これから、本明細書に開示する装置の構造、機能、製造、及び使用、並びに方法の原理が総合的に理解されるように、ある特定の例示的実施形態について記載する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、かつ添付の図面に例示される装置及び方法が、非限定的な例示的実施形態であること、並びにかかる装置及び方法の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの代表的な実施形態との関連において図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせられる場合がある。かかる修正及び変形は、本明細書に記載の装置及び方法の範囲に含まれることが意図される。更に、本開示では、種々の実施形態の同じ参照番号の構成要素は、それらの構成要素が同じ性質及び/又は同じ目的を果たす場合には、概して同じ特徴を有する。
本明細書の全体を通じて、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「実施形態」などと言う場合、その実施形態との関連において説明される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通じた各所で、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「一実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの語句が出現するが、これらは必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。よって、一実施形態との関連において図示又は記載される特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わせることができる。かかる修正及び変形は、本明細書に記載の方法、器具、装置、及びシステムの範囲に含まれることが意図される。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操縦する臨床医を基準にして用いられる。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語は、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図するものではない。
1つ又は2つ以上の本明細書で集合的に「補助材」と呼ぶ生体材料及び/又は合成材料を、外科用器具と共に使用して、外科的処置の改善を支援することは望ましいことであり得る。これらの生体材料は、ヒト及び/又は動物源に由来してよい。当業者はこれらのタイプの材料を補助材とも補強材とも呼ぶことがある。
外科的処置を行うための、様々な例示的な装置及び方法が提供される。いくつかの実施形態において、切開外科的処置のための装置及び方法が提供され、他の実施形態において、腹腔鏡下、内視鏡的、及び他の低侵襲的外科的処置のための装置及び方法が提供される。これらの装置は、人間のユーザーによって直接、又はロボット若しくは類似の操作ツールの直接制御下でリモート発射されてよい。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される様々な方法及び装置が、多数の外科的処置及び用途で用いられ得ることを理解するであろう。本明細書で開示される様々な器具が、例えば、自然開口部を通して、組織に形成された切開又は穿刺孔を通して、又はトロカールカニューレなどのアクセスデバイスを使用してなどの、何らかの方法で体内へ挿入され得ることを当業者は更に認識するであろう。例えば、これらの器具の作動部分、すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入できる、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを通過させることが可能な作業用チャンネルを有するアクセス装置を介して挿入され得る。
本明細書に記載するように、外科用器具のエンドエフェクタは、1つ、又は2つ以上の、本明細書で集合的に「補助材」と呼ぶ合成材料及び/又は生体材料を手術部位に送達して、外科的処置の改善を支援するように構成され得る。これらの生体材料は、ヒト及び/又は動物源に由来してよい。種々の異なるエンドエフェクタが補助材の使用によって利益を得ることがあり、いくつかの例示的実施形態では、エンドエフェクタは外科用ステープラであり得る。外科用ステープラと共に使用されるときには、補助材は、ステープラのジョーの間及び/又はその上に配置されても、ジョーに配置されたステープルカートリッジに組み込まれても、又はそうでなければ、ステープルの近位に置かれてもよい。ステープルが配備されると、補助材はステープルと共に処置部に残ってもよく、その結果、多くの利益を提供することができる。いくつかの場合において、補助材が、組織、血管、及び種々の他の対象物や身体部位に植え込みされるときに、ステープルによって形成された孔の封止の支援に使用され得る、及び/又は処置部位における組織増強をもたらすために使用され得る。組織増強は、組織が病変している、放射線治療など別の処置、化学療法など薬物治療、又は他の組織特性を変更する状況から治癒している場合に、ステープルが組織を裂かないようにするために必要なことがある。いくつかの場合において、補助材は、ステープリング後に生じる組織変形(例えば、肺膨張、消化管膨張など)から生じ得る、ステープル穿刺部位内及びその付近における組織の移動を最小化してよい。当業者は、ステープル穿刺部位は応力集中部となることがあり、ステープルによって形成された孔の寸法は、その付近の組織が張力下に置かれると、増大することを認識するであろう。これらの穿刺部位付近での組織の移動を制限することは、張力下で増大し得る孔の寸法を最小化できる。いくつかの場合において、補助材は、例えば、シーラント、血液、接着剤など、更に治癒を促進する有益な流体を逃がす、又は吸収するように構成され得る。また、いくつかの場合において、補助材は、分解して、例えば、シーラントなど、更に治癒を促進するゲルを形成するように構成され得る。いくつかの場合において、補助材は、湿潤環境(例えば、血液、水、食塩水、又は他の体液)に置かれたときに、封止部を形成するシーラントを形成する材料を含んでよい(例えば、ヒト又は動物由来のフィブリノゲン及びトロンビンは、水との混合時にシーラントをもたらす粉末状に凍結乾燥され得る)。また更に、補助材は、炎症の減少、細胞成長の促進、又は回復の改善を支援することができる。
図2は、外科用ステープラによって処置される組織Tに固定され得る有孔バットレス30を含み、処置部位においてステープル70と共に留まる補助材の一実施形態を示す。バットレス30は、1つ、又は2つ以上の吸収性材料で作製され得、型打ち、圧搾、切断、成型、織成、融解、吹膨、複合構造及び/若しくは方法での作製が行われ得る、又は他の方法でシーラント、接着剤、血液など有益な流体の吸収、増強、送達、及び/若しくは又は保持を促進するように成形され得る。処置部位において有益な流体、例えば、フィブリンシーラント40を吸収すること及び/又は保持することは、漏出の防止及びバットレス30の増強を更に支援し得る。
使用中、補助材は装置及び/又はステープルカートリッジ上にあらかじめ積載されていてもよく、一方別の例では、補助材は別に包装されてもよい。補助材が装置及び/又はステープルカートリッジ上にあらかじめ積載されている場合には、ステープル工程は当業者に知られているように実行されてもよい。例えば、いくつかの例では、装置の発射が補助材を装置及び/又はステープルカートリッジから分離するのに十分であり得て、それによって医師による更なる行為は不要である。別の場合では、補助材を装置及び/又はステープルカートリッジと連携するいかなる残留する接続又は保持部材も、手術部位から装置を取り除く前に、取り除くことができ、それによって補助材が手術部位に残る。補助材が別に包装されている場合には、材料は、装置の発射前にエンドエフェクタの構成要素及びステープルカートリッジのうちの少なくとも1つと解放可能に結合されてもよい。補助材は冷蔵されてもよく、したがって冷蔵庫及び関連する包装から取り出され、次に、本明細書に記述するように、又は当業者に知られているように、接続又は保持部材を使用して装置と結合される。次に当業者に知られているようにステープリング工程が実施されてもよく、必要により上述したように補助材が装置から分離されてもよい。
本明細書に記載の補助材は、外科用ステープラ又は組織穿刺部を形成する他の器具が用いられる任意の手術において使用されてよい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の補助材は、外科用ステープラが肺手術で使用されるときに形成されるステープル穿刺部を封止するために使用されてよい。肺で手術が実施されるとき(例えば、肺葉切除、区域切除、楔状切除、肺容量減少手術など)、肺は、通常、虚脱され、次いで、除去されるべき組織へのステープラの適用を含む必要な処置は、虚脱された肺で実施される。処置の完了後、虚脱された肺は、再膨張される。肺の再膨張により、肺実質が伸張されるが、これにより、ステープリングされた組織と穿刺されなかった周囲組織との接合部において増加した応力がもたらされることがある。更に、肺のステープル穿刺部には、気密封止が必要である。かかる気密封止は、肺組織が移動するために達成困難なことがある。ステープル穿刺部の周囲での漏出は、通常、約5日以内に癒えるが、場合によっては、ステープル穿刺部は、例えば、最大6か月などより長期間にわたって持続することがある。
したがって、いくつかの実施形態は、肺組織の固定に使用した外科用ステープラによって形成されたステープル穿刺部の封止に使用してよい補助材を提供する。しかし、当然のことながら、補助材は、例えば、血管、腸、胃、及び食道組織など任意の他の種類の組織の固定に使用した外科用ステープラによって形成された穿刺部を封止するためにも使用され得る。
外科用ステープリング器具
様々な外科用器具が本明細書で開示される補助材と共に使用され得るが、図3に、1つ又は2つ以上の補助材との使用に適した外科用ステープラ10の1つの非限定的な例示的実施形態を示す。器具10は、一般に、ハンドルアセンブリ12と、ハンドルアセンブリ12の遠位端12dから遠位に延在するシャフト14と、シャフト14の遠位端14dにあるエンドエフェクタ50と、を含む。示した実施形態は外科用ステープラであるので、エンドエフェクタ50は、ジョー52、54を有するが、他の種類のエンドエフェクタを、シャフト14、ハンドルアセンブリ12、及びそれらに付随する構成要素と共に使用し得る。外科用ステープラ10は、対向する下部及び上部ジョー52、54を含み、下部ジョー52は、ステープルカートリッジ60を支持するように構成されているステープルチャネル56(図4)を含み、上部ジョー54は、下部ジョー52に対向し、アンビルとして作動してステープルカートリッジ60のステープル70の配備を支援するように構成されている内面58を有する。ジョー52、54は、互いに対して移動してそれらの間に配置された組織又は他の対象物をクランプするように構成されており、発射システムの構成要素は、エンドエフェクタ50の少なくとも一部を通過して、クランプされた組織へとステープルを放出するように構成され得る。様々な実施形態において、ナイフブレード81は発射システムに接続され、ステープリング処置中に組織を切開し得る。対向する下部及び上部ジョー52、54の少なくとも一方は、他方の下部及び上部ジョー52、54に対して移動可能である。対向する下部及び上部ジョー52、54の少なくとも一方は、固定されるか、又は別の方法で移動不能であってよい。いくつかの実施形態において、対向する下部及び上部ジョー52、54の両方が移動可能である。
エンドエフェクタ50の作動は、ハンドルアセンブリ12での臨床医からの入力によって開始され得る。ハンドルアセンブリ12は、それに連結されるエンドエフェクタ50を扱って操作するように設計された多くの異なる構成を有してもよい。図示した実施形態では、ハンドルアセンブリ12は、その中に配置される様々な機械的及び/又は電気的構成要素を伴うピストルタイプのハウジング18を有し、器具の多様な機能を操作する。例えば、ハンドルアセンブリ12は、ハンドルアセンブリ12に対する、シャフト14の長手方向軸Lの周りでのシャフト14、及び/又はエンドエフェクタ50の回転を促進し得る、その遠位端12dに隣接して取り付けられた回転ノブ26を含み得る。ハンドルアセンブリ12は、クランプトリガー22によって作動されるクランプシステムの一部としてクランプ構成要素と、発射トリガー24によって作動される発射システムの一部として発射構成要素と、を更に含み得る。クランプ及び発射トリガー22、24は、例えば、トーションばねによって、静止ハンドル20に対して開放位置に付勢され得る。静止ハンドル20に向けたクランプトリガー22の移動は、以下に記載のクランプシステムを作動させ得、これにより、ジョー52、54を互いに向けて倒させ、したがって、それらの間に組織をクランプし得る。発射トリガー24の移動は、以下に記載の発射システムを作動させ得、これにより、その中に配置されたステープルカートリッジからステープルを放出させ得る、及び/又はナイフブレード81を前進させて、ジョー52、54の間に捕捉された組織を切断し得る。当業者は、ステープルの放出及び/又は組織の切開に使用され得る、機械、油圧、空気圧、電気機械、ロボット、又はその他の発射システムの構成要素の様々な構成を認識することになり、したがってその詳細な説明は不要である。
図4により詳細に示すように、図示する実施形態のエンドエフェクタ50は、カートリッジアセンブリ又はキャリアとして機能する下部ジョー52と、アンビルとして機能する、対向する上部ジョー54と、を有する外科用ステープリング工具である。中に複数のステープル70を有するステープルカートリッジ60は、ステープルトレイ57内に支持され、次にステープルトレイ57は、下部ジョー52のカートリッジチャネル内に支持される。上部ジョー54は、複数のステープル成形ポケット66(図11)を有し、各ポケットは、ステープルカートリッジ60内に収容される複数のステープル70からの対応するステープルの上に位置付けられる。図示した実施形態では、上部ジョー54は、シャフト14との係合部のすぐ遠位の、ステープルチャネル56の近位端56p内で枢動可能に受け入れられる近位枢動端部54pを有するが、上部ジョー54は、様々な方法で下部ジョー52に接続され得る。上部ジョー54が下向きに枢動すると、上部ジョー54はアンビル面58を移動させ、その上に形成されたステープル成形ポケット66は、対向するステープルカートリッジ60に向けて移動する。
ジョー52、54の開閉をもたらして、これらの間に組織を選択的にクランプするために、様々なクランプ構成要素が使用され得る。図示した実施形態では、上部ジョー54の枢動端部54pは、ステープルチャネル56との枢動取り付け部より遠位に閉鎖機構54cを含む。したがって、遠位端部が、閉鎖機構54cと係合する馬蹄形開口部82aを含む閉鎖管82は、クランプトリガー22に応答して、閉鎖管82の近位長手方向運動中に上部ジョー54に対して開放運動、閉鎖管82の遠位長手方向運動中に上部ジョー54に対して閉鎖運動を選択的に加える。当業者は、エンドエフェクタ50の開閉は、上部ジョー54に対する下部ジョー52の相対運動、下部ジョー52に対する上部ジョー54の相対運動、又は互いに対する両方のジョー52、54の運動によってもたらされてよいことを理解するであろう。
図示した実施形態の発射構成要素は、図5に示すように、遠位端にEビーム86を有する発射バー84を含み得る。発射バー84は、シャフト14内、例えば、シャフト14の長手方向発射バースロット14内に含まれ、ハンドル12からの発射運動によって誘導される。発射トリガー24の作動は、エンドエフェクタ50の少なくとも一部を通るEビーム86の遠位運動に影響し、したがって、ステープルカートリッジ60内に収容されたステープル70を発射させ得る。図示した実施形態では、Eビーム86の遠位端から突出しているガイド85は、ウェッジスレッド90と係合し得、次に、ウェッジスレッド90は、ステープルカートリッジ60内に形成されたステープルキャビティ68を通ってステープルドライバ92を押し上げ得る。ステープルドライバ92の上方移動は、カートリッジ60内の複数のステープル70のそれぞれに上向きの力を加え、したがって、上部ジョー54のアンビル面58に押し付けてステープル70を押し上げ、成形されたステープル70’を形成する。
ステープルを発射させることに加えてEビーム86は、ジョー52、54の閉鎖、ステープルカートリッジ60からの上部ジョー54の引き離し、及び/又はジョー52、54間に捕捉された組織の切断を促進するように構成され得る。具体的には、一対の頂部ピン87及び一対の底部ピン89は、上部及び下部ジョー52、54の一方又は両方と係合して、発射バー84がエンドエフェクタ50を通って前進するときにジョー52、54を互いに向けて圧迫し得る。同時に、頂部ピン87と底部ピン89との間に延在するナイフ81は、ジョー52、54の間で捕捉された組織を切断するように構成され得る。
使用中、外科用ステープラ10は、カニューレ又は孔内に配置され、手術部位に配置され得る。切開されてステープルされる組織は、外科用ステープラ10のジョー52、54の間に置かれてもよい。ステープラ10の機構が臨床医によって望みどおりに操作され、ジョー52、54に関する手術部位と組織においてジョー52、54の所望の位置を達成し得る。適切な位置決めを達成した後に、クランプトリガー22を静止ハンドル20に向けて引いて、クランプシステムを作動させ得る。トリガー22は、閉鎖管82が、シャフト14の少なくとも一部を通過して遠位方向に進んで、ジョー52、54の少なくとも一方を他方に向かって倒し、これらの間に配置された組織をクランプするように、クランプシステムの構成要素を作動させ得る。その後、発射バー84及び/又はEビーム86が、エンドエフェクタ50の少なくとも一部を通って遠位方向に進んで、ステープル70の発射をもたらし、任意追加的に、ジョー52、54の間で捕捉された組織を切断するように、トリガー24を静止ハンドル20に向けて引いて、発射システムの構成要素を作動させ得る。
外科用器具100の別の実施形態を図6に示す。外科用器具10のように、外科用器具100は、遠位に延在し、組織を処置するために遠位端にエンドエフェクタ150を有するシャフト114を備えるハンドルアセンブリ112を含む。エンドエフェクタ150の上部及び下部ジョー154、152は、これらの間で組織を捕捉し、下部ジョー154に配置されたカートリッジ160からステープルを発射することによって組織をステープリングし、及び/又は組織に切開部を形成するように構成され得る。この実施形態において、シャフト114の近位端にある取り付け部116は、シャフト114及びエンドエフェクタ150をハンドルアセンブリ112に取り外し可能に取り付け可能にするように構成され得る。具体的には、取り付け部116の嵌合機構125は、ハンドルアセンブリ112の補助嵌合機構123と嵌合できる。シャフト114をハンドルアセンブリ112に取り外し可能に結合するために任意の数の補助嵌合機構及び任意の種類の結合を使用できるが、嵌合機構123、125は、例えば、スナップフィット結合、バヨネット式結合などによって結合するように構成され得る。図示した実施形態のシャフト114の全体は、ハンドルアセンブリ112から着脱可能に構成され得るが、いくつかの実施形態において、取り付け部116は、シャフト114の遠位部のみを取り外すことができるように構成され得る。シャフト114及び/又はエンドエフェクタ150の着脱可能な結合は、特定の処置のための所望のエンドエフェクタ150の選択的な取り付け、及び/又は多数の異なる処置のためのハンドルアセンブリ112の再利用を可能にできる。
ハンドルアセンブリ112は、その上に1つ、又は2つ以上の機構を有して、エンドエフェクタ150を扱って操作することができる。非限定例として、ハンドルアセンブリ112の遠位端に取り付けられた回転ノブ126は、ハンドルアセンブリ112に対するシャフト114及び/又はエンドエフェクタ150の回転を促進し得る。ハンドルアセンブリ112は、トリガー122によって作動されるクランプシステムの一部としてクランプ構成要素と、これもトリガー122によって作動され得る発射システムの一部として発射構成要素と、を更に含み得る。したがって、いくつかの実施形態において、第1運動範囲を通る、静止ハンドル120に向けたトリガー122の移動は、クランプ構成要素を作動させて、対向するジョー152、154を互いに向けて閉鎖位置に接近させ得る。第2運動範囲を通る、静止ハンドル120に向けたトリガー122の更なる移動は、発射構成要素を作動させて、ステープルカートリッジ160からステープルを放出させ得る、及び/又はナイフを前進させて、ジョー152、154間に捕捉された組織を切断させ得る。
外科用器具200の更に別の実施形態を図7に示す。外科用器具10及び100のように、外科用器具200は、遠位に延在し、組織を処置するために遠位端にエンドエフェクタ250を有するシャフト214を備えるハンドルアセンブリ212を含む。エンドエフェクタ250は、カートリッジアセンブリ252と、アンビル254と、を含み得、それぞれが、実質的に円形形状の組織接触面260p、260dを有する。カートリッジアセンブリ252及びアンビル254は、アンビル254から延在するシャフト262によってステープラ200のハンドルアセンブリ212に結合され得、ハンドルアセンブリ220上のアクチュエータ222を操作すると、シャフト262を進退させてカートリッジアセンブリ252に対してアンビル254を移動させることができる。一実施形態において、シャフト262は、アンビル254がカートリッジアセンブリ252から取り外せるように解放可能に結合されて、体内におけるアンビル254及びカートリッジアセンブリ252のより柔軟な位置付けを可能にするように構成されている第1部分及び第2部分(図示なし)からなる。例えば、シャフトの第1部分は、カートリッジアセンブリ252内に配置され、カートリッジアセンブリ252の外側で遠位に延在し、遠位の嵌合機構内で終結し得る。シャフト214の第2部分は、アンビル254内に配置され、カートリッジアセンブリ252の外側で近位に延在し、近位の嵌合機構内で終結し得る。使用中、近位及び遠位嵌合機構は結合して、アンビル254及びカートリッジアセンブリ252が互いに対して移動できるようにし得る。アンビル254及びカートリッジアセンブリ252は様々な機能を実行でき、これらの間で組織を捕捉し、カートリッジアセンブリ252からステープルを発射することによって組織をステープリングするように構成され得る、及び/又は組織に切開部を形成できる。一般に、カートリッジアセンブリ252は、ステープルを収容するカートリッジを収納することができ、アンビル254に押し付けてステープルを配備して、管状体器官の周囲にステープルの円形パターンを形成できる。
ステープラ200のハンドルアセンブリ212は、その上に配置され、ステープラの移動を制御できる様々なアクチュエータを有し得る。例えば、ハンドルアセンブリ212は、回転によってエンドエフェクタ250の位置付けを促進するためにその上に配置された回転ノブ226、及び/又はエンドエフェクタ250を作動させるトリガー222を有し得る。第1運動範囲を通ってトリガー222が移動することにより、クランプシステムの構成要素が作動して、ジョーを接近させ得る。すなわち、アンビル254をカートリッジアセンブリ252に向かって移動させ得る。第2運動範囲を通ってトリガー222が移動することにより、発射システムの構成要素が作動して、ステープルカートリッジアセンブリ252からステープルを配備させ得る、及び/又はナイフを前進させて、カートリッジアセンブリ252とアンビル254との間に捕捉された組織を切断し得る。
外科用ステープリング器具10、100、及び200の図示した実施形態は、多くの異なる構成及び関連する使用方法のうちのごく一部の例を提供するものであり、これらは本明細書で提供する開示と共に使用され得る。図示した実施形態は、すべて低侵襲処置で使用するように構成されているが、切開外科的処置で使用するように構成されている器具、例えば、米国特許第8,317,070号に記載されているようにオープンリニアステープラを本明細書で提供される開示と共に使用できることが理解されるであろう。図示した実施形態に関する更なる詳細、並びに本開示に従って使用できる外科用ステープラ、これらの構成要素、及びこれらに関連する使用方法の追加の例示的実施形態としては、米国特許出願公開第2013/0256377号、米国特許第8,393,514号、同第8,317,070号、同第7,143,925号、米国特許出願第14/074,884号(名称「Sealing Materials for Use in Surgical Procedures」、2013年11月8日出願)、同第14/074,810号(名称「Hybrid Adjunct Materials for Use in Surgical Stapling」、2013年11月8日出願)、同第14/075,438号、(名称「Positively Charged Implantable Materials and Method of Forming the Same」、2013年11月8日出願)、同第14/075,459号(名称「Tissue Ingrowth Materials and Method of Using the Same」、2013年11月8日出願)、同第14/074,902号(名称「Hybrid Adjunct Materials for Use in Surgical Stapling」、2013年11月8日出願)、同第14/226,142号(名称「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」、2014年3月26日出願)で提供される装置、構成要素、及び方法が挙げられ、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
補助材の例示的組成
外科用器具の構成に関わらず、本明細書に記載の実施形態は、器具操作と共に、植え込み可能な材料、例えば、合成及び/又は生体材料、集合的に「補助材」の使用方法を提供し得る。以下で更に詳述するように、本明細書に開示するように、補助材は、様々な方法で下部及び上部ジョー(haw)部材52、54に取り外し可能に結合されて、エンドエフェクタ50の作動時に補助材をジョー部材から分離可能にし得る。より具体的には、補助材は、ジョー部材52、54の間に配置された組織と共に、ステープル70によって捕捉され得る。補助材は、ステープラが患者から除去されたときに、患者の体内に留まり得る。補助材を外科用器具のエンドエフェクタに取り付ける多数の装置及び方法が以下に記載されているが、他には、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2013/0256377号及び同第2013/0153641号に見出すことができる。
本明細書で提供される開示と共に使用される補助材は、任意の数の構成と特性を有してもよい。一般に、補助材は、補助材が治癒過程の間に吸収、溶解、分解、及び/又は破壊されるように、例えば、生体吸収性材料、生体分解性材料、及び/又は、その他の方法で破壊され得る材料で作製され得る。少なくとも1つの実施形態において、補助材は、時間と共に分解して、ゲル、例えば、シーラントを形成して創傷治癒を補助するように構成され得る。他の実施形態において、補助材は、例えば、時間と共に放出され、組織の治療を補助するように構成され得る治療薬を含み得る。更なる種々の実施形態において、補助材は、例えば、非吸収性、及び/又は破壊され得ない材料を含んでもよい。
一部の特に有益な補助材は、例えば、水が材料のポリマー結合を攻撃するように水に曝露することによって、破壊されるように構成され得る多孔質ポリマースキャフォールドを含み得る。分解された補助材は、創傷部位上でゲル化し、したがって創傷組織、例えば、創傷軟組織をコーティングするように構成され得、このことは、圧迫、封止、及び/又は一般に組織の治癒を促進する環境の形成を補助し得る。具体的には、かかる分解性ポリマーによって、組織自体が荷重負荷構成要素になることができ得る。いくつかの実施形態において、分解された補助材は、創傷部位に自然治癒化合物を引き付ける化学誘引剤を含み得る。ポリマースキャフォールドは、所望の分解率、例えば、組織への付着後数分から数時間内を有し、したがって、ほぼ付着直後に治癒過程を補助するように構成され得る。本明細書に記載するような多孔質ポリマースキャフォールドの更なる詳細については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Q.Chen et al.,Elastomeric biomaterials for tissue engineering,Progress in Polymer Science 38(2013)584〜671を参照されたい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の多孔質ポリマースキャフォールドは物理的に架橋でき、このことにより、ポリマーの形状を様々な複雑な三次元形状、例えば、繊維、シート、フィルムなどに成形することができ、任意の所望の有孔率、表面積対体積比、及び機械的特性を有する。スキャフォールドは、例えば、押し出し成形、湿式紡糸、電界紡糸、熱誘起相分離(TIPS)、塩浸出/凍結乾燥によるなど多数の方法によって所望の形状に成形され得る。スキャフォールドがフィルム又はシートに形成されるとき、このフィルム又はシートは、所望の用途に応じて任意の所望の厚さ、例えば、約50〜750μmの範囲、又は約1〜3mmの範囲を有し得る。
多孔質ポリマースキャフォールドの一実施形態は多層を含み、各層は、異なる創傷治癒機能を実行し得る。例示的実施形態において、キャフォールドは3つの層を含む。第1層はポリエステルカーボネートウレタンウレア(PECUU)で作製され得、第2層はポリ(エステルウレタン)ウレア(PEUU)で作製され得、第3層はポリ(カーボネートウレタン)ウレア(PEUU)リジントリイソシアネート(LTI)又はヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)で作製され得る。当業者は、各層の特性は、所望の結果及び性能を達成するために最適化され得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、スキャフォールドの所望の特性は、第3層の材料をブレンドするか、共重合することによって、又は様々なポリマー若しくはコポリマーと共重合することによって達成され得る。非限定例としては、第3層の材料は、ポリエステルコポリマー、例えばポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸PGA、ポリ(D,L−乳酸)(PDLLA)、PGA、及び/又はポリエチレングリコール(PEG)とブレンドされ得る。第3層の材料がポリエステルコポリマー及びPEGとブレンドされる場合、第3層中のポリエステル対PEGの比率は、約50:50であり得る。別の例示的実施形態において、PCLは約60〜70%重量/体積の範囲で存在し得、PGAは約20〜30%重量/体積の範囲で存在し得、PEGは約50%重量/体積の範囲で存在し得、PDLLAは約10%重量/体積の範囲で存在し得る。
3層のそれぞれは、別々に分解して異なる治癒効果を有するように構成され得るものの、3層のフィルムは、組織への付着後ほぼすぐに、例えば、付着後約1〜2時間以内に分解するように構成され得る。各層の順番、数、及び厚さは多様であり得、所望の分解及び/又は圧縮比をもたらすように調整され得る。いくつかの実施形態において、第1、第2、及び第3層は、創傷組織の機械的圧迫を補助するように構成され得る、母材、つまり基材の上、例えば、PCLの上に形成され得る。
多孔質ポリマースキャフォールドの別の例示的実施形態は、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)から合成され得る。例示的実施形態において、PHAは、様々な微生物、例えば、グラム陰性又はグラム陽性菌から天然に産生され得るか、例えば、Zeneca(London,United Kingdom)から入手可能なBiopol(登録商標)の製造と同様に合成され得る。PHAは非常に迅速に溶解するため、PHAで作製されたスキャフォールドは、熱及び/又は水との接触による組織への付着後20〜30分以内に分解を開始し得る。PHAスキャフォールドがより高い分子量を有する場合、分解時間は、例えば、約30分〜約10時間の範囲などより長くなり得る。PHAは非常に薄いフィルム、例えば、0.1mm未満、例えば、50〜750μmの範囲の厚さを有するフィルムに形成され得る。いくつかの実施形態において、PHAは、1つ、又は2つ以上の追加材料と共重合され得る、及び/又はブレンドされ得る。非限定例として、PHAは、PHAの濃度、又は結晶化度及び/又は脆性を低減し得る、ヒドロキシバレラート(hydroxlvalerate)(HV)、ヒドロキシブチレート(hydroxylbutyrate)(HB)、及び/又はヒドロキシヘキサノエート(hydroxylhexanoate)(HH)と共重合され得る。他の実施形態において、PHAは、1つ、又は2つ以上の熱可塑性物質、例えば、ポリ(乳酸)(PLA)、PGA、PCL、デンプンなどとブレンドされ得、したがって、スキャフォールドの分子量及び結果として得られる機械的特性をカスタマイズする。特定の態様において、ポリマーの1つ、又は2つ以上は熱可塑性ポリマーであり得る。
他の実施形態において、スキャフォールドは、ポリ(ポリオールセバシン酸)(PPS)から、例えば、ポリ(グリセロールセバシン酸)(PGS)から合成され得る。かかるスキャフォールドはとりわけ生体適合性であり得、治癒の促進に加えて、感染リスクの低減という追加の利点をもたらし得る。他の例示的実施形態は、キシリトール系エラストマー、例えば、ポリキシリトールセバシン酸(PXS)から合成され得、これにより、臨床的に必要な期間にわたって構造的安定性が提供され得る、及び/又は血糖値を急速に変動させることなく、徐々に代謝経路に入り得る。PXS作製されたスキャフォールドはより厚いフィルムに形成され得、したがって創傷部位により強い圧迫をもたらし、付着後約10時間〜8日の範囲内に分解するように構成され得る。更に他の例示的実施形態は、特に繊維として形成されたときに、増殖中の組織をスキャフォールドへと促進できる、及び/又は抗菌剤として機能できるポリ(グリセロールセバシン酸−co−アクリル酸)(PGSA)から合成され得る。PGSAスキャフォールドは、従来の外科用縫合糸及びステープルの代用品として有用であり得、並びに/又は管腔器官(例えば、管、腸など)の嵌合に使用する防水シーラント、2D網状植皮(例えば、ヘルニアの治療、潰瘍、やけどなど)、及び/又は創傷包帯(例えば、止血パッチなど)として機能し得る。PGSAはグリセロールと組み合わせることができ、これによって、スキャフォールドは、より長い期間、例えば、最大20日にわたってその位置で存続し得る。
更に別の実施形態において、スキャフォールドは、絹フィブロイン(SF)とブレンドされ得、非常に薄いフィルムに形成され得るポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)で作製され得る。PCL/SFブレンドは、非常に高い生体適合特性を有し得る、並びに/又は細胞付着性及び/若しくはスキャフォールドへの増殖性を向上させ得る。例えば、組織に植え込まれたとき、スキャフォールドは、フィブロインを組織内に放出し、したがって、より迅速な治癒、ほぼ即時の止血を促進し得る、及び/又はより多くの線維芽細胞を引き付け得る。PCL成分は、創傷組織の機械的圧迫をもたらすことにより、治癒過程で更に補助し得る。より高いSF含量は、より良好な分解特性をもたらし得るが、より高いPCL含量は、より良好な機械的特性をもたらし得る。一般に、PCL含量は約50〜90%重量/体積の範囲であり得、SF含量は約10〜50%重量/体積の範囲であり得る。PCL及びSFで作製されたスキャフォールドの特性及び製造方法の更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Jun Sik Lim et al.,Fabrication and Evaluation of Poly(epsilon−caprolactone)/Silk Fibroin Blend Nanofibrous Scaffold,Biopolymers 97:265〜275(2012)に見出すことができる。
また更なる実施形態において、スキャフォールドは、ゼラチンコーティングPCLを含み得る。このスキャフォールドは、1つ、又は2つ以上の層内に配置され得、例えば、PCLは基材として機能する。PCLは、スキャフォールドの機械的強度を増加させるように機能し得、並びに/又は線維芽細胞の接着及び細胞増殖を支援し得る。ゼラチンコーティングPCLで作製されたスキャフォールドの特性及び製造方法の更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Pengcheng Zhao et al.,Biodegradable fibrous scaffolds composed of gelatin coated poly(ε−caprolactone)prepared by coaxial electrospinning,J.Biomed Mater Res 83A:372〜382(2007)に見出すことができる。
以下の表1は、上記の多孔質ポリマースキャフォールド材料で作製されたフィルムの例示的な分子量の範囲、おおよその吸収時間、平均寸法の概要を示す。当業者は、表1に示す範囲が限定的であることを意図するものではなく、本明細書に記載の任意のポリマーの分子量は、所望の分解特性を得るために変更され得ることを理解するであろう。
他の好適な補助材としては、吸収性ポリウレタン、例えば、メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)に類似であり得る芳香族吸収性イソシアネート及び鎖延長剤ジオールに由来するポリウレタンが挙げられ得る。吸収性ポリウレタンは、安全かつ生体適合性の製品に加水分解されるように構成され得る。吸収性ポリウレタンを形成するために使用できる加水分解性芳香族イソシアネートの非限定例としては、グリコール酸−ジイソシアネート、カプロラクトン−ジイソシアネート、グリコール酸−エチレングリコール−グリコール酸、グリコール酸−ジエチレングリコール−グリコール酸、乳酸−ジエチレングリコール−乳酸、グリコール酸(gycolic acid)とトリメチルプロパンとのトリエステル(trimester)、及びグリコール酸とペンタエリスリトールとのテトラエステルが挙げられる。
本明細書で提供される材料と共に使用できる、別の特に有益な補助材は、その全体が本明細書に組み込まれ、米国特許出願公開第2006/0257458号で開示される、多層包帯を形成する材料であり、これらは、例えば、ステープルの適用によって圧迫されたときに、体液を吸収し、保持するのに特に好適である。例えば、バットレスとして、本明細書で提供される開示と共に使用され得る合成材料の他の例示的非限定例としては、商標PDS(登録商標)のもとに販売されるポリジオキサノンフィルム若しくはポリグリセロールセバシン酸(PGS)フィルムなどの生分解性合成吸収性ポリマー、又はPGA(商標Vicryl、Dexon、及び/又はNeoveilのもとに販売されるポリグリコール酸及びその様々な形態)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLA若しくはPLLA(ポリ乳酸)、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、PGCL(商標Monocrylのもとに販売されるポリグレカプロン25)、PANACRYL(Ethicon,Inc.(Somerville,N.J.))、ポリグラクチン910、ポリグリコネート、PGA/TMC(商標Biosynのもとに販売されるポリグリコール酸−トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリジオキサノン(PDO)及びこれらの様々な形態(例えば、PDSの商標のもとに販売される)、又は上記のいずれかのブレンド若しくは共重合から形成される他の生分解性フィルムが挙げられる。上記の材料のいずれかのブレンド及び/又は共重合は、所望の分子量及び/又は分解率を有するように調整され得る。
本明細書で提供される開示と共に、例えばシーラント材として使用され得る生体由来材料のいくつかの非限定例としては、乏血小板血漿(PPP)、多血小板血漿(PRP)、でんぷん、キトサン、アルギン酸、フィブリン、トロンビン、ポリサッカライド、セルロース、コラーゲン、ウシコラーゲン、ウシ心膜、ゼラチンーレゾルシンーホルマリン接着剤、酸化再生セルロース、再生セルロース、ムラサキ貝系接着剤、ポリ(アミノ酸)、アガロース、ポリエーテルエーテルケトン、アミロース、ヒアルロナン、ヒアルロン酸、ホエータンパク質、セルロースガム、スターチ、ゼラチン、絹、Davol Inc(Warwick,Rhode Island)から入手可能なProgel(登録商標)、Baxter(Deerfield,Illinois)から入手可能なTachoSil(登録商標)、又は本明細書で提供される開示を考えると当業者には明白である材料の組み合わせ、若しくは任意の材料など、生体材料との混合に好適な、及び傷又は欠損部に用いられるのに好適な他の材料が挙げられる。生体材料は多くの原料から得られ、その原料には、生体材料が植え込みされる患者からのもの、生体材料が植え込みされる患者ではないヒトからのもの、及び他の動物からのもの、が含まれる。
本明細書で提供される開示と共に使用され得る合成又はポリマー材料、及び生体材料に付属する追加の開示は、米国特許第7,772,352号、国際公開第2014/016819号、米国特許出願公開第2006/0257458号、同第2012/0080335号、同第2012/0083835号、同第2013/0256372号、同第2013/0256365号、同第2013/0256376号、米国特許出願第13/710,931号(名称「Electrosurgical End Effector with Tissue Tacking Features」、2012年12月11日出願)、及び同第13/763,192号(名称「Multiple Thickness Implantable Layers for Surgical Stapling Devices」、2013年2月8日)に見出され、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
使用中、補助材は装置及び/又はステープルカートリッジ上にあらかじめ積載されていてもよく、一方別の例では、補助材は別に包装されてもよい。補助材が装置及び/又はステープルカートリッジ上にあらかじめ積載されている場合には、ステープル工程は当業者に知られているように実行されてもよい。例えば、いくつかの例では、装置の発射が補助材を装置及び/又はステープルカートリッジから分離するのに十分であり得て、それによって医師による更なる行為は不要である。別の場合では、補助材を装置及び/又はステープルカートリッジと連携するいかなる残留する接続又は保持部材も、手術部位から装置を取り除く前に、取り除くことができ、それによって補助材が手術部位に残る。補助材が個別に包装されている場合には、この補助材は、装置の発射に先立ってエンドエフェクタの少なくとも1つの構成要素、例えば、ステープルカートリッジと解放可能に結合され得る。補助材は冷蔵されてもよく、したがって冷蔵庫及び関連する包装から取り出され、次に、本明細書に記述するように、又は当業者に知られているように、接続又は保持部材を使用して装置と結合される。次に当業者に知られているようにステープリング工程が実施されてもよく、必要により上述したように補助材が装置から分離されてもよい。
クラウン側のステープル専用補助部
上記及び図8に示すように、外科用ステープラから発射されたステープルによって形成された穿刺部は、ステープリングされた組織の種類に応じて、血液、空気、又は他の体液の漏出をもたらすことがある。より具体的には、組織は、ステープル4006がその中に埋め込まれた後で様々な方向4002、4004のいずれかに伸長し得、したがってステープル脚部によって形成された穿刺部4008、4010を伸長させる。場合によっては、導管又は他の体腔のステープリングされた端部が正常に封止されても、ステープル穿刺部からの出血又は他の漏出が存在し得る。
組織補助部の1つの利点は、体液又はガスの漏出など漏出を防止又は最小化する傾向である。組織補助部は、次の仕組み、つまり、ステープル穿刺部位において生じる孔又は裂け目を閉塞すること、ステープル穿刺部位の周囲の組織の移動を制限して、ステープル孔の寸法の増加を阻止すること、及び/又は組織の引裂きを阻止すること、並びにステープル線内に拘束された組織とステープル線に隣接する自由な組織との間で生じるひずみ勾配を最小化すること、のうちの1つ、又は2つ以上によってこの機能を実行し得る。
本明細書に記載の装置及び方法の実施形態は、ステープルに結合され、穿刺部4008、4010を閉塞、つまり封止するように構成されている1つ、又は2つ以上の補助部を設けることによって、これらの穿刺部からの漏出に対処できる。上記のように、補助部は、ステープルを収容するカートリッジ本体のステープルキャビティ内に配置された粘着性コーティング(例えば、生体吸収性ウレタンなど)で形成され得る。カートリッジ本体からの放出時に、補助コーティングは、ステープル脚部によって形成された穿刺部4008、4010を充填するプラグになり得る。プラグは、ステープルが組織を通って成形されるときに圧迫され得、補助材の圧迫時に膨張し、漏出経路を形成し得る組織内のすべての欠損部を充填し得る。補助プラグはまた、ステープルによって加えられた圧力を分散させるように機能し得、したがって、ステープルが組織を通って引き寄せられ、意図したように組織を締結する(いわゆる「チーズワイヤリング(cheese wiring)」)ことに失敗する可能性を低減する。更にまた、補助材として使用される粘着性コーティングはまた、上記のように、他の治癒特性(例えば、抗菌特性、止血など)又はステープルの成形を支援する他の特徴(例えば、潤滑油など)を含み得る。
図9Aは、外科用ステープル4014の脚部の周囲に配置された補助部4012の一実施形態を示す。図示した補助部4012は、ステープルの各脚部の周囲に配置されたプラグの形態である。つまり、組織の通過時にステープル脚部によって形成された穿刺部に押し込められるように構成されている、先細の円筒形を有する。補助部4012は、ステープル4014の脚部に沿った任意の位置に形成され得、いくつかの実施形態において、以下で更に詳述するように、脚部に沿って滑動するように構成され得る。
図9Bに示す実施形態において、補助部4016は、ステープル4014のクラウン部4018と各ステープル脚部4020、4022との間の接合部に位置付けられ得る。この場合においても、補助部4016は、補助部が組織内の穿刺部に受け入れられるように構成されているプラグを形成するように、クラウン部4018からステープル脚部4020、4022の遠位端に向かって先細になる形状を有し得る。補助部4016は、流動性材料、例えば、ヒドロゲルで更に形成され得、これらの材料は、植え込み先立って形状を維持できるが、組織への植え込み時により流動的になって、穿刺部又は組織内の他の欠損部を充填し得る。他の実施形態において、膨潤性材料、すなわち、水又は他の体液との接触時に体積を増加させる材料を用いることができる。
図10は、ステープル4026の脚部の周囲に配置された補助部4024の別の実施形態を示す。この実施形態において、ステープル4026は、外科用ステープラのカートリッジ本体4028のステープルキャビティ内に収納される。補助プラグ4024は、ステープル4026の各脚部の遠位端において、その周囲に配置される。いくつかの実施形態において、補助部4024はカートリッジ本体4028に形成された小さいカットアウト部、つまり棚内に固定され得る(図12と比較されたい)。図11に示すように、補助部4024は、ステープル4026の脚部上を滑動するように構成され得る。
使用中、図12に示すように、組織4030は、カートリッジ本体4028とアンビル4032との間でクランプされ得、ステープル4026は、カートリッジ本体から組織を通って、アンビルへと放出され得る。補助部4024は、組織4030に当接し、カートリッジ本体からの放出時にステープル4026の脚部上での滑動を開始し得る(図11を参照)。最終的に、補助部4024は、組織4030とステープル4018のクラウン部との間で圧迫された状態になり得る。補助部4024は、水若しくは体液との接触時に、又は圧縮力下において流動的になる材料で形成され得るため、図11に示す円筒形状の補助部4024は、図12に示すように、組織4030内の穿刺部に流入し得る。
体内の異なる位置において組織が経験する様々な力に適応できるため、粘着性コーティング及び他の流動性又は膨潤性材料は、補助材に好適な選択肢であり得る。図13A及び13Bは、かかる補助材が、組織が圧縮下にある場合のように互いに向かって内側に拡張するステープル脚部の穿刺部、並びに組織が張力下にある場合のように互いから離れて外側に拡張するステープルの脚部穿刺部を効果的に封止するために使用され得ることを示す。例として、張力下にある組織は、胸腔、例えば、肺組織及び/又は心血管系組織に見出され得ることが多く(図13B)、圧縮下にある組織は、胸腔の外側に見出され得ることが多い(図13A)。
図14A及び14Bは、図13Bに示す構成の別の図を提供する。張力下にある組織4034は、ステープル4036から外側にステープル脚部の穿刺部を拡張させ得る。したがって、ステープル4036の各脚部の周囲に配置されたゲルプラグの形態である流動性補助プラグ4038は、ステープルのクラウン部と組織4034との間での圧迫によって外側に押し出されて穿刺部に押し込まれ得る。ゲルは、拡張した穿刺部を封し得、したがって、これを通るすべての漏出を阻止する。
上記のように、図9A〜14Bは、外科用ステープルの脚部の周囲に配置されたか、ステープルのクラウン部とステープル脚部との間の内側接合部に形成された補助材を示す。図15に示す別の実施形態において、補助材4040は、ステープルのクラウン部4044と各ステープル脚部4046、4048との間の接合部においてステープル4042の外面に結合され得る。いくつかの実施形態において、補助材4040は、流動性又は膨潤性材料(ヒドロゲルなど)であり得る。かかる材料は、組織との接触時に外側に拡張し、ステープル脚部4046、4048によって形成された穿刺部を充填し得る。図15の補助材4040は、円筒状プラグの形状であるが、任意の様々な他の形状も可能である。上記のように、他の可能な形状としてはステープルの脚部に沿った先細形状が挙げられ得るか、立方体、6角形押出しなど全く異なった形状が使用され得る。
ステープル4042の形状は、図16に示すように、補助材4040を受け入れるように修正され得る。いくつかの実施形態において、例えば、図9A及び9Bに示すステープル4014の直角の角部は、補助材4040に取り付け面を設けるように面取りされ得る。ステープル4042のクラウン部4044はまた、図9のステープル4014の円筒状ロッド又は正方形の断面形状とは反対に、より幅広の平坦状を有する。加えて、ステープル4042及び補助材4040の両方は、任意の様々な寸法を有し得る。図17A〜17Cは、同一の幅及び脚部長さを有するが、より多くの量の補助材4056、4058、4060を受け入れるステープル4050、4052、及び4054の実施形態を示す。
図18A〜18Cは、患者の肺内における、図15に示すステープル4042の植え込みを示す。ステープル4042は、外科用ステープラカートリッジ本体4062のステープルキャビティ内に当初保管され得る。組織4064がカートリッジ本体4062とアンビル4066との間に配置されると、ステープル4042は、ステープルキャビティから、組織を通ってアンビルへと放出され得る。肺組織4064との接触時に、ヒドロゲル補助材4040は拡張して、ステープル脚部4046、4048によって形成された穿刺部を囲む任意の間隙、又は欠損部を充填し得る。
図15のクラウンが平坦なステープルは、補助材のそこへの取り付けを受け入れ得るステープルの一実施形態にすぎない。図19A及び19Bは、例えば、その脚部の周囲に配置された、クラウン部の外面若しくは内面に結合されたなど、そこに結合された補助材を有し得る、更に他の別のステープルの形状を示す。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/138,516号(2013年12月23日出願)は、本明細書に開示する補助材と組み合わされ得る、更なるステープル形状を開示する。特定のステープル形状又は補助材の取り付け機構に関わらず、補助材はステープル脚部によって形成された個々の穿刺部を充填し、封止するように構成され得る。
図20は、外科用ステープル4068の第1脚部及び第2脚部の両方の周囲を封止するように構成されている、綿撒糸4066の形態の補助部の別の実施形態を示す。綿撒糸4066は、ステープル4068のクラウン部(図示なし)に押し付けられた状態で図示され、上記のように、流動性材料及び/又は膨潤性材料(ヒドロゲル又は他のゲルなど)で形成され得る。ゲルは、図21Aに示すように、外科用ステープラのカートリッジ本体内への配置時にその形状を保持するが、図21Bに示すように、組織、水、又は他の体液との接触時に全方向でより流動的になるように構成され得る。
図22A及び22Bは、植え込み前及び後の側面図からの外科用ステープル4068及び補助綿撒糸4066を示す。図22Bに示すように、綿撒糸4066は、接触時に外向きに拡張し、組織4070に流入する。綿撒糸4066のゲル材料は、したがって、ステープル4068によって形成された穿刺部を封止し、また、ステープル4068のクラウン部4072によって組織に加えられた圧力を分散させ得る。
更に他の実施形態において、補助材は、図23及び24に示すように、外科用ステープルの全体又は一部に配置されたコーティングの形態であり得る。具体的には、図23のステープル4074は、その外面全体に配置された補助材のコーティング4076を含む。コーティング4076で用いられる補助材は、ステープル4074が組織に植え込まれると、コーティングがステープルから離れて拡張し、存在し得るすべての間隙を充填するように、組織又は体液との接触時に膨張するように構成され得る。図24は、中に配置された複数列のステープル4074を有する、組織4078の側断面図を示す。ステープル4074は、体液が通過せず、ステープル4074の間で組織が切断され得るように、図の中央において組織4078を合わせて封止し得る。
いくつかの実施形態において、他の非流動性材料も補助部として用いられ得る。例えば、圧縮性発泡体は、ゲル若しくは他の流動性材料と組み合わせて、又はそれだけで補助材として用いられ得る。図25は、ステープルの両脚部の周囲に配置された発泡補助部4082を有するステープル4080の一実施形態を示す。ステープルと組み合わせて発泡体を用いようとする試みでは、時として、植え込み中に発泡体がステープルのクラウン部の周囲を回転するという問題に遭遇することがある。ステープル4080は、ステープルのクラウン部と発泡補助部4082との間に追加の綿撒糸4084を組み込むことによって、この問題に対処し、この可能性を最小限に抑える。綿撒糸4084は、植え込み中に発泡補助部4082を支持して、ステープルのクラウン部の周囲を回転しないようにし得る。綿撒糸4084は、剛性の生体適合性材料で形成され得る、又は上記の流動性材料で形成され得る。後者の実施形態において、ゲル又は他の流動性材料は、発泡補助部4082に必要な支持をもたらすように、植え込みに先立ってその形状を保持し、続いて、植え込み後に組織内の欠損部に流入し得る。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0192882(Hessら)は、ステープルを剛性綿撒糸に結合し、本明細書に開示する補助材と組み合わせられ得るカートリッジ本体にこれらを組み込む技法を開示する。
いくつかの実施形態において、ステープルの植え込み中に、補助材のいずれかが外科用ステープラのカートリッジ本体と接触しないようにすることが望ましいことがあり得る。カートリッジ本体と補助部との間に接触が存在する場合、カートリッジ本体からのステープルの放出時に、補助材がステープルから削り落とされ得ることが可能である。補助材がヒドロゲル、又は他の流動性及び/若しくは膨潤性材料である実施形態において、例えば、補助材がステープルキャビティ内へと削り落とされ、放置されてそこで拡張するか、外科用ステープラの隣接部分に流入する場合、補助材がステープルの放出を妨げることが更に可能である。したがって、特定の実施形態において、外科用ステープラのカートリッジ本体のステープルキャビティ内に配置された封止補助部は、カートリッジ本体と接触せずに、ステープルと共にそこから放出されるように構成され得る。
補助部がカートリッジ本体と確実に接触しないようにする方法は多数存在する。一実施形態において、補助材は、ステープルが、放出中にカートリッジ本体と接触しないように補助部を遮蔽するように、ステープルに結合され得る。図15に示すステープルは、カートリッジ本体からのステープルの放出時に、本質的にステープルの背後にあるため、カートリッジ本体と接触しないように補助材を遮蔽するステープルの一例である。他の実施形態において、補助材は、図9Bに示すステープルなど、ステープルの脚部間に延在する領域に押し込められ得る。この構成はまた、ステープルキャビティからの放出中に、カートリッジ本体と接触しないように補助材を遮蔽し得る。
他の実施形態において、カートリッジ本体内のステープルキャビティ開口部は、外科用ステープルに結合された少なくとも1つの封止補助部の通過を受け入れるように成形され得る。図26は、図25に示すステープル4080及び発泡補助部4082を受け入れるように成形された開口部を有する複数のステープルキャビティ4088を含む、カートリッジ本体4086の一実施形態を示す。
図27は、各ステープル脚部の外側部に結合された複数の補助部4096を有するステープル4094を受け入れるように成形された複数のステープルキャビティ4092を有する、カートリッジ本体4090の別の実施形態を示す。図28A〜28Cは、外科用ステープルに結合された1つ、又は2つ以上の補助部が通過できるように構成されている、ステープルキャビティ開口部の様々な実施形態を示す。図28Aの上面図では、例えば、内部に形成された開口部4100を有する、カートリッジ本体のデッキ4098を示す。開口部4100は、図15に示すステープルに類似の平坦形態のステープル4110に結合された封止補助部4106、4108を受け入れる寸法である、その対向する端部に形成されたカットアウト部4102、4104を含み得る。図28B及び28Cの別の実施形態において、ステープル4110の脚部の周囲に追加のカットアウト部が設けられて、そこに結合された補助材の様々な構成を受け入れる。
アンビル側の分割された補助部
本明細書に記載の方法及び装置の特定の実施形態は、外科用ステープラのアンビル側に配置された、つまり上記のクラウン側の補助部とは反対側のステープル組織上にある1つ、又は2つ以上の補助部セグメントを含む。これらのアンビル側補助部は、クラウン側補助部に加えて使用され得る。クラウン側補助部は、ステープル脚部の周囲での組織変形によって生じる漏出を阻止するように機能し、以下に記載するアンビル側補助部は、ステープル及びステープル線全体によって生じた引っ張りによる組織損傷を阻止し得る。
外科用ステープラのアンビル側に配置された補助部セグメントは、生体適合性又は生体吸収性材料のシート、個別のステープルの脚部と相互作用するようにそれぞれ設計されている個々の補助部セグメント、多数のステープルの脚部と相互作用するようにそれぞれ設計されている個々の補助部セグメント、互いに取り付けられている個々の補助セグメン、又は任意の好適な組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、各補助部は、外科用ステープラのアンビル側に隣接して配置されたときに、各補助部が、単一のステープル成形開口部のみにまたがる寸法であり得る。更に、いくつかの実施形態において、各補助部は、外科用ステープラのアンビル側に隣接して配置されたときに、各補助部が、多数の単一ステープル成形開口部にまたがる寸法であり得る。
外科用ステープラのアンビル側に配置された補助部セグメントは、ステープリングされた組織内でのステープルによる損傷を阻止することに加えて、ステープリング処置中に組織と相互作用しないステープル、つまり、過剰なステープルを合わせて保持するように機能し得る。例えば、アンビル側補助部が材料のシート、多数のステープルの脚部と相互作用するようにそれぞれ設計されている補助部セグメント、又は互いに接続されている補助部セグメント含む実施形態において、外科用ステープラは、寸法が外科用ステープラによって形成されたステープル線の長さよりも短い腸組織又は導管の一部など組織のセグメントを横断して適合され得る。この場合、組織を通過しないステープルが存在するであろう。組織を固定しないこれらの過剰なステープルが補助部セグメントを通って取り付けられたままである場合、これらのステープルを患者から除去することが促進される。外科医又はステープラ操作者は、次いで、選択した補助部を切断して過剰なステープルを取り外すことができ、患者の体内で過剰なステープルが脱落する可能性を最小限に抑えつつ、過剰なステープルのすべてを除去できる。
しかしながら、以下で更に詳述するように、本明細書に記載の分割された補助部のいくつかの実施形態はカートリッジ上で使用することができ、補助部セグメントは、時間と共に、又は硬化放射線への曝露後に硬化する液体として、外科用ステープラのアンビル側のステープル成形凹部に配置することができる。補助部はまた、シートに取り付けられた個々の補助部として供給され得る。このシートは、連続フィルムなど連結フィルムであり得る。このシートは、織メッシュであり得る。いくつかの実施形態において、複数の個々の補助部は、複数の接続分岐部によって、複数の糸によって、又はステープルが適用されると、ステープルの機能を妨げない若しくは組織を刺激しない、生体適合性若しくは生体吸収性材料で補助部を接続する他の好適な手段によって接続され得る。使用する補助部が複数の接続分岐部によって接続されるとき、外科用ステープラは、ステープルが組織内に配備されるときに接続分岐部を切断する、1つ、又は2つ以上の機能を含み得る。
図29は、外科用ステープラと共に使用するためにカートリッジ内に固定されてよい、又は外科用ステープラ内に直接固定されてよいなど、互いに結合された複数の補助部セグメント4112の一実施形態の上面図を示す。個別の補助部セグメント4114は、複数のステープル成形開口部4116にまたがって示され、組織に適用されると、右の図の上部に示すように、組織4120に取り付けられない、過剰な補助部セグメントが存在し得る。個別の補助部セグメント4114は、分岐部4118によって接合される。分岐部4118は、補助部と類似の材料で作製され得るが、補助部よりも薄く作製され、力を加えると、分岐部4118が破断した4122となる寸法である。このように、過剰な補助部セグメント4120は除去され得る。
図30は、外科用ステープラのアンビル側に適用された複数の補助部セグメント4124の別の実施形態の斜視図を示す。複数の補助部セグメント4124は、個別の補助部セグメント4128間のフィラメント糸4126によって合わせて保持された状態で示されている。各補助部セグメント4128は、複数のステープル成形開口部4132にまたがるように構成されている。
織材4130を含んでよいフィルムは、個別の分割された補助部4128に重なり得る。任意追加的に織材4130を含むフィルムは、分散力によるステープリングされた組織に対する損傷の緩和に役立ち得る。
図31Aは、複数の補助部セグメント4124を有する外科用エンドエフェクタ4134の一実施形態の図を示す。外科用エンドエフェクタ4134は、導管4136を受け入れている状態で示される。図31Bにおいて、外科用エンドエフェクタ4134は、導管4136を切断し、ステープルを図31Aの補助部セグメント4124と係合させている状態で示される。図31Cは、導管4136の切断後の導管4136及び補助材4124を示す。フィラメント又は糸4126は、補助材4124を接続し得、フィラメント又は糸4126は、複数の補助部4124の外科用エンドエフェクタ4134への適用を補助し得る。しかしながら、フィラメント又は糸4126は、切断された導管4136の端部の分離時に引裂かれ得る。フィラメント又は糸4126は、外科医によって除去されるまで、過剰な補助部セグメント4138を所定の位置に保持し得る。
図32は、外科用ステープラ4142のアンビル側に配置された、分割された補助部4140の別の実施形態を示す。個別の各補助部セグメント4144、4146は、多数のステープル成形開口部にまたがる。図示するように、各補助部セグメント4144,4146は、隣接する補助部セグメントの構成とは異なる構成を有し得る。しかしながら、各補助部セグメント4144、4146は、その隣接するセグメントと互いに嵌合する。このようにして、フィラメント又は分岐部が不要であるように、かつステープリングされた組織からの過剰な補助部セグメントの除去後にフィラメント又は一部の分岐部が曝露されないように、隣接する補助部セグメント4144、4146間である程度の接着を有することは可能であり得る。加えて、織材を含むものとして補助部を示す。
図33は、複数のステープル成形開口部が粘着性シーラント材4150で充填されている、外科用ステープルアンビル4148の一部を示す。ステープルアンビル4148のステープル成形開口部内に材料が達するいくつかの方法を図34〜36Dに示す。図34は、以下で更に詳述するように、予備成形された封止用ゲル4154が配置されているステープル成形開口部を備える外科用ステープラアンビル4152を示す。図35は、封止用液体又はゲル4158で充填されたステープル成形開口部を備えるアンビル4156の断面図である。封止用液体又はゲル4158は、封止材の大部分の上に、つまり、アンビル4156の表面とぴったり重なる、フィルム又は層4160を有する。図36Aは、アンビル4156上のステープル成形開口部への液体又はゲル状態の封止材4158の付加を示す。図36Bは、封止用液体又はゲルで充填されたステープル成形開口部を示し、図36Cは、フィルム又は層4160の形成を示す。UV光源など光源は、封止材4158を部分的に硬化させて、フィルム又は層4160を形成するのに十分なエネルギーレベルで光線をもたらす。
いくつかの実施形態において、アンビルのステープル成形開口部は、図36Dに示すように、完全硬化した封止材4162を収容し得る。完全硬化した封止材4162は、図35Aに示す部分硬化した封止材とは異なる材料特性を有し得る。図37は、ステープラアンビルのステープル成形開口部に部分硬化した封止材を含む外科用ステープラを使用して成形されたステープル4164を示す。ステープル4164は、硬化層4160を通過し、未硬化の封止材4158に入り、硬化層4160を通って戻る脚部を有し、いくつかの実施形態において、ステープル4164の各脚部の端部は、組織内で終結し得る。封止材は、ステープルに隣接する組織を通る、体液のあらゆる通過の阻止、及び望ましくない変形又は組織への損傷の阻止を支援する。
図38は、外科用ステープラのアンビル上のステープル成形開口部及び薄型連結フィルム4170に適合する多数の補助部4168を含む外科用ステープル4166のアンビル側に補助材を送達する別の方法を示す。薄型連結フィルム4170は、一度に多数の補助部4168を容易に運び、配置できる、連続フィルムであり得る。
図39は、メッシュ材4174を備える補助部4172を示す斜視図である。図40は、図39の分解図を示す。図41A及び41Bは、補助部4186上のフィルムと共に硬化された補助部4184を示し、フィルムは、補助部4186、及び互いに接続されていない個々の補助部4190を互いに接続する。個々の補助部4188の系において、各補助部4190は、外科用ステープラのアンビルのステープル成形開口部内で適合する、未硬化の封止材を有する。各補助部はまた、未硬化の封止材4192の上に硬化した材料の層4194を有する。
図42は、外科用ステープラのアンビル4202の反対側にある、カートリッジ4196内の外科用ステープル4198の断面図を示す。この図において、組織4200は、カートリッジ4196とアンビル4202との間にある。アンビル4202は、多数のステープル成形開口部4190を有し、各開口部は未硬化の封止材4192で充填され、各ステープル成形開口部4190の上に硬化した封止材の層4194を有するように示される。
図43は、組織4200に挿入された外科用ステープル4198、並びにステープルの脚部の自由端に存在する、硬化した封止材及び未硬化の封止材の両方を含む補助部の断面図である。ステープルの脚部は、組織を通過し、補助材4204の硬化部を通過し、未硬化の補助材の部分4206を通過し、組織4200内へと戻る。図44は、硬化した適合性材料4210になるように、図43の未硬化の補助材4206を硬化することを示す。光源4208は、材料が広げられ、組織4200の表面に適合した後で、液体又はゲル定着材4206を硬化するのに適した放射線をもたらす。
図45は、補助材4216の複数の接続分岐部によって接合される個々の補助部セグメント4214の集団4212を示す。集団4212内の補助部セグメント4214は、集団4212が長期間保管され得るように、部分的に、又は完全に硬化され得る。図46は、ステープル成形開口部上に適合する図45の補助部集団4212、又は外科用ステープラアンビル4218上のアンビルポケット4220を示す。
図47は、ステープル成形開口部4224間に補助部分離機構4226を備えるアンビル4222を示す。図48は、ステープルカートリッジ4230内のステープル4228と、アンビル4222に結合された複数の補助部セグメント4214と、を含む外科用ステープラの実施形態の側面図を示す。複数の補助部セグメント4214は、分岐部4216によって接合される。分岐部4216は、ステープル4228が組織(図49の4232)に挿入されたときに鋭利な機構4216によって切断される。図49は、外科用ステープルの作動によって成形されるときのステープル4228を示し、図50は、組織4232に完全に植え込まれた後のステープル4228を示し、分岐部4216は切断されて分岐部に破断部4234が形成され、ステープル4228の脚部の端部の一部と組織4232との間に補助部セグメント4214を備える。
図51は、外科用ステープラのアンビル4236に押し付けて補助材4240を所定の位置に保持するリテーナ4238の実施形態の断面図である。図52Aは、図51に示すリテーナ4238及びアンビル4236の断面図であり、補助材4240は、アンビルとリテーナとの間に存在する。図52Bは、図52Aに示す実施形態の変形であり、補助材は個々の補助部4240としてのみ存在し、接続材を有さない。
図53は、突出タブ4244を備えるステープル成形開口部4246の実施形態の断面図である。タブ4244は、リテーナ機構への製造中に成形される。図54は、プラグ要素4250又は補助材で充填された図53のステープル成形開口部4246及び捕捉機構4248に成形された突出タブ4244を示す。図55は、図53に示すステープル成形開口部4246の上面図である。線A−Aは、これに沿って断面図を切断した線である。
図56は、外科用ステープラの一実施形態の斜視図であり、補助部セグメント4256、4258は、アンビル4254及びステープルカートリッジ4252の両方に接続されている。この実施形態において、アンビル4254上の補助部セグメント4258は、補助部セグメント4258間に補助材の分岐部又はフィラメント4260を有する。ステープルカートリッジ4252上の補助部セグメント4256は、補助部セグメントのノッチ4262が、隣接する補助部セグメントの突出部を受け入れるように、互いに嵌合する。このようにして、ステープルのクラウン側にある、ステープルカートリッジ4252上の補助部4256を合わせて保持する追加手段が必要である。更に、ステープルカートリッジ4252上の補助部4256は、2つ以上のステープルが各補助部によって接続されるように、1つ以上のステープルにまたがる。
図57及び58は、補助材4270の取り付け機構4272と、位置合わせ機構4274と、を含むアンビル4266を備えた、外科用ステープラの実施形態を示す。図57は、ステープル成形開口部4268と、固定するため、又は補助材4270のシート上のループ4272と結合するための、アンビル側の機構4274と、を備えるアンビル4266の分解図である。図58は、アンビル4266にぴったりくっついている補助材4270を示し、ループ4272は、ループに取り付けられたタブ又はペグであると示されている機構4274に取り付けられている。かかる機構4274はステープルカートリッジ上に存在し得、外科用ステープラのアンビル4266上で使用される代わりに、又はそれに加えて、類似の種類の補助材で使用され得る。
図59〜61は、外科用ステープラ4276の実施形態を示し、補助部アセンブリ4284、4278は、ステープラのアンビル4282及びステープルカートリッジ4280の両方に結合されている。補助部アセンブリ4284、4278は、補助材のシートによって結合される、補助部セグメント4286、4288を含むように示される。アンビル4282には、補助部セグメント4286を受け入れ得る複数のステープル成形開口部4290が存在する。図61は、補助材のシートの厚さに対する補助部セグメント4286の相対厚さを示す。ステープラアンビル4282上の補助部セグメント4286は、上記のように、部分硬化した、又は完全硬化した封止材を含み得る。ステープルカートリッジ4280と共に使用する補助材4278は、ステープル脚部と接触しているか、その上部にあるかのいずれかである、カートリッジ4280内のステープルの端部上に適合し得る補助部セグメント4288を有する。実際、かかる外科用ステープラ4276を使用すると、各ステープルのクラウン部及び各ステープルのアンビル側の両方において、補助部と共に組織にステープルが挿入され、したがってステープルによって生じる漏出及び組織損傷を潜在的に低減する。
図62は、フィルム4278によって互いに接続された複数の補助部セグメント4288(例えば、マイクロフィンガー)の一実施形態の断面図である。これらの補助部セグメント4288は、ステープラアンビル又はステープルカートリッジ上の個別の機構に対応していなくてよいが、その代わりに、クッション、つまり軽量の高適合性かつ高圧縮性の材料として機能してよい。図63A及び63Bは、図59に示す外科用ステープラに類似の外科用ステープラの断面図を示し、カートリッジ4292内のステープル4294は、軽量の適合性かつ圧縮性の材料4296として機能し得る複数の補助部セグメント4292を含む補助材4296を備える。図63Aに示すアンビル4300は、補助材のシート4306に取り付けられている補助部セグメント4304を内部に含む、ステープル成形開口部4302を有する。図63Bは、ステープラが組織4308上で作動した後のステープル4294を示す。組織4308は、ステープルのクラウン部付近にあるマイクロフィンガー4298及びステープルのアンビル側にある連続補助材4304で補助材と接触する。
図64A及び64Bは、様々な厚さの補助部セグメント4312を含む、外科用ステープラ構成要素4310の実施形態を示す。各補助部セグメントは個々であり、1つのステープルのみにまたがる。図64Bは、より厚い補助部セグメント4318がステープラ構成要素4310の中心線の最も近くに位置し、ステープルに対応するより薄い補助部セグメント4316が中心線から更に離れて位置することを示し、ステープリングされた組織内に切れ目が形成される。
図65は、外科用ステープラの一部にある補助部セグメント4322、4326の別の実施形態を示す。補助部セグメント4322、4324は、均一の厚さではない。各補助部セグメントは、厚い側部4328、4330と、薄い側部4332、4334と、を有する。各補助部セグメント4322、4324は、例示的ステープルカートリッジ4320に示す2つ以上のステープル4326の位置にまたがる。補助部セグメントは、厚い側部4328、4330がステープルカートリッジ4320の中心を向いた状態で示される。組織のステープリング後に外科用ステープラが組織を切開すると、補助部セグメントの厚い側部4328、4330間でカートリッジの中心を通って組織を切開する。このようにして、補助部セグメント4322、4324は、組織の自由端に最も近いステープルにより多くの支持をもたらす。
図66は、図65のステープラの断面図を示す。ステープルカートリッジ4320はステープル4336を保持する。ステープル4336の上には、カートリッジの中心付近にある厚い側部4330、4328と、最も外側のステープルを超えて、カートリッジ4320の外縁を向いた薄い側部4324、4322と、を有する補助部セグメント4334及び4324が存在する。ステープラアンビル4338はステープル成形開口部4340を有し、その上に補助部セグメント4342、4344が存在する。アンビル側の補助部セグメント4342、4344は、最も内側のステープルに対応する、アンビルの腹部付近に厚い側部4346、4348を有するように示される。アンビル側補助部4342、4344の薄い側部4350、4352は、ステープラが作動すると、薄い側部が最も外側のステープルと接続するように、アンビルの縁部を向いて位置する。
図67は、様々な厚さの補助部セグメント4312を含む、外科用ステープラ構成要素4310の実施形態を示す。各補助部セグメントは個々であり、1つのステープルのみにまたがる。より厚い補助部セグメント4318はステープラ構成要素4310の中心線の最も近くに位置し、ステープルに対応するより薄い補助部セグメント4316は中心線から更に離れて位置し、ステープリングされた組織内に切れ目が形成される。これらの補助部セグメントは個々であり、図65に示すセグメントのように互いに嵌合していない。
図68A及び68Bは、開口部4360を備えるフィルム4356と、接続機構4362を備えるベース層4358と、を含む多材補助部4354を示す。ベース層4358は、エラストマー材料の層であり得る。接続機構4362は、開口部4360を通って適合するように成形され得、例えば、図示する接続機構4362は柱であり、開口部4360は円形孔である。接続機構4362及び開口部4360は、ベース層4358とフィルム4356との間で特定の方向が望ましいときのように、任意の好適な形状(対称又は非対称)であり得る。図69A及び69Bは、図示したステープル4364と共に、状況に応じた図68A及び68Bの補助部を示す。図69Aは、補助部4354への挿入前のステープルを示す。ステープル4364は、組織のステープリング時に、ステープルの各脚部が接続機構4362を通って移動するように、接続機構4362と揃って示される。図69Bは、外科用ステープラのアンビルに向かう移動後のステープル4364を示す。
図70〜72は、組織内の外科用ステープル及び補助部の様々な実施形態を示し、外科用ステープルの脚部は、特定の構成で組織を保持するように成形されている。図70は、組織4370内のステープル4368を示しており、補助材4372は、補助材4372が組織4368からの漏出を回避する封止部として機能するように、ステープルのアンビル側付近にある。図71は、組織4376内のステープル4374を示しており、補助部は、ステープル4374のアンビル側にある。補助部は、フィルム4378と、フィルム4382内の凹部と、ステープルの成形時に、ステープル4374の脚部の端部が移動して入る補助部4380のより厚い領域と、を含む。図72では、ステープル4374は、フィルム4378と、ステープル4386ごとのフィルム内の多数の凹部と、ステープルがステープルあたり一対のより厚い領域を形成するときにステープル4374の脚部の端部が移動して入る、補助部4380の一対のより厚い領域と、を備える補助部と共に使用される。
図73A〜73Eは、外科用ステープラアンビルに結合された、複数の補助部の様々な実施形態を示す。図73Aに示す補助部アレイ4388は、アンビル縁部4392に近い部分と、アンビル中心線4390に近い部分と、多数の補助部セグメント4394と、を示す。図示する補助部セグメントは、ステープルの成形中に、ステープル脚部がアンビルに向かって移動するときに通過するステープル脚部の開口部4400と、ステープル脚部がアンビルから離れる方向に移動するときに通過するステープル脚部の開口部4402と、を含む。補助部セグメント4394は、補助材4398の分岐部によって、互いに、並びにアンビル縁部4392及びアンビル中心線4390に近い補助部アレイの部分に接続する。縁部4392及び中心線4390の部分はまた、補助部セグメント4394に接続するための分岐部4396を有する。図73Bは、図73Aに示したアセンブリに類似の補助材アセンブリ4404を示す。図73Bに示す補助部アレイ4404は、アンビル縁部4392に近い部分と、アンビル中心線4390に近い部分と、多数の補助部セグメント4408と、を含む。図示する補助部セグメントは、ステープルの成形中に、ステープル脚部がアンビルに向かって移動するときに通過するステープル脚部の開口部4412と、ステープル脚部がアンビルから離れる方向に移動するときに通過するステープル脚部の開口部4414と、を含む。補助部セグメント4408は、補助材4406の分岐部によって、互いに、並びにアンビル縁部4392及びアンビル中心線4390に近い補助部アレイの部分に接続する。図73Aの補助部アレイ4388とは異なって、補助部アレイ4404は、補助部セグメントの列間にコネクタを有さない。図73Cの補助部アレイ4416は、補助部セグメントの列間にコネクタが存在せず、各補助部セグメント4418とその隣接するセグメントとの間にのみコネクタ4420が存在するという点で、図73Bのアレイに類似である。各補助部セグメントは、ステープルの成形中に、ステープル脚部がアンビルに向かって移動するときに通過するステープル脚部の開口部4422と、ステープル脚部がアンビルから離れる方向に移動するときに通過するステープル脚部の開口部4424と、を有する。図73Dに示す補助部アレイ4426は、アンビル縁部4428に近い部分と、アンビル中心線4430に近い部分と、多数の補助部セグメント4432と、を示す。図示する補助部セグメントは、ステープルの成形中に、ステープル脚部がアンビルに向かって移動するときに通過するステープル脚部の開口部4438と、ステープル脚部がアンビルから離れる方向に移動するときに通過するステープル脚部の開口部4440と、を含む。補助部セグメント4432は、補助材4436、4436の分岐部によって、互いに、並びにアンビル縁部4428及びアンビル中心線4430に近い補助部アレイの部分に接続する。図73Eに示す補助部アレイ4442は、図73Dに示すアレイとは異なり、アンビル縁部4444に近い部分と、アンビル中心線4446に近い部分と、多数の補助部セグメント4452と、を含む。図示する補助部セグメントは、ステープルの成形中に、ステープル脚部がアンビルに向かって移動するときに通過するステープル脚部の開口部4458と、ステープル脚部がアンビルから離れる方向に移動するときに通過するステープル脚部の開口部4456と、を含む。補助部セグメント4452は、補助材4448、4454、4450の分岐部によって、互いに、並びにアンビル縁部4444及びアンビル中心線4446に近い補助部アレイの部分に接続する。
図74は、1列に接続されている、複数の補助部4464の第1側部4460及び第2側部4470を示す。第1側面図4460は、補助部セグメント4464、これらのコネクタ4462、ステープルの成形中に脚部がステープラアンビルに向かって移動するときのための補助部セグメント内の開口部4466、及びステープルの成形中に脚部がステープラアンビルから離れる方向に移動するときのための補助部セグメント内の開口部4468を示す。第2側面図4470は、第1側面図4460の要素を示すが、補助部4464のこの側に追加材料が存在する。この追加材料を通って、ステープルの成形中に脚部がステープラアンビルに向かって移動するときのための補助部セグメント内の開口部4474、及びステープルの成形中に脚部がステープラアンビルから離れる方向に移動するときのための補助部セグメント内の開口部4472が存在する。
図75〜79は、外科用ステープルと共に使用されたときに、ある程度重なり、互いに嵌合する補助部セグメントの実施形態を示す。図示した構成は、ステープリング後の収縮(expansion on contraction)など組織内での移動を受け入れるために使用できる。図75には、補助部セグメント4512、4514の2つの構成が存在する。図示した補助部セグメント4512、4514は、互いの鏡像である。各補助部セグメントは、2つのステープルにまたがる。例えば、図77に示すように、各補助部セグメントは、2つのステープルクラウン部が各セグメントと接触している状態で示される。しかしながら、図76及び77に示した構成において、列の端部にあるステープルを除く各ステープルは、2つの重なっている補助部セグメントと接触することに留意されたい。図76では、2つの補助部セグメント4512及び4514は、拡張構成4526及びコンパクト構成4528で示される。開口部は補助部セグメント内に図示され、外科用ステープラ内のアンビルに向かってステープルカートリッジから移動することによってステープルが成形されるときに、ステープル脚部はこれを通過する。図示するように、補助部4512、4514が重なるとき、開口部の一部は重なり、揃っていて、ステープル脚部が通過できるようにする。開口部4516は、開口部4522と揃っており、開口部4520は、補助部セグメントの底部にある開口部4518と揃っている。開口部4518は、任意の他の開口部と揃っているようには示されていないが、開口部4518は、4512に類似の別の補助部セグメントの開口部4525と揃うことがある。同様に、開口部4524は、任意の他の開口部と揃っているようには示されていないが、4512に類似の別の補助部セグメントの開口部4516と揃うことがある。図76は、拡張構成4526であり、補助部セグメントの上部にある隣接する開口部4525及び4524が、コンパクト構成4528の場合よりも更に離れていることを示す。図78は、同様に方向付けられている2つの隣接する補助部セグメント4514の相対位置を示す。拡張構成4526では、補助部セグメント4514間に間隙、つまり空間が存在する。コンパクト構成4528では、隣接する補助部セグメント4514は非常に近接しており、場合によっては接触しており、場合によってはわずかに重なっている。図79は、補助部セグメントが不透明であり、最上部の補助部セグメントのみが見えている場合など、補助部セグメントの半分のみが見えているコンパクト構成4528を示す。
図80A〜80Cは、隣接する外科用ステープルを接続する補助部セグメントの実施形態を示す。図80Aは、補助部セグメント4534によって列内の次のステープルに接続されている、外科用ステープル4532の列4530を示す。補助部セグメント4534は、支持層又はフィルム4536内、又はその上にあるものとして示される。補助部セグメントが支持層又はフィルムを備える、かかる構成については、本明細書の他の箇所でより詳細に説明する。図80Aに示す補助部セグメント4534は、ステープルが組織内に配備されると、ステープルのアンビル側付近に位置する。図80Bは、補助部セグメント4544及び支持フィルム4546と共に使用する外科用ステープル4542の列4540を示す。図80Aに示すように、補助部セグメント4544は、ステープル4542のアンビル側付近に位置する。しかしながら、ステープル脚部を受け入れる開口部が図80Bの方が大きいという点で、図80Bの補助部セグメント4544は図80Aの補助部セグメントとは異なる形状である。この増加した寸法により、組織のわずかな収縮及びステープルの対応する運動を可能にすることができる。図80Cは、補助部セグメント4554及び支持フィルム4556を備える外科用ステープル4552の列4550が共に使用される別の実施形態を示す。図80Cの補助部セグメント4554は、図80A及び80Bの補助部セグメントとは異なる。これは、補助部セグメント4554がリングであり、補助部セグメント4554の中心部4558内でのステープル脚部の運動の最大量を可能にするためである。これにより、各外科用ステープルがその隣接ステープルに対して更に大きい運動を行うことができるようになり、したがって、ステープリングされた組織は、より大きい伸縮に適合できる。
図81及び82は、図80Aの補助部セグメント4534及び外科用ステープル4532を示す。図81では、動脈4560がステープル4532を有し、補助部セグメント4543が動脈4562の一部を封止する。図82は、動脈4560、ステープル4532、及び補助部4534を示す。図81及び82の両方において、各ステープル4532は、補助部セグメントの両端を通じて隣接するセグメントに接続されて表示されている。
図83〜85は、補助部セグメントの異なる種類又は使用法をそれぞれ示すことを除いて、図81に類似である。図83では、動脈又は他の種類の組織4560が、ステープル4572の2列4570によって封止されている。組織4562の自由縁部にある外科用ステープル4572の列は、厚い補助部セグメント4574を有する。組織4562の自由縁部から更に離れた外科用ステープル4572の列は、より薄い補助部セグメント4576を有する。補助部セグメント4574、4576は、各外科用ステープル4572を少なくとも1つの隣接するステープルに接続させる。また、補助部セグメント4574、4576は、図示するように、ステープルの配備時にステープル4579のクラウン部付近にある。異なる厚さの補助部セグメント4574、4576を使用することにより、組織が損傷しないように支援し得、ステープリング処置後に組織4560の治癒の促進を支援し得る。補助部セグメント4584、4586が外科用ステープル4582のアンビル側部分4588付近に位置付けられることを除いて、図84に示すステープル4580の列の実施形態は図83に示す実施形態に類似である。組織の自由縁部4562に最も近い補助部セグメントは、より厚い補助部セグメント4584であり、離れたセグメントはより薄い4586であるという点において、補助部セグメント4584、4586の厚さは異なっている。図85は、外科用ステープル4592の列4590の実施形態を示しており、より厚い補助部4594、4595は、組織4560の自由縁部4562に近い方で使用され、より薄い補助部は、組織4560の自由縁部4562から離れて使用されて、列4590の長さに沿って各ステープル4592を隣接するステープルに取り付ける。図85に示す実施形態では、補助部4594、4595、4596、4597は、ステープル4592のクラウン部4599付近及びステープル4592のアンビル側部分4598付近に位置する。
複数の外科用ステープルと、2つの外科用ステープルを合わせて接続する補助部セグメントと、を含むステープル線は、下にある組織の伸縮範囲に対応する多種多様な構成を呈し得る。図86〜89は、補助部セグメント及び外科用ステープルの例示的構成を示し、各ステープルが2つの補助部セグメントを接続する。図86は、ステープル線の形成時に2つのステープル4602と接触する補助部セグメント4604を備えるステープルカートリッジ4600を示す。ステープル線は、外科的切開部に平行して適用される、2列のステープルを含み、第1列は外科的切開部に隣接し、第2列は外科的切開部から更に離れる。第1列のステープルは、第2列からずれている。各補助部セグメント4604は、第1列からのステープルを第2列からのステープルと接続する。このずれのために、補助部セグメント4606は、外科的切開部に対して垂直である線と比較したときに、傾いた位置で適用され、図示するように、弛緩状態では、補助部セグメント4616は、できる限り互いに近接し、触っているか、もう少しで接触する。図89は、緊張状態4620から完全弛緩状態4630への構成変化の進行状況を示す。例示的緊張状態4620では、補助部セグメント4616は、約0°〜90°の範囲の角度で、補助部セグメント4616が、弛緩状態4630にある場合よりも互いに更に離れるような位置にある。図89に示す中間状態4625では、補助部セグメント4616は、外科的切開部に対して垂直である。弛緩状態4630は、図86に示したものに類似である。
図87は、ステープルが外科的切開部に沿って直角に適用される、補助部セグメント4608及び外科用ステープル4606の別の構成を示す。最初に組織に適用されたときなどの弛緩状態4610では、ステープル4606は、切開部に対して約45°など切開部に対して約0°〜90°であり、補助部セグメント4608は、切開部に対して垂直である。組織が伸長するとき、ステープル4606は、切開部から約30°など、異なる角度にある。補助部セグメント4608は、外科的切開部に対して実質的に垂直である位置から垂直ではなくなった位置に移動する。図88Aは、ステープル4606及び補助部セグメント4608の弛緩構成4610の側面図を示し、図88Bは、緊張構成4612の側面図を示す。
図90A〜90Bは、外科用ステープル及び任意の支持層4642上でサーペンタインコネクタ4646によって接続された、補助部セグメント4652の実施形態4640を示す。支持層4642はまた、接続されていない補助部セグメント4644を含む。サーペンタインコネクタ4646は、接続点4648において補助部セグメント4652に接続されている。図示する支持及び補助部セグメント4652は、ステープル脚部用の開口部を含む。
上記の他の図に示すように、補助部セグメントは多数の構成を有し得る。図91A〜95Dは、4つの異なる構成を示す。図91A〜91Dは、上面図及び底面図が類似であるように、対称である補助部セグメント4690を示す。補助部セグメント4690は、ステープル脚部用の開口部4692を含む。図91Aは補助部セグメント4690の断面図であり、図91Bはこの補助部セグメントの端面図であり、図91Cはこの補助部セグメント4690の底面図であり、図91Dはこの補助部セグメント4690の上面斜視図である。図92A〜92Dは、ステープル脚部の開口部4702間の、補助部セグメントの中心部にあるより厚い部分4704を含む補助部セグメント4700を示す。
図93は、補助部セグメント4712の送達構成アセンブリ4710の実施形態を示す。補助部セグメント4712は、分岐部又はフィラメントによって接続されておらず、適合性又は取り外し可能裏材4714に接着された、個別の構成要素として作製され得る。裏材4714上の補助部セグメント4712は、送達構成アセンブリ4710を外科用ステープラアンビルと嵌合させるか、ステープルカートリッジによって、補助部セグメント4712をステープラ機構と完全に、又はほぼ完全に揃えることができるように配置され得る。
図94A〜94Dは、ベース部4717と、開口部4718を備える、より厚い部分4716と、を有する補助部セグメント4715の実施形態を示す。開口部4718は、より厚い部分4716及びベース部4717を通過する。より厚い部分4716は、ベース部4717とは異なる材料であってよいか、より厚い部分及びベース部は、同一又は類似の材料であってよい。より厚い部分4716は、組織の伸縮時にステープル脚部からの組織損傷を阻止してよい。図95A〜95Dは、ステープル脚部用の開口部4726及び開口部4724の周囲の部分を備えるベース部4722を有する補助部セグメント4720を示す。開口部4724の周囲の開口部分は、ベース部4722とは異なる材料であってよい、又はそのベース部(they base)4722及び開口部4726を囲む部分は、同一の材料であるが、その構成のために、補助部セグメント4720と外科用ステープル又は組織との間でクッションとして機能してよいなど異なる材料特性を有してよい。
補助材の適用
シーラント材は、外科用ステープラ及びエンドカッターでの処置前又はその後に、補助部セグメントとして適用されるものの代わりとして、外科用ステープルを使用してフィルム又は液体として処置される組織に直接適用され得る。
図96〜99Cは、外科用ステープラ4891のアンビル又はステープルカートリッジに液体又はゲル補助材4899を直接適用するアプリケータを示す。図96は、補助材4899が、管4896に取り付けられたアプリケータ4897を通って管4896から適用される実施形態4890を示す。補助材4899は、アンビル4892上に示される。図97は、アンビル4892と接触している、ステープル成形開口部4893を充填するゲル補助材4894を含むアプリケータ4897の断面図を示す。図98は、補助材4894をアンビル4892に適用して、補助材でステープル成形開口部4893を充填する、スクィージー機構4898を備えるアプリケータ4897の図を示す。図99Aは、リザーバ4908から外科用ステープラ4900のアンビル4904に補助材4906を適用するアプリケータ4909を示す。図99Bは、外科用ステープラ4910のアンビル4914に補助材4922を適用する、別の種類のアプリケータ4920を示す。適用された補助材4922は、アプリケータ4920によって平滑化されてステープル成形開口部4916に入れられ、補助部4918を形成する。図99Cは、アンビル4914内のステープル成形開口部4916内にある補助材4918を示す。
図100〜104は、外科用ステープラのアンビルに補助材を直接適用するアプリケータを示し、この補助材は、アンビル又はステープルカートリッジへの適用に先立って混合される、2種類の前駆体又は2種類の材料からなる。図100は、2種類の材料4936、4940からなる補助材のアプリケータ4942の実施形態4930を示す。アプリケータ4942は、デュアルシリンジセット4932と、混合ノズル4944と、を含む。デュアルシリンジセット4932は、ルアー取り付け具又はねじ込み取り付け具など取り付け具によってアプリケータノズル4946と結合する個別のシリンジ4934、4938を含む。個別のシリンジは、フィブリンなど第1材料4936を含み得るシリンジA4934、及びトロンビンなど第2材料4940を含み得るシリンジB4938として示される。単一のプランジャは、補助材がアプリケータノズル4946を通って出る前に、第1材料及び第2材料を混合ノズル4994に放出する。図101は類似の実施形態であるが、プランジャを適用すると、アプリケータノズル4959を通って出る前に、1:1以外の材料比でシリンジを出て、共通の管腔である混合ノズル4958内で混合されるように、シリンジセット4950内のシリンジ4952、4954が異なる。
図102A及び102Bは、補助材4962で充填されたシリンジ又は他の容器4960と、混合部分又はアプリケータノズル4963との接合部を示す。接合部は、補助材4962の容器4960のねじ込み部分4966と、ノズル4963のねじ込み部分4965との間の取り付け具を含む。補助材4962の容器4960は、出荷及び保管中に容器4960内に補助材4962を保持する封止部4961を含み得る。ノズル4963は、ねじ込み部分4965及び4966が完全に係合されたときに封止部4961を破断させる穿刺機構4964を含む。ねじ込み部分4965及び4966が完全に係合されると、補助材4962は、容器4960からノズル4963に流れ込む。図103及び104は、補助材4969を外科用ステープラ4967のアンビル4968に適用するために使用中の、図100のように混合ノズル4944及びアプリケータノズル4946に取り付けられたデュアルシリンジセット4932を示す。
図105〜110は取り付け具を示し、これらは、液体又はゲルを外科用ステープラの一部、つまりアンビル又はステープルカートリッジ、及び結果として生じる補助材層に適用する。図105及び図106では、アプリケータノズル4977は、アンビル4976にかぶさって取り付けられるように示される。図105では、補助材4978は単一の補助材である。つまり、適用の直前に混合を必要とする材料ではない。図106に示す補助材4979は、補助材のアンビルへの適用の直前に混合される、2種類の前駆体又は構成要素を含む。図107は、図105及び図106などに示すノズルアプリケータを使用して適用された補助材4982で充填されたステープル成形開口部4981を備えるアンビル4980を示す。
補助材は、外科用ステープラと共に使用されるステープルカートリッジに適用され得る。図108は、カートリッジに装填されたステープル4986に補助材4985を適用するステープルカートリッジ4983に結合された、アプリケータノズル4984を示す。図109はまた、ステープルカートリッジ4983に適合したアプリケータノズル4988を示す。図109では、ステープル4986上を流れる補助材4987は、補助材のカートリッジへの適用の直前に混合される、2つの成分、つまり構成要素で作製される。図110は、ステープラカートリッジ4983に装填されたステープル4986上に適用された補助材4989の図である。
図111は、組織4991の側部に不適切に位置する外科用ステープル4992を示す。かかる構成4990は、ステープルから組織に加わる力を分散させ、ステープルが組織を切開しないように、又は不適切に組織を圧迫しないようにする補助材が存在しないときに生じ得る。図113は、ステープル4997のアンビル側に補助材4998が存在することにより、いかにして組織4996内にステープル4997を適切に配置できるかを示す。
図112は、外科用ステープラ4993のアンビル4995又はステープルカートリッジに適用される棒状のゲル補助材4994を示す。これは、補助材を適用する方法及びそのアプリケータの別の実施形態である。このようにして、外科用ステープラは、外科医が1回の処置で1つの外科用ステープラを複数回使用することが必要なときなどに、迅速に再装填し、準備され得る。
図114A〜114Cは、組織41002を切断するために、外科用ステープラ41000で使用する補助材41012と共に使用される外科用ステープル41010を示す。外科用ステープラ41000では、アンビル41004は、ステープルカートリッジ41006に装填されたステープル41010と相互作用する補助部セグメント41012と共に装填され得る。アンビル41004内の補助部41012は、図114Cに示すように、組織41002に適用されないステープル41010を保持し得る。
吻合用補助部
吻合とは、接続される組織の各端部にあるステープル線を通る円形切開部を形成することを必要とするプロセスである。ステープル線を切断することにより、引裂かれた、又は部分的に切断されたステープルが生じ得る。ステープル線の角部における組織の角折れは、漏出を有し得るか、破片を収集できるが、完全に角折れを排除することができない場合、漏出を最小限に抑えるように角折れを封止することが望ましい。以下では、角折れ用封止部を含み、円形切開部の配備によって最終的に切開される領域を通る、最少量のステープルを提供する、特定のステープルカートリッジ構成で使用する補助部アセンブリについて説明する。
図115は、吻合の形成に使用する非連続補助部41020の実施形態を示す。非連続補助部41020は、補助部の中心にリング41022、つまりワッシャを含む。両側には、縫合フィラメント41026が180°離れて取り付けられている。縫合フィラメントは、封止材41024に接続されている。封止材41024の各部分は、ステープル線の角折れ部分を封止するように構成されている。封止材41024は、多数のステープルにまたがるように構成されており、組織に挿入されると、ステープルは、ステープルのクラウン部に隣接する、又はステープルのアンビル側に隣接する、封止材41024を有し得る。いくつかの実施形態において、封止材41024は、組織内に配備されたステープルのクラウン部に隣接するように構成される。かかる封止材は、ステープルのアンビル側にある、補助部セグメントなど封止材によって補完され得る。
図116及び117は、図115の補助材で使用する外科用ステープルカートリッジ41028及びステープルパターンを示す。カートリッジ41028上のステープルパターンは、2列以上のステープル41030の領域及び1列のステープル41031の領域を有して示される。1列のステープル41031は、円形切開部の形成時に切開される組織の部分に対応することを意図するか、そのように構成される。非連続補助部41020の縫合フィラメント41026は、一列のステープル41030と平行して送達される。2列のステープル41030の領域は、組織内の角折れが存在するであろう領域に対応する。非連続補助部41020の封止材41024は、図116に示すように、2列以上のステープル41030で使用されるように構成される。
図116に示すステープルカートリッジ41028及び図117に示すステープルパターンでは、1列のステープル41031が角折れ領域内の複数列のステープル41030に対して中心に置かれていることがわかる。補助部41020が外科用ステープルと共に組織内に配備されると、非連続補助部41020の縫合フィラメント41026は、1列のステープル41031と実質的に平行になるだけではなく、縫合フィラメント41026は、1列のステープル41031とほぼ重なるであろう。一度に2つ以上の非連続補助部41020が配備され得、図116に示すように、かかる状況において、非連続補助部41020は実質的に類似であり得る。
図118は、吻合の形成に使用する、非連続補助部の別の実施形態の図である。互いの鏡像である2つの非連続補助部41040、41050が示されている。非連続補助部41040、41050は、縫合フィラメント41044、41054に取り付けられたワッシャ41046、41056をそれぞれ有する。縫合フィラメント41044、41054は、ステープリングされた組織の角折れ領域内の複数の外科用ステープルにまたがるように構成されている、封止材41042、41052に取り付けられている。
図119〜123は、図118の補助材で使用する外科用ステープラカートリッジ41060、並びに図118の非連続補助部41040、41050の更なる図を示す。ステープラカートリッジ41060は、ステープリングされた組織を通る切開部が形成され得る中心線に対して対称である。カートリッジ41060は、カートリッジの各半分に、1列のステープル41064の領域と、複数列のステープル41062の領域と、を有する。複数列のステープル41062は、ステープル線の端部にあり、組織の角折れ部分が存在するであろう領域である。1列のステープル41064は、1列のステープル41064がカートリッジ41060の縁部に向かって位置するように、複数列のステープル41062に対して中心からずれている。非連続補助部41040、41050がカートリッジに重ねられるとき、封止材41042、41052は、複数列のステープル41062を備えるカートリッジ41060上の領域に対応し、ワッシャ41046、41056はそれぞれ、カートリッジ41060の片側半分にそれぞれ位置する1列のステープル41064の中心にある。縫合フィラメント41046、41056は、1列のステープル41064と実質的に平行であるが、これらに重ならない。図121は、非連続補助部41040、41050及びステープルの相対位置を示し、1列のステープルの未封止ステープル41066を示す。これらの未封止ステープル41066は、吻合の形成時に、切断され得るか、除去され得る。図122は、図120の図に重ねられた図121の図を示す。図123は、ワッシャ41046、41056の下にステープルカートリッジ41060内の凹部を含む。
図124は、外科用ステープラ作動前及び作動中の補助ワッシャ41066の実施形態を示す。ワッシャ41066は、前述したワッシャ41022、41046、41056のいずれかに類似のワッシャであり得る。ワッシャ41066は、ステープラカートリッジ41064内の凹部内に示されている。縫合フィラメント41068はワッシャ41066に接続する。補助部がステープルの配備前に外科用ステープラに配置されるとき、ワッシャ41066は、断面において実質的に円形である。ステープルの配備中、ワッシャ41066は、外科用ステープラからの圧力41070下で圧迫される。次いで、ワッシャ41066は、実質的に楕円形の断面を有する。圧力下では、ワッシャ41066は、凹部を充填するか、ほぼ充填しつつ、ステープルカートリッジの上部と同一平面になるか、ほぼ同一平面になる。
図125は、吻合の形成に使用する外科用ステープルカートリッジの実施形態を示す。この側面図では、標準的なステープルカートリッジ41072の先端と、LAR 41074の先端と、を比較できる。当業者は、LAR処置において、ステープラ内の関節動作接合部に対して遠位のエンドエフェクタの長さを縮小することが有用であり得ることを理解するであろう。カートリッジ内の最遠位のステープルからステープルカートリッジ上の最遠位の位置までの距離を縮小することより、図125に示したこの試みが可能になると考えられる。当業者は、適切な相対距離を特定することができるであろう。
図126は、118に示すものなど、補助部を備えた外科用ステープラによって切断された体腔を示す。組織41076は、非連続補助部41040、41050が所定の位置にある状態で示されている。ワッシャ41046、41056は揃っており、各ワッシャ41046、41056、及び各ワッシャに接続された縫合フィラメント41044、41054の横には、補助材による封止が不要な1列のステープル41066が存在する。封止材41042、41052は、複数列のステープルを含む組織の角折れ部分における漏出を阻止する。
図127A〜127Cは、図118に示すもの、及び円形ステープラトロカール41078など補助部41050の使用法の断面図を示す。図127Aは、未封止の1列のステープル41066を含むステープル線上のワッシャ41056を備える組織内の非連続補助部を示す。図127Bは、組織41076内の管腔を通って移動するときに、ステープル線41066及びワッシャ41056に近づくトロカール41076を示す。図127Cは、トロカール41078とワッシャ41066との係合を示す。図128は、トロカール41078がワッシャ41056と係合したときの、補助部41505の全構成要素の相対位置を示す。
図128〜136は、非連続補助部41050のワッシャ部を通過する円形ステープラトロカール41078を示す。図129は、ワッシャ41056、縫合フィラメント41054、及び組織41076の角折れ部にある封止材41052を示す。円形ステープル及び切開装置41080は、組織41076内にある。トロカール41078は、ステープル及び切開装置41080の中心にある。トロカール41078は、ステープル線41088に沿って切開され、封止された組織41076の別の部分にあるアンビル41082に接続されたシャフト41084に向かってワッシャ41056を通って、延在する。アンビル41082は、シャフト41084に隣接するボタン穴上に示される。
図130は、図129に示す実施形態に類似の実施形態を示す。図130では、ワッシャ41046、41056、縫合フィラメント41054、及び組織41076の角折れ部にある封止材41042、41052をそれぞれ備える、非連続補助部41040、41050を示す。1列のステープル41066は、縫合フィラメント付近のワッシャ41046、41056のそれぞれを囲む。円形ステープル及び切開装置は、組織41076の内側にあり、トロカール41078は、一方のワッシャ41056を通って嵌合シャフトに向かって延在し、この嵌合シャフトは他方のワッシャ41046を通って延在する。
図131〜133は、組織がステープリングされ(図135)、切開され(図136)て嵌合を形成し得るような、互いに向かっての組織41076の切片の移動の断面図を示す。図131は図129の断面図であるが、アンビル41082に取り付けられたシャフト41084は、トロカール41078にかぶさって取り付けられており、ワッシャ41056と接触している。図132は、アンビル及び補助部41050の中心部分、具体的にはワッシャ41056及び縫合フィラメント41054に接続されたシャフト41084のより近接した図である。組織41076の2つの部分が共に移動するように、シャフト41084が下方向に移動するとき、図133に示すように、角折れ部上の封止材41052が共に近づくように、シャフト41084は縫合フィラメント41054を下方に移動させる。図134は、シャフトがワッシャ41056を下方に移動させるときの、トロカール41078に向かった、角折れ部上の封止材41052の移動を示す。図135は、ステープル41100に取り付けられた組織切片を示す。シャフトによって押し下げられたワッシャ41056及び角折れ部にある封止材41052を含む補助部41050は、ステープリング及び切開装置41080の中心に示される。図136は、円形切開部形成後の組織41076を示す。この組織は、円形構成の3列のステープル41100で接合されており、非連続補助部41050など以前にステープリングされた組織は除去されている。上記の補助部41033、41040、41040は、図126〜136に示した嵌合を刑する方法で交換可能に、又は組み合わせて使用され得る。
再処理
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計され得るか、又は複数回使用されるように設計され得る。しかしながら、いずれの場合も、本装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く洗浄工程又は特定の部品の交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換したときに、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによるいずれかによって再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立ての様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術、及び結果として得られる再調整された装置の使用は、全て本発明の範囲内にある。
いくつかの実施形態において、本明細書において記載される装置は、手術前に処理され得る。まず、補助材を含み得る、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄する。次いで器具を滅菌することができる。いくつかの実施形態において、器具は、補助材よりも著しく高い湿度親和性を有し得る乾燥剤製品と共に、例えば、炉内で乾燥できる。1つの滅菌法では、器具をプラスチック製若しくはTYVEK製のバック、又はホイル製のバックなどの閉鎖かつ密封された容器に入れる。次に、容器及び器具は、γ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線照射野に入れられる。放射線は、器具上又は容器内の細菌を死滅させる。別の滅菌法では、水蒸気透過性裏材を有する、プラスチック製又はTYVEK製のバックなどの第1容器に器具を入れる。次いで、第1容器を、開放したままにしておける第2容器、例えば、ホイルバック内に包装できる。器具と共に、第1容器及び第2容器に対してエチレンオキサイド滅菌を行うことができる。次いで、第2容器を封止して、湿度に曝露されないようにできる。封止に先立って、第1容器及び第2容器のうちの少なくとも1つに乾燥材製品を含めて、1つ、又は2つ以上の装置構成要素に対する変化を更に防止する。いずれの方法においても、次いで、滅菌した材料は、滅菌容器に保管して、医療施設で容器を開封するまで材料の滅菌状態を保持できる。
当業者は、上述の実施形態にもとづいた本発明の更なる特徴及び利点を認識するであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され、かつ説明されている内容によって限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び文献は、それらの全体が参照により本明細書に明確に援用される。
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープラと共に使用するステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープルキャビティを有するカートリッジ本体であって、各ステープルキャビティがその中に配置された外科用ステープルを有する、カートリッジ本体と、
複数の補助部であって、前記カートリッジ本体から外科用ステープルが配備されると、各補助部が前記外科用ステープルの少なくとも1つの脚部の周囲に封止部を形成するように、各補助部が、前記外科用ステープルの前記少なくとも1つの脚部の周囲に配置されている、補助部と、を備える、アセンブリ。
(2) 前記複数の補助部のそれぞれが、プラグの形態である、実施態様1に記載のアセンブリ。
(3) それぞれの外科用ステープルについて、第1補助プラグ及び第2補助プラグが前記外科用ステープルの第1脚部及び第2脚部の周囲に封止部を形成するように、前記第1補助プラグが前記外科用ステープルの前記第1脚部の周囲に配置され、前記第2補助プラグが前記外科用ステープルの前記第2脚部の周囲に配置されている、実施態様2に記載のアセンブリ。
(4) 前記複数の補助部のそれぞれが、外科用ステープルの第1脚部及び第2脚部の両方の周囲を封止するように構成されている綿撒糸の形態である、実施態様1に記載のアセンブリ。
(5) 前記複数の補助部のそれぞれが、外科用ステープルの脚部の周囲に配置されたコーティングの形態である、実施態様1に記載のアセンブリ。
(6) 前記複数の補助部のそれぞれが、体液との接触時に膨張する膨潤性材料で形成されている、実施態様1に記載のアセンブリ。
(7) 前記膨潤性材料がヒドロゲルである、実施態様6に記載のアセンブリ。
(8) 前記複数の補助部のそれぞれが、発泡体で形成されている、実施態様1に記載のアセンブリ。
(9) 前記複数の補助部のそれぞれが、前記カートリッジ本体からの配備に先立って、前記外科用ステープルのクラウン部に隣接して配置されている、実施態様1に記載のアセンブリ。
(10) 前記複数の補助部のそれぞれが、前記カートリッジ本体からの配備に先立って、前記外科用ステープルのクラウン部の反対側の前記外科用ステープルの前記少なくとも1つの脚部の遠位端に位置付けられている、実施態様1に記載のアセンブリ。
(11) 前記複数の補助部のそれぞれが、前記外科用ステープルの前記少なくとも1つの脚部の上を摺動するように構成されている、実施態様1に記載のアセンブリ。
(12) 外科用ステープラと共に使用するステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープルキャビティを有するカートリッジ本体と、
前記複数のステープルキャビティ内に配置され、そこから組織内に放出されるように構成されている、複数の外科用ステープルと、
前記複数のステープルキャビティ内に配置され、前記カートリッジ本体と接触せずに、前記複数のステープルキャビティから前記複数の外科用ステープルと共に放出されるように構成されている、複数の封止補助部と、を備える、アセンブリ。
(13) 前記複数の封止補助部のそれぞれは、外科用ステープルが、放出中に前記カートリッジ本体との接触から前記封止補助部を遮断するように位置付けられている、実施態様12に記載のアセンブリ。
(14) 前記複数の封止補助部のそれぞれが、外科用ステープルの脚部と前記外科用ステープルのクラウン部との接合部に隣接して配置されている、実施態様13に記載のアセンブリ。
(15) 前記複数の封止補助部のそれぞれが、組織との接触時に体積を膨張させるように構成されている、実施態様12に記載のアセンブリ。
(16) 前記複数のステープルキャビティのそれぞれが、外科用ステープルに結合された、少なくとも1つの封止補助部の通過を受け入れるように成形されている、実施態様12に記載のアセンブリ。
(17) 前記複数のステープルキャビティのそれぞれが、前記少なくとも1つの封止補助部を受け入れるために、前記ステープルキャビティの対向端部に形成された、少なくとも1つのカットアウト部を含む、実施態様16に記載のアセンブリ。
(18) 組織をステープリングする方法であって、
外科用ステープラ上でカートリッジアセンブリとアンビルとの間に組織を係合することと、
前記外科用ステープラを作動させて、前記カートリッジアセンブリから前記組織内に少なくとも1つのステープルを放出することと、を含み、前記少なくとも1つのステープルの少なくとも1つの脚部が、封止補助部を通って延在し、前記補助部が、前記組織と前記脚部との間に封止部を形成するようにする、方法。
(19) 前記封止補助部が、前記少なくとも1つのステープルの前記少なくとも1つの脚部の遠位端に結合され、前記外科用ステープラを作動させると、前記補助部が前記少なくとも1つのステープルのクラウン部に向かって摺動し、前記少なくとも1つの脚部によって前記組織内に形成された孔を封止する、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記封止補助部が、前記少なくとも1つのステープルのクラウン部に結合され、前記外科用ステープラを作動させると、前記封止補助部が前記少なくとも1つのステープルの前記クラウン部と前記組織との間に配置されるように、前記補助部が前記クラウン部と共に前記カートリッジアセンブリから放出される、実施態様18に記載の方法。