現在のところ、いくつかのアクセス制御機能が第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)において、装置またはトラフィック型がネットワーク上で使われることを選択的に無効にするまたは妨げるために使われている。3GPPは、組織パートナーとして知られる遠隔通信団体のグループ間での協同体である。現在のところ、ネットワークが輻輳制御を実行するためのいくつかの方法がある。
たとえば、アクセス・クラス閉鎖(ACB: Access Class Barring)は、ユーザー装置(UE)が特定のセルにおいて初期のランダム・アクセス・チャネル(RACH: Random Access Channel)をもつことをネットワークが禁止することを許容する。サービス固有アクセス制御(SSAC: Service Specific Access Control)は、UEがインターネット・プロトコル(IP)マルチメディア・サービス(IMS: IP multimedia services)音声またはビデオのためにアクセスを開始することをネットワークが禁止することを許容する。3GPPにおける新たな作業項目は、アプリケーション情報に基づいて輻輳制御を実行するための新たな方法の研究である。3GPPにおけるこれらの新たな作業項目は、スマート輻輳緩和(SCM: Smart Congestion Mitigation)、データ通信のためのアプリケーション固有輻輳制御(ACDC: Application Specific Congestion Control for Data Communication)およびユーザー面〔ユーザー・プレーン〕輻輳管理(UPCON: User Plane Congestion Management)からなる。
SCMおよびACDCは、既存の機構と組み合わさって、ネットワークにアクセスしようとしているユーザー装置(UE)を、ユーザーが開始したがっているサービスまたはアプリケーションの型に依存して制御する機構をネットワークに提供する。ここで、UEは、通信するためにエンドユーザーによって直接使用される任意の装置である。UEは携帯電話、モバイル・ブロードバンド・アダプターを備えたラップトップ・コンピュータまたは他の任意の装置であることができる。UEは、欧州遠隔通信規格機関(ETSI)125/136シリーズおよび3GPP 25/36シリーズの規格において規定されている基地局、ノードB/eノードBに接続する。UEはほぼ、グローバル移動通信システム(GSM(登録商標))における移動局(MS)に対応する。
SCMはアイドル・モードにおけるUEのみを扱い、ACDCはアイドル・モードおよび接続モード両方のUEを扱う(接続モードでは、UEはすでに接続されて一つのサービス、たとえば音声を走らせており、UEは新たなサービス、たとえばビデオを開始することを望む)。他方、UPCONは、ユーザー面における輻輳に遭遇する接続モードのUEを扱う。UPCONの目的は、電波アクセス・ネットワーク(RAN)輻輳が起こったときにユーザー面トラフィックを管理することである。したがって、一つの問題は、輻輳管理を受けるべき適切なユーザー面トラフィック・フローを選択することである。輻輳管理を受けるべきユーザー面トラフィック・フローを選択するためのアプローチは、一または複数の加入者、一つまたは複数のアプリケーションまたは一つまたは複数の型のトラフィックに影響しうる。
ユーザー面輻輳を管理するための一つのアプローチは、所与の加入者のすべてのトラフィックを、その加入者のトラフィック・フローの性質をさらに考えることなく制御することである。管理されるべきトラフィックを同定することにおける第二の候補属性は、アプリケーションの型である。いくつかの型のアプリケーションは、ほぼリアルタイムのトラフィック処理を要求し、一方、他の型のアプリケーションはそれほど時間に敏感ではない。ユーザー面輻輳条件のもとでは、より時間に敏感なアプリケーション・トラフィックより前に、それほど時間に敏感でないアプリケーション・トラフィックが制御されるべきである。
輻輳を管理するためのもう一つのアプローチは、ある種の型のトラフィックを制御することである。アプリケーションは、複数の型のトラフィックに関わることがある(たとえば、ソーシャル・ネットワーキング・アプリケーションは、友人の投稿の間でのユーザー・ブラウズ、次いで友人によって投稿されたビデオのストリーミングに関わることがある)。ここで、このアプローチは、所与のアプリケーションについていくつかの型のトラフィックには影響するが、他の型のトラフィックには影響しないことがある。したがって、それは、アプリケーション・ベースでのユーザー面トラフィック管理制御よりも細かい粒度のものと見ることができる。トラフィック管理のもう一つの側面は、ユーザーが特定のアプリケーションに注目している(attending)か否かである。トラフィックの型の、アプリケーション注目(attendance)についての情報との組み合わせを許容する制御を作り出すことは、ユーザーの経験品質およびネットワーク性能に対するユーザー知覚を改善するための効果的なアプローチでありうる。
これまで3GPPにおいて議論されたUPCONにおける解決策は、アプリケーションの型およびセルにおける進行中のトラフィックの型に基づいて輻輳制御を実行するものだった。UPCONの目的の一部は、非注目トラフィックを制限するために、注目トラフィックか非注目トラフィックかに基づいて輻輳を扱うことである。
いくつかの実施形態は、注目トラフィックか非注目トラフィックかに基づいてネットワークにおける輻輳を扱うための方法および装置を記述する。いくつかの実施形態では、UEは、ネットワークが要求するときに非注目トラフィックを遮断することを受け持つ。および/または構成設定に基づく。いくつかの実施形態では、UEは遮断を受けるべきアプリケーションに従って構成される。
たとえば、アプリケーションは、ネットワークが指示を送るとき、アプリケーションが免除としてリストされているとき、および/または明示的に同定されていないアプリケーションについてのデフォルト・アクションにより、遮断を受ける対象となることができる。いくつかの実施形態では、アプリケーションが遮断を受ける対象であり、非注目であると同定される場合に、UEはそのアプリケーションによって生成される上りリンク(UL)トラフィックを内部的に遮断する。いくつかの実施形態では、アプリケーションが遮断を免除されているまたは注目と同定される場合、UEはそのアプリケーションによって生成されるULトラフィックを遮断しない。
いくつかの実施形態では、アプリケーションが注目〔アテンデッド(attended)〕として分類されるか非注目〔アンアテンデッド(unattended)〕として分類されるかに基づく輻輳制御のための機構が記述される。いくつかの実施形態では、UEが注目であるか否かを同定する一般的インジケータが定義される。たておば、UE注目インジケータ〔アテンション・インジケータ(attention indicator)〕が定義され、非注目トラフィックまたは注目トラフィックをフィルタリングするためにネットワークを支援するために使われる。いくつかの実施形態では、UE注目インジケータについての値は、UEの表示画面がオフにされるときに、あるいはユーザーまたはUE中のセンサーからのフィードバックを使って決定されてもよい。いくつかの実施形態では、UEがどのアプリケーションが注目または非注目であるかをインジケータを介して追跡できるようにする、インジケータおよび関連するハードウェア(たとえばレジスタ)がUE内で定義される。
いくつかの実施形態では、注目インジケータはUEによって生成されるいかなるものでもよい。たとえば、注目インジケータは、オペレーティング・システム(OS)、アプリケーション、ハードウェアなどによって生成されることができる。いくつかの実施形態では、ネットワークがトラフィックを分類することを支援する既存の方法およびインジケータに加えて、ユーザー注目インジケータが、効果的にトラフィックをさらに分類するためにネットワークによって使われる。この方法論は、輻輳制御、トラフィック優先順位付け、レート整形(rate shaping)機能などのために使用できる。
いくつかの実施形態では、輻輳制御のための方法論は、ULに適用される。UEはUEによって生成されるトラフィックが注目されているか注目されていないかを知っているからである。いくつかの実施形態では、輻輳制御のための方法論は、UEプル・ベースのアプリケーションの下りリンク(DL)事例に適用される。UEプル・ベースのアプリケーションは、UEが要求を送り、該要求の結果としてDL送信が起こるアプリケーションである。
たとえば、ユーザー対話なしに定期的にネットワークからデータをプルする、UE上で実行される多くのアプリケーションがある(たとえば電子メール、ツイッター(登録商標)、フェイスブック(登録商標)など)。その場合、要求のULトラフィックは大きくなくてもよいが、潜在的に、定期的更新によって引き起こされるDLトラフィックはかなりのものであることがある。いくつかの実施形態では、注目/非注目インジケータを使ってUL要求を遮断することにより、UEは本質的にDL応答をも遮断する。
以下の記述では、本開示の実施形態のより十全な説明を与えるために数多くの詳細が論じられる。しかしながら、本開示の実施形態がこれらの個別的詳細なしで実施されうることは当業者には明白であろう。他方、よく知られた構造および装置は、本開示の実施形態を埋没させるのを避けるために、詳細にではなくブロック図の形で示される。
実施形態の対応する図面において、信号は線で表わされる。いくつかの線は、より構成的な信号経路を示すためにより太いことがあり、および/または主要な情報の流れの方向を示すために一端または両端に矢印を有することがある。そのような指示は限定することは意図されていない。むしろ、これらの線は、回路または論理ユニットのより簡単な理解を助けるよう一つまたは複数の例示的実施形態との関連で使われている。設計上の必要性または好みによって指示されているいかなる表現される信号も、実際には、いずれかの方向に進みうる一つまたは複数の信号を含んでいてもよく、いかなる好適な型の信号方式で実装されてもよい。
本明細書および請求項を通じて、用語「接続された」は、接続されるものの間での、いかなる仲介する装置もない、直接的な電気接続または無線接続を意味する。用語「結合された」は、接続されるものの間での直接的な電気接続または無線接続あるいは一つまたは複数の受動的もしくは能動的な仲介装置を通じた間接的な接続を意味する。単数形は複数の言及も含む。「における」の意味は「における」および「の上の」を含む。
用語「実質的に」「近い」「近似的に」「ほぼ」「約」は一般に目標値の±20%以内であることをいう。特に断わりのない限り、共通の対象を指しての助数詞「第一」「第二」「第三」などの使用は、単に同様な対象の異なるインスタンスが言及されていることを示すのであって、そのように記述された対象が、時間的にでも、空間的にでも、ランキングにおいてでもあるいは他のいかなる仕方でも、所与の序列でなければならないことを含意することは意図されていない。
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態に基づく、UEおよび/またはアプリケーションの注目されているか注目されていないかの分類に従ってデータ・トラフィックを処理するベアラー・サービス・アーキテクチャー100を示している。アーキテクチャー100は、UE 101、進化型万国移動体通信システム(UMTS: Universal Mobile Telecommunications System)地上波電波アクセス・ネットワーク(E-UTRAN: Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)のノードB(eNB)102、サービング・ゲートウェイ(SGW: Serving Gateway)103、公衆データ・ネットワーク(PDN: Public Data Network)ゲートウェイ(GW)すなわち(PGW)104、移動性〔モビリティー〕管理エンティティ(MME: Mobility Management Entity)105、家庭加入者サーバー(HSS: Home Subscriber Server)106、動的ホスト構成設定プロトコル(DHCP: Dynamic Host Configuration Protocol)アプリケーション(アプリ)サーバーまたはドメイン名システム(DNS: Domain Name System)アプリ・サーバー107、ルーター108、ファイアウォール109およびインターネット110を示す図である。
いくつかの実施形態では、UE 101は、通信するためにエンドユーザーによって直接使われる任意の装置である。UEは携帯電話、モバイル・ブロードバンド・アダプターを備えたラップトップ・コンピュータまたは他の任意の装置であることができる。UE 101は、ETSI 125/136シリーズおよび3GPP 25/36シリーズの規格において規定されている基地局、ノードB/eノードBに接続する。UE 102はほぼ、グローバル移動通信システム(GSM(登録商標))における移動局(MS)に対応する。いくつかの実施形態では、UE 101は、ネットワークが注目されていないトラフィックまたは注目されているトラフィックをフィルタリングすることを支援するUE注目インジケータを記憶するレジスタを有していてもよい。たとえばUEからインターネットへの、エンドツーエンドのサービスを提供するために、さまざまなベアラー(すなわちキャリアー)が使用される。UE 101の実施形態は、図1Bを参照して記述される。
図1Aに戻って参照するに、進化型ノードB(eノードBまたはeNBと略称される)としても知られるE-UTRANノードB 102は、UMTSのUMTS地上波電波アクセス(UTRA)における要素、ノードBの進化型である、ロングターム・エボリューション(LTE)規格のE-UTRAにおける要素である。UMTSは、グローバル移動通信システム(GSM(登録商標))規格に基づくネットワークのための第三世代のモバイル・セルラー・システムである。それは、GSMネットワークにおける基地トランシーバ局(BTS: base transceiver station)のような、UEと直接通信する携帯電話ネットワークに接続されるハードウェアである。伝統的に、ノードBは最小限の機能をもち、電波ネットワーク・コントローラ(RNC: Radio Network Controller)によって制御される。しかしながら、eNB 102では、別個のコントローラ要素はない。これはアーキテクチャーを単純化し、より短い応答時間を許容する。
eNB 102は、システム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE: System Architecture Evolution)コア(進化型パケット・コア(EPC: Evolved Packet Core)としても知られる)および他のeNB(図示せず)とインターフェースをもつ。たとえば、eNB 102は、制御面〔制御プレーン〕トラフィックのためにMMEとのS1-MMEインターフェース・プロトコル上でのS1-APプロトコルを使う。eNB 102は、ユーザー面トラフィックのためのSGWとのS1-Uインターフェース上のGPRSコア・ネットワーク・プロトコルの定義IPベース・プロトコルである一般パケット電波サービス(GPRS: General Packet Radio Service)トンネリング・プロトコル(GTP-U)をも使う。まとめて、S1-MMEおよびS1-UインターフェースはS1インターフェースとして知られており、これはeNB 102から進化型パケット・コア(EPC)へのインターフェースを表わす。eNB 102a/b/c/dの実施形態は図1Cを参照して記述される。
図1Aに戻って参照するに、SGW 103とMME 105の間のインターフェースはS11である。SGW 103は該インターフェースをRANに向けて終端し、RANとEPCの間でデータ・パケットをルーティングする。さらに、SGW 103は、eNB間のハンドオーバーのためのローカルなモビリティー・アンカー点であってもよく、3GPP間モビリティーのためのアンカーをも提供してもよい。他の役割は、合法的傍受、課金および何らかのポリシー施行を含みうる。MME 105はレガシーのサービングGPRSサポート・ノード(SGSN: Serving GPRS Support Nodes)の制御面と機能において似ている。MME 105は、ゲートウェイ選択および追跡エリア・リスト管理といった、アクセスにおけるモビリティー側面を管理する。MME 105とHSS 106の間のインターフェースはS6aである。PGW 104とルーター108との間のインターフェースはSGiである。ルーター108とファイアウォール109の間のインターフェースはSGiである。
PGW 104はパケット・データ・ネットワーク(PDN: packet data network)に向かってSGiインターフェースを終端する。PGW 104はEPCと外部PDN(図示せず)との間でデータ・パケットをルーティングし、ポリシー施行および課金データ収集のためのキーとなるノードでありうる。それは非LTEアクセスをもつモビリティーのためのアンカー点をも提供しうる。外部PDNはいかなる種類のIPネットワークでもよく、IPマルチメディア・サブシステム(IMS: IP Multimedia Subsystem)ドメインでもよい。PGW 104およびSGW 103は一つの物理的なノードまたは別個の物理的なノードとして実装されうる。
UE 101におけるUL(上りリンク)トラフィック・フロー・テンプレート(TFT)はトラフィック・フローまたはサービス・データ・フロー(SDF: Service Data Flow)を進化型パケット・システム(EPS: Evolved Packet System)ベアラー(すなわち、キャリアー)にUL方向においてバインドする。UL TFTに複数の上りリンク・パケット・フィルタを含めることによって、複数のトラフィック・フローが同じEPSベアラー上に多重化されることができる。
PGW 104におけるDL(下りリンク)TFTはトラフィック・フローをEPSベアラーにDL方向においてバインドする。DL TFTに複数の下りリンク・パケット・フィルタを含めることによって、複数のトラフィック・フローが同じEPSベアラー上に多重化されることができる。
向上型電波アクセス・ベアラー(E-RAB: Enhanced Radio Access Bearer)は、EPSベアラーのパケットをUE 101とSGW 103との間でEPC(明示的にマークせず)において転送する。E-RABが存在するとき、このE-RABとEPSベアラーとの間に一対一のマッピングがある。
データ電波ベアラー(Radio Bearer)はEPSベアラーのパケットを、UE 101とeNB 102の間で転送する。データ電波ベアラーが存在するとき、このデータ電波ベアラーとEPSベアラー/E-RABとの間に一対一のマッピングがある。S1ベアラーはE-RABのパケットをeNB 102とSGW 103との間で転送する。S5/S8ベアラーはEPSベアラーのパケットをSGW 103とPGW 104の間で転送する。
UE 101は、ULにおけるトラフィック・フローとデータ電波ベアラーとの間のバインディングを生成するために、ULパケット・フィルタとデータ電波ベアラーとの間のマッピングを記憶する。PGW 104は、DLにおけるトラフィック・フローとS5/S8aベアラーとの間のバインディングを生成するために、DLパケット・フィルタとS5/S8aベアラーとの間のマッピングを記憶する。eNB 102は、ULおよびDL両方におけるデータ電波ベアラーとS1ベアラーとの間のバインディングを生成するために、データ電波ベアラーとS1ベアラーとの間の一対一マッピングを記憶する。SGW 103は、ULおよびDL両方におけるS1ベアラーとS5/S8aベアラーとの間のバインディングを生成するために、S1ベアラーとS5/S8aベアラーとの間の一対一マッピングを記憶する。
PDN接続はいくつかのEPSベアラーから構成され、各EPSベアラーは(デフォルトのEPSベアラーを除いて)それに関連付けられたトラフィック・フロー・テンプレート(TFT)をもつ。デフォルトのEPSベアラーはTFTをもっていてもよいが、必要としなくてもよい。UEがULユーザー・データ・パケットを送る必要があるとき、すべてのTFTを横断してパケット・フィルタを検査し、それらの一つとマッチがあるかどうかをチェックする。各パケット・フィルタにはパケット・フィルタ評価優先権(precedence)がついてくる。いくつかの実施形態では、UE 101は最高の評価優先権をもつものからはじめてパケット・フィルタを検査する。UE 101がマッチをみつけるとすぐに、ユーザー・データ・パケットをそれぞれの関連付けられたEPSベアラーに、UL送信のために送達する。同じプロセスはDLについてはPGW 104において行なわれる。どのパケット・フィルタにもマッチしないパケットは、デフォルト・ベアラーのために残される。
いくつかの実施形態では、トラフィックのフローは、トラフィック中のパケットが注目されているか注目されていないかを示すUE 101注目インジケータまたはアプリケーション注目インジケータに従ってさらに制御される。ここで、注目されているトラフィック〔注目トラフィック〕(attended traffic)は一般に、(たとえばUE 101の)ユーザーが対話しており、(たとえばUE 101上の)何らかのアプリケーションを能動的に使っているときに生成されるトラフィック・データをいう。注目されていないトラフィック〔非注目トラフィック〕(unattended traffic)という用語は、一般に、当該トラフィックが(たとえばUE 101によって)生成されるのと同じ時点においてユーザーが当該アプリケーションを能動的に使っていないときに生成されたトラフィック・データを指す。
いくつかの実施形態では、PGW 104は、上りリンク・トラフィック・フローのパケット・フィルタを、下りリンク・トラフィック・フローにおけるパケット・フィルタとバインドする論理を有する。いくつかの実施形態では、PGW 104は、上りリンク・トラフィック・フローの関連付けられたパケット・フィルタがそれぞれ注目されているまたは注目されていないと識別されるとき、下りリンク・トラフィック・フローにおいて下りリンク・トラフィックについてのパケットを注目されているまたは注目されていないとしてラベル付けする論理を有する。いくつかの実施形態では、eNB 102は、下りリンク・パケット・スケジューリングを実行するために前記ラベルを適用する。いくつかの実施形態では、eNB 103はUE 101に輻輳を通知し、UE 101はその通知に応答してトラフィック・フローに優先順位を付ける。
トラフィックをバックグラウンドまたは非バックグラウンド・トラフィックとして分類することは、トラフィックが注目されているか注目されていないかを捕捉しないことがある。バックグラウンド・トラフィックという用語は、一般に、常にバックグラウンドで走るアプリケーションの型を分類するために使われる。しかしながら、あるときはバックグラウンドで走り、他の時にはそうでないアプリケーションがあり、その場合、それらはバックグラウンドとして分類されることはできない。たとえば、スカイプ(登録商標)アプリケーションは更新を受信するときにはバックグラウンドで走ることがあるが、ユーザーがスカイプ(登録商標)アプリケーションを通じて話している場合には、生成されるトラフィックはバックグラウンド・トラフィックではない。
さまざまな実施形態は、アプリケーションが注目されているか注目されていないかという事実に関係した情報を使ってトラフィックを管理するさまざまな方法を記載する。
いくつかの実施形態では、UE 101が注目されているか否かを同定する第一の一般的インジケータが定義される。このインジケータは、ここでは注目インジケータと称される。注目インジケータはいくつかの実施形態では、トラフィックが注目されているトラフィックであるか、注目されていないトラフィックであるかを示してもよい。たとえば、UE 101の表示画面がオフにされているときに生成されるトラフィック・データは、注目されていないトラフィックとして分類されてもよく、一方、UE 101のユーザーからのフィードバックまたはUE 101の何らかのセンサーを介して生成されるトラフィック・データは注目されているトラフィックとして分類されてもよい。
いくつかの実施形態では、トラフィック・データのさまざまな型の分類は、通信規格、ユーザー選好、システム・オペレーターなどによって、注目されているまたは注目されていないとして定義されることができる。たとえば、それは、ユーザーが装置をどのように使うかを連続的に感知するハードウェア・センサーであることができる;それは、ユーザーがアプリケーションと対話しているかどうかを判定する装置内のOSであることもできる;それは、トラフィックを注目されているまたは注目されていないとして分類するアルゴリズムを走らせているソフトウェアであることもできる;所与のトラフィックが種々の状況などにおいて注目されていると考えられるか注目されていないと考えられるかは、装置において事前構成されていることができ、あるいはユーザーが装置を事前構成してもよい。
いくつかの実施形態では、UE 101内の新たな機能の創造物でありうる第二のインジケータが定義される。これは、該第二のインジケータを介してどのアプリケーションが注目されているまたは注目されていないかを追跡するためのものである。第二のインジケータはここではアプリケーション注目インジケータと称される。いくつかの実施形態では、ユーザー注目インジケータは、任意の既存の方法と組み合わされて、より効果的にトラフィックをさらに分類するためにネットワークを支援することができる。たとえば、ユーザー注目インジケータは、アプリケーション型インジケータと組み合わされることができる。ここで、アプリケーション型インジケータは使われているアプリケーションの型を示す。
いくつかの実施形態では、注目インジケータはUE 101毎であり、アプリケーション毎ではない。一つのアプリケーションが二つのUEのそれぞれにおいて走っており、両UEをアクティブに保っている例を考える。たとえば、一つのUEはユーザーがリアルタイムで運転しているときに友人の家までの全地球測位システム(GPS)アプリケーションを走らせており、別のUEは、ユーザーがあとでオフラインで見られるよう映画をダウンロードしているとする。両方のアプリケーションはウェブ・トラフィックであるが、ユーザーは、この運転する例については、UE画面上のGPS地図を見ている一方、ユーザーは他方のUEによるビデオ・ダウンロードはチェックしていないことがあり、そのアプリケーションはバックグラウンドで走っていることがありうる。この例では、ネットワーク上でのトラフィック輻輳は、GPSアプリケーションに対して、映画をダウンロードしているアプリケーションよりも、より高い優先度を割り当てることによって管理されることができる。いったんユーザーがダウンロード・リンクまたはボタンをクリックしてからは、後者のアプリケーションの使用はUE画面上でないからである。
いくつかの実施形態では、UE 101は、ユーザーが装置と実際に対話している(たとえば、能動的に電話を使っている)か否かを示すために、注目インジケータをネットワーク(たとえばeNB 102、SGW 102およびUL経路の他のコンポーネント)に送る。そのような実施形態では、ネットワークは、インジケータが真にセットされているときにUE 101が応答を待っていることを考慮に入れることができる。いくつかの実施形態では、トラフィック・データは、注目インジケータの極性に応じて、他のトラフィック・データよりも優先されることができる。いくつかの実施形態では、注目インジケータがセットされていないとき、トラフィック・データは輻輳の際には遅延されることができる。
トラフィック・データが注目されているトラフィック・データであることを示すために注目インジケータを論理的な1(すなわち、真)にセットし、トラフィック・データが注目されていないトラフィック・データであることを示すために注目インジケータを論理的な0(すなわち、偽)にセットすることに言及して実施形態が記述されているが、プロセスは逆にされてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、指示がないこと(すなわち、注目インジケータが論理的な0にセットされているとき)は、UEが注目UEであり、注目UEに関連するトラフィックは高優先度トラフィックであることを意味してもよい。指示がないことは、UEが非注目UEであり、非注目UEに関連するトラフィックはより低い優先度トラフィックであることを意味してもよい。
いくつかの実施形態では、注目インジケータはUE 101によってネットワークに送信される。いくつかの実施形態では、OSまたはハードウェアまたはミドルウェアまたは他のアプリケーション(単数または複数)が注目インジケータを生成する。いくつかの実施形態では、ネットワークが注目インジケータを要求する。いくつかの実施形態では、注目インジケータは定期的にネットワークに送信される。たとえば、UE 101の設定またはネットワークからくる構成設定可能な設定に基づいて、注目インジケータはネットワークに提供される。
いくつかの実施形態では、注目インジケータは、UE 101上で実行される各アプリケーションに関連付けられている。たとえば、UE 101上で実行される各アプリケーションが、UE 101のユーザーが現在UE 101を使っているかどうか(すなわち、UE 101によって送信されるトラフィック・データが注目されているトラフィック・データであるか注目されていないトラフィック・データであるか)を示すことができる。この指示は、どのアプリケーションのパケットがより高い優先度をもつ必要があるかをネットワークが識別するのを助けることができる。
いくつかの実施形態では、UE 101は、この注目インジケータをネットワークに送るための装置(および/または該装置によって実行される関連した方法)を含む。そのような方法はたとえば、UE 101がピア・アプリケーションとの接続を最初に開始しつつあるときの電波資源制御(RRC: Radio Resource Control)メッセージの一部であることができる。任意的に、UE 101は、プロトコル・スタック・レベルで、たとえば媒体アクセス制御(MAC)ヘッダにおいて、パケット内部に何らかのラベルを含めてもよい。そのチャネルでやってくるパケットが注目されているか注目されていないかを示すためである。いくつかの実施形態は、ネットワークが、特定のサービスまたはトラフィック・データが注目されているか注目されていないかを見出すための方法または方式を記載する。いくつかの実施形態では、OSまたはハードウェアまたは他のアプリケーションがアプリケーション注目インジケータを生成する。いくつかの実施形態では、アプリケーション注目インジケータは、ネットワーク・トラフィック輻輳を管理するために、UE 101上で走っているアプリケーションに優先順位付けするために使用されることができる。
たとえば、それぞれ二つの異なるUE上で走っている二つのアプリケーションの例を参照して論じた両方のアプリケーションが同じUEによって使われる場合、ユーザーはGPS画面に着目しているであろう。そのような例では、アプリケーション注目インジケータは、GPSトラフィック・データが映画ダウンロード・アプリケーションより高い優先度をもつことを示す可能性が非常に高い。
現在のところ、各TFTはEPSベアラーに関連付けられている。いくつかの実施形態では、やはりトラフィック・フローが注目されているか注目されていないかを識別できるために、注目インジケータ(単数または複数)(たとえば、UE注目インジケータまたはアプリケーション注目インジケータ)が代替的にパケット・フィルタにおいて加えられる。いくつかの実施形態では、新たなパケット・フィルタ・コンポーネントを使ってULおよびDLについてのトラフィック輻輳制御を実行するための方法が記述される。さらに、新たなパケット・フィルタ・パラメータ/コンポーネントはUE 101およびネットワークによって、トラフィック優先順位付け、データ・レート整形などといった他のいくつかの機能において支援するために利用されることができる。
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態に基づく、注目か非注目かの分類に従ってデータ・トラフィックを処理するよう動作可能なUE 120(たとえばUE 101)を示す図である。図1Bのうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
いくつかの実施形態では、UE 120は、物理(PHY)層回路122、媒体アクセス制御(MAC)回路123、プロセッサ124、メモリ125およびパケット・フィルタ(単数または複数)126を含んでいてもよい。実施形態を埋没させないよう、UE 120の高レベルの簡略化されたアーキテクチャーが記載されている。当業者は、完全なUEをなすために、図示したものに加えて他のコンポーネント(図示しない)が使われることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、PHY層回路122は、一つまたは複数のアンテナ201を使ってeNB 102、他のeNB、他のUEまたは他の装置との間で信号を送受信するためのトランシーバ127を含む。いくつかの実施形態では、MAC回路123は、無線媒体へのアクセスを制御するために使われる。いくつかの実施形態では、プロセッサ124およびメモリ125はいくつかの実施形態を参照して記述した動作を実行するよう構成される。
いくつかの実施形態では、アンテナ121は、モノポール・アンテナ、ダイポール・アンテナ、ループ・アンテナ、パッチ・アンテナマイクロストリップ・アンテナ、コプレーナー波アンテナまたは高周波(RF: Radio Frequency)信号の伝送に好適な他の型のアンテナを含む一つまたは複数の指向性または無指向性アンテナを含んでいてもよい。いくつかの複数入力複数出力(MIMO)実施形態では、アンテナ121は、空間ダイバーシチを活用するため、分離される。図9は、UE 101の別の実施形態を記載する。
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態に基づく、注目か非注目かの分類に従ってデータ・トラフィックを処理するよう動作可能なeNB 130(たとえばeNB 102)を示している。図1Cのうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
いくつかの実施形態では、eNB 130は、PHY層回路132、MAC回路133、プロセッサ134、メモリ135を含んでいてもよい。実施形態を埋没させないよう、eNBの高レベルの簡略化されたアーキテクチャーが記載されている。当業者は、完全なeNBをなすために、図示したものに加えて他のコンポーネント(図示しない)が使われることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、PHY層回路132は、一つまたは複数のアンテナ301を使ってeNB 102、他のeNB、他のUEまたは他の装置との間で信号を送受信するためのトランシーバ137を含む。いくつかの実施形態では、MAC回路133は、無線媒体へのアクセスを制御するために使われる。いくつかの実施形態では、プロセッサ134およびメモリ135はいくつかの実施形態を参照して記述した動作を実行するよう構成される。
いくつかの実施形態では、アンテナ131は、モノポール・アンテナ、ダイポール・アンテナ、ループ・アンテナ、パッチ・アンテナマイクロストリップ・アンテナ、コプレーナー波アンテナまたはRF信号の伝送に好適な他の型のアンテナを含む一つまたは複数の指向性または無指向性アンテナを含んでいてもよい。いくつかのMIMO実施形態では、アンテナ131は、空間ダイバーシチを活用するため、分離される。
UE 120およびeNB 130はそれぞれいくつかの別個の機能要素をもつものとして記述されているが、それらの機能要素の一つまたは複数が組み合わされてもよく、あるいはソフトウェア構成された要素および/または他のハードウェア要素の組み合わせによって実装されてもよい。この開示のいくつかの実施形態では、機能要素は一つまたは複数の処理要素に対して作用する一つまたは複数のプロセスを指すことができる。ソフトウェアおよび/またはハードウェア構成された要素の例は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、一つまたは複数のマイクロプロセッサ、DSP、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、高周波集積回路(RFIC)などを含む。
図2は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、パケット・フィルタ・コンポーネント型識別子を示すテーブル200を示している。該パケット・フィルタ・コンポーネント型識別子のリザーブされたセクションにおいて注目インジケータ識別子が定義される。図2のうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
テーブル200は、伝統的なパケット・フィルタ・コンポーネントに、いくつかの実施形態に基づく注目インジケータについての識別子を加えたものを示している。パケット・フィルタのコンポーネントはIPv4リモート・アドレス型(00010000)、IPv4ローカル・アドレス型(00010001)、IPv6リモート・アドレス型(00100000)、IPv6リモート・アドレス/プレフィックス長型(00100001)、IPv6ローカル・アドレス/プレフィックス長型、プロトコル識別子/次ヘッダ型(00110000)、単一ローカル・ポート型(01000000)、ローカル・ポート範囲型(01000001)、単一リモート・ポート型(01010000)、リモート・ポート範囲型(01010001)、セキュリティー・パラメータ・インデックス型(01100000)、サービスの型/トラフィック・クラス型(01110000)およびフロー・ラベル型(100000000)を含む。いくつかの実施形態では、注目インジケータは、伝統的なパケット・フィルタのリザーブされているセクション201を使って定義される。実施形態は「10000001」をもつ注目インジケータ識別子を定義しているが、パケット・フィルタ識別子のうちで一意的な識別子である限り、注目インジケータを定義するために、識別子についての他の値が使われてもよい。
図3は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、パケット・フィルタ・コンポーネント型識別子を示すテーブル200を示している。該パケット・フィルタ・コンポーネント型識別子のリザーブされたセクションにおいて注目インジケータ識別子が定義される。図3のうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
テーブル300は、伝統的なパケット・フィルタ・コンポーネント(表2と同様)に、いくつかの実施形態に基づくアプリケーション注目インジケータについての識別子を加えたものを示している。実施形態は「10000010」をもつアプリケーション注目インジケータ識別子を定義しているが、パケット・フィルタ識別子のうちで一意的な識別子である限り、アプリケーション注目インジケータを定義するために、識別子についての他の値が使われてもよい。
図4は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、パケット・フィルタが、パケットが注目されているまたは注目されていないのどちらとして識別されるかに従ってパケット・トラフィック・フローをルーティングするシステム400のフロントエンドを示している。図4のうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
いくつかの実施形態では、UE 101のシステム400のフロントエンドは、パケット401、パケット・フィルタ(単数または複数)402およびTFT 403を含む。パケット・フィルタ402(たとえばテーブル200およびテーブル300として定義される)の機能は、諸パケット401を検査し、当該パケット(諸パケット401の四角の一つとして示される)内の情報をフィルタ内容と照合することである。この照合に基づいて、パケット・フィルタ402はパケットを特定のトラフィック・フローに割り当てる。
図1Aを参照して示したような各EPSベアラーはサービス品質(QoS)に関連付けられている。TFT 403は常に専用のベアラーに割り当てられ、デフォルト・ベアラーにおいては必要とされない。いくつかの実施形態では、TFT 403は一つまたは複数のパケット・フィルタを含む。したがって、パケット・フィルタはEPSベアラーにマッピングされる。関係は、
単一のEPSベアラー⇔サービス品質⇔単一のTFT⇔複数のパケット・フィルタ
として表わせる。
システム400は、UE 101の一部が、諸パケットをパケット・フィルタ内容に従って異なるトラフィック・フローにルーティングする一つまたは複数のパケット・フィルタ402に、諸パケット401を送る単純化された例である。この例では、五つのパケットが示されており、1ないし5として番号付けられている。ここで、あるパターンをもつパケット401は、注目インジケータが高い(すなわち、そのパケットは注目されているトラフィック・データの一部である)ことを示すパケットであり、一方、あるパターンをもたないパケット401は、注目インジケータが低い(すなわち、そのパケットは注目されていないトラフィック・データの一部である)ことを示すパケットである。同じ例は、アプリケーション注目インジケータにも当てはまり、あるパターンをもつパケットは、アプリケーション注目インジケータが高い(すなわち、そのパケットは注目されているトラフィック・データの一部である)ことを示すパケットであり、あるパターンをもたないパケットは、アプリケーション注目インジケータが低い(すなわち、そのパケットは注目されていないトラフィック・データの一部である)ことを示すパケットである。
いくつかの実施形態では、パケットがあるパターンをもつ場合、そのパケットはTFT 403のトラフィック・フロー1に行く。いくつかの実施形態では、パケットがあるパターンをもたない場合は、TFT 403のトラフィック・フロー2に行く。いくつかの実施形態では、パケット・フィルタ402はパケットを検査し、フィルタ内容(この場合は、パケットが注目されているか注目されていないかを表わすパターン)と比較し、しかるべくそのパケットをルーティングする。LTEでは、IPアドレスおよびポート番号のようなパケット・フィルタ・コンポーネントはUE 101およびPGW 104がすべてのパケットをフィルタリングすることを許容する。いくつかの実施形態では、パケット・フィルタ402は、複数のサービスが同じEPSベアラーにマッピングされることを許容する。いくつかの実施形態では、パケット・フィルタ402はULではUE 101において、DLではPGW 104において適用される。
いくつかの実施形態では、パケット・フィルタ402はUE 101およびネットワーク(現在のところPGW 104において定義されるが、eNB 102など他のネットワーク・ノードにおいてなされてもよい)において構成される。いくつかの実施形態では、各パケット・フィルタは、該フィルタに由来するパケットの注目特性についての新たなインジケータを関連付けており;このインジケータは、「attended」〔注目されている〕に等しい注目インジケータで一つ、「unattended」〔注目されていない〕に等しい注目インジケータで一つという、二つのオプションをもって構成されることができる。これは、同じトラフィック・フローが、ユーザーが現在そのアプリケーション(たとえば閲覧アプリケーション)に注目しているか否かに依存して異なるパケット・フィルタにマッピングされることができること、あるいは同じパケット・フィルタがそれにマッピングされるパケットの性質に依存して注目(attended)または非注目(unattended)フィルタとして作用しうることを意味する。この情報に基づいて、パケットは、同じEPSベアラー内の異なるトラフィック・フローにルーティングされうる。
図5は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、パケット・フィルタ・コンポーネント型識別子のリザーブされたセクションにおいて定義されるアプリケーション型および注目インジケータ識別子をもつパケット・フィルタ・コンポーネント型識別子の表500を示している。図5のうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
いくつかの実施形態では、ULにおける輻輳を扱うために、パケット・フィルタ毎に輻輳制御が実行されることができる。いくつかの実施形態では、輻輳制御機構がこの機構と協働する(すなわち、注目/非注目インジケータを使う)ために、リザーブされた領域501内の二つの新たなパラメータが、パケット・フィルタのために定義されることができる。一つは注目インジケータを与えるもの、もう一つは輻輳レベル/優先度(すなわち、アプリケーション型)を与えるものである。
いくつかの実施形態では、ULおよびDLにおける輻輳を扱うために、異なるパケット・フィルタが異なるEPSベアラーにマッピングされることができる。たとえば、二つのベアラーが確立される場合、注目されているトラフィックが一方のベアラーにマッピングされることができ、注目されていないトラフィックがもう一つのベアラーにマッピングされることができる。いくつかの実施形態では、ULにおける輻輳制御を実行するために、eNB 102はEPSベアラーに基づいて、あるいは単にパケット・フィルタに基づいて、トラフィックを制御することができる。いくつかの実施形態では、DLについては、eNB 102は、どのパケットがどのベアラーにマッピングされるかを知っており、DLにおいてそのフローからのパケットを同じベアラーにマッピングする。いくつかの実施形態では、ベアラーが注目されているまたは注目されていないトラフィックを割り当てられる際、eNBは、どのパケットが注目されているサービスまたは注目されていないサービスのどちらに行こうとしているかを直接知る。
いくつかのアプリケーションは、即時の送達(すなわち、送達における遅延なし)を必要とする。たとえば、音声を伝送するアプリケーションまたはIPを通じた音声(voice over IP)は即時の送達を必要とする。だがいくつかのアプリケーションは、ユーザーが現在そのアプリケーションに注意を払っているときにのみ、即時の対応を必要とする。たとえば、スパム広告では、ユーザーが広告にサインアップしていなければ、注目されていないと考えられてもよく、その広告は最低優先度のトラフィックであることができる。いくつかの実施形態では、トラフィック輻輳は、パケット・フィルタにおいてアプリケーション型および注目インジケータを組み合わせることによって管理されることができる。
表500は、伝統的なパケット・フィルタ・コンポーネント(テーブル200およびテーブル300と同様)に、いくつかの実施形態に基づくアプリケーション型(10000001)および注目インジケータ(10000010)についての識別子をリザーブされた領域501において加えたものを示している。いくつかの実施形態は、アプリケーション型識別子を「10000001」をもって、注目インジケータを「10000010」をもって定義しているが、これらの識別子がパケットにおける一意的な識別子である限り、アプリケーション型および注目インジケータを定義するために、識別子についての他の値が使われてもよい。
図6は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、パケット・フィルタ・コンポーネント型識別子のリザーブされたセクションにおいて定義されるアプリケーション型およびアプリケーション注目インジケータ識別子をもつパケット・フィルタ・コンポーネント型識別子の表である。図6のうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
テーブル600は、伝統的なパケット・フィルタ・コンポーネント(テーブル200およびテーブル300と同様)に、いくつかの実施形態に基づくアプリケーション型(10000001)およびアプリケーション注目インジケータ(10000010)についての識別子をリザーブされた領域501において加えたものを示している。これらの実施形態は、アプリケーション型識別子を「10000001」をもって、アプリケーション注目インジケータを「10000010」をもって定義しているが、これらの識別子がパケットにおいて一意的である限り、アプリケーション型およびアプリケーション注目インジケータを定義するために、識別子についての他の値が使われてもよい。
図7は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、パケットが注目または非注目として識別されることに応じてトラフィックを管理するためのフローチャート700を示している。図7のうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
図7を参照したフローチャートにおけるブロックは特定の順序で示されているが、工程の順序は修正することができる。こうして、図示した実施形態は異なる順序で実行されることができ、いくつかの工程/ブロックが並列に実行されてもよい。図7に挙げられたブロックおよび/または動作のいくつかは、ある種の実施形態によれば任意的である。呈示されているブロックの番号付けは明確のためであり、さまざまなブロックが行なわれなければならない動作の順序を規定することは意図されていない。さらに、さまざまなフローからの動作が多様な組み合わせにおいて利用されてもよい。
ブロック701では、UEベースの注目インジケータが、テーブル200を参照して示されたパケット・フィルタ識別子のリザーブされたセクション201において構成される。いくつかの実施形態では、ULのためのパケット・フィルタ402(たとえばUE 120における126)が、注目インジケータをもって構成される。いくつかの実施形態では、注目インジケータの識別子は、レジスタに記憶されてもよい。注目インジケータの識別子は、パケット・フィルタ識別子の識別子の間で一意的である。注目インジケータへの識別子は、UEトラフィック・データ401に関連付けられたパケットが注目されているか注目されていないかをパケット・フィルタ402に通知する注目インジケータへのポインタのようなものである。
ブロック702では、一つまたは複数のパケット・フィルタ402が、パケットが注目されているか注目されていないかを判定するために注目インジケータに関連付けられている値を同定する。いくつかの実施形態では、その基準に基づいて、ネットワーク・トラフィック輻輳を管理するために、トラフィック・データ401がパケット・フィルタ402およびベアラーを介して管理される。いくつかの実施形態では、UE 101は、そのインジケータを考慮に入れて、トラフィックを適切なパケット・フィルタ402にマッピングする。
ブロック703では、パケット・フィルタ402は、注目インジケータに従って異なるEPSベアラーにマッピングされる。さまざまなEPSベアラーが図1Aを参照して記述されている。図7に戻って参照するに、いくつかの実施形態では、その基準およびトラフィック401内のパケットが注目されているまたは注目されていないのどちらとして分類されているかに基づいて、ネットワーク・トラフィック輻輳を管理するために、トラフィック・データ401がパケット・フィルタ402およびEPSベアラーを介して管理される。いくつかの実施形態では、ネットワークは、UE 101に輻輳を通知し、その後、UE 101はトラフィック・フローを優先順位付けする。
いくつかの実施形態では、アプリケーション型インジケータは、テーブル500を参照して示したようなパケット・フィルタ識別子のリザーブされたセクション501において構成される。アプリケーション型インジケータの識別子は、注目インジケータを記憶する上記レジスタとは別個の、別のレジスタに記憶されてもよい。アプリケーション型インジケータの識別子は、パケット・フィルタ識別子の識別子の間で一意的である。アプリケーション型インジケータへの識別子は、UE 101上での実行のためのアプリケーションの輻輳レベルまたは優先度をパケット・フィルタ402に通知するアプリケーション型インジケータへのポインタのようなものである。いくつかの実施形態では、一つまたは複数のパケット・フィルタ402がアプリケーション型インジケータに関連付けられた値を同定して、アプリケーションの輻輳レベルまたは優先度を決定する。
いくつかの実施形態では、アプリケーション注目インジケータは、テーブル300を参照して示したようなパケット・フィルタ識別子のリザーブされたセクション301において構成される。アプリケーション注目インジケータの識別子は、一意的なレジスタに記憶されてもよい。アプリケーション注目インジケータの識別子は、パケット・フィルタ識別子の識別子の間で一意的である。いくつかの実施形態では、アプリケーション注目インジケータへの識別子は、アプリケーション・トラフィック・データ401に関連付けられたパケットが注目されているか注目されていないかをパケット・フィルタ402に通知するインジケータへのポインタのようなものである。いくつかの実施形態では、その基準およびアプリケーション型識別子に関連付けられた値に基づいて、ネットワーク・トラフィック輻輳を管理するために、トラフィック・データがパケット・フィルタ402およびEPSベアラーを介して管理される。
ブロック704では、ネットワークが、UE 101の構成に基づいて、ULにおけるトラフィック・フローが注目されているか否かを判定する。ブロック705では、UE 101はネットワークにより、もしあれば輻輳を通知され、それによりUE 101はトラフィック・フローの優先順位付けのし直しを考えることができる。ブロック706では、UE 101は通知に従ってトラフィック・フローに優先順位付けする。ブロック707では、いくつかの実施形態では、ネットワークはまた、UE間で、また一つのUE(たとえばUE 101)内でもトラフィック・フローを優先順位付けする。
図8は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、パケットが注目または非注目として識別されることに応じてトラフィックを管理するためのフローチャートを示している。図8を参照したフローチャートにおけるブロックは特定の順序で示されているが、工程の順序は修正することができる。こうして、図示した実施形態は異なる順序で実行されることができ、いくつかの工程/ブロックが並列に実行されてもよい。図8に挙げられたブロックおよび/または動作のいくつかは、ある種の実施形態によれば任意的である。呈示されているブロックの番号付けは明確のためであり、さまざまなブロックが行なわれなければならない動作の順序を規定することは意図されていない。さらに、さまざまなフローからの動作が多様な組み合わせにおいて利用されてもよい。
ブロック801では、UE 101は、注目インジケータをもってUL送信のためにパケット・フィルタ402を構成する。ブロック802では、UE 101は、テーブル200およびテーブル300を参照して述べたようなパケット・フィルタ識別子のリザーブされたセクション(単数または複数)201/301において定義された注目インジケータに従って、トラフィック401を適切なパケット・フィルタ402にマッピングする。ベアラー構成に依存して、上りリンクおよび下りリンクについて異なる機能が実行される。ブロック803では、一つのEPSおよびTFTがあるかどうかの判定がなされる。
システムが単一のEPSベアラーおよびTFTをもつと判定される場合、ブロック804において、上りリンク送信のために、UE 101は、注目されているトラフィック・フローにおける注目されているパケットを優先する。一つのEPSおよび一つのTFTでは、いくつかの実施形態では、各IPアドレス/ポート番号が注目または非注目にマッピングされるが、両方にはマッピングされ得ない。ULでは、いくつかの実施形態では、輻輳時にネットワークによって提供される情報に基づいて、UE 101は、TFT 403への(注目されているトラフィック・フローにおける)注目されているパケット401を優先する。
DLでは、ブロック805を参照して示されるように、パケットをフィルタリングすることを受け持つエンティティ(たとえばPGW 104だが他のどこかにあってもよい)が、ULトラフィック・フローのパケット・フィルタを、DLトラフィック・フローのパケット・フィルタとバインドする(たとえば、ULにおけるIPアドレスおよびポート番号を読み、それらをDLパケット・フィルタにマッピングすることによる)。いくつかの実施形態では、関連付けられたULにおいて注目されている、DLトラフィック・フローに属するパケットも、注目されていると考えられる。いくつかの実施形態では、ネットワークは、それらの注目されているパケットを、注目されていないパケットより上に優先付ける。
システムが複数のEPSベアラーをもつと判定される場合には、上りリンク送信のためのブロック806において、UE 101は、注目されているパケット・フローおよび注目されていないパケット・フローについて異なるEPSベアラーを選択する。複数のEPSベアラーがあると、いくつかの実施形態では、所与のIPアドレス/ポート番号が注目または非注目のいずれかにマッピングされ、UE 101はどちらを使うかを選ぶことができる。いくつかの実施形態では、ULでは、UE 101は二つのEPSベアラーから選ぶことができる――一方は注目、他方は非注目である。いくつかの実施形態では、所与の各時点における各アプリケーションについて、UE 101はEPSベアラーの一つを使うために選ぶ。いくつかの実施形態では、UE 101は、両方のEPSベアラーを同時に使ってもよい。いくつかの実施形態では、UE 101は、輻輳があるときに各EPSベアラーに異なる優先度を与える。いくつかの実施形態では、UE 101は、注目されているトラフィック・フローにおける注目されているパケットを優先し、それらのパケットを注目EPSベアラーにマッピングする。
DLでは、ブロック807を参照して記載されるように、パケットをフィルタリングすることを受け持つエンティティ(たとえばPGW 104)が、(UL分類に基づいて)注目UL EPSベアラーにおいて送られたパケットをDLに関連付ける。この関連付けは、ネットワークが、注目されているパケットを注目されていないパケットより上に優先付けることを許容する。
図9は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、パケットが注目または非注目として識別されることに応じてトラフィックを管理できる装置をもつUE 1600を示す図である。図9のうち他のいずれかの図の要素と同じ参照符号(または名称)をもつ要素は記述されているものと同様の任意の仕方で動作または機能することができるが、そのように限定されるものではないことを指摘しておく。
UE 1600は、本開示のいくつかの実施形態に基づいて、パケットが注目されているまたは注目されていないとして識別されることに応じてトラフィックを管理できるスマート装置またはコンピュータ・システムまたはSoCであってもよい。図9は、平坦面インターフェース・コネクターが使用できるモバイル装置の実施形態のブロック図を示している。ある実施形態では、コンピューティング装置1600は、コンピューティング・タブレット、携帯電話またはスマートフォン、無線対応電子書籍リーダーまたは他の無線モバイル装置のようなモバイル・コンピューティング装置を表わす。ある種のコンポーネントは概括的に示されており、そのような装置のすべてのコンポーネントがコンピューティング装置1600において示されてはいないことは理解されるであろう。
ある実施形態では、コンピューティング装置1600は、本開示のいくつかの実施形態に基づいて、パケットが注目されているまたは注目されていないとして識別されることに応じてトラフィックを管理する機能をもつ第一のプロセッサ1610を含む。コンピューティング装置1600の他のブロックが、いくつかの実施形態の、パケットが注目されているまたは注目されていないとして識別されることに応じてトラフィックを管理できる上記装置を含んでいてもよい。本開示のさまざまな実施形態は、システム実施形態が無線装置、たとえば携帯電話または携帯情報端末に組み込まれうるよう、無線インターフェースのような1670内のネットワーク・インターフェースをも有していてもよい。
ある実施形態では、プロセッサ1610(および/またはプロセッサ1690)は、マイクロプロセッサ、アプリケーション・プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム可能な論理デバイスまたは他の処理手段といった、一つまたは複数の物理的な装置を含むことができる。プロセッサ1610によって実行される処理動作は、アプリケーションおよび/または装置機能が実行されるオペレーティング・プラットフォームまたはオペレーティング・システムの実行を含む。処理動作は、人間のユーザーまたは他の装置とのI/O(入出力)に関係した動作、電源管理に関係した動作および/またはコンピューティング装置1600を別の装置に接続することに関係した動作を含む。処理動作は、オーディオI/Oおよび/またはディスプレイI/Oに関係した動作をも含んでいてもよい。
ある実施形態では、コンピューティング装置1600は、該コンピューティング装置にオーディオ機能を与えることに関連するハードウェア(たとえばオーディオ・ハードウェアおよびオーディオ回路)およびソフトウェア(たとえばドライバ、コーデック)・コンポーネントを表わすオーディオ・サブシステム1620を含む。オーディオ機能は、スピーカーおよび/またはヘッドフォン出力ならびにマイクロフォン入力を含むことができる。そのような機能のための装置は、コンピューティング装置1600に統合されるまたはコンピューティング装置1600に接続されることができる。ある実施形態では、ユーザーは、プロセッサ1610によって受領され、処理されるオーディオ・コマンドを提供することによって、コンピューティング装置1600と対話する。
表示サブシステム1630は、ユーザーがコンピューティング装置1600と対話するための視覚的および/または触覚ディスプレイを提供するハードウェア(たとえば表示装置)およびソフトウェア(たとえばドライバ)・コンポーネントを表わす。表示サブシステム1630は、ユーザーに対して表示を提供するために使われる特定の画面またはハードウェア・デバイスを含むディスプレイ・インターフェース1632を含む。ある実施形態では、ディスプレイ・インターフェース1632は、表示に関係した少なくとも一部の処理を実行するための、プロセッサ1610とは別個の論理を含む。ある実施形態では、表示サブシステム1630は、ユーザーに対して出力および入力の両方を提供するタッチスクリーン(またはタッチパッド)デバイスを含む。
I/Oコントローラ1640は、ユーザーとの対話に関係したハードウェア装置およびソフトウェア・コンポーネントを表わす。I/Oコントローラ1640は、オーディオ・サブシステム1620および/またはディスプレイ・サブシステム1630の一部であるハードウェアを管理するよう動作できる。さらに、I/Oコントローラ1640は、ユーザーがシステムと対話するために使用しうる、コンピューティング装置1600に接続する追加的な装置のための接続点を示している。たとえば、コンピューティング装置1600に取り付けることのできる装置は、マイクロフォン装置、スピーカーまたはステレオ・システム、ビデオ・システムまたは他の表示装置、キーボードまたはキーパッド装置または、カード・リーダーもしくは他の装置といった特定のアプリケーションと一緒に使うための他のI/O装置を含みうる。
上述したように、I/Oコントローラ1640は、オーディオ・サブシステム1620および/または表示サブシステム1630と対話できる。たとえば、マイクロフォンまたは他のオーディオ装置を通じた入力が、コンピューティング装置1600の一つまたは複数のアプリケーションまたは機能のための入力またはコマンドを提供できる。さらに、オーディオ出力は、表示出力の代わりに、あるいは表示出力に加えて、与えられることができる。もう一つの例では、表示サブシステム1630がタッチスクリーンを含む場合、表示装置は入力装置としても作用し、少なくとも部分的にはI/Oコントローラ1640によって管理されることができる。I/Oコントローラ1640によって管理されるI/O機能を提供するために、コンピューティング装置1600上に追加的なボタンまたはスイッチがあってもよい。
ある実施形態では、I/Oコントローラ1640は、加速度計、カメラ、光センサーまたは他の環境センサーといった装置またはコンピューティング装置1600に含めることのできる他のハードウェアを管理する。入力は、直接的なユーザー対話の一部であることができ、システムの動作に影響するためのシステムへの環境入力(たとえば、ノイズについてのフィルタリング、明るさ検出のための表示の調整、カメラについてのフラッシュの適用または他の機能)を与えることができる。
ある実施形態では、コンピューティング装置1600は、バッテリー電力使用、バッテリーの充電および電力節約動作に関係した特徴を管理する電力管理1650を含む。メモリ・サブシステム1660は、コンピューティング装置1600内で情報を記憶するためのメモリ装置を含む。メモリは、不揮発性(メモリ装置への電力が中断されても状態が変わらない)および/または揮発性(メモリ装置への電力が中断されたら状態が不定になる)メモリ装置を含むことができる。メモリ・サブシステム1660はアプリケーション・データ、ユーザー・データ、音楽、写真、文書または他のデータならびにコンピューティング装置1600のアプリケーションおよび機能に関係した(長期的または一時的な)システム・データを記憶できる。
実施形態の要素は、コンピュータ実行可能命令(たとえば本稿で論じた他の任意のプロセスを実装するための命令)を記憶するための機械可読媒体(たとえばメモリ1660)としても提供される。機械可読媒体(たとえばメモリ1660)は、フラッシュメモリ、光ディスク、CD-ROM、DVD ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気もしくは光学式カード、相変化メモリ(PCM)または電子的もしくはコンピュータ実行可能な命令を記憶するのに好適な他の型の機械可読媒体を含みうるが、それに限定されない。たとえば、本開示の実施形態は、リモート・コンピュータ(たとえばサーバー)から要求元のコンピュータ(たとえばクライアント)に通信リンク(たとえばモデムまたはネットワーク接続)を介してデータ信号によって転送されうるコンピュータ・プログラム(たとえばBIOS)としてダウンロードされてもよい。
接続性1670は、コンピューティング装置1600が外部装置と通信できるようにするハードウェア装置(たとえば無線および/または有線コネクタおよび通信ハードウェア)およびソフトウェア・コンポーネント(たとえばドライバ、プロトコル・スタック)を含む。コンピューティング装置1600は、他のコンピューティング装置、無線アクセスポイントまたは基地局ならびにヘッドセット、プリンタもしくは他の装置といった周辺機器のような、別個の装置であることができる。
接続性1670は、複数の異なる型の接続性を含むことができる。一般化すると、コンピューティング装置1600はセルラー接続性1672および無線〔ワイヤレス〕接続性1674をもって示されている。セルラー接続性1672は一般に、GSM(登録商標)(グローバル移動体通信システム)もしくは変形もしくは派生物、CDMA(符号分割多重アクセス)もしくは変形もしくは派生物、TDM(時分割多重)もしくは変形もしくは派生物または他のセルラー・サービス規格を介して提供されるような無線キャリアーによって提供されるセルラー・ネットワーク接続性を指す。無線接続性(または無線インターフェース)1674は、セルラーでない無線接続性を指し、パーソナル・エリア・ネットワーク(ブルートゥース(登録商標)、近接場など)、ローカル・エリア・ネットワーク(Wi-Fiなど)および/または広域ネットワーク(WiMaxなど)または他の無線通信を含むことができる。
周辺接続1680は、周辺接続をするためのハードウェア・インターフェースおよびコネクタならびにソフトウェア・コンポーネント(たとえばドライバ、プロトコル・スタック)を含む。コンピューティング装置1600は、他のコンピューティング装置への周辺装置(「他へ」1682)であるとともに、自らに接続された周辺装置(「他から」1684)をもつことができることは理解されるであろう。コンピューティング装置1600は、コンピューティング装置1600上のコンテンツを管理する(たとえばダウンロードおよび/またはアップロードする、変更する、同期する)といった目的のために他のコンピューティング装置に接続するための「ドッキング」コネクタをもつことがよくある。さらに、ドッキング・コネクタは、コンピューティング装置1600がたとえばオーディオビジュアルまたは他のシステムへのコンテンツ出力を制御できるようにするある種の周辺機器にコンピューティング装置1600が接続することを許容できる。
独自のドッキング・コネクタまたは他の独自の接続ハードウェアに加えて、コンピューティング装置1600は、共通のまたは標準ベースのコネクタを介して周辺接続1680をすることができる。一般的な型はユニバーサル・シリアル・バス(USB)コネクタ(これはいくつかの異なるハードウェア・インターフェースの任意のものを含みうる)、ミニディスプレイポート(MDP: MiniDisplayPort)を含むディスプレイポート(DisplayPort)、高精細度マルチメディア・インターフェース(HDMI(登録商標))、ファイアワイヤまたは他の型を含む。
本明細書における「ある実施形態」「一つの実施形態」「いくつかの実施形態」または「他の実施形態」といった言及は、それらの実施形態との関連で記載される特定の特徴、構造または特性が少なくともいくつかの実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態に含まれるのではないことを意味する。「ある実施形態」「一つの実施形態」または「いくつかの実施形態」のさまざまな出現は必ずしもみなが同じ実施形態を指しているのではない。明細書がコンポーネント、特徴、構造または特性が「含まれていてもよい」「含まれうる」または「含まれることができる」と述べる場合、その特定のコンポーネント、特徴、構造または特性が含められることは必須ではない。明細書が単数の要素に言及する場合、それは当該要素が一つだけあることを意味するのではない。明細書が「追加的な」要素に言及する場合、それは当該追加的な要素が二つ以上あることを妨げない。
さらに、上記の特定の特徴、構造、機能または特性は、一つまたは複数の実施形態において任意の好適な仕方で組み合わされうる。たとえば、ある第一の実施形態は、ある第二の実施形態と、それら二つの実施形態に関連付けられた特定の特徴、構造、機能または特性が互いに排他的でない任意のところで組み合わされうる。
本開示はその特定の実施形態との関連で記述されてきたが、上記の記述に照らして、そのような実施形態の多くの代替、修正および変形が当業者には明白となるであろう。たとえば、他のメモリ・アーキテクチャ、たとえば動的RAM(DRAM)が、論じられている実施形態を使ってもよい。本開示の実施形態は、付属の請求項の広い範囲内にはいるすべてのそのような代替、修正および変形を包含することが意図されている。
さらに、集積回路(IC)チップおよび他のコンポーネントへのよく知られた電力/接地接続は、図示および議論の簡単のため、また本開示を埋没させないよう、呈示される図面に示されることも示されないこともありうる。さらに、構成はブロック図の形で示されることがあるが、これは本開示を埋没させないためであるとともに、そのようなブロック図構成の実装に関連する個別的詳細が本開示が実装されるプラットフォームに大きく依存する(すなわち、そのような個別的詳細は当業者の活動の範囲内である)という事実に鑑みてのことでもある。本開示の例示的実施形態を記述するために個別的詳細(たとえば回路)が記載されているが、本開示はそうした個別的詳細なしでも、あるいはそうした個別的詳細の変形を用いてでも、実施できることは当業者には明白なはずである。このように、本記述は、限定ではなく例解するものと見なされるものである。
以下の例は、さらなる実施形態に関する。これらの例における個別的詳細は、一つまたは複数の実施形態のどこでも使われなくてもよい。本稿に記載される装置のすべての任意的な特徴は、方法またはプロセスに関して実装されてもよい。
たとえば、UEであって:ネットワークを通じてeNBに、一つまたは複数のアプリケーションからのパケットを有するトラフィックを送信するための送信機と;上りリンク送信のために一つまたは複数のパケット・フィルタを、インジケータをもって構成するための論理であって、前記インジケータは、前記一つまたは複数のアプリケーションが注目されているか注目されていないかを同定するものであり、EPSベアラーの少なくとも一つがTFTをもって構成され、前記TFTは前記一つまたは複数のパケット・フィルタを含む、論理とを有する、UEが提供される。いくつかの実施形態では、前記UEは、前記トラフィックを前記インジケータに応じて前記パケット・フィルタにマッピングするための論理をさらに有する。いくつかの実施形態では、前記UEは、注目されている一つまたは複数のアプリケーションからの上りリンク・パケットを、注目されていない一つまたは複数のアプリケーションからの上りリンク・パケットより上に優先順位付けるよう動作可能な論理をさらに有する。
いくつかの実施形態では、前記UEは、パケットを、前記インジケータに応じて、前記一つまたは複数のパケット・フィルタのうちからのパケット・フィルタにバインドするための論理をさらに有する。いくつかの実施形態では、前記UEは、前記一つまたは複数の注目されているアプリケーションからのパケットについてのEPSベアラーが前記注目されていない一つまたは複数のアプリケーションからのパケットについてのEPSベアラーより高い優先度をもつよう、少なくとも二つのEPSベアラーからの少なくとも一つのEPSベアラーに優先度を割り当てる論理をさらに有する。いくつかの実施形態では、前記送信機は、前記インジケータの値を定期的にまたは要求に際して前記ネットワークに送信するよう動作可能である。
いくつかの実施形態では、前記インジケータは、複数のパケット・フィルタ型識別子のリザーブされた識別子である。いくつかの実施形態では、前記UEは、前記複数のパケット・フィルタ型識別子の前記リザーブされた識別子を構成するための論理をさらに有する。いくつかの実施形態では、前記インジケータはRRCメッセージまたはMACヘッダの一部である。
もう一つの例では、eNBであって:ネットワークを通じてUEから、一つまたは複数のアプリケーションからのパケットを有するトラフィックを受信するための受信機と;上りリンク・トラフィック・フローの一つまたは複数のパケット・フィルタのうちからのパケット・フィルタを、下りリンク・トラフィック・フローにおけるパケット・フィルタとバインドするための論理であって、EPSベアラーの少なくとも一つがTFTをもって構成され、前記TFTは前記一つまたは複数のパケット・フィルタを含む、論理と;前記下りリンク・トラフィック・フローについて前記一つまたは複数のアプリケーションを、前記上りリンク・トラフィック・フローのバインドされたパケット・フィルタの構成に従って、注目されているまたは注目されていないとして分類するための倫理とを有する、eNBが提供される。
いくつかの実施形態では、前記eNBは、前記UEに輻輳を通知するための倫理をさらに有しており、前記UEは前記通知に応答して前記上りリンク・トラフィック・フローを優先順位付けする。いくつかの実施形態では、前記バインドされたパケット・フィルタの前記構成は、前記バインドされたパケット・フィルタが、前記一つまたは複数のアプリケーションが注目されているまたは注目されていないのどちらとして分類されていることに応じてパケットをフィルタリングするものであるかを示す。いくつかの実施形態では、前記eNBは、注目されている一つまたは複数のアプリケーションからの下りリンクの注目されているパケットを、注目されていない一つまたは複数のアプリケーションからの下りリンク・パケットより上に優先順位付ける論理をさらに有する。いくつかの実施形態では、前記パケット・フィルタをバインドするための論理が、上りリンク・パケット・フィルタにおけるIPアドレスを、下りリンク・パケット・フィルタにおけるIPアドレスと比較する。
もう一つの例では、PGWであって:上りリンク・トラフィック・フローのパケット・フィルタを、下りリンク・トラフィック・フローにおけるパケット・フィルタとバインドするための論理と;下りリンク・トラフィックのためのパケットを、前記下りリンク・トラフィック・フローについて注目されているまたは注目されていないとしてラベル付けすることを、それぞれ前記上りリンク・トラフィック・フローの関連付けられたパケット・フィルタが注目されているまたは注目されていないとして識別されるときに行なう論理とを有する、PGWが提供される。いくつかの実施形態では、前記パケット・フィルタをバインドするための論理は、上りリンク・パケット・フィルタにおけるIPアドレスを、下りリンク・パケット・フィルタにおけるIPアドレスと比較する。いくつかの実施形態では、eNBが、下りリンク・パケット・スケジューリングを実行するために前記ラベルを適用する。いくつかの実施形態では、eNBがUEに輻輳を通知し、前記UEは前記通知に応答して前記上りリンク・トラフィック・フローを優先順位付けする。
もう一つの例では、EPSベアラーの少なくとも一つに関連付けられたTFTを構成する段階であって、前記TFTは一つまたは複数のパケット・フィルタを含む、段階と;上りリンク送信のために前記一つまたは複数のパケット・フィルタを、一つまたは複数のアプリケーションが注目されているか注目されていないかを同定するインジケータをもって構成する段階と;前記一つまたは複数のアプリケーションからのパケットを前記インジケータに応じて前記一つまたは複数のパケット・フィルタのうちからのあるパケット・フィルタにマッピングする段階とを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記インジケータの値を定期的にまたは要求に際して送信し、該値を前記ネットワークに送信する段階を含む。
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記インジケータを、複数のパケット・フィルタ型識別子のリザーブされた識別子として構成する段階を含む。いくつかの実施形態では、前記インジケータはRRCメッセージまたはMACヘッダの一部である。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記インジケータが前記関連付けられたアプリケーションが注目されていると同定するときに上りリンク送信のための前記パケットを優先順位付けることを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、注目されているアプリケーションについてのEPSベアラーが注目されていないアプリケーションについてのEPSベアラーより高い優先度をもつよう、少なくとも二つのEPSベアラーからの少なくとも一つのEPSベアラーに優先度を割り当てる段階をさらに含む。
もう一つの例では、実行されたときに、一つまたは複数のプロセッサに、上記の方法に基づく方法を実行させる機械実行可能命令を有する機械可読記憶媒体が提供される。
もう一つの例では、EPSベアラーの少なくとも一つに関連付けられたTFTを構成する手段であって、前記TFTは一つまたは複数のパケット・フィルタを含む、手段と;上りリンク送信のために前記一つまたは複数のパケット・フィルタを、一つまたは複数のアプリケーションが注目されているか注目されていないかを同定するインジケータをもって構成する手段と;前記一つまたは複数のアプリケーションからのパケットを前記インジケータに応じて前記一つまたは複数のパケット・フィルタのうちからのあるパケット・フィルタにマッピングする手段とを有する、UEが提供される。
いくつかの実施形態では、前記UEは、前記インジケータの値を定期的にまたは要求に際して送信し、該値を前記ネットワークに送信する手段を有する。いくつかの実施形態では、前記UEは、前記インジケータを、複数のパケット・フィルタ型識別子のリザーブされた識別子として構成する手段を有する。いくつかの実施形態では、前記インジケータはRRCメッセージまたはMACヘッダの一部である。いくつかの実施形態では、前記UEは、前記インジケータが前記関連付けられたアプリケーションが注目されていると同定するときに上りリンク送信のための前記パケットを優先順位付ける手段を有する。いくつかの実施形態では、注目されているアプリケーションについてのEPSベアラーが注目されていないアプリケーションについてのEPSベアラーより高い優先度をもつよう、少なくとも二つのEPSベアラーからの少なくとも一つのEPSベアラーに優先度を割り当てる手段をさらに含む。
読者が技術的な開示の性質および要旨を見きわめることを許容する要約書が提供されている。要約書は、請求項の範囲または意味を限定するために使われないという理解のもとに提出されている。請求項はここに、詳細な説明に組み込まれ、各請求項がそれ自身として別個の実施形態をなす。