JP2017514158A - 可搬仮想溶接システム - Google Patents

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Abstract

仮想溶接システムは、制御ユニット(3130)と、モーショントラッキングユニット(3514)と、表示ユニット(3140)と、模擬溶接ツールと、を含む。仮想溶接システムは、保管と運搬のために容器(3100)の中に収められ、またはそれ以外の方法で格納される。使用者は模擬溶接ツールを使って仮想溶接システムと対話し、継手の溶接等の溶接作業をシミュレートできる。【選択図】図31

Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年2月28日に出願された米国仮特許出願第61/946,185号明細書および2014年11月25日に出願された米国特許出願第14/552,739号明細書の米国特許法第119条(e)に基づく優先権/利益を主張する非仮特許出願として出願されており、上記両出願の開示全体を参照によって本願に援用する。
さらに、本願と共通の譲受人に譲渡されている以下の係属中の米国特許出願の各々も、そのすべてを参照によって本願に援用する。
(1)2009年7月10日に出願された、“System And Method Providing Arc Welding Training In A Real−Time Simulated Virtual Reality Environment Using Real−Time Weld Puddle Feedback”と題する米国特許出願第12/501,257号明細書、現在の米国特許第8,747,116号明細書
(2)2009年7月10日に出願された、“Virtual Reality Pipe Welding Simulator”と題する米国特許出願第12/501,263号明細書
(3)2009年7月17日に出願された、“Welding Simulator”と題する米国特許出願第12/504,870号明細書
(4)2011年4月7日に出願された、“Virtual Testing And Inspection Of A Virtual Weldment”と題する米国特許出願第13/081,725号明細書、現在の米国特許第8,657,605号明細書
(5)2012年2月2日に出願された、“Virtual Welding System”と題する米国特許出願第13/364,489号明細書
(6)2012年7月10日に出願された、“Virtual Reality Pipe Welding Simulator And Setup”と題する米国特許出願第13/545,058号明細書
本発明は、仮想溶接環境を模倣するためのシステムに関し、より詳しくは、可搬仮想溶接システムと、可搬仮想溶接システムの各種の構成要素を保管し、運搬するための容器に関する。より詳しくは、本イノベーションは、特許請求項1に記載の可搬仮想溶接システムを提供する。
何十年も前から、会社は溶接技術を教えている。従来、溶接は実世界の現場で教えられており、すなわち、溶接は実際に電極でアークを金属片に当てて教えられてきた。訓練生が溶接を行っている間にその技術に熟練した指導者が訓練プロセスを監督し、場合によっては修正を行う。指導と反復により、新人訓練生は、1つまたは複数のプロセスを使った溶接方法を学ぶ。しかしながら、溶接を行うたびにコストが発生し、これは教えられている溶接プロセスによって異なる。
より最近では、溶接工を訓練するためのコスト節減型のシステムが採用されている。一部のシステムは、モーションアナライザを内蔵する。アナライザは溶接物の物理モデルと、模擬電極と、模擬電極の動きを追跡する感知手段と、を含む。電極先端が容認可能移動範囲からどれだけはみ出したかを示すレポートが生成される。より高度なシステムでは仮想現実の利用が取り入れられており、これは仮想環境内で模擬電極の操作をシミュレートする。同様に、これらのシステムは姿勢と向きを追跡する。このようなシステムでは、マッスルメモリを教えるだけで、熟練溶接工に必要な、より高度な溶接技術を教えることはできない。
本発明の実施形態は、仮想溶接作業を容易にするためのシミュレータに関し、これは以下の要素を含むが、これらに限定されない:少なくとも1つの仮想溶接継手を有する仮想パイプ区分材に対する溶接セットアップと作業(タイイン作業があればこれを含む)を模倣する対話型溶接環境を生成するための符号化された命令を実行するように動作可能な論理プロセッサ搭載サブシステムと、論理プロセッサ搭載サブシステムに動作的に接続された、対話型溶接環境を視覚的に描写するための表示手段であって、その仮想パイプ区分材を描写する表示手段と、少なくとも1つの仮想溶接継手に対してリアルタイムでセットアップと仮想溶接作業を実行するためのペンダントまたは手持ちの入力装置と、入力装置の動きをリアルタイムで追跡するようになされた、入力装置の動きに関するデータを論理プロセッサ搭載サブシステムに通信するための1つまたは複数のセンサ。入力装置は、仮想現実溶接のための入力選択制御手段を模倣する。論理プロセッサ搭載サブシステムは、学習目標を高めるために、使用者に基づく制約的な制御手段または対話をさらに含んでいてもよい。論理プロセッサ搭載サブシステムは、任意選択により、使用者が確実に溶接環境を適正にセットアップでき、またはエラー復旧を実行できるようにするために、視覚的、聴覚的、および/または物理的変化に基づく教育用の対話または応答を含んでいてもよい。論理プロセッサ搭載サブシステムは多くの場合、入力を可能にし、入力された数値に基づいて出力を提供できる仮想計算機またはテーブルを含むであろう。論理プロセッサ搭載サブシステムはまた、誤ったセットアップパラメータまたはパラメータの組合せに基づいて知的エージェントによりイネーブルされる結果を含んでいてもよい。論理プロセッサ搭載サブシステムはまた、使用者が入力すべきであった適正なセットアップパラメータまたはパラメータの組合せを特定するための、知的エージェントによりイネーブルされる入力を含んでいてもよい。シミュレータはまた、セットアップパラメータまたはパラメータの組合せの視覚的、聴覚的、または物理的インディケータを含んでいてもよい。溶接経路を、前記経路に沿った停止点と開始点を含めて追跡するために、カメラ利用のシステムを任意選択により追加してもよい。カメラシステムは、ファジロジックコントローラ搭載システムに基づく経路追従および経路決定システムを含んでいてもよい。シミュレータの論理プロセッサ搭載サブシステムは、各レベルが使用者の技能レベル、学習ペース、および学習スタイルに合わせて調整される、使用者のための複数のレベルと、問題を検出し、是正し、および問題から復旧する使用者の能力を試験するための人工知能利用の命令を含んでいてもよい。多言語機能もまた、本発明の任意選択による態様である。シミュレータを容易に保管し、運搬するためのケースもまた提供される。その他の特徴、利点、および実施形態は、以下の説明、図面、および特許請求の範囲から推測可能である。
図1は、最終使用者であるオペレータがシミュレータを用いて仮想溶接活動に従事している斜視図である。 図2は、シミュレータの正面図である。 図3Aは、パイプ溶接姿勢を示す図である。 図3Bは、板材溶接姿勢を示す図である。 図4は、シミュレータを表す例示的な概略ブロック図である。 図5は、模擬溶接ツールの側面図である。 図6は、溶接用ユーザインタフェースの拡大図である。 図7は、観察者用表示装置の拡大図である。 図8Aは、個人用表示装置の斜視図である。 図8Bは、最終使用者に装着された個人用表示装置の斜視図である。 図8Cは、溶接ヘルメットに取り付けられた個人用表示装置の斜視図である。 図9は、空間トラッカの斜視図である。 図10は、溶接クーポンを保持するためのスタンドの斜視図である。 図11は、パイプ溶接クーポンの斜視図である。 図12は、スタンドに取り付けられた管材溶接クーポンの斜視図である。 図13Aは、パイプ溶接クーポンのある例示的実施形態を示す。 図13Bは、パイプ溶接クーポンのある例示的実施形態を示す。 図13Cは、パイプ溶接クーポンのある例示的実施形態を示す。 図14は、仮想環境における図13A〜13Cのパイプ溶接クーポンに対するシミュレートされた溶接作業を示す。 図15は、パイプ溶接クーポンのある例示的実施形態を示す。 図16Aは、タイイン作業のある例示的実施形態を示す。 図16Bは、タイイン作業のある例示的実施形態を示す。 図16Cは、タイイン作業のある例示的実施形態を示す。 図16Dは、タイイン作業のある例示的実施形態を示す。 図16Eは、タイイン作業のある例示的実施形態を示す。 図17は、論理プロセッサ搭載サブシステムのサブシステムブロック図のある例示的実施形態を示す。 図18は、論理プロセッサ搭載サブシステムの画像処理ユニット(GPU)のブロック図のある例示的実施形態を示す。 図19は、シミュレータの機能的ブロック図のある例示的実施形態を示す。 図20は、仮想現実訓練システムを使って訓練する方法のある実施形態のフロー図である。 図21Aは、溶接画素(wexel)変位マップの概念を示す。 図21Bは、溶接画素(wexel)変位マップの概念を示す。 図22は、シミュレータにおいてシミュレートされた下向き溶接クーポンのクーポン空間と溶接空間のある例示的実施形態を示す。 図23は、シミュレータにおいてシミュレートされた角溶接クーポンのクーポン空間と溶接空間のある例示的実施形態を示す。 図24は、シミュレータにおいてシミュレートされたパイプ溶接クーポンのクーポン空間と溶接空間のある例示的実施形態を示す。 図25は、パイプ溶接クーポンのある例示的実施形態を示す。 図26Aは、シミュレータの二重変位(dual−displacement)溶融池モデルの概念のある例示的実施形態を示す。 図26Bは、シミュレータの二重変位溶融池モデルの概念のある例示的実施形態を示す。 図26Cは、シミュレータの二重変位溶融池モデルの概念のある例示的実施形態を示す。 図27は、円周溶接環境で用いられている円周溶接システムのある例示的実施形態を示す。 図28は、図27の円周溶接システムに使用する溶接トラクタを示す。 図29は、図27の円周溶接システムの電源およびコントローラを示す。 図30は、図27の円周溶接システムに使用するペンダントを示す。 図31は、可搬仮想現実溶接システムに使用するケースを示す。 図32は、図31のケースを運んでいる使用者を示す。 図33Aは、図31の可搬仮想現実溶接システムの据付を示す。 図33Bは、図31の可搬仮想現実溶接システムの据付を示す。 図33Cは、図31の可搬仮想現実溶接システムの据付を示す。 図34Aは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。 図34Bは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。 図35Aは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。 図35Bは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。 図35Cは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。 図36Aは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。 図36Bは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。 図36Cは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。 図36Dは、可搬仮想現実溶接システムを実装するための他のケースを示す。
ここで、実施形態を例示することのみを目的とし、その限定を目的とせずに図示が行われている図面を参照すると、図1および2は、概して10で示される、溶接をシミュレートするためのシステムを示しており、これを本明細書においてはシミュレータ10またはシステム10と呼ぶ。シミュレータ10は、仮想環境15を生成することができ、これは実世界におけるそれと同様の溶接現場を表現してもよく、仮想現実アーク溶接(virtual reality arc welding)(VRAW)と呼ぶことができる。特許請求の範囲を含め、本明細書において使用さるかぎり、「溶接」という用語は、オキシ燃料切断などの「切断」作業も含む。仮想環境15内で、シミュレータ10は1つまたは複数の最終使用者12との対話を容易にする。入力装置155が含まれ、これによって最終使用者12は実世界の作業に従事でき、それがシミュレータ10によって追跡され、仮想の作業に変換される。仮想環境15はそれゆえ、対話型仮想溶接環境15を含む。表示装置200が含まれ、これによって仮想環境15および最終使用者12の作業を視覚的に見ることができる。1つの実施形態において、シミュレータ10は、複数の最終使用者12またはその他の観察者から見える表示スクリーン150を含んでいてもよい。それに加えて、シミュレータ10は、訓練生である使用者12aまたは指導者である使用者12bであってもよい1人の最終使用者12が使用するようになされた個人用ディスプレイ140を含んでいてもよい。ここでは、実世界における最終使用者12の作業が仮想溶接作業に変換されて、1つまたは複数のディスプレイ140、150上でリアルタイムで見られることが明確にわかる。本明細書において使用されるかぎり、「リアルタイム」という用語は、最終使用者12が実世界の現場をその時点で認識し、経験するのと同じように、仮想環境をその時点で認識し、経験することを意味する。
対話型仮想溶接環境15の生成において、シミュレータ10は、異なる溶接姿勢での複数の溶接継手のための1つまたは複数の溶接プロセスを模倣し、さらに、複数の継手構成のための異なる種類の電極の効果を模倣する。1つの特定の実施形態において、シミュレータ10は対話型仮想溶接環境15を生成し、これはパイプ溶接および/または開先継手の溶接を模倣する。システムは、リアルタイムの溶融金属流動度および放熱特性を有する溶融池をシミュレートできる。シミュレータ10はまた、仮想溶接作業が溶接継手、例えば下にある母材にどのように影響を与えるかをモデル化することもできる。例示的に、シミュレータ10は、ルートパスおよびホットパスの溶接のほか、後続のフィラおよびキャップパスを模倣してもよく、各々が実世界のシナリオに対応する特性を有する。後続の各パスの溶接は先行のパスのそれとは大きく違っていてもよく、これは、先行のパス中に起こった母材の変化の結果および/または選択された電極の違いの結果による。溶融池のモデル化のリアルタイムでのフィードバックにより、最終使用者12は、仮想溶接が行われている間に、ディスプレイ200上で仮想溶接プロセスを観察して、自分の技術を調整または保持することができる。観察される仮想指標の種類の例としては、いくつかを挙げれば、溶融池の流れ、溶融池の揺らぎ、溶融池凝固中の色の変化、溶融池の凍結速度、放熱の色勾配、音、ビード形成、ウィーブパターン、スラグの形成、アンダカット、ポロシティ、スパッタ、スラグ巻込み、オーバフィル、突き抜け、および割れが含まれていてもよい。また、理解すべき点として、溶融池の特性は、最終使用者12が入力装置155を動かすことに依存し、すなわち、それに反応する。このようにして、表示された溶融池は、選択された溶接プロセスおよび最終使用者12の溶接技術に基づいて、リアルタイムで形成される実世界の溶融池を表す。さらに、「ワゴントラック」は、SMAWプロセスを使ったパイプ溶接中に行われたルートパスのトウに残る溶接欠陥とスラグの視覚的痕跡である。パイプ溶接の第二のパスは、ホットパスと呼ばれ、ワゴントラックを再溶融させて、最終溶接物の中で取り除かれるようにするのに十分に高温でなければならない。また、ワゴントラックは研磨プロセスにより除去されてもよい。このようなワゴントラックとワゴントラックの除去は、本発明のある実施形態によれば、本明細書に記載のシミュレータ10の中で適正にシミュレートされる。
図1および2を引き続き参照しながら、ここで図3Aおよび3Bも参照すると、シミュレータ10は、各種の溶接姿勢での溶接プロセスを模倣し、各姿勢で溶融池がどのように反応するかをモデル化できる。より具体的には、シミュレータ10は立向き、横向き、および/または傾斜姿勢でのパイプ溶接を模倣してもよく、これらは当業界においてそれぞれ5G、2G、および6G姿勢と呼ばれる。これに加えて、シミュレータ10は、パイプの回転横向き姿勢に関する1G姿勢、または当接する板のグルーブ溶接に関連するような上向き溶接に関する4G姿勢での溶接を模倣してもよい。その他の溶接姿勢は、平板の様々な構成のための開先継手の溶接に関していてもよい。理解すべき点として、シミュレータ10は、後の段落で詳細に説明されるモデル化および分析エンジンを含め、溶融池への重力の影響を考慮する。したがって、溶融池の反応は、例えば、5G姿勢での溶接パイプにおいては6G姿勢のそれと異なる。上述の例は限定的と解釈されるべきではなく、例示を目的として含められている。当業者であれば、何れの溶接継手、溶接姿勢または、種類の異なる母材を含めた溶接物の種へのその応用も容易に理解できるであろう。
ここで、図2および4を参照すると、シミュレータ10は論理プロセッサ搭載サブシステム110を含み、これは、対話型仮想溶接環境15を生成するための符号化された命令を実行するようにプログラム可能および動作可能であってもよい。シミュレータ10は、論理プロセッサ搭載サブシステム110に動作的に接続されたセンサおよび/またはセンサシステムをさらに含み、これは空間トラッカ120で構成されてもよい。シミュレータ10はまた、論理プロセッサ搭載サブシステム110と通信する、シミュレータ10のセットアップと制御のための溶接ユーザインタフェース130を含む。前述のように、表示装置200が含まれ、これはフェイスマウント表示装置140および観察者用表示装置150を含んでいてもよく、各々が論理プロセッサ搭載サブシステム110に接続され、対話型仮想溶接環境15を視覚的に見ることができるようにする。表示装置200の1つまたは複数は、空間トラッカ120に接続されて、その姿勢および/または移動に応答して装置上で見られる画像を変えてもよく、これについては後述する。
入力装置
ここで図5に関して、前述のように、シミュレータ10は、最終使用者12との対話を容易にする入力装置155を含む。1つの実施形態において、入力装置155は模擬溶接ツール160を含む。模擬溶接ツール160は、例えば手動式溶接電極ホルダまたは、電極への連続送給を送達する溶接ガン等の実世界の溶接ツール(例えば、MIG、FCAW、GTAW溶接ツール)に似た種類とされてもよいが、そうでなくてもよい。さらに、模擬溶接ツール160の他の構成を利用してもよく、これも本発明の実施形態の所期のカバー範囲から逸脱しない。考察を進めるうえで、本発明の実施形態を、手動式溶接電極ホルダ156に似た模擬溶接ツール160を用いることに関して説明する。模擬溶接ツール160は、実世界の溶接ツールとよく似ていてもよい。1つの特定の実施形態において、模擬溶接ツール160は実世界の溶接ツールと同じ形、重さ、および感触を有していてもよい。事実、実際の溶接ツールを模擬溶接ツール160として使って、使用者の手の中でのツールの実際の感覚を提供することもできるが、シミュレータ10においては、本物の溶接ツールを使って実際に本物のアークを生成することはない。このようにすると、訓練生である使用者12aであってもよい最終使用者12は、実世界の溶接ツールの取り扱いに慣れ、それによって仮想溶接体験が向上する。しかしながら、模擬溶接ツール160は、健全な判断により選択されたいずれの方法と構成で構成されてもよい。
例示的に、模擬溶接ツール160は、パイプ溶接のための棒状溶接ツールをシミュレートし、ホルダ161と、そこから延びるシミュレートされた電極棒162と、を含む。シミュレートされた電極棒162は触感抵抗先端163を含み、実世界の現場での溶接中に発生する抵抗フィードバックをシミュレートしてもよい。最終使用者12が模擬電極棒162をルートから戻しすぎると(詳しくは後述)、最終使用者12は抵抗が軽くなったと感じ、または感知することができ、それによって現在の溶接プロセスの調整または保持において使用するフィードバックが得られる。棒状溶接ツールに、図示されていないアクチュエータが組み込まれてよいことも想定され、これが仮想溶接プロセス中に模擬電極棒162を引き戻す。すなわち、最終使用者12が仮想溶接作業に従事しているとき、ホルダ161とシミュレートされた電極棒162の先端との間の距離を短縮することによって電極の消耗をシミュレートする。消耗速度、すなわち電極棒162の引き戻しは、論理プロセッサ搭載サブシステム110によって、より詳しくは論理プロセッサ搭載サブシステム110によって実行される符号化された命令により制御されてもよい。シミュレートされる消耗速度はまた、最終使用者12の技術にも依存しうる。ここで、シミュレータ10が異なる種類の電極を使った仮想溶接を容易にするため、電極棒162の消耗速度または減少は、使用される溶接手順および/またはシミュレータ10のセットアップにより変化しうる点を特筆することは注目すべき点である。
模擬溶接ツール160のアクチュエータは、電動式であってもよい。アクチュエータの動力は、シミュレータ10から、外部電源から、または内部バッテリ電源から得ることができる。1つの実施形態において、アクチュエータは、電気モータなどの電動装置であってもよい。さらに、何れの種類のアクチュエータまたは何れの形態の動力も使用でき、これには電磁アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、または機械的(例えば、ばね負荷)アクチュエータのあらゆる組合せが含まれるが、これらに限定されない。
上述のように、模擬溶接ツール160は、シミュレータ10と対話するために、空間トラッカ120と共に動作してもよい。特に、模擬溶接ツール160の姿勢および/または向きが空間トラッカ120によってリアルタイムでモニタされ、追跡されてもよい。したがって、姿勢と向きを表すデータは論理プロセッサ搭載サブシステム110に伝えられ、仮想溶接環境15との対話における必要性に応じて使用されるように変更または変換されてもよい。
空間トラッカ
図9を参照すると、空間トラッカ120の一例が示されている。空間トラッカ120は、論理プロセッサ搭載サブシステム110と接続されてもよい。1つの実施形態において、空間トラッカ120は模擬溶接ツール160を磁気により追跡してもよい。すなわち、空間トラッカは磁気エンベロープを生成し、これが姿勢と向きのほか、速度および/または速度変化を測定するために使用される。したがって、空間トラッカ120は、磁力源121および磁力源ケーブルと、1つまたは複数のセンサ122と、ディスク123上のホストソフトウェアと、電源124と、USBおよびRS−232ケーブル125と、プロセッサ追跡ユニット126と、その他の関連するケーブルと、を含む。磁力源121は、1つまたは複数のセンサ122のように、ケーブルを介してプロセッサ追跡ユニット126に動作的に接続できる。電源124もまた、ケーブルを介してプロセッサ追跡ユニット126に動作的に接続できる。プロセッサ追跡ユニット126は、USBまたはRS−232ケーブル125を介して論理プロセッサ搭載サブシステム110に動作的に接続できる。ディスク123上のホストソフトウェアは、論理プロセッサ搭載サブシステム110にロードされてもよく、これによって空間トラッカ120と論理プロセッサ搭載サブシステム110との間の機能的通信が可能となる。
磁力源121は磁力源121を取り囲む磁場、すなわちエンベロープを生成して、3次元空間を画定し、その中で最終使用者12の作業が追跡され、シミュレータ10と通信されてもよい。エンベロープは、基準空間フレームを画定する。エンベロープ内で使用される物体、例えば模擬溶接ツール160とクーポンスタンド(後述)は、磁力源121により生成される磁場を歪めないように、非金属、すなわち非鉄で非導電性の材料からなっていてもよい。各センサ122は、交差する空間方向に配列された複数の誘導コイルを含んでいてもよく、これらは実質的に直交するように配列される。誘導コイルは、磁場の強度を3方向の各々に測定し、プロセッサ追跡ユニット126に情報を提供する。1つの実施形態において、少なくとも1つのセンサ122が模擬溶接ツール160に取り付けられ、模擬溶接ツール160を、姿勢と向きの両方において基準空間フレームに関して追跡できる。より詳しくは、誘導コイルは、電極162の先端に取り付けられてもよい。このようにして、シミュレータ10は、3次元エンベロープ内のどこに模擬溶接ツール160が位置付けられているかを判断できる。別のセンサ122を提供して、1つまたは複数の表示装置200に動作的に取り付けてもよい。したがって、シミュレータ10はセンサのデータを使って、最終使用者12の動きに応答して最終使用者12が見る表示を変化させてもよい。そのため、シミュレータ10は実世界での最終使用者12の作業を捕捉し、追跡して、仮想溶接環境15へと変換する。
本発明のある代替的実施形態によれば、センサ122はプロセッサ追跡ユニット126と無線で通信してもよく、プロセッサ追跡ユニット126は論理プロセッサ搭載サブシステム110と無線で通信してもよい。本発明の他の代替的実施形態によれば、シミュレータ10ではその他の種類の空間トラッカ120を使用してもよく、これには例えば、加速度計/ジャイロスコープ利用のトラッカ、光トラッカ、赤外線トラッカ、音響トラッカ、レーザトラッカ、無線周波数トラッカ、慣性トラッカ、能動または受動光トラッカ、拡張現実に基づく追跡が含まれる。さらに、また別の種類のトラッカも使用してよく、これも一般的な発明的概念の所期のカバー範囲から逸脱しない。
表示装置
ここで図8Aを参照しながら、フェイスマウント表示装置140の一例を以下に説明する。フェイスマウント表示装置140は、図8Cに示されているように、溶接ヘルメット900に組み込まれても、あるいは図8Bに示されているように、別個に取り付けられてもよい。フェイスマウント表示装置140は、2Dおよびフレーム連続ビデオモードの流体で流体フルモーションビデオを提供できる2つの高コントラストSVGA 3D OLEDマイクロディスプレイを含んでいてもよい。仮想溶接環境15からの仮想画像(例えば、ビデオ)が提供されて、フェイスマウント表示装置140上に表示される。本発明の1つの実施形態において、論理プロセッサ搭載サブシステム110は、フェイスマウント表示装置140に立体動画を提供し、使用者の奥行感覚を向上させる。立体画像は論理処理ユニットにより生成されてもよく、これは後で詳しく説明する画像処理ユニットであってもよい。ズーム(例えば、2倍)モードも提供されてよく、それによって使用者はチータプレートをシミュレートできる。
フェイスマウント表示装置140は、論理プロセッサ搭載サブシステム110と空間トラッカ120に有線または無線手段を介して動作的に接続される。空間トラッカ120のセンサ122は、フェイスマウント表示装置140または溶接ヘルメット900に取り付けられてもよく、それによってフェイスマウント表示装置140を、空間トラッカ120により作られる基準3D空間フレームに関して追跡できる。このようにして、溶接ヘルメット900が動くと、それに反応して、3D仮想現実環境で最終使用者12が見る画像が変化する。フェイスマウント表示装置140はまた、後述のように観察者用表示装置150のそれと同様のメニュー項目を呼び出し、表示するように機能してもよい。このようにして、最終使用者はしたがって、模擬溶接ツール160上の制御手段(例えば、ボタンまたはスイッチ)を使ってメニューを起動し、そこから選択肢を選択できる。これにより、使用者は容易に、例えばミスをした場合に溶接部をリセットできたり、特定のパラメータを変更できたり、または溶接ビードの軌道の一部をやり直すためにバックアップしたりすることができる。
フェイスマウント表示装置140はスピーカ910をさらに含んでいてもよく、これによって使用者はシミュレータ10により生成されるシミュレートされた溶接関連の音および環境音を聞くことができる。音声コンテンツ機能と溶接音は特定の種類の溶接音を提供し、これはある溶接パラメータが許容値範囲内であるか、許容値範囲から出ているかに応じて変化する。音は各種の溶接プロセスおよびパラメータに合わせてカスタム化される。例えば、MIGスプレイアーク溶接プロセスの場合、使用者が模擬溶接ツール160を正しく位置決めしていないとパチパチという音が発せられ、模擬溶接ツール160が正しく位置決めされるとシューシューという音が発せられる。短絡アーク溶接プロセスの場合、アンダーカットが発生しているときにシューシューという音が発せられる。これらの音は、適切な溶接技術と不適切な溶接技術に対応する実世界の音を模倣する。
高忠実度音声コンテンツは、様々な電気および機械的手段を使った実際の溶接を実世界で録音したものから取得してもよい。認知された音の量と方向は、最終使用者の頭部、すなわちフェイスマウント表示装置140の、模擬溶接ツール160と溶接クーポン175との間のシミュレートされたアークに関する姿勢、向き、および距離に応じて変えられる。音はスピーカ910を介して使用者に提供されてもよく、これはイヤホンスピーカもしくはその他何れかの種類のスピーカまたは音声発生装置であってもよく、フェイスマウント表示装置140に取り付けられても、あるいはコンソール135および/またはスタンド170に取り付けられてもよい。さらに、仮想溶接作業に従事している間に最終使用者12に音声を提示する何れの方法を選択してもよい。また、ここで、スピーカ910を介してその他の種類の音声情報を通信してもよいことがわかる。その例としては、リアルタイムで、または事前に録音されたメッセージを通じて、指導者である使用者12bからの口頭での指示が含まれる。事前に録音されたメッセージは、特定の仮想溶接作業により自動的にトリガされてもよい。リアルタイムの指示は、現場で生成されても、または離れた場所からも生成されてもよい。さらに、何れの種類のメッセージまたは指示が最終使用者12に提供されてもよい。
コンソール
ここで図2、6、および7を参照すると、シミュレータ10は、シミュレータ10の1つまたは複数の構成要素を格納するコンソール135を含んでいてもよい。1つの実施形態において、コンソール135は、溶接電源に似るように構成されてもよい。すなわち、コンソール135の形状と大きさは実世界の装置のそれと一致してもよい。シミュレータ10の操作は、溶接ユニットインタフェース130によって容易にされてもよく、これは溶接電源ノブ、ダイヤル、および/またはスイッチ133、134と似た種類であってもよい。シミュレータ10はディスプレイをさらに含んでいてもよく、これは表示装置200であってもよい。シミュレータ10にインストールされた符号化された命令、すなわちソフトウェアは、最終使用者12によるシミュレータ10との対話を、表示スクリーン200上に命令および/またはメニューオプションを表示することによって導いてもよい。シミュレータ10との対話は、管理作業、シミュレーションのセットアップと起動、およびその他に関する機能を含んでいてもよい。これは、特定の溶接プロセスと電極の種類の選択のほか、溶接姿勢を含む部品のセットアップをさらに含んでいてもよい。溶接ユニットインタフェース130により行われた選択は、表示装置200上に反映される。
図6は、コンソール135と溶接ユーザインタフェース130のある例示的実施形態を示している。溶接ユニットインタフェース130は、シミュレータ10のセットアップおよび操作中に使用される、使用者選択153に対応するボタン群131を含んでいてもよい。ボタン131には、表示装置200上に表示される使用者選択153の色に対応する色が付けられていてもよい。ボタン131の1つが押されると、信号が論理プロセッサ搭載サブシステム110に送信されて、対応する機能が起動される。溶接ユニットインタフェース130はまた、使用者が表示装置200上に表示された各種のパラメータと選択肢を選択するために使用できるジョイスティック132も含んでいてよい。溶接ユニットインタフェース130は、例示的な方法として、ワイヤ送給速度/アンペアを調節するために使用可能なダイヤルまたはノブ133と、ボルト/トリムを調節するための別のダイヤルまたはノブ134をさらに含む。溶接ユニットインタフェース130はまた、アーク溶接プロセスを選択するためのダイヤルまたはノブ136を含む。本発明のある実施形態によれば、3つのアーク溶接プロセスが選択可能であり、これにはフラックスコアードアーク溶接(FCAW)、ガスメタルアーク溶接(GMAW)、およびシールドメタルアーク溶接(SMAW)が含まれる。溶接ユニットインタフェース130は、溶接極性を選択するためのダイヤルまたはノブ137をさらに含む。本発明のある実施形態によれば、3つのアーク溶接極性が選択可能であり、これには交流(AC)、正の直流(DC+)、および負の直流(DC−)が含まれる。さらに、その他の溶接プロセスとセットアップの特徴をシミュレータ10に組み込んでもよく、これも全体的な発明概念の所期のカバー範囲から逸脱せず、それにはTIG溶接の実施形態が含まれるがこれに限定されない。上記のことから、シミュレータ10のセットアップが実世界の装置のセットアップと同等であることが容易にわかる。
グラフィカルユーザインタフェース機能1213(図19参照)により、使用者は、観察者用表示装置150を介して見ることができ、物理的ユーザインタフェース130のジョイスティック132を使って溶接シナリオをセットアップできる。溶接シナリオのセットアップは、言語の選択、最終使用者の氏名の入力、練習用の板(例えば、溶接クーポン、Tプレート、平板)の選択、溶接プロセス(例えば、FCAW、GMAW、SMAW、TIG)および関連する移行の軸方向スプレイ、パルス、または短絡アークモードの選択、ガスの種類と流速の選択、電極棒の種類(例えば、E6010またはE7018)の選択、およびフラックスコアードワイヤの種類(例えば、セルフシールド、ガスシールド)の選択を含んでいてもよい。溶接シナリオのセットアップはまた、詳しくは後述するようなクーポンスタンド170のセットアップも含んでいてよい。溶接シナリオのセットアップは、環境(例えば、仮想現実空間内の背景環境)の選択、ワイヤ送給速度の設定、電圧レベルの設定、極性の選択、および特定の視覚的キューのオン・オフ切替えをさらに含む。ここで、1つの実施形態において、シミュレータ10に、ある溶接シナリオの実行が、選択されたプロセスにとって適当が適正に入力されるまで行われないようにする制限が組み込まれてもよく、これはソフトウェアによる制限であってもよい。このようにして、訓練生である使用者12aは、仮想溶接シナリオをセットアップすることによって実世界の溶接現場の適正な範囲を教わり、または学習する。
したがって、表示装置200は、メニュー、動作、視覚的キュー、新しいクーポンのセットアップ、および採点を含む最終使用者選択153に対応する動作を反映する。これらの使用者選択は、コンソール135上の使用者用ボタンに結び付けられてもよい。使用者が表示装置200を介して様々な選択を行うと、表示された特徴が変化して、選択された情報およびその他のオプションを使用者に提供できる。しかしながら、表示装置200は観察者用表示装置150であってもよいが、その他の機能を有していてもよく、これは最終使用者12がシミュレータ10の操作中、すなわち仮想溶接作業に従事している間に見ることのできる仮想画像を表示することである。表示装置200は、最終使用者12が見るのと同じ画像を見るようにセットアップされてもよい。あるいは、表示装置200はまた、異なる表示、または仮想溶接作業の異なる全体像を表示するために使用されてもよい。
1つの実施形態において、表示装置150、200は、図17に示されるデータ記憶装置300に電子的に保存された仮想溶接作業を再生するために使用されてもよい。最終使用者12の仮想溶接作業を表すデータは例えば、再生して見直すために保存され、永久保存のためにダウンロードされ、および/またはリアルタイムで閲覧、批評するために離れた場所に転送されてもよい。仮想溶接作業を再生している間に、溶融池の流動度、移動速度のほか、不連続部152、例えば不適切なすみ肉のサイズ、ビード位置不良、タイイン不良、ビードの凹み、余盛、アンダカット、ポロシティ、融合不良、スラグ巻込み、余剰スパッタ、および溶落ち等の詳細が表示されてもよい。許容値角度を超えた結果であるアンダカットもまた表示されてよい。さらに、アークを溶接物から遠ざけすぎたことに起因するポロシティが表示されてもよい。このようにして、シミュレータ10は、特定の仮想溶接作業の一部または全部を再生し、最終使用者の作業に直接関係する割れと欠陥を含む仮想溶接シナリオのすべての面をモデル化することができる。
図7を参照すると、シミュレータ10はまた、仮想溶接作業の結果を分析し、表示することもできる。結果を分析することによって、シミュレータ10は、溶接パス(タイインがあればこれを含む)中のいつ、および溶接継手に沿ったどこで、最終使用者12が溶接プロセスの容認可能限界から逸脱したかを判断できることを意味する。点数は最終使用者12のパフォーマンスによって決まる。1つの実施形態において、点数は、理想の溶接パスから限界の、すなわち容認不能な溶接作業までにわたってもよい許容値範囲を通じた、模擬溶接ツール160の姿勢、向き、および速度における逸脱に応じていてもよい。シミュレータ10には、最終使用者12のパフォーマンスに点数を付けるために選択された、何れの範囲勾配でも組み込める。点数は、数字または英数字により表示されてよい。これに加えて、最終使用者12のパフォーマンスを画像で表示して、時間および/または溶接点に沿った位置において、模擬溶接ツールが溶接継手のどれだけ近くを通過したかを示してもよい。移動角度、作業角度、速度、および溶接継手からの距離等のパラメータが測定可能項目の例であるが、採点のために何れのパラメータを分析してもよい。例えば、本明細書に記載されているように、タイイン手順のパフォーマンスを分析し、点数を付けることができる。パラメータの許容値範囲は実世界の溶接データから得られ、それによって最終使用者が実世界においてどのようなパフォーマンスを行えるかに関する正確なフィードバックが提供される。他の実施形態において、最終使用者12のパフォーマンスに対応する欠陥の分析も取り入れ、表示装置150、200に表示してもよい。この実施形態において、仮想溶接作業中にモニタされる各種のパラメータを測定することから得られる、どのような種類の不連続部が生じたかを示すグラフが描かれてもよい。表示装置200上では割れが見えないかもしれないが、それでも最終使用者12のパフォーマンスに起因する欠陥が発生しているかもしれず、その結果がさらに相応に表示され、例えばグラフ化されてもよい。
表示装置200はまた、最終使用者12を訓練するために使用される指導用の情報を表示するために使用されてもよい。指導用の情報の例としては、指示が含まれてもよく、これはビデオまたは写真により表されるように画像で表示されてもよい。これに加えて、指示は上述のように、書かれたものでも、音声フォーマットで提示されてもよい。このような情報は、データ記憶装置300上に保存され、保持されてもよい。1つの実施形態において、シミュレータ10は仮想溶接シーンを表示して、姿勢、ノズル高さ、溶接角度、移動角度、および移動速度を含む各種の溶接パラメータ151を示すことができ、これらを本明細書においては視覚的キューと呼ぶ。
1つの実施形態において、遠隔通信を使って、同様に、または異なるように構成された装置、すなわちシミュレータから作業する、現場にいない人員、すなわち遠隔使用者が仮想の指示を提供してもよい。仮想溶接プロセスの描写は、ネットワーク接続を介して行われてもよく、これにはインターネット、LAN、およびその他のデータ伝送手段が含まれるが、これらに限定されない。特定の溶接部を表すデータ(パフォーマンス可変値を含む)は、仮想画像および/または溶接部のデータを表示できる別のシステムに送信されてもよい。留意すべき点として、伝送されたデータは、遠隔使用者が溶接工のパフォーマンスを分析できるのに十分に詳細である。遠隔システムに送信されるデータは、仮想溶接環境を生成するために使用されてもよく、それによって特定の溶接プロセスが再現される。さらに、パフォーマンスデータまたは仮想溶接作業を他の装置に通信する何れの方法を利用してもよく、これも本発明の実施形態の所期のカバー範囲から逸脱しない。
溶接クーポン
ここで、図1、11、および12を参照すると、シミュレータ10は、溶接継手176を形成するために並置されたパイプ区分材に似た溶接クーポン175を含んでいてもよい。溶接クーポン175は、シミュレータ10と共に機能して、仮想溶接作業に従事している間に最終使用者12のためのガイドの役割を果たす。仮想溶接作業のある1サイクルで複数の溶接クーポン175を使用してもよく、すなわち互換的に使用できる。溶接クーポンの種類には、数例を挙げれば、円筒形のパイプ区分材、弓状パイプ断片、平板、Tプレート、およびボス溶接継手が含まれていてもよい。1つの実施形態において、溶接クーポンの各々には、開先継手、すなわちグルーブが組み込まれていてもよい。しかしながら、溶接継手の何れの構成を溶接クーポンに組み込んでもよく、これも本発明の実施形態の所期のカバー範囲から逸脱しない。
溶接クーポン175の寸法は様々であってよい。円筒形のパイプの場合、内径の範囲は11/2インチ(内径)から18インチ(内径)の範囲であってもよい。1つの特定の実施形態において、内径の範囲は18インチを超えてもよい。他の実施形態において、弓状パイプ断片の代表半径は、11/2インチ(内径)から18インチ(内径)の範囲およびこれを超えてもよい。さらに、11/2インチ未満および18インチを超える何れの半径の溶接クーポン175でも利用してよいと解釈するべきである。実践的な意味で、何れのサイズの溶接クーポン175でも、溶接クーポン175または溶接クーポン175の一部が空間トラッカ120により生成されるエンベロープ内に収まるかぎり使用できる。平板も、長さ18インチまで、およびそれ以上にわたってもよい。さらに、理解すべき点として、溶接クーポン175の寸法上限は、空間トラッカ120により生成される検出領域の大きさと強度および、それを溶接クーポン175に関して位置付けられる能力によってのみ制約される。このようなバリエーションはすべて、本発明の実施形態のカバー範囲に含まれると解釈されるものとする。
1つの実施形態において、溶接クーポン175は、扁平、平坦、またはその他の板2002と接するパイプ2000またはパイプ区分材を含む。このようにして、溶接クーポン175はパイプ・オン・プレート溶接を模倣でき、これはボス溶接と呼ばれることがある(図13A〜13Cおよび15参照)。パイプ2000が板2002と接続する、またはそれ以外の方法で接触する外周は、溶接経路2004を形成する。溶接経路2004の形状は一般に、パイプ2000の形状に対応する。溶接経路2004は、模擬溶接ツール2010(例えば、模擬溶接ツール160)が、パイプ2000と板2002を相互に溶接する際に移動することが期待される経路である。
1つの実施形態において、パイプ2000と板2002が接合して、すみ肉溶接継手を形成する(図13A〜13C参照)。図13Aは、パイプ2000と板2002の側面図である。図13Bは、パイプ2000と板2002の斜視図である。図13Cは、パイプ2000と板2002の別の斜視図であり、模擬溶接ツール2010が溶接経路2004に沿って溶接する位置にある。
図14は、パイプ2000と板2002の界面におけるすみ肉溶接継手のシミュレートされた作業が使用者(例えば、使用者12)からどのように見えるかを示す画像2100である。例えば、画像2100は何れの適当な表示装置(例えば、表示装置200)にも表示できる。このようにして、画像2100は観察者用表示装置150に表示できる。さらに、画像2100は、使用者が自分のフェイスマウント表示装置140の中で見えるものを示す。
1つの実施形態において、パイプ2000の下側部分2020は、面取りまたは溝掘り部分を含み、グルーブ継手を形成する(図15参照)。このように、パイプ2000と板2002は接合してグルーブ継手を形成する。図15は、パイプ2000と板2002の斜視図である。
特定の溶接継手、例えば図13A〜13Cのすみ肉溶接継手、図15のグルーブ継手、角継手、またはその他を溶接する際、熟練溶接工は溶接経路全体(例えば、溶接経路2004)を1回のパスで移動できるかもしれない。しかしながら、環境的な障害またはその他の制約(例えば、疲労、注意散漫)により、使用者は溶接経路の一部のみについて移動し、いったん停止し(例えば、溶接のための体の姿勢を変えるため)、次に、溶接経路に沿った移動を再開する必要があるかもしれない。同様に、経験の浅い溶接工(例えば、訓練生である溶接工12a)は、長い溶接パス(例えば、360度の溶接パス)を2つ以上のより短い溶接パス(例えば、第一の180度の溶接パスと第二の180度の溶接パス)に分けると、より楽に感じるか、またはそれ以外の方法で有利に感じるかもしれない。2つの異なる溶接パスを接合または接続することをタイインと呼ぶ。
1つの実施形態において、タイイン作業2300(例えば、図16A〜16Eに示される)がシミュレータ10において模倣される。このようにして、タイイン作業を実行し、練習し/教わり、点数を付けることができる。図16Aに示されるように、パイプ2000と板2002の界面におけるすみ肉接合のための溶接経路2004(図13B参照)は円形である。すみ肉溶接継手の溶接において、使用者は模擬溶接ツール2010を、溶接経路2004上の第一の点2302から溶接を開始するように位置付ける(図16B参照)。次に、使用者は模擬溶接ツール2010を溶接経路2004に沿って矢印2304の方向に移動させる。使用者は、模擬溶接ツール2010を溶接経路2004に沿って第二の点2306に到達するまで移動させ、この点において溶接が一時的に停止され、第一の溶接パス2308が完了する(図16C参照)。一般に、溶接していないこの期間中に第一の溶接パスが実質的に凝固する。
使用者が第二の溶接パス2326を開始する準備をするとき、第二の溶接パス2326が第一の溶接パス2308とタイインされることが重要である。したがって、使用者が模擬溶接ツール2010を、溶接経路2004上の、第一の溶接パス2308が終了した第二の点2306と少なくとも部分的に重複する、溶接経路2004上の第三の点2320から溶接を開始するように位置付ける(図16D参照)。第二の溶接パス2326を、第一の溶接パス2308と少なくとも部分時に重複するか、またはそれ以外の方法で融合する点から開始することにより、第二の溶接パス2326は第一の溶接パス2308とタイインされる。使用者は次に、模擬溶接ツール2010を溶接経路2004に沿って矢印2322の方向に移動させる。使用者は、模擬溶接ツール2010を溶接経路2004に沿って第四の点2324に到達するまで移動させ、その時点で溶接が停止され、それによって第二の溶接パス2326が完了する(図16E参照)。再び、溶接経路2004上の第四の点2324は、溶接経路2004上の第一の点2302と少なくとも部分的に重複する。
相互にタイインされる第一の溶接パス2308と第二の溶接パス2326は、パイプ2000と板2002との間のすみ肉継手溶接部を形成する。
上述のように、溶接クーポン175は、空間トラッカ120と干渉しない材料から構成されてもよい。空間トラッカが磁場を生成するために、溶接クーポン175は非鉄および非導電性の材料で構成されてもよい。しかしながら、選択された空間トラッカ120またはその他のセンサの種類との使用に適した何れの材料を選択してもよい。
図11〜12、13A〜13C、および15を参照すると、溶接クーポン175は、溶接クーポン175を空間トラッカ120に関して(少なくとも部分的に)一定に保持する役割を果たすテーブルまたはスタンド170にはまるように構成されてもよい。したがって、溶接クーポン175は、図11〜12に示されるように、接続部分177またはコネクタを含んでいてもよい。接続部分177は、溶接クーポン175のうち、図のように底面(例えば、板2002の底面)であってもよい片面から延びてもよく、スタンド170に含められる機械的嵌合装置の中に受けられてもよい。当然のことながら、溶接クーポン175がスタンド170に挿入される向きは、仮想溶接環境15内で作られる仮想溶接物、すなわちパイプと密接に適合するためは一定である、すなわち繰返し可能である必要がありうる。このようにして、溶接クーポン175の姿勢がどのように変化したかをシミュレータ10が把握できるかぎり、それに応じた調整を仮想版にも行うことができる。例えば、セットアップ中に、最終使用者12は溶接するべきパイプのサイズを選択してもよい。最終使用者12は次に、適当な溶接クーポン175をスタンド170に挿入し、それを所定の位置にロックしてもよい。その後、最終使用者12は所望の溶接姿勢を選択してもよく、溶接ユーザインタフェース130を介してこの選択を行う。後述のように、次にスタンド170を傾け、または調節して、溶接クーポン175をシミュレータ10により認識される何れの溶接姿勢に位置付けてもよい。もちろん、当然のことながら、溶接クーポン175の姿勢を調整すると、空間トラッカ120の姿勢も調整され、それによって知覚追跡領域内での溶接クーポン175の相対姿勢が保持される。
図10は、スタンド170の1つの実施形態を示す。スタンド170は、調節可能テーブル171と、スタンド土台172と調節可能アーム173と、垂直支柱174と、を含んでいてよい。テーブル171とアーム173はそれぞれ垂直支柱174に取り付けられている。テーブル171とアーム173は各々、垂直支柱174の高さに沿って調整でき、これは垂直支柱174に関する上方、下方、および/または回転移動を含んでいてもよい。アーム173は、本明細書で説明されているような方法で溶接クーポン175を保持するために使用される。テーブル171は最終使用者12を、使用中に腕をテーブル171に載せられるようにすることによって支援できる。1つの特定の実施形態において、垂直支柱174には位置情報が刻まれ、使用者はアーム173およびテーブル171がどこに位置付けられるかを正確に知ることができる。この情報はまた、セットアップ中に溶接ユーザインタフェース130と表示装置150によってシミュレータ10に入力されてもよい。
テーブル171とアーム173の位置が、シミュレータ10のセットアップ中に行われる選択に応答して自動的に調整される本発明の代替的実施形態が想定される。この実施形態において、溶接ユーザインタフェース130を介して行われた選択は、論理プロセッサ搭載サブシステム110に伝えられてもよい。スタンド170が利用するアクチュエータとフィードバックセンサは、アーム173またはテーブル171を物理的に移動させることなく溶接クーポン175を位置付けるために論理プロセッサ搭載サブシステム110により制御されてもよい。1つの実施形態において、アクチュエータとフィードバックセンサは、電動型のサーボモータを含んでいてもよい。しかしながら、健全な技術的判断により選択されるように、スタンド170の位置を自動的に調節するための何れの推進装置を使用してもよい。このようにすると、溶接クーポン175をセットアップするプロセスは自動化され、最終使用者12による手動の調節は不要となる。
本発明の他の実施形態は、溶接クーポン175と併用される知的装置の使用を含み、これを本明細書中で「スマート」クーポン175と呼ぶ。この実施形態において、溶接クーポン175は、スタンド170によって検知可能なその特定の溶接クーポン175に関する情報を有する装置を含む。特に、アーム173は、溶接クーポン175上にある装置の上または中に保存されたデータを読み取る検出器を含んでいてもよい。例としては、センサ、例えばマイクロ電子デバイス上の符号化されたデジタルデータの使用が含まれてもよく、これは検出器に近付いたときに無線で読み取られてもよい。その他の例としては、バーコードのような受動装置の使用が含まれていてもよい。さらに、健全な技術的判断により、溶接クーポン175に関する情報を論理プロセッサ搭載サブシステム110に知的に通信する何れの方法も選択されてよい。
溶接クーポン175上に記憶されたデータは、シミュレータ10に対し、スタンド170に挿入された溶接クーポン175の種類を自動的に示してもよい。例えば、2インチパイプクーポンは、その直径に関する情報を含んでいてもよい。あるいは、平板クーポンは、クーポンに含まれる溶接継手の種類、例えばグルーブ溶接継手または突合せ溶接継手のほか、その物理的寸法を示す情報を含んでいてもよい。このようにして、溶接クーポン175に関する情報は、シミュレータ10のセットアップのうち、溶接クーポン175の選択と据付に関係する部分を自動化するために使用されてもよい。
校正機能1208(図19参照)により、実世界空間(基準3Dフレーム)の中の物理的構成要素を仮想溶接環境15内の視覚的構成要素と一致させることが可能となる。異なる種類の溶接クーポン175の各々を、工場内で、溶接クーポン175をスタンド170のアーム173に取り付け、溶接クーポン175の所定の位置179(例えば、溶接クーポン175上の3つの窪み179により示される)に、スタンド170に動作的に接続された校正スタイラスで触れることによって校正される。シミュレータ10は所定の点179における磁場の強度を読み取り、位置情報を論理プロセッサ搭載サブシステム110に提供し、論理プロセッサ搭載サブシステム110は、この位置情報を使って校正を実行する(すなわち、実世界空間から仮想現実空間へと変換する)。
したがって、同じ種類の溶接クーポン175の何れの部分も、スタンド170のアーム173の中に同じ、繰返し可能な方法で、非常に厳しい許容値範囲内で適合する。したがって、特定の種類の溶接クーポン175を一度校正すれば、同様のクーポンについて繰り返し校正する必要がなく、すなわち、特定の種類の溶接クーポン175の校正は1回のみ行えばよい。言い換えれば、同じ種類の溶接クーポン175は互換可能である。校正により、溶接プロセス中に使用者が認識する物理的フィードバックが、仮想現実空間内で使用者に対して表示されるものと確実に一致することになり、それによってシミュレーションがより本物らしく見える。例えば、使用者が模擬溶接ツール160の先端を実際の溶接クーポン175の角の周囲でスライドさせると、使用者は、使用者が実際の角の周囲で先端がスライドしているのを感じながら、表示装置200上で先端が仮想溶接クーポンの角の周囲でスライドしているのを見ることができる。本発明の実施形態によれば、模擬溶接ツール160はまた、予め位置決めされた冶具に設置し、既知の冶具の位置に基づいて、同様の方法で校正してもよい。
本発明の他の実施形態によれば、溶接クーポン175は「スマート」クーポンであり、シミュレータ10が「スマート」クーポンの所定の校正点または角部を追跡できるようにするセンサを含む。センサは、溶接クーポン175の所定の校正点の正確な位置に取り付けられてもよい。しかしながら、校正データをシミュレータ10に通信する何れの方法が選択されてもよい。したがって、シミュレータ10は「スマート」クーポンが実世界の3D空間内のどこにあるかを常に把握する。さらに、溶接クーポン175を「ロック解除」するために、ライセンスキーが提供されてもよい。特定の溶接クーポン175を購入した時にライセンスキーが提供されてもよく、最終使用者12a、12bはライセンスキーをシミュレータ10に挿入し、その特定の溶接クーポン175に関連するソフトウェアをロック解除してもよい。ある代替的な実施形態において、部品の実世界のCAD図面に基づいて、特別な非標準溶接クーポンを作り、またはそれ以外の方法で提供してもよい。
ここで図2、4および10を参照すると、上述のように、シミュレータ10は論理プロセッサ搭載サブシステム110を含み、これは仮想溶接環境15を生成するために使用される符号化された命令を実行するためのプログラム可能電子回路200を含んでいてもよい。プログラム可能電子回路200は、1つまたは複数の論理プロセッサ203または論理プロセッサ搭載システム203を含んでいてもよく、これは、1つまたは複数のマイクロプロセッサ204からなっていてもよい。1つの特定の実施形態において、プログラム可能電子回路200は、中央処理ユニット(CPU)および画像処理ユニット(GPU)からなっていてもよく、これについては後でさらに説明する。例えば電子メモリ、すなわちRAM、ROMのほか、その他の周辺支援回路のような、また別の回路が含まれていてもよい。電子メモリはCPUとGPUの両方のために含められてもよく、その各々が本明細書に記載されているような仮想溶接環境15のレンダリングの局面で使用するために別々にプログラムされてもよい。さらに、プログラム可能電子回路200は、ハードディスクドライブ、光記憶装置、フラッシュメモリ、およびその他のようなデータ記憶装置300を含み、利用してもよい。シミュレータ10内の装置間または別々のシミュレータ10間のデータ伝送を容易にする、さらにその他の種類の電子回路が含められてもよい。これは例えば、1つまたは複数の入力装置155、例えば空間トラッカまたはセンサからのデータを受け取ること、またはローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、および/またはインターネットであってもよい1つまたは複数ネットワーク上でデータを送信することを含んでいてもよい。理解すべき点として、上記の装置とプロセスは例示的な性質のものであり、限定的と解釈すべきではない。事実、健全な技術的判断により選択されるように、何れの形態のプログラム可能回路、支援回路、通信回路、および/またはデータストレージが本発明の実施形態に組み込まれてもよい。
図17は、シミュレータ10の論理プロセッサ搭載サブシステム110のサブシステムブロック図のある例示的実施形態を示している。論理プロセッサ搭載サブシステム110は、中央処理ユニット(CPU)111と2つの画像処理ユニット(GPU)115を含んでいてもよい。2つのGPU115は、リアルタイムの溶融金属流動度のほか、吸熱および放熱特性を有する溶融プールの仮想現実シミュレーションを提供するようにプログラムされてもよい。
図18を参照すると、画像処理ユニット(GPU)115のブロック図が示されている。各GPU115は、データパラレルアルゴリズムの実装をサポートする。本発明のある実施形態によれば、各GPU115は、2つの仮想現実表示を提供できる2つのビデオ出力118および119を提供する。ビデオ出力のうちの2つはフェイスマウント表示装置140に送られ、溶接工の視点がレンダリングされてもよく、第三のビデオ出力は例えば観察者用表示装置150に送られて、溶接工の視点または何れかの他の視点がレンダリングされてもよい。残りの第四のビデオ出力は、例えばプロジェクタに送られるか、仮想溶接環境15をシミュレートするのに適した他の何れかの目的に使用されてもよい。GPU115はどちらも同じ溶接物理特性の計算を行ってもよいが、仮想溶接環境15を同じ視点かも、異なる視点からもレンダリングしてよい。GPU115は、CUDA(computed unified device architecture)116とシェーダ117を含む。CUDA116はGPU115のコンピューティングエンジンであり、これは業界標準プログラミング言語を通じてソフトウェア開発者によりアクセス可能である。CUDA116は並列コアを含み、本明細書で説明される溶融池シミュレーションの物理モデルを動作させるために使用される。CPU111は、リアルタイムの溶接入力データをGPU115上のCUDA116に供給する。1つの特定の実施形態において、シェーダ117はシミュレーションのビジュアルのすべてを描写し、適用する役割を果たす。ビードおよびプールのビジュアルは、wexel変位マップの状態で駆動され、これについては本明細書中、後述する。本発明のある実施形態によれば、物理モデルは1秒間に約30回の速度で動作し、更新される。
図19は、シミュレータ10の機能ブロック図のある例示的実施形態を示す。シミュレータ10の各種の機能ブロックは、ほとんどが論理プロセッサ搭載サブシステム110上で実行されるソフトウェアインストラクションとモジュールを介して実装されてもよい。シミュレータ10の各種の機能ブロックには、物理インタフェース1201、トーチおよびクランプモデル1202、環境モデル1203、音声コンテンツ機能1204、溶接音1205、スタンド/テーブルモデル1206、内部アーキテクチャ機能1207、校正機能1208、クーポンモデル1210、溶接物理特性1211、内部物理特性調整ツール(tweaker)1212、グラフィカルユーザインタフェース機能1213、グラフ化機能1214、受講生レポート機能1215、レンダラ1216、ビードレンダリング1217、3Dテクスチャ1218、視覚的キュー機能1219、採点および許容値機能1220、許容値エディタ1221、特殊効果1222が含まれる。
内部アーキテクチャ機能1207は、シミュレータ10のプロセスの、より高レベルのソフトウェアロジスティクスを提供し、これには例えば、ファイルの読み込み、情報の保持、スレッドの管理、物理モデルのオンへの切替え、メニューのトリガ等が含まれる。本発明のある実施形態によれば、内部アーキテクチャ機能1207はCPU111上で動作する。論理プロセッサ搭載サブシステム110への特定のリアルタイム入力には、アーク位置、ガン位置、フェイスマウント表示装置またはヘルメットの位置、ガンのオン/オフ状態、接触実行状態(イエス/ノー)が含まれる。
シミュレートされた溶接シナリオ中、グラフ化機能1214は使用者のパフォーマンスパラメータを収集し、使用者のパフォーマンスパラメータをグラフィカルユーザインタフェース機能1213に供給して、画像フォーマットで(例えば観察者用表示装置150上に)表示されるようにする。空間トラッカ120からの追跡情報は、グラフ化機能1214に供給される。グラフ化機能1214は、単純分析モジュール(simple analysis module)(SAM)とウィップ/ウィーブ分析モジュール(whip/weave analysis module)(WWAM)を含む。SAMは、溶接移動角度、移動速度、溶接角度、姿勢、およびノズル高さを含む使用者の溶接パラメータを、これらの溶接パラメータをビードテーブル内に保存されたデータと比較することによって分析する。WWAMは、dime間隔、ウィップ時間、およびプール時間を含む使用者のウイッピングパラメータを分析する。WWAMはまた、ウィーブの幅、ウィーブの間隔、およびウィーブのタイミングを含む使用者のウィービングパラメータを分析する。SAMおよびWWAMは、生の入力データ(例えば、姿勢および向きデータ)を解釈して、グラフ化のために機能的に有用なデータにする。1つの実施形態において、SAM、WWAM、および/または何らかの他のモジュールを使って、本明細書に記載されているように、タイイン作業を追跡し、グラフ化し、またはその他の方法で説明する。SAM、WWAM、および/またはその他の関連モジュールにより分析された各パラメータについて、許容値エディタ1221を使ってビードテーブルに入力された最適または理想的な設定点の付近のパラメータ限界によって許容値が規定され、採点および許容値機能1220が実行される。
許容値エディタ1221はウェルドメータ(weldometer)を含み、これは材料の使用量、電気使用量、および溶接時間を概算する。さらに、特定のパラメータが許容値範囲を超えた場合、溶接不連続部(すなわち、溶接欠陥)が発生しうる。あらゆる溶接不連続部の状態がグラフ化機能1214により処理されて、グラフィカルユーザインタフェース機能1213を介して画像フォーマットで提示される。このような溶接不連続部としては、すみ肉のサイズ、ビード位置不良、タイイン不良、ビードの凹み、余盛、アンダカット、ポロシティ、融合不良、スラグ巻込み、余剰スパッタ、および溶落ちが含まれる。本発明のある実施形態によれば、不連続部のレベルまたは量は、特定の使用者パラメータが最適または理想的な設定点からどれだけ離れているかによって左右される。
異なるパラメータ限度を、例えば溶接初心者、溶接エキスパート、および見本市会場の人々といった異なる種類の使用者について事前に設定しておいてもよい。採点および許容値機能1220は、使用者が特定のパラメータにおいてどれだけ最適(理想)に近いかに応じて、および溶接中に存在する不連続部または欠陥のレベルに応じて数値により点数をつける。採点および許容値機能1220からの情報およびグラフ化機能1214からの情報は、受講生レポート機能1215により指導者および/または受講者向けのパフォーマンスレポートを作成するために使用されてもよい。
視覚的キュー機能1219は、フェイスマウント表示装置140および/または観察者用表示装置150上に、色のオーバレイ表示やインディケータを表示することによって、使用者に即座にフィードバックを提供する。視覚的キューは、姿勢、ノズル高さ、溶接角度、移動角度、および移動速度を含む溶接パラメータ151の各々について提供され、使用者の溶接技術のある面を所定の限度または許容値範囲に基づいて調整すべきか否かを使用者に視覚的に示す。視覚的キューはまた、例えばウィップ/ウィーブ技術、溶接ビード「dime」間隔、適正なタイイン技術についても提供されてよい。
本発明のある実施形態によれば、仮想現実空間内の溶融池またはプールのシミュレーションが実現され、シミュレートされた溶融池がリアルタイムの溶融金属流動度と放熱特性を有する。本発明のある実施形態によれば、溶融池シミュレーションの中心にあるのは溶接物理特性機能1211(物理特性モデルとも呼ばれる)であり、これはGPU115上で実行されてもよい。溶接物理特性機能は、ダイナミックな流動度/粘度、固体性、熱勾配(吸熱および放熱)、溶融池ウェイク、およびビード形状を正確にモデル化するために、二重変位層(double displacement layer)方式を採用し、これについては図21A〜21Bに関して本明細書においてより詳しく説明する。
溶接物理特性機能1211は、ビードレンダリング機能1217と通信して、加熱された溶融状態から冷却された凝固状態までのあらゆる状態の溶接ビードをレンダリングする。ビードレンダリング機能1217は、溶接物理特性機能1211からの情報(例えば、熱、流動度、変位、dime間隔)を使って、仮想現実空間内でリアルタイムで溶接ビードを正確かつ現実的にレンダリングする。3Dテクスチャ機能1218は、ビードレンダリング機能1217にテクスチャマップを送り、シミュレートされた溶接ビード上に追加のテクスチャ(例えば、スコーチ、スラグ、粒子)を重ねる。レンダラ機能1216は、スパーク、スパッタ、煙、アークグロー、フューム、および例えばアンダカットやポロシティ等の特定の不連続部を含む特殊効果モジュール1222からの情報を使って、個別の溶融池に特定されない様々な特性をレンダリングするために使用される。
内部物理特性調整ツール1212はカスタム化ツールであり、これによって各種の溶接物理特性パラメータを各種の溶接プロセスのために規定し、更新し、変更できる。本発明のある実施形態によれば、内部物理特性調整ツール1212は、CPU111上で動作し、調整または更新されたパラメータがGPU115にダウンロードされる。内部物理特性調整ツール1212を介して調整可能なパラメータの種類としては、溶接クーポンに関するパラメータ、溶接クーポンをリセットせずにプロセスを変更できるパラメータ(第二のパスを行えるようにする)、シミュレーション全体をリセットせずに変更できる各種の全体的パラメータ、およびその他の様々なパラメータが含まれる。
図20は、仮想現実訓練シミュレータ10を使った訓練方法1300のある実施形態のフローチャートである。ステップ1310で、ある溶接技術に従って模擬溶接ツールを溶接クーポンに関して移動させる。ステップ1320で、仮想現実システムを使って3次元空間内で模擬溶接ツールの姿勢と向きを追跡する。ステップ1330で、仮想現実空間内での模擬溶接ツールと溶接クーポンの、シミュレートされた溶融池を前記シミュレートされた模擬溶接ツールから発せられるシミュレートされたアークの付近に形成することによって、シミュレートされた模擬溶接ツールがシミュレートされた溶接ビード材料をシミュレートされた溶接クーポンの少なくとも1つのシミュレートされた表面に堆積させるときのリアルタイム仮想現実シミュレーションを示す仮想現実溶接システムの表示を見る。ステップ1340で、ディスプレイ上で、シミュレートされた溶融池のリアルタイムの溶融金属流動度と放熱特性を見る。ステップ1350で、シミュレートされた溶融池のリアルタイムの溶融金属流動度および放熱特性を見たことに応答して、溶接技術の少なくとも1つの面をリアルタイムで変更する。1つの実施形態において、溶接技術は、本明細書で説明するように、タイイン作業を含む。
方法1300は、使用者が仮想現実空間内で溶融池を見て、その溶接技術を、リアルタイムの溶融金属流動度(例えば、粘度)と放熱を含む、シミュレートされた溶融池の各種の特性を見たことに応答して、自分の溶接技術を変更できる方法を示す。使用者はまた、リアルタイムの溶融池ウェイクとdime間隔を含むその他の特性を見て、それに応答してもよい。溶融池の特性を見て、それに反応することは、溶接作業が実際に実世界内で何回実行されるか、である。GPU115上で動作する溶接物理特性機能1211の二重変位層モデリングにより、このようなリアルタイムの溶融金属流動度と放熱特性を正確にモデル化して、使用者に提示できる。例えば、放熱によって凝固時間(すなわち、あるwexelが完全に凝固するまでにかかる時間)が決まる。
さらに、使用者は、同じ、または異なる(例えば、第二の)模擬溶接ツール、溶接電極、および/または溶接プロセスを使って、溶接ビード材料上に第二のパスを行ってもよい。このような第二のパスのシナリオにおいて、シミュレーションは、シミュレートされた模擬溶接ツールが、シミュレートされた模擬溶接ツールから発せられたシミュレートされたアークの付近に第二のシミュレートされた溶融池を形成することによって、第一のシミュレートされた溶接ビード材料と融合する第二のシミュレートされた溶接ビード材料を堆積させるときの仮想現実空間内でのシミュレートされた模擬溶接ツール、溶接クーポン、および当初のシミュレートされた溶接ビード材料を示す。同じまたは異なる溶接ツールまたはプロセスを用いる追加の後続パスも同様に行われてよい。本発明の特定の実施形態によれば、第二の、または後続のパスの何れにおいても、先行する溶接ビード材料は、先行する溶接ビード材料、新しい溶接ビード材料、およびおそらくは、下にあるクーポン材料のうちの何れかの組合せから仮想現実空間内で新しい溶融池が形成されるときに、堆積されている新しい溶接ビード材料と(タイインの形態で)融合する。このような後続のパスは、例えば、先行するパスにより形成された溶接ビードを修復するために実行されてもよく、またはパイプ溶接中にルートパスが行われた後にヒートパスおよび1つまたは複数のギャップ閉鎖パスを含んでいてもよい。本発明の各種の実施形態によれば、母材および溶接ビード材料は、軟鋼、ステンレススチール、およびアルミニウムを含むようにシミュレートされてもよい。
上述のように、複数の溶接パスの融合は、「タイイン」と呼ばれる。第二または後続の溶接パスは、第一の、または先行する溶接パスと平行に、および少なくとも部分的にその上に重ねて実施されてもよい。他の種類のタイインは、溶接経路の最後まで行く前に、溶接パスが中断されるか、それ以外の方法で中止される場合である。その後、使用者は溶接経路上で新しい溶接パスを開始し、この新しい溶接パスはすでに存在する溶接パスと重複するか、それ以外の方法でそれに干渉する。それゆえ、適正なタイインには、溶接経路に沿った溶接部を構成する2つ以上の溶接パスを正しく融合させることが関わる。
本発明のある実施形態によれば、ステンレススチール材料を用いた溶接が、リアルタイム仮想環境内でシミュレートされる。母材の外観は、ステンレススチール溶接物の本物らしい表現を提供するようにシミュレートされる。視覚効果のシミュレーションが、アークの配色に対応する光の視覚スペクトルを変化させるために提供される。本物らしい音もまた、適正なワーク距離、点火、および速度に基づいてシミュレートされる。アーク溶融池の外観と堆積物の外観は、熱影響領域とトーチの移動に基づいてシミュレートされる。溶接ビード全体にわたって散乱する可能性のある酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム膜の浮きかすまたは破片のシミュレーションが提供される。加熱および冷却の影響を受ける領域に関連する計算は、ステンレススチール溶接に合わせて調整される。スパッタに関する不連続部の動作は、ステンレススチールGMAW溶接の外観をより密接かつ正確にシミュレートするために提供される。
本発明のある実施形態によれば、アルミニウム材料を用いた溶接が、リアルタイム仮想環境内でシミュレートされる。ビードウェイクは、アルミニウム溶接の外観を実世界で見られるものに密接に一致させるようにシミュレートされる。母材の外観は、アルミニウム溶接物の本物らしい表現を提示するようにシミュレートされる。視覚効果のシミュレーションが、アークの配色に対応する光の視覚スペクトルを変化させるために提供される。照明の計算は、反射性を持たせるために提供される。加熱および冷却の影響を受ける領域に関連する計算は、アルミニウム溶接に合わせて調整される。酸化のシミュレーションが、本物らしい「クリーニング動作」を生じさせるように提供される。本物らしい音もまた、適正なワーク距離、点火、および速度に基づいてシミュレートされる。アーク溶融池の外観と堆積物の外観は、熱影響領域とトーチの移動に基づいてシミュレートされる。アルミニウムワイヤの外観がGMAWトーチの中で、本物らしい、適正な外観を提供するためにシミュレートされる。
本発明のある実施形態によれば、GTAW溶接がリアルタイム仮想環境中でシミュレートされる。GTAW溶接のための動作パラメータのシミュレーションが提供され、これには流速、パルス周期、パルス幅、アーク電圧制御、ACバランス、および出力周波数制御が含まれるが、これらに限定されない。溶融池の「スプラッシュ」または浸漬方式と溶接消耗材の溶落ちの視覚的表現もまたシミュレートされる。さらに、溶融池内のガス(フィラ金属を用いない)溶接およびフィラ金属を用いるGTAW溶接作業の表現が視覚的および聴覚的にレンダリングされる。様々な追加のフィラ金属の利用がシミュレートされてもよく、これには炭素鋼、ステンレススチール、アルミニウム、およびChrome Molyが含まれるが、これらに限定されない。溶接中に操作するための外部フットペダルの選択的な利用が提供されてもよい。
モデリング用エンジン
図21A〜21Bは、本発明のある実施形態による溶接素子(wexel)変位マップ1420の概念を示す。図21Aは、平坦な上面1410を有する下向き溶接クーポン1400の側面図を示す。溶接クーポン1400は実世界において、例えばプラスチック部品等として存在し、また、仮想現実空間ではシミュレートされた溶接クーポンとして存在する。図21Bは、シミュレートされた溶接クーポン1400の上面1410の表現を示し、これは「wexel」と呼ばれ、wexelマップ1420を形成する溶接素子のグリッドまたはアレイに分けられる。各wexel(例えば、wexel 1421)は、溶接クーポンの表面1410の小部分を画定する。wexelマップは、表面分解能を決定する。可変チャネルパラメータ値が各wexelに割り当てられ、これによって各wexelの数値は、シミュレートされた溶接プロセス中に仮想現実溶接空間においてリアルタイムで動的に変化できる。可変チャネルパラメータ値は、Puddle(溶融池)(溶融金属流動度/粘度変位)、Heat(熱)(吸熱/放熱)、Displacement(変位)(固体変位)、およびExtra(付加物)(例えば、スラグ、粒子、スコーチ、新地金)の各チャネルに対応する。これらの可変チャネルを本明細書において、それぞれPuddle、Heat、Extra、およびDisplacementからとってPHEDと呼ぶ。
図22は、図1および2のシミュレータ10においてシミュレートされた図21Aの下向き溶接クーポン1400のクーポン空間と溶接空間のある例示的実施形態を示す。点0、X、Y、およびZは、局所的3Dクーポン空間を画定する。一般に、クーポンの種類により、3Dクーポン空間から2D仮想現実溶接空間へのマッピングが決まる。図21Bのwexelマップ1420は数値の2次元アレイであり、仮想現実の溶接空間にマッピングされる。使用者は、図22に示されているように、点Bから点Eへと溶接を行うことになる。点Bから点Eまでの軌道線は、図22において3Dクーポン空間と2D溶接空間の両方で示されている。
クーポンの各種類により、wexelマップの中の各位置に関する変位方向が決まる。図22の下向き溶接クーポンの場合、変位の方向はwexelマップの中のすべての位置で同じである(すなわち、Z方向)である。wexelマップのテクスチャ座標は、マッピングをわかりやすくするために、3Dクーポン空間と2D溶接空間のどちらにおいてもS、T(U、Vと呼ばれることもある)として示される。wexelマップは、溶接クーポン1400の長方形の表面1410にマッピングされ、これらを表す。
図23は、シミュレータ10においてシミュレートされた角溶接クーポン1600のクーポン空間と溶接空間のある例示的実施形態を示す。角溶接クーポン1600は3Dクーポン空間内で2つの表面1610および1620を有し、これらは図23に示されるように2D溶接空間にマッピングされる。再び、O、X、Y、およびZは、局所的3Dクーポン空間を画定する。wexelマップのテクスチャ座標は、マッピングをわかりやすくするために、3Dクーポン空間と2D溶接空間のどちらにおいてもS、Tとして示される。使用者は、図23に示されているように、点Bから点Eへと溶接することになる。点Bから点Eまでの軌道線は、図23において3Dクーポン空間と2D溶接空間の両方に示されている。しかしながら、変位の方向は、3Dクーポン空間内に示されるように線X’−O’へと、反対の角に向かう。
図24は、シミュレータ10の中でシミュレートされたパイプ溶接クーポン1700のクーポン空間と溶接空間のある例示的実施形態を示す。パイプ溶接クーポン1700は、3Dクーポン空間内で曲面1710を有し、これは2D溶接空間にマッピングされる。点O、X、Y、およびZは再び、局所的3Dクーポン空間を画定する。wexelマップのテクスチャ座標は、マッピングをわかりやすくするために、3Dクーポン空間と2D溶接空間のどちらにおいてもS、Tとして示される。最終使用者12は、図24に示されるように、湾曲した軌道に沿って点Bから点Eまで溶接することになる。点Bから点Eまでの軌道曲線と直線が、それぞれ3Dクーポン空間と2D溶接空間に示されている。変位の方向は、線Y−Oから離れる(すなわち、パイプの中心から離れる)。図25は、図24のパイプ溶接クーポン1700のある例示的実施形態を示す。パイプ溶接クーポン1700は、非鉄、非導電性プラスチックで作製され、2つのパイプ片1701および1702をシミュレートしており、一体となってルート継手1703を形成する。スタンド170のアーム173に取り付けるための取付部品1704も示されている。
テクスチャマップが幾何学の長方形表面領域にマッピングできるのと同様の方法で、溶接可能なwexelマップは、溶接クーポンの長方形表面にマッピングされてもよい。溶接可能なマップの各素子は、写真の各素子がピクセル(pixel)(写真要素(picture element)の短縮)と呼ばれるのと同じ意味でwexelと呼ばれる。ピクセルは、色(例えば、赤、緑、青)を決める情報のチャネルを含む。wexelは、仮想現実空間内で溶接可能表面を画定する情報チャネル(例えば、P、H、E、D)を含む。
本発明のある実施形態によれば、wexelのフォーマットはPHED(Puddle、Heat、Extra、Displacement)チャネルとして要約され、これは4つの浮動小数点数を含む。Extraチャネルは、例えばwexelの位置にスラグがあるか否か、等のwexelに関する論理情報を記憶するビットセットとして扱われる。Puddleチャネルは、wexel位置での何れかの液化金属に関する変位値を記憶する。Displacementチャネルは、wexel位置での凝固金属に関する変位値を記憶する。Heatチャネルは、wexel位置での熱の大きさを示す数値を記憶する。このようにして、クーポンの溶接可能部分は、溶接されたビードによる変位、液体金属による表面が揺らぐ「溶融池」、熱による色、その他を示すことができる。これらの効果はすべて、溶接可能表面にバーテックスシェーダおよびピクセルシェーダを適用することにより実現される。
本発明のある実施形態によれば、変位マップとパーティクルシステムが使用され、パーティクルは相互作用し、変位マップと衝突できる。パーティクルは仮想動的流体パーティクルであり、溶融池の液体挙動を提供するが、直接レンダリングされることはない(すなわち、視覚的に直接見えない)。その代わりに、変位マップへのパーティクルの効果だけが視覚的に見える。wexelへの入熱は、付近のパーティクルの動きに影響を与える。溶融池のシミュレーションに係る変位の種類は2つであり、これにはPuddleとDisplacementが含まれる。溶融池の変位は「一時的」であり、パーティクルと熱が存在する間のみ続く。変位は「永久的」である。溶融池の変位は溶接物の液体金属であり、これは急速に変化し(例えば、揺らぐ)、Displacementの「上に」あると考えることができる。パーティクルは仮想表面変位マップ(すなわち、wexelマップ)の一部と重なる。Displacementは初期の母材および凝固した溶接ビードの両方を含む永久固体金属を表す。
本発明のある実施形態によれば、仮想現実空間でシミュレートされた溶接プロセスは、以下のように進む。パーティクルはエミッタ(シミュレートされた模擬溶接ツール160のエミッタ)から細い円錐の形態で流れる。パーティクルはシミュレートされた溶接クーポンの表面と最初に接触するが、この表面はwexelマップにより画定される。パーティクルは互いに相互作用し、wexelマップがリアルタイムで構築される。wexelがエミッタに近いほど、多くの熱が加えられる。熱は、アーク地点からの距離と熱がアークから入力される時間の長さに応じてモデル化される。特定のビジュアル(例えば、色)は、熱により駆動される。溶接池は、十分な熱を持つwexelについて、仮想現実空間内で描かれ、またはレンダリングされる。十分に高温であるすべての箇所で、wexelマップが液化し、これらのwexel位置でのPuddleの変位が「上昇」する。Puddleの変位は、各wexel位置で「最も高い」パーティクルをサンプリングすることによって測定される。エミッタが溶接軌道に沿って移動を続けると、通過後のwexel位置は低温となる。熱は特定の速度でwexel位置から除かれる。冷却閾値に到達すると、wexelマップは凝固する。したがって、Puddle変位は徐々にDisplacementに変換される(すなわち、凝固されたビード)。追加されたDisplacementは除去されたPuddleと等しく、そのため全体的な高さは変化しない。パーティクルの寿命は、凝固が完了するまで持続するようにカスタム化または調整される。シミュレータ10でモデル化される特定のパーティクル特性には、吸引/反発、速度(熱に関係する)、減衰(放熱に関する)、および方向(重力に関係する)が含まれる。
図26A〜26Cは、シミュレータ10の二重変位(変位とパーティクル)溶融池モデルの概念のある例示的実施形態を示す。溶接クーポンは仮想現実空間でシミュレートされ、少なくとも1つの表面を有する。溶接クーポンの表面は、仮想現実空間において固体変位層と溶融池変位層を含む二重変位層としてシミュレートされる。溶融池変位層は固体変位層を改変することができる。
本明細書に記載されているように、「溶融池」とは、wexelマップの中で、Puddleの数値がパーティクルの存在によって上昇した領域により定義される。サンプリングプロセスが図26A〜26Cに示されている。wexelマップの一部が示され、7つの隣接するwexelを有する。現在のDisplacementの数値は、ある高さ(すなわち、各wexelのある変位)の陰影のない長方形のバー1910により表される。図26Aにおいて、パーティクル1920は丸い陰影のないドットとして示され、現在の変位レベルと衝突して、積み上げられる。図26Bにおいて、各wexel位置で「最も高い」パーティクル高さ1930がサンプリングされる。図26Cにおいて、陰影付きの長方形1940は、パーティクルによってどれだけのPuddleがDisplacementの上に追加されたかを示す。溶接池の高さはサンプリングされた数値に瞬時に設定されず、これは、PuddleがHeatに基づく特定の液化速度で追加されるからである。図26A〜26Cには示されていないが、凝固プロセスは、Puddle(陰影付き長方形)が徐々に収縮し、Displacement(影なしの長方形)が下から徐々に成長して正確にPuddleに取って代わるため、可視化することが可能である。このようにして、リアルタイム溶融金属流動度特性が正確にシミュレートされる。使用者が特定の溶接プロセスを練習する時、この使用者は、仮想現実空間において溶融金属の流動度特性と溶融パドルの放熱特性をリアルタイムで観察し、この情報を使って自分の溶接技術を調整または保持することができる。
溶接クーポンの表面を表すwexelの数は一定とされる。さらに、シミュレーションにより流動度をモデル化するために生成される溶融池パーティクルは、本明細書に記載されるように、一時的である。したがって、シミュレータ10を使ってシミュレートされた溶接プロセス中に仮想現実空間内で最初の溶融池が生成されると、wexelと溶融池パーティクルの合計数は比較的一定に保たれる傾向がある。これは、処理されるwexelの数が一定であり、溶接プロセス中に存在し、処理されている溶融池パーティクルの数が、溶融池パーティクルが同様の速度で作られて、「破壊される」(すなわち、溶融池パーティクルは一時的である)ために比較的一定に保たれる傾向があるからである。したがって、論理プロセッサ搭載サブシステム110の処理負荷は、シミュレートされた溶接セッション中に比較的一定に保たれる。
本発明のある代替的実施形態によれば、溶融池パーティクルは、溶接クーポン表面内またはその下で生成されてもよい。このような実施形態において、変位は、未使用の(すなわち、溶接されていない)クーポンの当初の表面変位に関してプラスかマイナスかでモデル化されてもよい。このようにすると、溶融池パーティクルは、溶接クーポンの表面上に堆積されてもよいだけでなく、溶接クーポンを貫通してもよい。しかしながら、wexelの数が依然として一定であり、作られ、破壊される溶融池パーティクルは依然として比較的一定である。
本発明の代替的実施形態によれば、パーティクルをモデル化する代わりに、より多くのチャネルを有するwexel変位マップを提供して、溶融池の流動度をモデル化してもよい。または、パーティクルをモデル化する代わりに、高密度ボクセルマップを作成してもよい。または、wexelマップの代わりに、サンプリングされ、消えなかったパーティクルだけをモデル化してもよい。しかしながら、このような代替的実施形態では、システムに与えられる処理負荷は比較的一定でないかもしれない。
さらに、本発明のある実施形態によれば、突き抜けまたはキーホールは、材料を取り除くことによってシミュレートされる。例えば、使用者がアークを1カ所に長く保持しすぎると、実世界において、材料が燃えて穴が開く。このような実世界の溶落ちは、シミュレータ10の中でwexelデシメーション法によりシミュレートされる。あるwexelによって吸収された熱の量が多すぎるとシミュレータ10が判断すると、そのwexelにはフラッグが立てられるか、溶け落ちたと明示され、そのようにレンダリングされてもよい(例えば、穴としてレンダリングされる)。しかしながら、その後、特定の溶接プロセス(例えば、パイプ溶接)ではwexelの再構成が行われてもよく、初めに溶け落ちた後に材料が再び追加される。一般に、シミュレータ10は、wexelデシメーション(材料を取り除く)とwexel再構成(材料を再び追加する)をシミュレートする。
さらに、ルートパス溶接における材料の除去がシミュレータ10において適切にシミュレートされる。例えば、実世界において、後続の溶接パスの前にルートパスが研削されてもよい。同様に、シミュレータ10は、仮想溶接点から材料を除去する研削パスをシミュレートしてもよい。当然のことながら、除去された材料はwexelマップ上でマイナスの変位としてモデル化される。すなわち、研削パスでは、シミュレータ10によりモデル化された材料が取り除かれ、その結果、ビードの輪郭が変化する。研削パスのシミューションは自動であってもよく、すなわち、シミュレータ10が所定の厚さの材料を取り除き、これはルートパス溶接ビードの表面に対して行われてもよい。ある代替的実施形態において、実際の研削ツール、すなわちグラインダがシミュレートされてもよく、これは模擬溶接ツール160またはその他の入力装置を起動することにより、オンとオフに切り替えられる。研削ツールは、実世界のグラインダと似るようにシミュレートされてもよいことがわかる。この実施形態において、使用者は研削ツールをルートパスに沿って操作し、その動きに応答して材料が除去される。当然のことながら、使用者が材料を除去しすぎることがありうるようになっていてもよい。上述のものと同様に、使用者が材料を過剰に「削り取り」すぎると、穴もしくはキーホールまたはその他の欠陥(上述のとおり)が発生しうる。それでも、使用者が材料を除去しすぎないようにするか、または材料が取り除かれすぎたことを知らせるようにする絶対限界またはストッパが実装され、すなわちプログラムされてもよい。
本発明のある実施形態によれば、本明細書に記載されている目に見えない「溶融池」パーティクルに加えて、シミュレータ10はまた、他の3種類の目に見えるパーティクルを使用し、これはアーク、炎、およびスパーク効果を表す。これらの種類のパーティクルは、何れの種類の他のパーティクルとも相互作用せず、変位マップとのみ相互作用する。これらのパーティクルは、シミュレートされた溶接表面に衝突するが、相互には作用しない。本発明のある実施形態によれば、溶融池パーティクルだけが相互作用する。スピークパーティクルの物理特性は、スパークパーティクルが仮想現実空間内で跳ね返り、光るドットとしてレンダリングされるように設定される。
アークパーティクルの物理特性は、アークパーティクルがシミュレートされたクーポンまたは溶接ビードの表面に当たり、しばらくとどまるように設定される。アークパーティクルは、仮想現実空間内では、より大きい、薄暗い、青白いスポットとしてレンダリングされる。このようなスポットが数多く重ねられて、あらゆる種類の視覚的画像が形成される。最終的な結果としては、青い縁を有する白く明るい後光が得られる。
炎パーティクルの物理特性は、ゆっくりと上に上昇するようにモデル化される。炎パーティクルは、中程度の大きさの薄暗い、赤黄色のスポットとしてレンダリングされる。このようなスポットが数多く重ねられて、あらゆる種類の視覚的画像が形成される。最終的には、赤い縁のある橙赤色の炎の斑点が上に上昇して、だんだん消える。本発明の他の実施形態によれば、その他の種類の溶融池以外のパーティクルがシミュレータ10の中で利用されてもよい。例えば、煙パーティクルが炎パーティクルと同様の方法でモデル化され、シミュレートされてよい。
シミュレートされた可視化の最終ステップは、GPU115のシェーダ117により提供されるバーテックスシェーダとピクセルシェーダにより扱われる。バーテックスシェーダとピクセルシェーダは、PuddleおよびDisplacementのほか、熱その他により変化する表面の色と反射性に適用される。PHED wexelフォーマットのExtra(E)チャネルは、本明細書中で前述したように、wexelごとに使用される追加情報のすべてを含む。本発明のある実施形態によれば、追加情報は、非バージンビット(真=ビード、偽=バージンスチール)、スラグビット、アンダカット値(このwexelでのアンダカットの量であり、ゼロはアンダカットがないことを示す)、ポロシティ値(このwexelでのポロシティの量であり、ゼロはポロシティがないことを示す)、およびビードが凝固する時間を符号化したビードウェイク値が含まれる。バージンスチール、スラグ、ビード、およびポロシティを含む異なるクーポンビジュアルに関連する画像マップ群がある。これらの画像マップは、バンプマッピングとテクスチャマッピングの両方に使用される。これらの画像マップの混合量は、本明細書に記載される各種のフラッグと数値によって制御される。
ビードウェイク効果は、ID画像マップと、あるビードのビットが凝固する時間を符号化したwexelごとのビードウェイク値を使って実現される。高温溶融池wexel位置が「溶融池」と呼べるほど高温でなくなると、その位置で時間が保存され、「ビードウェイク」と呼ばれる。その結果、シェーダコードは1Dテクスチャマップを使って「さざ波」を描くことができ、それがビードにその固有の外観を付与し、これはビードが堆積された方向を表す。本発明のある代替的実施形態によれば、シミュレータ10は、仮想現実空間において、シミュレートされた溶融池が溶接軌道に沿って移動されているときに、シミュレートされた溶融池のリアルタイムの流動度−凝固移行から生じるリアルタイム溶接ビードウェイク特性を有する溶接ビードをシミュレートし、表示することができる。
本発明の代替的な実施形態によれば、シミュレータ10は、溶接機械のトラブルシュートの方法を使用者に指導できる。例えば、システムのトラブルシューティングモードでは、使用者が確実にシステムを正しくセットアップできるように訓練してもよい(例えば、正しいガス流速、正しい電源コード接続)。本発明の他の代替的実施形態によれば、シミュレータ10は、溶接セッション(または溶接セッションの少なくとも一部、例えばNフレーム)を記録し、再生することができる。ビデオのフレームをスクロールするためにトラックボールが提供されてもよく、これによって使用者または指導者は溶接セッションを批評できる。再生は、選択可能な速度でも(例えば、フルスピード、ハーフスピード、4分の1スピード)で提供されてよい。本発明のある実施形態によれば、分割スクリーン再生が提供されてもよく、これによって観察者用表示装置150上で2つの溶接セッションを、例えば横に並べて見ることができる。例えば、比較のために「上手な」溶接セッションを「稚拙な」溶接セッションの横に並べて見てもよい。
自動溶接もまた、本発明の1態様である。自動溶接の1つの例示的な例は円周溶接であり、これは様々な種類の材料の管またはパイプの接合に使用されることが多い。例えば、TIG(GTAW)溶接トーチを、自動化された機械的システムによって一体に溶接するべきパイプの周囲を周回するように使用してもよい。図27は、円周溶接環境で使用されるような円周溶接システムのある例示的実施形態を示す。円周溶接システムは、パイプまたは管の周囲を移動する溶接トラクタと、溶接電源およびコントローラと、オペレータが制御できるようにするペンダントと、を含んでいてもよい。図28は、図27の円周溶接システムの溶接トラクタ2010を示しており、これは溶接されるべき2つのパイプに動作的に接続されている。図29は、図27の円周溶接システムの電源およびコントローラ2020を示し、図30は図27の円周溶接システムのペンダント2030を示す。
上述の説明は円周溶接を含む各種の溶接プロセスの仮想現実シミュレーションに焦点を当てているが、本発明の実施形態はその態様に限定されず、使用者が決めるセットアップに従って行われる溶接に関する実際のセットアップと性能特性の指導とフィードバックの面を含む。上述のように、GTAW/GMAW溶接には、オペレータが溶接プロセス、例えば円周溶接プロセスの実行に利用可能な制御手段を確実に理解できるようにする訓練が必要である。円周溶接システムに関する自動化により、訓練が不要になるという誤認識があるが、これは機械が溶接を行うからである。自動円周溶接には、オペレータが溶接と、TIGビードを制御するための特異なセットアップおよび実行技能のすべてを確実に理解するための訓練が必要である。これには、エラー是正、より大径のパイプの溶接、リモートカメラの利用、適切なエラー評価と是正が含まれる。
訓練プログラムは、良好な溶接状態、不良な溶接状態、各々を実行し、これに対応し、または是正するためのメカニズムについて、提供できる範囲が一貫しないか、または不十分である。この種のニッチソリューションに関する、十分な背景および/または業界の知識と経験を有する指導者は見つけにくい。認定された指導者により行われる高品質の訓練によらなければ、溶接機械のオペレータは、今日の溶接環境における厳格な受入基準を満たすのに必要な複雑な技能を習得できない。これに加えて、溶接継手の長い(1つまたは複数のタイインを含むかもしれない)大規模な円周プロジェクトでは、注意力と集中力を維持する難しさが大きな問題となる。
GTAWプロセスにおいて、非消耗タングステン電極と被加工物との間で電気アークが保持される。電極は、アークの熱をサポートし、被加工物の金属が溶けて溶融池を形成する。被加工物の溶融金属と電極は、大気中の酸素から保護しなければならず、そのため、一般的にはシールドガスとしてアルゴン等の不活性ガスが使用される。フィラ金属の添加が使用される場合、フィラワイヤを溶融池へと送給でき、それが電気アークにより供給されるエネルギーによって溶ける。本発明の1つの実施形態によれば、GTAW/GMAW自動溶接作業を見て、自動溶接に関係するペンダント(実際または仮想)またはリモートコントローラを使用し、選択された溶接パラータの組合せに基づいて溶接不連続部を特定し、および使用者用スクリーンを使ってオペレータの選択とパラメータの組合せを是正して、各種のパラメータの相互作用とそれが溶接品質に与える影響を、自動溶接に関する正しい用語と視覚的要素で理解することに関する技術を取り入れた仮想現実溶接システムが提供される。
仮想環境での溶接(例えば、円周GTAW)を実行することによって、多くの問題に対応できる。例えば、溶接プロセスの修練と経験は開発会社の知識がもとになっているかもしれず、したがって、利用可能な最新技術と整合し、それに合わせて更新されるが、これは仮想環境ではソフトウェアのアップグレードにより容易に行われる。指導者は、プログラムのファシリテータとなり、溶接プロセスの専門家である必要はない。そのほかの訓練教材、例えば経路に沿ったキューまたはビジュアルオーバレイが仮想環境内での訓練の提供を改善する。いずれ時代遅れとなってしまうような溶接機器を購入する必要がない。仮想現実システムは、マンツーマンの訓練環境でも、教室型の現場でも使用できる。
仮想フレームワークの使用によって、複数のペンダントを1つの訓練機器でシミュレートできる。溶接(例えば、円周GTAW)プロセスを仮想現実で実行する際、ペンダントは物理的機器としても、仮想ペンダントとしても作製できる。物理的機器の場合、受講生は制御手段を操作して、制御手段の「感覚」を得ることができる。仮想ペンダントの場合、制御手段はタッチスクリーン上で利用でき、操作され、使用者はカスタム化されたペンダントか会社のペンダントかを問わず、制御のために様々なペンダントを容易に選択できる。仮想ペンダントによれば、受講生は、学習レベルまたは、その修練レベル(現場作業の経験を表す)に基づいて利用可能な制御手段に応じて、様々な種類の制御手段やレベルを利用できる。従来の訓練と異なり、ランダムな故障(例えば、ワイヤネスティング)を利用でき、これは使用者に対し、機器にダメージを与えず、また時間のかかるセットアップを行わずに、より詳細で完全な経験を提供する。
学習インタラクションの一部は継手、準備、材料の種類、その他に基づく正しい溶接パラメータを理解することである。ある実施形態によれば、仮想現実において、セオリイネーブルド(theory enabled)スクリーンを有効にして、使用者に適正な選択を行うことに関する知識を使わせることができる。その他のスクリーンやテーブルを有効にして、使用者に何を入力すべきかに関する知識を使わせることができるが、誤った選択が行われたときにも、何が選択されたか、なぜそれが間違っているかをハイライトし、正しい選択肢を明示するために有効化できる。この種の知的エージェントにより、受講生が誤ったやり方をして、最終的な結果に失望することがなくなり、その鍵は正の強化と学習である。本発明のある実施形態により、システムまたは指導者は、使用者の知識を試し、訓練カリキュラムと試験を各使用者の盲点に合わせて調整することもできる。本発明のある実施形態は、人工知能(AI)と学習管理システム(LMS)を使って、必要な領域での指導を助け、知識を強化し、学習支援を提供する。
セットアップパラメータとしては、不活性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム)、アーク点火、溶接電流(例えば、パルス式と非パルス式)、溶接終端部のクレートリング回避のためのダウンスロープ機能、トーチ回転移動速度、ワイヤ送給特性(例えば、パルス式波形)、ワイヤ径の選択、アーク電圧、電極と加工物との距離、溶接振動制御、リモートコントロール、一般的に内蔵された閉ループ水冷回路の冷却特性、および溶接サイクルプログラミング(4つの軸を用いることが多い)、その他が含まれていてもよいが、これらに限定されない。
溶接の検査と精査は学習プロセスに対する別の局面である。受講生は、溶接部を見て、何が正しく、何が間違っているかを特定し、これらの選択に基づいて、自分が正しかったかを特定する点数を受け、さらに、何が正しく、または何が間違っているかに関する業界基準に基づく入力をさらに受け取ることができる。これをさらに向上させて、これらの状況の是正の仕方を特定することができる。例えば、正しいアンペアと速度(特定される)であれば、溶接部は特定の業界標準に基づく良好な溶接部でありうる。
上述のように、仮想現実溶接における入力選択のための物理的な教育用ペンダントまたは手持ち式の制御装置が提供されてもよい。あるいは、仮想現実溶接のための入力選択を制御するための仮想教育用ペンダント機器が提供されてもよい。受講生の学習レベルまたはインダストリロールに依存しうる手持ち式または仮想機器との対話は、機器上で有効化できる。ある実施形態によれば、学習目標を高め、またはインダストリロールの対話を強化するために、使用者に基づく制御手段または対話の制限が提供されてもよい。
視覚的、聴覚的、または物理的変化に基づく教育のための対話または応答は、使用者が確実に正しいセットアップまたはエラー復旧を習得できるように提供されてもよい。また、視覚的、聴覚的、または物理的変化に基づく教育のための対話または応答は、使用者が確実に、行われている環境または溶接部特定の変化に基づいて必要な制御の正しい変化を習得できるように提供されてもよい。入力し、また入力された数値に基づいて出力を提供できる仮想計算機またはテーブルが有効化されてもよい。誤ったセットアップパラメータまたは選択に基づいて知的エージェントにより有効化された結果が、正しい業界基準を強化するために提供されてもよい。さらに、入力すべきであった正しい制御入力が何であったかを特定するために知的エージェントにより有効化された入力が、現在の視覚的、聴覚的、または物理的インディケータに基づいて提供されてもよい。ある実施形態によれば、カメラを利用したシステムのシミュレーションが、ファジロジックコントローラ搭載システムに基づく経路追従および経路決定システムの作成と共に提供されてもよい。例えば、2つのカメラビューをシミュレートすることによって複数のレンダリングが提供されてもよく、それによってシミュレーション中にカメラビューを移動できる。ある実施形態によれば、例えばファジロジックに基づいて所望の経路から逸脱したときにアラームが発せられてもよい。シミュレートされたTIG溶融池の可視化は、TIG溶融池を適正に視覚化できるだけの小さいピクセルサイズを通じて提供されてもよい。シミュレートされたTIG溶融池の大きさのシミュレーションも、使用者がよりよりよく視覚化できるように提供されてもよい。
使用者の技能レベル、学習ペース、および学習スタイルに合わせて調整される使用者のための複数の経験レベル(LMS対応)が提供されてもよい。人工知能(AI)に基づく故障誘導もまた、使用者の問題検出、是正、および復旧能力を試験するために提供されてもよい。安全でない状態、機械のセットアップ、および材料の欠陥のシミュレーションが提供されてもよい。また、ある実施形態によれば、多言語対応システムも提供されてよく、それによって世界市場に向けて訓練を調和させることが可能となる。本発明のある実施形態は、2人以上の使用者(multi−man)が特定の円周溶接シナリオのような仮想溶接部を作ることができる。
要約すれば、プログラム可能プロセッサ搭載サブシステムと、プログラム可能プロセッサ内蔵サブシステムに動作的に接続された空間トラッカと、空間トラッカによって空間的に追跡可能な少なくとも1つの模擬溶接ツールと、プログラム可能プロセッサ内蔵サブシステムに動作的に接続された少なくとも1つの表示装置と、を含むリアルタイム仮想現実溶接システムが開示される。システムは、仮想現実空間内で、リアルタイム溶融金属流動度および放熱特性を有する溶融池をシミュレートすることができる。システムはさらに、シミュレートされた溶融池を表示装置にリアルタイムで表示できる。
一般的な発明的概念ではまた、仮想現実溶接システムが可搬性であり、このような可搬仮想現実溶接システム等の構成要素を運搬するための各種の容器またはケースを含む。
1つの実施形態において、図31に示されているように、ケース3100、容器、またはその他は、仮想現実溶接システムの複数の構成要素を運搬するように動作可能である。ケース3100は、保管および運搬中に構成要素を保護するように設計される。例えば、ケース3100は、構成要素を外力(例えば、落下)から保護してもよい。ケース3100はまた、天候(例えば、雨)および汚染(例えば、埃)からも構成要素を保護してよい。
ケース3100は、本体3102と蓋3104を含む。本体3102と蓋3104は、ケース3100内の構成要素を保護するように、硬い材料で形成される。例えば、本体3102と蓋3104は金属または硬質プラスチックで作製されてもよい。
蓋3104は、本体3102に蝶着またはそれ以外の方法で接続され、閉位置(図32参照)と開位置(図31参照)との間で移動できる。蓋3104は閉位置において、本体3102に閉鎖機構(図示せず)により固定できる。例えば、閉鎖機構は1つまたは複数のラッチまたは同様の構造を含むことができる。閉鎖機構はまた、ケース3100内の構成要素に不正にアクセスできないようにロック機構を含むことができる。
ケース3100はまた、使用者3110(例えば、最終使用者12)がケース3100の持ち運び、またはそれ以外の方法での運搬をしやすくするためのハンドル3108を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、複数のハンドルがケースに提供される。ハンドル3108は、ケース3100の何れの適当な部分に取り付けられてもよい。1つの実施形態において、ハンドル3108は蓋3108に取り付けられる。1つの実施形態において、ハンドル3108は本体3102の側面に取り付けられる。
ハンドル3108はケース3100に、大きさが変わらないように取り付けられてもよい。他の例として、ハンドル3108はケース3100に、その大きさが変化するように取り付けられてもよい。1つの実施形態において、ハンドル3108は、ケース3100の運搬に有益な、延ばしきった長さ(図32参照)と、ケース3100の保管に有益な、完全に引っ込めた長さとの間で伸縮できる。一般的な発明的概念は、ケース3100を運搬しやすくするためのその他のあらゆる手段を包含する。例えば、ケース3100は、ケース3100を使用者3110の肩にかけて運搬できるようにする1本のストラップを含むことができる。他の例として、ケース3100は、ケース3100を使用者3110が背負うことができるようにする1対のストラップを含むことができる。肩用ストラップおよび/または背中用ストラップは、ハンドル3108の代わりに、またはそれに加えて提供できる。
図32に示されるように、ケース3100はまた、使用者3110がケース3100を転がすか、またはそれ以外の方法で運搬しやすくするための転がし機構3112(例えば、1つまたは複数の車輪)も含んでいてよい。
ケース3100(すなわち、本体3102および/または蓋3104)の内部空間は、仮想現実溶接システムの構成要素を受けるための複数のコンパートメントを含む。コンパートメントは、対応する構成要素をその中に確実に保持するような大きさおよび/または形状である。1つの実施形態において、コンパートメントは、衝撃吸収材(例えば、発泡材)により取り囲まれ、および/または分離される。
1つの実施形態において、ケース3100の内部空間は、発泡材の複数の階層または層を含み、発泡材の各層は仮想現実溶接システムの少なくとも1つの構成要素を保管し、またはそれ以外の方法で取り囲むことができる。例えば、第一の発泡材層(およびその構成要素)を取り除くと、ケース3100の中の第一の発泡材層の下にある第二の発泡材層(およびその構成要素)にアクセスできる。
1つの実施形態において、ケース3100は、第一のコンパートメント3116と、第二のコンパートメント3118と、第三のコンパートメント3120と、を含む。一般的な発明的概念によれば、ケース3100に含まれるコンパートメントはそれより多くても、それより少なくてもよい。
第一のコンパートメント3116は、仮想現実溶接システムの制御ユニット3130を受ける、またはそれ以外の方法で格納するように動作可能である。制御ユニット3130は、仮想現実溶接シミュレーションを実行するための処理ロジックおよび回路(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェア)を含む。例えば、制御ユニット3130は、CPU、GPU、モーショントラッカ(例えば、空間トラッカ120)、その他を含むことができる。
1つの実施形態において、空間トラッカは、外部またはスタンドアロンモーショントラッキング装置、例えば、磁場を発生し、磁場内の1つまたは複数のセンサの位置を検出し、またはそれ以外に測定するように動作可能なユニットである。空間トラッカは制御ユニット3130と、例えばケーブル(例えば、USBケーブル)または無線通信を介して通信できる。この例において、制御ユニット3130は、仮想現実溶接シミュレーションを実行するためのソフトウェアを作動させる汎用コンピュータとすることができる。他の実施形態において、空間トラッカは、制御ユニット3130の筐体内に統合できる。他の実施形態において、空間トラッカは、他の構成要素、例えば後述の表示ユニット3140と統合できる。
他の実施形態によれば、仮想現実溶接システムの中で、他の種類の空間トラッカが使用されてもよく、これは例えば、加速度計/ジャイロスコープ搭載トラッカ、光トラッカ(能動または受動)、赤外線トラッカ、音響トラッカ、レーザトラッカ、無線周波数トラッカ、慣性トラッカ、および拡張現実に基づく追跡システムが含まれる。それ以外の種類のトラッカも利用可能である。いくつかの実施形態において、2つ以上の異なる追跡技術の組合せを採用できる。
第二のコンパートメント3118は、仮想現実溶接システムの表示ユニット3140(例えば、LCDモニタ)を受け、またはそれ以外の方法で格納するように動作可能である。表示ユニット3140はスタンドを含んでいてもよい。スタンドにより、表示ユニット3140の観察高さおよび/または角度を調節できてもよい。スタンドは取り外し可能であってもよく、それによって表示ユニット3140を、表示ユニット3140を載せる支持面に関して取り付けるか、またはそれ以外の方法で位置付けることができる。
1つの実施形態において、表示ユニット3140は、直立姿勢から平置き姿勢に調節可能である。直立姿勢では、表示ユニット3140は、表示ユニット3140を載せる支持面と約90度の角度を形成する(図33A参照)。平置き姿勢では、表示ユニット3140は、表示ユニット3140を載せる支持面と約0度の角度を形成する(図33C参照)。1つの実施形態において、表示ユニット3140は、直立姿勢と平置き姿勢との間の傾斜姿勢に調節可能である。傾斜姿勢では、表示ユニット3140は、表示ユニット3140を載せる支持面と0〜90度の間の角度を形成する(図33B参照)。
第三のコンパートメント3120は、模擬溶接ツール3150(例えば、模擬溶接ツール160)を受け、またはそれ以外の方法で格納するように動作可能である。1つの実施形態において、模擬溶接ツール160はMIGトーチの外観と雰囲気を模倣する(例えば、図33A〜33C参照)。模擬溶接ツール3150は制御ユニット3130と、例えばケーブル(例えば、USBケーブル3152)または無線通信を通じて通信する。
一般的な発明的概念では、仮想現実溶接システムの構成要素の1つまたは複数を統合し、またはそれ以外の方法で組み合わせられることが想定される。例えば、制御ユニット3130と表示ユニット3140は、一体の筐体内に格納できる。1つの実施形態において、ラップトップコンピュータが制御ユニット3130と表示ユニット3140を具現化する。1つの実施形態において、携帯機器、例えばモバイルフォンまたはタブレットが制御ユニット3130と表示ユニット3140を具現化する。
図33A〜33Cに示されているように、仮想現実溶接システムの設備3300は、ケース3100から構成要素(例えば、制御ユニット3130、表示ユニット3140、模擬溶接ツール3150)を取り外し、システムを支持面上にセットアップすることによって実現される。1つの実施形態において、支持面は作業台3160、机、テーブル、またはその他の天板である。空のケース3100は、例えば、作業台3160の下部分に保管されてもよい。1つの実施形態において、空のケース3100は、仮想現実溶接システムの1つまたは複数の構成要素のための支持面の代わりに、またはそれに加えて使用することができる。1つの実施形態において、筐体(例えば、ケース3100)の蓋は筐体から切り離すことができ、それによって蓋および/または筐体を支持面として使用できる。
セットアップが完了したら、使用者3110は、仮想現実溶接システムと対話して溶接練習をシミュレートできる。例えば、使用者3110は入力装置を使用し、シミュレーションのために特定の溶接プロセスを選択し、溶接パラメータを指定し、(仮想)溶接クーポンを選択し、その他を行うことができる。1つの実施形態において、モーショントラッカが入力装置であり、モーショントラッカは使用者3110による特定の動きを入力と解釈する。他の実施形態において、表示ユニット3140はタッチスクリーンモニタであり、これは入力装置として機能し、使用者3110は、例えば模擬溶接ツール3150、スタイラス、または指を使ってタッチスクリーンモニタと対話できる。
図33Aにおいて、使用者3110(例えば、訓練生である使用者12a)は、直立姿勢の表示ユニット3140で仮想溶接作業を実行している。図33Bにおいて、使用者3110(例えば、訓練生である使用者12a)は、傾斜姿勢の表示ユニット3140で仮想溶接作業を実行している。図33Cにおいて、使用者3110(例えば、訓練生である使用者12a)は、平置き姿勢の表示ユニット3140で仮想溶接作業を実行している。表示ユニット3140が平置き姿勢にあるため、少なくとも1人の第二の使用者3162(例えば、指導者である使用者12b)は、使用者3110が溶接作業を実行するのを容易に監査できる。勿論、1人または複数の使用者(例えば、指導者である使用者12b)が溶接作業を行っている使用者3110を観察するのに、表示ユニット3140のその他の構成と姿勢が適しているかもしれない。
シミュレーションが完了したら、仮想現実溶接システムの構成要素を分解して、その後の保管および/または運搬のためにケース3100に戻すことができる。
他の実施形態において、図34A〜34Bに示されるように、ケース3400、容器、またはその他は、仮想現実溶接システムの少なくとも1つの構成要素と統合される。ケース3400はまた、仮想現実溶接システムの非一体的な構成要素のために、上述のような1つまたは複数のコンパートメント3402を含むこともできる。
ケース3400は、統合されているか否かを問わず、構成要素を保管および運搬中に保護するように設計される。例えば、ケース3400は、構成要素を外力(例えば、落下)から保護してもよい。ケース3400はまた、天候(例えば、雨)および汚染(例えば、埃)からも構成要素を保護してよい。
ケース3400は、本体3404と蓋3406を含む。本体3404と蓋3406は、ケース3100内の構成要素を保護するように、硬い材料で形成される。例えば、本体3404と蓋3406は金属または硬質プラスチックで作製されてもよい。
蓋3406は、本体3404にヒンジ3408または同様の構造によって接続され、それによってこれを閉位置と開位置との間で移動できる。蓋3406は閉位置において、本体3404に閉鎖機構により固定できる。例えば、閉鎖機構は1つまたは複数のラッチ3410または同様の構造を含むことができる。閉鎖機構はまた、ケース3400内の構成要素に不正にアクセスできないようにロック機構を含むことができる。
ケース3400はまた、使用者3416(例えば、最終使用者12)がケース3400を持ち運ぶか、またはそれ以外の方法で運搬するのを容易にするためのハンドル3414を含んでいてもよい。ハンドル3414は、ケース3400の何れの適当な部分に取り付けられてもよい。1つの実施形態において、ハンドル3414は蓋3406の上に取り付けられる。1つの実施形態において、ハンドル3414は本体3404の側面に取り付けられる。
ハンドル3414はケース3400に、大きさが変わらないように取り付けられてもよい。他の例として、ハンドル3414はケース3400に、その大きさが変化するように取り付けられてもよい。1つの実施形態において、ハンドル3414は、ケース3400の運搬に有益な、延ばしきった長さと、ケース3400の保管に有益な、完全に引っ込めた長さとの間で伸縮できる。一般的な発明的概念は、ケース3400を運搬しやすくするためのその他のあらゆる手段を包含する。例えば、ケース3400は、ケース3400を使用者3416の肩にかけて運搬できるようにする1本のストラップを含むことができる。他の例として、ケース3400は、ケース3400を使用者3416が背負うことができるようにする1対のストラップを含むことができる。肩用ストラップおよび/または背中用ストラップは、ハンドル3414の代わりに、またはそれに加えて提供できる。
ケース3400はまた、使用者3416がケース3400を転がすか、またはそれ以外の方法で運搬しやすくするための転がし機構(図示せず)、例えば1つまたは複数の車輪も含んでいてよい。
前述のように、ケース3400(すなわち、本体3404および/または蓋3406)の内部空間は、仮想現実溶接システムの非一体的な構成要素を受けるための1つまたは複数のコンパートメント3402を含む。コンパートメント3402は、対応する構成要素をその中に確実に保持するような大きさおよび/または形状である。1つの実施形態において、コンパートメント3402は、衝撃吸収材(例えば、発泡材)により取り囲まれ、および/または分離される。
ケース3400は、仮想現実溶接システムの制御ユニットと一体である。制御ユニットは、仮想現実溶接シミュレーションを実行するための処理ロジックおよび回路(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェア)を含む。例えば、制御ユニットは、CPU、GPU、モーショントラッカ3420(例えば、空間トラッカ120)、その他を含むことができる。
1つの実施形態において、モーショントラッカ3420は、外部またはスタンドアロンモーショントラッキング装置、例えば、磁場を発生し、磁場内の1つまたは複数のセンサの位置を検出し、またはそれ以外に測定するように動作可能なユニットである。モーショントラッカ3420は制御ユニットと、例えばケーブル(例えば、USBケーブル)または無線通信を介して通信できる。この例において、制御ユニットは、仮想現実溶接シミュレーションを実行するためのソフトウェアを作動させる汎用コンピュータとすることができる。他の実施形態において、モーショントラッカ3420は、制御ユニットの筐体内に統合できる。他の実施形態において、モーショントラッカ3420は、他の構成要素、例えば後述の表示ユニット3426と統合できる。
他の実施形態によれば、仮想現実溶接システムの中で、他の種類のモーショントラッカが使用されてもよく、これは例えば、加速度計/ジャイロスコープ搭載トラッカ、光トラッカ(能動または受動)、赤外線トラッカ、音響トラッカ、レーザトラッカ、無線周波数トラッカ、慣性トラッカ、および拡張現実に基づく追跡システムが含まれる。それ以外の種類のトラッカも利用可能である。いくつかの実施形態において、2つ以上の異なる追跡技術の組合せを採用できる。
ケース3400はまた、1つまたは複数の接続ポート3422も含んでいてよい。例えば、接続ポート3422により、ケースを外部電源(例えば、電気コンセント)と接続できる。1つの実施形態において、ケース3400は内部電源を格納している。他の例として、接続ポート3422はUSBコネクタであり、これによってケース3400(例えば、制御ユニット)を1つまたは複数の外部装置(例えば、溶接スティンガ、溶接トーチ、切断装置)と統合して、仮想溶接/切断作業を容易にすることができる。
ケース3400はまた、仮想現実溶接システムの表示ユニット3426(例えば、LCDスクリーン)に統合される。例えば、表示ユニット3426は、ケース3400の蓋3406に統合できる。この場合、表示ユニット3426の観察角度は、蓋3406をケース3400の本体3404に関して旋回させることによって容易に調節可能である。
前述のように、ケース3400はまた、仮想現実溶接システムの非一体的構成要素も含むことができる。例えば、ケース3400は、対応するコンパートメント内に1つまたは複数の模擬溶接ツール(例えば、模擬溶接ツール160)を格納できる。1つの実施形態において、ケース3400は、模擬溶接棒3430とそれに対応するコンパートメント3432のほか、模擬MIGトーチ3434およびそれに対応するコンパートメント3436を含む。模擬溶接ツールは、何れの適当な方法でも制御ユニットと統合できる。例えば、模擬溶接ツールは、有線接続(例えば、コネクタ3422に差し込まれたUSBケーブル)または無線接続を介して制御ユニットと通信できる。他の例として、モーショントラッカ3420は、模擬溶接ツールの動きを捕捉して、その動きを制御ユニットに提供される情報に変換することができる。
ケース3400により、仮想現実溶接システムを簡単かつ確実に保管し、運搬できる。ケース3400とその内容物により具現化される仮想現実溶接システムは、溶接/切断の練習のシミュレーションにおいて使用するために、何れの適当な作業面(例えば、作業台、机、テーブル)の上にも容易にセットアップし、またはそれ以外の方法で据え付けることができる。シミュレーションが完了したら、その後保管し、および/または運搬するために、仮想現実溶接システムの非一体的な構成要素をケース3400に戻すことができる。
他の実施形態において、図35A〜35Cに示されるように、ケース3500、容器、またはその他は、内部空間を有し、これは、仮想現実溶接システムの構成要素を確実に格納するための空洞3502(例えば、1つまたは複数のコンパートメント)を画定する内部空間を有する。構成要素は、例えば、仮想現実溶接システムの模擬溶接ツール3510、制御ユニット3512、モーショントラッカ3514、表示ユニット3516(例えば、LCDスクリーン)、その他を含むことができる。
ケース3500は、構成要素を保管および運搬中に保護するように設計される。例えば、ケース3500は、構成要素を外力(例えば、落下)から保護してもよい。ケース3500はまた、天候(例えば、雨)および汚染(例えば、埃)からも構成要素を保護してよい。
ケース3500は、本体3504と蓋3506を含む。1つの実施形態において、本体3504と蓋3506は、ケース3500内の構成要素を保護するように、硬い材料で形成される。例えば、本体3504と蓋3506は金属または硬質プラスチックで作製されてもよい。
1つの実施形態において、蓋3506は本体3504にヒンジまたは同様の構造で接続され、これは閉位置と開位置との間で移動できる。1つの実施形態において、蓋3506は本体3504の内側またはその周囲に嵌り(例えば、摩擦嵌め)、これは取付(すなわち閉)位置と取り外し(すなわち開)位置との間で移動できる。
図35A〜35Cに示されているように、蓋3506は、ケース3500の上部分および表面を画定する。他の実施形態において、図36A〜36Dに示されるように、蓋3606は(本体3604と共に)ケース3600の側面部分と表面を画定する。それゆえ、ケース3500と3600との間の基本的な違いは、例えば、図35Bおよび36Bにおいて矢印で示されているような、構成要素をそれぞれのケースに挿入し、そこから取り出す方法(例えば、方向)である。
蓋3506は、閉位置において本体3504に1つまたは複数の閉鎖機構により固定される。例えば、閉鎖機構は、1つまたは複数のラッチまたは構造を含むことができる。閉鎖機構はまた、ケース3500内の構成要素に不正にアクセスできないようにするためのロック機構も含むことができる。
ケース3500はまた、使用者(例えば、最終使用者12)がケース3500を持ち運び、またはそれ以外の方法で運搬しやすくするためにハンドル(図示せず)が取り付けられてもよい。ハンドルは、ケース3500の何れの適当な部分に取り付けられてもよい。1つの実施形態において、ハンドルは蓋3506の上に取り付けられる。1つの実施形態において、ハンドルは本体3504の側面に取り付けられる。
ハンドルはケース3500に、大きさが変わらないように取り付けられてもよい。他の例として、ハンドルはケース3500に、その大きさが変化するように取り付けられてもよい。1つの実施形態において、ハンドルは、ケース3500の運搬に有益な、延ばしきった長さと、ケース3500の保管に有益な、完全に引っ込めた長さとの間で伸縮できる。一般的な発明的概念は、ケース3500を運搬しやすくするためのその他のあらゆる手段を包含する。例えば、ケース3500は、ケース3500を使用者の肩にかけて運搬できるようにする1本のストラップを含むことができる。他の例として、ケース3500は、ケース3500を使用者が背負うことができるようにする1対のストラップを含むことができる。肩用ストラップおよび/または背中用ストラップは、ハンドルの代わりに、またはそれに加えて提供できる。
ケース3500はまた、使用者がケース3500を転がすか、またはそれ以外の方法で運搬しやすくするための転がし機構(図示せず)、例えば1つまたは複数の車輪も含んでいてよい。
仮想現実溶接システムの複数の構成要素は、トレイ3520または同様の構造の中に入れられるか、またはそれ以外の方法でそれに適合して、構成要素をケース3500から単体として(すなわち、同時に)取り外す(および、その中に挿入する)ことができる。1つの実施形態において、トレイ3520は、トレイ3520をケース3500から取り外しやすくするための何らかの構造3522、例えば窪み、ハンドル、フランジ、テクスチャ面、その他を含む。
トレイ3520は、何れの適当な材料で作製してもよい。1つの実施形態において、トレイ3520は硬い材料(例えば、金属または硬質プラスチック)で作製される。1つの実施形態において、トレイ3520は衝撃吸収材(例えば、発泡材)で作製される。1つの実施形態において、トレイ3520は、硬い材料で作製された部分と硬くない材料で作製された部分を含む。
トレイ3520は、仮想現実溶接システムの対応する構成要素を受けるための1つまたは複数のコンパートメント、切り欠き、またはその他を含むことができる。例えば、図35Bに示されていように、トレイ3520は、模擬溶接ツール3510を保持するコンパートメント(2つの部分に分割されているように示されている)を含む。その他のコンパートメントは、1つまたは複数の他の構成要素(例えば、溶接クーポン)を保持できる。コンパートメントは、対応する構成要素をその中に確実に保持し、それと同時に、使用者が必要に応じて容易に構成要素をそこから取り出すことができるような大きさおよび/または形状である。1つの実施形態において、コンパートメントは衝撃吸収材(例えば、発泡材)で取り囲まれ、および/または分離される。
1つの実施形態において、構成要素の1つまたは複数(例えば、表示ユニット3516)がトレイ3520の中に統合され、またはそれ以外の方法でそれに固定される。
1つの実施形態において、トレイ3520は、仮想現実溶接システムの制御ユニット3512と統合される。制御ユニット3512は、仮想現実溶接シミュレーションを実行するための処理ロジックおよび回路(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェア)を含む。例えば、制御ユニット3512は、CPU、GPU、メモリ、その他を含むことができる。
1つの実施形態において、トレイ3520は、仮想現実溶接システムのモーショントラッカ3514と統合される。モーショントラッカ3514は、外部モーショントラッカ装置、例えば磁場を発生させ、磁場内の1つまたは複数のセンサの位置を検出し、またはそれ以外の方法で測定するように構成可能なユニットである。モーショントラッカ3514は制御ユニットと、例えばケーブル(例えば、USBケーブル)または無線通信を介して通信できる。この例において、制御ユニットは、仮想現実溶接シミュレーションを実行するソフトウェアを動作させる汎用コンピュータとすることができる。他の実施形態において、モーショントラッカ3514を制御ユニット3512内に統合できる。他の実施形態において、モーショントラッカ3514は表示ユニット3516内に統合できる。
他の実施形態によれば、その他の種類のモーショントラッカを仮想現実溶接システムの中で使用してもよく、これには例えば、加速度計/ジャイロスコープ利用のトラッカ、光トラッカ(能動または自動)、赤外線トラッカ、音響トラッカ、レーザトラッカ、無線トラッカ、慣性トラッカ、おび拡張現実に基づく追跡システムが含まれる。その他の種類のトラッカも使用してよい。いくつかの実施形態において、2つ以上の異なる追跡技術の組合せを利用できる。
1つの実施形態において、トレイ3520は、仮想現実溶接システムの表示ユニット3516に統合される。この場合、表示ユニット3516の観察角度は表示ユニット3516をトレイ3520に関して旋回させることによって容易に調節可能である。
ケース3500および/またはトレイ3520はまた、1つまたは複数の接続ポートを含んでいてもよい。例えば、接続ポートによって、ケースを外部電源(例えば、電源コンセント)と接続できる。1つの実施形態において、ケース3500は内部電源を格納する。他の例として、接続ボートはUSBコネクタであり、ケース3500(例えば、制御ユニット3512)を1つまたは複数の外部機器(例えば、溶接スティンガ、溶接トーチ、切断装置)と接続して、仮想溶接/切断作業を容易にすることができる。
1つの実施形態において、トレイ3520は仮想現実溶接システムの構成要素の1つまたは複数のための支持面として機能できる。
前述のように、トレイ3520はまた、仮想現実溶接システムの、統合されていない構成要素を含むことができる。例えば、トレイ3520は、1つまたは複数の模擬溶接ツール(例えば、模擬溶接ツール3510)、溶接クーポン、その他を対応するコンパートメント、セクション、またはその他の中に保持できる。
1つの実施形態において、複数のトレイをケース3500の空洞3502の中に適合し、トレイの各々は仮想現実溶接システムの構成要素の1つまたは複数に関連付けられる。
ケース3500は、仮想現実溶接システムの簡単で確実な保管と輸送を可能にする。ケース3500とその内容物により具現化される仮想現実溶接システムは、溶接/切断の練習のシミュレーションにおいて使用するために、何れの適当な作業面(例えば、作業台、机、テーブル)の上にも容易にセットアップし、またはそれ以外の方法で据え付けることができる。シミュレーションが完了したら、その後保管し、および/または運搬するために、トレイ3520と仮想現実溶接システムの構成要素をケース3500に戻すことができる。
本明細書において、本発明を開示された実施形態に関して説明した。明らかに、本明細書を読み、理解すれば、改良や改変を着想する人もいるであろう。かかる改良と変更もすべて、それらが付属の特許請求項の範囲またはその均等物に含まれるかぎり、包含されるものとする。
10 シミュレータまたはシステム
12 最終使用者
12a 訓練生である使用者
12b 指導者である使用者
15 仮想環境
110 論理プロセッサ搭載サブシステム
111 CPU
115 GPU
116 CUDA
117 シェーダ
118 出力
119 出力
120 空間トラッカ
121 磁力源
122 センサ
123 ディスク
124 電源
125 USBおよびRS−232ケーブル
126 プロセッサ追跡ユニット
130 溶接ユーザインタフェース
131 ボタン
132 ジョイスティック
133 ノブ、ダイヤル、および/またはスイッチ
134 ノブ、ダイヤル、および/またはスイッチ
203 論理プロセッサ搭載システム
135 コンソール
136 ダイヤルまたはノブ
137 ダイヤルまたはノブ
140 ディスプレイ
150 ディスプレイ
151 各種の溶接パラメータ
152 不連続部の状態
153 使用者による選択
155 入力装置
156 手動溶接電極ホルダ
160 模擬溶接ツール
161 ホルダ
162 シミュレートされた電極棒
163 触覚抵抗先端
170 クーポンスタンド
171 調節可能テーブル
172 スタンド土台
173 調節可能アーム
174 垂直支柱
175 溶接クーポン
176 溶接継手
177 接続部分またはコネクタ
179 所定の点
200 表示装置
1222 特殊効果
204 マイクロプロセッサ
300 データ記憶装置
900 溶接ヘルメット
910 スピーカ
1201 物理インタフェース
1202 トーチおよびクランプモデル
1203 環境モデル
1204 音声コンテンツ機能
1205 溶接音
1206 スタンド/テーブルモデル
1207 アーキテクチャ機能
1208 校正機能
1210 クーポンモデル
1211 溶接物理特性
1212 調節ツール
1213 グラフィカルユーザインタフェース機能
1214 グラフ化機能
1215 受講生レポート機能
1216 レンダラ
1217 ビードレンダリング
1218 テクスチャ
1219 機能
1220 得点および許容値機能
1221 許容値エディタ
2004 溶接経路
2010 溶接ツール
1300 方法
1310 ステップ
1320 ステップ
1330 ステップ
1340 ステップ
1350 ステップ
1400 溶接クーポン
1410 平坦上面
1420 溶接素子(wexel)変位マップ
1421 wexel
1600 角溶接クーポン
1610 表面
1620 表面
1700 パイプ溶接クーポン
1701 パイプ片
1702 パイプ片
1703 ルート継手
1704 取付部品
1910 陰影なしの長方形バー
1920 パーティクル
1930 パーティクルの高さ
1940 陰影付きの長方形
2000 パイプ
2002 板
3152 USBケーブル
3160 作業台
2020 下部分
2030 ペンダント
2100 画像
2300 タイイン作業
2302 第一の点
2304 矢印
2306 第二の点
2308 第一の溶接パス
2320 第三の点
2322 矢印
2324 第四の点
2326 第二の溶接パス
3100 ケース
3102 本体
3104 蓋
3108 ハンドル
3110 使用者
3116 第一のコンパートメント
3118 第二のコンパートメント
3120 第三のコンパートメント
3130 制御ユニット
3140 表示ユニット
3150 模擬溶接ツール
3520 トレイ
3522 構造
3600 ケース
3162 第二の使用者
3300 設備
3400 ケース
3402 さらに多くのコンパートメント
3404 本体
3406 蓋
3408 ヒンジ
3414 ハンドル
3416 使用者
3420 モーショントラッカ
3422 接続ポート
3426 表示ユニット
3430 模擬溶接棒
3434 模擬MIGトーチ
3436 対応するコンパートメント
3500 ケース
3502 空洞
3504 本体
3506 蓋
3510 模擬溶接ツール
3512 制御ユニット
3514 モーショントラッカ
3516 表示ユニット
3606 蓋

Claims (13)

  1. 仮想溶接作業を容易にするための可搬仮想溶接システムにおいて、
    溶接作業を模倣する対話型溶接環境を生成するための符号化された命令を実行するように動作可能な論理プロセッサ搭載サブシステムを含む制御ユニット(3130)と、
    前記制御ユニット(3130)に動作的に接続された、前記対話型溶接環境を視覚的に表すための表示ユニット(3140)と、
    前記仮想溶接作業を実行するための手持ち式入力装置(3150)と、
    前記仮想溶接システムの保管または運搬中に前記制御ユニット(3130)、前記表示ユニット(3140)、および前記入力装置(3150)のうちの少なくとも1つを取り出し可能に格納するためのケース(3100)と、
    を含むことを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記ケース(3150)は、前記仮想溶接システムの動作中、前記制御(3130)ユニットおよび表示ユニット(3140)のうちの少なくとも一方のための支持面として使用するように動作可能であることを特徴とするシステム。
  3. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記ケース(3100)は、前記仮想溶接システムの保管と運搬のためのものであり、
    前記制御ユニット(3130)と前記表示ユニット(3140)のうちの少なくとも一方が前記ケースに統合され、
    前記入力装置(3150)は前記ケース(3100)内に取り出し可能に格納される
    ことを特徴とするシステム。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のシステムにおいて、
    前記制御ユニット(3130)は、前記入力装置(3150)の空間位置を検出するためのモーショントラッカ(3514)をさらに含むことを特徴とするシステム。
  5. 請求項4に記載のシステムにおいて、
    前記モーショントラッカ(3514)は前記ケース(3100)に統合されることを特徴とするシステム。
  6. 請求項3に記載のシステムにおいて、
    前記制御ユニット(3130)と前記表示ユニット(3140)は、前記ケース(3100)に統合されることを特徴とするシステム。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のシステムにおいて、
    前記表示ユニット(3140)は、音声を出力するための少なくとも1つのスピーカをさらに含むことを特徴とするシステム。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載のシステムにおいて、
    前記入力装置(3150)は溶接トーチをシミュレートするような大きさと形状であることを特徴とするシステム。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載のシステムにおいて、
    前記ケース(3100)は内部電源を格納することを特徴とするシステム。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載のシステムにおいて、
    前記電源は少なくとも1つのバッテリであることを特徴とするシステム。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載のシステムにおいて、
    前記ケース(3100)は持ち運び用ハンドル(3108)を含むことを特徴とするシステム。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載のシステムにおいて、
    前記ケース(3100)は少なくとも1つの運搬用ストラップを含むことを特徴とするシステム。
  13. 請求項1乃至12の何れか1項に記載のシステムにおいて、
    前記ケース(3100)は1対の車輪(3112)を含むことを特徴とするシステム。
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