JP2017512776A - 貴金属求電子体で修飾された官能化チロシンキナーゼ阻害剤およびそれと関連した方法 - Google Patents

貴金属求電子体で修飾された官能化チロシンキナーゼ阻害剤およびそれと関連した方法 Download PDF

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Abstract

新規に合成されたチオ尿素修飾3−クロロ−4−フルオロアニリノ−キナゾリン誘導体は、直線形の金(I)錯体における末端担体配位子として、研究された。分子は、チロシンキナーゼ阻害剤ゲフィチニブによく似ている(コンピュータによる結合実験による)。チオ尿素基は、キナゾリン−C6に直接付着していたかまたは屈曲性のエチルアミノ鎖を介してこの位置に結合していた。試験された1種の化合物は、X線結晶学および/またはエレクトロスプレー質量分析法によって測定されるような珍しい複核錯体を与える、チオ尿素−S/キナゾリン−N1混合供与体配位子として働く。1種の化合物は、望ましい安定した直線形の錯体を形成した。担体配位子および対応する金(I)錯体の生物活性は、NCI−H460およびNCI−H1975肺がん細胞において調査された。試験された1種の化合物は、NCI−H1975におけるゲフィチニブへの耐性を部分的に克服し(それぞれ、1.7および30μmのIC50値)、かつ対応する金錯体(13)は、低モル濃度範囲において活性を維持する。【選択図】図2

Description

本発明は、35 USC 119(e)の下で、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月15日出願の米国仮出願第61/953,761号の優先権を主張する。
本発明は、金、白金、および他の貴金属化合物で修飾されたチオ尿素/アミジン官能化チロシンキナーゼ阻害剤に関する。チオ尿素/アミジン修飾3−クロロ−4−フルオロアニリノ−キナゾリン誘導体は、直線形の金(I)または平面四角形の白金(II)錯体における担体配位子として研究された。分子は、チロシンキナーゼ阻害剤ゲフィチニブによく似ている(コンピュータによる結合実験(computational docking experiments)による)。チオ尿素またはアミジン基は、キナゾリン−C6に直接付していたかまたは屈曲性のアルキルアミノ鎖を介してこの位置に結合していた。本アプローチは、難治性のがんにおける薬剤耐性を克服する手段として旧知の抗がん金属との臨床上関連するチロシンキナーゼの選択的標的化を可能にする。導入された金属は、求電子体として機能しかつシステイン、メチオニン、ヒスチジン、およびリジンなどの、キナーゼの活性部位におけるアミノ酸残基との結合を形成し得る。
上皮成長因子受容体(EGFR)ファミリーの突然変異で活性化されたチロシンキナーゼ(TK)は、がん細胞残存および攻撃的な腫瘍成長の主な駆動体と考えられる。非小細胞肺がんでは、EGFRの発現レベルは、疾患の残存と逆に相関する。体細胞の(活性化)EGFR突然変異は、酵素のATP結合部位を標的としかつ強力な抗増殖特性を示す、小分子チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に対してがん細胞を感作させる。ゲフィチニブは、異所性EGFRを宿すがん、具体的には肺がん腫に対して適応しているキナゾリン系TKIである。残念なことに、この薬剤の有効性は、ATP結合ポケット内の二次変異の結果として獲得された耐性の発生によって限定される。突然変異体EGFRおよび他の臨床上関連するキナーゼについて観察されたこの耐性の形成と闘うために現在進められている1つの取り組みは、可逆的TKIを不可逆的阻害剤(ITKI)に変えることである。これらの分子は、標的可能な酵素の活性部位における接触可能なシステイン残基と共有結合を形成できる、戦略的に配置された反応性の求電子基(通常はマイケル受容体)を含有する。
一実施形態において、本発明は、EGFR−TKのATP結合ポケットへの入口に近い溶媒に接触可能なシステイン−797を標的にし得るTKI構造に金(I)または白金(II)系求電子体を導入することに関する。これらのファルマコホアは、金(I)または白金(II)の高硫黄親和性をEGFR−TK標的リガンドの選択性およびナノモル結合親和性と組み合わせるであろう。マイケル受容体の代わりに提案された構造における求電子部分としての金(I)または白金(II)の使用は、タンパク質分解酵素および酸化還元活性酵素における(セレノ)システイン残基と反応する、金(I)薬物の作用の機序ならびに発明者の以前の調査で証明されたシステインを含有する種との白金薬物の反応性からヒントを得たものである。これらの相互作用は一般には非選択的である一方で、金(I)および白金(II)錯体を含有する標的選択性担体による特異的なシステイン残基の標的化が発生し得る。
したがって、一実施形態において、本発明は、EGFR−TKのATP結合ポケットへの入口に近い溶媒に接触可能なシステイン−797を標的にし得るTKI構造に貴金属求電子体を導入することに関する。所望のファルマコホアは、金(I)および白金(II)の高硫黄親和性をEGFR−TK標的リガンドの選択性およびナノモル結合親和性と組み合わせる。
一実施形態において、本発明は、キナゾリン骨格由来の新規のチオ尿素およびアミジン修飾TKIに関する。本発明は、(擬)ハロゲン化物において可能な担体配位子ならびにホスフィン置換された金(I)および混合配位子白金(II)錯体として働く新規の官能化TKIの能力にも関する。少なくとも1種のTKI誘導体が、野生型および変異型のEGFRキナーゼドメインを宿すNSCLC細胞株においてゲフィチニブへの耐性を部分的に克服したことが確認された。さらに、2種の白金(II)誘導体、P3−T2およびP9−T2は、ゲフィチニブと同様に、野生型EGFRへの低ナノモル結合親和性を示した。したがって、一実施形態において、本発明は、モジュール式の高処理能力スクリーニングおよび拡大された構造活性の関係性研究に向いている、固有の種類の混成ファルマコホアを生成することに関する。ライブラリーは、単純な配位子置換化学(例えばスキーム1を参照)および金属促進性のアミンからニトリルへの付加化学(例えばスキーム4〜6を参照)を用いて組み立てられ得る。
一実施形態において、1種の誘導体の相対的に高いIC50は、求核的結合を許さずに場合によっては受容体結合を妨げる、望ましくない、自己キレート化を不活性化することに繋がる、その水性反応性によって説明され得るが、他の本発明の化合物は、より低いIC50値を有する。原形のP3−T3およびP3−T4は、より低いIC50値を有すると予想される。1つの変形形態において、これらの固有の種類の混成ファルマコホアを生成するために用いられる化学的戦略は、モジュール式のスクリーニングおよび拡大された構造活性の関係性研究に向いている。
したがって、本発明の化合物、組成物および方法は、泌尿生殖器(膀胱、卵巣、精巣)のがんおよび頭頸部のがん腫、ならびに結腸がんに対して現在世界中で用いられている有用な白金系薬物に加えそうである。本化合物、組成物および方法は、現在利用可能な薬物と比較して改変された活性のスペクトルを示しかつ利用可能な臨床的な白金、ならびに従来のキナーゼ阻害剤に非感受性のがんにおいて優れた活性を示す。
ゲフィチニブの構造を示す。 (a)は、選択された原子が標識された固体状態の[{Au(7)}]Cl・DMF(12a・DMF)の構造を示す。対イオンおよび結晶溶媒は、明確性のために割愛されている。(b)は、複核錯体12aの陽イオンモードで記録されたエレクトロスプレーイオン化質量スペクトルを示す。特徴的イオン:m/z 420.3[M(7)+H]、518.3[M(12a)−Au+H]2+、616.3[M(12a)−2Cl]2+、1035.5[M(12a)−Au]
一実施形態において、本発明は、上皮成長因子受容体(EGFR)、具体的には非小細胞肺がん(NSCLC)の過剰発現および/または突然変異によって引き起こされたがんの治療に向けた化学療法組成物、化合物および方法の新しい分類に関する。一実施形態において、本発明は、酵素のATP−結合ポケットにおいて溶媒に接触可能な反応性システイン残基を介してがん性モデルにおける野生型および突然変異EGFRの不可逆的阻害に至る、貴金属共役のためにEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)を骨格として利用することができる合成経路に関する。これらの金属−TKI混成薬剤の化学組成物は、現在臨床および市場において趨勢の可逆的および不可逆的TKIのものとは異なる。これらの新しい金属−TKI混成薬剤(例えば、金および白金)は、ゲノムDNAに向けてではなくがん増殖および残存に関与したタンパク質に向けた新しい薬剤を推進することによって旧知のDNA標的金属系化学療法(例えばシスプラチン)と比較した場合に全身毒性の低減をもたらす能力を有する。
したがって、一実施形態において、本発明は、臨床療法、特に旧知の白金薬物に本来的に耐性、または、耐性になったがんの第一および/または第二選択治療の選択肢のために有用で有り得る。本発明は、NSCLCの延命/治癒的治療のための機構的に新規の薬物のために存在する緊急の必要性に応え得る。
したがって、一実施形態において、本発明は、従来はマイケル受容体/供与体相互作用によってのみ利用可能であった、金属誘導不可逆的酵素阻害をもたらすためにTKIの固有のナノモル結合親和性を利用する能力がある新しい金(I)および白金(II)−TKI混成薬剤に関する。
一実施形態において、本発明は、高い特異性でATP結合ポケットにおいて溶媒に接触可能なシステインまたはメチオニン残基を備えた広範な構造的に異なるチロシンキナーゼを不可逆的に阻害可能な貴金属−TKI混成薬剤を生成する能力がある合成方法論にも関する。
さらに、一実施形態において、本発明は、FDA認可済みかつ広く用いられているゲフィチニブと比較した場合に有望なキナーゼ選択性および生物活性を示す構造的に新しくかつ従来は開示されていなかった金(I)および白金(II)−TKI化合物/組成物の設計および合成に関する。
変形形態において、本発明は、二次T790M EGFR突然変異によって生じた旧知のTKI(ゲフィチニブ)に対する固有の耐性を克服する能力がある新しいチオ尿素を含有するキナーゼ阻害剤(T1)にも関する。
一実施形態において、本化合物/組成物を含有するP3−T2および/またはP9−T2は、ゲフィチニブと同等の野生型EGFR解離定数を示す。
一実施形態において、本発明は、がんの耐性形成の管理のための選択的分子標的療法の目的にそれらを再利用できるようにする、抗がん金属の新しい使用に関する。
一実施形態において、本発明は、白金系化学療法のための新しい、選択的標的に関する。
一実施形態において、本発明は、がん化学療法のための、特に、酵素のErbBファミリー、VEGFR、およびFGFRを含めた、いくつかのキナーゼを標的にするために白金および金系化合物を使用する。小分子キナーゼ阻害剤は、しばしば薬剤−酵素結合親和性を著しく減少する二次変異の結果として経時的に腫瘍におけるそれらの有効性が失われる。本発明は、ATP結合ポケットに共有結合する不可逆的阻害剤を導入することによってこの種の獲得された腫瘍耐性を克服することを試みる。化合物/組成物および方法は、システイン結合金属系求電子体を含有するキナーゼ阻害剤として役立つであろう。化合物は、不可逆的阻害を達成するために求電子金属がアミノ酸残基との永続的な配位結合を誘発しながら標的キナーゼ活性部位に高親和性および選択性で結合する有機ATP模倣骨格を特徴として持つ。したがって、一実施形態において、本発明は、これらの種類の分子の構造情報に基づいた設計および合成を提示する。
合成された標的分子のいくつかは、競合結合アッセイにおいて低ナノモル範囲の結合定数(Kd)および145の野生型および臨床上関連する変異型キナーゼのパネルにおいて標的化キナーゼドメインの高選択性を示した(KinomeScan、DiscoverX、フリーモント、カリフォルニア州)。不可逆的付加物を誘発する求電子剤の能力が、阻害剤と共にインキュベートされたキナーゼのペプシン消化物においてLC ESI−MS/MSによって調査された。さらに、選択された誘導体のin vitroでの細胞毒性が、固形腫瘍細胞株において調査された。生成したデータは、新しいファルマコホアは脱調節されたキナーゼを不可逆的に阻害することによって獲得された腫瘍耐性を克服することが療法論上可能であるので用途がある見込みが高いことを示唆する。
金修飾TKIを生成するために、それぞれ、EGFR−TKのアデニン結合部位および隣接する疎水性ポケットを標的とする、ゲフィチニブ(図1)からのN−複素環式キナゾリン骨格およびN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)基が用いられた。キナゾリンC6環の6位が、関連するマイケル受容体系ITKIの設計と同様に、システイン親和性の金(I)部分を担持する側鎖の付着点として選択された。この設計の目的は、配位子の結合ポケットとの相互作用を損なうことなくキナーゼの触媒クレフトへのシステイン−797基部を有する金属の結合を容易にすることであった。求電子体とTKIとの間の結合は、この金属の生物学上関連した担体配位子において以前調査されたチオールのような供与体基である、チオ尿素残基との強いAu(I)−S結合の形成によって達成され得る。
結合研究は、チオ尿素修飾TKIの立体配座空間および受容体結合を確認するために行われた。金を含まない配位子の構造は、DFT計算を用いて配置が最適化されてEGFRキナーゼドメイン(L858R/T790M突然変異体)(PDB−ID:2JIV)との錯体において調査された。これらの実験では、骨格は、TKIのチオ尿素硫黄がシステイン−797の硫黄原子にごく接近して(4〜4.5Å)位置するエネルギー的に起こりやすい結合配置を作り出すことが特定された。この配向性が、タンパク質チオール上の相当する金(I)修飾TKIにおける金属の求電子攻撃に適合すると考察された。
モデル化研究から、2つの構造、4および5(スキーム1を参照)が浮かび上がり、これらは所望の用途のために実現性のある候補と考えられた。2種の誘導体(および全ての他の報告された誘導体)は、前駆物質1におけるキナゾリン環の4位に3−クロロ−4−フルオロアニリノ基を導入することおよびそれに続く2における6−ニトロ基の6−アミノ基への還元によって生成された、共通の中間体3から合成された。適切なイソチオシアン酸塩での3の還元は、N,N’−二置換チオ尿素誘導体4および5を与えた。
Figure 2017512776
スキーム1 キナゾリン誘導体の合成。試薬および条件:a)3−クロロ−4−フルオロアニリン、i−PrOH、室温、一晩、b)Fe、AcOH、NaOAc、MeOH、還流、3時間、c)RNCS、EtOH、室温、3時間、d)パラホルムアルデヒド、NaOMe、NaBH4、MeOH、還流、4時間、e)MeNCS、DMAP、EtOH、還流、30時間、f)カルバミン酸tert−ブチルメチル(2−オキソエチル)、NaCNBH3、AcOH、MeOH、室温、2時間、g)4M HCl、還流、2時間、h)MeNCS、EtOH、室温、1時間。
[AuX](式中X=Cl−またはSCN−)などの金(I)求電子体を共通前駆物質[AuX(tht)](tht=テトラヒドロチオフェン)を用いてこれらの構造に導入する試みは、分離できない生成物をもたらした(スキーム2)。これらの反応混合物のエレクトロスプレーイオン化質量スペクトル(ESI−MS)は、錯体[AuX(4,5)]を生成するために所望される配位子交換のわずかな徴候を示したが、類似したシアナミド(HSの消失、[M−34+H]断片イオンに基づく)および硫化金(I)をもたらす4および5の分解と一致した。(芳香族)N,N’−二置換チオ尿素の脱硫は、以前重金属の存在下で観察されている。
配位子脱硫の問題を回避するために、N,N,N’−三置換誘導体7が、還元的アミノ化によって中間体3から生成された、N6−メチルキナゾリン誘導体6から合成された。[AuX(tht)]との反応において、化合物7は、大いに改善された配位子特性を示しかつ安定した硫黄供与体として働くことが可能であった。反応混合物から単離された生成物のX線結晶解析および質量分光分析は、化合物7が所望の錯体[AuX(7)]において末端S供与体配位子として働かないことを示した。代わりに、7は、7が架橋配位子として働く複核錯体[{Au(7)}]Xを生成する(スキーム2の12aおよび12bを参照)。
Figure 2017512776
スキーム2 金(I)錯体の合成。試薬および条件:a)[AuX(tht)](10)tht=テトラヒドロチオフェン、CHCl、室温、30分、b)[AuCl(PEt)](11)、MeOH/THF、AgNO、室温。
12aの固体状態構造では、Au(I)中心は、1つの配位子のチオ尿素−S原子および別の配位子の環内のキナゾリン−N1によって配位結合される。これは、2つの架橋配位子の芳香族の部分がファンデルワールス距離で互いに積み重なった独特の配置を作り出す(図2aを参照)。プロトンNMR化学シフトの異常は陽イオンモードで記録されたエレクトロスプレー質量スペクトル(図2b参照)と合わせて、複核カチオン性構造が溶液中に残存しかつ単に固体状態における充填効果の結果だけではないことを裏付ける。重要なことに、12aが(約140mMの塩化物を含有する)リン酸緩衝食塩水中で生理学的に妥当な濃度下で数日間(データは示されていない)インキュベートされた場合に複核構造の反転が無いことが観察された。この観察は、12aが対応する単核錯体、[AuCl(7)]の開裂可能な前駆物質とは考えられないことを示唆する。
キナゾリン窒素による配位子トランスの硫黄への置換を避けるための[AuCl(PEt)][15]との7の反応によってXの代わりにより不活性のホスフィン配位子を導入する試みは、不成功であった(チオ尿素による塩化物の置換は観察されなかった)。後者の反応は、三置換チオ尿素部分がキナゾリン骨格の6位における伸長された側鎖に組み込まれた場合に成功した。(2−メチルアミノ)エチル基の導入は、3の還元的アミノ化を伴って8を与え、これは最終的にイソチオシアン酸塩でチオ尿素9に変換された。9は、[AuX(tht)]と反応した場合に所望の金修飾単核誘導体を生じなかったが、一方カチオン性錯体[Au(PEt)(9)](NO)(化合物13)(スキーム2を参照)を生成し、これは脱硫および二核性に関して安定であることを証明した(ESI−MSおよびNMRデータに基づく)。配位子9と比較して錯体13に関して観察されたH NMR化学シフトにおける特性ばらつきは、チオ尿素硫黄への{Au(PEt)}部分の選択的結合を裏づける。
生物活性
新しく合成されたTKI誘導体7および9単独および錯体12a、12b、および13における配位子としての細胞成長阻害効果を評価するために2種のNSCLC細胞株において細胞増殖アッセイが行われた。比較のために臨床薬ゲフィチニブがスクリーニングに含められた。細胞株NCI−H460は、大細胞がん腫のモデルでありかつ野生型EGFR−TKによって特徴付けられる。それに反して、NCI−H1975腺がん腫細胞は、エキソン21における点突然変異(L858R)ならびに疎水性のATP結合ポケットの最下部における二次変異(T790M)を宿す。前者の体細胞の(活性化)突然変異ががん細胞をEGFR−TKI(ゲフィチニブを含む)に対して感作する一方で、後者はこれらの療法への耐性をもたらす。
細胞増殖アッセイの結果を表1に概説する。NCI−H460(野生型)およびNCI−H1975(変異型)の両方とも、以前報告されたデータに一致して、高マイクロモル範囲の阻害濃度で予想されたゲフィチニブへの耐性を示す(典型的には、IC50>10μm[2b])。NCI−H460細胞は、化合物9を除き、試験された類似物の全てに対してNCI−H1975よりも感受性であることが分かった。新しい類似物7は、構造的に関連したチオ尿素修飾TKIについて以前観察された範囲において高マイクロモルIC50値を有する試験された最少活性の化合物であった。それに反して、9を生成するためのキナゾリン環の炭素−6上の側鎖の伸長は、効力の顕著な増加に繋がり、特にNCI−H1975において、30倍の細胞毒性の増加が観察された。最も注目すべきことに、化合物9は、このがんモデルにおいて観察されたゲフィチニブに対する獲得された耐性を部分的に克服した。耐性NCI−H1975における化合物9について測定された低マイクロモル阻害濃度は、典型的には感受性NSCLCモデルにおいてゲフィチニブについて観察された高ナノモル/低マイクロモル活性と比べて遜色がない。{AuX}および{Au(PEt)}基での化合物7および9の修飾は、それぞれ、化合物13が両方の細胞株における低マイクロモル活性を維持した状態で、阻害濃度に軽微な影響しかなかった。
Figure 2017512776
機構的関連
混合チオ尿素−(疑似)ハロゲン化合物およびチオ尿素−ホスフィン金(I)錯体を生成するために以前開発された、単純な配位子置換化学を用いて、ゲフィチニブ由来の硫黄修飾TKIが配位子として導入された。化合物9単独で、TKI耐性がん細胞株においてゲフィチニブよりも優れた活性を有意に示した。この観察は、新しく導入されたチオ尿素を含有する側鎖が、酵素の活性部位との旧知のTKI構造の結合親和性を強化し得ることを示唆する。EGFR−TK(L858R/T790M突然変異体)を有する錯体における化合物9について生成された最低エネルギーモデルではチオ尿素修飾側鎖は、2ローブ(bilobal)キナーゼの折りたたみによって生成したタンパク質クレフトの親水性領域に位置する(補足情報を参照)。この配向性は、残基Asn−842およびAsp−855に近い水素結合距離にチオ尿素−NH基を位置付け、これはEGFR−TKドメインへの強い結合を促進し得る。
化合物9を金(I)修飾TKIに変えることの目的は、標的金属系求電子体とのEGFR−TKのシステイン−797の反応を促進することによってTKIの生物活性をさらに強化することであった。このようなファルマコホアの可能な結合メカニズムは、TKIのATP結合ポケットにおけるタンパク質と配位子との間の架橋形成、またはTKIからアミノ酸硫黄への金部分の完全な転移が関与し得る(スキーム3)。どちらの種類の不可逆的修飾も、キナーゼの活性部位における二次変異の結果として減少した突然変異体におけるT790MTKI結合親和性によって仲介された耐性の克服を助ける可能性がある。残念なことに、化合物7におけるチオ尿素硫黄とは異なり、9における対応する側鎖は、立体配置的にはより柔軟である一方で、本用途には好ましくない配向性をとると思われる(Sチオ尿素−−−−SCys−797≒9Å)。化合物9の[Au(PEt)]の標的担体として働く能力は、競合する求核剤の存在下での化合物13における混合チオ尿素−ホスフィン配位結合の安定性にも依存するであろう。これらには、循環内およびサイトソル内の硫黄を含有するタンパク質が含まれる。供与体としてのチオ尿素は、その合成の比較的容易さおよびそのチオールのような特性および金(I)配位におけるチオラート硫黄と競合する能力のために選択された。別の金親和性配位子は、金修飾EGFR−TKIにおける構造−活性の関係性を立証するためのより広範な取り組みの一部として試験するために残した。
Figure 2017512776
スキーム3.金(I)仲介架橋形成(右側の経路)の金(I)転移(左側の経路)を経由するEGFR−TKのATP結合部位におけるシステイン硫黄との金(I)の可能性のある反応。同様の概念が、白金(II)および他の金属を含有する誘導体に当てはまる。
現在の設計の意図は、チロシンキナーゼのATP−結合ポケット内へ金を奪うことである一方、それによって酵素活性部位に達するより前に反応性の生物配位子(bioligand)の存在下で錯体13が金−ホスフィン種および類似物質9に分解する可能性のある反応機構も考慮すべきである。金(I)−ホスフィンは、ミトコンドリアを直接標的にしてアポトーシスに繋がる酸化ストレスを誘発する。異常なEGFR発現は、影響を受けたがん細胞を従来型の化学療法に非感受性にさせる、欠陥のあるミトコンドリアのアポトーシスシグナル伝達に関連する。したがって、EGFRシグナル伝達の阻害およびミトコンドリアの毒性によって引き起こされた細胞死に関与する個々の構成要素によって促進された二重の反応機構は、腫瘍耐性を克服する役に立ち得る。
誘導体9は、細胞増殖アッセイにおいて有望な活性を示したが、13における金求電子体の付着は、細胞殺傷において所望される向上をもたらさなかった。この観察に関して1つの可能な説明は、[Au(PEt)]基が、TKI部分の受容体との結合親和性を損なわない一方で、システイン−797の硫黄原子との反応には好ましくなく位置付けられ得ることであろう。TK阻害が優位であり得る、2種のがんモデルにおいて錯体13から生成した細胞毒性の金−ホスフィン種が、細胞の殺傷に有意に寄与しない可能性があることも起こり得る。
テトラクロロ金酸水素三水和物は、Alfa Aesarから購入された。テトラヒドロチオンフェン金(I)錯体10aおよび10b、[13]クロロトリエチルホスフィン金(I)11、[15]化合物1、[12]ならびにカルバミン酸tert−ブチルメチル(2−オキソエチル)[16]は、公表されている手順を用いて合成された。生理的緩衝液の調製のために、生化学グレードの化学物質(Fisher/Acros)が用いられた。HPLCグレードの溶媒が、全てのHPLCおよび質量分析実験に用いられた。試薬および化学物質は、一般的な供給業者から取得されてさらなる精製をせずに用いられた。金が関与する反応が行われて溶液は暗所に保管された。
標的化合物および中間体のH NMRスペクトルは、Bruker Advance 300およびDRX−500計器上で記録された。13C NMRスペクトルは、125.8MHzで運転しているBruker DRX−500計器上で記録された。化学シフト(δ)は、テトラメチルシラン(TMS)に対して百万分率(ppm)で記録される。エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル(ESI−MS)は、Agilent 1100LC/MSDトラップ計器上で記録された。イオン蒸発は、40〜50psiの圧力および11L/分の流速のN乾燥ガス(300〜350℃)の流れによって補助された。質量スペクトルは、典型的には200〜2200の質量電荷(m/z)走査範囲にわたって2800Vのキャピラリー電圧で記録された。標的化合物の純度および安定性は、多重波長ダイオードアレイ検出器が装備されたAgilent Technologies 1100 LC/MSDトラップシステムのLCモジュールを用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析された。分離は、4.6mm×150mmの逆相Agilent ZORBAX SB−C18(5μm)分析カラムで25℃で遂行された。分離は、次の溶媒系、溶媒A−optima水(optima water)/0.1%ギ酸、溶媒B−メタノール/0.1%ギ酸、溶媒C−アセトニトリル/0.1%ギ酸で遂行された。分離は、0.5mL/分の流速および50%A/50%Bから5%A/95%Bの勾配で20分(7の場合)、および0.5mL/分の流速および95%A/5%Cから5%A/95%Cの勾配で20分(9の場合)掛けて行われた。HPLCトレースは、363〜463nmの波長範囲にわたって記録された。高分解能質量分析法(HRMS)は、エレクトロスプレーイオン化源を装備したThermo Scientific LTQ Orbitrap XL上で行われた。7の単結晶はメタノール中の飽和溶液から成長させ、一方12の結晶は濃縮したDMF溶液中へのジエチルエーテルの遅延拡散によって成長させた。HPLCピークは、MestReNova 8.1で積分された。がん細胞において調査された全ての有機配位子について、逆相HPLCによって≧95%の分析純度が確認された。化合物12および13の純度は、CHN元素分析(Intertek Pharmaceutical Services、ホワイトハウス、ニュージャージー州)によって測定された。化合物7および12aに関して取得された単結晶X線データならびに構造解および改善の実験の詳細は、ケンブリッジ結晶学データセンター(ケンブリッジ、英国)にそれぞれ、預託コードCCDC976611およびCCDC976612の下で預託されている。
コンピュータによる調査
阻害剤構造は、GaussView4.0(Semichem Inc.、ショーニーミッション、カンザス州、2009)において構築された。構造は、Gaussian 03(Gaussian,Inc.、ピッツバーグ、ペンシルベニア州、2003)における6−311**基底系を用いて理論のrb3lypレベルで最適化された。[22]結合研究の前に、構造を起こり得る結合ねじれ誤りについてAutoDockTools 1.5.4(The Scripps Research Institute、ラホヤ、カリフォルニア州)において確認され、かつ適切なガスタイガー電荷が計算されて必要に応じて割り当てられた。ブルックヘブンプロテインデータバンク(PDB ID:2JIV)からのEGFR(L858R/T790M突然変異体)の結晶構造が、結合研究のための3−D受容体構造として使用され、AutoDockToolsのグリッドボックスを用いて活性部位配位範囲が定義された。次いで阻害剤構造が、AutoDock Vinaを用いて活性部位内に結合された。[23]「9」の網羅的設定で立体配置の調査が行われた。結果は、関連する結合エネルギーに基づいて評価された。
試験された化合物
新しいチオ尿素およびアミン誘導体、T1およびT2(構造は下記を参照)は、合成されて十分に特性決定されている。新しい金属−TKI誘導体G1−T1、P3−T2、およびP9−T2は、合成されて十分に特性決定されている(構造は下記を参照)。
Figure 2017512776
化合物T1、G1−T1、P3−T2、およびP9−T2(スキーム4を参照)は、生物活性についてNCI−H460(野生型EGFR)およびNCI−H1975(二重変異体EGFR)の両方においてin vivoで試験されている。P3−T2およびP9−T2のEGFR解離定数は、DiscoveRx CorporationのKinomeScanを利用して測定されている(IC50およびK値については下表2および3を参照)。EGFR解離定数と共に、145種の異なるキナーゼを利用してDiscoveRxによってP3−T2についてのキナーゼ選択性アッセイが行われ、主として野生型および突然変異体EGFRタンパク質を表す複数の選択性の「ヒット」の結果を与えた。
Figure 2017512776
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試験すべき化合物
化合物T3(スキーム5を参照)およびT4(スキーム6を参照)ならびにそれらの白金誘導体が合成されている。生物試験は、NCI−H460およびNCI−H1975細胞株において完了されるであろう。全ての白金−TKI誘導体は、この春にHer2−ポジティブ乳がんにおける不可逆的Her2阻害剤としてのそれらの有用性を判断するためにSKBR3細胞において試験されるであろう。
Figure 2017512776
Figure 2017512776
スキーム5および5a(最上部)は、XがシスからRである化合物を作成するための異なるスキームを示す。スキーム5aの最下部は、式1および1aにおけるR−Eであるリンカーが任意の長さで作成され得る化合物を作成する方法を示す。
一実施形態において、スキーム5bは、異なる温度で反応を実行することによって化合物ライブラリーにおける構造の多様性を変える方法を示す。一実施形態において、ニトリル置換対ニトリル付加の比率は、温度を変えることによって変更され得る。
Figure 2017512776
Figure 2017512776
スキーム4〜6における反応については、反応の結果生成物は、温度を変えることによって変更することができ主要構成要素としてニトリル置換生成物またはニトリル付加生成物のいずれかを伴うことに留意されたい(例については、スキーム5bを参照)。
一実施形態において、金属系求電子体を用いる設計は、マイケル受容体系阻害剤(アファチニブなど)に勝る基本的な利点を有し、後者の構造は、活性部位システイン残基のみが効果的に標的化され得る。対照的に、白金は、メチオニン、ヒスチジン、およびリジンなどの、多くの他のアミノ酸残基、ならびにペプチド主鎖の窒素と安定した結合を形成する。さらに、一実施形態において、本設計は、他のキナーゼとの使用のために調整してよい。これには、それらの活性部位が標的可能なシステインを持たないので現在の不可逆的薬物では標的化できないEGFR(例えばFGFR1)およびキナーゼへの耐性を与える逃避機構に関与する酵素が含まれる。
化合物の調製
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−エトキシ−6−ニトロキナゾリン−4−アミン(2)。40mLのジクロロメタン(DCM)中の1(4.55g、18.0mmol)および80mLのイソプロパノール中の3−クロロ−4−フルオロアニリン(2.61g、18.0mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。固体を集め、少量のDCMで洗って6.67g(93%)の2を山吹色粉末として与えた。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.69(bs,1H),9.59(s,1H),8.93(s,1H),8.07(dd,J=6.8,2.6Hz,1H),7.77(ddd,J=9.0,4.4,2.6Hz,1H),7.63(s,1H),7.54(t,J=9.1Hz,1H),7.27(q,J=8.8Hz,1H),4.39(q,J=6.9Hz,2H),1.44(t,J=6.9Hz,3H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ159.45,156.29,155.51,154.99,154.34,139.92,134.79,126.18,124.92,123.34,119.75,117.54,107.29,105.92,99.98,66.76,14.50;MS(ESI)m/z 363.1[M+H]
−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−エトキシキナゾリン−4,6−ジアミン(3)。80mLのメタノール中の2(2g、5mmol)、鉄(1.68g、30.1mmol)、酢酸(1.8g、30.1mmol)、および酢酸ナトリウム(0.41g、5.0mmol)の混合物を、3時間還流した。この混合物に、3mLの濃縮アンモニアを加えた。混合物を高温でろ過し、固体を熱メタノールで洗い、ろ液から溶媒を回転蒸発によって除去した。得られる固体を、熱アセトンで4回抽出した。抽出物からアセトンを除去した後、残留物に水を加えて懸濁液を30分間撹拌した。黄色沈殿物をろ過し、水で洗い、真空中で60℃で乾燥して1.42g(85%)の3を与えた。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ9.38(s,1H),8.38(s,1H),8.25−8.11(m,1H),7.90−7.73(m,1H),7.38(m,2H),7.08(s,1H),5.33(s,2H),4.22(q,J=7.2Hz,2H),1.45(t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ154.90,153.51,151.83,151.58,150.12,144.70,138.42,137.46,122.34,121.34,118.58,116.38,110.19,106.24,100.75,63.77,14.34;MS(ESI)m/z 333.1[M+H]
1−(4−((3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ)−7−エトキシキナゾリン−6−イル)−3−メチルチオ尿素(4)。0.1g(0.3mmol)の3および0.033g(0.45mmol)のイソチオシアン酸メチルの混合物を、3mLのエタノール中で室温で3時間撹拌した。溶液を、その体積の半分まで濃縮して冷却装置内に一晩保管した。形成した沈殿物を集め、エタノールで洗って47mg(39%)の4を与えた。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ9.71(s,1H),9.08(s,1H),8.61(s,1H),8.57(s,1H),8.20(dd,J=6.8,2.6Hz,1H),7.84(ddd,J=9.2,4.3,2.7Hz,2H),7.43(t,J=9.1Hz,1H),7.26(s,1H),4.24(q,J=7.0Hz,2H),2.94(d,J=4.3Hz,3H),1.41(t,J=6.9Hz,3H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ182.39,157.41,157.17,154.69,154.52,152.59,150.42,137.22,128.17,123.57,122.48,121.31,119.26,117.07,109.16,108.22,64.79,31.94,14.83;MS(ESI)m/z 406.1[M+H]
1−(4−((3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ)−7−エトキシキナゾリン−6−イル)−3−フェニルチオ尿素(5)。この類似物を、化合物4について記載したのと同様の手順および化学量論的量を用いて合成した。収量35mg(25%)。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ9.95(s,1H),9.74(s,1H),9.36(s,1H),8.72(s,1H),8.57(s,1H),8.19(dd,J=6.9,2.7Hz,1H),7.83(ddd,J=9.4,4.4,2.7Hz,1H),7.56−7.30(m,5H),7.27(s,1H),7.16(t,J=7.3Hz,1H),4.26(q,J=6.9Hz,2H),1.43(t,J=6.8Hz,3H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ180.38,156.97,156.69,154.19,154.17,153.99,152.06,149.99,139.17,136.66,128.41,128.06,124.72,124.06,123.12,122.01,121.16,118.70,116.50,108.48,107.54,64.31,14.32;MS(ESI)m/z 468.2[M+H]
−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−エトキシ−N−メチルキナゾリン−4,6−ジアミン(6)。30mLのメタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(0.35g/15mmolのナトリウム金属から調製)に、1g(3mmol)の3および0.45g(15mmol)のパラホルムアルデヒドを加えた。反応混合物を、2時間還流し続いて0℃に冷却した。0.57g(15mmol)のテトラヒドロホウ酸ナトリウムを少量加えた後、橙色混合物が淡黄色に変わり、還流での加熱をさらに2時間継続した。溶媒を回転蒸発によって除去して残留物を水で洗った。次いで固体を最小量のメタノール/DCM(1:1)に溶解し、溶液をセライトパッドに通して少量の黒色固体を除去した。溶媒を除去して0.7g(67%)の6を淡黄色粉末として与えた。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ9.31(s,1H),8.37(s,1H),8.16(dd,J=6.9,2.7Hz,1H),7.84(ddd,J=9.1,4.4,2.6Hz,1H),7.42(t,J=9.1Hz,1H),7.13(s,1H),7.05(s,1H),5.71(q,J=5.1Hz,1H),4.23(q,J=6.9Hz,2H),2.92(d,J=4.9Hz,3H),1.45(t,J=6.9Hz,3H);13C NMR(75MHz,DMSO−d6)δ154.77,154.31,151.69,151.10,149.94,144.41,139.89,137.29,122.83,121.79,118.67,116.42,110.15,105.56,95.67,63.86,30.03,14.33;MS(ESI)m/z 347.1[M+H]
1−(4−((3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ)−7−エトキシキナゾリン−6−イル)−1,3−ジメチルチオ尿素(7)。20mLのエタノール中の2.5g(7.2mmol)の6、1.05g(14.4mmol)のイソチオシアン酸メチル、および1.76g(14.4mmol)の4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の混合物を、30時間還流において撹拌した。追加のイソチオシアン酸メチルを、6、18、および24時間後に加えた(各回2当量)。エタノールを除去して得られる暗色油をトリエチルアミン処理したシリカゲルカラムに適用した。DCM/メタノール(50:1)を用いて非極性不純物を除去し30:1比の同じ溶媒を用いて生成物を溶離した。生成物画分を組み合わせて、溶媒を回転蒸発によって除去した。残留物を酢酸エチルから再結晶化して1.05g(35%)の7を橙色結晶性固体として与えた。H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ9.72(s,1H),8.61(s,1H),8.48(s,1H),8.23(dd,J=6.9,2.7Hz,1H),7.85(ddd,J=9.2,4.3,2.7Hz,1H),7.44(t,J=9.1Hz,1H),7.33(s,1H),7.18(s,1H),4.24(q,J=6.9Hz,2H),3.47(s,3H),2.85(d,J=4.2Hz,3H),1.36(t,J=6.9Hz,3H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ183.41,158.43,157.37,155.44,154.59,152.66,151.97,137.07,133.10,124.53,123.48,122.35,119.33,117.13,109.82,109.68,64.81,56.49,19.02,14.81;HRMS m/z[M+H] calcd for C1920ClFNOS:420.1061,found:420.1032。
N4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−エトキシ−N6−(2−(メチルアミノ)エチル)キナゾリン−4,6−ジアミン(8)。40mLのメタノール中の2.0g(6.0mmol)の3、0.68g(18mmol)のNaCNBH、および2.1g(12mmol)のカルバミン酸tert−ブチルメチル(2−オキソエチル)を含有する混合物を調製した。固体が完全に溶解するまで十分な氷酢酸(約1.5g)を加えた。反応後に形成した黄色沈殿物を、室温で12時間撹拌した。溶媒を除去して得られる油をDCMに再溶解し、飽和NaHCOおよび塩水で洗い、NaSOで乾燥させた。DCMを除去して残留物を50mLの4M HCl中で2時間還流で加熱してBoc保護基を除去した。酸を回転蒸発によって除去し、得られる油をエタノール中で室温で一晩撹拌することによって固化させた。固体を集め、少量のエタノールで洗い、DCMと1M NaOH溶液との間で分配した。有機層を回収し、塩水で洗い、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去した後1.0g(51%)の8が白色固体として得られた。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ9.31(s,1H),8.37(s,1H),8.15(dd,J=6.9,2.6Hz,1H),7.83(ddd,J=9.1,4.4,2.7Hz,1H),7.42(t,J=9.1Hz,1H),7.24(s,1H),7.07(s,1H),5.45(t,J=5.4Hz,1H),4.24(q,J=6.9Hz,2H),3.32(q,J=5.8Hz,2H),2.84(t,J=6.0Hz,2H),2.35(s,3H),1.44(t,J=6.9Hz,3H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ154.82,153.70,151.77,151.56,150.16,144.52,138.77,137.20,122.93,121.87,118.63,116.38,110.04,105.82,96.42,63.93,49.75,42.19,35.81,14.31;MS(ESI)m/z 390.2[M+H]
1−(2−((4−((3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ)−7−エトキシキナゾリン−6−イル)アミノ)エチル)−1,3−ジメチルチオ尿素(9)。10mLのエタノール中の0.14g(1.92mmol)のイソチオシアン酸メチルおよび0.5g(1.28mmol)の8の混合物を、室温で1時間撹拌して白色固体沈殿物を生成し、これを集め、冷エタノールで洗い、乾燥させて0.53g(90%)の9を与えた。H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ9.24(s,1H),8.39(s,1H),8.18(dd,J=6.9,2.7Hz,1H),7.85(ddd,J=9.1,4.0,2.7Hz,1H),7.51(q,J=4.2Hz,1H),7.43(t,J=9.1Hz,1H),7.25(s,1H),7.06(s,1H),5.85(t,J=5.3Hz,1H),4.22(q,2H),4.16(t,J=6.4Hz,2H),3.47(q,J=6.0Hz,2H),3.10(s,3H),2.94(d,J=4.1Hz,3H),1.45(t,J=6.9Hz,3H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ182.50,155.32,154.22,152.29,152.17,150.70,145.11,139.13,137.76,123.26,122.19,119.22,116.99,110.57,106.31,96.57,64.51,51.89,41.95,37.90,33.19,14.97;HRMS m/z[M+H] calcd for C2125ClFNOS:463.1483,found:463.1464。
[{Au(7)}]Cl(12a)。5mLのDCMおよび1mLのメタノール中の0.10g(0.24mmol)の化合物7および76mg(0.24mmol)のクロロテトラヒドロチオフェン金(I)(10a)の混合物を、室温で30分間撹拌した。溶液が約1mLの体積まで濃縮したときに、化合物12aが灰白色固体として沈殿し、これを集めて、DCMで洗い、真空中で60℃で乾燥させた。収率:0.116g(75%)。H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ9.77(s,1H),8.89(s,1H),8.63(s,1H),8.54(s,1H),8.23−8.15(m,1H),7.86−7.78(m,1H),7.46(t,J=9.1Hz,1H),7.33(s,1H),4.25(s,2H),3.53(s,3H),3.17(s,3H),1.45−1.30(m,3H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ175.87,157.60,157.44,155.79,154.75,152.81,152.02,136.88,133.21,124.09,123.79,122.59,119.37,117.19,109.68,65.09,55.37,34.21,14.88;HRMS m/z[M]2+ calcd for C3838Aul210:616.0648,found:616.0611;anal.calcd for C3838AuCl10CHCl:C 33.20,H 2.71,N 10.19,found:C 33.49,H 2.65,N 10.13。(類似のチオシアン酸塩12bは、同じ質量スペクトルおよびNMRの特徴を示し、他の詳細は報告されていない。)
[Au(9)PEt](NO)(13)。10mLのTHFおよび5mLのメタノールの混合物中の0.153g(0.34mmol)の9に、0.122g(0.34mmol)のクロロトリエチルホスフィン金(I)を加えた。混合物を5分間撹拌し、56μLのAgNOの1g/mL水溶液を加えて塩化物を硝酸塩対イオンと交換した。沈殿したAgClをろ過してろ液を濃縮し20mLのジエチルエーテルに加えた。化合物13が黄色固体として沈殿し、これをジエチルエーテルで洗って真空中で乾燥した。収率:0.126g(46%)。H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ9.32(s,1H),8.41(s,1H),8.27(q,J=4.2Hz,1H),8.15(dd,J=6.8,2.6Hz,1H),7.83(ddd,J=9.1,4.0,2.7Hz,1H),7.44(td,J=9.1,0.8Hz,1H),7.29(s,1H),7.10(s,1H),5.77(t,J=5.35Hz,1H),4.24(q,J=6.9Hz,2H),4.19(t,J=5.6Hz,2H),3.57(q,J=6.1Hz,2H),3.21(s,3H),3.10(d,J=4.0Hz,3H),1.89(dq,J=10.6,7.6Hz,6H),1.45(t,J=6.9Hz,3H),1.05(dt,J=19.3,7.7Hz,9H);13C NMR(126MHz,DMSO−d6)δ175.45,154.87,153.77,151.84,151.76,150.27,144.14,138.31,137.01,122.84,121.78,118.70,116.49,109.91,105.65,96.57,64.05,52.18,40.8,33.57,16.78,14.37,8.94,8.83;HRMS m/z[M] calcd for C2739AuClFNOPS:777.1982,found:777.1957;anal.calcd for C2739AuClFNPS:C 38.65,H 4.68,N 11.67,found:C 38.13,H 4.25,N 10.79。
細胞増殖アッセイ
ヒト非小細胞肺がん細胞株、NCI−H460(大細胞)およびNCI−H1975(腺がん)を、米国菌培養収集所(American Type Culture Collection)(ロックビル、メリーランド州、米国)から取得した。両方の細胞株を、10%ウシ胎児血清(FBS)、10% penstrep(P&S)、10%L−グルタミン、および1.5g/LのNaHCOを添加したRPMI−1640培地(HyClone)において培養した。細胞を、5%COを含有する加湿雰囲気中で37℃の一定温度でインキュベートして細胞の対数増殖を維持するために2日から3日毎に継代培養した。細胞毒性調査を、Celltiter 96水性非放射性細胞増殖アッセイキット(Promega、マディソン、ウィスコンシン州)を用いて標準のプロトコルに従って実行した。全ての薬物の原液(10mM)をDMFにおいて作成しがん細胞とのインキュベーションの前に培地で段階希釈した。IC50値を、GraphPad Prism(GraphPad Software、ラホヤ、カリフォルニア州)においてシグモイド曲線適合を用いて用量反応曲線から計算した。
したがって、一実施形態において、本発明は、式Iまたは式Iaの化合物を含む化合物、組成物および方法に関する
Figure 2017512776
(式中Xは、ハロ、OH、HO、−OC(O)R、−P((−CH)qCH、硝酸塩、硫酸塩または構造
Figure 2017512776
のカルベンであり
(式中qは、0、1、2、3、4、5、または6である)、
およびXは独立にハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルキニル、ニトロ、アミノ、−NHC(O)(R10)、−NHC(O)O(R10)、−C(O)NHR10、または−OC(O)NHR10であり、
Mは、直線形の金(I)、平面四角形の白金(II)、金(III)、またはこれに限らないが白金(IV)、ルテニウム(II)、ルテニウム(III)、ロジウム(III)、イリジウム(III)を含めた八面体金属であり、
およびRは、アミノ、アンモニアまたはピリジン基であるかあるいはRおよびRは、それらが付着する白金原子と共に、vが1、2、3、または4である環−NH−(CH)v−NH−を形成するかあるいはRおよびRは合わせて次の基a〜hのいずれかであってよく、
Figure 2017512776
(式中Aは、H、−CH、−OCH、CFまたはNOである)、
は、−N(R26)−またはSであり(式中R26は水素またはC〜Cアルキルである)、
は、水素、C1〜6アルキル、またはCH−R12であり、
Eは、−(CH−であり、
は、直接結合、−NH−またはC〜Cアルキレンであるか、
あるいはRおよびXは、それらが付着する原子と共に6または7員環を形成し(前記6または7員環は連結基−C(O)O−または−OC(O)−を含む)、
は、水素、メチル、−CH(R17)(R18)、−C(O)O−R18、または−OC(O)−R18であり(式中
17は、水素またはC1〜6アルキルであり、
18は、水素、C1〜6アルキル、−CH(R19)(R20)、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
19は、水素またはC1〜6アルキルであり、
20は、水素、C1〜6アルキルである)、
は、−NR13−、−C(O)NR13−、−NR13C(O)−、−O−、−S−、−OC(O)−、および−C(O)O−であり、
13は、−Hまたは−C1〜6アルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
11およびR12は、独立に水素、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、−OCH、−CF、NOであり、
24およびR25は、独立に水素またはC1〜4アルキルであり、
かつ
Zは、独立に1つまたは複数のハロまたはニトロ、あるいは化合物の電荷を平衡させるのに十分な1つまたは複数の対イオンである)。
Mが八面体金属である場合、X、R1、およびR2の全ての可能な幾何学的シスおよびトランス異性体が有り得ることが認識されるべきである。一実施形態において、上記のものに加えて他の八面体金属がMの可能な可変部分として場合によっては用いられ得ることに留意されたい。
一実施形態において、MがAu(I)である場合、本発明の配合物(化合物および組成物)を組み込む本発明の化合物、組成物および方法は、XがRに対してトランスである化合物から導かれ得る。
一実施形態において、XはFまたはClでありかつXはFまたはClである。一実施形態においてXはFでありかつXはFまたはClである。一実施形態において、XはFまたはClでありかつXはClである。変形形態において、XはFでありかつXはClである。
一実施形態において、Xは−P(−CH−CHである。一実施形態において、Rは、−NHまたはSである。一実施形態において、RおよびRは、合わせてエチルまたは−NHCHである。一実施形態において、Rは、HまたはCHである。一実施形態において、R13は、HまたはCHである。一実施形態において、Eは、メチレンである。一実施形態において、Rは、メチルまたはエチルである。変形形態において、Rは、エチルである。
本発明の方法、化合物および組成物は、一般的であることを理解すべきである。例えば、種々のがん関連キナーゼを標的とする他のITKIファルマコホアを生成するために独自のモジュール式アプローチを用いてよい。例えば、WZ4002、不可逆的EGFR阻害剤およびAVL−292、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、臨床上認可された薬剤の構造は、単官能の白金および/または金部分の付着を可能にするために容易に修飾され得る(スキーム7を参照(白金で示されている))。
修飾は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく本発明になされ得ることを理解すべきである。例えばおよび一実施形態において、キナゾリン基を中心複素環として有するのではなく、キナゾリンによって占められている位置をピリミジン部分、またはベンゼン部分が占め得ることが企図されかつしたがって本発明の範囲内である。例えば、修飾は、本発明に開示されたような方法論を用いて白金部分を加えてスキーム7に示されるようなポナチニブ、XZ4002またはAVL−292(または他の既知のがん薬物)の修飾された誘導体を生成するために既知のがん薬物になされ得る。
Figure 2017512776
したがって、別の実施形態において、本発明の化合物、組成物および方法には、式IIの化合物が含まれる
Figure 2017512776
(式中Xは、ハロ、HO、−OC(O)R、−P((−CH)qCH、硝酸塩または硫酸塩であり
(式中qは、0、1、2、3、4、5、または6である)、
は、独立にハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルキニル、ニトロ、アミノ、−NHC(O)(R10)、−NHC(O)O(R10)、−C(O)NHR10、または−OC(O)NHR10であり、
Mは、AuまたはPtであり、MがAuの場合、RおよびRは存在せず、
およびRは、アミノ、アンモニアまたはピリジン基であるかあるいはRおよびRは、それらが付着する白金原子と共に、vが1、2、3、または4である環−NH−(CH)v−NH−を形成するかあるいはRおよびRは合わせて次の基a〜hのいずれかであってよく
Figure 2017512776
(式中Aは、H、−CH、−OCH、CFまたはNOである)、
は、−N(R26)−またはSであり(式中R26は、水素またはC〜Cアルキルである)、
は、水素、C1〜6アルキル、またはCH−R12であり、
Eは、−(CH−であり、
は、直接結合、−NH−またはC〜Cアルキレンであるか、
あるいはRおよびXは、それらが付着する原子と共に6または7員環を形成し(前記6または7員環は連結基−C(O)O−または−OC(O)−を含む)、
は、水素、メチル、−CH(R17)(R18)、−C(O)O−R18、または−OC(O)−R18であり(式中
17は、水素またはC1〜6アルキルであり、
18は、水素、C1〜6アルキル、−CH(R19)(R20)、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
19は、水素またはC1〜6アルキルであり、
20は、水素、C1〜6アルキルである)、
は、−NR13−、−C(O)NR13−、−NR13C(O)−、−O−、−S−、−OC(O)−、および−C(O)O−であり、
13は、Hまたは−C1〜6アルキルであり、
11およびR12は、独立に水素、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、−OCH、−CF、NOであり、
14は、C1〜3アルコキシであり、
15は、N−メチル−ピペラジンまたは−O−(CH2〜4OCHであり、
24およびR25は、独立に水素またはC1〜4アルキルであり、
かつ
Zは、独立に1つまたは複数のハロまたはニトロ、あるいは化合物の電荷を平衡させるのに十分な1つまたは複数の対イオンである)。
一実施形態において、本発明は、式Iおよび/またはIIの化合物、それらの化合物を含有する組成物(例えば、医薬組成物)およびそれらの化合物を用いる方法に関する。
当業者は、式IおよびIIにおいて、M=AuかつX=負に帯電した残基、例えば、ハロゲン化物の場合、分子上に対イオン、Z、および正味荷電が無いであろうことを認識するであろう。
一実施形態において、医薬組成物は、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、およびプロドラッグを含有していてよく、かつ本発明の化合物の生物学的利用能を増加するためまたは寿命を延長するために必要な希釈剤、賦形剤、担体、または他の物質を含んでいてよい。
本発明の化合物および組成物によって治療され得る対象には、これに限定されないが、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、イヌ、ネコ、霊長類例えばチンパンジー、ゴリラ、アカゲザル、および、ヒトが含まれる。一実施形態において、対象は、がん治療を必要とするヒトである。
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、単独でまたは代わりに、リポソーム、ミセル、および/またはナノ球体を用いて注入するのに適した形態であってよい。
注入に適した医薬組成物は、Lammers,T.ら、J.Controlled Release、161、175〜187(2012年)、またはBarenholz,Y.、J.Controlled Release、160、117〜134、(2012年)に開示されているように作成してよく、共にそれら全体が援用される。あるいは、注入向けの組成物は、任意の既知の方法に従って調製してよく、かつこうした組成物は、溶媒、共溶媒、可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、増粘剤、キレート剤、酸化防止剤、還元剤、抗菌防腐剤、緩衝液、ph調節剤、充填剤、保護剤、張性調整剤(tonicity adjustor)、および特殊添加剤からなる群から選択される1種または複数の薬剤を含有していてよい。さらに、注射液の製造に適した他の非毒性の薬学的に許容可能な賦形剤を使用してよい。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物中に活性化合物を含有していてよい。こうした賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムであり、分散剤または湿潤剤は、レシチンなどの天然に存在するリン脂質、または酸化アルキレンの脂肪酸との縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、または酸化エチレンの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチル−エンオキシセタノール、または酸化エチレンの脂肪酸由来の部分エステルおよびヘキシトールとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、または酸化エチレンの脂肪酸由来の部分エステルおよびヘキシトール無水物との縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであってよい。水性懸濁液は、1種または複数の着色剤も含有していてよい。
油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナツ油、あるいは流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることによって配合してよい。油性懸濁液は、増粘剤、例えば蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含んでいてよい。上述のものなどの甘味剤、および香料添加剤は、味のよい経口調製品を提供するために加えてよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって保存加工してよい。
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種または複数の防腐剤との混合物における活性化合物を提供する。適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、上記で既に述べたものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、香料添加剤、および着色剤も、存在していてよい。
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、植物油、例えば、オリーブ油またはラッカセイ油、あるいは鉱油、例えば流動パラフィン、あるいはそれらの混合物であってよい。適した乳化剤は、天然に存在するゴム、例えばアカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然に存在するリン脂質、例えばダイズ、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、ならびに前記部分エステルの酸化エチレンとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってよい。
医薬組成物は、無菌注射可能な水性または油性懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、上述の適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて既知の方法に従って配合してよい。無菌注射可能な調製品は、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射可能な溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としてであってもよい。採用してよい許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、滅菌注射用水(SWFI)、リンガー溶液、および等張食塩溶液がある。さらに、滅菌、不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として好都合に用いられる。この目的のために、任意の無刺激不揮発性油を、合成モノ−またはジグリセリドを用いて採用してよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射液の調製において使用される。
したがって、別の実施形態において、本発明は、式Iおよび/またはIIの化合物またはその塩を含む医薬品配合溶液を提供する。
本発明の溶液は、密閉容器、特にガラスで作られているものにおいて、単位剤形または複数剤型のいずれかで提供してよい。
式Iおよび/またはIIの化合物の任意の薬学的に許容可能な塩は、本発明の溶液を調製するために用いてよい。適した塩の例は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などの鉱物無機酸との塩、および酢酸、コハク酸、酒石酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルタミン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのある種の有機酸との塩であってよい。一実施形態において、式Iおよび/またはIIの化合物は、一塩酸塩、二塩酸塩、または三塩酸塩を含めた塩酸塩である。
薬学的に許容可能でありかつ式Iおよび/またはIIの化合物あるいは薬学的に許容可能なその塩を溶解することができる任意の溶媒を用いてよい。本発明の溶液は、共可溶化剤(溶媒と同一でも良い)、等張化剤、安定剤、防腐剤、またはそれらの混合物などの1種または複数のさらなる構成要素も含有していてよい。溶液配合物に適し得る溶媒、共可溶化剤、等張化剤、安定剤および防腐剤の例は、下記に記載される。
適した溶媒および共可溶化剤には、これに限定されないが、水、滅菌注射用水(SWFI)、生理食塩水、アルコール、例えばエタノール、ベンジルアルコールなど、グリコールおよびポリアルコール、例えばプロピレングリコール、グリセリンなど、ポリアルコールのエステル、例えばジアセチン、トリアセチンなど、ポリグリコールおよびポリエーテル、例えばポリエチレングリコール400、プロピレングリコールメチルエーテルなど、ジオキソラン、例えばイソプロピリデングリセリンなど、ジメチルイソソルビド、ピロリドン誘導体、例えば2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ポリビニルピロリドン(共可溶化剤のみ)など、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化脂肪酸のエステル、ポリソルベート、例えば、Tween(商標)、ポリプロピレングリコールのポリオキシエチレン誘導体、例えば、Pluronics(商標)が含まれ得る。
適した等張化剤には、これに限定されないが、薬学的に許容可能な無機塩化物、例えば塩化ナトリウム、デキストロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトールなどが含まれ得る。
生理学的投与に適した防腐剤は、例えば、パラヒドロキシ安息香酸のエステル(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、またはそれらの混合物)、クロロクレゾールなどであってよい。
適した安定剤には、これに限定されないが、単糖類(例えば、ガラクトース、フルクトース、およびフコース)、二糖類(例えば、ラクトース)、多糖類(例えば、デキストラン)、環状オリゴ糖(例えば、アルファ−、ベータ−、ガンマ−シクロデキストリン)、脂肪族ポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトール、およびチオグリセロール)、環状ポリオール(例えばイノシトール)および有機溶媒(例えば、エチルアルコールおよびグリセリン)が含まれる。
上述の溶媒および共可溶化剤、等張化剤、安定剤ならびに防腐剤は、溶液配合物において単独でまたはそれらの内の2つ以上の混合物として用いてよい。
一実施形態において、医薬品溶液配合物は、式Iおよび/またはIIの化合物あるいは薬学的に許容可能なその塩、ならびに薬剤が5%以下の量である、塩化ナトリウム溶液(すなわち、生理食塩水)、デキストロース、マンニトール、またはソルビトールからなる群から選択される薬剤を含んでいてよい。こうした配合物のpHは、薬学的に許容可能な酸または塩基を用いて貯蔵安定性を改善するために調整してもよい。
本発明の溶液において式Iおよび/またはIIの化合物あるいは薬学的に許容可能なその塩の濃度は、100mg/mL未満、または50mg/mL未満、または10g/mL未満、または10mg/mL未満かつ0.01mg/mLより大きいか、あるいは0.5mg/mLから5mg/mLの間、または1mg/mLから3mg/mLの間であってよい。一実施形態において、使用される濃度は、がん細胞に対して十分に細胞毒性であるにもかかわらず他の細胞への毒性を限定する理想的濃度である。
医薬品溶液配合物に適した包装は、プラスチックおよびガラス容器、使用準備済のシリンジなどの、非経口使用向けの全て認可された容器であってよい。一実施形態において、容器は、密閉ガラス容器、例えばバイアルまたはアンプルである。密閉されているガラスバイアルは、特に好ましい。
本発明の実施形態に従って、生理学的に許容可能な溶媒中の式Iおよび/またはIIの化合物あるいは薬学的に許容可能なその塩を含み、かつ2.5から3.5のpHを有する密閉ガラス容器内の、滅菌した、注射可能な溶液が提供される。溶液配合物のために、種々の本発明の化合物は、6より低いpHの溶液においてより溶けやすくかつより長期間安定であってよい。さらには、本発明の化合物の酸性塩は、それらの遊離塩基同等物よりも水溶液に溶けやすくてよいが、酸性塩が水溶液に加えられたときに溶液のpHは投与に適するには低すぎる場合がある。したがって、pH4.5を上回るpHを有する溶液配合物は、投与された組み合わせ配合物のpHがpH4.5以上となるように投与に先立って7より大きいpHの希釈剤溶液と組み合わせてよい。一実施形態において、希釈剤溶液は、水酸化ナトリウムなどの薬学的に許容可能な塩基を含む。別の実施形態において、希釈剤溶液は、10から12の間のpHである。別の実施形態において、投与された組み合わせられた配合物のpHは、5.0より大きい。別の実施形態において、投与された組み合わせられた配合物のpHは、5.0から7.0の間である。
本発明は、2.5から3.5のpHの滅菌溶液を生成するためのプロセスであって薬学的に許容可能な溶媒中に式Iおよび/またはIIの化合物あるいは薬学的に許容可能なその塩を溶解することを含むプロセスも提供する。式Iおよび/またはIIの化合物の薬学的に許容可能な酸性塩が用いられる場合溶液のpHは、所望の範囲内のpHを調整するために生理学的に許容可能な酸または緩衝液を加えて薬学的に許容可能な塩基または塩基性溶液を用いて調整してよい。方法は、得られる溶液を滅菌フィルターに通すことをさらに含んでよい。
共可溶化剤、等張化剤、安定剤および防腐剤などの1種または複数のさらなる構成要素、例えば先に明示した種類のものは、溶液を滅菌フィルターに通すことに先立って溶液に加えてよい。
さらなる変形形態において、本発明は、本発明の化合物を他のシスプラチン化合物と共に用いてよい併用療法を企図する。本併用療法の有効性は、第一世代シスプラチン化合物が示す本発明の化合物と比べて作用の異なる機序および方式のために強化されそうである。他の抗新生物剤/化合物を本発明の化合物と共に用いてよいことも企図されかつしたがって本発明の範囲内である。本発明の化合物と共に用いてよい抗新生物剤/化合物には、細胞毒性化合物ならびに非細胞毒性化合物が含まれる。
例には、HERCEPTIN(商標)(トラスツズマブ)、RITUXAN(商標)(リツキシマブ)、ZEVALIN(商標)(イブリツモマブ チウキセタン)、LYMPHOCIDE(商標)(エプラツズマブ)、GLEEVAC(商標)およびBEXXAR(商標)(ヨウ素131トシツモマブ)などの抗腫瘍剤が含まれる。
本発明の化合物と共に用いてよい他の抗新生物剤/化合物には、抗血管新生化合物例えばERBITUX(商標)(IMC−C225)、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害剤(例えば、特にキナーゼドメイン受容体に結合する抗体および抗原結合領域)、抗VEGF剤(例えば、特にVEGFに結合する抗体または抗原結合領域、あるいは可溶性VEGF受容体またはそのリガンド結合領域)例えばAVASTIN(商標)またはVEGF−TRAP(商標)、および抗VEGF受容体剤(例えば、特にそれに結合する抗体または抗原結合領域)、EGFR阻害剤(例えば、特にそれに結合する抗体または抗原結合領域)例えばABX−EGF(パニツムマブ)、IRESSA(商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(商標)(エルロチニブ)、抗Ang1および抗Ang2剤(例えば、特にそれまたはそれの受容体に結合する抗体または抗原結合領域、例えば、Tie2/Tek)、ならびに抗Tie2キナーゼ阻害剤(例えば、特にそれに結合する抗体または抗原結合領域)が含まれる。
本発明の化合物と共に用いてよい他の抗血管新生化合物/薬剤には、Campath、IL−8、B−FGF、Tek拮抗薬、抗TWEAK剤(例えば、特に抗体または抗原結合領域結合するもの)、または可溶性TWEAK受容体拮抗剤、インテグリンのそのリガンドへの結合に拮抗するためのADAMジスインテグリンドメイン、特に抗eph受容体および/または抗エフリン抗体もしくは抗原結合領域に結合するもの、および抗PDGF−BB拮抗剤(例えば、特に抗体または抗原結合領域に結合するもの)ならびに特にPDGF−BBリガンドに結合する抗体または抗原結合領域、ならびにPDGFRキナーゼ阻害剤(例えば、特にそれに結合する抗体または抗原結合領域)が含まれる。
本発明の化合物と共に用いてよい他の抗血管新生/抗腫瘍剤には、SD−7784(Pfizer、米国)、シレンジタイド(Merck KGaA、ドイツ、EPO 770622)、ペガプタニブオクタソジウム(pegaptanib octasodium)、(Gilead Sciences、米国)、アルファスタチン(Alphastatin)、(BioActa、英国)、M−PGA、(Celgene、米国)、イロマスタット、(Arriva、米国)、エマキサニブ(emaxanib)、(Pfizer、米国)、バタラニブ、(Novartis、スイス)、2−メトキシエストラジオール、(EntreMed、米国)、TLC ELL−12、(Elan、アイルランド)、酢酸アネコルタブ、(Alcon、米国)、alpha−D148Mab、(Amgen、米国)、CEP−7055、(Cephalon、米国)、抗Vn Mab、(Crucell、オランダ)DAC:血管新生抑制、(ConjuChem、カナダ)、アンギオシジン、(InKine Pharmaceutical、米国)、KM−2550、(Kyowa Hakko、日本)、SU−0879、(Pfizer、米国)、CGP−79787、(Novartis、スイス)、the ARGENT technology of Ariad、米国、YIGSR−Stealth、(Johnson&Johnson、米国)、フィブリノーゲン−Eフラグメント(fibrinogen−E fragment)、(BioActa、英国)、the angiogenesis inhibitors of Trigen、英国、TBC−1635、(Encysive Pharmaceuticals、米国)、SC−236、(Pfizer、米国)、ABT−567、(Abbott、米国)、メタスタチン、(EntreMed、米国)、新生阻害剤、(Tripep、スウェーデン)、マスピン、(Sosei、日本)、2−メトキシエストラジオール、(Oncology Sciences Corporation、米国)、ER−68203−00、(WVAX、米国)、ベネフィン、(Lane Labs、米国)、Tz−93、(Tsumura、日本)、TAN−1120、(Takeda、日本)、FR−111142、(Fujisawa、日本)、血小板第4因子、(RepliGen、米国)、血管内皮成長因子拮抗剤、(Borean、デンマーク)、ベバシズマブ(pINN)、(Genentech、米国)、XL784、(Exelixis、米国)、XL647、(Exelixis、米国)、MAb、インテグリンα5β3(alpha5beta3 integrin)、第二世代、(Applied Molecular Evolution、米国およびMedImmune、米国)、遺伝子療法、網膜症、(Oxford BioMedica、英国)、塩酸エンザスタウリン(USAN)、(Lilly、米国)、CEP7055、(Cephalon、米国およびSanofi−Synthelabo、フランス)、BC1、(Genoa Institute of Cancer Research、イタリア)、新生阻害剤、(Alchemia、オーストラリア)、VEGF拮抗剤、(Regeneron、米国)、rBPI21およびBPI由来血管新生抑制、(XOMA、米国)、PI88、(Progen、オーストラリア)、シレンジタイド(pINN)、(Merck KGaA、ドイツ、Munich Technical University、ドイツ、Scripps Clinic and Research Foundation、米国)、セツキシマブ(INN)、(Aventis、フランス)、AVE 8062、(Ajinomoto、日本)、AS1404、(Cancer Research Laboratory、ニュージーランド)、SG292、(Telios、米国)、エンドスタチン、(Boston Children’s Hospital、米国)、ATN 161、(Attenuon、米国)、アンギオスタチン、(Boston Children’s Hospital、米国)、2−メトキシエストラジオール、(Boston Children’s Hospital、米国)、ZD6474、(AstraZeneca、英国)、ZD6126、(Angiogene Pharmaceuticals、英国)、PPI2458、(Praecis、米国)、AZD9935、(AstraZeneca、英国)、AZD2171、(AstraZeneca、英国)、バタラニブ(pINN)、(Novartis、スイスおよびSchering AG、ドイツ)、組織因子経路阻害剤、(EntreMed、米国)、ペガプタニブ(Pinn)、(Gilead Sciences、米国)、キサントリゾール、(Yonsei University、韓国)、ワクチン、遺伝子に基づく、VEGF−2、(Scripps Clinic and Research Foundation、米国)、SPV5.2、(Supratek、カナダ)、SDX103、(University of California at San Diego、米国)、PX478、(ProIX、米国)、メタスタチン、(EntreMed、米国)、トロポニンI、(Harvard University、米国)、SU6668、(SUGEN、米国)、OXI4503、(OXiGENE、米国)、o−グアニジン、(Dimensional Pharmaceuticals、米国)、モツポラミンC、(British Columbia University、カナダ)、CDP791、(Celltech Group、英国)、アチプリモド(plNN)、(GlaxoSmithKline、英国)、E7820、(Eisai、日本)、CYC381、(Harvard University、米国)、AE941、(Aeterna、カナダ)、ワクチン、血管新生、(EntreMed、米国)、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子阻害剤、(Dendreon、米国)、オグルファニド(pINN)、(Melmotte、米国)、HIF−アルファ(HIF−lalfa)阻害剤、(Xenova、英国)、CEP5214、(Cephalon、米国)、BAY RES2622、(Bayer、ドイツ)、アンギオシジン、(InKine、米国)、A6、(Angstrom、米国)、KR31372、(Korea Research Institute of Chemical Technology、韓国)、GW2286、(GlaxoSmithKline、英国)、EHT0101、(ExonHit、フランス)、CP868596、(Pfizer、米国)、CP564959、(OSI、米国)、CP547632、(Pfizer、米国)、786034、(GlaxoSmithKline、英国)、KRN633、(Kirin Brewery、日本)、薬剤送達システム、眼内、2−メトキシエストラジオール、(EntreMed、米国)、アンギネックス(anginex)、(Maastricht University、オランダ、およびMinnesota University、米国)、ABT510、(Abbott、米国)、AAL993、(Novartis、スイス)、VEGI、(ProteomTech、米国)、腫瘍壊死因子アルファ阻害剤、(National Institute on Aging、米国)、SU 11248、(Pfizer、米国およびSUGEN 米国)、ABT518、(Abbott、米国)、YH16、(Yantai Rongchang、中国)、S−3APG、(Boston Children’s Hospital、米国およびEntreMed、米国)、MAb、KDR、(ImClone Systems、米国)、MAb、アルファ5ベータl、(Protein Design、米国)、KDRキナーゼ阻害剤、(Celltech Group、英国、およびJohnson&Johnson、米国)、GFB116、(South Florida University、米国およびYale University、米国)、CS706、(Sankyo、日本)、コンブレタスタチンA4プロドラッグ、(Arizona State University、米国)、コンドロイチナーゼAC、(IBEX、カナダ)、BAY RES2690、(Bayer、ドイツ)、AGM1470、(Harvard University、米国、Takeda、日本、およびTAP、米国)、AG13925、(Agouron、米国)、テトラチオモリブデート、(University of Michigan、米国)、GCS100、(Wayne State University、米国)CV247、(Ivy Medical、英国)、CKD732、(Chong Kun Dang、韓国)、MAb、血管内皮成長因子、(Xenova、英国)、イルソグラジン(INN)、(Nippon Shinyaku、日本)、RG13577、(Aventis、フランス)、WX360、(Wilex、ドイツ)、スクアラミン(pIN)、(Genaera、米国)、RPI4610、(Sima、米国)、ヘパラナーゼ阻害剤、(InSight、イスラエル)、KL 3106、(Kolon、韓国)、ホノキオール、(Emory University、米国)、ZK CDK、(Schering AG、ドイツ)、ZK Angio、(Schering AG、ドイツ)、ZK229561、(Novartis、スイス、およびSchering AG、ドイツ)、XMP 300、(XOMA、米国)、VGA1102、(Taisho、日本)、VEGF受容体調節因子、(Pharmacopeia、米国)、VE−カドヘリン−2拮抗剤、(ImClone Systems、米国)、バソスタチン、(National Institutes of Health、米国)、ワクチン、Flk−1、(ImClone Systems、米国)、TZ93、(Tsumura、日本)、タムスタチン、(Beth Israel Hospital、米国)、短縮型可溶性FLT1(血管内皮成長因子受容体1)、(Merck&Co、米国)、Tie−2リガンド、(Regeneron、米国)、およびトロンボスポンジン1阻害剤、(Allegheny Health,Education and Research Foundation、米国)が含まれる。
本発明の化合物は、特異的な受容体またはがん細胞を標的にするために修飾してよくまたはそれらが種々のin vivo環境で生き残り得るように修飾してよいことが企図されかつしたがって本発明の範囲内である。例として、本発明の化合物は、カルボン酸塩デンドリマーまたは他の糖類を形成するためにデンドリマーまたは他の環状糖類と組み合わされるように修飾してよい。それらは、カルボン酸塩エストロゲンのようなカルボン酸塩ステロイドを形成するためにエストロゲンなどのステロイドと組み合わせてよい。本発明の化合物がカルボン酸塩官能性を含む場合、これらの化合物上のカルボン酸塩官能性は、それらが葉酸を含むように修飾してよい。当業者は、本発明の化合物が特異的な受容体、細胞を標的にできるようにまたは化合物に安定性を提供できるように本発明の化合物になされ得る他の修飾があることを認識するであろう。本発明の化合物は、共有結合修飾、イオン性修飾、それらが他の化合物をキレート化するような修飾、または本発明の化合物をそれらの使用に適するようにさせるいくらかの他の種類の相互作用(疎水性またはファンデルワールス型の相互作用など)を受けるようになされた他の修飾を有し得ることが企図される。
さらなる変形形態において、本発明の化合物は、上方制御されたヌクレオチド除去修復および他の上方制御された耐性機序を実証する固形腫瘍、細胞株、および細胞株組織に対して使用してよい。したがって、一実施形態において、本発明は、式Iおよび/またはIIの化合物の使用によってそれを必要とする個体におけるがんを治療する方法を開示する。
本発明の白金系および金系の化合物は、泌尿生殖器(膀胱、卵巣、精巣)のがんおよび頭頚部のがん腫、ならびに結腸がんに対しても用いてよい。本発明の化合物は、これらの種々のがんおよびがん腫に対しても有望で有り得るが、本発明の化合物は、これらの種々のがんおよびがん腫に対して用いられているこれまでの薬物と比較して変更された活性のスペクトルを示し、本発明の化合物は、先行技術の臨床的白金に対して非感受性のがんにおいて優れた活性も示す。
変形形態において、本発明の化合物は、がん、中皮腫、膀胱がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頚部のがん、皮膚または眼内の黒色腫、卵巣がん、乳がん、子宮がん、卵管のがん腫、子宮内膜のがん腫、子宮頸のがん腫、膣のがん腫、外陰のがん腫、骨がん、卵巣がん、子宮頚部がん、結腸がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、胃腸(胃、結腸直腸、および十二指腸)、慢性リンパ性白血病、食道がん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟組織の肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、精巣がん、肝細胞がん(肝管および胆管)、原発性および二次性中枢神経系腫瘍、原発性および二次性脳腫瘍、ホジキン病、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T細胞またはB−細胞由来のリンパ性腫瘍、黒色腫、多発性骨髄腫、口腔がん、卵巣がん、非小細胞肺がん、前立腺がん、小細胞肺がん、腎臓および尿管のがん、腎細胞腫、腎盂のがん種、中枢神経系の新生物、原発性中枢神経系リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、副腎皮質がん、胆嚢がん、脾臓のがん、胆管がん、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、またはそれらの組み合わせなどの、異常細胞成長および/または調節不全のアポトーシスの疾患の治療のために用いてよい。
変形形態において、本発明の化合物は、非小細胞肺がん、膵臓がん、乳がん、および卵巣がんの治療において用いてよい。あるいは、本発明の化合物は、非小細胞肺がん、膵臓、および卵巣がんの治療において用いてよい。
一実施形態において、本発明の化合物は、抗ウイルス薬および抗アルツハイマー薬としての潜在的な用途も有する。
したがって、本発明の化合物、組成物および方法は、臨床療法、特に旧知の白金薬物に本来的に耐性、または、耐性になったがんの第一および/または第二選択治療の選択肢のために有用で有り得ることが企図される。本発明の化合物は、NSCLCの延命/治癒的治療のための機構的に新規の薬物の緊急の必要性を解決する道を提供し得る。
本発明において開示された任意の特徴は、本発明における任意の他の特徴と組み合わせてもよいことが企図されかつしたがって本発明の範囲内である。例えば、可変部分が式Iを参照して記述された場合、定義された可変部分は、式IIでも使用され得ることが企図されかつしたがって本発明の範囲内であると認識されるべきである。軽微な修正が本発明になされ得ることも企図される。
以下の参照は、それら全体が参照により組み込まれる。
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[23]O.Trott、A.J.Olson、J.Comput.Chem.2010年、31、455〜461。

Claims (20)

  1. 式IまたはIaの化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物
    Figure 2017512776
    (式中Xは、ハロ、OH、HO、−OC(O)R、−P((−CH)qCH、硝酸塩、硫酸塩または構造
    Figure 2017512776
    のカルベンであり
    (式中qは、0、1、2、または3である)、
    およびXは、独立にハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルキニル、ニトロ、アミノ、−NHC(O)(R10)、−NHC(O)O(R10)、−C(O)NHR10、または−OC(O)NHR10であり、
    Mは、AuまたはPtであり、MがAuの場合、RおよびRは存在せず、
    およびRは、アミノ、アンモニアまたはピリジン基であるかあるいはRおよびRは、それらが付着する白金原子と共に、vが1、2、3、または4である環−NH−(CH)v−NH−を形成するかあるいはRおよびRは、合わせて次の基a〜hのいずれかであってよく
    Figure 2017512776
    (式中Aは、H、−CH、−OCH、CFまたはNOである)、
    は、−N(R26)−またはSであり(式中R26は水素またはC〜Cアルキルである)、
    は、水素、C1〜6アルキル、またはCH−R12であり、
    Eは、−(CH−であり、
    は、直接結合、−NH−またはC〜Cアルキレンであるか、
    あるいはRおよびXは、それらが付着する原子と共に6または7員環であって、連結基−C(O)O−または−OC(O)−を含む前記6または7員環を形成し、
    は、水素、メチル、−CH(R17)(R18)、−C(O)O−R18、または−OC(O)−R18であり(式中
    17は、水素またはC1〜6アルキルであり、
    18は、水素、C1〜6アルキル、−CH(R19)(R20)、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
    19は、水素またはC1〜6アルキルであり、
    20は、水素、C1〜6アルキルである)、
    は、−NR13−、−C(O)NR13−、−NR13C(O)−、−O−、−S−、−OC(O)−、および−C(O)O−であり、
    13は、−Hまたは−C1〜6アルキルであり、
    は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
    11およびR12は、独立に水素、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、−OCH、−CF、NOであり、
    24およびR25は、独立に水素またはC1〜4アルキルであり、
    かつ
    Zは、独立に1つまたは複数のハロまたはニトロ、あるいは化合物の電荷を平衡させるのに十分な1つまたは複数の対イオンである)。
  2. がFまたはClかつXがFまたはClである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  3. がFかつXがClである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  4. MがAuかつXが−P(−CH−CHである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  5. が−NHまたはSである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  6. およびRが合わせてエチルまたは−NHCHである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  7. がHまたはCHである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  8. 13がHまたはCHである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  9. がエチルである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  10. がClかつXがFであり、Rが−NHまたはSであり、RおよびRが合わせてエチルまたは−NHCHであり、Eがメチレンであり、RがHまたはCHであり、R13がHまたはCHであり、かつRがエチルである、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物。
  11. 式Iまたは式Iaの化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物を含む医薬組成物
    Figure 2017512776
    (式中Xは、ハロ、OH、HO、−OC(O)R、−P((−CH)qCH、硝酸塩、硫酸塩または構造
    Figure 2017512776
    のカルベンであり
    (式中qは、0、1、2、または3である)、
    およびXは、独立にハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルキニル、ニトロ、アミノ、−NHC(O)(R10)、−NHC(O)O(R10)、−C(O)NHR10、または−OC(O)NHR10であり、
    Mは、AuまたはPtであり、MがAuの場合、RおよびRは存在せず、
    およびRは、アミノ、アンモニアまたはピリジン基であるかあるいはRおよびRは、それらが付着する白金原子と共に、vが1、2、3、または4である環−NH−(CH)v−NH−を形成するかあるいはRおよびRは合わせて次の基a〜hのいずれかであってよく
    Figure 2017512776
    (式中Aは、H、−CH、−OCH、CFまたはNOである)、
    は、−N(R26)−またはSであり(式中R26は水素またはC〜Cアルキルである)、
    は、水素、C1〜6アルキル、またはCH−R12であり、
    Eは、−(CH−であり、
    は、直接結合、−NH−またはC〜Cアルキレンであるか、
    あるいはRおよびXは、それらが付着する原子と共に6または7員環であって、連結基−C(O)O−または−OC(O)−を含む前記6または7員環を形成し、
    は、水素、メチル、−CH(R17)(R18)、−C(O)O−R18、または−OC(O)−R18であり(式中
    17は、水素またはC1〜6アルキルであり、
    18は水素、C1〜6アルキル、−CH(R19)(R20)、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
    19は、水素またはC1〜6アルキルであり、
    20は、水素、C1〜6アルキルである)、
    は、−NR13−、−C(O)NR13−、−NR13C(O)−、−O−、−S−、−OC(O)−、および−C(O)O−であり、
    13は、−Hまたは−C1〜6アルキルであり、
    は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
    11およびR12は、独立に水素、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、−OCH、−CF、NOであり、
    24およびR25は、独立に水素またはC1〜4アルキルであり、
    かつ
    Zは、独立に1つまたは複数のハロまたはニトロであるか、あるいは化合物および1種または複数の薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、または担体の電荷を平衡させるのに十分な1つまたは複数の対イオンである)。
  12. がFまたはClかつXがFまたはClである、請求項11に記載の組成物。
  13. がFかつXがClである、請求項11に記載の組成物。
  14. MがAuかつXが−P(−CH−CHである、請求項11に記載の組成物。
  15. が−NHまたはSである、請求項11に記載の組成物。
  16. およびRが合わせてエチルまたは−NHCHである、請求項11に記載の組成物。
  17. がHまたはCHでありかつR13がHまたはCHである、請求項11に記載の組成物。
  18. がエチルである、請求項11に記載の組成物。
  19. 必要とする個体に式Iまたは式Iaの化合物、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物を投与するステップを含むがんを治療する方法
    Figure 2017512776
    (式中Xは、ハロ、OH、HO、−OC(O)R、−P((−CH)qCH、硝酸塩、硫酸塩または構造
    Figure 2017512776
    のカルベンであり
    (式中qは、0、1、2、または3である)、
    およびXは、独立にハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルキニル、ニトロ、アミノ、−NHC(O)(R10)、−NHC(O)O(R10)、−C(O)NHR10、または−OC(O)NHR10であり、
    Mは、AuまたはPtであり、MがAuの場合、RおよびRは存在せず、
    およびRは、アミノ、アンモニアまたはピリジン基であるかあるいはRおよびRは、それらが付着する白金原子と共に、vが1、2、3、または4である環−NH−(CH)v−NH−を形成するかあるいはRおよびRは、合わせて次の基a〜hのいずれかであってよく
    Figure 2017512776
    (式中Aは、H、−CH、−OCH、CFまたはNOである)、
    は、−N(R26)−またはSであり(式中R26は、水素またはC〜Cアルキルである)、
    は、水素、C1〜6アルキル、またはCH−R12であり、
    Eは、−(CH−であり、
    は、直接結合、−NH−またはC〜Cアルキレンであるか、
    あるいはRおよびXは、それらが付着する原子と共に6または7員環であって、連結基−C(O)O−または−OC(O)−を含む前記6または7員環を形成し、
    は、水素、メチル、−CH(R17)(R18)、−C(O)O−R18、または−OC(O)−R18であり(式中
    17は、水素またはC1〜6アルキルであり、
    18は、水素、C1〜6アルキル、−CH(R19)(R20)、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
    19は、水素またはC1〜6アルキルであり、
    20は、水素、C1〜6アルキルである)、
    は、−NR13−、−C(O)NR13−、−NR13C(O)−、−O−、−S−、−OC(O)−、および−C(O)O−であり、
    13は、−Hまたは−C1〜6アルキルであり、
    は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、アダマンチル、天然または非天然のアミノ酸またはペプチドであり、
    11およびR12は、独立に水素、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、−OCH、−CF、NOであり、
    24およびR25は、独立に水素またはC1〜4アルキルであり、
    かつ
    Zは、独立に1つまたは複数のハロまたはニトロ、あるいは化合物の電荷を平衡させるのに十分な1つまたは複数の対イオンである)。
  20. 前記がんが非小細胞肺がんである、請求項1に記載の方法。
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