JP2017217226A - 画像表示装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】視覚機能低下の症状の模擬の忠実性を向上させる。
【解決手段】画像表示装置は、画像表示部と、症状設定部と、視線方向検出部と、表示制御部とを備える。画像表示部は、右眼用画像を右眼により視認されるように表示し、左眼用画像を左眼により視認されるように表示する。症状設定部は、右眼と左眼との少なくとも一方に、視覚機能低下の症状を模擬的に表す症状画像領域を対応付ける。視線方向検出部は、右眼および左眼の視線方向を検出する。表示制御部は、右眼に症状画像領域が対応付けられている場合には、右眼の視線方向に対応する位置に症状画像領域が配置された画像を右眼用画像として供給し、左眼に症状画像領域が対応付けられている場合には、左眼の視線方向に対応する位置に症状画像領域が配置された画像を左眼用画像として供給する。
【選択図】図4

Description

本明細書に開示される技術は、画像表示装置に関する。
視覚機能低下の1つである緑内障(視野欠損)の研究や教育等のため、画像の一部の領域を緑内障の症状を模擬的に表す症状画像(例えば、黒色のマスク画像)に置き換える画像処理を行い、画像処理後の画像を表示することにより、使用者に緑内障の症状を仮想的に体験させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、緑内障の症状の模擬の忠実性を向上させるため、使用者の視線方向を検出し、視線方向の変化に合わせて症状画像(マスク画像)の位置を変化させる技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2000−338857号公報
フィオナ・シー・グレン(Fiona C Glen)、外2名、"コンピュータベースのドライビングテストにおける障害物検出への高位および低位の視野欠損の影響(Impact of superior and inferior visual field loss on hazard detection in a computer-based driving test)"、[online]、平成26年11月25日、英国眼科学会報(British Journal of Ophthalmology )、[平成28年4月11日検索]、インターネット〈URL:http://bjo.bmj.com/content/99/5/613.short〉
一般に、緑内障の症状は、右眼と左眼との一方または両方に、個別に生ずる。しかし、上記従来の技術では、表示された1つの症状画像(マスク画像)が使用者の両眼により視認されるため、緑内障の症状の模擬の忠実性が十分に高いとは言えないという課題がある。なお、このような課題は、緑内障に限らず、視覚機能低下の症状を模擬する場合に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される画像表示装置は、画像表示装置であって、右眼用画像を、右眼により視認され、かつ、左眼により視認されないように表示し、左眼用画像を、左眼により視認され、かつ、右眼により視認されないように表示する画像表示部と、右眼と左眼との少なくとも一方に、視覚機能低下の症状を模擬的に表す画像領域である症状画像領域を対応付ける症状設定部と、使用者の右眼および左眼の視線方向を検出する視線方向検出部と、前記右眼用画像および前記左眼用画像を前記画像表示部に供給する表示制御部であって、右眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、検出された右眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記右眼用画像として供給し、左眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、検出された左眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記左眼用画像として供給する表示制御部と、を備える。本画像表示装置によれば、右眼に対応付けられた症状画像領域は、使用者の右眼により、右眼の視線方向に対応する位置に視認され、かつ、左眼によっては視認されず、左眼に対応付けられた症状画像領域は、使用者の左眼により、左眼の視線方向に対応する位置に視認され、かつ、右眼によっては視認されない。そのため、本画像表示装置によれば、使用者に視覚機能低下の症状を仮想的に体験させる際に、使用者の眼の状態を、視覚機能低下の症状を有する状態に極めて近い状態にすることができ、視覚機能低下の症状の模擬の忠実性を向上させることができる。
(2)上記画像表示装置において、前記症状設定部は、右眼と左眼との両方に、互いに独立して設定された前記症状画像領域を対応付ける構成としてもよい。本画像表示装置によれば、右眼と左眼とに個別に生じ得る視覚機能低下の症状を高い忠実性で模擬することができる。
(3)上記画像表示装置において、前記画像表示部は、前記右眼用画像および前記左眼用画像を表示面に表示する表示実行部と、前記使用者の左眼から前記表示面への視線と、前記使用者の右眼から前記表示面への視線とを、所定の周期で交互に遮るシャッター部と、を含み、前記表示制御部は、前記右眼用画像と、前記左眼用画像とを、前記所定の周期に同期した周期で交互に前記画像表示部に供給する構成としてもよい。本画像表示装置によれば、簡易な構成で視覚機能低下の症状の忠実な模擬を実現することができる。
(4)上記画像表示装置において、前記画像表示部は、前記右眼用画像を前記使用者の右眼に視認させる右眼用表示実行部と、前記右眼用表示実行部とは独立して設けられ、前記左眼用画像を前記使用者の左眼に視認させる左眼用表示実行部と、を含むヘッドマウントディスプレイである構成としてもよい。本画像表示装置によれば、使用者の眼の位置と画像の表示位置との関係が固定されるため、視覚機能低下の症状の模擬の忠実性を一層向上させることができると共に、使用者が所望の場所で、かつ、移動することが可能な状況で、視覚機能低下の症状を仮想的に体験することができる。
(5)上記画像表示装置において、さらに、前記視覚機能低下の症状の無い視界を模擬的に表す正常画像を記憶する記憶部を備え、前記表示制御部は、右眼に前記症状画像領域が対応付けられていない場合には、前記正常画像を前記右眼用画像として供給し、右眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、前記正常画像における検出された右眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記右眼用画像として供給し、左眼に前記症状画像領域が対応付けられていない場合には、前記正常画像を前記左眼用画像として供給し、左眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、前記正常画像における検出された左眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記左眼用画像として供給する構成としてもよい。本画像表示装置によれば、正常画像を適切に設定することにより、視覚機能低下の症状が使用者の行動に与える影響を効率的に検証することができる。
(6)上記画像表示装置において、前記ヘッドマウントディスプレイは、前記右眼用画像および前記左眼用画像を現実の外景に重ねて前記使用者に視認させる光学透過型のヘッドマウントディスプレイであり、前記右眼用画像および前記左眼用画像は、前記症状画像領域のみから構成されている構成としてもよい。本画像表示装置によれば、使用者が視覚機能低下の症状によって現実の外景がどのように視認されるようになるかを仮想的に忠実に模擬することができる。
(7)上記画像表示装置において、前記症状画像領域は、視野欠損を模擬的に表すマスク画像領域である構成としてもよい。本画像表示装置によれば、使用者に緑内障の症状(視野欠損)を仮想的に体験させる際に、使用者の眼の状態を、緑内障の症状を有する状態に極めて近い状態にすることができ、緑内障の症状の模擬の忠実性を向上させることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像表示装置、画像表示システム、画像表示装置または画像表示システムの制御方法、それらの方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
第1実施形態における画像表示装置としてのドライビングシミュレータ100の概略構成を示す説明図である。 ドライビングシミュレータ100の概略構成を示すブロック図である。 視覚機能低下模擬モードにおけるドライビングシミュレータ100の制御処理の流れを示すフローチャートである。 視覚機能低下模擬モードにおけるドライビングシミュレータ100の制御処理の実行中に使用者USに視認される画像の一例を示す説明図である。 視覚機能低下模擬モードにおけるドライビングシミュレータ100の制御処理の実行中に使用者USに視認される画像の一例を示す説明図である。 第2実施形態における画像表示装置としての頭部装着型画像表示装置(HMD)200の概略構成を示すブロック図である。 視覚機能低下模擬モードにおけるHMD200の制御処理の流れを示すフローチャートである。 視覚機能低下模擬モードにおけるHMD200の制御処理の実行中に使用者USに視認される視野FOVの一例を示す説明図である。 視覚機能低下模擬モードにおけるHMD200の制御処理の実行中に使用者USに視認される視野FOVの一例を示す説明図である。
A.第1実施形態:
視覚機能低下の1つである緑内障(視野欠損)は、例えば自動車の運転時において、進行方向の障害物の見落としにつながる可能性がある。その評価や対応策の検討のために、本明細書に開示される技術を用いた例(本技術をドライビングシミュレータ100に適用した例)を以下に説明する。
A−1.ドライビングシミュレータ100の構成:
図1は、第1実施形態における画像表示装置としてのドライビングシミュレータ100の概略構成を示す説明図であり、図2は、ドライビングシミュレータ100の概略構成を示すブロック図である。ドライビングシミュレータ100は、画像や音声を利用して、使用者(運転者)USに、自動車の運転を仮想的に体験させる装置である。
図1および図2に示すように、ドライビングシミュレータ100は、スクリーン144と、プロジェクタ142と、スピーカ146と、ステアリングホイール152と、1つまたは複数のペダル154と、眼球向き検出装置170と、頭部装着装置160と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)110とを備える。これらドライビングシミュレータ100を構成する各部は、有線または無線のネットワーク等を介して互いに通信可能に接続されている。
スクリーン144は、自動車を模した筐体104内に設置された運転席102の前方や側方等に設置されている表示面である。プロジェクタ142は、スクリーン144の前面からスクリーン144に向けて画像を表す画像光を投写する装置である。プロジェクタ142が画像光を投写することにより、スクリーン144上に画像が表示される。スクリーン144上に表示される画像としては、仮想的なコース上の各位置における使用者USの視界(車窓からの風景)を模擬的に表す画像(以下、「風景画像SI」という)等が用いられる(図4等参照)。
スピーカ146は、音声を出力する装置である。スピーカ146から出力される音声としては、自動車の走行音を模した音声等が用いられる。
ステアリングホイール152およびペダル154は、実際の自動車のステアリングホイールおよびペダル(アクセルペダルやブレーキペダル等)を模した装置であり、運転席102に着座した使用者USによる模擬運転操作を受け付ける。
眼球向き検出装置170は、ビデオカメラを備えており、筐体104における運転席102に着座した使用者USの顔を撮像可能な位置に固定されている。眼球向き検出装置170は、ビデオカメラにより生成された画像を解析することによって、使用者USの右眼REおよび左眼LEの向きを検出する。なお、ドライビングシミュレータ100に右眼用と左眼用の2つの眼球向き検出装置170が用意されてもよいし、1つの眼球向き検出装置170によって右眼REと左眼LEの両方の向きを検出するものとしてもよい。
頭部装着装置160は、使用者USの頭部に装着されるメガネ型の装置であり、頭部位置検出部164と、シャッター部162とを含む。頭部位置検出部164は、複数のセンサを含み、使用者USの頭部の位置を検出する。頭部位置検出部164によって使用者USの頭部の位置が検出されると、使用者USの右眼REおよび左眼LEの位置が特定される。また、特定された右眼REおよび左眼LEの位置と、眼球向き検出装置170によって検出された使用者USの右眼REおよび左眼LEの向きとにより、右眼REおよび左眼LEの視線方向(画像表示面(スクリーン144)と視線方向との関係)を検出することができる。すなわち、眼球向き検出装置170と頭部装着装置160の頭部位置検出部164とは、使用者USの右眼REおよび左眼LEの視線方向を検出する視線方向検出部として機能する。
頭部装着装置160のシャッター部162は、例えば液晶シャッターにより構成された右眼用シャッターおよび左眼用シャッターを含む。シャッター部162は、設定された周期(例えば、1/60秒の周期)で交互開閉動作を行う。交互開閉動作は、右眼用シャッターが開かれ左眼用シャッターが閉じられた状態(以下、「右眼開状態」という)と、右眼用シャッターが閉じられ左眼用シャッターが開かれた状態(以下、「左眼開状態」という)との切替を行う動作である。なお、上記2つの状態の切替の際に、右眼用シャッターも左眼用シャッターも閉じられた状態や、右眼用シャッターも左眼用シャッターも開かれた状態が経由されるとしてもよい。
シャッター部162が右眼開状態のときには、プロジェクタ142によってスクリーン144上に表示された画像は、使用者USの右眼REにより視認されるが、使用者USの左眼LEからスクリーン144への視線は遮られているため、該画像は、使用者USの左眼LEによっては視認されない。反対に、シャッター部162が左眼開状態のときには、プロジェクタ142によってスクリーン144上に表示された画像は、使用者USの左眼LEにより視認されるが、使用者USの右眼REからスクリーン144への視線は遮られているため、該画像は、使用者USの右眼REによっては視認されない。このように、シャッター部162と、プロジェクタ142およびスクリーン144とは、右眼REに視認されるべき画像(以下、右眼用表示画像DI(r)という)を、右眼REにより視認され、かつ、左眼LEにより視認されないように表示し、左眼LEに視認されるべき画像(以下、左眼用表示画像DI(l)という)を、左眼LEにより視認され、かつ、右眼REにより視認されないように表示する画像表示部として機能する。
PC110は、ドライビングシミュレータ100の各部の動作を制御する装置であり、制御部111と、記憶部116と、操作部118とを備える。操作部118は、例えばキーボードやマウスを含み、管理者による各種の指示を受け付ける。
PC110の記憶部116は、例えばROMやRAM等により構成されており、各種のデータやプログラムを記憶したり、各種のプログラムを実行する際の作業領域やデータの一時的な記憶領域として利用されたりする。例えば、記憶部116には、上述した風景画像SIを表す風景画像データSIdや、後述するマスク画像MIを表すマスク画像データMIdが記憶されている。
PC110の制御部111は、例えばCPUにより構成されており、記憶部116から読み出したプログラムを実行することにより、ドライビングシミュレータ100の各部の動作を制御する。例えば、制御部111は、症状設定部112および表示制御部114として機能する。これら各部の機能については、後述する。
PC110の制御部111は、例えば、ステアリングホイール152の状態(操舵角)やペダル154の状態(踏み込み量)に基づき、上述した仮想的なコース上における自動車の位置や向きを特定し、特定された位置や向きに対応付けられた風景画像SIを表す風景画像データSIdを記憶部116から読み出してプロジェクタ142に供給する。これにより、使用者USによるステアリングホイール152やペダル154の操作に対応した風景画像SIが、プロジェクタ142によってスクリーン144上に表示される。また、制御部111は、ステアリングホイール152の状態やペダル154の状態に基づき、自動車の速度や加速度等を特定し、特定された速度や加速度等に対応付けられた音声を表す音声データを記憶部116から読み出してスピーカ146に供給する。これにより、使用者USによるステアリングホイール152やペダル154の操作に対応した走行音等がスピーカ146から出力される。このような制御部111によるドライビングシミュレータ100の制御が行われることにより、使用者USは、自動車を運転している状況を仮想的に体験することができる。
また、PC110の制御部111は、操作部118を介した管理者の指示に従い、ドライビングシミュレータ100を視覚機能低下模擬モードで動作させる処理を実行することができる。視覚機能低下模擬モードは、使用者USに、視覚機能低下の症状(本実施形態では緑内障による視野欠損)を有した状態での自動車の運転を仮想的に体験させるモードである。視覚機能低下模擬モードは、例えば、視覚機能低下の症状が自動車の運転操作に与える影響を検証するため等に利用される。以下、視覚機能低下模擬モードにおけるドライビングシミュレータ100の制御処理について詳述する。
A−2.視覚機能低下模擬モードにおけるドライビングシミュレータ100の制御処理:
図3は、視覚機能低下模擬モードにおけるドライビングシミュレータ100の制御処理の流れを示すフローチャートである。また、図4および図5は、視覚機能低下模擬モードにおけるドライビングシミュレータ100の制御処理の実行中に使用者USに視認される画像の一例を示す説明図である。
はじめに、PC110の症状設定部112(図2)は、右眼REおよび左眼LEに、緑内障(視野欠損)の症状を模擬的に表す画像領域であるマスク画像MIを対応付ける(S110)。図4に示すように、本実施形態では、マスク画像MIは、視野欠損を表す黒色の画像領域である。マスク画像MIは、特許請求の範囲における症状画像領域に相当する。
ここで、一般に、緑内障の症状は、右眼REと左眼LEとの一方または両方に個別に生ずるため、視野欠損部分の位置や形状は、右眼REと左眼LEとで互いに異なり得る。そのため本実施形態では、右眼REおよび左眼LEのそれぞれに、互いに独立して設定されたマスク画像MIが対応付けられる。図4の上段右側には、左眼LEに対応付けられた左眼用マスク画像MI(l)の一例が示されており、図4の下段右側には、右眼REに対応付けられた右眼用マスク画像MI(r)の一例が示されている。上述したように、PC110の記憶部116には、マスク画像MIを表すマスク画像データMIdが記憶されている。症状設定部112は、操作部118を介した管理者からの指示に従い、右眼REおよび左眼LEのそれぞれに、マスク画像データMIdの表すマスク画像MIの内の1つを対応付ける。
次に、PC110の表示制御部114は、頭部装着装置160のシャッター部162に、交互開閉動作を開始させる(S120)。上述したように、交互開閉動作は、設定された周期(例えば、1/60秒の周期)で、右眼開状態と左眼開状態との切替を行う動作である。
次に、PC110の表示制御部114は、表示対象眼OEを設定する(S130)。表示対象眼OEは、使用者USの右眼REおよび左眼LEの内、画像(右眼用表示画像DI(r)または左眼用表示画像DI(l))を視認させる方の眼である。表示制御部114は、シャッター部162の交互開閉動作において最初に開状態になる側の眼を、表示対象眼OEとして設定する。
次に、PC110の表示制御部114は、ステアリングホイール152およびペダル154の状態を検出し、検出された状態に基づき自動車の位置や向きを特定し、特定された位置や向きに対応付けられた風景画像SIを表す風景画像データSIdを記憶部116から読み出す(S140)。なお、風景画像SIは、緑内障の症状の無い視界を模擬的に表す画像であり、特許請求の範囲における正常画像に相当する。
次に、PC110の表示制御部114は、眼球向き検出装置170および頭部装着装置160の頭部位置検出部164からの信号に基づき、上述したように、表示対象眼OEの視線方向を特定する(S150)。
次に、PC110の表示制御部114は、風景画像SI上に表示対象眼OE用のマスク画像MIを配置した(すなわち、風景画像SIとマスク画像MIとを合成した)表示対象眼OE用の表示画像DIを生成する(S160)。このとき、表示制御部114は、表示対象眼OE用のマスク画像MIを、風景画像SI上における表示対象眼OEの視線方向に対応する位置に配置する。例えば、表示制御部114は、表示対象眼OEの視線方向が予め設定された基準方向(例えば正面方向)に一致する場合には、風景画像SI上における予め設定された基準位置にマスク画像MIを配置し、表示対象眼OEの視線方向が基準方向から右方向にずれている場合には、風景画像SI上における基準位置から右方向にずれた位置にマスク画像MIを配置し、表示対象眼OEの視線方向が基準方向から左方向にずれている場合には、風景画像SI上における基準位置から左方向にずれた位置にマスク画像MIを配置する。上方向および下方向についても同様である。
例えば、図4の上段には、表示対象眼OEである左眼LEの視線方向が基準方向(正面方向)である場合の左眼用表示画像DI(l)の一例が示されており、図5の上段には、表示対象眼OEである左眼LEの視線方向が基準方向から左方向にずれている場合の左眼用表示画像DI(l)の一例が示されている。図5の上段に示された左眼用表示画像DI(l)における左眼用マスク画像MI(l)の位置は、図4の上段に示された左眼用表示画像DI(l)における左眼用マスク画像MI(l)の位置と比べて、向かって左方向にずれている。同様に、図4の下段には、表示対象眼OEである右眼REの視線方向が基準方向(正面方向)である場合の右眼用表示画像DI(r)の一例が示されており、図5の下段には、表示対象眼OEである右眼REの視線方向が基準方向から左方向にずれている場合の右眼用表示画像DI(r)の一例が示されている。図5の下段に示された右眼用表示画像DI(r)における右眼用マスク画像MI(r)の位置は、図4の下段に示された右眼用表示画像DI(r)における右眼用マスク画像MI(r)の位置と比べて、向かって左方向にずれている。
なお、PC110の記憶部116には、表示対象眼OEの視線方向と表示対象眼OE用のマスク画像MIの位置との関係を規定する情報が記憶されており、表示制御部114は、該情報を参照して表示対象眼OE用のマスク画像MIの位置を決定する。表示対象眼OEの視線方向と表示対象眼OE用のマスク画像MIの位置との上記関係は、例えば実験的に定められる。また、マスク画像MIの位置と画像表示可能領域の大きさ(例えばスクリーン144の大きさ)等の関係によっては、マスク画像MIの一部が表示されないことがある。
次に、PC110の表示制御部114は、頭部装着装置160のシャッター部162が、表示対象眼OEが開状態である状態(表示対象眼開状態)になるのを待ち(S170)、シャッター部162が表示対象眼開状態になると(S170:YES)、生成された表示画像DI(左眼用表示画像DI(l)または右眼用表示画像DI(r))を表す画像データをプロジェクタ142に供給する(S180)。これにより、プロジェクタ142が表示画像DIを表す画像光を投写し、スクリーン144上に表示画像DIが表示され、表示された表示画像DIが表示対象眼開状態であるシャッター部162を介して使用者USの表示対象眼OEにより視認される。このとき、表示対象眼開状態であるシャッター部162により、使用者USの表示対象眼OEとは反対側の眼からスクリーン144への視線は遮られているため、スクリーン144上に表示された表示画像DIは該反対側の眼によっては視認されない。
例えば、表示対象眼OEが左眼LEである場合には、図4の上段および図5の上段に示すように、表示対象眼OEである左眼LE用の表示画像DI(左眼用表示画像DI(l))がスクリーン144上に表示され、シャッター部162が左眼開状態である状態となる。この状態では、左眼用マスク画像MI(l)を含む左眼用表示画像DI(l)は、表示対象眼OEである左眼LEにより視認され、右眼REによっては視認されない。
次に、PC110の表示制御部114は、操作部118を介して管理者からの終了指示が取得されたか否かを判定し(S190)、終了指示が取得されていないと判定した場合には(S190:NO)、表示対象眼OEを切り替える(S192)。例えば、これまで表示対象眼OEが左眼LEであった場合には、表示制御部114は、表示対象眼OEを右眼REに切り替える。
その後、新たに設定された表示対象眼OEについて、上述したS140以降の処理が同様に実行される。例えば、S192において表示対象眼OEが左眼LEから右眼REに切り替えられた後には、その時点でのステアリングホイール152およびペダル154の状態に応じた風景画像SIが読み出され(S140)、表示対象眼OEである右眼REの視線方向が特定され(S150)、風景画像SI上における右眼REの視線方向に対応する位置に右眼用マスク画像MI(r)が配置された右眼用表示画像DI(r)が生成され(S160)、シャッター部162が右眼開状態になるのを待って(S170)、右眼用表示画像DI(r)を表す画像データがプロジェクタ142に供給される(S180)。これにより、例えば、図4の下段および図5の下段に示すように、表示対象眼OEである右眼RE用の表示画像DI(右眼用表示画像DI(r))がスクリーン144上に表示され、シャッター部162が右眼開状態となる。この状態では、右眼用マスク画像MI(r)を含む右眼用表示画像DI(r)が、表示対象眼OEである右眼REにより視認され、左眼LEによっては視認されない。
このように、視覚機能低下模擬モードにおけるドライビングシミュレータ100の制御処理では、シャッター部162の交互開閉動作の周期に同期した周期で、プロジェクタ142によりスクリーン144上に左眼用表示画像DI(l)と右眼用表示画像DI(r)とが交互に表示される。このような動作が繰り返し実行されているときに、操作部118を介して管理者からの終了指示が取得されると(S190:YES)、制御部111は制御処理を終了する。
A−3.第1実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のドライビングシミュレータ100では、視覚機能低下模擬モードにおいて、症状設定部112が、右眼REおよび左眼LEに視覚機能低下の症状を模擬的に表す画像領域であるマスク画像MIを対応付け、頭部位置検出部164および眼球向き検出装置170が、使用者USの右眼REおよび左眼LEの視線方向を検出し、表示制御部114が、検出された右眼REの視線方向に対応する位置に右眼用マスク画像MI(r)が配置された右眼用表示画像DI(r)をプロジェクタ142に供給すると共に、検出された左眼LEの視線方向に対応する位置に左眼用マスク画像MI(l)が配置された左眼用表示画像DI(l)をプロジェクタ142に供給することにより、プロジェクタ142、スクリーン144およびシャッター部162が、右眼用表示画像DI(r)を、右眼REにより視認され、かつ、左眼LEにより視認されないように表示し、左眼用表示画像DI(l)を、左眼LEにより視認され、かつ、右眼REにより視認されないように表示する。すなわち、本実施形態のドライビングシミュレータ100によれば、右眼用マスク画像MI(r)は、使用者USの右眼REにより、右眼REの視線方向に対応する位置に視認され、かつ、左眼LEによっては視認されず、左眼用マスク画像MI(l)は、使用者USの左眼LEにより、左眼LEの視線方向に対応する位置に視認され、かつ、右眼REによっては視認されない。そのため、本実施形態のドライビングシミュレータ100によれば、使用者USに緑内障の症状(視野欠損)を仮想的に体験させる際に、使用者USの右眼REおよび左眼LEの状態を、緑内障を罹患した状態に極めて近い状態にすることができ、緑内障の症状の模擬の忠実性を向上させることができる。
また、本実施形態のドライビングシミュレータ100では、PC110の症状設定部112は、右眼REと左眼LEとの両方に、互いに独立して設定されたマスク画像MIを対応付けるため、右眼REと左眼LEとに個別に生じ得る緑内障の症状を高い忠実性で模擬することができる。
また、本実施形態のドライビングシミュレータ100は、右眼用表示画像DI(r)および左眼用表示画像DI(l)をスクリーン144に表示するプロジェクタ142と、使用者USの左眼LEからスクリーン144への視線と、使用者USの右眼REからスクリーン144への視線とを、所定の周期で交互に遮るシャッター部162とを備え、表示制御部114は、右眼用表示画像DI(r)と左眼用表示画像DI(l)とを、シャッター部162の動作周期に同期した周期で交互にプロジェクタ142に供給する。そのため、本実施形態のドライビングシミュレータ100によれば、簡易な構成で緑内障の症状の忠実な模擬を実現することができる。
また、本実施形態のドライビングシミュレータ100では、PC110の記憶部116は、緑内障の症状の無い使用者USの視界を模擬的に表す風景画像SIを記憶しており、表示制御部114は、風景画像SIにおける右眼REの視線方向に対応する位置に右眼用マスク画像MI(r)が配置された画像を右眼用表示画像DI(r)として供給し、風景画像SIにおける左眼LEの視線方向に対応する位置に左眼用マスク画像MI(l)が配置された画像を左眼用表示画像DI(l)として供給する。そのため、本実施形態のドライビングシミュレータ100によれば、風景画像SIを適切に設定することにより、緑内障の症状が使用者の行動に与える影響(例えば、自動車の運転操作に与える影響等)を効率的に検証することができる。
B.第2実施形態:
B−1.頭部装着型画像表示装置(HMD)200の構成:
図6は、第2実施形態における画像表示装置としての頭部装着型画像表示装置(Head Mounted Display、以下「HMD」という)200の概略構成を示すブロック図である。HMD200は、使用者USの頭部に装着された状態で、使用者USに画像(虚像)を視認させるメガネ型の装置である。本実施形態のHMD200は、画像を現実の外景に重ねて使用者USに視認させる光学透過型のヘッドマウントディスプレイである。
HMD200は、右眼用表示実行部242と、左眼用表示実行部244と、イヤホン246と、眼球向き検出部270と、制御部211と、記憶部216と、操作部218とを備える。イヤホン246は、使用者USの耳に装着され、音声を出力するデバイスである。
右眼用表示実行部242は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示素子と、光学系とを備えており、右眼用表示画像DI(r)を表す画像光を生成して使用者USの右眼REに導くことにより、使用者USの右眼REに右眼用表示画像DI(r)を視認させる。また、左眼用表示実行部244は、右眼用表示実行部242と同様に、例えば、液晶ディスプレイ等の表示素子と、光学系とを備えており、左眼用表示画像DI(l)を表す画像光を生成して使用者USの左眼LEに導くことにより、使用者USの左眼LEに左眼用表示画像DI(l)を視認させる。このように、HMD200には、右眼用表示実行部242と左眼用表示実行部244とが互いに独立して設けられており、右眼用表示実行部242により生成された右眼用表示画像DI(r)は使用者USの左眼LEによっては視認されず、左眼用表示実行部244により生成された左眼用表示画像DI(l)は使用者USの右眼REによっては視認されない。右眼用表示実行部242と左眼用表示実行部244とは、特許請求の範囲における画像表示部に相当する。
眼球向き検出部270は、ビデオカメラを備えており、使用者USの右眼REおよび左眼LEを撮像可能な位置に固定されている。眼球向き検出部270は、ビデオカメラにより生成された画像を解析することによって、使用者USの右眼REおよび左眼LEの視線方向(画像表示面と視線方向との関係)を検出する。なお、HMD200に右眼用と左眼用の2つの眼球向き検出部270が用意されてもよいし、1つの眼球向き検出部270によって右眼と左眼の両方の視線方向を検出するものとしてもよい。
操作部218は、例えばボタンや等を含み、使用者USによる各種の指示を受け付ける。なお、操作部218は、頭部に装着されるメガネ型の筐体の内部に配置されてもよいし、頭部に装着されるメガネ型の筐体に対して信号線を介して接続された別体として構成されてもよい。
記憶部216は、例えばROMやRAM等により構成されており、各種のデータやプログラムを記憶したり、各種のプログラムを実行する際の作業領域やデータの一時的な記憶領域として利用されたりする。例えば、記憶部216には、第1実施形態と同様のマスク画像MIを表すマスク画像データMIdが記憶されている。
制御部211は、例えばCPUにより構成されており、記憶部216から読み出したプログラムを実行することにより、200の各部の動作を制御する。例えば、制御部211は、症状設定部212および表示制御部214として機能する。これら各部の機能については、後述する。
制御部211は、例えば、映画やWebサイト、ゲーム画面等の画像を表す画像データを記憶部216から読み出して、右眼用表示実行部242および左眼用表示実行部244に供給する。これにより、使用者USの右眼REに右眼用表示画像DI(r)が視認され、使用者USの左眼LEに左眼用表示画像DI(l)が視認される。
また、制御部211は、操作部218を介した使用者USの指示に従い、HMD200を視覚機能低下模擬モードで動作させる処理を実行することができる。視覚機能低下模擬モードは、使用者USに、視覚機能低下の症状(本実施形態では緑内障による視野欠損)を有した状態を仮想的に体験させるモードである。視覚機能低下模擬モードは、例えば、視覚機能低下の症状が使用者USの知覚や行動に与える影響を研究するため等に利用される。以下、視覚機能低下模擬モードにおけるHMD200の制御処理について詳述する。
B−2.視覚機能低下模擬モードにおけるHMD200の制御処理:
図7は、視覚機能低下模擬モードにおけるHMD200の制御処理の流れを示すフローチャートである。また、図8および図9は、視覚機能低下模擬モードにおけるHMD200の制御処理の実行中に使用者USに視認される視野FOVの一例を示す説明図である。
はじめに、制御部211の症状設定部212(図6)は、右眼REおよび左眼LEにマスク画像MIを対応付ける(S210)。S210の処理内容は、第1実施形態の制御処理(図3)におけるS110の処理内容と同様であるため、説明を省略する。図8の上段右側には、左眼LEに対応付けられた左眼用マスク画像MI(l)の一例が示されており、図8の下段右側には、右眼REに対応付けられた右眼用マスク画像MI(r)の一例が示されている。
次に、制御部211の表示制御部214は、眼球向き検出部270からの信号に基づき、上述したように、右眼REおよび左眼LEの視線方向を特定する(S250)。
次に、表示制御部214は、マスク画像MIのみから構成された表示画像DI(右眼用表示画像DI(r)および左眼用表示画像DI(l))を生成する(S260)。ここで、マスク画像MIのみから構成された表示画像DIとは、液晶ディスプレイ等の表示素子の表示可能領域における一部の領域にマスク画像MIが配置され、残りの一部には画像が配置されない(すなわち、表示素子から画像光が出力されない)画像である。また、表示制御部214は、右眼用表示画像DI(r)において、右眼用マスク画像MI(r)を右眼REの視線方向に対応する位置に配置し、左眼用表示画像DI(l)において、左眼用マスク画像MI(l)を左眼LEの視線方向に対応する位置に配置する。
例えば、図8の上段には、左眼LEの視線方向が基準方向(正面方向)である場合の左眼用表示画像DI(l)の一例が示されており、図9の上段には、左眼LEの視線方向が基準方向から左方向にずれている場合の左眼用表示画像DI(l)の一例が示されている。図9の上段に示された左眼用表示画像DI(l)、すなわち、左眼用マスク画像MI(l)の位置は、図8の上段に示された左眼用表示画像DI(l)、すなわち、左眼用マスク画像MI(l)の位置と比べて、向かって左方向にずれている。同様に、図8の下段には、右眼REの視線方向が基準方向(正面方向)である場合の右眼用表示画像DI(r)の一例が示されており、図9の下段には、右眼REの視線方向が基準方向から左方向にずれている場合の右眼用表示画像DI(r)の一例が示されている。図9の下段に示された右眼用表示画像DI(r)、すなわち、右眼用マスク画像MI(r)の位置は、図8の下段に示された右眼用表示画像DI(r)、すなわち、右眼用マスク画像MI(r)の位置と比べて、向かって左方向にずれている。
次に、表示制御部214は、生成された右眼用表示画像DI(r)および左眼用表示画像DI(l)を表す画像データを、それぞれ、右眼用表示実行部242および左眼用表示実行部244に供給する(S280)。これにより、図8の上段および図9の上段に示すように、使用者USの左眼LEに、左眼用マスク画像MI(l)のみから構成された左眼用表示画像DI(l)が視認される。また、図8の下段および図9の下段に示すように、使用者USの右眼REに、右眼用マスク画像MI(r)のみから構成された右眼用表示画像DI(r)が視認される。なお、右眼REおよび左眼LEについて、使用者USの視野FOVの内、表示画像DIが視認されない領域には、光学透過型のHMD200を介して現実の外景RSが視認される。
次に、表示制御部214は、操作部218を介して使用者USからの終了指示が取得されたか否かを判定し(S290)、終了指示が取得されていないと判定した場合には(S290:NO)、上述したS250以降の処理を同様に実行する。このような動作が繰り返し実行されているときに、操作部218を介して使用者USからの終了指示が取得されると(S290:YES)、制御部211は制御処理を終了する。
B−3.第2実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のHMD200では、視覚機能低下模擬モードにおいて、症状設定部212が、右眼REおよび左眼LEに視覚機能低下の症状を模擬的に表す画像領域であるマスク画像MIを対応付け、眼球向き検出部270が、使用者USの右眼REおよび左眼LEの視線方向を検出し、表示制御部214が、検出された右眼REの視線方向に対応する位置に右眼用マスク画像MI(r)が配置された右眼用表示画像DI(r)を右眼用表示実行部242に供給すると共に、検出された左眼LEの視線方向に対応する位置に左眼用マスク画像MI(l)が配置された左眼用表示画像DI(l)を左眼用表示実行部244に供給することにより、右眼用表示実行部242および左眼用表示実行部244が、右眼用表示画像DI(r)を、右眼REにより視認され、かつ、左眼LEにより視認されないように表示し、左眼用表示画像DI(l)を、左眼LEにより視認され、かつ、右眼REにより視認されないように表示する。すなわち、本実施形態のHMD200によれば、右眼用マスク画像MI(r)は、使用者USの右眼REにより、右眼REの視線方向に対応する位置に視認され、かつ、左眼LEによっては視認されず、左眼用マスク画像MI(l)は、使用者USの左眼LEにより、左眼LEの視線方向に対応する位置に視認され、かつ、右眼REによっては視認されない。そのため、本実施形態のHMD200によれば、使用者USに緑内障の症状(視野欠損)を仮想的に体験させる際に、使用者USの右眼REおよび左眼LEの状態を、緑内障を罹患した状態に極めて近い状態にすることができ、緑内障の症状の模擬の忠実性を向上させることができる。
また、本実施形態のHMD200では、症状設定部212は、右眼REと左眼LEとの両方に、互いに独立して設定されたマスク画像MIを対応付けるため、右眼REと左眼LEとに個別に生じ得る緑内障の症状を高い忠実性で模擬することができる。
また、本実施形態のHMD200は、右眼用表示画像DI(r)を使用者USの右眼REに視認させる右眼用表示実行部242と、右眼用表示実行部242とは独立して設けられ、左眼用表示画像DI(l)を使用者USの左眼LEに視認させる左眼用表示実行部244とを備えるヘッドマウントディスプレイである。そのため、本実施形態のHMD200によれば、使用者USの眼の位置と画像の表示位置との関係が固定されるため、緑内障の症状の模擬の忠実性を一層向上させることができると共に、使用者USが所望の場所で、かつ、移動することが可能な状況で、緑内障の症状を仮想的に体験することができる。
また、本実施形態のHMD200は、画像を現実の外景RSに重ねて使用者USに視認させる光学透過型のヘッドマウントディスプレイであり、表示画像DI(右眼用表示画像DI(r)および左眼用表示画像DI(l))はマスク画像MIのみから構成されている。そのため、本実施形態のHMD200によれば、使用者USが視野欠損によって現実の外景RSがどのように視認されるようになるかを仮想的に忠実に模擬することができる。
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記第1実施形態におけるドライビングシミュレータ100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記第1実施形態では、ドライビングシミュレータ100はスクリーン144の前面から画像光を投写するフロントプロジェクション型のプロジェクタ142を備えるとしているが、ドライビングシミュレータ100がスクリーン144の背面から画像光を投写するリアプロジェクション型のプロジェクタを備えるとしてもよい。また、ドライビングシミュレータ100が、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の他の種類の画像表示デバイスを備えるとしてもよい。
また、上記第1実施形態では、眼球向き検出装置170が筐体104に固定されているとしているが、眼球向き検出装置170が頭部装着装置160に固定されているとしてもよい。また、上記各実施形態では、ビデオカメラを用いて眼球向き(視線方向)を検出するとしているが、電位センサ等の他のデバイスを用いて眼球向き(視線方向)を検出するとしてもよい。
また、上記第1実施形態では、ドライビングシミュレータ100の動作の制御のためにPC110が用いられているが、ドライビングシミュレータ100の動作の制御のために用いられる装置は、PC110に限られず、他の種類のコンピュータであってもよい。
また、上記第2実施形態におけるHMD200の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記第2実施形態では、HMD200は、画像を現実の外景に重ねて使用者USに視認させる光学透過型のヘッドマウントディスプレイであるとしているが、HMD200は、カメラにより外景を撮像することにより使用者USに外景を視認させるビデオ透過型のヘッドマウントディスプレイであるとしてもよいし、使用者USに外景を視認させない非透過型のヘッドマウントディスプレイであるとしてもよい。
また、上記各実施形態における制御処理(図3および図7)の内容は、あくまで一例であり、該処理における一部のステップを省略したり、内容を変更したり、他のステップと順番を入れ替えたりしてもよい。例えば、上記各実施形態では、症状設定部112,212が、右眼REと左眼LEとの両方にマスク画像MIを対応付けるとしているが、症状設定部112,212は、右眼REと左眼LEとの一方のみにマスク画像MIを対応付けるとしてもよい。例えば、第1実施形態において、右眼REと左眼LEとの一方のみにマスク画像MIが対応付けられる場合には、マスク画像MIが対応付けられない眼についての表示画像DIは、風景画像SIのみから構成される。また、例えば、第2実施形態において、右眼REと左眼LEとの一方のみにマスク画像MIが対応付けられる場合には、マスク画像MIが対応付けられない眼については画像が表示されない。このようにすれば、右眼REと左眼LEとの一方のみに緑内障の症状を有する状態を模擬することができ、例えば、視野欠損の症状が利き眼にあるときと、利き眼とは反対側の眼にあるときとで、見え方や行動への影響がどのように異なるかを調べることができる。
また、上記各実施形態の制御処理において、右眼用表示画像DI(r)と左眼用表示画像DI(l)とを微妙に異ならせることにより、使用者USに3D画像を視認させるとしてもよい。
また、上記第2実施形態の制御処理では、表示画像DI(右眼用表示画像DI(r)および左眼用表示画像DI(l))がマスク画像MIのみから構成されるとしているが、第1実施形態の制御処理と同様に、表示画像DIが風景画像SI上にマスク画像MIが配置された構成であるとしてもよい。
また、上記各実施形態において、ハードウェアによって実現されている構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、反対に、ソフトウェアによって実現されている構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、視覚機能低下として緑内障を例に挙げて説明したが、本発明は、緑内障以外の視覚機能低下の症状(例えば視野の一部の白濁等)を模擬する際にも同様に適用することができる。
100:ドライビングシミュレータ 102:運転席 104:筐体 110:パーソナルコンピュータ(PC) 111:制御部 112:症状設定部 114:表示制御部 116:記憶部 118:操作部 142:プロジェクタ 144:スクリーン 146:スピーカ 152:ステアリングホイール 154:ペダル 160:頭部装着装置 162:シャッター部 164:頭部位置検出部 170:眼球向き検出装置 200:頭部装着型画像表示装置(HMD) 211:制御部 212:症状設定部 214:表示制御部 216:記憶部 218:操作部 242:右眼用表示実行部 244:左眼用表示実行部 246:イヤホン 270:眼球向き検出部

Claims (8)

  1. 画像表示装置であって、
    右眼用画像を、右眼により視認され、かつ、左眼により視認されないように表示し、左眼用画像を、左眼により視認され、かつ、右眼により視認されないように表示する画像表示部と、
    右眼と左眼との少なくとも一方に、視覚機能低下の症状を模擬的に表す画像領域である症状画像領域を対応付ける症状設定部と、
    使用者の右眼および左眼の視線方向を検出する視線方向検出部と、
    前記右眼用画像および前記左眼用画像を前記画像表示部に供給する表示制御部であって、右眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、検出された右眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記右眼用画像として供給し、左眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、検出された左眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記左眼用画像として供給する表示制御部と、
    を備える、画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記症状設定部は、右眼と左眼との両方に、互いに独立して設定された前記症状画像領域を対応付ける、画像表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像表示装置であって、
    前記画像表示部は、
    前記右眼用画像および前記左眼用画像を表示面に表示する表示実行部と、
    前記使用者の左眼から前記表示面への視線と、前記使用者の右眼から前記表示面への視線とを、所定の周期で交互に遮るシャッター部と、
    を含み、
    前記表示制御部は、前記右眼用画像と、前記左眼用画像とを、前記所定の周期に同期した周期で交互に前記画像表示部に供給する、画像表示装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の画像表示装置であって、
    前記画像表示部は、
    前記右眼用画像を前記使用者の右眼に視認させる右眼用表示実行部と、
    前記右眼用表示実行部とは独立して設けられ、前記左眼用画像を前記使用者の左眼に視認させる左眼用表示実行部と、
    を含むヘッドマウントディスプレイである、画像表示装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の画像表示装置であって、さらに、
    前記視覚機能低下の症状の無い視界を模擬的に表す正常画像を記憶する記憶部を備え、
    前記表示制御部は、
    右眼に前記症状画像領域が対応付けられていない場合には、前記正常画像を前記右眼用画像として供給し、右眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、前記正常画像における検出された右眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記右眼用画像として供給し、
    左眼に前記症状画像領域が対応付けられていない場合には、前記正常画像を前記左眼用画像として供給し、左眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、前記正常画像における検出された左眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記左眼用画像として供給する、画像表示装置。
  6. 請求項4に記載の画像表示装置であって、
    前記ヘッドマウントディスプレイは、前記右眼用画像および前記左眼用画像を現実の外景に重ねて前記使用者に視認させる光学透過型のヘッドマウントディスプレイであり、
    前記右眼用画像および前記左眼用画像は、前記症状画像領域のみから構成されている、画像表示装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の画像表示装置であって、
    前記症状画像領域は、視野欠損を模擬的に表すマスク画像領域である、画像表示装置。
  8. 画像表示装置のコンピュータに、
    右眼用画像を、右眼により視認され、かつ、左眼により視認されないように表示し、左眼用画像を、左眼により視認され、かつ、右眼により視認されないように表示する処理と、
    右眼と左眼との少なくとも一方に、視覚機能低下の症状を模擬的に表す画像領域である症状画像領域を対応付ける処理と、
    使用者の右眼および左眼の視線方向を検出する処理と、
    前記右眼用画像および前記左眼用画像を供給する処理であって、右眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、検出された右眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記右眼用画像として供給し、左眼に前記症状画像領域が対応付けられている場合には、検出された左眼の視線方向に対応する位置に前記症状画像領域が配置された画像を前記左眼用画像として供給する処理と、
    を実行させる、コンピュータプログラム。
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