む1以上の抗原結合性分子を添加すること;ならびに
    v)最後に、該重合を、該pHをpH8.0を超えない値までさらに上げることにより継続させること;
    を含み、これにより、ナノスフェア懸濁液を形成し、該1以上の抗原結合性分子は、1以上の該重合性モノマーの重合によって形成された高分子マトリックス中に組み込まれる、ナノスフェアの調製方法。
  9. ナノスフェアが、請求項2から7のいずれか一項に規定したとおりのものである、請求項8に記載の方法。
  10. 工程(ii)が、加圧下での均質化によって、および/または超音波処理により行なわれる、請求項8または請求項9に記載の方法。
  11. 工程(iii)においてpHを4.8から5.5の範囲の値まで上げる、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 1以上の抗原結合性分子の添加後、エマルジョンを室温で5から20分間インキュベートする、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 工程(v)においてエマルジョンのpHを6.8から7.5の範囲になるまで上げる、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 疎水性の液相の量が、親水性の液相と疎水性の液相の総重量に対して1から40wt%である、請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 親水性の液相または疎水性の液相または両方に、1以上の安定剤が含有されている、請求項8から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 1以上の安定剤の量が、重合性モノマーの総重量に対して5から25wt%である、請求項15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 1以上の安定剤が、ポロキサマー、n−C12−C16−アルキル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポロキサミン、ポリ(オキシエチレン)エーテル、ポリ(オキシエチレン)エステル、ポリエチレングリコールおよびこの混合物から選択される、請求項15または請求項16に記載の方法。
  18. 1以上の重合性モノマーが、メチル2−シアノアクリレート、2−メトキシエチル2−シアノアクリレート、エチル2−シアノアクリレート、n−ブチル2−シアノアクリレート、2−オクチル2−シアノアクリレートおよびイソブチル2−シアノアクリレートから選択される、請求項8から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 1以上の抗原結合性分子が、ガンマグロブリン、ダイマー抗体ならびにFab断片およびF(ab)断片から選択される、請求項8から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 請求項8から19のいずれか一項に記載の方法によって取得可能なナノスフェア。
  21. 請求項1から7のいずれか一項に記載の複数のナノスフェアおよび薬理学的に許容される担体を含む医薬組成物。
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