JP2017503332A - 気体原子の光イオン化の共鳴増強 - Google Patents

気体原子の光イオン化の共鳴増強 Download PDF

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Abstract

高いパフォーマンスの光イオン化サブシステムを用いることのためのシステム及び方法が、開示されている。本開示の実施形態は、電場の気体原子のイオン化共鳴状態を選択的に励起する狭い帯域幅のレーザ照射を、採用する。当該サブシステム及び方法は、気体原子を光イオン化することによって、イオンを生成するイオンソースに組み込まれ得、結果的に得られるイオンは、高い輝度のイオンビームを効果的に生成するために、採用され得る。

Description

本出願は、2014年1月20日出願の米国特許仮出願第61/929,348号発明の名称「RESONANT ENHANCEMENT OF PHOTOIONIZATION OF GASEOUS ATOMS IN CHARGED PARTICLE SOURCES」の優先権を主張し、該出願は、その全体として参照の上、本明細書に組み込まれている。
(集合的に、本請求書にて、PIGIS(photoionized gas ion source(光イオン化された気体イオンソース))として参照される)光イオン化された気体からイオンを生成する近年の先進のイオンソースは、別のイオンソースと比較して、優れた明るさ及び減少されたエネルギ分散イオンビームを提供する潜在能力を有する。これらのチャージされた素粒子ソースは、特に集束イオンビーム機器のパフォーマンスを改善する際に有益な利用例を見出し得る。PIGISは、チャージされた素粒子のソースを生成するための気体原子のイオン化の使用によって特徴付けられ、イオンと電子のペアを形成するために気体原子をイオン化する一つ又はそれ以上のレーザ照射のビームを有する光イオン化サブシステムを組み込む。イオンと電子の両方のビームは、定電場を、チャージされた素粒子が生成される空間の領域に印加することによって、生成され得る。そのようなサブシステムを構成すること及び印加することのための光イオン化のサブシステム及び方法は、光イオン化プロセスとして、本明細書にて参照される。
光イオン化プロセスは、PIGISのパフォーマンスに対して決定的である。集束イオンビームの利用例のためのPIGISの実用性は、仮にその光イオン化プロセスが、(1)高いイオン化効率を達成し、(2)低いクロマチックエネルギ分散によりビームに形成され得るイオンを生成し、(3)イオンが生成される冷却中性原子の一群の横方向速度と実質的に類似であるそれらの(ビームの軸に対する)横方向速度における差異を有するイオンを生成し、及び(4)別のイオンに極めて近接する一つ以上のイオンの生成を制限する、ものであれば、高められ得る。
Knuffman, et al,「Nanoscale focused ion beam from laser−cooled lithium atoms」,New J.Phys. 13 103035,2011 Reijnders,et al,「Low−Energy−Spread Ion Bunches from a Trapped Atomic Gas」,Phys.Rev.Lett.102 034802,2009 Gallagher,「Rydberg Atoms」,Cambridge University Press,1994 Littman,et al,「Field−Ionization Processes in Excited Atoms」,Phys.Rev.Lett.41,103,1978 Vogt,et al,「Electric−Field Induced Dipole Blockade with Rydberg Atoms」Phys.Rev.Lett.99 073002,2007
不幸なことに、従来の光イオン化システムは、前記の基準に十分に適合するようには設計されていない。従来の光イオン化システムは、electric field−free ionization potential(電気的フィールドフリーイオン化ポテンシャル)(FFIP)と実質的に等しい光子エネルギを伴うレーザを採用し得、光イオン化スペクトルにおける共鳴構造を励起するように構成されていない。従来のPIGISは、非特許文献1及び非特許文献2において説明される。
本開示は、光イオン化スペクトルにおける共鳴を用いて、PIGISでの光イオン化を最適化するためのシステム及び方法を提供することによって、技術的な欠陥に対処する。本開示のある実施形態によると、PIGISにおいてイオンを生成するためにシステムに統合される光イオン化サブシステムが、提供される。当該実施形態において、光イオン化サブシステムは、大きさ及び方向を有する実質的に制御可能な電場を生成するように構成された複数の電極を含む。当該実施形態において、光イオン化サブシステムは、印加される電場において光イオン化共鳴を有する原子集団も含む。当該実施形態において、光イオン化サブシステムは、一つ又はそれ以上のレーザ照射のビームも含み、レーザ照射のビームは、前記原子の少なくとも一部に適用され、レーザ照射のビームは、結果としてイオンを生成する光イオン化共鳴を用いて、レーザ照射が適用される原子の少なくとも一部をイオン化するように構成される。当該実施形態において、電場は、生成されたイオンを加速し、これによりイオンのビームを形成するように構成されてもよい。当該実施形態において、光イオン化サブシステムは少なくとも、原子集団、電極の少なくとも一部、原子と重なり合うレーザ照射のビームの一部、及び生成されるイオンのビームを含むように構成された、約10−6ミリバール以下まで低圧されるバキュームチャンバも含む。
本開示の他の実施形態によると、PIGISのためにイオンを生成する、原子を共鳴イオン化する方法が提供される。ある実施形態において、その方法は、空間の領域において方向を有する電場を提供するステップを含む。当該実施形態において、その方法は、前記空間の領域における電場において光イオン化共鳴を有する原子集団を提供するステップも含む。当該実施形態において、その方法は、原子の少なくとも一部に、一つ又はそれ以上のレーザ照射のビームを適用するステップも含む。当該実施形態において、その方法は、結果としてイオンを生成する、光イオン化共鳴を用いて、レーザビームが適用される原子の少なくとも一部をイオン化するステップも含む。ある実施形態において、その方法は、提供される電場の方向にビームを形成するために、イオンを加速するステップを含む。ある実施形態において、その方法は、原子集団、電極の少なくとも一部、原子と重なり合うレーザ照射のビームの一部、及び生成されるイオンのビーム、を少なくとも含むように構成される、約10−6ミリバール以下まで低圧されるバキュームチャンバを提供するステップを含む。
他の特徴及び利点と同様に、これらは、例示的な実施形態の以下の詳細な説明、及び添付図面を説明することから明確になるだろう。
図1は、気体原子の光イオン化の共鳴増強を生成する際に用いるためのシステムを示す。 図2は、共鳴レーザ励起、中性原子ビーム、電場及び結果として得られるイオンを有する光イオン化サブシステムの第1の実施形態を示す。 図3は、光イオン化共鳴のスペクトルを示し、80kV/m付近での様々な電場において、イオン電流をレーザ周波数に対してプロットしている。 図4は、低温にチャージされた素粒子ソース、ビーム形成サブシステム、及びマイクロチャネルプレート測定装置を統合するテストシステムを示す。 図5は、テストシステムにて生成されるビーム電流の対比を示し、共鳴光イオン化プロセスを非共鳴イオン化プロセスと対比する。 (図6として本開示に参照される)図6(A)及び図6(B)は、イオンビーム横方向速度に対する光イオン化プロセスの寄与を示し、図6(A)の非共鳴イオン化プロセスを図6(B)の共鳴イオン化プロセスと対比している。
チャージされた素粒子ソースにおける気体原子の光イオン化の共鳴増強のためのシステム及び方法を説明する。本開示にて用いられるように、「光イオン化された気体イオンソース(PIGIS)」の用語は、集束イオンビームの利用例及びイオン注入を含む連続するイオンビーム形成及び操作のための、気体原子を光イオン化することによるチャージされた素粒子を生成する、イオンのソースを示す。PIGISシステムは、気体原子が光イオン化される光イオン化サブシステムを含む。本開示のある実施形態によると、当該サブシステムは、光イオン化スペクトルの共鳴を用いるために共鳴イオン化のために構成され得、イオン生成及び結果として得られるイオンビームのパフォーマンスの、ある特徴を改善する。
図1を参照すると、共鳴イオン化のために構成される光イオン化サブシステムは、ある気体原子集団100を含み得る。気体原子のソースは、10−6ミリバール(mbar)以下まで低圧されるバキュームチャンバ105の内側に含まれ得る。要求される実際の圧力は、実装に依存し得る。
光イオン化サブシステムは、レーザ照射の一つ又はそれ以上のビーム110を組み込んでもよく、共鳴イオン化のために構成される。レーザ照射のビームは、バキュームチャンバ105の内側に又は外側に部分的に含まれ得る。レーザ照射のビーム110は、光イオン化領域115として規定される領域内で気体原子集団100と交わり得る。光イオン化領域115は、電極120が光イオン化領域115の位置における制御可能な電場125を生成するように、複数の電極120に関連して位置づけられ得る。複数の電極120は、バキュームチャンバ105の内側に又は外側に部分的に含まれ得る。レーザ照射のビーム110は、光イオン化領域115内の原子集団100の一部を共鳴イオン化するように構成され得、イオンの一群130を生成する。電場125は、イオンの一群130を加速することによって、イオンのビーム135を生成し得る。
本開示の第1の実施形態は、図2に示される。長手方向の10m/sの平均速度及び約30μKの横方向温度を伴う中性セシウム原子のビームは、第1のレーザビーム210及び第2のレーザビーム215により、外部から印加される電場205において、光イオン化される。ここで両ビームは集束し、その交差部分はイオン化領域220を形成する。第1のレーザビーム210は、基底状態を第1の励起内部状態とカップリングする852nm付近の強力な内部Cs遷移に同調される。第2のレーザビーム215は、第1の励起内部状態を、特定の状態によって決定される速さで徐々にイオン化する、第2の共鳴励起内部状態とカップリングする、約508nmから532nmの範囲内の特定の波長に同調される。イオン化において、新しく生成されるイオンは、イオンのビーム225を形成する電場205の影響の元で加速される。
原子集団
当該第1の実施形態において、中性セシウム原子のビームは、電極のペアの間の空間の領域へ一つ又はそれ以上の原子の集合体を提供する。当該第1の実施形態において、原子は、レーザ冷却された中性セシウム原子のビームによって提供されるものであり、とはいえ原子は、他の手段によって提供されてもよい。別の方法は、磁気光学トラップによってバックグラウンド蒸気から収集するステップと、又は平行開口部を伴う噴出オーブンによって生成される原子ビームを介して原子を送出するステップと、を含み得る。
当該実施形態において、用いられる元素はセシウムであり、とはいえ、リチウム、ソジウム、ポタシューム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、クロミウム、エルビウム、シルバー、イッテルビウム、マーキュリー、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノンなどの多くの他の元素が用いられてもよく、当該リストは、包括的でない。光イオン化された気体イオンソースは、レーザ冷却するステップを採用し得、及び元素がレーザ冷却され得るそれらの一つであることを要求し得る。しかしながら、本開示に示される方法は、レーザ冷却が要求されないシステムに印加されてもよい。この場合、電場におけるイオン化スペクトルが共鳴を含む任意の元素が、採用され得る。別の実施形態において、電場におけるイオン化スペクトルが共鳴を含む分子種は、原子元素種の代わりに採用され得る。
電場
当該第1の実施形態において、印加される電場は、原子が光イオン化される領域において設定可能な強度の電場を生成するために、印加される調整可能な電圧を有し得る二つの電極によって生成される。一般的に、印加される電圧が電場を生成するために用いられる、電極の数は、二つに限定されない。イオン化が生じる際に、結果的に得られる陽イオンは、イオンビームを形成する電場軸の方向に沿って加速され、システムに関する量を議論することにおいて、(本開示において長手方向と称される)印加される電場の方向に沿って規定されるそれらの量、及び(本開示において横方向と称される)印加される電場に対して直角に規定されるそれらの量について言及することは、重要であり得る。
光イオン化領域
電場における気体原子を光イオン化するために、一つ又はそれ以上のレーザ照射のビームが要求される。レーザのビームは、電極間の空間の領域に提供される原子の少なくとも一部と重なり合う。レーザビームが原子ビームの少なくとも一部と重なり合うボリュームは、光イオン化領域と称される。当該第1の実施形態において、二つのレーザビームが用いられる。レーザ照射のビームの一つの又はそれ以上におけるパワー及び周波数は、時によって可変であり得る。
光イオン化領域は、約10−6mbar以下のバキュームレベルでの封入のまま維持される。封入は、光イオン化される気体原子、レーザ照射のビームの少なくとも一部、及び印加される電場を生成する印加される電圧を伴う電極の少なくとも一部、を含む。
共鳴光イオン化
原子は、特定のエネルギを伴う初期状態の光イオン化サブシステムに入る。レーザ照射のビームの一つ又はそれ以上は、エネルギを、電子を取り除くのに要求される原子に付与し、すなわち、原子を光イオン化する。もし、(後述される)光イオン化共鳴がイオン化プロセスにおいて用いられるならば、それは共鳴イオン化プロセス(RIP)と称されるであろう。もし光イオン化共鳴がイオン化プロセスにおいて用いられないならば、非共鳴イオン化プロセス(nRIP)と称されるであろう。
電場が欠如している際の、初期原子状態のエネルギとイオン化ポテンシャル(電子が原子から解放される際のエネルギ)との間の差異は、フィールドフリーイオン化ポテンシャル(FFIP)であると規定される。
本開示にて言及される光イオン化共鳴は、FFIPより小さいが、いわゆる「鞍点」エネルギより通常大きいエネルギにおいて確認され、イオン化は、名目上は、非特許文献3において説明されるような電場の存在下で、エネルギ的に許容される。
Figure 2017503332
ここで、kは波数における鞍点エネルギであり、kは波数における原子のFFIPであり、Rはリュードベリ定数であり、及びEは(原子単位における)光イオン化領域における電場である。鞍点エネルギよりも低いエネルギでの共鳴イオン化は、もし対応するイオン化の速さが十分に高いならば、低いクロマチックエネルギ分散と題された段落において説明されているように、採用され得る。
図3におけるイオン化スペクトルは、様々な印加される電場強度に関する(508nmと532nmとの間の波長を伴う図2に示される第2のレーザ215の)レーザ周波数に対するイオン電流のプロットを示す。これらのデータは、第1の実施形態を実装する(後述される)テストシステムにおいて取得された。図に明示されるように、所与の印加される電場に対して、光イオン化スペクトルは、複数の共鳴を含み得る。加えて、特定の電場に対して、イオン化スペクトルにおける共鳴は、数及び強度が異なってもよく、種々のレーザ周波数において励起される。これらのスペクトルは、励起可能な光イオン化共鳴の一部のみを示す。光イオン化スペクトルにおける共鳴は、非特許文献4において説明されている。
ビームの利用例においてイオン生成のために使用する特定の共鳴を選択する際には、複数の特性が考えられ得る。これらの特性は、イオン化の速さ、励起横断面、結果的に得られるイオンと電子の横方向の自由度との運動量結合、双極子モーメント、及び共鳴特徴のスペクトル線の幅を含み得る。共鳴の選択のための基準は、テストシステムにおいて成される測定の状況でさらに詳しく以下で説明される。
一般的に、原子の種及び電場の強さは、RIPにおける特定の共鳴を励起するために要求されるレーザのビームの構成を決定する。それぞれの原子の種は、所与の強度の電場において利用可能な一つの注目すべきセットのイオン化共鳴を有し得る。周波数、パワー及びレーザ照射のそれぞれのビームの偏向は、レーザビームが、初期状態から、所与の速さで徐々に連続的にイオン化する利用可能な準束縛励起状態へ、原子の少なくとも一部を励起するべく集団的に、作用するように構成され得る。図3のスペクトルは、イオン化共鳴を励起するのに要求される光エネルギが、印加される電場の強度に依存し得ることを示す。これは、制御可能な強度を伴う電場が、イオン化状態のエネルギを、レーザ照射によって供給される光エネルギを伴う共鳴へ、実質的にシフトするように同調され得ることを暗示する。
第1に、レーザのビームの周波数は、初期状態からイオン化状態に単独の原子を移動する際に、レーザ照射のビームによって供給される光エネルギが、初期状態とイオン化状態との間のエネルギにおける差異と実質的に等しいように、選択され又は同調され得る。一方で、電場は、イオン化状態を、レーザ照射のビームによって供給される光エネルギを伴う共鳴へ、実質的に移動させるように同調されてもよい。
第2に、励起の帯域幅は、近接する共鳴特徴間のエネルギ準位間隔を実質的に超過すべきではない。励起の帯域幅が近接する特徴の間隔よりも実質的に小さいとき、それらの共鳴特徴は、光イオン化スペクトルにおいて明確に決定され得る。もし、励起の帯域幅が共鳴間の間隔よりも著しく大きいならば、個別の共鳴は、光イオン化スペクトルにおいて決定され得ない。一般的なシステムにおける励起の帯域幅に作用し得る要因のリストは、印加されるレーザライトへの固有の原子の応答、印加されるレーザライトの周波数スペクトル、及び印加されるレーザライトの強度を含む。いくつかの場合において、二つの共鳴特徴の間隔は、図3にて、300及び305とラベルが付された箇所の付近に示されるように、実質的にゼロとなる傾向がある。これらの複合の特徴は、310及び315とラベルを付された近接する特徴から個々に決定され、それゆえに、帯域幅の条件に対する例外を構成しない。本開示の実施形態において、RIPは、そのスペクトルにおける他の近接する特徴から決定される複合の特徴を採用し得る。
第3に、レーザのビームの偏向は、特定のイオン化共鳴の強度を変調するように選択され得る。偏向の特定の選択は、等価の原子集団を励起するように、レーザのビームにおけるより多くの又はより少ないレーザの強度を要求し得る。ある場合には、偏向の選択は、特定のイオン化共鳴の励起を、実質的に阻害し又は実質的に取り除き得る。
第1の実施形態のRIPにおいて、第1のレーザビームは、初期状態6S1/2のセシウム原子を、第2の束縛内部状態6P3/2に結合し、レーザ照射の第1のビームは、6P3/2状態と6S1/2状態との間のエネルギ差異と実質的に等しい光子エネルギを有する。第2のレーザはその後に、第2の束縛内部6P3/2状態を、イオン化状態に結合し、レーザ照射の第2のビームは、イオン化状態と6P3/2状態との間のエネルギ差異と実質的に等しい光子エネルギを有する。レーザ照射の第2のビームの光子エネルギを加えた、レーザ照射の第1のビームの光子エネルギは、イオン化状態と初期6S1/2状態との間のエネルギ差異と等しい。励起において採用されるレーザ照射のビームの周波数及び強度は、時によって変化しない。それぞれは、2MHzより低い固有の帯域幅を有する。レーザ強度は、どちらか一方の遷移において拡大する過度のパワーの原因となる総量よりも低くなるように構成される。イオン化スペクトルにおける共鳴は、6P3/2状態をイオン化状態に結合するレーザ照射のビームの光子エネルギを強めることによって、決定され得る。よって第1の実施形態では、レーザ照射のビームは、イオン化共鳴を用いて原子をイオン化するように構成される。
一般的に、レーザビームは、所与の電場及び原子の種のための多くの手段にてイオン化共鳴を励起するように構成され得る。その構成は前段落にて説明した第1の実施形態に限定されるものではない。第1のレーザビームの離調とは符号が逆であるが、第2のレーザビームが、大きさにおいて等しい総量によって調整される光子エネルギを有するならば、第1の実施形態に代わるものとして、第1のレーザビームは、6P3/2状態と6S1/2状態との間の差異からのエネルギにおける実質的な離調を有する光子エネルギを伴うように構成され得る。この場合、レーザ照射のビームによって供給される総光子エネルギは、実質的に初期状態のエネルギとイオン化共鳴のエネルギとの間の差異に等しく、その構成はイオン化共鳴を用いて原子をイオン化し得る。
当技術分野において知られるレーザ周波数の安定化の技術は、本開示において説明する発明の実施形態において採用され得る。
実施例の説明
テストシステムは、第1の実施形態の実用性を明示するように構成された。当該システムは、前述のRIPの第1の実施形態を含むPIGISを組み込む。システムは、ビーム形成システム及びマイクロチャンネルプレートも含む。マイクロチャンネルプレートは、生成されるイオンビームの時空特性の測定を提供する。チャージされた素粒子ソースの特性は、これらの測定によって推定され得、それによってPIGISの実用性がRIPによってどのように向上されるかを示す。
テストシステムは、発明の背景において列挙された4つの利点を明示するように構成された。これらは、向上したイオン化効率の実現、低いクロマチックエネルギ発散ビームの形成、並びに低い横方向温度イオンと電子の生成を含む。近接する素粒子の励起を抑制することの実現可能性を示すデータも収集された。
テストシステムの説明
PIGISテストシステムは、本開示に説明される。PIGISは、RIPとnRIPのいずれかを使用して、イオン又は電子を生成する。PIGISテストシステムを示す図4を参照すると、図にて表現される部品は、対称軸400に対して実質的に対称である。第1の電極410と第2の電極415との間のイオン化ボリューム405において生成されるチャージされた素粒子は、電場によって加速され、第2の電極415における開口を通り抜けるビーム420を形成する。ビーム420は、更なる加速又は減速を生じ得る抵抗加速チューブ425を通って進む。ビーム420がチューブを出る際は、ビーム420は、シールドチューブ430を通り抜け、マイクロチャンネルプレート(MCP)435及び蛍光スクリーン440のアセンブリに向けられる。MCPは、個々のイオンの到着の正確な時間だけでなく、それに影響するビームの電流密度の測定をすることができる。電流の空間分布の画像445は、蛍光スクリーン440上で視認できる。
イオン化効率の向上
RIPは、効率の良いイオン化のために要求されるレーザパワーの減少を可能にする。当該状況における効率は、光イオン化領域に入る中性原子が高確率でイオン化されることを意味する。RIPの総光子エネルギが初期状態を前述のような準束縛状態に結合するように同調される際に、高効率のイオン化は生じる。特定の共鳴の相対強度は、総光子エネルギが実質的にFFIPに等しいnRIPと比較して、等価のビーム電流を取得するために要求されるレーザビームパワーの比率を比較することによって、取得され得る。RIPの当該属性のテストは、レーザ照射の第2のビームにおけるパワーの関数としてテストシステムによって生成される総ビーム電流を測定することによって実行された。二つのデータの組は、100kV/mの場における強力な共鳴に同調されるRIPの総光子エネルギを伴う一方と、及び同じ場におけるFFIPに同調されるnRIP総光子エネルギを伴う他方とが採用される。図5は、レーザパワーの関数としてテストシステムにおけるアウトプット電流を示す。図5の直線部の比較は、当該共鳴が、総光子エネルギがFFIPに実質的に等しいように代わりに同調する第2のビームにおいて、37倍の更なるパワーを要求するイオン化の速さを達成し得ることを示す。
低いクロマチックエネルギ分散
PIGISによって生成されるイオンビーム及びRIPを励起するように構成されるレーザは、FFIPに同調されるレーザを伴うnRIPを採用することによりPIGISから生成されるイオンビームよりも実質的に大きくないエネルギ分散を有することが見出された。
PIGISの固有のエネルギ分散は、
Figure 2017503332
と表され、ここでΔzは、場Eの方向に沿ってイオンが生成されているボリュームのサイズである。
当該固有のエネルギ分散に加えて、RIPを採用するPIGISシステムにおいて生成されるイオンビームは、励起された原子が、それぞれの励起状態に関連づけられるいくらかの寿命τを有する、指数関数的に減衰する分散によって特徴づけられる可変的時間長でイオンに発展するために生じる、それらのエネルギ分散に対して更に寄与し得る。当該寿命は、クロマチックエネルギ分散を、
Figure 2017503332
の関係に従って、ビームに追加する。ここで、Eは光イオン化領域内の場、νは中性原子ビームの軸流速度、及びτは共鳴状態の寿命である。もしRIPを装備したシステムにより生成されたビームが、nRIPを採用するシステムに対して実質的に類似したエネルギ分散を有することになっているならば、ΔUτはΔUよりも十分に小さく保たれるべきである。
PIGISテストシステムが、RIPのレーザが同調していた特定の共鳴状態の寿命を測定するために用いられた。第1に、第2のレーザ照射のビームは、約50nsでパルスが発せられ、その後、約500μs中断される。イオンがMCPに到達する相対時間が、記録された。励起状態からイオン/電子のペアへの指数関数的な減衰を示すヒストグラムは、多くのそのようなパルスをカウントすることから構築され得る。テストシステム電極での適切な設定電圧に対して、初期イオン位置における不確かさによる飛行時間の変動は、無視できるほどに小さい。当該減衰カーブに対する指数関数的減衰の最良のフィットにより、状態の寿命に関する値が生じる。前に示すイオン化効率データにて用いられる共鳴の寿命は、50nsよりも小さいと見出された。10V/mの典型的な場、数ミクロンの軸方向イオン化長、及び10m/sの軸方向ビーム速度に対して、励起状態の寿命によるエネルギ分散寄与は、イオンビームのクロマチックエネルギ分散にほとんど何も加えない。
ある実施形態において、特定の共鳴特徴は、寿命が実質的にイオンビームのエネルギ分散に寄与しないように、異なる寿命の共鳴特徴の一群から選択され得る。
減少された横方向速度の分散
イオン化プロセスは、電子とイオンが分離する際の電子−イオン反跳を介してイオンビームの横方向温度に影響を与え得る。総光子エネルギがFFIPと同調する、nRIPを用いる同様のシステムと対比すると、光エネルギが特定の共鳴と同調したときに、RIPが減少された横方向温度を伴うイオンを生じることがわかった。RIPを用いることにより達成可能な減少された温度は、PIGISの実用性を向上し得る。
イオンの温度は、光イオン化プロセスによって生成される電子の横方向速度分散の測定から推定され得る。テストシステムは、10V/mの場においてRIPを利用するように構成された。RIPの総光子エネルギは、前述のイオン化効率及びエネルギ分散の試験において用いられる同様の共鳴に同調した。電子速度の当該分布が測定された。これは、光イオン化プロセスによって生じるイオン横方向速度(従って、横方向温度)に対する寄与の演算を可能にする。当該寄与は、以下の運動量保存則を介して見出され得る。
Figure 2017503332
ここで、m及びmは、イオンと電子の質量、並びにνi及びνeは、イオンと電子の速度である。
この特定の共鳴に同調するRIPを採用するPIGISに対して、図6(B)は、光イオン化プロセスが、30μKを上回るイオンの横方向温度を、実質的に増加させないことを示す。これは、光イオン化プロセス(実線)を介して得られるイオン速度に対して推定される寄与の分散の幅の、30μK参照カーブ(点線)の幅との比較から明白である。類似の又はさらに優れたパフォーマンスは、RIPが別の共鳴に同様に同調する際に、達成され得る。
RIPの使用が実質的にPIGISの実用性を向上することは、図6(A)と図6(B)との比較を介して見出され得る。図6(A)において、テストシステムは、総光子エネルギがFFIPに設定されるnRIPを用いるように構成された。図6(A)は、イオン速度への推定される寄与である。この場合においては、たとえ内在する中性原子温度が30μKよりも小さかったとしても、イオン速度は、30μKよりも実質的に大きい。
ある実施形態において、特定の共鳴特徴は、反跳の属性が、原子集団から引き継がれる内在する温度速度分散に関する結果的に得られるイオンビームの横方向速度分散に、実質的に寄与しないように、異なる電子−イオン反跳の性質の共鳴特徴の一群から選択され得る。別の実施形態において、光イオン化プロセスにおいて与えられる反跳は、光エネルギがFFIPに同調するnRIPを採用することよりも低い反跳もあるとはいえ、原子によって引き継がれる速度分散に関するイオンビームの速度分散を増加し得る。当該実施形態において、特定の共鳴特徴が、異なる電子−イオンの反跳属性の共鳴特徴の一群から選択され得る。そのことにより、反跳属性は、FFIPと実質的に等しい光エネルギを付与するようにレーザ照射を同調することによって付与されるよりも実質的に少ない横方向速度分散を結果的に得られるイオンビームに付与することになる。
励起封鎖の実施例
RIPの使用は、nRIPを用いる類似のPIGISと比較して、相互に極めて近接する中で、二つのチャージされた素粒子が生成される可能性を減少する性能を通じて、PIGISの実用性を向上し得る。当該効果は、そのソースにおいてクーロン相互作用に基づく加熱を減少し得、輝度及びPIGISの実用性の向上に導く。
RIPによるいくらかの共鳴を使用することは、PIGISにおける励起封鎖を生成することにより、近接するチャージされた素粒子の生成を抑制することになる。励起封鎖の振る舞いは、一般的に、複数原子のシステムの励起された状態の中で、静電気的多重極相互作用から生じる。様々のタイプの静電気的多重極相互作用又はそれらの組み合わせを採用する複数の実施形態が考えられ得、それらの二つは後述される。
一つの実施形態において、RIPにて励起された電場内のイオン化原子状態は、大きい永久双極子モーメントを示し得る。これらの励起された状態原子は、高輝度PIGISのイオン化ボリュームにおいて見出される原子の間の分離長スケールにおいて、重要な双極子−双極子相互作用エネルギを有し得る。当該相互作用力は、(いずれもがより大きい)原子共鳴のスペクトルの幅、又はレーザ線幅を超過し得る。この場合、二重の励起状態は、レーザ光子エネルギの2倍を伴う共鳴の範囲外であり得、別な方法、例えば、nRIPを用いるPIGIS、でなされるよりも低い確率で励起され得る。
当該技術の実現可能性は、テストシステムにおいて実施される測定によって明示された。封鎖の相対的な強度を推定するために、複数の状態の双極子モーメントの測定が実施された。これは、特定の共鳴のための電場の強さでの小さい変化に対して、最大限に効率的なイオン化のために要求されるRIP総光子エネルギにおける変化を追跡することによってなされた。前記共鳴のスペクトルの幅も測定された。例として、状態は、
Figure 2017503332
のスペクトル幅を伴う双極子モーメント
Figure 2017503332
で特定された。封鎖半径の簡素な推定は、非特許文献5の論文にて説明されるように、
Figure 2017503332
を与える。当該半径は、多重の励起が抑制され得るボリュームを定義する。当該ボリュームは、イオン化ボリュームのサイズよりもわずかに大きいので、多重の同時に起こる励起は、当該共鳴に同調するRIPが採用されるPIGISにおいて抑制される。結果として、加熱及び輝度の減少に至るクーロン効果は、そのようなシステムにおいて緩和され、PIGISの実用性を向上する。
別の実施形態において、イオンからのクーロン場は、原子線又はイオン化レーザの線幅のうちのより大きいものよりも大きい量によって、近接する原子におけるRIPに要求される共鳴周波数をシフトし得、その結果、近接する原子における励起の確率を減少させる。同様にこの場合、お互いの近隣にイオンを生成する確率は減少され、逆加熱効果の減少する結果に成り得る。
ある実施形態において、特定の共鳴特徴は、多重極相互作用属性は、多重の、実質的に同時に発生する励起の確率を実質的に減少するように構成されるように、異なる多重極相互作用性質の共鳴特徴の一群から選択され得る。
前述のことから、本開示の特定の実施形態及びテストシステムは、例示目的のために本明細書にて説明されたが、様々な改良が、本開示の様々な実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく、為され得ることが理解されるであろう。少なくともいくつかの実施形態は、(1)高いイオン化効率を提供し、(2)所望(例えば、低いクロマチックエネルギ分散)によりビームに形成され得るイオンを生成し、(3)イオンが生成される冷却中性原子の一群の横方向速度と実質的に同様である(ビームの軸に対する)横方向速度における差異を有するイオンを生成し、及び/又は(4)別のイオンに極めて近接する一つ以上のイオンの生成を減少又は制限し得る。従って、本開示のある実施形態に関連している様々な利点が、それらの実施形態の事情の中で前述説明されてきたが、他の実施形態もそのような利点を示すこともあり、すべての実施形態が、本開示の範囲に含まれるそのような利点を示すわけではない。本明細書にて開示された様々な形態及び実施形態は、例示目的のためのものであり、限定することを意図しておらず、真の範囲及び精神が以下の請求項によって示される。

Claims (19)

  1. 光イオン化された気体イオンソースに組み込まれる光イオン化サブシステムにおいて、
    (a)大きさ及び方向を有する実質的に制御可能な印加される電場を生成するように構成された複数の電極と、
    (b)印加される電場において光イオン化共鳴を有する原子集団と、
    (c)一つ又はそれ以上のレーザ照射のビームであって、前記原子の少なくとも一部に適用される、ビームと、
    (d)結果としてイオンを生成する光イオン化共鳴を用いて、レーザ照射が適用される原子の少なくとも一部をイオン化するように構成される前記レーザ照射のビームと、
    (e)イオンを加速し、これによりイオンのビームを形成するように構成された前記電場と、及び
    (f)約10−6ミリバール以下まで低圧されるバキュームチャンバであって、前記バキュームチャンバは少なくとも、原子集団、電極の少なくとも一部、前記原子集団と重なり合うレーザ照射のビームの一部、及びイオンのビームを含む、バキュームチャンバと、
    を含み、
    サブシステムによって生成されるイオンビームは、集束イオンビームの利用において用いられ得る、光イオン化された気体イオンソースに組み込まれる光イオン化サブシステム。
  2. 原子集団が、リチウム、ソジウム、ポタシューム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、クロミウム、エルビウム、シルバー、イッテルビウム、マーキュリー、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノンの一群から選択される原子から成る、請求項1に記載のシステム。
  3. 電極の配列によって生成される電場が、10V/mと2×10V/mとの間である、請求項1に記載のシステム。
  4. 原子集団が、少なくとも二つの横方向軸に沿って、2mKより小さい温度を有する、請求項1に記載のシステム。
  5. 原子集団が、軸に沿って方向付けられた原子ビームによって供給される、請求項1に記載のシステム。
  6. レーザ照射のビームが、相互に実質的に直角に方向付けられた正確な二つのビームから成る、請求項5に記載のシステム。
  7. 原子集団が、磁気光学トラップに制限される原子によって提供される、請求項1に記載のシステム。
  8. 光イオン化された気体イオンソースのためにイオンを生成する、原子を共鳴イオン化するための方法であって、
    (a)空間の領域において方向を有する電場を提供するステップと、
    (b)前記空間の領域における電場において光イオン化共鳴を有する原子集団を提供するステップと、
    (c)原子の少なくとも一部に、一つ又はそれ以上のレーザ照射のビームを適用するステップと、
    (d)結果としてイオンを生成する、光イオン化共鳴を用いて、レーザビームが適用される原子の少なくとも一部をイオン化するステップと、
    (e)提供される電場の方向にビームを形成するために、イオンを加速するステップと、及び
    (f)約10−6ミリバール以下まで低圧されるバキュームチャンバを提供するステップであって、前記バキュームチャンバは少なくとも、原子集団、電極の少なくとも一部、前記原子集団と重なり合うレーザ照射のビームの一部、及びイオンのビーム、を含むように構成されるものである、ステップと、を含み、
    加速されたイオンは、集束イオンビームの利用において用いられ得るビームを形成するものである、
    原子を共鳴イオン化するための方法。
  9. 原子の少なくとも一部をイオン化するステップが、準束縛状態を採用することによって原子を光イオン化するステップを含み、準束縛状態は10μsよりも短い寿命を有する、
    請求項8に記載の方法。
  10. 原子の少なくとも一つをイオン化するステップにおいて、原子が、フィールドフリーイオン化ポテンシャルを有し、光エネルギを供給するレーザ照射を、電気的にフィールドフリーイオン化ポテンシャルと実質的に等しいそれぞれのイオン化原子に同調することによって付与される、よりも実質的に少ない反跳を前記イオンに付与するものである、請求項8に記載の方法。
  11. 原子の少なくとも一部をイオン化するステップが、原子集団及びイオンにおいて、イオン化共鳴を介して原子の少なくとも一部の励起を抑制する、一つ又はそれ以上の電気的多重極相互作用を誘導する、請求項8に記載の方法。
  12. 電気的多重極相互作用が、原子の二つ又はそれ以上の双極子モーメントの間における相互作用によって実質的に生成される、請求項11に記載の方法。
  13. 電気的多重極相互作用が、イオンの電場と原子の少なくとも一つの双極子モーメントとの間の相互作用によって実質的に生成される、請求項11に記載の方法。
  14. ある期間にわたって、レーザ照射の前記ビームの強度を実質的に変化させるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  15. 大きさ及び方向を有する、実質的に制御可能な印加される電場を生成するように構成される電場発生器と、
    印加される電場において光イオン化共鳴を有する原子集団の少なくとも一部をイオン化する、照射の一つ又はそれ以上のビームを生成するように構成される一つ又はそれ以上の照射ソースであって、イオンの少なくとも一つのビームを形成するように電場によって加速されるイオンを光イオン化共鳴を用いて生成する、照射ソースと、及び
    約10−6ミリバール以下まで低圧されるように構成され、原子の少なくとも一部、電場発生器の少なくとも一部、原子集団と重なり合う照射のビームの一部、及びイオンビームを集束するためのイオンのビームを含むように構成される、バキュームチャンバと、
    を含む、光イオン化システム。
  16. 一つ又はそれ以上の照射ソースが、相互に関して角度付けされたレーザ照射のビームを生成するように位置付けられる、請求項15に記載の光イオン化システム。
  17. 一つ又はそれ以上の照射ソースが、準束縛状態を採用することによって原子の少なくとも一部を光イオン化するための照射を提供するように構成され、準束縛状態は、10μsより短い寿命を有する、請求項15に記載の光イオン化システム。
  18. 一つ又はそれ以上の照射ソースが、フィールドフリーイオン化ポテンシャルを有する原子の少なくとも一部をイオン化するように構成され、光エネルギを供給する一つ又はそれ以上の照射ソースを、電気的フィールドフリーイオン化ポテンシャルと実質的に等しいそれぞれのイオン化原子に同調することによって付与されるよりも実質的に少ない反跳を前記イオンに付与するように構成される、請求項15に記載の光イオン化システム。
  19. 電場発生器が、印加される電場を生成するために連携する複数の電極を含む、請求項15に記載の光イオン化システム。
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